JP2024019932A - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

Figure 2024019932000001
【課題】配線領域を確保することができる。
【解決手段】制御配線基板30は、絶縁層と、絶縁層のおもて面に配置された制御配線層と、絶縁層の裏面に配置された金属層とを含んでいる。さらに、金属層が、主配線板22aのおもて面に設けられた固定穴に固定される固定突起部を含んでいる。制御ワイヤ41a,41bは、制御配線層と半導体チップ10a~10dの制御電極11とを接続する。半導体装置では、主配線板22aに制御配線基板30a,30bを配置して、制御配線基板30a,30bに制御端子及びセンス端子を接続している。このため、配線板間の隙間を要せず、配線領域を確保することができ、主配線基板20を縮小することができる。これにより、半導体装置の小型化を図ることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、半導体装置に関する。
半導体装置は、パワーデバイスを含み、電力変換装置として用いられる。パワーデバイスは、スイッチング素子である。スイッチング素子は、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、パワーMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)である。半導体装置は、パワーデバイスを含む複数の半導体チップと絶縁回路基板とを含む。絶縁回路基板は、絶縁板と絶縁板のおもて面に形成され、半導体チップが接合される配線板とを含んでいる。複数の半導体チップが配線板上に並列接続される。また、このような複数の半導体チップの出力電極と別の配線板とがワイヤにより電気的に接続される(例えば、特許文献1を参照)。このような半導体チップ、絶縁回路基板、ワイヤ、外部接続端子の一部がケースに収納されてケース内に封止部材が充填される(例えば、特許文献2を参照)。
なお、半導体装置では、半導体チップの制御電極に対して信号を絶縁回路基板に配置した多層構造の基板を介して印加されることが行われている(例えば、特許文献3~6を参照)。または、ピンが突出するプリント基板を半導体チップ上に配置して、制御電極にプリント基板のピンを接触させて制御電極に対する信号の印加が行われている(例えば、特許文献7を参照)。
米国特許出願公開第2019/0139880号明細書 特開2021-158232号公報 特開2004-111748号公報 特開2001-298152号公報 特開2020-017746号公報 特開2010-177710号公報 特開2014-146774号公報
ところで、半導体装置は小型化を図るためには、絶縁回路基板も小型化を要する。しかし、絶縁回路基板が小型化されると、絶縁回路基板の面積が制限されてしまう。このため、絶縁回路基板に半導体チップを配置してしまうと、絶縁回路基板に対する、電流経路となる、ワイヤ等の配線領域が制限されてしまう。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、配線領域を確保することができる半導体装置を提供することを目的とする。
本発明の一観点によれば、おもて面に制御電極を備える半導体チップと、前記半導体チップの裏面が接合される第1配線パターン層をおもて面に含む主配線基板と、絶縁層と前記絶縁層のおもて面に配置された制御配線層と前記絶縁層の裏面に配置された金属層と、を含み、前記金属層が、前記第1配線パターン層のおもて面に設けられた嵌合部に固定される制御配線基板と、前記制御配線層と前記半導体チップの前記制御電極とを接続する制御接続部材と、を含む半導体装置が提供される。
開示の技術によれば、配線領域を確保して、半導体装置の小型化を図ることができる。
第1の実施の形態の半導体装置の外観図である。 第1の実施の形態の半導体装置に含まれる半導体ユニットの平面図である。 第1の実施の形態の半導体装置に含まれる半導体ユニットの断面図である。 第1の実施の形態の半導体ユニットに含まれる主配線基板の平面図である。 第1の実施の形態の半導体ユニットに含まれる主配線基板の断面図である。 第1の実施の形態の半導体ユニットに含まれる制御配線基板を示す図である。 第1の実施の形態の半導体装置の機能の等価回路図である。 第1の実施の形態の半導体装置の製造方法を示すフローチャートである。 第1の実施の形態の半導体装置の製造方法に含まれる搭載工程を示す図である。 第2の実施の形態の半導体装置の外観図である。 第2の実施の形態の半導体装置に含まれる半導体ユニットの平面図である。 第2の実施の形態の半導体装置に含まれる半導体ユニットの断面図である。 第2の実施の形態の半導体ユニットに含まれる主配線基板の平面図である。 第2の実施の形態の半導体ユニットに含まれる制御配線基板を示す図である。
以下、図面を参照して、実施の形態について説明する。なお、以下の説明において、「おもて面」及び「上面」とは、図の半導体装置1,1aにおいて、上側(+Z方向)を向いたX-Y面を表す。同様に、「上」とは、図の半導体装置1,1aにおいて、上側(+Z方向)の方向を表す。「裏面」及び「下面」とは、図の半導体装置1,1aにおいて、下側(-Z方向)を向いたX-Y面を表す。同様に、「下」とは、図の半導体装置1,1aにおいて、下側(-Z方向)の方向を表す。必要に応じて他の図面でも同様の方向性を意味する。「おもて面」、「上面」、「上」、「裏面」、「下面」、「下」、「側面」は、相対的な位置関係を特定する便宜的な表現に過ぎず、本発明の技術的思想を限定するものではない。例えば、「上」及び「下」は、必ずしも地面に対する鉛直方向を意味しない。つまり、「上」及び「下」の方向は、重力方向に限定されない。また、以下の説明において「主成分」とは、80vol%以上含む場合を表す。
[第1の実施の形態]
第1の実施の形態の半導体装置1について、図1を用いて説明する。図1は、第1の実施の形態の半導体装置の外観図である。
半導体装置1は、ケース2とケース2を封止する封止部材4とケース2内に設けられて封止部材4から鉛直上方(+Z方向)に延伸する外部端子3a,3b、制御端子3c並びにセンス端子3dとを含んでいる。なお、ケース2内には、後述する半導体ユニットを収納している。外部端子3a,3b、制御端子3c並びにセンス端子3dは、ケース2内で半導体ユニットに電気的かつ機械的に接合されている。
ケース2は、平面視で、矩形状を成している。このようなケース2は、側壁2a~2dが四方を順に取り囲んでいる。ケース2の収納領域2eは、側壁2a~2dにより取り囲まれて画定されている。側壁2a~2dのそれぞれの高さ(+Z方向)は、収納領域2eに収納された半導体ユニット及び配線部材(例えば、ワイヤ)の高さよりも大きい。側壁2a~2dのそれぞれの厚さは、少なくとも、ケース2の強度が維持できる範囲であって、小型化、軽量化のため出来る限り薄いことが好ましい。側壁2a~2dの、平面視で、それぞれの接続箇所は、直角であってもよく、また、R面取りされていてもよい。
また、ケース2の側壁2a,2cには、締結部材5a,5cがそれぞれ取り付けられている。締結部材5a,5cは、例えば、金属で構成されて平板状を成し、開口孔が形成されている。締結部材5a,5cは半導体装置1を冷却装置に取り付ける際に用いられる。例えば、半導体装置1の締結部材5a,5cにねじを挿通して、当該ねじを冷却装置に螺合することで、半導体装置1は冷却装置に取り付けられる。締結部材5a,5cは、ケース2の裏面に同一平面を成して取り付けられている。締結部材5a,5cの取り付け箇所の例として、締結部材5aは、側壁2aの-Y方向の端部であり、締結部材5cは、側壁2cの+Y方向の端部である。または、締結部材5a,5cは、側壁2a,2cの中央に取り付けられてよい。または、側壁2a,2cに対して、締結部材5a,5cをそれぞれ取り付ける場合に限らず、2つ以上取り付けてもよい。
このようなケース2は、樹脂を用いて、締結部材5a,5cを含んで射出成形により成形されてよい。このような樹脂として、例えば、ポリフェニレンサルファイド、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンサクシネート樹脂、ポリアミド樹脂、または、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂が挙げられる。
外部端子3a,3b、制御端子3c並びにセンス端子3dは、それぞれ、柱状を成している。柱状とは、例えば、角柱、円柱であってよい。外部端子3a,3bには、P端子及びN端子が接続される。制御端子3cには、制御信号が印加される。センス端子3dからは出力電流が出力される。外部端子3a,3b、制御端子3c並びにセンス端子3dは、導電性に優れた金属を主成分として構成されている。金属は、例えば、銅あるいは銅合金が挙げられる。外部端子3a,3b、制御端子3c並びにセンス端子3dは、めっき処理が施されてもよい。この際のめっき材は、例えば、ニッケル、ニッケル-リン合金、ニッケル-ボロン合金、銀、銀合金が挙げられる。
封止部材4は、ケース2の収納領域2e内に充填されて、収納領域2e内の半導体ユニット及びワイヤを封止している。封止部材4のおもて面は、ケース2の側壁2a~2dのおもて面よりも下位に位置する。封止部材4は、熱硬化性樹脂と熱硬化性樹脂に含有される充填剤とを含んでいる。熱硬化性樹脂は、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、マレイミド樹脂である。充填剤は、フィラーであり、例えば、ガラス、二酸化シリコン、酸化アルミニウム、窒化ホウ素または窒化アルミニウムである。このような封止部材4の熱硬化性樹脂の一例として、エポキシ樹脂が挙げられる。
なお、このようなケース2の裏面には放熱ベース板7(図9を参照)が設けられている。放熱ベース板7の中心部に半導体ユニットが設けられている。収納領域2eに半導体ユニットが収納されるようにケース2が放熱ベース板7上に設けられている。
次に、半導体ユニットについて、図2~図6を用いて説明する。図2は、第1の実施の形態の半導体装置に含まれる半導体ユニットの平面図であり、図3は、第1の実施の形態の半導体装置に含まれる半導体ユニットの断面図である。図4は、第1の実施の形態の半導体ユニットに含まれる主配線基板の平面図であり、図5は、第1の実施の形態の半導体ユニットに含まれる主配線基板の断面図である。図6は、第1の実施の形態の半導体ユニットに含まれる制御配線基板を示す図である。なお、図3は、図2の一点鎖線Y-Yにおける断面図である。図5は、図4の一点鎖線Y-Yにおける断面図である。図6(A)は、制御配線基板30の+Y方向の側面図であり、図6(B)は制御配線基板30の裏面図である。
半導体ユニット6は、半導体チップ10a~10dと主配線基板20と制御配線基板30a,30bと、を含んでいる。なお、以下では、半導体チップ10a~10dを区別することがない場合には、半導体チップ10として説明する。また、制御配線基板30a,30bを区別することがない場合には、制御配線基板30として説明する。
半導体チップ10は、パワーMOSFETからなるスイッチング素子を含んでいてよい。このような半導体チップ10は、おもて面に、制御電極11としてゲート電極、及び、主電極である出力電極12としてソース電極をそれぞれ備えている。制御電極11はおもて面の側部の中央に、出力電極12はおもて面の中央部にそれぞれ設けられている。また、半導体チップ10は、裏面に主電極である入力電極13(図9を参照)としてドレイン電極を備えている。このような半導体チップ10は、炭化シリコンで構成されていてよい。
半導体チップ10は、または、RC(Reverse Conducting)-IGBTのスイッチング素子を含んでいてよい。RC-IGBTは、IGBT及びFWD(Free Wheeling Diode)を1チップ内に構成しているものである。このような半導体チップ10もまたおもて面に、制御電極11としてゲート電極、及び、主電極である出力電極12としてエミッタ電極を、裏面に主電極の入力電極13としてコレクタ電極をそれぞれ備えている。このような半導体チップ10はシリコンで構成されていてよい。
このような半導体チップ10a~10dは、後述する主配線板22aに対して、それぞれの制御電極11が主配線板22aの±Y方向に平行な中心線を向いて、2行・2列を成して設けられている。すなわち、半導体チップ10a~10dの出力電極12は、それぞれ±X方向側を向いている。なお、半導体チップ10の個数並びに配置は一例である。
主配線基板20は、絶縁板21と、絶縁板21のおもて面に形成された主配線板22a及び配線板22b,22cと、絶縁板21の裏面に形成された金属板23と、を含んでいる。主配線板22a及び配線板22b,22c及び金属板23の外形は、平面視で、絶縁板21の外形より小さく、絶縁板21の内側に形成されている。なお、主配線板22a及び配線板22b,22cの形状、個数は一例である。
絶縁板21は、平面視で矩形状を成す。また、絶縁板21は、角部が面取りされていてもよい。例えば、C面取りあるいはR面取りであってよい。絶縁板21は、外周辺である長辺21a、短辺21b、長辺21c、短辺21dにより四方が囲まれている。絶縁板21は、熱伝導性のよいセラミックスにより構成されている。セラミックスは、例えば、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、または、窒化珪素を主成分とする材料により構成されている。
主配線板22a及び配線板22b,22cは、導電性に優れた金属を主成分として構成されている。金属は、例えば、銅あるいは銅合金が挙げられる。主配線板22a及び配線板22b,22cは、めっき処理が施されてもよい。この際のめっき材は、例えば、ニッケル、ニッケル-リン合金、ニッケル-ボロン合金、銀、銀合金が挙げられる。主配線板22a及び配線板22b,22cはめっき処理されることで耐食性並びに接合性が向上する。
主配線板22a(第1配線パターン層)は、平面視で、矩形状を成している。主配線板22aは、絶縁板21のおもて面に短辺21dから短辺21bに渡り、長辺21a,21c側に隙間を空けて形成されている。このような主配線板22aのおもて面の中央部に半導体チップ10a~10dが2行・2列で配置されている。また、主配線板22aのおもて面の半導体チップ10a~10dの±Y方向側に隙間が空いている。この隙間に制御配線基板30a,30bがそれぞれ設けられている。
また、主配線板22aは、この制御配線基板30a,30bが配置される領域内に固定穴22a1(嵌合部)が形成されている。固定穴22a1は、主配線板22aを貫通することなく、窪んでいる。固定穴22a1は、制御配線基板30a,30bを固定することができればよい。ここでの固定穴22a1は、制御配線基板30a,30bの固定突起部33aが嵌合することができる穴である。固定穴22a1は、固定突起部33aの形状に対応している。この場合の固定穴22a1は、円筒状に窪んでいる。また、固定穴22a1は、制御配線基板30a,30bを固定するために、例えば、短辺21b,21dに沿って2つ以上形成されることを要する。
このような主配線板22aの端子領域3a1(図2及び図4中の破線の丸印)に外部端子3aの下端部が接合される。この接合は、例えば、はんだまたは金属焼結体の接合部材を用いてよい。端子領域3a1は、主配線板22aであればどこでもよい。但し、ここでは、端子領域3a1は、半導体チップ10a,10d及び半導体チップ10b,10cのそれぞれの間であって、長辺21a,21c側にそれぞれ設定されている。
配線板22b,22c(第2配線パターン層)は、平面視で、矩形状を成している。より具体的には、配線板22b,22cは、平面視で、短冊状を成している。配線板22b,22cは、絶縁板21のおもて面に主配線板22aの長辺21a,21c側であって、短辺21dから短辺21bに渡り形成されている。また、配線板22b,22cは、主配線板22aの長辺21a,21c側のそれぞれの辺に対し、所定の距離で離間すると共に隣接している。
このような配線板22b,22cの端子領域3b1(図2及び図4中の破線の丸印)に外部端子3bの下端部が接合される。この接合は、例えば、はんだまたは金属焼結体の接合部材を用いてよい。端子領域3b1は、配線板22b,22cであればどこでもよい。但し、ここでは、端子領域3b1は、配線板22b,22cのおもて面であって、端子領域3a1に対し、所定の距離で離隔すると共に隣接して設定されている。端子領域3a1,3b1をこのように設定することで、外部端子3a,3bが所定の距離で離隔すると共に隣接して配置されることになる。外部端子3a,3bは、後述するように、正極及び負極がそれぞれ接続される。したがって、このような配置により、外部端子3a,3bの配線長を短くすることができ、また、外部端子3a,3bの相互インダクタンスを相殺させることができ、半導体装置1全体のインダクタンスを低減することができる。
金属板23は、熱伝導性に優れた金属を主成分として構成されている。このような金属は、例えば、アルミニウム、鉄、銀、銅、または、少なくともこれらの一種を含む合金が挙げられる。そして、耐食性並びに接合性を向上させるために、めっき処理が施されてもよい。この際のめっき材は、例えば、ニッケル、ニッケル-リン合金、ニッケル-ボロン合金、銀、銀合金が挙げられる。
このような構成を有する主配線基板20として、例えば、DCB(Direct Copper Bonding)基板、AMB(Active Metal Brazed)基板を用いることができる。主配線基板20は接合部材を介して放熱ベース板7に接合される。主配線基板20は、半導体チップ10で発生した熱を主配線板22aと絶縁板21と金属板23とを介して、放熱ベース板7側に伝導させることができる。
制御配線基板30a,30bは、絶縁層31と、絶縁層31のおもて面に設けられた制御配線層32と、絶縁層31の裏面に設けられた金属層33と、を含んでいる。制御配線層32と金属層33との外形は、平面視で、絶縁層31の外形より小さく、絶縁層31の内側に形成されている。
絶縁層31は、平面視で矩形状を成す。また、絶縁層31は、角部が面取りされていてもよい。例えば、C面取りあるいはR面取りであってよい。絶縁層31は、外周辺である短辺31a、長辺31b、短辺31c、長辺31dにより四方が囲まれている。なお、絶縁層31の短辺31a、長辺31b、短辺31c、長辺31dは、絶縁板21の長辺21a、短辺21b、長辺21c、短辺21dにそれぞれ向いている。
絶縁層31は、熱伝導性のよいセラミックスにより構成されてよい。セラミックスは、例えば、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化珪素、または、窒化硼素を主成分とする材料により構成されている。絶縁層31は、または、絶縁樹脂層でもよい。絶縁樹脂層は、例えば、シート状である。このような絶縁樹脂層は、熱抵抗の小さい樹脂を主成分としてよい。この樹脂は、例えば、エポキシ樹脂、液晶ポリマー等の絶縁樹脂が挙げられる。さらに、絶縁樹脂層には、フィラーが混合されてもよい。フィラーは、熱伝導率が大きな材料を主成分とする。このような材料は、例えば、窒化硼素、酸化アルミニウム、酸化珪素である。
制御配線層32は、絶縁層31のおもて面に、絶縁層31の外周部を空けて全面に形成されている。制御配線層32は、導電性に優れた金属を主成分として構成されている。金属は、例えば、銅あるいは銅合金、アルミニウムあるいはアルミニウム合金が挙げられる。制御配線層32は、めっき処理が施されてもよい。この際のめっき材は、例えば、ニッケル、ニッケル-リン合金、ニッケル-ボロン合金、銀、銀合金が挙げられる。制御配線層32はめっき処理されることで耐食性並びに接合性が向上する。
このような制御配線基板30a,30bの制御配線層32の端子領域3c1,3d1(図2中の破線の丸印)に外部端子3a,3bの下端部が接合される。この接合は、例えば、はんだまたは金属焼結体の接合部材を用いてよい。端子領域3c1,3d1は、制御配線層32の長手方向の中心部に設けられている。
金属層33は、熱伝導性に優れた金属を主成分として構成されている。このような金属は、例えば、アルミニウム、鉄、銀、銅、または、少なくともこれらの一種を含む合金が挙げられる。そして、耐食性並びに接合性を向上させるために、めっき処理が施されてもよい。この際のめっき材は、例えば、ニッケル、ニッケル-リン合金、ニッケル-ボロン合金、銀、銀合金が挙げられる。
金属層33の裏面に固定突起部33aが形成されている。固定突起部33aは、主配線板22aの固定穴22a1と形状及び位置が対応している。この場合の固定突起部33aは、例えば、円柱状を成している。これに対応して固定穴22a1も円柱状の窪みである。但し、固定突起部33aは主配線板22aを貫通することがない。なお、固定突起部33aは円柱状に限らず、角柱状でもよい。また、固定突起部33aは固定穴22a1に対応して2つに限らず、2つ以上であって、金属層33の長手方向に沿って形成されてよい。
なお、固定穴22a1及び固定突起部33aは、主配線板22a及び金属層33に限らず、金属層33及び主配線板22aにそれぞれ形成してもよい。但し、固定穴22a1は主配線板22a及び金属層33のうち厚い方に形成されることが望ましい。
このような構成を有する制御配線基板30として、例えば、DCB基板、AMB基板、DBA(Direct Bonding Aluminum)基板を用いることができる。主配線基板20は接合部材を介して放熱ベース板に接合される。主配線基板20は、半導体チップ10で発生した熱を主配線板22aと絶縁板21と金属板23とを介して、放熱ベース板7側に伝導させることができる。
このような制御配線基板30は、主配線板22aの所定の領域に設けられた固定穴22a1に固定突出部33aが嵌り、接合部材35を介して接合されている。接合部材35は、はんだまたは金属焼結体であってよい。はんだは、鉛フリーはんだが用いられる。鉛フリーはんだは、例えば、錫-銀-銅からなる合金、錫-亜鉛-ビスマスからなる合金、錫-銅からなる合金、錫-銀-インジウム-ビスマスからなる合金のうち少なくともいずれかの合金を主成分とする。さらに、はんだには、添加物が含まれてもよい。添加物は、例えば、ニッケル、ゲルマニウム、コバルト、アンチモンまたはシリコンである。はんだは、添加物が含まれることで、濡れ性、光沢、結合強度が向上し、信頼性の向上を図ることができる。また、金属焼結体は、銀を主成分とする金属により構成される。
制御ワイヤ41a(制御接続部材)は、制御配線基板30aの制御配線層32と半導体チップ10a,10dの制御電極11とをそれぞれ電気的かつ機械的に接続している。制御ワイヤ41b(制御接続部材)は、制御配線基板30aの制御配線層32と半導体チップ10b,10cの制御電極11とをそれぞれ電気的かつ機械的に接続している。制御ワイヤ41a,41bは、平行に配線されており、制御配線基板30aの制御配線層32から短辺21dに向かって直交方向に延伸している。
センスワイヤ42a(センス接続部材)は、制御配線基板30bの制御配線層32と半導体チップ10a,10dの出力電極12とをそれぞれ電気的かつ機械的に接続している。センスワイヤ42b(センス接続部材)は、制御配線基板30bの制御配線層32と半導体チップ10b,10cの出力電極12とをそれぞれ電気的かつ機械的に接続している。センスワイヤ42a,42bは、平行に配線されており、制御配線基板30bの制御配線層32から短辺21bに向かって直交方向に延伸している。
主電流ワイヤ43a,43d(主接続部材)は、半導体チップ10a,10dの出力電極12と配線板22bとを電気的かつ機械的に接続している。主電流ワイヤ43a,43dは、平行に配線されており、半導体チップ10a,10dの出力電極12から長辺21aに向かって直交方向に延伸している。主電流ワイヤ43b,43c(主接続部材)は、半導体チップ10b,10cの出力電極12と配線板22cとを電気的かつ機械的に接続している。主電流ワイヤ43b,43dは、平行に配線されており、半導体チップ10b,10cの出力電極12から長辺21cに向かって直交方向に延伸している。なお、主電流ワイヤ43a,43b並びに主電流ワイヤ43b,43cに代わり、リードフレームを用いてもよい。
このような制御ワイヤ41a,41bとセンスワイヤ42a,42bと主電流ワイヤ43a~43dとは、導電性に優れたアルミニウム、銅、銀の金属、または、少なくともこれらの一種を含む合金により構成されている。また、制御ワイヤ41a,41b及びセンスワイヤ42a,42bは、接合される制御配線層32と同種の材料であることが望ましい。これにより、高温動作時の相互拡散等で生じる変質の影響を低減することができる。
このような構成を備える半導体装置1の機能を表す等価回路図について図7を用いて説明する。図7は、第1の実施の形態の半導体装置の機能の等価回路図である。接続点Dは、正極に接続される。これは、接続点Dである外部端子3aと主配線板22aを介して半導体チップ10a~10dの入力電極13(ドレイン電極)に接続される。
接続点Sは、負極に接続される。すなわち、接続点Sである外部端子3b(図2中長辺21a側)は、半導体チップ10a,10dの出力電極12(ソース電極)と主電流ワイヤ43a,43dと配線板22bを介して接続される。さらに、接続点Sである外部端子3b(図2中長辺21c側)は、半導体チップ10b,10cの出力電極12(ソース電極)と主電流ワイヤ43b,43cと配線板22cを介して接続される。
接続点Gは、制御信号が印加される。すなわち、接続点Gである制御端子3cと制御配線基板30aの制御配線層32及び制御ワイヤ41a,41bを介して半導体チップ10a~10dの制御電極11に接続される。
接続点S1は、センス電流(出力電流)が出力される。すなわち、接続点S1であるセンス端子3dが、半導体チップ10a~10dの出力電極12に制御配線基板30bの制御配線層32及びセンスワイヤ42a,42bを介して接続される。
また、半導体ユニット6において、主配線板22aに制御配線基板30a,30bが配置されていることから、半導体ユニット6は等価回路的にキャパシタがそれぞれ含まれる。制御配線基板30aによるキャパシタは接続点Gと接続点Dとに接続される。制御配線基板30bによるキャパシタは接続点S1と接続点Sとに接続される。この場合、制御配線基板30a,30bによるそれぞれのキャパシタの容量が異なる場合には、スパイク電圧の発生等により、スイッチング動作が乱れてしまうおそれがある。そこで、制御配線基板30a,30bによるそれぞれのキャパシタの容量は略等しく設定されている。制御配線基板30a,30bによるそれぞれのキャパシタの容量は、絶縁層31の体積に依存する。このため、制御配線基板30a,30bに含まれる絶縁層31は同じサイズのものを利用することが望ましい。
次に、このような半導体装置1の製造方法について、図2~図6並びに図8及び図9を用いて説明する。図8は、第1の実施の形態の半導体装置の製造方法を示すフローチャートである。図9は、第1の実施の形態の半導体装置の製造方法に含まれる搭載工程を示す図である。なお、図9は、図2の一点鎖線X-Xの位置での断面図である。
まず、半導体装置1の構成部品を用意する用意工程を行う(ステップS1)。構成部品は、例えば、半導体チップ10a~10d、主配線基板20、制御配線基板30、外部端子3a,3b、制御端子3c並びにセンス端子3d、ケース2、放熱ベース板7である。この他、接合部材、ワイヤといった半導体装置1の製造に必要な構成部品を用意する。
次いで、放熱ベース板7に主配線基板20を搭載し、主配線基板20の所定の領域に半導体チップ10a~10d並びに制御配線基板30をそれぞれ搭載する搭載工程を行う(ステップS2)。図9に示されるように、放熱ベース板7に主配線基板20をはんだ板を介して搭載する。そして、主配線基板20の主配線板22aに半導体チップ10a~10dを、例えば、はんだ板を介して搭載する。また、主配線基板20の主配線板22aに制御配線基板30を、例えば、はんだ板を介して搭載する。
次いで、放熱ベース板7に主配線基板20を接合し、主配線基板20の所定の領域に搭載した半導体チップ10a~10d並びに制御配線基板30をそれぞれ接合する接合工程を行う(ステップS3)。ステップS2で主配線基板20がはんだ板を介して搭載された放熱ベース板7と、半導体チップ10a~10d並びに制御配線基板30がはんだ板を介して搭載された主配線基板20とを加熱する。はんだ板を溶融させて、固化することで、放熱ベース板に主配線基板20が接合し、主配線基板20の所定の領域に搭載した半導体チップ10a~10d並びに制御配線基板30をそれぞれ接合する。
この際、制御配線基板30の固定突起部33aが主配線板22aの固定穴22a1に嵌合している。このため、制御配線基板30の位置ずれ、傾きが防止されて、制御配線基板30を主配線板22aの所定の領域に確実に接合することができる。
また、外部端子3a,3bの下端部をはんだにより主配線板22aの端子領域3a1及び配線板22b,22cの端子領域3b1にそれぞれ接合する。制御端子3c並びにセンス端子3dを制御配線基板30a,30bの端子領域3c1,3d1にそれぞれ接合する。
次いで、ワイヤにより配線する配線工程を行う(ステップS4)。制御ワイヤ41aにより、制御配線基板30aの制御配線層32と半導体チップ10a,10dの制御電極11とをそれぞれ直接接続する。制御ワイヤ41bにより、制御配線基板30aの制御配線層32と半導体チップ10b,10cの制御電極11とをそれぞれ直接接続する。
センスワイヤ42aにより、制御配線基板30bの制御配線層32と半導体チップ10a,10dの出力電極12とをそれぞれ直接接続する。センスワイヤ42bにより、制御配線基板30bの制御配線層32と半導体チップ10b,10cの出力電極12とをそれぞれ直接接続する。
また、制御配線基板30a,30bは主配線板22aに対して、位置ずれ及び傾斜することなく接合されている。このため、制御ワイヤ41a,41b及びセンスワイヤ42a,42bを制御配線基板30a,30bの制御配線層32に確実に接続することができる。
主電流ワイヤ43a,43dにより、半導体チップ10a,10dの出力電極12と配線板22bとを直接接続する。主電流ワイヤ43b,43cにより、半導体チップ10b,10cの出力電極12と配線板22cとを直接接続する。これにより、放熱ベース板7上に、半導体ユニット6が構成される。
次いで、半導体ユニット6をケース2に収納し、封止部材4で封止する封止工程を行う(ステップS5)。ケース2の収納領域2eに半導体ユニット6が収納されるようにケース2を放熱ベース板7上に配置する。なお、ケース2の裏面と放熱ベース板7とは接着剤により接合する。半導体ユニット6が収納されている収納領域2eに封止部材4を充填して、収納領域2e内の半導体ユニット6を封止する。この際、外部端子3a,3b、制御端子3c並びにセンス端子3dは封止部材4のおもて面から鉛直上方に延伸している。以上により、図1に示した半導体装置1が得られる。
半導体装置1は、おもて面に制御電極11を備える半導体チップ10と、主配線基板20と、制御配線基板30と、制御ワイヤ41a,41bとを含む。主配線基板20は、半導体チップ10の裏面が接合される主配線板22aをおもて面に含む。制御配線基板30は、絶縁層31と、絶縁層31のおもて面に配置された制御配線層32と、絶縁層31の裏面に配置された金属層33とを含んでいる。さらに、金属層33が、主配線板22aのおもて面に設けられた固定穴22a1に固定される固定突起部33aを含んでいる。制御ワイヤ41a,41bは、制御配線層32と半導体チップ10a~10dの制御電極11とを接続する。
仮に、制御配線基板30が無い場合、主配線基板20の絶縁板21には、制御端子3c及び制御ワイヤ41a,41bを接続するための配線板が主配線板22a及び配線板22b,22cに対して隙間を空けて形成される必要がある。センス端子3d及びセンスワイヤ42a,42bについても同様に別途、配線板と共に主配線板22a及び配線板22b,22cに対して隙間を要する。すなわち、絶縁板21はこの隙間分のスペースをさらに要し、小型化の妨げとなる。
他方、半導体装置1では、主配線板22aに制御配線基板30a,30bを配置して、制御配線基板30a,30bに制御端子3c及びセンス端子3dを接続している。このため、配線板間の隙間を要せず、配線領域を確保することができ、主配線基板20を縮小することができる。これにより、半導体装置1の小型化を図ることができる。
また、半導体装置1は、上記のように、制御配線基板30を設けることで、新たに設けることなくキャパシタとしての機能を含む。このため、新たにキャパシタを設けるための領域を必要とせずに、半導体装置1の小型化を図りつつ、半導体装置1の高速動作の低減を抑制することができる。
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態では、主配線基板20及び制御配線基板30のレイアウトが第1の実施の形態の場合と異なる場合を例に挙げる。第2の実施の形態の半導体装置について、図10を用いて説明する。図10は、第2の実施の形態の半導体装置の外観図である。
第2の実施の形態の半導体装置1aは、外部端子3a,3b、制御端子3c、センス端子3dの位置並びに主配線基板20及び制御配線基板30の配線パターン層が第1の実施の形態の半導体装置1の場合と異なっている。半導体装置1aは、これらの端子以外は、半導体装置1と同様の構成である。外部端子3a,3b、制御端子3c、センス端子3dの位置及び主配線基板20及び制御配線基板30の配線パターン層の詳細については後述する。
次に、半導体装置1aに含まれる半導体ユニットについて、図11~図14を用いて説明する。図11は、第2の実施の形態の半導体装置に含まれる半導体ユニットの平面図であり、図12は、第2の実施の形態の半導体装置に含まれる半導体ユニットの断面図である。図13は、第2の実施の形態の半導体ユニットに含まれる主配線基板の平面図である。図14は、第2の実施の形態の半導体ユニットに含まれる制御配線基板を示す図である。なお、図12は、図11の一点鎖線X-Xにおける断面図である。図14(A)は、制御配線基板30cの平面図であり、図14(B)は、制御配線基板30cの+Y方向の側面図であり、図14(C)は制御配線基板30cの裏面図である。
半導体ユニット6aは、半導体ユニット6と同様の半導体チップ10a~10d及び主配線基板20を含んでいる。また、半導体ユニット6aは、半導体ユニット6と異なる制御配線基板30cとを含んでいる。但し、主配線基板20に対する半導体チップ10a~10d及び制御配線基板30cの配置位置が半導体装置1の場合と異なっている。
主配線基板20の主配線板22aに対して、半導体チップ10a~10dは短辺21d側に寄って配置されている。半導体チップ10a~10dもまた、主配線板22aに対して、それぞれの制御電極11が主配線板22aの±Y方向に平行な中心線を向いて、2行、2列を成して設けられている。すなわち、半導体チップ10a~10dの出力電極12は、それぞれ±X方向側を向いている。主配線板22aの半導体チップ10a,10bの+Y方向側に隙間が空いている。この隙間には、制御配線基板30cが配置され、固定穴22a1が形成されている。
主配線板22a及び配線板22b,22cの端子領域3a1,3b1(図11及び図13中の破線の丸印)にも外部端子3a,3bの下端部が接合される。この接合もまた、例えば、はんだまたは金属焼結体の接合部材を用いてよい。端子領域3a1,3b1もまた、主配線板22a及び配線板22bであればどこでもよい。但し、ここでもまた、端子領域3a1は、半導体チップ10a,10d及び半導体チップ10b,10cのそれぞれの間であって、長辺21a,21c側にそれぞれ設定されている。端子領域3b1は、配線板22b,22cのおもて面であって、端子領域3a1に対向して設定されている。端子領域3a1,3b1をこのように設定することで、外部端子3a,3bが隣接して配置されることになる。
制御配線基板30cは、主配線板22aの平面視で半導体チップ10a,10dと短辺21bとの隙間に設けられている。この際、制御配線基板30cは、平面視で、半導体チップ10a,10dに対し、所定の距離で離隔すると共に隣接している。制御配線基板30cもまた、絶縁層31と、絶縁層31のおもて面に設けられた制御配線層32a,32bと、絶縁層31の裏面に設けられた金属層33と、を含んでいる。制御配線層32a,32bと金属層33との外形は、平面視で、絶縁層31の外形より小さく、絶縁層31の内側に形成されている。
絶縁層31は、第1の実施の形態の絶縁層31の(±Y方向の)幅の1.5倍以上、2.5倍以下である。金属層33もまた、第1の実施の形態の金属層33の(±Y方向の)幅の1.5倍以上、2.5倍以下である。
絶縁層31及び金属層33は、第1の実施の形態の絶縁層31及び金属層33と同様の材質を主成分としている。また、金属層33の裏面にもまた固定突起部33aが形成されている。固定突起部33aは、主配線板22aの固定穴22a1と形状及び位置が対応している。この場合の固定突起部33aは、例えば、円柱状を成している。これに対応して固定穴22a1も円柱状の窪みである。但し、固定突起部33aは主配線板22aを貫通することがない。なお、固定突起部33aは円柱状に限らず、角柱状でもよい。また、固定突起部33aは2つに限らず、2つ以上であって、金属層33の長手方向に沿って形成されてよい。
なお、固定穴22a1及び固定突起部33aは、主配線板22a及び金属層33に限らず、金属層33及び主配線板22aにそれぞれ形成してもよい。但し、固定穴22a1は主配線板22a及び金属層33のうち厚い方に形成されることが望ましい。
制御配線層32a,32bは共に短冊状を成している。制御配線層32aは、絶縁層31の-Y方向側であって、短辺31aから短辺31cに掛けて形成されている。制御配線層32bは、絶縁層31の+Y方向側であって、短辺31aから短辺31cに掛けて形成されている。なお、本実施の形態では、制御配線基板30cに含まれる制御配線層32bが、平面視で、半導体チップ10a,10dに対し、所定の距離で離隔すると共に隣接している。また、制御配線基板30cが、図11において上下(±Y方向)反対に配置される場合には、制御配線層32aが、平面視で、半導体チップ10d,10cに対し、所定の距離で離隔すると共に隣接する。
このような制御配線層32a,32bの端子領域3c1,3d1(図11及び図14中の破線の丸印)に外部端子3a,3bの下端部が接合される。この接合は、例えば、はんだまたは金属焼結体の接合部材を用いてよい。端子領域3c1,3d1は、制御配線層32a,32bに設けられればよい。長手方向の中心部に設けられている。
但し、端子領域3c1,3d1は、制御配線層32a,32bのおもて面の中央部にそれぞれ設定されている。端子領域3c1,3d1をこのように設定することで、制御端子3c及びセンス端子3dが隣接して配置されることになる。制御端子3c及びセンス端子3dは、既述の通り、それぞれ制御信号が入力され、出力電流が出力される。したがって、このような配置により、制御端子3c及びセンス端子3dの配線長を短くすることができ、また、制御端子3c及びセンス端子3dの相互インダクタンスを相殺させることができ、半導体装置1a全体のインダクタンスを低減することができる。
このような構成を有する制御配線基板30cもまた、例えば、DCB基板、AMB基板、DBA基板を用いることができる。主配線基板20は接合部材を介して放熱ベース板に接合される。主配線基板20は、半導体チップ10で発生した熱を主配線板22aと絶縁板21と金属板23とを介して、放熱ベース板側に伝導させることができる。このような制御配線基板30cもまた、主配線板22aの所定の領域に固定突出部33aが固定穴22a1に嵌り、既述の接合部材35を介して接合されている。
制御ワイヤ41aは、制御配線基板30cの制御配線層32bと半導体チップ10a,10dの制御電極11とをそれぞれ電気的かつ機械的に接続している。制御ワイヤ41bは、制御配線基板30cの制御配線層32bと半導体チップ10b,10cの制御電極11とをそれぞれ電気的かつ機械的に接続している。制御ワイヤ41a,41bは、平行に配線されており、制御配線基板30cの制御配線層32aから短辺21dに向かって直交方向に延伸している。
センスワイヤ42aは、制御配線基板30cの制御配線層32aと半導体チップ10a,10dの出力電極12とをそれぞれ電気的かつ機械的に接続している。センスワイヤ42bは、制御配線基板30cの制御配線層32aと半導体チップ10b,10cの出力電極12とをそれぞれ電気的かつ機械的に接続している。センスワイヤ42a,42bは、平行に配線されており、制御配線基板30cの制御配線層32aから短辺21dに向かって直交方向に延伸している。
また、センスワイヤ42a,42bは制御ワイヤ41a,41bに対して近接し、また、反対方向に通電される。このため、センスワイヤ42a,42bは制御ワイヤ41a,41bに対するインダクタンスを抑制することができる。したがって、制御信号の印加による半導体チップ10a,10c間、半導体チップ10b,10d間のそれぞれの応答速度の誤差を小さくすることができる。また、センスワイヤ42a,42bが接続されている制御配線基板30bが後述するようにキャパシタとして機能する。このため、半導体チップ10a,10c間、半導体チップ10b,10d間のそれぞれの出力電流の出力のタイミングの誤差を低減し、高速動作を損ねることがない。
主電流ワイヤ43a,43d及び主電流ワイヤ43b,43cは、第1の実施の形態と同様に、半導体チップ10a,10d及び半導体チップ10b,10cの出力電極12と配線板22b,22cとを電気的かつ機械的に接続している。
このような制御ワイヤ41a,41bとセンスワイヤ42a,42bと主電流ワイヤ43a~43dともまた、導電性に優れたアルミニウム、銅、銀の金属、または、少なくともこれらの一種を含む合金により構成されている。また、制御ワイヤ41a,41b及びセンスワイヤ42a,42bは、接合される制御配線層32a,32bと同種の材料であることが望ましい。これにより、高温動作時の相互拡散等で生じる変質の影響を低減することができる。
このような半導体装置1aもまた、図7と同様の機能を表す等価回路を含み、図8のフローチャートに沿って製造される。半導体装置1aでは、主配線板22aに制御配線基板30cを配置して、制御配線基板30cの制御配線層32a,32bに制御端子3c及びセンス端子3dを接続している。このため、配線板間の隙間を要せず、配線領域を確保することができ、主配線基板20を縮小することができる。これにより、半導体装置1aの小型化を図ることができる。
1,1a 半導体装置
2 ケース
2a~2d 側壁
2e 収納領域
3a,3b 外部端子
3a1,3b1,3c1,3d1 端子領域
3c 制御端子
3d センス端子
4 封止部材
5a,5c 締結部材
6,6a 半導体ユニット
7 放熱ベース板
10,10a~10d 半導体チップ
11 制御電極
12 出力電極
13 入力電極
20 主配線基板
21 絶縁板
21a,21c 長辺
21b,21d 短辺
22a 主配線板
22a1 固定穴
22b,22c 配線板
23 金属板
30,30a,30b,30c 制御配線基板
31 絶縁層
31a,31c 短辺
31b,31d 長辺
32,32a,32b 制御配線層
33 金属層
33a 固定突起部
35 接合部材
41a,41b 制御ワイヤ
42a,42b センスワイヤ
43a~43d 主電流ワイヤ

Claims (17)

  1. おもて面に制御電極を備える半導体チップと、
    前記半導体チップの裏面が接合される第1配線パターン層をおもて面に含む主配線基板と、
    絶縁層と前記絶縁層のおもて面に配置された制御配線層と、前記絶縁層の裏面に配置された金属層とを含み、前記金属層が、前記第1配線パターン層のおもて面に設けられた嵌合部に固定される制御配線基板と、
    前記制御配線層と前記半導体チップの前記制御電極とを接続する制御接続部材と、
    を含む半導体装置。
  2. 前記絶縁層はセラミックスまたは樹脂を主成分として構成されている、
    請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記制御接続部材は、ワイヤである、
    請求項1に記載の半導体装置。
  4. 前記嵌合部は、前記主配線基板の前記第1配線パターン層の前記制御配線基板が配置される範囲内に設けられた、窪んだ固定穴であり、
    前記制御配線基板の前記金属層に前記固定穴に嵌る固定突起部を備える、
    請求項1に記載の半導体装置。
  5. 前記半導体チップの前記おもて面に主電極を備え、
    前記半導体チップの前記主電極に主接続部材を介して電気的に接続し、前記主配線基板の前記おもて面に配置された第2配線パターン層を含む、
    請求項1に記載の半導体装置。
  6. 前記主配線基板は、矩形状の絶縁板を有し、
    矩形状の前記第1配線パターン層が、前記絶縁板上に配置され、
    矩形状の前記第2配線パターン層が、前記第1配線パターン層と所定の距離で離隔すると共に隣接して前記絶縁板上に配置されている
    請求項5に記載の半導体装置。
  7. 前記第2配線パターン層を複数備え、
    一方の前記第2配線パターン層が、前記第1配線パターン層の一方の辺に対し、所定の距離で離隔すると共に隣接し、
    他方の前記第2配線パターン層が、前記第1配線パターン層の前記一方の辺と対向する他方の辺に対し、所定の距離で離隔すると共に隣接する、
    請求項6に記載の半導体装置。
  8. 前記半導体チップは、偶数設けられ、
    偶数の前記半導体チップは、前記第1配線パターン層上に、前記制御電極を対向して2列で配置されている、
    請求項7に記載の半導体装置。
  9. 前記制御配線基板は、前記第1配線パターン層上にそれぞれ設けられた第1制御配線基板及び第2制御配線基板を含み、
    前記第1制御配線基板及び前記第2制御配線基板は、前記第2配線パターン層が設けられていない側の前記第1配線パターン層上に前記半導体チップを挟んで対向する位置に配置されている、
    請求項8に記載の半導体装置。
  10. 複数の前記制御接続部材は、平行を成し、前記第1配線パターン層に2列でそれぞれ配置された前記半導体チップの列ごとに前記制御電極のそれぞれと、前記第1制御配線基板の前記制御配線層とを接続している、
    請求項9に記載の半導体装置。
  11. 平行を成し、前記第1配線パターン層に2列でそれぞれ配置された前記半導体チップの列ごとの前記主電極のそれぞれと、前記第2制御配線基板の前記制御配線層とを接続し、複数の前記制御接続部材に平行を成す複数のセンス接続部材をさらに備える、
    請求項10に記載の半導体装置。
  12. 前記主接続部材は、前記制御接続部材に対して直交して延伸し、前記第2配線パターン層と、前記半導体チップの前記主電極とをそれぞれ接続する、
    請求項11に記載の半導体装置。
  13. 前記第1配線パターン層上に下端部が接続され、上端部が前記第1配線パターン層に対して鉛直上方に延伸する第1外部端子と、
    前記第2配線パターン層上に下端部が接続され、上端部が前記第2配線パターン層に対して鉛直上方に延伸する第2外部端子と、
    をさらに備え、
    前記第1外部端子と前記第2外部端子とは近接し、対向している、
    請求項12に記載の半導体装置
  14. 前記制御配線基板に含まれる前記制御配線層は、第1制御配線層及び第2制御配線層を有し、前記第1制御配線層または前記第2制御配線層のいずれかが平面視で前記半導体チップに対し、所定の距離で離隔すると共に隣接し、
    前記第1制御配線層及び前記第2制御配線層は、前記制御配線基板の前記絶縁層上に、互いに平行に設けられている、
    請求項8に記載の半導体装置。
  15. 複数の前記制御接続部材は、平行を成し、前記第1配線パターン層に2列でそれぞれ配置された前記半導体チップの列ごとに前記制御電極のそれぞれと、前記制御配線基板の前記第1制御配線層とを接続している、
    請求項14に記載の半導体装置。
  16. 平行を成し、前記第1配線パターン層に2列でそれぞれ配置された前記半導体チップの列ごとの前記主電極のそれぞれと、前記制御配線基板の前記第2制御配線層とを接続し、複数の前記制御接続部材に平行を成す複数のセンス接続部材をさらに備える、
    請求項15に記載の半導体装置。
  17. 前記主接続部材は、前記制御接続部材に対して直交して延伸し、前記第2配線パターン層と、前記半導体チップの前記主電極とをそれぞれ接続する、
    請求項16に記載の半導体装置。
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