JP2024010704A - 血液透析用の透析液 - Google Patents

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Masaaki Nakayama
恭良 渡辺
Yasuyoshi Watanabe
良記 西澤
Yoshiki Nishizawa
繁 樺山
Shigeru Kabayama
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Abstract

【課題】活性酸素を消去して酸化ストレスを軽減することにより、重度疲労の患者の疲労感を、短期間で、飛躍的に改善することができる透析液を提供することを目的とする。【解決手段】血液透析用の透析液は、電解水素水を含有し、溶存水素濃度が100~200ppbであり、疲労感を抑制する活性を有する。【選択図】図1

Description

特許法第30条第2項適用申請有り 令和3年10月16日に、日本透析医学会公式欧文誌「Renal Replacement Therapy」のウェブサイトにて公開。 〔刊行物等〕 令和3年10月19日に、株式会社日本トリムのウェブサイトにて公開。
本発明は、血液透析用の透析液に関する。
腎機能が低下し、水分量の調節と尿素などの老廃物を含む体内有害物質の除去を行うための尿の排泄ができない腎不全患者のための有効な治療法の一つに、血液透析が知られている。
この血液透析は、血液ポンプを用いて血液を体外に引き出し、透析器(ダイアライザー)を介して透析液と血液とを接触させることにより、濃度勾配による拡散現象を利用して、血液から体内有害物質および水分を除去した後、再び、血液を体内に戻す(返血)操作を連続して行う治療法である。
この透析液としては、例えば、逆浸透膜(RO膜)で処理され、純化した水(以下、「逆浸透水」という。)に、バブリングにより水素ガスを接触させて、逆浸透水に水素を溶存させることにより、水素が溶存する透析液を製造する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2016-13349号公報
ここで、近年、上記従来の透析液を使用する血液透析において透析患者に酸化ストレスが発生することが知られている。これは、透析時に発生する活性酸素が原因であると考えられており、この酸化ストレスにより、治療中や治療直後の疲労感等の合併症が引き起こされるため、生活の質(QOL)を損なう重大な要因となっており、特に、透析当日のみならず、透析翌日まで継続する重度の疲労感は、生命予後を悪化させ、また社会復帰を阻害する要因となっている。
しかし、上記特許文献1に記載の透析液では、活性酸素を消去することが困難であり、酸化ストレスに起因する患者の疲労感の軽減を図ることができないという問題があった。
そこで、本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、活性酸素を消去して酸化ストレスを軽減することにより、重度疲労の患者の疲労感を、短期間で、飛躍的に改善することができる透析液を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の血液透析用の透析液は、電解水素水を含有し、溶存水素濃度が100~200ppbであり、疲労感を抑制する活性を有することを特徴とする。
本発明によれば、透析患者における抗酸化作用を高めることができるため、酸化ストレスに起因する重度疲労の患者の疲労感を、短期間で、飛躍的に軽減することが可能になる。
本発明の実施形態に係る血液透析用の透析液の製造装置の構成を示す概念図である。 本発明の実施形態に係る血液透析用の透析液の製造装置の電解モジュールにおける電解槽を示す図である。 本発明の実施形態に係る透析装置を示す図である。 実施例における疲労感の強度に関する視覚的評価スケール(VAS法:Visual Analogue Scale)の結果を示す図である。
図1は、本発明の実施形態に係る血液透析用の透析液の製造装置の構成を示す概念図である。また、図2は、本発明の実施形態に係る血液透析用の透析液の製造装置の電解モジュールにおける電解槽を示す図である。
本発明における「血液透析用の透析液」は、血液濾過、血液透析濾過など他の血液浄化療法の際の置換液、補充液等の輸液としても用いることもできる。
また、血液透析用の透析液の成分としては、Na(ナトリウムイオン)、K(カリウムイオン)、Ca2+(カルシウムイオン)、Mg2+(マグネシウムイオン)、Cl(塩化物イオン)、CHCOO(酢酸イオン)、HCO (重炭酸イオン)等の各種電解質や、ブドウ糖、乳酸、クエン酸、糖類、多糖類、アミノ酸等の血液透析用の透析液の成分として好適な成分が挙げられる。
以下、本発明における「血液透析用の透析液」を「透析液」と記す。
図1に示すように、透析液の製造装置1は、透析用水作製装置10と、透析液調製装置26とを備えている。
この透析用水作製装置10は、プレフィルター3と、プレフィルター3に接続された軟水化装置4と、軟水化装置4に接続されたカーボンフィルター(活性炭処理装置)5と、カーボンフィルター5に接続された電解モジュール7と、電解モジュール7に接続された電解水タンク8と、電解水タンク8に接続された逆浸透膜36と、逆浸透膜36に接続されたUF(Ultra Filter)モジュール30とを備えている。
プレフィルター3は、原水2(硬度成分であるカルシウムイオン、マグネシウムイオンなどの溶解固形物を含む硬水)から不純物(例えば、鉄錆や砂粒子)を除去するためのものである。
軟水化装置4は、原水2から、イオン交換によって硬度成分を置換反応により除去し、軟水とする処理を行うためのものである。なお、本実施形態においては、原水2として、水道水や井戸水、地下水などを用いることができる。
カーボンフィルター5は、軟水化装置4により処理された原水に対して、多孔質の吸着物質である活性炭を用いて、原水中に含まれる残留塩素、クロラミン、有機物などを物理的な吸着作用により除去する処理を行うためのものである。
なお、上述の軟水化装置4、及びカーボンフィルター5としては、公知のものを使用することができる。
電解モジュール7は、水素溶解装置として機能するものであり、カーボンフィルター5により処理された原水2に対して、電気分解処理を行うことにより、透析液調製用水として使用される水素が溶存した水(溶存水素水)を生成するためのものである。
また、本実施形態の電解モジュール7は、図2に示す、固体高分子膜(固体高分子電解質膜)14を有する電解槽20を備えている。
この電解槽20は、図2に示すように、上述の固体高分子膜14と、固体高分子膜14を介して、互いに対向して配置され、電解槽20への給電を行う給電体である陽極11、及び陰極12と、固体高分子膜14と陽極11との間、及び固体高分子膜14と陰極12との間に配置された誘電体層13とを備えている。
なお、図2に示すように、陽極11と陰極12は、電気的に接続されており、これらの固体高分子膜14、陽極11、陰極12、及び誘電体層13は、電解槽本体15の内部に収容されている。
また、図2に示すように、電解槽本体15には、電気分解が行われる原水2を電解槽本体15内に導入するための導入路16が形成されている。
陽極11、及び陰極12の材料としては、例えば、チタンや白金などが挙げられる。
また、誘電体層13を形成する材料としては、例えば、チタンや白金などが挙げられる。
また、固体高分子膜14は、電気分解により、陽極11側で発生したオキソニウムイオン(H)を陰極12側へと移動させる役割を有するものである。
この固体高分子膜14としては、例えば、スルホン酸基を有するフッ素系の樹脂材料により形成されたものを好適に使用することができる。より具体的には、ナフィオン(デュポン社製)、Flemion(旭硝子社製)、Aciplex(旭硝子社製)などの市販品を、本発明における固体高分子膜14として好適に用いることができる。
そして、このような固体高分子膜14を用いた電解モジュール7における電気分解では、陰極12における水素の生成原料としてオキソニウムイオン(H)が使用され、電解モジュール7における電気分解処理の際に、OHイオンが発生しない。従って、溶存水素の量を増やすために、高い電流値で電気分解処理を行った場合であっても、処理水のpHが変化しない。
従って、pHの上限値に起因して、処理水の溶存水素濃度が抑制されてしまうという不都合を生じることがなくなり、所望の高い電流値で電気分解処理を行い、処理水の溶存水素濃度を向上させることが可能になる。その結果、必要な溶存水素濃度を有する処理水を得ることが可能になる。
そして、上述の電気分解処理により生成した処理水(電解水素水)17は、電解槽本体15の陰極側に形成された送水路18により、電解モジュール7に接続された電解水タンク8へと送られる。なお、電気分解処理により、陽極側で発生した溶存酸素水19は、電解槽本体15の陽極側に形成された排水路21により、外部へと排出される。
電解水タンク8は、電解モジュール7により生成した電解水素水を貯蔵するためのものである。
逆浸透膜36は、半透膜を境界にして、濃度の異なる溶液がある場合、低濃度の溶液から高濃度の溶液へ水が移動する現象(浸透)に対し、高濃度の溶液側に圧力を加えることにより、高濃度側の溶液から低濃度側の溶液へ水を移動させ、低濃度側に浸透した水を得る処理(逆浸透膜処理)を行うためのものであり、電解モジュール7により生成した電解水素水に対して、上述の逆浸透膜処理を行うものである。
そして、この逆浸透膜36により、上述の一連の処理で得られた原水から、微量金属類などの不純物をさらに除去することができるため、ISO13959(透析用水基準)に規定される水質基準を満たす水(逆浸透水)を得ることが可能になる。
この逆浸透膜36は、図1に示すように、逆浸透膜処理がなされた逆浸透水を貯蔵するための逆浸透水タンク37に接続されている。
UFモジュール30は、逆浸透水タンク37に接続されており、逆浸透水25中に含まれる菌や微生物を除去する処理を施すためのものである。
そして、図1に示すように、UFモジュール30には、透析液調製装置26が接続されており、UFモジュール30による処理が行われた逆浸透水25は、透析液調製用水として透析液調製装置26へと供給される。
透析液調製装置26では、供給された逆浸透水25と透析原液とを混合した透析液27が調製されるとともに、この透析液27が、透析液調製装置26に接続された透析装置40へ供給され、患者50の血液の浄化が行われる。即ち、透析液調製装置26は、調製した透析液27を、透析装置40へ供給する透析液供給装置としても機能するものである。
図3は、本発明の実施形態に係る透析装置を示す図である。図3に示すように、透析装置40は、動脈側血液回路44及び静脈側血液回路45からなる血液回路49と、動脈側血液回路44及び静脈側血液回路45に接続され、血液回路49を流れる血液を浄化する血液浄化装置であるダイアライザー43とを備えている。
また、透析装置40は、透析液調製装置26及びダイアライザー43に接続され、透析液調製装置26において調製された透析液27をダイアライザー43に導入するための透析液導入路41と、ダイアライザー43に接続され、ダイアライザー43に導入された透析液27を血液中の老廃物とともに排出するための透析液排出路42とを備えている。
更に、透析装置40は、動脈側血液回路44に設けられた血液循環用のポンプ46、及び気泡除去装置47と、静脈側血液回路45に設けられた気泡除去装置48とを備えている。
なお、ダイアライザー43は、図3に示すコネクタ(カプラ)51~54を介して、透析液導入路41、透析液排出路42、動脈側血液回路44、及び静脈側血液回路45と接続されている。そして、ダイアライザー43は、これらのコネクタ51~54に対して着脱可能に装着される構成となっている。
そして、本実施形態においては、動脈側穿刺針及び静脈側穿刺針(いずれも不図示)を患者50に穿刺した状態で、ポンプ46を駆動させると、患者50の血液は、気泡除去装置47により除泡がなされるとともに、動脈側血液回路44を通ってダイアライザー43に送られ、このダイアライザー43によって、血液の浄化が行われる。なお、気泡除去装置47により除泡がなされないと、気泡が血液に入り、気泡による塞栓症のおそれがある。
また、透析装置40は気泡検出器(不図示)を備えており、気泡検出器において気泡が通過すると、気泡アラ-ムを発生して動作を停止する(即ち、ポンプ46を停止するとともに、血液回路を外部から遮断し、体内に空気が入るのを防止する)。従って、この場合、透析装置40を確認して再起動する必要があるため、安定した透析を実施することが困難になるとともに、透析に長時間を要するという問題がある。
次いで、ダイアライザー43によって浄化が行われた血液は、気泡除去装置48により除泡がなされるとともに、静脈側血液回路45を通って患者50の体内に戻る構成となっている。
ダイアライザー43の内部には、所定の内径(例えば、200μm)を有する複数の中空糸が収容されており、この中空糸の内部が血液の流路になるとともに、中空糸の外周面とダイアライザー43の筐体部の内周面との間が、透析液27の流路となっている。
また、中空糸には、その外周面と内周面とを貫通した微少な孔が多数形成されて、中空糸の壁が半透膜となっており、この半透膜を介して、血液中の不純物等が透析液27内に透過するよう構成されている。
そして、今回、電解水素水を含有し、所定の溶存水素濃度を有する透析液27を使用した透析(電解水透析)を行うことにより、透析時に発生する活性酸素を消去して酸化ストレスを軽減することにより、患者の疲労感を軽減することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
より具体的には、本発明の電解水素水を含有する透析液27を患者50に投与することにより、血中ミエロペルオキシザーゼならびに単球走化性促進因子(MCP-1)の低下が生じ、生体の酸化ストレスが軽減され、酸化ストレスに起因する重度疲労の患者の疲労感を、短期間で、飛躍的に軽減することが可能になる。
その結果、本発明の透析液の臨床的な使用によって、血液透析患者のQOLの向上を達成することができ、患者の社会復帰や家庭生活への復帰を支援することが可能になる。
なお、ここでいう「重度疲労の患者」とは、透析当日のみならず、透析翌日まで疲労感が継続している患者のことをいい、「重度疲労の患者の疲労感」とは、透析当日のみならず、透析翌日まで疲労感が継続している患者が主観的に感じる、血液透析に由来する継続的な疲労感のことをいう。
また、透析液27の溶存水素濃度は、100~200ppbである。これは、溶存水素濃度が100ppb未満の場合、溶存水素濃度が低いため、上述の疲労感の軽減効果を十分に得られない場合があるためである。また、200ppb以下の場合は、透析液27における気泡の発生を効果的に抑制して、気泡血栓等が発生するリスクを抑えられるため、安全に透析を行うことができ、かつ透析用水作製装置等の流路に気泡が付着することに起因する電気分解効率の低下やエアロック発生の可能性を減らすことにより、安定して透析液の提供を行うことができるためである。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されるものではなく、これらの実施例を本発明の趣旨に基づいて変形、変更することが可能であり、それらを発明の範囲から除外するものではない。
<透析液の製造>
上述の電解モジュール7を備える図1に示す透析用水作製装置10を使用して、透析液を製造した。より具体的には、電解モジュールを備える電解水透析多人数用の透析用水作製装置(トリムメディカルインスティテュート社製、商品名:EW-SP754-HD)を用いて、逆浸透水を作製し、透析液調製装置(日機装社製、商品名:BHI、DRT32)と透析液供給装置(日機装社製、商品名:DAB40E)とを用いて、逆浸透水と透析原液とを混合した本実施例の透析液(溶存水素濃度が120~163ppb)を調製し、調製した透析液を透析装置(日機装社製、商品名:DCS27またはDCS100NX)へ供給した。
なお、透析原液としては、人工腎臓用透析原液(扶桑薬品(株)製、商品名:キンダリー透析剤AF4P号)を使用した。
また、製造した透析液における各種電解質の濃度は、Naが140mEq/L、Kが2.0mEq/L、Ca2+が2.75mEq/L、Mg2+が1.0mEq/L、Clが112.25mEq/L、CHCOOが8mEq/L、HCO が27.5mEq/Lであり、ブドウ糖(C12)の濃度が125mq/dLであった。また、製造した透析液は、pHが7.2~7.4の範囲であり、浸透圧比が0.95~1.00の範囲であった。
<疲労感の評価>
まず、慢性の血液透析患者(95人、平均透析期間:10.6年)に対して、透析当日、及び透析翌日の疲労感の有無について聞き取り調査を実施し、疲労感の観点から、患者を以下の3つのグループ(グループA~C)に分けた。
グループA:透析当日のみ疲労感あり(95人中の40%、38人)
グループB:透析当日、及び透析翌日に疲労感あり(95人中の11.6%、11人)
グループC:疲労感なし(95人中の48.4%、46人)
次に、通常の血液透析(すなわち、上述の図1における電解モジュール7を用いて電気分解処理を行わなかったこと以外は、同様にして製造した透析液を使用した通常透析)を行っている上記グループA~Cの各患者に対して、製造した電解水素水を含有する透析液を使用して、8週間、血液透析(電解水透析)の試験を行い、電解水透析への変更前(通常の血液透析)、電解水透析開始から2週間後、電解水透析開始から4週間後、及び電解水透析開始から8週間後における患者の疲労感(疲労感の強度)の評価を行った。
より具体的には、上記グループA~Cの各患者本人からの聞き取り調査を実施して、視覚的評価スケール(VAS法:Visual Analogue Scale)を用いて「疲労感の強度」を評価し、透析翌日の疲労感の強さについて、全く感じない場合を0、これ以上ないくらい最も強く感じる場合を10とし、これを疲労感の強度のスコアとした。
なお、VASスケールのスコアが4以上を「実質的に疲労感あり」として評価した。以上の結果を図4に示す。
図4に示すように、透析当日、及び透析翌日に疲労感があるグループBの患者において、電解水透析を開始して2週間後には、VASスケールのスコアが4未満となっており、実質的な疲労感が消失していることが分かる。また、電解水透析を開始して8週間後には、他のグループ(グループA、及びグループC)の患者と同様のレベル(すなわち、VASスケールのスコアが2未満)まで疲労感が軽減されていることが分かる。
すなわち、透析当日のみならず、透析翌日まで疲労感が継続していた重度疲労の患者(すなわち、グループBの患者)の主観的な疲労感(すなわち、血液透析に由来する継続的な疲労感)が、本願発明の透析液を使用した電解水透析を開始してから急激に低下し始め、本願発明の透析液を使用した電解水透析を開始してから短期間で(すなわち、8週間経過後に)、飛躍的に軽減されていることが分かる。
以上より、電解水素水を含有する本願発明の透析液は、血液透析に由来する継続的な疲労感を抑制する活性を有することが分かる。
以上説明したように、本発明は、血液透析用の透析液に、特に、有用である。
1 透析液の製造装置
2 原水
3 プレフィルター
4 軟水化装置
5 カーボンフィルター
7 電解モジュール
8 電解水タンク
10 透析用水作製装置
14 固体高分子膜
11 陽極
12 陰極
13 誘電体層
15 電解槽本体
16 導入路
17 処理水
18 送水路
19 溶存酸素水
20 電解槽
21 排水路
26 透析液調製装置
27 透析液
32 制御装置
36 逆浸透膜
37 逆浸透水タンク
40 透析装置
41 透析液導入路
43 ダイアライザー(血液浄化装置)
44 動脈側血液回路
45 静脈側血液回路
50 患者

Claims (2)

  1. 電解水素水を含有し、溶存水素濃度が100~200ppbであり、疲労感を抑制する活性を有することを特徴とする血液透析用の透析液。
  2. 前記疲労感が、血液透析に由来する継続的な疲労感であることを特徴とする請求項1に記載の血液透析用の透析液。
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A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

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