JP2024021669A - Icカード - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明に係るICカードによれば、環境に考慮したカードの基材割れを防ぎ、品質適正を向上した耐久性が高いICカードを提供することができる。【解決手段】本発明に係るICカード1は、第一凹部61と、第二凹部62と、を有する嵌合孔6が形成され、第二アンテナシート31と、第一凹部61の第一底部及び第一側面が交わる第一周縁部61pを有する第一アンテナシート33と、導電性のアンテナコイル32と、第二アンテナシート31に積層され、第二凹部62の第二底部及び第二側面が交わる第二周縁部62pを有する第二シート42と、を有するカード本体2と、カード本体2の嵌合孔6に嵌め込まれ、基板71と、接触端子74と、ICチップ72と、を有するICモジュール7と、を備え、第一アンテナシート33または第二シート42は、アンテナシート31よりも耐衝撃性が高い。【選択図】図2

Description

本発明は、ICカードに関する。
従来から、接触通信機能や非接触通信機能を有するICチップを搭載したICモジュールを備えた接触型ICカード、ハイブリッドICカード、デュアルICカード等のプラスチックカードが知られている。これらのカードは、カード本体にミリング加工(ザグリ加工)を施し、ICモジュールを凹部に嵌め込んで成形される(例えば、特許文献1参照)。
また、近年、環境に対する意識が高まり、製品・サービス等で使用する資源や廃棄物の量の抑制と付加価値の拡大を両立し、持続可能な形で資源を使用する取り組みが行われている。プラスチックカードにおいては、プラスチック使用量やCo2排出量の削減から、リサイクル材料を使用したカードを提供する必要が求められている。例えば、特許文献2には、リサイクル樹脂を使用したプラスチックカードが記載されている。
特開2010-282660号公報 特表2018-502736号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたICカードは、引っ張りや曲げなどの応力を受けると、凹部において側面と底部とが交わる周縁(隅部)付近から亀裂(クラック)が生じやすく、カードの基材割れが発生する虞があるため、ICカードの製造の際に、亀裂の発生防止を考慮する必要があった。特に、特許文献2に記載のプラスチックカードのように、材料にリサイクル樹脂を用いると、従来のリサイクル材料を使用していないプラスチックカードと比較してカードが脆くなる傾向があり、従来と同等の品質のカード品質を確保することが困難であった。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、環境に考慮したカードの基材割れを防ぎ、品質適正を向上した耐久性の高いICカードを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の第一の態様に係るICカードは、表面に第一底部及び第一側面を備えた第一凹部と、前記第一底部において前記第一凹部に連通して前記第一凹部よりも狭い開口幅を有し、第二底部及び第二側面を備えた第二凹部と、を有する嵌合孔が形成され、前記第一凹部の前記第一底部及び前記第一側面が交わる第一周縁部を有する絶縁性の第一アンテナシートと、前記第一アンテナシートの裏面側に積層された絶縁性の第二アンテナシートと、前記第一アンテナシートと前記第二アンテナシートとに内包された導電性のアンテナコイルと、前記第二アンテナシートの前記裏面側に積層され、前記第二凹部の前記第二底部及び前記第二側面が交わる第二周縁部を有する絶縁性の第二シートと、を有するカード本体と、前記カード本体の前記嵌合孔に嵌め込まれ、シート状に形成された基板と、前記基板の表面に配置された接触端子と、前記基板の裏面に配置されたICチップと、を有するICモジュールと、を備え、前記第一アンテナシートまたは前記第二シートは、前記第二アンテナシートよりも耐衝撃性が高い。
本発明に係るICカードによれば、環境に考慮したカードの基材割れを防ぎ、品質適正を向上した耐久性の高いICカードを提供することができる。
本発明の第一実施形態に係るICカードを模式的に示す平面図である。 図1のA-A断面に沿う同ICカードの模式的な断面図である。 同ICカードに嵌合孔が形成される前のICカードのアンテナシートに備えられたアンテナコアシートを上側UPから見た平面図である。 図1のA-A断面に沿う同ICカードに嵌合孔が形成される前のICカードのカード本体を短辺方向から見た状態を模式的に示す断面図である。 図1のA-A断面に沿う同ICカードに嵌合孔が形成され、ICモジュールが嵌め込まれる前のICカードのカード本体を短辺方向から見た状態を模式的に示す断面図である。 本発明の第二実施形態に係るICカードの模式的な断面図である。 本発明の第三実施形態に係るICカードの模式的な断面図である。 本発明のICカードの他の変形例を説明する図である。
(第一実施形態)
本発明の一実施形態について、図1から図5を参照して説明する。また、以下で説明する実施形態や変形例において、相互に対応する構成については同一の符号を付し、重複部分については説明を省略する場合がある。さらに、以下の説明において、例えば「平行」や「直交」、「中心」、「同軸」等の相対的又は絶対的な配置を示す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差や同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
図1は、本発明の一実施形態に係るICカード1を模式的に示す平面図である。図2は、図1のA-A断面に沿うICカード1の模式的な断面図である。
以下のICカード1の説明において、ICカード1の長辺に沿う方向を長辺方向D1とし、水平面上で長辺方向D1に直交するICカード1の短辺に沿う方向を短辺方向D2とする。長辺方向D1及び短辺方向D2に沿う面は水平面とする(以下、単に水平面という)。また、長辺方向D1及び短辺方向D2と直交する鉛直方向を板厚方向Dtとする。さらに、ICカード1の板厚方向Dtにおいて、ICカード1の表面1f側を上側UPとし、裏面1g側を下側DWとする。
図1に示すように、ICカード1は、例えば、外部機器との間で、接触型通信と非接触型通信とを可能としたデュアルICカードである。ICカード1は、水平面に沿う板状であり、板厚方向Dtの上側UP側から見て、互いに対向する長辺及び短辺を有する長方形形状に形成されている。ICカード1は、板厚方向Dtの厚みが、例えば、0.5~1.0mm程度に形成されている(ICカード1がクレジットカードである場合、ICカード1の厚みは0.76mm)。
ICカード1は、カード本体2と、ICモジュール7と、を備えている。
[カード本体2]
カード本体2は、図1に示すように、ICカード1の外形をなす部分である。カード本体2は、水平面に沿う板状であり、板厚方向Dtの上側UP側から見て、互いに対向する長辺及び短辺を有する長方形形状に形成されている。
カード本体2は、板厚方向Dtの厚みが、例えば、0.68~0.84mm程度になるように形成されたのちラミネート加工を施される。ラミネート加工されたカード本体2は、上側UPからミリング加工(切削加工)される。すると、嵌合孔(凹部)6が形成される。嵌合孔6の詳細な説明については、後述する。カード本体2は、図2に示すように、アンテナシート3と、中間シート4と、外装基材(外装シート)5とを備える。
[アンテナシート3]
アンテナシート3は、本実施形態において、図2に示すように、中間シート4に備えられた表側中間シート41と裏側中間シート42との間に備えられる。アンテナシート3は、コアシート(第二アンテナシート)31と、アンテナコアシート(第一アンテナシート)33と、アンテナコイル(巻線アンテナ)32と、を備える。
[コアシート(第二アンテナシート)31]
コアシート(第二アンテナシート)31は、図2に示すように、アンテナコアシート(第一アンテナシート)33の裏面33g及び中間シート4の裏側中間シート42の上側UPである表面に積層された可撓性を有する絶縁性の基板である。コアシート31は、板厚方向Dtの上側UP側から見て、互いに対向する長辺及び短辺を有する長方形形状に形成されている。コアシート31の板厚方向Dtの厚みは、例えば、0.015mm~0.05mmの範囲の厚みに設定されている。
コアシート31は、本実施形態では、リサイクルPETG樹脂材料を用いて形成される。リサイクルPETG樹脂とは、多価アルコール成分100モル%中に1、4-シクロヘキサンジメタノール成分が5モル%以上含まれるポリエステル系樹脂であり、かつリサイクル材料の50質量%以上である樹脂をいう。
ただし、コアシート31の材料は特に限定されず、例えば、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート共重合体(PET-G)、ポリブチレンテレフタレート材料、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体などのポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ4フッ化エチレン、エチレン-4フッ化エチレン共重合体などのポリフッ化エチレン樹脂、ナイロン-6、ナイロン6、6などのポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ビニロンなどのビニル樹脂、三酢酸セルロース、セロファンなどのセルロース樹脂、ポリメタアクリル酸メチル、ポリメタアクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチルなどのアクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート、ポリイミド樹脂などの絶縁性を有する基材を適宜選択することができる。なお、コアシート31は、リサイクル材料の50質量%以上であるリサイクル樹脂を使用することが好ましい。また、コアシート31の色や透過濃度は、特に限定されず、カードの仕様目的にあったものを選定することができる。
コアシート31は、カード本体2に形成された嵌合孔6によって、一部に貫通孔を備える。
[アンテナコアシート(第一アンテナシート)33]
アンテナコアシート(第一アンテナシート)33は、図2に示すように、コアシート31の上側UPの表面31f側に積層された可撓性を有する絶縁性の基材である。アンテナコアシート33は、コアシート31と同様に、板厚方向Dtの上側UP側から見て、互いに対向する長辺及び短辺を有する長方形形状に形成されている。
アンテナコアシート33は、コアシート31よりも耐衝撃性の高い材料を用いて形成されるのが好ましい。アンテナコアシート33は、本実施形態では、リサイクルPCTG樹脂を用いて形成される。ここで、以降の説明において、リサイクルPCTG樹脂材料を用いた箇所は、図2から図5に示すICカード1の断面において、ハッチングで図示されている。リサイクルPCTG樹脂とは、ポリエチレンテレフタレートの構成成分であるエチレングリコールの一部を1、4-シクロヘキサンジメタノールで置換してなるポリエステル系樹脂であって、エチレングリコールの1、4-シクロヘキサンジメタノールへの置換率が50モル%以上の樹脂であり、かつリサイクル材料の50質量%以上である樹脂を意味する。リサイクルPCTG樹脂は、リサイクルPETG樹脂よりも耐衝撃性が高い。ただし、アンテナコアシート33の材料は、特に限定されず、例えばコアシート(第二アンテナシート)31と同様の材料を用いてもよい。
コアシート31とアンテナコアシート33とは、アンテナコイル(巻線アンテナ)32を内包している。
[アンテナコイル(巻線アンテナ)32]
図3は、ICカード1に嵌合孔6が形成される前のICカード1のアンテナシート3に備えられたアンテナコアシート33を上側UPから見た平面図である。図4は、図1のA-A断面に沿うICカード1に嵌合孔6が形成される前のICカード1のカード本体2を短辺方向D2から見た状態を模式的に示す断面図である。
アンテナコイル(巻線アンテナ)32は、例えば、図3及び図4に示すように、アンテナコアシート33の下側DWである裏面33gにおいて、被覆導線を板厚方向Dtの半分程度または半分以上をアンテナコアシート33に埋め込んだ状態で形成される。なお、図3に示すアンテナコイル32は、アンテナコアシート33の裏面33gに備えられているが、説明の便宜上実線で図示している。また、アンテナコイル32は、図3に示すように、アンテナコアシート33の周縁33kに沿って一巻きから三巻き程度に巻回して矩形状に形成されている。アンテナコイル32は、リーダライタなどの非接触型外部機器との非接触型通信を行う。ただし、アンテナコイル32は、非接触型外部機器との非接触型通信が可能であればよく、巻き数、形状及び線幅等については限定されない。
アンテナコイル32の被覆導線は、例えば導電性のマグネットワイヤを好適に使用することができる。マグネットワイヤとは、銅、銅合金、アルミニウムなどの導電線の表面を絶縁樹脂層で被覆したものである。絶縁樹脂としては、ポロビニールホルマール、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエステルイミド、ポリアミド、ポリイミドなどが使用される。アンテナコイル32は、価格、耐熱性などにより適宜選択することができる。
アンテナコイル32の製造方法に特に制限はなく、様々な方法で形成することができる。例えば、アンテナコイル32の製造方法としては、アンテナコアシート33に直径0.1mmのマグネットワイヤをアンテナコアシート33の周縁33kに沿って巻回した状態で、超音波振動子を使用して、半径0.05mm以上埋め込むことによって形成される。ただし、アンテナコイル32の製造方法は、本実施形態に限定されず、例えば、金属板や金属箔のレーザー切断や打ち抜き、金属箔や金属層のエッチング、金属線の配置などを例示できる。打ち抜きは、アンテナコイル32を幅広に形成する際に好適である。アンテナコイル(巻線アンテナ)32の両端には、接続端子320が形成されている。
接続端子320は、図3に示すように、アンテナコイル32の両端をそれぞれ複数折り返されることによって形成されている。接続端子320を折り返す回数は、特に限定されないが、図2、図4及び図5の断面図おいては、説明の便宜上、アンテナコイル32の両端を2回程度折り返して形成された場合を図示している。接続端子320は、図4の状態から、ミリング加工によって上側UPの一部を削られ、図2に示すように後述のICモジュール7のパッド電極73と電気的に接続される。このとき、接続端子320は、板厚方向Dtから見て、嵌合孔6の第二収容部(第二凹部)62を挟むように、長辺方向において第二収容部62の両側に配置される。
[中間シート4]
中間シート4は、図2及び図4に示すように、アンテナシート3の表裏に積層される基材である。中間シート4は、表側中間シート41と、裏側中間シート42と、を備える。
[表側中間シート41]
表側中間シート41は、コアシート31及びアンテナコアシート33の上側UPに備えられ、アンテナコアシート33の表面に積層された絶縁性を有するシート状の基材である。表側中間シート41は、板厚方向Dtの上側UP側から見て、互いに対向する長辺及び短辺を有する長方形形状に形成されている。表側中間シート41は、本実施形態では、コアシート31と同様に、リサイクルPETG樹脂を用いて形成される。ただし、表側中間シート41に用いる樹脂材料は、特に限定されない。
[裏側中間シート(第二シート)42]
裏側中間シート(第二シート)42は、コアシート31の下側(裏面側)DWに備えられた絶縁性を有するシート状の基材である。裏側中間シート42は、表側中間シート41と同様に、板厚方向Dtの上側UP側から見て、互いに対向する長辺及び短辺を有する長方形形状に形成されている。裏側中間シート42は、本実施形態では、アンテナコアシート33と同様に、リサイクルPCTG樹脂を用いて形成される。すなわち、裏側中間シート42は、リサイクルPETG樹脂を材料としたコアシート31よりも耐衝撃性が高い。ただし、裏側中間シート42に用いる樹脂材料は、特に限定されない。
中間シート4の表側中間シート41及び裏側中間シート42の板厚方向Dtの厚みは、カードの厚さ制限を超えない範囲で適宜選定することができる。表側中間シート41及び裏側中間シート42の板厚方向Dtの厚みは、例えば、0.05mm~0.20mmの範囲に設定されている。特に、表側中間シート41及び裏側中間シート42の板厚方向Dtの厚みは、0.15mm前後の厚みが好ましい。中間シート4の表側中間シート41及び裏側中間シート42は、ICカード1の仕様に応じて印刷を行う場合があるため、印刷インキに対する印刷適性が備えられている事が望ましい。
[外装基材(外装シート)5]
外装基材(外装シート)5は、図2に示すように、アンテナシート3及び中間シート4の表裏に積層される基材である。外装基材5は、オーバーシートともいう。外装基材5は、ICカード1の表面1fに表側外装基材51を備え、ICカード1の裏面1gに裏側外装基材52を備える。外装基材5は、例えば、プラスチック樹脂材料を用いて形成される。ただし、外装基材5の材料は特に限定されず、例えば、アンテナシート3や中間シート4と同様のリサイクル樹脂材料を使用することができる。また、外装基材5は、金属シートや磁性体材料(磁気テープ)などを用いて形成されることもある。さらに、外装基材5は、UV硬化タイプや混合液反応硬化タイプ等の高い流動性と絶縁性とを有するプラスチック樹脂材料を用いて、カード形状に成形することもある。なお、外装基材5は、単層であってもよいし、複数層に形成されていてもよい。また、外装基材5は、さらに磁気層、保護層等を設けてもよいし、感熱・熱転写・インクジェット等の機能性の表面コートが施されていてもよい。
外装基材5の表側外装基材51及び裏側外装基材52の板厚方向Dtの厚みは、ICカード1の厚さ制限を超えない範囲で適宜選定できる。例えば、表側外装基材51及び裏側外装基材52の板厚方向Dtの厚みは、0.05mm~0.20mmの範囲の厚みに設定されている。特に、表側外装基材51及び裏側外装基材52の板厚方向Dtの厚みは、0.05mm前後の厚みが好ましい。
[嵌合孔(凹部)6]
図5は、図1のA-A断面に沿うICカード1に嵌合孔6が形成され、ICモジュール7が嵌め込まれる前のICカード1のカード本体2を短辺方向D2から見た状態を模式的に示す断面図である。
嵌合孔(凹部)6は、図5に示すように、ミリング加工(切削加工)によってカード本体2に形成された孔である。嵌合孔6は、カード本体2の上側UPの表面2fに開口部6hを有する。嵌合孔6は、例えば板厚方向Dtの上側UP側から見て略矩形状に形成されている。嵌合孔6は、図2に示すように、カード本体2にICモジュール7が接合される場合に、ICモジュール7を収容してICカード1の表面1f上に凹凸が出ないようカード本体2に設けられている。嵌合孔6は、第一収容部(第一凹部)61と、第二収容部(第二凹部)62とを備える。
第一収容部(第一凹部)61は、カード本体2の表面2fに開口部を備える。第一収容部61の開口部は、嵌合孔6の備える開口部6hである。第一収容部61は、本実施形態では、ICモジュール7のモジュール基板71の大きさに対応している。また、第一収容部61の板厚方向Dtの厚みは、ICモジュール7のモジュール基板71及び接触端子74の厚み等を考慮して設定するのが好ましい。
第一収容部61は、図5に示すように、カード本体2の表面1fに形成された表側外装基材51と、中間シート4の表側中間シート41とを板厚方向Dtに貫通し、第一内側面(第一側面)61bと、第一底部61aとを備える。第一収容部61は、表側中間シート41の下側DWに積層されたアンテナシート3のアンテナコアシート33において、貫通せず、第一底部61aを形成する。第一底部61aは、本実施形態では、アンテナコアシート33と略平行になるように形成される。
この構成により、アンテナコアシート33は、図5に示すように、第一収容部61の第一底部61aを内部に備え、さらに第一収容部61の第一内側面61b及び第一底部61aが交わる第一底部周縁部(第一周縁部)61pを備える。また、アンテナコアシート33に内包されていたアンテナコイル32の接続端子320が、図5に示すように、ミリング加工によって接続端子320の上側UPの一部を削り取られ、接続面320aを形成する。なお、第一収容部61の第一内側面61bは、傾斜のついた形状であってもよいし、傾斜のない形状であってもよい。
ここで、接続端子320は、ミリング加工によって接続端子320の表面を被覆している絶縁樹脂層を除去される。また、接続端子320に形成された接続面320aの露出面積は、アンテナコイル32の半径までミリング加工した時が最大となる。そのため、接続端子320は、接続面320aの露出面積が半径までミリング加工されている事が好ましい。なお、第一収容部61の第一底部周縁部61pは、一部が接続端子320上に形成されていてもよい。
第二収容部(第二凹部)62は、図5に示すように、第一収容部61の第一底部61aにおいて第一収容部61に連通し、第一収容部61よりも長辺方向D1及び短辺方向D2において開口幅の狭い凹部である。第二収容部62は、本実施形態では、樹脂封止部76の大きさに対応している。
第二収容部62は、図5に示すように、アンテナシート3のコアシート31及びアンテナコアシート33を板厚方向Dtに貫通して、第二内側面(第二側面)62bと、第二底部(第二周縁部)62aと、を備える。第二収容部62は、アンテナコイル32の両端に形成された接続端子320の間に配置される。また、第二収容部62は、コアシート31の下側DWに備えられた裏側中間シート42において、貫通せず、第二底部62aを形成する。第二底部62aは、本実施形態では、裏側中間シート42と略平行になるように形成される。
この構成により、裏側中間シート42は、図2または図5に示すように、第二収容部62の第二底部62aを内部に備え、さらに第二収容部62の第二内側面62b及び第二底部62aが交わる第二底部周縁部62pを備える。なお、第二収容部62の第二内側面62bは、傾斜のついた形状であってもよいし、傾斜のない形状であってもよい。
[ICモジュール7]
ICモジュール7は、図2に示すように、モジュール基板(基板)71と、ICチップ72と、パッド電極(電極)73と、接触端子74と、ワイヤ75と、樹脂封止部76とを備える。ICモジュール7の外形サイズは、例えば接触端子74が、6端子で構成されている場合には、水平面において、約8mm×10.6mmの寸法で形成される。
モジュール基板(基板)71は、ガラスエポキシやPETなどの材料を用いて水平面上に形成されたシート状の基板である。モジュール基板71は、板厚方向Dtにおいて、表面71fと、裏面71gとを有し、板厚方向Dtから見て、矩形状に形成されている。モジュール基板71の厚さは、例えば、50~200μmである。モジュール基板71は、貫通孔71aを備える。
貫通孔71aは、図2に示すように、モジュール基板71を板厚方向Dtに貫通する孔である。貫通孔71aは、ICチップ72の周囲に備えられる。貫通孔71aは、例えば、板厚方向Dtから見て断面が略円状となるように、略円柱状に形成される。貫通孔71aには、図2に示すように、後述のワイヤ75が挿通する。貫通孔71aの個数は、特に限定されず、1個のみ備えられていてもよいし、複数備えていてもよい。貫通孔71aの個数は、本実施形態では、ワイヤ75を介して接触端子74と接続されるICチップ72の電極の個数に合わせて形成されている。なお、貫通孔71aの配置、形状及び大きさ等は、特に限定されない。また、貫通孔71aは、金属めっきの施されたスルーホール等であってもよい。
ICチップ72は、モジュール基板71の裏面71gへ備えられる。ICチップ72は、接触型通信機能および非接触型通信機能を有する公知の構成のものを用いることができる。ICチップ72は、板厚方向Dtから見て矩形状に形成されている。ICチップ72の実装の形態は特に限定されないが、本実施形態では、例えばキャリアテープに実装されたCOT(Chip On Tape)の形態でICモジュール基板71に実装される。ICチップ72は、下側DWの表面に図示しない電極を備えている。
パッド電極(電極)73は、モジュール基板71の裏面71gに備えられる。パッド電極73は、モジュール基板71の中央部に配置されたICチップ72の周囲に配置されている。パッド電極73は、図2に示すように、ICモジュール7がカード本体2の嵌合孔6に嵌め込まれた際に、カード本体2のアンテナコイル32に備えられた接続端子320の接続面320aの上側UPに配置される。
パッド電極73は、ワイヤ75を介してICチップ72の電極へ電気的に接続される。また、パッド電極73は、例えば、カード本体2の備える接続端子320の接続面320aに、はんだ付け、導電性インキ、導電性接着剤、または異方性導電フィルム(ACF)等を介して接続することができる。この構成により、カード本体2のアンテナコイル32と、ICモジュール7のICチップ72とは電気的に接続される。ただし、カード本体2のアンテナコイル32と、ICモジュール7のICチップ72との電気的な接続方法は、本実施形態に限定されない。
接触端子74は、図示しない接触型外部機器と接触可能に構成される。接触端子74は、図2に示すように、モジュール基板71の表面71fへ形成される。接触端子74は、裏面に図示しない電極を備える。接触端子74は、ワイヤ75を介してICチップ72の電極へ電気的に接続される。
ワイヤ75は、貫通孔71aを挿通する。ワイヤ75は、図2に示すように、ワイヤボンディング等によってモジュール基板71の裏面71gのICチップ72の電極と、表面71fの接触端子74に備えられた電極及びパッド電極73とを接続する。ICチップ72と接触端子74及びパッド電極73とは、ワイヤ75を介して電気的に接続される。ワイヤ75としては、金ワイヤが好ましい。ただし、ワイヤ75は、銀、白金、アルミニウム、銅、合金、異種金属によるコーティング線等のワイヤを使用してもよい。
樹脂封止部76は、ICチップ72とワイヤ75とを被覆する突起状部位である。樹脂封止部76は、図2に示すように、モジュール基板71の裏面71gに備えられている。樹脂封止部76は、例えば、公知のエポキシ樹脂、紫外線硬化性樹脂または熱硬化性樹脂等などで形成することができる。樹脂封止部76は、ICチップ72を外力負荷や環境負荷から保護したり、ワイヤ75等の断線を防いだりすることができる。樹脂封止部76は、一般的にICチップ72に中心を合わせて配置する。
ICカード1は、例えば、ミリング加工によって嵌合孔6が形成されたカード本体2と、嵌合孔6に嵌め込まれたICモジュール7とを、熱圧によるラミネートあるいは接着等により挟み込んで一体化させ、その後、カードの形状に打ち抜いて成形される。成形されたICカード1は、さらにエンボス加工等を施されていてもよい。
(作用)
次にICカード1の作用について説明する。
ICカード1のカード本体2は、図2に示すように嵌合孔6を備えている。ICカード1は、引っ張りや曲げなどの外力を与えられると、応力がカード本体2においてミリング加工された嵌合孔6に集中する。特に、凹部の隅部である第一収容部(第一凹部)61の第一底部周縁部61pと、第二収容部(第二凹部)62の第二底部周縁部62pと、においては、応力集中により亀裂が発生し易くなる。
カード本体2において、第一収容部61の第一底部周縁部61pを内部に備えたアンテナコアシート33と、第二収容部62の第二底部周縁部62pを内部に備えた裏側中間シート42とは、リサイクルPCTG樹脂を用いて形成される。リサイクルPCTG樹脂は、コアシート31に用いられるリサイクルPETG樹脂よりも耐衝撃性が高い。そのため、ICカード1の構成によれば、第一底部周縁部61pと第二底部周縁部62pとにおける亀裂発生によってICカード1が基材割れしてしまう虞を無くすことができる。また、第一底部周縁部61pは、例えばアンテナコイル32の接続端子320上に形成されていても応力集中による接続端子320の断線リスクを低減することができる。
本実施形態では、ICカード1のカード本体2は、アンテナシート3のコアシート31及びアンテナコアシート33と、中間シート4とにおいてリサイクル樹脂材料を用いて形成されている。そのため、ICカード1は、従来のプラスチックカードと比較して、プラスチック使用量やCo2排出量を削減することができる。
また、本実施形態では、カード本体2の第一収容部61の第一底部周縁部61pを内部に備えたアンテナコアシート33及び第二収容部62の第二底部周縁部62pを内部に備えた裏側中間シート42のみにリサイクルPCTG樹脂を用いて形成されている。そのため、本実施形態のICカード1によれば、プラスチック樹脂の中でもコストの高いリサイクルPCTG樹脂を使用する箇所を限定し、第一底部周縁部61pと第二底部周縁部62pとにおける亀裂発生によってICカード1が基材割れしてしまう虞を無くしつつ、ICカード1の製造コストを低減することができる。
以上、本発明の第一実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。また、上述の実施形態及び以下で示す変形例において示した構成要素は適宜に組み合わせて構成することが可能である。
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態について、図6を参照して説明する。以降の説明において、既に説明したものと共通する構成については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。なお、以下の実施形態は、いずれも第一実施形態と比較してカード本体が異なっている。従って、以下の説明では、第一実施形態との相違点を中心に説明する。
図6は、第二実施形態に係るICカード1Aの模式的な断面図である。
ICカード1Aは、例えば、ICモジュール7Aに接触型外部機器と接触可能な接触端子74と、接触型通信機能を有するICチップ72と、を備えた接触ICカードの一例を示している。なお、第二実施形態に係るICモジュール7Aは、パッド電極73を備えていない点を除き、第一実施形態と同様の構成である。
ICカード1Aのカード本体2Aは、第一実施形態のアンテナシート3を備えていない。カード本体2Aは、中間シート4Aと、外装基材(外装シート)5とを備える。外装基材5は、第一実施形態と同様であるため、説明を省略する。
[中間シート4A]
中間シート4Aは、図6に示すように、外装基材5に挟み込まれるように積層される基材である。中間シート4Aは、表側中間シート(第一アンテナシート)41Aと、裏側中間シート(第二シート)42と、を備える。裏側中間シート42は、第一実施形態と同様であるため、説明を省略する。
表側中間シート41Aは、第一実施形態と比較して、使用する材料が異なる。表側中間シート41Aは、裏側中間シート42と同様に、リサイクルPCTG樹脂を用いて形成される。また、表側中間シート41Aは、第一収容部61の第一底部61aを内部に備え、さらに第一収容部61の第一内側面61b及び第一底部61aが交わる第一底部周縁部61pを備える。
上述の実施形態においても、第一収容部61の第一底部周縁部61pを内部に備えた中間シート4Aの表側中間シート41Aと、第二収容部62の第二底部周縁部62pを内部に備えた裏側中間シート42とは、リサイクルPCTG樹脂を用いて形成される。そのため、本実施形態のICカード1Aの構成によれば、第一底部周縁部61pと第二底部周縁部62pとにおける亀裂発生によってICカード1Aが基材割れしてしまう虞を無くすことができる。
以上、本発明の第二実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。また、上述の実施形態及び以下で示す変形例において示した構成要素は適宜に組み合わせて構成することが可能である。
(第三施形態)
次に、本発明の第三実施形態について、図7を参照して説明する。以降の説明において、既に説明したものと共通する構成については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。なお、以下の実施形態は、いずれも第一実施形態と比較してカード本体が異なっている。従って、以下の説明では、第一実施形態との相違点を中心に説明する。
図7は、第三実施形態に係るICカード1Bの模式的な断面図である。
ICカード1Bは、例えば、非接触式ICチップと接触式ICチップとを有するICカードの一例を示している。第三実施形態に係るICモジュール7Aは、ICチップ72が接触型通信機能のみを有することを除き、第二実施形態と同様の構成である。
ICカード1Bのカード本体2Bは、アンテナシート3Bと、中間シート4Aと、外装基材(外装シート)5とを備える。中間シート4Aは、第二実施形態と同様であり、外装基材5は、第一実施形態と同様であるため、説明を省略する。
[アンテナシート3B]
ICカード1Bは、コアシート(第二アンテナシート)31と、アンテナコイル(巻線アンテナ)32と、アンテナコアシート33Bと、ICチップ34と、表面側コアシート35と、を備える。
アンテナコイル(巻線アンテナ)32Bは、両端に接続端子320Bを備えている。接続端子320Bは、後述のICチップ34と電気的に接続される。
ICチップ34は、非接触型通信機能を有する。ICチップ34は、コアシート31に載置され、接続端子320Bを介して、アンテナコイル32Bと電気的に接続される。
アンテナコアシート33Bは、第一実施形態と比較して、使用する材料が異なる。アンテナコアシート33Bは、コアシート31と同様に、リサイクルPETG樹脂を用いて形成される。
表面側コアシート35は、アンテナコアシート33Bの表面に積層され、コアシート31とともにICチップ34を内包する。表面側コアシート35の材料は特に限定されないが、例えばアンテナコアシート33B及びコアシート31と同様に、リサイクルPETG樹脂を用いて形成される。
上述の実施形態においても、第一収容部61の第一底部61aを内部に備えた中間シート4Aの表側中間シート41Aと、第二収容部62の第二底部62aを内部に備えた裏側中間シート42とは、リサイクルPCTG樹脂を用いて形成されるため、亀裂発生によってICカード1Bが基材割れしてしまう虞を無くすことができる。
以上、本発明の第三実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。また、上述の実施形態及び以下で示す変形例において示した構成要素は適宜に組み合わせて構成することが可能である。
(実験)
次に、第一実施形態に係るICカード1の作用を確認するための評価試験を行った。今回は、JIS X 6305-1に準拠した曲げ(ストレス)耐久性試験(以下、曲げ耐久性試験)、及びMasterCardのCQM(Card Quality Manufacturing)要件(TM-422テストメソッド)に準拠したカードラッピングテスト試験(以下、CQMラッピングテスト試験)を実施した。
上述の実験には、ICカードのサンプルである実施例1と、比較例1とを使用する。ここで、実施例1は、第一実施形態に係るICカード1と同様の構成である。比較例1は、第一実施形態に係るICカード1と比較して、アンテナコアシート33と、裏側中間シート42とにおいて、リサイクルPCTG樹脂材料を使用せず、コアシート31と同様のリサイクルPETG樹脂材料を使用している。
また、上述の試験の評価基準としては、ICカード1に形成された嵌合孔6が備える第一収容部61の第一底部周縁部61pと第二収容部62の第二底部周縁部62pとから亀裂(クラック)が形成されるかどうかを判断基準とする。第一底部周縁部61pと第二底部周縁部62pとから亀裂が形成された場合は、ICカード1は不良品であるとする。第一底部周縁部61pと第二底部周縁部62pとから亀裂が形成されない場合は、ICカード1は良品であるとする。
まず、曲げ耐久性試験を実施した。今回は、実施例1のサンプルと、比較例1のサンプルとをそれぞれ1000枚ずつ用意し、試験を行ったのち、良品数と不良品数との枚数を確認する。得られた試験結果は、表1に示す。
Figure 2024021669000002
表1に示すように、実施例1の良品数は1000枚、不良品数は、0枚であった。実施例1は、すべてのサンプルにおいて、亀裂が発生しなかった。また、比較例1の良品数は994枚、不良品数は、6枚であった。
次に、CQMラッピングテスト試験を実施した。本実験においては、実施例1のサンプルと、比較例1のサンプルとをそれぞれ10枚ずつ用意し、試験を行ったのち、良品数と不良品数との枚数を確認した。得られた試験結果は、表2に示す。
Figure 2024021669000003
表2に示すように、実施例1の良品数は10枚、不良品数は、0枚であった。実施例1は、すべてのサンプルにおいて、亀裂が発生しなかった。また、比較例1の良品数は3枚、不良品数は、7枚であった。
以上の結果より、実施例1は、比較例1よりもICカードへの亀裂の発生率が低いことが分かった。すなわち、第一底部周縁部61pと第二底部周縁部62pとが形成されるカード基材にリサイクルPETG樹脂よりも耐衝撃性の高いリサイクルPCTG樹脂を使用することで、ICカードの振動や曲げに対する耐久性を高くすることができたと考察できる。
(変形例)
例えば、上述した実施形態では、アンテナコイル(巻線アンテナ)は、両端に接続端子を備えているが、その両端の接続端子に跨るようにさらに銅パッドを備えていてもよい。この場合は、銅パッドは、例えば第一収容部の第一底部61aにおいて、一部が剥き出しになるように、上側をミリング加工によって削り取られる。そして、銅パッドは、はんだ付け、導電性インキ、導電性接着剤、または異方性導電フィルム(ACF)等を介してICモジュールのパッド電極に電気的に接続することができる。
また、第一実施形態に係るICカード1は、図8に示すICカード1Cのように、裏側中間シート42の材料にリサイクルPCTG樹脂を用いなくてもよい。また、ICカード1Cは、裏側中間シート42ではなく、アンテナコアシート33の材料にリサイクルPCTG樹脂を用いなくてもよい。この場合、裏側中間シート42またはアンテナコアシート33は、例えばコアシート31と同様に、リサイクルPETG樹脂等を用いて形成されてもよい。
リサイクルPCTG樹脂は、カード本体において第一底部周縁部または第二底部周縁部が形成される基材に材料として用いるのが好ましい。ただし、ICカード1Cのように、少なくとも第一底部周縁部61pを内部に備えたアンテナコアシート33または第二底部周縁部62pを内部に備えた裏側中間シート42がリサイクルPCTG樹脂材料を用いていればよい。この場合においても、本発明のICカードは、第一底部周縁部または第二底部周縁部からの亀裂発生による基材割れを低減することができる。
本発明のICカードは、リサイクル樹脂材料に限定されず、再生可能な生物由来の資源(バイオマス)を材料として形成されていてもよい。また、ICカードは、ポストインダストリー、ポストコマーシャルまたはポストコンシューマー等の材料を用いて形成されていてもよい。このようなICカードの構造であっても、本発明では、環境に考慮したICカードを提供することができる。
また、本発明のICカードは、例えば、上述の実施形態に示す1つのICチップが接触式及び非接触式の双方として機能するデュアルカードに限定されず、接触ICチップと非接触ICチップとを一枚のカードに搭載したハイブリッドカードや、電磁結合デュアルカードなど、嵌合孔にICモジュールが嵌め込まれる構造全般に適用してもよい。電磁結合デュアルカードとは、アンテナコイルに接続された結合コイルと、ICモジュールのモジュール基板に備えられた接続コイルとを備えるカードである。この場合は、アンテナコイルの結合コイルと、モジュール基板の接続コイルとが電磁結合することで、ICモジュールのICチップが、アンテナコイルに接続される。このようなICカードの構造であっても、本発明のICカードは、上述の実施形態の効果を奏する。
また、上述した実施形態のアンテナシートは、アンテナコイルへ直列又は並列に電気的に接続され、アンテナコイルと共振回路を構成し共振周波数を調整するチップコンデンサ等(平板コンデンサも含む)をさらに備えていてもよい。
また、上述した実施形態のICカードに備えられた嵌合孔の形状及び大きさ及び形状は、上述の実施形態に限らず、モジュール基板、ICチップ及び樹脂封止部の形状及び大きさに応じて適宜変更可能である。
いずれの上記形態においても、本発明に係るICカードによれば、環境に考慮したカードの基材割れを防ぎ、品質適正を向上した耐久性の高いICカードを提供することができる。
本発明に係るICカードによれば、環境に考慮したカードの基材割れを防ぎ、品質適正を向上した耐久性が高いICカードを提供することができるので産業上利用可能である。
1、1A、1B、1C ICカード
1f 表面
1g 裏面
2、2A、2B カード本体
3、3B アンテナシート
31 コアシート(第二アンテナシート)
32、32B アンテナコイル(巻線アンテナ)
320、320B 接続端子
320a 接続面
33、33B アンテナコアシート(第一アンテナシート)
34 ICチップ
35 表面側コアシート
4、4A 中間シート
41 表側中間シート
41A 表側中間シート(第一アンテナシート)
42 裏側中間シート(第二シート)
5 外装基材(外装シート)
51 表側外装基材
52 裏側外装基材
6 嵌合孔(凹部)
6h 開口部
61 第一収容部(第一凹部)
61a 第一底部
61b 第一内側面(第一側面)
61p 第一底部周縁部(第一周縁部)
62 第二収容部(第二凹部)
62a 第二底部
62b 第二内側面(第二側面)
62p 第二底部周縁部(第二周縁部)
7、7A ICモジュール
71 モジュール基板(基板)
72 ICチップ
73 パッド電極(電極)
74 接触端子
75 ワイヤ
76 樹脂封止部
Dt 板厚方向

Claims (10)

  1. 表面に第一底部及び第一側面を備えた第一凹部と、前記第一底部において前記第一凹部に連通して前記第一凹部よりも狭い開口幅を有し、第二底部及び第二側面を備えた第二凹部と、を有する嵌合孔が形成され、
    前記第一凹部の前記第一底部及び前記第一側面が交わる第一周縁部を有する絶縁性の第一アンテナシートと、
    前記第一アンテナシートの裏面側に積層された絶縁性の第二アンテナシートと、
    前記第一アンテナシートと前記第二アンテナシートとに内包された導電性のアンテナコイルと、
    前記第二アンテナシートの前記裏面側に積層され、前記第二凹部の前記第二底部及び前記第二側面が交わる第二周縁部を有する絶縁性の第二シートと、
    を有するカード本体と、
    前記カード本体の前記嵌合孔に嵌め込まれ、シート状に形成された基板と、前記基板の表面に配置された接触端子と、前記基板の裏面に配置されたICチップと、を有するICモジュールと、
    を備え、
    前記第一アンテナシートまたは前記第二シートは、前記第二アンテナシートよりも耐衝撃性が高い
    ICカード。
  2. 少なくとも前記第一アンテナシートまたは前記第二シートは、リサイクルPCTG樹脂材料によって形成されている
    請求項1に記載のICカード。
  3. 前記第一アンテナシートと、前記第二アンテナシートと、前記第二シートとは、リサイクル樹脂材料によって形成されている
    請求項1または請求項2に記載のICカード。
  4. 前記ICモジュールは、前記基板に前記アンテナコイルと電気的に接続する電極をさらに備えている
    請求項1または請求項2に記載のICカード。
  5. 前記ICモジュールは、前記基板に前記アンテナコイルと電磁結合する接続コイルをさらに備えている
    請求項1または請求項2に記載のICカード。
  6. 前記第二アンテナシートは、非接触式のICチップをさらに備える
    請求項1または請求項2に記載のICカード。
  7. 前記第一アンテナシートの前記表面側に積層された絶縁性の表側中間シートをさらに備え、
    前記第一アンテナシートまたは前記第二シートは、前記表側中間シートよりも耐衝撃性が高い
    請求項1または請求項2に記載のICカード。
  8. 表面に第一底部及び第一側面を備えた第一凹部と、前記第一底部において前記第一凹部に連通して前記第一凹部よりも狭い開口幅を有し、第二底部及び第二側面を備えた第二凹部と、を有する嵌合孔が形成され、
    前記第一凹部の前記第一底部及び前記第一側面が交わる第一周縁部を有する絶縁性の第一アンテナシートと、
    前記第一アンテナシートの裏面側に積層され、前記第二凹部の前記第二底部及び前記第二側面が交わる第二周縁部を有する絶縁性の第二シートと、
    を有するカード本体と、
    前記カード本体の前記嵌合孔に嵌め込まれ、シート状に形成された基板と、前記基板の表面に配置された接触端子と、前記基板の裏面に配置されたICチップと、を有するICモジュールと、
    を備え、
    少なくとも前記第一アンテナシートまたは前記第二シートは、耐衝撃性が高い、
    ICカード。
  9. 少なくとも前記第一アンテナシートまたは前記第二シートは、リサイクルPCTG樹脂材料によって形成されている
    請求項8に記載のICカード。
  10. 前記第一アンテナシートと、前記第二シートとは、リサイクル樹脂材料によって形成されている
    請求項8または請求項9に記載のICカード。
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