JP2024013507A - オゾン水処理システム及び方法 - Google Patents

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Seiichi Murayama
可南子 森谷
Kanako Moriya
竜太郎 牧瀬
Ryutaro Makise
晋弥 松田
Shinya Matsuda
ウルデリコ クラウディオ アントニオ スパダベッキヤ
Antonio Spa Dabekkya Uruderiko Claudio
祐之 安井
Sukeyuki Yasui
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Abstract

【課題】流入水質の変動などの対象となる水処理システムに変化があった場合も安定した処理水質を維持することのできるオゾン水処理システムを提供する。【解決手段】実施形態のオゾン水処理システムは、原水が導入される処理槽と、処理槽内に設置され、処理槽内を流れる被処理水にオゾンを注入して接触させるオゾン注入部と、処理槽への導入前の原水の特性値を測定する原水測定部と、原水測定部の測定結果、オゾン注入部によるオゾン注入量に基づき、被処理水がオゾンと接触した後の処理水の特性値の予測値を算出する処理水予測部と、処理水の特性値の制御目標値、処理水予測部の予測値及び原水測定部の測定結果に基づき、予測値と制御目標値との差が所定の閾値以下とするために必要なオゾン注入量を算出するオゾン注入量算出部と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、オゾン水処理システム及び方法に関する。
従来、上水、下水、産業排水、プールなどの分野で、水中の有機物の酸化分解、殺菌、脱臭等の処理のためにオゾンが用いられている。
オゾンは強い酸化力を有しており、処理対象の物質を酸化分解する役割を担う。
例えば、水道水を作る浄水場ではカビ臭対策やトリハロメタン対策としてオゾンを利用した高度浄水処理が用いられているところがある。国内のみでなく国外の浄水場でも採用されている処理方法である。オゾンは圧縮空気や酸素を原料とし放電により発生させる手法が一般的で、処理対象水へ供給するオゾンの量を増やすには放電の電力を高めてオゾンの発生量を高めることになる。従って、過剰なオゾン注入は電気代コスト上昇につながるため、オゾン供給量は適切な量に制御されるのが望ましい。
オゾン供給量を適切に制御する方法として、オゾンを利用した高度浄水処理では処理水の溶存オゾン濃度が一定に保たれるようにオゾン供給量をフィードバック制御する方法がある。この方法は、オゾンが被処理水中に添加されると水中に溶け込み溶存オゾンとなり、水中の処理対象物質と反応する。オゾン添加量を多くすると処理対象物質との反応に使われなかった溶存オゾンは水中に残る。処理水中の溶存オゾン濃度がある一定値以上になるようオゾンを添加することで、処理対象物質の分解をある程度進めることができると見做し、オゾン添加後の水中の溶存オゾン濃度が一定となるようにオゾン添加量を制御する方法である。
特開2006-272080号公報
ところで、オゾンを用いた水処理において、フィードバック制御のみで制御する場合には、原水水質の変動に伴うオゾン消費量の変動が処理水に現れたことを計測器により把握し、フィードバック制御により徐々にオゾン注入量を変更してオゾンの過不足を解消して制御目標値に近づけるようにしていた。
この場合、原水水質の変動に伴うオゾン消費量の変動が処理水に現れる迄には、時間がかかるため、制御目標値からのズレが大きくなる時間帯が発生し、目標値付近で安定するまでの時間を長く要していた。
また、フィードバック制御の目標値を変更した場合も、フィードバック制御のみだと、上記と同様に目標値を変更した時点での現在値とのズレ(偏差)を小さくするようにフィードバック制御が働き目標値に近づけるよう作用するが、目標値付近で安定するまでの時間は長くなる。目標値の変更幅を大きくするほどその到達時間は長くなってしまう。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、流入水質の変動などの対象となる水処理システムに変化があった場合も安定した処理水質を維持することのできるオゾン水処理システムを提供することを目的とする。
実施形態のオゾン水処理システムは、原水が導入される処理槽と、処理槽内に設置され、処理槽内を流れる被処理水にオゾンを注入して接触させるオゾン注入部と、処理槽への導入前の原水の特性値を測定する原水測定部と、原水測定部の測定結果、オゾン注入部によるオゾン注入量に基づき、被処理水がオゾンと接触した後の処理水の特性値の予測値を算出する処理水予測部と、処理水の特性値の制御目標値、処理水予測部の予測値及び原水測定部の測定結果に基づき、予測値と制御目標値との差が所定の閾値以下とするために必要なオゾン注入量を算出するオゾン注入量算出部と、を備える。
図1は、第1実施形態のオゾン水処理システムの概要構成ブロック図である。 図2は、第2実施形態のオゾン水処理システムの概要構成ブロック図である。 図3は、第3実施形態のオゾン水処理システムの概要構成ブロック図である。 図4は、第4実施形態のオゾン水処理システムの概要構成ブロック図である。
次に図面を参照して好適な実施形態について詳細に説明する。
[1]第1実施形態
以下、第1実施形態のオゾン水処理システムを、図面を参照して説明する。
第1実施形態のオゾン水処理システムは、上水、下水のいずれの処理に適用してもよいが、本実施形態では、浄水場における上水の浄化処理を例として説明する。
図1は、第1実施形態のオゾン水処理システムの概要構成ブロック図である。
第1実施形態のオゾン水処理システム10は、図1に示すように、処理槽11と、オゾン注入部12と、処理水測定部13と、原水測定部14と、処理水予測部15と、オゾン注入量算出部16と、制御部17と、を備えている。
以下の説明においては、処理対象の水について、処理層11に導入される前を「原水」、処理槽11内にある場合を「被処理水」、処理層11から導出された後を「処理水」と表記するものとする。
処理槽11は、原水が導入され、オゾンによる処理がなされる。
オゾン注入部12は、オゾンを生成し、処理槽11内の被処理水にオゾンを注入して被処理水にオゾンを接触させる。
処理水測定部13は、処理槽11内においてオゾンの接触開始時後から接触終了時前の間の被処理水の特性値、または処理槽11から導出される処理水の特性値を測定する。
この場合において、計測される特性値は、処理水測定部13として、具体的にどのような測定手段を用いるかによって定まる。第1実施形態の処理水測定部13は、溶存オゾン濃度計である。したがって、制御部17に出力される特性値は、溶存オゾン濃度となっている。
測定方式としては、紫外線吸収方式、角膜ポーラログラフ方式、ガルバニセル方式等が挙げられる。
原水測定部14は、処理槽11に導入される原水の特性値を測定する。
原水測定部14も、処理水測定部13と同様に、計測される特性値は、原水測定部14として、具体的にどのような測定手段を用いるかによって定まる。第1実施形態の原水測定部14は、蛍光光度計である。したがって、制御部17に出力される特性値は、蛍光強度となっている。
蛍光光度計は、測定対象の水に励起光を照射して蛍光強度を測定する。水道プロセスでは自然由来の有機物(フルボ酸様有機物などと言う)に相当する蛍光強度として、励起光320~360nmに対する蛍光420~460nmであれば概ね近い値を示すが、好ましくは、励起光(波長345nm付近)に対する蛍光(波長425nm付近)強度を測定するのがよい。この蛍光強度は、有機物濃度の代表指標E260(吸光度)、TOC、トリハロメタン生成能などと相関がある。
処理水予測部15は、原水測定部14の測定結果、オゾン注入部12によるオゾン注入量に基づき、処理槽11から導出される処理水の特性値(実際には、処理水測定部13の測定点における特定値)の予測値を算出する。
より詳細には、原水測定部14の測定結果に対応する処理水測定部13の測定結果(過去の処理水測定部13の測定結果、原水測定部14の測定結果に対するオゾン注入量)、温度(水温、気温)、原水導入量等に基づいて、被処理水の特性値の予測値を算出する。
オゾン注入量算出部16は、処理水予測部15で算出する予測値を制御目標値と同値にするために必要なオゾン注入部12によるオゾン注入量を算出する。
制御部17は、オゾン注入量算出部16が算出したオゾン注入量OIRに基づき、処理水測定部13の測定結果が制御目標値と同値になるように、オゾン注入部12によるオゾン注入量を制御する。
以下、より詳細にオゾン水処理システム10の構成について説明する。
処理槽11は、内部に導入され、内部を通過する被処理水にオゾンを接触させるための槽である。本実施形態の処理槽11は、2つの分割処理槽11A、11Bに分けられており、各分割処理槽11A、11Bにおいて被処理水にオゾンを接触させるように構成されている。
より具体的に、処理槽11には、原水が流入する流入部11aと、処理水が流出する流出部11bとが設けられている。
そして、2つの分割処理槽11A、11Bの間には接続流路11cが設けられている。接続流路11cは、隔壁11dによって分割処理槽11A、11Bから区画されている。流入部11aから処理槽11に導入された原水は、被処理水として分割処理槽11A、接続流路11c及び分割処理槽11Bを経て、流出部11bから処理槽11の外部に処理水として流出される。
処理槽11では、被処理水中において供給されたオゾンが水中に溶け込み、被処理水中の処理対象物質の分解反応に使われる。
オゾン注入部12は、処理槽11内に設置されている。
第1実施形態では、図1に示すように、2つの分割処理槽11A、11Bのそれぞれに、オゾン注入部12が設置されている。
オゾン注入部12は、例えば、散気管、散気板またはインジェクタのように気泡状の気体を被処理水中に導入可能な導入部12aを備えている。
オゾン注入部12の導入部12aは、各分割処理槽11A、11Bの底部に設置されている。
そして、オゾン注入部12のオゾン発生器12bから導入管12cを介してオゾンを含む気泡が各分割処理槽11A、11B内を上昇する際に被処理水に接触するようになっている。
この場合において、オゾン発生器12bは、制御部17の制御下にあり、制御部17が出力したオゾン発生指令OGCによって、オゾン注入部12による被処理水へのオゾンの注入量が制御される。
これらの結果、オゾン注入部12の導入部12aが2つの分割処理槽11A、11Bに設置されているため、被処理水は、分割処理槽11Aにおいてオゾンと接触し、次いで、分割処理槽11Bにおいても再び(接触前の)高濃度のオゾンと接触する。このように、処理槽11内では2度に渡って被処理水に高濃度のオゾンが接触する機会が設けられているので、より確実に処理がなされる。
この場合において、被処理水の導入に伴う流れの発生、オゾンの導入に伴う対流の発生等により、分割処理槽11A、11Bのそれぞれにおいて、被処理水とオゾンの撹拌が行われ、均一化がなされるので、処理槽11内の被処理水が導入された領域のいずれにおいても、被処理水に導入されたオゾンと均一に接触がなされることとなる。
処理水測定部13は、処理槽11から導出される処理水の流れる流出部11bを構成する流路に設置されている。処理水測定部13は、被処理水の処理後の特性値(溶存オゾン濃度)、すなわち、処理水の測定値を測定するように溶存オゾン濃度計として構成されており、処理水測定部13は、水中に溶解しているオゾン(溶存オゾンまたは残留オゾン)の濃度を測定し、特性値として、制御部17に送出する。
ところで、処理水測定部13の測定点を流出部11bではなく、処理水測定部13が被処理水の特性値を処理槽11内で測定を行う場合、流入部11aの後段~接続流路11cの範囲内に設けることが好ましい。
ただし、処理水測定部13を導入部12aの直上等の導入直後のオゾンを含む気泡が供給される位置に設置すると、オゾンを含む気泡が特性値測定の障害になるため、処理水測定部13は導入部12aから十分に離間し、オゾンを含む気泡が特性値測定の障害とならない位置に設置することが好ましい。
また、処理水測定部13の測定点を接続流路11cに設置する場合には、分割処理槽11B側のオゾン導入量は、フィードフォワード制御により設定される。
そして、処理水測定部13を接続流路11cに設置することで、処理水測定部13によってオゾンに接触中の被処理水の特性値を測定できる。オゾンの接触終了時後の処理水の特性値ではなく、オゾンに接触中の被処理水の特性値を測定することで、フィードバック制御の時間遅れを短くすることができるなどのメリットが得られる。
原水測定部14の測定点は、処理槽11の外部であって流入部11aよりも上流側に設置されており、処理槽11に導入される前の原水の特性値を測定する。測定された特性値は、処理水予測部15及びオゾン注入量算出部16に原水測定結果MR1として送られる。
第1実施形態の処理水測定部13及び原水測定部14によって計測される特性値は、処理水測定部13あるいは原水測定部14として具体的にどのような測定手段を用いるかによって定まる。
上述したように、第1実施形態の処理水測定部13は溶存オゾン濃度計であり、原水測定部14は蛍光光度計である。
処理水予測部15は、原水測定部14の測定結果、オゾン注入条件、処理流量などの運転条件を含む予測用パラメータPMに基づき処理水の特性値の予測値を算出する。
第1実施形態における予測用パラメータPMとしてのオゾン注入条件とは、オゾンガス濃度及びオゾンガスの供給流量(以降、オゾン散気流量とする)である。
ここで、オゾンガス濃度は、オゾン発生装置で発生させた気体中のオゾンの量の割合で、例えばg/mの単位で示される。
また、オゾン散気流量は、基準状態(20℃、1気圧)換算の体積流量(例えば、単位L/min)で示す。
予測用パラメータPMとしての処理流量などの運転条件とは、処理水の流量、水温、pH等である。
また、他に計算に必要な予測用パラメータとして、処理槽11の水深、断面積が用いられる。
そして、処理水予測部15は、処理槽11を深さ方向に所定の領域を区切り、各領域内を完全混合槽と仮定してオゾンガスの溶け込みを演算しオゾン溶解量を算出(気相演算)する。
そして処理水予測部15は、溶解したオゾンと水中のオゾン消費物質との反応を演算してオゾン消費物質の変化、溶解したオゾン量の変化を算出する(液相演算)。
第1実施形態では、例えば、処理槽11の深さを5mと想定し、分割処理槽11A、11Bを深さ方向に1mで複数(本例では、5個)の領域に区切る。
この場合において、水の流れは下降流、オゾンの流れは上昇流の対向流となるので、液相演算は深さ方向に区切った上の領域の演算結果が下の領域の流入条件となり、気相演算では下の領域の演算結果が上の領域の流入条件となる。
処理水予測部15は、気相演算及び液層演算を行っている。
気相演算では、処理水予測部15は、オゾンの総括物質移動係数とホールドアップ率を用いて、一般的な気体の溶解速度式を用いてオゾンガスの溶け込みを演算しオゾン溶解量を算出している。
また、液相演算では、処理水予測部15は、気相演算で算出した液相のオゾン濃度(溶存オゾン濃度)と、オゾン消費物質の濃度の1次反応として、溶存オゾン濃度とオゾン消費物質の濃度変化を算出している。この時、同時にオゾンの自己分解も1次反応として算出している。
このように、処理水予測部15は、処理槽11内を複数の領域に分け、速度式を用いて演算することで時間遅れの情報を加味した結果を得ることができる。
そして、処理水予測部15は、流入条件を変化させることで現在よりも先の時刻の予測値を算出する。
処理水予測部15は、流入条件については、例えば、原水測定部14の測定結果の現在値と、1分前~30分前の測定結果(=1分前の測定結果、2分前の測定結果、……、29分前の測定結果、30分前の測定結果)を用い、現在値から先の流入条件を予測する。
そして、処理水予測部15は、得られた流入条件の予測値を時間と共に流入条件として入力して演算を行う。
この場合において、流入条件の予測方法は、限定しないが、例えば1分毎の上昇率(%)、または下降率(%)のパターンを複数準備しておき、選択した上昇率あるいは下降率で上昇あるいは下降するものとして演算を行うようにしてもよい。
例えば、下降率=-15、-8、-4、-2、-1とし、上昇率=0、+1、+2、+4、+8、+15、とした場合に、原水測定部14の測定結果の現在値と、1分前~30分前までの測定結果を用いて、下降率または上昇率を自動で選択する。上昇率=+1(%)を選択した場合、現在値以降は1分毎に現在値に対して+1%ずつプラスした値を測定結果の将来値(予測値)とする。
オゾン注入量算出部16は、原水測定部14の測定結果、制御目標値(溶存オゾン濃度)TGO、処理水予測部15で算出した処理水の特性値(溶存オゾン濃度)の予測値に基づき、特性値(溶存オゾン濃度)の予測値が制御目標値(溶存オゾン濃度)と同値となるようなオゾン注入条件を予め定めた将来の時刻まで(例えば、30分後や60分後など)算出する。
具体的には、オゾン注入量算出部16は、仮のオゾン注入条件を処理水予測部15へ送り、処理水予測部15から処理水の特性値(溶存オゾン濃度)の予測値を受け取る。
第1実施形態では、オゾン注入条件のうちオゾン散気流量は実測値を使用し、処理水予測部15へ送る条件はオゾンガス濃度である。
この場合において、処理水の特性値(溶存オゾン濃度)の予測値>制御目標値(溶存オゾン濃度)TGOの場合は、処理水予測部15の算出した処理水の特性値(溶存オゾン濃度)の予測値を小さくする必要がある。
このため、オゾン注入条件のオゾンガス濃度を小さくし、処理水予測部15に送り、改めて処理水予測部15から処理水の特性値(溶存オゾン濃度)の予測値を受け取る。処理水予測部15に送るオゾン注入条件のオゾンガス濃度は、前回値に対し、実際に変更可能な最小単位(0.1g/m3など)とする。
そして、予め定めた将来の時刻まで処理水の特性値(溶存オゾン濃度)の予測値<制御目標値(溶存オゾン濃度)となるまで、予め定めた将来の時刻までのオゾン注入条件のオゾンガス濃度を小さくする処理を繰り返し、処理水予測部15の処理水の特性値(溶存オゾン濃度)の予測値PRと、制御目標値(溶存オゾン濃度)TGOと、の差が最も小さくなるオゾンガス濃度は、オゾン注入量算出部の出力として制御部17に送られる。
繰り返しの演算処理を行うため、その演算時間を考慮して制御部17への出力タイミングは10秒~10分程度とする。浄水場などでは処理槽11の滞留時間は10分~30分あり、上述した出力タイミングは問題ないと考えられる。
次の出力タイミングに向けてオゾン注入量算出部16では新たな演算を行うが、原水測定部14の測定結果、制御目標値(溶存オゾン濃度)TGOは、最新の実測値、設定値を用いる。
制御部17では、処理水測定部の測定結果である処理水測定結果MR2と、制御目標値(溶存オゾン濃度)TGOと、の差が所定閾値以下(理想的には、0)となるようオゾン注入量をフィードバック制御する。
第1実施形態では、制御部17は、PI制御、またはPID制御とする。
そして、制御部17は、処理水予測部15の予測結果である予測値PRと、制御目標値(溶存オゾン濃度)と、の差及びその差の変化量に応じてオゾン注入量の差分を本フィードバック制御により算出し、オゾン発生器12bを制御すべく、オゾン注入量として出力する。算出したオゾン注入量の差分は、オゾン注入量の前回値にプラス(またはマイナス)して、オゾン発生器から注入される。
第1実施形態では、制御部17は、オゾン注入量の前回値の代わりに、オゾン注入量算出部16で算出したオゾン注入量OIRを用いる。
以上の説明のように、第1実施形態によれば、原水水質の変動やフィードバック制御の目標値の変更など水処理システムに変化があった場合でも、時間変化を考慮しながら適切なオゾン注入をおこなうことができ、安定した処理水質を維持するオゾン水処理システムを提供できる。
[2]第2実施形態
次に第2実施形態について説明する。
図2は、第2実施形態のオゾン水処理システムの概要構成ブロック図である。
図2において、図1の第1実施形態と同様の部分には、同一の符号を付すものとする。
第2実施形態が第1実施形態と異なる点は、制御部17Aにオゾン注入量算出部16が算出したオゾン注入量OIRが入力される代わりに、オペレータに各種情報を表示する表示部21に出力され、オペレータは、表示部21に出力されたオゾン注入量算出部16が算出したオゾン注入量OIRに基づいて操作入力部22を介してオゾン発生器に対してオゾン発生量をマニュアルで指示するように構成した点である。
すなわち、オゾン注入量算出部16が算出したオゾン注入量OIRがオペレータに各種情報を表示する表示部21に出力されると、表示部21は、オゾン注入量OIRを表示することとなるので、オペレータは、表示部21に出力されたオゾン注入量OIRに基づいて操作入力部22を介してオゾン発生器12bに対してオゾン発生量指示データOGCMをマニュアルで入力する。
この結果、オゾン発生器12bは、オゾン発生量指示データOGCMにより指示された量のオゾンを発生させて供給することとなる。
本第2実施形態においては、オゾン注入量算出部16の出力をオペレータが確認し、原水水質が急激に変動した場合や、オペレータによる制御目標値の変更時など制御部17Aによるフィードバック制御のみでは処理水予測部15の予測結果である予測値PRと、制御目標値TGOと、の差が大きくなりそうな場合に、オゾン注入量を手動設定に切替えて迅速に対応するようにしている。
以上の説明のように、第2実施形態によれば、原水水質の急激な変動やフィードバック制御目標値のオペレータ等による変更など水処理システムに大きな変化があった場合でも、当該変化に迅速に対応しつつ、変動が所定範囲内に収まった後には、時間変化を考慮しながら適切なオゾン注入をおこなうことができ、安定した処理水質を維持するオゾン水処理システムを提供できる。
[3]第3実施形態
次に第3実施形態について説明する。
図3は、第3実施形態のオゾン水処理システムの概要構成ブロック図である。
図3において、図2の第2実施形態と同様の部分には、同一の符号を付すものとする。
第3実施形態が第2実施形態と異なる点は、オゾン注入量算出部16が算出したオゾン注入量OIRが制御部17Bに入力され、制御部17Bがオゾン注入量算出部の出力をそのままオゾン発生器の注入量として制御する点と、処理水予測部15の予測結果である予測値PRと、制御目標値TGOと、の差が大きくなりそうな場合には、オゾン注入量を手動設定に切替えて対応する点である。
また、本実施形態の第3の例では、制御部を有していない。本例では、オゾン注入量算出部の出力を人が確認し、オゾン注入量を手動で設定する。
すなわち、本第3実施形態においては、通常は、第1実施形態と同様に、制御部17Bがオゾン発生器の制御を行う。
そして、第2実施形態と同様に、原水水質が急激に変動した場合や、オペレータによる制御目標値の変更時など制御部17Bによるフィードバック制御のみでは制御に遅れが生じる可能性が高い場合、オゾン注入量を手動設定に切替えるようにしている。
すなわち、処理水予測部15の予測結果である予測値PRと、制御目標値TGOと、の差が大きくなりそうな場合に、オゾン注入量を手動設定に切替えてオペレータにより迅速に対応するようにしているのである。
この場合に、オペレータは、操作入力部22を介してオゾン発生器12bに対してオゾン発生量指示データOGCMをマニュアルで入力するので、オゾン発生器12bは、オゾン発生量指示データOGCMにより指示された量のオゾンを発生させて供給することとなる。
以上の説明のように、第3実施形態によれば、原水水質の急激な変動やフィードバック制御目標値のオペレータ等による変更など水処理システムに大きな変化があった場合でも、当該変化に迅速に対応しつつ、変動が所定範囲内に収まった後には、時間変化を考慮しながら適切なオゾン注入をおこなうことができ、安定した処理水質を維持するオゾン水処理システムを提供できる。
以上説明したように本実施形態のオゾン水処理システム10によれば、原水水質の変動やフィードバック制御の目標値の変更など水処理システムに変化があった場合でも、時間変化を考慮しながら適切な注入をおこなうことができ、安定した処理水質を維持するオゾン水処理システムを提供できる。
[4]第4実施形態
次に第4実施形態について説明する。
図4は、第4実施形態のオゾン水処理システムの概要構成ブロック図である。
図4において、図1の第1実施形態と同様の部分には、同一の符号を付すものとする。
第4実施形態が第1実施形態と異なる点は、制御部17を備えていない点と、オペレータに各種情報を表示する表示部21に出力され、オペレータは、表示部21に出力されたオゾン注入量算出部16が算出したオゾン注入量OIRに基づいて操作入力部22を介してオゾン発生器に対してオゾン発生量をマニュアルで指示するように構成した点である。
すなわち、本第4実施形態においては、処理水予測部15の出力した予測結果に基づいてオゾン注入量算出部16が出力した結果をオペレータが確認し、処理水予測部15の予測結果である予測値PRと、制御目標値TGOと、の差が大きくなりそうな場合に、オゾン注入量を手動で設定するので、確実に安定した処理水質を維持することができる。
以上の説明のように、第4実施形態によれば、原水水質の変動やオペレータ等による変更など水処理システムに変化があった場合でも、当該変化に迅速に対応しつつ、時間変化を考慮しながら適切なオゾン注入をおこなうことができ、安定した処理水質を維持するオゾン水処理システムを提供できる。
以上の説明においては、原水測定部14が測定する特性値が、蛍光強度である場合を例として説明したが、原水測定部14が測定する特性値が紫外線吸光度等の水中有機物質(水中有機汚濁物質)の吸光度であるように構成することも可能である。
この場合において、吸光度は、化学的酸素要求量(COD)、生物化学的酸素要求量(BOD)と相関性を有している。
以上の説明においては、処理水測定部13が測定する特性値が、溶存オゾン濃度である場合を例として説明したが、原水測定部14と同様に、蛍光強度または吸光度で有るように構成することも可能である。
本実施形態のオゾン水処理システム10の制御部17、17A、17Bは、例えば、MPUなどの制御装置と、ROM(Read Only Memory)やRAMなどの記憶装置と、SSD、HDD、CDドライブ装置などの外部記憶装置と、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成とされる。
本実施形態のオゾン水処理システム10の制御部17、17A、17Bで実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、DVD(Digital Versatile Disk)、USBメモリ装置等の半導体記憶装置等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
また、本実施形態のオゾン水処理システム10の制御部17、17A、17Bで実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態のオゾン水処理システム10の制御部17、17A、17Bで実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
また、本実施形態のオゾン水処理システム10の制御部17、17A、17Bのプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10 オゾン水処理システム
11 処理槽
11A 分割処理槽
11B 分割処理槽
11a 流入部
11b 流出部
11c 接続流路
11d 隔壁
12 オゾン注入部
12a 導入部
12b オゾン発生器
12c 導入管
13 処理水測定部
14 原水測定部
15 処理水予測部
16 オゾン注入量算出部
17、17A、17B 制御部
21 表示部
22 操作入力部
MR1 原水測定結果
MR2 処理水測定結果
OGC オゾン発生指令
OGCM オゾン発生量指示データ
PR 予測値
TGO 制御目標値

Claims (7)

  1. 原水が導入される処理槽と、
    前記処理槽内に設置され、前記処理槽内を流れる被処理水にオゾンを注入して接触させるオゾン注入部と、
    前記処理槽への導入前の前記原水の特性値を測定する原水測定部と、
    前記原水測定部の測定結果、前記オゾン注入部によるオゾン注入量に基づき、前記被処理水が前記オゾンと接触した後の処理水の特性値の予測値を算出する処理水予測部と、
    前記処理水の特性値の制御目標値、前記処理水予測部の予測値及び原水測定部の測定結果に基づき、前記予測値と前記制御目標値との差が所定の閾値以下とするために必要な前記オゾン注入量を算出するオゾン注入量算出部と、
    を備えたオゾン水処理システム。
  2. 前記オゾン注入量に基づき前記オゾン注入部によるオゾン注入量を制御する制御部を備えた、
    請求項1に記載のオゾン水処理システム。
  3. 前記被処理水が前記オゾンと接触した後の処理水の特性値を測定する処理水測定部と、
    前記処理水測定部の測定結果と、前記制御目標値と、の差が所定の閾値以下となるように、前記オゾン注入部によるオゾン注入量を制御する制御部と、
    を備えた請求項1に記載のオゾン水処理システム。
  4. 前記原水測定部が測定する特性値が、蛍光強度または吸光度の少なくともいずれかである、
    請求項1に記載のオゾン水処理システム。
  5. 前記処理水測定部が測定する特性値が、蛍光強度、吸光度及及び溶存オゾン濃度のうち、少なくともいずれかである、
    請求項3に記載のオゾン水処理システム。
  6. 前記制御目標値の特性値は、蛍光強度、吸光度及び溶存オゾン濃度のうち、いずれかである、
    請求項1に記載のオゾン水処理システム。
  7. 原水が導入される処理槽を備えたオゾン水処理システムで実行される方法であって、
    前記処理槽内を流れる被処理水にオゾンを注入して接触させるオゾン注入過程と、
    前記処理槽への導入前の前記原水の特性値を測定する原水測定過程と、
    前記原水測定過程における測定結果、前記オゾン注入過程におけるオゾン注入量に基づき、前記被処理水が前記オゾンに接触した後の処理水の特性値の予測値を算出する処理水予測過程と、
    前記処理水の特性値の制御目標値、前記処理水予測過程における予測値及び原水測定過程における測定結果に基づき、前記予測値と前記制御目標値との差が所定の閾値以下とするために必要な前記オゾン注入量を算出するオゾン注入量算出過程と、
    を備えた方法。
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