JP2024016635A - 排ガス処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】無機塩等の固形物による排液管の損傷を防止する。【解決手段】排ガス処理装置は、筒状の吸収塔と噴霧部と排液管とを備える。吸収塔は、排ガスを導入する導入口と、排ガスを排出する排出口と、を有する。噴霧部は、排ガスを処理する液体を吸収塔内に噴霧する。排液管は、噴霧部から噴霧された液体を吸収塔から排出する。吸収塔の底面には、排液管に連通する排液口が設けられており、吸収塔内には、排液口に向かう固形物を捕捉するフィルターが導入口よりも鉛直方向での下方に配置される。【選択図】図1
Description
本開示は、排ガス処理装置に関する。
大気を汚染する硫黄酸化物等の有害物質を吸収する海水等の液体を用いて、石炭または重油等の化石燃料の燃焼により発生する排ガスを処理するスクラバー等の排ガス処理装置が知られている。例えば、特許文献1に記載の装置は、排ガスの流入口および排出口を有する反応器と、反応器内に海水を噴射する噴射ユニットと、を備える。ここで、噴射ユニットから噴射された海水は、反応器内で排ガスの処理に供された後、反応器の底面に開口する排水口から排出される。
特許文献1に記載の装置では、反応器の排ガスの流入口付近において、高温の排ガスが海水と接触するため、無機塩が析出しやすい。特許文献1に記載の装置では、このような無機塩が反応器の壁面に堆積した後に大きな塊となって排水口に侵入した場合、排水口に連通する排水管の損傷を招くという課題がある。
以上の課題を解決するために、本開示の一態様に係る排ガス処理装置は、排ガスを導入する導入口と、排ガスを排出する排出口と、を有する筒状の吸収塔と、排ガスを処理する液体を前記吸収塔内に噴霧する噴霧部と、前記噴霧部から噴霧された液体を前記吸収塔から排出する排液管と、を備え、前記吸収塔の底面には、前記排液管に連通する排液口が設けられており、前記吸収塔内には、前記排液口に向かう固形物を捕捉するフィルターが前記導入口よりも鉛直方向での下方に配置される。
以下、添付図面を参照しながら本開示に係る好適な実施形態を説明する。なお、図面において各部の寸法および縮尺は実際のものと適宜異なり、理解を容易にするために模式的に示している部分もある。また、本開示の範囲は、以下の説明において特に本開示を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
1.第1実施形態
図1は、第1実施形態の排ガス処理装置1の概略図である。排ガス処理装置1は、重油または石炭等の化石燃料の燃料により発生する排ガスを処理するサイクロン式のスクラバーである。排ガス処理装置1は、例えば、化石燃料の燃焼により排ガスを発生させる内燃機関または外燃機関を原動機として用いる船舶に搭載される。内燃機関は、例えば、ガソリンエンジンまたはディーゼルエンジンである。外燃機関は、例えば、蒸気機関または蒸気タービンである。
図1は、第1実施形態の排ガス処理装置1の概略図である。排ガス処理装置1は、重油または石炭等の化石燃料の燃料により発生する排ガスを処理するサイクロン式のスクラバーである。排ガス処理装置1は、例えば、化石燃料の燃焼により排ガスを発生させる内燃機関または外燃機関を原動機として用いる船舶に搭載される。内燃機関は、例えば、ガソリンエンジンまたはディーゼルエンジンである。外燃機関は、例えば、蒸気機関または蒸気タービンである。
排ガス処理装置1での処理には、排ガスを処理する液体が用いられる。当該液体は、例えば、排ガスに含まれる硫黄酸化物等の有害物質を吸収する吸収液である。海洋を航行する船舶に排ガス処理装置1が搭載される場合、当該液体の典型例は、海水である。海水は、HCO3
-等のアルカリ成分を含んでおり、排ガスとの接触により、排ガスに含まれる二酸化硫黄等の硫黄酸化物を硫酸イオンとして無害化する。なお、以下では、排ガスを処理する液体を吸収液ということがある。
図1に示すように、排ガス処理装置1は、吸収塔10と噴霧部20と給液管30とスワラ40と排液管50と支持体60とフィルター70と導入管80とを備える。以下、図1に基づいて、排ガス処理装置1の各部の概略を説明する。
なお、以下では、吸収塔10の中心軸LCに沿う一方向が「Z1方向」であり、Z1方向とは反対方向が「Z2方向」である。ここで、典型的には、中心軸LCが鉛直線に平行な軸であり、Z1方向が鉛直方向での上方であり、Z2方向が鉛直方向での下方である。ただし、中心軸LCは、排ガス処理装置1の設置姿勢または使用状況等に応じて、鉛直線に対して45°以下の範囲内で傾斜する場合がある。また、以下では、単に「上方」とは、鉛直線に沿う方向での位置を示しており、鉛直上方および鉛直斜め上方の双方を概念として含む。同様に、単に「下方」とは、鉛直線に沿う方向での位置を示しており、鉛直下方および鉛直斜め下方の双方を概念として含む。また、以下では、中心軸LCまわりの方向を「周方向」、中心軸LCに直交する方向を「径方向」という場合がある。
吸収塔10は、排ガスと吸収液とを接触させるための空間Sを内部空間として有する構造体である。吸収塔10は、底面FBと側壁WSとを有しており、中心軸LCまわりの有底筒状をなす。ここで、空間Sは、底面FBおよび側壁WSにより囲まれた空間である。
底面FBおよび側壁WSのそれぞれは、排ガスと処理前および処理後の処理液との双方に対して耐久性を有する材料で構成される。具体的には、底面FBおよび側壁WSを構成する材料として、例えば、ネバール黄銅等の銅合金、アルミニウムブラス等のアルミニウム合金、キュープロニッケル等のニッケル合金、ハステロイ(登録商標)、SUS316L、SUS329J4LまたはSUS312等のステンレス鋼等が挙げられる。なお、底面FBおよび側壁WSのそれぞれは、前述の材料に限定されず、例えば、SS400、JIS G 3106で規定されるSM400AまたはSM490A等の溶接構造用圧延鋼材等の鉄材で構成されてもよい。この場合、底面FBおよび側壁WSのそれぞれが排ガスと処理前および処理後の処理液との双方に対して耐久性を有するように、コーティングまたは塗装が適宜に施される。
吸収塔10は、導入口11と排出口12と排液口13とを有しており、空間Sには、噴霧部20およびスワラ40が配置される。
導入口11は、吸収塔10の中心よりも下方の位置で吸収塔10の側壁WSに開口しており、空間Sに排ガスを導入する。導入口11には、導入管80が接続される。導入管80は、図示しない内燃機関または外燃機関の排気管に接続されており、導入口11を介して当該排気管からの排ガスを空間Sに導入する。導入口11を介して空間Sに導入された排ガスは、中心軸LCまわりに旋回しながらZ1方向に向けて流れる。導入管80の詳細については、後に図2に基づいて説明する。
噴霧部20は、吸収塔10内に吸収液を噴霧する。これにより、吸収塔10内で排ガスおよび吸収液が互いに接触する。
図1に示す例では、噴霧部20が噴霧部20a、20b、20cを有しており、噴霧部20a、20b、20cのそれぞれが吸収塔10内に吸収液を噴霧する。噴霧部20a、20b、20cは、この順でZ1方向に並んで配置される。噴霧部20a、20b、20cのそれぞれは、幹管21と複数の枝管22と複数のノズル23とを有する。
幹管21は、吸収塔10内で中心軸LCに沿って延びており、給液管30からの吸収液を複数の枝管22に供給する。複数の枝管22のそれぞれは、吸収塔10内で幹管21から側壁WSに向けて径方向に延びており、幹管21からの吸収液を少なくとも1つのノズル23に供給する。複数のノズル23のそれぞれは、枝管22に設けられており、枝管22からの吸収液を吸収塔10内に所定の方向および範囲で噴霧する。
以上の噴霧部20a、20b、20cのそれぞれは、適宜の構成により吸収塔10に支持される。ここで、噴霧部20aの幹管21は、支持体60を介して吸収塔10の底面FBに支持される。支持体60には、固形物を捕捉するフィルター70が取り付けられる。当該固形物は、例えば、排ガス中の酸性成分と吸収液中のアルカリ成分との反応により生成される無機塩である。支持体60およびフィルター70の詳細については、後に図2から図6に基づいて説明する。
なお、噴霧部20の構成は、図1に示す例に限定されず、例えば、噴霧部20bおよび噴霧部20cのうちの少なくとも一方を省略した構成であってもよいし、噴霧部20a、20b、20cに加えて他の1以上の噴霧部を追加した構成であってもよい。また、幹管21および枝管22のそれぞれの長さ、数または配置等の態様は、図1に示す例に限定されず、任意である。例えば、枝管22が側壁WSに接合されてもよい。さらに、ノズル23の数、配置、噴霧方向および噴霧範囲等の態様は、特に限定されず、任意である。
給液管30は、噴霧部20に吸収液を供給するための配管であり、給液管30の一端には、給液管30内に吸収液を移送させるための図示しないポンプが接続される。例えば、海洋を航行する船舶に排ガス処理装置1が搭載される場合、当該ポンプが当該船舶の周囲の海水を吸引することにより、給液管30内に海水が吸収液として移送される。
図1に示す例では、給液管30が3つに分岐した給液管30a、30b、30cを有しており、給液管30a、30b、30cのそれぞれが吸収塔10の側壁WSを貫通する。給液管30aは、噴霧部20aに吸収液を供給するための配管であり、給液管30aには、噴霧部20aの幹管21が接続される。給液管30bは、噴霧部20bに吸収液を供給するための配管であり、給液管30bには、噴霧部20bの幹管21が接続される。給液管30cは、噴霧部20cに吸収液を供給するための配管であり、給液管30cには、噴霧部20cの幹管21が接続される。
排出口12は、吸収塔10の底面FBとは反対側の端に開口しており、空間Sから処理済みの排ガスを排出する。排出口12には、外部空間に連通する図示しない排気筒が接続されており、空間Sの処理済みの排ガスは、排出口12から当該排気筒を通じて外部空間に放出される。例えば、船舶に排ガス処理装置1が搭載される場合、当該排気筒は、当該船舶のファンネルに設けられる。
図1に示す例では、処理済みの排ガスがスワラ40を介して排出口12から排出される。スワラ40は、排出口12の近傍で吸収塔10内に配置され、吸収液による処理後の排ガスに後述の旋回流と同方向の旋回流を生じさせる。スワラ40通過後の排ガスは、排出口12から排出される。なお、スワラ40は、必要に応じて設けられ、省略されてもよい。また、吸収塔10内には、スワラ40に代えて、または、スワラ40に加えて、噴霧部20と排出口12との間に、吸収液の液滴を排ガスから分離するデミスタが配置されてもよい。
排液口13は、吸収塔10の底面FBに設けられる開口であり、空間Sから処理後の吸収液を排出する。排液口13には、排液管50を介して、図示しないガスシールチャンバー等のタンクを含む水処理システムが接続される。当該タンクには、処理後の吸収液が貯留される。当該水処理システムは、当該タンク内の吸収液のpHおよび溶存酸素量が所定の基準を満たす場合、当該タンク内の吸収液を海洋等に放出する。なお、当該水処理システムは、当該タンク内の吸収液を海洋等に放出せずに給液管30に戻して再利用してもよい。すなわち、排ガス処理装置1は、処理後の吸収液を廃棄するオープンループ型であってもよいし、処理後の吸収液を再利用するクローズドループ型であってもよい。また、排ガス処理装置1は、オープンループとクローズドループとを切り替えるハイブリッド型であってもよい。
排液管50は、排液口13に連通する配管である。図1に示す例では、排液管50の途中が屈曲または湾曲する。排液管50は、処理後の処理液に対して耐久性を有する材料で構成される。具体的には、排液管50を構成する材料として、特に限定されないが、吸収塔10を構成する材料と同様の材料を用いることができる。ここで、排液管50の低コスト化を図る観点から、例えば、SS400、JIS G 3106で規定されるSM400AまたはSM490A等の溶接構造用圧延鋼材等の鉄材で構成された鋼管の内周面にポリエチレン等の樹脂のコーティングを施した配管が排液管50として好適に用いられる。なお、排液管50の形状は、図1に示す例に限定されず、任意である。
図2は、図1中のA-A線断面図である。図2では、中心軸LCに直交し、かつ、導入口11を通る平面で吸収塔10を切断した断面が示される。なお、図2では、見易さの観点から、フィルター70が二点鎖線で簡略的に示される。
図2に示すように、吸収塔10の中心軸LCに沿う方向にみて、導入管80の延長線が中心軸LCに重ならない向きで、導入管80が吸収塔10に接続される。このため、導入管80から導入口11を介して吸収塔10内に導入される排ガスは、吸収塔10の側壁WSに沿って中心軸LCまわりに旋回しながら排出口12に向かって流れる。図2に示す例では、Z2方向にみて、導入管80は、時計回りに排ガスの旋回流を生じさせる。
図3は、幹管21および支持体60を説明するための図である。図3では、幹管21および支持体60を中心軸LCに直交する方向にみた図が示される。なお、図2では、見易さの観点から、フィルター70が二点鎖線で簡略的に示される。
図3に示すように、吸収塔10の底面FBには、排液口13が開口する。排液口13に対してZ1方向の位置には、幹管21が配置される。幹管21は、支持体60を介して底面FBに支持される。ここで、支持体60は、幹管21および底面FBのそれぞれに溶接等により固定される。
図3に示す例では、排液口13の幅は、幹管21の幅よりも大きい。なお、排液口13の幅は、幹管21の幅以下であってもよい。また、排液口13の形状および幹管21の断面形状は、図3に示す例に限定されず、任意である。
図4は、図1中のB-B線断面図である。図4では、Z2方向にみた支持体60およびフィルター70が示される。なお、図4では、説明の便宜上、フィルター70の一部が実線で示され、フィルター70の残部が二点鎖線で簡略的に示される。
図4に示すように、支持体60は、4個の支持部材61を備える。
4個の支持部材61のそれぞれは、中心軸LCから径方向に延びるとともに、底面FBに交差する方向に広がる板状をなす。4個の支持部材61は、中心軸LCまわりに等角度間隔に配置される。すなわち、4個の支持部材61のうち、周方向に隣り合う2個の支持部材61のなす角度は、90°である。また、4個の支持部材61のそれぞれは、底面FBおよび幹管21のそれぞれに溶接等により接合される。
なお、支持体60の構成は、図4に示す例に限定されない。例えば、支持体60を構成する支持部材61の数は、3個以下または5個以上であってもよい。また、支持部材61の形状は、板状に限定されず、例えば、棒状等であってもよい。さらに、支持体60は、底面FBに固定されずに側壁WSに固定されてもよい。また、複数の支持部材61は、中心軸LCまわりに等角度間隔で配置されなくてもよい。
以上の支持体60が底面FB上に配置された構成では、Z2方向にみて、排液口13は、4個の開口に分割されるように支持体60の隙間から露出する。
フィルター70は、導入口11よりも鉛直方向での下方に配置され、排液口13に向かう所定径以上の固形物を捕捉する構造体である。フィルター70は、所定径以上の固形物の通過を阻止しつつ液体および所定径未満の固形物の通過を許容する複数の孔72を有する。
フィルター70は、排液口13の前述の4個の開口に対応する4個の構造体71_1~71_4を有する。4個の構造体71_1~71_4のそれぞれは、複数の孔72を有する。4個の構造体71_1~71_4は、配置が異なること以外は、互いに同一構成である。なお、図4では、フィルター70を構成する4個の構造体71_1~71_4のうち、構造体71_1が実線で示され、構造体71_2~71_4のそれぞれが二点鎖線で簡略的に示される。以下では、構造体71_1~71_4のそれぞれを構造体71という場合がある。構造体71の構成については、後に図5および図6に基づいて詳述する。
4個の構造体71_1~71_4は、この順で、吸収塔10の中心軸LCを中心として反時計まわりに並んで配置される。ここで、4個の構造体71_1~71_4は、支持体60を介して互いに分割される。より具体的には、構造体71は、周方向で隣り合う2個の支持部材61の間に配置される。すなわち、4個の支持部材61および4個の構造体71は、支持部材61および構造体71が周方向に交互に並ぶように配置される。
構造体71は、周方向に隣り合う2個の支持部材61のそれぞれに溶接等により固定される。ここで、構造体71と当該2個の支持部材61のそれぞれとの間、構造体71と底面FBとの間、および、構造体71と幹管21との間のそれぞれには、所定径以上の固形物の通過を阻止しつつ液体および所定径未満の固形物の通過を許容する隙間が設けられる。このように、4個の構造体71_1~71_4は、底面FBと噴霧部20aの幹管21と4個の支持部材61と協働して、排液口13への所定径以上の固形物の侵入を阻止する。
図5は、第1実施形態のフィルター70に用いる構造体71の平面図である。図6は、第1実施形態のフィルター70に用いる構造体71の側面図である。図5および図6では、構造体71が実線で示されるとともに、支持部材61の板面および底面FBが二点鎖線で示される。
構造体71は、略板状をなしており、図5に示すように、厚さ方向にみて台形をなす。構造体71は、複数の孔72を有する。図5に示す例では、孔72が長孔であり、孔72の幅Wが所定径以上の固形物の通過を阻止しつつ液体および所定径未満の固形物の通過を許容する程度である。
詳細に説明すると、構造体71は、1対の第1部材71aと複数の第2部材71bと4個の取付部材71cとを有する。これらは、吸収塔10と同様、排ガスと処理前および処理後の処理液との双方に対して耐久性を有する材料で構成される。具体的には、構造体71を構成する材料として、例えば、ネバール黄銅等の銅合金、アルミニウムブラス等のアルミニウム合金、キュープロニッケル等のニッケル合金、ハステロイ(登録商標)、SUS316L、SUS329J4LまたはSUS312等のステンレス鋼等が挙げられる。
1対の第1部材71aのそれぞれは、棒状をなす。1対の第1部材71aのそれぞれの横断面は、L字状をなす。1対の第1部材71aは、台形の上底および下底以外の対辺に沿って配置される。1対の第1部材71aの間には、台形の上底および下底に平行な方向に延びて複数の第2部材71bが架け渡されており、複数の第2部材71bのそれぞれの両端が1対の第1部材71aに溶接等により接合される。複数の第2部材71bのそれぞれの横断面は、円形をなす。また、1対の第1部材71aのそれぞれには、2個の取付部材71cが溶接等により接合される。各取付部材71cは、図6に示すように、第1部材71aから突出する。
なお、第1部材71aおよび第2部材71bのそれぞれの横断面形状は、図示の例に限定されず、任意である。また、第2部材71bの数は、図示の例に限定されず、任意である。さらに、取付部材71cの位置、形状または数等の態様は、図示の例に限定されず、任意である。また、第1部材71aと第2部材71bと取付部材71cとのうちの少なくとも2つは、金属板の折り曲げ加工等により一体で構成されてもよい。
このような構造体71において、図5に示すように、1対の第1部材71aと隣り合う2個の第2部材71bとで囲まれる空間が孔72を構成する。図5に示す例では、複数の第2部材71bが等間隔で平行に互いに平行に配置されており、複数の孔72の幅Wが互いに等しい。なお、複数の第2部材71bが等間隔で配置されなくてもよいし、複数の第2部材71bが互いに平行でなくともよい。
フィルター70の有する複数の孔72の合計断面積(開口面積の合計)は、排液口13の断面積(開口面積)よりも大きいことが好ましい。この場合、フィルター70の設置しない構成と遜色ない排液性を実現することができる。なお、当該合計断面積は、複数の孔72と隙間d1、d2、d3との合計断面積であってもよい。
より具体的には、複数の孔72の合計断面積をS1とし、排液口13の断面積をS2としたとき、S1/S2≧2の関係を満たすことが好ましい。このような関係を満たす場合、フィルター70の設置しない構成と遜色ない排液性を実現することが容易である。これに対し、S1/S2が小さすぎると、フィルター70の孔72の幅等によっては、フィルター70の設置しない構成に比べて排液性の低下を招く場合がある。一方、S1/S2が大きすぎると、フィルター70の形状等によっては、フィルター70に必要な機械的強度の確保が難しい。
複数の孔72のそれぞれの幅Wは、40mm以下であることが好ましく、10mm以上40mm以下であることがより好ましく、10mm以上30mm以下であることがさらに好ましい。幅Wをこのような範囲内とすることにより、排液管50を損傷し得る大きさの固形物の排液口13への侵入が好適に防止される。これに対し、幅Wが小さすぎると、フィルター70の機械的強度の確保と排液性との両立が難しい。一方、幅Wが大きすぎると、排液管50の構成によっては、固形物による排液管50の損傷が生じやすくなる傾向を示す。
また、構造体71では、取付部材71cが支持部材61に溶接等により接合される。これにより、構造体71が支持体60に固定される。ここで、図5に示すように、第1部材71aが支持部材61の板面に沿って配置されており、第1部材71aと支持部材61との間には、隙間d1が設けられる。隙間d1は、所定径以上の固形物の通過を阻止しつつ液体および所定径未満の固形物の通過を許容することが好ましい。すなわち、隙間d1の大きさは、幅Wと同様の範囲であることが好ましい。なお、隙間d1は、必要に応じて設けられ、省略されてもよい。
また、複数の第2部材71bのうち最も底面FBに近い第2部材71bは、底面FBに沿って配置されており、最も底面FBに近い第2部材71bと底面FBとの間には、隙間d2が設けられる。隙間d2は、所定径以上の固形物の通過を阻止しつつ液体および所定径未満の固形物の通過を許容することが好ましい。すなわち、隙間d2の大きさは、幅Wと同様の範囲であることが好ましい。なお、隙間d2は、必要に応じて設けられ、省略されてもよい。
さらに、複数の第2部材71bのうち最も幹管21に近い第2部材71bは、幹管21の端面に沿って配置されており、最も幹管21に近い第2部材71bと幹管21との間には、隙間d3が設けられる。隙間d3は、所定径以上の固形物の通過を阻止しつつ液体および所定径未満の固形物の通過を許容することが好ましい。すなわち、隙間d3の大きさは、幅Wと同様の範囲であることが好ましい。なお、隙間d3は、必要に応じて設けられ、省略されてもよい。
以上のように、排ガス処理装置1は、筒状の吸収塔10と噴霧部20と排液管50とを備える。吸収塔10は、排ガスを導入する導入口11と、排ガスを排出する排出口12と、を有する。噴霧部20は、排ガスを処理する液体を吸収塔10内に噴霧する。排液管50は、噴霧部20から噴霧された液体を吸収塔10から排出する。
ここで、吸収塔10の底面FBには、排液管50に連通する排液口13が設けられる。そして、吸収塔10内には、排液口13に向かう固形物を捕捉するフィルター70が導入口11よりも鉛直方向での下方に配置される。
以上の排ガス処理装置1では、排液口13に向かう固形物を捕捉するフィルター70が吸収塔10内の導入口11よりも鉛直方向での下方に配置されるので、吸収塔10内で発生した無機塩等の固形物が排液口13を介して排液管50に侵入することがフィルター70により低減される。このため、排液管50を安価な材料で構成しても、当該固形物による排液管50の損傷を低減することができる。
本実施形態では、前述のように、フィルター70は、複数の孔72を有する。ここで、複数の孔72の合計断面積が排液口13の断面積よりも大きい場合、フィルター70の設置しない構成と遜色ない排液性を実現することができる。なお、孔72は、隣り合う2個の第2部材71bの間に形成される隙間ともいえる。
また、前述のように、複数の孔72の合計断面積をS1とし、排液口13の断面積をS2としたとき、S1/S2≧2の関係を満たす場合、フィルター70の設置しない構成と遜色ない排液性を実現することが容易である。これに対し、S1/S2が小さすぎると、フィルター70の孔72の幅等によっては、フィルター70の設置しない構成に比べて排液性の低下を招く場合がある。一方、S1/S2が大きすぎると、フィルター70の形状等によっては、フィルター70に必要な機械的強度の確保が難しいだけでなく、通過を許容すべきでない大きさの無機塩等の固形物がフィルター70を通過する可能性がある。また、S1/S2が大きすぎると、フィルター70の大型化を図ったうえで孔72の数を多くする必要があるので、フィルター70の高コスト化を招くという問題もある。
さらに、前述のように、複数の孔72のそれぞれの幅Wは、40mm以下であることが好ましく、10mm以上40mm以下であることがより好ましく、10mm以上30mm以下であることがさらに好ましい。幅Wをこのような範囲内とすることにより、排液管50を損傷し得る大きさの固形物の排液口13への侵入が好適に防止される。
また、前述のように、フィルター70と吸収塔10の底面FBとの間には、隙間d2が設けられる。このため、吸収塔10の底面FBに沿って液体を効率的に排液口13に導くことができる。また、フィルター70を吸収塔10の底面FBに溶接等により接合しないことにより、フィルター70を溶接等により吸収塔10に固定する作業において、吸収塔10の外側から溶接焼けの除去等の作業が不要となるので、当該作業の範囲を限定したり当該作業の効率化を図ったりすることができる。
さらに、前述のように、導入口11から吸収塔10内に導入された排ガスは、吸収塔10の中心軸LCまわりに旋回しながら排出口12に向かって流れる。このため、局所的な無機塩の発生を低減することができる。この結果、固形物の小粒化を図ることができる。
また、前述のように、排ガス処理装置1は、給液管30をさらに備える。給液管30は、吸収塔10の側壁WSを貫通し、噴霧部20に液体を供給する。噴霧部20は、幹管21と複数の枝管22と複数のノズル23とを有する。幹管21は、吸収塔10内で給液管30から吸収塔10の中心軸LCに沿って延びる。複数の枝管22のそれぞれは、吸収塔10内で幹管21から吸収塔10の側壁WSに向けて延びる。複数のノズル23は、吸収塔10内で複数の枝管22のそれぞれに少なくとも1つずつ設けられる。
以上の構成の噴霧部20では、吸収塔10内を旋回する排ガスに対して液体を効率的に接触させることができる。この結果、排ガスの処理効率を向上させることができる。また、幹管21が排液口13に対して鉛直方向での上方に配置されるので、幹管21を支持する支持体60にフィルター70を固定することができる。このため、フィルター70を吸収塔10の底面FBに溶接等により接合する必要がないので、フィルター70を溶接等により吸収塔10に固定する作業において、吸収塔10の外側から溶接焼けの除去等の作業が不要となるので、当該作業の範囲を限定したり当該作業の効率化を図ったりすることができる。
また、前述のように、フィルター70は、吸収塔10の中心軸LCまわりに並んで配置される複数の構造体71_1~71_4を有する。このため、幹管21を吸収塔10に設置した後であっても、中心軸LCまわりの筒状の構造体を用いてフィルターを構成する場合に比べて、容易にフィルター70を吸収塔10内に設置することができる。
さらに、前述のように、排ガス処理装置1は、支持体60をさらに備える。支持体60は、吸収塔10の底面FBと幹管21とのそれぞれに接合される。このため、幹管21を吸収塔10に安定的に設置することができる。また、フィルター70を支持体60に固定することにより、フィルター70を吸収塔10の底面FBに溶接等により接合する必要がない。このため、フィルター70を溶接等により吸収塔10に固定する作業において、吸収塔10の外側から溶接焼けの除去等の作業が不要となるので、当該作業の範囲を限定したり当該作業の効率化を図ったりすることができる。
また、前述のように、複数の構造体71_1~71_4は、支持体60を介して分割して配置される。このため、支持体60を覆う構成のフィルターに比べて、フィルター70を容易に設置することができる。
2.第2実施形態
以下、本開示の第2実施形態について説明する。以下に例示する形態において作用および機能が前述の実施形態と同様である要素については、前述の実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
以下、本開示の第2実施形態について説明する。以下に例示する形態において作用および機能が前述の実施形態と同様である要素については、前述の実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
図7は、第2実施形態の排ガス処理装置1Aのフィルター70Aおよび支持体60の位置関係を説明するための図である。図8は、第2実施形態のフィルター70Aの平面図である。排ガス処理装置1Aは、フィルター70に代えてフィルター70Aを備えること以外は、前述の第1実施形態の排ガス処理装置1と同様に構成される。なお、図7では、説明の便宜上、フィルター70Aが二点鎖線で簡略的に示される。
フィルター70Aは、図7および図8に示すように、支持体60を覆う。図7および図8に示す例では、フィルター70Aは、Z2方向に開放する略箱状をなす。図8に示すように、フィルター70Aは、所定径以上の固形物の通過を阻止しつつ液体および所定径未満の固形物の通過を許容する複数の孔72Aを有する。
フィルター70Aは、4個の第1構造体73_1~73_4と4個の第2構造体74_1~74_4と4個の第3構造体75_1~75_4とを有する。
4個の第1構造体73_1~73_4は、この順で、吸収塔10の中心軸LCを中心として反時計まわりに並んで配置される。ここで、4個の第1構造体73_1~73_4のそれぞれは、周方向で隣り合う2個の支持部材61の間に跨るように配置される。4個の第1構造体73_1~73_4は、配置が異なること以外は、互いに同一構成である。なお、以下では、第1構造体73_1~73_4のそれぞれを第1構造体73という場合がある。第1構造体73の構成については、後に図9および図10に基づいて詳述する。
4個の第2構造体74_1~74_4は、この順で、吸収塔10の中心軸LCを中心として反時計まわりに並んで配置される。ここで、4個の第2構造体74_1~74_4のそれぞれは、周方向で隣り合う2個の第1構造体73の間の隙間の一部を埋めるように配置される。4個の第2構造体74_1~74_4は、配置が異なること以外は、互いに同一構成である。なお、以下では、第2構造体74_1~74_4のそれぞれを第2構造体74という場合がある。第2構造体74の構成については、後に図11および図12に基づいて詳述する。
4個の第3構造体75_1~75_4は、この順で、吸収塔10の中心軸LCを中心として反時計まわりに並んで配置される。ここで、4個の第3構造体75_1~75_4のそれぞれは、4個の第2構造体74_1~74_4とは異なる領域で、周方向で隣り合う2個の第1構造体73の間の隙間の一部を埋めるように配置される。4個の第3構造体75_1~75_4は、配置が異なること以外は、互いに同一構成である。なお、以下では、第3構造体75_1~75_4のそれぞれを第3構造体75という場合がある。第3構造体75の構成については、後に図13および図14に基づいて詳述する。
第1構造体73、第2構造体74および第3構造体75のそれぞれは、例えば、排ガスと処理前および処理後の処理液との双方に対して耐久性を有する材料で構成される。具体的には、第1構造体73を構成する材料として、例えば、ネバール黄銅等の銅合金、アルミニウムブラス等のアルミニウム合金、キュープロニッケル等のニッケル合金、ハステロイ(登録商標)、SUS316L、SUS329J4LまたはSUS312等のステンレス鋼等が挙げられる。また、第1構造体73、第2構造体74および第3構造体75のそれぞれは、例えば、金属板の折り曲げ加工と溶接とを適宜に組み合わせることにより得られる。
図9は、第2実施形態のフィルター70Aに用いる第1構造体73の平面図である。図10は、図9に示す第1構造体73の側面図である。図9では、Z2方向にみた第1構造体73が示されるとともに、支持部材61の板面が二点鎖線で示される。図10では、図9中の矢印Cの方向にみた第1構造体73が示される。矢印Cの方向は、中心軸LCに直交する方向である。
図9に示すように、第1構造体73は、天板73aと側板73bと突出部73cと1対の突出部73dとを有する。
天板73aは、中心軸LCに交差する方向に広がる板状をなす。天板73aは、複数の孔72Aを有する。天板73aは、Z1方向またはZ2方向にみて、周方向に隣り合う2個の支持部材61に沿う1対の縁部73a2を有する。当該1対の縁部73a2は、当該2個の支持部材61に溶接等により接合される。側板73bは、天板73aの径方向での外方での端からZ2方向に延びており、径方向に交差する方向に広がる板状をなす。側板73bは、複数の孔72Aを有する。突出部73cは、天板73aの径方向での内方での端からZ1方向に延びており、幹管21の外周面に沿うように湾曲した形状をなす。1対の突出部73dは、図9に示すように、Z1方向またはZ2方向にみて、側板73bに隣り合う位置で、側板73bに直交する方向に広がる板状をなす。また、1対の突出部73dは、図10に示すように、天板73aからZ1方向に突出する。
ここで、側板73bのZ2方向での端は、底面FBに沿って配置されており、当該端と底面FBとの間には、隙間d2が設けられる。隙間d2は、所定径以上の固形物の通過を阻止しつつ液体および所定径未満の固形物の通過を許容することが好ましい。なお、隙間d2は、必要に応じて設けられ、省略されてもよい。
図11は、第2実施形態のフィルター70Aに用いる第2構造体74の平面図である。図12は、図11に示す第2構造体74の側面図である。図11では、Z2方向にみた第2構造体74が示されるとともに、支持部材61および側板73bが二点鎖線で示される。図12では、図11中の矢印Dの方向にみた第2構造体74が示される。矢印Dの方向は、中心軸LCに直交する方向である。
図11に示すように、第2構造体74は、側板74aと突出部74bと突出部74cとを有する。
側板74aは、周方向に隣り合う2個の第1構造体73の側板73bの間に設けられる開口を塞ぐように、Z1方向またはZ2方向にみて直角に折り曲げた板状をなす。側板74aは、複数の孔72Aを有する。側板74aの径方向での両端のそれぞれには、縁部74a1が設けられる。縁部74a1は、第1構造体73の側板73bに溶接等により接合される。突出部74bは、側板74aの折り曲げ部からZ1方向に突出する。突出部74cは、側板74aの折り曲げ部から径方向での内方に突出する。突出部74cの径方向での内方の端には、縁部74c1が設けられる。縁部74c1は、支持部材61の径方向での外方の端の縁部に溶接等により接合される。
ここで、側板74aのZ2方向での端は、底面FBに沿って配置されており、当該端と底面FBとの間には、隙間d2が設けられる。隙間d2は、所定径以上の固形物の通過を阻止しつつ液体および所定径未満の固形物の通過を許容することが好ましい。なお、隙間d2は、必要に応じて設けられ、省略されてもよい。
図13は、第2実施形態のフィルター70Aに用いる第3構造体75の平面図である。図13に示す第3構造体75の側面図である。図13では、Z2方向にみた第3構造体75が示されるとともに、突出部73d、74bが二点鎖線で示される。図14では、図13中の矢印Eの方向にみた第3構造体75が示される。矢印Eの方向は、中心軸LCに直交する方向である。
図13に示すように、第3構造体75は、天板75aと1対の突出部75bと突出部75cとを有する。
天板75aは、周方向に隣り合う2個の第1構造体73の天板73aの間に設けられる開口を塞ぐように、Z1方向またはZ2方向に直交する方向に広がる板状をなす。天板75aの径方向での外方の端には、突出部75bが接続される。突出部75bは、天板75aからZ1方向に突出しており、前述の第2構造体74の突出部74bに溶接等により接合される。天板75aの周方向での両端のそれぞれには、突出部75cが接続される。突出部75cは、天板75aからZ1方向に突出しており、前述の第1構造体73の突出部73dに溶接等により接合される。
フィルター70Aの有する複数の孔72Aの合計断面積(開口面積の合計)は、排液口13の断面積(開口面積)よりも大きいことが好ましい。この場合、フィルター70Aの設置しない構成と遜色ない排液性を実現することができる。なお、当該合計断面積は、複数の孔72Aと隙間d1、d2、d3との合計断面積であってもよい。
より具体的には、複数の孔72Aの合計断面積をS1とし、排液口13の断面積をS2としたとき、S1/S2≧2の関係を満たすことが好ましい。このような関係を満たす場合、フィルター70Aの設置しない構成と遜色ない排液性を実現することが容易である。
複数の孔72Aのそれぞれの幅Wは、40mm以下であることが好ましく、10mm以上40mm以下であることがより好ましく、10mm以上30mm以下であることがさらに好ましい。幅Wをこのような範囲内とすることにより、排液管50を損傷し得る大きさの固形物の排液口13への侵入が好適に防止される。これに対し、幅Wが小さすぎると、フィルター70Aの機械的強度の確保と排液性との両立が難しい。一方、幅Wが大きすぎると、排液管50の構成によっては、固形物による排液管50の損傷が生じやすくなる傾向を示す。
以上の第2実施形態によっても、排液管50を安価な材料で構成しても、当該固形物による排液管50の損傷を低減することができる。本実施形態では、前述のように、フィルター70Aが支持体60を覆う。このため、フィルター70Aを通過すべき固形物が支持体60により滞留することが防止される。
3.変形例
以上の各実施態様は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は相矛盾しない限り適宜に併合され得る。
以上の各実施態様は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は相矛盾しない限り適宜に併合され得る。
3-1.変形例1
排ガス処理装置を搭載する船舶は、海洋を航行する船舶に限定されず、淡水域を航行する船舶であってもよい。この場合、船舶の周囲から吸引した水に水酸化ナトリウムまたは水酸化マグネシウム等の水酸化物を添加することにより得た液体がアルカリ成分を含む吸収液として用いられてもよい。また、排ガスの処理に用いる液体は、排ガスに所望の処理を施すことが可能であればよく、アルカリ性水溶液に限定されない。
排ガス処理装置を搭載する船舶は、海洋を航行する船舶に限定されず、淡水域を航行する船舶であってもよい。この場合、船舶の周囲から吸引した水に水酸化ナトリウムまたは水酸化マグネシウム等の水酸化物を添加することにより得た液体がアルカリ成分を含む吸収液として用いられてもよい。また、排ガスの処理に用いる液体は、排ガスに所望の処理を施すことが可能であればよく、アルカリ性水溶液に限定されない。
3-2.変形例2
排ガス処理装置は、船舶に搭載される態様に限定されず、例えば、工場等に設定されてもよい。
排ガス処理装置は、船舶に搭載される態様に限定されず、例えば、工場等に設定されてもよい。
3-3.変形例3
排ガス処理装置は、サイクロン式のスクラバーに限定されず、例えば、サイクロン方式以外のスクラバーであってもよい。例えば、導入管80の延長線が中心軸LCに交差してもよい。
排ガス処理装置は、サイクロン式のスクラバーに限定されず、例えば、サイクロン方式以外のスクラバーであってもよい。例えば、導入管80の延長線が中心軸LCに交差してもよい。
1…排ガス処理装置、1A…排ガス処理装置、10…吸収塔、11…導入口、12…排出口、13…排液口、20…噴霧部、20a…噴霧部、20b…噴霧部、20c…噴霧部、21…幹管、22…枝管、23…ノズル、30…給液管、30a…給液管、30b…給液管、30c…給液管、40…スワラ、50…排液管、60…支持体、61…支持部材、70…フィルター、70A…フィルター、71…構造体、71_1…構造体、71_2…構造体、71a…第1部材、71b…第2部材、71c…取付部材、72…孔、72A…孔、73…第1構造体、73_1…第1構造体、73a…天板、73a2…縁部、73b…側板、73c…突出部、73d…突出部、74…第2構造体、74_1…第2構造体、74a…側板、74a1…縁部、74b…突出部、74c…突出部、74c1…縁部、75…第3構造体、75_1…第3構造体、75a…天板、75b…突出部、75c…突出部、80…導入管、C…矢印、D…矢印、E…矢印、FB…底面、LC…中心軸、S…空間、W…幅、WS…側壁、d1…隙間、d2…隙間、d3…隙間。
Claims (11)
- 排ガスを導入する導入口と、排ガスを排出する排出口と、を有する筒状の吸収塔と、
排ガスを処理する液体を前記吸収塔内に噴霧する噴霧部と、
前記噴霧部から噴霧された液体を前記吸収塔から排出する排液管と、を備え、
前記吸収塔の底面には、前記排液管に連通する排液口が設けられており、
前記吸収塔内には、前記排液口に向かう固形物を捕捉するフィルターが前記導入口よりも鉛直方向での下方に配置される、
排ガス処理装置。 - 前記フィルターは、複数の孔または複数の隙間を有し、
前記複数の孔または前記複数の隙間の合計断面積は、前記排液口の断面積よりも大きい、
請求項1に記載の排ガス処理装置。 - 前記複数の孔または前記複数の隙間の合計断面積をS1とし、前記排液口の断面積をS2としたとき、
S1/S2≧2の関係を満たす、
請求項2に記載の排ガス処理装置。 - 前記複数の孔または前記複数の隙間のそれぞれの幅は、40mm以下である、
請求項2または3に記載の排ガス処理装置。 - 前記フィルターと前記吸収塔の底面との間には、隙間が設けられる、
請求項1に記載の排ガス処理装置。 - 前記導入口から前記吸収塔内に導入された排ガスは、前記吸収塔の中心軸まわりに旋回しながら前記排出口に向かって流れる、
請求項1に記載の排ガス処理装置。 - 前記吸収塔の側壁を貫通し、前記噴霧部に液体を供給する給液管をさらに備え、
前記噴霧部は、
前記吸収塔内で前記給液管から前記吸収塔の中心軸に沿って延びる幹管と、
前記吸収塔内で前記幹管から前記吸収塔の側壁に向けて延びる複数の枝管と、
前記吸収塔内で前記複数の枝管のそれぞれに少なくとも1つずつ設けられる複数のノズルと、を有する、
請求項6に記載の排ガス処理装置。 - 前記フィルターは、複数の孔または前記複数の隙間を有する板状の複数の構造体を有する、
請求項7に記載の排ガス処理装置。 - 前記吸収塔の底面と前記幹管とのそれぞれに接合される支持体をさらに備え、
前記フィルターは、前記支持体に接合される、
請求項8に記載の排ガス処理装置。 - 前記複数の構造体は、前記支持体を介して分割して配置される、
請求項9に記載の排ガス処理装置。 - 前記フィルターは、前記支持体を覆う、
請求項9に記載の排ガス処理装置。
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2022
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