JP2024023107A - 荷電粒子ビーム照射システム - Google Patents

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Abstract

Figure 2024023107000001
【課題】回転式ガントリータイプではない荷電粒子ビーム照射装置においてX線を用いた呼吸同期照射システムを提供する。
【解決手段】荷電粒子ビーム照射システムは、アイソセンタに向かって出射することができる荷電粒子ビーム照射装置と、第1のX線発生部と第1の検出部、第2のX線発生部と第2の検出部とを有しており、第1のX線発生部と第2のX線発生部から発生するX線はアイソセンタを通過して、それぞれ第1の検出部と第2の検出部により検出され、第1のX線発生部と第2のX線発生部は、荷電粒子ビーム照射装置が選択できる荷電粒子ビームの複数の軌道により形成される仮想平面を挟むように配置され、第1の検出部と第2の検出部は、第1のX線発生部と第2のX線発生部よりも上流または下流に位置する。
【選択図】図9

Description

本発明は、 荷電粒子ビーム照射システムに関する。
従来、がん治療の治療法として、患部に陽子線や重粒子線(例えば、炭素線)といった荷電粒子ビームを照射して治療する粒子線治療(陽子線治療と呼称されることもある)が行われている。このような粒子線治療においては、荷電粒子ビームを患部に集中させつつ、患部以外の部分の被ばくを抑制すべく、荷電粒子ビームを様々な方向から照射することで患部の荷電粒子ビームの線量を高める。特許文献1、2には、荷電粒子ビームを照射する装置であって、患者を全方向から荷電粒子ビームを照射できるように、ビームの輸送系と照射部が患者の周囲を回転するように構成された回転照射装置が開示されている。一方でこのような回転照射装置(以下、回転式ガントリー)は、患者の周囲を回転できるように構成する関係上、装置が巨大化する。そこで、特許文献3には、荷電粒子ビームを照射する装置であって、回転照射装置を用いずに任意の角度から荷電粒子ビームを照射することができる荷電粒子ビーム照射装置が開示されている。装置の巨大化の一つの原因である照射部を回転させる機構を用いないことで、特許文献3に記載の荷電粒子ビーム照射装置は、特許文献1や特許文献2のものと比して小型化が実現できている。
特許第6523076号公報 特許第6158334号 特許第6387476号
ところで、荷電粒子ビームは患者の治療部位に対して精度よく正確に照射されなければならない。しかし、患者の臓器は患者の呼吸や拍動等により常に変動し続けるため荷電粒子ビームの照射位置において治療部位が常に変動し続けるという問題がある。そこで、患者の呼吸等を考慮して行う治療に呼吸同期照射と呼ばれる照射法がある。当該照射法を実現する一例として、荷電粒子ビームの照射位置としての治療部位を確認すべく治療照射時にX線により腫瘍やその周辺に留置したマーカーや患者内部の臓器の状態をモニタし、適切なタイミングで荷電粒子ビームを照射制御する方法がある。モニタを行うX線発生部と検出部は高精度な検出が実現可能な好適な位置に設置する必要があるが、上記特許文献1や特許文献2のような回転式ガントリーの場合、設置スペースの制約があり、特定の位置に設置せざるを得ないことが多い。例えば、荷電粒子ビームの照射系と同様に同軸で回転するように、かつ、荷電粒子ビームの照射を阻害しないように、X線発生部と、それに対向する検出部を設けることで、患者内部の臓器の状態を検出し、荷電粒子ビームを照射することができる。特許文献1に開示されるような、360度以上の回転角を有する回転式ガントリー(以下、フルガントリー)を用いた場合、異なる角度から照射した際に生じるそれぞれの荷電粒子ビームの照射軸が形成する面とX線発生部と検出部を結ぶ軸が形成する面とが同一面上に形成されるように構成されるのが一般的である。即ち、照射部の回動に伴って、X線発生部と検出部も回動させる。一方で、特許文献2に開示されるような、360度未満(例えば180度)の回転式ガントリー(以下、ハーフガントリー)の場合、フルガントリーとは異なりX線発生部と検出部が照射部と同時に回動せずに設置される場合がある。回動しないことでX線発生部や検出部の設置精度、及び、回動後のX線発生部や検出部の繰り返しの位置再現性は向上する。これに対して、上記特許文献3のような回転式ガントリーとは異なる荷電粒子ビーム照射装置の場合、荷電粒子ビームの照射軸が形成する面と、X線発生部と検出部を結ぶ軸が形成する面を同一面上に配置することが困難であった。例えば、患者の頭尾方向に垂直な断面をX線、陽子線が進行するように機器を配置した場合、照射ノズルと検出部であるFPD(Flat Panel Detector)が干渉する可能性や、床面にあるX線発生部と照射装置とが干渉してしまい、実現することが困難であった。
そこで、本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、回転式のガントリーでない場合であっても、X線による呼吸同期照射を用いた治療が可能な荷電粒子ビーム照射システムを提供することを目的とする。
上記問題に対応するために、本発明の一態様に係る荷電粒子ビーム照射システムは、加速器から出射されたのち、輸送された荷電粒子ビームが入射して、アイソセンタに向かって出射することができる荷電粒子ビーム照射装置と、第1のX線発生部と第1の検出部、第2のX線発生部と第2の検出部とを有しており、第1のX線発生部と第2のX線発生部から発生するX線はアイソセンタを通過して、それぞれ第1の検出部と第2の検出部により検出され、第1のX線発生部と第2のX線発生部は、前記荷電粒子ビーム照射装置が選択できる前記荷電粒子ビームの複数の軌道により形成される仮想平面を挟むように配置され、前記荷電粒子ビームが前記荷電粒子ビーム照射装置に入射する側を上流側、前記荷電粒子ビームが前記荷電粒子ビーム照射装置から出射される側を下流側としたときに、第1の検出部と第2の検出部は、第1のX線発生部と第2のX線発生部よりも上流または下流に位置する。
本発明に係る荷電粒子ビーム照射システムによれば、回転式のガントリーでない場合であっても、X線による呼吸同期照射を用いた治療ができる。
図1は、粒子線治療施設の模式図である。 図2(a)は、照射ノズル近傍の側面図であり、図2(b)は、照射ノズル近傍の正面図である。 図3は、X線発生部が配置されていない状態の荷電粒子ビーム照射システムの斜視図である。 図4(a)は、図3に示す荷電粒子ビーム照射システムの左側面図であり、図4(b)は、同荷電粒子ビーム照射システムの右側面図である。 図5は、図3に示す荷電粒子ビーム照射システムの正面図である。 図6(a)は、図3に示す荷電粒子ビーム照射システムの天面図であり、図6(b)は、同荷電粒子ビーム照射システムの背面図である。 図7は、X線発生部とその検出部、患者を載置した移動車両とを配した荷電粒子ビーム照射システムの斜視図である。 図8は、図7に示す荷電粒子ビーム照射システムの右側面図である。 図9は、図7に示す荷電粒子ビーム照射システムの正面図である。 図10は、荷電粒子ビーム照射装置による荷電粒子ビームの照射の仕組みを説明する図である。 図11は、荷電粒子ビーム照射装置を備える治療室の上面図の一例である。 図12は、X線撮像装置の設置条件を示す概略図である。 図13は、X線撮像装置の有効視野と設置角度の関係を示す図である。 図14は、荷電粒子ビーム照射装置のシステム構成例を示すシステム構成図である。 図15は、荷電粒子ビーム照射装置による荷電粒子ビームの照射を制御する情報処理装置の構成例を示すブロック図である。 図16は、情報処理装置による荷電粒子ビーム照射装置の制御動作例を示すフローチャートである。 図17は、呼吸波形予測を行って、治療照射を行う場合のタイミングチャートの一例である。 図18は、呼吸波形予測を行って、治療照射を行う場合のタイミングチャートの他の一例である。 図19(a)は、本実施形態に係る荷電粒子ビーム照射システムとX線発生部と検出部との配置関係を示す図であり、図19(b)は、従来のフルガントリーにおける荷電粒子ビーム照射システムとX線発生部と検出部との配置関係を示す図であり、図19(c)は、従来のハーフガントリーにおける荷電粒子ビーム照射システムとX線配置部と検出部との配置関係の際を示す図である。
以下、本実施形態に係る荷電粒子ビーム照射システムについて、図面を参照しながら、詳細に説明する。
<実施形態>
<実施例1>
図1は本発明を実施する粒子線治療施設の模式図である。加速器(図示せず)から取り出された荷電粒子ビームはビーム輸送系90を通り、治療室30へと輸送される。ここで加速器は、荷電粒子ビームを生成する装置であって、例えば、シンクロトロン、サイクロトロン、又は線形加速器により実現される。ビーム輸送系90は真空ダクトや荷電粒子ビーム調整装置を備える。なお、荷電粒子ビーム調整装置は、ビーム形状及び/ 又は線量を調整するためのビームスリット、荷電粒子ビームの進行方向を調整するための偏向電磁石、荷電粒子ビームのビーム形状を調整するための四極電磁石、並びに、荷電粒子ビームのビーム位置を微調整するためのステアリング電磁石などを、仕様に応じて適宜備え、荷電粒子ビームのビーム形状や線量を調整する。治療室は放射線遮蔽を考慮し、四方をコンクリート等の壁で覆われている。ビーム輸送系末端の治療室内には照射ノズルがあり、荷電粒子ビームは照射ノズルを通過し、治療台に横たわる患者への照射が行われる。図1には治療室に対し、水平方向(荷電粒子ビーム照射装置50aの照射ノズル)と垂直方向(荷電粒子ビーム照射装置50bの照射ノズル)との2方向からの照射が可能な例を開示している。実施例1においては、荷電粒子ビームの水平進行方向をX、垂直進行方向をY、XとYそれぞれに垂直な方向をZとしている。水平方向、垂直方向のそれぞれに進む荷電粒子ビームはアイソセンタと呼ばれる点Oにおいて交わる。照射ノズルには、荷電粒子ビームを照射標的形状に走査するための走査電磁石、線量を計測する線量モニタ、ビーム位置を測定するための位置モニタ、エネルギー変調装置等から構成される。さらに、治療室には患者位置決めを行うための位置決め装置が備えられる。患者位置決めとは、治療室内の照射ノズルに対する(荷電粒子ビーム照射装置に対する)患者(治療部位)の相対位置関係を特定することであってよい。位置決め装置は、X線発生部20としてX線菅や、検出部としてフラットパネルディテクタ(以下、FPD)等で構成される画像診断装置や、位置決めデータの送受信を行うための装置から構成される。図1ではFPD21は天井から吊り下げられる(図示せず)ように2台(図示では1台のみ)設置されている。X線管20は点Oを挟んでFPD21と点対称な位置にそれぞれ設置される。図1においては2台のX線管が床下に設置されている。本実施例1ではFPD21は天井側、X線管20は床下となっているが、これは両者の配置を制限するものではなくFPDが床側、X線管が天井側でもよい。なお、図示しないがその他の画像診断装置としてX線CTやMRIが治療室内に設置される場合もある。また、本実施例ではFPD21は天井から吊り下げられるとしているが、その限りではなく、治療室内の装置に取り付けられるとしてもよい。
図2(a)は実施例1を実現する照射ノズル近傍の側面図の模式図であり、図2(b)は、実施例1を実現する照射ノズル近傍の正面図である。図2では水平、垂直の2方向の荷電粒子ビ-ムが形成する架空の面を仮想平面Pと定義し、点Oは仮想平面P内にある。対となる位置決め装置をX線管20aとFPD21a、X線管20bとFPD21bとすると、図2(a)に示したようにFPD21aとFPD21bはX線管20aとX線管20bよりも荷電粒子ビ-ムの進行方向の上流側に設置される。本実施例ではFPD21がX線管20よりも上流側に設置されるが、FPD21がX線管20の下流側に設置されてもよい。X線管20aとX線管20bは仮想平面Pに関して面対称な位置にある。FPD21aとFPD21bは仮想平面Pに関して面対称な位置にある。X線管20aとFPD21a、X線管20bとFPD21bは図2(b)に示したように点Oに対しそれぞれが点対称に設置されるため、仮想平面Pを基準にして同一側にX線管20aとFPD21bが配置され、その反対側にX線管20bとFPD21aが設置されることとなる。なお、ここでは、仮想平面Pに対して面対称に配する例を示しているが、X線管20aとX線管20bとは、仮想平面Pに対して面対称に配されなくともよく、一例として、FPD21aは、図2(b)の紙面前後(奥行き)方向で、図示よりも後側(紙面奥側)に設けられてもよい。
図2に示したようにZ方向が患者の頭尾方向となる。図示はしていないが患者は治療台の上に横たわり、患者位置決めや治療照射を行う。本実施例では仮想平面Pを挟み、FPD21aとFPD21b、X線管20aとX線管20bがそれぞれ設置されているため頭尾方向の広範囲な領域を撮像することができる。X線管20aとX線管20b、FPD21aとFPD21bがそれぞれ仮想平面Pに対し同一側に配置される場合、即ち仮想平面Pに対し面対称に配置されない場合は体軸の左右方向側が撮像領域となり、人体を広範囲で撮像することができない。結果、広範囲を撮像するためには頭尾方向に患者を移動させ複数回撮像することとなる。本実施例では、一度に広範囲を撮像可能なため、X線撮像による被ばく量を軽減することが可能である。また、位置決め作業時間を短縮することで治療室利用効率を向上させ、病院の収益増加にも資する。
本実施例1においては、図2(a)に示したように水平の照射ノズルと垂直の照射ノズルとの間に2つのFPD21(21a、21b)を設置することが可能であり、スペースを有効活用することが可能である。一般的には、患者位置決め時に放射線技師が患者の姿勢を3次元位置で捉えやすくするために、荷電粒子ビームの照射軸が形成する仮想平面PとX線管20とFPD21を結ぶ軸が形成する面とが互いに同一面になるようにX線管20とFPD21は設置される。あるいはX線管20とFPD21を結ぶ軸が形成する面が仮想平面Pよりも水平側に対し傾いた状態となるように、X線管20とFPD21は設置される。即ち、FPD21の1つはビーム進行方向下流側、治療室内の開放空間側に設置されることとなる。この場合、水平ビーム進行方向下流側から照射ポートにアクセスすることが難しくなり、FPD21と人との干渉を防ぐためにFPD21を退避させる等の構成が必要となる。本実施例においてはFPD21を退避させることなく、水平ビーム進行方向下流側から上流側へアクセスすることが可能であり、作業効率を向上させることが可能である。FPD21の退避が不要となることで、設置位置精度の向上も期待され、呼吸同期照射等の高精度な治療照射が可能である。また、上流側にFPD21が設置できない場合、撮像範囲に治療台が被ることがあり得、撮像条件が変わる恐れがある。本実施例ではそれを避けることができ、治療台の位置に関わらず撮像条件を揃えることができ、治療精度の向上が期待される。
<実施例2>
図3は、X線発生部と、そのX線を検出する検出装置とを配置していない状態の荷電粒子ビーム照射装置を配置していない状態の荷電粒子ビーム照射システムの斜視図である。図4(a)は、図3に示す荷電粒子ビーム照射装置の右側面図である。また、図4(b)は、同荷電粒子ビーム照射装置の左側面図である。図5は、図3に示す荷電粒子ビーム照射装置の正面図である。また、図6(a)は、図3に示す荷電粒子ビーム照射装置の天面図であり、図6(b)は、同荷電粒子ビーム照射装置の背面図である。
図3~図6(特に図4)に示すように、本実施例2に係る荷電粒子ビーム照射装置は、側面から見ると、その一部を半円形状に切り欠いた形状をしており、その半円の凹部51から、半円の中心にあるアイソセンタOに向けて荷電粒子ビームが照射される。当該凹部51には、照射ノズル11が設けられており、照射ノズル11から荷電粒子ビームが照射標的である患部(アイソセンタ)に照射される。照射ノズル11は、荷電粒子ビーム照射装置の凹部51に設けられたガイドレール52に沿って半円の範囲内で摺動可能であり、この範囲内で様々な方向から荷電粒子ビームを照射する。なお、照射ノズル11は必須の構成ではなく、照射ノズル11がなくとも、凹部51の凹面から荷電粒子ビームを照射することができる。
ここで、図10を用いて、本実施例2における荷電粒子ビーム照射装置(非回転式ガントリー)による荷電粒子ビームの照射の仕組みについて簡単に説明する。なお、図10においては、照射ノズル11は省略している。
図10(a)は、荷電粒子ビーム照射システムの荷電粒子ビーム照射装置50に設けられる偏向電磁石80を右側面から見た荷電粒子ビームの経路を模式的に示した模式図である。即ち、図10(a)は、図4(a)、あるいは、後述する図8に対応する。図10(a)に示すように、荷電粒子ビーム照射装置50は、振分電磁石70と、偏向電磁石80を備える。
荷電粒子ビーム照射装置に入力される荷電粒子ビーム(図10左端)は、図示しない加速器により加速され、図示しないビーム輸送系を介して、荷電粒子ビーム照射装置に入力される。荷電粒子ビーム照射装置の更なる詳細については特許文献3を参照されたい。
図10(a)には偏向角φ及び収束角θごとに異なる複数のビーム経路の例を示している。ここで、荷電粒子ビームの進行方向をX軸、偏向電磁石80が生成する磁場の方向をZ軸、X軸及びZ軸に直交する方向をY軸とする。偏向電磁石80は、XY面において、X軸に対する偏向角φの広い範囲から入射する荷電粒子ビームを、アイソセンタOに収束させるよう構成されている。なお、図10(a)においては、照射ノズルは省略し、説明を簡単にするために、アイソセンタOをXYZ空間の原点とし、上流側(加速器側、図10(a)の紙面左側)をX軸の正の方向としている。
偏向角φの範囲は、-90度超~+90度未満の範囲にあり、プラス(+Y軸方向)の偏向角範囲とマイナス(-Y軸方向)の偏向角範囲は異なっていてもよい(非対称)。例えば、プラス側の最大偏向角(φ=φMAX)を10度、15度、20度、25度、30度、35度、40度、45度、50度、60度、70度、80度、及び85度のうちのいずれかとし、マイナス側の最大偏向角(φ=-φMAX)を-10度、-15度、-20度、-25度、-30度、-35度、-40度、-45度、-50度、-60度、-70度、-80度、及び-85度のうちのいずれかとしてもよい。なお、偏向角φは、これらの角度に限定するものではない。
偏向電磁石80は、1組以上のコイル対を備え、該コイル対は、荷電粒子ビームの進行方向と荷電粒子ビームの偏向角φの広がり方向に直交する方向(図中Z軸方向)を向いた一様な磁場を生成し(有効磁場領域81a、81b)、荷電粒子ビームの経路を挟むように配置されている。偏向電磁石80の1組のコイル対が生成する有効磁場領域は、図10(a)に示すようにXY平面において三日月状の形状を有し、その詳細については後述する。なお、荷電粒子ビームが通過する、対向するコイル対間の隙間は(Z軸方向の距離)、XY面における荷電粒子ビームが広がる範囲に比べて十分に小さいため、ここでは荷電粒子ビームのZ軸方向の広がりについては考慮しない。
図10(b)は、偏向電磁石80のA-A線断面図である。偏向電磁石80は、好ましくは少なくとも二組のコイル対84a、84bを備える。コイル84a、84bの内部にはそれぞれ磁極85a、85bが組み込まれ、磁極85a、85bにはヨーク86が接続されている。偏向電磁石80には電源装置(不図示)が接続されており、電源装置からコイル対84a、84bに電流(励磁電流)が供給されることで、偏向電磁石80が励磁し、有効磁場領域81a、81b(総称して有効磁場領域81ともいう。)が形成される。
なお、有効磁場領域81aの範囲と有効磁場領域81bの範囲は、異なっていてもよい(非対称)。例えば、プラス(+Y軸方向)の偏向角φの範囲とマイナス(-Y軸方向)の偏向角φの範囲が非対称であれば、それに応じて有効磁場領域81a、81bも非対称に形成することで、使用されない有効磁場領域を削減できる。
振分電磁石70により偏向され、偏向電磁石80に入射する荷電粒子ビームの偏向角φの範囲は、プラスの最大偏向角(φ=φMAX)からマイナスの最大偏向角(φ=-φMAX)の範囲であり、プラスの最大偏向角φMAXは、10度以上90度未満の角度であり、マイナスの最大偏向角-φMAXは、-90度超-10度以下の角度である。偏向角φ及び後述する照射角θは、XY面において、X軸に対する荷電粒子ビームの経路の角度である。
プラスの偏向角範囲(φ=0超~φMAX)で入射した荷電粒子ビームは、第1のコイル対84aの有効磁場領域81aにより偏向され、照射ノズル11を通りアイソセンタOに照射される。マイナスの偏向角範囲(φ=0未満~-φMAX)で入射した荷電粒子ビームは、第2のコイル対84bの有効磁場領域81bにより偏向され、照射ノズル11を通りアイソセンタOに照射される。有効磁場領域81aと有効磁場領域81bの磁場の向きは互いに反対の方向である。なお、振分電磁石70から偏向角φ=0で偏向電磁石80に入射する荷電粒子ビームは、有効磁場領域81a、81bのいずれか又は両領域81a、81bの間を通過し、照射ノズル(不図示)を通じてアイソセンタOに収束する。
偏向電磁石80に入射する荷電粒子ビームの偏向角φは、振分電磁石70により制御される。振分電磁石70は、加速器(不図示)から供給される荷電粒子ビームの進行方向(図中X軸)に直交する方向(図中Z軸)を向いた磁場を生成し、通過する荷電粒子ビームを偏向する電磁石と、該磁場の強度及び向きを制御する制御部とを備える(いずれも不図示)。振分電磁石70は、磁場の強度及び向き(Z軸方向)を制御することで、XY面において荷電粒子ビームを偏向し、偏向起点Qにて偏向角φで偏向した荷電粒子ビームを偏向電磁石80に出射する。ここで、偏向起点QとアイソセンタOはX軸上(同一水平面上)にある。
図10(c)を参照して、偏向電磁石80の有効磁場領域81aを形成するための計算式について説明する。なお、本実施形態では、Z軸方向への荷電粒子ビームの偏向は考慮しないので、XY面における有効磁場領域の形成について説明する。偏向電磁石80の有効磁場領域81aについて説明するが、有効磁場領域81bについても同じであるため、説明は省略する。
まず、偏向電磁石80の荷電粒子ビームの出射側83の有効磁場領域81aの境界は、アイソセンタOから等距離r1の位置にある範囲となるように決める。次に、偏向電磁石80の荷電粒子ビームの入射側82の有効磁場領域81aの境界は、後述する関係式(1)~(5)に基づき、アイソセンタOから所定の距離Lの位置にある仮想上の偏向起点Qにて偏向角φで偏向し、入射する荷電粒子ビームが、アイソセンタOに収束するように決められる。ここで、仮想上の偏向起点Qは、振分電磁石70の中心で荷電粒子ビームが偏向角φのキックを極短距離の間に受けると仮定した点である。
偏向角φで輸送されてきた荷電粒子ビームは、入射側82の有効磁場領域81aの境界上の任意の点P1から入り、有効磁場領域81a内で曲率半径r2の円運動を行い(このときの中心角は(φ+θ)となる。)、出射側83の有効磁場領域81aの境界上の点P2から出て、アイソセンタOに向けて照射される。つまり、点P1と点P2とは半径r2及び中心角(φ+θ)の円弧上にある。
図10(c)に示すように、XY面においてアイソセンタOを原点とするXY座標系を想定する。出射側83の点P2とアイソセンタOとを結ぶ直線とX軸とがなす角度を照射角θとすると、入射側82の点P1の座標(x,y)、偏向角φ、及び点Qと点P1との間の距離Rは、以下の関係式(1)~(4)から求まる。
Figure 2024023107000002
ここで、有効磁場領域81aには一様な磁束密度Bの磁場が生じており、荷電粒子ビームの運動量をp(およそ加速器に依存する)、電荷をqとすると、磁場中で偏向される荷電粒子ビームの曲率半径r2は、式(5)で表される。
Figure 2024023107000003
上記関係式(1)~(5)に基づき、偏向電磁石80のコイル対84a及び磁極85aの形状及び配置を調整し、コイル対84aに流す電流を調整することで、有効磁場領域81aの境界の形状を調整できる。すなわち、出射側83の有効磁場領域81aの境界上の任意の点P2とアイソセンタOとの間の距離が等距離r1となるように境界を定め、有効磁場領域81aの磁束密度Bを調整して式(5)からr2を決め、入射側82の有効磁場領域81aの境界上の点P1と偏向起点Qとの間の距離Rが式(4)の関係を有するように、入射側82の有効磁場領域81aの境界を定める。式(3)のφの極大値が、最大偏向角φMAXとなる。なお、限定されるものではないが、偏向起点Qを通過する荷電粒子ビームが偏向電磁石80による偏向を受けなくともアイソセンタOに収束するように、偏向起点Q、偏向電磁石80、及びアイソセンタOの配置を調整しておくと、装置構成をよりシンプルにできるため好ましい。
上記のようにして求まる偏向電磁石80の有効磁場領域81a、81bの境界は、荷電粒子ビームをアイソセンタOに収束させるための理想的な形状である。なお実際には、この理想的な形状からのずれや磁場分布の不均一性があったとしても、偏向電磁石80の励磁量(磁束密度B)を偏向角φごとに予め微調整し、その情報を電源装置に記憶させておき、偏向角φと偏向電磁石80の電流量とが連動するようにそれらを制御することで、荷電粒子ビームをアイソセンタOに合わせて偏向させることができる。また、事前に磁場分布の不均一性を予測できる場合には、偏向電磁石80のコイル対84a、84b及び磁極85a、85bの形状及び配置を補正することで、荷電粒子ビームの軌道を微調整することも可能である。
これにより、荷電粒子ビームを患部(アイソセンタO)に対して所望の角度で照射を行うことができる。
図7は、荷電粒子ビーム照射装置に、X線発生部20を配するとともに、患者を載置した移動車両10を配した状態の荷電粒子ビーム照射システムを示す斜視図である。なお、図8は、図7に示した荷電粒子ビーム照射装置の右側面図である。図9は、図3に示す荷電粒子ビーム照射システムの正面図である。図7~図9を用いて、荷電粒子ビーム照射装置と、X線発生部とその検出部との位置関係を説明する。なお、図7~図9においては、X線発生部照射装置や患者を載置した移動車両10を見やすくするために図3に示した天面の壁、及び背面の壁及び荷電粒子ビーム照射装置50の壁以降の加速器側の構造は示していない。
荷電粒子ビーム照射装置は、所定の治療室内に設けられる。治療対象の患者Uは、移動車両10の治療台15に載置され、荷電粒子ビーム照射装置の治療位置まで、自動制御で運搬される。患者Uが載置される治療台15は、移動車両10に設けられたアーム16に接続されており、このアーム16が駆動(アーム16の軸が回動)することで、治療台15に載置された患者Uの治療部位を荷電粒子ビーム照射装置のアイソセンタOの位置に移動させることができる。移動車両10は、プログラムによる自動制御、あるいは、リモートコントロールでのオペレータによる手動制御が可能であってよい。
図7~図9に示すように、荷電粒子ビーム照射システム1は、荷電粒子ビーム照射装置50と、X線発生部20(20a、20b)と、検出部21(21a、21b)と、を備える。上述したように荷電粒子ビーム照射装置50は、アイソセンタに向けて荷電粒子ビームを照射することができる装置である。
また、X線発生部20は、X線を照射する装置であり、検出部21は、X線発生部20に対向し、患者Uの体内を通過したX線を検出して、X線画像を生成する装置である。図7~図9においては、点線によって模式的にX線を示している。検出部21により生成されるX線画像は、動画であっても静止画であってもよい。検出部21により生成されたX線画像は、荷電粒子ビームを照射するタイミングを決定する後述の情報処理装置100に送信される。
図7~図9に示されるように、X線発生部20(20a、20b)は、荷電粒子ビーム照射装置が配される治療室内であって、アイソセンタOから見て、照射ノズル11側(荷電粒子ビームの照射源側)の荷電粒子ビーム照射装置の両側の床下などの床面近傍に設けられる。床下に設けることで、例えば、治療室内における車両10の移動、あるいは、人の移動の妨げになるのを抑制することができる。
そして、そのX線発生部20から照射されたX線を検出する検出部21(21a、21b)は、それぞれ、X線発生部20(20a、20b)に対向するように、治療室内の天井近傍に設けられる。即ち、検出部21は、X線発生部20よりも荷電粒子ビームの進行方向の下流側に設置される。なお、X線発生部20と検出部21との配置位置は逆であってもよい。即ち、検出部21は、X線発生部20よりも、荷電粒子ビームの進行方向の上流側に配されてもよい。
図9に示す一点鎖線(17)は、荷電粒子ビームが通過する経路を示す仮想平面17(上述の仮想平面Pに相当する)を示している。図9に示すように、荷電粒子ビームは、図9の装置中心を通り垂直な面である仮想平面17を通る。そして、X線発生部20から照射されるX線は、仮想平面17に交わるように照射され、アイソセンタOを通過する。即ち、本実施形態に係る荷電粒子ビーム照射システム1においては、X線発生部20aと検出部21bは仮想平面17を挟まないように同一側に配置され、X線発生部20bと検出部21aも同様に仮想平面17を挟まないように同一側に配置される。なお、X線発生部20aとX線発生部20bは仮想平面17を挟んで対象になるように治療室内に配置されなくともよく、同様に、検出部21aと検出部21bは仮想平面17を挟んで対象になるように治療室内に配置されなくてもよい。
図11は本実施例を実現する治療室の上面図である。治療室内寸は約8m×約6mであるが、その限りではない。治療時の安全性や患者の心理的負担を軽減するために、荷電粒子ビーム照射装置50は照射ノズル11を含む先端の一部のみが、化粧壁55を挟み患者の目に触れる構造となっている。化粧壁55はベニヤ板が使用されることが多いため、一般的にはX線を化粧壁55を通過させると撮像画質が劣化してしまう。そのため、X線発生部と検出部からは、化粧壁55よりもビーム下流側に設置させることが好ましい。X線発生部を化粧壁55よりも上流側に設置すると検出部との位置関係から必然的にX線は化粧壁55を通過してしまうことになり好ましくないためである。したがって、X線発生部20と検出部21は、X線がアイソセンタOを通過するようにするため、図11に示した化粧壁55よりビーム下流側に設置する必要がある。さらに、荷電粒子ビーム照射装置50の縁や照射ノズル11、移動車両10のアーム16とその駆動機構部16´とがX線撮像領域(図9破線)と干渉する場合、X線が減衰し、有効視野が狭められることとなる。そこで、撮像条件を変更せず、治療室も拡大せずに頭尾方向の広い領域を撮像可能であり、呼吸同期照射ができる設置の条件を述べる。
図12(a)、(b)に示すように、Z方向から見たときのX線発生部と検出部の位置関係を角度α[deg]で表し、X方向から見たときのX線発生部と検出部の位置関係を角度β[deg]したとき、αとβが検出される画像の有効視野に与える影響を確認した。角度αはXY平面上における水平面に対するX線束の成す角度であり、角度βはYZ平面上における水平面に対するX線束の成す角度である。ここで、有効視野とは、X線発生部20から発生したX線束が荷電粒子ビーム照射装置や治療台(移動車両)などに干渉せずに検出部21により検出された領域をいう。また、全画面領域(検出部21による検出範囲全体)を100としたときに有効視野が占める領域が80だったとき、有効視野80%ということとする。
理想的な有効視野を形成するX線発生部と検出部との配置は、2対のX線発生部20と検出部21が結ぶ軸が直交する配置にすることである。図13(a)に示すように、βが45度より小さくなる場合、つまり2対のX線発生部20と検出部21が結ぶ軸の開きが大きくなるほど、荷電粒子ビーム照射装置との干渉は小さくなる。一方で、αが大きくなる場合、つまり撮像系を照射装置側に倒すとアーム16と駆動機構部16´との干渉が大きくなり、αが小さくなる場合、つまり撮像系を床側に倒すとアーム16と駆動機構部16´との干渉は小さくなる。しかしながら、αが小さくなるほど、床側に配置されるX線発生部20もしくは検出部21の配置が化粧壁55を超えた配置あるいは治療室内におさまらない配置となるため、不適合となる。図13(b)において、α=70度以上かつβ=45度付近におけるX線束と周辺装置との干渉を検討した。
αを74度に固定して、βの値が有効視野に与える影響を確認したところ、42<β<45のときに有効視野100%であった。さらに38<β<47のときに有効視野80%であった。
αを78度に固定して、βの値が有効視野に与える影響を確認したところ、41<β<46のときに有効視野100%であった。さらに39<β<48のときに有効視野80%であった。
αを82度に固定して、βの値が有効視野に与える影響を確認したところ、41<β<48のときに有効視野100%であった。さらに39<β<50のときに有効視野80%であった。
有効視野が高いほどX線撮像により得られるX線画像の撮像範囲がより広く、画質が向上するので、有効視野のパーセンテージは大きければ大きいほどよい。有効視野80%以上の領域にX線発生部と検出部を設置することで呼吸同期照射の機能を加えつつ、装置を大型化せずに高精度な治療照射が可能となる。なお、これは、有効視野を80%以上となるX線発生部20と検出部21との配置が必須であることを意味するものではない。
図14は本実施例を実施するためのシステム構成図である。治療統括制御システム167を上位システムとし、治療照射を行うための照射制御システム166、患者位置決めを行う室内機器制御システム161とがある。治療統括制御システム167は収束電磁石や照射ノズルに所望の角度から治療が可能となるように指示を行う。収束電磁石は所望の角度からの照射を行えるよう励磁され、照射ノズルはアイソセンタOへ荷電粒子ビームを照射するために駆動することとなる。室内機器制御システム161は治療台制御システム164により治療台15を駆動させ、患者を治療照射を行う位置へと移送する。その後、X線発生部制御システム162により、X線曝射を行い、検出部制御システム163により画像を取得する。
本発明によると、照射ノズルから出射される荷電粒子ビームの進行方向上にX線発生部20や検出部21が設置されないために、治療照射時にX線発生部20や検出部21を退避させる必要はない。結果、X線発生部20と検出部21の設置精度が退避による駆動で変わることはないため、X線発生部20と検出部21とを天井や床下に収納するように退避させる場合に比して、治療精度が低下しない。また、X線発生部20から検出部21までの空間が照射ノズルの駆動により遮られることもない。よって、治療照射角度を変更しつつ、患者位置決めを行うことが可能であり、治療時間の短縮が可能となる。結果、治療室あたりの治療患者数を増加させることができる。
一般的には、患者位置決め時に放射線技師が患者の姿勢を3次元位置で捉えやすくするため、荷電粒子ビームの照射軸が形成する仮想平面17と2対のX線発生部20と検出部21を結ぶ軸が形成する面とが互いに直交同一面の、水平・垂直のビームライン上に設置される。少なくとも2方向からの撮像画像があれば、配置方向に依らず位置決めは可能であるため、本発明のX線発生部20と検出部21の配置においても従来と同等の患者位置決め精度が得られる。
患者の長軸方向に対して垂直断面だけでなく、非同一面からも治療ビームを照射し、正常組織や主要に隣接する重要臓器への線量を低下させるノンコプラナ照射に対して、本発明は治療精度向上に資する。患者位置決め後は、所望の非同一面上での照射となるよう、治療台をアイソセンタ周りに回転させ照射を開始する、治療台の移動精度に依存した治療が行われている。本発明では、患者の長軸方向に2対のX線発生部20と検出部21が配置されるため、患者周りのスペースが広く確保される。このため、治療台がアイソセンタ周りに回転するスペースを確保しつつ、一定のX線撮像体系で患者の位置を確認することができ、ノンコプラナ照射における治療精度が向上する。
回転ガントリーでは、2対のX線発生部20と検出部21が回動するため、患者位置決め配置は正側方向、照射中の体内モニタは照射角度に依存した配置となる。本実施例では、呼吸同期照射において、一連の治療中に、患者位置決めと照射中の体内モニタとして取得される画像を、照射角度に依らず同じ幾何学的配置で評価することができる。患者位置決めの際、呼吸性移動の影響の少ない骨をランドマークとする。次に、呼吸同期照射では呼吸性移動する臓器の動きと骨の相対位置関係を考慮した位置決めが必要となり、2段階の位置確認が行われる。また腸内のガスの動きが影響する前立腺や、その他、照射中に体内の動きにより照射対象物の動きが経時的に変化する場合の照射にも同様の確認が行われる。本発明では、患者位置決め時と体内モニタ時の2対のX線発生部20と検出部21の幾何学的配置が同じであるため、呼吸同期照射を代表とする臓器の位置再現性を要求される治療において照射精度が向上する。
本実施例では、回転しないガントリーに対して患者長軸方向に2対のX線発生部20と検出部21を設置することにより、機器設置や建屋構造が複雑にならず、メンテナンスや装置全体を小型化できる。ハーフガントリーにおいて同配置の場合、ビーム上流側に配置される2対のX線発生部20と検出部21のうち、各々少なくとも1台は、筒状の回転ガントリー内に配置される。故に、回転ガントリー内に機器設置のための複雑な支持器が必要であり、メンテナンス時は回転ガントリー内での作業となり作業者の負担が大きい。また、照射装置が回転しないことにより、回転するスペースとして高さと奥行きが約10mの巨大な筒状の構造体が必要な回転ガントリーと比較して、照射装置を格納する建屋が半分程度の大きさとなり、治療装置の導入コストを大きく削減することができる。
<実施例3>
<情報処理装置の構成>
図15は、荷電粒子ビーム照射システムを制御する情報処理装置100の構成例を示すブロック図である。情報処理装置100は、荷電粒子ビーム照射装置から患者の治療部位に対して荷電粒子ビームの照射を制御するコンピュータシステムであり、いわゆるサーバ装置、PC、タブレット端末などにより実現されてよいが、これらに限定するものではない。図15に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、入力部120と、制御部130と、計算部140と、を備える。また、情報処理装置100は、出力部150を備えてもよい。
通信部110は、外部の装置と通信することが可能な通信インターフェースである。通信部110は、例えば、制御部130からの指示に従って、荷電粒子ビーム照射装置の照射部に対して荷電粒子ビームを照射するタイミングを指示する指示情報を送信する。また、通信部110、制御部130からの指示に従って、X線発生部20にX線の照射を指示するとともに、検出部21にX線画像を送信するよう指示する。また、通信部110は、外部の装置から患者の治療に関する情報を受信して、制御部130に伝達する。
入力部120は、情報処理装置100のオペレータからの入力を受け付けて制御部130に伝達する機能を有する入力インターフェースである。入力部120は、例えば、キーボードやマウス等の入力機器等により実現されてよいが、これらに限定するものではない。入力部120は、例えば、患者の治療に関する情報の入力を受け付けて、受け付けた入力内容を、制御部130に伝達する。
制御部130は、情報処理装置100の各部を制御する機能を有するプロセッサである。制御部130は、計算部140に内蔵されているプログラムを実行することで、情報処理装置100として機能する。制御部130は、情報処理装置100として果たすべき機能として、治療制御部131と、X線制御部132と、を備える。治療制御部131は、荷電粒子ビーム照射装置に対して荷電粒子ビームの照射を指示する指示情報を、通信部110を介して、送信する機能を有する。X線制御部132は、通信部110を介して、X線発生部20にX線の照射を指示し、検出部21により検出されたX線画像を取得する。X線制御部132は、取得したX線画像を治療制御部131に伝達する。
計算部140は、X線制御部132で取得されたX線画像を画像解析し、治療の対象となる対象部位の患者に対する相対位置を特定する機能を有する。画像処理部141は、X線制御部132で取得したX線画像を画像処理し、画像中の特徴量を解析し、対象の治療部位の位置を算出する。このとき、既存の画像フィルタ(例えばノイズ除去フィルタや輪郭強調フィルタ))等の最適な組合せを実行し、患者位置決め時の放射線技師の負担を軽減するが、ここではその詳細を省略する。また、計算部140は記憶部142を有する。記憶部142は、情報処理装置100が動作上必要とする各種プログラムや各種データを記憶する機能を有する記憶媒体である。記憶部142は、例えば、HDD(Hard Disc Drive)やSSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリなどにより実現可能であるがこれらに限定するものではない。記憶部142は、荷電粒子ビームの照射タイミングを決定するための学習モデル143を記憶している。また、図15に示すように、学習モデル143に登録された学習モデルを介して、治療部位の位置を算出しても良い。学習モデル143は、記憶部142に記憶されている。
学習モデル143の一例は、X線画像と、臓器の位置との対応関係を学習した学習モデルであり、X線画像と治療部位を示す情報とを入力として、対象部位の患者に対する相対位置を特定する。画像処理部141は、対象の治療部位が荷電粒子ビームの照射位置(アイソセンタ)を含む照射可能領域に位置したか否かを判定し、照射タイミングを特定する。したがって、学習モデル143は、X線画像と、当該X線画像について各種臓器の部位とを示す情報と、を対応付けた情報を教師データとし、複数の教師データを学習して生成される。この学習モデル143として用いるアルゴリズムとしては、公知のアルゴリズムの他、例えば線形回帰(+正則化)、サポートベクトルマシン(+カーネル法)、ランダムフォレスト、ニューラルネットワーク、ディープラーニング、又はkNN(k近傍法)などを用いることとしてよいが、これに限定するものではない。この学習モデル143は、基本的に治療の対象となる各患者に応じて、当該患者のX線画像と治療対象位置を学習した患者に固有のモデルであることが望ましいが、複数の異なる患者のX線画像と治療対象位置とを学習した汎用のモデルであってもよい。各患者に特化したモデルを用意することで、汎用モデルを利用するよりも治療の精度の向上が見込める一方で、汎用モデルであれば、異なる患者の治療の度にモデルを用意しなくてもよくなる。ここで、学習に用いられるX線画像は、図7~図9に示す位置で配したX線発生部20と検出部21とにより撮像されたX線画像である。即ち、人体身長方向(長手方向)及び人体身長方向に対する水平方向に対して斜めにX線を照射することで得られるX線画像である。このX線画像に対して、画像内で、どの部位がどの臓器のどの部分なのかを示す情報(アノテーション)を対応付けることで教師データを成し、学習モデル143を生成する。本実施形態においては、検出部21aにより撮像されるX線画像に対応した第1の学習モデル143と、検出部21bにより撮像されるX線画像に対応した第2の学習モデル143と、を用意しておくことが好ましい。なお、当該アノテーションは、医療従事者等により付されることとしてよい。また、ここで学習に用いられる画像はCT画像からX線画像を模擬して生成されたdigital reconstructed radiographでもよい。さらに、学習モデル143には複数の学習モデルを登録してもよい。他の学習モデルの例として、治療対象となる照射部位や、そのX線画像の曝射条件などと、画像フィルタとの対応関係を学習し、画像フィルタを最適化する学習モデルがあげられる。取得したX線画像に、学習モデル143で選択された画像フィルタを適用し、画像処理部141で、対象物の検出を解析的に行う。この場合も、対象部位の患者に対する相対位置を特定し、画像処理部141は、対象の治療部位が荷電粒子ビームの照射位置(アイソセンタ)を含む照射可能領域に到来した位置したか否かを判定し、照射タイミングを特定する対象部位の患者に対する相対位置を特定することができる。
出力部150は、制御部130から指定された情報を出力する機能を有する。出力部150は、例えば、モニタやスピーカなどにより実現されてよいがこれに限定するものはない。出力部150による情報の出力は、外部の装置への情報の送信という態様で実現されてもよい。出力部150は、例えば、制御部130からの指示のもと、治療部位に関する情報を出力することとしてもよい。
<情報処理装置100の動作>
図16は、情報処理装置100による荷電粒子ビームの照射制御の動作例を示すフローチャートである。
図16に示すように、情報処理装置100の通信部110は、X線画像を受信する。通信部110は、受信したX線画像を制御部130に伝達する。制御部130は、陽子線治療の呼吸同期を行うためのX線画像の入力を受け付ける(ステップS1601)。即ち、制御部130は、X線発生部20から曝射されたX線を、検出部21により検出し、検出により得られたX線画像の入力を受け付ける。前述したように、当該X線画像は、患者の人体を従来のように、荷電粒子ビームに平行(荷電粒子ビームの照射経路により形成される仮想的な平面と同一の平面)に照射されたX線ではなく、荷電粒子ビームが通過する線により形成される仮想面に対して交差するようにして照射されたX線により撮像されたものとなる。換言すれば、人体に対して斜めに照射されたX線により撮像されたものである。なお、ここで受け付けるX線画像は、体内の臓器の状態を推定できる情報になっていればよく、ストリーミング配信された動画であってもよいし、連続する静止画であってもよいし、所定時間単位ごと(例えば0.1秒単位であってよいが、これに限定されない)の動画であってもよい。
次に、情報処理装置100の通信部110、または、入力部120は、患者の治療部位に関する情報の入力を受け付けて、制御部130に伝達する(ステップS1602)。治療部位に関する情報は、少なくとも、治療の対象となる対象部位の患者に対する相対位置が情報処理装置100により特定することが可能な情報であればよい。
制御部130は、通信部110から逐次X線画像の入力を受け付けて、当該X線画像と、治療部位に関する情報と、を学習モデル143に入力する(ステップS1603)。これにより、治療制御部131は、荷電粒子ビームを照射すべきタイミングを特定する(ステップS1604)。
そして、治療制御部131は、特定タイミングにおいて荷電粒子ビームが照射されるように、荷電粒子ビーム照射装置に、照射を指示する指示情報を、通信部110を介して、送信する(ステップS1605)。
これにより、情報処理装置100は、適切なタイミングで荷電粒子ビームの照射を制御することができる。
本実施例では、呼吸性移動する臓器について、照射対象臓器の相対位置や、他の臓器と照射対象臓器の位置関係を情報処理装置100において特定することで、放射線技師を介した作業を低減でき、X線曝射による被ばく線量を低減できる。例えば、体内情報として呼吸一周期分のX線画像を連続的に取得し、外部に設置した複数の体外情報取得装置で同時に情報を取得する。例として、呼吸波形や体表面などの動きを体内モニタ情報と同期させることで、治療中は体外情報のみで、照射対象臓器の相対位置や、他の臓器と照射対象臓器の位置関係を情報処理装置100から予測し適切なタイミングで照射可能である。よって、照射中に曝射する必要がなくなり、患者の被ばく量を低減できる。さらに、体外モニタ情報により不安定な呼吸波形が懸念された場合のみ、X線撮影を行って相対的な関係を確認することも可能である。
図17は計算部140の記憶部142に蓄積されたデータから不安定な呼吸波形を予測し、照射を実施する第1の制御例であって、X線の照射や、荷電粒子ビームの曝射等のタイミング等を模式的に示したタイミングチャートである。図17には、上から順に、体外モニタ情報の波形、体外モニタ情報によりビームON信号の波形、X線曝射による照射対象位置情報の波形、X線曝射ON信号の波形、照射対象位置情報によるビームON信号の波形、荷電粒子ビームの照射波形を示している。体外モニタ情報は、患者の外部を撮像した映像の情報であってよく、例えば、患者の腹部を撮像した映像であってよく、それらの映像に基づいて、腹部の拡張度合いを模式的に示した波形情報であってよい。体外モニタ情報によるビームON信号とは、荷電粒子ビームの照射指示を示す情報であって、体外モニタ情報による患者の呼吸が安定しているときに成される照射指示の情報である。X線曝射による照射対象位置情報とは、X線曝射を行うことによって、患者の体内を撮像し、治療部位(荷電粒子ビームの照射対象部分)の位置を示す情報である。また、X線曝射ON信号とは、X線発生部20に対してX線の曝射を指示する信号である。また、照射対象位置情報によるビームON信号とは、X線曝射により特定した治療対象部位に対して荷電粒子ビームの照射を指示する信号である。そして、図17の最下部の照射は、照射対象位置情報によるビームON信号によりなされる荷電粒子ビームの照射タイミングを示している。
まず、治療中の患者の体外モニタ情報を画像処理部141が解析する。体外モニタ情報は患者の腹部等の撮像映像であってよい。荷電粒子ビーム照射装置は、基本的には、体外モニタ情報からの情報により呼吸が安定していることが検知できる場合には(図17の体外モニタ情報が安定した波系を示している箇所)、患者の身体が所定の状態、例えば、図17の例では体外モニタ情報の値が正の値(所定の値以上)を示す場合、即ち、患者の腹膜が所定以上拡張しているタイミングで、体外モニタ情報によりビームON信号をONとし、荷電粒子ビームの照射を実行する。
その際に、計算部140の記憶部142に登録された患者の体外モニタ情報とその際の呼吸波形のデータが参照され、事前に不安定な呼吸波形を予測する。例えば、図17の体外モニタ情報にある矢印部分を起点に呼吸波形の破線で囲った不安定な呼吸波形1701を予測する。即ち、体外モニタ情報を入力として学習モデル143に入力して、患者の呼吸の乱れが発生しそうかどうかを推定する。不安定な呼吸波形が生じると、精度よく治療照射を行うことができなくなる。そこで、不安定な呼吸波形の発生を予測すると、X線による撮像を実施する。即ち、X線発生部20に対してX線の曝射開始、検出部21による撮像を指示する。そして、X線曝射により検出される治療部位(照射対象位置情報)が照射位置にきたときに荷電粒子ビームの照射を実行する。X線曝射を実行している間、学習モデル143と体外モニタ情報による呼吸波形の予測を継続する。そして、体外モニタ情報から、呼吸波形が安定することを予測できた段階(図17の点線1702で囲った領域の段階)でX線撮像を停止させる。これにより、不要な被ばく線量を下げることができる。そして、体外モニタ情報に基づく、荷電粒子ビームの照射制御に戻る。なお、体外モニタ情報に基づく荷電粒子ビームの照射制御に戻すタイミングは、呼吸波形が安定することを予測できた段階であって、かつ、体外モニタ情報に基づく治療対象部位の位置と、X線曝射により検出される治療対象部位の位置と、の同期がとれたタイミングであってもよい。第1の制御例によれば、X線曝射は呼吸が不安定なタイミングでしか行わないため、治療中継続的にX線を曝射するよりも装置の処理負担を軽減することができる。また、第1の制御例によれば、体外モニタ情報に基づく治療対象部位の検出が呼吸の乱れによりできなくなった場合であっても、体外モニタ情報に基づく治療対象部位の検出に復帰することができる。
あるいはさらに、呼吸同期照射においては、照射ゲートの開始タイミングと終了タイミング(呼吸ゲートのオン信号開始付近とオン信号終了付近のタイミング)のみでX線撮影を行い、照射対象が所定の範囲にあることを確認し、当初の相対関係からズレていた場合には呼吸波形による照射のタイミングを修正することでX線撮影による被ばく線量を減らすこともできる。図18は体外モニタ情報をもとにした照射を行う呼吸ゲートのオン信号付近とオン信号終了付近のタイミングでX線撮像を実施する第2の制御例を示している。図18における各信号の内容は、図17の場合と同様であるが、体外モニタ情報から予測される治療対象部位の位置を示す照射対象位置予測の波形が追加されている。第2の制御例においては、図示の通り、X線曝射による照射対象位置の検出を周期的に実行する。患者の呼吸は基本的に周期的になるので、吸気と呼気のタイミングにおいてのみX線曝射をして、照射対象位置が所望の位置に存在しているか否かを判定する。不安定な呼吸が予測されない場合には、第1の制御例と同様に、体外モニタ情報に基づいて、荷電粒子ビームのON制御を実行する。即ち、体外モニタ情報が、所定値以上になっているタイミングで、荷電粒子ビームの照射を実行する。
一方で、X線画像に基づいて照射対象位置が、所望の位置にないことが検出できた場合(図18の点線1801参照)には、体外モニタ情報、X線曝射の周期的なタイミングとの、相対関係にズレが生じていることが検出できる。このようなズレを検出できた場合には、荷電粒子ビーム照射システムは、X線曝射を間欠的な曝射から継続的な曝射に切り替える。継続的なX線曝射を行っている間は、X線画像に基づいて、継続的に治療対象部位の位置を特定する。そして、治療対象部位が照射位置に来たタイミングで、荷電粒子ビームの照射を実行する。そして、荷電粒子ビーム照射システムは、患者の呼吸が安定すると、X線曝射により特定される治療対象部位の位置と、体外モニタ情報から特定される治療対象部位の位置との同期をとって、周期的に行うX線曝射の照射タイミングを決定する。当該照射タイミングを決定すると、継続的なX線曝射を中止し、間欠的なX線曝射に戻す。
また、実施例2の回転しないガントリーを有する照射ビーム装置50と実施例3の組み合わせの場合、患者周りの広いスペースを確保できるため、体外情報取得装置は例えば、3Dカメラや超音波装置などを設置できる。体外情報だけでなく、より精密に位置を特定するために、比較的大きな装置であるMRIなどの被曝のない装置を設置するスペースも確保できる。例えば、MRIはX線画像のフレームレートより低フレームレートとなるが、照射対象臓器の相対位置や、他の臓器と照射対象臓器の位置関係を情報処理装置100からより高精度に特定し、適切なタイミングで照射可能である。
図19は、従来のフルガントリー、ハーフガントリーにおけるX線発生部20と検出部21との相対位置関係と、本発明におけるX線発生部と検出部との相対位置関係を模式的に示す図である。図19(a)は、本発明に係る回転ガントリーではない荷電粒子ビーム照射システムにおけるX線発生部と検出部の配置例を示す図であり、図19(b)は、フルガントリーにおけるX線発生部と検出部の相対位置関係を示す図であり、図19(c)は、ハーフガントリーにおけるX線発生部と検出部の相対位置関係を示す図である。図19(a)~図19(c)における点線は、照射される荷電粒子ビームの複数の軌道から生成される仮想平面P(17)を示している。また、F1、F2は、それぞれ、検出部を示しており、X1、X2は、X線発生部を示している。また、上流、下流については、上流が荷電粒子ビーム照射装置の荷電粒子ビームの発生源側であり、下流が荷電粒子ビームの出射側を示している。
図19(a)と図19(b)及び図19(c)を比較すれば明らかなように、本発明に係る回転ガントリーではない荷電粒子ビーム照射システムと、従来のフルガントリーやハーフガントリーとは、X線発生部(X1、X2)と検出部(F1、F2)との対を結ぶ軸、即ち、X線発生部X1と検出部F1を結ぶ線と、X線発生部X2と検出部F2を結ぶ線(共に不図示)が、仮想平面P上で交差するという点において共通する。その一方で、本発明に係る回転ガントリーではない荷電粒子ビーム照射システムと、従来のフルガントリーやハーフガントリーとでは、装置の上流から下流への向きが、仮想平面Pに対して、平行になるか、直交するか、という点において相違するといえる。また、図19(a)と、図19(c)とを比較すれば明らかなように、本発明に係る回転ガントリーではない荷電粒子ビーム照射システムと、従来のフルガントリーとは、全ての検出部がX線発生部よりも上流側に位置するか否かという点において相違する。さらに、図19(a)と、図19(b)とを比較すれば明らかなように、双方は、X線発生部(X1、X2)と検出部(F1、F2)は仮想平面Pを挟み同一側にあるかないかで相違する。以上のことから、本発明に係る回転ガントリーではない荷電粒子ビーム照射システムの特徴の一つとして、(i)X線発生部と検出部のそれぞれが仮想平面Pに対して同一側に存在しないこと、(ii)全ての検出部(又はX線発生部)がX線発生部(又は検出部)に対して上流側に配されていること、との2つの条件を満たしていることが挙げられる。
<まとめ>
上記実施の形態に係る荷電粒子ビーム照射システムにおいては、荷電粒子ビームを照射する装置として、回転式ガントリーを使用せずに、第1のX線発生部と第2のX線発生部を、荷電粒子ビーム照射装置が選択できる前記荷電粒子ビームの複数の軌道により形成される仮想平面の面対称に配置し、前記荷電粒子ビームが前記荷電粒子ビーム照射装置に入射する側を上流側、前記荷電粒子ビームが前記荷電粒子ビーム照射装置から出射される側を下流側としたときに、第1の検出部と第2の検出部は、第1のX線発生部と第2のX線発生部よりも上流または下流に位置することで、荷電粒子ビーム照射装置の巨大化を抑制しつつ、X線を用いて呼吸同期法を実現することができる。
X線発生部と検出部を荷電粒子ビーム照射装置の左右の地面と天井に配置することで、照射装置から分離されるため、治療ビーム照射時にX線発生部と検出部を退避することなく、患者周りのスペースが広く確保される。よって、X線発生部と検出部の設置精度が挿入/退避による駆動で変わることはなく、治療精度が低下しない。また、治療照射角度を変更しつつ、患者位置決めを行うことが可能であり、治療時間の短縮が可能となり、治療室あたりの治療患者数を増加させることができる。さらに、治療台がアイソセンタ周りに回転するスペースを確保しつつ、X線撮像を一定の幾何学的配置で患者の位置を確認することができ、ノンコプラナ照射における治療精度が向上する。
呼吸同期照射において、一連の治療中に、患者位置決めと照射中の体内モニタとして取得される画像が、照射角度に依らず同じ幾何学的配置で評価することができる。患者位置決めの際は呼吸性移動の影響の少ない骨を基準とし、さらに呼吸性移動する臓器の動きと骨の相対位置関係を考慮した位置決めが必要となり、2段階の位置確認が行われる。このとき、患者位置決め時と体内モニタ時の2対のX線発生部と検出部の幾何学的配置が同じであるため、呼吸同期照射の治療精度が向上する。
<変形例>
上記実施形態に示す荷電粒子ビーム照射システム及び情報処理装置100は、上記実施形態に示した態様に限定するものではない。適宜、当業者の知見内で変更することが可能である。以下、各種変形例について説明する。
(1) 上記情報処理装置100は、学習モデル143を学習するための学習部を備えることとしてもよい。即ち、複数の教師データに基づいて、所定のアルゴリズムにしたがって学習を行って、学習モデル143を生成する機能を備えてもよい。
また、情報処理装置100は、学習モデル143に対して、新たな教師データの入力を受けつけて再学習する再学習部を備えることとしてもよい。再学習部を備えることで、より多くの教師データ(知見)を得ることで、推定の精度を向上させることができる。
(2) 上記実施形態においては学習モデル143が1つである場合を説明しているが、学習モデル143は、複数あってもよい。即ち、学習モデル143は、例えば、治療の対象となる臓器ごとに作成されてもよい。臓器ごとに学習モデル143を細分化することで、より精度の高い学習を行うことができ、精度の高い荷電粒子ビームの照射を実現することができる。
(3) 上記実施形態において、学習モデル143は、治療を受ける患者ごとに作成されてよく、その場合に、学習モデル143は、患者の治療部位をアノテーションの情報として、X線画像に付与し、学習を行うものであってもよい。患者ごとに学習モデル143を生成することで、より精度の高い荷電粒子ビームの照射を実現することができる。またさらに、学習モデル143は治療を受ける該当の患者において治療前に撮像される事前の画像情報等から構築する場合だけでなく、これまでに治療を実施した不特定の患者のX線画像等の患者データから該当患者の治療前に構築する場合もある。これにより、学習データ数の増加による治療精度の向上が期待できる。このアプローチでは、呼吸性移動を伴う臓器の治療時における照射制御だけでなく、骨のX線画像を用いる骨格位置決めの位置決め精度向上も期待される。
(4) 上記実施形態において、X線と仮想平面17とが成す角度は任意であり、X線発生部20が、移動車両10の移動の妨げにならない荷電粒子ビーム照射装置の両脇に備える構成になっていればよい。このとき、X線発生部20は、なるべく荷電粒子ビーム照射装置の近傍に設けられた方が、治療室の巨大化を防止することができるが、荷電粒子ビーム照射装置の筐体や治療位置にあるときの移動車両10が、X線画像の取得の妨げにならない位置に配することが望ましい。また、上記実施形態においては、二つのX線発生部20と対応する検出部21を設ける例を示したが、これは、一対であってもよいし、二対よりも多くのX線発生部と対応する検出部の対を設けることとしてもよい。
(5) 本開示の各実施形態のプログラムは、情報処理装置に読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供されてもよい。記憶媒体は、「一時的でない有形の媒体」に、プログラムを記憶可能であってよい。プログラムは、例えば、ソフトウェアプログラムや情報処理装置プログラムを含んでよい。
記憶媒体は適切な場合、1つ又は複数の半導体ベースの、又は他の集積回路(IC)(例えば、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、特定用途向けIC(ASIC)等)、ハード・ディスク・ドライブ(HDD)、ハイブリッド・ハード・ドライブ(HHD)、光ディスク、光ディスクドライブ(ODD)、光磁気ディスク、光磁気ドライブ、フロッピィ・ディスケット、フロッピィ・ディスク・ドライブ(FDD)、磁気テープ、固体ドライブ(SSD)、RAMドライブ、セキュア・デジタル・カードもしくはドライブ、任意の他の適切な記憶媒体、又はこれらの2つ以上の適切な組合せを含むことができる。記憶媒体は、適切な場合、揮発性、不揮発性、又は揮発性と不揮発性の組合せであってよい。
また、本開示のプログラムは、当該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して、情報処理装置100に提供されてもよい。
また、本開示の各実施形態は、プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
なお、本開示のプログラムは、例えば、JavaScript(登録商標)、Python等のスクリプト言語、C言語、Go言語、Swift,Koltin、Java(登録商標)等の任意のプログラミング言語を用いて実装されてよい。
(6) 本発明は、情報処理装置100による荷電粒子ビーム照射装置からの荷電粒子ビームの制御方法であってもよい。即ち、本発明の一態様は、荷電粒子ビームを偏向することで、アイソセンタへの荷電粒子ビームの照射角を連続的に変える偏向電磁石と、前記偏向電磁石の有効磁場領域の出射側の形状に沿って連続的に移動する照射ノズルと、を備える荷電粒子ビーム照射装置と、X線を照射するX線発生部と、前記X線を検出する検出部と、を備え、前記偏向電磁石から出射した荷電粒子ビームは前記照射ノズルを通り、前記アイソセンタに照射され、前記X線発生部と前記検出部とを結ぶ仮想線は、前記照射ノズルから前記アイソセンタに対して照射する荷電粒子ビームにより形成される仮想平面に対して、平行にならずに交わるように前記X線発生部と前記検出部とが配置された荷電粒子ビーム照射システムによる荷電粒子ビームの照射制御方法であって、情報処理装置が、前記検出部により検出されたX線画像を受け付ける第1受付ステップと、荷電粒子ビームによる治療を受ける患者の治療部位の情報を受け付ける第2受付ステップと、前記検出部により検出されたX線画像と、当該X線画像における臓器の位置との関係を学習した学習モデルと、前記第1受付ステップにおいて受け付けたX線画像と、前記第2受付ステップにおいて受け付けた前記患者の治療部位の情報と、を用いて前記荷電粒子ビームを照射するタイミングを制御する制御ステップと、を実行する。
(7) 図16に示すフローチャートの処理は同様の結果が得られる範囲内で適宜変更可能である。例えば、ステップS1601とステップS1602の処理は、ステップS1602の処理の方が先に実行されてもよく、ステップS1601の処理とステップS1602の処理とは同時に実行されることとしてもよい。
1 荷電粒子ビーム照射システム
10 移動車両
11 照射ノズル
15 治療台
16 アーム
20、20a、20b X線発生部
21、21a、21b 検出部
50 荷電粒子ビーム照射装置
70 振分電磁石
80 偏向電磁石
100 情報処理装置
110 通信部
120 入力部
130 制御部
131 治療制御部
132 X線制御部
140 計算部
141 画像処理部
142 記憶部
143 学習モデル
150 出力部

Claims (4)

  1. 加速器から出射されたのち、輸送された荷電粒子ビームが入射して、アイソセンタに向かって出射することができる荷電粒子ビーム照射装置と、
    第1のX線発生部と第1の検出部、第2のX線発生部と第2の検出部とを有しており、
    第1のX線発生部と第2のX線発生部から発生するX線はアイソセンタを通過して、それぞれ第1の検出部と第2の検出部により検出され、
    第1のX線発生部と第2のX線発生部は、前記荷電粒子ビーム照射装置が選択できる前記荷電粒子ビームの複数の軌道により形成される仮想平面を挟むように配置され、
    前記荷電粒子ビームが前記荷電粒子ビーム照射装置に入射する側を上流側、前記荷電粒子ビームが前記荷電粒子ビーム照射装置から出射される側を下流側としたときに、第1の検出部と第2の検出部は、第1のX線発生部と第2のX線発生部よりも上流または下流に位置する、
    荷電粒子ビーム照射システム。
  2. 前記複数の軌道が、前記荷電粒子ビーム照射装置に一定の間隔を持って固定して設置された照射部から照射されるものである、請求項1に記載の荷電粒子ビーム照射システム。
  3. 前記第1のX線発生部と前記第2のX線発生部とは、前記仮想平面に対して面対称に配される、請求項1に記載の荷電粒子ビーム照射システム。
  4. 前記複数の軌道が、前記荷電粒子ビームの経路を挟むように配置されたコイル対を備えた収束電磁石の影響により形成され、
    前記収束電磁石は、
    前記コイル対に電流を入力すると、荷電粒子ビームの進行方向(X軸)に直交する方向(Z軸)に磁場が向いた有効磁場領域を生成するよう構成されており、ここで、X軸とZ軸の両方に直交する軸をY軸とし、
    XY面において、
    偏向起点QにてX軸に対する偏向角φで偏向し、前記有効磁場領域に入射した荷電粒子ビームは、前記有効磁場領域により偏向され、X軸に対する照射角θでアイソセンタに照射され、
    前記有効磁場領域の荷電粒子ビームの出射側の境界上の任意の点P2は、前記アイソセンタから等距離r1の位置にあり、
    前記有効磁場領域の荷電粒子ビームの入射側の境界上の点P1と前記点P2は、半径r2及び中心角(θ+φ)の円弧上にあり、
    前記偏向起点Qと前記点P1との間の距離Rは、前記偏向起点Qと前記アイソセンタとの間の距離をLとすると、関係式(4):
    Figure 2024023107000004
    を満たす、請求項1に記載の荷電粒子ビーム照射システム。
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