JP2024021758A - 抵抗変化型不揮発性メモリ - Google Patents

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Abstract

【課題】読み出しマージン拡大し、低電圧駆動及び高速動作が可能で、かつ隣接セル温度の増大を抑制可能な3次元構造の抵抗変化型不揮発性メモリを提供する。【解決手段】実施の形態に係る抵抗変化型不揮発性メモリは、コア部と、抵抗変化層と、半導体層と、絶縁体層と、第1電位印加電極と、を備えるメモリセルを備える。コア部は、半導体基板に直交する第1方向に延伸する。抵抗変化層は、第1方向に延伸し、コア部に接する。半導体層は、第1方向に延伸し、抵抗変化層に接する。絶縁体層は、第1方向に延伸し、半導体層に接する。第1電位印加電極は、第1方向に直交する第2方向に延伸し、絶縁体層に接する。半導体層の不純物濃度は不均一であり濃度分布が存在する、半導体層において絶縁体層に接する第1部分の不純物濃度は、抵抗変化層に接する第2部分の不純物濃度の少なくとも10倍以上である。【選択図】図5

Description

本発明の実施の形態は、抵抗変化型不揮発性メモリに関する。
半導体基板上にReRAM(Resistive Random Access Memory)、合金型PCM(Phase Change Memory)、iPCM(Interfacial Phase Change Memory)等の抵抗変化型記憶素子が集積化された抵抗変化型不揮発性メモリが提案されている。
特開2021-2629号公報
実施の形態が解決しようとする課題は、読み出しマージン拡大し、低電圧駆動及び高速動作が可能で、かつ隣接セル温度の増大を抑制可能な3次元構造の抵抗変化型不揮発性メモリを提供することにある。
実施の形態に係る抵抗変化型不揮発性メモリは、コア部と、抵抗変化層と、半導体層と、絶縁体層と、第1電位印加電極と、を備えるメモリセルを備える。コア部は、半導体基板に直交する第1方向に延伸する。抵抗変化層は、第1方向に延伸し、コア部に接する。半導体層は、第1方向に延伸し、抵抗変化層に接する。絶縁体層は、第1方向に延伸し、半導体層に接する。第1電位印加電極は、第1方向に直交する第2方向に延伸し、絶縁体層に接する。半導体層の不純物濃度が不均一であり濃度分布が存在する。半導体層において絶縁体層に接する第1部分の不純物濃度は、抵抗変化層に接する第2部分の不純物濃度の少なくとも10倍以上である。
実施の形態に係る抵抗変化型不揮発性メモリを適用したメモリシステムのブロック構成図。 図1のメモリセルアレイの等価回路構成図。 実施の形態に係る抵抗変化型不揮発性メモリにおいて、セレクタSWがオン状態である場合のメモリセル内を流れる電流経路を示す図。 実施の形態に係る抵抗変化型不揮発性メモリにおいて、セレクタSWがオフ状態である場合のメモリセル内を流れる電流経路を示す図。 実施の形態に係る抵抗変化型不揮発性メモリのメモリピラーMPの断面図。 実施の形態に係る抵抗変化型不揮発性メモリのメモリセルアレイの断面図。 図6Aにおいて、領域6A部分の拡大図。 図6AのA1-A1線に沿って切断した断面図。 図6AのB1-B1線に沿って切断した断面図。 図6AのC1-C1線に沿って切断した断面図。 実施の形態に係る抵抗変化型不揮発性メモリのメモリセルMCを抽出した平面図。 図6AのD1-D1線に沿って切断した断面図。 図6Aと直交する方向であって、図6AのE1-E1線に沿って切断した断面図。 図12Aにおいて、領域12A部分の拡大図。 実施の形態に係る抵抗変化型不揮発性メモリにおいて、一つのメモリセルストリングMSを抜き出した回路図。 実施の形態に係る抵抗変化型不揮発性メモリにおいて、一つのメモリセルストリングMSに対応するメモリピラーMPを抜き出した断面図。 実施の形態に係る抵抗変化型不揮発性メモリの動作波形のタイミングチャート。 抵抗変化型不揮発性メモリにおいて、ワード線WLi+1に接続される非選択セルのMOSトランジスタを流れる電流経路を示す図。 抵抗変化型不揮発性メモリにおいて、ワード線WLiに接続される選択セルの抵抗変化素子MRを流れる電流経路を示す図。 比較例に係る抵抗変化型不揮発性メモリとして、半導体層が高不純物濃度層を有する場合のワード線WLiに接続される選択セル近傍の空乏層DLSの広がりと、Reset状態とSet状態の導通電流の様子を示す図。 比較例に係る抵抗変化型不揮発性メモリとして、半導体層が低不純物濃度層を有する場合のワード線WLiに接続される選択セル近傍の空乏層DLLの広がりと、Reset状態とSet状態の導通電流の様子を示す図。 実施の形態に係る抵抗変化型不揮発性メモリにおいて、ワード線WLiに接続される選択セル近傍の空乏層DLLの広がりと、Reset状態とSet状態の導通電流に様子を示す図。 実施の形態に係る抵抗変化型不揮発性メモリにおいて、ワード線WLiに接続される選択セル近傍の抵抗変化層内の発熱領域TAiと、隣接するワード線WLi+1、WLi-1に接続される非選択セル近傍の半導体層内の発熱領域TAi+1、TAi-1の様子を模式的に示す図。 実施の形態に係る抵抗変化型不揮発性メモリにおいて、Read電流比と書き込み時のビット線BL電圧の関係のシミュレーション結果(PI:実施の形態、HDS、LDS:比較例)。 実施の形態に係る抵抗変化型不揮発性メモリにおいて、特定のPeak温度において、隣接セル温度のシミュレーション結果(PI:実施の形態、HDS、LDS:比較例)。 実施の形態に係る抵抗変化型不揮発性メモリにおいて、半導体層の不純物濃度が階段状の濃度分布を有する例。 実施の形態に係る抵抗変化型不揮発性メモリにおいて、半導体層の不純物濃度がゲート絶縁層側から抵抗変化層側に向けてなだらかに低減する濃度分布を有する例。 実施の形態に係る抵抗変化型不揮発性メモリにおいて、半導体層の不純物濃度がゲート絶縁層側が均一で、抵抗変化層側はなだらかに低減する濃度分布を有する例。 実施の形態に係る抵抗変化型不揮発性メモリにおいて、半導体層の不純物濃度が抵抗変化層側は均一で、ゲート絶縁層側がなだらかに増大する濃度分布を有する例。
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。なお、以下の説明において、同一の機能及び構成を有する構成要素については、共通する参照符号を付す。以下の説明においては、XY平面に広がる半導体基板に垂直な方向をZ方向、Z方向に直交し、ワード線WLの延伸する方向をX方向、Z方向及びX方向に垂直なビット線の延伸する方向をY方向とする。
(実施の形態)
(メモリシステム)
まず、実施の形態に係る抵抗変化型不揮発性メモリを適用したメモリシステム1のブロック構成について、図1を用いて説明する。図1に示すようにメモリシステム1は、メモリチップ100とコントローラ200とを備えている。メモリチップ100とコントローラ200とは、例えば組み合わせにより一つの半導体装置を構成しても良く、その例としてはメモリカードや、SSD等が挙げられる。
メモリチップ100は複数のメモリセルを備え、データを不揮発に記憶する。コントローラ200は、メモリバスによってメモリチップ100に接続され、ホストバスによってホスト300に接続される。そしてコントローラ200は、メモリチップ100を制御し、またホスト300から受信したホストコマンドに応答して、メモリチップ100にアクセスする。ホスト300は、例えばデジタルカメラやパーソナルコンピュータ等であり、ホストバスは、例えばメモリインターフェースに従ったバスである。メモリバスは、メモリインターフェースに従った信号の送受信を行う。
(コントローラ200の構成)
図1に示すようにコントローラ200は、ホストインターフェース回路(ホストI/F)210、内蔵メモリ(RAM:Random Access Memory)220、プロセッサ(CPU:Central Processing Unit)230、バッファメモリ240、メモリインターフェース回路(メモリI/F)250、及びECC(Error Checking and Correcting)回路260を備えている。
ホストインターフェース回路210は、ホストバスを介してホスト300と接続され、ホスト300から受信したホストコマンド及びデータを、それぞれプロセッサ230及びバッファメモリ240に転送する。またホストインターフェース回路210は、プロセッサ230の命令に応答して、バッファメモリ240内のデータをホスト300へ転送する。
プロセッサ230は、コントローラ200全体の動作を制御する。例えばプロセッサ230は、ホスト300から読み出しに関するホストコマンドを受信した際には、それに応答して、メモリインターフェース回路250にメモリチップ100への読み出しコマンド(メモリコマンド)を発行させる。プロセッサ230は、ホスト300から書き込みに関するホストコマンドを受信した際も、同様の動作を行う。またプロセッサ230は、メモリチップ100を管理するための様々な処理(ウェアレベリング等)を実行する。
メモリインターフェース回路250は、メモリバスを介してメモリチップ100と接続され、メモリチップ100との通信を管理する。そしてメモリインターフェース回路250は、プロセッサ230から受信した命令に基づき、種々の信号をメモリチップ100へ送信し、またメモリチップ100から種々の信号を受信する。バッファメモリ240は、メモリチップ100への書き込みデータやメモリチップ100からの読み出しデータを一時的に保持する。
内蔵メモリ220は、例えばDRAMやSRAM等の半導体メモリであり、プロセッサ230の作業領域として使用される。そして内蔵メモリ220は、メモリチップ100を管理するためのファームウェアや、後述するシフトテーブル、履歴テーブル、フラグテーブル等の、各種の管理テーブル等を保持する。
ECC回路260は、メモリチップ100に記憶されるデータに関する誤り検出及び誤り訂正処理を行う。すなわちECC回路260は、データの書き込み時には誤り訂正符号を生成して、これを書き込みデータに付与し、データの読み出し時にはこれを復号する。
(メモリチップ100の構成)
図1に示すようにメモリチップ100は、メモリセルアレイ110、ロウデコーダ120、ドライバ回路130、センスアンプ140、アドレスレジスタ150、コマンドレジスタ160、及びシーケンサ170を備える。
メモリセルアレイ110は、ロウ(ワード線)及びカラム(ビット線)に対応付けられた複数の不揮発性のメモリセルを含む複数のブロックBLKを備えている。図1では一例として4つのブロックBLK0~BLK3が図示されている。そしてメモリセルアレイ110は、コントローラ200から与えられたデータを記憶する。
ロウデコーダ120は、アドレスレジスタ150内のブロックアドレスBAに基づいてブロックBLK0~BLK3のいずれかを選択し、更に選択したブロックBLKにおけるワード線方向を選択する。
ドライバ回路130は、アドレスレジスタ150内のページアドレスPAに基づいて、選択されたブロックBLKに対して、ロウデコーダ120を介して電圧を供給する。ドライバ回路130は、例えばソース線ドライバ等も含む。
センスアンプ140は、ビット線BL毎に設けられるセンスアンプモジュールSAを備え、データの読み出し時には、メモリセルアレイ110から読み出されたデータをセンスし、必要な演算を行う。そして、このデータDATをコントローラ200に出力する。データの書き込み時には、コントローラ200から受信した書き込みデータDATを、メモリセルアレイ110に転送する。
アドレスレジスタ150は、コントローラ200から受信したアドレスADDを保持する。このアドレスADDには、前述のブロックアドレスBAとページアドレスPAとが含まれる。コマンドレジスタ160は、コントローラ200から受信したコマンドCMDを保持する。シーケンサ170は、コマンドレジスタ160に保持されたコマンドCMDに基づき、メモリチップ100全体の動作を制御する。
(メモリセルアレイ110の回路構成)
図2に示すように、メモリセルアレイ110のブロックBLKは例えば4つのストリングユニットSU(SU0~SU3)を含む。なお、ブロックBLK内のストリングユニットSUの個数は任意である。また各々のストリングユニットSUは、複数のメモリセルストリングMSを含む。
メモリセルストリングMSの各々は、例えばn+1個のメモリセルMC(MC0~MCn)(但し、nは1以上の自然数)、及び選択トランジスタST1を含んでいる。以下、メモリセルMC0~MCnのそれぞれを限定しない場合は、メモリセルMCと表記する。更に、メモリセルストリングMSの各々に含まれる選択トランジスタST1の個数は任意であり、少なくとも1個以上あればよい。
メモリセルMCは、記憶素子(抵抗変化記憶領域/抵抗変化層/抵抗変化素子)MR、及びセレクタSWを含む。記憶素子MRの一例としては、合金型相転移素子(Ge2Sb2Te5)が挙げられる。第1の実施の形態の記憶素子MRは、結晶状態が変化することにより、低抵抗または高抵抗の状態になる。以下では、記憶素子MRの結晶状態が変化することを「相変化」と呼び、記憶素子MRが低抵抗状態(LRS)にある場合を「セット状態」と記載、高抵抗状態(HRS)にある場合を「リセット状態」と記載する。例えば、結晶状態が変化してアモルファスになると、高抵抗状態になる。結晶状態が変化して結晶化すると低抵抗状態となる。選択したメモリセルMCが、高抵抗状態(リセット)の時は、ビット線BLの電位がゆっくり立ち下がり、低抵抗状態(セット)の時はビット線BLの電位が急速に立ち下がる。また、第1の実施の形態でのセレクタSWは、半導体層、ゲート絶縁膜、及びゲート電極を含んでいる。メモリセルMCにおいて、記憶素子MR、及びセレクタSWは並列に接続されている。また、メモリセルストリングMSの各々に含まれるメモリセルMCの個数は、8個、32個、48個、64個、96個、または128個等であってもよく、その数は限定されるものではない。
(メモリセルMCが非選択である場合)
メモリセルMCが非選択である場合は、セレクタSWをオン状態(導通状態)にする。
図3は、実施の形態に係る抵抗変化型不揮発性メモリにおいて、セレクタSWがオン状態である場合のメモリセル内を流れる電流経路を示す回路図である。図3に示すように、セレクタSWがオン状態である場合、セレクタSWの半導体層に反転層又は蓄積層が出来るため、電流は反転層又は蓄積層を流れる。なお、記憶素子MRの低抵抗状態における抵抗値は、セレクタSWのオン状態における半導体層の抵抗値よりも10倍(一桁)以上高い。そのため、並列に接続された記憶素子MRには電流が流れない。ところで、メモリセルMCにデータを記憶するのは、記憶素子MRである。そのため、記憶素子MRに電流が流れないということは、メモリセルは選択されないことを意味する。
(メモリセルMCが選択である場合)
また、メモリセルMCが選択である場合は、セレクタSWをオフ状態(非導通状態)にする。図4は、実施の形態に係る抵抗変化型不揮発性メモリにおいて、セレクタSWがオフ状態である場合のメモリセル内を流れる電流経路を示す回路図である。図4に示すように、セレクタSWがオフ状態である場合、セレクタSWの半導体層に反転層又は蓄積層ができない。また、記憶素子MRの高抵抗状態における抵抗値は、セレクタSWのオフ状態における半導体層の抵抗値よりも10倍(一桁)以上低い。そのため、電流は半導体層を流れず、並列に接続された記憶素子MRに電流が流れる。記憶素子MRに電流が流れるということは、メモリセルが選択されることを意味する。
各メモリセルストリングMSに含まれたメモリセルMC0~MCnは、選択トランジスタST1とソース線SLとの間に直列接続されている。同一のブロックBLKに含まれた各メモリセルストリングMSのメモリセルMC0の制御ゲート(複数の制御ゲート)は、ワード線WL0に共通に接続されている。同様に、同一のブロックBLKに含まれた複数のメモリセルストリングMSのメモリセルMC1~MCnの制御ゲートは、それぞれワード線WL1~WLnに共通に接続されている。以下、ワード線WL0~WLnのそれぞれを限定しない場合は、ワード線WLと表記する。
尚、以下の説明では、それぞれのストリングユニットSU内で共通のワード線WLに接続された複数のメモリセルMCをセルユニット(CU)とする。そして、セルユニットが記憶する1ビットデータの集合のことを“ページ”と称する。従って、1つのメモリセルMCに2ビットデータが記憶される場合、セルユニットは、2ページ分のデータを記憶する。
ストリングユニットSU内の複数の選択トランジスタST1のゲートは選択ゲート線SGDに共通に接続される。より具体的には、ストリングユニットSU0内の複数の選択トランジスタST1のゲートは選択ゲート線SGD0に共通に接続される。同様に、ストリングユニットSU1内の複数の選択トランジスタST1のゲートは選択ゲート線SGD1に共通に接続される。ストリングユニットSU2、SU3においても同様である。以下、選択ゲート線SGD(SGD0、SGD1、…)のそれぞれを限定しない場合は、選択ゲート線SGDと表記する。選択ゲート線SGD、並びにワード線WLの各々は、ロウデコーダ120によって独立に制御される。
また、メモリセルアレイ110内において同一列にあるメモリセルストリングMSの選択トランジスタST1のドレインは、ビット線BL(BL0~BLm)(但しmは1以上の自然数)に共通接続される。すなわちビット線BLは、複数のブロックBLK間でメモリセルストリングMSを共通に接続する。更に、複数のメモリセルMCnのソースは、ソース線SLに共通に接続されている。
つまりストリングユニットSUは、異なるビット線BLに接続され、且つ同一の選択ゲート線SGDに接続されたメモリセルストリングMSを複数含む。またブロックBLKは、ワード線WLを共通にする複数のストリングユニットSUを複数含む。そしてメモリセルアレイ110は、ビット線BLを共通にする複数のブロックBLKを複数含む。
図5は、実施の形態に係る抵抗変化型不揮発性メモリにおいて、3次元に積層されたメモリピラーMPの断面構造の一例を示している。図5に示すように、メモリピラーMPは、例えば導電体層22を含んでいる。
絶縁体層35と導電体層(電位印加電極)22とが交互に積層される。導電体層22は、例えばXーY平面に沿って広がった板状に形成される。例えば、積層された複数の導電体層22は、それぞれワード線WLn~WL0として使用される。導電体層22は、例えばタングステン(W)を含んでいる。
メモリピラーMPは、Z方向に沿って延伸する円柱形状であり、導電体層22を貫通している。また、メモリピラーMPは、例えばコア部30、抵抗変化層31、半導体層32、及び絶縁体層33を含んでいる。ここで、半導体層32の不純物濃度は、不均一であり半導体層32には濃度分布が存在している。例えば、半導体層32において絶縁体層33に接する第1部分の不純物濃度は、半導体層32において抵抗変化層31に接する第2部分の不純物濃度の少なくとも10倍以上である。
また、例えば、半導体層32は、Z方向に延伸し、抵抗変化層31に接する第1半導体層32Lと、Z方向に延伸し、第1半導体層32Lに接し、かつ絶縁体層33と接し、第1半導体層32Lよりも高濃度の不純物を有する第2半導体層32Hとを備えている。ここで、第2半導体層32Hの不純物濃度は、第1半導体層32Lの不純物濃度の少なくとも10倍以上である。
以下の説明において、半導体層32は、主として半導体層32H及び半導体層32Lの積層構造として表示するが、特にこの構造には限定されない。半導体層32の不純物濃度は、不均一であり半導体層32には濃度分布が存在していれば良い。半導体層32の様々な不純物濃度分布例は、図23~26の説明において詳述する。
具体的には、導電体層22及び絶縁体層35の積層構造を貫通したメモリホールMHが設けられる。メモリホールMHは、例えばZ方向に延伸する円筒形状である。メモリホールMHの内部(内壁)に絶縁体層33、半導体層32、抵抗変化層31、コア部30、が順に設けられることにより、メモリピラーMPが構成される。具体的には、メモリピラーMPは、絶縁体層33と、半導体層32と、抵抗変化層31とを備える。絶縁体層33は、メモリホールMHの内壁を覆い、Z方向に延伸する円筒形状を有する。半導体層32は、絶縁体層33の内壁を覆い、Z方向に延伸する円筒形状を有する。抵抗変化層31は、半導体層32の内壁を覆い、Z方向に延伸する円筒形状を有する。メモリホールMHの直径DMHは、図5に示すように表される。
ここで、コア部30は、例えばZ方向に延伸する円柱形状を有する。コア部30には、例えば、SiO2を適応可能である。また、SiO2に比べて熱抵抗の高い材料を適応可能である。また、コア部30には、真空若しくは不活性ガスを適用しても良い。
コア部30を真空とする場合の真空度は、低真空(low vacuum)では、105Pa~102Pa、中真空(medium vacuum)では、102Pa~10-1Pa、高真空(high vacuum)では、10-1Pa~10-5Pa、超高真空(ultra high vacuum)では、10-5Pa~10-8Paの範囲とすれば良い。
コア部30を不活性ガスとする場合は、例えばヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン、オガネソン等の希ガスや、窒素ガスを適用可能である。抵抗変化層31は、コア部30の側面(外周)を覆っている(コア部30に接している)。抵抗変化層31は、例えばZ方向に延伸し、円筒形状に設けられる。コア部30に、SiO2に比べて熱抵抗の高い材料や、真空若しくは不活性ガスを適用することで、メモリ素子の抵抗変化層31での発熱温度を上昇させることができる。
メモリピラーMPにおける半導体層32は、抵抗変化層31の側面(外周)を覆っている(抵抗変化層31に接している)。メモリピラーMPにおける半導体層32は、例えばZ方向に延伸し、円筒形状に設けられる。
メモリセルMCの選択時に、セル電流は、半導体層32に接する抵抗変化層31の薄い領域を導通する。このため、抵抗変化層31の厚さをコア部30の直径に比べて十分に薄くしても良い。抵抗変化層31の厚さをコア部30の直径に比べて充分に薄くすることで、抵抗変化層31を導通する電流密度を高く設定することができる。結果として、メモリ素子での発熱温度を上昇させることができ、発熱箇所の局在性を向上させ、隣接メモリセルへのディスターブ(データ破壊)を低減することも可能である。
絶縁体層33は、半導体層32の側面を覆っている。絶縁体層33は、例えば円筒形状に設けられた部分を含んでいる。絶縁体層33は、例えば酸化シリコン(SiO2)等の絶縁体を含んでいる。また、導電体層22は、メモリピラーMPにおける絶縁体層33の側面の一部を覆う(絶縁体層33に接する)。
(メモリセルアレイ110の構造)
以下に、実施の形態に係る抵抗変化型不揮発性メモリのメモリセルアレイ110の断面構造の一例について説明する。図6Aは、実施の形態に係る抵抗変化型不揮発性メモリにおいて、メモリセルアレイ110の断面構造の一例を示している。図6Bは、図6Aにおいて、領域6A部分の拡大図である。図6Aに示すように、メモリセルアレイ110は、例えば導電体層21~24を含んでいる。導電体層21~24は、半導体基板20の上方に設けられる。
実施の形態に係る抵抗変化型不揮発性メモリは、図6Aに示すように、コア部30と、抵抗変化層31と、半導体層32と、絶縁体層33と、導電体層(第1電位印加電極)22と、を備えるメモリセルMCを備える。コア部30は、半導体基板20に直交するZ方向に延伸する。抵抗変化層31は、Z方向に延伸し、コア部30に接する。半導体層32は、Z方向に延伸し、抵抗変化層31に接する。絶縁体層33は、Z方向に延伸し、半導体層32に接する。導電体層(第1電位印加電極)22は、Z方向に直交するX方向に延伸し、絶縁体層33に接する。ここで、半導体層32の不純物濃度が不均一であり濃度分布が存在する。半導体層32において絶縁体層33に接する第1部分の不純物濃度は、半導体層32において抵抗変化層31に接する第2部分の不純物濃度の少なくとも10倍以上である。
また、半導体層32は、図6A及び図6Bに示すように、第1半導体層32Lと、第2半導体層32Hとを備える。第1半導体層32Lは、Z方向に延伸し、抵抗変化層31に接する。第2半導体層32Hは、Z方向に延伸し、第1半導体層32Lに接し、かつ絶縁体層33と接し、第1半導体層32Lよりも高濃度の不純物を有する。第2半導体層32Hの不純物濃度は、第1半導体層32Lの不純物濃度の少なくとも10倍以上である。
具体的には、半導体基板20のZ方向における上方に、絶縁体層を介して導電体層(電位印加電極)21が設けられる。例えば半導体基板20と導電体層21との間の絶縁体層には、センスアンプ140等の回路が設けられても良い。導電体層21は、例えばX―Y平面に沿って広がった板状に形成され、ソース線SLとして使用される。導電体層21は、例えばシリコン(Si)を含んでいる。
導電体層21のZ方向における上方に、絶縁体層35と導電体層(電位印加電極)22とが交互に積層される。導電体層22は、例えばXーY平面に沿って広がった板状に形成される。例えば、積層された複数の導電体層22は、半導体基板20側から順に、それぞれワード線WLn~WL0として使用される。導電体層22は、例えばタングステン(W)を含んでいる。
Z方向における最上層の導電体層22(WL0)の上方に、絶縁体層を介して例えば導電体層(電位印加電極)23が積層される。導電体層23は、Y方向に延伸し、X方向において、後述するセレクトピラーSPごとに分断されている。分断された導電体層23は、それぞれ選択ゲート線SGD0~SGD3として使用される。導電体層23は、例えばタングステンWを含んでいる。
導電体層23のZ方向における上方に、導電体層(電位印加電極)24が設けられる。例えば導電体層24は、X方向に沿って延伸したライン状に形成され、ビット線BLとして使用される。導電体層24は、例えば銅(Cu)を含んでいる。
メモリピラーMP上には、導電体層23を貫通する円柱形状のセレクトピラーSPが設けられる。また、セレクトピラーSPは、例えば半導体層32H、及び絶縁体層33を含んでいる。具体的には、セレクトピラーSPは、導電体層23を貫通し、底部がメモリピラーMPに達するSGDホールSHが設けられ、SGDホールSHの内部に絶縁体層33、半導体層32Hが順に設けられる。なお、メモリホールMHとSGDホールSHとの境界を含む層は、最上層の導電体層22と導電体層23との間の層に含まれている。メモリピラーMPのコア部30、抵抗変化層31、半導体層32、及び絶縁体層33の底部は、導電体層21に接触している。
セレクトピラーSPにおける半導体層32Hは、例えば円柱形状である。セレクトピラーSPの半導体層32Hの底辺は、メモリピラーMPの半導体層32、抵抗変化層31、コア部30に接触している。尚、セレクトピラーSPにおける半導体層は、半導体層32Hとして形成されている。また、製造プロセスによっては、メモリピラーMPの半導体層32と同様に第1半導体層32Lと第2半導体層32Hの積層構造を備えていても良い。
また、導電体層23は、セレクトピラーSPにおける絶縁体層33の側面の一部を覆う(絶縁体層33に接する)。
次に、図7を用いて、導電体層23の平面パターン構成について説明する。図7は、図6AのA1-A1線に沿って切断した断面図である。図7に示すように、導電体層23を貫通するSGDホールSH内に、絶縁体層33と、半導体層32Hと、が設けられている。そして、導電体層23は、選択トランジスタST1のゲート線SGD0~SGD3として機能し、絶縁体層33は、選択トランジスタST1のゲート絶縁膜として機能し、半導体層32Hは、選択トランジスタST1の半導体層として機能する。この選択トランジスタST1を用いることで、1本のワード線毎にメモリピラーMPを選択することができる。選択トランジスタST1をオン状態にすることで、メモリピラーMPの抵抗変化層31に接する半導体層32Hに反転層又は蓄積層が形成され、反転層又は蓄積層を介して電流を流すことにより、メモリピラーMPを選択することができる。
次に、図8を用いて、Z方向におけるメモリセルMC間の平面パターン構成について説明する。図8は、図6AのB1-B1線に沿って切断した断面図である。図8に示すコア部30、抵抗変化層31、半導体層32、及び絶縁体層33は、Z方向におけるメモリセルMC間に相当し、電流は半導体層32の中を流れる。図6Aでは、半導体層32は半導体層32H及び半導体層32Lの積層構造で示されているが、この構造に限定されない。
次に、図9及び図10を用いて、導電体層22の平面パターン構成について説明する。図9は、図6のC1-C1線に沿って切断した断面図である。図10は、図9において、一つのメモリセルMCを抽出した平面図である。図10に示すように、メモリセルMCは、板状のワード線WLと、メモリピラーMPの交点に設けられる。具体的には図10に示すように、導電体層22を貫通し、直径DMHを有するメモリホールMH内に、絶縁体層33と、半導体層32、抵抗変化層31、コア部30と、が設けられている。そして、導電体層22は、メモリセルMCのセレクタSWのワード線WLとして機能し、絶縁体層33は、メモリセルMCのセレクタSWのゲート絶縁膜として機能し、半導体層32は、メモリセルMCのセレクタSWの半導体層として機能する。抵抗変化層31は、メモリセルMCの記憶素子MRとして機能する。半導体層32は、半導体層32H及び半導体層32Lの積層構造として表示するが、特にこの構造には限定されない。半導体層32の不純物濃度は、不均一であり半導体層32には濃度分布が存在していれば良い。
次に、図11を用いて、導電体層21の平面パターン構成について説明する。図11は、図6のD1-D1線に沿って切断した断面図である。導電体層21は、ビット線BLから電流を流し込むために、一定の低電位に設定される。図11に示すように導電体層21(ソース線)は、導電体層22(ワード線)と同様に板状を有する。
次に、図12A及び図12Bを用いて、メモリセルアレイ110の断面構造の一例について説明する。図12Aは、図6Aと直交する方向であって、図6AのE1-E1線に沿って切断した断面図である。また、図12Bは、図12Aにおいて、領域12A部分の拡大図である。図6A及び図12Aを併せて参照すると、メモリピラーMPは、コア部30を中心に同心円状の形状をしていることが分かる。
(動作の概要)
実施の形態に係る抵抗変化型不揮発性メモリにおいて、メモリチップ100の動作の概要について説明する。実施の形態に係る抵抗変化型不揮発性メモリにおいて、メモリチップ100の読み出し動作及び書き込み動作は、ビット線BLと、ソース線SLと、の間に電流を流すことによって行う。
図13及び図14を用いて、読み出し動作または書き込み動作を行うメモリセルMCを選択する方法について説明する。図13は、一つのメモリセルストリングMSを抜き出した回路図である。図14は、一つのメモリセルストリングMSに対応するメモリピラーMPを抜き出した断面図である。尚、図14は動作説明の図であることから、半導体層32は、単に半導体層32と表示し、半導体層32H、半導体層32L等の表示は省略している。
図13及び図14に示すように、選択したいメモリセルMC(例えばMC2)が属するメモリピラーMPに接する選択トランジスタST1のゲート線SGDに所定の電圧(正の電圧)を印加する。これにより、選択トランジスタST1の半導体層に反転層又は蓄積層が形成され、電流が導通可能な状態となる(オン状態)。これにより、ビット線BLと、選択トランジスタST1と、選択トランジスタST1に接するメモリピラーMPの半導体層が導通される。更に、選択メモリセルMC2に対応するワード線WL2は所定の電圧(負の電圧)とし、非選択メモリセルMCに対応するワード線WL0、WL1、WL3~WLnへは所定の電圧(正の電圧)を印加する。これにより、ビット線BLとソース線SLと間を流れる電流パスは、選択メモリセルMC2においては、抵抗変化層31(MR)を流れ、非選択のメモリセルMC0、MC1、MC3~MCnにおいては、セレクタSWの半導体層32を流れる。図14に示すように、メモリピラーMPの中心部分にはコア部30が設けられているので、選択メモリセルMCにおいて電流は、コア部30を取り囲む抵抗変化層31を流れる。このようにすることで、読み出し動作時、書き込み動作時、共に抵抗変化層31を選択出来るようにする。実施の形態に係る抵抗変化型不揮発性メモリの動作を3次元NAND型フラッシュメモリと比較した場合、より低電圧、かつより高速で動作できるようになる他、書き換え回数の制約も少なく、書き込み時間も短くて済む利点がある。なお、実施の形態に係る抵抗変化型不揮発性メモリでは、3次元NAND型フラッシュメモリと異なる抵抗変化型メモリであり、動作において消去動作が存在しない。
また、書き込み動作、または読み出し動作は選択トランジスタST1をオン状態にして、ビット線BLと、ソース線SLと、の間に電流を流して行う。そのため、全メモリセルストリングMSを選択する必要は無く、1本の選択ゲート線に接続される任意のビット線単位(カラム単位)で選択を行うことができる。
書き込み動作、または読み出し動作を行いたくないメモリセルストリングMSに対しては、ソース線の電圧=ビット線の電圧に設定しておけば、書き込み動作、または読み出し動作が行われることは無い。
また、3次元NAND型フラッシュメモリのように、ブロックBLK単位で消去動作を行う必要もなく、選択トランジスタST1単位でセット/リセットの書き込み動作を行うことができる。
ワード線は積層方向(Z方向)で任意のメモリセルMCを選択する。そのため、同一X-Y平面における複数のメモリセルMCのゲート電極において、ワード線は共有化されていても良い。又ソース線も複数のメモリセルストリングMSで共有化して良い。特にビット線方向の隣接する複数のメモリセルストリングMSで共有化して良い。
例えば、ワード線WLと、ソース線SLはビット線方向とワード線方向に延びた板状の形状をしている場合を考える。メモリセルMCの選択は選択トランジスタST1をオン状態にした上に、ビット線BLからソース線SLに電流を流さなければ行われない。そのため、板状にワード線WLと、ソース線SLが選択されても、選択された選択トランジスタST1と選択されたビット線BL直下で選択されたワード線WLに接するメモリセルMCだけが選択される。
前述した様に、ビット線BLを介して電流を流すことでメモリセルMCの選択が行われる。そのため、シーケンサ170は、例えばビット線毎に同時に読み出し動作と書き込み動作を行う様に制御信号を出すことが出来るように構成されている。また、シーケンサ170は、ビット線毎に同時にリセット書き込みとセット書き込みを行う様に制御信号を出すことも出来る。
(動作波形のタイミングチャート)
図15は、実施の形態に係る抵抗変化型不揮発性メモリの動作波形のタイミングチャートである。上述したように、実施の形態に係る抵抗変化型不揮発性メモリのメモリチップ100では、まず選択メモリセルMCのセレクタSWがオフ状態、非選択メモリセルMCのセレクタSWがオン状態となるような電圧をワード線WLに印加する。続いて、メモリチップ100は選択メモリセルMCに対応する選択トランジスタがオンするような電圧をゲート線SGDに印加し、ビット線BLと、選択メモリセルが属するメモリピラーMPが導通状態となる。こうして電流は、非選択メモリセルにおいては、セレクタSWの半導体層32内を流れ、選択メモリセルにおいては、抵抗変化層31(記憶素子MR)を流れる。
図15を用いて、実施の形態に係る抵抗変化型不揮発性メモリのメモリチップ100の動作波形について説明する。
(読み出し動作)
まずは、読み出し動作の場合について説明する。時刻T0において、シーケンサ170は、非選択ビット線BL、ソース線の電圧をLレベルに維持し、非選択ワード線WLをHレベル(L<H)から立ち下げ始め、時刻T1以降において、選択ワード線の電圧をLレベルに維持する。
続いて、シーケンサ170は、選択メモリセルMCに対応する選択トランジスタのゲート線SGDの電圧を、LレベルからHレベルに上げる。なお、非選択ワード線WLの電位はHレベルに維持されるので、非選択メモリセルMCにおいては、セレクタSWがオン状態で維持される。
そして、シーケンサ170は、ビット線BLの電圧を上げた後にフローティング状態にする。これにより、選択したメモリセルMCが、高抵抗状態(リセット)の時は、ビット線BLの電位がゆっくり立ち下がり(時刻T3まで電位が略維持される)、低抵抗状態(セット)の時はビット線BLの電位が急速に立ち下がる。ビット線BLに電圧を印加して一定時間後のビット線BLの電位の「Hレベル/Lレベル」を、センスアンプ140にてセンスして読み出し動作とする。
(書き込み動作)
次に、書き込み動作の場合について説明する。時刻T0における動作については、読み出し動作と同様である。書き込み動作の際は、シーケンサ170は時刻T1にビット線BLに書き込み用のパルス(電圧)を印加し、時刻T2にて急速に立ち下げると、高抵抗なリセット状態の書き込みとなる。また、シーケンサ170は時刻T1にビット線BLに書き込み用のパルス(電圧)を印加して、時刻T2にてゆっくり立ち下げると、低抵抗なセット状態の書き込みとなる。なお、この時、非選択のビット線BLはソース線SL電圧と同一(例えばLレベル) に保つ。メモリセルMCはビット線BLに電圧を印加することで選択される。もしも非選択のビット線BLの電位が上げられると、誤選択となってしまい、誤書き込みとなってしまう。読み書きしたいビット線BLに対して選択的に電圧を印加すれば良い。
図16Aは、抵抗変化型不揮発性メモリにおいて、ワード線WLi+1に接続される非選択セルのMOSトランジスタを流れる電流経路を示す図である。また、図16Bは、抵抗変化型不揮発性メモリにおいて、ワード線WLiに接続される選択セルの抵抗変化素子MRを流れる電流経路を示す図である。
(比較例)
図17は、比較例に係る抵抗変化型不揮発性メモリとして、半導体層32Hが高不純物濃度を有する場合のワード線WLiに接続される選択セル近傍の空乏層DLSの広がりと、Reset状態とSet状態の導通電流の様子を示す図である。
ワード線WLi+1及びワード線WLi-1に接続される隣接セルは非選択セルである。図17の領域16Aで表される非選択セルでは、Reset状態及びSet状態共に電流は、半導体層32Hを導通する。回路的には図16Aに示す通りである。一方、図17の領域16Bで表される選択セルでは、Reset状態及びSet状態共に電流は、抵抗変化層31を導通する。回路的には図16Bに示す通りである。
半導体層32Hが高不純物濃度を有する場合、半導体層32Hは空乏化され難いため、図17に示すように、Reset状態及びSet状態共に、ワード線WLiに接続される選択セル近傍の空乏層DLSの広がりは小さい。このため、Reset状態及びSet状態共に抵抗変化層31を導通する電流の領域は小さい。したがって、半導体層32Hが高不純物濃度を有する場合のRead電流比の値は小さい。ここで、Read電流比は、Set状態とReset状態で導通する電流の比で定義される。Set状態では抵抗変化層31は結晶化され、電気伝導率が高い。一方、Reset状態では抵抗変化層31はアモルファス化されており、電気伝導率が低い。Reset状態及びSet状態共に抵抗変化層31を導通する電流の領域が小さいため、Read電流比の値は小さい。
半導体層32Hが高不純物濃度を有する場合、ワード線WLi選択時に半導体層32Hに広がる空乏層DLSが狭いので、抵抗変化層31を導通する電流の領域が小さくなり、このため、Read電流比が小さい。もう1つの見方として半導体層32Hが高不純物濃度を有する場合、半導体層32Hのオフリークが大きく、Set状態でもReset状態でも電流が余計に流れてしまいRead電流比が低下する効果もある。
半導体層32Hが高不純物濃度を有する場合、ワード線WLi選択時に半導体層32Hに広がる空乏層DLSが狭いので、空乏化されていない半導体層32H中を導通するオフリーク電流が大きくなる。このオフリーク電流は、抵抗変化層31を導通する電流と並列に導通することになり、Set状態でもReset状態でも電流が余計に流れてしまいRead電流比が低下する。
図18は、比較例に係る抵抗変化型不揮発性メモリとして、半導体層32Lが低不純物濃度を有する場合のワード線WLiに接続される選択セル近傍の空乏層DLLの広がりと、Reset状態とSet状態の導通電流の様子を示す図である。
ワード線WLi+1及びワード線WLi-1に接続される隣接セルは非選択セルである。図18の領域16Aで表される非選択セルでは、Reset状態及びSet状態共に電流は、半導体層32Lを導通する。回路的には図16Aに示す通りである。一方、図18の領域16Bで表される選択セルでは、Reset状態及びSet状態共に電流は、抵抗変化層31を導通する。回路的には図16Bに示す通りである。
半導体層32Lが低不純物濃度を有する場合、半導体層32Lは空乏化され易いため、図18に示すように、Reset状態及びSet状態共に、ワード線WLiに接続される選択セル近傍の空乏層DLLの広がりは大きい。このため、Reset状態及びSet状態共に抵抗変化層31を導通する電流の領域は大きい。したがって、半導体層32Lが低不純物濃度を有する場合のRead電流比の値は大きい。Set状態では抵抗変化層31は結晶化され、電気伝導率が高い。一方、Reset状態では抵抗変化層31はアモルファス化されており、電気伝導率が低い。Reset状態及びSet状態共に抵抗変化層31を導通する電流の領域が大きいため、Read電流比の値は大きくなる。一方、半導体層32Lが低不純物濃度を有する場合、選択セル部分以外の半導体層32Lの領域が高抵抗化されるため、抵抗変化層31への書き込みに必要なビット線BL電圧が増加する。
半導体層32Lが低不純物濃度を有する場合、ワード線WLi選択時に半導体層32Lに広がる空乏層DLLが広くなるので、抵抗変化層31を導通する電流の領域が大きくなる。このため、Read電流比が大きくなる。ワード線WLi選択時に半導体層32Lに広がる空乏層DLLが広いので、空乏化されていない半導体層32H中を導通するオフリーク電流が低減する。Set状態でもReset状態でもRead電流比が向上する効果もある。
半導体層32Lが低不純物濃度を有する場合、選択セルでは、電気伝導率が高い抵抗変化層31(結晶)を導通するが、選択セル以外の領域では、高抵抗化された半導体層32L中を導通するため、抵抗変化層31への書き込みに必要なビット線BL電圧が増加する。抵抗変化層31への書き込みに必要な電圧を供給するために、ビット線BL電圧が増加する。
結果として、半導体層32Lが低不純物濃度を有する場合、Read電流比は向上するものの、抵抗変化層31への書き込みに必要なビット線BL電圧が増加する。
図19は、実施の形態に係る抵抗変化型不揮発性メモリにおいて、ワード線WLiに接続される選択セル近傍の空乏層DLLの広がりと、Reset状態とSet状態の導通電流の様子を示す図である。
半導体層32は、図19に示すように、抵抗変化層31に接する第1半導体層32Lと、第1半導体層32Lに接し、かつ絶縁体層33と接し、第1半導体層32Lよりも高濃度の不純物を有する第2半導体層32Hとを備える。第2半導体層32Hの不純物濃度は、第1半導体層32Lの不純物濃度の少なくとも10倍以上である。また、半導体層32の不純物濃度が不均一であり濃度分布が存在し、半導体層32において絶縁体層33に接する第1部分の不純物濃度は、半導体層32において抵抗変化層31に接する第2部分の不純物濃度の少なくとも10倍以上であっても良い。ここでは、半導体層32は、図19に示すように、第1半導体層32Lと、第2半導体層32Hの2層構造を例として説明する。
ワード線WLi+1及びワード線WLi-1に接続される隣接セルは非選択セルである。図19の領域16Aで表される非選択セルでは、Reset状態及びSet状態共に電流は、主として半導体層32Hを導通する。回路的には図16Aに示す通りである。一方、図19の領域16Bで表される選択セルでは、Reset状態及びSet状態共に電流は、抵抗変化層31を導通する。回路的には図16Bに示す通りである。
半導体層32が半導体層32Lと半導体層32Hの積層構造を有する場合、半導体層32Lは空乏化され易いため、図19に示すように、Reset状態及びSet状態共に、ワード線WLiに接続される選択セル近傍の空乏層DLLの広がりは大きい。このため、Reset状態及びSet状態共に抵抗変化層31を導通する電流の領域は大きい。したがって、半導体層32が半導体層32Lと半導体層32Hの積層構造を有する場合のRead電流比の値は大きい。Set状態では抵抗変化層31は結晶化され、電気伝導率が高い。一方、Reset状態では抵抗変化層31はアモルファス化されており、電気伝導率が低い。Reset状態及びSet状態共に抵抗変化層31を導通する電流の領域が大きいため、Read電流比の値は大きくなる。尚、図19では半導体層32が高純物濃度を有する場合に広がる空乏層DLSも比較のために示されている。
半導体層32が半導体層32Lと半導体層32Hの積層構造を有する場合、ワード線WLi選択時に半導体層32Lに広がる空乏層DLLが広いので、空乏化されていない半導体層32L中を導通するオフリーク電流が低減する。Set状態でもReset状態でもRead電流比が向上する効果もある。
半導体層32が半導体層32Lと半導体層32Hの積層構造を有する場合、選択セル部分以外の半導体層32Hの領域が低抵抗化されるため、抵抗変化層31への書き込みに必要なビット線BL電圧が低下する。選択セルでは、電気伝導率が高い抵抗変化層31(結晶)を導通するが、選択セル以外の領域では、低抵抗化された半導体層32H中を導通するため、抵抗変化層31への書き込みに必要なビット線BL電圧を低く抑制可能である。したがって、実施の形態に係る抵抗変化型不揮発性メモリにおいては抵抗変化層31への書き込みに必要な電圧を供給するためのビット線BL電圧を低減化可能である。結果として、半導体層32が半導体層32Lと半導体層32Hの積層構造を有する場合、Read電流比は向上し、抵抗変化層31への書き込みに必要なビット線BL電圧が低減化可能である。
ここで、Read電流比を向上するための半導体層32Lと半導体層32Hの濃度比は、少なくとも10倍以上が好ましい。また、前述のように、半導体層32の不純物濃度が不均一であり濃度分布が存在する。半導体層32において絶縁体層33に接する第1部分の不純物濃度は、半導体層32において抵抗変化層31に接する第2部分の不純物濃度の少なくとも10倍もしくは100倍以上であっても良い。
(隣接セルの発熱量の抑制)
半導体層の不純物濃度と発熱量には反比例の関係がある。半導体層が低不純物濃度を有する場合、隣接セルの半導体層は高抵抗となり、隣接セルの抵抗変化層内の発熱量が大きくなって、隣接セル温度が増大する。一方、半導体層が高不純物濃度を有する場合、隣接セルの半導体層が低抵抗であるため、隣接セルの抵抗変化層内の発熱が低く抑制されて、隣接セル温度は低くなる。
図20は、実施の形態に係る抵抗変化型不揮発性メモリにおいて、ワード線WLiに接続される選択セル近傍の抵抗変化層31内の発熱領域TAiと、隣接するワード線WLi+1、WLi-1に接続される非選択セル近傍の半導体層32内の発熱領域TAi+1、TAi-1の様子を模式的に示す図である。発熱領域TAi、TAi+1、TAi-1は、矩形形状で表されているが、相互の相対的な広がりを模式的に表している。発熱領域TAi、TAi+1、TAi-1は、この広がり形状に限定されない。円形、楕円形、長円形等、他の形状で表現しても良い。
半導体層32が半導体層32Lと半導体層32Hの積層構造を有する場合、半導体層32Hにより隣接セルの半導体層32は低抵抗化される。このため、半導体層32Lのみの構造の発熱領域TAi+1、TAi-1の発熱量よりも半導体層32Lと半導体層32Hの積層構造の発熱領域TAi+1、TAi-1の発熱量の方が小さくなる。この結果、半導体層32Lのみの構造よりも半導体層32Lと半導体層32Hの積層構造の方が、抵抗変化層31内の隣接セル温度は低くなる。
(シミュレーション)
デバイスシミュレーション(熱シミュレーション)を用いて実施の形態に係る抵抗変化型不揮発性メモリを解析した結果を以下に説明する。
(Read電流比と書き込み時のビット線BL電圧の関係)
図21は、実施の形態に係る抵抗変化型不揮発性メモリにおいて、Read電流比(Set状態とReset状態で流れる電流の比)と書き込み時のビット線BL電圧の関係のシミュレーション結果を示す。ここで、PIは、実施の形態に係る抵抗変化型不揮発性メモリに対応し、HDSは、比較例に係る抵抗変化型不揮発性メモリとして、半導体層が高不純物濃度を有する場合に対応し、LDSは、比較例に係る抵抗変化型不揮発性メモリとして、半導体層が低不純物濃度を有する場合に対応する。
Read電流比と書き込み時のビット線BL電圧の関係のシミュレーション結果より、図21に示すように、Read電流比と書き込み時のビット線BL電圧は、トレードオフの関係を示すことがわかる。実施の形態に係る抵抗変化型不揮発性メモリ(PI)では、半導体層が高不純物濃度を有する比較例(HDS)よりもRead電流比が向上する。また、実施の形態に係る抵抗変化型不揮発性メモリ(PI)では、半導体層が低不純物濃度を有する比較例(LDS)よりも書き込み時のビット線BL電圧を低電圧化可能である。実施の形態に係る抵抗変化型不揮発性メモリ(PI)では、抵抗変化層31に接する内側を低不純物濃度の半導体層32Lで構成し、第1絶縁体層33に接する外側を高不純物濃度の半導体層32Hで構成している。実施の形態に係る抵抗変化型不揮発性メモリ(PI)では、Read電流比と書き込み時のビット線BL電圧のトレードオフ関係を低減することが可能である。
(隣接セル温度の抑制)
図22は、実施の形態に係る抵抗変化型不揮発性メモリにおいて、特定のPeak温度において、隣接セル温度を算出したシミュレーション結果を示す。ここで、図21と同様に、PIは、実施の形態に係る抵抗変化型不揮発性メモリに対応し、HDSは、半導体層が高不純物濃度を有する比較例に対応し、LDSは、半導体層が低不純物濃度を有する比較例に対応する。特定のセルのPeak温度が上昇すれば、隣接セル温度も上昇するが、特定のセルのPeak温度が上昇しても隣接セル温度の増大幅を抑制可能であることが望ましい。比較例(LDS)の場合、隣接セルの半導体層32Lの抵抗が高く、発熱が大きい。このため、隣接セル温度が大きくなる。比較例(HDS)の場合、隣接セルの半導体層32Hの抵抗が低く、発熱が小さい。このため、隣接セル温度が低くなる。
実施の形態に係る抵抗変化型不揮発性メモリ(PI)では、絶縁体層33に接する半導体層32Hを高不純物濃度にすることにより隣接セルの半導体層32Hを低抵抗化し、発熱を低減することができる。この結果、隣接セル温度の増大を抑制することができる。
(半導体層の不純物濃度分布)
図23は、実施の形態に係る抵抗変化型不揮発性メモリにおいて、半導体層32の不純物濃度が階段状の濃度分布を有する例である。半導体層32の不純物濃度が階段分布である場合、濃度が異なる層が2層でも3層でもそれより多くてもよい。図23の例では、抵抗変化層31に接する半導体層321の不純物濃度がN1で表され、厚さはt31A-t31で表される。半導体層321に接する半導体層322の不純物濃度がN2で表され、厚さはt31B-t31Aで表される。更に、半導体層322に接する半導体層323の不純物濃度がN3で表され、厚さはt33-t31Bで表される。ここで、半導体層323は、第1絶縁体層33に接する半導体層32である。第1絶縁体層33の厚さはt35-t33で表される。多段構造で半導体層32を成膜するとアニールによる不純物拡散の後に高不純物濃度の半導体層323、低不純物濃度の半導体層321の厚さを調整することができる。
図24は、実施の形態に係る抵抗変化型不揮発性メモリにおいて、半導体層32の不純物濃度が第1絶縁体層33側から抵抗変化層31側に向けてなだらかに低減する濃度分布を有する例を示す。図24の例では、半導体層32の厚さはt33-t31で表される。不純物拡散が起こるとなだらかな分布になる。所望の不純物濃度の半導体層がプロセス上成膜出来ないときに、成膜可能な条件の半導体層を組み合わせて構造を作製し、アニールなど不純物拡散の後に所望の濃度に近い半導体層を実現できる。実施の形態に係る抵抗変化型不揮発性メモリにおいて、半導体層32の不純物濃度は、均一分布となだらかに増減する分布が混在していても良い。
図25は、実施の形態に係る抵抗変化型不揮発性メモリにおいて、半導体層32の不純物濃度が第1絶縁体層33側が均一で、抵抗変化層31側はなだらかに低減する濃度分布を有する例である。図25の例では、抵抗変化層31に接する半導体層32の不純物濃度がN6で表され、第1絶縁体層33に接する半導体層32の不純物濃度がN7で表されている。半導体層32の厚さt311~t33の範囲では半導体層32の不純物濃度がN7で略均一であり、半導体層32の厚さt311~t31の範囲で半導体層32の不純物濃度がN7からN6へ抵抗変化層31側はなだらかに低減する濃度分布を有する。
第1絶縁体層33側の半導体層32の不純物濃度を出来るだけ高濃度にしたい場合は、第1絶縁体層33側の半導体層32は高濃度で均一であることが好ましい。例えば固溶限まで半導体層32をドープすることで作成可能である。ここで、半導体層32をシリコンで形成する場合、N型を形成する不純物としては、PやAsを適用可能である。
図26は、実施の形態に係る抵抗変化型不揮発性メモリにおいて、半導体層32の不純物濃度が抵抗変化層31側が略均一で、第1絶縁体層33側はなだらかに増加する濃度分布を有する例である。図26の例では、第1絶縁体層33に接する半導体層32の不純物濃度がN9で表され、第1絶縁体層33に接する半導体層32の不純物濃度がN8で表されている。半導体層32の厚さt31~t33の範囲では半導体層32の不純物濃度がN8で略均一である。半導体層32の厚さt31~t312の範囲で半導体層32の不純物濃度が略均一である。半導体層32の厚さt312~t313の範囲で半導体層32の不純物濃度が急峻に増加し、半導体層32の厚さt313~t33の範囲で半導体層32の不純物濃度がなだらかに増大する濃度分布を有する。
例えば、抵抗変化層31/半導体層32界面付近の半導体層32を出来るだけ低濃度にしたい場合、抵抗変化層31側は低濃度で均一であることが好ましい。このような構造は例えば以下の様にして作成する。すなわち、半導体層32/第1絶縁体層33界面に薄い高濃度半導体層32(N9)を成膜して熱拡散させる。抵抗変化層31/半導体層32側は低濃度もしくはノンドープ半導体層32を成膜する。高濃度半導体層32(N9)からの不純物拡散が半導体層32の膜中央付近(厚さt312)で止まるようにアニールを行えば作成可能である。また、例えば、熱拡散によって、半導体層32/第1絶縁体層33(Si/SiO2)界面において、PやAsなどのパイルアップ現象(偏析)での半導体層32界面側の不純物濃度が高くなる不純物プロファイルを形成することも可能である。
(実施の形態の効果)
実施の形態によれば、読み出しマージン拡大し、低電圧駆動及び高速動作が可能で、かつ隣接セル温度の増大を抑制可能な3次元構造の抵抗変化型不揮発性メモリを提供することができる。また、発熱箇所の局在性を向上させ、隣接メモリセルへの熱ディスターブ(データ破壊)を低減することも可能である。
なお、実施の形態に係る抵抗変化型不揮発性メモリにおいて、メモリセルMCの記憶素子MRは、具体的には、(I)上述の合金型相転移素子(Ge2Sb2Te5)以外にも、(II)界面型相転移素子としてのGeTeとSb2Te3の交互積層、(III)界面型相転移素子としてのGeTeとBiSbTeの交互積層、(IV)GeとSbとTeの交互積層、又はカルゴゲナイド材料、(V)抵抗変化膜としてのTiOX、WOX、HfOX、TaOX等、(V)MTJ素子としてのCoFe合金、NiFe合金等をいずれかを含む構成であって良い。また、Ge2Sb2Te5よりもGe組成比が高い材料であってもよい。組成比が異なるGexSbyTezの積層構造であってもよい。また、上記の交互積層には限定されない。
以上、本発明のいくつかの実施の形態を説明したが、これらの実施の形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施の形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…メモリシステム
20…半導体基板
21、22、23、24…導電体層
30、36…コア部
31…抵抗変化層
32…半導体層
32L…第1半導体層
32H…第2半導体層
33、35…絶縁体層
100…メモリチップ
110…メモリセルアレイ
120…ロウデコーダ
130…ドライバ回路
140…センスアンプ
150…アドレスレジスタ
160…コマンドレジスタ
170…シーケンサ
200…コントローラ
210…ホストインターフェース回路
220…内蔵メモリ
230…プロセッサ
240…バッファメモリ
250…メモリインターフェース回路
260…ECC回路
300…ホスト

Claims (16)

  1. 半導体基板に直交する第1方向に延伸するコア部と、
    前記第1方向に延伸し、前記コア部に接する抵抗変化層と、
    前記第1方向に延伸し、前記抵抗変化層に接する半導体層と、
    前記第1方向に延伸し、前記半導体層に接する第1絶縁体層と、
    前記第1方向に直交する第2方向に延伸し、前記第1絶縁体層に接する第1電位印加電極とを備えるメモリセルを備え、
    前記半導体層の不純物濃度が不均一であり濃度分布が存在し、
    前記半導体層において前記第1絶縁体層に接する第1部分の不純物濃度は、前記半導体層において前記抵抗変化層に接する第2部分の不純物濃度の少なくとも10倍以上である、抵抗変化型不揮発性メモリ。
  2. 前記半導体層は、
    前記第1方向に延伸し、前記抵抗変化層に接する第1半導体層と、
    前記第1方向に延伸し、前記第1半導体層に接し、かつ前記第1絶縁体層と接し、前記第1半導体層よりも高濃度の不純物を有する第2半導体層と
    を備え、
    前記第2半導体層において前記第1絶縁体層に接する前記第1部分の不純物濃度は、前記第1半導体層において前記抵抗変化層に接する前記第2部分の不純物濃度の少なくとも10倍以上である、請求項1に記載の抵抗変化型不揮発性メモリ。
  3. 前記半導体層は、前記第1絶縁体層に接する前記第1部分から前記抵抗変化層に接する前記第2部分にかけて不純物濃度が低下する分布を有する、請求項1に記載の抵抗変化型不揮発性メモリ。
  4. 前記半導体層は、前記第1絶縁体層に接する前記第1部分から前記抵抗変化層に接する前記第2部分にかけて不純物濃度が2層または3層以上の階段分布が存在する構造で、前記第1絶縁体層に接する前記第1部分から前記抵抗変化層に接する前記第2部分にかけて不純物濃度が低下する分布を有する、請求項1に記載の抵抗変化型不揮発性メモリ。
  5. 前記第2半導体層は、前記第1絶縁体層に接する前記第1部分の不純物濃度の均一な濃度分布を有し、前記第1半導体層は、前記第2半導体層に接する第3部分から前記抵抗変化層に接する前記第2部分にかけて不純物濃度が低下する分布を有する、請求項2に記載の抵抗変化型不揮発性メモリ。
  6. 前記第1半導体層は、前記抵抗変化層に接する前記第2部分の不純物濃度の均一な濃度分布を有し、前記第2半導体層は、前記第1半導体層に接する第4部分から前記第1絶縁体層に接する前記第2部分にかけて不純物濃度が増大する分布を有する、請求項2に記載の抵抗変化型不揮発性メモリ。
  7. 前記第1方向に延伸する前記半導体層と、
    前記第1方向に延伸し、前記半導体層に接する前記第1絶縁体層と、
    前記第2方向に延伸し、前記第1絶縁体層に接する第2電位印加電極とを備える第1選択トランジスタと、
    前記第1選択トランジスタ、及び複数の前記メモリセルを備え、複数の前記メモリセルは、前記第1方向に直列に接続され、第1端部に設けられる前記メモリセルの一端に前記第1選択トランジスタが接続され、第2端部に設けられる前記メモリセルの一端に第3電位印加電極が接続されるメモリセルストリングと
    を更に備える、請求項1に記載の抵抗変化型不揮発性メモリ。
  8. 半導体基板に直交する第1方向に延伸するコア部と、
    前記第1方向に延伸し、前記コア部の外周を覆う円筒形状の抵抗変化層と、
    前記第1方向に延伸し、前記抵抗変化層の外周を覆う半導体層と、
    前記第1方向に延伸し、前記半導体層の外周を覆う第1絶縁体層と、
    前記第1方向に直交する第2方向に延伸し、前記第1絶縁体層の外周の一部を覆う第1電位印加電極とを備えるメモリセルを備え、
    前記半導体層の不純物濃度が不均一であり濃度分布が存在し、
    前記半導体層において前記第1絶縁体層に接する第1部分の不純物濃度は、前記半導体層において前記抵抗変化層に接する第2部分の不純物濃度の少なくとも10倍以上である、抵抗変化型不揮発性メモリ。
  9. 前記半導体層は、
    前記第1方向に延伸し、前記抵抗変化層に接する第1半導体層と、
    前記第1方向に延伸し、前記第1半導体層に接し、かつ前記第1絶縁体層と接し、前記第1半導体層よりも高濃度の不純物を有する第2半導体層と
    を備え、
    前記第2半導体層において前記第1絶縁体層に接する前記第1部分の不純物濃度は、前記第1半導体層において前記抵抗変化層に接する前記第2部分の不純物濃度の少なくとも10倍以上である、請求項8に記載の抵抗変化型不揮発性メモリ。
  10. 前記第1方向に延伸し、円柱形状又は円筒形状の半導体層と、
    前記第1方向に延伸し、前記半導体層の外周を覆う絶縁体層と、
    前記第2方向に延伸し、前記絶縁体層の外周を覆う第2電位印加電極、を備える第1選択トランジスタと、
    前記第1選択トランジスタ、及び複数の前記メモリセルを備え、複数の前記メモリセルは、前記第1方向に直列に接続され、第1端部に設けられる前記メモリセルの一端に前記第1選択トランジスタの一端が接続され、第2端部に設けられる前記メモリセルの一端に第3電位印加電極が接続されるメモリセルストリングと、
    を備える、請求項8に記載の抵抗変化型不揮発性メモリ。
  11. 前記第1電位印加電極の間には、更に前記第1絶縁体層に接する第3絶縁体層を備える、請求項8に記載の抵抗変化型不揮発性メモリ。
  12. 前記第1選択トランジスタの他端に接続され、前記第1方向と、前記第1方向に直交する第2方向と、に直交する第3方向に延伸する第4電位印加電極と、
    複数の前記第4電位印加電極のうち、一部の前記第4電位印加電極に対して、前記第4電位印加電極と前記第3電位印加電極の間に電圧を印可して選択的に読み出し動作、または書き込み動作を行うシーケンサと、
    を更に備える、請求項10に記載の抵抗変化型不揮発性メモリ。
  13. 前記コア部は、熱抵抗の高い絶縁体、真空、若しくは不活性ガスのいずれかを有する、請求項8に記載の抵抗変化型不揮発性メモリ。
  14. 前記真空の真空度は、低真空、中真空、高真空、又は超高真空の何れかを備える、請求項13に記載の抵抗変化型不揮発性メモリ。
  15. 前記不活性ガスは、希ガス若しくは窒素ガスを備える、請求項13に記載の抵抗変化型不揮発性メモリ。
  16. 前記抵抗変化層は、相変化材料、超格子膜材料、磁性材料、又は抵抗変化材料で形成され、
    前記相変化材料は、カルコゲナイド系の材料を含み、
    前記超格子膜材料は、GeTe及びSbTeの積層構造を含み、
    前記磁性材料は、トンネル膜をフリー層とピン層とで挟んで構成され、
    前記抵抗変化材料は、NiOX,WOX,TaOX,TiOX,HfOX,ZnOX,TiON,Ag-GeSe,Cu-GeSe,FeOX,GeOX,STOから成る群から選択された少なくとも1つを含む、請求項1~15のいずれか1項に記載の抵抗変化型不揮発性メモリ。
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