JP2024018564A - 磁気テープカートリッジ、磁気テープドライブ、張力制御方法、磁気テープ取扱方法、及びプログラム - Google Patents

磁気テープカートリッジ、磁気テープドライブ、張力制御方法、磁気テープ取扱方法、及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】磁気テープの幅の変形を抑制可能な磁気テープカートリッジ、磁気テープドライブ、張力制御方法、磁気テープ取扱方法、及びプログラムの提供。【解決手段】リールに巻き回された磁気テープを備え、磁気テープは、磁気テープが巻き回されることによるリールの変形に伴う磁気テープの幅変化の影響を受ける予め定められた領域である第1領域と、第1領域よりもリールの外周側の領域である第2領域と、を有し、磁気テープの長手方向の伸びの度合いについて、第1領域の度合いは、第2領域の度合い以上である磁気テープカートリッジ。【選択図】図17

Description

本開示の技術は、磁気テープカートリッジ、磁気テープドライブ、張力制御方法、磁気テープ取扱方法、及びプログラムに関する。
特許文献1には、内側表面とテープ巻取表面とを画定しているハブを有し、ハブの少なくとも一部がプラスチックでできており、テープ巻取表面が2GPaより大きい有効ラジアルモジュラスを有している、記憶テープの巻取巻出用テープリールアセンブリが記載されている。
特開2005-116163号公報
本開示の技術に係る一つの実施形態は、磁気テープの幅の変形を抑制可能な磁気テープカートリッジ、磁気テープドライブ、張力制御方法、磁気テープ取扱方法、及びプログラムを提供する。
本開示の技術に係る第1の態様は、リールに巻き回された磁気テープを備え、磁気テープは、磁気テープが巻き回されることによるリールの変形に伴う磁気テープの幅変化の影響を受ける予め定められた領域である第1領域と、第1領域よりもリールの外周側の領域である第2領域と、を有し、磁気テープの長手方向の伸びの度合いについて、第1領域の度合いは、第2領域の度合い以上である磁気テープカートリッジである。
本開示の技術に係る第2の態様は、第2領域が、磁気テープの長手方向における中間領域を含む第1の態様に係る磁気テープカートリッジである。
本開示の技術に係る第3の態様は、磁気テープには、長手方向に複数のサーボパターンが形成されており、度合いは、第1領域における磁気テープの長手方向に隣接するサーボパターン同士の間隔である第1間隔及び第2領域における磁気テープの長手方向に隣接するサーボパターン同士の間隔である第2間隔に基づいて求められる第1の態様又は第2の態様に係る磁気テープカートリッジである。
本開示の技術に係る第4の態様は、第1間隔の値が、第1領域における磁気テープの長手方向に隣接するサーボパターン同士の間隔の統計値である第3の態様に係る磁気テープカートリッジである。
本開示の技術に係る第5の態様は、第2間隔の値が、第2領域における磁気テープの長手方向に隣接するサーボパターン同士の間隔の統計値である第3の態様又は第4の態様に係る磁気テープカートリッジである。
本開示の技術に係る第6の態様は、リールに巻き回された磁気テープを備え、磁気テープは、磁気テープが巻き回されることによるリールの変形に伴う磁気テープの幅変化の影響を受ける予め定められた領域である第1領域を有し、第1領域における磁気テープの長手方向の伸びの度合いは、磁気テープに対する磁気的処理の前よりも磁気的処理の後の方が大きい磁気テープカートリッジである。
本開示の技術に係る第7の態様は、プロセッサと、張力付与機構と、を備え、プロセッサは、張力付与機構に対して、第1から第6の何れか一つの態様に係る磁気テープカートリッジに含まれる磁気テープに張力を付与させ、張力は、度合いに応じて定められている磁気テープドライブである。
本開示の技術に係る第8の態様は、度合いが、磁気テープの長手方向位置に応じて定められている第7の態様に係る磁気テープドライブである。
本開示の技術に係る第9の態様は、度合いが、磁気テープの長手方向位置に対する張力の変化率に応じて定められている第8の態様に係る磁気テープドライブである。
本開示の技術に係る第10の態様は、プロセッサは、磁気テープに付与される張力に関する張力情報を取得し、取得した張力情報を出力し、張力情報は、磁気テープの長手方向位置に応じて、磁気テープの長手方向位置に対する張力の変化率を変更するための情報である第7の態様に係る磁気テープドライブである。
本開示の技術に係る第11の態様は、第1から第6の何れか一つの態様に係る磁気テープカートリッジに含まれる磁気テープに張力を付与する張力制御方法であって、度合いを変更すること、及び、変更した度合いに応じた張力を磁気テープに付与することを含む張力制御方法である。
本開示の技術に係る第12の態様は、磁気テープの長手方向位置に応じて、磁気テープの長手方向位置に対する張力の変化率を変更することを含む第11の態様に係る張力制御方法である。
本開示の技術に係る第13の態様は、磁気テープが、磁気テープが巻き回されることによるリールの変形に伴う磁気テープの幅変化の影響を受ける予め定められた領域である第1領域と、第1領域よりもリールの外周側の領域である第2領域と、を有し、第1領域における変化率が、第2領域における変化率よりも大きい第11の態様又は第12の態様に係る張力制御方法である。
本開示の技術に係る第14の態様は、度合いが、リールの芯側から外周側にかけて非線形的に低下する第11の態様から第13の態様の何れか一つの態様に係る張力制御方法である。
本開示の技術に係る第15の態様は、第11の態様から第14の態様の何れか一つの態様に係る張力制御方法に従って磁気テープに張力を付与すること、及び、張力を付与した磁気テープをリールに巻き取ることを含む磁気テープ取扱方法である。
本開示の技術に係る第16の態様は、磁気テープをリールに巻き取る場合に用いられた張力の変位に基づいて、磁気テープを送出することを含む第15の態様に係る磁気テープ取扱方法である。
本開示の技術に係る第17の態様は、第11の態様から第14の態様の何れか一つの態様に係る張力制御方法に従って磁気テープを搬送することを含む磁気テープ取扱方法である。
本開示の技術に係る第18の態様は、コンピュータに処理を実行させるためのプログラムであって、処理は、第1の態様から第6の態様の何れか一つの態様に係る磁気テープカートリッジに含まれる磁気テープに張力を付与する張力制御処理であり、張力制御処理は、度合いを変更すること、及び、変更した度合いに応じた張力を磁気テープに付与することを含むプログラムである。
実施形態に係る磁気テープシステムの構成の一例を示すブロック図である。 実施形態に係る磁気テープカートリッジの外観の一例を示す概略斜視図である。 実施形態に係る磁気テープドライブのハードウェア構成の一例を示す概略構成図である。 実施形態に係る磁気テープドライブのプロセッサの要部機能の一例を示す機能ブロック図である。 実施形態に係る磁気テープカートリッジの下側から非接触式読み書き装置によって磁界が放出されている態様の一例を示す概略斜視図である。 実施形態に係る磁気テープドライブのハードウェア構成の一例を示す概略構成図である。 実施形態に係る磁気テープを磁気テープの表面側から観察した態様の一例を示す概念図である。 実施形態に係るカートリッジリールの概略構成の一例を示す断面図である。 実施形態に係るカートリッジリールのリールハブに巻き回された状態の磁気テープに生じる応力の状態の一例を示す概念図である。 比較例として磁気テープに生じる応力に起因した磁気テープの幅変化の一例を示す概念図である。 実施形態に係る磁気テープに生じる応力に起因した磁気テープの幅変化の一例を示す概念図である。 磁気テープの半径方向位置と巻き付け時の張力との関係の一例を示すグラフである。 磁気テープの半径方向位置と幅変化量との関係の一例を示すグラフである。 実施形態に係る磁気テープを磁気テープの表面側から観察した態様の一例を示す概念図である。 実施形態に係る磁気テープドライブに含まれる制御装置が有する伸び算出部及び制御部の処理内容の一例を示す概念図である。 実施形態に係る磁気テープドライブに含まれる制御装置が有する伸び算出部の処理内容の一例を示す概念図である。 実施形態に係る磁気テープドライブに含まれる制御装置が有する伸び算出部及び張力算出部の処理内容の一例を示す概念図である。 実施形態に係る磁気テープドライブに含まれる制御装置が有する張力算出部及び制御部の処理内容の一例を示す概念図である。 実施形態に係る張力制御処理の一例を示すフローチャートである。 第1変形例に係る磁気テープドライブに含まれる制御装置が有する制御部の処理内容の一例を示す概念図である。 第2変形例に係る磁気テープに対して磁気的処理を行った前後での伸びの発生の態様の一例を示す概念図である。 第3変形例に係る磁気テープドライブのハードウェア構成の一例を示す概略構成図である。 第4変形例に係るサーボライタの構成の一例を示す概念図である。
以下、添付図面に従って本開示の技術に係る磁気テープカートリッジ、磁気テープドライブ、張力制御方法、磁気テープ取扱方法、及びプログラムの実施形態の一例について説明する。
先ず、以下の説明で使用される文言について説明する。
NVMとは、“Non-volatile memory”の略称を指す。CPUとは、“Central Processing Unit”の略称を指す。GPUとは、“Graphics Processing Unit”の略称を指す。RAMとは、“Random Access Memory”の略称を指す。EEPROMとは、“Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory”の略称を指す。SSDとは、“Solid State Drive”の略称を指す。HDDとは、“Hard Disk Drive”の略称を指す。ASICとは、“Application Specific Integrated Circuit”の略称を指す。FPGAとは、“Field-Programmable Gate Array”の略称を指す。PLCとは、“Programmable Logic Controller”の略称を指す。ICとは、“Integrated Circuit”の略称を指す。RFIDとは、“Radio Frequency Identifier”の略称を指す。BOTとは、“Beginning Of Tape”の略称を指す。EOTとは、“End Of Tape”の略称を指す。UIとは、“User Interface”の略称を指す。WANとは、“Wide Area Network”の略称を指す。LANとは、“Local Area Network”の略称を指す。PESとは、“Position Error Signal”の略称を指す。
<第1実施形態>
一例として図1に示すように、磁気テープシステム10は、磁気テープカートリッジ12及び磁気テープドライブ14を備えている。磁気テープドライブ14には、磁気テープカートリッジ12が装填される。磁気テープカートリッジ12は、磁気テープMTを収容している。磁気テープドライブ14は、装填された磁気テープカートリッジ12から磁気テープMTを引き出し、引き出した磁気テープMTを走行させながら、磁気テープMTに対してデータを記録したり、磁気テープMTからデータを読み取ったりする。
本実施形態において、磁気テープMTは、本開示の技術に係る「磁気テープ」の一例である。また、本実施形態において、磁気テープドライブ14は、本開示の技術に係る「磁気テープドライブ」の一例である。また、本実施形態において、磁気テープカートリッジ12は、本開示の技術に係る「磁気テープカートリッジ」の一例である。
次に、図2を参照しながら、磁気テープカートリッジ12の構成の一例について説明する。なお、以下の説明では、説明の便宜上、図2において、磁気テープカートリッジ12の磁気テープドライブ14への装填方向を矢印Aで示し、矢印A方向を磁気テープカートリッジ12の前方向とし、磁気テープカートリッジ12の前方向の側を磁気テープカートリッジ12の前側とする。以下に示す構造の説明において、「前」とは、磁気テープカートリッジ12の前側を指す。
また、以下の説明では、説明の便宜上、図2において、矢印A方向と直交する矢印B方向を右方向とし、磁気テープカートリッジ12の右方向の側を磁気テープカートリッジ12の右側とする。以下に示す構造の説明において、「右」とは、磁気テープカートリッジ12の右側を指す。
また、以下の説明では、説明の便宜上、図2において、矢印B方向と逆の方向を左方向とし、磁気テープカートリッジ12の左方向の側を磁気テープカートリッジ12の左側とする。以下に示す構造の説明において、「左」とは、磁気テープカートリッジ12の左側を指す。
また、以下の説明では、説明の便宜上、図2において、矢印A方向及び矢印B方向と直交する方向を矢印Cで示し、矢印C方向を磁気テープカートリッジ12の上方向とし、磁気テープカートリッジ12の上方向の側を磁気テープカートリッジ12の上側とする。以下に示す構造の説明において、「上」とは、磁気テープカートリッジ12の上側を指す。
また、以下の説明では、説明の便宜上、図2において、磁気テープカートリッジ12の前方向と逆の方向を磁気テープカートリッジ12の後方向とし、磁気テープカートリッジ12の後方向の側を磁気テープカートリッジ12の後側とする。以下に示す構造の説明において、「後」とは、磁気テープカートリッジ12の後側を指す。
また、以下の説明では、説明の便宜上、図2において、磁気テープカートリッジ12の上方向と逆の方向を磁気テープカートリッジ12の下方向とし、磁気テープカートリッジ12の下方向の側を磁気テープカートリッジ12の下側とする。以下に示す構造の説明において、「下」とは、磁気テープカートリッジ12の下側を指す。
一例として図2に示すように、磁気テープカートリッジ12は、平面視略矩形であり、かつ、箱状のケース16を備えている。ケース16には、磁気テープMTが収容されている。ケース16は、ポリカーボネート等の樹脂製であり、上ケース18及び下ケース20を備えている。上ケース18及び下ケース20は、上ケース18の下周縁面と下ケース20の上周縁面とを接触させた状態で、溶着(例えば、超音波溶着)及びビス止めによって接合されている。接合方法は、溶着及びビス止めに限らず、他の接合方法であってもよい。
ケース16の内部には、カートリッジリール22が回転可能に収容されている。カートリッジリール22は、本開示の技術に係る「リール」の一例である。カートリッジリール22は、リールハブ22A、上フランジ22B1、及び下フランジ22B2を備えている。リールハブ22Aは、円筒状に形成されている。リールハブ22Aは、カートリッジリール22の軸心部であり、軸心方向がケース16の上下方向に沿っており、ケース16の中央部に配置されている。上フランジ22B1及び下フランジ22B2の各々は円環状に形成されている。リールハブ22Aの上端部には上フランジ22B1の平面視中央部が固定されており、リールハブ22Aの下端部には下フランジ22B2の平面視中央部が固定されている。なお、リールハブ22Aと下フランジ22B2は一体成型されていてもよい。
リールハブ22Aの外周面には、磁気テープMTが巻き回されており、磁気テープMTの幅方向の端部は上フランジ22B1及び下フランジ22B2によって保持されている。
ケース16の右壁16Aの前側には、開口16Bが形成されている。磁気テープMTは、開口16Bから引き出される。
下ケース20にはカートリッジメモリ24が設けられている。具体的には、下ケース20の右後端部に、カートリッジメモリ24が収容されている。カートリッジメモリ24には、NVMを有するICチップが搭載されている。本実施形態では、いわゆるパッシブ型のRFIDタグがカートリッジメモリ24として採用されており、カートリッジメモリ24に対しては非接触で各種情報の読み書きが行われる。
カートリッジメモリ24には、磁気テープカートリッジ12を管理する管理情報が記憶されている。管理情報には、例えば、カートリッジメモリ24に関する情報(例えば、磁気テープカートリッジ12を特定可能な情報)、磁気テープMTに関する情報(例えば、磁気テープMTの記録容量を示す情報、磁気テープMTに記録されているデータの概要を示す情報、磁気テープMTに記録されているデータの項目を示す情報、及び磁気テープMTに記録されているデータの記録形式を示す情報など)、及び磁気テープドライブ14に関する情報(例えば、磁気テープドライブ14の仕様を示す情報、及び磁気テープドライブ14で用いられる信号)等が含まれている。
一例として図3に示すように、磁気テープドライブ14は、搬送装置26、磁気ヘッド28、制御装置30、ストレージ32、UI系装置34、及び通信インタフェース35を備えている。磁気テープドライブ14には、矢印A方向に沿って磁気テープカートリッジ12が装填される。磁気テープドライブ14では、磁気テープMTが磁気テープカートリッジ12から引き出されて用いられる。
磁気テープMTは、磁性層29A、ベースフィルム29B、及びバックコート層29Cを有する。磁性層29Aは、ベースフィルム29Bの一方の面側に形成されており、バックコート層29Cは、ベースフィルム29Bの他方の面側に形成されている。磁性層29Aには、データが記録される。磁性層29Aは、強磁性粉末を含む。強磁性粉末としては、例えば、各種磁気記録媒体の磁性層において一般的に用いられる強磁性粉末が用いられる。強磁性粉末の好ましい具体例としては、六方晶フェライト粉末が挙げられる。六方晶フェライト粉末としては、例えば、六方晶ストロンチウムフェライト粉末、又は六方晶バリウムフェライト粉末等が挙げられる。バックコート層29Cは、例えば、カーボンブラック等の非磁性粉末を含む層である。ベースフィルム29Bは、支持体とも称されており、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、又はポリアミド等で形成されている。なお、ベースフィルム29Bと磁性層29Aとの間に非磁性層が形成されていてもよい。磁気テープMTにおいて、磁性層29Aが形成された面が磁気テープMTの表面31であり、バックコート層29Cが形成された面が磁気テープMTの裏面33である。
磁気テープドライブ14は、磁気テープMTの表面31に対して磁気ヘッド28を用いて磁気的処理を行う。ここで、磁気的処理とは、磁気テープMTの表面31に対するデータの記録、及び磁気テープMTの表面31からのデータの読み取り(すなわち、データの再生)を指す。本実施形態では、磁気テープドライブ14が磁気ヘッド28を用いて磁気テープMTの表面31に対するデータの記録と磁気テープMTの表面31からのデータの読み取りとを選択的に行う。すなわち、磁気テープドライブ14は、磁気テープカートリッジ12から磁気テープMTを引き出し、引き出した磁気テープMTの表面31に対して磁気ヘッド28を用いてデータを記録したり、引き出した磁気テープMTの表面31から磁気ヘッド28を用いてデータを読み取ったりする。
制御装置30は、磁気テープドライブ14の全体を制御する。ストレージ32は、制御装置30に接続されており、制御装置30は、ストレージ32に対する各種情報の書き込み、及びストレージ32からの各種情報の読み出しを行う。ストレージ32の一例としては、フラッシュメモリ及び/又はHDDが挙げられる。フラッシュメモリ及びHDDは、あくまでも一例に過ぎず、磁気テープドライブ14に搭載可能な不揮発性メモリであれば如何なるメモリであってもよい。
UI系装置34は、ユーザからの指示を示す指示信号を受け付ける受付機能と、ユーザに対して情報を提示する提示機能とを有する装置である。受付機能は、例えば、タッチパネル、ハードキー(例えば、キーボード)、及び/又はマウス等によって実現される。提示機能は、例えば、ディスプレイ、プリンタ、及び/又はスピーカ等によって実現される。UI系装置34は、制御装置30に接続されている。制御装置30は、UI系装置34によって受け付けられた指示信号を取得する。UI系装置34は、制御装置30の制御下で、ユーザに対して各種情報を提示する。
通信インタフェース35は、制御装置30に接続されている。また、通信インタフェース35は、WAN及び/又はLAN等の通信網(図示省略)を介して外部装置37に接続されている。通信インタフェース35は、制御装置30と外部装置37との間の各種情報(例えば、磁気テープMTに対する記録用データ、磁気テープMTから読み取られたデータ、及び/又は制御装置30に対して与えられる指示信号等)の授受を司る。なお、外部装置37としては、例えば、パーソナル・コンピュータ又はメインフレーム等が挙げられる。
搬送装置26は、磁気テープMTを既定経路に沿って順方向及び逆方向に選択的に搬送する装置であり、送出モータ36、巻取リール38、巻取モータ40、及び複数のガイドローラGRを備えている。なお、ここで、順方向とは、磁気テープMTの送り出し方向を指し、逆方向とは、磁気テープMTの巻き戻し方向を指す。
送出モータ36は、制御装置30の制御下で、磁気テープカートリッジ12内のカートリッジリール22を回転させる。制御装置30は、送出モータ36を制御することで、カートリッジリール22の回転方向、回転速度、及び回転トルク等を制御する。
巻取モータ40は、制御装置30の制御下で、巻取リール38を回転させる。制御装置30は、巻取モータ40を制御することで、巻取リール38の回転方向、回転速度、及び回転トルク等を制御する。
磁気テープMTが巻取リール38によって巻き取られる場合には、制御装置30は、磁気テープMTが既定経路に沿って順方向に走行するように送出モータ36及び巻取モータ40を回転させる。送出モータ36及び巻取モータ40の回転速度及び回転トルク等は、巻取リール38に対して磁気テープMTを巻き取らせる速度に応じて調整される。また、送出モータ36及び巻取モータ40の各々の回転速度及び回転トルク等が制御装置30によって調整されることで、磁気テープMTに対して張力が付与される。また、磁気テープMTに付与される張力は、送出モータ36及び巻取モータ40の各々の回転速度及び回転トルク等が制御装置30によって調整されることによって制御される。送出モータ36及び巻取モータ40は、本開示の技術に係る「張力付与機構」の一例である。
なお、磁気テープMTをカートリッジリール22に巻き戻す場合には、制御装置30は、磁気テープMTが既定経路に沿って逆方向に走行するように送出モータ36及び巻取モータ40を回転させる。
本実施形態では、送出モータ36及び巻取モータ40の回転速度及び回転トルク等が制御されることにより磁気テープMTに掛けられる張力が制御されているが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、磁気テープMTに掛けられる張力は、ダンサローラを用いて制御されるようにしてもよいし、バキュームチャンバに磁気テープMTを引き込むことによって制御されるようにしてもよい。
複数のガイドローラGRの各々は、磁気テープMTを案内するローラである。既定経路、すなわち、磁気テープMTの走行経路は、複数のガイドローラGRが磁気テープカートリッジ12と巻取リール38との間において磁気ヘッド28を跨ぐ位置に分けて配置されることによって定められている。
磁気ヘッド28は、磁気素子ユニット42及びホルダ44を備えている。磁気素子ユニット42は、走行中の磁気テープMTに接触するようにホルダ44によって保持されている。磁気素子ユニット42は、複数の磁気素子を有する。
磁気素子ユニット42は、搬送装置26によって搬送される磁気テープMTにデータを記録したり、搬送装置26によって搬送される磁気テープMTからデータを読み取ったりする。ここで、データとは、例えば、サーボパターン58(図7参照)、及びサーボパターン58以外のデータ、すなわち、データバンドDB(図7参照)に記録されているデータを指す。
磁気テープドライブ14は、非接触式読み書き装置46を備えている。非接触式読み書き装置46は、磁気テープカートリッジ12が装填された状態の磁気テープカートリッジ12の下側にてカートリッジメモリ24の裏面24Aに正対するように配置されており、カートリッジメモリ24に対して非接触で情報の読み書きを行う。
一例として図4に示すように、制御装置30は、プロセッサ68、RAM70、及びNVM72を備えており、プロセッサ68、RAM70、及びNVM72は電気的に接続されている。プロセッサ68は、本開示の技術に係る「プロセッサ」の一例である。
例えば、プロセッサ68は、CPU及びGPUを有しており、制御装置30の全体を制御する。GPUは、CPUの制御下で動作し、グラフィック系の各種処理の実行を担う。なお、プロセッサ68は、GPU機能を統合した1つ以上のCPUであってもよいし、GPU機能を統合していない1つ以上のCPUであってもよい。
RAM70は、一時的に情報が格納されるメモリであり、プロセッサ68によってワークメモリとして用いられる。NVM72は、各種プログラム及び各種パラメータ等を記憶する不揮発性の記憶装置である。NVM72の一例としては、フラッシュメモリ(例えば、EEPROM及び/又はSSD)が挙げられる。なお、フラッシュメモリは、あくまでも一例に過ぎず、HDD等の他の不揮発性の記憶装置であってもよいし、2種類以上の不揮発性の記憶装置の組み合わせであってもよい。
本実施形態では、制御装置30のプロセッサ68によって張力制御処理が行われる。NVM72には、張力制御処理プログラム74が記憶されている。プロセッサ68は、NVM72から張力制御処理プログラム74を読み出し、読み出した張力制御処理プログラム74をRAM70上で実行する。張力制御処理は、プロセッサ68がRAM70上で実行する張力制御処理プログラム74に従って制御部30A、伸び算出部30B、及び張力算出部30Cとして動作することによって実現される。
本実施形態において、制御装置30は、プロセッサ、NVM、及びRAMを含むコンピュータによって実現されているが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、制御装置30は、ASICによって実現されてもよい。また、制御装置30は、FPGA及び/又はPLCによって実現されるようにしてもよい。また、ASIC、FPGA、PLC、及びコンピュータのうちの2つ以上を組み合わせて実現されるようにしてもよい。すなわち、制御装置30は、ハードウェア構成とソフトウェア構成との組み合わせによって実現されるようにしてもよい。
一例として図5に示すように、非接触式読み書き装置46は、磁気テープカートリッジ12の下側からカートリッジメモリ24に向けて磁界MFを放出する。磁界MFは、カートリッジメモリ24を貫通する。
非接触式読み書き装置46は、制御装置30に接続されている。制御装置30は、制御信号を非接触式読み書き装置46に出力する。制御信号は、カートリッジメモリ24を制御する信号である。非接触式読み書き装置46は、制御装置30から入力された制御信号に従って磁界MFを生成し、生成した磁界MFをカートリッジメモリ24に向けて放出する。
非接触式読み書き装置46は、磁界MFを介してカートリッジメモリ24との間で非接触通信を行うことで、カートリッジメモリ24に対して、制御信号に応じた処理を行う。例えば、非接触式読み書き装置46は、制御装置30の制御下で、カートリッジメモリ24から情報を読み取る処理と、カートリッジメモリ24に対して情報を記憶させる処理(すなわち、カートリッジメモリ24に対して情報を書き込む処理)とを選択的に行う。
一例として図6に示すように、磁気テープドライブ14は、移動機構48を備えている。移動機構48は、移動アクチュエータ48Aを有する。移動アクチュエータ48Aとしては、例えば、ボイスコイルモータ及び/又はピエゾアクチュエータが挙げられる。移動アクチュエータ48Aは、制御装置30に接続されており、制御装置30は、移動アクチュエータ48Aを制御する。移動アクチュエータ48Aは、制御装置30の制御下で動力を生成する。移動機構48は、移動アクチュエータ48Aによって生成された動力を受けることで、磁気ヘッド28を磁気テープMTの幅方向に移動させる。
磁気テープドライブ14は、傾斜機構49を備えている。傾斜機構49は、傾斜アクチュエータ49Aを有する。傾斜アクチュエータ49Aとしては、例えば、ボイスコイルモータ及び/又はピエゾアクチュエータが挙げられる。傾斜アクチュエータ49Aは、制御装置30に接続されており、制御装置30は、傾斜アクチュエータ49Aを制御する。傾斜アクチュエータ49Aは、制御装置30の制御下で動力を生成する。傾斜機構49は、傾斜アクチュエータ49Aによって生成された動力を受けることで、磁気ヘッド28を幅方向WDに対して磁気テープMTの長手方向LD側に傾斜させる。すなわち、磁気ヘッド28は、制御装置30の制御下で、磁気テープMT上でスキューする。
一例として図7に示すように、磁気テープMTの表面31には、サーボバンドSB1、SB2、SB3及びSB4と、データバンドDB1、DB2及びDB3と、が形成されている。なお、以下では、説明の便宜上、特に区別する必要がない場合、サーボバンドSB1~SB4をサーボバンドSBと称し、データバンドDB1~DB3をデータバンドDBと称する。
サーボバンドSB1~SB4とデータバンドDB1~DB3は、磁気テープMTの長手方向LD(すなわち、全長方向)に沿って形成されている。ここで、磁気テープMTの長手方向LDとは、換言すると、磁気テープMTの走行方向を指す。磁気テープMTの走行方向は、磁気テープMTがカートリッジリール22側から巻取リール38側に走行する方向である順方向(以下、単に「順方向」とも称する)と、磁気テープMTが巻取リール38側からカートリッジリール22側に走行する方向である逆方向(以下、単に「逆方向」とも称する)との2つの方向で規定される。
サーボバンドSB1~SB4は、磁気テープMTの幅方向WD(以下、単に「幅方向WD」とも称する)で離間した位置に配列されている。例えば、サーボバンドSB1~SB4は、幅方向WDに沿って等間隔に配列されている。なお、本実施形態において、「等間隔」とは、完全な等間隔の他に、本開示の技術が属する技術分野で一般的に許容される誤差であって、本開示の技術の趣旨に反しない程度の誤差を含めた意味合いでの等間隔を指す。
データバンドDB1は、サーボバンドSB1とサーボバンドSB2との間に配されており、データバンドDB2は、サーボバンドSB2とサーボバンドSB3との間に配されている。データバンドDB3は、サーボバンドSB3とサーボバンドSB4との間に配されている。つまり、サーボバンドSBとデータバンドDBとは、幅方向WDに沿って交互に配列されている。
なお、図7に示す例では、説明の便宜上、4本のサーボバンドSBと3本のデータバンドDBとが示されているが、これはあくまでも一例に過ぎず、2本のサーボバンドSBと1本のデータバンドDBであってもよいし、3本のサーボバンドと2本のデータバンドであってもよい。また、5本以上のサーボバンドSBと4本以上のデータバンドDBであっても本開示の技術は成立する。
サーボバンドSBには、磁気テープMTの長手方向LDに沿って複数のサーボパターン58が記録されている。サーボパターン58は、サーボパターン58Aとサーボパターン58Bとに類別される。複数のサーボパターン58は、磁気テープMTの長手方向LDに沿って一定の間隔で配置されている。なお、本実施形態において、「一定」とは、完全な一定の他に、本開示の技術が属する技術分野で一般的に許容される誤差であって、本開示の技術の趣旨に反しない程度の誤差を含めた意味合いでの一定を指す。複数のサーボパターン58は、本開示の技術に係る「複数のサーボパターン」の一例である。
サーボバンドSBは、磁気テープMTの長手方向LDに沿って複数のフレーム56で区切られている。フレーム56は、一組のサーボパターン58で規定されている。図7に示す例では、一組のサーボパターン58の一例として、サーボパターン58A及び58Bが示されている。サーボパターン58A及び58Bは、磁気テープMTの長手方向LDに沿って隣り合っており、フレーム56内において、順方向の上流側にサーボパターン58Aが位置しており、順方向の下流側にサーボパターン58Bが位置している。
サーボパターン58は、線状磁化領域対60からなる。線状磁化領域対60は、線状磁化領域対60Aと線状磁化領域対60Bとに類別される。
サーボパターン58Aは、線状磁化領域対60Aからなる。図7に示す例では、線状磁化領域対60Aの一例として、線状磁化領域60A1及び60A2が示されている。線状磁化領域60A1及び60A2の各々は、線状に磁化された領域である。
線状磁化領域60A1及び60A2は、幅方向WDに沿った仮想的な直線である仮想直線C1に対して相反する方向に傾けられている。図7に示す例では、線状磁化領域60A1及び60A2が、仮想直線C1に対して線対称に傾けられている。より具体的に説明すると、線状磁化領域60A1及び60A2は、互いに非平行であり、かつ、仮想直線C1を対称軸として磁気テープMTの長手方向LD側の相反する方向に既定角度(例えば、5度)傾斜した状態で形成されている。
線状磁化領域60A1は、5本の磁化された直線である磁化直線60A1aの集合である。線状磁化領域60A2は、5本の磁化された直線である磁化直線60A2aの集合である。
サーボパターン58Bは、線状磁化領域対60Bからなる。図7に示す例では、線状磁化領域対60Bの一例として、線状磁化領域60B1及び60B2が示されている。線状磁化領域60B1及び60B2の各々は、線状に磁化された領域である。
線状磁化領域60B1及び60B2は、幅方向WDに沿った仮想的な直線である仮想直線C2に対して相反する方向に傾けられている。図7に示す例では、線状磁化領域60B1及び60B2が、仮想直線C2に対して線対称に傾けられている。より具体的に説明すると、線状磁化領域60B1及び60B2は、互いに非平行であり、かつ、仮想直線C2を対称軸として磁気テープMTの長手方向LD側の相反する方向に既定角度(例えば、5度)傾斜した状態で形成されている。
線状磁化領域60B1は、4本の磁化された直線である磁化直線60B1aの集合である。線状磁化領域60B2は、4本の磁化された直線である磁化直線60B2aの集合である。
このように構成された磁気テープMTの表面31側に、磁気ヘッド28は配置されている。ホルダ44は、直方体状に形成されており、磁気テープMTの表面31上を幅方向にWDに沿って横断するように配置されている。磁気素子ユニット42の複数の磁気素子は、ホルダ44の長手方向LDに沿って直線状に配列されている。磁気素子ユニット42は、複数の磁気素子として、一対のサーボ読取素子SR及び複数のデータ読み書き素子DRWを有する。ホルダ44の長手方向の長さは、磁気テープMTの幅に対して十分に長い。例えば、ホルダ44の長手方向の長さは、磁気素子ユニット42が磁気テープMT上の何れの位置に配置されたとしても、磁気テープMTの幅を超える長さとされている。
一対のサーボ読取素子SRは、サーボ読取素子SR1及びSR2からなる。サーボ読取素子SR1は、磁気素子ユニット42の一端に配置されており、サーボ読取素子SR2は、磁気素子ユニット42の他端に配置されている。図7に示す例では、サーボ読取素子SR1が、サーボバンドSB3に対応する位置に設けられており、サーボ読取素子SR2が、サーボバンドSB4に対応する位置に設けられている。
複数のデータ読み書き素子DRWは、サーボ読取素子SR1とサーボ読取素子SR2との間に直線状に配置されている。複数のデータ読み書き素子DRWは、磁気ヘッド28の長手方向に沿って間隔を空けて配置されている(例えば、磁気ヘッド28の長手方向に沿って等間隔に配置されている)。図7に示す例では、複数のデータ読み書き素子DRWが、データバンドDB3に対応する位置に設けられている。
制御装置30は、サーボ読取素子SRによってサーボパターン58が読み取られた結果であるサーボ信号を取得し、取得したサーボ信号に従ってサーボ制御を行う。ここで、サーボ制御とは、サーボ読取素子SRによって読み取られたサーボパターン58に従って移動機構48を動作させることで磁気ヘッド28を磁気テープMTの幅方向WDに移動させる制御を指す。
サーボ制御が行われることにより、複数のデータ読み書き素子DRWは、データバンドDB内の指定された領域上に位置し、データバンドDB内の指定された領域に対して磁気的処理を行う。図7に示す例では、データバンドDB3内の指定された領域に対して複数のデータ読み書き素子DRWによって磁気的処理が行われる。
また、磁気素子ユニット42によるデータの読み取り対象とされるデータバンドDBが変更される場合(図7に示す例では、磁気素子ユニット42によるデータの読み取り対象とされるデータバンドDBがデータバンドDB3からデータバンドDB2に変更される場合)、移動機構48は、制御装置30の制御下で、磁気ヘッド28を幅方向WDに移動させることで、一対のサーボ読取素子SRの位置を変更する。すなわち、移動機構48は、磁気ヘッド28を幅方向WDに移動させることで、サーボ読取素子SR1をサーボバンドSB2に対応する位置に移動させ、サーボ読取素子SR2をサーボバンドSB3に対応する位置に移動させる。これにより、複数のデータ読み書き素子DRWの位置は、データバンドDB3上からデータバンドDB2上に変更され、複数のデータ読み書き素子DRWによってデータバンドDB2に対して磁気的処理が行われる。
また、磁気素子ユニット42によるデータの読み取り対象とされるデータバンドDBがデータバンドDB2からDB1に変更される場合についても同様の制御が行われる。また、磁気素子ユニット42によるデータの読み取り対象とされるデータバンドDBがデータバンドDB1からDB3に変更される場合についても同様の制御が行われる。
一例として図8に示すように、リールハブ22Aの外周には、磁気テープMTが巻き回される。磁気テープMTによって締め付けられることにより、リールハブ22Aには、磁気テープMTから曲げ荷重Fが付与されることになる。リールハブ22Aには、それぞれ上フランジ22B1及び下フランジ22B2が設けられている。これにより、リールハブ22Aの上端部22A1及び下端部22A2ではリールハブ22Aの上下方向における中央部分と比較して剛性(例えば、曲げ剛性)が高くなる。これは、円周方向に連続した上フランジ22B1及び下フランジ22B2が、リールハブ22Aに対して支持部材として機能し、剛性の向上に寄与するためである。この結果、リールハブ22Aの上端部22A1と下端部22A2との間において磁気テープMTの締め付けによる収縮変形が生じる。
一例として図9に示すように、リールハブ22Aにおいて、磁気テープMTの締め付けにより収縮変形が生じると、巻き取られた磁気テープMTのうちのリールハブ22A側が、磁気テープMTの周方向に沿って収縮する。すなわち、磁気テープMTのリールハブ22A側において、収縮方向の周方向応力σθが生じている。また、磁気テープMTには、磁気テープMTがリールハブ22Aに巻き回される場合の張力によって径方向応力σrが生じている。
一例として図10に示すように、磁気テープMTに対して径方向応力σrが生じると、磁気テープMTのポアソン比に応じて磁気テープMTの幅が拡がる(図中矢印D1及びD2参照)。また、磁気テープMTに対して、収縮方向の周方向応力σθが生じると、磁気テープMTのポアソン比に応じて磁気テープMTの幅が拡がる(図中矢印D3及びD4参照)。このように、磁気テープMTのリールハブ22A側では、径方向応力σrに起因した磁気テープMTの幅の拡がりに加え、周方向応力σθに起因した磁気テープMTの幅の拡がりが生じる。このため、リールハブ22Aに巻き取られた状態の磁気テープMTにおいて、磁気テープMTのリールハブ22A側の領域が、磁気テープMTのリールハブ22A側以外の領域(例えば、カートリッジリール22の外周側の領域)と比較して、幅が大きくなる。
例えば、磁気テープMTがカートリッジリール22に巻かれた状態で、磁気テープMTに生じた応力に起因した変形(例えば、長期間保存された場合のクリープ変形)が生じる。すなわち、磁気テープMTにおいて、リールハブ22A側領域の幅が保管前と比較して広くなり、カートリッジリール22の外周側の領域の幅が保管前と比較して狭くなる。磁気テープMTにおける幅の不均一な変形は、磁気ヘッドの位置を磁気テープMTに対して精度よく位置させることが困難にする。これは、磁気テープMTにおけるデータの記録不良、又は読取不良の一因となる。磁気テープMTの記録密度の高容量化に伴ってデータトラック幅が狭くなると、この問題は、さらに顕著となる。
そこで、本実施形態では、一例として図11に示すように、磁気テープMTに対して引っ張り方向の周方向応力σθを生じさせる。磁気テープMTに対して引っ張り方向の周方向応力σθが生じると、磁気テープMTのポアソン比に応じて磁気テープMTの幅が収縮する(図中矢印E1及びE2参照)。これにより、磁気テープMTに対する径方向応力σrに起因した磁気テープMTの幅の拡がり(図中矢印D1及びD2参照)を、引っ張り方向の周方向応力σθに起因した磁気テープMTの幅方向の収縮によって抑制できる。この結果、リールハブ22Aに巻き取られた状態の磁気テープMTにおいて、磁気テープMTのリールハブ22A側の領域が、磁気テープMTのリールハブ22A側以外の領域(例えば、カートリッジリール22の外周側の領域)と比較して、幅が大きくなることが抑制される。
一例として図12に示すように、従来既知の磁気テープMTの巻き取り時の張力条件(以下、単に「従来既知の第1張力条件」とも称する)では、巻き取り時の張力Tが、カートリッジリール22に巻かれた状態における半径方向位置r(以下単に、「半径方向位置r」とも称する)の何れの位置においても一定とされている。ここで、半径方向位置rは、磁気テープMTの長手方向位置に対応している。また、その他の従来既知の張力条件(以下、単に「従来既知の第2張力条件」とも称する)では、巻き取り時の張力Tが、半径方向位置rがリールハブ22A側から外周側へ向かって単調に減少している。
本実施形態に係る張力条件では、磁気テープMTの半径方向位置rに応じて、磁気テープMTの半径方向位置rに対する巻き取り時の張力Tが変更されている。例えば、磁気テープMTの長手方向LDにおいて、リールハブ22A側の領域の方が、外周側の領域よりも張力の半径方向位置rに対する張力Tの変化率が大きくなっている。なお、ここでは、リールハブ22A側の領域の方が、外周側の領域よりも変化率が大きくなっている形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。リールハブ22A側の領域の張力Tの変化率が、外周側の領域の張力Tの変化率以上であっても本開示の技術は成立する。さらに、張力の半径方向位置rに対する張力Tの変化率は、リールハブ22A側から外周側にかけて非線形的に低下している。換言すれば、図12に示す例において、張力Tの半径方向位置rに対する変化率は、従来既知の第2張力条件と比較して、下に凸の傾きの変化を有する曲線状に減少している。ここで、本実施形態に係る張力条件は、例えば、リールハブ22Aに巻かれた状態の磁気テープMTにおけるモーメントのつり合い式に基づく計算及び実験に基づいて求められる。すなわち、モーメントのつり合い式に基づく計算及び実験によって半径方向限界応力σr1(すなわち、磁気テープMTがリールハブ22Aに巻き取られた状態において、磁気テープMTに巻き緩みが発生する場合の径方向応力σr)が半径方向位置rの2乗に反比例するとの結果が得られる。そして、半径方向限界応力σr1から導出される張力Tと磁気テープMTにおける半径方向位置rとの関係が求められる。具体的には、本実施形態に係る張力条件は、数式(1)によって求められる。
T=C/r ・・・(1)
ここで、T:張力,C:定数,r:リールに巻かれた状態の磁気テープの径方向位置
本実施形態に係る張力条件によって磁気テープMTが巻き取られることで、磁気テープMTのリールハブ22A側の領域では、引っ張り方向の周方向応力σθが生じる。これにより、磁気テープMTのリールハブ22A側の領域において、磁気テープMTの幅が収縮する。この結果、磁気テープMTに対する径方向応力σrに起因した磁気テープMTの幅の拡がりを、引っ張り方向の周方向応力σθに起因した磁気テープMTの幅方向の収縮によって抑制できる。この結果、リールハブ22Aに巻き取られた状態の磁気テープMTにおいて、磁気テープMTのリールハブ22A側が、磁気テープMTのリールハブ22A側以外の領域(例えば、カートリッジリール22の外周側の領域)と比較して、幅が大きくなることが抑制される。
一例として図13に示すように、従来既知の第1張力条件では、磁気テープMTがリールハブ22Aに巻き取られる前と巻き取られた後との磁気テープMTの幅変化量(以下、単に幅変化量とも称する)が、従来既知の第2張力条件及び本実施形態に係る張力条件と比較して、半径方向位置rによって大きく変化している。ここで、幅変化量は、例えば、磁気テープMTの幅方向WDにおいて隣接するサーボバンドSB同士の間隔(すなわち、サーボバンド間隔)に基づいて求められる。すなわち、隣接するサーボバンドSBにおいて、それぞれのサーボバンドSBに含まれるサーボパターン58が読み取られた結果に基づいてPESが求められる。PESとは、サーボバンドSB上でサーボ読取素子SRが本来位置する箇所から幅方向WDに沿ってずれている量を示す信号である。そして、PESに基づいてサーボバンドSBに対するサーボ読取素子SRの位置が検出される。これにより、隣接するサーボバンドSBにおけるサーボバンド読取素子SRの位置が求められるので、サーボバンド間隔が算出される。そして、サーボバンド間隔に基づいて幅変化量が求められる。幅変化量は、サーボバンド間隔の平均値(すなわち、磁気テープMTの長手方向LDにおけるサーボバンド間隔の平均値)に基づいて求められることが望ましい。また、幅変化量は、例えば、磁気テープMTの幅を、レーザー変位計(例えば、キーエンス社製KEYENCE LS-9030等)等を用いて測定することによっても得られる。また、従来既知の第2張力条件では、幅変化量は、従来既知の第1張力条件と比較して小さいものの、リールハブ22A側において、幅が拡がっている。すなわち、図13に示す例では、半径方向位置rのαからβにおいて、従来既知の第2張力条件下での幅変形量が大きくなっている。本実施形態に係る張力条件では、幅変化量が、リールハブ22A側から外周側にかけて、0に近い値となっており、磁気テープMTがリールハブ22Aに巻き取られる前と巻き取られた後とで、磁気テープMTの幅の変化が抑制されている。具体的には、図13に示す例では、半径方向位置rのαからβにおいて、幅変形量が小さくなり、さらに幅変化量の半径方向位置rに対する変化も緩やかになっている。
一例として図14に示すように、本実施形態に係る張力条件で巻き取られた磁気テープMTには、磁気テープMTに付与される張力に応じた伸びが、磁気テープMTの長手方向位置に応じて生じる。磁気テープMTにおいて、カートリッジリール22の変形に伴う幅変化の影響を受ける領域で、伸びの度合いをその他の領域よりも大きくすることで(すなわち、引っ張り方向の周方向応力σθを付与することで)、幅の拡がりを抑制できる。
磁気テープMTは、芯側領域MT1及び外周側領域MT2を有する。芯側領域MT1とは、磁気テープMTのリールハブ22A側の領域MT1(すなわち、カートリッジリール22の芯側の領域)を指す。外周側領域MT2は、芯側領域MT1よりも磁気テープMTの外周側の領域MT2(すなわち、カートリッジリール22の外周側の領域)を指す。芯側領域MT1は、磁気テープMTが巻き回されることによるリールハブ22Aの変形に伴う磁気テープMTの幅変化の影響を受ける予め定められた領域である。芯側領域MT1における伸びの度合いは、外周側領域MT2における伸びの度合い以上となっている。換言すれば、芯側領域MT1に付与される張力は、外周側領域MT2に付与される張力に比べて、少なくとも小さくならない。ここで、伸びの度合いとは、磁気テープMTの長手方向LDの単位長さ辺りの伸び量を指す。芯側領域MT1は、本開示の技術に係る「第1領域」の一例である。また、外周側領域MT2は、本開示の技術に係る「第2領域」の一例である。
外周側領域MT2は、磁気テープMTの長手方向LDにおける中間領域MT2Aを含む領域である。ここで、中間領域MT2Aとは、磁気テープMTの幅変化量が、芯側領域MT1における磁気テープMTの幅変化量よりも小さい領域であって、外周側領域MT2における磁気テープMTの幅変化量よりも小さい領域を指す。中間領域MT2Aは、例えば、磁気テープMTにおけるEOT領域MT3の終端位置MT3AからBOT領域MT4の開始位置MT4Aの間の一部であって、芯側領域MT1を除いた領域である。また、中間領域MT2Aは、芯側領域MT1の長さに応じて定められてもよいし、磁気テープMTの材質に応じて定められてもよい。中間領域MT2Aは、本開示の技術に係る「中間領域」の一例である。
例えば、磁気テープMTの長さ(すなわち、長手方向距離)が、1000mである場合を考える。この場合、芯側領域MT1は、例えば、EOT領域MT3の終端位置MT3A(すなわち、テープ記録再生終端位置)から長さ100mの区間である。また、外周側領域MT2は、例えば、EOT領域MT3から500mの位置を始点とする長さ100mの区間である。
ここで、磁気テープMTのサーボバンドSBには、サーボパターン58が長手方向LDに沿って形成されている。磁気テープMTの伸びの度合いは、磁気テープMTのサーボパターン58に基づいて求められる。すなわち、本実施形態に係る張力条件で磁気テープMTに張力が付与されると、芯側領域MT1の伸びの度合いは、外周側領域MT2の伸びの度合いよりも大きい。これにより、長手方向LDに隣接したサーボパターン58の間隔dも拡がりも、芯側領域MT1におけるサーボパターン58同士の間隔d1の方が、外周側領域MT2におけるサーボパターン58同士の間隔d2よりも大きい。ここで、サーボパターン58の間隔dとは、あるフレーム56におけるサーボパターン58Aと、隣接するフレーム56におけるサーボパターン58Aとの間隔を指す。なお、これはあくまでも一例に過ぎず、サーボパターン58の間隔dは、あるフレーム56におけるサーボパターン58Bと、隣接するフレーム56におけるサーボパターン58Bとの間隔であってもよい。このように、磁気テープMTの伸びの度合いは、サーボパターン58同士の間隔dに基づいて求められる。間隔d1は、本開示の技術に係る「第1間隔」の一例であり、間隔d2は、本開示の技術に係る「第2間隔」の一例である。
一例として図15に示すように、制御装置30は、制御部30A及び伸び算出部30Bを有する。伸び算出部30Bは、第1取得部30B1、及び第2取得部30B2を有する。伸び算出部30Bは、サーボ読取素子SRによってサーボバンドSB内のサーボパターン58が読み取られた結果であるサーボ信号を取得し、取得したサーボ信号に基づいて、磁気テープMTにおける伸びの度合いを算出する。
第1取得部30B1は、サーボ読取素子SR1によってサーボパターン58が読み取られた結果を取得し、第2取得部30B2は、サーボ読取素子SR2によってサーボパターン58が読み取られた結果を取得する。
図15に示す例では、第1取得部30B1が、サーボ読取素子SR1によってサーボバンドSB3内のサーボパターン58が読み取られることによって得られた第3サーボ信号SBS3を取得する。また、第2取得部30B2が、サーボ読取素子SR2によってサーボバンドSB3内のサーボパターン58が読み取られることによって得られた第4サーボ信号SBS4を取得する。
一例として図16に示すように、伸び算出部30Bは、第1取得部30B1及び第2取得部30B2によって取得された芯側領域MT1のサーボ信号に基づいて、第1間隔SP1を算出する。また、伸び算出部30Bは、第1取得部30B1及び第2取得部30B2によって取得された外周側領域MT2のサーボ信号に基づいて第2間隔SP2を算出する。
具体的には、伸び算出部30Bは、第3サーボ信号SBS3、及び第4サーボ信号SBS4から、自己相関係数を用いて、パルス波形を検出する。ストレージ32には、理想波形信号66が記憶されている。理想波形信号66は、サーボ信号に含まれる単発の理想波形を示す信号(例えば、サーボパターン58に含まれる理想的な磁化直線の1本がサーボ読取素子SRによって読み取られた結果である理想的な信号)である。理想波形信号66は、サーボ信号と比較される見本信号とも言える。なお、ここでは、ストレージ32に理想波形信号66が記憶されている形態例を挙げているが、これは、あくまでも一例に過ぎず、例えば、ストレージ32に代えて、又は、ストレージ32と共に、理想波形信号66がカートリッジメモリ24に記憶されていてもよい。また、磁気テープMTの先頭に設けられたEOT領域MT3(図14参照)、及び/又は、磁気テープMTの後尾に設けられたBOT領域BT4(図14参照)に理想波形信号66が記録されていてもよい。
伸び算出部30Bによって用いられる自己相関係数は、サーボ信号と理想波形信号66との相関の度合いを示す係数である。伸び算出部30Bは、ストレージ32から理想波形信号66を取得し、取得した理想波形信号66とサーボ信号とを比較する。そして、伸び算出部30Bは、比較結果に基づいて自己相関係数を算出する。伸び算出部30Bは、サーボバンドSB上において、サーボ信号と理想波形信号66との相関が高い位置(例えば、サーボ信号と理想波形信号66とが一致する位置)を、自己相関係数に従って検出する。
伸び算出部30Bによる伸び算出は、例えば、以下の様にして行われる。上述したように、本実施形態に係る張力条件で磁気テープMTに張力が付与されると、芯側領域MT1の伸びの度合いは、外周側領域MT2の伸びの度合いよりも大きい。これを反映して、長手方向LDに隣接したサーボパターン58同士の間隔も、芯側領域MT1と、外周側領域MT2とで異なっている。従って、伸び算出部30Bは、自己相関係数に従って検出されたパルス波形に基づいて、サーボパターン58同士の間隔dを算出する。すなわち、伸び算出部30Bは、あるフレーム56に含まれるサーボパターン58Aに対応したパルス信号と、隣接するフレーム56に含まれるサーボパターン58Aに対応したパルス信号との検出される時間差t(すなわち、パルス間隔t)を取得する。
さらに、伸び算出部30Bは、芯側領域MT1におけるパルス間隔t1の平均値AG1を算出する。また、伸び算出部30Bは、外周側領域MT2におけるパルス間隔t2の平均値AG2を算出する。
一例として図17に示すように、伸び算出部30Bは、芯側領域MT1におけるパルス間隔t1の平均値AG1に対して磁気テープMTの搬送速度を乗算することにより、芯側領域MT1におけるサーボパターン58同士の間隔である第1間隔SP1を算出する。そして、伸び算出部30Bは、外周側領域MT2におけるパルス間隔t2の平均値AG2に対して磁気テープMTの搬送速度を乗算することにより、外周側領域MT2におけるサーボパターン58同士の間隔である第2間隔SP2を算出する。
なお、ここでは、芯側領域MT1におけるパルス間隔t1の平均値を用いて第1間隔SP1が算出される形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。芯側領域MT1におけるパルス間隔t1の統計値を用いて第1間隔SP1が算出されればよく、最頻値、又は中央値であっても本開示の技術は成立する。また、外周側領域MT2についても同様に、パルス間隔t2の統計値を用いて第2間隔SP2が算出されればよく、最頻値、又は中央値であっても本開示の技術は成立する。
伸び算出部30Bは、第1間隔SP1及び第2間隔SP2に基づいて、伸びの度合いDGを算出する。芯側領域MT1における伸びの度合いDGは、例えば、第1間隔SP1を初期状態の磁気テープMTの幅で除すことで求められる。ここで、初期状態とは、データバンドDBに対する磁気的処理が行われる前の状態を指す。初期状態の一例としては、工場出荷時の状態が挙げられる。また、外周側領域MT2の伸びの度合いDGは、第2間隔SP2を初期状態の磁気テープMTの幅で除すことで求められる。伸び算出部30Bは、伸びの度合いDGを張力算出部30Cへ出力する。
張力算出部30Cは、張力導出テーブルTBを用いて、張力情報TIを生成する。張力情報TIは、磁気テープMTの長手方向位置に応じて、磁気テープMTの長手方向位置に対する張力Tの変化率を変更するための情報である。張力導出テーブルTBは、伸びの度合いDGを入力値とし、張力情報TIを出力値とするテーブルである。張力導出テーブルTBは、予めストレージ32に記憶されている。張力算出部30Cは、ストレージ32から張力導出テーブルTBを取得する。張力算出部30Cは、張力導出テーブルTBから、伸びの度合いDGに応じた張力情報TIを導出する。
なお、ここでは、張力導出テーブルTBを用いて、張力情報TIが生成される形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、張力算出部30Cにおいて、張力導出演算式が用いられることにより、張力情報が生成されてもよい。張力導出演算式は、伸びの度合いDGを独立変数とし、張力情報TIを示す数値を従属変数とする演算式である。
一例として図18に示すように、張力算出部30Cは、張力情報TIを制御部30Aに出力する。制御部30Aは、張力情報TIに基づいて、磁気テープMTに付与される張力Tの制御を行う。張力情報TIは、伸びの度合いDGに応じて求められる。すなわち、制御部30Aは、伸びの度合いDGに応じて磁気テープMTに付与される張力Tを制御する。さらに、伸びの度合いDGは、磁気テープMTの長手方向位置に応じて定められている。従って、制御部30Aは、磁気テープMTの長手方向位置に応じて、磁気テープMTの長手方向位置に対する張力Tの変化率を変更する。具体的には、制御部30Aは、送出モータ36及び巻取モータ40の各々の回転速度及び回転トルク等を調整することで、磁気テープMTに対して張力Tを付与する。また、制御部30Aは、磁気テープMTに付与される張力を、送出モータ36及び巻取モータ40の各々の回転速度及び回転トルク等を調整することによって制御する。
次に、制御装置30の作用について、図19を参照しながら説明する。図19には、制御部30Aによって行われる張力制御処理の流れの一例が示されている。図19に示す張力制御処理の流れは、本開示の技術に係る「張力制御方法」の一例である。
図19に示す張力制御処理では、先ず、ステップST110で、制御部30Aは、張力情報TIを取得する。ステップST110の処理が実行された後、張力制御処理は、ステップST112へ移行する。
ステップST112で、制御部30Aは、ステップST110で取得した張力情報TIに基づいて伸びの度合いDGを変更する。例えば、制御部30Aは、磁気テープMTの長手方向位置に応じて、磁気テープMTの長手方向位置に対する張力Tの変化率を変更することにより、伸びの度合いDGを変更する。ステップST112の処理が実行された後、張力制御処理は、ステップST112へ移行する。
ステップST114で、制御部30Aは、送出モータ36及び巻取モータ40の各々の回転速度及び回転トルク等を調整する。これにより、制御部30Aは、送出モータ36及び巻取モータ40を介して、伸びの度合いDGに応じた張力を磁気テープMTに付与させる。ステップST114の処理が実行された後、張力制御処理は、ステップST116へ移行する。
ステップST116で、制御部30Aは、張力制御処理が終了する条件(以下、「終了条件」と称する)を満足したか否かを判定する。終了条件の一例としては、磁気テープMTの巻き取りが完了した、との条件が挙げられる。ステップST116において、終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、張力制御処理は、ステップST110へ移行する。ステップST116において、終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、張力制御処理は、終了する。
以上説明したように、本実施形態に係る磁気テープカートリッジ12では、カートリッジリール22に巻き回された磁気テープMTを備え、磁気テープMTは、芯側領域MT1と、外周側領域MT2と、を有し、磁気テープMTの長手方向LDの伸びの度合いDGについて、芯側領域MT1の伸びの度合いDGは、外周側領域MT2の伸びの度合いDG以上である。磁気テープMTがカートリッジリール22に巻き回されることにより、カートリッジリール22には磁気テープMTから締め付けに伴う荷重が付与される。この結果、カートリッジリール22が収縮変形するので、磁気テープMTにも長手方向LDに収縮する方向(すなわち、収縮方向)の応力(すなわち、周方向応力σθ)が生じる。そして、磁気テープの幅が変化する(すなわち、幅が拡がる)。本実施形態に係る磁気テープMTでは、幅の拡がりの影響を受ける領域である芯側領域MT1において、カートリッジリール22の外周側の領域である外周側領域MT2よりも磁気テープMTの長手方向LDの伸びの度合いDGが大きい。芯側領域MT1における長手方向LDの伸びの度合いDGが外周側領域MT2よりも大きいことは、カートリッジリール22の芯側(すなわち、リールハブ22A側)において、磁気テープMTの長手方向LDに引っ張る方向(すなわち、引っ張り方向)の応力(すなわち、周方向応力σθ)が生じていることを意味する。そして、引っ張り方向の応力は、磁気テープMTの幅を収縮させることに寄与する。従って、本構成によれば、磁気テープMTの幅の変形が抑制される。
また、本実施形態に係る磁気テープカートリッジ12では、外周側領域MT2は、磁気テープMTの長手方向LDにおける中間領域MT2Aを含んでいる。中間領域MT2Aはカートリッジリール22の変形の影響が小さいので、中間領域MT2Aでは磁気テープMTの幅変化が芯側領域MT1と比較して小さい。このため、芯側領域MT1において、中間領域MT2Aに対して伸びが生じていることで、相対的に伸びの発生が顕著となる。これにより、伸びを検出することが容易となる。芯側領域MT1における長手方向LDの伸びの度合いDGが大きいことは、カートリッジリール22の芯側(すなわち、リールハブ22A側)において、引っ張り方向の応力(すなわち、周方向応力σθ)が生じていることを意味する。そして、引っ張り方向の応力は、磁気テープMTの幅を収縮させることに寄与する。従って、本構成によれば、磁気テープMTの幅の変形が抑制される。
また、本実施形態に係る磁気テープカートリッジ12では、磁気テープMTには、長手方向LDに複数のサーボパターン58が形成されている。また、伸びの度合いDGは、芯側領域MT1における磁気テープMTの長手方向LDに隣接するサーボパターン58同士の間隔である第1間隔SP1及び外周側領域MT2における磁気テープMTの長手方向LDに隣接するサーボパターン58同士の間隔である第2間隔SP2に基づいて求められる。従って、本構成によれば、伸びの度合いDGが磁気テープMTのサーボパターン58の間隔により求められるので、伸びの度合いDGを算出することが正確になる。例えば、伸びの度合いDGが常に一定として求められる場合と比較して、保管後の磁気テープMTの伸びの度合いDGが正確に求められる。
また、本実施形態に係る磁気テープカートリッジ12では、第1間隔SP1の値は、芯側領域MT1における磁気テープMTの長手方向LDに隣接するサーボパターン58同士の間隔の統計値(例えば、平均値)である。第1間隔SP1がサーボパターン58同士の間隔の統計値により求められる。そして、第1間隔SP1に基づいて、芯側領域MT1における伸びの度合いDGが求められる。従って、本構成によれば、伸びの度合いDGを正確に算出することができる。例えば、第1間隔SP1の値が、常に予め定められた位置におけるサーボパターン58同士の間隔に基づいて求められる場合と比較して、伸びの度合いDGが正確に求められる。
また、本実施形態に係る磁気テープカートリッジ12では、第2間隔SP2の値は、外周側領域MT2における磁気テープMTの長手方向LDに隣接するサーボパターン58同士の間隔の統計値である。第2間隔SP2がサーボパターン58同士の間隔の統計値により求められる。そして、第2間隔SP2に基づいて、外周側領域MT2における伸びの度合いDGが求められる。従って、本構成によれば、伸びの度合いDGを正確に算出することができる。例えば、第2間隔SP2の値が、常に予め定められた位置におけるサーボパターン58同士の間隔に基づいて求められる場合と比較して、伸びの度合いDGが正確に求められる。
また、本実施形態に係る磁気テープドライブ14では、磁気テープMTの伸びの度合いDGに応じて張力が付与される。磁気テープMTがカートリッジリール22に巻き回されることにより、カートリッジリール22には磁気テープMTから締め付けに伴う荷重が生じる。この結果、カートリッジリール22が収縮変形するので、磁気テープMTにも長手方向LDに収縮方向の応力が生じる。そして、磁気テープの幅が変化する(すなわち、幅が拡がる)。芯側領域MT1の伸びの度合いDGが大きいことは、リールハブ22A側において、引っ張り方向の応力が生じていることを意味する。そして、引っ張り方向の応力は、磁気テープMTの幅を収縮させることに寄与する。従って、本構成によれば、磁気テープMTの幅の変形が抑制される。
また、本実施形態に係る磁気テープドライブ14では、磁気テープMTの伸びの度合いDGに応じて張力Tが付与される。そして、伸びの度合いDGは、磁気テープMTの長手方向位置に応じて定められる。すなわち、長手方向位置に応じた伸びの度合いDGとなる様に張力Tが付与される。例えば、リールハブ22A側において伸びの度合いDGが大きいことは、リールハブ22A側において、引っ張り方向の応力が生じていることを意味する。そして、引っ張り方向の応力は、磁気テープMTの幅を収縮させることに寄与する。従って、本構成によれば、磁気テープMTの幅の変形が抑制される。
また、本実施形態に係る磁気テープドライブ14では、磁気テープMTの伸びの度合いDGは、磁気テープMTの長手方向位置に対する張力Tの変化率に応じて定められる。そして、伸びの度合いDGは、磁気テープMTの長手方向位置に応じて定められる。すなわち、長手方向位置に応じた伸びの度合いDGとなる様に磁気テープMTに張力Tが付与される。磁気テープMTの長手方向LDにおいて、張力Tの変化率を変更することは、磁気テープMTの長手方向LDにおける張力分布の適正化に寄与する。従って、本構成によれば、磁気テープMTの幅の変形が抑制される。
また、本実施形態に係る磁気テープドライブ14では、制御部30Aにより張力情報TIが出力される。張力情報TIは、磁気テープMTに対する張力付与の制御に利用される。磁気テープMTの長手方向LDにおいて、張力Tの変化率を変更することは、磁気テープMTの長手方向LDにおける張力分布の適正化に寄与する。従って、本構成によれば、磁気テープMTの幅の変形が抑制される。
例えば、張力Tの変化率が一定の場合(例えば、張力Tが常に一定の場合)を考える。この場合、リールハブ22Aの変形により、リールハブ22A側において磁気テープMTの長手方向LDに圧縮応力が生じるので、リールハブ22A側において磁気テープMTの幅が拡がる。また、その他の例として、張力Tが線形的に低下する(すなわち、テーパテンションである)場合を考える。この場合、カートリッジリール22に巻き取られた磁気テープMTにおける径方向応力σrが考慮されていないので、径方向応力σrが低下し過ぎる位置では、磁気テープMTに巻き緩みが発生することがある。
一方、本構成では、磁気テープMTの長手方向位置に応じて、磁気テープMTに付与される張力Tの変化率が変更される。これにより、磁気テープMTの長手方向LDにおける張力分布の適正化に寄与する。従って、本構成によれば、磁気テープMTの幅の変形が抑制される。
また、本実施形態に係る磁気テープドライブ14では、磁気テープMTにおける伸びの度合いDGが変更され、そして、変更された伸びの度合いDGに応じた張力Tが磁気テープMTに付与される。すなわち、長手方向位置に応じた伸びの度合いDGとなる様に張力Tが付与される。例えば、リールハブ22A側において伸びの度合いが大きいことは、リールハブ22A側において、引っ張り方向の応力が生じていることを意味する。そして、引っ張り方向の応力は、磁気テープMTの幅を収縮させることに寄与する。このように磁気テープMTの長手方向位置に応じた伸びの度合いDGになるように磁気テープMTに張力Tを付与する。従って、本構成によれば、磁気テープMTの幅の変形が抑制される。
また、本実施形態に係る磁気テープドライブ14では、磁気テープMTの長手方向位置に応じて、磁気テープMTの長手方向位置に対する張力Tの変化率が変更される。これは、磁気テープMTの長手方向LDにおける張力分布の適正化に寄与する。従って、本構成によれば、磁気テープMTの幅の変形が抑制される。
また、本実施形態に係る磁気テープドライブ14では、磁気テープMTにおいて、幅の拡がりの影響を受ける芯側領域MT1において、外周側領域MT2よりも張力Tの変化率が大きく設定されている。これにより、芯側領域MT1において、磁気テープMTの長手方向LDに伸びが生じている。芯側領域MT1における長手方向LDの伸びの発生は、リールハブ22A側において、引っ張り方向の応力が生じていることを意味する。そして、引っ張り方向の応力は、磁気テープMTの幅を収縮させることに寄与する。従って、本構成によれば、磁気テープMTの幅の変形が抑制される。
また、本実施形態に係る磁気テープドライブ14では、磁気テープMTの長手方向位置に応じて、磁気テープMTの伸びの度合いDGが非線形的に変更される。これは、磁気テープMTの長手方向LDにおける張力分布の適正化に寄与する。これにより、磁気テープMTが巻き取られる場合のリールハブ22A側における磁気テープMTの幅変化が抑制される。従って、本構成によれば、磁気テープMTの幅の変形が抑制される。
例えば、張力が磁気テープMTの長手方向位置に応じて線形的に低下する(すなわち、テーパテンションとされる)場合を考える。この場合、カートリッジリール22に巻き取られた磁気テープMTにおける径方向応力σrが考慮されていないので、径方向応力σrが低下し過ぎる位置では、磁気テープMTに巻き緩みが発生することがある。さらに、テーパテンションの場合では、芯側領域MT1において、磁気テープMTの幅が拡がる。これは、磁気テープMTの周方向応力σθが、リールハブ22A側で相対的に圧縮方向にシフトしているため、リールハブ22A側での径方向応力σrが大きくなるためである。
本構成では、張力Tの変化率が、磁気テープMTの長手方向位置に応じて非線形的に低下されることが、磁気テープMTの長手方向LDにおける張力分布の適正化に寄与する。これにより、磁気テープMTが巻き取られる場合のリールハブ22A側における磁気テープMTの幅変化が抑制される。従って、本構成によれば、磁気テープMTの幅の変形が抑制される。
(第1変形例)
上記第1実施形態では、サーボパターン58同士の間隔dの平均値から磁気テープMTにおける伸びの度合いDGが求められ、さらに伸びの度合いDGに基づいて張力情報TIが生成される形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。本第1変形例では、張力情報TIは、磁気テープドライブ14のストレージ32に予め記憶されている。
一例として図20に示すように、張力情報TIは、ストレージ32に予め記憶されている。制御部30Aは、ストレージ32から張力情報TIを取得する。制御部30Aは、張力情報TIにより示される張力条件に従って、磁気テープMTに付与する張力を変更する。具体的には、制御部30Aは、磁気テープMTの長手方向位置に応じて、磁気テープMTの長手方向位置に対する張力の変化率を変更する。すなわち、制御部30Aは、送出モータ36及び巻取モータ40の各々の回転速度及び回転トルク等を調整することで、磁気テープMTに対して張力を付与する。また、制御部30Aは、磁気テープMTに付与される張力を、送出モータ36及び巻取モータ40の各々の回転速度及び回転トルク等を調整することによって制御する。
なお、ここでは、張力情報TIが、ストレージ32に記憶されている形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。張力情報TIは、ストレージ32に代えて、又は、ストレージ32と共に、カートリッジメモリ24に記憶されていてもよい。また、磁気テープMTの先頭に設けられたEOT領域MT3(図14参照)、及び/又は、磁気テープMTの後尾に設けられたBOT領域MT4(図14参照)に張力情報TIが記録されていてもよい。さらに、張力情報TIは、外部装置37(図3参照)に予め記憶されており、通信インタフェース35(図3参照)を介して取得されてもよい。
以上説明したように、本第1変形例に係る磁気テープドライブ14では、予めストレージ32に記憶された張力情報TIが、制御部30Aにより取得され、そして、制御部30Aから張力情報TIが出力される。張力情報TIは、磁気テープMTに対する張力付与の制御に利用される。磁気テープMTの長手方向LDにおいて、張力Tの変化率を変更することは、磁気テープMTの長手方向LDにおける張力分布の適正化に寄与する。従って、本構成によれば、磁気テープMTの幅の変形が抑制される。
(第2変形例)
上記第1実施形態では、磁気テープドライブ14において、磁気テープMTにおける芯側領域MT1の伸びの度合いDGが、外周側領域MT2における伸びの度合いDG以上である形態例を挙げて説明したが、本開示の技術は、これに限定されない。本第2変形例では、磁気テープMTにおける芯側領域MT1における伸びの度合いDGは、磁気テープMTに対する磁気的処理の前よりも磁気的処理の後の方が大きくなっている。
一例として図21に示すように、磁気テープドライブ14において、磁気テープMTに対して磁気的処理が行われた後、磁気テープMTが本実施形態に係る張力条件においてカートリッジリール22に巻き回される。磁気テープカートリッジ12には、磁気テープMTがカートリッジリール22に巻き回された状態で、磁気テープMTが収容されている。磁気テープMTに対する磁気的処理の前後で、芯側領域MT1には伸びが生じている。磁気テープMTにおける芯側領域MT1における伸びの度合いDGは、磁気テープMTに対する磁気的処理の前よりも磁気的処理の後の方が大きくなっている。
以上説明したように、本実施形態に係る磁気テープカートリッジ12では、磁気テープMTがカートリッジリール22に巻き回されることにより、カートリッジリール22には磁気テープMTから締め付けに伴う荷重が付与される。この結果、リールハブ22Aが収縮変形するので、磁気テープMTにも長手方向LDに収縮方向の応力が生じる。そして、磁気テープMTの幅が変化する(すなわち、幅が拡がる)。本実施形態に係る磁気テープMTでは、幅の拡がりの影響を受ける芯側領域MT1において、磁気テープMTに対する磁気的処理(例えば、磁気テープMTに対するデータの記録及び/又は再生)の後の方が前よりも磁気テープMTの長手方向LDの伸びの度合いDGが大きい。磁気的処理後の芯側領域MT1における長手方向LDの伸びの度合いDGが大きいことは、リールハブ22A側において、引っ張り方向の応力が生じていることを意味する。そして、引っ張り方向の応力は、磁気テープMTの幅を収縮させることに寄与する。従って、本構成によれば、磁気テープMTの幅の変形が抑制される。
(第3変形例)
また、上記第1実施形態では、磁気テープMTがカートリッジリール22に巻き取られる場合に張力情報TIを用いて張力制御が行われる形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。一例として図22に示すように、磁気テープMTをカートリッジリール22から送出する工程である送出工程OS、及び磁気テープMTを磁気テープドライブ14内で搬送する工程である搬送工程HSにも、張力情報TIを用いた張力制御が適用される。送出工程OS及び搬送工程HSは、本開示の技術に係る「磁気テープ取扱方法」の一例である。
この場合において、磁気テープMTをカートリッジリール22に巻き取る場合に用いられた張力情報TIが示す張力の変位に基づいて、磁気テープMTがカートリッジリール22から送出される。具体的には、磁気テープMTをカートリッジリール22に巻き取る場合に用いられた張力情報TIがカートリッジメモリ24に予め記憶されている。制御装置30は、非接触式読み取り装置46を介して、カートリッジメモリ24から張力情報TIを取得する。制御装置30は、取得した張力情報TIを用いて、送出工程OSにおいて、磁気テープMTに付与される張力を制御する。
また、制御装置30は、非接触式読み取り装置46を介して、カートリッジメモリ24から張力情報TIを取得する。制御装置30は、取得した張力情報TIを用いて、搬送工程HSにおいて、磁気テープMTに付与される張力Tを制御する。
以上説明したように、本第3変形例では、送出工程OSにおいて、張力情報TIを用いた張力制御が適用される。磁気テープMTをカートリッジリール22に巻き取る場合に、磁気テープMTに対して付与される張力Tによって、磁気テープMTの芯側領域MT1に伸びが生じている。芯側領域MT1における長手方向LDの伸びは、リールハブ22A側において、引っ張り方向の応力が生じていることを意味する。そして、引っ張り方向の応力は、磁気テープMTの幅を収縮させることに寄与する。本変形例では、磁気テープMTをカートリッジリール22に巻き取る場合の張力Tの変位に基づいて、磁気テープMTがカートリッジリール22から送出される。これにより、磁気テープMTがカートリッジリール22から送出される場合に、磁気テープMTに生じた伸びに与える影響を小さくすることができる。従って、本構成によれば、磁気テープMTの幅の変形が抑制される。
また、本第3変形例では、搬送工程HSにおいて、張力情報TIを用いた張力制御が適用される。磁気テープMTをカートリッジリール22に巻き取る場合に、磁気テープMTに対して付与される張力Tによって、磁気テープMTの芯側領域MT1に伸びが生じている。芯側領域MT1における長手方向LDの伸びは、リールハブ22A側において、引っ張り方向の応力が生じていることを意味する。そして、引っ張り方向の応力は、磁気テープMTの幅を収縮させることに寄与する。本第3変形例では、磁気テープMTを磁気テープドライブ14内で搬送する場合に、張力情報TIを用いた制御が行われる。これにより、磁気テープMTに生じた伸びに与える影響を小さくすることができる。従って、本構成によれば、磁気テープMTの幅の変形が抑制される。
(第4変形例)
上記第1実施形態では、磁気テープドライブ14において磁気テープMTが使用される段階で、磁気テープMTに対して、張力情報TIを用いた張力制御が用いられる形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。本第4変形例では、磁気テープMTの製造段階で、磁気テープMTに対して、張力情報TIを用いた張力制御が用いられてもよい。
一例として図23に示すように、磁気テープMTの製造工程に含まれる複数の工程のうち、磁気テープMTのサーボバンドSBにサーボパターン58を記録するサーボパターン記録工程、及び磁気テープMTを巻き取る巻取工程の一例について説明する。本実施形態において、巻取工程は、本開示の技術に係る「磁気テープ取扱方法」の一例である。
サーボパターン記録工程では、サーボライタSWが用いられる。サーボライタSWは、送出リールSW1、巻取リールSW2、駆動装置SW3、パルス信号生成器SW4、制御装置SW5、複数のガイドSW6、搬送路SW7、サーボパターン記録ヘッドWH、及びベリファイヘッドVHを備えている。
制御装置SW5は、サーボライタSWの全体を制御する。本実施形態において、制御装置SW5は、ASICによって実現されているが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、制御装置SW5は、FPGA及び/又はPLCによって実現されるようにしてもよい。また、制御装置SW5は、CPU、フラッシュメモリ(例えば、EEPROM、及び/又は、SSD等)、及びRAMを含むコンピュータによって実現されるようにしてもよい。また、ASIC、FPGA、PLC、及びコンピュータのうちの2つ以上を組み合わせて実現されるようにしてもよい。すなわち、制御装置SW5は、ハードウェア構成とソフトウェア構成との組み合わせによって実現されるようにしてもよい。
送出リールSW1には、パンケーキがセットされている。パンケーキとは、サーボパターン58の書き込み前に幅広のウェブ原反から製品幅に裁断された磁気テープMTがハブに巻き掛けられた大径ロールを指す。
駆動装置SW3は、モータ(図示省略)及びギア(図示省略)を有しており、送出リールSW1及び巻取リールSW2に機械的に接続されている。磁気テープMTが巻取リールSW2によって巻き取られる場合、駆動装置SW3は、制御装置SW5からの指示に従って、動力を生成し、生成した動力を送出リールSW1及び巻取リールSW2に伝達することで送出リールSW1及び巻取リールSW2を回転させる。すなわち、送出リールSW1は、駆動装置SW3から動力を受けて回転することで、磁気テープMTを既定の搬送路SW7に送り出す。巻取リールSW2は、駆動装置SW3から動力を受けて回転することで、送出リールSW1から送り出された磁気テープMTを巻き取る。送出リールSW1及び巻取リールSW2の回転速度及び回転トルク等は、巻取リールSW2に対して磁気テープMTを巻き取らせる速度に応じて調整される。
この場合において、制御装置SW5は、張力情報TIを用いて磁気テープMTに対して付与する張力を制御する。具体的には、制御装置SW5は、送出リールSW1及び巻取リールSW2の回転速度及び回転トルク等を制御することにより、磁気テープMTに対して付与する張力Tを制御する。
パルス信号生成器SW4は、制御装置SW5の制御下で、パルス電流を生成し、生成したパルス電流をサーボパターン記録ヘッドWHに供給する。磁気テープMTが搬送路SW7上を一定の速度で走行している状態で、サーボパターン記録ヘッドWHは、パルス信号生成器SW4から供給されたパルス電流に従ってサーボパターン58をサーボバンドSBに記録する。
搬送路SW7上には、複数のガイドSW6及びサーボパターン記録ヘッドWHが配置されている。サーボパターン記録ヘッドWHは、複数のガイドSW6間で、磁気テープMTの表面31側に配置されている。送出リールSW1から搬送路SW7に送り出された磁気テープMTは、複数のガイドSW6に案内されてサーボパターン記録ヘッドWH上を経由して巻取リールSW2によって巻き取られる。
磁気テープMTの製造工程には、サーボパターン記録工程の他にも複数の工程が含まれている。複数の工程には、検査工程及び巻取工程が含まれている。
例えば、検査工程は、サーボパターン記録ヘッドWHによって磁気テープMTの表面31に形成されたサーボバンドSBを検査する工程である。サーボバンドSBの検査とは、例えば、サーボバンドSBに記録されたサーボパターン58の正否を判定する処理を指す。サーボパターン58の正否の判定とは、例えば、サーボパターン58A及び58Bが表面31内の事前に決められた箇所に対して、磁化直線60A1a、60A2a、60B1a及び60B2aが過不足なく、かつ、許容誤差内で記録されているか否かの判定(すなわち、サーボパターン58のベリファイ)を指す。
検査工程は、制御装置SW5及びベリファイヘッドVHを用いることによって行われる。ベリファイヘッドVHは、サーボパターン記録ヘッドWHよりも、磁気テープMTの搬送方向の下流側に配置されている。また、ベリファイヘッドVHには、磁気ヘッド28と同様に、複数のサーボ読取素子(図示省略)が設けられており、複数のサーボ読取素子によって複数のサーボバンドSBに対する読み取りが行われる。
ベリファイヘッドVHは、制御装置SW5に接続されている。ベリファイヘッドVHには、磁気テープMTの表面31側(すなわち、ベリファイヘッドVHの背面側)から見てサーボバンドSBに対して正対する位置に配置されており、サーボバンドSBに記録されたサーボパターン58を読み取り、読み取った結果(以下、「サーボパターン読取結果」と称する)を制御装置SW5に出力する。制御装置SW5は、ベリファイヘッドVHから入力されたサーボパターン読取結果(例えば、サーボ信号)に基づいてサーボバンドSBの検査(例えば、サーボパターン58の正否の判定)を行う。例えば、制御装置SW5は、サーボパターン読取結果から位置検出結果を取得し、位置検出結果を用いてサーボパターン58の正否を判定することでサーボバンドSBの検査を行う。
制御装置SW5は、サーボバンドSBを検査した結果(例えば、サーボパターン58の正否を判定した結果)を示す情報を既定の出力先(例えば、ストレージ32(図3参照)、UI系装置34(図3参照)、及び/又は外部装置37(図3参照)等)に出力する。
例えば、検査工程が終了すると、次に、巻取工程が行われる。巻取工程は、複数の磁気テープカートリッジ12(図2参照)のそれぞれに対して用いられるカートリッジリール22(すなわち、磁気テープカートリッジ12(図2参照)に収容されるカートリッジリール22(図2参照))に磁気テープMTを巻回する工程である。巻取工程では、巻取モータMが用いられる。巻取モータMは、カートリッジリール22にギア等を介して機械的に接続されている。巻取モータMは、制御装置(図示省略)の制御下で、カートリッジリール22に対して回転力を付与することでカートリッジリール22を回転させる。巻取リールSW2に巻き取られた磁気テープMTは、カートリッジリール22の回転によってカートリッジリール22に巻き取られる。巻取工程では、裁断装置(図示省略)が用いられる。複数のカートリッジリール22の各々について、カートリッジリール22によって必要な分の磁気テープMTが巻き取られると、巻取リールSW2からカートリッジリール22に送出される磁気テープMTが裁断装置によって裁断される。
上記実施形態では、磁気テープドライブ14に対して磁気テープカートリッジ12が挿脱自在な磁気テープシステム10を例示したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、磁気テープドライブ14に対して少なくとも1つの磁気テープカートリッジ12が事前に装填されている磁気テープシステム(すなわち、少なくとも1つの磁気テープカートリッジ12と磁気テープドライブ14とが事前に一体化された磁気テープシステム)であっても本開示の技術は成立する。
また、上記実施形態では、NVM72に張力制御処理プログラム74が記憶されている形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、張力制御処理プログラム74がSSD又はUSBメモリなどの可搬型の記憶媒体に記憶されていてもよい。記憶媒体は、非一時的なコンピュータ読取可能な記憶媒体である。記憶媒体に記憶されている張力制御処理プログラム74は、制御装置30のコンピュータにインストールされる。プロセッサ68は、張力制御処理プログラム74に従って張力制御処理を実行する。
以上に示した記載内容及び図示内容は、本開示の技術に係る部分についての詳細な説明であり、本開示の技術の一例に過ぎない。例えば、上記の構成、機能、作用、及び効果に関する説明は、本開示の技術に係る部分の構成、機能、作用、及び効果の一例に関する説明である。よって、本開示の技術の主旨を逸脱しない範囲内において、以上に示した記載内容及び図示内容に対して、不要な部分を削除したり、新たな要素を追加したり、置き換えたりしてもよいことは言うまでもない。また、錯綜を回避し、本開示の技術に係る部分の理解を容易にするために、以上に示した記載内容及び図示内容では、本開示の技術の実施を可能にする上で特に説明を要しない技術常識等に関する説明は省略されている。
本明細書において、「A及び/又はB」は、「A及びBのうちの少なくとも1つ」と同義である。つまり、「A及び/又はB」は、Aだけであってもよいし、Bだけであってもよいし、A及びBの組み合わせであってもよい、という意味である。また、本明細書において、3つ以上の事柄を「及び/又は」で結び付けて表現する場合も、「A及び/又はB」と同様の考え方が適用される。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願及び技術規格は、個々の文献、特許出願及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
上記実施形態に加え、以下の付記を開示する。
(付記1)
リールに巻き回された磁気テープを備え、
上記磁気テープは、上記磁気テープが巻き回されることによる上記リールの変形に伴う上記磁気テープの幅変化の影響を受ける予め定められた領域である第1領域と、上記第1領域よりも上記リールの外周側の領域である第2領域と、を有し、
上記磁気テープの長手方向の伸びの度合いについて、上記第1領域の上記度合いは、上記第2領域の上記度合い以上である
磁気テープカートリッジ。
(付記2)
上記第2領域は、上記磁気テープの長手方向における中間領域を含む
付記1に記載の磁気テープカートリッジ。
(付記3)
上記磁気テープには、上記長手方向に複数のサーボパターンが形成されており、
上記度合いは、上記第1領域における上記磁気テープの長手方向に隣接する上記サーボパターン同士の間隔である第1間隔及び上記第2領域における上記磁気テープの長手方向に隣接する上記サーボパターン同士の間隔である第2間隔に基づいて求められる
付記1又は付記2に記載の磁気テープカートリッジ。
(付記4)
上記第1間隔の値は、上記第1領域における上記磁気テープの長手方向に隣接する上記サーボパターン同士の間隔の統計値である
付記3に記載の磁気テープカートリッジ。
(付記5)
上記第2間隔の値は、上記第2領域における上記磁気テープの長手方向に隣接する上記サーボパターン同士の間隔の統計値である
付記3又は付記4に記載の磁気テープカートリッジ。
(付記6)
リールに巻き回された磁気テープを備え、
上記磁気テープは、上記磁気テープが巻き回されることによる上記リールの変形に伴う上記磁気テープの幅変化の影響を受ける予め定められた領域である第1領域を有し、
上記第1領域における上記磁気テープの長手方向の伸びの度合いは、上記磁気テープに対する磁気的処理の前よりも上記磁気的処理の後の方が大きい
磁気テープカートリッジ。
(付記7)
プロセッサと、
張力付与機構と、を備え、
上記プロセッサは、上記張力付与機構に対して、付記1から付記6の何れか一つに記載の磁気テープカートリッジに含まれる上記磁気テープに張力を付与させ、
上記張力は、上記度合いに応じて定められている
磁気テープドライブ。
(付記8)
上記度合いは、上記磁気テープの長手方向位置に応じて定められている
付記7に記載の磁気テープドライブ。
(付記9)
上記度合いは、上記磁気テープの長手方向位置に対する上記張力の変化率に応じて定められている
付記8に記載の磁気テープドライブ。
(付記10)
上記プロセッサは、
上記磁気テープに付与される上記張力に関する張力情報を取得し、
取得した上記張力情報を出力し、
上記張力情報は、上記磁気テープの長手方向位置に応じて、上記磁気テープの長手方向位置に対する上記張力の変化率を変更するための情報である
付記7に記載の磁気テープドライブ。
(付記11)
付記1から付記6の何れか一つに記載の磁気テープカートリッジに含まれる上記磁気テープに張力を付与する張力制御方法であって、
上記度合いを変更すること、及び、
変更した上記度合いに応じた張力を上記磁気テープに付与すること
を含む張力制御方法。
(付記12)
上記磁気テープの長手方向位置に応じて、上記磁気テープの長手方向位置に対する上記張力の変化率を変更すること
を含む付記11に記載の張力制御方法。
(付記13)
磁気テープは、上記磁気テープが巻き回されることによるリールの変形に伴う上記磁気テープの幅変化の影響を受ける予め定められた領域である第1領域と、上記第1領域よりも上記リールの外周側の領域である第2領域と、を有し、
上記第1領域における上記変化率が、上記第2領域における上記変化率よりも大きい
付記11又は付記12に記載の張力制御方法。
(付記14)
上記度合いは、上記リールの芯側から外周側にかけて非線形的に低下する
付記11から付記13の何れか一つに記載の張力制御方法。
(付記15)
付記11から付記14の何れか一つに記載の張力制御方法に従って上記磁気テープに上記張力を付与すること、及び、
上記張力を付与した上記磁気テープをリールに巻き取ること
を含む磁気テープ取扱方法。
(付記16)
上記磁気テープを上記リールに巻き取る場合に用いられた上記張力の変位に基づいて、上記磁気テープを送出すること
を含む付記15に記載の磁気テープ取扱方法。
(付記17)
付記11から付記14の何れか一つに記載の張力制御方法に従って上記磁気テープを搬送すること
を含む磁気テープ取扱方法。
(付記18)
コンピュータに処理を実行させるためのプログラムであって、
上記処理は、付記1から付記6の何れか一つに記載の磁気テープカートリッジに含まれる上記磁気テープに張力を付与する張力制御処理であり、
上記張力制御処理は、
上記度合いを変更すること、及び、
変更した上記度合いに応じた張力を上記磁気テープに付与することを含む
プログラム。
10 磁気テープシステム
12 磁気テープカートリッジ
14 磁気テープドライブ
16 ケース
16A 右壁
16B 開口
18 上ケース
20 下ケース
22 カートリッジリール
22A1 上端部
22A リールハブ
22A2 下端部
22B1 上フランジ
22B2 下フランジ
24 カートリッジメモリ
24A 裏面
26 搬送装置
28 磁気ヘッド
29A 磁性層
29B ベースフィルム
29C バックコート層
30 制御装置
30A 制御部
30B 伸び算出部
30B1 第1取得部
30B2 第2取得部
30C 張力算出部
31 表面
32 ストレージ
33 裏面
34 UI系装置
35 通信インタフェース
36 送出モータ
37 外部装置
38 巻取リール
40 巻取モータ
42 磁気素子ユニット
44 ホルダ
46 非接触式読み取り装置
48 移動機構
48A 移動アクチュエータ
49 傾斜機構
49A 傾斜アクチュエータ
56 フレーム
58,58A,58B サーボパターン
60,60A,60B 線状磁化領域対
60A1,60A2,60B1,60B2 線状磁化領域
60A1a,60A2a,60B1a,60B2a 磁化直線
66 理想波形信号
68 プロセッサ
70 RAM
72 NVM
74 張力制御処理プログラム
σθ 周方向応力
σr 径方向応力
T 張力
r 半径方向位置
AG1,AG2 平均値
A,B,C,D1,D2,D3,D4,E1,E2 矢印
C1,C2 仮想直線
DB,DB1,DB2,DB3 データバンド
DG 伸びの度合い
DRW データ読み書き素子
F 荷重
GR ガイドローラ
HS 搬送工程
LD 長手方向
M 巻取モータ
MF 磁界
MT1 芯側領域
MT 磁気テープ
MT2 外周側領域
MT2A 中間領域
MT3 EOT領域
MT3A 終端位置
MT4 BOT領域
MT4A 始端位置
OS 送出工程
SB,SB1,SB2,SB3,SB4 サーボバンド
SBS3,SBS4 サーボ信号
SP1,SP2 間隔
SR,SR1,SR2 サーボ読取素子
SW サーボライタ
SW1 送出リール
SW2 巻取リール
SW3 駆動装置
SW4 パルス信号生成器
SW5 制御装置
SW6 ガイド
SW7 搬送路
TB 張力導出テーブル
TI 張力情報
VH ベリファイヘッド
WD 幅方向
WH サーボパターン記録ヘッド
d,d1,d2 間隔
t,t1,t2 パルス間隔

Claims (18)

  1. リールに巻き回された磁気テープを備え、
    前記磁気テープは、前記磁気テープが巻き回されることによる前記リールの変形に伴う前記磁気テープの幅変化の影響を受ける予め定められた領域である第1領域と、前記第1領域よりも前記リールの外周側の領域である第2領域と、を有し、
    前記磁気テープの長手方向の伸びの度合いについて、前記第1領域の前記度合いは、前記第2領域の前記度合い以上である
    磁気テープカートリッジ。
  2. 前記第2領域は、前記磁気テープの長手方向における中間領域を含む
    請求項1に記載の磁気テープカートリッジ。
  3. 前記磁気テープには、前記長手方向に複数のサーボパターンが形成されており、
    前記度合いは、前記第1領域における前記磁気テープの長手方向に隣接する前記サーボパターン同士の間隔である第1間隔及び前記第2領域における前記磁気テープの長手方向に隣接する前記サーボパターン同士の間隔である第2間隔に基づいて求められる
    請求項1に記載の磁気テープカートリッジ。
  4. 前記第1間隔の値は、前記第1領域における前記磁気テープの長手方向に隣接する前記サーボパターン同士の間隔の統計値である
    請求項3に記載の磁気テープカートリッジ。
  5. 前記第2間隔の値は、前記第2領域における前記磁気テープの長手方向に隣接する前記サーボパターン同士の間隔の統計値である
    請求項3に記載の磁気テープカートリッジ。
  6. リールに巻き回された磁気テープを備え、
    前記磁気テープは、前記磁気テープが巻き回されることによる前記リールの変形に伴う前記磁気テープの幅変化の影響を受ける予め定められた領域である第1領域を有し、
    前記第1領域における前記磁気テープの長手方向の伸びの度合いは、前記磁気テープに対する磁気的処理の前よりも前記磁気的処理の後の方が大きい
    磁気テープカートリッジ。
  7. プロセッサと、
    張力付与機構と、を備え、
    前記プロセッサは、前記張力付与機構に対して、請求項1から請求項6の何れか一項に記載の磁気テープカートリッジに含まれる前記磁気テープに張力を付与させ、
    前記張力は、前記度合いに応じて定められている
    磁気テープドライブ。
  8. 前記度合いは、前記磁気テープの長手方向位置に応じて定められている
    請求項7に記載の磁気テープドライブ。
  9. 前記度合いは、前記磁気テープの長手方向位置に対する前記張力の変化率に応じて定められている
    請求項8に記載の磁気テープドライブ。
  10. 前記プロセッサは、
    前記磁気テープに付与される前記張力に関する張力情報を取得し、
    取得した前記張力情報を出力し、
    前記張力情報は、前記磁気テープの長手方向位置に応じて、前記磁気テープの長手方向位置に対する前記張力の変化率を変更するための情報である
    請求項7に記載の磁気テープドライブ。
  11. 請求項1から請求項6の何れか一項に記載の磁気テープカートリッジに含まれる前記磁気テープに張力を付与する張力制御方法であって、
    前記度合いを変更すること、及び、
    変更した前記度合いに応じた張力を前記磁気テープに付与すること
    を含む張力制御方法。
  12. 前記磁気テープの長手方向位置に応じて、前記磁気テープの長手方向位置に対する前記張力の変化率を変更すること
    を含む請求項11に記載の張力制御方法。
  13. 磁気テープは、前記磁気テープが巻き回されることによるリールの変形に伴う前記磁気テープの幅変化の影響を受ける予め定められた領域である第1領域と、前記第1領域よりも前記リールの外周側の領域である第2領域と、を有し、
    前記第1領域における前記変化率が、前記第2領域における前記変化率よりも大きい
    請求項11に記載の張力制御方法。
  14. 前記度合いは、前記リールの芯側から外周側にかけて非線形的に低下する
    請求項11に記載の張力制御方法。
  15. 請求項11に記載の張力制御方法に従って前記磁気テープに前記張力を付与すること、及び、
    前記張力を付与した前記磁気テープをリールに巻き取ること
    を含む磁気テープ取扱方法。
  16. 前記磁気テープを前記リールに巻き取る場合に用いられた前記張力の変位に基づいて、前記磁気テープを送出すること
    を含む請求項15に記載の磁気テープ取扱方法。
  17. 請求項11に記載の張力制御方法に従って前記磁気テープを搬送すること
    を含む磁気テープ取扱方法。
  18. コンピュータに処理を実行させるためのプログラムであって、
    前記処理は、請求項1から請求項6の何れか一項に記載の磁気テープカートリッジに含まれる前記磁気テープに張力を付与する張力制御処理であり、
    前記張力制御処理は、
    前記度合いを変更すること、及び、
    変更した前記度合いに応じた張力を前記磁気テープに付与することを含む
    プログラム。
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