JP2024021817A - 紙パウチ及び内容物入り紙パウチ - Google Patents

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Abstract

【課題】容易に注出部を開く。【解決手段】紙パウチ1は、互いに対向されて横方向D2における両縁部において互いにシールされた胴部2と、胴部2の縦方向D1における一方側の端部から胴部2の間に折り込まれて胴部2A及び胴部2Bとシールされた底部3と、を有し、少なくとも胴部2が紙基材層4とシーラント層6とを有する積層シート7により形成されている。胴部2は、収容領域12を形成する本体部15と、収容領域12から延びる注出路14を形成する注出部16と、注出部16から本体部15まで延びるエンボス線17と、を有し、紙パウチ1における紙基材層4の重量割合は50%超であり、紙基材層4の坪量は50g/m2以上120g/m2以下であり、本体部15におけるエンボス線17の長さは注出部16におけるエンボス線17の長さよりも長い。【選択図】図1

Description

本発明は、紙基材層とシーラント層とを有する積層シートを用いた紙パウチ及び内容物入り紙パウチに関する。
従来、詰め替え用ボトル等の容器に対して内容物を詰め替えるために、一対の胴部と一対の胴部の間に折り込まれた底部とがヒートシールされた樹脂フィルム製のスタンディングパウチが用いられている。このようなスタンディングパウチでは、一対の胴部の上端隅部(角部)が内容物を注ぎ出すための注出部となっており、この注出部をハサミ等で切断することで、内容物を注ぎ出すようになっている。
近年、資源の有効な利用の促進に関する法律の改正に伴い、家庭から排出される紙製容器包装に紙マークを表示することが義務化されるようになった。紙マークを表示するためには、紙の重量比が50%を超えることが必要になる。しかしながら、スタンディングパウチにおける紙の重量比を50%以上とすると、注出部の腰が強くなるため、注出部をハサミ等で切断しても、注出部が開かず内容物を注ぎ出すことができない場合がある。
そこで、特許文献1には、紙基材の占める重量が50%以上になるスタンディングパウチにおいて、注出部に、注出部の先端部をハサミ等で切り取って注出部を指で挟み込むことにより折れ曲がる組立用罫線を施すことが記載されている。このスタンディングパウチでは、注出部の先端部をハサミ等で切り取って注出部を指で挟み込むことにより、注出部が開いた状態で保形されるため、傾けるようにスタンディングパウチを持ち上げることで、内容物を詰め替え用ボトル等の容器へ注入することができる。
特開2009―057071号公報
しかしながら、スタンディングパウチでは、一対の胴部が対向した状態で互いにシールされており、収容領域の最大容量よりも少ない量の内容物が収容領域に収容されるため、内容物よりも上方の位置では、一対の胴部が互いに貼り付いて閉塞した状態となっている。このため、紙基材の占める重量が50%以上になると、先端部が切断された注出部を指で挟み込んで開口しようとしても、紙基材の腰により一対の胴部が閉塞したままとなって、注出部を開きにくいという問題がある。
そこで、本発明は、容易に注出部を開くことができる紙パウチ及び内容物入り紙パウチを提供することを課題とする。
本発明に係る紙パウチは、以下の通りである。
[1]
互いに対向されて横方向における両縁部において互いにシールされた一対の胴部と、前記一対の胴部の前記横方向と直交する縦方向における一方側の端部から前記一対の胴部の間に折り込まれて前記一対の胴部とシールされた底部と、を有し、少なくとも前記一対の胴部が紙基材層とシーラント層とを有する積層シートにより形成され、内部に形成される収容領域に内容物が収容されることで自立可能となる紙パウチであって、前記一対の胴部のそれぞれは、前記収容領域を形成する本体部と、前記収容領域に収容された前記内容物を注ぎ出すために前記収容領域から延びる注出路を形成する注出部と、前記注出部から前記本体部まで延びるエンボス線と、を有し、前記紙パウチにおける前記紙基材層の重量割合は、50%超であり、前記紙基材層の坪量は、50g/m以上120g/m以下であり、前記本体部における前記エンボス線の長さは、前記注出部における前記エンボス線の長さよりも長い、紙パウチ。
この紙パウチでは、一対の胴部が、互いに対向されて横方向における両縁部において互いにシールされているため、収容領域に内容物が収容された状態においては、内容物よりも上方の位置において一対の胴部が互いに貼り付いて閉塞した状態になっている。また、少なくとも一対の胴部が紙基材層とシーラント層とを有する積層シートにより形成され、紙パウチにおける紙基材層の重量割合が50%超であり、紙基材層の坪量が50g/m以上120g/m以下であるため、紙基材の腰により一対の胴部の保形性が高められている。しかしながら、一対の胴部のそれぞれは、注出部から本体部まで延びるエンボス線において腰が弱められている。このため、紙パウチに内容物が収容された内容物入り紙パウチにおいて、ハサミ等で先端部が切断された注出部を指で挟み込むと、エンボス線で一対の胴部のそれぞれが折り曲げられることで注出部が開くとともに、この注出部での一対の胴部の折り曲げがエンボス線に沿って本体部に伝達される。これにより、一対の胴部の間に、エンボス線に沿って注出部から本体部まで延びる空間が開かれる。また、本体部におけるエンボス線の長さが注出部におけるエンボス線の長さよりも長いため、注出部から導入される空気がエンボス線に沿って収容領域の奥まで導入される。これにより、収容領域の奥においても一対の胴部が開きやすくなるため、容易に注出部を開くことができる。
[2]
前記一対の胴部は、互いに前記縦方向に対向して前記横方向に延びる上辺部及び底辺部と、互いに前記横方に対向して前記縦方向に延びる第一側辺部及び第二側辺部と、を有し、前記注出部は、前記上辺部と前記第一側辺部との間の隅部に位置しており、前記一対の胴部のシールされているシール部は、前記第一側辺部に沿って前記縦方向に延びる第一サイドシール部と、前記第一サイドシール部の前記縦方向における前記上辺部側の先端に接続されて、前記注出部の外縁に沿って注出路を囲むように延びる注出シール部と、前記第二側辺部に沿って前記縦方向に延びる第二サイドシール部と、前記第一サイドシール部の前記縦方向における前記底辺部側の先端と前記第二サイドシール部の前記縦方向における前記底辺部側の先端とに接続された底シール部と、を有する、[1]に記載の紙パウチ。この紙パウチでは、一対の胴部のシール部が、第一サイドシール部、注出シール部、第二サイドシール部、及び底シール部を有することで、内部に収容領域を形成することができるとともに、収容領域に内容物が収容されることで自立可能とすることができる。また、注出部が上辺部と第一側辺部との間の隅部に位置していることで、注出部を容易に形成することができるとともに、紙パウチを自立させた状態で注出部を切断した際に内容物がこぼれるのを抑制することができる。
[3]
前記エンボス線の前記本体部側の先端は、前記一対の胴部を前記横方向に三等分した場合の中央に位置する横中央領域及び前記一対の胴部の前記横方向における中央から前記第二側辺部側に位置する横奥領域の何れかの領域に位置している、[1]に記載の紙パウチ。この紙パウチでは、エンボス線の本体部側の先端が、一対の胴部を横方向に三等分した場合の中央に位置する横中央領域に位置していることで、注出部を開くために先端部が切断された注出部を指で挟み込んだ際に、この注出部での一対の胴部の折り曲げがエンボス線に沿って本体部に伝達されることで、一対の胴部の間に注出部から横中央領域まで延びる空間が形成される。これにより、エンボス線が長くなり過ぎるのを抑制しつつ、更に容易に注出部を開くことができる。また、この紙パウチでは、エンボス線の本体部側の先端が、一対の胴部の横方向における中央から第二側辺部側に位置する横奥領域に位置していることで、注出部を開くために先端部が切断された注出部を指で挟み込んだ際に、この注出部での一対の胴部の折り曲げがエンボス線に沿って本体部に伝達されることで、一対の胴部の間に注出部から横奥領域まで延びる空間が形成される。これにより、更に容易に注出部を開くことができる。
[4]
前記エンボス線の前記本体部側の先端は、前記一対の胴部を前記縦方向に三等分した場合の中央に位置する縦中央領域及び前記一対の胴部の前記縦方向における中央から前記上辺部側に位置する上領域の何れかの領域に位置している、[2]又は[3]に記載の紙パウチ。この紙パウチでは、エンボス線の本体部側の先端が、一対の胴部を縦方向に三等分した場合の中央に位置する縦中央領域に位置していることで、注出部を開くために先端部が切断された注出部を指で挟み込んだ際に、この注出部での一対の胴部の折り曲げがエンボス線に沿って本体部に伝達されることで、一対の胴部の間に注出部から縦中央領域まで延びる空間が形成される。これにより、エンボス線が長くなり過ぎるのを抑制しつつ、更に容易に注出部を開くことができる。また、この紙パウチでは、エンボス線の本体部側の先端が、一対の胴部の縦方向における中央から上辺部側に位置する上領域に位置していることで、エンボス線が長くなり過ぎるのを抑制することができる。これにより、エンボス線の形成により一対の胴部にシワやヨレが生じるのを抑制することができるとともに、シワやヨレにより一対の胴部が互いにずれてシールされるのを抑制することができる。
[5]
前記第一サイドシール部は、前記注出シール部の近傍において前記注出シール部に向かうに従い前記第二サイドシール部側に拡幅された拡幅部、を有し、前記エンボス線の前記本体部側の先端は、前記拡幅部において最も拡幅された最大拡幅部を通って前記横方向に延びる基準線から前記底辺部側に位置する基準線下領域に位置している、[2]~[4]の何れか一つに記載の紙パウチ。この紙パウチでは、サイドシール部が、注出シール部の近傍において注出シール部に向かうに従い第二サイドシール部側に拡幅された拡幅部を有するため、拡幅部において最も拡幅された最大拡幅部を通って横方向に延びる基準線においては、一対の胴部を互いに貼り付けて閉塞させようとする力が大きくなる。そこで、エンボス線の本体部側の先端が基準線下領域に位置していることで、このような一対の胴部を互いに貼り付けて閉塞させようとする力に抗して、基準線よりも底辺部側まで一対の胴部を折り曲げることができるとともに、注出部から導入される空気を基準線よりも底辺部側までに導入することができる。これにより、更に容易に注出部を開くことができる。
[6]
前記エンボス線の前記注出部側の先端部は、前記注出路の延在方向に延びており、前記エンボス線の前記本体部側の先端部は、前記注出路の前記延在方向に対して前記底辺部側に傾斜した方向に延びている、[2]~[5]の何れか一つに記載の紙パウチ。この紙パウチでは、エンボス線の注出部側の先端部が注出路の延在方向に延びており、エンボス線の本体部側の先端部が注出路の延在方向に対して底辺部側に傾斜した方向に延びていることで、エンボス線を、注出部からより遠い位置まで延ばすことができる。これにより、更に容易に注出部を開くことができる。
[7]
前記エンボス線は、湾曲しながら延びる形状、屈曲した形状、実線状に延びる形状、及び破線状に延びる形状の少なくとも一つの形状を有する、[1]~[6]の何れか一つに記載の紙パウチ。この紙パウチでは、エンボス線が湾曲しながら延びる形状を有することで、エンボス線の形状自由度を高めることができる。また、この紙パウチでは、エンボス線が屈曲した形状を有することで、エンボス線の形状自由度を高めることができる。また、この紙パウチでは、エンボス線が実線状に延びる形状を有することで、先端部が切断された注出部を指で挟み込んで注出部を開いた際の、一対の胴部の折り曲げ及び注出部から導入される空気の収容領域の奥までの導入を容易に行うことができる。また、この紙パウチでは、エンボス線が破線状に延びる形状を有することで、つまり、エンボス線が一列に配列された複数の線分により形成されていることで、エンボス線の延びる方向を容易に変えることができる。なお、エンボス線が破線状に延びていても、先端部が切断された注出部を指で挟み込んで注出部を開いた際の一対の胴部の折り曲げは、各線分に順次伝達されていくため、一対の胴部の折り曲げ及び注出部から導入される空気の収容領域の奥までの導入を行うことができる。
[8]
前記一対の胴部のそれぞれは、前記エンボス線と隣り合うように前記注出部に形成された補助エンボス線を有する、[1]~[7]の何れか一つに記載の紙パウチ。この紙パウチでは、一対の胴部のそれぞれが、エンボス線と隣り合うように注出部に形成された補助エンボス線を有することで、注出部の腰を更に弱めることができる。これにより、先端部が切断された注出部を指で挟み込んだ際に、更に容易に注出部を開くことができる。
[9]
前記エンボス線と前記補助エンボス線との最小離間距離は、前記エンボス線の最大幅以下である、[8]に記載の紙パウチ。この紙パウチでは、エンボス線と補助エンボス線との最小離間距離がエンボス線の最大幅以下であることで、補助エンボス線の形成可能数を増やすことができる。
[10]
前記エンボス線の最大幅は、1.5mm以上3.5mm以下である、[1]~[9]の何れか一つに記載の紙パウチ。この紙パウチでは、エンボス線の最大幅が1.5mm以上であることで、エンボス線の形成により一対の胴部が破れるのを抑制することができる。一方、エンボス線の最大幅が3.5mm以下であることで、エンボス線を容易に形成することができる。
[11]
前記エンボス線は、前記注出部側の先端から前記本体部側に向けて幅が広がる第一先端部と、前記本体部側の先端から前記注出部側に向けて幅が広がる第二先端部と、前記第一先端部から前記第二先端部まで同一幅で延びる中間部と、を有する、[1]~[10]の何れか一つに記載の紙パウチ。この紙パウチでは、中間部が第一先端部から第二先端部まで同一幅で延びることで、エンボス線を容易に形成することができるとともに、エンボス線の形成により一対の胴部が破れるのを抑制することができる。
本発明に係る内容物入り紙パウチは、以下の通りである。
[12]
上記の何れかに記載の紙パウチと、前記紙パウチの前記収容領域に収容された内容物と、を備える、内容物入り紙パウチ。この内容物入り紙パウチでは、上記の何れかの紙パウチを備えるため、容易に注出部を開くことができる。
[13]
前記エンボス線の前記本体部側の先端は、前記内容物入り紙パウチが自立している状態において、前記内容物の高さ位置よりも下方に位置している、[12]に記載の内容物入り紙パウチ。この内容物入り紙パウチでは、エンボス線の本体部側の先端が、紙パウチが自立している状態において、内容物の高さ位置よりも下方に位置していることで、注出部を開くために先端部が切断された注出部を指で挟み込んだ際に、一対の胴部の折り曲げを内容物まで伝達することができるとともに、注出部から導入される空気を内容物まで導入することができる。これにより、更に容易に注出部を開いて内容物を注ぎ出すことができる。
本発明によれば、容易に注出部を開くことができる。
実施形態に係る紙パウチを示す正面図である。 図1に示すII-II線における断面図である。 エンボス線を説明するための断面図である。 紙パウチの他の例を示す正面図である。 紙パウチの他の例を示す正面図である。 紙パウチの他の例を示す正面図である。 紙パウチの他の例を示す正面図である。 エンボス線の本体部側の先端の位置を説明するための図である。 エンボス線の本体部側の先端の位置を説明するための図である。 エンボス線の本体部側の先端の位置を説明するための図である。 実施形態に係る内容物入り紙パウチを示す正面図である。 実施形態に係る内容物入り紙パウチを示す斜視図である。 紙パウチの製造方法の例を示すフロー図である。 変形例の紙パウチを示す正面図である。 評価結果を示す表である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
[紙パウチ]
図1は、実施形態に係る紙パウチを示す正面図である。図1に示す紙パウチ1は、資源の有効な利用の促進に関する法律に基づく紙マークを表示することが可能で、内容物が収容されることで自立するスタンディングパウチであり、詰め替え用ボトル等の容器(不図示)に対する内容物の詰め替え等に用いられる。紙パウチ1の上下等の方向は、紙パウチ1が自立した際の上下等の方向をいう。また、紙パウチ1の上下の方向を縦方向D1といい、縦方向D1と直交する方向を横方向D2という。
図2は、図1に示すII-II線における断面図である。図1及び図2に示すように、紙パウチ1は、互いに対向された一対の胴部である胴部2A及び胴部2Bと、胴部2Aと胴部2Bとの間に折り込まれた底部3と、を備える。そして、紙パウチ1は、その内部に、内容物を収容するための収容領域12が形成されている。収容領域12は、胴部2A、胴部2B、及び底部3により形成される。なお、胴部2Aと胴部2Bとは、互いに同じ形状、構造等を有しているため、以下では、特に分けて説明する場合を除き、胴部2A及び胴部2Bを胴部2として纏めて説明する。
胴部2は、紙基材層4と、バリア層5と、シーラント層6と、が積層された積層シート7により形成されている。紙基材層4は、紙のシートにより形成された層である。紙基材層4の材料は、特に限定されるものではないが、例えば、晒クラフト紙とすることができる。バリア層5は、気体及び液体の通過を阻止するバリア性を有する層である。バリア層5の材料は、特に限定されるものではないが、例えば、アルミ蒸着フィルム(例えば、VM-PET)とすることができる。シーラント層6は、熱により溶融して他のシートに溶着可能な層である。つまり、シーラント層6は、ヒートシール可能な層である。シーラント層6の材料は、特に限定されるものではないが、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)とすることができる。紙基材層4、バリア層5、及びシーラント層6は、例えば、接着剤による接着により互いに積層されている。紙基材層4、バリア層5、及びシーラント層6を互い接着する接着剤の材料は、特に限定されるものではないが、例えば、有機溶剤型エステル系接着剤、無溶剤型エステル系接着剤とすることができる。なお、積層シート7では、紙基材層4のシーラント層6とは反対側に、コート層等の他の層が積層されていてもよい。
底部3は、基材層8と、バリア層9と、シーラント層10と、が積層された積層シート11により形成されている。バリア層9は、気体及び液体の通過を阻止するバリア性を有する層である。基材層8の材料は、特に限定されるものではないが、例えば、紙、熱可塑性樹脂とすることができる。紙は、例えば、晒クラフト紙とすることができる。熱可塑性樹脂は、例えば、ナイロン(Ny)、ポリプロピレン(PP)、高密度ポリエチレン(HDPE)とすることができる。基材層8が熱可塑性樹脂である場合は延伸フィルムであってよく、一軸延伸フィルムもしくは二軸延伸フィルムであってよい。バリア層9の材料は、特に限定されるものではないが、例えば、アルミ蒸着フィルム(例えば、VM-PET)とすることができる。シーラント層10は、熱により溶融して他のシートに溶着可能な層である。つまり、シーラント層10は、ヒートシール可能な層である。シーラント層10の材料は、特に限定されるものではないが、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)とすることができる。
紙パウチ1における紙基材層4の重量割合は、50%超である。つまり、紙パウチ1に紙マークを表示可能とするために、紙パウチ1の全重量に対する紙の重量の割合が50%超となっている。
紙基材層4の坪量は、50g/m以上120g/m以下である。この場合、胴部2に適度な腰を付与できる観点から、紙基材層4の坪量は、好ましくは60g/m以上であり、より好ましくは80g/m以上である。一方、胴部2の保形性が過度に大きくなるのを抑制できる観点から、紙基材層4の坪量は、好ましくは110g/m以下であり、より好ましくは100g/m以下である。なお、保形性とは、形状を保持しようとする性質であり、形状保持性ともいう。これらの観点から、紙基材層4の坪量は、好ましくは60g/m以上110g/m以下であり、より好ましくは80g/m以上100g/m以下である。
胴部2A及び胴部2Bは、略矩形状に形成されて、それぞれのシーラント層6が対向するように互いに重ね合わされている。底部3は、略矩形状に形成されて、その下端が胴部2A及び胴部2Bの下端と合わさるとともに、そのシーラント層10が胴部2A及び胴部2Bのシーラント層6と対向するように、胴部2A及び胴部2Bの間に折り込まれている。つまり、底部3は、胴部2A側に位置する第一底部3aと胴部2B側に位置する第二底部3bとが折り畳まれた状態となっている。
そして、紙パウチ1の内部に内容物を収容可能とするために、胴部2A及び胴部2Bが、その上端部の少なくとも一部を除き、その外縁部において互いに又は底部3とヒートシールされている。これにより、内容物を収容するための収容領域12と、収容領域12に内容物を注入するために収容領域12を開口する注入口13と、収容領域12に収容された内容物を注ぎ出すために収容領域12から延びる注出路14と、が形成されている。収容領域12に対して注出路14が延びる方向は、特に限定されるものではないが、例えば、縦方向D1及び横方向D2に対して傾斜した方向である。
胴部2は、略矩形に形成されて収容領域12を形成する本体部15と、本体部15から突出して注出路14を形成する注出部16と、エンボス線17と、を有する。また、胴部2は、互いに縦方向D1に対向する上辺部15a及び底辺部15bと、互いに横方向D2に対向する第一側辺部15c及び第二側辺部15dと、を有する。上辺部15aは、本体部15の外縁部を成すとともに、胴部2の上辺に沿って横方向D2に延びる部分である。底辺部15bは、本体部15の外縁部を成すとともに、胴部2の底辺に沿って横方向D2に延びる部分である。第一側辺部15cは、本体部15の外縁部を成すとともに、胴部2の一方の側辺に沿って縦方向D1に延びる部分である。第二側辺部15dは、本体部15の外縁部を成すとともに、胴部2の他方の側辺に沿って縦方向D1に延びる部分である。
注出部16は、胴部2の上辺部15aと第一側辺部15cとの間の隅部15eに位置している。隅部は、角部ともいう。注出部16は、例えば、隅部15eにおいて上辺部15a及び第一側辺部15cを切り欠くことにより形成することができる。つまり、上辺部15aの横方向D2における第一側辺部15c側の端部に第一切欠き18を形成するとともに、第一側辺部15cの縦方向D1における上辺部15a側の端部に第二切欠き19を形成することで、注出部16を形成することができる。
胴部2A及び胴部2Bの、互いに又は底部3とヒートシールされている部分を、シール部20という。シール部20は、第一サイドシール部21と、注出シール部22と、第二サイドシール部23と、底シール部24と、を有する。
第一サイドシール部21は、胴部2Aと胴部2Bとが互いにヒートシールされている部分である。第一サイドシール部21は、第一側辺部15cに沿って縦方向D1に延びている。
注出シール部22は、胴部2Aと胴部2Bとが互いにヒートシールされている部分である。注出シール部22は、第一サイドシール部21の上端に接続されて、注出部16の外縁に沿って注出路14を囲むように延びている。注出路14は、注出シール部22に囲まれて胴部2Aと胴部2Bとが互いにヒートシールされていない部分である。このため、注出シール部22により、注出路14が画成される。
第二サイドシール部23は、胴部2Aと胴部2Bとが互いにヒートシールされている部分である。第二サイドシール部23は、第二側辺部15dに沿って縦方向D1に延びている。
底シール部24は、胴部2A及び胴部2Bと底部3とがヒートされている部分である。つまり、底シール部24は、胴部2Aと第一底部3aとがヒートシールされている部分、及び胴部2Bと第二底部3bとがヒートされている部分である。底シール部24は、第一サイドシール部21の下端と第二サイドシール部23の下端とに接続されている。
また、第一サイドシール部21は、注出シール部22の近傍において注出シール部22に向かうに従い第二サイドシール部23側に拡幅された拡幅部26を有する。拡幅部26は、注出シール部22を適切に形成するためのものである。拡幅部26における、第二サイドシール部23側に最も拡幅された部分を、最大拡幅部26aという。
注出シール部22の上端と第二サイドシール部23の上端との間に位置する上辺部15aは、胴部2Aと胴部2Bとが互いにヒートシールされていない。この上辺部15aの胴部2Aと胴部2Bとが互いにヒートシールされていない部分が、注入口13となる。但し、上辺部15aの一部に注入口13が形成されていれば、上辺部15aの一部において胴部2A及び胴部2Bが互いにヒートシールされていてもよい。
また、紙パウチ1では、内容物が収容された際に安定して自立するように、第一底部3a及び第二底部3bの横方向D2における両端部が半月状に切り取られて、胴部2Aと胴部2Bとが部分的にヒートシールされている。この第一底部3a及び第二底部3bが半月状に切り取られて胴部2Aと胴部2Bとが部分的にヒートシールされている部分を、ポイントシール部25という。
エンボス線17は、胴部2の腰を弱めるものである。また、エンボス線17は、先端部が切断された注出部16を指で挟み込んだ際に、胴部2を折り曲げることで注出部16を開き、この注出部16での胴部2の折り曲げを本体部15に伝達して、注出部16を開きやすくするためのものである。
収容領域12に収容されている内容物の注ぎ出しは、注出部16をハサミ等で切断し、注出部16を指で挟み込んで注出部16を開き、紙パウチ1を傾けることにより行う。しかしながら、胴部2Aと胴部2Bとが、互いに対向されて横方向D2における両縁部において互いにシールされている。このため、収容領域12に内容物が収容された状態においては、内容物よりも上方の位置において胴部2Aと胴部2Bとが互いに貼り付いて閉塞した状態になっている。そして、胴部2は、紙基材層4を有することで、このような紙基材層を有しない場合に比べて腰が強くなっている。このため、内容物を注ぎ出すために注出部16をハサミ等で切断して注出部16を指で挟み込んでも、本体部15における胴部2Aと胴部2Bとの貼り付きにより、注出部16を開きにくい状態となっている。そこで、エンボス線17は、注出部16をハサミ等で切断して注出部16を指で挟み込んだ際に、注出部16において折り曲げられるとともに、この注出部16での折り曲げを本体部15まで伝達して、注出部16を開きやすくするために、注出部16から本体部15まで延びている。また、本体部15におけるエンボス線17の長さは、注出部16におけるエンボス線17の長さよりも長くなっている。
図3は、エンボス線を説明するための断面図である。図1及び図3に示すように、エンボス線17は、胴部2をエンボス加工することにより胴部2に形成された線である。胴部2の表裏面のうち、一方側の面では、エンボス線17が凸状の線となり、他方側の面では、エンボス線17が凹状の線となる。エンボス線17の断面形状は、例えば、C字状である。エンボス線17は、紙パウチ1の外側に向けて凸となっている。つまり、胴部2Aに形成されたエンボス線17は、胴部2Bとは反対側に向けて凸となっており、胴部2Bに形成されたエンボス線17は、胴部2Aとは反対側に向けて凸となっている。積層シート7においては、エンボス線17は、シーラント層6側から紙基材層4側に凸となっている。
図1に示すように、エンボス線17は、例えば、注出部16側の先端17aから本体部15側に向けて幅が広がる第一先端部17bと、本体部15側の先端17cから注出部16側に向けて幅が広がる第二先端部17dと、第一先端部17bから第二先端部17dまで同一幅で延びる中間部17eと、を有する。ここで、エンボス線17を形成する際は、所定の幅を設計値としてエンボス加工を行うが、エンボス加工の精度はそれほど高くないため、実施に形成されるエンボス線17の幅は、設計値の±20%程度となる。このため、中間部17eの同一幅とは、中間部17eの幅が完全に同一である場合の他、±20%程度の製造誤差を含んだ範囲を意味する。
エンボス線17の形状は、全体として線状に形成されていれば、特に限定されるものではない。例えば、エンボス線17は、直線状に延びる形状を有してもよく、曲線状に延びる形状を有してもよい。また、エンボス線17は、湾曲しながら延びる形状を有してもよく、屈曲した形状を有してもよい。例えば、エンボス線17は、湾曲した湾曲部17f(図1参照)を有してもよく、屈曲した屈曲部17g(図4参照)を有してもよい。また、エンボス線17は、1本の線により形成されていてもよく、複数本の線に分割されていてもよい。エンボス線17が複数本の線に分割されている場合、分割された各線は、互いに接続されていてもよく、互いに離間していてもよい。また、エンボス線17は、実線状に延びる形状を有していてもよく、破線状に延びる形状を有していてもよい。つまり、エンボス線17は、実線状に形成されていてもよく、破線状に形成されていてもよい。エンボス線17が実線状に延びる形状を有する(実線状に形成されている)とは、エンボス線17が途中で途切れることなく始端から終端まで連続して形成されていることをいう。エンボス線17が破線状に延びる形状を有する(破線状に形成されている)とは、エンボス線17に所定の間隔で切れ目が形成されて、エンボス線17が一列に配列された複数の短い線分により形成されていることをいう。エンボス線17の全体又は一部が実線状に延びる形状を有してもよく、エンボス線17の全体又は一部が破線状に延びる形状を有してもよい。なお、エンボス線17は、上述した直線状、湾曲状、屈曲状、実線状、破線状等の形状が適宜組み合わせられた形状であってもよい。
湾曲部17fにおける曲率半径は、特に限定されるものではない。例えば、注出部16での胴部2の折り曲げを本体部15に良好に伝達するとともに、エンボス線17の形成により胴部2が破れるのを抑制できる観点から、湾曲部17fにおける曲率半径は、好ましくは3cm以上、より好ましくは5cm以上、更に好ましくは8cmmm以上である。なお、湾曲部17fにおける曲率半径の最大値は、特に限定されるものではない。
屈曲部17gにより屈曲されたエンボス線17の成す角度θ(図4参照)は、特に限定されるものではない。例えば、注出部16での胴部2の折り曲げを本体部15に良好に伝達するとともに、エンボス線17の形成により胴部2が破れるのを抑制できる観点から、屈曲部17gにより屈曲されたエンボス線17の成す角度θは、好ましくは100度以上、より好ましくは110度以上、更に好ましくは130度以上である。なお、屈曲部17gにより屈曲されたエンボス線17の成す角度θの最大値は、180度未満である。
エンボス線17が、一列に配列された複数の短い線分により破線状に形成されている場合、各線分の間隔は、特に限定されるものではない。例えば、エンボス線17の形成により胴部2が破れるのを抑制できる観点から、各線分の間隔は、好ましくは1.5mm以上、より好ましくは1.8mm以上、更に好ましくは2.0mm以上である。一方、注出部16での胴部2の折り曲げを本体部15に良好に伝達することができる観点から、各線分の間隔は、好ましくは4.0mm以下、より好ましくは3.6mm以下、更に好ましくは3.0mm以下である。
エンボス線17が、エンボス線17が複数本の線に分割されている場合、又は一列に配列された複数の短い線分により破線状に形成されている場合、各線又は各線分が、注出部16側の先端17aから本体部15側に向けて幅が広がる第一先端部17bと、本体部15側の先端17cから注出部16側に向けて幅が広がる第二先端部17dと、第一先端部17bから第二先端部17dまで同一幅で延びる中間部17eと、を有してもよい。
図1に示す紙パウチ1のエンボス線17は、実線状に延びている。エンボス線17は、湾曲した湾曲部17fを有することで、エンボス線17の注出部16側の先端部17hが注出路14の延在方向D4に延びており、エンボス線17の本体部15側の先端部17iが注出路14の延在方向D4に対して底辺部15b側に傾斜した方向に延びている。注出部16の延在方向D4は、収容領域12に対して注出路14が延びる方向である。
図4は、紙パウチの他の例を示す正面図である。図4に示す紙パウチ1のエンボス線17は、実線状に延びている。このエンボス線17は、屈曲した屈曲部17gを有することで、エンボス線17の注出部16側の先端部17hが注出路14の延在方向D4に延びており、エンボス線17の本体部15側の先端部17iが注出路14の延在方向D4に対して底辺部15b側に傾斜した方向に延びている。
図5は、紙パウチの他の例を示す正面図である。図5に示す紙パウチ1のエンボス線17は、互いに離間された第一線17jと第二線17kとに分割されている。第一線17j及び第二線17kは、実線状に延びている。第一線17jは、注出路14の延在方向D4に直線状に延びており、第二線17kは、注出路14の延在方向D4に対して底辺部15b側に傾斜した方向に直線状に延びている。
図6は、紙パウチの他の例を示す正面図である。図6に示す紙パウチ1のエンボス線17は、破線状に延びている。つまり、このエンボス線17は、互いに離間した複数の短い線分17mにより形成されている。このエンボス線17は、一部又は全ての線分17mの向きが徐々に変わることで、エンボス線17を形成する複数の線分17mのうち、注出部16側の端に位置する線分17m1が、注出路14の延在方向D4に直線状に延びており、本体部15側の端に位置する線分17m2が、注出路14の延在方向D4に対して底辺部15b側に傾斜した方向に直線状に延びている。
図7は、紙パウチの他の例を示す正面図である。図7に示す紙パウチ1のエンボス線17は、実線状に延びている。このエンボス線17は、注出路14の延在方向D4に直線状に延びている。つまり、このエンボス線17は、注出部16側の先端から本体部15側の先端まで直線状に延びている。
エンボス線17の本体部15側の先端17cの位置は、特に限定されるものではない。
図8は、エンボス線の本体部側の先端の位置を説明するための図である。図8に示すように、胴部2を横方向D2に三等分した場合の各領域を、第一側辺部15c側から第二側辺部15d側に向かって、横第一領域RA1、横中央領域RA2、及び横第二領域RA3とする。この場合、エンボス線17の本体部15側の先端17cは、横第一領域RA1、横中央領域RA2、及び横第二領域RA3の何れの領域に位置していてもよいが、エンボス線17が長くなり過ぎるのを抑制しつつ更に容易に注出部16を開くことができる観点から、横中央領域RA2に位置していていることが好ましい。なお、注出部16を開きやすくする観点からは、エンボス線17が長すぎても特に問題はないが、エンボス線17が長すぎると、エンボス線17の形成により胴部2にシワやヨレが発生しやすくなるため、エンボス線17は必要以上に長すぎないことが好ましい。
また、図8に示すように、胴部2を縦方向D1に三等分した場合の各領域を、上辺部15a側から底辺部15b側に向かって、縦上領域RB1、縦中央領域RB2、及び縦底領域RB3とする。この場合、エンボス線17の本体部15側の先端17cは、縦上領域RB1、縦中央領域RB2、及び縦底領域RB3の何れの領域に位置していてもよいが、エンボス線17が長くなり過ぎるのを抑制しつつ更に容易に注出部16を開くことができる観点から、縦中央領域RB2に位置していていることが好ましい。
図9は、エンボス線の本体部側の先端の位置を説明するための図である。図9に示すように、胴部2の横方向D2における中央から第二側辺部15d側に位置する領域を横奥領域RC1とし、胴部2の横方向D2における中央よりも第一側辺部15c側に位置する領域を横手前領域RC2とする。この場合、エンボス線17の本体部15側の先端17cは、横奥領域RC1及び横手前領域RC2の何れの領域に位置していてもよいが、更に容易に注出部16を開くことができる観点から、横奥領域RC1に位置していることが好ましい。
また、図9に示すように、胴部2の縦方向D1における中央から上辺部15a側に位置する領域を縦上領域RD1とし、胴部2の縦方向D1における中央よりも底辺部15b側に位置する領域を縦底領域RD2とする。この場合、エンボス線17の本体部15側の先端17cは、縦上領域RD1及び縦底領域RD2の何れの領域に位置してもよいが、エンボス線17が長くなり過ぎるのを抑制できる観点から、縦上領域RD1に位置していることが好ましい。
図10は、エンボス線の本体部側の先端の位置を説明するための図である。図10に示すように、第一サイドシール部21の最大拡幅部26aを通って横方向D2に延びる仮想線を、基準線L2とする。また、基準線L2から底辺部15b側の領域を基準線下領域RE1とし、基準線L2よりも上辺部15a側の領域を基準線上領域RE2とする。この場合、エンボス線17の本体部15側の先端17cは、基準線下領域RE1に位置してもよく、基準線上領域RE2に位置してもよい。ここで、基準線L2においては、収容領域12が狭くなっているため、胴部2Aと胴部2Bとを互いに貼り付けて閉塞させようとする力が大きくなっている。このため、エンボス線17の本体部15側の先端17cは、更に容易に注出部16を開くことができる観点から、基準線下領域RE1に位置していることが好ましい。つまり、エンボス線17は、基準線L2を越えて基準線L2の上辺部15a側から基準線L2の底辺部15b側まで延びていることが好ましい。
図3に示すように、先端部が切断された注出部16を指で挟み込んだ際に容易に注出部を開くことができる観点から、エンボス線17の最大高さは、好ましくは50μm以上、より好ましくは80μm以上、より好ましくは140μm以上、更に好ましくは200μm以上である。一方、エンボス線17を形成するためには、凸状の雄型と凹状の雌型とにより胴部2を挟み込むため、エンボス線17の最大高さHが大きすぎると、胴部2が破れる可能性がある。そこで、エンボス線17の形成により胴部2が破れるのを抑制できる観点から、エンボス線17の最大高さHは、好ましくは500μm以下であり、より好ましくは400μm以下であり、更に好ましくは300μmである。これらの観点から、エンボス線17の最大高さHは、好ましくは50μm以上500μm以下であり、より好ましくは80μm以上400μm以下、より好ましくは140μm以上300μmであり、更に好ましくは200μm以上300μmである。エンボス線17の最大高さHは、胴部2のエンボス線17が凸となる側の表面2aにおける、エンボス線17の幅方向D3における両端P1,P1を結んだ仮想線L1からエンボス線17が最も高くなる位置P2までの高さである。
エンボス線17の形成により胴部2が破れるのを抑制できる観点から、エンボス線17の最大幅Wは、好ましくは1.5mm以上、より好ましくは1.8mm以上、更に好ましくは2.0mm以上である。一方、エンボス線17を容易に形成することができる観点から、エンボス線17の最大幅Wは、好ましくは3.5mm以下、より好ましくは3.2mm以下、更に好ましくは3.0mm以下である。これらの観点から、エンボス線17の最大幅Wは、好ましくは1.5mm以上3.5mm以下、より好ましくは1.8mm以上3.2mm以下、更に好ましくは2.0mm以上3.0mm以下である。エンボス線17の最大幅Wは、エンボス線17が延びる方向と直交する方向におけるエンボス線17の幅の最大値である。
[内容物入り紙パウチ]
図11は、実施形態に係る内容物入り紙パウチを示す正面図である。図12は、実施形態に係る内容物入り紙パウチを示す斜視図である。図11及び図12に示す内容物入り紙パウチ101は、上述した紙パウチ1に内容物102を収容したものである。図11及び図12に示すように、内容物入り紙パウチ101は、紙パウチ1と、紙パウチ1の収容領域12に収容された内容物102と、を備える。
内容物102は、特に限定されるものではないが、液体であることが好ましい。内容物102としては、例えば、液体洗剤、洗浄剤、薬品、化粧品、シャンプー、リンス等の日用品、液体調味料、スープ、ヨーグルト、清涼飲料、食用油等の食品、及び潤滑油、工業用油等の工業製品が挙げられる。
内容物入り紙パウチ101では、紙パウチ1は、収容領域12に内容物102が収容された状態で、注入口13(図1参照)が封止されている。つまり、注入口13において胴部2Aと胴部2Bとが互いにヒートシールされていることで、上辺部15aに沿って横方向D2に延びる上シール部103が形成されている。上シール部103は、胴部2Aと胴部2Bとが互いにヒートシールされている部分である。これにより、内容物102が紙パウチ1に密封された状態となっている。
このように構成される内容物入り紙パウチ101では、内容物102が紙パウチ1の収容領域12に収容された内容物102が胴部2A、胴部2B、及び底部3を開き、胴部2A及び胴部2Bの底辺部15bが円弧状に広がることで、自立可能な状態となる。
ここで、エンボス線17の本体部15側の先端17cは、内容物入り紙パウチ101が自立している状態において、内容物102の高さ位置HPよりも上方に位置していてもよく、内容物102の高さ位置HPよりも下方に位置していてもよいが、更に容易に注出部16を開いて内容物102を注ぎ出すことができる観点から、内容物102の高さ位置HPよりも下方に位置していることが好ましい。
[紙パウチの製造方法]
図13は、紙パウチの製造方法の例を示すフロー図である。図13に示すように、紙パウチ1を製造する際は、まず、胴部2A及び胴部2Bの母材である2枚の胴部用積層シート(不図示)と、底部3の母材である底部用積層シート(不図示)と、を用意する。胴部用積層シートは、胴部2A及び胴部2Bと同様に、紙基材層4と、バリア層5と、シーラント層6と、が積層された積層シート7により形成されている。底部用積層シートは、底部3と同様に、バリア層9と、シーラント層10と、が積層された積層シート11により形成されている。なお、用意する胴部用積層シート及び底部用積層シートには、予め商品名等の表示が印刷されていてもよい。
次に、エンボス工程を行う(ステップS1)。ステップS1のエンボス工程では、2枚の胴部用積層シートのそれぞれに、エンボス加工によりエンボス線17を形成する。
次に、2枚の胴部用積層シートを、それぞれのシーラント層6が対向するように互いに重ね合わせるとともに、底部用積層シートを、そのシーラント層10が2枚の胴部用積層シートのそれぞれのシーラント層6と対向するように、2枚の胴部用積層シートの間に折り込む。
次に、底シール工程を行う(ステップS2)。ステップS2の底シール工程では、2枚の胴部用積層シートと底部用積層シートとをヒートシールして、底シール部24を形成する。その後、第一冷却工程を行う(ステップS3)。ステップS3の第一冷却工程では、底シール部24を冷却して、底シール部24での2枚の胴部用積層シートと底部用積層シートとのヒートシールを定着させる。
次に、スポットシール工程(ステップS4)及びサイドシール工程(ステップS5)を行う。ステップS4のスポットシール工程では、2枚の胴部用積層シートを互いにヒートシールすることで、ポイントシール部25を形成する。ステップS5のサイドシール工程では、2枚の胴部用積層シートを互いにヒートシールすることで、第一サイドシール部21、注出シール部22、及び第二サイドシール部23を形成する。その後、サイド冷却工程を行う(ステップS6)。ステップS6のサイド冷却工程では、ポイントシール部25、第一サイドシール部21、注出シール部22、及び第二サイドシール部23を冷却して、第一サイドシール部21、注出シール部22、及び第二サイドシール部23での2枚の胴部用積層シートのヒートシールを定着させる。
次に、打抜工程を行う(ステップS7)。ステップS7の打抜工程では、ステップS6により得られた中間品を、トムソン刃等の刃物を用いて、紙パウチ1の外形に沿って打抜く。これにより、紙パウチ1が製造される。
内容物入り紙パウチ101を製造する際は、このように製造された紙パウチ1を用意し、注入口13から収容領域12に内容物102を注入し、注入口13において胴部2Aと胴部2Bとを互いにヒートシールすることで上シール部103を形成する。これにより、紙パウチ1に内容物102が密封された内容物入り紙パウチ101が製造される。
[内容物の詰替手順]
内容物入り紙パウチ101を用いて詰め替え用ボトル等の容器(不図示)に内容物102を詰め替える場合は、まず、ハサミ等で注出部16を切断して、注出路14を紙パウチ1の外部に開放する。このとき、注出部16に、印刷等により切断予定線(不図示)が表されている場合は、切断予定線に沿って注出部16を切断することが好ましい。
次に、注出部16を開くために注出部16を指で挟み込む。すると、エンボス線17で胴部2が折り曲げられることで注出部16が開くとともに、この注出部16での胴部2の折り曲げがエンボス線17に沿って本体部15に伝達される。これにより、胴部2Aと胴部2Bとの間に、エンボス線17に沿って注出部16から本体部15まで延びる空間が開かれる。また、注出部16から導入された空気がエンボス線17に沿って収容領域12の奥まで導入される。これにより、注出部16が開かれた状態が保持されるとともに、収容領域12に更に空気が入り込んで、内容物から注出部16に至る空間が形成される。
次に、紙パウチ1を持ち上げて傾けることで、注出部16から容器に内容物102を注ぎ出す。その後、紙パウチ1内の内容物102のほぼ全てが容器に詰め替えられると、内容物102の詰め替えが終了する。
以上説明したように、本実施形態に係る紙パウチ1では、胴部2A及び胴部2Bが、互いに対向されて横方向D2における両縁部において互いにシールされているため、収容領域12に内容物102が収容された状態においては、内容物102よりも上方の位置において胴部2A及び胴部2Bが互いに貼り付いて閉塞した状態になっている。また、胴部2が紙基材層4とシーラント層6とを有する積層シート7により形成され、紙パウチ1における紙基材層4の重量割合が50%超であり、紙基材層4の坪量が50g/m以上120g/m以下であるため、紙基材層4の腰により胴部2の保形性が高められている。しかしながら、胴部2は、注出部16から本体部15まで延びるエンボス線17において腰が弱められている。このため、紙パウチ1に内容物102が収容された内容物入り紙パウチ101において、ハサミ等で先端部が切断された注出部16を指で挟み込むと、エンボス線17で胴部2が折り曲げられることで注出部16が開くとともに、この注出部16での胴部2の折り曲げがエンボス線17に沿って本体部15に伝達される。これにより、胴部2Aと胴部2Bとの間に、エンボス線17に沿って注出部16から本体部15まで延びる空間が開かれる。また、本体部15におけるエンボス線17の長さが注出部16におけるエンボス線17の長さよりも長いため、注出部16から導入される空気がエンボス線17に沿って収容領域12の奥まで導入される。これにより、収容領域12の奥においても胴部2A及び胴部2Bが開きやすくなるため、容易に注出部16を開くことができる。
また、この紙パウチ1では、エンボス線17が紙パウチ1の外側に向けて凸となっていることで、先端部が切断された注出部16を指で挟み込むことで、注出部16が開く方向にエンボス線17を折り曲げやすくなる。しかも、先端部が切断された注出部16を指で挟み込んだ際に、胴部2Aと胴部2Bとの間のエンボス線17の窪みを通って、注出部16から導入された空気を収容領域12の奥まで誘導することができる。これにより、更に容易に注出部16を開くことができる。
また、この紙パウチ1では、胴部2のシール部20が、第一サイドシール部21、注出シール部22、第二サイドシール部23、及び底シール部24を有することで、内部に収容領域12を形成することができるとともに、収容領域12に内容物102が収容されることで自立可能とすることができる。また、注出部16が上辺部15aと第一側辺部15cとの間の隅部15eに位置していることで、注出部16を容易に形成することができるとともに、紙パウチ1を自立させた状態で注出部16を切断した際に内容物102がこぼれるのを抑制することができる。
また、この紙パウチ1では、エンボス線17の本体部15側の先端17cが、胴部2を横方向D2に三等分した場合の中央に位置する横中央領域RA2に位置していることで、注出部16を開くために先端部が切断された注出部16を指で挟み込んだ際に、この注出部16での胴部2の折り曲げがエンボス線17に沿って本体部15に伝達されることで、胴部2Aと胴部2Bとの間に注出部16から横中央領域RA2まで延びる空間が形成される。これにより、エンボス線17が長くなり過ぎるのを抑制しつつ、更に容易に注出部16を開くことができる。
また、この紙パウチ1では、エンボス線17の本体部15側の先端17cが、胴部2の横方向D2における中央から第二側辺部15d側に位置する横奥領域RC1に位置していることで、注出部16を開くために先端部が切断された注出部16を指で挟み込んだ際に、この注出部16での胴部2の折り曲げがエンボス線17に沿って本体部15に伝達されることで、胴部2Aと胴部2Bとの間に注出部16から横奥領域RC1まで延びる空間が形成される。これにより、更に容易に注出部16を開くことができる。
また、この紙パウチ1では、エンボス線17の本体部15側の先端17cが、胴部2を縦方向D1に三等分した場合の中央に位置する縦中央領域RB2に位置していることで、注出部16を開くために先端部が切断された注出部16を指で挟み込んだ際に、この注出部16での胴部2の折り曲げがエンボス線17に沿って本体部15に伝達されることで、胴部2Aと胴部2Bとの間に注出部16から縦中央領域RB2まで延びる空間が形成される。これにより、エンボス線17が長くなり過ぎるのを抑制しつつ、更に容易に注出部16を開くことができる。
また、この紙パウチ1では、エンボス線17の本体部15側の先端17cが、胴部2の縦方向D1における中央から上辺部15a側に位置する縦上領域RD1に位置していることで、エンボス線17が長くなり過ぎるのを抑制することができる。これにより、エンボス線17の形成により胴部2にシワやヨレが生じるのを抑制することができるとともに、シワやヨレにより胴部2A及び胴部2Bが互いにずれてシールされるのを抑制することができる。
また、この紙パウチ1では、第一サイドシール部21が、注出シール部22の近傍において注出シール部22に向かうに従い第二サイドシール部23側に拡幅された拡幅部26を有するため、拡幅部26において最も拡幅された最大拡幅部26aを通って横方向D2に延びる基準線L2においては、胴部2Aと胴部2Bとを互いに貼り付けて閉塞させようとする力が大きくなる。そこで、エンボス線17の本体部15側の先端17cが基準線下領域RE1に位置していることで、このような胴部2Aと胴部2Bとを互いに貼り付けて閉塞させようとする力に抗して、基準線L2よりも底辺部15b側まで胴部2を折り曲げることができるとともに、注出部16から導入される空気を基準線L2よりも底辺部15b側までに導入することができる。これにより、更に容易に注出部16を開くことができる。
また、この紙パウチ1では、エンボス線17の注出部16側の先端部17hが注出路14の延在方向D4に延びており、エンボス線17の本体部15側の先端部17iが注出路14の延在方向D4に対して底辺部15b側に傾斜した方向に延びていることで、エンボス線17を、注出部16からより遠い位置まで延ばすことができる。これにより、更に容易に注出部16を開くことができる。
また、この紙パウチ1では、エンボス線17が湾曲部17fを有することで、エンボス線17の形状自由度を高めることができる。
また、この紙パウチ1では、エンボス線17が屈曲部17gを有することで、エンボス線17の形状自由度を高めることができる。
また、この紙パウチ1では、エンボス線17が実線状に延びる形状を有することで、先端部が切断された注出部16を指で挟み込んで注出部16を開いた際の、胴部2の折り曲げ及び注出部16から導入される空気の収容領域12の奥までの導入を容易に行うことができる。
また、この紙パウチ1では、エンボス線17が破線状に延びる形状を有することで、つまり、エンボス線17が一列に配列された複数の線分17mにより形成されていることで、エンボス線17の延びる方向を容易に変えることができる。なお、エンボス線17が破線状に延びていても、先端部が切断された注出部16を指で挟み込んで注出部16を開いた際の胴部2の折り曲げは、各線分17mに順次伝達されていくため、胴部2の折り曲げ及び注出部16から導入される空気の収容領域12の奥までの導入を行うことができる。
また、この紙パウチ1では、エンボス線17の最大幅Wが1.5mm以上であることで、エンボス線17の形成により胴部2が破れるのを抑制することができる。一方、エンボス線17の最大幅Wが3.5mm以下であることで、エンボス線17を容易に形成することができる。
また、この紙パウチ1では、エンボス線17の最大高さHが50μm以上であることで、先端部が切断された注出部16を指で挟み込んだ際に、更に容易に注出部16を開くことができる。一方、エンボス線17の最大高さHが500μm以下であることで、エンボス線17の形成により胴部2が破れるのを抑制することができる。
また、この紙パウチ1では、中間部17eが第一先端部17bから第二先端部17dまで同一幅で延びることで、エンボス線17を容易に形成することができるとともに、エンボス線17の形成により胴部2が破れるのを抑制することができる。
本実施形態に係る内容物入り紙パウチ101では、上述した紙パウチ1を備えるため、容易に注出部16を開くことができる。
また、この内容物入り紙パウチ101では、エンボス線17の本体部15側の先端17cが、紙パウチ1が自立している状態において、内容物102の高さ位置HPよりも下方に位置していることで、注出部16を開くために先端部が切断された注出部16を指で挟み込んだ際に、胴部2の折り曲げを内容物102まで伝達することができるとともに、注出部16から導入される空気を内容物102まで導入することができる。これにより、更に容易に注出部16を開いて内容物102を注ぎ出すことができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他のものに適用してもよい。
例えば、上記実施形態では、一対の胴部のそれぞれ及び底部は、バリア層を有する積層シートにより形成されるものとして説明したが、紙パウチにバリア性が求められない場合は、バリア層を有しない積層シートにより形成されていてもよい。また、上記実施形態では、底部は、紙基材層を有しない積層シートにより形成されているものとして説明したが、紙基材層を有する積層シートにより形成されていてもよい。また、これらの積層シートは、他の層を有していてもよい。
また、上記実施形態では、注出部は、本体部の隅部に位置しているものとして説明したが、注出部の位置は特に限定されるものではない。但し、注出部を切断した際に内容物がこぼれるのを抑制する観点から、注出部は、本体部の上部に位置していることが好ましい。
また、上記実施形態では、注出部を形成するために、上辺部及び第一側辺部に第一切欠き及び第二切欠きを形成するものとして説明したが、このような第一切欠き及び第二切欠きが形成されていないものとしてもよい。注出部が如何なる形状であっても、注出シール部により任意の形状の注出路を形成することができるため、例えば、第一切欠き及び第二切欠きのない矩形の胴部の隅部に注出部が形成されていてもよい。
また、上記実施形態では、一対の胴部のそれぞれが一本のエンボス線を有するものとして説明したが、一対の胴部のそれぞれが複数本のエンボス線を有するものとしてもよい。また、一対の胴部のそれぞれは、エンボス線と隣り合うように注出部に形成された1又は複数の補助エンボス線を更に有してもよい。
図14は、変形例の紙パウチを示す正面図である。図14に示す紙パウチ1Aでは、一対の胴部2A及び2Bのそれぞれは、エンボス線17と隣り合うように注出部16に形成された2本の補助エンボス線30,30を更に有している。
2本の補助エンボス線30,30は、エンボス線17と同様にエンボス加工により形成された線であり、形成位置及び線形状のみエンボス線17と相違する。2本の補助エンボス線30は、エンボス線17を挟んだ両側に位置して、エンボス線17に沿うように注出路14の延在方向D4に延びている。なお、補助エンボス線30は、本体部15まで延びていてもよいが、その場合、本体部15における補助エンボス線30の長さは、注出部16における補助エンボス線30の長さよりも短くなっている。エンボス線17と補助エンボス線30との最小離間距離は、特に限定されるものではないが、補助エンボス線30の形成可能数を増やすことができる観点から、エンボス線17の最大幅W以下であることが好ましい。
このように、一対の胴部2A及び胴部2Bのそれぞれが、エンボス線17と隣り合うように注出部16に形成された補助エンボス線30を有することで、注出部16の腰を更に弱めることができる。これにより、先端部が切断された注出部16を指で挟み込んだ際に、更に容易に注出部16を開くことができる。
また、エンボス線17と補助エンボス線30との最小離間距離がエンボス線17の最大幅W以下であることで、補助エンボス線の形成可能数を増やすことができる。
次に、本発明の実施例について説明する。但し、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(比較例1)
坪量が80g/mの紙基材と、厚みが12μmのアルミ蒸着バリアフィルム(VM-PET、東レフィルム加工株式会社製)と、厚みが50μmの低密度ポリエチレンフィルム(タマポリ株式会社製)と、を積層し、これらを有機溶剤型エステル系接着剤(LX500,DICグラフィックス株式会社製)により接着することで、三層構造の胴部用積層フィルムを得た。また、厚みが15μmの二軸延伸ナイロンフィルム(ボニールRX,興人フィルム&ケミカルズ株式会社製)と、厚みが60μmの低密度ポリエチレンフィルム(SE602F,タマポリ株式会社製)と、を積層し、これらを有機溶剤型エステル系接着剤(LX500,DICグラフィックス株式会社製)により接着することで、二層構造の底部用積層フィルムを得た。
次に、胴部用積層シートをエンボス加工することで、胴部用積層シートに3本のエンボス線を形成した。次に、2枚の胴部用積層シートを、それぞれの低密度ポリエチレンフィルムが対向するように互いに重ね合わせるとともに、底部用積層シートを、その低密度ポリエチレンフィルムが2枚の胴部用積層シートのそれぞれの低密度ポリエチレンフィルムと対向するように、2枚の胴部用積層シートの間に折り込んだ。次に、2枚の胴部用積層シートと底部用積層シートとをヒートシールして底シール部を形成し、その後、底シール部を冷却した。次に、2枚の胴部用積層シートの間で折り畳まれている底部用積層シートを互いにヒートシールしてスポットシール部を形成し、2枚の胴部用積層シートを互いにヒートシールすることで、第一サイドシール部、注出シール部、及び第二サイドシール部を形成し、その後、スポットシール部、第一サイドシール部、注出シール部、及び第二サイドシール部を冷却した。そして、得られた中間体を、トムソン刃を用いて紙パウチの外形に沿って打抜くことで、比較例1の紙パウチを製造した。製造した紙パウチにおける紙基材層の重量割合は、51%であった。また、製造された紙パウチでは、エンボス線が注出部にのみ形成されており、エンボス線の高さが100~200μm以下、エンボス線の幅が2~3mmであった。その後、製造された紙パウチに、注入口から化粧水を収容し、その後、注入口において一対の胴部を互いにヒートシーして内容物を密封することで、内容物入り紙パウチを製造した。
その後、製造した内容物入り紙パウチを用いて、3人の被験者による注出試験を行った。注出試験では、ハサミで注出部を切断し、注出部を指で挟み込んで注出部を開くことで開封し、その後、紙パウチを持ち上げて傾け、紙パウチから内容物を注ぎ出した。そして、開封時における注出部の開きやすさと、注ぎ始め、注ぎ中、及び注ぎ終わりの各段階における注ぎやすさと、を評価した。
開封時における注出部の開きやすさの評価では、開きやすかった場合を3点、少し開きにくかったが開いた場合を2点、開きにくかった又は開かなかった場合を1点とし、3人の被験者の平均点を評価値とした。注ぎやすさの評価では、スムーズに注出部から内容物が注ぎ出された場合を3点、再度注出部を軽く指で挟み込まないと注出部から内容物が注ぎ出されなかった場合を2点、再度注出部を強く指で挟み込まないと注出部から内容物が注ぎ出されなかった場合を1点とし、3人の被験者の平均点を評価値とした。評価結果を図15に示す。
(実施例1)
エンボス線を注出部から本体部まで延ばし、本体部におけるエンボス線の長さが注出部におけるエンボス線の長さよりも長くなるように、エンボス線の本体部側の先端を、紙パウチの上端からパウチの高さの1/3となる位置としたことを除き、比較例1と同条件で内容物入り紙パウチを製造した。そして、製造した内容物入り紙パウチを用いて、比較例1と同様の注出試験を行い、注出部の開きやすさの評価及び注ぎやすさの評価を行った。評価結果を図15に示す。
(実施例2)
エンボス線を注出部から本体部まで延ばし、本体部におけるエンボス線の長さが注出部におけるエンボス線の長さよりも長くなるように、エンボス線の本体部側の先端を、内容物の高さ位置よりも下方に位置させて、エンボス線を内容物に到達させたことを除き、比較例1と同条件で内容物入り紙パウチを製造した。そして、製造した内容物入り紙パウチを用いて、比較例1と同様の注出試験を行い、注出部の開きやすさの評価及び注ぎやすさの評価を行った。評価結果を図15に示す。
(評価)
図15に示すように、開封時における注出部の開きやすさの評価では、比較例1は1.0であったのに対し、実施例1及び2は2.0以上であった。このような結果から、エンボス線を本体部まで延ばすととともに、本体部におけるエンボス線の長さを注出部におけるエンボス線の長さよりも長くすることで、容易に注出部を開くことができると推察される。また、注ぎやすさの評価では、実施例1及び2は全て3.0であったが、比較例1は、注ぎ始め及び注ぎ終わりの各段階で2.3以下であった。このような結果から、エンボス線が注出部にしか形成されていないと、注出部を開いても収容領域が十分に開かないため、一旦注出部を指で挟み込んで開いても、注出部が閉じようとして内容物を注ぎにくくなったものと推察される。一方、エンボス線を本体部まで延ばすととともに、本体部におけるエンボス線の長さを注出部におけるエンボス線の長さよりも長くすることで、注出部を開いた際に収容領域が十分に開き、再度注出部を指で挟み込まなくても、注出部が開かれた状態が保持されたものと推察される。
1…紙パウチ、1A…紙パウチ、2…胴部(一対の胴部)、2A…胴部、2B…胴部、2a…表面、3…底部、3a…第一底部、3b…第二底部、4…紙基材層、5…バリア層、6…シーラント層、7…積層シート、8…基材層、9…バリア層、10…シーラント層、11…積層シート、12…収容領域、13…注入口、14…注出路、15…本体部、15a…上辺部、15b…底辺部、15c…第一側辺部、15d…第二側辺部、15e…隅部、16…注出部、17…エンボス線、17a…先端、17b…第一先端部、17c…先端、17d…第二先端部、17e…中間部、17f…湾曲部、17g…屈曲部、17h…先端部、17i…先端部、17j…第一線、17k…第二線、17m…線分、17m1…線分、17m2…線分、18…第一切欠き、19…第二切欠き、20…シール部、21…第一サイドシール部、22…注出シール部、23…第二サイドシール部、24…底シール部、25…ポイントシール部、26…拡幅部、26a…最大拡幅部、30…補助エンボス線、101…内容物入り紙パウチ、102…内容物、103…上シール部、D1…縦方向、D2…横方向、D3…幅方向、D4…延在方向、HP…高さ位置、L1…仮想線、L2…基準線、P1…両端、P2…位置、RA1…横第一領域、RA2…横中央領域、RA3…横第二領域、RB1…縦上領域、RB2…縦中央領域、RB3…縦底領域、RC1…横奥領域、RC2…横手前領域、RD1…縦上領域、RD2…縦底領域、W…最大幅、θ…角度。

Claims (13)

  1. 互いに対向されて横方向における両縁部において互いにシールされた一対の胴部と、前記一対の胴部の前記横方向と直交する縦方向における一方側の端部から前記一対の胴部の間に折り込まれて前記一対の胴部とシールされた底部と、を有し、少なくとも前記一対の胴部が紙基材層とシーラント層とを有する積層シートにより形成され、内部に形成される収容領域に内容物が収容されることで自立可能となる紙パウチであって、
    前記一対の胴部のそれぞれは、前記収容領域を形成する本体部と、前記収容領域に収容された前記内容物を注ぎ出すために前記収容領域から延びる注出路を形成する注出部と、前記注出部から前記本体部まで延びるエンボス線と、を有し、
    前記紙パウチにおける前記紙基材層の重量割合は、50%超であり、
    前記紙基材層の坪量は、50g/m以上120g/m以下であり、
    前記本体部における前記エンボス線の長さは、前記注出部における前記エンボス線の長さよりも長い、
    紙パウチ。
  2. 前記一対の胴部は、互いに前記縦方向に対向して前記横方向に延びる上辺部及び底辺部と、互いに前記横方に対向して前記縦方向に延びる第一側辺部及び第二側辺部と、を有し、
    前記注出部は、前記上辺部と前記第一側辺部との間の隅部に位置しており、
    前記一対の胴部のシールされているシール部は、
    前記第一側辺部に沿って前記縦方向に延びる第一サイドシール部と、
    前記第一サイドシール部の前記縦方向における前記上辺部側の先端に接続されて、前記注出部の外縁に沿って注出路を囲むように延びる注出シール部と、
    前記第二側辺部に沿って前記縦方向に延びる第二サイドシール部と、
    前記第一サイドシール部の前記縦方向における前記底辺部側の先端と前記第二サイドシール部の前記縦方向における前記底辺部側の先端とに接続された底シール部と、を有する、
    請求項1に記載の紙パウチ。
  3. 前記エンボス線の前記本体部側の先端は、前記一対の胴部を前記横方向に三等分した場合の中央に位置する横中央領域及び前記一対の胴部の前記横方向における中央から前記第二側辺部側に位置する横奥領域の何れかの領域に位置している、
    請求項2に記載の紙パウチ。
  4. 前記エンボス線の前記本体部側の先端は、前記一対の胴部を前記縦方向に三等分した場合の中央に位置する縦中央領域及び前記一対の胴部の前記縦方向における中央から前記上辺部側に位置する上領域の何れかの領域に位置している、
    請求項2に記載の紙パウチ。
  5. 前記第一サイドシール部は、前記注出シール部の近傍において前記注出シール部に向かうに従い前記第二サイドシール部側に拡幅された拡幅部、を有し、
    前記エンボス線の前記本体部側の先端は、前記拡幅部において最も拡幅された最大拡幅部を通って前記横方向に延びる基準線から前記底辺部側に位置する基準線下領域に位置している、
    請求項2に記載の紙パウチ。
  6. 前記エンボス線の前記注出部側の先端部は、前記注出路の延在方向に延びており、
    前記エンボス線の前記本体部側の先端部は、前記注出路の前記延在方向に対して前記底辺部側に傾斜した方向に延びている、
    請求項2に記載の紙パウチ。
  7. 前記エンボス線は、湾曲しながら延びる形状、屈曲した形状、実線状に延びる形状、及び破線状に延びる形状の少なくとも一つの形状を有する、
    請求項1に記載の紙パウチ。
  8. 前記一対の胴部のそれぞれは、前記エンボス線と隣り合うように前記注出部に形成された補助エンボス線を有する、
    請求項1に記載の紙パウチ。
  9. 前記エンボス線と前記補助エンボス線との最小離間距離は、前記エンボス線の最大幅以下である、
    請求項8に記載の紙パウチ。
  10. 前記エンボス線の最大幅は、1.5mm以上3.5mm以下である、
    請求項1に記載の紙パウチ。
  11. 前記エンボス線は、前記注出部側の先端から前記本体部側に向けて幅が広がる第一先端部と、前記本体部側の先端から前記注出部側に向けて幅が広がる第二先端部と、前記第一先端部から前記第二先端部まで同一幅で延びる中間部と、を有する、
    請求項1に記載の紙パウチ。
  12. 請求項1~11の何れか一項に記載の紙パウチと、
    前記紙パウチの前記収容領域に収容された内容物と、を備える、
    内容物入り紙パウチ。
  13. 前記エンボス線の前記本体部側の先端は、前記内容物入り紙パウチが自立している状態において、前記内容物の高さ位置よりも下方に位置している、
    請求項12に記載の内容物入り紙パウチ。

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