JP2023160729A - 放射線検出器、放射線撮像システム、放射線画像処理方法及び記憶媒体 - Google Patents

放射線検出器、放射線撮像システム、放射線画像処理方法及び記憶媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】撮像対象の撮像と同時性のあるバックグラウンド成分を求める。【解決手段】放射線検出器は、放射線を電荷に直接変換する複数の画素と、フレーム毎に前記複数の画素から画素信号を読み出す読出回路と、前記読出回路によって読み出された画素信号を処理する処理手段と、を備える。前記処理手段は、前記複数の画素の各画素の画素信号に含まれるバックグラウンド成分を、当該画素信号と同じフレームに前記複数の画素から読み出された画素信号の値を用いて求める。【選択図】図3

Description

本発明は、放射線検出器、放射線撮像システム、放射線画像処理方法及び記憶媒体に関する。
X線や電子線のような放射線を直接変換式の放射線検出器によって検出する場合、放射線に曝された装置の劣化等に起因するバックグラウンド成分(ノイズ成分)を除去することが求められる。特許文献1には、CMOSイメージセンサでX線を検出するX線撮像システムにおいて、個々の画像フレームの未補正画素信号(画素値)を、異なる画像フレームからの同じ画素の画素信号に基づいて補正(較正)することが記載されている。この文献によると、撮像対象の撮像を行う時刻とは別の時刻に、放射線を照射していない状態で暗電流のレベルを測定する工程を含む所定の較正プロセスを実施することで、未補正画素信号を補正するための補正係数が算出される。
特表2008-524874号公報
しかしながら、上記文献では、撮像対象の撮像と較正プロセスは同時には行われない。そのため、両時点の間に生じる変化(例えば、放射線検出器の温度上昇)により、撮像時のバックグラウンド成分は、較正プロセス時に測定されるバックグラウンド成分とは異なっている可能性がある。
また、上記文献では、放射線像を電子的な画像データに変換するX線撮像カメラ(放射線検出器)とは別に、画像データを補正(較正)するための画像プロセッサを必要とする構成であった。
そこで、本発明は、撮像対象の撮像と同時性のあるバックグラウンド成分を求めることが可能な手段を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、放射線を電荷に直接変換する複数の画素と、フレーム毎に前記複数の画素から画素信号を読み出す読出回路と、前記読出回路によって読み出された画素信号を処理する処理手段と、を備えた放射線検出器であって、前記処理手段は、前記複数の画素の各画素の画素信号に含まれるバックグラウンド成分を、当該画素信号と同じフレームに前記複数の画素から読み出された画素信号の値を用いて求める、ことを特徴とする放射線検出器である。
本発明の他の一態様は、放射線を電荷に直接変換する複数の画素からフレーム毎に画素信号を読み出す読出ステップと、前記読出ステップで読み出された画素信号を処理する処理ステップと、を含む放射線画像処理方法であって、前記処理ステップにおいて、前記複数の画素の各画素の画素信号に含まれるバックグラウンド成分を、当該画素信号と同じフレームに前記複数の画素から読み出された画素信号の値を用いて求める、ことを特徴とする放射線画像処理方法である。
本発明によれば、撮像対象の撮像と同時性のあるバックグラウンド成分を求めることが可能な手段を提供することができる。
第1実施形態に係る放射線検出器の概略構成を示すブロック図。 第1実施形態に係る画素の構成を示す図。 第1実施形態に係る信号処理の内容を説明するための図(a~c)。 第1実施形態に係る信号処理手順を示すフローチャート。 第2実施形態に係る信号処理の内容を説明するための図(a~c)。 第2実施形態に係る信号処理の内容を説明するための図(a~d)。 第3実施形態に係る放射線検出器の概略構成を示すブロック図(a)と、信号処理の内容を説明するための図(b)。 第4実施形態に係る信号処理の内容を説明するための図。 第5実施形態に係る信号処理の内容を説明するための図(a~e)。 第6実施形態に係る画素の構成を示す図。 第7実施形態に係る放射線撮像システムを示す図。 第8実施形態に係る放射線撮像システムを示す図(a、b)。
以下、本開示に係る実施形態について、図面を参照しながら説明する。
以下の説明において、「放射線」とは、電磁放射線(X線、ガンマ線)及び粒子放射線(電子線、陽子線、中性子線、アルファ線等)を含む概念である。「放射線撮像システム」とは、放射線を用いて、撮像対象(被写体、医用撮像システムの場合の患者等)の画像を電子データとして取得するシステム一般を指す。「画像」は、静止画像であっても動画像であってもよい。「放射線検出器」とは、放射線撮像システムの構成要素であって、撮像対象の放射線像を電気信号に変換することで電子データとしての画像を取得するイメージセンサユニット(カメラ、撮像部とも呼ばれる)を指す。
以下の各実施形態では、放射線検出器として、入射する放射線を直接電荷に変換する変換素子を備えた直接変換型の放射線検出器について説明する。
《第1実施形態》
図1は第1実施形態に係る放射線検出器1の概略構成を示すブロック図である。放射線検出器1は、撮像素子100と、出力信号処理部109と、メモリ部110と、外部インターフェース(外部I/F)111と、を有する。
撮像素子100は、行列状に配列された複数の画素102からなる画素アレイ101と、垂直走査回路103と、垂直信号線104と、列回路105と、列メモリ106と、水平走査回路107と、DFE108と、を有する。ここで、DFEはDigital Front Endの略である。垂直走査回路103、垂直信号線104、列回路105、列メモリ106及び水平走査回路107は、フレーム毎に画素アレイ101の各画素から画素信号を読み出す読出回路の例である。DFE108は、読出回路によって読み出された画素信号を処理する処理手段の例である。撮像素子100は、放射線を検出するCMOSイメージセンサである。
画素アレイ101を構成する画素102は、入射した放射線を電荷に変換する。画素102の構成は後述する。垂直走査回路103は、画素アレイ101において信号を出力させる画素行を選択するとともに順次走査する。垂直信号線104は、垂直走査回路103によって選択された画素102からの信号を伝達する。列回路105は、垂直信号線104から入力される信号を処理する処理する。列回路105が行う処理は、例えばA/D変換(Analog/Digital変換)を含む。列メモリ106は、列回路105から出力されるデジタル信号を保持する。水平走査回路107は、列回路105又は列メモリ106を画素列の方向に走査して列ごとのデジタル信号を順次読み出す。DFE108は、列回路105又は列メモリ106から読み出されるデジタル信号を処理して撮像素子100の外部に出力する出力回路である。
上記の垂直方向及び水平方向の走査により画素アレイ101の各画素102から読み出された1セットの画素信号(画素値)で構成される画像データを、「フレーム画像」とする。1枚のフレーム画像を取得するために撮像素子100が動作する期間をフレーム又はフレーム期間と呼ぶ。動画撮影等でフレーム画像を繰り返し取得するときに単位時間当たりのフレーム画像の枚数をフレームレート(fps)と呼ぶ。
フレーム画像は、後の工程で複数枚のフレーム画像を合成することで1枚の画像を構成するための画像(サブフレーム又は時分割フレームとも呼ばれる)であってもよい。また、放射線検出器1は、撮像素子100が取得したフレーム画像中の画素信号に基づいて、フォトンカウンティング(粒子線の場合は粒子の計数)を行うものであってもよい。その際、1つの放射線に対応する画素信号の値に基づいて放射線のエネルギーを判別するようにしてもよい。
なお、撮像素子100は、読み出される信号がフレーム画像を構成しない画素(後述する第4実施形態の演算用の画素アレイ802参照)を有していてもよい。
出力信号処理部109は、撮像素子100から出力される信号を演算処理する。メモリ部110は、出力信号処理部109での演算を行うためのデータ保持部(記憶領域)であり、処理対象のデータや、予め定められたデータを保持する。出力信号処理部109から出力された信号は、外部I/F部111を通じて放射線検出器1の外部(例えば、後述する放射線撮像システム内の他のユニット)に出力される。
図2は図1の画素102の構成例を示す図である。画素102は、フォトダイオード201と、浮遊拡散容量202と、トランジスタ203,204,205,206と、を有する。
フォトダイオード201は、入射した放射線を電荷に直接変換する変換素子である。フォトダイオード201のアノードが基準電圧ノードに接続され、カソードがトランジスタ203のソースに接続される。トランジスタ203のドレインは、トランジスタ204のソース及びトランジスタ205のゲートに接続される。トランジスタ203のドレイン、トランジスタ204のソース及びトランジスタ205のゲートの接続ノードは、いわゆる浮遊拡散(フローティングディフュージョン)部である。浮遊拡散部は、容量成分(浮遊拡散容量202)を含み、電荷保持部としての機能を備える。
トランジスタ204のドレイン及びトランジスタ205のドレインは、電源電圧が供給される電源電圧ノード207に接続される。トランジスタ205のソースは、トランジスタ206のドレインに接続される。トランジスタ206のソースは、垂直信号線104に接続されている。垂直信号線104は、電流源に接続される。
トランジスタ203,204,206のゲートには、垂直走査回路103(図1)からの制御信号を伝える信号線がそれぞれ接続される。各信号線は、画素アレイ101において画素102が属する行に共通の信号線である。
画素102に放射線が入射すると、フォトダイオード201により放射線が電荷(信号電荷)に変換され、蓄積される。トランジスタ203(転送トランジスタ)は、垂直走査回路103からの制御信号に基づいて、フォトダイオード201に蓄積された信号電荷を浮遊拡散部に転送する。浮遊拡散部は、フォトダイオード201から転送された電荷を保持するとともに、浮遊拡散容量202による電荷電圧変換によって、転送された電荷の量に応じた電圧を保持する。
トランジスタ205(増幅トランジスタ)は、浮遊拡散部が保持する電荷に基づく画素信号を増幅してトランジスタ206に出力する。トランジスタ206(選択トランジスタ)は、垂直走査回路103からの制御信号に基づいて、トランジスタ205からの画素信号を垂直信号線104に出力する。トランジスタ204(リセットトランジスタ)は、垂直走査回路103からの制御信号に基づいて、浮遊拡散部を電源電圧に応じた電圧にリセットする。なお、トランジスタ203を省略し、フォトダイオード201と浮遊拡散容量202が直結した構成とすることもできる。
図3(a)は、画素アレイ101に放射線301が照射されたときの各画素102の出力を表す模式図である。放射線301が入射した画素102を着色し、放射線301が入射していない画素102を無着色で示す。ここでは簡略化して12×12画素の画素アレイ101を示しているが、より多くの画素102を備えていてもよい。画素数の例としては、例えば数千×数千程度であってもよい。解像度を上げるためには画素数が多い方が望ましい。照射する放射線の種類は、例えばX線や電子線、ガンマ線が挙げられる。照射する放射線の種類に応じて、適切なフォトダイオード201(変換素子)を使用する。または、蛍光体などの変換部を設けてもよい。
撮影のフレームレートは、例えば数十~数百fpsである。放射線の照射レートは、0.5/pix/frm以下が目安となる。言い換えると、ある時刻に1画素へ放射線が入射する確率は1/2未満となるような低照射レートで撮像を行う。ここで、単位[/pix/frm]は、1フレームあたり且つ1画素あたりに放射線の粒子又は光子が入射する個数の平均値(期待値)である。例えば、X線を用いる場合の照射レートの目安は、1フレームあたり且つ1画素あたりに入射する光子の数の平均値で0.5以下である。電子線を用いる場合の照射レートの目安は、1フレームあたり且つ1画素あたりに入射する電子の数の平均値で0.5以下である。
なお、放射線の照射レートは、0.5/pix/frmよりも低いとより好ましく、例えば0.1/pix/frm以下、更に0.05/pix/frm以下とすることができる。
図3(b)は、図3(a)の点線304で示した1行分の画素102-1~102-12から出力される画素信号S1~S12を棒グラフで示した図である。例えば、放射線が入射した画素102-9の出力は画素信号S9であり、放射線が入射していない画素102-12の出力は画素信号S12である。
なお、画素信号とは、信号電荷に応じて画素から出力される信号量であり、放射線の種類や加速エネルギー等の照射条件、フォトダイオード201の構造や基板の厚さ等によって変わる。画素信号は、列回路105によってA/D変換されたデジタル信号であってよい。また、放射線のエネルギーが大きい場合、発生する信号量は統計学的な確率分布をもつため一定にはならない。また、照射した放射線が、撮像素子の基板中で隣接画素へ抜けて電荷を生じることがある。その場合は、図中の画素102-9,102-10のように隣接する複数の画素にまたがって放射線の入射に応じた画素信号S9,S10が発生する場合がある。
一方で放射線が入射しなかった画素の画素信号(例えばS12)は、放射線を照射していない状態で読み出された画素信号と同等の値となる。但し、信号値はゼロにはならず、フォトダイオード201中で生じる暗電流、回路起因のノイズやシェーディング等が重畳した出力となる。このように放射線の照射有無にかかわらず生じる成分をバックグラウンド成分と呼ぶ。バックグラウンド成分は、放射線による信号成分を検出する際の妨げとなり、放射線検出器1によって取得される画像データの画質の低下につながる。
図3(b)の点線は、1行分の画素信号S1~S12のメディアンを示す。放射線の照射レートが0.5/pix/frmよりも低いため、画素信号S1~S12のメディアンは、放射線を照射していないときと同等の信号値、つまりバックグラウンド成分Bgと考えることができる。
メディアンの算出は、例えばDFE108が行う。DFE108は、画素アレイ101の他の行についても同様の処理を行い、行ごとにメディアンを算出する。これにより、DFE108は、1枚のフレーム画像を構成する画素信号の各々のバックグラウンド成分を求めることができる。言い換えると、本実施形態の方法で求められるバックグラウンド成分は、1つの行を構成する複数の画素の間で共通である。そのため、算出されるバックグラウンド成分の数は、画素アレイ101の行の数(n行m列の画素アレイであればn個)で済む。なお、本実施形態における処理方法は、1行分の画素をフィルタ領域とするフィルタ処理(メディアンフィルタ)であるとも言える。
図3(c)は、画素信号S1~S12から、バックグラウンド成分(S12~S12のメディアン)を減算した画素信号T1~T12(処理後の画素信号)を表す。減算後の画素信号T1~T12は、バックグラウンド成分が除去されたものであるため、放射線によって生じた正味の信号値に相当する。DFE108は、画素信号T1~T12のようにバックグラウンド成分を減算した画素信号からなる画像データ(補正後データ)を、撮像素子100の外部に出力することができる。
本実施形態によれば、処理手段としてのDFE108は、フレーム毎に複数の画素102から読み出される画素信号に含まれるバックグラウンド成分を、当該画素信号と同じフレームに前記複数の画素102から読み出された画素信号の値を用いて求める。つまり、放射線を照射している間(撮像中)の画素信号から、放射線を照射していない状態に相当するバックグラウンド成分を算出する。これにより、撮像対象の撮像と同時性のあるバックグラウンド成分を算出することができる。
また、DFE108は、読出回路によって読み出された画素信号からバックグラウンド成分を減算した補正後データを算出し、放射線検出器1は、前記補正後データを外部に出力する。従って、放射線検出器1は、バックグラウンド成分のデータ、又はバックグランド成分を除去した正味の画像データを放射線撮像システムの他の装置に提供することができる。
また、本実施形態の放射線検出器1を用いることで、撮像対象の撮像とは別時刻に、バックグラウンド成分を取得するために放射線を照射していない状態で画素信号を取得する等の較正方法によらず、撮像時にバックグラウンド成分を除去することができる。ただし、本実施形態の方法で除去されるバックグラウンド成分(ノイズ成分)以外のノイズを除去する較正方法を併用することを妨げるものではない。
なお、バックグラウンド成分は様々な理由で変化する。例えばトータルドーズ効果として知られる放射線の累積照射量による撮像素子へのダメージが挙げられる。具体的には、撮像素子の暗電流増加やトランジスタの閾値変動が考えられる。あるいは、撮影中に環境温度や撮像素子の温度が変化した場合も、撮像素子の暗電流が変化するためバックグラウンド成分が変動する。本実施形態によれば、バックグラウンド成分の時間的な変動が問題となりやすい場合であっても、撮像と同時性のあるバックグラウンド成分を除去し、より精度の高い画像データを得ることができる。
ところで、本実施形態では、行ごとの画素信号(図3(b)のS1~S12)のメディアンをバックグラウンド成分Bgの値としたが、同じフレーム内の画素信号を用いて算出される他の統計値をバックグラウンド成分としてもよい。例えば、画素数が十分に多い場合は、メディアンよりも最頻値をとった方がより精度が向上する場合がある。
図4は、本実施形態の放射線検出器1が行う処理(放射線画像処理方法、放射線検出器の制御方法)の内容を示すフローチャートである。撮像時には、放射線撮像システムの線源から低照射レートの放射線が照射されている状態で画素アレイ101の各画素102に電荷が蓄積され、ステップ401でフレーム毎に各画素102から画素信号が読み出される。ステップ402では、読み出された画素信号を一時的に保持する。ステップ403では、ステップ402で保持された画素信号を用いてバックグラウンド成分を演算する。ステップ402、403は、読出ステップで読み出された画素信号を処理する処理ステップに相当する。ステップ404では、ステップ403で演算されたバックグラウンド成分に基づいて、データを外部(撮像素子100の外部)に出力する。
ステップ404(出力ステップ)では、元の画素信号とバックグラウンド成分とを共に出力してもよく、あるいは、元の画素信号からバックグラウンド成分を減算した画素信号からなるフレーム画像を出力してもよい。
本実施形態の場合、ステップ401(読出ステップ)は、上述した垂直走査回路103及び水平走査回路107並びにこれらに対して制御タイミングを制御する制御回路等によって実行される。ステップ402(保持ステップ)、ステップ403(演算ステップ)及びステップ404(出力ステップ)は、DFE108によって実行される。
バックグラウンド成分の演算方法(ステップ403)としては、公知のアルゴリズムを用いることができる。例えば行ごとの画素信号のメディアンをバックグラウンド成分とする場合、行ごとの画素信号をクイックソート等で降順にソートした後、ソート済みの配列から中間順位の値を選択すればよい。あるいは、中央値の中央値(クイックセレクト)として知られるより高速なアルゴリズムを適用してもよい。最頻値をバックグラウンド成分とする場合は、1行分の画素信号のヒストグラムを生成して最頻値を特定すればよい。
なお、上述した例では撮像素子100内のDFE108がステップ402、403(保持ステップ、演算ステップ)を行う構成とした。つまり、本実施形態によれば、撮像素子100にオンチップで、即ち画素アレイ101や列回路105等と同一の基板上に、バックグラウンド成分の算出及び除去を行う機能を持たせることができる。これにより、出力信号処理部109以降の後段処理を簡略化することができる。また、システムの小型化および低価格化が可能である。
ただし、バックグラウンド成分の算出及び除去は、放射線検出器1が備える撮像素子100以外の要素が行ってもよい。例えば、出力信号処理部109がステップ402~404の処理を行うようにしてもよい。
ステップ401~404の一部又は全部をコンピュータ(例えば、放射線撮像システムに搭載されるコンピュータ)に実行させるためのプログラムをコンピュータで読取可能な非一過性の記憶媒体に格納し、コンピュータにプログラムを実行させてもよい。
《第2実施形態》
第2実施形態に係る放射線検出器について説明する。本実施形態は、バックグラウンド成分の算出方法が第1実施形態とは異なる。以下、第1実施形態と共通の参照符号を付した要素は、第1実施形態で説明したものと実質的に同じ構成及び作用を有するものとし、第1実施形態とは異なる点を主に説明する。
図5(a~c)は、本実施形態の方法による演算フィルタについて示した図である。図5(a)は演算フィルタのフィルタ領域を示す図である。図5(b)は、演算フィルタが適用される領域内の各画素信号の値をヒストグラム化した例を示す図である。
第1実施形態では行ごとにバックグラウンド成分を算出するため、要素数が画素アレイ101の行数に等しい1次元のバックグラウンド成分が得られた。本実施形態では、画素ごとにバックグラウンド成分を算出することで、2次元のバックグラウンド成分を得る。
具体的にはバックグラウンド値を算出したい対象画素501(注目画素)に対して、対象画素501を中心とした複数画素の範囲502を演算フィルタのサイズとする。この演算フィルタのフィルタ領域内の各画素信号の値から算出されるメディアン又は最頻値を、対象画素501のバックグラウンド成分505とする。
図5(b)に示すように、フィルタ領域内の画素信号の値をヒストグラム化すると、放射線が入射した画素の画素信号503と放射線が入射していない画素の画素信号504とが2つの領域に分かれて分布する。第1実施形態と同様に、低照射レートで撮像を行う場合は、通常、放射線が入射していない画素の方が、放射線が入射した画素よりも多い。そのため、画素信号503,504のメディアン又は最頻値をバックグラウンド成分505とすることができる。
図5(c)に示すように、対象画素506を画素アレイ101上で次々に変えて二次元的に掃引し、各画素について図5(a、b)を用いて上述した方法でバックグラウンド成分を算出する。掃引する方向は列と行のどちらが先であっても構わないが、処理回路との相性に合わせるとよい。
なお、図5(a)の例では5×5画素を演算フィルタのサイズとしているが、この限りではない。フィルターサイズは3画素以上あればよく、DFE108の機能に合わせて適宜決めればよい。例えばDFE108での処理機能が1行単位であった場合は、フィルターサイズは1×n(nは、3以上且つ1行の画素数未満)とする。あるいは、複数行の処理が可能であれば、フィルターサイズは上述の5×5の矩形領域を一例としたm×nとすればよい。
フィルターサイズは、バックグラウンド成分の不均一性を生み出す主な要素の空間周波数を考慮して設定される。一般的に、フィルターサイズを小さくすれば、バックグラウンド成分に含まれる局所的なムラやシェーディング成分を抽出しやすくなる。一方で、フィルターサイズが大きい方が、バックグラウンド成分として算出される値が実際のバックグラウンド成分から大きく外れる可能性が低減される。
フィルターサイズが広範囲になる場合は、ラインメモリやフレームメモリといったメモリ機能を有する回路ブロックを撮像素子内または撮像素子外に別途設けて上記の演算を行ってもよい。ラインメモリとは、1行分の画素に対応する画素信号を記憶可能なメモリをいう。フレームメモリとは、1フレーム分の画素信号(画素アレイ101の画素数の画素信号)を記憶可能なメモリをいう。撮像素子内で処理を行った場合には、撮影と表示の同時性が向上する。さらに部品点数を増やさずに処理を行うことができるため、システムの小型化および低価格化が可能である。
図6(a~d)を用いて、本実施形態におけるバックグラウンド成分の算出方法を説明する。図6(a)は、画素アレイ101に放射線が照射されたときの各画素102の出力を表す模式図であり、図3(a)と同じものである。
図6(b)は、図6(a)の点線304で示した1行分の画素102-1~102-12から出力される画素信号S1~S12を棒グラフで示した図である。ここでは、図3(b)と異なり、バックグラウンド成分が1行の中でも一定でなく、画素アレイ101の中で凹状に分布している場合(つまり、周辺部の画素のバックグラウンド成分が中央部よりも大きい)を示す。なお、凹状の分布は不均一性を示すための一例であり、バックグラウンド成分の不均一性は他の分布(例えば、1次関数のシェーディングや局所的なムラ形状)を想定できる。
図6(c)は、画素102-1~102-12を対象画素として図5(a~c)を用いて説明したフィルタ処理を行った結果として得られるバックグラウンド成分Bg1~Bg12を示す。例えばバックグラウンド成分Bg1は、画素102-1を中心とする5×5のフィルタ領域内に含まれる画素の画素信号のメディアン(又は最頻値)である。
図6(c)に示すように、本実施形態では画素ごとにバックグラウンド成分を算出することで、二次元的な不均一性(ここでは凹状の分布)を有するバックグラウンド成分を抽出することができている。
図6(d)は、図6(b)の画素信号S1~S12から図6(c)のバックグラウンド成分Bg1~Bg12を減算した画素信号T1~T12表す。図6(d)に示すように、図6(b)に存在していたバックグラウンド成分が、行内でのバックグラウンド成分の不均一性を含めて除去されていることが分かる。
このように、演算フィルタによる処理によって画素ごとのバックグラウンド成分を算出することで、空間的に不均一な分布も含めたバッグラウンド成分を算出することが可能となる。これによりバックグラウンド成分を減算した後の画像データの精度が向上する。
なお、バックグラウンド成分には、1画素毎の不均一性も含まれる。1画素毎の不均一性を補正するには、例えば予め放射線を照射していない状態で画素毎の出力を取得して補正値として保存しておき、撮像時の画素信号から補正値を減算することが考えられる。本実施形態(及び他の実施形態)におけるバックグラウンド成分の算出方法は、このような画素毎の出力補正方法と組み合わせてもよい。
《第3実施形態》
第3実施形態に係る放射線検出器について説明する。本実施形態は、画素アレイから画素信号を読み出す回路構成及びバックグラウンド成分の算出方法が第1実施形態とは異なる。以下、第1実施形態と共通の参照符号を付した要素は、第1実施形態で説明したものと実質的に同じ構成及び作用を有するものとし、第1実施形態とは異なる点を主に説明する。
図7(a)は本実施形態の撮像素子100の構成を表した図である。第1実施形態(図1)との違いは、各画素102から出力される画素信号を、図中の上側の回路と下側の回路とに分けて読み出す構成となっている。撮像素子100は、図中上側の列回路105及び列メモリ106を介して読み出すための第1の配線701と、図中下側の列回路105及び列メモリ106を介して読み出すための第2の配線702と、を有する。
画素アレイ101の画素102は、画素信号が第1の配線701(第1経路)を介して読み出される第1の画素群と、画素信号が第2の配線702(第2経路)を介して読み出される第2の画素群と、に分けることができる。つまり、本実施形態の画素アレイ101は、画素信号の読み出し経路が異なる複数の画素群を含む。
図7(b)は本実施形態の演算フィルタを示す図である。画素群704は、第1の配線701を介して画素信号を読み出される画素で構成される。画素群705は、第1の配線701を介して画素信号を読み出される画素で構成される。
本実施形態の演算フィルタは、対象画素703を中心とする所定の領域内(図示した例では5×5の領域)で、且つ対象画素703と同じ画素群(ここでは画素群704)を、バックグラウンド成分の算出とするものである。言い換えると、本実施形態では、画素信号の読出経路に応じて、対象画素と同一経路に属する画素からの画素信号を用いて対象画素のバックグラウンド成分を算出する。算出するバックグラウンド成分は、例えばメディアン又は最頻値である。
このように、画素信号の読出経路別にバックグラウンド成分を算出することで、読出経路の回路特性の不均一性によるバックグラウンド成分の変化を効果的に補正することができる。
なお、図7(a、b)では読出経路が異なる画素群704,705が市松状に配置される構成を例示したが、他の配置で画素群が分かれていてもよい。
《第4実施形態》
第4実施形態に係る放射線検出器について説明する。本実施形態は、第2実施形態の変形例である。以下、第1、第2実施形態と共通の参照符号を付した要素は、第1、第2実施形態で説明したものと実質的に同じ構成及び作用を有するものとし、第2実施形態とは異なる点を主に説明する。
本実施形態の撮像素子100は、撮像で使用する画素アレイ101の周囲に設けられた演算用(補正用)の画素アレイ802を有する。演算用の画素アレイ802は、撮像には用いない。つまり、画素アレイ802に入射する放射線は、通常、撮像素子100が出力する画像データに反映されない。演算用の画素アレイ802を構成する画素(補正用の画素)の構成は、図2を用いて説明した撮像用の画素102と同じ構成であってよい。
第2実施形態の演算フィルタでバックグラウンド成分を算出する場合において、対象画素が図8に示すように撮像用の画素アレイ101の周縁部の画素803だった場合、フィルタ領域内に演算用の画素が含まれる。この場合、本実施形態では、撮像用の画素アレイ101の画素からの画素信号に加えて、演算用の画素アレイ802の画素からの画素信号を使用して、バックグラウンド成分を算出する。
この方法によれば、撮像用の画素アレイの外周部の画素803に対してもフィルタ処理によって精度の高いバックグラウンド成分を算出することができる。これによりバックグラウンド成分を減算した後の画像の周辺部の画質がより向上する。
《第5実施形態》
第5実施形態に係る放射線検出器について説明する。本実施形態は、第2実施形態の変形例である。以下、第1、第2実施形態と共通の参照符号を付した要素は、第1、第2実施形態で説明したものと実質的に同じ構成及び作用を有するものとし、第2実施形態とは異なる点を主に説明する。
本実施形態は、フィルターサイズの決定方法が第2実施形態と異なる。直接変換型の撮像素子100によって放射線を検出する場合において、フィルターサイズが小さいときに起こる現象について、以下で説明する。
図9(a~e)は本実施形態によるバックグラウンド成分の算出方法を説明するための図である。図9(a、b)は、画素アレイ101に放射線が照射されたときの各画素102の出力を表す模式図である。図9(c、d)は、演算フィルタを示す図である。図9(e)は、画素102の断面構成を表す図である。
第1実施形態で述べたように、1つの放射線(1光子又は1粒子)が画素に入射したとき、隣接する複数の画素にまたがって信号電荷を発生することがある。これをクラスターと呼び、1つのクラスターの画素数をクラスターサイズAとする。言い換えると、クラスターとは、画素アレイの画素を放射線が入射したか否かに応じて二値化して表現した二値化画像において、放射線が入射した画素(図9(a、b)の着色ドット)からなる連結成分(例えば4連結成分又は8連結成分)である。また、1枚のフレーム画像中のクラスターサイズAの最大値をAmaxとする。
第2実施形態のように、対象画素とその周辺の画素を含む演算フィルタを用いてバックグラウンド成分を算出する場合、演算フィルタのフィルターサイズが2Amax+1以上であれば、バックグラウンド成分を安定して算出することができる。一方、フィルターサイズが2Amax+1未満の場合、1枚のフレーム画像中にフィルターサイズを超えるクラスターが含まれる可能性がある。このとき、クラスターを含む領域に対して演算フィルタを適用すると、放射線が入射した画素の画素信号の値がメディアン又は最頻値となって、バックグラウンド成分として算出される値が妥当ではない可能性がある。
例えば、図9(a)の場合、クラスターサイズAの最大値は領域901に示すクラスターのサイズである4となる(Amax=4)。この場合、フィルターサイズは9(=2×4+1)以上であれば、各画素について妥当なバックグラウンド成分を算出することができる。例えば、図9(c)に示す3×3画素の演算フィルタ903を用いることができる。
一方、図9(b)の場合、クラスターサイズAの最大値は領域902に示すクラスターのサイズである6となる(Amax=6)。この場合、図9(c)に示す3×3画素の演算フィルタでは、妥当なバックグラウンド成分を算出できない可能性がある。例えば、図9(b)の画素902aを対象画素として3×3画素の演算フィルタを適用した場合、フィルタ領域内においてクラスターの画素が多数派となり、放射線が入射した画素の画素信号がバックグラウンド成分となってしまう。
図9(b)の場合には、フィルターサイズは13(=2×6+1)以上であれば、各画素について妥当なバックグラウンド成分を算出することができる。例えば、図9(d)に示す5×5画素の演算フィルタ904を用いることができる。なお、フィルターサイズが13以上であればよいので、7×2、5×3、といったサイズでもよい。
放射線の照射条件に応じて、Amaxの値はフレームごとに変わりうる。そのため、フレームごとにAmax値を算出してフィルターサイズを変えることができる。例えば、1枚のフレーム画像を構成する全ての画素信号を、放射線が入射した画素からの出力と入射していない画素からの出力とに分類し、放射線が入射した画素の連結成分をクラスターとする。放射線が入射した画素からの出力と入射していない画素からの出力とを判別する閾値は、例えば、直前のフレームにおける各画素のバックグラウンド成分(又はその平均値)とする。1枚のフレーム画像に含まれる全てのクラスターのサイズの最大値がAmaxとなる。
そして、直前のフレームで算出されたAmaxを用いて、次のフレームにおけるフィルターサイズを決定する。即ち、本実施形態では、フィルタ処理に用いるフィルタ領域の大きさが、フレーム毎に変更される。
次のフレームの画素信号が読み出されると、決定されたフィルターサイズに基づいて、当該次のフレームの画素信号を用いて、各画素の画素信号のバックグラウンド成分が算出される。即ち、本実施形態では、現在のフレームより前のフレームの情報をフィードバックするものの、バックグラウンド成分を求める対象の画素信号と同じフレームの画素信号を用いてバックグラウンド成分を算出する点は他の実施形態と共通である。
なお、撮影中の何らかの異常によって突発的にAmaxが大きくなった場合を想定して、予めフィルターサイズに上限を設けてもよい。上限値を設定しておくことで、フィルターサイズが突発的に大きくなることでDFE108の処理負荷が極端に大きくなるのを回避することができる。
本実施形態によれば、1つの放射線が複数の画素にまたがって信号電荷を発生させる場合においても、各画素について適切なバックグラウンド成分を算出することができる。
(変形例1)
以上の説明では、Amaxをフレーム毎に決める方法を例示した。変形例2として、撮像素子100の構造に基づいてクラスターサイズの最大値Amaxを見積もることで、予め求めたフィルターサイズに固定してもよい。
図9(e)はセンサの断面構造の一部分を示した図である。図9(e)は、図2のフォトダイオード201、浮遊拡散容量202及びトランジスタ203に相当する部分の断面を表す。ここでは、信号電荷を発生させる部分がN型、トランジスタ203がNPN型の場合について示している。半導体基板200の内部には、フォトダイオード201の電荷蓄積領域を構成するN型の半導体領域201nと、浮遊拡散容量202を構成するN型の半導体領域が設けられている。半導体基板200の上には、トランジスタの203のゲート電極203Gがゲート絶縁膜を介して設けられている。
半導体基板200の表面をSf1とし、半導体基板200の裏面をSf2とする。半導体基板200の表面Sf1から、裏面Sf2までの距離、すなわち半導体基板200の厚みをx2とする。放射線を検出可能な有感度層の厚みをx1とする。厚みx1は、半導体基板200の表面Sf1から半導体領域201nの下面までの基板厚み方向の距離である。半導体領域201nの下面は、半導体領域201nとPN接合を形成するP型の半導体領域との境界である。ここで、放射線を検出可能な実質的な有感度層は、半導体領域201nとP型の半導体領域とによって形成される空乏層まで含み得るが、簡単のために有感度層の厚みは半導体領域201nの厚みx1とする。
クラスターサイズが決まる要因としては、照射する放射線のエネルギー、フォトダイオード有感度層の厚みx1、半導体基板200の厚みx2、画素ピッチが挙げられる。フォトダイオードの材料としてシリコンを用いる場合、有感度層の厚みx1は数μmから数十μm、半導体基板の厚みx2は数十μmから数百μm程度が一般的である。入射した放射線が有感度層を突き抜けることを前提として検討した結果、下式でAmaxを見積もることができた。ここで、画素ピッチとは、画素アレイにおける画素の配置間隔であり、1つの画素の基準点(例えば有感度層の中央)から隣り合う画素の基準点までの距離をいう。垂直方向と水平方向の画素ピッチが異なる場合は、平均値とする。また、下式の右辺が非整数となる場合は小数点第1位で四捨五入する。
Amax=3.5×x1[μm]/画素ピッチ[μm]
上記のAmaxを用いて、フィルターサイズを2Amax+1と設定することで、1つの放射線が複数の画素にまたがって信号電荷を発生させる場合においても、各画素について適切なバックグラウンド成分を算出することができる。
なお、予めAmaxを見積もってフィルターサイズを固定する場合、Amaxの値(又はフィルターサイズ)は、撮像素子が備える不揮発性の記憶領域に格納され、DFE108による演算に用いられる。また、少なくとも上式で定まるAmaxに対して2Amax+1以上のフィルターサイズになっていれば、他の方法で求めたフィルターサイズを用いてもよい。
(変形例2)
Amaxを見積もる他の方法として、撮像時と同等の条件で取得したフレーム画像におけるクラスターサイズの統計値を用いることが考えられる。例えば、撮像時と同じ照射レートとなるように線源の出力を調整した状態でフレーム画像を取得し、フレーム画像からクラスターサイズの分布を算出する。クラスターサイズの平均値をAaveとし、標準偏差をAσとする。このとき、下記の式でAmaxを定めてもよい。
Amax=Aave+Aσ
これにより、1つの放射線が複数の画素にまたがって信号電荷を発生させる場合においても、各画素について適切なバックグラウンド成分を算出することができる。なお、上式で定まるAmaxに対して2Amax+1以上のフィルターサイズになっていれば、他の方法で求めたフィルターサイズを用いてもよい。
《第6実施形態》
第6実施形態に係る放射線検出器について説明する。本実施形態は、フォトダイオードとしてCdTe(テルル化カドミウム)やCdZnTe(テルル化カドミウム亜鉛)などの化合物半導体を用いた放射線検出器の例である。以下、第1実施形態と共通の参照符号を付した要素は、第1実施形態で説明したものと実質的に同じ構成及び作用を有するものとし、第1実施形態とは異なる点を主に説明する。
CdTeやCdZnTeをフォトダイオードとして用いる場合、信号読出回路部は別途作成したCMOSトランジスタ等で構成し、フォトダイオードと回路部をハンダ等で接合して放射線検出器を作成する。
図10は、本実施形態における画素102(図1)の構成例を示す図である。画素102は、化合物半導体で構成されるフォトダイオード1001と、フォトダイオード1001に電圧を印加する陽極1002及び陰極1003と、フォトダイオード1001で発生した信号を増幅する増幅回路1004と、を有する。陰極1003をパターニングすることで、二次元状の画素アレイ101が構成される。なお、この構成ではホールを信号キャリアとして扱うが、電極の材料次第では、電子を信号キャリアとしてもよく、また回路の構成もこの限りではない。
信号処理部の構成および信号処理の方法は上述した各実施形態と同様のものを用いることができる。このように、フォトダイオードとしてCdTeやCdZnTe等の化合物半導体を用いた場合でも、画素アレイ101から読み出されるフレーム毎の画素信号を用いてバックグラウンド成分を算出することで、上述した各実施形態と同様の効果を得ることができる。
《第7実施形態》
第7実施形態として、放射線検出器が組み込まれた放射線撮像システムについて、図11を用いて説明する。
図11に示す放射線撮像システム1100は、放射線検出器1としての放射線撮像装置1101と、曝射制御部1102と、線源1103と、コンピュータ1104と、を含む。放射線検出器1は、直接変換型の撮像素子100としての撮像パネル100Pを有する。放射線検出器1及び撮像素子100は、第1実施形態~第6実施形態で説明したものを用いることができる。
線源1103は、曝射制御部1102からの曝射指令に従って放射線の照射を開始する。線源1103から放射された放射線は、撮像対象(被検体)を透過して放射線撮像装置1101の撮像素子100に入射する。線源1103は、曝射制御部1102からの停止指令に従って放射線の放射を停止する。
放射線撮像装置1101は、例えば、医療画像診断や非破壊検査などで放射線撮影に用いるフラットパネルディテクターである。放射線撮像装置1101の撮像パネル100Pは、撮像対象のサイズに合わせた大きさの板状とすることができる。例えば、撮像素子100は、550mm×445mmの基板に対して、3300×2800の画素が配される。
放射線撮像装置1101は、上述の撮像パネル100Pと、撮像パネル100Pを制御するための制御部1105と、撮像パネル100Pから出力される信号を処理するための信号処理部1106と、を含む。信号処理部1106が、上述した各実施形態の方法により、撮像パネル100Pから出力される画素信号のバックグラウンド成分を求めて、画素信号からバックグラウンド成分を減算する処理を行うようにしてもよい。また、信号処理部1106は、例えば、撮像パネル100Pから出力される信号をA/D変換し、コンピュータ1104にデジタル画像データとして出力してもよい。また、信号処理部1106は、例えば、撮像パネル100Pから出力される信号に基づいて、線源1103からの放射線の照射を停止させるための停止信号を生成してもよい。停止信号は、コンピュータ1104を介して曝射制御部1102に供給され、曝射制御部1102は、停止信号に応答して線源1103に対して停止指令を送る。
制御部1105は、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Arrayの略。)などのPLD(Programmable Logic Deviceの略。)、または、ASIC(Application Specific Integrated Circuitの略。)、または、プログラムが組み込まれた汎用コンピュータ、または、これらの全部または1部の組み合わせによって構成されうる。
本実施形態において、信号処理部1106は、制御部1105の中に配される、または制御部1105の一部の機能であるように示されているが、これに限られるものではない。制御部1105と信号処理部1106とは、それぞれ別の構成であってもよい。さらに、信号処理部1106は、放射線撮像装置1101とは別に配されていてもよい。例えば、コンピュータ1104が、信号処理部1106の機能を有していてもよい。このため、信号処理部1106は、放射線撮像装置1101から出力される信号を処理する信号処理装置として、放射線撮像システム1100に含まれうる。
コンピュータ1104は、放射線撮像装置1101および曝射制御部1102の制御や、放射線撮像装置1101から放射線画像データを受信し、放射線画像として表示するための処理を行いうる。また、コンピュータ1104は、ユーザが放射線画像の撮像を行う条件を入力するための入力部として機能しうる。
一例として、曝射制御部1102は、曝射スイッチを有し、ユーザによって曝射スイッチがオンされると、曝射指令を線源1103に送るほか、放射線の放射の開始を示す開始通知をコンピュータ1104に送る。開始通知を受けたコンピュータ1104は、開始通知に応答して、放射線の照射の開始を放射線撮像装置1101の制御部1105に通知する。これに応じて、制御部1105は、撮像パネル100Pにおいて、入射する放射線に応じた信号を生成させる。
《第8実施形態》
第8実施形態として、放射線検出器が組み込まれた放射線撮像システムの他の例について、図12(a、b)を用いて説明する。
図12(a)は、放射線検出器1を備えた放射線撮像システムとしての機器EQPを示している。放射線検出器1は、半導体デバイスである撮像素子100のほかに、撮像素子100を実装するためのパッケージPKGを含む。
パッケージPKGは、撮像素子100が固定された基体と、撮像素子100に対向するガラス等の蓋体と、基体に設けられた端子と撮像素子100に設けられた端子とを接続するボンディングワイヤやバンプ等の接続部材と、を含みうる。撮像素子100は、画素102がマトリックス配列された画素アレイ101とその周辺の周辺領域PRを有する。周辺領域PRには周辺回路(例えば、垂直走査回路103やDFE108)を設けることができる。
機器EQPは、光学系OPT、制御装置CTRL、処理装置PRCS、表示装置DSPL、記憶装置MMRY、機械装置MCHNの少なくともいずれかをさらに備え得る。光学系OPTは放射線を放射線検出器1に結像するものであり、例えばレンズやシャッター、ミラーである。光学系OPTは、扱う放射線の種類に応じて、例えば電子線や陽子線等の粒子線を放射線検出器1に結像するものであってもよい。制御装置CTRLは放射線検出器1を制御するものであり、例えばASICである。処理装置PRCSは放射線検出器1から出力された信号を処理するものであり、AFE(アナログフロントエンド)あるいはDFE(デジタルフロントエンド)を構成するための、CPUやASICなどの装置である。表示装置DSPLは放射線検出器1で得られた情報を可視画像等の形式で表示する、EL表示装置や液晶表示装置である。記憶装置MMRYは、放射線検出器1で得られた情報を記憶する、磁気デバイスや半導体デバイスである。記憶装置MMRYは、SRAMやDRAMなどの揮発性メモリ、あるいは、フラッシュメモリやハードディスクドライブなどの不揮発性メモリである。機械装置MCHNはモーターやエンジン等の可動部あるいは推進部を有する。
機器EQPは、放射線検出器1から出力された信号を表示装置DSPLに表示したり、機器EQPが備える通信装置(不図示)によって外部に送信したりする。そのために、機器EQPは、放射線検出器1が有する記憶回路や演算回路とは別に、記憶装置MMRYや処理装置PRCSを更に備えることが好ましい。機械装置MCHNは、放射線検出器1から出力され信号に基づいて制御されてもよい。
図12(a)に示した機器EQPは、内視鏡や放射線診断機器などの医療機器や、測距センサなどの計測機器、電子顕微鏡のような分析機器であってもよい。
図12(b)は、機器EQPの例として、透過型電子顕微鏡(TEM)の構成を示す概略図である。電子顕微鏡としての機器EQPは、電子線源1202(電子銃)と、照射レンズ1204と、真空チャンバー1201(鏡筒)と、対物レンズ1206と、拡大レンズ系1207と、放射線検出器1としてのカメラ1209と、を有する。
電子線源1202より放出されたエネルギー線である電子線1203は、照射レンズ1204によって集束され、試料ホルダーに保持されている、分析対象としての試料Sに照射される。電子線1203が通過する空間は、真空チャンバー1201(鏡筒)によって形成され、この空間は真空に保持される。放射線検出器1は電子線1203が通過する真空の空間に面するように配置される。試料Sを透過した電子線1203は、対物レンズ1206と拡大レンズ系1207により拡大され、放射線検出器1に投影される。試料Sに電子線を照射するための電子光学系を照射光学系といい、試料Sを透過した電子線を放射線検出器1に結像させるための電子光学系を結像光学系という。
電子線源1202は、電子線源制御装置1211によって制御される。照射レンズ1204は、照射レンズ制御装置1212によって制御される。対物レンズ1206は、対物レンズ制御装置1213によって制御される。拡大レンズ系1207は、拡大レンズ系制御装置1214によって制御される。試料ホルダーの制御機構1205は、試料ホルダーの駆動機構を制御するホルダー制御装置1215によって制御される。
試料Sを透過した電子線1203は、カメラ1209の直接検出器1200で検出される。直接検出器1200からの出力信号は、処理装置PRCSとしての信号処理装置1216と画像処理装置1218によって処理され、画像信号が生成される。生成された画像信号(透過電子像)が表示装置DSPLに相当する画像表示用モニタ1220と解析用モニタ1221に表示される。
カメラ1209は機器EQPの下部に設けられる。カメラ1209は、直接検出器1200(Direct Electron Detector)を有する。直接検出器1200が撮像素子100に相当する。カメラ1209の少なくとも一部は真空チャンバー1201によって形成された真空空間に露出するように、カメラ1209の中に設けられる。
電子線源制御装置1211と、照射レンズ制御装置1212と、対物レンズ制御装置1213と、拡大レンズ系制御装置1214と、ホルダー制御装置1215のそれぞれは、画像処理装置1218と接続されている。これにより、電子顕微鏡の撮影条件を設定するために、相互にデータのやりとりが行えるようになっている。例えば、0.5electron/pix/frm以下となるように電子線の照射レートを設定することができる。この場合、電子線源制御装置1211及び画像処理装置1218は、放射線の照射レートを制御する制御手段として機能する。画像処理装置1218からの信号によって、試料ホルダーの駆動制御や各レンズの観察条件の設定ができる。
オペレータは撮影対象となる試料Sを準備し、画像処理装置1218に接続されている入力装置1219を用いて撮影条件を設定する。電子線源制御装置1211と、照射レンズ制御装置1212と、対物レンズ制御装置1213と、拡大レンズ系制御装置1214に、それぞれ所定のデータを入力し、所望の加速電圧、倍率、観察モードが得られるようにする。また、オペレータは、連続視野像枚数、撮影開始位置、試料ホルダーの移動速度などの条件を、マウスやキーボード、タッチパネルなどの入力装置1219を用いて画像処理装置1218に入力する。オペレータの入力によらずに画像処理装置1218が自動的に条件を設定する仕様としてもよい。
以上の第7実施形態及び第8実施形態で説明した放射線撮像システムは例示に過ぎず、第1実施形態~第6実施形態で説明した放射線検出器を他のシステムに適用してもよい。
また、以上の実施形態では、撮像と同時に画素信号のバックグラウンド成分を求める手法を放射線検出器又は放射線撮像システムに適用した例を説明した。これに限らず、例えばSPAD(単一光子アバランシェダイオード)を用いた検出器及びこれを備えた撮像システムに、各実施形態で説明した手法を適用してもよい。これにより、撮像と同時性のあるバックグラウンド成分を求めて画像データからバックグラウンド成分を除去することができる。
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
(本開示のまとめ)
本開示には、以下の構成又は方法が開示されている。
(構成1)
放射線を電荷に直接変換する複数の画素と、
フレーム毎に前記複数の画素から画素信号を読み出す読出回路と、
前記読出回路によって読み出された画素信号を処理する処理手段と、
を備えた放射線検出器であって、
前記処理手段は、前記複数の画素の各画素の画素信号に含まれるバックグラウンド成分を、当該画素信号と同じフレームに前記複数の画素から読み出された画素信号の値を用いて求める、
ことを特徴とする放射線検出器。
(構成2)
前記処理手段は、前記読出回路によって読み出された画素信号から前記バックグラウンド成分を減算した補正後データを算出し、
前記放射線検出器は、前記補正後データを外部に出力する、
ことを特徴とする構成1に記載の放射線検出器。
(構成3)
前記処理手段は、前記複数の画素及び前記読出回路と同じ基板上に設けられている、
ことを特徴とする構成1又は2に記載の放射線検出器。
(構成4)
前記処理手段は、前記複数の画素の各画素について、当該画素を含む所定のフィルタ領域内の画素の画素信号に対してフィルタ処理を施すことで、前記バックグラウンド成分を求める、
ことを特徴とする構成1乃至3のいずれか1つに記載の放射線検出器。
(構成5)
前記処理手段は、前記フィルタ領域内の画素の画素信号のメディアンを、前記バックグラウンド成分の値とする、
ことを特徴とする構成4に記載の放射線検出器。
(構成6)
前記処理手段は、前記フィルタ領域内の画素の画素信号の最頻値を、前記バックグラウンド成分の値とする、
ことを特徴とする構成4に記載の放射線検出器。
(構成7)
前記フィルタ領域は、行列状に配置される前記複数の画素において、前記バックグラウンド成分を求める対象の画素を中心とする矩形領域である、
ことを特徴とする構成4乃至6のいずれか1つに記載の放射線検出器。
(構成8)
前記フィルタ領域は、行列状に配置される前記複数の画素において、前記バックグラウンド成分を求める対象の画素を含む1行の領域である、
ことを特徴とする構成4乃至6のいずれか1つに記載の放射線検出器。
(構成9)
前記複数の画素の1行分の画素からの画素信号を保持するラインメモリを更に有し、
前記処理手段は、前記ラインメモリに保持された画素信号を用いて、前記複数の画素の行ごとに前記バックグラウンド成分を求める、
ことを特徴とする構成8に記載の放射線検出器。
(構成10)
前記処理手段は、放射線の1つの光子又は1つの粒子によって電荷が発生する画素数の最大値をAmaxとした場合に、前記フィルタ領域に含まれる画素の数が2Amax+1以上となるように、フレーム毎に前記フィルタ領域の大きさを変更する、
ことを特徴とする構成4乃至6のいずれか1つに記載の放射線検出器。
(構成11)
前記処理手段は、各フレームのAmaxの値が予め定めた上限値を超える場合は、前記上限値をAmaxの代わりに用いて当該フレームにおける前記フィルタ領域の大きさを決定する、
ことを特徴とする構成10に記載の放射線検出器。
(構成12)
前記複数の画素が放射線を検出可能な有感度層の厚さをx1として、
前記フィルタ領域の大きさは、前記x1及び前記複数の画素の画素ピッチに対して下の式を満たすAmaxに対して2Amax+1以上となるように予め設定されている、
Amax=3.5×x1[μm]/画素ピッチ[μm]
ことを特徴とする構成4乃至6のいずれか1つに記載の放射線検出器。
(構成13)
放射線の1つの光子又は1つの粒子によって電荷が発生する画素数の平均値をAaveとし、前記画素数の標準偏差をAσとして、
前記フィルタ領域の大きさは、下の式を満たすAmaxに対して2Amax+1以上となるように予め設定されている、
Amax=Aave+Aσ
ことを特徴とする構成4乃至6のいずれか1つに記載の放射線検出器。
(構成14)
前記複数の画素の周囲に配置され且つ前記読出回路によって補正用の画素信号を読み出される補正用の画素であって、前記補正用の画素信号は前記放射線検出器が出力する画像データに含まれないように構成された補正用の画素を更に備え、
前記処理手段は、前記複数の画素の周縁部の画素を対象に前記フィルタ処理を施す場合、前記補正用の画素の内で前記フィルタ領域内に位置する画素からの画素信号を用いて、前記バックグラウンド成分を求める、
ことを特徴とする構成4乃至13のいずれか1つに記載の放射線検出器。
(構成15)
前記読出回路は、前記複数の画素の内の第1の画素群から画素信号を読み出す第1経路と、前記複数の画素の内で前記第1の画素群とは別の第2の画素群から画素信号を読み出す第2経路と、を含み、
前記処理手段は、前記複数の画素の各画素について、当該画素と同じ画素群に属する画素に対してフィルタ処理を施すことで、前記バックグラウンド成分を求める、
ことを特徴とする構成4乃至13のいずれか1つに記載の放射線検出器。
(構成16)
前記複数の画素からの1フレーム分の画素信号を保持するフレームメモリを更に有し、
前記処理手段は、前記フレームメモリに保持された画素信号を用いて、前記バックグラウンド成分を求める、
ことを特徴とする構成1乃至15のいずれか1つに記載の放射線検出器。
(構成17)
前記複数の画素は、テルル化カドミウム又はテルル化カドミウム亜鉛で形成された変換素子を有する、
ことを特徴とする構成1乃至16のいずれか1つに記載の放射線検出器。
(構成18)
放射線を撮像対象に照射する線源と、
構成1乃至17のいずれか1つに記載の放射線検出器と、
1フレームあたり且つ前記放射線検出器の画素1つあたりに入射する放射線の光子又は粒子の数の平均値が0.5以下となるように、放射線の照射レートを制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする放射線撮像システム。
(方法19)
放射線を電荷に直接変換する複数の画素からフレーム毎に画素信号を読み出す読出ステップと、
前記読出ステップで読み出された画素信号を処理する処理ステップと、
を含む放射線画像処理方法であって、
前記処理ステップにおいて、前記複数の画素の各画素の画素信号に含まれるバックグラウンド成分を、当該画素信号と同じフレームに前記複数の画素から読み出された画素信号の値を用いて求める、
ことを特徴とする放射線画像処理方法。
(構成20)
方法19に記載の放射線画像処理方法の各ステップを、放射線撮像システムが備えるコンピュータに実行させるためのプログラムを格納した記憶媒体。
1…放射線検出器/102…画素/103~107…読出回路(垂直走査回路、垂直信号線、列回路、列メモリ、水平走査回路)/108…処理手段(DFE)

Claims (20)

  1. 放射線を電荷に直接変換する複数の画素と、
    フレーム毎に前記複数の画素から画素信号を読み出す読出回路と、
    前記読出回路によって読み出された画素信号を処理する処理手段と、
    を備えた放射線検出器であって、
    前記処理手段は、前記複数の画素の各画素の画素信号に含まれるバックグラウンド成分を、当該画素信号と同じフレームに前記複数の画素から読み出された画素信号の値を用いて求める、
    ことを特徴とする放射線検出器。
  2. 前記処理手段は、前記読出回路によって読み出された画素信号から前記バックグラウンド成分を減算した補正後データを算出し、
    前記放射線検出器は、前記補正後データを外部に出力する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の放射線検出器。
  3. 前記処理手段は、前記複数の画素及び前記読出回路と同じ基板上に設けられている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の放射線検出器。
  4. 前記処理手段は、前記複数の画素の各画素について、当該画素を含む所定のフィルタ領域内の画素の画素信号に対してフィルタ処理を施すことで、前記バックグラウンド成分を求める、
    ことを特徴とする請求項1に記載の放射線検出器。
  5. 前記処理手段は、前記フィルタ領域内の画素の画素信号のメディアンを、前記バックグラウンド成分の値とする、
    ことを特徴とする請求項4に記載の放射線検出器。
  6. 前記処理手段は、前記フィルタ領域内の画素の画素信号の最頻値を、前記バックグラウンド成分の値とする、
    ことを特徴とする請求項4に記載の放射線検出器。
  7. 前記フィルタ領域は、行列状に配置される前記複数の画素において、前記バックグラウンド成分を求める対象の画素を中心とする矩形領域である、
    ことを特徴とする請求項4に記載の放射線検出器。
  8. 前記フィルタ領域は、行列状に配置される前記複数の画素において、前記バックグラウンド成分を求める対象の画素を含む1行の領域である、
    ことを特徴とする請求項4に記載の放射線検出器。
  9. 前記複数の画素の1行分の画素からの画素信号を保持するラインメモリを更に有し、
    前記処理手段は、前記ラインメモリに保持された画素信号を用いて、前記複数の画素の行ごとに前記バックグラウンド成分を求める、
    ことを特徴とする請求項8に記載の放射線検出器。
  10. 前記処理手段は、放射線の1つの光子又は1つの粒子によって電荷が発生する画素数の最大値をAmaxとした場合に、前記フィルタ領域に含まれる画素の数が2Amax+1以上となるように、フレーム毎に前記フィルタ領域の大きさを変更する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の放射線検出器。
  11. 前記処理手段は、各フレームのAmaxの値が予め定めた上限値を超える場合は、前記上限値をAmaxの代わりに用いて当該フレームにおける前記フィルタ領域の大きさを決定する、
    ことを特徴とする請求項10に記載の放射線検出器。
  12. 前記複数の画素が放射線を検出可能な有感度層の厚さをx1として、
    前記フィルタ領域の大きさは、前記x1及び前記複数の画素の画素ピッチに対して下の式を満たすAmaxに対して2Amax+1以上となるように予め設定されている、
    Amax=3.5×x1[μm]/画素ピッチ[μm]
    ことを特徴とする請求項4に記載の放射線検出器。
  13. 放射線の1つの光子又は1つの粒子によって電荷が発生する画素数の平均値をAaveとし、前記画素数の標準偏差をAσとして、
    前記フィルタ領域の大きさは、下の式を満たすAmaxに対して2Amax+1以上となるように予め設定されている、
    Amax=Aave+Aσ
    ことを特徴とする請求項4に記載の放射線検出器。
  14. 前記複数の画素の周囲に配置され且つ前記読出回路によって補正用の画素信号を読み出される補正用の画素であって、前記補正用の画素信号は前記放射線検出器が出力する画像データに含まれないように構成された補正用の画素を更に備え、
    前記処理手段は、前記複数の画素の周縁部の画素を対象に前記フィルタ処理を施す場合、前記補正用の画素の内で前記フィルタ領域内に位置する画素からの画素信号を用いて、前記バックグラウンド成分を求める、
    ことを特徴とする請求項4に記載の放射線検出器。
  15. 前記読出回路は、前記複数の画素の内の第1の画素群から画素信号を読み出す第1経路と、前記複数の画素の内で前記第1の画素群とは別の第2の画素群から画素信号を読み出す第2経路と、を含み、
    前記処理手段は、前記複数の画素の各画素について、当該画素と同じ画素群に属する画素に対してフィルタ処理を施すことで、前記バックグラウンド成分を求める、
    ことを特徴とする請求項4に記載の放射線検出器。
  16. 前記複数の画素からの1フレーム分の画素信号を保持するフレームメモリを更に有し、
    前記処理手段は、前記フレームメモリに保持された画素信号を用いて、前記バックグラウンド成分を求める、
    ことを特徴とする請求項1に記載の放射線検出器。
  17. 前記複数の画素は、テルル化カドミウム又はテルル化カドミウム亜鉛で形成された変換素子を有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の放射線検出器。
  18. 放射線を撮像対象に照射する線源と、
    請求項1乃至17のいずれか1項に記載の放射線検出器と、
    1フレームあたり且つ前記放射線検出器の画素1つあたりに入射する放射線の光子又は粒子の数の平均値が0.5以下となるように、放射線の照射レートを制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とする放射線撮像システム。
  19. 放射線を電荷に直接変換する複数の画素からフレーム毎に画素信号を読み出す読出ステップと、
    前記読出ステップで読み出された画素信号を処理する処理ステップと、
    を含む放射線画像処理方法であって、
    前記処理ステップにおいて、前記複数の画素の各画素の画素信号に含まれるバックグラウンド成分を、当該画素信号と同じフレームに前記複数の画素から読み出された画素信号の値を用いて求める、
    ことを特徴とする放射線画像処理方法。
  20. 請求項19に記載の放射線画像処理方法の各ステップを、放射線撮像システムが備えるコンピュータに実行させるためのプログラムを格納した記憶媒体。
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