JP2024012932A - 地盤改良を伴う杭基礎及びその施工方法 - Google Patents

地盤改良を伴う杭基礎及びその施工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 軟弱地盤において、簡易であって環境負荷が少なく、かつ均一な支持力が得られる方法で構築できる太陽光パネル設備などの軽量構造物の杭基礎及びその施工方法を提供する。【解決手段】 スクリュー杭と、軟弱地盤を充填材で置き換えた改良地盤とで構成される杭基礎の施工方法であって、掘削孔を形成する工程と、充填材を投入する工程と、スクリュー杭を掘削孔に貫入しつつ充填材を押し下げながら軟弱地盤に押し出す工程と、スクリュー杭を引き出す工程を所定の支持力が得られるまで繰り返す施工方法によって杭基礎を構築する。【選択図】図1

Description

本発明は、簡易な方法により軟弱地盤を充填材で置き換えつつスクリュー杭を貫入して構築された杭基礎及びその施工方法に関するものである。
従来、構造物の基礎として一般的に用いられてきたものとして現場打ちの鉄筋コンクリートによるベタ基礎や布基礎がある。また、プレキャストコンクリート製の置き基礎を用いることもある。
このべた基礎や布基礎を構築する場合には、床堀り、鉄筋・型枠の建込み、コンクリートの打設、仕上げ、養生、型枠撤去、埋戻しといった複数の工程が必要となるため施工期間が長期化し、施工費用もかさむ。また、置き基礎の場合、その重量だけで上部構造物に強風などが作用した場合に生じる引張り力に抵抗しなければならないため、断面が大きなものとなり、その結果、搬入効率が悪く施工性もよくない。さらにはこれらコンクリート基礎を撤去するには、重機などで破砕した後に産業廃棄物として処理する必要があり環境面での課題が残る。
これに対し近年、コンクリート基礎に代わって地面に設置する野立て太陽光パネル設備などの軽量構造物を構築する場合の基礎としてスクリュー杭が用いられる事例が多くなっている。
このスクリュー杭は、先がテーパー状をしており直径が10cm前後で杭長が1m~4m程の鋼管であって、その周面に先端付近から杭長の2/3程度まで螺旋状に羽根が形成され、杭頭には杭打機や上部構造物と接合するためのフランジが形成されているものもあり、全体的に螺子のような形状をしている杭である。
このスクリュー杭は打撃貫入はせず、地盤中に回転させながら貫入させてその回転により生じる推進力を利用して地盤中に埋設され、杭周面と地盤界面の摩擦抵抗力により上部構造物から伝達される荷重を支持するといった比較的簡易な方法により構築できるものである。
そのため、多くの軽量構造物の基礎として用いられ、貫入深さは 1m~4m程度の浅い層に貫入されている。
このスクリュー杭は硬質地盤や岩盤を除き事前に杭孔を掘削せずに直接、スクリュー杭を地盤に回転貫入させて埋設するものである。そのため螺子構造であるスクリュー杭を回転させながら貫入したり抜き取ったりするため貫入時や抜取り時に生じる杭周面と杭孔壁との間の摩擦抵抗が軽減されるので杭孔壁を乱さずに施工することができる。
また、スクリュー杭の周面に螺旋状の羽根が形成されているため、該羽根によるいわゆるアンカー効果によりスクリュー杭に大きな引抜抵抗を持たせると共に該羽根によって貫入時に土が押し下げられながら杭の側方へ押し出されて杭周辺の地盤をせん断変形させつつ圧縮させて周辺地盤を圧密にして支持力を高める作用を有している。
また、コンクリート基礎を施工するときのような複数の作業工程や養生期間を必要としないため、施工期間が短く、経済性にも優れている。
また、スクリュー杭は小型機械で施工できるため、大型の重機が搬入できない傾斜地、狭隘地、天井高が低い場所においても埋設することができる。
また、原状回復を行う際に、スクリュー杭を逆回転することで容易に抜き取ることができるので再生資源としてリサイクルができ、地盤も荒らさないので撤去後の整地が容易であり、環境面や経済性に優れている。
このような多くのメリットがあるため多くの現場でスクリュー杭が利用されているのが実情である。
しかし、スクリュー杭の支持機構は杭先が支持層まで達しないため先端支持力を考慮せずに杭周面と地盤界面に生ずる摩擦抵抗力のみで鉛直荷重、引抜き荷重及び水平荷重を支持しなければならない。
そのため、地層が泥土や腐植土などの土地、沼・水田・湿地・谷・海岸などの埋立地、造成地、盛土地など、地盤が緩い場所にスクリュー杭を埋設する場合、杭周面と地盤界面に十分な摩擦抵抗力が生じず、スクリュー杭が作用する荷重に対して十分な支持力が得られない場合がある。
その結果、上部荷重による圧密沈下や不同沈下を起こしたり、上部構造物へ風圧荷重が作用したときにスクリュー杭が引き抜かれたりする。さらに軟弱地盤では地震による地盤の揺れは大きいものとなりスクリュー杭に大きな曲げモーメントが発生して杭自体に損壊を生じさせる。
また、スクリュー杭の支持力は、施工品質と地盤の強度に依存するため、施工管理が非常に重要となってくる。しかしながら、スクリュー杭を回転貫入させる際に貫入器具や機械のオペレータが杭に生じる抵抗を感覚的に察知しながら単位時間当たりの回転数を調整したり、引抜きや貫入作業を繰り返したりしながら施工をするといった経験や勘に頼りながら施工をしているため、ときには杭を空回りさせたり、固い地盤や地中に転石などがある場合には杭を斜めに貫入させてしまうことが起こる。このような施工不良の状態で貫入作業を終了してスクリュー杭を埋設してしまうと周辺摩擦力が低減され所定の支持力を得ることができなくなる。
その結果、施工の品質にバラつきを生じさせたままの杭基礎上に太陽光パネル設備その他構造物の架台を設置すると、倒壊したり沈下するおそれが生じる。
そこで杭周辺の軟弱地盤を改良して支持力を高めた杭基礎を施工する方法が特許文献1から4において開示されている。
特開昭57-146833号公報 特開1502-363980号公報 特許第6749718号公報 特開1512-219505号公報
上記特許文献1に開示されている節付杭の圧入方法は、中空の節付のコンクリート杭内にオーガを挿通して杭と一体となって先端から水ないし注入硬化材料を射出させて回転掘削させながら圧入し、それによって生じた杭と周辺地盤の空隙に充填補強材を投入し圧入充填する方法であるが、この方法は杭径に相当する範囲のみを充填材で置き換えるものであるに過ぎない。また、特許文献2に開示されている鋼管杭の施工方法は、下端部に掘削螺旋翼を設けた鋼管杭を回転させながら沈設しつつ、杭と周辺地盤との間に形成された空間に砕石等によるドレーン層を形成する方法であるが、この方法は杭に設けられた空間形成部材の範囲のみをドレーン材で置き換えるものにすぎない。
また、特許文献3に開示されている鋼管杭の埋設方法は、先端翼と周辺翼を設けた鋼管杭を回転掘進させつつ同時に砕石等を押し下げて透水層を形成する方法であるが、この方法は掘削翼や周辺翼の幅相当の範囲にのみ透水層を形成し地盤を強化するに過ぎないものである。また、特許文献4に開示されている杭の施工方法は、オーガと連結された杭が地中へ回転しながら打設された後、杭の周辺領域の土を除去した領域に補強材料を充填し締め固めて補強層を形成する方法であるが、この方法は地盤の表層範囲のみを置換え補強しているに過ぎないものである。
また、充填材として現場周辺の土を使って施工している事例もあるが、土を充填しても所定の支持力を得るのは難しい場合が多い。
そこで本発明は、上記先行技術文献に開示されているような杭径の範囲だけでなく杭基礎周辺の広範囲にわたる軟弱地盤を改良して所定の支持力を確保する方法を提供するものであり、太陽光パネル設備その他軽量構造物の地盤改良工法として一般的に用いられているセメント系固化材を混合、撹拌、転圧して地盤の支持力を改善する混合処理工法などの複数の工程を要する施工方法を用いずに、充填材をスクリュー杭の回転貫入により押し下げながら軟弱地盤へ押し出しつつ置き換えるという簡易な方法によって地盤改良を行うと同時に均一な支持力が得られる杭基礎及びその施工方法を提供するものである。すなわち、本発明の構成は以下の通りである。
なお、本発明でいう軟弱地盤の語は、杭基礎が地盤の強度が弱いために地盤改良をすることなしには構造物の支持地盤として充分な支持力をもたない地盤をいうものであり、その典型例として有機質土や高有機質土(腐植土)などがあるがこれらに限定されるものではないという意味で用いられるものである。
第1に本発明の請求項1 記載の杭基礎は、スクリュー杭と、充填材により軟弱地盤が置き換えられて形成される改良地盤とで構成され、該スクリュー杭の貫入と該改良地盤の形成が同時に施工されて構築されることを特徴とする杭基礎である。
第2に本発明の請求項2記載の杭基礎は、前記充填材の粒径が2.5mm~5mmの範囲にある砕石であることを特徴とする請求項1記載の杭基礎である。
第3に本発明の請求項3記載の杭基礎は、前記充填材が2つの異なる粒径の範囲にある砕石を併用するものであって、小さい方の粒径の範囲にある砕石群は前記スクリュー杭を囲繞し、大きい方の粒径の範囲にある砕石群は前記小さい方の粒径の範囲にある砕石群を囲繞するように構築されることを特徴とする請求項1記載の杭基礎である。
第4に本発明の請求項4記載の杭基礎は、前記充填材が前記杭基礎が構築される地盤のN値が5以上の場合は粒径が2.5mm~5mmの範囲にある砕石であり、該地盤のN値が4以下の場合は粒径が2.5mm~5mmの範囲にある砕石及び粒径が15mm~40mmの範囲にある砕石を併用するものであって、粒径が2.5mm~5mmの範囲にある砕石群は前記スクリュー杭を囲繞し、粒径が15mm~40mmの範囲にある砕石群は前記粒径が2.5mm~5mmの範囲にある砕石群を囲繞するように構築されることを特徴とする請求項1記載の杭基礎である。
第5に本発明の請求項5記載の杭基礎の施工方法は、請求項1又は2記載の杭基礎の施工方法であって、
掘削孔を形成する掘削工程と、
地表より該掘削孔に前記充填材を投入する投入工程と、
前記スクリュー杭を該掘削孔に貫入させつつ該充填材を押し下げながら軟弱地盤に押し出す貫入工程と、
該スクリュー杭を該掘削孔から引き出す引出工程とからなり、
該掘削孔は、該スクリュー杭の羽根径に該充填材の最大粒径の1倍から2倍程度の長さを加えた孔径であって、該スクリュー杭長に該掘削孔底に該充填材を充填させるための余掘り長を加えた深度まで形成され、
該充填材は、該掘削孔の所定の位置まで投入され、
該スクリュー杭は該掘削孔に正回転で貫入させつつ該充填材を押し下げながら該掘削孔周辺の軟弱地盤に押し出し、
その後に該スクリュー杭を逆回転させてスクリュー杭の羽根の形成部分の10%以上が該掘削孔から引き上げられ、
前記投入工程と前記貫入工程と前記引出工程が前記杭基礎が所定の支持力に達するまで繰り返され、該所定の支持力に達した時点で該引出工程をせずに該スクリュー杭が該掘削孔に定置されて施工が終了することを特徴とする杭基礎の施工方法である。
第6に本発明の請求項6記載の杭基礎の施工方法は、前記投入工程が前記掘削孔に前記充填材を投入するための投入管を建て込み、地表より該充填材を該投入管を介して該掘削孔に投入した後、該投入管を該掘削孔から取り出すものであることを特徴とする請求項5記載の施工方法である。
第7に本発明の請求項7記載の杭基礎の施工方法は、
掘削孔を形成する掘削工程と、
地表より該掘削孔に2つの異なる粒径の範囲にある砕石を充填材として投入する投入工程と、
前記スクリュー杭を該掘削孔に貫入させつつ該充填材を押し下げながら軟弱地盤に押し出す貫入工程と、
該スクリュー杭を該掘削孔から引き出す引出工程とからなり、
該掘削孔は、該スクリュー杭の羽根径に該充填材の最大粒径の1倍から2倍程度の長さを加えた孔径であって、該スクリュー杭長に該掘削孔底に該充填材を充填させるための余掘り長を加えた深度まで形成され、
該充填材として地表から大きい方の粒径の範囲にある砕石が該掘削孔に所定の位置まで投入され、
該スクリュー杭は該掘削孔に正回転で貫入させつつ該充填材を押し下げながら該掘削孔周辺の軟弱地盤に押し出し、
その後に該スクリュー杭を逆回転させてスクリュー杭の羽根の形成部分の10%以上が該掘削孔から引き上げられ、
前記貫入工程において該スクリュー杭にかかる回転トルクを連続的に計測し、該回転トルク値が事前に定められた小さい方の粒径の範囲にある砕石を投入するための切替値に達するまで前記投入工程と前記貫入工程と前記引出工程を繰り返し、
該切替値に達した場合に地表から小さい方の粒径の範囲にある砕石に切り替えて該投入工程と該貫入工程と該引出工程が前記杭基礎が所定の支持力に達するまで繰り返され、該所定の支持力に達した時点で該引出工程をせずに該スクリュー杭が該掘削孔に定置されて施工が終了することを特徴とする請求項3記載の杭基礎の施工方法である。
第8に本発明の請求項8記載の杭基礎の施工方法は、請求項6記載の施工方法を請求項7記載の施工方法に適用したものである。
第9に本発明の請求項9記載の杭基礎の施工方法は、請求項4記載の杭基礎のうち該杭基礎が構築される地盤のN値が4以下の場合における該杭基礎の施工方法であって、
掘削孔を形成する掘削工程と、
地表より該掘削孔に2つの異なる粒径の範囲にある砕石を充填材として投入する投入工程と、
前記スクリュー杭を該掘削孔に貫入させつつ該充填材を押し下げながら軟弱地盤に押し出す貫入工程と、
該スクリュー杭を該掘削孔から引き出す引出工程とからなり、
該掘削孔は、該スクリュー杭の羽根径に該充填材の最大粒径の1倍から2倍程度の長さを加えた孔径であって、該スクリュー杭長に該掘削孔底に該充填材を充填させるための余掘り長を加えた深度まで形成され、
該充填材として地表から粒径が15mm~40mmの範囲にある砕石が該掘削孔に所定の位置まで投入され、
該スクリュー杭は該掘削孔に正回転で貫入させつつ該充填材を押し下げながら該掘削孔周辺の軟弱地盤に押し出し、
その後に該スクリュー杭を逆回転させてスクリュー杭の羽根の形成部分の10%以上が該掘削孔から引き上げられ、
前記貫入工程において該スクリュー杭にかかる回転トルクを連続的に計測し、該回転トルク値が事前に定められた2.5mm~5mmの範囲にある砕石を投入するための切替値に達するまで前記投入工程と前記貫入工程と前記引出工程を繰り返し、
該切替値に達した場合に地表から2.5mm~5mmの範囲にある砕石に切り替えて該投入工程と該貫入工程と該引出工程が前記杭基礎が所定の支持力に達するまで繰り返され、該所定の支持力に達した時点で該引出工程をせずに該スクリュー杭が該掘削孔に定置されて施工が終了することを特徴とする杭基礎の施工方法である。
第10に本発明の請求項10記載の杭基礎の施工方法は、請求項6記載の施工方法を請求項9記載の施工方法に適用したものである。
第11に本発明の請求項11記載の杭基礎の施工方法は、前記貫入工程において前記スクリュー杭にかかる回転トルクを連続的に計測し、該回転トルク値が事前に定められた前記杭基礎に要求される支持力に対応する基準値に達すると該杭基礎の施工を終了することを特徴とする請求項5~10のいずれか1項に記載の施工方法である。
本発明による杭基礎及びその施工方法によれば、杭基礎周辺の広範囲に存在する軟弱地盤を充填材で置き換えるため、前記スクリュー杭の周面と地盤界面の摩擦抵抗力が増大して杭基礎に作用する荷重を改良地盤と一体となって支持することができ杭基礎の支持力が大きく向上される。
また、この地盤改良は太陽光パネル設備などの設置における一般的な地盤改良工法として用いられているセメント系固化材を混合、撹拌、転圧して地盤の支持力を改善する混合処理工法のような複数の工程からなる方法を用いずに、掘削孔を形成した後に充填材を投入してスクリュー杭により押し下げつつ軟弱地盤へ押し出すことにより置き換えるといった簡易な方法で実現することができ、その結果、施工期間を短縮でき経済性に優れている。さらにはセメントやモルタルを使用しないので周辺の土壌環境を悪化させることもない。
また、充填材が軟弱地盤に押し出されることで玉突き的に軟弱地盤がせん断変形しながら圧縮されて圧密なものとなるため、充填材及び圧密となった地盤により広範囲にはわたり地盤強度を高めることができる。
その結果その上部に構築される構造物が圧密沈下や不同沈下を起こさず、強風による杭の引抜きに対しても抵抗力が強くなる。さらには充填材によるドレーン効果により地震時の液状化の抑止にもつながる。
また、従来であれば機械・器具のオペレータによる経験や勘に頼りながら貫入していたため、杭を空回りさせたり杭と地盤境界面を乱すなどの施工不良を生じさせ、その結果、支持力の不足や不均一を招いていたが、本発明では回転トルク値を計測しながらスクリュー杭の貫入を行うため、かかる施工不良を解消して所定の支持力を確保し及び均一な支持力の杭基礎を提供することが可能となる。
また、大規模な仮設設備を必要とせず、施工機械も小規模なものでよいため傾斜地、狭隘地、天井高が低い場所においても構築することができる。
また、特に軟弱な地盤などにおいては、2つの異なる粒径の範囲にある充填材を併用することにより作業効率を下げることなく圧密な地盤へと改良することが可能となる。
標準的な杭基礎の一形態を示した断面図である。 粒径が2.5mm~5mmの範囲にある砕石を充填材として構築された杭基礎の一形態を示した断面図である。 2つの異なる粒径の範囲にある砕石を充填材として構築された杭基礎の一形態を示した断面図である。 杭基礎の上に太陽光パネル設備の架台を載せた状態の一形態を示した図である。 杭基礎の施工順序を示したフローチャートである。 杭基礎の実施の形態に係る施工方法を模式的に示す図で、その(a)~(c)は掘削工程を示したものである。 杭基礎の実施の形態に係る施工方法を模式的に示す図で、その(a)~(e)は投入工程、貫入工程、引出工程の一連の工程を繰り返して杭基礎を構築する順序を示したものである。 杭基礎の実施の形態に係る施工方法を模式的に示し、図7に示す工程の続きの工程を示す図で、その(f)~(i)は投入工程、貫入工程、引出工程の一連の工程を繰り返して杭基礎を構築する順序を示したものである。 杭基礎の実施の形態に係る施工方法における投入工程において掘削孔に投入管を建て込んで充填材を投入している状態を示した図である。 2つの異なる粒径の範囲にある砕石を充填材として併用して構築される杭基礎の施工順序を示したフローチャートである。 地盤のN値が5以上の場合は粒径が2.5mm~5mmの範囲にある砕石を充填材として使用し、地盤のN値が4以下の場合は粒径が2.5mm~5mmの範囲にある砕石及び粒径が15mm~40mmの範囲にある砕石を充填材として併用して構築される杭基礎の施工順序を示したフローチャートである。 2つの異なる粒径の範囲にある砕石を充填材として併用して構築される杭基礎の実施の形態に係る施工方法を模式的に示す図で、その(a)~(e)は投入工程、貫入工程、引出工程の一連の工程を繰り返して杭基礎を構築する順序を示したものである。 2つの異なる粒径の範囲にある砕石を充填材として併用して構築される杭基礎の実施の形態に係る施工方法を模式的に示し、図12に示す工程の続きの工程を示す図で、その(f)~(i)は投入工程、貫入工程、引出工程の一連の工程を繰り返して杭基礎を構築する順序を示したものである。
以下に、本発明に係る杭基礎及びその施工方法の実施形態について図を用いて説明する。なお本発明に係る杭基礎の形状は図示されたものに限定されるものではなく、地盤の状況に応じて充填材と軟弱地盤との境界面が異なる形状となる場合がある。
<本発明に係る標準的な杭基礎の実施の形態>
図1は本発明に係る標準的な杭基礎の一形態を示した断面図である。
本発明に用いられるスクリュー杭2は、直径が10cm前後で杭長が1m~4m程の鋼管であって、溶融亜鉛メッキなどで表面処理が施されており、先がテーパー状の杭本体3の周面に先端付近から杭長の2/3程度まで螺旋状に羽根4が形成され、杭頭には杭打機や上部構造物と接合するためのフランジ5が形成されているものであって全体的に螺子のような形状をしている。
なお前記スクリュー杭の材質、表面処理、羽根の形状や形成長さ、杭径、杭長及び杭頭の形状は上部構造物の重量、杭基礎に要求される支持力及び地盤の状況等に応じて任意に変更されるものであり本実施の形態に特定されるものではない。
また、充填材8は砕石,川砂、山砂利などであって、特に再生砕石、コンクリート砕石、クラッシャーラン、粒度調整砕石などの砕石が好ましく、地盤の状況に応じて適宜使い分けられる。
スクリュー杭2と充填材8により軟弱地盤12が置換された改良地盤とが同時に構築されたものが図1記載の杭基礎1である。
スクリュー杭2のうち杭頭フランジ5を含む突出部6は地上に露出され、その他の部分が土中に埋設されて充填材8と一体となって杭基礎1が構築される。
該杭基礎1の充填材8と周辺地盤との境界面は軟弱地盤12の強度、転石や岩の有無などの影響を受けてスクリュー杭2により充填材8が押し出される範囲が一定ではないため図1記載の境界面の形状に限定されるものではない。
なお、同時に構築するとは、地盤改良の工程を終えた後に改良地盤にスクリュー杭2を埋設する又はスクリュー杭2を埋設する工程を終えた後に地盤改良をするのではなく、スクリュー杭2を貫入しつつ同時に充填材8により軟弱地盤12を改良して杭基礎1を構築することを意味する。
<本発明に係る粒径が2.5mm~5mmの範囲にある砕石を充填材とした杭基礎の実施の形態>
図2は本発明に係る粒径が2.5mm~5mmの範囲にある砕石を充填材として構築された杭基礎の一形態を示した断面図である。
杭基礎1が構築される地盤12の軟弱化があまり進行していない場合には粒径が2.5mm~5mmの範囲にある砕石(以下「充填材9」とする)を用いて構築されたものが図2記載の杭基礎1である。
なお杭基礎1の充填材9と周辺地盤との境界面は軟弱地盤12の強度、転石や岩の有無などの影響を受けてスクリュー杭2により充填材9が押し出される範囲が一定ではないため図2記載の境界面の形状に限定されるものではない。
<本発明に係る2つの異なる粒径の範囲ある砕石を充填材として併用した杭基礎の実施の形態>
図3は本発明に係る2つの異なる粒径の範囲にある砕石を充填材として構築された杭基礎の一形態を示した断面図である。
大きい方の粒径の範囲にある砕石11(以下「充填材11」とする)を先に投入して施工した後に小さい方の粒径の範囲にある砕石10(以下「充填材10」とする)を投入し施工して構築されたものが図3記載の杭基礎である。
また、杭基礎1が構築される地盤のN値が4以下の場合には、充填材10を粒径が2.5~5mmの範囲にある砕石とし、充填材11を粒径が15mm~40mmの範囲にある砕石とし、これらを併用して構築されたものが図3記載の杭基礎となる。
なおスクリュー杭2を囲繞するように充填材10が構築され、さらにその充填材10を囲繞するように充填材11が構築されるが、充填材10と充填材11との境界面及び充填材11と周辺地盤との境界面は軟弱地盤12の強度、転石や岩の有無などの影響を受けてスクリュー杭2により充填材10及び充填材11が押し出される範囲が一定ではないため、充填材10と充填材11及び充填材11と周辺地盤との各境界面は図3記載の境界面の形状に限定されるものではない。
<本発明に係る標準的な杭基礎の施工方法の実施の形態>
図5は本発明に係る杭基礎の施工順序を示したフローチャートであり、図6は本発明の杭基礎の実施の形態に係る施工方法を模式的に示す図で、その(a)~(c)は掘削工程を示したものであり、図7は本発明の杭基礎の実施の形態に係る施工方法を模式的に示す図で、その(a)~(e)は投入工程、貫入工程、引出工程の一連の工程を繰返して杭基礎を構築する順序を示したものであり、図8は本発明の杭基礎の実施の形態に係る施工方法を模式的に示し、図7に示す工程の続きの工程を示す図で、その(f)~(i)は投入工程、貫入工程、引出工程の一連の工程を繰り返して杭基礎を構築する順序を示したものであり、図9は本発明の杭基礎の実施の形態に係る施工方法において掘削孔に投入管を建て込んで充填材を投入している状態を示した図である
以下に前記図5~9を用いて杭基礎1の施工方法を記載する。
杭基礎1の施工方法は、スクリュー杭2を貫入させるための掘削孔7を形成する掘削工程から始まり、その後に充填材8の投入を行う投入工程とスクリュー杭2を掘削孔7に貫入させながら充填材8を押下げ及び押出す貫入工程とスクリュー杭2を引き出す引出工程を杭基礎1が所定の支持力が得られるまで繰り返すものである。
具体的には、掘削機14によりスクリュー杭2の羽根径に充填材の最大粒径の1倍から2倍程度の長さを加えた孔径であって、該スクリュー杭2の杭長に対して掘削孔底に充填材8を充填させるための余掘り長を含めた深度まで軟弱地盤12を掘削して掘削孔7を形成する。この場合、該掘削孔7の形成にあたっては掘削機14に代えてハンマードリルなどの掘削用工具を用いて掘削孔を形成してもよく、特定の形成方法に限定するものではない。
なお、掘削工程でいうスクリュー杭2の杭長とは杭頭フランジ5を含む突出部6を除いた長さをいう。
掘削孔7を形成した後に該掘削孔7に地上より充填材8を投入する。この場合、充填材8の投入量としては、掘削孔7にスクリュー杭2のうち突出部6を除いた部分を貫入させた場合における羽根4の形成部分の上端付近を目安として該位置に達するまで投入するのが好ましい。
また掘削孔7が脆弱であり孔壁が孔内側へ押し出される場合には充填材8を投入するための投入管16を掘削孔7に建て込んで充填材8を投入し、その後に投入管16を掘削孔から取り出す方法を用いてもよい。
続いて充填材8が投入された掘削孔7へ貫入機15によりスクリュー杭2を正回転させながら貫入させる。この場合、スクリュー杭2の貫入にあたっては貫入機15に代えてハンド式の回転貫入工具などを用いて貫入してもよく、特定の貫入方法に限定するものではない。
スクリュー杭2の杭本体3及び羽根4によって充填材8が下方に押し下げられながら掘削孔の側方へ押し出され、それに伴い軟弱地盤12がさらに側方へ押しやられる。
その後、スクリュー杭2を逆回転させてスクリュー杭2の羽根4の形成部分の10%以上を掘削孔から引き上げる。
上記の投入工程と貫入工程と引出工程は、スクリュー杭2と充填材8により構成される杭基礎1が所定の支持力に達するまで繰り返される。
この場合、2回目以降の投入工程においては、掘削孔7にスクリュー杭2の一部を逆回転させながら貫入された状態で掘削孔7に充填材8を投入する。このとき充填材8はその一部が掘削孔壁とスクリュー杭2の羽根4の縁端との間を通過して、また他の一部は逆回転する羽根4上に載置されて回転しながら下方へ投入される。
そして前記の投入方法による投入工程と貫入工程と引出工程を繰り返して該所定の支持力に達した時点で引出工程をせずにスクリュー杭2が掘削孔7に定置されて施工が終了となる。
なお前記施工において、トルク計17を貫入機15や貫入器具に取り付けてスクリュー杭2の貫入時にスクリュー杭2に加わるトルク値を連続的に計測し、該トルク値が事前に定められた杭基礎1に要求される支持力に対応する基準値に達すると杭基礎1の施工を終了する施工方法を用いてもよい。
<本発明に粒径が2.5mm~5mmの範囲にある砕石を充填材とした杭基礎の施工方法の実施の形態>
本施工方法は杭基礎1が構築される地盤12の軟弱化があまり進行していない場合における施工方法であって、充填材として充填材9が用いられている点を除き、前記標準的な杭基礎の施工方法の実施の形態と変わるところがないため説明は省略する。
なお、軟弱化があまり進行していない地盤として例えばN値が5以上ある地盤のように軽量構造物の基礎として平常時には特段の問題は発生しないが、地震時には地盤沈下や液状化現象が発生する可能性があることから、地盤改良は必要であるもののその範囲はあまり広くする必要がないことを考慮し、充填材9を用いることとしたものである。
<本発明に係る2つの異なる粒径の範囲にある砕石を充填材として併用した杭基礎の施工方法の実施の形態>
図10は2つの異なる粒径の範囲にある砕石を充填材として併用して構築される杭基礎の施工順序を示したフローチャートであり、図12は2つの異なる粒径の範囲にある砕石を充填材として併用して構築される杭基礎の実施の形態に係る施工方法を模式的に示す図で、その(a)~(e)は投入工程、貫入工程、引出工程の一連の工程を繰り返して杭基礎を構築する順序を示したものであり、図13は、2つの異なる粒径の範囲にある砕石を充填材として併用して構築される杭基礎の実施の形態に係る施工方法を模式的に示し、図12に示す工程の続きの工程を示す図で、その(f)~(i)は投入工程、貫入工程、引出工程の一連の工程を繰り返して杭基礎を構築する順序を示したものである。
以下に前記図10、12及び13を用いて杭基礎1の施工方法を記載する。
本施工方法は2つの異なる粒径の範囲にある砕石を充填材として併用して杭基礎1を施工する方法であって、掘削工程から始まり、その後に充填材11を投入する投入工程とスクリュー杭2を掘削孔7に貫入させながら充填材11を押下げ及び押出す貫入工程とスクリュー杭2を引き出す引出工程を充填材11から充填材10へ切り替えて投入するための切替値に達するまで繰り返し、前記切替値に達した後に充填材10に切り替えて投入工程とスクリュー杭2を掘削孔7に貫入させながら前記充填材10を押下げ及び押出す貫入工程と引出工程を杭基礎1が所定の支持力が得られるまで繰り返すものである。
これら一連の工程のうち掘削工程は前記標準的な杭基礎の施工方法の実施の形態と同じであるため説明は省略する。
具体的には、掘削孔7に地上より充填材11を投入する。この場合、充填材11の投入量としては、掘削孔7にスクリュー杭2のうち突出部6を除いた部分を貫入させた場合における羽根4の形成部分の上端付近を目安として該位置に達するまで投入するのが好ましい。
また掘削孔7が脆弱であり孔壁が孔内側へ押し出される場合には充填材11を投入するための投入管16を掘削孔7に建て込んで充填材11を投入し、その後に投入管16を掘削孔から取り出す方法を用いてもよい。
続いて充填材11が投入された掘削孔7へ貫入機15によりスクリュー杭2を正回転させながら貫入させる。この場合、スクリュー杭2の貫入にあたっては貫入機15に代えてハンド式の回転貫入工具などを用いて貫入してもよく特定の貫入方法に限定するものではない。
スクリュー杭2の杭本体3及び羽根4によって充填材11が下方に押し下げられながら掘削孔の側方へ押し出され、それに伴い軟弱地盤12がさらに側方へ押しやられる。
その後、スクリュー杭2を逆回転させてスクリュー杭2の羽根4の形成部分の10%以上を掘削孔から引き上げる。
上記の投入工程と貫入工程と引出工程は、スクリュー杭2と充填材10及び11により構成される杭基礎1が所定の支持力に達するまで繰り返される。
この場合、2回目以降の投入工程においては、掘削孔7にスクリュー杭2の一部を逆回転させながら貫入された状態で掘削孔7に充填材11を投入する。このとき充填材11はその一部が掘削孔壁とスクリュー杭2の羽根4の縁端との間を通過して、また他の一部は逆回転する羽根4上に載置されて下方へ回転しながら投入される。
また、貫入工程において該スクリュー杭2にかかる回転トルクを連続的に計測し、該回転トルク値が事前に定められた充填材10を投入するための切替値に達するまで投入工程において充填材11が投入され、該切替値に達した場合に充填材10に切り替えて投入されることとなる。
そして杭基礎1が所定の支持力に達した時点で引出工程をせずにスクリュー杭2が掘削孔7に定置されて施工が終了する。
なお前記施工において、トルク計17を貫入機15や貫入器具に取り付けてスクリュー杭2の貫入時にスクリュー杭2に加わるトルク値を連続的に計測し、該トルク値が事前に定められた杭基礎1に要求される支持力に対応する基準値に達すると杭基礎1の施工を終了する施工方法を用いてもよい。
<本発明に係る地盤のN値が4以下の場合における2つの異なる粒径の範囲にある砕石を充填材として併用した杭基礎の施工方法の実施の形態>
図11は地盤のN値が5以上の場合は粒径が2.5mm~5mmの範囲にある砕石を充填材として使用し、該N値が4以下の場合は粒径が2.5mm~5mmの範囲にある砕石及び粒径が15mm~40mmの範囲にある砕石を充填材として併用して構築される杭基礎の施工順序を示したフローチャートである。
以下に前記図11、12及び13を用いて杭基礎1の施工方法を記載する。
本施工方法は杭基礎1が構築される地盤のN値が4以下の場合における施工方法であって、該施工方法において前記<本発明に係る2つの異なる粒径の範囲ある砕石を充填材として併用した杭基礎の施工方法の実施の形態>で使用される充填材10を粒径が2.5mm~5mmの範囲にある砕石とし、該実施の形態で使用される充填材11を粒径が15mm~40mmの範囲にある砕石として使用したものである。
そのため、本施工方法において充填材10とは粒径が2.5mm~5mmの範囲にある砕石を意味し、充填材11とは粒径が15mm~40mmの範囲にある砕石を意味するものとして以下に説明する。
具体的には、前記掘削工程から始まり、その後に充填材11を投入する投入工程とスクリュー杭2を掘削孔7に貫入させながら充填材11を押下げ及び押出す貫入工程と前記引出工程を充填材11から充填材10へ切り替えて投入するための切替値に達するまで繰り返し、前記切替値に達した後に充填材10に切り替えて投入工程とスクリュー杭2を掘削孔7に貫入させながら前記充填材10を押下げ及び押出す貫入工程と前記引出工程を杭基礎1が所定の支持力が得られるまで繰り返すものである。
これら一連の工程による施工方法の実施の形態は前記<本発明に係る2つの異なる粒径の範囲ある砕石を充填材として併用した杭基礎の施工方法の実施の形態>と同じであるため以後の説明は省略する。
なおN値が4以下の地盤において杭基礎1が所定の支持力を得るためには改良する必要のある軟弱地盤の範囲が比較的広範となることから、充填材10のみを投入すると充填材10の投入と貫入工程を多数繰り返すこととなり、反対に充填材11のみを投入すると密度の高い改良地盤を得られないため、最初に充填材11を投入してスクリュー杭2により押し下げ及び押し出しを行ってある程度の範囲にわたって軟弱地盤と置換えた後に充填材10に切り替えて投入し、スクリュー杭2により押し下げ及び側方へすなわち充填材11側へ押し出すことにより、作業効率を下げることなく圧密地盤へと改良することが可能となる。
本発明に係る杭基礎及びその施工方法は、軟弱地盤において太陽光パネル設備などの軽量構造物の杭基礎を構築するに際して、地盤改良と杭の貫入を簡易な方法で同時に施工して均一な支持力を確保し、かつ工期の短縮や工費を低減すると共に環境負荷の少ない杭基礎及びその施工方法として好適に利用できる。
1 杭基礎
2 スクリュー杭
3 杭本体
4 羽根
5 杭頭フランジ
6 突出部
7 掘削孔
8 充填材
9 粒径2.5mm~5mmの砕石(=充填材9)
10 小さい方の粒径の範囲にある砕石(=充填材10)
11 大きい方の粒径の範囲にある砕石(=充填材11)
12 軟弱地盤
13 太陽光パネル設備の架台
14 掘削機
15 貫入機
16 投入管
17 トルク計
に本発明の請求項記載の杭基礎は、スクリュー杭と、充填材により軟弱地盤が置き換えられて形成される改良地盤とで構成され、該スクリュー杭の貫入と該改良地盤の形成が同時に施工され、前記充填材が2つの異なる粒径の範囲にある砕石を併用するものであって、小さい方の粒径の範囲にある砕石群は前記スクリュー杭を囲繞し、大きい方の粒径の範囲にある砕石群は前記小さい方の粒径の範囲にある砕石群を囲繞するように構築されることを特徴とする 杭基礎である。
に本発明の請求項記載の杭基礎は、スクリュー杭と、充填材により軟弱地盤が置き換えられて形成される改良地盤とで構成され、該スクリュー杭の貫入と該改良地盤の形成が同時に施工されて構築され、前記充填材が前記杭基礎が構築される地盤のN値が5以上の場合は粒径が2.5mm~5mmの範囲にある砕石であり、前記地盤のN値が4以下の場合は粒径が2.5mm~5mmの範囲にある砕石及び粒径が15mm~40mmの範囲にある砕石を併用するものであって、粒径が2.5mm~5mmの範囲にある砕石群は前記スクリュー杭を囲繞し、粒径が15mm~40mmの範囲にある砕石群は前記粒径が2.5mm~5mmの範囲にある砕石群を囲繞するように構築されることを特徴とする 杭基礎である。
に本発明の請求項記載の杭基礎の施工方法は、スクリュー杭と、充填材により軟弱地盤が置き換えられて形成される改良地盤とで構成される杭基礎の施工方法であって、
掘削孔を形成する掘削工程と、
地表より該掘削孔に前記充填材を投入する投入工程と、
前記スクリュー杭を該掘削孔に貫入させつつ該充填材を押し下げながら軟弱地盤に押し出す貫入工程と、
前記スクリュー杭を前記掘削孔から引き出す引出工程とからなり、
該掘削孔は、該スクリュー杭の羽根径に前記充填材の最大粒径の1倍から2倍程度の長さを加えた孔径であって、該スクリュー杭長に該掘削孔底に該充填材を充填させるための余掘り長を加えた深度まで形成され、
前記充填材は、前記掘削孔の所定の位置まで投入され、
前記スクリュー杭は該掘削孔に正回転で貫入させつつ該充填材を押し下げながら該掘削孔周辺の軟弱地盤に押し出し、
その後に前記スクリュー杭を逆回転させてスクリュー杭の羽根の形成部分の10%以上が前記掘削孔から引き上げられ、
前記投入工程と、前記貫入工程と、前記引出工程と、が前記杭基礎が所定の支持力に達するまで繰り返され、該所定の支持力に達した時点で該引出工程をせずに前記スクリュー杭が前記掘削孔に定置されて施工が終了することを特徴とする前記杭基礎の施工方法である。
に本発明の請求項記載の杭基礎の施工方法は、前記投入工程が前記掘削孔に前記充填材を投入するための投入管を建て込み、地表より該充填材を該投入管を介して該掘削孔に投入した後、該投入管を該掘削孔から取り出すものであることを特徴とする請求項記載の施工方法である。
に本発明の請求項記載の杭基礎の施工方法は、
スクリュー杭と、充填材により軟弱地盤が置き換えられて形成される改良地盤とで構成される杭基礎の施工方法であって、
掘削孔を形成する掘削工程と、
地表より該掘削孔に2つの異なる粒径の範囲にある砕石を充填材として投入する投入工程と、
前記スクリュー杭を該掘削孔に貫入させつつ該充填材を押し下げながら軟弱地盤に押し出す貫入工程と、
前記スクリュー杭を前記掘削孔から引き出す引出工程とからなり、
該掘削孔は、該スクリュー杭の羽根径に前記充填材の最大粒径の1倍から2倍程度の長さを加えた孔径であって、該スクリュー杭長に該掘削孔底に該充填材を充填させるための余掘り長を加えた深度まで形成され、
前記充填材として地表から大きい方の粒径の範囲にある砕石が前記掘削孔に所定の位置まで投入され、
前記スクリュー杭は前記掘削孔に正回転で貫入させつつ前記充填材を押し下げながら該掘削孔周辺の軟弱地盤に押し出し、
その後に前記スクリュー杭を逆回転させてスクリュー杭の羽根の形成部分の10%以上が前記掘削孔から引き上げられ、
前記貫入工程において前記スクリュー杭にかかる回転トルクを連続的に計測し、該回転トルク値が事前に定められた小さい方の粒径の範囲にある砕石を投入するための切替値に達するまで前記投入工程と前記貫入工程と前記引出工程を繰り返し、
該切替値に達した場合に地表から小さい方の粒径の範囲にある砕石に切り替えて
前記投入工程と前記貫入工程と前記引出工程が前記杭基礎が所定の支持力に達するまで繰り返され、該所定の支持力に達した時点で該引出工程をせずに前記スクリュー杭が前記掘削孔に定置されて施工が終了することを特徴とする請求項記載の杭基礎の施工方法である。
に本発明の請求項記載の杭基礎の施工方法は、請求項記載の施工方法を請求項記載の施工方法に適用したものである。
に本発明の請求項記載の杭基礎の施工方法は、請求項記載の杭基礎のうち該杭基礎が構築される地盤のN値が4以下の場合における該杭基礎の施工方法であって、
掘削孔を形成する掘削工程と、
地表より該掘削孔に2つの異なる粒径の範囲にある砕石を充填材として投入する投入工程と、
前記スクリュー杭を該掘削孔に貫入させつつ該充填材を押し下げながら軟弱地盤に押し出す貫入工程と、
前記スクリュー杭を前記掘削孔から引き出す引出工程とからなり、
該掘削孔は、該スクリュー杭の羽根径に前記充填材の最大粒径の1倍から2倍程度の長さを加えた孔径であって、該スクリュー杭長に該掘削孔底に該充填材を充填させるための余掘り長を加えた深度まで形成され、
前記充填材として地表から粒径が15mm~40mmの範囲にある砕石が前記掘削孔に所定の位置まで投入され、
前記スクリュー杭は前記掘削孔に正回転で貫入させつつ前記充填材を押し下げながら該掘削孔周辺の軟弱地盤に押し出し、
その後に前記スクリュー杭を逆回転させてスクリュー杭の羽根の形成部分の10%以上が前記掘削孔から引き上げられ、
前記貫入工程において前記スクリュー杭にかかる回転トルクを連続的に計測し、該回転トルク値が事前に定められた2.5mm~5mmの範囲にある砕石を投入するための切替値に達するまで前記投入工程と前記貫入工程と前記引出工程を繰り返し、
該切替値に達した場合に地表から2.5mm~5mmの範囲にある砕石に切り替えて前記投入工程と前記貫入工程と前記引出工程が前記杭基礎が所定の支持力に達するまで繰り返され、該所定の支持力に達した時点で該引出工程をせずに前記スクリュー杭が前記掘削孔に定置されて施工が終了することを特徴とする前記杭基礎の施工方法である。
に本発明の請求項記載の杭基礎の施工方法は、請求項記載の施工方法を請求項記載の施工方法に適用したものである。
に本発明の請求項記載の杭基礎の施工方法は、前記貫入工程において前記スクリュー杭にかかる回転トルクを連続的に計測し、該回転トルク値が事前に定められた前記杭基礎に要求される支持力に対応する基準値に達すると該杭基礎の施工を終了することを特徴とする請求項3~8のいずれか1項に記載の施工方法である。
2つの異なる粒径の範囲にある砕石を充填材として構築された杭基礎の一形態を示した断面図である。 杭基礎の上に太陽光パネル設備の架台を載せた状態の一形態を示した図である。 杭基礎の施工順序を示したフローチャートである。 杭基礎の実施の形態に係る施工方法を模式的に示す図で、その(a)~(c)は掘削工程を示したものである。 杭基礎の実施の形態に係る施工方法を模式的に示す図で、その(a)~(e)は投入工程、貫入工程、引出工程の一連の工程を繰り返して杭基礎を構築する順序を示したものである。 杭基礎の実施の形態に係る施工方法を模式的に示し、図5に示す工程の続きの工程を示す図で、その(f)~(i)は投入工程、貫入工程、引出工程の一連の工程を繰り返して杭基礎を構築する順序を示したものである。 杭基礎の実施の形態に係る施工方法における投入工程において掘削孔に投入管を建て込んで充填材を投入している状態を示した図である。 2つの異なる粒径の範囲にある砕石を充填材として併用して構築される杭基礎の施工順序を示したフローチャートである。 地盤のN値が5以上の場合は粒径が2.5mm~5mmの範囲にある砕石を充填材として使用し、地盤のN値が4以下の場合は粒径が2.5mm~5mmの範囲にある砕石及び粒径が15mm~40mmの範囲にある砕石を充填材として併用して構築される杭基礎の施工順序を示したフローチャートである。 2つの異なる粒径の範囲にある砕石を充填材として併用して構築される杭基礎の実施の形態に係る施工方法を模式的に示す図で、その(a)~(e)は投入工程、貫入工程、引出工程の一連の工程を繰り返して杭基礎を構築する順序を示したものである。 2つの異なる粒径の範囲にある砕石を充填材として併用して構築される杭基礎の実施の形態に係る施工方法を模式的に示し、図10に示す工程の続きの工程を示す図で、その(f)~(i)は投入工程、貫入工程、引出工程の一連の工程を繰り返して杭基礎を構築する順序を示したものである。
<本発明に係る2つの異なる粒径の範囲ある砕石を充填材として併用した杭基礎の実施の形態>
は本発明に係る2つの異なる粒径の範囲にある砕石を充填材として構築された杭基礎の一形態を示した断面図である。
本発明に用いられるスクリュー杭2は、直径が10cm前後で杭長が1m~4m程の鋼管であって、溶融亜鉛メッキなどで表面処理が施されており、先がテーパー状の杭本体3の周面に先端付近から杭長の2/3程度まで螺旋状に羽根4が形成され、杭頭には杭打機や上部構造物と接合するためのフランジ5が形成されているものであって全体的に螺子のような形状をしている。
なお前記スクリュー杭の材質、表面処理、羽根の形状や形成長さ、杭径、杭長及び杭頭の形状は上部構造物の重量、杭基礎に要求される支持力及び地盤の状況等に応じて任意に変更されるものであり本実施の形態に特定されるものではない。
本発明に用いられる充填材は、再生砕石、コンクリート砕石、クラッシャーラン、粒度調整砕石などであり、地盤の状況に応じて適宜使い分けられる。
そして、大きい方の粒径の範囲にある砕石11(以下「充填材11」とする)を先に投入して施工した後に小さい方の粒径の範囲にある砕石10(以下「充填材10」とする)を投入し施工して構築されたものが図記載の杭基礎である。
また、杭基礎1が構築される地盤のN値が4以下の場合には、充填材10を粒径が2.5~5mmの範囲にある砕石とし、充填材11を粒径が15mm~40mmの範囲にある砕石とし、これらを併用して構築されたものが図記載の杭基礎となる。
また、 スクリュー杭2のうち杭頭フランジ5を含む突出部6は地上に露出され、その他の部分が土中に埋設されて充填材10及び11と一体となって杭基礎1が構築される。
なおスクリュー杭2を囲繞するように充填材10が構築され、さらにその充填材10を囲繞するように充填材11が構築されるが、充填材10と充填材11との境界面及び充填材11と周辺地盤との境界面は軟弱地盤12の強度、転石や岩の有無などの影響を受けてスクリュー杭2により充填材10及び充填材11が押し出される範囲が一定ではないため、充填材10と充填材11及び充填材11と周辺地盤との各境界面は図記載の境界面の形状に限定されるものではない。
<本発明に係る 杭基礎の施工方法の実施の形態>
は本発明に係る杭基礎の施工順序を示したフローチャートであり、図は本発明の杭基礎の実施の形態に係る施工方法を模式的に示す図で、その(a)~(c)は掘削工程を示したものであり、図は本発明の杭基礎の実施の形態に係る施工方法を模式的に示す図で、その(a)~(e)は投入工程、貫入工程、引出工程の一連の工程を繰返して杭基礎を構築する順序を示したものであり、図は本発明の杭基礎の実施の形態に係る施工方法を模式的に示し、図に示す工程の続きの工程を示す図で、その(f)~(i)は投入工程、貫入工程、引出工程の一連の工程を繰り返して杭基礎を構築する順序を示したものであり、図は本発明の杭基礎の実施の形態に係る施工方法において掘削孔に投入管を建て込んで充填材を投入している状態を示した図である
以下に前記図3~7を用いて杭基礎1の施工方法を記載する。
掘削孔7を形成した後に該掘削孔7に地上より充填材8を投入する。この場合、充填材8の投入量としては、掘削孔7にスクリュー杭2のうち突出部6を除いた部分を貫入させた場合における羽根4の形成部分の上端付近を目安として該位置に達するまで投入するのが好ましい。
また掘削孔7が脆弱であり孔壁が孔内側へ押し出される場合には充填材8を投入するための投入管16を掘削孔7に建て込んで充填材8を投入し、その後に投入管16を掘削孔から取り出す方法を用いてもよい。
なお、充填材8は砕石,川砂、山砂利などであって、特に再生砕石、コンクリート砕石、クラッシャーラン、粒度調整砕石などの砕石が好ましく、地盤の状況に応じて適宜使い分けられる。
続いて充填材8が投入された掘削孔7へ貫入機15によりスクリュー杭2を正回転させながら貫入させる。この場合、スクリュー杭2の貫入にあたっては貫入機15に代えてハンド式の回転貫入工具などを用いて貫入してもよく、特定の貫入方法に限定するものではない。
スクリュー杭2の杭本体3及び羽根4によって充填材8が下方に押し下げられながら掘削孔の側方へ押し出され、それに伴い軟弱地盤12がさらに側方へ押しやられる。
その後、スクリュー杭2を逆回転させてスクリュー杭2の羽根4の形成部分の10%以上を掘削孔から引き上げる。
上記の投入工程と貫入工程と引出工程は、スクリュー杭2と充填材8により構成される杭基礎1が所定の支持力に達するまで繰り返される。
この場合、2回目以降の投入工程においては、掘削孔7にスクリュー杭2の一部を逆回転させながら貫入された状態で掘削孔7に充填材8を投入する。このとき充填材8はその一部が掘削孔壁とスクリュー杭2の羽根4の縁端との間を通過して、また他の一部は逆回転する羽根4上に載置されて回転しながら下方へ投入される。
そして前記の投入方法による投入工程と貫入工程と引出工程を繰り返して前記所定の支持力に達した時点で引出工程をせずにスクリュー杭2が掘削孔7に定置されて施工が終了となる。
なお前記施工において、トルク計17を貫入機15や貫入器具に取り付けてスクリュー杭2の貫入時にスクリュー杭2に加わるトルク値を連続的に計測し、該トルク値が事前に定められた杭基礎1に要求される支持力に対応する基準値に達すると杭基礎1の施工を終了する施工方法を用いてもよい。
<本発明に係る2つの異なる粒径の範囲にある砕石を充填材として併用した杭基礎の施工方法の実施の形態>
は2つの異なる粒径の範囲にある砕石を充填材として併用して構築される杭基礎の施工順序を示したフローチャートであり、図10は2つの異なる粒径の範囲にある砕石を充填材として併用して構築される杭基礎の実施の形態に係る施工方法を模式的に示す図で、その(a)~(e)は投入工程、貫入工程、引出工程の一連の工程を繰り返して杭基礎を構築する順序を示したものであり、図11は、2つの異なる粒径の範囲にある砕石を充填材として併用して構築される杭基礎の実施の形態に係る施工方法を模式的に示し、図10に示す工程の続きの工程を示す図で、その(f)~(i)は投入工程、貫入工程、引出工程の一連の工程を繰り返して杭基礎を構築する順序を示したものである。
以下に前記図10及び11を用いて杭基礎1の施工方法を記載する。
本施工方法は2つの異なる粒径の範囲にある砕石を充填材として併用して杭基礎1を施工する方法であって、掘削工程から始まり、その後に充填材11を投入する投入工程とスクリュー杭2を掘削孔7に貫入させながら充填材11を押下げ及び押出す貫入工程とスクリュー杭2を引き出す引出工程を充填材11から充填材10へ切り替えて投入するための切替値に達するまで繰り返し、前記切替値に達した後に充填材10に切り替えて投入工程とスクリュー杭2を掘削孔7に貫入させながら前記充填材10を押下げ及び押出す貫入工程と引出工程を杭基礎1が所定の支持力が得られるまで繰り返すものである。
これら一連の工程のうち掘削工程は前記本発明に係る杭基礎の施工方法の実施の形態と同じであるため説明は省略する。
<本発明に係る地盤のN値が4以下の場合における2つの異なる粒径の範囲にある砕石を充填材として併用した杭基礎の施工方法の実施の形態>
は地盤のN値が5以上の場合は粒径が2.5mm~5mmの範囲にある砕石を充填材として使用し、該N値が4以下の場合は粒径が2.5mm~5mmの範囲にある砕石及び粒径が15mm~40mmの範囲にある砕石を充填材として併用して構築される杭基礎の施工順序を示したフローチャートである。
以下に前記図9~11を用いて杭基礎1の施工方法を記載する。
具体的には、前記掘削工程から始まり、その後に充填材11を投入する投入工程とスクリュー杭2を掘削孔7に貫入させながら充填材11を押下げ及び押出す貫入工程と前記引出工程を充填材11から充填材10へ切り替えて投入するための切替値に達するまで繰り返し、前記切替値に達した後に充填材10に切り替えて投入工程とスクリュー杭2を掘削孔7に貫入させながら前記充填材10を押下げ及び押出す貫入工程と前記引出工程を杭基礎1が所定の支持力が得られるまで繰り返すものである。
これら一連の工程による施工方法の実施の形態は前記<本発明に係る2つの異なる粒径の範囲ある砕石を充填材として併用した杭基礎の施工方法の実施の形態>と同じであるため以後の説明は省略する。
なおN値が4以下の地盤において杭基礎1が所定の支持力を得るためには改良する必要のある軟弱地盤の範囲が比較的広範となることから、充填材10のみを投入すると充填材10の投入工程と貫入工程を多数繰り返すこととなり、反対に充填材11のみを投入すると密度の高い改良地盤を得られないため、最初に充填材11を投入してスクリュー杭2により押し下げ及び押し出しを行ってある程度の範囲にわたって軟弱地盤と置換えた後に充填材10に切り替えて投入し、スクリュー杭2により押し下げ及び側方へすなわち充填材11側へ押し出すことにより、作業効率を下げることなく圧密地盤へと改良することが可能となる。
1 杭基礎
2 スクリュー杭
3 杭本体
4 羽根
5 杭頭フランジ
6 突出部
7 掘削孔
8 充填材
10 小さい方の粒径の範囲にある砕石(=充填材10)
11 大きい方の粒径の範囲にある砕石(=充填材11)
12 軟弱地盤
13 太陽光パネル設備の架台
14 掘削機
15 貫入機
16 投入管
17 トルク計

Claims (11)

  1. スクリュー杭と、充填材により軟弱地盤が置き換えられて形成される改良地盤とで構成され、該スクリュー杭の貫入と該改良地盤の形成が同時に施工されて構築されることを特徴とする杭基礎。
  2. 前記充填材は、粒径が2.5mm~5mmの範囲にある砕石であることを特徴とする請求項1記載の杭基礎。
  3. 前記充填材は、2つの異なる粒径の範囲にある砕石を併用するものであって、小さい方の粒径の範囲にある砕石群は前記スクリュー杭を囲繞し、大きい方の粒径の範囲にある砕石群は前記小さい方の粒径の範囲にある砕石群を囲繞するように構築されることを特徴とする請求項1記載の杭基礎。
  4. 前記充填材は、杭基礎が構築される地盤のN値が5以上の場合は、粒径が2.5mm~5mmの範囲にある砕石であり、
    該地盤のN値が4以下の場合は、粒径が2.5mm~5mmの範囲にある砕石及び粒径が15mm~40mmの範囲にある砕石を併用するものであって、粒径が2.5mm~5mmの範囲にある砕石群は前記スクリュー杭を囲繞し、粒径が15mm~40mmの範囲にある砕石群は前記粒径が2.5mm~5mmの範囲にある砕石群を囲繞するように構築されることを特徴とする請求項1記載の杭基礎。
  5. 掘削孔を形成する掘削工程と、
    地表より該掘削孔に前記充填材を投入する投入工程と、
    前記スクリュー杭を該掘削孔に貫入させつつ該充填材を押し下げながら軟弱地盤に押し出す貫入工程と、
    該スクリュー杭を該掘削孔から引き出す引出工程とからなり、
    該掘削孔は、該スクリュー杭の羽根径に該充填材の最大粒径の1倍から2倍程度の長さを加えた孔径であって、該スクリュー杭長に該掘削孔底に該充填材を充填させるための余掘り長を加えた深度まで形成され、
    該充填材は、該掘削孔の所定の位置まで投入され、
    該スクリュー杭は該掘削孔に正回転で貫入させつつ該充填材を押し下げながら該掘削孔周辺の軟弱地盤に押し出し、
    その後に該スクリュー杭を逆回転させてスクリュー杭の羽根の形成部分の10%以上が該掘削孔から引き上げられ、
    前記投入工程と、前記貫入工程と、前記引出工程が前記杭基礎が所定の支持力に達するまで繰り返され、該所定の支持力に達した時点で該引出工程をせずに該スクリュー杭が該掘削孔に定置されて施工が終了することを特徴とする杭基礎の施工方法。
  6. 前記投入工程は、前記掘削孔に前記充填材を投入するための投入管を建て込み、地表より該充填材を該投入管を介して該掘削孔に投入した後、該投入管を該掘削孔から取り出すものであることを特徴とする請求項5記載の施工方法。
  7. 掘削孔を形成する掘削工程と、
    地表より該掘削孔に2つの異なる粒径の範囲にある砕石を充填材として投入する投入工程と、
    前記スクリュー杭を該掘削孔に貫入させつつ該充填材を押し下げながら軟弱地盤に押し出す貫入工程と、
    該スクリュー杭を該掘削孔から引き出す引出工程とからなり、
    該掘削孔は、該スクリュー杭の羽根径に該充填材の最大粒径の1倍から2倍程度の長さを加えた孔径であって、該スクリュー杭長に該掘削孔底に該充填材を充填させるための余掘り長を加えた深度まで形成され、
    該充填材として地表から大きい方の粒径の範囲にある砕石が該掘削孔に所定の位置まで投入され、
    該スクリュー杭は該掘削孔に正回転で貫入させつつ該充填材を押し下げながら該掘削孔周辺の軟弱地盤に押し出し、
    その後に該スクリュー杭を逆回転させてスクリュー杭の羽根の形成部分の10%以上が該掘削孔から引き上げられ、
    前記貫入工程において該スクリュー杭にかかる回転トルクを連続的に計測し、該回転トルク値が事前に定められた小さい方の粒径の範囲にある砕石を投入するための切替値に達するまで前記投入工程と前記貫入工程と前記引出工程を繰り返し、
    該切替値に達した場合に地表から小さい方の粒径の範囲にある砕石に切り替えて
    該投入工程と該貫入工程と該引出工程が前記杭基礎が所定の支持力に達するまで繰り返され、該所定の支持力に達した時点で該引出工程をせずに該スクリュー杭が該掘削孔に定置されて施工が終了することを特徴とする請求項3記載の杭基礎の施工方法。
  8. 前記投入工程は、前記掘削孔に前記充填材を投入するための投入管を建て込み、地表より該充填材を該投入管を介して該掘削孔に投入した後、該投入管を該掘削孔から取り出すものであることを特徴とする請求項7記載の施工方法。
  9. 請求項4記載の杭基礎のうち該杭基礎が構築される地盤のN値が4以下の場合における該杭基礎の施工方法であって、
    掘削孔を形成する掘削工程と、
    地表より該掘削孔に2つの異なる粒径の範囲にある砕石を充填材として投入する投入工程と、
    前記スクリュー杭を該掘削孔に貫入させつつ該充填材を押し下げながら軟弱地盤に押し出す貫入工程と、
    該スクリュー杭を該掘削孔から引き出す引出工程とからなり、
    該掘削孔は、該スクリュー杭の羽根径に該充填材の最大粒径の1倍から2倍程度の長さを加えた孔径であって、該スクリュー杭長に該掘削孔底に該充填材を充填させるための余掘り長を加えた深度まで形成され、
    該充填材として地表から粒径が15mm~40mmの範囲にある砕石が該掘削孔に所定の位置まで投入され、
    該スクリュー杭は該掘削孔に正回転で貫入させつつ該充填材を押し下げながら該掘削孔周辺の軟弱地盤に押し出し、
    その後に該スクリュー杭を逆回転させてスクリュー杭の羽根の形成部分の10%以上が該掘削孔から引き上げられ、
    前記貫入工程において該スクリュー杭にかかる回転トルクを連続的に計測し、該回転トルク値が事前に定められた2.5mm~5mmの範囲にある砕石を投入するための切替値に達するまで前記投入工程と前記貫入工程と前記引出工程を繰り返し、
    該切替値に達した場合に地表から2.5mm~5mmの範囲にある砕石に切り替えて該投入工程と該貫入工程と該引出工程が前記杭基礎が所定の支持力に達するまで繰り返され、該所定の支持力に達した時点で該引出工程をせずに該スクリュー杭が該掘削孔に定置されて施工が終了することを特徴とする杭基礎の施工方法。
  10. 前記投入工程は、前記掘削孔に前記充填材を投入するための投入管を建て込み、地表より該充填材を該投入管を介して該掘削孔に投入した後、該投入管を該掘削孔 から取り出すものであることを特徴とする請求項9記載の施工方法。
  11. 前記貫入工程において、前記スクリュー杭にかかる回転トルクを連続的に計測し、該回転トルク値が事前に定められた前記杭基礎に要求される支持力に対応する基準値に達すると該杭基礎の施工を終了することを特徴とする請求項5~10のいずれか1項に記載の施工方法。
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