JP2024024347A - グラビア印刷版及び積層セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents

グラビア印刷版及び積層セラミック電子部品の製造方法 Download PDF

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【課題】 積層セラミック電子部品の品質を向上することができるグラビア印刷版及び積層セラミック電子部品の製造方法を提供する。【解決手段】 グラビア印刷版は、シートにペーストを塗布することにより所定のパターンを印刷するためのグラビア印刷版において、前記ペーストが充填される複数のセルと、前記複数のセルを仕切る凸部とを有し、前記セルは、第1方向に沿った列に配置され、前記グラビア印刷版の正面視において、前記第1方向に延びる第1凹部と、前記第1凹部の一方の端部から、前記第1方向に略直交する第2方向に延びる第2凹部とを有し、前記第1凹部の他方の端部が、前記第2方向において、前記複数のセルのうち、他のセルの前記第1凹部と前記凸部を挟んで隣接し、前記第1方向において、前記他のセルの前記第2凹部と前記凸部を挟んで隣接するように配列されていることを特徴とする。【選択図】図8

Description

本発明は、グラビア印刷版及び積層セラミック電子部品の製造方法に関する。
例えば積層セラミックコンデンサのような積層セラミック電子部品の製造工程において、グリーンシートに導電ペーストを塗布して内部電極パターンを印刷する際、グラビア印刷が用いられる(特許文献1参照)。グラビア印刷版には、導電ペーストが充填される凹状の複数のセルが内部電極のパターンに対応するように設けられている。
特開2015-80880号公報
導電ペーストは、セルからグリーンシートに塗布される際、内部電極パターンの印刷方向に沿った力を受けて流動する。このため、グラビア印刷版の表面の各セルの形状は内部電極の印刷の出来栄えに影響する。
例えば特許文献1のように多角形のセルが配列されたグラビア印刷版を用いて内部電極を印刷した場合、その断面形状がドーム形となることがある。この場合、塗布後の複数のグリーンシートを積層して圧着する工程において内部電極の厚みが不十分となり静電容量が低下するおそれがある。また、内部電極が想定外の方向にはみ出ることにより、完成品の積層セラミックコンデンサがショート不良を起こすおそれもある。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、積層セラミック電子部品の品質を向上することができるグラビア印刷版及び積層セラミック電子部品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明のグラビア印刷版は、シートにペーストを塗布することにより所定のパターンを印刷するためのグラビア印刷版において、前記ペーストが充填される複数のセルと、前記複数のセルを仕切る凸部とを有し、前記セルは、第1方向に沿った列に配置され、前記グラビア印刷版の正面視において、前記第1方向に延びる第1凹部と、前記第1凹部の一方の端部から、前記第1方向に略直交する第2方向に延びる第2凹部とを有し、前記第1凹部の他方の端部が、前記第2方向において、前記複数のセルのうち、他のセルの前記第1凹部と前記凸部を挟んで隣接し、前記第1方向において、前記他のセルの前記第2凹部と前記凸部を挟んで隣接するように配列されていることを特徴とする。
上記のグラビア印刷版において、前記セルは、前記第1凹部の他方の端部が、前記第2方向において、前記他のセルの前記第1凹部とは反対側で、前記複数のセルのうち、さらに別のセルの前記第1凹部と前記凸部を挟んで隣接するように配列されてもよい。
上記のグラビア印刷版において、前記列には、前記第1方向に前記凸部を挟んで互いに隣接する少なくとも一組の第1セル及び第2セルが配置され、前記第1セルは、2つの前記第1凹部の一方の端部が前記第2凹部の共通の端部に接続されて互いに反対側に突出するように形成され、前記第2セルは、2つの前記第1凹部の一方の端部が前記第2凹部の両端部にそれぞれ接続されて互いに反対側に突出するように形成されてもよい。
上記のグラビア印刷版において、前記セルは、2つの前記第1凹部の一方の端部が前記第2凹部の共通の端部に接続されて互いに反対側に突出するように形成されてもよい。
上記のグラビア印刷版において、前記セルは、2つの前記第1凹部の一方の端部が前記第2凹部の両端部にそれぞれ接続されて互いに反対側に突出するように形成されてもよい。
上記のグラビア印刷版において、前記列は、前記第2方向に複数配置されてもよい。
上記のグラビア印刷版において、ロール形状を有し、前記第1方向は、前記ロール形状の円周方向であってもよい。
本発明の積層セラミック電子部品の製造方法は、グラビア印刷版を用いてグリーンシートに導電ペーストを塗布することにより所定のパターンを印刷する工程と、前記所定のパターンが印刷された複数の前記グリーンシートを積層して圧着する工程とを有し、前記グラビア印刷版は、前記導電ペーストが充填される複数のセルと、前記複数のセルを仕切る凸部とを有し、前記セルは、前記所定のパターンの印刷方向に沿った列に配置され、前記グラビア印刷版の正面視において、前記印刷方向に延びる第1凹部と、前記第1凹部の一方の端部から前記印刷方向に対する略直交方向に延びる第2凹部とを有し、前記第1凹部の他方の端部が、前記略直交方向において、前記複数のセルのうち、他のセルの前記第1凹部と前記凸部を挟んで隣接し、前記印刷方向において、前記他のセルの前記第2凹部と前記凸部を挟んで隣接するように配列されていることを特徴とする。
本発明によると、積層セラミック電子部品の品質を向上することができる。
積層セラミックコンデンサの部分断面斜視図である。 積層セラミックコンデンサの製造工程の一例を示すフローチャートである。 内部電極印刷工程で用いられる印刷装置3の一例を示す構成図である。 導電ペーストの転写の一例を示す図である。 積層工程の一例を示す断面図である。 比較対象の六角形のセルを設けた印刷パターンを示す平面図である。 比較対象の六角形のセルを用いて形成された導電ペースト膜の断面の外形形状の一例を示す図である。 実施形態のセルを設けた第1の印刷パターンを示す平面図である。 第1の印刷パターンを用いて形成された導電ペースト膜の断面の外形形状の一例を示す図である。 実施形態のセルを設けた第2の印刷パターンを示す平面図である。 実施形態のセルを設けた第3の印刷パターンを示す平面図である。 実施形態のセルを設けた第4の印刷パターンを示す平面図である。 実施形態のセルを設けた第5の印刷パターンを示す平面図である。 実施形態のセルを設けた第6の印刷パターンを示す平面図である。 他の印刷パターンを示す平面図である。 他の印刷パターンを示す平面図である。
[実施形態]
(積層セラミックコンデンサの構成)
図1は、積層セラミックコンデンサ1の部分断面斜視図である。図1において、X軸は積層セラミックコンデンサ1の長さ方向を示し、Y軸は積層セラミックコンデンサ1の幅方向を示し、Z軸は積層セラミックコンデンサ1の積層方向を示す。なお、積層セラミックコンデンサ1は積層セラミック電子部品の一例である。
積層セラミックコンデンサ1は、直方体形状を有する積層チップ10と、幅方向における積層チップ10の互いに対向する2端面に設けられた外部電極20a,20bとを備える。なお、積層チップ10の当該2端面以外の4面のうち、積層方向の上面および下面以外の2面を側面と称する。外部電極20a,20bは、積層チップ10の積層方向の上面、下面および2側面に延在している。ただし、外部電極20a,20bは、互いに離間している。
積層チップ10は、誘電体として機能するセラミック材料を含む誘電体層11と、卑金属材料を含む内部電極層12とが、交互に積層された構成を有する。各内部電極層12の端縁は、積層方向において、積層チップ10の外部電極20aが設けられた端面と、外部電極20bが設けられた端面とに、交互に露出している。
これにより、各内部電極層12は、外部電極20aと外部電極20bとに、交互に導通している。その結果、積層セラミックコンデンサ1は、複数の誘電体層11が内部電極層12を介して積層された構成を有する。また、誘電体層11と内部電極層12との積層体において、積層方向の最外層には内部電極層12が配置され、積層体の上面および下面は、カバー層13によって覆われている。カバー層13は、セラミック材料を主成分とする。例えば、カバー層13の材料は、誘電体層11とセラミック材料の主成分が同じである。
内部電極層12は、Ni(ニッケル),Cu(銅)等の卑金属を主成分とする。内部電極層12として、Pt(白金),Pd(パラジウム),Ag(銀),Au(金),Sn(スズ)などを含む合金を用いてもよい。
また、誘電体層11は、例えば、一般式ABOで表されるペロブスカイト構造を有するセラミック材料を主相とする。なお、当該ペロブスカイト構造は、化学量論組成から外れたABO3-αを含む。例えば、当該セラミック材料として、BaTiO(チタン酸バリウム),CaZrO(ジルコン酸カルシウム),CaTiO(チタン酸カルシウム),SrTiO(チタン酸ストロンチウム),MgTiO(チタン酸マグネシウム),ペロブスカイト構造を形成するBa1-x-yCaSrTi1-zZr(0≦x≦1,0≦y≦1,0≦z≦1)等のうち少なくとも1つから選択して用いることができる。Ba1-x-yCaSrTi1-zZrは、チタン酸バリウムストロンチウム、チタン酸バリウムカルシウム、ジルコン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸カルシウムおよびチタン酸ジルコン酸バリウムカルシウムなどである。
また、外部電極20a,20bは、Cu,Ni,Al(アルミニウム),Zn(亜鉛)などの金属、またはこれらの2以上の合金(例えば、CuとNiとの合金)を主成分とし、外部電極20a,20bの緻密化のためのガラス成分、外部電極20a,20bの焼結性を制御するための共材、などのセラミックを含んでいる。ガラス成分は、Ba(バリウム),Sr(ストロンチウム),Ca(カルシウム),Zn(亜鉛),Al,Si(ケイ素),B(ホウ素)等の酸化物である。共材は、例えば、誘電体層11の主成分と同じ材料を主成分とするセラミック成分である。
(積層セラミックコンデンサの製造工程)
図2は、積層セラミックコンデンサ1の製造工程の一例を示すフローチャートである。本製造工程は積層セラミック電子部品の製造方法の一例である。
(グリーンシート成形工程)
まずグリーンシート成形工程St1が行われる。本工程では、例えばセラミック粉末に各種の添加化合物(焼結補助剤など)を添加することで得た誘電体材料に、ポリビニルブチラール(PVB)樹脂等のバインダと、エタノール、トルエン等の有機溶剤と、可塑剤とを加えて湿式混合する。得られたスラリーを使用して、例えばダイコータ法やドクターブレード法により、基材上に誘電体グリーンシートを塗工して乾燥させる。基材は、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムである。
なお、セラミック粉末の添加化合物としては、Mg(マグネシウム),Mn(マンガン),V(バナジウム),Cr(クロム),希土類元素(Y(イットリウム),Sm(サマリウム),Eu(ユウロピウム),Gd(ガドリニウム),Tb(テルビウム),Dy(ジスプロシウム),Ho(ホロミウム),Er(エルビウム),Tm(ツリウム)およびYb(イッテルビウム))の酸化物、並びに、Co(コバルト),Ni,Li(リチウム),B(ホウ素),Na(ナトリウム),K(カリウム)およびSi(シリコン)の酸化物もしくはガラスが用いられる。
(内部電極印刷工程)
次に内部電極印刷工程St2が行われる。本工程では、後述するように、基材上の誘電体グリーンシートに、有機バインダを含む内部電極形成用の金属導電ペーストをグラビア印刷により印刷することで、内部電極層12に対応する複数の内部電極パターンを互いに離間させて成膜する。金属導電ペーストには、共材としてセラミック粒子を添加する。セラミック粒子の主成分は、特に限定するものではないが、誘電体層22の主成分セラミックと同じであることが好ましい。
(積層工程)
次に積層工程St3が行われる。本工程では、内部電極パターンが印刷された誘電体グリーンシートを積層することにより積層体を形成する。積層体の積層方向の両端面には、カバー層13に対応する誘電体グリーンシートがそれぞれ積層される。
(圧着工程)
次に圧着工程St4が行われる。本工程では、積層体を加圧することにより複数の誘電体グリーンシート間を圧着する。圧着手段としては、例えば静水圧プレスが挙げられるが、これに限定されない。
(切断工程)
次に切断工程St5が行われる。圧着後の積層体を所定のカット線に沿って積層方向に切断することにより複数の積層チップ10が得られる。
(研磨工程)
次に研磨工程St6が行われる。本工程では、積層チップ10を例えばバレル研磨などの手法により研磨する。これにより、積層チップ10の角部が丸められる。
(脱バインダ工程)
次に脱バインダ工程St7が行われる。本工程では、積層チップ10を高温のN雰囲気中で脱バインダ処理する。
(外部電極形成工程)
次に外部電極形成工程St8が行われる。本工程では、例えば金属粉末、ガラスフリット、バインダ、および溶剤を含む導電ペーストを積層チップ10の各端面、上面、下面、及び各側面に塗布する。導電ペーストの塗布後、乾燥させることにより、外部電極20a,20bが形成される。なお、バインダおよび溶剤は、焼き付けによって蒸発する。導電ペーストの塗布手段としては、例えばスパッタリング法及びディップ法が挙げられる。
(焼成工程)
次に焼成工程St9が行われる。本工程では、外部電極20a,20bが形成された積層チップ10を、250~500℃のN雰囲気中で脱バインダ処理した後に、酸素分圧0.003(Pa)の還元雰囲気中で1300~1400℃で1時間程度焼成することで、積層チップ10内の各粒子が焼結する。このようにして積層セラミックコンデンサの製造工程は行われる。なお、焼成工程の後。各外部電極20a,20b上にめっき処理によりCu,Ni,Sn等の金属コーティングが行われてもよい。
(印刷装置)
図3は、内部電極印刷工程St2で用いられる印刷装置3の一例を示す構成図である。印刷装置3は、誘電体グリーンシート4に導電ペーストPを塗布することにより内部電極層12のパターンを印刷する。誘電体グリーンシート4は、グリーンシート及びシートの一例であり、内部電極層12のパターンは所定のパターンの一例である。
印刷装置3は、グラビア印刷機であり、例えばグラビアロール30、バックロール31、ブレード32、及び貯留槽33などを備える。グラビアロール30及びバックロール31はロール形状の部材であり、その間には誘電体グリーンシート4が挟まれる。誘電体グリーンシート4は、キャリアフィルムに裏打ちされた状態で不図示の搬送装置により搬送方向Hに搬送される。誘電体グリーンシート4は、搬送時、回転方向Ra,Rbにそれぞれ回転するグラビアロール30及びバックロール31に挟まれるように、その間を通過する。
貯留槽33には、内部電極層12となる導電ペーストPが貯留されている。グラビアロール30の一部は貯留槽33内の導電ペーストに浸漬されている。グラビアロール30の周面には内部電極層12のパターンに一致する複数の印刷パターン300が形成されている。印刷パターン300は凹部状の複数のセルの集合体であり、各セルは、導電ペーストに浸漬されたときに導電ペーストPが充填される。ブレード32は、導電ペーストPの充填後、グラビアロール30の周面上に残った余分な導電ペーストPを?取る。
グラビアロール30は回転しながら誘電体グリーンシート4をバックロール31に押し当てる。これにより、印刷パターン300内の導電ペーストPが誘電体グリーンシート4に転写される。
図4は、導電ペーストPの転写の一例を示す図である。図4において図3と共通する構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。符号30aは、グラビアロール30の周面の一部を平面に展開して示している。印刷パターン300は、一例として略矩形の形状を有している。印刷パターン300は周面上に縦横に配列されており、互いに隣接する印刷パターン300の各列は、回転方向Raにおいて、例えば印刷パターン300の長さLの半分だけずれている。
グラビアロール30が回転して印刷パターン300が誘電体グリーンシート4に接触すると、印刷パターン300内の各セルの導電ペーストが誘電体グリーンシート4に塗布される。これにより内部電極層12のパターンが誘電体グリーンシート4に印刷される。その印刷方向は、グラビアロール30の円周方向であって、誘電体グリーンシート4の搬送方向Hの反対方向である。印刷方向は内部電極層12の例えば長さ方向に一致しており、内部電極層12のパターンは、印刷パターン300の長さ(L)方向の一端から他端に向かうように誘電体グリーンシート4に印刷される。このとき塗布された導電ペーストは導電ペースト膜40となる。導電ペースト膜40の配列は印刷パターン300の配列に一致する。すなわち、印刷パターン300が誘電体グリーンシート4に転写される。なお、印刷方向は第1方向の一例である。
このようにしてグラビアロール30は、誘電体グリーンシート4に対する内部電極層12のパターンの印刷に用いられる。なお、グラビアロール30はグラビア印刷版の一例であり、導電ペーストはペーストの一例である。導電ペースト膜40が形成された複数の誘電体グリーンシート4は、積層工程St3において積層される。
図5は、積層工程St3の一例を示す断面図である。図5において図4と共通する構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。
導電ペースト膜40が形成された複数の誘電体グリーンシート4が、導電ペースト膜40の位置をずらした状態で積層される。各誘電体グリーンシート4の導電ペースト膜40は、上下に隣接する誘電体グリーンシート4の各導電ペースト膜40の中間に位置する。また、最上部及び最下部の各誘電体グリーンシート4には、導電ペースト膜40のない誘電体グリーンシート4a,4bがそれぞれ積層される。誘電体グリーンシート4a,4bは積層セラミックコンデンサのカバー層13に該当する。なお、下部側の誘電体層グリーンシート4bは、直上の誘電体グリーンシート4と焼成工程で融合することにより下部側のカバー層13として形成される。
積層された誘電体グリーンシート4,4a,4bは圧着工程St4において圧着された後、切断工程St5において切断線Wに沿って切断される。切断線Wは、各誘電体グリーンシート4の導電ペースト膜40の中間を通るように設定される。導電ペースト膜40の位置が互いに隣接する誘電体グリーンシート4の間でずれているため、導電ペースト膜40は積層方向に沿って2つの切断面に交互に露出する。これにより、最終的に積層方向に沿って内部電極層12が各端面に交互に露出した積層チップ10が得られる。
(セルのパターン)
導電ペースト膜40の形成において、導電ペーストは、印刷パターン300のセルから誘電体グリーンシート4に塗布される際、内部電極層12のパターンの印刷方向に沿った力を受けて流動する。このため、各セルの形状は内部電極層12の印刷の出来栄えに影響する。
図6は、比較対象の六角形のセル5を設けた印刷パターン300を示す平面図である。なお、印刷パターン300の外周付近のセル配置の図示は省略する。印刷パターン300は、正面視で六角形の凹状のセル5、及び各セル5を仕切る凸状の土手部6を含む。
各セル5は、内部電極層12のパターンの印刷方向に沿った複数の列#1~#3に配置されている。各セル5は、その六角形の各辺が土手部6を挟んで他のセル5の六角形の辺と隣接するように配置されている。このため、印刷方向に略直交する直交方向において互いに隣接する列#1~#3は、印刷方向における位置が互いにずれている。各列#1~#3のセル内の導電ペーストは、印刷方向における並び順に従って誘電体グリーンシート4に塗布されていく。つまり、印刷方向の前方のセル内の導電ペーストは、印刷方向の後方のセル内の導電ペーストより時系列上で先に塗布される。なお、直交方向は第2方向の一例である。
各セル5から誘電体グリーンシート4に塗布された導電ペーストは互いに結合することにより、1つの内部電極層12に対応する導電ペースト膜40となる。例えば列#2に着目すると、共通の列#2の隣接する各セル5の導電ペーストは、印刷方向に沿って連続的に結合するため、直交方向における列#2の各セル5の導電ペーストの中央付近では、印刷方向に沿った導電ペーストの流動Fcが発生する。また、直交方向における列#2の各セル5の導電ペーストの両端付近では、点線の矢印で示されるように、隣接する他の列#1,#3の各セル5の導電ペーストとの間で連続的な結合が生ずるため、印刷方向に沿った導電ペーストの流動Fsがそれぞれ発生する。なお、他の列#1,#3においても、列#2と同様の導電ペーストの流動Fc,Fsが発生する。
このため、各列#1~#3のセル5から塗布された導電ペーストの流動Fc,Fsが合流することにより、印刷方向に向かう過剰に大きな力が導電ペースト膜40に作用する。
図7は、比較対象の六角形のセル5を用いて形成された導電ペースト膜40の断面の外形形状の一例を示す図である。符号Srは、印刷方向における理想的な導電ペースト膜40の断面の外形形状を示し、符号Saは、六角形のセル5を用いた場合の印刷方向における導電ペースト膜40の断面の外形形状を示す。
理想的な外形形状は、導電ペースト膜40の厚みが一定となる矩形状である。これに対し、六角形のセル5を用いた場合の導電ペースト膜40の外形形状は、幅方向の中央に向かって厚みが増すようなドーム形状となる。このとき、導電ペースト膜40の両端部の厚みが理想的な外形形状より薄いため、その後の圧着工程St4において内部電極層12の厚みが不十分となり静電容量が低下するおそれがある。また、内部電極層12が想定外の方向にはみ出ることにより、完成品の積層セラミックコンデンサ1がショート不良を起こすおそれもある。
そこで、本実施形態のセルは、導電ペーストの流動を直交方向に分散させるように印刷方向及び直交方向にそれぞれ延びるように形成されている。
(第1の印刷パターン)
図8は、実施形態のセル5aを設けた第1の印刷パターン300を示す平面図である。なお、印刷パターン300の外周付近のセル配置の図示は省略する。印刷パターン300は、正面視で屈曲線形状をなす凹状のセル5a、及び各セル5aを仕切る凸状の土手部6aを含む。ここで土手部6aは凸部の一例であり、導電ペーストが充填されない領域である。各セル5aから誘電体グリーンシート4に塗布された導電ペーストは互いに結合することにより、1つの内部電極層12に対応する導電ペースト膜40となる。
図8の紙面上部には、セル5aの詳細が示されている。セル5aは、印刷方向に直線状に延びる矩形状の溝を途中の2箇所で直角に曲げた形状であり、2つの平行凹部51,53及び1つの直交凹部52を有する。平行凹部51,53及び直交凹部52は、印刷パターン300の正面視において略矩形状の溝である。
平行凹部51,53は印刷方向に直線状に延び、直交凹部52は、平行凹部51,53の各端部51b,53bから直交方向に直線状に延びる。2つの平行凹部51,53の一方の端部51b,53bは、直交凹部52の両端部52a,52bにそれぞれ接続されている。一方の平行凹部51は、直交凹部52の端部52aから印刷方向に突出し、他方の平行凹部53は、直交凹部52の端部52bから印刷方向の反対側(つまり上流側)に突出する。なお、セル5aは第2セルの一例であり、平行凹部51,53は、印刷方向に延びる第1凹部の一例であり、直交凹部52は、印刷方向に対する略直交方向に延びる第2凹部の一例である。
セル5aの印刷方向の長さLdは例えば内部電極層12の幅の1/4以下であり、セル5aの直交方向の幅Wdは例えば内部電極層12の長さの1/2以下である。また、平行凹部51,53及び直交凹部52の幅、つまり溝の幅は例えば30~100(μm)である。また、セル5a間の土手部6aの幅Wgは例えば10(μm)以下である。
印刷パターン300において、各セル5aは、導電ペーストの印刷方向に沿った複数の列#1~#3に配置されている。なお、列数に限定はなく、これは以降の印刷パターン300の例においても同様である。各列#1~#3のセル5aは直交方向の幅及び印刷方向の長さを揃えた状態で配列されており、平行凹部51,53がそれぞれ直線上に並んでいる。具体的には、同じ列#1~#3内の各セル5aの平行凹部51は直線上に並び、同じ列#1~#3内の各セル5aの平行凹部53は直線上に並んでいる。このようにセル5aを複数の列#1~#3に配列することで、規則的なパターンを形成することができる。
一方の平行凹部51の端部51aは、略直交方向において、他のセル5aの平行凹部53と土手部6aを挟んで隣接し、印刷方向において、他のセル5aの直交凹部52と土手部6aを挟んで隣接する。つまり、平行凹部51の端部51aは、同じ列#1~#3で隣接する他のセル5aの平行凹部51及び直交凹部52がなす直角部分に一方の角部を合わせるように配置される。
他方の平行凹部53の端部53aは、略直交方向において、他のセル5aの平行凹部51と土手部6aを挟んで隣接し、印刷方向において、他のセル5aの直交凹部52と土手部6aを挟んで隣接する。つまり、平行凹部53の端部53aは、同じ列#1~#3で隣接する他のセル5aの平行凹部51及び直交凹部52がなす直角部分に一方の角部を合わせるように配置される。このように各セル5aは各列#1~#3に配列されている。
各列#1~#3のセル5a内の導電ペーストは、印刷方向における並び順に従って誘電体グリーンシート4に塗布されていく。つまり、印刷方向の前方のセル5a内の導電ペーストは、印刷方向の後方のセル5a内の導電ペーストより時系列上で先に塗布される。
平行凹部51,53に充填された導電ペーストは、平行凹部51,53が印刷方向に延びる長手形状を有するため、塗布時に印刷方向に流動する。この流動した導電ペーストは、印刷方向で互いに隣接するセル5a間で連続的に結合されることにより、平行凹部51,53に沿った流動Fu,Fdをそれぞれ発生させる。ここで流動Fu,Fdには、平行凹部51,53の間の直交凹部52内の導電ペーストの流動も含まれる。
直交凹部52に充填された導電ペーストは、直交凹部52が直交方向に延びる長手形状を有するため、塗布時、印刷方向に流動する力が平行凹部51,53ほど強くない。1つのセル5aの平行凹部51,53及び直交凹部52内の各導電ペーストは充填時から一体化されているため、塗布時、直交凹部52内の導電ペーストの流動は、平行凹部51,53内の導電ペーストの流動Fu,Fdを低減するように作用する。
また、直交凹部52内の導電ペーストは、塗布時、平行凹部51内の導電ペーストの流動Fdに引っ張られる。このため、直交凹部52内の導電ペーストは、一方の平行凹部53内の導電ペーストから他方の平行凹部51内の導電ペーストに向かって流動する。
例えば列#2に着目すると、各セル5aの直交凹部52内の導電ペーストは、一点鎖線の矢印A1で示されるように流動する。つまり、平行凹部53の端部53bから直交凹部52を経由して平行凹部51の端部51bに向かう流動が生ずる。これにより、平行凹部53に沿った流動Fuが直交方向に分散されることで低減される。
また、直交凹部52の端部52bは、隣の列#1~#3のセル5aの直交凹部52の端部52aと隣接する。このため、直交凹部52内の導電ペーストは、隣の列#1~#3のセル5aの直交凹部52から延びる平行凹部51内の導電ペーストに向かって流動して結合する。
例えば列#2に着目すると、各セル5aの直交凹部52内の導電ペーストは、一点二鎖線の矢印A2で示されるように流動する。つまり、直交凹部52の端部53bから土手部6aを経由して隣の列#1の平行凹部51の端部51bに向かう流動が生ずる。これにより、平行凹部53に沿った流動Fuが直交方向に分散されることで低減される。なお、これは他の列#1,#3についても同様である。
また、平行凹部51の端部51aは、印刷方向において同じ列#1~#3の他のセル5aの直交凹部52に隣接する。このため、平行凹部51内の導電ペーストは、塗布時、流動Fdに従って、隣接する他のセル5aの直交凹部52内の導電ペーストに結合される。このとき、上述したように直交凹部52内の導電ペーストの印刷方向の流動は弱いため、平行凹部51内の導電ペーストと結合することにより、その流動Fdが低減される。
一方、反対側の平行凹部53の端部53aも印刷方向において同じ列#1~#3の他のセル5aの直交凹部52に隣接する。このため、平行凹部53内の導電ペーストが隣の直交凹部52内の導電ペーストと結合することにより、上記と同様に流動Fuが低減される。
また、平行凹部51の端部51aは、同じ列#1~#3のセル5aの平行凹部53に隣接する。このため、平行凹部51内の導電ペーストは、その平行凹部53内の導電ペーストに向かって流動して結合する。
例えば列#2に着目すると、平行凹部51内の導電ペーストは、点線の矢印A3で示されるように同じ列#2の隣の平行凹部53に向かって流動する。つまり、平行凹部51の端部51aから土手部6aを経由して、同じ列#2の平行凹部53の端部53bに向かう流動が生ずる。これにより、平行凹部51に沿った流動Fdが直交方向に分散されることで低減される。なお、これは他の列#1,#3についても同様である。
また、平行凹部51の端部51aは、同じ列#1~#3の他のセル5aの平行凹部53とは反対側で、隣の列#1~#3のセル5aの平行凹部53に隣接する。このため、平行凹部51内の導電ペーストは、隣の列#1~#3のセル5aの平行凹部53内の導電ペーストに向かって流動して結合する。
例えば列#2に着目すると、平行凹部51内の導電ペーストは、二点鎖線の矢印A4で示されるように隣の列#1,#3のセル5aの平行凹部53に向かって流動する。つまり、平行凹部51の端部51aから土手部6aを経由して、隣の列#3の平行凹部53の端部53bに向かう流動が生ずる。これにより、平行凹部51,53に沿った流動Fd,Fuが直交方向に分散されることで低減される。なお、これは他の列#1,#3についても同様である。
このように、この印刷パターン300によると、印刷方向に沿った導電ペーストの流動Fu,Fdを直交方向に分散することができる。
図9は、第1の印刷パターン300を用いて形成された導電ペースト膜40の断面の外形形状の一例を示す図である。符号Srは、印刷方向における理想的な導電ペースト膜40の断面の外形形状を示し、符号Saは、第1の印刷パターン300のセル5aを用いた場合の印刷方向における導電ペースト膜40の断面の外形形状を示す。
第1の印刷パターン300のセル5aを用いた場合の外形形状は、図7に示されるようなドーム形状の外形形状とは異なり、略台形状となる。これは、上述したように塗布時の導電ペーストの流動が直交方向に分散され、これにより印刷方向に沿った流動Fu,Fdの力が六角形のセル5を用いた場合の流動Fc,Fsより低減されたからである。
この外形形状は、六角形のセル5を用いた場合の外形形状より導電ペースト膜40の両端部の厚みが増加している。このため、その後の圧着工程St4において内部電極層12の厚みも増加して十分な静電容量が得られる。また、内部電極層12が想定外の方向にはみ出ることが抑制されるため、完成品の積層セラミックコンデンサ1がショート不良を起こすおそれも低減される。したがって、積層セラミックコンデンサ1の品質が向上する。
(第2の印刷パターン)
図10は、実施形態のセル5aを設けた第2の印刷パターン300を示す平面図である。図10において、図8と共通する構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。なお、印刷パターン300の外周付近のセル配置の図示は省略する。印刷パターン300はセル5a,5b、及び各セル5a,5bを仕切る凸状の土手部6bを含む。ここで土手部6bは凸部の一例であり、導電ペーストが充填されない領域である。土手部6bの幅は土手部6aの幅Wgと同じである。
図10の紙面上部には、セル5a,5bの詳細が示されている。セル5a,5bは、直交方向の直線を挟んだ線対象の関係にある。セル5bの一方の平行凹部51は直交凹部52の端部52bから印刷方向に突出し、セル5bの他方の平行凹部53は直交凹部52の端部52aから印刷方向の反対方向に突出する。セル5bの長さ及び幅はセル5aと同じであり、土手部6bの幅は土手部6aと同じである。なお、セル5bは第2セルの他の例である。
印刷パターン300において、各セル5a,5bは、導電ペーストの印刷方向に沿った複数の列#1~#3に配置されている。セル5a,5bは印刷方向に交互に配列されている。このため、列#1~#3をセル5aの並びとした場合、セル5bは2つの列#1~#3に跨って配列されている。例えば列#2に着目すると、セル5bは列#1,#2、及び列#2,#3に跨って配列されている。
各列#1~#3のセル5a,5b内の導電ペーストは、印刷方向における並び順に従って誘電体グリーンシート4に塗布されていく。つまり、印刷方向の前方のセル5a,5b内の導電ペーストは、印刷方向の後方のセル5a,5b内の導電ペーストより時系列上で先に塗布される。
具体的には、各列#1~#3において、セル5bの平行凹部53とセル5aの平行凹部53が印刷方向に沿って交互に直線状に並び、セル5bの平行凹部51とセル5aの平行凹部51が印刷方向に沿って交互に直線状に並ぶ。各列#1~#3のセル5a,5bは、それぞれ、直交方向の幅及び印刷方向の長さを揃えた状態で配列されている。この配置によって、各列#1~#3のセル5a,5b内の導電ペーストは、第1の印刷パターン300と同様に印刷方向に沿った流動Fu,Fdを生ずる。
また、セル5a,5bの間には、第1の印刷パターン300と同様の平行凹部51,53及び直交凹部52の隣接関係が存在する。このため、例えば列#2に着目すると、矢印A1~A4で示される導電ペーストの流動が生じる。これにより、印刷方向に沿った流動Fu,Fdが直交方向に分散される。また、上述したように直交凹部52内の導電ペーストの流動の弱さによっても流動Fu,Fdが低減される。なお、これは他の列#1,#3についても同様である。
したがって、第1の印刷パターン300と同様に導電ペースト膜40の断面の外形形状が改善されるため、積層セラミックコンデンサ1の品質が向上する。
(第3の印刷パターン)
図11は、実施形態のセル5c,5dを設けた第3の印刷パターン300を示す平面図である。なお、印刷パターン300の外周付近のセル配置の図示は省略する。印刷パターン300は、正面視でT字形状をなす凹状のセル5c,5d、及び各セル5c,5dを仕切る凸状の土手部6cを含む。ここで土手部6cは凸部の一例であり、導電ペーストが充填されない領域である。各セル5c,5dから誘電体グリーンシート4に塗布された導電ペーストは互いに結合することにより、1つの内部電極層12に対応する導電ペースト膜40となる。
図11の紙面上部には、セル5c,5dの詳細が示されている。セル5c,5cは、直交方向の直線を挟んだ線対象の関係にある。セル5c,5dは、それぞれ、2つの平行凹部54,56及び1つの直交凹部55を有する。平行凹部54,56及び直交凹部55は、印刷パターン300の正面視において略矩形状の溝である。
平行凹部54,56は導電ペーストの印刷方向に直線状に延び、直交凹部55は、平行凹部54,56の共通の端部55a,55bから直交方向に直線状に延びる。2つの平行凹部54,56の一方の端部54b,56bは、セル5cの場合、直交凹部55の共通の端部55bにそれぞれ接続され、セル5dの場合、直交凹部55の共通の端部55aにそれぞれ接続されている。
2つの平行凹部54,56は互いに反対側に突出する。一方の平行凹部54は印刷方向に突出し、他方の平行凹部56は印刷方向の反対側(つまり上流側)に突出する。なお、セル5c,5dは第1セルの一例であり、平行凹部54,56は、印刷方向に延びる第1凹部の一例であり、直交凹部55は、印刷方向に対する略直交方向に延びる第2凹部の一例である。
セル5c,5dの印刷方向の長さLdは例えば内部電極層12の幅の1/4以下であり、セル5c,5dの直交方向の幅Wdは例えば内部電極層12の長さの1/2以下である。また、平行凹部54,56及び直交凹部55の幅、つまり溝の幅は例えば30~100(μm)である。また、セル5c,5d間の土手部6cの幅Wgは例えば10(μm)以下である。
印刷パターン300において、各セル5c,5dは、導電ペーストの印刷方向に沿った複数の列#1~#3に交互に配置されている。このため、各列#1~#3において、直交凹部55が突出する方向が交互に図11の紙面の上方向及び下方向となる。
各列#1~#3のセル5c,5d同士は直交方向の幅を揃えた状態で配列されている。また、直交方向において隣接する列#1~#3のセル5c同士及びセル5d同士は、印刷方向の長さを揃えた状態で配列されている。各列#1~#3のセル5cの平行凹部54,56は直線上に並び、各列#1~#3のセル5dの平行凹部54,56は直線上に並んでいる。
一方の平行凹部54の端部54aは、略直交方向において、他のセル5c,5dの平行凹部56と土手部6aを挟んで隣接し、印刷方向において、他のセル5c,5dの直交凹部55と土手部6aを挟んで隣接する。つまり、平行凹部54の端部54aは、同じ列#1~#3で隣接するセル5c,5dの平行凹部56及び直交凹部55がなす直角部分に一方の角部を合わせるように配置される。
他方の平行凹部56の端部56aは、略直交方向において、他のセル5c,5dの平行凹部54と土手部6aを挟んで隣接し、印刷方向において、他のセル5c,5dの直交凹部55と土手部6aを挟んで隣接する。つまり、平行凹部56の端部56aは、同じ列#1~#3で隣接する他のセル5c,5dの平行凹部54及び直交凹部55がなす直角部分に一方の角部を合わせるように配置される。このように各セル5c,5dは各列#1~#3に配列されている。
各列#1~#3のセル5c,5d内の導電ペーストは、印刷方向における並び順に従って誘電体グリーンシート4に塗布されていく。つまり、印刷方向の前方のセル5c,5d内の導電ペーストは、印刷方向の後方のセル5c,5d内の導電ペーストより時系列上で先に塗布される。
平行凹部54,56に充填された導電ペーストは、平行凹部54,56が印刷方向に延びる長手形状を有するため、塗布時に印刷方向に流動する。この流動した導電ペーストは、印刷方向で互いに隣接するセル5c,5d間で連続的に結合されることにより、平行凹部54,56に沿った流動Fu,Fdをそれぞれ発生させる。ここで流動Fu,Fdには、平行凹部54,56の間の直交凹部55内の導電ペーストの流動も含まれる。
直交凹部55に充填された導電ペーストは、直交凹部55が直交方向に延びる長手形状を有するため、塗布時、印刷方向に流動する力が平行凹部54,56ほど強くない。1つのセル5c,5dの平行凹部54,56及び直交凹部55内の各導電ペーストは充填時から一体化されているため、塗布時、直交凹部55内の導電ペーストの流動は、平行凹部54,56内の導電ペーストの流動Fu,Fdを低減するように作用する。
また、直交凹部55内の導電ペーストは、塗布時、平行凹部54内の導電ペーストの流動Fu,Fdに引っ張られる。このため、直交凹部55内の導電ペーストは平行凹部54内の導電ペーストに向かって流動する。
例えば列#2に着目すると、各セル5c,5dの直交凹部55内の導電ペーストは、一点鎖線の矢印A1で示されるように流動する。つまり、直交凹部55の端部55a,55bから平行凹部54の端部54bに向かう流動が生ずる。これにより、平行凹部54,56に沿った流動Fu,Fdが直交方向に分散されることで低減される。
また、直交凹部55の突出する端部55a,55bは、隣の列#1~#3のセル5c,5dの直交凹部55の未突出の端部55b,55aと隣接する。このため、直交凹部55内の導電ペーストは、隣の列#1~#3のセル5c,5dの直交凹部55から延びる平行凹部54内の導電ペーストに向かって流動して結合する。
例えば列#2に着目すると、各セル5c,5dの直交凹部55内の導電ペーストは、一点二鎖線の矢印A2で示されるように流動する。つまり、直交凹部55の突出する端部55a,55bから土手部6aを経由して隣の列#1の平行凹部54の端部54bに向かう流動が生ずる。これにより、平行凹部54,56に沿った流動Fdが直交方向に分散されることで低減される。
また、平行凹部54の端部51aは、印刷方向において同じ列#1~#3の他のセル5c,5dの直交凹部55に隣接する。このため、平行凹部54内の導電ペーストは、塗布時、流動Fu,Fdに従って、隣接する他のセル5c,5dの直交凹部55内の導電ペーストに結合される。このとき、上述したように直交凹部55内の導電ペーストの印刷方向の流動は弱いため、平行凹部54内の導電ペーストと結合することにより、その流動Fu,Fdが低減される。
一方、平行凹部56の端部56aも印刷方向において同じ列#1~#3の他のセル5c,5dの直交凹部55に隣接する。このため、平行凹部56内の導電ペーストが隣の直交凹部55内の導電ペーストと結合することにより、上記と同様に流動Fu,Fdが低減される。
また、平行凹部54の端部54aは、同じ列#1~#3のセル5c,5dの平行凹部56に隣接する。このため、平行凹部54内の導電ペーストは、その平行凹部56内の導電ペーストに向かって流動して結合する。
例えば列#2に着目すると、平行凹部54内の導電ペーストは、点線の矢印A3で示されるように同じ列#2の隣の平行凹部56に向かって流動する。つまり、平行凹部54の端部54aから土手部6aを経由して、同じ列#2の平行凹部56の端部56bに向かう流動が生ずる。これにより、平行凹部54に沿った流動Fu,Fdが直交方向に分散されることで低減される。なお、これは他の列#1,#3についても同様である。
また、平行凹部56の端部56aは、同じ列#1~#3の他のセル5c,5dの平行凹部56とは反対側で、隣の列#1~#3のセル5c,5dの平行凹部56に隣接する。このため、平行凹部54内の導電ペーストは、隣の列#1~#3のセル5c,5dの平行凹部56内の導電ペーストに向かって流動して結合する。
例えば列#2に着目すると、平行凹部54内の導電ペーストは、二点鎖線の矢印A4で示されるように隣の列#1,#3のセル5c,5dの平行凹部56に向かって流動する。つまり、平行凹部54の端部54aから土手部6aを経由して、隣の列#1,#3の平行凹部56の端部56bに向かう流動が生ずる。これにより、平行凹部54に沿った流動Fu,Fdが直交方向に分散されることで低減される。なお、これは他の列#1,#3についても同様である。
このように、この印刷パターン300によると、印刷方向に沿った導電ペーストの流動Fu,Fdを塗布直交に分散することができる。したがって、第1の印刷パターン300と同様に導電ペースト膜40の断面の外形形状が改善されるため、積層セラミックコンデンサ1の品質が向上する。
(第4の印刷パターン)
図12は、実施形態のセル5cを設けた第4の印刷パターン300を示す平面図である。図12において、図11と共通する構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。なお、印刷パターン300の外周付近のセル配置の図示は省略する。印刷パターン300はセル5c、及び各セル5cを仕切る凸状の土手部6dを含む。ここで土手部6dは凸部の一例であり、導電ペーストが充填されない領域である。土手部6dの幅は土手部6aの幅Wgと同じである。また、図12の紙面上部には、セル5cの詳細が示されている。
印刷パターン300において、セル5cは、導電ペーストの印刷方向に沿った複数の列#1~#3に配置されている。セル5cは1個おきに直交方向における位置がずれて、2つの列#1~#3に跨って配列されている。
具体的には、同じ列#1~#3内の2つのセル5cの直交凹部55の端部55aの間に他のセル5cの平行凹部54,56が配置され、同じ列#1~#3内の2つのセル5cの平行凹部56の端部56aと平行凹部54の端部54aの間に他のセル5cの直交凹部55の端部55aが配置される。この配置によって、各列#1~#3のセル5c内の導電ペーストは、第1の印刷パターン300と同様に印刷方向に沿った流動Fu,Fdを生ずる。
各列#1~#3のセル5c内の導電ペーストは、印刷方向における並び順に従って誘電体グリーンシート4に塗布されていく。つまり、印刷方向の前方のセル5c内の導電ペーストは、印刷方向の後方のセル5c内の導電ペーストより時系列上で先に塗布される。
また、各セル5cの間には、第1の印刷パターン300と同様の平行凹部54,56及び直交凹部55の隣接関係が存在する。このため、例えば列#2に着目すると、矢印A1~A4で示される導電ペーストの流動が生じる。これにより、印刷方向に沿った流動Fu,Fdが直交方向に分散される。また、上述したように直交凹部52内の導電ペーストの流動の弱さによっても流動Fu,Fdが低減される。なお、これは他の列#1,#3についても同様である。
したがって、第3の印刷パターン300と同様に導電ペースト膜40の断面の外形形状が改善されるため、積層セラミックコンデンサ1の品質が向上する。なお、セル5cに代えてセル5dを用いた場合でも、直交方向における直交凹部55の突出方向が反対になるだけで、上記と同様の平行凹部54,56及び直交凹部55の隣接関係が存在するため、やはり積層セラミックコンデンサ1の品質が向上する。
(第5の印刷パターン)
図13は、実施形態のセル5a~5dを設けた第5の印刷パターン300を示す平面図である。図13において、図8~図12と共通する構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。なお、印刷パターン300の外周付近のセル配置の図示は省略する。印刷パターン300はセル5a~5d、及び各セル5a~5dを仕切る凸状の土手部6eを含む。ここで土手部6eは凸部の一例であり、導電ペーストが充填されない領域である。土手部6eの幅は土手部6aの幅Wgと同じである。また、図13の紙面上部には、セル5a~5dの詳細が示されている。
印刷パターン300において、各セル5a~5dは、導電ペーストの印刷方向に沿った複数の列#1~#3に配置されている。各列#1~#3において、セル5a~5dは、セル5c,5a,5d,5bの順に繰り返し配置されている。各列#1~#3のセル5a~5dは直交方向の幅を揃えた状態で配列され、互いに隣接する列#1~#3のセル5a~5dは印刷方向の長さを揃えた状態で配列されている。
各列#1~#3のセル5a~5d内の導電ペーストは、印刷方向における並び順に従って誘電体グリーンシート4に塗布されていく。つまり、印刷方向の前方のセル5a~5d内の導電ペーストは、印刷方向の後方のセル5a~5d内の導電ペーストより時系列上で先に塗布される。
この配列において、セル5cの平行凹部54,56、セル5aの平行凹部53、及びセル5bの平行凹部51はそれぞれ直線上に並んでいる。また、セル5aの平行凹部51、セル5dの平行凹部54,56、及びセル5bの平行凹部53はそれぞれ直線上に並んでいる。
このため、各セル5a~5dの平行凹部51,53,54,56に充填された導電ペーストは、印刷方向で互いに隣接するセル5a~5d間で連続的に結合されることにより、平行凹部51,53,54,56に沿った流動Fu,Fdを発生させる。ここで流動Fu,Fdには、平行凹部51,53,54,56の間の直交凹部52,55内の導電ペーストの流動も含まれる。したがって、塗布時、直交凹部52,55内の導電ペーストの流動は、平行凹部51,53,54,56内の導電ペーストの流動Fu,Fdを低減するように作用する。
また、他の印刷パターン300の場合と同様に、直交凹部52,55内の導電ペーストは、塗布時、平行凹部51,53,54,56内の導電ペーストの流動Fu,Fdに引っ張られる。このため、例えば列#2に着目すると、各セル5a~5dの直交凹部52内の導電ペーストは、一点鎖線の矢印A1で示されるように流動する。これにより、平行凹部51,53,54,56に沿った流動Fu,Fdが直交方向に分散されることで低減される。
また、互いに隣接する列#1~#3のセル5cの間において、直交凹部55の端部55aは、隣の列#1~#3の直交凹部55の端部55bと隣接する。これと同様に互いに隣接する列#1~#3のセル5dの間において、直交凹部55の端部55bは、隣の列#1~#3の直交凹部55の端部55aと隣接する。
このため、例えば列#2に着目すると、第3及び第4の印刷パターン300と同様に、各セル5c,5dの直交凹部55内の導電ペーストは、一点二鎖線の矢印A2bで示されるように流動する。これにより、平行凹部51,53,54,56に沿った流動Fu,Fdが直交方向に分散されることで低減される。なお、これは他の列#1,#3についても同様である。
また、互いに隣接する列#1~#3のセル5aの間において、直交凹部52の端部52aは、隣の列#1~#3の直交凹部52の端部52bと隣接する。これと同様に互いに隣接する列#1~#3のセル5bの間において、直交凹部52の端部52bは、隣の列#1~#3の直交凹部52の端部52aと隣接する。
このため、例えば列#2に着目すると、第1及び第2の印刷パターン300と同様に、各セル5a,5bの直交凹部52内の導電ペーストは、点線の矢印A2aで示されるように流動する。これにより、平行凹部51,53,54,56に沿った流動Fu,Fdが直交方向に分散されることで低減される。なお、これは他の列#1,#3についても同様である。
また、セル5aの平行凹部51の端部51aは、印刷方向において同じ列#1~#3の他のセル5cの直交凹部55に隣接する。このため、平行凹部51内の導電ペーストは、塗布時、流動Fdに従って、隣接する他のセル5cの直交凹部55内の導電ペーストに結合される。このとき、上述したように直交凹部55内の導電ペーストの印刷方向の流動は弱いため、平行凹部51内の導電ペーストと結合することにより、その流動Fdが低減される。
さらに、セル5dの平行凹部54の端部54aは、印刷方向において同じ列#1~#3の他のセル5aの直交凹部52に隣接し、セル5bの平行凹部51の端部51aは、印刷方向において同じ列#1~#3の他のセル5dの直交凹部55に隣接する。また、セル5cの平行凹部54の端部54aは、印刷方向において同じ列#1~#3の他のセル5bの直交凹部52に隣接する。このため、上記と同様に、平行凹部51,54内の導電ペーストが、塗布時、直交凹部55,52内の導電ペーストにそれぞれ結合することにより、その流動Fu,Fdが低減される。
一方、セル5aの反対側の平行凹部53の端部53aも印刷方向において同じ列#1~#3の他のセル5dの直交凹部55に隣接する。このため、平行凹部53内の導電ペーストが隣の直交凹部55内の導電ペーストと結合することにより、上記と同様に流動Fuが低減される。
さらに、セル5dの平行凹部56の端部56aは、印刷方向において同じ列#1~#3の他のセル5bの直交凹部52に隣接し、セル5bの平行凹部53の端部53aは、印刷方向において同じ列#1~#3の他のセル5cの直交凹部55に隣接する。また、セル5cの平行凹部56の端部56aは、印刷方向において同じ列#1~#3の他のセル5aの直交凹部52に隣接する。このため、上記と同様に、平行凹部53,56内の導電ペーストが、塗布時、直交凹部55,52内の導電ペーストにそれぞれ結合することにより、その流動Fu,Fdが低減される
また、セル5aの平行凹部51の端部51aは、同じ列#1~#3のセル5cの平行凹部56に隣接する。このため、平行凹部51内の導電ペーストは、その平行凹部56内の導電ペーストに向かって流動して結合する。
これと同様に、セル5dの平行凹部54の端部54aは、同じ列#1~#3のセル5aの平行凹部53に隣接し、セル5bの平行凹部51の端部51aは、同じ列#1~#3のセル5dの平行凹部56に隣接し、セル5cの平行凹部54の端部54aは、同じ列#1~#3のセル5bの平行凹部53に隣接する。このため、平行凹部54,51内の導電ペーストは、隣の列#1~#3の平行凹部53,56内の導電ペーストに向かって流動して結合する。
例えば列#2に着目すると、平行凹部51,54内の導電ペーストは、点線の矢印A3で示されるように同じ列#2の隣の平行凹部56,53に向かってそれぞれ流動する。これにより、平行凹部51,54に沿った流動Fu,Fdが直交方向に分散されることで低減される。なお、これは他の列#1,#3についても同様である。
また、セル5aの平行凹部51の端部51aは、同じ列#1~#3の他のセル5cの平行凹部56とは反対側で、隣の列#1~#3のセル5cの平行凹部56に隣接する。このため、平行凹部51内の導電ペーストは、隣の列#1~#3のセル5cの平行凹部53内の導電ペーストに向かって流動して結合する。
これと同様に、セル5dの平行凹部54の端部54aは、同じ列#1~#3の他のセル5aの平行凹部53とは反対側で、隣の列#1~#3のセル5aの平行凹部53に隣接する。また、セル5bの平行凹部51の端部51aは、同じ列#1~#3の他のセル5dの平行凹部56とは反対側で、隣の列#1~#3のセル5dの平行凹部56に隣接し、セル5cの平行凹部54の端部54aは、同じ列#1~#3の他のセル5bの平行凹部53とは反対側で、隣の列#1~#3のセル5bの平行凹部53に隣接する。このため、平行凹部54,51内の導電ペーストは、隣の列#1~#3の平行凹部53,56内の導電ペーストに向かって流動して結合する。
例えば列#2に着目すると、平行凹部54,51内の導電ペーストは、二点鎖線の矢印A4で示されるように隣の列#1,#3のセル5a~5dの平行凹部53,56に向かって流動する。これにより、平行凹部54,51に沿った流動Fd,Fuが直交方向に分散されることで低減される。なお、これは他の列#1,#3についても同様である。
このように、この印刷パターン300によると、印刷方向に沿った導電ペーストの流動Fu,Fdを塗布直交に分散することができる。したがって、第1の印刷パターン300と同様に導電ペースト膜40の断面の外形形状が改善されるため、積層セラミックコンデンサ1の品質が向上する。
(第6の印刷パターン)
図14は、実施形態のセル5a,5cを設けた第6の印刷パターン300を示す平面図である。図14において、図13と共通する構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。なお、印刷パターン300の外周付近のセル配置の図示は省略する。印刷パターン300はセル5a,5c、及び各セル5a,5cを仕切る凸状の土手部6fを含む。ここで土手部6fは凸部の一例であり、導電ペーストが充填されない領域である。土手部6fの幅は土手部6aの幅Wgと同じである。また、図14の紙面上部には、セル5a,5cの詳細が示されている。
印刷パターン300において、各セル5a,5cは、導電ペーストの印刷方向に沿った複数の列#1~#3に配置されている。セル5a,5cは印刷方向に交互に配列されている。このため、印刷方向で互いに隣接するセル5a,5cを一組とした場合、セル5a,5cの組は一組おきに2つの列#1~#3に跨って配列されている。
各列#1~#3のセル5a,5c内の導電ペーストは、印刷方向における並び順に従って誘電体グリーンシート4に塗布されていく。つまり、印刷方向の前方のセル5a,5c内の導電ペーストは、印刷方向の後方のセル5a,5c内の導電ペーストより時系列上で先に塗布される。
具体的には、各列#1~#3において、セル5cの平行凹部54,56、セル5aの平行凹部53、及び2つの列#1~#3に跨る他のセル5aの平行凹部51が印刷方向に沿って直線状に並ぶ。また、各列#1~#3において、セル5aの平行凹部51、2つの列#1~#3に跨るセル5cの平行凹部54,56、2つの列#1~#3に跨る他のセル5aの平行凹部53が印刷方向に沿って直線状に並ぶ。この配置によって、各列#1~#3のセル5a,5b内の導電ペーストは、第5の印刷パターン300と同様に印刷方向に沿った流動Fu,Fdを生ずる。
また、セル5a,5cの間には、第5の印刷パターン300と同様の平行凹部51,53,54,56及び直交凹部52,55の隣接関係が存在する。このため、例えば列#2に着目すると、矢印A1~A4で示される導電ペーストの流動が生じる。これにより、印刷方向に沿った流動Fu,Fdが直交方向に分散される。また、上述したように直交凹部52,55内の導電ペーストの流動の弱さによっても流動Fu,Fdが低減される。なお、これは他の列#1,#3についても同様である。
したがって、第1の印刷パターン300と同様に導電ペースト膜40の断面の外形形状が改善されるため、積層セラミックコンデンサ1の品質が向上する。
(その他の印刷パターン)
図15は、他の印刷パターン300を示す平面図である。図15において、図13と共通する構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。なお、印刷パターン300の外周付近のセル配置の図示は省略する。印刷パターン300はセル5a~5d、及び各セル5a~5dを仕切る凸状の土手部6gを含む。ここで土手部6gは凸部の一例であり、導電ペーストが充填されない領域である。土手部6gの幅は土手部6aの幅Wgと同じである。
印刷パターン300において、各セル5a~5dは、印刷方向に沿った複数の列#1~#3に配置されている。具体的には、本印刷パターン300は、第5の印刷パターン300において、各列#1~#3のセル5c,5dの間に配置されるセル5aの個数をN個(N:2以上の整数)とした配列である。
このため、セル5a~5dの間には、第5の印刷パターン300と同様の平行凹部51,53,54,56及び直交凹部52,55の隣接関係が存在するため、印刷方向に沿った流動が直交方向に分散される。したがって、第5の印刷パターン300と同様に導電ペースト膜40の断面の外形形状が改善されるため、積層セラミックコンデンサ1の品質が向上する。なお、本印刷パターン300において、セル5bの個数をN個とした場合でも上記と同様の効果が得られる。
図16は、他の印刷パターン300を示す平面図である。図16において、図14と共通する構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。なお、印刷パターン300の外周付近のセル配置の図示は省略する。印刷パターン300はセル5a,5c、及び各セル5a,5cを仕切る凸状の土手部6hを含む。ここで土手部6hは凸部の一例であり、導電ペーストが充填されない領域である。土手部6hの幅は土手部6aの幅Wgと同じである。
印刷パターン300において、各セル5a,5cは、印刷方向に沿った複数の列#1~#3に配置されている。具体的には、本印刷パターン300は、第6の印刷パターン300において、各列#1~#3のセル5cの間に配置されるセル5aの個数をN個(N:2以上の整数)とした配列である。
このため、セル5a,5cの間には、第6の印刷パターン300と同様の平行凹部51,53,54,56及び直交凹部52,55の隣接関係が存在するため、印刷方向に沿った流動が直交方向に分散される。したがって、第6の印刷パターン300と同様に導電ペースト膜40の断面の外形形状が改善されるため、積層セラミックコンデンサ1の品質が向上する。なお、本印刷パターン300において、セル5a,5cに代えてセル5b,5dを配列し、セル5bの個数をN個とした場合でも上記と同様の効果が得られる。
図13~図16の印刷パターン300では、各列#1~#3に、土手部6e~6hを挟んで互いに隣接する少なくとも一組のセル5a,5bとセル5c,5dが配置された例を挙げた。このように、形状が相違するセル5a,5bとセル5c,5dを隣接された印刷パターン300であっても、同一形状のセル5a,5bまたはセル5c,5dが互いに隣接する図8及び図10~図12の印刷パターン300と同様に、積層セラミックコンデンサ1の品質を向上することができる。なお、各印刷パターン300の各セル5a~5dの角部は、直角に形成されているように図示されているが、セル5a~5dの角部はラウンド状に面取りされていても良い。
次に実施例の積層セラミックコンデンサ1の評価結果を述べる。
Figure 2024024347000002
表1は、実施例1~3及び比較のための例(以下、比較例と表記)の積層セラミックコンデンサの評価結果を示す。実施例1~3及び比較例の積層セラミックコンデンサを上記の製造工程に従って800個ずつ作製して評価した。なお、積層セラミックコンデンサの定格電圧は10(V)とした。
実施例1~3及び比較例の積層セラミックコンデンサの内部電極印刷工程St2において、印刷パターン300が異なるグラビアロール30を用いた。実施例1では、第1の印刷パターン300のグラビアロール30を用いて内部電極層を印刷した。実施例2では、第3の印刷パターン300のグラビアロール30を用いて内部電極層を印刷した。実施例3では、第5の印刷パターン300のグラビアロール30を用いて内部電極層を印刷した。比較例では、六角形のセルの印刷パターン300のグラビアロール30を用いて内部電極層を印刷した。なお、塗布する導電ペーストとして、Ni(ニッケル)を主成分とする導電ペーストを用い、誘電体グリーンシートとして、BaTiO3を主成分とする誘電体グリーンシートを用いた。
完成した積層セラミックコンデンサの実効容量及びリーク不良を評価した。各評価のサンプルの個数は200個とした。
(実効容量の評価)
積層セラミックコンデンサの実効容量を「4268A 120Hz/1KHzキャパシタンス・メータ」により測定した。測定値が実効容量の目標値である4.7(μF)±10(%)以上である積層セラミックコンデンサを合格とした。合格の積層セラミックコンデンサ数の割合が95%以上である場合、評価結果を「◎」と記載し、合格の積層セラミックコンデンサ数の割合が90%以上かつ95%未満である場合、評価結果を「〇」と記載した。また、合格の積層セラミックコンデンサ数の割合が90%未満である場合、「×」と記載した。
実施例1,2及び比較例の評価結果は「〇」であり、実施例3の評価結果は「◎」であった。これは、実施例3では、形状が相違するセル5a~5dを隣接させた印刷パターン300を用いたため、印刷方向の導電ペーストの流動が実施例1,2及び比較例の印刷パターン300より好適に直交方向に分散された結果、図9の符号Srが示すような理想的な断面の外形形状に最も近い導電ペースト膜が得られたためである。
(リーク不良の評価)
積層セラミックコンデンサに定格電圧の1.5倍の電圧を印加することにより積層セラミックコンデンサのリーク不良を評価した。ショートが発生した積層セラミックコンデンサの割合が0%である場合、評価結果を「◎」と記載し、ショートが発生した積層セラミックコンデンサの割合が0%を超える場合、評価結果を「×」と記載した。
実施例1~3の評価結果は「◎」であり、比較例の評価結果は「×」であった。これは、比較例の印刷パターン300では、実施例1~3とは異なり、印刷方向の導電ペーストの流動が直交方向に分散されないため、図7の符号Saが示すようなドーム形の断面の外形形状の導電ペースト膜が得られたためである。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
1 積層セラミックコンデンサ
3 印刷装置
4 誘電体グリーンシート
30 グラビアロール
40 導電ペースト膜
51,53,54,56 平行凹部
52,55 直交凹部
300 印刷パターン
5a~5d セル
6a~6h 土手部
P 導電ペースト

Claims (8)

  1. シートにペーストを塗布することにより所定のパターンを印刷するためのグラビア印刷版において、
    前記ペーストが充填される複数のセルと、
    前記複数のセルを仕切る凸部とを有し、
    前記セルは、
    第1方向に沿った列に配置され、
    前記グラビア印刷版の正面視において、前記第1方向に延びる第1凹部と、前記第1凹部の一方の端部から、前記第1方向に略直交する第2方向に延びる第2凹部とを有し、
    前記第1凹部の他方の端部が、前記第2方向において、前記複数のセルのうち、他のセルの前記第1凹部と前記凸部を挟んで隣接し、前記第1方向において、前記他のセルの前記第2凹部と前記凸部を挟んで隣接するように配列されていることを特徴とするグラビア印刷版。
  2. 前記セルは、前記第1凹部の他方の端部が、前記第2方向において、前記他のセルの前記第1凹部とは反対側で、前記複数のセルのうち、さらに別のセルの前記第1凹部と前記凸部を挟んで隣接するように配列されていることを特徴とする請求項1に記載のグラビア印刷版。
  3. 前記列には、前記第1方向に前記凸部を挟んで互いに隣接する少なくとも一組の第1セル及び第2セルが配置され、
    前記第1セルは、2つの前記第1凹部の一方の端部が前記第2凹部の共通の端部に接続されて互いに反対側に突出するように形成され、
    前記第2セルは、2つの前記第1凹部の一方の端部が前記第2凹部の両端部にそれぞれ接続されて互いに反対側に突出するように形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のグラビア印刷版。
  4. 前記セルは、2つの前記第1凹部の一方の端部が前記第2凹部の共通の端部に接続されて互いに反対側に突出するように形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のグラビア印刷版。
  5. 前記セルは、2つの前記第1凹部の一方の端部が前記第2凹部の両端部にそれぞれ接続されて互いに反対側に突出するように形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のグラビア印刷版。
  6. 前記列は、前記第2方向に複数配置されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のグラビア印刷版。
  7. ロール形状を有し、
    前記第1方向は、前記ロール形状の円周方向であることを特徴とする請求項1または2に記載のグラビア印刷版。
  8. グラビア印刷版を用いてグリーンシートに導電ペーストを塗布することにより所定のパターンを印刷する工程と、
    前記所定のパターンが印刷された複数の前記グリーンシートを積層して圧着する工程とを有し、
    前記グラビア印刷版は、前記導電ペーストが充填される複数のセルと、前記複数のセルを仕切る凸部とを有し、
    前記セルは、
    前記所定のパターンの印刷方向に沿った列に配置され、
    前記グラビア印刷版の正面視において、前記印刷方向に延びる第1凹部と、前記第1凹部の一方の端部から前記印刷方向に対する略直交方向に延びる第2凹部とを有し、
    前記第1凹部の他方の端部が、前記略直交方向において、前記複数のセルのうち、他のセルの前記第1凹部と前記凸部を挟んで隣接し、前記印刷方向において、前記他のセルの前記第2凹部と前記凸部を挟んで隣接するように配列されていることを特徴とする積層セラミック電子部品の製造方法。

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