JP2024016138A - 面発光装置、表示装置、面発光装置の製造方法、および面発光装置用封止部材シート - Google Patents

面発光装置、表示装置、面発光装置の製造方法、および面発光装置用封止部材シート Download PDF

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Abstract

【課題】製造時等における反りの発生を防止し、面発光装置の製造時の歩留まりを向上させることが可能な面発光装置を提供する。【解決手段】発光ダイオード素子3を封止する封止部材5と、前記封止部材上に配置され、線膨張係数が、-15×10-6/℃以上10×10-6/℃以下の範囲内である、反り防止層7と、を有する、面発光装置用封止部材シートを提供する。【選択図】図1

Description

本開示は、面発光装置、それを用いた表示装置、上記面発光装置の製造方法、および面発光装置用封止部材シートに関する。
近年、表示装置の分野においては、より高画質な表示が求められている。発光ダイオード素子を用いた表示装置は、輝度が高くコントラストを高くすることができるといった利点を有することから、注目されており、開発が進められている。なお、以下の説明において「発光ダイオード」を「LED」と称して説明する場合がある。例えば、液晶表示装置に用いられるバックライトとして、LED素子を用いたバックライトの開発が進められている。上記バックライトは、ミニLEDバックライトとも称される。
ここで、LEDバックライトは、直下型方式とエッジライト型方式とに大別される。スマートフォン等の携帯端末等の中小型の表示装置においては、通常、エッジライト方式のLEDバックライトが用いられることが多いが、明るさ等の観点から、直下型方式のLEDバックライトを用いることが検討されている。一方、大画面液晶テレビ等の大型の表示装置においては、多くの場合、直下型方式のLEDバックライトが用いられる。
直下型方式のLEDバックライトは、基板に複数のLED素子が配置された構成を有している。このような直下型方式のLEDバックライトでは、複数のLED素子を独立して制御することにより、表示画像の明暗に合わせてLEDバックライト各領域の明るさを調整する、いわゆるローカルディミングを実現することができる。これにより、表示装置の大幅なコントラスト向上および低消費電力化を図ることが可能となる。
国際公開2013/018902号公報
直下型方式のLEDバックライト等の面発光装置においては、輝度ムラの抑制等の観点から、LED素子の上方に拡散板や透過反射板(以下、拡散部材)を配置している。輝度ムラを抑制するために、LED素子と拡散部材とを離して配置する必要がある。そのため、従来では、LED素子と拡散部材との間を所定の間隔に維持するためにピンやスペーサが配置されている(例えば特許文献1)。図12(a)は、支持基板62上のLED素子63と拡散部材66との間の距離dを確保するために、ピン65を配置した従来のLEDバックライト60である。図12(b1)は、支持基板62と拡散部材66との間にスペーサ67を配置した従来のLEDバックライト61であり、図12(b2)はスペーサ67の概略平面図である。
このように、ピンやスペーサを配置した場合には、LED素子から出射された光がピンやスペーサによって遮られたり、反射されたりすることで、輝度ムラが生じてしまう場合がある。そのため、例えば特許文献1では透過反射板の上方に更に拡散板等を配置する必要があり、モジュールの薄膜化が困難であった。このように、従来の面発光装置では、輝度の面内均一化と薄型化とを同時に実現するのが困難であるという問題点がある。
このような課題を解決するために、LEDを支持するLED支持基板と拡散部材との間に、光拡散性を有する封止部材を配置することも考えられる。これにより、輝度の面内均一性を向上させつつ、薄型化を図ることが可能となり、上記問題点を解決できる可能性がある。しかしながら、上記LED支持基板と封止部材とを具備する面発光装置においては、製造時等において、反りが発生する場合があるといった課題が生じる可能性がある。
本開示は、上記課題に鑑みてなされたものであり、製造時等における反りの発生を防止し、面発光装置の製造時の歩留まりを向上させることが可能な面発光装置を提供することを主目的とする。
上記目的を達成するために、本開示では、発光ダイオード素子を封止する封止部材と、上記封止部材上に配置され、線膨張係数が、-15×10-6/℃以上10×10-6/℃以下の範囲内である、反り防止層と、を有する、面発光装置用封止部材シートを提供する。
本開示は、また、発光ダイオード素子を封止するための封止部材と、上記封止部材の片方の面側に配置された発泡防止層とが積層されてなり、面発光装置に用いられる面発光装置用封止部材シートであって、上記発泡防止層を構成する材料の弾性率が、500MPa以上である、面発光装置用封止部材シートを提供する。
本開示は、発光ダイオード素子を封止するための封止部材と、上記封止部材の片方の面側に配置された発泡防止層とが積層されてなり、面発光装置に用いられる面発光装置用封止部材シートであって、上記発泡防止層を構成する材料の融点が、140℃以上である、面発光装置用封止部材シートを提供する。
本開示はまた、支持基板、および上記支持基板の片側の面側に配置された発光ダイオード素子を有する発光ダイオード基板と、上記発光ダイオード基板の上記発光ダイオード素子側の面に配置され、上記発光ダイオード素子を封止する封止部材と、上記封止部材の上記発光ダイオード基板とは反対側の面に配置された反り防止層と、上記反り防止層の上記発光ダイオード基板とは反対側の面に配置された拡散部材と、を有する面発光装置であって、上記封止部材は、ヘイズ値が4%以上であり、厚みが上記発光ダイオード素子の厚みより厚く、上記反り防止層を構成する材料の線膨張係数が、-15×10-6/℃以上10×10-6/℃以下の範囲内である、面発光装置提供する。
本開示はさらに、支持基板、および上記支持基板の一方の面側に配置された発光ダイオード素子を有する発光ダイオード基板と、上記発光ダイオード基板の上記発光ダイオード素子側の面に配置され、上記発光ダイオード素子を封止する封止部材と、上記封止部材の上記発光ダイオード基板とは反対の面に配置された拡散部材と、上記発光ダイオード基板の上記発光ダイオード素子とは反対側の面に配置された反り防止層と、を有する面発光装置であって、上記封止部材は、ヘイズ値が4%以上であり、厚みが上記発光ダイオード素子の厚みより厚く、上記反り防止層を構成する材料の線膨張係数が、上記封止部材を構成する材料の線膨張係数と同等もしくは大きい、面発光装置を提供する。
本開示は、表示パネルと、上記表示パネルの背面に配置された、上述した面発光装置を備える、表示装置を提供する。
本開示は、上述した面発光装置の製造方法であって、上記反り防止層、上記封止部材、および上記発光ダイオード素子が封止部材側となるように配置された上記発光ダイオード基板がこの順に配置された積層体を準備し、上記積層体を熱圧着する工程を有する、面発光装置の製造方法を提供する。
本開示は、上述した面発光装置の製造方法であって、上記反り防止層、および上記封止部材が積層された第1積層体を熱圧着する工程と、上記熱圧着された第1積層体の上記封止部材側の面に上記発光ダイオード素子が封止部材側となるように配置された上記発光ダイオード基板を配置した第2積層体を熱圧着する工程と、を有する、面発光装置の製造方法を提供する。
本開示は、製造時等における反りの発生を防止し、面発光装置の製造時の歩留まりを向上させることが可能な面発光装置を提供することができるという効果を奏する。
本開示における面発光装置を例示する概略断面図である。 本開示における封止部材の形成方法の一例を示す工程図である。 本開示における面発光装置の封止部材の構造を例示する概略断面図である。 第二の拡散部材の一例を示す概略断面図である。 本開示における第二の拡散部材を備える面発光装置の一例を示す概略断面図である。 透過光強度分布を例示するグラフである。 第二の拡散部材の反射構造体の第1態様の一例を示す概略平面図および断面図である。 第二の拡散部材の反射構造体の第2態様の一例を示す概略平面図および断面図である。 第二の拡散部材の反射構造体の第2態様の別の一例を示す概略断面図である。 本開示における面発光装置の他の例を示す概略断面図である。 本開示の表示装置の一例を示す模式図である。 従来のLEDバックライトの概略断面図である。
下記に、図面等を参照しながら本開示の実施の形態を説明する。但し、本開示は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に例示する実施の態様の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、図面は説明をより明確にするため、実施の態様に比べ、各部材の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
本明細書において、ある部材の上に他の部材を配置する態様を表現するにあたり、単に「面側に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある部材に接するように、直上あるいは直下に他の部材を配置する場合と、ある部材の上方あるいは下方に、さらに別の部材を介して他の部材を配置する場合との両方を含むものとする。
また、本明細書において、「シート」、「フィルム」、「板」等の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。例えば、「シート」は、フィルムや板とも呼ばれるような部材も含む意味で用いられる。
上述したように、新たに提案された上記LED支持基板と封止部材とを具備する面発光装置においては、製造時等において、反りが発生する場合があるといった課題が生じた。
本発明者等は、上記新たな課題を解決するために、鋭意検討した結果、反りが生じるのは、製造時にLED支持基板と封止部材とを熱圧着した後に、双方の線膨張係数が異なることが原因であることを知見した。これにより、線膨張係数が上記封止部材に対して所定の関係を有する反り防止層を、上記封止部材に対し適切な位置に配置することにより、上記課題を解決したものである。
A.面発光装置
本開示における面発光装置は、三つの態様に分けることができる。以下、それぞれの実施態様に分けて説明する。
I.第1実施態様
以下、本実施態様の面発光装置について図面を参照して説明する。
図1は、本実施態様の面発光装置の一例を示す概略断面図である。図1に例示するように、面発光装置1は、支持基板2、および支持基板2の一方の面側に配置されたLED素子3を有するLED基板4と、LED基板4のLED素子3側の面側に配置され、LED素子3を封止する封止部材5と、封止部材5のLED基板4側とは反対の面側に配置された拡散部材6と、上記封止部材5と上記拡散部材6との間に配置された反り防止層7と、を有する。本実施態様における封止部材5は、ヘイズ値が4%以上であり、厚みdが上記LED素子3の厚みより厚いものであり、上記反り防止層7を構成する材料の線膨張係数が、-15×10-6/℃以上10×10-6/℃以下の範囲内であることを特徴とするものである。
一般に、面発光装置では、例えば、上記封止部材と上記LED基板とを接合するに際し、熱圧着等の手段が用いられた場合、その後の冷却時に、上記LED基板と上記封止部材との線膨張係数の相違に起因する反りが生じる場合がある。
また、面発光装置が極端な高温もしくは低温で用いられた場合、上述した上記LED基板と上記封止部材との線膨張係数の相違に起因する反りが生じる場合がある。
本実施態様は、このような課題を解決するためになされたものであり、上記反り防止層を、上記封止部材と上記拡散部材との間に配置し、反り防止層を構成する材料の線膨張係数が、-15×10-6/℃以上10×10-6/℃以下の範囲内であることにより、上述した反りの発生という課題を解決したものである。
また、従来の面発光装置では、例えば、面発光装置が極端な高温に長時間用いられた場合、上記LED基板と上記封止部材との間に気泡が生じてしまうという課題もあった。これは、加熱により、LED基板から発生するガスに起因する場合や、LED基板上に反射層等が設けられた際にLED基板と反射層等との間にエア噛み等により存在する空気が界面に沿ってにじみ出る等の原因により発生する。
上記封止部材に封止されたLED素子は、上記封止部材とLED素子の発光面が直接接合され、界面での屈折率差が小さくなるため封止されていないLED素子に比べ光取り出し効率が向上する。しかし、このような気泡が存在すると、上述したような光取り出し効率の向上が得られず、結果的に面発光装置の発光効率を低下させるといった不具合が生じてしまう。
本実施態様では、上記反り防止層を設けることにより、上記課題をも解決したものである。
以下、本実施態様の面発光装置について、構成毎に説明する。
1.封止部材
本実施態様における封止部材は、ヘイズ値が4%以上であり、厚みがLED素子より厚いものである。封止部材は、光透過性を有し、LED基板の発光面側に配置される。
(1)ヘイズ値
本実施態様における封止部材のヘイズ値は4%以上であり、好ましくは8%以上であり、更に好ましくは10%以上である。上記値より小さいと、輝度ムラを抑制することができない。一方、上限値は特に限定されないが、例えば、85%以下であり、好ましくは60%以下、更に好ましくは30%以下である。本明細書内において、ヘイズ値は、封止部材全体としての値であり、面発光装置から封止部材を切り出し、ヘイズメーター(HM-150、Murakami Color Research Laboratory製)を用いてJIS K7136:2000に準拠した方法により測定することができる。
上述したヘイズ値を得るためのヘイズ値の調整方法としては、特に限定されないが、樹脂の結晶化度の大小を利用する方法や、樹脂中の微粒子の含有量を変化させる方法等が挙げられる。中でも、樹脂の結晶化度を調整する方法が好ましい。樹脂の結晶化度を大きくすることで、ヘイズ値を大きくした場合は、直進透過光を低減する効果を得ることができるからである。
(2)厚さ
本実施態様における封止部材の厚みは、上記LED素子より厚いものであればよく、具体的には50μm以上であることが好ましく、より好ましくは80μm以上であり、特に好ましくは200μm以上である。
一方、LED素子の厚みとしては、800μm以下であることが好ましく、より好ましくは750μm以下であり、特に好ましくは700μm以下である。
なお、本明細書における「厚み」は、接触式膜厚測定装置(ミツトヨ製シックネスゲージ547-301)を用いて測定される。「大きさ」等のサイズの測定についても同様である。
上記厚みより小さいと、厚みが不十分となりLED素子から発せられる光を発光面全体に拡散することができず、面内で均一に輝度を向上させることができない。また、上記厚みよりも大きいと、薄型化を図ることができない。
(3)封止部材の材料
本実施態様における封止部材に含まれる材料としては、上記ヘイズ値となる材料であれば特に限定されるものではないが、熱可塑性樹脂等が好ましい。熱可塑性樹脂を用いることで、例えば、熱硬化性樹脂を用いる場合に比べ、ヘイズ値を高く調整することができ、さらに、低温で封止部材を形成することができる。
また、封止部材が熱可塑性樹脂を含有する場合には、熱可塑性樹脂を含有する封止材組成物から構成されるシート状の封止部材(以下、封止部材シートと称する場合がある。)を用いることができる。図2は、本実施態様における封止部材の形成方法の一例を示す工程図である。例えば、図2(a)に示すように、LED基板4と片方の表面に反り防止層7が配置された封止部材シート5aとを準備し、LED基板4のLED素子3側の面に、上記封止部材シート5aの上記反り防止部材7と反対側の面を積層する。次いで、例えば真空ラミネーション法を用いることによりこれらを圧着させることで、図2(b)に示すように、片側に反り防止層7が配置された封止部材5と、LED基板4と、の積層物を形成することができる。
一方、封止部材が熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂等の硬化性樹脂を含有する場合には、通常、液状の封止材が用いられる。液状の封止材を用いる場合、表面張力等の関係で、中央部に比較して端部の厚みが厚くなる、もしくは薄くなるといった現象が生じる場合がある。また、硬化性樹脂の場合、硬化に際しての体積の収縮等が生じやすく、結果として、硬化後の封止部材の中央部と端部との厚みが不均一になる場合がある。このように封止部材の厚みが不均一であると、輝度ムラが生じる場合がある。
これに対し、シート状の封止材を用いる場合には、液状の封止材を用いた場合に生じる、表面張力による塗膜の厚み分布の発生や、熱収縮または光収縮による厚みの分布の発生といった封止部材の表面凹凸が生じることを回避することができる。よって、平坦性が良好な封止部材を得ることができ、より高品質な表示装置を提供することができる。
(a)熱可塑性樹脂
本実施態様においては、上記熱可塑性樹脂としては、オレフィン系樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリビニルブチラール系樹脂等を用いることができる。
中でも、上記熱可塑性樹脂は、オレフィン系樹脂であることが好ましい。オレフィン系樹脂は、LED基板を劣化させる成分を特に生じにくく、溶融粘度も低いことから上述したLED素子を良好に封止できるからである。また、オレフィン系樹脂の中でも、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、アイオノマー系樹脂が好ましい。
ここで、本明細書におけるポリエチレン系樹脂には、エチレンを重合して得られる通常のポリエチレンのみならず、α-オレフィン等のようなエチレン性の不飽和結合を有する化合物を重合して得られた樹脂、エチレン性不飽和結合を有する複数の異なる化合物を共重合させた樹脂、およびこれらの樹脂に別の化学種をグラフトして得られる変性樹脂等が含まれる。
特に、本実施態様における封止部材は、上記ヘイズ値を得る観点において、密度0.870g/cm以上0.930g/cm以下のポリエチレン系樹脂をベース樹脂とすることが好ましい。特に、密度0.890g/cm以上0.930g/cm以下のポリエチレン系樹脂をベース樹脂とすることが好ましい。封止部材が後述するように多層部材である場合、コア層のベース樹脂として上記密度のポリエチレン系樹脂を使用することが好ましい。なお、上記密度の測定は、JIS Z 8807:2012により測定される。
ここで、本開示において、「ベース樹脂」とは、当該ベース樹脂を含有してなる樹脂組成物において、当該樹脂組成物の樹脂成分中、含有質量比の最も大きい樹脂のことを言うものとする。
α-オレフィンとエチレン性不飽和シラン化合物とをコモノマーとして共重合してなるシラン共重合体(以下、「シラン共重合体」ともいう。)を好ましく使用することができる。このような樹脂を使用することにより、LED基板と封止部材とのより高い密着性を得ることができる。上記シラン共重合体は、特開2018-50027号公報に記載のものを用いることができる。
(b)融点
本実施態様に用いられる熱可塑性樹脂の融点としては、LED素子を封止することができれば特に限定されないが、例えば、90℃以上135℃以下であることが好ましい。中でも、LED発光中における発熱で軟化しないことが好ましく、90℃以上120℃以下の熱可塑性樹脂を使用することが好ましい。
なお、熱可塑性樹脂の融点は、例えば、プラスチックの転移温度測定方法(JISK7121:2012)準拠し、示差走査熱量分析(DSC)により測定することができる。
複数の熱可塑性樹脂が含まれる場合においては、最も高融点の値である。封止部材が後述するように多層部材である場合、コア層のベース樹脂としての熱可塑性樹脂が上記融点を有するものを使用することが好ましい。
(c)メルトマスフローレート(MFR)
また、本実施態様における熱可塑性樹脂としては、加熱することにより、LED基板の一方の面側に配置されたLED素子およびその他の部材の凹凸に、追従し、隙間に入り込むことが可能な溶融粘度を有するものが好適に用いられる。
具体的には、用いる熱可塑性樹脂のメルトマスフローレート(MFR)が、0.5g/10分以上40g/10分以下であることが好ましく、2.0g/10分以上40g/10分以下であることがより好ましく、更には2.0g/10分以上20g/10分以下であることがより好ましい。MFRが上記の範囲であることにより、LED素子等の隙間に入り込むことが可能となり、充分な封止性能を発揮することができ、さらにはLED基板との密着性に優れた封止部材とすることができるからである。
なお、本明細書におけるMFRは、JIS K7210-1:2014 A法により測定した190℃、荷重2.16kgにおける値をいう。ただし、ポリプロピレン樹脂のMFRについては、同じくJIS K7210-1:2014 A法による、230℃、荷重2.16kgにおけるMFRの値のことをいうものとする。
封止部材が後述するように多層部材である場合のMFRについては、全ての層が一体積層された多層状態のまま、上記測定方法による測定を行い、得た測定値を当該多層の封止部材のMFR値とするものとする。
d)引張弾性率
また、本実施態様における熱可塑性樹脂としては、室温(25℃)における引張弾性率が、20MPa以上、300MPa以下であることが好ましく、特に20MPa以上、200MPa以下であることが好ましい。充分なLED基板との密着性を発揮することができ、かつ、例えば面発光装置に外部から衝撃が加わった場合などにおいて耐衝撃性に優れた封止部材となる。封止部材が後述するように多層部材である場合、コア層のベース樹脂としての熱可塑性樹脂が上記弾性率を有するものを使用することが好ましい。上記引張弾性率は、JISK7127:1999により測定された値を用いる。
なお、弾性率の測定方法としては、以下に示す引張測定により行われる。
・測定装置:インストロン社製万能材料試験機5565
・ロードセル:1kN
・試料幅:10mm
・チャック間距離:50mm
・速度:300mm/min
封止部材は、上記熱可塑性樹脂の他に、酸化防止剤、光安定剤等の添加剤が添加されていてもよい。
e)線膨張係数
本実施態様において、上記封止部材は、後述するLED基板より、線膨張係数が高い。このため、上述したように、製造工程において上記封止部材と上記LED基板とを熱圧着した後、封止部材の収縮率がLED基板の収縮率より大きくなり、その結果、封止部材側が凹むように反りが生じるという課題が生じる。
本実施態様で用いられる封止部材を構成する材料の線膨張係数としては、下限値が、20×10-6/℃以上であることが好ましく、特に150×10-6/℃以上であることが好ましい。一方、上限値が、1500×10-6/℃以下であることが好ましく、特に1000×10-6/℃以下であることが好ましい。具体的には、20×10-6/℃以上1500×10-6/℃以下の範囲内が好ましく、20×10-6/℃以上1000×10-6/℃以下であることが特に好ましく、中でも150×10-6/℃以上1000×10-6/℃以下の範囲内であることが好ましい。上記線膨張係数は、JISK7197:2012により測定された値を用いる。
(4)封止部材の構造
本実施態様における面発光装置における封止部材は、例えば図1に示すように、封止部材5が単一の樹脂層で構成された単層部材であってもよく、また図3に示すように、封止部材5が、コア層51と、コア層51の少なくとも一方の表面に配置されるスキン層52と、を含む複数層の樹脂層(図3(a)においては2層、図3(b)においては3層)が積層された多層部材であってもよい。特に、コア層等と、コア層のLED基板側に配置されたスキン層とを有する2層構造であることが好ましい。なお、図3においては、LED素子3の周囲に反射層Rが配置された例を示すものである。
本実施態様における封止部材が、コア層と、コア層のLED基板側に配置されたスキン層とを有する2層構造の多層部材である場合、スキン層とコア層との膜厚比(スキン層:コア層)は、スキン層:コア層を1:Xとした場合、Xの下限値としては、0.1以上であることが好ましく、特に0.5以上であることが好ましい。一方下限値としては、10以下が好ましく、特に6以下が好ましい。すなわち、1:0.1~1:10が好ましく、特に好ましくは1:0.5~1:6である。
また、本実施態様における封止部材が3層構造の多層部材である場合、スキン層とコア層との膜厚比(スキン層:コア層:スキン層)を、1:Y:1として場合に、Yは、1以上であることが好ましく、特に2以上であることが好ましい、一方、Yは、10以下であることが好ましく、特に、8以下であることが好ましい。すなわち、スキン層とコア層との膜厚比(スキン層:コア層:スキン層)が、1:1:1~1:10:1が好ましく、特に好ましくは1:2:1~1:8:1である。
本実施態様における封止部材が多層部材である場合、コア層とスキン層は、密度範囲、融点などが異なる上記熱可塑性樹脂をベース樹脂として有することが好ましい。コア層で上記ヘイズ値を担保しつつ、スキン層でLED基板に対する密着性やモールディング特性を担保することが容易となるからである。
上記多層部材の場合、上記多層部材においてLED基板側に位置するスキン層に、通常高価である密着性やLED素子等の隙間に入り込めるモールディング特性が良好な材料を用いることが可能となる。上記多層部材において、LED基板側に配置されるスキン層を構成する材料としては、密着性が高く、かつモールディング特性が高いものであれば特に限定されるものではないが、上記熱可塑性樹脂の場合、上述したシラン共重合体等を用いることが好ましい。また、上記熱可塑性樹脂の場合、上記材料は、上記オレフィン系樹脂とシランカップリング剤とを含有することも好ましい。なお、この層には、酸化防止剤、光安定剤等の添加剤が添加されていてもよい。
(5)好ましい封止部材
本実施態様における封止部材は、コア層と、少なくとも一方の最表面に配置されるスキン層と、を含む複数の層によって構成される多層部材であることが好ましく、コア層は、密度0.900g/cm以上0.930g/cm以下のポリエチレン系樹脂をベース樹脂とすることが好ましく、スキン層については、密度0.875g/cm以上0.910g/cm以下であって、コア層用のベース樹脂よりも低密度のポリエチレン系樹脂をベース樹脂とすることが好ましい。
コア層用のベース樹脂としては、低密度ポリエチレン系樹脂(LDPE)、直鎖低密度ポリエチレン系樹脂(LLDPE)、またはメタロセン系直鎖低密度ポリエチレン系樹脂(M-LLDPE)を好ましく用いることができる。なかでも、長期信頼性の観点から、低密度ポリエチレン系樹脂(LDPE)をコア層用のベース樹脂として特に好ましく用いることができる。
上記コア層用のベース樹脂として用いるポリエチレン系樹脂の密度は、0.900g/cm以上0.930/cm以下であり、より好ましくは、0.920g/cm以下である。コア層用のベース樹脂の密度を上記範囲とすることにより、本実施態様における封止部材のヘイズ値を、上記特定の値以上とすることができるからである。また、架橋処理を経ることなく、封止部材に必要十分な耐熱性を備えさせることができる。
上記コア層用のベース樹脂として用いるポリエチレン系樹脂の融点については、融点90℃以上135℃以下であることが好ましく、融点90℃以上115℃以下であることがより好ましい。上記融点範囲とすることにより、封止部材の耐熱性とモールディング特性とを、好ましい範囲内に保持することができる。なお、コア層用の封止材組成物にポリプロピレン等の高融点の樹脂を添加することによって、封止部材の融点を165℃程度にまで高めることが可能である。この場合、ポリプロピレンは、コア層の全樹脂成分に対して5質量%以上40質量%以下含有されていることが好ましい。
上記コア層に含有させるポリプロピレンは、ホモポリプロピレン(ホモPP)樹脂であることが好ましい。ホモPPは、ポリプロピレン単体のみからなる重合体であり結晶性が高いため、ブロックPPやランダムPPと比較して、更に高い剛性を有する。これをコア層用の封止材組成物への添加樹脂として用いることにより、封止部材の寸法安定性を高めることができる。また、コア層用の封止材組成物への添加樹脂として用いるホモPPは、JIS K7210:2014 A法に準拠して測定した230℃、荷重2.16kgにおけるMFRが5g/10分以上125g/10分以下であることが好ましい。上記MFRが小さすぎると、分子量が大きくなり剛性が高くなりすぎて、封止材組成物の好ましい十分な柔軟性が担保しにくくなる。また、上記MFRが大きすぎると、加熱時の流動性が十分に抑制されず、封止部材シートに耐熱性および寸法安定性を十分に付与することが出来ない。
上記コア層用のベース樹脂として用いるポリエチレン系樹脂のメルトマスフローレート(MFR)は、190℃、荷重2.16kg、において1.0g/10分以上7.5g/10分以下であることが好ましく、1.5g/10分以上6.0g/10分以下であることがより好ましい。コア層用のベース樹脂のMFRを上記範囲とすることにより、封止部材の耐熱性とモールディング特性とを、好ましい範囲内に保持することができる。また、製膜時の加工適性を十分に高めて封止部材の生産性の向上にも寄与することができる。
上記コア層の全樹脂成分に対する上記のベース樹脂の含有量は70質量%以上99質量%以下であり、好ましくは90質量%以上99質量%以下である。上記範囲内でベース樹脂を含むものである限りにおいて、他の樹脂を含んでいてもよい。
上記封止部材のスキン層用のベース樹脂としては、コア層用の封止材組成物と同様に、低密度ポリエチレン系樹脂(LDPE)、直鎖低密度ポリエチレン系樹脂(LLDPE)、またはメタロセン系直鎖低密度ポリエチレン系樹脂(M-LLDPE)を好ましく用いることができる。なかでも、モールディング特性の観点から、メタロセン系直鎖低密度ポリエチレン系樹脂(M-LLDPE)をスキン層用の封止材組成物として特に好ましく用いることができる。
上記スキン層用のベース樹脂として用いる上記のポリエチレン系樹脂の密度は、0.875g/cm以上0.910g/cm以下であり、より好ましくは、0.899g/cm以下である。スキン層用のベース樹脂の密度を上記範囲内とすることにより、封止部材の密着性を好ましい範囲に保持することができる。
上記スキン層用のベース樹脂として用いる上記のポリエチレン系樹脂の融点については、融点50℃以上100℃以下であることが好ましく、融点55℃以上95℃以下であることがより好ましい。記範囲内とすることにより、封止部材の密着性を更に確実に向上させることができる。
上記スキン層用のベース樹脂として用いるポリエチレン系樹脂のメルトマスフローレート(MFR)は、190℃、荷重2.16kg、において1.0g/10分以上7.0g/10分以下であることが好ましく、1.5g/10分以上6.0g/10分以下であることがより好ましい。スキン層用のベース樹脂のMFRを上記範囲内とすることにより、封止部材の密着性を更に好ましい範囲内に保持することができる。また、製膜時の加工適性を十分に高めて封止部材の生産性の向上に寄与することができる。
上記スキン層用の全樹脂成分に対する上記のベース樹脂の含有量は60質量%以上99質量%以下であり、好ましくは90質量%以上99質量%以下である。上記範囲内でベース樹脂を含むものである限りにおいて、他の樹脂を含んでいてもよい。
以上説明した全ての封止材組成物には、α-オレフィンとエチレン性不飽和シラン化合物とをコモノマーとして共重合してなるシラン共重合体を、必要に応じて、各封止材組成物に一定量含有させることがより好ましい。このようなグラフト共重合体は、接着力に寄与するシラノール基の自由度が高くなるため、他の部材への封止部材の接着性を向上させることができる。
シラン共重合体は、例えば、特開2003-46105号公報に記載されているシラン共重合体を挙げることができる。上記シラン共重合体を封止材組成物の成分として使用することにより、強度、耐久性等に優れ、且つ、耐候性、耐熱性、耐水性、耐光性、その他の諸特性に優れ、更に、封止部材を配置する際の加熱圧着等の製造条件に影響を受けることなく極めて優れた熱融着性を有し、安定的に、低コストで封止部材を得ることができる。
シラン共重合体としては、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体、および、グラフト共重合体のいずれであっても好ましく使用することができるが、グラフト共重合体であることがより好ましく、重合用ポリエチレンを主鎖とし、エチレン性不飽和シラン化合物が側鎖として重合したグラフト共重合体が更に好ましい。このようなグラフト共重合体は、接着力に寄与するシラノール基の自由度が高くなるため、封止部材の接着性を向上することができる。
α-オレフィンとエチレン性不飽和シラン化合物との共重合体を構成する際のエチレン性不飽和シラン化合物の含有量としては、全共重合体質量に対して、例えば、0.001質量%以上15質量%以下、好ましくは、0.01質量%以上10質量%以下、特に好ましくは、0.05質量%以上5質量%以下が望ましい。α-オレフィンとエチレン性不飽和シラン化合物との共重合体を構成するエチレン性不飽和シラン化合物の含有量が多い場合には、機械的強度、および耐熱性等に優れるが、含量が過度になると、引張ひずみ、および熱融着性等に劣る傾向にある。
上記シラン共重合体の封止材組成物の全樹脂成分に対する含有量は、上記コア層用の封止材組成物においては、0質量%以上20質量%以下、上記スキン層用の封止材組成物においては、5質量%以上40質量%以下であることが好ましい。特にスキン層用の封止材組成物には、5質量%以上のシラン共重合体が含有されていることがより好ましい。なお、上記のシラン共重合体におけるシラン変性量は、0.1質量%以上2.0質量%以下程度であることが好ましい。上記の封止材組成物中における好ましいシラン共重合体の含有量範囲は、上記シラン変性量がこの範囲内であることを前提としており、この変性量の変動に応じて適宜微調整することが望ましい。
全ての封止部材の層には、酸化防止剤、光安定剤等の添加剤が添加されていてもよい。
また、適宜、密着性向上剤を添加することができる。密着性向上剤の添加により、他の部材との密着耐久性をより高いものとすることができる。密着性向上剤としては、公知のシランカップリング剤を用いることができるが、ビニル基を有する、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、エポキシ基を有するシランカップリング剤または、メルカプト基を有するシランカップリング剤を、特に好ましく用いることができる。
(6)全光線透過率
本実施態様における封止部材は、面発光装置としての機能を発揮することができれば特に限定されないが、70%以上であることが好ましく、中でも80%以上であることが好ましい。なお、封止部材の全光線透過率は、例えば、JIS K7361-1:1997に準拠する方法により測定することができる。
(7)封止部材の形成方法
上述したように、本実施態様における封止部材は、上記熱可塑性樹脂およびその他成分を含有する封止材組成物から構成される封止部材シートを用いて形成することができる。
上記封止部材シートは、封止材組成物を、従来公知の方法で成型加工してシート状としたものである。
封止部材が多層部材の場合、コア層用、およびスキン層用の各封止材組成物により、所定の厚みで、コア層およびコア層の一方の表面に配置されているスキン層からなる2層構造の多層フィルムを成形することにより、例えば図3(a)に示すように、コア層51、およびスキン層52の2層構造の封止部材5を製造することができる。または、コア層の両方の表面にスキン層が配置されている3層構造の多層フィルムを成形することも可能である。これにより、例えば図3(b)に示すように、スキン層52、コア層51、およびスキン層52の3層構造の封止部材5を製造することができる。なお、図3における封止部材5および反射層R以外の構成については、図1と同様であるので、ここでの説明は省略する。
2.反り防止層
本実施態様における反り防止層は、上記封止部材と後述する拡散部材との間に配置される層である。
本実施態様においては、上記反り防止層を構成する材料の高温領域での線膨張係数を、所定の範囲とすることで反りを防止することができる。上記反り防止層を構成する材料の線膨張係数が、所定の範囲とすることにより、反りを防止できるのは、以下の理由による。
すなわち、面発光装置を製造する場合、封止部材とLED基板とを熱圧着する工程を有してもよいが、熱圧着後の冷却時に封止部材がLED基板より大きく収縮する挙動をとる。この際、上記封止部材の上記LED基板と反対側に、線膨張係数の小さい反り防止層が配置されているので、上記封止部材側の収縮の程度を小さくすることが可能となり、その結果、反りの発生を抑えることが可能となる。
また、本実施態様においては、上記反り防止層が配置されることにより、気泡が発生する部位において、気泡発生の際に生じる封止部材の変形を押さえることが可能となり、これにより、上述したように封止部材とLED基板との間の気泡の発生を防止することが可能となる。特に、所定の弾性率を有し、所定の融点を有する反り防止層により、効果的に上記効果を得ることができる。
a)線膨張係数
本開示における反り防止層を構成する材料の線膨張係数としては、-15×10-6/℃以上10×10-6/℃以下の範囲内とする。
本開示においては、中でも上記線膨張係数の下限値が-10×10-6/℃以上であることが好ましい。一方、上限値は5×10-6/℃以下であることが好ましく、特に0以下であることが好ましい。すなわち、-10×10-6/℃以上5×10-6/℃以下であることが好ましく、特に-10×10-6/℃以上0×10-6/℃以下であることが好ましい。一方、用いる材料等と考慮すると、通常は、-10×10-6/℃以上5×10-6/℃以下となる。これよりも小さいと逆ぞりの原因となる。一方でこれよりも大きいと反り防止効果が不足する。
本実施態様における線膨張係数の測定方法としては、以下の方法により行われる。
5mm×20mmにカットしたシートについて、JIS K 7197:2012に準拠して昇温後、室温までの降温時の寸法変化を測定し、100℃から25℃での線膨張係数を平均して算出した。ここでの線膨張係数は収縮時には正の値、膨張時には負の値となる。測定は、以下の測定装置及び測定条件により行った。
・測定装置:セイコーインスツルメンツ製熱機械的装置(TMA/SS-6000)
・定荷重引張モード:0.1mN
・測定温度範囲:-50℃以上160℃以下
・線膨張係数算出温度範囲:25℃以上100℃以下
b)弾性率
本実施態様に用いられる反り防止層の弾性率は、500MPa以上であることが好ましく、特に1000Mpa以上であることが好ましく、中でも4000Mpa以上であることが好ましい。
上記範囲より弾性率が低い場合は、気泡発生の抑止効果や、反り防止効果が低減してしまうからである。なお、通常に用いられる材料を考慮すると5500MPa以下となる。
本実施態様における弾性率の測定方法としては、以下に示す引張測定により行われる。
(測定方法)
・測定装置:インストロン社製万能材料試験機5565
・ロードセル:1kN
・試料幅:10mm
・チャック間距離:50mm
・速度:300mm/min
c)厚み
本実施態様における反り防止層の厚みとしては、35μm以上188μm以下の範囲内、中でも50μm以上150μm以下の範囲内、特に100μm以上125μm以下の範囲内であることが好ましい。上記範囲内であれば、反り防止効果、および気泡発生の抑止効果を得ることが可能であり、また装置のコンパクト化の妨げとならない。
d)透過率およびヘイズ値
本実施態様における反り防止層のヘイズ値は、40%以下であることが好ましく、中でも20%以下であることが好ましく、特に10%以下であることが好ましい。
上記範囲内であれば、輝度の面内均一性を向上させることが可能となる。なお、ヘイズ値が上記範囲を超える場合は、光が封止部材内部で散乱されるうちに吸収され、輝度が低下する。
ヘイズ値の測定方法は、上記封止部材のヘイズ値の測定方法と同じ方法を用いることができる。
一方、本実施態様における反り防止層の全光線透過率としては、80%以上であることが好ましく、特に90%以上であることが好ましい。このように全光線透過率が高いことにより、面発光装置の輝度の低下を防止することができる。
ここで、反り防止層の全光線透過率は、JIS K7361-1に準拠して測定することができ、村上色彩技術研究所製のヘイズメーターHM150により測定することができる。
e)融点
本実施態様における反り防止層の融点は、140℃以上であることが好ましく、特に260℃以上であることが好ましい。なお通常用いられる材料等を考慮すると上限は、350℃以下である。
本実施態様における融点は、例えば、プラスチックの転移温度測定方法(JISK7121)に準拠し、示差走査熱量分析(DSC)により測定することができる。
本実施態様においては、反り防止層が上述した融点を有することにより、面発光装置が高温環境下で長時間用いられた場合においても、効果的に気泡の発生を防止することが可能となる。
f)材料
本実施態様に用いられる反り防止層を構成する材料としては、上記特性を有するものであれば特に限定されないが、ポリオレフィン、ポリエステル、セルロース類,アクリル系樹脂,ポリイミド系樹脂、を挙げることができる。ポリオレフィンとしては、例えば、ポリプロピレン(PP)を挙げることができる。ポリエステルとしては、例えば、ポリテトラエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、を挙げることができる。セルロース類としては、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)を挙げることができる。
本実施態様においては、中でもPPおよびPETが、汎用性等の観点から好ましい。
g)その他
本実施態様においては、上記反り防止層と上記封止部材とは、密着していることが好ましい。反り防止効果がより効率的に発揮できるからである。本実施形態において、「反り防止層と上記封止部材とが密着している」とは、両者を取り出した際に自重で剥離しない状態をいう。
具体的には、上記密着強度が1N以上であることが好ましい。接着強度の測定方法としては、JIS K 6854-2 : 1999に準拠して、以下の方法を用いることができる。
(測定方法)
PCB基板上に密着している封止部材を25mm幅に切り出し、剥離試験機(テンシロン万能試験機 RTF-1150-H)にて垂直剥離(300mm/min)試験を行い、密着強度を測定する。
上記反り防止層と上記封止部材とを密着させるためには、両者を、接着層を介して配置する方法や、熱圧着することにより溶融させて密着させる方法等を挙げることができる。
3.LED基板
本実施態様におけるLED基板は、支持基板の一方の面側に複数のLED素子が配置された部材である。
(1)LED素子
LED素子は、支持基板の一方の面側に配置される部材であり、光源として機能する。
LED素子としては、例えば面発光装置とした場合に白色光を照射することができれば特に限定されず、例えば、白色、青色、紫外線もしくは赤外線等を発光することができるLED素子を挙げることができる。
LED素子は、チップ状のLED素子とすることができる。LED素子の形態としては、例えば、発光部(LEDチップとも称する。)そのものであってもよく、表面実装型やチップオンボード型等のパッケージLED(チップLEDとも称する。)であってもよい。パッケージLEDは、例えば、発光部と、発光部を覆い樹脂を含有する保護部とを有することができる。具体的には、LED素子が発光部そのものである場合、LED素子としては、例えば青色LED素子、紫外線LED素子または赤外線LED素子を用いることができる。また、LED素子がパッケージLEDである場合、LED素子としては、例えば白色LED素子を用いることができる。
本実施態様の面発光装置が、LED素子と上記波長変換部材とを組み合わせて白色光を照射するものである場合、LED素子としては、青色LED素子、紫外線LED素子、または赤外線LED素子であることが好ましい。青色LED素子は、例えば黄色蛍光体と組み合わせる、あるいは赤色蛍光体および緑色蛍光体と組み合わせことにより、白色光を生成することができる。また、紫外線LED素子は、例えば赤色蛍光体、緑色蛍光体および青色蛍光体と組み合わせることにより、白色光を生成することができる。中でも、LED素子が青色LED素子であることが好ましい。本実施態様の面発光装置において、輝度の高い白色光を照射することができるからである。
また、LED素子が白色LED素子である場合、白色LED素子としては、白色LED素子の発光方式等により適宜選択される。白色LED素子の発光方式としては、例えば、赤色LEDと緑色LEDと青色LEDとの組み合わせ、青色LEDと赤色蛍光体と緑色蛍光体との組み合わせ、青色LEDと黄色蛍光体との組み合わせ、紫外線LEDと赤色蛍光体と緑色蛍光体と青色蛍光体との組み合わせ等を挙げることができる。
そのため、白色LED素子としては、例えば、赤色LED発光部と緑色LED発光部と青色LED発光部とを有していてもよく、青色LED発光部と赤色蛍光体および緑色蛍光体を含有する保護部とを有していてもよく、青色LED発光部と黄色蛍光体を含有する保護部とを有していてもよく、紫外LED発光部と赤色蛍光体、緑色蛍光体および青色蛍光体を含有する保護部とを有していてもよい。
中でも、白色LED素子は、青色LED発光部と赤色蛍光体および緑色蛍光体を含有する保護部とを有する、青色LED発光部と黄色蛍光体を含有する保護部とを有する、あるいは、紫外LED発光部と赤色蛍光体、緑色蛍光体および青色蛍光体を含有する保護部とを有することが好ましい。
これらの中でも、白色LED素子は、青色LED発光部と赤色蛍光体および緑色蛍光体を含有する保護部とを有する、あるいは、青色LED発光部と黄色蛍光体を含有する保護部とを有することが好ましい。本実施態様の面発光装置において、輝度の高い白色光を照射することができるからである。
LED素子の構造としては、一般的なLED素子と同様とすることができる。
LED素子は、通常、支持基板の一方の面側に等間隔で配置される。LED素子の配置としては、本実施態様の面発光装置の用途および大きさや、LED素子のサイズ等に応じて適宜選択される。また、LED素子の配置密度も、本実施態様の面発光装置の用途および大きさや、LED素子のサイズ等に応じて適宜選択される。
LED素子のサイズ(チップサイズ)は、一般的なチップサイズとすることができるが、中でも、ミニLEDと呼ばれるチップサイズであることが好ましい。LED素子のサイズは、例えば、数百マイクロメートル角であってもよく、数十マイクロメートル角であってもよい。具体的には、LED素子のサイズは、100μm角以上2000μm角以下とすることができる。LED素子のサイズが小さいことにより、LED素子を高密度で配置する、すなわちLED素子間の間隔(ピッチ)を小さくすることができ、LED基板および拡散部材の距離を短くする、つまり封止部材の厚みを薄くすることができるからである。これにより、面発光装置の薄型化および軽量化を図ることができる。
(2)支持基板
本実施態様における支持基板は、上記のLED素子、封止部材および拡散部材等を支持する部材である。
支持基板は、透明であってもよく、不透明であってもよい。また、支持基板は、フレキシブル性を有していてもよく、剛性を有していてもよい。支持基板の材質は、有機材料であってもよく、無機材料であってもよく、有機材料および無機材料の両方を複合させた複合材料であってもよい。
支持基板の材質が有機材料である場合、支持基板としては、樹脂基板を用いることができる。一方、支持基板の材質が無機材料である場合、支持基板としては、セラミック基板、ガラス基板を用いることができる。また、支持基板の材質が複合材料である場合、支持基板としては、ガラスエポキシ基板を用いることができる。また、支持基板として、例えばメタルコア基板を用いることもできる。支持基板としては、印刷により回路が形成された印刷回路基板を用いることもできる。
支持基板の厚みは、特に限定されるものではなく、フレキシブル性または剛性の有無や、本実施態様の面発光装置の用途や大きさ等に応じて適宜選択される。
本実施態様において、上記支持基板は、上述した封止部材より、線膨張係数が低い。このため、上述したように、製造工程において上記封止部材を熱圧着した後、反りが生じるという課題が生じる。
本実施態様で用いられる支持基板の線膨張係数としては、通常5×10-6/℃以上100×10-6/℃以下の範囲内である。
(3)その他
本実施態様におけるLED基板は、上述した支持基板およびLED素子を有していれば特に限定されず、必要な構成を適宜有することができる。このような構成としては、配線部、端子部、絶縁層、反射層、放熱部材等を挙げることができる。各構成については、公知のLED基板に用いられるものと同様とすることができる。
配線部は、LED素子と電気的に接続される。配線部は、通常、パターン状に配置される。また、配線部は、支持基材に接着層を介して配置することができる。配線部の材料としては、金属材料や導電性高分子材料等を用いることができる。
配線部は、上記LED素子と接合部によって電気的に接続される。接合部の材料としては、金属や導電性高分子等の導電性材料を有する接合剤やハンダを用いることができる。
支持基板のLED素子が配置される面であって、LED素子実装領域以外の領域には、反射層を配置することができる。例えば、上記拡散部材の第2層で反射された光を、支持基板の反射層で反射させて、再度、拡散部材の第1層に入射させることができ、光の利用効率を高めることができる。
反射層は、一般的にLED基板に用いられる反射層と同様とすることができる。具体的には、反射層としては、金属粒子、無機粒子または顔料と樹脂とを含有する白色樹脂膜や、金属膜、多孔質膜等が挙げられる。反射層の厚みは、所望の反射率が得られる厚みであれば特に限定されるものではなく、適宜設定される。
LED基板の形成方法については、公知の形成方法と同様とすることができる。
4.拡散部材
拡散部材としては、封止部材のLED基板側とは反対の面側に配置される。拡散部材としては、LED素子から出射された光を拡散させ、面方向に均一に出射させる機能を有する部材であれば特に限定されないが、以下の第一の拡散部材、第二の拡散部材、及び第三の拡散部材が挙げられる。
4.1 第一の拡散部材
第一の拡散部材は、通常、少なくとも拡散剤が分散された樹脂層を有する。上記拡散部材は、例えば、拡散剤が分散された樹脂シートであってもよく、透明基板上に拡散剤が分散された樹脂層を有する積層体であってもよいが、前者がより好ましい。樹脂層に含有される樹脂としては、拡散剤を分散させることができれば特に限定されないが、熱可塑性樹脂であることが好ましい。拡散剤を分散させた樹脂シートを用いて拡散部材を形成することができるため、平坦性を良好にすることができるからである。
上記拡散部材に用いられる熱可塑性樹脂については、光透過度が高いものであれば特に限定されるものではなく、一般に表示装置分野において汎用されているものを用いることができる。
上記拡散剤の材質としては、LED素子からの光を拡散させることができれば特に限定されず、例えば、有機材料であってもよく、無機材料であってもよい。拡散剤の材質が有機材料である場合、例えば、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)を挙げることができる。一方、拡散剤の材質が無機材料である場合、TiO、SiO、Al、シリコン等を挙げることができる。
拡散剤の屈折率は、LED素子からの光を拡散させることができれば特に限定されないが、例えば、1.4以上2以下である。このような屈折率は、アッベ屈折計、ベッケ法、最小偏角法、偏角解析、モード・ライン法、エリプソメトリ法等によって測定することができる。拡散剤の形状は、例えば、粒子状を挙げることができる。拡散剤の平均粒径は、例えば、1μm以上100μm以下である。
拡散部材における拡散剤の割合は、LED素子からの光を拡散させることができれば特に限定されず、例えば、40重量%以上60重量%以下である。
4.2 第二の拡散部材
第二の拡散部材は、上記LED基板側から順に、第1層と、第2層とをこの順で有する部材であって、上記第1層は、光透過性および光拡散性を有し、上記第2層は、上記第2層の上記第1層側の面に対する光の入射角の絶対値が小さくなるにつれて反射率が大きくなり、上記第2層の上記第1層側の面に対する光の入射角の絶対値が大きくなるにつれて透過率が大きくなる、部材である。本実施態様においては、上述した拡散部材を有することにより、更なる輝度の面内均一性を向上させつつ、薄型化を図ることが可能である。また、コストおよび消費電力の低減も可能である。
以下、第二の拡散部材について図面を参照して説明する。図4は、第二の拡散部材の一例を示す概略断面図である。図4に例示するように、拡散部材11は、第1層12と第2層13とをこの順で有する。第1層12は、光透過性および光拡散性を有しており、第1層12の第2層13側の面とは反対の面12Aから入射した光L1、L2を透過および拡散する。また、第2層13は、第2層13の第1層12側の面13Aに対する光の入射角の絶対値が小さくなるにつれて反射率が大きくなり、第2層13の第1層12側の面13Aに対する光の入射角の絶対値が大きくなるにつれて透過率が大きくなる。そのため、第2層13では、第2層13の第1層12側の面13Aに対して低入射角θ1で入射した光L1を反射させ、第2層13の第1層2側の面13Aに対して高入射角θ2で入射した光L2を透過させることができる。なお、低入射角とは、入射角の絶対値が小さいものをいい、高入射角とは、入射角の絶対値が大きいものをいう。
図5は、図4に示す第二の拡散部材を備える本実施態様の面発光装置の一例を示す概略断面図である。図5に例示するように、面発光装置10は、支持基板2の一方の面にLED素子3が配置されたLED基板4と、LED基板4のLED素子3側の面側に配置され、LED素子3を封止する封止部材5と、封止部材5のLED基板4側とは反対の面側に配置された拡散部材11とを有する。拡散部材11は、第1層12側の面11Aが封止部材5に対向するように配置される。
図4に示すように、拡散部材11の第1層12側の面11Aから入射した光を、第1層12で拡散させるとともに、第1層12を透過して拡散した光のうち、第2層13の第1層12側の面13Aに対して低入射角θ1で入射した光L1については、図5に示すように、第2層13の第1層12側の面13Aで反射させ、再び第1層12に入射させて拡散させることができる。そして、第1層12を透過して拡散した光のうち、第2層13の第1層12側の面13Aに対して高入射角θ2で入射した光L2、L2′については、第2層13を透過させ、拡散部材11の第2層13側の面11Bから出射させることができる。
また、第1層および第2層を組み合わせることにより、拡散部材の第1層側の面から入射した光、特に拡散部材の第1層側の面から低入射角で入射した光について、何度も第1層を透過させて拡散させることができるので、拡散部材の第2層側の面から高出射角で出射させることができる。したがって、このような拡散部材を有する面発光装置(特に、直下型方式のLEDバックライト)は、LED素子から発せられる光を発光面全体に拡散させることができ、輝度の面内均一性を更に向上させることができる。
また、第1層および第2層を組み合わせることにより、拡散部材の第1層側の面から低入射角で入射した光について、何度も第1層を透過させることができるため、光が拡散部材の第1層側の面から入射してから拡散部材の第2層側の面から出射するまでの光路長を長くすることができる。これにより、LED素子から発せられたのち拡散部材の第2層側の面から出射する光の一部を、LED素子の直上ではなく、LED素子から面内方向に離れた位置から出射させることができるようになる。
(1)第1層
本実施態様における第1層は、後述の第2層の一方の面側に配置され、光透過性および光拡散性を有する部材である。第1層が有する光透過性としては、例えば、第1層の全光線透過率が50%以上であることが好ましく、中でも70%以上であることが好ましく、特に90%以上であることが好ましい。第1層の全光線透過率が上記範囲であることにより、本実施態様の面発光装置の輝度を高くすることができる。
なお、第1層の全光線透過率は、例えば、JIS K7361-1:1997に準拠する方法により測定することができる。
第1層の光拡散性としては、例えば、光をランダムに拡散する光拡散性であってもよく、光を主に特定の方向に拡散する光拡散性であってもよい。光を主に特定の方向に拡散する光拡散性は、光を偏向する性質であり、すなわち光の進行方向を変化させる性質である。第1層の光拡散性としては、光をランダムに拡散する光拡散性である場合、例えば、第1層に入射した光の拡散角が、10°以上とすることができ、15°以上であってもよく、20°以上であってもよい。また、第1層に入射した光の拡散角は、例えば、85°以下とすることができ、60°以下であってもよく、50°以下であってもよい。上記拡散角が上記範囲内であることにより、本実施態様の面発光装置の、輝度の面内均一性を更に向上させることができる。
ここで、拡散角について説明する。図6は、透過光強度分布を例示するグラフであり、拡散角を説明する図である。本明細書においては、拡散部材を構成する第1層の一方の面に光を垂直に入射させて、第1層の他方の面から出射される光の最大透過光強度Imaxの2分の1になる2つの角度の差である半値全幅(FWHM)を拡散角αと定義する。
なお、拡散角は、変角光度計や変角分光測色器を用いて測定することができる。拡散角の測定には、村上色彩技術研究所社製の変角光度計(ゴニオフォトメーター)GP-200を用いることができる。
第1層としては、上述の光透過性および光拡散性を有するものであれば特に限定されるものではなく、透過型回折格子、マイクロレンズアレイ、拡散剤および樹脂を含有する拡散剤含有樹脂膜等が挙げられる。具体的には、第1層が、光を主に特定の方向に拡散する光拡散性を有する場合、透過型回折格子、マイクロレンズアレイを挙げることができる。一方、第1層が、光をランダムに拡散する光拡散性を有する場合、拡散剤含有樹脂膜を挙げることができる。中でも、光拡散性の観点から、透過型回折格子、マイクロレンズアレイが好ましい。なお、透過型回折格子は、透過型の回折光学素子(DOE;Diffractive Optical Elements)とも称される。
第1層が透過型回折格子である場合、透過型回折格子としては、上述の光透過性および光拡散性を有するものであれば特に限定されない。透過型回折格子のピッチ等としては、上述の光透過性および光拡散性が得られればよく、適宜調整される。具体的には、LED素子の出力する波長が、赤色、緑色、青色等の単色である場合は、各波長に応じたピッチとすることで、効果的にLED素子からの光を曲げることが可能である。
透過型回折格子を構成する材料としては、上述の光透過性および光拡散性を有する透過型回折格子が得られる材料であればよく、一般的に透過型回折格子に用いられるものを採用することができる。また、透過型回折格子の形成方法としては、一般的な透過型回折格子の形成方法と同様とすることができる。
第1層がマイクロレンズアレイである場合、マイクロレンズアレイとしては、上述の光透過性および光拡散性を有するものであれば特に限定されない。マイクロレンズの形状、ピッチ、大きさ等としては、上述の光透過性および光拡散性が得られればよく、適宜調整される。マイクロレンズを構成する材料としては、上述の光透過性および光拡散性を有するマイクロレンズが得られる材料であればよく、一般的にマイクロレンズに用いられるものを採用することができる。また、マイクロレンズの形成方法としては、一般的なマイクロレンズの形成方法と同様とすることができる。
第1層が拡散剤含有樹脂膜である場合、拡散剤含有樹脂膜としては、上述の光透過性および光拡散性を有するものであれば特に限定されない。
第1層は、光拡散性を発現することが可能な構造を有するものであればよく、例えば、層全体で光拡散性を発現するものであってもよく、面で光拡散性を発現するものであってもよい。面で光拡散性を発現するものとしては、例えば、レリーフ型回折格子やマイクロレンズアレイが挙げられる。一方、層全体で光拡散性を発現するものとしては、例えば、体積型回折格子や拡散剤含有樹脂膜が挙げられる。第1層および第2層を積層する方法としては、例えば、第1層および第2層を接着層または粘着層を介して貼り合せる方法や、第2層の一方の面に第1層を直接形成する方法等が挙げられる。第2層の一方の面に第1層を直接形成する方法としては、印刷法、金型による樹脂賦形等が挙げられる。
(2)第2層
本実施態様における第2層は、上記第1層の一方の面側に配置され、上記第2層の上記第1層側の面に対する光の入射角の絶対値が小さくなるにつれて反射率が大きくなるような反射率の入射角依存性と、上記第2層の上記第1層側の面に対する光の入射角の絶対値が大きくなるにつれて透過率が大きくなるような透過率の入射角依存性とを有する部材である。
第2層は、第2層の第1層側の面に対する光の入射角の絶対値が小さくなるにつれて反射率が大きくなるような反射率の入射角依存性を有する。すなわち、第2層の第1層側の面に対して低入射角で入射する光の反射率は、第2層の第1層側の面に対して高入射角で入射する光の反射率よりも大きくなる。中でも、第2層の第1層側の面に対して低入射角で入射する光の反射率は、大きいことが好ましい。
具体的には、第2層の第1層側の面に対して入射角±60°以内で入射する可視光の正反射率が、50%以上100%未満であることが好ましく、中でも80%以上100%未満であることが好ましく、特に90%以上100%未満であることが好ましい。なお、入射角±60°以内のすべての入射角において、可視光の正反射率が上記範囲を満たすことが好ましい。上記正反射率が上記範囲であることにより、本実施態様の面発光装置の輝度の面内均一性を更に向上させることができる。
また、第2層の第1層側の面に対して入射角±60°以内で入射する可視光の正反射率の平均値は、例えば、80%以上99%以下であることが好ましく、中でも90%以上97%以下であることが好ましい。なお、上記正反射率の平均値とは、各入射角での可視光の正反射率の平均値をいう。上記正反射率の平均値が上記範囲であることにより、本実施態様における面発光装置の輝度の面内均一性を更に向上させることができる。
また、第2層の第1層側の面に対して入射角0°で入射する(垂直に入射する)可視光の正反射率は、例えば、80%以上100%未満であることが好ましく、中でも90%以上100%未満であることが好ましく、特に95%以上100%未満であることが好ましい。上記正反射率が上記範囲であることにより、本実施態様の面発光装置の輝度の面内均一性を更に向上させることができる。
なお、「可視光」とは、本明細書では、波長380nm以上波長780nm以下の光を意味する。また、正反射率は、変角光度計や変角分光測色器を用いて測定することができる。正反射率の測定には、村上色彩技術研究所社製の変角光度計(ゴニオフォトメーター)GP-200を用いることができる。
第2層は、第2層の第1層側の面に対する光の入射角の絶対値が大きくなるにつれて透過率が大きくなるような透過率の入射角依存性を有する。すなわち、第2層の第1層側の面に対して高入射角で入射する光の透過率は、第2層の第1層側の面に対して低入射角で入射する光の透過率よりも大きくなる。中でも、第2層の第1層側の面に対して高入射角で入射する光の透過率は、大きいことが好ましい。具体的には、第2層の第1層側の面に対して入射角70°以上90°未満で入射する光の全光線透過率が、30%以上であることが好ましく、中でも40%以上であることが好ましく、特に50%以上であることが好ましい。なお、入射角70°以上90°未満のすべての入射角において、全光線透過率が上記範囲を満たすことが好ましい。また、入射角の絶対値が70°以上90°未満の場合に、全光線透過率が上記範囲を満たすことが好ましい。上記全光線透過率が上記範囲であることにより、本実施態様の面発光装置の、輝度の面内均一性を更に向上させることができる。
なお、第2層の全光線透過率は、例えば、変角光度計や変角分光測色器を用いて、JIS K7361-1:1997に準拠する方法により測定することができる。全光線透過率の測定には、日本分光社製の紫外可視近赤外分光光度計 V-7200を用いることができる。
第2層としては、上述した反射率および透過率の入射角依存性を有するものであれば特に限定されるものではなく、上述した反射率および透過率の入射角依存性を有する種々の構成を採用することができる。第2層としては、例えば、誘電体多層膜や、上記第1層側から順にパターン状の第1反射膜とパターン状の第2反射膜とを有し、第1反射膜の開口部および第2反射膜の開口部が平面視上重ならないように位置し、第1反射膜および第2反射膜が厚み方向に離れて配置されている反射構造体や、反射型回折格子等が挙げられる。
以下、第2層が、誘電体多層膜、反射構造体、または反射型回折格子である場合について説明する。
a)誘電体多層膜
第2層が誘電体多層膜である場合、誘電体多層膜としては、例えば、屈折率の異なる無機層が交互に積層された無機化合物の多層膜や、屈折率の異なる樹脂層が交互に積層された樹脂の多層膜が挙げられる。
(無機化合物の多層膜)
誘電体多層膜が、屈折率の異なる無機層が交互に積層された無機化合物の多層膜である場合、無機化合物の多層膜としては、上述した反射率および透過率の入射角依存性を有するものであれば特に限定されない。
屈折率が異なる無機層のうち、屈折率が高い高屈折率無機層に含まれる無機化合物としては、例えば、屈折率は1.7以上とすることができ、1.7以上2.5以下であってもよい。このような無機化合物としては、酸化チタン、酸化ジルコニウム、五酸化タンタル、五酸化ニオブ、酸化ランタン、酸化イットリウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化インジウムを主成分とし、酸化チタン、酸化スズ、酸化セリウムを少量含有させたものが挙げられる。
また、屈折率が異なる無機層のうち、屈折率が低い低屈折率無機層に含まれる無機化合物としては、例えば、屈折率は1.6以下とすることができ、1.2以上1.6以下であってもよい。このような無機化合物としては、シリカ、アルミナ、フッ化ランタン、フッ化マグネシウム、六フッ化アルミニウムナトリウム等が挙げられる。
高屈折率無機層および低屈折率無機層の積層数は、上述した反射率および透過率の入射角依存性が得られればよく、適宜調整される。具体的には、高屈折率無機層および低屈折率無機層の総積層数は、4層以上とすることができる。また、上記総積層数の上限としては特に限定されないが、積層数が多くなると工程が増えることから、例えば24層以下とすることができる。
無機化合物の多層膜の厚みは、上述した反射率および透過率の入射角依存性が得られればよく、例えば、0.5μm以上10μm以下とすることができる。無機化合物の多層膜の形成方法としては、CVD法、スパッタリング法、真空蒸着法、または湿式塗工法等により、高屈折率無機層と低屈折率無機層とを交互に積層する方法が挙げられる。
(樹脂の多層膜)
誘電体多層膜が、屈折率の異なる樹脂層が交互に積層された樹脂の多層膜である場合、樹脂の多層膜としては、上述した反射率および透過率の入射角依存性を有するものであれば特に限定されない。
樹脂層を構成する樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂を挙げることができる。中でも、成形性が良好であることから、熱可塑性樹脂が好ましい。
樹脂層には、各種添加剤、例えば、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶核剤、無機粒子、有機粒子、減粘剤、熱安定剤、滑剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、屈折率調整のためのドープ剤が添加されていてもよい。
熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン樹脂、脂環族ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、アラミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、4フッ化エチレン樹脂、3フッ化エチレン樹脂、3フッ化塩化エチレン樹脂、4フッ化エチレン-6フッ化プロピレン共重合体、フッ化ビニリデン樹脂等のフッ素樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリグリコール酸樹脂、ポリ乳酸樹脂を用いることができる。上記ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリメチルペンテンを挙げることができる。また、ポリアミド樹脂としては、ナイロン6、ナイロン66を挙げることができる。さらに、ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチルサクシネート、ポリエチレン-2,6-ナフタレートを挙げることができる。本開示においては、中でも、強度、耐熱性、透明性の観点から、ポリエステルであることがより好ましい。
本明細書において、ポリエステルとは、ジカルボン酸成分骨格とジオール成分骨格との重縮合体であるホモポリエステルや共重合ポリエステルのことをいう。ここで、ホモポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン-2,6-ナフタレート、ポリ-1,4-シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンジフェニルレート等が挙げられる。中でも、ポリエチレンテレフタレートは、安価であるため、非常に多岐にわたる用途に用いることができ好ましい。
また、本明細書において、共重合ポリエステルとは、次に挙げるジカルボン酸骨格を有する成分とジオール骨格を有する成分とより選ばれる少なくとも3つ以上の成分からなる重縮合体のことと定義される。ジカルボン酸骨格を有する成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、1,5-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、4,4-ジフェニルジカルボン酸、4,4-ジフェニルスルホンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、シクロヘキサンジカルボン酸とそれらのエステル誘導体等が挙げられる。グリコール骨格を有する成分としては、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタジオール、ジエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、2,2-ビス(4-β-ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、イソソルベート、1,4-シクロヘキサンジメタノール、スピログリコールが挙げられる。
屈折率が異なる樹脂層のうち、屈折率が高い高屈折率樹脂層と屈折率が低い低屈折率樹脂層との面内平均屈折率の差は、0.03以上であることが好ましく、より好ましくは0.05以上であり、さらに好ましくは0.1以上である。上記面内平均屈折率の差が小さすぎると、十分な反射率が得られない場合がある。
また、高屈折率樹脂層の面内平均屈折率と厚み方向屈折率との差が、0.03以上であることが好ましく、低屈折率樹脂層の面内平均屈折率と厚み方向屈折率との差が、0.03以下であることが好ましい。この場合、入射角が大きくなっても、反射ピークの反射率の低下が起こりにくい。
高屈折率樹脂層に用いられる高屈折率樹脂と低屈折率樹脂層に用いられる低屈折率樹脂との好ましい組み合わせとしては、第一に、高屈折率樹脂および低屈折率樹脂のSP値の差の絶対値が、1.0以下であることが好ましい。SP値の差の絶対値が上記範囲であると、層間剥離が生じにくくなる。この場合、高屈折率樹脂および低屈折率樹脂が同一の基本骨格を含むことがより好ましい。ここで、基本骨格とは、樹脂を構成する繰り返し単位のことである。例えば、一方の樹脂がポリエチレンテレフタレートの場合、エチレンテレフタレートが基本骨格である。また例えば、一方の樹脂がポリエチレンの場合、エチレンが基本骨格である。高屈折率樹脂および低屈折率樹脂が同一の基本骨格を含む樹脂であると、さらに層間での剥離が生じにくくなる。
高屈折率樹脂層に用いられる高屈折率樹脂と低屈折率層に用いられる低屈折率樹脂との好ましい組み合わせとしては、第二に、高屈折率樹脂および低屈折率樹脂のガラス転移温度の差が、20℃以下であることが好ましい。ガラス転移温度の差が大きすぎると、高屈折率樹脂層および低屈折率樹脂層の積層フィルムを製膜する際の厚み均一性が不良となる場合がある。また、上記積層フィルムを成形する際にも、過延伸が発生する場合がある。
また、高屈折率樹脂がポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレートであり、低屈折率樹脂がスピログリコールを含むポリエステルであることが好ましい。ここで、スピログリコールを含むポリエステルとは、スピログリコールを共重合したコポリエステル、またはホモポリエステル、またはそれらをブレンドしたポリエステルのことをいう。スピログリコールを含むポリエステルは、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートとのガラス転移温度の差が小さいため、成形時に過延伸になりにくく、かつ層間剥離もしにくいために好ましい。
より好ましくは、高屈折率樹脂がポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレートであり、低屈折率樹脂がスピログリコールおよびシクロヘキサンジカルボン酸を含むポリエステルであることが好ましい。低屈折率樹脂がスピログリコールおよびシクロヘキサンジカルボン酸を含むポリエステルであると、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートとの面内屈折率の差が大きくなるため、高い反射率が得られやすくなる。また、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートとのガラス転移温度の差が小さく、接着性にも優れるため、成形時に過延伸になりにくく、かつ層間剥離もしにくい。
また、高屈折率樹脂がポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレートであり、低屈折率樹脂がシクロヘキサンジメタノールを含むポリエステルであることも好ましい。ここで、シクロヘキサンジメタノールを含むポリエステルとは、シクロヘキサンジメタノールを共重合したコポリエステル、またはホモポリエステル、またはそれらをブレンドしたポリエステルのことをいう。シクロヘキサンジメタノールを含むポリエステルは、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートとのガラス転移温度の差が小さいため、成形時に過延伸になることがなりにくく、かつ層間剥離もしにくいために好ましい。この場合、低屈折率樹脂は、シクロヘキサンジメタノールの共重合量が15mol%以上60mol%以下であるエチレンテレフタレート重縮合体であることがより好ましい。
このようにすることにより、高い反射性能を有しながら、特に加熱や経時による光学的特性の変化が小さく、層間での剥離も生じにくくなる。シクロヘキサンジメタノールの共重合量が上記範囲内であるエチレンテレフタレート重縮合体は、ポリエチレンテレフタレートと非常に強く接着する。また、そのシクロヘキサンジメタノール基は幾何異性体としてシス体あるいはトランス体があり、また配座異性体としてイス型あるいはボート型もあるので、ポリエチレンテレフタレートと共延伸しても配向結晶化しにくく、高反射率で、熱履歴による光学特性の変化もさらに少なく、製膜時のやぶれも生じにくい。
上記の樹脂の多層膜においては、高屈折率樹脂層と低屈折率樹脂層とが厚み方向に交互に積層された構造を有している部分が存在していればよい。すなわち、高屈折率樹脂層および低屈折率樹脂層の厚み方向における配置の序列がランダムな状態ではないことが好ましく、高屈折率樹脂層および低屈折率樹脂層以外の樹脂層の配置の序列については特に限定されるものではない。また、上記の樹脂の多層膜が、高屈折率樹脂層と低屈折率樹脂層と他の樹脂層とを有する場合、それらの配置の順列としては、高屈折率樹脂層をA、低屈折率樹脂層をB、他の樹脂層をCとしたとき、A(BCA)、A(BCBA)、A(BABCBA)等の規則的順列で各層が積層されることがより好ましい。ここで、nは繰り返しの単位数であり、例えばA(BCA)においてn=3の場合、厚み方向にABCABCABCAの順列で積層されているものを表す。
また、高屈折率樹脂層および低屈折率樹脂層の積層数は、上述した反射率および透過率の入射角依存性が得られればよく、適宜調整される。具体的には、高屈折率樹脂層と低屈折率樹脂層とは交互にそれぞれ30層以上積層することができ、それぞれ200層以上積層してもよい。また、高屈折率樹脂層および低屈折率樹脂層の総積層数は、例えば600層以上とすることができる。積層数が少なすぎると、十分な反射率が得られなくなる場合がある。また、積層数が上記範囲であることにより、所望の反射率を容易に得ることができる。また、上記総積層数の上限としては特に限定されないが、装置の大型化や層数が多くなりすぎることによる積層精度の低下を考慮すると、例えば1500層以下とすることができる。
さらに、上記の樹脂の多層膜は、少なくとも片面に厚み3μm以上のポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレートを含有する表面層を有することが好ましく、中でも両面に上記表面層を有することが好ましい。また、表面層の厚みは5μm以上であることがより好ましい。上記表面層を有することにより、上記の樹脂の多層膜の表面を保護することができる。
上記の樹脂の多層膜の製造方法としては、共押出法等が挙げられる。具体的には、特開2008-200861号公報に記載の積層フィルムの製造方法を参照することができる。
また、上記の樹脂の多層膜としては、市販の積層フィルムを用いることができ、具体的には、東レ株式会社製のピカサス(登録商標)、3M社製のESR等が挙げられる。
b)反射構造体
反射構造体は、上記第1層側から順にパターン状の第1反射膜とパターン状の第2反射膜とを有し、第1反射膜の開口部および第2反射膜の開口部が平面視上重ならないように位置し、第1反射膜および第2反射膜が厚み方向に離れて配置されているものである。
反射構造体は、2つの態様を有する。反射構造体の第1態様は、透明基材と、透明基材の一方の面に配置されたパターン状の第1反射膜と、透明基材の他方の面に配置されたパターン状の第2反射膜とを有し、第1反射膜の開口部および第2反射膜の開口部が平面視上重ならないように位置し、第1反射膜および第2反射膜が厚み方向に離れて配置されているものである。また、反射構造体の第2態様は、透明基材と、透明基材の一方の面に配置され、光透過性を有するパターン状の凸部と、凸部の透明基材側の面とは反対の面側に配置されたパターン状の第1反射膜と、透明基材の一方の面の凸部の開口部に配置されたパターン状の第2反射膜とを有し、第1反射膜の開口部および第2反射膜の開口部が平面視上重ならないように位置し、第1反射膜および第2反射膜が厚み方向に離れて配置されているものである。以下、各態様に分けて説明する。
(反射構造体の第1態様)
本実施態様における反射構造体の第1態様は、透明基材と、透明基材の一方の面に配置されたパターン状の第1反射膜と、透明基材の他方の面に配置されたパターン状の第2反射膜とを有し、第1反射膜の開口部および第2反射膜の開口部が平面視上重ならないように位置し、第1反射膜および第2反射膜が厚み方向に離れて配置されているものである。
本態様の反射構造体の場合、第二の拡散部材において、反射構造体の第1反射膜側の面側に第1層が配置される。
図7(a)、(b)は、本態様の反射構造体の一例を示す概略平面図および断面図であり、図7(a)は反射構造体の第1反射膜側の面から見た平面図であり、図7(b)は図7(a)のA-A線断面図である。図7(a)、(b)に示すように、反射構造体20は、透明基材21と、透明基材21の一方の面に配置されたパターン状の第1反射膜22と、透明基材21の他方の面に配置された第2反射膜24とを有している。第1反射膜22の開口部23および第2反射膜24の開口部25は、平面視上重ならないように位置している。また、第1反射膜22および第2反射膜24は、透明基材21の両面にそれぞれ配置されており、厚み方向に離れて配置されている。なお、図7(a)において、第2反射膜の開口部は破線で示している。また、図7(c)は、本態様の反射構造体を有する拡散部材を備える面発光装置の一例を示す概略断面図である。
このような反射構造体においては、パターン状の第1反射膜および第2反射膜が積層されており、第1反射膜の開口部および第2反射膜の開口部が平面視上重ならないように位置していることから、本態様の反射構造体を有する拡散部材を面発光装置に用いた場合、例えば図7(c)に示すように、LED素子3の直上には第1反射膜22および第2反射膜24の少なくともいずれか一方が必ず存在することになる。そのため、例えば図7(b)に示すように、反射構造体20の第1反射膜22側の面、すなわち反射構造体20(第2層)の第1層(図示なし)が配置される側の面13Aに対して低入射角で入射した光L11を、第1反射膜22および第2反射膜24で反射させることができる。
また、第1反射膜の開口部および第2反射膜の開口部が平面視上重ならないように位置し、第1反射膜および第2反射膜が厚み方向に離れて配置されていることから、反射構造体20の第1反射膜22側の面、すなわち反射構造体20(第2層)の第1層(図示なし)が配置される側の面13Aに対して高入射角で入射した光L12、L13を、第1反射膜22の開口部23および第2反射膜24の開口部25から出射させることができる。これにより、LED素子から発せられたのち拡散部材の第2層側の面から出射する光の一部を、LED素子の直上ではなく、LED素子から面内方向に離れた位置から出射させることができるようになる。よって、輝度の面内均一性を向上させることができる。
第1反射膜および第2反射膜としては、一般的な反射膜を用いることができ、金属膜、誘電体多層膜等を用いることができる。金属膜の材料としては、一般的な反射膜に使用される金属材料を採用することができ、アルミニウム、金、銀、およびそれらの合金が挙げられる。また、誘電体多層膜としては、一般的な反射膜に使用されるものを採用することができ、酸化ジルコニウムと酸化ケイ素とが交互に積層された多層膜等の無機化合物の多層膜が挙げられる。第1反射膜および第2反射膜に含まれる材料は、同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
第1反射膜および第2反射膜の開口部のピッチとしては、上述した反射率および透過率の入射角依存性が得られればよく、本態様の拡散部材が用いられる面発光装置におけるLED素子の配光特性、サイズ、ピッチおよび形状や、LED基板と拡散部材との距離等に応じて適宜設定される。第1反射膜および第2反射膜の開口部のピッチは、同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
第1反射膜の開口部のピッチは、例えば、LED素子のサイズよりも大きくてもよい。具体的には、第1反射膜の開口部のピッチは、0.1mm以上20mm以下とすることができる。
また、第2反射膜の開口部のピッチは、輝度ムラを抑制することができれば特に限定されないが、中でも、上記第1反射膜の開口部のピッチ以下であることが好ましく、上記第1反射膜の開口部のピッチより小さいことが好ましい。具体的には、第2反射膜の開口部のピッチは、0.1mm以上2mm以下とすることができる。上記のように第2反射膜の開口部のピッチを微細にすることにより、第2反射膜の部分と第2反射膜の開口部の部分とのパターンを視認しにくくすることができ、ムラのない面発光が可能となる。
なお、第1反射膜の開口部のピッチとは、例えば図7(a)に示すような、隣り合う第1反射膜22の開口部23の中心間の距離P1をいう。また、第2反射膜の開口部のピッチとは、例えば図7(a)に示すような、隣り合う第2反射膜24の開口部25の中心間の距離P2をいう。
第1反射膜および第2反射膜の開口部の大きさとしては、上述した反射率および透過率の入射角依存性が得られればよく、LED素子の配光特性、サイズ、ピッチおよび形状や、LED基板と拡散部材との距離等に応じて適宜設定される。第1反射膜および第2反射膜の開口部の大きさは、同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
第1反射膜の開口部の大きさとしては、具体的には、第1反射膜の開口部の形状が矩形状である場合、第1反射膜の開口部の長さは、0.1mm以上5mm以下とすることができる。
また、第2反射膜の開口部の大きさは、輝度ムラを抑制することができれば特に限定されないが、中でも、上記第1反射膜の開口部の大きさ以下であることが好ましく、上記第1反射膜の開口部の大きさより小さいことが好ましい。具体的には、第2反射膜の開口部の形状が矩形状である場合、第2反射膜の開口部の長さは、0.05mm以上2mm以下とすることができる。上記のように第2反射膜の開口部の大きさを微細にすることにより、第2反射膜の部分と第2反射膜の開口部の部分とのパターンを視認しにくくすることができ、ムラのない面発光が可能となる。
なお、第1反射膜の開口部の大きさとは、例えば第1反射膜の開口部の形状が矩形状である場合、図7(a)に示すような、第1反射膜22の開口部23の長さx1をいう。また、第2反射膜の開口部の大きさとは、例えば図7(a)に示すような、第2反射膜24の開口部25の長さx2をいう。
第1反射膜および第2反射膜の開口部の形状としては、矩形状、円形状等、任意の形状とすることができる。第1反射膜および第2反射膜の厚みとしては、上述した反射率および透過率の入射角依存性が得られればよく、適宜調整される。具体的には、第1反射膜および第2反射膜の厚みは、0.05μm以上100μm以下とすることができる。
第1反射膜および第2反射膜は、透明基材の面に形成されたものであってもよく、シート状の反射膜であってもよい。第1反射膜および第2反射膜の形成方法としては、透明基材の面にパターン状に反射膜を形成できる方法であれば特に限定されず、スパッタリング法、真空蒸着法等が挙げられる。また、第1反射膜および第2反射膜がシート状の反射膜である場合、開口部の形成方法としては、打ち抜き加工等により複数の貫通孔を形成する方法等が挙げられる。この場合、透明基材およびシート状の反射膜の積層方法としては、例えば、透明基材に接着層や粘着層を介してシート状の反射膜を貼り合せる方法を用いることができる。
本態様の反射構造体における透明基材は、上記の第1反射膜および第2反射膜等を支持する部材であり、また、第1反射膜および第2反射膜を厚み方向に離れて配置させるための部材である。
透明基材は光透過性を有する。透明基材の光透過性としては、透明基材の全光線透過率が、例えば80%以上であることが好ましく、中でも90%以上であることが好ましい。なお、透明基材の全光線透過率は、JIS K7361-1:1997に準拠する方法により測定することができる。
透明基材を構成する材料としては、上述した全光線透過率を有する材料であればよく、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、アクリル、シクロオレフィン、ポリエステル、ポリスチレン、アクリルスチレン等の樹脂や、石英ガラス、パイレックス(登録商標)、合成石英等のガラスが挙げられる。
透明基材の厚みとしては、例えば図7(b)に示すように、反射構造体20の第1反射膜22側の面、すなわち反射構造体20(第2層)の第1層(図示なし)が配置される側の面13Aに対して高入射角で入射した光L12を、第1反射膜22の開口部23および第2反射膜24の開口部25から出射させることができるような厚みであることが好ましく、第1反射膜および第2反射膜の開口部のピッチおよび大きさや、第1反射膜および第2反射膜の厚み等に応じて適宜設定される。具体的には、透明基材の厚みは、0.05mm以上2mm以下とすることができ、中でも0.1mm以上0.5mm以下であることが好ましい。
(反射構造体の第2態様)
反射構造体の第2態様は、透明基材と、透明基材の一方の面に配置され、光透過性を有するパターン状の凸部と、凸部の透明基材側の面とは反対の面側に配置されたパターン状の第1反射膜と、透明基材の一方の面の凸部の開口部に配置されたパターン状の第2反射膜とを有し、第1反射膜の開口部および第2反射膜の開口部が平面視上重ならないように位置し、第1反射膜および第2反射膜が厚み方向に離れて配置されているものである。本態様の反射構造体の場合、第二の拡散部材において、反射構造体の第1反射膜側の面側に第1層が配置される。
図8(a)、(b)は、本実施態様における反射構造体の第2態様の一例を示す概略平面図および断面図であり、図8(a)は反射構造体の第1反射膜側の面から見た平面図であり、図8(b)は図8(a)のA-A線断面図である。図8(a)、(b)に示すように、反射構造体20は、透明基材21と、透明基材21の一方の面に配置され、光透過性を有するパターン状の凸部26と、凸部26の透明基材21側の面とは反対の面に配置されたパターン状の第1反射膜22と、透明基材21の一方の面の凸部26の開口部に配置されたパターン状の第2反射膜24とを有している。第1反射膜22の開口部23および第2反射膜24の開口部25は、平面視上重ならないように位置している。また、第1反射膜22および第2反射膜24は、凸部26によって隔てられており、厚み方向に離れて配置されている。
このような反射構造体においては、パターン状の第1反射膜および第2反射膜が積層されており、第1反射膜の開口部および第2反射膜の開口部が平面視上重ならないように位置していることから、本態様の反射構造体を有する拡散部材を用いた面発光装置(特に、LEDバックライト)は、LED素子の直上には第1反射膜および第2反射膜の少なくともいずれか一方が必ず存在することになる。そのため、上記反射構造体の第1態様と同様に、例えば図8(b)に示すように、反射構造体20の第1反射膜22側の面、すなわち反射構造体20(第2層)の第1層(図示なし)が配置される側の面13Aに対して低入射角で入射した光L11を、第1反射膜22および第2反射膜24で反射させることができる。
また、第1反射膜の開口部および第2反射膜の開口部が平面視上重ならないように位置し、第1反射膜および第2反射膜が厚み方向に離れて配置されていることから、反射構造体20の第1反射膜22側の面、すなわち反射構造体20(第2層)の第1層(図示なし)が配置される側の面13Aに対して高入射角で入射した光L12を、凸部26の側面および第2反射膜24の開口部25から出射させることができる。これにより、LED素子から発せられたのち拡散部材の第2層側の面から出射する光の一部を、LED素子の直上ではなく、LED素子から面内方向に離れた位置から出射させることができるようになる。よって、輝度の面内均一性を向上させることができる。また、本態様においては、凸部を有することから、第1反射膜および第2反射膜の開口部のセルフアライメントが可能であり、製造コストを削減することができる。
なお、第1反射膜および第2反射膜の材料、第1反射膜および第2反射膜の開口部のピッチ、第1反射膜および第2反射膜の開口部の大きさ、第1反射膜および第2反射膜の開口部の形状、第1反射膜および第2反射膜の厚み、ならびに第1反射膜および第2反射膜の形成方法等については、上記第1態様と同様とすることができる。
また、透明基材については、上記第1態様と同様とすることができる。
本態様の反射構造体における凸部は、上記の第1反射膜および第2反射膜を厚み方向に離れて配置させるための部材である。凸部は光透過性を有する。凸部の光透過性としては、凸部の全光線透過率が、例えば80%以上であることが好ましく、中でも90%以上であることが好ましい。なお、凸部の全光線透過率は、JIS K7361-1:1997に準拠する方法により測定することができる。
凸部を構成する材料としては、パターン状の凸部を形成可能であり、上述した全光線透過率を有する材料であればよく、熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂等が挙げられる。
凸部の高さとしては、例えば図8(b)に示すように、反射構造体20の第1反射膜22側の面、すなわち反射構造体20(第2層)の第1層(図示なし)が配置される側の面13Aに対して高入射角で入射した光L12を、凸部26の側面および第2反射膜24の開口部25から出射させることができるような高さであることが好ましく、第1反射膜および第2反射膜の開口部のピッチおよび大きさや、第1反射膜および第2反射膜の厚み等に応じて適宜設定される。具体的には、凸部の高さは、0.05mm以上2mm以下とすることができ、中でも0.1mm以上0.5mm以下であることが好ましい。
凸部のピッチ、大きさおよび平面視形状については、上記第2反射膜の開口部のピッチ、大きさおよび形状と同様とすることができる。凸部の表面は、例えば図8(b)に示すように平滑面であってもよく、図9(a)に示すように粗面であってもよい。凸部の表面が粗面である場合には、凸部に光拡散性を付与することができる。
また、凸部の表面の形状としては、例えば図8(b)に示すように平面であってもよく、図9(b)に示すように曲面であってもよい。凸部の表面が曲面である場合には、凸部に光拡散性を付与することができる。
凸部の形成方法としては、パターン状の凸部を形成可能な方法であれば特に限定されず、印刷法、金型による樹脂賦形等が挙げられる。
c)反射型回折格子
第2層が反射型回折格子である場合、反射型回折格子としては、上述した反射率および透過率の入射角依存性を有するものであれば特に限定されない。
反射型回折格子のピッチ等としては、上述した反射率および透過率の入射角依存性が得られればよく、適宜調整される。具体的には、LED素子の出力する波長が、赤色、緑色、青色等の単色である場合は、各波長に応じたピッチとすることで、効果的にLED素子の光を反射させることが可能である。
反射型回折格子を構成する材料としては、上述した反射率および透過率の入射角依存性を有する反射型回折格子が得られる材料であればよく、一般的に反射型回折格子に用いられるものを採用することができる。また、反射型回折格子の形成方法としては、一般的な反射型回折格子の形成方法と同様とすることができる。
4.3 第三の拡散部材
第三の拡散部材としては、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート等の光透過性樹脂を有する樹脂板であり、内部に多数の空隙が存在するもの、または、表面に凹凸を有するものが挙げられ、一般に表示装置分野において汎用されているものを用いることができる。
5.波長変換部材
本実施態様の面発光装置においては、例えば、拡散部材のLED基板側とは反対の面側に波長変換部材が配置されていてもよく、拡散部材のLED基板側に波長変換部材が配置されていてもよい。
波長変換部材は、LED素子から出射された光を吸収し、励起光を発光する蛍光体を含有する部材である。波長変換部材は、LED基板と組み合わせることにより、白色光を生成する機能を有する。
波長変換部材は、通常、蛍光体および樹脂を含有する波長変換層を少なくとも有する。波長変換部材は、例えば、波長変換層単体であってもよく、透明基材の一方の面側に波長変換層を有する積層体であってもよい。中でも、薄型化の点から、波長変換層単体が好ましい。より好ましくは、シート状の波長変換部材が用いられる。
上記蛍光体としては、LED素子からの発光色に応じて適宜選択することができ、青色蛍光体、緑色蛍光体、赤色蛍光体、黄色蛍光体等を挙げることができる。例えば、LED素子が青色LED素子である場合、蛍光体としては、緑色蛍光体と赤色蛍光体とを用いてもよく、黄色蛍光体を用いてもよい。また、例えば、LED素子が紫外線LED素子である場合、蛍光体としては、赤色蛍光体と緑色蛍光体と青色蛍光体とを用いることができる。
蛍光体としては、例えばLEDバックライトの波長変換部材に用いられる蛍光体を採用することができる。また、量子ドットを蛍光体として用いることもできる。波長変換部材層中の蛍光体の含有量は、所望の白色光を生成することができる程度であれば特に限定されず、一般的なLEDバックライトの波長変換部材における蛍光体の含有量と同様とすることができる。
また、波長変換部材に含まれる樹脂としては、蛍光体を分散させることができれば特に限定されるものではない。上記樹脂としては、一般的なLEDバックライトの波長変換部材に用いられる樹脂と同様とすることができ、シリコーン系樹脂やエポキシ系樹脂等の熱硬化性樹脂を挙げることができる。
波長変換部材の厚みとしては、面発光装置に用いた場合に、所望の白色光を生成することができる厚みであれば特に限定されず、例えば、10μm以上1000μm以下とすることができる。
6.その他光学部材
本実施態様の面発光装置は、例えば、拡散部材のLED基板側の面とは反対の面側に光学部材がさらに配置されていてもよい。光学部材としては、プリズムシート、反射型偏光シート等が挙げられる。
(1)プリズムシート
本実施態様におけるプリズムシートは、入射した光を集光し、正面方向の輝度を集中的に向上させる機能を有する。プリズムシートは、例えば、透明樹脂基材の一方の面側に、アクリル樹脂を含むプリズムパターンが配置されたものである。プリズムシートとしては、例えば、3M社製の輝度上昇フィルムBEFシリーズを用いることができる。
(2)反射型偏光シート
本実施態様における反射型偏光シートは、第1の直線偏光成分(例えば、P偏光)のみを透過し、かつ第1の直線偏光成分と直交する第2の直線偏光成分(例えば、S偏光)を吸収せずに反射する機能を有する。反射型偏光シートで反射された第2の直線偏光成分は再度反射され、偏光が解消された状態(第1の直線偏光成分と第2の直線偏光成分とを両方含んだ状態)で、再度、反射型偏光シートに入射する。よって、反射型偏光シートは再度入射する光のうち第1の直線偏光成分を透過し、第1の直線偏光成分と直交する第2の直線偏光成分は再度反射される。
以下、同上の過程を繰り返す事により、上記第2層から出射した光の70%以上80%以下程度が第1の直線偏光成分となった光として出光される。したがって、本実施態様の面発光装置を表示装置に用いた場合、反射型偏光シートの第1の直線偏光成分(透過軸成分)の偏光方向と表示パネルの偏光板の透過軸方向とを一致させることにより、面発光装置からの出射光は全て表示パネルで画像形成に利用可能となる。そのため、LED素子から投入される光エネルギーが同じであっても、反射型偏光シートを未配置の場合に比べて、より高輝度の画像形成が可能となる。
反射型偏光シートとしては、例えば、3M社製の輝度上昇フィルムDBEFシリーズが挙げられる。また、反射型偏光シートとして、例えば、Shinwha Intertek社製の高輝度偏光シートWRPS、ワイヤーグリッド偏光子を用いることもできる。
7.用途
本実施態様における面発光装置の用途は、特に限定されないが、表示装置に好適に使用することができる。また、照明装置等にも使用することができる。
II.第2実施態様
次に、本実施態様の面発光装置の第2実施態様について説明する。
図10は、本実施態様の面発光装置の一例を示す概略断面図である。図10に例示するように、本実施態様の面発光装置1は、支持基板2、および支持基板2の一方の面側に配置されたLED素子3を有するLED基板4と、LED基板4のLED素子3側の面側に配置され、LED素子3を封止する封止部材5と、封止部材5のLED基板4側とは反対の面側に配置された拡散部材6と、上記LED基板4の封止部材5と反対側の面に配置された反り防止層7と、を有する。本実施態様における封止部材5は、ヘイズ値が4%以上であり、厚みが上記LED素子3より厚いものであり、上記反り防止層7を構成する材料の線膨張係数が、上記封止部材5を構成する材料の線膨張係数と同等、もしくは大きいものであることを特徴とするものである。
本実施態様の面発光装置では、上記封止部材と上記LED基板とを接合するに際し、熱圧着等の手段が用いられた場合、その後の冷却時に、上記LED基板と上記封止部材との線膨張係数の相違に起因する反りが生じる場合がある。
また、面発光装置が極端な高温もしくは低温で用いられた場合、上述した上記LED基板と上記封止部材との線膨張係数の相違に起因する反りが生じる場合がある。
本実施態様は、上記第1実施態様と同様に、このような課題を解決するためになされたものであり、上記反り防止層を、上記LED基板の上記封止部材と反対側の面に配置し、反り防止層を構成する材料の線膨張係数が、上記封止部材を構成する材料の線膨張係数と同等もしくは大きいものとすることにより、上述した反りの発生という課題を解決したものである。
以下、本実施態様の面発光装置について、説明する。なお、本実施態様は、上記第1実施態様とは、上記反り防止層の配置位置と、上記反り防止層を構成する材料が異なること以外は、上記第1実施態様と同様であるので、反り防止層以外の構成については、説明を省略する。
1,反り防止層
本実施態様における反り防止層は、LED基板の上記封止部材とは反対側の面に配置される層である。
本実施態様においては、上記反り防止層を構成する材料の線膨張係数が、上記封止部材を構成する材料の線膨張係数と同等もしくは大きいものとなる。上記反り防止層を構成する材料の線膨張係数が、上記封止部材を構成する材料の線膨張係数と同等もしくはより大きいものとすることにより、反りを防止できるのは、以下の理由による。
すなわち、面発光装置を製造する場合、封止部材とLED基板とを熱圧着する工程を有するが、熱圧着後の冷却時に封止部材がLED基板より大きく収縮する挙動をとる。この際、上記LED基板の上記封止部材と反対側の面に、線膨張係数が封止部材と同等もしくは大きい反り防止層が配置されているので、上記封止部材側の収縮に対し、反り防止層も収縮するため、LED基板の反りの程度を小さくすることが可能となり、その結果、反りの発生を抑えることが可能となる。
a)線膨張係数
本実施態様においては、上記反り防止層を構成する材料の線膨張係数と、上記封止部材を構成する材料との線膨張係数の差は、大きければ大きい程好ましいが、封止部材に用いられる材料を考慮すると、ある程度制限されたものとなる。したがって、上記線膨張係数の差は、通常は400×10-6/℃以下であり、同等のものであってもよい
なお、本実施態様における同等とは、封止部材を構成する材料の線膨張係数を1とした場合に、0.8以上1.2以下の範囲内、特に0.95以上1.0以下の範囲内の場合をいう。
このような反り防止層を構成する材料の線膨張係数としては、通常300×10-6/℃以上500×10-6/℃以下の範囲内、特に350×10-6/℃以上450×10-6/℃以下の範囲内のものが用いられる。
本実施態様における線膨張係数の測定方法としては、上記第1実施態様で説明した方法と同様の方法により行われる。
b)厚み
本実施態様における反り防止層の厚みとしては、上記封止部材の厚みの25%以上であることが好ましく、特に35%以上、中でも45%以上であることが好ましい。なお、上限は、装置のコンパクト化の概念から、50%以下とされる。上記範囲内であれば、反り防止効果を得ることが可能であり、また装置のコンパクト化の妨げとならない。
c)弾性率
本実施態様に用いられる反り防止層の弾性率は、上記封止部材の弾性率と同等以上であることが好ましい。
具体的には、封止部材の弾性率を1とした場合に、0.8以上であることが好ましく、特に0.9以上であることが好ましい。なお、通常は、2.5以下となる。
また、実際の値としては、35MPa以上であることが好ましく、特に40MPa以上であることが好ましく、中でも85MPa以上であることが好ましい。上記範囲より弾性率が低い場合は、反り防止効果が低減してしまうからである。なお、通常に用いられる材料を考慮すると、300MPa以下となる。
なお、弾性率の測定方法としては、以下に示す引張測定により行われる。
・測定装置:インストロン社製万能材料試験機5565
・ロードセル:1kN
・試料幅:10mm
・チャック間距離:50mm
・速度:300mm/min
d)材料
本実施態様に用いられる反り防止層を構成する材料としては、上記特性を有するものであれば特に限定されないが、中でも封止部材として用いらえる材料と同様のものを用いることができる。
好ましい材料としては、オレフィン系樹脂であることが好ましい。また、オレフィン系樹脂の中でも、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、アイオノマー系樹脂が好ましい。
(2)その他
本実施態様における反り防止層は、上記LED基板と密着していることが好ましい。より反り防止効果を向上させることができるからである。
具体的な密着の程度等については、上記第1実施態様と同等であるのでここでの説明は省略する。
上記反り防止層と上記LED基板とを密着させる方法としては、両者の間に接着層を配置して、接着する方法や、熱圧着させて反り防止層を溶融密着させる方法等を挙げることができる。
III.第3実施態様
本実施態様の面発光装置は、上記第1実施態様における反り防止層に替えて、発泡防止層を用いたものであり、上記発泡防止層の弾性率が、500MPa以上のものである態様、および上記発泡防止層の融点が、140℃以上のものである態様の二つの態様を有する。
従来の面発光装置では、例えば、面発光装置が極端な高温に長時間用いられた場合、上記LED基板と上記封止部材との間に気泡が生じてしまうという課題もあった。これは、加熱により、LED基板から発生するガスに起因する場合や、LED基板上に反射層等が設けられた際にLED基板と反射層等との間にエア噛み等により存在する空気が界面に沿ってにじみ出る等の原因により発生する。
上記封止部材に封止されたLED素子は、上記封止部材とLED素子の発光面が直接接合され、界面での屈折率差が小さくなるため、封止されていないLED素子に比べ光取り出し効率が向上する。しかし、このような気泡が存在すると、上述したような光取り出し効率の向上が得られず、結果として面発光装置の発光効率を低下させるといった不具合が生じてしまう。
本実施態様では、上述した特性を有する発泡防止層を設けることにより、発泡時に生じるであろうと想定される封止部材の表面形状が凸部となる変形を押さえることができる。
これにより、例えばLED基板からガスが発生した場合でも、上記発泡防止層が存在することにより、封止部材に圧力が加わることから、発生したガスが気泡となることを防止することが可能となる。
本実施態様に用いられる発砲防止層の弾性率は、500MPa以上であればよいが、好ましくは1000Mpa以上であり、中でも4000Mpa以上であることが好ましい。
上記範囲より弾性率が低い場合は、気泡発生の抑止効果が低減してしまうからである。
なお、通常に用いられる材料を考慮すると5500MPa以下となる。
本実施態様における発泡防止層の融点は、140℃以上であればよいが、260℃以上であることが好ましい。なお通常用いられる材料等を考慮すると上限は350℃以下である。
本実施態様においては、上述した弾性率を有し、かつ上述した融点を有する発泡防止層を用いることがより好ましい。
なお、上記弾性率および融点の測定方法は、上述した第1実施態様で説明した方法と同様である。
本実施態様に用いられる発泡防止層は、上記反り防止層とは異なり、線膨張係数が所定の範囲内であることを必須とするものではない。しかしながら、発泡防止層が上記第1実施態様における反り防止層の線膨張係数と同様の線膨張係数を有することにより、上記第1実施態様と同様の反り防止効果を得られることから、好ましいものとすることができる。
本実施態様の面発光装置のその他の点は、第1実施態様の面発光装置の反り防止層を発泡防止層と読み替えたものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
B.表示装置
本開示は、表示パネルと、上記表示パネルの背面に配置された、上述の面発光装置を備える、表示装置を提供する。
図11は、本開示の表示装置の一例を示す模式図である。図11に例示するように、表示装置100は、表示パネル31と、表示パネル31の背面に配置された、本開示おける面発光装置1とを備える。
本開示によれば、上述した面発光装置を有することにより、輝度の面内均一性を向上させつつ、薄型化を図ることが可能である。したがって、高品質な表示装置を得ることができる。
1.面発光装置
本開示における面発光装置は、上記「A.面発光装置」の項に記載したものと同様である。
2.表示パネル
本開示における表示パネルとしては、特に限定されるものではなく、例えば、液晶パネルが挙げられる。
C.面発光装置の製造方法
本開示においては、上記第1実施態様の面発光装置の製造方法を提供する。本開示においては、二つの実施形態に分けることができる。
I.第1実施形態
本実施形態の面発光装置の製造方法は、上記面発光装置の第1実施態様に記載された製造方法であって、上記反り防止層、上記封止部材、および上記LED素子が封止部材側となるように配置された上記LED基板がこの順配置された積層体を準備し、上記積層体を熱圧着する工程を有することを特徴とする。
本実施形態においては、まず、上記LED基板、上記封止部材、および上記反り防止層がこの順配置された積層体を準備する。
ここで、上記LED基板、上記封止部材、上記反り防止層については、上記面発光装置の第1実施態様で説明したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
次いで、上記積層体を熱圧着する工程を行う。
本実施形態における熱圧着法としては、これらを熱圧着可能な方法であれば、特に限定されないが、真空ラミネート法、真空パック法、熱ラミネート法等を用いることができる。
本実施形態においては、圧着された上記積層体の上記反り防止層側に拡散部材を配置し、接着剤等を用いて接着することにより、面発光装置を製造することができる。
II.第2実施形態
本実施形態の面発光装置の製造方法は、上記面発光装置の第1実施態様に記載された製造方法であって、上記反り防止層、および上記封止部材が積層された第1積層体を熱圧着する工程と、上記熱圧着された第1積層体の上記封止部材側の面に上記LED素子が封止部材側となるように配置された上記LED基板を配置した第2積層体を熱圧着する工程と、を有することを特徴とする。
本実施形態においては、まず上記反り防止層、および上記封止部材が積層された第1積層体を準備する。次いで、上記第1積層体を、上記第1実施形態と同様の方法により熱圧着する。
次に、熱圧着された第1積層体の上記封止部材側の面に上記LED基板を配置した第2積層体を、上記第1実施形態と同様の方法により熱圧着する。
本実施形態においては、圧着された上記第2積層体の上記反り防止層側に拡散部材を配置し、接着剤等を用いて接着することにより、面発光装置を製造することができる。
D.面発光装置用封止部材シート
本開示の面発光装置用封止部材シートは、以下の二つの態様がある。
1.第1の態様
本態様の面発光装置用封止部材シートは、LED素子を封止するための封止部材と、上記封止部材の片方の面側に配置された反り防止層とが積層されてなり、面発光装置に用いられる面発光装置用封止部材シートであって、上記反り防止層を構成する材料の線膨張係数が、-15×10-6/℃以上10×10-6/℃以下の範囲内であることを特徴とする。
上記面発光装置は、支持基板、および上記支持基板の片方の面側に配置された上記LED素子を有するLED基板と、上記LED基板のLED素子側に配置された上記封止部材と、上記反り防止層と、拡散防止部材と、がこの順に積層されてなるものである。
本態様に用いられる反り防止層は、上記面発光装置の第1実施態様で説明したものと同様である。また、上記LED基板、上記封止部材、上記反射防止部材は、上記面発光装置で説明したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
2.第2の態様
本態様の面発光装置用封止部材シートは、LED素子を封止するための封止部材と、上記封止部材の片方の面側に配置された発泡防止層とが積層されてなり、面発光装置に用いられる面発光装置用封止部材シートであって、上記発泡防止層を構成する材料の弾性率が500MPa以上である形態、および上記発泡防止層を構成する材料の融点が140℃以上である形態の二つの形態を有する。
上記面発光装置は、支持基板、および上記支持基板の片方の面側に配置された上記LED素子を有するLED基板と、上記LED基板のLED素子側に配置された上記封止部材と、上記発泡防止層と、拡散防止部材と、がこの順に積層されてなるものである。
本態様に用いられる発泡防止層は、上記面発光装置の第3実施態様で説明したものと同様である。また、上記LED基板、上記封止部材、上記反射防止部材は、上記面発光装置で説明したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
なお、本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本開示の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示の技術的範囲に包含される。
以下に、封止部材に関する実験例を示し、その後、本開示の実施例および比較例を示し、本開示をさらに詳細に説明する。
A.実験例
(実験例1)
図11に示すように、支持基板2、および発光ダイオード素子3を有する発光ダイオード基板4、封止部材A(厚さ450μm)5、拡散部材A6、波長変換部材9を有する面発光装置1を製造した。封止部材Aのヘイズ値、層構成、密度および波長450nmにおける透過率を表1に示す。下記方法で評価した輝度ムラの評価結果を表2に示す。
使用した部材は以下の通りである。
・発光ダイオード基板
LEDチップ B0815ACQ0(チップサイズ0.2mm×0.4mm、ジェネライツ製)を6mmピッチで支持基板(反射率95%)上に正方配置した。
・拡散部材A(拡散板)
55K3(エンタイア製)
・波長変換部材(QD)
QF-6000(昭和電工マテリアルズ製)
尚、封止部材の厚さおよび表1に示す光学特性は、封止部材シートを、ETFEフィルム(厚み100μm)で挟み込んで、真空ラミネーションにより加熱処理を行った後の封止部材用試料を測定した値である。光学特性の測定は、ETFEフィルムを剥がし、封止部材用試料のみを測定した。真空ラミネート条件は下記の通りとした。
(真空ラミネート条件)
(a)真空引き:5.0分
(b)加圧:0kPaから100kPaに、5秒で変化させた
(c)圧力保持:(100kPa):7分
(d)温度:150℃
(実験例2)
拡散部材Aの代わりに、下記の拡散部材Bを使用した以外は、実験例1と同様に輝度ムラの発生を評価した。結果を表2に示す。
・拡散部材B
第1層としてプリズム面が発光ダイオード素子側に形成されたプリズム構造、第2層として誘電体多層膜を有する第二の拡散部材
(実験例3、4)
封止部材Aの代わりに、表1に示す封止部材B(厚さ450μm)を使用した以外は、実験例1、2と同様に輝度ムラの発生を評価した。
(実験例5、6)
封止部材Aの代わりに、表1に示す封止部材D(厚さ450μm)を使用した以外は、実験例1、2と同様に輝度ムラの発生を評価した。
(対比実験例1、2)
封止部材Aの代わりに、拡散部材と発光ダイオード基板との間にピンを設けた以外は、実験例1、2と同様に輝度ムラの発生を評価した。結果を表2に示す。この際、発光ダイオード素子と拡散部材との間の距離は500μmであった。
(対比実験例3、4)
封止部材Aの代わりに、高透明ポッティングタイプの液状シリコーン組成物を使用したSi硬化物(厚さ450μm)を設けた以外は、実験例1、2と同様に輝度ムラの発生を評価した。結果を表2に示す。
(対比実験例5、6)
封止部材Aの代わりに、表1に示す封止部材C(厚さ450μm)を使用した以外は、実験例1、2と同様に輝度ムラの発生を評価した。結果を表2に示す。
Figure 2024016138000002
[輝度ムラ評価方法]
得られた面発光装置について、2次元色彩輝度計CA2000を用いてLED発光時の輝度を測定し、輝度ムラを評価した。輝度ムラの指標は、ユニフォミティの数値によって以下のように判断した。
[評価基準]
ユニフォミティ=正面輝度の最小値/正面輝度の最大値
A:ユニフォミティ 0.9より大きい
B:ユニフォミティ 0.8以上0.9以下
C:ユニフォミティ 0.8より小さい
Figure 2024016138000003
本開示における面発光装置(実験例1~6)は、輝度ムラの発生を抑制することができた一方で、封止部材Aの代わりにピンを設けた対比実験例1、2、液状Siの硬化物を使用した対比実験例3、4、および、ヘイズ値が低い封止部材Cを使用した対比実験例5、6では、輝度ムラの発生を抑制することができなかった。
B.第1実施態様および第2実施態様の実施例
以下に第1実施態様および第2実施態様の面発光装置に対する実施例を示す。
[実施例B-1]
(封止部材および反り防止層の積層体の形成)
下記のベース樹脂1 100質量部に対して、添加樹脂1(耐候剤マスターバッチ)を5質量部、添加樹脂2(シラン変性ポリエチレン樹脂)を20質量部の割合で混合し、PETフィルム一体型封止部材材を成形するための封止部材用組成物とした。
・ベース樹脂1
密度0.901g/cm、融点93℃、190℃でのMFRが2.0g/10分であるメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂(M-LLDPE)。
・添加樹脂1(耐候剤マスターバッチ)
密度0.919g/cm、190℃でのMFRが3.5g/10分の低密度ポリエチレン系樹脂100質量部に対して、KEMISTAB62(HALS):0.6質量部。
KEMISORB12(UV吸収剤):3.5質量部。KEMISORB79(UV吸収剤):0.6質量部を添加したマスターバッチ
・添加樹脂2(シラン変性ポリエチレン系樹脂)
密度0.898g/cm、MFRが3.5g/10分であるメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂95質量部に対して、ビニルトリメトキシシラン5質量部と、ラジカル発生剤(反応触媒)としてのジクミルパーオキサイド0.15質量部とを混合し、200℃で溶融、混練して得たシラン変性ポリエチレン系樹脂。この添加樹脂2の密度は、0.901g/cm、MFRは、1.0g/10分である。
次に、反り防止層として、膜厚50μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(光学グレード)を用い、これを上述した封止部材用組成物が溶融押出しされたフィルムと圧着することによって一体化して、反り防止層および膜厚300μmの封止部材が積層された反り防止層積層体を形成した。
次いで、真空ラミネーターを用いて、PCB基板と上記反り防止層積層体とのラミネートを実施した。PCB基板は、白塗装、銅、およびガラスエポキシがこの順で積層されたものである。
真空ラミネーターのホットプレート側から、ホットプレート、テフロン(登録商標)コートガラスシート0.3mm、ガラス(厚さ3mm)、離型PET(離型面:上)、ガラスエポキシ面を上記離型PET側とした上記PCB基板、上記封止部材を上記PCB基板側とした反り防止層積層体、離型PET(離型面:下)、ガラス(厚さ3mm)、およびテフロン(登録商標)コートガラスシート0.3mmを積層した状態にて、真空ラミネーターの条件として、130℃、8分の処理条件にて真空加熱ラミネーターでラミネート処理を行った。ラミネート完了後、ガラスシートごと、冷却棚に移動し、約10~15分掛けて冷却処理を行い、第1実施態様の封止部材積層体を得た。上記封止部材積層体を面発光装置とみなして、各種評価を行った。
[実施例B-2]
反り防止層の膜厚を、100μmとした以外は、実施例B-1と同様にして第1実施態様の封止部材積層体を得た。
[実施例B-3]
実施例B-1と同様の封止部材用組成物、実施例B-1と同様のPCB基板を用いた。
まず、上記PCB部材のガラスエポキシ面に、反り防止層として膜厚が160μmとなるように上記封止部材用組成物が溶融押出しされたフィルムを圧着し、次いで、上記PCB部材の白塗装面に、封止部材として膜厚が240μmとなるように上記封止部材用組成物が溶融押出しされたフィルムを圧着し、第2実施態様の封止部材積層体を得た。
[実施例B-4]
封止部材としての膜厚を320μm、反り防止層としての膜厚を80μmとした以外は、実施例B-3と同様にして、第2実施態様の封止部材積層体を得た。
[実施例B-5]
反り防止層として、実施例2とは異なる2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(汎用グレード)を用いた以外は、実施例B-2と同様にして、第1実施態様の封止部材積層体を得た。
[実施例B-6]
上記封止部材積層体を、封止部材と反り防止層をドライラミネート接着剤で接合して作製した以外は、実施例B-1と同様にして封止部材積層体を得た。
ドライラミネート用接着剤の主剤としては、ポリカーボネートウレタン系のものとし、硬化剤の材料としては、イソシアネート系の硬化剤を用いた。また、主剤と硬化剤の配合は10:1とし、主剤、硬化剤を溶剤に溶解させて、それぞれ50質量%(酢酸エチル溶液)とし配合を行った。
上記の主剤と硬化剤からなる2液タイプの接着剤を使用して、ドライラミネートが可能なラミネーターを用い、PETとシート状の封止部材を接合して積層したバックライト用の封止部材積層体を製造した。PETフィルムとしては、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(光学グレード)を用い、このPETフィルムをラミネーターの第1給紙側から繰り出し、PET面に対し接着剤を溶剤酢酸エチルに溶解し、固形分塗布量2~15g/m2(硬化後膜厚2~15μm)となるようにグラビアコートを行ない、70~90℃程度の乾燥フード内にて溶剤を揮発・乾燥させた、接着剤面を作製した。その後、第2給紙から封止部材を繰り出し、ニップロールにて貼合し、PET/接着剤/封止部材の状態に積層後、巻き上げユニットにて巻上げ、封止部材積層体を製造した。また、積層ロール作製後、30~50℃、70~200時間程度のエージング処理をして硬化させた。
[比較例B-1]
上記反り防止層積層体を、膜厚400μmの封止部材とした以外は、実施例B-1と同様にして封止部材積層体を得た。
[比較例B-2]
上記反り防止層として、膜厚100μmのポリカーボネートフィルム(標準グレード)を用いた以外は、実施例B-1と同様にして第1実施態様の封止部材積層体を得た。
[評価法]
(線膨張係数)
5mm×20mmにカットしたシートについて、JISK7197に準拠して昇温後、室温までの降温時の寸法変化を測定し、100℃から25℃での線膨張係数を平均して算出した。ここでの線膨張係数は収縮時には正の値、膨張時には負の値となる。測定は、以下の測定装置及び測定条件により行った。
・測定装置:セイコーインスツルメンツ製熱機械的装置(TMA/SS-6000)
・定荷重引張モード:0.1mN
・測定温度範囲:-50℃~160℃
・線膨張係数算出温度範囲:25℃~100℃
(弾性率)
以下に示す引張測定により行われた。
(測定方法)
・測定装置:インストロン社製万能材料試験機5565
・ロードセル:1kN
・試料幅:10mm
・チャック間距離:50mm
・速度:300mm/min
(融点)
示差走査熱量計(DSC-60 Plus、島津製作所製)を用いてJIS K 7121に準拠した方法により測定した。
(全光線透過率)
JIS K7361-1:1997に準拠する方法により測定した。
(ヘイズ値)
ヘイズメーター(HM-150、Murakami Color Research Laboratory製)を用いてJIS K7136に準拠した方法により測定した。
(反り量)
真空ラミネート直後の各封止部材積層体を、水平面に、常温環境下で24時間以上静置する。その後、角部の水平面から基板下側までの高さをJIS B 7514準拠の鋼製直定規にて測定した。
(発泡試験)
真空ラミネート直後の各封止部材積層体を、JIS C 60068-2-2に準拠して100℃条件下の恒温槽に1000h投入し、発泡の発生有無を観察した。
(輝度ムラ)
実施例B-1~実施例B-6、および比較例B-1~比較例B-2で得られた封止部材積層体の、封止部材側の面に拡散部材を載置し、それぞれに対応する面発光装置を得た。輝度ムラの測定方法、および評価基準は、上記実験例で示したものと同様である。また、拡散部材としては、上記実験例2で用いた拡散部材Bと同じものを用いた。
結果を表3に示す。
Figure 2024016138000004
C.第3実施態様の実施例
次に、第3実施態様の面発光装置に対する実施例を示す。
[実施例C-1]
発泡防止層として、膜厚35μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(光学グレード)を用いた以外は、上記実施例B-1と同様にして第3実施態様の封止部材積層体を得た。上記封止部材積層体を面発光装置とみなして、各種評価を行った。
[実施例C-2]
反り防止層を発泡防止層として用いた以外は、上記実施例B-1と同様にして封止部材積層体を得た。
[実施例C-3]
反り防止層を発泡防止層として用いた以外は、上記実施例B-2と同様にして封止部材積層体を得た。
[実施例C-4]
発泡防止層として、膜厚100μmのランダムポリプロピレンを用いた以外は、上記実施例B-1と同様にして封止部材積層体を得た。
[実施例C-5]
反り防止層を発泡防止層として用いた以外は、上記比較例B-2と同様にして封止部材積層体を得た。
[比較例C-1]
比較例B-1と同様にして封止部材積層体を得た。
[評価法]
弾性率、融点、および発泡試験は、上記「B.第1実施態様および第2実施態様の実施例」と同様にして行った。
結果を、表4に示す。
Figure 2024016138000005
すなわち、本開示においては、以下の発明を提供できる。
[1]発光ダイオード素子を封止するための封止部材と、前記封止部材の片方の面側に配置された反り防止層とが積層されてなり、面発光装置に用いられる面発光装置用封止部材シートであって、前記反り防止層を構成する材料の線膨張係数が、-15×10-6/℃以上10×10-6/℃以下の範囲内である、面発光装置用封止部材シート。
[2]前記封止部材の厚みが、50μm以上800μm以下である、[1]に記載の面発光装置用封止部材シート。
[3]前記封止部材が、熱可塑性樹脂を有する、[1]または[2]に記載の面発光装置用封止部材シート。
[4]前記封止部材が、密度0.870g/cm以上0.930g/cm以下のポリエチレン系樹脂をベース樹脂として有する、[1]から[3]までのいずれかに記載の面発光装置用封止部材シート。
[5]前記封止部材が、コア層と、前記コア層の少なくとも一方の面側に配置されたスキン層とを有する、[1]から[4]までのいずれかに記載の面発光装置用封止部材シート。
[6]前記コア層と前記スキン層とは、ベース樹脂として含まれる熱可塑性樹脂の融点が異なる、[5]に記載の面発光装置用封止部材シート。
[7]前記封止部材は、前記コア層のベース樹脂として、融点が90℃以上120℃以下の熱可塑性樹脂を有する、[6]または[7]に記載の面発光装置用封止部材シート。
[8]前記封止部材における前記コア層は、密度0.900g/cm以上0.930g/cm以下のポリエチレン系樹脂をベース樹脂とし、前記スキン層は、密度0.875g/cm以上0.910g/cm以下であって、前記コア層用のベース樹脂よりも低密度のポリエチレン系樹脂をベース樹脂とする、[5]から[7]までのいずれかに記載の面発光装置用封止部材シート。
[9]発光ダイオード素子を封止するための封止部材と、前記封止部材の片方の面側に配置された発泡防止層とが積層されてなり、面発光装置に用いられる面発光装置用封止部材シートであって、前記発泡防止層を構成する材料の弾性率が、500MPa以上である、面発光装置用封止部材シート。
[10]発光ダイオード素子を封止するための封止部材と、前記封止部材の片方の面側に配置された発泡防止層とが積層されてなり、面発光装置に用いられる面発光装置用封止部材シートであって、前記発泡防止層を構成する材料の融点が、140℃以上である、面発光装置用封止部材シート。
[11]支持基板、および前記支持基板の片側の面側に配置された発光ダイオード素子を有する発光ダイオード基板と、前記発光ダイオード基板の前記発光ダイオード素子側の面に配置され、前記発光ダイオード素子を封止する封止部材と、前記封止部材の前記発光ダイオード基板とは反対側の面に配置された反り防止層と、前記反り防止層の前記発光ダイオード基板とは反対の面に配置された拡散部材と、を有する面発光装置であって、前記封止部材は、ヘイズ値が4%以上であり、厚みが前記発光ダイオード素子の厚みより厚く、前記反り防止層を構成する材料の線膨張係数が、-15×10-6/℃以上10×10-6/℃以下の範囲内である、面発光装置。
[12]支持基板、および前記支持基板の一方の面側に配置された発光ダイオード素子を有する発光ダイオード基板と、前記発光ダイオード基板の前記発光ダイオード素子側の面に配置され、前記発光ダイオード素子を封止する封止部材と、前記封止部材の前記発光ダイオード基板とは反対の面に配置された拡散部材と、前記発光ダイオード基板の前記発光ダイオード素子とは反対側の面に配置された反り防止層と、を有する面発光装置であって、前記封止部材は、ヘイズ値が4%以上であり、厚みが前記発光ダイオード素子の厚みより厚く、前記反り防止層を構成する材料の線膨張係数が、前記封止部材を構成する材料の線膨張係数と同等もしくは大きい、面発光装置。
[13]前記封止部材の厚みが、50μm以上800μm以下である、[11]または[12]に記載の面発光装置。
[14]前記封止部材が、熱可塑性樹脂を有する、[11]から[13]までのいずれかに記載の面発光装置。
[15]前記封止部材が、密度0.870g/cm以上0.930g/cm以下のポリエチレン系樹脂をベース樹脂として有する、[11]から[14]までのいずれかに記載の面発光装置。
[16]前記封止部材が、コア層と、前記コア層の少なくとも一方の面側に配置されたスキン層とを有する、[11]から[15]までのいずれかに記載の面発光装置。
[17]前記コア層と前記スキン層とは、ベース樹脂として含まれる熱可塑性樹脂の融点が異なる、[16]に記載の面発光装置。
[18]前記封止部材は、前記コア層のベース樹脂として、融点が90℃以上120℃以下の熱可塑性樹脂を有する、[16]または[17に記載の面発光装置。
[19]前記封止部材における前記コア層は、密度0.900g/cm以上0.930g/cm以下のポリエチレン系樹脂をベース樹脂とし、前記スキン層は、密度0.875g/cm以上0.910g/cm以下であって、前記コア層用のベース樹脂よりも低密度のポリエチレン系樹脂をベース樹脂とする、[16]から[18]までのいずれかに記載の面発光装置。
[20]表示パネルと、前記表示パネルの背面に配置された、[11]から[19]までのいずれかに記載の面発光装置を備える、表示装置。
[21][11]に記載された面発光装置の製造方法であって、前記反り防止層、前記封止部材、および前記発光ダイオード素子が封止部材側となるように配置された前記発光ダイオード基板がこの順配置された積層体を準備し、前記積層体を熱圧着する工程を有する、面発光装置の製造方法。
[22][11]に記載された面発光装置の製造方法であって、前記反り防止層、および前記封止部材が積層された第1積層体を熱圧着する工程と、前記熱圧着された第1積層体の前記封止部材側の面に前記発光ダイオード素子が封止部材側となるように配置された前記発光ダイオード基板を配置した第2積層体を熱圧着する工程と、を有する、面発光装置の製造方法。
1、10 … 面発光装置
2 … 支持基板
3 … LED素子
4 … LED基板
5 … 封止部材
6 … 拡散部材
7 … 反り防止層
100 … 表示装置

Claims (1)

  1. 発光ダイオード素子を封止する封止部材と、
    前記封止部材上に配置され、線膨張係数が、-15×10-6/℃以上10×10-6/℃以下の範囲内である、反り防止層と、
    を有する、面発光装置用封止部材シート。
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