JP2024018014A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ダウンタイムを抑制しつつ、局所的な濃度ムラを抑制する。【解決手段】 制御部は、非画像形成期間における現像剤担持体の回転速度(Vsl)に対する第一搬送スクリュー及び第二搬送スクリューの回転速度(Vsc)の比(Vsc/Vsl)が、画像形成期間におけるVsc/Vslよりも小さくなるように、第一搬送スクリュー及び第二搬送スクリューを回転駆動させる第一駆動部を制御し、且つ、現像剤担持体及び第三搬送スクリューを回転駆動させる第二駆動部を制御するモードを実行可能であり、当該モードにおいて、非画像形成期間におけるVslに対する第三搬送スクリューの回転速度(Vsc3)の比(Vsc3/Vsl)は、画像形成期間におけるVsc3/Vslと等しい。【選択図】 図6

Description

本発明は、像担持体に形成された静電像をトナーとキャリアを含む現像剤により現像する現像装置を備えた画像形成装置に関する。
現像装置は、像担持体に形成された静電像を現像する現像領域にトナーとキャリアを含む二成分現像剤(以降、単に現像剤と呼ぶ)を担持搬送する回転可能な現像剤担持体としての現像スリーブを備える。現像スリーブの内部には、複数の磁極を有し且つ現像スリーブの表面上に現像剤を担持させるための磁界を発生するマグネットが、非回転に固定して配置されている。
また、現像スリーブに担持される現像剤の量を規制する現像剤規制部材としての規制ブレードが、現像スリーブに対向して配置されている。規制ブレードは、マグネットが有する複数の磁極のうちの一つの磁極に対向して配置されている。これにより、規制ブレードよりも現像スリーブの表面移動方向の上流側に現像剤溜まりが形成されて、規制ブレード直上流部に現像剤を一定量確保することができるので、現像スリーブに現像剤が安定して供給することが可能となる。
しかしながら、規制ブレードよりも現像スリーブの表面移動方向の上流側に現像剤の不動層が形成されることがある。不動層の現像剤は入れ替わることがないので、不動層の現像剤は、同じトナー濃度のままであり、それ以上摩擦帯電することはない。不動層の現像剤は、更に長期間にかけてトナー帯電量が低下していくことになる。その結果、規制ブレードよりも現像スリーブの表面移動方向の上流側において、動層の現像剤のトナー帯電量と不動層の現像剤のトナー帯電量との間に差が生じる。
一方、動層の現像剤の流動性の変化や画像形成装置の稼働による不規則な振動などの影響により、動層との境界にある不動層の現像剤の一部が崩れて、動層に取り込まれる場合がある。この場合、動層の現像剤のトナー帯電量と不動層の現像剤のトナー帯電量との差が大きいほど、動層に取り込まれた不動層の現像剤が現像領域に運ばれたときに、局所的な濃度ムラが生じる虞がある。
そこで、搬送スクリューを駆動する駆動源と現像スリーブを駆動する駆動源とを独立駆動にする。そして、現像スリーブの回転速度Vslに対する搬送スクリューの回転速度Vscの比をVsc/Vslとした場合に、非画像形成時のVsc/Vslを、画像形成動作時のVsc/Vslよりも小さくするモード(以降、トナー層移動制御と呼ぶ)を実行する。これにより、規制ブレードよりも現像スリーブの表面移動方向の上流側に形成された不動層を崩す技術が知られている(特許文献1参照)。
一方、特許文献1に記載の現像装置は、トナーとキャリアを含む現像剤を現像スリーブに供給する機能と、現像スリーブから現像剤を回収する機能が分離している、所謂、機能分離型の現像装置である。機能分離型の現像装置は、現像スリーブに現像剤を供給する供給室と、像担持体と対向する現像領域を通過した現像剤を現像スリーブから回収する回収室(攪拌室とも呼ぶ)を有する。また、機能分離型の現像装置では、現像領域を通過した現像剤を、現像スリーブから、供給室を経由することなく回収室に回収することが可能である。
機能分離型の現像装置では、供給室内の現像剤搬送方向の上流側から下流側にかけて現像剤が搬送され、供給室内の現像剤が現像スリーブに供給されていく為、供給室内の現像剤量は、現像剤搬送方向の下流側の方が上流側と比べて少なくなる傾向にある。また、機能分離型の現像装置では、回収室内の現像剤の搬送方向の上流側から下流側にかけて現像剤が搬送され、現像スリーブから現像剤が回収されていく為、回収室内の現像剤量は、現像剤搬送方向の下流側の方が上流側と比べて多くなる傾向にある。故に、機能分離型の現像装置では、回収室内の現像剤搬送方向の下流側における現像剤面の高さが、回収室内の現像剤搬送方向の上流側における現像剤面の高さよりも高くなる傾向にある。
このような機能分離型の現像装置において、トナー層移動制御を実行した場合、回収室における現像剤の分布が偏る傾向がある。このため、現像容器内の現像剤分布に依っては、トナー層移動制御を実行すると、現像スリーブ上の現像剤を回収室内に回収できずに溢れてしまう虞がある。これは、トナー層移動制御において搬送スクリューの回転速度を遅くした場合に、回収室に現像剤が滞り、回収室に現像剤を回収する空間が足りなくなることが原因である。
そこで、機能分離型の現像装置において、非画像形成時において、トナー層移動制御に先立って、現像スリーブの駆動を停止した状態で、搬送スクリューだけを駆動する期間を設ける。このように、現像スリーブの駆動を停止した状態で、搬送スクリューだけを駆動する制御を実行することにより、現像スリーブ上の現像剤を回収できる空間を予め確保して現像剤溢れを抑制する技術が知られている(特許文献2参照)。
特開2011-53451号公報 特開2015-222396号公報
しかしながら、特許文献2の構成では、非画像形成時において、トナー層移動制御に先立って、現像スリーブの駆動を停止した状態で、搬送スクリューだけを駆動する期間を設ける必要があるので、ダウンタイムが発生してしまう。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、ダウンタイムを抑制しつつ、局所的な濃度ムラを抑制することが可能な画像形成装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の一様態に係る画像形成装置は以下のような構成を備える。即ち、記録材に画像を形成する画像形成動作を実行可能な画像形成装置であって、像担持体と、前記像担持体に形成された静電像を現像する現像領域にトナーとキャリアを含む現像剤を担持搬送する回転可能な現像剤担持体と、前記現像剤担持体に対向して配置され且つ前記現像剤担持体に担持される現像剤の量を規制する規制部材と、前記現像剤担持体に前記現像剤を供給する第一室と、前記現像剤担持体に対向して配置され且つ前記現像領域を通過した前記現像剤を前記現像剤担持体から回収する第二室と、前記第一室と前記第二室とを区画する隔壁と、前記第一室に配置され且つ前記現像剤を第一方向に搬送する第一搬送スクリューと、前記第二室の第一領域に配置され且つ前記現像剤を前記第一方向とは逆方向の第二方向に搬送する第二搬送スクリューと、前記第二室の前記第一領域に対して水平方向に隣り合う前記第二室の第二領域に配置され且つ前記現像剤を前記第二方向とは逆方向の第三方向に搬送する第三搬送スクリューと、を有する現像装置と、前記第一搬送スクリュー及び前記第二搬送スクリューを回転駆動させる第一駆動部と、前記現像剤担持体及び前記第三搬送スクリューを回転駆動させる第二駆動部と、前記第一搬送スクリュー及び前記第二搬送スクリューを回転駆動させるよう前記第一駆動部を制御し、且つ、前記現像剤担持体及び前記第三搬送スクリューを回転駆動させるよう前記第二駆動部を制御する制御部と、を備え、前記第二駆動部によって前記現像剤担持体を回転駆動させる際の前記現像剤担持体の回転速度(Vsl)に対する、前記第一駆動部によって前記第一搬送スクリュー及び前記第二搬送スクリューを回転駆動させる際の前記第一搬送スクリュー及び前記第二搬送スクリューの回転速度(Vsc)の比をVsc/Vslとし、且つ、前記第二駆動部によって前記現像剤担持体を回転駆動させる際の前記現像剤担持体の回転速度(Vsl)に対する、前記第二駆動部によって前記第三搬送スクリューを回転駆動させる際の前記第三搬送スクリューの回転速度(Vsc3)をVsc3/Vslとした場合、前記制御部は、前記画像形成動作が実行されていない非画像形成期間におけるVsc/Vslが、前記画像形成動作が実行されている画像形成期間におけるVsc/Vslよりも小さくなるように、前記第一駆動部及び前記第二駆動部を制御するモードを実行可能であり、前記モードにおいて、前記非画像形成期間におけるVsc3/Vslは、前記画像形成期間におけるVsc3/Vslと等しいことを特徴とする。
本発明によれば、ダウンタイムを抑制しつつ、局所的な濃度ムラを抑制することができる。
第1の実施形態における画像形成装置の構成を説明するための図である。 第1の実施形態における現像装置の構成を説明するための図である。 第1の実施形態における現像装置の構成を説明するための図である。 第1の実施形態における回収室の構成を説明するための図である。 第1の実施形態における第1搬送スクリュー及び第2搬送スクリューの回転速度(Vsc)と、現像スリーブの回転速度(Vsl)及び第3搬送スクリューの回転速度(Vsc3)の関係を示すグラフである。 第1の実施形態における制御を説明するためのフローチャートである。 第2の実施形態における第1搬送スクリュー及び第2搬送スクリューの回転速度(Vsc)と、現像スリーブの回転速度(Vsl)及び第3搬送スクリューの回転速度(Vsc3)の関係を示すグラフである。 第2の実施形態における制御(第3の実施形態における制御)を説明するためのフローチャートである。 第3の実施形態における現像装置の構成を説明するための図である。 第3の実施形態における第1搬送スクリュー及び第2搬送スクリューの回転速度(Vsc)と、現像スリーブの回転速度(Vsl)及び第3搬送スクリューの回転速度(Vsc3)を示すグラフである。 第4の実施形態における制御を説明するためのフローチャートである。 他の実施形態における現像装置の構成を説明するための図である。 比較例における現像装置の構成を説明するための図である。
<第1の実施形態>
第1の実施形態について、図1ないし図6を用いて説明する。まず画像形成装置の概略構成について、図1を用いて説明する。
[画像形成装置の構成]
複写機、プリンタ、ファクシミリ、これらの複数の機能を有する複合機などの電子写真方式の画像形成装置は、像担持体に形成された静電像(静電潜像)に対して現像装置から帯電したトナーを供給し、トナー像として可視像化する。その後、可視像化したトナー像を記録材(転写材)に転写し、熱と圧を加えて記録材にトナー像を定着させ、画像として出力する。
図1に示すように、第1の実施形態の画像形成装置100は、記録材に画像を形成する画像形成動作を実行可能である。画像形成装置100は、画像形成装置本体101内において、それぞれ像担持体としての感光ドラム1Y、1M、1C、1Kを各々が備えている4つの画像形成ステーションY、M、C、K、を有している。感光ドラム1Y、1M、1C、1Kは、それぞれ円筒状の感光体である。各画像形成ステーションの下方には、中間転写装置が配置されている。中間転写装置は、中間転写体としての中間転写ベルト51が、ローラ53、55、56に張設されて、矢印方向に走行するように構成されている。
第1の実施形態では、非接触式帯電であるコロナ帯電方式の一次帯電装置2Y、2M、2C、2Kによって、感光ドラム1Y、1M、1C、1Kの表面を帯電する。帯電された感光ドラム1Y、1M、1C、1Kの表面は、レーザドライバによって各々駆動する露光装置3Y、3M、3C、3Kによってレーザにより露光されることで、感光ドラム1Y、1M、1C、1K上にそれぞれの色に対応した静電潜像が形成される。この静電潜像を現像装置4Y、4M、4C、4Kによって現像剤により現像することで、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像を形成する。
各画像形成ステーションで形成されたトナー像は、一次転写手段としての転写ローラ52Y、52M、52C、52Kによる転写バイアスによって、中間転写ベルト51上に転写され重ね合わせられる。中間転写ベルト51上に形成された4色のトナー像は、ローラ53と対向して配置された二次転写手段としての二次転写ローラ54によって記録材に転写される。記録材に転写されずに中間転写ベルト51に残ったトナーは、中間転写ベルトクリーナー8によって除去される。記録材は、例えば、用紙やプラスチックシートなどのシート材である。
トナー像が転写された記録材は、定着ローラを備えた定着装置7によって加圧/加熱される。これにより、トナー像が記録材に定着される。また、一次転写後に感光ドラム1Y、1M、1C、1K上に残った一次転写残トナーは、クリーナー6Y、6M、6C、6Kにより除去され、次の画像形成に備える。また、クリーナー6ではLEDが点灯し、画像形成動作時にできた電位ムラを減らすことで、次の画像形成に備える。
なお、第1の実施形態では、像担持体として、ドラム状の感光体(感光ドラム)を使用したが、ベルト状の感光体を用いることも可能である。また、帯電方式、転写方式、クリーニング方式、定着方式に関しても、上記方式に限られるものではない。前述した各画像形成ステーションは、現像色が異なるだけで基本的に同じ構成を有する。このため、以下では、各ステーションの構成であることを示す添え字Y、M、C、Kを省略して説明する。なお、紙種に応じた転写や定着の工程での必要性から複数のプロセス速度を有するため、現像装置の駆動速度は複数ある。
[現像装置の構成]
次に、現像装置4について、図2ないし図4を用いて説明する。現像装置4は、画像形成装置本体101内に配置され、像担持体に形成された静電潜像をトナーとキャリアを含む現像剤により現像する。現像装置4は、現像剤を収容する現像容器40を有する。第1の実施形態の現像剤は、非磁性トナーと磁性を有するキャリアを含む所謂二成分現像剤である。現像容器40には、現像剤担持体としての現像スリーブ41が回転可能に支持される。現像スリーブ41は感光ドラム1の回転軸線方向と平行に配置され、感光ドラム1の表面の静電潜像を現像剤で現像する。
また、現像容器40には、現像スリーブ41上に担持された現像剤の層厚を規制する規制ブレード43(現像剤規制部材)が設けられている。現像スリーブ41は、後述する現像室401から供給される現像剤を表面に担持して搬送する。現像スリーブ41は、それぞれ円筒状に形成され、内部にマグネットローラ42が非回転に配置されている。現像スリーブ41は、図2に示す矢印の方向に回転駆動され、マグネットローラ42の磁気吸着力により現像剤を担持搬送する。
現像容器40は、隔壁48によって、第1室としての上側の現像室(現像剤搬送経路)401と、現像室401の下方に配置され、第2室としての攪拌室(現像剤搬送経路)402とに区画される。現像室401は、現像スリーブ41に現像剤を供給する機能室である。攪拌室402は、現像スリーブ41から回収された回収現像剤と、現像室401において現像スリーブ41に供給されなかった余剰現像剤と、現像装置4の外部から補給された補給現像剤とを受け入れて攪拌する機能室である。
即ち、第1の実施形態の現像装置4は、トナーとキャリアを含む現像剤を現像スリーブ41に供給する機能と、現像スリーブ41から現像剤を回収する機能が分離している、所謂、機能分離型の現像装置である。機能分離型の現像装置は、現像スリーブ41に現像剤を供給する供給室と、感光ドラム1と対向する現像領域Aを通過した現像剤を現像スリーブ41から回収する回収室(攪拌室402)を有する。また、機能分離型の現像装置では、現像領域Aを通過した現像剤を、現像スリーブ41から、供給室(現像室401)を経由することなく回収室(攪拌室402)に回収することが可能である。
現像室401と攪拌室402内にはそれぞれ、第1搬送部材としての第1搬送スクリュー44と、第2搬送部材としての第2搬送スクリュー45が設けられている。第1搬送スクリュー44及び第2搬送スクリュー45は、何れも現像スリーブ41の回転軸線方向(長手方向)と略平行に配置される回転軸上に螺旋状の羽根を設けたスクリュー部材である。
第1の実施形態の現像装置4(機能分離型の現像装置)では、図2の断面図に示すように、供給室(現像室401)の底部401bは、回収室(攪拌室402)の底部402bよりも鉛直方向上方に在る。また、第1搬送スクリュー44の回転中心は、現像スリーブ41の回転中心よりも鉛直方向上方に在る。また、規制ブレード43は、現像スリーブ41の回転中心よりも鉛直方向上方に在る。
また、図3の断面図に示すように、隔壁48の長手方向の両端部側には、現像室401と攪拌室402の間で現像剤を相互に搬送する受け渡し部(現像剤搬送経路)である第1連通部404と第2連通部405が設けられている。第1連通部404は、攪拌室402から現像室401に現像剤が移動することを許容する開口部が形成されている。第2連通部405は、現像室401から攪拌室402に現像剤が移動することを許容する開口部が形成されている。
第1搬送スクリュー44は、現像スリーブ41に対向して配置され、第1連通部404から第2連通部405に向かう第1方向に現像剤を攪拌搬送するように回転動作しながら現像スリーブ41に現像剤を供給する。第2搬送スクリュー45は、第2連通部405から第1連通部404に向かう第2方向に現像剤を攪拌搬送するように回転動作する。第2搬送スクリュー45は、重力方向に関して第1搬送スクリュー44の下方に配置されており、第2方向は第1方向と逆方向である。このような第1搬送スクリュー44および第2搬送スクリュー45の回転動作によって、現像容器40内の現像剤を攪拌搬送しながら循環させる。
現像装置4には、第3搬送部材(攪拌部材)としての第3搬送スクリュー46が設けられる。第3搬送スクリュー46は、現像スリーブ41の下方、且つ、第2搬送スクリュー45に隣接した位置に配置され、現像スリーブ41から現像剤を回収し、第2搬送スクリュー45と反対方向に現像剤を攪拌搬送する。第3搬送スクリュー46は、現像スリーブ41の回転軸線方向と略平行に配置される回転軸上に螺旋状の羽根を設けたスクリュー部材である。
このような現像装置4は、現像スリーブ41が現像時に図2の矢印方向(時計方向)に回転し、現像室401から現像剤が供給されて、規制ブレード43による磁気ブラシの穂切りによって層厚を規制された2成分現像剤を担持する。そして、これを感光ドラム1と対向した現像領域Aに搬送し、感光ドラム1上に形成された静電潜像に現像剤を供給して潜像を現像する。その後、現像に寄与した現像剤は、現像スリーブ41から第3搬送スクリュー46により回収搬送され、第2搬送スクリュー45に受け渡される。
ここで、第1の実施形態で用いる現像剤の成分であるトナーとキャリアについて説明する。トナーは、着色剤を有した結着樹脂からなる母体と、母体に添加される添加剤とを有している。トナーの樹脂として、第1の実施形態では負帯電性ポリエステル系樹脂を用いた。体積平均粒径は4μm以上、10μm以下が好ましく、第1の実施形態では体積平均粒径が7μmのトナーを用いた。トナーの粒径は小さすぎるとキャリアと摩擦し難くなるため帯電量を制御しづらくなり、大きすぎると精細なトナー像を形成できなくなる。
キャリアは、表面酸化或は未酸化の鉄、ニッケル、コバルト、マンガン、クロム、希土類などの金属、及びそれらの合金、或は酸化物フェライトなどが使用可能であり、第1の実施形態では、平均体積粒径が40μmのフェライトキャリアを用いた。キャリアの粒径は小さすぎると現像時にキャリアが潜像担持体に付着する問題が起き、大きすぎると現像時にキャリアがトナー像を乱す問題が起こる。
また、第1の実施形態において現像容器40内には300gの現像剤を収容し、設置時の現像剤はトナーとキャリアの重量比を1:9とし、この時のトナー濃度を重量比で10%とする。また、23℃、50%環境下でのトナー濃度10%時のトナーの平均帯電量は40μC/gとなる。
続いて、現像装置4の断面の構成について説明する。第1の実施形態において、現像容器40には感光ドラム1に対向した現像領域Aに相当する位置に開口部があり、この開口部において現像スリーブ41が感光ドラム1方向に一部露出するように回転自在に配設されている。前述したように、現像スリーブ41に内包されたマグネットローラ42は非回転に固定されている。
ここで、断面での現像剤の流れについて説明する。まず、第1搬送スクリュー44の現像剤搬送に伴って、現像剤が跳ね上がり、現像スリーブ41に供給される。現像剤は磁性キャリアが混合しているため現像スリーブ41内のマグネットローラ42が発生している磁力に拘束され、現像スリーブ41の回転に伴って、現像スリーブ41上の現像剤は規制ブレード43を通過し、所定量に規制される。所定量に規制された現像剤は、感光ドラム1に対向する現像領域Aへ搬送され、トナーが静電潜像に供給される。現像領域Aを通過した現像剤は現像容器内の第3搬送スクリュー46に回収される。回収された現像剤は第3搬送スクリュー46の搬送方向に搬送され第2搬送スクリュー45の上流で合流する。
第1の実施形態に係る現像装置4の駆動系は、図2に示すように、第1搬送スクリュー44及び第2搬送スクリュー45を駆動する駆動源と、現像スリーブ41及び第3搬送スクリュー46を駆動する駆動源とを独立駆動にしている。即ち、現像スリーブ41及び第3搬送スクリュー46は第1モータM1(第1駆動部、第1駆動装置)により回転駆動されている。一方、第1搬送スクリュー24及び第2搬送スクリュー25は第2モータM2(第2駆動部、第2駆動装置)により回転駆動されている。これら2つのモータ(第1モータM1、第2モータM2)は共にDCモータを用い、画像形成動作時の記録材の搬送速度(即ち、中間転写ベルト51の周速。プロセス速度)に対応した回転速度で駆動する。
続いて、現像スリーブ41の詳細について説明する。現像スリーブ41は、現像容器40に回転自在に取り付けられ、第1モータM1から供給された駆動力により現像スリーブ41の回転軸を回転させることで、現像剤を感光ドラム1に搬送する。第1の実施形態では、現像スリーブ41はアルミニウムで形成され、感光ドラム1の対向部での断面において直径が20mmとした。
現像スリーブ41の表面性と現像剤の搬送性について説明する。まず、現像スリーブ41の表面が鏡面のような平滑な場合は、現像剤と現像スリーブ41の表面との摩擦が極端に少ない為に、現像スリーブ41が回転しても現像剤は殆ど搬送されない。そこで、現像スリーブ41の表面に適度な凹凸を設け、現像スリーブ41の表面と現像剤との間に摩擦力を作ることで、現像剤が現像スリーブ41の回転に追従するようになる。第1の実施形態では、現像スリーブ41の表面にブラスト処理を行い表面粗さ15μ程度の凹凸を設けた。
ブラスト処理とは、所定の粒度分布を有する砥粉やガラスビーズ等の粒子を高圧で吹き付ける加工法である。以下、ブラスト加工した部分をブラスト領域と呼び、ブラスト加工していない端部を非ブラスト領域と呼ぶ。現像スリーブ41はブラスト領域で現像剤を搬送するので、ブラスト領域は画像形成可能領域よりもやや広い範囲に設ける必要がある。第1の実施形態においてはブラスト処理をした現像剤搬送能力のある範囲は330mmである。なお、現像スリーブ41の表面に現像剤の搬送性を持たせるための手段として、現像スリーブ41の表面にブラスト処理を行う例の他に、現像スリーブ41の表面に溝や掘り込みを形成する処理を行う変形例であってもよい。
マグネットローラ42について、図2を参照にして説明する。現像スリーブ41内に内包されたローラ状の磁界発生手段であるマグネットローラ42は現像容器40に固定して配置されている。マグネットローラ42は、現像領域Aに対向する位置に現像磁極S1を有している。現像領域Aで形成するS1極の磁界により現像剤が磁気ブラシを形成し、この磁気ブラシが、現像領域Aで回転する感光ドラム1に接触しつつ、帯電したトナーを静電気的な力によって静電潜像をトナー像として現像する。
マグネットローラ42はS1極の他にN1、N2、N3、S2極の合計5極を有している。マグネットローラ42の各磁極の役割と断面での現像剤の流れを説明する。まず、第1搬送スクリュー44の現像剤搬送に伴って、現像剤が跳ね上がり、現像スリーブ41に供給される。現像剤は磁性キャリアが混合しているためN2極に拘束される。次に、現像スリーブ41の回転に伴って、規制ブレード43に対向するS2極を通過し、現像剤が所定量に規制される。
規制された現像剤はN1極を通過し、感光ドラム1に対向するS1極へ現像剤が供給される。現像領域Aを通過し、静電潜像に対してトナーを消費した現像剤はN3極とN2極の極間において、磁極による磁気拘束力から解放され、第3搬送スクリュー46に回収される。なお、規制ブレード43に対向するS2極と現像極S1極の間の極(第1の実施形態ではN1極)を省略した構成では、現像剤の搬送が不安定になり、濃度ムラが生じる原因になることがある。
続いて、規制ブレード43の詳細について説明する。規制ブレード43は、現像スリーブ41上に担持され静電潜像に供給される現像剤を所定量にするため、現像スリーブ41の回転方向の現像領域上流において現像スリーブ41と対向するように配置される。また、規制ブレード43は、現像スリーブ41上の現像剤が現像容器40から感光ドラム1方向へ通過できる間隔を規定する。
第1の実施形態では、現像剤の量を規制する規制部材として、現像スリーブ41の回転軸線方向に沿って延在した板状の規制ブレード43を用いた。規制ブレード43の材質としては、アルミニウムを用いた。また、規制ブレード43は、感光ドラム1よりも現像スリーブ41の回転方向上流において規制ブレード43の先端が現像スリーブ41の中心を向くように現像容器40側に配設している。現像スリーブ41が回転することで、現像スリーブ41上の現像剤は、規制ブレード43の先端部と現像スリーブ41の間を通過して現像領域Aへと送られる。従って、規制ブレード43と現像スリーブ41の表面との間隙を調整することによって、現像スリーブ41上に担持され現像領域へ搬送される現像剤量が調整できる。
なお、規制ブレード43と現像スリーブ41の間隙が狭すぎると現像剤内の異物やトナーの凝集塊が詰まりやすいので好ましくない。また、現像スリーブ41上を搬送される現像剤の単位面積当たりの質量が多過ぎると、感光ドラム1対向位置の近傍で現像剤が詰まったり、感光ドラム1にキャリアが付着したりする等の問題が生じる。一方、現像スリーブ41上を搬送される現像剤の単位面積当たりの質量が少な過ぎると所望のトナー像を現像できず、画像濃度が低下する問題が起きる。第1の実施形態では、現像装置4の設置後(現像剤が使用されていない最初の状態)でのトナー濃度10%の時に現像剤搬送量が30mg/cmとなるように、規制ブレード43と現像スリーブ41の間隔(SBギャップ)を400μmに設定した。
第1の実施形態では、現像スリーブ41の直径は20mm、感光ドラム1の直径は80mm、又、この現像スリーブ41と感光ドラム1との最近接領域を400μmに設定した。この構成によって、現像領域Aに搬送した現像剤を感光ドラム1と接触させた状態で、現像が行えるように設定した。なお、現像スリーブ41は、非磁性のアルミニウムで構成され、その内部には磁界発生手段であるマグネットローラ42が非回転状態で設置されているため、現像領域において、感光ドラム1の対向位置に在るS1極の磁界により現像剤が磁気ブラシを形成する。
以上説明した構成において、現像スリーブ41は、現像時に図2に示したように矢印方向に回転し、規制ブレード43によって適量に規制された現像剤を感光ドラム1と対向した現像領域Aに搬送する。現像領域において現像剤はマグネットローラ42の磁界によって磁気ブラシを形成し、感光ドラム1上に形成された静電潜像にトナーを供給し、トナー像を得る。この時、現像スリーブ41には不図示の電源から直流電圧と交流電圧を重畳した現像バイアス電圧が印加される。第1の実施形態では、-500Vの直流電圧と、矩形波でピーク・ツウ・ピーク電圧Vppが1500V、周波数fが12kHzの交流電圧とした。しかし、直流電圧値、交流電圧波形はこれに限られるものではない。また、現像領域において、感光ドラム1上の非画像形成部は-600Vに帯電し、静電潜像形成部は出力画像の濃度に応じて電位が上がるようにレーザによって静電潜像が形成されている。
又、現像領域Aにおいては、現像スリーブ41は、感光ドラム1の移動方向と順方向で移動している。現像スリーブ41と感光ドラム1の周速比に関しては、1.5倍に設定した。周速比は、大きくなればなるほどトナー供給量多くなるが、大きすぎると、トナー飛散等の問題が生じるため、通常1~2倍間で設定される。
第1の実施形態では、紙種によって、複数の速度を有し、速度1では感光ドラム1の周速は320mm/s、現像スリーブ41の周速は480mm/s、速度2では感光ドラム1の周速は160mm/s、現像スリーブ41の周速は240mm/sで駆動している。また、最大濃度部でのトナー消費量は0.5mg/cmであり、A4サイズに最大限トナーを消費した場合には0.31g使用する。
規制ブレード43で規制され、現像領域を通過した現像剤を取り込み部47で現像容器40内に回収するため、取り込み部47を通過できる現像剤量は、規制ブレード43で規制される現像剤量よりもかなり大きくなっている。規制ブレード43の形状、規制ブレード43と現像スリーブ41の間隔、マグネットローラ42の磁力、現像剤特性などが量産によってバラついたり、使用により現像剤が劣化したりして搬送量が増えた場合でも、取り込み部47で取り込めるようにする為である。第1の実施形態では現像スリーブ41の現像剤搬送量が30mg/cmに対して、60mg/cm以上取り込めるように現像スリーブ41と容器の間隔が設けられている。
ここで、現像装置4の長手方向(現像スリーブ41の回転軸線方向)の構成について、図3を参照して説明する。現像容器40の内部は、その略中央部が隔壁48によって現像室(供給室とも呼ぶ)401と攪拌室(回収室とも呼ぶ)402に垂直方向の上下に区画されており、現像剤Dは現像室401及び攪拌室402に収容されている。
現像室401及び攪拌室402には、現像剤攪拌・搬送手段としての搬送部材である第1搬送スクリュー44及び第2搬送スクリュー45がそれぞれ配置されている。第1搬送スクリュー44は、現像室401の底部に現像スリーブ41の軸方向に沿って配置されている。そして、第2モータM2(第2駆動装置)から供給された駆動力により第1搬送スクリュー44の回転軸が回ることで、現像室401内の現像剤を軸線方向に沿って搬送しつつ、現像スリーブ41に現像剤を供給する。また、第2搬送スクリュー45は、攪拌室402内の底部に現像スリーブ41の回転軸線方向に沿って配置されている。そして、第2モータM2(第2駆動装置)から供給された駆動力により第2搬送スクリュー45の回転軸が回ることで、攪拌室402内の現像剤を第1搬送スクリュー44とは反対の回転軸線方向に搬送する。
現像室401と攪拌室402は、第1連通部404と第2連通部405で連通している。第2連通部405は、現像室401から現像スリーブ41に供給されずに現像室401を通過した現像剤を攪拌室402に汲み落とす連通部(汲み落とし部とも呼ぶ)である。第1連通部404は、現像スリーブ41から回収した現像剤と現像室401から汲み落とされた現像剤を第2搬送スクリュー45により現像室401に汲み上げる連通部(汲み上げ部とも呼ぶ)である。第1搬送スクリュー44及び第2搬送スクリュー45の回転による搬送によって、現像剤が隔壁48の両端部の連通部である第1連通部404、第2連通部405を通じて現像室401と攪拌室402との間で循環される。
攪拌室(回収室)402は、図4の断面図に示すように、第2搬送スクリュー45が配置された第1領域402aと第3搬送スクリュー46が配置された第2領域403の二つの部分から構成されている。図2の断面図に示すように、攪拌室(回収室)402の第2領域403は、攪拌室(回収室)402の第1領域402aに対して水平方向に隣り合う領域である。
第2領域403では現像剤を第2搬送スクリュー45とは反対の軸方向に搬送し、第2室の上流に搬送する。なお、第1の実施形態では、攪拌室(回収室)402の第1領域402aと第2領域403の間に隔壁が設けられていない。このため、第2搬送スクリュー45に跳ね上げられて、第2搬送スクリュー45が搬送する現像剤と第3搬送スクリュー46が搬送する現像剤の一部が混ざることもある。
続いて、現像剤の搬送経路について説明する。現像剤の攪拌・搬送される経路としては、供給室(第1室)401→汲み落とし部405→回収室(第2室)402→汲み上げ部404→供給室(第1室)401の第1経路(現像に寄与しない経路)がある。また、供給室(第1室)401で第1搬送スクリュー44が搬送→現像スリーブ41→回収室403内で第3搬送スクリュー46が搬送→回収室403内で第2搬送スクリュー45が搬送→汲み上げ部404→供給室(第1室)401の第2経路がある。第2経路は、現像に寄与し後に汲み上げ部404を経路する経路である。なお、回収室402の長手方向では現像スリーブ41から回収された現像剤が汲み上げ部404へ向かうため、回収室402の下流に向かうほど現像剤が多くなる傾向にあり、汲み上げ部404付近の現像剤量が多くなる。
続いて、トナー濃度制御について説明する。現像装置4の汲み上げ部404には、センサ面近傍の一定体積で現像剤の透磁率を検知して、トナーとキャリアの比率(トナー濃度)を算出するトナー濃度センサ(インダクタンスセンサ)が設けられている。そして、トナー濃度センサによって算出されるトナー濃度が目標トナー濃度になるように補給量を調整する。つまり、目標のトナー濃度からの乖離が生じると、トナー補給量を補正して、目標値と一致するように制御する。このトナー濃度センサの検知結果に応じて補給されるトナーをSiとする。目標トナー濃度をTt、検知した現状のトナー濃度をTsとした場合、Tt-Tsが負ならSiは正、Tt-Tsが正ならSiは負となる。また、トナー濃度には適切な範囲があるため、通常、目標トナー濃度には上下限が設けられる。第1の実施形態においては、6~12%の範囲で用いられる。
図2で前述したように、現像スリーブ41に担持される現像剤の量を規制する現像剤規制部材としての規制ブレード43が、現像スリーブ41に対向して配置されている。規制ブレード43は、マグネット42が有する複数の磁極のうちの一つの磁極(S2極)に対向して配置されている。これにより、規制ブレード43よりも現像スリーブ41の表面移動方向の上流側に現像剤溜まりが形成されて、規制ブレード43の直上流部に現像剤を一定量確保することができるので、現像スリーブ41に現像剤が安定して供給することが可能となる。
しかしながら、規制ブレード43よりも現像スリーブ41の表面移動方向の上流側に現像剤の不動層が形成されることがある。不動層の現像剤は入れ替わることがないので、不動層の現像剤は、同じトナー濃度のままであり、それ以上摩擦帯電することはない。不動層の現像剤は、更に長期間にかけてトナー帯電量が低下していくことになる。その結果、規制ブレード43よりも現像スリーブ41の表面移動方向の上流側において、動層の現像剤のトナー帯電量と不動層の現像剤のトナー帯電量との間に差が生じる。
一方、動層の現像剤の流動性の変化や画像形成装置の稼働による不規則な振動などの影響により、動層との境界にある不動層の現像剤の一部が崩れて、動層に取り込まれる場合がある。この場合、動層の現像剤のトナー帯電量と不動層の現像剤のトナー帯電量との差が大きいほど、動層に取り込まれた不動層の現像剤が現像領域に運ばれたときに、局所的な濃度ムラが生じる虞がある。
そこで、第1搬送スクリュー44及び第2搬送スクリュー45を駆動する駆動源と現像スリーブ41を駆動する駆動源とを独立駆動にする。そして、現像スリーブ41の回転速度(Vsl)に対する第1搬送スクリュー44及び第2搬送スクリュー45の回転速度(Vsc)の比をVsc/Vslとする。この場合に、非画像形成時のVsc/Vslを、画像形成動作時のVsc/Vslよりも小さくするモード(以降、トナー層移動制御と呼ぶ)を実行する。これにより、規制ブレード43よりも現像スリーブ41の表面移動方向の上流側に形成された不動層を崩すものである。
しかしながら、機能分離型の現像装置において、トナー層移動制御を実行した場合、回収室(攪拌室402)における現像剤の分布が偏る傾向がある。このため、現像容器40内の現像剤分布に依っては、トナー層移動制御を実行すると、現像スリーブ41上の現像剤を回収室(攪拌室402)内に回収できずに溢れてしまう虞がある。これは、トナー層移動制御において第1搬送スクリュー44及び第2搬送スクリュー45の回転速度(Vsc)を遅くした場合に、回収室(攪拌室402)に現像剤が滞り、回収室(攪拌室402)に現像剤を回収する空間が足りなくなることが原因である。
このことは、回収室(攪拌室402)内に第3搬送スクリュー46が設けられていない現像装置(図13に示す比較例における現像装置4000)において顕著な課題となる。また、第1搬送スクリュー44及び第2搬送スクリュー45及び第3搬送スクリュー46の駆動と現像スリーブ41の駆動とが分かれている現像装置において顕著な課題となる。これは、回収室(攪拌室402)の長手方向では現像スリーブから回収された現像剤が汲み上げ部404へ向かうため、回収室(攪拌室402)の下流に向かうほど現像剤が多くなる傾向にある。その結果、汲み上げ部404付近の現像剤量が多くなるため、回収室(攪拌室402)の下流側で現像剤が溢れる虞があるからである。
これに対して、第1の実施形態の現像装置4では、回収室(攪拌室402)内に第2搬送スクリュー45に加えて第3搬送スクリュー46が設けられている。尚且つ、第1の実施形態の現像装置4では、第1搬送スクリュー44及び第2搬送スクリュー45の駆動と、第3搬送スクリュー46及び現像スリーブ41の駆動とが分かれているものである。以下にその詳細を説明する。
[第1の実施形態に係る発明の特徴的な構成]
第1の実施形態では、トナー層移動制御時において、第1搬送スクリュー44及び第2搬送スクリュー45の回転速度に対して第3搬送スクリュー46の回転速度が速くなるように駆動するものである。
第1の実施形態において、非画像形成時にトナー層移動制御を実行するときの、第1搬送スクリュー44及び第2搬送スクリュー45の回転速度をVsc、現像スリーブ41の回転速度をVsl、第3搬送スクリュー46の回転速度をVsc3とする。
現像スリーブ41の回転速度(Vsl)に対する第1搬送スクリュー44及び第2搬送スクリュー45の回転速度(Vsc)の比をVsc/Vslとする。この場合に、トナー層移動制御時のVsc/Vslが、画像形成動作時のVsc/Vslよりも小さくなるように駆動する。また、現像スリーブ41の回転速度(Vsl)に対する第3搬送スクリュー46の回転速度(Vsc3)の比をVsc3/Vslとする。この場合に、トナー層移動制御時のVsc/Vslが、画像形成動作時のVsc3/Vslと等しくなるように駆動する。
このように、トナー層移動制御時のVsc3/Vslを、画像形成動作時のVsc3/Vslと等しくなるように駆動する。これにより、現像剤量が多い回収室(攪拌室402)の下流側における現像剤が、第3搬送スクリュー46によって回収室の上流側に搬送されるので、現像剤溢れを抑制するものである。
[第1の実施形態における制御]
第1の実施形態では、記録材に画像を形成する画像形成期間において、第1搬送スクリュー44及び第2搬送スクリュー45の回転速度が800rpm、第3搬送スクリュー46及び現像スリーブ41の回転速度が600rpmで駆動している。
画像形成動作が実行されていない非画像形成期間において、トナー層移動制御として、第1搬送スクリュー44及び第2搬送スクリュー45の駆動を停止とする(即ち、第1搬送スクリュー44及び第2搬送スクリュー45の回転速度をゼロとする)。また、非画像形成期間において、現像スリーブ41と第3搬送スクリュー46を600rpmで1秒駆動する。
ここで、第1搬送スクリュー44及び第2搬送スクリュー45の回転速度と、現像スリーブ41及び第3搬送スクリュー46の回転速度を示すグラフを図5に示す。
第1の実施形態では、CPU20(制御部)が、第1搬送スクリュー44及び第2搬送スクリュー45の回転数を変更できるように第1モータM1を制御する。尚且つ、CPU20が、現像スリーブ41及び第3搬送スクリュー46の回転数を変更できるように第2モータM2を制御している。また、CPU20は、トナー層移動制御の未実行回数Nの積算メモリを制御して、トナー層移動制御の実行タイミングを判別している。
トナー層が規制ブレード43と現像スリーブ41との間の隙間(SBギャップ)を阻害する前に、第1の実施形態における制御を実行する必要がある。第1の実施形態では、トナー層が形成されて搬送を阻害するのが一番早い場合は、トナー消費率1%で且つ現像装置4内が45℃まで昇温した場合であり、A4サイズの通紙で5500枚相当の駆動時間で発生する。このことから、5000枚相当の駆動時間に達した時点で第1の実施形態における制御を実行する。言い換えれば、CPU20は、画像形成動作において所定枚数の記録材に画像が形成されるごとにトナー層移動制御を実行する。
ここで、第1の実施形態における制御を説明するためのフローチャートを図6に示す。
図6の制御は、CPU20が、メモリ30に記憶された制御プログラムを読み出して、各種機器を制御することにより実行される。また、図6の制御は、画像形成装置100が画像形成動作の開始指示(プリントジョブの実行指示)を受けた後(プリントスタート後)にフローが開始される。
プリントスタート後、CPU20はプロセス速度に対応して予め定められた各種高圧や回転速度をメモリ30から読み出し、CPU20を制御し、第1モータM1、第2モータM2をはじめとする各種駆動系を印加・駆動し、画像形成動作を開始する(S101)。
続いて、CPU20は、画像形成動作によって出力した画像をA4基準で換算枚数mを計算する(S102)。
続いて、CPU20は、トナー層移動制御の未実施回数Nに換算枚数mを加算し(S103)、Nが閾値5000以上か判定する(S104)。閾値5000以上である場合(S104:yes)、CPU20は、画像形成動作を中断し、非画像形成期間において、トナー層移動制御を実行する(S105)。一方、閾値5000未満である場合(S104:no)、S101に処理を戻し、画像形成動作を継続する。
非画像形成時にトナー層移動制御を実行するときの、第1搬送スクリュー44及び第2搬送スクリュー45の回転速度をVsc、現像スリーブ41の回転速度をVsl、第3搬送スクリュー46の回転速度をVsc3とする。現像スリーブ41の回転速度(Vsl)に対する第1搬送スクリュー44及び第2搬送スクリュー45の回転速度(Vsc)の比をVsc/Vslとする。この場合に、トナー層移動制御では、トナー層移動制御時のVsc/Vslが、画像形成動作時のVsc/Vslよりも小さくなるように駆動する。また、トナー層移動制御では、現像スリーブ41の回転速度(Vsl)に対する第3搬送スクリュー46の回転速度(Vsc3)の比をVsc3/Vslとする。この場合に、トナー層移動制御時のVsc/Vslが、画像形成動作時のVsc3/Vslと等しくなるように駆動する。そして、S105におけるトナー層移動制御が終了したら、図6に係る一連の制御を終了する。
なお、第1の実施形態では、A4サイズの通紙に係る現像スリーブ41の駆動回転数を1枚の基準とし、通紙の紙サイズにより現像スリーブ41の駆動回転数が異なる場合は回転数基準で換算する。例えば、A3サイズの場合はA4サイズの2倍の長さなので、2枚としてカウントする。
このように第1の実施形態では、画像形成動作において所定枚数の記録材に画像が形成されるごとにトナー層移動制御を実行する。即ち、トナー層移動制御時のVsc3/Vslを、画像形成動作時のVsc3/Vslと等しくなるように駆動する。これにより、現像剤量が多い回収室(攪拌室402)の下流側における現像剤が、第3搬送スクリュー46によって回収室の上流側に搬送されるので、現像剤溢れを抑制することができる。
<第2の実施形態>
第1の実施形態のようにトナー層移動制御を行った結果、現像容器40内の現像剤の分布が崩れた場合、一時的に現像スリーブ41の一部に現像剤が供給できずに、現像されるトナー像の一部が欠けてしまう可能性がある。これは、トナー層移動制御を実行すると、画像形成動作時の現像剤分布と異なり、一部に現像剤が偏る。このため、トナー層移動制御を行った直後に画像形成動作を実行すると現像剤が現像スリーブ41に供給できず、現像スリーブ41に担持される現像剤が少なくなるためである。
そこで、第2の実施形態では、非画像形成期間において、トナー層移動制御を実行した後に、現像スリーブ41及び第3搬送スクリュー46と、第1搬送スクリュー44及び第2搬送スクリュー45を駆動する現像剤循環制御を実行する。そして、現像剤循環制御を実行した後に、画像形成動作を実行する。
現像剤循環制御時の現像スリーブ41及び第3搬送スクリュー46の回転速度は、画像形成動作時の現像スリーブ41及び第3搬送スクリュー46の回転速度と同じにしている。また、現像剤循環制御時の第1搬送スクリュー44及び第2搬送スクリュー45の回転速度は、画像形成動作時の現像スリーブ41及び第3搬送スクリュー46の回転速度と同じにしている。
また、現像剤循環制御における駆動時間は現像剤が1周以上循環することが好ましく、第2の実施形態では、5秒間駆動する。なお、第2の実施形態では、現像剤循環制御と画像形成制御の間に一度駆動を停止しているが、現像剤循環制御後に駆動を停止せずに画像形成動作を再開してもよい。現像剤循環制御後に駆動を停止せずに画像形成動作を再開した場合には、ダウンタイムの短縮となる。
第2の実施形態では、現像剤循環制御において第1搬送スクリュー44及び第2搬送スクリュー45の回転駆動以外は、第1の実施形態と同様である。画像形成期間において、第1搬送スクリュー44及び第2搬送スクリュー45の回転速度は800rpm、第3搬送スクリュー46及び現像スリーブ41の回転速度は600rpmで駆動している。
図7は、第2の実施形態における第1搬送スクリュー44及び第2搬送スクリュー45の回転速度と、現像スリーブ41及び第3搬送スクリュー46の回転速度を示すグラフである。
非画像形成期間において、トナー層移動制御として、第1搬送スクリュー44及び第2搬送スクリュー45の駆動を停止し、現像スリーブ41及び第3搬送スクリュー46を600rpmで1秒駆動する。その後、画像形成動作前に、現像剤循環制御として、第1搬送スクリュー44及び第2搬送スクリュー45の回転速度が800rpm、第3搬送スクリュー46及び現像スリーブ41の回転速度が600rpmで5秒駆動する。
ここで、第2の実施形態における制御を説明するためのフローチャートを図8に示す。
図8の制御は、CPU20が、メモリ30に記憶された制御プログラムを読み出して、各種機器を制御することにより実行される。また、図8の制御は、画像形成装置100が画像形成動作の開始指示(プリントジョブの実行指示)を受けた後(プリントスタート後)にフローが開始される。
プリントスタート後、CPU20はプロセス速度に対応して予め定められた各種高圧や回転速度をメモリ30から読み出し、CPU20を制御し、第1モータM1、第2モータM2をはじめとする各種駆動系を印加・駆動し、画像形成動作を開始する(S201)。
続いて、CPU20は、画像形成動作によって出力した画像をA4基準で換算枚数mを計算する(S202)。
続いて、CPU20は、トナー層移動制御の未実施回数Nに換算枚数mを加算し(S203)、Nが閾値5000以上か判定する(S204)。閾値5000以上である場合(S204:yes)、CPU20は、画像形成動作を中断し、非画像形成期間において、トナー層移動制御を実行する(S205)。一方、閾値5000未満である場合(S204:no)、S201に処理を戻し、画像形成動作を継続する。
S205におけるトナー層移動制御が終了したら、CPU20は、現像剤循環制御を実行する(S206)。画像形成動作前に、現像剤循環制御として、第1搬送スクリュー44及び第2搬送スクリュー45の回転速度を800rpm、第3搬送スクリュー46及び現像スリーブ41の回転速度を600rpmで5秒駆動する。現像剤循環制御時の現像スリーブ41及び第3搬送スクリュー46の回転速度は、画像形成動作時の現像スリーブ41及び第3搬送スクリュー46の回転速度と同じにしている。また、現像剤循環制御時の第1搬送スクリュー44及び第2搬送スクリュー45の回転速度は、画像形成動作時の現像スリーブ41及び第3搬送スクリュー46の回転速度と同じにしている。そして、S206における現像剤循環制御が終了したら、図8に係る一連の制御を終了する。
なお、第2の実施形態では、A4サイズの通紙に係る現像スリーブ41の駆動回転数を1枚の基準とし、通紙の紙サイズにより現像スリーブ41の駆動回転数が異なる場合は回転数基準で換算する。例えば、A3サイズの場合はA4サイズの2倍の長さなので、2枚としてカウントする。
このように第2の実施形態では、非画像形成期間において、トナー層移動制御を実行した後に、現像スリーブ41及び第3搬送スクリュー46と、第1搬送スクリュー44及び第2搬送スクリュー45を駆動する現像剤循環制御を実行している。そして、現像剤循環制御を実行した後に、画像形成動作を実行している。これにより、トナー層移動制御を行った後の画像形成動作において、一時的に現像スリーブ41の一部に現像剤が供給できずに、現像されるトナー像の一部が欠けてしまうことを抑制することができる。
<第3の実施形態>
第3の実施形態における画像形成装置100及び現像装置4は、補給剤Sと現像装置4に設けられた現像剤排出口406を除いて第1の実施形態と同じ構成であり、同じ部分の説明を省略する。第3の実施形態では、現像剤排出口406から帯電能力が低下したキャリアを現像剤ごと排出しつつ、キャリアとトナーを有した補給剤を補給し、現像装置4内のキャリアの帯電能を保ち、トナーの帯電量を維持する構成を有する。このような構成の場合、画像形成に伴い補給されるキャリアに対し排出されるキャリアの量が多いと、徐々に現像剤が減少し、現像装置4としての機能を果たせなくなるため、現像剤を排出するトナー層移動制御や現像剤循環制御には一定の制限が必要になる。
第3の実施形態では、補給剤SとしてトナーTと共にキャリアCを現像装置4に補給する。これは、画像形成動作と伴にキャリアの帯電量が低下していくことへの対処であり、新しいキャリアを現像装置4内に補給することでキャリアの帯電能を維持してトナーの帯電量を適切な範囲に保つ。第3の実施形態においては、補給剤SとしてトナーTとキャリアCを重量比で9:1に混合されたものを使用した。これに限らず、重量比が異なっている場合や、トナーとキャリアを別々に補給するような構成になっている場合であっても、第3の実施形態に係る発明を適応することができる。
キャリアを含む補給剤が補給されて現像装置4内に過剰なキャリアが溜まり、現像剤が現像装置4から溢れないように、通常、現像装置4には、過剰なキャリアが現像剤と伴に排出されるような現像剤排出口406が設けられている。現像装置4に現像剤排出口406が設けられている場合、現像装置4内の現像剤量は略一定の範囲で推移する。
第3の実施形態における現像装置4の構成を、図9の断面図に示す。現像剤排出口406は、現像スリーブ41に供給された後の過剰な現像剤が排出されるように、現像スリーブ41に対向し現像剤を供給する供給部分よりも下流に設けられている。また、現像剤排出口406は、補給剤が補給直後に排出されないように補給口の上流に設けられている。前述した通り、補給剤が現像装置4内の現像剤と十分に混合されないままに現像スリーブ41に供給されないように、補給口は、供給室401における現像スリーブ41の対向領域の下流に設けることが好ましい。
第3の実施形態の構成で、第1の実施形態のようにトナー層移動制御を行うと、現像剤の分布が崩れ、その後、第1の実施形態や第2の実施形態のように現像装置4内の現像剤が過剰に排出した場合、現像剤が不足する。現像剤が不足すると、現像スリーブ41の一部に現像剤が供給できず、現像されるトナー像の一部が欠けてしまう可能性がある。
これは、トナー層移動制御を実行すると、画像形成動作時の現像剤分布と異なり、一部に現像剤が偏るため、通常駆動時に偏った現像剤が現像剤排出口406の近傍を通過するときに過剰に排出されることが原因である。第3の実施形態のように、現像スリーブ41及び第3搬送スクリュー46の回転速度を第1搬送スクリュー44及び第2搬送スクリュー45よりも相対的に大きくする場合、回収室402の上流側に通常よりも多くの現像剤が溜まる。この後に通常駆動することで現像剤が過剰排出される。
トナー層移動制御の後に排出されるキャリア量に対して、補給されるキャリア量が少ない場合、画像形成動作を続け、トナー層移動制御を実行するたびに徐々に現像剤が減少し、現像スリーブ41に現像剤を供給できなくなる。
第3の実施形態では、非画像形成期間において、トナー層移動制御を実行した後に、現像スリーブ41と第1搬送スクリュー44及び第2搬送スクリュー45を画像形成動作時よりも小さくなるように駆動する。このとき、現像スリーブ41の回転速度(Vsl)に対する、第1搬送スクリュー44及び第2搬送スクリュー45の回転速度(Vsc)の比(Vsc/Vsl)を、画像形成動作時よりも小さくすることで現像剤排出口406からの排出量を低減するものである。
第3の実施形態では、現像スリーブ41の駆動を停止した状態で、第1搬送スクリュー44及び第2搬送スクリュー45を画像形成動作時よりも低速で駆動する。これにより、現像剤にかかる垂直方向の振動が減ることで現像剤の嵩が低くなり、かつ、現像剤排出口406を通過する現像剤量が減少するため、現像剤の排出を抑制することができる。
図10は、第3の実施形態における第1搬送スクリュー44及び第2搬送スクリュー45の回転速度と、現像スリーブ41及び第3搬送スクリュー46の回転速度を示すグラフである。
第3の実施形態では、現像剤循環制御において、第1搬送スクリュー44及び第2搬送スクリュー45の回転駆動以外は、第2の実施形態と同様である。現像剤循環制御において現像スリーブ41と第3搬送スクリュー46は300rpm、第1搬送スクリュー44及び第2搬送スクリュー45は400rpmで各々10秒駆動する。駆動する時間は、画像形成動作時よりも溜まっていた箇所の現像剤が現像剤排出口406を通過するまでの時間だけ駆動することが好ましい。
第3の実施形態における制御を説明するためのフローチャートは、第2の実施形態で前述した図8と同様である。第3の実施形態の構成において、第1搬送スクリュー44及び第2搬送スクリュー45の回転速度を抑えたことで、現像剤溢れを抑制しつつ、現像剤の排出を抑制することができる。具体的には、第2の実施形態で前述した制御を実行した場合には、現像剤の排出量が1gであった。これに対して、第3の実施形態における制御を実行した場合には、現像剤の排出量が0.3gに抑えられる。
<第4の実施形態>
第4の実施形態における画像形成装置100および現像装置4はトナー特性検知手段と温度検知手段(温度センサ)を有する以外、第1の実施形態と同じ構成である。
トナー層が形成されるのにかかる駆動時間は、駆動中の現像剤の状態に依って異なる。例えば、現像剤の温度が高い場合は、低い場合と比べ少ない駆動時間で発生する。また、トナー平均滞在時間が長い場合(現像装置4内のトナーが多く負荷を受けてトナー特性が変化した場合で、印字率が低い画像形成が長期間続いた場合に起こる)は、短い場合に比べて、早く発生する。
第1の実施形態における制御の実行頻度は、現像剤の搬送不良が最も早く発生する状況よりも、早いタイミングでトナー層移動制御を実行する構成である。このため、現像剤の状態に依っては必要以上に早く実行することになり、ダウンタイムが発生する虞がある。
トナー層移動制御は、現像剤の搬送不良が発生する前に実行すれば十分である。このため、現像剤の状態に応じて、トナー層移動制御の実行タイミングを適正化し、トナー層移動制御の実行に依るダウンタイムを低減させることができる。第4の実施形態では、トナー特性の変化を過去1000枚の平均印字率で見積もった。また、現像剤温度は現像装置4内の温度センサの検知結果を用いた。CPU20は、平均印字率算出手段による算出結果と、現像装置4内の温度センサによる検出結果と、未実施指数Niに基づいて、トナー層移動制御の実行タイミングを判断するものである。
トナー層が現像剤の搬送を阻害するのはトナー特性と現像剤温度により変化するため、現像剤状況と現像スリーブ41の回転時間に応じて、未実施指数Niに重み付けした枚数mを加算する。第4の実施形態では最も早く搬送不良する場合を1として、2倍かかる場合を0.5として積算する。(表1を参照。現像剤状況に応じた未実施指数Niの重み付けを示している。)
Figure 2024018014000002
画像形成毎に出力枚数とトナー層移動制御の未実施指数Niを更新する。未実施指数Niは、画像形成動作時の温度、過去1000枚の平均印字率、通紙サイズによって決まる指数を累積する。例えば、A4サイズの通紙を行った時の温度が42℃、過去1000枚の平均印字率が10%の時は、未実施指数Niに0.8を加算する。トナー層移動制御の実行フローは第1の実施形態の未実行枚数Nを未実施指数Niに置き換える。
ここで、第4の実施形態における制御を説明するためのフローチャートを図8に示す。
図11の制御は、CPU20が、メモリ30に記憶された制御プログラムを読み出して、各種機器を制御することにより実行される。また、図11の制御は、画像形成装置100が画像形成動作の開始指示(プリントジョブの実行指示)を受けた後(プリントスタート後)にフローが開始される。
プリントスタート後、CPU20はプロセス速度に対応して予め定められた各種高圧や回転速度をメモリ30から読み出し、CPU20を制御し、第1モータM1、第2モータM2をはじめとする各種駆動系を印加・駆動し、画像形成動作を開始する(S401)。
続いて、CPU20は、画像形成動作によって出力した画像をA4基準で換算枚数mを計算する(S402)。
続いて、CPU20は、現像装置4内の温度センサから現像装置4の温度を取得し、且つ、画像DUTY(印字率)を取得して(S403)、未実施指数Niを加算する(S404)。続いて、CPU20は、未実施指数Niが閾値5000以上か判定する(S405)。閾値5000以上である場合(S405:yes)、CPU20は、画像形成動作を中断し、非画像形成期間において、トナー層移動制御を実行する(S406)。一方、閾値5000未満である場合(S405:no)、S401に処理を戻し、画像形成動作を継続する。
なお、第4の実施形態では、A4サイズの通紙に係る現像スリーブ41の駆動回転数を1枚の基準とし、通紙の紙サイズにより現像スリーブ41の駆動回転数が異なる場合は回転数基準で換算する。例えば、A3サイズの場合はA4サイズの2倍の長さなので、2枚としてカウントする。
第4の実施形態では、現像器温度が39°且つ画像DUTYが10%の時は、重み付け指数が0.5であるので(表1参照)、第1の実施形態の場合と比べ、トナー層移動制御の実行頻度が半分で済むため、ダウンタイムを低減させることができる。
(その他の実施形態)
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
上述した第1の実施形態~第4の実施形態では、現像装置において、現像スリーブ41が一つの場合であったが、複数の現像スリーブ41を有する構成でも構わない。2つの現像スリーブ41を有する場合の現像装置(機能分離型の現像装置)の断面図は図12のようになる。この場合、図12に示す現像装置400では、上流側現像スリーブ41aが規制ブレード43から通過した現像剤を下流側現像スリーブ41bに受け渡す。また、現像装置400は、上流側現像スリーブ41aに現像剤を供給する供給室(現像室401)と、下流側現像スリーブ41bから現像剤を回収する回収室(攪拌室402)とが別々に設けられた機能分離型の現像装置である。また、現像装置400において、第1搬送スクリュー44及び第2搬送スクリュー45を第1モータM1によって回転駆動する。上流側現像スリーブ41a及び下流側現像スリーブ41b及び第3搬送スクリュー46を第2モータM2によって回転駆動する。
上記実施形態では、図1に示したように、中間転写ベルト51を用いる構成の画像形成装置100を例に説明したが、これに限られない。感光ドラム1に順に記録材を直接接触させて転写を行う構成の画像形成装置に本発明を適用することも可能である。
1 感光ドラム
4 現像装置
20 CPU
41 現像スリーブ
43 規制ブレード
44 第1搬送スクリュー
45 第2搬送スクリュー
46 第3搬送スクリュー
48 隔壁
100 画像形成装置
401 現像室
402 攪拌室
M1 第1モータ
M2 第2モータ

Claims (8)

  1. 記録材に画像を形成する画像形成動作を実行可能な画像形成装置であって、
    像担持体と、
    前記像担持体に形成された静電像を現像する現像領域にトナーとキャリアを含む現像剤を担持搬送する回転可能な現像剤担持体と、前記現像剤担持体に対向して配置され且つ前記現像剤担持体に担持される現像剤の量を規制する規制部材と、前記現像剤担持体に前記現像剤を供給する第一室と、前記現像剤担持体に対向して配置され且つ前記現像領域を通過した前記現像剤を前記現像剤担持体から回収する第二室と、前記第一室と前記第二室とを区画する隔壁と、前記第一室に配置され且つ前記現像剤を第一方向に搬送する第一搬送スクリューと、前記第二室の第一領域に配置され且つ前記現像剤を前記第一方向とは逆方向の第二方向に搬送する第二搬送スクリューと、前記第二室の前記第一領域に対して水平方向に隣り合う前記第二室の第二領域に配置され且つ前記現像剤を前記第二方向とは逆方向の第三方向に搬送する第三搬送スクリューと、を有する現像装置と、
    前記第一搬送スクリュー及び前記第二搬送スクリューを回転駆動させる第一駆動部と、
    前記現像剤担持体及び前記第三搬送スクリューを回転駆動させる第二駆動部と、
    前記第一搬送スクリュー及び前記第二搬送スクリューを回転駆動させるよう前記第一駆動部を制御し、且つ、前記現像剤担持体及び前記第三搬送スクリューを回転駆動させるよう前記第二駆動部を制御する制御部と、
    を備え、
    前記第二駆動部によって前記現像剤担持体を回転駆動させる際の前記現像剤担持体の回転速度(Vsl)に対する、前記第一駆動部によって前記第一搬送スクリュー及び前記第二搬送スクリューを回転駆動させる際の前記第一搬送スクリュー及び前記第二搬送スクリューの回転速度(Vsc)の比をVsc/Vslとし、且つ、前記第二駆動部によって前記現像剤担持体を回転駆動させる際の前記現像剤担持体の回転速度(Vsl)に対する、前記第二駆動部によって前記第三搬送スクリューを回転駆動させる際の前記第三搬送スクリューの回転速度(Vsc3)をVsc3/Vslとした場合、
    前記制御部は、前記画像形成動作が実行されていない非画像形成期間におけるVsc/Vslが、前記画像形成動作が実行されている画像形成期間におけるVsc/Vslよりも小さくなるように、前記第一駆動部及び前記第二駆動部を制御するモードを実行可能であり、
    前記モードにおいて、前記非画像形成期間におけるVsc3/Vslは、前記画像形成期間におけるVsc3/Vslと等しい
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記モードにおいて、前記非画像形成期間における前記第一搬送スクリュー及び前記第二搬送スクリューの回転速度は、前記画像形成期間における前記第一搬送スクリュー及び前記第二搬送スクリューの回転速度よりも遅い
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記モードにおいて、前記非画像形成期間における前記第一搬送スクリュー及び前記第二搬送スクリューの回転速度はゼロである
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 前記制御部は、前記画像形成動作において所定枚数の記録材に画像が形成されるごとに前記モードを実行可能である
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記第一駆動部は、前記第一搬送スクリュー及び前記第二搬送スクリューを回転駆動するための第一モータであり、
    前記第二駆動部は、前記現像剤担持体及び前記第三搬送スクリューを回転駆動するための第二モータである
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記規制部材は、前記現像剤担持体の回転中心よりも鉛直方向上方に在る
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記第一搬送スクリューの回転中心は、前記現像剤担持体の回転中心よりも鉛直方向上方に在る
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記第一室の底部は、前記第二室の底部よりも鉛直方向上方に在る
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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