JP2024016447A - 車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】粘性の高い潤滑油によってモータの効率が低下することを抑制することが可能な車両を提供すること。【解決手段】一実施形態にかかる車両は、エンジンとモータとで駆動される車両であって、モータに関する潤滑油経路の一部経路の近傍に、エンジンからの排気が通過する排気管の一部が配置されている。【選択図】図1A

Description

本開示は、車両に関する。
車両における潤滑システムは、機械の動作を円滑にするために重要である。例えば、特許文献1には、4輪駆動による走行が可能な車両において、後輪駆動系のモータのモータ温度が閾値より低いときに、後輪駆動系のモータを通常より大きな動力で運転することで、モータの潤滑油の温度を上昇させ、潤滑油の粘性を低くする技術が記載されている。この技術により、モータが潤滑油を攪拌する際の攪拌損失を抑え、システム全体のエネルギ効率の向上を図っている。
特開2007-245873号公報
モータを搭載する車両においては、モータの潤滑油の粘性が高い状態でモータ出力を上げた場合、潤滑油の引き摺りや拡散といった現象により、モータの効率が下がる可能性があった。引用文献1に記載の技術は、モータの潤滑油の粘性が高い状態から低い状態にするためにモータ出力を上げるものであり、この課題を解決するものではなかった。
本開示は、このような問題を解決するためのものであり、粘性の高い潤滑油によってモータの効率が低下することを抑制することが可能な車両を提供するものである。
本開示の例示的な一態様に係る車両は、エンジンとモータとで駆動される車両であって、前記モータに関する潤滑油経路の一部経路の近傍に、前記エンジンからの排気が通過する排気管の一部が配置されている車両である。この構成により、排気管を通過する排気の排気熱によって、一部経路に存在する潤滑油が加熱される。したがって、加熱された潤滑油の粘性が低くなり、その潤滑油がモータに関する部品に供給されることで、モータの効率が低下することを抑制することができる。
また、上記車両は、一部経路への潤滑油の供給を調整するために開閉可能な第1の弁と、前記潤滑油の温度が所定の閾値以上である場合に第1の弁を閉じる制御部と、をさらに備えてもよい。潤滑油の温度が所定の閾値以上となるときに、一部経路に潤滑油を供給しなくなることで、潤滑油の加熱が抑制される。これにより、潤滑油の温度が高温になり過ぎることで、潤滑油の劣化又はモータの異常等が生じる可能性を抑制することができる。
また、上記車両は、前記排気管の一部への前記排気の供給を調整するために開閉可能な第2の弁と、潤滑油の温度が所定の閾値以上である場合に前記第2の弁を閉じる制御部と、をさらに備えてもよい。潤滑油の温度が所定の閾値以上となるときに、排気管の一部に排気を供給しなくなることで、潤滑油の加熱が抑制される。これにより、潤滑油の温度が高温になり過ぎることで、潤滑油の劣化又はモータの異常等が生じる可能性を抑制することができる。
また、上記車両において、前記一部経路と前記排気管の一部とは、同一の筐体内に配置され、前記一部経路以外の前記潤滑油経路及び前記排気管の一部以外の前記排気管は、前記筐体の外側に配置されていてもよい。筐体により、排気管の一部からの排気熱が筐体外部に伝達されることが抑制されるため、排気熱によって一部経路が効率よく加熱される。これにより、潤滑油が早く加熱され、モータに関する部品に潤滑油をより早く供給することが可能となる。
また、上記車両において、前記潤滑油経路には、前記潤滑油を吐出するオイルポンプが設けられていてもよい。前記排気によって加熱され、前記一部経路から流れた潤滑油は、前記オイルポンプ近傍の潤滑油を加熱し、加熱された前記オイルポンプ近傍の潤滑油は、前記オイルポンプによって吐出されることにより前記潤滑油経路を循環する。オイルポンプによって吐出された潤滑油が車両の各所の熱を回収することにより、潤滑油はより早く加熱される。そのため、モータに関する部品に潤滑油をより早く供給することが可能となる。
さらに、前記潤滑油経路には、前記モータの部品に供給された潤滑油を貯留し、前記一部経路に接続されたオイルパンがさらに設けられてもよい。前記一部経路の底面は、前記車両の停車時における前記オイルパンの油面よりも低い位置に位置し、前記オイルポンプは、前記オイルパンに貯留された潤滑油を吐出する。一部経路は、車両の走行開始時に確実に潤滑油を貯留するように構成されており、排気熱によって加熱された一部経路内の潤滑油はオイルパンに流れ込む。オイルパン内の潤滑油はそれによって加熱され、粘性が低くなるため、オイルポンプから吐出されるようになる。これにより、オイルパンに貯留された潤滑油を加熱し、モータに関する部品に潤滑油をより早く供給することが可能となる。
さらに、前記潤滑油経路には、前記モータの部品に供給された潤滑油を貯留し、前記一部経路に接続されたオイルパンがさらに設けられ、前記オイルパンに貯留された前記潤滑油は、前記一部経路を経由して前記オイルポンプに供給されてもよい。ここで、一部経路における潤滑油が加熱された場合、加熱された潤滑油は、オイルパンを経由する必要がなく早期にオイルポンプに供給されるため、モータに関する部品に潤滑油をより早く供給することが可能となる。
さらに、前記潤滑油経路には、前記モータの部品に供給された潤滑油を貯留し、前記一部経路に接続されたオイルパンがさらに設けられ、前記排気管の一部は筐体で覆われており、前記筐体と前記オイルパンとが接続されていてもよい。これにより、オイルパン内部の潤滑油は、オイルポンプによって吐出される潤滑油だけでなく、筐体を介した排気熱の熱伝導によっても加熱されるため、潤滑油を効率よく加熱することが可能となる。
さらに、前記オイルパンと前記一部経路とは、連通部を介して接続されていてもよい。前記連通部を、潤滑油が前記一部経路から前記オイルパンに流れる向きに対して垂直に切断した場合の断面積は、前記一部経路における前記オイルポンプとの接続部を、前記潤滑油が前記一部経路から前記オイルポンプに流れる向きに対して垂直に切断した場合の断面積よりも小さい。この構成により、オイルポンプ側の潤滑油の方が、オイルパン側の潤滑油よりも、伝導熱によって加熱される度合いが大きくなる。したがって、オイルポンプに潤滑油がより早く流れ込むようにすることが可能となるため、モータに関する部品に潤滑油をより早く供給することが可能となる。
さらに、前記一部経路と前記排気管の一部の少なくともいずれか一方において、その他方に面する側に、前記潤滑油又は前記排気のいずれかがその内側に滞留するフィン構造が設けられてもよい。これにより、潤滑油が排気から取得可能な熱量を多くすることができるため、潤滑油をより早く加熱させ、モータに関する部品に潤滑油をより早く供給することが可能となる。
本開示により、粘性の高い潤滑油によってモータの効率が低下することを抑制することが可能な車両を提供することができる。
実施の形態1にかかる車両の潤滑システムの一例を示すブロック図である。 実施の形態1にかかる制御部の構成を説明するためのブロック図である。 実施の形態1にかかるトランスアクスルユニット及び排気管の一例を示す上面図である。 実施の形態1にかかるトランスアクスルユニット及び排気熱回収装置の一例を示す断面図であり、車両の停車時における各部の状態を示したものである。 実施の形態1にかかるトランスアクスルユニット及び排気熱回収装置の一例を示す断面図であり、車両の走行時における各部の状態を示したものである。 実施の形態2にかかるトランスアクスルユニット及び排気管の一例を示す上面図である。 実施の形態2にかかるトランスアクスルユニット及び排気熱回収装置の一例を示す断面図である。 実施の形態3にかかるトランスアクスルユニット及び排気熱回収装置の一例を示す断面図であり、車両の停車時における各部の状態を示したものである。 実施の形態3にかかるトランスアクスルユニット及び排気熱回収装置の別の例を示す断面図である。 実施の形態4にかかるトランスアクスルユニット及び排気熱回収装置の一例を示す断面図である。 実施の形態4にかかるトランスアクスルユニット及び排気管の別の例を示す上面図である。 実施の形態4にかかるトランスアクスルユニット及び排気熱回収装置の別の例を示す断面図である。 実施の形態4にかかるトランスアクスルユニット及び排気管の更なる例を示す上面図である。 実施の形態4にかかるトランスアクスルユニット及び排気熱回収装置の更なる例を示す断面図である。
実施の形態1
以下、図面を参照して本開示の実施の形態について説明する。なお、以下の記載及び図面は、説明の明確化のため、適宜、省略及び簡略化がなされている。
図1Aは、実施の形態1にかかる車両の潤滑システムの一例を示すブロック図である。この車両は、任意のモータ及びエンジンを備えた車両であり、例えばハイブリッド車であってもよいが、これに限られない。車両の筐体内に格納された潤滑システムS1は、図1Aに示すように、トランスアクスルユニット10、オイルポンプ11、オイルクーラー12、シャワーパイプ13、モータジェネレータ14、シャフト(軸心回路)15及びロータ16を備える。トランスアクスルユニット10は、その内部にクラッチ17及びギア18を有する。クラッチ17は、車両の駆動モータからの駆動力をギア18に伝達し、ギア18は、クラッチ17から伝達された駆動力を車両の図示しない車軸に伝達する。
図1Aに示したこれらの各部には、液体の潤滑剤である潤滑油が循環して流れており、モータに関する潤滑油経路のフローが図1Aにおける矢印で示されている。詳細には、潤滑油は、トランスアクスルユニット10から出発してオイルポンプ11、オイルクーラー12を経由した後、シャワーパイプ13又はモータジェネレータ14及びシャフト15を経由して、モータジェネレータ14に到達する。その後、モータジェネレータ14からトランスアクスルユニット10に潤滑油が流れることで、トランスアクスルユニット10内のクラッチ17又はギア18に潤滑油が流れることになる。クラッチ17又はギア18に流れた潤滑油は、トランスアクスルユニット10の下部に設けられたオイルパン(図1Aでは不図示)に貯留された後、再度上述の経路を循環して流れる。このように、潤滑システムS1は、モータに関する部品に潤滑油を供給する。
トランスアクスルユニット10には、潤滑油の温度を計測する油温センサYが、またモータジェネレータ14には、モータジェネレータ14の温度を計測するサーミスタTがそれぞれ設けられる。制御部20は、これらにより計測された温度に基づいて、オイルポンプ11及びオイルクーラー12を制御することにより、潤滑油の流れ及び油温を制御する。図1Aには、制御部20と、油温センサY、サーミスタT、オイルポンプ11及びオイルクーラー12の接続関係が点線で示されている。
図1Bは、実施の形態1にかかる制御部20の構成を説明するためのブロック図である。制御部20は、例えば車載用ECU(Electronic Control Unit)として設けられており、メモリ21、I/O(Input/Output)部22及び情報処理部23を備える。以下、制御部20の各部について説明する。
メモリ21は、任意の種類の揮発性メモリや不揮発性メモリ、またはそれらの組み合わせで構成される。メモリ21は、1個に限られず、複数設けられてもよい。なお、揮発性メモリは、例えば、DRAM (Dynamic Random Access Memory)、SRAM (Static Random Access Memory)等のRAM (Random Access Memory)であってもよい。不揮発性メモリは、例えば、PROM (Programmable ROM)、EPROM (Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリであってもよい。メモリ21は、1以上の命令を格納するために使用される。ここで、1以上の命令は、ソフトウェアモジュール群としてメモリ21に格納される。
I/O部22は、制御部20の外部と情報の入出力を実行するハードウェアインタフェースである。この実施形態では、制御部20は油温センサY、サーミスタT、オイルポンプ11及びオイルクーラー12に接続されており、これらとI/O部22を介して情報の入出力を適宜行う。
情報処理部23は、任意のプロセッサ等で構成される。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)を有してもよい。情報処理部23は、メモリ21からソフトウェア(コンピュータプログラム)を読み出して実行することで、潤滑油経路における、潤滑油の流れ及び油温を制御する処理を行うことができる。
図1Aに戻り、説明を続ける。潤滑油経路の一部経路を構成するトランスアクスルユニット10に存在する潤滑油は、エンジンが駆動しているときに、エンジンからの排気が通過する排気管30からの排気熱によって加熱される。したがって、加熱された潤滑油の粘性が低くなり、その潤滑油がモータに関する部品に供給されることで、モータの効率が低下することを抑制することができる。以下、この構成の詳細について説明する。
図2は、実施の形態1にかかるトランスアクスルユニット10及び排気管30の一例を示す上面図である。図2における上方は車両の前側、下方は車両の後側を示す。図2において、トランスアクスルユニット10の左側方には排気管30の一部が設けられている。トランスアクスルユニット10の左側面からは、上記の潤滑油経路の一部経路を構成する潤滑油パイプP1及びP2が、排気管30に向かって延びている。排気管30の内部では、前側から後側に排気が流れる。
排気管30の一部と、潤滑油パイプP1及びP2の一部とは、筐体で覆われた排気熱回収装置40の内部に収納されている。トランスアクスルユニット10内部の潤滑油は、潤滑油パイプP1を経由して排気熱回収装置40内部に流れた後、潤滑油パイプP2を経由してトランスアクスルユニット10内部に戻ることができる。また、潤滑油パイプP1には、トランスアクスルユニット10から排気熱回収装置40への潤滑油の供給を調整するための弁V1が設けられており、弁V1は、図1Aに示した制御部20によって、その開閉が調節される。なお、潤滑油パイプP1にはオイルポンプ11及びオイルクーラー12が取り付けられているが、説明の明確化のため、図2においては図示を省略している。
図3Aは、実施の形態1にかかるトランスアクスルユニット10及び排気熱回収装置40の一例を示す断面図であり、車両の停車時における各部の状態を示したものである。トランスアクスルユニット10は、その上部に設けられたモータ室10A、ギア室10B及びその下部に設けられたオイルパン10Cを有する。モータ室10Aは、その内部にクラッチ17が取り付けられた駆動モータが収納されており、ギア室10Bは、その内部にギア18が収納されている。図1Aに示した潤滑油経路を循環し、モータ室10A、ギア室10Bに入った潤滑油は、それぞれ駆動モータ、ギア18に供給された後、下部に設けられたオイルパン10Cに貯留される。また、図3Aでは、潤滑油をLとして示しており、以降の実施の形態でも、図面にて同様の表記をしている。
オイルパン10Cに貯留された潤滑油は、オイルポンプ11によって汲み上げられることにより、その上方のオイルクーラー12に流れる。オイルクーラー12から流れる潤滑油は、上述の通り、モータに係る部品に供給された後、再度オイルパン10Cに貯留される。
また、オイルポンプ11とオイルクーラー12の間には潤滑油パイプP1が設けられており、潤滑油パイプP1には弁V1が設けられている。潤滑油がオイルポンプ11によって汲み上げられ、かつ、制御部20によって弁V1が開かれた状態の場合、オイルポンプ11を通過した一部の潤滑油は、潤滑油パイプP1を介して排気熱回収装置40に向けて流れる。つまり、一部の潤滑油は、排気熱回収装置40に向かって分流される。
排気熱回収装置40は、その内部に、排気管30の一部であって排気が通過する円筒形の排気管30Aと、潤滑油パイプP1及びP2と接続されているオイルタンクT1とが収納されている。潤滑油経路の一部経路を構成するオイルタンクT1は、潤滑油パイプP1から潤滑油が流れ込むことが可能である。また、オイルタンクT1は潤滑油パイプP2を介してオイルパン10Cに接続されているため、オイルタンクT1内部の潤滑油がオイルパン10Cに流れ込むことができる。
排気熱回収装置40内において、オイルタンクT1の近傍に排気管30Aが配置されている。ここで、近傍とは、排気管30Aを流れる排気の排気熱によってオイルタンクT1内の潤滑油が加熱されることが可能な程度の近さをいう。一例として、オイルタンクT1と排気管30Aとの間の距離は数~十数センチメートル以下であってもよいが、取り得る距離はこれに限られない。オイルタンクT1の近傍に排気管30Aが配置されることには、オイルタンクT1の筐体表面と排気管30Aの表面とが接触する場合も含まれる。また、オイルタンクT1と排気管30Aは、その間に何も設けられない(空気層が存在する)状態であってもよいし、空気よりも排気熱が伝わりやすい(例えば、水など、空気よりも熱伝達率が高い)物質がその間に設けられていてもよい。
排気管30Aは、少なくともオイルタンクT1に面した部分の素材が、排気管30A以外の排気管30と比較して、内部の熱を排気管30の外部に伝えやすい素材で構成されてもよい。あるいは、オイルタンクT1は、少なくとも排気管30Aに面した部分の素材が、オイルタンクT1以外の潤滑油経路(例えば潤滑油パイプP1やP2)と比較して、外部からの熱を内部に伝えやすい素材で構成されてもよい。ある素材が熱を伝えやすいとは、例えばその素材の熱伝達率が、それ以外の素材の熱伝達率よりも高いことをいう。これにより、排気管30Aからの排気熱が、オイルタンクT1により伝達され易くなる。
また、排気熱回収装置40は、排気管30Aが他の排気管30の部分と連通する箇所と、潤滑油パイプP1及びP2がオイルタンクT1と接続される箇所を除き、筐体によって排気管30A及びオイルタンクT1を覆うことで、外部の空間と内部の空間を分離している。換言すれば、オイルタンクT1と排気管30Aとは、同一の筐体内に配置されている。一方、オイルタンクT1以外の潤滑油経路及び排気管30A以外の排気管30は、筐体の外側に配置されている。
さらに、排気熱回収装置40及び、オイルタンクT1から潤滑油が流れることが可能な潤滑油パイプP2は、トランスアクスルユニット10において、オイルポンプ11と同じ側の側方に設けられている。換言すれば、オイルパン10Cにおける潤滑油パイプP2との接続部分は、オイルポンプ11の近傍に位置する。
車両の停車時(特に、長時間の停車時)においては、走行がなされないため、駆動モータ及びエンジンが駆動しない。そのため、図3Aで示した潤滑油は低温(例えば流動点又は凝固点以下の温度)となり、粘性が高くなって、固まった状態となる。この場合、オイルポンプ11から潤滑油が吐出しにくい状態となるため、潤滑油は図1に説明した潤滑油経路を循環しにくい状態となる。
図3Bは、図3Aと同じ断面図であるが、車両の走行時における各部の状態を示したものである。車両が走行を開始する際には、エンジンが駆動されることで、その排気が排気管30Aを通過する。このときに生じる排気熱によってオイルタンクT1に貯留されている潤滑油が加熱され、その潤滑油の粘性が低くなり、オイルタンクT1から流れることが可能となる。オイルタンクT1から流れた潤滑油は、その自重によってオイルパン10Cに流れ込む。これにより、オイルパン10Cに貯留され、粘性が高い状態となっていた潤滑油は、加熱され、オイルタンクT1から供給された潤滑油によって加熱されることで、その粘性が低くなる。
上述の通り、オイルパン10Cにおける潤滑油パイプP2との接続部分は、オイルポンプ11の近傍に位置している。そのため、潤滑油パイプP2から流れた加熱された潤滑油は、オイルパン10Cにおいて、オイルポンプ11の近傍に貯留された潤滑油を加熱する。このようにして、オイルポンプ11の近傍に貯留された潤滑油の流動性が担保されることで、その潤滑油が、オイルポンプ11から吐出できる状態となる。そのため、潤滑油は、上述の潤滑油経路を循環することが可能になる。循環された結果、モータ室10Aとギア室10Bに供給された潤滑油は、オイルパン10Cの上部から落下することで、オイルパン10Cにおいてオイルポンプ11から離れた位置に貯留され、なおも低温となっている(すなわち、粘性が高い)潤滑油を加熱させる。これにより、オイルパン10Cに貯留された潤滑油は、その全体が加熱されて粘性が低下することで、潤滑油経路を流れるようになる。
なお、車両の停車時では、図3Aに示したように、オイルパン10CとオイルタンクT1の油面とは同じ高さとなる。車両の走行開始時の排気熱によって潤滑油を加熱させるためには、車両の停車時において、オイルタンクT1が潤滑油を貯留している必要がある。車両の停車時においてオイルタンクT1が潤滑油を貯留するためには、オイルタンクT1の底面を、車両の停車時におけるオイルパン10Cの油面よりも低い位置にすればよいことになる。
また、制御部20は、油温センサYが計測した潤滑油の温度が所定の閾値以上である場合に、弁V1を閉じることで、オイルタンクT1への潤滑油の供給を停止させる。所定の閾値は、例えば、潤滑油の特性(例えば潤滑作用)の変化が生じ得る温度、又はモータの部品の劣化が生じ得る温度等に基づいて決定される。これにより、オイルタンクT1に潤滑油が供給されなくなることで、潤滑油の加熱が抑制される。なお、制御部20は、暖機運転中以外のタイミングにおいては、計測した潤滑油の温度が所定の閾値未満である場合であっても、弁V1を閉じるように制御してもよい。また、制御部20が検出する潤滑油の温度は、トランスアクスルユニット10に限られず、潤滑油経路中の他の箇所の温度であってもよい。
上述のように、モータを搭載する車両においては、モータの潤滑油の粘性が高い状態でモータ出力を上げた場合、潤滑油の引き摺りや拡散といった現象により、モータの効率が下がる可能性があった。例えば、0℃を下回るような低温環境で長時間車両を放置すると、潤滑油は完全に固体化してしまい、加熱するには、熱伝導による潤滑油の受熱が必要となる。そして、固体化した潤滑油は、オイルポンプによって吐出されることもできなくなるため、車両の他の箇所の熱を回収し、潤滑油に受熱させることが難しくなってしまうという課題があった。
これに関し、本開示に係る潤滑システムS1を搭載した車両は、モータに関する潤滑油経路の一部経路であるオイルタンクT1の近傍に、エンジンからの排気が通過する排気管30Aを配置させる構造を有する。排気管30Aを通過する排気の排気熱によって、オイルタンクT1に貯留される潤滑油が加熱される。したがって、加熱された潤滑油の粘性が低くなり、その潤滑油がモータに関する部品に供給されることで、モータの効率が低下することを抑制することができる。これは、低温環境下で車両を使用する際に、特に有効な効果となる。
また、車両は、オイルタンクT1への潤滑油の供給を調整するために開閉可能な弁V1と、潤滑油の温度が所定の閾値以上である場合に弁V1を閉じる制御部20を備えていてもよい。潤滑油の温度が所定の閾値以上となるときに、オイルタンクT1に潤滑油を供給しなくなることで、潤滑油の加熱が抑制される。これにより、潤滑油の温度が高温になり過ぎることで、潤滑油の劣化又はモータの異常等が生じる可能性を抑制することができる。
また、オイルタンクT1と排気管30Aとは、排気熱回収装置40の筐体内に配置され、オイルタンクT1以外の潤滑油経路及び排気管30A以外の排気管30は、筐体の外側に配置されていてもよい。排気熱回収装置40の筐体により、排気管30Aの排気熱が筐体外部に伝達されることが抑制されるため、排気管30Aの排気熱によってオイルタンクT1が効率よく加熱される。これにより、潤滑油が早く加熱され、モータに関する部品に潤滑油をより早く供給することが可能となる。
また、潤滑油経路には、潤滑油を吐出するオイルポンプ11が設けられていてもよい。排気によって加熱され、オイルタンクT1から流れた潤滑油は、オイルポンプ11近傍の潤滑油を加熱し、加熱されたオイルポンプ11近傍の潤滑油は、オイルポンプ11によって吐出されることにより潤滑油経路を循環する。オイルポンプ11によって吐出された潤滑油が車両の各所の熱を回収することにより、潤滑油はより早く加熱される。そのため、モータに関する部品に潤滑油をより早く供給することが可能となる。
さらに、潤滑油経路には、モータの部品に供給された潤滑油を貯留し、オイルタンクT1に接続されたオイルパン10Cが設けられてもよい。ここで、オイルタンクT1の底面は、車両の停車時におけるオイルパン10Cの油面よりも低い位置に位置し、オイルポンプ11は、オイルパン10Cに貯留された潤滑油を吐出する。オイルタンクT1は、車両の走行開始時に確実に潤滑油を貯留するように構成されているため、排気熱によって加熱されたオイルタンクT1内の潤滑油はオイルパン10Cに流れ込む。オイルパン10C内の潤滑油はそれによって加熱され、粘性が低くなるため、オイルポンプ11から吐出されるようになる。これにより、オイルパン10Cに貯留された潤滑油を加熱し、潤滑油経路に潤滑油を循環させることが可能となる。
実施の形態2
以下、実施の形態1と比較して潤滑油を加熱する構造が変更された本開示のバリエーションについて説明する。以降では、実施の形態1と異なる構成及び処理内容について説明し、実施の形態1と共通する構成及び処理内容については、適宜説明を省略する。例えば、以降の実施の形態にかかる車両の潤滑システム及び制御部の構成については、実施の形態1の図1A及び1Bに関して説明した通りであるため、説明を省略する。
図4は、実施の形態2にかかるトランスアクスルユニット10及び排気管30の一例を示す上面図である。図4における上方は車両の前側、下方は車両の後側を示す。図4において、トランスアクスルユニット10の左側方には排気管30の一部が設けられている。図4では、図2との相違点として、筐体で覆われた排気熱回収装置40がトランスアクスルユニット10の内部に設けられ、排気管30からは排気が分流する経路である分流管E1及びE2が、排気熱回収装置40に向かって延びている構成が示されている。排気管30の内部では、前側から後側に排気が流れる。
排気の分流経路と、潤滑油経路の一部とは、筐体で覆われた排気熱回収装置40の内部に収納されている。トランスアクスルユニット10内部の潤滑油は、排気熱回収装置40内部において排気により加熱された後、排気熱回収装置40外部に供給されることができる。また、分流管E1には、排気管30からの排気の供給を調整するための弁V2が設けられており、弁V2は、図1Aに示した制御部20によって、その開閉が調節される。なお、トランスアクスルユニット10の左側面にはオイルポンプ11及びオイルクーラー12が取り付けられているが、説明の明確化のため、図4においては図示を省略している。
図5は、実施の形態2にかかるトランスアクスルユニット10及び排気熱回収装置40の一例を示す断面図である。トランスアクスルユニット10は、図3Aと同様、その上部に設けられたモータ室10A、ギア室10B及びその下部に設けられたオイルパン10Cを有する。モータ室10A、ギア室10B及びオイルパン10Cの説明、並びにオイルパン10Cに貯留された潤滑油が潤滑油経路を循環する点については、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。また、図5において分流管E2は、記載が省略されている。
トランスアクスルユニット10の左下部には、筐体で覆われた排気熱回収装置40が設けられている。排気熱回収装置40は、オイルパン10Cと隣接している。特に、排気熱回収装置40は、オイルパン10C内部であってオイルポンプ11の近傍に位置する領域10Dに隣接する。領域10Dは、潤滑油経路の一部経路を構成する。ここで、近傍とは、排気管30Aを流れる排気の排気熱によって領域10D内の潤滑油が加熱されることが可能な程度の近さをいう。一例として、オイルパン10Cと排気管30Aとの間の距離は数~十数センチメートル以下であってもよいが、取り得る距離はこれに限られない。オイルパン10Cの近傍に排気管30Aが配置されることには、オイルパン10Cの表面と排気管30Aの表面とが接触する場合も含まれる。また、オイルパン10Cと排気管30Aは、その間に何も設けられない(空気層が存在する)状態であってもよいし、空気よりも排気熱が伝わりやすい(例えば、水など、空気よりも熱伝達率が高い)物質がその間に設けられていてもよい。
排気熱回収装置40は、その内部に、分流管E1から排気が流れ込み、分流管E2からその排気が排出されることで排気が通過可能な排気管30Aが収納されている。制御部20によって弁V2が開かれた状態の場合、分流管E1を通過した一部の排気は排気管30Aに流れることで、排気熱回収装置40内部を加熱する。
なお、排気管30Aは、少なくともオイルパン10Cに面した部分の素材が、排気管30A以外の排気管30と比較して、内部の熱を排気管30の外部に伝えやすい素材で構成されてもよい。あるいは、オイルパン10Cは、少なくとも排気管30Aに面した部分の素材が、オイルパン10C以外の潤滑油経路と比較して、外部からの熱を内部に伝えやすい素材で構成されてもよい。ある素材が熱を伝えやすいとは、例えばその素材の熱伝達率が、それ以外の素材の熱伝達率よりも高いことをいう。これにより、排気管30Aからの排気熱が、オイルパン10Cにより伝達され易くなる。
排気熱回収装置40は、分流管E1及びE2が排気熱回収装置40と接続される箇所を除き、筐体によって排気管30Aを覆うことで、外部の空間と内部の空間を分離している。ここで、排気熱回収装置40は、オイルパン10Cと、トランスアクスルユニット10の同一の筐体内に配置されており、排気熱回収装置40の底面とオイルパン10Cの底面とは接続されている。
さらに、排気熱回収装置40は、トランスアクスルユニット10において、オイルポンプ11と同じ側の側面に設けられている。換言すれば、オイルポンプ11の近傍に排気管30Aが位置する。
車両の停車時においては、走行がなされないため、駆動モータ及びエンジンが駆動しない。そのため、図5で示した潤滑油は低温(例えば流動点又は凝固点以下の温度)となり、粘性が高くなって、固まった状態となる。この場合、オイルポンプ11から潤滑油が吐出しにくい状態となるため、潤滑油は図1に説明した潤滑油経路を循環しにくい状態となる。
この状態からエンジンが駆動されることで、その排気が排気管30Aを通過する。このときに生じる排気熱によって、オイルパン10Cに貯留されている潤滑油が加熱され、その潤滑油の粘性が低くなる。特に、排気管30A近傍である、オイルポンプ11に近接した領域10Dで貯留された潤滑油が加熱されやすいため、オイルポンプ11は、早いタイミングでオイルポンプ11から吐出できる状態となる。そのため、潤滑油は、上述の潤滑油経路を循環することが可能になる。
また、排気管30Aからの排気熱は、排気熱回収装置40の底面を加熱することにより、オイルパン10Cの底面も加熱させる。また、上述のメカニズムで循環された結果、モータ室10Aとギア室10Bに供給された潤滑油は、オイルパン10Cの上部から落下する。このようにして、オイルパン10Cにおいて排気管30Aから離れた位置に貯留され、なおも低温となっている(すなわち、粘性が高い)潤滑油は、その上方及び下方から加熱される。これにより、オイルパン10Cに貯留された潤滑油は、その全体が加熱されて粘性が低下することで、潤滑油経路を流れるようになる。
また、制御部20は、油温センサYが計測した潤滑油の温度が所定の閾値以上である場合に、弁V2を閉じることで、分流管E1からの排気管30Aへの排気の供給を停止させる。所定の閾値は、例えば、潤滑油の特性(例えば潤滑作用)の変化が生じ得る温度、又はモータの部品の劣化が生じ得る温度等の温度に基づいて決定される。これにより、排気管30Aが加熱されなくなることで、潤滑油の加熱が抑制される。なお、制御部20は、暖機運転中以外のタイミングにおいては、計測した潤滑油の温度が所定の閾値未満である場合であっても、弁V2を閉じるように制御してもよい。
以上に示したように、実施の形態2にかかる車両は、モータに関する潤滑油経路の一部経路であるオイルパン10Cの近傍に、エンジンからの排気が通過する排気管30Aを配置させる構造を有する。排気管30Aを通過する排気の排気熱によって、オイルパン10Cに貯留される潤滑油が加熱される。したがって、加熱された潤滑油の粘性が低くなり、その潤滑油がモータに関する部品に供給されることで、モータの効率が低下することを抑制することができる。
また、車両は、排気管30Aへの排気の供給を調整するために開閉可能な弁V2と、潤滑油の温度が所定の閾値以上である場合に弁V2を閉じる制御部20を備えていてもよい。潤滑油の温度が所定の閾値以上となるときに、排気管30Aに排気を供給しなくなることで、潤滑油の加熱が抑制される。これにより、潤滑油の温度が高温になり過ぎることで、潤滑油の劣化又はモータの異常等が生じる可能性を抑制することができる。
また、潤滑油経路には、モータの部品に供給された潤滑油を貯留し、オイルタンクT1に接続されたオイルパン10Cが設けられてもよい。ここで、オイルパン10Cに貯留された潤滑油は、領域10Dを経由してオイルポンプ11に供給される。この構成により、領域10Dにおける潤滑油は加熱され、早期にオイルポンプ11に供給されるため、潤滑油経路に潤滑油をより早く循環させ、モータに関する部品に潤滑油をより早く供給することが可能となる。
また、排気管30Aは排気熱回収装置40の筐体で覆われており、その筐体とオイルパン10Cとが接続されていてもよい。これにより、オイルパン10C内部の潤滑油は、オイルポンプ11によって吐出される潤滑油だけでなく、筐体を介した排気熱の熱伝導によっても加熱されるため、潤滑油を効率よく加熱することが可能となる。
実施の形態3
実施の形態3では、実施の形態1及び2において、さらに効率的に潤滑油を加熱させるバリエーションについて説明する。以降の(3A)では、実施の形態1のバリエーションを説明し、(3B)では、実施の形態2のバリエーションを説明する。
(3A)
図6Aは、実施の形態3にかかるトランスアクスルユニット10及び排気熱回収装置40の一例を示す断面図であり、車両の停車時における各部の状態を示したものである。図6Aの構成において、図3Aと異なる点は、オイルパン10Cを仕切る仕切り板K1(仕切り部材)が設けられることで、オイルポンプ11に近接した潤滑油が貯留される領域が区域10Eとして、オイルパン10Cの領域と隔てられることである。
ただし、仕切り板K1には連通穴H1が設けられており、この連通穴H1によって、オイルパン10Cと区域10Eの間で潤滑油が流れることができる。連通穴H1は、オイルパン10Cと区域10Eとの接続箇所を窄まった形状としている。この連通穴H1を、潤滑油が区域10Eからオイルパン10Cに流れる向きに対して垂直に切断した場合の断面積は、区域10Eにおけるオイルポンプ11との接続部を、潤滑油が区域10Eからオイルポンプ11に流れる向きに対して垂直に切断した場合の断面積よりも小さい。
図6Aに示したように、区域10Eは潤滑油パイプP2と連結されており、潤滑油パイプP2から流れた潤滑油はまず区域10Eに流れ込み、その潤滑油を加熱する。そして、区域10Eはオイルポンプ11の近傍に位置するため、加熱された潤滑油はオイルポンプ11から吐出できる状態となる。そのため、潤滑油は、上述の潤滑油経路を循環することが可能になる。
このとき、区域10Eにおいて加熱された潤滑油は、オイルパン10Cを経由する必要がなく早期にオイルポンプ11に供給されるため、モータに関する部品に潤滑油をより早く供給することが可能となる。循環された結果、モータ室10Aとギア室10Bに供給された潤滑油は、オイルパン10Cの上部から落下することで、オイルパン10Cにおいてオイルポンプ11から離れた位置に貯留され、なおも低温となっている(すなわち、粘性が高い)潤滑油を加熱させる。
また、上述の連通穴の構成により、区域10Eからオイルパン10Cに流れ込む潤滑油よりも、区域10Eからオイルポンプ11に流れ込む潤滑油の量を多くすることが可能となる。言い換えれば、オイルポンプ11側の潤滑油の方が、オイルパン10C側の潤滑油よりも、伝導熱によって加熱される度合いが大きい。したがって、オイルポンプ11に潤滑油がより早く流れ込むようにすることが可能となるため、潤滑油経路に潤滑油をより早く循環させ、モータに関する部品に潤滑油をより早く供給することが可能となる。
(3B)
図6Bは、実施の形態3にかかるトランスアクスルユニット10及び排気熱回収装置40の別の例を示す断面図である。図6Bの構成において、図5と異なる点は、オイルパン10Cを仕切る仕切り板K2が設けられることで、オイルポンプ11に近接した潤滑油が貯留される領域が区域10Fとして、他のオイルパン10Cの領域と隔てられる点である。仕切り板K2は、モータ室10Aの下部に設けられており、モータに供給された潤滑油は、仕切り板K2の上方(図6Bにおける矢印の経路)を通じて、オイルパン10Cに貯留される。
ただし、仕切り板K2には連通穴H2が設けられており、この連通穴H2によって、オイルパン10Cと区域10Fの間で潤滑油が流れることができる。連通穴H2は、連通穴H1と同様、オイルパン10Cと区域10Fとの接続箇所を窄まった形状としている。この連通穴H2を、潤滑油が区域10Fからオイルパン10Cに流れる向きに対して垂直に切断した場合の断面積は、区域10Fにおけるオイルポンプ11との接続部を、潤滑油が区域10Fからオイルポンプ11に流れる向きに対して垂直に切断した場合の断面積よりも小さい。
図6Bに示したように、区域10Fは排気管30Aの近傍にあるため、排気が排気管30Aを通過した際に、区域10Fに貯留されている潤滑油が加熱される。そして、区域10Fはオイルポンプ11の近傍に位置するため、加熱された潤滑油はオイルポンプ11から吐出できる状態となる。そのため、潤滑油は、上述の潤滑油経路を循環することが可能になる。このとき、区域10Fにおいて加熱された潤滑油は、オイルパン10Cを経由する必要がなく早期にオイルポンプ11に供給されるため、モータに関する部品に潤滑油をより早く供給することが可能となる。循環された結果、オイルパン10Cにおいてオイルポンプ11から離れた位置に貯留され、なおも低温となっている潤滑油も加熱される。
また、(3A)に示した理由と同様の理由により、オイルポンプ11側の潤滑油の方が、オイルパン10C側の潤滑油よりも、伝導熱によって加熱される度合いが大きくなる。したがって、オイルポンプ11に潤滑油がより早く流れ込むようにすることが可能となるため、潤滑油経路に潤滑油をより早く循環させ、モータに関する部品に潤滑油をより早く供給することが可能となる。
実施の形態4
実施の形態4では、上述の(3B)において、さらに効率的に潤滑油を加熱させるバリエーションについて説明する。
(4A)
図7Aは、実施の形態4にかかるトランスアクスルユニット10及び排気熱回収装置40の例を示す断面図である。図7Aの構成において、図6Bと異なる点は、排気熱回収装置40の区域10F側の面に、凹凸構造としてのフィンF1が設けられる点と、図6Bにおける円筒形の排気管30Aに代えて、区域10Fに面する側面を長方形の形状とした排気筒30Bが設けられる点である。
フィンF1は、区域10Fが排気筒30Bに面する側に、潤滑油をその内側に滞留させる構造を有する。フィンF1により、区域10Fの潤滑油が排気筒30B側に対向する表面積が大きくなる。したがって、排気熱の温度が同じ場合であっても、区域10Fにおいて、フィンF1を介して潤滑油が排気筒30Bから取得可能な熱量は、図6Bにおいて潤滑油が排気管30Aから取得可能な熱量よりも多くなる。そのため、潤滑油をより早く加熱させ、モータに関する部品に潤滑油をより早く供給することが可能となる。
また、排気筒30Bは、排気管30Aに比較すると、区域10Fに対向する面が円筒から長方形となっているため、その対向する面の表面積が増加している。この構成によっても、区域10Fの潤滑油に向かって伝達される排気熱の熱量をさらに増加させることができる。
(4B)
図7Bは、実施の形態4にかかるトランスアクスルユニット10及び排気管30の別の例を示す上面図であり、図7Cは、図7Bに示した構成を前後方向に切断した断面図である。図7Bの構成では、排気管30から分流した分流管E1及びE2が、トランスアクスルユニット10の前側及び後側に配置され、そこからトランスアクスルユニット10を前後方向に貫通するように排気管30Cが設けられる。
このとき、図7Cに示すように、排気管30Cの断面積は、分流管E1及びE2の断面積と比較して大きく設けられている。また、排気管30Cの側面であって区域10Fに面する側には、排気熱回収装置40における区域10F側の壁に設けられた仕切り板K3及びK4によって、凹部が形成されている。ここで、排気管30Cの側面において相対的に凸部となっている箇所の内側には、排気が滞留されることになる。
(4C)
図7Dは、実施の形態4にかかるトランスアクスルユニット10及び排気管30の更なる例を示す上面図であり、図7Eは、図7Dに示した構成を前後方向に切断した断面図である。図7Dの構成でも、図7Bと同様に、排気管30から分流した分流管E1及びE2が、トランスアクスルユニット10の前側及び後側に配置され、そこからトランスアクスルユニット10を前後方向に貫通するように排気管30Dが設けられる。
このとき、図7Eに示すように、排気管30Dの断面積は、分流管E1及びE2の断面積と比較して大きく設けられている。また、排気管30Dの側面であって区域10Fに面する側からは、排気をその内側に滞留させる構造を有し、区域10F方向に突出する突起(凸部)J1及びJ2が設けられる。
以上に示した(4B)及び(4C)では、排気管30C又は30Dの側面に、凹凸構造としてのフィンが設けられることになる。このフィンにより、排気筒が区域10F側に対向する表面積が大きくなる。したがって、排気熱の温度が同じ場合であっても、フィンF1を介して排気筒が放熱する熱量は、図6Bにおいて排気管30Aが放熱する熱量よりも多くなる。そのため、潤滑油をより早く加熱させ、モータに関する部品に潤滑油をより早く供給することが可能となる。
なお、実施の形態3における図6Bではなく、実施の形態2における図5で示した排気熱回収装置40の構成に対して、(4A)~(4C)の構成を適用させることも可能である。また、実施の形態1における図3Bで示した排気熱回収装置40の構成において、(4A)~(4C)で示した構成と同様に、オイルタンクT1又は排気管30Aの少なくともいずれかに対してフィン構造を設けることも可能である。
(4A)~(4C)のいずれの構成においても、潤滑油をより早く加熱させる効果を達成することができる。ただし、(4A)のように、区域10Fの潤滑油が排気筒30B側に対向する表面積を大きくする方が、(4B)又は(4C)のように、排気筒30B、排気管30C又は30Dが区域10F側に対向する表面積を大きくするよりも、潤滑油が受け取る熱量をより多くする効果が高いと考えられる。しかしながら、(4A)の構成と、(4B)又は(4C)の構成とを組み合わせることも可能であり、これにより、上述の効果を向上することが可能である。
なお、本開示は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、各実施の形態における排気熱回収装置40においては、任意の種類の断熱材又は遮熱材を筐体内部に設けることが可能である。これにより、排気管からの排気熱が筐体外部に伝達することを抑制し、排気熱回収装置40において、排気熱をより効率よく潤滑油に伝達することができる。
各実施の形態における排気熱回収装置40は、トランスアクスルユニット10側から見てモータ室10A側に(すなわち、オイルポンプ11と同方向側に)設けられていた。しかしながら、排気熱回収装置40は、トランスアクスルユニット10側から見てギア室10B側に(すなわち、オイルポンプ11と反対方向側に)設けられてもよい。
つまり、実施の形態1では、排気熱回収装置40がトランスアクスルユニット10の筐体の外側であって、ギア室10Bに面した場所に設けられていてもよい。また、実施の形態2では、排気熱回収装置40がトランスアクスルユニット10の筐体の内側であって、ギア室10Bの直下に設けられていてもよい。このような場合、排気熱回収装置40によって加熱された潤滑油は、オイルパン10Cに貯留された潤滑油を加熱することにより、その粘性を低くする。そして、オイルポンプ11近傍の潤滑油が加熱され、粘性が低くなったタイミングで、オイルポンプ11からその潤滑油が吐出され、潤滑油経路を循環することが可能となる。ただし、排気熱回収装置40をオイルポンプ11と同方向側に設けることで、排気熱回収装置40によってオイルポンプ11近傍の潤滑油がすぐに加熱される。そのため、オイルポンプ11から潤滑油が吐出されるタイミングを早くすることが可能となり、モータに関する部品に潤滑油をより早く供給することが可能となる。
各実施の形態の排気熱回収装置40内において、排気管の管表面に対して、加熱対象の潤滑油が直接接触する(すなわち、排気管が油没する)ように構成されていてもよい。この構成によっても、排気管からの排気熱が潤滑油に伝達される。ただし、潤滑油漏れを防ぐ観点からは、各実施の形態に示したように、排気熱回収装置40内において排気管の管表面と潤滑油との間に壁を設け、両者を隔てる構成とすることがより好ましい。
実施の形態3における連通穴は、仕切り板を設けることに代えて、一体成型等、異なる技術によって実現されてもよい。
各実施の形態における排気熱回収装置40は、潤滑油を加熱するためには必須の構成ではなく、単に排気管の一部の近傍に潤滑油経路の一部経路を設ける構成でも、潤滑油を加熱させる効果を達成することができる。ただし、筐体としての排気熱回収装置40が存在することにより、排気管からの排気熱が効率よく潤滑油に伝達され、潤滑油を早く加熱することができる。また、代替例として、筐体ではなく、外壁等の仕切り板を排気管の一部及び潤滑油経路の一部経路の近傍に設けてもよい。この仕切り板により、潤滑油に吸収されなかった排気管からの排気熱が反射して潤滑油に伝達されることで、潤滑油を早く加熱することができる。
以上に示した実施の形態では、トランスアクスルユニット10内部又はその近傍に位置する潤滑油経路の潤滑油が加熱される例を説明したが、潤滑油経路において潤滑油が加熱される場所は、これに限られない。
以上、実施の形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記によって限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、その技術的思想の範囲内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
S1 潤滑システム
10 トランスアクスルユニット 10A モータ室
10B ギア室 10C オイルパン
10D 領域 10E、10F 区域
11 オイルポンプ 12 オイルクーラー
13 シャワーパイプ 14 モータジェネレータ
15 シャフト 16 ロータ
17 クラッチ 18 ギア
20 制御部
21 メモリ 22 I/O部
23 情報処理部
30 排気管
40 排気熱回収装置
T1 オイルタンク P1、P2 潤滑油パイプ
Y 油温センサ V1、V2 弁
K1~K4 仕切り板 H1~H3 連通穴
J1、J2 突起 E1、E2 分流管

Claims (10)

  1. エンジンとモータとで駆動される車両であって、
    前記モータに関する潤滑油経路の一部経路の近傍に、前記エンジンからの排気が通過する排気管の一部が配置されている、
    車両。
  2. 前記一部経路への潤滑油の供給を調整するために開閉可能な第1の弁と、
    前記潤滑油の温度が所定の閾値以上である場合に前記第1の弁を閉じる制御部と、をさらに備える
    請求項1に記載の車両。
  3. 前記排気管の一部への前記排気の供給を調整するために開閉可能な第2の弁と、
    潤滑油の温度が所定の閾値以上である場合に前記第2の弁を閉じる制御部と、をさらに備える
    請求項1に記載の車両。
  4. 前記一部経路と前記排気管の一部とは、同一の筐体内に配置され、
    前記一部経路以外の前記潤滑油経路及び前記排気管の一部以外の前記排気管は、前記筐体の外側に配置されている、
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車両。
  5. 前記潤滑油経路には、潤滑油を吐出するオイルポンプが設けられ、
    前記排気によって加熱された前記一部経路の潤滑油は、前記オイルポンプ近傍の潤滑油を加熱し、加熱された前記オイルポンプ近傍の潤滑油は、前記オイルポンプによって吐出されることにより前記潤滑油経路を循環する、
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車両。
  6. 前記潤滑油経路には、前記モータの部品に供給された潤滑油を貯留し、前記一部経路に接続されたオイルパンがさらに設けられ、
    前記一部経路の底面は、前記車両の停車時における前記オイルパンの油面よりも低い位置に位置し、前記オイルポンプは、前記オイルパンに貯留された潤滑油を吐出する、
    請求項5に記載の車両。
  7. 前記潤滑油経路には、前記モータの部品に供給された潤滑油を貯留し、前記一部経路に接続されたオイルパンがさらに設けられ、
    前記オイルパンに貯留された潤滑油は、前記一部経路を経由して前記オイルポンプに供給される、
    請求項5に記載の車両。
  8. 前記潤滑油経路には、前記モータの部品に供給された潤滑油を貯留し、前記一部経路に接続されたオイルパンがさらに設けられ、
    前記排気管の一部は筐体で覆われており、前記筐体と前記オイルパンとが接続されている、
    請求項5に記載の車両。
  9. 前記オイルパンと前記一部経路とは、連通部を介して接続されており、
    前記連通部を、潤滑油が前記一部経路から前記オイルパンに流れる向きに対して垂直に切断した場合の断面積は、前記一部経路における前記オイルポンプとの接続部を、前記潤滑油が前記一部経路から前記オイルポンプに流れる向きに対して垂直に切断した場合の断面積よりも小さい、
    請求項7に記載の車両。
  10. 前記一部経路と前記排気管の一部の少なくともいずれか一方において、その他方に面する側に、潤滑油又は前記排気のいずれかがその内側に滞留するフィン構造が設けられる、
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車両。
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