JP2024010011A - 全血からの血漿分離の効率を判定する方法およびキット - Google Patents

全血からの血漿分離の効率を判定する方法およびキット Download PDF

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Abstract

【課題】血漿サンプルが全血の細胞画分から十分に分離されているかどうかを評価するための方法を提供する。【解決手段】2つのアンプリコン、すなわち、例えば、70~150塩基対の短いアンプリコンおよび、例えば、350~600塩基対の長いアンプリコンのリアルタイムPCR増幅を使用して、全血からの血漿分離の効率を判定する方法およびキットが提供される。分離効率は、2つのアンプリコンの増幅パターンの差に基づいて判定される。【選択図】なし

Description

本発明は、血漿サンプルが全血の細胞画分から十分に分離されているかどうかを評価するためのリアルタイムPCRアッセイに関する。本発明は、循環無細胞DNAの利用を必要とする診断試験に有利である。
循環無細胞DNA(cfDNA)は、正常細胞と腫瘍細胞の両方から血液循環に放出されるDNAである。血液中のcfDNAの起源は完全には解明されていないが、アポトーシス、壊死、細胞からの活発な放出に関連していると考えられている。血液中のcfDNAの存在は数十年前から知られていたが、その真の診断能力は近年になって初めて理解され、cfDNAの検出と分析への関心が高まっている。例えば、母体血中に存在する胎児cfDNAは現在、非侵襲的な出生前診断に使用されていて、癌患者の代理マーカーとして腫瘍由来cfDNAを使用した臨床研究が進行中である。
cfDNAの分析では、まず全血から血漿(cfDNAを含む)を分離する必要がある。従来、血漿は遠心分離またはろ過によって血液から分離されていた。新しいマイクロ流体法が現在浮上している。分離後、cfDNAは、さらなる分析の前に、抽出によってさらに精製することができる。
血液の細胞画分からのcfDNAの効果的な分離は、cfDNA分析の品質にとって非常に重要である。採血から血漿処理までの間に白血球から放出されたDNAにより血漿が汚染されると、サンプル中のcfDNAの割合が減少し、cfDNA分析のノイズおよび不正確さが増加する。分離効率を評価するには、通常、血球計算装置を使用して手動でまたはフローサイトメーターを使用して自動的に、血球数を測定する。しかしながら、そのような方法には多くの欠点があり、一部は面倒で高価であり、他は精度が不十分である。
循環cfDNAはほとんど、長さが300塩基対未満、200塩基対未満でさえある断片であることが研究で示されている一方(Chan et al.,2004,Clinical Chemistry,50(1):88-92)、白血球由来のDNAはほとんど、10kbs以上の長い断片である。
分子サイズに基づいてDNAを分離するゲル電気泳動法は、長いDNA断片対短いDNA断片の存在を検出することによって分離効率を判定するために提案されている。しかしながら、そのような方法は大量のDNAを必要とし、これは循環している無細胞DNAを扱う場合の最大の課題となっている。
Nortonら(2013,Clinical Biochemistry,46:1561-1565)は、血液サンプルの保存および発送中に、細胞ゲノムDNA(gDNA)による無細胞DNA(cfDNA)の汚染を防ぐ安定化剤の能力を研究した。gDNAによる汚染は、デジタルPCRを使用して評価された。特に、デジタルPCR技術を利用して、β-アクチン遺伝子からの420塩基対DNA断片を増幅することによって汚染しているgDNAを定量した。第2のデジタルPCRアッセイを使用して、136塩基対の短いβ-アクチンアンプリコンを増幅することによってcfDNAを定量した。これらのアッセイを使用して、血漿cfDNAサンプルの品質を判定し、gDNA汚染の程度を評価した。
操作が簡単で、費用対効果が高く、正確な、全血からの血漿分離の効率を判定する改善された方法およびキットが必要である。
本発明は、いくつかの態様によって、2つのアンプリコン、すなわち、例えば、70~150塩基対の短いアンプリコンおよび、例えば、350~600塩基対の長いアンプリコンの定量的PCR増幅を使用して、全血からの血漿分離の効率を判定する方法およびキットを提供する。分離効率は、2つのアンプリコンの増幅レベルの差に基づいて判定される。有利には、分離効率は、DNAの絶対定量および/または任意の遺伝子/遺伝子座のコピー数の判定なしに判定される。
血液の血漿画分中のDNAはほとんど、無細胞DNAの短い断片であり、長さが最大約300塩基対である。血漿画分が血液の細胞成分から十分に分離されていない場合、血漿は白血球に由来するDNAをさらに含む。後者はほとんど、10Kbs以上の長い断片である。したがって、血漿サンプル中のDNAの長い断片の存在は、全血からの血漿分離の効率に関する指標を提供する。
本明細書に開示している方法では、試験した血漿サンプルからの短いアンプリコンおよび長いアンプリコンを共増幅して、増幅パターンを分析する。本明細書に開示している方法によれば、血液の細胞画分から十分に分離された血漿サンプルにおいて、2つのアンプリコンの増幅レベルにおける有意差が観察され、短いアンプリコンは、長いアンプリコンと比較して、より高い効率で増幅される。いずれの理論や作用メカニズムにも拘束されるものではないが、増幅レベルの違いは、試験された血漿サンプル中の白血球からの長いDNAに対する短い無細胞DNAの比率を反映するため、血漿分離の効率を示す。
有利には、増幅レベルの差は、同じ反応混合物中の(すなわち、同じ反応条件下で)同じDNAテンプレートから共増幅されたアンプリコン間で計算される。このセットアップにより、本明細書に開示している方法は、テンプレートDNA濃度の変化、PCR条件および不純物/阻害剤の存在などの様々な「ノイズ」因子の影響を受けなくなる。本発明の方法は、いかなる時点においても、DNAの絶対定量および/または任意の遺伝子/遺伝子座のコピー数の判定を必要としないことに留意する必要がある。したがって、いかなるゲノム遺伝子座の実際の量、濃度および/またはコピー数も、本発明の方法には関連しない。したがって、本明細書で開示している方法は、絶対定量に含まれる標準曲線および/または追加の面倒なステップの必要性を排除し、それにより、感度、品質および/または精度を損なうことなく、単純で費用対効果の高い手順を提供する。さらに、リアルタイムPCRを採用することによって、テンプレートDNAの任意の濃度に対して有効であり、テンプレートの希釈または他の調節を必要としない。
一態様によれば、本発明は、全血からの血漿分離の効率を判定するための方法を提供し、方法が、
(a)血漿サンプルからDNAを取得することと、
(b)PCR共増幅によって、
(i)第1のプライマー対を使用した第1のゲノム遺伝子座からの70~150塩基対の第1の増幅産物と、
(ii)第2のプライマー対を使用した第2のゲノム遺伝子座からの少なくとも350塩基対の第2の増幅産物と、を生成することと、
(c)該第1および第2の増幅産物の各々について信号強度を計算することと、
(d)信号強度間の差が所定の閾値を超えるときに血漿サンプルが分離されていると判定することと、を含み、
第1および第2の増幅産物は、血漿DNAおよび全血DNAについての明確な信号強度差を生成する、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、ステップ(b)は、リアルタイムPCRを使用して実行される。いくつかの実施形態では、ステップ(b)がリアルタイムPCRを使用して実行されるとき、方法は、第1および第2の増幅産物を特異的に検出するための蛍光プローブを加えることをさらに含む。
一部の実施形態では、ステップ(b)がリアルタイムPCRを使用して実行されるとき、信号強度が定量化サイクル(Cq)であり、血漿サンプルが、第1の増幅産物と第2の増幅産物のCq値間の差(ΔCq)に基づいて分離されていると判定される。いくつかの実施形態では、ΔCq(Cq(第2)-Cq(第1))が所定の閾値ΔCqを超えるときに血漿サンプルが分離されていると判定される。
いくつかの実施形態では、第1および第2のプライマー対は同等の効率のものである。
いくつかの実施形態では、第1の増幅産物は100~150塩基対のものである。
いくつかの実施形態では、第2の増幅産物は350~700塩基対のものである。いくつかの実施形態では、第2の増幅産物は350~650塩基対のものである。いくつかの実施形態では、第2の増幅産物は350~550塩基対のものである。
いくつかの実施形態では、第1の増幅産物は、配列番号1および配列番号10からなる群から選択される配列を含む。各可能性について、本発明の別個の実施形態により示す。いくつかの実施形態では、第1の増幅産物は、配列番号1に示される配列または
配列番号10に示される配列からなる。各可能性について、本発明の別個の実施形態により示す。
いくつかの実施形態では、第2の増幅産物は、配列番号2、配列番号7、配列番号8および配列番号9からなる群から選択される配列を含む。各可能性について、本発明の別個の実施形態により示す。いくつかの実施形態では、第2の増幅産物は、配列番号2、配列番号7、配列番号8または
配列番号9に示される配列からなる。各可能性について、本発明の別個の実施形態により示す。
いくつかの実施形態では、第1および第2の増幅産物は、それぞれ配列番号1および配列番号2に示される配列を含む。いくつかの特定の実施形態では、第1および第2の増幅産物は、それぞれ配列番号1および配列番号2に示される配列からなる。
いくつかの実施形態では、血漿サンプルはヒト血液サンプルに由来する。
さらなる態様によれば、本発明は、全血からの血漿分離の効率を判定するキットであって、
(i)第1のゲノム遺伝子座からの70~150塩基対の第1の増幅産物をPCRによって生成するための第1のプライマー対と、
(ii)第2のゲノム遺伝子座からの少なくとも350塩基対の第2の増幅産物をPCRによって生成するための第2のプライマー対と、
(iii)第1および第2の増幅産物を検出して、各増幅産物についての信号強度を判定するためのプローブと、を含み、
第1および第2の増幅産物は、血漿DNAおよび全血DNAについての明確な信号強度差を生成する、キットを提供する。
いくつかの実施形態では、キットは、信号強度差と分離レベルとの間の相関を指示する取扱説明書をさらに含む。いくつかの実施形態では、取扱説明書は、第1の増幅産物と第2の増幅産物との間の閾値信号強度差を提供し、それを超えると血漿サンプルが分離されていると判定される。いくつかの特定の実施形態では、取扱説明書は、閾値ΔCq(Cq(第2)-Cq(第1))を提供し、それを超えると血漿サンプルが分離されていると判定される。
いくつかの実施形態では、プローブは、蛍光標識されたオリゴヌクレオチドプローブである。
いくつかの実施形態では、第1および第2のプライマー対は同等の効率のものである。
いくつかの実施形態では、第1の増幅産物は100~150塩基対のものである。
いくつかの実施形態では、第2の増幅産物は350~700塩基対のものである。いくつかの実施形態では、第2の増幅産物は350~650塩基対のものである。いくつかの実施形態では、第2の増幅産物は350~550塩基対のものである。
いくつかの実施形態では、第1の増幅産物は、配列番号1および配列番号10からなる群から選択される配列を含む。いくつかの実施形態では、第1の増幅産物は、配列番号1または配列番号10に示される配列からなる。
いくつかの実施形態では、第2の増幅産物は、配列番号2、配列番号7、配列番号8および配列番号9からなる群から選択される配列を含む。いくつかの実施形態では、第2の増幅産物は、配列番号2、配列番号7、配列番号8または配列番号9に示される配列からなる。
いくつかの実施形態では、第1および第2の増幅産物は、それぞれ配列番号1および配列番号2に示される配列を含む。いくつかの特定の実施形態では、第1および第2の増幅産物は、それぞれ配列番号1および配列番号2に示される配列からなる。
いくつかの実施形態では、第1のプライマー対は配列番号3(順方向)および配列番号4(逆方向)である。
いくつかの実施形態では、第2のプライマー対は配列番号5(順方向)および配列番号6(逆方向)である。
いくつかの実施形態では、第1のプライマー対は配列番号3(順方向)および配列番号4(逆方向)であり、第2のプライマー対は配列番号5(順方向)および配列番号6(逆方向)である。
本発明のこれらのおよびさらなる態様および特徴は、以下の詳細な説明、実施例および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
血漿(A)、白血球で汚染された血漿(B)、および全血からのDNA(C)からのDNAサンプルにおける短い(「JOE」)および長い(「FAM」)増幅産物の例示的な定量的PCRプロット。
本発明は、2つのアンプリコン、すなわち、70~150塩基対の短いアンプリコンおよび少なくとも350塩基対の長いアンプリコンのリアルタイムPCR増幅を使用して、全血の細胞画分からの血漿分離の効率を判定することに関する。
血漿中に含まれるDNA(「血漿DNA」)はほとんど、無細胞DNAであり、通常は300塩基対未満の長さを有するDNA断片を含む。対照的に、全血中のDNA(「全血DNA」)はほとんど、白血球から放出されたDNAであり、通常は10Kb以上のDNA断片を含む。短いDNA断片対長いDNA断片の比率に関する血漿と全血とのDNA内容物の違いは、短いアンプリコンと長いアンプリコンの異なる増幅パターンを確立し、血液の細胞成分からの血漿サンプルの分離効率を判定することを可能にする。
本明細書で使用する場合、「無細胞DNA」および「循環無細胞DNA(「cfDNA」と略される)という用語は、互換的に使用され、血液中を自由に循環するDNA分子を指す。無細胞DNA分子はほとんど、長さが400塩基対未満、300塩基対未満でさえ、または長さが200塩基対未満でさえある。
本明細書で使用する場合、「白血球由来のDNA」、「白血球DNA」、「汚染している白血球DNA」などの用語は、白血球から放出されたDNAを指す。白血球DNAはほとんど、長さが10kb以上のDNA断片で構成されている。
本明細書で使用する場合、「血漿分離効率の判定」、「血漿サンプルが分離されていることの判定」、「血漿サンプルが十分に/効率的に分離されていることの判定」などの語句は交換可能であり、血漿中の汚染している白血球DNAのレベルが無細胞DNAの分析を妨害しないようなものであると判定することを指す。無細胞DNAの分析を含む様々な診断用途では、様々なレベルの血漿の純度が必要になる場合がある(すなわち、許容される様々なレベルの白血球DNAの汚染によって特徴付けられる場合がある)。したがって、本発明により増幅された短いアンプリコンと長いアンプリコンとの間の閾値ΔCqなど、超えると血漿サンプルが分離されると判定される閾値は、様々なアッセイに対して異なる場合がある。閾値は、特定の診断アッセイの要件に基づいて設定されてもよい。
第1のゲノム遺伝子座および第2のゲノム遺伝子座の選択ならびに短いアンプリコンおよび長いアンプリコンを生成するためのプライマーの設計
本明細書に開示している血漿分離の品質を評価するアッセイは、第1のゲノム遺伝子座からの短いアンプリコン(例えば、約100塩基対)および第2のゲノム遺伝子座からの長いアンプリコン(例えば、約500塩基対)を生成するプライマーを用いたデュプレックスPCRを含む。短いアンプリコンおよび長いアンプリコンは、血漿DNAおよび全血DNAについての異なるΔCq値などの血漿DNAおよび全血DNAについての異なる信号強度差を生成する。
血漿中のDNAは単に断片化されたゲノムDNAではなく、ゲノムの偏った表現であり、一部のゲノム遺伝子座は過小に表され、他のゲノム遺伝子座は全血DNAに関して過大に表される。血漿DNAおよび全血DNAについての異なるΔCq値を生成する短いアンプリコンおよび長いアンプリコンの対には、血漿DNAで同等に表されるゲノム遺伝子座からの短いアンプリコンおよび長いアンプリコンの対、ならびに、長いアンプリコンが、短いアンプリコンのゲノム遺伝子座と比較して、血漿DNAにおいて過小に表されるゲノム遺伝子座からのものである、短いアンプリコンおよび長いアンプリコンの対が含まれる。
そのような遺伝子座の対が同じ効率を有するプライマーで増幅されるとき、それらの増幅レベルの違いは、サンプル中の長いDNA断片に対する短いDNA断片の比率を反映し、長いアンプリコンの増幅レベルが低いほど、サンプル中の長いDNA断片の量は小さくなり、それに応じて血漿の分離は良好になる。
したがって、いくつかの実施形態では、第1および第2のゲノム遺伝子座は、血漿DNAにおいて同等に表される。追加の実施形態では、第2の遺伝子座は、第1の遺伝子座と比較して、血漿DNAにおいて過小に表される。いくつかの実施形態によれば、本発明の方法は、(a)血漿サンプルからDNAを得ることと、(b)PCR共増幅によって、第1のプライマー対を使用した第1のゲノム遺伝子座からの70~150塩基対の第1の増幅産物と、第2のプライマー対を使用した第2のゲノム遺伝子座からの少なくとも350塩基対の第2の増幅産物とを生成することであって、該第1および第2のゲノム遺伝子座が、血漿DNAにおいて同等に表されるか、または第2のゲノム遺伝子座が、第1の遺伝子座と比較して、血漿DNAにおいて過小に表される、生成することと、(c)該第1および第2の増幅産物の各々について信号強度を計算することと、d)信号強度間の差が所定の閾値を超えるときに、血漿サンプルが分離されていると判定することと、を含む。
いくつかの実施形態では、本発明の方法は、(a)血漿サンプルからDNAを得ることと、(b)リアルタイムPCR増幅により、第1のプライマー対を使用した第1のゲノム遺伝子座からの70~150塩基対の第1の増幅産物と、第2のプライマー対を使用した第2のゲノム遺伝子座からの少なくとも350塩基対の第2の増幅産物とを生成することであって、該第1および第2のゲノム遺伝子座が、血漿DNAにおいて同等に表されるか、または第2のゲノム遺伝子座が、第1の遺伝子座と比較して、血漿DNAにおいて過小に表される、生成することと、(c)該第1および第2の増幅産物の各々についてCq値を計算することと、d)ΔCq(Cq(第2)-Cq(第1)が所定の閾値ΔCqを超えるときに、血漿サンプルが分離されていると判定されることと、を含む。
いくつかの実施形態では、(a)血漿サンプルからDNAを得ることと、(b)リアルタイムPCR増幅により、第1のプライマー対を使用した第1のゲノム遺伝子座からの70~150塩基対の第1の増幅産物と、第2のプライマー対を使用した第2のゲノム遺伝子座からの少なくとも350塩基対の第2の増幅産物とを生成することであって、該第1および第2のゲノム遺伝子座が、血漿DNAにおいて同等に表されるか、または第2のゲノム遺伝子座が、第1の遺伝子座と比較して、血漿DNAにおいて過小に表される、生成することと、(c)該第1および第2の増幅産物の各々についてCq値を判定することと、任意に、(d)ΔCq(Cq(第2)-Cq(第1))を計算することであって、第1および第2の増幅産物が、血漿DNAおよび全血DNAについて異なるΔCqを生成する、計算することと、を含む、血漿サンプルを分析する方法を本明細書で提供している。
無細胞血漿DNAで同等に表される2つのゲノム遺伝子座の選択、およびこれらの遺伝子座からの短いアンプリコンおよび長いアンプリコンの設計を、例えば、次のように実行できる。
1.ゲノム遺伝子座のランダムな対を選択する。例えば、GC含有量が30~60%の遺伝子座を選択してもよい。
2.短い(約100塩基対)アンプリコンを生成する増幅のためのプライマー対を設計する。
3.シングルプレックス(個別)反応における全血DNAに関してPCRにおけるプライマー対の効率を判定する。
プライマーの効率を判定する方法は、当該技術分野で知られている。例えば、プライマー対の効率は、(i)プライマーの特定の濃度を選択し、(ii)テンプレートDNA(例えば、全血DNA)の連続希釈でリアルタイムPCR反応を行い(例えば、各反応(各希釈)についてのCq値を判定し、(ii)各希釈についてのテンプレートの開始量の対数に対してCq値をプロットすることにより標準曲線を作成し、(iv)標準曲線の勾配を計算し、(v)勾配に基づいて反応効率を判定することにより実行し得る。通常、効率は、式:効率=10-1/勾配を使用して計算される。増幅効率は、百分率、すなわち、各サイクルで増幅されたテンプレートのパーセントとしても頻繁に示される。百分率を計算するには、式:%効率=(効率-1)x100を適用する。
4.プライマーの効率が同等でないゲノム遺伝子座の対を削除し、プライマーの効率が同等のゲノム遺伝子座の対で続行する。
5.ゲノム遺伝子座の各対について、血漿DNA内の遺伝子座のコピー数を比較し、異なるコピー数を有する対を排除する(換言すると、遺伝子座の1つが、他と比較して血漿DNAにおいて過大に表されている血漿DNA内に表現バイアスを有する対を排除し、血漿DNAにおいて同等の表現を有する対を選択する)。
血漿DNAのコピー数の差の評価を、例えば、(i)同等の効率を有する各遺伝子座からの短いアンプリコンを増幅する前のステップで選択されたプライマーを使用して、血漿DNAからのおよび全血DNAからのゲノム遺伝子座を定量的に増幅し、(ii)各DNAサンプル(血漿DNAまたは全血DNA)について、2つの遺伝子座間のΔCqを計算し、(iii)血漿DNA中のΔCq対全血DNA中のΔCqにしたがってコピー数の差を判定することにより実行してもよい。
6.前のステップで血漿DNAにおいて同等に表されていることが判明した選択されたゲノム遺伝子座の対について、対におけるゲノム遺伝子座の1つに対する長い(>350塩基対)アンプリコン用のプライマーを設計する。
7.上記のように、全血DNAに関して長いアンプリコンのプライマーの効率を判定する。
8.同じ効率が達成されるまで、短いアンプリコンのプライマーおよび長いアンプリコンのプライマーの効率を校正する。例えば、プライマーの5´または3´末端に塩基を追加/そこから塩基を削除することによって、プライマーの配列をわずかに変えることで効率を変更し得る。代替的にまたは付加的に、同等の効率を達成するために、プライマー濃度を調製し得る。
得られたプライマーは、血漿DNAにおいて同等に表される2つのゲノム遺伝子座を同じ効率で増幅する(サイズが異なるアンプリコンを使用するが)。
長いアンプリコンが、短いアンプリコンのゲノム遺伝子座と比較して血漿DNAで過小に表されるゲノム遺伝子座に由来する、短いアンプリコンおよび長いアンプリコンの対の設計は、例えば、次のように実行できる。
1.ゲノム遺伝子座のランダムな対を選択する。
2.短い(約100塩基対)アンプリコンを生成する増幅のためのプライマー対を設計する。
3.上記のように、シングルプレックス(個別)反応における全血DNAに関してPCRにおけるプライマーの効率を判定する。
4.プライマーの効率が同等でないゲノム遺伝子座の対を削除し、プライマーの効率が同等のゲノム遺伝子座の対で続行する。
5.ゲノム遺伝子座の各対について、血漿DNA内の遺伝子座のコピー数を比較し(上記のように)、遺伝子座の1つが、他と比較して血漿DNAにおいて過小に表されている異なるコピー数の対を選択する。
6.選択された遺伝子座の対について、他と比較して過小に表されていることが判明したゲノム遺伝子座についての長い(>350塩基対)アンプリコン用のプライマーを設計する。
7.上記のように、全血DNAに関して長いアンプリコンのプライマーの効率を判定する。
8.同じ効率が達成されるまで、短いアンプリコンのプライマーおよび長いアンプリコンのプライマーの効率を校正する。例えば、プライマーの5´または3´末端に塩基を追加/から塩基を削除することによって、プライマーの配列をわずかに変えることで効率を変更し得る。代替的にまたは付加的に、同等の効率を達成するために、プライマー濃度を調製し得る。
上で詳述したように、プライマー/PCR反応の効率は、既知の方法によって(例えば、標準曲線を生成し、標準曲線の勾配に基づいて効率を計算することによって)測定でき、数値または百分率として表すことができる。本明細書で使用する場合、増幅効率/プライマー効率に関する用語「同等の効率」は、正確に同じ効率(例えば、同じ百分率効率)を指し、効率が最大5%の差も指す。「同等の効率のプライマー」は、同等の効率を達成するための、反応におけるプライマー配列および/または濃度の調整を包含する。効率が同等のプライマーは、プライマー効率による結果の偏りを有利に回避する。
本明細書で使用する場合、ゲノム遺伝子座に関して「血漿DNAにおいて同等に表される」という用語は、血漿DNAにおいて同じコピー数を有するゲノム遺伝子座を指す。この用語は、正確に同じ表現(すなわち、正確なコピー数)を含み、表現で最大5%の違いも含む。別の遺伝子座と比較して特定の遺伝子座を指す「血漿DNAにおいて過小に表された」という用語は、この特定の遺伝子座が他の遺伝子座と比較して血漿DNAにおけるコピー数が少ないことを指す。この用語は、表現における5%を超える差を示す。
コピー数は、例えば、上で詳述しているように、既知の方法で測定され得る。
本発明の方法で使用するための短いおよび長い増幅産物を設計するとき、増幅された配列のCG含有量を考慮に入れてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、各増幅産物のCG含有量は50%より小さい。
血漿サンプル処理
本明細書で使用する場合、「全血」および「血液」という用語は、分画されておらず、細胞成分(赤血球、白血球、および血小板)ならびに流体成分の両方を含む血液サンプルを指す。
「血漿」という用語は、全血サンプルが血球を除去するための分離プロセスにかけられた後に残る液体を指す。
いくつかの実施形態によれば、本発明の方法を使用して分析される血漿サンプルはヒト対象に由来する。いくつかの実施形態によれば、血漿サンプルは、特定のタイプの癌などの悪性疾患を有する対象、または1つ以上のタイプの癌などの悪性疾患を有することが疑われる対象に由来する。追加の実施形態によれば、血漿サンプルは健康な対象に由来する。本明細書で使用する「健康な対象」という用語は、特定のタイプの癌などの悪性疾患を有すると診断されていない対象、および/または癌を有する疑いのない対象、および/または癌を罹患しにくい対象を指す。
血漿サンプルは、任意の分離方法を使用して全血から分離されたサンプルであってもよい。例示的な手順については、以下の実施例の節に記載している。血漿サンプルは、新たに単離されたサンプル、または分析前に一定期間保存されたサンプルであってもよい。
「からのDNA」、「から得られたDNA」などの用語は、血漿サンプルから単離された(例えば、当該技術分野で既知の方法を使用して血漿から抽出された)DNA、およびそのままの血漿サンプル、すなわち、DNAを含む血漿サンプルを指す。
いくつかの実施形態では、本発明の方法は、血漿サンプルを提供することを含む。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、血漿サンプルからのDNAを提供することを含む。
増幅産物の生成
本明細書に開示している方法は、いくつかの実施形態によれば、第1のプライマー対を使用した第1のゲノム遺伝子座からの70~150塩基対アンプリコンおよび第2のプライマー対を使用した第2のゲノム遺伝子座からの350~650塩基対アンプリコンを共増幅することを含む。
本発明の第1および第2の増幅産物は、各増幅産物を特異的に生成するために当該技術分野で既知である設計された逆方向および順方向のプライマーの対を使用する増幅によって生成される。
第1の(短い)増幅産物の長さは通常、70~150塩基対、例えば、80~150塩基対、100~150塩基対、100~130塩基対である。各可能性について、本発明の別個の実施形態により示す。
第2の(長い)増幅産物の長さは、少なくとも350塩基対、通常、350~750塩基対、350~650塩基対、350~600塩基対、350~550塩基対または400~500塩基対である。各可能性について、本発明の別個の実施形態により示す。
いくつかの実施形態では、第1の増幅産物は、配列番号1に示される配列を含む。いくつかの実施形態では、第1の増幅産物は、配列番号1に示される配列からなる。いくつかの実施形態では、第1の増幅産物は、配列番号10に示される配列を含む。いくつかの実施形態では、第1の増幅産物は、配列番号10に示される配列からなる。
いくつかの実施形態では、第2の増幅産物は、配列番号2に示される配列を含む。いくつかの実施形態では、第2の増幅産物は、配列番号2に示される配列からなる。いくつかの実施形態では、第2の増幅産物は、配列番号7に示される配列を含む。いくつかの実施形態では、第2の増幅産物は、配列番号7に示される配列からなる。いくつかの実施形態では、第2の増幅産物は、配列番号8に示される配列を含む。いくつかの実施形態では、第2の増幅産物は、配列番号8に示される配列からなる。いくつかの実施形態では、第2の増幅産物は、配列番号9に示される配列を含む。いくつかの実施形態では、第2の増幅産物は、配列番号9に示される配列からなる。
いくつかの実施形態では、第1および第2の増幅産物は、それぞれ配列番号1および配列番号2に示される配列を含む。さらなる実施形態では、第1および第2の増幅産物は、それぞれ配列番号1および配列番号2に示される配列からなる。
いくつかの実施形態では、第1の増幅産物を増幅するプライマー対は配列番号3(順方向)および配列番号4(逆方向)である。
いくつかの実施形態では、第2の増幅産物を増幅するプライマー対は配列番号5(順方向)および配列番号6(逆方向)である。
高レベルの白血球DNAで汚染された血漿サンプルでは、サンプル中に短いDNA断片および長いDNA断片の両方が見つかり、短い増幅産物および長い増幅産物の両方の効率的な増幅が得られる。血液の細胞画分から十分に分離された血漿サンプルには、主に(または唯一)短い無細胞DNA断片が存在する。そのようなサンプルでは、短い増幅産物が長い増幅産物と比較してより高い効率で増幅される。血漿サンプルの分離が良好になればなるほど、長い増幅産物と比較して短い増幅産物の増幅が良好になることが、例えば、定量的リアルタイムPCRの後の長いアンプリコンのCqと短いアンプリコンのCqの間のデルタCq値(Cq(長い)-Cq(短い))の増加に反映される。
本明細書で使用する「ゲノム遺伝子座」または「遺伝子座」という用語は交換可能であり、染色体上の特定の位置にあるDNA配列を指す。特定の位置は、分子の位置、すなわち、染色体上の開始および終了塩基対の数によって識別されてもよい。所与のゲノム位置にあるDNA配列の変異体は対立遺伝子と呼ばれる。遺伝子座の対立遺伝子は、相同染色体上の同一部位に位置する。遺伝子座には、遺伝子配列および他の遺伝的要素(例えば、遺伝子間配列)が含まれる。
本明細書中で使用する場合、「増幅」とは、目的の1つ以上の核酸配列のコピー数の増加をいう。増幅は通常、当該技術分野で知られているDNAテンプレート、ポリメラーゼ(通常はTaqポリメラーゼ)、dNTP、プライマー、およびプローブ(必要に応じて)を補充した適切なバッファーを含んでもよいPCR反応混合物の存在下で、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって行われる。
本明細書で使用する「ポリヌクレオチド」という用語は、デオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドのいずれか、またはそれらの類似体のいずれかの長さのヌクレオチドのポリマー形態を含む。「オリゴヌクレオチド」という用語はまた、通常は長さが100塩基までのヌクレオチドのポリマー形態を含むように本明細書で使用される。
「増幅産物」および「アンプリコン」という用語は交換可能に使用され、増幅反応で生成および蓄積される特定の標的配列の核酸分子を集合的に指す。この用語は一般に、所与の増幅プライマーのセットを使用してPCRによって生成される核酸分子を指す。
本明細書で使用する場合、「プライマー」は、標的配列をアニール(ハイブリダイズ)し得、それにより適切な条件下でDNA合成の開始点として機能し得る二本鎖領域を生成し得るオリゴヌクレオチドを定める。「プライマー対」という用語は、本明細書では、複数のタイプの増幅プロセスの1つ、好ましくはPCRによって、選択された核酸配列を増幅する際に一緒に使用されるように選択されるオリゴヌクレオチドの対を指す。当該技術分野で一般に知られているように、選択された条件下で相補的配列に結合するようにプライマーを設計してもよい。
プライマーは、特定のアッセイ形式および特定のニーズに応じて、任意の適切な長さのものであってもよい。いくつかの実施形態では、プライマーは、少なくとも長さ15ヌクレオチド、好ましくは、長さ19~25ヌクレオチドを含んでもよい。選択された核酸増幅システムに特に適するようにプライマーを適合させてもよい。当該技術分野で一般に知られているように、オリゴヌクレオチドプライマーを、それらの標的配列とのそのハイブリダイゼーションの融解点を考慮に入れることによって設計してもよい。
本明細書に開示している方法は、同じ反応混合物中の複数の標的配列(第1および第2の増幅産物)の同時増幅、多重増幅または共増幅として知られるプロセスを含む。このプロセスでは、2つのプライマー対を同時に使用する必要がある。当該技術分野で知られているように、増幅中に同じアニール温度で機能し得るようにプライマーを設計してもよい。いくつかの実施形態では、類似の融解温度(Tm)を有するプライマーが、本明細書で開示している方法で使用される。約3~5℃のTm変動は、プールで使用されるプライマーに許容可能であると見なされる。
いくつかの実施形態によれば、ゲノム遺伝子座の増幅は、定量的PCR(qPCR)としても知られているリアルタイムPCR(RT-PCR)を使用して実行され、増幅産物の同時増幅および検出が行われる。
いくつかの実施形態では、RT-PCRにおける増幅産物の検出は、ポリヌクレオチドプローブ、通常は、蛍光標識されたポリヌクレオチドプローブを使用して達成されてもよい。
本明細書で使用される場合、「ポリヌクレオチドプローブ」または「オリゴヌクレオチドプローブ」は交換可能であり、目的の遺伝子座の核酸配列内の、例えば、本明細書に記載している第1(短い)および第2の(長い)ゲノム遺伝子座内の特定の部分配列に相補的である標識化ポリヌクレオチドを指す。一部の実施形態では、検出は、組み合わされたレポーター分子およびクエンチャー分子(Roche Molecular Systems Inc.)に基づくTaqManアッセイを使用することによって達成される。そのようなアッセイにおいて、ポリヌクレオチドプローブは、それらの5´末端に結合された蛍光部分(フルオロフォア)および3´末端に結合されたクエンチャーを有する。PCR増幅中、ポリヌクレオチドプローブはテンプレート上の標的配列に選択的にハイブリダイズし、ポリメラーゼがテンプレートを複製するときに、ポリメラーゼの5´-ヌクレアーゼ活性によりポリヌクレオチドプローブも切断する。ポリヌクレオチドプローブが無傷であるとき、クエンチャーと蛍光部分が近接しているために、通常、バックグラウンドの蛍光レベルが低くなる。ポリヌクレオチドプローブが切断されるとき、クエンチャーは蛍光部分から分離されて、蛍光強度が増加する。蛍光信号は、増幅産物の量と相関し、すなわち、その信号は増幅産物が蓄積するにつれて増加する。
本明細書で使用する場合、「選択的にハイブリダイズする」(および「選択的ハイブリダイゼーション」、「特異的にハイブリダイズする」、および「特異的ハイブリダイゼーション」)は、ストリンジェントな条件下で特定の相補的ヌクレオチド配列に対して優先的に核酸分子(プライマーまたはプローブなど)を結合、二重化、またはハイブリダイズさせることを指す。「ストリンジェントな条件」という用語は、核酸分子が、その標的配列に対して優先的に、かつ他の非標的配列より少ない程度でハイブリダイズし、または他の非標的配列には全くハイブリダイズしない条件を指す。核酸ハイブリダイゼーションの文脈における「ストリンジェントなハイブリダイゼーション」は配列依存的であり、当該技術分野で公知であるように、異なる条件下では異なる。
ポリヌクレオチドプローブは長さが異なってもよい。一部の実施形態では、ポリヌクレオチドプローブは15~30塩基を含んでもよい。追加の実施形態では、ポリヌクレオチドプローブは25~30塩基を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドプローブは、20~30塩基、例えば、20基、21塩基、22塩基、23塩基、24塩基、25塩基、26塩基、27塩基、28塩基、29塩基、30塩基を含んでもよい。各可能性について、本発明の別個の実施形態により示す。
テンプレートのどちらかの鎖に結合するようにポリヌクレオチドプローブを設計してもよい。追加の考慮事項には、プライマーのプローブと互換性のあるポリヌクレオチドのプローブのTmが含まれる。プライマーおよびプローブを設計するためにコンピュータソフトウェアを使用してもよい。
上記のように、本明細書に開示している方法は、同じ反応混合物中の複数の標的配列の同時増幅を含む。並行して増幅される複数の標的配列を区別するために、異なる蛍光色で標識されたポリヌクレオチドプローブを使用してもよい。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドプローブは、当該技術分野で知られているフルオロフォア/クエンチャー対を形成し、例えば、FAM-TAMRA、FAM-BHQ1、ヤキマイエロー-BHQ1、ATTO550-BHQ2およびROX-BHQ2を含む。
いくつかの実施形態では、色素の組み合わせは、選択したRT-PCRサーモサイクラーに適合してもよい。
いくつかの実施形態では、蛍光は、サイクル数の関数としてプローブからの蛍光信号の変化を示す増幅プロットを提供する各PCRサイクル中に監視されてもよい。
RT-PCRの文脈においては、次の用語が使用される。
「定量化サイクル」(「Cq」)は、ソフトウェアによって自動的にまたはユーザが手動で設定した、閾値蛍光を超えて蛍光が増加するサイクル数を指す。いくつかの実施形態では、閾値蛍光は、すべてのアンプリコンについて一定であってもよく、増幅および検出を実行する前に、事前に設定されてもよい。他の実施形態では、閾値蛍光は、増幅サイクル中にこのアンプリコンについて検出された最大蛍光レベルに基づいて、実行後の各アンプリコンについて別々に定義されてもよい。いくつかの実施形態では、閾値蛍光は、ベースライン蛍光を超えるおよび/またはバックグラウンドノイズを超える、ならびに増幅プロットの指数増殖期内値であってもよい。「ベースライン」は、蛍光の変化がほとんどない、またはまったくないPCRの初期サイクルを指す。
コンピュータソフトウェアを使用して、増幅プロットを分析し、ベースライン、閾値およびCqを判定してもよい。
細胞成分から十分に分離された、細胞DNAがないまたは細胞DNAの残量がある血漿成分において、長いアンプリコンを増幅するためのテンプレートDNAは実質的に存在しない。第1および第2のプライマー対を使用したPCRの後、短いアンプリコンは高効率で増幅されるが、長いアンプリコンについては存在する場合には、かなり少量の増幅産物が形成される。増幅プロットは、短いアンプリコン(比較的少数の増幅サイクル後に増幅産物が検出される)についてのCq値が低く、長いアンプリコン(比較的多数の増幅サイクル後に増幅産物が検出される)についてのCq値が高い。
細胞ゲノムDNAで汚染された血漿サンプルでは、汚染度が高いほど、長いアンプリコンのCq値は低くなる。
短いアンプリコンのCqと長いアンプリコンのCqの差は血漿サンプルの分離の品質を示す。
分離の効率の判定
血漿分離の効率は、リアルタイムPCR後の短い増幅産物と長い増幅産物の間のCq値の差などの信号強度の差に基づいて判定される。
本明細書で使用する「信号強度」という用語は、標的配列の最初のコピーの量に対応する、配列特異的増幅産物の量を反映する尺度を指す。しかしながら、信号強度は、増幅産物/標的配列の実際の量を示さない場合があり、増幅産物/標的配列の絶対量の計算を含まない場合がある。したがって、いくつかの実施形態では、増幅産物の信号強度を計算するために、実際のDNA量自体を計算する必要がないため、標準曲線または参照DNAを使用しない。
いくつかの実施形態では、増幅産物の増幅および検出は、特定の増幅産物の信号強度がこの増幅産物について計算されたCqによって表されるRT-PCRによって実行される。
いくつかの実施形態では、増幅がないか、または増幅がごくわずかである場合、Cqは「無限大」と判定される。一部の実施形態では、そのような場合、デルタCqの数値は14に設定される。
いくつかの実施形態では、DNAサンプル中の第1および第2の増幅産物の信号強度間の差を計算することは、各遺伝子座のCqを判定すること、およびCq値間の差(ΔCq)を計算することを含む。いくつかの実施形態では、2つの増幅産物の信号強度間の差を計算することは、Cq(長い)-Cq(短い)を計算することによって実行される。
例えば、第1の増幅産物の第1の(短い)Cqが「25」であり、第2の(長い)増幅産物の第2のCqが「30」であると仮定すると、
Cq(長い)-Cq(短い)は「5」である。
いくつかの実施形態では、増幅産物のCq間の差を計算するためにコンピュータソフトウェアが使用される。
いくつかの実施形態では、計算されたデルタCqは、計算されたデルタCqが所定の閾値デルタCqを超える場合に、試験された血漿サンプルが全血から十分に分離されていることを示す。
「閾値デルタCq」は、十分に分離された血漿サンプルと、不十分に分離されたまたは分離されていない血漿サンプルとを区別するデルタCqを指す。閾値は通常、無細胞DNAの分析を妨害しない、特定の量または百分率を下回る白血球DNAの汚染を反映するように設定される。上記のように、無細胞DNAの分析を含む様々な診断用途では、様々なレベルの血漿の純度が必要になる場合がある(すなわち、許容される様々なレベルの白血球DNA汚染によって特徴付けられる場合がある)。例えば、いくつかの実施形態では、分離された血漿サンプルは、50%未満の汚染白血球DNA、40%未満の汚染白血球DNA、30%未満の汚染白血球DNA、20%未満の汚染白血球DNA、10%未満の汚染白血球DNA、5%未満の汚染白血球DNA、1%未満の汚染白血球DNAを含む血漿サンプルである。各可能性について、本発明の別個の実施形態により示す。
超えると血漿サンプルが分離されていると判定される閾値ΔCqは、特定の診断アッセイの要件に基づいて設定されてもよい。
例えば、いくつかの実施形態では、閾値ΔCqは1サイクルであり、サンプル中の汚染白血球DNAと無細胞DNAとの間の50:50の比を反映している。
一部の実施形態では、閾値ΔCqは約1サイクルである。いくつかの実施形態では、閾値ΔCqは少なくとも1サイクルである。追加の実施形態では、閾値ΔCqは少なくとも2サイクルである。さらに追加の実施形態では、閾値ΔCqは少なくとも3サイクルである。さらに追加の実施形態では、閾値ΔCqは少なくとも4サイクルである。
いくつかの実施形態では、閾値ΔCqを判定することは、(i)様々な量のバフィーコートまたは全血DNAの血漿サンプルをスパイクして、様々な程度の白血球DNA汚染を有する一連の血漿サンプルを得ること、(ii)各サンプルの短いアンプリコンおよび各サンプルの長いアンプリコンの対に対してリアルタイムPCRを実行し、各サンプルの各アンプリコンのCqを判定すること、(iii)各サンプル(白血球DNA汚染の各程度)についてのΔCqを計算し、特定のアッセイ/用途が許可する最大汚染にしたがって閾値を判定することを含む。
一部の実施形態では、本発明の方法は、閾値デルタCqを提供することを含む。
いくつかの実施形態では、閾値は統計的に有意な値である。多くの場合、統計的有意性は、2つ以上の母集団を比較し、信頼区間(CI)および/またはp値を判定することによって判定される。一部の実施形態では、統計的に有意な値は、約90%、95%、97.5%、98%、99%、99.5%、99.9%および99.99%の信頼区間(CI)を指し、好ましいp値は、約0.1、0.05、0.025、0.02、0.01、0.005、0.001未満、または0.0001未満である。各可能性について、本発明の別個の実施形態により示す。いくつかの実施形態によれば、閾値のp値は最大で0.05である。
本明細書で使用する場合、「約」という用語は、測定可能な値を指す場合、指定値からの+/-10%、より好ましくは+/-5%、さらにより好ましくは+/-1%、さらにより好ましくは+/-0.1%の変動を含むことを意味する。
キットおよびシステム
いくつかの実施形態では、本発明の方法により、全血からの血漿分離の効率を判定するためのキットを本明細書で提供する。
追加の実施形態では、本発明の方法により、全血からの血漿分離の効率を判定するためのシステムを本明細書で提供する。
一部の実施形態では、キットは、第1のゲノム遺伝子座からの70~150塩基対の第1の増幅産物および第2のゲノム遺伝子座からの少なくとも350塩基対の第2の増幅産物を増幅するための一対のプライマーと、第1および第2の増幅産物を検出するための手段と、本明細書に開示している方法により血漿分離効率の判定を実行するための取扱説明書と、を含む。一部の実施形態では、取扱説明書は、電子取扱説明書であってもよい。
いくつかの実施形態では、取扱説明書は、超えると血漿サンプルが分離されていると判定される閾値デルタCqを提供してもよい。
いくつかの実施形態では、取扱説明書は、本明細書に記載されている方法ステップを実行するための指示を含んでもよい。
一部の実施形態では、取扱説明書は、デルタCqと分離との間の相関を指示するための指示を含んでもよい。
いくつかの実施形態では、取扱説明書は、コンピュータ可読媒体に格納されたコンピュータソフトウェアを使用して血漿分離の判定を実行するための指示を含んでもよく、コンピュータソフトウェアは、第1および第2の増幅産物の信号強度の差に基づいて血漿分離を判定するようにコンピュータプロセッサに指示する。
いくつかの実施形態では、キットは、第1および第2の増幅産物の信号強度の差に基づいて血漿分離を判定するようにコンピュータプロセッサに指示するコンピュータソフトウェアを格納するコンピュータ可読媒体をさらに含んでもよい。
いくつかの実施形態では、本発明のシステムは、(i)第1のゲノム遺伝子座から70~150塩基対の第1の増幅産物をPCRによって生成するための第1のプライマー対、(ii)第2のゲノム遺伝子座から少なくとも350塩基対の第2の増幅産物をPCRによって生成するための第2のプライマー対、(iii)第1および第2の増幅産物を検出して、各増幅産物の信号強度を判定するためのプローブ、ならびに(iv)第1および第2の増幅産物の信号強度の差に基づいて血漿分離を判定するようにコンピュータプロセッサに指示するコンピュータ可読媒体に格納されたコンピュータソフトウェアを含む。
いくつかの実施形態では、本発明のコンピュータソフトウェアは、第1および第2の増幅産物の各々についての信号強度を判定するステップと、信号強度間の差を計算するステップと、をコンピュータプロセッサに実行させる。いくつかの実施形態では、コンピュータソフトウェアはさらに、計算された差を所定の閾値と比較し、比較に基づいて、血漿サンプルが分離されているかどうかを出力するようにコンピュータプロセッサに指示する。いくつかの実施形態では、コンピュータソフトウェアは、CqおよびデルタCqのうちの少なくとも1つを計算するようにコンピュータプロセッサに指示するコンピュータソフトウェアであってもよい。
いくつかの実施形態では、コンピュータソフトウェアは、リアルタイムPCR実行の入力パラメータまたは生データを受け取る。いくつかの実施形態では、コンピュータソフトウェアは、リアルタイムPCR実行を分析して信号強度(Cqs)および信号強度差(ΔCq)を判定するようにコンピュータプロセッサに指示する。
コンピュータソフトウェアは、非一時的なコンピュータ可読媒体に格納されたプロセッサ実行可能命令を含む。コンピュータソフトウェアはまた、格納されたデータを含んでもよい。コンピュータ可読媒体は、コンパクトディスク(CD)、磁気記憶装置、光学記憶装置、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、または任意の他の有形媒体などの有形コンピュータ可読媒体である。
いくつかの実施形態では、システムは、第1および第2の増幅産物間の計算された信号強度差の閾値信号強度差との比較に基づいて血漿分離を判定するように構成されたプロセッサを含む。
いくつかの実施形態では、システムは、リアルタイムPCR機械などの、増幅産物の生成を実行する機械を含む。
いくつかの実施形態では、キットまたはシステムは、第1および第2の増幅産物を検出するための、第1および第2の増幅産物内の部分配列に相補的な蛍光標識されたオリゴヌクレオチドプローブを含む。
いくつかの実施形態では、キットまたはシステムは、本明細書に記載されるように、各々がゲノムのフラグメントを選択的に増幅して第1および第2の増幅産物を生成するように設計された第1および第2のプライマー対を含む。
いくつかの実施形態では、第1のプライマー対は、配列番号3(順方向)および配列番号4(逆方向)である。
いくつかの実施形態では、第2のプライマー対は、配列番号5(順方向)および配列番号6(逆方向)である。
いくつかの実施形態では、キットまたはシステムは、DNAポリメラーゼおよびヌクレオチド混合物などの増幅産物の増幅および検出に必要な少なくとも1つの追加の成分をさらに含んでもよい。
いくつかの実施形態では、キットまたはシステムは、アッセイを実行するための適切な反応バッファーおよび書面によるプロトコルをさらに含んでもよい。書面によるプロトコルは、PCRサイクリングパラメーター、Cqの判定および分析、ならびにデルタCq閾値を含むが、これらに限定されない、本明細書に開示のステップのいずれかを実行するための指示を含んでもよい。
本明細書に記載のコンピュータ関連の方法、ステップ、プロセスは、実行されたときに、指示を実行するように構成されているか、またはそれをコンピュータプロセッサもしくはコンピュータに指示する不揮発性または非一時的コンピュータ可読命令に格納されたソフトウェアを使用して実施されることが理解される。
本発明の特定の実施形態をより完全に例示するために以下の実施例を提示している。しかしながら、それらは決して本発明の広い範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に開示している原理の多くの変形および修正を容易に考案することができる。
実施例1-血漿サンプルの試験
次の短いアンプリコンおよび長いアンプリコンの対は、血漿サンプル、白血球で汚染された血漿サンプル、および全血サンプルからのDNAを試験するために設計された。
「短い」(126塩基対)(配列番号1):
GTCTTTGTGACATTGAGTTACAGGGCTTTGACTCCTGGGTCTAAAAATTACACCAAATATTGTTAAATCTTAAACACTAACAGCAATTCAAGCCTCATCTTC AGGTCCTGGAGAAGATGCCAATAT
短いアンプリコンは、染色体1の155565467~155565601の位置に対応する(hg18による)。短いアンプリコンは、以下のプライマーを使用した増幅用に設計された。
順方向(配列番号3):GTCTTTGTGACATTGAGTTACAG
逆方向(配列番号4):ATATTGGCATCTTCTCCAGGAC
「長い」(450塩基対)(配列番号2):
GTCAGCCTTTATTATCACTTTGCAATACAAAGAAAGCAAGGTGAAGACTAACTTTTCTCTTGTACAGAATCATCAGGCTAAATTTTTGGCATTATTTCAGTCCTTGGAGACATCTGAGAGATTCCGGGATGCCAGTGGTGCCTCTCTGGCCACACTGACAACAAATAATTCACCTAAGGAATAGTTCACTTCAGCTATTTTTTGCTACTCATTGGTTGTCAGTGCCATTGAGGAGAGCTCAGTGTAGATCAAAGAAAACGGTGTAGATCAAAGAAAACGGTGATTCGGTGATTGTTCCCCTTCTTCCCAGCCACCCACCATCTGAACCTAATGCATCATTGTACAATGGCCGTAAAGGATGACAAGGGACTCAGCAATCAGTTCCTGGAGGAAATGATGCTGTGGCTTTTGGCTGGTGGCACCATCATCCTCAGTCATCAGTCAGAGTCA
長いアンプリコンは、染色体7の121380810~121381259の位置に対応する(hg18による)。長いアンプリコンは、以下のプライマーを使用した増幅用に設計された。
順方向(配列番号5):GTCAGCCTTTATTATCACTTTGC
逆方向(配列番号6):TGACTCTGACTGATGACTGAGG
血液サンプルは人間対象から収集され、血漿もしくは血漿+バフィーコート(白血球および血小板)を得るために処理されるか、または未処理(全血)に保たれた。
血漿+バフィーコートを得るために、血液チューブ(抗凝固剤を含む)を1500gで10分間遠心分離して、血液成分を分離した。遠心分離後、血漿層をバフィーコート層(白血球および血小板)とともに収集し、新しいチューブに移した。
血漿サンプルを得るために、血液チューブ(抗凝固剤を含む)を1500gで10分間遠心分離して、血液成分を分離した。遠心分離後、血漿層を(バフィーコートに接近させることなく)収集し、新しいチューブに移した。血漿を再度遠心分離し(1500gで10分間)、純粋な血漿を新しいチューブに移した。
QIAamp(登録商標)循環核酸キットを使用してサンプルからDNAを抽出した。抽出したDNAをリアルタイム(RT)-PCRにかけ、各サンプルからの上記の短いアンプリコンおよび長いアンプリコンを増幅した(共増幅)。
増幅反応(総量25マイクロリットル)には、2マイクロリットルの抽出DNA(DNA濃度は増幅前に測定されなかった)、0.05~0.5μMのプライマー、dNTP、および反応バッファーが含まれていた。増幅中の増幅産物の検出を可能にするために、各アンプリコンについての蛍光標識されたポリヌクレオチドプローブ(それぞれ長いアンプリコンおよび短いアンプリコン用のFAMおよびJOEラベル)が反応に追加された。同等の効率を達成するために、各アンプリコンのプライマーおよびプローブ濃度を調整した。RT-PCR反応は、ABI 7500 FastDx装置で、PCRプログラム、すなわち、95℃、10分->45X(95℃、15秒)->60℃、1分を使用して実行した。
増幅後、プローブからの蛍光信号の変化をサイクル数の関数として示す定量PCRプロットを分析して、各アンプリコンについての定量サイクル(Cq)を計算した。ΔCqは、長いアンプリコンのCqおよび短いアンプリコンのCq間で計算された(Cq(長い)-Cq(短い))。
図1A~Cは、血漿(図1A、ΔCq=3)からのDNAサンプル、白血球で汚染された血漿(図1B、ΔCq=(-0.4))、および全血からのDNA(図1C、ΔCq=(-0.2))における短いおよび長いアンプリコン増幅産物の例示的な定量PCRプロットを示す。
白血球からのDNA量が非常に少ない血漿サンプルでは、長いアンプリコンが低効率で増幅された。それは短いアンプリコンより約3~4サイクル遅れて上昇した。
白血球で汚染された血漿のサンプルでは、また白血球DNAレベルが高い全血サンプルでは、長いアンプリコンおよび短いアンプリコンが同様の効率で増幅された。長いアンプリコンは、短いアンプリコンとほぼ同じサイクルで上昇した。
前述の特定の実施形態についての説明は、本発明の一般的な性質を完全に明らかにするため、他の者が、現在の知識を適用することにより、過度の実験なしに、また一般的な概念から逸脱することなく、そのような特定の実施形態の様々な用途に容易に修正および/または適合させることができ、したがって、そのような適合および修正は、開示された実施形態の等価物の意味および範囲内で理解されるように意図されている。本明細書で使用している表現または用語については、説明を目的としたものであり、限定を目的としたものではないことを理解されたい。開示している様々な化学構造および機能を実行するための手段、材料、およびステップは、本発明から逸脱することなく、様々な代替形態をとることができる。

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  1. 本明細書に記載の発明。

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