JP2024009660A - 渦巻形ガスケット及び配管継手構造 - Google Patents

渦巻形ガスケット及び配管継手構造 Download PDF

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尚三 上村
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裕樹 田邉
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Abstract

【課題】小さい締付力で安定したシール性能を得ることのできる渦巻形ガスケットを提供する。
【解決手段】対向するフランジのシール面間に装着される渦巻形ガスケット10であって、対向するフランジのシール面は、軸線方向に対して傾斜する、互いに平行な傾斜面をなしており、平帯板状の金属フープ11と、金属フープよりも幅広の平帯板状のフィラー12とが渦巻き状に巻回されており、フィラー12は、複数条の膨張黒鉛シートからなり、対向するフランジのシール面間に渦巻形ガスケット10を装着して、両フランジ間を締結したとき、渦巻形ガスケットの端面が、フランジのシール面に沿った形状に変形する。
【選択図】図1

Description

本発明は、対向するフランジのシール面間に装着される渦巻形ガスケット、及び、渦巻形ガスケットを装着して一対の配管を締結した配管継手構造に関する。
一対の配管を締結する継手構造として、一対の配管の端部にそれぞれ設けられた平板状のフランジのシール面間に、渦巻形ガスケットを装着した構造が知られている。しかしながら、このような構造の継手構造では、平板状のフランジが、配管端部に溶接して形成されるため、重量化やコスト高を招くという問題があった。
そこで、軽量化や低コスト化を図るために、配管の端部を膨出させることによって、配管とフランジとを一体化した構造が知られている。このような構造のフランジは、フランジのシール面が、平板状のフランジのように、軸線に直交する平面形状をなしておらず、軸線に対して傾斜した円錐面形状をなしている。
ところで、従来の渦巻形ガスケットは、断面が波形をなす金属フープとテープ状のフィラーとが、重ね合わされ、渦巻き状に巻回された構造を有している。しかしながら、このような構造の渦巻形ガスケットは、金属フープ及びフィラーが、相互に波形をなして係合しているため、軸線方向の変形に対する剛性が極めて高い。そのため、渦巻形ガスケットのシール端面を、軸線方向に直交するフラットな状態から変形させるのは容易ではない。それ故に、このような構造の渦巻形ガスケットを、シール面が円錐面形状のフランジ間に装着させた場合、渦巻形ガスケットの端面を、フランジのシール面に沿って円錐面形状に変形させることは難しい。そのため、従来の渦巻形ガスケットは、その構造上、シール面が円錐面形状のフランジには適用することができない。
特許文献1には、シール面が円錐面形状のフランジに適用可能な渦巻形ガスケットとして、平帯板状の金属フープとテープ状のフィラーとを、重ね合わして、渦巻き状に巻回した構造の渦巻形ガスケットが開示されている。このような構造の渦巻形ガスケットは、金属フープ及びフィラーが、軸線方向に真直な平板形状をなしているため、軸線方向に外力が作用すると、金属フープとフィラー間に滑りを生じ、渦巻形ガスケットの端面を、フランジのシール面に沿って円錐面形状に変形させることができる。
特開平5-322046号公報
特許文献1に開示された渦巻形ガスケットは、シール面が円錐面形状のフランジに適用可能な構造をなしているが、より小さい締付力で安定したシール性能を得ることのできる渦巻形ガスケットが要望されている。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、その主な目的は、対向するフランジのシール面が円錐面形状をなすフランジのシール面間に装着される渦巻形ガスケットにおいて、小さい締付力で安定したシール性能を得ることのできる渦巻形ガスケットを提供することにある。
本発明に係る渦巻形ガスケットは、対向するフランジのシール面間に装着される渦巻形ガスケットであって、対向するフランジのシール面は、それぞれ、軸線方向に対して傾斜する、互いに平行な傾斜面をなしている。平帯板状の金属フープと、該金属フープよりも幅広の平帯板状のフィラーとが、重ね合わされ、渦巻き状に巻回されており、フィラーは、複数条の膨張黒鉛シートからなる。対向するフランジのシール面間に渦巻形ガスケットを装着して、軸線方向に締め付けして、両フランジ間を締結したとき、金属フープ及び複数条のフィラーが、軸線方向に滑ることにより、渦巻形ガスケットのシール端面が、フランジ面に沿った形状に変形する。
本発明に係る配管継手構造は、一対の配管の端部にそれぞれに設けられたフランジのシール面間に渦巻形ガスケットを装着した状態で締結された配管継手構造であって、一対の配管における対向するフランジのシール面は、それぞれ、軸線方向に対して傾斜する、互いに平行な傾斜面をなしている。渦巻形ガスケットは、平帯板状の金属フープと、該金属フープよりも幅広の平帯板状のフィラーとが、重ね合わされ、渦巻き状に巻回されており、フィラーは、複数条の膨張黒鉛シートからなる。対向するフランジのシール面間に装着された渦巻形ガスケットは、両フランジ間が締結された状態で、渦巻形ガスケットの端面が、フランジのシール面に沿った形状に変形している。
本発明によれば、対向するフランジのシール面が円錐面形状をなすフランジのシール面間に装着される渦巻形ガスケットにおいて、小さい締付力で安定したシール性能を得ることのできる渦巻形ガスケットを提供することができる。
図1(a)、(b)は、本発明の一実施形態における渦巻形ガスケットの構成を模式的に示した図で、図1(a)は断面図、図1(b)は斜視図である。 図2は、一対の配管の端部にそれぞれに設けられたフランジ間に、渦巻形ガスケットを装着した状態で締結された配管継手構造を模式的に示した断面図である。 図3(a)~(c)は、対向するフランジのシール面間に渦巻形ガスケットを装着して、両フランジ間を締結したときの渦巻形ガスケットの形状を示した図で、図3(a)は断面図、図3(b)は斜視図、図3(c)は、図3(a)の矢印Aで示した部分の拡大図である。 図4は、金属フープ間に、1条のフィラーを介在させた渦巻形ガスケットを示した断面図である。 図5(a)、(b)は、対向するフランジのシール面間に渦巻形ガスケットを装着して、両フランジ間を締結したときの渦巻形ガスケットの形状を示した図で、図5(a)は断面図、図5(b)は、図5(a)の矢印Aで示した部分の拡大図である。 フランジ間を締結する面圧を変えたときの渦巻形ガスケットの圧縮量の変化を示したグラフである。 フランジ間を締結する面圧を変えたときの渦巻形ガスケットの漏洩量の変化を示したグラフである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。また、本発明の効果を奏する範囲を逸脱しない範囲で、適宜変更は可能である。
図1(a)、(b)は、本発明の一実施形態における渦巻形ガスケット10の構成を模式的に示した図で、図1(a)は断面図、図1(b)は斜視図である。
図1(a)に示すように、本実施形態における渦巻形ガスケット10は、平帯板状の金属フープ11と、金属フープ11よりも幅広の平帯板状のフィラー12とが、重ね合わされて渦巻き状に巻回されている。また、フィラー12は、複数条(図1(a)では3条)の膨張黒鉛シートで構成されている。
図2は、一対の配管20、30の端部にそれぞれに設けられたフランジ21、31間に、渦巻形ガスケット10を装着した状態で締結された配管継手構造を模式的に示した断面図である。
フランジ21は、一方の配管20の端部を拡径させることにより一体形成されたもので、軸線J方向に対して傾斜する円錐面形状のシール面21aを有する。また、フランジ31は、他方の配管30の端部の膨出させることにより一体形成されたもので、シール面21aと同一形状のシール面31aを有する。すなわち、対向するフランジ21、31のシール面21a、31aは、それぞれ、軸線J方向に対して傾斜する、互いに平行な円錐面形状をなしている。
図2に示すように、対向するフランジ21、31のシール面21a、31a間に、渦巻形ガスケット10を装着して、クランプ部材40を用いて、軸線J方向に締め付けして、両フランジ21、31間を締結したとき、渦巻形ガスケット10は、図3(a)~(c)に示すように、金属フープ11及び複数条のフィラー12は、軸線J方向に真直な平板形状であるため、軸線J方向の締付力によって、両者間に滑りが生じて、軸線J方向に円滑に変形することができる。これにより、渦巻形ガスケット10の端面は、フランジ21、31のシール面21a、31aに沿った形状に変形し得る。ここで、図3(b)は、変形した渦巻形ガスケット10の斜視図で、図3(c)は、図3(a)の矢印Aで示した部分の拡大図である。なお、図3(c)に示すように、金属フープ11及び複数条のフィラー12が、軸線J方向の締付力によって、軸線J方向に変形する際、フィラー12は、フランジ31のシール面31aに当接するフィラー12の端面角部が潰れながら滑っていく。
ところで、図3(c)に示すように、金属フープ11及び複数条のフィラー12が、軸線J方向の締付力によって、軸線J方向に変形した際、金属フープ11の端面及びフィラー12の端面と、フランジ31のシール面31aとの間に、環状の隙間S1、隙間S2が生じる。この隙間S1、S2は、洩れ道となるが、渦巻形ガスケット10を締め付けて、フィラー12を圧縮し、隙間S1、S2をフィラー12で埋めることにより、シール性能を維持することができる。
図1に示したように、本実施形態における渦巻形ガスケット10では、金属フープ11間に、複数条のフィラー12を介在させたが、図4は、金属フープ110間に、図1に示した複数条のフィラー12の幅Wと同じ幅Wを有する1条のフィラー120を介在させた渦巻形ガスケット100を示した断面図である。
また、図5(a)は、図3(a)と同様に、対向するフランジ21、31のシール面21a、31a間に、渦巻形ガスケット100を装着して、軸線J方向に締め付けして、両フランジ21、31間を締結したときの渦巻形ガスケット100の状態を示した図である。ここで、図5(b)は、図5(a)の矢印Aで示した部分の拡大図である。なお、図5(b)に示すように、金属フープ110及び複数条のフィラー120が、軸線J方向に変形する際、フィラー120は、フランジ31のシール面31aに当接するフィラー120の端面角部が潰れながら滑っていく。
図5(b)に示すように、金属フープ110及びフィラー120が、軸線J方向の締付力によって、軸線J方向に変形した際、金属フープ110の端面及びフィラー12の端面と、フランジ31のシール面31aとの間に、環状の隙間Sが生じる。この隙間Sは、図3(b)に示した隙間S1、S2に比べて、大きくなっている。そのため、渦巻形ガスケット100を締め付けることにより、フィラー120を圧縮して、隙間Sをフィラー120で埋めるためには、フィラー12を複数条にした場合に比べて、より大きな圧縮量が必要となる。
このように、本実施形態における渦巻形ガスケット10では、金属フープ11間に、複数条のフィラー12を介在させることによって、フィラー12の小さな圧縮量、すなわち、小さな締結力で安定したシール性能を得ることができる。また、複数条のフィラー12を、摩擦係数の小さい膨張黒鉛シートで構成することにより、フィラー12同士の滑りが生じ易くなるため、小さな締結力でも、大きな圧縮量を得ることがきる。
ところで、上述したように、金属フープ11及び複数条のフィラー12が、軸線J方向の締付力によって、軸線J方向に変形する際、フィラー12は、図3(c)に示したように、フランジ31のシール面31aに当接するフィラー12の端面角部が潰れながら滑っていく。これにより、金属フープ11の端面及びフィラー12の端面と、フランジ31のシール面31aとの間に生じた隙間S1、S2が、フィラー12で埋められることにより、シール性能を維持することができる。
このように、フィラー12が潰れながら滑って、隙間S1、S2をフィラー12で埋めるためには、金属フープ11及びフィラー12を渦巻き状に巻回するときの巻き上げ荷重を、一般的な渦巻形ガスケットの巻き上げ荷重よりも小さくして、緩めに巻回することが好ましい。これにより、巻き上げ後も、フィラー12を圧縮できる余地が多く残り、その結果、フィラー12が潰れて、隙間S1、S2に、フィラー12が埋まりやくなる。
そこで、巻き上げ荷重を変えて、渦巻形ガスケット10を作製し、それぞれ作製した渦巻形ガスケット10のシール性能を測定した。シール性能は、軸線方向に対して45°傾斜し、互いに平行な円錐面を有するフランジのシール面間に、渦巻形ガスケット10を装着して、両フランジ間を締結し、渦巻形ガスケット10の漏洩量を測定した。ここで、漏洩量は、渦巻形ガスケット10の内周領域に、49KPaの圧縮空気を付加して、渦巻形ガスケット10の外周領域に洩れる空気の量(cc/min)を測定した。なお、金属フープ11は、SUS304を用い、フィラー12は、膨張黒鉛シートを用いた。
表1は、その結果を示した表である。ここで、「真密度」は、フィラー12を構成する膨張黒鉛固有の真密度を示す。また、「かさ密度」は、巻回されたフィラー12の質量をフィラー12が占める体積で除して算出したものを示す。かさ密度は、巻き上げ荷重によって変わり、表1には、巻き上げ荷重を変えたときの、各かさ密度を示している。なお、かさ密度は以下の方法で測定した。
フィラー12の質量は、渦巻形ガスケット10を分解することにより測定した。フィラー12の体積は、渦巻形ガスケット10の寸法と金属フープ11の寸法を測定して各々の体積を求め、渦巻形ガスケット10の体積から金属フープ11の体積を差し引くことにより算出した。
表1には、フィラー12を「圧縮できる余地」を示す指標として、真密度(A)と、かさ密度(B)との比(B/A=かさ密度/真密度)を示している。また、表1の「変形性」は、フランジ間を1MPaの面圧で締結したときに、渦巻形ガスケット10の端面が、フランジのシール面に沿って変形したか否を示し、変形した場合を「○」で表し、変形しなかった場合を、「×」で表している。また、渦巻形ガスケット10のシール性能は、漏洩量が許容値以下のものを良好として「○」で表し、許容値を超えたものを不良として「×」で表している。
表1に示すように、「かさ密度/真密度」が、0.50以下にときは、渦巻形ガスケット10は変形したが、「かさ密度/真密度」が、0.50を超えると、渦巻形ガスケット10は変形せず、ひび割れや破壊が生じた。これは、巻き上げ荷重が強く、かさ密度が大きすぎると、渦巻形ガスケット10が滑りにくくなり、ひび割れや破壊に至ったと考えられる。
また、「かさ密度/真密度」が、0.41~0.55の範囲のとき、シール性能は良好であった。これは、フィラー12を圧縮できる余地が多く残り、フィラー12が潰れて、隙間S1、S2に、フィラー12が埋まったものと考えられる。しかしながら、「かさ密度/真密度」が、0.41より小さくなると、シール性能は、不良であった。これは、渦巻形ガスケット10は変形したものの、巻き上げ荷重が弱く、かさ密度が小さすぎると、フィラー12の反発力が弱くなって、漏れが生じたものと考えられる。一方、「かさ密度/真密度」が、0.55を超えると、シール性能は、不良であった。これは、巻き上げ荷重が強く、かさ密度が大きすぎると、渦巻形ガスケット10が変形せずに、隙間S1、S2に、フィラー12が埋まらなかったためと考えられる。なお、「かさ密度/真密度」が0.55のとき、渦巻形ガスケット10は変形せず、ひび割れが生じたが、ひび割れが小さかったために、流路内と流路外との連通に至らず、シール性能が発揮されたものと考えられる。
以上の結果から、変形性とシール性能の両方を満たし、良好なシール性能を発揮するためには、「かさ密度/真密度」を、0.41~0.50の範囲に設定することが好ましい。
本実施形態における渦巻形ガスケット10は、一対の配管を締結する配管継手構造に適応することができる。かかる配管継手構造では、一対の配管の端部にそれぞれに設けられたフランジのシール面間に渦巻形ガスケット10を装着した状態で締結されており、一対の配管における対向するフランジのシール面は、それぞれ、軸線方向に対して傾斜する、互いに平行な傾斜面をなしている。そして、対向するフランジのシール面間に装着された渦巻形ガスケット10は、両フランジ間が締結された状態で、渦巻形ガスケット10の端面が、フランジのシール面に沿った形状に変形している。
SUS304からなる平帯板状フープ11(幅:4.0mm)と、膨張黒鉛シートからなる3条の平帯板状フィラー12(幅:6.1mm)とを、重ね合わせて渦巻き状に巻回して、渦巻形ガスケット10(内径:43.8mm、外径:54.2mm、径方向厚さ:5.2mm)を作製した。
なお、比較例として、実施例と同一のフープと、実施例と同一寸法のセラミック混抄シート(セピオライトを含む無機繊維及びタルクを主成分とする無機質紙)からなる3条のフィラーとを、重ね合わせて渦巻き状に巻回して、実施例と同一寸法の渦巻形ガスケットを作製した。
(圧縮特性)
軸線方向に対して45°傾斜し、互いに平行な円錐面を有するフランジのシール面間に、渦巻形ガスケット10を装着し、軸線方向に締め付けして、両フランジ間を締結し、このときの渦巻形ガスケット10の圧縮量を測定した。ここで、圧縮量は、図1に示した渦巻形ガスケット10の幅Lの減少量(mm)を意味する。
図6は、フランジ間を締結する面圧を変えたときの渦巻形ガスケット10の圧縮量の変化を示したグラフである。矢印Aで示したグラフが、実施例の測定結果を示し、矢印Bで示したグラフが、比較例の測定結果を示す。ここで、フランジ間を締結する面圧は、フランジのシール面に直交する方向の圧力(MPa)を意味する。
図6に示すように、例えば、1.0mmの圧縮量を得るのに必要な面圧は、実施例の場合、4.8MPaであるのに対し、比較例の場合、6MPaを要する。すなわち、フィラー12に膨張黒鉛シートを用いた場合、セラミック混抄シートを用いた場合に比べて、圧縮特性を約20%低減することができる。これは、膨張黒鉛シートが、セラミック混抄シートに比べて、摩擦係数が小さいため、より小さな締結力で、フィラー12同士の滑りが生じ、渦巻形ガスケット10の変形がより円滑に進んだためと考えられる。
(シール性能)
軸線方向に対して45°傾斜し、互いに平行な円錐面を有するフランジのシール面間に、渦巻形ガスケット10を装着し、軸線方向に締め付けして、両フランジ間を締結し、渦巻形ガスケット10の漏洩量を測定した。ここで、漏洩量は、渦巻形ガスケット10の内周領域に、49KPaの圧縮空気を供給して、渦巻形ガスケット10の外周領域に洩れる圧縮空気の量(cc/min)を測定した。
図7は、フランジ間を締結する面圧(MPa)を変えたときの渦巻形ガスケット10の漏洩量の変化を示したグラフである。矢印Aで示したグラフが、実施例の測定結果を示し、矢印Bで示したグラフが、比較例の測定結果を示す。なお、実施例の場合、面圧が2MPa以上では、漏洩量が5cc/min以下と非常に小さかったため、矢印Aで示したグラフでは、漏洩量を一定の5cc/minとして表示している。
図7に示すように、例えば、面圧が4MPaのときの漏洩量は、実施例の場合、5cc/min以下であるのに対し、比較例の場合、180cc/minとなっており、フィラー12に膨張黒鉛シートを用いた場合、セラミック混抄シートを用いた場合に比べて、シール性能を30倍以上向上させることができる。これは、フィラー12に膨張黒鉛シートを用いた場合、セラミック混抄シートを用いた場合と比べて、圧縮特性が優れているため、図3(a)に示した隙間S1、S2を、フィラー12で隙間なく埋めることができ、これにより、シール性能が向上したためと考えられる。
以上の結果から、金属フープ11間に介在するフィラー12を、複数条の膨張黒鉛シートで構成することによって、小さい締付力で安定したシール性能を得ることのできる渦巻形ガスケット10を得ることができる。
以上、本発明を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、もちろん、種々の改変が可能である。例えば、上記実施形態では、対向するフランジのシール面として、円錐面を例示したが、これに限定されず、軸線J方向に対して傾斜する、互いに平行な傾斜面をなしていればよく、例えば、半球面であってもよい。
10 渦巻形ガスケット
11 金属フープ
12 フィラー
20、30 配管
21、31 フランジ
21a、31a シール面
40 クランプ部材

Claims (5)

  1. 対向するフランジのシール面間に装着される渦巻形ガスケットであって、
    前記対向するフランジのシール面は、それぞれ、軸線方向に対して傾斜する、互いに平行な傾斜面をなしており、
    平帯板状の金属フープと、該金属フープよりも幅広の平帯板状のフィラーとが、重ね合わされて渦巻き状に巻回されており、
    前記フィラーは、複数条の膨張黒鉛シートからなり、
    前記対向するフランジのシール面間に前記渦巻形ガスケットを装着して、軸線方向に締め付けして、両フランジ間を締結したとき、前記金属フープ及び前記複数条のフィラーが、軸線方向に滑ることにより、前記渦巻形ガスケットの端面が、前記フランジのシール面に沿った形状に変形する、渦巻形ガスケット。
  2. 前記対向するフランジのシール面は、それぞれ、互いに平行な円錐面または半球面をなしている、請求項1に記載の渦巻形ガスケット。
  3. 前記対向するフランジは、それぞれ、一対の配管の端部に設けられている、請求項1に記載の渦巻形ガスケット。
  4. 前記フィラーを構成する膨張黒鉛シートの真密度(A)と、巻回された前記フィラーのかさ密度(B)との比(B/A)は、0.41~0.50の範囲に設定されている、請求項1に記載の渦巻形ガスケット。
  5. 一対の配管の端部にそれぞれに設けられたフランジのシール面間に渦巻形ガスケットを装着した状態で締結された配管継手構造であって、
    前記一対の配管における対向するフランジのシール面は、それぞれ、軸線方向に対して傾斜する、互いに平行な傾斜面をなしており、
    前記渦巻形ガスケットは、平帯板状の金属フープと、該金属フープよりも幅広の平帯板状のフィラーとが、重ね合わされ、渦巻き状に巻回されており、
    前記フィラーは、複数条の膨張黒鉛シートからなり、
    前記対向するフランジのシール面間に装着された前記渦巻形ガスケットは、両フランジ間が締結された状態で、前記渦巻形ガスケットの端面が、前記フランジのシール面に沿った形状に変形している、配管継手構造。
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