JP2024006860A - 乗物用組立体 - Google Patents

乗物用組立体 Download PDF

Info

Publication number
JP2024006860A
JP2024006860A JP2022158402A JP2022158402A JP2024006860A JP 2024006860 A JP2024006860 A JP 2024006860A JP 2022158402 A JP2022158402 A JP 2022158402A JP 2022158402 A JP2022158402 A JP 2022158402A JP 2024006860 A JP2024006860 A JP 2024006860A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle
seat
air conditioner
air
frame
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022158402A
Other languages
English (en)
Inventor
孝平 佐藤
Kohei Sato
亮祐 小島
Ryosuke Kojima
遼 出島
Ryo Dejima
佑磨 田邉
Yuma Tanabe
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TS Tech Co Ltd
Original Assignee
TS Tech Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TS Tech Co Ltd filed Critical TS Tech Co Ltd
Priority to PCT/JP2023/024481 priority Critical patent/WO2024005201A1/ja
Publication of JP2024006860A publication Critical patent/JP2024006860A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】乗物の室内に容易に設けることが可能で、乗員に対して効率的な空調を行うことが可能な乗物用組立体を提供する。【解決手段】乗物用組立体Mは、乗物に設けられる内装部材からなる乗物用組立体Mであって、内装部材は、少なくとも乗物用シートSから構成されており、内装部材は、空調装置6を備え、空調装置6は、筐体60と、筐体60内に収納される送風装置61と、筐体60内に収納され送風装置60が送風する送風方向に配置される加熱装置62とを有する。空調装置6がユニット化されているため内装部材に容易に設けることができ、乗員に対して効率的な空調を行うことができる。【選択図】 図1

Description

本発明は乗物用組立体に係り、特に、空調装置を備えた乗物用組立体に関する。
従来、特許文献1に記載されているように、車両用シートのシートクッションから乗員に向けて、ヒータで加熱された風を送る技術が開示されている。
特開2022-109791号公報
しかしながら、車両用シートのシートクッションに対してブロアやヒータ等の空調装置を設ける具体的な構造については開示されていなかった。また、車両用シートに搭載された空調装置と、車両に搭載された空調装置(エアコン)との連動についても開示されておらず、車室内における空調の効率的な最適化についても開示されていなかった。
本発明は、上記の課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、乗物の室内に容易に設けることが可能で、乗員に対して効率的な空調を行うことが可能な乗物用組立体を提供することにある。
前記課題は、本発明の乗物用組立体によれば、乗物に設けられる内装部材からなる乗物用組立体であって、前記内装部材は、少なくとも乗物用シートから構成されており、前記内装部材は、空調装置を備え、前記空調装置は、筐体と、該筐体内に収納される送風装置と、前記筐体内に収納され前記送風装置が送風する送風方向に配置される加熱装置とを有することにより解決される。
上記構成によれば、空調装置が、送風装置と加熱装置とが収納された筐体を有しユニット化されているため、乗物室内の内装部材に容易に設けることができ、乗員に対して効率的な空調を行うことが可能な乗物用組立体を提供することができる。
上記の乗物用組立体において、前記空調装置は、前記筐体に空気を排出する送風口が形成されており、前記加熱装置は、前記送風口に隣接して設けられているとよい。
加熱装置が送風口に隣接して設けられるため、効率的に風を加熱することができる。
上記の乗物用組立体において、前記乗物用シートは、該乗物用シートの骨格となるシートフレームを有し、前記空調装置は、前記シートフレームに取り付けられるとよい。
空調装置をシートフレームに取り付けることで、取付剛性が向上する。また、乗物用シートに着座する乗員に近いのでより効率的な空調を行うことができる。
上記の乗物用組立体において、前記シートフレームは、前記乗物用シートの側部に位置するサイドフレームを有し、前記空調装置は、前記サイドフレームの側面に取り付けられるとよい。
空調装置をサイドフレームに取り付けることで、取付剛性が向上すると共に、空調装置が乗物用シートの側部に位置することにより、乗員に違和感を与えることが抑制される。
上記の乗物用組立体において、前記乗物用シートは、前記乗物用シートの側部に土手部を有し、前記土手部には、前記サイドフレームに取り付けられた前記空調装置の送風口に対向する通気孔が形成されているとよい。
土手部に空調装置の送風口に対向する通気孔を形成することにより、乗員に対して効率的に送風することができる。
上記の乗物用組立体において、前記乗物用シートは、着座者の臀部を支持するシートクッションを有し、前記シートフレームは、前記シートクッションの側部に位置するクッションサイドフレームを有し、前記空調装置は、前記クッションサイドフレームに取り付けられ、乗員の胸部領域に向けて送風するとよい。
空調装置をクッションサイドフレームに取り付け、乗員の胸部領域に向けて送風することで、乗員の胸部領域を効率的に温めることができる。
上記の乗物用組立体において、前記乗物用シートには、前記空調装置とは別の他部材を取り付けるための取付部が設けられており、前記空調装置は、前記他部材の前記取付部を避けた位置に配置されるとよい。
他部材の取付部を避けた位置に空調装置を配置することにより、他部材の取り付けを阻害することが抑制される。
上記の乗物用組立体において、前記サイドフレームには、前記空調装置とは別の他部材が取り付けられており、前記空調装置は、前記サイドフレームに取り付けられた前記他部材を避けた位置に配置されるとよい。
空調装置を、他部材を避けた位置に配置することにより、他部材と干渉することが抑制される。
上記の乗物用組立体において、前記内装部材は、乗物用ドアのドアライニングを含み、
、前記空調装置は、前記乗物用ドアに取り付けられるとよい。
空調装置を乗物用ドアのドアライニングに取り付けることで、乗員の近くに空調装置を配置することができ、乗員に対して効率的な空調を行うことができる。
上記の乗物用組立体において、前記内装部材は、前記乗物の床を形成するフロア部材を含み、前記空調装置は、前記フロア部材に取り付けられるとよい。
フロア部材に空調装置を取り付けることで、乗員の近くに空調装置を配置することができ、乗員に対して効率的な空調を行うことができる。
本発明の乗物用組立体によれば、空調装置が、送風装置と加熱装置とが収納された筐体を有しユニット化されているため、乗物室内の内装部材に容易に設けることができ、乗員に対して効率的な空調を行うことが可能な乗物用組立体を提供することができる。
また、本発明の乗物用組立体によれば、加熱装置が送風口に隣接して設けられるため、効率的に風を加熱することができる。
また、本発明の乗物用組立体によれば、空調装置をシートフレームに取り付けることで、取付剛性が向上する。また、乗物用シートに着座する乗員に近いのでより効率的な空調を行うことができる。
また、本発明の乗物用組立体によれば、空調装置をサイドフレームに取り付けることで、取付剛性が向上すると共に、空調装置が乗物用シートの側部に位置することにより、乗員に違和感を与えることが抑制される。
また、本発明の乗物用組立体によれば、土手部に空調装置の送風口に対向する通気孔を形成することにより、乗員に対して効率的に送風することができる。
また、本発明の乗物用組立体によれば、空調装置をクッションサイドフレームに取り付け、乗員の胸部領域に向けて送風することで、乗員の胸部領域を効率的に温めることができる。
また、本発明の乗物用組立体によれば、他部材の取付部を避けた位置に空調装置を配置することにより、他部材の取り付けを阻害することが抑制される。
また、本発明の乗物用組立体によれば、空調装置を、他部材を避けた位置に配置することにより、他部材と干渉することが抑制される。
また、本発明の乗物用組立体によれば、空調装置を乗物用ドアに取り付けることで、乗員の近くに空調装置を配置することができ、乗員に対して効率的な空調を行うことができる。
また、本発明の乗物用組立体によれば、フロア部材に空調装置を取り付けることで、乗員の近くに空調装置を配置することができ、乗員に対して効率的な空調を行うことができる。
本発明の一実施形態に係る乗物用組立体の外観を示す、斜め前方から見た斜視図である。 乗物用シートのシートフレームと温風デバイスとを示す、斜め後方から見た斜視図である。 温風デバイスの外観を示す斜視図である。 温風デバイスの構成を示す分解斜視図である。 サイドフレームに取り付けられた空調装置を示す側面図である。 図5のVI-VI線に沿った断面図であり、サイドフレームに温風デバイスを取り付ける取付手段の例を示す図である。 図5のVI-VI線に沿った断面図であり、サイドフレームに温風デバイスを取り付ける取付手段の別例を示す図である。 温風デバイスが取り付けられたサイドフレームの別例を示す側面図である。 図7のVIII-VIII線に沿った断面図であり、サイドフレームに設けられたカバーの取付部を示す図である。 温風デバイスによる風向きを示す乗物用シートを前方から見た説明図である。 温風デバイスによる風向きを示す乗物用シートを側方から見た説明図である。 温風デバイスにより温度を補間することを示すグラフである。 空調処理を示すフロー図である。 乗物内のエアコンユニットの位置を示す説明図である。 乗物内のエアコンユニットから延びるダクトを示す説明図である。 乗物内のエアコンユニットとバッテリとの位置関係を示す説明図である。 乗物内のエアコンユニットとバッテリとの別の位置関係を示す、乗物を側方から見た説明図である。 乗物内のエアコンユニットとバッテリとの別の位置関係を示す、乗物を前方から見た説明図である。 ブロアファン及びヒータの出力と乗物室内の騒音との関係を示すグラフである。 乗物の速度が速い場合のブロアファンの出力を示す説明図である。 乗物の速度が遅い又は停車中である場合のブロアファンの出力を示す説明図である。 乗物の速度が速い場合の送風位置を示す説明図である。 乗物の速度が遅い又は停車中である場合の送風位置を示す説明図である。 乗員人数や着座位置等の上方を活用した空調処理を示すフロー図である。
以下、本発明の一実施形態に係る乗物用組立体の構成について図面を参照しながら説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
また、以下の説明中、乗物用組立体を構成する部品の材質、形状及び大きさに関する内容は、あくまでも具体例の一つに過ぎず、本発明を限定するものではない。
なお、以下では、乗物用組立体の一例として、車両に搭載され、すくなくとも乗物用シートを備える内装部材からなる組立体を挙げ、その構成例について説明することとする。
また、以下の説明中、「前後方向」とは、乗物用シートの前後方向であり、車両走行時の進行方向と一致する方向である。また、「シート幅方向」とは、乗物用シートの横幅方向であり、乗物用シートに着座した乗員から見た左右方向と一致する方向である。また、「上下方向」とは、乗物用シートの上下方向であり、車両が水平面を走行しているときには鉛直方向と一致する方向である。
なお、以下に説明する乗り物用シート各部の形状、位置及び姿勢等については、特に断る場合を除き、乗り物用シートが着座状態にあるケースを想定して説明することとする。
<乗物用組立体M>
本実施形態に係る乗物用組立体Mの基本構成について、図1を参照しながら説明する。乗物用組立体Mは、車両Vに設けられ、少なくとも乗物用シートSから構成される内装部材からなる組立体である。本実施形態では、乗物用組立体Mは、内装部材として、乗物用シートS以外に、車両Vの乗物用ドアDのドアライニングDLと、車両Vの床FLを構成するフロア部材FLmとを備えている。また、各内装部材には温風デバイス6(空調装置)が設けられている。以下では、内装部材である乗物用シートS、ドアライニングDL、フロア部材FLmについて説明し、その後、温風デバイス6の構成について説明する。
<乗物用シートS>
乗物用シートの基本構成について、図1及び図2を参照しながら説明する。図1は、乗物用シートSを備える乗物用組立体Mの斜視図であり、図1中乗物用シートSの一部については、図示の都合上、表皮材Tを外した構成にて図示している。図2は、乗物用シートSのシートフレームFと、空調装置である温風デバイス6とを示す斜視図である。
乗物用シートSは、車両Vの床FLの上に載置され、車両Vの乗員H(着座者)が着座するシートである。本実施形態において、乗物用シートSは、車両Vの前席に相当するフロントシートとして利用される。ただし、これに限定されるものではなく、乗物用シートSは、後部座席のシートとしても利用可能であり、また、前後方向に三列のシートを備える車両において二列目のミドルシートや三列目のリアシートとしても利用可能である。
乗物用シートSは、図1に示すように、着座者の背部を支える背もたれ部分となるシートバック1、着座者の臀部を支持する着座部分となるシートクッション2、及び、シートバック1の上部に配され、着座者の頭部を支えるヘッドレスト3を主な構成要素とする。なお、シートバック1、シートクッション2及びヘッドレスト3を合わせてシート本体と称する場合がある。
シートバック1は、骨格となるシートバックフレーム10にパッド材Pを載置し、表皮材Tで被覆されることにより構成されている。また、シートクッション2は、骨格となるシートクッションフレーム20にパッド材Pを載置して、パッド材Pの上から表皮材Tで被覆されてることにより構成されている。
ヘッドレスト3は、シートバック1の上方に設けられ、芯材となるヘッドレストフレーム3aにパッド材Pを載置し、表皮材Tで被覆されることにより構成されている。
乗物用シートSは、車体フロアに対してシート本体を前後方向に移動可能に支持するレール装置4を備える。レール装置4は、前後方向に沿ってシート本体をスライド移動させるための機器であり、公知の構造(一般的なレール装置の構造)となっている。レール装置4は、床FL上に固定されるロアレール4aと、ロアレール4aに対してスライド移動可能なアッパーレール4bを有する。また、レール装置4が電動式である場合、更にアクチュエータ4cを備え、アクチュエータ4cのモータが回転することによりアッパーレール4bを前後方向にスライドさせることが可能となる。
また、乗物用シートSは、シートクッション2に対してシートバック1を傾けるリクライニング装置5を備えている(図2参照)。リクライニング装置5は、シートバック1とシートクッション2との間に設けられており、リクライニング装置5により、シートバック1は、シートクッション2に対して、傾斜角度が調整可能になっている。
また、リクライニング装置5が電動式である場合、更にアクチュエータ5bを備え、アクチュエータ5bのモータが回転することにより、シートバック1を前後方向に傾けることが可能となる。
<シートフレームF>
乗物用シートSの中には、図2に示すように、シートフレームFが設けられている。シートフレームFは、主にシートバック1の骨格を形成するシートバックフレーム10と、シートクッション2の骨格を形成するシートクッションフレーム20とから構成される。
<シートバックフレーム10>
図2に示すように、シートバックフレーム10は全体として方形枠状に形成されており、シートバックフレーム10は、左右に配置される一対のバックサイドフレーム11,11と、上部フレーム12と、下部フレーム13とを備える。上部フレーム12は、一対のバックサイドフレーム11,11の間に配置され、一対のバックサイドフレーム11,11の上端を連結する。下部フレーム13は、一対のバックサイドフレーム11,11の間に配置され、一対のバックサイドフレーム11の下端を連結する。また、シートバックフレーム10の上方側には、連結フレーム14が、上部フレーム12の左右の両端部の間に介在している。
連結フレーム14の下方には、受圧部材16が配設されている。受圧部材16は、ワイヤ部材15を介して連結フレーム14と連接している。受圧部材16は、柔軟性を有するプレート部材であって、着座者の背部を後方から支持する。受圧部材16は、樹脂製であるが、これに限定されない。受圧部材16は、金属製であってもよい。
上部フレーム12には、ヘッドレスト3のヘッドレストステー3bが挿通されるピラー支持部17が設けられている。ピラー支持部17は、ヘッドレスト3の保持強度を維持し、がたつきを抑制するために強度の高い金属製の部材として形成される。なお、ピラー支持部17は金属製に限らず樹脂製であってもよい。
一対のバックサイドフレーム11,11は、上述したようにシートバックフレーム10の左右に配置され、基本的に左右対称の構成とされた部材である。一対のバックサイドフレーム11,11は、シート上下方向に延びた部材であり、一対のバックサイドフレーム11,11それぞれのシート前後方向の幅は、シート上方側からシート下方に向かうに従って拡幅するように形成されている。
<シートクッションフレーム20>
シートクッションフレーム20は、図2に示すように、下面視で方形枠状に形成され、左右には、一対のクッションサイドフレーム21,21が設けられている。一対のクッションサイドフレーム21,21は、シート前後方向に延びた部材であり、基本的に左右対称となるように構成されている。一対のクッションサイドフレーム21,21は、シートクッションフレーム20の幅を規定するため、それぞれ左右方向に離間して配設されている。
また、シートクッションフレーム20は、シートクッションフレーム20の前端部に位置するパンフレーム22と、一対のクッションサイドフレーム21,21の前方で連結する前方連結フレーム23と、後端部で連結する後方連結フレーム24とを有する。前方連結フレーム23及び後方連結フレーム24は丸パイプにより構成されている。
パンフレーム22は、主として着座者(乗員H)の大腿部を支持するためのものであり、金属製の板材からなるフレームである。パンフレーム22は、左右のクッションサイドフレーム21の前方側に固着接合されており、パンフレーム22によって左右のクッションサイドフレーム21,21が前方側で連結される。
支持部材25は、前端が前方連結フレーム23に係止され、後端が後方連結フレーム24に係止されている。支持部材25は、柔軟性を有し、着座者による荷重を下方から受け止めて着座者を支持することができるバネ部材である。
<ヘッドレスト3>
ヘッドレスト3は、着座者の頭部を支えるようにシートバック1の上部に取り付けられる。ヘッドレスト3の内部には、ヘッドレスト3の骨格を形成するヘッドレストフレーム3aが設けられており、ヘッドレストフレーム3aの左右両端には、ヘッドレスト3の下部から垂下する2つのヘッドレストステー3b(ヘッドレストピラーとも呼ばれる)が設けられる。ヘッドレストステー3bが、シートバックフレーム10の上部フレーム12に取り付けられたピラー支持部17に挿通されることにより、ヘッドレスト3がシートバックフレーム10に取り付けられる。
<ドアライニングDL>
乗物用ドアDのドアライニングDLについて説明する。乗物用組立体Mを構成する内装部材として、乗物用ドアDにはドアライニングDLが設けられている。ドアライニングDLは、車両Vに開閉可能に支持された乗物用ドアDの車室側に車内装飾等の目的で設けられる部材であり、例えば、合成樹脂によって形成され、室内装飾だけでなく、遮音、吸音、及び、衝突時の乗員の保護用の部材としての機能を有している。
ドアライニングDLは、図1に示すように、アッパー部Daと、センター部Db、ロワー部Dcを備えており、アッパー部Da、センター部Db及びロワー部Dcが連結してドアライニングDLを形成している。
アッパー部Daには、ドア開閉用のノブ等が装備され、ロワー部Dcの前方には、スピーカ又はドアポケットが設けらる。また、センター部Dbには、アームレストが設けられている。アームレストには、窓を上昇及び下降させるパワーウインドウスイッチ等が設けられる。
<フロア部材FLm>
車両Vの床FLを構成するフロア部材FLmについて説明する。床FLには、板状のフロア部材FLmが設けられており、フロア部材FLmは、車体を構成する不図示のフレームによって支持されている。車両Vが電気自動車である場合、フロア部材FLmの下方にはバッテリBが配置されてもよい。
<温風デバイス6>
乗物用組立体Mに設けられる温風デバイス6の構成について図3及び図4を用いて説明する。温風デバイス6は、交換可能なユニットして、例えば乗物用シートSに内蔵され、乗物用シートSに形成された通気孔27を通して温風を着座する乗員Hに向けて送出する装置である。
温風デバイス6は、細長い四角柱の形状をした筐体60を備えており、筐体60内に収納されるシロッコファン61(送風装置)と、筐体内に収納されるヒータ62(加熱装置)とを備える。
シロッコファン61は、風の流れる方向を変更するファンであり、「多翼送風機」とも呼ばれる、回転方向に対して多数の羽根が取り付けられている送風装置である。図4に示すように、縦長の細長い板状の羽根が筒状に取り付けられており、この羽根を、モータ65で回転させることにより空気を吸い込み、筐体60の送風口63に向けて排気するように構成されている。
ヒータ62は、シロッコファン61の送風方向に設けられており、送られた空気を温める。
また、筐体60には長手方向にそって開口する送風口63が形成されており、送風口63には、風の向きを変えるルーバ64が設けられている。
ヒータ62は、図4に示すように送風口63に隣接して設けられている。これにより、効率的にシロッコファン61から送出される風を加熱することができる。
また、温風デバイス6は、車両に搭載された電子機器を制御する不図示のECU(Electronic Control Unit)とハーネスを介して接続し、ECUから制御信号を受信することにより、シロッコファン61の回転数、ヒータ62の温度を変更することが可能である。また、ルーバ64の向きは手動で変更可能であるが、モータを設けECUからの制御信号により自動でルーバ64の向きを変更可能としてもよい。
温風デバイス6には、送風装置としてシロッコファン61が設けられているが、シロッコファン61に限定されず、他の方式の送風装置、例えば軸流ファンであってもよい。
温風デバイス6は、交換可能なユニットして構成されており、乗物用シートSの内部だけでなく、他の内装部材にも取り付けることが可能となっている。以下では、温風デバイス6が取り付けられる取付位置について説明する。
<温風デバイス6の取付位置>
温風デバイス6は、図2に示す温風デバイス6Aのように、乗物用シートSのシートフレームFに取り付けられる。より詳細に述べると、温風デバイス6Aは、シートクッション2の側部に位置するクッションサイドフレーム21の側面に取り付けられている。
また、図1に示すように、乗物用シートSにはその側部に土手部26が設けられており、温風デバイス6Aは、土手部26内に配置される。土手部26には、温風デバイス6Aの送風口63に対向する通気孔27が形成されており、温風デバイス6Aから排出される温風を乗員に向けて送ることが可能となっている。本実施形態では、温風デバイス6Aのルーバ64と通気孔27とにより、温風が乗員の胸部領域に向けて送風されるように配置されている。
温風デバイス6をシートフレームFに取り付けることで取付剛性が向上する。乗物用シートSに着座する乗員Hに近いので、より効率的な空調を行うことができる。また、温風デバイス6は乗物用シートSの側部に取り付けられているため、乗員Hに違和感を与えることが抑制される。また、土手部26に、温風デバイス6の送風口63に対向する通気孔27を形成することにより、乗員Hに対して効率的に送風することができる。特に、乗員Hの胸部領域に向けて送風することで、乗員Hの胸部領域を効率的に温めることができる。
<温風デバイス6の取付方法>
温風デバイス6Aは、図6Aに示すように、クッションサイドフレーム21に対してボルト66により取り付けられている。
また、温風デバイス6Aは、図6Bに示すように、温風デバイス6Aの筐体60に側部から延出する取付部68を設け、締結具67により固定されてもよい。
なお、クッションサイドフレーム21には、図7及び図8に示すように、リクライニング装置カバー5aを取り付けるためのカバー取付座29が設けられてもよい。カバー取付座29は、クッションサイドフレーム21の一部を切り起して形成されており、先端には、リクライニング装置カバー5aから突出する係合部5cを挿入するカバー取付孔29aが形成されている。係合部5cをカバー取付孔29aに挿入することで、容易にリクライニング装置カバー5aを取り付けることが可能である。
温風デバイス6Aは、図7及び図8に示すように、温風デバイス6Aとは別の他部材であるリクライニング装置カバー5aを取り付けるためのカバー取付座29を避けた位置に配置されている。避けた位置に配置することで、リクライニング装置カバー5aの取り付けを阻害することが抑制される。
また、図5に示すように、レール装置4が電動式である場合、クッションサイドフレーム21には、アクチュエータ4cが設けられるが、温風デバイス6Aは、アクチュエータ4cを避けた位置に配置されている。温風デバイス6A以外のクッションサイドフレームに取り付けられる他部材であるアクチュエータ4cを避けた位置に、温風デバイス6Aを配置することで、温風デバイス6Aは、他部材と干渉することが抑制される。
また、アクチュエータ4cに接続するハーネス4dを通すハーネス通し孔28がクッションサイドフレーム21に形成されている場合、温風デバイス6Aは、ハーネス通し孔28を避けた位置に配置される。
また、クッションサイドフレーム21の前方に縦ビードが形成されている場合、縦ビードを避けた位置に温風デバイス6Aが取り付けられるのが望ましい。それにより、温風デバイス6Aが縦ビードと干渉することが抑制される。
温風デバイス6は、乗物用シートSだけではなく、図1及び図2に示す温風デバイス6Bのように、ドアライニングDLに取り付けられてもよい。本実施形態では、ドアライニングDLのアッパー部Daとロワー部Dcに、一台ずつ温風デバイス6Bが設けられている。温風デバイス6は、ドアライニングDLのセンター部Db又はアームレストに設けられてもよい。このとき、温風デバイス6Bの送風口63は室内側に向けて配置される。
乗物用シートSに着座する乗員Hの近くに温風デバイス6Bが配置されるようになり、乗員Hに対して効率的な空調を行うことができる。また、乗物用シートSの温風デバイス6Aと複合的に作動させることにより、乗員Hを素早く加温することができる。
また、温風デバイス6は、図1及び図2に示す温風デバイス6Cのように、床FLを構成するフロア部材FLmに取り付けられてもよい。本実施形態では、乗物用シートSの前後及び側方に位置するように温風デバイス6Cが配置されている。下から上に流れる温風を送出することで、着座する乗員に対して効率的な空調を行うことができる。乗物用シートSの温風デバイス6Aと複合的に作動させることにより、乗員Hを素早く加温することができる。
また、温風デバイス6は、シートバック1のバックサイドフレーム11に取り付けられてもよい。シートバック1の土手部に通気孔を設け、通気孔から乗員に対して送風できるようにしてもよい。
<空調手法>
以下では、温風デバイス6を用いた空調手法について説明する。本実施形態では、乗物用シート、乗物用ドアのドアライニングDL、床のフロア部材FLmに温風デバイス6が設けられている。フロア部材FLmの温風デバイス6Cから、下から上の方向(図9Aの矢印C1~C4)に流れる温風を送出することができる。
また、図9Bに示すように、着座した乗員に対して、土手部26の温風デバイス6Aから、温風を胸部領域で交差するように送出することができる(図9A、図9Bの矢印A1~A4)。それにより、乗員の腹部や胸部の周辺で温風を衝突させ、乗員の周囲に壁などの遮蔽物が無くても、乗員Hの周囲で風を拡散させることが可能となる。
また、図9Aに示すように、車室内の上方において暖かい空気が溜まった場合、ルーフRを沿う形で温風が広がるようになる(矢印D1,D2)。このように空気の性質と乗物の形状を利用して暖かい空気を拡散させることができる。
また、温風デバイス6と、車両Vに設けられた車内エアコン70とを組み合わせることにより、省エネ運転により、乗員毎に適した最適な温度空間を形成することができる。例えば、図10に示すように、乗員Hにより要求温度T1が設定された場合、車両Vの車内エアコン70により達成する温度をベース温度T2とし、車内エアコン70では達成していない乖離温度αを、温風デバイス6により補う。例えば、要求温度T1が27度で設定された場合、車内エアコン70により室内の温度が23度となるように出力し、足りない乖離温度αである4度分を温風デバイス6により補うようにする。温風デバイス6により乗員Hの周囲のみを温めることから省電力で空調することが可能となる。
また、好みの温度が異なる乗員が複数人座っていても、乗員毎に近傍で温度の微調整が可能となる。車両Vの車内エアコン70はベースとなるベース温度T2(要求温度T1より低い)となるように出力すればよく、高出力運転をしなくてもよい。車内エアコン70内のヒータコア温度を下げたり、ブロアの出力を低下させたりすることが期待できるため省エネ運転をすることが可能となる。
車両Vには、車内エアコン70や温風デバイス6以外にも、ドアヒータ、座面シートヒータ、ステアリングに設けられるステアリングヒータ等が設けられている場合がある(以下、温風デバイス6に、ドアヒータ、座面シートヒータ、ステアリングヒータ等を含めて近傍空調装置と呼ぶ)。車両Vに搭載されるECUにより、室内温度や、バッテリの残量、作動状況、乗員数等の情報を共有することで、最も電力が効率化されるように作動するとよい。
なお、ECUは制御装置であり、データの演算・制御処理装置としてのCPUと、記憶装置としてのROM及びRAM、車載ネットワークを通じて制御命令やデータの送受信を行う通信インタフェースと、を備えたコンピュータである。
バッテリの電力を考慮しつつ効率的に空調を行う空調処理について、図11を用いて説明する。
乗員により要求温度T1が入力された場合、車室内温度T0と、要求温度T1とを比較する(ステップS101)。要求温度T1より、車室内温度T0が高い場合(ステップS101:No)、車内エアコン70と、温風デバイス6を含む近傍空調装置を停止し、引き続き、車室内温度T0と要求温度T1の状態を監視する(ステップS102)。
要求温度T1より、車室内温度T0が低い場合(ステップS101:Yes)、車内エアコン70により、ベース温度T2になるまで室内を加温する(ステップS103)。
このとき、バッテリ残量や乗員人数を基に省エネモードでの運転が必要か否か判断する(ステップS104)。省エネモードでの運転が必要でないと判断された場合(ステップS104:No)、温風デバイス6を含む全ての近傍空調装置を用いて要求温度T1となるまで室内を加温する(ステップS105)。これにより、より素早く快適な温度に到達させることができる。
ECUにより省エネモードでの運転が必要であると判断された場合(ステップS104:Yes)、最も効率良く加温可能な、乗員が着座するシートの温風デバイス6のみを用いて加温する(ステップS106)。このように、車両Vに搭載された、温風デバイス6等を用いることで、バッテリ残量等を考慮して効率的な空調を行うことができる。
<第二実施形態>
本発明の第二実施形態について図を用いて説明する。従来、特開2020-147109に開示されるように、車両の前方にエアコンユニットを配置することが知られている。しかしながら、エアコンユニットが車室の前方に配置されているため、後席にまで温度調整された空気が効率的に届けられていなかった。
第二実施形態では、エアコンの配置場所を変更することで、熱のロスを低減させ車室内における空調の効率化を図ることを目的とする。
図12は、第二実施形態の車両VAにおけるエアコンユニット71の位置を示す図である。従来、車内エアコン70は車体の前方にのみ設けられていた。そのため、車内エアコン70の近くにある前部座席FSには、温度調整された空気を容易に届けられるが、後部座席RSまでは距離が離れているため、温度調整された空気が届き難い。
このような課題を鑑み、本実施形態では、エアコンユニット71を前部座席FSと、後部座席RSの間に配置し、どちらからも近い位置で空調を可能にしている。室内の中央に配置されるため、エアコンから離れていることによる熱ロスを低減させ、車室内全体を空調する際の距離的なマイナス要素を解消している。これにより、車室内全体を空調するために必要な電力を低減することが可能となっている。
従来のガソリン車では、エンジンの排熱を利用して暖房するため、暖かい空気を作るのに電力は使われていなかった。しかしながら、電気自動の場合、空気を温めるエンジンがなくなることから、電力を使って暖かい空気を作り出す必要がある。そのため、特に冬場では航続距離が少なくなる原因となっていた。
本実施形態のように、エアコンユニット71を室内の中央に配置することで車室内全体を空調するために必要な電力を低減することが可能となり、航続距離が低減することを抑制することができる。
また、図13に示す車両VBのように、室内の中央に配置したエアコンユニット71と各座席をつなげるダクト72を設けてもよい。従来はシートヒータ等でエアコンとは別に熱源を確保していた。前部座席FS及び後部座席RSと、エアコンユニット71との距離が近くなりアクセスしやすくなることで、ダクトと接続しやすくなり、温冷の熱を供給することも可能となる。
また、このようなエアコンユニット71とダクト72は、図14~図15Bに示すように床下に設けられる。図14に示す車両VB1のように、エアコンユニット71を、バッテリBの上に配置してもよい。また、図15A及び図15Bに示す車両VB2ように、エアコンユニット71を床下に設け、その前後左右にバッテリBを配置してもよい。バッテリBの間に、エアコンユニット71を配置することで、床面の高さを低く抑えることができる。
<第三実施形態>
本発明の第三実施形態について図を用いて説明する。従来、特開2020-121718に開示されるように、シートバックの上部とシートクッションの下部にブロアを設ける技術が知られている。ブロアファンを用いた温冷装置を用いることで、乗員の快適性を向上させている。
しかしながら、シートバックに設けたブロアは、作動に伴い騒音や風切音などの騒音が発生するため、走行に伴うロードノイズが小さい場合(車速遅)や、停車中においては、作動音により乗員が不快を感じることがある。更に、近年の自動車電動化により、車体等、周囲から発生する音が低減している為、エアコン/シート空調装置の作動音はより一層問題視されている。
本実施形態では、ブロアファンを用いた温冷装置の出力と車速とを連動させることにより、騒音による不快感を減少させている。
図16の上段は、ブロア装置を伴う温冷装置を使用する場合の、デバイス出力と、車速との関係を示したグラフである。図16の下段は、ブロア装置を伴わない温冷装置を使用する場合の、デバイス出力と車速との関係を示すグラフである。
図16の上段に示すように、停車又は車速が遅い場合は、エアコン等のブロア装置を伴う温冷装置のデバイス出力を停止するか、弱めることで騒音を低減させる。それにより、不快感が増加することを抑制する。車速が速くなることで、温冷装置の騒音も気にならないことから、温冷装置の出力を上げることで快適性をあげることができる。
一方、図16の下段に示すように、停車又は車速が遅い場合、ブロア装置を伴わないヒートシータ等のデバイス出力を増加させて、乗員Hの快適性が低下することを抑制する。
なお、騒音を伴わない温冷装置の場合、電力にも余裕があるときは、車速に関わらず一定の高出力のままでも構わない。
また、図17A及び図17Bに示す乗物用シートSAのように、シートバック1にはバック側ブロアファン81とシートクッション2にはクッション側ブロアファン82が設けられている場合がある。
このような場合、車内空間の騒音値又は車速に応じてエアコン/シートファンの出力制御を行ってもよい。
具体的には、図17Aに示すように、車速が速いときは、車両による騒音値も高いことから、シートバック1に設けられたバック側ブロアファン81を用いる。
車内エアコン70からの風(図17Aの矢印E1)及びバック側ブロアファン81による風(図17Aの矢印E2)により乗員Hの快適性を高めることができる。また、車両による騒音値が高いため、騒音値の高い車内エアコン70や人体に近いバック側ブロアファン81の騒音も気にならず、それらの出力を高く設定しても快適性が維持される。
低車速や停車中の場合、乗員の耳元から遠い位置に配置されたブロアファン、すなわちシートクッション2に設けられたクッション側ブロアファン82に切り替えるか、又はその出力を調整する。車内エアコン70及びシートバック1のバック側ブロアファン81の出力を弱めてもよい。
車速が遅い又は停車中の場合は、騒音値が低いため、それに合わせて、車内エアコン70やバック側ブロアファン81の出力を低く設定し、人体から遠い空調システム(シートクッション2のクッション側ブロアファン82や、ドアの空調装置、ステアリングヒータ等)の出力を高くする。
なお、乗員の耳元から遠いブロアファンについては、作動音が届き難いため、車速に関わらず一定の出力で使用しても構わない。
なお、車内エアコン70及びブロアファン等の空調装置の制御は、車速だけでなく、車内騒音値を取得し、実際の騒音値に基づいて制御してもよい。
図18A及び図18Bに示す乗物用シートSBのように、シートバック1にバック側ブロアファン81Aを設けた場合、シートバック1の上部に空気を送る上部側ダクト83とシートバック1の下部に空気を送る下部側ダクト84を設け、電磁弁85により送風に使用するダクトを切り替えるようにしてもよい。電磁弁85を用いて、車速に合わせて送風位置を切り替えることで、騒音による不快感を低減させる。
すなわち、速度が速い場合は、シートバック1の上部から送風されるよう上部側ダクト83を通るように電磁弁85を設定する(図18Aの矢印G)。また、速度が遅い場合又は停車中の場合は、シートバック1の下部から送風されるように、電磁弁85を用いて下部側ダクト84を使用するように切り替える(図18Bの矢印J)。速度が速い場合は、送風位置が耳元に近くても不快感が少ない。一方、車速が遅く作動音が目立つ場合は、耳元から遠い位置から送風することで不快感を少なくすることができる。
<第四実施形態>
本発明の第四実施形態について図を用いて説明する。従来、特開2020-147109に記載されているように、車両の前方から温度調整された空気を送出して室内の空調を行う技術が知られている。しかしながら、車両の室内全体を空調しているため効率が悪かった。
そこで、本実施形態では、乗物用シートに座っている乗員のみを検知し、局所的に温冷を感じさせるよう効率的な空調を行っている。
本実施形態では、乗物用シートに設けられたシートベルトリマインダや、車内カメラ又は人感センサ等を用いて、乗員人数を検知する。そして、乗員人数によって、エアコン等の温冷デバイスの消費電力を強め、短時間で快適空間を作る。例えば、乗物に1人しか乗っていない場合は、4人乗車しているときより、温冷デバイスの出力を高め(150%)とし、より短時間で、乗員が要求する要求温度T1に近づける。
また、乗員の位置を特定することで、エアコンの送風口やルーバの向きなどを自動的に最適化することで効率的に快適空間を作る。広い空間ではなく狭い空間で能力が最大限発揮できるようにする。
また、乗員が着座している部分にのみエアコン、ヒータ等を作動させ、必要な部分にのみ作動させることで効率化を図る。例えば、サーモグラフィやシートに内蔵された温度センサを用いて、人体の熱い又は冷たい部分を検知し、局所的にその部分に快適な暖かい又は冷たい空気を送るようにする。
このように、必要な部分にのみ効率的に温熱できるため、低電力で素早く不快感を取り除くことができる。結果的に電力を大きく消費する車内エアコンの出力を抑制することができ、車両としての省電力化に繋がるようになる。
また、乗員Hが着座する位置や人数が把握できた場合、図10に示すように、車内エアコンにより、ベースとなるベース温度T2まで温度を上げ、乗員Hが要求する要求温度T1に足りない乖離温度αについては、乗員Hの近傍に設けられた温風デバイス6等で補ってもよい。
車室内で温度好みが異なるユーザーが複数人座っていても人体近傍の温度調整デバイスにより温度を微調整できる。また、車内エアコン70はベースとなるベース温度T2(ユーザーが設定する要求温度T1より低い)にすればよいので高出力運転をしなくてもよい。すなわち、車内エアコン70内のヒータコアの温度低下や、ブロアの出力低下が期待でき、車両としての省電力化に繋げることができる。
乗員検知情報を活用した空調処理について、図19を用いて説明する。乗員Hにより要求温度T1が入力された場合、車室内温度T0と、要求温度T1とを比較する(ステップS201)。要求温度T1より、車室内温度T0が高い場合(ステップS201:No)、車内エアコン70と、温風デバイス6等を含む近傍空調装置を停止し、引き続き、車室内温度T0と要求温度T1の状態を監視する(ステップS202)。
要求温度T1より、車室内温度T0が低い場合(ステップS201:Yes)、車内エアコン70により、ベース温度T2になるまで室内を加温する(ステップS203)。
次に、シートベルトリマインダや車内カメラ等を用いて乗員人数と着座位置を特定する(ステップS204)。
次に、ECUにより、乗員人数やバッテリ残量等の情報を基に省エネモードでの運転が必要か否か判断する(ステップS205)。省エネモードでの運転が必要でないと判断された場合(ステップS205:No)、温風デバイス6を含む全ての近傍空調装置を用いて要求温度T1となるまで室内を加温する(ステップS206)。この時、通常の状態よりも出力を上げた状態で、空調装置を作動させてもよい。電力を先行的に使用することで、より素早く快適な温度に到達させることができる。
ECUにより省エネモードでの運転が必要であると判断された場合(ステップS205:Yes)、最も効率良く加温可能な、乗員が着座するシートの温風デバイス6等の近傍空調装置のみを用いて加温する(ステップS207)。このように、乗員人数や着座位置を把握して、車両Vに搭載された温風デバイス6等を用いることで、より効率的な空調を行うことができる。
以上、図を用いて本発明の実施形態である乗物用組立体や空調方法について説明した。なお、本発明は、自動車・鉄道など車輪を有する地上走行用乗物に搭載される乗物用組立体に限定されるものではなく、例えば、地上以外を移動する航空機や船舶などに搭載される乗物用組立体にも適用され得る。
V、VA、VB、VB1、VB2 車両(乗物)
M 乗物用組立体
S、SA、SB 乗物用シート(内装部材)
FS 前部座席
RS 後部座席
D 乗物用ドア
DL ドアライニング(内装部材)
Da アッパー部
Db センター部
Dc ロワー部
FL 床
FLm フロア部材(内装部材)
R ルーフ
F シートフレーム
T 表皮材
P パッド材
H 乗員
B バッテリ
1 シートバック
2 シートクッション
3 ヘッドレスト
3a ヘッドレストフレーム
3b ヘッドレストステー
4 レール装置
4a ロアレール
4b アッパーレール
4c アクチュエータ
4d ハーネス
5 リクライニング装置
5a リクライニング装置カバー
5b アクチュエータ
5c 係合部
10 シートバックフレーム
11 バックサイドフレーム
12 上部フレーム
13 下部フレーム
14 連結フレーム
15 ワイヤ部材
16 受圧部材
17 ピラー支持部
20 シートクッションフレーム
21 クッションサイドフレーム
22 パンフレーム
23 前方連結フレーム
24 後方連結フレーム
25 支持部材
26 土手部
27 通気孔
28 ハーネス通し孔
29 カバー取付座(取付部)
29a カバー取付孔
6、6A、6B、6C 温風デバイス(空調装置)
60 筐体
61 シロッコファン(送風装置)
62 ヒータ(加熱装置)
63 送風口
64 ルーバ
65 モータ
66 ボルト
67 締結具
70 車内エアコン
71 エアコンユニット
72 ダクト
81、81A バック側ブロアファン
82 クッション側ブロアファン
83 上部側ダクト
84 下部側ダクト
85 電磁弁

Claims (10)

  1. 乗物に設けられる内装部材からなる乗物用組立体であって、
    前記内装部材は、少なくとも乗物用シートから構成されており、
    前記内装部材は、空調装置を備え、
    前記空調装置は、筐体と、該筐体内に収納される送風装置と、前記筐体内に収納され前記送風装置が送風する送風方向に配置される加熱装置とを有することを特徴とする乗物用組立体。
  2. 前記空調装置は、前記筐体に空気を排出する送風口が形成されており、
    前記加熱装置は、前記送風口に隣接して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の乗物用組立体。
  3. 前記乗物用シートは、該乗物用シートの骨格となるシートフレームを有し、
    前記空調装置は、前記シートフレームに取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の乗物用組立体。
  4. 前記シートフレームは、前記乗物用シートの側部に位置するサイドフレームを有し、
    前記空調装置は、前記サイドフレームの側面に取り付けられることを特徴とする請求項3に記載の乗物用組立体。
  5. 前記乗物用シートは、前記乗物用シートの側部に土手部を有し、
    前記土手部には、前記サイドフレームに取り付けられた前記空調装置の送風口に対向する通気孔が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の乗物用組立体。
  6. 前記乗物用シートは、着座者の臀部を支持するシートクッションを有し、
    前記シートフレームは、前記シートクッションの側部に位置するクッションサイドフレームを有し、
    前記空調装置は、前記クッションサイドフレームに取り付けられ、乗員の胸部領域に向けて送風することを特徴とする請求項5に記載の乗物用組立体。
  7. 前記乗物用シートには、前記空調装置とは別の他部材を取り付けるための取付部が設けられており、
    前記空調装置は、前記他部材の前記取付部を避けた位置に配置されることを特徴とする請求項1に記載の乗物用組立体。
  8. 前記サイドフレームには、前記空調装置とは別の他部材が取り付けられており、
    前記空調装置は、前記サイドフレームに取り付けられた前記他部材を避けた位置に配置されることを特徴とする請求項4に記載の乗物用組立体。
  9. 前記内装部材は、乗物用ドアのドアライニングを含み、
    前記空調装置は、前記ドアライニングに取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の乗物用組立体。
  10. 前記内装部材は、前記乗物の床を形成するフロア部材を含み、
    前記空調装置は、前記フロア部材に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の乗物用組立体。
JP2022158402A 2022-07-01 2022-09-30 乗物用組立体 Pending JP2024006860A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2023/024481 WO2024005201A1 (ja) 2022-07-01 2023-06-30 乗物用組立体

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US202263357693P 2022-07-01 2022-07-01
US63/357,693 2022-07-01

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024006860A true JP2024006860A (ja) 2024-01-17

Family

ID=89540868

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022158402A Pending JP2024006860A (ja) 2022-07-01 2022-09-30 乗物用組立体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2024006860A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4469390B2 (ja) 車両用シート
US10173561B2 (en) Seat device operatively connected to HVAC apparatus
US5385382A (en) Combination seat frame and ventilation apparatus
US10479241B2 (en) Automotive seatback air vent
WO2018235472A1 (ja) シート空調装置
JP2004215748A (ja) 車両用空調装置
US20190283636A1 (en) Vehicle air conditioning system
US11648815B2 (en) Vehicle air conditioner
WO2020108849A1 (en) Vehicle system
KR100778593B1 (ko) 자동차용 냉난방 통풍시트의 열전소자 장착구조
JP2015104980A (ja) 車両用空調システム
US10688897B2 (en) Integrated bladeless fan for automotive seat
WO2024005201A1 (ja) 乗物用組立体
CN109747373B (zh) 车辆用空调装置
JP2024006860A (ja) 乗物用組立体
CN215921986U (zh) 车辆用座椅
JP2020199990A (ja) 車両用シート空調装置
JPH0659109U (ja) 車両の空調装置
JP2008183959A (ja) 車両用空調装置
JP2017178274A (ja) 車両用空調装置
JP6205396B2 (ja) 車両の空調装置
JP4215561B2 (ja) トラックのキャブの空調装置
KR20230059613A (ko) 차량 시트 구조를 활용한 개인별 차량 공조 시스템
JP2012121482A (ja) 車両用空気調和システム
JP7005239B2 (ja) 車両の空調装置