JP2024032317A - 配線基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】配線基板における配線の配置自由度の向上及び電気的特性の向上。【解決手段】実施形態の配線基板1は、積層されている複数の絶縁層111、112と、複数の導体層12、121とを含んでいて、これらの積層方向と交差する第1面FAを有している。配線基板1は、さらに、絶縁層111、112及び導体層12、121の一部によってそれぞれ構成されている第1領域A及び第2領域Bを有し、複数の導体層12、121は、第1領域A及び第2領域Bに渡って形成されている第1導体層12と、第2領域B内だけに形成されている第2導体層121と、を含み、複数の絶縁層111、112は、上面112aで第1導体層12と接する第1絶縁層112と、上面111aで第2導体層121と接する第2絶縁層111と、を含み、第1絶縁層112と第2絶縁層111とは、上面111a、112aの面粗度が互いに異なっている。【選択図】図3

Description

本発明は配線基板に関する。
特許文献1には、コア層の各面に積層された絶縁層及び配線層からなる第1の配線部材、及び、第1の配線部材よりも薄い層間厚及び高い配線密度を有していて第1の配線部材の外側に積層された第2の配線部材を含む配線基板が開示されている。
特開2014-225631号公報
特許文献1に開示の配線基板では、高密度での配置が望まれる配線と高密度配置を要しない配線それぞれについて、配置位置の自由度が低いことがある。例えば、高密度での配置が望まれる配線と、それら以外の配線とを、共に表裏いずれかの外表面の近傍、又はコア基板の近傍に設け得ないことがある。また、例えば所望の電気的特性の実現のために隣接配線層との間の望ましい距離が互いに異なる配線同士を、同一の配線層に設け難いことがある。さらに、求められる配線密度や電気的特性について互いに異なる配線が、それぞれに対して好ましい形態や特性を有する絶縁層上に設けられていないことがある。
本発明の配線基板は、積層されている複数の絶縁層と、前記複数の絶縁層のいずれかを介して積層されている複数の導体層と、を含んでいて、前記複数の絶縁層の積層方向と交差する外表面として第1面を有している。そして前記配線基板は、さらに、前記複数の絶縁層及び前記複数の導体層の一部によってそれぞれ構成されていて互いに隣接する第1領域及び第2領域を有し、前記複数の導体層は、前記第1領域及び前記第2領域に渡って形成されている第1導体層と、前記第2領域内だけに形成されていて、前記第2領域において前記複数の絶縁層のいずれかを挟んで前記第1導体層と交互に積層されている第2導体層と、を含み、前記複数の絶縁層は、前記第1面を向く上面で前記第1導体層と接する第1絶縁層と、前記第1面を向く上面で前記第2導体層と接する第2絶縁層と、を含み、前記第1絶縁層と前記第2絶縁層とは、前記第1面を向く上面の面粗度が互いに異なっている。
本発明の実施形態によれば、配置密度や電気的特性について求められる要件が異なる配線それぞれにおいて配線位置の自由度が高まることがある。また、そのように求められる要件が異なる配線が、各配線に適した絶縁層の上に形成され、その結果、良好な電気的特性が得られることがある。
本発明の一実施形態の配線基板の一例を示す断面図。 図1の配線基板の平面視での一例を示す平面図。 図1のIII部の拡大図。 図3のIV部の一例の拡大図。 一実施形態の配線基板の製造工程の一例を示す断面図。 一実施形態の配線基板の製造工程の一例を示す断面図。 一実施形態の配線基板の製造工程の一例を示す断面図。 一実施形態の配線基板の製造工程の一例を示す断面図。 一実施形態の配線基板の製造工程の一例を示す断面図。 一実施形態の配線基板の製造工程の一例を示す断面図。 一実施形態の配線基板の製造工程の一例を示す断面図。 一実施形態の配線基板の製造工程の一例を示す断面図。 一実施形態の配線基板の製造工程の一例を示す断面図。 一実施形態の配線基板の製造工程の一例を示す断面図。 一実施形態の配線基板の製造工程の一例を示す断面図。 一実施形態の配線基板の製造工程の一例を示す断面図。 一実施形態の配線基板の製造工程の一例を示す断面図。 一実施形態の配線基板の製造工程の一例を示す断面図。
本発明の一実施形態の配線基板が図面を参照しながら説明される。図1には、本実施形態の配線基板の一例である配線基板1の断面図が示されている。図2には、配線基板1の第1面FA側からの平面視での一例が示されている。図1は図2のI-I線での断面図である。なお「平面視」は、配線基板1の厚さ方向に沿う視線で対象物を見ることを意味している。さらに、図3には、図1のIII部の拡大図が示されている。なお、配線基板1は実施形態の配線基板の一例に過ぎない。例えば、実施形態の配線基板に含まれる導体層及び絶縁層それぞれの数は、図1の配線基板1に含まれる導体層及び絶縁層それぞれの数に限定されない。また、以下の説明で参照される各図面では、開示される実施形態が理解され易いように特定の部分が拡大して描かれていることがあり、大きさや長さに関して、各構成要素が互いの間の正確な比率で描かれていない場合がある。
図1に示される配線基板1は、配線基板1の厚さ方向と略直交する2つの主面(第1主面F1及び第2主面F2)を有するコア基板100を含んでいる。コア基板100は、絶縁層101と絶縁層101の両面それぞれに形成されている導体層102と、2つの導体層102同士を接続するスルーホール導体103と、を含んでいる。第1主面F1及び第2主面F2は、絶縁層101における配線基板1の厚さ方向と略直交する2つの表面それぞれの露出部分によって構成されている。スルーホール導体103の内部は、エポキシ樹脂などを含む樹脂体103iで充填されている。
配線基板1は、さらに、コア基板100の各主面にコア基板100側から逐次形成されて積層されている複数の絶縁層及び複数の導体層の一部によってそれぞれ構成される第1ビルドアップ部10及び第2ビルドアップ部20を含んでいる。配線基板1は、配線基板1の厚さ方向に積層されている複数の絶縁層の積層方向と交差する外表面(最外の表面)として第1面FAを有すると共に、第1面FAの反対側の外表面である第2面FBを有している。図1の例において第1面FA及び第2面FBは、配線基板1の厚さ方向、すなわち、複数の絶縁層の積層方向と略直交している。
図1の例の配線基板1では、コア基板100の第1主面F1上には、2つの絶縁層11、並びに、それぞれ3つの絶縁層111及び絶縁層112が積層されている。加えて、第1主面F1上には、これら絶縁層のいずれか1つ又は2つをそれぞれの間に介して、導体層120、4つの導体層12、及び3つの導体層121が積層されている。4つの導体層12それぞれの間には、絶縁層111及び絶縁層112が介在している。3つの導体層121のそれぞれと、配線基板1の第1面FA側の導体層12との間には絶縁層112が介在している。3つの導体層121のそれぞれと、配線基板1の第1面FA側と反対側の導体層12との間には絶縁層111が介在している。一方、コア基板100の第2主面F2上には、5つの絶縁層21、及び、これら絶縁層21のいずれかをそれぞれの間に介して5つの導体層22が積層されている。
このように、実施形態の配線基板1は、絶縁層111及び絶縁層112のように積層されている複数の絶縁層と、これら複数の絶縁層のいずれかを介して積層されている、導体層12及び導体層121のような複数の導体層と、を含んでいる。絶縁層11、111、112、及び導体層120、12、121によってコア基板100の第1主面F1上に第1ビルドアップ部10が形成され、絶縁層21及び導体層22によって第2主面F2上に第2ビルドアップ部20が形成されている。
本実施形態の配線基板の説明では、絶縁層101から遠い側は、「上」、「上側」、「外側」、又は「外」とも称され、絶縁層101に近い側は、「下」、「下側」、「内側」、又は「内」とも称される。また、各構成要素において、絶縁層101と反対側を向く表面は「上面」とも称され、絶縁層101側を向く表面は「下面」とも称される。従って、第1ビルドアップ部10内の各導体層及び各絶縁層における第1面FA側を向く表面が「上面」とも称され、第2ビルドアップ部20内の各導体層及び各絶縁層における第2面FB側を向く表面が「上面」とも称される。なお、配線基板1の厚さ方向、すなわち複数の絶縁層及び複数の導体層の積層方向は「Z方向」とも称される。
絶縁層101、11、111、112、21は、それぞれ、絶縁性樹脂を用いて形成され得る。絶縁性樹脂としては、エポキシ樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂(BT樹脂)、又はフェノール樹脂のような熱硬化性樹脂、ならびに、フッ素樹脂、液晶ポリマー(LCP)、フッ化エチレン(PTFE)樹脂、ポリエステル(PE)樹脂、及び変性ポリイミド(MPI)樹脂のような熱可塑性樹脂が例示される。これら各絶縁層は、ガラス繊維などの、図示されない補強材(芯材)を含むことがある。図1の例では絶縁層101は補強材101rを含んでいる。また、これら各絶縁層は、後述されるように、シリカ、アルミナなどの無機フィラーを含んでいてもよい。
図1の配線基板1は、さらに、第1ビルドアップ部10の上に形成されているソルダーレジスト110、及び第2ビルドアップ部20の上に形成されているソルダーレジスト210を含んでいる。ソルダーレジスト110は、最も第1面FA側の導体層12に含まれる導体パッド12pを露出させる開口110aを有している。ソルダーレジスト210は、導体層22の一部を露出させる開口210aを有している。ソルダーレジスト210の上面と導体層22の上面の露出部によって、配線基板1の第2面FBが構成されている。ソルダーレジスト110、210は、それぞれ、例えば、感光性のエポキシ樹脂又はポリイミド樹脂などを用いて形成される。
図1の配線基板1は、さらに導体ポストBMを含んでいる。導体ポストBMは、導体パッド12pの上に形成されていて、ソルダーレジスト110の開口110aを通ってソルダーレジスト110の上面から突出している。導体ポストBM及びソルダーレジスト110それぞれの上面によって配線基板1の第1面FAが構成されている。導体ポストBMによって、配線基板1に搭載される部品(図1の例では第1部品E1及び第2部品E2)と導体パッド12pとが接続される。すなわち、図1の配線基板1において、第1面FAは、第1部品E1のような外部の部品が実装される部品実装面であり得る。そのため第1面FAは、図1及び図2に示されるように、部品実装領域MA1及び部品実装領域MA2を有している。図1の例では、部品実装領域MA1に第1部品E1が配置され、部品実装領域MA2に第2部品E2が配置される。配線基板1に実装される部品は、例えば、マイコンやメモリなどの半導体集積回路装置のような電子部品であり得る。
一方、ソルダーレジスト210の開口210aに露出する導体層22の露出部分は、配線基板1の外部の導電体(図示せず)、例えば、電子機器のマザーボードのような配線基板1以外の配線基板のパッド、又は任意の導電性の機構部品などに接続される。
導体層12、102、120、121、22、及び導体ポストBM、並びに、後述されるビア導体13、131、23は、例えば銅又はニッケルなどの任意の金属を用いて形成されている。これら各導体層、各ビア導体、及び導体ポストBMは、図1では簡略化されて1つの層で構成されるように示されているが、拡大図である図3に示されるように、それぞれ、めっき若しくはスパッタリングなどで形成される2つ以上の金属膜を含んでいてもよい。
本実施形態の配線基板1は、配線基板1に含まれる絶縁層111、112などの複数の絶縁層、及び、導体層12、121などの複数の導体層の一部によってそれぞれ構成されている第1領域A及び第2領域Bを有している。図1~図3に示されるように、第1領域Aと第2領域Bは隣接し、且つ連続している。具体的には、図1~図3の例において絶縁層111及び絶縁層112は、それぞれ、第1領域Aと第2領域Bとの間で連続しており、絶縁層111及び絶縁層112それぞれにおいて第1領域A内の部分と第2領域B内の部分とが繋がっている。
図1~図3の例では、第2領域Bは、第1ビルドアップ部10の一部を占めている。具体的には、第2領域Bは、第1ビルドアップ部10のうちのZ方向においてコア基板100から遠い側の一部を占めており、平面視においても第1ビルドアップ部10の一部を占めている。一方、第1領域Aは、配線基板1における第2領域B以外の領域である。図1~図3の例において第1領域Aは、第1ビルドアップ部10における第2領域B以外の部分の一部を占めているように示されている。しかし、本実施形態において第1領域Aによって占められる部分は、第1ビルドアップ部10における第2領域B以外の部分の全部であってもよく、配線基板1における第2領域B以外の部分の全部であってもよい。
本実施形態において「第2領域」は、平面視で実施形態の配線基板の特定の領域だけに形成されている1以上の導体層と、その導体層と接する絶縁層における平面視でその特定の領域と重なっている部分と、その絶縁層に接する導体層における平面視でその特定の領域と重なっている部分との積層体によって構成される領域であり得る。なお、「特定の領域」は、例えば、平面視で実施形態の配線基板の面積の10%以上、40%以下の面積を任意の位置において占める領域であり得る。
図1~図3の例では、導体層121が、特定の領域である第2領域B内だけに形成されており、導体層12は、第1領域A及び第2領域Bに渡って形成されている。そのため図1~図3の例の第2領域Bは、導体層12、絶縁層111、及び絶縁層112それぞれにおける平面視で導体層121と重なっている部分、及び導体層121によって構成されている。一方、第1領域Aは、導体層12、絶縁層111及び絶縁層112それぞれにおける第2領域B以外の部分によって構成されている。図1及び図3では、第1領域Aと第2領域Bそれぞれに、個別に、導体層12の導体パターンが描かれているが、導体層12における第1領域A内の導体パターンと第2領域B内の導体パターンとが、繋がっていてもよい。
このように本実施形態の配線基板1を構成する複数の導体層は、第1領域A及び第2領域Bに渡って形成される導体層12(第1導体層)と、第2領域B内だけに形成されている導体層121(第2導体層)と、を含んでいる。第2領域Bだけが、導体層12の導体パターンと共に導体層121の導体パターンを含み、第1領域Aは、導体層121の導体パターンを含まない。第2領域Bにおいて、導体層12と導体層121とは、配線基板1を構成する複数の絶縁層のいずれか(図1の例では絶縁層111又は絶縁層112)を互いの間に挟んで交互に積層されている。すなわち第2領域Bでは、コア基板100側から配線基板1の第1面FA側に向かって、導体層12、絶縁層111、導体層121、絶縁層112の順で、導体層及び絶縁層の積層が繰り返されている。第1領域Aでは、コア基板100側から配線基板1の第1面FA側に向かって、導体層12、絶縁層111、絶縁層112の順で、導体層及び絶縁層の積層が繰り返されている。
なお、図1~図3では、導体層120のような、導体層12及び導体層121以外の導体層は、第1領域A及び第2領域Bの何れにも含まれていない。しかし、前述したように、第1領域Aは第2領域B以外の部分の全てを占めていてもよい。従って、実施形態の配線基板を構成する複数の導体層は、導体層120のように第1領域A及び第2領域Bの何れにも含まれない導体層を含んでいてもよく、第1領域Aだけに含まれる導体層を含んでいてもよい。
第1領域Aには、2つの導体層12の間に介在する絶縁層111及び絶縁層112を連続的に貫通するビア導体13が形成されている。第1領域A内のビア導体13は導体層12同士を接続している。ビア導体13は、第1ビルドアップ部10における第1領域A及び第2領域B以外の部分にも形成されていて、そのビア導体13は、絶縁層11を貫通して導体層120と導体層12とを接続するか、導体層120と導体層102とを接続している。一方、第2領域Bには、絶縁層111又は絶縁層112を貫通し、導体層121と導体層12とを接続するビア導体131が形成されている。なお第2ビルドアップ部20には絶縁層21を貫通して、導体層22と導体層102とを接続するか、導体層22同士を接続するビア導体23が形成されている。
第1領域Aでは、絶縁層112の上面に導体層12が形成されており、絶縁層111の上面には導体層は形成されていない。一方、第2領域Bでは、第1領域Aと同様に、絶縁層112の上面に導体層12が形成され、且つ、絶縁層111の上面には導体層121が形成されている。このように、実施形態の配線基板1を構成する複数の絶縁層は、配線基板1の第1面FAを向く上面で導体層12と接する絶縁層112(第1絶縁層)と、第1面FAを向く上面で導体層121と接する絶縁層111(第2絶縁層)と、を含んでいる。
第2領域Bでは、Z方向において隣り合う2つの導体層(導体層121及び導体層12の間には1つの絶縁層(絶縁層111又は絶縁層112)が介在している。一方、第1領域Aでは、Z方向において隣り合う2つの導体層(いずれも導体層12)の間に2つの絶縁層(絶縁層111及び絶縁層112)が介在している。すなわち、第2領域BにおいてZ方向で隣り合う導体層同士(導体層121と導体層12)の間隔は、第1領域AにおいてZ方向で隣り合う導体層同士(2つの導体層12同士)の間隔よりも小さい。従って、第2領域Bは、その内部でZ方向において隣り合う導体層同士の間隔が、第1領域Aにおいて隣り合う導体層同士の間隔よりも小さい領域、と定義づけられてもよい。
なお、図1の例では、絶縁層111、112それぞれの厚さは、導体層120と導体層12又は導体層102との間に介在する絶縁層11、及び第2ビルドアップ部20において導体層22同士の間に介在する絶縁層21、それぞれの厚さよりも小さい。すなわち、図1の例では、Z方向において第2領域B内で隣り合う導体層同士の間隔は、配線基板1の第2領域B以外の部分でZ方向において隣り合ういずれの導体層同士の間隔よりも小さい。
実施形態の配線基板1において第2領域Bだけに形成される導体層121は、第1領域A及び第2領域Bに渡って形成される導体層12と別個に形成されるため、導体層12の形成方法と異なる方法で形成され得る。そのため、導体層12と導体層121とは異なる構造及び/又は特性を有し得る。例えば、高密度での配線パターンの配置に適した方法で導体層121が形成され、一方、導体層12は、配線パターンの高密度配置が可能な方法よりも容易又は安価な方法で形成されてもよい。そして、実施形態の配線基板では、図1の例の第2領域Bにおいて導体層121と導体層12とが交互に積層されているように、例えば高密度で配線パターンが配置され得る導体層、及びそれ以外の導体層は、配線基板の厚さ方向における任意の位置に積層され得る。例えば図1の例のように、導体層121と導体層12とを共に、配線基板1の第1面FAの近傍に積層することも、導体層121と導体層12とを共に、第1面FAよりもコア基板100に近い位置に積層することも可能である。すなわち、配置密度や電気的特性について求められる要件が異なる配線それぞれにおいて配線基板の厚さ方向での位置の自由度が高いと考えられる。
さらに、本実施形態の配線基板1では、導体層121は第2領域Bだけに形成されるので、例えば高密度の配置が求められる配線を配線基板の限られた領域だけに形成することができる。そして、導体層121を含まない第1領域Aでは、隣接する導体層の間隔を第2領域Bにおいて隣接する導体層の間隔よりも広くすることができる。そのため、例えば、1つの導体層12に、より広範な範囲の特性インピーダンスを有する複数の配線パターンが形成され得ることがある。従って、隣接する導体層との間に求められる間隔が異なる配線パターン毎に導体層を設ける場合と比べて、少ない導体層で構成される厚さの小さい配線基板が得られることがある。
導体層12、102、120、121、及び22は、いずれも、任意の導体パターンを含んでいる。例えば、前述したように、最も第1面FA側の導体層12は、導体パッド12pを含んでいる。図1及び図2の例では、導体パッド12p及びその上の導体ポストBMは、全て、部品実装領域MA1又は部品実装領域MA2の内側に設けられている。図1においてその他の導体層12のうち第1面FA側から2番目及び4番目の導体層12は、配線パターンDWを含んでいる。そして、3つの導体層121は、それぞれ、複数の配線パターンFWを含んでいる。図2には、3つの導体層121のうちの最も第1面FA側の導体層121の配線パターンFWが破線で示されている。
配線パターンFW及び配線パターンDWは、図示されていないが、いずれも、導体層12及び導体層121などのいずれかの導体層が含む任意の導体パッド同士を接続して電気信号を伝播させる信号線路である。配線パターンFWは、ビア導体131を介して2つの導体パッド12p同士を接続していてもよい。例えば図2に示される配線パターンFWの一部は、ビア導体131を介して、部品実装領域MA1に位置する導体ポストBMと部品実装領域MA2に位置する導体ポストBMとを接続している。従って、配線基板1の使用時には、配線パターンFWを介して、部品実装領域MA1に配置される部品の電極と部品実装領域MA2に配置される部品の電極とが電気的に接続される。
すなわち、配線パターンFWを含む導体層121が形成されている第2領域Bは、平面視で、2つの部品実装領域(部品実装領域MA1、MA2)の間に渡っていて2つの部品実装領域それぞれと部分的に重なっている。配線パターンFWの一部は、部品実装領域MA1と部品実装領域MA2との間に延びている。なお、配線基板1には、任意の数の部品が実装され得る。従って、第1面FAは、1つ、又は2以上の任意の複数の部品実装領域を有し得る。そして第1面FAが2以上の部品実装領域を有する場合、第2領域Bは、平面視でそのうちの少なくとも2つの領域の間に渡っていてその少なくとも2つの領域それぞれと部分的に重なっていてもよい。
図3に示されるように、第2領域Bだけに形成される導体層121が含む配線パターンFWは、配線幅W1、及び隣接する配線パターンFWとの間に間隔Gを有している。例えば導体層121に含まれる配線パターンFWのような複数の配線パターンの最小の配線幅は、導体層12に含まれる配線パターンDWのような複数の配線パターンの最小の配線幅よりも小さくてもよい。また、導体層121に含まれる複数の配線パターンの各配線パターン同士の最小の間隔は、導体層12に含まれる配線パターン同士の最小の間隔よりも小さくてもよい。微細なピッチで並ぶ配線パターンを特定の領域だけに設け得ることがある。
実施形態の配線基板において導体層121が含む配線パターンの配線幅の最小値は1μm以上、5μm以下であり得、その配線パターン同士の間隔Gの最小値は3μm以上、7μm以下であり得る。すなわち、導体層121は、5μm以下の配線幅を有し、且つ、隣接する配線パターンとの間に7μm以下の間隔を有する配線パターンを含んでいてもよい。図3の例において配線パターンFWの幅W1が1μm以上、5μm以下であり、配線パターンFW同士の間隔Gが3μm以上、7μm以下であってもよい。配線パターンFWがこのように微細な最小配線幅及び微細な最小配線間隔を有していると、図1の第1部品E1及び第2部品E2のような部品同士が、占有面積の小さい複数の信号線路で接続されると考えられる。従って、実施形態の配線基板1が、従来の配線基板と比べて小さく実現され得ることがある。
加えて、本実施形態の配線基板1では、このように微細な配線幅を有し得る配線パターンFWのような導体層121に含まれる配線パターンは、配線幅よりも大きな厚さを有していてもよい。そのため、本実施形態において導体層121に含まれる配線パターンは、比較的大きなアスペクト比(例えば配線パターンFWの厚さT/配線パターンFWの幅W1)を有し得る。例えば、導体層121に含まれる複数の配線パターンそれぞれのアスペクト比は2.0以上、4.0以下であり得る。
このようなアスペクト比を有する配線パターンは、小さな配線幅の割に低い導体抵抗を有し得る。そのため、例えば配線パターンFWの挿入損失が低いことがある。そのため、少ない伝送損失で信号を伝播させ得ることがある。また、例えば配線パターンFWにおいて所望の特性インピーダンスが得られ易く、さらに挿入損失を低減し得ることがある。配線パターンFWの厚さT、すなわち、導体層121の厚さは、4μm以上、7μm以下であり得る。このような厚さが得られていると、実施形態の配線基板の厚さを顕著に増大させずに、前述したような挿入損失の低減などの効果が得られることがある。
実施形態の配線基板において、第2領域Bに形成される導体層121における配線基板1の第1面FAを向く表面121aは、研磨で仕上げられた状態を有する研磨面であり得る。その場合、表面121aは、例えば、金属の析出によって形成されたままのめっき膜の面粗度よりも低い面粗度を有し得る。従って、導体層121が含む配線パターンFWなどでは、高周波信号の伝送において見られる表皮効果による実質的な導体抵抗の増大による信号伝送特性の低下や電圧降下の増大が生じ難いことがある。また、表面121aが研磨面であると、配線パターンFWなどの厚さが、その全長に渡って略一定になり易く、もって、配線パターンFWの特性インピーダンスに変動が生じ難いと考えられる。そのため、配線パターン121における反射損失が抑制されることがある。例えば、導体層121が表面121aとして有する研磨面は、0.3μm以下の算術平均粗さ(Ra)を有し得る。そのような面粗度が得られていると、上記のような伝送特性に関する好ましい効果が得られることがある。
図3の例において、導体層12、120、121、ビア導体13、131、及び導体ポストBMは、下層12aと、下層12a上に形成されている上層12bとによって構成されている。上層12bは、全面的に、下層12aの上に、すなわち、下層12aに対して配線基板1の第1面FA側に形成されている。導体層121を構成する上層12bにおける第1面FA側の表面が、前述した研磨面であり得る。下層12aは、上層12bと、上層12bの直ぐ下側の絶縁層との間(例えば導体層121を構成する上層12bと絶縁層111との間、又は、導体層12を構成する上層12bと絶縁層11若しくは絶縁層112との間)に介在している。下層12aは、絶縁層111の上面111aや絶縁層112の上面112aのような、各絶縁層における第1面FA側の表面上に直接形成されている。
上層12bは、電解めっきによって形成されるめっき膜からなる。一方、下層12aは、任意の方法で形成される金属膜からなる。特に導体層121を構成する下層12aは、例えばスパッタリングで形成されるスパッタ膜であり得る。一方、導体層12を構成する下層12aは、無電解めっきで形成される無電解めっき膜であり得る。下層12aは、電解めっきによる上層12bの形成時のめっき電流を通す電極であって、めっき金属の析出を促し得るシード層(又は給電層)として機能する。
下層12aがスパッタ膜からなる場合、スパッタ膜は、薄く均一な厚さに形成され易いので、導体層121などの導体層の上面の平坦性が高いことがある。加えて、下層12aがスパッタ膜からなる場合、導体層121などの導体層と絶縁層111などの絶縁層との強固な密着性が得られていることがある。さらに、スパッタ膜はそのように各絶縁層と強固に密着し得るので、所謂アンカー効果を得るべく各絶縁層の上面(例えば絶縁層111の上面111a)が大きな凹凸を有しなくてもいいことがある。そのため、導体層121などの導体層の形成時のシード層の不要部分の除去が速やか且つ十分に行われ、導体層121などにおいて、短絡防止や、所望の電気的特性の確保、並びに配線パターンの幅や厚さの低下抑制などの効果が得られることがある。
前述したように、実施形態の配線基板を構成する各絶縁層は、それぞれ、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂のような絶縁性樹脂で主に構成され、任意にシリカなどの無機フィラーを含み得る。しかし実施形態の配線基板では、絶縁層111と絶縁層112とは、それぞれの上面111a、112aの面粗度が互いに異なっている。なお、前述したように、絶縁層111は、導体層121のような第2領域Bだけに形成される導体層と上面111aで接する絶縁層(第2絶縁層)であり、絶縁層112は、導体層12のような第2領域B以外の領域にも形成される導体層と上面112aで接する絶縁層(第1絶縁層)である。
また、絶縁層111と絶縁層112とは、上面111a、112aの面粗度の違いに加えて、それぞれの構成材料について互いに異なっていてもよい。例えば、絶縁層111と絶縁層112とは、それぞれの構成材料において、エポキシ樹脂などの主成分の組成比、前述した無機フィラーの含有率、無機フィラーの粒径、及び/又は、それらに基づく比誘電率、誘電正接、熱膨張率などの特性に関して異なり得る。絶縁層111の上面111aに形成される導体層121と、絶縁層112の上面112aに形成される導体層12とは、前述したように、配線パターンの配置密度や電気的特性に関して求められる要件が異なることがある。実施形態の配線基板では、これら各導体層がそれぞれの上面に形成される絶縁層111と絶縁層112とが、上面111a、112aの状態に関して異なっている。さらに、絶縁層111と絶縁層112とは、それぞれの構成材料について互いに異なっていてもよい。そのため、各導体層に求められる配線パターンの配置密度や電気的特性が適切に実現され易いことがある。
図4には、絶縁層111及び絶縁層112が、それぞれ、無機フィラー3s、無機フィラー3bを含み、無機フィラー3sの粒径と無機フィラー3bの粒径とが異なっている、図3のIV部に相当する部分の一例が拡大して示されている。絶縁層111と絶縁層112とは、さらに、上面111a及び上面112aの面粗度に関して互いに異なっている。図4の例において絶縁層111は、前述した例えばエポキシ樹脂などの絶縁性樹脂11mと、絶縁性樹脂11mに添加されている粒状の無機フィラー3sとを含んでいる。図4の例において絶縁層112も同様にエポキシ樹脂などの絶縁性樹脂11mを含み、絶縁性樹脂11mに添加されている粒状の無機フィラー3bを含んでいる。
そして、絶縁層111が含む無機フィラー3sの最大の粒径は、絶縁層112内の無機フィラー3bの最大の粒径よりも小さい。なお、無機フィラー3s、3b個々の「粒径」は、各無機フィラーの表面上の2点間の最長距離である。例えば、絶縁層111は、1μm以下の最大粒径を有する複数の無機フィラー3sを含み得る。絶縁層111に含まれる無機フィラー3sの粒径が小さいと、例えば、配線パターンFWのように微細なピッチで並ぶ配線パターン間においても、無機フィラー3sに沿ったリーク経路などによる短絡不良が生じ難いことがある。また、微小なビア導体131(図3参照)の形成が容易なことがある。
また、絶縁層111と絶縁層112とは、それぞれが含む無機フィラー3s、3bの含有率が異なっていてもよい。例えば、絶縁層111が含む無機フィラー3sの含有率は、例えば、50%以上、70%以下程度であり得る。
例えばこのような無機フィラー3s、3bの含有率やその粒径の違いによって、前述したように絶縁層111と絶縁層112との間で、比誘電率及び誘電正接が異なっていてもよい。例えば、導体層11及び導体層121それぞれの導体パターンに求められる特性インピーダンスの実現の観点から、絶縁層111及び絶縁層112が、それぞれに固有の比誘電率を有していることが好ましいことがある。また、例えば配線パターンDW(図3参照)を伝播する信号よりも高周波の信号が配線パターンFWを伝播する場合、高周波信号の良好な伝送特性を得るべく、絶縁層112よりも低い誘電率及び小さい誘電損失を有している絶縁層111が好ましいことがある。そのような場合には。絶縁層111の比誘電率は、絶縁層112の比誘電率よりも低く、且つ、絶縁層111の誘電正接は、絶縁層112の誘電正接よりも小さくてもよい。例えば、5.8GHzの周波数において絶縁層111の比誘電率は、3.0以上、4.0以下程度であり得、誘電正接は、0.001以上、0.005以下程度であり得る。
さらに、図4の例では、絶縁層111の上面111aの面粗度は、絶縁層112の上面112aの面粗度よりも低い。前述したように、絶縁層111の上面111a上に形成される導体層121の下層12aは、スパッタ膜であり得る。スパッタ膜からなる下層12aと絶縁層111との間には強固な密着性が得られるため、所謂アンカー効果を得るべく絶縁層111の上面111aが大きな凹凸、すなわち高い面粗度を有しなくてもいいことがある。むしろ、低い面粗度を有する上面111aの方が、後述されるような導体層121の形成において、シード層(給電層)として機能してその一部が下層12aを構成する金属膜の除去が、適切且つ速やかに行われ得ることがある。そして、その金属膜のエッチングによる除去の際の配線パターンFWの細りなどが抑制されることがある。従って、絶縁層112の上面112aの面粗度よりも低い面粗度を有する絶縁層111の上面111aが好ましいことがある。例えば絶縁層111は、上面111aの面粗度として、0.08μm以下の二乗平均平方根粗さ(Rq)を有し得る。
次に、図5A~図5Nを参照して、図1に示される配線基板1が製造される場合を例に、一実施形態の配線基板を製造する方法の一例が説明される。なお、先に為された配線基板1の各構成要素の材料の説明と異なる説明がない限り、各構成要素は、各構成要素について先に説明された材料のいずれかを用いて形成され得る。
図5Aに示されるように、コア基板100が用意される。コア基板100の用意では、例えば、絶縁層101の表面に金属箔が設けられた両面銅張積層板が用意される。この両面銅張積層板に、例えばドリル加工によって貫通孔103hが形成される。貫通孔103hの内壁及び金属箔の上面に、例えば無電解めっき膜が形成され、さらに、この無電解めっき膜を給電層として用いて電解めっき膜が形成される。この結果、貫通孔103hの内壁を被覆するスルーホール導体103が形成される。
スルーホール導体103の内部は、例えばエポキシ樹脂を注入することによって、樹脂体103iで充填される。充填された樹脂体103iが固化された後、樹脂体103i及び電解めっき膜の上面に、さらに無電解めっき膜及び電解めっき膜が形成される。この結果、絶縁層101の両面に導体層102が形成される。そして、例えばウェットエッチングによって導体層102をパターニングすることによって所定の導体パターンを備えるコア基板100が得られる。
図5Bに示されるように、コア基板100の第1主面F1上に絶縁層11が形成され、その絶縁層11上に導体層120が形成される。コア基板100の第2主面F2上には絶縁層21が形成され、その絶縁層21上に導体層22が形成される。例えば、絶縁層11、21は、フィルム状の絶縁性樹脂を、コア基板100上に熱圧着することによって形成される。導体層120、22は、例えばセミアディティブ法などの任意の導体層の形成方法を用いて形成される。コア基板100の直ぐ上の絶縁層11及び絶縁層21には、それぞれ、例えば炭酸ガスレーザー光の照射によって貫通孔13a、23aが形成され、導体層120、22の形成と共に、貫通孔13a内にビア導体13が形成され、貫通孔23a内にビア導体23が形成される。その後、導体層120の上にさらに絶縁層11が形成されると共に、導体層22の上にさらに絶縁層21が形成され、これら絶縁層11及び21に、例えば炭酸ガスレーザー光の照射によって、貫通孔13a、23aが形成される。
図5BのVB部を拡大して示す円C内に示されるように、図5Bの例では、無機フィラー3bを含む絶縁層11が形成されている。好ましくは、貫通孔13aの形成後、貫通孔13a内に存在する樹脂残渣(スミア)を除去するデスミア処理が行われる。デスミア処理では、例えば、アルカリ性過マンガン酸塩を含む溶液に、貫通孔13aの内部や絶縁層11の上面11aが晒される。図5Bに示される例では、円C内に示されるように、このデスミア処理によって、或いは、このデスミア処理とは別に実施される粗化処理によって、絶縁層11の上面11aが、所望の面粗度を有するように粗化されている。なお、絶縁層11の上面11aのデスミア処理は、上記のような特定の溶液を用いずに、後述するようなプラズマガスを用いて行われてもよい。粗化処理によって、セミアディティブ法による導体層120及び/又は導体層12(図5C参照)の形成においてシード層として形成される金属膜と絶縁層11との密着性が向上する。
図5Cに示されるように、導体層120を覆う絶縁層11の上に、導体層12が形成される。導体層12は、前述された導体層120の形成と同様に、例えばセミアディティブ法によって形成される。コア基板100の第2主面F2側においても、さらに導体層22が形成される。導体層12及び導体層22の形成後、図5Mに示される導体ポストBMの形成が完了するまでの間、コア基板100の第2主面F2側では、露出する導体層22及び絶縁層21の表面が、例えばPETフィルム(図示せず)などを用いて適宜保護され得る。
図5Dに示されるように、導体層12及び絶縁層11の上に、絶縁層111が形成される。絶縁層111は、絶縁層11の形成と同様に、例えば、フィルム状のエポキシ樹脂を導体層12及び絶縁層11の上に熱圧着することによって形成され得る。絶縁層111には、ビア導体131(図1参照)の形成位置に、炭酸ガスレーザー光などの照射によって貫通孔132が形成される。
図5Eには、図5DのVE部の拡大図が示されている。以下で参照される図5F~図5Iには、これら各図面を参照して説明される工程を経た後の図5Dに示されるVE部に相当する部分の状態が拡大して示されている。図5Eに示されるように、絶縁層11が含む無機フィラー3bの粒径よりも小さい最大粒径を有する無機フィラー3sを含む絶縁層111が形成されている。
貫通孔132の形成後、好ましくは、貫通孔132内に残る樹脂屑を除去するデスミア処理が行われる。図5Eの例では、デスミア処理によって、絶縁層111の上面111aが僅かに粗化されている。しかし、図5Eに示されるように、絶縁層111の上面111aの面粗度は、絶縁層11の上面11aの面粗度よりも低くてもよい。
デスミア処理は、前述したように過マンガン酸塩溶液などの薬液を用いるウェット処理であってもよいが、ドライ処理であってもよい。例えば、アルゴン、四フッ化メタン、四フッ化メタンと酸素との混合気、又は、六フッ化硫黄などのプラズマガスを用いるプラズマ処理が、ドライ処理として行われてもよい。プラズマ処理によるデスミア処理では、ウェット処理と比べて絶縁層111の上面111aの浸食が抑制され、そのため、デスミア処理を通じた上面111aの面粗度の上昇が抑制されることがある。
図5Fに示されるように、貫通孔132内及び絶縁層111の上面111aの全面に、例えば、スパッタリングや無電解めっきによって、例えば銅やニッケルなどからなる金属膜12aaが形成される。金属膜12aaは、後述される電解めっき膜12ba(図5G参照)の形成時にシード層(給電層)として機能する金属膜である。例えばスパッタリングで金属膜12aaが形成されると、絶縁層111との間で高い密着性を示すシード層が形成されることがある。そのため、前述したように、絶縁層111の上面111aの面粗度がさほど高くなくても、すなわち、所謂アンカー効果の作用がさほど強くなくても、絶縁層111と金属膜12aaとの剥離が生じ難いと考えられる。なお金属膜12aaの一部は、配線基板1の完成時に導体層121の下層12a(図3参照)を構成する。
さらに、図5Fに示されるように、金属膜12aa上に、金属膜12aaを露出させる溝状の複数の開口部R11を有するめっきレジストR1が形成される。図5Fの例では、金属膜12aaに覆われた貫通孔132を露出させる開口部R12をさらに含むめっきレジストR1が形成されている。めっきレジストR1は、例えばドライフィルムレジストのラミネートにより形成され、露光及び現像によって開口部R11、R12が形成される。開口部R11、R12は、絶縁層111上に形成される導体層121(図5I参照)が含むべき導体パターンに対応するパターンで形成される。また、開口部R11は、導体層121が有すべき配線パターン(例えば図3に例示の配線パターンFW)の幅及び配線間隔に応じた幅及び間隔を有するように形成される。好ましくは、形成される導体層121の厚さを超える厚さ(開口部R11の深さ)を有するめっきレジストR1が形成される。
図5Gに示されるように、めっきレジストR1の複数の開口部R11内、及び開口部R12内に、金属膜12aaを給電層として用いる電解めっきによって電解めっき膜12baが形成される。好ましくは、めっきレジストR1よりも厚い電解めっき膜12baが形成される。例えば銅やニッケルなどからなる電解めっき膜12baが形成される。絶縁層111の貫通孔132内にはビア導体131が形成される。電解めっき膜12baの一部は、配線基板1の完成時には、絶縁層111上に形成される導体層121の上層12b(図3参照)を構成する。電解めっき膜12baは、図5Gの例のように、開口部R11、R12内を全て充填し、さらにめっきレジストR1の上面よりも上側に向かって突出する湾曲した上面を有するように形成されてもよい。
めっきレジストR1の上面からの突出部分を含む電解めっき膜12baの上面側の一部が、図5Hに示されるように、研磨によって除去される。めっきレジストR1の上面側の一部も電解めっき膜12baの一部と共に研磨によって除去されてもよい。電解めっき膜12ba及びめっきレジストR1の研磨は、例えば化学機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)などの任意の方法により行われる。電解めっき膜12baは、その上面の高さ(絶縁層111の上面111aからの高さ)が、例えば4μm以上、7μm以下になるように、研磨される。研磨の結果、電解めっき膜12baの上面は、0.3μm以下の算術平均粗さ(Ra)を有し得る。電解めっき膜12baの研磨後、めっきレジストR1が除去される。
さらに、図5Iに示されるように、金属膜12aaにおける電解めっき膜12baに覆われていない部分が、例えばクイックエッチングなどによって除去される。前述したように、プラズマガスを用いてデスミア処理を行うことによって絶縁層111の上面111aの粗化が抑制されていると、金属膜12aaの不要部分が、適切に、しかも速やかに除去される。従って、絶縁層111の上面111a上の配線パターンFWなどの導体パターンにおいて、隣接する導体パターン間の短絡不良や絶縁性の低下が生じ難いと考えられる。
金属膜12aaの不要部分の除去の結果、図5Jに示されるように、配線パターンFWなどの互いに電気的に分離された所定の導体パターンを含む導体層121が得られる。導体層121は、特定の領域(第2領域B)だけに形成される。
図5Kに示されるように、導体層121及び絶縁層111の上に、絶縁層112が積層され、絶縁層112内にビア導体131が形成されると共に、絶縁層112の上面112aに導体層12が形成される。
絶縁層112は、前述した絶縁層11の形成方法と同様に、例えばエポキシ樹脂などのフィルム状の絶縁性樹脂を導体層121及び絶縁層111の上に熱圧着することによって形成される。例えば、絶縁層11の構成材料と同じ構成材料からなる絶縁層112が形成される。しかし、実施形態の配線基板の製造工程では、構成材料について、絶縁層111とは異なる絶縁層112が形成されてもよい。例えば、絶縁層111に含まれる無機フィラー3s(図5E参照)の最大粒径よりも大きな粒径を有する無機フィラー3b(図4参照)を含む絶縁層112が形成されることがある。そして、実施形態の配線基板の製造工程では、表面状態について、絶縁層111とは異なる絶縁層112が形成される。例えば、フィルム状樹脂の熱圧着後、導体層12及びビア導体131の形成の前に、絶縁層112の上面112aが、前述したような特定の溶液を用いるデスミア処理や粗化処理によって粗化されてもよい。その結果、絶縁層112aの上面112aが、絶縁層111の表面111aよりも高い面粗度を有してもよい。
絶縁層112上への導体層12の形成及び絶縁層112内へのビア導体131の形成は、例えば、図5B及び図5Cを参照して説明された導体層120及び導体層12の形成方法と同様にセミアディティブ法によって行われる。このセミアディティブ法において電解めっきの給電層として絶縁層112上に形成されて導体層12の下層12a(図3参照)を構成する金属膜(図示せず)は、無電解めっきやスパッタリングによって形成され得る。前述したように、絶縁層112の上面112aが比較的高い面粗度を有している場合、給電層として機能する金属膜が無電解めっきによって形成されても、十分なアンカー効果によって絶縁層112から剥離し難い金属膜が形成されると考えられる。
なお、平面視で導体層121が形成されていない領域では、絶縁層111と絶縁層112とを連続的に貫通するビア導体13が、絶縁層112上への導体層12の形成と共に形成されている。
図5Lに示されるように、図5D~図5Kを参照して説明された方法と同様の方法で、絶縁層111、導体層121、絶縁層112、及び、導体層12の形成が、2回繰り返される。第1ビルドアップ部10の形成が完了する。
図5Mに示されるように、第1ビルドアップ部10の上に、ソルダーレジスト110が形成される。例えば、スプレーイングやカーテンコーティング、又はラミネートなどによって、感光性を有するエポキシ樹脂などによる樹脂膜が形成される。その樹脂膜に、露光及び現像により、導体パッド12pを露出させる開口110aが形成される。開口110aから露出する導体パッド12p上には、開口110aを充填してソルダーレジスト110の上に突出する導体ポストBMが形成される。導体ポストBMは、例えばセミアディティブ法と同様の方法、すなわち、無電解めっき又はスパッタリング、図示されないめっきレジストの形成、電解めっき、めっきレジストの除去、及びクイックエッチングなどのステップを経ることにより形成される。
図5Nに示されるように、コア基板100の第2主面F2側において、図5Bを参照して説明された絶縁層21及び導体層22の形成が、3回繰り返される。最も外側の導体層22上に、導体層22の一部を露出させる開口210aを有するソルダーレジスト210が、上述したソルダーレジスト110の形成方法と同様の方法で形成される。以上の工程を経ることによって、図1の配線基板1が完成する。
実施形態の配線基板は、各図面に例示される構造、並びに、本明細書において例示される構造、形状、及び材料を備えるものに限定されない。前述したように、実施形態の配線基板は、任意の数の導体層及び絶縁層を含み得る。実施形態の配線基板は、コア基板を必ずしも含まず、所謂コアレス配線基板であってもよい。図1に例示の配線基板1が備える導体ポストBMは、実施形態の配線基板に必ずしも備えられない。図1~図3の例において絶縁層111及び絶縁層112は、必ずしも無機フィラーを含まない。絶縁層111及び絶縁層112は、含有する無機フィラーの最大粒径に関して、必ずしも互いに異ならない。実施形態の配線基板は第2領域を複数有していてもよい。
1 配線基板
11 絶縁層
11m 絶縁性樹脂
111 絶縁層(第2絶縁層)
111a 絶縁層111の上面
112 絶縁層(第1絶縁層)
112a 絶縁層112の上面
12 導体層(第1導体層)
121 導体層(第2導体層)
121a 導体層121の第1面を向く表面
12a 導体層12、121の下層
12b 導体層12、121の上層
3b、3s 無機フィラー
A 第1領域
B 第2領域
DW 導体層12に含まれる配線パターン
FW 導体層121に含まれる複数の配線パターン
FA 第1面
G 配線間隔
MA1、MA2 部品実装領域
W1 配線幅

Claims (12)

  1. 積層されている複数の絶縁層と、
    前記複数の絶縁層のいずれかを介して積層されている複数の導体層と、
    を含んでいて、
    前記複数の絶縁層の積層方向と交差する外表面として第1面を有する配線基板であって、
    前記配線基板は、さらに、前記複数の絶縁層及び前記複数の導体層の一部によってそれぞれ構成されていて互いに隣接する第1領域及び第2領域を有し、
    前記複数の導体層は、
    前記第1領域及び前記第2領域に渡って形成されている第1導体層と、
    前記第2領域内だけに形成されていて、前記第2領域において前記複数の絶縁層のいずれかを挟んで前記第1導体層と交互に積層されている第2導体層と、を含み、
    前記複数の絶縁層は、前記第1面を向く上面で前記第1導体層と接する第1絶縁層と、前記第1面を向く上面で前記第2導体層と接する第2絶縁層と、を含み、
    前記第1絶縁層と前記第2絶縁層とは、前記第1面を向く上面の面粗度が互いに異なっている。
  2. 請求項1記載の配線基板であって、
    前記第2絶縁層は、絶縁性樹脂と、前記絶縁性樹脂に添加されている粒状の無機フィラーとを含んでおり、
    前記無機フィラーの最大の粒径は、前記第1絶縁層内の無機フィラーの最大の粒径よりも小さい。
  3. 請求項1記載の配線基板であって、前記第2絶縁層の前記上面の面粗度は、前記第1絶縁層の前記上面の面粗度よりも低い。
  4. 請求項1記載の配線基板であって、
    前記第2絶縁層の比誘電率は、前記第1絶縁層の比誘電率よりも低く、
    前記第2絶縁層の誘電正接は、前記第1絶縁層の誘電正接よりも小さい。
  5. 請求項1記載の配線基板であって、
    前記第2導体層は複数の配線パターンを含み、
    前記複数の配線パターンの最小の配線幅は、前記第1導体層に含まれる配線パターンの最小の配線幅よりも小さく、
    前記複数の配線パターンの各配線パターン同士の最小の間隔は、前記第1導体層に含まれる配線パターン同士の最小の間隔よりも小さい。
  6. 請求項5記載の配線基板であって、
    前記複数の配線パターンの最小の配線幅は5μm以下であり、
    前記複数の配線パターンの各配線パターン同士の最小の間隔は7μm以下である。
  7. 請求項5記載の配線基板であって、前記複数の配線パターンそれぞれのアスペクト比は2.0以上、4.0以下である。
  8. 請求項1記載の配線基板であって、前記第2導体層における前記第1面を向く表面は研磨面である。
  9. 請求項1記載の配線基板であって、
    前記第1導体層及び前記第2導体層は、それぞれ、前記第1絶縁層の前記上面又は前記第2絶縁層の前記上面の上に直接形成されている下層と、前記下層上に形成されていてめっき膜からなる上層と、によって構成されており、
    前記第2導体層を構成する前記下層はスパッタ膜からなる。
  10. 請求項9記載の配線基板であって、前記第1導体層を構成する前記下層は無電解めっき膜からなる。
  11. 請求項1記載の配線基板であって、
    前記第1面は、それぞれに部品が配置される2以上の部品実装領域を有しており、
    前記第2領域は、平面視で、前記2以上の部品実装領域のうちの少なくとも2つの領域の間に渡っていて前記少なくとも2つの領域それぞれと部分的に重なっている。
  12. 請求項1記載の配線基板であって、前記第1領域において前記複数の絶縁層の積層方向において隣り合う前記第1導体層同士の間には、前記複数の絶縁層のうちのいずれか2つが介在している。
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