JP2024031793A - 検出器及び検出システム - Google Patents

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文昭 水谷
Fumiaki Mizutani
高典 渡邉
Takanori Watanabe
一 池田
Hajime Ikeda
全平 和田
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【課題】放射線による経年劣化への耐性を向上可能な検出器及び検出システムを提供する。【解決手段】検出器は、複数の単位セルが配列された単位セルアレイを有する。前記複数の単位セルは、入射したエネルギー線を信号電荷に変換して蓄積する第一の変換素子と、制御電極を前記第一の変換素子に接続された第一の増幅トランジスタと、を有し、前記第一の増幅トランジスタにより前記信号電荷を増幅して出力する第一の単位セルと、制御電極を定電圧源に接続された第二の増幅トランジスタを有し、前記第二の増幅トランジスタにより前記定電圧源の電圧に応じた信号を出力する第二の単位セルと、を含み、前記第一の単位セル及び前記第二の単位セルは、前記単位セルアレイのうち前記エネルギー線が入射するように構成された入射領域内に配置されている。【選択図】図1

Description

本発明は、電磁波又は粒子線を検出する検出器、及び検出器を備えた検出システムに関する。
可視光及び赤外線等の光や、X線等の放射線は、CMOSイメージセンサの画素構造を備えた検出器によって検出することができる。特許文献1は、検出器の検出領域における半導体層の厚さを規定することで、電磁波又は粒子線の検出精度を向上させる技術を開示する。特許文献2、3は、可視光を検出する検出器において、画素アレイの中で光が入射する領域(開口領域)の周辺に、遮光部材によって遮光された遮光画素を配置し、遮光画素の画素信号を用いて開口領域内の画素の画素信号を補正する技術を開示する。
特開2019-87640号公報 特開2020-53827号公報 特開2016-39603号公報
放射線検出器の画素は、放射線の照射により経年劣化し、放射線の検出精度が低下する場合がある。光検出器であっても、放射線に暴露される環境で使用されるものは、同様の経年劣化が生じ得る。
しかしながら、上記特許文献2、3の構成において、開口領域内の画素と遮光画素とでは放射線の入射量が異なるため、放射線による経年劣化の進行速度も異なったものとなる。そのため、これらの文献のように遮光画素の画素信号を用いる方法では、放射線による経年劣化による検出精度の低下等を効果的に低減することはできなかった。
そこで、本発明は、放射線による経年劣化への耐性を向上可能な検出器及び検出システムを提供することを目的とする。
本発明の一態様は、複数の単位セルが配列された単位セルアレイを有する検出器であって、前記複数の単位セルは、入射したエネルギー線を信号電荷に変換して蓄積する第一の変換素子と、制御電極を前記第一の変換素子に接続された第一の増幅トランジスタと、を有し、前記第一の増幅トランジスタにより前記信号電荷を増幅して出力する第一の単位セルと、制御電極を定電圧源に接続された第二の増幅トランジスタを有し、前記第二の増幅トランジスタにより前記定電圧源の電圧に応じた信号を出力する第二の単位セルと、を含み、前記第一の単位セル及び前記第二の単位セルは、前記単位セルアレイのうち前記エネルギー線が入射するように構成された入射領域内に配置されている、ことを特徴とする検出器である。
本発明の他の一態様は、複数の単位セルが配列された単位セルアレイを有する検出器であって、前記複数の単位セルは、入射したエネルギー線を信号電荷に変換して蓄積する第一の変換素子と、制御電極を前記第一の変換素子に接続された第一の増幅トランジスタと、前記第一の増幅トランジスタの前記制御電極の電位をリセットする第一のリセットトランジスタと、を有し、前記第一の増幅トランジスタにより前記信号電荷を増幅した信号を出力する第一の単位セルと、第二の増幅トランジスタと、前記第二の増幅トランジスタの制御電極に接続された第二のリセットトランジスタと、を有し、前記第二の増幅トランジスタの前記制御電極の電位に応じた信号を出力する第二の単位セルと、を含み、前記検出器は、前記単位セルアレイの行ごとに配線され、前記第一のリセットトランジスタの制御電極に接続された第一の制御線と、前記単位セルアレイの前記第二の単位セルを含む行に前記第一の制御線と並行して配線され、前記第二のリセットトランジスタの制御電極に接続され且つ前記第一のリセットトランジスタの制御電極に接続されていない第二の制御線と、を更に有し、前記第一の単位セル及び前記第二の単位セルは、前記単位セルアレイのうち前記エネルギー線が入射するように構成された入射領域内に配置されている、ことを特徴とする検出器である。
本発明の他の一態様は、複数の単位セルが配列された単位セルアレイを有する検出器であって、前記複数の単位セルは、入射したエネルギー線を信号電荷に変換して蓄積する第一の変換素子と、制御電極を前記第一の変換素子に接続された第一の増幅トランジスタと、を有し、前記第一の増幅トランジスタにより前記信号電荷を増幅した信号を出力する第一の単位セルと、第二の増幅トランジスタを有し、前記第二の増幅トランジスタの制御電極に印加される電圧に応じた信号を出力する第二の単位セルと、を含み、前記第一の単位セル及び前記第二の単位セルは、前記単位セルアレイのうち前記エネルギー線が入射するように構成された入射領域内に配置され、且つ、第一状態において前記第二の増幅トランジスタの制御電極に定電圧を印加した時の前記第二の単位セルの出力信号と、前記第一状態よりも後の第二状態において前記第二の増幅トランジスタの制御電極に前記定電圧を印加した時の前記第二の単位セルの出力信号と、の差に基づいて前記第一の増幅トランジスタの閾値電圧の変動を検出するように構成されている、ことを特徴とする検出器である。
本発明によれば、放射線による経年劣化への耐性を向上可能な検出器及び検出システムを提供することができる。
第1乃至第3、第5実施形態に係る検出器の回路図。 第1乃至第3、第5実施形態に係る画素の配線構造を示す平面図。 実施形態に係る検出器のシステム構成例を示す図。 第1乃至第3、第5実施形態に係る制御の例を示すフローチャート。 第4実施形態に係る制御の例を示すフローチャート。 第6実施形態に係る制御の例を示すフローチャート。 第7実施形態に係る検出器の回路図(a)及び画素の配線構造を示す平面図(b)。 第8実施形態に係る検出器の回路図(a)及び画素の配線構造を示す平面図(b)。 第9実施形態における劣化検出画素の配置レイアウト例を示す図(a~f)。 第10実施形態に係る転送型の画素構造を備えた検出器の回路図(a~c)。 第11実施形態に係るシステムを示す図。 第12実施形態に係るシステムを示す図(a、b)。
以下、本開示に係る実施形態について、図面を参照しながら説明する。
本開示に係る「検出器」は、可視光及び赤外光等の光を検出する光検出器と、放射線を検出する放射線検出器と、を含む。放射線検出器が検出する放射線は、X線やガンマ線のような電離放射線でもよいし、アルファ線、ベータ線、中性子線、陽子線、電子線、重イオン線、中間子線などの粒子線であってもよい。本開示においては、検出器によって検出される電離放射線又は粒子線の放射線と光(電離放射線以外の電磁波)とをまとめて、「エネルギー線」と呼ぶ。
<第1実施形態>
第1実施形態に係る検出器としての放射線検出器1について、図1及び図2を用いて説明する。図1は、放射線検出器1の回路図である。図2は、本実施形態における単位セル、例えば画素の構造を示す平面図である。放射線検出器1は、CMOSイメージセンサの画素構造を備えた直接変換型の放射線検出器である。以下、画像を撮影する場合について説明するが、放射線検出器は検出信号の検出のみを行ってもよい。
CMOSイメージセンサの画素構造として、検出ダイオードと増幅トランジスタとが直接接続された直結型と、検出ダイオードに蓄積された電荷を、転送トランジスタを介して増幅トランジスタのゲート電極に転送する転送型が知られる。本実施形態の放射線検出器の画素構造は直結型であるが、後述の実施形態で説明するように、本技術は転送型の画素構造を備えた検出器にも適用可能である。
放射線検出器1は、複数の単位画素構造(以下、単に画素という)をアレイ状に配置した画素アレイ103と、垂直走査回路207と、列回路部204と、水平走査回路205と、出力回路206と、制御回路208と、を有する。
放射線検出器1は、画素アレイ103の全域に放射線が入射するように構成されてもよいし、画素アレイ103の一部を放射線から遮蔽してもよい。以下、画素アレイ103のうち、放射線が入射する領域を照射領域(入射領域、開口領域とも呼ぶ)と言い、画素アレイ103のうち放射線が入射しないように構成された領域を非照射領域(遮蔽領域とも呼ぶ)と言う。
図1に示すように、画素アレイ103は、有効画素101と劣化検出画素102の、2種類の画素で構成される。有効画素101の任意の1つは「第一の画素」の例であり、劣化検出画素102の任意の1つは「第二の画素」の例である。上述したように、画素を単位セルとして表現すると、単位セル101の任意の1つは「第一の単位セル」の例であり、劣化検出用の単位セル102の任意の1つは「第二の単位セル」の例であるともいえる。画素アレイ103(単位セルアレイ)は、第一の画素と同一の画素構造(単位セル構造)を備えた画素からなる第一の画素群(第一の単位セル群)と、第二の画素と同一の画素構造を備えた画素からなる第二の画素群(第二の単位セル群)と、を有する。なお、画素アレイ103は、有効画素101と及び劣化検出画素102以外の画素を備えていてもよい。
有効画素101及び劣化検出画素102は、いずれも画素アレイ103における放射線の照射領域内(入射領域内)の画素である。放射線の照射領域(入射領域)とは、例えば後述する遮蔽部材に覆われておらず、画素を構成する半導体素子に放射線が入射可能に構成された領域である。
有効画素101が出力する画素信号は、放射線検出器1が出力する画像データを構成する。一方、劣化検出画素102が出力する画素信号は、有効画素101を構成する素子の駆動電圧等を調整(補正)するために用いられる。本実施形態では、劣化検出画素102が出力する画素信号は放射線検出器1の出力画像データを構成しない。しかし、後述する実施形態のように劣化検出画素102の画素信号を放射線検出器1の出力画像データの一部として扱い、劣化検出画素102を一種の有効画素として使用してもよい。
以下で詳しく説明するように、有効画素101は第一の画素構造を有し、劣化検出画素102は第一の画素構造とは異なる第二の画素構造を備える。なお、有効画素101と劣化検出画素102の配置は図示したものに限らない。
(有効画素の画素構造)
図1及び図2に示すように、有効画素101は、検出ダイオードD11(第一の変換素子)と、リセットトランジスタM11(第一のリセットトランジスタ)と、増幅トランジスタM12(第一の増幅トランジスタ)と、選択トランジスタM13と、を有する。
検出ダイオードD11は、入射したエネルギー線を信号電荷に変換して蓄積する変換素子である。本実施形態の検出ダイオードD11は、放射線を信号電荷としての電子に変換して蓄積する。検出対象の放射線は、X線であってもその他の放射線であってもよい。リセットトランジスタM11は、検出ダイオードD11が蓄積した電荷をリセットする。増幅トランジスタM12は、検出ダイオードD11が蓄積した電荷を増幅して出力する。選択トランジスタM13は、垂直走査回路207からの制御パルス(SEL)に応じて、増幅トランジスタM12からの信号を信号線200に出力する。
なお、検出ダイオードD11が蓄積する電荷は正孔であってもよい。検出ダイオードD11に代えて光電変換膜を用いてもよい。また、各トランジスタ(M11,M12,M13)は、例えばN型の電界効果トランジスタ(MOSFET)を用いることができるが、P型MOSFET、JFET、バイポーラトランジスタ等の他の種類のトランジスタであってもよい。
リセットトランジスタM11のゲートは制御線201と接続され、ドレインは第一の電源電圧線301と接続され、ソースは検出ダイオードD11と接続される。増幅トランジスタM12のゲートは検出ダイオードD11と接続され、ドレインは第二の電源電圧線302と接続され、ソースは選択トランジスタM13のドレインと接続される。選択トランジスタM13のゲートは制御線203と接続され、ソースは信号線200と接続される。
有効画素101に対して放射線が入射すると、検出ダイオードD11において電荷が発生し蓄積される。選択トランジスタM13に垂直走査回路207からの制御パルス(SEL)が入力されると、選択トランジスタM13が導通状態となる。すると、電源電圧線302と増幅トランジスタM12と信号線200に接続された不図示の電流源とによって形成されるソースフォロワ回路が動作し、検出ダイオードD11が蓄積した電荷に応じた信号が信号線200に出力される。リセットトランジスタM11に垂直走査回路207からの制御パルス(RES)が入力されると、検出ダイオードD11の電位は電源電圧線301の電圧値にリセットされる。
(劣化検出画素の画素構造)
図1及び図2に示すように、劣化検出画素102は、検出ダイオードD21(第二の変換素子)と、リセットトランジスタM21(第二のリセットトランジスタ)と、増幅トランジスタM22(第二の増幅トランジスタ)と、選択トランジスタM23とを有する。つまり、有効画素101と劣化検出画素102の基本的な構成要素は共通である。
劣化検出画素102の画素構造は、検出ダイオードD21が増幅トランジスタM22のゲートに接続されていない点で、有効画素101の画素構造と異なる。すなわち、劣化検出画素102の増幅トランジスタM22のゲートは、検出ダイオードD21から絶縁されている。増幅トランジスタM22のゲートは、検出ダイオードD21ではなく第三の電源電圧線403と接続される。電源電圧線403は、不図示の回路により生成される定電圧を増幅トランジスタM22のゲートに供給する。
なお、本開示における「定電圧」とは、エネルギー線の入射量に依存しない電圧値であることを意味する。定電圧は放射線検出器1の寿命を通じて一定であるとは限らず、例えば後述する調整値dV1を用いて電源電圧線403に印加する定電圧の値を変更しても構わない。
このように、本実施形態の劣化検出画素102は、増幅トランジスタM22の制御電極(ゲート電極)が、電源電圧線403を介して定電圧源に接続された画素構造を備える。電源電圧線403は、リセットトランジスタM21の主電極に電圧を供給する第一の電源線(電源電圧線401)及び増幅トランジスタM22の主電極に電圧を供給する第二の電源線(電源電圧線402)とは別の第三の電源線である。
つまり、有効画素101ではエネルギー線の入射量に応じた電圧が増幅トランジスタM12のゲートに印加されるのに対し、劣化検出画素102ではエネルギー線の入射量に依存しない定電圧が増幅トランジスタM22のゲートに印加される。これにより、劣化検出画素102は、定電圧源から増幅トランジスタM22の主電極に印加される電圧(電源電圧線403の駆動電圧)に応じた信号を出力する。
劣化検出画素102の他の画素構造は、有効画素101と共通である。すなわち、リセットトランジスタM21のゲートは制御線201′と接続され、ドレインは第一の電源電圧線401と接続され、ソースは検出ダイオードD21と接続される。増幅トランジスタM22のドレインは第二の電源電圧線402と接続され、ソースは選択トランジスタM23のドレインと接続される。選択トランジスタM23のゲートは制御線203′と接続され、ソースは信号線200と接続される。
有効画素101と劣化検出画素102の間で、第一の電源電圧線301,401に電圧を印加する回路(定電圧源)は共通であってよい。また、有効画素101と劣化検出画素102の間で、第二の電源電圧線302,402に電圧を印加する回路(定電圧源)は共通であってよい。また、第一の電源電圧線301,401と第二の電源電圧線302,402は、共通の回路から電圧を供給されてもよい。
さらに、劣化検出画素102の第三の電源電圧線403に電圧を印加する回路(定電圧源)は、第一の電源電圧線401又は第二の電源電圧線402と共通であってよい。つまり、劣化検出画素102の増幅トランジスタM22のゲートに印加する電圧値は、これらの電源電圧線401,402の駆動電圧と同じであってよい。
劣化検出画素102に対して放射線が入射すると、検出ダイオードD21において電荷が発生し蓄積される。ただし、検出ダイオードD21の電荷が劣化検出画素102からの画素信号に反映されることはない。
選択トランジスタM23に垂直走査回路207からの制御パルス(SEL)が入力されると、選択トランジスタM23が導通状態となる。すると、電源電圧線402と増幅トランジスタM22と信号線200に接続された不図示の電流源とによって形成されるソースフォロワ回路が動作する。このとき、検出ダイオードD11が蓄積した電荷量に応じた信号が出力される有効画素101と異なり、第三の電源電圧線403の電圧値に応じた信号が信号線200に出力される。リセットトランジスタM21に垂直走査回路207からの制御パルス(RES)が入力されると、検出ダイオードD21の電位は電源電圧線401の電圧値にリセットされる。
なお、劣化検出画素102に検出ダイオードD21(第二の変換素子)を配置しない構成とすることもできる。ただし、有効画素101の検出ダイオードD11と同じ材料で検出ダイオードD21を配置することで画素アレイ103のレイアウトが均一化されるので、回路設計が容易になり、或いは検出ダイオードの有無による回路特性の不均一さを抑制できる利点がある。
図2に示すように、放射線検出器1を構成する半導体基板は、絶縁性の素子分離領域により略矩形状の複数の活性領域に区画される。各活性領域に不純物領域が形成されることで、不純物領域が半導体素子として機能する。例えば、Pウェルの表面にN型不純物をドーピングすることで検出ダイオードD11,D21が構成される。また、基板表面のゲート領域に酸化シリコン等のゲート絶縁膜を形成し、更にポリシリコン層を形成することで、各トランジスタのゲート電極が形成される。さらに、基板上の半導体素子を覆う絶縁膜が形成され、絶縁膜の上に電源電圧線301,302,401,402,403及び信号線200,200′等が形成される配線層が設けられる。配線層は、層間絶縁膜を挟んで積層することができる。配線層の配線パターンは、コンタクトプラグやビアプラグを介して各素子と接続される。
(画素アレイ全体の回路及び動作)
図1に示すように、画素アレイ103の周囲に、垂直走査回路207、列回路部204、水平走査回路205、出力回路206、制御回路208が配置される。画素アレイ103を構成する画素は、行ごとに垂直走査回路207と接続される。
垂直走査回路207は、画素の蓄積期間や駆動タイミングを制御する。図中のRES、SELは、垂直走査回路207から制御線201,201′,203,203′を介して画素に供給される制御パルス(制御信号)である。なお、制御パルスRESを供給する制御線201,201′のうち、有効画素101のみと接続された制御線を「制御線201」と表記し、少なくとも1つの劣化検出画素102と接続された制御線を「制御線201′」と表記する。制御パルスSELを供給する制御線203,203′のうち、有効画素101のみと接続された制御線を「制御線203」と表記し、少なくとも1つの劣化検出画素102と接続された制御線を「制御線203′」と表記する。また、制御パルスRES、SELの末尾に、信号が供給される画素行を付して表す。例えば、RES(m)は、m行目の画素に供給されるパルスであることを意味する。
制御線203、203′には、不図示の電流源が接続されている。例えばSEL(m)のパルスがアクティブレベルとなることによって、m行目の画素の選択トランジスタM13、M23がОN状態になる。これにより、m行目の画素の増幅トランジスタM12,M22に、電流源から電流が供給される。
図1のm行目の有効画素101では、電源電圧線302と、増幅トランジスタM12と、信号線200に接続された不図示の電流源とによって、ソースフォロワ回路が形成される。このソースフォロワ回路が形成されることによって、増幅トランジスタM12は選択トランジスタM13を介して信号線200、200′に画素信号を出力する。
また、画素アレイ103を構成する画素は、列ごとに信号線200,200′を介して列回路部204と接続される。以下、有効画素101のみと接続された信号線を「信号線200」と表記し、少なくとも1つの劣化検出画素102と接続された信号線を「信号線200′」と表記する。列回路部204は、信号線200,200′ごとに設けられた複数の列回路を備える。また、列回路部204は、水平走査回路205と出力回路206とに接続される。
列回路の各々は、処理した信号を出力回路206に出力する。この処理とは、例えば信号の増幅やAD変換がある。水平走査回路205は、列回路部204が備える複数の列回路を順次選択する。これより、複数の列回路の各々が保持した信号が、順次、出力回路206に出力される。出力回路206は、放射線検出器1の外部に信号を出力する。
制御回路208は、垂直走査回路207、列回路部204、水平走査回路205のそれぞれに対し、駆動信号を供給する駆動線を介して接続されている。
図3に、放射線検出器1のシステム構成例を示す。放射線検出器1は、上述した回路要素に加えて、演算部210及び/又は画像処理部211を有してもよい。演算部210は、例えば後述する劣化検出画素102の信号値の取得や有効画素101の出力レベルを調整するための調整値の演算をすることができる。画像処理部211は、後述する実施形態で説明するように、劣化検出画素102の周囲の有効画素101の画素信号を用いて劣化検出画素102の画素信号を補間し、補間後の画像データを放射線検出器1の外部に出力することができる。
(放射線による経年劣化)
ところで、放射線検出器1は、撮像時の放射線の照射により経年劣化が生じる。具体的に、有効画素101において検出ダイオードD11で検出された放射線の信号は、増幅トランジスタM12を介して信号線200(又は信号線200′)に出力される。ここで、放射線のトータルドーズ効果として知られるように、放射線の電離作用に生じた電荷がゲート電極の酸化膜(絶縁膜)中の正孔トラップに捕獲されることで、増幅トランジスタM12の閾値電圧が変動する。その結果、有効画素101の出力レベルが最適な状態から外れてしまい、放射線の検出精度が低下する場合がある。
放射線に限らない一般的な経年劣化による検出精度の低下を補償する方法として、エネルギー線が照射されない非照射領域に配置した画素を用いることがある。しかしながら、放射線の照射領域内に位置する有効画素101と、非照射領域の画素とでは、放射線の入射量が異なるため、放射線による経年劣化の進行速度も異なったものとなる。そのため、非照射領域の画素又は遮蔽画素の画素信号を用いて有効画素101の画素信号を減算する等の方法では、放射線による経年劣化に起因する検出精度の低下に適切に対処することが難しい。
そこで、本実施形態では、画素アレイ103の放射線の照射領域内に、有効画素101とは別の画素構造を備えた劣化検出画素102を配置する。つまり、劣化検出画素102に入射する累積放射線量は、通常、有効画素101に入射する累積放射線量と同等になるように構成されている。
上述したように、劣化検出画素102は、第三の電源電圧線403を増幅トランジスタM22のゲートに接続した画素構造を備える。そのため、劣化検出画素102が出力する画素信号は、有効画素101の増幅トランジスタM12が受けるのと同等の累積放射線量による増幅トランジスタM22の経年劣化の影響を受ける。
したがって、劣化検出画素102の出力信号の経時的変化を監視し、有効画素101の増幅トランジスタM12の閾値変動等を検出することで、経年劣化の程度を適切に評価することが可能となる。以下、本実施形態において、放射線による経年劣化への耐性を向上させる構成を説明する。
増幅トランジスタM12のようなトランジスタのゲートとソース間の電位差をVGS、閾値電圧をVTHとする。典型的には、VGS-VTH>0のときに、トランジスタは導通状態になる。累積照射量で数十kGyから数百kGyの放射線を照射してトランジスタを経年劣化させた場合、トランジスタのポテンシャルに影響が現れ、照射前と比べ閾値電圧VTHが0.1V以上変動する場合がある。VTHが高くなった場合、トランジスタのゲートに検出ダイオードの信号が入力してもトランジスタが導通しにくい状態、つまり有効画素101は感度が低下した状態となる。
ここで、劣化検出画素102は、検出ダイオードD21の電位に依らず、電源電圧線403からの入力と増幅トランジスタM22の閾値電圧VTHとに応じた信号を信号線200′に出力する。そして、増幅トランジスタM22の累積放射線量は、有効画素101の増幅トランジスタM12の累積放射線量と同等である。故に、増幅トランジスタM22の閾値電圧VTHは、有効画素101の増幅トランジスタM22の閾値電圧VTHと同様に変動する。劣化検出画素102の画素信号は、有効画素101の画素信号と同様に、増幅トランジスタM12,M22の閾値電圧VTHの変動に依って変化する。
図4のフローチャートに、本実施形態における制御例を示す。フローチャートの各工程は、特に断らない限り、例えば制御回路208(図3)が放射線検出器1に設けられた不図示のメモリからプログラムを読み出して実行することにより実現される。該メモリは、コンピュータで読取可能な非一過性記憶媒体の例である。
まず、放射線検出器1が経年劣化をする前の初期状態(第一状態)で、初期画像を撮影する(S41)。その際、第一状態における劣化検出画素102の信号V0(第二状態における画素信号)を列回路部204で取得する(S42)。信号V0は、初期画像の撮像と同時に取得することができる。
その後、放射線検出器1を用いた撮影が繰り返し行われることで経年劣化が生じ、有効画素101と劣化検出画素102の両方の画素信号が初期状態の信号値から乖離していく(S43)。
放射線検出器1が経年劣化した後の状態(第二状態)において、劣化検出画素102の出力である信号V1を列回路部204で取得する(S44)。信号V1は、第二状態における画像の撮像と同時に取得することができる。次に、第一状態及び第二状態における劣化検出画素102の信号の差分として、調整値dV1=V0-V1を算出する(S45)。
なお、信号V0、V1の取得は、列回路部204の不図示のメモリバッファで行ってよい。その場合、制御回路208で調整値dV1の計算を行う。また、信号V0、V1を列回路部204と出力回路206で増幅やAD変換を行った後に、演算部210(図3)で変換前の信号に換算して調整値dV1の計算を行ってもよい。これらの例において調整値dV1を算出する制御回路208又は演算部210は、第一状態における第二の画素の出力信号(V0)と、第一状態よりも後の第二状態における第二の画素の出力信号(V2)と、の差(dV1)に基づいて、増幅トランジスタM12(第一の増幅トランジスタ)の閾値電圧の変動を検出する検出手段の例である。
調整値dV1を用いて、制御回路208は有効画素101を構成する素子の駆動電圧を調整する(S46)。つまり、制御回路208は、第一状態における第二の画素の出力信号と、第一状態よりも後の第二状態における第二の画素の出力信号と、の差(dV1)に基づいて、前記第一の増幅トランジスタの主電極に印加する電圧を調整する第一の調整手段の例である。例えば、第一状態における増幅トランジスタM12の電源電圧線302の駆動電圧をVDDとし、調整後の駆動電圧をVDD′とすると、VDD′=VDD+dV1となるように調整を行う。
なお、トランジスタのドレインとソース間の電位差をVDSとすると、典型的にはVDS>VGS-VTHの場合にトランジスタを飽和領域動作させることができる。上記のように増幅トランジスタM12の駆動電圧VDDに調整値dV1を加えることで、増幅トランジスタM12の出力電圧をdV1だけシフトさせることで、有効画素101の出力レベルを初期状態に近づけることができる。
例えば、増幅トランジスタM12,M22としてN型MOSFETを使用した場合において、放射線のトータルドーズ効果により閾値電圧VTHが正方向にシフトしたとする。この場合、閾値電圧VTHが高くなったことで、増幅トランジスタM12が構成するソースフォロワ回路の出力レベルは劣化前に比べて低下する。ここで、劣化検出画素102においても同様に閾値電圧VTHが高くなっているから、劣化後の信号V1は劣化前の信号V0より小さく(V1<V0)、調整値dV1の符号は正になる。そのため、駆動電圧VDDの調整(S46)では、増幅トランジスタM12の駆動電圧VDDをdV1だけ高くして、有効画素101の増幅トランジスタM12が構成するソースフォロワ回路の出力レベルを引き上げることになる。つまり、増幅トランジスタM12の閾値電圧VTHの正方向シフトの影響を、駆動電圧VDDの増大によって相殺することにより、有効画素101の画素信号のレベルを劣化前の状態に近づけることができる。なお、トランジスタの種類や放射線の影響(例えば、温度によるVTHのシフト)に応じて、dV1の符号は変化し得る。
つまり、本実施形態によれば、放射線による経年劣化への耐性を向上可能な放射線検出器1を提供することができる。
また、電源電圧線302の駆動電圧の調整と同時に、電源電圧線402の駆動電圧もVDDからVDD′に調整することが可能である。画素アレイ103の照射領域内の全ての画素を対象として増幅トランジスタM12,M22の駆動電圧を調整することで、有効画素101の出力レベルの再調整が容易になる。つまり、増幅トランジスタM12,M22の駆動電圧をVDDからVDD′に調整した直後を新たな第一状態として、更に経年劣化が進んだ後の第二状態においてS44~S46の処理を行うことを繰り返してもよい。これにより、累積放射線量に応じた経年劣化の進行に応じて、有効画素101の出力レベルを適切なレベルに維持し、長期間に亘って放射線検出器1の検出精度を高く維持する(検出器の寿命を延ばす)ことができる。
また、放射線による経年劣化は、画素構造の増幅トランジスタM12以外の部分でも発生する。例えば、検出ダイオードD11の暗電流の増加が挙げられる。
本実施形態によれば、増幅トランジスタM12の閾値変動による有効画素101の出力レベルの変動と、検出ダイオードD11の暗電流の増加による有効画素101の出力レベルの変動と、を切り分けることが可能である。すなわち、検出ダイオードD11の暗電流によって生じた信号電荷は、増幅トランジスタM12を介して有効画素101の画素信号に反映される。そのため、経年劣化による有効画素101の出力レベルの変動は、増幅トランジスタM12の閾値変動と検出ダイオードD11の暗電流増加の両方の影響を受ける。
本実施形態によれば、劣化検出画素102の検出ダイオードD21と増幅トランジスタM22とが回路的に分離されているため、劣化検出画素102の画素信号の出力レベルの変化は、基本的に増幅トランジスタM12の閾値変動を反映したものとなる。そのため、検出ダイオードD21の暗電流増加等、画素構造の他の要素の経年劣化から、増幅トランジスタM22の経年劣化の影響を分離して検出することができる。これにより、放射線による経年劣化により適切な対策をとることが可能となる。
なお、前述のフローチャートにおいて、経年劣化の基準となる時点(第一状態)と経年劣化の程度を判断する時点(第二状態)の間隔(調整間隔)は、任意に設定可能である。例えば、放射線検出器1を用いた撮像回数、放射線の累積照射時間、又は放射線検出器1の使用期間に基づいて調整間隔を決めることができる。例えば、撮像回数等が一定量増加する度に電源電圧線302,402の駆動電圧VDDの調整を行ってもよい。
また、電源電圧線302,402の駆動電圧VDDの調整は、制御回路208で行うものとするが、不図示の電圧調整部を設けてもよい。
また、第三の電源電圧線403の駆動電圧は、第一及び第二の電源電圧線301,302,401,402の駆動電圧とは異なる値であってもよい。
<第2実施形態>
第2実施形態として、リセットトランジスタM11,M21のリセット電位となる電源電圧線301,401の駆動電圧を調整する方法について説明する。以下、第1実施形態と共通の参照符号を付した要素は、特に断らない限り第1実施形態で説明したものと実質的に同じ構成及び作用を有するものとする。
本実施形態に係る放射線検出器1は、第1実施形態と同じ構造を備えており、図4のフローチャートに従って調整値dV1を算出する(S41~S45)。ただし、本実施形態では、調整値dV1を用いて、リセットトランジスタM11,M21を駆動する電源電圧線301,401の駆動電圧VRESを調整する。つまり、制御回路208は、第一状態における第二の画素の出力信号と、第一状態よりも後の第二状態における第二の画素の出力信号と、の差(dV1)に基づいて、第一の増幅トランジスタの制御電極の電位をリセットする場合のリセット電位を調整する第二の調整手段の例である。
具体的に、電源電圧線301の電圧をVRESとし、調整後の電圧をVRES′とする。本実施形態では、図4のS46において、VRES′=VRES+dV1とする。
経年劣化によって増幅トランジスタM12の閾値電圧が変動した場合、信号電圧が設計上の動作範囲から外れ、動作不良につながる可能性がある。具体的には、閾値電圧VTHが高くなると、検出ダイオードD11の信号電荷量が小さいときに増幅トランジスタM12のゲート電圧VGSがVTHを超えられずにソースフォロワ回路の出力が実質的にゼロとなり、結果として有効画素101の感度が低下する。
本実施形態によれは、調整値dV1に基づいてリセットトランジスタM11の駆動電圧VRESを調整することにより、有効画素101の感度を維持することができる。
なお、第1実施形態と同様に、照射領域内の全ての有効画素101と劣化検出画素102を対象として電源電圧線301と電源電圧線401の駆動電圧VRESをVRES′に調整することが可能である。VRESからVRES′への調整は、リセットトランジスタM11,M21がОN状態となる制御パルスRES(m)、RES(m+1)が印加された時のみ実行するようにしても同様の効果が得られる。
<第3実施形態>
第3実施形態について説明する。以下、第1実施形態と共通の参照符号を付した要素は、特に断らない限り第1実施形態で説明したものと実質的に同じ構成及び作用を有するものとする。
本実施形態は、第1実施形態と第2実施形態を組み合わせたものである。すなわち、図4のS46において、第1実施形態で説明した増幅トランジスタM12の駆動電圧VDDの調整と、第2実施形態で説明したリセットトランジスタM11の駆動電圧VRESの調整とを同時に行う。つまり、制御回路208は、第一状態における第二の画素の出力信号と、第一状態よりも後の第二状態における第二の画素の出力信号と、の差(dV1)に基づいて、第一の増幅トランジスタの主電極に印加する電圧と、前記第一の増幅トランジスタの制御電極の電位をリセットする場合のリセット電位と、の両方を調整する第三の調整手段の例である。これにより、第1及び第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、各駆動電圧の調整可能範囲を考慮して、例えば調整値dV1に予め設定した係数を掛けてVDDとVRESの調整量を求めてもよい。一例として、VDDとVRESのそれぞれを、dV1×0.5の調整量で調整してもよい。係数は0.5以外であってもよい。
駆動電圧VDD,VRESの両方を調整することで、対応可能な経年劣化の範囲を広げることができる利点がある。
なお、駆動電圧VDD,VRESの両方を調整することで、一方のみを調整する場合に比べて調整量(調整する電圧値)は小さくなる。一般的に、放射線の照射によりゲート電極の絶縁層に保持される電荷の量は絶縁層の電界に依存する。そのため、調整値が大きくトランジスタの電界が高くなると、その後の放射線検出器の劣化耐性が低下してしまう場合がある。調整値dV1を駆動電圧VDD,VRESに分けて同時に調整することで、個々の駆動電圧の調整量を小さくすることができ、駆動電圧の大幅な調整による放射線検出器の劣化耐性が生じることを抑制できる。
<第4実施形態>
第4実施形態について説明する。以下、第1実施形態と共通の参照符号を付した要素は、特に断らない限り第1実施形態で説明したものと実質的に同じ構成及び作用を有するものとする。
本実施形態に係る放射線検出器1は、図5のフローチャートに従って、経年劣化による検出ダイオードD11の暗電流レベルの変動を検出する。
図5に示すように、放射線検出器1を用いた撮影が繰り返し行われることで経年劣化が生じ、有効画素101と劣化検出画素102の両方の画素信号が初期状態の信号値から乖離していく(S51)。
放射線検出器1が経年劣化した後の状態において、有効画素101の暗時出力である信号V2と、劣化検出画素102の暗時出力である信号V1と、を列回路部204で取得する(S52)。そして、有効画素101と劣化検出画素102の信号V1,V2を用いて調整値dV2=V2-V1を算出する(S53)。
なお、信号V1、V2の取得は、列回路部204の不図示のメモリバッファで行ってよい。その場合、制御回路208で調整値dV2の計算を行う。また、信号V1、V2を列回路部204と出力回路206で増幅やAD変換を行った後に、演算部210(図3)で変換前の信号に換算して調整値dV2の計算を行ってもよい。
そして、制御回路208は、調整値dV2を用いて、有効画素101を構成する素子の駆動電圧を調整する(S54)。つまり、制御回路208は、エネルギー線が照射されていない状態でそれぞれ取得した第一の画素の出力信号と第二の画素の出力信号との差(dV2)に基づいて、第一の増幅トランジスタの制御電極の電位をリセットする場合のリセット電位を調整する第四の調整手段の例である。
ここで、有効画素101の信号V2は暗電流増加の影響を受けるのに対し、劣化検出画素102の信号V1は検出ダイオードD21の電位に依らない(電源電圧線403の駆動電圧VDDと増幅トランジスタM22の閾値に依存する)。そのため、信号V1,V2の差である調整値dV2は、検出ダイオードD11の暗電流レベルを反映したものとなる。
そこで、検出ダイオードD11のリセットトランジスタM11に与える電源電圧線301の駆動電圧VRESを、VRES′=VRES+dV2に調整する。これにより、検出ダイオードD11の暗電流による信号の変動分を見越して高い電圧でリセットすることで、リセット不良の発生を低減することができる。
なお、初期状態から駆動電圧VRESを高くする場合と比べて、第3実施形態で詳しく説明したように、トランジスタの電界が高くなることで放射線検出器の劣化耐性が低下することを回避することができる。
<第5実施形態>
第5実施形態について説明する。以下、第1実施形態と共通の参照符号を付した要素は、特に断らない限り第1実施形態で説明したものと実質的に同じ構成及び作用を有するものとする。
本実施形態は、第1乃至第4実施形態における駆動電圧の調整に並行して、有効画素101の画素信号の信号レンジを調整するものである。
第1乃至第4実施形態では、放射線による経年劣化に対応するために駆動電圧VDD,VRESを調整する結果、初期状態又は設計時の想定と比べて有効画素101の画素信号の信号レンジが変化する。そこで、列回路部204又は出力回路206の内部に増幅回路、ゲイン切り替え機構又はA/D変換機等の調整手段(第五の調整手段を設け、これらの調整手段を用いて列回路の読み出し範囲を調整する。駆動電圧VDD,VRESの調整値dV1,dV2と調整手段のパラメータとの関係は、例えば予め実験的に求めて放射線検出器1のメモリに格納しておくものとする。
つまり、列回路部204又は出力回路206は、画素アレイ103の画素の出力信号を増幅する増幅手段の例である。この増幅手段は、第二の画素の出力信号を用いて第一の増幅トランジスタの主電極に印加する電圧と第一の増幅トランジスタの制御電極の電位をリセットする場合のリセット電位との少なくとも一方を調整する場合に、第一の画素の出力信号を増幅するときのゲインを調整するように構成される。
例えば、信号線200,200′を介して列回路部204に伝送される信号の値が列回路の読み出し範囲を超えた場合、ゲインや列回路の読み出し範囲を広げるように調整する。これにより、有効画素101と劣化検出画素102の調整後の信号を列回路の読み出し範囲内で出力することができる。
<第6実施形態>
第6実施形態について説明する。以下、第1実施形態と共通の参照符号を付した要素は、特に断らない限り第1実施形態で説明したものと実質的に同じ構成及び作用を有するものとする。
本実施形態に係る放射線検出器1は、図6のフローチャートに従って、経年劣化による検出ダイオードD11の暗電流レベルの変動を検出する。本実施形態は、図5のフローチャートを用いる第4実施形態と異なり、暗電流レベルを検出するための撮像を行うときのフレームレートを通常の撮像時と異なる値にする。
以下、通常撮影用のフレームレート(第一のフレームレート)をf1[fps]、調整係数検出用のフレームレート(第二のフレームレート)をf2[fps]とする。
図6に示すように、放射線検出器1を用いた撮影が繰り返し行われることで経年劣化が生じ、有効画素101と劣化検出画素102の両方の画素信号が初期状態の信号値から乖離していく(S61)。
放射線検出器1が経年劣化した後、調整を行うべき時に、フレームレートをf1からf2に変更し(S62)、有効画素101の暗時出力である信号V2″と、劣化検出画素102の暗時出力である信号V1″と、を列回路部204で取得する(S63)。取得後は、通常撮影用のフレームレートf1に戻してよい(S64)。
そして、有効画素101と劣化検出画素102の信号V1″,V2″を用いて調整値dV3=(f2/f1)×(V2″-V1″)を算出する(S65)。算出した調整値dV3を用いて、有効画素101を構成する素子の駆動電圧(例えば、リセット用の駆動電圧VRES)を調整する(S66)。
dV3の算出式における(f2/f1)は、2種類のフレームレートの比である。つまり、本実施形態では、通常撮影とは異なるフレームレートで有効画素101及び劣化検出画素102から取得した信号の差を、通常のフレームレートでの値に換算して調整値dV3を算出する。
言い換えると、本実施形態の検出器は、第二の画素の出力信号を用いて検出器の調整を行う場合には、エネルギー線が照射されていない状態において、第一のフレームレートとは異なる第二のフレームレートで第一の画素及び第二の画素の出力信号を取得する。且つ、検出器は、取得した第一の画素の出力信号と第二の画素の出力信号との差と、第一のフレームレートと第二のフレームレートとの比と、に基づいて、第一の増幅トランジスタの制御電極の電位をリセットする場合のリセット電位を調整するように構成される。
暗電流が小さい場合、通常撮影よりも低フレームレートにして信号の蓄積時間を長くすることで(f2<f1)、調整値dV3の精度を上げることができる。逆に、経年劣化により暗電流が大きくなった場合は、調整時のフレームレートf2を低くすることで、信号V1″の飽和を回避して適切なレンジ内で調整値dV3を算出することができる。この場合において、f2>f1としてもよい。
また、本実施形態は、第1乃至第3実施形態又は第5実施形態と同時に実施することができる。
<第7実施形態>
第7実施形態について説明する。以下、第1実施形態と共通の参照符号を付した要素は、特に断らない限り第1実施形態で説明したものと実質的に同じ構成及び作用を有するものとする。
図7(a)は、本実施形態に係る放射線検出器1の回路図である。図7(b)は、本実施形態における画素の構造を示す平面図である。図7(a)、(b)に示すように、放射線検出器1は、画素アレイ103の照射領域内に有効画素101と劣化検出画素102とを有する。有効画素101の画素構造は第1実施形態と同様である。
本実施形態の劣化検出画素102は、第1実施形態とは異なる画素構造を有する。すなわち、劣化検出画素102は、リセットトランジスタM21のソースとドレインをショートさせた短絡部106を有する。これにより、劣化検出画素102の検出ダイオードD21は常にリセット状態となり、検出ダイオードD21に放射線が照射されても信号電荷が蓄積されず、増幅トランジスタM22のゲート電圧は変動しない。
このように、本実施形態の劣化検出画素102は、増幅トランジスタM22の制御電極(ゲート電極)が、リセットトランジスタM21の短絡部106を介して定電圧源に接続された画素構造を備える。言い換えると、本実施形態の第二の画素において、リセットトランジスタM21は、定電圧源に接続された第一の主電極(ドレイン)と、増幅トランジスタM22の制御電極(ゲート)と接続された第二の主電極(ソース)と、を有する。且つ、リセットトランジスタM21の前記第一の主電極と前記第二の主電極とが短絡されている。
つまり、有効画素101ではエネルギー線の入射量に応じた電圧が増幅トランジスタM12のゲートに印加されるのに対し、劣化検出画素102ではエネルギー線の入射量に依存しない定電圧が増幅トランジスタM22のゲートに印加される。これにより、劣化検出画素102は、定電圧源から増幅トランジスタM22の主電極に印加される電圧(電源電圧線403の駆動電圧)に応じた信号を出力する。
したがって、図1及び図2を用いて説明した構成と同様に、劣化検出画素102の信号に基づいて増幅トランジスタM12の閾値変動を検出することができる。また、有効画素101の信号と劣化検出画素102の信号とに基づいて、検出ダイオードD11の暗電流レベルの変動を検出することができる。故に、本実施形態の劣化検出画素102の画素構造を用いる場合も、放射線による経年劣化への耐性を向上させることができる。具体的な経年劣化への対策は、第1乃至第6実施形態で説明した方法を適用することができる。
また、リセットトランジスタM21に短絡部106を設けることの利点として、第1実施形態のように電源電圧線401とは別個の電源電圧線403を設ける必要がないことが挙げられる。これにより、有効画素101と劣化検出画素102との間で、半導体プロセスのパターニングにおけるレイアウトを近づけることができる。レイアウト差が小さければ、回路特性の均一性を向上させることができる。
<第8実施形態>
第8実施形態について説明する。以下、第1実施形態と共通の参照符号を付した要素は、特に断らない限り第1実施形態で説明したものと実質的に同じ構成及び作用を有するものとする。
図8(a)は、本実施形態に係る放射線検出器1の回路図である。図8(b)は、本実施形態における画素の構造を示す平面図である。図8(a)、(b)に示すように、放射線検出器1は、画素アレイ103の照射領域内に有効画素101と劣化検出画素102とを有する。有効画素101の画素構造は第1実施形態と同様である。
本実施形態の劣化検出画素102は、第1実施形態及び第2実施形態とは異なる画素構造を有する。すなわち、劣化検出画素102のリセットトランジスタM21に対して、垂直走査回路207からリセットトランジスタの制御線201と並行する第二の制御線202が接続される。
第二の制御線202は、画素アレイ103において有効画素101と接続される第一の制御線201が配線される行と同じ行に配線される。第二の制御線202は、劣化検出画素102のリセットトランジスタM21に接続され、且つ、有効画素101のリセットトランジスタM11には接続されない。この構成により、劣化検出画素102を同一行の有効画素101とは独立に駆動することが可能となる。
リセットトランジスタの制御線201は、垂直走査回路207からの信号を有効画素101のリセットトランジスタM11に伝送することで、有効画素101における信号蓄積期間や駆動タイミングを制御する。一方、リセットトランジスタの第二の制御線202は、劣化検出画素102のリセットトランジスタM21に接続される。調整値dV1,dV2を算出する場合、リセットトランジスタの第二の制御線202を介して、リセットトランジスタM21を導通状態(リセット状態)とする信号値(ハイレベル)がリセットトランジスタM21のゲートに継続的に入力される。
つまり、本実施形態は、劣化検出画素102の増幅トランジスタM22のゲートに対し、放射線の入射量に依存しない電圧を入力するように駆動可能な画素構造の一例である。
したがって、図1及び図2を用いて説明した増幅トランジスタM22に電源電圧線403を介して所定の駆動電圧VDDを入力する構成と同様に、劣化検出画素102の信号に基づいて増幅トランジスタの閾値変動を検出することができる。また、有効画素101の信号と劣化検出画素102の信号とに基づいて、検出ダイオードD11の暗電流レベルの変動を検出することができる。故に、本実施形態の劣化検出画素102の画素構造を用いる場合も、放射線による経年劣化への耐性を向上させることができる。具体的な経年劣化への対策は、第1乃至第6実施形態で説明した方法を適用することができる。
本実施形態のメリットとして、調整値dV1,dV2の取得を行わない場合には、制御線202に対して、同じ行の制御線201と同様の制御パルス(RES)を流すことができる。これにより、劣化検出画素102からの出力信号は、検出ダイオードD21への放射線入射量を反映したものとなり、劣化検出画素102の画素信号を放射線検出器1の出力画像データに含めることができる。
言い換えると、本実施形態の第二の画素は、第一の制御線を介して第一のリセットトランジスタに入力される制御信号と同じ制御信号が、第二の制御線を介して第二のリセットトランジスタに入力されることにより、第二の変換素子により蓄積された信号電荷を第二の増幅トランジスタにより増幅した信号を出力するように構成されている。このように、本実施形態によれば、劣化検出画素102を一種の有効画素(放射線を検出する画素)として機能させることができる。
(第8実施形態の変形例)
変形例として、劣化検出画素102の画素構造を有効画素101と同一にして(つまり、制御線202を省略して)、制御的に劣化検出画素102として機能させてもよい。つまり、通常の撮影時にはリセットタイミングで制御線201の制御パルスRESが送信されるところ、撮影時とは別の調整モードにおいて、制御線201の信号値を常時ハイレベルにして劣化検出画素102の出力信号を取得する。このとき、リセットトランジスタM21が導通した状態であるから、出力信号は放射線の入射量とは無関係で、リセット電位(VRES)と増幅トランジスタM22の閾値電圧とに依存する。したがって、初期状態で取得した劣化検出画素102の出力信号と、経年劣化が進んだ後に取得した劣化検出画素102の出力信号とを比較することで、増幅トランジスタM22の閾値電圧の変動を検出することができる。
つまり、本変形例は、他の実施形態と同様に、第一状態において第二の増幅トランジスタの制御電極に定電圧を印加した時の第二の画素の出力信号と、第一状態よりも後の第二状態において第二の増幅トランジスタの制御電極に前記定電圧を印加した時の第二の画素の出力信号と、の差に基づいて第一の増幅トランジスタの閾値電圧の変動を検出する構成の一例である。
なお、本変形例では、劣化検出画素102の画素構造を有効画素101と同一にするので、画素アレイ103の同一の行に属する劣化検出画素102を有効画素101から独立して駆動することはできない。これに対し、他の実施形態のように劣化検出画素102の画素構造を有効画素101の画素構造とは異なるものにしておけば、通像の撮影と同時に劣化検出画素102を駆動して、取得した出力信号に基づいて前述の調整値を算出することができる利点がある。
(第1乃至第8実施形態に共通の変形例)
以上説明した第1乃至第8実施形態に共通して、経年劣化を調整するための調整値は、放射線検出器1の撮影期間中にリアルタイムで行っても良いし、調整モードとして一部の撮影期間中とは別の期間に行ってもよい。放射線検出器1の撮影期間とは、画像データを外部に出力するために画素アレイ103を駆動し、取得した画素信号を周辺回路で処理して外部出力するまでの期間を指す。つまり、検出器は、画素アレイを用いて画像データを取得して外部に出力する動作の実行中に取得した第二の画素の出力信号を用いて、検出器の調整を行うための調整値を算出するように構成されてよい。調整値は、増幅トランジスタM12の駆動電圧VDDの調整に用いる調整値dV1(第一の調整値)、リセットトランジスタM11の駆動電圧VRES(リセット電位)の調整に用いる調整値dV2又はdV3(第二の調整値)、又はそれ以外であってもよい。
放射線の照射量については、調整値を算出するために画素アレイ103を駆動する期間中は非照射状態(暗時出力)としてもよいし、予め設定した基準量の放射線を照射しながら画素アレイ103を駆動してもよい。ただし、有効画素101と劣化検出画素102の経年劣化を同等にするため、撮影期間中か調整モードかに関わらず、有効画素101と劣化検出画素102の同じタイミングで駆動するようにすることが好ましい。言い換えると、同一行に属する有効画素101と劣化検出画素102の間では、制御線201(201′),203を介して入力される制御パルスSEL,RESの履歴が、構造上やむを得ない遅延等を除いて一致することが好ましい。
<第9実施形態>
第9実施形態について説明する。以下、第1実施形態と共通の参照符号を付した要素は、特に断らない限り第1実施形態で説明したものと実質的に同じ構成及び作用を有するものとする。
本実施形態は、画素アレイ103における有効画素101と劣化検出画素102の配置に関するものである。有効画素101及び劣化検出画素102の画素構造や、調整値dV1,dV2,dV3の算出方法等は、第1乃至第8実施形態で説明したものを用いることができる。
図9(a)~(f)は、有効画素101と劣化検出画素102の配置例を示す平面図である。図9(a)~(f)において、小さな矩形は各画素を表し、ハッチング領域は非照射領域105を表す、ハッチングがない領域は照射領域104を表す。また、有効画素101を白の矩形で表し、劣化検出画素102を黒の矩形で表す。
放射線の照射領域は、画素アレイ103の全域に設定してもよいが、図示した各例では、画素アレイ103の最外周の幅1画素分の画素群は、放射線が照射されない非照射領域(非入射領域、遮蔽領域)に設定される。画素アレイ103の最外周の内側の領域は、遮蔽部材に遮蔽されていない領域、つまり放射線が入射するように構成された照射領域(入射領域、非遮蔽領域)である。画素アレイ103の最外周を非照射領域とすることで、画素アレイ103の外側に放射線がすり抜ける可能性を低減することができる。
非照射領域105を設定するには、開口を有する金属板など、放射線が透過しない材料又は放射線を低減する材料からなる遮蔽部材を、非照射領域105とする領域に重ねて設置するとよい。遮蔽部材は、検出器の検出対象であるエネルギー線の種類に応じて適切な材料を用いる。上述した通り、本実施形態では、劣化検出画素102を有効画素101と共に照射領域104に配置する。なお、非照射領域105に配置する画素は、劣化検出画素102又は有効画素101の画素構造であっても、それ以外の画素構造であってもよい。
第8実施形態で劣化検出画素102を有効画素としても使用する場合を除き、上述した第1乃至第8実施形態では、劣化検出画素102の出力信号は劣化検出画素102に入射する放射線量を反映しない。そのため、劣化検出画素102の周囲の有効画素101の出力信号に基づいて、劣化検出画素102の画素値(第二の単位セルの単位セル値)を補間することが考えられる。画素値の補間は、例えば画像処理部211(図3)が行う。これにより、例えば放射線検出器1は照射領域104の全域の画像データを出力することができる。
上記の補間を行う場合、補間の精度を高めるためには、劣化検出画素102の周囲に有効画素101が多く配置されるレイアウトが好ましい。補間の方法としては、例えば劣化検出画素102に隣接する有効画素101の画素値を採用してもよいし、劣化検出画素102の周囲の所定数の画素の画素値にメディアンフィルタ又は平均値フィルタを適用した値を採用してもよい。
図9(a)では、劣化検出画素102を、照射領域104内で離散的に配置(分散配置)し、周囲に一定数以上の有効画素101を配置する。例えば、劣化検出画素102の周囲8つの画素が全て照射領域104内の有効画素101であると好ましい。つまり、画素アレイ103において第二の画素群の画素同士が互いに隣接しないように、第二の画素群が配置されると好ましい。このように照射領域104に均一に劣化検出画素102を分散させることで、調整の精度を確保し、均一性の画像データを出力することができる。
図9(b)は照射領域104の外周部に劣化検出画素102を配置するレイアウト例である。外周部とは、例えば照射領域104の最外周から内側に所定幅までの領域である。所定幅は、画素アレイ103の行数又は列数の少ない方の例えば5~10%程度の幅とする。このような配置とすれば、照射領域104の中央部は全て有効画素101となるため、撮影対象が位置することの多い中央付近において画素値の補間を行わない高精度な画像を取得できる利点がある。
図9(c)は、照射領域104内の一部の領域に劣化検出画素102を集中させたレイアウト例である。このような配置にすることで、高精度な画像を取得したい視野領域は有効画素101とし、それ以外の領域に劣化検出画素102を配置することができる。
図9(d)のように、ランダムに劣化検出画素102を配置することも可能である。ランダム配置の場合、劣化検出画素102を周期的に配置した場合に比べて、劣化検出画素102の周期に起因する不要な信号やノイズを抑制することができる。
画素アレイ103から列回路部204に画素信号を伝達する信号線の各々に対して少なくとも1つの劣化検出画素102が配置されるレイアウトの例を図9(e)、(f)に示す。図9(e)、(f)はどちらも、有効画素101の画素信号の読み出しチャンネルごとに少なくとも1つの劣化検出画素102が存在するので、チャンネルごとの回路特性(列ごとの回路特性)に起因するノイズを低減することができる。
図9(e)は、劣化検出画素102を1行に並べて有効画素101の領域を広くとれる利点がある。劣化検出画素102を配置した行は、他の行の有効画素101の出力信号を用いて画素値を補間してもよく、放射線検出器1の出力画像データには含めない(照射領域104内だが有効画素領域外)ことにしてもよい。図9(f)は、照射領域104の最上行と最下行に交互に劣化検出画素102を配置するレイアウト例である。図9(f)の配置は、例えば画素アレイ103の上側と下側に列回路部204を分けて配置し、下側の信号線と上側の信号線とを1列ごとに交互に配置する構成において、回路構造に起因するノイズを低減することができる。
<第10実施形態>
第10実施形態として、放射線検出器1を転送型のCMOSイメージセンサで構成した図10(a)~(c)の回路図を用いて説明する。
図10(a)に示すように、有効画素101は、転送トランジスタM14(第一の転送トランジスタ)と、電荷変換部C11(第一の浮遊拡散容量部)と、を有する。劣化検出画素102は、転送トランジスタM24(第二の転送トランジスタ)と、電荷変換部C21(第二の浮遊拡散容量部)と、を有する。また、有効画素101及び劣化検出画素102は、第1実施形態と同様に、検出ダイオードD11,D21と、リセットトランジスタM11,M21と、増幅トランジスタM12,M22と、選択トランジスタM13,M23と、を有する。
有効画素101の転送トランジスタM14は、電荷変換部C11、リセットトランジスタM11及び増幅トランジスタM12が接続されたノードと、検出ダイオードD11との間の電気的経路に設けられている。同様に、劣化検出画素102の転送トランジスタM24は、電荷変換部C21、リセットトランジスタM21及び増幅トランジスタM22が接続されたノードと、検出ダイオードD21との間の電気的経路に設けられている。
リセットトランジスタM11、M21のドレインには、第一の電源電圧線301,401を介して駆動電圧VRESが供給される。増幅トランジスタM12、M22のドレインには、第二の電源電圧線302,402を介して駆動電圧VDDが供給される。選択トランジスタM13、M23は、増幅トランジスタM12、M22と信号線200、200′との間の電気的経路に設けられている。電荷変換部C11、C12は、半導体基板内に設けられた浮遊拡散容量と、転送トランジスタM14、M24から当該浮遊拡散部を介して増幅トランジスタM12、M22に至る電気的経路の寄生容量を含む。
有効画素101では、転送トランジスタM14と電荷変換部C11とを介して、検出ダイオードD11と増幅トランジスタM12のゲートが接続される。一方、劣化検出画素102においては、増幅トランジスタM22(第二の増幅トランジスタ)のゲートは電荷変換部C21と接続されておらず、検出ダイオードD21(第二の変換素子)から絶縁されている。増幅トランジスタM22のゲートは、第3の電源電圧線403に接続される。
このように、本実施形態の劣化検出画素102は、増幅トランジスタM22の制御電極(ゲート電極)が、電源電圧線403を介して定電圧源に接続された画素構造を備える。電源電圧線403は、リセットトランジスタM21の主電極に電圧を供給する第一の電源線(電源電圧線401)及び増幅トランジスタM22の主電極に電圧を供給する第二の電源線(電源電圧線402)とは別の第三の電源線である。
つまり、有効画素101ではエネルギー線の入射量に応じた電圧が増幅トランジスタM12のゲートに印加されるのに対し、劣化検出画素102ではエネルギー線の入射量に依存しない定電圧が増幅トランジスタM22のゲートに印加される。これにより、劣化検出画素102は、定電圧源から増幅トランジスタM22の主電極に印加される電圧(電源電圧線403の駆動電圧)に応じた信号を出力するように構成されている。
また、転送型のCMOSイメージセンサの画素構造を備えた劣化検出画素102の他の構成として、第7実施形態や第8実施形態と類似した構成も可能である。
図10(b)に示すように、第7実施形態と同様に、劣化検出画素102のリセットトランジスタM21のドレインとソースを短絡させてもよい。つまり、第二の画素としての劣化検出画素102において、リセットトランジスタM21は、定電圧源に接続された第一の主電極と、第二の浮遊拡散容量部(電荷変換部C21)と接続された第二の主電極と、を有する。且つ、劣化検出画素102において、前記第一の主電極と前記第二の主電極とが短絡される。これにより、劣化検出画素102は、定電圧源から増幅トランジスタM22の主電極に印加される電圧(リセットトランジスタM21の駆動電圧)に応じた信号を出力するように構成されている。
また、図10(c)に示すように、第8実施形態と同様に、有効画素101のリセットトランジスタM11の制御線201とは別の制御線202を、劣化検出画素102のリセットトランジスタM21に接続してもよい。また、転送トランジスタM14を常にОFF状態とするように構成してもよい。
これらの構成によって、電荷転送動作によってノイズ発生を抑制可能な転送型の画素構造においても、劣化検出画素102を用いてトランジスタの閾値変動等を検出し、放射線による経年劣化への耐性を向上させることができる。
<第11実施形態>
以上の第1乃至第10実施形態では、検出器の構成例について説明した。本実施形態では、検出器を備えた検出システムの例としての放射線撮像システムを説明する。
図11に示す放射線撮像システム1100は、放射線検出器としての撮像部1101と、曝射制御部1102と、エネルギー線の照射部としての線源1103と、コンピュータ1104と、を含む検出システムである。撮像部1101は、画素アレイを備えた撮像パネル100Pを有する。撮像部1101の構成としては、第1乃至第10実施形態で説明したものを用いることができる。
線源1103は、曝射制御部1102からの曝射指令に従って放射線の照射を開始する。線源1103から放射された放射線は、撮像対象(被検体)を透過して撮像部1101の撮像パネル100Pに入射する。線源1103は、曝射制御部1102からの停止指令に従って放射線の放射を停止する。
撮像部1101は、例えば、医療画像診断や非破壊検査などで放射線撮影に用いるフラットパネルディテクターである。撮像部1101の撮像パネル100Pは、撮像対象のサイズに合わせた大きさの板状とすることができる。例えば、撮像パネル100Pは、550mm×445mmの基板に対して、3300×2800の画素が配される。
撮像部1101は、撮像パネル100Pの画素アレイに設けた検出ダイオードによって放射線を信号電荷に変換する直接変換型の構成であってよい。また、撮像部1101は、撮像パネル100Pの画素アレイの上層に設けたシンチレータ層によって放射線を蛍光に変換し、該蛍光を画素アレイの検出ダイオードによって信号電荷に変換する間接変換型の構成であってもよい。
撮像部1101は、上述の撮像パネル100Pと、撮像パネル100Pを制御するための制御部1105と、撮像パネル100Pから出力される信号を処理するための信号処理部1106と、を含む。信号処理部1106は、例えば、撮像パネル100Pから出力される信号をA/D変換し、コンピュータ1104にデジタル画像データとして出力してもよい。また、信号処理部1106は、例えば、撮像パネル100Pから出力される信号に基づいて、線源1103からの放射線の照射を停止させるための停止信号を生成してもよい。停止信号は、コンピュータ1104を介して曝射制御部1102に供給され、曝射制御部1102は、停止信号に応答して線源1103に対して停止指令を送る。
制御部1105は、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Arrayの略。)などのPLD(Programmable Logic Deviceの略。)、または、ASIC(Application Specific Integrated Circuitの略。)、または、プログラムが組み込まれた汎用コンピュータ、または、これらの全部または1部の組み合わせによって構成されうる。
本実施形態において、信号処理部1106は、制御部1105の中に配される、または制御部1105の一部の機能であるように示されているが、これに限られるものではない。制御部1105と信号処理部1106とは、それぞれ別の構成であってもよい。さらに、信号処理部1106は、撮像部1101とは別に配されていてもよい。例えば、コンピュータ1104が、信号処理部1106の機能を有していてもよい。このため、信号処理部1106は、撮像部1101から出力される信号を処理する信号処理装置として、放射線撮像システム1100に含まれうる。
コンピュータ1104は、撮像部1101および曝射制御部1102の制御や、撮像部1101から放射線画像データを受信し、放射線画像として表示するための処理を行いうる。また、コンピュータ1104は、ユーザが放射線画像の撮像を行う条件を入力するための入力部として機能しうる。
一例として、曝射制御部1102は、曝射スイッチを有し、ユーザによって曝射スイッチがオンされると、曝射指令を線源1103に送るほか、放射線の放射の開始を示す開始通知をコンピュータ1104に送る。開始通知を受けたコンピュータ1104は、開始通知に応答して、放射線の照射の開始を撮像部1101の制御部1105に通知する。これに応じて、制御部1105は、撮像パネル100Pにおいて、入射する放射線に応じた信号を生成させる。
<第12実施形態>
本実施形態では、検出器を備えた検出システムの他の例を説明する。図12(a)は、放射線検出器1を備えた検出システムとしての機器EQPを示している。
放射線検出器1は、画素がマトリックス配列された画素アレイ103とその周辺の周辺領域PRを有する。周辺領域PRには周辺回路(例えば、垂直走査回路や列回路部)を設けることができる。
機器EQPは、光学系OPT、制御装置CTRL、処理装置PRCS、表示装置DSPL、記憶装置MMRY、機械装置MCHNの少なくともいずれかをさらに備え得る。光学系OPTは放射線を放射線検出器1に結像するものであり、例えばレンズやシャッター、ミラーである。光学系OPTは、扱う放射線の種類に応じて、例えば電子線や陽子線等の粒子線を放射線検出器1に結像するものであってもよい。制御装置CTRLは放射線検出器1を制御するものであり、例えばASICである。処理装置PRCSは放射線検出器1から出力された信号を処理するものであり、AFE(アナログフロントエンド)あるいはDFE(デジタルフロントエンド)を構成するための、CPUやASICなどの装置である。表示装置DSPLは放射線検出器1で得られた情報を可視画像等の形式で表示する、EL表示装置や液晶表示装置である。記憶装置MMRYは、放射線検出器1で得られた情報を記憶する、磁気デバイスや半導体デバイスである。記憶装置MMRYは、SRAMやDRAMなどの揮発性メモリ、あるいは、フラッシュメモリやハードディスクドライブなどの不揮発性メモリである。機械装置MCHNはモーターやエンジン等の可動部あるいは推進部を有する。
機器EQPは、放射線検出器1から出力された信号を表示装置DSPLに表示したり、機器EQPが備える通信装置(不図示)によって外部に送信したりする。そのために、機器EQPは、放射線検出器1が有する記憶回路や演算回路とは別に、記憶装置MMRYや処理装置PRCSを更に備えることが好ましい。機械装置MCHNは、放射線検出器1から出力され信号に基づいて制御されてもよい。
図12(a)に示した機器EQPは、内視鏡や放射線診断機器などの医療機器や、測距センサなどの計測機器、電子顕微鏡のような分析機器であってもよい。
図12(b)は、機器EQPの例として、透過型電子顕微鏡(TEM)の構成を示す概略図である。電子顕微鏡としての機器EQPは、エネルギー線(電子線)の照射部としての電子線源1202(電子銃)と、照射レンズ1204と、真空チャンバー1201(鏡筒)と、対物レンズ1206と、拡大レンズ系1207と、を有する。また、機器EQPは、撮像部としてのカメラ1209と、を有する。カメラ1209は、直接検出型の放射線検出器1としての直接放射線検出器1200を備える。
電子線源1202より放出されたエネルギー線である電子線1203は、照射レンズ1204によって集束され、試料ホルダーに保持されている、分析対象としての試料Sに照射される。電子線1203が通過する空間は、真空チャンバー1201(鏡筒)によって形成され、この空間は真空に保持される。放射線検出器1は電子線1203が通過する真空の空間に面するように配置される。試料Sを透過した電子線1203は、対物レンズ1206と拡大レンズ系1207により拡大され、放射線検出器1に投影される。試料Sに電子線を照射するための電子光学系を照射光学系といい、試料Sを透過した電子線を放射線検出器1に結像させるための電子光学系を結像光学系という。
電子線源1202は、電子線源制御装置1211によって制御される。照射レンズ1204は、照射レンズ制御装置1212によって制御される。対物レンズ1206は、対物レンズ制御装置1213によって制御される。拡大レンズ系1207は、拡大レンズ系制御装置1214によって制御される。試料ホルダーの制御機構1205は、試料ホルダーの駆動機構を制御するホルダー制御装置1215によって制御される。
試料Sを透過した電子線1203は、カメラ1209の直接放射線検出器1200で検出される。直接放射線検出器1200からの出力信号は、処理装置PRCSとしての信号処理装置1216と画像処理装置1218によって処理され、画像信号が生成される。生成された画像信号(透過電子像)が表示装置DSPLに相当する画像表示用モニタ1220と解析用モニタ1221に表示される。
カメラ1209は機器EQPの下部に設けられる。カメラ1209は、直接放射線検出器1200(Direct Electron Detector)を有する。直接放射線検出器1200が撮像素子100に相当する。カメラ1209の少なくとも一部は真空チャンバー1201によって形成された真空空間に露出するように、カメラ1209の中に設けられる。
電子線源制御装置1211と、照射レンズ制御装置1212と、対物レンズ制御装置1213と、拡大レンズ系制御装置1214と、ホルダー制御装置1215のそれぞれは、画像処理装置1218と接続されている。これにより、電子顕微鏡の撮影条件を設定するために、相互にデータのやりとりが行えるようになっている。例えば、0.5electron/pix/frm以下となるように電子線の照射レートを設定することができる。この場合、電子線源制御装置1211及び画像処理装置1218は、放射線の照射レートを制御する制御手段として機能する。画像処理装置1218からの信号によって、試料ホルダーの駆動制御や各レンズの観察条件の設定ができる。
オペレータは撮影対象となる試料Sを準備し、画像処理装置1218に接続されている入力装置1219を用いて撮影条件を設定する。電子線源制御装置1211と、照射レンズ制御装置1212と、対物レンズ制御装置1213と、拡大レンズ系制御装置1214に、それぞれ所定のデータを入力し、所望の加速電圧、倍率、観察モードが得られるようにする。また、オペレータは、連続視野像枚数、撮影開始位置、試料ホルダーの移動速度などの条件を、マウスやキーボード、タッチパネルなどの入力装置1219を用いて画像処理装置1218に入力する。オペレータの入力によらずに画像処理装置1218が自動的に条件を設定する仕様としてもよい。
以上の第11、第12実施形態で説明した検出システムは例示に過ぎず、第1乃至第10実施形態で説明した検出器を他の検出システムに適用してもよい。
<その他の実施形態>
上述した第1乃至第10実施形態では、放射線検出器1として、入射する放射線を検出ダイオード等の変換素子によって電気信号に直接変換する直接変換型の構成を説明した。これに限らず、放射線検出器は、入射する放射線をシンチレータによって蛍光に変換し、この蛍光を光電変換素子によって電気信号に変換する間接変換型の構成であってもよい。
また、第1乃至第10実施形態では、エネルギー線として放射線を想定した放射線検出器について説明したが、本開示の技術は、エネルギー線として光(可視光又は赤外光等の、電離放射線以外の電磁波)を用いる光検出器にも適用可能である。
光検出器の場合、撮像時の光の照射が直接、放射線による経年劣化を引き起こことはないが、環境中の放射線により経年劣化は避けられない。具体例として、原子力発電所等で使用する監視カメラ、作業ロボット、ドローンや、人工衛星に搭載するカメラ等、比較的高線量の放射線に曝される環境で使用される装置に搭載する光検出器について、本開示の技術を好適に適用することができる。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
<本開示のまとめ>
本開示は、少なくとも以下の構成を備える。
(構成1)
複数の単位セルが配列された単位セルアレイを有する検出器であって、
前記複数の単位セルは、
入射したエネルギー線を信号電荷に変換して蓄積する第一の変換素子と、制御電極を前記第一の変換素子に接続された第一の増幅トランジスタと、を有し、前記第一の増幅トランジスタにより前記信号電荷を増幅して出力する第一の単位セルと、
制御電極を定電圧源に接続された第二の増幅トランジスタを有し、前記第二の増幅トランジスタにより前記定電圧源の電圧に応じた信号を出力する第二の単位セルと、
を含み、
前記第一の単位セル及び前記第二の単位セルは、前記単位セルアレイのうち前記エネルギー線が入射するように構成された入射領域内に配置されている、
ことを特徴とする検出器。
(構成2)
前記第二の単位セルは、入射した前記エネルギー線を電荷に変換して蓄積する第二の変換素子を更に有する、
ことを特徴とする構成1に記載の検出器。
(構成3)
前記第二の変換素子は、前記第二の増幅トランジスタから絶縁されている、
ことを特徴とする構成2に記載の検出器。
(構成4)
前記第二の単位セルは、前記第二の変換素子に蓄積された電荷をリセットするリセットトランジスタを更に有し、
前記検出器は、
前記リセットトランジスタの主電極に電圧を供給する第一の電源線と、
前記第二の増幅トランジスタの主電極に電圧を供給する第二の電源線と、
前記第二の増幅トランジスタの前記制御電極に前記定電圧源からの電圧を供給する第三の電源線と、
を更に備える、
ことを特徴とする構成2又は3に記載の検出器。
(構成5)
前記第二の単位セルは、前記第二の変換素子に蓄積された電荷をリセットするリセットトランジスタを更に有し、
前記リセットトランジスタは、前記定電圧源に接続された第一の主電極と、前記増幅トランジスタの前記制御電極と接続された第二の主電極と、を有し、且つ、前記第一の主電極と前記第二の主電極とが短絡されている、
ことを特徴とする構成2に記載の検出器。
(構成6)
前記第一の単位セルは、電荷を保持する第一の浮遊拡散容量部と、前記第一の変換素子に蓄積された電荷を前記第一の浮遊拡散容量部に転送する第一の転送トランジスタと、を更に有し、
前記第二の単位セルは、電荷を保持する第二の浮遊拡散容量部と、前記第二の変換素子に蓄積された電荷を前記第二の浮遊拡散容量部に転送する第二の転送トランジスタと、を更に有する、
ことを特徴とする構成2に記載の検出器。
(構成7)
前記第二の浮遊拡散容量部は、前記第二の増幅トランジスタから絶縁されている、
ことを特徴とする構成6に記載の検出器。
(構成8)
前記第二の単位セルは、前記第二の浮遊拡散容量部の電位をリセットするリセットトランジスタを更に有し、
前記検出器は、
前記リセットトランジスタの主電極に電圧を供給する第一の電源線と、
前記第二の増幅トランジスタの主電極に電圧を供給する第二の電源線と、
前記第二の増幅トランジスタの前記制御電極に前記定電圧源からの電圧を供給する第三の電源線と、
を更に備える、
ことを特徴とする構成6又は7に記載の検出器。
(構成9)
前記第二の単位セルは、前記第二の浮遊拡散容量部の電位をリセットするリセットトランジスタを更に有し、
前記リセットトランジスタは、前記定電圧源に接続された第一の主電極と、前記第二の浮遊拡散容量部と接続された第二の主電極と、を有し、且つ、前記第一の主電極と前記第二の主電極とが短絡されている、
ことを特徴とする構成6に記載の検出器。
(構成10)
複数の単位セルが配列された単位セルアレイを有する検出器であって、
前記複数の単位セルは、
入射したエネルギー線を信号電荷に変換して蓄積する第一の変換素子と、制御電極を前記第一の変換素子に接続された第一の増幅トランジスタと、前記第一の増幅トランジスタの前記制御電極の電位をリセットする第一のリセットトランジスタと、を有し、前記第一の増幅トランジスタにより前記信号電荷を増幅した信号を出力する第一の単位セルと、
第二の増幅トランジスタと、前記第二の増幅トランジスタの制御電極に接続された第二のリセットトランジスタと、を有し、前記第二の増幅トランジスタの前記制御電極の電位に応じた信号を出力する第二の単位セルと、
を含み、
前記検出器は、
前記単位セルアレイの行ごとに配線され、前記第一のリセットトランジスタの制御電極に接続された第一の制御線と、
前記単位セルアレイの前記第二の単位セルを含む行に前記第一の制御線と並行して配線され、前記第二のリセットトランジスタの制御電極に接続され且つ前記第一のリセットトランジスタの制御電極に接続されていない第二の制御線と、
を更に有し、
前記第一の単位セル及び前記第二の単位セルは、前記単位セルアレイのうち前記エネルギー線が入射するように構成された入射領域内に配置されている、
ことを特徴とする検出器。
(構成11)
前記第二の単位セルの出力信号を用いて前記検出器の調整を行う場合に、前記第二のリセットトランジスタを常に導通状態とする制御信号を前記第二の制御線に出力する垂直走査回路を更に備える、
ことを特徴とする構成10に記載の検出器。
(構成12)
前記第二の単位セルは、
入射したエネルギー線を信号電荷に変換して蓄積する第二の変換素子を更に有し、且つ、
前記第一の制御線を介して前記第一のリセットトランジスタに入力される制御信号と同じ制御信号が、前記第二の制御線を介して前記第二のリセットトランジスタに入力されることにより、前記第二の変換素子により蓄積された信号電荷を前記第二の増幅トランジスタにより増幅した信号を出力するように構成されている、
ことを特徴とする構成10又は11に記載の検出器。
(構成13)
前記第一の単位セルは、電荷を保持する第一の浮遊拡散容量部と、前記第一の変換素子に蓄積された電荷を前記第一の浮遊拡散容量部に転送する第一の転送トランジスタと、を更に有し、
前記第二の単位セルは、電荷を保持する第二の浮遊拡散容量部と、入射したエネルギー線を信号電荷に変換して蓄積する第二の変換素子と、前記第二の変換素子に蓄積された電荷を前記第二の浮遊拡散容量部に転送する第二の転送トランジスタと、を更に有する、
ことを特徴とする構成10乃至12のいずれかに記載の検出器。
(構成14)
複数の単位セルが配列された単位セルアレイを有する検出器であって、
前記複数の単位セルは、
入射したエネルギー線を信号電荷に変換して蓄積する第一の変換素子と、制御電極を前記第一の変換素子に接続された第一の増幅トランジスタと、を有し、前記第一の増幅トランジスタにより前記信号電荷を増幅した信号を出力する第一の単位セルと、
第二の増幅トランジスタを有し、前記第二の増幅トランジスタの制御電極に印加される電圧に応じた信号を出力する第二の単位セルと、
を含み、
前記第一の単位セル及び前記第二の単位セルは、前記単位セルアレイのうち前記エネルギー線が入射するように構成された入射領域内に配置され、且つ、
第一状態において前記第二の増幅トランジスタの制御電極に定電圧を印加した時の前記第二の単位セルの出力信号と、前記第一状態よりも後の第二状態において前記第二の増幅トランジスタの制御電極に前記定電圧を印加した時の前記第二の単位セルの出力信号と、の差に基づいて前記第一の増幅トランジスタの閾値電圧の変動を検出するように構成されている、
ことを特徴とする検出器。
(構成15)
第一状態における前記第二の単位セルの出力信号と、前記第一状態よりも後の第二状態における前記第二の単位セルの出力信号と、の差に基づいて、前記第一の増幅トランジスタの閾値電圧の変動を検出する検出手段を更に備える、
ことを特徴とする構成1乃至13のいずれかに記載の検出器。
(構成16)
第一状態における前記第二の単位セルの出力信号と、前記第一状態よりも後の第二状態における前記第二の単位セルの出力信号と、の差に基づいて、前記第一の増幅トランジスタの主電極に印加する電圧を調整する第一の調整手段を更に備える、
ことを特徴とする構成1乃至15のいずれかに記載の検出器。
(構成17)
第一状態における前記第二の単位セルの出力信号と、前記第一状態よりも後の第二状態における前記第二の単位セルの出力信号と、の差に基づいて、前記第一の増幅トランジスタの制御電極の電位をリセットする場合のリセット電位を調整する第二の調整手段を更に備える、
ことを特徴とする構成1乃至16のいずれかに記載の検出器。
(構成18)
第一状態における前記第二の単位セルの出力信号と、前記第一状態よりも後の第二状態における前記第二の単位セルの出力信号と、の差に基づいて、前記第一の増幅トランジスタの主電極に印加する電圧と、前記第一の増幅トランジスタの制御電極の電位をリセットする場合のリセット電位と、の両方を調整する第三の調整手段を更に備える、
ことを特徴とする構成1乃至17のいずれかに記載の検出器。
(構成19)
前記エネルギー線が照射されていない状態でそれぞれ取得した前記第一の単位セルの出力信号と前記第二の単位セルの出力信号との差に基づいて、前記第一の増幅トランジスタの制御電極の電位をリセットする場合のリセット電位を調整する第四の調整手段を更に備える、
ことを特徴とする構成1乃至18のいずれかに記載の検出器。
(構成20)
前記単位セルアレイの単位セルの出力信号を増幅する増幅手段を更に備え、
前記増幅手段は、前記第二の単位セルの出力信号を用いて前記第一の増幅トランジスタの主電極に印加する電圧と前記第一の増幅トランジスタの制御電極の電位をリセットする場合のリセット電位との少なくとも一方を調整した場合に、前記第一の単位セルの出力信号を増幅するときのゲインを調整する、
ことを特徴とする構成1乃至19のいずれかに記載の検出器。
(構成21)
前記検出器は、
前記第一の単位セルの出力信号に基づく画像データを外部に出力する場合には、第一のフレームレートで前記第一の単位セルの出力信号を取得し、
前記第二の単位セルの出力信号を用いて前記検出器の調整を行う場合には、前記エネルギー線が照射されていない状態において、前記第一のフレームレートとは異なる第二のフレームレートで前記第一の単位セル及び前記第二の単位セルの出力信号を取得し、且つ、取得した前記第一の単位セルの出力信号と前記第二の単位セルの出力信号との差と、前記第一のフレームレートと前記第二のフレームレートとの比と、に基づいて、前記第一の増幅トランジスタの制御電極の電位をリセットする場合のリセット電位を調整するように構成されている、
ことを特徴とする構成1乃至20のいずれかに記載の検出器。
(構成22)
前記単位セルアレイの単位セルを行ごとに駆動する垂直走査回路を更に備え、
前記垂直走査回路は、同一の行に属する前記第一の単位セルと前記第二の単位セルとを同じタイミングで駆動する、
ことを特徴とする構成1乃至21のいずれかに記載の検出器。
(構成23)
前記検出器は、前記単位セルアレイを用いて画像データを取得して外部に出力する動作の実行中に取得した前記第二の単位セルの出力信号を用いて、前記検出器の調整を行うための調整値を算出するように構成されている、
ことを特徴とする構成1乃至22のいずれかに記載の検出器。
(構成24)
前記単位セルアレイは、前記入射領域内に第一の単位セル群及び第二の単位セル群を有し、
前記第一の単位セル群は、前記第一の単位セルと同じ単位セル構造を備えた複数の単位セルからなり、
前記第二の単位セル群は、前記第二の単位セルと同じ単位セル構造を備えた複数の単位セルからなる、
ことを特徴とする構成1乃至23のいずれかに記載の検出器。
(構成25)
前記第二の単位セル群の各単位セルに隣接する前記第一の単位セル群の単位セルの出力信号を用いて、前記第二の単位セル群の各単位セルの単位セル値を補間した画像データを外部に出力するように構成されている、
ことを特徴とする構成24に記載の検出器。
(構成26)
前記単位セルアレイにおいて前記第二の単位セル群の単位セル同士が互いに隣接しないように、前記第二の単位セル群が配置される、
ことを特徴とする構成25に記載の検出器。
(構成27)
前記単位セルアレイの列ごとに設けられた信号線と、
前記信号線を介して前記単位セルアレイの列ごとの単位セルの出力信号を受け取る列回路部と、
を更に備え、
前記単位セルアレイの各列に前記第二の単位セル群の単位セルが少なくとも1つ配置される、
ことを特徴とする構成24乃至26のいずれかに記載の検出器。
(構成28)
前記第二の単位セル群は、前記単位セルアレイの前記入射領域の外周部に配置される、
ことを特徴とする構成24乃至27のいずれかに記載の検出器。
(構成29)
前記エネルギー線を遮蔽する遮蔽部材を更に備え、
前記入射領域は、前記遮蔽部材に遮蔽されていない領域である、
ことを特徴とする構成1乃至28のいずれかに記載の検出器。
(構成30)
前記第一の増幅トランジスタ及び前記第二の増幅トランジスタは、ゲート領域に絶縁膜を有する電界効果トランジスタである、
ことを特徴とする構成1乃至29のいずれかに記載の検出器。
(構成31)
前記エネルギー線は、放射線であり、
前記第一の変換素子は、放射線を信号電荷に直接変換する素子である、
ことを特徴とする構成1乃至30のいずれかに記載の検出器。
(構成32)
前記エネルギー線は、放射線であり、
放射線が入射すると蛍光を発するシンチレータを更に備え、
前記第一の変換素子は、前記蛍光を信号電荷に変換する素子である、
ことを特徴とする構成1乃至30のいずれかに記載の検出器。
(構成33)
前記エネルギー線は、光であり、
前記第一の変換素子は、光を信号電荷に変換する素子である、
ことを特徴とする構成1乃至30のいずれかに記載の検出器。
(構成34)
エネルギー線を対象に照射する照射部と、
前記エネルギー線の照射により生じたエネルギー線の像を検出する構成1乃至33のいずれかに記載の検出器と、
を備えることを特徴とする検出システム。
101:有効画素(第一の単位セル)/102:劣化検出画素(第二の単位セル)/103:画素アレイ(単位セルアレイ)/104:照射領域(入射領域)/106:短絡部/200:信号線/201:第一の制御線/202:第二の制御線/401:電源電圧線(第一の電源線)/402:電源電圧線(第二の電源線)/403:電源電圧線(第三の電源線)/C11:電荷変換部(第一の浮遊電荷容量部)/C21:電荷変換部(第二の浮遊電荷容量部)/D11:検出ダイオード(第一の変換素子)/D21:検出ダイオード(第二の変換素子)/M12:増幅トランジスタ(第一の増幅トランジスタ)/M22:増幅トランジスタ(第二の増幅トランジスタ)

Claims (34)

  1. 複数の単位セルが配列された単位セルアレイを有する検出器であって、
    前記複数の単位セルは、
    入射したエネルギー線を信号電荷に変換して蓄積する第一の変換素子と、制御電極を前記第一の変換素子に接続された第一の増幅トランジスタと、を有し、前記第一の増幅トランジスタにより前記信号電荷を増幅して出力する第一の単位セルと、
    制御電極を定電圧源に接続された第二の増幅トランジスタを有し、前記第二の増幅トランジスタにより前記定電圧源の電圧に応じた信号を出力する第二の単位セルと、
    を含み、
    前記第一の単位セル及び前記第二の単位セルは、前記単位セルアレイのうち前記エネルギー線が入射するように構成された入射領域内に配置されている、
    ことを特徴とする検出器。
  2. 前記第二の単位セルは、入射した前記エネルギー線を電荷に変換して蓄積する第二の変換素子を更に有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の検出器。
  3. 前記第二の変換素子は、前記第二の増幅トランジスタから絶縁されている、
    ことを特徴とする請求項2に記載の検出器。
  4. 前記第二の単位セルは、前記第二の変換素子に蓄積された電荷をリセットするリセットトランジスタを更に有し、
    前記検出器は、
    前記リセットトランジスタの主電極に電圧を供給する第一の電源線と、
    前記第二の増幅トランジスタの主電極に電圧を供給する第二の電源線と、
    前記第二の増幅トランジスタの前記制御電極に前記定電圧源からの電圧を供給する第三の電源線と、
    を更に備える、
    ことを特徴とする請求項2に記載の検出器。
  5. 前記第二の単位セルは、前記第二の変換素子に蓄積された電荷をリセットするリセットトランジスタを更に有し、
    前記リセットトランジスタは、前記定電圧源に接続された第一の主電極と、前記増幅トランジスタの前記制御電極と接続された第二の主電極と、を有し、且つ、前記第一の主電極と前記第二の主電極とが短絡されている、
    ことを特徴とする請求項2に記載の検出器。
  6. 前記第一の単位セルは、電荷を保持する第一の浮遊拡散容量部と、前記第一の変換素子に蓄積された電荷を前記第一の浮遊拡散容量部に転送する第一の転送トランジスタと、を更に有し、
    前記第二の単位セルは、電荷を保持する第二の浮遊拡散容量部と、前記第二の変換素子に蓄積された電荷を前記第二の浮遊拡散容量部に転送する第二の転送トランジスタと、を更に有する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の検出器。
  7. 前記第二の浮遊拡散容量部は、前記第二の増幅トランジスタから絶縁されている、
    ことを特徴とする請求項6に記載の検出器。
  8. 前記第二の単位セルは、前記第二の浮遊拡散容量部の電位をリセットするリセットトランジスタを更に有し、
    前記検出器は、
    前記リセットトランジスタの主電極に電圧を供給する第一の電源線と、
    前記第二の増幅トランジスタの主電極に電圧を供給する第二の電源線と、
    前記第二の増幅トランジスタの前記制御電極に前記定電圧源からの電圧を供給する第三の電源線と、
    を更に備える、
    ことを特徴とする請求項6に記載の検出器。
  9. 前記第二の単位セルは、前記第二の浮遊拡散容量部の電位をリセットするリセットトランジスタを更に有し、
    前記リセットトランジスタは、前記定電圧源に接続された第一の主電極と、前記第二の浮遊拡散容量部と接続された第二の主電極と、を有し、且つ、前記第一の主電極と前記第二の主電極とが短絡されている、
    ことを特徴とする請求項6に記載の検出器。
  10. 複数の単位セルが配列された単位セルアレイを有する検出器であって、
    前記複数の単位セルは、
    入射したエネルギー線を信号電荷に変換して蓄積する第一の変換素子と、制御電極を前記第一の変換素子に接続された第一の増幅トランジスタと、前記第一の増幅トランジスタの前記制御電極の電位をリセットする第一のリセットトランジスタと、を有し、前記第一の増幅トランジスタにより前記信号電荷を増幅した信号を出力する第一の単位セルと、
    第二の増幅トランジスタと、前記第二の増幅トランジスタの制御電極に接続された第二のリセットトランジスタと、を有し、前記第二の増幅トランジスタの前記制御電極の電位に応じた信号を出力する第二の単位セルと、
    を含み、
    前記検出器は、
    前記単位セルアレイの行ごとに配線され、前記第一のリセットトランジスタの制御電極に接続された第一の制御線と、
    前記単位セルアレイの前記第二の単位セルを含む行に前記第一の制御線と並行して配線され、前記第二のリセットトランジスタの制御電極に接続され且つ前記第一のリセットトランジスタの制御電極に接続されていない第二の制御線と、
    を更に有し、
    前記第一の単位セル及び前記第二の単位セルは、前記単位セルアレイのうち前記エネルギー線が入射するように構成された入射領域内に配置されている、
    ことを特徴とする検出器。
  11. 前記第二の単位セルの出力信号を用いて前記検出器の調整を行う場合に、前記第二のリセットトランジスタを常に導通状態とする制御信号を前記第二の制御線に出力する垂直走査回路を更に備える、
    ことを特徴とする請求項10に記載の検出器。
  12. 前記第二の単位セルは、
    入射したエネルギー線を信号電荷に変換して蓄積する第二の変換素子を更に有し、且つ、
    前記第一の制御線を介して前記第一のリセットトランジスタに入力される制御信号と同じ制御信号が、前記第二の制御線を介して前記第二のリセットトランジスタに入力されることにより、前記第二の変換素子により蓄積された信号電荷を前記第二の増幅トランジスタにより増幅した信号を出力するように構成されている、
    ことを特徴とする請求項10に記載の検出器。
  13. 前記第一の単位セルは、電荷を保持する第一の浮遊拡散容量部と、前記第一の変換素子に蓄積された電荷を前記第一の浮遊拡散容量部に転送する第一の転送トランジスタと、を更に有し、
    前記第二の単位セルは、電荷を保持する第二の浮遊拡散容量部と、入射したエネルギー線を信号電荷に変換して蓄積する第二の変換素子と、前記第二の変換素子に蓄積された電荷を前記第二の浮遊拡散容量部に転送する第二の転送トランジスタと、を更に有する、
    ことを特徴とする請求項10に記載の検出器。
  14. 複数の単位セルが配列された単位セルアレイを有する検出器であって、
    前記複数の単位セルは、
    入射したエネルギー線を信号電荷に変換して蓄積する第一の変換素子と、制御電極を前記第一の変換素子に接続された第一の増幅トランジスタと、を有し、前記第一の増幅トランジスタにより前記信号電荷を増幅した信号を出力する第一の単位セルと、
    第二の増幅トランジスタを有し、前記第二の増幅トランジスタの制御電極に印加される電圧に応じた信号を出力する第二の単位セルと、
    を含み、
    前記第一の単位セル及び前記第二の単位セルは、前記単位セルアレイのうち前記エネルギー線が入射するように構成された入射領域内に配置され、且つ、
    第一状態において前記第二の増幅トランジスタの制御電極に定電圧を印加した時の前記第二の単位セルの出力信号と、前記第一状態よりも後の第二状態において前記第二の増幅トランジスタの制御電極に前記定電圧を印加した時の前記第二の単位セルの出力信号と、の差に基づいて前記第一の増幅トランジスタの閾値電圧の変動を検出するように構成されている、
    ことを特徴とする検出器。
  15. 第一状態における前記第二の単位セルの出力信号と、前記第一状態よりも後の第二状態における前記第二の単位セルの出力信号と、の差に基づいて、前記第一の増幅トランジスタの閾値電圧の変動を検出する検出手段を更に備える、
    ことを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の検出器。
  16. 第一状態における前記第二の単位セルの出力信号と、前記第一状態よりも後の第二状態における前記第二の単位セルの出力信号と、の差に基づいて、前記第一の増幅トランジスタの主電極に印加する電圧を調整する第一の調整手段を更に備える、
    ことを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の検出器。
  17. 第一状態における前記第二の単位セルの出力信号と、前記第一状態よりも後の第二状態における前記第二の単位セルの出力信号と、の差に基づいて、前記第一の増幅トランジスタの制御電極の電位をリセットする場合のリセット電位を調整する第二の調整手段を更に備える、
    ことを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の検出器。
  18. 第一状態における前記第二の単位セルの出力信号と、前記第一状態よりも後の第二状態における前記第二の単位セルの出力信号と、の差に基づいて、前記第一の増幅トランジスタの主電極に印加する電圧と、前記第一の増幅トランジスタの制御電極の電位をリセットする場合のリセット電位と、の両方を調整する第三の調整手段を更に備える、
    ことを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の検出器。
  19. 前記エネルギー線が照射されていない状態でそれぞれ取得した前記第一の単位セルの出力信号と前記第二の単位セルの出力信号との差に基づいて、前記第一の増幅トランジスタの制御電極の電位をリセットする場合のリセット電位を調整する第四の調整手段を更に備える、
    ことを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の検出器。
  20. 前記単位セルアレイの単位セルの出力信号を増幅する増幅手段を更に備え、
    前記増幅手段は、前記第二の単位セルの出力信号を用いて前記第一の増幅トランジスタの主電極に印加する電圧と前記第一の増幅トランジスタの制御電極の電位をリセットする場合のリセット電位との少なくとも一方を調整した場合に、前記第一の単位セルの出力信号を増幅するときのゲインを調整する、
    ことを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の検出器。
  21. 前記検出器は、
    前記第一の単位セルの出力信号に基づく画像データを外部に出力する場合には、第一のフレームレートで前記第一の単位セルの出力信号を取得し、
    前記第二の単位セルの出力信号を用いて前記検出器の調整を行う場合には、前記エネルギー線が照射されていない状態において、前記第一のフレームレートとは異なる第二のフレームレートで前記第一の単位セル及び前記第二の単位セルの出力信号を取得し、且つ、取得した前記第一の単位セルの出力信号と前記第二の単位セルの出力信号との差と、前記第一のフレームレートと前記第二のフレームレートとの比と、に基づいて、前記第一の増幅トランジスタの制御電極の電位をリセットする場合のリセット電位を調整するように構成されている、
    ことを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の検出器。
  22. 前記単位セルアレイの単位セルを行ごとに駆動する垂直走査回路を更に備え、
    前記垂直走査回路は、同一の行に属する前記第一の単位セルと前記第二の単位セルとを同じタイミングで駆動する、
    ことを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の検出器。
  23. 前記検出器は、前記単位セルアレイを用いて画像データを取得して外部に出力する動作の実行中に取得した前記第二の単位セルの出力信号を用いて、前記検出器の調整を行うための調整値を算出するように構成されている、
    ことを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の検出器。
  24. 前記単位セルアレイは、前記入射領域内に第一の単位セル群及び第二の単位セル群を有し、
    前記第一の単位セル群は、前記第一の単位セルと同じ単位セル構造を備えた複数の単位セルからなり、
    前記第二の単位セル群は、前記第二の単位セルと同じ単位セル構造を備えた複数の単位セルからなる、
    ことを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の検出器。
  25. 前記第二の単位セル群の各単位セルに隣接する前記第一の単位セル群の単位セルの出力信号を用いて、前記第二の単位セル群の各単位セルの単位セル値を補間した画像データを外部に出力するように構成されている、
    ことを特徴とする請求項24に記載の検出器。
  26. 前記単位セルアレイにおいて前記第二の単位セル群の単位セル同士が互いに隣接しないように、前記第二の単位セル群が配置される、
    ことを特徴とする請求項25に記載の検出器。
  27. 前記単位セルアレイの列ごとに設けられた信号線と、
    前記信号線を介して前記単位セルアレイの列ごとの単位セルの出力信号を受け取る列回路部と、
    を更に備え、
    前記単位セルアレイの各列に前記第二の単位セル群の単位セルが少なくとも1つ配置される、
    ことを特徴とする請求項24に記載の検出器。
  28. 前記第二の単位セル群は、前記単位セルアレイの前記入射領域の外周部に配置される、
    ことを特徴とする請求項24に記載の検出器。
  29. 前記エネルギー線を遮蔽する遮蔽部材を更に備え、
    前記入射領域は、前記遮蔽部材に遮蔽されていない領域である、
    ことを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の検出器。
  30. 前記第一の増幅トランジスタ及び前記第二の増幅トランジスタは、ゲート領域に絶縁膜を有する電界効果トランジスタである、
    ことを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の検出器。
  31. 前記エネルギー線は、放射線であり、
    前記第一の変換素子は、放射線を信号電荷に直接変換する素子である、
    ことを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の検出器。
  32. 前記エネルギー線は、放射線であり、
    放射線が入射すると蛍光を発するシンチレータを更に備え、
    前記第一の変換素子は、前記蛍光を信号電荷に変換する素子である、
    ことを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の検出器。
  33. 前記エネルギー線は、光であり、
    前記第一の変換素子は、光を信号電荷に変換する素子である、
    ことを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の検出器。
  34. エネルギー線を対象に照射する照射部と、
    前記エネルギー線の照射により生じたエネルギー線の像を検出する請求項1乃至14のいずれか1項に記載の検出器と、
    を備えることを特徴とする検出システム。
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