JP2024008011A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】良好な排水性を確保しつつ、CP特性を改善する。【解決手段】実施形態の一例である空気入りタイヤ1は、車両に対する装着方向が指定されたタイヤである。トレッド10は、車両装着時に車両外側に位置する周方向に延びる主溝22と、主溝22により区画され、車両外側に配置されるショルダーブロック60とを有する。ショルダーブロック60には、主溝22につながる横溝61が形成されている。横溝61内の主溝22と隣接する領域には溝底が盛り上がった隆起部61fが形成され、また横溝61の縁に沿って切開部61a,61bが形成されている。【選択図】図2
Description
本発明は、空気入りタイヤに関し、より詳しくは、車両に対する装着方向が指定されたタイヤに関する。
従来、タイヤ周方向に延びる複数の主溝と、主溝と交差する方向に延びた横溝とを有するトレッドを備え、車両に対する装着方向が指定された空気入りタイヤが広く知られている(例えば、特許文献1参照)。車両に対する装着方向が指定されたタイヤは、一般的に、装着方向の指定がないタイヤと比較して、グリップ性能等の走行性能が優れた高機能設計となっている。なお、特許文献1に開示されたトレッドパターンでは、ショルダーブロックに形成された横溝が主溝につながっている。
特許文献1に開示されたタイヤによれば、主溝と同様の深さで形成された横溝が主溝に連通しているため、良好な排水性が得られる。一方、本発明者の検討の結果、このようなタイヤでは、横溝が主溝に連通していないタイヤと比べて、コーナリングパワー特性(以下、「CP特性」とする)が低下することが分かった。車両に対する装着方向が指定された高機能タイヤにおいて、良好な排水性を確保しつつ、CP特性を改善することは重要な課題である。
本発明に係る空気入りタイヤは、一対のトレッド端の間に配置されるトレッドを備え、車両に対する装着方向が指定された空気入りタイヤであって、トレッドは、車両装着時に車両外側に位置する周方向に延びる主溝と、主溝により区画され、車両外側に配置されるショルダーブロックとを有し、ショルダーブロックには、主溝と交差する方向に延びて主溝につながる横溝が形成され、横溝内の主溝と隣接する領域には、溝底が盛り上がった隆起部が形成され、横溝の縁に沿って切開部が形成されていることを特徴とする。
本発明に係る空気入りタイヤによれば、良好な排水性を確保しつつ、優れたCP特性を実現できる。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る空気入りタイヤの実施形態の一例について詳細に説明する。以下で説明する実施形態はあくまでも一例であって、本発明は以下の実施形態に限定されない。また、以下で説明する実施形態の各構成要素を選択的に組み合わせてなる形態は本発明に含まれている。
図1は、実施形態の一例である空気入りタイヤ1の斜視図、図2は空気入りタイヤ1の平面図である。図3は、図2中のAA線端面図である。図1~図3に示すように、空気入りタイヤ1は、一対のトレッド端の間に配置されるトレッド10を備える。トレッド10は、少なくとも、車両外側に配置されるショルダーブロック60と、ショルダーブロック60に隣接配置され、タイヤ周方向に延びる主溝22とを有し、タイヤ周方向に沿って環状に形成されている。詳しくは後述するが、ショルダーブロック60には、主溝22と交差する方向に延びて主溝22につながる横溝61が形成され、横溝61内の主溝22と隣接する領域には、溝底が盛り上がった隆起部61fが形成されている。
トレッド10には、複数の主溝が形成されている。主溝の本数は特に限定されないが、本実施形態では、4本の主溝20,21,22,23が形成されている。4本の主溝20,21,22,23は、タイヤ軸方向に曲がることなく、タイヤ周方向に沿って真っ直ぐに形成されている。各主溝は、互いに同じ幅、深さを有していてもよいが、本実施形態では、少なくとも、主溝20,21の幅と、主溝22,23の幅とが互いに異なる。4本の主溝を有することにより、排水性の改善効果がさらに高まる。
空気入りタイヤ1は、車両に対する装着方向が指定されたタイヤであって、車両の右側と左側とで車両に装着する向きが反対になる。トレッド10は、タイヤ赤道CLの左右で異なったトレッドパターンを有する。赤道CLとは、トレッド10のタイヤ軸方向のちょうど中央を通るタイヤ周方向に沿った仮想線である。本明細書では、説明の便宜上「左右」の用語を使用するが、この左右とは、空気入りタイヤ1が車両に装着された状態で車両の進行方向に向かって左右を意味する。空気入りタイヤ1は、例えば、加速性能が高い電気自動車(EV)、ハイブリッド車(HV)等の電動車両、或いは車重が重いスポーツ・ユーティリティ・ビークル(SUV)等のサマータイヤに好適である。
トレッド10は、4本の主溝により区画された、第1のリブ30と、第2のリブ40と、第3のリブ50と、第1のショルダーブロック60と、第2のショルダーブロック70とを有する。リブおよびブロックは、主溝の底に対応する位置からタイヤ径方向外側に向かって隆起した部分であって、陸とも呼ばれる。一般的に、トレッドのリブとは、主溝に挟まれた幅の細い陸であって、タイヤ周方向に連続して環状に形成されたものを意味する。ブロックとは、リブよりも幅広の陸、或いはタイヤ周方向に断続的に形成された陸を意味する。
トレッド10は、空気入りタイヤ1が車両に装着された状態において、車両外側に位置し、周方向に延びる主溝22と、主溝22により区画され、車両外側に配置されるショルダーブロック60と、車両内側に位置し、周方向に延びる主溝23と、主溝23により区画され、車両内側に配置されるショルダーブロック70とを有する。言い換えると、空気入りタイヤ1は、ショルダーブロック60が車両外側に位置し、ショルダーブロック70が車両内側に位置するように車両に装着される。また、第1のリブ30は赤道CL上に形成され、第2のリブ40はリブ30とショルダーブロック60との間に、第3のリブ50はリブ30とショルダーブロック70との間にそれぞれ形成されている。
空気入りタイヤ1は、タイヤ軸方向外側に膨らんだ一対のサイドウォール11と、一対のビード12とを備える。ビード12は、ホイールのリムに固定される部分であって、例えば、ビードコアとビードフィラーを有する。サイドウォール11とビード12は、タイヤ周方向に沿って環状に形成され、空気入りタイヤ1の側面を構成している。サイドウォール11は、トレッド10のタイヤ軸方向両端からタイヤ径方向に延びている。
空気入りタイヤ1には、トレッド10の接地端E1,E2と、サイドウォール11のタイヤ軸方向外側に最も張り出した部分との間に、サイドリブ13が形成されていてもよい。なお、接地端E1は車両外側の接地端、接地端E2は車両内側の接地端であり、それぞれショルダーブロック50,60に存在する。サイドリブ13は、タイヤ軸方向外側に向かって突出し、タイヤ周方向に沿って環状に形成されている。空気入りタイヤ1の接地端E1,E2、又はその近傍から左右のサイドリブ13までの部分は、ショルダー又はバットレス領域とも呼ばれる。
トレッド10とサイドウォール11は、一般的に、異なる種類のゴムで構成されている。ショルダーは、トレッド10と同じゴムで構成されていてもよく、異なるゴムで構成されていてもよい。本明細書において、接地端E1,E2は、未使用の空気入りタイヤ1を正規リムに装着して正規内圧となるように空気を充填した状態で所定の荷重を加えたときに、平坦な路面に接地する領域(接地面)のタイヤ軸方向両端と定義される。乗用車用タイヤの場合、所定の荷重は正規荷重の88%に相当する荷重である。
ここで、「正規リム」とは、タイヤ規格により定められたリムであって、JATMAであれば「標準リム」、TRAおよびETRTOであれば「Measuring Rim」である。「正規内圧」は、JATMAであれば「最高空気圧」、TRAであれば表「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、ETRTOであれば「INFLATION PRESSURE」である。正規内圧は、乗用車用タイヤの場合は通常180kPaであるが、Extra Load、又はReinforcedと記載されたタイヤの場合は220kPaとする。「正規荷重」は、JATMAであれば「最大負荷能力」、TRAであれば表「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、ETRTOであれば「LOAD CAPACITY」である。
空気入りタイヤ1は、例えば、カーカス、ベルト、およびインナーライナーを備える。カーカスは、ゴムで被覆されたコード層であり、荷重、衝撃、空気圧等に耐える空気入りタイヤ1の骨格を形成する。ベルトは、トレッド10を構成するゴムとカーカスとの間に配置される補強帯である。ベルトは、カーカスを強く締めつけて空気入りタイヤ1の剛性を高める。インナーライナーは、カーカスの内周面に設けられたゴム層であって、空気入りタイヤ1の空気圧を保持する。
空気入りタイヤ1は、車両に対する装着方向が指定されたタイヤとして使用されるため、車両に対する装着方向を示すための表示を有することが好ましい。装着方向を示す表示は、車両内側又は外側を示す文字、記号、イラスト等であってもよく、その構成は特に限定されない。一般的に、空気入りタイヤ1の側面にはセリアルと呼ばれる記号が設けられているが、装着方向を示す表示としてセリアルを用いてもよい。
セリアルには、例えば、サイズコード、製造時期(製造年週)、製造場所(製造工場コード)などの情報が含まれる。車両の外側を向く空気入りタイヤ1の側面(サイドウォール11)のみにセリアルを設ける、或いは車両の外側を向く側面と内側を向く側面とで異なるセリアルを設けることで、車両に対する空気入りタイヤ1の装着方向を特定してもよい。具体例としては、空気入りタイヤ1の両側面に製造工場コードおよびサイズコードを設け、車両の外側を向く側面のみに製造年週を設けることが挙げられる。
以下、図2および図3を参照しながら、空気入りタイヤ1のトレッドパターンについて詳説する。
図2および図3に示すように、トレッド10は、タイヤ軸方向中央に形成されたセンターリブであるリブ30を有し、赤道CLに対して左右非対称のトレッドパターンを有する。以下では、赤道CLよりも接地端E1側の領域を第1領域とし、赤道CLより接地端E2側の領域を第2領域とする。空気入りタイヤ1のトレッドパターンは、第1領域が車両外側に、第2領域が車両内側に位置するように車両に対してタイヤが装着された場合に、良好な排水性を確保しつつ、低い空気抵抗と優れたCP特性を実現できる。空気入りタイヤ1は、上記のように、凍結および積雪のない路面で使用されるサマータイヤであって、EV、HV、或いはSUV用のタイヤに好適である。
トレッド10の第1領域には、接地端E1側から順に、ショルダーブロック60、リブ40、およびリブ30が形成されている。第1領域には、2本の主溝20,22が形成され、主溝20がリブ30とリブ40を分断し、主溝22がリブ40とショルダーブロック60を分断している。トレッド10の第2領域には、接地端E2側から順に、ショルダーブロック70、リブ50、およびリブ30が形成されている。第2領域には、2本の主溝21,23が形成され、主溝21がリブ30とリブ50を分断し、主溝23がリブ50とショルダーブロック70を分断している。
本実施形態では、4本の主溝および3本のリブの各々が全長にわたって一定の幅を有し、リブ30の幅方向中央位置が赤道CL上に位置するようにリブ30が形成されている。このため、リブ30のタイヤ軸方向両側に隣接配置される主溝20,21は、赤道CLから等距離の位置に形成されている。3本のリブ30,40,50は、略同じ幅を有する。本明細書において、「略同じ」とは特に断らない限り、全く同じ場合および実質的に同じと認められる場合を意図する(略一定、略平行等についても同様)。
4本の主溝20,21,22,23は、互いに同じ幅で形成されていてもよいが、本実施形態では、リブ30に隣接配置される主溝20,21の幅W20,W21が、ショルダーブロック60,70にそれぞれ隣接配置される主溝22,23の幅W22,W23よりも大きくなっている。本明細書において、溝の幅とは特に断らない限り、トレッド10の接地面に沿ったプロファイル面α(後述の図6参照)に沿った幅を意味する。トレッド10は、赤道CL近傍のセンター領域において、路面に接地するタイヤ周方向長さである接地長が接地端E1,E2近傍よりも長くなる。このため、主溝20,21を幅広に形成することで、例えば、センター領域の良好な排水性が確保され、ウェット制動性能が向上する。
主溝20,21は、互いに同じ幅を有していてもよい。また、主溝23は、主溝22よりも幅広に形成されていてもよい。幅W20,W21の一例は、13.0~15.0mmである。幅W22の一例は9.0~11.0mmであり、幅W23の一例は10.5~12.5mmである。なお、各主溝の壁は、溝底に向かって次第に溝幅が細くなるように傾斜している。主溝の壁はリブおよびブロックの測壁を構成するため、言い換えると、リブおよびブロックは接地面から離れるほど幅が広くなるように側壁が傾斜している。
4本の主溝20,21,22,23は、互いに同じ深さで形成されていてもよく、主溝20,21が主溝22,23よりも深く形成されていてもよい。溝の深さとは、特に断らない限り、溝の最深部の深さを意味する。より詳しくは、最深部におけるプロファイル面αから溝底までの最短距離を意味する。各主溝の深さは、例えば、主溝20,21が7.8~8.2mm、主溝22,23が7.3~7.7mmである。4本の主溝の少なくともいずれかには、一般的に、摩耗インジケータ(図示せず)が設けられる。摩耗インジケータは、溝底に配置される突起であって、トレッドゴムの摩耗レベルを確認するための指標となる。後述のサイプおよび横溝は、一般的に、摩耗インジケータの上面よりも深く形成される。
3本のリブ30,40,50には、タイヤ周方向に間隔をあけて複数のサイプが形成されている。本明細書において、サイプとは、ショルダーブロック60,70に形成される横溝61,71よりも幅が狭い細溝であって、後述する切開部を含まない部分の溝幅が1.0mm以下である溝を意味する。空気入りタイヤ1において、サイプは、例えば、リブの剛性を調整する役割を果たし、良好な乗り心地性能と制動性能の両立に寄与する。本実施形態において、リブ30には1種類のサイプ31が形成され、リブ40,50には2種類のサイプがそれぞれ形成されている。
3本のリブ30,40,50には、リブを横断するサイプは形成されておらず、いずれのサイプも一端が隣接する2本の主溝のうち一方のみにつながり、他端がリブ内で終端している。リブ30には、主溝20から赤道CLに到達しない長さでサイプ31が形成されている。なお、リブ30には主溝21から延びるサイプは形成されていない。リブ40には、主溝22から延びる2種類のサイプ41,42が、タイヤ周方向に交互に形成されている。リブ50には、主溝23から延びる2種類のサイプ51,52が、タイヤ周方向に交互に形成されている。
ショルダーブロック60には、上記の通り、タイヤ軸方向に延びた横溝61が形成されている。また、ショルダーブロック70には、タイヤ軸方向に延びた横溝71が形成されている。本明細書において、横溝(サイプについても同様)が「タイヤ軸方向に延びる」とは、横溝がタイヤ軸方向に沿って延びる形態、およびタイヤ軸方向に対して45°以下、好ましくは30°以下の傾斜角度で延びる形態の両方を意図する。なお、タイヤ周方向に延びる主溝についても同様であり、主溝はタイヤ周方向に対して45°以下の傾斜角度で曲がりながらジグザグ状に形成されてもよい。
ショルダーブロック60の横溝61は、主溝22につながっている点で、主溝23につながらずブロック内で終端するショルダーブロック70の横溝71と異なる。ショルダーブロック60は、横溝61により接地面がタイヤ周方向に分断されているのに対し、ショルダーブロック70は、ブロックの接地面を横断する溝を有さず、接地面がタイヤ周方向に連続している。詳しくは後述するが、主溝22に連通する横溝61を形成することで、排水性が大きく向上する。
以下、トレッドパターンを構成するリブ30,40,50およびショルダーブロック60,70のそれぞれについて、さらに詳説する。
[リブ30]
図2に示すように、リブ30は、赤道CL上に配置されたセンターリブであって、赤道CLよりも車両外側のみに形成された複数のサイプ31を有する。リブ30の接地面の幅は、例えば、トレッド10の平面視において、接地端E1から接地端E2までのタイヤ軸方向に沿った長さ(以下、「タイヤ接地幅」とする)の10%~15%に相当する幅を有する。センターリブ30の幅が当該範囲内であれば、良好な制動性能と排水性能を両立し易くなる。センターリブ30の幅の一例は、23.5~25.5mmである。
図2に示すように、リブ30は、赤道CL上に配置されたセンターリブであって、赤道CLよりも車両外側のみに形成された複数のサイプ31を有する。リブ30の接地面の幅は、例えば、トレッド10の平面視において、接地端E1から接地端E2までのタイヤ軸方向に沿った長さ(以下、「タイヤ接地幅」とする)の10%~15%に相当する幅を有する。センターリブ30の幅が当該範囲内であれば、良好な制動性能と排水性能を両立し易くなる。センターリブ30の幅の一例は、23.5~25.5mmである。
サイプ31は、主溝20からタイヤ軸方向に延び、リブ30内で終端している。サイプ31は、例えば、タイヤ軸方向に対して5°~30°の角度で傾斜している。また、サイプ31は、主溝20から赤道CL(リブ30の幅方向中央位置)に至らない長さで形成されている。サイプ31のタイヤ軸方向に沿った長さは、リブ30の幅の20~45%が好ましい。サイプ31の幅は、例えば、0.5~1.0mmである。本明細書において、サイプおよび横溝の幅は、特に断らない限り、切開部を除いた幅を意味する。サイプ31は、主溝20よりも浅く形成される。サイプ31の深さは、主溝20の深さの70%~90%であってもよい。
複数のサイプ31は、互いに同じ間隔で形成されていてもよいが、好ましくは、タイヤ周方向に所定本数単位で僅かにサイプ同士の間隔を変化させたバリアブルピッチで形成される。この場合、サイプに起因して発生するピッチノイズの周波数をずらして共鳴を避けることができるので、ノイズが低減される。サイプ31の本数は特に限定されないが、一例としては30~40本である。サイプ31同士の間隔は、リブ40,50の各々に形成されるサイプ同士の間隔よりも広く、サイプ31の本数は、リブ40,50の各々に形成されるサイプの本数よりも少ない。サイプ31の本数は、リブ40,50の各々に形成されるサイプの本数の30~50%であってもよい。
リブ30には、サイプ31の縁に沿って切開部31aが形成されている。切開部31aは、後述の切開部61a,61bと同様に、リブ30の接地面から所定の深さ範囲において、サイプ31の縁を面取りして切り広げるように形成されている。切開部31aは、例えば、サイプ31の縁に作用する接地圧を分散させ、走行性能の向上に寄与する。切開部はサイプ31の幅方向両側に形成されていてもよいが、本実施形態では、サイプ31の幅方向片側だけに切開部31aが形成されている。
切開部31aを形成する斜面は、例えば、幅が最大となる部分において、トレッド10の接地面に沿ったプロファイル面αに対し、30°~60°又は40°~50°の角度で傾斜している。この場合、切開部31aの機能がより効果的に発揮され、また急制動、急加速時に、当該斜面が路面に接地してブロックの倒れ込みが抑制される。切開部31a(斜面)は、サイプ31の全長にわたって形成されていてもよく、主溝20に近づくほど拡幅していてもよい。切開部31aは、例えば、リブ30の接地面から、サイプ31の最深部の深さの30%に相当する深さ範囲内に形成される。この場合、リブ30の耐久性を損なうことなく、走行性能を改善できる。
[リブ40]
リブ40は、車両外側の第1領域において、主溝20を挟んでリブ30とタイヤ軸方向に対向配置され、かつ主溝22を挟んでショルダーブロック60とタイヤ軸方向に対向配置されている。リブ40の接地面の幅は、例えば、リブ30の接地面の幅と同じか、又はリブ30の接地面の幅よりもやや小さく、リブ30の接地面の幅の90~110%であってもよい。また、リブ40には、主溝20の縁を面取りして切り広げるように切開部43が形成されている。切開部43を形成する斜面は、例えば、プロファイル面αに対して30°~60°又は40°~50°の角度で傾斜している。切開部43(斜面)は、リブ40の全長にわたって一定の幅で形成されている。本実施形態において、主溝の縁に沿った切開部はリブ40のみに形成されている。
リブ40は、車両外側の第1領域において、主溝20を挟んでリブ30とタイヤ軸方向に対向配置され、かつ主溝22を挟んでショルダーブロック60とタイヤ軸方向に対向配置されている。リブ40の接地面の幅は、例えば、リブ30の接地面の幅と同じか、又はリブ30の接地面の幅よりもやや小さく、リブ30の接地面の幅の90~110%であってもよい。また、リブ40には、主溝20の縁を面取りして切り広げるように切開部43が形成されている。切開部43を形成する斜面は、例えば、プロファイル面αに対して30°~60°又は40°~50°の角度で傾斜している。切開部43(斜面)は、リブ40の全長にわたって一定の幅で形成されている。本実施形態において、主溝の縁に沿った切開部はリブ40のみに形成されている。
リブ40には、互いに形状が異なる2種類のサイプ41,42が形成されている。サイプ41は全長にわたって直線状に形成されているのに対し、サイプ42は主溝22の近傍で屈曲している。また、サイプ42は、タイヤ軸方向に沿った長さが、サイプ41よりもやや長くなっている。サイプ41,42は、リブ30のサイプ31と同様に、リブ40の幅方向中央位置よりも車両外側の領域のみに形成され、主溝22からタイヤ軸方向に延びてリブ40内で終端している。
サイプ41,42は、例えば、サイプ31と略同じ方向に延び、タイヤ軸方向に対して5°~30°の角度で傾斜している。タイヤ軸方向に対する傾斜角度は、サイプ41,42の方が、サイプ31よりやや大きくてもよい。また、サイプ41,42は、主溝22からリブ40の幅方向中央位置に至らない長さで形成されている。サイプ41,42のタイヤ軸方向に沿った長さは、リブ40の幅の20~45%が好ましい。サイプ41,42の幅は、例えば、0.5~1.0mmである。サイプ41,42の深さは、最深部において、主溝22の深さの70%~90%であってもよい。
サイプ41,42は、リブ40の全長にわたって良好な剛性バランスを確保するため、タイヤ周方向に所定の間隔をあけて交互に配置されていることが好ましい。また、サイプ41,42は、トレッド10の平面視において、ショルダーブロック60の横溝61と千鳥状に配置されている。即ち、タイヤ周方向に沿って、サイプ41,42と、横溝61とが、主溝22を隔てて交互に並ぶように配置されている。形状が異なる2種類のサイプ41,42をタイヤ周方向に交互に配置することで、例えば、CP特性、制動性能等の向上に寄与するようにリブ40の剛性を調整することが容易になる。
サイプ41,42の間隔は、同じであってもよいが、好ましくは、所定本数単位で僅かに間隔が変化したバリアブルピッチである。サイプ41,42の本数は特に限定されないが、一例としては60~80本である。サイプ41,42の合計の本数はリブ30のサイプ31の本数よりも多いが、本実施形態では、サイプ41,42のそれぞれの本数がサイプ31の本数と同数である。
図4は、リブ40およびショルダーブロック60を拡大して示す斜視図である。図4に示すように、サイプ42内の主溝22と隣接する領域には、突起42cが形成されている。突起42cは、後述する切開部42a、又はその近傍まで溝底が隆起した部分であって、平面視三角形状を有する。なお、突起42cにより、サイプ42の深く形成された部分は屈曲している。サイプ42の深さは、主溝22と隣接する領域において、他の領域より浅くなっていてもよい。
リブ40には、サイプ41の縁に沿って切開部41a,41bが、サイプ42の縁に沿って切開部42a,42bがそれぞれ形成されている。切開部41a,41bは、リブ40の接地面から所定の深さ範囲において、サイプ41の縁を面取りして切り広げるように形成されている。切開部42a,42bについても同様に、リブ40の接地面から所定の深さ範囲において、サイプ42の縁を面取りして切り広げるように形成されている。各切開部により、例えば、リブ40の接地圧が効果的に分散され、走行性能が改善される。
本実施形態では、サイプ41の幅方向両側に切開部41a,41bがそれぞれ形成され、サイプ42の幅方向両側に切開部42a,42bがそれぞれ形成されている。また、各切開部は、主溝22と反対側のサイプ41,42の長さ方向一端縁において屈曲し、屈曲部から離れるほど次第に幅が小さくなっている。他方、各切開部は、当該屈曲部から主溝22に向かって拡幅していてもよい。リブ40の各切開部を形成する斜面は、幅が最大となる部分において、プロファイル面αに対し、切開部31aを形成する斜面と略同じ角度で傾斜していてもよい。また、各切開部(斜面)は、リブ40の接地面から、サイプ41,42の最深部の深さの30%に相当する深さ範囲内に形成されることが好ましい。
[リブ50]
リブ50は、車両内側の第2領域において、主溝21を挟んでリブ30とタイヤ軸方向に対向配置され、かつ主溝23を挟んでショルダーブロック70とタイヤ軸方向に対向配置されている。リブ50の接地面の幅は、リブ30の接地面の幅と同じであってもよい。リブ50には、互いに形状が異なる2種類のサイプ51,52が形成されている。サイプ51,52は、いずれも主溝23からタイヤ軸方向に延び、リブ50内で終端している。各リブの両側に位置する主溝のうち、リブ30,40のサイプは車両外側の主溝に連通しているのに対し、サイプ51,52は車両内側の主溝に連通している。
リブ50は、車両内側の第2領域において、主溝21を挟んでリブ30とタイヤ軸方向に対向配置され、かつ主溝23を挟んでショルダーブロック70とタイヤ軸方向に対向配置されている。リブ50の接地面の幅は、リブ30の接地面の幅と同じであってもよい。リブ50には、互いに形状が異なる2種類のサイプ51,52が形成されている。サイプ51,52は、いずれも主溝23からタイヤ軸方向に延び、リブ50内で終端している。各リブの両側に位置する主溝のうち、リブ30,40のサイプは車両外側の主溝に連通しているのに対し、サイプ51,52は車両内側の主溝に連通している。
サイプ51,52は、主溝23からリブ50の幅方向中央位置に至らない長さで形成されている。即ち、サイプ51,52は、リブ50の幅方向中央位置よりも車両内側の領域のみに形成されている。サイプ51,52のタイヤ軸方向に沿った長さは、リブ50の幅の20~45%が好ましい。サイプ51は、サイプ41と略同じ方向に真っ直ぐに延び、サイプ41と同一直線上に形成されていてもよい。サイプ52は、サイプ42と同様に主溝23の近傍で屈曲しているが、直線状に延びた部分はサイプ42と同一直線上に形成されていてもよい。サイプ51,52の深さは、最深部において、主溝23の深さの70%~90%であってもよい。
サイプ51,52は、サイプ41,42と同様に、タイヤ周方向に間隔をあけて交互に配置されることが好ましい。また、サイプ51、52は、トレッド10の平面視において、ショルダーブロック70の横溝71と千鳥状に配置されている。即ち、タイヤ周方向に沿って、サイプ51,52と、横溝71とが、主溝23を隔てて交互に並ぶように配置されている。各サイプ同士の間隔は、同じであってもよいが、好ましくは、所定本数単位で僅かに間隔が変化したバリアブルピッチである。本実施形態において、サイプ51,52の本数は、サイプ41,42の本数と同じである。
リブ50には、サイプ51の縁に沿って切開部51aが、サイプ52の縁に沿って切開部52a,52bがそれぞれ形成されている。各切開部は、リブ50の接地面から所定の深さ範囲(例えば、各サイプの最深部の深さの30%に相当する深さ範囲)において、各サイプの縁を面取りして切り広げるように形成されている。各切開部により、例えば、リブ50の接地圧が効果的に分散され、走行性能が改善される。リブ50の各切開部を形成する斜面は、幅が最大となる部分において、プロファイル面αに対し、切開部31aを形成する斜面と略同じ角度で傾斜していてもよい。
サイプ51の平面視形状は、赤道CLに対して、サイプ41を180°回転させた場合の平面視形状と類似しているが、サイプ51は、幅方向片側のみに切開部51aが形成されている点で、幅方向両側に切開部41a,41bが形成されたサイプ41と異なる。また、リブ30にはサイプ31のタイヤ周方向一方側に位置する縁に切開部31aが形成されているが、リブ50にはサイプ51のタイヤ周方向他方側に位置する縁に切開部51aが形成されている。
サイプ52の平面視形状は、赤道CLに対して、サイプ42を180°回転させた場合の平面視形状と類似しているが、各サイプの縁に形成された切開部の形状が互いに異なる。例えば、サイプ42の縁に形成された切開部42aは主溝22に向かって拡幅しているが、サイプ52の縁に形成された切開部52bはサイプ52の全長にわたって略一定の幅で形成されている。
[ショルダーブロック70]
ショルダーブロック70は、車両内側の第2領域において、主溝23を隔ててリブ50と平行に配置されている。ショルダーブロック70の接地面の幅は、例えば、タイヤ接地幅の15%~25%であり、各リブの接地面の幅よりも大きい。ショルダーブロック70の接地面の幅は、ショルダーブロック60の接地面の幅と同じであってもよいが、本実施形態では、ショルダーブロック60の接地面の幅よりも小さくなっている。
ショルダーブロック70は、車両内側の第2領域において、主溝23を隔ててリブ50と平行に配置されている。ショルダーブロック70の接地面の幅は、例えば、タイヤ接地幅の15%~25%であり、各リブの接地面の幅よりも大きい。ショルダーブロック70の接地面の幅は、ショルダーブロック60の接地面の幅と同じであってもよいが、本実施形態では、ショルダーブロック60の接地面の幅よりも小さくなっている。
ショルダーブロック70には、タイヤ周方向に間隔をあけて、主溝23と交差する方向に延びる横溝71が複数形成されている。横溝71は、上記のように、主溝23につながらずショルダーブロック70内で終端している。このため、ショルダーブロック70の接地面はタイヤ周方向に連続している。この場合、横溝が主溝23に連通する場合と比べて排水性はやや低下するが、制動性能は大きく向上する。また、空気抵抗およびノイズの低減効果も得られる。本実施形態では、第2領域における排水性の低下を抑制するため、主溝23の幅W23を車両外側の主溝22の幅W22より大きくしている。
横溝71は、各リブのサイプと同様に、バリアブルピッチで形成されていることが好ましい。横溝71の本数は、例えば、リブ50に形成されたサイプの本数と同数である。横溝71は、例えば、長さ方向両端の近傍を除き、略一定の幅で形成されている。長さ方向両端部における横溝71の幅は、主溝23側の長さ方向一端に向かって次第に縮幅し、サイドリブ13側の長さ方向他端に向かって次第に拡幅していてもよい。横溝71の深さは、最深部において、主溝23と略同じ深さであってもよく、主溝23の深さの70%~95%であってもよい。横溝71は、主溝23との交点である長さ方向一端から接地端E2に対応する位置までの間で最も深く形成されている。
横溝71は、接地端E2よりも主溝23に近い位置から、接地端E2を超えてサイドリブ13の近傍まで延びている。横溝71は、タイヤ軸方向に対して5°~25°の角度で傾斜している。横溝71は、タイヤ軸方向に対して、長さ方向一端がサイドリブ13側の長さ方向他端よりもタイヤ周方向一方側に位置するように傾斜している。なお、リブ50のサイプ51は赤道CL側の長さ方向一端が主溝23側の長さ方向他端よりもタイヤ周方向他方側に位置するように傾斜しているため、横溝71とサイプ51はタイヤ軸方向に対して反対方向に傾斜していると言える。
ショルダーブロック70には、横溝71の縁に沿って切開部71a,71bが形成されている。切開部は、横溝71の幅方向片側のみに形成されていてもよいが、本実施形態では、横溝71の幅方向両側に形成されている。各切開部は、ショルダーブロック70の接地面から所定の深さ範囲(例えば、横溝71の最深部の深さの30%に相当する深さ範囲)において、横溝71の縁を面取りして切り広げるように形成されている。各切開部により、例えば、ショルダーブロック70の接地圧が効果的に分散され、走行性能が改善される。
切開部71a,71bは、横溝71の長さ方向に沿って、主溝23側の長さ方向一端から接地端E2を超える位置まで形成されていてもよく、横溝71の全長にわたって形成されていてもよい。切開部71a,71bを形成する斜面は、プロファイル面αに対して、リブ30の切開部31aを形成する斜面と同様の角度で傾斜していてもよい。
[ショルダーブロック60]
以下、図4~図7をさらに参照しながら、ショルダーブロック60について詳説する。図5はショルダーブロック60の横溝61が形成された部分を拡大して示す平面図、図6は図5中のBB線断面図である。図7は、横溝61の長さ方向に沿ってトレッド10を切断した断面図である。
以下、図4~図7をさらに参照しながら、ショルダーブロック60について詳説する。図5はショルダーブロック60の横溝61が形成された部分を拡大して示す平面図、図6は図5中のBB線断面図である。図7は、横溝61の長さ方向に沿ってトレッド10を切断した断面図である。
図4に示すように、ショルダーブロック60は、車両外側の第1領域において、主溝22を隔ててリブ40と平行に配置されている。ショルダーブロック60の接地面の幅は、例えば、タイヤ接地幅の15%~25%である。本実施形態では、ショルダーブロック60の接地面の幅が、タイヤ接地幅の15%~25%の範囲内において、ショルダーブロック70の接地面の幅よりもやや大きくなっている。そして、車両外側の第1領域の接地面積が、車両内側の第2領域の接地面積よりもやや大きくなっている。この場合、CP特性をより効果的に改善できる。
ショルダーブロック60には、タイヤ周方向に間隔をあけて、タイヤ軸方向に延びる横溝61が複数形成されている。横溝61は、主溝22から接地端E1を超える長さで形成され、ショルダーブロック60の接地面を横断している。この場合、横溝が主溝22に連通しない場合と比べて、第1領域における排水性が大きく向上する。一方、この場合、横溝が主溝22に連通しない場合と比べて、主溝22から横溝61を通って車両外側に流れる空気量が多くなるので、空気抵抗が大きくなり、またノイズも大きくなる傾向にある。さらに、ショルダーブロック60の捩れが生じ易く、CP特定も低下し易い。
そこで、空気入りタイヤ1では、良好な排水性を確保しつつ、優れたCP特性を実現すべく、横溝61内の主溝22と隣接する領域に、溝底が盛り上がった隆起部61fを設けている。加えて、ショルダーブロック60には、横溝61の幅方向両縁に沿って、少なくとも隆起部61fが形成された範囲に切開部61a,61bが形成されている。詳しくは後述するが、横溝61の最深部の深さの30%~70%、好ましくは40%~70%に相当する高さで隆起部61fを形成することが好適である。この場合、上記効果がより顕著になり、空気抵抗も効果的に低減される。
横溝61は、各リブのサイプおよび横溝71と同様に、バリアブルピッチで形成されていることが好ましい。横溝61の本数は、例えば、リブ40,50のそれぞれに形成されたサイプの本数、横溝71の本数と同数である。本実施形態において、横溝61の主溝22と隣接する領域には、横溝61がタイヤ周方向他方側に小さく突出するように曲がった屈曲部61eが形成されている。横溝61は、屈曲部61eから主溝22に向かって縮幅していてもよい。横溝61は、例えば、少なくとも屈曲部61eから接地端E1にわたって略一定の幅を有する。
横溝61は、主溝22から接地端E1を超えてサイドリブ13の近傍まで延びている。横溝61は、タイヤ軸方向に沿って延びていてもよいが、本実施形態では、屈曲部61eよりも車両外側に位置する部分が、タイヤ軸方向に対して5°~25°の角度で傾斜し、横溝71と同じ方向に傾斜していてもよい。横溝61の深さは、最深部において、主溝22と略同じ深さであってもよく、主溝22の深さの70%~95%であってもよい。横溝61は、隆起部61fの端から接地端E1に対応する位置までの間で最も深く形成されている。
図5~図7に示すように、隆起部61fは、横溝61内の主溝22と隣接する領域に形成されている。隆起部61fは、例えば、主溝22の交点である長さ方向一端から接地端E1までのタイヤ軸方向に沿った横溝61の長さ(≒ショルダーブロック60の接地幅)を「長さL」とした場合に、横溝61の長さ方向一端から長さLの30%以内の範囲に形成されている。
隆起部61fの高さHfは、接地端E1側に向かって、溝底に大きな段差が形成されないように次第に低くなることが好ましい。隆起部61fの高さHfが横溝61の最深部の深さDの40%を超える部分のタイヤ軸方向に沿った長さは、横溝61の長さLの10%~25%が好ましい。この場合、排水性の低下を抑制しつつ、より効果的に空気抵抗の低減とCP特性の向上を図ることができる。また、隆起部61fは、主溝22と隣接する領域において、横溝61の全体の溝底が盛り上がって形成されていることが好ましい。即ち、隆起部61fは、横溝61の全幅にわたって、横溝61の対向する溝壁同士を接続するように形成されている。
隆起部61fは、横溝61の長さ方向一端で高さHfが最も高くなり、長さ方向一端から離れるにつれて次第に高さが低くなるように形成されていてもよいが、本実施形態では、長さ方向一端から所定の長さ範囲において高さHfが略一定になっている。隆起部61fは、高さHfが略一定で隆起部61fの上面(隆起部61fが形成された領域における溝底)が略平坦な平坦領域と、平坦領域から連続し、高さHfが次第に低くなるように上面が傾斜した傾斜領域とを含む、平坦領域の長さの一例は、横溝61の長さL1の10%~25%である。隆起部61fの高さHfは、例えば、横溝61の長さ方向一端で最も高く、所定の長さ範囲においてその高さが維持されている。この場合、隆起部61fの機能がより効果的に発揮される。
隆起部61fの高さHfは、例えば、横溝61の最深部の深さDの30%~70%に相当し、好ましくは深さDの40%~70%に相当する。本実施形態において、横溝61の最深部は、接地端E1に対応する位置よりも主溝22側に位置し、具体的には、隆起部61fと隣接する領域が最深部となっている。隆起部61fの高さHfは、最深部の深さDから隆起部61fが形成された領域の深さDfを差し引くことで求められる。なお、深さDfは、例えば、最深部の深さDの30%~70%である。また、深さDfは、主溝22の深さの25%~55%であることが好ましい。
隆起部61fの高さHfが深さDの40%~70%であれば、良好な排水性を確保しつつ、優れたCP特性を実現でき、かつ空気抵抗を低減することが容易になる。なお、高さHfが深さDの70%を超えれば、切開部61a,61bの構成が同じであれば排水性が低下する傾向が見られる。高さHfは、最も高い部分において、深さDの45%~70%がより好ましく、55%~70%が特に好ましい。この場合、隆起部61fによる効果がより顕著になる。
本実施形態では、横溝61の長さ方向一端から屈曲部61eまでの範囲のみにおいて、深さDの30%以上の高さで隆起部61fが形成されている。そして、隆起部61fの高さHfは隆起部61fよりもやや主溝22側で低くなりはじめ、主溝22から長さLの30%以内の範囲内で溝底の隆起が終了する。
ショルダーブロック60には、横溝61の縁に沿って切開部61a,61bが形成されている。切開部は、横溝61の幅方向片側のみに形成されていてもよいが、横溝61の幅方向両縁に沿って形成されていることが好ましい。各切開部は、ショルダーブロック60の接地面から所定の深さ範囲において、横溝61の縁を面取りして切り広げるように形成されている。切開部61a,61bにより、例えば、CP特性の低下を抑制しつつ、排水性を向上させることができる。また、切開部61a,61bは、ショルダーブロック60の接地圧を分散し、CP特性等の走行性能を改善する。
切開部61a,61bは、少なくとも隆起部61fが形成された範囲に形成される。切開部61a,61bは、隆起部61fが存在する範囲だけに形成されていてもよいが、好ましくは横溝61の長さ方向一端から接地端E1を超える位置にわたって形成される。切開部61a,61bは、隆起部61fの上面まで形成されていてもよいが、好ましくは隆起部61fが形成された領域の深さDfより浅く形成されて。切開部61a,61bの深さは、深さDfの50%~90%が好ましく、55%~80%がより好ましい。この場合、排水性の低下を抑制しつつ、空気抵抗の低減、CP特性の向上をより効果的に実現できる。切開部61a,61bは、接地端E1と横溝61の長さ方向他端との間で終端していてもよい。
切開部61aを形成する斜面61cは、プロファイル面αに対して角度θで傾斜している。切開部61bを形成する斜面61dについても同様に、プロファイル面αに対して角度θで傾斜している。プロファイル面αに対する各斜面の傾斜角度θは、少なくとも横溝61の幅方向に対向する位置において同じであってもよい。角度θは、例えば、隆起部61fが形成された範囲において、30°~60°又は40°~50°である。この場合、切開部61a,61bによる効果がより顕著になる。斜面61c,61dは、少なくとも隆起部61fが形成された範囲において、プロファイル面αに対し、リブ30の切開部31aを形成する斜面と略同じ角度で傾斜していてもよい。
切開部61a,61bは、トレッド10の平面視において、主溝22側から接地端E1に近づくにつれて縮幅している。切開部61aは、斜面61cと、プロファイル面αと、横溝61の壁を延ばした仮想線との間に囲まれた領域であるから(切開部61bについても同様)、例えば、切開部61a,61bは、主溝22側から接地端E1に近づくほど次第に小さくなっている。この場合、切開部61a,61bによる効果がより顕著になる。本実施形態では、斜面61c,61dの角度θを次第に大きくし、深さを次第に深くすることで、切開部61a,61bを縮幅させている。
トレッド10の平面視における切開部61aの幅W61aは、隆起部61fが形成された範囲において、例えば、横溝61の幅W61の30%~70%又は40%~60%である。幅W61aは、接地端E1において、幅W61の10%未満であってもよい。なお、切開部61bの幅は、横溝61の幅方向に対向する位置で切開部61aの幅W61aと同じであってもよい。隆起部61fが形成された領域では切開部61a,61bを大きく形成し、接地端E1に向かって切開部61a,61bを次第に小さくすることで、良好な排水性を確保しつつ、接地面積をできるだけ大きくしてCP特性を改善できる。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
図1~図7に示すトレッドパターンを有するテストタイヤA1(タイヤサイズ:235/50R20 104W)を作製した。各リブにおけるサイプ31,41,42,51,52の本数はそれぞれ35本とし、各ショルダーブロックにおける横溝61,71の本数はサイプ31の本数の2倍とした。また、横溝61内の隆起部61fの高さHfを2.0mm(横溝61の深さD:6.0mm、深さDf:4.5mm、接地端E1における横溝61の深さ:5.2mm)とした。Hf/Dは0.33である。高さHfが略一定である領域のタイヤ軸方向長さは横溝61の長さ方向一端から6.7mm、隆起部61fの全長は10.6mmとした。切開部61a,61bは、主溝22から接地端E1を超える位置にわたって、屈曲部61eから接地端E1側に向かって次第に縮幅するように形成した。隆起部61fの高さHfが2.0mmの範囲において、切開部61a,61bの深さを1.5mm、プロファイル面αに対する斜面61c,61dの角度θを55°とした。
図1~図7に示すトレッドパターンを有するテストタイヤA1(タイヤサイズ:235/50R20 104W)を作製した。各リブにおけるサイプ31,41,42,51,52の本数はそれぞれ35本とし、各ショルダーブロックにおける横溝61,71の本数はサイプ31の本数の2倍とした。また、横溝61内の隆起部61fの高さHfを2.0mm(横溝61の深さD:6.0mm、深さDf:4.5mm、接地端E1における横溝61の深さ:5.2mm)とした。Hf/Dは0.33である。高さHfが略一定である領域のタイヤ軸方向長さは横溝61の長さ方向一端から6.7mm、隆起部61fの全長は10.6mmとした。切開部61a,61bは、主溝22から接地端E1を超える位置にわたって、屈曲部61eから接地端E1側に向かって次第に縮幅するように形成した。隆起部61fの高さHfが2.0mmの範囲において、切開部61a,61bの深さを1.5mm、プロファイル面αに対する斜面61c,61dの角度θを55°とした。
上記トレッドパターンのリブ、ショルダーブロック、主溝、横溝等に関するサイズは、下記の通りである。
トレッド10の接地幅:186mm
サイプ31の接地幅:7.7mm
ショルダーブロック60の主溝側の端から横溝の端までのタイヤ軸方向に沿った長さ:62.4mm
ショルダーブロック70の主溝側の端から横溝の端までのタイヤ軸方向に沿った長さ:59.5mm
主溝20の幅、深さ:13.9mm、8.0mm
主溝21の幅、深さ:14.4mm、8.0mm
主溝22の幅、深さ:9.8mm、7.5mm
主溝23の幅、深さ:11.5mm、7.5mm
トレッド10の接地幅:186mm
サイプ31の接地幅:7.7mm
ショルダーブロック60の主溝側の端から横溝の端までのタイヤ軸方向に沿った長さ:62.4mm
ショルダーブロック70の主溝側の端から横溝の端までのタイヤ軸方向に沿った長さ:59.5mm
主溝20の幅、深さ:13.9mm、8.0mm
主溝21の幅、深さ:14.4mm、8.0mm
主溝22の幅、深さ:9.8mm、7.5mm
主溝23の幅、深さ:11.5mm、7.5mm
<実施例2~5>
隆起部61fの高さHfを変更して、Hf/Dの値を表1に示す値に変更したこと(実施例2~4)、および切開部61a,61bの深さを2.5mmに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、テストタイヤA2~A5をそれぞれ作製した。
隆起部61fの高さHfを変更して、Hf/Dの値を表1に示す値に変更したこと(実施例2~4)、および切開部61a,61bの深さを2.5mmに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、テストタイヤA2~A5をそれぞれ作製した。
<比較例1>
隆起部61fおよび切開部61a,61bを形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、テストタイヤB1を作製した。
隆起部61fおよび切開部61a,61bを形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、テストタイヤB1を作製した。
<比較例2,3>
横溝61に隆起部61fを設けてHf/Dの値を表1に示す値としたこと以外は、比較例1と同様にして、テストタイヤB2,B3をそれぞれ作製した。
横溝61に隆起部61fを設けてHf/Dの値を表1に示す値としたこと以外は、比較例1と同様にして、テストタイヤB2,B3をそれぞれ作製した。
実施例および比較例の各テストタイヤについて、下記の方法により、排水性、空気抵抗、およびCP特性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
[排水性の評価]
水深8mmのウェット路面上で各テストタイヤを回転させ、ハイドロプレーニング現象が発生したときの速度を測定した。表1に示す評価結果は、比較例1のタイヤの評価結果を100とした場合の相対値であり、数値が大きいほど、ハイドロプレーニング現象が発生したときの速度が大きく、耐ハイドロプレーニング性能(排水性)に優れることを示す。
タイヤ装着条件:空気圧:250kPa、荷重:573kgf(単輪)
なお、タイヤの排水性が悪いと、走行時に路面との接地面内から水を除去するのが間に合わなくなる。残った水は路面とタイヤトレッドの間で水膜となり、タイヤの路面への接地性を失わせ、ハイドロプレーニング現象を引き起こす。そのため、排水性の指標としてハイドロプレーニング現象が起こる際の速度を測定した。
水深8mmのウェット路面上で各テストタイヤを回転させ、ハイドロプレーニング現象が発生したときの速度を測定した。表1に示す評価結果は、比較例1のタイヤの評価結果を100とした場合の相対値であり、数値が大きいほど、ハイドロプレーニング現象が発生したときの速度が大きく、耐ハイドロプレーニング性能(排水性)に優れることを示す。
タイヤ装着条件:空気圧:250kPa、荷重:573kgf(単輪)
なお、タイヤの排水性が悪いと、走行時に路面との接地面内から水を除去するのが間に合わなくなる。残った水は路面とタイヤトレッドの間で水膜となり、タイヤの路面への接地性を失わせ、ハイドロプレーニング現象を引き起こす。そのため、排水性の指標としてハイドロプレーニング現象が起こる際の速度を測定した。
[空気抵抗(Cd値)の評価]
各テストタイヤについて、抗力(空気の流れ中におかれたタイヤに働く力で、かつ流れに平行な方向で同じ向きの力)を測定し、下記の式より抗力係数Cd(drag coefficient)を算出した。抗力は、シミュレーションによるタイヤ前後の圧力差から求めた。
Cd=D/(1/2ρU2S)
式中、Dが発生する抗力である。ρは、空気密度であり、1.225[kg/m3]とした。Uは、タイヤと空気の相対速度である代表速度であり、27.8[m/s]とした。Sは、タイヤの代表面積(前面投影面積)である。表1に示すCd値は、テストタイヤB1の値を100としたときの相対値であり、数値が小さいほど、空気抵抗が小さいことを示す。
各テストタイヤについて、抗力(空気の流れ中におかれたタイヤに働く力で、かつ流れに平行な方向で同じ向きの力)を測定し、下記の式より抗力係数Cd(drag coefficient)を算出した。抗力は、シミュレーションによるタイヤ前後の圧力差から求めた。
Cd=D/(1/2ρU2S)
式中、Dが発生する抗力である。ρは、空気密度であり、1.225[kg/m3]とした。Uは、タイヤと空気の相対速度である代表速度であり、27.8[m/s]とした。Sは、タイヤの代表面積(前面投影面積)である。表1に示すCd値は、テストタイヤB1の値を100としたときの相対値であり、数値が小さいほど、空気抵抗が小さいことを示す。
[CP特性の評価]
各テストタイヤを正規リム(19×7.0)に装着し、空気圧を250kPaとして、走行速度80km/h、荷重573kgfの条件で、フラットベルト・コーナリング試験機を使用し、舵角1°でのコーナリングフォース(CF)を測定した。車両は、CFと近似する横力が遠心力と釣り合うことで旋回でき、CPはスリップアングル(SA)が1°におけるCF値のことを指す。表1に示すCP値は、テストタイヤB1の値を100としたときの相対値であり、数値が大きいほど、CPが大きいことを示す。
各テストタイヤを正規リム(19×7.0)に装着し、空気圧を250kPaとして、走行速度80km/h、荷重573kgfの条件で、フラットベルト・コーナリング試験機を使用し、舵角1°でのコーナリングフォース(CF)を測定した。車両は、CFと近似する横力が遠心力と釣り合うことで旋回でき、CPはスリップアングル(SA)が1°におけるCF値のことを指す。表1に示すCP値は、テストタイヤB1の値を100としたときの相対値であり、数値が大きいほど、CPが大きいことを示す。
表1に示すように、ショルダーブロック60の主溝22につながる横溝61内に隆起部61fを形成すると共に、横溝61の縁に沿って切開部61a,61bを形成した実施例のタイヤは、良好な排水性を有しつつ、空気抵抗が低く、かつCP特性に優れる。実施例のタイヤは、隆起部61fおよび切開部61a,61bを有さない比較例1のタイヤB1と比べて、同程度の排水性を有する一方、CP特性が大きく向上している。また、実施例のタイヤは、横溝が主溝につながった比較例3のタイヤB4と比べて、排水性が大幅に改善されている。
また、実施例3のタイヤA3と比較例2のタイヤB2との比較から、良好な排水性とCP特性を高度に両立するためには、隆起部61fに加えて切開部61a,61bを形成することが重要であることが理解される。さらに、隆起部61fの高さHfを横溝61の深さDに対して40%~70%の範囲に制御すれば、良好な排水性を確保しつつ、空気抵抗を効果的に低減でき、CP特性を向上させることが可能であることが理解される。
なお、上記実施形態は、本発明の目的を損なわない範囲で適宜設計変更できる。4本の上記主溝、3本の上記リブ、各リブに形成された上記サイプ、および第2のショルダーブロック70の上記構成を含むトレッドパターンは、良好な排水性を確保しつつ、低い空気抵抗と優れたCP特性を有するサマータイヤに好適であるが、第1のショルダーブロック60に係る構成以外の構成を他の構成に変更して、本発明の目的を実現することは可能である。例えば、本開示に目的を損なわない範囲で、各リブに形成されたサイプの本数、形状等を変更してもよい。
但し、図1~図7に示すトレッドパターンは、全体として、上記効果をより顕著に奏するパターンとなっている。上記実施形態のトレッドパターンを備える空気入りタイヤ1は、例えば、ドライ路面およびウェット路面の両方における制動性能に優れ、また急発進、急制動、急旋回時の操縦安定性にも優れる。このため、加速性能の高いEV、HV用、車重の重いSUV用のサマータイヤに好適である。
1 空気入りタイヤ、10 トレッド、11 サイドウォール、12 ビード、13 サイドリブ、20,21,22,23 主溝、30,40,50 リブ、31,41,42,51,52 サイプ、31a,41a,41b,42a,42b,43,51a,52a,52b,61a,61b,71a,71b 切開部、42c 突起、61e 屈曲部、61f 隆起部、60,70 ショルダーブロック、61,71 横溝、61c,61d 斜面、CL 赤道、E1,E2 接地端
Claims (5)
- 一対のトレッド端の間に配置されるトレッドを備え、車両に対する装着方向が指定された空気入りタイヤであって、
前記トレッドは、
車両装着時に車両外側に位置する周方向に延びる主溝と、
前記主溝により区画され、車両外側に配置されるショルダーブロックと、
を有し、
前記ショルダーブロックには、前記主溝と交差する方向に延びて前記主溝につながる横溝が形成され、
前記横溝内の前記主溝と隣接する領域には、溝底が盛り上がった隆起部が形成され、
前記横溝に沿って、少なくとも前記隆起部が形成された範囲に切開部が形成されている、空気入りタイヤ。 - 前記隆起部は、前記横溝の最深部の深さの40%~70%に相当する高さを有する、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記切開部は、前記トレッドの平面視において、前記主溝側から接地端に近づくにつれて縮幅している、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
- 車両装着時に車両内側に位置する周方向に延びる第2の主溝と、
前記第2の主溝により区画され、車両内側に配置される第2のショルダーブロックと、
を有し、
前記第2のショルダーブロックには、前記第2の主溝と交差する方向に延び、当該ブロック内で終端した第2の横溝が形成されている、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。 - 前記トレッドは、
タイヤ赤道と前記主溝との間に形成され、タイヤ周方向に延びる第3の主溝と、
タイヤ赤道と前記第2の主溝との間に形成され、タイヤ周方向に延びる第4の主溝と、
前記主溝、前記第2の主溝、前記第3の主溝、および前記第4の主溝により区画された3本のリブと、
をさらに有する、請求項4に記載の空気入りタイヤ。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022109486A JP2024008011A (ja) | 2022-07-07 | 2022-07-07 | 空気入りタイヤ |
CN202310810381.9A CN117360122A (zh) | 2022-07-07 | 2023-07-03 | 充气轮胎 |
DE102023117608.0A DE102023117608A1 (de) | 2022-07-07 | 2023-07-04 | Luftreifen |
US18/347,080 US20240010031A1 (en) | 2022-07-07 | 2023-07-05 | Pneumatic tire |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022109486A JP2024008011A (ja) | 2022-07-07 | 2022-07-07 | 空気入りタイヤ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2024008011A true JP2024008011A (ja) | 2024-01-19 |
Family
ID=89387514
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022109486A Pending JP2024008011A (ja) | 2022-07-07 | 2022-07-07 | 空気入りタイヤ |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20240010031A1 (ja) |
JP (1) | JP2024008011A (ja) |
CN (1) | CN117360122A (ja) |
DE (1) | DE102023117608A1 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7464819B2 (ja) | 2020-02-12 | 2024-04-10 | 横浜ゴム株式会社 | 空気入りタイヤ |
-
2022
- 2022-07-07 JP JP2022109486A patent/JP2024008011A/ja active Pending
-
2023
- 2023-07-03 CN CN202310810381.9A patent/CN117360122A/zh active Pending
- 2023-07-04 DE DE102023117608.0A patent/DE102023117608A1/de active Pending
- 2023-07-05 US US18/347,080 patent/US20240010031A1/en active Pending
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
DE102023117608A1 (de) | 2024-01-18 |
CN117360122A (zh) | 2024-01-09 |
US20240010031A1 (en) | 2024-01-11 |
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