JP2024003445A - ウェーハの研削方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ウェーハの中央部に形成された円形凹部の底面の面内厚みを均一にすることができるウェーハの研削方法を提供すること。【解決手段】本発明に係るウェーハWの研削方法は、チャックテーブル10の保持面11aにウェーハWを保持させる保持工程と、チャック回転軸12とスピンドル(砥石回転軸)33とを平行な方向から所定の角度αに相対的に傾け、回転する環状砥石35bでウェーハWの中央部分を研削して円形凹部W1を形成し、該円形凹部W1の底面の厚みtが予め設定した仕上げ厚みt2よりも厚い仕上げ前厚みt1(>t2)になるまで研削する前研削工程と、該前研削工程の後、チャック回転軸12とスピンドル(砥石回転軸)33とを平行にする傾き変更工程と、該傾き変更工程の後、ウェーハWの円形凹部W1の底面の厚みtが予め設定された仕上げ厚みt2になるまで研削する仕上げ研削工程とからなる。【選択図】図7

Description

本発明は、チャックテーブルの保持面に保持されたウェーハを環状砥石によって研削するウェーハの研削方法に関する。
電子機器に用いられるICやLSIなどの半導体デバイスの製造工程においては、半導体デバイスの小型化と軽量化のために、ウェーハの裏面が研削されて該ウェーハが所定の厚さまで薄肉化されている。特に近年、電子機器の薄型化や小型化などの要求に応えるため、半導体デバイスを薄く形成することが求められている。しかし、ウェーハの厚さを例えば50μm以下になるまで研削すると、該ウェーハの抗折強度が低下して破損し易くなり、その後の取り扱いが困難になるという問題がある。
そこで、例えば特許文献1,2には、ウェーハのデバイスが形成された領域の裏側のみを研削して中央部に円形凹部を形成し、この円形凹部の外周側に研削前と同じ厚さの環状凸部を補強部として残すことによって、研削後のウェーハの剛性を高める研削方法が提案されている。
上記研削方法を実施する際、チャックテーブルの保持面を保持面研削用の環状砥石で研削して該保持面を円錐状にしている。そして、この保持面に保持されたウェーハを、保持面研削用の環状砥石よりも径が小さくウェーハの半径よりも小さい直径のウェーハ研削用の環状砥石で研削して該ウェーハに円形凹部を形成している。この場合、保持面研削用の環状砥石とウェーハ研削用の環状砥石は、その下面の半円部分をチャックテーブルの保持面またはウェーハに接触させてこれらの保持面またはウェーハを研削している。
そのため、研削された保持面の半径部分の断面とウェーハの半径部分の断面は、円弧状になっていて保持面の円弧の中心とウェーハの円形凹部の円弧の中心とが一致せず、ウェーハの円形凹部の底面の面内厚みが均一にならないという問題がある。
そこで、特許文献4には、平坦な保持面にウェーハを保持させ、環状砥石の下面全面をウェーハに接触させて該ウェーハに円形凹部を形成するようにした研削装置が提案されている。
特開2007-019461号公報 特開2008-042081号公報 特開2015-072972号公報 特開2016-047561号公報
しかしながら、特許文献4において提案された研削装置によれば、環状砥石の下面全面がウェーハに接触するため、該環状砥石から脱落した砥粒やウェーハの研削によって発生した研削屑が円形凹部と環状砥石との間から排出されにくく、これらの砥粒や研削屑が環状砥石の下面に付着し易い。このため、ウェーハの円形凹部の底面の面内厚みが不均一になるという問題があった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、その目的は、ウェーハの中央部に形成された円形凹部の底面の面内厚みを均一にすることができるウェーハの研削方法を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明は、チャックテーブルの保持面でウェーハを保持し、該保持面の中心を通るチャック回転軸によって該チャックテーブルを回転させ、ウェーハの半径より小さい直径の環状砥石の中心を通る砥石回転軸によって回転する該環状砥石でウェーハの中央部分を研削して円形凹部と該円形凹部の外周側に環状凸部とを形成するウェーハの研削方法であって、該保持面にウェーハを保持させる保持工程と、該チャック回転軸と該砥石回転軸とを平行な方向から所定の角度に相対的に傾け、回転する該環状砥石でウェーハの中央部分を研削し、該円形凹部の底面の厚みが予め設定した仕上げ厚みよりも厚い仕上げ前厚みになるまで研削する前研削工程と、該前研削工程の後、該チャック回転軸と該砥石回転軸とを平行にする傾き変更工程と、該傾き変更工程の後、該円形凹部の底面の厚みが予め設定した仕上げ厚みになるまで研削する仕上げ研削工程とからなることを特徴とする。
本発明に係るウェーハの研削方法によれば、前研削工程においては、チャック回転軸と砥石回転軸とを平行な方向から所定の角度に相対的に傾けて環状砥石でウェーハの中央部分を研削するようにしたため、ウェーハの円形凹部と環状砥石との間に微小な隙間が部分的に形成され、研削中に環状砥石から脱落した砥粒やウェーハの研削によって発生した研削屑が微小隙間から排出され、これらの砥粒や研削屑が環状砥石の下面に付着しにくい。そして、その後の仕上げ研削工程においては、前研削工程において研削中に環状砥石から脱落した砥粒やウェーハの研削によって発生した研削屑が環状砥石とウェーハとの間に形成された微小隙間から排出されており、これらの砥粒や研削屑が付着していない環状砥石の全面をウェーハの円形凹部に接触させて該円形凹部を仕上げ研削するため、円形凹部の底面の面内厚みが全面に亘って均一になり、仕上げ研削されたウェーハの品質が高められる。
本発明に係るウェーハの研削方法を実施するための研削装置の一部を破断して示す斜視図である。 本発明に係るウェーハの研削方法の保持工程を示す研削装置要部の破断側面図(図3の矢視A方向の図)である。 本発明に係るウェーハの研削方法の保持工程におけるウェーハと環状砥石の位置関係を示す平面図である。 本発明に係るウェーハの研削方法の前研削工程を示す研削装置要部の破断側面図(図3の矢視A方向の図)である。 本発明に係るウェーハの研削方法の前研削工程において研削されたウェーハの研削痕を示す平面図である。 図5のB-B線断面図である。 本発明に係るウェーハの研削方法の傾き変更工程と仕上げ研削工程を示す研は削装置要部の破断側面図(図3の矢視A方向の図)である。 本発明に係るウェーハの研削方法の仕上げ研削工程において研削されたウェーハの研削痕を示す平面図である。 (a),(b)は図8のC-C線断面図である。 本発明に係るウェーハの研削方法の手順を示すフローチャートである。
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
先ず、本発明方法を実施するための研削装置の構成について説明する。
[研削装置の構成]
図1に示す研削装置1は、被加工物である円板状のウェーハWを研削加工するものであって、次の構成要素を備えている。なお、以下の説明においては、図1に示す矢印方向をそれぞれX軸方向(左右方向)、Y軸方向(前後方向)、Z軸方向(上下方向)とする。
すなわち、研削装置1は、上面の円形の保持面11aでウェーハWを保持するチャックテーブル10と、該チャックテーブル10をY軸方向(前後方向)に移動させる水平移動機構20と、チャックテーブル10の保持面11aに吸引保持されたウェーハWを研削加工する研削ユニット30と、該研削加工中のウェーハWの厚みを測定する厚み測定器40と、研削ユニット30の砥石35bとウェーハWとの接触領域(加工領域)に研削水を供給する研削水供給手段50と、研削ユニット30をチャックテーブル10の保持面11aに対して垂直方向(Z軸方向)に上下動させる垂直移動機構60と、チャックテーブル10の傾きを調整する傾き調整機構70と、制御部80を主要な構成要素として備えている。
ここで、ウェーハWは、単結晶のシリコン母材で構成されており、図2に示す状態において下方を向いている表面には、複数の不図示のデバイスが形成されており、これらのデバイスは、ウェーハWの表面に貼着された保護テープTによって保護されている。そして、ウェーハWは、その表面(図2においては下面)が保護テープTを介してチャックテーブル10の保持面11aに吸引保持され、裏面(図2においては上面)が研削水供給手段50から研削水の供給を受けながら研削ユニット30の環状砥石35bによって研削される。
次に、研削装置1の主要な構成要素であるチャックテーブル10、水平移動機構20、研削ユニット30、厚み測定器40、研削水供給手段50、垂直移動機構60、傾き調整機構70及び制御部80の構成についてそれぞれ説明する。
(チャックテーブル)
チャックテーブル10は、円板状の部材であって、その中央部には、多孔質のセラミックなどで構成された円板状のポーラス部材11が組み込まれている。そして、ポーラス部材11は、その上面が円板状のウェーハWを吸引保持する保持面11aを構成している。
そして、チャックテーブル10は、回転機構2によって垂直な中心軸CL1回りに回転駆動される。すなわち、チャックテーブル10は、その中心から下方に向かって垂直に一体に延びるチャック回転軸12を備えており、このチャック回転軸12は、リングプレート状の支持フランジ13に不図示の軸受によって回転可能に支持されている。
チャックテーブル10を中心軸CL1回りに回転駆動する回転機構2は、後述の水平移動機構20に設けられたブロック状のスライダ21の側面にステー14によって取り付けられた電動モータ15を回転駆動源として備えている。また、電動モータ15から上方に延びる不図示の出力軸には、小径の駆動プーリ16が結着されており、チャック回転軸12には、大径の従動プーリ17が結着されている。そして、駆動プーリ16と従動プーリ17には、無端状のタイミングベルト18が巻き掛けられている。なお、電動モータ15には、該電動モータ15の回転速度などを検出するエンコーダ19が取り付けられており、このエンコーダ19と電動モータ15は、制御部80に電気的に接続されている。
また、図2に示すように、チャックテーブル10とチャック回転軸12の中心部には、連通路3が垂直に形成されており、この連通路3の上端は、ポーラス部材11の下面に開口している。また、連通路3の下端は、配管4に接続されており、配管4は、電磁開閉式のバルブV1を介して真空ポンプなどの吸引源5に接続されている。なお、バルブVは、制御部80に電気的に接続されており、その開閉動作が制御部80によって制御される。
ここで、本実施の形態に係る研削装置1は、図1に示すように、Y軸方向(前後方向)に長い矩形ボックス状のベース100を備えており、このベース100の上面に開口するY軸方向に長い矩形の開口部100aにはチャックテーブル10が臨んでいる。そして、ベース100の上面の開口部100aのチャックテーブル10の周囲は、矩形プレート状のカバー6によって覆われており、開口部100aのカバー6の前後(-Y方向と+Y方向)の部分は、カバー6と共に移動して伸縮する蛇腹状の伸縮カバー7によってそれぞれ覆われている。したがって、チャックテーブル10がY軸上のどの位置にあっても、開口部100aは、カバー6と伸縮カバー7によって常に閉じられており、異物が開口部100aからベース100内に侵入することがない。
(水平移動機構)
水平移動機構20は、チャックテーブル10を保持面11aに対して水平方向(Y軸方向)に移動させる機構であって、図1に示すように、ベース100の内部に収容された矩形ブロック状の内部ベース101の上に配設されている。この水平移動機構20は、ブロック状のスライダ21を備えており、このスライダ21は、Y軸方向(前後方向)に沿って互いに平行に配設された左右一対のガイドレール22に沿ってY軸方向に摺動可能である。したがって、このスライダ21に支持されたチャックテーブル10と電動モータ15などを含む回転機構2は、スライダ21と共にY軸方向に沿って摺動可能である。
そして、内部ベース101上の左右一対のガイドレール22の間には、Y軸方向(前後方向)に延びる回転可能なボールネジ軸23が配設されており、該ボールネジ軸23のY軸方向一端(図1の左端)は、駆動源である正逆転可能な電動モータ24に連結されている。また、ボールネジ軸23のY軸方向他端(図1の右端)は、内部ベース101上に立設された軸受25によって回転可能に支持されている。そして、このボールネジ軸23には、スライダ21から下方に向かって突設された不図示のナット部材が螺合している。
したがって、電動モータ24を起動してボールネジ軸23を正逆転させると、このボールネジ軸23に螺合する不図示のナット部材がスライダ21と共にボールネジ23に沿ってY軸方向(前後方向)に摺動するため、このスライダ21と共にチャックテーブル10もY軸方向に沿って一体的に移動する。この結果、チャックテーブル10の保持面11aに吸引保持されたウェーハWもY軸方向に沿って移動する。
(研削ユニット)
研削ユニット30は、ホルダ31に固定されたスピンドモータ32と、該スピンドルモータ32によって回移転駆動される垂直なスピンドル33と、該スピンドル33の下端に取り付けられた円板状のマウント34と、該マウント34の下面に着脱可能に装着された研削ホイール35とを備えている。ここで、研削ホイール35は、円板状の基台35aと、該基台35aの下面に円環状に取り付けられた環状砥石35bによって構成されている。なお、スピンドルモータ32は、制御部80に電気的に接続されており、その動作が制御部80によって制御される。
(厚み測定器)
厚み測定器40は、チャックテーブル10に保持された研削加工中のウェーハWの厚みを測定するハイトゲージによって構成されており、チャックテーブル10の上面に接触する接触子41とウェーハWの上面に接触する接触子42を備えている。この厚み測定器40は、制御部80に電気的に接続されており、一方の接触子41によって測定されるチャックテーブル10の上面の高さと他方の接触子42によって測定されるウェーハWの上面の高さの差に基づいて制御部80がウェーハWの厚みを求める。なお、本実施の形態では、厚み測定器40として接触式のハイトゲージを用いたが、光学的に厚みを測定する非接触式のものを使用しても良い。
(研削水供給手段)
研削水供給手段50は、研削水供給源51と、該研削水供給源51から配管52を経て供給される研削水を環状砥石35bとウェーハWとの接触点(加工点)に向けて噴射する不図示の噴射ノズルを含んで構成されている。ここで、配管52には、電磁開閉式のバルブV2が設けられており、このバルブV2は、制御部80に電気的に接続されてその開閉動作が制御部80によって制御される。
(垂直移動機構)
垂直移動機構60は、研削ユニット30をチャックテーブル10の保持面11aに対して垂直な方向(Z軸方向)に沿って昇降動させるものであって、図1に示すように、ベース100の上面の+Y軸方向端部(後端部)上に垂直に立設された矩形ボックス状のコラム61の-Y軸方向端面(前面)に配置されている。この垂直移動機構60は、ホルダ31の背面に取り付けられた矩形プレート状の昇降板62を、ホルダ31及び該ホルダ31に保持されたスピンドル33と研削ホイール35と共に左右一対のガイドレール63に沿ってZ軸方向に昇降動させるものである。ここで、左右一対のガイドレール63は、コラム61の前面に垂直且つ互いに平行に配設されている。
また、左右一対のガイドレール63の間には、回転可能なボールネジ軸64がZ軸方向(上下方向)に沿って垂直に立設されており、該ボールネジ軸64の上端は、駆動源である正逆転可能な電動モータ65に連結されている。ここで、電動モータ65は、コラム61の上面に取り付けられた矩形プレート状のブラケット66を介して縦置き状態で取り付けられている。また、ボールネジ軸64の下端は、コラム61に回転可能に支持されており、このボールネジ軸64には、昇降板62の背面に後方(+Y軸方向)に向かって水平に突設された不図示のナット部材が螺合している。
したがって、電動モータ65を駆動してボールネジ軸64を正逆転させれば、このボールネジ軸64に螺合する不図示のナット部材が取り付けられた昇降板62が研削ユニット30と共にZ軸に沿って上下動する。なお、電動モータ65は、制御部80に電気的に接続されており、その動作が制御部80によって制御される。
(傾き調整機構)
傾き調整機構70は、チャックテーブル10の傾きを調整する機構であって、図1に示すように、チャックテーブル10とその下方の支持フランジ13との間の周方向3箇所に設けられている。この傾き調整機構70は、2つのアクチュエータ71と1つの不図示のピボットによって構成されており、これらのアクチュエータ71とピボットは、周方向に等角度ピッチ(120°ピッチ)で配置されている。
ここで、各アクチュエータ71は、不図示のロッドを上下動させることによって、チャックテーブル10を、不図示のピボットを中心として傾動させてその保持面11aの水平面に対する傾きを調整する。なお、各アクチエータ71には、環状砥石35bからウェーハWに対して垂直方向に作用する垂直荷重を測定するためのロードセルなどの垂直荷重測定器が設けられていても良い。
(制御部)
制御部80は、制御プログラムにしたがって演算処理を行うCPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などのメモリなどを備えている。この制御部80は、チャックテーブル10の回転機構2の電動モータ15や研削ユニット30の駆動源であるスピンドルモータ32、垂直移動機構60の電動モータ65を駆動制御してチャックテーブル10(ウェーハW)と環状砥石35bの回転速度、環状砥石35bの研削量などを調整する機構を果たすものである。その他、制御部80は、厚み測定器40から送信される信号を受信して研削加工中のウェーハWの厚みを算出する機能も果たす。
[ウェーハの研削方法]
次に、以上のように構成された研削装置1を用いて実施される本発明に係るウェーハWの研削方法を図10に示すフローチャートを参照しながら以下に説明する。
本発明に係るウェーハWの研削方法は、1)保持工程と、2)前研削工程と、3)傾き変更工程と、4)仕上げ研削工程を順次経てウェーハWを研削する方法である。以下、各工程についてそれぞれ説明する。
1)保持工程:
保持工程は、図2に示すように、チャックテーブル10の保持面11aにウェーハWを保持させる工程であって、この保持工程においては、ウェーハWが保護テープTを下にしてチャックテーブル10の保持面11a上に載置されると、制御部80は、図2に示すバルV1を開く(図10のステップS1)。すると、チャックテーブル10のポーラス部材11内のエアが連通路3と配管4を通って吸引源5に吸引されるため、ポーラス部材11に負圧が発生し、この負圧によってウェーハWがチャックテーブル10の保持面(ポーラス部材11の上面)11aに吸引保持される。
なお、この保持工程においては、図2に示すように、チャック回転軸12の中心軸CL1と砥石回転軸であるスピンドル33の中心軸CL2とは互いに平行に配置されており、ウェーハWの上面と環状砥石35bの下面(加工面)は、水平なXY平面において互いに平行に配置されている。
また、図3に示すように、環状砥石35bの直径(外接円直径)φDは、ウェーハWの半径Rよりも小さく設定されている(φD<R)。そして、環状砥石35bは、ウェーハWの後述の円形凹部W1(図4及び図7参照)を研削することができるように、少なくともウェーハWの中心O1を通るような位置にその中心O2が位置するように配置されている。したがって、図3に示すように、環状砥石35bの外周縁がウェーハWの中心O1を通るように該環状砥石35bを配置した場合には、後述のように環状砥石35bによるウェーハWの研削によって、該ウェーハWの外周部には、幅B(=R-φD)の環状凸部W2(図4及び図7参照)が形成される。
2)前研削工程:
前研削工程は、チャック回転軸12とスピンドル(砥石回転軸)33とを平行な方向から所定の角度αだけ相対的に傾け、回転する環状砥石35bでウェーハWの中央部分を研削して円形凹部W1を形成し、該円形凹部W1の底面の面内厚みtが予め設定した仕上げ厚みtよりも厚い仕上げ前厚みt(>t)になるまで研削する工程である。
すなわち、この前研削工程においては、図4に示すように、傾き調整機構70によってチャック回転軸12の中心軸CL1を垂直に対して図示の角度αだけ傾ける(図10のステップS2)。なお、図4においては、チャック回転軸12の傾斜角度αを誇張して図示しているが、この角度αは、実際には目視で確認することができない程度の微小な角度である。
上記状態から、チャックテーブル10に保持されたウェーハWが研削ユニット30の環状砥石35bによって研削される(図10のステップS3)。すなわち、制御部80は、チャックテーブル10をこれに保持されたウェーハWと共に図4の矢印方向(反時計方向)に所定の速度で回転駆動するとともに、研削ユニット30のスピンドルモータ32を起動して環状砥石35bを図示矢印方向(反時計方向)に回転駆動する。そして、制御部80は、垂直移動機構60の電動モータ65を起動して研削ユニット30の環状砥石35bを所定量(研削代)だけ下降させるとともに、バルブV2を開いて研削水供給源51から研削水を環状砥石35bとウェーハWとの接触点(加工点)に向けて供給する。
すると、ウェーハWの上面中央部が環状砥石35bによって研削され、該ウェーハWの中央部に円形凹部W1が形成され、この円形凹部W1の外周側には、研削されないで元の厚さを維持する環状凸部W2が形成されるが、図6に示すような断面が円弧凹曲面状の円形凹部W1には、図5に示すように、環状砥石35bによる半円弧状の研削痕がウェーハWの中心を中心に放射状に形成される。つまり、ウェーハWの中心を軸に複数の円弧状の研削痕が等間隔で形成される。また、環状砥石35bとウェーハWとの接触点(加工点)は、研削水によって潤滑されるとともに、冷却されて温度上昇が抑えられる。
ここで、環状砥石35bによる研削によってウェーハWの中央部に形成される円形凹部W1の厚さtは、図1に示す厚み測定器40によって測定され(図10のステップS4)、その測定結果が制御部80に送信される。ここで、ウェーハWの円形凹部W1の厚み測定器40による測定点を図5に円形の破線にて示す。厚み測定器40は、図6に示すウェーハの断面の最も厚みが薄くなる部分の厚みを測定する。すると、制御部80は、測定されたウェーハWの円形凹部W1の厚さtが予め設定した仕上げ前厚みtに達したか否か(t=t?)を判定し(図10のステップS5)、円形凹部W1の厚みtが仕上げ前厚みtに達していない(t>t)場合(ステップS5:No)には、円形凹部W1の厚みtが仕上げ前厚みtに達するまで環状砥石35bによる研削と円形凹部W1の厚みtの測定が繰り返される(ステップS3~S5)。
この前研削工程においては、チャック回転軸12の中心軸CL1が垂直に対して図4に示す角度αだけ傾斜しており、チャックテーブル10及びこれに保持されたウェーハWが水平なXY平面に対して同角度αだけ傾斜しているため、環状砥石35bの下面の半円部分のみがウェーハWに接触する。このため、ウェーハWの円形凹部W1と環状砥石35bとの間に微小な隙間が部分的に形成され、研削中に環状砥石35bから脱落した砥粒やウェーハWの研削によって発生した研削屑が微小隙間から排出され、これらの砥粒や研削屑が環状砥石35bの下面に付着しにくい。
他方、ウェーハWの円形凹部W1の厚みtが仕上げ前厚みtに達すると(ステップS5:Yes)、次の傾き変更工程が実施される(ステップS6)。
3)傾き変更工程:
傾き変更工程においては、傾き調整機構70によってチャック回転軸12の中心軸CL1の角度を元の垂直な状態に戻し、図7に示すように、このチャック回転軸12の中心軸CL1とスピンドル(砥石回転軸)33の中心軸CL2とが平行になるようにする(図10のステップS6)。すると、チャックテーブル10の保持面11aとこれに保持されたウェーハWの研削面(円形凹部W1の底面)とが水平なXY平面に対して平行な面となる。このような傾き変更工程が実施されると、次の仕上げ研削工程が実施される。
4)仕上げ研削工程:
仕上げ研削工程は、ウェーハWの円形凹部W1の厚みtが予め設定された仕上げ厚みtになるまで円形凹部W1を研削する工程であり、この仕上げ研削工程においては、前記前研削工程と同様に、回転するウェーハWに対して回転する環状砥石35bによる仕上げ研削が実施される(ステップS7)。
すなわち、この仕上げ研削工程においては、図7に示すように、チャックテーブル10を、これに保持されたウェーハWと共に図7の矢印方向(反時計方向)に所定の速度で回転駆動するとともに、研削ユニット30のスピンドルモータ32を起動して環状砥石35bを図示矢印方向(反時計方向)に回転駆動する。そして、制御部80は、垂直移動機構60の電動モータ65を起動して研削ユニット30の環状砥石35bを所定量(研削代)だけ下降させるとともに、バルブV2を開いて研削水供給源51から研削水を環状砥石35bとウェーハWとの接触点(加工点)に向けて供給する。
すると、ウェーハWの上面中央部に形成された円形凹部W1が環状砥石35bによって仕上げ研削されるが、この仕上げ研削中にウェーハWの円形凹部W1の厚みtが図1に示す厚み測定器40によって測定され(図10のステップS8)、その測定結果が制御部80に送信される。すると、制御部80は、測定されたウェーハWの円形凹部W1の厚みtが予め設定した仕上げ厚みtに達したか否か(t=t?)を判定し(図10のステップS9)、円形凹部W1の厚みtが仕上げ厚みtに達していない(t>t)場合(ステップS9:No)には、円形凹部W1の厚みtが仕上げ厚みtに達するまで環状砥石35bによるウェーハWの研削と円形凹部W1の厚みtの測定が繰り返される(ステップS7~S9)。
この仕上げ研削工程においては、チャック回転軸12の中心軸CL1とスピンドル(砥石回転軸)33の中心軸CL2が共に平行に配置されており、チャックテーブル10の保持面11aと環状砥石35bの下面全面が水平なXY平面に対して平行になっているため、環状砥石35bの全面がウェーハWの円形凹部W1の底面に接触して該円形凹部W1を均一な厚みに研削する。これにより、図8に示すように円形凹部W1の底面には、あやめ状の研削痕が形成され、図9(a)に示す図8のC-C線断面図のように、円形凹部W1が均一な厚みになる。
以上の仕上げ研削工程においては、これより前に実施された前研削工程において、研削中に環状砥石35bから脱落した砥粒やウェーハWの研削によって発生した研削屑が研削水と共に環状砥石35bとウェーハWとの間に形成された微小隙間から排出されており、これらの砥粒や研削屑が付着していない環状砥石35bの下面全面をウェーハWの円形凹部W1に接触させて該円形凹部W1を仕上げ研削するため、円形凹部W1の厚みtが下面全面に亘って均一な仕上げ厚みtになり、仕上げ研削されたウェーハWの品質が高められる。なお、環状砥石35bが円周方向に複数のセグメント砥石を隙間をあけて配置している場合には、その隙間から研削屑を含む研削水を排出している。また、円形凹部W1から研削屑を含む研削水を排出させやすくするために、前研削工程において、図9(b)に示すように、円形凹部W1の内周面を斜面に研削してもよい。
そして、ウェーハWの円形凹部W1の厚みtが仕上げ厚みtに達すると(ステップS9:Yes)、ウェーハWに対する一連の研削加工が終了する(図10のステップS10)。
以上の説明で明らかなように、本発明に係るウェーハWの研削方法によれば、前研削工程においては、チャック回転軸12とスピンドル(砥石回転軸)33とを平行な方向から所定の角度に相対的に傾けて環状砥石35bでウェーハWの中央部分を研削して円形凹部W1を形成するようにしたため、ウェーハWの円形凹部W1と環状砥石35bとの間に微小な隙間が部分的に形成され、研削中に環状砥石35bから脱落した砥粒やウェーハWの研削によって発生した研削屑が微小隙間から排出され、これらの砥粒や研削屑が環状砥石35bの下面に付着しにくい。そして、その後の仕上げ研削工程においては、前研削工程において研削中に環状砥石35bから脱落した砥粒やウェーハWの研削によって発生した研削屑が環状砥石35bとウェーハWとの間に形成された微小隙間から排出されており、これらの砥粒や研削屑が付着していない環状砥石35bの全面をウェーハWの円形凹部W1に接触させて該円形凹部W1を仕上げ研削するようにしたため、円形凹部W1の底面の面内厚みtが全面に亘って均一な仕上げ厚みtになり、仕上げ研削されたウェーハWの品質が高められる。
なお、前研削工程に用いる環状砥石と仕上げ研削工程に用いる環状砥石は、同じでもよいし、別でもよい。つまり、前研削工程で用いる環状砥石は、砥粒径の大きい粗い砥石を用いて、仕上げ研削工程で用いる環状砥石は、前研削工程で用いる環状砥石よりも砥粒径の小さい砥石を用いてもよい。
なお、以上に実施の形態では、前研削工程においてチャック回転軸12の中心軸CL1を垂直に対して所定角度αだけ傾けたが、スピンドル(砥石回転軸)33の中心軸CL2を垂直に対して所定角度αだけ傾けるようにしても良い。
その他、本発明は、以上説明した実施の形態に適用が限定されるものではなく、特許請求の範囲及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
1:研削装置、2:回転機構、3:連通路、4:配管、5:吸引源、6:カバー、
7:伸縮カバー、10:チャックテーブル、11:ポーラス部材、11a:保持面、
12:チャック回転軸、13:支持フランジ、14:ステー、15:電動モータ、
16:駆動プーリ、17:従動プーリ、18:タイミングベルト、19:エンコーダ、
20:水平移動機構、21:スライダ、22:ガイドレール、23:ボールネジ軸、
24:電動モータ、25:軸受、30:研削ユニット、31:ホルダ、
32:スピンドルモータ、33:スピンドル(砥石回転軸)、34:マウント、
35:研削ホイール、35a:基台、35b:環状砥石、40:厚み測定器、
41,42:接触子、50:研削水供給手段、51:研削水供給源、52:配管、
60:垂直移動機構、61:コラム、62:昇降板、63:ガイドレール、
64:ボールネジ軸、65:電動モータ、66:ブラケット、70:傾き調整機構、
71:アクチュエータ、80:制御部、100:ベース、100a:基台の開口部、
101:内部ベース、B:環状凸部の幅、CL1:チャック回転軸の中心軸、
CL2:スピンドルの中心軸、φD:環状砥石の直径、O1:ウェーハの中心、
O2:環状砥石の中心、R:ウェーハの半径、T:保護テープ、t:円形凹部の厚み、
:円形凹部の仕上げ前厚み、t:円形凹部の仕上げ厚み、V1,V2:バルブ、
W:ウェーハ、W1:円形凹部、W2:環状凸部、α:チャック回転軸の傾斜角

Claims (1)

  1. チャックテーブルの保持面でウェーハを保持し、該保持面の中心を通るチャック回転軸によって該チャックテーブルを回転させ、ウェーハの半径より小さい直径の環状砥石の中心を通る砥石回転軸によって回転する該環状砥石でウェーハの中央部分を研削して円形凹部と該円形凹部の外周側に環状凸部とを形成するウェーハの研削方法であって、
    該保持面にウェーハを保持させる保持工程と、
    該チャック回転軸と該砥石回転軸とを平行な方向から所定の角度に相対的に傾け、回転する該環状砥石でウェーハの中央部分を研削し、該円形凹部の底面の厚みが予め設定した仕上げ厚みよりも厚い仕上げ前厚みになるまで研削する前研削工程と、
    該前研削工程の後、該チャック回転軸と該砥石回転軸とを平行にする傾き変更工程と、
    該傾き変更工程の後、該円形凹部の底面の厚みが予め設定した仕上げ厚みになるまで研削する仕上げ研削工程と、
    からなるウェーハの研削方法。
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