JP2024028400A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊技の興趣向上を図ることが可能な遊技機を提供すること。【解決手段】メモリモジュール74には複数種類のオブジェクトデータや複数種類のテクスチャデータといった画像データが記憶されている。VDP76は表示CPU72からの描画指示に基づいて、ワールド座標系への画像データの配置処理を含むジオメトリ演算を行うとともに、投影平面への投影処理を含むレンダリングを行うことで、2次元データである描画データを作成する。そして、その描画データに対応する信号が図柄表示装置41に出力されることにより、当該図柄表示装置41において上記描画データに対応する画像が表示される。この場合に、図柄表示装置41には特別リーチ演出の実行を示唆する示唆演出画像が表示されることがある。また、第1演出用操作装置48の操作の有効期間ではない状況において第1演出用操作装置48の操作を促す報知が実行されることがある。【選択図】 図5

Description

本発明は、遊技機に関するものである。
遊技機の一種として、パチンコ遊技機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機としては、例えば液晶表示装置といった表示装置を備えたものが知られている。当該遊技機では、画像用のデータが予め記憶されたメモリが搭載されており、当該メモリから読み出された画像用のデータを用いて表示装置の表示部にて所定の画像が表示されることとなる(例えば特許文献1参照)。
特開2018-049485号公報
ここで、上記例示等のような遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣向上を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決すべく請求項1記載の発明は、遊技者に特典を付与するか否かを判定するための付与判定を行う付与判定手段と、
前記付与判定の結果が付与結果であったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
遊技回用演出が開始され、前記付与判定の判定結果に対応する状態として当該遊技回用演出が終了されることを遊技回の1回として、各遊技回において前記遊技回用演出が行われるようにする遊技回制御手段と、
を備えた遊技機において、
前記遊技回用演出において実行対象となり得る所定演出が実行される可能性があることを示唆する示唆情報を提供する示唆情報提供手段と、
前記所定演出を実行することが可能な遊技回において前記示唆情報が提供されている場合に前記所定演出が実行されるようにする所定演出実行手段と、
を備え、
前記示唆情報提供手段により前記示唆情報が提供された状態は、当該示唆情報の提供が開始され前記所定演出が実行されなかった遊技回が終了した後も維持されることを特徴とする。
本発明によれば、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
パチンコ機を示す斜視図である。 遊技盤の構成を示す正面図である。 (a)~(j)図柄表示装置の表示面における表示内容を説明するための説明図である。 (a),(b)図柄表示装置の表示面における表示内容を説明するための説明図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 大当たり発生抽選などに用いられる各種カウンタの内容を説明するための説明図である。 主側MPUにて実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される特図特電制御処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される保留情報の取得処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される先特定処理を示すフローチャートである。 演出側保留用エリアを説明するための説明図である。 音光側MPUにて実行される保留コマンドの受信処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される特図変動開始処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される遊技回の表示継続期間の特定処理を示すフローチャートである。 音光側MPUにて実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 音光側MPUにて実行されるテーブル設定処理を示すフローチャートである。 表示CPUにて実行されるV割込み処理を示すフローチャートである。 表示CPUにて実行されるタスク処理を示すフローチャートである。 (a)~(c)描画リストの内容を説明するための説明図である。 VDPにて実行される描画処理を示すフローチャートである。 描画処理の実行に伴い描画データが作成される様子を説明するための説明図である。 (a),(b)示唆演出の内容を説明するための説明図である。 (a)音光側ROMのデータ構成を説明するための説明図であり、(b)音光側RAMの記憶エリアの構成を説明するための説明図である。 (a),(b)第1特別リーチ演出と第1代替リーチ演出との関係を説明するための説明図であり、(c),(d)第2特別リーチ演出と第2代替リーチ演出との関係を説明するための説明図である。 (a)~(f)示唆演出、特別リーチ演出及び代替リーチ演出が実行される様子を示すタイムチャートである。 音光側MPUにて実行される演出決定処理を示すフローチャートである。 音光側MPUにて実行される特別演出用処理を示すフローチャートである。 (a)~(c)操作演出の内容を説明するための説明図である。 (a)~(i)操作演出が実行される様子を示すタイムチャートである。 (a)音光側MPUにて実行される操作演出の決定処理を示すフローチャートであり、(b)操作演出の抽選処理における第1操作演出及び第2操作演出のそれぞれの当選確率を説明するための説明図である。 (a)~(c)複数画面演出の内容を説明するための説明図である。 メモリモジュールのデータ構成を説明するための説明図である。 表示CPUにて実行される複数画面演出の演算処理を示すフローチャートである。 VDPにて実行される別保存用処理を示すフローチャートである。 VDPにて実行される複数画面演出の設定処理を示すフローチャートである。 VDPにて実行される複数画面演出の描画データ作成処理を示すフローチャートである。 (a)~(c)特別図柄演出の内容を説明するための説明図である。 メモリモジュールのデータ構成を説明するための説明図である。 (a)「3」の図柄に対応させて設定されたカラーマップデータを説明するための説明図であり、(b)「3」の図柄に対応させて設定された部分マスクデータを説明するための説明図であり、(c)「3」の図柄に対応させて設定されたシャドウマスクデータを説明するための説明図であり、(d)「3」の図柄に対応させて設定されたライン画像データを説明するための説明図である。 (a)音光側MPUにて実行される特別図柄演出の選択処理を示すフローチャートであり、(b)特別図柄演出の種類抽選処理における第1~第5表示態様の選択確率を説明するための説明図である。 表示CPUにて実行される特別図柄用演算処理を示すフローチャートである。 VDPにて実行される特別図柄演出の描画データ作成処理を示すフローチャートである。 VDPにて実行される第1作成処理を示すフローチャートである。 (a)~(d)第1作成処理の処理内容を説明するための説明図である。 (a)~(c)エッジ加工演出の内容を説明するための説明図である。 メモリモジュールのデータ構成を説明するための説明図である。 表示CPUにて実行される特別キャラクタ演出用演算処理を示すフローチャートである。 VDPにて実行される特別キャラクタ演出の描画データ作成処理を示すフローチャートである。 (a),(b)特別キャラクタ用のオブジェクトデータの各ポリゴンに設定されている情報を説明するための説明図である。 別の実施形態におけるVDPにて実行される特別キャラクタ演出の描画データ作成処理を示すフローチャートである。 色情報が設定された描画データにおける各ピクセルの情報を説明するための説明図である。
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の斜視図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。遊技機本体12は、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、その回動先端部に施錠装置が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
内枠13には遊技盤24が搭載されている。図2は遊技盤24の正面図である。
遊技盤24には、遊技領域PAの外縁の一部を区画するようにして内レール部25と外レール部26とが取り付けられており、これら内レール部25と外レール部26とにより誘導手段としての誘導レールが構成されている。内枠13において遊技盤24の下方に取り付けられた遊技球発射機構(図示略)から発射された遊技球は誘導レールにより遊技領域PAの上部に案内されるようになっている。遊技球発射機構は、前扉枠14に設けられた発射操作装置28が手動操作されることにより遊技球の発射動作を行う。
遊技盤24には、前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34、スルーゲート35、可変表示ユニット36、特図ユニット37及び普図ユニット38等がそれぞれ設けられている。
スルーゲート35への入球が発生したとしても遊技球の払い出しは実行されない。一方、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34への入球が発生すると、所定数の遊技球の払い出しが実行される。当該賞球個数について具体的には、第1作動口33への入球が発生した場合又は第2作動口34への入球が発生した場合には、3個の賞球の払い出しが実行され、一般入賞口31への入球が発生した場合には、10個の賞球の払い出しが実行され、特電入賞装置32への入球が発生した場合には、15個の賞球の払い出しが実行される。
なお、上記賞球個数は任意であり、例えば、第2作動口34の方が第1作動口33よりも賞球個数が少ない構成としてもよく、第2作動口34の方が第1作動口33よりも賞球個数が多い構成としてもよい。
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口24aが設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口24aを通って遊技領域PAから排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘24bが植設されているとともに、風車等の各種部材が配設されている。
ここで、入球とは所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域PAから排出される態様だけではなく、開口部を通過した後に遊技領域PAから排出されることなく遊技領域PAの流下を継続する態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口24aへの遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34及びスルーゲート35への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
第1作動口33及び第2作動口34は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤24に設置されている。第1作動口33及び第2作動口34は共に上向きに開放されている。また、第1作動口33が上方となるようにして両作動口33,34は鉛直方向に並んでいる。第2作動口34には、左右一対の可動片よりなるガイド片としての普電役物34aが設けられている。普電役物34aの閉鎖状態では遊技球が第2作動口34に入賞できず、普電役物34aが開放状態となることで第2作動口34への入賞が可能となる。
第2作動口34よりも遊技球の流下方向の上流側に、スルーゲート35が設けられている。スルーゲート35は縦方向に貫通した図示しない貫通孔を有しており、スルーゲート35に入賞した遊技球は入賞後に遊技領域PAを流下する。これにより、スルーゲート35に入賞した遊技球が第2作動口34へ入賞することが可能となっている。
スルーゲート35への入賞に基づき第2作動口34の普電役物34aが閉鎖状態から開放状態に切り換えられる。具体的には、スルーゲート35への入賞をトリガとして内部抽選が行われるとともに、遊技領域PAにおいて遊技球が通過しない領域である右下の隅部に設けられた普図ユニット38の普図表示部38aにて絵柄の変動表示が行われる。そして、内部抽選の結果が電役開放状態当選であり当該結果に対応した停止結果が表示されて普図表示部38aの変動表示が終了された場合に電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、普電役物34aが所定の態様で開放状態となる。
なお、普図表示部38aは、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、普図表示部38aにて変動表示される絵柄としては、複数種の文字が変動表示される構成、複数種の記号が変動表示される構成、複数種のキャラクタが変動表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成などが考えられる。
普図ユニット38において、普図表示部38aに隣接した位置には、普図保留表示部38bが設けられている。遊技球がスルーゲート35に入賞した個数は最大4個まで保留され、普図保留表示部38bの点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
第1作動口33又は第2作動口34への入賞をトリガとして当たり抽選が行われる。そして、当該抽選結果は特図ユニット37及び可変表示ユニット36の図柄表示装置41における表示演出を通じて明示される。
特図ユニット37について詳細には、特図ユニット37には特図表示部37aが設けられている。特図表示部37aの表示領域は図柄表示装置41の表示面Pよりも狭い。特図表示部37aでは、第1作動口33への入賞又は第2作動口34への入賞をトリガとして大当たり発生抽選が行われることで絵柄の変動表示が行われる。そして、絵柄の変動表示が行われた後の停止結果として、大当たり発生抽選の結果に対応した表示が行われる。なお、特図表示部37aは、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、特図表示部37aにて表示される絵柄としては、複数種の文字が表示される構成、複数種の記号が表示される構成、複数種のキャラクタが表示される構成又は複数種の色が表示される構成などが考えられる。
特図ユニット37において、特図表示部37aに隣接した位置には、特図保留表示部37bが設けられている。遊技球が第1作動口33又は第2作動口34に入賞した個数は最大4個まで保留され、特図保留表示部37bの点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
図柄表示装置41について詳細には、図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置41は、液晶表示装置に限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった表示面を有する他の表示装置であってもよく、ドットマトリクス表示器であってもよい。
図柄表示装置41では、第1作動口33への入賞又は第2作動口34への入賞に基づき特図表示部37aにて絵柄の変動表示が行われる場合にそれに合わせて図柄の変動表示が行われる。すなわち、特図表示部37aにおいて絵柄の変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41において図柄の変動表示が行われる。そして、例えば、大当たり発生抽選の結果が大当たり結果となる遊技回では、図柄表示装置41において予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示される。
図柄表示装置41の表示内容について、図3及び図4を参照して詳細に説明する。図3(a)~図3(j)は図柄表示装置41にて変動表示される図柄を個々に示す図であり、図4(a)及び図4(b)は図柄表示装置41の表示面Pを示す図である。なお、本パチンコ機10では遊技回用の表示演出が図柄表示装置41にて実行される場合における表示モードとして第1表示モードと第2表示モードとが存在しており、図3(a)~図3(j)に示す図柄は第1表示モードにおいて表示対象となる図柄である。遊技回用の演出が開始される場合に後述する音声発光制御装置60にて表示モードの変更抽選が実行され、当該表示モードの変更抽選にて変更当選となることで第1表示モード及び第2表示モードのうち現状の設定対象の表示モードから現状の非設定対象の表示モードに変更される。
図3(a)~図3(j)に示すように、絵柄の一種である図柄は、「1」~「9」の数字が各々付された9種類の主図柄と、貝形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。より詳しくは、タコ等の9種類のキャラクタ図柄に「1」~「9」の数字がそれぞれ付されて主図柄が構成されている。
図4(a)に示すように、図柄表示装置41の表示面Pには、複数の表示領域として、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1~Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」~「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されるとともに各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」~「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されるとともに各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。
つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」~「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示面Pでは、これら各図柄列Z1~Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。
図4(b)に示すように、表示面Pは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。また、表示面Pには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組合せが形成された状態で全図柄列Z1~Z3の変動表示が終了すれば、後述する低確大当たり結果又は高確大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
なお、第2表示モードにおいては左図柄列、中図柄列及び右図柄列が設定され、各図柄列において「1」~「9」の数字が各々付された主図柄が周期性をもって縦方向に切り換え表示される。そして、図柄列毎に1個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として1×3の計3個の図柄が停止表示されるようになっている。左図柄列→右図柄列→中図柄列の順に変動表示が停止し、一直線の有効ラインに同一の数字が付された図柄の組合せが形成された状態で全図柄列Z1~Z3の変動表示が終了すれば、後述する低確大当たり結果又は高確大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
本パチンコ機10では、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当するとともに、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当する。高確大当たり結果が発生する場合には、同一の特定図柄の組合せ又は同一の非特定図柄の組合せが停止表示される。また、低確大当たり結果が発生する場合には、同一の非特定図柄の組合せが停止表示される。
なお、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、図柄表示装置41にて変動表示される絵柄は上記のような図柄に限定されることはなく、例えば絵柄として数字のみが変動表示される構成としてもよい。また、いずれかの作動口33,34への入賞に基づいて、特図表示部37a及び図柄表示装置41にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し当該変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。
図2の説明に戻り、第1作動口33への入賞又は第2作動口34への入賞に基づく大当たり発生抽選にて大当たり当選となった場合には、特電入賞装置32への入賞が可能となる開閉実行モードへ移行する。特電入賞装置32は、遊技盤24の背面側へと通じる図示しない大入賞口を備えているとともに、当該大入賞口を開閉する開閉扉32aを備えている。開閉扉32aは、閉鎖状態及び開放状態のいずれかに配置される。具体的には、開閉扉32aは、通常は遊技球が入賞できない閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モードへの移行に当選した場合に遊技球が入賞可能な開放状態に切り換えられるようになっている。ちなみに、開閉実行モードとは、当たり結果となった場合に移行することとなるモードである。なお、閉鎖状態では入賞が不可ではないが開放状態よりも入賞が発生しづらい状態となる構成としてもよい。また、開閉実行モードにおいては、当該開閉実行モードに対応した表示演出が図柄表示装置41にて実行される。
図1に示すように、上記構成の遊技盤24を有する内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域PAのほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部42が形成されている。窓部42は、略楕円形状をなし、窓パネル43が嵌め込まれている。窓パネル43は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成されていてもよく、パチンコ機10前方から窓パネル43を通じて遊技領域PAを視認可能であれば有色透明に形成されていてもよい。
窓部42の上方には表示発光部44が設けられている。また、遊技状態に応じた効果音などが出力される左右一対のスピーカ部45が設けられている。また、窓部42の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部46と下側膨出部47とが上下に並設されている。上側膨出部46内側には上方に開口した上皿46aが設けられており、下側膨出部47内側には同じく上方に開口した下皿47aが設けられている。上皿46aは、裏パックユニット15に設けられた払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿47aは、上皿46a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
上側膨出部46において上皿46aの外部の領域には、遊技者により手動操作される操作部を具備する第1演出用操作装置48が設けられている。また、下側膨出部47において下皿47aの外部の領域には、遊技者により手動操作される操作部を具備する第2演出用操作装置49が設けられている。第1演出用操作装置48の操作部及び第2演出用操作装置49の操作部はそれぞれ、図柄表示装置41の表示面Pなどにおける演出内容を所定の演出内容とするために遊技者により手動操作される。この場合、第2演出用操作装置49の操作に対応する演出が実行される遊技回の方が、第1演出用操作装置48の操作に対応する演出が実行される遊技回よりも、大当たり結果の発生の期待度が高くなる。但し、これに限定されることはなく、第2演出用操作装置49の操作に対応する演出が実行される遊技回の方が、第1演出用操作装置48の操作に対応する演出が実行される遊技回よりも、高確大当たり結果の発生の期待度が高くなる構成としてもよい。
内枠13の背面側には、主制御装置と、音声発光制御装置と、表示制御装置とが搭載されている。また、裏パックユニット15には、払出装置を含む払出機構部と、払出制御装置と、電源・発射制御装置とが搭載されている。以下、パチンコ機10の電気的な構成について説明する。
<パチンコ機10の電気的構成>
図5は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
<主制御装置50>
主制御装置50は、遊技の主たる制御を司る主制御基板51を具備している。なお、主制御装置50において主制御基板51などを収容する基板ボックスに対して、その開放の痕跡を残すための痕跡手段を付与する又はその開放の痕跡を残すための痕跡構造を設けておくようにしてもよい。当該痕跡手段としては、基板ボックスを構成する複数のケース体を分離不能に結合するとともにその分離に際して所定部位の破壊を要する結合部(カシメ部)の構成や、引き剥がしに際して粘着層が接着対象に残ることで剥がされたことの痕跡を残す封印シールを複数のケース体間の境界を跨ぐようにして貼り付ける構成が考えられる。また、痕跡構造としては、基板ボックスを構成する複数のケース体間の境界に対して接着剤を塗布する構成が考えられる。
主制御基板51には、MPU52が搭載されている。MPU52には、当該MPU52により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM53と、そのROM53内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM54と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。
なお、ROM53として、制御プログラムや固定値データの読み出しに際してランダムアクセスが可能であって、記憶保持に外部からの電力供給が不要な記憶手段(すなわち、不揮発性記憶手段)が用いられている。具体的には、NOR型キャッシュメモリが用いられている。但し、これに限定されることはなく、ランダムアクセスが可能であれば、ROM53として用いるメモリの種類は任意である。また、制御及び演算部分と、ROM53と、RAM54とが1チップ化されている構成は必須ではなく、各機能がそれぞれ別チップとして搭載されている構成としてもよく、一部の機能が別チップとして搭載されている構成としてもよい。
MPU52には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU52の入力側には、電源・発射制御装置57が接続されている。電源・発射制御装置57は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板51に動作電力を供給する。ちなみに、当該動作電力は主制御基板51だけではなく、払出制御装置55や後述する表示制御装置70といった他の機器にも供給される。
なお、MPU52と電源・発射制御装置57との電力経路上に停電監視基板を設けてもよい。この場合、当該停電監視基板により停電の発生が監視され、停電の発生が確認された場合にはMPU52に対して停電信号が送信されるようにすることで、MPU52において停電時用の処理を実行することが可能となる。
また、MPU52の入力側には、図示しない各種センサが接続されている。当該各種センサの一部として、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34及びスルーゲート35といった入賞対応入球部に対して1対1で設けられた検知センサが含まれており、MPU52において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU52では第1作動口33及び第2作動口34への入賞に基づいて大当たり発生抽選及び大当たり結果種別抽選を実行するとともに、各遊技回のリーチ発生抽選や遊技回の表示継続期間の決定抽選を実行する。
ここで、MPU52にて各種抽選を行うための構成について説明する。
MPU52は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、特図表示部37aの表示の設定、図柄表示装置41の図柄表示の設定、普図表示部38aの表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図6に示すように、大当たり発生抽選に使用する当たり乱数カウンタC1と、高確大当たり結果や低確大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、特図表示部37a及び図柄表示装置41における遊技回の表示継続期間を決定する変動種別カウンタCSと、当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIとを用いることとしている。さらに、第2作動口34の普電役物34aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する普電役物開放カウンタC4を用いることとしている。なお、これら各カウンタC1~C3,CS,CINI,C4は、抽選カウンタ用エリア54aに設けられている。
各カウンタC1~C3,CS,CINI,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後「0」に戻るループカウンタとなっている。当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSに対応した情報は、第1作動口33又は第2作動口34への入賞が発生した場合に、取得情報記憶手段としての保留格納エリア54bに格納される。
保留格納エリア54bは、保留用エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留用エリアREは、第1保留エリアRE1、第2保留エリアRE2、第3保留エリアRE3及び第4保留エリアRE4を備えており、第1作動口33又は第2作動口34への入賞履歴に合わせて、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各数値情報が特図側保留情報として、いずれかの保留エリアRE1~RE4に格納される。
第1保留エリアRE1~第4保留エリアRE4には、第1作動口33又は第2作動口34への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1保留エリアRE1→第2保留エリアRE2→第3保留エリアRE3→第4保留エリアRE4の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つの保留エリアRE1~RE4が設けられていることにより、第1作動口33又は第2作動口34への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。なお、保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。実行エリアAEは、特図表示部37aの変動表示を開始する際に、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
各カウンタについて詳しくは、当たり乱数カウンタC1は、例えば0~599の範囲内で順に「1」ずつ加算され、最大値に達した後「0」に戻る構成となっている。特に当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0~599)。当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が第1作動口33又は第2作動口34に入賞したタイミングで保留格納エリア54bに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM53に当否テーブルとして記憶されている。当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブルと、高確率モード用の当否テーブルとが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、大当たり発生の抽選モード(以下、当否抽選モードともいう)として、低確率モードと高確率モードとが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の数は2個である。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の数は20個である。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数は任意である。
大当たり種別カウンタC2は、0~29の範囲内で順に「1」ずつ加算され、最大値に達した後「0」に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が第1作動口33又は第2作動口34に入賞したタイミングで保留格納エリア54bに格納される。
本パチンコ機10では、複数の大当たり結果が設定されている。これら複数の大当たり結果は、(1)開閉実行モード終了後における大当たり発生の抽選モード、(2)開閉実行モード終了後の第2作動口34の普電役物34aにおけるサポートモードという2つの条件に差異を設けることにより、複数の大当たり結果が設定されている。
なお、開閉実行モードではいずれの大当たり結果であってもラウンド遊技が15回行われる。各ラウンド遊技では特電入賞装置32が1回開放される。また、各ラウンド遊技は、特電入賞装置32が開放状態となってから開放継続期間である30秒が経過した場合又は特電入賞装置32への入賞個数が10個以上となった場合に終了する。ラウンド遊技が終了する場合に特電入賞装置32が閉鎖状態となる。ちなみに、本パチンコ機10では、発射操作装置28が遊技者により操作されている状況では、0.6秒に1個の遊技球が遊技領域PAに向けて発射されるように遊技球発射機構58が駆動制御されるため、各ラウンド遊技において特電入賞装置32への入賞を狙って遊技球の発射操作を継続することにより、特電入賞装置32の開放継続期間が経過する前に特電入賞装置32への入賞個数が10個以上となることでラウンド遊技の終了条件が成立することとなる。
第2作動口34の普電役物34aにおけるサポートモードとしては、遊技領域PAに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、第2作動口34の普電役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、普電役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に普電役物34aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり普電役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間として短い時間が選択されるように設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、第2作動口34よりも第1作動口33への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、第1作動口33よりも第2作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。そして、第2作動口34への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間(例えば、スルーゲート35への入賞に基づき普図表示部38aにて実行される変動表示の時間)が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする(すなわち、普図表示部38aにおける1回の変動表示時間を短くする)、当該確保時間の平均時間を短くする及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組合せの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM53に振分テーブルとして記憶されている。そして、かかる振分先として、低確大当たり結果と、高確大当たり結果とが設定されている。低確大当たり結果は、開閉実行モードの終了後には、大当たり発生の抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。但し、この高頻度サポートモードは、移行後において消化された遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。高確大当たり結果は、開閉実行モードの終了後には、大当たり発生の抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。これら高確率モード及び高頻度サポートモードは、大当たり発生抽選における抽選結果が大当たり状態の発生当選となり、それによる開閉実行モードに移行するまで継続する。なお、上記各遊技状態との関係で通常遊技状態とは、大当たり発生の抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである状態のことである。振分テーブルでは、「0~29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0~14」が低確大当たり結果に対応しており、「15~29」が高確大当たり結果に対応している。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0~238の範囲内で順に「1」ずつ加算され、最大値に達した後「0」に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が第1作動口33又は第2作動口34に入賞したタイミングで保留格納エリア54bに格納される。
ここで、本パチンコ機10には、図柄表示装置41における表示演出の一種として期待演出が設定されている。期待演出とは、図柄の変動表示を行うことが可能な図柄表示装置41を備え、大当たり結果となる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置41における図柄の変動表示が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
期待演出には、上記リーチ演出と、当該リーチ演出が発生する前段階などにおいてリーチ演出の発生や特別表示結果の発生を期待させるための予告演出との2種類が設定されている。
リーチ演出には、図柄表示装置41の表示面Pに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、大当たり結果の発生に対応した大当たり図柄の組合せが成立する可能性があるリーチ図柄の組合せを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態が含まれる。また、上記のようにリーチ図柄の組合せを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画像において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組合せを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示面Pの略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
リーチ演出について具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置41の表示面P内の予め設定された有効ライン上に、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組合せが成立する可能性のあるリーチ図柄の組合せを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
図4の表示内容について具体的に説明すると、最初に上段の図柄列Z1において図柄の変動表示が終了され、さらに下段の図柄列Z3において図柄の変動表示が終了された状態において、いずれかの有効ラインL1~L5に同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において中段の図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチ演出となる。そして、大当たり結果である場合には、リーチラインを形成している主図柄と同一の数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中段の図柄列Z2における図柄の変動表示が終了される。
予告演出には、図柄表示装置41の表示面Pにおいて図柄の変動表示が開始されてから、全ての図柄列Z1~Z3にて図柄が変動表示されている状況において、又は一部の図柄列であって複数の図柄列にて図柄が変動表示されている状況において、図柄列Z1~Z3上の図柄とは別にキャラクタを表示させる態様が含まれる。また、背景画像をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものや、図柄列Z1~Z3上の図柄をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものも含まれる。かかる予告演出は、リーチ演出が行われる場合及びリーチ演出が行われない場合のいずれの遊技回においても発生し得るが、リーチ演出が行われる場合の方がリーチ演出が行われない場合よりも高確率で発生するように設定されている。
リーチ演出は、大当たり結果となる遊技回では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行される。また、大当たり結果とならない遊技回では、ROM53に記憶されたリーチ用テーブルを参照して、所定のタイミングで取得したリーチ乱数カウンタC3がリーチ演出の発生に対応している場合に実行される。一方、予告演出を行うか否かの決定は、主制御装置50において行うのではなく、音声発光制御装置60において行われる。
変動種別カウンタCSは、例えば0~198の範囲内で順に「1」ずつ加算され、最大値に達した後「0」に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは定期的に更新され、遊技球が第1作動口33又は第2作動口34に入賞したタイミングで保留格納エリア54bに格納される。変動種別カウンタCSは、特図表示部37aにおける遊技回の表示継続期間と、図柄表示装置41における遊技回の表示継続期間とをMPU52において決定する上で用いられる。
普電役物開放カウンタC4は、例えば、0~250の範囲内で順に「1」ずつ加算され、最大値に達した後「0」に戻る構成となっている。普電役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングで普電保留エリア54cに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された普電役物開放カウンタC4の値によって普電役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。
MPU52の出力側には図5に示すように、払出制御装置55が接続されているとともに、電源・発射制御装置57が接続されている。払出制御装置55には、例えば、入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが送信される。払出制御装置55は、主制御装置50から受信した賞球コマンドに基づいて、払出装置56により賞球や貸し球の払出制御を行う。電源・発射制御装置57には、発射操作装置28が操作されていることに基づいて発射許可コマンドが送信される。電源・発射制御装置57は、主制御装置50から受信した発射許可コマンドに基づいて、遊技球発射機構58を駆動させ遊技球を遊技領域PAに向けて発射させる。
MPU52の出力側には、特図表示部37a及び普図表示部38aが接続されており、これら特図表示部37a及び普図表示部38aの表示制御がMPU52により直接行われる。つまり、各遊技回に際しては、MPU52において特図表示部37aの表示制御が実行される。また、普電役物34aを開放状態とするか否かの抽選結果を明示する場合に、MPU52において普図表示部38aの表示制御が実行される。
MPU52の出力側には、特電入賞装置32の開閉扉を開閉動作させる特電入賞駆動部、及び第2作動口34の普電役物34aを開閉動作させる普電役物駆動部が接続されている。つまり、開閉実行モードにおいては大入賞口が開閉されるように、MPU52において特電入賞駆動部の駆動制御が実行される。また、普電役物34aの電役開放状態当選となった場合には、普電役物34aが開閉されるように、MPU52において普電役物駆動部の駆動制御が実行される。また、MPU52の出力側には、音声発光制御装置60が接続されており、当該音声発光制御装置60に対して演出用の各種コマンドを送信する。
ここで、MPU52にて実行される処理について説明する。かかるMPU52の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では4ミリ秒周期で)起動されるタイマ割込み処理とがある。
図7はメイン処理を示すフローチャートである。ステップS101では、電源投入ウェイト処理を実行する。当該電源投入ウェイト処理では、例えばメイン処理が起動されてからウェイト用の所定時間(具体的には1秒)が経過するまで次の処理に進行することなく待機する。かかる電源投入ウェイト処理の実行期間において図柄表示装置41の動作開始及び初期設定が完了することとなる。続くステップS102ではRAM54のアクセスを許可するとともに、ステップS103にてMPU52の内部機能レジスタの設定を行う。
その後、ステップS104では、電源・発射制御装置57に設けられたRAM消去スイッチが手動操作されているか否かを判定し、続くステップS105では、RAM54の停電フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。また、ステップS106ではチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し、続くステップS107ではそのチェックサムが電源遮断時に保存したチェックサムと一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する。
本パチンコ機10では、例えば遊技ホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチを押しながら電源が投入される。したがって、RAM消去スイッチが押されていれば、ステップS108の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、チェックサムにより記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS108の処理に移行する。ステップS108では、RAM54をクリアする。その後、ステップS109に進む。
一方、RAM消去スイッチが押されていない場合には、停電フラグに「1」がセットされていること、及びチェックサムが正常であることを条件に、ステップS108の処理を実行することなくステップS109に進む。ステップS109では、電源投入設定処理を実行する。電源投入設定処理では、停電フラグの初期化といったRAM54の所定のエリアを初期値に設定するとともに、現状の遊技状態を認識させるために現状の遊技状態に対応したコマンドを音声発光制御装置60に送信する。
その後、ステップS110~ステップS113の残余処理に進む。つまり、MPU52はタイマ割込み処理を定期的に実行する構成であるが、1のタイマ割込み処理と次のタイマ割込み処理との間に残余時間が生じることとなる。この残余時間は各タイマ割込み処理の処理完了時間に応じて変動することとなるが、かかる不規則な時間を利用してステップS110~ステップS113の残余処理を繰り返し実行する。この点、当該ステップS110~ステップS113の残余処理は非定期的に実行される非定期処理であると言える。
残余処理では、まずステップS110にて、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行う。続くステップS111では、乱数初期値カウンタCINIの更新を行う乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップS112にて変動種別カウンタCSの更新を行う変動用カウンタ更新処理を実行する。これらの更新処理では、RAM54の対応するカウンタから現状の数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。その後、ステップS113にて、タイマ割込み処理の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える割込み許可の設定を行う。ステップS113の処理を実行したら、ステップS110に戻り、ステップS110~ステップS113の処理を繰り返す。
次に、図8のフローチャートを参照しながらタイマ割込み処理を説明する。タイマ割込み処理は定期的(例えば4ミリ秒周期)に実行される。まずステップS201にて停電情報記憶処理を実行する。停電情報記憶処理では、停電監視基板から電源遮断の発生に対応した停電信号を受信しているか否かを監視し、停電の発生を特定した場合には停電時処理を実行する。
続くステップS202では抽選用乱数更新処理を実行する。抽選用乱数更新処理では、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び普電役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び普電役物開放カウンタC4から現状の数値情報を順次読み出し、それら読み出した数値情報をそれぞれ1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。その後、ステップS203ではステップS111と同様に乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップS204にてステップS112と同様に変動用カウンタ更新処理を実行する。
続くステップS205では、不正用の監視対象として設定されている所定の事象が発生しているか否かを監視する不正検知処理を実行する。当該不正検知処理では、複数種類の事象の発生を監視し、所定の事象が発生していることを確認することで、RAM54に設けられた遊技停止用フラグに「1」をセットする。
続くステップS206では、上記遊技停止用フラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、遊技の進行を停止している状態であるか否かを判定する。ステップS206にて否定判定をした場合に、ステップS207以降の処理を実行する。
ステップS207では、ポート出力処理を実行する。ポート出力処理では、前回のタイマ割込み処理において出力情報の設定が行われている場合に、その出力情報に対応した出力を各種駆動部に行うための処理を実行する。例えば、特電入賞装置32を開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には特電入賞駆動部への駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。また、第2作動口34の普電役物34aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には普電役物駆動部への駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。
続くステップS208では、読み込み処理を実行する。読み込み処理では、停電信号及び入賞信号以外の信号の読み込みを実行し、その読み込んだ情報を今後の処理にて利用するために記憶する。
続くステップS209では入賞検知処理を実行する。当該入賞検知処理では、各入賞検知センサから受信している信号を読み込むとともに、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34及びスルーゲート35への入賞の有無を特定する処理を実行する。
続くステップS210では、RAM54に設けられている複数種類のタイマカウンタの数値情報をまとめて更新するためのタイマ更新処理を実行する。この場合、記憶されている数値情報が減算されて更新されるタイマカウンタを集約して扱う構成であるが、減算式のタイマカウンタの更新及び加算式のタイマカウンタの更新の両方を集約して行う構成としてもよい。
続くステップS211では、遊技球の発射制御を行うための発射制御処理を実行する。発射操作装置28への発射操作が継続されている状況では、既に説明したとおり、所定の発射周期である0.6秒に1個の遊技球が発射される。
続くステップS212では、入力状態監視処理として、ステップS208の読み込み処理にて読み込んだ情報に基づいて、各入賞検知センサの断線確認や、遊技機本体12や前扉枠14の開放確認を行う。
続くステップS213では、遊技回の実行制御及び開閉実行モードの実行制御を行うための特図特電制御処理を実行する。当該特図特電制御処理の処理内容については後に詳細に説明する。
続くステップS214では、普図普電制御処理を実行する。普図普電制御処理では、スルーゲート35への入賞が発生している場合に普図側の保留情報を取得するための処理を実行するとともに、普図側の保留情報が記憶されている場合にその保留情報について開放判定を行い、さらにその開放判定を契機として普図用の演出を行うための処理を実行する。また、開放判定の結果に基づいて、第2作動口34の普電役物34aを開閉させる処理を実行する。
続くステップS215では、直前のステップS213及びステップS214の処理結果に基づいて、特図表示部37aに対応する保留情報の増減個数を特図保留表示部37bに反映させるための出力情報の設定を行うとともに、普図表示部38aに対応する保留情報の増減個数を普図保留表示部38bに反映させるための出力情報の設定を行う。また、ステップS215では、直前のステップS213及びステップS214の処理結果に基づいて、特図表示部37aの表示内容を更新させるための出力情報の設定を行うとともに、普図表示部38aの表示内容を更新させるための出力情報の設定を行う。
続くステップS216では、払出制御装置55から受信したコマンド及び信号の内容を確認し、その確認結果に対応した処理を行うための払出状態受信処理を実行する。また、ステップS217では、賞球コマンドを出力対象として設定するための払出出力処理を実行する。続くステップS218では、今回のタイマ割込み処理にて実行された各種処理の処理結果に応じた外部信号の出力の開始及び終了を制御するための外部情報設定処理を実行する。その後、本タイマ割込み処理を終了する。
次に、MPU52のタイマ割込み処理(図8)におけるステップS213にて実行される特図特電制御処理について、図9のフローチャートを参照しながら説明する。
特図特電制御処理では、まず保留情報の取得処理を実行する(ステップS301)。図10は保留情報の取得処理を示すフローチャートである。第1作動口33の特図用検知センサ又は第2作動口34の特図用検知センサがONとなっている場合(ステップS401:YES)、保留用エリアREに保留記憶されている特図側保留情報の数が上限個数(具体的には4個)に達しているか否かを判定する(ステップS402)。
ステップS402にて否定判定をした場合、特図側保留情報の取得処理を実行する(ステップS403)。当該取得処理では、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を、保留用エリアREにおける第1~第4保留エリアRE1~RE4のうちいずれの特図側保留情報も記憶されていない最上位側のエリアに記憶する。
その後、先特定処理を実行する(ステップS404)。この先特定処理では、今回取得した特図側保留情報が大当たり結果となる情報、及び所定のリーチ演出の発生に対応する情報のいずれかに該当しているか否かを特定する。つまり、これら各種情報の特定は特図側保留情報が遊技回の開始対象となった場合に実行されることとなるが、それに先立ち特図側保留情報が取得された段階でこれら各種情報の特定が先特定処理にて行われる。なお、先特定処理が実行されたとしても遊技回の開始対象となった場合には、先特定処理にて特定済みの情報がそのまま流用されるのではなく、上記各種情報の特定は再度行われる。但し、このように上記各種情報の特定が遊技回の開始に際して再度行われるとしても、当該遊技回の開始に際して参照される特図側保留情報と同一の情報が先特定処理にて参照されるため、遊技回の開始に際して特定される情報は先特定処理にて特定された情報と対応している。
図11は先特定処理を示すフローチャートである。先特定処理ではまず、今回取得した特図側保留情報が遊技回の開始対象となる場合における当否抽選モードに対応する当否テーブルをROM53から読み出す(ステップS501)。
MPU52は先特定処理の結果をRAM54に記憶しているため、保留用エリアREにおいて今回取得した特図側保留情報よりも先に遊技回の開始対象となる特図側保留情報が大当たり結果に対応しているか否かを特定することができるとともに大当たり結果に対応している場合にはその大当たり結果の種別が高確大当たり結果及び低確大当たり結果のいずれに対応しているのかを特定することができる。ステップS501では、保留用エリアREにおいて今回取得した特図側保留情報よりも先に遊技回の開始対象となる特図側保留情報の中に大当たり結果に対応している特図側保留情報が存在しているのであれば、その特図側保留情報が高確大当たり結果に対応している場合には高確率モード用の当否テーブルを読み出し、その特図側保留情報が低確大当たり結果に対応している場合には低確率モード用の当否テーブルを読み出す。保留用エリアREにおいて今回取得した特図側保留情報よりも先に遊技回の開始対象となる特図側保留情報の中に大当たり結果に対応している特図側保留情報が複数存在しているのであれば、遊技回の開始対象となる順序が後側の順番である特図側保留情報の大当たり結果の種類に対応する当否テーブルを読み出す。また、保留用エリアREにおいて今回取得した特図側保留情報よりも先に遊技回の開始対象となる特図側保留情報の中に大当たり結果に対応している特図側保留情報が存在していない場合には、現状の当否抽選モードに対応する当否テーブルを読み出す。
その後、ステップS501にて読み出した当否テーブルを参照して当否判定処理を実行する(ステップS502)。当該当否判定処理では、今回取得した特図側保留情報における当たり乱数カウンタC1の数値情報が、ステップS501にて読み出した当否テーブルにおける大当たり結果となる乱数の値に対応しているか否かを判定する。当否判定処理にて大当たり結果に対応していると判定した場合(ステップS503:YES)、RAM54に大当たり情報を設定する(ステップS504)。
ステップS503にて否定判定をした場合、リーチ判定処理を実行する(ステップS504)。リーチ判定処理では、ROM53からリーチ用テーブルを読み出すとともに、今回取得した特図側保留情報におけるリーチ乱数カウンタC3の数値情報がリーチ用テーブルに記憶されているリーチ対応の値に対応しているか否かを判定する。当該リーチ判定処理にてリーチ演出の発生に対応していると判定した場合(ステップS506:YES)、遊技回の表示継続期間の特定処理を実行する(ステップS507)。また、今回取得した特図側保留情報が大当たり結果に対応している場合にも上述したステップS504の処理を実行した後に、遊技回の表示継続期間の特定処理を実行する(ステップS507)。
遊技回の表示継続期間の特定処理では、今回取得した特図側保留情報が大当たり結果に対応している場合にはROM53から大当たり発生時における表示継続期間テーブルを読み出し、今回取得した特図側保留情報が大当たり結果に対応していない場合いはROM53からリーチ発生時における表示継続期間テーブルを読み出す。そして、今回取得した特図側保留情報における変動種別カウンタCSの数値情報が、上記表示継続期間テーブルにおいて第1特別リーチ演出の発生に対応する表示継続期間である第1期間として定められている値、又は上記表示継続期間テーブルにおいて第2特別リーチ演出の発生に対応する表示継続期間である第2期間として定められている値に対応しているか否かを判定する。これら第1特別リーチ演出及び第2特別リーチ演出はそれぞれリーチ演出の一種である。
今回取得した特図側保留情報に対応する遊技回の表示継続期間が第1期間に対応している場合(ステップS508:YES)、RAM54に第1期間情報を設定する(ステップS509)。第1期間情報は今回取得した特図側保留情報が遊技回の開始対象となった場合に遊技回の表示継続期間が第1期間となることを示す情報である。また、今回取得した特図側保留情報に対応する遊技回の表示継続期間が第2期間に対応している場合(ステップS510:YES)、RAM54に第2期間情報を設定する(ステップS511)。第2期間情報は今回取得した特図側保留情報が遊技回の開始対象となった場合に遊技回の表示継続期間が第2期間となることを示す情報である。
保留情報の取得処理(図10)の説明に戻り、ステップS404にて先特定処理を実行した後は、当該先特定処理の結果に対応する保留コマンドの送信処理を実行する(ステップS405)。保留コマンドの送信処理では、ステップS404の先特定処理にて特定した内容に対応する情報と、今回取得した特図側保留情報が保留用エリアREの第1~第4保留エリアRE1~RE4のいずれに格納されたのかを示す情報とを含む保留コマンドをROM53から読み出して音声発光制御装置60に送信する。
先特定処理にて特定した内容に対応する情報として、例えばステップS404の先特定処理にてステップS504の処理を実行した場合には当該保留コマンドには大当たり情報が含まれる。また、ステップS404の先特定処理にてステップS509の処理を実行した場合には当該保留コマンドには第1期間情報が含まれる。また、ステップS404の先特定処理にてステップS511の処理を実行した場合には当該保留コマンドには第2期間情報が含まれる。なお、ステップS404の先特定処理にてステップS504、ステップS509及びステップS511のいずれの処理も実行しなかった場合には当該保留コマンドには先特定処理の処理結果に対応する情報は設定されない。
ここで、保留コマンドを受信した場合における音声発光制御装置60の音声発光制御基板61に設けられたMPU62の処理内容について説明する。なお、MPU62には、当該MPU62により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM63と、そのROM63内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM64と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。
まずRAM64に設けられた演出側保留用エリア65について図12の説明図を参照しながら説明する。
図12に示すように演出側保留用エリア65には第1単位エリア65aと、第2単位エリア65bと、第3単位エリア65cと、第4単位エリア65dとが設定されている。これら第1~第4単位エリア65a~65dは、主制御装置50のRAM54に設けられた保留用エリアREの第1~第4保留エリアRE1~RE4と1対1で対応している。つまり第n単位エリア65a~65dと第n保留エリアRE1~RE4とが対応しており、第n単位エリア65a~65dには、第n保留エリアRE1~RE4に記憶されている特図側保留情報についての先特定処理の処理結果の情報が記憶される。
第1~第4単位エリア65a~65dのそれぞれには当否エリアと、第1期間情報の有無エリアと、第2期間情報の有無エリアとが設定されている。当否エリアには主制御装置50のMPU52における先特定処理(図11)にて大当たり情報が設定された特図側保留情報であるか否かを示す情報が記憶される。第1期間情報の有無エリアには主制御装置50のMPU52における先特定処理(図11)にて第1期間情報が設定された特図側保留情報であるか否かを示す情報が記憶される。第2期間情報の有無エリアには主制御装置50のMPU52における先特定処理(図11)にて第2期間情報が設定された特図側保留情報であるか否かを示す情報が記憶される。
図13は音声発光制御装置60のMPU62にて実行される保留コマンドの受信処理を示すフローチャートである。なお、保留コマンドの受信処理は保留コマンドを受信した場合に起動される。
まず書き込み対象エリアの把握処理を実行する(ステップS601)。既に説明したとおり保留コマンドにはその送信の契機となった特図側保留情報が保留用エリアREの第1~第4保留エリアRE1~RE4のうちいずれに格納されたのかを示す格納先の情報が設定されている。書き込み対象エリアの把握処理では、演出側保留用エリア65の第1~第4単位エリア65a~65dのうち、今回受信した保留コマンドに設定されている格納先の情報に対応するエリアを把握する。格納先の情報が保留用エリアREの第n保留エリアRE1~RE4に対応している場合、書き込み対象エリアの把握処理では第n単位エリア65a~65dを把握する。
今回受信した保留コマンドに大当たり情報が設定されている場合(ステップS602:YES)、ステップS601にて把握した第1~第4単位エリア65a~65dの当否エリアに大当たり情報を設定する(ステップS603)。なお、ステップS602にて否定判定をした場合、ステップS601にて把握した第1~第4単位エリア65a~65dの当否エリアを「0」クリアする。
今回受信した保留コマンドに第1期間情報が設定されている場合(ステップS604:YES)、ステップS601にて把握した第1~第4単位エリア65a~65dの第1期間情報の有無エリアに第1期間情報を設定する(ステップS605)。なお、ステップS604にて否定判定をした場合、ステップS601にて把握した第1~第4単位エリア65a~65dの第1期間情報の有無エリアを「0」クリアする。
今回受信した保留コマンドに第2期間情報が設定されている場合(ステップS606:YES)、ステップS601にて把握した第1~第4単位エリア65a~65dの第2期間情報の有無エリアに第2期間情報を設定する(ステップS607)。なお、ステップS606にて否定判定をした場合、ステップS601にて把握した第1~第4単位エリア65a~65dの第2期間情報の有無エリアを「0」クリアする。
なお、図示は省略するが、演出側保留用エリア65の第1~第4単位エリア65a~65dの情報は遊技回用演出が開始される場合にシフトされる。具体的には、主側MPU52から変動用コマンド及び種別コマンドを受信した場合、第2単位エリア65b→第1単位エリア65a、第3単位エリア65c→第2単位エリア65b及び第4単位エリア65d→第3単位エリア65cの順序で情報のシフトが行われた後に第4単位エリア65dが「0」クリアされる。これにより、遊技回が開始される場合であっても保留用エリアREと演出側保留用エリア65との対応関係を維持させることが可能となる。
保留コマンドの受信処理ではステップS601~ステップS607の処理を実行した後に、保留コマンドの送信処理を実行する(ステップS608)。保留コマンドの送信処理では、保留コマンドを表示制御装置70に送信する。図柄表示装置41の表示面Pにおいては遊技回用の演出が実行されている場合、主制御装置50の保留用エリアREに保留記憶されている特図側保留情報の個数に対応する数の保留単位画像GRが表示される(図4(b)及び図23参照)。具体的には、表示面Pの下部領域に保留単位画像GRが表示されるとともに、複数個の特図側保留情報が保留用エリアREに保留記憶されている場合には表示面Pの下部領域に複数個の保留単位画像GRが横並びで表示される。表示制御装置70は、音声発光制御装置60から保留コマンドを受信した場合に保留単位画像GRの数を1個増加させ、音声発光制御装置60から遊技回が新たに開始されることを示すコマンドを受信した場合に保留単位画像GRの数を1個減少させる。
特図特電制御処理(図9)の説明に戻り、ステップS301にて保留情報の取得処理を実行した後は、主制御装置50のRAM54に設けられた特図特電カウンタの情報を読み出し(ステップS302)、主制御装置50のROM53に記憶されている特図特電アドレステーブルを読み出す(ステップS303)。そして、特図特電アドレステーブルから特図特電カウンタの情報に対応した開始アドレスを取得する(ステップS304)。
特図特電制御処理には、遊技回用演出を制御するための処理と、開閉実行モードを制御するための処理とが含まれている。この場合に、遊技回用演出を制御するための処理として、遊技回用演出を開始させるための処理である特図変動開始処理(ステップS306)と、遊技回用演出を進行させるための処理である特図変動中処理(ステップS307)と、遊技回用演出を終了させるための処理である特図確定中処理(ステップS308)とが設定されている。また、開閉実行モードを制御するための処理として、開閉実行モードのオープニングを制御するための処理である特電開始処理(ステップS309)と、特電入賞装置32の開放中の状態を制御するための処理である特電開放中処理(ステップS310)と、特電入賞装置32の閉鎖中の状態を制御するための処理である特電閉鎖中処理(ステップS311)と、開閉実行モードのエンディング及び開閉実行モード終了時の遊技状態の移行を制御するための処理である特電終了処理(ステップS312)とが設定されている。このような処理構成において、特図特電カウンタは、上記複数種類の処理のうちいずれを実行すべきであるかをMPU52にて把握するためのカウンタであり、特図特電アドレステーブルには、特図特電カウンタの数値情報に対応させて、上記複数種類の処理を実行するためのプログラムの開始アドレスが設定されている。
ステップS304の処理を実行した後は、ステップS304にて取得した開始アドレスの示す処理にジャンプする処理を実行する(ステップS305)。具体的には、特図特電カウンタの値が「0」である場合にはSA0の開始アドレスを取得してステップS306の特図変動開始処理にジャンプし、特図特電カウンタの値が「1」である場合にはSA1の開始アドレスを取得してステップS307の特図変動中処理にジャンプし、特図特電カウンタの値が「2」である場合にはSA2の開始アドレスを取得してステップS308の特図確定中処理にジャンプし、特図特電カウンタの値が「3」である場合にはSA3の開始アドレスを取得してステップS309の特電開始処理にジャンプし、特図特電カウンタの値が「4」である場合にはSA4の開始アドレスを取得してステップS310の特電開放中処理にジャンプし、特図特電カウンタの値が「5」である場合にはSA5の開始アドレスを取得してステップS311の特電閉鎖中処理にジャンプし、特図特電カウンタの値が「6」でる場合にはSA6の開始アドレスを取得してステップS312の特電終了処理にジャンプする。ステップS306~ステップS312のいずれかの処理を実行した場合には、本特図特電制御処理を終了する。以下、ステップS306~ステップS312の処理について個別に説明する。
まずステップS306の特図変動開始処理について、図14のフローチャートを参照しながら説明する。
保留用エリアREに特図側保留情報が格納されている場合(ステップS701:YES)、データ設定処理を実行する(ステップS702)。データ設定処理では、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納されている特図側保留情報を実行エリアAEに移動させる。データ設定処理では、その後、保留用エリアREの第1~第4保留エリアRE1~RE4に格納されたデータを上位側にシフトする処理を実行する。具体的には、第2保留エリアRE2→第1保留エリアRE1、第3保留エリアRE3→第2保留エリアRE2、第4保留エリアRE4→第3保留エリアRE3といった具合に各エリア内のデータをシフトした後に、第4保留エリアRE4を「0」クリアする。なお、当該データ設定処理を実行した場合には特図保留表示部37bの表示内容が1個の保留個数の減少に対応した表示内容に変更されるようにするためのデータ設定を行う。
データ設定処理の実行後は、当否判定処理を実行する(ステップS703)。当否判定処理では、まず当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。高確率モードである場合にはROM53に設けられた高確率モード用の当否テーブルを参照して、実行エリアAEに格納された情報のうち当否判定用の情報、すなわち当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報が高確率用の大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。また、低確率モードである場合にはROM53に設けられた低確率モード用の当否テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報が低確率用の大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。
当否判定処理の結果が大当たり当選結果である場合(ステップS704:YES)、種別判定処理を実行する(ステップS705)。種別判定処理では、ROM53から振分テーブルを読み出す。そして、その読み出した振分テーブルに対して、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2から取得した数値情報を照合することで、大当たり結果の種類を把握する。
その後、大当たり結果用の停止結果設定処理を実行する(ステップS706)。具体的には、今回の遊技回において特図表示部37aに最終的に停止表示させる表示態様の情報を、ROM53に予め記憶されている大当たり結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRAM54に記憶する。この大当たり結果用の停止結果テーブルには、特図表示部37aに停止表示される表示態様の種類が、大当たり結果の種類毎に相違させて設定されており、ステップS706では、ステップS705にて特定した大当たり結果の種類に応じた表示態様の情報をRAM54に記憶する。なお、停止表示される表示態様の情報は、大当たり種別カウンタC2の値に応じて定められる。この場合、各大当たり結果に1対1で対応させて表示態様が設定されていてもよく、各大当たり結果に対して複数種類の表示態様が設定されていてもよい。
その後、種別判定処理の結果に対応したフラグセット処理を実行する(ステップS707)。具体的には、RAM54には各大当たり結果の種類に対応したフラグが設けられており、それら各大当たり結果の種類に対応したフラグのうち、ステップS705の種別判定処理の結果に対応したフラグに「1」をセットする。
一方、当否判定処理において大当たり当選ではないと判定した場合(ステップS704:NO)、外れ結果用の停止結果設定処理を実行する(ステップS708)。具体的には、今回の遊技回において特図表示部37aに最終的に停止表示させる表示態様の情報を、ROM53に予め記憶されている外れ結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRAM54に記憶する。この場合に選択される表示態様の情報は、大当たり結果の場合に選択される表示態様の情報とは異なっている。
ステップS707又はステップS708の処理を実行した後は、遊技回の表示継続期間の特定処理を実行する(ステップS709)。図15は遊技回の表示継続期間の特定処理を示すフローチャートである。今回の遊技回の当否判定処理において大当たり結果であることが特定されている場合(ステップS801:YES)、ROM53から大当たり発生時における表示継続期間テーブルを読み出す(ステップS802)。当該大当たり発生時における表示継続期間テーブルには、変動種別カウンタCSの複数種類の数値範囲に対応させて遊技回の表示継続期間の情報が設定されている。また、大当たり結果となる遊技回ではリーチ演出が発生するため、大当たり発生時における表示継続期間テーブルにはリーチ演出の発生に対応する表示継続期間のみが設定されている。また、当該リーチ演出の発生に対応する表示継続期間として、後述する第1特別リーチ演出又は第1代替リーチ演出に対応する第1期間が含まれているとともに、後述する第2特別リーチ演出又は第2代替リーチ演出に対応する第2期間が含まれている。
今回の遊技回が大当たり結果の発生に対応していない場合(ステップS801:NO)、ROM53からリーチ用テーブルを読み出すとともに、実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3から取得した数値情報をそのリーチ用テーブルに照合することで今回の遊技回がリーチ演出の発生に対応しているか否かを判定する(ステップS803)。ステップS803にて肯定判定をした場合にはROM53からリーチ発生時における表示継続期間テーブルを読み出す(ステップS804)。リーチ発生時における表示継続期間テーブルには、変動種別カウンタCSの複数種類の数値範囲に対応させて遊技回の表示継続期間の情報が設定されている。この設定されている遊技回の表示継続期間の情報はいずれもリーチ演出の発生に対応する表示継続期間に対応している。また、当該リーチ演出の発生に対応する表示継続期間として、後述する第1特別リーチ演出又は第1代替リーチ演出に対応する第1期間が含まれているとともに、後述する第2特別リーチ演出又は第2代替リーチ演出に対応する第2期間が含まれている。
ステップS803にて否定判定をした場合には、保留用エリアREに保留記憶されている特図側保留情報の個数が短変動の基準個数以上であるか否かを判定する(ステップS805)。具体的には、保留記憶されている特図側保留情報の個数が3個以上であるか否かを判定する。ステップS805にて否定判定をした場合にはROM53から外れ時における表示継続期間テーブルを読み出す(ステップS806)。外れ時における表示継続期間テーブルには、保留記憶されている特図側保留情報の個数が0個の場合に参照されるテーブル情報と、保留記憶されている特図側保留情報の個数が1個の場合に参照されるテーブル情報と、保留記憶されている特図側保留情報の個数が2個の場合に参照されるテーブル情報とが含まれている。これら各テーブル情報のそれぞれには、変動種別カウンタCSの複数種類の数値範囲に対応させて遊技回の表示継続期間の情報が設定されている。この場合、選択される遊技回の表示継続期間の平均期間は、2個のテーブル情報→1個のテーブル情報→0個のテーブル情報の順序で長い期間となっている。
ステップS802、ステップS804及びステップS806のいずれかの処理を実行した場合、実行エリアAEに格納されている変動種別カウンタCSから取得した数値情報を読み出す(ステップS807)。そして、その変動種別カウンタCSから取得した数値情報を、ステップS802、ステップS804及びステップS806のいずれかで読み出した表示継続期間テーブルに対して照合することで今回の遊技回における表示継続期間の情報を読み出す(ステップS808)。
一方、ステップS805にて肯定判定をした場合、今回の遊技回における表示継続期間の情報として短期間の情報を読み出す(ステップS809)。短期間は、大当たり発生時における表示継続期間テーブルを参照した場合に選択され得る最短の表示継続期間、リーチ発生時における表示継続期間テーブルを参照した場合に選択され得る最短の表示継続期間、及び外れ時における表示継続期間テーブルを参照した場合に選択され得る最短の表示継続期間のいずれよりも短い期間に対応している。具体的には、1.5秒に設定されている。このように特図側保留情報が3個保留記憶されている状況においてリーチ表示の発生しない外れ結果に対応する遊技回が開始される場合には最短の表示継続期間が選択されるようにすることで、特図側保留情報の消化効率を高めることが可能となり、最大個数の特図側保留情報が保留記憶されている状況が継続されづらくなる。
特図変動開始処理(図14)の説明に戻り、ステップS709にて遊技回の表示継続期間の特定処理を実行した後は、当該特定処理にて読み出した表示継続期間の情報をRAM54に設けられた特図特電タイマカウンタにセットする(ステップS710)。当該特図特電タイマカウンタにセットされた数値情報の更新は、タイマ割込み処理(図8)のステップS210におけるタイマ更新処理にて実行される。ちなみに、遊技回用演出として特図表示部37aにおける絵柄の変動表示と図柄表示装置41における図柄の変動表示とが行われるが、これらの各変動表示が終了される場合にはその遊技回の停止結果が表示された状態(図柄表示装置41では有効ライン上に所定の図柄の組合せが待機された状態)で最終停止期間(0.5秒)に亘って最終停止表示される。この場合に、ステップS709にて取得される遊技回の表示継続期間は1遊技回分のトータル期間となっており、ステップS710では、ステップS709にて取得された遊技回の表示継続期間から最終停止期間分を差し引いた期間の情報を特図特電タイマカウンタにセットする。
その後、変動用コマンド及び種別コマンドを音声発光制御装置60に送信する(ステップS711)。変動用コマンドは、2バイトのデータ構成となっており、当該2バイトのデータには、当否判定処理の結果に対応したデータと、種別判定処理の結果に対応したデータと、遊技回の表示継続期間に対応したデータとが含まれている。具体的には、2バイトのデータのうち上位4ビットのデータにより、自身が変動用コマンドであることを示すための識別用データが設定されており、次の4ビットのデータにより、当否判定処理及び種別判定処理の結果に対応した抽選結果用データが設定されており、残りの8ビットのデータにより、遊技回の表示継続期間に対応した期間用データが設定されている。したがって、音声発光制御装置60のMPU62では、変動用コマンドを受信した場合、上記識別用データから変動用コマンドであることを認識し、上記抽選結果用データから当否判定処理の結果及び種別判定処理の結果を認識し、上記期間用データから今回の遊技回の表示継続期間を認識する。ここで、MPU52では、リーチ演出が発生するか否かによって異なる遊技回の表示継続期間を選択するため、変動用コマンドにリーチ演出の発生の有無の情報が含まれていなかったとしても、音声発光制御装置60では遊技回の表示継続期間の情報からリーチ演出の発生の有無を特定することは可能である。この点、変動用コマンドには、リーチ演出の発生の有無を示す情報が含まれているとも言える。なお、変動用コマンドにリーチ演出の発生の有無を直接示す情報が含まれていてもよい。
種別コマンドは、2バイトのデータ構成となっており、当該2バイトのデータには、当否判定処理の結果に対応したデータと、種別判定処理の結果に対応したデータと、高確率モードであるか否かを示すデータと、高頻度サポートモードであるか否かを示すデータとが含まれている。具体的には、2バイトのデータのうち上位4ビットのデータにより、自身が種別コマンドであることを示すための識別用データが設定されており、次の4ビットのデータにより、当否判定処理及び種別判定処理の結果に対応した抽選結果用データが設定されており、残りの8ビットのデータにより、高確率モードであるか否か及び高頻度サポートモードであるか否かを示す状態認識用データが設定されている。したがって、音声発光制御装置60では、種別コマンドを受信した場合、上記識別用データから種別コマンドであることを認識し、上記抽選結果用データから当否判定処理の結果及び種別判定処理の結果を認識し、上記状態認識用データから高確率モードであるか否か及び高頻度サポートモードであるか否かを認識する。
ここで、変動用コマンド及び種別コマンドの両方に、当否判定処理の結果及び種別判定処理の結果に対応したデータが含まれている。したがって、音声発光制御装置60では、変動用コマンドに含まれる上記抽選結果用データと、種別コマンドに含まれる上記抽選結果用データとを照合することにより、変動用コマンド及び種別コマンドの受信に関してノイズなどの通信異常が発生していないか否かを特定することが可能となる。そして、両方の抽選結果用データが一致している場合には、それら変動用コマンド及び種別コマンドの内容に対応した演出用の制御を実行し、両方の抽選結果用データが一致していない場合には、それを報知することが可能となる。ちなみに、後者の場合、音声発光制御装置60では、当該遊技回において通信異常に対応した遊技回用演出が実行されるようにしてもよく、例えば当該遊技回用演出では、当否判定処理及び種別判定処理の結果に関係なく、図柄表示装置41において確実に完全外れに対応した図柄の組合せが停止表示されるようにしてもよい。この場合、当該遊技回用演出を、変動用コマンドに含まれる期間用データに対応した表示継続期間に亘って行う構成としてもよく、次回の変動用コマンド及び種別コマンドを受信するまで継続させる構成としてもよい。なお、変動用コマンドに、当否判定処理の結果及び種別判定処理の結果のうち一方のデータが含まれていない構成としてもよく、両方のデータが含まれていない構成としてもよい。
変動用コマンド及び種別コマンドを受信した場合、音声発光制御装置60は遊技回用演出を開始させるための処理を実行する。遊技回用演出が開始される場合、図柄表示装置41では全図柄列において図柄の移動表示が開始される。そして、遊技回用演出が終了する場合には全図柄列における図柄の移動表示が停止されて待機表示が行われ最終的に静止表示が行われる。この場合、当否判定処理及び種別判定処理の結果に対応する図柄の組合せが静止表示される。
ステップS711の処理を実行した後は、特図表示部37aにおいて絵柄の変動表示を開始させる(ステップS712)。その後、特図特電カウンタを1加算する(ステップS713)。特図変動開始処理が実行される場合における特図特電カウンタの数値情報は「0」であるため、ステップS713の処理が実行された場合には特図特電カウンタの数値情報は「1」となる。
次に、特図特電制御処理(図9)におけるステップS307の特図変動中処理について説明する。
特図変動中処理では、遊技回の表示継続期間中であって、最終停止表示前のタイミングであるか否かを判定し、最終停止表示前であれば特図表示部37aにおける表示態様を規則的に変化させるための処理を実行する。この規則的な変化は、最終停止表示を開始させるタイミングとなるまで継続される。また、この規則的な変化は、当たり結果となるか否か及びリーチ演出が発生するか否かに関係なく、一定の態様で行われる。
最終停止表示させるタイミングとなった場合には、図柄表示装置41にて今回の遊技回の停止結果を最終停止表示させるために、最終停止コマンドを音声発光制御装置60に送信するとともに、特図表示部37aにおける表示態様を今回の遊技回の抽選結果に対応した表示態様とする。また、遊技回の最終停止期間(0.5秒)の情報をROM53から読み出し、特図特電タイマカウンタにセットする。そして、特図特電カウンタの値を1加算することで、当該カウンタの値を特図変動中処理に対応したものから特図確定中処理に対応したものに更新する。
次に、特図特電制御処理(図9)におけるステップS308の特図確定中処理について説明する。
今回の遊技回の最終停止期間が経過している場合、今回の遊技回が大当たり結果に対応していることを条件として、開閉実行モードを開始させるための処理を実行する。具体的には、まずROM53からオープニング期間(10秒)の情報を読み出し、その読み出したオープニング期間の情報をRAM54の特図特電タイマカウンタにセットする。その後、オープニングコマンドを音声発光制御装置60に送信する。オープニングコマンドは、音声発光制御装置60に対して開閉実行モード用の演出を開始させるタイミングであることを認識させるためのコマンドである。その後、特図特電カウンタを1加算することで、当該カウンタの値を特図確定中処理に対応したものから特電開始処理に対応したものに更新する。
一方、今回の遊技回が大当たり結果に対応していない場合、RAM54に設けられた高頻度フラグ及び上限対応フラグの両方に「1」がセットされているか否かを判定する。高頻度フラグは、サポートモードが高頻度サポートモードであることをMPU52にて特定するためのフラグであり、MPU52はタイマ割込み処理(図8)の普図普電制御処理(ステップS214)にて高頻度フラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、高頻度サポートモードに対応する制御を実行すべきか否かを特定する。また、上限対応フラグは、現状の高頻度サポートモードが開閉実行モードの終了後において100回の遊技回が消化された場合に終了すべきものか否かをMPU52にて特定するためのフラグである。低確大当たり結果を契機とした開閉実行モードが終了する場合には高頻度フラグに「1」がセットされるとともに上限対応フラグに「1」がセットされる。高頻度フラグ及び上限対応フラグの両方に「1」がセットされている場合、RAM54に設けられた高頻度継続カウンタの値を1減算する。高頻度継続カウンタは低確大当たり結果を契機とした開閉実行モードが終了した後における遊技回の消化回数が高頻度サポートモードを終了させる契機となる回数となったか否かをMPU52にて特定するためのカウンタである。1減算後における高頻度継続カウンタの値が「0」である場合、高頻度フラグ及び上限対応フラグの両方を「0」クリアする。また、今回の遊技回が大当たり結果に対応していない場合、特図特電カウンタを「0」クリアする。これにより、特図特電カウンタの値が特図確定中処理に対応したものから特図変動開始処理に対応したものなる。
次に、特図特電制御処理(図9)におけるステップS309の特電開始処理について説明する。
オープニング期間が経過している場合、RAM54に設けられたラウンドカウンタに、今回の大当たり結果に対応したラウンド遊技の回数の値(具体的には「15」)をセットする。ラウンドカウンタは、開閉実行モードにおいて残りのラウンド遊技の回数をMPU52にて特定するためのカウンタである。また、RAM54に設けられた入賞カウンタに「10」をセットする。入賞カウンタは、1回のラウンド遊技において上限個数の遊技球の入賞が発生したか否かをMPU52にて特定するためのカウンタである。また、RAM54の特図特電タイマカウンタに1回のラウンド遊技の開放継続期間(30秒)に対応する情報をセットする。そして、特電入賞装置32を開放状態とする。その後、特図特電カウンタを1加算することで、当該カウンタの値を特電開始処理に対応したものから特電開放中処理に対応したものに更新する。
次に、特図特電制御処理(図9)におけるステップS310の特電開放中処理について説明する。
特電開放中処理では、ラウンド遊技の終了条件が成立している場合、特電入賞装置32を閉鎖状態とするとともにラウンドカウンタを1減算する。そして、特図特電タイマカウンタに閉鎖期間(2秒)をセットする。その後、特図特電カウンタを1加算することで、当該カウンタの値を特電開放中処理に対応したものから特電閉鎖中処理に対応したものに更新する。
次に、特図特電制御処理(図9)におけるステップS311の特電閉鎖中処理について説明する。
特電閉鎖中処理では、ラウンドカウンタの値が「0」ではない場合、閉鎖期間が経過したか否かを判定する。閉鎖期間が経過している場合には、RAM54の入賞カウンタに「10」をセットするとともにRAM54の特図特電タイマカウンタに1回のラウンド遊技の開放継続期間(30秒)に対応する情報をセットする。そして、特電入賞装置32を開放状態とする。その後、特図特電カウンタを1減算することで、当該カウンタの値を特電閉鎖中処理に対応したものから特電開放中処理に対応したものに更新する。一方、ラウンドカウンタの値が「0」である場合、エンディングコマンドを音声発光制御装置60に送信する。エンディングコマンドは、音声発光制御装置60にエンディング用の演出を開始させるタイミングであることを認識させるためのコマンドである。また、ROM53に予め記憶されているエンディング期間(10秒)の情報を読み出し、そのエンディング期間の情報をRAM54の特図特電タイマカウンタにセットする。その後、特図特電カウンタを1加算することで、当該カウンタの値を特電閉鎖中処理に対応したものから特電終了処理に対応したものに更新する。
次に、特図特電制御処理(図9)におけるステップS312の特電終了処理について説明する。
エンディング期間が経過している場合、今回の開閉実行モードの契機となった大当たり結果が高確大当たり結果であれば、RAM54の高確率フラグ及び高頻度フラグのそれぞれに「1」をセットする。高確率フラグは、当否抽選モードが高確率モードであることをMPU52にて特定するためのフラグであり、MPU52は遊技回を開始させる場合における当否判定処理において高確率フラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、当否テーブルとして高確率モード用の当否テーブル及び低確率モード用の当否テーブルのうちいずれを参照すべきかを特定する。また、今回の開閉実行モードの契機となった大当たり結果が低確大当たり結果であれば、RAM54の高頻度フラグ及び上限対応フラグのそれぞれに「1」をセットするとともに高頻度継続カウンタに「100」をセットする。その後、特図特電カウンタを「0」クリアする。これにより、特図特電カウンタの値が特電終了処理に対応したものから特図変動開始処理に対応したものとなる。
<音声発光制御装置60>
次に、音声発光制御装置60について図5を参照しながら説明する。
音声発光制御装置60は、既に説明したとおりMPU62が搭載された音声発光制御基板61を備えている。MPU62には既に説明したとおり、当該MPU62により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM63と、そのROM63内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM64と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。
なお、ROM63として、制御プログラムや固定値データの読み出しに際してランダムアクセスが可能であって、記憶保持に外部からの電力供給が不要な記憶手段(すなわち、不揮発性記憶手段)が用いられている。具体的には、NOR型キャッシュメモリが用いられている。但し、これに限定されることはなく、ランダムアクセスが可能であれば、ROM63として用いるメモリの種類は任意である。また、制御及び演算部分と、ROM63と、RAM64とが1チップ化されている構成は必須ではなく、各機能がそれぞれ別チップとして搭載されている構成としてもよく、一部の機能が別チップとして搭載されている構成としてもよい。
MPU62には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU62の入力側には主制御装置50、第1演出用操作装置48及び第2演出用操作装置49が接続されている。MPU62の出力側には表示発光部44及びスピーカ部45が接続されているとともに、表示制御装置70が接続されている。
音声発光制御装置60のMPU62(以下、音光側MPU62という)にて実行される処理について説明する。図16は音光側MPU62にて比較的短い周期(例えば4msec)で繰り返し実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。
まず表示発光部44の発光制御、スピーカ部45の音出力制御、及び表示制御装置70の制御を実行するために使用される制御用テーブルを設定するためのテーブル設定処理を実行する(ステップS901)。制御用テーブルには、連番となるようにしてポインタ情報が設定されているとともに、各ポインタ情報に対応させて、表示発光部44を発光制御するためのデータ、スピーカ部45を音出力制御するためのデータ、及び表示制御装置70を制御するために当該表示制御装置70に出力するコマンドの組合せが設定されている。テーブル設定処理では、主制御装置50のMPU52(以下、主側MPU52という)から受信したコマンドに対応した処理を行うための制御用テーブルの設定を行う。
その後、図柄表示装置41の表示制御の内容を表示CPU72に指示するためのコマンド選択処理を実行する(ステップS902)。当該コマンド選択処理では、上記ステップS901のテーブル設定処理にて読み出された制御用テーブルに従って表示CPU72へのコマンド出力が行われる。
その後、表示発光部44の発光制御を行うための発光制御処理を実行する(ステップS903)。当該発光制御処理では、上記ステップS901のテーブル設定処理にて読み出された制御用テーブルに従って表示発光部44の発光制御を行う。また、スピーカ部45の音出力制御を行うための音出力制御処理を実行する(ステップS904)。当該音出力制御処理では、上記ステップS901のテーブル設定処理にて読み出された制御用テーブルに従ってスピーカ部45の音出力制御を行う。その後、ポインタ更新処理を実行する(ステップS905)。ポインタ更新処理では、現状の制御用テーブルのポインタ情報を次の順番のポインタ情報に更新する。これにより、現状の制御用テーブルにおいて参照すべき各種データの組合せが次の制御タイミングに対応する組合せに変更される。
図17は、タイマ割込み処理(図9)のステップS901にて実行されるテーブル設定処理を示すフローチャートである。
主側MPU52から変動用コマンド及び種別コマンドを受信している場合(ステップS1001:YES)、各種記憶処理を実行する(ステップS1002)。具体的には、種別コマンドに含まれている情報から、今回の遊技回の開始に際して主側MPU52にて決定された大当たり発生抽選及び振分抽選の結果がいずれであるかの情報を特定し、その特定した情報をRAM64に書き込む。また、変動用コマンドに含まれている情報から、今回の遊技回の表示継続期間の情報を特定し、その特定した情報をRAM64(以下、音光側RAM64という)に書き込む。
その後、演出決定処理を実行する(ステップS1003)。演出決定処理では、今回の遊技回の表示継続期間がリーチ演出の発生に対応している場合には当該リーチ演出の種類を決定するための処理を実行する。また、それ以外にも予告演出を実行するか否かを決定するための処理及び予告演出の種類を決定するための処理を実行する。
その後、停止図柄決定処理を実行する(ステップS1004)。停止図柄決定処理では、今回の遊技回の遊技結果が低確大当たり結果及び高確大当たり結果のいずれかであれば、図柄表示装置41の表示面Pにおける一の有効ライン上に同一の図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。この場合、同一の奇数図柄の組合せは高確大当たり結果の場合に選択される一方、同一の偶数図柄の組合せは低確大当たり結果及び高確大当たり結果のいずれにおいても選択され得る。高確大当たり結果において同一の偶数図柄の組合せが停止表示された場合にはその後の開閉実行モードにおいて高確大当たり結果であることを示唆する演出が実行される。なお、有効ラインが複数設定される第1表示モードにおいては同一の図柄の組合せが停止表示される有効ラインは抽選などによってランダムに決定される。停止図柄決定処理では、今回の遊技回の遊技結果が外れ結果であれば、変動用コマンドの内容からリーチ演出の有無を特定する。そして、リーチ演出が発生する場合には、有効ライン上に同一図柄の組合せが成立しない停止結果であって、有効ライン上にリーチ図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。一方、リーチ演出が発生しない場合には、有効ライン上に同一図柄の組合せ及びリーチ図柄の組合せが成立しない停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。
その後、制御用テーブルの設定処理を実行する(ステップS1005)。制御用テーブルの設定処理では、今回の遊技回の表示継続期間、演出決定処理(ステップS1003)の結果、及び停止図柄決定処理(ステップS1004)の結果の組合せに対応する制御用テーブルをROM63(以下、音光側ROM63という)から読み出し音光側RAM64に記憶させる。
テーブル設定処理では主側MPU52からオープニングコマンドを受信している場合(ステップS1006:YES)、音光側RAM64に設けられた示唆演出情報の記憶エリア64aのクリア処理を実行する(ステップS1007)。示唆演出情報の記憶エリア64aは後述する示唆演出の実行有無の情報を記憶するためのエリアである。また、制御用テーブルの設定処理を実行する(ステップS1008)。当該制御用テーブルの設定処理では、開閉実行モードにおけるオープニング演出及びその後の開閉実行モード中における演出の実行制御を行うための制御用テーブルを音光側ROM63から読み出して音光側RAM64に書き込む。当該制御用テーブルを参照して演出の実行制御が行われることにより表示発光部44及びスピーカ部45においてオープニング演出及びその後の開閉実行モード中における演出が実行される。また、当該制御用テーブルを参照して表示制御装置70に適宜、コマンド出力が行われることにより、図柄表示装置41においてオープニング演出及びその後の開閉実行モード中における演出が実行される。
テーブル設定処理ではステップS1009~ステップS1013にて第1演出用操作装置48及び第2演出用操作装置49に関する処理を実行する。当該処理については後に詳細に説明する。また、テーブル設定処理ではステップS1009~ステップS1013の処理を実行した後に、その他の処理を実行する(ステップS1014)。その他の処理では、開閉実行モードにおけるエンディング演出、並びに遊技回用の演出及び開閉実行モード用の演出のいずれも実行されていない状況におけるデモ表示用の演出の実行を制御するための制御用テーブルを音光側ROM63から読み出して音光側RAM64に書き込む。
<表示制御装置70>
次に、表示制御装置70について説明する。
表示制御装置70は、図5に示すように、表示CPU72と、ワークRAM73と、メモリモジュール74と、VRAM75と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)76と、が搭載された表示制御基板71を備えている。
表示CPU72は、表示制御装置70においてメイン制御部としての機能を有しており、制御プログラム等の読み出し、解釈及び実行を行う。詳細には、表示CPU72は表示制御基板71に搭載された入力ポート77に対してバスを介して接続されており、音声発光制御装置60から送信された各種コマンドは入力ポート77を通じて表示CPU72に入力される。
表示CPU72は、バスを介してワークRAM73及びメモリモジュール74と接続されており、音声発光制御装置60から受信したコマンドに基づいて、メモリモジュール74に記憶された各種データをワークRAM73に転送させる転送指示を行う。また、表示CPU72は、バスを介してVDP76と接続されており、音声発光制御装置60から受信したコマンドに基づいて、図柄表示装置41に3次元画像(3D画像)を表示させるための描画指示を行う。以下、メモリモジュール74、ワークRAM73、VRAM75及びVDP76について説明する。
メモリモジュール74は、制御プログラム及び固定値データを含む制御用データを予め記憶しているとともに、3次元画像を表示するための各種画像データを予め記憶している。当該メモリモジュール74は、記憶保持に外部からの電力供給が不要な不揮発性の半導体メモリを有している。ちなみに、記憶容量は4Gビットであるが、かかる記憶容量は表示制御装置70における制御が良好に実行されるのであれば任意である。また、当該メモリモジュール74は、パチンコ機10の使用に際して、非書き込み用であって読み出し専用のメモリ(ROM)として用いられる。
メモリモジュール74に記憶されている各種画像データには、図柄表示装置41に表示されるキャラクタなどのオブジェクトデータと、当該オブジェクトデータに貼り付けられるテクスチャデータと、1フレーム分の画像において最背面の画像を構成する背面用の画像データとが含まれている。
ここで、オブジェクトデータとは、仮想3次元空間に相当する3次元の座標系であるワールド座標系に配置される3次元の仮想物体であり、複数のポリゴンによって構成された3次元情報である。また、ポリゴンとは、複数個の3次元座標の頂点で定義される多角形平面である。オブジェクトデータには、例えばサーフェスモデルを適用するため、オブジェクトデータ毎に予め設定された基準座標を原点として、各ポリゴンの頂点座標情報が設定されている。つまり、各オブジェクトデータでは、自己完結のローカル座標系において各ポリゴンの相対位置(すなわち、向きやサイズ)が3次元的に定義されている。
テクスチャデータとは、オブジェクトデータの各ポリゴンに貼り付ける画像であり、テクスチャデータがオブジェクトデータに貼り付けられることにより、オブジェクトデータに対応する画像、例えば図柄やキャラクタなどを含む表示画像が生成される。テクスチャデータの持ち方は、任意であるが、例えばビットマップ形式データと、ビットマップ画像の各ピクセルでの表示色を決定する際に参照されるカラーパレットとの組合せを少なくとも含んでいる。
最背面の画像は、2次元画像(2D画像)を構成している。背面用の画像データの持ち方は、任意であるが、例えば2次元の静止画像データが圧縮された状態のJPEG形式データとして記憶保持されている。ちなみに、当該背面用の画像データがワールド座標系に配置される場合には板状オブジェクトデータ(すなわち板ポリゴン)が利用される。
ワークRAM73は、メモリモジュール74から読み出されて転送された制御用データを一時的に記憶しておくとともに、フラグ等を一時的に記憶しておくための記憶手段である。ワークRAM73は、記憶保持に外部からの電力供給が必要な揮発性の半導体メモリを有してなり、詳細には当該半導体メモリとしてDRAMが用いられている。但し、DRAMに限定されることはなくSRAMといった他のRAMを用いてもよい。なお、記憶容量は1Gビットであるが、かかる記憶容量は表示制御装置70における制御が良好に実行されるのであれば任意である。また、ワークRAM73は、パチンコ機10の使用に際して、読み書き両用として用いられる。
ワークRAM73には、表示CPU72からメモリモジュール74へのデータ転送指示に基づき、当該メモリモジュール74から制御用データが転送される。そして、表示CPU72は、ワークRAM73に転送された制御用データを必要に応じて内部のメモリ領域(レジスタ群)に読み込み、各種処理を実行する。
VRAM75は、図柄表示装置41に対して画像出力を行うために必要な各種データを一時的に記憶しておくための記憶手段である。当該VRAM75は、記憶保持に外部からの電力供給が必要な揮発性の半導体メモリを有してなり、詳細には当該半導体メモリとしてSDRAMが用いられている。但し、SDRAMに限定されることはなく、DRAM、SRAM又はデュアルポートRAMといった他のRAMを用いてもよい。なお、記憶容量は2Gビットであるが、かかる記憶容量は表示制御装置70における制御が良好に実行されるのであれば任意である。また、当該VRAM75は、パチンコ機10の使用に際して、読み書き両用として用いられる。
VRAM75は展開用バッファ81を備えており、展開用バッファ81には、VDP76からメモリモジュール74へのデータ転送指示に基づき、当該メモリモジュール74から画像データが転送される。また、VRAM75には、VDP76により描画データが作成されるフレームバッファ82が設けられている。
VDP76は、表示CPU72からの描画指示に基づき、展開用バッファ81に記憶保持されているデータを用いて、具体的には加工することにより、図柄表示装置41に対して描画を行う画像生成デバイスであり、図柄表示装置41において液晶表示部41aを駆動制御するように組み込まれた画像処理デバイス41bを操作する一種の描画回路である。VDP76はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。
詳細には、VDP76は、ジオメトリ演算部83と、レンダリング部84と、レジスタ85と、表示回路86と、を備えている。また、これら各回路はバスを介して相互に接続されているとともに、表示CPU72用のI/F87及びVRAM75用のI/F88と接続されている。
表示CPU72用のI/F87は、表示CPU72から送信された描画指示情報としての描画リストをレジスタ85に記憶させる。ジオメトリ演算部83は、レジスタ85に格納された描画リストに基づいて、メモリモジュール74に記憶されている各種画像データをVRAM75の展開用バッファ81に読み出す。また、ジオメトリ演算部83は、配置対象として指定されているオブジェクトデータをワールド座標系内に配置する。また、ジオメトリ演算部83は、オブジェクトデータをワールド座標系内に配置する場合及び配置した後に、各種の座標変換処理を実行する。そして、最終的に表示面Pのスクリーン座標に対応する3次元空間に対応させて、オブジェクトをクリッピングする。
レンダリング部84は、レジスタ85に格納された描画リストに基づいて、クリッピングされた各オブジェクトデータに対して光源調整を行う。また、レンダリング部84は、各オブジェクトデータを所定の2次元平面上に投影させるとともにテクスチャデータを利用して色情報を設定することで2次元データを作成し、さらに深度情報に基づく各種調整を行い2次元データである1フレーム分の描画データをフレームバッファ82に作成する。1フレーム分の描画データとは、予め定められた更新タイミングで図柄表示装置41の表示面Pにおける画像が更新される構成において、一の更新タイミングにおける画像を表示させるために必要なデータのことをいう。
なお、ジオメトリ演算部83及びレンダリング部84が動作するための制御プログラムの全てが描画リストにより提供される構成としてもよく、制御プログラムを予め記憶したメモリをVDP76に内蔵させ、当該制御プログラムと描画リストの内容によってジオメトリ演算部83及びレンダリング部84が処理を実行する構成としてもよい。また、メモリモジュール74から制御プログラムを事前に読み出す構成としてもよい。また、ジオメトリ演算部83及びレンダリング部84がプログラムを利用することなく、描画リストに対応したハード回路の動作のみで処理を実行する構成としてもよい。
ここで、フレームバッファ82には、複数のフレーム領域82a,82bが設けられている。具体的には、第1フレーム領域82aと、第2フレーム領域82bとが設けられている。これら各フレーム領域82a,82bは、それぞれ1フレーム分の描画データを記憶可能な容量に設定されている。具体的には、各フレーム領域82a,82bにはそれぞれ、液晶表示部41a(すなわち表示面P)のドット(画素)に所定の倍率で対応させた多数の単位エリアが含まれている。各単位エリアは、いずれの色を表示するかを特定するためのデータを格納可能な記憶容量を有している。より詳細には、フルカラー方式が採用されており、各ドットにおいてR(赤),G(緑),B(青)のそれぞれに256色の設定が可能となっている。これに対応させて、各単位エリアにおいては、RGB各色に1バイト(8ビット)が割り当てられている。つまり、各単位エリアは、少なくとも3バイトの記憶容量を有している。
なお、フルカラー方式に限定されることはなく、例えば各ドットにおいて256色のみ表示可能な構成においては、各単位エリアにおいて色情報を格納するために必要な記憶容量は1バイトでよい。
フレームバッファ82に第1フレーム領域82a及び第2フレーム領域82bが設けられていることにより、一方のフレーム領域に作成された描画データを用いて図柄表示装置41への描画が実行されている状況において、他のフレーム領域に対して今後用いられる描画データの作成が実行される。つまり、フレームバッファ82として、ダブルバッファ方式が採用されている。
表示回路86では、第1フレーム領域82a又は第2フレーム領域82bに作成された描画データに基づいて液晶表示部41aの各ドットに対応した画像信号が生成され、その画像信号が、表示回路86に接続された出力ポート78を介して図柄表示装置41に出力される。詳細には、出力対象のフレーム領域82a,82bから表示回路86へ描画データが転送される。その転送された描画データは図柄表示装置41の解像度に対応したものとなるように、図示しないスケーラにより解像度調整が行われて階調データに変換される。そして、当該階調データに基づいて図柄表示装置41の各ドットに対応した画像信号が生成されて出力される。なお、表示回路86からは水平同期信号又は垂直同期信号などの同期信号も出力される。
表示CPU72にて実行される処理について説明する。図18は表示CPU72にて予め定められた周期、具体的には20ミリ秒周期で繰り返し起動されるV割込み処理を示すフローチャートである。
なお、VDP76は図柄表示装置41に1フレーム分の画像信号を出力する場合、表示面Pの左上の隅角部分にあるドットから画像信号の出力を始めて、当該ドットを一端に含む横ライン上に並ぶドットに対して順次画像信号を出力するとともに、各横ラインに対して上から順に左から右のドットへと画像信号を出力する。そして、表示面Pの右下の隅角部分にあるドットに対して最後に画像信号を出力する。この場合に、VDP76は当該最後のドットに対して画像信号を出力したタイミングで、表示CPU72へV割込み信号を出力して1フレームの画像の更新が完了したことを表示CPU72に認識させる。このV割込み信号の出力周期は1フレーム分の画像の更新周期と同一の20ミリ秒となっている。この点、V割込み処理は、V割込み信号の受信に同期して起動されると見なすこともできる。但し、V割込み信号を受信していなくても、前回のV割込み処理が起動されてから20ミリ秒が経過している場合には、新たにV割込み処理が起動される。
V割込み処理では、今回が表示CPU72への電力供給の開始タイミングである場合(ステップS1101:YES)、メモリモジュール74に予め記憶されている全てのテクスチャデータを、VRAM75の展開用バッファ81に設けられたテクスチャ用エリア81aに読み出す(ステップS1102)。
ステップS1101にて否定判定をした場合、又はステップS1102の処理を実行した場合、コマンド解析処理を実行する(ステップS1103)。具体的には、ワークRAM73のコマンドバッファに格納されているコマンドの内容を解析する。ここで、表示CPU72は音光側MPU62からストローブ信号を受信した場合、その時点で実行されている処理が何であったとしてもコマンド割込み処理を実行する。コマンド割込み処理では、入力ポート77にて受信しているコマンドを、ワークRAM73に設けられたコマンドバッファに転送する。
その後、コマンド解析処理の結果が新規コマンドを受信している結果に対応していることを条件として(ステップS1104:YES)、コマンド対応処理を実行する(ステップS1105)。コマンド対応処理では、受信しているコマンドに対応したプログラムを実行するための実行対象テーブルをメモリモジュール74から読み出す。実行対象テーブルとは、受信したコマンドに対応した動画を図柄表示装置41に表示させる場合において、画像の各更新タイミングにおける1フレーム分の画像を表示させるのに必要な処理が定められた情報群である。具体的には、実行対象テーブルには、画像の各更新タイミングに対応するポインタ情報が連番となるように設定されているとともに、各ポインタ情報に対応させて画像の各更新タイミングにおける1フレーム分の画像を表示させるのに必要な処理が定められた情報が設定されている。
ステップS1104にて否定判定をした場合、又はステップS1105の処理を実行した場合、タスク処理を実行する(ステップS1106)。タスク処理では、使用対象として設定されている実行対象テーブルにおける今回の処理回の制御データを参照することで、今回の更新タイミングに対応した1フレーム分の画像を表示させるためにVDP76に描画指示を行う上で必要な各種データの設定を行う。当該各種データとして具体的には、メモリモジュール74又はVRAM75において制御対象の画像データが記憶されているエリアのアドレス情報、VRAM75において制御対象の画像データを転送するエリアのアドレス情報、制御対象の画像データを用いて描画データを作成すべき対象のフレーム領域82a,82bの情報、及び仮想3次元空間を利用して3D画像を作成するための各種情報が存在している。
その後、描画リスト出力処理を実行する(ステップS1107)。描画リスト出力処理では、今回の処理回の更新タイミングに対応した1フレーム分の画像を表示させるための描画リストを作成し、その作成した描画リストをVDP76に送信する。この場合、当該描画リストでは、直前のタスク処理にて把握された画像が描画対象となり、さらに当該タスク処理にて更新したパラメータ情報が合わせて設定される。VDP76では、この描画リストに従ってVRAM75のフレーム領域82a,82bに描画データを作成する。
その後、ポインタ更新処理を実行する(ステップS1108)。ポインタ更新処理では、現状の実行対象テーブルのポインタ情報を次の順番のポインタ情報に更新する。これにより、現状の実行対象テーブルにおいて参照すべき情報が次の画像の更新タイミングに対応する情報に変更される。
図19は、ステップS1106のタスク処理を示すフローチャートである。
タスク処理ではまず制御開始用の設定処理を実行する(ステップS1201)。制御開始用の設定処理では、今回の処理回で表示CPU72において新たに制御を開始する個別画像を設定するための処理を実行する。なお、個別画像とは、背面用の画像データなどの静止画像データにより規定される一の2D画像や、オブジェクトデータとテクスチャデータとの組み合わせにより規定される一の3D画像などのことである。
制御開始用の設定処理について具体的には、先ず現状設定されている実行対象テーブルに基づいて、今回の処理回で制御開始対象となる個別画像が存在しているか否かを判定する。存在している場合には、ワークRAM73において、個別画像の制御を行う上で各種演算を行うための空きバッファ領域を検索して、制御開始対象として把握されている個別画像に1対1で対応するように空きバッファ領域を確保する。さらに、確保した全ての空きバッファ領域に対して初期化処理を実行するとともに、初期化した空きバッファ領域に対して、個別画像に応じた制御開始用のパラメータを設定する。
その後、制御更新対象を把握する(ステップS1202)。この制御更新対象は、制御開始処理が完了している個別画像であって今回の処理回以降に1フレーム分の画像に含まれる可能性がある個別画像が対象となる。
その後、背景用演算処理を実行する(ステップS1203)。背景用演算処理では、背景の画像を構成することとなる最背面用の画像や、背景用キャラクタについて、ワールド座標系内における座標、回転角度、スケール、明暗を付けるためのライトの情報、投影を行うためのカメラの情報、及びZテスト指定などといった描画リストを作成する上で必要な各種パラメータを演算して導き出す処理を実行する。
その後、演出用演算処理を実行する(ステップS1204)。演出用演算処理では、リーチ演出、予告演出及び大当たり演出といった各種演出において表示対象となる個別画像について、上記各種パラメータを演算して導き出す処理を実行する。
その後、図柄用演算処理を実行する(ステップS1205)。図柄用演算処理では、各遊技回において変動表示の対象となる図柄の画像について、上記各種パラメータを演算して導き出す処理を実行する。
ちなみに、ステップS1203~ステップS1205の各処理では、ステップS1201にて設定された制御開始用のパラメータを更新する処理を実行する。また、ステップS1203~ステップS1205の各処理では、個別画像の各種パラメータを画像更新タイミングとなる度に特定のパターンに従って変化させるように設定されたアニメーション用データが用いられる。このアニメーション用データは、個別画像の種類に応じて定められている。また、アニメーション用データは、メモリモジュール74に予め記憶されており、表示CPU72において読み出す必要があるタイミングとなるまでにワークRAM73に事前転送される。
その後、ワールド座標系への配置対象の把握処理を実行する(ステップS1206)。ワールド座標系への配置対象の把握処理では、上記ステップS1203~ステップS1205の各処理により制御更新対象となった各個別画像のうち、今回の描画リストにおいて描画対象として設定する個別画像を把握する処理を実行する。当該把握は、現状設定されている実行対象テーブルに基づいて行われる。ここで把握された個別画像が、描画リストにおいて描画対象として設定される。
つまり、表示CPU72にて制御対象となる個別画像の方が、VDP76にて制御対象となる個別画像よりも多く設定されているため、ステップS1206においてその調整を行っている。但し、これに限定されることはなく、表示CPU72において制御対象となる個別画像と、VDP76において制御対象となる個別画像とが同一である構成としてもよく、この場合、ステップS1206の処理を実行する必要がなくなる。
次に、VDP76にて実行される基本的な処理について説明する。
VDP76では、表示CPU72から送信されたコマンドに基づいてレジスタ85の値を設定する処理、表示CPU72から送信された描画リストに基づいてフレームバッファ82のフレーム領域82a,82bに描画データを作成する処理、フレーム領域82a,82bに作成された描画データに基づいて図柄表示装置41に画像信号を出力する処理が少なくとも実行される。
上記各処理のうち、レジスタ85の値を設定する処理は、表示CPU72用のI/F87に付随する図示しない回路によって、描画リストを受信した場合にその都度実行される。また、描画データを作成する処理は、ジオメトリ演算部83及びレンダリング部84の協同により、予め定められた周期(例えば、20ミリ秒)で繰り返し実行される。また、画像信号を出力する処理は、表示回路86によって、予め定められた画像信号の出力開始タイミングとなることで実行される。
以下、上記描画データを作成する処理について詳細に説明する。当該処理の説明に先立ち、表示CPU72からVDP76に送信される描画リストの内容について説明する。図20(a)~図20(c)は描画リストの内容を説明するための説明図である。
描画リストには、ヘッダ情報が設定されている。ヘッダ情報には、当該描画リストに係る1フレーム分の画像を第1フレーム領域82a及び第2フレーム領域82bのうちいずれに作成するのかを示す情報であるターゲットバッファの情報が設定されている。また、ヘッダ情報には、各種指定情報が設定されている。
描画リストには、上記ヘッダ情報以外にも、今回の描画データの作成に際してワールド座標系への配置対象となる複数種類の画像データが設定されており、さらに各画像データの描画順序の情報と、各画像データのパラメータ情報とが設定されている。詳細には、描画順序の情報が連番の数値情報となるようにして設定されているとともに、各数値情報に1対1で対応させてパラメータ情報が設定されている。
図20(a)の描画リストでは、背面用の画像データが最初の描画対象として設定されているとともに、背景用オブジェクトAが2番目、背景用オブジェクトBが3番目、・・・として設定されている。また、これら背景用の画像データよりも後の順番として、演出用の画像データが設定されており、例えば演出用オブジェクトAがm番目、演出用オブジェクトBがm+1番目、・・・として設定されている。また、これら演出用の画像データよりも後の順番として、図柄用の画像データが設定されており、例えば図柄用オブジェクトAがn番目、図柄用オブジェクトBがn+1番目、・・・として設定されている。
なお、描画リストにおいて各画像データが設定されている順番は上記のものに限定されることはなく、設定されている順番が上記のものとは逆の順番であってもよく、図柄用の画像データの後に演出用の画像データ又は背景用の画像データが設定されていてもよく、所定の演出用の画像データと他の演出用の画像データとの間の順番に図柄用の画像データが設定されていてもよい。
パラメータ情報P(1),P(2),P(3),・・・,P(m),P(m+1),・・・,P(n),P(n+1),・・・には、複数種類のパラメータ情報が設定されている。背面用の画像データのパラメータ情報P(1)について具体的には、図20(b)に示すように、メモリモジュール74において背面用の画像データが記憶されているエリアのアドレスの情報と、背面用の画像データを設定する場合におけるワールド座標系内の位置を示す座標の情報(X値の情報,Y値の情報,Z値の情報)と、背面用の画像データを設定する場合におけるワールド座標系内の回転角度を示す回転角度の情報と、背面用の画像データの初期状態として設定されているスケールに対して、ワールド座標系に設定する際の倍率を示すスケールの情報と、背面用の画像データを設定する場合における全体の透過情報(又は透明情報)を示す一律α値の情報と、が設定されている。
ここで、座標の情報は、オブジェクトデータの全頂点について個別に設定される。また、この座標の情報はオブジェクトデータに対して設定されているが、テクスチャデータには設定されていない。テクスチャデータは、各ピクセルの座標値が、オブジェクトデータのポリゴンに関連付けて予め定められている。この座標値は、ワールド座標系における座標値とは異なるUV座標値であり、オブジェクトデータ及びテクスチャデータの組合せに対して付属させた状態でメモリモジュール74に記憶されている。このUV座標値はテクスチャマッピングする際にVDP76により参照される。
パラメータ情報(P1)には、背面用の画像データを描画用の仮想2次元平面上に投影する場合における仮想カメラの座標及び向きの情報を含むカメラの情報と、背面用の画像データをレンダリングする場合における陰影を決定する仮想光源の位置及び向きの情報を含むライトの情報と、が設定されている。
パラメータ情報(P1)には、隠面消去を行う手法の一種であるZバッファ法の適用有無を示すZテスト指定の情報が設定されている。Zバッファ法とは、ワールド座標系内において多数のオブジェクトや2次元画像が奥行き方向(Z軸方向)に重なった場合に、Z軸上に並ぶ各ポリゴンについて視点からの距離を順次参照し、最も視点に近いポリゴンに設定されている数値情報をフレーム領域82a,82bにおける対応する単位エリアに設定する深度調整用の処理方法である。
なお、上記隠面消去を行う手法としてZバッファ法以外にも、Zソート法が設定されている。Zソート法とは、Z軸上に並ぶ各ポリゴンについて、各ポリゴンに設定されている数値情報をフレーム領域82a,82bにおける対応する単位エリアに順次設定する深度調整用の処理方法である。当該Zソート法を適用する場合には、各ポリゴンに設定されているα値が参照されて、Z軸上に並ぶ各ポリゴンの色情報に対応した数値情報に対して対応するα値が適用された状態で、それら数値情報の加算処理や融合用の演算処理が実行されることとなる。Zソートによる隠面処理の具体的な処理構成の説明は省略するが、エフェクト画像を表示させる場合に起動される。
パラメータ情報(P1)には、αデータの適用有無及び適用対象を示すαデータ指定の情報と、フォグの適用有無及び適用対象を示すフォグ指定の情報と、が設定されている。α値とは対応するポリゴン又はピクセルの透過情報のことである。このα値の描画リスト上における設定の仕方として、上記一律α値を指定する方法と、αデータ指定を行う方法とがある。一律α値とは、一の画像データの全ポリゴン又は全ピクセルに対して適用される透過情報のことであり、表示CPU72における演算結果として導出される数値情報である。当該一律α値は、画像データの全ピクセルに一律で適用される。一方、αデータとは、2次元の静止画像データやテクスチャデータの各ピクセル単位で適用される透過情報のことであり、画像データとしてメモリモジュール74に予め記憶されている。当該αデータは、同一の静止画像データ又は同一のテクスチャデータの範囲内において各ピクセル単位で透過情報を相違させることができる。このαデータは、一律α値を設定するためのプログラムデータに比べデータ容量が大きい。フォグとは、ワールド座標系において所定方向、具体的にはZ軸方向の位置に対する明るさの度合いを調整するための情報である。フォグは、霧を表現したり、洞窟内を表現したりする場合に使用される。
パラメータ情報P(2)といった他のパラメータでは、図20(c)に示すように、上記図20(b)の各種情報のうち、背面用の画像データの情報に代えて、オブジェクトの情報とテクスチャの情報とが設定されている。これらの情報としては、メモリモジュール74においてオブジェクトデータが記憶されているエリアのアドレスの情報が設定されているとともに、VRAM75のテクスチャ用エリア81aにおいてテクスチャデータが読み出されているエリアのアドレスの情報が設定されている。
VDP76における描画処理について、図21のフローチャートを参照しながら説明する。なお、以下の説明では、描画処理の実行に伴い描画データが作成される様子を、図22を参照しながら説明する。
表示CPU72から新たな描画リストを受信している場合に(ステップS1301:YES)、当該描画リストに対応する描画データを作成するためのステップS1302以降の処理を実行する。ステップS1302では今回の描画リストに複数画面演出の実行指示情報が設定されているか否かを判定し、当該実行指示情報が設定されている場合には(ステップS1302:YES)、別保存用処理を実行する(ステップS1303)。これら処理については後に詳細に説明する。
ステップS1302にて否定判定をした場合、又はステップS1303の処理を実行した場合、背景用の設定処理を実行する(ステップS1304)。背景用の設定処理では、今回の描画リストにて指定されている画像データのうち、背景画像を表示するための背面用の画像データ及びキャラクタを表示するためのオブジェクトデータを把握する。そして、それら画像データやオブジェクトデータが、ワールド座標系に既に配置されているか否かを判定する。配置されていない場合には、ワールド座標系への配置を行うために参照する空きバッファ領域を画像データ毎に検索し、空きバッファ領域を確保した場合にはその領域の初期化処理を実行する。その後、メモリモジュール74においてその画像データが記憶されているアドレスを把握して読み出すとともに、描画リストに指定された座標、回転角度及びスケールとなるように、その画像データについてのローカル座標系の座標値をワールド座標系の座標値に変換させるワールド変換処理を実行して、上記確保したバッファ領域に設定する。配置されている場合には、既に確保されたバッファ領域に設定されている各種パラメータの更新処理を実行する。また、背景用の設定処理では、既にワールド座標系に配置されている画像データのうち、今回の描画リストに指定されていない背景用の画像データを消去する制御終了処理を実行する。
その後、演出用の設定処理を実行する(ステップS1305)。演出用の設定処理では、今回の描画リストにて指定されている画像データのうち、演出画像を表示するためのオブジェクトデータを把握する。そして、その把握したオブジェクトデータが、ワールド座標系に既に配置されているか否かを判定する。配置されていない場合には、上記背景用の設定処理において説明した場合と同様に、配置を開始するための処理を実行する。配置されている場合には、各種パラメータの更新処理を実行する。また、演出用の設定処理では、既にワールド座標系に配置されている画像データのうち、今回の描画リストに指定されていない演出用の画像データを消去する制御終了処理を実行する。
その後、図柄用の設定処理を実行する(ステップS1306)。図柄用の設定処理では、今回の描画リストにて指定されている画像データのうち、図柄を表示するためのオブジェクトデータを把握する。そして、その把握したオブジェクトデータが、ワールド座標系に既に配置されているか否かを判定する。配置されていない場合には、上記背景用の設定処理において説明した場合と同様に、配置を開始するための処理を実行する。配置されている場合には、各種パラメータの更新処理を実行する。また、図柄用の設定処理では、既にワールド座標系に配置されている画像データのうち、今回の描画リストに指定されていない図柄用の画像データを消去する制御終了処理を実行する。
上記ステップS1304~ステップS1306の処理が実行されることにより、図22に示すように、X軸,Y軸,Z軸で規定されたワールド座標系内に、描画リストにより配置対象として指定されている最背面画像用の画像データPC1と、各種オブジェクトデータPC2~PC10とが、同じく描画リストにより指定されている座標、回転角度及びスケールで配置されたシーンの設定が完了する。なお、図22においては、最背面画像用の画像データPC1や各種オブジェクトデータPC2~PC10が配置されている様子を簡易的に示している。
その後、カメラ座標系(カメラ空間)への変換処理を実行する(ステップS1307)。カメラ座標系への変換処理では、描画リストにより指定されたカメラの情報により、視点の座標及び向きを決定するとともに、その視点の座標及び向きに基づいて、ワールド座標系を、視点を原点としたカメラ座標系(カメラ空間)に変換する。これにより、図22に示すように、カメラ形状で示す視点PC11が設定され、それに対応した座標系が設定された状態となる。カメラの情報は、個別画像(最背面画像用の画像データPC1及び各種オブジェクトデータPC2~PC10)毎に設定されており、実際には個別画像毎にカメラ座標系が存在することとなる。このように個別画像毎にカメラ座標系が設定されることにより視点切換を個別に行うことが可能となり、描画データの作成の自由度が高められる。但し、説明の便宜上、図22には全ての個別画像が単一の視点に設定されている状態を示す。
その後、視野座標系(視野空間)への変換処理を実行する(ステップS1308)。視野座標系への変換処理では、上記各カメラ座標系を、視点からの視野(視野角)に対応する視野座標系に変換する。これにより、各個別画像について、対応する視点の視野内に含まれている場合にはそれが抽出されるとともに、視点から近い個別画像が拡大されるとともに、視点から遠い個別画像が縮小される。
その後、クリッピング処理を実行する(ステップS1309)。クリッピング処理では、ステップS1308にて抽出された各個別画像が、それぞれ対応する視点を共通の原点として把握される。そして、その状態で描画対象のフレーム領域82a,82b(すなわち図柄表示装置41)に応じたスクリーン領域PC12(図22を参照)に対応する空間を基準として、ステップS1308にて抽出された各個別画像をクリッピングする。
その後、ライティング処理を実行する(ステップS1310)。ライティング処理では、描画リストにより指定されたライトの情報により、仮想光源の種類、座標及び向きを決定するとともに、上記クリッピング処理により抽出された各オブジェクトについて上記仮想光源に基づき陰影や反射等を演算する。
その後、描画データ作成処理を実行する(ステップS1311)。描画データ作成処理では、ステップS1309にて抽出されるとともにステップS1310にてライティング処理が完了した各個別画像を仮想2次元平面であるスクリーン領域PC12に投影する(例えば、透視投影や平行投影)。この場合、背景画像として設定されている最背面画像用の画像データ及びオブジェクトデータに対して隠面消去を行いながらスクリーン領域PC12への投影を行うことで投影データを作成する。後述する複数画面演出が実行される場合を除き基本的には、演出及び背景用の画像データ→図柄用の画像データの順序で奥側から手前側に並ぶように投影データが作成される。また、投影の実行対象となったポリゴンに完全透明のα値が設定されている場合には奥側の画像データがそのまま利用され、半透明のα値が設定されている場合にはα値を基準とした比率での奥側の画像データと手前側の画像データとの融合が色情報の設定処理に際して行われるようにするための処理が実行され、不透明のα値が設定されている場合には奥側の画像に対して手前側の画像の上書きが行われる。また、描画データ作成処理では、その投影データに対して色情報の設定処理を実行することで描画データを作成する。色情報の設定処理では、投影により2次元データとされたオブジェクトデータに対してUV座標値を利用してテクスチャデータの色情報を適用することで、投影により2次元データとされたオブジェクトデータのピクセル単位(すなわちポリゴン単位)又は頂点単位で色情報を設定する。そして、その作成した描画データを、描画対象のフレーム領域82a,82bに1フレーム分の描画データとして書き込む。
上記1フレーム分の描画データの作成は20ミリ秒周期の範囲内で完了するように行われる。また、作成された描画データに基づいて表示回路86から図柄表示装置41に画像信号が出力されるが、既に説明したとおりダブルバッファ方式が採用されているため、当該画像信号の出力は当該出力に対応するフレームに対して1フレーム分だけ後の更新タイミングに対応する描画データの作成と並行して行われる。また、表示回路86は1フレーム分の画像信号の出力が完了する毎に参照対象とするフレーム領域82a,82bを交互に切り換えるセレクタ回路を有しており、当該セレクタ回路による切換によって、描画データの描画対象となっているフレーム領域82a,82bが画像信号を出力するための出力対象とならないように規制されている。なお、上記ステップS1304~ステップS1309までがジオメトリ演算部83により実行される処理であり、上記ステップS1310及びステップS1311がレンダリング部84により実行される処理である。
<示唆演出を行うための構成>
次に、図柄表示装置41にて実行される示唆演出を行うための構成について説明する。図23(a)及び図23(b)は示唆演出の内容を説明するための説明図である。なお、示唆演出は表示モードが第2表示モードである場合に実行される。
第2表示モードでは、図23(a)及び図23(b)に示すように主側MPU52における当否判定の結果に対応した内容の報知を可能とする図柄G1~G3の後方に第2表示モード用キャラクタG4が表示される。図柄G1~G3の表示内容について詳細には、立方体形状のベース図柄画像G6~G8が横方向に3個並設するようにして表示されるとともに、各ベース図柄画像G6~G8の前面に数字による図柄G1~G3が表示される。そして、図柄の変動表示に際しては、ベース図柄画像G6~G8の中央を通るようにして水平方向に延びる回転軸を中心としてベース図柄画像G6~G8が縦方向に回転し、その回転に伴い各ベース図柄画像G6~G8の前面に表示される図柄G1~G3が変更される。なお、図柄表示装置41の表示面Pにおける下部には主制御装置50の保留用エリアREに格納された特図側保留情報の個数に対応する数の保留単位画像GRが表示されている。
第2表示モードにおいては図柄表示装置41の表示面Pにおける左上の隅角に示唆演出表示領域A1が設定される。示唆演出表示領域A1は、図柄G1~G3を含めたベース図柄画像G6~G8及び第2表示モード用キャラクタG4と重ならないように設定されている。示唆演出表示領域A1には示唆演出画像G11,G12が表示される。示唆演出画像G11,G12は複数種類設定されており、それぞれの種類の示唆演出画像G11,G12は異なる種類のリーチ演出に対応している。
遊技回の表示継続期間との関係で所定のリーチ演出を実行することが可能な遊技回となった場合において、当該遊技回が開始される前に当該所定のリーチ演出に対応する示唆演出画像G11,G12が既に示唆演出表示領域A1に表示されている場合、又は当該遊技回において当該所定のリーチ演出に対応する示唆演出画像G11,G12が示唆演出表示領域A1に表示されることとなる場合、当該遊技回において所定のリーチ演出が実行される。一方、遊技回の表示継続期間との関係で所定のリーチ演出を実行することが可能な遊技回となった場合において、当該遊技回が開始される前に当該所定のリーチ演出に対応する示唆演出画像G11,G12が示唆演出表示領域A1に表示されておらず、さらに当該遊技回において当該所定のリーチ演出に対応する示唆演出画像G11,G12が示唆演出表示領域A1に表示されない場合、当該遊技回において所定のリーチ演出が実行されることはなく、その代わりに、当該所定のリーチ演出に対応する代替リーチ演出が実行される。つまり、示唆演出画像G11,G12は対応するリーチ演出を実行可能な状況であることを示唆する画像である。
示唆演出表示領域A1に対して示唆演出画像G11,G12の表示が開始されるタイミングとしては、対応するリーチ演出を実行可能な表示継続期間となる遊技回において当該リーチ演出が開始されるタイミングよりも前のタイミングと、当該遊技回よりも先に開始された遊技回における所定のタイミングとが存在している。前者のタイミングで示唆演出画像G11,G12の表示が開始される場合、遊技回の予告演出の一種として示唆演出画像G11,G12が表示されることとなる。後者のタイミングで示唆演出画像G11,G12が表示される場合、当該示唆演出画像G11,G12に対応するリーチ演出が発生することとなる特図側保留情報が保留用エリアREに保留記憶されていることが主側MPU52における先特定処理(図11)及び音光側MPU62における保留コマンドの受信処理(図13)にて特定されている場合において当該特図側保留情報よりも先に消化対象となった特図側保留情報を契機とした遊技回における演出として示唆演出画像G11,G12が表示されることとなる。
後者のタイミングで示唆演出画像G11,G12が表示される場合としては上記のもの以外にも、当該示唆演出画像G11,G12に対応するリーチ演出が発生することとなる特図側保留情報が保留用エリアREに保留記憶されていない状況において開始された遊技回における演出として示唆演出画像G11,G12が表示されることとなる。この場合、保留用エリアREに特図側保留情報が1個も保留記憶されておらず遊技回が実行されていない状況となったとしても、当該示唆演出画像G11,G12が示唆演出表示領域A1に表示されている状態が維持される。そして、特図側保留情報が新たに取得された場合には、当該示唆演出画像G11,G12が示唆演出表示領域A1に表示された状態で遊技回が開始されることとなる。
示唆演出画像G11,G12として、第1示唆演出画像G11と第2示唆演出画像G12とが存在している。第1示唆演出画像G11は、図23(a)及び図23(b)に示すように、四角形の板状画像に「A」の文字が記された画像である。第2示唆演出画像G12は、図23(a)及び図23(b)に示すように、四角形の板状画像に「B」の文字が記された画像である。
第1示唆演出画像G11は第1特別リーチ演出に対応しており、第1特別リーチ演出を実行可能な表示継続期間である遊技回において、当該第1特別リーチ演出の開始タイミングとなるまでに示唆演出表示領域A1に第1示唆演出画像G11が表示されている場合には第1特別リーチ演出が実行され、当該第1特別リーチ演出の開始タイミングとなるまでに示唆演出表示領域A1に第1示唆演出画像G11が表示されていない場合には第1特別リーチ演出に対応する代替リーチ演出である第1代替リーチ演出が実行される。第1特別リーチ演出と第1代替リーチ演出とはその実行期間は同一であるが、表示対象となるキャラクタの種類や演出のストーリーが異なる。第1特別リーチ演出が実行された場合に当該第1特別リーチ演出が実行された遊技回において大当たり結果となる期待度は25%となっている。したがって、遊技者は第1特別リーチ演出が実行されることを期待することとなる。一方、第1代替リーチ演出は第1特別リーチ演出の実行に対応する表示継続期間とは異なる表示継続期間となる遊技回であっても実行され得る演出である。そして、第1代替リーチ演出が実行された遊技回において大当たり結果となる期待度は第1特別リーチ演出が実行された場合よりも低い期待度である10%となっている。
第2示唆演出画像G12は第2特別リーチ演出に対応しており、第2特別リーチ演出を実行可能な表示継続期間である遊技回において、当該第2特別リーチ演出の開始タイミングとなるまでに示唆演出表示領域A1に第2示唆演出画像G12が表示されている場合には第2特別リーチ演出が実行され、当該第2特別リーチ演出の開始タイミングとなるまでに示唆演出表示領域A1に第2示唆演出画像G12が表示されていない場合には第2特別リーチ演出に対応する代替リーチ演出である第2代替リーチ演出が実行される。第2特別リーチ演出と第2代替リーチ演出とはその実行期間は同一であるが、表示対象となるキャラクタの種類や演出のストーリーが異なる。第2特別リーチ演出が実行された場合に当該第2特別リーチ演出が実行された遊技回において大当たり結果となる期待度は第1特別リーチ演出が実行された場合よりも高い期待度である50%となっている。したがって、遊技者は第2特別リーチ演出が実行されることを期待することとなる。一方、第2代替リーチ演出は第2特別リーチ演出の実行に対応する表示継続期間とは異なる表示継続期間となる遊技回であっても実行され得る演出である。そして、第2代替リーチ演出が実行された遊技回において大当たり結果となる期待度は第2特別リーチ演出が実行された場合よりも低い期待度である20%となっている。
示唆演出画像G11,G12は遊技回の実行途中で獲得演出が発生することで示唆演出表示領域A1への表示が開始される。図23(a)に示す状態においては、既に第1示唆演出画像G11が示唆演出表示領域A1に表示されている状態で遊技回が開始されているとともに、全てのベース図柄画像G6~G8にて図柄の変動表示が行われている状況において示唆演出表示領域A1に第2示唆演出画像G12が新たに表示されることを示す獲得演出が発生している。そして、当該獲得演出が終了した後は、図23(b)に示すように、示唆演出表示領域A1に第1示唆演出画像G11及び第2示唆演出画像G12の両方が表示されている。示唆演出表示領域A1に既に第1示唆演出画像G11が表示されている場合には当該第1示唆演出画像G11の獲得演出が新たに実行されることはなく、示唆演出表示領域A1に既に第2示唆演出画像G12が表示されている場合には当該第2示唆演出画像G12の獲得演出が新たに実行されることはない。なお、獲得演出が実行されるタイミングは任意であり、一部のベース図柄画像G6~G8における図柄の変動表示が停止されているとともに残りのベース図柄画像G6~G8における図柄の変動表示が実行されている状況において獲得演出が実行される構成としてもよく、リーチ演出が実行されている状況において獲得演出が実行される構成としてもよく、開閉実行モードが実行されている状況において獲得演出が実行される構成としてもよい。
示唆演出表示領域A1に示唆演出画像G11,G12が表示されている状態は、その表示されている示唆演出画像G11,G12に対応する特別リーチ演出が実行された場合に終了される。また、示唆演出表示領域A1に示唆演出画像G11,G12が表示されている状態は、パチンコ機10への電源供給が遮断されて音光側MPU62への動作電力の供給が停止された場合にも音光側RAM64への動作電力の供給が停止されることで終了される。また、示唆演出表示領域A1に示唆演出画像G11,G12が表示されている状態は、その表示されている示唆演出画像G11,G12に対応する特別リーチ演出が実行されることなく大当たり結果に対応する遊技回が終了し開閉実行モードへの移行が発生する場合にも終了される。これにより、示唆演出画像G11,G12が示唆演出表示領域A1に長期間に亘って表示され続けてしまわないようにすることが可能となる。
次に、示唆演出、特別リーチ演出及び代替リーチ演出を実行するための音声発光制御装置60における電気的構成を説明する。図24(a)は音光側ROM63に記憶された各種情報を説明するための説明図であり、図24(b)は音光側RAM64に設けられた記憶エリアを説明するための説明図である。
図24(a)に示すように音光側ROM63には、第1特別リーチ演出の制御用テーブル群63aと、第1代替リーチ演出の制御用テーブル群63bと、第2特別リーチ演出の制御用テーブル群63cと、第2代替リーチ演出の制御用テーブル群63dとがパチンコ機10の製造段階において予め記憶されている。
第1特別リーチ演出の制御用テーブル群63aには、第1特別リーチ演出を実行する場合に音光側MPU62に参照される第1特別リーチ演出の制御用テーブルが複数種類含まれている。これら第1特別リーチ演出の制御用テーブルはいずれも第1特別リーチ演出の実行に対応している点で共通しているものの、第1特別リーチ演出が開始される前におけるリーチ演出の種類及び当該リーチ演出が開始される前における予告演出の種類が相違している。音光側MPU62により第1特別リーチ演出の制御用テーブルが参照されることにより、第1特別リーチ演出を含めて当該第1特別リーチ演出が実行される遊技回における各種演出が表示発光部44及びスピーカ部45にて実行される。また、第1特別リーチ演出の制御用テーブルに従って音光側MPU62から表示CPU72にコマンドが適宜送信されることにより、第1特別リーチ演出を含めて当該第1特別リーチ演出が実行される遊技回における各種演出が図柄表示装置41にて実行される。
第1代替リーチ演出の制御用テーブル群63bには、第1代替リーチ演出を実行する場合に音光側MPU62に参照される第1代替リーチ演出の制御用テーブルが複数種類含まれている。これら第1代替リーチ演出の制御用テーブルはいずれも第1代替リーチ演出の実行に対応している点で共通しているものの、第1代替リーチ演出が開始される前におけるリーチ演出の種類及び当該リーチ演出が開始される前における予告演出の種類が相違している。音光側MPU62により第1代替リーチ演出の制御用テーブルが参照されることにより、第1代替リーチ演出を含めて当該第1代替リーチ演出が実行される遊技回における各種演出が表示発光部44及びスピーカ部45にて実行される。また、第1代替リーチ演出の制御用テーブルに従って音光側MPU62から表示CPU72にコマンドが適宜送信されることにより、第1代替リーチ演出を含めて当該第1代替リーチ演出が実行される遊技回における各種演出が図柄表示装置41にて実行される。
図25(a)及び図25(b)は第1特別リーチ演出と第1代替リーチ演出との関係を説明するための説明図である。なお、図25(a)及び図25(b)には、第1特別リーチ演出及び第1代替リーチ演出以外の演出(予告演出や他のリーチ演出)の内容が同一となる1対の関係の第1特別リーチ演出の制御用テーブル及び第1代替リーチ演出の制御用テーブルが参照される場合における第1特別リーチ演出及び第1代替リーチ演出を示している。
図25(a)に示すように第1特別リーチ演出が実行される場合、遊技回の開始タイミングから第1前側期間Taにおいて第1前側演出が実行される。当該第1前側演出においては図柄の変動表示が実行されるとともに図柄の変動表示が実行されている状況において予告演出が実行される。また、一部の図柄の変動表示が終了されることでリーチ演出が開始され、各種キャラクタなどを利用したリーチ演出が実行される。第1前側期間Taに続けて開始される第1特別リーチ期間Tbにおいて第1特別リーチ演出が実行される。第1特別リーチ期間Tbにおいては第1特別リーチ演出が実行された後に図柄の停止表示が行われる。そして、第1特別リーチ期間Tbに続けて開始される最終停止期間Tdにおいて図柄の最終停止表示が行われる。
一方、図25(b)に示すように第1代替リーチ演出が実行される場合、まず図25(a)の第1特別リーチ演出と同様に、遊技回の開始タイミングから第1前側期間Taにおいて第1前側演出が実行される。当該第1前側演出の内容は図25(a)の場合と同様である。第1前側期間Taに続けて開始される第1代替リーチ期間Tcにおいて第1代替リーチ演出が実行される。第1代替リーチ期間Tcにおいては第1代替リーチ演出が実行された後に図柄の停止表示が行われる。そして、第1代替リーチ期間Tcに続けて開始される最終停止期間Tdにおいて図柄の最終停止表示が行われる。
図24(a)の説明に戻り、第2特別リーチ演出の制御用テーブル群63cには第2特別リーチ演出を実行する場合に音光側MPU62に参照される第2特別リーチ演出の制御用テーブルが複数種類含まれている。これら第2特別リーチ演出の制御用テーブルはいずれも第2特別リーチ演出の実行に対応している点で共通しているものの、第2特別リーチ演出が開始される前におけるリーチ演出の種類及び当該リーチ演出が開始される前における予告演出の種類が相違している。音光側MPU62により第2特別リーチ演出の制御用テーブルが参照されることにより、第2特別リーチ演出を含めて当該第2特別リーチ演出が実行される遊技回における各種演出が表示発光部44及びスピーカ部45にて実行される。また、第2特別リーチ演出の制御用テーブルに従って音光側MPU62から表示CPU72にコマンドが適宜送信されることにより、第2特別リーチ演出を含めて当該第2特別リーチ演出が実行される遊技回における各種演出が図柄表示装置41にて実行される。
第2代替リーチ演出の制御用テーブル群63dには、第2代替リーチ演出を実行する場合に音光側MPU62に参照される第2代替リーチ演出の制御用テーブルが複数種類含まれている。これら第2代替リーチ演出の制御用テーブルはいずれも第2代替リーチ演出の実行に対応している点で共通しているものの、第2代替リーチ演出が開始される前におけるリーチ演出の種類及び当該リーチ演出が開始される前における予告演出の種類が相違している。音光側MPU62により第2代替リーチ演出の制御用テーブルが参照されることにより、第2代替リーチ演出を含めて当該第2代替リーチ演出が実行される遊技回における各種演出が表示発光部44及びスピーカ部45にて実行される。また、第2代替リーチ演出の制御用テーブルに従って音光側MPU62から表示CPU72にコマンドが適宜送信されることにより、第2代替リーチ演出を含めて当該第2代替リーチ演出が実行される遊技回における各種演出が図柄表示装置41にて実行される。
図25(c)及び図25(d)は第2特別リーチ演出と第2代替リーチ演出との関係を説明するための説明図である。なお、図25(c)及び図25(d)には、第2特別リーチ演出及び第2代替リーチ演出以外の演出(予告演出や他のリーチ演出)の内容が同一となる1対の関係の第2特別リーチ演出の制御用テーブル及び第2代替リーチ演出の制御用テーブルが参照される場合における第2特別リーチ演出及び第2代替リーチ演出を示している。
図25(c)に示すように第2特別リーチ演出が実行される場合、遊技回の開始タイミングから第2前側期間Teにおいて第2前側演出が実行される。当該第2前側演出においては図柄の変動表示が実行されるとともに図柄の変動表示が実行されている状況において予告演出が実行される。また、一部の図柄の変動表示が終了されることでリーチ演出が開始され、各種キャラクタなどを利用したリーチ演出が実行される。第2前側期間Teに続けて開始される第2特別リーチ期間Tfにおいて第2特別リーチ演出が実行される。第2特別リーチ期間Tfにおいては第2特別リーチ演出が実行された後に図柄の停止表示が行われる。そして、第2特別リーチ期間Tfに続けて開始される最終停止期間Tdにおいて図柄の最終停止表示が行われる。
一方、図25(d)に示すように第2代替リーチ演出が実行される場合、まず図25(c)の第2特別リーチ演出と同様に、遊技回の開始タイミングから第2前側期間Teにおいて第2前側演出が実行される。当該第2前側演出の内容は図25(c)の場合と同様である。第2前側期間Teに続けて開始される第2代替リーチ期間Tgにおいて第2代替リーチ演出が実行される。第2代替リーチ期間Tgにおいては第2代替リーチ演出が実行された後に図柄の停止表示が行われる。そして、第2代替リーチ期間Tgに続けて開始される最終停止期間Tdにおいて図柄の最終停止表示が行われる。
図24(b)に示すように音光側RAM64には示唆演出情報の記憶エリア64aが設けられている。示唆演出情報の記憶エリア64aは示唆演出情報を記憶するための記憶エリアであり、当該記憶エリア64aに記憶されている示唆演出情報に対応する種類の示唆演出画像G11,G12が示唆演出表示領域A1に表示されることとなる。具体的には、示唆演出情報として、第1示唆演出画像G11に対応する第1示唆演出情報と、第2示唆演出画像G12に対応する第2示唆演出情報とが存在している。示唆演出情報の記憶エリア64aに第1示唆演出情報が記憶されている場合には示唆演出表示領域A1に第1示唆演出画像G11が表示され、示唆演出情報の記憶エリア64aに第2示唆演出情報が記憶されている場合には示唆演出表示領域A1に第2示唆演出画像G12が表示される。
次に、示唆演出、特別リーチ演出及び代替リーチ演出が実行される様子を図26(a)~図26(f)のタイムチャートを参照しながら説明する。
図26(a)は遊技回の実行期間を示し、図26(b)は第1特別リーチ演出の実行に対応する特図側保留情報が保留用エリアREに保留記憶されている期間を示し、図26(c)は第1特別リーチ演出の実行に対応する特図側保留情報が保留用エリアREに保留記憶されていることが先特定されていない状況で開始された第1示唆演出の実行期間を示し、図26(d)は第1特別リーチ演出の実行に対応する特図側保留情報が保留用エリアREに保留記憶されていることが先特定されている状況で開始された第1示唆演出の実行期間を示し、図26(e)は第1特別リーチ演出の実行期間を示し、図26(f)は第1代替リーチ演出の実行期間を示す。なお、図26(a)~図26(f)においては第1示唆演出、第1特別リーチ演出及び第1代替リーチ演出が実行される様子を示すが、第2示唆演出、第2特別リーチ演出及び第2代替リーチ演出についても同様の流れで実行される。
まず第1特別リーチ演出の実行に対応する遊技回の表示継続期間となる特図柄保留情報が保留用エリアREに保留記憶されていることが先特定されていない状況で第1示唆演出が開始され、その後に第1特別リーチ演出が実行される場合について説明する。
t1のタイミングで図26(a)に示すように遊技回が開始される。その後、当該遊技回が実行されている途中であるt2のタイミングで図26(c)に示すように第1示唆演出が開始される。つまり、図柄表示装置41の示唆演出表示領域A1における第1示唆演出画像G11の表示が開始される。この場合、今回の遊技回の表示継続期間は第1特別リーチ演出の実行に対応する表示継続期間ではなく、さらに第1特別リーチ演出の実行に対応する遊技回の表示継続期間となる特図側保留情報は保留用エリアREに保留記憶されていない。その後、t3のタイミングで図26(a)に示すように今回の遊技回が終了する。この場合、遊技回が終了したとしても、図26(c)に示すように示唆演出表示領域A1における第1示唆演出画像G11の表示が継続される。
その後、t4のタイミング~t5のタイミングに亘って図26(a)に示すように新たな遊技回が実行される。当該遊技回の表示継続期間は第1特別リーチ演出の実行に対応する表示継続期間ではないため、示唆演出表示領域A1に第1示唆演出画像G11が表示されているものの第1特別リーチ演出は実行されない。その後、保留用エリアREに特図側保留情報が保留記憶されておらず、さらに特図側保留情報の新たな取得も行われないため、図26(a)に示すようにt5のタイミング~t6のタイミングに亘って遊技回が実行されない状況が維持される。なお、遊技回が実行されない状況がデモ開始基準期間に亘って維持された場合には図柄表示装置41にてデモ表示が開始される。また、このように遊技回が実行されない状況が維持されている場合であっても、図26(c)に示すように示唆演出表示領域A1における第1示唆演出画像G11の表示が継続される。
その後、t6のタイミングで図26(b)に示すように特図側保留情報が新たに取得される。これにより、t7のタイミングで図26(a)に示すように新たな遊技回が開始される。この場合、t6のタイミングで取得された特図側保留情報は、第1特別リーチ演出の実行に対応する遊技回の表示継続期間に対応しているため、t7のタイミングで開始される遊技回の表示継続期間は第1特別リーチ演出の実行に対応する表示継続期間となる。
その後、t8のタイミングで、図26(c)に示すように示唆演出表示領域A1における第1示唆演出画像G11の表示が終了されることで第1示唆演出が終了するとともに、図26(e)に示すように第1特別リーチ演出が開始される。そして、t9のタイミングで第1特別リーチ演出が終了して図26(a)に示すように今回の遊技回が終了する。
上記のとおり第1特別リーチ演出の実行に対応する表示継続期間となる遊技回が実行されている状況、及び第1特別リーチ演出の実行に対応する遊技回の表示継続期間となる特図側保留情報が保留用エリアREに保留記憶されている状況のいずれでもない状況であっても示唆演出表示領域A1における第1示唆演出画像G11の表示が開始されることがある。そして、この第1示唆演出画像G11の表示は、遊技回が終了した場合、及び特図側保留情報が保留記憶されていないことで遊技回が開始されない状況が継続している場合であっても継続される。これにより、第1示唆演出が実行される機会を多くすることが可能となるとともに、遊技回が実行されていない状況であっても第1特別リーチ演出の実行に対する遊技者の期待感を高めることが可能となる。
次に、第1示唆演出が実行されていない状況において第1特別リーチ演出の実行に対応する表示継続期間となる遊技回が開始されるとともに当該遊技回においても第1示唆演出が実行されない場合について説明する。
t10のタイミングで図26(a)に示すように遊技回が開始される。その後、t11のタイミングで図26(b)に示すように第1特別リーチ演出の実行に対応する遊技回の表示継続期間となる特図側保留情報が取得される。但し、当該遊技回において第1示唆演出は実行されない。そして、t12のタイミングで図26(a)に示すように今回の遊技回が終了する。
その後、t13のタイミングで図26(a)に示すように遊技回が開始される。当該遊技回の開始契機となった特図側保留情報はt11のタイミングで取得された特図側保留情報である。したがって、今回の遊技回の表示継続期間は第1特別リーチ演出の実行に対応する表示継続期間となる。但し、当該遊技回が開始される前に第1示唆演出は開始されておらず、さらに当該遊技回においても第1示唆演出は実行されない。つまり、今回の遊技回においてリーチ演出が開始されるタイミングにおいて示唆演出表示領域A1に第1示唆演出画像G11は表示されていない。この場合、第1特別リーチ演出の実行に対応する表示継続期間である遊技回ではあるものの、t14のタイミングにて図26(f)に示すように第1代替リーチ演出が開始される。そして、t15のタイミングで当該第1代替リーチ演出が終了して図26(a)に示すように今回の遊技回が終了する。
上記のとおり第1特別リーチ演出の実行に対応する表示継続期間である遊技回であったとしても示唆演出表示領域A1に第1示唆演出画像G11が表示されていない場合には第1特別リーチ演出が実行されることはなく、その代わりに第1代替リーチ演出が実行される。これにより、第1示唆演出画像G11が表示されていることが第1特別リーチ演出の実行条件であることを遊技者に明確に認識させることが可能となる。
また、第1特別リーチ演出の実行に対応する表示継続期間である遊技回が、第1示唆演出画像G11が表示されていない状況で開始されたとしても、当該遊技回において第1示唆演出画像G11の表示が開始されることなく、第1代替リーチ演出が実行されることがある。これにより、第1特別リーチ演出の実行に対応する遊技回の表示継続期間が選択された場合であっても、第1特別リーチ演出が実行される状況と第1代替リーチ演出が実行される状況とのそれぞれを生じさせることが可能となり、1種類の表示継続期間に対してリーチ演出の実行態様を多様化させることが可能となる。
次に、第1特別リーチ演出の実行に対応する遊技回の表示継続期間となる特図柄保留情報が保留用エリアREに保留記憶されていることが先特定されている状況で第1示唆演出が開始され、その後に第1特別リーチ演出が実行される場合について説明する。
t16のタイミングで図26(a)に示すように遊技回が開始される。その後、t17のタイミングで図26(b)に示すように第1特別リーチ演出の実行に対応する遊技回の表示継続期間となる特図側保留情報が取得される。但し、当該遊技回において第1示唆演出は実行されない。そして、t18のタイミングで図26(a)に示すように今回の遊技回が終了する。
その後、t19のタイミングで図26(a)に示すように遊技回が開始される。この場合、当該遊技回が実行されている途中であるt20のタイミングで図26(d)に示すように、第1特別リーチ演出の実行に対応する遊技回の表示継続期間となる特図側保留情報が保留用エリアREに保留記憶されていることが主側MPU52の先特定処理(図11)にて特定されていることに基づいて第1示唆演出が開始される。つまり、図柄表示装置41の示唆演出表示領域A1における第1示唆演出画像G11の表示が開始される。但し、今回の遊技回の表示継続期間は第1特別リーチ演出の実行に対応する表示継続期間ではないため第1特別リーチ演出が実行されることなくt21のタイミングで図26(a)に示すように今回の遊技回が終了する。
その後、t22のタイミングで図26(a)に示すように遊技回が開始される。当該遊技回の開始契機となった特図側保留情報はt17のタイミングで取得された特図側保留情報である。したがって、今回の遊技回の表示継続期間は第1特別リーチ演出の実行に対応する表示継続期間となる。
その後、t23のタイミングで、図26(d)に示すように示唆演出表示領域A1における第1示唆演出画像G11の表示が終了されることで第1示唆演出が終了するとともに、図26(e)に示すように第1特別リーチ演出が開始される。そして、t24のタイミングで当該第1特別リーチ演出が終了して図26(a)に示すように今回の遊技回が終了する。
上記のとおり第1特別リーチ演出の実行に対応する遊技回の表示継続期間となる特図側保留情報が保留用エリアREに保留記憶されたことが先特定されたことに基づいて第1示唆演出が開始されるとともに、当該特図側保留情報を開始契機とした遊技回において第1特別リーチ演出が実行されることがある。これにより、第1示唆演出が開始された後において当該第1示唆演出が開始された場合に保留用エリアREに保留記憶されている特図側保留情報を開始契機とした遊技回において第1特別リーチ演出が実行される状況を生じさせることが可能となる。よって、第1示唆演出が実行された場合には直後に第1特別リーチ演出が実行される可能性があるという印象を遊技者に与えることが可能となり、第1示唆演出に対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。
次に、示唆演出、特別リーチ演出及び代替リーチ演出を実行するための具体的な処理構成について説明する。図27は音光側MPU62にて実行される演出決定処理を示すフローチャートである。なお、演出決定処理はテーブル設定処理(図17)におけるステップS1003にて実行される。
音光側RAM64における示唆演出情報の記憶エリア64aに第1示唆演出情報が記憶されていない場合(ステップS1401:NO)、すなわち示唆演出表示領域A1に第1示唆演出画像G11が表示されていない場合、ステップS1402~ステップS1407における第1示唆演出情報を新たに記憶するための処理を実行する。当該処理ではまず、音光側RAM64の演出側保留用エリア65における第1~第4単位エリア65a~65dのいずれかの第1期間情報の有無エリアに第1期間情報が記憶されているか否かを判定する(ステップS1402)。つまり、第1特別リーチ演出の実行に対応する遊技回の表示継続期間となる特図側保留情報が保留用エリアREに保留記憶されているか否かを判定する。
第1期間情報が記憶されている場合(ステップS1402:YES)、つまり第1特別リーチ演出の実行に対応する遊技回の表示継続期間となる特図側保留情報が保留用エリアREに保留記憶されている場合、先特定に基づく第1示唆演出の発生抽選処理を実行する(ステップS1403)。先特定に基づく第1示唆演出の発生抽選処理では、20%の確率で第1示唆演出の発生当選となるように抽選処理を実行する。一方、第1期間情報が記憶されていない場合(ステップS1402:NO)、つまり第1特別リーチ演出の実行に対応する遊技回の表示継続期間となる特図側保留情報が保留用エリアREに保留記憶されていない場合、先特定に基づかない第1示唆演出の発生抽選処理を実行する(ステップS1404)。先特定に基づかない第1示唆演出の発生抽選処理では、先特定に基づく第1示唆演出の発生抽選処理よりも第1示唆演出の発生当選となる確率が低くなるように抽選処理を実行する。具体的には、先特定に基づかない第1示唆演出の発生抽選処理では、5%の確率で第1示唆演出の発生当選となるように抽選処理を実行する。
ステップS1403又はステップS1404の処理を実行した後は、第1示唆演出の発生当選となったか否かを判定する(ステップS1405)。第1示唆演出の発生当選である場合(ステップS1405:YES)、音光側RAM64における示唆演出情報の記憶エリア64aに第1示唆演出情報を記憶する(ステップS1406)。その後、音光側RAM64に第1示唆演出の発生情報を記憶する(ステップS1407)。
第1示唆演出の発生情報は、今回の遊技回用演出の実行途中において示唆演出表示領域A1に第1示唆演出画像G11の表示を開始させる第1示唆演出を実行すべきことを音光側MPU62にて特定するための情報である。第1示唆演出の発生情報が音光側RAM64に記憶されている場合、テーブル設定処理(図17)のステップS1005における制御用テーブルの読み出し処理において、全てのベース図柄画像G6~G8(図23参照)にて図柄の変動表示が行われている状況において示唆演出表示領域A1に第1示唆演出画像G11が新たに表示されることを示す獲得演出が発生した後に、当該示唆演出表示領域A1における第1示唆演出画像G11の表示が継続されることとなる表示演出に対応する制御用テーブルが音光側ROM63から音光側RAM64に読み出される。なお、演出決定処理(図27)においては第1示唆演出の発生情報以外にも演出の内容を決定付ける情報が音光側RAM64に記憶されることとなるため、今回の遊技回の開始時に実行される制御用テーブルの読み出し処理(ステップS1005)においては第1示唆演出の発生情報及びその他の演出の内容を決定付ける情報に対応する制御用テーブルが音光側RAM64に読み出されることとなる。
また、タイマ割込み処理(図16)のコマンド選択処理(ステップS902)においては音光側RAM64に読み出した制御用テーブルに対応する表示用コマンドを表示CPU72に送信する。表示CPU72は当該表示用コマンドを受信することにより、音光側RAM64に読み出された制御用テーブルに対応する表示演出が図柄表示装置41にて実行されるように当該図柄表示装置41を表示制御する。したがって、第1示唆演出の発生情報に対応する制御用テーブルが読み出されている場合には、全てのベース図柄画像G6~G8(図23参照)にて図柄の変動表示が行われている状況において示唆演出表示領域A1に第1示唆演出画像G11が新たに表示されることを示す獲得演出が発生した後に当該示唆演出表示領域A1における第1示唆演出画像G11の表示が継続されることとなる。
ステップS1401にて肯定判定をした場合、又はステップS1405にて否定判定をした場合、音光側RAM64における示唆演出情報の記憶エリア64aに第2示唆演出情報が記憶されているか否かを判定する(ステップS1408)。示唆演出情報の記憶エリア64aに第2示唆演出情報が記憶されていない場合(ステップS1408:NO)、すなわち示唆演出表示領域A1に第2示唆演出画像G12が表示されていない場合、ステップS1409~ステップS1414における第2示唆演出情報を新たに記憶するための処理を実行する。
ちなみに、示唆演出情報の記憶エリア64aに第1示唆演出情報が記憶された場合にはステップS1409~ステップS1414における第2示唆演出情報を新たに記憶するための処理が実行されない。これにより、1回の遊技回において示唆演出表示領域A1における第1示唆演出画像G11の表示開始及び第2示唆演出画像G12の表示開始との両方が発生しないようにすることが可能となる。但し、これに限定されることはなく、1回の遊技回において示唆演出表示領域A1における第1示唆演出画像G11の表示開始及び第2示唆演出画像G12の表示開始との両方が発生し得る構成としてもよい。
ステップS1409~ステップS1414における第2示唆演出情報を新たに記憶するための処理ではまず、音光側RAM64の演出側保留用エリア65における第1~第4単位エリア65a~65dのいずれかの第2期間情報の有無エリアに第2期間情報が記憶されているか否かを判定する(ステップS1409)。つまり、第2特別リーチ演出の実行に対応する遊技回の表示継続期間となる特図側保留情報が保留用エリアREに保留記憶されているか否かを判定する。
第2期間情報が記憶されている場合(ステップS1409:YES)、つまり第2特別リーチ演出の実行に対応する遊技回の表示継続期間となる特図側保留情報が保留用エリアREに保留記憶されている場合、先特定に基づく第2示唆演出の発生抽選処理を実行する(ステップS1410)。先特定に基づく第2示唆演出の発生抽選処理では、20%の確率で第2示唆演出の発生当選となるように抽選処理を実行する。一方、第2期間情報が記憶されていない場合(ステップS1409:NO)、つまり第2特別リーチ演出の実行に対応する遊技回の表示継続期間となる特図側保留情報が保留用エリアREに保留記憶されていない場合、先特定に基づかない第2示唆演出の発生抽選処理を実行する(ステップS1411)。先特定に基づかない第2示唆演出の発生抽選処理では、先特定に基づく第2示唆演出の発生抽選処理よりも第2示唆演出の発生当選となる確率が低くなるように抽選処理を実行する。具体的には、先特定に基づかない第2示唆演出の発生抽選処理では、5%の確率で第2示唆演出の発生当選となるように抽選処理を実行する。
ステップS1410又はステップS1411の処理を実行した後は、第2示唆演出の発生当選となったか否かを判定する(ステップS1412)。第2示唆演出の発生当選である場合(ステップS1412:YES)、音光側RAM64における示唆演出情報の記憶エリア64aに第2示唆演出情報を記憶する(ステップS1413)。その後、音光側RAM64に第2示唆演出の発生情報を記憶する(ステップS1414)。
第2示唆演出の発生情報は、今回の遊技回用演出の実行途中において示唆演出表示領域A1に第2示唆演出画像G12の表示を開始させる第2示唆演出を実行すべきことを音光側MPU62にて特定するための情報である。第2示唆演出の発生情報が音光側RAM64に記憶されている場合、テーブル設定処理(図17)のステップS1005における制御用テーブルの読み出し処理において、全てのベース図柄画像G6~G8(図23参照)にて図柄の変動表示が行われている状況において示唆演出表示領域A1に第2示唆演出画像G12が新たに表示されることを示す獲得演出が発生した後に、当該示唆演出表示領域A1における第2示唆演出画像G12の表示が継続されることとなる表示演出に対応する制御用テーブルが音光側ROM63から音光側RAM64に読み出される。なお、演出決定処理(図27)においては第2示唆演出の発生情報以外にも演出の内容を決定付ける情報が音光側RAM64に記憶されることとなるため、今回の遊技回の開始時に実行される制御用テーブルの読み出し処理(ステップS1005)においては第2示唆演出の発生情報及びその他の演出の内容を決定付ける情報に対応する制御用テーブルが音光側RAM64に読み出されることとなる。
また、タイマ割込み処理(図16)のコマンド選択処理(ステップS902)においては音光側RAM64に読み出した制御用テーブルに対応する表示用コマンドを表示CPU72に送信する。表示CPU72は当該表示用コマンドを受信することにより、音光側RAM64に読み出された制御用テーブルに対応する表示演出が図柄表示装置41にて実行されるように当該図柄表示装置41を表示制御する。したがって、第2示唆演出の発生情報に対応する制御用テーブルが読み出されている場合には、全てのベース図柄画像G6~G8(図23参照)にて図柄の変動表示が行われている状況において示唆演出表示領域A1に第2示唆演出画像G12が新たに表示されることを示す獲得演出が発生した後に当該示唆演出表示領域A1における第2示唆演出画像G12の表示が継続されることとなる。
ステップS1407の処理を実行した場合、ステップS1408にて肯定判定をした場合、ステップS1412にて否定判定をした場合、又はステップS1414の処理を実行した場合、特別演出用処理を実行した後に(ステップS1415)、その他の処理を実行する(ステップS1416)。その他の処理では、示唆演出、特別リーチ演出及び代替リーチ演出以外の演出の内容を決定する。この場合に、所定リーチに対応する表示継続期間であればリーチ演出として所定リーチを実行することを決定してそれに対応する情報を音光側RAM64に記憶する。また、所定リーチ以外のリーチ表示に対応する表示継続期間であればリーチ演出として所定リーチ以外の演出を実行することを決定してそれに対応する情報を音光側RAM64に記憶する。また、予告演出を実行するか否かを抽選により決定し、予告演出の実行当選となった場合には当該抽選にて選択された種類の予告演出に対応する情報を音光側RAM64に記憶する。テーブル設定処理(図17)のステップS1005における制御用テーブルの読み出し処理では、演出決定処理(図27)にて音光側RAM64に記憶された演出の情報に対応する制御用テーブルを音光側ROM63から音光側RAM64に読み出すとともに、タイマ割込み処理(図16)のコマンド選択処理(ステップS902)においてその制御用テーブルに対応する表示用コマンドを表示CPU72に送信する。これにより、演出決定処理(図27)にて決定された各演出が今回の遊技回において実行されるように図柄表示装置41、表示発光部44及びスピーカ部45が制御される。
図28は演出決定処理(図27)のステップS1415にて実行される特別演出用処理を示すフローチャートである。
今回の遊技回の表示継続期間が第1特別リーチ演出の実行に対応する表示継続期間である場合(ステップS1501:YES)、音光側RAM64における示唆演出情報の記憶エリア64aに第1示唆演出情報が記憶されているか否かを判定することで、示唆演出表示領域A1に既に第1示唆演出画像G11が表示されているか否か又は今回の遊技回において示唆演出表示領域A1に第1示唆演出画像G11が表示されることとなるか否かを判定する(ステップS1502)。第1示唆演出情報が記憶されている場合(ステップS1502:YES)、示唆演出情報の記憶エリア64aから第1示唆演出情報をクリアした後に(ステップS1503)、音光側RAM64に第1特別リーチ演出の発生情報を記憶する(ステップS1504)。
第1特別リーチ演出の発生情報は、今回の遊技回用演出において第1特別リーチ演出を実行すべきことを音光側MPU62にて特定するための情報である。ステップS1502にて肯定判定をして第1特別リーチ演出の発生情報が音光側RAM64に記憶されている場合、テーブル設定処理(図17)のステップS1005における制御用テーブルの読み出し処理において、左右のベース図柄画像G6,G8(図23参照)における図柄の変動表示が停止されるとともに中のベース図柄画像G7にて図柄の変動表示が行われる状況となった後に初期のリーチ演出が行われ、当該初期のリーチ演出が実行されている状況において第1示唆演出画像G11を利用することを示す表示演出が実行された後に、第1特別リーチ演出が実行されることとなる表示演出に対応する制御用テーブルが音光側ROM63から音光側RAM64に読み出される。なお、演出決定処理(図27)においては第1特別リーチ演出の発生情報以外にも演出の内容を決定付ける情報が音光側RAM64に記憶されることとなるため、今回の遊技回の開始時に実行される制御用テーブルの読み出し処理(ステップS1005)においては第1特別リーチ演出の発生情報及びその他の演出の内容を決定付ける情報に対応する制御用テーブルが音光側RAM64に読み出されることとなる。
また、タイマ割込み処理(図16)のコマンド選択処理(ステップS902)においては音光側RAM64に読み出した制御用テーブルに対応する表示用コマンドを表示CPU72に送信する。表示CPU72は当該表示用コマンドを受信することにより、音光側RAM64に読み出された制御用テーブルに対応する表示演出が図柄表示装置41にて実行されるように当該図柄表示装置41を表示制御する。したがって、ステップS1502にて肯定判定をした場合における第1特別リーチ演出の発生情報に対応する制御用テーブルが読み出されている場合には、左右のベース図柄画像G6,G8(図23参照)における図柄の変動表示が停止されるとともに中のベース図柄画像G7にて図柄の変動表示が行われる状況となった後に初期のリーチ演出が行われ、当該初期のリーチ演出が実行されている状況において第1示唆演出画像G11を利用することを示す表示演出が実行された後に、第1特別リーチ演出が実行されることとなる。
第1示唆演出情報が記憶されていない場合(ステップS1502:NO)、該当遊技回における第1示唆演出の発生抽選処理を実行する(ステップS1505)。該当遊技回における第1示唆演出の発生抽選処理では、25%の確率で第1示唆演出の発生当選となるように抽選処理を実行する。当該発生抽選処理の結果が第1示唆演出の発生当選である場合(ステップS1506:YES)、音光側RAM64に第1示唆演出の発生情報を記憶した後に(ステップS1507)、音光側RAM64に第1特別リーチ演出の発生情報を記憶する(ステップS1504)。
第1示唆演出の発生情報及び第1特別リーチ演出の発生情報が音光側RAM64に記憶されている場合、テーブル設定処理(図17)のステップS1005における制御用テーブルの読み出し処理において、全てのベース図柄画像G6~G8(図23参照)にて図柄の変動表示が行われている状況において示唆演出表示領域A1に第1示唆演出画像G11が新たに表示されることを示す獲得演出が発生した後に当該示唆演出表示領域A1における第1示唆演出画像G11の表示が継続されることとなり、さらに左右のベース図柄画像G6,G8(図23参照)における図柄の変動表示が停止されるとともに中のベース図柄画像G7にて図柄の変動表示が行われる状況となった後に初期のリーチ演出が行われ、当該初期のリーチ演出が実行されている状況において第1示唆演出画像G11を利用することを示す表示演出が実行された後に、第1特別リーチ演出が実行されることとなる表示演出に対応する制御用テーブルが音光側ROM63から音光側RAM64に読み出される。なお、演出決定処理(図27)においては第1示唆演出の発生情報及び第1特別リーチ演出の発生情報以外にも演出の内容を決定付ける情報が音光側RAM64に記憶されることとなるため、今回の遊技回の開始時に実行される制御用テーブルの読み出し処理(ステップS1005)においては第1示唆演出の発生情報、第1特別リーチ演出の発生情報及びその他の演出の内容を決定付ける情報に対応する制御用テーブルが音光側RAM64に読み出されることとなる。
また、タイマ割込み処理(図16)のコマンド選択処理(ステップS902)においては音光側RAM64に読み出した制御用テーブルに対応する表示用コマンドを表示CPU72に送信する。表示CPU72は当該表示用コマンドを受信することにより、音光側RAM64に読み出された制御用テーブルに対応する表示演出が図柄表示装置41にて実行されるように当該図柄表示装置41を表示制御する。したがって、第1示唆演出の発生情報及び第1特別リーチ演出の発生情報に対応する制御用テーブルが読み出されている場合には、全てのベース図柄画像G6~G8(図23参照)にて図柄の変動表示が行われている状況において示唆演出表示領域A1に第1示唆演出画像G11が新たに表示されることを示す獲得演出が発生した後に当該示唆演出表示領域A1における第1示唆演出画像G11の表示が継続されることとなり、さらに左右のベース図柄画像G6,G8(図23参照)における図柄の変動表示が停止されるとともに中のベース図柄画像G7にて図柄の変動表示が行われる状況となった後に初期のリーチ演出が行われ、当該初期のリーチ演出が実行されている状況において第1示唆演出画像G11を利用することを示す表示演出が実行された後に、第1特別リーチ演出が実行されることとなる。
該当遊技回における第1示唆演出の発生抽選処理にて第1示唆演出の発生当選とならなかった場合(ステップS1506:NO)、音光側RAM64に第1代替リーチ演出の発生情報を記憶する(ステップS1508)。第1代替リーチ演出の発生情報は、今回の遊技回用演出において第1代替リーチ演出を実行すべきことを音光側MPU62にて特定するための情報である。第1代替リーチ演出の発生情報が音光側RAM64に記憶されている場合、テーブル設定処理(図17)のステップS1005における制御用テーブルの読み出し処理において、左右のベース図柄画像G6,G8(図23参照)における図柄の変動表示が停止されるとともに中のベース図柄画像G7にて図柄の変動表示が行われる状況となった後に初期のリーチ演出が行われ、当該初期のリーチ演出が実行された後に、第1代替リーチ演出が実行されることとなる表示演出に対応する制御用テーブルが音光側ROM63から音光側RAM64に読み出される。なお、演出決定処理(図27)においては第1代替リーチ演出の発生情報以外にも演出の内容を決定付ける情報が音光側RAM64に記憶されることとなるため、今回の遊技回の開始時に実行される制御用テーブルの読み出し処理(ステップS1005)においては第1代替リーチ演出の発生情報及びその他の演出の内容を決定付ける情報に対応する制御用テーブルが音光側RAM64に読み出されることとなる。
また、タイマ割込み処理(図16)のコマンド選択処理(ステップS902)においては音光側RAM64に読み出した制御用テーブルに対応する表示用コマンドを表示CPU72に送信する。表示CPU72は当該表示用コマンドを受信することにより、音光側RAM64に読み出された制御用テーブルに対応する表示演出が図柄表示装置41にて実行されるように当該図柄表示装置41を表示制御する。したがって、第1代替リーチ演出の発生情報に対応する制御用テーブルが読み出されている場合には、左右のベース図柄画像G6,G8(図23参照)における図柄の変動表示が停止されるとともに中のベース図柄画像G7にて図柄の変動表示が行われる状況となった後に初期のリーチ演出が行われ、当該初期のリーチ演出が実行された後に、第1代替リーチ演出が実行されることとなる。
今回の遊技回の表示継続期間が第2特別リーチ演出の実行に対応する表示継続期間である場合(ステップS1509:YES)、音光側RAM64における示唆演出情報の記憶エリア64aに第2示唆演出情報が記憶されているか否かを判定することで、示唆演出表示領域A1に既に第2示唆演出画像G12が表示されているか否か又は今回の遊技回において示唆演出表示領域A1に第2示唆演出画像G12が表示されることとなるか否かを判定する(ステップS1510)。第2示唆演出情報が記憶されている場合(ステップS1510:YES)、示唆演出情報の記憶エリア64aから第2示唆演出情報をクリアした後に(ステップS1511)、音光側RAM64に第2特別リーチ演出の発生情報を記憶する(ステップS1512)。
第2特別リーチ演出の発生情報は、今回の遊技回用演出において第2特別リーチ演出を実行すべきことを音光側MPU62にて特定するための情報である。ステップS1510にて肯定判定をして第2特別リーチ演出の発生情報が音光側RAM64に記憶されている場合、テーブル設定処理(図17)のステップS1005における制御用テーブルの読み出し処理において、左右のベース図柄画像G6,G8(図23参照)における図柄の変動表示が停止されるとともに中のベース図柄画像G7にて図柄の変動表示が行われる状況となった後に初期のリーチ演出が行われ、当該初期のリーチ演出が実行されている状況において第2示唆演出画像G12を利用することを示す表示演出が実行された後に、第2特別リーチ演出が実行されることとなる表示演出に対応する制御用テーブルが音光側ROM63から音光側RAM64に読み出される。なお、演出決定処理(図27)においては第2特別リーチ演出の発生情報以外にも演出の内容を決定付ける情報が音光側RAM64に記憶されることとなるため、今回の遊技回の開始時に実行される制御用テーブルの読み出し処理(ステップS1005)においては第2特別リーチ演出の発生情報及びその他の演出の内容を決定付ける情報に対応する制御用テーブルが音光側RAM64に読み出されることとなる。
また、タイマ割込み処理(図16)のコマンド選択処理(ステップS902)においては音光側RAM64に読み出した制御用テーブルに対応する表示用コマンドを表示CPU72に送信する。表示CPU72は当該表示用コマンドを受信することにより、音光側RAM64に読み出された制御用テーブルに対応する表示演出が図柄表示装置41にて実行されるように当該図柄表示装置41を表示制御する。したがって、ステップS1510にて肯定判定をした場合における第2特別リーチ演出の発生情報に対応する制御用テーブルが読み出されている場合には、左右のベース図柄画像G6,G8(図23参照)における図柄の変動表示が停止されるとともに中のベース図柄画像G7にて図柄の変動表示が行われる状況となった後に初期のリーチ演出が行われ、当該初期のリーチ演出が実行されている状況において第2示唆演出画像G12を利用することを示す表示演出が実行された後に、第2特別リーチ演出が実行されることとなる。
第2示唆演出情報が記憶されていない場合(ステップS1510:NO)、該当遊技回における第2示唆演出の発生抽選処理を実行する(ステップS1513)。該当遊技回における第2示唆演出の発生抽選処理では、25%の確率で第2示唆演出の発生当選となるように抽選処理を実行する。当該発生抽選処理の結果が第2示唆演出の発生当選である場合(ステップS1514:YES)、音光側RAM64に第2示唆演出の発生情報を記憶した後に(ステップS1515)、音光側RAM64に第2特別リーチ演出の発生情報を記憶する(ステップS1512)。
第2示唆演出の発生情報及び第2特別リーチ演出の発生情報が音光側RAM64に記憶されている場合、テーブル設定処理(図17)のステップS1005における制御用テーブルの読み出し処理において、全てのベース図柄画像G6~G8(図23参照)にて図柄の変動表示が行われている状況において示唆演出表示領域A1に第2示唆演出画像G12が新たに表示されることを示す獲得演出が発生した後に当該示唆演出表示領域A1における第2示唆演出画像G12の表示が継続されることとなり、さらに左右のベース図柄画像G6,G8(図23参照)における図柄の変動表示が停止されるとともに中のベース図柄画像G7にて図柄の変動表示が行われる状況となった後に初期のリーチ演出が行われ、当該初期のリーチ演出が実行されている状況において第2示唆演出画像G12を利用することを示す表示演出が実行された後に、第2特別リーチ演出が実行されることとなる表示演出に対応する制御用テーブルが音光側ROM63から音光側RAM64に読み出される。なお、演出決定処理(図27)においては第2示唆演出の発生情報及び第2特別リーチ演出の発生情報以外にも演出の内容を決定付ける情報が音光側RAM64に記憶されることとなるため、今回の遊技回の開始時に実行される制御用テーブルの読み出し処理(ステップS1005)においては第2示唆演出の発生情報、第2特別リーチ演出の発生情報及びその他の演出の内容を決定付ける情報に対応する制御用テーブルが音光側RAM64に読み出されることとなる。
また、タイマ割込み処理(図16)のコマンド選択処理(ステップS902)においては音光側RAM64に読み出した制御用テーブルに対応する表示用コマンドを表示CPU72に送信する。表示CPU72は当該表示用コマンドを受信することにより、音光側RAM64に読み出された制御用テーブルに対応する表示演出が図柄表示装置41にて実行されるように当該図柄表示装置41を表示制御する。したがって、第2示唆演出の発生情報及び第2特別リーチ演出の発生情報に対応する制御用テーブルが読み出されている場合には、全てのベース図柄画像G6~G8(図23参照)にて図柄の変動表示が行われている状況において示唆演出表示領域A1に第2示唆演出画像G12が新たに表示されることを示す獲得演出が発生した後に当該示唆演出表示領域A1における第2示唆演出画像G12の表示が継続されることとなり、さらに左右のベース図柄画像G6,G8(図23参照)における図柄の変動表示が停止されるとともに中のベース図柄画像G7にて図柄の変動表示が行われる状況となった後に初期のリーチ演出が行われ、当該初期のリーチ演出が実行されている状況において第2示唆演出画像G12を利用することを示す表示演出が実行された後に、第2特別リーチ演出が実行されることとなる。
該当遊技回における第2示唆演出の発生抽選処理にて第2示唆演出の発生当選とならなかった場合(ステップS1514:NO)、音光側RAM64に第2代替リーチ演出の発生情報を記憶する(ステップS1516)。第2代替リーチ演出の発生情報は、今回の遊技回用演出において第2代替リーチ演出を実行すべきことを音光側MPU62にて特定するための情報である。第2代替リーチ演出の発生情報が音光側RAM64に記憶されている場合、テーブル設定処理(図17)のステップS1005における制御用テーブルの読み出し処理において、左右のベース図柄画像G6,G8(図23参照)における図柄の変動表示が停止されるとともに中のベース図柄画像G7にて図柄の変動表示が行われる状況となった後に初期のリーチ演出が行われ、当該初期のリーチ演出が実行された後に、第2代替リーチ演出が実行されることとなる表示演出に対応する制御用テーブルが音光側ROM63から音光側RAM64に読み出される。なお、演出決定処理(図27)においては第2代替リーチ演出の発生情報以外にも演出の内容を決定付ける情報が音光側RAM64に記憶されることとなるため、今回の遊技回の開始時に実行される制御用テーブルの読み出し処理(ステップS1005)においては第2代替リーチ演出の発生情報及びその他の演出の内容を決定付ける情報に対応する制御用テーブルが音光側RAM64に読み出されることとなる。
また、タイマ割込み処理(図16)のコマンド選択処理(ステップS902)においては音光側RAM64に読み出した制御用テーブルに対応する表示用コマンドを表示CPU72に送信する。表示CPU72は当該表示用コマンドを受信することにより、音光側RAM64に読み出された制御用テーブルに対応する表示演出が図柄表示装置41にて実行されるように当該図柄表示装置41を表示制御する。したがって、第2代替リーチ演出の発生情報に対応する制御用テーブルが読み出されている場合には、左右のベース図柄画像G6,G8(図23参照)における図柄の変動表示が停止されるとともに中のベース図柄画像G7にて図柄の変動表示が行われる状況となった後に初期のリーチ演出が行われ、当該初期のリーチ演出が実行された後に、第2代替リーチ演出が実行されることとなる。
音光側RAM64における示唆演出情報の記憶エリア64aに記憶された第1示唆演出情報は第1特別リーチ演出が実行される場合に消去されるとともに、当該示唆演出情報の記憶エリア64aに記憶された第2示唆演出情報は第2特別リーチ演出が実行される場合に消去される。これら第1示唆演出情報及び第2示唆演出情報はこれらの契機以外にも開閉実行モードが実行される場合に消去される。具体的には、開閉実行モードが開始される場合にはテーブル設定処理(図17)におけるステップS1007にて示唆演出情報の記憶エリア64aのクリア処理を実行する。これにより、示唆演出情報の記憶エリア64aに記載されている第1示唆演出情報及び第2示唆演出情報は対応する特別リーチ演出が実行されていない状況であっても開閉実行モードの開始に際して消去される。つまり、示唆演出表示領域A1に表示されている第1示唆演出画像G11及び第2示唆演出画像G12は対応する特別リーチ演出が実行されていない状況であっても開閉実行モードの開始に際してその表示が終了される。
以上のとおり、特別リーチ演出(つまり、第1特別リーチ演出又は第2特別リーチ演出)が実行される可能性があることを示唆する示唆演出画像G11,G12(つまり、第1示唆演出画像G11又は第2示唆演出画像G12)が表示されることがある。そして、特別リーチ演出を実行することが可能な遊技回において示唆演出画像G11,G12が表示されている場合に特別リーチ演出が実行される。これにより、特別リーチ演出の実行を期待する遊技者は、示唆演出画像G11,G12が表示されたことに対してその後の特別リーチ演出の実行を期待することとなる。この場合に、示唆演出画像G11,G12が表示された状態は、当該示唆演出画像G11,G12の表示が開始され特別リーチ演出が実行されなかった遊技回が終了した後も維持される。これにより、示唆演出画像G11,G12が表示された状態が複数の遊技回に亘って維持され得ることとなる。よって、示唆演出画像G11,G12の表示を通じて特別リーチ演出の実行を期待させる期間を長く確保することが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特別リーチ演出の実行に対応する表示継続期間となる遊技回が実行されている状況、及び特別リーチ演出の実行に対応する遊技回の表示継続期間となる特図側保留情報が保留用エリアREに保留記憶されている状況のいずれでもない状況であっても示唆演出表示領域A1における示唆演出画像G11,G12の表示が開始されることがある。そして、この示唆演出画像G11,G12の表示は、遊技回が終了した場合、及び特図側保留情報が保留記憶されていないことで遊技回が開始されない状況が継続している場合であっても継続される。これにより、示唆演出が実行される機会を多くすることが可能となるとともに、遊技回が実行されていない状況であっても特別リーチ演出の実行に対する遊技者の期待感を高めることが可能となる。
特別リーチ演出の実行に対応する表示継続期間である遊技回であったとしても示唆演出表示領域A1に示唆演出画像G11,G12が表示されていない場合には特別リーチ演出が実行されることはなく、その代わりに代替リーチ演出(つまり、第1代替リーチ演出又は第2代替リーチ演出)が実行される。これにより、示唆演出画像G11,G12が表示されていることが特別リーチ演出の実行条件であることを遊技者に明確に認識させることが可能となる。
特別リーチ演出の実行に対応する表示継続期間である遊技回が、示唆演出画像G11,G12が表示されていない状況で開始されたとしても、当該遊技回において示唆演出画像G11,G12の表示が開始されることなく、代替リーチ演出が実行されることがある。これにより、特別リーチ演出の実行に対応する遊技回の表示継続期間が選択された場合であっても、特別リーチ演出が実行される状況と代替リーチ演出が実行される状況とのそれぞれを生じさせることが可能となり、1種類の表示継続期間に対してリーチ演出の実行態様を多様化させることが可能となる。
示唆演出情報の記憶エリア64aに記憶された示唆演出情報(つまり、第1示唆演出情報又は第2示唆演出情報)は対応する特別リーチ演出が実行される場合にクリアされるが、それ以外にも開閉実行モードが開始される場合にもクリアされる。これにより、示唆演出表示領域A1に示唆演出画像G11,G12が表示されている状態は、対応する特別リーチ演出が実行される場合だけではなく、開閉実行モードが実行される場合にも解除されることとなる。よって、示唆演出表示領域A1に示唆演出画像G11,G12が表示されている状態が過剰に長く継続してしまわないようにすることが可能となる。
特別リーチ演出の実行に対応する表示継続期間となる遊技回が開始される前に当該特別リーチ演出に対応する示唆演出画像G11,G12が示唆演出表示領域A1に表示されていない状況であっても、当該遊技回において当該特別リーチ演出に対応する示唆演出画像G11,G12が示唆演出表示領域A1に表示された後に当該特別リーチ演出が実行されることがある。これにより、遊技回の途中で示唆演出画像G11,G12が表示された場合には、当該遊技回において示唆演出画像G11,G12に対応する特別リーチ演出が実行されることを遊技者に期待させることが可能となる。
特別リーチ演出の実行に対応する遊技回の表示継続期間となる特図側保留情報が保留用エリアREに保留記憶されたことが先特定されたことに基づいて示唆演出画像G11,G12の表示が開始されるとともに、当該特図側保留情報を開始契機とした遊技回において特別リーチ演出が実行されることがある。これにより、示唆演出画像G11,G12の表示が開始された場合に保留用エリアREに保留記憶されている特図側保留情報を開始契機とした遊技回において特別リーチ演出が実行される状況を生じさせることが可能となる。よって、示唆演出画像G11,G12が表示された場合には直後の遊技回において特別リーチ演出が実行される可能性があるという印象を遊技者に与えることが可能となり、示唆演出画像G11,G12に対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。
<示唆演出についての別形態>
・示唆演出画像G11,G12が表示されている状況において当該示唆演出画像G11,G12に対応する特別リーチ演出が実行されていなくても当該示唆演出画像G11,G12の表示が終了される条件は開閉実行モードが開始されたことに限定されることはなく、開閉実行モードが終了された場合に示唆演出画像G11,G12の表示が終了される構成としてもよい。また、示唆演出画像G11,G12の表示が開始されてから当該示唆演出画像G11,G12に対応する特別リーチ演出が実行されることなく消化された遊技回の回数が基準回数以上(例えば100回以上)となった場合に示唆演出画像G11,G12の表示が終了される構成としてもよい。また、示唆演出画像G11,G12が表示されている状況で遊技回が開始されることなく経過した時間が基準時間以上(例えば600秒以上)となった場合に示唆演出画像G11,G12の表示が終了される構成としてもよい。また、演出用操作装置48,49に対して消去指示操作が行われた場合に示唆演出画像G11,G12の表示が終了される構成としてもよい。
・示唆演出画像G11,G12により特別リーチ演出の実行が示唆される構成としたが、これに限定されることはなく、所定の予告演出の実行が示唆演出画像G11,G12により示唆される構成としてもよく、1回の遊技回において図柄の変動表示と停止とが繰り返されることとなる疑似変動の実行が示唆演出画像G11,G12により示唆される構成としてもよく、リーチ演出が発生することが示唆演出画像G11,G12により示唆される構成としてもよく、開閉実行モードにおいて実行される演出の内容が示唆演出画像G11,G12により示唆される構成としてもよい。
・示唆演出表示領域A1には複数の示唆演出画像G11,G12が同時期に表示され得る構成としたが、既に1個の示唆演出画像G11,G12が表示されている状況において他の示唆演出画像G11,G12の表示が開始されない構成としてもよく、既に1個の示唆演出画像G11,G12が表示されている状況において他の1個の示唆演出画像G11,G12の表示が開始されることとなった場合には既に表示されている示唆演出画像G11,G12の表示が終了される構成としてもよい。
・特別リーチ演出が実行されない遊技回ではなくさらに特別リーチ演出の実行を可能とする特図側保留情報が保留用エリアREに保留記憶されていない状況であっても示唆演出画像G11,G12の表示が開始される構成としたが、特別リーチ演出が実行される遊技回であることを条件として当該遊技回において当該特別リーチ演出に対応する示唆演出画像G11,G12の表示が開始される構成としてもよく、特別リーチ演出の実行を可能とする特図側保留情報が保留用エリアREに保留記憶されていることを条件として当該特図側保留情報よりも先に開始対象となった特図側保留情報に対応する遊技回において当該特別リーチ演出に対応する示唆演出画像G11,G12の表示が開始される構成としてもよい。
・所定のリーチ演出に対応する所定示唆演出画像については当該所定のリーチ演出が実行されない遊技回ではなくさらに当該所定のリーチ演出の実行を可能とする特図側保留情報が保留用エリアREに保留記憶されていない状況であっても表示が開始されるのに対して、特定のリーチ演出に対応する特定示唆演出画像については当該特定のリーチ演出が実行される遊技回又は当該特定のリーチ演出の実行を可能とする特図側保留情報が保留用エリアREに保留記憶されている状況であることを条件として表示が開始される構成としてもよい。この場合、所定示唆演出画像の表示が開始されたとしてもその表示が開始された遊技回又はその表示が開始された時点で保留記憶されている特図側保留情報に対応する遊技回において所定のリーチ演出が実行されることは確定しないのに対して、特定示唆演出画像の表示が開始された場合にはその表示が開始された遊技回又はその表示が開始された時点で保留記憶されている特図側保留情報に対応する遊技回において特定のリーチ演出が実行されることが確定することとなる。これにより、特定示唆演出画像に対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。
特に、所定のリーチ演出よりも特定のリーチ演出の方が大当たり結果の発生の期待度が高い構成において上記構成を適用することで、特定示唆演出画像の表示が開始された時点で、大当たり結果の発生の期待度が高い特定のリーチ演出が近いタイミングで発生することが確定することとなり、特定示唆演出画像に対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。さらにまた、所定のリーチ演出が実行されたとしても大当たり結果が発生しない可能性があるのに対して、特定のリーチ演出が実行された場合には大当たり結果が確実に発生する構成とすることで、特定示唆演出画像の表示が開始された時点で近いタイミングで大当たり結果が発生することが確定することとなり、特定示唆演出画像に対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。
・示唆演出を行う構成を、3次元のデータを利用して画像表示が行われる構成ではなく、3次元のデータを利用することなく2次元のデータを利用して画像表示が行われる構成に適用してもよい。
<操作演出を行うための構成>
次に、図柄表示装置41にて実行される操作演出を行うための構成について説明する。図29(a)~図29(c)は操作演出の内容を説明するための説明図である。
操作演出としては第1操作演出と第2操作演出とが存在している。第1操作演出においては、リーチ演出が実行されている状況において、上側膨出部46に設けられた第1演出用操作装置48の操作を遊技者に促す第1演出操作の示唆演出が実行され、当該第1演出操作の示唆演出が実行されている状況において第1演出用操作装置48が操作された場合に当該操作に対応する操作対応演出が実行され、当該第1演出操作の示唆演出が実行されている状況において第1演出用操作装置48が操作されなかった場合には操作対応演出が実行されない。なお、第1演出操作の示唆演出が実行されている状況においては第2演出用操作装置49については操作の無効期間となっている。
具体的には、第1操作演出が開始された場合には、図29(a)に示すように図柄表示装置41の表示面Pには、第1演出用操作装置48の形状に対応する画像及び「上側ボタンを押せ!」という文字画像による第1演出操作示唆画像G21が表示されているとともに、第1演出用操作装置48の操作の有効期間を示す第1有効期間画像G22が表示されている。第1操作演出においては第1演出用操作装置48の操作の有効期間(具体的には3秒)が設定されることとなるが、第1有効期間画像G22においてはこの有効期間の残り期間を遊技者に認識可能とさせる態様による表示が行われる。また、図柄表示装置41の表示面Pにおける左上の隅角部分には第1演出操作示唆画像G21及び第1有効期間画像G22のいずれとも重ならないようにして、今回の遊技回におけるリーチ図柄の組合せを示す画像及び最終停止図柄列の図柄の変動表示が継続中であることを示す画像からなるリーチ中明示画像G23が表示されている。
第1操作演出における第1演出用操作装置48の操作の有効期間において当該第1演出用操作装置48が操作された場合、操作対応演出として図柄表示装置41に第1演出用操作装置48の操作に対応する演出画像が表示された後に、当該第1操作演出が発生する前から実行されていたリーチ演出のストーリーに沿った演出が実行される。この場合、第1演出用操作装置48の操作に対応する演出画像は大当たり結果となる期待度を相違させて複数種類設定されており、大当たり結果となる遊技回においては第1演出用操作装置48の操作に対応する演出画像として大当たり結果の期待度が相対的に高い種類の演出画像が選択される確率が高く、外れ結果となる遊技回においては第1演出用操作装置48の操作に対応する演出画像として大当たり結果の期待度が相対的に低い種類の演出画像が選択される確率が高くなる。一方、第1操作演出における第1演出用操作装置48の操作の有効期間において当該第1演出用操作装置48が操作されなかった場合、図柄表示装置41に第1演出用操作装置48の操作に対応する演出画像が表示されることなく当該第1操作演出が発生する前から実行されていたリーチ演出のストーリーに沿った演出が実行される。
第2操作演出においては、リーチ演出が実行されている状況において最初に、上側膨出部46に設けられた第1演出用操作装置48の操作を遊技者に促す第1演出操作の示唆演出が実行される。但し、当該第1演出操作の示唆演出が実行されている状況においては第1演出用操作装置48の操作の有効期間となっていないため、第1演出用操作装置48が操作されたとしても第1演出操作の示唆演出が継続される。なお、当該第1演出操作の示唆演出が実行されている状況においては第1演出用操作装置48だけではなく第2演出用操作装置49についても操作の無効期間となっている。第1演出操作の示唆演出が実行された後は、操作演出のやり直しであることを示すやり直し演出が実行された後に、下側膨出部47に設けられた第2演出用操作装置49の操作を遊技者に促す第2演出操作の示唆演出が実行され、当該第2演出操作の示唆演出が実行されている状況において第2演出用操作装置49が操作された場合に当該操作に対応する操作対応演出が実行され、当該第2演出操作の示唆演出が実行されている状況において第2演出用操作装置49が操作されなかった場合には操作対応演出が実行されない。なお、第2演出操作の示唆演出が実行されている状況においては第1演出用操作装置48については操作の無効期間となっている。
具体的には、第2操作演出が開始された場合にはまず図29(a)に示すように図柄表示装置41の表示面Pには、既に説明した第1演出操作示唆画像G21が表示されるとともに第1有効期間画像G22が表示される。第2操作演出においては第1演出用操作装置48の操作の有効期間は設定されないが、第1有効期間画像G22においては第1操作演出の場合と同様に残りの有効期間が短くなっていることを遊技者に認識可能とさせる態様による表示が行われる。また、図柄表示装置41の表示面Pにおける左上の隅角部分には第1演出操作示唆画像G21及び第1有効期間画像G22のいずれとも重ならないようにして、今回の遊技回におけるリーチ図柄の組合せを示す画像及び最終停止図柄列の図柄の変動表示が継続中であることを示す画像からなるリーチ中明示画像G23が表示されている。これら第1演出操作示唆画像G21及び第1有効期間画像G22が表示されている状況において第1演出用操作装置48が操作されたとしてもそれに対応する演出は実行されない。
その後、第1有効期間画像G22において有効期間が全て経過したことを示す表示が行われた後に、図29(b)に示すように図柄表示装置41の表示面Pには、やり直し演出として、「やり直し!」という文字画像によるやり直し画像G24が表示される。当該やり直し画像G24が表示されている状況であっても、図柄表示装置41の表示面Pにおける左上の隅角部分にはやり直し画像G24と重ならないようにして、今回の遊技回におけるリーチ図柄の組合せを示す画像及び最終停止図柄列の図柄の変動表示が継続中であることを示す画像からなるリーチ中明示画像G23の表示が継続される。なお、やり直し画像G24が表示されている状況において第1演出用操作装置48又は第2演出用操作装置49が操作されたとしてもそれに対応する演出は実行されない。
その後、やり直し画像G24の表示が所定期間(例えば3秒)に亘って行われた後に、図29(c)に示すように図柄表示装置41の表示面Pには、第2演出用操作装置49の形状に対応する画像及び「下側ボタンを押せ!」という文字画像による第2演出操作示唆画像G25が表示されるとともに、第2演出用操作装置49の操作の有効期間を示す第2有効期間画像G26が表示される。この場合、第2演出用操作装置49の操作の有効期間(具体的には3秒)が設定されることとなるが、第2有効期間画像G26においてはこの有効期間の残り期間を遊技者に認識可能とさせる態様による表示が行われる。また、図柄表示装置41の表示面Pにおける左上の隅角部分には第2演出操作示唆画像G25及び第2有効期間画像G26のいずれとも重ならないようにして、今回の遊技回におけるリーチ図柄の組合せを示す画像及び最終停止図柄列の図柄の変動表示が継続中であることを示す画像からなるリーチ中明示画像G23が表示されている。
第2操作演出における第2演出用操作装置49の操作の有効期間において当該第2演出用操作装置49が操作された場合、操作対応演出として図柄表示装置41に第2演出用操作装置49の操作に対応する演出画像が表示された後に、当該第2操作演出が発生する前から実行されていたリーチ演出のストーリーに沿った演出が実行される。この場合、第2演出用操作装置49の操作に対応する演出画像は大当たり結果となる期待度を相違させて複数種類設定されており、大当たり結果となる遊技回においては第2演出用操作装置49の操作に対応する演出画像として大当たり結果の期待度が相対的に高い種類の演出画像が選択される確率が高く、外れ結果となる遊技回においては第2演出用操作装置49の操作に対応する演出画像として大当たり結果の期待度が相対的に低い種類の演出画像が選択される確率が高くなる。一方、第2操作演出における第2演出用操作装置49の操作の有効期間において当該第2演出用操作装置49が操作されなかった場合、図柄表示装置41に第2演出用操作装置49の操作に対応する演出画像が表示されることなく当該第2操作演出が発生する前から実行されていたリーチ演出のストーリーに沿った演出が実行される。
次に、操作演出が実行される様子を図30(a)~図30(i)のタイムチャートを参照しながら説明する。
図30(a)は遊技回の実行期間を示し、図30(b)は第1演出用操作装置48の操作の有効期間を示し、図30(c)は第1演出用操作装置48が遊技者により操作されたタイミングを示し、図30(d)は第2演出用操作装置49の操作の有効期間を示し、図30(e)は第2演出用操作装置49が遊技者により操作されたタイミングを示し、図30(f)は第1演出用操作装置48の操作を遊技者に促すための第1演出操作示唆画像G21及び第1有効期間画像G22が表示されている期間を示し、図30(g)は第1演出用操作装置48の操作に対応する演出が実行されている期間を示し、図30(h)はやり直し画像G24が表示されている期間を示し、図30(i)は第2演出用操作装置49の操作を遊技者に促すための第2演出操作示唆画像G25及び第2有効期間画像G26が表示されている期間を示す。
まず、第1操作演出が実行される場合について説明する。
t1のタイミングで図30(a)に示すように遊技回が開始される。その後、t2のタイミングで図30(b)に示すように第1演出用操作装置48の操作の有効期間となるとともに図30(f)に示すように図柄表示装置41において第1演出用操作装置48の操作を遊技者に促すための第1演出操作示唆画像G21及び第1有効期間画像G22の表示が開始される。その後、第1演出用操作装置48の操作の有効期間であるt3のタイミングで図30(e)に示すように第2演出用操作装置49が操作されるが当該第2演出用操作装置49の操作の有効期間ではないため当該第2演出用操作装置49の操作に対応する演出は実行されない。
その後、第1演出用操作装置48の操作の有効期間であるt4のタイミングで図30(c)に示すように第1演出用操作装置48が操作される。これにより、当該t4のタイミングで図30(b)に示すように第1演出用操作装置48の操作の有効期間が終了するとともに図30(f)に示すように図柄表示装置41における第1演出操作示唆画像G21及び第1有効期間画像G22の表示が終了される。そして、当該t4のタイミング~t5のタイミングに亘って図30(g)に示すように第1演出用操作装置48の操作に対応する演出が実行される。その後、今回の遊技回が終了する。
次に、第2操作演出が実行される場合について説明する。
t6のタイミングで図30(a)に示すように遊技回が開始される。その後、t7のタイミングで図30(f)に示すように図柄表示装置41において第1演出用操作装置48の操作を遊技者に促すための第1演出操作示唆画像G21及び第1有効期間画像G22の表示が開始される。但し、これら第1演出操作示唆画像G21及び第1有効期間画像G22が表示されている状況において図30(b)に示すように第1演出用操作装置48の操作の有効期間とはならない。したがって、図30(c)に示すようにt8のタイミング及びt9のタイミングのそれぞれにおいて第1演出用操作装置48が操作されるものの、図30(g)に示すように当該第1演出用操作装置48の操作に対応する演出は実行されない。
その後、t10のタイミングで図30(f)に示すように第1演出操作示唆画像G21及び第1有効期間画像G22の表示が終了される。この場合、当該t10のタイミングで図30(h)に示すように図柄表示装置41においてやり直し画像G24の表示が開始され、当該やり直し画像G24の表示はt11のタイミングまで継続される。
t11のタイミングでやり直し画像G24の表示が終了されることで、図30(d)に示すように第2演出用操作装置49の操作の有効期間となるとともに図30(i)に示すように図柄表示装置41において第2演出用操作装置49の操作を遊技者に促すための第2演出操作示唆画像G25及び第2有効期間画像G26の表示が開始される。その後、第2演出用操作装置49の操作の有効期間であるt12のタイミングで図30(e)に示すように第2演出用操作装置49が操作される。これにより、当該t12のタイミングで図30(d)に示すように第2演出用操作装置49の操作の有効期間が終了するとともに図30(i)に示すように図柄表示装置41における第2演出操作示唆画像G25及び第2有効期間画像G26の表示が終了される。そして、図示は省略するが第2演出用操作装置49の操作に対応する演出が実行される。その後、今回の遊技回が終了する。
上記のとおり第2操作演出に際しては、まず第1演出用操作装置48の操作を促す第1演出操作示唆画像G21及び第1有効期間画像G22の表示が開始される。但し、第1演出用操作装置48の操作は有効となっていないため当該表示を確認した遊技者が第1演出用操作装置48を操作したとしても当該操作に対応する演出は実行されない。これにより、遊技者に意外性を与えることが可能となる。その後に、図柄表示装置41においてやり直し画像G24が表示されることで図柄表示装置41に対する遊技者の注目度が高められる。そして、その状況において第2演出用操作装置49の操作を促す第2演出操作示唆画像G25及び第2有効期間画像G26の表示が開始されるとともに第2演出用操作装置49の操作が有効となり、第2演出用操作装置49が操作された場合には当該操作に対応する演出が実行される。これにより、遊技者に意外性を与えることが可能となり、操作演出に対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。
また、第1操作演出が実行された場合には第1演出用操作装置48の操作を促す第1演出操作示唆画像G21及び第1有効期間画像G22の表示が行われるとともに第1演出用操作装置48の操作が有効となり、第1演出用操作装置48が操作された場合には当該操作に対応する演出が実行される。これにより、図柄表示装置41に第1演出操作示唆画像G21及び第1有効期間画像G22が表示された場合において第1演出用操作装置48が無効である状況だけではなく第1演出用操作装置48が有効である状況を生じさせることが可能となる。よって、第2操作演出に際して第1演出操作示唆画像G21及び第1有効期間画像G22が表示されたものの第1演出用操作装置48の操作が有効ではないことを認識した遊技者に対して大きな意外性を与えることが可能となる。
次に、操作演出を実行するための具体的な処理構成について説明する。図31(a)は音光側MPU62にて実行される操作演出の決定処理を示すフローチャートである。なお、操作演出の決定処理は演出決定処理(図27)におけるその他の処理(ステップS1416)にて実行される。
今回の遊技回の表示継続期間が操作演出の発生に対応する表示継続期間である場合(ステップS1601:YES)、操作演出の抽選処理を実行する(ステップS1602)。図31(b)は操作演出の抽選処理における第1操作演出及び第2操作演出のそれぞれの当選確率を説明するための説明図である。図31(b)に示すように操作演出の抽選処理では、今回の遊技回が大当たり結果であれば20%の確率で第1操作演出が選択され30%の確率で第2操作演出が選択されるのに対して、今回の遊技回が外れ結果であれば10%の確率で第1操作演出が選択され5%の確率で第2操作演出が選択される。これにより、第1操作演出及び第2操作演出のいずれかが実行された場合には大当たり結果の期待度が高くなるようにすることが可能となるとともに、第2操作演出が実行された場合にはより大当たり結果の期待度が高くなるようにすることが可能となる。なお、操作演出の抽選処理においては第1操作演出及び第2操作演出の両方の実行が選択されることはない。
操作演出の抽選処理の結果が第1操作演出の発生当選であった場合(ステップS1603:YES)、第1操作対応演出の抽選処理を実行する(ステップS1604)。第1操作対応演出の抽選処理では、第1演出用操作装置48の操作の有効期間において第1演出用操作装置48が操作された場合に実行される当該操作に対応する演出の種類を抽選により決定する。既に説明したとおり第1演出用操作装置48の操作に対応する演出画像は大当たり結果となる期待度を相違させて複数種類設定されており、大当たり結果となる遊技回においては第1演出用操作装置48の操作に対応する演出画像として大当たり結果の期待度が相対的に高い種類の演出画像が選択される確率が高く、外れ結果となる遊技回においては第1演出用操作装置48の操作に対応する演出画像として大当たり結果の期待度が相対的に低い種類の演出画像が選択される確率が高くなる。
その後、ステップS1604における第1操作対応演出の抽選処理の結果に対応する第1操作演出の発生情報を音光側RAM64に記憶する(ステップS1605)。第1操作演出の発生情報は、今回の遊技回用演出において第1操作演出を実行すべきことを音光側MPU62にて特定するための情報である。第1操作演出の発生情報が音光側RAM64に記憶されている場合、テーブル設定処理(図17)のステップS1005における制御用テーブルの読み出し処理において、今回の遊技回の表示継続期間に対応するリーチ演出が開始された後に第1演出用操作装置48の操作を促す第1演出操作示唆画像G21及び第1有効期間画像G22の表示が開始され、第1演出用操作装置48の操作の有効期間において第1演出用操作装置48が操作された場合にはステップS1604における第1操作対応演出の抽選処理にて選択された種類の第1操作対応演出が実行されることとなる表示演出に対応する制御用テーブルが音光側ROM63から音光側RAM64に読み出される。なお、演出決定処理(図27)においては第1操作演出の発生情報以外にも演出の内容を決定付ける情報が音光側RAM64に記憶されることとなるため、今回の遊技回の開始時に実行される制御用テーブルの読み出し処理(ステップS1005)においては第1操作演出の発生情報及びその他の演出の内容を決定付ける情報に対応する制御用テーブルが音光側RAM64に読み出されることとなる。
また、タイマ割込み処理(図16)のコマンド選択処理(ステップS902)においては音光側RAM64に読み出した制御用テーブルに対応する表示用コマンドを表示CPU72に送信する。表示CPU72は当該表示用コマンドを受信することにより、音光側RAM64に読み出された制御用テーブルに対応する表示演出が図柄表示装置41にて実行されるように当該図柄表示装置41を表示制御する。したがって、第1操作演出の発生情報に対応する制御用テーブルが読み出されている場合には、今回の遊技回の表示継続期間に対応するリーチ演出が開始された後に第1演出用操作装置48の操作を促す第1演出操作示唆画像G21及び第1有効期間画像G22の表示が開始され、第1演出用操作装置48の操作の有効期間において第1演出用操作装置48が操作された場合にはステップS1604における第1操作対応演出の抽選処理にて選択された種類の第1操作対応演出が実行されることとなる。
一方、操作演出の抽選処理の結果が第2操作演出の発生当選であった場合(ステップS1606:YES)、第2操作対応演出の抽選処理を実行する(ステップS1607)。第2操作対応演出の抽選処理では、第2演出用操作装置49の操作の有効期間において第2演出用操作装置49が操作された場合に実行される当該操作に対応する演出の種類を抽選により決定する。既に説明したとおり第2演出用操作装置49の操作に対応する演出画像は大当たり結果となる期待度を相違させて複数種類設定されており、大当たり結果となる遊技回においては第2演出用操作装置49の操作に対応する演出画像として大当たり結果の期待度が相対的に高い種類の演出画像が選択される確率が高く、外れ結果となる遊技回においては第2演出用操作装置49の操作に対応する演出画像として大当たり結果の期待度が相対的に低い種類の演出画像が選択される確率が高くなる。
その後、ステップS1607における第2操作対応演出の抽選処理の結果に対応する第2操作演出の発生情報を音光側RAM64に記憶する(ステップS1608)。第2操作演出の発生情報は、今回の遊技回用演出において第2操作演出を実行すべきことを音光側MPU62にて特定するための情報である。第2操作演出の発生情報が音光側RAM64に記憶されている場合、テーブル設定処理(図17)のステップS1005における制御用テーブルの読み出し処理において、今回の遊技回の表示継続期間に対応するリーチ演出が開始された後に第1演出用操作装置48の操作を促す第1演出操作示唆画像G21及び第1有効期間画像G22の表示が開始され、その後にやり直し画像G24が表示され、その後に第2演出用操作装置49の操作を促す第2演出操作示唆画像G25及び第2有効期間画像G26の表示が開始され、第2演出用操作装置49の操作の有効期間において第2演出用操作装置49が操作された場合にはステップS1607における第2操作対応演出の抽選処理にて選択された種類の第2操作対応演出が実行されることとなる表示演出に対応する制御用テーブルが音光側ROM63から音光側RAM64に読み出される。なお、演出決定処理(図27)においては第2操作演出の発生情報以外にも演出の内容を決定付ける情報が音光側RAM64に記憶されることとなるため、今回の遊技回の開始時に実行される制御用テーブルの読み出し処理(ステップS1005)においては第2操作演出の発生情報及びその他の演出の内容を決定付ける情報に対応する制御用テーブルが音光側RAM64に読み出されることとなる。
また、タイマ割込み処理(図16)のコマンド選択処理(ステップS902)においては音光側RAM64に読み出した制御用テーブルに対応する表示用コマンドを表示CPU72に送信する。表示CPU72は当該表示用コマンドを受信することにより、音光側RAM64に読み出された制御用テーブルに対応する表示演出が図柄表示装置41にて実行されるように当該図柄表示装置41を表示制御する。したがって、第2操作演出の発生情報に対応する制御用テーブルが読み出されている場合には、今回の遊技回の表示継続期間に対応するリーチ演出が開始された後に第1演出用操作装置48の操作を促す第1演出操作示唆画像G21及び第1有効期間画像G22の表示が開始され、その後にやり直し画像G24が表示され、その後に第2演出用操作装置49の操作を促す第2演出操作示唆画像G25及び第2有効期間画像G26の表示が開始され、第2演出用操作装置49の操作の有効期間において第2演出用操作装置49が操作された場合にはステップS1607における第2操作対応演出の抽選処理にて選択された種類の第2操作対応演出が実行されることとなる。
操作演出の実行に対応する制御用テーブルが音光側RAM64に読み出されている遊技回においては、音光側MPU62におけるテーブル設定処理(図17)において第1演出用操作装置48又は第2演出用操作装置49の操作が監視される。具体的には、現状の制御用テーブルを参照することで、第1操作演出が発生する遊技回であって当該遊技回において第1操作演出が開始されて第1演出用操作装置48の操作の有効期間となっていることを特定した場合(ステップS1009:YES)、第1演出用操作装置48の操作が発生しているか否かを判定する(ステップS1010)。第1演出用操作装置48の操作が発生している場合(ステップS1010:YES)、演出操作時の設定処理を実行する(ステップS1013)。
また、現状の制御用テーブルを参照することで、第2操作演出が発生する遊技回であって当該遊技回において第2操作演出が開始されて第2演出用操作装置49の操作の有効期間となっていることを特定した場合(ステップS1011:YES)、第2演出用操作装置49の操作が発生しているか否かを判定する(ステップS1012)。第2演出用操作装置49の操作が発生している場合(ステップS1012:YES)、演出操作時の設定処理を実行する(ステップS1013)。演出操作時の設定処理では、現状の制御用テーブルにおいて演出操作の残りの有効期間に対応させて設定されているポインタ情報に対応する各種データの内容を演出用操作装置48,49の操作に対応する操作対応演出の内容に変更することで、当該操作対応演出を開始させる。当該操作対応演出は演出操作の残りの有効期間に亘って実行されるが、これに限定されることはなく予め定められた固定の期間に亘って実行される構成としてもよい。操作対応演出としては例えば所定のキャラクタのカットイン演出や所定の文字画像の追加演出などが挙げられる。
以上のとおり、第2操作演出に際してはまず第1演出用操作装置48の操作を促す第1演出操作示唆画像G21及び第1有効期間画像G22の表示が開始される。但し、第1演出用操作装置48の操作は有効となっていないため当該表示を確認した遊技者が第1演出用操作装置48を操作したとしても当該操作に対応する演出は実行されない。これにより、遊技者に意外性を与えることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
第2操作演出に際しては第1演出用操作装置48の操作の有効期間ではない状況において第1演出用操作装置48の操作を促す第1演出操作示唆画像G21及び第1有効期間画像G22の表示が行われた後、第2演出用操作装置49の操作の有効期間である状況において第2演出用操作装置49の操作を促す第2演出操作示唆画像G25及び第2有効期間画像G26の表示が開始される。そして、当該有効期間において第2演出用操作装置49が操作されることで操作に対応する演出が実行される。これにより、操作の有効期間ではない状況における第1演出操作示唆画像G21及び第1有効期間画像G22の表示によって遊技者に意外性を与えながら、その後の操作の有効期間である状況における第2演出操作示唆画像G25及び第2有効期間画像G26表示によって、操作を促す報知の実行に対して第2演出用操作装置49を操作することで当該操作に対応する演出が実行される状況を生じさせることにより、操作を促す報知に遊技者を注目させることが可能となる。
第1演出用操作装置48の操作の有効期間ではない状況であって第1演出操作示唆画像G21及び第1有効期間画像G22の表示が行われている状況において第1演出用操作装置48が操作されたか否かに関係なく、第2演出用操作装置49の操作の有効期間である状況であって第2演出操作示唆画像G25及び第2有効期間画像G26の表示が行われる状況が発生する。これにより、前側の報知状況に対して第1演出用操作装置48を操作しなかった遊技者に対しても、後側の報知状況を提供することが可能となる。
操作の有効期間を伴わない前側の報知状況においては第1演出用操作装置48の操作を促す報知が実行されるのに対して、操作の有効期間を伴う後側の報知状況においては第2演出用操作装置49の操作を促す報知が実行される。これにより、前側の報知状況と後側の報知状況とを遊技者に明確に区別させることが可能となるとともに、前側の報知状況と後側の報知状況とで報知の対象となる演出用操作装置48,49が異なることで更なる意外性を遊技者に与えることが可能となる。
操作の有効期間を伴わない前側の報知状況と操作の有効期間を伴う後側の報知状況との間で、図柄表示装置41においてやり直し画像G24が表示される。これにより、前側の報知状況と後側の報知状況とを遊技者に明確に区別させることが可能となる。
<操作演出についての別形態>
・第2操作演出が発生した場合、第1演出用操作装置48の操作の有効期間ではない状況であって第1演出用操作装置48の操作を促す報知(第1演出操作示唆画像G21及び第1有効期間画像G22の表示)が実行されている状況(すなわち前側の報知状況)において第1演出用操作装置48が操作されたか否かに関係なく、その後に第2演出用操作装置49の操作の有効期間であって第2演出用操作装置49の操作を促す報知(第2演出操作示唆画像G25及び第2有効期間画像G26)が実行される状況(すなわち後側の報知状況)が発生する構成としたが、これに限定されることはなく、例えば前側の報知状況において第1演出用操作装置48が所定回数操作されたことを条件として、その後に後側の報知状況が発生する構成としてもよい。この場合、演出用操作装置48,49の操作に対して興味を持っている遊技者に対してのみ、後側の報知状況を発生させることが可能となる。また、当該構成においては前側の報知状況において第1演出用操作装置48が操作されなかった場合には、後側の報知状況に対して代替となる演出期間が発生する構成とすることで、前側の報知状況において第1演出用操作装置48が操作されなかった場合にはそれに対応する演出を実行することが可能となる。また、上記所定回数は1回であってもよく、予め定められた複数回であってもよい。
・第2操作演出においては前側の報知状況において第1演出用操作装置48の操作を促す報知が実行されるとともに後側の報知状況においては第2演出用操作装置49の操作の有効期間において第2演出用操作装置49の操作を促す報知が実行される構成としたが、後側の報知状況においては第1演出用操作装置48の操作の有効期間において第1演出用操作装置48の操作を促す報知が実行される構成としてもよい。
・第2操作演出における前側の報知状況においては第1演出用操作装置48が操作されたとしてもその操作に対して一切の演出が実行されない構成としたが、これに限定されることはなく、前側の報知状況において第1演出用操作装置48が操作された場合には図柄表示装置41における演出は変化しないが、操作に対応する音がスピーカ部45から出力される構成としてもよく、操作に対応する発光演出が表示発光部44にて行われる構成としてもよい。
・第2演出用操作装置49の操作に対応する演出が実行される場合として、第1演出用操作装置48の操作の有効期間ではない状況において第1演出用操作装置48の操作を促す報知が実行された後に、第2演出用操作装置49の操作の有効期間である状況において第2演出用操作装置49の操作を促す報知が実行される場合だけではなく、当該前側の報知状況が発生することなく、第2演出用操作装置49の操作の有効期間である状況において第2演出用操作装置49の操作を促す報知が実行される場合が発生し得る構成としてもよい。かかる構成において、第1演出用操作装置48の操作の有効期間である状況において第1演出用操作装置48の操作を促す報知が単独で実行される場合よりも、第2演出用操作装置49の操作の有効期間である状況において第2演出用操作装置49の操作を促す報知が単独で実行される場合の方が大当たり結果の発生の期待度が高い構成としてもよい。これにより、第2操作演出が発生した場合において、前側の報知状況では第1演出用操作装置48の操作を促す報知が実行されたことに対して、後側の報知状況では第2演出用操作装置49の操作を促す報知が実行された場合に、大当たり結果の発生への遊技者の期待感を好適に高めることが可能となる。
・第1演出用操作装置48の操作の有効期間ではない状況において第1演出用操作装置48の操作を促す報知が実行される状況が、第2操作演出としてではなく、第2演出用操作装置49の操作の有効期間である状況において第2演出用操作装置49の操作を促す報知を伴わない態様で単独で発生する構成としてもよい。この場合であっても、第1演出用操作装置48の操作を促す報知が実行されているにも関わらず第1演出用操作装置48の操作に対応する演出が実行されないことに対して遊技者に意外性を与えることが可能となる。当該構成においては、第1演出用操作装置48の操作の有効期間である状況において第1演出用操作装置48の操作を促す報知が実行される場合よりも、第1演出用操作装置48の操作の有効期間ではない状況において第1演出用操作装置48の操作を促す報知が実行される場合の方が、大当たり結果の発生の期待度が高い構成とすることで、第1演出用操作装置48の操作を促す報知が実行されているにも関わらず第1演出用操作装置48の操作に対応する演出が実行されない状況となった場合には遊技者に意外性を与えるだけではなく大当たり結果の発生を期待させることが可能となる。
・操作演出を行う構成を、3次元のデータを利用して画像表示が行われる構成ではなく、3次元のデータを利用することなく2次元のデータを利用して画像表示が行われる構成に適用してもよい。
<複数画面演出を行うための構成>
次に、図柄表示装置41にて実行される複数画面演出を行うための構成について説明する。図32(a)~図32(c)は複数画面演出の内容を説明するための説明図である。
複数画面演出はリーチ演出の一種として実行される。但し、これに限定されることはなく、複数画面演出がリーチ演出以外の演出として実行される構成としてもよい。複数画面演出とは、図柄表示装置41の表示面Pにおいて当該表示面Pの外縁に区画された表示領域を一の表示画面とした場合に、当該一の表示画面の中に画像として四角の枠により区画された別の表示画面を追加表示画面APとして表示させ、表示面Pにおいて追加表示画面APに含まれない領域(以下、ベース表示画面BP)にてキャラクタ、エフェクト及び文字などの画像表示による表示演出を行うとともに、追加表示画面APにおいてもベース表示画面BPにおける画像表示とは別のものとしてキャラクタ、エフェクト及び文字などの画像表示による表示演出を行う演出のことである。
追加表示画面APは、表示サイズの変更、表示面Pに沿った方向における位置の変更、表示面Pの奥行き方向における位置の変更、追加表示画面APの法線方向の変更を伴う角度の変更、及び追加表示画面APの法線方向の変更を伴わない角度の変更が適宜行われる。追加表示画面APに表示されているキャラクタなどの画像は、追加表示画面APの上記のような各種表示態様の変更に追従してその表示態様が変更される。例えば、追加表示画面APの表示サイズが変更される場合には追加表示画面APに表示されているキャラクタなどの画像の表示サイズも追加表示画面APの表示サイズの変更割合に従って変更される。この場合、追加表示画面APにおいて当該画像が占有する割合は変更されない。また、表示面Pに沿った方向における追加表示画面APの位置が変更される場合には追加表示画面APに表示されているキャラクタなどの画像の表示面Pにおける表示位置も追加表示画面APの表示位置の変更に従って変更される。この場合、追加表示画面AP内における当該画像の表示位置は変更されない。また、追加表示画面APの法線変更の変更を伴う角度が変更される場合には追加表示画面APに表示されているキャラクタなどの画像の表示角度も追加表示画面APの角度変更に従って変更される。この場合、追加表示画面APの法線方向を基準とした場合における当該画像の表示角度は変更されない。
複数画面演出の表示内容について具体的には、図32(a)にて例示する場合においては、ベース表示画面BPにベースキャラクタ画像G31、ベース文字画像G32及びベース変動表示画像G33が表示されている状況において、追加表示画面APが表示されている。追加表示画面APはその法線方向が表示面Pの法線方向に対して右側に若干傾いた方向となっている。また、追加表示画面APには追加キャラクタ画像G41及び追加変動表示画像G42が表示されている。この場合、ベース表示画面BPにおいてはベースキャラクタ画像G31よりも手前に存在しているようにベース文字画像G32が表示されているが、追加表示画面APはベースキャラクタ画像G31よりも手前であってベース文字画像G32よりも奥側に存在しているように表示されている。したがって、ベースキャラクタ画像G31の一部は追加表示画面APにより隠れた状態となっているとともに、追加表示画面APの一部はベース文字画像G32により隠れた状態となっている。また、ベース変動表示画像G33及び追加変動表示画像G42のいずれにおいても、今回の遊技回におけるリーチ図柄の組合せが停止表示された状態で最終停止図柄列による図柄の変動表示が行われている様子を示す画像表示が行われる。ベース変動表示画像G33において表示されているリーチ図柄の組合せと、追加変動表示画像G42において表示されているリーチ図柄の組合せとは同一となっている。なお、ベース変動表示画像G33はベース表示画面BPにおける左上の隅角部分に表示されているとともに、追加変動表示画像G42も追加表示画面APにおける左上の隅角部分に表示されている。
図32(a)に示す表示の状況から複数画面演出が進行した場合には図32(b)に示す表示の状況となる。図32(b)に示す表示の状況においては、ベース表示画面BPではベース文字画像G32の表示が終了されているとともにベースキャラクタ画像G31は図32(a)に示す表示の状況に対してその動作態様が変化している。また、ベース変動表示画像G33においては引き続きリーチ図柄の組合せが停止表示された状態で最終停止図柄列による図柄の変動表示が行われている。また、追加表示画面APは図32(a)に示す表示の状況よりもその法線方向の傾きが右側により大きくなっている。この場合、追加キャラクタ画像G41の表示面Pにおける表示サイズは図32(a)に示す表示の状況よりも小さくなっているとともに、追加変動表示画像G42は実質的に視認不可となっている。但し、このように追加変動表示画像G42が実質的に視認不可となった状況であってもベース変動表示画像G33を確認することでリーチ演出の実行中であること及びリーチ図柄の組合せの種類を把握することが可能となる。
図32(b)に示す表示の状況から複数画面演出が進行した場合には図32(c)に示す表示の状況となる。図32(c)に示す表示の状況においては、ベースキャラクタ画像G31は図32(b)に示す表示の状況に対してその動作態様及び表示位置が変化している。また、追加表示画面APはその法線方向が表示面Pの法線方向と一致するようにその表示角度が変更されているとともにベース表示画面BPの左上の隅角部分を含むようにその表示位置が変更されている。この場合、ベース表示画面BPの左上の隅角部分はベース変動表示画像G33の表示位置であるとともにベース変動表示画像G33よりも前方に位置しているように追加表示画面APが表示されているため、ベース変動表示画像G33は追加表示画面APによりその全体が隠れている。但し、このようにベース変動表示画像G33の全体が隠れている状況であっても追加表示画面APにおける追加変動表示画像G42が視認可能となっている。これにより、追加変動表示画像G42を確認することでリーチ演出の実行中であること及びリーチ図柄の組合せの種類を把握することが可能となる。
上記のように複数画面演出が実行されることにより、ベース表示画面BPの範囲内において当該ベース表示画面BPとは別の枠により区画された追加表示画面APが表示されるとともに、追加表示画面APにおいて表示される画像の表示サイズ、表示位置及び表示角度だけではなく、追加表示画面AP自体の表示サイズ、表示位置及び表示角度が適宜変更される。これにより、斬新な表示演出を遊技者に提供することが可能となり、表示演出に対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。
リーチ演出の実行中であること及びリーチ図柄の組合せの種類を遊技者に認識可能とさせる画像は、ベース変動表示画像G33としてベース表示画面BPに表示されるだけではなく、追加変動表示画像G42として追加表示画面APにも表示される。これにより、ベース表示画面BP及び追加表示画面APのいずれを遊技者が注目している場合であっても、リーチ演出の実行中であること及びリーチ図柄の組合せの種類を明確に認識させることが可能となる。
ベース表示画面BPにおける追加表示画面APの表示態様の変更に伴って、ベース変動表示画像G33及び追加変動表示画像G42の一方が表示されない状況となり得るものの、ベース変動表示画像G33及び追加変動表示画像G42の両方が表示されない状況とはならないように、ベース変動表示画像G33及び追加変動表示画像G42の少なくとも一方は表示が継続される。これにより、追加表示画面APがベース変動表示画像G33の表示範囲も含めて移動表示される構成であっても、リーチ演出の実行中であること及びリーチ図柄の組合せの種類の報知を継続させることが可能となる。
図33は複数画面演出を実行するために利用される画像データを説明するための説明図である。
メモリモジュール74には、ベース表示画面BPにおける各種画像G31~G33を表示させるための画像データとして、ベース画面用のオブジェクトデータ91と、ベース画面用のテクスチャデータ92とが予め記憶されている。また、メモリモジュール74には、追加表示画面APにおける各種画像G41,G42を表示させるための画像データとして、追加画面用のオブジェクトデータ93と、追加画面用のテクスチャデータ94と、追加画面用の板ポリゴンデータ95とが予め記憶されている。
複数画面演出に際しては、3D画像データを扱う状況において通常のワールド座標系とは別に別保存用のワールド座標系が利用される。別保存用のワールド座標系には追加画面用のオブジェクトデータ93が配置される。そして、別保存用のワールド座標系に対して仮想2次元平面への投影が行われるとともに、当該投影が行われた後の2次元データに対して追加画面用のテクスチャデータ94を利用して色情報の設定処理が実行されることで、追加表示画面APに表示される2次元データが作成される。この追加表示画面AP用の2次元データは追加画面用の2Dデータとして、VRAM75に設けられた別保存バッファ96(図5参照)に別保存される。
その後、通常のワールド座標系にベース画面用のオブジェクトデータ91が配置されるとともに、追加画面用の板ポリゴンデータ95が配置される。追加画面用の板ポリゴンデータ95は、肉厚のない平面状に構成され、人などのキャラクタを表示するための肉厚を有するベース画面用のオブジェクトデータ91及び追加画面用のオブジェクトデータ93に比べて単位表示面当たりのポリゴン数が少ないオブジェクトデータである。そして、通常のワールド座標系に対して仮想2次元平面への投影が行われる。この場合、当該投影が行われた後の2次元データのうちベース画面用のオブジェクトデータ91に対応する2次元データに対しては、ベース画面用のテクスチャデータ92を利用して色情報の設定処理が実行される。
一方、当該投影が行われたの値の2次元データのうち追加画面用の板ポリゴンデータ95に対応する2次元データに対しては、別保存バッファ96に別保存された追加表示画面AP用の2次元データを利用して色情報の設定処理が実行される。当該色情報の設定処理に際しては追加画面用の板ポリゴンデータ95のうち表示対象となる板面に対応する部分に対して、UV座標を利用することにより、別保存バッファ96に別保存された追加表示画面AP用の2次元データが貼り付けられた状態となるようにする。つまり、追加画面用の板ポリゴンデータ95のうち表示対象となる板面に対応する部分の各ポリゴンと別保存バッファ96に別保存された追加表示画面AP用の2次元データの各ピクセルとの対応関係は一義的に定められており、その対応関係に従って追加画面用の板ポリゴンデータ95のうち表示対象となる板面に対応する部分の各ポリゴンに対して、別保存バッファ96に別保存された追加表示画面AP用の2次元データの色情報が適用される。ちなみに、追加画面用の板ポリゴンデータ95の表示サイズ及び表示角度に応じて、投影後の2次元データにおいて追加画面用の板ポリゴンデータ95のうち表示対象となる板面に対応する部分の範囲が変化するため、その範囲の変化に対応させて、別保存された追加表示画面AP用の2次元データの色情報の適用に際して当該色情報の各ピクセルの線形補間やピクセルの間引きなどが適宜実行される。
以下、複数画面演出を実行するための具体的な処理構成を説明する。図34は、表示CPU72にて実行される複数画面表示の演算処理を示すフローチャートである。複数画面演出の演算処理は、タスク処理(図19)におけるステップS1204の演出用演算処理にて実行される。当該複数画面演出の演算処理は、現状設定されている実行対象テーブルにおいて複数画面演出についての情報が設定されている場合に起動される。
まず現状設定されている実行対象テーブルに基づき、追加表示画面APの各種画像を表示するための画像データ93,94のメモリモジュール74又はVRAM75のテクスチャ用エリア81aにおける各アドレスを把握する(ステップS1701)。当該画像データ93,94には、追加キャラクタ画像G41を表示するためのオブジェクトデータ及びテクスチャデータが含まれるとともに、追加変動表示画像G42を表示するためのオブジェクトデータ及びテクスチャデータが含まれる。そして、その把握した画像データ93,94について、現状設定されている実行対象テーブルに基づきパラメータ情報を演算して導き出し、その導き出したパラメータ情報を、ワークRAM73においてこれら画像データ93,94に対応させて確保されたエリアに書き込む(ステップS1702)。当該パラメータ情報には、別保存用のワールド座標系における追加キャラクタ画像G41を表示するためのオブジェクトデータ及び追加変動表示画像G42を表示するためのオブジェクトデータのそれぞれについての表示位置、表示サイズ、表示角度などが含まれる。
その後、現状設定されている実行対象テーブルに基づき、追加画面用の板ポリゴンデータ95のメモリモジュール74におけるアドレスを把握する(ステップS1703)。そして、当該追加画面用の板ポリゴンデータ95について、現状設定されている実行対象テーブルに基づきパラメータ情報を演算して導き出し、その導き出したパラメータ情報を、ワークRAM73において追加画面用の板ポリゴンデータ95に対応させて確保されたエリアに書き込む(ステップS1704)。当該パラメータ情報には、通常のワールド座標系における追加画面用の板ポリゴンデータ95の表示位置、表示サイズ、表示角度などが含まれる。
その後、現状設定されている実行対象テーブルに基づき、ベース表示画面BPの各種画像を表示するための画像データ91,92のメモリモジュール74又はVRAM75のテクスチャ用エリア81aにおける各アドレスを把握する(ステップS1705)。当該画像データ91,92には、ベースキャラクタ画像G31を表示するためのオブジェクトデータ及びテクスチャデータが含まれるとともに、ベース文字画像G32を表示するためのオブジェクトデータ及びテクスチャデータが含まれ、さらにベース変動表示画像G33を表示するためのオブジェクトデータ及びテクスチャデータが含まれる。そして、その把握した画像データ91,92について、現状設定されている実行対象テーブルに基づきパラメータ情報を演算して導き出し、その導き出したパラメータ情報を、ワークRAM73においてこれら画像データ91,92に対応させて確保されたエリアに書き込む(ステップS1706)。当該パラメータ情報には、通常のワールド座標系におけるベースキャラクタ画像G31を表示するためのオブジェクトデータ、ベース文字画像G32を表示するためのオブジェクトデータ及びベース変動表示画像G33を表示するためのオブジェクトデータのそれぞれについての表示位置、表示サイズ、表示角度などが含まれる。
その後、複数画面演出を実行すべきことをVDP76に認識させるための情報である複数画面演出の実行指示情報を表示CPU72のレジスタに記憶する(ステップS1707)。上記のように複数画面演出の演算処理が実行された場合、その後の描画リスト出力処理(ステップS1107)においてVDP76に送信される描画リストには、ベース画面用のオブジェクトデータ91、ベース画面用のテクスチャデータ92、追加画面用のオブジェクトデータ93、追加画面用のテクスチャデータ94及び追加画面用の板ポリゴンデータ95の使用指示の情報が設定されるとともに、複数画面演出の実行指示情報が設定される。
描画リストに複数画面演出の実行指示情報が設定されている場合、VDP76は描画処理(図21)におけるステップS1302にて肯定判定をすることで別保存用処理を実行する(ステップS1303)。図35は別保存用処理を示すフローチャートである。
今回の描画リストに設定されているアドレスの情報から、追加画面用のオブジェクトデータ93のうち今回の表示対象となっている一又は複数のオブジェクトデータを把握する(ステップS1801)。この場合、その把握したオブジェクトデータが今回の複数画面演出において未だ別保存用のワールド座標系への設定対象となっていない場合には、その把握したオブジェクトデータを上記アドレスの情報を参照することで、メモリモジュール74から読み出してVRAM75の展開用バッファ81に書き込む。また、ステップS1801にて把握した一又は複数のオブジェクトデータのパラメータ情報を今回の描画リストに基づき把握する(ステップS1802)。この場合、別保存用のワールド座標系における当該オブジェクトデータの表示位置、表示サイズ、表示角度などを把握する。
その後、別保存用のワールド座標系への設定処理を実行する(ステップS1803)。これにより、ステップS1801にて把握した一又は複数のオブジェクトデータがステップS1802にて把握したパラメータ情報に対応する態様で別保存用のワールド座標系に設定された状態となる。この場合、前回の別保存用処理にて既に別保存用のワールド座標系に設定されているとともに今回の別保存用処理においても設定対象となっているオブジェクトデータは、既に別保存用のワールド座標系に設定された状態となっているため、ステップS1802にて把握したパラメータ情報に従ってその設定態様のみが変更される。一方、今回の別保存用処理において初めて設定対象となったオブジェクトデータについては、別保存用のワールド座標系に設定するための処理が実行されるとともに、ステップS1802にて把握したパラメータ情報に従った態様で別保存用のワールド座標系に設定される。
その後、カメラ座標系(カメラ空間)への変換処理を実行する(ステップS1804)。カメラ座標系への変換処理では、描画リストにより指定されたカメラの情報により、視点の座標及び向きを決定するとともに、その視点の座標及び向きに基づいて、別保存用のワールド座標系を、視点を原点としたカメラ座標系(カメラ空間)に変換する。
その後、視野座標系(視野空間)への変換処理を実行する(ステップS1805)。視野座標系への変換処理では、上記カメラ座標系を、視点からの視野(視野角)に対応する視野座標系に変換する。これにより、各オブジェクトデータについて、対応する視点の視野内に含まれている場合にはそれが抽出されるとともに、視点から近いオブジェクトデータが拡大されるとともに、視点から遠いオブジェクトデータが縮小される。
その後、クリッピング処理を実行する(ステップS1806)。クリッピング処理では、ステップS1805にて抽出された各オブジェクトデータが、それぞれ対応する視点を共通の原点として把握される。そして、その状態で追加画面用の板ポリゴンデータ95に対応する空間を基準として、ステップS1805にて抽出された各オブジェクトデータをクリッピングする。
その後、ライティング処理を実行する(ステップS1807)。ライティング処理では、描画リストにより指定されたライトの情報により、仮想光源の種類、座標及び向きを決定するとともに、上記クリッピング処理により抽出された各オブジェクトデータについて上記仮想光源に基づき陰影や反射等を演算する。
その後、追加画面用の2Dデータ作成処理を実行する(ステップS1808)。追加画面用の2Dデータ作成処理では、ステップS1806にて抽出されるとともにステップS1807にてライティング処理が完了した各オブジェクトデータを仮想2次元平面であるスクリーン領域に投影する(例えば、透視投影や平行投影)。この場合、オブジェクトデータに対して隠面消去を行いながらスクリーン領域への投影を行うことで投影データを作成する。また、投影の実行対象となったポリゴンに完全透明のα値が設定されている場合には奥側の画像データがそのまま利用され、半透明のα値が設定されている場合にはα値を基準とした比率での奥側の画像データと手前側の画像データとの融合が色情報の設定処理に際して行われるようにするための処理が実行され、不透明のα値が設定されている場合には奥側の画像に対して手前側の画像の上書きが行われる。また、追加画面用の2Dデータ作成処理では、その投影データに対して色情報の設定処理を実行することで追加画面用の2Dデータを作成する。色情報の設定処理では、投影により2次元データとされたオブジェクトデータに対してUV座標値を利用して、対応する追加画面用のテクスチャデータ94の色情報を適用することで、投影により2次元データとされたオブジェクトデータのピクセル単位(すなわちポリゴン単位)又は頂点単位で色情報を設定する。
その後、ステップS1808にて作成した追加画面用の2Dデータを別保存バッファ96に保存する(ステップS1809)。これにより、複数画面演出が実行される場合には表示CPU72からVDP76に描画リストが出力される度に、すなわち図柄表示装置41の画像の更新タイミングとなる度に、別保存用のワールド座標系に設定されたオブジェクトデータを利用して追加画面用の2Dデータが別保存バッファ96に別保存される。
次に、VDP76にて実行される複数画面演出の設定処理を、図36のフローチャートを参照しながら説明する。複数画面演出の設定処理は、描画処理(図21)のステップS1304~ステップS1306の全てを含む処理として実行される。また、描画リストにおいて複数画面演出の実行指示情報が設定されている場合に、複数画面演出の設定処理が実行される。
今回の描画リストに設定されているアドレスの情報から、追加画面用の板ポリゴンデータ95を把握する(ステップS1901)。この場合、追加画面用の板ポリゴンデータ95が今回の複数画面演出において未だ通常のワールド座標系への設定対象となっていない場合には、追加画面用の板ポリゴンデータ95を上記アドレスの情報を参照することで、メモリモジュール74から読み出してVRAM75の展開用バッファ81に書き込む。また、追加画面用の板ポリゴンデータ95のパラメータ情報を今回の描画リストに基づき把握する(ステップS1902)。この場合、通常のワールド座標系における追加画面用の板ポリゴンデータ95の表示位置、表示サイズ、表示角度などを把握する。
その後、今回の描画リストに設定されているアドレスの情報から、ベース画面用のオブジェクトデータ91のうち今回の表示対象となっている一又は複数のオブジェクトデータを把握する(ステップS1903)。この場合、その把握したオブジェクトデータが今回の複数画面演出において未だ通常のワールド座標系への設定対象となっていない場合には、その把握したオブジェクトデータを上記アドレスの情報を参照することで、メモリモジュール74から読み出してVRAM75の展開用バッファ81に書き込む。また、ステップS1903にて把握した一又は複数のオブジェクトデータのパラメータ情報を今回の描画リストに基づき把握する(ステップS1904)。この場合、通常のワールド座標系における当該オブジェクトデータの表示位置、表示サイズ、表示角度などを把握する。
その後、通常のワールド座標系への設定処理を実行する(ステップS1905)。これにより、ステップS1901にて把握した追加画面用の板ポリゴンデータ95がステップS1902にて把握したパラメータ情報に対応する態様で通常のワールド座標系に設定された状態となるとともに、ステップS1903にて把握した一又は複数のオブジェクトデータがステップS1904にて把握したパラメータ情報に対応する態様で通常のワールド座標系に設定された状態となる。この場合、前回の複数画面演出の設定処理にて既に通常のワールド座標系に設定されているとともに今回の複数画面演出の設定処理においても設定対象となっているオブジェクトデータは、既に通常のワールド座標系に設定された状態となっているため、ステップS1902又はステップS1904にて把握したパラメータ情報に従ってその設定態様のみが変更される。一方、今回の複数画面演出の設定処理において初めて設定対象となったオブジェクトデータについては、通常のワールド座標系に設定するための処理が実行されるとともに、ステップS1902又はステップS1904にて把握したパラメータ情報に従った態様で通常のワールド座標系に設定される。
ここで、ベース画面用のオブジェクトデータ91及び追加画面用の板ポリゴンデータ95のそれぞれが各種パラメータ情報を適用された状態で通常のワールド座標系に設定されることにより、ベース表示画面BPにおける追加表示画面APの表示態様の変更に伴って、ベース変動表示画像G33及び追加変動表示画像G42の一方が表示されない状況となり得るものの、ベース変動表示画像G33及び追加変動表示画像G42の両方が表示されない状況とはならないように、ベース変動表示画像G33及び追加変動表示画像G42の少なくとも一方は表示が継続される。これにより、追加表示画面APがベース変動表示画像G33の表示範囲も含めて移動表示される構成であっても、リーチ演出の実行中であること及びリーチ図柄の組合せの種類の報知を継続させることが可能となる。
次に、VDP76にて実行される複数画面演出の描画データ作成処理を、図37のフローチャートを参照しながら説明する。複数画面演出の描画データ作成処理は、描画処理(図21)のステップS1311における描画データ作成処理として実行される。また、描画リストにおいて複数画面演出の実行指示情報が設定されている場合に、複数画面演出の描画データ作成処理が実行される。
まず投影処理を実行する(ステップS2001)。投影処理では、描画処理(図21)のステップS1309にて抽出されるとともにステップS1310にてライティング処理が完了した各オブジェクトデータを仮想2次元平面であるスクリーン領域に投影する(例えば、透視投影や平行投影)。この場合、オブジェクトデータに対して隠面消去を行いながらスクリーン領域への投影を行うことで投影データを作成する。また、投影の実行対象となったポリゴンに完全透明のα値が設定されている場合には奥側の画像データがそのまま利用され、半透明のα値が設定されている場合にはα値を基準とした比率での奥側の画像データと手前側の画像データとの融合が色情報の設定処理に際して行われるようにするための処理が実行され、不透明のα値が設定されている場合には奥側の画像に対して手前側の画像の上書きが行われる。
その後、ステップS2001にて作成した投影データのうち追加画面用の板ポリゴンデータ95に対応する部分を把握する(ステップS2002)。そして、その把握した部分に対して、別保存バッファ96に保存された追加画面用の2Dデータを利用して、ピクセル単位(すなわちポリゴン単位)又は頂点単位で色情報を設定する(ステップS2003)。この場合、追加画面用の板ポリゴンデータ95のうち表示対象となる板面に対応する部分の各ポリゴンと別保存バッファ96に別保存された追加画面用の2Dデータの各ピクセル(つまり、別保存バッファ96の各ドット)との対応関係は一義的に定められており、その対応関係に従って追加画面用の板ポリゴンデータ95のうち表示対象となる板面に対応する部分の各ポリゴンに対して、別保存バッファ96に別保存された追加画面用の2Dデータの色情報が適用される。ちなみに、追加画面用の板ポリゴンデータ95の表示サイズ及び表示角度に応じて、投影後の2次元データにおいて追加画面用の板ポリゴンデータ95のうち表示対象となる板面に対応する部分の範囲が変化するため、その範囲の変化に対応させて、別保存された追加画面用の2Dデータの色情報の適用に際して当該色情報の各ピクセルの線形補間やピクセルの間引きなどが適宜実行される。
その後、ステップS2001にて作成した投影データのうち追加画面用の板ポリゴンデータ95に対応する部分とは異なる部分を把握する(ステップS2004)。そして、その把握した異なる部分に対して、ベース画面用のテクスチャデータ92を利用して、ピクセル単位(すなわちポリゴン単位)又は頂点単位で色情報を設定する(ステップS2005)。
以上のとおり、複数画面演出が実行される状況では図柄表示装置41における画像の各更新タイミングにおいて、まず追加画面用のオブジェクトデータ93及び追加画面用のテクスチャデータ94を利用して追加画面用の2Dデータが作成されて別保存され、その後に通常のワールド座標系にベース画面用のオブジェクトデータ91及び追加画面用の板ポリゴンデータ95が設定された状態で投影データが作成されるとともにその投影データに対してベース画面用のテクスチャデータ92及び別保存された追加画面用の2Dデータを利用して色情報が設定されることで1フレーム分の描画データが作成される。これにより、ベース表示画面BPにおいて追加表示画面APが各更新タイミングで移動表示されるようにしながら、さらに当該追加表示画面APにおいて各更新タイミングで動画表示が更新されるようにすることが可能となる。よって、斬新な表示演出を提供することが可能となり、図柄表示装置41への遊技者の注目度を高めることが可能となる。
ベース表示画面BP及び追加表示画面APのいずれにおいても、今回の遊技回におけるリーチ図柄の組合せが停止表示された状態で最終停止図柄列による図柄の変動表示が行われている様子を示す画像表示が行われる。ベース表示画面BPのベース変動表示画像G33において表示されているリーチ図柄の組合せと、追加表示画面APの追加変動表示画像G42において表示されているリーチ図柄の組合せとは同一となっている。これにより、追加表示画面APの表示態様の自由度を高めたとしても、リーチ図柄の組合せの視認性を損なわないようにすることが可能となる。
ベース表示画面BPにおける追加表示画面APの表示態様の変更に伴って、ベース変動表示画像G33及び追加変動表示画像G42の一方が表示されない状況となり得るものの、ベース変動表示画像G33及び追加変動表示画像G42の両方が表示されない状況とはならないように、ベース変動表示画像G33及び追加変動表示画像G42の少なくとも一方は表示が継続される。これにより、追加表示画面APがベース変動表示画像G33の表示範囲も含めて移動表示される構成であっても、リーチ演出の実行中であること及びリーチ図柄の組合せの種類の報知を継続させることが可能となる。
追加表示画面APを表示させるためのオブジェクトデータとして追加画面用の板ポリゴンデータ95が利用される。これにより、オブジェクトデータを記憶するために必要なデータ容量の増加を抑えながら既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
<複数画面演出についての別形態>
・リーチ演出において複数画面演出が実行される構成としたが、リーチ演出が実行されていない状況であっても複数画面演出が実行される構成としてもよい。例えば全ての図柄列Z1~Z3にて図柄の変動表示が行われている状況で発生する予告演出が実行されている状況において複数画面演出が実行される構成としてもよい。この場合、全ての図柄列Z1~Z3にて図柄が変動表示されている様子を示す画像が、ベース表示画面BP及び追加表示画面APのそれぞれにて表示される構成としてもよい。
・複数画面演出が実行されている状況においてはリーチ演出の実行中であること及びリーチ図柄の組合せの種類を報知するリーチ報知画像が、ベース表示画面BP及び追加表示画面APのそれぞれにて表示される構成としたが、これに限定されることはなく、当該リーチ報知画像がベース表示画面BP及び追加表示画面APのいずれか一方にて表示される構成としてもよい。例えば当該リーチ報知画像がベース表示画面BPにて表示される一方、追加表示画面APにおいては表示されない構成とした場合、ベース表示画面BPにおけるリーチ報知画像の表示領域と重ならないように追加表示画面APの表示が行われるようにすることで、追加表示画面APの表示態様がどのように変更されたとしてもベース表示画面BPにおけるリーチ報知画像の表示を遊技者が確認することが可能となる。また、当該リーチ報知画像が追加表示画面APにて表示される一方、ベース表示画面BPにおいては表示されない構成とした場合、リーチ報知画像が視認不可とならないように追加表示画面APの表示が行われるようにすることで、ベース表示画面BPにおけるいずれの位置に追加表示画面APが表示されたとしても、追加表示画面APにおけるリーチ報知画像の表示を遊技者が確認することが可能となる。
・追加表示画面APに表示される画像の内容は図柄表示装置41の各更新タイミングにおいて新たに更新される構成としたが、これに限定されることはなく、複数の更新タイミングに対して1回の割合で更新される構成としてもよい。また、ベース表示画面BPに表示される画像の内容及び追加表示画面APに表示される画像の内容はそれぞれの更新タイミングが重複しないようにして、いずれも複数の更新タイミングに対して1回の割合で更新される構成としてもよい。これにより、複数画面演出を実行する場合であっても処理負荷を軽減することが可能となる。
・複数画面演出を実行する場合には追加表示画面APに表示するために利用される追加画面用の2Dデータが通常のワールド座標系とは別に設定された別保存用のワールド座標系を利用して作成される構成としたが、これに限定されることはなく、追加画面用の2Dデータも通常のワールド座標系を利用して作成される構成としてもよい。
<特別図柄演出を行うための構成>
次に、図柄表示装置41にて実行される特別図柄演出を行うための構成について説明する。図38(a)~図38(c)は特別図柄演出の内容を説明するための説明図である。
特別図柄演出はリーチ演出の一種として実行される。但し、これに限定されることはなく、特別図柄演出がリーチ演出以外の演出として実行される構成としてもよい。特別図柄演出とは、第1表示モードにてリーチ演出が実行されている状況においてリーチ図柄の組合せを形成している図柄の表示態様を通常の表示態様とは異なる表示態様とする演出である。この場合、特別図柄演出の有無以外についてはリーチ演出の内容が同一である場合と比較して、特別図柄演出が発生しない場合よりも特別図柄演出が発生した場合の方が大当たり結果の発生の期待度が高くなる。また、特別図柄演出において選択対象となる表示態様は、選択された場合における大当たり結果の期待度を相違させて複数種類設定されている。
特別図柄演出における表示態様として、第1表示態様と、第2表示態様と、第3表示態様と、第4表示態様と、第5表示態様とが設定されている。第1表示態様は特別図柄演出の実行対象となる図柄を白黒によるデッサンとして描かれた状態となるように表示する表示態様である。第2表示態様は特別図柄演出の実行対象となる図柄をライン部分を除いて無色の透明となるようにクリスタル風に表示する表示態様である。第3表示態様は特別図柄演出の実行対象となる図柄をその輪郭線部分に連続的なガタツキが生じる状態となるように表示する表示態様である。第4表示態様は特別図柄演出の実行対象となる図柄を全体的にドットが付された状態となるように表示する表示態様である。第5表示態様は特別図柄演出の実行対象となる図柄を全体的にモザイクが付された状態となるように表示する表示態様である。第1表示態様<第2表示態様<第3表示態様<第4表示態様<第5表示態様の順序で大当たり結果の期待度が高くなる。
特別図柄演出について具体的には、上図柄列Z1及び下図柄列Z3における図柄の変動表示が停止された段階でこれら上図柄列Z1及び下図柄列Z3のそれぞれの中ラインL2上に「3」の図柄が停止していることで、当該「3」の図柄によるリーチ図柄の組合せが形成されている。そして、この状況で中図柄列Z2における図柄の変動表示が継続されている。この場合に、図38(a)においてはリーチ図柄の組合せを形成している上下の「3」の図柄画像G51,G52は通常の表示態様となっている。一方、図38(b)においてはリーチ図柄の組合せを形成している上下の「3」の図柄画像G53,G54は第1表示態様となっており、図38(c)においてはリーチ図柄の組合せを形成している上下の「3」の図柄画像G55,G56は第4表示態様となっている。
特別図柄演出が実行される場合においてリーチ図柄の組合せを形成している図柄の表示態様が特別図柄演出の実行に対応する表示態様に変更されるタイミングは、上図柄列Z1及び下図柄列Z3における図柄の変動表示が停止されてリーチ演出が開始されてから所定期間(例えば2秒)が経過した後のタイミングとなっている。これにより、リーチ演出と特別図柄演出とを段階的に開始することが可能となり、それぞれの演出に対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。但し、これに限定されることはなく、リーチ演出が開始されたタイミングで特別図柄演出が開始される構成としてもよく、ノーマルリーチ演出からスペシャル演出に発展するタイミングで特別図柄演出が開始される構成としてもよい。また、上図柄列Z1及び下図柄列Z3における図柄の変動表示が停止されるタイミングよりも前のタイミングで特別図柄演出が開始される構成としてもよい。この場合、特別図柄演出によりリーチ演出が発生することを示唆することが可能となる。また、当該構成においてリーチ図柄の組合せを形成する図柄のみが特別図柄演出の実行対象とすることで、特別図柄演出によりリーチ演出が発生することを示唆するだけでなく、特別図柄演出によりリーチ図柄の組合せを形成する図柄の種類を事前に示唆することが可能となる。
特別図柄演出の実行対象となるのは上図柄列Z1及び下図柄列Z3においてリーチ図柄の組合せを形成している図柄のみである。したがって、特別図柄演出が実行されたとしても副図柄の表示態様は変更されない。また、上図柄列Z1及び下図柄列Z3においてリーチ図柄の組合せを形成している図柄とは異なる主図柄の表示態様は変更されない。また、中図柄列Z2については全ての図柄の表示態様が変更されない。これにより、特別図柄演出が実行された場合に表示態様の変更対象となる図柄の種類を少なくすることが可能となり特別図柄演出を開始する場合における処理負荷の増大化を抑制することが可能となる。
図39は特別図柄演出を実行するために利用される画像データを説明するための説明図である。
メモリモジュール74には、カラーマップデータ群101と、部分マスクデータ群102と、シャドウマスクデータ群103と、ライン画像データ群104と、数字画像データ群105とが予め記憶されている。
カラーマップデータ群101には、「1」~「9」の図柄のそれぞれに1対1で対応させて設定されたカラーマップデータが含まれている。図40(a)は「3」の図柄に対応させて設定されたカラーマップデータ111を説明するための説明図である。カラーマップデータ111は2次元のデータとして設定されており、全体として四角形状の画像データとして設定されている。カラーマップデータ111には「3」の図柄を構成するキャラクタ画像が色情報を含めて設定された画像領域111aと、四角形状の画像データのうち画像領域111aの周囲を埋めるように設定された枠領域111bとが設定されている。「3」の図柄に対応させて設定された画像領域111aにはカメの画像を表示するための画像データが設定されており、全体的に不透明のα値が設定されている。一方、枠領域111bには無色の色情報が設定されており、全体的に完全透明のα値が設定されている。
部分マスクデータ群102には、「1」~「9」の数字のそれぞれに1対1で対応させて設定された部分マスクデータが含まれている。図40(b)は「3」の図柄に対応させて設定された部分マスクデータ112を説明するための説明図である。部分マスクデータ112は2次元のデータとして設定されており、全体として四角形状の画像データとして設定されている。この場合、部分マスクデータ112の全体のサイズ及び外縁の形状は、カラーマップデータ111と同一となっている。部分マスクデータ112には、「3」の図柄を構成するキャラクタ画像(カメの画像)のうち一部のパーツ部分に対してマスクをかけるためのマスク領域112aと、四角形状の画像データのうちマスク領域112aの周囲を埋めるように設定された枠領域112bとが設定されている。「3」の図柄に対応させて設定されたマスク領域112aにはカメの目の部分に対して無色のマスクをかけるためのデータが設定されており、全体的に完全透明のα値が設定されている。一方、枠領域112bには無色の色情報が設定されており、全体的に不透明のα値が設定されている。カラーマップデータ111及び部分マスクデータ112のそれぞれを初期設定のサイズのまま相互に同一の基準となるピクセル(左上の隅角部分)を合わせるようにして重ね合わせた場合、カラーマップデータ111の画像領域111aにおけるキャラクタ画像の目の部分と部分マスクデータ112のマスク領域112aとが完全に重なることとなる。
シャドウマスクデータ群103には、「1」~「9」の数字のそれぞれに1対1で対応させて設定されたシャドウマスクデータが含まれている。図40(c)は「3」の図柄に対応させて設定されたシャドウマスクデータ113を説明するための説明図である。シャドウマスクデータ113は2次元のデータとして設定されており、全体として四角形状の画像データとして設定されている。この場合、シャドウマスクデータ113の全体のサイズ及び外縁の形状は、カラーマップデータ111及び部分マスクデータ112と同一となっている。シャドウマスクデータ113には、「3」の図柄を構成するキャラクタ画像(カメの画像)に所定の方向から光が照射されている状況を仮定した場合に生じる影を表す影画像領域113aと、四角形状の画像データのうち影画像領域113aの周囲を埋めるように設定された枠領域113bとが設定されている。「3」の図柄に対応させて設定された影画像領域113aには「3」の図柄に対応させて設定されたカラーマップデータ111における画像領域111aの外縁部分と同一のサイズ及び形状の外縁部分が設定されており、その外縁部分の範囲内において影画像が設定されている。そして、影画像領域113aは外縁部分及び影画像の部分が黒色の色情報が設定されているとともに不透明のα値が設定されており、それ以外の部分が無色の色情報が設定されているとともに完全透明のα値が設定されている。一方、枠領域113bには無色の色情報が設定されており、全体的に完全透明のα値が設定されている。カラーマップデータ111及びシャドウマスクデータ113のそれぞれを初期設定のサイズのまま相互に同一の基準となるピクセル(左上の隅角部分)を合わせるようにして重ね合わせた場合、カラーマップデータ111の画像領域111aとシャドウマスクデータ113の影画像領域113aとが完全に重なることとなる。
ライン画像データ群104には、「1」~「9」の数字のそれぞれに1対1で対応させて設定されたライン画像データが含まれている。図40(d)は「3」の図柄に対応させて設定されたライン画像データ114を説明するための説明図である。ライン画像データ114は2次元のデータとして設定されており、全体として四角形状の画像データとして設定されている。この場合、ライン画像データ114の全体のサイズ及び外縁の形状は、カラーマップデータ111、部分マスクデータ112及びシャドウマスクデータ113と同一となっている。ライン画像データ114には、「3」の図柄を構成するキャラクタ画像(カメの画像)の全体的な外縁及び各パーツの外縁を示すライン画像領域114aと、四角形状の画像データのうちライン画像領域114aの周囲を埋めるように設定された枠領域114bとが設定されている。「3」の図柄に対応させて設定されたライン画像領域114aには「3」の図柄に対応させて設定されたカラーマップデータ111においてライン以外の部分の色情報が取り除かれた画像データが設定されている。そして、ライン画像領域114aはキャラクタ画像(カメの画像)の全体的な外縁及び各パーツの外縁の部分が黒色の色情報が設定されているとともに不透明のα値が設定されており、それ以外の部分が無色の色情報が設定されているとともに完全透明のα値が設定されている。一方、枠領域114bには無色の色情報が設定されており、全体的に完全透明のα値が設定されている。カラーマップデータ111及びライン画像データ114のそれぞれを初期設定のサイズのまま相互に同一の基準となるピクセル(左上の隅角部分)を合わせるようにして重ね合わせた場合、カラーマップデータ111の画像領域111aとライン画像データ114のライン画像領域114aとが完全に重なることとなる。
数字画像データ群105には、「1」~「9」の数字のそれぞれに1対1で対応させて設定された数字画像データが含まれている。「1」~「9」の図柄(すなわち主図柄)は図3(a)~図3(i)に示すように、対応するキャラクタ画像に対して数字画像が付された状態となっている。数字画像データは数字画像を表示するための画像データである。数字画像データは2次元のデータとして設定されており、全体として四角形状の画像データとして設定されている。この場合、数字画像データの全体のサイズ及び外縁の形状は、カラーマップデータ111、部分マスクデータ112、シャドウマスクデータ113及びライン画像データ114と同一となっている。数字画像データには、数字の部分を示す数字画像領域と、四角形状の画像データのうち数字画像領域の周囲を埋めるように設定された枠領域とが設定されている。数字画像領域はそれぞれの図柄に対応する色情報が設定されており、全体的に不透明のα値が設定されている。一方、枠領域には無色の色情報が設定されており、全体的に完全透明のα値が設定されている。カラーマップデータ111及び数字画像データのそれぞれを初期設定のサイズのまま相互に同一の基準となるピクセル(左上の隅角部分)を合わせるようにして重ね合わせた場合、カラーマップデータ111の画像領域111aにおける所定の位置に数字画像領域が重なることとなる。
特別図柄演出が実行されない場合にはカラーマップデータ111に対して対応するライン画像データ114を重ね合わせることで作成した画像データに対して、当該カラーマップデータ111に対応する数字画像データを重ね合わせる。この場合、ライン画像データ114及び数字画像データのうち不透明のα値が設定された部分のみがカラーマップデータ111側に残る状態となった画像データとなる。これにより、通常の表示態様の図柄を表示するための画像データが作成される。なお、「3」の図柄以外の図柄についても同様に作成される。また、上記各データの重ね合わせに際しては初期設定のサイズのまま相互に同一の基準となるピクセル(左上の隅角部分)を合わせるようにして当該重ね合わせが行われるため、当該重ね合わせに際しての処理負荷を軽減することが可能となる。
特別図柄演出における第1表示態様による表示が行われる場合にはカラーマップデータ111に対して対応する部分マスクデータ112を重ね合わせることによりカラーマップデータ111における目の部分のみを残した画像データを作成するとともに、当該カラーマップデータ111に対応するシャドウマスクデータ113に対してその影画像領域113aが荒い表示態様となるようにブラシ加工処理を施した画像データを作成する。そして、後者の画像データに対して前者の画像データを重ね合わせることでブラシ加工処理後のシャドウマスクデータ113にカラーマップデータ111における目の部分のみが追加された画像データを作成するとともに、その画像データに対して対応するライン画像データ114を重ね合わせることにより、対応する図柄が白黒によるデッサンとして描かれた状態となるように表示するための画像データを作成する。その後、当該画像データに対して、対応する数字画像データを重ね合わせる。この場合、ライン画像データ114及び数字画像データのうち不透明のα値が設定された部分のみが、ブラシ加工処理後のシャドウマスクデータ113にカラーマップデータ111における目の部分のみが追加された画像データ側に残る状態となった画像データとなる。これにより、第1表示態様の図柄を表示するための画像データが作成される。また、上記各データの重ね合わせに際しては初期設定のサイズのまま相互に同一の基準となるピクセル(左上の隅角部分)を合わせるようにして当該重ね合わせが行われるため、当該重ね合わせに際しての処理負荷を軽減することが可能となる。
特別図柄演出における第2表示態様による表示が行われる場合にはカラーマップデータ111に対して対応する部分マスクデータ112を重ね合わせることによりカラーマップデータ111における目の部分のみを残した画像データを作成するとともに、当該カラーマップデータ111に対応するライン画像データ114に対してそのライン画像領域114aの奥側に存在する画像が屈折表現されるように法線加工処理を施した画像データを作成する。そして、後者の画像データに対して前者の画像データを重ね合わせることで法線加工処理後のライン画像データ114にカラーマップデータ111における目の部分のみが追加され、これにより対応する図柄がライン部分を除いて無色の透明となるクリスタル風に表示されるようにするための画像データを作成する。その後、当該画像データに対して、対応する数字画像データを重ね合わせる。この場合、数字画像データのうち不透明のα値が設定された部分のみが、法線加工処理後のライン画像データ114にカラーマップデータ111における目の部分のみが追加された画像データ側に残る状態となった画像データとなる。これにより、第2表示態様の図柄を表示するための画像データが作成される。また、上記各データの重ね合わせに際しては初期設定のサイズのまま相互に同一の基準となるピクセル(左上の隅角部分)を合わせるようにして当該重ね合わせが行われるため、当該重ね合わせに際しての処理負荷を軽減することが可能となる。
特別図柄演出における第3表示態様による表示が行われる場合にはライン画像データ114に対してライン画像領域114aのライン部分に軽度のガタツキが生じるように軽度ガタツキ加工処理を施した画像データを作成する。そして、その画像データを対応するカラーマップデータ111に対して重ね合わせることで軽度ガタツキ加工処理後のライン画像データ114がカラーマップデータ111に追加され、これにより対応する図柄がその輪郭部分に連続的なガタツキが生じるように表示されるようにするための画像データを作成する。その後、当該画像データに対して、対応する数字画像データを重ね合わせる。この場合、ライン画像データ114及び数字画像データのうち不透明のα値が設定された部分のみがカラーマップデータ111側に残る状態となった画像データとなる。これにより、第3表示態様の図柄を表示するための画像データが作成される。また、上記各データの重ね合わせに際しては初期設定のサイズのまま相互に同一の基準となるピクセル(左上の隅角部分)を合わせるようにして当該重ね合わせが行われるため、当該重ね合わせに際しての処理負荷を軽減することが可能となる。
特別図柄演出における第4表示態様による表示が行われる場合にはカラーマップデータ111に対して画像領域111aの全体に一定の間隔及び一定のサイズのドットが生じるようにドット加工処理を施した画像データを作成する。そして、その画像データに対して対応するライン画像データ114を重ね合わせるとともに対応する数字画像データを重ね合わせる。この場合、ライン画像データ114及び数字画像データのうち不透明のα値が設定された部分のみがドット加工処理が施された後のカラーマップデータ111側に残る状態となった画像データとなる。これにより、第4表示態様の図柄を表示するための画像データが作成される。また、上記各データの重ね合わせに際しては初期設定のサイズのまま相互に同一の基準となるピクセル(左上の隅角部分)を合わせるようにして当該重ね合わせが行われるため、当該重ね合わせに際しての処理負荷を軽減することが可能となる。
特別図柄演出における第5表示態様による表示が行われる場合にはライン画像データ114に対してライン画像領域114aのライン部分に強度のガタツキが生じるように強度ガタツキ加工処理を施した画像データを作成する。そして、その画像データを対応するカラーマップデータ111に対して重ね合わせることで強度ガタツキ加工処理後のライン画像データ114がカラーマップデータ111に追加され、これにより対応する図柄がその輪郭部分に連続的な大きなガタツキが生じることでモザイク風に表示されるようにするための画像データを作成する。その後、当該画像データに対して、対応する数字画像データを重ね合わせる。この場合、ライン画像データ114及び数字画像データのうち不透明のα値が設定された部分のみがカラーマップデータ111側に残る状態となった画像データとなる。これにより、第5表示態様の図柄を表示するための画像データが作成される。また、上記各データの重ね合わせに際しては初期設定のサイズのまま相互に同一の基準となるピクセル(左上の隅角部分)を合わせるようにして当該重ね合わせが行われるため、当該重ね合わせに際しての処理負荷を軽減することが可能となる。
上記のとおり一の図柄に対して設定されたカラーマップデータ111、部分マスクデータ112、シャドウマスクデータ113及びライン画像データ114という4種類の画像データを利用することで6種類の表示態様のキャラクタ画像を表示するための画像データを作成することが可能となる。これにより、メモリモジュール74に予め記憶する画像データの数を抑えながら、多くの種類の表示態様のキャラクタ画像を表示させることが可能となる。
一の図柄に対して設定されたカラーマップデータ111、部分マスクデータ112、シャドウマスクデータ113及びライン画像データ114はいずれも初期設定の状態において同一のサイズ及び形状となっている。これにより、各画像データの重ね合わせを行う場合の処理負荷を軽減することが可能となる。
各表示態様を実現するためにカラーマップデータ111、部分マスクデータ112、シャドウマスクデータ113及びライン画像データ114の相互の重ね合わせだけではなく、所定の画像データに対する所定の加工処理が施される。これにより、メモリモジュール74に予め記憶する画像データの数を抑えながら多くの種類の表示態様のキャラクタ画像を表示させることを可能とした構成において、より複雑な画像表示を行うことが可能となる。
以下、特別図柄演出を実行するための具体的な処理構成を説明する。図41(a)は、音光側MPU62にて実行される特別図柄演出の選択処理を示すフローチャートである。特別図柄演出の選択処理は、演出決定処理(図27)におけるその他の処理(ステップS1416)にて実行される。
今回の遊技回の表示継続期間が特別図柄演出の実行に対応する表示継続期間である場合(ステップS2101:YES)、特別図柄演出の実行抽選処理を実行する(ステップS2102)。特別図柄演出の実行抽選処理では、今回の遊技回が大当たり結果に対応しているのであれば20%の確率で特別図柄演出の発生当選となり、今回の遊技回が外れ結果に対応しているのであれば10%の確率で特別図柄演出の発生当選となるように抽選処理を実行する。これにより、特別図柄演出が発生した方が発生しない場合よりも大当たり結果の発生の期待度が高くなる。
特別図柄演出の実行当選となった場合(ステップS2103:YES)、特別図柄演出の種類抽選処理を実行する(ステップS2104)。特別図柄演出の種類抽選処理では、図41(b)に示す確率で第1~第5表示態様のいずれかを選択する。この場合、大当たり結果の遊技回であれば第1表示態様<第2表示態様<第3表示態様<第4表示態様<第5表示態様の順序で選択確率が高くなり、外れ結果の遊技回であれば第5表示態様<第4表示態様<第3表示態様<第2表示態様<第1表示態様の順序で選択確率が高くなる。これにより、第n表示態様よりも第n+1表示態様が選択された場合の方が大当たり結果の発生の期待度が高くなる。
その後、特別図柄演出の種類抽選処理にて選択された表示態様の種類情報を音光側RAM64に記憶する(ステップS2105)。表示態様の種類情報は、今回の遊技回用演出の実行途中において上図柄列Z1及び下図柄列Z3にてリーチ図柄の組合せを形成している図柄の表示態様を今回選択された特別図柄演出の表示態様に変更すべきことを音光側MPU62にて特定するための情報である。表示態様の種類情報が音光側RAM64に記憶されている場合、テーブル設定処理(図17)のステップS1005における制御用テーブルの読み出し処理において、リーチ演出の発生後において上図柄列Z1及び下図柄列Z3にてリーチ図柄の組合せを形成している図柄の表示態様が今回選択された特別図柄演出の表示態様に変更されることとなる表示演出に対応する制御用テーブルが音光側ROM63から音光側RAM64に読み出される。なお、演出決定処理(図27)においては表示態様の種類情報以外にも演出の内容を決定付ける情報が音光側RAM64に記憶されることとなるため、今回の遊技回の開始時に実行される制御用テーブルの読み出し処理(ステップS1005)においては表示態様の種類情報及びその他の演出の内容を決定付ける情報に対応する制御用テーブルが音光側RAM64に読み出されることとなる。
また、タイマ割込み処理(図16)のコマンド選択処理(ステップS902)においては音光側RAM64に読み出した制御用テーブルに対応する表示用コマンドを表示CPU72に送信する。表示CPU72は当該表示用コマンドを受信することにより、音光側RAM64に読み出された制御用テーブルに対応する表示演出が図柄表示装置41にて実行されるように当該図柄表示装置41を表示制御する。したがって、表示態様の種類情報に対応する制御用テーブルが読み出されている場合には、リーチ演出の発生後において上図柄列Z1及び下図柄列Z3にてリーチ図柄の組合せを形成している図柄の表示態様が今回選択された特別図柄演出の表示態様に変更されることとなる。
次に、表示CPU72にて実行される特別図柄用演算処理を、図42のフローチャートを参照しながら説明する。特別図柄用演算処理は、タスク処理(図19)におけるステップS1205の図柄用演算処理にて実行される。当該特別図柄用演算処理は、現状設定されている実行対象テーブルにおいて特別図柄演出についての情報が設定されている場合に起動される。
今回が特別図柄演出の開始タイミングである場合(ステップS2201:YES)、現状設定されている実行対象テーブルに基づき、リーチ図柄の組合せを形成している図柄の種類を把握するとともに(ステップS2202)、特別図柄演出として選択された表示態様の種類を把握する(ステップS2203)。そして、上図柄列Z1及び下図柄列Z3においてリーチ図柄の組合せを形成している図柄について、現状設定されている実行対象テーブルに基づきパラメータ情報を演算して導き出し、その導き出したパラメータ情報を、ワークRAM73において当該図柄に対応させて確保されたエリアに書き込む(ステップS2204)。また、今回の特別図柄演出に対応する表示態様となる図柄の画像データを作成すべきことをVDP76に認識させるための情報である特別図柄演出の開始指示情報を表示CPU72のレジスタに記憶する(ステップS2205)。
その後、現状設定されている実行対象テーブルに基づき、上図柄列Z1及び下図柄列Z3においてリーチ図柄の組合せを形成している図柄以外の図柄であって今回の画像の更新タイミングにおいて図柄表示装置41の表示対象となる図柄を把握する(ステップS2206)。そして、当該図柄について、現状設定されている実行対象テーブルに基づきパラメータ情報を演算して導き出し、その導き出したパラメータ情報を、ワークRAM73において当該図柄に対応させて確保されたエリアに書き込む(ステップS2207)。
その後、特別図柄演出を実行すべきことをVDP76に認識させるための情報である特別図柄演出の実行指示情報を表示CPU72のレジスタに記憶する(ステップS2208)。上記のように特別図柄用演算処理が実行された場合、その後の描画リスト出力処理(ステップS1107)においてVDP76に送信される描画リストには、上図柄列Z1及び下図柄列Z3においてリーチ図柄の組合せを形成している図柄を今回の特別図柄演出にて選択された表示態様により表示することを指定する情報、その他の表示対象の図柄を指定する情報、特別図柄演出の開始指示情報、及び特別図柄演出の実行指示情報が設定される。
今回が特別図柄演出の開始タイミングではない場合(ステップS2201:NO)、現状設定されている実行対象テーブルに基づき、上図柄列Z1及び下図柄列Z3においてリーチ図柄の組合せを形成している図柄を含めて今回の画像の更新タイミングにおいて図柄表示装置41の表示対象となる図柄を把握する(ステップS2209)。そして、当該図柄について、現状設定されている実行対象テーブルに基づきパラメータ情報を演算して導き出し、その導き出したパラメータ情報を、ワークRAM73において当該図柄に対応させて確保されたエリアに書き込む(ステップS2210)。その後、特別図柄演出を実行すべきことをVDP76に認識させるための情報である特別図柄演出の実行指示情報を表示CPU72のレジスタに記憶する(ステップS2208)。上記のように特別図柄用演算処理が実行された場合、その後の描画リスト出力処理(ステップS1107)においてVDP76に送信される描画リストには、表示対象となる図柄を指定する情報及び特別図柄演出の実行指示情報が設定される。
次に、VDP76にて実行される特別図柄演出の描画データ作成処理を、図43のフローチャートを参照しながら説明する。特別図柄演出の描画データ作成処理は、描画処理(図21)のステップS1311における描画データ作成処理として実行される。また、描画リストにおいて特別図柄演出の実行指示情報が設定されている場合に、特別図柄演出の描画データ作成処理が実行される。
まず投影処理を実行する(ステップS2301)。投影処理では、描画処理(図21)のステップS1309にて抽出されるとともにステップS1310にてライティング処理が完了した各オブジェクトデータを仮想2次元平面であるスクリーン領域に投影する(例えば、透視投影や平行投影)。この場合、オブジェクトデータに対して隠面消去を行いながらスクリーン領域への投影を行うことで投影データを作成する。また、投影の実行対象となったポリゴンに完全透明のα値が設定されている場合には奥側の画像データがそのまま利用され、半透明のα値が設定されている場合にはα値を基準とした比率での奥側の画像データと手前側の画像データとの融合が色情報の設定処理に際して行われるようにするための処理が実行され、不透明のα値が設定されている場合には奥側の画像に対して手前側の画像の上書きが行われる。
第1表示モードにおいては図柄を表示する場合、表示対象となる各図柄のそれぞれに対応させて図柄用の板ポリゴンデータが通常のワールド座標系に設定される。図柄用の板ポリゴンデータは、肉厚のない平面状に構成され、人などのキャラクタを表示するための肉厚を有するオブジェクトデータに比べて単位表示面当たりのポリゴン数が少ないオブジェクトデータである。したがって、投影処理後における投影データのうち図柄用の板ポリゴンデータに対応する部分に対して、図柄用に作成された2Dの画像データが適用される。
ステップS2301にて投影処理を実行した後は、今回の描画リストに特別図柄演出の開始指示情報が設定されているか否かを判定する(ステップS2302)。特別図柄演出の開始指示情報が設定されている場合であって(ステップS2302:YES)、今回の特別図柄演出にて選択された表示態様が第1表示態様である場合(ステップS2303:YES)、第1作成処理を実行する(ステップS2304)。
図44は第1作成処理を示すフローチャートである。また、図45(a)~図45(d)は第1作成処理の処理内容を説明するための説明図である。なお、図45(a)~図45(d)においては「3」の図柄について第1作成処理が実行される場合を例示するが、他の図柄についても同様である。
まず今回のリーチ図柄の組合せを形成する図柄に対応するカラーマップデータ111及び部分マスクデータ112をメモリモジュール74から読み出す(ステップS2401)。そして、カラーマップデータ111に対して部分マスクデータ112を重ね合わせることによりカラーマップデータ111における目の部分のみを残した部分画像データGD1を作成する(ステップS2402)。これにより、図45(a)に示す画像に対応する部分画像データGD1が作成される。
その後、今回のリーチ図柄の組合せを形成する図柄に対応するシャドウマスクデータ113をメモリモジュール74から読み出し、その読み出したシャドウマスクデータ113に対して、その影画像領域113aが荒い表示態様となるようにブラシ加工処理を実行する(ステップS2403)。これにより、図45(b)に示す画像に対応するブラシ加工画像データGD2が作成される。
その後、ブラシ加工処理を実行したブラシ加工画像データGD2に対して、ステップS2402にて作成した部分画像データGD1を重ね合わせることで、ブラシ加工処理後のブラシ加工画像データGD2にカラーマップデータ111における目の部分のみが追加された重ね合わせ画像データGD3を作成する(ステップS2404)。これにより、図45(c)に示す画像に対応する重ね合わせ画像データGD3が作成される。
その後、今回のリーチ図柄の組合せを形成する図柄に対応するライン画像データ114及び数字画像データをメモリモジュール74から読み出し、ステップS2404にて作成した重ね合わせ画像データGD3に対して、ライン画像データ114を重ね合わせるとともに数字画像データを重ね合わせることで、今回のリーチ図柄の組合せを形成する図柄について第1表示態様による表示を可能とするための画像データGD4を作成する(ステップS2406)。この場合、ライン画像データ114及び数字画像データのうち不透明のα値が設定された部分のみが、重ね合わせ画像データGD3側に残る状態となった画像データGD4となる。ステップS2406の処理が実行されることで、図45(d)に示す画像に対応する画像データGD4が作成される。
なお、上記各データの重ね合わせに際しては初期設定のサイズのまま相互に同一の基準となるピクセル(左上の隅角部分)を合わせるようにして当該重ね合わせが行われるため、当該重ね合わせに際しての処理負荷を軽減することが可能となる。
特別図柄演出の描画データ作成処理(図43)の説明に戻り、特別図柄演出の開始指示情報が設定されている場合であって(ステップS2302:YES)、今回の特別図柄演出にて選択された表示態様が第2表示態様である場合(ステップS2305:YES)、第2作成処理を実行する(ステップS2306)。第2作成処理が実行されることにより、今回のリーチ図柄の組合せを形成する図柄について第2表示態様による表示を可能とするための画像データが作成される。第2表示態様による表示を可能とするための画像データの作成方法については既に説明したとおりである。
特別図柄演出の開始指示情報が設定されている場合であって(ステップS2302:YES)、今回の特別図柄演出にて選択された表示態様が第3表示態様である場合(ステップS2307:YES)、第3作成処理を実行する(ステップS2308)。第3作成処理が実行されることにより、今回のリーチ図柄の組合せを形成する図柄について第3表示態様による表示を可能とするための画像データが作成される。第3表示態様による表示を可能とするための画像データの作成方法については既に説明したとおりである。
特別図柄演出の開始指示情報が設定されている場合であって(ステップS2302:YES)、今回の特別図柄演出にて選択された表示態様が第4表示態様である場合(ステップS2309:YES)、第4作成処理を実行する(ステップS2310)。第4作成処理が実行されることにより、今回のリーチ図柄の組合せを形成する図柄について第4表示態様による表示を可能とするための画像データが作成される。第4表示態様による表示を可能とするための画像データの作成方法については既に説明したとおりである。
特別図柄演出の開始指示情報が設定されている場合であって(ステップS2302:YES)、今回の特別図柄演出にて選択された表示態様が第5表示態様である場合(ステップS2309:NO)、第5作成処理を実行する(ステップS2311)。第5作成処理が実行されることにより、今回のリーチ図柄の組合せを形成する図柄について第5表示態様による表示を可能とするための画像データが作成される。第5表示態様による表示を可能とするための画像データの作成方法については既に説明したとおりである。
ステップS2304、ステップS2306、ステップS2308、ステップS2310及びステップS2311のいずれかの処理を実行した場合、それぞれの処理にて作成した画像データを、VRAM75に設けられた特別図柄用バッファ115(図5参照)に保存する(ステップS2312)。今回の特別図柄演出において上図柄列Z1及び下図柄列Z3におけるリーチ図柄の組合せを形成する図柄を表示する場合には、特別図柄用バッファ115に保存された画像データが、投影データのうちこれら図柄に対応する図柄用の板ポリゴンデータに対応する部分に対して適用される。
ステップS2302にて否定判定をした場合、又はステップS2312の処理を実行した場合、ステップS2301にて作成した投影データのうち、上図柄列Z1におけるリーチ図柄の組合せを形成する図柄に対応する図柄用の板ポリゴンデータに対応する部分、及び下図柄列Z3におけるリーチ図柄の組合せを形成する図柄に対応する図柄用の板ポリゴンデータに対応する部分のそれぞれを把握する(ステップS2313)。そして、その把握した各部分に対して、特別図柄用バッファ115に保存された今回の特別図柄演出に対応する表示態様の画像データを利用して、ピクセル単位(すなわちポリゴン単位)又は頂点単位で色情報を設定する(ステップS2314)。この場合、図柄用の板ポリゴンデータのうち表示対象となる板面に対応する部分の各ポリゴンと特別図柄用バッファ115に保存された画像データの各ピクセル(つまり、特別図柄用バッファ115の各ドット)との対応関係は一義的に定められており、その対応関係に従って図柄用の板ポリゴンデータのうち表示対象となる板面に対応する部分の各ポリゴンに対して、特別図柄用バッファ115に保存された画像データの色情報が適用される。
その後、ステップS2301にて作成した投影データのうち、上記ステップS2313にて把握した図柄以外の各図柄のそれぞれに対応する図柄用の板ポリゴンデータに対応する部分を把握する(ステップS2315)。そして、通常の図柄データの描画処理を実行する(ステップS2316)。通常の図柄データの描画処理ではまず今回の表示対象となる図柄のそれぞれについて、カラーマップデータ111、ライン画像データ114及び数字画像データを利用して既に説明した方法により画像データを作成する。そして、その作成した画像データを、ステップS2315にて把握した部分であってそれぞれの画像データに対応する部分に適用する。この場合、把握した各部分に対して、上記のように作成された画像データを利用して、ピクセル単位(すなわちポリゴン単位)又は頂点単位で色情報を設定する。
その後、ステップS2301にて作成した投影データのうち、図柄以外の画像に対応する各部分を把握する(ステップS2317)。そして、その把握した各部分に対して対応するテクスチャデータを利用して、ピクセル単位(すなわちポリゴン単位)又は頂点単位で色情報を設定する(ステップS2318)。
以上のとおり、一の図柄に対して設定されたカラーマップデータ111、部分マスクデータ112、シャドウマスクデータ113及びライン画像データ114という4種類の画像データを利用することで6種類の表示態様に対応する画像データを作成することが可能となる。これにより、メモリモジュール74に予め記憶する画像データの数を抑えながら、一の図柄を多くの種類の表示態様により表示させることが可能となる。
一の図柄に対して設定されたカラーマップデータ111、部分マスクデータ112、シャドウマスクデータ113及びライン画像データ114はいずれも初期設定の状態において同一のサイズ及び形状となっている。これにより、各画像データの重ね合わせを行う場合の処理負荷を軽減することが可能となる。
各表示態様を実現するためにカラーマップデータ111、部分マスクデータ112、シャドウマスクデータ113及びライン画像データ114の相互の重ね合わせだけではなく、所定の画像データに対する所定の加工処理が施される。これにより、メモリモジュール74に予め記憶する画像データの数を抑えながら一の図柄を多くの種類の表示態様により表示させることを可能とした構成においてより複雑な画像表示を行うことが可能となる。
リーチ図柄の組合せを形成している図柄についてはカラーマップデータ111、部分マスクデータ112、シャドウマスクデータ113及びライン画像データ114を利用することで通常の表示態様による表示から、特別図柄演出に対応する表示態様による表示に変更されるのに対して、リーチ図柄の組合せを形成している図柄以外の図柄については通常の表示態様による表示が継続される。これにより、リーチ演出が発生した場合には全ての図柄の表示態様を特別図柄演出に対応する表示態様に変更する構成に比べて処理負荷を軽減することが可能となる。また、表示態様の変更対象となる図柄はリーチ図柄の組合せを形成している図柄であるため、表示態様が変更されたことを遊技者に明確に認識させることが可能となる。
特別図柄演出に対応する表示態様は複数種類設定されており、さらにその複数種類の表示態様のそれぞれは大当たり結果の発生期待度が相違している。これにより、リーチ図柄の組合せを形成している図柄の表示態様によって、大当たり結果の発生期待度を報知することが可能となる。
<特別図柄演出についての別形態>
・特別図柄演出が実行されない場合に通常の表示態様により図柄を表示するために利用される画像データがカラーマップデータ111、ライン画像データ114及び数字画像データを利用して都度作成される構成に限定されることはなく、特別図柄演出が実行されない場合に通常の表示態様により図柄を表示するための画像データが各図柄のそれぞれに対応するテクスチャデータとしてメモリモジュール74に予め記憶されている構成としてもよい。これにより、リアルタイムで画像データを作成する対象となる図柄が特別図柄演出の実行対象となったリーチ図柄の組合せを形成する図柄のみとなるため、図柄を表示するために実行される描画データの作成処理の処理負荷を軽減することが可能となる。
・特別図柄演出が実行される場合には上図柄列Z1及び下図柄列Z3においてリーチ図柄の組合せを形成している図柄のみが特別図柄演出に対応する表示態様に変更される構成としたが、これに限定されることはなく、中図柄列Z2において上記リーチ図柄の組合せを形成している図柄と同一の種類の図柄も特別図柄演出に対応する表示態様に変更される構成としてもよく、全ての図柄が特別図柄演出に対応する表示態様に変更される構成としてもよい。
・特別図柄演出を行う構成を、3次元のデータを利用して画像表示が行われる構成ではなく、3次元のデータを利用することなく2次元のデータを利用して画像表示が行われる構成に適用してもよい。
・特別図柄演出の表示態様は第1~第5表示態様の5種類に限定されることはなく、6種類、7種類又は8種類以上であってもよい。
<エッジ加工演出を行うための構成>
次に、図柄表示装置41にて実行されるエッジ加工演出を行うための構成について説明する。図46(a)~図46(c)はエッジ加工演出の内容を説明するための説明図である。
エッジ加工演出はリーチ演出の一種として実行される。但し、これに限定されることはなく、エッジ加工演出がリーチ演出以外の演出として実行される構成としてもよい。エッジ加工演出とは、人を表す画像である特別キャラクタ画像G61~G63が表示されるリーチ演出が実行されている状況において当該特別キャラクタ画像G61~G63のエッジ部分の表示態様を大当たり結果の発生の期待度を示唆するように変更する演出のことである。
具体的には、エッジ加工演出が実行されない場合には図46(a)に示すようにエッジ加工が一切行われない状態で特別キャラクタ画像G61が表示される。これに対して、エッジ加工演出として第1エッジ加工期間が発生した場合には、図46(b)に示すように特別キャラクタ画像G62の全体的な外縁及び各パーツ部分の外縁に連続的な影画像G64が表示されることとなる。また、エッジ加工演出として第2エッジ加工期間が発生した場合には、図46(c)に示すように特別キャラクタ画像G63の顔面部分の左右両側に複数の縦線画像G65が表示されることとなる。
図46(a)に示すようにエッジ加工が一切行われない特別キャラクタ画像G61が表示されている場合よりも、図46(b)に示すように特別キャラクタ画像G62の全体的な外縁及び各パーツ部分の外縁に連続的な影画像G64が表示される第1エッジ加工が施されている場合の方が大当たり結果の発生の期待度が高い。また、図46(b)に示すように特別キャラクタ画像G62の全体的な外縁及び各パーツ部分の外縁に連続的な影画像G64が表示される第1エッジ加工が施されている場合よりも、図46(c)に示すように特別キャラクタ画像G63の顔面部分の左右両側に複数の縦線画像G65が表示される第2エッジ加工が施されている場合の方が大当たり結果の発生の期待度が高い。
図47は特別キャラクタ画像G61~G63を表示するために利用される画像データを説明するための説明図である。
メモリモジュール74には、特別キャラクタ画像G61~G63を表示させるための画像データとして、特別キャラクタ用のオブジェクトデータ121と特別キャラクタ用のテクスチャデータ122とが予め記憶されている。特別キャラクタ画像G61~G63が表示される場合には、エッジ加工演出が実行されるか否かに関係なく、特別キャラクタ用のオブジェクトデータ121及び特別キャラクタ用のテクスチャデータ122が利用される。また、特別キャラクタ画像G61~G63を表示するために利用される画像データは、エッジ加工演出が実行されるか否かに関係なく、特別キャラクタ用のオブジェクトデータ121及び特別キャラクタ用のテクスチャデータ122であり、それ以外の画像データは利用されない。エッジ加工演出は、特別キャラクタ用のオブジェクトデータ121及び特別キャラクタ用のテクスチャデータ122を加工することにより行われる。これにより、メモリモジュール74において必要な記憶容量の増大化を抑制しながらエッジ加工演出を行うことが可能となる。
以下、エッジ加工演出を実行するための具体的な処理構成を説明する。図48は、表示CPU72にて実行される特別キャラクタ演出用演算処理を示すフローチャートである。特別キャラクタ演出用演算処理は、タスク処理(図19)におけるステップS1204の演出用演算処理にて実行される。当該特別キャラクタ演出用演算処理は、現状設定されている実行対象テーブルにおいて特別キャラクタについての情報が設定されている場合に起動される。
まず現状設定されている実行対象テーブルに基づき、特別キャラクタ画像G61~G63を表示するための特別キャラクタ用のオブジェクトデータ121のメモリモジュール74における各アドレスを把握するとともに、VRAM75のテクスチャ用エリア81aにおいて特別キャラクタ用のテクスチャデータ122が記憶されているエリアのアドレスを把握する(ステップS2501)。そして、その把握した各データ121,122について、現状設定されている実行対象テーブルに基づきパラメータ情報を演算して導き出し、その導き出したパラメータ情報を、ワークRAM73においてこれらデータ121,122に対応させて確保されたエリアに書き込む(ステップS2502)。当該パラメータ情報には、通常のワールド座標系における特別キャラクタ用のオブジェクトデータ121についての表示位置、表示サイズ、表示角度などが含まれる。
その後、現状設定されている実行対象テーブルに基づき、今回の遊技回が第1エッジ加工期間の発生に対応する遊技回であって当該第1エッジ加工期間に該当する画像の更新タイミングであるか否かを判定する(ステップS2503)。ステップS2503にて肯定判定をした場合、第1エッジ加工期間に対応するエッジ加工演出を実行すべきことをVDP76に認識させるための情報である第1エッジ加工の指示情報を表示CPU72のレジスタに記憶する(ステップS2504)。
その後、現状設定されている実行対象テーブルに基づき、今回の遊技回が第2エッジ加工期間の発生に対応する遊技回であって当該第2エッジ加工期間に該当する画像の更新タイミングであるか否かを判定する(ステップS2505)。ステップS2505にて肯定判定をした場合、第2エッジ加工期間に対応するエッジ加工演出を実行すべきことをVDP76に認識させるための情報である第2エッジ加工の指示情報を表示CPU72のレジスタに記憶する(ステップS2506)。
その後、特別キャラクタ画像G61~G63を表示させるべきことをVDP76に認識させるための情報である特別キャラクタ演出の実行指示情報を表示CPU72のレジスタに記憶する(ステップS2507)。上記のように特別キャラクタ演出用演算処理が実行された場合、その後の描画リスト出力処理(ステップS1107)においてVDP76に送信される描画リストには、特別キャラクタ用のオブジェクトデータ121及び特別キャラクタ用のテクスチャデータ122の使用指示の情報が設定されるとともに、特別キャラクタ演出の実行指示情報が設定される。また、ステップS2504の処理が実行された場合にはこれら上記情報に加えて第1エッジ加工の指示情報が描画リストに設定され、ステップS2506の処理が実行された場合には上記情報に加えて第2エッジ加工の指示情報が描画リストに設定される。
当該描画リストを受信したVDP76は、描画処理(図21)における演出用の設定処理(ステップS1305)にて、特別キャラクタ用のオブジェクトデータ121を指定されたパラメータ情報に従った態様で通常のワールド座標系に設定する。この場合、通常のワールド座標系における特別キャラクタ用のオブジェクトデータ121の配置角度は当該オブジェクトデータ121の軸線を中心として360度の範囲で変更され得る。
次に、VDP76にて実行される特別キャラクタ演出の描画データ作成処理を、図49のフローチャートを参照しながら説明する。特別キャラクタ演出の描画データ作成処理は、描画処理(図21)のステップS1311における描画データ作成処理として実行される。また、描画リストにおいて特別キャラクタ演出の実行指示情報が設定されている場合に、特別キャラクタ演出の描画データ作成処理が実行される。
特別キャラクタ演出の描画データ作成処理では、第1エッジ加工期間又は第2エッジ加工期間である場合、投影処理(ステップS2609)を実行する前に、視野座標系にてクリッピング処理(ステップS1309)が完了した状態においてそれぞれの加工期間に対応するエッジ抽出処理(ステップS2601~ステップS2608)を実行する。
当該エッジ抽出処理について詳細には、まず今回の描画リストに第1エッジ加工の指示情報が設定されているか否かを特定することで、第1エッジ加工期間であるか否かを判定する(ステップS2601)。第1エッジ加工期間である場合(ステップS2601:YES)、第1エッジ加工を行う範囲であるか否かを特定するための処理の実行範囲として第1判定範囲を設定する(ステップS2602)。第1判定範囲とは、視野座標系にてクリッピング処理(ステップS1309)が完了した状態における特別キャラクタ用のオブジェクトデータ121において、視野座標系の視点からの視野内に含まれる面の全体の範囲となる。
第1エッジ加工期間ではない場合(ステップS2601:NO)、今回の描画リストに第2エッジ加工の指示情報が設定されているか否かを特定することで、第2エッジ加工期間であるか否かを判定する(ステップS2603)。第2エッジ加工期間である場合(ステップS2603:YES)、第2エッジ加工を行う範囲であるか否かを特定するための処理の実行範囲として第2判定範囲を設定する(ステップS2604)。第2判定範囲とは、視野座標系にてクリッピング処理(ステップS1309)が完了した状態における特別キャラクタ用のオブジェクトデータ121において、視野座標系の視点からの視野内に含まれる顔パーツの全体の範囲となる。
ステップS2602又はステップS2604の処理を実行した場合、エッジ判定処理を実行する(ステップS2605)。エッジ判定処理では、特別キャラクタ用のオブジェクトデータ121に含まれる各ポリゴンのうちエッジ判定対象となっているポリゴンが、視野座標系の視点からの視野内において、特別キャラクタ用のオブジェクトデータ121の周囲に対して境界となるエッジ部分に該当しているか否かを判定するとともに、特別キャラクタ用のオブジェクトデータ121の複数のパーツ間の境界となるエッジ部分に該当しているか否かを判定する。つまり、エッジ判定処理では、特別キャラクタ用のオブジェクトデータ121に含まれる各ポリゴンのうちエッジ判定対象となっているポリゴンが、投影処理後の投影データにおいて特別キャラクタ画像G62の全体的な外縁又は各パーツ部分の外縁となるポリゴンに該当しているか否かを判定する。
図50(a)は特別キャラクタ用のオブジェクトデータ121の各ポリゴンに設定されている情報を説明するための説明図である。図50(a)に示すように特別キャラクタ用のオブジェクトデータ121の各ポリゴン(T(1)~T(n))には、ローカル座標情報(X(1)~X(n))と、UV座標情報(Y(1)~Y(n))と、エッジ情報との組合せのデータが設定されている。ローカル座標情報(X(1)~X(n))は特別キャラクタ用のオブジェクトデータ121に含まれる各ポリゴンの相対的な位置関係を定めた情報である。UV座標情報(Y(1)~Y(n))は投影処理により作成された投影データにおいて特別キャラクタ用のオブジェクトデータ121に対応する部分に対して特別キャラクタ用のテクスチャデータ122を利用して色情報を設定する場合に当該特別キャラクタ用のテクスチャデータ122の各ピクセルとの相対的な位置関係を定めた情報である。エッジ情報はエッジ判定処理(ステップS2605)の結果に対応する情報である。エッジ判定処理(ステップS2605)においてエッジ部分に該当しないと判定されたポリゴンのエッジ情報は「0」となり、エッジ判定処理においてエッジ部分に該当すると判定されたポリゴンのエッジ情報は「1」となる。
上記のように特別キャラクタ用のオブジェクトデータ121における各ポリゴンの情報が設定されている構成において、UV座標情報(Y(1)~Y(n))は特別キャラクタ用のテクスチャデータ122の各ピクセルとの相対的な位置関係を定めた情報であるため、特別キャラクタ用のオブジェクトデータ121における各ポリゴンのUV座標情報(Y(1)~Y(n))は他のオブジェクトデータに含まれる各ポリゴンのUV座標情報と重複しない。また、特別キャラクタ用のオブジェクトデータ121にはパーツ部分として頭パーツ、顔パーツ、胴体パーツ、左手パーツ、右手パーツ、左足パーツ及び右足パーツが設定されているが、一のパーツ内のポリゴン間において同一のUV座標情報(Y(1)~Y(n))が設定されることはなく、さらに異なるパーツのポリゴン間において同一のUV座標情報(Y(1)~Y(n))が設定されることもない。そして、オブジェクトデータ毎に各ポリゴンのUV座標情報はそれぞれ異なる所定の範囲に集約されているとともに、特別キャラクタ用のオブジェクトデータ121におけるパーツ毎に各ポリゴンのUV座標情報(Y(1)~Y(n))はそれぞれ異なる所定の範囲に集約されている。
エッジ判定処理の処理内容について具体的には、ステップS2602にて第1判定範囲が設定されている場合には、視野座標系にてクリッピング処理(ステップS1309)が完了した状態における特別キャラクタ用のオブジェクトデータ121において視野座標系の視点からの視野内に含まれる面の全てのポリゴンをエッジ判定対象とする。そして、エッジ判定対象となっているポリゴン及び当該ポリゴンに対して隣接するポリゴンのそれぞれのUV座標情報を参照することで、エッジ判定対象となっているポリゴンに対して隣接するポリゴンに、特別キャラクタ用のオブジェクトデータ121においてエッジ判定対象となっているポリゴンが含まれるパーツとは異なるパーツに含まれるポリゴンが含まれているか否か、及び特別キャラクタ用のオブジェクトデータ121とは異なるオブジェクトデータに含まれるポリゴンが含まれているか否かを判定する。隣接するポリゴンにこれらいずれかのポリゴンが含まれている場合にはエッジ判定対象となっているポリゴンがエッジ部分に該当していると判定し、隣接するポリゴンにこれらポリゴンのいずれもが含まれていない場合にはエッジ判定対象となっているポリゴンがエッジ部分に該当していないと判定する。
また、ステップS2604にて第2判定範囲が設定されている場合には、視野座標系にてクリッピング処理(ステップS1309)が完了した状態における特別キャラクタ用のオブジェクトデータ121において視野座標系の視点からの視野内に含まれる顔パーツの全てのポリゴンをエッジ判定対象とする。そして、エッジ判定対象となっているポリゴン及び当該ポリゴンに対して隣接するポリゴンのそれぞれのUV座標情報を参照することで、エッジ判定対象となっているポリゴンに対して隣接するポリゴンに、特別キャラクタ用のオブジェクトデータ121において顔パーツとは異なるパーツに含まれるポリゴンが含まれているか否か、及び特別キャラクタ用のオブジェクトデータ121とは異なるオブジェクトデータに含まれるポリゴンが含まれているか否かを判定する。隣接するポリゴンにこれらいずれかのポリゴンが含まれている場合にはエッジ判定対象となっているポリゴンがエッジ部分に該当していると判定し、隣接するポリゴンにこれらポリゴンのいずれもが含まれていない場合にはエッジ判定対象となっているポリゴンがエッジ部分に該当していないと判定する。
ステップS2605にてエッジ判定処理を実行した後は、当該エッジ判定処理においてエッジ判定対象となったポリゴンのエッジ情報を当該エッジ判定処理の結果に対応する情報に設定する(ステップS2606)。具体的には、エッジ判定対象となったポリゴンがエッジ部分に該当していると判定された場合には当該エッジ判定対象となったポリゴンのエッジ情報として「1」を設定し、エッジ判定対象となったポリゴンがエッジ部分に該当していないと判定された場合には当該エッジ判定対象となったポリゴンのエッジ情報として「0」を設定する。これにより、図50(a)に示すように当初は特別キャラクタ用のオブジェクトデータ121における全てのポリゴンのエッジ情報に「0」が設定されていたのに対して、各ポリゴンに対するステップS2605及びステップS2606の処理が完了することで図50(b)に示すように一部のポリゴンのエッジ情報に「1」が設定された状態となる。
その後、エッジ判定対象の更新処理を実行する(ステップS2607)。当該更新処理では、ステップS2602にて第1判定範囲が設定されている場合には当該第1判定範囲に含まれる各ポリゴンが予め定められた順序でエッジ判定対象となるように、エッジ判定対象となるポリゴンを当該予め定められた順序における次の順番のポリゴンに変更する。また、当該更新処理では、ステップS2604にて第2判定範囲が設定されている場合には当該第2判定範囲に含まれる各ポリゴンが予め定められた順序でエッジ判定対象となるように、エッジ判定対象となるポリゴンを当該予め定められた順序における次の順番のポリゴンに変更する。
その後、エッジ判定が完了したか否かを判定する(ステップS2608)。ステップS2602にて第1判定範囲が設定されている場合には、当該第1判定範囲に含まれる各ポリゴンのうち上記予め定められた最後の順番よりも後の順番となるポリゴンがエッジ判定対象となっているか否かを判定する。ステップS2604にて第2判定範囲が設定されている場合には、当該第2判定範囲に含まれる各ポリゴンのうち上記予め定められた最後の順番よりも後の順番となるポリゴンがエッジ判定対象となっているか否かを判定する。ステップS2608にて否定判定をした場合にはステップS2605の処理に戻り、ステップS2608にて肯定判定をした場合にはステップS2609に進む。
ステップS2609では投影処理を実行する。投影処理では、描画処理(図21)のステップS1309にて抽出されるとともにステップS1310にてライティング処理が完了した各オブジェクトデータを仮想2次元平面であるスクリーン領域に投影する(例えば、透視投影や平行投影)。この場合、オブジェクトデータに対して隠面消去を行いながらスクリーン領域への投影を行うことで投影データを作成する。また、投影の実行対象となったポリゴンに完全透明のα値が設定されている場合には奥側の画像データがそのまま利用され、半透明のα値が設定されている場合にはα値を基準とした比率での奥側の画像データと手前側の画像データとの融合が色情報の設定処理に際して行われるようにするための処理が実行され、不透明のα値が設定されている場合には奥側の画像に対して手前側の画像の上書きが行われる。
ここで、投影データにおいて特別キャラクタ用のオブジェクトデータ121に対応する部分のピクセルには、特別キャラクタ用のオブジェクトデータ121におけるポリゴンに設定されていたエッジ情報が設定されている。これにより、3次元のデータである状況で設定されたエッジ情報を投影処理後における2次元の投影データにおいても参照することが可能となる。
その後、ステップS2609にて作成した投影データにおいて特別キャラクタ用のオブジェクトデータ121を含めて各種オブジェクトデータのそれぞれに対応する部分を把握し(ステップS2610)、その把握した各部分に対して、特別キャラクタ用のテクスチャデータ122を含めて各テクスチャデータを利用して、ピクセル単位(すなわちポリゴン単位)又は頂点単位で色情報を設定する(ステップS2611)。この場合、UV座標情報を利用して各テクスチャデータの各ピクセルとの位置関係が特定される。
その後、今回の描画リストに第1エッジ加工の指示情報が設定されているか否かを特定することで、第1エッジ加工期間であるか否かを判定する(ステップS2612)。第1エッジ加工期間である場合(ステップS2612:YES)、投影データに色情報を設定した後におけるデータである描画データにおいて「1」が設定されているエッジ情報を特定することで、エッジラインを抽出する(ステップS2613)。そして、そのエッジラインを基準として第1エッジ加工期間における加工範囲を特定する(ステップS2614)。この第1エッジ加工期間における加工範囲はパチンコ機10の設計段階において予め定められており、メモリモジュール74に予め記憶されている。第1エッジ加工期間における加工範囲としては例えばステップS2613にて抽出したエッジラインを構成する各ピクセルから特別キャラクタ用のオブジェクトデータ121に対応する部分の内側に向けて所定個数(例えば10個)のピクセルまでの範囲として設定されている。
その後、ステップS2614にて特定した加工範囲に対して第1加工処理を実行する(ステップS2615)。具体的には、ステップS2614にて特定した加工範囲に含まれる各ピクセルに対して所定の割合で色情報の減算処理を実行することで、ステップS2611の各種描画処理を実行した直後における色情報に対応する色よりも暗い色となるようにする。これにより、図46(b)に示すように特別キャラクタ画像G62の全体的な外縁及び各パーツ部分の外縁に連続的な影画像G64が表示されることに対応する描画データが作成される。
今回の描画リストに第2エッジ加工の指示情報が設定されている場合(ステップS2616:YES)、投影データに色情報を設定した後におけるデータである描画データにおいて「1」が設定されているエッジ情報を特定することで、エッジラインを抽出する(ステップS2617)。そして、そのエッジラインを基準として第2エッジ加工期間における加工範囲を特定する(ステップS2618)。この第2エッジ加工期間における加工範囲はパチンコ機10の設計段階において予め定められており、メモリモジュール74に予め記憶されている。第2エッジ加工期間における加工範囲としては、特別キャラクタ画像G63における顔面部分の左右両側の所定範囲と定められており、当該所定範囲をステップS2617にて抽出したエッジラインから特定する。
その後、ステップS2618にて特定した加工範囲に対して第2加工処理を実行する(ステップS2619)。具体的にはステップS2618にて特定した加工範囲に横方向に所定の間隔を置いて縦線が生じるように当該縦線に該当するピクセルの色情報を黒色に設定する。これにより、図46(c)に示すように特別キャラクタ画像G63の顔面部分の左右両側に複数の縦線画像G65が表示されることに対応する描画データが作成される。
以上のとおり、第1エッジ加工及び第2エッジ加工のそれぞれに対応する特別キャラクタ用のテクスチャデータ122を用意しなくても、特別キャラクタ画像G61~G63の表示態様にエッジ部分を基準として変化を与えることが可能となる。よって、テクスチャデータを記憶するために必要な記憶容量の増大化を抑制しながら、特別キャラクタ画像G61~G63のエッジ部分の表示態様を多様化させることが可能となる。
3次元のデータにおいてエッジ部分の特定を行い、その特定結果を利用して2次元のデータにおいてエッジラインを抽出するとともにその抽出したエッジラインを基準としてエッジ加工を行う構成である。これにより、2次元のデータにおいてエッジ部分の特定を行う構成に比べてエッジ部分の特定精度を高めることが可能となる。
3次元のデータにおいてエッジ部分の特定が行われる構成であっても、特定されたエッジ部分を基準としたエッジ加工の処理は2次元のデータである描画データに対して行われる。これにより、エッジ加工の処理を行うための処理負荷を軽減することが可能となる。
3次元のデータである特別キャラクタ用のオブジェクトデータ121に対してエッジラインを特定するための処理が実行された場合、特別キャラクタ用のオブジェクトデータ121を構成する各ポリゴンに対してエッジラインに対応しているか否かを示すエッジ情報が設定される。これにより、エッジラインに対応しているか否かをポリゴン毎に行うことが可能となるため、エッジラインの特定を精度良く行うことが可能となる。
<エッジ加工演出についての別形態>
・特別キャラクタ用のオブジェクトデータ121と周囲のオブジェクトデータとの間のエッジライン及び特別キャラクタ用のオブジェクトデータ121の各パーツ間のエッジラインを特定する方法はUV座標を利用する方法に限定されることはなく、例えば視点から見て隣り合うポリゴン間においてZ座標が基準となる基準範囲よりも大きくずれている場合にエッジラインであると特定する構成としてもよい。
・3次元のデータにおいてエッジラインを特定した場合にはそのエッジラインを基準とした加工範囲に存在しているポリゴンのUV座標をエッジ加工用のUV座標に変更するとともに、投影後における2次元のデータにおいて上記UV座標の変更が行われた領域に対してはエッジ加工用のテクスチャデータが適用されるようにすることで、エッジ加工を行う構成としてもよい。
<エッジ加工演出についての別の実施形態>
次に、エッジ加工演出を行うための構成の別の実施形態について説明する。上記実施形態では3次元のデータにおいてエッジ部分の特定を行う構成としたが、本実施形態では投影処理後における2次元のデータにおいてエッジ部分の特定を行う。
図51は本実施形態における特別キャラクタ演出の描画データ作成処理を示すフローチャートである。
まず投影処理を実行する(ステップS2701)。投影処理では、描画処理(図21)のステップS1309にて抽出されるとともにステップS1310にてライティング処理が完了した各オブジェクトデータを仮想2次元平面であるスクリーン領域に投影する(例えば、透視投影や平行投影)。この場合、オブジェクトデータに対して隠面消去を行いながらスクリーン領域への投影を行うことで投影データを作成する。また、投影の実行対象となったポリゴンに完全透明のα値が設定されている場合には奥側の画像データがそのまま利用され、半透明のα値が設定されている場合にはα値を基準とした比率での奥側の画像データと手前側の画像データとの融合が色情報の設定処理に際して行われるようにするための処理が実行され、不透明のα値が設定されている場合には奥側の画像に対して手前側の画像の上書きが行われる。
その後、ステップS2701にて作成した投影データにおいて特別キャラクタ用のオブジェクトデータ121を含めて各種オブジェクトデータのそれぞれに対応する部分を把握し(ステップS2702)、その把握した各部分に対して、特別キャラクタ用のテクスチャデータ122を含めて各テクスチャデータを利用して、ピクセル単位(すなわちポリゴン単位)又は頂点単位で色情報を設定する(ステップS2703)。この場合、UV座標情報を利用して各テクスチャデータの各ピクセルとの位置関係が特定される。
その後、今回の描画リストに第1エッジ加工の指示情報が設定されているか否かを特定することで、第1エッジ加工期間であるか否かを判定する(ステップS2704)。第1エッジ加工期間である場合(ステップS2704:YES)、第1エッジ加工を行う範囲であるか否かを特定するための処理の実行範囲として第1判定範囲を設定する(ステップS2705)。第1判定範囲とは、色情報が設定された描画データにおける特別キャラクタ用のオブジェクトデータ121に対応する部分の全体の範囲となる。
第1エッジ加工期間ではない場合(ステップS2704:NO)、今回の描画リストに第2エッジ加工の指示情報が設定されているか否かを特定することで、第2エッジ加工期間であるか否かを判定する(ステップS2706)。第2エッジ加工期間である場合(ステップS2706:YES)、第2エッジ加工を行う範囲であるか否かを特定するための処理の実行範囲として第2判定範囲を設定する(ステップS2707)。第2判定範囲とは、色情報が設定された描画データにおける特別キャラクタ用のオブジェクトデータ121に対応する部分のうち顔パーツの全体の範囲となる。
ステップS2705又はステップS2707の処理を実行した場合、エッジ判定処理を実行する(ステップS2708)。エッジ判定処理では、色情報が設定された描画データにおける特別キャラクタ用のオブジェクトデータ121に対応する部分のうち投影データの状態から引き継がれている各ピクセルのUV座標情報を利用することで、特別キャラクタ画像G61~G63の周囲に対して境界となるエッジ部分に該当しているか否かを判定するとともに、特別キャラクタ画像G61~G63の複数のパーツ間の境界となるエッジ部分に該当しているか否かを判定する。UV座標情報の内容は上記実施形態において説明した内容と同様である。但し、投影処理が実行された後における各ピクセルのUV座標情報は、投影処理が実行される前における各ポリゴンのUV座標情報に対して、複数のUV座標間の合成やUV座標の間引きが生じた後の情報となっている。
エッジ判定処理の処理内容について具体的には、ステップS2705にて第1判定範囲が設定されている場合には、色情報が設定された描画データにおける特別キャラクタ用のオブジェクトデータ121に対応する部分の全てのピクセルをエッジ判定対象とする。そして、エッジ判定対象となっているピクセル及び当該ピクセルに対して隣接するピクセルのそれぞれのUV座標情報を参照することで、エッジ判定対象となっているピクセルに対して隣接するピクセルに、特別キャラクタ用のオブジェクトデータ121に対応する部分においてエッジ判定対象となっているピクセルが含まれるパーツとは異なるパーツに含まれるピクセルが含まれているか否か、及び特別キャラクタ用のオブジェクトデータ121とは異なるオブジェクトデータに対応する部分に含まれるピクセルが含まれているか否かを判定する。隣接するピクセルにこれらいずれかのピクセルが含まれている場合にはエッジ判定対象となっているピクセルがエッジ部分に該当していると判定し、隣接するピクセルにこれらピクセルのいずれもが含まれていない場合にはエッジ判定対象となっているピクセルがエッジ部分に該当していないと判定する。
また、ステップS2707にて第2判定範囲が設定されている場合には、色情報が設定された描画データにおける特別キャラクタ用のオブジェクトデータ121の顔パーツに対応する部分の全てのピクセルをエッジ判定対象とする。そして、エッジ判定対象となっているピクセル及び当該ピクセルに対して隣接するピクセルのそれぞれのUV座標情報を参照することで、エッジ判定対象となっているピクセルに対して隣接するピクセルに、特別キャラクタ用のオブジェクトデータ121において顔パーツとは異なるパーツに対応する部分に含まれるピクセルが含まれているか否か、及び特別キャラクタ用のオブジェクトデータ121とは異なるオブジェクトデータに対応する部分に含まれるピクセルが含まれているか否かを判定する。隣接するピクセルにこれらいずれかのピクセルが含まれている場合にはエッジ判定対象となっているピクセルがエッジ部分に該当していると判定し、隣接するピクセルにこれらピクセルのいずれもが含まれていない場合にはエッジ判定対象となっているピクセルがエッジ部分に該当していないと判定する。
ステップS2708にてエッジ判定処理を実行した後は、当該エッジ判定処理においてエッジ判定対象となったピクセルのエッジ情報を当該エッジ判定処理の結果に対応する情報に設定する(ステップS2709)。図52は色情報が設定された描画データにおける各ピクセルの情報を説明するための説明図である。図52に示すように描画データの各ピクセルには色情報を設定するための領域だけではなく、エッジ情報を設定するための領域が設定されている。なお、これら領域以外にも図示は省略するが各ピクセルにはUV座標情報を設定するための領域が存在している。エッジ判定対象となったピクセルがエッジ部分に該当していると判定された場合には当該エッジ判定対象となったピクセルのエッジ情報として「1」を設定し、エッジ判定対象となったピクセルがエッジ部分に該当していないと判定された場合には当該エッジ判定対象となったピクセルのエッジ情報として「0」を設定する。
その後、エッジ判定対象の更新処理を実行する(ステップS2710)。当該更新処理では、ステップS2705にて第1判定範囲が設定されている場合には当該第1判定範囲に含まれる各ピクセルが予め定められた順序でエッジ判定対象となるように、エッジ判定対象となるピクセルを当該予め定められた順序における次の順番のピクセルに変更する。また、当該更新処理では、ステップS2707にて第2判定範囲が設定されている場合には当該第2判定範囲に含まれる各ピクセルが予め定められた順序でエッジ判定対象となるように、エッジ判定対象となるピクセルを当該予め定められた順序における次の順番のピクセルに変更する。
その後、エッジ判定が完了したか否かを判定する(ステップS2711)。ステップS2705にて第1判定範囲が設定されている場合には、当該第1判定範囲に含まれる各ピクセルのうち上記予め定められた最後の順番よりも後の順番となるピクセルがエッジ判定対象となっているか否かを判定する。ステップS2707にて第2判定範囲が設定されている場合には、当該第2判定範囲に含まれる各ピクセルのうち上記予め定められた最後の順番よりも後の順番となるピクセルがエッジ判定対象となっているか否かを判定する。ステップS2711にて否定判定をした場合にはステップS2708の処理に戻り、ステップS2711にて肯定判定をした場合にはステップS2712に進む。
その後、今回の描画リストに第1エッジ加工の指示情報が設定されているか否かを特定することで、第1エッジ加工期間であるか否かを判定する(ステップS2712)。第1エッジ加工期間である場合(ステップS2712:YES)、描画データの各ピクセルにおいてエッジ情報として「1」が設定されているピクセルを特定することで、エッジラインを抽出する(ステップS2713)。そして、そのエッジラインを基準として第1エッジ加工期間における加工範囲を特定する(ステップS2714)。この第1エッジ加工期間における加工範囲はパチンコ機10の設計段階において予め定められており、メモリモジュール74に予め記憶されている。第1エッジ加工期間における加工範囲としては例えばステップS2713にて抽出したエッジラインを構成する各ピクセルから特別キャラクタ用のオブジェクトデータ121に対応する部分の内側に向けて所定個数(例えば10個)のピクセルまでの範囲として設定されている。
その後、ステップS2714にて特定した加工範囲に対して第1加工処理を実行する(ステップS2715)。具体的には、ステップS2714にて特定した加工範囲に含まれる各ピクセルに対して所定の割合で色情報の減算処理を実行することで、ステップS2703の各種描画処理を実行した直後における色情報に対応する色よりも暗い色となるようにする。これにより、図46(b)に示すように特別キャラクタ画像G62の全体的な外縁及び各パーツ部分の外縁に連続的な影画像G64が表示されることに対応する描画データが作成される。
今回の描画リストに第2エッジ加工の指示情報が設定されている場合(ステップS2712:NO)、描画データの各ピクセルにおいてエッジ情報として「1」が設定されているピクセルを特定することで、エッジラインを抽出する(ステップS2716)。そして、そのエッジラインを基準として第2エッジ加工期間における加工範囲を特定する(ステップS2717)。この第2エッジ加工期間における加工範囲はパチンコ機10の設計段階において予め定められており、メモリモジュール74に予め記憶されている。第2エッジ加工期間における加工範囲としては、特別キャラクタ画像G63における顔面部分の左右両側の所定範囲と定められており、当該所定範囲をステップS2716にて抽出したエッジラインから特定する。
その後、ステップS2717にて特定した加工範囲に対して第2加工処理を実行する(ステップS2718)。具体的にはステップS2717にて特定した加工範囲に横方向に所定の間隔を置いて縦線が生じるように当該縦線に該当するピクセルの色情報を黒色に設定する。これにより、図46(c)に示すように特別キャラクタ画像G63の顔面部分の左右両側に複数の縦線画像G65が表示されることに対応する描画データが作成される。
上記構成によれば第1エッジ加工及び第2エッジ加工のそれぞれに対応する特別キャラクタ用のテクスチャデータ122を用意しなくても、特別キャラクタ画像G61~G63の表示態様にエッジ部分を基準として変化を与えることが可能となる。よって、テクスチャデータを記憶するために必要な記憶容量の増大化を抑制しながら、特別キャラクタ画像G61~G63のエッジ部分の表示態様を多様化させることが可能となる。
2次元のデータにおいてエッジ部分の特定を行う構成であるため、3次元のデータにおいてエッジ部分の特定を行う構成に比べて、エッジ部分の特定精度は若干劣るものの、エッジ部分の特定を行うための処理負荷を軽減することが可能となる。
<他の実施形態>
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能である。例えば以下のように変更してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記実施形態の構成に対して、個別に適用してもよく、組合せて適用してもよい。
(1)カメラ(視点)がワールド座標系に配置される画像データ毎に個別に設定される構成としたが、これに代えて、ワールド座標系に配置される全画像データに対して単一のカメラが共通して設定される構成としてもよい。
(2)ワールド座標系に配置された画像データは、背景画像、演出画像及び図柄画像の単位で投影される構成としてもよい。
(3)投影後にテクスチャマッピングといった色情報の設定を行うのではなく、投影前にテクスチャマッピングといった色情報の設定を行う構成としてもよい。また、当該構成において、色情報の設定処理を行う場合に、投影される面のみにテクスチャデータの貼り付けといった色情報の設定を行う構成としてもよい。
(4)主制御装置50から送信されるコマンドに基づいて、音声発光制御装置60により表示制御装置70が制御される構成に代えて、主制御装置50から送信されるコマンドに基づいて、表示制御装置70が音声発光制御装置60を制御する構成としてもよい。また、音声発光制御装置60と表示制御装置70とが別々に設けられた構成に代えて、両制御装置が一の制御装置として設けられた構成としてもよく、それら両制御装置のうち一方の機能が主制御装置50に集約されていてもよく、それら両制御装置の両機能が主制御装置50に集約されていてもよい。また、主制御装置50から音声発光制御装置60に送信されるコマンドの構成や、音声発光制御装置60から表示制御装置70に送信されるコマンドの構成も任意である。
(5)上記各実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組合せが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
<上記各実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A1.遊技者に特典(開閉実行モードの発生)を付与するか否かを判定するための付与判定を行う付与判定手段(主側MPU52におけるステップS703の処理を実行する機能)と、
前記付与判定の結果が付与結果であったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主側MPU52におけるステップS309~ステップS312の処理を実行する機能)と、
遊技回用演出が開始され、前記付与判定の判定結果に対応する状態として当該遊技回用演出が終了されることを遊技回の1回として、各遊技回において前記遊技回用演出が行われるようにする遊技回制御手段(主側MPU52におけるステップS306~ステップS308の処理を実行する機能、音光側MPU62におけるテーブル設定処理を実行する機能)と、
を備えた遊技機において、
前記遊技回用演出において実行対象となり得る所定演出(第1特別リーチ演出又は第2特別リーチ演出)が実行される可能性があることを示唆する示唆情報(第1示唆演出画像G11又は第2示唆演出画像G12)を提供する示唆情報提供手段(音光側MPU62におけるステップS1406、ステップS1407、ステップS1413、ステップS1414、ステップS1507及びステップS1515の処理を実行する機能)と、
前記所定演出を実行することが可能な遊技回において前記示唆情報が提供されている場合に前記所定演出が実行されるようにする所定演出実行手段(音光側MPU62におけるステップS1504及びステップS1512の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記示唆情報提供手段により前記示唆情報が提供された状態は、当該示唆情報の提供が開始され前記所定演出が実行されなかった遊技回が終了した後も維持されることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、所定演出が実行される可能性があることを示唆する示唆情報が提供されることがある。そして、所定演出を実行することが可能な遊技回において示唆情報が提供されている場合に所定演出が実行される。これにより、所定演出の実行を期待する遊技者は、示唆情報が提供されたことに対してその後の所定演出の実行を期待することとなる。この場合に、示唆情報が提供された状態は、当該示唆情報の提供が開始され所定演出が実行されなかった遊技回が終了した後も維持される。これにより、示唆情報が提供された状態が複数の遊技回に亘って維持され得ることとなる。よって、示唆情報の提供を通じて所定演出の実行を期待させる期間を長く確保することが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴A2.前記遊技回用演出の実行期間を決定する期間決定手段(主側MPU52における遊技回の表示継続期間の特定処理を実行する機能)を備え、
前記所定演出を実行することが可能な遊技回は、前記所定演出を実行することが可能な前記実行期間の遊技回であることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、遊技回用演出の実行期間が所定演出を実行することが可能な実行期間である遊技回であって示唆情報が提供されている遊技回において所定演出が実行されることとなる。
特徴A3.前記所定演出を実行することが可能な遊技回において前記示唆情報の提供が行われていない場合、前記所定演出とは異なる代替演出(第1代替リーチ演出又は第2代替リーチ演出)が実行されるようにする代替演出実行手段(音光側MPU62におけるステップS1508及びステップS1516の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1又はA2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、所定演出を実行することが可能な遊技回であっても示唆情報が提供されていない場合には所定演出が実行されるのではなく代替演出が実行される。これにより、所定演出が実行されるためには事前に示唆情報が提供されている必要があることとなり、示唆情報が提供されたことに対する遊技者の期待感を好適に高めることが可能となる。
特徴A4.予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報(特図側保留情報)を取得する情報取得手段(主側MPU52における保留情報の取得処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段が取得した特別情報を記憶する取得情報記憶手段(保留用エリアRE)と、
を備え、
前記付与判定手段は、前記付与判定として、前記特別情報が付与対応情報に対応しているか否かを判定するものであり、
前記示唆情報提供手段により前記示唆情報が提供された状態は、当該示唆情報の提供が開始され前記所定演出が実行されなかった遊技回が終了した後において、前記取得情報記憶手段に前記特別情報が記憶されておらず遊技回が開始されない状況が継続する場合であっても維持されることを特徴とする特徴A1乃至A3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A4によれば、遊技回を開始可能であっても特別情報が取得されていないことで遊技回の開始が待機されている状態であっても示唆情報が提供された状態が維持される。これにより、示唆情報が提供された状態が遊技回の開始が待機されている状態を挟んで複数の遊技回に亘って維持され得ることとなる。よって、示唆情報の提供を通じて所定演出の実行を期待させる期間を長く確保することが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴A5.予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報(特図側保留情報)を取得する情報取得手段(主側MPU52における保留情報の取得処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段が取得した特別情報を記憶する取得情報記憶手段(保留用エリアRE)と、
を備え、
前記示唆情報提供手段は、前記所定演出の実行に対応する前記特別情報が前記取得情報記憶手段に記憶されていない状況で実行された遊技回であって前記所定演出が実行されない遊技回において前記示唆情報の提供を開始する手段(音光側MPU62におけるステップS1404の結果としてステップS1406及びステップS1407の処理を実行する機能、音光側MPU62におけるステップS1411の結果としてステップS1413及びステップS1414の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A5によれば、所定演出の実行に対応する特別情報が取得情報記憶手段に記憶されていない状況で実行された遊技回であって所定演出が実行されない遊技回において示唆情報の提供が開始され得る。これにより、示唆情報の提供が開始されるタイミングの自由度を高めることが可能となる。
特徴A6.前記示唆情報提供手段は、前記所定演出が実行される場合に前記示唆情報が提供された状態を解除する手段(音光側MPU62におけるステップS1503及びステップS1511の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A6によれば、所定演出が実行された場合には示唆情報が提供された状態が解除されるため、示唆情報が提供された状態が過剰に継続してしまわないようにすることが可能となるとともに、示唆情報が所定演出の実行に関連していることを遊技者に認識させ易くなる。
特徴A7.前記示唆情報提供手段は、前記示唆情報が提供された状態を前記所定演出が実行されていなくても所定の解除条件が成立した場合に解除する解除手段(音光側MPU62におけるステップS1007の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A6に記載の遊技機。
特徴A7によれば、所定演出が実行されていなくても所定の解除条件が成立した場合には示唆情報が提供されている状態が解除される。これにより、示唆情報が提供された状態が過剰に継続してしまわないようにすることが可能となる。
特徴A8.前記示唆情報提供手段は、前記示唆情報の提供が行われていない状況で前記所定演出を実行することが可能な遊技回が開始された場合、当該遊技回において前記所定演出の開始タイミングとなる前に前記示唆情報の提供を開始する手段(音光側MPU62におけるステップS1507及びステップS1515の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A8によれば、示唆情報の提供が開始された遊技回において所定演出が実行されることがある。このような事象を確認した遊技者は示唆情報の提供が開始された場合にはその遊技回にて所定演出が実行されるのではないかと期待することとなる。よって、示唆情報が提供されることに対する遊技者の期待感を高めることが可能となる。
特徴A9.予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報(特図側保留情報)を取得する情報取得手段(主側MPU52における保留情報の取得処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段が取得した特別情報を記憶する取得情報記憶手段(保留用エリアRE)と、
を備え、
前記示唆情報提供手段は、前記所定演出の実行に対応する前記特別情報が前記取得情報記憶手段に記憶されている場合、当該特別情報よりも先に消化対象となった前記特別情報を契機とした遊技回であって前記所定演出が実行されない遊技回において前記示唆情報の提供を開始する手段(音光側MPU62におけるステップS1403の結果としてステップS1406及びステップS1407の処理を実行する機能、音光側MPU62におけるステップS1410の結果としてステップS1413及びステップS1414の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A9によれば、所定演出の実行に対応する特別情報が取得情報記憶手段に記憶されている状況で実行された遊技回において示唆情報の提供が開始されることがある。これにより、その後の遊技回で所定演出の実行が可能な遊技回となることが確定している状況において示唆情報の提供を開始することが可能となり、このような事象を確認した遊技者は示唆情報の提供が開始された場合にはその後の近い遊技回において所定演出が実行されるのではないかと期待することとなる。よって、示唆情報が提供されることに対する遊技者の期待感を高めることが可能となる。
なお、特徴A1~A9の構成に対して、特徴A1~A9、特徴B1~B5、特徴C1~C7、特徴D1~D6、特徴E1~E5のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴B群>
特徴B1.遊技者が操作可能に設けられた演出用操作手段(第1演出用操作装置48、第2演出用操作装置49)と、
当該演出用操作手段の操作の有効期間において当該演出用操作手段の操作を促す所定報知(第1演出操作の示唆演出)が実行されるようにする第1所定報知手段(音光側MPU62におけるステップS1605の処理を実行する機能)と、
前記有効期間に前記演出用操作手段が操作されたことに基づいて操作対応演出が実行されるようにする操作対応演出実行手段(音光側MPU62におけるステップS1013の処理を実行する機能)と、
前記有効期間ではない状況において前記所定報知(第1演出操作の示唆演出)が実行されるようにする第2所定報知手段(音光側MPU62にてステップS1608の処理を実行することで第1演出操作の示唆演出が実行されるようにする機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、演出用操作手段の操作の有効期間において演出用操作手段の操作を促す所定報知が実行され、これに対して演出用操作手段が操作された場合には操作対応演出が実行される。当該構成において、有効期間ではない状況において演出用操作手段の操作を促す所定報知が実行されることがある。この場合、所定報知が実行されている状況であるにも関わらず演出用操作手段が操作されたとしてもそれに対して操作対応演出が実行されない。これにより、遊技者に意外性を与えることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴B2.前記第2所定報知手段により前記有効期間ではない状況において前記所定報知が実行された場合に、その後に前記有効期間を発生させ当該有効期間において前記所定報知(第2演出操作の示唆演出)が実行されるようにする第3所定報知手段(音光側MPU62にてステップS1608の処理を実行することで第2演出操作の示唆演出が実行されるようにする機能)を備えていることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、有効期間ではない状況において演出用操作手段の操作を促す所定報知が実行された場合、その後に演出用操作手段の操作の有効期間となるとともに当該有効期間において所定報知が実行される。これにより、前側の所定報知の実行によって、所定報知が実行されている状況であるにも関わらず演出用操作手段が操作されたとしてもそれに対して操作対応演出が実行されないことで遊技者に意外性を与えながら、後側の所定報知の実行によって、所定報知の実行に対して演出用操作手段を操作することで操作対応演出が実行される状況を生じさせることにより、所定報知に遊技者を注目させることが可能となる。
特徴B3.前記第3所定報知手段は、前記第2所定報知手段により前記有効期間ではない状況において前記所定報知が実行された場合に前記演出用操作手段が操作されたか否かに関係なく、その後に前記有効期間を発生させ当該有効期間において前記所定報知が実行されるようにすることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、有効期間ではない状況で所定報知が実行された状況において演出用操作手段が操作されたか否かに関係なく、その後に、有効期間である状況で所定報知が実行される状況が発生する。これにより、前側の所定報知の実行に対して演出用操作手段を操作しなかった遊技者に対しても、後側の所定報知の実行期間を提供することが可能となる。
特徴B4.前記演出用操作手段として、第1演出用操作手段(第1演出用操作装置48)と、第2演出用操作手段(第2演出用操作装置49)と、を備え、
前記第2所定報知手段は、前記所定報知として、前記第1演出用操作手段の操作を促す報知が実行されるようにし、
前記第3所定報知手段は、前記第2所定報知手段により前記有効期間ではない状況において前記所定報知が実行された場合に、その後に前記第2演出用操作手段の操作が有効となる前記有効期間を発生させ当該有効期間において前記第2演出用操作手段の操作を促す報知が実行されるようにすることを特徴とする特徴B2又はB3に記載の遊技機。
特徴B4によれば、有効期間を伴わない前側の所定報知においては第1演出用操作手段の操作を促す報知が実行されるのに対して、有効期間を伴う後側の所定報知においては第2演出用操作手段の操作を促す報知が実行される。これにより、前側の所定報知と後側の所定報知とを遊技者に明確に区別させることが可能となるとともに、前側の所定報知と後側の所定報知とで報知の対象となる演出用操作手段が異なることで更なる意外性を遊技者に与えることが可能となる。
特徴B5.前記第3所定報知手段は、前記第2所定報知手段により前記有効期間ではない状況において前記所定報知が実行された場合、当該所定報知が終了した後に中間演出(やり直し演出)を実行した後に、前記有効期間を発生させ当該有効期間において前記所定報知が実行されるようにすることを特徴とする特徴B2乃至B4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B5によれば、有効期間を伴わない前側の所定報知が実行された後は、中間演出が一旦実行された後に、有効期間を伴う後側の所定報知が実行される。これにより、前側の所定報知と後側の所定報知とを遊技者に明確に区別させることが可能となる。
なお、特徴B1~B5の構成に対して、特徴A1~A9、特徴B1~B5、特徴C1~C7、特徴D1~D6、特徴E1~E5のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴A群及び上記特徴B群の各発明は、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機の一種として、パチンコ遊技機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機としては、例えば液晶表示装置といった表示装置を備えたものが知られている。当該遊技機では、画像用のデータが予め記憶されたメモリが搭載されており、当該メモリから読み出された画像用のデータを用いて表示装置の表示部にて所定の画像が表示されることとなる。
ここで、上記例示等のような遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
<特徴C群>
特徴C1.仮想3次元空間内に3次元情報であるオブジェクトデータを配置する配置手段(VDP76におけるステップS1304~ステップS1306の処理を実行する機能)と、前記仮想3次元空間に視点を設定する視点設定手段(VDP76におけるステップS1307及びステップS1308の処理を実行する機能)と、前記視点に基づいて設定される投影平面に前記オブジェクトデータを投影し、当該投影平面に投影されたデータに基づいて生成データを生成する描画用設定手段(VDP76におけるステップS1311の処理を実行する機能)と、を有するデータ生成手段(VDP76)によって生成された生成データ(描画データ)を記憶する生成データ記憶手段(フレームバッファ82)と、
当該生成データ記憶手段に記憶された生成データに対応した画像を表示手段(図柄表示装置41)に表示させる表示制御手段(表示回路86)と、
を備えている遊技機において、
前記データ生成手段は、
所定オブジェクトデータ(追加画面用のオブジェクトデータ93)を投影することに基づき生成された所定生成データ(追加画面用の2Dデータ)を別記憶手段(別保存バッファ96)に記憶させる別記憶実行手段(VDP76における別保存用処理を実行する機能)と、
前記仮想3次元空間に配置された適用対象データ(追加画面用の板ポリゴンデータ95)の配置態様を変更させる態様変更手段(VDP76におけるステップS1901、ステップS1902及びステップS1905の処理を実行する機能)と、
前記適用対象データに対するテクスチャデータとして前記所定生成データを適用することで、前記表示手段に表示される画像のうち前記適用対象データに対応する所定画像領域(追加表示画面AP)に前記所定生成データに対応する画像が表示されるようにする所定適用手段(VDP76におけるステップS2002及びステップS2003の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、仮想3次元空間に配置されるとともにその配置態様が適宜変更される適用対象データに対するテクスチャデータとして、所定オブジェクトデータを投影することに基づき生成された所定生成データが適用されることで、表示手段に表示される画像のうち適用対象データに対応する所定画像領域に所定生成データに対応する画像が表示される。これにより、表示手段の表示面における一部に別の表示画面が表示されたような演出を実行することが可能となるとともに、当該別の表示画面の表示態様を変化させながらさらに当該表示画面においてリアルタイムで作成した3D画像による動画表示を行うことが可能となる。よって、表示制御を好適に行うことが可能となる。
特徴C2.前記所定適用手段は、前記適用対象データに対するテクスチャデータとして前記所定生成データを適用することで、前記表示手段の表示面の一部に対応する領域であって前記所定生成データに対応する画像が表示される領域である前記所定画像領域における表示位置、表示角度及びサイズのうち少なくとも一つの表示態様が変化する画像表示が行われることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、表示手段の表示面における一部に別の表示画面が表示されたような演出を実行することが可能となるとともに、当該別の表示画面の表示態様を変化させながらさらに当該表示画面においてリアルタイムで作成した3D画像による動画表示を行うことが可能となる。よって、表示手段における表示に対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。
特徴C3.遊技者に特典(開閉実行モードの発生)を付与するか否かを判定するための付与判定を行う付与判定手段(主側MPU52におけるステップS703の処理を実行する機能)と、
前記付与判定の結果が付与結果であったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主側MPU52におけるステップS309~ステップS312の処理を実行する機能)と、
絵柄の変動表示が開始された後に前記付与判定の判定結果に対応する停止絵柄が表示されるように前記表示手段を表示制御する手段(音光側MPU62におけるステップS1002~ステップS1005の処理を実行する機能、表示CPU72におけるステップS1105の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記所定画像領域が表示される場合、前記所定画像領域と、前記表示手段の表示面であって前記所定画像領域とは異なる別領域(ベース表示画面BP)とのそれぞれに、変動表示の実行途中である前記絵柄(ベース変動表示画像G33、追加変動表示画像G42)が表示される構成であることを特徴とする特徴C1又はC2に記載の遊技機。
特徴C3によれば、所定画像領域の表示を行うことで表示手段の表示面における一部に別の表示画面が表示されたような演出が実行される場合に、変動表示の実行途中である絵柄が表示手段の表示面における所定画像領域とは異なる別領域及び所定画像領域のそれぞれにおいて表示される。これにより、所定画像領域の表示態様の自由度を高めたとしても、変動表示の実行途中である絵柄の視認性を損なわないようにすることが可能となる。
特徴C4.前記所定画像領域が表示される場合、当該所定画像領域の表示態様の変更に伴って当該所定画像領域における前記絵柄の種類が識別不可となる状況又は識別しづらくなる状況が発生し得る構成であって、前記所定画像領域の表示態様の変更に伴って前記別領域における前記絵柄の種類が識別不可となる状況又は識別しづらくなる状況が発生し得る構成である一方、前記所定画像領域における前記絵柄及び前記別領域における前記絵柄の両方についてその種類が識別不可となる状況又は識別しづらくなる状況が発生しないように前記所定画像領域の表示態様の変更が行われることを特徴とする特徴C3に記載の遊技機。
特徴C4によれば、所定画像領域が表示される場合、当該所定画像領域の表示態様の変更に伴って当該所定画像領域における絵柄の種類が識別不可となる状況又は識別しづらくなる状況が発生し得る構成であって、所定画像領域の表示態様の変更に伴って別領域における絵柄の種類が識別不可となる状況又は識別しづらくなる状況が発生し得る構成である。これにより、所定画像領域の表示態様の自由度を高めることが可能である。一方、所定画像領域における絵柄及び別領域における絵柄の両方についてその種類が識別不可となる状況又は識別しづらくなる状況が発生しないように所定画像領域の表示態様の変更が行われる。これにより、所定画像領域の表示態様の自由度を高めたとしても、変動表示の実行途中である絵柄の視認性を損なわないようにすることが可能となる。
特徴C5.リーチ演出が実行されている状況において前記所定画像領域が表示され得る構成であり、
前記所定画像領域が表示される場合、前記所定画像領域と前記別領域とのそれぞれに、同一のリーチ絵柄の組合せ(ベース変動表示画像G33、追加変動表示画像G42)が表示される構成であることを特徴とする特徴C3又はC4に記載の遊技機。
特徴C5によれば、所定画像領域の表示を行うことで表示手段の表示面における一部に別の表示画面が表示されたような演出が実行される場合に、リーチ絵柄の組合せが表示手段の表示面における所定画像領域とは異なる別領域及び所定画像領域のそれぞれにおいて表示される。これにより、所定画像領域の表示態様の自由度を高めたとしても、リーチ絵柄の組合せの視認性を損なわないようにすることが可能となる。
特徴C6.前記所定画像領域が表示される場合、当該所定画像領域の表示態様の変更に伴って当該所定画像領域における前記リーチ絵柄の組合せの種類が識別不可となる状況又は識別しづらくなる状況が発生し得る構成であって、前記所定画像領域の表示態様の変更に伴って前記別領域における前記リーチ絵柄の組合せの種類が識別不可となる状況又は識別しづらくなる状況が発生し得る構成である一方、前記所定画像領域における前記リーチ絵柄の組合せ及び前記別領域における前記リーチ絵柄の組合せの両方についてその種類が識別不可となる状況又は識別しづらくなる状況が発生しないように前記所定画像領域の表示態様の変更が行われることを特徴とする特徴C5に記載の遊技機。
特徴C6によれば、所定画像領域が表示される場合、当該所定画像領域の表示態様の変更に伴って当該所定画像領域におけるリーチ絵柄の組合せの種類が識別不可となる状況又は識別しづらくなる状況が発生し得る構成であって、所定画像領域の表示態様の変更に伴って別領域におけるリーチ絵柄の組合せの種類が識別不可となる状況又は識別しづらくなる状況が発生し得る構成である。これにより、所定画像領域の表示態様の自由度を高めることが可能である。一方、所定画像領域におけるリーチ絵柄の組合せ及び別領域におけるリーチ絵柄の組合せの両方についてその種類が識別不可となる状況又は識別しづらくなる状況が発生しないように所定画像領域の表示態様の変更が行われる。これにより、所定画像領域の表示態様の自由度を高めたとしても、リーチ絵柄の組合せの視認性を損なわないようにすることが可能となる。
特徴C7.前記適用対象データは、板状ポリゴンデータであることを特徴とする特徴C1乃至C6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C7によれば、オブジェクトデータを記憶するために必要なデータ容量の増加を抑えながら、既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
なお、特徴C1~C7の構成に対して、特徴A1~A9、特徴B1~B5、特徴C1~C7、特徴D1~D6、特徴E1~E5のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴D群>
特徴D1.表示部(表示面P)を有する表示手段(図柄表示装置41)と、
画像データを予め記憶した表示用記憶手段(メモリモジュール74)と、
当該表示用記憶手段に記憶されている画像データを用いて前記表示部に画像を表示させる表示用制御手段(VDP76)と、
を備え、
前記表示用記憶手段は、所定個別画像(「1」~「9」の図柄)を表示させるための画像データとして、3種類以上である所定種類の所定画像データ(カラーマップデータ111、部分マスクデータ112、シャドウマスクデータ113、ライン画像データ114)を予め記憶されており、
前記表示用制御手段は、前記所定種類の所定画像データに含まれる複数種類の所定画像データを合成することで作成される合成後画像データ(第1~第5表示態様の画像データ)を利用することで、前記所定個別画像を表示する場合における表示態様を当該合成後画像データに対応する表示態様とするデータ合成手段(VDP76における特別図柄演出の描画データ作成処理を実行する機能)を備え、
当該データ合成手段は、前記合成後画像データを作成する場合に合成対象となる前記複数種類の所定画像データの組合せを変更することで、複数種類の表示態様による前記所定個別画像の表示を可能とすることを特徴とする遊技機。
特徴D1によれば、3種類以上の所定種類の所定画像データに含まれる複数種類の所定画像データを合成することで合成後画像データが作成され、所定個別画像を表示させる場合にその合成後画像データが利用されることで当該合成後画像データに対応する表示態様で所定個別画像が表示される。そして、合成後画像データを作成する場合に合成対象となる複数種類の所定画像データの組合せを変更することで、複数種類の表示態様による所定個別画像の表示が可能となる。これにより、合成後画像データを作成する場合に合成対象となる複数種類の所定画像データの組合せを適宜変更することにより、所定個別画像の表示態様を変更させることが可能となる。よって、表示制御を好適に行うことが可能となる。
特徴D2.前記データ合成手段において前記所定個別画像について作成され得る前記合成後画像データの種類数は前記所定種類の数よりも多いことを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
特徴D2によれば、所定個別画像を表示するための画像データとして、作成され得る合成後画像データの種類数と同数の画像データを表示用記憶手段に予め記憶させる構成に比べて、表示用記憶手段において必要な記憶容量を抑えることが可能となる。
特徴D3.前記データ合成手段は、前記合成後画像データを作成する場合に合成対象となる前記複数種類の所定画像データのうち加工対象の画像データに対して所定加工処理を実行する手段(VDP76におけるステップS2403の処理を実行する機能)を備え、
前記合成後画像データを作成する場合に合成対象となる前記複数種類の所定画像データの種類が同一であっても前記所定加工処理の実行の有無又は実行対象となる前記所定加工処理の種類の相違により前記所定個別画像の表示態様を異ならせることが可能であることを特徴とする特徴D1又はD2に記載の遊技機。
特徴D3によれば、合成対象となる複数種類の所定画像データの組合せの種類だけではなく、所定加工処理の実行の有無又は実行対象となる所定加工処理の種類の相違によって、合成後画像データの種類が変化することとなる。これにより、合成後画像データの種類を多く確保することが可能となり、それに伴って所定個別画像の表示態様を多様化させることが可能となる。
特徴D4.前記所定画像データは、いずれも2次元の画像データであり、いずれも同一サイズであって同一形状の画像データとして設定されていることを特徴とする特徴D1乃至D3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D4によれば、所定種類の所定画像データはいずれも2次元の画像データであるとともにいずれも同一サイズであって同一形状の画像データとして設定されているため、複数種類の所定画像データを合成する場合における処理を簡素化することが可能となり、当該合成を行うための処理負荷を軽減することが可能となる。
特徴D5.遊技者に特典(開閉実行モードの発生)を付与するか否かを判定するための付与判定を行う付与判定手段(主側MPU52におけるステップS703の処理を実行する機能)と、
前記付与判定の結果が付与結果であったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主側MPU52におけるステップS309~ステップS312の処理を実行する機能)と、
前記表示部において複数種類の絵柄の変動表示が開始された後に前記付与判定の判定結果に対応する停止絵柄が表示されるように前記表示手段を表示制御する手段(音光側MPU62におけるステップS1002~ステップS1005の処理を実行する機能、表示CPU72におけるステップS1105の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記表示部にてリーチ演出が実行される場合にはリーチ絵柄の組合せを停止表示した状況において最終停止変動表示領域にて前記絵柄の変動表示が行われる構成であり、
前記所定個別画像は前記複数種類の絵柄のそれぞれであり、
前記表示用記憶手段には、前記複数種類の絵柄のそれぞれに対応させて前記所定種類の所定画像データが記憶されており、
前記データ合成手段は、前記リーチ演出が実行されている状況において前記リーチ絵柄の組合せを形成している前記絵柄については、当該絵柄に対応する前記所定種類の所定画像データに含まれる複数種類の所定画像データを合成することで生じるリーチ対応の合成後画像データを利用することで、それまでの通常表示態様による表示から、当該リーチ対応の合成後画像データに対応する表示態様による表示に変更させ、前記リーチ絵柄の組合せを形成している前記絵柄以外の前記絵柄については通常表示態様による表示を継続させることを特徴とする特徴D1乃至D4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D5によれば、リーチ絵柄の組合せを形成している絵柄についてはリーチ対応の合成後画像データを利用することでそれまでの通常表示態様による表示から、リーチ対応の合成後画像データに対応する表示態様による表示に変更されるのに対して、リーチ絵柄の組合せを形成している絵柄以外の絵柄については通常表示態様による表示が継続される。これにより、リーチ演出が発生した場合には全ての絵柄の表示態様を合成後画像データにより変更する構成に比べて処理負荷を軽減することが可能となる。また、表示態様の変更対象となる絵柄はリーチ絵柄の組合せを形成している絵柄であるため、表示態様が変更されたことを遊技者に明確に認識させることが可能となる。
特徴D6.前記データ合成手段は、前記リーチ絵柄の組合せを形成している前記絵柄の表示態様が相違するように前記リーチ対応の合成後画像データを複数種類作成可能であり、
前記リーチ絵柄の組合せを形成している前記絵柄の複数種類の表示態様のそれぞれは、前記特典の付与期待度が相違していることを特徴とする特徴D5に記載の遊技機。
特徴D6によれば、リーチ対応の合成後画像データを複数種類作成可能であることにより、リーチ絵柄の組合せを形成している絵柄の表示態様を多様化させることが可能となる。また、その複数種類の表示態様のそれぞれは特典の付与期待度が相違している。これにより、リーチ絵柄の組合せを形成している絵柄の表示態様によって、特典の付与期待度を報知することが可能となる。
なお、特徴D1~D6の構成に対して、特徴A1~A9、特徴B1~B5、特徴C1~C7、特徴D1~D6、特徴E1~E5のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴E群>
特徴E1.表示部(表示面P)を有する表示手段(図柄表示装置41)と、
画像データを予め記憶した表示用記憶手段(メモリモジュール74)と、
当該表示用記憶手段に記憶されている画像データを用いて前記表示部に画像を表示させる表示用制御手段(VDP76)と、
を備え、
前記表示用制御手段は、
特定個別画像(特別キャラクタ画像G61~G63)を表示するために利用される特定画像データ(特別キャラクタ用のオブジェクトデータ121、又は投影後の描画データ)において前記特定個別画像と周囲の画像との間の境界及び前記特定個別画像における各パーツ間の境界のうち少なくとも一方である所定境界に対応するデータ領域を特定する境界特定手段(VDP76におけるステップS2601~ステップS2608の処理を実行する機能、VDP76におけるステップS2704~ステップS2711の処理を実行する機能)と、
当該境界特定手段により特定されたデータ領域を基準としてデータ加工処理を実行することで前記所定境界の画像加工を行う加工手段(VDP76におけるステップS2612~ステップS2619の処理を実行する機能、VDP76におけるステップS2712~ステップS2718の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴E1によれば、特定画像データにおいて所定境界に対応するデータ領域が特定され、その特定されたデータ領域を基準としてデータ加工処理が実行される。これにより、特定画像データを利用して、所定境界に対して画像加工を施した状態で特定個別画像を表示させることが可能となり、表示用記憶手段において必要な記憶容量を抑えながら所定境界を基準として特定個別画像の表示態様を変化させることが可能となる。よって、表示制御を好適に行うことが可能となる。
特徴E2.前記表示用制御手段は、
仮想3次元空間内に前記特定個別画像に対応する特定オブジェクトデータ(特別キャラクタ用のオブジェクトデータ121)を配置する配置手段(VDP76におけるステップS1304~ステップS1306の処理を実行する機能)と、
前記仮想3次元空間に視点を設定する視点設定手段(VDP76におけるステップS1307及びステップS1308の処理を実行する機能)と、
前記視点に基づいて設定される投影平面に前記特定オブジェクトデータを投影し、当該投影平面に投影されたデータに基づいて生成データを生成する描画用設定手段(VDP76におけるステップS1311の処理を実行する機能)と、
前記生成データに対応した画像を前記表示部に表示させる手段(表示回路86)と、
を備え、
前記特定画像データは、前記仮想3次元空間に配置されている状態の前記特定オブジェクトデータであり、
前記境界特定手段は、前記仮想3次元空間に配置されている状態の前記特定オブジェクトデータに対して、前記所定境界に対応するデータ領域を特定するための処理を実行することを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
特徴E2によれば、仮想3次元空間に配置された3次元情報である特定オブジェクトデータの状態で所定境界に対応するデータ領域の特定が行われるため、2次元情報である生成データの状態で所定境界に対応するデータ領域の特定が行われる構成に比べて、所定境界に対応するデータ領域の特定を精度良く行うことが可能となる。
特徴E3.前記加工手段は、前記境界特定手段により特定されたデータ領域を基準として前記生成データに対して前記データ加工処理を実行することを特徴とする特徴E2に記載の遊技機。
特徴E3によれば、仮想3次元空間に配置された3次元情報である特定オブジェクトデータの状態で所定境界に対応するデータ領域の特定が行われる構成であっても、所定境界に対応するデータ領域を基準としたデータ加工処理は2次元情報である生成データに対して行われる。これにより、データ加工処理を行うための処理負荷を軽減することが可能となる。
特徴E4.前記境界特定手段は、前記仮想3次元空間に配置されている状態の前記特定オブジェクトデータに対して、前記所定境界に対応するデータ領域を特定するための処理を実行することで、前記特定オブジェクトデータを構成する各単位データに対して前記所定境界に対応しているか否かを示す情報を設定することを特徴とする特徴E2又はE3に記載の遊技機。
特徴E4によれば、仮想3次元空間に配置されている状態の特定オブジェクトデータに対して所定境界に対応するデータ領域を特定するための処理が実行された場合、特定オブジェクトデータを構成する各単位データに対して所定境界に対応しているか否かを示す情報が設定される。これにより、所定境界に対応しているか否かを単位データ毎に行うことが可能となるため、所定境界に対応するデータ領域の特定を精度良く行うことが可能となる。
特徴E5.前記表示用制御手段は、
仮想3次元空間内に前記特定個別画像に対応する特定オブジェクトデータ(特別キャラクタ用のオブジェクトデータ121)を配置する配置手段(VDP76におけるステップS1304~ステップS1306の処理を実行する機能)と、
前記仮想3次元空間に視点を設定する視点設定手段(VDP76におけるステップS1307及びステップS1308の処理を実行する機能)と、
前記視点に基づいて設定される投影平面に前記特定オブジェクトデータを投影し、当該投影平面に投影されたデータに基づいて生成データを生成する描画用設定手段(VDP76におけるステップS1311の処理を実行する機能)と、
前記生成データに対応した画像を前記表示部に表示させる手段(表示回路86)と、
を備え、
前記境界特定手段は、前記生成データに対して、前記所定境界に対応するデータ領域を特定するための処理を実行することを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
特徴E5によれば、2次元情報である生成データの状態で所定境界に対応するデータ領域の特定が行われるため、仮想3次元空間に配置された3次元情報である特定オブジェクトデータの状態で所定境界に対応するデータ領域の特定が行われる構成に比べて、所定境界に対応するデータ領域を特定するための処理負荷を軽減することが可能となる。
なお、特徴E1~E5の構成に対して、特徴A1~A9、特徴B1~B5、特徴C1~C7、特徴D1~D6、特徴E1~E5のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴C群、上記特徴D群及び上記特徴E群の各発明は、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機の一種として、パチンコ遊技機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機としては、例えば液晶表示装置といった表示装置を備えたものが知られている。当該遊技機では、画像用のデータが予め記憶されたメモリが搭載されており、当該メモリから読み出された画像用のデータを用いて表示装置の表示部にて所定の画像が表示されることとなる。
ここで、上記例示等のような遊技機においては、表示制御を好適に行うことが可能な構成が求められており、この点について未だ改良の余地がある。
以下に、以上の各特徴を適用し得る又は各特徴に適用される遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
10…パチンコ機、41…図柄表示装置、48…第1演出用操作装置、49…第2演出用操作装置、52…主側MPU、62…音光側MPU、72…表示CPU、74…メモリモジュール、76…VDP、82…フレームバッファ、86…表示回路、93…追加画面用のオブジェクトデータ、95…追加画面用の板ポリゴンデータ、96…別保存バッファ、111…カラーマップデータ、112…部分マスクデータ、113…シャドウマスクデータ、114…ライン画像データ、AP…追加表示画面、BP…ベース表示画面、G11…第1示唆演出画像、G12…第2示唆演出画像、G33…ベース変動表示画像、G42…追加変動表示画像、P…表示面、RE…保留用エリア。

Claims (1)

  1. 遊技者に特典を付与するか否かを判定するための付与判定を行う付与判定手段と、
    前記付与判定の結果が付与結果であったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
    遊技回用演出が開始され、前記付与判定の判定結果に対応する状態として当該遊技回用演出が終了されることを遊技回の1回として、各遊技回において前記遊技回用演出が行われるようにする遊技回制御手段と、
    を備えた遊技機において、
    前記遊技回用演出において実行対象となり得る所定演出が実行される可能性があることを示唆する示唆情報を提供する示唆情報提供手段と、
    前記所定演出を実行することが可能な遊技回において前記示唆情報が提供されている場合に前記所定演出が実行されるようにする所定演出実行手段と、
    を備え、
    前記示唆情報提供手段により前記示唆情報が提供された状態は、当該示唆情報の提供が開始され前記所定演出が実行されなかった遊技回が終了した後も維持されることを特徴とする遊技機。
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