JP2024011760A - マイクロ波照射装置、マイクロ波照射方法及び食品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】被照射物との良好なインピーダンス整合を得る。【解決手段】マイクロ波照射装置1は、被照射物を保持位置で保持するように構成された例えば搬送装置85といった保持具と、発振器10と導通するように構成された例えば同軸ケーブル21といった給電器具と、前記給電器具を介した導通による給電によってマイクロ波を照射するように構成されており、照射軸を前記保持位置に向けて配置された指向性を有する給電アンテナ40と、前記保持位置を挟んで給電アンテナ40と対向して配置されており、照射軸を前記保持位置に向けて配置された、指向性を有するが給電されない無給電アンテナ50とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、マイクロ波照射装置、マイクロ波照射方法及び食品の製造方法に関する。
一般に、被照射物にマイクロ波を照射することで被照射物を誘電加熱する加熱装置が知られている。効率的な加熱のためには被照射物にエネルギーが入力されるようにインピーダンスを整合させる必要がある。導波管などを用いずに、指向性アンテナを用いて被照射物に向けてマイクロ波を照射して被照射物を加熱する場合、インピーダンス整合に工夫が必要である。例えば特許文献1には、このようなインピーダンス整合を考慮して、マイクロ波加熱装置における加熱効率の向上のため、被照射物とアンテナとを繰り返し近づけたり遠ざけたりすることについて開示されている。このときの移動距離の例として数mmの範囲であることが示されている。
特許文献1に開示されたインピーダンス整合は、微調整ともいえるものである。マイクロ波を発生させるマイクロ波発振器の出力周波数を被照射物の共振周波数に合わせることでインピーダンス整合する場合、高出力な発振器の出力周波数範囲を広帯域にするには、構成部品の周波数帯域の制約や、効率低下、大型化、高コスト化を伴うことから、可変できる周波数範囲は限られる。例えば、被照射物の種類や数が変更される場合や、被照射物の位置が大きく変化する場合には、別なインピーダンス整合の仕組みが必要である。
特開2019-3868号公報
インピーダンス整合のための外部整合器を装置に接続し、それによりインピーダンス整合を図ることがある。外部整合器を用いたインピーダンス整合では、装置全体を負荷とした共振周波数の調整が行われるので、被照射物に限らず、装置の他の部分との整合がとれてしまうことがある。
本発明は、マイクロ波照射において、被照射物との良好なインピーダンス整合を得ることを目的とする。
本発明の一態様によれば、マイクロ波照射装置は、被照射物を保持位置で保持するように構成された保持具と、発振器と導通するように構成された給電器具と、前記給電器具を介した導通による給電によってマイクロ波を照射するように構成されており、照射軸を前記保持位置に向けて配置された指向性を有する給電アンテナと、前記保持位置を挟んで前記給電アンテナと対向して配置されており、照射軸を前記保持位置に向けて配置された、指向性を有するが給電されない無給電アンテナとを備える。
本発明によれば、マイクロ波照射において、被照射物との良好なインピーダンス整合が得られる。
図1は、第1の実施形態に係るマイクロ波照射装置の基本的な構成例の概略を模式的に示す図である。 図2Aは、図1において無給電アンテナが無い場合の反射損失と周波数との関係を模式的に示す図である。 図2Bは、無給電アンテナを適切な位置に調整して設けた場合の反射損失と周波数との関係を模式的に示す図である。 図3Aは、給電アンテナとして1つのアンテナが設けられ、無給電アンテナとして1つのアンテナが設けられている例を模式的に示す図である。 図3Bは、給電アンテナとして2つのアンテナが設けられ、無給電アンテナとして1つのアンテナが設けられている例を模式的に示す図である。 図3Cは、給電アンテナとして2つのアンテナが設けられ、無給電アンテナとして2つのアンテナが設けられている例を模式的に示す図である。 図4は、実験例1における第1給電ループアンテナ、第1無給電ループアンテナ及び被照射物の位置関係を模式的に示す図である。 図5は、実験例1において測定された、第1給電ループアンテナから第1無給電ループアンテナまでの距離に対する、共振周波数及び反射損失の値を示す図である。 図6は、実験例2における第1給電ループアンテナ、第2給電ループアンテナ、第1無給電ループアンテナ及び被照射物の位置関係を模式的に示す図である。 図7は、実験例2において測定された、第1給電ループアンテナから第1無給電ループアンテナまでの距離に対する、共振周波数の値を示す図である。 図8は、実験例3における第1給電ループアンテナ、第2給電ループアンテナ、第1無給電ループアンテナ、第2無給電ループアンテナ及び被照射物の位置関係を模式的に示す図である。 図9は、実験例3において測定された、給電アンテナから無給電アンテナまでの距離に対する、共振周波数の値を示す図である。 図10は、比較実験例における第1給電ループアンテナ、第2給電ループアンテナ及び被照射物の位置関係を模式的に示す図である。 図11は、比較実験例において測定された、第1給電ループアンテナと第2給電ループアンテナとの距離に対する、共振周波数の値を示す。 図12は、実験例4における第1給電アンテナと第1無給電アンテナと被照射物との位置関係を模式的に示す図である。 図13は、第2の実施形態に係るマイクロ波照射装置の一例の一部の基本的な構成を模式的に示す平面図である。 図14は、第3の実施形態に係るマイクロ波照射装置の基本的な構成例の概略を模式的に示す図である。 図15は、実験例5に係るアンテナの配置等を模式的に示す図である。 図16は、2つの補助アンテナの間隔及び長さに対する、共振周波数の値を示す図である。 図17は、各構成のマイクロ波照射装置により被照射物を加熱したときの被照射物の温度分布のシミュレーション結果を示す図である。 図18は、1個の被照射物を搬送した場合の共振周波数の変化を示す図である。 図19は、3個の被照射物を搬送した場合の共振周波数の変化を示す図である。
[第1の実施形態]
第1の実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態は、マイクロ波照射装置に関する。本実施形態のマイクロ波照射装置は、被照射物に対してマイクロ波を照射して、被照射物を内部加熱するように構成されている。特に、このマイクロ波照射装置は、指向性アンテナを用い、その指向性照射軸を被照射物に向けてマイクロ波を照射する。被照射物は、これに限らないが、例えば食品である。したがって、このマイクロ波照射装置やそれを用いたマイクロ波の照射方法は、例えば包装食品を含む食品の製造に用いられ得る。本実施形態のマイクロ波照射装置は、優れたインピーダンス整合機能を有する。特に、被照射物の種類、数、位置などが大きく異なる種々の状況に対しても同一の装置によって適切なインピーダンス整合が得られ、同一の装置によって効率的な加熱が実現され得る。
〈マイクロ波照射装置の基本構成〉
図1は、本実施形態に係るマイクロ波照射装置1の基本的な構成例の概略を模式的に示す図である。マイクロ波照射装置1は、搬送装置85によって、搬送される被照射物90を次々と加熱するように構成されている。搬送装置85は、例えばベルトコンベアである。搬送装置85は、その長手方向に移動するベルト86を有する。被照射物90は、ベルト86の上の保持位置に置かれ、ベルト86の長手方向に搬送される。このように、本実施形態では、搬送装置85は、被照射物90を保持位置で保持する保持具として機能する。
マイクロ波照射装置1は、搬送装置85によって搬送される被照射物90にマイクロ波を照射するように構成された給電アンテナ40を備える。給電アンテナ40は、例えば、ループアンテナといった指向性のアンテナである。図1に示す例では、マイクロ波照射装置1は、給電アンテナ40として、2つのループアンテナ、すなわち、第1給電ループアンテナ41及び第2給電ループアンテナ42を有する。給電ループアンテナの数は、適宜に変更され得る。
第1給電ループアンテナ41及び第2給電ループアンテナ42は、例えば、照射するマイクロ波の一波長分の長さを有する金属部材で形成されており、この金属部材は、例えば円環形状を有している。金属部材は、円環に限らず、四角形など他の環状形状を有していてもよい。この金属部材の両端は、給電点となっている。この給電点には、給電器具としての例えば同軸ケーブル21が接続されている。第1給電ループアンテナ41及び第2給電ループアンテナ42には、この同軸ケーブル21を介して、発振器10から高周波電力が給電される。給電により、エレメントとしての金属部材に電流が流れ、第1給電ループアンテナ41及び第2給電ループアンテナ42は、電波を放射して電界を形成する。ループアンテナでは、金属部材によって形成された開口面の中心が電波の照射源となり、開口面が照射面となって開口面に垂直な照射軸に沿って両方向にマイクロ波が放射される。
マイクロ波照射装置1は、被照射物90が第1給電ループアンテナ41及び第2給電ループアンテナ42の照射面である開口面の中央を通り抜けて搬送されるように構成されている。このため、搬送装置85のベルト86は、第1給電ループアンテナ41及び第2給電ループアンテナ42の開口面を貫通するように設けられている。第1給電ループアンテナ41及び第2給電ループアンテナ42の照射面は、ベルト86の長手方向に対して垂直に配置されており、第1給電ループアンテナ41及び第2給電ループアンテナ42の指向性照射軸は、ベルト86の長手方向と平行に配置されている。本実施形態では、給電アンテナ40の指向性照射軸を基準軸と称することにする。
発振器10は、マイクロ波の周波数に応じた高周波電力を出力する。その周波数は、これに限らないが、例えば、450MHz、915MHz又は2.45GHzといったものである。発振器10の出力周波数は、ある程度調整できるが、その範囲は限られている。被照射物90を効率的に適切に加熱するためには、発振器10及び給電アンテナ40を含む発振系のインピーダンスと被照射物90のインピーダンスとを整合させる必要がある。すなわち、被照射物90を負荷とした共振周波数を発振器10の発振可能周波数の範囲内とする必要がある。発振器10又はそれに付随する装置は、反射電力を監視する機能を有する。
マイクロ波照射装置1は、上述のインピーダンス整合のために、無給電アンテナ50を備える。図1に示す例では、マイクロ波照射装置1は、無給電アンテナ50として、1つのループアンテナ、すなわち、第1無給電ループアンテナ51を有する。無給電ループアンテナの数は、適宜に変更され得る。
第1無給電ループアンテナ51は、同軸ケーブル21が接続されておらず給電されないことの他は、第1給電ループアンテナ41等と同様の構成を有する。すなわち、第1無給電ループアンテナ51は、マイクロ波の一波長分の長さを有する金属部材で形成されており、この金属部材は、円環形状等を有している。第1無給電ループアンテナ51は、接地されていない。第1無給電ループアンテナ51の開口面の中央を被照射物90が通り抜けるように、搬送装置85のベルト86がその開口面を通過するように、第1無給電ループアンテナ51が設けられている。第1無給電ループアンテナ51は、ベルト86の長手方向に対して垂直に、すなわち、上記の基準軸に対して垂直に設けられている。したがって、第1無給電ループアンテナ51の照射軸は、基準軸に沿って設けられている。
また、無給電アンテナ50は、基準軸に沿って移動可能に設置されている。後述するように、無給電アンテナ50を基準軸に沿って移動させることで、マイクロ波照射装置1の被照射物90を負荷とした共振周波数が変化する。マイクロ波照射装置1では、インピーダンス整合のため、基準軸に沿って無給電アンテナ50の位置が調整される。このように、被照射物90の位置は搬送装置85によって変化し、無給電アンテナ50は基準軸に沿って移動するものの、給電アンテナ40及び無給電アンテナ50の照射軸は、被照射物90が保持される搬送装置85の保持位置に向けられている。
無給電アンテナ50の位置を調整するために、マイクロ波照射装置1は、位置調整機構60を備える。図1に示す例では、位置調整機構60は、無給電アンテナ50を支持する支持部62と、支持部62を基準軸に沿って移動可能に支持するレール63とを有する。また、位置調整機構60は、レール63上の支持部62の位置を制御する制御部61を備える。制御部61は、発振器10とも接続されており、発振器10が測定した反射損失についての情報を取得する。
ここで示した位置調整機構60の構成は一例であり、位置調整機構60は、無給電アンテナ50の位置を変更できればどのような構成であってもよい。例えば、位置調整機構60は、連続的に無給電アンテナ50の位置を変化させることができなくてもよい。位置調整機構60は、使用者が手動で無給電アンテナ50の位置を調整して固定するようなものであってもよい。また、位置調整機構60は、給電アンテナ40の位置も変更できるように構成されていてもよい。すなわち、位置調整機構60は、給電アンテナ40と無給電アンテナ50との相対距離を変更できるように構成されていればどのようなものであってもよい。例えば、位置調整機構60は、給電アンテナ40又は無給電アンテナ50の位置を変更可能に固定できる固定具であってもよい。ただし、位置調整機構60の構成としては、給電アンテナ40の位置は固定されており、無給電アンテナ50の位置が変更されることがより好ましい。
マイクロ波照射装置1は、マイクロ波の遮蔽のため、金属筐体80を備える。すなわち、給電アンテナ40及び無給電アンテナ50は、金属筐体80で覆われている。また、搬送装置85のベルト86は、金属筐体80を通り抜けている。より詳しくは、金属筐体80は、主筐体81を備える。給電アンテナ40及び無給電アンテナ50は、主筐体81内に配置されている。主筐体81の両側面には、ベルト86が通り抜ける貫通孔が設けられている。この貫通孔のそれぞれには、ベルト86及びその上に置かれる被照射物90が通る大きさの側筐体82が接続されている。
無給電アンテナ50によるインピーダンス整合について、図2A及び図2Bを参照して説明する。図2Aは、無給電アンテナ50を設けていない場合、すなわち、図1において無給電アンテナ50が無い場合の反射損失と周波数との関係を模式的に示す。図2Bは、無給電アンテナ50を調整して適切な位置に設けた場合の反射損失と周波数との関係を模式的に示す。このような関係は、一般に、ネットワークアナライザなどを用いることで容易に得ることができる。なお、これら図中において網掛けで示した445MHz~465MHzの範囲が、発振器10が出力可能な周波数範囲であるものとする。
図2Aにおいて、いくつかのピークが認められる。これらピークが共振周波数である。これらのピークのうち、図中(a)で示したピークが、被照射物90に係る共振周波数である。無給電アンテナ50を設けていない図2Aにおいては、(a)で示した被照射物90に係る共振周波数は、網掛けで示した発振器10の出力可能周波数範囲外となっている。
これに対して、無給電アンテナ50を設けた図2Bにおいては、(a)で示した被照射物90に係る共振周波数は、網掛けで示した発振器10の出力可能周波数範囲内となっている。被照射物90を負荷とした共振周波数が発振器10の出力可能周波数範囲内となっていれば、発振器10の調整によって、出力周波数をこの共振周波数に一致させることができる。このような場合、被照射物90は効率的に加熱され得る。
〈マイクロ波照射装置の動作〉
本実施形態のマイクロ波照射装置1の動作について説明する。発振器10から出力された高周波電力は、同軸ケーブル21を介して給電アンテナ40に供給される。給電アンテナ40は、この給電に基づいて、マイクロ波を放射する。
被照射物90を変更する場合などは、被照射物90に応じたインピーダンス整合のため、無給電アンテナ50の位置の調整が行われる。このとき、被照射物90が給電アンテナ40と無給電アンテナ50との間に配置された状態で、マイクロ波の照射が行われ、反射損失が監視される。発振器10等で計測された反射損失の値を制御部61が取得し、被照射物90に係る共振周波数が発振器10の出力周波数の範囲内になるように、位置調整機構60は、無給電アンテナ50の位置を調整する。
インピーダンス整合が行われた後、マイクロ波照射装置1が使用される。すなわち、マイクロ波照射装置1を用いた被照射物90の加熱が実施される。被照射物90は、搬送装置85によって給電アンテナ40と無給電アンテナ50との間の加熱位置に次々と搬送されて、給電アンテナ40からのマイクロ波の照射によって、被照射物90は次々と誘電加熱される。被照射物90が加熱位置で停止するように搬送装置85が間歇的に動かされてもよいし、被照射物90が加熱位置を十分な時間をかけて通過するように搬送装置85が連続的に動かされてもよい。
ここでは、マイクロ波照射装置1の使用の前にインピーダンス整合に係る動作が行われる例を示したが、これに限らない。マイクロ波照射装置1の使用中にインピーダンス整合に係る動作が行われてもよい。
〈マイクロ波照射装置の構成例〉
上述のマイクロ波照射装置1は、給電アンテナ40及び無給電アンテナ50の数が異なるいくつかのパターンが考えられる。これに限らないが、3つの例を図3A乃至図3Cに示す。
図3Aに示す例は、給電アンテナ40として1つのアンテナ、すなわち、第1給電ループアンテナ41が設けられ、無給電アンテナ50として1つの無給電アンテナ、すなわち、第1無給電ループアンテナ51が設けられている例である。第1無給電ループアンテナ51は、基準軸に沿って移動できるように構成されている。
図3Bに示す例は、給電アンテナ40として2つのアンテナ、すなわち、第1給電ループアンテナ41及び第2給電ループアンテナ42が設けられ、無給電アンテナ50として1つの無給電アンテナ、すなわち、第1無給電ループアンテナ51が設けられている例である。第1無給電ループアンテナ51は、第1給電ループアンテナ41と第2給電ループアンテナ42との間に配置されている。第1無給電ループアンテナ51は、基準軸に沿って、第1給電ループアンテナ41と第2給電ループアンテナ42との間で移動できるように構成されている。
図3Cに示す例は、給電アンテナ40として2つのアンテナ、すなわち、第1給電ループアンテナ41及び第2給電ループアンテナ42が設けられ、無給電アンテナ50として2つの無給電アンテナ、すなわち、第1無給電ループアンテナ51及び第2無給電ループアンテナ52が設けられている例である。第1無給電ループアンテナ51及び第2無給電ループアンテナ52は、第1給電ループアンテナ41と第2給電ループアンテナ42との間に配置されている。第1無給電ループアンテナ51及び第2無給電ループアンテナ52は、それぞれ基準軸に沿って第1給電ループアンテナ41と第2給電ループアンテナ42との間で移動できるように構成されている。
後述するように、この例では、第1給電ループアンテナ41と第1無給電ループアンテナ51とが対を形成しており、第2給電ループアンテナ42と第2無給電ループアンテナ52とが対を形成している。第1無給電ループアンテナ51は、第2給電ループアンテナ42と第2無給電ループアンテナ52との間に配置され、第2無給電ループアンテナ52は、第1給電ループアンテナ41と第1無給電ループアンテナ51との間に配置されるという位置関係を有する。
〈実験例1〉
図3Aに示した構成のマイクロ波照射装置1を用いて、すなわち、1つの第1給電ループアンテナ41と1つの第1無給電ループアンテナ51とを備えるマイクロ波照射装置1を用いて、第1無給電ループアンテナ51の位置を変化させたときの被照射物90を負荷とした共振周波数及び反射損失を測定した。また、同装置を用いて被照射物90を加熱したときの温度について測定した。
(方法)
試験装置のマイクロ波照射装置1において、主筐体81は、アルミニウム材で形成し、その寸法は、搬送方向に沿う長さを440 mm、搬送方向に直交する幅を350 mm、高さを400 mmとした。側筐体82のそれぞれは、アルミニウム材で形成し、その寸法は、長さを250 mm、幅220 mm、高さ80 mmとした。金属筐体80内を通るように、搬送装置85の樹脂製のベルト86を設け、その幅は150 mmとした。
主筐体81内には、ベルト86が貫通するように、円形の第1給電ループアンテナ41を設けた。第1給電ループアンテナ41は、アルミニウム材で形成し、その内径は232 mm、外径は258 mm、厚みは2 mmとした。第1給電ループアンテナ41に同軸ケーブル21を介して、発振器10を接続した。発振器10の出力電力の周波数は、450 MHz(出力波長λ = 666 mm)とした。
第1給電ループアンテナ41と同様に、主筐体81内には、ベルト86が貫通するように、円形の第1無給電ループアンテナ51を設けた。第1無給電ループアンテナ51は、アルミニウム材で形成し、その内径は232 mm、外径は258 mm、厚みは2 mmとした。
被照射物90は、直径85 mmのポリプロピレン(PP)製のカップにポテトサラダ140 gを充填したものとした。被照射物90は、第1給電ループアンテナ41からの距離が167 mm(λ/4)となるように、ベルト86上に配置した。
ネットワークアナライザを用いて共振周波数及び反射損失を測定した。ここで、反射損失RLは、以下で定義した。
RL = 20 log10(b1/a1)
ここで、a1は入力電力の平方根であり、b1は反射電力の平方根である。
図4は、上述の第1給電ループアンテナ41、第1無給電ループアンテナ51及び被照射物90の位置関係を模式的に図示したものである。第1無給電ループアンテナ51と第1給電ループアンテナ41との距離が、42 mm、83 mm、125 mm、167 mm、208 mm、250 mm、292 mm、333 mmとなる各条件で測定を行った。すなわち、図4中に破線で示した(a)~(h)の各位置に第1無給電ループアンテナ51を配置して測定を行った。
被照射物90の温度測定実験においては、被照射物90の初期温度を10℃とし、出力を150 Wとし、5分間加熱した後の温度を測定した。
(結果)
図5は、第1給電ループアンテナ41から第1無給電ループアンテナ51までの距離に対する、共振周波数及び反射損失の値を示す。共振周波数は、第1無給電ループアンテナ51から第1給電ループアンテナ41までの距離が167 mm及び208 mmのときに451 MHzと最も低くなった。第1無給電ループアンテナ51から第1給電ループアンテナ41までの距離が167 mmから42 mmではより小さくなるほど、共振周波数はより高くなった。第1無給電ループアンテナ51から第1給電ループアンテナ41までの距離が208 mmから333 mmではより大きくなるほど、共振周波数はより高くなった。反射損失は、第1無給電ループアンテナ51から第1給電ループアンテナ41までの距離が167 mm以下のときほぼ一定であり、当該距離が167 mmから333 mmでは、距離が大きいほど小さくなった。
なお、第1給電ループアンテナ41から第1無給電ループアンテナ51までの距離が167 mmの位置に被照射物90が配置されているので、第1給電ループアンテナ41から第1無給電ループアンテナ51までの距離が167 mmよりも小さいとき、被照射物90は第1給電ループアンテナ41と第1無給電ループアンテナ51との2つのアンテナ間の外側に配置されている。第1給電ループアンテナ41から第1無給電ループアンテナ51までの距離が167 mmよりも大きいとき、被照射物90は第1給電ループアンテナ41と第1無給電ループアンテナ51との2つのアンテナ間の内側に配置されている。
共振周波数が発振器10の出力可能周波数範囲である445 MHz~465 MHzの中央値の455 MHzとなった場合について、加熱後の被照射物90の温度測定を行った。すなわち、第1給電ループアンテナ41から第1無給電ループアンテナ51までの距離が125 mmの場合と241 mmの場合とについて、加熱後の被照射物90の温度測定を行った。アンテナ間距離が125 mmのとき反射損失は、-8 dBとなり、アンテナ間距離が241 mmのとき反射損失は、-12 dBとなった。初期温度10℃の被照射物90を150 Wで5分間加熱した後の温度は、アンテナ間距離が125 mmのとき32℃となり、アンテナ間距離が241 mmのとき74℃となった。このことから、給電アンテナ40と無給電アンテナ50との間に被照射物90が配置されており、かつ共振周波数を一致させてインピーダンス整合を取ったとき、反射損失が小さく、加熱効率が良くなると考えられた。
〈実験例2〉
図3Bに示した構成のマイクロ波照射装置1を用いて、すなわち、第1給電ループアンテナ41及び第2給電ループアンテナ42の2つの給電アンテナ40と、1つの第1無給電ループアンテナ51とを備えるマイクロ波照射装置1を用いて、第1無給電ループアンテナ51の位置を変化させたときの被照射物90を負荷とした共振周波数を測定した。
(方法)
給電アンテナ40の配置を除いて、実験例1と同様の条件で実験を行った。すなわち、金属筐体80及びベルト86等の構成は、実験例1の場合と同じである。第1給電ループアンテナ41及び第2給電ループアンテナ42は、実験例1の第1給電ループアンテナ41と同様の構成とした。第1無給電ループアンテナ51は、実験例1の第1無給電ループアンテナ51と同様の構成とした。
第1給電ループアンテナ41と第2給電ループアンテナ42との間隔を333 mmとした。第1給電ループアンテナ41と第2給電ループアンテナ42とに同軸ケーブル21を介して発振器10を接続した。発振器10の出力電力の周波数は、450 MHzとし、第1給電ループアンテナ41と第2給電ループアンテナ42とに同相で給電した。
被照射物90は、実験例1と同様に直径85 mmのポリプロピレン(PP)製のカップにポテトサラダ140 gを充填したものとした。被照射物90は、第1給電ループアンテナ41と第2給電ループアンテナ42との中間の位置、すなわち、第1給電ループアンテナ41及び第2給電ループアンテナ42からの距離がそれぞれ167 mmとなるように、ベルト86上に配置した。
第1無給電ループアンテナ51と第1給電ループアンテナ41との距離が、167 mm、208 mm、250 mm、292 mmとなる各条件で共振周波数の測定を行った。また、第1無給電ループアンテナ51を配置しないで、それ以外同条件で、共振周波数の測定を行った。
図6は、第1給電ループアンテナ41、第2給電ループアンテナ42、第1無給電ループアンテナ51及び被照射物90の位置関係を模式的に図示したものである。破線で示した(a)~(d)の各位置に第1無給電ループアンテナ51を配置した。実験例1において、給電アンテナ40と無給電アンテナ50との間に被照射物90が配置されている場合を考慮することが有意義であることが見出された。そこで、第1無給電ループアンテナ51と給電アンテナ40との距離は、給電アンテナ40と無給電アンテナ50との間に被照射物90が配置された状態となるように、第2給電ループアンテナ42ではなくて第1給電ループアンテナ41と第1無給電ループアンテナ51との距離として定義した。
(結果)
図7は、第1給電ループアンテナ41から第1無給電ループアンテナ51までの距離に対する、共振周波数の値を示す。また、第1無給電ループアンテナ51を配置しなかった場合、共振周波数は、513 MHzであったので、この値を図7中に破線で示す。第1無給電ループアンテナ51を配置した場合、何れの場合も第1無給電ループアンテナ51を配置しなかった場合よりも共振周波数は低下した。
共振周波数は、第1無給電ループアンテナ51から第1給電ループアンテナ41までの距離が167 mmのときに460 MHzと最も低くなった。第1無給電ループアンテナ51から第1給電ループアンテナ41までの距離がより大きくなるほど、共振周波数はより高くなった。これは、実験例1の結果と同様の傾向であった。
第1無給電ループアンテナ51を配置しないと共振周波数は発振器10の発振可能周波数445 MHz~465 MHzから大きく外れたが、第1無給電ループアンテナ51を配置することで、共振周波数を発振器10の発振可能周波数の範囲内とすることが可能であることが明らかになった。
〈実験例3〉
図3Cに示した構成のマイクロ波照射装置1を用いて、すなわち、第1給電ループアンテナ41及び第2給電ループアンテナ42の2つの給電アンテナ40と、第1無給電ループアンテナ51及び第2無給電ループアンテナ52の2つの無給電アンテナ50とを備えるマイクロ波照射装置1を用いて、無給電アンテナ50の位置を変化させたときの被照射物90を負荷とした共振周波数を測定した。
(方法)
無給電アンテナ50の配置を除いて、実験例2と同様の条件で実験を行った。すなわち、金属筐体80及びベルト86等の構成は、実験例2の場合と同じである。第1給電ループアンテナ41及び第2給電ループアンテナ42は、実験例2の第1給電ループアンテナ41及び第2給電ループアンテナ42と同様の構成とした。第1給電ループアンテナ41と第2給電ループアンテナ42との間隔を333 mmとした。第1無給電ループアンテナ51及び第2無給電ループアンテナ52は、実験例2の第1無給電ループアンテナ51と同様の構成とした。
被照射物90は、実験例2と同様に直径85 mmのポリプロピレン(PP)製のカップにポテトサラダ140 gを充填したものとした。被照射物90は、第1給電ループアンテナ41と第2給電ループアンテナ42との中間の位置、すなわち、第1給電ループアンテナ41及び第2給電ループアンテナ42からの距離がそれぞれ167 mmとなるように、ベルト86上に配置した。
実験例1において、給電アンテナ40と無給電アンテナ50との間に被照射物90が配置されている場合を考慮することが有意義であることが見出された。そこで、被照射物90を挟んで配置された第1給電ループアンテナ41と第1無給電ループアンテナ51とを対として考え、被照射物90を挟んで配置された第2給電ループアンテナ42と第2無給電ループアンテナ52とを対として考えた。すなわち、第1無給電ループアンテナ51は、第2給電ループアンテナ42と第2無給電ループアンテナ52との間に配置され、第2無給電ループアンテナ52は、第1給電ループアンテナ41と第1無給電ループアンテナ51との間に配置されるという位置関係を有する。
第1無給電ループアンテナ51と第1給電ループアンテナ41との距離及び第2無給電ループアンテナ52と第2給電ループアンテナ42との距離が、208 mm、250 mm、292 mmとなる各条件で共振周波数の測定を行った。図8は、第1給電ループアンテナ41、第2給電ループアンテナ42、第1無給電ループアンテナ51、第2無給電ループアンテナ52及び被照射物90の位置関係を模式的に図示したものである。破線で示した(a)~(c)の各位置に第1無給電ループアンテナ51及び第2無給電ループアンテナ52を配置した。上述のとおり、無給電アンテナ50と給電アンテナ40との距離は、給電アンテナ40と無給電アンテナ50との間に被照射物90が配置された状態となるように定義した。
(結果)
図9は、給電アンテナ40から無給電アンテナ50までの距離に対する、共振周波数の値を示す。また、無給電アンテナ50を配置しなかった場合、共振周波数は、513 MHzであったので、この値を図9中に破線で示す。無給電アンテナ50を配置した場合、何れの場合も無給電アンテナ50を配置しなかった場合よりも共振周波数は、低下した。共振周波数は、給電アンテナ40から無給電アンテナ50までの距離がより大きくなるほど、共振周波数はより高くなった。これは、実験例1及び実験例2の結果と同様の傾向であった。ただし、給電アンテナ40から無給電アンテナ50までの距離が同じであっても無給電ループアンテナが1つ配置された実験例2より無給電ループアンテナが2つ配置された実験例3の方が共振周波数は低下していた。すなわち、無給電アンテナを配置する数によっても共振周波数の調整が可能であった。
第1無給電ループアンテナ51を配置しないと共振周波数は発振器10の発振可能周波数445 MHz~465 MHzから大きく外れたが、第1無給電ループアンテナ51及び第2無給電ループアンテナ52を配置することで、共振周波数を発振器10の発振可能周波数の範囲内とすることが可能であることが明らかになった。
〈比較実験例〉
無給電アンテナ50を設けずに、2つの給電アンテナ40の間隔を変化させたときの被照射物90を負荷とした共振周波数を測定した。
(方法)
無給電アンテナ50を配置せずに、第1給電ループアンテナ41と第2給電ループアンテナ42との間隔を変化させたことを除いて、実験例2と同様の条件で実験を行った。すなわち、金属筐体80及びベルト86等の構成は、実験例2の場合と同じである。第1給電ループアンテナ41及び第2給電ループアンテナ42は、実験例2の第1給電ループアンテナ41及び第2給電ループアンテナ42と同様の構成とした。
被照射物90は、実験例2と同様に直径85 mmのポリプロピレン(PP)製のカップにポテトサラダ140 gを充填したものとした。被照射物90は、第1給電ループアンテナ41と第2給電ループアンテナ42との中間の位置となるように、ベルト86上に配置した。
第1給電ループアンテナ41と第2給電ループアンテナ42との距離が、167 mm、250 mm、333 mm、417 mmとなる各条件で共振周波数の測定を行った。図10は、第1給電ループアンテナ41、第2給電ループアンテナ42及び被照射物90の位置関係を模式的に図示したものである。破線で示した(a)~(d)の各位置に第1給電ループアンテナ41及び第2給電ループアンテナ42を配置した。
(結果)
図11は、第1給電ループアンテナ41と第2給電ループアンテナ42との距離に対する、共振周波数の値を示す。アンテナ間の距離が広がるにしたがって共振周波数は低下した。第1給電ループアンテナ41と第2給電ループアンテナ42との距離を変更しても共振周波数を調整できることが明らかになった。
アンテナ間の距離を広げると共振周波数が低下するのは、アンテナ間の結合が弱まるためであると考えられる。このことを考慮すると、本実施形態において、無給電アンテナ50を設けることで共振周波数が低下するのは、以下の理由によると考えられる。すなわち、無給電アンテナ50には給電アンテナ40と逆向きの電流が誘導される。この逆向きの誘導電流が、給電アンテナ40同士の結合や、給電アンテナ40と他の要素との結合を弱める働きをすると考えられる。また、この働きは無給電アンテナ50と給電アンテナ40とが近いほど強いため、上記の実験例1~3のような結果になったと考えられる。
無給電アンテナ50を用いずに第1給電ループアンテナ41と第2給電ループアンテナ42との距離を変更することでも、共振周波数を調整できるものの、このためには、アンテナの位置を大きく変更するために、大きな金属筐体80を用いる必要がある。また、同軸ケーブル21が接続された第1給電ループアンテナ41及び第2給電ループアンテナ42の位置を調整することは、同軸ケーブル21が接続されていない無給電アンテナ50の位置を調整するよりも大きな困難を伴う。したがって、給電アンテナ40の位置を固定しつつ、無給電アンテナ50の位置を調整することで共振周波数を調整できる本実施形態は、装置のサイズ及び装置構成の単純さ等の点で優れていると考えられる。
〈実験例4〉
図3Aに示した構成のマイクロ波照射装置1を用いて、すなわち、1つの第1給電ループアンテナ41と1つの第1無給電ループアンテナ51とを備えるマイクロ波照射装置1を用いて、インピーダンス整合を行う際の被照射物90の位置と、被照射物90の加熱時の反射損失との関係を検討した。
(方法)
マイクロ波照射装置1の主筐体81の搬送方向に沿う長さを、660 mmとした。側筐体82及びベルト86等の構成は、実験例1の場合と同じである。第1給電ループアンテナ41と第1無給電ループアンテナ51との距離は333 mmとした。マイクロ波照射装置1のその他の構成は、実験例1の場合と同様とした。
被照射物90は、実験例1と同様に直径85 mmのポリプロピレン(PP)製のカップにポテトサラダ140 gを充填したものとした。被照射物90はベルト86上にピッチ120 mm間隔で3個配置した。
図12は、第1給電ループアンテナ41と第1無給電ループアンテナ51と被照射物90との位置関係を模式的に示す。第1給電ループアンテナ41と第1無給電ループアンテナ51との間に被照射物90が配置された状態でインピーダンス整合する場合、図12の左上欄に示す状態で、共振周波数とそのときの反射損失を測定した。すなわち、被照射物90の3個中の1個が第1給電ループアンテナ41と第1無給電ループアンテナ51との間に配置された状態で、共振周波数を特定し、出力周波数を共振周波数に設定したときの反射損失を測定した。出力周波数を共振周波数に固定したまま、図12の左下欄に示すように、第1給電ループアンテナ41と第1無給電ループアンテナ51との間に被照射物90が3個配置された状態とし、このときの反射損失を測定した。
第1給電ループアンテナ41と第1無給電ループアンテナ51との間に被照射物90が配置されていない状態でインピーダンス整合する場合は、図12の右上欄に示す状態で、共振周波数とそのときの反射損失を測定した。すなわち、第1給電ループアンテナ41と第1無給電ループアンテナ51との外側である、第1無給電ループアンテナ51から60 mm離れた位置に被照射物90が配置された状態で、共振周波数を特定し、出力周波数を共振周波数に設定したときの反射損失を測定した。出力周波数を共振周波数に固定したまま、図12の右下欄に示すように、第1給電ループアンテナ41と第1無給電ループアンテナ51との間に被照射物90が3個配置された状態とし、このときの反射損失を測定した。
(結果)
図12の左上欄に示すように、第1給電ループアンテナ41と第1無給電ループアンテナ51との間に被照射物90が1個配置された状態でインピーダンス整合を行うと、共振周波数は427 MHzであり、このときの反射損失は-12 dBであった。出力周波数を427 MHzに固定したまま被照射物90を搬送し、図12の左下欄に示すように、第1給電ループアンテナ41と第1無給電ループアンテナ51との間に被照射物90が3個配置された状態とした。このとき、反射損失は-18 dBであり、充分に小さな反射損失を維持していた。
図12の右上欄に示すように、第1給電ループアンテナ41と第1無給電ループアンテナ51との間に被照射物90が配置されていない状態でインピーダンス整合を行うと、共振周波数は432 MHzであり、このときの反射損失は-12 dBであった。出力周波数を432 MHzに固定したまま被照射物90を搬送し、図12の右下欄に示すように、第1給電ループアンテナ41と第1無給電ループアンテナ51との間に被照射物90が3個配置された状態とした。このとき、反射損失は-4.4 dBとなり、反射損失が大きく、効率が悪い状態であった。
この結果から、特にマイクロ波の出力周波数を固定して被照射物90を搬送して加熱する場合においては、第1給電ループアンテナ41と第1無給電ループアンテナ51との間に被照射物90が配置された状態でインピーダンス整合を行うことで、反射損失が小さく効率のよい加熱ができることが明らかになった。
[第2の実施形態]
第2の実施形態として各種の実施形態について説明する。ここでは、第1の実施形態との相違点について説明し、同一の部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。第1の実施形態では、搬送装置85のベルト86が給電アンテナ40及び無給電アンテナ50を貫通するように設けられているが、これに限らない。
例えば、基準軸とベルト86の長手方向とは直交していてもよい。図13は、この一例を模式的に示す平面図である。この例では、ベルト86を挟むように第1給電ループアンテナ41及び第2給電ループアンテナ42が配置されており、第1給電ループアンテナ41と第2給電ループアンテナ42との間に第1無給電ループアンテナ51と第2無給電ループアンテナ52とがベルト86を挟むように配置されている。第1無給電ループアンテナ51及び第2無給電ループアンテナ52は、その間隔を変化させるように移動可能に構成されている。
また、第1無給電ループアンテナ51と第2無給電ループアンテナ52との何れか一方のみが設けられていてもよい。また、第1給電ループアンテナ41及び第1無給電ループアンテナ51のみが設けられていてもよい。
また、第1給電ループアンテナ41、第2給電ループアンテナ42、第1無給電ループアンテナ51及び第2無給電ループアンテナ52等からなる構成を一組として、それらがベルト86に沿って複数組配置されていてもよい。
これらの例では、給電アンテナ40には、ループアンテナに限らず、マイクロストリップアンテナなど、各種の指向性アンテナが用いられ得る。また、同様に、無給電アンテナ50には、ループアンテナに限らず他のアンテナやアンテナとして機能する各種導電体が用いられてもよい。これらの例では、被照射物90の位置は搬送装置85によって変化するので、常にではないが、少なくとも一時的には、給電アンテナ40及び無給電アンテナ50の照射軸は、被照射物90が保持される搬送装置85の保持位置に向けられることになる。
また、第1の実施形態及び第2の実施形態では、被照射物90が搬送装置85によって搬送される例を示したが、これに限らない。搬送装置85に代えて、基準軸上に被照射物90が載置されるように構成された台が設けられてもよい。このように、これら実施形態では、搬送装置85のベルト86や台などのように、被照射物90が一時的であれ給電アンテナ40と無給電アンテナ50との間の基準軸上に保持されるように構成された各種の保持具が用いられる。すなわち、少なくとも一時的には、給電アンテナ40及び無給電アンテナ50の照射軸は、被照射物90が保持される保持位置に向けられることになる。
[第3の実施形態]
第3の実施形態について説明する。ここでは、第1の実施形態との相違点について説明し、同一の部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。第1の実施形態の構成に加えて、さらに別の無給電アンテナが設けられていてもよい。
図14は、本実施形態に係るマイクロ波照射装置1の構成例の概略を模式的に示す図である。この例では、ベルト86の両脇に、ベルト86と平行に細長い板状の無給電の補助アンテナ56が設けられている。補助アンテナ56は、接地されていない。
給電アンテナ40に給電されたとき、この補助アンテナ56にも電流が誘導される。この誘導電流も被照射物90の周囲の電界に影響を与える。補助アンテナ56の長さ、幅、形状、個数、配置などは適宜に変更され得る。また、補助アンテナ56は、位置が固定されていても、可動式であってもよい。補助アンテナ56を用いて、被照射物90の周囲の電界の状態を調整することが可能である。本実施形態が第2の実施形態と組み合わせて適用され得ることはもちろんである。
〈実験例5〉
無給電アンテナ50を設けずに、2つの補助アンテナ56を設け、補助アンテナ56の間隔を変化させたときの被照射物90を負荷とした共振周波数を測定した。
(方法)
マイクロ波照射装置1の主筐体81の搬送方向に沿う長さを660 mmとした。側筐体82及びベルト86等の構成は、実験例2の場合と同じである。無給電アンテナ50を配置せずに、2つの補助アンテナ56を配置し、補助アンテナ56の間隔を変化させたことを除いて、実験例2と同様の条件で実験を行った。
図15は、アンテナの配置等を模式的に示す図である。第1給電ループアンテナ41と第2給電ループアンテナ42との距離は333 mmとした。被照射物90は、実験例2と同様に直径85 mmのポリプロピレン(PP)製のカップにポテトサラダ140 gを充填したものとした。被照射物90は、第1給電ループアンテナ41と第2給電ループアンテナ42との中間の位置となるように、ベルト86上に配置した。
補助アンテナ56は、幅Wを20 mmとし、長さLを320 mm、400 mm、480 mmの3種類とした。2つの補助アンテナ56を、その長手軸を第1給電ループアンテナ41及び第2給電ループアンテナ42の照射軸と平行にし、被照射物90を挟んで両側に配置した。長さが異なる補助アンテナ56のそれぞれについて、補助アンテナ56の間隔Dを90 mmから150 mmまで変化させた各条件で、共振周波数の測定を行った。
(結果)
図16は、2つの補助アンテナ56の間隔及び長さに対する、共振周波数の値を示す。補助アンテナ56を配置しなかった場合、共振周波数は、489 MHzであった。この値を図16中に破線で示す。補助アンテナ56を配置した何れの場合も、共振周波数は、補助アンテナ56を配置しなかった場合よりも低下した。補助アンテナ56の間隔が広がるにしたがって、共振周波数は上昇した。補助アンテナの長さは長くなるにしたがって、共振周波数は低下した。
無給電アンテナ50を用いずに、補助アンテナ56の間隔又は長さを変更することでも、共振周波数を調整できることが確認できた。ただし、補助アンテナ56の間隔の調整範囲は被照射物の大きさにより制約を受け、また、長さの変更は部品交換を伴い煩雑かつ不連続な調整となる。
図17は、上述のマイクロ波照射装置により被照射物90を加熱したときの被照射物90の温度分布のシミュレーション結果を示す。図17において、上段は解析に用いたモデルを示し、下段は解析結果である温度分布を示す。(a)は、無給電アンテナ50及び補助アンテナ56を設けずに、給電アンテナ40のみを設けた場合である。(b)は、無給電アンテナ50を設けずに、補助アンテナ56を設けた場合である。(c)及び(d)は、補助アンテナ56を設けずに、無給電アンテナ50を設けた場合である。ここで、(c)は、2つの無給電アンテナ50に設けられたギャップ54がいずれも上側になるように無給電アンテナ50が配置された場合であり、(d)は、無給電アンテナ50に設けられたギャップ54が、一方は上側に他方は下側になるように無給電アンテナ50が配置された場合である。
(b)に示す補助アンテナ56を用いた場合は、(a)に示す給電アンテナ40のみの場合に比べて、温度分布が大きく変化している。共振周波数を調整するために補助アンテナ56を設けると、温度分布にまで影響を及ぼしてしまうことが示唆された。(c)及び(d)に示す無給電アンテナ50を用いた場合は、(a)に示す給電アンテナ40のみの場合と比較的似た温度分布が得られた。したがって、無給電アンテナ50を用いることで、温度分布への影響を抑えながら共振周波数を調整できることが確認できた。
(c)と(d)との比較から、無給電アンテナ50を複数用いる場合の温度分布は、無給電アンテナ50に設けられたギャップ54の位置の影響を受けることが示唆された。無給電アンテナ50を複数用いる場合は、それぞれのギャップ54が反対側になるよう無給電アンテナ50を配置することで、ギャップ54が同側になるよう無給電アンテナ50を配置する場合よりも給電アンテナ40のみの場合に近い温度分布が得られた。ギャップ54が反対側になるよう無給電アンテナ50を配置することで、温度分布に影響を与えずに、共振周波数の調整が可能となることが確認できた。
以上のことから、無給電アンテナ50の位置を調整することで共振周波数を調整する方法は、装置構成の単純さ及び温度分布への影響が少ない等の点で優れていると考えられる。
〈実験例6〉
給電アンテナ40のみを配置した場合、及び、給電アンテナ40に加えて補助アンテナ56又は無給電アンテナ50を配置した場合の各装置において、被照射物90を搬送したときの共振周波数の変化を測定した。
(方法)
マイクロ波照射装置1の主筐体81の搬送方向に沿う長さを660 mmとした。側筐体82及びベルト86等の構成は、実験例2の場合と同じとした。第1給電ループアンテナ41と第2給電ループアンテナ42との距離は333 mmとした。給電アンテナ40と補助アンテナ56とを組み合わせる場合、補助アンテナの長さは480 mmとし、2つの補助アンテナの間隔は150 mmとした。給電アンテナ40と無給電アンテナ50とを組み合わせる場合、無給電アンテナ50は、2つの給電アンテナ40から等距離の中央に1つ配置した。
被照射物90は、実験例2と同様に直径85 mmのポリプロピレン(PP)製のカップにポテトサラダ140 gを充填したものとした。ベルト86上に1個の被照射物90を配置した。あるいは、ベルト86上に3個の被照射物90をピッチ120 mm間隔で配置した。被照射物90が1個の場合、その中心を被照射物90の位置とした。被照射物90が3個の場合、その中央の1個の中心を被照射物90の位置とした。被照射物90を搬送し、被照射物90の位置について、主筐体81の端部位置から82.5 mm間隔の各位置で共振周波数を測定した。
(結果)
図18は、1個の被照射物90を搬送した場合の共振周波数の変化を示す。3パターンのアンテナ構成のいずれの場合も、被照射物90が主筐体81の中央位置で共振周波数が最も低く、主筐体81の端部で共振周波数が最も高くなった。給電アンテナ40のみの場合、共振周波数の最大値は496 MHzであり、最小値は489 MHzであり、変動幅は7 MHzであった。補助アンテナ56を用いた場合、共振周波数の最大値は488 MHzであり、最小値は469 MHzであり、変動幅は19 MHzであった。無給電アンテナ50を用いた場合、共振周波数の最大値は457 MHzであり、最小値は454 MHzであり、変動幅は3 MHzであった。すなわち、補助アンテナ56を用いた場合は、給電アンテナ40のみの場合と比較して、搬送に伴う共振周波数の変動幅が大きくなった。一方、無給電アンテナ50を用いた場合は、給電アンテナ40のみの場合と比較して、搬送に伴う共振周波数の変動幅が小さくなった。
図19は、3個の被照射物90を搬送した場合の共振周波数の変化を示す。3パターンのアンテナ構成のいずれの場合も、被照射物90が主筐体81の中央位置で共振周波数が最も低く、主筐体81の端部で共振周波数が最も高くなった。給電アンテナ40のみの場合、共振周波数の最大値は494 MHzであり、最小値は477 MHzであり、変動幅は17 MHzであった。補助アンテナ56を用いた場合、共振周波数の最大値は487 MHzであり、最小値は461 MHzであり、変動幅は26 MHzであった。無給電アンテナ50を用いた場合、共振周波数の最大値は455 MHzであり、最小値は448 MHzであり、変動幅は7 MHzであった。すなわち、被照射物90が3個の場合でも、被照射物90が1個の場合と同様に、補助アンテナ56を用いた場合は、給電アンテナ40のみの場合と比較して、搬送に伴う共振周波数の変動幅が大きくなった。一方、無給電アンテナ50を用いた場合は、給電アンテナ40のみの場合と比較して、搬送に伴う共振周波数の変動幅が小さくなった。
無給電アンテナ50を用いることで共振周波数の調整だけでなく、搬送に伴う共振周波数の変動が抑えられることが確認できた。したがって、無給電アンテナ50を用いることで、マイクロ波の発振器10の出力周波数の調整範囲が小さくてすんだり、出力周波数を固定して照射できたりすることが明らかになった。
[マイクロ波照射装置の用途]
上述の各実施形態に係るマイクロ波照射装置1は、種々の用途の処理装置に組み込まれたり、適切な態様で構成されたりし得る。例えば、密封包装された食品の加熱殺菌のために用いられる場合には、マイクロ波照射装置1は、密封包装された食品である被照射物90が加圧されたり、殺菌のために必要な時間保温されたりするように構成された装置内に組み込まれることになる。その他、マイクロ波照射装置1は、食品を包装容器に収容し、この包装容器を密閉することで包装容器食品とすることと、マイクロ波照射装置1を用いて、この包装容器食品を加熱することとを含む食品の製造に用いられ得る。
以上、本発明について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明は、前述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
前述した実施形態において、無給電アンテナ50の形状及び大きさは、給電アンテナ40のそれらと同様としたが、これに限らない。例えば、無給電ループアンテナの直径を大きくすると共振周波数は低下し、直径を小さくすると共振周波数は上昇することから、必要な周波数帯域になるように無給電アンテナ50の大きさを変更してもよい。
上述の各実施形態は、給電アンテナ40の指向性照射軸である基準軸が水平である例を示したが、これに限らない。基準軸は、例えば、鉛直に設けられたり水平に対して傾斜して設けられたりしてもよい。例えば、搬送装置85によって水平に搬送される被照射物90を上下から挟むように給電アンテナ40及び無給電アンテナ50が設けられ、当該給電アンテナ40を用いて上、下又はその両方から被照射物90にマイクロ波が照射されてもよい。また、搬送装置85が被照射物90を鉛直方向に搬送してもよい。例えば給電アンテナ40及び無給電アンテナ50として、基準軸を鉛直にして開口面を水平にループアンテナが設けられ、搬送装置85によって搬送される被照射物90がこれらループアンテナを鉛直方向に通過するようにマイクロ波照射装置1は構成されてもよい。また、被照射物90が、搬送装置85によって鉛直方向に搬送され、基準軸を水平にして配置されたアンテナとアンテナとの間を通過するように、マイクロ波照射装置1は構成されてもよい。このように、基準軸、搬送方向などは任意に設定され得る。
1 マイクロ波照射装置
10 発振器
21 同軸ケーブル
40 給電アンテナ
41 第1給電ループアンテナ
42 第2給電ループアンテナ
50 無給電アンテナ
51 第1無給電ループアンテナ
52 第2無給電ループアンテナ
56 補助アンテナ
60 位置調整機構
61 制御部
62 支持部
63 レール
80 金属筐体
81 主筐体
82 側筐体
85 搬送装置
86 ベルト
90 被照射物

Claims (15)

  1. 被照射物を保持位置で保持するように構成された保持具と、
    発振器と導通するように構成された給電器具と、
    前記給電器具を介した導通による給電によってマイクロ波を照射するように構成されており、照射軸を前記保持位置に向けて配置された指向性を有する給電アンテナと、
    前記保持位置を挟んで前記給電アンテナと対向して配置されており、照射軸を前記保持位置に向けて配置された、指向性を有するが給電されない無給電アンテナと
    を備えるマイクロ波照射装置。
  2. 前記無給電アンテナと前記給電アンテナとの相対距離を変更するように構成された位置調整機構をさらに備える、請求項1に記載のマイクロ波照射装置。
  3. 前記位置調整機構は、前記無給電アンテナの位置を変更するように構成されている、請求項2に記載のマイクロ波照射装置。
  4. 前記給電器具を介した導通による給電によってマイクロ波を照射するように構成されており、照射軸を前記保持位置に向けて配置された指向性を有するさらなる給電アンテナをさらに備える、請求項1又は3に記載のマイクロ波照射装置。
  5. 前記保持位置を挟んで前記さらなる給電アンテナと対向して配置されており、照射軸を前記保持位置に向けて配置された、指向性を有するが給電されないさらなる無給電アンテナをさらに備える、請求項4に記載のマイクロ波照射装置。
  6. 前記さらなる無給電アンテナの位置を変更するように構成されている位置調整機構を備える、請求項5に記載のマイクロ波照射装置。
  7. 前記給電アンテナ又は前記無給電アンテナは、ループアンテナである、請求項1又は2に記載のマイクロ波照射装置。
  8. 前記保持具は、前記ループアンテナを貫通して設けられている、請求項7に記載のマイクロ波照射装置。
  9. 前記保持具は、前記被照射物を搬送するように構成されている搬送装置を有する、請求項1又は2に記載のマイクロ波照射装置。
  10. 被照射物に照射軸を向けて当該被照射物を挟んで対向して配置された指向性のアンテナのうち一方のアンテナに給電して他方のアンテナに給電しないで前記被照射物にマイクロ波を照射することを含むマイクロ波照射方法。
  11. 前記対向して配置された指向性のアンテナの間隔を変更してインピーダンスを調整することをさらに含む、請求項10に記載のマイクロ波照射方法。
  12. 前記インピーダンスを調整することは、前記対向して配置された指向性のアンテナのうち給電している方のアンテナは移動させずに給電していない方のアンテナを移動させることを含む、請求項11に記載のマイクロ波照射方法。
  13. 請求項10又は11に記載のマイクロ波照射方法を用いて食品を加熱することを含む食品の製造方法。
  14. 前記食品が包装容器食品である、請求項13に記載の食品の製造方法。
  15. 前記食品を包装容器に収容し、前記包装容器を密閉することで前記包装容器食品とすることをさらに含む、請求項14に記載の食品の製造方法。

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