JP2024011753A - 空気圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【課題】フィルタに付着した粉塵などの異物を除去可能とした空気圧縮機を提供する。【解決手段】空気圧縮機1Aは、フィルタ取り付け部25に取り付けられたフィルタ24とクランクケース23の内部との間に形成される通気空間28と、通気空間28とクランクケース23の内部との間を仕切る壁部26と、壁部26に形成される穴部26aと、タンク50とつながり、通気空間28にタンク50内の圧縮空気を供給する流路29を備える。【選択図】図2B
Description
本発明は、空気を圧縮する空気圧縮機に関する。
ピストンの往復動作等で空気を圧縮し、圧力が大気圧より高い圧縮空気を生成する圧縮部と、圧縮部で生成された圧縮空気を貯蔵するタンクを備えたエアコンプレッサと称す空気圧縮機が知られている。このような空気圧縮機は、空気圧を利用して釘を打つ工具や、空気圧を利用してネジを締結する工具等の空圧工具に圧縮空気を供給する用途で用いられる。空圧工具に圧縮空気を供給する用途で用いられる空気圧縮機は、任意の場所に持ち運んで使用可能な可搬型であり、穴開けや切断などの作業で粉塵が発生しやすく、また、作業者が動き回ることで土埃が発生しやすい建設現場に設置して使用されることが多い。
建設現場に設置して使用される空気圧縮機は、土埃や粉塵の中で運転する状況におかれるため、基板、配線類の耐粉塵保護が施され、また、圧縮部における空気の吸入部には、防塵用のフィルタを備える構成が一般的である。
一方で、フィルタに粉塵などの異物が詰まることにより、通気抵抗の増加で圧縮部に十分な量の空気を吸い込めず、タンクに貯蔵する圧縮空気の量が減少することで、空圧工具に供給可能な圧縮空気の量が不足するなど、吐出性能の低下による問題が生じている。
そこで、フィルタへの粉塵詰まりを除去する方法として、タンクからドレン水と排出エアを排出可能なドレンコックと、ドレンコックを開いて排出される排出エアをフィルタに導く配管を備え、配管の吹出部から排出エアを吹き出すことでフィルタに堆積した粉塵を吹き飛ばす技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、冷却用ファンの風路の一部にフィルタを配置し、冷却風でフィルタを変位させて揺らすことで、粉塵をふるい落とす技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
更に、フィルタカバーを外すことでフィルタをハウジングから露出させ、フィルタに付着した粉塵などの除去やフィルタの交換を可能とした技術が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
また、タンク内の圧縮空気を圧縮部のクランクケース内に吐出し、クランクケース内に吐出された圧縮空気を、フィルタを通ってクランクケース外に噴出できるようにした技術が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
しかし、特許文献1では、排出エアをフィルタの外側からフィルタに向けて噴射するため、粉塵などの異物をフィルタに押し付けることになり、粉塵などの異物の除去効果が低
い。また、ドレン水と排出エアを完全に分離することが難しいため、水分を含んだ空気がフィルタに噴射され、フィルタが水分を含むという問題が生じる。
い。また、ドレン水と排出エアを完全に分離することが難しいため、水分を含んだ空気がフィルタに噴射され、フィルタが水分を含むという問題が生じる。
また、特許文献2では、冷却風を利用しているが、冷却風の風圧では、粉塵などの異物を除去するために十分な程度にフィルタを揺らすことができず、また、冷却風の風圧ではフィルタに付着した粉塵などの異物を吹き飛ばすのに十分な風圧は得られず、粉塵などの異物の除去効果が低い。
更に、特許文献3では、フィルタカバーを外してフィルタを清掃する煩わしさや、フィルタを交換する煩わしさがある。また、フィルタに手を触れることが可能な位置にフィルタを配置する必要があるため、フィルタの配置に制約が生じる。
また、特許文献4では、クランクケース内に供給された圧縮空気により発生する気流でクランクケース内の異物が巻き上げられ、圧縮部に回り込んでしまう可能性が高まり、耐久性の低下につながる問題がある。
本発明は、このような課題を解決するためなされたもので、フィルタに付着した粉塵などの異物を除去可能とした空気圧縮機を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明は、空気を圧縮する圧縮部と、圧縮部で圧縮された圧縮空気を貯蔵するタンクを有した貯蔵部と、圧縮部に吸い込まれる空気が通るフィルタと、フィルタより内側に形成される通気空間と圧縮部の内部との間を仕切る壁部と、通気空間とつながり、通気空間に供給される圧縮空気が通る流路とを備えた空気圧縮機である。
本発明では、フィルタより内側に形成された通気空間に流路から圧縮空気が供給されることで、通気空間に面したフィルタの裏面(内側の面)からフィルタの表面に向けて圧縮空気が吹き出される。また、通気空間は、圧縮部の内部との間が壁部で仕切られ、流路から通気空間に供給した圧縮空気が、圧縮部の内部に流入することを規制される。
また、本発明は、空気を圧縮する圧縮部と、圧縮部で圧縮された圧縮空気を貯蔵するタンクを有した貯蔵部と、圧縮部に吸い込まれる空気が通るフィルタと、フィルタより内側に形成される通気空間に圧縮空気を供給する流路と、流路から通気空間に供給された圧縮空気が、通気空間から圧縮部の内部に流れることを規制する流量規制部とを備えた空気圧縮機である。
本発明では、フィルタより内側に形成された通気空間に流路から圧縮空気が供給されることで、通気空間に面したフィルタの裏面(内側の面)からフィルタの表面に向けて圧縮空気が吹き出される。また、流路から通気空間に供給された圧縮空気が、通気空間から圧縮部の内部に流れることが流量規制部で規制される。
本発明によれば、フィルタの表面に付着した粉塵などの異物を、流路から通気空間に供給した圧縮空気によって、フィルタの外側に向けて吹き飛ばす気流を発生させることができ、フィルタを清掃することができる。また、流路から通気空間に供給した圧縮空気が、圧縮部の内部に流入することを規制できる。
以下、図面を参照して、本発明の空気圧縮機の実施の形態について説明する。
<本実施の形態の空気圧縮機の構成例>
図1Aは、本実施の形態の空気圧縮機の一例を示す斜視図、図1Bは、本実施の形態の空気圧縮機の一例を示す上面図である。また、図2A、図2Bは、本実施の形態の空気圧縮機の一例を示す要部拡大断面図、図3は、本実施の形態の空気圧縮機の一例を示す要部拡大斜視図である。
図1Aは、本実施の形態の空気圧縮機の一例を示す斜視図、図1Bは、本実施の形態の空気圧縮機の一例を示す上面図である。また、図2A、図2Bは、本実施の形態の空気圧縮機の一例を示す要部拡大断面図、図3は、本実施の形態の空気圧縮機の一例を示す要部拡大斜視図である。
空気圧縮機1Aは、空気を圧縮する圧縮部2と、圧縮部2を駆動する駆動部3と、駆動部3により駆動され、圧縮部2及び駆動部3を冷却する空気の流れを生成する送風部4と、圧縮部2で圧縮される空気(圧縮空気)を貯蔵する貯蔵部5を備える。
圧縮部2は、一次シリンダ20aと二次シリンダ20bを備える。一次シリンダ20aと二次シリンダ20bは、それぞれピストン21を備える。一次シリンダ20aと二次シリンダ20bの各ピストン21は、コンロッドを介してクランクシャフト22に連結される。
圧縮部2は、クランクシャフト22を回転可能に支持すると共に、各ピストン21が往復移動して空気を送出する空間が形成されるクランクケース23を備える。圧縮部2は、クランクシャフト22が回転することで各ピストン21が往復移動し、各ピストン21の往復移動で圧縮空気を送出する。圧縮部2は、一次シリンダ20aで圧縮された空気が二次シリンダ20bに送られ、二次シリンダ20bでさらに圧縮することで、より高圧の圧縮空気を生成する。
クランクケース23は、クランクシャフト22の軸方向に沿った一方の端部に、クランクケース23と別部品で構成されるクランクケースキャップ23cが取り付けられる。クランクケースキャップ23cは、クランクシャフト22の一方の端部を回転可能に支持する軸受け部23aと、軸受け部23aからつながる空間が内部に形成される円筒状の凸部23bが設けられる。また、クランクケース23は、クランクシャフト22の軸方向に沿った駆動部3側の端部に、クランクシャフト22を回転可能に支持する軸受け部23dが設けられる。
圧縮部2は、クランクケースキャップ23cが外されたクランクケース23の内部にピストン21やクランクシャフト22などの各種部品を組みつけた後、クランクケースキャップ23cがクランクケース23に取り付けられてネジなどで固定される。圧縮部2は、クランクケース23にクランクケースキャップ23cが取り付けられると、クランクシャフト22の軸方向に沿ったクランクケース23の一方の端部がクランクケースキャップ23cで塞がれる。また、圧縮部2は、クランクケースキャップ23cの軸受け部23aと、クランクケース23の軸受け部23dにより、クランクシャフト22が回転可能に支持される。
空気圧縮機1Aは、クランクケース23の外部からクランクケース23の内部への粉塵や土埃などの異物の侵入を抑制するフィルタ24を備える。フィルタ24は、中心が空洞となる形状で環状に構成される。フィルタ24は、クランクシャフト22の回転によるピ
ストン21の往復移動における吸気工程で、クランクケース23の外部から内部に吸い込まれる空気が通る。
ストン21の往復移動における吸気工程で、クランクケース23の外部から内部に吸い込まれる空気が通る。
また、空気圧縮機1Aは、フィルタ24が取り付けられるフィルタ取り付け部25を備える。フィルタ取り付け部25は、環状のフィルタ24の外形に合わせた形状で、圧縮部2の外部であるクランクケース23の外部に向けて開口した空間に、フィルタ24が着脱可能に取り付けられる。
更に、空気圧縮機1Aは、フィルタ24をフィルタ取り付け部25に固定するフィルタカバー27を備える。フィルタカバー27は、フィルタ取り付け部25の開口を覆う形状で、クランクケース23にネジなどにより着脱可能に取り付けられる。フィルタカバー27は、空気が通る開口が表裏を貫通して設けられる。
空気圧縮機1Aは、フィルタ取り付け部25に取り付けられたフィルタ24と、圧縮部2の内部であるクランクケース23の内部との間を仕切る壁部26を備える。空気圧縮機1Aは、フィルタ取り付け部25にフィルタ24が取り付けられると、フィルタ24の内側であるフィルタ24と壁部26との間に、空気が流れることが可能な通気空間28が形成される。通気空間28は、壁部26でクランクケース23の内部と仕切られる。また、空気圧縮機1Aは、壁部26にクランクケース23の内部とつながる穴部26aが設けられ、通気空間28とクランクケース23の内部が穴部26aを介してつながる。
空気圧縮機1Aは、クランクケース23の外部と通気空間28をつなぐ流路29を備える。流路29は、延伸方向の一方の端部が通気空間28と対向して開口すると共に、他方の端部がクランクケース23の外部と対向して開口する。
また、流路29は、圧縮空気の供給管29aが接続される管路接続部29bを備える。管路接続部29bは、流路29の延伸方向の他方の端部とつながる。これにより、供給管29aから流路29を通り、通気空間28に空気(圧縮空気)を供給する流路が形成される。
穴部26aは流量規制部の一例で、流路29から通気空間28に供給された圧縮空気が、通気空間28から圧縮部2の内部であるクランクケース23の内部に流れることを規制する。具体的には、穴部26aは、断面形状が円形である場合、流路29から通気空間28に供給された圧縮空気が、通気空間28からフィルタ24を通り外部に流れる通気抵抗より、通気空間28から穴部26aを通りクランクケース23の内部に流れる通気抵抗を大きくするような径で構成される。なお、穴部26aは、断面形状が非円形である場合、流路29から通気空間28に供給された圧縮空気が、通気空間28からフィルタ24を通り外部に流れる通気抵抗より、通気空間28から穴部26aを通りクランクケース23の内部に流れる通気抵抗を大きくするような断面積の箇所を設ける形状で構成されても良いし、断面形状が円形、非円形である場合、断面積(径)を段階的に異ならせる、断面積(径)を徐々に異ならせる等の形状で構成されても良い。
空気圧縮機1Aは、本例では、フィルタ取り付け部25がクランクケースキャップ23cに設けられる構成である。また、空気圧縮機1Aは、壁部26、壁部26でクランクケース23の内部と仕切られた通気空間28及び壁部26に形成された穴部26aが、クランクケースキャップ23cに設けられる構成である。更に、流路29がフィルタカバー27に設けられる構成である。流路29は、延伸方向の一方の端部がフィルタカバー27の裏面から通気空間28方向に突出し、延伸方向の他方の端部がフィルタカバー27の表面に露出する。また、管路接続部29bは、フィルタカバー27の表面に露出した流路29の延伸方向の他方の端部とつながる。
このような構成としたことで、通気空間28、壁部26、穴部26a及び流路29を備えていない既存のクランクケースキャップとフィルタカバーを、上述したクランクケースキャップ23c及びフィルタカバー27に置き換えることで、フィルタ24を内部からの圧縮空気の吹き付けにより清掃する構成を付加することができる。なお、流路29は、クランクケースキャップ23cに備える構成としても良い。
一方、クランクケース23は、上記構成に限るものではなく、フィルタ取り付け部25が設けられる部位が、クランクケース23と一体に構成されていても良い。このような構成では、通気空間28、通気空間28を形成する壁部26及び壁部26に設けられる穴部26aを、クランクケース23に備える構成としても良い。また、流路29についても、クランクケース23に備える構成としても良い。
駆動部3は、電気で駆動されるモータ(電動機)である。駆動部3は、回転する軸30の一方の側が圧縮部2のクランクシャフト22と連結される。本例では、軸30とクランクシャフト22は一体で構成される。
送風部4は、軸流ファンで構成され、駆動部3の軸30の他方の側に取り付けられる。送風部4は、駆動部3に駆動されて回転することで、送風部4から駆動部3、圧縮部2に向かう空気の流れを生成する。
貯蔵部5は、圧縮空気を貯蔵する複数のタンク50を備える。タンク50は、円筒形状の径方向が短手方向となり、径方向(短手方向)と直交する方向が長手方向となる。貯蔵部5は、本例では2本のタンク50を備え、各タンク50の長手方向が互いに平行となる向きで、2本のタンク50が径方向に並んで配置される。
供給管29aは、一方のタンク50とバルブ51を介して接続される。バルブ51は弁部の一例で、タンク50に貯蔵された圧縮空気の供給管29aへの供給の有無を切り替える。なお、バルブ51は、供給管29aに供給される圧縮空気の空気圧が調整可能な構成を備えても良い。
空気圧縮機1Aは、駆動部3の軸30(クランクシャフト22)の延伸する方向が送風部4の回転軸方向となり、圧縮部2、駆動部3及び送風部4が、送風部4の回転軸方向に沿って同軸上に配置される。また、各タンク50の長手方向と、送風部4の回転軸方向が平行となる向きで配置される。
空気圧縮機1Aは、送風部4が駆動部3に駆動されて回転することで、送風部4の回転軸方向に沿って、送風部4から駆動部3、圧縮部2に向かう空気の流れが生成される。
空気圧縮機1Aは、貯蔵部5でタンク50に貯蔵された圧縮空気を図示しない工具に供給する圧縮空気取出口60を備える。空気圧縮機1Aは、本例では、2つの圧縮空気取出口60が設けられ、高圧の圧縮空気を供給するための圧縮空気取出口60aと、相対的に低圧の圧縮空気を供給するための圧縮空気取出口60bとを備える。圧縮空気取出口60aと圧縮空気取出口60bは、所望の圧力に減圧された圧縮空気を工具に供給するため減圧弁62と、圧力を調整するダイヤル63がそれぞれ設けられる。
なお、空気圧縮機1Aは、圧縮部2、駆動部3、送風部4及び貯蔵部5を有した本体部6の少なくとも一部が、図示しないカバーで覆われる。
<本実施の形態の空気圧縮機の動作例>
空気圧縮機1Aは、駆動部3に駆動されて圧縮部2のクランクシャフト22が回転することで、各ピストン21が往復移動し、各ピストンの往復移動で圧縮空気を生成する。圧縮部2は、一次シリンダ20aで圧縮された空気を二次シリンダ20bでさらに圧縮することで、より高圧の圧縮空気が貯蔵部5の各タンク50に貯蔵される。
空気圧縮機1Aは、駆動部3に駆動されて圧縮部2のクランクシャフト22が回転することで、各ピストン21が往復移動し、各ピストンの往復移動で圧縮空気を生成する。圧縮部2は、一次シリンダ20aで圧縮された空気を二次シリンダ20bでさらに圧縮することで、より高圧の圧縮空気が貯蔵部5の各タンク50に貯蔵される。
空気圧縮機1Aは、図示しない空圧工具とつながるエアホースが所望の圧縮空気取出口60(60a、60b)に接続され、減圧弁62で圧力が調整された圧縮空気がタンク50から空圧工具に供給される。空圧工具は、空気圧縮機1Aから供給された圧縮空気により作動する。
空気圧縮機1Aは、駆動部3に駆動されて圧縮部2のクランクシャフト22が回転することで、各ピストン21が往復移動すると、ピストン21の往復移動における圧縮工程で、フィルタ24を通してクランクケース23の外部から内部に空気が吸い込まれる。このため、クランクケース23の外部に面したフィルタ24の表面に粉塵などの異物が付着しやすい。フィルタ24に粉塵などの異物が付着すると、通気抵抗が増加する。
そこで、空気圧縮機1Aの使用者は、任意のタイミングでバルブ51を操作して、タンク50に貯蔵された圧縮空気を供給管29aに供給する。タンク50からバルブ51を介して供給管29aに供給された圧力が調整された圧縮空気は、供給管29aから流路29を通り、通気空間28に供給される。
タンク50に圧縮空気を貯蔵する動作では、ピストン21の往復移動でクランクケース23の外部からフィルタ24を通して通気空間28に吸い込まれる空気が、穴部26aを通りクランクケース23の内部に吸い込まれる。ピストン21の往復移動における圧縮工程で、クランクケース23の内部に吸い込まれる空気量は、ピストン21の直径、移動量などで決まる。穴部26aの直径は、この圧縮工程でクランクケース23の内部に吸い込まれる所定の空気量の空気が通過するには十分な断面積が確保されているため、通気抵抗の影響は少ない。
これに対し、バルブ51の操作により供給管29aから通気空間28に供給される空気は、大気圧より高い空気圧となっているタンク50内の圧縮空気である。このため、通気空間28内の圧力が大気圧より高くなる。一方、穴部26aの直径は、フィルタ24の通気抵抗より穴部26aの通気抵抗の方が大きくなるような径である。このため、通気空間28内の圧力が大気圧より高くなると、穴部26aより通気抵抗が少ないフィルタ24から圧縮空気が吹き出されるのに対し、フィルタ24より通気抵抗が大きい穴部26aを通る圧縮空気の量が規制され、穴部26aが絞りとして機能する。
これにより、タンク50から供給管29aを通り通気空間28に供給された圧縮空気が、穴部26aを通りクランクケース23の内部に流入することが抑制される。また、通気空間28が加圧チャンバとして機能し、通気空間28に供給された圧縮空気が加圧され、通気空間28に面したフィルタ24の裏面(内側の面)から、クランクケース23の外部に面したフィルタ24の表面に向けて、フィルタ24の全面から吹き出される。
したがって、フィルタ24の表面に付着した粉塵などの異物が、クランクケース23の外側に向けて吹き飛ばされ、フィルタ24を清掃することができる。よって、タンク50に圧縮空気を貯蔵するため、ピストン21の往復移動でクランクケース23の外部からフィルタ24を通して空気を吸い込む際の通気抵抗の増加が抑制される。また、フィルタ24を空気圧縮機1Aから外しての清掃や、交換をする頻度を下げることができ、フィルタ24を清掃する作業の煩わしさを減らすことができる。
空気圧縮機1Aは、土埃や粉塵の中で運転している状況が多いため、クランクケース23の外部に面したフィルタ24の表面に土埃や粉塵などの異物が付着する。このため、フィルタ24の表面から空気を吹き付けても、粉塵をフィルタ24に押し付けてしまい、清掃効果が低い。
これに対し、フィルタ24の裏面(内側の面)に空気を吹き付けることで、フィルタ24の裏面から表面に向けて空気が通り、フィルタ24の表面に付着した粉塵などの異物を、クランクケース23の外側に向けて吹き飛ばすことができる。
なお、空気圧縮機1Aは、冷却用の空気の流れを生成する送風部4が設けられており、送風部4で生成した空気の流れをフィルタ24に吹き付ける構成が考えられる。しかし、送風部4で生成した空気の流れ程度の風圧では、フィルタ24に付着した粉塵などの異物の除去効果が低い。
これに対し、タンク50に貯蔵された圧縮空気をフィルタ24の裏面に吹き付けられる構成とすることで、フィルタ24に付着した粉塵などの異物の除去に十分な風圧を得ることができる。
また、タンク50に貯蔵される圧縮空気は、フィルタ24を通した空気であって、粉塵などの異物の混入が抑制されている。これにより、タンク50から供給管29a、流路29を介してフィルタ24の裏面(内側の面)から吹き付けられる空気には、粉塵などの異物の混入が抑制されており、フィルタ24の裏面に粉塵などの異物が付着することが抑制される。
なお、フィルタ24の裏面(内側の面)は、クランクケース23の内部とつながっている。このため、タンク50内の圧縮空気をクランクケース23の内部に供給する流路を備え、クランクケース23の内部に供給された圧縮空気を、フィルタ24を通してクランクケース23の外部に吹き出す構成とすることが考えられる。
しかし、クランクケース23の内部には、各部品の摩擦などで発生した粉体などの異物が存在する場合があり、このようなクランクケース23の内部に圧縮空気を供給すると、クランクケース23内の異物を巻き上げてピストン21の箇所などに侵入させてしまう可能性がある。
これに対し、空気圧縮機1Aでは、フィルタ24が取り付けられるフィルタ取り付け部25は、クランクケース23の内部との間に壁部26が設けられ、フィルタ24と壁部26との間に形成された通気空間28は、壁部26でクランクケース23の内部と仕切られ、穴部26aを通してクランクケース23とつながる構成である。
これにより、圧縮空気をクランクケース23内に直接供給するのではなく、通気空間28に供給することで、穴部26aを絞りとして、タンク50から供給管29aを通り通気空間28に供給された圧縮空気が、穴部26aを通りクランクケース23の内部に流入することが抑制される。したがって、クランクケース23内の異物を巻き上げてピストン21の箇所などに侵入させてしまう可能性を排除できる。
なお、本実施の形態では、単一の空気圧縮機1Aのタンク50と流路29が接続される構成としたが、複数台の空気圧縮機1Aを使用する作業環境において、他の空気圧縮機1Aのタンク50、他の空気圧縮機1Aの圧縮空気取出口60(60a、60b)と本機の流路29が接続される構成でも良い。また、空気圧縮機1Aにタンク50を増設可能な構成において、増設したタンク50と流路29が接続される構成でも良い。また、単一の空気圧縮機1Aまたは他の空気圧縮機1Aの一次シリンダ20aまたは二次シリンダ20bと流路29が接続される構成でも良い。
1A・・・空気圧縮機、2・・・圧縮部、20a・・・一次シリンダ、20b・・・二次シリンダ、21・・・ピストン、22・・・クランクシャフト、23・・・クランクケース、23c・・・クランクケースキャップ、24・・・フィルタ、25・・・フィルタ取り付け部、26・・・壁部、26a・・・穴部(流量規制部)、27・・・フィルタカバー、28・・・通気空間、29・・・流路、29a・・・供給管、29b・・・管路接続部、3・・・駆動部、30・・・軸、4・・・送風部、5・・・貯蔵部、50・・・タンク、51・・・バルブ
Claims (10)
- 空気を圧縮する圧縮部と、
前記圧縮部で圧縮された圧縮空気を貯蔵するタンクを有した貯蔵部と、
前記圧縮部に吸い込まれる空気が通るフィルタと、
前記フィルタより内側に形成される通気空間と前記圧縮部の内部との間を仕切る壁部と、
前記通気空間とつながり、前記通気空間に供給される圧縮空気が通る流路とを備えた
空気圧縮機。 - 空気を圧縮する圧縮部と、
前記圧縮部で圧縮された圧縮空気を貯蔵するタンクを有した貯蔵部と、
前記圧縮部に吸い込まれる空気が通るフィルタと、
前記フィルタより内側に形成される通気空間に圧縮空気を供給する流路と、
前記流路から前記通気空間に供給された圧縮空気が、前記通気空間から前記圧縮部の内部に流れることを規制する流量規制部とを備えた
空気圧縮機。 - 前記流量規制部は、前記流路から前記通気空間に供給された圧縮空気が、前記通気空間から前記フィルタを通り外部に流れる通気抵抗より、前記通気空間から前記圧縮部の内部に流れる通気抵抗を大きくする
請求項2に記載の空気圧縮機。 - 前記流路への圧縮空気の供給の有無を切り替える弁部を備えた
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の空気圧縮機。 - 前記弁部は、前記流路へ供給される圧縮空気の圧力を調整する
請求項4に記載の空気圧縮機。 - 前記流路と前記タンクをつなぐ供給管を備えた
請求項4に記載の空気圧縮機。 - 前記壁部は、前記通気空間と前記圧縮部の内部との間をつなぎ、前記フィルタを通り、前記通気空間から前記圧縮部に吸い込まれる空気が通る穴部を備えた
請求項1に記載の空気圧縮機。 - 前記穴部は、前記流路から前記通気空間に供給された圧縮空気の前記圧縮部の内部への流入を規制する
請求項7に記載の空気圧縮機。 - 前記穴部は、前記流路から前記通気空間に供給された圧縮空気が、前記通気空間から前記フィルタを通り外部に流れる通気抵抗より、前記通気空間から前記穴部を通り前記圧縮部の内部に流れる通気抵抗を大きくする形状を有した
請求項8に記載の空気圧縮機。 - 前記圧縮部は、往復移動するピストンと、前記ピストンを往復移動させるクランクシャフトと、前記クランクシャフトを回転可能に支持するクランクケースと、前記クランクケースに取り付けられるクランクケースキャップを備え、
前記壁部及び前記壁部で前記クランクケースの内部と仕切られる前記通気空間が前記クランクケースキャップに形成される
請求項1に記載の空気圧縮機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022114004A JP2024011753A (ja) | 2022-07-15 | 2022-07-15 | 空気圧縮機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022114004A JP2024011753A (ja) | 2022-07-15 | 2022-07-15 | 空気圧縮機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2024011753A true JP2024011753A (ja) | 2024-01-25 |
Family
ID=89621839
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022114004A Pending JP2024011753A (ja) | 2022-07-15 | 2022-07-15 | 空気圧縮機 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2024011753A (ja) |
-
2022
- 2022-07-15 JP JP2022114004A patent/JP2024011753A/ja active Pending
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