JP2024019786A - 振動試験装置および振動試験方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】液体中にある構造物の振動試験において、試験体の液体中での刺激係数の低下を抑制して試験体の加振力を増大させることができる振動試験技術を提供する。【解決手段】内部が液体3で満たされ、液体3に没した状態で振動試験の対象である試験体7を収容する試験容器6と、試験容器7を加振する加振機4と、液体3と試験容器6の内面との間の少なくとも一部の範囲に亘って設けられ、気体を内包する気体層8とを備え、試験容器6が加振機4により加振されたときに、気体層8が収縮または膨張することで、液体3が加振方向10に沿って移動し、液体3により試験体7に液体3の慣性力が加わるように構成されている。【選択図】図6

Description

本発明の実施形態は、振動試験技術に関する。
着床式の洋上風力発電設備、水中展望塔、居住用水中建築物などは、その構造物の全部または一部が水中に没し水底に固定されている。これらの構造物が地震動を受けると、水中に没している構造部分には、支持基礎から伝わる地震力以外に構造物周囲にある水の流体慣性力が作用する。同様に原子力発電設備においても、使用済み燃料ラックのように、使用済み燃料プールの床面に燃料ラックを着床させる固定式、または滑り摩擦構造の着床式の流体中構造物がある。このような流体中構造物は、地震時に、支持基礎から伝わる地震力(構造物自体の質量に対する慣性力)以外に使用済み燃料ラック周囲にある水の流体慣性力が作用する。なお、本明細書書に記載の流体は、水などの液体を示している。
一方、我が国は世界的にも大きな地震が頻発する高地震帯に位置している。流体中構造物においては、これに作用する流体慣性力を考慮した耐震性評価が重要となる。建築土木構造物と機械構造物の耐震性評価においては、一般的に振動台を用いた耐震試験により、構造物の振動特性と構造健全性を評価している。流体中構造物の水中での振動特性を再現するためには、例えば、一般的に水槽を振動台上に設置し、水槽内に試験体を設置する。この水槽内に水を満たして水中環境を再現し、試験体に加振力(地震動)を加えることで、水中での地震時の振動特性を再現している。さらに、例えば、水槽の底面の一部に振動台を組込み、水槽は加振せずに、試験体のみを直接加振するものもある。
図1から図2は、従来の使用済み燃料ラックの振動試験装置100の例を示している。この振動試験装置100では、矩形状(箱状)を成す水槽1の底部に試験体である燃料ラック2の下端部が固定され、水槽1が水3(液体)で満たされている。水槽1は、加振機としての振動台4に載置されており、振動台4により水槽1が紙面左右の加振方向5に加振される。これによって、燃料ラック2に収納されている燃料(図示略)と燃料ラック2との流体-構造連成などの、流体を介在した燃料ラック2と燃料との連成振動を再現することができる。一方、水槽1の大きさは振動台4の試験体積載能力と加振力に制限を受けるため、コンパクトな構造に設計する必要がある。水槽1をコンパクトに設計すると、水槽1と燃料ラック2との距離が近くなり、流体ギャップが狭くなる。これによって、燃料ラック2が共振振動すると流体ギャップにおける流体の動きが大きくなり、流体-構造連成力が大きくなる。この流体-構造連成力が大きくなると、燃料ラック2に加わる流体付加質量が増加するため、固有振動数と刺激係数が低下する。刺激係数が低下すると、加振入力加速度に対する試験体応答加速度が低下し、所定の応答加速度を得るために過大な加振入力加速度が必要となる。また、水槽の底部に振動台を設置し、水中振動台を構成する場合には、一般的な汎用の気中振動台に比べ、振動台面積より大きな水槽が必要になるなど、設備を大型化する必要がある。
特許第6527322号公報
BWR使用済燃料貯蔵ラックの減衰特性評価:第13回日本保全学会学術講演会要旨集, 115-118, 2016
本発明が解決しようとする課題は、液体中にある構造物の振動試験において、試験体の液体中での刺激係数の低下を抑制して試験体の加振力を増大させることができる振動試験技術を提供することである。
本発明の実施形態に係る振動試験装置は、内部が液体で満たされ、前記液体に没した状態で振動試験の対象である試験体を収容する試験容器と、前記試験容器を加振する加振機と、前記液体と前記試験容器の内面との間の少なくとも一部の範囲に亘って設けられ、気体を内包する気体層と、を備え、前記試験容器が前記加振機により加振されたときに、前記気体層が収縮または膨張することで、前記液体が加振方向に沿って移動し、前記液体により前記試験体に前記液体の慣性力が加わる、ように構成されている。
本発明の実施形態により、液体中にある構造物の振動試験において、試験体の液体中での刺激係数の低下を抑制して試験体の加振力を増大させることができる振動試験技術が提供される。
従来の振動試験装置の断面を示す側面図。 図1のA-A断面に対応する振動試験装置を示す平面図。 従来の振動試験装置を簡略化した構成を示す平面図。 図3の振動試験装置を加振した状態を示す平面図。 第1実施形態の振動試験装置を簡略化した構成を示す平面図。 図5の振動試験装置を加振した状態を示す平面図。 従来の試験体の振動解析モデルを示す説明図。 第1実施形態の試験体の振動解析モデルを示す説明図。 第1実施形態の試験体の解析結果を示すグラフ。 第2実施形態の振動試験装置の断面を示す側面図。 図10のB-B断面に対応する振動試験装置を示す平面図。 第3実施形態の振動試験装置の断面を示す側面図。 図12のC-C断面に対応する振動試験装置を示す平面図。 第4実施形態の振動試験装置の断面を示す側面図。 図14のD-D断面に対応する振動試験装置を示す平面図。 第5実施形態の振動試験装置の断面を示す側面図。 図16のD-D断面に対応する振動試験装置を示す平面図。 第6実施形態の振動試験装置の断面を示す側面図。 図18のF-F断面に対応する振動試験装置を示す平面図。 第7実施形態の振動試験装置の断面を示す側面図。 図20のG-G断面に対応する振動試験装置を示す平面図。 第7実施形態の振動試験装置の二重管を示す拡大断面図。 第8実施形態の振動試験装置の断面を示す側面図。 図23のH-H断面に対応する振動試験装置を示す平面図。 図23のJ-J断面に対応する振動試験装置を示す平面図。 第9実施形態の振動試験装置の断面を示す側面図。 図26のK-K断面に対応する振動試験装置を示す平面図。 第9実施形態の振動試験装置のベローズ管を示す拡大断面図。 第10実施形態の振動試験装置の断面を示す側面図。 図29のL-L断面に対応する振動試験装置を示す平面図。
(第1実施形態)
以下、図面を参照しながら、振動試験装置および振動試験方法の実施形態について詳細に説明する。なお、それぞれの図面では、水平方向をX方向およびY方向とし、垂直方向をZ方向として示している。まず、従来技術と第1実施形態について図3から図9を用いて説明する。
図3は、従来の振動試験装置101を簡略化した構成で示している。図4は、従来の振動試験装置101の加振時の動作を示す。ここで、水3(液体)が満たされた円筒形状の試験容器6が用いられ、円柱形状の試験体7の加振試験が行われる。なお、試験容器6は、水槽1(図1)の代替物であり、試験体7は、燃料ラック2(図1)の代替物であり、水中環境での振動特性を模擬する。
図3から図4示すように、従来の振動試験装置101は、水3を溜めた試験容器6と、この試験容器6を載置する加振機としての振動台4とを備える。振動試験の対象である試験体7は、試験容器6に収容される。試験容器6と試験体7の間が水3で満たされている。また、試験容器6は、剛な壁を形成し、水3を保持している。振動台4により試験容器6が加振されると、これに応じて試験体7が加振される。例えば、試験体7は、試験容器6の径方向(図3の紙面左右方向)に振動される。
従来の振動試験装置101において、例えば、試験容器6に対して、所定の加振方向10(図4の紙面の右方向)に加振力を与えると、試験容器6の内部の水3が試験容器6と一体となって移動する。これは、試験容器6が剛な壁を形成しているために生じる現象である。しかし、試験容器6の揺れに対して、水3が留まらない。そのため、水3は、試験体7とは逆方向に移動してしまう(図4の水3の移動方向9を参照)。その結果、試験容器6の内部の水3の慣性力は、試験体7の慣性力(加振力)として作用しないという問題がある。
図5は、第1実施形態の振動試験装置101を簡略化した構成で示している。図6は、第1実施形態の振動試験装置102の加振時の動作を示す。ここで、水3が満たされた円筒形状の試験容器6が用いられ、円柱形状の試験体7の加振試験が行われる。
図5から図6示すように、第1実施形態の振動試験装置102は、水3を溜めた試験容器6と、この試験容器6を載置する加振機としての振動台4と、試験容器6の内面に設けられたバルーン8とを備える。振動試験の対象である試験体7は、試験容器6に収容される。試験容器6と試験体7の間が水3で満たされている。
試験容器6は、その内部が液体としての水3で満たされ、この水3に没した状態で試験体7を収容するものである。振動台4は、試験容器6を加振するものである。
バルーン8は、膜状の密閉された袋である。図5から図6では、理解を助けるために、試験容器6の内周の形状に沿う円筒形状を成すバルーン8が図示されている。このバルーン8の内部には、気体である空気が封入されている。このバルーン8により第1実施形態の気体層が形成されている。つまり、第1実施形態の振動試験装置102は、水3と試験容器6の内周面との間の全範囲に亘って設けられ、気体を内包する気体層を備えている。第1実施形態では、バルーン8という単純な構造で気体層を試験容器6の内面に設けることができる。
なお、気体層が内包する気体として空気を例示しているが、その他の態様でも良い。例えば、気体層が内包する気体は、窒素ガスまたは炭酸ガスなどの不活性ガスでも良い。また、気体層は、少なくとも水3(液体)よりも体積弾性率が低いものであれば良い。
第1実施形態の振動試験装置102では、試験体7から所定の距離を隔てて取り囲むように円環状のバルーン8が設けられていることで、試験容器6の内部の水3を柔な壁(柔構造壁)で保持している。なお、「柔」な壁とは、少なくとも試験容器6の「剛」な壁よりも柔であれば良い。
第1実施形態の振動試験装置102は、試験容器6が振動台4により加振されたときに、バルーン8が、加振方向の一方で収縮し、加振方向の他方で膨張することで、水3が加振方向10に沿って移動し、この水3により試験体7に加振力が加わるように構成されている。
図5に示すように、試験容器6の内面にバルーン8が設けられているため、試験容器6の内部の水3が柔な壁に支持されている。ここで、試験容器6が揺れた場合、試験容器6の内部の水3は、その位置に留まるように動作する。例えば、試験容器6に対して、所定の加振方向10(図6の紙面の右方向)に加振力を与えると、試験容器6の内部の水3の慣性力(加振力)が、試験体7の慣性力として作用する。そのため、第1実施形態の振動試験方法では、水3(液体)により試験体7に加えられる加振力が増大する。
次に、従来技術と第1実施形態の加振力の増大効果について説明する。図7に示す従来技術の振動解析モデルと図8に示す第1実施形態の振動解析モデルとが用いられ、これらの解析により比較評価した結果が図9のグラフに示されている。
図7に示すように、従来技術の振動解析モデルは、試験容器6(固定点)の質点質量11(M2)と、試験体7の質点質量13(M1)と、試験体7のばね剛性12(K1)と、試験容器6と試験体7の差分(試験容器6-試験体7)である連成質量14(M1-2)とから成る。
試験体7の質点質量13が、試験体7のばね剛性12で振動台4に固定されている試験容器6の質点質量11で支持され、試験容器6の質点質量11と試験体7の質点質量13との間の連成質量14がモデル化されている。
図8に示すように、第1実施形態の振動解析モデルは、試験容器6(固定点)の質点質量11(M2)と、試験体7の質点質量13(M1)と、試験体7のばね剛性12(K1)と、柔構造壁(バルーン8)のばね剛性15(K3)と、柔構造壁の質点質量16(M3)と、柔構造壁と試験体7の差分(柔構造壁-試験体7)である連成質量17(M1-3)とから成る。
試験体7の質点質量13が、試験体7のばね剛性12で振動台4に固定されている試験容器6の質点質量11で支持されている。さらに、試験容器6の内部にバルーン8により構成される柔構造壁の質点質量16が、試験容器6の質点質量11と柔構造壁のばね剛性15で支持されている。柔構造壁のばね剛性15は、バルーン8の振動方向のばね剛性である。また、バルーン8と試験体7との間の流体-構造連成が、柔構造壁の質点質量16と試験体7の質点質量13との間の連成質量17でモデル化されている。
図9は、試験体7の質点質量13への加振力の増大効果を求めたものである。この図9では、試験容器6の内径D1に対する試験体7の外径D2(図3および図5)の割合に応じた刺激係数βが示され、試験体7のみかけの比重γをパラメータとしたときのグラフが示されている。なお、試験体構造質量をM1とし、試験体排除質量Mdとした場合に、γ=(M1/Md)である。ここで、試験体7の質点質量13が共振応答する際の固有振動モードに着目し、試験体7の質点質量13への加振入力と応答に対する加振力の指標となる刺激係数βを求めた。試験体7の質量と試験体7の直径(試験容器6と試験体7との隙間の寸法)を変化させた場合のパラメータ解析結果が示されている。
従来技術においては、試験体7の質点質量13の質量が低下すると刺激係数βが低下し、試験体7の直径が大きく、試験容器6と試験体7との隙間の寸法が狭くなるほど、刺激係数βが低下する(図9の4本のグラフ18を参照)。
一方、第1実施形態においては、試験体7の質量と試験体7の直径に依存せず、刺激係数βは「1」となり変化しない(図9のグラフ19を参照)。これは、バルーン8(柔構造壁)によって、水3の慣性力が試験体7にそのまま作用することを示している。従来技術のように、試験容器6と試験体7との間の流体-構造連成による応答の低下(刺激係数の低下)を抑制する効果があり、従来技術に対して、第1実施形態では、加振力を増大させる効果があることを示すものである。
第1実施形態では、従来技術に比べで試験体7に加わる加振力を大幅に増加させることができる。一般に加振力を増大させるためには、振動台4の動力機器、例えば、アクチュエータを大型化するなど高コストの改造が必要となる。しかし、第1実施形態では、振動台4を改造することなく、液体中にある試験体7への加振力を増大させることができる。
また、従来技術では、液体を満たす試験容器6の直径を小さくすればするほど試験体7の刺激係数が低下し、試験体7に対する実質的な加振力が低下してしまう問題がある。しかし、第1実施形態によれば、図9に示すように、刺激係数の低下を防ぐことができるため、試験容器6の直径を小さくすることが可能となり、振動台4などの加振設備のコンパクト化が可能となる。
耐震試験などの振動試験において、試験容器6と試験体7の間に気体を内包する気体層が設けられることで、水3を加振方向10に柔に支持した柔構造壁が、試験容器6の内部に形成される。ここで、体積剛性率の低い柔構造壁を試験容器6と試験体7の間に介在させることで、試験容器6と試験体7の間の流体-構造連成力を低下させ、加振時に試験容器6の内部の流体慣性力が試験体7の慣性力に加わるように作用させることができる。そのため、従来、試験容器6と試験体7との流体-構造連成力によって低下していた試験体7の刺激係数を増加させ、試験体7の加振力を増大させる加振手段を提供することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について図10から図11を用いて説明する。なお、前述した実施形態に示される構成部分と同一構成部分については同一符号を付して重複する説明を省略する。
図10から図11に示すように、第2実施形態の振動試験装置103は、矩形状(箱状)を成す水槽1(試験容器)と、この水槽1を載置する振動台4(加振機)と、水槽1の内面に設けられた2つのバルーン20(気体層)とを備える。
燃料ラック2(試験体)は、水槽1に収容されている。水槽1の底部に燃料ラック2の下端部が固定され、水槽1が水3で満たされている。振動台4により水槽1が紙面左右の加振方向5に加振される。
第2実施形態の2つのバルーン20は、加振方向5に対応して水槽1の左右の内面に設けられている。それぞれのバルーン20は、水槽1の内面の形状に合わせて四角形に広がる形状を成す。つまり、第2実施形態の振動試験装置103は、水3と水槽1の内面との間の一部(対向している2つの内面)の範囲に設けられ、気体を内包する気体層を備えている。
燃料ラック2から所定の距離を隔てて、水槽1の加振方向5の内壁面にバルーン20が設けられ、気体層が形成されることで、水槽1の水3が柔な壁(柔構造壁)で保持されている。
また、それぞれのバルーン20の下部には、係留索21が取り付けられている。これら係留索21が、バルーン20の浮力による浮き上がり防止し、バルーン20を水槽1の底部に固定している。
バルーン20は、例えば、熱可塑性ポウレタン(TPU)などの樹脂膜により形成されている。バルーン20の内部には、気体である空気が封入されている。バルーン20の内部の気体の圧力は、バルーン20の水深に応じて、その水頭圧と釣合うように設定されている。
水槽1の内面にバルーン20が設けられているため、水槽1の内部の水3が柔な壁に支持されている。ここで、水槽1が揺れた場合、水槽1の内部の水3は、その位置に留まるように動作する。例えば、水槽1に加振力を与えると、水槽1の内部の水3(液体)の慣性力(加振力)が、燃料ラック2の慣性力として作用する。そのため、試験体である燃料ラック2に加えられる加振力が増大する。
このように、水槽1の水3を柔に支持することで、水槽1の水3の慣性力を燃料ラック2に加えることができ、水槽1と燃料ラック2の間の流体-構造連成による刺激係数の低下を抑制できる。そのため、従来技術よりも、加振力を大幅に増加させることができる。このように、従来、加振力を増大させるために必要であった振動台4の改造が不要となり、振動台4などの加振設備のコンパクト化を図ることができる。
また、バルーン20の代わりに体積弾性率の低い部材、例えば、発泡樹脂材(発泡材)などを用いて柔構造壁を構成しても、前述と同様な効果が得られる。つまり、気体層は、体積弾性率が液体よりも低い発泡材で形成されていても良い。このようにすれば、発泡材により水槽1(試験容器)の内面に液体を加振方向5に柔に支持する柔構造壁を形成することができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について図12から図13を用いて説明する。なお、前述した実施形態に示される構成部分と同一構成部分については同一符号を付して重複する説明を省略する。
図12から図13に示すように、第3実施形態の振動試験装置104は、水槽1(試験容器)と、振動台4(加振機)と、バルーン22(気体層)とを備える。
燃料ラック2(試験体)は、水槽1に収容されている。水槽1の底部に燃料ラック2の下端部が固定され、水槽1が水3(液体)で満たされている。振動台4により水槽1が水平面内の四方の加振方向5に加振される。
第3実施形態のバルーン22は、角筒状を成し、燃料ラック2を取り囲むように水槽1の内面全周に亘って設けられている。つまり、第3実施形態の振動試験装置104は、水3と水槽1の内面との間の全範囲に亘って設けられ、気体を内包する気体層を備えている。このバルーン22は、水平面内のいずれの加振方向5に対しても、水槽1の内部の水3を柔な壁(柔構造壁)として保持することができる。
また、バルーン22の下部には、複数の係留索21が取り付けられている。これら係留索21が、バルーン22の浮力による浮き上がり防止し、バルーン22を水槽1の底部に固定している。
水槽1の内面の全周に亘ってバルーン22が設けられているため、水槽1が水平面内のいずれの加振方向5に加振されても、水槽1の内部の水3の慣性力(加振力)が燃料ラック2の慣性力として作用する。そのため、燃料ラック2に加えられる加振力が増大する。
また、バルーン22が振動により、四方のうちのいずれかの部分が潰れても、反対側の部分が膨らむようになる。そのため、空気がバルーン22の潰れた部分から反対側に逃げるため、バルーン22の内部の圧力が高くならないようにできる。このように、振動によって、バルーン22の気圧が変動しないことから、空気ばねによるばね反力を低く抑えることができ、柔構造壁の剛性がより低下し、水槽1の内部の水3の加振方向5の動きをより拘束しない。そのため、加振力の増大性能が向上する。
第3実施形態のバルーン22は、燃料ラック2の周囲を取り囲むように平面視で環状に形成されているとともに、周方向に気体層が連通されている。このようにすれば、水槽1が四方のいずれの方向に加振されても、燃料ラック2に充分な加振力を加えることができる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について図14から図15を用いて説明する。なお、前述した実施形態に示される構成部分と同一構成部分については同一符号を付して重複する説明を省略する。
図14から図15に示すように、第4実施形態の振動試験装置105は、着床式の洋上風力発電設備、水中展望塔などのように、構造物本体30の下部に脚部31を有する流体中構造物の振動試験が行われることを想定している。このような流体中構造物では、脚部31が支持ばねとなり、構造物本体30が試験体となっている。
構造物本体30(試験体)は、矩形状を成し、水槽1(試験容器)に収容されている。構造物本体30は、棒状の脚部31により水槽1の底部に固定されている。また、水槽1と構造物本体30の間が水3(液体)で満たされている。振動台4(加振機)により水槽1が水平面内の四方の加振方向5に加振される。
第4実施形態のバルーン23(気体層)は、角筒状を成し、構造物本体30を取り囲むように水槽1の内面全周に亘って設けられている。なお、脚部31の周囲には、バルーン23が設けられていない。つまり、構造物本体30の高さ(深さ)位置に合わせてバルーン23が設けられている。
また、バルーン23と構造物本体30との間には、角筒状を成す仕切筒24が設けられている。この仕切筒24は、水槽1の上面を塞ぐ蓋である天板25から、吊りワイヤ26(吊り具)で吊下げられている。仕切筒24は、構造物本体30の四方を板部材で囲むように形成されたものである。
この仕切筒24は、例えば、バルーン23において、構造物本体30に対向する内面側に接触する隔壁である。この仕切筒24により、水深により異なるバルーン23の局所的な膨らみを抑えることができる。つまり、バルーン23で形成される気体層の形状寸法を水槽1と仕切筒24の間で制限し、かつバルーン23と仕切筒24により柔構造壁が形成されている。
バルーン23と仕切筒24で構成される柔構造壁が設けられる高さが調整され、柔構造壁の上下幅が、構造物本体30とほぼ同じになるように設けられる。ここで、仕切筒24は、金属材料または樹脂材などで形成されている。バルーン23は、仕切筒24にゴムバンド(図示略)などにより固定されている。
また、バルーン23と仕切筒24で構成される柔構造壁が、構造物本体30と対面するため、水槽1の内部の水3の慣性力(加振力)が、構造物本体30の慣性力として作用する。そのため、構造物本体30に加えられる加振力が増大する。
また、水槽1と仕切筒24の間でバルーン23が挟み込まれることで、バルーン23が膨らむことを制限できる。そのため、バルーン23が構造物本体30に衝突されることを防止することができる。さらに、衝突によるバルーン23の破裂を防止することができる。
また、脚部31(支持ばね)は、構造物本体30(試験体)に比べて断面が小さく、水槽1との流体-構造連成力が小さい。そのため、脚部31の加振力への増大効果が期待できないことから、構造物本体30の高さと幅に合わせて、バルーン23と仕切筒24により構成される柔構造壁を設けている。このようにすれば、柔構造壁をコンパクトに構成することができる。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について図16から図17を用いて説明する。なお、前述した実施形態に示される構成部分と同一構成部分については同一符号を付して重複する説明を省略する。
図16から図17に示すように、第5実施形態の振動試験装置106は、円柱形状を成す構造物本体32(試験体)の下部に脚部31を有する流体中構造物の振動試験が行われることを想定している。なお、第5実施形態の水槽41(試験容器)とバルーン42(気体層)と仕切筒43は、円筒形状を成している。この仕切筒43は、水槽41の上面を塞ぐ蓋である天板44から、吊りワイヤ26(吊り具)で吊下げられている。
第5実施形態では、水槽41とバルーン42と仕切筒43の平面視の形状が、構造物本体32の断面に合わせて円形になっている。また、柔構造壁が、バルーン42と仕切筒43により構成され、かつ構造物本体32の高さと幅に合わせて、柔構造壁が、構造物本体32の外周面と対向するよう構成されている。この柔構造壁が構造物本体32と対面するため、水槽41の内部の水3(液体)の慣性力(加振力)が構造物本体32の慣性力として作用する。そのため、構造物本体32に加えられる加振力が増大する。
また、水槽41と仕切筒43の間でバルーン42が挟み込まれることで、バルーン42が膨らむことを制限できる。そのため、バルーン42が構造物本体32に衝突されることを防止することができる。さらに、衝突によるバルーン42の破裂を防止することができる。
また、構造物本体32の高さと幅に合わせて、バルーン42と仕切筒43により構成される柔構造壁を設けていることで、柔構造壁をコンパクトに構成することができる。
(第6実施形態)
次に、第6実施形態について図18から図19を用いて説明する。なお、前述した実施形態に示される構成部分と同一構成部分については同一符号を付して重複する説明を省略する。
図18から図19に示すように、第6実施形態の振動試験装置107は、多段バルーン45(気体層)を備える。
この多段バルーン45は、円筒形状を成し、空気(気体)が封入されている複数の気体室46を有している。これら気体室46が上下方向に分割されて設けられている。また、それぞれの気体室46の圧力管理を個々に行うことができる。例えば、それぞれの気体室46が設けられている位置(水深)における水圧と釣合うように、それぞれの気体室46の気圧が調整されている。このようにすれば、多段バルーン45の形状をそれぞれの深度で適切に保つことができる。
多段バルーン45の上下の気体室46の圧力が、水深に合わせて水頭圧と釣合うように細かく設定される。この多段バルーン45は、前述の一体型のバルーン42(図16)と比べて、空気ばねとしての剛性が低下し、柔構造壁の加振方向5の剛性を低く抑えることができる。そのため、水槽41の内部の水3(液体)の加振方向5の動きをより拘束しないことから、構造物本体32(試験体)に加えられる加振力の増大性能がより向上する。
さらに、第6実施形態の振動試験装置107は、試験容器の上部から板部材を吊り下げて支持する吊り具を備え、この吊り具は、板部材を上下方向に移動可能な状態で支持する弾性体を有する。例えば、第6実施形態の仕切筒43は、水槽41(試験容器)の上面を塞ぐ蓋である天板44から、弾性体としての吊りばね28(吊り具)で吊下げられている。この吊りばね28(金属ばね)は、仕切筒43(板部材)を上下方向に移動可能な状態で支持する。このようにすれば、仕切筒43が上下方向に柔に支持され、水3の流動に応じて仕切筒43を適切に支持することができる。
(第7実施形態)
次に、第7実施形態について図20から図22を用いて説明する。なお、前述した実施形態に示される構成部分と同一構成部分については同一符号を付して重複する説明を省略する。
図20から図21に示すように、第7実施形態の振動試験装置108は、気体層を形成する二重筒50を備える。
この二重筒50は、円筒形状を成す水槽41(試験容器)の内面の形状に合わせた内筒51と外筒52とから成る。内筒51と外筒52とは、金属または樹脂などの材質で形成されている。また、二重筒50の内部には、気体である空気が封入されている。つまり、第7実施形態の振動試験装置108は、水3と水槽41の内周面との間の全範囲に亘って設けられ、気体を内包する気体層を備えている。
また、二重筒50の両端部における内筒51と外筒52との連結部分に、二重筒50の内部への水3(液体)の浸入を防ぐシール部材53(図22)が設けられている。このシール部材53は、円環状を成す防水型のスライド板となっている。例えば、シール部材53に設けられるOリング(図示略)などで防水されることで、二重筒50の内部に空気を保持し、ボックス型の柔構造壁を構成することができる。
水槽41が振動台4(加振機)により加振されたときに、内筒51が加振方向5に沿ってスライド移動する。このようにすれば、内筒51により水3を加振方向5に柔に支持する柔構造壁を形成することができる。
水槽41の内面の全周に亘って二重筒50が設けられているため、水槽41が水平面内のいずれの加振方向5に加振されても、水槽41の内部の水3の慣性力(加振力)が構造物本体32(試験体)の慣性力として作用する。そのため、構造物本体32に加えられる加振力が増大する。
このように、水槽41の水3を柔に支持することで、水槽41の水3の慣性力を構造物本体32に加えることができ、水槽41と構造物本体32の間の流体-構造連成による刺激係数の低下を抑制できる。
また、気体層の気密性をシール部材53(図22)によって保持するため、前述のバルーン42(図16)のように、内部の気圧を水頭圧に合わせて調整し膨らませるなど、調整の煩雑さが無くなり、取り扱いが容易となる。また、バルーン42の構成のように、バルーン42が空気ばねとして作用し、柔構造壁の剛性を上昇させる懸念がない。
(第8実施形態)
次に、第8実施形態について図23から図25を用いて説明する。なお、前述した実施形態に示される構成部分と同一構成部分については同一符号を付して重複する説明を省略する。
図23から図25に示すように、第8実施形態の振動試験装置109は、燃料集合体60のような長尺構造物の試験体への適用を示す実施形態である。この振動試験装置109は、水槽61(試験容器)と、振動台4(加振機)と、多段バルーン62(気体層)と、仕切筒64とを備える。
水槽61は、燃料集合体60の寸法に合わせて上下方向に長尺の円筒形状を成す。また、多段バルーン62は、円筒形状を成し、空気(気体)が封入されている複数の気体室63を有している。さらに、仕切筒64は、円筒形状を成し、水槽61の上面を塞ぐ蓋である天板65から、弾性体としての吊りばね66(吊り具)で吊下げられている。
水槽61の上部には、その内周面に固定された保持板67が設けられている。図24に示すように、この保持板67の中央部には、矩形状を成す孔が上下方向に開口され、4本の燃料集合体60の上部が挿通された状態で保持される上部保持部68が設けられている。この上部保持部68により、燃料集合体60の上部が水平方向に移動不能な状態で支持されている。なお、燃料集合体60同士の上部の隙間には、固定用のばね69が設けられており、燃料集合体60同士がぐらつかない構成と成っている。
図23に示すように、水槽61の底部には、燃料集合体60の下端部を固定する支持金具70が固定されている。燃料集合体60の下端部は、円錐形状を成し、この下端部が支持金具70に形成された円錐穴71に嵌るようになっている。
燃料集合体60の上部と下端部を除き、燃料集合体60の上下方向の中央部付近の周囲を囲むように、多段バルーン62と仕切筒64が設けられている。この多段バルーン62と仕切筒64に柔構造壁が構成されている。この柔構造壁が燃料集合体60の中央部付近と対面するため、水槽61の内部の水3(液体)の慣性力(加振力)が燃料集合体60の慣性力として作用する。そのため、燃料集合体60に加えられる加振力が増大する。
また、燃料集合体60は、上下端部が加振方向5となる水平方向に移動不能に拘束されているため、燃料集合体60の上下端部が変形せず、燃料集合体60の中央部付近が弓型に膨らむように変形して振動する。このことから、振動変位の大きい燃料集合体60の中央部付近のみに、多段バルーン62と仕切筒64により構成される柔構造壁を配置することで、柔構造壁をコンパクトに設計することができ、低コスト化を図ることができる。
なお、燃料集合体60のような長尺構造物のように、振動振幅に分布があり、局所的に振動振幅が大きい試験体の場合は、振動振幅の大きくなる位置に、柔構造壁を設置することが効率的である。
(第9実施形態)
次に、第9実施形態について図26から図28を用いて説明する。なお、前述した実施形態に示される構成部分と同一構成部分については同一符号を付して重複する説明を省略する。
図26から図27に示すように、第9実施形態の振動試験装置110は、気体層を形成する二重筒80を備える。
この二重筒80は、円筒形状を成す水槽41(試験容器)の内面の形状に合わせた内筒81と外筒82とから成る。外筒82は、金属または樹脂などの材質で形成されている。また、二重筒80の両端部には、円環状を成す連結板83が設けられている。これらの連結板83により、内筒81と外筒82とが、その内部を密閉された状態で連結されている。
また、二重筒80の内部には、気体である空気が封入されている。つまり、第9実施形態の振動試験装置110は、水3(液体)と水槽41の内周面との間の全範囲に亘って設けられ、気体を内包する気体層を備えている。
図28に示すように、内筒81は、径方向には剛で管軸の曲げ変形には柔となるベローズ管により形成されている。このようにすれば、ベローズ管により水3(液体)を加振方向5に柔に支持する柔構造壁を形成することができる。
内筒81(ベローズ管)は、矩形状(U字形状)の断面を有する樹脂で形成された複数の角管部84と、これら角管部84同士の間に設けられたゴム板部85とで構成されている。なお、角管部84とゴム板部85とは、平面視で円形状を成す部材である。
図26に示すように、第9実施形態では、内筒81を多段のベローズ管構造とすることで、管軸に対して曲げ剛性が低い構成とし、構造物本体32(試験体)の高さ寸法に対応して、上下方向に長い柔構造壁を形成することができる。そして、この柔構造壁が構造物本体32と対面するよう構成することができる。
また、ベローズ管構造を成す内筒81は、径方向に剛、かつ管軸の曲げ方向(管軸直交方向)には柔であることで、加振方向5である管軸直交方向の剛性が柔となる柔構造壁を構成することができる。そのため、構造物本体32に加えられる加振力が増大する。
また、前述のバルーン42(図16)により柔構造壁を構成した場合と比べて、気体層の加圧が不要となる。さらに、バルーン42の構成のように、加圧によりバルーン42が空気ばねとして作用し、柔構造壁の剛性を上昇させる懸念がない。
(第10実施形態)
次に、第10実施形態について図29から図30を用いて説明する。なお、前述した実施形態に示される構成部分と同一構成部分については同一符号を付して重複する説明を省略する。
図29から図30に示すように、第10実施形態の振動試験装置111は、矩形状(箱状)を成す水槽1(試験容器)と、この水槽1を載置する振動台4(加振機)と、水槽1の内面に設けられた2つのバルーン90(気体層)とを備える。
燃料ラック2(試験体)は、水槽1に収容されている。水槽1の底部に燃料ラック2の下端部が固定され、水槽1が水3で満たされている。振動台4により水槽1が紙面左右の加振方向5に加振される。
第10実施形態の振動試験装置111は、それぞれのバルーン90の燃料ラック2に対向する側に設けられている2つの板部材91を備える。これら板部材91は、例えば、バルーン90において、燃料ラック2に対向する内面側に接触する隔壁である。なお、板部材91は、金属板または樹脂板となっている。
燃料ラック2を挟んで対面する2つの板部材91は、互いに上端が連結棒92を介して連結されている。なお、連結棒92と板部材91の上端は、連結ピン部材93で連結されている。
板部材91は、燃料ラック2から所定の距離を隔てて設けられている。板部材91は、水槽1の加振方向5にバルーン90と一体となって動くものである。それぞれの板部材91は、上端部が燃料ラック2の側に近づくように傾けられている。板部材91の下端は、回転支持部材94を介して水槽1の底面に固定されている。板部材91は、回転支持部材94を支点にして回転(揺動)する。
バルーン90は、板部材91の一方の面と水槽1の内面とで挟み込まれている。バルーン90が挟み込まれることで、バルーン90の形状が保たれる。例えば、バルーン90の形状は、下端部から上端部にいくに従って広がるように、側面視で逆三角形状を成している。水槽1が振動台4により加振されたときに、バルーン90の収縮または膨張に応じて板部材91が移動される。このようにすれば、板部材91によりバルーン90を適切な形状に保つことができる。
振動台4により水槽1に加振力を与えると、バルーン90と板部材91とにより構成される柔構造壁によって、水槽1の水3を柔に支持することができる。また、板部材91の下端部が、回転自由に支持されているため、柔構造壁が上部側で大きく変位することができる。
柔構造壁の上部側が大きく変位することで、下端が固定されている燃料ラック2の振動モード(下端支持・片持ち変形モード)とほぼ一致した変形となり、燃料ラック2(加振試験の対象物)の振動モードに合わせた柔構造壁の合理化、コンパクト化を実現できる。
振動試験装置および振動試験方法が第1実施形態から第10実施形態に基づいて説明されているが、いずれかの実施形態において適用された構成が他の実施形態に適用されても良いし、各実施形態において適用された構成が組み合わされても良い。
なお、前述の実施形態は、試験容器6の内部が水3で満たされているが、その他の態様でも良い。例えば、試験容器6の内部が油などの水3以外の液体で満たされていても良い。
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、液体と試験容器の内面との間の少なくとも一部の範囲に亘って設けられ、気体を内包する気体層を備えることにより、液体中にある構造物の振動試験において、試験体の液体中での刺激係数の低下を抑制して試験体の加振力を増大させることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態またはその変形は、発明の範囲と要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…水槽、2…燃料ラック、3…水(液体)、4…振動台(加振機)、5…加振方向、6…試験容器、7…試験体、8…バルーン、9…水の移動方向、10…加振方向、11…質点質量、12…ばね剛性、13…質点質量、14…連成質量、15…ばね剛性、16…質点質量、17…連成質量、18,19…グラフ、20…バルーン、21…係留索、22,23…バルーン、24…仕切筒、25…天板、26…吊りワイヤ、28…吊りばね、30…構造物本体、31…脚部、32…構造物本体、41…水槽、42…バルーン、43…仕切筒、44…天板、45…多段バルーン、46…気体室、50…二重筒、51…内筒、52…外筒、53…シール部材、60…燃料集合体、61…水槽、62…多段バルーン、63…気体室、64…仕切筒、65…天板、66…吊りばね、67…保持板、68…上部保持部、69…ばね、70…支持金具、71…円錐穴、80…二重筒、81…内筒、82…外筒、83…連結板、84…角管部、85…ゴム板部、90…バルーン、91…板部材、92…連結棒、93…連結ピン部材、94…回転支持部材、100~111…振動試験装置。

Claims (10)

  1. 内部が液体で満たされ、前記液体に没した状態で振動試験の対象である試験体を収容する試験容器と、
    前記試験容器を加振する加振機と、
    前記液体と前記試験容器の内面との間の少なくとも一部の範囲に亘って設けられ、気体を内包する気体層と、
    を備え、
    前記試験容器が前記加振機により加振されたときに、前記気体層が収縮または膨張することで、前記液体が加振方向に沿って移動し、前記液体により前記試験体に前記液体の慣性力が加わる、
    ように構成されている、
    振動試験装置。
  2. 前記気体層は、膜状の密閉された袋であるバルーンで形成され、前記バルーンの内部に前記気体が封入されている、
    請求項1に記載の振動試験装置。
  3. 前記バルーンは、前記気体が封入されている複数の気体室を有し、それぞれの前記気体室が設けられている位置における前記液体の液圧と釣合うように、それぞれの前記気体室の気圧が調整されている、
    請求項2に記載の振動試験装置。
  4. 前記バルーンは、前記試験体の周囲を取り囲むように平面視で環状に形成されているとともに、周方向に前記気体層が連通されている、
    請求項2または請求項3に記載の振動試験装置。
  5. 前記バルーンの前記試験体に対向する側に設けられている板部材を備え、
    前記板部材の一方の面と前記試験容器の内面とで前記バルーンが挟み込まれることで、前記バルーンの形状が保たれ、かつ前記試験容器が前記加振機により加振されたときに、前記バルーンの収縮または膨張に応じて前記板部材が移動される、
    請求項2または請求項3に記載の振動試験装置。
  6. 前記試験容器の上部から前記板部材を吊り下げて支持する吊り具を備え、
    前記吊り具は、前記板部材を上下方向に移動可能な状態で支持する弾性体を有する、
    請求項5に記載の振動試験装置。
  7. 前記気体層は、体積弾性率が前記液体よりも低い発泡材で形成されている、
    請求項1に記載の振動試験装置。
  8. 前記試験容器が円筒形状を成し、
    前記気体層は、前記試験容器の内面の形状に合わせた内筒と外筒とから成る二重筒により形成され、
    前記二重筒の両端部における前記内筒と前記外筒との連結部分に、前記二重筒の内部への前記液体の浸入を防ぐシール部材が設けられ、
    前記試験容器が前記加振機により加振されたときに、前記内筒が加振方向に沿ってスライド移動する、
    請求項1に記載の振動試験装置。
  9. 前記試験容器が円筒形状を成し、
    前記気体層は、前記試験容器の内面の形状に合わせた内筒と外筒とから成る二重筒により形成され、
    前記二重筒の両端部で前記内筒と前記外筒とが密閉された状態で連結され、
    前記内筒が、径方向には剛で管軸の曲げ変形には柔となるベローズ管により形成されている、
    請求項1に記載の振動試験装置。
  10. 内部が液体で満たされ、前記液体に没した状態で振動試験の対象である試験体を収容する試験容器と、
    前記試験容器を加振する加振機と、
    前記液体と前記試験容器の内面との間の少なくとも一部の範囲に亘って設けられ、気体を内包する気体層と、
    を用いて行う方法であり、
    前記試験容器が前記加振機により加振されたときに、前記気体層が収縮または膨張することで、前記液体が加振方向に沿って移動し、前記液体により前記試験体に前記液体の慣性力を加える、
    振動試験方法。
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