JP2024017668A - インピーダンス変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電源と負荷との間を電気接続し、着脱が容易な非接触コネクタで、かつ異なるインピーダンス間でも反射を起こさないインピーダンス変換装置を提供すること。【解決手段】電源と負荷との間をインピーダンス整合するように接続するインピーダンス変換装置であって、共振周波数が同一のLC共振器又はオープンリング共振器からなる共振器対を有し、前記共振器対は、下記の式(1)を充足するように設定され、電磁的な共鳴を利用して、前記電源側から送出される交流信号を前記負荷側に伝達する、インピーダンス変換装置。Qe1=Qe2=1/k …式(1)(但し、Qe1:送電側共振器の外部Q、Qe2:受電側共振器の外部Q、k:送電側共振器と受電側共振器との間の結合係数)【選択図】図1

Description

特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年3月18日(予稿集公開日令和4年3月1日)オンラインにおいて開催された一般社団法人電子情報通信学会2022年総合大会で発表
特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年3月7日(予稿集公開日令和4年2月28日)京都大学宇治キャンパス及びオンラインにおいて開催された一般社団法人電子情報通信学会無線電力伝送研究会で発表
本開示は、インピーダンス変換装置に関する。
一般に、無線通信で使われるような高周波では、装置とケーブルの接続部で反射が起こると反射波が信号に戻り正常な動作を妨げる。そのため、装置とケーブルとの間でインピーダンス整合を図り、反射を無くすことが行われている。
一方、従来、パワーエレクトロニクスの分野では、電力伝送に利用される交流信号の周波数帯域が低周波(例えば、kHzオーダー)であるため、装置の大きさに比べ波長が遙かに長く、モジュール間の距離が変わっても全体の特性に影響は無かった。そのために伝送路での信号反射という概念は無く、装置全体での最適設計が行なわれている。しかしながら、近年、パワーエレクトロニクスの分野においても、装置の小型化、軽量化の要請で部品が小型化できるMHz台への高周波化が進んでいる。さらに装置開発の効率化、低コスト化のためには、装置全体をモジュールに分割し、各モジュールを適宜組み合わせてシステムを作ることが求められる。高周波になればモジュール間での距離で信号位相が変化するので、反射波が装置の特性に影響するようになり、モジュール出入り口での反射を無くすことが必要となる。
高周波の信号の反射を無くす方法としては、先にも述べた回路網内に接続するインダクタ、キャパシタ、抵抗、及びインピーダンス線路等のインピーダンスを精密に調整することで、インピーダンス整合を図る手法がある。これは、接続部の両側のインピーダンスを複素共役にする方法であり、一般的には虚部をゼロ、実部を同じ値のインピーダンス値にする。周波数が与えられればキャパシタとインダクタという無損失の部品で構成できるので周波数を決めれば、無損失で接続が可能となる。しかし、この方法はどちらかのインピーダンスが変われば部品を変えねばならず、また物理的に接続しているので、着脱は容易には出来ない。機械的なコネクタで接続することも可能であるが、接触抵抗を下げるために金メッキ電極を用い、また接触不良を避けるためバネ構造を用いるなど、高価なものとなる。また高周波でのインピーダンス調整にはλ/4線路が使われるが、これもインピーダンス値が固定でかつ物理的な接続という点で同様である。
他方、インピーダンスを変える装置としてトランスが知られている。トランスでは磁性体に2つのコイルを巻き付けて、コイルの巻き数に比例したインピーダンス変換を行う。原理的には損失や反射は発生しないし、またインピーダンス値によらずその比のみを変化させるという特徴が有る。しかし、磁性体の特性にはMHz帯程度の周波数の上限があり、また磁性体での損失も発生する。さらに、磁性体部分がリング状に形成されているため、2つのコイルを分離することは出来ず、モジュール化での容易な着脱には適していない。
通常、高周波ではモジュール化機器の接続にはインピーダンス線路が用いられる。インピーダンス線路を用いたモジュール化機器の接続の際には、線路入出力部でインピーダンス整合することにより経路全体でのインピーダンス整合を確保する。尚、インピーダンス線路の特性インピーダンスは、一般に、ケーブルの断面形状と層間の絶縁物の誘電率で決まるが、機械的な作りやすさと導体損による損失などから極端な値にすることは出来ず、通信では50Ωという値が広く用いられている。一方で電源や負荷のインピーダンスは、負荷の用途、及び使用する半導体デバイスの特性などから広い範囲に亘る。機器をモジュール化しそれを接続する場合、いろいろなインピーダンス値の装置を、定められた特性インピーダンス値のインピーダンス線路を使って接続することが求められる。従来技術に係るインピーダンス整合法では、インピーダンス値が変わるごとにその都度整合を取り直す必要があり、煩雑となる。
特許第7039087号公報 特許第5953603号公報
Ikuo Awai, et.al, "Superiority of BPF theory for design of coupled resonator WPT systems", Published in Asia-Pacific Microwave Conference 2011, Date of Conference: 5-8 Dec. 2011, INSPEC Accession Number: 12656013 I.Awai and A.K.Saha, "Open Ring Resonators Applicable to Wide-band BPF", Proceedings of Asia-Pacific Microwave Conference 2006, ISBN:978-4-902339-08-6
このような背景から、電力伝送に係るパワーエレクトロニクスの分野では、交流機器のモジュール化及び高周波化で問題となる信号反射の無い接続を実現し得るインピーダンス変換装置が求められている。
そこで、本発明は、着脱が容易な非接触コネクタで、電源と負荷との間を電気接続し、かつ異なるインピーダンスを有する電源と負荷間でも反射を起こさないインピーダンス変換装置を提供することを目的とする。
前述した課題を解決する主たる本発明は、
互いに異なるインピーダンスを有する電源と負荷との間をインピーダンス整合するように接続するインピーダンス変換装置であって、
共振周波数が同一のLC共振器又はオープンリング共振器からなる共振器対を有し、
前記共振器対は、下記の式(X1)を充足するように設定され、電磁的な共鳴を利用して、前記電源側から送出される交流信号を前記負荷側に伝達する、
インピーダンス変換装置である。
e1=Qe2=1/k …式(X1)
(但し、Qe1:送電側共振器の外部Q、Qe2:受電側共振器の外部Q、k:送電側共振器と受電側共振器との間の結合係数)
又、他の局面では、
互いに異なるインピーダンスを有する電源と負荷との間をインピーダンス整合するように接続するインピーダンス変換装置であって、
前記電源と前記負荷との間を中継するインピーダンス線路と、
前記インピーダンス線路の一端と前記電源とを電気接続するように配設された、共振周波数が同一のLC共振器又はオープンリング共振器からなる第1の共振器対と、
前記インピーダンス線路の他端と前記負荷とを電気接続するように配設された、共振周波数が同一のLC共振器又はオープンリング共振器からなる第2の共振器対と、
を備え、
前記第1の共振器対及び前記第2の共振器対は、それぞれ、下記の式(X2)を充足するように設定され、電磁的な共鳴を利用して、前記電源側から送出される交流信号を前記負荷側に伝達する、
インピーダンス変換装置である。
e1=Qe2=1/k …式(X2)
(但し、Qe1:送電側共振器の外部Q、Qe2:受電側共振器の外部Q、k:送電側共振器と受電側共振器との間の結合係数)
本発明に係るインピーダンス変換装置によれば、着脱が容易な非接触コネクタで、電源と負荷との間を電気接続し、かつ異なるインピーダンスを有する電源と負荷間でも反射を起こさない状態とすることが可能である。
本発明の一実施形態に係るインピーダンス変換装置の概略構成を示す図 本発明の一実施形態に係るインピーダンス変換装置の概略構成を示す図 LC共振器を構成する各種共振回路を示す図 オープンリング共振器の構成を示す図 本発明の一実施形態に係るケーブル接続型インピーダンス変換装置の構成を示す図 応用例1の構成の動作検証用に設定した、回路シミュレーションの回路構成を示す図 図6の回路構成において、シミュレーションで算出された各形式における透過特性(図7A)及び反射特性(図7B)を示す図 図5のケーブル接続型インピーダンス変換装置Mの負荷部にレクテナ回路を配置した例 応用例2の構成の動作検証用に設定した、回路シミュレーションの回路構成を示す図 図9の回路構成において、シミュレーションで算出された各形式における負荷電力特性(図10A、図10C)及び反射電力特性(図10B)を示す図 10MHzで、線路長を変化させた場合の、シミュレーションで算出された各形式における負荷電力及び反射電力の特性を示す図 本発明に係るケーブル接続型インピーダンス変換装置において、電源側共振器対及び負荷側共振器にオープンリング共振器を用いた態様を示す図 オープンリングに接続する給電線のインピーダンスを変化させた場合における、最平坦特性が実現される給電線取り付け角度 (即ち、図4のポート角度θ1、θ2)を調査したシミュレーション結果 本発明に係るケーブル接続型インピーダンス変換装置において、オープンリング共振器を用いた態様における電源電力特性、負荷電力特性、反射電力特性を示す図 図14の回路シミュレーションと同様の条件で、実際の回路と同様、ゼロオーム電源に直接接続し、サーキュレータと終端抵抗のない場合の特性を示す図 図14の回路シミュレーションと同様の条件で、オープンリング共振器に接続する給電線の線路長を変化させた場合における2.5GHzでの電源での出力電力と負荷への到達電力の線路長依存性を示す図
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
一般に、高周波の通信機などでは反射を抑制するためにインピーダンス整合が行われるが、そこでは回路網内に接続するインダクタ、キャパシタ、抵抗、及びインピーダンス線路等のインピーダンスを精密に調整することで、インピーダンス整合が実現されている。
本発明においても、共振器の入出力部ではインピーダンス値を合わせる調整(即ち、外部Qの調整)を行うが、本発明においては、共鳴する2つの共振器間での最平坦特性を利用したインピーダンス整合を行う。これにより、インピーダンス整合のための各回路部品のインピーダンスの選定を大幅に緩和すると共に、回路部品や使用環境の若干の特性ばらつきがあっても100%透過を実現できる(詳細は後述)。
即ち、一般に、高周波機器では、機器とケーブルとの間で反射の無い接続が必要であるが、従来のLC回路などによるインピーダンス整合法では相手のインピーダンスが変わるごとに回路パラメータを変える必要があった。この点、本発明では、接続対象機器のインピーダンスにあわせたインピーダンス変換装置を用意することで、無調整で接続対象機器への接続が可能となる。
尚、以下では、共鳴する2つの共振器間での最平坦特性を利用したインピーダンス整合を、従来のLCR回路素子を用いたインピーダンス整合と区別するために“共鳴インピーダンス整合”または“共鳴整合”と呼ぶことにする。
まず、図1~図4を参照して、本発明に係るインピーダンス変換装置(以下、「インピーダンス変換装置M」と称する)の基本構成について、説明する。
図1、図2は、本発明の一実施形態に係るインピーダンス変換装置Mの概略構成を示す図である。図1は、インピーダンス変換装置Mを構成する共振器対としてLC共振器を用いた態様を示し、図2は、インピーダンス変換装置Mを構成する共振器対としてオープンリング共振器を用いた態様を示している。
本発明に係るインピーダンス変換装置Mは、例えば、互いに異なるインピーダンスを有する電源と負荷との間に配設され、共振器対における電磁的な共鳴を利用して、電源から負荷への電力伝送が損失無く行われるように、電源と負荷との間をインピーダンス整合するように接続する。即ち、本発明に係るインピーダンス変換装置Mは、非接触にて、送電装置UAから受電装置UBへの電力伝送を行う。
図1では、送電装置UAの共振器として、コイル1とキャパシタ3により構成されたLC共振器が用いられており、受電装置UBの共振器として、コイル2とキャパシタ4により構成されたLC共振器が用いられている。尚、図1では、LC共振器として、直列共振型のLC共振器が用いられているが、並列共振型のLC共振器が用いられてもよい。
送電装置UAの抵抗部は、電源5のインピーダンス(即ち、電源回路の出力インピーダンスを表す(以下、「電源インピーダンス」又は「外部インピーダンス」とも称する)に相当する。受電装置UBの抵抗部は、負荷6のインピーダンス(以下、「負荷インピーダンス」又は「外部インピーダンス」とも称する)に相当する。
図2では、送電装置UAの共振器として、オープンリング共振器111が用いられており、受電装置UBの共振器として、オープンリング共振器211が用いられている。又、送電装置UAの抵抗部は、電源5とそれに接続する給電線のインピーダンスに相当し、受電装置UBの抵抗部は、負荷6それに接続する給電線のインピーダンスに相当する。
尚、図1及び図2において、電源5は、例えば、バッテリと、当該バッテリから供給される直流電力を高周波電力(例えば、MHz帯域又はGHz帯域の交流電力)に変換する発振器と増幅器により構成され、負荷6は、例えば、高周波電力を整流する整流回路と、整流回路で整流された直流電力を使用して蓄電するバッテリと、により構成されている。
まず、図1のLC共振器を用いた態様において、共鳴整合を成立させる条件について、説明する。
LC共振器のコイルのインダクタンスをL0、容量をC0 とすると、共振器の共振周波数および共振器インピーダンスは以下の式(1)、式(2)に示すω0、ZR0となる。
Figure 2024017668000002
Figure 2024017668000003
直列共振回路においてコイルやキャパシタに直列にインピーダンスRSの抵抗(電源又は負荷のインピーダンスに相当する)を接続すると外部Qは以下の式(3)のように表される。
Figure 2024017668000004
一方、並列共振回路の場合、コイルやキャパシタに並列にインピーダンスRSの抵抗(電源又は負荷のインピーダンスに相当する)を接続すると外部Qは以下の式(4)のようになる。
Figure 2024017668000005
ここで、送電側共振器と受電側共振器の共振周波数を同一にし、送電側共振器と受電側共振器の外部QをそれぞれQe1、Qe2とし、両共振器を接近させて結合係数がkとなった場合、以下の(5)式の関係が充足していれば、共振周波数付近のある程度の広帯域に亘って、伝送効率がほぼ100%の最平坦特性になることが判っている(例えば、非特許文献1を参照)。
Figure 2024017668000006
有限の伝送帯域幅が存在する最平坦特性を実現させるためには式(5)の等号が同時に成り立っていることが必要で、一方でもずれている場合には、信号は反射される。この等号が同時に成り立っている状態が共鳴整合状態である。この共鳴整合状態においては、異なるインピーダンスの機器間(即ち、異なるインピーダンスの電源と負荷の間)であっても反射をなくすることができるため、かかる条件を充足するように配された2つの共振器は、インピーダンス変換装置Mとして機能すると言える。
本願の発明者らは、特許文献1において、2つの共振器間で高い伝送効率を維持する手法として、システム運用時に、下記式(6)を充足するように、共振器の外部Qを調整する手法を提案した。特許文献1では、下記式(6)を満たす場合にインピーダンス変換(即ち、2つの機器間を、インピーダンス整合させた状態で接続することができる)ができることを示した。
Figure 2024017668000007
式(6)の条件は、式(5)の条件が緩和された条件となっている。しかし、非特許文献1にも述べられているように、実際には、この場合の伝送効率はコイルの内部抵抗に起因して大きく低下する。これは、式(6)の条件では、送電側共振器の外部Qと受電側共振器の外部Qがアンバランスとなりやすく、コイルの内部抵抗による影響を受けやすくなり、反射電力が大きくなるためであると推定される。
さらに大きな問題は、式(6)の条件では、伝送効率が最大となる周波数帯域はきわめて狭いことである(典型的には、両共振器の共振周波数と一致する一点においてのみ、高伝送効率が実現可能である)。つまり、システム運用時に、式(6)を充足するように、都度、共振器の外部Qを調整する手法は、実際の伝送効率をモニタしながら調整するような場合には使えるが、コネクタ接続のような汎用の用途(即ち、伝送効率をモニタしながらの調整ができない環境下)では、部品の特性ばらつき、結合状態のわずかな変動などでも100%透過状態が崩れるためにこれを利用するのは困難である。
それに比べ式(5)の最平坦特性では広い帯域が確保されているので、部品や使用環境での若干の特性ばらつきがあっても100%透過が保証される。
かかる観点から、本発明に係るインピーダンス変換装置Mは、例えば、システム設計時に、接続対象の電源又は負荷のインピーダンスにあわせて、式(5)の関係が充足するように、共振器の外部Qを調整しておき、システム運用時には無調整で使用する、といった使用態様に好適に用いることができる。尚、LC共振器の場合、外部インピーダンスが与えられた場合の外部Qの調整法は、式(3)、式(4)からわかるように共振器インピーダンスZR0の調整で行うことができる。しかし、共振周波数を一定に保った状態でZR0を変えるのはコイルのLを変える必要があり、実用的では無い。
そこで、本発明に係るインピーダンス変換装置Mに適用するLC共振器としては、好ましくは、本願の発明者らが特許文献1において提案した容量分割直列共振回路(図3(c))又は容量分割並列共振回路(図3(d))を用いる。
図3は、LC共振器を構成する各種共振回路を示す図である。図3(a)は一般的な直列共振回路を示し、図3(b)は一般的な並列共振回路を示し、図3(c)は容量分割直列共振回路を示し、図3(d)は容量分割並列共振回路を示している。尚、図3(a)~図3(d)では、それぞれ、インピーダンス変換装置Mの片側の共振器回路(ここでは、送電側共振器)のみを示している。
図3(a)、図3(b)の基本的なLC共振器では、外部Qは接続する回路の外部インピーダンスZsで決まってしまう。これを調整可能とするために、直列共振回路では図3(c)のように容量を2つの並列容量に、並列共振回路では図3(d)のように2つの直列容量に分割し、その分割点に給電する。
容量分割直列共振回路(図3(c))を構成するキャパシタ3(又はキャパシタ4)は、コイル1から見て並列に2分割され、且つ、2分割されて形成された2つの分割キャパシタ3a、3bのうちの一方の分割キャパシタ3aのみに、送電部としての電源5又は受電部としての負荷6が直列に接続された構成を有する。そして、容量分割直列共振回路では、2つの分割キャパシタ3a、3bの並列合成容量を一定にしつつ、その容量比を調整することが可能となった構成を採用する。尚、以下では、説明の便宜として、2つの分割キャパシタ3a、3bのうち一方を「第1分割キャパシタ」と称し、他方を「第2分割キャパシタ」とも称する。
又、容量分割並列共振回路(図3(d))を構成するキャパシタ3(又はキャパシタ4)は、コイル1から見て直列に2分割され、且つ、2分割されて形成された2つの分割キャパシタ3c、3dのうちの一方の分割キャパシタ3dのみに、送電部としての電源5又は受電部としての負荷6が並列に接続された構成を有する。そして、容量分割並列共振回路では、2つの分割キャパシタ3c、3dの直列合成容量を一定にしつつ、その容量比を調整することが可能となった構成を採用する。尚、以下では、説明の便宜として、2つの分割キャパシタ3c、3dのうち一方を「第3分割キャパシタ」と称し、他方を「第4分割キャパシタ」とも称する。
即ち、容量分割直列共振回路及び容量分割並列共振回路では、外部Qの調整は、共振周波数を変えないようにしつつ、分離されたキャパシタの容量比を変えることで実現できる。
このように、容量分割直列共振回路(図3(c))では、図3(a)の容量C0を、コイルから見て並列にCAとCBに分解する。その並列合成容量を次式(7)のようにC0として、並列合成容量を一定とすれば、CAとCBの容量比を調整しても共振周波数を一定値に維持できる。
Figure 2024017668000008
この際、CA、CBの容量比aを下記式(8)のように定義すると、直列共振回路では、回路方程式から式(3)においてZSがa2ZSに置き換わった式となるため、外部Qは近似的に以下の式(9)のように表される。
Figure 2024017668000009
Figure 2024017668000010
又、容量分割並列共振回路(図3(d))では、図3(b)の容量C0を、コイルから見て直列にCCとCDに分解する。その直列合成容量を以下の式(10)のようにC0として、直列合成容量を一定とすれば、CCとCDの容量比を調整しても共振周波数を一定値に維持できる。
Figure 2024017668000011
この際、CC、CDの容量比bを下記式(11)のように定義すると、並列共振回路では、回路方程式から式(4)においてZSがb2ZSに置き換わった式となるため、外部Qは近似的に以下の式(12)のように表される。
Figure 2024017668000012
Figure 2024017668000013
結合係数kを一定とすると、式(5)を満足させるための外部Qを所定値に調整する必要があるが、上記のように、容量分割直列共振回路及び容量分割並列共振回路では、LC共振器を構成するキャパシタの容量比a、bを調整することで、かかる調整が実現可能であることが分かる。
尚、式(8)のaはゼロと1の間の値なので、容量分割直列共振回路は、ZR/ZSを大きくする方向への調整が必要な場合に好適である。一方、式(11)のbは1以上の値なので、容量分割並列共振回路は、ZR/ZSを小さくする方向への調整が必要な場合に好適である。
送電側回路及び受電側回路それぞれにおいて、図3(c)と図3(d)の2種類の共振器のいずれかを利用することで、任意のインピーダンスを有する電源又は負荷が接続された電力伝送回路内で、外部Qを調整して最平坦特性が実現できる。
かかる観点から、本発明に係るインピーダンス変換装置MにLC共振器を適用する場合には、容量分割直列共振回路又は容量分割並列共振回路を用いるとともに、式(5)(Qe1=Qe2=1/k)が充足するように、容量分割直列共振回路の第1分割キャパシタと第2分割キャパシタの容量比a値、又は、容量分割並列共振回路の第3分割キャパシタと第4分割キャパシタの容量比b値を設定しておくのが好ましい。
表1は、容量分割直列共振回路及び容量分割並列共振回路において、外部インピーダンス(即ち、電源インピーンダス又は負荷インピーダンス)を変化させた場合に、電圧反射率が1%以下となるように、C0、a、bの値を最適化計算で求めたシミュレーション実験の結果である。このシミュレーションは、共振周波数:10MHz、インダクタンスL0:1.6μH、結合係数k:0.1の条件で行った。尚、後述する他のシミュレーションの条件もこの条件に準拠させている。
Figure 2024017668000014
表1から、容量分割直列共振回路においてはa値の調整によって、又、容量分割並列共振回路においてはb値の調整によって、インピーダンスが20Ωと500Ωの間では、ほぼ一定のC0値で、電圧反射率が1%以下のLC共振器を実現できることが分かる。この結果は、接続先やケーブルの特性インピーダンスが20~500Ωの範囲では接続相手にかかわらず同じ構造で良いことを意味する。つまり、接続先のインピーダンス値にあわせて、表1のようにa、bを調整すれば、どんな相手とも共鳴整合が取れることを示している。
尚、上記では、送電側共振器と受電側共振器とで同一特性のインダクタ及びキャパシタが用いられていることを想定して説明したが、送電側共振器と受電側共振器とは、共振周波数ω0が同じで、外部Qが共通の結合係数kの逆数になるように設定されていれば、必ずしも両共振器でL0やC0が同じである必要はない。
又、インピーダンス変換装置Mにおいては、送電側共振器と受電側共振器とを同じ構成にする必要はないので、送電側共振器と受電側共振器との組み合わせとしては、(1)S-S型;送電側受電側とも直列型、(2)S-P型;送電側直列型-受電側並列型、(3)P-S型;送電側並列型-受電側直列型、(4)P-P型;送電側受電側とも並列型、の4通りの構成がある。
同様なことは、図2のオープンリング共振器を用いたインピーダンス変換装置Mにおいても成立する。
即ち、送電側共振器と受電側共振器それぞれをオープンリング共振器で構成したインピーダンス変換装置Mにおいても、両共振器の共振周波数を同一にし、上記式(5)の関係が充足するように、2つの共振器の外部Qを調整すれば、広い帯域で高い伝送効率の電力伝送を実現し得る。尚、オープンリング共振器の共振器インピーダンスは、リング部の円弧状のマイクロストリップ線路のインピーダンスで規定される。
オープンリング共振器111、211は図4に示す構造で、リング状の共振器に電源(又は負荷)から延在する入出力線路が接続された構成となっている。この場合、外部Qは、以下の式(13)で与えられることが知られている(非特許文献2を参照)。
Figure 2024017668000015
式(13)において、ZORはリング部の線路の特性インピーダンス、ZSは入出力線路の特性インピーダンス、θはリング中心からリング円周の中点から入出力線路の位置までの角度(ポート角度とも称され、オープンリング共振器と入出力線路とが電気接続する位置を表す)である。2つのオープンリング共振器は、例えば、結合係数を高めるために中心が重ね合わさるように対向して、かつリング開放部がリング周方向に180度となる位置に配される。尚、2つの共振器に接続するのはマイクロストリップラインなどのインピーダンス線路になる。
式(13)から、送電側共振器と受電側共振器とで、共振器に接続するインピーダンス線路のインピーダンス値(即ち、電源)が異なっている場合であっても、リング部へのインピーダンス線路の取り付け位置θ(図4のθ1、θ2)の調整によって、送電側共振器と受電側共振器それぞれの外部Qを調整し、送電側共振器の外部Qと受電側共振器の外部Qを同一に揃えることができることが分かる。
かかる観点から、本発明に係るインピーダンス変換装置Mにオープンリング共振器を適用する場合には、式(5)(Qe1=Qe2=1/k)が充足するように、オープンリング共振器に電気接続される入出力線路のポート角度(図4のθ1、θ2)が所定位置に設定される。
尚、LC共振器を用いたインピーダンス変換装置M及びオープンリング共振器を用いたインピーダンス変換装置Mは、いずれも、共鳴する2つの共振器間での最平坦特性を利用してインピーダンス整合を行う構成となっているため、接続対象機器の回路部品や使用環境の若干の特性ばらつきがあっても100%透過を実現できる。そのため、接続対象機器のインピーダンスにあわせたインピーダンス変換装置Mを用意することで、無調整で接続対象機器への接続が可能となる。即ち、システム運用時には、回路部品の回路パラメータの微調整等は不要である。
但し、2つの共振器間の位置関係が変化し、k値が変化する環境下では、式(5)(Qe1=Qe2=1/k)の条件が崩れ、上記の共鳴インピーダンス整合の特性を十分に発揮することができなくなるおそれがある。
かかる観点から、LC共振器を用いたインピーダンス変換装置M及びオープンリング共振器を用いたインピーダンス変換装置Mのいずれにおいても、共振器対の共振器同士の位置関係を所定の関係に拘束する位置決め機構を有する構成とするのが好ましい。これにより、k値が所定値に定まるようにすることができる。尚、かかる位置決め機構は、例えば、従来公知のソケットやコネクタと同様に機械的に位置関係を固定するものを用いることができる。この場合でも、インピーダンス変換装置Mにおいては、金属同士の接触が不要なので、接触不良というトラブルは発生しない。
[応用例1]
ところで、上記したように、近年、パワーエレクトロニクスにおいては、小型化、軽量化及び低価格化などの要請があり、かかる要請に応えるため、パワーエレクトロニクスの電力伝送で用いられる交流信号の信号周波数はkHzからMHz、GHz帯へと広がっている。その際、これまで通信分野でしか考慮されなかったインピーダンス線路による機器間の接続をパワーエレクトロニクスにも適用せざるを得なくなる。しかしながら、パワーエレクトロニクスでは通信で使うような50Ωという一定のインピーダンスでの接続標準化では、応用(即ち、電源や負荷の機器特性)が大幅に制限されてしまう。又、上記したように、機械式コネクタ接続は、接触不良や水分による漏電や劣化の点で、大電力では特に問題となる。
かかる観点から、本発明では、互いに異なるインピーダンスを有する電源と負荷との間を、インピーダンス線路を介して接続し、その接続部に、図1又は図2に示したインピーダンス変換方法を適用する。これによって、電源及び負荷として、任意のインピーダンスのものを利用しながら、その間の接続線路中においても、反射の生じない電力伝送を実現可能となる。特に、かかる構成によれば、電源側及び負荷側それぞれで、インピーダンス変換が行われることになるため、電源と負荷との間のインピーダンスの差が大きい場合であっても、反射の生じない電力伝送を実現可能となる点で有用である。尚、以下では、かかるインピーダンス変換装置Mを、「ケーブル接続型インピーダンス変換装置M」と称する。
図5は、本発明の一実施形態に係るケーブル接続型インピーダンス変換装置Mの構成を示す図である。
本発明のケーブル接続型インピーダンス変換装置Mは、
電源5と負荷6との間を中継するインピーダンス線路Mcと、
インピーダンス線路Mcの一端と電源5とを電気接続するように配設された、共振周波数が同一のLC共振器又はオープンリング共振器からなる第1の共振器対(以下、「電源側共振器対」とも称する)Maと、
インピーダンス線路Mcの他端と負荷6とを電気接続するように配設された、共振周波数が同一のLC共振器又はオープンリング共振器からなる第2の共振器対(以下、「負荷側共振器対」とも称する)Mbと、
を備え、
前記第1の共振器対Ma及び前記第2の共振器対Mbは、それぞれ、下記の式(14)を充足するように設定され、電磁的な共鳴を利用して、電源5側から送出される交流信号を負荷6側に伝達する。
e1=Qe2=1/k …(14)
(但し、Qe1:送電側共振器の外部Q、Qe2:受電側共振器の外部Q、k:送電側共振器と受電側共振器との間の結合係数)
ここで、図5に示したケーブル接続型インピーダンス変換装置Mの電力伝送時の挙動について、シミュレーションにより検証した結果を示す。
図6は、応用例1の構成の動作検証用に設定した、回路シミュレーションの回路構成を示す図である。
図6では、ケーブルを挟んで、電源側の共振器対をP-S型、負荷側の共振器対をP-S型で構成したケーブル接続型インピーダンス変換装置M(以下、「P-S-(ケーブル)-P-S形式のインピーダンス変換装置M」と略称)を用いている。又、本回路シミュレーションでは、図6に示す態様の他、電源側の共振器対をP-P型、負荷側の共振器対をP-P型で構成したケーブル接続型インピーダンス変換装置M(以下、「S-S-(ケーブル)-S-S形式のインピーダンス変換装置M」と略称)、及び、電源側の共振器対をS-S型、負荷側の共振器対をS-S型で構成したケーブル接続型インピーダンス変換装置M(以下、「P-P-(ケーブル)-P-P形式のインピーダンス変換装置M」と略称)についても、同様にシミュレーションを行った。
尚、本回路シミュレーションでは、電源インピーダンス:500Ω、負荷インピーダンス:20Ω、ケーブルの特性インピーダンス:50Ωと設定した。又、このシミュレーションでは、各共振器の共振周波数:10MHz、結合係数k:0.1と設定した。
図7は、図6の回路構成において、シミュレーションで算出された各形式における透過特性(図7A)及び反射特性(図7B)を示す図である。図7A及び図7Bから分かるように、上記した3種類のケーブル接続型インピーダンス変換装置Mいずれを用いても、10MHz付近で透過率100%、反射率2%以下が実現できている。即ち、上記した3種類のケーブル接続型インピーダンス変換装置Mいずれでも、最平坦特性が実現されている。
尚、図示は省略するが、本回路シミュレーションにおいて、ケーブル長を変化させたが、その際にも、若干の変動はあるものの、反射率は、ほぼ2%以下で収まった。反射がケーブル長によらずゼロということは、この構成では、負荷側からの反射が無くインピーダンス整合と同じ状態になっていることを意味する。
尚、図5では、電源と負荷の間を中継するケーブルを1本として、インピーダンス変換の段数を電源-ケーブル間接続部とケーブル-負荷間接続部との2段階としている。しかしながら、本発明に係るインピーダンス変換装置Mにおいては、インピーダンス変換の段数は、2段階に限定するものではなく、3段階以上であってもよい。
[応用例2]
次に、本発明に係るケーブル接続型インピーダンス変換装置Mのより好適な適用例について、説明する。
電力伝送では伝送効率が重要で、電源自身がジュール損を持たないような出力インピーダンスが実質的にゼロオームに設定された電圧源が用いられる。このような電源を“ゼロオーム電源”と呼ぶことにする。このようなゼロオーム電源としては、例えば、負帰還技術を用いたスイッチング電源が挙げられ、高速で高耐圧、大電流のスイッチングデバイスがあれば、例えば、F級増幅器技術などで実現可能である。
本発明に係るケーブル接続型インピーダンス変換装置Mは、ゼロオーム電源を用いた電力伝送に好適である。これは、本発明に係るケーブル接続型インピーダンス変換装置Mによれば、電源側及び負荷側それぞれで、インピーダンス変換が行われることになることから、電源と負荷との間のインピーダンスの差が大きい場合であっても、反射の生じない電力伝送を実現できるためである。
この際の信号の挙動について、検証する。図5の回路で信号が反射する可能性がある位置としては、図5中の地点A~地点Fが挙げられる。地点Fでは、共振器への接続インピーダンスが負荷インピーダンスと等しいときに外部Qが1/kとなるように設定されている。それにより地点Fでの反射が無くなり、地点Fより先に進んだ信号はすべて負荷で吸収される。又、地点C、地点Dでは、各共振器の外部Qが接続するケーブルの特性インピーダンスに等しいときに1/kになるようにする。地点Eでは両側の共振器での外部Qが1/kで等しいので最平坦特性であり、また地点C、地点Dでの反射は無くなる。地点Aでは、ある値ZIN(ZINは極小の電源の内部インピーダンスを想定した値である)の外部インピーダンスを付けたときに最平坦特性になるように共振器の外部Qが設定される。尚、地点Aでは、ZINのインピーダンスを接続すると整合が取れる条件に設定されているので、電源から見た負荷側のインピーダンスもZINになっているはずである。
ゼロオーム電源を用いると、通常、負荷側から反射波が到来した場合、電源側のインピーダンスがゼロ近くであるため、地点Aで当該反射波は、全反射される。即ち、仮に、負荷で反射が起こればその信号は電源まで戻り、電源で全反射されて再び回路に戻り、それが繰り返せば回路の動作を不安定にするばかりで無く破壊すら起こすことになる。そのため、ゼロオーム電源に接続する負荷側回路からは、限りなく反射がない構成であることが望まれる。
この点、本発明に係るインピーダンス変換装置Mにおいては、電源と負荷との間の各接続点での反射をゼロとすることができるため、負荷部の終端部での反射をゼロに抑えることができれば、それが保証される。そこで、本発明に係るケーブル接続型インピーダンス変換装置Mにおいて、ゼロオーム電源を適用する場合には、負荷部は、当該負荷部自体での反射が電源側に戻らないように接続されるのが好ましい。尚、終端部での反射の抑制は多くの場合、高周波装置で用いられる通常のインピーダンス整合技術で可能である(例えば、図8を参照)。
尚、本発明に係るインピーダンス変換装置Mを用いた電力伝送では、電源の電圧実効値をVacとすると、負荷はZINであるためVac 2/ZINの電力が交流信号として負荷側に流れ、その信号は途中のインピーダンス値により電圧レベルや電流レベルは変わるが、電力としては損失や反射無くそのまま負荷に到達する。交流電源で駆動する負荷にはいろいろあるが、例えば、基本的な回路は交流を直流に変換する整流回路、すなわちレクテナ回路である。モーターなどの他の回路でも元は直流電源から駆動されるので、まずは直流に変換さえ出来ればいろいろな用途に利用することが出来る。尚、レクテナ回路では整流ダイオードの非線形性から基本波以外に整数次高調波が反射波として戻る可能性があるが、その場合には、高調波フィルタを用いてもよい。
図8は、図5のケーブル接続型インピーダンス変換装置Mの負荷部にレクテナ回路を配置した例である。レクテナ回路は、ダイオードのキャパシタ成分や負荷になる抵抗成分があり、それらが信号反射の要因となるが、さらにダイオードの持つ非線形性から整数倍周波数の高調波が発生する。そのため、基本波に加え整数倍周波数の高調波が反射波として戻る可能性がある。特許文献2ではマイクロ波帯を想定してスタブを用いてこれを遮断していたが、MHz帯であれば容量、インダクタなどで、基本波を100%通しそれより高い周波数の高調波の透過率はゼロに近いようなローパスフィルタを挿入すれば、反射波は基本波のみとなる。このローパスフィルタと負荷側の共振器対の出口がインピーダンスに整合するように、その間に通常のインピーダンス整合回路を用いることで反射をゼロとすることが可能である。このように、複雑な反射波を発生する回路であっても、損失無く反射を抑圧することが可能である(例えば、本願の発明者らの先願である特許文献2を参照)。
又、本発明に係るケーブル接続型インピーダンス変換装置Mは、電源部とケーブル部との間の電気接続、及び、ケーブル部と負荷部との間の電気接続は、それぞれ、共振器対を用いた非接触での電気接続であるので、分離着脱が容易にできる点でも有用である。
ここで、ゼロオーム電源を用いた場合の、本発明に係るケーブル接続型インピーダンス変換装置Mの電力伝送時の挙動について、シミュレーションにより検証した結果を示す。
図9は、応用例2の構成の動作検証用に設定した、回路シミュレーションの回路構成を示す図である。
シミュレーションでは、電源側にサーキュレータを入れ、戻ってくる電力量を調査した。電源側共振器のインピーダンス設定値ZINを500Ωとし、負荷には20Ωの抵抗を置いて、それと共鳴整合するように表1の数値を用いて負荷側共振器のインピーダンスを設定した。ケーブルの特性インピーダンスは50Ωで、ケーブル両端の共振器はその値に設定している。又、電源は実効値70.7Vのゼロオーム電源としている。
尚、インピーダンス変換装置Mにおける共振器対の構成は、図6で行った回路シミュレーションと同様、P-S-(ケーブル)-P-S、S-S-(ケーブル)-S-S、P-P-(ケーブル)-P-Pの3形式を計算した。
図10は、図9の回路構成において、シミュレーションで算出された各形式における負荷電力特性(図10A、図10C)及び反射電力特性(図10B)を示す図である。
電源側共振器の設定インピーダンスを500Ωとしたので、電源からは10Wの電力が投入されるはずである。サーキュレータを入れた状態での負荷の電力を図10Aに、反射電力を図10Bに示す。負荷の消費電力は、計算通り中心周波数で10Wとなっており、図7Aの透過率とよく似た周波数特性を示している。また、帯域を外れるとほとんどが反射されて電源に戻っていることが判る。
図10Cは、実際の回路と同様、ゼロオーム電源に直接接続し、サーキュレータと終端抵抗のない場合の負荷電力特性を示す。この場合、反射して戻ってきた信号は電源で反射され、再び負荷側に投入される。このシミュレーションではLC回路には損失が無いとしたので、負荷に到達した電力は即ち電源から電力である。図10Cに示すようにどの回路形式でも10MHz近傍はほぼ10Wで揃っている。但し、帯域から外れると極端に大きな電力が投入される場合があることが判る。
次に、本発明に係るケーブル接続型インピーダンス変換装置Mにおいて、インピーダンス整合が成立して反射が無いことを確認するために、インピーダンス線路の線路長を0から波長の長さまで変化させた場合の中心周波数(10MHz)における電力特性を調べた。
図11は、線路長を変化させた場合の、各形式における負荷電力及び反射電力の特性を示す図である。
本回路シミュレーションでは、はじめに反射の様子を調べるために電源部にサーキュレータを設置し負荷での電力と反射波を分離して測定した。その際の負荷電力(負荷の消費電力)と反射電力を図11Aに示す。P-S-(ケーブル)-P-S、S-S-(ケーブル)-S-S、P-P-(ケーブル)-P-Pの3形式いずれにおいても、対数目盛のため重なっているが、負荷電力の揺らぎは1%以内である。反射電力はすべて負荷電力の0.5%以下で、ほとんど反射が無いことが判る。
又、ゼロオーム電源に直接つないだ場合の送電電力を図11Bに示す。この場合は反射波の影響で送電電力の変動が発生するが、その大きさは±10%以内である。線路長の変化に応じて送電電力が変動するのは、電源から見た負荷側のインピーダンスが変化するためであり、損失では無い。又、送電電力の変動レベルもわずかな電源電圧の調整で対応できるレベルである。
このように、本発明に係るインピーダンス変換装置Mにおいては、スイッチング電源などの出力インピーダンスがゼロΩ系の電源を用いた場合でも反射損失の無い電力伝送が可能であることが分かる。
[応用例3]
本発明に係るケーブル接続型インピーダンス変換装置Mは、オープンリング共振器を用いた共鳴送電にも適用可能である。
図12は、本発明に係るケーブル接続型インピーダンス変換装置Mにおいて、電源側共振器対及び負荷側共振器にオープンリング共振器を用いた態様を示す図である。
オープンリング共振器はプリント板などの平面回路で実現でき、マイクロ波帯などの高周波で利用されている。図12の例では、出力インピーダンスの低い半導体アンプ(即ち、電源5)から、50Ωの同軸ケーブル(即ち、インピーダンス線路)に接続し、その先端でアンテナ(即ち、負荷6)に接続している。アンテナはその形態により入力インピーダンスが変わるが、本発明では、ケーブル側の共振器は一定のまま、アンテナに接続される側のオープンリング給電線の位置をアンテナインピーダンスに合わせておけばよい。
図13は、オープンリングに接続する給電線のインピーダンスを変化させた場合における、最平坦特性が実現される給電線取り付け角度 (即ち、図4のポート角度θ、θ)を調査したシミュレーション結果である。ここでは、シミュレーションの条件として、信号周波数を2.5GHzとし、オープンリングを誘電率4.2で厚さ0.6mmのプリント板上に形成し、リングは幅6.5mm、リング中心線の半径を6.5mmとし、リング間距離を5mmと設定した。リング部のマイクロストリップ線路としての特性インピーダンスは14Ωなので、結合係数は0.066と見積もられる。
尚、このシミュレーション結果から、最平坦特性を得るために適したアンテナに接続する給電線のインピーダンス、及び当該給電線のオープンリング共振器への取り付け角度 (即ち、図4のポート角度θ、θ)は、例えば、以下の表2のように設定することができる。
Figure 2024017668000016
図14は、回路シミュレーションで算出された、本発明に係るケーブル接続型インピーダンス変換装置Mにおいて、オープンリング共振器を用いた態様における電源電力特性、負荷電力特性、及び反射電力特性を示す図である。
ここでは、計測部については、図9と同様の回路構成にて、回路シミュレーションを行った。回路シミュレーションの条件として、電源側接続部の電源側のインピーダンスを30Ω、ケーブルの特性インピーダンスを50Ω、その両端の共振器のインピーダンスを50Ω、負荷部のインピーダンスを100Ωと設定した。
このシミュレーション結果は、電源に実効値電圧10Vの電圧源を置き、反射波をサーキュレータで分離した場合の伝送特性を示す。入力インピーダンスを30Ωに設定しているので電源からの出力電力は3.33Wであるが、リングでの損失のため負荷には中心周波数で3.2W程度が給電されている。この場合、反射電力はほぼゼロである。この計算では配線金属に実際の金属抵抗値を入れているため、表皮効果による若干のジュール損が発生している。
図15は、図14の回路シミュレーションと同様の条件で、実際の回路と同様、ゼロオーム電源に直接接続し、中心周波数2.5GHzでのサーキュレータと終端抵抗のない場合の特性を示す図である。図15から、周波数によって電力値が若干変動するが、中心周波数ではほぼ狙ったとおりの電力が得られていることが分かる。
図16は、図14の回路シミュレーションと同様の条件で、オープンリング共振器に接続する給電線の線路長を変化させた場合における電源での出力電力と負荷への到達電力の線路長依存性を示す。Aは反射波が電源で吸収される場合の特性を示し、反射電力は線路長によって変化するが最大でも送電電力の1%以下である。BはゼロΩ電源を用いて且つ反射波が電源で吸収されない場合の特性を示し、伝送電力に±10%程度の変動があるが、それは投入電力の変化で損失の変化では無く、電源電圧で調整可能な範囲である。
[効果]
以上のように、本発明に係るインピーダンス変換装置Mによれば、共鳴する2つの共振器間での最平坦特性を利用したインピーダンス整合を行うため、インピーダンス整合のための各回路部品のインピーダンスの選定を大幅に緩和すると共に、回路部品や使用環境の若干の特性ばらつきがあっても100%透過を実現できる。即ち、本発明に係るインピーダンス変換装置Mにおいては、接続対象機器のインピーダンスにあわせたインピーダンス変換装置を用意することで、無調整で接続対象機器への接続が可能となる。
又、本発明に係るインピーダンス変換装置Mにおいては、非接触コネクタで接続が可能であるため、着脱が容易で、且つ、機械的振動などによる接触不良の可能性も無くなる。機械式コネクタでは金属配線部が外の露出し、水分の多い環境では漏電や劣化の問題があったが、本発明に係るインピーダンス変換装置Mでは、共振器ごとにプラスチックなどの絶縁物で覆うことが出来るので、水分の多い環境でも安全に使うことが出来る。
尚、本発明に係るインピーダンス変換装置Mは、上記のような技術的特徴を有することから、パワーエレクトロニクス機器が高周波化しモジュール分割化した電力伝送システムに特に好適に用いることができる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
本発明に係るインピーダンス変換装置によれば、着脱が容易な非接触コネクタで、異なるインピーダンスを有する電源と負荷の間を、反射を生じさせることなく電気接続することが可能である。
M インピーダンス変換装置
UA 送電装置
UB 受電装置
1 送電側コイル
2 受電側コイル
3 送電側キャパシタ
4 受電側キャパシタ
5 電源
6 負荷
111 送電側オープンリング共振器
211 受電側オープンリング共振器
Ma 電源側共振器対
Mb 負荷側共振器対
Mc インピーダンス線路

Claims (6)

  1. 互いに異なるインピーダンスを有する電源と負荷との間をインピーダンス整合するように接続するインピーダンス変換装置であって、
    共振周波数が同一のLC共振器又はオープンリング共振器からなる共振器対を有し、
    前記共振器対は、下記の式(1)を充足するように設定され、電磁的な共鳴を利用して、前記電源側から送出される交流信号を前記負荷側に伝達する、
    インピーダンス変換装置。
    e1=Qe2=1/k …式(1)
    (但し、Qe1:送電側共振器の外部Q、Qe2:受電側共振器の外部Q、k:送電側共振器と受電側共振器との間の結合係数)
  2. 互いに異なるインピーダンスを有する電源と負荷との間をインピーダンス整合するように接続するインピーダンス変換装置であって、
    前記電源と前記負荷との間を中継するインピーダンス線路と、
    前記インピーダンス線路の一端と前記電源とを電気接続するように配設された、共振周波数が同一のLC共振器又はオープンリング共振器からなる第1の共振器対と、
    前記インピーダンス線路の他端と前記負荷とを電気接続するように配設された、共振周波数が同一のLC共振器又はオープンリング共振器からなる第2の共振器対と、
    を備え、
    前記第1の共振器対及び前記第2の共振器対は、それぞれ、下記の式(2)を充足するように設定され、電磁的な共鳴を利用して、前記電源側から送出される交流信号を前記負荷側に伝達する、
    インピーダンス変換装置。
    e1=Qe2=1/k …式(2)
    (但し、Qe1:送電側共振器の外部Q、Qe2:受電側共振器の外部Q、k:送電側共振器と受電側共振器との間の結合係数)
  3. 前記共振器対は、キャパシタとコイルとからなるLC共振器のセットであり、
    前記キャパシタが、前記コイルに対して並列接続する第1分割キャパシタと第2分割キャパシタとに分離され、且つ、前記第1分割キャパシタ若しくは前記第2分割キャパシタのいずれか一方に、外部インピーンダンスが直列に接続された構造、又は、
    前記キャパシタが、前記コイルに対して直列接続する第3分割キャパシタと第4分割キャパシタとに分離され、且つ、前記第3分割キャパシタ若しくは前記第4分割キャパシタのいずれか一方に、外部インピーンダンスが並列に接続された構造を有する、
    請求項1又は2に記載のインピーダンス変換装置。
  4. 前記共振器対は、オープンリング共振器のセットであり、
    前記オープンリング共振器は、自身に電気接続される入出力線路のポート角度(但し、ポート角度は、前記オープンリング共振器のリング周方向において、前記オープンリング共振器と前記入出力線路とが電気接続する位置を表す)が所定位置に設定されている、
    請求項1又は2に記載のインピーダンス変換装置。
  5. 前記電源は、ゼロオーム電源であり、
    前記負荷は、当該負荷での反射が前記電源側に戻らないように接続されている、
    請求項2に記載のインピーダンス変換装置。
  6. 前記共振器対の共振器同士の位置関係を所定の関係に拘束する位置決め機構を有する、
    請求項1又は2に記載のインピーダンス変換装置。
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