JP2024007619A - ウルトラファインバブル含有溶液の調製方法、ウルトラファインバブル含有溶液の製造方法、及びウルトラファインバブル含有溶液 - Google Patents

ウルトラファインバブル含有溶液の調製方法、ウルトラファインバブル含有溶液の製造方法、及びウルトラファインバブル含有溶液 Download PDF

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Abstract

【課題】ウルトラファインバブルの消失を抑制する。【解決手段】ウルトラファインバブル含有溶液の調製方法は、粒子状の溶質を溶解した一次溶液を準備して、前記一次溶液中の前記溶質の粒子径を調整する工程と、粒子径を調整した前記一次溶液と、ウルトラファインバブルを含有する液体とを混合して、混合液における溶媒の比重より重い粒子の平均粒子径を0.48μm以下とする工程と、を含む。【選択図】図3

Description

本開示は、ウルトラファインバブル含有溶液の調製方法、ウルトラファインバブル含有溶液の製造方法、及びウルトラファインバブル含有溶液に関するものである。
特許文献1には、コンタクトレンズの処理用液剤が開示されている。処理用液剤の一例である処理剤Aは、ファインバブル水に、塩酸ポリヘキサニド、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、EDTAを添加して作製されている。
特開2016-132712号公報
ウルトラファインバブルを含有した溶液を作製する際に、ウルトラファインバブルが消失してしまうという課題がある。
本開示は、上記課題に鑑みてなされたものであり、ウルトラファインバブルの消失を抑制することを目的とする。本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
本開示のウルトラファインバブル含有溶液の調製方法は、粒子状の溶質を溶解した一次溶液を準備して、前記一次溶液中の前記溶質の粒子径を調整する工程と、粒子径を調整した前記一次溶液と、ウルトラファインバブルを含有する液体とを混合して、混合液における溶媒の比重より重い粒子の平均粒子径を0.48μm以下とする工程と、を含む。
本開示によれば、ウルトラファインバブルの消失を抑制できる。
図1は、ウルトラファインバブル含有溶液を得る工程を説明する図である。 図2は、ウルトラファインバブルが消失するメカニズムを説明する図である。 図3は、混合前の溶媒のUFB濃度と、UFB含有溶液の軽量粒子濃度との関係を示すグラフである。 図4は、混合前の溶媒のUFB濃度と、UFB含有溶液の重量粒子濃度との関係を示すグラフである。
ここで、本開示の望ましい例を示す。
・前記一次溶液中の粒子径を調整する工程において、細孔径が0.22μm以下のフィルターを用いて前記一次溶液をろ過することが好ましい。
・前記溶質は有機物を含むとよい。
・前記溶質は、グルコース、フェノールレッド、L-グルタミン、ピルビン酸ナトリウム、抗生物質、及び血清成分からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むとよい。
・本開示のウルトラファインバブル含有溶液の製造方法は、上記の調製方法を行って、溶媒の比重より重い粒子の平均粒子径が0.48μm以下であるウルトラファインバブル含有溶液を得ることが好ましい。
・本開示のウルトラファインバブル含有溶液は、上記のウルトラファインバブル含有溶液の製造方法によって得られたウルトラファインバブル含有溶液であって、溶媒の比重よりも軽い粒子を3×10個/mL以上含むことが好ましい。
以下、本開示を詳しく説明する。なお、本明細書において、数値範囲について「-」を用いた記載では、特に断りがない限り、下限値及び上限値を含むものとする。例えば、「10-20」という記載では、下限値である「10」、上限値である「20」のいずれも含むものとする。すなわち、「10-20」は、「10以上20以下」と同じ意味である。
1.ウルトラファインバブル含有溶液の調製方法
ウルトラファインバブル含有溶液の調製方法は、粒子状の溶質を溶解した一次溶液を準備して、一次溶液中の溶質の粒子径を調整する工程と、粒子径を調整した一次溶液と、ウルトラファインバブルを含有する液体とを混合して、混合液における溶媒の比重より重い粒子の平均粒子径を0.48μm以下とする工程と、を含む。以下、ウルトラファインバブル(Ultra Fine Bubble;UFB)を含有する液体をUFB液体とも称する。
(1)UFB液体
ウルトラファインバブルは直径が1μm未満の気泡である(ISO 20298-1)。ウルトラファインバブルは、ナノサイズの微小気泡の公知の製造方法に従って調製することができる。例えば、微細孔方式、気液混合せん断方式、スタティックミキサー式、ベンチュリ式、キャビテーション式、蒸気凝縮式、超音波方式、旋回流方式、加圧溶解方式等の方式によって製造することができる。これらの中でも、得られるウルトラファインバブル含有溶液の有用性の観点から、微細孔方式が好ましく、シリカ、アルミナ(γ-アルミナ)、及びゼオライト等から選ばれるセラミックス多孔質体を用いた微細孔方式がより好ましい。
ウルトラファインバブル中の気体は特に限定されない。ウルトラファインバブル中の気体は、水素、空気、水蒸気、三重水素、希ガス、酸素、二酸化炭素、窒素、フッ化ガスからなる群より選ばれることが好ましい。希ガスとしては、ヘリウム(He),ネオン(Ne),アルゴン(Ar),クリプトン(Kr),キセノン(Xe),ラドン(Rn)が挙げられる。フッ化ガスとしては、CF,C,C,C,CHF,SF,NF等が挙げられる。本開示の技術は、気体の種類によらず適用可能な汎用性の高い技術であると言える。ウルトラファインバブル中の気体として、例えば、得られるウルトラファインバブル含有溶液の有用性の観点から、水素を用いることができる。
UFB液体に用いる液体は、ウルトラファインバブルを生成でき、ウルトラファインバブル含有溶液の溶媒となり得る液体であれば特に限定されない。このような液体としては、例えば水(水道水、精製水、イオン交換水、純水、超純水、脱イオン水、蒸留水等)を用いることができる。
一次溶液と混合する前におけるUFB液体のウルトラファインバブル濃度(以下、UFB濃度とも称する)は、特に限定されない。一次溶液と混合する前におけるUFB液体のUFB濃度は、好ましくは1×10個/mL以上1×1014個/mL以下である。UFB濃度は、ナノ粒子解析システムを用いて測定できる。ナノ粒子解析システムとしては、NanoSight(Spectris PLC製、NS-300、以下単にナノサイトと記す)が例示される。
(2)一次溶液
一次溶液は、自ら調製してもよく、市販品を用いてもよい。自ら調製する場合には、一次溶液は、溶媒に溶質を混合して準備することができる。
溶質は、溶媒と混合する前に粒子状である物質を少なくとも含んでいれば特に限定されず、ウルトラファインバブル含有溶液の用途等に応じて適宜選択できる。粒子状の溶質としては、粉末培地等が挙げられる。また、溶質は有機物を含んでいるとよい。より具体的には、溶質は、グルコース、フェノールレッド、L-グルタミン、ピルビン酸ナトリウム、抗生物質、及び血清成分からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むとよい。抗生物質としては、ペニシリン、ストレプトマイシン等が挙げられる。血清成分としては、糖質、脂質、尿素、尿酸、クレアチニン、タンパク質等が挙げられる。血清成分のタンパク質としては、アルブミン、グロブリン、フィブリノゲン等が挙げられる。
溶媒は、特に限定されず、ウルトラファインバブル含有溶液の用途等に応じて適宜選択できる。溶媒は、UFB液体に用いられた液体と同じであるとよい。溶媒としては、例えば水(水道水、精製水、イオン交換水、純水、超純水、脱イオン水、蒸留水等)を用いることができる。
一次溶液の濃度は、製造するウルトラファインバブル含有溶液の濃度よりも大きい限り、特に限定されない。一次溶液の濃度は、一次溶液とUFB液体の混合比等に応じて、適宜設定できる。
(3)一次溶液中の粒子径を調整する工程
一次溶液中の粒子径を調整する工程は、溶質を溶解した一次溶液を準備して、一次溶液中の粒子径を調整する。一次溶液中の粒子としては、溶質の溶け残り、溶質又は溶媒に含まれる不純物、一次溶液を作製する過程で混入した有機物コンタミ、雑菌、空気中に浮遊するホコリなどが想定される。一次溶液中の粒子径は、混合液における溶媒の比重より重い粒子の平均粒子径を0.48μm以下とする観点から、0.48μm以下に調整されることが好ましい。一次溶液中の粒子径を調整する手法は特に限定されない。一次溶液中の粒子径は、例えば、膜ろ過、遠心分離等の手法によって適宜調整できる。
一次溶液中の粒子径を調整する工程において、細孔径が0.22μm以下のフィルターを用いて一次溶液をろ過することが好ましい。フィルターの細孔径の下限値は特に限定されず、例えば、0.01μm以上、0.1μm以上であってもよい。ろ過の方式は、真空式、加圧式、遠心力式、重力式等を採用できる。フィルターとしては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、混合セルロースエステル、銅アンモニア法再生セルロースエステル、ポリイミド、ナイロン、テフロン(登録商標)等の高分子膜が挙げられる。これらの中でも、ポリプロピレンの高分子膜が好ましい。
(4)一次溶液とUFB液体とを混合する工程
一次溶液とUFB液体とを混合する工程は、粒子径を調整した一次溶液と、UFB液体とを混合して、混合液における溶媒の比重より重い粒子の平均粒子径を0.48μm以下とする。
ここで、混合液における溶媒の比重より重い粒子(以下、重量粒子とも称する)及び、溶媒の比重より軽い粒子(以下、軽量粒子とも称する)の分析方法について説明する。重量粒子と軽量粒子の濃度、平均粒子径、モード粒子径は、Malvern社製の共振式粒子計測システム(商品名:アルキメデス、以下単にアルキメデスとも称する)を用いて測定できる。重量粒子は、溶媒の比重よりも大きい閾値を設定して、その閾値よりも大きい比重の粒子として特定できる。軽量粒子は、溶媒の比重よりも小さい閾値を設定して、その閾値よりも小さい比重の粒子として特定できる。例えば、溶媒として水(比重 0.998)を用いた場合には、重量粒子を特定するための閾値を 1.05g/ccに設定し、軽量粒子を特定するための閾値を0.001g/ccに設定し得る。
軽量粒子は、溶媒の比重より軽い粒子であり、ウルトラファインバブルを含むと考えられる。本願発明者らは、ナノサイト等の従来のナノ粒子解析システムでは分析が難しかった、ウルトラファインバブル以外の微粒子等が混在した溶液においても、アルキメデスで分析することによって軽量粒子としてウルトラファインバブルの残留状態を計測できることを見出した。本開示の技術は、アルキメデスの分析によって得られた知見等に基づき開発されたものである。
本開示では、一次溶液とUFB液体とを混合する工程において、重量粒子の平均粒子径を0.48μm以下とする。重量粒子の平均粒子径の下限値は特に限定されず、例えば、0.05μm以上、0.10μm以上、0.30μm以上であってもよい。
重量粒子は、溶媒の比重より重い粒子である。重量粒子は、ウルトラファインバブルに溶質成分が吸着して見掛け上の比重が増加した粒子を含むと推測される。本開示の技術によれば、溶質をUFB液体に直接混合する手法に比して、重量粒子の平均粒径を小さくできる。その理由は定かではないが、一次溶液中の粒子径を調整する工程において、粒子径を調整したことが寄与している可能性がある。
重量粒子のモード粒子径は、特に限定されない。重量粒子のモード粒子径は、好ましくは0.48μm以下であり、より好ましくは0.46μm以下であり、さらに好ましくは0.44μm以下である。重量粒子の平均粒子径の下限値は特に限定されず、例えば、0.05μm以上、0.10μm以上、0.30μm以上であってもよい。
軽量粒子の平均粒子径及びモード粒子径は、特に限定されない。軽量粒子の平均粒子径は、好ましくは0.08μm以上0.25μm以下である。軽量粒子のモード粒子径は、好ましくは0.08μm以上0.25μm以下である。
(5)推測されるメカニズム
一次溶液中の粒子径を調整する工程と、一次溶液とUFB液体とを混合する工程を行うことによって、ウルトラファインバブルの消失を抑制できる。その理由は定かではないが、次のように推測される。なお、本開示の技術は、この推測理由によって限定解釈されない。
ウルトラファインバブルはマイナスのゼータ電位を有しており、プラス帯電の物質を吸着する特性がある。一方、溶質成分(有機物等)の多くはプラスのゼータ電位を有しており、ウルトラファインバブルに吸着する特性があることが知られている。溶質をUFB液体に直接混合する場合には、溶質が溶解する前にウルトラファインバブルに吸着して、ウルトラファインバブルが消失する可能性がある。また、ウルトラファインバブルが溶質成分と接触することで凝集した状態、また凝集したウルトラファインバブル同士が合体した状態では、浮力が増加してバブルが浮上し消失すると考えられる(図2参照)。図2中、上向きの矢印は、合体したウルトラファインバブルの浮力を模式的に表している。他方、一次溶液とUFB液体とを混合する本開示の技術によれば、溶解する前の溶質がウルトラファインバブルに吸着しにくく、吸着に起因したウルトラファインバブルの消失が抑制されると推測される。さらに、本開示の技術によれば、溶質が十分に溶解し、また一次溶液中の粒子径が調整されるから、溶質成分によるウルトラファインバブルの凝集を抑制でき、凝集に起因したウルトラファインバブルの消失が抑制されると推測される。
2.ウルトラファインバブル含有溶液の製造方法
ウルトラファインバブル含有溶液の製造方法は、例えば、上記の調製方法を行って、溶媒の比重より重い粒子の平均粒子径が0.48μm以下であるウルトラファインバブル含有溶液を得る。具体的には、ウルトラファインバブル含有溶液の製造方法は、図1に示すように、UFB液体を準備するUFB液体準備工程と、一次溶液中の粒子径を調整する工程と、一次溶液とUFB液体とを混合する工程と、を含むとよい。一次溶液とUFB液体とを混合して得られた混合液をウルトラファインバブル含有溶液としてもよく、混合液を任意の工程で処理してウルトラファインバブル含有溶液を得てもよい。
UFB液体準備工程において、ウルトラファインバブルの生成方法は特に限定されない。ウルトラファインバブルの生成は、例えば、多孔質の構造体(エレメント)を備えた装置を用いて行うことができる。多孔質の構造体(エレメント)を備えた装置としては、特開2018-86632号公報に記載の装置、国際公開第2020/004653号に記載の装置、特開2021-154262公報に記載の装置等を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
一次溶液中の粒子径を調整する工程は、上記1.の「(3)一次溶液中の粒子径を調整する工程」と同様にして行うことができ、その説明を援用する。また、一次溶液とUFB液体とを混合する工程は、上記1.の「(4)一次溶液とUFB液体とを混合する工程」と同様にして行うことができ、その説明を援用する。
3.ウルトラファインバブル含有溶液及びその用途
ウルトラファインバブル含有溶液の軽量粒子の濃度は、特に限定されない。ウルトラファインバブル含有溶液の軽量粒子の濃度は、ウルトラファインバブルの作用(効能)が十分に奏される観点から、好ましくは3×10個/mL以上であり、より好ましくは4×10個/mL以上であり、さらに好ましく4.5×10個/mL以上である。軽量粒子の濃度の上限値は特に限定されず、例えば1×1012個/mL以下である。
ウルトラファインバブル含有溶液の軽量粒子の濃度は、ウルトラファインバブル含有溶液の作製に用いるUFB液体のUFB濃度、一次溶液とUFB液体の混合比等を調整することによって、コントロールできる。
ウルトラファインバブル含有溶液の用途は特に限定されない。ウルトラファインバブル含有溶液を含有する製品としては、例えば、化粧品、飲食品、健康食品、医薬品、医薬部外品、医薬関連材料、医療関連用品、日用品、バイオ関連用品、及び農水産関連用品からなる群より選択される製品が挙げられる。
より具体的には、液体状の製品にUFBを添加する下記の用途で実用が可能である。
化粧品:美容液、化粧水、パック、乳液、育毛剤、発毛剤、ヘアケア用品、身体洗浄剤(洗顔料、シャンプー、ボディソープ)、香水、香料、アロマウォーター等
飲食品:飲料、酒類、調味料類、スープ類、レトルト食品(液体状の食品など)、サプリメント等
医薬品、医薬部外品、医薬関連材料、医療関連用品:液状飲み薬、細胞外液補充液、人工膠質液、人工血液,輸血液,血液製剤、透析液 身体洗浄液(洗眼液、鼻洗浄液、胃洗浄液、肺洗浄液、腸洗浄液)、コンタクトレンズ洗浄液、点眼薬等、注射製剤,注射液、ネブライザー薬液、ドラッグデリバリー用薬剤等
日用品:洗浄剤等
バイオ関連用品:培養液等
農水産関連用品:飼料、飼育水、養殖水、農業用散水、水耕栽培用水、液肥等
本開示の技術によれば、ウルトラファインバブル含有溶液の調整する際のウルトラファインバブルの消失を抑制できる。
本開示の技術とは異なり、溶質を溶媒に溶解させたのちにUFBの生成処理を行うと、装置内に残存した溶質によって装置に雑菌が繁殖する懸念がある。本開示の技術は、装置を用いてUFBの生成した後に溶質を溶解すればよく、装置の汚染を避けることができ、画期的である。
本開示の技術は、簡単なプロセスで実施可能であり、また安価であるため産業上の利用の可能性が高い。
実施例により本開示を更に具体的に説明する。なお、サンプル1-2,1-3,2-2,2-3は実施例である。サンプル1-1,2-1は参考例である。サンプル3-2,3-3,3-2,3-3は比較例である。
ウルトラファインバブル含有溶液の作製過程における、ウルトラファインバブルの推移を確認するために、粉末培地を純水に10倍の濃度で溶解した後にサンプル水に混合してろ過した水準(希釈1,希釈2)と、粉末培地をサンプル水に直接混合した後にろ過した水準(粉末)を用意して、それぞれ分析した。各水準とサンプルの対応関係は以下の通りである。
希釈1:サンプル1-1,1-2,1-3
希釈2:サンプル2-1,2-2,2-3
粉末 :サンプル3-1,3-2,3-3
1.サンプルの作製
(1)サンプル1-1
一次溶液の材料として、以下の粉末培地を用意した。
粉末培地:SIGMA製 Dullbecco's Modified Eagle's Medium -Low glucose(DMEM)、品番:D5523-10L(粉末)、Lot:SLCH5147、組成:グルコース、フェノールレッド、L-グルタミン、ピルビン酸ナトリウム
粉末培地5gを純水45mLに入れ、ピペットで泡立たない様に攪拌し、粉末培地と純水を混合した。粉末培地と純水の混合液を細孔径0.22μmのシリンジフィルター(Membrane-Solutions、LLC製 シリンジフィルター、品番:PP013022、Lot:280633708、膜種:ポリプロピレン、仕様:膜径:φ13mm)でろ過して液体培地(DMEM培地)を作製した。液体培地の濃度は、使用時の濃度の10倍とした。なお、液体培地は、「一次溶液」の一例である。粉末培地と純水の混合液を上記のシリンジフィルターを用いてろ過することは、「一次溶液中の粒子径を調整する」ことの具体例である。
一次溶液と混合するサンプル水として、純水を用意した。準備したサンプル水(純水)を細孔径0.22μmのシリンジフィルター(同上)でろ過した。
また、以下の抗生物質溶液を用意した。抗生物質溶液(ペニシリン ストレプトマイシン溶液)は、細孔径0.22μmのシリンジフィルター(同上)でろ過して用いた。なお、抗生物質溶液は、「一次溶液」の一例である。抗生物質溶液を上記のシリンジフィルターを用いてろ過することは、「一次溶液中の粒子径を調整する」ことの具体例である。
抗生物質溶液:ナカライテクス社製 Penicillin-Streptomycin Mixed Solution(ペニシリン ストレプトマイシン混合溶液)、品番:26253-84(液状)、Lot:L1F6109、組成:ペニシリン、ストレプトマイシン
さらに、以下のウシ血清を用意した。ウシ血清は、細孔径0.22μmのシリンジフィルター(同上)でろ過して用いた。なお、ウシ血清は、「一次溶液」の一例である。ウシ血清を上記のシリンジフィルターを用いてろ過することは、「一次溶液中の粒子径を調整する」ことの具体例である。
ウシ血清:GIBCO製 HI FBS、品番:16140-071(液状)、Lot:2069845
なお、ウシ血清の組成の参考用として、血液の血漿中の成分として一般的に知られている組成を例示する。
血液の血漿中の成分:水(91%)、電解質(0.9%);Na、K、Ca2+、Mg2+、Cl、HCO 、有機物;タンパク質(7%)アルブミン、グロブリン(α、β、γ)、フィブリノゲン、糖質(0.1%)、脂質(1%)、老廃物(尿素、尿酸、クレアチニン)
ろ過したサンプル水(純水)40.5mLに、液体培地4.5mLと、ウシ血清5mLと、抗生物質溶液1mLを添加して、ピペットで泡立たない様に攪拌混合した。すなわち、液体培地とサンプル水の混合比1:9(体積比)で混合し、サンプル1-1を作製した。
(2)サンプル1-2
セラミックス多孔質体のエレメントを備えた装置を用いて、微細孔方式にて純水中に水素ガスのウルトラファインバブルを発生させ、ウルトラファインバブルを含有する水(UFB水)を準備した。UFB水と純水を1:1(UFB水:純水、体積比)の比率で混合して、サンプル水(UFB×0.5)とした。
サンプル水(純水)に替えてサンプル水(UFB×0.5)を用いた他は、サンプル1-1と同様にして、サンプル1-2を作製した。
(3)サンプル1-3
サンプル1-2と同様にして、UFB水を準備した。UFB水の原液をサンプル水(UFB)とした。サンプル水(純水)に替えてサンプル水(UFB)を用いた他は、サンプル1-1と同様にして、サンプル1-3を作製した。
(4)サンプル2-1,2-2,2-3
サンプル2-1,2-2,2-3は、サンプル1-1,1-2,1-3についての分析結果の再現性を確認するために、サンプル1-1,1-2,1-3とは別の日に、同様の条件でそれぞれ作製した。
(5)サンプル3-1,3-2,3-3
上記のサンプル水(純水)45mLに、粉末培地5gと、ウシ血清5mLと、抗生物質溶液1mLを添加して、ピペットで泡立たない様に攪拌混合した。得られた混合液を細孔径0.22μmのフィルター(同上)でろ過して、サンプル3-1を作製した。
サンプル水(純水)に替えてサンプル水(UFB×0.5)を用いた他は、サンプル3-1と同様にして、サンプル3-2を作製した。
サンプル水(純水)に替えてサンプル水(UFB)を用いた他は、サンプル3-1と同様にして、サンプル3-3を作製した。
2.分析
(1)ナノサイトによる分析
各サンプルに用いたサンプル水(純水、UFB×0.5、UFB)のUFB濃度(個/ml)を、ナノサイトを用いて測定した。測定条件は以下の通りとした。
[測定条件]
周波数:405nm
CameraLevel:15
Number of caputures:5
Capture duration:60
Detection Threshold:4
(2)アルキメデスによる分析
各サンプルについて、軽量粒子の濃度、平均粒子径、モード粒子径と、重量粒子の濃度、平均粒子径、モード粒子径を、アルキメデスを用いて測定した。測定条件は以下の通りとした。
[測定条件]
センサー:MicroH Sensor(Lot:A6642H)
測定時間:10min
LOD(Limit of Detection):0.01Hz
閾値:軽量粒子0.001g/cc以下、重量粒子:1.05g/cc以上
液体:HO、0.998g/cc
粘度:1.00cP
3.結果
結果を表1に示す。表1中、「平均径」は平均粒子径を示し、「モード径」はモード粒子径を示す。実施例であるサンプル1-2,1-3,2-2,2-3のウルトラファインバブル含有溶液における重量粒子の平均粒子径は、いずれも0.48μm以下であった。
Figure 2024007619000002
希釈1、希釈2、粉末の水準について、混合前の溶媒のUFB濃度と、UFB含有溶液(各サンプル)の軽量粒子濃度の関係を調べた。混合前の溶媒のUFB濃度は、以下のように規定した。
液体培地の溶媒と、サンプル水に純水を用いたサンプル1-1,2-1については、用いた純水のUFB濃度を、混合前の溶媒のUFB濃度とした。
液体培地と、サンプル水(UFB×0.5)又はサンプル水(UFB)とを混合したサンプル1-2,1-3,2-2,2-3については、液体培地とサンプル水の混合比に基づき補正した濃度を、混合前の溶媒のUFB濃度とした。具体的には、濃度の補正は以下のようにして行った。
液体培地の溶媒に用いた純水のUFB濃度をA(個/mL)とし、サンプル水のUFB濃度をB(個/mL)とし、液体培地とサンプル水の混合比をx:y(x>0、y>0)とした場合に、UFB濃度の補正値Cは、以下の式(1)により算出した。算出したUFB濃度の補正値Cを、表1の「補正濃度」の欄に示す。
C = (x/(x+y))×A + (y/(x+y))×B ・・・(1)
サンプル水に、粉末培地を直接混合したサンプル3-1,3-2,3-3については、用いたサンプル水のUFB濃度を、混合前の溶媒のUFB濃度とした。
混合前の溶媒のUFB濃度と、UFB含有溶液の軽量粒子濃度との関係を、図3に示す。グラフの詳細は以下の通りである。
[希釈1:サンプル1-1,1-2,1-3]
折れ線グラフ:黒の実線、プロット 丸印
最小二乗法によって求めた線形近似曲線:グレーの実線
線形近似曲線の式:y=0.0072x+2E+06、R=0.7901
[希釈2:サンプル2-1,2-2,2-3]
折れ線グラフ:黒の1点鎖線、プロット 三角印
最小二乗法によって求めた線形近似曲線:グレーの1点鎖線
線形近似曲線の式:y=0.0057x+2E+06、R=0.9997
[粉末:サンプル3-1,3-2,3-3]
折れ線グラフ:黒の破線、プロット バツ印
最小二乗法によって求めた線形近似曲線:グレーの破線
線形近似曲線の式:y=-0.0011x+4E+06、R=0.8389
また、混合前の溶媒のUFB濃度と、UFB含有溶液(各サンプル)の重量粒子濃度の関係を調べた。混合前の溶媒のUFB濃度は、上記と同様である。混合前の溶媒のUFB濃度と、UFB含有溶液の重量粒子濃度との関係を、図4に示す。グラフの詳細は以下の通りである。
[希釈1:サンプル1-1,1-2,1-3]
折れ線グラフ:黒の実線、プロット 丸印
最小二乗法によって求めた線形近似曲線:グレーの実線
線形近似曲線の式:y=0.009x+3E+06、R=0.9161
[希釈2:サンプル2-1,2-2,2-3]
折れ線グラフ:黒の1点鎖線、プロット 三角印
最小二乗法によって求めた線形近似曲線:グレーの1点鎖線
線形近似曲線の式:y=0.0032x+3E+06、R=0.9823
[粉末:サンプル3-1,3-2,3-3]
折れ線グラフ:黒の破線、プロット バツ印
最小二乗法によって求めた線形近似曲線:グレーの破線
線形近似曲線の式:y=-0.0012x+6E+06、R=0.1504
希釈1と希釈2の水準では、混合前の溶媒のUFB濃度と、UFB含有溶液の軽量粒子濃度との間に、高い相関があった(相関係数:0.79、0.99)。また、希釈1と希釈2は共に、混合前の溶媒のUFB濃度に比例して、UFB含有溶液の軽量粒子濃度が増加しており、再現性があることが確認された。
粉末の水準では、混合前の溶媒のUFB濃度と、UFB含有溶液の軽量粒子濃度の関係は負の傾きで、高い相関が得られた(相関係数:0.83)。
希釈1と希釈2の水準では、混合前の溶媒のUFB濃度に比例して、UFB含有溶液の重量粒子濃度が増加した(相関係数:0.91、0.98)。粉末の水準では、混合前の溶媒のUFB濃度と、UFB含有溶液の重量粒子濃度との間に、有意な相関が見られなかった。
これらの結果から、粉末培地をUFB水に直接混合する場合には、作製の過程でウルトラファインバブルが消失して、軽量粒子が減少する可能性が示唆された。粉末培地をUFB水に直接混合する場合に、軽量粒子が減少する理由は粉末がUFBと吸着するためと推察される。軽量粒子が減少するメカニズムの詳細については本試験では判然としない。
希釈1と希釈2の水準で、混合前の溶媒のUFB濃度に比例して、UFB含有溶液の重量粒子濃度が増加する理由は、ウルトラファインバブルに培地成分が吸着して見掛け上の比重が増加したためと推察される。
4.実施例の効果
以上のように、本実施例(希釈1、希釈2)によれば、粉末の水準に比して、ウルトラファインバブルの消失を抑制できた。
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、今回開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示された範囲内又は特許請求の範囲と均等の範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。

Claims (6)

  1. 粒子状の溶質を溶解した一次溶液を準備して、前記一次溶液中の前記溶質の粒子径を調整する工程と、
    粒子径を調整した前記一次溶液と、ウルトラファインバブルを含有する液体とを混合して、混合液における溶媒の比重より重い粒子の平均粒子径を0.48μm以下とする工程と、を含む、ウルトラファインバブル含有溶液の調製方法。
  2. 前記一次溶液中の粒子径を調整する工程において、細孔径が0.22μm以下のフィルターを用いて前記一次溶液をろ過する、請求項1に記載のウルトラファインバブル含有溶液の調製方法。
  3. 前記溶質は有機物を含む、請求項1又は請求項2のいずれか一項に記載のウルトラファインバブル含有溶液の調製方法。
  4. 前記溶質は、グルコース、フェノールレッド、L-グルタミン、ピルビン酸ナトリウム、抗生物質、及び血清成分からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1又は請求項2に記載のウルトラファインバブル含有溶液の調製方法。
  5. 請求項1又は請求項2に記載の調製方法を行って、溶媒の比重より重い粒子の平均粒子径が0.48μm以下であるウルトラファインバブル含有溶液を得る、ウルトラファインバブル含有溶液の製造方法。
  6. 請求項5に記載の製造方法によって得られたウルトラファインバブル含有溶液であって、
    溶媒の比重よりも軽い粒子を3×10個/mL以上含む、ウルトラファインバブル含有溶液。
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