JP2024020922A - 復元画像の評価方法および撮像システム、 - Google Patents

復元画像の評価方法および撮像システム、 Download PDF

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Abstract

【課題】スペクトル情報が圧縮された画像から復元画像を生成する場合の復元精度を簡易に評価する方法が求められている。
【解決手段】復元画像の評価方法は、光応答特性が互いに異なる複数の受光領域を有する撮像装置によって生成される、複数の波長バンドにそれぞれ対応する複数のマスク画像を取得することと、前記撮像装置によって取得される画像から、前記複数の波長バンドにそれぞれ対応する複数の復元画像を生成するために用いられる復元テーブルを、前記複数のマスク画像に基づいて生成することと、前記複数のマスク画像のうち、ある波長バンドに対応するマスク画像から、前記復元テーブルを用いて前記ある波長バンドに対応する復元画像を生成する場合の復元精度に関する評価情報を生成することと、を含む。
【選択図】図8

Description

本開示は、復元画像の評価方法および撮像システムに関する。
圧縮センシングは、観測対象のデータ分布が、周波数空間のようなある空間においてスパース(疎)であると仮定することにより、観測されたデータよりも多くのデータを復元する技術である。圧縮センシングは、例えば、少数の観測データからより多くの情報を含む画像を復元する撮像装置に適用され得る。圧縮センシングが適用された撮像装置は、対象物のスペクトル情報が圧縮された画像から、演算によって復元画像を生成する。その結果、例えば画像の高解像化、多波長化、撮像時間の短縮、または高感度化などの種々の効果を得ることが可能になる。
特許文献1は、各々が狭帯域である複数の波長バンドの画像を取得するハイパースペクトルカメラに圧縮センシング技術を適用した例を開示している。特許文献1に開示された技術によれば、高解像度かつ多波長の画像を生成するハイパースペクトルカメラを実現することができる。
米国特許第9599511号明細書
スペクトル情報が圧縮された画像から復元画像を生成する場合の復元精度を簡易に評価する方法が求められている。
本開示の一態様に係る復元画像の評価方法は、光応答特性が互いに異なる複数の受光領域を有する撮像装置によって生成される、複数の波長バンドにそれぞれ対応する複数のマスク画像を取得することと、前記撮像装置によって取得される画像から、前記複数の波長バンドにそれぞれ対応する複数の復元画像を生成するために用いられる復元テーブルを、前記複数のマスク画像に基づいて生成することと、前記複数のマスク画像のうち、ある波長バンドに対応するマスク画像から、前記復元テーブルを用いて前記ある波長バンドに対応する復元画像を生成する場合の復元精度に関する評価情報を生成することと、を含む。
本開示の包括的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能な記録ディスク等の記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意の組み合わせで実現されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、例えばCD-ROM(Compact Disc‐Read Only Memory)等の不揮発性の記録媒体を含み得る。装置は、1つ以上の装置で構成されてもよい。装置が2つ以上の装置で構成される場合、当該2つ以上の装置は、1つの機器内に配置されてもよく、分離した2つ以上の機器内に分かれて配置されてもよい。本明細書および特許請求の範囲では、「装置」とは、1つの装置を意味し得るだけでなく、複数の装置からなるシステムも意味し得る。
スペクトル情報が圧縮された画像から復元画像を生成する場合の復元精度を簡易に評価することができる。
図1Aは、撮像システムの構成例を模式的に示す図である。 図1Bは、撮像システムの他の構成例を模式的に示す図である。 図1Cは、撮像システムのさらに他の構成例を模式的に示す図である。 図1Dは、撮像システムのさらに他の構成例を模式的に示す図である。 図2Aは、フィルタアレイの例を模式的に示す図である。 図2Bは、対象波長域に含まれる複数の波長バンドW、W、・・・、Wのそれぞれの光の透過率の空間分布の一例を示す図である。 図2Cは、図2Aに示すフィルタアレイに含まれる領域A1の分光透過率の例を示す図である。 図2Dは、図2Aに示すフィルタアレイに含まれる領域A2の分光透過率の例を示す図である。 図3Aは、対象波長域Wと、それに含まれる複数の波長バンドW、W、・・・、Wとの関係の例を説明するための図である。 図3Bは、対象波長域Wと、それに含まれる複数の波長バンドW、W、・・・、Wとの関係の他の例を説明するための図である。 図4Aは、フィルタアレイのある領域における分光透過率の特性を説明するための図である。 図4Bは、図4Aに示す分光透過率を、波長バンドW、W、・・・、Wごとに平均化した結果を示す図である。 図5は、圧縮画像から復元画像を生成する場合の復元精度を評価するための撮像システムの構成例を模式的に示す図である。 図6は、本実施形態において処理回路が実行するキャリブレーションの動作の例を概略的に示すフローチャートである。 図7Aは、ある波長バンドに対応するマスク画像を模式的に示す図である。 図7Bは、図7Aに示すマスク画像から復元テーブルを用いて生成された複数の復元画像を模式的に示す図である。 図7Cは、図7Bに示す複数の復元画像の平均輝度を波長バンドについてプロットしたグラフである。 図8は、本実施形態において処理回路が実行する復元精度の評価動作の例を概略的に示すフローチャートである。 図9Aは、表示装置の表示UIに表示される評価情報の例を模式的に示す図である。 図9Bは、表示装置の表示UIに表示される評価情報の他の例を模式的に示す図である。
本開示において、回路、ユニット、装置、部材または部の全部または一部、またはブロック図における機能ブロックの全部または一部は、例えば、半導体装置、半導体集積回路(IC)、またはLSI(large scale integration)を含む1つまたは複数の電子回路によって実行され得る。LSIまたはICは、1つのチップに集積されてもよいし、複数のチップを組み合わせて構成されてもよい。例えば、記憶素子以外の機能ブロックは、1つのチップに集積されてもよい。ここでは、LSIまたはICと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(very large scale integration)、もしくはULSI(ultra large scale integration)と呼ばれるものであってもよい。LSIの製造後にプログラムされる、Field Programmable Gate Array(FPGA)、またはLSI内部の接合関係の再構成またはLSI内部の回路区画のセットアップができるreconfigurable logic deviceも同じ目的で使うことができる。
さらに、回路、ユニット、装置、部材または部の全部または一部の機能または操作は、ソフトウェア処理によって実行することが可能である。この場合、ソフトウェアは1つまたは複数のROM、光学ディスク、ハードディスクドライブなどの非一時的記録媒体に記録され、ソフトウェアが処理装置(processor)によって実行されたときに、そのソフトウェアで特定された機能が処理装置(processor)および周辺装置によって実行される。システムまたは装置は、ソフトウェアが記録されている1つまたは複数の非一時的記録媒体、処理装置(processor)、および必要とされるハードウェアデバイス、例えばインターフェースを備えていてもよい。
本開示において、「光」とは、可視光(波長が約400nm~約700nm)だけでなく、紫外線(波長が約10nm~約400nm)および赤外線(波長が約700nm~約1mm)を含む電磁波を意味する。
以下、本開示の例示的な実施形態を説明する。なお、以下で説明する実施形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施形態で示される数値、形状、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。さらに、各図において、実質的に同一の構成要素に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化される場合がある。
本開示の実施形態を説明する前に、スパース性に基づいて復元された画像は復元誤差を有する可能性があることを説明する。
スパース性とは、観測対象を特徴づける要素が、周波数空間のようなある空間においては疎ら(スパース)に存在しているという性質である。スパース性は、自然界において広く見られる。スパース性を利用することにより、必要な情報を効率的に観測することが可能になる。スパース性を利用したセンシング技術は、圧縮センシング技術と呼ばれる。圧縮センシング技術を利用することにより、高効率なデバイスおよびシステムの構築が可能である。
圧縮センシング技術の具体的な応用例として、例えば、特許文献1に開示されているような波長分解能を向上させたハイパースペクトルカメラが提案されている。当該ハイパースペクトルカメラは、例えば、空間および/または波長について不規則な光透過特性を有する光学フィルタを備える。そのような光学フィルタを「符号化マスク」とも称する。符号化マスクは、イメージセンサに入射する光の光路上に配置され、対象物から入射する光を、領域によって異なる光透過特性で透過させる。符号化マスクによるこの過程を「符号化」と称する。符号化マスクを介して取得された対象物の画像には、対象物のスペクトル情報が圧縮されている。当該画像を「圧縮画像」と称する。符号化マスクの光透過性を示すマスク情報は、復元テーブルとして予め記憶装置に記憶されている。
撮像装置の処理装置は、圧縮画像および復元テーブルに基づいて復元処理を行う。復元処理により、より高解像度の画像情報、またはより多くの波長の画像情報などの、圧縮画像よりも多くの情報を有する復元画像が生成される。復元テーブルは、例えば、符号化マスクの光応答特性の空間分布を示すデータであり得る。そのような復元テーブルに基づく復元処理により、1つの圧縮画像から、対象波長域に含まれる複数の波長バンドにそれぞれ対応する複数の復元画像を生成することができる。
特許文献1に開示されているような圧縮センシング技術を利用したハイパースペクトルカメラでは、復元テーブルを取得するためのキャリブレーションの工程、圧縮画像の撮影の工程、および圧縮画像から復元画像を生成するための復元演算の工程が実行される。
圧縮センシング技術では、圧縮画像から、復元テーブルを用いた復元演算によって復元画像が生成される。復元画像は、例えばハイパースペクトルカメラの製造工程における不具合が原因で、復元誤差を有する可能性がある。ハイパースペクトルカメラの出荷前に、圧縮画像から復元画像を生成する場合の復元精度を評価することにより、復元誤差が大きい粗悪品を除外することができる。
従来の方法では、以下の手順(1)~(3)で復元精度が評価されていた。
(1)色見本のような既知のスペクトル情報を有する対象物が用意される。
(2)ハイパースペクトルカメラによって当該対象物を撮像することにより、複数の波長バンドにそれぞれ対応する複数の復元画像が生成される。
(3)複数の復元画像から得られる対象物のスペクトル情報と、対象物の既知のスペクトル情報とを比較して、復元精度が評価される。
この方法では、ハイパースペクトルカメラごとに色見本を撮影し、復元精度を評価することが手間であるという課題があった。
本発明者は、上記の課題を検討した結果、ある波長バンドに対応するマスク画像を圧縮画像として、当該マスク画像から復元演算によって生成された復元画像に基づいて、復元精度を評価する方法に想到した。ある波長バンドに対応するマスク画像は、既知のスペクトル情報を有する。したがって、色見本のような既知のスペクトル情報を有する対象物を別途用意する必要がなく、復元精度を簡易に評価することが可能になる。以下に、本開示の実施形態による復元画像の評価方法および撮像システムを説明する。
第1の項目に係る方法は、光応答特性が互いに異なる複数の受光領域を有する撮像装置によって生成される、複数の波長バンドにそれぞれ対応する複数のマスク画像を取得することと、前記撮像装置によって取得される画像から、前記複数の波長バンドにそれぞれ対応する複数の復元画像を生成するために用いられる復元テーブルを、前記複数のマスク画像に基づいて生成することと、前記複数のマスク画像のうち、ある波長バンドに対応するマスク画像から、前記復元テーブルを用いて前記ある波長バンドに対応する復元画像を生成する場合の復元精度に関する評価情報を生成することと、を含む。
この方法では、スペクトル情報が圧縮された画像から復元画像を生成する場合の復元精度を簡易に評価することができる。
第2の項目に係る方法は、第1の項目に係る方法において、前記複数のマスク画像を取得することは、前記撮像装置によって前記複数の波長バンドの各々の光の像を取得することにより、前記複数の波長バンドの各々に対応するマスク画像を生成することを含む。
この方法では、複数のマスク画像を取得することが可能になる。
第3の項目に係る方法は、第1または第2の項目に係る方法において、前記評価情報を生成することが、前記復元テーブルを用いて、前記ある波長バンドに対応するマスク画像から、前記複数の波長バンドにそれぞれ対応する前記複数の復元画像を生成することをさらに含む。前記評価情報は、前記複数の復元画像の各々に含まれる複数の画素の画素値に基づいて生成される。
この方法では、評価情報を、複数の復元画像を用いて生成することができる。
第4の項目に係る方法は、第3の項目に係る方法において、前記複数の波長バンドがN個の波長バンドを含み、前記複数の復元画像が、前記N個の波長バンドにそれぞれ対応するN個の復元画像を含む。前記N個の復元画像のうち、第iの波長バンド(iは1以上N以下の整数)に対応する復元画像の平均画素値をBiとしたとき、前記第iの波長バンドに対応する復元画像の復元精度は、Bi/ΣBj(j=1~N、ただしj=iを除く)に基づいて評価される。
この方法では、第iの波長バンドに対応する復元画像の復元精度を、信号雑音比S/Nに基づいて評価することができる。
第5の項目に係る方法は、第1または第2の項目に係る方法において、前記評価情報は、少なくとも、前記ある波長バンドに対応する復元画像に含まれる複数の画像の画素値に基づいて生成される。
この方法では、評価情報を、ある波長バンドに対応する復元画像に含まれる複数の画像の画素値に基づいて生成してもよいし、それに加えて他の復元画像に含まれる複数の画像の画素値に基づいて生成してもよい。
第6の項目に係る方法は、第1から第5の項目のいずれかに係る方法において、前記撮像装置が複数のフィルタを備え、前記複数のフィルタの光透過特性が互いに異なる。前記複数の受光領域の前記光応答特性は、それぞれ、前記複数のフィルタの前記光透過特性に基づいて決定される。
この方法では、光透過特性が互いに異なる複数のフィルタによって光を符号化することができる。
第7の項目に係る撮像システムは、光応答特性が互いに異なる複数の受光領域を有する撮像装置と、処理回路と、を備える。前記処理回路は、前記撮像装置によって生成される、複数の波長バンドにそれぞれ対応する複数のマスク画像を取得し、前記撮像装置によって取得される画像から、前記複数の波長バンドにそれぞれ対応する複数の復元画像を生成するために用いられる復元テーブルを、前記複数のマスク画像に基づいて生成し、前記複数のマスク画像のうち、ある波長バンドに対応するマスク画像から、前記復元テーブルを用いて前記ある波長バンドに対応する復元画像を生成する場合の復元精度に関する評価情報を生成する。
この撮像システムでは、スペクトル情報が圧縮された画像から復元画像を生成する場合の復元精度を簡易に評価することができる。
第8の項目に係る撮像システムは、第7の項目に係る撮像システムにおいて、レーザ光を出射する光源と、前記レーザ光からある波長バンドの光を抽出するモノクロメータと、抽出された前記光を空間的に均一にして出射する積分球とをさらに備える。前記処理回路は、前記光源に前記レーザ光を出射させ、前記モノクロメータに、前記レーザ光からある波長バンドの光を抽出させ、前記撮像装置に、前記積分球から出射された光の像を取得させる動作を前記複数の波長について繰り返すことにより、前記複数のマスク画像を取得する。
この撮像システムでは、レーザ光源、モノクロメータ、および積分球を用いて、複数のマスク画像を取得することができる。
(実施形態)
以下では、まず、圧縮画像から復元画像を生成する撮像システム、および当該撮像システムを利用した検査システムを説明する。次に、圧縮画像から復元画像を生成する場合の復元精度を評価する方法を説明する。
[1.撮像システム]
図1Aは、撮像システムの構成例を模式的に示す図である。図1Aに示すシステムは、撮像装置100と、画像処理装置200とを備える。撮像装置100は、特許文献1に開示された撮像装置と同様の構成を備える。撮像装置100は、光学系140と、フィルタアレイ110と、イメージセンサ160とを備える。光学系140およびフィルタアレイ110は、被写体である対象物70から入射する光の光路上に配置される。図1Aの例におけるフィルタアレイ110は、光学系140とイメージセンサ160との間に配置されている。
図1Aには、対象物70の一例として、リンゴが例示されている。対象物70は、リンゴに限らず、任意の物体であり得る。イメージセンサ160は、複数の波長バンドの情報が2次元のモノクロ画像として圧縮された圧縮画像10のデータを生成する。画像処理装置200は、イメージセンサ160が生成した圧縮画像10のデータに基づいて、所定の対象波長域に含まれる複数の波長バンドのそれぞれについての画像データを生成する。この生成される複数の波長バンドの画像データを、「ハイパースペクトル(HS)データキューブ」または「ハイパースペクトル画像データ」と称することがある。ここで、対象波長域に含まれる波長バンドの数をN(Nは4以上の整数)とする。以下の説明において、生成される複数の波長バンドの画像データを、復元画像20W、20W、・・・、20Wと称し、これらを「ハイパースペクトル画像20」または「ハイパースペクトルデータキューブ20」と総称することがある。本明細書において、画像を示すデータまたは信号、すなわち、各画素の画素値を表すデータまたは信号の集合を、単に「画像」とも称する。
本実施形態におけるフィルタアレイ110は、行および列状に配列された透光性を有する複数のフィルタのアレイである。複数のフィルタは、分光透過率、すなわち光透過率の波長依存性が互いに異なる複数種類のフィルタを含む。フィルタアレイ110は、入射光の強度を波長ごとに変調して出力する。フィルタアレイ110によるこの過程を「符号化」と称し、フィルタアレイ110を「符号化素子」または「符号化マスク」とも称する。
図1Aに示す例において、フィルタアレイ110は、イメージセンサ160の近傍または直上に配置されている。ここで「近傍」とは、光学系140からの光の像がある程度鮮明な状態でフィルタアレイ110の面上に形成される程度に近接していることを意味する。「直上」とは、ほとんど隙間が生じない程両者が近接していることを意味する。フィルタアレイ110およびイメージセンサ160は一体化されていてもよい。
光学系140は、少なくとも1つのレンズを含む。図1Aでは、光学系140が1つのレンズとして示されているが、光学系140は複数のレンズの組み合わせであってもよい。光学系140は、フィルタアレイ110を介して、イメージセンサ160の撮像面上に像を形成する。
フィルタアレイ110は、イメージセンサ160から離れて配置されていてもよい。図1Bから図1Dは、フィルタアレイ110がイメージセンサ160から離れて配置されている撮像装置100の構成例を示す図である。図1Bの例では、フィルタアレイ110が、光学系140とイメージセンサ160との間で且つイメージセンサ160から離れた位置に配置されている。図1Cの例では、フィルタアレイ110が対象物70と光学系140との間に配置されている。図1Dの例では、撮像装置100が2つの光学系140Aおよび140Bを備え、それらの間にフィルタアレイ110が配置されている。これらの例のように、フィルタアレイ110とイメージセンサ160との間に1つ以上のレンズを含む光学系が配置されていてもよい。
イメージセンサ160は、2次元的に配列された複数の光検出素子(本明細書において、「画素」とも呼ぶ。)を有するモノクロタイプの光検出装置である。イメージセンサ160は、例えばCCD(Charge-Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ、または赤外線アレイセンサであり得る。光検出素子は、例えばフォトダイオードを含む。イメージセンサ160は、必ずしもモノクロタイプのセンサである必要はない。例えば、R/G/B、R/G/B/IR、またはR/G/B/Wのフィルタを有するカラータイプのセンサを用いてもよい。カラータイプのセンサを使用することで、波長に関する情報量を増やすことができ、ハイパースペクトル画像20の再構成の精度を向上させることができる。取得対象の波長範囲は任意に決定してよく、可視の波長範囲に限らず、紫外、近赤外、中赤外、または遠赤外の波長範囲であってもよい。
画像処理装置200は、1つ以上のプロセッサと、メモリ等の1つ以上の記憶媒体とを備えるコンピュータであり得る。画像処理装置200は、イメージセンサ160によって取得された圧縮画像10に基づいて、複数の復元画像20W、20W、・・・20Wのデータを生成する。
図2Aは、フィルタアレイ110の例を模式的に示す図である。フィルタアレイ110は、2次元的に配列された複数の領域を有する。本明細書では、当該領域を、「セル」と称することがある。各領域には、個別に設定された分光透過率を有する光学フィルタが配置されている。分光透過率は、入射光の波長をλとして、関数T(λ)で表される。分光透過率T(λ)は、0以上1以下の値を取り得る。
図2Aに示す例では、フィルタアレイ110は、6行8列に配列された48個の矩形領域を有する。これはあくまで例示であり、実際の用途では、これよりも多くの領域が設けられ得る。その数は、例えばイメージセンサ160の画素数と同程度であってもよい。フィルタアレイ110に含まれるフィルタ数は、例えば数十から数千万の範囲で用途に応じて決定される。
図2Bは、対象波長域に含まれる複数の波長バンドW、W、・・・、Wのそれぞれの光の透過率の空間分布の一例を示す図である。図2Bに示す例では、各領域の濃淡の違いは、透過率の違いを表している。淡い領域ほど透過率が高く、濃い領域ほど透過率が低い。図2Bに示すように、波長バンドによって光透過率の空間分布が異なっている。
図2Cおよび図2Dは、それぞれ、図2Aに示すフィルタアレイ110に含まれる領域A1および領域A2の分光透過率の例を示す図である。領域A1の分光透過率と領域A2の分光透過率とは、互いに異なる。このように、フィルタアレイ110の分光透過率は、領域によって異なる。ただし、必ずしもすべての領域の分光透過率が異なっている必要はない。フィルタアレイ110では、複数の領域の少なくとも一部の領域の分光透過率が互いに異なっている。フィルタアレイ110は、分光透過率が互いに異なる2つ以上のフィルタを含む。ある例では、フィルタアレイ110に含まれる複数の領域の分光透過率のパターンの数は、対象波長域に含まれる波長バンドの数Nと同じか、それ以上であり得る。フィルタアレイ110は、半数以上の領域の分光透過率が異なるように設計されていてもよい。
図3Aおよび図3Bは、対象波長域Wと、それに含まれる複数の波長バンドW、W、・・・、Wとの関係を説明するための図である。対象波長域Wは、用途によって様々な範囲に設定され得る。対象波長域Wは、例えば、約400nmから約700nmの可視光の波長域、約700nmから約2500nmの近赤外線の波長域、または約10nmから約400nmの近紫外線の波長域であり得る。あるいは、対象波長域Wは、中赤外または遠赤外などの波長域であってもよい。このように、使用される波長域は可視光域とは限らない。本明細書では、可視光に限らず、赤外線および紫外線を含む放射全般を「光」と称する。
図3Aに示す例では、Nを4以上の任意の整数として、対象波長域WをN等分したそれぞれの波長域を波長バンドW、W、・・・、Wとしている。ただしこのような例に限定されない。対象波長域Wに含まれる複数の波長バンドは任意に設定してもよい。例えば、波長バンドによって帯域幅を不均一にしてもよい。隣接する波長バンドの間にギャップまたは重なりがあってもよい。図3Bに示す例では、波長バンドによって帯域幅が異なり、且つ隣接する2つの波長バンドの間にギャップがある。このように、複数の波長バンドの決め方は任意である。
図4Aは、フィルタアレイ110のある領域における分光透過率の特性を説明するための図である。図4Aに示す例では、分光透過率は、対象波長域W内の波長に関して、複数の極大値P1からP5、および複数の極小値を有する。図4Aに示す例では、対象波長域W内での光透過率の最大値が1、最小値が0となるように正規化されている。図4Aに示す例では、波長バンドW、および波長バンドWN-1などの波長域において、分光透過率が極大値を有している。このように、各領域の分光透過率は、複数の波長バンドWからWのうち、少なくとも2つの複数の波長域において極大値を有するように設計され得る。図4Aの例では、極大値P1、P3、P4およびP5は0.5以上である。
このように、各領域の光透過率は、波長によって異なる。したがって、フィルタアレイ110は、入射する光のうち、ある波長域の成分を多く透過させ、他の波長域の成分をそれほど透過させない。例えば、N個の波長バンドのうちのk個の波長バンドの光については、透過率が0.5よりも大きく、残りのN-k個の波長域の光については、透過率が0.5未満であり得る。kは、2≦k<Nを満たす整数である。仮に入射光が、すべての可視光の波長成分を均等に含む白色光であった場合には、フィルタアレイ110は、入射光を領域ごとに、波長に関して離散的な複数の強度のピークを有する光に変調し、これらの多波長の光を重畳して出力する。
図4Bは、一例として、図4Aに示す分光透過率を、波長バンドW、W、・・・、Wごとに平均化した結果を示す図である。平均化された透過率は、分光透過率T(λ)を波長バンドごとに積分してその波長バンドの帯域幅で除算することによって得られる。本明細書では、このように波長バンドごとに平均化した透過率の値を、その波長バンドにおける透過率とする。この例では、極大値P1、P3およびP5をとる3つの波長域において、透過率が突出して高くなっている。特に、極大値P3およびP5をとる2つの波長域において、透過率が0.8を超えている。
図2Aから図2Dに示す例では、各領域の透過率が0以上1以下の任意の値をとり得るグレースケールの透過率分布が想定されている。しかし、必ずしもグレースケールの透過率分布にする必要はない。例えば、各領域の透過率がほぼ0またはほぼ1のいずれかの値を取り得るバイナリスケールの透過率分布を採用してもよい。バイナリスケールの透過率分布では、各領域は、対象波長域に含まれる複数の波長域のうちの少なくとも2つの波長域の光の大部分を透過させ、残りの波長域の光の大部分を透過させない。ここで「大部分」とは、概ね80%以上を指す。
全セルのうちの一部、例えば半分のセルを、透明領域に置き換えてもよい。そのような透明領域は、対象波長域Wに含まれるすべての波長バンドWからWの光を同程度の高い透過率、例えば80%以上の透過率で透過させる。そのような構成では、複数の透明領域は、例えば市松(checkerboard)状に配置され得る。すなわち、フィルタアレイ110における複数の領域の2つの配列方向において、光透過率が波長によって異なる領域と、透明領域とが交互に配列され得る。
このようなフィルタアレイ110の分光透過率の空間分布を示すデータは、設計データまたは実測キャリブレーションに基づいて事前に取得され、画像処理装置200が備える記憶媒体に格納される。このデータは、後述する演算処理に利用される。
フィルタアレイ110は、例えば、多層膜、有機材料、回折格子構造、金属を含む微細構造、またはメタサーフェスを用いて構成され得る。多層膜としては、例えば、誘電体多層膜または金属層を含む多層膜が用いられ得る。この場合、セルごとに各多層膜の厚さ、材料、および積層順序の少なくとも1つが異なるように形成される。これにより、セルによって異なる分光特性を実現できる。多層膜を用いることにより、分光透過率におけるシャープな立ち上がりおよび立下りを実現できる。有機材料を用いた構成は、セルによって含有する顔料または染料が異なるようにしたり、異種の材料を積層させたりすることによって実現され得る。回折格子構造を用いた構成は、セルごとに異なる回折ピッチまたは深さの回折構造を設けることによって実現され得る。金属を含む微細構造は、プラズモン効果による分光を利用して作製され得る。メタサーフェスは、入射光の波長よりも小さいサイズで誘電体材料を微細加工することによって作製され得る。当該構造では、入射光に対する屈折率が空間的に変調される。あるいは、フィルタアレイ110を用いずに、イメージセンサ160に含まれる複数の画素を直接加工することにより、入射光を符号化してもよい。
上記のことから、撮像装置100は、光応答特性が互いに異なる複数の受光領域を有すると言うことができる。撮像装置100が、複数のフィルタを含むフィルタアレイ110を備え、当該複数のフィルタが互いに不規則に異なる光透過特性を有する場合、複数の受光領域は、フィルタアレイ110が近傍または直上に配置されたイメージセンサ160によって実現され得る。この場合、複数の受光領域の光応答特性は、それぞれ、フィルタアレイ110に含まれる複数のフィルタの光透過特性に基づいて決定される。
あるいは、撮像装置100がフィルタアレイ110を備えない場合、複数の受光領域は、例えば、光応答特性が互いに不規則に異なるように複数の画素が直接加工されたイメージセンサ160によって実現され得る。この場合、複数の受光領域の光応答特性は、それぞれ、イメージセンサ160に含まれる複数の画素の光応答特性に基づいて決定される。
上記の多層膜、有機材料、回折格子構造、金属を含む微細構造、またはメタサーフェスは、2次元平面内において分光透過率が位置に応じて異なるように変調された構成であれば、入射光の符号化が可能である、したがって、上記の多層膜、有機材料、回折格子構造、金属を含む微細構造、またはメタサーフェスは、複数のフィルタがアレイ状に配置された構成である必要はない。
次に、画像処理装置200による信号処理の例を説明する。画像処理装置200は、イメージセンサ160から出力された圧縮画像10、およびフィルタアレイ110の波長ごとの透過率の空間分布特性に基づいて、多波長のハイパースペクトル画像20を再構成する。ここで多波長とは、例えば通常のカラーカメラで取得されるRGBの3色の波長域よりも多くの波長域を意味する。この波長域の数は、例えば4から100程度の数であり得る。この波長域の数を、「バンド数」と称する。用途によっては、バンド数は100を超えていてもよい。
求めたいデータはハイパースペクトル画像20のデータであり、そのデータをfとする。バンド数をNとすると、fは、各バンドの画像データf、f、・・・、fを統合したデータである。ここで、図3Aに示すように、画像の横方向をx方向、画像の縦方向をy方向とする。求めるべき画像データのx方向の画素数をmとし、y方向の画素数をnとすると、画像データf、f、・・・、fの各々は、n×m画素の2次元データである。したがって、データfは要素数n×m×Nの3次元データである。この3次元データを、「ハイパースペクトル画像データ」または「ハイパースペクトルデータキューブ」と称する。一方、フィルタアレイ110によって符号化および多重化されて取得される圧縮画像10のデータgの要素数はn×mである。データgは、以下の式(1)によって表すことができる。
Figure 2024020922000002
ここで、f、f、・・・、fの各々は、n×m個の要素を有するデータである。したがって、右辺のベクトルは、厳密にはn×m×N行1列の1次元ベクトルである。ベクトルgは、n×m行1列の1次元ベクトルに変換されて表され、計算される。行列Hは、ベクトルfの各成分f、f、・・・、fを波長バンドごとに異なる符号化情報(以下、「マスク情報」とも称する。)で符号化および強度変調し、それらを加算する変換を表す。したがって、Hは、n×m行n×m×N列の行列である。
ベクトルgと行列Hが与えられれば、式(1)の逆問題を解くことにより、fを算出することができそうである。しかし、求めるデータfの要素数n×m×Nが取得データgの要素数n×mよりも多いため、この問題は不良設定問題であり、このままでは解くことができない。そこで、画像処理装置200は、データfに含まれる画像の冗長性を利用し、圧縮センシングの手法を用いて解を求める。具体的には、以下の式(2)を解くことにより、求めるデータfが推定される。
Figure 2024020922000003
ここで、f’は、推定されたfのデータを表す。上式の括弧内の第1項は、推定結果Hfと取得データgとのずれ量、いわゆる残差項を表す。ここでは2乗和を残差項としているが、絶対値または二乗和平方根等を残差項としてもよい。括弧内の第2項は、正則化項または安定化項である。式(2)は、第1項と第2項との和を最小化するfを求めることを意味する。式(2)における括弧内の関数を評価関数と呼ぶ。画像処理装置200は、再帰的な反復演算によって解を収束させ、評価関数を最小にするfを、最終的な解f’として算出することができる。
式(2)の括弧内の第1項は、取得データgと、推定過程のfを行列Hによって変換したHfとの差の二乗和を求める演算を意味する。第2項のΦ(f)は、fの正則化における制約条件であり、推定データのスパース情報を反映した関数である。この関数は、推定データを滑らかまたは安定にする効果をもたらす。正則化項は、例えば、fの離散的コサイン変換(DCT)、ウェーブレット変換、フーリエ変換、またはトータルバリエーション(TV)などによって表され得る。例えば、トータルバリエーションを使用した場合、観測データgのノイズの影響を抑えた安定した推測データを取得できる。それぞれの正則化項の空間における対象物70のスパース性は、対象物70のテキスチャによって異なる。対象物70のテキスチャが正則化項の空間においてよりスパースになる正則化項を選んでもよい。あるいは、複数の正則化項を演算に含んでもよい。τは、重み係数である。重み係数τが大きいほど冗長的なデータの削減量が多くなり、圧縮する割合が高まる。重み係数τが小さいほど解への収束性が弱くなる。重み係数τは、fがある程度収束し、かつ、過圧縮にならない適度な値に設定される。
なお、図1Bおよび図1Cの構成においては、フィルタアレイ110によって符号化された像は、イメージセンサ160の撮像面上でボケた状態で取得される。したがって、予めこのボケ情報を保有しておき、そのボケ情報を前述の行列Hに反映させることにより、ハイパースペクトル画像20を再構成することができる。ここで、ボケ情報は、点拡がり関数(Point Spread Function:PSF)によって表される。PSFは、点像の周辺画素への拡がりの程度を規定する関数である。例えば、画像上で1画素に相当する点像が、ボケによってその画素の周囲のk×k画素の領域に広がる場合、PSFは、その領域内の各画素の画素値への影響を示す係数群、すなわち行列として規定され得る。PSFによる符号化パターンのボケの影響を、行列Hに反映させることにより、ハイパースペクトル画像20を再構成することができる。フィルタアレイ110が配置される位置は任意であるが、フィルタアレイ110の符号化パターンが拡散しすぎて消失しない位置が選択され得る。
以上の処理により、イメージセンサ160によって取得された圧縮画像10から、ハイパースペクトル画像20を復元することができる。ハイパースペクトル画像20の復元方法の詳細は、特許文献1に開示されている。特許文献1の開示内容の全体を本明細書に援用する。
[2.圧縮画像から復元画像を生成する場合の復元精度の評価]
次に、圧縮画像から復元画像を生成する場合の復元精度を評価するための撮像システムおよび動作の例を説明する。
[2.1.復元精度を評価するための撮像システム]
図5は、圧縮画像から復元画像を生成する場合の復元精度を評価するための撮像システムの構成例を模式的に示す図である。図5に示す撮像システムは、光源510と、モノクロメータ520と、積分球530と、撮像装置100と、画像処理装置200と、表示装置300とを備える。矢印付きの線は信号の送受信を表す。
以下に、図5に示す撮像システムの各構成要素を説明する。
光源510は、対象波長域内の複数の波長バンドの成分をすべて含む光を出射する。対象波長域が可視光域の少なくとも一部であれば、当該光は、例えば白色光であり得る。光源510から出射される光は、例えばレーザ光であり得るが、レーザ光に限られない。光源510から出射される光は、例えば、LEDによる光であってもよいし、電球による光であってもよい。モノクロメータ520は、光源510から出射されたレーザ光から、ある波長バンドの光を抽出する。積分球530は開口を有し、抽出された単色光を空間的に均一にして開口から出射する。撮像装置100は、積分球530から出射された光の像を取得する。
図5に示す太い曲線は、光源510およびモノクロメータ520を互いに接続する光ファイバ、およびモノクロメータ520および積分球530を互いに接続する光ファイバを表す。光源510およびモノクロメータ520を互いに接続する光ファイバは、光源510から出射されたレーザ光を、モノクロメータ520に導く。モノクロメータ520および積分球530を互いに接続する光ファイバは、モノクロメータ520から出射された光を積分球530に導く。光ファイバの代わりにミラーを用いてもよい。
画像処理装置200は、制御回路210aおよび信号処理回路210bを含む処理回路210と、記憶装置220とを備える。制御回路210aは、光源510、モノクロメータ520、撮像装置100、画像処理装置200、および表示装置300の動作を制御する。信号処理回路210bは、メモリ212と、画像復元モジュール214と、精度評価モジュール216とを備える。メモリ212は、後述するキャリブレーションにおいて取得される画像データを記憶する。画像復元モジュール214は、撮像装置100によって生成された圧縮画像から、復元演算によって複数の復元画像を生成する。精度評価モジュール216は、圧縮画像から復元画像を生成する場合の復元精度を評価し、それによって得られる評価情報を示す信号を出力する。評価情報を示す信号は、表示装置300に送られる。
信号処理回路210bは、メモリ212と、1つ以上のプロセッサとを含む。信号処理回路210bは、画像復元モジュール214として機能するプロセッサと、精度評価モジュール216として機能するプロセッサとを別々に含んでいてもよい。あるいは、信号処理回路210bは、画像復元モジュール214および精度評価モジュール216の両方の機能を有する1つのプロセッサを含んでいてもよい。信号処理回路210bは、記憶装置220に格納されたコンピュータプログラムを実行することによって画像復元モジュール214および精度評価モジュール216の機能を実現してもよい。図5に示す例において、制御回路210aおよび信号処理回路210bは別々の回路として示されているが、1つの回路であってもよい。
記憶装置220は、1つ以上の記憶媒体を含む。各記憶媒体は、例えば、半導体メモリ、磁気記憶媒体、または光学記憶媒体などの任意の記憶媒体であり得る。記憶装置220は、後述するキャリブレーションによって取得される復元テーブルを記憶する。復元テーブルは、符号化マスクとして機能するフィルタアレイ110の光透過特性を示す符号化情報の一例である。復元テーブルは、例えば、式(2)における行列Hを示すテーブル形式のデータであり得る。
表示装置300は、入力ユーザインターフェース(UI)310および表示U320を表示する。入力U310は、ユーザが情報を入力するために用いられる。ユーザが入力U310に入力した情報は、制御回路210aによって受け取られる。表示UI320は、上記の評価情報を表示すために用いられる。
入力U310および表示U320は、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)として表示される。入力U310および表示U320に示される情報は、表示装置300に表示されると言うこともできる。入力U310および表示U320は、タッチスクリーンのように入力および出力の両方が可能なデバイスによって実現されていてもよい。その場合、タッチスクリーンが表示装置300として機能してもよい。入力UI310としてキーボードおよび/またはマウスを用いる場合、入力U310は、表示装置300とは独立した装置である。
[2.2.復元テーブルを取得するためのキャリブレーションの動作]
次に、図6を参照して、本実施形態において処理回路210が実行するキャリブレーションの動作の例を説明する。図6は、本実施形態において処理回路210が実行するキャリブレーションの動作の例を概略的に示すフローチャートである。処理回路210に含まれる制御回路210aまたは信号処理回路210bは、図6に示すステップS101~S108の動作を実行する。信号処理回路210bは、制御回路210aからの制御信号を受けて動作を実行する。本明細書において、制御回路210aまたは信号処理回路210bが実行する動作は、処理回路210が実行する動作として扱われる。
<ステップS101>
ユーザは、図5に示す入力UI310を介して複数の波長バンドを設定する。制御回路210aは、入力UI310から、複数の波長バンドの情報を取得する。
ユーザは、さらに、入力UI310を介して撮像装置100のゲインおよび露光時間などの撮像条件を設定してもよい。制御回路210aは、入力UI310から、当該撮像条件の情報を取得する。
<ステップS102>
制御回路210aは、光源510に、対象波長域に含まれる複数の波長バンドの成分を含むレーザ光を出射させる。当該レーザ光は、例えば白色レーザ光である。
<ステップS103>
制御回路210aは、モノクロメータ520に、レーザ光から、ある波長バンドの光を抽出させる。この波長バンドは、入力された複数の波長バンドの1つである。
<ステップS104>
制御回路210aは、撮像装置100に、積分球530から出射された光の像を取得させる。この撮像動作は、入力された撮像条件または予め設定された撮像条件で行われる。
<ステップS105>
信号処理回路210bは、撮像装置100からの信号に基づいて生成される上記のある波長バンドに対応するマスク画像をメモリ212に記憶する。
<ステップS106>
制御回路210aは、すべての波長バンドを調べたか否かを判定する。判定がYesの場合、信号処理回路210bは、ステップS107の動作を実行する。判定がNoの場合、制御回路210aは、ステップS103の動作を再び実行する。ステップS103において、制御回路210aは、モノクロメータ520に、レーザ光から、まだ調べていない波長バンドの光を抽出させる。この抽出は、波長が短い順または長い順に行ってもよい。このように、制御回路210aは、ステップS103~S105の動作を入力された複数の波長について繰り返し実行して、複数のマスク画像を取得する。
<ステップS107>
信号処理回路210bは、複数の波長バンドにそれぞれ対応する複数のマスク画像のデータに基づいて復元テーブルを生成する。復元テーブルは、奥行きが波長バンドを表し、縦横が各マスク画像に含まれる複数の画素の画素値を表す3次元行列である。各マスク画像に含まれる複数の画素の画素値は、例えば、飽和値によって0以上1以下に規格化されてもよい。
<ステップS108>
信号処理回路210bは、記憶装置220に復元テーブルを記憶させる。
本実施形態における、復元テーブルを取得するためのキャリブレーションの動作は、以下の動作(A)および(B)を含む。
(A)撮像装置100によって生成される、複数の波長バンドにそれぞれ対応する複数のマスク画像を取得する。
(B)撮像装置100によって取得される画像から、複数の波長バンドにそれぞれ対応する複数の復元画像を生成するために用いられる復元テーブルを、複数のマスク画像に基づいて生成する。
動作(A)は、撮像装置100によって複数の波長バンドの各々の光の像を取得することにより、複数の波長バンドの各々に対応するマスク画像を生成することを含む。
[2.3.圧縮画像から復元画像を生成する場合の復元精度を評価する方法]
次に、図7Aから図7Cを参照して、圧縮画像から復元画像を生成する場合の復元精度を評価する方法の例を説明する。この方法では、ある波長バンドに対応するマスク画像を圧縮画像として、当該マスク画像から、上記の復元テーブルを用いて復元画像が生成される。当該マスク画像は、上記のある波長バンドの光のスペクトル情報を反映する。したがって、対象波長域に含まれる複数の波長バンドにそれぞれ対応する複数の復元画像のうち、上記のある波長バンドに対応する復元画像の平均輝度は、残りの各復元画像の平均輝度よりも高くなる。複数の復元画像のそのような輝度特性を利用して、圧縮画像から復元画像を生成する場合の復元精度を評価することができる。復元画像の平均輝度は、復元画像に含まれる複数の画素の平均画素値によって算出される。
図7Aは、ある波長バンドに対応するマスク画像を模式的に示す図である。複数の波長バンドは、波長が短い方から順に番号づけされており、ある波長バンドは4番目の波長バンドであるとする。図7Bは、図7Aに示すマスク画像から復元テーブルを用いて生成された複数の復元画像を模式的に示す図である。図7Cは、図7Bに示す複数の復元画像の平均輝度を波長バンドについてプロットしたグラフである。図7Cに示すグラフを、上記のある波長バンドについての復元スペクトルと定義する。
図7Aに示す例において、マスク画像に含まれる複数の画素は、不規則な画素値を有する。画素値が高いほど明るくなり、画素値が低いほど暗くなる。図7Bに示す例において、4番目の波長バンドに対応する復元画像が最も明るい。4番目の波長バンドの両隣である3番目および5番目の波長バンドの各々に対応する復元画像は、4番目の波長バンドの復元画像ほどではないもののある程度明るい。残りの復元画像の輝度は暗い。
3番目および5番目の波長バンドの各々に対応する復元画像がある程度明るい理由としては、例えばフィルタアレイ110の光学特性および撮像装置100に発生するノイズが原因で、復元画像に誤差が生じることが考えられる。さらに、他の理由として、4番目の波長バンドに対応するマスク画像を取得する際の単色光が、3番目の波長バンドおよび5番目の波長バンドの光を少量ながら含む可能性があることが考えられる。そのような単色光が原因で、4番目の波長バンドに対応するマスク画像から複数の復元画像を生成する場合、3番目および5番目の波長バンドの各々に対応する復元画像は若干の輝度を有し得る。
図7Cに示す例では、復元スペクトルにおいて、復元画像の平均輝度は、4番目の波長バンドで最も高くなり、波長バンドが4番目の波長バンドから離れるにつれて急激に減少する。復元画像の平均輝度は、3番目から5番目以外の波長バンドではほぼゼロである。ただし、撮像装置100に発生するノイズなどが原因となり、ゼロとならない場合もある。
上記のことから、複数の波長バンドがN個の波長バンドを含み、複数の復元画像が、N個の波長バンドにそれぞれ対応するN個の復元画像を含む場合、i番目の波長バンドについての復元精度を、以下の式(3)における評価値EVに基づいて評価することができる。iは、1以上N以下の整数である。
Figure 2024020922000004
式(3)における評価値EVは、i番目の波長バンドについての信号雑音比S/Nを表す。信号を表す分子は、i番目の波長バンドに対応する復元画像の平均輝度Biであり、ノイズを表す分母は、残りの復元画像の平均輝度の合計である。Bが分子にあるので、評価値EVが所定の閾値よりも高い場合、i番目の波長バンドでの復元画像の復元精度は高いと評価することができる。
あるいは、i番目の波長バンドについての復元精度を、以下の式(4)における評価値EVに基づいて評価してもよい。
Figure 2024020922000005
式(4)における評価値EVにおいて、分母は、i番目の波長バンドに対応する復元画像の平均輝度Biであり、分子は、すべての復元画像の平均輝度の合計である。式(4)における評価値EVは1以上である。Bが分母にあるので、評価値EVが所定の閾値よりも低い場合、i番目の波長バンドでの復元画像の復元精度は高いと評価することができる。復元精度が高いほど、式(4)における評価値EVは1に近づく。
あるいは、i番目の波長バンドについての復元精度を、以下の式(5)における評価値EVに基づいて評価してもよい。
Figure 2024020922000006
式(5)における評価値EVにおいて、分母は、i番目の波長バンドに対応する復元画像の平均輝度Biであり、分子は、i-1番目、i番目、およびi+1番目の波長バンドに対応する復元画像を除外した残りの復元画像の平均輝度の合計である。図7Cに示すように、実際の復元画像の平均輝度は、i番目の波長バンドにおいて最も高くなり、その両隣のi-1番目およびi+1番目の波長バンドにおいてある程度高くなり、それ以外の波長バンドにおいてほぼゼロである場合が多い。式(5)における評価値EVでは、実際の復元画像を考慮して、分子から上位3つの平均輝度が除外されている。i=1の場合、BおよびBが除外され、i=Nの場合、BN-1およびBが除外される。Bが分母にあるので、評価値EVが所定の閾値よりも低い場合、i番目の波長バンドでの復元精度は高いと評価することができる。復元精度が高いほど、式(5)における評価値EVはゼロに近づく。
あるいは、i番目の波長バンドについての復元精度を、以下の式(6)における評価値EVに基づいて評価してもよい。
Figure 2024020922000007
式(6)における評価値EVは、i番目の波長バンドに対応する復元画像に含まれる複数の画素の画素値の分散である。評価値EVにおいて、Kは、i番目の波長バンドに対応する復元画像の全画素数を表し、bは、当該復元画像におけるK個の画素を番号づけした場合の、n番目の画素の画素値を表す。撮像装置100にノイズが多く発生する場合、復元画像の画素値がばらつく傾向にある。分散が低いほど復元画像は均一な画素値を有するので、評価値EVが所定の閾値よりも低い場合、i番目の波長バンドでの復元精度は高いと評価することができる。式(6)における評価値EVでは、i番目の波長バンドに対応する復元画像のみが用いられ、残りの復元画像は必要ない。
評価値EVについては、上記の例の他に、式(3)~式(5)における分子および分母を入れ替えた評価値を用いてもよいし、式(3)~式(6)以外の評価値を用いてもよい。
以上のように、本実施形態における、圧縮画像から復元画像を生成する場合の復元精度を評価する方法では、ある波長バンドに対応するマスク画像を圧縮画像として、当該マスク画像から生成された当該ある波長バンドに対応する復元画像に基づいて復元精度が評価される。色見本のようなスペクトルが既知の対象物を別途撮影する必要がないので、復元精度を簡易に評価することができる。
[2.4.圧縮画像から復元画像を生成する場合の復元精度を評価する動作]
次に、図8を参照して、本実施形態において処理回路210が実行する復元精度の評価動作の例を説明する。この例では、ある波長バンドについての復元精度が、式(3)における評価値EVによって評価されるが、他の評価値EVによって評価されてもよい。図8は、本実施形態において処理回路210が実行する復元精度の評価動作の例を概略的に示すフローチャートである。処理回路210に含まれる信号処理回路210bは、図8に示すステップS201~S208の動作を実行する。
<ステップS201>
信号処理回路210bは、記憶装置220から復元テーブルを取得する。
<ステップS202>
信号処理回路210bは、画像復元モジュール214において、メモリ212に記憶されたある波長バンドに対応するマスク画像を圧縮画像として、当該マスク画像から、復元テーブルを用いて複数の波長バンドにそれぞれ対応する複数の復元画像を生成する。複数の復元画像は、当該ある波長バンドに対応する復元画像と、残りの復元画像とを含む。例えば式(6)における評価値EVによって復元精度を評価するのであれば、複数の復元画像のうち、残りの復元画像を生成する必要はない。
<ステップS203>
信号処理回路210bは、精度評価モジュール216において、複数の復元画像の各々の平均輝度を算出する。
<ステップS204>
信号処理回路210bは、精度評価モジュール216において、上記のある波長バンドについてのS/Nを算出する。
<ステップS205>
信号処理回路210bは、すべての波長バンドを調べたか否かを判定する。判定がYesの場合、信号処理回路210bは、ステップS206の動作を実行する。判定がNoの場合、信号処理回路210bは、ステップS202の動作を再び実行する。ステップS202において、信号処理回路210bは、まだ調べていない波長バンドに対応するマスク画像を圧縮画像として、当該マスク画像から、復元テーブルを用いて複数の波長バンドにそれぞれ対応する複数の復元画像を生成する。このように、信号処理回路210bは、ステップS202~S204の動作を複数の波長バンドについて繰り返し実行する。
<ステップS206>
信号処理回路210bは、すべての波長バンドについてのS/Nの平均値を算出する。
<ステップS207>
信号処理回路210bは、すべての波長バンドについての復元精度に関する評価情報を生成する。当該評価情報は、例えば、すべての波長バンドの各々についてのS/Nが所定の閾値を超えているか否かの判定結果を含み得る。当該評価情報は、例えば、すべての波長バンドについてのS/Nの平均値を含み得る。当該評価情報は、例えば、すべての波長バンドについてのS/Nの平均値に基づく、撮像装置100が正常に動作しているか否かの判定結果を含み得る。撮像装置100が正常に動作しているとは、撮像装置100が原因で生じる復元誤差が許容範囲内であることを意味する。
すべての波長バンドは、ステップS202~S204におけるある波長バンドを含むので、信号処理回路210bは、ある波長バンドについての復元精度に関する評価情報を生成すると言うこともできる。ある波長バンドについての復元精度に関する評価情報は、より具体的には、ある波長バンドに対応するマスク画像から、復元テーブルを用いて当該ある波長バンドに対応する復元画像を生成する場合の復元精度に関する評価情報である。
<ステップS208>
信号処理回路210bは、表示装置300に評価情報を表示させる。
図8に示す例では、すべての波長バンドについての復元精度が評価されているが、すべての波長バンドではなく、一部の波長バンドについての復元精度が評価されてもよい。
本実施形態における復元精度の評価動作は、以下の動作(C)を含む。
(C)複数のマスク画像のうち、ある波長バンドに対応するマスク画像から、復元テーブルを用いてある波長バンドに対応する復元画像を生成する場合の復元精度に関する評価情報を生成する。
当該評価情報は、例えば、式(3)~式(5)における評価値EVのように、複数の復元画像の各々に含まれる複数の画素の画素値に基づいて生成され得る。あるいは、当該評価情報は、例えば、式(6)における評価値EVのように、上記のある波長バンドに対応する復元画像に含まれる複数の画素の画素値に基づいて生成され得る。これら2つの例示のように、当該評価情報は、少なくとも、上記のある波長バンドに対応する復元画像に含まれる複数の画素の画素値に基づいて生成され得る。前述の動作(A)および(B)と動作(C)とは別々の動作として実行してもよいし、一連の動作として実行してもよい。
[2.5.評価情報の表示例]
次に、図9Aおよび図9Bを参照して、評価情報を表示装置300に表示する例を説明する。図9Aおよび図9Bは、表示装置300の表示UI320に表示される評価情報の例を模式的に示す図である。
図9Aに示す例では、表示UI320がウィンドウ形式で表示されている。ウィンドウの上にある「カメラID」は、撮像装置100の管理番号を表す。ウィンドウの中央にある表は、複数の波長バンドについての復元精度を表す。表のうち、1列目はバンド番号を表し、2列目はS/Nを表し、3列目は復元精度の合否判定の結果を表す。合否判定はS/Nが所定の閾値よりも高いか否かによって行われる。S/Nが所定の閾値よりも高ければ合格「〇」であり、そうでなければ不合格「×」である。ウィンドウの左下にある「平均S/N」は、複数のバンドについてのS/Nの平均値を表す。ウィンドウの右下にある「判定」は、平均S/Nの合否判定の結果を表す。S/Nが所定の閾値よりも高ければ合格であり、そうでなければ不合格である。
図9Aに示す例において、所定の閾値は0.3である。第1の波長バンドについてのS/Nは0.3以下であり不合格であるが、残りの波長バンドについてのS/Nは0.3を超えており合格である。一方で、平均S/Nは0.3を超えており合格である。したがって、フィルタアレイ110およびイメージセンサ160に問題はなく、撮像装置100は正常に動作していると判定される。
図9Bに示す例では、図9Aに示す例とは異なり、複数の波長バンドについての復元精度が、表ではなくグラフとして、ウィンドウの左に表されている。さらに、「平均S/N」がウィンドウの右上にあり、「判定」がウィンドウの右下にある。グラフにおける破線は、所定の閾値を表す。
図9Aおよび図9Bに示す例では、すべての複数のバンドについてのS/Nの判定結果が表示されている。したがって、どの波長バンドについての符号化マスクの光透過特性を調整すれば復元精度を改善できるかが容易にわかる。すべての複数のバンドではなく、一部の波長バンドについてのS/Nの判定結果を表示してもよい。
図9Aおよび図9Bに示す例では、複数のバンドについてのS/Nの平均値により、撮像装置100の復元精度が評価されるが、この例に限られない。波長が短い順または長い順に番号づけした複数の波長バンドのうち、両端の波長バンドについてのS/Nは低い傾向にある。したがって、両端の波長バンドについてのS/Nを除外した残りの波長バンドについてのS/Nの平均値により、撮像装置100の動作を評価してもよい。あるいは、一部の波長バンドついてのS/Nに基づいて、撮像装置100の動作を評価してもよい。
本開示の技術は、例えば、多波長または高解像度の画像を取得するカメラおよび測定機器に有用である。本開示の技術は、例えば、生体・医療・美容向けセンシング、食品の異物・残留農薬検査システム、リモートセンシングシステムおよび車載センシングシステムにも応用できる。
10 圧縮画像
20 ハイパースペクトル画像
20W、20W、・・・、20W 復元画像
70 対象物
100 撮像装置
110 フィルタアレイ
140、140A、140B 光学系
160 イメージセンサ
200 画像処理装置
210 処理回路
210a 制御回路
210b 信号処理回路
212 メモリ
214 画像復元モジュール
216 精度評価モジュール
220 記憶装置
300 表示装置
310 入力UI
320 表示UI
400 コンベア
510 光源
520 モノクロメータ
530 積分球
1000 検査システム

Claims (8)

  1. 光応答特性が互いに異なる複数の受光領域を有する撮像装置によって生成される、複数の波長バンドにそれぞれ対応する複数のマスク画像を取得することと、
    前記撮像装置によって取得される画像から、前記複数の波長バンドにそれぞれ対応する複数の復元画像を生成するために用いられる復元テーブルを、前記複数のマスク画像に基づいて生成することと、
    前記複数のマスク画像のうち、ある波長バンドに対応するマスク画像から、前記復元テーブルを用いて前記ある波長バンドに対応する復元画像を生成する場合の復元精度に関する評価情報を生成することと、を含む、
    方法。
  2. 前記複数のマスク画像を取得することは、前記撮像装置によって前記複数の波長バンドの各々の光の像を取得することにより、前記複数の波長バンドの各々に対応するマスク画像を生成することを含む、
    請求項1に記載の方法。
  3. 前記評価情報を生成することは、前記復元テーブルを用いて、前記ある波長バンドに対応するマスク画像から、前記複数の波長バンドにそれぞれ対応する前記複数の復元画像を生成することをさらに含み、
    前記評価情報は、前記複数の復元画像の各々に含まれる複数の画素の画素値に基づいて生成される、
    請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記複数の波長バンドはN個の波長バンドを含み、
    前記複数の復元画像は、前記N個の波長バンドにそれぞれ対応するN個の復元画像を含み、
    前記N個の復元画像のうち、第iの波長バンド(iは1以上N以下の整数)に対応する復元画像の平均画素値をBiとしたとき、前記第iの波長バンドに対応する復元画像の復元精度は、Bi/ΣBj(j=1~N、ただしj=iを除く)に基づいて評価される、請求項3に記載の方法。
  5. 前記評価情報は、少なくとも、前記ある波長バンドに対応する復元画像に含まれる複数の画像の画素値に基づいて生成される、
    請求項1または2に記載の方法。
  6. 前記撮像装置は、光透過特性が互いに異なる複数のフィルタを備え、
    前記複数の受光領域の前記光応答特性は、それぞれ、前記複数のフィルタの前記光透過特性に基づいて決定される、
    請求項1または2に記載の方法。
  7. 光応答特性が互いに異なる複数の受光領域を有する撮像装置と、
    処理回路と、
    を備え、
    前記処理回路は、
    前記撮像装置によって生成される、複数の波長バンドにそれぞれ対応する複数のマスク画像を取得し、
    前記撮像装置によって取得される画像から、前記複数の波長バンドにそれぞれ対応する複数の復元画像を生成するために用いられる復元テーブルを、前記複数のマスク画像に基づいて生成し、
    前記複数のマスク画像のうち、ある波長バンドに対応するマスク画像から、前記復元テーブルを用いて前記ある波長バンドに対応する復元画像を生成する場合の復元精度に関する評価情報を生成する、
    撮像システム。
  8. レーザ光を出射する光源と、
    前記レーザ光からある波長バンドの光を抽出するモノクロメータと、
    抽出された前記光を空間的に均一にして出射する積分球と
    をさらに備え、
    前記処理回路は、前記光源に前記レーザ光を出射させ、前記モノクロメータに、前記レーザ光からある波長バンドの光を抽出させ、前記撮像装置に、前記積分球から出射された光の像を取得させる動作を前記複数の波長について繰り返すことにより、前記複数のマスク画像を取得する、
    請求項7に記載の撮像システム。
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