JP2024016347A - 溝加工ツールおよび溝加工方法 - Google Patents

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忠広 岩井
Tadahiro Iwai
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Abstract

【課題】 溝底に薄皮の樹脂膜を残すようにして樹脂膜を帯状に剥離することができるとともに、互いに交差するX-Y方向の帯状の溝を加工したときに、交点部において膜剥がれが発生することのない溝加工が可能な溝加工ツールを提供する。【解決手段】 下部に刃先形成部2を備えたツール本体1を含み、刃先形成部2はツール移動方向に向いた前面2aと、左右側面2c、2d並びに底面2eと、前面2eの下縁部に形成された刃部3とを備え、刃部3は底面2eの端縁近傍から斜め上方に向かって傾斜する第1刃面5と、この第1刃面に対して鋭角に交わる上向きの第2刃面6と、これら第1刃面と第2刃面とによって形成される鋭突な刃先7とから形成されており、刃部3の左右側面3a、3bが、下面となる前記第1刃面に至るほど幅細くなるように傾斜して形成されている構成とする。【選択図】 図2

Description

本発明は、脆性材料基板上に積層された樹脂膜に、溝を形成する溝加工ツールおよび溝加工方法に関し、より具体的には、樹脂膜が貼り付けられたガラス基板等を分断加工する際に、予め、分断予定ライン近傍の樹脂膜を帯状に除去する加工に好適な溝加工ツールおよびこれを用いた溝加工方法に関する。
従来からガラス基板等の脆性材料基板上に多数のデバイスをパターン形成しておき、その後スクライビングホイール等の基板切断用ツールを用いて基板上に切筋を加工して分割することにより上記デバイスを量産する製造方法が採用されている。
このようなデバイス製造工程では、図7に示すように、大盤のマザー基板W上に互いに交差するX―Y方向の分断予定ラインS1、S2が設定してあり、これらに沿って分断することで個々のデバイスを構成する方形の単位基板W1ごとに分割される。
上記製造工程により種々のデバイスが製造されているが、それらのデバイスのなかには例えば指紋センサのように基板表面に機能性樹脂膜が積層されたデバイスがある。
樹脂膜が積層されたガラス基板は、樹脂膜とガラスとの物性が大きく異なるため、ガラス基板に切筋を形成するスクライビングホイールを使用してガラス基板と樹脂膜とを同時に加工することは困難である。そのため、樹脂膜に溝を加工する溝加工ツールを用いて分断予定ラインに沿って樹脂膜を帯状に剥離した後、剥離された溝底に表出するガラス基板の表面、若しくは、そのガラス基板の(樹脂膜のない)裏面からスクライビングホイール等で基板に切筋を入れ、最後に基板を撓ませるなどして分断予定ラインに沿って分断している。
樹脂膜に溝を加工することができる溝加工ツールの従来例としては、例えば特許文献1や特許文献2に開示されたものがある。
特許文献1に開示された剥離カッター(溝加工ツール)は、液晶パネルの偏光板を切削する際に用いることができる彫刻刀のような切れ刃の剥離カッターであって、所定幅の鋭突な刃先を有する刃先部を備えている。ここでは刃先断面形状が略V字状(図1)のものの他に、剥離幅を広げるためコの字状、台形状、半円状、円形などの種々の刃先形状にしたもの(図32)が記載されており、偏光板を切削する際には、刃部先端全域に逃げ角を形成するようにして刃先先端のみをガラス表面に線接触させるようにして押し付けながら移動させることにより、彫刻刀のように樹脂膜を刃先の断面形状で剥離除去することが記載してある(図2等)。
この剥離カッターによる加工は、ガラス基板上の成膜(偏光板などのフィルム、樹脂膜、保護膜なども含まれる)を、切削、剥離、除去してガラス基板の表面を完全に表出させることが目的である。それゆえ、ガラス基板のガラス表面に剥離カッターの刃先先端を当接し、かつ、ガラス基板に押圧した状態で先端刃部を移動させるようにしている。
しかしながら剥離カッターは、彫刻刀のように進行方向に向けた鋭突な刃先の先端のみをガラス表面に線接触するようにして移動させているので、刃先が常に下方に喰い込む方向に作用しており、刃先がガラス表面に強く接触すると基板が傷つきやすい。また、刃先先端の狭い線接触面のみが基板に接するので、狭い接触面に加わる圧力の調整が困難であり、刃先がガラス表面に強く接触しないように押圧力を制御することが困難である。
剥離カッターの刃先との接触によってガラス表面に傷がつくと、後工程でガラス基板を撓ませて分断する際に分断予定ラインと異なる方向に亀裂が進展し不良品の発生要因となる。また、分断端面にカケ等の疵痕が発生して高品質の製品が得られないといった弊害もある。
さらに、デバイスによっては、デバイス構造、機能、性能、歩留まり等の種々の観点から刃先がガラス基板と直接接触することが許容されない場合もある。
例えば指紋センサ用デバイスについても、機能性樹脂膜の一部を溝加工ツールで剥離する際に、溝加工ツールが基板表面に接触することが望ましくないことから、溝加工ツールの刃先が確実にガラス表面に接触しないようにするために、溝底にわずかに薄皮を残した状態で、例えば樹脂膜の厚みが50μmの場合は10~15μmの薄皮を残した状態で剥離することが求められており、そのような溝加工に適した溝加工ツールが望まれている。
この点に関し、特許文献2に記載される剥離用ツール(溝加工ツール)は、垂直な左右側壁と、左右側壁に挟まれた矩形の底面と、底面から斜めに立ち上がるすくい面とを有しており、底面とすくい面とが刃面となってこれらの刃面に挟まれるエッジが刃先となり、この底面を基板の主面(樹脂膜表面)に平行に面接触させた姿勢にして、刃先を移動することにより、樹脂膜を一定の溝幅で剥離できることが記載されている。
この剥離用ツールによれば、底面が主面(樹脂膜表面)の抑え面となって刃先(エッジ)の食い込みを抑制しながら、刃先により剥離された樹脂部分をすくい上げるようにして溝を加工することができる。したがって、この剥離用ツールを採用すれば、刃先がガラス基板表面に接触しないように樹脂膜の薄皮を基板表面に残した状態で剥離することが可能になる。
特開2008-116969号公報 特開2015-229259号公報
しかしながら、特許文献2に記載される剥離用ツールを用いて互いに直交するX-Y方向の溝を加工すると、交点の特定箇所で樹脂膜の膜剥がれが発生することがあった。即ち、図8に示すように、最初に加工した溝、例えばX方向の溝V1に対してY方向の溝V2を加工すると、溝V1との交点部分においてツール進行方向前方側(ツール抜け側)で製品となる単位基板W1の角部に膜剥がれ(図の黒く塗りつぶした部分)が発生することがあった。このような膜剥がれが発生すると、分断された単位基板W1の品質が低下するとともに、樹脂膜が指紋センサのような機能性膜である場合に、膜剥がれによってデバイス性能に大きな支障を来すことになる。
そこで本発明は上記課題に鑑み、互いに交差する分断予定ラインに沿って膜剥がれを発生させることなく、所定の溝幅で樹脂膜を精度よく剥離して溝加工することができる溝加工ツールおよび溝加工法を提供することを目的とする。
また、溝加工ツールの刃先が基板表面に直接接触しないように、溝底に樹脂膜の薄皮を少し残した状態で安定よく樹脂膜を剥離することが可能な溝加工ツールおよび溝加工方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、交点部での膜剥がれ問題の発生原因を検討した結果、下記の点にあると考えられる。すなわち、特許文献2の剥離用ツールを用いて溝を加工すると、ツールの左右の壁面が垂直であるので、図6(b)で示すように、形成される溝Vの左右側面も垂直な面で形成される。したがって、このツールを用いて何れか一方の溝、例えばX方向の溝V1を加工した後、溝V1と直交するY方向の溝V2を加工する際に、ツール先端が最初に加工した溝V1との交点部で溝V1の垂直な壁面に当接してこれを切り裂きながら進行することになる。このとき、刃先の進行方向からみたツールの断面積が比較的大きく、また溝の垂直な壁面に対してツールの左右の壁面も垂直に接触することから、切り裂いて進行する際に溝の壁面からツールが大きな抵抗を受けるとともに、製品となる単位基板の角部の樹脂膜がツールの垂直な壁面に引きずられて剥離し、交点部における膜剥がれが生じるものと考えられる。
そこで、上記目的を達成するために本発明では次のような技術的手段を講じた。すなわち、本発明の溝加工ツールは、下部に刃先形成部を備えたツール本体を含み、前記刃先形成部はツール移動方向に向いた前面と、左右側面と、底面と、前記前面の下縁部に形成された刃部とを備え、前記刃部は前記底面の端縁近傍から斜め上方に向かって傾斜する第1刃面と、この第1刃面に対して鋭角に交わる上向きの第2刃面と、これら第1刃面と第2刃面とによって形成される刃先とから形成されており、前記刃部の左右側面が下面となる前記第1刃面に至るほど幅細くなるように傾斜して形成されている構成とした。
ここで、前記刃先形成部の底面に対する前記第1刃面の傾斜角度を1~30度の範囲内で形成するのがよい。
また、前記第1刃面と前記第2刃面とによって形成される刃先の角度を30~85度の範囲内で形成するのが好ましい。
さらに、前記第1刃面の長さLは10~200μmの範囲内で形成するのがよい。
また、前記刃部の左右側面の前記第1刃面に対する傾斜角度を40~60度の範囲内で形成するのが好ましい。
本発明によれば、刃部の左右側面が下方に至るほど幅細くなるように傾斜して形成されているので、加工される溝の左右側壁は上広がり状に傾斜して形成される。そして、最初に加工した溝に対して直交する溝を加工するときに、ツール刃先はその交点部において、最初に加工した溝の傾斜側壁に当接してこれを切り裂いて進行する。このとき、刃先の進行方向からみた断面積が小さくなることに加え、溝の側壁部分が傾斜していることから、刃部が溝の側壁から受ける抵抗は、従来の垂直な側壁面を切り裂く場合に比べて大きく軽減される。さらに、刃部の傾斜した左右側面が膜表面を抑える形になるので、交点部分におけるツール進行方向前方側で、製品となる単位基板の角部での膜剥がれの発生を防止することができ、高品質の製品を得ることができる。
また、本発明では溝を加工する際に、刃部の左右側面が下方に至るほど幅細くなるように傾斜して形成されていることで、刃先が樹脂膜内部に切り込みやすくなる。一方で、刃部の上面側にある第2刃面がすくい面となって剥離した部分を上方にすくい上げて逃がすことができるとともに、下面側の第1刃面が被加工面と平行に向けられて面接触する押さえ面となって刃先の過度の食い込みを抑制することができる。これにより、ツールの基板に対する位置精度および押圧力を安定させることができて微調整が容易になり、溝の底部に薄皮を残した状態で精度良く溝を加工することができ、刃先によるガラス板面への傷つけを防止することができる。
本発明の一実施形態である溝加工ツールを示す斜視図である。 上記溝加工ツールの刃部の拡大図である。 上記溝加工ツールの使用時の姿勢を示す側面図である。 上記溝加工ツールの使用時における刃部の拡大側面図である。 溝加工ツールが取り付けられるスクライブ装置の一例を示す概略的な正面図である。 (a)は本発明の溝加工ツールで加工された溝の断面図であり、(b)は従来の溝加工ツールで加工された溝の断面図である。 ガラス基板の分断工程を説明するための平面図である。 交点部での膜剥がれの現象を説明するための平面図である。
以下、本発明の詳細について図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明に係る溝加工ツールの一実施例を示す斜視図であり、図2は刃部の拡大図である。この溝加工ツールAは、図5で示すスクライブ装置Bのスクライブヘッド17への取付部となる板状の本体1と、その下端部に一体形成された刃先形成部2とからなる。刃先形成部2は、ツール移動方向に向いた前面2a、並びに後面2bと、左右側面2c、2dと、底面2eとで形成され、超硬合金または焼結ダイヤモンド等の硬質材料で造られている。この刃先形成部2の前面側、並びに後面側の下端部分の何れか一方、またはその両方に刃部3が形成されている。本実施例では、ツール進行方向先端側となる前面2aの下縁部に刃部3が設けられている。
刃部3は、図2の拡大図で示すように、刃先形成部2の底面2eの端縁近傍から斜め上方に向かって傾斜する第1刃面5と、第1刃面5に対して鋭角に交わる第2刃面6と、これら第1刃面5と第2刃面6とによって形成される鋭突な刃先7とから形成されている。
刃先形成部2の底面2eに対する第1刃面5の傾斜角度α1は1~30度の範囲で設定され、本実施例では10度で形成されている。傾斜角度α1を形成するのは底面2eと第1刃面5とを区分けするためである。これにより、後述する使用時に、第1刃面5が基板面に面接触する接触面として作用するようにし、刃先の食い込みを抑制する安定した押さえ面として機能させる上で、必要以上の接触面積とならないようにするためである。なお、第1刃面5の長さLは10~200μmの範囲で形成され、好ましくは50~100μm程度で形成されている。
また、第1刃面5と第2刃面6とによって形成される刃部3の角度α2は30~85度の範囲内で設定され、より好ましくは強度と切れ味とのバランスを考慮して60度に近い角度で形成されている。
さらに、図2(b)に示すように、刃部3の左右側面3a、3bは基板への接触面となる第1刃面5に至るほど幅細くなるように傾斜して形成されている。この第1刃面5に対する傾斜角α3は40~60度の範囲内で設定され、より好ましくは50~55度程度で形成するようにしてある。また、刃部3の底部の幅、即ち第1刃面5の幅Dは0~70μmの範囲内で設定され、好ましくは30~60μm、より好ましくは40μm程度としてある。第1刃面5の幅Dは小さいほど樹脂膜に切込みやすくなるが、30μm以上とすることで、刃先7の過度の食い込みをより抑制しやすく、また脆性材料基板に接触した場合であっても脆性材料基板を傷つけにくく、摩耗しにくくなる。第1刃面5の幅Dが70μmを超えると、傾斜角α3を適切な角度に設定することが難しい。
なお、溝加工ツールAの本体1は板状に限らず、円柱状や多角柱形として形成することも可能である。
図5は溝加工ツールAを取り付けて基板Wに溝を加工するためのスクライブ装置の一例を示すものである。スクライブ装置Bは、基板Wを載置して吸着保持する水平なテーブル10を備えている。吸着テーブル10は、水平なレール11に沿って図の前後方向に移動できるようになっており、モータ(図示外)によって回転するネジ軸12により駆動される。さらに吸着テーブル10は、モータを内蔵する回転駆動部13により水平面内で回動できるようになっている。また、横桟14を備えたブリッジ15が吸着テーブル10上を跨ぐようにして設けられており、横桟14に水平に延びるガイド16が設けられている。ガイド16にはスクライブヘッド17がモータ18を駆動源とする移動機構(図示外)によって移動できるように設けられている。このスクライブヘッド17に溝加工ツールAがツールホルダ19を介して取り付けられている。ツールホルダ19は図示しない付勢機構付きの昇降機構により、ミクロン単位の精度で上下高さを調整できるとともに、溝加工ツールAが一定圧で樹脂膜を押圧できるように組み付けられている。
上記した溝加工ツールAを用いて基板Wに溝を加工する場合は、図3並びに図4に示すように、刃先部7を矢印の移動方向に向けた状態で、かつ、基板Wに対して刃部3の第1刃面5が面接触するように溝加工ツールAを傾斜させた状態、すなわち、第1刃面5の傾斜角度α1だけ溝加工ツールAを移動方向側に傾斜させてスクライブ装置Bのスクライブヘッド17に取り付ける。そして、溝加工ツールAの第1刃面5を基板Wの主面(樹脂膜面)に押し付けるようにして所望の厚さで樹脂膜を剥離できるように第1刃面5の高さ調整を行う。このとき、第1刃面5は樹脂膜の内部であって脆性材料基板の基板表面から10~15μm離れた位置に設定する。そしてテーブル10に対して溝加工ツールAを相対的に移動させることにより、所定の溝幅の樹脂膜を分断予定ラインに沿って帯状に剥離してX―Y方向の溝V1、V2を加工する。
この溝V1、V2を加工する際、刃部の左右側面が下方に至るほど幅細くなるように傾斜して形成されていることで、刃先が樹脂膜内部に切り込みやすくなる。一方で、刃部3の上面側にある第2刃面6がすくい面となって剥離した部分を図で示すように上方にすくい上げて逃がすことができるとともに、下面側の第1刃面5が被加工面への面接触による押さえ面となって刃先7の過度の食い込みを抑制することができる。これにより、ツールAの基板に対する位置精度および押圧力の微調整が容易になり、図6(a)に示すような、溝の底部に薄皮23を残した状態で精度良く溝を加工することができる。これにより、刃先で基板の脆性材料基板面を傷つける不具合を確実になくすことができる。また、第1刃面5が被加工面への面接触による押さえ面となることで刃先が安定するようになり、厚み50μmの樹脂膜に対して厚み10~15μmの薄皮部を残した状態で安定よく溝を加工することができるようになる。
また、刃部3の左右側面3a、3bが下面の第1刃面5に至るほど幅細くなるように傾斜させてあるので、加工される溝V’は図6(a)に示すような上部が広がった形状となり、溝の左右側壁22は上端に至るほど互いに遠のく方向に傾斜して形成される。よって、先に加工した溝に対して交差する溝を加工するときに、ツール刃先はその交点部において、最初に加工した溝の傾斜側壁に当接してこれを切り裂いて進行する。このとき、刃部の進行方向からみた断面積が小さくなることに加え、溝の側壁部分が傾斜していることから、刃部が溝の側壁から受ける抵抗は、従来の垂直な側壁面を切り裂く場合に受ける抵抗に比べて大きく軽減される。さらに、刃部の傾斜した左右側面が膜表面を抑える形になるので、交点部分におけるツール進行方向前方側で、製品となる単位基板の角部での膜剥がれが発生しなくなる。
以上、本発明の代表的な実施例について説明したが、本発明は必ずしも上記の実施形態に特定されるものではなく、その目的を達成し、請求の範囲を逸脱しない範囲内で適宜修正、変更することが可能である。
例えば上記実施例では、刃部3は刃先形成部2の前面下縁に設けた例を示したが、前後両方に刃先部3を形成してもよい。これにより、一方が摩耗または破損すれば、溝加工ツールの取り付け方向を変えることにより他方の刃先を新品として使用することができる。
また、上記実施例では10~15μmの薄皮を残して樹脂膜を剥離するようにしたが、第1刃面5を脆性材料基板表面に合わせて薄皮がほとんど残らないように樹脂膜を剥離させることもできる。その場合でも第1刃面5は脆性材料基板表面に平行に向いた状態なので、刃先7が脆性材料基板に食い込みにくく、刃先7による基板の損傷を抑制しつつ、互いに交差するX-Y方向の溝を加工することができる。
また、上記実施例では指紋センサ等の機能性樹脂膜の溝加工について説明したが、これに限られず、基板表面の保護用に積層された樹脂膜についても適用できる。
本発明は、表面に樹脂膜が貼り付けられたガラス基板等の脆性材料基板の分断時に、予め、分断予定ラインに沿って樹脂膜に帯状の溝を加工する際に利用することができる。
A 溝加工ツール
B スクライブ装置
W 基板
1 ツール本体
2 刃先形成部
2a 前面
2b 後面
2c、2d 左右側面
2e 底面
3 刃部
5 第1刃面
6 第2刃面
7 刃先
20 脆性材料基板
21 樹脂膜

Claims (7)

  1. 下部に刃先形成部を備えたツール本体を含み、
    前記刃先形成部はツール移動方向に向いた前面と、左右側面並びに底面と、前記前面の下縁部に形成された刃部とを備え、
    前記刃部は前記底面の端縁近傍から斜め上方に向かって傾斜する第1刃面と、この第1刃面に対して鋭角に交わる上向きの第2刃面と、これら第1刃面と第2刃面とによって形成される鋭突な刃先とから形成されており、
    前記刃部の左右側面が下面となる前記第1刃面に至るほど幅細くなるように傾斜して形成されている溝加工ツール。
  2. 前記刃先形成部の底面に対する前記第1刃面の傾斜角度が1~30度の範囲内で形成されている請求項1に記載の溝加工ツール。
  3. 前記第1刃面と前記第2刃面とによって形成される刃先の角度が30~85度の範囲で形成されている請求項1に記載の溝加工用ツール。
  4. 第1刃面の長さLは10~200μmの範囲内で形成されている請求項1に記載の溝加工ツール。
  5. 前記刃部の左右側面の前記第1刃面に対する傾斜角度が40~60度の範囲内で形成されている請求項1に記載の溝加工ツール。
  6. 脆性材料基板上に積層された樹脂膜に対し、互いに交差するX方向およびY方向に帯状の溝を加工する溝加工方法であって、
    下部に刃先形成部を備えたツール本体を含み、
    前記刃先形成部はツール移動方向に向いた前面と、左右側面並びに底面と、前記前面の下縁部に形成された刃部とを備え、
    前記刃部は前記底面の端縁近傍から斜め上方に向かって傾斜する第1刃面と、この第1刃面に対して鋭角に交わる上向きの第2刃面と、これら第1刃面と第2刃面とによって形成される鋭突な刃先とから形成されており、
    前記刃部の左右側面が下面となる前記第1刃面に至るほど幅細くなるように傾斜して形成されている溝加工ツールを用いて、
    前記第一刃面を前記樹脂膜に面接触させてX方向に移動して溝を加工し、次いでY方向に移動して溝を加工する溝加工方法。
  7. 第一刃面を前記樹脂膜の内部であって前記脆性材料基板の基板表面から10~15μm離れた位置に設定してX方向およびY方向に移動して溝加工を行う請求項6に記載の溝加工方法。

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