JP2024032642A - レンズ及びレンズユニット - Google Patents

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JP2024032642A JP2023060060A JP2023060060A JP2024032642A JP 2024032642 A JP2024032642 A JP 2024032642A JP 2023060060 A JP2023060060 A JP 2023060060A JP 2023060060 A JP2023060060 A JP 2023060060A JP 2024032642 A JP2024032642 A JP 2024032642A
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賢治 山中
Kenji Yamanaka
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Abstract

【課題】光学性能を確保しながらレンズ保持部分を小型にできるレンズを提供する。【解決手段】ガラスのプレス成形品であり、光軸方向の両側にレンズ面(43、44)を有し、プレス成形に伴う形状誤差を許容する体積吸収部(46、47)をレンズ面の周囲に有する光学機能部(41)と、光学機能部のガラスとは異なる材質からなり、体積吸収部の外側を囲んで光学機能部の外周面(45)と固定され、レンズ位置の基準となる位置基準面(42a、42b、42c)を有するコバ部(42)と、を備え、コバ部の外周面(42c)により規定される光軸直交方向の外径Dと、コバ部の光軸方向の厚さtとが、条件(1)又は(2)を満たすレンズ。(1)2mm≦D≦5mmにおいて、0.15≦t≦0.35(2)D>5mmにおいて、0.15+(D-5)×0.03≦t≦0.15+(D-5)×0.07【選択図】図4

Description

本発明は、レンズ及びレンズユニットに関する。
近年、スマートフォンなどの携帯型の電子機器への撮像手段の搭載が広く普及しており、撮像手段を小型で高性能なものにしたいという要求が高くなっている。そして、撮像手段を構成するレンズについては、光学的な性能が高いことや、レンズを保持する保持部材に対して高精度に位置決めできることなどを満たしつつ、できるだけ小型且つ軽量にすることが求められている。
一般的に、レンズは、レンズ面を有して光学的に機能する本体部分の周縁にコバ部を有し、コバ部を保持部材に固定させて位置が定められる。レンズの位置は、光軸方向の位置と、光軸に垂直な方向の位置と、光学系の光軸に対する傾きとで管理される。例えば、コバ部が、光軸方向の前後の少なくとも一方に、光軸に対して垂直な平面を有しており、この平面を基準として光軸方向のレンズ位置を定める。また、コバ部が、光軸を囲む円筒状の外周面を有しており、この外周面を基準として光軸に垂直な方向(以下、光軸直交方向と呼ぶ)のレンズ位置を定める場合もある。
レンズを位置決めする別の形態として、コバ部が、光軸に対して平行でも垂直でもないテーパ面を備えていて、このテーパ面を基準として、光軸方向の位置と光軸直交方向の位置をまとめて管理することも行われている。
レンズの小型化や軽量化の一環として、コバ部を光軸方向に薄型化することが望まれている。しかし、以下のような理由によって、ガラスレンズにおけるコバ部の形状や構造の自由度には制約があり、コバ部を十分に薄型化することが難しかった。
ガラスプリフォームを成形型でプレス成形して製造されるガラスモールドレンズでは、ガラスプリフォームの容量や供給位置、成形型の内部空間(型空間)の体積などに関する各種の誤差を吸収するために、コバ部に体積吸収部を設定している。体積吸収部は、上記の各種誤差に応じた形状のばらつきを許容する部分であり、変動する型空間体積の下限時であり且つガラス体積の上限時に角部コーナーR値を許容最小値になるように設定し、該体積の上下変動の中心値を設計中心となるように角部コーナーR値を設定している。
体積吸収部は形状のばらつきを許容する部分であるため、コバ部のうち体積吸収部の領域は、保持部材に対するレンズの位置決めには使用できない。コバ部においてレンズの位置決めに使用する面積が十分に確保されないと、レンズの位置精度やレンズの安定性が悪くなる。従って、コバ部には、精度の高い位置決めを実現できる寸法を持たせた上で、さらに成形時の誤差吸収を行う体積吸収部の寸法を加える必要があり、コバ部の小型化が制約されていた。
また、ガラスモールドレンズでは、厚みが小さく、角度変化が急峻な部分において、割れや破損が生じやすいという課題がある。そのため、コバ部自体の強度を確保する必要からコバ部の薄型化が制約されていた。
ガラスモールドレンズの成形の際に、成形型内に狭い空間があるとガラスプリフォームを延展させにくいので、ガラスプリフォームの低粘度化のために温度を高くする必要がある。そのため、薄型化したコバ部を形成するためには、レンズ面の形成に必要な温度よりも高い温度までガラスプリフォームを加熱することになり、レンズ面の精度や外観品質が悪化するおそれがある。
以上のような理由から、ガラスモールドレンズでのコバ部の薄型化には限界があり、その解決が求められていた。コバ部に依存せずにレンズの位置決めを行う技術として、金属などの別材料からなる枠部材(ホルダ)をレンズの外周部分に設け、プレス成形によって、レンズを成形すると共に枠部材と一体化させることが知られている(例えば、特許文献1、2)。
特開平3-167514号公報 特許第3679489号公報 特開2008-88027号公報
特許文献1の発明では、ガラス製のモールドレンズにおいて非球面レンズ面の外側に、光軸に対して垂直な平面を含むコバ部を有し、コバ部の外側に金属製の枠部材が設けられている。そのため、ガラスモールドレンズの製造上の制約によってコバ部の薄型化が難しいという上記の問題を解決できるものではなかった。
また、特許文献1、2及び3を含めて、ガラスモールドレンズの外周側に枠部材を設けている従来技術では、ガラスモールドレンズや枠部材の寸法関係などについて、光学性能を損なわずにレンズ保持部分の小型化(薄型化)を実現するための具体的な条件が提示されていなかった。
本発明は、以上の問題意識に基づいてなされたものであり、光学性能を確保しながらレンズ保持部分を小型にできるレンズ及びレンズユニットを提供することを目的とする。
本発明の一態様のレンズは、ガラスのプレス成形品であり、光軸方向の両側にレンズ面を有し、プレス成形に伴う形状誤差を許容する体積吸収部を前記レンズ面の周囲に有する光学機能部と、前記光学機能部の前記ガラスとは異なる材質からなり、前記体積吸収部の外側を囲んで前記光学機能部の外周面と固定され、レンズ位置の基準となる位置基準面を有するコバ部と、を備え、前記コバ部の外周面により規定される光軸直交方向の外径Dと、前記コバ部の光軸方向の厚さtとが、下記条件(1)又は(2)を満たすことを特徴とする。
(1)2mm≦D≦5mmにおいて、
0.15≦t≦0.35
(2)D>5mmにおいて、
0.15+(D-5)×0.03≦t≦0.15+(D-5)×0.07
前記コバ部は金属製であることが好ましい。
前記位置基準面は、光軸に対して垂直な平面であることが好ましい。
レンズの一形態として、前記体積吸収部は、光軸直交方向で前記光学機能部の前記レンズ面と前記光学機能部の前記外周面との間に位置する。
レンズの別の形態として、前記体積吸収部は、前記光学機能部の前記外周面上に設けられ、前記コバ部は、前記体積吸収部を収容可能な逃がし部を内周部に有する。
前記コバ部は、前記光学機能部の前記外周面に固定される内周面が黒化処理されていることが好ましい。
前記コバ部は、外面全体が黒化処理されていてもよい。
本発明の一態様のレンズユニットは、前記レンズを内部に挿入可能な鏡筒を備え、前記レンズの前記位置基準面と、前記保持枠内の位置規制面との当接によって、前記鏡筒に対する前記レンズの位置を定めることを特徴とする。
本発明によれば、レンズ面及び体積吸収部を有する光学機能部と、位置基準面を有するコバ部と、によってレンズを構成し、さらにレンズ外径とコバ部の厚さについて所定の条件を満たすことによって、光学性能を確保しながらレンズ保持部分を小型にできるレンズ及びレンズユニットを得ることが可能である。
従来のガラスモールドレンズをプレス成形する成形型とプレス成形の工程を説明する図である。 従来のガラスモールドレンズの断面図である。 本実施形態のレンズをプレス成形する成形型とプレス成形の工程を説明する図である。 本実施形態のレンズの断面図である。 本実施形態のレンズの正面図である。 本実施形態のレンズを鏡筒に取り付けたレンズユニットの断面図である。 レンズの変形例を示す断面図である。 レンズの変形例を示す断面図である。 コバ部の内周面を黒化処理したレンズを示す断面図である。 コバ部の外面全体を黒化処理したレンズを示す断面図である。
まず、図1及び図2を参照して、従来のガラスモールドレンズとその製造について説明する。図1の(A)から(C)は、成形型10の構成及び動作を示しており、図2は、成形型10によって形成されたガラスモールドレンズ20を示している。
成形型10は、胴型11と下型12と上型13とによって構成されている。胴型11は円筒形状であり、円筒面である内周面11aによって囲まれる内部空間を有する。成形型10の中心軸X1は、内周面11aの中心を通って上下方向に延びる軸線である。胴型11の下端面11bと上端面11cはそれぞれ、中心軸X1に対して垂直な面である。胴型11の内部空間は、上下方向に貫通して下端面11bと上端面11cに開口している。
下型12は、胴型11の内部空間に対して下方から挿入される挿入部12aと、挿入部12aの下部に設けられて挿入部12aよりも大径の大径部12bとを有する。上型13は、胴型11の内部空間に対して上方から挿入される挿入部13aと、挿入部13aの上部に設けられて挿入部13aよりも大径の大径部13bとを有する。挿入部12aと挿入部13aのそれぞれの外周面は、胴型11の内周面11aに対して、上下方向に摺動が可能であり、中心軸X1と垂直な方向には移動が規制される。つまり、下型12と上型13の中心が中心軸X1に一致するように調芯された状態で、胴型11に対して下型12と上型13が上下方向に移動可能である。
下型12は、挿入部12aの上端にプレス面14を有する。プレス面14は、凹型のレンズ形成面14aと、レンズ形成面14aの周囲に位置するコバ形成面14bと、を備えている。上型13は、挿入部13aの下端にプレス面15を有する。プレス面15は、凸型のレンズ形成面15aと、レンズ形成面15aの周囲に位置するコバ形成面15bと、を備えている。
下型12は、大径部12bが下端面11bに当て付く位置まで、胴型11に挿入可能である。上型13は、大径部13bが上端面11cに当て付く位置まで、胴型11に挿入可能である。胴型11に対して下型12と上型13がそれぞれ最も挿入される位置を、プレス移動端と呼ぶ。図1の(A)に示すように、下型12と上型13がそれぞれのプレス移動端に達した状態で、プレス面14とプレス面15が上下方向に所定の間隔を空けて対向し、プレス面14とプレス面15と内周面11aとに囲まれる型空間S1が形成される。
成形型10を用いてガラスモールドレンズ20を成形する際には、図1の(B)に示すように、ガラスモールドレンズ20の母材となるガラスからなる球体状のガラスプリフォームPF1を、下型12のプレス面14に載せる。レンズ形成面14aの凹み形状によって、ガラスプリフォームPF1が中心軸X1上の位置に保持される。下型12は、大径部12bを下端面11bに当接させたプレス移動端に保持され、挿入部12aが胴型11から離脱しないように下型12が下方から支持される。なお、プレス面14上へのガラスプリフォームPF1の供給は、胴型11から挿入部12aを下方に抜いた状態で行ってもよいし、胴型11に挿入部12aを挿入した状態で胴型11の上端側から行ってもよい。
ガラスプリフォームPF1をガラス転移温度を超えるまで加熱して軟化させ、挿入部13aを胴型11に挿入した状態の上型13を下方に向けて押圧する。下降する上型13のプレス面15と、下降が規制された下型12のプレス面14との間でガラスプリフォームPF1がプレスされ、ガラスプリフォームPF1が変形する。
上型13を図1の(C)に示すプレス移動端まで下降させると、ガラスプリフォームPF1は型空間S1に対応した形状になる。そして、所定の温度まで冷却してから成形型10を分解することによって、成形後のガラスモールドレンズ20を取り出すことができる。ガラスモールドレンズ20は、プレス面14とプレス面15と内周面11aの面形状がそれぞれ転写されたレンズである。
ガラスモールドレンズ20の光軸Xaに沿う方向を光軸方向とし、光軸Xaに対して垂直な方向を光軸直交方向とする。光軸直交方向は、ガラスモールドレンズ20の径方向と呼ぶこともできる。
図2に示すように、ガラスモールドレンズ20は、光軸方向の両側(表裏)に、レンズ形成面14aの面形状が転写された凸状のレンズ面21と、レンズ形成面15aの面形状が転写された凹状のレンズ面22とを有している。ガラスモールドレンズ20はさらに、レンズ面21及びレンズ面22の周囲に環状のコバ部23を有している。コバ部23は、コバ形成面14bの面形状が転写された第1平面23aと、コバ形成面15bの面形状が転写された第2平面23bと、胴型11の内周面11aの面形状が転写された外周面23cと、によって囲まれる部位である。第1平面23a及び第2平面23bは光軸Xaに対して垂直な平面であり、外周面23cは光軸Xaを中心とする円筒面である。
成形型10を用いてガラスモールドレンズ20を製造する際には、ガラスプリフォームPF1の容量誤差、成形型10の型空間S1の体積誤差、ガラスプリフォームPF1の供給位置の偏り、などの各種誤差が発生する。ガラスモールドレンズ20は、これらの誤差の影響を吸収するための体積吸収部24と体積吸収部25を、コバ部23の外周角部に有している。
具体的には、体積吸収部24は、第1平面23aと外周面23cをそのまま延長して交差させた場合の角形状よりも内側を通る角丸形状(コーナーR形状)になるように、第1平面23aと外周面23cを接続したものである。体積吸収部25は、第2平面23bと外周面23cをそのまま延長して交差させた場合の角形状よりも内側を通る角丸形状(コーナーR形状)になるように、第2平面23bと外周面23cを接続したものである。体積吸収部24と体積吸収部25は、上記の各種誤差に応じた形状のばらつきを許容する部分である。従って、図2に示す体積吸収部24や体積吸収部25の形状は一例であり、誤差の程度によって体積吸収部24や体積吸収部25の形状が異なる。そして、体積吸収部24と体積吸収部25を備えることによって、ガラスモールドレンズ20の他の部分を高精度に形成することができる。
その一方で、体積吸収部24と体積吸収部25の箇所では、レンズユニットの鏡筒に対してガラスモールドレンズ20の位置決めを行うことができないので、コバ部23に体積吸収部24や体積吸収部25を設けることで、コバ部23のうちガラスモールドレンズ20の位置決めの基準となる面の大きさが相対的に小さくなる。例えば、光軸直交方向でのコバ部23の幅が一定の場合、光軸直交方向での体積吸収部24や体積吸収部25の形成範囲が大きくなるほど、光軸直交方向での第1平面23aや第2平面23bの幅が小さくなる。第1平面23aや第2平面23bを用いて、光軸方向でのガラスモールドレンズ20の位置決めを行う場合、第1平面23aや第2平面23bの光軸直交方向での幅が小さくなると、ガラスモールドレンズ20をレンズユニットの鏡筒に取り付けた場合に位置決めの精度や保持の安定性が悪くなるおそれがある。また、光軸方向でのコバ部23の厚みが一定の場合、光軸方向での体積吸収部24や体積吸収部25の形成範囲が大きくなるほど、コバ部23において外周面23cの光軸方向長さが小さくなる。外周面23c用いて、光軸直交方向でのガラスモールドレンズ20の位置決めを行う場合、外周面23cの光軸方向長さが小さくなると、ガラスモールドレンズ20をレンズユニットの鏡筒に取り付けた場合に位置決めの精度や保持の安定性が悪くなるおそれがある。
従って、コバ部23には、位置決め機能を得るための十分な寸法を持たせた上で、さらに体積吸収部24と体積吸収部25による誤差吸収機能を得るための寸法を持たせる必要があり、コバ部23の小型化が制約されていた。換言すれば、ガラスモールドレンズ20の位置決め機能と成形時の誤差吸収機能とをコバ部23に集約させていたことが、コバ部23の小型化の制約要因の一つであった。
また、一般的に、ガラスモールドレンズでは、厚みが小さく且つ角度変化が急峻な部分において、割れや破損が生じやすい。図2に示すガラスモールドレンズ20の場合、凸状のレンズ面21と第1平面23aとの境界部分が、特に割れや破損の発生しやすい部分である。そのため、仮に上記の体積吸収部24や体積吸収部25による制約に関わらずコバ部23を光軸方向で薄型化したとしても、コバ部23の厚みが小さくなるほど割れや破損のリスクが高くなるという問題がある。従って、ガラスモールドレンズ20では、コバ部23自体の強度を確保する観点からも、コバ部23の小型化(特に、光軸方向での薄型化)が制約されていた。
また、ガラスモールドレンズの成形の際には、成形型の空間内でのガラスプリフォームの流動性に留意する必要がある。図1に示す成形型10の型空間S1では、レンズ形成面14aとレンズ形成面15aの間の中央部分ではスペースが広く、コバ形成面14bとコバ形成面15bの間の周縁部分ではスペースが狭くなっている。
プレス時に型空間S1の周縁の狭い空間にガラスプリフォームPF1を延展させるには、ガラスプリフォームPF1を低粘度化させる必要がある。つまり、ガラスモールドレンズ20において有効径部分(レンズ面21及びレンズ面22の範囲)よりも光軸方向に薄いコバ部23を形成するためには、低粘度化させたガラスプリフォームPF1を型空間S1の周縁の狭い空間に延展させる必要がある。そして、コバ部23の形成箇所の低粘度化のために、レンズ面21やレンズ面22の形成箇所を延展させるのに必要な温度(例えば、第1温度とする)よりも高い温度(例えば、第2温度とする)までガラスプリフォームPF1の温度を高める必要がある。第1温度で形成が可能なレンズ面21やレンズ面22を、第1温度よりも高い第2温度で形成すると、成形後の熱収縮の影響が大きくなり、第1温度で形成した場合よりもレンズ面21、22の精度や外観品質が悪化する可能性がある。
コバ部23を光軸方向で薄型化させるほど、型空間S1内でコバ部23を形成するための空間が狭くなってガラスプリフォームPF1を延展させにくくなり、成形時におけるガラスプリフォームPF1のより一層の低粘度化(すなわち高い温度への加熱)が必要になる。その結果、レンズ面21やレンズ面22の精度や外観品質の確保が難しくなる。つまり、レンズ面21やレンズ面22を含むガラスモールドレンズ20の有効径部分の品質確保の観点からも、コバ部23の小型化(特に、光軸方向での薄型化)が制約されていた。
また、薄く割れやすいコバ部23の箇所にガラスプリフォームPF1を延展させる場合、割れを抑制する離型膜を設けたり、割れにくくさせるための表面処理をガラスプリフォームPF1に行うという対策が知られている。しかし、このような割れを回避するための離型膜や表面処理を施すと、ガラスモールドレンズ20の外面に曇りが生じやくなったり、ガラスモールドレンズ20の外面の面精度が不安定になったりするという問題がある。
成形型10によってガラスモールドレンズ20を成形する際に、上型13を下降させてガラスプリフォームPF1を加圧すると、上型13の凸型形状のレンズ形成面15aの頂部からガラスプリフォームPF1に加えられる圧力により、ガラスプリフォームPF1の外周部が上方に向かって湾曲して、ガラスプリフォームPF1の外周部がその内周側よりも先にレンズ形成面15aに接触する場合がある。あるいは、ガラスプリフォームPF1の外周部が下方に向かって湾曲して、ガラスプリフォームPF1の外周部がその内周側よりも先にレンズ形成面14aに接触する場合がある。このような場合、ガラスプリフォームPF1とレンズ形成面15aとの間や、ガラスプリフォームPF1とレンズ形成面14aとの間に気体が封入され、いわゆるガストラップが発生してしまう。ガストラップはガラスモールドレンズ20の形状不良の原因になる。
ガストラップを回避するためには、ガラスプリフォームPF1の曲率半径を、成形型10のレンズ形成面14aやレンズ形成面15aの曲率半径よりも所定以上小さくする必要がある。しかし、コバ部23の体積分を含むガラスモールドレンズ20を形成するためには、必要なガラスプリフォームPF1の体積が大きくなり、ガラスプリフォームPF1の曲率半径を小さく設定することが難しい。そして、上記の様々な理由から、コバ部23を小型化することには限界があり、ガラスプリフォームPF1の量を少なくしてガストラップの回避を図るという対策には限界がある。
図2に示すガラスモールドレンズ20とは異なり、コバ部に複数の段差形状を設け、位置決め機能部と体積吸収部とを区分けしたタイプのガラスモールドレンズが知られている。また、コバ部における位置決め機能部から光軸方向に突出する形状の体積吸収部を設けたタイプのガラスモールドレンズが知られている。これらの各タイプのガラスモールドレンズでは、体積吸収部あるいは位置決め機能部が屈曲した異形状のコバ部になるため、強度的に不利になったり、位置決め機能部を高精度に成形しにくくなったりする。
本発明は、以上のような従来のガラスモールドレンズの各種の問題点に鑑みて、光学性能を確保しながらレンズ保持部分を小型化(特に、光軸方向の薄型化)できるレンズを提供するものである。ガラスのプレス成形品からなりレンズ面を含む光学機能部と、光学機能部のガラスとは異なる材質からなり光学機能部の外側に設けられるコバ部と、でレンズを構成し、光学機能部には光学的な機能と成形時の誤差吸収機能を満たす必要最小限の構成を備え、レンズの位置決め機能をコバ部に担わせることで、上記の問題点を解消できるという着眼に基づく発明である。
続いて、図3及び図4を参照して、本発明を適用した実施形態に係るレンズとその製造について説明する。図3の(A)から(C)は、成形型30の構成及び動作を示しており、図4及び図5は、成形型30によって形成された本実施形態のレンズ40を示している。
成形型30は、胴型31と下型32と上型33とによって構成されている。胴型31は円筒形状であり、円筒面である内周面31aによって囲まれる内部空間を有する。成形型30の中心軸X2は、内周面31aの中心を通って上下方向に延びる軸線である。胴型31は、胴型下端面31bを下端に有し、胴型上端面31cを上端に有する。胴型下端面31bと胴型上端面31cはそれぞれ、中心軸X2に対して垂直な面である。胴型31の内部空間は、上下方向に貫通して胴型下端面31bと胴型上端面31cに開口している。
下型32は、胴型31の内部空間に対して下方から挿入される挿入部32aと、挿入部32aの下部に設けられて挿入部32aよりも大径の大径部32bとを有する。上型33は、胴型31の内部空間に対して上方から挿入される挿入部33aと、挿入部33aの上部に設けられて挿入部33aよりも大径の大径部33bとを有する。挿入部32aと挿入部33aのそれぞれの外周面は、胴型31の内周面31aに対して、上下方向に摺動が可能であり、中心軸X2と垂直な方向には移動が規制される。つまり、下型32と上型33の中心が中心軸X2に一致するように調芯された状態で、胴型31に対して下型32と上型33が上下方向に移動可能である。
下型32は、挿入部32aの上端にレンズ形成面34を有する。レンズ形成面34は、中心軸X2上の中心が最も深く、外周側に向けて浅くなる凹型の面である。挿入部32aの上端にはさらに、レンズ形成面34の周囲にコバ部保持面35が形成されている。コバ部保持面35は、中心軸X2に対して垂直な面であり、中心軸X2を中心とする環状の範囲に設けられている。
上型33は、挿入部33aの下端にレンズ形成面36を有する。レンズ形成面36は、中心軸X2上の中心が最も下方に突出しており、外周側に向けて下方への突出量が小さくなる凸型の面である。挿入部33aの下端にはさらに、レンズ形成面36の周囲にコバ部保持面37が形成されている。コバ部保持面37は、中心軸X2に対して垂直な面であり、中心軸X2を中心とする環状の範囲に設けられている。
プレス成形でレンズ40を形成する際に、胴型31に対して下型32の挿入部32aと上型33の挿入部33aがそれぞれ最も挿入される位置を、下型32や上型33におけるプレス移動端と呼ぶ。図3の(A)に示すように、下型32と上型33がそれぞれのプレス移動端に達した状態で、レンズ形成面34とレンズ形成面36が上下方向に所定の間隔を空けて対向し、下型32と上型33の間に型空間S2が形成される。型空間S2は、下型32のレンズ形成面34及びコバ部保持面35と、上型33のレンズ形成面36及びコバ部保持面37と、胴型31の内周面31aと、によって囲まれる空間である。
一例として、大径部32bが胴型下端面31bに当て付く位置を、下型32におけるプレス移動端とすることができる。また、大径部33bが胴型上端面31cに当て付く位置を、上型33におけるプレス移動端とすることができる。あるいは、上型33において、大径部33bが胴型上端面31cに当て付くこと以外の構成によって、プレス移動端を定めてもよい。
図4及び図5に示すように、レンズ40は、ガラス製の光学機能部41と、光学機能部41の外側を囲むコバ部42と、によって構成されている。コバ部42は光学機能部41のガラスとは異なる材質からなり、本実施形態ではコバ部42が金属製である。コバ部42を構成する金属の軟化温度は、光学機能部41を構成するガラスのガラス転移温度と同等以上である。
コバ部42は、成形型30を用いて光学機能部41をプレス成形する前に予め準備されており、レンズ40の光軸Xbに対して垂直な平面である第1平面42a及び第2平面42bと、光軸Xbを中心とする円筒状の外周面42c及び内周面42dと、を有している。
成形型30を用いてレンズ40を成形する際には、図3の(A)に示すように、予め形成されたコバ部42を成形型30の内部に取り付ける。コバ部42は、第1平面42aをコバ部保持面35に載せ、外周面42cを胴型31の内周面31aに対向させた状態で保持される。第1平面42aをコバ部保持面35に載せることで、中心軸X2に沿う方向でのコバ部42の位置が定まる。また、外周面42cの外径の大きさと、内周面31aの内径の大きさとが適宜定められており、外周面42cと内周面31aによって、中心軸X2に対して垂直な方向におけるコバ部42の位置が定まる。
第1平面42aから第2平面42bまでのコバ部42の厚み(レンズ40が完成した状態での光軸方向の厚み)は、下型32と上型33がそれぞれプレス移動端にあるときのコバ部保持面35とコバ部保持面37の間隔以下である。従って、下型32と上型33はそれぞれ、コバ部42によって妨げられることなく、プレス移動端まで移動させることができる。
図1の(B)に示すように、成形型30の内部へコバ部42を設置すると共に、光学機能部41の母材となるガラスからなる球体状のガラスプリフォームPF2を、下型32のレンズ形成面34に載せる。レンズ形成面34の凹み形状によって、ガラスプリフォームPF2が中心軸X2上の位置に保持される。下型32は、大径部32bを胴型下端面31bに当接させたプレス移動端に保持され、挿入部32aが胴型31から離脱しないように下型32が下方から支持される。なお、レンズ形成面34上へのガラスプリフォームPF2の供給は、胴型31から挿入部32aを下方に抜いた状態で行ってもよいし、胴型31に挿入部32aを挿入した状態で胴型31の上端側から行ってもよい。また、図1の(B)ではガラスプリフォームPF2を球体状としているが、球体以外の形状のガラスプリフォームを用いてもよい。
ガラスプリフォームPF2をガラス転移温度を超えるまで加熱して軟化させ、挿入部33aを胴型31に挿入した状態の上型33を下方に向けて押圧する。下降する上型33のレンズ形成面36と、下降が規制された下型32のレンズ形成面34との間でガラスプリフォームPF2がプレスされ、ガラスプリフォームPF2が変形する。
上型33を図3の(C)に示すプレス移動端まで下降させると、ガラスプリフォームPF2は型空間S2に対応した形状の光学機能部41になる。より詳しくは、型空間S2の周縁部分にはコバ部42が配置されているので、型空間S2のうちコバ部42の内側領域で光学機能部41がプレス成形され、光学機能部41の外周部が内周面42dに密着して、光学機能部41とコバ部42が一体化される。そして、所定の温度まで冷却してから成形型30を分解することによって、成形後のレンズ40を取り出すことができる。
なお、成形型30を構成する材質よりも熱膨張率が大きい金属によってコバ部42を構成し、ガラスプリフォームPF2を軟化させるために加熱する前の状態で、コバ部42が成形型30の内側に僅かなクリアランスをもって配置されてもよい。この場合、加熱でコバ部42が膨張し、熱膨張率の差を利用してコバ部42が成形型30に密着する。具体的には、コバ部42の膨張によって、外周面42cが内周面31aに密着し、第1平面42aがコバ部保持面35に密着し、第2平面42bがコバ部保持面37に密着する。内周面31aの中心軸X2と成形後のレンズ40の光軸Xbとが高精度で合致するように成形型30を構成しておくことで、加熱によって膨張するコバ部42が等方的に内周面31aに密着して、胴型31に対する偏心精度が向上し、コバ部42の中心位置を高精度に光学機能部41と同軸化させたレンズ40を得ることができる。
レンズ40の光軸Xbに沿う方向を光軸方向とし、光軸Xbに対して垂直な方向を光軸直交方向とする。光軸直交方向は、レンズ40の径方向と呼ぶこともできる。
以上のようにして、ガラスのプレス成形品である光学機能部41と金属製のコバ部42とからなるハイブリッド構造のレンズ40が形成される。図4に示すように、レンズ40の光学機能部41は、光軸方向の両側(表裏)に、レンズ形成面34の面形状が転写された凸状のレンズ面43と、レンズ形成面36の面形状が転写された凹状のレンズ面44とを有している。本実施形態のレンズ40は、レンズ面43とレンズ面44がそれぞれ非球面の非球面レンズである。なお、本発明によるレンズは非球面レンズに限定されるものではなく、球面レンズに適用することも可能である。
光学機能部41の外周部分は、コバ部42の内周面42dに密着固定した外周面45になっている。外周面45は、内周面42dに沿うことで、光軸Xbを中心とする円筒面になっている。
さらに、光学機能部41の外周角部には、成形型30による成形時の誤差の影響を吸収するための体積吸収部46と体積吸収部47とを有している。成形時の誤差とは、ガラスプリフォームPF2の容量誤差、成形型30の型空間S2の体積誤差、成形型30へのガラスプリフォームPF2の供給位置の偏り、などである。
体積吸収部46は、レンズ面43を設計上のレンズ面形状のまま延長して外周面45と交差させた場合の角形状よりも内側を通る角丸形状(コーナーR形状)になるように、レンズ面43と外周面45の境界部分を接続したものである。体積吸収部47は、レンズ面44を設計上のレンズ面形状のまま延長して外周面45と交差させた場合の角形状よりも内側を通る角丸形状(コーナーR形状)になるように、レンズ面44と外周面45の境界部分を接続したものである。体積吸収部46と体積吸収部47は、上記の各種誤差に応じた形状のばらつきを許容する部分である。従って、図4に示す体積吸収部46や体積吸収部47の形状は一例であり、誤差の程度によって体積吸収部46や体積吸収部47の形状が異なる。
体積吸収部46と体積吸収部47を備えることによって、光学機能部41の他の部分にプレス成形時の誤差の影響が及ぶのを防いで、レンズ面43及びレンズ面44を高精度に形成することができる。また、体積吸収部46と体積吸収部47は、光学機能部41から急峻に突出したり凹んだりする形状ではなく、各レンズ面43、44と外周面45とを滑らかに接続する形状であるため、体積吸収部46と体積吸収部47を起因とする光学機能部41の割れや破損が生じにくい。
このように、体積吸収部46及び体積吸収部47によって、光学機能部41のプレス成形に伴う誤差を吸収可能である。また、レンズ40の位置決めのための位置基準面は、光学機能部41ではなくコバ部42が備えている。つまり、レンズ40では、コバ部42が位置決め機能を備え、光学機能部41がプレス成形時の誤差吸収機能を備えるという役割分担がなされている。
図6は、レンズ40を組み込んだレンズユニット50を示している。レンズユニット50は、円筒状の鏡筒51を備え、鏡筒51の内部に、光軸方向へ貫通する鏡筒内空間52が形成されている。鏡筒内空間52には、光軸直交方向に延びる位置規制面53と、位置規制面53の周縁から光軸方向に延びる円筒面54と、が形成されている。円筒面54の内径の大きさは、コバ部42における外周面42cの外径(すなわちレンズ40の直径)以上である。
レンズ40は、レンズ面43を挿入方向前方に向けて、円筒面54の開口端部(位置規制面53とは反対側の端部)から鏡筒51の内部に挿入される。コバ部42の第1平面42aが位置規制面53に当接すると、レンズ40の挿入が規制されて、光軸方向でのレンズ40の位置が定まる。つまり、第1平面42aがレンズ40の光軸方向位置を定める位置基準面である。このようにして光軸方向での位置を定めたレンズ40を、鏡筒51の内部に固定する。鏡筒51に対するレンズ40の固定は、様々な手段で行うことができる。例えば、位置規制面53に対してコバ部42を接着することが可能である。あるいは、第2平面42bに当接する別の固定部材を鏡筒内空間52に挿入して、位置規制面53と固定部材との間にコバ部42を挟持させてもよい。
鏡筒51に対する光軸直交方向のレンズ40の位置については、コバ部42の外周面42cと鏡筒51の円筒面54との当接によって定めることができる。つまり、光軸直交方向のレンズ40の位置を定める位置基準面として、レンズ40の外周面42cを用いることができる。より詳しくは、外周面42cの外径と円筒面54の内径が一致するように寸法関係を設定する。あるいは、円筒面54の内径よりも外周面42cの外径を僅かに大きく設定して、鏡筒51に対してレンズ40が圧入されるように構成してもよい。
別の形態として、円筒面54と外周面42cとの間に光軸直交方向の位置を調整可能なクリアランスを設けた上で、鏡筒51に対してレンズ40を固定する際に、光軸直交方向でのレンズ40の位置を定めるような調芯構造を持たせてもよい。
第1平面42aを位置規制面53に当接させて鏡筒51に対するレンズ40の光軸方向の位置を定めている図6のレンズユニット50とは異なり、光軸方向で位置規制面53とは逆を向く位置規制面を鏡筒内に設けて、当該位置規制面に対して第2平面42bを当接させてレンズ40の光軸方向の位置を定めることも可能である。この場合は、鏡筒に対するレンズ40の挿入方向が、図6のレンズユニット50とは逆になる。このように、第2平面42bがレンズ40の光軸方向位置を定める位置基準面であってもよい。
また、図6のレンズユニット50では、鏡筒51内にレンズ40だけを配置した例を示しているが、複数枚のレンズによってレンズユニット50の光学系を構成してもよい。この場合、レンズ40の次に鏡筒51へ挿入される別のレンズの光軸方向の位置決めを、コバ部42を基準として(コバ部42に当接させて)行うことも可能である。
レンズ40のコバ部42は、体積吸収部46や体積吸収部47のようなレンズ成形時の誤差吸収用の形状を要さないため、小型に構成できる。つまり、体積吸収部24及び体積吸収部25を設けているガラスモールドレンズ20のコバ部23に比べて、位置決め機能に特化したコバ部42は小型化することが可能である。特に、コバ部23では光軸方向で外周面23cの両側に体積吸収部24と体積吸収部25の分の厚みが必要であるのに対し(図2参照)、レンズ40のコバ部42では、光軸方向で外周面42cの両側に余分な厚みを設ける必要がないので、光軸方向でコバ部42を薄型化させやすい。例えば、外周面23cと外周面42cの光軸方向長さが同じ場合には、コバ部23よりもコバ部42の方が光軸方向の厚みが小さくなる。
従って、ガラスモールドレンズ20とレンズ40とで同等の位置精度や安定性を得ようとした場合、レンズ40のコバ部42の方がガラスモールドレンズ20のコバ部23よりも光軸方向に薄型化できる。
コバ部42は、シンプルな円環(円筒)形状なので、第1平面42a、第2平面42b、外周面42c及び内周面42dを高い精度で形成しやすい。また、金属製のコバ部42は、ガラスモールドレンズ20に一体形成されるガラス製のコバ部23では加工が困難なレベルの薄型化を容易に実現できる。また、金属製のコバ部42は、ある程度の外力に対しては弾性変形によって形状の復元が可能であるため、コバ部42を薄型化しても割れや回復不能な変形が発生するリスクが少ない。
さらに、金属製のコバ部42は光透過性を有しないので、レンズ40におけるレンズ面43、44の外側を通る有害光を遮断する遮光効果を得ることができる。例えば、図2のガラスモールドレンズ20においては、コバ部23が光透過性を有するので、コバ部23に遮光用の塗装を行ったり、遮光部材を貼り付けたりする必要がある。これに対して、レンズ40では、コバ部42自体が遮光性を有することで、そのような手間がかからないという利点がある。
なお、コバ部42による遮光性を高めるために、コバ部42の外面に光の反射を抑制する黒化処理を行ってもよい。コバ部42の外面とは、コバ部42が単体の状態(光学機能部41と組み合わされる前の状態)で外観に現れる部分であり、レンズ40が完成した状態で光学機能部41の外周面45と固定される内周面42dについても、コバ部42の外面に含まれる。外面の黒化処理は、コバ部42の素材である金属(地金)の色や光沢がそのまま外面に露出することを防いで光の反射を低減させるための加工である。なお、黒化処理は、コバ部42の外面を完全に黒色にすることには限定されず、コバ部42の地金が露出する場合に比して所定以上の反射低減効果を発揮するものであればよい。図9及び図10は、コバ部42の外面において黒化処理を施した箇所を太線で示している。
図9は、コバ部42の内周面42dに黒化処理を行った例である。光学機能部41を囲む光路の内面を構成する内周面42dを黒化処理することによって、内周面42dでの内面反射を抑制してレンズ40の光学性能を向上させることができる。
図10は、コバ部42の外面全体に黒化処理を行った例であり、第1平面42a、第2平面42b、外周面42c及び内周面42dと、これらの各面の境界部分とが黒化処理されている。つまり、コバ部42の全体において、黒化処理されていない部分(地金)が外面に露出しないように構成している。光軸方向に薄型化したコバ部42では、有害な迷光を抑制する効果を高めるために、このように外面全体を黒化処理してもよい。
また、図6のようにレンズ40を鏡筒51に組み込んだ際に、コバ部42の外周面42cと鏡筒51の円筒面54が密着して外周面42cの箇所に光が入り込まない場合においては、第1平面42a、第2平面42b及び内周面42dを黒化処理し、外周面42cを黒化処理しないという選択も可能である。
コバ部42の内周面42dについては、光学機能部41とコバ部42を結合した後では黒化処理を行うのが難しい。そのため、成形型30を用いて光学機能部41をプレス成形する前の段階、つまりコバ部42が単体の状態で、内周面42dを黒化処理するとよい。
コバ部42の第1平面42a、第2平面42b及び外周面42cについては、光学機能部41とコバ部42を結合した後でも黒化処理が可能である。従って、第1平面42a、第2平面42b及び外周面42cは、成形型30による光学機能部41のプレス成形の前に黒化処理を行ってもよいし、プレス成形後に黒化処理を行ってもよい。
コバ部42の外面に行う黒化処理の方法として、例えば、金属の加熱による酸化、化成処理、メッキ処理、などを適用することができる。金属の加熱による酸化は、酸素を含む雰囲気下で加熱することによって、コバ部42の外面を酸化させ、金属光沢を無くして黒化させる。化成処理の一例として、コバ部42をアルカリ水溶液に浸漬して、コバ部42の外面に黒色の酸化被膜(四三酸化鉄被膜)を形成する。メッキ処理の例として、コバ部42の外面に黒色ニッケルメッキや黒色クロムメッキなどのメッキ加工を行う。また、成形型30による光学機能部41のプレス成形後は、光学機能部41を軟化させるための加熱を行わず耐熱性の条件が緩和されるので、プレス成形後の黒化処理では、合成樹脂製の黒色塗料の塗布などの方法を用いることも可能である。
図5に示すように、コバ部42に情報表示部48を設けてもよい。情報表示部48の例として、レンズ40の周方向の方位など示す基準マーク、製品のシリアル番号、レンズ40のスペックなどの情報を含む二次元コード、などが適用可能である。金属製のコバ部42は情報表示部48を設けやすく、情報表示部48の視認性も高めやすい。なお、情報表示部48を設ける位置は、第1平面42a又は第2平面42bが好ましいが、外周面42cに情報表示部48を設けてもよい。
レンズ40の光学機能部41については、レンズ40の位置決め機能を有さず、光学面として機能するレンズ面43及びレンズ面44をシンプルな外周形状(外周面45、体積吸収部46及び体積吸収部47)で接続した構造である。そのため、光学機能部41では、図2のガラスモールドレンズ20におけるコバ部23のような薄型の突出部分が存在せず、且つ、ガラスモールドレンズ20におけるレンズ面21と第1平面23aの境界のように面の角度が急峻に変化する箇所が存在せず、ガラスモールドレンズ20に比して割れや破損のリスクが抑えられ、強度的に有利である。
また、成形型30において光学機能部41を形成するための型空間S2は、外周側がコバ部42によって囲まれており、成形時に型空間S2の外周側の狭い空間にガラスプリフォームPF2を延展させる必要がない。そのため、外観や面精度において高品質を要求される光学有効エリア(レンズ形成面34、レンズ形成面36によって形成されるレンズ面43、レンズ面44)内のガラスプリフォームPF2の延展を、比較的低い温度(ガラスプリフォームPF2のガラス転移温度に近い値)で実現することができ、光学機能部41における外観や面精度の高品質化に有利となる。
さらに、光学機能部41にはコバ部23のような割れやすい部分が無いので、成形型30で光学機能部41を成形する際に、割れを抑制するための離型膜の設置やガラスプリフォームPF2の特殊な表面処理などの対策が不要である(あるいは対策を軽減できる)。その結果、離型膜や表面処理を起因とする光学機能部41の外面の曇りや面精度の不安定化が発生せず、この点においても、光学機能部41における外観や面精度の高品質化に有利となる。
図2のガラスモールドレンズ20におけるレンズ面21及びレンズ面22と、図4のレンズ40におけるレンズ面43及びレンズ面44は、ほぼ同一の設計形状であるが、図1の(B)と図3の(B)との比較から分かる通り、レンズ40の光学機能部41の形成に用いるガラスプリフォームPF2は、ガラスモールドレンズ20の形成に用いるガラスプリフォームPF1よりも少量で済む。また、少量であるガラスプリフォームPF2は、ガラスプリフォームPF1に比して曲率半径が小さい球状体であるため、ガラスプリフォームPF1からガラスモールドレンズ20のレンズ面21及びレンズ面22を作成するよりも、ガラスプリフォームPF2からレンズ40のレンズ面43及びレンズ面44を作成する方が、プレス時のガストラップの発生リスクが軽減される。また、ガラスプリフォームPF1よりも小さいガラスプリフォームPF2を用いることによって、レンズ設計形状の自由度を高めることができる。
以上のように、本実施形態のレンズ40は、ガラス製の光学機能部41と、光学機能部41のガラスとは異なる材質(金属製)からなるコバ部42とを組み合わせて構成したことにより、光学機能部41における光学性能の高さ及び強度の確保と、コバ部42の小型化(光軸方向の薄型化)とを両立させることができ、比較対象として示したガラスモールドレンズ20に比べて様々な利点が得られる。
より詳しくは、レンズ40において以下の条件を満たすことが好ましい。まず、レンズユニット50の鏡筒51のような保持部材に対してレンズ40の位置を定める機能については、コバ部42のみが備えるものとする。具体的には、光軸方向の位置決めに対応可能な第1平面42a、第2平面42bや、光軸直交方向の位置決めに対応可能な外周面42cを、コバ部42が備える。
光学機能部41は、光学的に機能する部分であるレンズ面43及びレンズ面44を含む領域と、コバ部42に対して固定される外周面45と、光学機能部41のプレス成形時の誤差を吸収するための体積吸収部46及び体積吸収部47だけを備えており、鏡筒51のような保持部材に対してレンズ40の位置を定める機能を備えない。光学機能部41の形状的な条件として、単にレンズ位置を定める機能を備えないというだけではなく、コバ部42の第1平面42aや第2平面42bのような光軸に直交する面を含まない。つまり、光学機能部41は、既存のガラスモールドレンズにおけるコバ部に類する形状を一切含んでいない。
図4に示すように、コバ部42の外周面42cによって規定されるレンズ40全体の直径を外径Dと定義する。コバ部42の内周面42d(光学機能部41の外周面45)によって規定される光学機能部41の直径を面径dと定義する。光学機能部41のうち、体積吸収部46と体積吸収部47が形成される径方向領域を除いた部分の直径(光学的に有効なレンズ面43、44の直径)を有効径eと定義する。体積吸収部46と体積吸収部47が形成される径方向領域の光軸直交方向の寸法を誤差吸収幅Rとする。また、コバ部42の光軸方向の厚さ(第1平面42aから第2平面42bまでの距離)をコバ厚tと定義する。
外径Dとコバ厚tついて、以下の条件(1)又は(2)を満たすことが望ましい。
(1)2mm≦D≦5mmにおいて、
0.15≦t≦0.35
(2)D>5mmにおいて、
0.15+(D-5)×0.03≦t≦0.15+(D-5)×0.07
条件(1)、(2)は、レンズ40の直径に対するコバ部42の光軸方向の適正な厚みの範囲を示したものである。条件(1)、(2)の下限値を下回ると、レンズ40の位置決め精度や保持の安定性、コバ部42の強度などに影響が生じるおそれがある。
条件(1)、(2)の上限値を上回ると、コバ部42が光軸方向に厚くなり薄型化の要求を満たさない。例えば、コバ厚tが大きすぎると、レンズユニット50の鏡筒51に組み込んだ場合に、コバ部42が占める光軸方向のスペースが大きくなりすぎて、レンズユニット50を大型化させてしてしまうおそれがある。
このように、条件(1)、(2)を満たすことで、コバ部42の強度や精度を確保し且つコバ部42を薄型化できる。換言すれば、光学機能部41とコバ部42からなるレンズ40を採用することによって、無理なく条件(1)、(2)を満たすことができる。
レンズ40のレンズ面43、44と同等形状のレンズ面21、22を有するガラスモールドレンズ20(図2)では、条件(1)、(2)に相当する範囲の厚みでコバ部23を形成すると、コバ部23又はその周囲で割れや形状不良が生じる確率が高まる、あるいは、コバ部23を介したレンズの位置決め精度が低下する確率が高まる。
このように、本実施形態のレンズ40の構成を採用し、且つ条件(1)又は(2)を満たすことによって、光学性能を損なわずに、従来のガラスモールドレンズに比べてコバ部42(レンズ保持部分)の薄型化を実現できる。
なお、上記条件(1)、(2)とは異なる付加的条件として、プレス成形時の成形型30の動作精度や安定性の観点から、レンズ40におけるコバ厚tの上限値は、外径Dの40%以下であることが好ましい。この上限値を超える厚みをコバ部42が有している場合、成形型30の内部にコバ部42を配置した際に、上型33の挿入部33aと胴型31の内周面31aとの嵌合長や、下型32の挿入部32aと胴型31の内周面31aとの嵌合長が小さくなり、プレス成形時に中心軸X2に対する上型33や下型32の傾きが発生するリスクが高くなる。特に、外径Dが小さいレンズ40ほど、成形型30の各部が小型になるので、その傾向が強まる。従って、上記の上限値以下にコバ厚tを設定することで、成形型30の各部の嵌合長を確保して、プレス成形の加工精度を向上させる効果が得られる。
また、レンズ40の光学機能部41について、面径dと有効径eが以下の条件(3)、(4)、(5)、(6)のいずれかを満たすことが望ましい。
(3)2mm≦e≦5mmにおいて、(d-e)≦0.5mm
(4)5mm<e≦10mmにおいて、(d-e)≦0.7mm
(5)10mm<e≦15mmにおいて、(d-e)≦0.9mm
(6)15mm<e≦20mmにおいて、(d-e)≦1.1mm
条件(3)、(4)、(5)、(6)は、光学機能部41における面径dと有効径eの差の適正値を示したものである。条件(3)、(4)、(5)、(6)のいずれかを満たすことによって、所定の有効径eの光学機能部41をプレス成形する際に想定される範囲の体積誤差を、体積吸収部46及び体積吸収部47によって確実に吸収可能であり、成形不良を生じずに、高い精度や外観品質のレンズ面43及びレンズ面44を備えた光学機能部41を作ることができる。
なお、図4に示すように、レンズ40における面径dと有効径eの差は、誤差吸収幅R×2とほぼ等しい。そして、誤差吸収幅Rについて、以下の条件(7)、(8)、(9)又は(10)を満たすことが望ましい。
(7)2mm≦D≦5mmにおいて、R≦0.23mm
(8)5mm<D≦10mmにおいて、R≦0.35mm
(9)10mm<D≦15mmにおいて、R≦0.45mm
(10)15mm<D≦20mmにおいて、R≦0.55mm
光軸直交方向のコバ部42の寸法(図4に示すコバ幅w)は、(D-d)/2で求められる。本実施形態のレンズ40は、コバ部42の薄型化を実現しつつ、コバ幅wとコバ厚tの寸法関係について高い自由度を得ることが可能であるが、以下の条件(11)を満たすことにより、レンズ40の軽量化や、鏡筒51に組み込む際のレンズ40の姿勢安定性が達成されやすくなる。
(11)0.5≦{(D-d)/2}/t≦30
条件(11)の範囲内における{(D-d)/2}/tの下限値は、好ましくは1.0、より好ましくは1.5、さらに好ましくは2.0である。また、条件(11)の範囲内における{(D-d)/2}/tの上限値は、好ましくは20、より好ましくは10、さらに好ましくは5である。
上記実施形態のレンズ40では、コバ部42の材質を金属としたが、本発明を適用するレンズのコバ部の材質として金属以外を選択することも可能である。例えば、光学機能部を構成するガラスとは異なるガラスでコバ部を構成してもよい。この場合、コバ部を構成するガラスのガラス転移温度が、光学機能部を構成するガラスのガラス転移温度よりも高いものを選択するとよい。
あるいは、コバ部をセラミックスで構成してもよい。この場合、コバ部を構成するセラミックスの熱膨張率は、成形型を構成する材質の熱膨張率を上回っていることが好ましい。これにより、レンズの光学機能部を成形する際に、セラミックス製のコバ部が膨張して成形型に密着して、胴型に対する偏心精度が向上し、コバ部と光学機能部を高精度に同軸化させたレンズを得ることができる。
本発明を適用したレンズは、光学機能部の光学性能や生産性に影響を及ぼさずに、コバ部の形状の自由度を高くできるという利点がある。そのため、上記実施形態のレンズ40におけるコバ部42とは異なる形状のコバ部を適用することも可能である。
例えば、上記実施形態のコバ部42は、光軸方向の両側の面が互いに平行な第1平面42aと第2平面42bであるが、第1平面42aや第2平面42bの一部に凹みや切り欠きが存在してもよい。また、上記実施形態のコバ部42は、光軸Xbを中心とする周方向の全体に外周面42c及び内周面42dが連続しているが、外周面42cや内周面42dの途中に凹みや切り欠きが存在してもよい。これらの場合、凹みや切り欠きを除いたコバ部42の各面の残存部分を基準として、レンズ40の外径やコバ部42の寸法が規定される。
図7及び図8を参照して、本発明を適用した変形例のレンズ60、70及び80を説明する。各変形例のレンズ60、70及び80において、上記実施形態のレンズ40と共通する部分については、同じ符号で表して説明を省略する。なお、レンズ60、70及び80において、レンズ40の各部とは寸法や形状などが異なる場合でも、機能や構成上の共通性がある部分については、レンズ40との共通部分として扱っている。
図7の(A)に示すレンズ60は、光学機能部41の外周面上に、径方向の外側に突出する体積吸収部61を有している。体積吸収部61は、光軸Xbを中心とする周方向に連続する環状の突出部である。
レンズ60のコバ部42の内周部には、体積吸収部61を収容可能な逃がし部62が形成されている。逃がし部62は、光軸Xbを中心とする周方向に連続する環状の凹部であり、コバ部42の内周面42dに対して凹んだ形状を有している。
レンズ60は、光軸Xbを含む断面上での体積吸収部61の形状がコーナーR形状になるように設定されている。体積吸収部61の役割は、上記実施形態のレンズ40における体積吸収部46及び体積吸収部47と同じであり、プレス成形でレンズ60を形成する際の各種誤差を体積吸収部61の体積変動によって吸収する。逃がし部62は、体積吸収部61の体積が許容最大値の場合に、体積吸収部61を収容可能な形状及び大きさに設定されている。
図7の(B)に示すレンズ70は、基本的な構成はレンズ60と同じであり、光軸Xbを含む断面上での体積吸収部71の形状が楔状に設定されている点が異なる。レンズ70のコバ部42の内周部には、体積吸収部71を収容可能な逃がし部72が形成されている。
図8に示すレンズ80は、光学機能部41の外周面上に設けた体積吸収部81が、光軸Xbを中心とする周方向に連続しておらず、周方向に所定の間隔で間欠的に配置されている。これに対応して、レンズ80のコバ部42の内周部には、体積吸収部81を収容可能な逃がし部82が、周方向に所定の間隔で間欠的に配置されている。
なお、レンズ80は周方向に略等間隔で8つの体積吸収部81と8つの逃がし部82を配しているが、間欠的に配置される体積吸収部と逃がし部の数や間隔は、これに限定されるものではない。
各変形例のレンズ60、70及び80はいずれも、上記の条件(1)、(2)及び(11)を満たしている。
また、各変形例のレンズ60、70及び80はそれぞれ、光学機能部41におけるレンズ面43、44の周囲の領域のうち、外周面上に体積吸収部61、71及び81を有しており、体積吸収部61、71及び81がコバ部42の逃がし部62、72及び82に入り込んでいる。そのため、コバ部42の内周面42dの位置で規定される光学機能部41の面径dと、レンズ面43、44の有効径e(光学的に有効なレンズ面43、44の直径)との差を小さくする効果が得られる。
また、各変形例のレンズ60、70及び80はそれぞれ、コバ部42の内周部に逃がし部62、72及び82のような凹凸形状を有することにより、光学機能部41との結合強度を向上させる効果が得られる。
本発明の実施の形態は上記実施形態やその変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよい。さらには、技術の進歩又は派生する別技術によって、本発明の技術的思想を別の仕方で実現することができれば、その方法を用いて実施されてもよい。したがって、特許請求の範囲は、本発明の技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施形態をカバーしている。
30 :成形型
31 :胴型
32 :下型
33 :上型
34 :レンズ形成面
35 :コバ部保持面
36 :レンズ形成面
37 :コバ部保持面
40 :レンズ
41 :光学機能部
42 :コバ部
42a :第1平面(位置基準面)
42b :第2平面(位置基準面)
42c :コバ部の外周面(位置基準面)
42d :コバ部の内周面
43 :レンズ面
44 :レンズ面
45 :光学機能部の外周面
46 :体積吸収部
47 :体積吸収部
48 :情報表示部
50 :レンズユニット
51 :鏡筒
52 :鏡筒内空間
53 :位置規制面
54 :円筒面
60 :レンズ
61 :体積吸収部
62 :逃がし部
70 :レンズ
71 :体積吸収部
72 :逃がし部
80 :レンズ
81 :体積吸収部
82 :逃がし部
D :外径
PF2 :ガラスプリフォーム
Xb :光軸
d :面径
e :有効径
t :コバ部の厚さ
w :コバ部の幅

Claims (8)

  1. ガラスのプレス成形品であり、光軸方向の両側にレンズ面を有し、プレス成形に伴う形状誤差を許容する体積吸収部を前記レンズ面の周囲に有する光学機能部と、
    前記光学機能部の前記ガラスとは異なる材質からなり、前記体積吸収部の外側を囲んで前記光学機能部の外周面と固定され、レンズ位置の基準となる位置基準面を有するコバ部と、を備え、
    前記コバ部の外周面により規定される光軸直交方向の外径Dと、前記コバ部の光軸方向の厚さtとが、下記条件(1)又は(2)を満たすことを特徴とするレンズ。
    (1)2mm≦D≦5mmにおいて、
    0.15≦t≦0.35
    (2)D>5mmにおいて、
    0.15+(D-5)×0.03≦t≦0.15+(D-5)×0.07
  2. 前記コバ部は金属製であることを特徴とする、請求項1に記載のレンズ。
  3. 前記位置基準面は、光軸に対して垂直な平面であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のレンズ。
  4. 前記体積吸収部は、光軸直交方向で前記光学機能部の前記レンズ面と前記光学機能部の前記外周面との間に位置していることを特徴とする、請求項1又は2に記載のレンズ。
  5. 前記体積吸収部は、前記光学機能部の前記外周面上に設けられ、
    前記コバ部は、前記体積吸収部を収容可能な逃がし部を内周部に有することを特徴とする、請求項1又は2に記載のレンズ。
  6. 前記コバ部は、前記光学機能部の前記外周面に固定される内周面が黒化処理されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のレンズ。
  7. 前記コバ部は、外面全体が黒化処理されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のレンズ。
  8. 前記レンズを内部に挿入可能な鏡筒を備え、
    前記レンズの前記位置基準面と、前記鏡筒内の位置規制面との当接によって、前記鏡筒に対する前記レンズの位置を定めることを特徴とする、請求項1又は2に記載のレンズを備えるレンズユニット。
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