JP2023132928A - 結合共振型無線電力伝送システムの共振器、及び結合共振型無線電力伝送システム - Google Patents

結合共振型無線電力伝送システムの共振器、及び結合共振型無線電力伝送システム Download PDF

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Abstract

Figure 2023132928000001
【課題】より簡易な手法で、適正な電力値の送電を可能とする結合共振型無線電力伝送システムの共振器を提供すること。
【解決手段】結合共振型無線電力伝送システムに適用される共振器であって、キャパシタは、コイルに対して並列に接続された第1分割キャパシタと第2分割キャパシタとからなるnセットの分割キャパシタ対を有し、前記第1分割キャパシタの容量値と前記第2分割キャパシタの容量値の和は、前記nセットの分割キャパシタ対の各分割キャパシタ対で同一であり、前記第1分割キャパシタの容量値と前記第2分割キャパシタの容量値の比は、前記nセットの分割キャパシタ対の各分割キャパシタ対で互いに異なっており、前記第1スイッチと前記第2スイッチとは、前記nセットの分割キャパシタ対のいずれか一つが前記コイルと前記電源又は前記負荷とに接続するように動作する共振器。
【選択図】図5

Description

本開示は、結合共振型無線電力伝送システムの共振器、及び結合共振型無線電力伝送システムに関する。
近年、コイルとキャパシタと組み合わせて構成した同一の共振周波数を有する共振器を設け、2つの共振器を電磁的に共鳴させることで遠距離送電を可能とする結合共振型無線電力伝送システム(以下、「無線電力伝送システム」と略称する)が注目されている。
図1は、無線電力伝送システム(ここでは、直列共振回路を用いた無線電力伝送システム)の概念図である。図1では、左側に送電装置UA、右側に受電装置UBを描いている。送電装置UAは、コイル1とキャパシタ3とで構成される共振器と、当該共振器に対して交流電力を送出する電源5と、を有する。又、受電装置UBは、コイル2とキャパシタ4とで構成される共振器と、当該共振器から交流電力を取得する負荷6と、を有する。
この方式では、共鳴を用いているために条件が整えばコイルサイズの数倍の長距離でも電力が送れると言われている。しかしながら、実際には、2つの共振器間で電磁的に共鳴させるための調整が難しく、安定して高効率伝送を行うことはできていない。その大きな原因は、非接触給電では送受電器間の距離が固定されておらず、その変動のために共振器間の結合係数が変化してしまうことである。
結合係数の変化により、共振器間の伝送特性がどのように変わるかについては非特許文献1に詳しく記載されている。そこでは、共振器の外部Qを結合係数に合わせて変化させることが必要であることが述べられている。
尚、一般に使われる共振器のQ値は、負荷が接続されていない状態でのQ値で無負荷Qと称される。この無負荷Qは、共振器の特性インピーダンスとコイルの内部抵抗の比である。一方、共振器に信号を入力したり取り出すために接続する電源や負荷のインピーダンスによるQ値は、外部Qと称される。
共振器の外部Qは、一般に、共振器の持つ固有インピーダンスとそれに接続される負荷や電源のインピーダンスの比で決まる。但し、共振器を構成するコイルの大きさや構造は、用途や送電距離などで決まり、コイルそのものは、機械的な構成物であるため、そのインダクタンス値を任意に変更することは困難である。又、共振器の共振周波数は、コイルのインダクタンスとキャパシタの容量で決まるが、共振器の共振周波数を変更することは、回路部品のインピーダンス特性による制約や電波法上の制約などを含め難しく、結果的にキャパシタの容量を自由に変えることもできない。又、負荷のインピーダンスは、用途によってほぼ決められてしまう。又、電源のインピーダンスは、電源電圧と所望の電力量から決められてしまう。
このように、従来技術に係る無線電力伝送システムでは、外部Qを変更できる要素は限られており、高効率な共鳴送電を、k値が変動する中で実現し、維持することは困難であった。
特願2021-143959
I.AwaiandT.Ishizaki、 "SuperiorityofBPFtheoryfordesignofcoupledresonatorWPTsystems,"Asia-PacificMicrowaveConference2011, pp. 1889-1892 (2011) INSPEC Accession Number: 12656013
本願の発明者は、従来技術に係る無線電力伝送システムの上記問題点を鋭意検討し、LC共振器(以下、「共振器」と略称する)の外部Qを調整する方法として、共振器を構成するキャパシタを分割して、その分割点に給電する方法が有効であることを見出した(後述する図3(c)及び図3(d)を参照)。かかる給電方法によれば、共振器に接続される電源や負荷のインピーダンスを一定にしたまま、外部Qを自由に調整することが可能となる。詳細には、本願の出願人の先願である特許文献1を参照されたい。
加えて、本願の発明者は、特許文献1の中で、そのキャパシタの構造として、図2に示すような可変キャパシタ(ここでは、直列共振器に用いる可変キャパシタ)が有効であることを示した。
この可変キャパシタは、電気的に互いに分離され、同じ向きを向くように並んで配設された第1固定電極E1及び第2固定電極E2と、第1固定電極E1及び第2固定電極E2それぞれに対向するように、第1固定電極E1及び第2固定電極E2それぞれとの間の距離を一定に保ちながら、第1固定電極E1と第2固定電極E2とが並ぶ方向に沿って移動可能に配設された可動電極E3と、を有する。そして、一方の分割キャパシタは、第1固定電極E1と可動電極E3との間で構成され、他方の分割キャパシタは、第2固定電極E2と可動電極E3との間で構成されている。そして、この可変キャパシタは、可動電極E3を移動させたときに、第1固定電極E1と可動電極E3とが対向する面積と第2固定電極E2と可動電極E3とが対向する面積との和が一定となるように構成されている。
かかるキャパシタ構造を用いることで、2つの分割キャパシタの並列合成容量を一定にしたまま、その容量値の比を調整することが可能である。これによって、共振周波数を一定に保ちながら、共振器の外部Qを調整することが可能となる。
図2のようなキャパシタを実現する一態様としては、例えば、バリコンと称される機械的な回転を用いるキャパシタがある。原理的には、バリコンの回転角調整によって、外部Qを調整することは可能であるが、実際には、外部Qは、バリコンの回転角の僅かな変化で大きく変動してしまい、外部Qの調整作業は、極めて困難である。そして、結果として、適正な外部Qを確保又は維持することができず、送電側から受電側に対して適正な電力値の送電を実施することができないおそれがあった。
本開示は、上記問題点に鑑みてなされたもので、より簡易な手法で、適正な電力値の送電を可能とする結合共振型無線電力伝送システムの共振器、及び結合共振型無線電力伝送システムを提供することを目的とする。
前述した課題を解決する主たる本開示は、
結合共振型無線電力伝送システムに適用される共振器であって、
直列共振回路を構成するキャパシタとコイルとを有し、
前記キャパシタは、前記コイルに対して並列に接続された第1分割キャパシタと第2分割キャパシタとからなるn(但し、nは2以上の正の整数)セットの分割キャパシタ対を有し、
前記第1分割キャパシタの容量値と前記第2分割キャパシタの容量値の和は、前記nセットの分割キャパシタ対の各分割キャパシタ対で同一であり、
前記第1分割キャパシタの容量値と前記第2分割キャパシタの容量値の比は、前記nセットの分割キャパシタ対の各分割キャパシタ対で互いに異なっており、
前記第1分割キャパシタと前記第2分割キャパシタの容量分割点は、第1スイッチを介して前記コイルの一端に接続され、
前記第2分割キャパシタの他端は、第2スイッチを介して電源又は負荷の他端に接続され、
前記第1分割キャパシタの他端は、前記コイルの他端と前記電源又は前記負荷の他端の接続点に接続され、
前記第1スイッチと前記第2スイッチとは、前記nセットの分割キャパシタ対のいずれか一つが前記コイルと前記電源又は前記負荷とに接続するように動作する、
共振器である。
又、結合共振型無線電力伝送システムに適用される共振器であって、
並列共振回路を構成するキャパシタとコイルとを有し、
前記キャパシタは、前記コイルに対して直列に接続された第3分割キャパシタと第4分割キャパシタとからなるn(但し、nは2以上の正の整数)セットの分割キャパシタ対を有し、
前記第3分割キャパシタの容量値の逆数と前記第4分割キャパシタの容量値の逆数の和は、前記nセットの分割キャパシタ対の各分割キャパシタ対で同一であり、
前記第3分割キャパシタの容量値と前記第4分割キャパシタの容量値の比は、前記nセットの分割キャパシタ対の各分割キャパシタ対で互いに異なっており、
前記第3分割キャパシタと前記第4分割キャパシタの容量分割点は、第4スイッチを介して電源又は負荷の他端に接続され、
前記第3分割キャパシタの他端は、第3スイッチを介して前記コイルの一端に接続され、
前記第4分割キャパシタの他端は、前記コイルの他端と前記電源又は前記負荷の他端の接続点に接続され、
前記第3スイッチと前記第4スイッチとは、前記nセットの分割キャパシタ対のいずれか一つが前記コイルと前記電源又は前記負荷とに接続するように動作する、
共振器である。
本開示に係る結合共振型無線電力伝送システムの共振器によれば、より簡易な手法で、適正な電力値の送電が可能である。
無線電力伝送システムの概念図 特許文献1に記載の可変キャパシタの構成を示す図 LC共振器の回路構成を示す図 無線電力伝送システムの構成を示す図 本実施形態に係る分割容量直列共振器の構成の一例を示す図 本実施形態に係る分割容量並列共振器の構成の一例を示す図 本実施形態に係る分割容量直列共振器を用いたS-S型の無線電力伝送システムにおいて、容量比a1を調整することによって制御される、共振器の入力インピーダンスの挙動の一例を示す図 本実施形態に係る分割容量直列共振器を用いたS-S型の無線電力伝送システムにおいて、容量比a1を調整することによって制御される、送電電力の挙動(実線)を示す図 送電側共振器の外部Qと受電側共振器の外部Qのアンバランスの問題を分析するために実施したシミュレーションの結果を示す図 本実施形態に係る分割容量並列共振器を用いたP-P型の無線電力伝送システムにおいて、容量比b1を調整することによって制御される、共振器の入力インピーダンスZS1の挙動の一例を示す図 本実施形態に係る分割容量並列共振器を用いたP-P型の無線電力伝送システムにおいて、容量比b1を調整することによって制御される、送電電力の挙動(実線)を示す図 本実施形態に係る無線電力伝送システムのシステム運用時の動作例を示すフローチャート
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施形態について詳細に説明する。
[無線電力伝送システムの概略構成]
本開示の一実施形態に係る無線電力伝送システムは、図1に示した無線電力伝送システムと同様に、送電装置UA及び受電装置UBそれぞれに、コイルとキャパシタと組み合わせて構成した同一の共振周波数を有する共振器を設け、2つの共振器を共鳴させることで遠距離送電を可能とする結合共振型無線電力伝送システムである。
共振回路の共鳴を用いる無線送電は、機能的には電磁エネルギーを、空間を通して伝搬させるバンドパスフィルター(BPF)である。バンドパスフィルターの設計理論(例えば、非特許文献1を参照)から、両共振器の外部Qの積が、後述する式(10)に示すように結合係数の逆数の2乗なら反射は起きず、寄生抵抗による損失を除けば100%の伝送が可能となる。
即ち、高効率な無線電力伝送を実現するためには、共振器の外部Qの調整が極めて重要である。これは、言い換えると、結合係数の変化に対応して、共振器への入力インピーダンスを一定の範囲に保つことを意味する。従来の共振器接続では結合係数が変化すれば入力インピーダンスが大幅に変化してしまい、これを調整する手段が無かった。
本願の発明者は、かかる課題を解決するべく、無線電力伝送システムにおいて直列共振器を用いる場合には、容量分割直列共振回路(図3(c)を参照)を採用し、そのキャパシタの分割容量比を変更する手段として、互いに異なる分割容量比を有するnセットの分割キャパシタ対を設け、システム運用時には、当該nセットの分割キャパシタ対のうちから適切な分割容量比を有する分割キャパシタ対を選択できる構成とした(図5を参照)。
又、無線電力伝送システムにおいて並列共振器を用いる場合には、容量分割並列共振回路(図3(d)を参照)を採用し、そのキャパシタの分割容量比を変更する手段として、互いに異なる分割容量比を有するnセットの分割キャパシタ対を設け、システム運用時には、当該nセットの分割キャパシタ対のうちから適切な分割容量比を有する分割キャパシタ対を選択できる構成とした(図6を参照)。
かかる構成によって、共振器間の位置関係が変化した場合に起こる結合係数の変化に対して、共振器の外部Qを適正に調整し、電源から見た共振器の入力インピーダンスを一定の範囲内に維持することがスイッチの切替のみで可能となり、安定した非接触送電が可能となる。又、これにより、共鳴を用いた送電における共振器への入力インピーダンスと負荷側の出力インピーダンスの比を簡単に変更することもできる。
まず、本願の出願人が先願である特許文献1で示した容量分割直列共振回路(図3(c))及び容量分割並列共振回路(図3(d))の構成について、概略を説明する。
図3は、LC共振器の回路構成を示す図である。共振回路のコイルのインダクタンスをL0、容量をC0 とすると、共振器の共振周波数および共振器インピーダンスは以下のω0、ZR0となる。
Figure 2023132928000002
Figure 2023132928000003
この共振器に電源や負荷を接続する形態には、直列型(図3(a))と並列型(図3(b))が存在する。電源、または負荷のインピーダンスをZS0とすると、外部Qは、直列共振回路では、以下の式(3a)のように定義でき、並列共振回路では、以下の式(3b)のように定義できる。
Figure 2023132928000004
図3(a)、図3(b)の基本的なLC共振器では、外部Qは接続する回路のインピーダンスで決まってしまう。これを調整可能とするために、直列型共振回路では図3(c)のように容量を2つの並列容量に、並列型共振器では図3(d)のように2つの直列容量に分割し、その分割点に負荷を接続する。
容量分割直列共振回路のキャパシタ(図3(c))は、コイルから見て並列に2分割され、且つ、2分割されて形成された2つの分割キャパシタのうちの一方の分割キャパシタのみに、送電部としての電源又は受電部としての負荷が直列に接続された構成を有する。尚、以下では、説明の便宜として、2つの分割キャパシタのうち一方を「第1分割キャパシタ」と称し、他方を「第2分割キャパシタ」とも称する。
又、容量分割並列共振回路に適用するキャパシタ(図3(d))は、図7Bに示したように、コイルから見て直列に2分割され、且つ、2分割されて形成された2つの分割キャパシタのうちの一方の分割キャパシタのみに、送電部としての電源又は受電部としての負荷が並列に接続された構成を有する。尚、以下では、説明の便宜として、2つの分割キャパシタのうち一方を「第3分割キャパシタ」と称し、他方を「第4分割キャパシタ」とも称する。
ここで、容量分割直列共振回路において、第1分割キャパシタと第2分割キャパシタの容量調整を行う際に、共振周波数が変わらないようにするためには、以下の式(4a)を充足する必要がある。又、容量分割並列共振回路において、第3分割キャパシタと第4分割キャパシタの容量調整を行う際に、共振周波数が変わらないようにするためには、以下の式(4b)を充足する必要がある。
Figure 2023132928000005
ここで、容量分割直列共振回路の第1分割キャパシタと第2分割キャパシタの容量比a0を次式(5a) のように定義し、容量分割並列共振回路の第3分割キャパシタと第4分割キャパシタの容量比b0を次式(5b)のように定義する。
Figure 2023132928000006
このようにキャパシタを分割して、分割したキャパシタの一方側に負荷や電源を接続することで、直列共振回路では、回路方程式から式(3a)においてZS0がa2ZS0に置き換わった式となるため、外部Qは近似的に以下の式(6a)のように表される。同様に、並列共振回路では、回路方程式から式(3b)においてZS0がb2ZS0に置き換わった式となるため、外部Qは近似的に以下の式(6b)のように表される。
Figure 2023132928000007
図4は、無線電力伝送システムの構成を示す図である。図4(a)は、送電側共振器と受電側共振器がともに、一般的な直列型(S型)の共振器によって構成された態様を示しており、図4(b)は、送電側共振器と受電側共振器がともに、容量分割直列型(S型)の共振器によって構成された態様を示している。又、図4(c)は、送電側共振器と受電側共振器がともに、一般的な並列型(P型)の共振器によって構成された態様を示しており、図4(d)は、送電側共振器と受電側共振器がともに、容量分割並列型(P型)の共振器によって構成された態様を示している。
尚、送電側共振器と受電側共振器を同じ構成にする必要は無いので、無線電力伝送システムには、4通りの構成がある。(1)S-S型;送電側受電側とも直列型、(2)S-P型;送電側直列型;受電側並列型、(3)P-S型;送電側並列型;受電側直列型、(4)P-P型;送電側受電側とも並列型、の4種である。
次に、S-S型の無線電力伝送システム及びP-P型の無線電力伝送システムそれぞれについて、送電側共振器と受電側共振器の共振器結合と外部Qの関係を解析する。
LC共振器2台を、同じ共振周波数に設定し、コイル同士を近づけて電磁的に共鳴させると、共振器間で高周波の信号伝送が行われ、その伝送特性は、共振周波数近傍でバンドパスフィルター特性となる。
送電側共振器を1、受電側共振器を2とし、それぞれのコイルのインダクタンスをL1、L2、容量をC1、C2とすると、共振器の共振周波数ω0は、下記式(7)となり、共振器の特性インピーダンスZR1、ZR2は下記式(8)となる。
Figure 2023132928000008
Figure 2023132928000009
ここで、送電側電源のインピーダンスをZS1、受電側負荷のインピーダンスをZS2とする。共振器を用いた共鳴送電で重要な役割を果たすのは、共振器間の結合係数kである。結合係数は、回路的にはコイル間の相互インダクタンスLMで与えられ、下記式(9)のようになる。尚、この結合係数はコイル間の位置関係により0~1の間の値となる。
Figure 2023132928000010
非特許文献1によれば、両共振器の外部Qと結合係数kの間に次式(10)の関係があれば、信号は反射無く透過する。
Figure 2023132928000011
この関係を、各種無線電力伝送システムに適用する(即ち、式(10)の外部Qに、式(6a)又は式(6b)を代入する)。負荷のインピーダンスZS2をRLとすると、S-S型では、電源側から見た負荷側のインピーダンス(即ち、送電側の共振器入り口の入力インピーダンスを意味する。以下、「共振器入り口の入力インピーダンス」と略称する。)は、次式(11)となる。尚、式(10)の関係を充足するとき、電源から負荷までインピーダンス整合が成立しているので、インピーダンス整合条件より、送電側の共振器入り口の入力インピーダンスと電源のインピーダンスとは、等値ZS1である。
Figure 2023132928000012
同様に、S-P型では、送電側の共振器入り口の入力インピーダンスは、次式(12)となる。
Figure 2023132928000013
同様に、P-S型では、送電側の共振器入り口の入力インピーダンスは、次式(13)となる。
Figure 2023132928000014
同様に、P-P型では、送電側の共振器入り口の入力インピーダンスは、次式(14)となる。
Figure 2023132928000015
いずれも負荷にRLをつなぐと、送電側の共振器入り口の入力インピーダンスは、上記各式のZS1となり、共振器インピーダンスZR1、ZR2、結合係数kおよび容量比abで決まることが分かる。つまり、共振器結合は負荷と電源との間のインピーダンス変換器として機能する。
共鳴送電回路はインピーダンス変換回路であるが、問題はその比率が結合係数kで大きく変化することである。特に、無線電力伝送の場合、共振器の位置関係の変化により、結合係数kが大きく変化する。その結果、共振器入り口の入力インピーダンスが大きく変わってしまい、電源から取り出せる電力が減少したり、過大な電力で負荷を破壊するおそれがある。即ち、無線電力伝送において、送電電力を所定範囲内に保つためには、共振器入り口の入力インピーダンスを一定範囲内に維持する必要がある。
そこで、本実施形態に係る無線電力伝送システムでは、容量分割直列共振回路(図3(c))又は容量分割並列共振回路(図3(d))を用いることによって、容量比a、bを変化させることで、共振器入り口の入力インピーダンスを変化させ、これにより、適正な送電電力に保つ構成となっている。
尚、共鳴送電回路のインピーダンス変換比は、式(11)~式(14)のように、共振器のインピーダンスZR1、ZR2、受電側の負荷のインピーダンスZS2などで決まる。仮に、受電側の容量比を固定すれば、S-S型の場合、式(11)から共振器の入力インピーダンスZS1は、下記式(15)のようにk値と入力側の容量比a1で表される。ここで、固定値となる部分(ZR1ZR2/RL)をZAとおいた。
Figure 2023132928000016
P-P構成でも同様である。仮に、受電側の容量比を固定すれば、P-P型の場合、式(14)から共振器の入力インピーダンスZS1は、下記式(16)のようにk値と入力側の容量比b1で表される。
Figure 2023132928000017
式(15)、式(16)から分かるように、適切な容量比a1、b1を用意できれば、k値の変動に対して常に一定の入力インピーダンスZS1に維持することが可能である。
[共振器の具体的構成]
図5は、本実施形態に係る分割容量直列共振器の構成の一例を示す図(ここでは、送電側共振器を示す)である。
本実施形態に係る分割容量直列共振器は、
直列共振回路を構成するキャパシタ3とコイル1とを有し、
キャパシタ3は、コイル1に対して並列に接続された第1分割キャパシタと第2分割キャパシタとからなるn(但し、nは2以上の正の整数)セットの分割キャパシタ対31、32、33、…3nを有し、
第1分割キャパシタの容量値と第2分割キャパシタの容量値の和は、nセットの分割キャパシタ対31、32、33、…3nの各分割キャパシタ対で同一であり、
第1分割キャパシタの容量値と第2分割キャパシタの容量値の比は、nセットの分割キャパシタ対31、32、33、…3nの各分割キャパシタ対で互いに異なっており、
第1分割キャパシタと第2分割キャパシタの容量分割点は、第1スイッチ7を介してコイル1の一端に接続され、
第2分割キャパシタの他端は、第2スイッチ8を介して電源5(受電側共振器の場合には、負荷)の他端に接続され、
第1分割キャパシタの他端は、コイル1の他端と電源5(受電側共振器の場合には、負荷)の他端の接続点に接続され、
第1スイッチ7と第2スイッチ8とは、nセットの分割キャパシタ対31、32、33、…3nのいずれか一つがコイル1と電源5(受電側共振器の場合には、負荷)とに接続するように動作する、
共振器である。
ここで、第1分割キャパシタの容量値と第2分割キャパシタの容量値の和が、nセットの分割キャパシタ対の各分割キャパシタ対で同一としているのは、各分割キャパシタ対で共振周波数を同一とするためである。
又、第1分割キャパシタの容量値と第2分割キャパシタの容量値の比が、nセットの分割キャパシタ対の各分割キャパシタ対で互いに異なる構成としているのは、システム運用時に、適切なa値を有する分割キャパシタ対を選択し得るようにするためである。より具体的には、nセットの分割キャパシタ対31、32、33、…3nのうちのk番目の分割キャパシタ対は、第1分割キャパシタの容量値Cと第2分割キャパシタの容量値Cの比C/(C+C)(即ち、a値)が、以下の(17)の値となるように、設定されている。
Figure 2023132928000018
図6は、本実施形態に係る分割容量並列共振器の構成の一例を示す図(ここでは、送電側共振器を示す)である。
本実施形態に係る分割容量並列共振器は、
並列共振回路を構成するキャパシタ3とコイル1とを有し、
キャパシタ3は、コイル1に対して直列に接続された第3分割キャパシタと第4分割キャパシタとからなるn(但し、nは2以上の正の整数)セットの分割キャパシタ対31、32、33、…3nを有し、
第3分割キャパシタの容量値の逆数と第4分割キャパシタの容量値の逆数の和は、nセットの分割キャパシタ対31、32、33、…3nの各分割キャパシタ対で同一であり、
第3分割キャパシタの容量値と第4分割キャパシタの容量値の比は、nセットの分割キャパシタ対31、32、33、…3nの各分割キャパシタ対で互いに異なっており、
第3分割キャパシタと第4分割キャパシタの容量分割点は、第4スイッチ10を介して電源又は負荷の他端に接続され、
第3分割キャパシタの他端は、第3スイッチ9を介して前記コイルの一端に接続され、
第4分割キャパシタの他端は、コイル1の他端と電源5(受電側共振器の場合には、負荷)の他端の接続点に接続され、
第3スイッチ9と第4スイッチ10とは、nセットの分割キャパシタ対31、32、33、…3nのいずれか一つがコイル1と電源5(受電側共振器の場合には、負荷)とに接続するように動作する、
共振器である。
ここで、第3分割キャパシタの容量値の逆数と第4分割キャパシタの容量値の逆数の和が、nセットの分割キャパシタ対の各分割キャパシタ対で同一としているのは、各分割キャパシタ対で共振周波数を同一とするためである。
又、第3分割キャパシタの容量値と第4分割キャパシタの容量値の比が、nセットの分割キャパシタ対の各分割キャパシタ対で互いに異なる構成としているのは、システム運用時に、適切なb値を有する分割キャパシタ対を選択し得るようにするためである。より具体的には、nセットの分割キャパシタ対31、32、33、…3nのうちのk番目の分割キャパシタ対は、第3分割キャパシタの容量値Cと第4分割キャパシタの容量値Cの比(C+C)/C(即ち、b値)が、以下の式(18)の値となるように、設定されている。
Figure 2023132928000019
尚、S-S型の無線電力伝送システムを用いる場合には、より好ましくは、送電側共振器及び受電側共振器の両方を図5に示す構成とする。又、S-P型の無線電力伝送システムを用いる場合には、より好ましくは、送電側共振器を図5に示す構成とし、受電側共振器を図6に示す構成とする。又、P-S型の無線電力伝送システムを用いる場合には、より好ましくは、送電側共振器を図6に示す構成とし、受電側共振器を図5に示す構成とする。又、P-P型の無線電力伝送システムを用いる場合には、より好ましくは、送電側共振器及び受電側共振器の両方を図6に示す構成とする。
但し、これらの無線電力伝送システムにおいて、送電側共振器及び受電側共振器の一方のみを図5又は図6に示す構成として、他方については、図3(a)又は図3(b)に示す基本的なLC共振器の構成としてもよい。
[無線電力伝送システムの伝送特性]
図7は、本実施形態に係る分割容量直列共振器を用いたS-S型の無線電力伝送システムにおいて、容量比a1を調整することによって制御される、共振器の入力インピーダンスZS1の挙動の一例を示す図である。
尚、図7中で、Zmin~Zmaxの間の範囲は、共振器の入力インピーダンスZS1として最適な範囲の一例である。以下、Zminを「目標下限インピーダンス値」と称し、Zmaxを「目標上限インピーダンス値」と称する。又、p1~p11は、それぞれ、異なるa1値を表している。
一般に、電力伝送の場合、共振器のキャパシタには大きな電圧がかかるので、当該キャパシタにバラクタなどの可変容量半導体素子を使うことはできない。そのため、共振器を構成する際には、セラミックコンデンサなど、個別のキャパシタを電気的に接続して使うことになる。又、上記したように、共振器のキャパシタとして、バリコン等を用いて、バリコンの回転角位置を調整することで容量比a1を調整することは、調整精度の観点から、実際には困難である。
そこで、本実施形態に係る分割容量直列共振器では、図5のように、互いに異なる容量比a1のnセットの分割キャパシタ対を設け、システム運用時には、当該nセットの分割キャパシタ対のうちから一つを選択して使用できる構成としている。
この際、k値の変動に対して、常に一定の入力インピーダンスZS1に維持し、且つ、送電電力を一定以上に維持するための分割キャパシタ対のセットについて検討する。
まず、kが連続的に変化することを想定し、k=kiの時に、共振器の入力インピーダンスZS1が、Zminになるようにa1を設定し、その値をa1(i)とする。つまり、以下の式(19)のように定義する。
Figure 2023132928000020
ここで、k値が増加しki+1となり、その際ZS1がZmaxになったとして、同様に、以下の式(20)のように定義する。
Figure 2023132928000021
ここで、a1をa1(i+1)に切り替えて、ZS1をZminに戻すと、以下の式(21)のように表される。
Figure 2023132928000022
この式(19)、式(20)、式(21)から、k値がkiからki+1に増加したときに、a1をa1(i)からa1(i+1)に変化させたときのa1の変化の比は、以下の式(22)のように表される。
Figure 2023132928000023
つまりa1の値を、√(Zmax/Zmin)の比率で等比数列として多数用意しておけば、図7のように、無駄な重なり無く、かつ切れ目無く、共振器の入力インピーダンスZS1をZminとZmaxの間に維持することができる。
例えば、電気的な接続を変更するにはロータリースイッチが用いられることが多い。広く使われている11接点であれば11段階の切り替えが可能で、分割キャパシタ対を11セット用意しておけば、a1を、
Figure 2023132928000024
の範囲で変化させることが可能である。
かかる観点から、本実施形態に係る分割容量直列共振器においては、nセットの分割キャパシタ対31、32、33、…3nのうちのk番目の分割キャパシタ対は、第1分割キャパシタの容量値Cと第2分割キャパシタの容量値Cの比C/(C+C)が、上記した式(18)に示すように、√(Zmax/Zmin)の比率で増加する等比数列の値となるように用意されている。
図7では、k値が変わった場合、共振器の入力インピーダンスを80Ω~120Ωに納めるためのa1値が設定されている。具体的には、共振器をL=1.59μH、C=159pFで構成すると、共振周波数は10MHz、共振器インピーダンス100Ωになる。この共振器を2つ用いた場合の容量分割S-S型共鳴送電回路(図4(b))で、仮に、RL=1kΩの負荷を付け、受電側の共振器のキャパシタの容量比a2を1とすれば、ZAは10Ωになる。そして、Zmin=80Ω、Zmax=120Ωなので、a1の変化の比率は√(120/80)=1.225である。
図7では、はじめのa1、すなわちp1=0.0107とし、11段回目のp11=0.0813 まで変えた場合の共振器の入力インピーダンスを示す。図7から、共振器の入力インピーダンスは、仮に、a1が固定されている場合にはkの値に応じて大きく変化するが、a1の値を切り替えていくことでk=0.03から0.28までの間で規定の間に維持できることが判る。
以下の表1は、共振器の入力インピーダンスを80Ω~120Ωに納めるために設定された送電側共振器の11セットの分割キャパシタ対の容量比a1それぞれの値と、そのときの外部Qを示す表である。上記したように、ここでは、受電側共振器の容量比はa2=1で固定されている。表1中のk値は、共振器の入力インピーダンスが100Ωとなるときのk値である。表1中のQe1は、送電側共振器の外部Q、Qe2は受電側共振器の外部Q(固定値)である。
Figure 2023132928000025
本実施形態に係る分割容量直列共振器において、システム運用時に、nセットの分割キャパシタ対のうちから一つを選択する具体的な手法としては、例えば、送電装置UAから受電装置UBに対して、電力伝送の試験実施を実行させ、その際の送電電力及び/又は受電電力をモニタリングし、その電力値が規定内に入るように接続対象の分割キャパシタ対(即ち、a1値)を切り替える手法を用いることができる(後述する図12を参照)。
尚、式(11)、(15)から判るように、受電側のa2でも同様なことができるし、両者を組み合わせればさらに広い範囲への適応が可能である。
図8は、本実施形態に係る分割容量直列共振器を用いたS-S型の無線電力伝送システムにおいて、容量比a1を調整することによって制御される、送電電力の挙動(実線)を示す図である。
ここでは、図7と同様に、容量比a1を調整した場合に、送電電力がどのように変化するかをシミュレーションによって算出した。尚、本シミュレーションでは、コイルの寄生抵抗をゼロと設定した。又、電源は10MHzで実効値100Vのサイン波を出力するものとして構成した。
まず、コイルの内部抵抗はないとしているので、電源から送出される電力と負荷側の電力は一致している。図7では、k値の上昇と共に、インピーダンスが増える結果となっているが、送電電力はインピーダンスに逆比例するので、図8に示す送電電力は、k値の上昇と共に低下する。
図8から、a1の値を選ぶことで、83~125Wの範囲で送電電力が調整可能なことが判る。この程度の変動であれば、受電側のレクテナ回路で十分に対応可能である。
尚、上記では、コイルの寄生抵抗をゼロと設定した場合の送電電力(実線)について述べたが、実際には、コイルの内部抵抗、あるいは共振器の無負荷Qは、共鳴送電では重要なパラメータである。
そこで、コイルの寄生抵抗を0.25Ω、無負荷Qを400とした場合の計算結果を図8に点線で示している。尚、図8では、山なりの点線の上側から、容量比a1がp11のときの透過特性、p10のときの透過特性、・・・p1のときの透過特性を表している。図8から、コイルの寄生抵抗を考慮した場合、コイルの寄生抵抗をゼロとした場合と比較して、送電電力が大幅に低下していることが判る。
非特許文献1によれば、送電側共振器の外部Qと受電側共振器の外部Qを、以下の式(24)を充足するように、共に調整することによって、共振器結合では最平坦特性が得られることが示されている。
Figure 2023132928000026
最平坦特性とは、広い周波数帯域に渡って反射が無い条件において得られる伝送特性であり、共振器の固有共振周波数(即ち、中心周波数)f0を挟んである周波数帯域f1からf2までで、伝送効率がほぼ100%となる伝送特性を表す(バターワース型特性とも称される)。式(10)の条件(Qe1*Qe2=1/k)は、式(24)の条件(Qe1=1/k、且つ、Qe2=1/k)を一部に含むが、式(24)の条件は、送電側共振器の外部Qと受電側共振器の外部Qとを同程度にバランスさせることが重要であることを示している。
非特許文献1によれば、最平坦特性を充足させることで、コイルの寄生抵抗による損失を最小化することが可能であることも示されている。これは、送電側共振器の外部Qと受電側共振器の外部Qがアンバランスとなると、コイルの内部抵抗による影響を受けやすくなり、伝送効率が低下してしまうためである。尚、表1に示すように、図8の送電電力が算出された条件では、送電側共振器の外部Qと受電側共振器の外部Qの比が1000倍以上あり、大きなアンバランスが生じており、それが故に、コイルの寄生抵抗を考慮した場合、コイルの寄生抵抗をゼロとした場合と比較して、送電電力が大幅に低下したと考えられる。
図9は、送電側共振器の外部Qと受電側共振器の外部Qのアンバランスの問題を分析するために実施したシミュレーションの結果を示す図である。図9では、図8と同様に、本実施形態に係る分割容量直列共振器において、容量比a1を調整することによって制御される、S-S型の無線電力伝送システムにおける送電電力を示している。但し、図9では、受電側共振器の容量比a2の値を0.135と設定し、図8の場合の容量比a2=1よりも小さい値に設定している。
以下の表2は、図9のシミュレーションで、共振器の入力インピーダンスを80Ω~120Ωに納めるために設定された送電側共振器の11セットの分割キャパシタ対の容量比a1それぞれの値と、そのときの外部Qを示す表である。上記したように、ここでは、受電側共振器の容量比はa2=0.135で固定されている。
Figure 2023132928000027
先の例では容量比a1を0.0107~0.0813の間で変化させたが、ここでは、同じ出力を得るためには容量比0.122~0.925の間で変化させることになる。そうすると、図9から分かるように、先の例と同じkの変動範囲で、ほぼ同じ送電電力が得られる。
又、この場合、図9の点線を参照すると分かるように、コイルの寄生抵抗を0.25Ω、無負荷Qを400としたときでも、送電電力は、コイルの寄生抵抗をゼロとしたときと比較して、大きく低下することは無い。尚、表2に示すように、この場合、p7でほぼQe1=Qe2で最平坦特性になっており、k値の変動の範囲での送電側共振器の外部Qと受電側共振器の外部Qのアンバランスは大幅に解消している。
次に、本実施形態に係る分割容量並列共振器を利用したP-P型の無線電力伝送システムにおける共振器の入力インピーダンス、及び伝送特性について説明する。分割容量並列共振器を利用したP-P型の無線電力伝送システムにおいても、上記と同様の結果を得ることが可能である。
図10は、本実施形態に係る分割容量並列共振器を用いたP-P型の無線電力伝送システムにおいて、容量比b1を調整することによって制御される、共振器の入力インピーダンスZS1の挙動の一例を示す図である。
尚、図10中で、Zmin~Zmaxの間の範囲は、共振器の入力インピーダンスZS1として最適な範囲の一例である。又、q 1~q 11は、それぞれ、異なるb1値を表している。
尚、図10では、上記と同様に、L=1.59μH、C=159pFで共振器を構成とし、受電側に同じくRL=1kΩ、b2=1とすればZAは10Ωになる。図10では、この構成でk値が変わった場合、共振器の入力インピーダンスを80Ω~120Ωに納めるためのb1値について計算を行っている。尚、並列型(P型)の場合は、結合係数kおよび容量比bは分子に来る。そのため、kが大きくなるとインピーダンスは低下し、それを回復するためにはbを小さくする必要がある。
本実施形態に係る分割容量並列共振器においては、nセットの分割キャパシタ対31、32、33、…3nのうちのk番目の分割キャパシタ対は、第3分割キャパシタの容量値Cと第4分割キャパシタの容量値Cの比(C+C)/C(即ち、b1値)が、上記した式(19)に示すように、√(Zmax/Zmin)の比率で増加する等比数列の値となるように用意されている。
図10では、はじめのb1、すなわちq1=1.25とし、11段回目のq11=9.45まで変えた場合の共振器の入力インピーダンスを示す。この場合にも、b1の変化の比率√(Zmax/Zmin)は、1.225である。これによって、図10に示すように、共振器の入力インピーダンスは、b1値を切り替えていくことでk=0.03から0.3までの間で規定の間に維持できていることが判る。
以下の表3は、図10のシミュレーションで、共振器の入力インピーダンスを80Ω~120Ωに納めるために設定された送電側共振器の11セットの分割キャパシタ対の容量比b1それぞれの値と、そのときの外部Qを示す表である。上記したように、ここでは、受電側共振器の容量比はb2=1で固定されている。表2中のk値は、共振器の入力インピーダンスが100Ωとなるときのk値である。表2中のQe1は、送電側共振器の外部Q、Qe2は受電側共振器の外部Q(固定値)である。
Figure 2023132928000028
図11は、本実施形態に係る分割容量並列共振器を用いたP-P型の無線電力伝送システムにおいて、容量比b1を調整することによって制御される、送電電力の挙動(実線)を示す図である。
ここでは、図10と同様に、容量比b1を調整した場合に、送電電力がどのように変化するかをシミュレーションによって算出した。尚、本シミュレーションでは、コイルの寄生抵抗をゼロと設定した。又、電源は10MHzで実効値100Vのサイン波を出力するものとして構成した。
図11から、b1の値を選ぶことで、83~125Wの範囲で送電電力が調整可能なことが判る。この程度の変動であれば、受電側のレクテナ回路で十分に対応可能である。
尚、上記した透過特性制御は、S-P型の無線電力伝送システム、P-S型の無線電力伝送システムでも同様に可能であり、この場合も送電側のa1やb1、受電側のa2やb2によってインピーダンス変換比の変更ができる。即ち、共振器の入力インピーダンスをZmin~Zmaxの間に維持するためには、Zmin、Zmaxに合わせて、nセットの分割キャパシタ対31、32、33、…3nの各分割キャパシタ対の容量比を設定すればよい。
[無線電力伝送システムのシステム運用時の動作例]
図12は、本実施形態に係る無線電力伝送システムのシステム運用時の動作例を示すフローチャートである。尚、ここでは、S-S型の無線電力伝送システムの動作例のみを示す。図12に示すフローチャートは、例えば、送電装置UAの制御部(図示せず)が、コンピュータプログラムに従って実行する処理である。
ステップS1において、送電装置UAの制御部は、受電装置UBの制御部と通信し、電力伝送の試験実施を開始する。
ステップS2において、送電装置UAの制御部は、電力伝送の試験実施における伝送効率を測定する。この際、送電装置UAの制御部は、例えば、送電装置UAから送出する送電電力、及び受電装置UBで測定される受電電力に基づいて、伝送効率を測定する。
ステップS3において、送電装置UAの制御部は、ステップS2で測定された伝送効率が、閾値(例えば、95%)よりも大きいか否かを判定する。そして、ステップS2で測定された伝送効率が、閾値よりも大きい場合(ステップS3:YES)、ステップS5に処理を進め、閾値以下の場合(ステップS3:NO)、ステップS4に処理を進める。
ステップS4において、送電装置UAの制御部は、第1スイッチ7及び第2スイッチ8を切り替えて、nセットの分割キャパシタ対31、32、33、…3nのうち、電源及びコイルと接続する接続対象の分割キャパシタ対を切り替える。尚、この際、送電装置UAの制御部は、容量比a1が段階的に大きくなるように(又は小さくなるように)、nセットの分割キャパシタ対31、32、33、…3nのうちから、接続対象の分割キャパシタ対を選択する。そして、ステップS1に戻って、再び、電力伝送及び伝送効率の測定を実行する。
本実施形態に係る無線電力伝送システムにおいては、このステップS1~S4の処理を繰り返し実行することで、高い伝送効率を確保し得る容量比a1(即ち、分割キャパシタ対)を特定する。
ステップS5において、送電装置UAの制御部は、送電装置UAから受電装置UBに対して、電力伝送の本実施を実行させる。
ステップS6において、送電装置UAの制御部は、電力伝送を終了する条件が充足することを待ち受ける(S6:NO)。そして、終了条件を充足した場合(S6:YES)、図12のフローチャートの処理を終了する。尚、送電装置UAの制御部は、例えば、受電装置UBの負荷であるバッテリが満充電の状態に到った場合、終了条件を充足したと判定する。
本実施形態に係る無線電力伝送システムにおいては、以上のような一連の処理によって、高い伝送効率にて、送電装置UAから受電装置UBに対して、電力伝送を実行することが可能である。
尚、図12のフローチャートでは、受電側共振器のキャパシタの容量比a2を固定した条件下で、送電側共振器のキャパシタの容量比a1のみを調整することによって、送電電力を調整する態様を示した。かかる実施態様は、システム運用時に、受電側共振器のキャパシタの容量比a2の調整を不要とすることができる点で有用である。
但し、最平坦特性を得るためには、より好ましくは、送電側共振器のキャパシタの容量比a1と、受電側共振器のキャパシタの容量比a2とをともに調整する。この場合、例えば、図12のフローチャートのステップS1~S4の処理で、高い伝送効率を確保し得る送電側共振器の容量比a1(即ち、分割キャパシタ対)を特定した後、更に、受電側共振器についても、同様の処理を実施する。即ち、送電側共振器の容量比a1を固定した条件下で、受電側共振器の容量比a2(即ち、分割キャパシタ対)を段階的に切り替え、伝送効率が最大化する容量比a2を特定すればよい。
これによって、より高い伝送効率にて、送電装置UAから受電装置UBに対して、電力伝送を実行することが可能である。
[効果]
以上のように、本開示に係る共振器(図5又は図6を参照)によれば、共振器間の位置関係が変化した場合に起こる結合係数の変化に対して、共振器の外部Qを適正に調整し、電源から見た共振器の入力インピーダンスを一定の範囲内に維持することが、スイッチの切替のみで可能となり、安定した非接触送電が可能となる。
加えて、共振器の調整は、送電電力がモニタできれば送受電の一方のみで可能である。さらに、送受電の両者にこの装置を置けば、常に最平坦特性という内部抵抗による損失の少ない条件を設定することができる。このように、本開示に係る共振器(図5又は図6を参照)によれば、これまで制御が難しいと言うことで普及が進まない、共鳴送電を簡単な方法で、高伝送効率にて実現することができる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
本開示に係る結合共振型無線電力伝送システムの共振器によれば、より簡易な手法で、適正な電力値の送電が可能である。
UA 送電装置
UB 受電装置
1 送電側コイル
2 受電側コイル
3 送電側キャパシタ
31、32、33、…3n 分割キャパシタ対
4 受電側キャパシタ
5 電源
6 負荷
7 第1スイッチ
8 第2スイッチ
9 第3スイッチ
10 第4スイッチ

Claims (8)

  1. 結合共振型無線電力伝送システムに適用される共振器であって、
    直列共振回路を構成するキャパシタとコイルとを有し、
    前記キャパシタは、前記コイルに対して並列に接続された第1分割キャパシタと第2分割キャパシタとからなるn(但し、nは2以上の正の整数)セットの分割キャパシタ対を有し、
    前記第1分割キャパシタの容量値と前記第2分割キャパシタの容量値の和は、前記nセットの分割キャパシタ対の各分割キャパシタ対で同一であり、
    前記第1分割キャパシタの容量値と前記第2分割キャパシタの容量値の比は、前記nセットの分割キャパシタ対の各分割キャパシタ対で互いに異なっており、
    前記第1分割キャパシタと前記第2分割キャパシタの容量分割点は、第1スイッチを介して前記コイルの一端に接続され、
    前記第2分割キャパシタの他端は、第2スイッチを介して電源又は負荷の他端に接続され、
    前記第1分割キャパシタの他端は、前記コイルの他端と前記電源又は前記負荷の他端の接続点に接続され、
    前記第1スイッチと前記第2スイッチとは、前記nセットの分割キャパシタ対のいずれか一つが前記コイルと前記電源又は前記負荷とに接続するように動作する、
    共振器。
  2. 前記nセットの分割キャパシタ対のうちのk番目の分割キャパシタ対は、前記第1分割キャパシタの容量値Cと前記第2分割キャパシタの容量値Cの比C/(C+C)が、以下の式(1)の値となるように、設定されている、
    請求項1に記載の共振器。
    Figure 2023132928000029
  3. 結合共振型無線電力伝送システムに適用される共振器であって、
    並列共振回路を構成するキャパシタとコイルとを有し、
    前記キャパシタは、前記コイルに対して直列に接続された第3分割キャパシタと第4分割キャパシタとからなるn(但し、nは2以上の正の整数)セットの分割キャパシタ対を有し、
    前記第3分割キャパシタの容量値の逆数と前記第4分割キャパシタの容量値の逆数の和は、前記nセットの分割キャパシタ対の各分割キャパシタ対で同一であり、
    前記第3分割キャパシタの容量値と前記第4分割キャパシタの容量値の比は、前記nセットの分割キャパシタ対の各分割キャパシタ対で互いに異なっており、
    前記第3分割キャパシタと前記第4分割キャパシタの容量分割点は、第4スイッチを介して電源又は負荷の他端に接続され、
    前記第3分割キャパシタの他端は、第3スイッチを介して前記コイルの一端に接続され、
    前記第4分割キャパシタの他端は、前記コイルの他端と前記電源又は前記負荷の他端の接続点に接続され、
    前記第3スイッチと前記第4スイッチとは、前記nセットの分割キャパシタ対のいずれか一つが前記コイルと前記電源又は前記負荷とに接続するように動作する、
    共振器。
  4. 前記nセットの分割キャパシタ対のうちのk番目の分割キャパシタ対は、前記第3分割キャパシタの容量値Cと前記第4分割キャパシタの容量値Cの比(C+C)/Cが、以下の式(2)の値となるように、設定されている、
    請求項3に記載の共振器。
    Figure 2023132928000030
  5. 送電側の共振器が請求項1に記載の共振器によって構成され、且つ、
    受電側の共振器が請求項1に記載の共振器によって構成された、
    結合共振型無線電力伝送システム。
  6. 送電側の共振器が請求項3に記載の共振器によって構成され、且つ、
    受電側の共振器が請求項1に記載の共振器によって構成された、
    結合共振型無線電力伝送システム。
  7. 送電側の共振器が請求項1に記載の共振器によって構成され、且つ、
    受電側の共振器が請求項3に記載の共振器によって構成された、
    結合共振型無線電力伝送システム。
  8. 送電側の共振器が請求項3に記載の共振器によって構成され、且つ、
    受電側の共振器が請求項3に記載の共振器によって構成された、
    結合共振型無線電力伝送システム。
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