JP2024010770A - エアコンプレッサ用吸気フィルタ - Google Patents

エアコンプレッサ用吸気フィルタ Download PDF

Info

Publication number
JP2024010770A
JP2024010770A JP2022112250A JP2022112250A JP2024010770A JP 2024010770 A JP2024010770 A JP 2024010770A JP 2022112250 A JP2022112250 A JP 2022112250A JP 2022112250 A JP2022112250 A JP 2022112250A JP 2024010770 A JP2024010770 A JP 2024010770A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
intake
filter
air
air compressor
cover
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022112250A
Other languages
English (en)
Inventor
典之 西土
Noriyuki Nishido
智弘 蜂須賀
Toshihiro Hachisuga
真輝人 寺本
Makito Teramoto
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Makita Corp
Original Assignee
Makita Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Makita Corp filed Critical Makita Corp
Priority to JP2022112250A priority Critical patent/JP2024010770A/ja
Publication of JP2024010770A publication Critical patent/JP2024010770A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Compressor (AREA)
  • Filtering Materials (AREA)
  • Filtering Of Dispersed Particles In Gases (AREA)

Abstract

【課題】従来のエアコンプレッサ用の吸気フィルタでは、粉塵が堆積してしまうことそのものを抑制するのが難しかった。そのため吸気用フィルタの目詰まりの対策に改良の余地があった。したがって粉塵の堆積を抑制して目詰まりを抑制できるエアコンプレッサ用の吸気フィルタが必要とされている。【解決手段】エアコンプレッサ1用のフィルタ40の吸気側領域40a(吸気側フィルタ41)は、排気側領域40b(排気側フィルタ42)よりも密度が高い。【選択図】図10

Description

本開示は、例えば圧縮エア駆動式の釘打機やエアダスタ等のエアツールに圧縮エアを供給するエアコンプレッサに用いられるエアコンプレッサ用吸気フィルタに関する。
特許文献1にエアコンプレッサに関する技術が開示されている。エアコンプレッサは、圧縮空気を生成するレシプロ式の圧縮機構を有する。圧縮機構は、電動モータの回転出力をクランク機構によってシリンダ内でのピストンの往復動に変換する。外気をピストンで圧縮されることで圧縮エアが生成される。圧縮機構で生成された圧縮エアはタンクに貯留される。タンクに貯留された圧縮エアは、圧縮エア駆動式の釘打機やエアダスタ等のエアツールに供給される。
圧縮エアを生成するための外気は、クランク機構を収容するクランクケース内に吸気される。クランクケースへの外気の吸気経路には、防塵用の吸気フィルタが介装される。特許文献1によればフィルタケースは、クランクケースの端部を気密に閉塞するクランクケースカバーの外側面に装着される。クランクケースカバーには、内外を貫通する複数の吸気孔が設けられる。吸気フィルタは複数の吸気孔を外方から覆う。吸気フィルタは、クランクケースカバーに結合したフィルタカバーにより保持される。クランクケース周縁とフィルタカバーの周縁の間には、外気を取込み可能な隙間が設けられる。隙間から取込まれた外気はフィルタで粉塵をろ過されてクランクケース内に導入される。
エアコンプレッサを繰り返し使用すると、吸気フィルタの吸気側の表面に粉塵が堆積してしまう。粉塵によって吸気フィルタが目詰まりすると、吸気フィルタの通気性が損なわれてしまう。特許文献2には、目付の粗さが異なる複数個の吸気フィルタを厚み方向に並べる吸気機構が開示されている。一部の吸気フィルタが目詰まりした場合、目詰まりした吸気フィルタのみを交換できる。これにより吸気フィルタの通気性を維持できる。しかしながら従来のエアコンプレッサ用の吸気フィルタでは、粉塵が堆積してしまうことそのものを抑制するのが難しかった。
特許第5186799号公報 特開2007-23851号公報
従来のエアコンプレッサ用の吸気フィルタは、目詰まり対策に改良の余地があった。したがって粉塵の堆積を抑制して目詰まりを抑制できるエアコンプレッサ用の吸気フィルタが必要とされている。
本開示の1つの特徴によるとエアコンプレッサ用吸気フィルタの吸気側領域は、排気側領域よりも密度が高い。したがって吸気側領域の表面から密度の高い吸気側領域へ粉塵が侵入することを抑制できる。これにより吸気側領域における粉塵の堆積を抑制でき、吸気フィルタの目詰まりを抑制できる。
エアコンプレッサの外観斜視図である。 図1中II矢視図である。本図は、エアコンプレッサを左斜め後方から見た斜視図である。本図は、本体カバーを取り外して圧縮機構が露出された状態を示している。 圧縮機構の横断面図である。 本実施例に係る吸気部の斜視図である。 吸気部の分解斜視図である。 フィルタとフィルタカバーと防塵カバーを内側から見た分解斜視図である。 図3中VII-VII線断面矢視図であって、吸気部の縦断面図である。 図5中VIII-VIII線断面矢視図であって、吸気部の縦断面図である。 図5中IX-IX線断面矢視図であって、吸気部の縦断面図である。 図7中X部分の部分拡大図である。
本開示の他の特徴によるとエアコンプレッサ用吸気フィルタの吸気側面の表面粗さは、排気側面の表面粗さよりも小さい。したがって粉塵が吸気側面に堆積することを抑制できる。仮に粉塵が吸気側面に付着した場合でも、例えばエアコンプレッサの吸気ファンが吸気フィルタに向けて送る風によって、表面粗さの小さい吸気側面から粉塵を容易に剥離させることができる。そのため吸気フィルタの吸気側面の目詰まりを抑制できる。
本開示の他の特徴によるとエアコンプレッサ用吸気フィルタの吸気側領域は、化学繊維を材料とするフェルトで構成される。吸気フィルタの排気側領域は、動物繊維を含むフェルトで構成される。したがって吸気側領域は、加熱や加圧等による変質が生じにくい。そのため吸気側領域の通気性を保ちながら、粉塵の堆積を抑制するための加工処理を吸気側領域に施すことができる。一方、排気側領域は、従来のエアコンプレッサ用吸気フィルタで広く用いられている動物繊維を含むフェルトで構成される。そのため従来の吸気フィルタと同程度の通気性で排気側領域を設けることができる。かくして通気性を維持しながら吸気フィルタの吸気側領域への粉塵の堆積を抑制できる。
本開示の他の特徴によると吸気側領域の化学繊維は、ポリエステル製である。したがってポリエステル製の化学繊維は、比較的安価に入手可能である。しかもポリエステル製の化学繊維を加熱や加圧等で加工処理することで、粉塵の剥離性を高めることができる。そのため吸気側領域において粉塵の堆積による目詰まりを抑制できる。
本開示の他の特徴によると排気側領域の動物繊維は、羊毛である。したがって排気側領域は、良好な寸法精度で加工可能な羊毛フェルトで設けられる。そのため吸気フィルタの収容部と排気側領域との間に粉塵が侵入可能な隙間が形成されることを抑制できる。これにより吸気フィルタのフィルタ性能を高めることができる。
本開示の他の特徴によると吸気側領域は、表面粗さが小さくなるように表面処理された吸気側面を有する。したがって吸気側面の表面粗さを小さくすることで、吸気側面に対する粉塵の剥離性を高めることができる。
本開示の他の特徴はエアコンプレッサ用吸気フィルタの製造方法に関する。吸気側領域の表面を加熱かつ加圧することで表面処理された吸気側面を形成する。したがって加熱・加圧というシンプルな表面処理の工程で吸気側面の表面粗さを小さくすることができる。そのため粉塵の剥離性の高い吸気側面を有する吸気フィルタの製造コストを抑制できる。
本開示の他の特徴によると吸気側領域は、排気側領域と異なる部材で構成される。吸気側領域は、排気側領域よりも厚さが薄い。したがって厚さの薄い吸気側領域で粉塵の堆積を抑制でき、かつ吸気フィルタの半分以上を占める排気側領域で従来の吸気フィルタと同程度の通気性を確保できる。これにより吸気フィルタの目詰まり対策と良好な通気性を両立できる。
本開示の他の特徴によると吸気側領域と排気側領域は、網目状に配された接着剤により相互に接着されている。したがって吸気フィルタの通気性を損なわずに吸気側領域と排気側領域を相互に接着できる。
本開示の他の特徴によると吸気フィルタを吸気側から覆うフィルタカバーを有する。フィルタカバーは、コンプレッサ本体に取付けられた姿勢で下側に向けて開口する粉塵排出口を有する。したがって吸気フィルタの吸気側領域から剥離して落下した粉塵を、粉塵排出口からフィルタカバーの外方へ速やかに排出できる。そのためフィルタカバー内に粉塵が堆積することを抑制できる。
本開示の他の特徴によるとフィルタカバーは、上下方向に延出した姿勢でコンプレッサ本体に取付けられる。フィルタカバーは、外周に複数の粉塵排出口を有する。複数の粉塵排出口の少なくとも1つが下側に向けて開口する。したがってフィルタカバーは、上下方向に延出する複数の姿勢のいずれにおいても、下側に向けて開口する粉塵排出口を少なくとも1つ有する。そのためフィルタカバーの上下方向の向きを気にすることなく、フィルタカバーをコンプレッサ本体に取り付けることができる。これによりフィルタカバーの組付け性を向上させることができる。
次に本開示の1つの実施例を図1~10に基づいて説明する。図1,2に示すようにエアコンプレッサ1は、前後に長い2つの円柱体形のタンク2を備えている。生成された圧縮エアが2つのタンク2に貯蔵される。2つのタンク2の前後には合計4箇所の脚部3が設けられている。各脚部3には、防振性の高いゴム素材が用いられている。各脚部3にはサイドプロテクタ3aが並設されている。2つのタンク2の前部間に、排水用のドレンコック2aが設けられている。2つのタンク2の上部間は基台部4で相互に結合されている。基台部4の上面に圧縮機構10が搭載されている。基台部4の前方と後方において、持ち運び用のハンドル部5が2つのタンク2の上部間に跨って取り付けられている。図1は本体カバー6で圧縮機構10が覆われた状態を示している。
図1に示すように本体カバー6の前面には、高圧用の吐出口7と低圧用の吐出口8がそれぞれ左右に2口ずつ配置されている。高圧用の吐出口7からは、例えば2.5MPaの圧縮エアが供給される。低圧用の吐出口8からは、例えば1MPaの圧縮エアが供給される。吐出口7,8の上方には、それぞれ吐出圧を設定するための調整ダイヤル7a,8aが設けられている。本体カバー6の前部上面には、各種の表示部を含む主として起動操作用の操作部9が設けられている。本体カバー6の前後左右の側面には、網目状に配置された複数の通気孔6aが設けられる(図1では本体カバー6の後面側の通気孔6aは見えていない)。
図2に示すように本体カバー6を取り外すと圧縮機構10が露出される。図2,3に示すように圧縮機構10は、円筒形のクランクケース21の前部に第1圧縮部11を有し、後部に第2圧縮部12を有する。第1圧縮部11と第2圧縮部12との間においてクランクケース21の右側部に電動モータ22が支持されている。クランクケース21は基台部4上に固定されている。
図2,3に示すように電動モータ22には、比較的大きな起動トルクが得られるブラシレスモータが用いられている。電動モータ22は、円環形の回転子22aと、回転子22aの内周側に位置する同じく円環形の固定子22bを有する。固定子22bは、クランクケース21の右側部に固定されている。回転子22aの中心にモータ軸25が結合されている。モータ軸25の右端部には放熱ファン23が結合されている。放熱ファン23の回転により、電動モータ22で発生する熱が放熱されて電動モータ22の冷却がなされる。モータ軸25は固定子22bの中心を経て左方へ延在されている。モータ軸25は、右側の軸受25aと左側の軸受25bを介してクランクケース21の右側部と左側部間に跨った状態で回転可能に支持されている。モータ軸25の左端部側は、吸気部30を経て右方へ突き出されている。モータ軸25の右端部には吸気ファン24が取り付けられている。吸気ファン24の回転により、吸気部30に外気が吹き付けられる。
図3に示すように円筒形のクランクケース21の前部に第1圧縮部11の第1シリンダ11aが結合されている。クランクケース21の後部に第2圧縮部12の第2シリンダ12aが結合されている。クランクケース21内は外気に連通されている。
図3に示すように第1シリンダ11a内に第1ピストン11bが前後に往復動可能に収容されている。第1シリンダ11aはクランクケース21の前部から前方へ延在されている。第1ピストン11bは第1ロッド11cを介してモータ軸25の第1クランク部26に結合されている。
図3に示すように第2シリンダ12a内に第2ピストン12bが前後に往復動可能に収容されている。第2シリンダ12aはクランクケース21の後部から後方へ延在されている。第2ピストン12bは第2ロッド12cを介してモータ軸25の第2クランク部27に結合されている。
図3に示すように第1クランク部26と第2クランク部27は、モータ軸25の軸線回りの同じ位置で同じ方向に偏心している。このため、モータ軸25の1回転により第1圧縮部11と第2圧縮部12の一方の圧縮工程と他方の吸気工程が同時になされる。第1圧縮部11において第1ピストン11bが前方へ移動する圧縮工程では、第2圧縮部12において第2ピストン12bが前方へ移動して吸気工程がなされる。第1圧縮部11において第1ピストン11bが後方へ移動する吸気工程では、第2圧縮部12において第2ピストン12bが後方へ移動して圧縮工程がなされる。
図3に示すように第1シリンダ11aの第1圧縮室11dと第2シリンダ12aの第2圧縮室12dは供給管13を介して連通されている(図2参照)。供給管13の上流側は、補助逆止弁11eを介して第1圧縮室11dに接続されている。補助逆止弁11eにより供給管13から第1圧縮室11dへの圧縮エアの逆流が阻止される。供給管13の下流側は、第2圧縮室12dに接続されている。第1圧縮室11dから補助逆止弁11eを経て供給管13に流入した圧縮エアはそのまま第2圧縮室12dに供給される。
このように電動モータ22の起動により第1圧縮部11と第2圧縮部12の2段階で圧縮エアが生成される。第2圧縮部12の第2圧縮室12dに供給された圧縮エアは、第2ピストン12bが後退することでさらに高圧に圧縮される。第2圧縮室12dで生成された例えば約4.5MPaの高圧の圧縮エアは、第1逆止弁14を経てタンク2に至るエア通路15に流入する。第1逆止弁14により、エア通路15に流入した圧縮エアが第2圧縮室12dへ逆流することが阻止される。
図4,5に示すように圧縮機構10のクランクケース21の左側部に吸気部30が設けられている。吸気部30を経てクランクケース21内に外気が導入される。図4,5ではモータ軸25から吸気ファン24が取り外された状態で示されている。図7~9において外気は吸気部30に対して左から右に流れてクランクケース21内に吸気される。以下吸気の流れについて上流側を吸気側(外側)、下流側を排気側(内側)とも称する。
図5に示すように吸気部30は、クランクケース21の吸気用の開口部21aを気密に塞ぐクランクケースカバー31と、クランクケースカバー31の内側吸気孔31eを塞ぐフィルタ40と、フィルタ40を覆うフィルタカバー33と、フィルタカバー33を覆う防塵カバー34を備えている。
図5,8に示すようにクランクケース21の開口部21aは概ね円形に開口形成されている。クランクケースカバー31は概ね円盤形を有している。クランクケースカバー31は、その周縁において合計6本の取付ねじ35によりクランクケース21の開口部21aに結合されている。クランクケースカバー31により開口部21aが気密に塞がれる。クランクケースカバー31の内面側の中心に円筒形の軸受凹部31aが設けられている。軸受凹部31aに軸受25bが保持されている。
図9に示すように軸受凹部31aの開口側に1つの規制板25cが4本の固定ねじ36でねじ結合されている。これにより軸受凹部31aの開口側が規制板25cで塞がれている。軸受25bが軸受凹部31aの底部と規制板25cにより挟まれることで、軸受25bのモータ軸線J方向の位置ずれが規制されている。
図5,7~9に示すようにクランクケースカバー31の外面側に、フィルタ40を収容するフィルタ収容凹部31bが設けられている。フィルタ収容凹部31bの中心には、上記内面側の軸受凹部31aを形成するための円筒形の凸部31cが設けられている。凸部31cの中心に設けた挿通孔31dにモータ軸25が挿通される。凸部31cの周縁四等分位置にねじ孔31gが設けられている。ねじ孔31gには、規制板25cをクランクケースカバー31にねじ結合するための固定ねじ36が螺合される。凸部31cの周囲にフィルタ収容凹部31bが設けられている。
図5,8に示すようにクランクケースカバー31の底面に複数の内側吸気孔31eが設けられている。図5,7に示すようにクランクケースカバー31の底面に複数のねじボス部31fが設けられている。本実施例では、4箇所のねじボス部31fが設けられている。各ねじボス部31fの内周に雌ねじ部31hが設けられている。後述するように4箇所のねじボス部31fの雌ねじ部31hにそれぞれ固定ねじ37が締め付けられることで、フィルタカバー33と防塵カバー34がクランクケースカバー31に対していわゆる共締めによりねじ結合される。
図5に示すように各ねじボス部31fは、クランクケースカバー31の外面に左方へ突き出す状態に設けられている。各ねじボス部31fの外径は、基部側の大径部と先端側の小径部に段付き形成されている。各ねじボス部31fの両側方に内側吸気孔31eが設けられている。本実施例では合計8個所の内側吸気孔31eが設けられている。8箇所の内側吸気孔31eを外側から塞ぐようにして1つのフィルタ40がフィルタ収容凹部31bに収容される。フィルタ収容凹部31bの深さは、フィルタ40をその厚み方向にほぼ過不足なく収容可能な深さに設定されている。このため図7~9に示すようにクランクケースカバー31の周縁外端面とフィルタ40の外側面(吸気側面41a)とがほぼ面一に揃っている。
図5,6に示すようにフィルタ40はフェルト材を素材とする消音用且つ防塵用のフィルタで、概ね円板形に形成されている。フィルタ40は、厚み方向(左右方向)に重なった吸気側フィルタ41と排気側フィルタ42で構成される。吸気側(外側)に位置する吸気側フィルタ41と排気側(内側)に位置する排気側フィルタ42は、モータ軸線J方向から見て略同形状かつ略同サイズに設けられる。
図5,6に示すように吸気側フィルタ41の中心には、クランクケースカバー31の凸部31cを挿通させる挿通孔41cが設けられている、挿通孔41cの周縁四等分位置に、クランクケースカバー31のねじ孔31gを挿通させるための挿通孔41dが設けられている。挿通孔41cの周囲4箇所には、クランクケースカバー31のねじボス部31fの大径部を挿通するための挿通孔41eが設けられている。
図5,6に示すように排気側フィルタ42の中心には、クランクケースカバー31の凸部31cを挿通させる挿通孔42cが設けられている、挿通孔42cの周縁四等分位置に、クランクケースカバー31のねじ孔31gを挿通させるための挿通孔42dが設けられている。挿通孔42cの周囲4箇所には、クランクケースカバー31のねじボス部31fの大径部を挿通するための挿通孔42eが設けられている。吸気側フィルタ41の挿通孔41c,41d,41eは、それぞれ排気側フィルタ42の挿通孔42c,42d,42eと略同形状かつ略同サイズに設けられる。挿通孔41c,41d,41eは、吸気側フィルタ41と排気側フィルタ42を厚み方向に並べた状態で、それぞれ挿通孔42c,42d,42eと連通する(図7,9参照)。
図5~9に示すように吸気側フィルタ41は、吸気側面41aから所定の厚さの吸気側領域40aに設けられる。吸気側フィルタ41(吸気側領域40a)の厚さは、例えばフィルタ40全体の厚さの40%以下、30%以下、好ましくは20%以下である。吸気側フィルタ41の厚さは、例えば1.5mmである。排気側フィルタ42は、排気側面42bから所定の厚さの排気側領域40bに設けられる。排気側フィルタ42(排気側領域40b)の厚さは、例えばフィルタ40全体の厚さの60%以上、70%以上、好ましくは80%以上である。排気側フィルタ42の厚さは、例えば8.0mmである。
図5,6に示す吸気側フィルタ41は、化学繊維のポリエステルを材料とするフェルト(不織布)で構成される。吸気側フィルタ41を構成する化学繊維は、例えばポリエステル、ポリプロピレン等が好ましい。吸気側フィルタ41は、ポリエステル製の繊維のみで構成される。吸気側フィルタ41は、ニードルパンチを打ち込んで繊維を相互に絡ませることで形成される、いわゆるニードルフェルトと称されるフェルトである。
図5に示す吸気側フィルタ41の吸気側面41aには、熱処理が施される。熱処理の温度は、例えばポリエステル製繊維の融点(250~260℃)近傍の温度、例えば200~300℃である。好ましくはポリエステル製繊維の融点、または融点をわずかに超える250~270℃である。吸気側面41aを形成するポリエステル製繊維は、加熱によって溶けながら加圧される。これにより吸気側面41aが平滑に仕上げられる。吸気側面41aは、吸気側フィルタ41の他の領域よりも表面粗さが小さくなり、かつ排気側フィルタ42のいずれの領域、例えば排気側面42bよりも表面粗さが小さくなる。
熱処理および加圧処理は、吸気側面41a全体に施される。しかしながらポリエステル製繊維は、吸気側面41aの全面に亘っては溶融されない。吸気側面41aを形成するポリエステル製繊維は、吸気側面41aにおいて細かい網目状または鱗状に溶融される。そのため吸気側面41aには、外気が通過可能な繊維間の隙間が確保されている。吸気側面41aを表面処理した吸気側フィルタ41は、表面処理をしない吸気側フィルタ41よりもわずかに通気性が低くなるものの、ほぼ同等の通気性を有する。
図5,6に示す排気側フィルタ42は、動物繊維の羊毛を含むフェルトで構成される。排気側フィルタ42に含まれる羊毛の割合は、例えば60%、70%、好ましくは80%以上である。排気側フィルタ42は、羊毛以外に例えばレーヨン等の化学繊維を含む。排気側フィルタ42は、繊維をプレス機で圧縮して相互に絡ませることで形成される、いわゆるプレスフェルトと称されるフェルトである。
図6に示すように吸気側フィルタ41の排気側面41bと排気側フィルタ42の吸気側面42aの間には、吸気側フィルタ41と排気側フィルタ42を接着するための接着剤43が設けられる。接着剤43は、ホットメルトと称され、水や有機溶剤を含まない熱可塑性ポリマーを主成分とする。接着剤43は、排気側面41bまたは吸気側面42aにおいて網目状に配設される。接着剤43は、例えば網目状に配設されたシート状に形成され、吸気側フィルタ41の排気側面41bの略全面に亘って貼り付けられる。接着剤43が付着された排気側面41bに吸気側面42aを接着させることで、吸気側フィルタ41と排気側フィルタ42が相互に接着される。排気側面41bと吸気側面42aは、接着剤43が付着された網目状の部分では接着されるが、接着剤43が付着していない網目状の隙間の部分においては通気性が確保される。これにより排気側面41bから吸気側面42aへと外気が流れることができる(図10参照)。
図5,6に示す吸気側フィルタ41(吸気側領域40a)の密度は、排気側フィルタ42(排気側領域40b)の密度よりも高い。排気側フィルタ42の密度は、例えば0.20g/cm3以上、0.25g/cm3以上、0.70g/cm3以下、0.50g/cm3以下であり、好ましくは0.25~0.35g/cm3、より好ましくは0.25~0.30g/cm3である。
図5,7~9に示すようにフィルタ40の吸気側面41aの外側(左側)にフィルタカバー33が結合されている。フィルタカバー33は、フィルタ40とほぼ同径の円板形を有している。フィルタカバー33によりフィルタ40の吸気側面41aの全体が覆われる。フィルタカバー33の中心にモータ軸25が挿通される円筒形の挿通部33aが設けられている。挿通部33aの内周側にモータ軸25が挿通される。
図6に示すようにフィルタカバー33の内面側であって、挿通部33aの周囲に内周側押さえ部33bが設けられている。内周側押さえ部33bは、吸気側フィルタ41の挿通孔41c,41dの周縁と排気側フィルタ42の挿通孔42c,42dの周縁に沿って内方に(フィルタ40に向けて)突き出す突条形に形成されている。同じくフィルタカバー33の内面側であって、フィルタカバー33の周縁に外周側押さえ部33cが設けられている。外周側押さえ部33cは、吸気側フィルタ41および排気側フィルタ42の周縁に沿って内方に突き出す突条形に形成されている。内周側押さえ部33bと外周側押さえ部33cが吸気側フィルタ41および排気側フィルタ42の外面内周縁と外面外周縁に突き当てられる。これによりクランクケースカバー31のフィルタ収容凹部31b内でのフィルタ40の位置ずれが抑制される。
図5,6,8,10に示すようにフィルタカバー33に多数箇所の外側吸気孔33dが設けられている。フィルタカバー33の外面に多数箇所の環状壁部33eが設けられている。各環状壁部33eは円筒形に形成されている。各環状壁部33eの内周側に厚み方向に貫通する外側吸気孔33dが設けられる。各外側吸気孔33dの深さは、環状壁部33eにより孔径よりも大きくなっている。これにより吸気音の静音化が図られる。
図10に示すように各環状壁部33eは、後述する防塵カバー34の凹部34d内に進入している。矢印W(吸気経路W)で示すように各環状壁部33eにより、吸気経路Wがフィルタカバー33の面方向に沿った方向から厚み方向(モータ軸線Jに沿った方向)に屈曲される。各環状壁部33eが外気の吸気経路Wを厚み方向に屈曲させる経路屈曲部を構成する。フィルタカバー33の外面側に流入した外気は、経路屈曲部により厚み方向に屈曲した経路を経て外側吸気孔33dに流入する。外側吸気孔33dに流入した外気が吸気側フィルタ41の吸気側面41aに吹き付けられる。
図5に示すようにフィルタカバー33の周縁側の四等分位置にクランクケースカバー31のねじボス部31fの小径部を挿通するための挿通孔33fが設けられている。図6に示すようにフィルタカバー33の内面側であって、挿通孔33fの周囲に中間押さえ部33gが設けられている。中間押さえ部33gは、上記の内周側押さえ部33bおよび外周側押さえ部33cと同じく、フィルタ40に向けて突き出す突条形に形成されている。中間押さえ部33gによりフィルタ40の放射方向の中間領域が押さえ付けられる。
図5,7に示すようにフィルタカバー33の外面側であって、各挿通孔33fの開口周囲に位置決め凹部33hが設けられている。各位置決め凹部33hは、挿通孔33fと同軸で一定深さの円形凹形に形成されている。各位置決め凹部33hに防塵カバー34の凸部34bが挿入される。これにより防塵カバー34がフィルタカバー33に対してモータ軸線J回りに位置決めされる。フィルタカバー33の外周部33iは、一定の幅で全周にわたって概ね45°の角度でフィルタ40側に屈曲されている。
図5,6に示すようにフィルタカバー33の外周部33iには、概ね径方向に貫通する複数の粉塵排出口33jが設けられる。粉塵排出口33jは、挿通孔33fを周方向に間に挟んで一対設けられる。フィルタカバー33は、4つの挿通孔33fを有するため、計8つの粉塵排出口33jを有する。8つの粉塵排出口33jのうち2つの粉塵排出口33jは、フィルタカバー33をクランクケースカバー31に取付ける上下方向に延出した姿勢でフィルタカバー33の下端に位置する。吸気側フィルタ41で弾かれた粉塵もしくは吸気側フィルタ41の吸気側面41aから剥離した粉塵は、フィルタカバー33の下端に位置する2つの粉塵排出口33jのいずれかからフィルタカバー33の外方へ排出される(図7参照)。
図5,6に示すように防塵カバー34はフィルタカバー33とほぼ同径の円板形を有している。吸気ファン24(図3参照)により発生する外気の流れが防塵カバー34により遮られて、フィルタカバー33に直接吹き付けられることが回避される。これにより外気に含まれる粉塵等がフィルタカバー33に直接吹き付けられることが回避される。防塵カバー34の内面中心に、円筒形の挿通部34aが設けられている。挿通部34aはフィルタカバー33側に向けて突き出している。フィルタカバー33の挿通部33aが挿通部34aに挿入される。挿通部34aに挿入された挿通部33aの内周側を経てモータ軸25の先端部が外方へ突き出される。突き出し部分に吸気ファン24が支持される。
図10に示すように防塵カバー34の挿通部34aに、フィルタカバー33の挿通部33aが挿入(凹凸篏合)されることで、フィルタカバー33と防塵カバー34がモータ軸25に対して相互に同軸に位置決めされる。
図6,7に示すように防塵カバー34の内面の周方向の四等分位置に円筒形の凸部34bが設けられている。各凸部34bはフィルタカバー33に向けて突き出されている。上記したように4箇所の凸部34bは、フィルタカバー33の位置決め凹部33hに挿入される。これにより、フィルタカバー33に対する防塵カバー34のモータ軸線J方向の位置決めがなされる。この位置決め状態で、防塵カバー34とフィルタカバー33との間にモータ軸線J方向の隙間が発生した状態となる。防塵カバー34とフィルタカバー33との間のモータ軸線J方向の隙間が、クランクケース21内に外気を導入するための吸気経路Wの役割を果たす。
図5に示すように各凸部34bの中心に固定ねじ37が挿通される挿通孔34cが設けられている。防塵カバー34の外面側において各挿通孔34cの開口周囲に円形の凹み34eが設けられている。4箇所の凹み34eが内面側に凹んで設けられることで、その裏側に突き出す凸部34b(図6参照)が設けられる。
図6,10に示すように防塵カバー34の内面には、フィルタカバー33の環状壁部33eに対応して多数の凹部34dが設けられている。各凹部34dは、環状壁部33eが進入可能な径の円形凹形を有している。各凹部34dは、環状壁部33eをわずかに隙間をおいて進入させるに足る深さを有している。各凹部34dの底面と環状壁部33eとの間の隙間が外気を吸気するための吸気経路Wの一部を構成する。
図10に示すようにフィルタカバー33の各環状壁部33eが防塵カバー34の凹部34dに進入(モータ軸線J方向にオーバーラップ)することで、吸気経路Wがほぼ直角に屈曲される。これにより、いわゆるラビリンス構造の吸気経路Wが形成されている。
図7~10に示すように防塵カバー34の外周部34fは一定の幅で全周にわたって概ね45°の角度でフィルタカバー33側に屈曲している。このため防塵カバー34の外周部34fとフィルタカバー33の外周部33iとの間に一定の隙間が発生している。防塵カバー34の外周部34fとフィルタカバー33の外周部33iとの間の隙間が吸気経路Wの吸気口38とされる。
図5,7に示すように防塵カバー34とフィルタカバー33は、4本の固定ねじ37によりクランクケースカバー31に対していわゆる共締めにより結合されている。クランクケースカバー31の4箇所のねじボス部31fの大径部が吸気側フィルタ41の挿通孔41e内と排気側フィルタ42の挿通孔42e内に位置する。ねじボス部31fの小径部がフィルタカバー33の挿通孔33fと防塵カバー34の挿通孔34cに跨った状態で位置する。各ねじボス部31fの雌ねじ部31hに固定ねじ37が締め込まれることで、防塵カバー34とフィルタカバー33がクランクケースカバー31に共締めされる。これにより、フィルタ40がクランクケースカバー31のフィルタ収容凹部31b内に保持される。各固定ねじ37の頭部は、凹み34e内に位置する。これにより防塵カバー34の外面から固定ねじ37の頭部がはみ出さないようになっている。
図7に示す電動モータ22の起動により吸気ファン24が回転することで吸気部30に外気が吹き当てられる。吹き当てられた外気は図10中矢印Wで示すように防塵カバー34の外周部34fとフィルタカバー33の外周部33iとの間の吸気口を経て防塵カバー34とフィルタカバー33との間の隙間(吸気口38)に流入する。防塵カバー34の外周部34fとフィルタカバー33の外周部33iが同じ方向に屈曲されている。このため、吸気部30の吸気経路Wは吸気口38で屈曲される。
図10に示すように吸気口38を経て防塵カバー34とフィルタカバー33との間に流入した外気は、フィルタカバー33の環状壁部33eに吹き付けられて、防塵カバー34の凹部34d内に流入する。この段階で外気の流れ(吸気経路W)がほぼ直角に屈曲される。吸気経路Wの2箇所で屈曲された後、凹部34d内に流入した外気が外側吸気孔33d(環状壁部33eの内周側)に流入する。外側吸気孔33dに流入した外気が吸気側フィルタ41の吸気側面41aに吹き付けられる。
図10に示すように外気が吸気側面41aに吹き付けられると、外気に含まれる粉塵の一部は密度の大きい吸気側フィルタ41に弾かれて落下し、粉塵排出口33j(図5,7参照)からフィルタカバー33の外方へ排出される。外気に含まれる粉塵の一部は吸気側面41aに付着する場合があるが、表面粗さの小さい吸気側面41aから剥離して落下し、粉塵排出口33jからフィルタカバー33の外方へ排出される。吸気側フィルタ41を通過した外気は粉塵がろ過される。さらに外気は、右方のクランクケース21に向けて流れることで、相互に接着された排気側面41bと吸気側面42aを通過して排気側フィルタ42に進入する。排気側フィルタ42を通過した外気は粉塵がさらにろ過される。
図10に示すように吸気側フィルタ41と排気側フィルタ42で粉塵がろ過された清浄な外気は、クランクケースカバー31の内側吸気孔31eを経てクランクケース21内に流入される。こうして吸気経路Wを経て流入した外気が第1圧縮部11に供給される。流入した外気は第1シリンダ11a内に供給されて第1ピストン11bにより圧縮される。
上述するように、図5,10に示すエアコンプレッサ1用のフィルタ40の吸気側領域40a(吸気側フィルタ41)は、排気側領域40b(排気側フィルタ42)よりも密度が高い。したがって吸気側領域40aの吸気側面41aから吸気側領域40aへ粉塵が侵入することを抑制できる。これにより吸気側領域40aにおける粉塵の堆積を抑制でき、フィルタ40の目詰まりを抑制できる。
図5,10に示すエアコンプレッサ1用のフィルタ40の吸気側面41aの表面粗さは、排気側面42bの表面粗さよりも小さい。したがって粉塵が吸気側面41aに堆積することを抑制できる。仮に粉塵が吸気側面41aに付着した場合でも、例えばエアコンプレッサ1の吸気ファン24がフィルタ40に向けて送る風によって、表面粗さの小さい吸気側面41aから粉塵を容易に剥離させることができる。そのためフィルタ40の吸気側面41aの目詰まりを抑制できる。
図5,10に示すエアコンプレッサ1用のフィルタ40の吸気側領域40aは、化学繊維を材料とするフェルトで構成される。フィルタ40の排気側領域40bは、動物繊維を含むフェルトで構成される。したがって吸気側領域40aは、加熱や加圧等による変質が生じにくい。そのため吸気側領域40aの通気性を保ちながら、粉塵の堆積を抑制するための加工処理を吸気側領域40aに施すことができる。一方、排気側領域40bは、従来のエアコンプレッサ用の吸気フィルタで広く用いられている動物繊維を含むフェルトで構成される。そのため従来の吸気フィルタと同程度の通気性で排気側領域40bを設けることができる。かくして通気性を維持しながらフィルタ40の吸気側領域40aへの粉塵の堆積を抑制できる。
図5,6,10に示す吸気側領域40aの化学繊維は、ポリエステル製である。したがってポリエステル製の化学繊維は、比較的安価に入手可能である。しかもポリエステル製の化学繊維を加熱や加圧等で加工処理することで、粉塵の剥離性を高めることができる。そのため吸気側領域40aにおいて粉塵の堆積による目詰まりを抑制できる。
図5,6,10に示す排気側領域40bの動物繊維は、羊毛である。したがって排気側領域40bは、良好な寸法精度で加工可能な羊毛フェルトで設けられる。そのためフィルタ40の収容部と排気側領域40bとの間に粉塵が侵入可能な隙間が形成されることを抑制できる。これによりフィルタ40のフィルタ性能を高めることができる。
図5,10に示す吸気側領域40aは、表面粗さが小さくなるように表面処理された吸気側面41aを有する。したがって吸気側面41aの表面粗さを小さくすることで、吸気側面41aに対する粉塵の剥離性を高めることができる。
図5,10に示す吸気側領域40aの表面を加熱かつ加圧することで表面処理された吸気側面41aを形成する。したがって加熱・加圧というシンプルな表面処理の工程で吸気側面41aの表面粗さを小さくすることができる。そのため粉塵の剥離性の高い吸気側面41aを有するフィルタ40の製造コストを抑制できる。
図5,6,10に示すように吸気側領域40aは、排気側領域40bと異なる部材で構成される。吸気側領域40aは、排気側領域40bよりも厚さが薄い。したがって厚さの薄い吸気側領域40aで粉塵の堆積を抑制でき、かつフィルタ40の半分以上を占める排気側領域40bで従来の吸気フィルタと同程度の通気性を確保できる。これによりフィルタ40の目詰まり対策と良好な通気性を両立できる。
図6に示すように吸気側領域40aと排気側領域40bは、網目状に配された接着剤43により相互に接着されている。したがってフィルタ40の通気性を損なわずに吸気側領域40aと排気側領域40bを相互に接着できる。
図5~7に示すようにフィルタ40を吸気側から覆うフィルタカバー33を有する。フィルタカバー33は、圧縮機構(コンプレッサ本体)10に取付けられた姿勢で下側に向けて開口する粉塵排出口33jを有する。したがってフィルタ40の吸気側領域40aから剥離して落下した粉塵を、粉塵排出口33jからフィルタカバー33の外方へ速やかに排出できる。そのためフィルタカバー33内に粉塵が堆積することを抑制できる。
図5~7に示すようにフィルタカバー33は、上下方向に延出した姿勢でコンプレッサ本体10に取付けられる。フィルタカバー33は、外周に複数の粉塵排出口33jを有する。複数の粉塵排出口33jの少なくとも1つが下側に向けて開口する。したがってフィルタカバー33は、上下方向に延出する複数の姿勢のいずれにおいても、下側に向けて開口する粉塵排出口33jを少なくとも1つ有する。そのためフィルタカバー33の上下方向の向きを気にすることなく、フィルタカバー33をコンプレッサ本体10に取り付けることができる。これによりフィルタカバー33の組付け性を向上させることができる。
以上説明した本開示の実施例には種々変更を加えることができる。例えば本実施例では、吸気部30をコンプレッサ本体10の左側部に設け、フィルタ40を上下方向に延出する姿勢で保持する構成を例示した。これに代えて、例えば吸気部30をコンプレッサ本体10の下部に設け、フィルタ40を略水平方向に延出する姿勢で保持する構成としても良い。
本実施例ではポリエステル製の化学繊維で構成される吸気側フィルタ41を例示した。吸気側フィルタ41は、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、アクリル、アラミド、レーヨン等の化学繊維を材料とするフェルトで構成されていても良い。吸気側フィルタ41は、例えばポリエステルを含む複数種類の化学繊維で構成されていても良い。
本実施例では排気側フィルタ42よりも密度が大きい吸気側フィルタ41を例示した。密度に代えて、吸気側領域40aと排気側領域40bを、同じ厚さとした場合の単位面積当たりの繊維の本数で比較しても良い。この場合、吸気側領域40aの方が排気側領域40bよりも、同じ厚さにおける単位面積当たりの繊維の本数が多い。密度に代えて、通気性、すなわち単位面積当たりの動粘度((cm3/sec)/cm2)で吸気側領域40aと排気側領域40bを比較しても良い。この場合、排気側領域40bの方が吸気側領域40aよりも通気性が高い。
本実施例では動物繊維の羊毛と化学繊維のレーヨンを含むフェルトで構成された排気側フィルタ42を例示した。排気側フィルタ42は、動物繊維のみで構成されていても良い。排気側フィルタ42は、羊毛に代えて例えばラクダ毛等の他の動物繊維を含んでいても良い。排気側フィルタ42は、動物繊維の他に、例えばケナフ、綿、麻等の植物繊維や、ポリエステル等のレーヨンと異なる化学繊維を含んでいても良い。吸気側フィルタ41は、例えばポリエステルを含む複数種類の化学繊維で構成されていても良い。プレスフェルトで構成された排気側フィルタ42を例示したが、排気側フィルタ42を例えばニードルフェルトで設けても良い。
吸気側面41aの表面粗さを小さくするために、吸気側面41aを加熱および加圧して表面処理する構成を例示した。これに代わる吸気側面41aの表面処理として、例えば加熱のみの表面処理、加圧のみの表面処理、化学処理、バフ研磨等であっても良い。
本実施例では吸気側フィルタ41の排気側面41bに接着剤43を付着させ、排気側面41bに吸気側面42aを接着させる構成を例示した。これに代えて、吸気側面42aに接着剤43を付着させ、吸気側面42aに排気側面41bを接着させる構成としても良い。
1…エアコンプレッサ
2…タンク
3…脚部
3a…サイドプロテクタ
4…基台部
5…ハンドル部
6…本体カバー、6a…通気孔
7…吐出口(高圧用)
7a…調整ダイヤル
8…吐出口(低圧用)
8a…調整ダイヤル
9…操作部
10…圧縮機構(コンプレッサ本体)
11…第1圧縮部、11a…第1シリンダ、11b…第1ピストン、11c…第1ロッド
11d…第1圧縮室、11e…補助逆止弁
12…第2圧縮部、12a…第2シリンダ、12b…第2ピストン、12c…第2ロッド
12d…第2圧縮室
13…供給管
14…第1逆止弁
15…エア通路
21…クランクケース、21a…開口部
22…電動モータ、22a…回転子、22b…固定子
23…放熱ファン
24…吸気ファン
25…モータ軸、25a,25b…軸受、25c…規制板
26…第1クランク部
27…第2クランク部
30…吸気部
31…クランクケースカバー
31a…軸受凹部、31b…フィルタ収容凹部、31c…凸部、31d…挿通孔
31e…内側吸気孔、31f…ねじボス部、31g…ねじ孔、31h…雌ねじ部
33…フィルタカバー、33a…挿通部、33b…内周側押さえ部
33c…外周側押さえ部、33d…外側吸気孔、33e…環状壁部、33f…挿通孔
33g…中間押さえ部、33h…位置決め凹部、33i…外周部、33j…粉塵排出口
34…防塵カバー、34a…挿通部、34b…凸部、34c…挿通孔、34d…凹部
34e…凹み、34f…外周部
35…取付ねじ
36…固定ねじ
37…固定ねじ
38…吸気口
40…フィルタ(吸気フィルタ)、40a…吸気側領域、40b…排気側領域
41…吸気側フィルタ、41a…吸気側面、41b…排気側面
41c,41d,41e…挿通孔
42…排気側フィルタ、42a…吸気側面、42b…排気側面
42c,42d,42e…挿通孔
43…接着剤
J…モータ軸線
W…吸気経路

Claims (11)

  1. エアコンプレッサ用吸気フィルタであって、
    吸気側領域が排気側領域よりも密度が高いエアコンプレッサ用吸気フィルタ。
  2. エアコンプレッサ用吸気フィルタであって、
    吸気側面の表面粗さが、排気側面の表面粗さよりも小さいエアコンプレッサ用吸気フィルタ。
  3. エアコンプレッサ用吸気フィルタであって、
    吸気側領域は、化学繊維を材料とするフェルトで構成され、
    排気側領域は、動物繊維を含むフェルトで構成されるエアコンプレッサ用吸気フィルタ。
  4. 請求項3に記載のエアコンプレッサ用吸気フィルタであって、
    前記吸気側領域の前記化学繊維は、ポリエステル製であるエアコンプレッサ用吸気フィルタ。
  5. 請求項3または4に記載のエアコンプレッサ用吸気フィルタであって、
    前記排気側領域の前記動物繊維は、羊毛であるエアコンプレッサ用吸気フィルタ。
  6. 請求項1~5のいずれか1つに記載のエアコンプレッサ用吸気フィルタであって、
    吸気側領域は、表面粗さが小さくなるように表面処理された吸気側面を有するエアコンプレッサ用吸気フィルタ。
  7. 請求項6に記載のエアコンプレッサ用吸気フィルタの製造方法であって、
    前記吸気側領域の表面を加熱かつ加圧することで表面処理された前記吸気側面を形成するエアコンプレッサ用吸気フィルタの製造方法。
  8. 請求項1~6のいずれか1つに記載のエアコンプレッサ用吸気フィルタであって、
    吸気側領域は、排気側領域と異なる部材で構成され、
    前記吸気側領域は、前記排気側領域よりも厚さが薄いエアコンプレッサ用吸気フィルタ。
  9. 請求項1~6、8のいずれか1つに記載のエアコンプレッサ用吸気フィルタであって、
    吸気側領域と排気側領域は、網目状に配された接着剤により相互に接着されているエアコンプレッサ用吸気フィルタ。
  10. 請求項1~6、8、9のいずれか1つに記載のエアコンプレッサ用吸気フィルタを備えたエアコンプレッサであって、
    前記吸気フィルタを吸気側から覆うフィルタカバーを有し、
    前記フィルタカバーは、コンプレッサ本体に取付けられた姿勢で下側に向けて開口する粉塵排出口を有するエアコンプレッサ。
  11. 請求項10に記載のエアコンプレッサであって、
    前記フィルタカバーは、上下方向に延出した姿勢で前記コンプレッサ本体に取付けられ、
    前記フィルタカバーは、外周に複数の前記粉塵排出口を有し、前記複数の粉塵排出口の少なくとも1つが下側に向けて開口するエアコンプレッサ。
JP2022112250A 2022-07-13 2022-07-13 エアコンプレッサ用吸気フィルタ Pending JP2024010770A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022112250A JP2024010770A (ja) 2022-07-13 2022-07-13 エアコンプレッサ用吸気フィルタ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022112250A JP2024010770A (ja) 2022-07-13 2022-07-13 エアコンプレッサ用吸気フィルタ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024010770A true JP2024010770A (ja) 2024-01-25

Family

ID=89622349

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022112250A Pending JP2024010770A (ja) 2022-07-13 2022-07-13 エアコンプレッサ用吸気フィルタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2024010770A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8413616B2 (en) Arrangement related to a motor-driven tool
US20180073495A1 (en) Compressor Housing Having Sound Control Chambers
CN1263953C (zh) 线性压缩机
US20080127830A1 (en) Air purifier for nail workers
US20060104053A1 (en) Power tool work light
JP2024010770A (ja) エアコンプレッサ用吸気フィルタ
AU2005312771A1 (en) Compressor
EP1703136B1 (en) Lateral channel compressor
JP2014141904A (ja) 過給機用のコンプレッサハウジング及びその製造方法
US6647941B2 (en) Air-routing system, especially a suction system of an internal combustion engine
JP7261664B2 (ja) ブロワ
US20230151803A1 (en) Air compressor
JP2007113443A (ja) エンジン作業機
JP2003227426A (ja) 水、塵埃及びこれに類するものを導出するための装置
US6857949B2 (en) Electric portable grinding machine, particularly an eccentric grinder, provided with edge protection
JP2024036758A (ja) エアコンプレッサ
JP2022179409A (ja) 空気圧縮機のモータ結合位置決め装置
JP5018111B2 (ja) フィルターおよび冷媒圧縮機
CN209414116U (zh) 一种空气压缩泵及空压机
JP2024011753A (ja) 空気圧縮機
KR100950419B1 (ko) 공기조화기 실내기의 데코패널 체결구조 및 데코패널 제조장치
CN2850526Y (zh) 用于去皮处理的抹刀
CN110173418A (zh) 一种空气压缩泵及空压机
CN2766237Y (zh) 正压防尘盒
CN100395456C (zh) 壳盖和泵装置