JP2024032580A - 運転状況モニタリング装置 - Google Patents

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Abstract

Figure 2024032580000001
【課題】車両位置に対応した運転操作の内容を精度よく推定することで、信頼性の高い運転方法の振り返りを可能とする運転状況モニタリング装置を提供することを目的とする。
【解決手段】代表的な本発明の運転状況モニタリング装置の一つは、軌道上を走行する車両の車両位置と当該車両における運転操作内容との関係を提示する運転状況モニタリング装置であって、マスコンハンドルの操作音を集音する集音部を備え、前記集音部で集音されたマスコンハンドルの操作音に基づいて運転操作内容を推定することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、運転状況モニタリング装置に関する。
軌道上を走行する電車では、運転士の操縦技術にばらつきが存在する。これにより、駅と駅との間の走行速度パターン(以下、「走行パターン」という)に基づいて、同様の時分で同様の駅間を走行している場合であっても、駅間走行における電車の消費電力量には、ばらつきが生じる。
しかし、運転士の操縦技術に基づく走行パターンのばらつきを低減し、すべての電車の走行パターンを省エネな走行パターンに揃えることができれば、鉄道運行の省エネ化が可能である。
走行パターンのばらつきを低減するための方策として、運行後の走行パターンを振り返る運転士教育の実施がある。
当該運転士教育では、例えば、運行中の走行パターンを装置に蓄積し、運転士が空き時間に、走行パターンを可視化した結果を、運転操作や消費電力量などのデータと合わせて振り返ることで、自身の運転操作の改善に役立てることができる。
ここで、電車の走行パターンを蓄積するためには、車両位置および車両速度を入力する必要がある。
従来、車両位置および車両速度の取得、特に運転士教育に利用できる高精度の車両位置と車両速度を取得するためには、電車の車両情報装置から取得する必要があった。
しかしながら、車両情報装置から取得するには、車両情報装置そのものを高精度の車両位置と車両速度が取得できるように改修することが必要となる。さらに、車両情報装置が搭載されていない車両や搭載することができない車両については、実現が難しいという課題がある。
車両情報装置から高精度の車両位置と車両速度を取得することなく、当該情報を取得する方法として、GPS受信機能を備えた携帯端末を車両に持ち込み、GPS受信機能で取得した緯度と経度の情報から車両位置を算出し、また、GPS受信機能から取得できる車両速度を活用する方法がある。
走行パターンの振り返りには、車両位置に応じた車両速度の情報に加えて、車両位置に応じた運転操作の把握が重要である。なぜならば、運転士にとって車両速度はあくまでも運転操作の結果であり、車両速度の変化を発生させるための入力情報は運転操作であるからである。
車両情報装置と独立した構成で、運転操作の内容を推定するための方法として、GPS受信機から取得できる車両速度の微分計算で車両加速度を算出し、当該加速度を発生させるために必要な駆動力の推定結果から、運転操作を推定する方法がある。
特許文献1には、GPS受信機を活用して運転支援を行う技術が開示されており、車両速度から運転入力装置の一つであるノッチ操作の実績を推定する旨の記載がある。
特開2008-247247号公報
しかしながら、GPS受信機から得られる車両速度の精度は、GPS衛星の電波の受信状態などに依存して変動するため、運転方法の振り返り用途として十分な精度を持つとは限らない。こうしたGPS衛星の電波の受信状態などに依存する運転状況モニタリング装置への影響は、特許文献1においても検討されていない。
そこで本発明は、車両位置に対応した運転操作の内容を推定することで、運転方法の振り返りを可能とする運転状況モニタリング装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、代表的な本発明の運転状況モニタリング装置の一つは、軌道上を走行する車両の車両位置と当該車両における運転操作内容との関係を提示する運転状況モニタリング装置であって、マスコンハンドルの操作音を集音する集音部を備え、前記集音部で集音されたマスコンハンドルの操作音に基づいて運転操作内容を推定することを特徴とする。
本発明によれば、車両位置に対応した運転操作の内容を推定することで、運転方法の振り返りを可能とする運転状況モニタリング装置を提供することができる。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施をするための形態における説明により明らかにされる。
第1実施形態に係る運転状況モニタリング装置の構成の一例を示す図。 鉄道車両の車種とマスコンハンドルにおけるノッチ段数の関係の一例を示す図。 ノッチ位置と速度に対応する駆動力の関係の例を示す図。 ノッチ投入状態推定結果の例を示す図。 運転操作履歴の可視化例を示す図。 ノッチ投入状態推定部が実行する処理のフローチャートの例を示す図。 ノッチ投入状態推定部が実行する処理のフローチャートの例を示す図。 マスコンハンドル操作時刻と鳴動回数の関係を示す図。 マスコンハンドル操作音の検知漏れに対するノッチ位置候補の推定例を示す図。 第2実施形態に係る運転状況モニタリング装置の構成の一例を示す図。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態として、実施例1及び実施例2について説明する。なお、これら実施例により本発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付して示している。
同一あるいは同様の機能を有する構成要素が複数ある場合には、同一の符号に異なる添字を付して説明する場合がある。また、これらの複数の構成要素を区別する必要がない場合には、添字を省略して説明する場合がある。
図面において示す各構成要素の位置、大きさ、形状、範囲などは、発明の理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、形状、範囲などを表していない場合がある。このため、本発明は、必ずしも、図面に開示された位置、大きさ、形状、範囲などに限定されない。
[第1実施形態]
まず、図1を参照して、第1実施形態について説明する。
図1は、本開示の実施形態に係る運転状況モニタリング装置10の構成の一例を示す図である。
運転状況モニタリング装置10は、鉄道車両において、GPSを活用して推定された車両位置と車両速度に基づき、駅間の走行パターンを可視化することで、運転士の運転操作振り返りに供することができる。
運転状況モニタリング装置10が走行パターンを可視化する鉄道車両は、鉄道における一般的な運転操作の入力装置であるマスコンハンドル操作で動作する。
ここで、マスコンとは、マスターコントローラの略称で、鉄道車両の運転台に備えられ、運転士が速度を制御するために操作する装置のことである。マスコンは主幹制御器とも呼ばれる。
マスコンは、鉄道車両の加減速を制御する。マスコンは、マスコンハンドルの位置に基づいて鉄道車両の加減速を制御するための指令状態を決定する。
本実施形態のマスコンは、指令状態をマスコンハンドルのノッチ投入状態に基づいて決定するが、それ以外で決定してもよい。例えば、マスコンハンドルの位置のみに基づいて決定してもよい。
本実施形態では、運転状況モニタリング装置10は、衛星測位情報としてグローバルポジショニングシステム(GPS)機能を有するタブレット端末であるが、その他のハードウェアであってもよい。
運転状況モニタリング装置10は、GPS受信部101と、軌道上位置推定部102と、車両速度推定部103と、操作部104と、行路情報管理部105と、ノッチ投入状態推定部106と、集音部107と、特徴音検出部108と、運転操作履歴蓄積部109と運転操作履歴伝達部110と、を主に含む。
<GPS受信部>
GPS受信部101は、受信したGPS信号に基づいて、既定の時間周期で、緯度・経度151を生成し、軌道上位置推定部102に送信する。
GPS受信部101は、衛星測位情報を受信する衛星測位情報受信部とも称される。本実施形態では、衛星測位情報としてグローバル・ポジショニング・システム(GPS)から受信するGPS信号を利用しているが、鉄道車両の位置を測定できるのならば、その他の衛星測位システムからの測位情報であってもよい。
GPS受信部101が生成する緯度・経度151の時間周期は、走行パターン可視化による運転士の運転操作振り返りを考慮して、設定される。
例えば、時間周期が短すぎた場合、可視化される走行パターンは、GPSの精度限界による位置ばらつきの影響によって、実際の車両速度には存在しない振動成分が含まれる可能性がある。
例えば、時間周期が長すぎた場合、可視化される走行パターンは、車両速度変化の再現性が悪くなり、運転士の運転操作振り返りが困難になる。
緯度・経度151の時間周期は、このような影響を受けない周期を考慮して設定される。
<軌道上位置推定部>
軌道上位置推定部102は、GPS受信部101から受信する緯度・経度151および行路情報管理部105から受信する線路形状154に基づき、軌道上位置152を計算により推定する。
軌道上位置推定部102は、推定した軌道上位置152を車両速度推定部103、行路情報管理部105、ノッチ投入状態推定部106および運転操作履歴蓄積部109に送信する。
ここで、線路形状154は、車両が走行している線路の形状を、点列データで表現したものである。
当該点列の各点には、緯度、経度および軌道に沿った絶対位置を表す値を対応づけている。軌道に沿った絶対位置を表す値の代表的な例は、キロ程である(以降、当該パラメータは「キロ程」という)。
例えば、自動車のカーナビゲーションシステムでは、GPSで取得した移動体の緯度・経度を基に、既定の経路上に沿うように移動体である自動車の位置をマッピングする技術が、一般的に実装されている。
それに対して、軌道上位置推定部102は、線路形状154のデータと緯度・経度151とを照らし合わせて、緯度・経度151に対応する軌道上位置152を推定することから、このカーナビゲーションシステムの技術を応用することができる。
<車両速度推定部>
車両速度推定部103は、軌道上位置推定部102から受信する軌道上位置152に基づいて推定速度153を計算により推定する。
本実施形態では、車両速度推定部103は、例えば、隣り合う周期の軌道上位置152の差分を、1周期分の時間で除することによって、推定速度153を算出する。
車両速度推定部103は、推定した推定速度153をノッチ投入状態推定部106と運転操作履歴蓄積部109に送信する。
車両速度推定部103は、推定速度153を計算以外の方法で推定してもよい。例えば、GPS101受信部から直接的に推定速度153を取得してもよい。
<操作部>
操作部104は、運転士の操作による入力から行路情報155を受け付ける。操作部104は、受け付けた行路情報155を行路情報管理部105へ送信する。
本実施形態では、操作部104は、タブレット端末である運転状況モニタリング装置10のタッチパネルであるが、運転士の操作による入力を受け付けられれば、その他のハードウェアであってもよい。
行路情報155は、例えば、現在駅、行先駅、列車種別および列車番号であるが、その他の情報を追加してもよい。
<行路情報管理部>
行路情報管理部105は、操作部104から行路情報155および軌道上位置推定部102から軌道上位置152を受信する。
行路情報管理部105は、線路形状154を軌道上位置推定部102する。また、行路情報管理部105は、走行駅間156をノッチ投入状態推定部106へ送信する。
行路情報管理部105は、鉄道車両が走行する路線の路線形状データをデータベースとして記憶している。
ここで、線路形状154は、上記のとおり、車両が走行している線路の形状を、点列データで表現したものである。
行路情報管理部105は、軌道上位置推定部102内における軌道上位置152の検索処理を効率化するために、行路情報155に基づいて車両が走行する可能性がある区間のデータに限定して、線路形状154を軌道上位置推定部102へ送信する。
走行駅間156は、車両が現在走行していると考えられる駅間の情報である。走行駅間156は、受信した行路情報155に含まれる列車番号、行路情報管理部105内に予め保持しているダイヤ情報、現在時刻および受信した軌道上位置152に基づいて、決定される。
走行駅間156は、受信した軌道上位置152が含まれているのは、遅延が発生して、ダイヤ情報と現在時刻との照合によって適切な走行駅間156が抽出できない場合に備えるためである。
<ノッチ投入状態推定部>
次に、図2、図3を参照して、ノッチ投入状態推定部106について説明する。
図2は、鉄道車両の車種とマスコンハンドルにおけるノッチ段数の関係の一例を示す図である。
図3は、ノッチ位置と速度に対応する駆動力の関係の例を示す図である。
図4は、ノッチ投入状態推定結果157の例を示す図である。
ノッチ投入状態推定部106は、ノッチ投入状態推定結果157を生成し、車両位置と運転操作内容との関係を提示する。ノッチ投入状態推定部106は、生成したノッチ投入状態推定結果157を、運転操作履歴蓄積部109へ送信する。
ノッチ投入状態推定結果157は、時刻とノッチ段数をセットにしたデータである。なお、ノッチ投入状態推定部106の処理詳細については後述する。
ノッチ投入状態推定部106は、ノッチ投入状態推定結果157の生成にあたり、車両速度推定部103から推定速度153を受信する。同様に、ノッチ投入状態推定部106は、行路情報管理部105から走行駅間156を受信する。同様に、特徴音検出部108からマスコンハンドル操作音検出結果159を受信する。
運転操作履歴を作成する車両の種類によっては、マスコンハンドルのノッチ段数が異なる場合がある。そのため、図2に示すように、予め車種ごとのマスコンハンドルノッチ段数を内部情報として備え、さらに、図3に示すようにノッチ位置と速度ごとの駆動力を車種ごとに内部情報として備える。
本実施形態では、鉄道車両は、マスコンハンドルの位置に基づいて鉄道車両の加減速を制御する。これにより、ノッチ投入状態推定部106は、運転操作内容推定部としても機能する。
<集音部>
集音部107は、運転状況モニタリング装置10の周囲の音を集音する集音機能を備える。
運転状況モニタリング装置10は、集音部107が集音可能な音に少なくともマスコンハンドル操作音が収まるように設置される。
集音部107は、集音結果158を、特徴音検出部108に送信する。
本実施形態では、集音部107は、タブレット端末である運転状況モニタリング装置10に付属するマイクであるが、周囲の音を集音する集音機能を備えるならば、その他のハードウェアであってもよい。
例えば、運転状況モニタリング装置10に有線・無線を問わず接続できる外付けマイクであってもよい。
本実施形態では、運転状況モニタリング装置10は、可能な限り、マスコンハンドルが動作する場所に近い位置に設置される。つまり、集音部107は、マスコンハンドルを動作させたときの操作音を集音可能な位置に設置される。例えば、集音部107は、これにより、集音部107は、マスコンハンドル操作音を精度よく捉えることができる。
<特徴音検出部>
特徴音検出部108は、集音部107から送信された集音結果158において、マスコンハンドル操作音を抽出する。
特徴音検出部108は、運転士による一般的なマスコンハンドル操作の頻度や操作速度に基づき、1秒間に10回程度でマスコンハンドル操作音を判定するが、そのほかの周期で判定してもよい。いずれの場合であっても、細かい運転操作の振り返り、扱うデータ量の増大、分析負荷の増大をについて周期を決定することが望ましい。
具体的には、特徴音検出部108は、集音結果158から、一般的な音声の特徴量抽出手法によってマスコンハンドル操作音の特徴から、マスコンハンドル操作音を抽出する。
一般的な音声の特徴量抽出手法は、例えば、パターンマッチング手法や深層学習を利用してもよい。
特徴音検出部108は、マスコンハンドル操作音検出結果159を、ノッチ投入状態推定部106に送信する。
マスコンハンドル操作音検出結果159は、マスコンハンドル操作音発生時刻と、マスコンハンドルの鳴動回数を含む。
ここで、マスコンハンドルの鳴動回数は、マスコンハンドルの操作時に複数のノッチの間を移動させる場合に通過する一つ一つのノッチで発生する操作音である。
<運転操作履歴蓄積部>
運転操作履歴蓄積部109は、軌道上位置152、推定速度153、ノッチ投入状態推定結果157に基づいて、運転操作履歴160を生成する。運転操作履歴蓄積部109は、生成した運転操作履歴160を運転操作履歴伝達部110へ送信する。
運転操作履歴160は、少なくとも運転状況モニタリング装置を搭載している車両の走行パターンとノッチ投入履歴のデータを含む。
走行パターンのデータは車両位置と車両速度の時系列データであり、駅間走行ごとや行路ごとなど、列車の運行としてまとまった単位の情報である。
ノッチ投入履歴のデータは、車両位置とノッチ情報の時系列データであり、駅間走行ごとや行路ごとなど、列車の運行としてまとまった単位の情報である。
運転操作履歴160には、走行パターンやノッチ投入履歴のデータ以外のデータを含んでもよい。例えば、本実施形態では、走行パターンやノッチ投入履歴のデータから推定される電力消費の時系列データを含んでいる。
これにより、運転状況モニタリング装置のユーザは、駅間の走行パターン、ノッチ投入履歴とそれによる電力消費の関係を併せて確認することができる。更に、比較用として、省エネ性の観点で理想的な走り方をした場合の走行パターン、ノッチ投入履歴、および電力消費のデータを予め用意し、運転操作履歴160に含めることによって、運転状況モニタリング装置を使用するユーザは、理想的な走り方と今回の走行パターン、ノッチ投入履歴の差異を、電力消費の差異と併せて確認することができる。
<運転操作履歴伝達部>
運転操作履歴伝達部110は、運転状況モニタリング装置10のユーザに対して、運転操作履歴160のデータを可視化して出力する表示部である。
次に、図5を用いて運転操作履歴160の可視化例について説明する。
図5の上段に示すグラフは、可視化例として、横軸に車両位置、縦軸に車両速度をとったグラフである。図5の中段に示すグラフは、可視化例として、横軸に車両位置、縦軸に投入ノッチ段数をとったグラフである。図5の下段に示すグラフは、可視化例として、横軸に車両位置、縦軸に消費電力をとったグラフである。図5の下段に示すテーブルは、可視化例として、駅間消費電力量や走行時分を示すグラフである。
図5のグラフでは、黒実線で実測を示し、黒鎖線で省エネ状態、つまり理想の状態を示す。
当該グラフを可視化することで、詳細な運転操作履歴の振り返りができる。例えば、図5の上段に示すグラフと、図5の中段に示すグラフの同じ車両位置を比較することで、当該車両位置におけるノッチ投入操作と、その場合の速度を振り返ることができる。
さらに、運転操作履歴160に、比較用の走行パターンデータやノッチ投入履歴データが含まれている場合は、これらも重ねて表示すると比較が容易となる。
例えば、図5の上段に示すグラフと、図5の下段に示すグラフの同じ車両位置を比較することで、当該車両位置におけるノッチ投入操作と、その場合の消費電力を振り返ることができる。
さらに、当該グラフおよびテーブルを可視化することで走行パターン、ノッチ投入履歴と電力消費との関係の把握が容易になる。さらに、駅間を通した全体の評価結果を把握することができる。
運転操作履歴伝達部110は、ノッチ投入状態推定部106による運転操作内容の推定精度の評価結果が設定した閾値以下である場合に通知してもよい。このとき、運転操作履歴伝達部110は、通知部としても機能する。
次に、図6を用いて、ノッチ投入状態推定部106の処理例を説明する。
図6は、ノッチ投入状態推定部106が実行する処理のフローチャートの例を示す図である。
ノッチ投入状態推定部106は図6に示す処理をマスコンハンドル操作音検出結果159が更新されたタイミングで実行する。
STEP601では、マスコンハンドル操作時刻を取得する。
具体的には、ノッチ投入状態推定部106は、マスコンハンドル操作音検出結果159から、マスコンハンドル操作時刻を取得する。
STEP602では、当該区間の平均加速度を求める。
具体的には、ノッチ投入状態推定部106は、前回の処理時に取得した前回のマスコンハンドル操作時刻から、今回の処理時に取得したマスコンハンドル操作時刻までの車両の加速度に基づいて、当該区間の平均加速度を求める。
ここで、加速度は車両速度推定部103から取得した推定速度153を時間微分したものであり、測定した軌道上位置152に基づいて測定した位置情報に基づいた、速度と移動距離から求める実測加速度である。
STEP603では、現在の車両位置・速度から、走行抵抗を計算する。
具体的には、ノッチ投入状態推定部106は、走行抵抗計算式を用いて走行抵抗を計算する。なお、走行抵抗計算式については、周知であるので具体な原理の説明は省略する。
ここで、ノッチ投入状態推定部106は、走行環境となる路線の線形、勾配、車両の空気抵抗特性などを内部情報として取得し、当該内部情報を考慮して走行抵抗を計算してもよい。
STEP604では、STEP602で求めた平均加速度を実現するための駆動力を計算する。
具体的には、ノッチ投入状態推定部106は、駆動力を以下の運動方程式から求める。
Figure 2024032580000002
ここで、運動方程式に必要な車両空車重量はノッチ投入状態推定部106に内部情報としてあらかじめ取得する。また、乗車人数は処理開始時に運転士が運用開始前に手動で入力してもよいし、過去の実績から得られる乗車率の統計値を用いてもよい。
STEP605では、駆動力・制動力を実現するノッチ位置を算出する。
具体的には、ノッチ投入状態推定部106は、STEP604で得られた駆動力に最も近似する駆動力・制動力となるようなノッチ位置を、速度ごとの駆動力・制動力に関するマスコンハンドルの仕様から計算する。
例えば、ノッチ投入状態推定部106は、図3に示すようなノッチ位置と速度に対応する駆動力の関係を内部情報としてあらかじめ取得し保存しており、当該内部情報を用いてノッチ位置が算出、推定される。
STEP606では、前回のマスコンハンドル操作時刻から今回のマスコンハンドル操作時刻までの間で2つの加速度の差の絶対値が閾値を超えるか否かを判定する。
2つの加速度の差の絶対値が閾値を超える場合は、STEP608に進む。超えない場合はSTEP607に進む。
ここで、2つの加速度とは、STEP605で特定したノッチ位置から再度運動方程式を解くことで得られる推定加速度と、STEP602で求めた実測加速度である。
具体的には、ノッチ投入状態推定部106は、2つの加速度の差の絶対値を比較する。
ここで、前回のマスコンハンドル操作時刻から今回のマスコンハンドル操作時刻までの間で、運動方程式は、以下のように立式する。
Figure 2024032580000003
ノッチ投入状態推定部106は、あらかじめ内部情報として設定した閾値に基づいて、2つの加速度の差の絶対値を判定する。
2つの加速度の差の絶対値が閾値を超えた場合、ノッチ投入状態推定部106は、推定精度の評価結果が閾値を下回り、実際のノッチ位置を推定できていないと判断できる(以下、「ノッチ位置不明」という。)。このとき、ノッチ投入状態推定部106は、例えば、マスコンハンドル操作音の検知漏れによって複数のノッチ位置に対する加速度が平均されていると考えられる。ただし「ノッチ位置不明」となる要因は検知漏れに限られるものではない。
あらかじめ内部情報として設定した閾値は、走行する区間や車種ごとに調整して設定してもよい。例えば、当該の区間での平均乗車人員において、各ノッチでの加速度を運用開始前に計算し、隣接するノッチに対応する加速度をそれぞれ引いた差分の中間値を閾値とする方法で設定してもよい。このとき、P5ノッチにおける加速度が2.5 km/h・sであり、P4ノッチにおける加速度が2.0km/h・sであった場合、閾値は0.25となる。また、ノッチ位置と加速度の関係は車両速度、車両重量、路線条件で異なるため、閾値を求める際は運動方程式を用いてノッチと加速度の関係を計算する。
STEP607では、ノッチ投入状態推定部106は、STEP605で求めたノッチ位置を運転操作履歴蓄積部109に送信し、処理を終了する。
STEP608では、ノッチ投入状態推定部106は、マスコンハンドル操作時刻の前回から今回までの間を「ノッチ位置不明」として運転操作履歴蓄積部109に送信し、処理を終了する。
本実施形態では、ノッチ投入状態推定部106は、2つの加速度の差の絶対値と閾値の大小関係が直接比較されたが、ノッチ位置の推定精度の判定の仕方はこれに限られない。例えば推定精度の値が閾値を下回る場合に精度が不良であると判定するよう、加速度の差の絶対値と推定精度の関係を定めておくことも可能である。
次に、図7、図8、図9を用いて、マスコンハンドル操作音の検知漏れが発生した場合のノッチ投入状態推定部106の処理を説明する。
図7は、ノッチ投入状態推定部106が実行する処理のフローチャートの例を示す図である。
図8は、マスコンハンドル操作時刻と鳴動回数の関係を示す図である。
図7の処理は、マスコンハンドル操作音の検知漏れに対し、マスコン操作音の発生回数を計測することで、マスコンハンドル操作音の検知漏れが発生した際のノッチ位置を修正するアルゴリズムを用いて処理を行う点で図6の処理と異なる。
以下の説明において、上述の図6の処理と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
図7の処理は、図6の処理からSTEP608が削除され、STEP700、およびSTEP708からSTEP710が追加されている。
STEP700では、運用が終了しているか否かを判定する。運用終了していればSTEP708に進み、運用中であればSTEP601に進む。
ノッチ投入状態推定部106は、運用開始と終了の判定方法として、例えば、操作部104に対する運転士の手動操作を用いてもよい。このとき、操作部104にデータ取得開始と終了を入力する機能を備える。
ノッチ投入状態推定部106は、運用開始と終了の判定方法として、例えば、本線上を走行していることを、路線地図データと、GPSで取得した位置及び速度から判定する方法や、運転台にあるマスコンキーの抜き差しに伴う音を音声認識で判定する方法、マスコン操作の開始/終了を音声で判定する方法、運転士室の出入りに伴うドアの開閉を音声で判定する方法などを用いて、自動的に判定してもよい。このとき、当該方法を単独または複数組み合わせて用いてもよい。
STEP708では、2つの加速度の差の絶対値が閾値を超えたと判定された区間の前後において、ノッチ位置が確定している時刻のノッチ位置とマスコンハンドル鳴動回数を取得する。
2つの加速度は、STEP606で求めたノッチ位置から得られる推定加速度と、STEP602で求めた実測加速度である。
このとき、ノッチ位置が確定しているものは、前回のマスコンハンドル操作時刻から今回のマスコンハンドル操作時刻までの間で2つの加速度の差の絶対値が閾値を超えていないと判定された場合のマスコンハンドル操作および、及び運用開始前と終了後に投入される非常ブレーキである。
ここで、マスコンハンドル鳴動回数は図8に示すようにマスコンハンドル操作音発生時刻に応じて取得される。
次に、図9を用いてSTEP709の処理について説明する。
図9は、マスコンハンドル操作音の検知漏れに対するノッチ位置候補の推定例を示す図である。図9のグラフは、横軸に車両位置L0からL4までの車両位置、縦軸にB2からP4までのノッチ操作をとったグラフを示す。
図9において、黒点線は、実際のノッチ投入履歴を示すグラフである。まあ、図9の黒一点鎖線はは、推定前のノッチ投入履歴を示すグラフである。さらに、図9の黒実線は、推定後のノッチ投入履歴を示すグラフである。
STEP709では、ノッチ投入履歴が不明な区間のノッチ位置の候補を推定する。
具体的には、ノッチ投入状態推定部106は、ノッチ投入履歴が不明な区間に対し、その区間の前後で確定している推定ノッチ位置、マスコンハンドル操作音の鳴動回数、車両速度推定部103から得られる推定速度153を時間微分した加速度を、隣り合う区間で比較した結果に基づいて、ノッチ位置の候補を推定する。
例えば、当該加速度が正であれば、ノッチ位置がノッチアップの方向に鳴動回数分変化したと判定する。
例えば、当該加速度が負であれば、ノッチダウンの方向に鳴動回数分変化したと判定する。
例えば、当該加速度が0であればノッチアップもダウンもしていないとして、ノッチ位置の変更を行わない。
図9の例では、次に様な事象を前提としている。
「実際のノッチ投入履歴は、L0からL1ではP1であり、L1においてノッチアップ操作3回、L2において、ノッチダウン操作2回、L3において、ノッチダウン操作4回である。
これに対し、集音部104、およびノッチ投入状態推定部106は、L1においてマスコンハンドル操作音鳴動回数が3回、加速度方向が正であるデータを取得している。また、L3においてマスコンハンドル操作音鳴動回数が4回、加速度方向が負であるデータを取得している。
しかし、集音部104は、L2においてマスコンハンドル操作音鳴動回数が2回あったデータが取得できていない。その結果、L1からL3の区間がノッチ投入履歴不明区間となっている」
このため、図9においは、L0からL1の区間は、点線、一点鎖線、実線ともにP1。L1からL2‘の区間は、点線、実線はP4,一点鎖線は記載なし。L2’からL2の区間は、点線はP4、実線はP2。L2からL3の区間は、点線、実線はP2,一点鎖線は記載なし。L3からL4の区間は、点線、一点鎖線、実線ともにB2を示している。なお、図9においては、点線、一点鎖線、実線のグラフが同じ値であり、重なり合っている箇所についても、表記上、並列して記載している箇所がある。
こうした場合、ノッチ投入履歴不明区間におけるノッチ投入履歴の推定は、L0からL1までの区間におけるノッチは、P1であること、L3からL4におけるノッチがB2であること、ノッチ投入状態推定部106は、L1においてマスコンハンドル操作音鳴動回数が3回、加速度方向が正であることから、当該位置において、3回のノッチアップ操作をしたと推定できること、L3においてマスコンハンドル操作音鳴動回数が4回、加速度方向が負であることから、当該位置において、4回のノッチダウン操作をしたと推定できことから、L1からL3の間にノッチダウンの操作が2回存在してたことを推定できる。ちなみに、1回のマスコンハンドル操作でノッチアップ操作とノッチダウン操作をする場合は、操作ミスなど以外では考えにくいため、連続したマスコンハンドル操作音の鳴動は同一方向での操作とみなすことが前提となっている。
そうすると、図9において、推定後のノッチ投入履歴としては、L1からL3までの区間のいずれかの位置L2’において2回のノッチダウン操作を標記すべく、図9の実線のように表記することが可能となる。
このとき、実際にノッチ操作が行われた位置L2と、ノッチ操作が行われたと推定された位置L2’は異なる可能性が高い。しかしながら、ノッチ投入履歴不明区間でのノッチ操作が判明すること、ノッチ投入履歴不明区間の大きさによってはL2とL2’は誤差として運転操作振り返りに支障がないものとして扱うことができる。
STEP710では、STEP709で求めたノッチ位置を運転操作履歴蓄積部109に送信する。
図7のSTEP708~STEP710に示すアルゴリズムにより、マスコンハンドル操作音の検知漏れが存在したとしても、その前後区間における情報から、これにより、ノッチ操作不明区間でどのようなマスコンハンドル操作があったか推定できる。
このように、本実施形態の運転状況モニタリング装置10によれば、運転状況モニタリング装置10は、鉄道車両において、GPSを活用して推定された車両位置と車両速度に基づき、駅間の走行パターンを可視化することができる。これにより、運転士の運転操作振り返りに供することができる。すなわち、走行パターンのばらつきを低減し、省エネな走行パターンに揃えることによって、鉄道運行の省エネ化をすることができる。
[第2実施形態]
次に、図10を参照して、第2実施形態について説明する。
図10は、本実施形態に係る運転状況モニタリング装置20の構成の一例を示す図である。
第2実施形態の運転状況モニタリング装置20は、鉄道車両において、GPS機能に拠らず、実測加速度を測定可能な加速度計測装置を備える点で、第1実施形態と異なる。
以下の説明において、上述の第1実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
また、運転状況モニタリング装置20が走行パターンを可視化する鉄道車両も、マスコンハンドル操作で動作する。
運転状況モニタリング装置20は、加速度計測部1001と、車両速度推定部1002と、軌道上位置推定部1003と、操作部104と、行路情報管理部105と、ノッチ投入状態推定部1006と、集音部107と、特徴音検出部108と、運転操作履歴蓄積部109と運転操作履歴伝達部110と、を主に含む。
<加速度計測部>
加速度計測部1001は、加速度計測装置で測定した加速度計測結果を、既定の時間周期で出力する。加速度計測部1001は、出力した実測加速度を、車両速度推定部1002及びノッチ投入状態推定部1006に送信する。ここで、時間周期は、運転状況モニタリング装置の目的である走行パターン可視化による運転士の運転操作振り返りを考慮して、1秒間に10回程度であるが、その他の周期であってもよい。
例えば、時間周期が短すぎると、データ量が増大し処理の負荷が大きくなる、細かい振動ノイズの影響により、後処理における車両速度・位置推定の再現性が悪化する等の問題が発生する。
例えば、時間周期が長すぎると、細かい加速度変化を検知できなくなるため、車両速度・位置推定の積分誤差が悪化する等の問題が発生する。
いずれの場合であっても、時間周期は、運転操作の振り返りの観点の必要性、扱うデータ量の増大や、以降の処理部における分析負荷の増大を抑制とのバランスに基づいて決定される。
加速度計測部1001は、加速度計測装置であわせて重力加速度も取得する。これにより、加速度計測部1001は、車両の加減速による加速度と、重力加速度を分離する必要がある。
加速度計測部1001は、例えば、加速度計測装置の姿勢を考慮して重力加速度を分離する手法や、ハイパスフィルタを用いて高周期の加速度変化のみを取得することで重力加速度を分離する手法を利用することができる。なお、当該手法については、周知であるので具体な原理の説明は省略する。
<車両速度推定部>
車両速度推定部1002は、加速度計測部1001から得た加速度と、時間周期と、前回の処理時の速度に基づいて車両速度を推定する。車両速度推定部1002は、推定した推定速度1052を、軌道上位置推定部1003、運転操作履歴蓄積部109に送信する。
<軌道上位置推定部>
軌道上位置推定部1003は、車両速度推定部1002から得た速度と時間周期と、前回の処理時の位置に基づいて軌道上位置を推定する。
軌道上位置推定部1003は、推定した軌道上位置が積分誤差に基づく誤差を含んで推定する。
軌道上位置推定部1003は、当該誤差を補正するため、運用中の次駅停車時に、現在の車両位置を停車中の駅の停車位置に補正する。このとき、軌道上位置推定部1003は、走行中の区間は行路情報管理部105から取得する。
軌道上位置推定部1003は、各駅における停車位置を内部情報としてあらかじめ取得する。
軌道上位置推定部1003は、1駅前からの時間-軌道上位置履歴の軌道上位置に対し、以下の演算を行うことで補正する。
Figure 2024032580000004
軌道上位置推定部1003は、軌道上位置1053を運転操作履歴蓄積部109、行路情報管理部105に送信する。
<ノッチ投入状態推定部>
ノッチ投入状態推定部1006は、ノッチ投入状態推定結果157を生成し、車両位置と運転操作内容との関係を提示する。ノッチ投入状態推定部106は、生成したノッチ投入状態推定結果157を、運転操作履歴蓄積部109へ送信する。
ノッチ投入状態推定部1006は、ノッチ投入状態推定部106と異なり、加速度情報1051を用いてノッチ投入状態推定結果157を生成する。
ノッチ投入状態推定部1006は、ノッチ投入状態推定結果157の生成にあたり、加速度計測部1001から加速度情報1051を受信する。同様に、ノッチ投入状態推定部1006は、車両速度推定部1002から推定速度1052を受信する。同様に、ノッチ投入状態推定部1006は、行路情報管理部105から走行駅間156を受信する。同様に、特徴音検出部108からマスコンハンドル操作音検出結果159を受信する。
このように、本実施形態の運転状況モニタリング装置20によれば、運転状況モニタリング装置20は、鉄道車両において、加速度計測部1001を用いて得られる加速度と、集音部107を用いて得られるマスコンハンドル操作時の操作音を活用して推定された車両位置と車両速度に基づき、駅間の走行パターンを可視化することで、運転士の運転操作振り返りに供することができる。これにより、GPS機能を備えないシステムでの機能実現が出来るほか、GPS機能が備わっている場合でもGPS機能が有効に機能しない場合の補完的な役割を果たすことができる。すなわち、GPS機能以外の手段で車両位置と車両速度を推定して運転操作振り返りに供することができる。
本発明は、上述した各実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
例えば、第2実施形態の運転状況モニタリング装置20は、加速度計測部1001、車両速度推定部1002および軌道上位置推定部1003に加えて、GPS受信部101および軌道上位置推定部102と併設する形態で設けてもよい。これにより、加速度計測結果による車両位置推定とGPS利用による車両位置推定を、互いの苦手なシーンを補い合う形で利用することができ、運転状況モニタリング装置の活用シーンを広げることができる。
また、本発明は以下のような態様をとることもできる。
(態様1)
軌道上を走行する車両の車両位置と当該車両における運転操作内容との関係を提示する運転状況モニタリング装置であって、
マスコンハンドルの操作音を含む周囲の音を集音する集音部を備え、
前記集音部で集音されたマスコンハンドルの操作音に基づいて運転操作内容を推定する
ことを特徴とする運転状況モニタリング装置。
(態様2)
態様1に記載の運転状況モニタリング装置であって、
衛星測位情報を受信する衛星測位情報受信部を備え、
前記車両位置を、前記衛星測位情報に基づいて推定する
こと、を特徴とする運転状況モニタリング装置。
(態様3)
態様1又は2に記載の運転状況モニタリング装置であって、
実測加速度を出力可能な加速度計測部を備え、
前記車両位置を、前記加速度計測部の加速度計測結果に基づいて推定する
こと、を特徴とする運転状況モニタリング装置。
(態様4)
態様3に記載の運転状況モニタリング装置であって、
前記マスコンハンドルの前記操作音を検出した時刻と、前記マスコンハンドルの仕様と、前記実測加速度に基づいて、推定加速度を含む前記車両の運転操作内容を推定する、
ことを特徴とする運転状況モニタリング装置。
(態様5)
態様4に記載の運転状況モニタリング装置であって、
前記マスコンハンドルの前記操作音を検出した時刻の前記車両の推定加速度と、前記実測加速度との差の絶対値に基づいて前記運転操作内容の推定精度を評価する
ことを特徴とする運転状況モニタリング装置。
(態様6)
態様5に記載の運転状況モニタリング装置であって、
前記推定精度の評価結果が閾値を下回る場合に通知する通知部を備える
ことを特徴とする運転状況モニタリング装置。
(態様7)
態様6に記載の運転状況モニタリング装置であって、
前記マスコンハンドルの前記操作音の発生回数と、前記車両の前記加速度を比較することで、前記マスコンハンドルの前記操作音の検知漏れを検出する、
ことを特徴とする運転状況モニタリング装置。
(態様8)
態様7に記載の運転状況モニタリング装置であって、
前記運転操作内容は、前記検知漏れに基づいた前記運転操作内容を修正する
ことを特徴とする運転状況モニタリング装置。
(態様9)
態様3ないし8のいずれかに記載の運転状況モニタリング装置であって、
前記集音部で集音された周囲の前記音から前記マスコンハンドルの前記操作音の特徴に基づいて前記操作音を検出する特徴音検出部と、
前記特徴音検出部で検出された前記マスコンハンドルの前記操作音の操作時刻に基づいて前記運転操作内容を推定する運転操作内容推定部と、を備える
こと、を特徴とする運転状況モニタリング装置。
(態様10)
態様1ないし9のいずれかに記載の運転状況モニタリング装置であって、
前記運転操作内容が、前記車両の加減速を制御するための指令状態である
こと、を特徴とする運転状況モニタリング装置。
(態様11)
態様10に記載の運転状況モニタリング装置であって、
前記車両の加減速を制御するための指令状態がノッチ投入状態である
こと、を特徴とする運転状況モニタリング装置。
(態様12)
態様1ないし11のいずれかに記載の運転状況モニタリング装置であって、
前記車両位置と前記運転操作内容の関係、前記車両位置と車両速度の関係を提示する表示部を備える
ことを特徴とする運転状況モニタリング装置。
(態様13)
態様12に記載の運転状況モニタリング装置であって、
前記表示部は、前記車両位置と前記運転操作内容の関係、前記車両位置と前記車両速度の関係を可視化して出力する
ことを特徴とする運転状況モニタリング装置。
(態様14)
態様12又は13に記載の運転状況モニタリング装置であって、
前記表示部は、前記車両が走行中の消費電力量を推定して当該消費電力量の履歴を可視化する
ことを特徴とする運転状況モニタリング装置。
101 GPS受信部
102 軌道上位置推定部
103 車両速度推定部
104 操作部
105 行路情報管理部
106 ノッチ投入状態推定部
107 集音部
108 特徴音検出部
109 運転操作履歴蓄積部
110 運転操作履歴伝達部
151 緯度・経度
152 軌道上位置
153、1052 推定速度
154 線路形状
155 行路情報
156 走行駅間
157 ノッチ投入状態推定結果
158 集音結果
159 マスコンハンドル操作音検出結果
160 運転操作履歴
1001 加速度計測部
1002 車両速度推定部
1003 軌道上位置推定部
1006 ノッチ投入状態推定部
1051 加速度情報
1053 軌道上位置

Claims (14)

  1. 軌道上を走行する車両の車両位置と当該車両における運転操作内容との関係を提示する運転状況モニタリング装置であって、
    マスコンハンドルの操作音を集音する集音部を備え、
    前記集音部で集音されたマスコンハンドルの操作音に基づいて運転操作内容を推定する
    ことを特徴とする運転状況モニタリング装置。
  2. 請求項1に記載の運転状況モニタリング装置であって、
    衛星測位情報を受信する衛星測位情報受信部を備え、
    前記車両位置を、前記衛星測位情報に基づいて推定する
    ことを特徴とする運転状況モニタリング装置。
  3. 請求項1に記載の運転状況モニタリング装置であって、
    実測加速度を出力可能な加速度計測部を備え、
    前記車両位置を、前記加速度計測部の加速度計測結果に基づいて推定する
    ことを特徴とする運転状況モニタリング装置。
  4. 請求項3に記載の運転状況モニタリング装置であって、
    前記マスコンハンドルの前記操作音を検出した時刻と、前記マスコンハンドルの仕様と、前記実測加速度に基づいて、推定加速度を含む前記車両の運転操作内容を推定する
    ことを特徴とする運転状況モニタリング装置。
  5. 請求項4に記載の運転状況モニタリング装置であって、
    前記マスコンハンドルの前記操作音を検出した時刻の前記車両の推定加速度と、前記実測加速度との差の絶対値に基づいて、前記運転操作内容の推定精度を評価する
    ことを特徴とする運転状況モニタリング装置。
  6. 請求項5に記載の運転状況モニタリング装置であって、
    前記推定精度の評価結果が閾値を下回る場合に通知する通知部を備える
    ことを特徴とする運転状況モニタリング装置。
  7. 請求項6に記載の運転状況モニタリング装置であって、
    前記マスコンハンドルの前記操作音の発生回数と、前記車両の前記推定加速度を比較することで、前記マスコンハンドルの前記操作音の検知漏れを検出する、
    ことを特徴とする運転状況モニタリング装置。
  8. 請求項7に記載の運転状況モニタリング装置であって、
    前記運転操作内容は、前記検知漏れに基づいた前記運転操作内容を修正する
    ことを特徴とする運転状況モニタリング装置。
  9. 請求項3に記載の運転状況モニタリング装置であって、
    前記集音部で集音された操作音から前記マスコンハンドルの前記操作音の特徴に基づいて前記操作音を検出する特徴音検出部と、
    前記特徴音検出部で検出された前記マスコンハンドルの前記操作音の操作時刻に基づいて前記運転操作内容を推定する運転操作内容推定部と、を備える
    ことを特徴とする運転状況モニタリング装置。
  10. 請求項1に記載の運転状況モニタリング装置であって、
    前記運転操作内容が、前記車両の加減速を制御するための指令状態である
    ことを特徴とする運転状況モニタリング装置。
  11. 請求項10に記載の運転状況モニタリング装置であって、
    前記車両の加減速を制御するための指令状態がノッチ投入状態である
    ことを特徴とする運転状況モニタリング装置。
  12. 請求項1に記載の運転状況モニタリング装置であって、
    前記車両位置と前記運転操作内容の関係、前記車両位置と車両速度の関係を提示する表示部を備える
    ことを特徴とする運転状況モニタリング装置。
  13. 請求項12に記載の運転状況モニタリング装置であって、
    前記表示部は、前記車両位置と前記運転操作内容の関係、前記車両位置と前記車両速度の関係を可視化して出力する
    ことを特徴とする運転状況モニタリング装置。
  14. 請求項12に記載の運転状況モニタリング装置であって、
    前記表示部は、前記車両が走行中の消費電力量を推定して当該消費電力量の履歴を可視化する
    ことを特徴とする運転状況モニタリング装置。
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