JP2024005873A - 爆薬装填装置及び爆薬装填方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】切羽面に穿孔された発破孔に爆薬を装填する爆薬装填装置において、親ダイを装着した状態で当該親ダイを発破孔に装填するための装填ロッドをより精度良く制御するための技術を提供する。【解決手段】施工重機における爆薬装填用ブームのガイドシェルに搭載され、切羽面に穿孔された発破孔に爆薬を装填する爆薬装填装置であって、先端側に起爆用爆薬を装着可能であって、起爆用爆薬を発破孔に装填する装填ロッドと、装填ロッドをガイドシェルの前後方向に沿って進退動させる装填ロッド送り機構と、装填ロッドをガイドシェルの横方向および上下方向に沿って駆動する装填ロッド位置合わせ機構と、装填ロッドの前方に配置されると共に複数の起爆用爆薬を収容する収容ユニットと、ガイドシェルの横方向に沿って収容ユニットを駆動する収容ユニット駆動機構と、を有する起爆用爆薬供給装置と、を備える。【選択図】図6
Description
本発明は、発破工法によって施工されるトンネルにおいて、切羽面に穿孔された発破孔に爆薬を装填する技術に関する。
トンネルの掘削工法として、発破工法が知られている。発破工法でトンネルを掘削する場合、切羽面に穿孔した複数の発破孔(装薬孔)に雷管を取り付けた爆薬を挿入し、雷管を起爆することで爆薬を爆破して切羽面を掘削する。
従来、発破方式によって施工されるトンネル現場において、発破孔への爆薬の装填は、作業者よる手装填が行われているのが一般的であった。この装填作業は発破孔に長尺棒材を用いて順次爆薬を押し込む作業となり、かなりの重労働となっていた。
そのため、ホースやパイプを使用して切羽面から離れた位置から起爆用の起爆用爆薬(以下、「親ダイ」(親ダイナマイト)と呼ぶ場合がある)と、発破時の爆破力を増大させるための追加用爆薬(以下、「増しダイ」(増しダイナマイト)と呼ぶ場合がある)を発破孔に装填する技術が提案されている(例えば、特許文献1~4等を参照)。この種の爆薬装填技術は、機械装填(遠隔装填)等とも呼ばれている。このような機械装填としては、例えば、ドリルジャンボの架台(ケージ)上に搭乗した作業員が切羽面に穿孔された発破孔に装填パイプの先端部を挿入し、装填パイプに連結されているホースの基端部に設けられている装填機から圧縮空気を装填パイプの先端部に向けて圧送し、圧縮空気と共に親ダイおよび増しダイを装填パイプによって装薬孔内に装填する。
しかしながら、従来の爆薬装填装置は、親ダイを装着した状態で当該親ダイを発破孔に装填するための装填ロッドをより精度良く制御することについて改善の余地があり、施工性が決して優れたものとは言えなかった。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、トンネルの発破工法に適用され、切羽面に穿孔された発破孔に爆薬を装填する爆薬装填装置において、親ダイを装着した状態で当該親ダイを発破孔に装填するための装填ロッドをより精度良く制御するための技術を提供することにある。
上記課題の解決するために、本発明は以下の手段を採用した。すなわち、本発明は、施工重機における爆薬装填用ブームのガイドシェルに搭載され、トンネルの切羽面に穿孔された発破孔に爆薬を装填する爆薬装填装置であって、先端側に起爆用爆薬を装着可能であって、起爆用爆薬を発破孔に装填するための装填ロッドと、前記装填ロッドを前記ガイドシェルの前後方向に沿って進退動させる装填ロッド送り機構と、前記装填ロッドを、前記
ガイドシェルの横方向および上下方向に沿って駆動する装填ロッド位置合わせ機構と、前記装填ロッドの前方に配置されると共に複数の起爆用爆薬を収容する収容ユニットと、前記ガイドシェルの横方向に沿って前記収容ユニットを駆動する収容ユニット駆動機構と、を有する起爆用爆薬供給装置と、を備える。
ガイドシェルの横方向および上下方向に沿って駆動する装填ロッド位置合わせ機構と、前記装填ロッドの前方に配置されると共に複数の起爆用爆薬を収容する収容ユニットと、前記ガイドシェルの横方向に沿って前記収容ユニットを駆動する収容ユニット駆動機構と、を有する起爆用爆薬供給装置と、を備える。
また、前記収容ユニットは、起爆秒時が異なる起爆用爆薬を相互に仕分けして収容可能な複数の仕分け収容部を有していてもよい。
また、前記装填ロッド位置合わせ機構は、前記ガイドシェルの前後方向に間隔をおいて配置された第1駆動部および第2駆動部を有し、前記第1駆動部および第2駆動部の各々が、前記装填ロッドを挿通させた状態で軸受けするロッドホルダと、前記ロッドホルダを前記ガイドシェルの横方向に沿って駆動させる横スライド機構と、前記ロッドホルダを前記ガイドシェルの上下方向に沿って駆動させる昇降駆動機構と、を有していてもよい。
また、本発明は、施工重機における爆薬装填用ブームのガイドシェルに搭載され、トンネルの切羽面に穿孔された発破孔に爆薬を装填する爆薬装填装置を用いた爆薬装填方法として特定することができる。爆薬装填方法は、前記収容ユニット駆動機構及び前記装填ロッド位置合わせ機構を作動させることによって、前記収容ユニットに収容されている複数の起爆用爆薬のうち、前記発破孔に装填する対象となる起爆用爆薬の後方位置に前記装填ロッドの先端側を位置合わせするピックアップ時位置合わせ工程と、前記装填ロッド送り機構及び前記装填ロッド位置合わせ機構を作動させることによって、前記装填ロッドの先端側に前記起爆用爆薬を装着するピックアップ工程と、前記装填ロッド位置合わせ機構を作動させることによって、前記装填ロッドの先端に装着した前記起爆用爆薬の先端部を前記発破孔に位置合わせする起爆用爆薬位置合わせ工程と、前記装填ロッド送り機構によって前記装填ロッドを前送りすることによって、前記起爆用爆薬を前記発破孔に挿入する起爆用爆薬挿入工程と、を含むことができる。
本発明によれば、トンネルの発破工法に適用され、切羽面に穿孔された発破孔に爆薬を装填する爆薬装填装置において、親ダイを装着した状態で当該親ダイを発破孔に装填するための装填ロッドをより精度良く制御するための技術を提供できる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲内で、適宜、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。
<実施形態1>
図1は、実施形態1に係る爆薬装填システムSの全体構成を説明する図である。爆薬装填システムSは、トンネルTNの切羽面(岩盤)2を爆薬によって発破する発破工法に適用され、切羽面2に穿孔された複数の発破用の発破孔(装薬孔)3に爆薬を装填するためのシステムである。トンネルTNは、切羽面2に穿孔された各発破孔3に雷管を取り付けた爆薬を挿入し、雷管を起爆することで爆薬を爆破して切羽面2を掘削する発破工法によって構築される。切羽面2の発破孔3は、例えば、ドリルジャンボ等といった施工用重機の穿孔装置によって、所定の穿孔深さで切羽面2に穿孔することができる。
図1は、実施形態1に係る爆薬装填システムSの全体構成を説明する図である。爆薬装填システムSは、トンネルTNの切羽面(岩盤)2を爆薬によって発破する発破工法に適用され、切羽面2に穿孔された複数の発破用の発破孔(装薬孔)3に爆薬を装填するためのシステムである。トンネルTNは、切羽面2に穿孔された各発破孔3に雷管を取り付けた爆薬を挿入し、雷管を起爆することで爆薬を爆破して切羽面2を掘削する発破工法によって構築される。切羽面2の発破孔3は、例えば、ドリルジャンボ等といった施工用重機の穿孔装置によって、所定の穿孔深さで切羽面2に穿孔することができる。
本実施形態において、爆薬装填システムSは爆薬装填装置1、追加用爆薬供給装置83、制御装置15等を含んで構成される。
図1において、符号10は装薬用重機10である。装薬用重機10は、爆薬装填装置1を用いて発破孔3に爆薬を装填するための施工重機であり、爆薬装填装置1を搭載している。装薬用重機10は、自走するための台車11、台車11の前方側に設けられた爆薬装填用ブーム13、操縦席14、駆動用パワーユニット(図示省略)等を備えている。図1に示す例では、制御装置15が、装薬用重機10における操縦席14に設けられているが、タブレット端末等であってもよい。
爆薬装填用ブーム13は、台車11の前端側に旋回可能に連結されたブーム本体16と、ブーム本体16の先端側に連結されたガイドシェル17を有する。ブーム本体16は、適宜の駆動機構によって伸縮動作、傾動動作、揺動動作、回動動作等が自在である。また、ブーム本体16には、ガイドシェル17を駆動する駆動機構(図示省略)が設けられており、この駆動機構によってガイドシェル17の水平方向への揺動動作、垂直方向への揺動動作、前後方向への進退動が自在となっている。本実施形態において、装薬用重機10に複数の爆薬装填用ブーム13が搭載されているが、搭載される爆薬装填用ブーム13の数は特に限定されない。また、装薬用重機10は、切羽面2の発破孔3に爆薬を装填する専用の重機であってもよい。また、装薬用重機10は、切羽面2に発破孔3を穿孔するための穿孔装置を有するドリルジャンボに、爆薬装填装置1を搭載した重機であってもよい。
図2は、切羽面2に形成された複数の発破孔3の配置例を示す正面図である。ここでは、切羽面2の掘削に段発発破工法を用いる例を説明する。段発発破工法は、切羽面2に複数の発破対象領域を設定し、複数設定された発破対象領域毎に爆薬を起爆する雷管の起爆タイミングに時間差を設けて発破を行う工法である。
図2に示す符号#1~#10は、複数の発破孔3が属する(発破孔3に対応する)段数を示している。本実施形態においては、切羽面2に複数の発破対象領域を設定し、それぞれの発破対象領域に対応する段数を割り当てている(設置している)。図2に示す例では、切羽面2に10種類の発破対象領域が設定されており、発破対象領域毎に第1段#1~第10段#10がそれぞれ割り当てられている。なお、図2においては、切羽面2における各段#1~#10の分布が理解しやすいように、同じ段数に属する発破孔3同士が近接している場合には、それらの発破孔群を破線で連結して表している。但し、図2に示す発破孔3の配置パターンや、段数、および各段に属する発破孔3の数などについては特に限定されない。
図3は、爆薬装填システムSを用いて切羽面2の発破孔3に爆薬を装填した後の状況を説明する図である。図3においては、発破孔3の穿孔方向(軸方向)に沿った縦断面を示している。
図3において、符号3Aは発破孔3の最奥部(孔奥)、符号3Bは発破孔3の孔口である。また、符号5は、内部に起爆用爆薬である親ダイ(親ダイナマイト)4を装着した親ダイ装着体である。符号6は、発破時の爆破力を増大させるための追加用爆薬である増しダイ(増しダイナマイト)である。増しダイ6の種類は特に限定されないが、例えば、粒状爆薬やバルクタイプの爆薬を好適に用いることができる。但し、増しダイ6は粒状爆薬やバルクタイプの爆薬に限られず、薬包タイプの爆薬を採用しても良い。本実施形態においては、例示的に粒状爆薬を採用している。
図4は、親ダイ装着体5の側面図である。図5は、親ダイ装着体5の分解図である。親ダイ装着体5は、親ダイ4と、内部に親ダイ4を保持する保持部材51と、保持部材51の前端51A側に接続して取り付けられたガイド部52を有する。図4および図5等において、保持部材51は、円筒状(管状)の中空部材として構成されている。但し、保持部材51は他の形状を有していてもよい。例えば、保持部材51は、長手方向にスリットが形成された横断面C形状を有する部材であってもよい。本実施形態において、保持部材51の内部には親ダイ4が収容されている。
また、親ダイ装着体5の保持部材51およびガイド部52は、静電気の帯電対策を考慮して紙製としている。但し、親ダイ装着体5における保持部材51およびガイド部52は紙製に限られず、種々の材料を使用することができる。また、一例として、ガイド部52は、円錐形状を有しており、保持部材51と同軸に当該保持部材51の前端51Aに取り付けられている。なお、符号5Aは、親ダイ装着体5(ガイド部52)の先端部である。親ダイ装着体5の先端部5Aは、ガイド部52の先端側頂点によって形成されている。また、符号5Bは、親ダイ装着体5の後端部であり、保持部材51の後端によって形成されている。上記のように構成される親ダイ装着体5は、保持部材51の外径が発破孔3の直径よりも小さな寸法に設定されており、図3に示すように親ダイ装着体5を発破孔3の内部に装填可能となっている。
親ダイ4は、例えば、薬包含水爆薬を採用しており、紙又はプラスチック製フィルム等で包装した包装爆薬の形態(薬包タイプ)として形成されている。親ダイ4は、雷管41を有し、この雷管41に脚線42が結線されている。本実施形態では、一例として爆薬装填装置1を段発発破工法に適用する場合を説明するため、雷管41として段発雷管が採用されている。雷管41には、静電気対策として、例えば導火管付き雷管(非電気式雷管)を採用することができる。但し、雷管41は、電気雷管であってもよい。なお、雷管41を電気雷管とする場合には、静電気対策として親ダイ装着体5における保持部材51およびガイド部52を紙製にすることが好ましい。雷管41は、ケース内部に収容された点火
薬と起爆薬との間に延時薬が介在しており、脚線42(導火管)を通じて作動用の衝撃波(電気雷管の場合に作動電流)が供給された後、一定時間遅延してから起爆に至るように起爆秒時(基準秒時)が種類ごとに設定されている。雷管41は、例えば起爆秒時が10分の数秒刻みの秒時間隔に設定されていてもよい。なお、雷管41は、例えば、起爆操作装置機から無線で送信された交流磁界エネルギーを受け取る無線起爆雷管用アンテナ(例えば、受信コイル等)を有する無線雷管であっても良い。このような無線雷管方式の場合には、雷管41に脚線42を結線する必要が無い。
薬と起爆薬との間に延時薬が介在しており、脚線42(導火管)を通じて作動用の衝撃波(電気雷管の場合に作動電流)が供給された後、一定時間遅延してから起爆に至るように起爆秒時(基準秒時)が種類ごとに設定されている。雷管41は、例えば起爆秒時が10分の数秒刻みの秒時間隔に設定されていてもよい。なお、雷管41は、例えば、起爆操作装置機から無線で送信された交流磁界エネルギーを受け取る無線起爆雷管用アンテナ(例えば、受信コイル等)を有する無線雷管であっても良い。このような無線雷管方式の場合には、雷管41に脚線42を結線する必要が無い。
親ダイ装着体5は、例えばガイド部52に脚線42を外部に引き出す穴が設けられており、当該引き出し穴から脚線42が外部に引き出されている。また、保持部材51の長さは、親ダイ4の長さよりも長く、図5に示すように保持部材51の前端51A側に装着されている。そのため、保持部材51の後端51B側には、その内部に中空部53が形成されている。つまり、親ダイ装着体5は、保持部材51の後端内側に中空部53が残存するように親ダイ4を装着している。図4および図5に示す符号43は、脚線42を束ねる結束材である。結束材43は、脚線42の途中部で当該脚線42を環状且つ個別に結束することで前記脚線42の途中部に輪状の輪状部42Aが形成されている。また、結束材43は例えば紙製であり、小さな外力によって容易に破断可能な易破断材料で形成されているため、小さな外力で簡単に脚線42の結束を解くことができるように構成されている。なお、図3に示すように、親ダイ装着体5に装着された親ダイ4および増しダイ6が切羽面2の発破孔3に装填された後の状態では、結束材43が破れて脚線42の結束が解かれた状態となっている。また、図3に示すように、発破孔3に対する親ダイ装着体5の装填が完了した状態においては、発破孔3の最奥部3Aに親ダイ装着体5の先端部5Aが位置付けられている。
次に、爆薬装填システムSの爆薬装填装置1について詳しく説明する。爆薬装填装置1は、主として、装填ロッド18、装填ロッド18の位置合わせを行う装填ロッド位置合わせ機構60、親ダイ装着体5を供給する起爆用爆薬供給装置70、装填ロッド18を送り出す装填ロッド送り機構80等を有し、これらがガイドシェル17に搭載されている。
図6は、ガイドシェル17に搭載された爆薬装填装置1の概略側面図である。ガイドシェル17は、例えば概略Σ形の横断面を有する長尺なガイド部材である。ガイドシェル17の側面には、長尺方向(X軸方向)に沿ってレールが形成されている。以下、ガイドシェル17の長尺方向(X軸方向)を、ガイドシェル17の前後方向として説明する。
図6に示すように、ガイドシェル17の前部には起爆用爆薬供給装置70が設けられている。また、ガイドシェル17の後部には、装填ロッド18を保持すると共に当該装填ロッド18をガイドシェル17の前後方向(X軸方向)に沿って駆動するための装填ロッド送り機構80が設けられている。
装填ロッド18は、一方向に延びる長尺状の中空パイプであり、内部に中空路18Aが形成されている。装填ロッド18は、適度な剛性および可撓性を有するパイプであり、例えば樹脂製であってもよい。図7は、装填ロッド18の前端側に取り付けられた保持用治具19を説明する斜視図である。爆薬装填装置1を用いて発破孔3に爆薬を装填する際、装填ロッド18の前端部181側を親ダイ装着体5の後端部5B側から中空部53に挿入することで、装填ロッド18の保持用治具19が親ダイ装着体5を保持する。発破孔3への爆薬装填時において、装填ロッド18は、保持用治具19に装着した親ダイ装着体5を発破孔3に挿入する。
保持用治具19は、装填ロッド18の外径と概ね等しい内径を有するスリーブ部材であり、前端側から後端側にかけてテーパー部191、装着部192、鍔部193が配置され
ている。装着部192は円筒形状を有し、親ダイ装着体5における保持部材51の内径よりも僅かに小さな外径を有している。テーパー部191は、外径が後端側から前端側に向かって徐々に小さくなっており、後端部の外径は装着部192の外径と等しい。鍔部193は、外径が装着部192よりも一回り大きな円筒鍔形状を有しており、装着部192との境界位置に形成される段差がストッパー壁193Aとして機能する。鍔部193の外径は保持部材51の内径よりも大きい。そのため、装填ロッド18の前端部181側を親ダイ装着体5の中空部53に挿入する際、保持用治具19のストッパー壁193Aが親ダイ装着体5の後端部5Bに当接した時点で、それ以上深い位置まで親ダイ装着体5が装填ロッド18に挿入されることが規制されるようになっている。保持用治具19における鍔部193の外径は、保持部材51の外径より小さくていもよい。また、保持用治具19の鍔部193には、保持用治具19を装填ロッド18に固定するビスを取り付けるビス孔が形成されている。但し、保持用治具19は他の手法によって装填ロッド18に取り付けられていてもよい。
ている。装着部192は円筒形状を有し、親ダイ装着体5における保持部材51の内径よりも僅かに小さな外径を有している。テーパー部191は、外径が後端側から前端側に向かって徐々に小さくなっており、後端部の外径は装着部192の外径と等しい。鍔部193は、外径が装着部192よりも一回り大きな円筒鍔形状を有しており、装着部192との境界位置に形成される段差がストッパー壁193Aとして機能する。鍔部193の外径は保持部材51の内径よりも大きい。そのため、装填ロッド18の前端部181側を親ダイ装着体5の中空部53に挿入する際、保持用治具19のストッパー壁193Aが親ダイ装着体5の後端部5Bに当接した時点で、それ以上深い位置まで親ダイ装着体5が装填ロッド18に挿入されることが規制されるようになっている。保持用治具19における鍔部193の外径は、保持部材51の外径より小さくていもよい。また、保持用治具19の鍔部193には、保持用治具19を装填ロッド18に固定するビスを取り付けるビス孔が形成されている。但し、保持用治具19は他の手法によって装填ロッド18に取り付けられていてもよい。
上記のように構成される装填ロッド18は、その後部位置において、装填ロッド送り機構80によってクランプされている。装填ロッド送り機構80は、ガイドシェル17の前後方向に延びるレールに沿って進退可能な本体部801と、当該本体部801の上部に設けられた一対のクランプ部802,803を有する。各クランプ部802,803は、本体部801の前部側と後部側に間隔をおいて設けられており、本実施形態では装填ロッド18を2点で固定している。装填ロッド18は、ガイドシェル17の前後方向(X軸方向)と概ね平行な姿勢となるように一対のクランプ部802,803に把持されている。
装填ロッド送り機構80は、例えば、図示しない駆動機構の作動によってガイドシェル17の前後方向(X軸方向)に沿って進退動することが可能になっている。装填ロッド送り機構80の駆動方式は特に限定されず、例えば電動式アクチュエータであってもよいし、油圧式アクチュエータであってもよい。なお、ガイドシェル17には、前後方向(X軸方向)に沿った装填ロッド18の進退動を阻害せず、且つ、長尺な装填ロッド18が過度に撓ることを抑制するための支持部材が設けられていてもよい。また、図6に示す符号7は、装填ロッド送り機構80によって装填ロッド18を前送りする際の抵抗力を検出可能な荷重測定器である。荷重測定器7としては、例えば、市販されている中空ロードセルであってもよく、ロードセルを装填ロッド18に取り付けることによって前送り時における抵抗力を測定してもよい。また、図6に示す符号8は、ガイドシェル17に設けられた変位センサであり、ガイドシェル17のレールに沿って前後駆動する本体部801の変位量を測定する。変位センサ8は、例えば市販されているワイヤ式変位センサであってもよい。ワイヤ式変位センサは、ワイヤを本体部801に固定し、本体部801の前後方向に沿った進退動に伴って引き出されたワイヤの長さから、本体部801の変位量を測定することができる。なお、装填ロッド18は、本体部801に対して固定されているため、本体部801の変位量を装填ロッド18の変位量として扱うことができる。
装填ロッド18の後端には、ホースジョイントを介して圧送ホース82が連結されている。圧送ホース82は、柔軟性を有する中空状の長尺なホース部材である。詳細については後述するが、装填ロッド18は、圧送ホース82を介して増しダイ6(追加用爆薬)やエアが圧送供給されるようになっている。圧送ホース82の素材は特に限定されず、例えばゴムホースであってもよい。
次に、爆薬装填装置1の起爆用爆薬供給装置70と装填ロッド位置合わせ機構60について説明する。図8は、ガイドシェル17における前部側の概略側面図である。図9は、ガイドシェル17における前部側の概略上面図である。図10は、ガイドシェル17における前部側の概略斜視図である。
爆薬装填装置1の装填ロッド位置合わせ機構60は、起爆用爆薬供給装置70の後段に配置されており、装填ロッド18の位置をガイドシェル17の横方向(Y軸方向)や上下方向(Z軸方向)へスライド移動させたり、Y軸を中心として装填ロッド18の姿勢をピッチングさせることが可能な機構である。なお、装填ロッド18の姿勢をピッチングさせることによって、装填ロッド18の仰角や俯角を調整することができる。なお、装填ロッド位置合わせ機構60の各ロッドホルダ63は、Y軸を回動軸として回動自在となっている。
装填ロッド位置合わせ機構60は、実質的に同一構造を有する第1駆動部61および第2駆動部62を含む。第1駆動部61および第2駆動部62は、ガイドシェル17の前後方向(X方向)に間隔をおいて配置されており、第1駆動部61が第2駆動部62の前方に設けられている。
第1駆動部61および第2駆動部62はそれぞれ、装填ロッド18を挿通させた状態で軸受け可能なロッドホルダ63、ロッドホルダ63をガイドシェル17の横方向(Y軸方向)に沿って往復スライド駆動が可能な横スライド駆動機構64、横スライド駆動機構64を支持するベース板66、横スライド駆動機構64を支持するベース板66をガイドシェル17の上下方向(Z軸方向)に沿って昇降駆動が可能な昇降駆動機構65を有している。横スライド駆動機構64は、例えばサーボモータ、Y軸方向に延びるリニアガイド等を含む電動式アクチュエータによって構成することができる。昇降駆動機構65は、例えばサーボモータ、Z軸方向に延びる複数のリニアシリンダ等を含む電動式アクチュエータによって構成することができる。但し、横スライド駆動機構64および昇降駆動機構65の構成は上記構成例に限定されない。また、ロッドホルダ63は、装填ロッド18をクランプせずに、滑り軸受として構成されている。
次に、起爆用爆薬供給装置70について説明する。起爆用爆薬供給装置70は、複数の親ダイ装着体5を収容する収容ユニット100、収容ユニット100をガイドシェル17に取り付けるための取付ブラケット71、収容ユニット100をガイドシェル17の横方向(Y軸方向)に沿って往復スライド駆動する収容ユニット駆動機構72、受台73、ストッパー74等を備えている。
図11は、起爆用爆薬供給装置70の取付ブラケット71に収容ユニット100を取り付ける前の状態を説明する斜視図である。起爆用爆薬供給装置70の取付ブラケット71は、ガイドシェル17の前端側に取り付けられている。取付ブラケット71は、XY平面に沿って延在するベースフレーム部711と、YZ平面に沿って延在する背面フレーム部712を含む。
起爆用爆薬供給装置70の受台73は、収容ユニット100を保持するための架台である。受台73は、概略L形を有し、XY平面に沿って延在するように設置されるベースフレーム部731と、YZ平面に沿って延在するように設置される背面フレーム部732を含む。取付ブラケット71のベースフレーム部711には、受台73のベースフレーム部731を支持するガイドブロック75が設けられている。ガイドブロック75は、例えばベースフレーム部711に設けられたレールに沿って往復動自在なリニアガイドであり、受台73のベースフレーム部731を、ガイドシェル17の横方向(Y軸方向)に沿って往復スライド自在に支持している。
また、取付ブラケット71の背面フレーム部712には、収容ユニット駆動機構72が設けられている。本実施形態において、収容ユニット駆動機構72として、例えばサーボモータ、リニアガイド等を含む電動式アクチュエータを採用しているが、これには限定されない。収容ユニット駆動機構72のリニアガイドは、受台73の背面フレーム部732
をスライド自在に保持している。収容ユニット駆動機構72が作動することによって、ガイドシェル17の横方向(Y軸方向)に沿って受台73が往復スライド駆動される。
をスライド自在に保持している。収容ユニット駆動機構72が作動することによって、ガイドシェル17の横方向(Y軸方向)に沿って受台73が往復スライド駆動される。
また、本実施形態においては、取付ブラケット71におけるベースフレーム部711の先端側にパッド17Aが取り付けられている。パッド17Aは、爆薬装填装置1を用いて切羽面2の発破孔3に爆薬を自動装填する際、切羽面2に押し付けられるパッド部材である。パッド17Aは例えば硬質ゴム製であり、切羽面2にパッド17Aをあてがうことで、ガイドシェル17の先端の動きを拘束することができる。
図12および図13は、収容ユニット100の概略構成を説明するための斜視図である。図12は、収容ユニット100を正面側から眺めた状態を示す。図13は、収容ユニット100を背面側から眺めた状態を示す。
収容ユニット100は、背面プレート101、一対の側面プレート102、底面プレート103、正面プレート104等を有し、内部に複数の親ダイ装着体5を収容可能な箱型収容ケースである。なお、収容ユニット100の内部構造の理解をし易くするため、一方の側面プレート102、背面プレート101および正面プレート104の一部の図示を省略している。収容ユニット100は、例えばプラスチック樹脂によって形成されている。
図8および図10等に示すように、起爆用爆薬供給装置70における受台73の適所には、ワンタッチ着脱式の取付金具76が設けられている。収容ユニット100を受台73に取り付ける際には、取付金具76を介して収容ユニット100の側面プレート102を受台73に固定することができる。
収容ユニット100は、上面が開放面として形成されている。また、収容ユニット100の内部は、仕切り板110によって複数の仕分け収容部150に区画されている。本実施形態においては、9枚の仕切り板110が収容ユニット100の幅方向(ガイドシェル17の横方向(Y軸方向))に間隔をおいて配置されており、収容ユニット100の内部が第1仕分け収容部150(#1)~第10仕分け収容部150(#10)に区画されている。図14は、収容ユニット100を背面側から眺めた部分斜視図である。
各仕切り板110は、側面プレート102と平行に配置され、且つ、正面プレート104から背面プレート101に至るまで延在している。また、各仕切り板110は、収容ユニット100の幅方向に一定間隔ごとに配置されている。その結果、各仕分け収容部150の幅寸法は互いに等しい寸法となっている。なお、収容ユニット100は、各仕切り板110がガイドシェル17の前後方向(X軸方向)と平行となるようにガイドシェル17に装着される。従って、収容ユニット100がガイドシェル17に装着された状態においては、各仕分け収容部150がガイドシェル17の横方向(Y軸方向)に沿って並んで配列されることになる。
本実施形態において、収容ユニット100の複数の仕分け収容部150(#1~#10)には、雷管41における起爆秒時が異なる親ダイ4を装着した親ダイ装着体5を相互に仕分けして収容することができるように構成されている。そして、各々の仕分け収容部150には、起爆秒時が同一の複数の起爆用爆薬が収容可能となっている。段発発破工法は、図2で説明したように、切羽面2に設定された発破対象領域毎に第1段#1~第10段#10がそれぞれ割り当てられている。ここで、第1段#1~第10段#10に属する(対応付けられた)発破孔3を第1段発破孔3(#1)~第10段発破孔3(#10)と定義すると、第1段発破孔3(#1)~第10段発破孔3(#10)には、これらの段数#1~#10に対応する起爆秒時を有する親ダイ4を装着した第1親ダイ装着体5(#1)~第10親ダイ装着体5(#10)が装填される。収容ユニット100は、第1仕分け収
容部150(#1)~第10仕分け収容部150(#10)にそれぞれ第1親ダイ装着体5(#1)~第10親ダイ装着体5(#10)を仕分けして収容することができる。
容部150(#1)~第10仕分け収容部150(#10)にそれぞれ第1親ダイ装着体5(#1)~第10親ダイ装着体5(#10)を仕分けして収容することができる。
各仕分け収容部150にそれぞれ収容可能な親ダイ装着体5の本数は特に限定されないが、本実施形態においては各仕分け収容部150に収容可能な親ダイ装着体5の最大本数は5本となっている。勿論、切羽面2に設定された各段に属する発破孔群の数に応じて各仕分け収容部150にそれぞれ親ダイ装着体5を収容可能な容量を増減させてもよい。なお、各仕分け収容部150における親ダイ装着体5は、後端部5B側が背面プレート101側に位置付けられた状態で収容される。また、収容ユニット100の前後長さ(正面プレート104および背面プレート101間の寸法)は、親ダイ装着体5の長さに比べて小さな寸法に設定されている。そのため、各仕分け収容部150に収容される親ダイ装着体5と正面プレート104が干渉しないように、背面プレート101に比べて正面プレート104の高さが低くなっている。そのため、図12に示す例では、親ダイ装着体5が正面プレート104の上部を跨ぎ、当該正面プレート104よりも前方に突出する態様で各仕分け収容部150に収容されている。
各仕分け収容部150の幅寸法は、親ダイ装着体5における保持部材51の外径にほぼ対応する寸法(保持部材51の外径よりも僅かに大きな寸法であってもよい)に設定されている。そのため、各仕分け収容部150には、複数の親ダイ装着体5が上下方向に一列に並んで多段配列された状態で収容される。以下では、各仕分け収容部150に収容されている複数の親ダイ装着体5を、底面プレート103に遠い方から最上段(1段目)の親ダイ装着体5、2段目の親ダイ装着体5、・・・、最下段の親ダイ装着体5と呼ぶこととする。
図12および図13に示すように、収容ユニット100の各仕分け収容部150には、各仕分け収容部150に収容されている親ダイ装着体5を上方に向けて押し上げる押し上げ機構120が設置されている。図12および図13に示すように、各仕分け収容部150の押し上げ機構120は、一対のコイルスプリング121、一対のコイルスプリング121の上端に連結される押し上げプレート122等を含んで構成されている。各コイルスプリング121は、下端部が底面プレート103の上面に設けられたスプリングホルダ123に保持され、上端部が押し上げプレート122の下面に設けられたスプリングホルダ124に保持されている。各仕分け収容部150において、押し上げ機構120のコイルスプリング121は、押し上げプレート122を上方に押し上げる方向へ弾発力を常時付与している。なお、本実施形態においては、各仕分け収容部150における親ダイ装着体5の収容容量は5本に設定されているため、5本の親ダイ装着体5が仕分け収容部150に収容された状態でも押し上げプレート122を上方に押し上げることができるように、押し上げ機構120のコイルスプリング121の弾発力が調整されている。
また、図12および図13に示すように、各仕分け収容部150には、最下段の親ダイ装着体5を押し上げプレート122上に載置した状態で、複数の親ダイ装着体5を上下方向へ積層しつつ多段的に収容できる。なお、符号122Aは、押し上げプレート122の後方に形成された後端片である。押し上げプレート122の後端片122Aは、背面プレート101に形成されたガイド用スリット105Bに挿入される。
収容ユニット100の背面プレート101には、仕分け収容部150毎に対応する背面開口部105が形成されている(図13を参照)。各背面開口部105は、背面プレート101の上端から下方に向かってスリット状に形成されている。背面開口部105は、背面プレート101の上端側に形成されるロッド挿入口105Aと、ロッド挿入口105Aから下方に延びると共にロッド挿入口105Aよりも開口幅が狭いガイド用スリット105Bを含む。
本実施形態においては、装填ロッド18を親ダイ装着体5の後端部5B側から中空部53に挿入することで、親ダイ装着体5を収容ユニット100から取り出す構成となっている。収容ユニット100における各ロッド挿入口105Aは、各仕分け収容部150の最上段(1段目)に位置する親ダイ装着体5の後端部5Bを外部に露出させる開口部として形成されている。また、各ロッド挿入口105Aは、装填ロッド18の保持用治具19を仕分け収容部150内に進入させることの可能な大きさを有している。
次に、ガイド用スリット105Bについて説明する。各ガイド用スリット105Bは、上下方向に延在しており、係止部106が形成される上端部を除いて、押し上げプレート122の後端片122Aを挿入可能な幅寸法を有している。押し上げプレート122は、後端片122Aを受け入れるガイド用スリット105Bによって、その上下方向の動きがガイドされる。
図13に示すように、各ガイド用スリット105Bの上端部には、係止部106が形成されている。コイルスプリング121の付勢力によって押し上げられる押し上げプレート122の後端片124が係止部106に当接すると、それ以降は、押し上げプレート122の上方への移動が規制されるようになる。本実施形態では、各仕分け収容部150の最上段(1段目)に位置する親ダイ装着体5の高さがロッド挿入口105Aに対応する高さまで押し上げられた時点で、押し上げプレート122の後端片124が係止部106に係止される。これにより、各仕分け収容部150に収容される親ダイ装着体5の数に関わらず、仕分け収容部150の最上段(1段目)に位置する親ダイ装着体5を、常にロッド挿入口105Aに対応する高さに位置付けることができる。これにより、装填ロッド18によって仕分け収容部150から親ダイ装着体5をピックアップする際、ロッド挿入口105Aを通じて、最上段(1段目)に位置する親ダイ装着体5を装填ロッド18の保持用治具19に装着することができる。
更に、収容ユニット100は、一対の側面プレート102の上端部と、各仕切り板110の上端部に、外れ止めストッパー107が設けられている。外れ止めストッパー107は、一例として、一対の側面プレート102および各仕切り板110の前後方向に沿ってこれらの上端部に取り付けられた板部材によって形成されている。
図14および図15を参照して収容ユニット100の外れ止めストッパー107を説明する。図14は、収容ユニット100を背面側から眺めた部分斜視図である。図15は、収容ユニット100の部分背面図である。隣接する一対の外れ止めストッパー107の間に形成される開口のY軸方向における開口幅は、親ダイ装着体5における保持部材51の外径よりも小さく、且つ、装填ロッド18の外径よりも大きな寸法に形成されている。そのため、外れ止めストッパー107は、最上段(1段目)に位置する親ダイ装着体5が押し上げ機構120におけるコイルスプリング121の弾発力に起因して各仕分け収容部150から上方に抜け出すことを、仕分け収容部150の上部開口を部分的に塞ぐことによって抑制している。なお、外れ止めストッパー107は、収容ユニット100(各仕分け収容部150)の前後方向のうち、後方側に位置する一部区間(以下、「ストッパー形成区間」という)だけに形成されている。
次に、起爆用爆薬供給装置70のストッパー74について説明する。図8~図10等に示すように、起爆用爆薬供給装置70はストッパー74を備えている。ストッパー74は、収容ユニット100の前方に配置されるように受台73に固定される。ストッパー74は、例えばアルミニウム製であるが、その素材は特に限定されない。ストッパー74は、収容ユニット100の前方に立設される前方カバー741を有する。前方カバー741は、収容ユニット100の前方から仕分け収容部150に収容されている親ダイ装着体5が
抜け落ちることを抑制するためのカバー体である。前方カバー741は、更に、複数の傾倒式ストッパー片742を有している。各傾倒式ストッパー片742は、仕分け収容部150に対応する横幅を有する板片であり、バネ蝶番743を介して前方カバー741の上端部に付設されている。
抜け落ちることを抑制するためのカバー体である。前方カバー741は、更に、複数の傾倒式ストッパー片742を有している。各傾倒式ストッパー片742は、仕分け収容部150に対応する横幅を有する板片であり、バネ蝶番743を介して前方カバー741の上端部に付設されている。
図9および図10に示すように、ストッパー74は、仕分け収容部150に対応する数の傾倒式ストッパー片742を備え、各仕分け収容部150の最上段(1段目)に対応する前面部分を塞いでいる。すなわち、傾倒式ストッパー片742は、バネ蝶番743の弾発力によって最上段(1段目)に配置されている親ダイ装着体5の正面を塞いだ閉鎖姿勢を呈するときに、当該最上段(1段目)の親ダイ装着体5が前方に抜け出すことを抑制する。一方、最上段(1段目)の親ダイ装着体5を収容ユニット100から取り出す際には、最上段(1段目)に位置する親ダイ装着体5を保持用治具19に装着した状態で装填ロッド18が前送りされる。親ダイ装着体5を内側から傾倒式ストッパー片742に押し込むことにより、バネ蝶番743の弾発力に抗して傾倒式ストッパー片742を前方に向かって傾倒させつつ親ダイ装着体5を収容ユニット100から取り出すことができる。また、図10に示す符号744は、ストッパー74における前方カバー741に設けられた脚線取り出し用スリットである。脚線取り出し用スリット744は、各仕分け収容部150に収容されている親ダイ装着体5の脚線42(導火管)を収容ユニット100の外部に取り出すための開口部である。図10に示す例では、各仕分け収容部150に対応するように複数の脚線取り出し用スリット744が前方カバー741に配置されている。具体的には、収容ユニット100における一対の側面プレート102、および各仕切り板110の前方位置に脚線取り出し用スリット744が設けられている。なお、起爆用爆薬供給装置70を説明する各図において、収容ユニット100に収容されている親ダイ装着体5の脚線42は図示を省略している。
また、図8~図10等に示す符号9は、切羽面2に穿孔された発破孔3の位置を検出するための検出装置である。検出装置9は、カメラおよび測距センサを備えている。また、検出装置9は、装填ロッド位置合わせ機構60の第1駆動部61におけるロッドホルダ63に取り付けられている。検出装置9のカメラは、起爆用爆薬供給装置70の前方を撮像するカメラである。また、検出装置9の測距センサは、前方対象物との距離を測定するセンサである。検出装置9のカメラや測距センサは市販されているものを適宜採用することができる。
次に、追加用爆薬供給装置83について説明する。図16は、圧送ホース82を通じて装填ロッド18に増しダイ6を圧送供給する追加用爆薬供給装置83を説明する図である。追加用爆薬供給装置83は、例えば、切羽面2に対して装薬用重機10の後方側に配置された作業車200(図1を参照)の荷台等に搭載されている。但し、追加用爆薬供給装置83は装薬用重機10に搭載されていてもよいし、他の場所に配置されていてもよい。追加用爆薬供給装置83は、エアコンプレッサ(空気圧送装置)84、増しダイ6を貯留するホッパー85、シュート86、圧送ホース82、エア供給ホース87、合流管88等を備える。
ホッパー85は、例えば、貯留する増しダイ6を自動計量して予め設定された量の増しダイ6をシュート86に送り出すことが可能な移送機構89を有している。このような移送機構89として、例えばロータリーバルブ等を採用しても良い。更に、シュート86の下端には合流管88が接続され、当該合流管88には圧送ホース82が接続されている。また、合流管88には、エアコンプレッサ84から延びるエア供給ホース87が接続されている。そのため、移送機構89の作動によってホッパー85からシュート86に移送された増しダイ6は、合流管88においてエア供給ホース87を通じてエアコンプレッサ84から供給される圧縮空気と合流し、当該圧縮空気と共に増しダイ6が圧送ホース82を
通じて装填ロッド18に向けて圧送される。なお、合流管88には、例えば三方弁などの切り替え弁(図示せず)が付設されている。これにより、圧送ホース82に対してシュート86とエア供給ホース87の双方を連通させた状態と、圧送ホース82に対してエア供給ホース87のみを連通させると共にシュート86を遮断した状態とに切り替えることができる。前者の状態では増しダイ6を圧送ホース82にエア圧送することができ、後者の状態ではエアだけを圧送ホース82に圧送することができる。
通じて装填ロッド18に向けて圧送される。なお、合流管88には、例えば三方弁などの切り替え弁(図示せず)が付設されている。これにより、圧送ホース82に対してシュート86とエア供給ホース87の双方を連通させた状態と、圧送ホース82に対してエア供給ホース87のみを連通させると共にシュート86を遮断した状態とに切り替えることができる。前者の状態では増しダイ6を圧送ホース82にエア圧送することができ、後者の状態ではエアだけを圧送ホース82に圧送することができる。
次に、本実施形態に係る爆薬装填システムSによって切羽面2の発破孔3に爆薬を装填する手順について説明する。
図17は、操縦席14に装備された各種機器を例示する図である。操縦席14には、モニタ(ディスプレイ装置)210、制御装置15、当該制御装置15への入力装置(装薬用リモコンスイッチ231、操作盤232、キーボード233、ポンティングデバイス234等)が設けられている。装薬用重機10は、作業員が入力装置の各種機器を用いて、装薬用重機10における爆薬装填用ブーム13、ガイドシェル17、爆薬装填装置1、追加用爆薬供給装置83等を操作することが可能である。また、爆薬自動装填制御においては、制御装置15が爆薬装填用ブーム13、ガイドシェル17、爆薬装填装置1等を制御することによって自動で切羽面2に穿孔された発破孔3に親ダイ4および増しダイ6を装填することも可能である。制御装置15は、特に限定されないが、例えば入力部、処理部、出力部などを備えたコンピュータである。制御装置15の処理部は、各種プログラムを実行するためのプロセッサや、プロセッサの動作に必要な各種プログラムや各種情報を記憶する記憶装置(記憶部)等を含んで構成することができる。
ここでは、まずオペレータによる入力装置を介した操作によって、切羽面2に穿孔された発破孔3に爆薬装填装置1を用いて爆薬を装填する機械装填の手順について説明する。
まず、切羽面2の発破孔3に対する爆薬装填に際しては、図1に示すように、発破孔3が穿孔された切羽面2の近傍に装薬用重機10が配置される。その際、ガイドシェル17は、例えば、先端側に配置されたパッド17Aを切羽面2に押付けた状態で、軸方向が水平な姿勢となるようにセットされる。また、装薬用重機10の後方に作業車200が配置される。
爆薬装填装置1の起動時においては、初期状態に装填ロッド18がセットされている。装填ロッド18における初期状態の一態様としては、装填ロッド18がガイドシェル17の軸方向(X軸方向)と平行な姿勢にセットされている。
また、初期状態において、装填ロッド18の前端部181における前後方向(X方向)の位置が、起爆用爆薬供給装置70(収容ユニット100)の背面プレート101に対して若干後方側の位置にセットされている。より詳しくは、初期位置において、装填ロッド18の前端部181が、装填ロッド位置合わせ機構60の第1駆動部61におけるロッドホルダ63と、収容ユニット100における背面プレート101との間に位置している。
また、初期状態において、装填ロッド18は、例えば、ガイドシェル17の横方向(Y軸方向)における中央位置を通る位置にセットされている。また、初期状態において、装填ロッド18は、収容ユニット100よりも高い初期高さにセットされている。
上述した初期状態から、まず、装填ロッド18の中心軸を、装填ロッド18の横方向(Y方向)の位置を、収容ユニット100の最上段(1段目)に位置する装填対象親ダイ装着体5TGTの中心軸に合わせる「ピックアップ時位置合わせ工程」を行う。ここで、装填
対象親ダイ装着体5TGTは、爆薬装填対象となる発破孔3(以下、「装填対象発破孔3TGT
」という。)の段数に対応する起爆秒時が設定された親ダイ4を装着した親ダイ装着体5である。すなわち、装填対象親ダイ装着体5TGTは、装填対象発破孔3TGTに装填すべき対象となる親ダイ4を装着した親ダイ装着体5である。
対象親ダイ装着体5TGTは、爆薬装填対象となる発破孔3(以下、「装填対象発破孔3TGT
」という。)の段数に対応する起爆秒時が設定された親ダイ4を装着した親ダイ装着体5である。すなわち、装填対象親ダイ装着体5TGTは、装填対象発破孔3TGTに装填すべき対象となる親ダイ4を装着した親ダイ装着体5である。
ピックアップ時位置合わせ工程は、装填ロッド18の横方向への横スライド移動と上下方向への昇降移動の組み合わせによって実現される。ピックアップ時位置合わせ工程における装填ロッド18の横スライド移動は、装填ロッド位置合わせ機構60の各駆動部61,62における横スライド駆動機構64と収容ユニット駆動機構72の少なくとも何れかを作動させることで実現され、装填対象親ダイ装着体5TGTが収容されている仕分け収容
部150(以下、「装填対象仕分け収容部150TGT」という。)と対応する位置に装填
ロッド18の横位置が合わせられる。その際、装填ロッド位置合わせ機構60を作動させる際には、例えば、装填ロッド位置合わせ機構60の各駆動部61,62における横スライド駆動機構64を同期して作動させる。これにより、装填ロッド18をガイドシェル17の横方向(Y軸方向)にスライドさせることができる。
部150(以下、「装填対象仕分け収容部150TGT」という。)と対応する位置に装填
ロッド18の横位置が合わせられる。その際、装填ロッド位置合わせ機構60を作動させる際には、例えば、装填ロッド位置合わせ機構60の各駆動部61,62における横スライド駆動機構64を同期して作動させる。これにより、装填ロッド18をガイドシェル17の横方向(Y軸方向)にスライドさせることができる。
ピックアップ時位置合わせ工程における装填ロッド18の昇降移動は、装填ロッド位置合わせ機構60の各駆動部61,62における昇降駆動機構65を作動させることで実現され、装填ロッド18の高さが装填対象親ダイ装着体5TGTの芯高さに合わせられる。そ
の際、各駆動部61,62における昇降駆動機構65を同期して作動させることにより、装填ロッド18をガイドシェル17の上下方向(Z軸方向)にスライドさせることができる。一例ではあるが、本実施形態では、装填ロッド位置合わせ機構60の各駆動部61,62における昇降駆動機構65を最下点位置まで作動させると、装填ロッド18の中心高さが、装填対象仕分け収容部150TGTの最上段(1段目)に位置する装填対象親ダイ装
着体5TGTの芯高さに合致するようになっている。このようなピックアップ時位置合わせ
工程により、装填対象親ダイ装着体5TGTの後方位置に装填ロッド18の先端側が位置合
わせされ、双方の横位置と高さ位置が合致する。この状態において、装填対象親ダイ装着体5TGTの中心軸と装填ロッド18の中心軸は同軸状態に配置される。
の際、各駆動部61,62における昇降駆動機構65を同期して作動させることにより、装填ロッド18をガイドシェル17の上下方向(Z軸方向)にスライドさせることができる。一例ではあるが、本実施形態では、装填ロッド位置合わせ機構60の各駆動部61,62における昇降駆動機構65を最下点位置まで作動させると、装填ロッド18の中心高さが、装填対象仕分け収容部150TGTの最上段(1段目)に位置する装填対象親ダイ装
着体5TGTの芯高さに合致するようになっている。このようなピックアップ時位置合わせ
工程により、装填対象親ダイ装着体5TGTの後方位置に装填ロッド18の先端側が位置合
わせされ、双方の横位置と高さ位置が合致する。この状態において、装填対象親ダイ装着体5TGTの中心軸と装填ロッド18の中心軸は同軸状態に配置される。
図18は、ピックアップ時位置合わせ工程が完了した状態を示す図である。上段に側面図、下段に上面図を示している。ピックアップ時位置合わせ工程が完了すると、次に、装填対象仕分け収容部150TGTの最上段(1段目)に位置する装填対象親ダイ装着体5TGTを装填ロッド18によって装着してピックアップするピックアップ工程が行われる。
ピックアップ工程においては、まず、装填ロッド送り機構80によって装填ロッド18を前送りし、装填対象仕分け収容部150TGTの最上段(1段目)に位置する装填対象親
ダイ装着体5TGTを装填ロッド18の保持用治具19に装着すると共に、ストッパー形成
区間を超えるまで保持用治具19に装着された状態の装填対象親ダイ装着体5TGTを前方
に送り出す(ピックアップ時前送り工程)。
ダイ装着体5TGTを装填ロッド18の保持用治具19に装着すると共に、ストッパー形成
区間を超えるまで保持用治具19に装着された状態の装填対象親ダイ装着体5TGTを前方
に送り出す(ピックアップ時前送り工程)。
ピックアップ時前送り工程においては、装填ロッド18の前端部181側が装填対象仕分け収容部150TGTの最上段(1段目)に位置する装填対象親ダイ装着体5TGTの後端部5B側から中空部53へと挿入される。収容ユニット100のロッド挿入口105Aは、装填ロッド18の保持用治具19を仕分け収容部150内に進入させることの可能な大きさを有しているため、背面プレート101に干渉することなく、装填ロッド18の保持用治具19を装填対象親ダイ装着体5TGTの中空部53に挿入できる。保持用治具19のス
トッパー壁193Aに装填対象親ダイ装着体5TGTの後端部5Bにおける縁部が当接する
と、装填ロッド18(保持用治具19)への装填対象親ダイ装着体5TGTの装着が完了す
る(図14を参照)。
トッパー壁193Aに装填対象親ダイ装着体5TGTの後端部5Bにおける縁部が当接する
と、装填ロッド18(保持用治具19)への装填対象親ダイ装着体5TGTの装着が完了す
る(図14を参照)。
ピックアップ時前送り工程は、装填対象親ダイ装着体5TGTの後端部5Bがストッパー
形成区間を超えるまで継続される。なお、収容ユニット100において、隣接する一対の外れ止めストッパー107同士の開口幅が、保持用治具19における鍔部193の外径よりも小さい場合には、少なくとも保持用治具19の後端がストッパー形成区間を超える位置まで装填ロッド18の前送りが継続される。なお、ピックアップ時前送り工程においては、装填対象仕分け収容部150TGTの傾倒式ストッパー片742が装填対象親ダイ装着
体5TGTによって前方に押し込まれることで傾倒するため、装填ロッド18を円滑に前送
りすることができる。また、本実施形態におけるストッパー74は、収容ユニット100の前方に位置する前方カバー741を有し、2段目~最下段に位置する親ダイ装着体5の前方を覆っている。そのため、ピックアップ時前送り工程時に、最上段(1段目)に位置する装填対象親ダイ装着体5TGTを前送りする際に、当該装填対象親ダイ装着体5TGTとの摩擦などによって2段目以降の親ダイ装着体5が前方にずれてしまうことを抑制できる。
形成区間を超えるまで継続される。なお、収容ユニット100において、隣接する一対の外れ止めストッパー107同士の開口幅が、保持用治具19における鍔部193の外径よりも小さい場合には、少なくとも保持用治具19の後端がストッパー形成区間を超える位置まで装填ロッド18の前送りが継続される。なお、ピックアップ時前送り工程においては、装填対象仕分け収容部150TGTの傾倒式ストッパー片742が装填対象親ダイ装着
体5TGTによって前方に押し込まれることで傾倒するため、装填ロッド18を円滑に前送
りすることができる。また、本実施形態におけるストッパー74は、収容ユニット100の前方に位置する前方カバー741を有し、2段目~最下段に位置する親ダイ装着体5の前方を覆っている。そのため、ピックアップ時前送り工程時に、最上段(1段目)に位置する装填対象親ダイ装着体5TGTを前送りする際に、当該装填対象親ダイ装着体5TGTとの摩擦などによって2段目以降の親ダイ装着体5が前方にずれてしまうことを抑制できる。
ピックアップ時前送り工程が完了すると、次に、装填ロッド18を上昇させることによって装填対象仕分け収容部150TGTから装填対象親ダイ装着体5TGTを取り出す(ピックアップ時上送り工程)。ピックアップ時上送り工程においては、装填ロッド位置合わせ機構60の各駆動部61,62における昇降駆動機構65を作動させることで装填ロッド18を上昇させる。その際、各駆動部61,62における昇降駆動機構65を同期して作動させるとよく、これによって装填ロッド18を略水平な姿勢で上昇させることができる。また、一例ではあるが、本実施形態のピックアップ時上送り工程においては、初期高さまで装填ロッド18を上昇させる。なお、ピックアップ時上送り工程を行う際には、装填対象親ダイ装着体5TGT(保持用治具19)の後端がストッパー形成区間よりも前方に位置
しているため、装填対象親ダイ装着体5TGT(保持用治具19の鍔部193)が外れ止め
ストッパー107と干渉することなく装填ロッド18を上昇させることができる。
しているため、装填対象親ダイ装着体5TGT(保持用治具19の鍔部193)が外れ止め
ストッパー107と干渉することなく装填ロッド18を上昇させることができる。
図19は、ピックアップ工程が完了した状態を説明する図である。また、ピックアップ時前送り工程によって、装填対象仕分け収容部150TGTから最上段(1段目)の装填対
象親ダイ装着体5TGTが取り出されると、それまで2段目に位置していた親ダイ装着体5
が押し上げ機構120によって最上段(1段目)の位置まで押し上げられようになる。
象親ダイ装着体5TGTが取り出されると、それまで2段目に位置していた親ダイ装着体5
が押し上げ機構120によって最上段(1段目)の位置まで押し上げられようになる。
上記のようにピックアップ工程が完了すると、次に、装填ロッド18に装着した装填対象親ダイ装着体5TGTの先端部5Aが、装填対象発破孔3TGTに対して対向するように装填ロッド18を位置合わせする(起爆用爆薬位置合わせ工程)。起爆用爆薬位置合わせ工程は、装填ロッド位置合わせ機構60の各駆動部61,62における横スライド駆動機構64や昇降駆動機構65を適宜作動させることによって行うことができる。
なお、起爆用爆薬位置合わせ工程においては、検出装置9によって装填対象発破孔3TGTの位置を検出し、その位置検出結果に基づいて装填対象親ダイ装着体5TGTの先端部5Aが装填対象発破孔3TGTに正対するように装填ロッド18を位置合わせしてもよい。その
際、検出装置9におけるカメラは、装填対象発破孔3TGTおよびその周辺の切羽面2を撮
像した画像データを出力する。制御装置15は、検出装置9のカメラから出力される画像データを受け取り、その画像データを操縦席14のモニタ210に表示させる。
際、検出装置9におけるカメラは、装填対象発破孔3TGTおよびその周辺の切羽面2を撮
像した画像データを出力する。制御装置15は、検出装置9のカメラから出力される画像データを受け取り、その画像データを操縦席14のモニタ210に表示させる。
検出装置9の測距センサは、前方対象物との距離を測定する。装填対象親ダイ装着体5TGTの先端部5Aが装填対象発破孔3TGTに正対した状態では、測距センサから装填対象発破孔3TGTの最奥部3Aまでの距離が測定結果として出力されることになる。一方、装填
対象親ダイ装着体5TGTの先端部5Aが装填対象発破孔3TGTに正対していない状態では、測距センサから装填対象発破孔3TGT周辺の切羽面2までの距離が測定結果として出力さ
れる。この場合には、装填対象親ダイ装着体5TGTの位置が装填対象発破孔3TGTに合致している場合に比べて、測定された距離が顕著に小さくなる。制御装置15は、検出装置9の測距センサから出力された測定結果を受けとり、その測定結果を操縦席14のモニタ2
10に表示させる。オペレータは、検出装置9(カメラ、測距センサ)による位置検出結果に基づいて横スライド駆動機構64および昇降駆動機構65を操作することにより、装填ロッド18の位置合わせを容易に行うことができる。
対象親ダイ装着体5TGTの先端部5Aが装填対象発破孔3TGTに正対していない状態では、測距センサから装填対象発破孔3TGT周辺の切羽面2までの距離が測定結果として出力さ
れる。この場合には、装填対象親ダイ装着体5TGTの位置が装填対象発破孔3TGTに合致している場合に比べて、測定された距離が顕著に小さくなる。制御装置15は、検出装置9の測距センサから出力された測定結果を受けとり、その測定結果を操縦席14のモニタ2
10に表示させる。オペレータは、検出装置9(カメラ、測距センサ)による位置検出結果に基づいて横スライド駆動機構64および昇降駆動機構65を操作することにより、装填ロッド18の位置合わせを容易に行うことができる。
また、複合現実(MR)技術を適用し、検出装置9のカメラによって得られたリアル画像に、仮想オブジェクトを合成した複合現実画像をモニタ210に表示するようにしてもよい。複合現実画像に表示する仮想オブジェクトとしては、ガイドシェル17、爆薬装填装置1等の3Dモデルが挙げられる。また、複合現実画像は、更に、現在の装填対象親ダイ装着体5TGTの先端部5Aと装填対象発破孔3TGTの各位置を表す仮想オブジェクトが表示されるようにしてもよい。
起爆用爆薬位置合わせ工程が完了すると、装填ロッド送り機構80によって装填ロッド18を前送りすることで、装填対象親ダイ装着体5TGTを先端部5A側から装填対象発破
孔3TGTに挿入する(起爆用爆薬挿入工程)。起爆用爆薬挿入工程においては、例えば、
図20の(A)に示すように、装填対象発破孔3TGTの最奥部3Aまで装填対象親ダイ装
着体5TGTの先端部5Aが挿入されるように装填ロッド18を前送りさせる。その際、装
填ロッド送り機構80が装填ロッド18を前送りする際の抵抗力(押込み力)を荷重測定器7によって検出しながら起爆用爆薬挿入工程を行ってもよい。荷重測定器7の測定結果に基づいて対象親ダイ装着体5TGTの先端部5Aが装填対象発破孔3TGTの最奥部3Aに到達したタイミングを検知することができる。
孔3TGTに挿入する(起爆用爆薬挿入工程)。起爆用爆薬挿入工程においては、例えば、
図20の(A)に示すように、装填対象発破孔3TGTの最奥部3Aまで装填対象親ダイ装
着体5TGTの先端部5Aが挿入されるように装填ロッド18を前送りさせる。その際、装
填ロッド送り機構80が装填ロッド18を前送りする際の抵抗力(押込み力)を荷重測定器7によって検出しながら起爆用爆薬挿入工程を行ってもよい。荷重測定器7の測定結果に基づいて対象親ダイ装着体5TGTの先端部5Aが装填対象発破孔3TGTの最奥部3Aに到達したタイミングを検知することができる。
上記のように起爆用爆薬挿入工程が完了すると、次に、装填対象発破孔3TGTの最奥部
3Aに対象親ダイ装着体5TGTを残した状態で、装填ロッド18の保持用治具19から対
象親ダイ装着体5TGTを離脱させる(起爆用爆薬離脱工程)。起爆用爆薬離脱工程では、
追加用爆薬供給装置83のエアコンプレッサ84を作動させることで圧送ホース82を通じて空気を装填ロッド18の中空路18Aに圧送しつつ、装填ロッド送り機構80を作動させて装填ロッド18を所定距離だけ装填対象発破孔3TGTの内部で後退させる。
3Aに対象親ダイ装着体5TGTを残した状態で、装填ロッド18の保持用治具19から対
象親ダイ装着体5TGTを離脱させる(起爆用爆薬離脱工程)。起爆用爆薬離脱工程では、
追加用爆薬供給装置83のエアコンプレッサ84を作動させることで圧送ホース82を通じて空気を装填ロッド18の中空路18Aに圧送しつつ、装填ロッド送り機構80を作動させて装填ロッド18を所定距離だけ装填対象発破孔3TGTの内部で後退させる。
図20の(B)は、起爆用爆薬離脱工程が完了した状態を説明する図である。起爆用爆薬離脱工程においては、装填ロッド18の前端部181からエア圧送しながら装填ロッド18を装填対象発破孔3TGTの内部で後退させることによって、圧送エアの勢いにより、
装填対象発破孔3TGTの最奥部3Aに対象親ダイ装着体5TGTを残した状態で、装填ロッド18の保持用治具19から対象親ダイ装着体5TGTを離脱できる。なお、起爆用爆薬離脱
工程時における装填ロッド18の後退量は、装填ロッド18の前端部181が装填対象発破孔3TGTの内部に留まる範囲内で設定される。例えば、親ダイ離脱動作時における装填
ロッド18の後退量は20~30cm程度であってもよい。
装填対象発破孔3TGTの最奥部3Aに対象親ダイ装着体5TGTを残した状態で、装填ロッド18の保持用治具19から対象親ダイ装着体5TGTを離脱できる。なお、起爆用爆薬離脱
工程時における装填ロッド18の後退量は、装填ロッド18の前端部181が装填対象発破孔3TGTの内部に留まる範囲内で設定される。例えば、親ダイ離脱動作時における装填
ロッド18の後退量は20~30cm程度であってもよい。
起爆用爆薬離脱工程が完了すると、次に、装填ロッド18の前端部181から装填対象発破孔3TGTの内部に増しダイ6(追加用爆薬)を供給する(追加用爆薬装填工程)。追
加用爆薬装填工程においては、装填ロッド送り機構80によって装填ロッド18を更に後退させながら、追加用爆薬供給装置83によって増しダイ6を装填ロッド18の中空路18Aに圧送供給する。これにより、増しダイ6が装填ロッド18の前端部181から吐出され、装填対象発破孔3TGT内に増しダイ6を装填しながら最終的に装填ロッド18の前
端部181を装填対象発破孔3TGTの孔口3Bから引き抜く。図20(C)は、追加用爆
薬装填工程が完了した状態を説明する図である。追加用爆薬装填工程が完了すると、装填対象発破孔3TGTの内部に親ダイ4(親ダイ装着体5)および増しダイ6の装填が完了す
る。このようにして、順次、装填対象発破孔3TGTに対する爆薬(親ダイ4、増しダイ6
)の装填を行うことができる。
加用爆薬装填工程においては、装填ロッド送り機構80によって装填ロッド18を更に後退させながら、追加用爆薬供給装置83によって増しダイ6を装填ロッド18の中空路18Aに圧送供給する。これにより、増しダイ6が装填ロッド18の前端部181から吐出され、装填対象発破孔3TGT内に増しダイ6を装填しながら最終的に装填ロッド18の前
端部181を装填対象発破孔3TGTの孔口3Bから引き抜く。図20(C)は、追加用爆
薬装填工程が完了した状態を説明する図である。追加用爆薬装填工程が完了すると、装填対象発破孔3TGTの内部に親ダイ4(親ダイ装着体5)および増しダイ6の装填が完了す
る。このようにして、順次、装填対象発破孔3TGTに対する爆薬(親ダイ4、増しダイ6
)の装填を行うことができる。
次に、切羽面2に穿孔された発破孔3に爆薬装填装置1を用いて自動で爆薬を装填する
爆薬自動装填制御について説明する。爆薬自動装填制御は、制御装置15が爆薬装填装置1、追加用爆薬供給装置83を自動制御することによって行われる。
爆薬自動装填制御について説明する。爆薬自動装填制御は、制御装置15が爆薬装填装置1、追加用爆薬供給装置83を自動制御することによって行われる。
爆薬自動装填制御に際して、制御装置15は、各発破孔3の発破孔段数情報を所得し、当該発破孔段数情報を記憶装置等に記憶させておく。この発破孔段数情報は、各発破孔3の孔番号に対応する孔口3Bの第一座標P1(X1、Y1、Z1)と最奥部3Aの第二座標P2(X2、Y2、Z2)との三次元座標値を含む発破孔位置情報と、その孔番号に対応する発破孔3の段数とを、孔番号毎に関連付けた情報である。なお、発破孔位置情報は、例えば、フルオートドリルジャンボ(「コンピュータドリルジャンボ」とも呼ばれる)の岩盤穿孔機で切羽面2に発破孔3を穿孔した際に取得した各発破孔3の孔口3Bおよび最奥部3Aの三次元座標値に基づいて生成してもよい。勿論、本実施形態における装薬用重機10として、岩盤穿孔機および爆薬装填装置1を兼ね備えたフルオートドリルジャンボを採用し、切羽面2への発破孔3の穿孔作業と爆薬の装填作業を一台の装薬用重機10によって行うようにしてもよい。
爆薬自動装填制御に際して、オペレータは爆薬を装填する対象となる発破孔3の孔番号を、例えば制御装置15の入力装置を用いて入力する。制御装置15が発破孔3の孔番号に関する入力操作を受け付けると、制御装置15は、入力された発破孔3の孔番号に対応する発破孔段数情報に基づいて爆薬装填用ブーム13、ガイドシェル17を自動制御し、装填対象発破孔3TGTへの装薬に適した位置へ爆薬装填用ブーム13、ガイドシェル17
を移動させる。
を移動させる。
次に、制御装置15は、発破孔段数情報に基づいて爆薬装填装置1、追加用爆薬供給装置83を自動制御し、上述したピックアップ時位置合わせ工程、ピックアップ工程、起爆用爆薬位置合わせ工程、起爆用爆薬挿入工程、起爆用爆薬離脱工程、追加用爆薬装填工程といった一連の動作を自動で実行することにより、装填対象発破孔3TGTに親ダイ4(親
ダイ装着体5)および増しダイ6を装填する。なお、起爆用爆薬位置合わせ工程においては、制御装置15は、検出装置9(カメラ、測距センサ)から受け取った測定データに基づいて装填ロッド位置合わせ機構60の各駆動部61,62における横スライド駆動機構64や昇降駆動機構65を自動でフィードバック制御してもよい。或いは、制御装置15は、発破孔段数情報に含まれる発破孔位置情報を参照し、装填対象発破孔3TGTに対応す
る第一座標P1(X1、Y1、Z1)および第二座標P2(X2、Y2、Z2)を読み出すことによって、装填対象発破孔3TGTに対して装填ロッド18に装着された装填対象親
ダイ装着体5TGTの先端部5Aが対向するように装填ロッド18を位置合わせしてもよい
。
ダイ装着体5)および増しダイ6を装填する。なお、起爆用爆薬位置合わせ工程においては、制御装置15は、検出装置9(カメラ、測距センサ)から受け取った測定データに基づいて装填ロッド位置合わせ機構60の各駆動部61,62における横スライド駆動機構64や昇降駆動機構65を自動でフィードバック制御してもよい。或いは、制御装置15は、発破孔段数情報に含まれる発破孔位置情報を参照し、装填対象発破孔3TGTに対応す
る第一座標P1(X1、Y1、Z1)および第二座標P2(X2、Y2、Z2)を読み出すことによって、装填対象発破孔3TGTに対して装填ロッド18に装着された装填対象親
ダイ装着体5TGTの先端部5Aが対向するように装填ロッド18を位置合わせしてもよい
。
以上のように、爆薬装填装置1および制御装置15を含む爆薬装填システムSによれば、トンネルTNの切羽面2に穿孔された発破孔3に対して効率的に爆薬を装填することができる。特に、本実施形態における起爆用爆薬供給装置70によれば、雷管41の起爆秒時が異なる親ダイ装着体5の種類毎にこれらを収容可能な仕分け収容部150を有するため、切羽面2に割り当てられた発破対象領域の段数に応じた爆薬を、発破孔3に効率よく装填することが可能となる。
なお、上記実施形態においては、爆薬装填システムSを段発発破工法に適用する場合を例に説明したが、これには限られない。例えば、雷管の起爆タイミングに時間差を設けない発破工法に爆薬装填システムSを適用することも可能である。また、本実施形態における爆薬装填システムSは、切羽面2に穿孔された発破孔3に対して爆薬(親ダイ4、増しダイ6)を機械装填してもよいし、発破孔3に対して爆薬を全自動で装填してもよい。
1・・・爆薬装填装置
2・・・切羽面
3・・・発破孔
4・・・親ダイ
5・・・親ダイ装着体
6・・・増しダイ
10・・・装薬用重機
17・・・ガイドシェル
18・・・装填ロッド
60・・・装填ロッド位置合わせ機構
70・・・起爆用爆薬供給装置
80・・・装填ロッド送り機構
83・・・追加用爆薬供給装置
100・・・収容ユニット
2・・・切羽面
3・・・発破孔
4・・・親ダイ
5・・・親ダイ装着体
6・・・増しダイ
10・・・装薬用重機
17・・・ガイドシェル
18・・・装填ロッド
60・・・装填ロッド位置合わせ機構
70・・・起爆用爆薬供給装置
80・・・装填ロッド送り機構
83・・・追加用爆薬供給装置
100・・・収容ユニット
Claims (4)
- 施工重機における爆薬装填用ブームのガイドシェルに搭載され、トンネルの切羽面に穿孔された発破孔に爆薬を装填する爆薬装填装置であって、
先端側に起爆用爆薬を装着可能であって、起爆用爆薬を発破孔に装填するための装填ロッドと、
前記装填ロッドを前記ガイドシェルの前後方向に沿って進退動させる装填ロッド送り機構と、
前記装填ロッドを、前記ガイドシェルの横方向および上下方向に沿って駆動する装填ロッド位置合わせ機構と、
前記装填ロッドの前方に配置されると共に複数の起爆用爆薬を収容する収容ユニットと、前記ガイドシェルの横方向に沿って前記収容ユニットを駆動する収容ユニット駆動機構と、を有する起爆用爆薬供給装置と、
を備える、爆薬装填装置。 - 前記収容ユニットは、起爆秒時が異なる起爆用爆薬を相互に仕分けして収容可能な複数の仕分け収容部を有する、
請求項1に記載の爆薬装填装置。 - 前記装填ロッド位置合わせ機構は、前記ガイドシェルの前後方向に間隔をおいて配置された第1駆動部および第2駆動部を有し、
前記第1駆動部および第2駆動部の各々が、
前記装填ロッドを挿通させた状態で軸受けするロッドホルダと、
前記ロッドホルダを前記ガイドシェルの横方向に沿って駆動させる横スライド機構と、
前記ロッドホルダを前記ガイドシェルの上下方向に沿って駆動させる昇降駆動機構と、
を有する、
請求項1又は2に記載の爆薬装填装置。 - 施工重機における爆薬装填用ブームのガイドシェルに搭載され、トンネルの切羽面に穿孔された発破孔に爆薬を装填する爆薬装填装置を用いた爆薬装填方法であって、
前記爆薬装填装置は、
先端側に起爆用爆薬を装着可能であって、起爆用爆薬を発破孔に装填するための装填ロッドと、
前記装填ロッドを前記ガイドシェルの前後方向に沿って進退動させる装填ロッド送り機構と、
前記装填ロッドを、前記ガイドシェルの横方向および上下方向に沿って駆動する装填ロッド位置合わせ機構と、
前記装填ロッドの前方に配置されると共に複数の起爆用爆薬を収容する収容ユニットと、前記ガイドシェルの横方向に沿って前記収容ユニットを駆動する収容ユニット駆動機構と、を有する起爆用爆薬供給装置と、
を備え、
前記収容ユニット駆動機構及び前記装填ロッド位置合わせ機構を作動させることによって、前記収容ユニットに収容されている複数の起爆用爆薬のうち、前記発破孔に装填する対象となる起爆用爆薬の後方位置に前記装填ロッドの先端側を位置合わせするピックアップ時位置合わせ工程と、
前記装填ロッド送り機構及び前記装填ロッド位置合わせ機構を作動させることによって、前記装填ロッドの先端側に前記起爆用爆薬を装着するピックアップ工程と、
前記装填ロッド位置合わせ機構を作動させることによって、前記装填ロッドの先端に
装着した前記起爆用爆薬の先端部を前記発破孔に位置合わせする起爆用爆薬位置合わせ工程と、
前記装填ロッド送り機構によって前記装填ロッドを前送りすることによって、前記起爆用爆薬を前記発破孔に挿入する起爆用爆薬挿入工程と、
を含む、爆薬装填方法。
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