JP2024026943A - 浄水器 - Google Patents

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史考 白武
Fumitaka Shiratake
恵 安田
Megumi Yasuda
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【課題】ろ材部の活用率に優れた浄水器の提供。【解決手段】浄水器100は、ろ材部516を備え交換可能な浄水カートリッジ106と、ろ材部516を収容する収容空間SP1と、収容空間SP1に原水を流入させる原水入口122と、収容空間SP1から浄水を流出させる浄水出口123と、原水吐出と浄水吐出とを切り替える切替弁114と、切替弁114を操作する操作部116と、収容空間SP1に入る原水を供給するアプローチ流路240と、収容空間SP1に面して配置されると共に、原水入口122に隣接して配置され、アプローチ流路240から出た水流が直接当たる位置に設けられた水流制御部604とを有している。ろ材部516の外面が浄水カートリッジ106の外面であってもよい。原水入口122がろ材部516の軸方向中間位置に配置されてもよい。【選択図】図3

Description

本開示は、浄水器に関する。
様々なタイプの浄水器が知られている。浄水器のタイプとして、蛇口直結型、蛇口一体型、据え置き型、ビルトイン型(アンダーシンク型を含む)などが知られている。特開平8-215677号公報は、蛇口直結型の浄水器を開示する。国際公開WO2019/138591号公報は、蛇口一体型の浄水器を開示する。
特開平8-215677号公報 国際公開WO2019/138591号公報
浄水器は、水を浄化する機能を有する浄水機能部を備えている。浄水機能部には、例えば、活性炭、中空糸膜、イオン交換樹脂、不織布などが用いられる。通常、浄水機能部はカートリッジに組み込まれ、容易に交換されうる。
浄水機能部は、全体的に偏りなく活用されるのが好ましい。浄水機能部の活用率が高いのが好ましい。活用率を高めることで、浄水性能が向上する。本発明者は、浄水機能部であるろ材の活用率を高めうる構成を見出した。
本開示の目的の一つは、ろ材の活用率を高めうる浄水器の提供にある。
一つの態様では、浄水器は、原水供給部に接続される接続部と、ろ材部を備え、全体として交換可能な浄水カートリッジと、前記ろ材部を収容する収容空間と、前記収容空間に原水を流入させる原水入口と、前記収容空間から浄水を流出させる浄水出口と、原水及び浄水を浄水器の外部に吐出する吐水口と、原水吐出と浄水吐出とを切り替える切替弁と、前記切替弁を操作する操作部と、前記収容空間に入る原水を供給するアプローチ流路と、前記収容空間に面して配置されると共に、前記原水入口に隣接して配置され、前記アプローチ流路から出た水流が直接当たる位置に設けられた水流制御部と、を有している。前記ろ材部の外面が、前記浄水カートリッジの外面である。
他の態様では、浄水器は、原水供給部に接続される接続部と、ろ材部を備え、全体として交換可能な浄水カートリッジと、前記ろ材部を収容する収容空間と、前記収容空間に原水を流入させる原水入口と、前記収容空間から浄水を流出させる浄水出口と、原水及び浄水を浄水器の外部に吐出する吐水口と、原水吐出と浄水吐出とを切り替える切替弁と、前記切替弁を操作する操作部と、前記収容空間に入る原水を供給するアプローチ流路と、前記収容空間に面して配置されると共に、前記原水入口に隣接して配置され、前記アプローチ流路から出た水流が直接当たる位置に設けられた水流制御部と、を有している。前記原水入口が、前記ろ材部の軸方向中間位置に配置されている。
一つの側面では、ろ材部の活用率に優れた浄水器が提供されうる。
図1は、第1実施形態に係る浄水器の使用状態を示す斜視図である。 図2は、第1実施形態の浄水器の側面図である。 図3は、図2のA-A線に沿った断面図である。 図4は、図3のA-A線に沿った断面図である。 図5は、第1実施形態の浄水器の分解斜視図である。 図6は、第1実施形態の浄水器におけるヘッド及び第1内側ケースを示す斜視図である。 図7(a)は第1実施形態における第1内側ケースの斜視図であり、図7(b)はこの第1内側ケースを別の角度から見た斜視図であり、図7(c)はこの第1内側ケースの側面図であり、図7(d)は図7(c)のA-A線に沿った断面図であり、図7(e)はこの第1内側ケースの正面図である。 図8(a)は第1実施形態における第2内側ケースの斜視図であり、図8(b)はこの第2内側ケースを別の角度から見た斜視図であり、図8(c)はこの第2内側ケースの側面図であり、図8(d)は図8(c)のA-A線に沿った断面図であり、図8(e)はこの第2内側ケースの正面図である。 図9(a)は浄水カートリッジの斜視図であり、図9(b)はこの浄水カートリッジを別の角度から見た斜視図であり、図9(c)はこの浄水カートリッジの側面図であり、図9(d)は図9(c)のA-A線に沿った断面図であり、図9(e)はこの第2内側ケースの正面図である。 図10は、図2のB-B線に沿った断面図である。図10は、原水吐出状態での断面図である。 図11は、図10と同じ断面図であり、浄水吐出状態での断面図である。 図12は、図11と同じ断面図である。図12には、水の流れが矢印で付記されている。 図13は、図3と同じ断面図である。 図14(a)は第2実施形態の浄水器におけるヘッド及び第1内側ケースを示す斜視図であり、図14(b)はこの第1内側ケースの斜視図である。 図15(a)は第3実施形態の浄水器におけるヘッド及び第1内側ケースを示す斜視図であり、図15(b)はこの第1内側ケースの斜視図である。 図16(a)は比較例の浄水器におけるヘッド及び第1内側ケースを示す斜視図であり、図16(b)はこの第1内側ケースの斜視図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、実施形態が詳細に説明される。
なお、本願において、軸方向、径方向、前側、後側、上側、下側、軸方向一方側及び軸方向他方側との用語が用いられる。特に説明しない限り、これらの用語の意味は以下の通りである。軸方向とは正規位置にある浄水カートリッジの軸方向を意味し、径方向とは正規位置にある浄水カートリッジの半径方向を意味する。前側とは浄水器の標準的な使用状態において使用者から見た手前側を意味し、後側とは同使用者から見た奥側を意味する。下記実施形態では、前側とは操作部(後述の浄原水切替ボタン)の突出側であり、後側とは操作部の押し込み側である。前側と後側とを結ぶ方向が前後方向と称される。下記実施形態において、操作部の移動方向は前後方向である。上側とは浄水器100の標準的な使用状態における鉛直方向上側を意味し、下側とは同使用状態における鉛直方向下側を意味する。上側は、前記軸方向及び前記前後方向を水平方向としたときの鉛直方向上側である。下側は、前記軸方向及び前記前後方向を水平方向としたときの鉛直方向下側である。軸方向一方側及び軸方向他方側は、上記軸方向における互いに反対の方向を意味する。後述の実施形態では、標準的な使用状態の浄水器を使用者から見たときの左側が軸方向一方側とされ、同じく右側が軸方向他方側とされている。軸方向一方側は単に一方側とも称され、軸方向他方側は単に他方側とも称される。これらの用語は、浄水器の標準的な使用状態に基づくものであり、浄水器の使用状態が標準的でない場合、各用語の意味は、その浄水器の姿勢に応じて判断される。
前後方向は軸方向に対して直角であってもよいし、直角でなくてもよい。後述の実施形態では、前後方向は軸方向に対して直角である。好ましくは、前後方向は軸方向に対して実質的に直角とされうる。この「実質的に直角」とは、90°±10°を意味しうる。
また、本願において、平面視との用語が用いられる。平面視とは、浄水器を上側から見た平面図を意味する。この平面視は、浄水器の断面図(後述の図3等)にも適用されうる。すなわち、浄水器の内部も、平面視の対象である。
図1は、第1実施形態の浄水器100が蛇口(水栓)f1に取り付けられた状態を示す斜視図であり、図2は浄水器100の側面図であり、図3は図2のA-A線に沿った浄水器100の断面図であり、図4は図3のA-A線に沿った浄水器100の断面図である。
浄水器100は、水道水を浄化する浄水器である。浄水器100は、蛇口直結型浄水器である。浄水器100は、蛇口f1の先端部に取り付けられる。浄水器100は、浄水器のタイプとして、蛇口直結型、蛇口一体型、据え置き型、ビルトイン型(アンダーシンク型を含む)などが知られている。本開示は、これらのタイプを始めとして、あらゆるタイプの浄水器に適用されうる。後述の通り、浄水器100では、ろ材部の活用率の向上と浄水器の小型化とが達成されうる。この観点からは、蛇口直結型が好ましい。
浄水器100は、原水供給部に接続される接続部102を有する。本実施形態では、原水供給部は蛇口f1である。接続部102により、浄水器100は、蛇口f1の吐水口に水密に接続固定される。蛇口f1のタイプは限定されない。
浄水器100は、カートリッジ保持部104を有する。カートリッジ保持部104の内部に、浄水カートリッジ106が配置される。また、浄水器100は、収容空間SP1を有する。カートリッジ保持部104は、収容空間SP1を有する。収容空間SP1は、浄水カートリッジ106を収容する。収容空間SP1は、浄水カートリッジ106のろ材部516(後述)を収容する。収容空間SP1に、浄水カートリッジ106が配置される。浄水カートリッジ106は収容空間SP1内の正規位置に固定される。
浄水カートリッジ106では、ろ材部の全体が露出している。浄水カートリッジ106は、ケースを有さない。ろ材部がケースで覆われた浄水カートリッジであってもよい。浄水カートリッジは、ろ材部の全面を覆う非透水性のケースを有していてもよい。浄水カートリッジは、ろ材部の一部を覆う透水性のケースを有していても良い。
浄水カートリッジ106は、収容空間SP1を有していない。なお、ろ材部の全体を覆う非透水性のケースを有する浄水カートリッジでは、当該ケースが収容空間SP1を画定しており、浄水カートリッジが収容空間SP1を有する。すなわち、当該ケース内に収容空間SP1が形成されている。
浄水器100は、吐水口108を有する。吐水口108は、浄水及び原水を浄水器100の外部に吐出する。浄水器100では、吐水口108は1箇所である。原水及び浄水のいずれも共通の吐水口108から吐出される。通常、蛇口直結型浄水器では、吐水口は2箇所に設けられる。すなわち、原水用の吐水口と浄水用の吐水口とが別個に設けられる。この場合、一般的には、原水用の吐水口は蛇口の吐水口の下側に設けられ、浄水用の吐水口は浄水カートリッジの下側に設けられる。これに対して浄水器100では、原水も浄水も共通の吐水口108から吐出される。
浄水器100は、水形調整部110を有する。水形調整部110は、操作レバー112を有する。操作レバー112を操作することで、吐水口108から吐出される水の水形が変更されうる。水形調整部110により、第1の水形(ストレート水形)と第2の水形(シャワー水形)とが達成される。上述の通り、吐水口108は浄水の吐出口と原水の吐出口とを兼ねている。よって、原水吐出と浄水吐出とのそれぞれにおいて、第1の水形及び第2の水形が達成される。本実施形態では、原水でのストレート水形(原水ストレート)、原水でのシャワー水形(原水シャワー)、浄水でのストレート水形(浄水ストレート)及び浄水でのシャワー水形(浄水シャワー)が達成される。
浄水器100は、原水吐出と浄水吐出をと切り替える切替弁114と、この切替弁114を操作する操作部116とを有する。操作部116を操作することで、切替弁114を原水吐出状態と浄水吐出状態とに切り替えることができる。原水吐出状態では、蛇口f1からの原水が浄水カートリッジ106を経由せずに吐水口108に至る流路が開放され、蛇口f1からの原水が浄水カートリッジ106を経由して吐水口108に至る流路が閉じられる。浄水吐出状態では、蛇口f1からの原水が浄水カートリッジ106を経由せずに吐水口108に至る流路が閉じられ、蛇口f1からの原水が浄水カートリッジ106を経由して吐水口108に至る流路が開放される。本実施形態では、操作部116は、浄原水切替ボタン118である。浄原水切替ボタン118を押す毎に、原水吐出状態と浄水吐出状態とが切り替わる。操作部116は、例えばレバー式であってもよい。
浄水器100は、スラストロック機構部120を有する。スラストロック機構部120は、オルタネイト動作方式の機構である。浄原水切替ボタン118は、スラストロック機構部120を介して、切替弁114に連結している。スラストロック機構部120により、浄原水切替ボタン118は、飛び出し位置と押し込み位置とを採ることができる。飛び出し位置は、押し込み位置に比べて、浄原水切替ボタン118の突出量が大きい。図1から図4では、浄原水切替ボタン118は飛び出し位置にある。飛び出し位置にある浄原水切替ボタン118を押圧すると、浄原水切替ボタン118は、最大押し込み位置を経由して、押し込み位置で停止する。浄原水切替ボタン118への外力が解除されても、押し込み位置が維持される。押し込み位置にある浄原水切替ボタン118を押圧すると、浄原水切替ボタン118は、最大押し込み位置を経由して、飛び出し位置で停止する。浄原水切替ボタン118への外力が解除されても、飛び出し位置が維持される。このように、浄原水切替ボタン118を押圧する毎に、飛び出し位置と押し込み位置とが切り替わる。
本実施形態では、浄原水切替ボタン118が飛び出し位置にあるとき原水が吐出され、浄原水切替ボタン118が押し込み位置にあるとき浄水が吐出される。図1から図4は、原水吐出状態である。逆に、押し込み位置で原水が吐出され、飛び出し位置で浄水が吐出されてもよい。
浄水器100は、収容空間SP1(カートリッジ保持部104)に原水を流入させる原水入口122を有する(図3参照)。本実施形態では、第1内側ケース174の一方側の端と第2内側ケース176の他方側の端とが互いに離れることで軸方向隙間が形成されており、この軸方向隙間が原水入口122を構成している。原水入口122は、周方向の全体に亘って形成されている。浄水器100は、収容空間SP1から浄水を流出させる浄水出口123を有する(図3参照)。原水入口122は水流制御部604(後述)に対して一方側に位置している。浄水出口123は、水流制御部604に対して他方側に位置している。浄水器100は、カートリッジ保持部104から浄水を流出させる保持部出口124を有する(図3参照)。保持部出口124は、原水入口122に対して他方側に位置する。
浄水器100は、表示部126を有する(図1及び図5参照)。表示部126は、使用者が原水吐出状態か浄水吐出状態かを視覚で判断できるような表示を行う。本実施形態では、原水吐出状態では「原水」との文字が表示され、浄水吐出状態では「浄水」との文字が表示される。
図5は、浄水器100の分解斜視図である。
浄水器100は、上カバー130と下カバー132とを有する。上カバー130と下カバー132は、浄水器100の外面を構成する。
接続部102は、取付ナット140と環状パッキン142とを有する。更に接続部102は、ヘッド144に設けられた接続ネジ部146を有する。取付ナット140を蛇口f1の先端部に係合させつつ、取付ナット140が接続ネジ部146に螺合されることで、接続部102が蛇口f1に取り付けられる。蛇口f1の吐水口の端面が環状パッキン142(端面当接パッキン)142に押し付けられることで、水密性が達成されている。更に、取付ナット140を蛇口f1の先端部に係合させるため、蛇口f1の形状に対応した各種アダプターが用いられうる。
スラストロック機構部120は、第1切替こま150、第2切替こま152、切替リング154、切替軸156、切替カバー158、スプリング160及びOリング162を有する。浄原水切替ボタン118は、切替軸156に固定されている。スラストロック機構部120は、ヘッド144に保持されている。
押圧による浄原水切替ボタン118の移動方向は、前後方向である。浄原水切替ボタン118が前後方向に移動すると、第1切替こま150は、第2切替こま152及び切替軸156と共に前後方向に移動する。第2切替こま152は、浄原水切替ボタン118の押圧操作毎に回転する。この回転毎に、切替リング154に対する第2切替こま152の前後方向位置が切り替わる。この結果、浄原水切替ボタン118の位置が飛び出し位置と押し込み位置との間で切り替わり、且つ、各位置で保持される。このようなスラストロック機構は、広く用いられている。スラストロック機構は、例えばボールペンにも採用されており、ボールペンの芯の出し入れを可能としている。本開示のスラストロック機構部120に限らず、公知のスラストロック機構が採用されうる。また、オルタネイト動作を可能とする他の機構が採用されてもよい。
浄水器100は、内側カートリッジケース170と外側カートリッジケース172とを有する。カートリッジ保持部104は、内側カートリッジケース170と、外側カートリッジケース172とを有する。内側カートリッジケース170は、第1内側ケース174と第2内側ケース176とを有する。外側カートリッジケース172は、第1外側ケース178と第2外側ケース180とを有する。内側カートリッジケース170の内側に、収容空間SP1が形成されている。すなわち、内側カートリッジケース170の内面が、収容空間SP1を画定している。なお、第1外側ケース178の内面の一部も、収容空間SP1を画定している。原水入口122が形成されている部分では、第1外側ケース178の内面が収容空間SP1を画定している。収容空間SP1に、浄水カートリッジ106が収容される。第1外側ケース178は、第1内側ケース174の外側を覆っている。第2外側ケース180は第2内側ケース176の外側を覆っている。第2外側ケース180は、上カバー130及び下カバー132と共に、浄水器100の外面を構成する。
このように、内側カートリッジケース170は、浄水カートリッジ106の一部ではない。浄水カートリッジ106は、収容空間SP1を画定するケース(内側カートリッジケース170、外側カートリッジケース172)を有さない。
切替弁114は、第1ボール弁190と、第2ボール弁192とを有する。第1ボール弁190は、ボール保持体194と、ボール196と、弁座198とを有する。弁座198は、弁座パッキンにより構成されている。ボール保持体194は、下方向に開放されており、ボール196を保持する。ボール保持体194は、切替軸156に接続されている。ボール保持体194及びボール196は、切替軸156に連動する。ボール196が弁座198に嵌まることで、第1ボール弁190は閉じる。第2ボール弁192は、ボール保持体202と、ボール204と、弁座206とを有する。弁座206は、弁座パッキンにより構成されている。ボール保持体202は、下方向に開放されており、ボール204を保持する。ボール保持体202は、切替軸156に接続されている。ボール保持体202及びボール204は、切替軸156に連動する。ボール204が弁座206に嵌まることで、第2ボール弁192は閉じる。切替弁114として、ボール弁以外の弁が用いられても良い。
切替ケース210は、弁座198を開口縁とする第1孔212と、弁座206を開口縁とする第2孔214とを有する。
水形調整部110は、水形切替弁218と、切替板220と、シャワースクリーン222とを有する。水形切替弁218は、切替ケース210に取り付けられており、スプリング219により切替板220に押し付けられている。切替板220は、C形リング221を用いて、切替ケース210に回動可能に取り付けられている。切替板220は、複数の流路孔224を有している。シャワースクリーン222は切替板220に固定されている。シャワースクリーン222は、操作レバー112を有する。操作レバー112を操作すると、シャワースクリーン222と共に切替板220が回転する。すなわち切替ケース210に対して切替板220が回転する。切替板220と水形切替弁218との相対的な位相関係により、水形切替弁218により塞がれる流路孔224が選択される。シャワースクリーン222のシャワー孔に連通する流路孔224が塞がれている場合、ストレート水形の流路に水が流れ、ストレート水形が達成される。この場合、水は、整流アダプター225、整流網226及びシャワースクリーン222の中央孔228を通過して吐出される。シャワースクリーン222のシャワー孔に連通する流路孔224が開放されている場合、シャワー水形の流路に水が流れ、シャワー水形が達成される。この場合、水は、シャワースクリーン222のシャワー孔230から吐出される。
浄水カートリッジ106を経由した浄水も、浄水カートリッジ106を経由しない原水も、切替ケース210を経由して切替板220に到達する。同一の吐水口108から原水及び浄水が吐出され、原水及び浄水のそれぞれにおいて水形を変えることができる。
図3が示すように、浄水器100は、アプローチ流路240を有する。アプローチ流路240は、収容空間SP1に向かって延びている。アプローチ流路240は、ろ材部516の外面520に向かって延びている。アプローチ流路240は、浄水カートリッジ106の側面に向かって延びている。アプローチ流路240は、水流制御部604(後述)に向かって延びている。アプローチ流路240は、切替弁114(第1ボール弁190)と水流制御部604との間に延びている。アプローチ流路240は、原水通過弁600(後述)と水流制御部604との間に延びている。アプローチ流路240は、カートリッジ保持部104まで延びている。アプローチ流路240は、原水を収容空間SP1に供給する。アプローチ流路240は、原水をカートリッジ保持部104に供給する。アプローチ流路240は、ヘッド144に設けられている。アプローチ流路240は、流路出口242を有する。流路出口242は、アプローチ流路240の終点である。流路出口242は、アプローチ流路240の下流側の端である。平面視において、アプローチ流路240は前後方向に延びている。平面視において、アプローチ流路240は軸方向に対して垂直に延びている。
図3が示すように、浄水器100は、リターン流路244を有する。リターン流路244は、カートリッジ保持部104から延びている。リターン流路244は、切替弁114(第2ボール弁192)に向かって延びている。リターン流路244は、浄水をカートリッジ保持部104から排出する。リターン流路244は、ヘッド144に設けられている。リターン流路244は、流路入口246を有する。平面視において、リターン流路244は前後方向に延びている。平面視において、リターン流路244は軸方向に対して垂直に延びている。平面視において、リターン流路244はアプローチ流路240に対して略平行である。略平行とは、±10°の誤差を許容する趣旨である。
図6は、浄水器100におけるヘッド144と第1内側ケース174との位置関係を示す斜視図である。ヘッド144は、アプローチ流路240を形成するアプローチ流路形成部248を有する。アプローチ流路形成部248の下流側(後側)の端部は、流路出口242である。
図7(a)は内側カートリッジケース170を構成する第1内側ケース174の斜視図であり、図7(b)は別の角度から見た第1内側ケース174の斜視図であり、図7(c)は第1内側ケース174の側面図であり、図7(d)は図7(c)のA-A線に沿った断面図であり、図7(e)は第1内側ケース174の正面図である。
第1内側ケース174は、全体として両端が開口する円筒状の部材である。第1内側ケース174の軸方向は、浄水カートリッジ106の軸方向に一致している(図5参照)。第1内側ケース174は、本体部300と、軸方向延在部302とを有する。本体部300は、円筒を形成している。軸方向延在部302は、本体部300を一方側に延長するように延びている。すなわち、軸方向延在部302は、本体部300の一方側の縁から一方側に延びている。本体部300は、円筒を形成している。軸方向延在部302は、円筒を形成している。本体部300と軸方向延在部302とは同軸である。軸方向延在部302は、第1内側ケース174の一方側の端部を形成している。
第1内側ケース174は、内面304と、外面306と、一方側開口308と、他方側開口310とを有する。内面304は、本体部300の内面及び軸方向延在部302の内面である。内面304は、内周面である。内面304は、前述の収容空間SP1を画定している。外面306は、本体部300の外面及び軸方向延在部302の外面である。外面306は、外周面である。一方側開口308は、軸方向一方側に開口する。他方側開口310は、軸方向他方側に開口する。
本体部300は、シール配置部312を有する。シール配置部312は、外面306に設けられている。シール配置部312は周溝を形成しており、この周溝にシール(Oリング)314が配置されている(図3参照)。シール配置部312は、本体部300の一方側の端部に形成されている。第1内側ケース174において、シール配置部312よりも一方側に、軸方向延在部302が設けられている。
軸方向延在部302は、内面320と外面322とを有する。内面320は、内面304の一部である。内面320は、内周面である。外面322は、外面306の一部である。外面322は、外周面である。
軸方向延在部302(外面322)は、周方向における複数位置に、突出部324を有する。各突出部324は、径方向外側に突出している。複数の突出部324が、周方向において等間隔で配置されている。本実施形態では、8個の突出部324が設けられている。各突出部324は径方向に沿って延びている。各突出部324は径方向に対して傾斜していてもよい。
図7(c)がよく示すように、各突出部324は、軸方向延在部302の軸方向中間位置から、軸方向一方側に延びている。各突出部324は、当該中間位置から、原水入口122に向かって延びている。
なお、突出部324の一方側端面326は、軸方向一方側に行くにつれて径方向外側に行くように傾斜した傾斜面である。突出部324は、外面322を構成する外周面よりも軸方向一方側に突出した部分を有し、この部分に傾斜面326が設けられている。浄水カートリッジ106を交換する際に、この傾斜面326は、第1内側ケース174に挿入される浄水カートリッジ106を収容空間SP1の中央側に案内する。
図8(a)は内側カートリッジケース170を構成する第2内側ケース176の斜視図であり、図8(b)は別の角度から見た第2内側ケース176の斜視図であり、図8(c)は第2内側ケース176の側面図であり、図8(d)は図8(c)のA-A線に沿った断面図であり、図8(e)は第2内側ケース176の正面図である。
第2内側ケース176は、全体として、一方側が閉じており他方側が開口する円筒状の部材である。第2内側ケース176の軸方向は、浄水カートリッジ106の軸方向に一致している(図5参照)。
第2内側ケース176は、内面404と、外面406と、一方側閉端408と、他方側開口410とを有する。図5が示すように、第2内側ケース176では、開口410が他方側であり、閉端408が一方側である。内面404は、内周面である。内面404は、前述の収容空間SP1を画定している。
第2内側ケース176は、ネジ部412を有する。ネジ部412は、外面406に設けられている。ネジ部412は、雄ネジを形成している。図3が示すように、ネジ部412は、第1外側ケース178の一方側の端部に設けられたネジ部(雌ネジ)250に螺合している。このネジ結合を外すことで、第2内側ケース176及び第2外側ケース180が浄水器100から取り外され、浄水カートリッジ106の交換が可能となる。
第2内側ケース176は、シール配置部414を有する。シール配置部414は、第2内側ケース176の他方側の端部に形成されている。シール配置部414は周溝である。この周溝にシール(Oリング)416が配置されている(図3参照)。
図9(a)は浄水カートリッジ106の斜視図であり、図9(b)は別の角度から見た浄水カートリッジ106の斜視図であり、図9(c)は浄水カートリッジ106の側面図であり、図9(d)は図9(c)のA-A線に沿った断面図であり、図9(e)は浄水カートリッジ106の正面図である。
浄水カートリッジ106は、全体として、一方側が閉じており他方側が開口する円筒状の部材である。
浄水カートリッジ106は、中間部506と、一方側端部508と、他方側端部510とを有する。中間部506は、一方側端部508と他方側端部510との間に位置する。中間部506は、全体として両端が開口する円筒状の部分である。一方側端部508は、閉じた端部を構成している。一方側端部508は、中間部506の一方側を閉じている。一方側端部508により、浄水カートリッジ106の一方側の端部は水が通過できないように塞がれている。他方側端部510は、他方側開口512を有する。中間部506は、水を浄化する機能を有する浄水機能部である。中間部506で浄化された水は、他方側開口512から浄水カートリッジ106の外部に排出される。また他方側端部510は、その外周面に、環状シール514を有する。環状シール514は、Oリングである。一方側端部508及び他方側端部510のそれぞれは、樹脂製の部材である。
浄水カートリッジ106は、ろ材部516を有する。中間部506が、ろ材部516を有する。ろ材部516は、内面518と外面520とを有する。外面520は、外周面である。内面518は、内周面である。ろ材部516は、筒状である。ろ材部516は、円筒形である。外面520は、浄水カートリッジ106の外面を構成している。外面520は、浄水カートリッジ106において露出するカートリッジ露出面522である。
浄水カートリッジ106は、中空芯体524を有する(図9(d)参照)。中空芯体524は、中間部506に設けられている。中空芯体524は、多数の貫通孔526を有する管状体である。中空芯体524は、ろ材部516の径方向内側に設けられている。中空芯体524の中心線は、浄水カートリッジ106の中心線に一致している。原水は、ろ材部516を外面520から内面518へと透過して浄化され、貫通孔526を通って中空芯体524に入る。中空芯体524の内側は内側流路528を形成している。浄水は、内側流路528を通り、他方側開口512から浄水カートリッジ106の外部に流出する。
中間部506は、中空芯体524と、中空芯体524の径方向外側に位置するろ材部516とを有する。図9(d)の拡大部が示すように、ろ材部516は、活性炭部530と、最外層532をと有する。活性炭部530は、筒状に成形されている。活性炭部530は、活性炭とバインダーとを含む。活性炭部530の内面と中空芯体524の外面との間に、不織布等の透水性シートにより形成された最内層が設けられてもよい。最外層532は、活性炭部530の外側(径方向外側)に積層されている。最外層532は、透水性を有する層である。最外層532は、外面520(カートリッジ露出面522)を構成している。最外層532は、活性炭部530の外面に接している。最外層532は、不織布である。不織布以外の透水性シートが採用されてもよい。
図10は、図2のB-B線に沿った断面図である。図10において、浄水器100は原水吐出状態である。図11は、浄水吐出状態における浄水器100の断面図である。図11の断面線の位置は、図10と同じである。
原水吐出状態(図10)では、ボール196が弁座198に対して位置ズレしており、第1ボール弁190は開いている。同時に、原水吐出状態では、ボール204が弁座206に嵌まっており、第2ボール弁192は閉じている。原水供給部(蛇口f1)からの原水は、浄水カートリッジ106を経ることなく第1ボール弁190に至る。原水は開いている第1ボール弁190を通過して吐水口108に到達し、排出される。
浄水吐出状態(図11)では、ボール196が弁座198に嵌まっており、第1ボール弁190は閉じている。同時に、浄水吐出状態では、ボール204が弁座206に対して位置ズレしており、第2ボール弁192は開いている。原水供給部(蛇口f1)からの原水は、第1ボール弁190を通過できずにアプローチ流路240に流れ、流路出口242及び原水入口122を通過してカートリッジ保持部104に流れ込む。浄水カートリッジ106で浄化され浄水となった水は、保持部出口124及び流路入口246を通過してリターン流路244に流れ込み、第2ボール弁192を通過して吐水口108に到達し、排出される。
このように、第1ボール弁190は、原水吐出状態では開いており、浄水吐出状態では閉じている原水通過弁600である。また、第2ボール弁192は、原水吐出状態では閉じており、浄水吐出状態では開いている浄水通過弁602である。切替弁114は、原水通過弁600と浄水通過弁602とを有する。
原水通過弁600は、アプローチ流路240の上流側に位置する。原水通過弁600は、閉じることで原水をアプローチ流路240に流入させ、開くことで原水を吐水口108に流す。浄水通過弁602は、リターン流路244の下流側に位置する。浄水通過弁602は、開くことでリターン流路244からの浄水を吐水口108に流し、閉じることで浄水の流れを阻止する。
リターン流路244は、浄水出口123と切替弁114(浄水通過弁602)との間に設けられており、浄水を切替弁114(浄水通過弁602)に供給している。このリターン流路244は、浄水通過弁602を介して、浄水を吐水口108に導く。リターン流路244は、1箇所の吐水口108から原水及び浄水を吐出することを可能としている。
図10及び図11が示すように、原水通過弁600はアプローチ流路240の前側に位置する。浄水通過弁602は、リターン流路244の前側に位置する。原水通過弁600は浄水通過弁602に対して一方側に位置する。アプローチ流路240はリターン流路244に対して一方側に位置する。平面視において、アプローチ流路240の中心線はリターン流路244の中心線と平行である。これらの構成は、1箇所の吐水口108から原水と浄水との吐出を可能としつつ、浄水器100を小型化することに寄与している。
原水専用の吐水口と浄水専用の吐水口とを有する従来の蛇口直結型浄水器の場合、浄水カートリッジの下側に浄水専用の吐水口を設けることができる。よってこの場合、第2の弁(浄水通過弁602)が不要とされ、リターン流路244も不要とされうる。これに対して浄水器100では、2つの弁(原水通過弁600、浄水通過弁602)及びリターン流路244を有しつつも、浄水器100は小型化されている。また共通の吐水口108から原水も浄水も吐水できるので、吐水口108の機能(例えば水形調整機能)を浄水吐出時にも生かすことができる。上記従来の蛇口直結型浄水器では、浄水は飲用であるとの観点から、浄水でのシャワー水形は不要とされていた。想定されていなかった。浄水器100では、浄水でのシャワー水形が可能である。
浄水器100は、水流制御部604を有している。水流制御部604は、アプローチ流路240から出た水流が直接当たる位置に設けられている。水流制御部604は、収容空間SP1に向かって流れる水流が当たる位置に設けられている。水流制御部604は、原水入口122に隣接している。水流制御部604の一方側の縁は、原水入口122の他方側の縁を構成している。水流制御部604の径方向外側において、水流制御部604の軸方向他方側は閉じている。水流制御部604は、収容空間SP1に面している。水流制御部604は、流路出口242とろ材部516との間を仕切る壁部(隔壁)を構成している。水流制御部604は、収容空間SP1を画定する壁部を構成している。水流制御部604は、ろ材部516の径方向外側に配置されている。水流制御部604とろ材部516との間には、水が流れうる空間のみが存在している。原水入口122は、ろ材部516の外面520に面している。原水入口122は、ろ材部516の径方向外側に配置されている。
水流制御部604は、浄水カートリッジ106の一部ではない。浄水カートリッジ106は、水流制御部604を有していない。上述の通り、浄水カートリッジ106は、ろ材部516の全体を覆う非透水性のケースを有さない。浄水カートリッジ106の側面は、ろ材部516の外面である。浄水カートリッジ106に水流制御部604を設けることはできない。なお、浄水カートリッジがろ材を覆う非透水性又は透水性のケースを有する場合、当該ケースが水流制御部を有していてもよい。
水流制御部604は、第1内側ケース174(内側カートリッジケース170)により構成されている。水流制御部604は、第1内側ケース174の軸方向延在部302である(図7(a)から(d)参照)。水流制御部604は、アプローチ流路240の流路出口242に近接している。
水流制御部604は、環状部(円筒部)を形成している(図6参照)。水流制御部604は、ろ材部516の全周囲を囲んでいる(図4参照)。水流制御部604は、ろ材部516の周方向の全体(360°)に沿って設けられている。水流制御部604は、ろ材部516の外面520(カートリッジ露出面522)に沿って延びている。
水流制御部604は、ろ材部516と流路出口242との間に位置する。水流制御部604は、ろ材部516と流路出口242との間を仕切る壁部を構成している。水流制御部604の外面は流路出口242に対向しており、水流制御部604の内面はろ材部516の外面520に対向している。水流制御部604の軸方向幅は、流路出口242の軸方向幅の全体を覆っている。
水流制御部604は、流路出口242に近い。水流制御部604と流路出口242との距離は、12mm以下、更には8mm以下、更には6mm以下、更には4mm以下とされうる。この距離は、0mmであってもよい。この距離が短くされることは、浄水器100の小型化に寄与する。また、この距離が短くても、水流制御部604の存在により、勢いのある水流がろ材部516に集中して勢いよく当たることが抑制される。この距離の決定では、流路出口242の開口縁243に属するいずれかの点と、水流制御部604に属するいずれかの点とを結ぶ線分が考慮される。この線分の最短距離が、水流制御部604と流路出口242との距離とされうる。
水流制御部604は、ろ材部516に近い。ろ材部516の外面520と水流制御部604(の内面)との間の径方向距離は、4mm以下、更には3mm以下、更には2mm以下とされうる。この距離が短いことは、浄水器100の小型化に寄与する。ろ材部516と水流制御部604との間は、流路でもある。後述の図12が示すように、浄水器100では、ろ材部516と水流制御部604との間は他方側流路610(ろ材外側流路606)を構成している。この流路における流量の観点から、ろ材部516の外面520と水流制御部604との間の径方向距離は、0.8mm以上が好ましく、1.0mm以上がより好ましく、1.2mm以上がより好ましい。
図12は、図11と同じ断面図である。図12では、浄水吐出状態における水の流れが矢印で付記されている。
浄水吐出状態では、原水供給部(蛇口f1)からの原水が、アプローチ流路240から出て水流制御部604に当たった後、原水入口122からカートリッジ保持部104に入る。原水は、ろ材部516の外面520(カートリッジ露出面522)に沿って形成されたろ材外側流路606を流れつつ、この外面520からろ材部516に侵入する。ろ材外側流路606は、内側カートリッジケース170とろ材部516との間の隙間によって形成されている。
ろ材部516を透過した水は、内側流路528を通って、他方側開口512から浄水カートリッジ106の外側に排出され、更に浄水出口123、保持部出口124及びリターン流路244を通って、浄水通過弁602に至る。そして、開いている浄水通過弁602を通過して吐水口108に到達し、浄水として排出される。
原水がろ材部516に勢いよく且つ局所的に当たると、原水が当たる部分の活性炭部530が集中的に消費される。この結果、活性炭部530の一部しか能力を発揮できず、活性炭部530の活用率が低下する。水流制御部604を設けることで、原水が勢いよく当たる部分を無くすことができる。この結果、活性炭部530の活用率を高めることができる。水流制御部604の効果は、ろ材部516が活性炭部530を含む場合に特に効果的である。
活性炭部530の成形強度が弱い場合や、原水の勢いが非常に強い場合には、原水が勢いよく局所的に当たることで、活性炭部530が部分的に崩壊しうる。水流制御部604は、この崩壊を防止しうる。
水流制御部604は、ろ材部516の外面520の周方向の全体(360°)に沿って設けられている。このため、原水の流れが周方向に変換され、旋回流が形成されうる(図6において水流制御部604に付された矢印参照)。原水が周方向に行き渡ることで、活性炭部530の活用率が高まる。
水流制御部604は、その周方向における複数位置に、径方向外側に突出する突出部324を有している(図6及び図7(a)から(e)参照)。この突出部324は、水流制御部604の軸方向中間位置から原水入口122に向かって延びている。この突出部324は、水流制御部604の軸方向中間位置から一方側に延びている。突出部324が軸方向中間位置から設けられることで、水流制御部604は、突出部324が存在しない軸方向範囲605を有する(図7(c)参照)。この軸方向範囲605では、周方向の全体に亘って延びる外周面が形成されている。この軸方向範囲605で周方向の流れが形成され、更に突出部324でこの流れが軸方向に変換される。このため、周方向に行き渡った水が軸方向に流れ、原水入口122からろ材外側流路606を軸方向に流れる。よって、原水が周方向及び軸方向に行き渡り、活性炭部530の活用率が高まる。
ろ材外側流路606は、周方向の全体(360°)に亘って形成されている。ろ材外側流路606は、ろ材部516の軸方向長さの全体に亘って形成されている。ろ材外側流路606により、原水が周方向及び軸方向に拡がり、活性炭部530の活用率を高める。
ろ材外側流路606は、原水入口122よりも一方側に位置する一方側流路608と、原水入口122よりも他方側に位置する他方側流路610とを有する。原水入口122は、水流制御部604に対して一方側に位置している。水流制御部604に当たって原水入口122に流れ込んだ水は、一方側への流れを有する。原水入口122から収容空間SP1に入った水は、先ず一方側流路608に流れこむ。しかし、一方側流路608の一方側は閉じられている。また、浄水出口123は水流制御部604(原水入口122)に対して他方側に位置する。他方側開口512も水流制御部604(原水入口122)に対して他方側に位置する。一方側流路608が充填されると、水は他方側流路610に流れ込む。水は、一方側流路608から他方側流路610へと軸方向に流れつつ、各軸方向位置からろ材部516に侵入する。結果として、水が原水入口122に対して一方側及び他方側に行き渡り、活性炭部530の活用率が高められている。
図12において両矢印W1で示されているのは、ろ材部516の軸方向長さである。原水入口122は、ろ材部516(活性炭部530)の軸方向中間位置に配置されている。すなわち、原水入口122は、ろ材部516の一方側の端の軸方向位置P1よりも他方側に位置し、且つ、ろ材部516の他方側の端の軸方向位置P2よりも一方側に位置する。この原水入口122の配置は、浄水器100の小型化に寄与する。例えば、浄水器100が蛇口f1に取り付けられる場合、蛇口f1の吐出口の中央位置(蛇口センター)から測定された浄水器100の突出量が低減されうる。よって、浄水器100は邪魔になりにくい。例えば、キッチン等での作業中において手が浄水器100に当たるといった事態が抑制される。
軸方向長さW1が長くされることで、浄水性能が高まる。また、本実施形態では、上述の通り、軸方向長さW1が長くても、浄水器100が邪魔になりにくい。これらの観点から、軸方向長さW1は、110mm以上が好ましく、113mm以上がより好ましく、116mm以上がより好ましい。浄水器100の小型化の観点から、軸方向長さW1は、126mm以下が好ましく、123mm以下がより好ましく、120mm以下がより好ましい。
原水入口122がろ材部516の軸方向中間位置に配置されると、原水入口122がろ材部の軸方向端(上流側の端)に配置された場合と比較して、軸方向に水が行き渡りにくい。しかし、水流制御部604を用いた上記構成により、水は軸方向の広範囲に流れ、ろ材部516の活用率が高められている。
図1を参照して、浄水カートリッジ106の軸方向は、実質的に水平に配向している。この配向は、蛇口f1等に取り付けられた浄水器100の標準的な使用状態において判断される。この「実質的に」とは、蛇口f1の姿勢の誤差や浄水器100の取付時の誤差を許容する趣旨であり、例えば水平方向に対して±10°の誤差は許容される。通常、蛇口f1の吐水口の端面の全体に当接する平面(当接平面)は実質的に水平である。軸方向は、この当接平面に対して実質的に平行である。この「実質的に」とは、±10°の誤差を許容する趣旨である。上述した前後方向も、実質的に水平に配向している。浄水器100が蛇口f1の吐水口の端面の全体に当接する部材(例えば上述した端面当接パッキン142)を有する場合、この端面当接パッキン142の当接面に対して、浄水カートリッジ106の軸方向は、実質的に平行である。この「実質的に」とは、±10°の誤差を許容する趣旨である。
軸方向が実質的に水平である場合、浄水器100の上下方向における突出量が低減されうる。よって浄水器100は邪魔になりにくい。例えばキッチン等での作業中において手が浄水器100に当たるといった事態が抑制される。
ろ材部516が水平である場合、図1に示されるように、蛇口f1の導水部f10の下側にカートリッジ保持部104(浄水カートリッジ106)を配置することができる。よって浄水器100は邪魔になりにくい。また、原水入口122がろ材部516の軸方向中間位置に配置されている場合、軸方向が水平であっても、浄水器100の水平方向における突出量(例えば、蛇口センターからの突出量)が低減されうる。よって、浄水器100は邪魔になりにくい。
図11において両矢印S1で示されているのは、一方側流路608の径方向幅である。図11において両矢印S2で示されているのは、他方側流路610の径方向幅である。径方向幅S1は、一方側に行くにつれて小さくなっている。この構成により、水が一方側流路608の一方側の端まで流れやすくなる。径方向幅S2は、他方側に行くにつれて小さくなっている。この構成により、水が他方側流路610の他方側の端まで流れやすくなる。これらの構成は、ろ材部516の活用率を高めるのに寄与する。径方向幅S1は、例えば一定であってもよい。径方向幅S2は、例えば一定であってもよい。
径方向幅S1は径方向幅S2よりも大きい。径方向幅S1の最大値S1maxは、径方向幅S2の最大値S2maxよりも大きい。径方向幅S1の最小値S1minは、径方向幅S2の最小値S2minよりも大きい。[(S1max+S1min)/2]は、[(S2max+S2min)/2]よりも大きい。S1minは、S2maxよりも大きい。径方向幅S1を相対的に大きくして、水を一方側流路608に誘導することで、軸方向の全体に水が行き渡りやすくなる。この構成は、ろ材部516の活用率を高めるのに寄与する。なお、径方向幅S1が一定である場合、この一定値がS1max及びS1minであると見なされる。また、径方向幅S2が一定である場合、この一定値がS2max及びS2minであるとみなされる。
図13は、図3と同じ断面図である。
浄水器100において、アプローチ流路240の中心線C1と、この中心線C1の延長線E1とが定義されうる。アプローチ流路240の上流側から下流側に向かう流れ方向の各位置において、アプローチ流路240の断面積を最小とする断面が決定されうる。これらの断面のそれぞれで、図心(幾何学的中心)が決定されうる。これらの図心の集合が、アプローチ流路240の中心線と定義されうる。アプローチ流路240のように、直径が一定で且つ真っ直ぐな流路の場合、当該流路の中心線C1は円筒面の中心線であり、直線である。中心線C1が少なくともその下流側の端部において直線である場合、当該直線の延長線が、延長線E1とされうる。中心線C1が曲線である場合、当該中心線C1の下流側の端点から1mm上流側にある点での接線が、延長線E1とされうる。この1mmとは、中心線C1の道のり距離とされうる。延長線E1の方向は、浄水カートリッジ106への原水の導入方向と見なされうる。
本実施形態では、延長線E1が水流制御部604に交わっている。よって、アプローチ流路240からの水流が、水流制御部604に勢いよく当たる。延長線E1は、突出部324が存在しない軸方向範囲605に交差している(図10参照)。この構成は、旋回流の形成に寄与している。
なお、延長線E1は水流制御部604に交差しなくても良い。例えば、延長線E1が水流制御部604の外周面の接線に沿って当該接線よりも径方向外側を通る場合、延長線E1は水流制御部604に交差しない。しかしこの場合も、アプローチ流路240からの水流(の一部)は水流制御部604に直接当たりうる。水流制御部604による旋回流の形成(図6矢印参照)の観点から、延長線E1は、水流制御部604の法線方向からズレているのが好ましい。延長線E1が法線方向である場合、周方向一方側と周方向他方側とに流れが2等分される。これらの流れが合流するときに、旋回流同士で打ち消し合いが生じうる。
浄水器100では、平面視において、延長線E1と軸方向との成す角度が、実質的に90°である。この場合、原水の水流がろ材部516に強く且つ局所的に当たりうる。しかし、水流制御部604の存在により、水流の方向が変わり、ろ材部516に水流が勢いよく局所的に当たることが防止される。「実質的に90°」とは、90°±10°を意味しうる。延長線E1と軸方向とが略90°になる構成は、浄水器100の小型化に寄与する。水流制御部604を設けることで、浄水器100が小型化されつつ、ろ材部516の活用率が高まる。
水流制御部604の延在方向は、軸方向に対して平行である。平面視において、延長線E1と水流制御部604の延在方向との成す角度は、実質的に90°である。この場合、原水の水流の向きを略90°変えることができ、ろ材部516に水が強く当たることを防止することができる。「実質的に90°」とは、90°±10°を意味しうる。
図13において両矢印W2で示されるのは、原水入口122の軸方向中心位置P3よりも一方側におけるろ材部516(活性炭部530)の軸方向長さである。また、両矢印W3で示されるのは、原水入口122の軸方向中心位置P3よりも他方側におけるろ材部516(活性炭部530)の軸方向長さである。
浄水器100の突出量(例えば、蛇口センターからの突出量)を低減する観点から、W2/W3は、0.7以上が好ましく、0.8以上がより好ましく、0.9以上がより好ましい。浄水器100の突出量(例えば、蛇口センターからの突出量)を低減する観点から、W2/W3は、1.3以下が好ましく、1.2以下がより好ましく、1.1以下がより好ましい。このような数値範囲で、原水入口122が軸方向中間位置に配置されても、水流制御部604により、ろ材部516の活用率は高められうる。
図13において両矢印D1で示されているのは、アプローチ流路240の中心線C1の延長線E1と、水流制御部604の一方側の縁612との軸方向距離である。水流制御部604の一方側の縁612は、原水入口122の他方側の縁614である。D1は、この縁614と延長線E1の軸方向距離でもある。水流制御部604に当たった水を円滑に原水入口122に流す観点から、軸方向距離D1は、20mm以下が好ましく、15mm以下がより好ましく、10mm以下がより好ましい。水流制御部604による水流を変換する効果を高める観点から、軸方向距離D1は、3mm以上が好ましく、4mm以上がより好ましく、5mm以上がより好ましい。延長線E1と縁612との軸方向距離が一義的でない場合、当該軸方向距離の最小値が、軸方向距離D1とされうる。
図14(a)は、第2実施形態の浄水器におけるヘッド144と第1内側ケース174xとの位置関係を示す斜視図である。図14(b)は、第1内側ケース174xの斜視図である。ヘッド144は、第1実施形態の浄水器100におけるヘッド144と同じである。第1内側ケース174xは、軸方向延在部302xを有する。軸方向延在部302xは、第1実施形態の軸方向延在部302における突出部324を有さない。突出部324が無いことを除き、軸方向延在部302xは軸方向延在部302と同じであり、第1内側ケース174xは第1内側ケース174と同じである。突出部324が無いことを除き、第2実施形態の浄水器は、第1実施形態の浄水器100と同じである。軸方向延在部302xは、水流制御部604xを構成している。
水流制御部604と同様に、水流制御部604xは、ろ材部516の外面520の周方向の全体(360°)に沿って設けられた環状部を形成している。したがって、水流制御部604xに当たった水の流れを周方向に変換し、水を周方向に行き渡らせることができる。水流を軸方向に変換する突出部324が無いため、水流制御部604に比較して軸方向へ水流を変換する性能は下がる。ただし、水流制御部604xの軸方向一方側に隣接して原水入口122が存在している。また、第1実施形態と同じく、水流制御部604xの軸方向他方側は、当該水流制御部604xの径方向外側において閉じている。水流制御部604xに当たった水は軸方向一方側に流れて原水入口122に流入する。よって図12に示されるのと同様の流れは達成される。水流制御部604xは、流路出口242に対向する位置に設けられている。水流制御部604と同様に、水流制御部604xには、ろ材部516に向かう水流が当たる。水流制御部604xにより、ろ材部516に勢いよく且つ局所的に水流が当たることが緩和されている。
図15(a)は、第3実施形態の浄水器におけるヘッド144と第1内側ケース174yとの位置関係を示す斜視図である。図15(b)は、第1内側ケース174yの斜視図である。ヘッド144は、第1実施形態の浄水器100におけるヘッド144と同じである。第1内側ケース174yは、軸方向延在部302yを有する。軸方向延在部302yは、第1実施形態の軸方向延在部302と異なり、周方向の全体(360°)に延在していない。軸方向延在部302yは、周方向の一部のみに延在している。また軸方向延在部302yは、突出部324を有さない。これらの点を除き、軸方向延在部302yは軸方向延在部302と同じであり、第1内側ケース174yは第1内側ケース174と同じであり、第3実施形態の浄水器は第1実施形態の浄水器100と同じである。軸方向延在部302yは、水流制御部604yを構成している。
水流制御部604及び水流制御部604xと異なり、水流制御部604yは、ろ材部516の外面520の周方向の全体(360°)に沿って設けられていない。したがって、水流制御部604及び水流制御部604xと比較して、周方向に水流を変換する性能は劣る。また、突出部324が無いため、水流制御部604に比較して、軸方向へ水流を変換する性能は劣る。ただし、ろ材部516の外面520及び収容空間SP1を画定する内面は周方向に延在しており、水流制御部604yに当たった水はある程度周方向に流れる。また、水流制御部604yの軸方向一方側に隣接して原水入口122が存在しており、水流制御部604yの軸方向他方側は、水流制御部604yの径方向外側において閉じている。よって、水は軸方向一方側に流れ、原水入口122に流入する。よって、図12に示されるのと同様の流れは達成される。なお、この第3実施形態では、水流制御部604xで存在しており水流制御部604yでは存在していない部分は、原水入口122となる。すなわち、水流制御部604yの周方向一方側及び周方向他方側は原水入口122となる。このため、第1及び第2実施形態と比較して原水入口122が拡張されている。
水流制御部604yは、流路出口242に対向する位置に設けられている。水流制御部604と同様に、水流制御部604yには、ろ材部516に向かう水流が当たる。水流制御部604yにより、ろ材部516に勢いよく且つ局所的に水流が当たることが緩和されている。
水流制御部604yに比較して、水流制御部604及び水流制御部604xは、周方向の全体に亘って延在している。水流制御部604及び水流制御部604xは、周方向の一部のみに延在する水流制御部604yに比較して、強度に優れる。
浄水カートリッジ106は、交換が可能な部品である。浄水カートリッジ106の全体として、交換が可能である。上記実施形態では、カバーが無い浄水カートリッジ106が用いられている。浄水カートリッジ106では、ろ材部516が露出している。すなわち、ろ材部516の外面520が、浄水カートリッジ106の外面である。これに対して、従来、蛇口直結型浄水器の浄水カートリッジは、ろ材部の全体を覆う非透水性のケースを有していた。すなわち、この従来の浄水カートリッジは、ろ材部とそれを覆うケースとを有していた。このケース付きカートリッジでは、カートリッジの交換によりケースが廃棄されるため、環境への負荷が大きく、SDGs(Sustainable Development Goals)の観点からも好ましくない。浄水カートリッジがろ材の一部を覆う透水性のケースを有する場合も、カートリッジの交換により当該ケースが廃棄されるため、SDGsの観点からも好ましくない。上述の実施形態では、ケースが無いため、環境への負荷を小さくすることができ、SDGsに貢献しうる。
ケースを有さない浄水カートリッジ106は、蛇口一体側浄水器の浄水カートリッジと共通化されうる。少なくとも、ろ材部の共通化が可能である。よって、浄水カートリッジのコストを削減することができる。
ろ材部の材質として、活性炭、中空糸膜、イオン交換樹脂、不織布及びそれらの組み合わせが例示される。上記実施形態では、ろ材部が活性炭を含んでいる。ろ材部は、活性炭を含まなくても良い。例えばろ材部は、イオン交換樹脂を含んでいてもよい。活用率が向上する効果が得られやすいとの観点から、ろ材部は活性炭部又はイオン交換樹脂部を含むのが好ましく、活性炭部を含むのがより好ましい。
[実施例1から3]
上述した第1実施形態の浄水器100(図1から13参照)が、実施例1とされた。上述した第2実施形態の浄水器(図14参照)が、実施例2とされた。上述した第3実施形態の浄水器(図15参照)が、実施例3とされた。実施例1から突出部324(図6参照)を除去することで、実施例2の浄水器を得た。実施例2の水流制御部604xを周方向の一部のみとすることで、実施例3の浄水器を得た。
[比較例]
実施例3から水流制御部604y(図15参照)を除去することで、比較例の浄水器を得た。図16(a)は、比較例の浄水器におけるヘッド144と第1内側ケース174zとの位置関係を示す斜視図である。図16(b)は、この比較例の第1内側ケース174zの斜視図である。ヘッド144は、第1実施形態の浄水器100におけるヘッド144と同じである。第1内側ケース174zは、第1実施形態における軸方向延在部を有さない。この点を除き、第1内側ケース174zは、第1実施形態の第1内側ケース174と同じである。このように、比較例の浄水器は、水流制御部を有さない。水流制御部604を有さない点を除き、比較例の浄水器は、実施例1の浄水器100と同じである。
実施例1から3及び比較例では、同一の浄水カートリッジが用いられた。図7(a)から(e)を参照して、不織布が巻き付けられた中空芯体524の径方向外側に筒状の活性炭部530を成形し、この成形物の両端のそれぞれに一方側端部508及び他方側端部510を構成する樹脂部材を取り付けた。更に活性炭部530の外周面に最外層532を構成する不織布を巻き付けて、前述の浄水カートリッジ106と同じ浄水カートリッジを得た。
ろ過性能について、下記の試験1及び試験2で評価を行った。
[試験1:1200リットル通水時のクロロホルム除去率]
JIS S 3201:2019の「家庭用浄水器試験方法」に準拠して、クロロホルムの除去率が測定された。除去率については、このJIS S 3201:2019の「6.4 除去性能試験」に規定されている。
クロロホルム濃度を0.060±0.012(mg/L)の範囲に調整した試験水を用意した。試験水の温度は、20±3(℃)とされた。先ず、検体内のエア抜きのため、3.0(L/分)の流量で10分間通水した。次に、10分通水後の状態を通水開始時(通水量0L)として、3.0(L/分)の流量で通水し、通水量が1200Lとなった時点での原水及び浄水のクロロホルム濃度が測定された。これらの測定値に基づき、クロロホルムの除去率が算出された。クロロホルム濃度の測定には、ガスクロマトグラフ質量分析装置が用いられた。なお、Lはリットルを意味する。
同じ試験水で同時に2本の通水が可能な通水装置を用いて、試験を行った。試験対象である蛇口直結型浄水器と、参照用の蛇口一体型浄水器とを、前記通水装置に接続して同時に測定した。実施例1の参照用には、実施例1と同じ製造ロットの浄水カートリッジが用いられた。実施例2の参照用には、実施例2と同じ製造ロットの浄水カートリッジが用いられた。実施例3の参照用には、実施例3と同じ製造ロットの浄水カートリッジが用いられた。比較例の参照用には、比較例と同じ製造ロットの浄水カートリッジが用いられた。蛇口一体型浄水器として、タカギ社より市販されている商品名「みず工房」の品番「JH030JA2ME」を用いた。測定結果が下記の表1で示される。
[試験2:クロロホルム除去率が88%になるまでの破過通水量]
試験1と同じ方法で、試験対象である蛇口直結型浄水器と、参照用の蛇口一体型浄水器とを、前記通水装置に接続して通水を行った。通水量が0L(通水開始時)、300L、600L、900L及び1200Lの各時点で、原水及び浄水のクロロホルム濃度を測定した。これらの測定値に基づいてクロロホルムの除去率を算出した。この結果を横軸が通水量(L)であり縦軸がクロロホルム除去率(%)である直交座標系のグラフにプロットし、各プロット点を直線で結んで折れ線グラフを作成した。このグラフから、クロロホルム除去率が88%になるまでの通水量を算出した。結果が下記の表1で示される。
Figure 2024026943000002
試験1について、参照除去率として蛇口一体型浄水器を同時に測定したのは、試験データの信頼性を高めるためである。クロロホルム除去率の測定値は、調整される試験水、浄水カートリッジの製造ロット、測定時の気温等の影響を受ける。これら誤差要因の影響を減らすため、同じ試験水で同じロットの浄水カートリッジを用いた蛇口一体型浄水器を同時に測定し、この測定値を参照除去率とした。この参照除去率に対する割合を百分率として、相対除去率(%)を得た。これら参照除去率及び相対除去率が、除去率と共に上記表1に示されている。
相対除去率を用いることで、単に除去率を測定する場合と比較して、データの信頼性が高まる。また、蛇口一体型浄水器では、ろ材部の後端から原水が入り、かつ水流がろ材部の軸方向と平行であるため、ろ材(活性炭)の能力が100%に近い状態で活用されていると考えられる。よって、この相対除去率は、ろ材(活性炭)の活用率に相関する指標であるといえる。
試験2についても、試験1と同じ目的で、参照破過通水量を測定した。この参照破過通水量に対する割合を百分率として、相対破過通水量(%)を得た。これら参照破過通水量及び相対破過通水量が、破過通水量と共に上記表1に示されている。
試験1と同様に、相対破過通水量を用いることで、単に破過通水量を測定する場合と比較して、データの信頼性が高まる。また、上述の通り、蛇口一体型浄水器では、ろ材(活性炭)の能力が100%に近い状態で活用されていると考えられる。よって、この相対破過通水量は、ろ材(活性炭)の活用率に相関する指標であるといえる。試験1の除去率が1時点での値であるのに対して、試験2の破過通水量は積算値であり、活用率をより精度よく反映している。この相対破過通水量は、実質的に、ろ材(活性炭)の使用率を示している。
表1が示すように、各実施例は比較例よりも活用率が高く、高評価であった。本開示の効果は明らかである。
以下の付記は、本開示に含まれる発明の一部である。
[付記1]
原水供給部に接続される接続部と、
ろ材部を備え、全体として交換可能な浄水カートリッジと、
前記ろ材部を収容する収容空間と、
前記収容空間に原水を流入させる原水入口と、
前記収容空間から浄水を流出させる浄水出口と、
原水及び浄水を浄水器の外部に吐出する吐水口と、
原水吐出と浄水吐出とを切り替える切替弁と、
前記切替弁を操作する操作部と、
前記収容空間に入る原水を供給するアプローチ流路と、
前記収容空間に面して配置されると共に、前記原水入口に隣接して配置され、前記アプローチ流路から出た水流が直接当たる位置に設けられた水流制御部と、
を有しており、
前記ろ材部の外面が、前記浄水カートリッジの外面である浄水器。
[付記2]
前記原水入口が、前記ろ材部の軸方向中間位置に配置されている付記1に記載の浄水器。
[付記3]
原水供給部に接続される接続部と、
ろ材部を備え、全体として交換可能な浄水カートリッジと、
前記ろ材部を収容する収容空間と、
前記収容空間に原水を流入させる原水入口と、
前記収容空間から浄水を流出させる浄水出口と、
原水及び浄水を浄水器の外部に吐出する吐水口と、
原水吐出と浄水吐出とを切り替える切替弁と、
前記切替弁を操作する操作部と、
前記収容空間に入る原水を供給するアプローチ流路と、
前記収容空間に面して配置されると共に、前記原水入口に隣接して配置され、前記アプローチ流路から出た水流が直接当たる位置に設けられた水流制御部と、
を有しており、
前記原水入口が、前記ろ材部の軸方向中間位置に配置されている浄水器。
[付記4]
前記浄水カートリッジの軸方向において、一方側と、前記一方側の反対側である他方側とが定義されるとき、
前記原水入口が、前記水流制御部に対して一方側に位置しており、
前記浄水出口が、前記水流制御部に対して他方側に位置している付記2又は3に記載の浄水器。
[付記5]
前記アプローチ流路が、前記水流制御部に向かって延びており、
前記アプローチ流路が、その出口である流路出口を有しており、
前記水流制御部が、前記流路出口と前記収容空間との間を仕切る壁部を構成している付記1から4のいずれか1項に記載の浄水器。
[付記6]
前記水流制御部が、前記ろ材部の外面の周方向の全体に沿って設けられた環状部を形成している付記1から5のいずれか1項に記載の浄水器。
[付記7]
前記水流制御部が、前記ろ材部の外面の周方向の全体に沿って設けられた環状部を形成しており、
前記水流制御部の周方向における複数位置に、径方向外側に突出する突出部が設けられており、
前記突出部は、前記水流制御部の軸方向中間位置から前記原水入口に向かって軸方向に延びている付記1から5のいずれか1項に記載の浄水器。
[付記8]
平面視において、前記アプローチ流路の中心線の延長線と前記ろ材部の軸方向との成す角度が実質的に90°である付記1から7のいずれか1項に記載の浄水器。
[付記9]
前記ろ材部の前記軸方向が実質的に水平に配向している付記1から8のいずれか1項に記載の浄水器。
[付記10]
前記ろ材部が、筒状に成形された前記活性炭部と、前記活性炭部の外面に積層され前記ろ材部の最外層を構成する不織布とを有している付記1から9のいずれか1項に記載の浄水器。
[付記11]
蛇口直結型である付記1から10のいずれか1項に記載の浄水器。
[付記12]
前記吐水口が1箇所のみに設けられており、
原水及び浄水が共通の前記吐水口から吐出される付記1から11のいずれか1項に記載の浄水器。
本願には、請求項(独立形式請求項を含む)に係る発明に含まれない他の発明も開示されている。本願の請求項及び実施形態に記載されたそれぞれの形態、部材、構成及びそれらの組み合わせは、それぞれが有する作用効果に基づく発明として認識される。
前記各実施形態で示されたそれぞれの形態、部材、構成等は、これら実施形態の全ての形態、部材又は構成をそなえなくても、個々に、本願請求項に係る発明をはじめとした、本願記載の全発明に適用されうる。
100・・・浄水器
104・・・カートリッジ保持部
106・・・浄水カートリッジ
108・・・吐水口
110・・・水形調整部
112・・・操作レバー
114・・・切替弁
116・・・操作部
118・・・浄原水切替ボタン
122・・・原水入口
123・・・浄水出口
174、174x、174y、174z・・・第1内側ケース
176・・・第2内側ケース
190・・・第1ボール弁
192・・・第2ボール弁
240・・・アプローチ流路
242・・・流路出口
244・・・リターン流路
300・・・第1内側ケースの本体部
302・・・第1内側ケースの軸方向延在部
324・・・突出部
506・・・浄水カートリッジの中間部
516・・・ろ材部
520・・・浄水カートリッジの外面
522・・・カートリッジ露出面
530・・・活性炭部
600・・・原水通過弁
602・・・浄水通過弁
604、604x、604y・・・水流制御部
SP1・・・収容空間

Claims (12)

  1. 原水供給部に接続される接続部と、
    ろ材部を備え、全体として交換可能な浄水カートリッジと、
    前記ろ材部を収容する収容空間と、
    前記収容空間に原水を流入させる原水入口と、
    前記収容空間から浄水を流出させる浄水出口と、
    原水及び浄水を浄水器の外部に吐出する吐水口と、
    原水吐出と浄水吐出とを切り替える切替弁と、
    前記切替弁を操作する操作部と、
    前記収容空間に入る原水を供給するアプローチ流路と、
    前記収容空間に面して配置されると共に、前記原水入口に隣接して配置され、前記アプローチ流路から出た水流が直接当たる位置に設けられた水流制御部と、
    を有しており、
    前記ろ材部の外面が、前記浄水カートリッジの外面である浄水器。
  2. 前記原水入口が、前記ろ材部の軸方向中間位置に配置されている請求項1に記載の浄水器。
  3. 原水供給部に接続される接続部と、
    ろ材部を備え、全体として交換可能な浄水カートリッジと、
    前記ろ材部を収容する収容空間と、
    前記収容空間に原水を流入させる原水入口と、
    前記収容空間から浄水を流出させる浄水出口と、
    原水及び浄水を浄水器の外部に吐出する吐水口と、
    原水吐出と浄水吐出とを切り替える切替弁と、
    前記切替弁を操作する操作部と、
    前記収容空間に入る原水を供給するアプローチ流路と、
    前記収容空間に面して配置されると共に、前記原水入口に隣接して配置され、前記アプローチ流路から出た水流が直接当たる位置に設けられた水流制御部と、
    を有しており、
    前記原水入口が、前記ろ材部の軸方向中間位置に配置されている浄水器。
  4. 前記浄水カートリッジの軸方向において、一方側と、前記一方側の反対側である他方側とが定義されるとき、
    前記原水入口が、前記水流制御部に対して一方側に位置しており、
    前記浄水出口が、前記水流制御部に対して他方側に位置している請求項2又は3に記載の浄水器。
  5. 前記アプローチ流路が、前記水流制御部に向かって延びており、
    前記アプローチ流路が、その出口である流路出口を有しており、
    前記水流制御部が、前記流路出口と前記収容空間との間を仕切る壁部を構成している請求項1から3のいずれか1項に記載の浄水器。
  6. 前記水流制御部が、前記ろ材部の外面の周方向の全体に沿って設けられた環状部を形成している請求項1から3のいずれか1項に記載の浄水器。
  7. 前記水流制御部が、前記ろ材部の外面の周方向の全体に沿って設けられた環状部を形成しており、
    前記水流制御部の周方向における複数位置に、径方向外側に突出する突出部が設けられており、
    前記突出部は、前記水流制御部の軸方向中間位置から前記原水入口に向かって軸方向に延びている請求項1から3のいずれか1項に記載の浄水器。
  8. 平面視において、前記アプローチ流路の中心線の延長線と前記ろ材部の軸方向との成す角度が実質的に90°である請求項1から3のいずれか1項に記載の浄水器。
  9. 前記ろ材部の前記軸方向が実質的に水平に配向している請求項1から3のいずれか1項に記載の浄水器。
  10. 前記ろ材部が、筒状に成形された前記活性炭部と、前記活性炭部の外面に積層され前記ろ材部の最外層を構成する不織布とを有している請求項1から3のいずれか1項に記載の浄水器。
  11. 蛇口直結型である請求項1から3のいずれか1項に記載の浄水器。
  12. 前記吐水口が1箇所のみに設けられており、
    原水及び浄水が共通の前記吐水口から吐出される請求項11に記載の浄水器。
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