JP2024002967A - 磁気誘導式流量測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】流れプロフィルに対して、測定すべき媒体の流れプロフィルの変化に対して低減された感度を有する。【解決手段】当該磁気誘導式流量測定装置(1)では、磁場ガイド装置(5)が測定管(2)の周囲を周方向で閉じるように延在しており、コイル(4)が磁場ガイド装置(5)の周面にわたって分散配置されており、磁場ガイド装置(5)がコイル(4)の領域内でコイルコアとして作用し、これにより、コイル(4)がそのコイル長手軸線を同様に測定管(2)の周方向に有するように配置されており、少なくとも3つのコイル(4a,4b,4c)および少なくとも3つの測定電極(6a,6b,6c)が設けられており、測定電極(6a,6b,6c)のそれぞれが測定管(2)の中央から見て半径方向で2つのコイル(4a,4b,4c)の間に配置されていることにより、測定管(2)の断面にわたって分散された有効度分布を有する複数の測定電圧が形成される。【選択図】図2

Description

本発明は、磁気誘導式流量測定装置であって、導電性媒体をガイドする測定管と、媒体の流れ方向に対して垂直に少なくとも部分的に測定管を貫通する磁場を形成する複数のコイル、および測定管の外部で磁場を領域ごとにガイドする磁場ガイド装置を有する、磁場装置と、媒体内に誘導される少なくとも1つの測定電圧を取り出すための測定電極と、コイルのうちの少なくとも1つへの通電を行うことで磁場を形成して測定電圧を評価する制御評価装置と、を備えた、磁気誘導式流量測定装置に関する。
磁気誘導式流量測定装置は、その多くが従来技術から公知である。機能的に必須のものとして、磁気誘導式流量測定装置は、導電性媒体をガイドしてその流量を測定する少なくとも1つの測定管と、この測定管を媒体の流れ方向に対して垂直に少なくとも部分的に貫通する磁場を形成する複数のコイルを有する磁場装置と、を備える。また、従来技術から公知の磁気誘導式流量測定装置も同様に、測定管の外部で磁場を領域ごとにガイドする磁場ガイド装置と、媒体内に誘導される測定電圧を取り出すための測定電極と、を備える。
磁気誘導式流量測定の基礎となる測定方式は、外部磁場内での運動電荷の分離に基づいている。電荷の分離に基づいて測定電圧が媒体内に誘導され、この測定電圧が測定電極を用いて取り出されて評価可能となる。測定電圧の評価から、(測定管の断面にわたって平均化された)媒体の流速に関する情報、ひいては測定管を通る体積流量に関する情報が得られる。
従来技術における磁気誘導式流量測定の方式は確かに信頼性の高い測定方式であることが実証されているが、当該磁気誘導式流量測定装置は測定管を通って流れる媒体の流れプロフィルもしくはその変化に対して過敏に反応することが知られており、または磁気誘導式流量測定装置が測定を実行することのできる測定精度が流れプロフィルにおける障害および非対称性に依存することが知られている。
点状に取り出される測定電圧、測定管の関連体積における磁場分布、媒体の速度分布(流れプロフィル)、および誘導によって生じた電場分布の間の電磁場論的関係を説明するために、Shercliff(ほか)による系統的考察が提起されており、そこからいわゆる重み関数(weight-function)の概念が生じている。これによれば、磁気誘導式流量測定装置内の過程の物理的な説明のために、磁気誘導式流量測定装置の内部空間にわたる体積積分値によって電極電圧が計算され、被積分関数は前述した重み関数と流れの速度場とからなるスカラー積である。つまり、位置依存性の重み関数は、磁気誘導式流量測定装置の体積における流れ要素がどの程度相互に異なって測定電圧に寄与するかを記述する。重み関数の空間的可変性が大きいほど、流量測定は流れプロフィルの変化に対してより敏感となる。これらの関係についての記述は高速に複雑化し、測定管の幾何学的形状、測定電極の配置および磁場分布に関する理想的な仮定についてしか推定することができない。いずれの場合にも、重み関数のアプローチから、流れの断面もしくは流れの体積にわたって分散された速度成分が誘導された測定電圧に対してそれぞれ異なる大きさで寄与し、これにより、平均体積流量が等しい場合、それぞれ異なる速度プロフィルによってそれぞれ異なる測定電圧が生じうることが明らかである。
磁気誘導式流量測定装置は、多くの場合に、媒体が配管系統内をガイドされる処理設備内に設置されている。この場合、例えばT字形部材または湾曲管または管セグメントごとの変化断面などの様々なタイプの配管系統が、磁気誘導式流量測定装置における流れプロフィルひいては流量測定の精度に影響を及ぼしうる。よって、従来技術では、流量測定装置における流れプロフィルは可能な限り障害のない対称的なものであって、これには、定義された長さの流入区間および流出区間、整流装置の使用などが必要であることに注意を要する。
したがって、本発明の基礎を成す課題は、流れプロフィルに対して、特に測定すべき媒体の流れプロフィルの変化に対して低減された感度を有する磁気誘導式流量測定装置を提供することである。
当該課題は、本発明の請求項1記載の磁気誘導式流量測定装置により、すなわち、磁場ガイド装置が測定管の周囲を周方向で閉じるように延在しており、コイルが磁場ガイド装置の周面にわたって分散配置されており、磁場ガイド装置がコイルの領域内でコイルコアとして作用し、これにより、コイルがそのコイル長手軸線を同様に測定管の周方向に有するように配置されており、少なくとも3つのコイルおよび少なくとも3つの測定電極が設けられており、測定電極のそれぞれが測定管の中央から見て半径方向で2つのコイルの間に配置されていることにより、解決される。
磁気誘導式流量測定装置の構造的な構成により、様々な利点が生じる。コイルがそのコイル長手軸線を測定管の周方向に有するように配置されるため、コイルの位置によって測定管への磁場の流入領域が構造的に規定されることはない。このことは、通常の構造とは対照的に、コイルのコイル長手軸線が大抵の場合に(測定管の周方向ではなく)測定管に対する半径方向に配向されており、このため、当該事例では、コイルの位置が、構造的に、コイルにより形成される磁場が測定管内へ流入する点を定めている。つまりここでは、コイル長手軸線とは、コイルが通電時に磁場を形成する方向であると理解される。磁場ガイド装置の周面にわたってコイルを配置することにより、コイルに所期の通りに通電を行うのみで、コイルにより形成される磁場がどの箇所で測定管内へ流入し、かつどの箇所で測定管内から流出するかを決定することができ、これにより、コイルに所期の通りに通電を行うことにより、制御評価装置が磁場をその方向において基本的に変化させることができる。このため、これは、磁場の単純な極性反転、すなわち磁場の180°回転だけでなく、単純な反平行性を超えた磁場の方向変化も意味する。また、測定管の周方向に延在する磁場ガイド装置の周囲にコイルを上述したように配置することにより、特に省スペース型の構造が可能となる。なぜなら、従来技術において一般的であるように、測定管へ向かう方向すなわち測定管に対する半径方向においては付加的なスペースを設けることができないからである。
コイルのコイル長手軸線が測定管に対する周方向に配置されていると仮定すると、このコイルは直線状のコイルであってよく、つまりその直線状の中心線は磁場ガイド装置に対する実質的な接線方向に延在するが、コイルが磁場ガイド装置の可能な円弧状の延在状態に追従する円弧状のコイルであってもよく、つまりその中心線も同様に円弧状であり、湾曲した延在状態で磁場ガイド装置に追従してもよい。
少なくとも3つのコイルによって、上述した磁場の方向変化が(単純な方向反転だけではなく)実現可能となることが保証されている。
2つのコイルの間に配置された少なくとも3つの測定電極を使用することにより、180°の方向反転だけでなく、測定管の断面において重心に関して同様にそれぞれ異なる方向の延在状態を有する複数の測定経路を実現できることが構造的に保証される。
このため、上述した磁気誘導式流量測定装置によって構造的に、測定管内の媒体に、それぞれ異なる方向に配向された磁場を印加することができ、さらにそれぞれ異なる方向に配向された測定経路からそれぞれ異なる測定電圧が取り出し可能となるので、非対称な流れプロフィルにわたる著しく良好な平均を得ることもでき、これにより、磁気誘導式流量測定装置の可変の流れプロフィルに対する感度を大幅に低減することができる。
測定電極のそれぞれが測定管の中央から見て半径方向で2つのコイルの間にそれぞれ配置されているので、測定電極と磁場ガイド装置の周面に分散されたコイルとの電気的接触は空間的に阻害されなくなる。測定電極のそれぞれが測定管の中央から見て半径方向で2つのコイルの間に配置されることを想定しているが、これはもちろん2つのコイルの間に1つの測定電極を配置しなければならないことを意味しているわけではなく、設けられる測定電極がいずれの場合にも2つのコイルの間に配置されること、すなわち、測定管の中央から見て磁場ガイド装置の周面に分散配置されたコイルのうちの1つと一列にならないことを意味しているのみである。
磁気誘導式流量測定装置の有利な構成は、磁場ガイド装置が円弧状に湾曲したリングを形成することを特徴としている。特に好ましくは、リングは少なくとも領域ごとに円形状または楕円形状に成形されている。別の変形形態では、磁場ガイド装置が多角形状のリングを形成する。多角形状のリングは、さらに好ましくは、六角形または八角形の多角形状を形成する。特に、多角形は、好適には、交互に長い脚部と短い脚部とを有している。特に好ましい変化形態では、コイルは長い脚部上に配置されている。
磁気誘導式流量測定装置の別の有利な構成は、制御評価装置が、少なくとも1つの第1の動作モードでは、測定管の領域において形成される磁場が第1の動作方向に配向されるようにコイルの少なくとも一部への通電を行い、少なくとも1つの第2の動作モードでは、測定管の領域において形成される磁場が第1の動作方向とは異なる第2の動作方向に配向されるようにコイルの少なくとも一部への通電を行うことを特徴としている。この場合にも、「異なる方向」とは、反平行の狭い事例を意味するのではなく、形成される磁場が0°および180°とは異なる角度で相互に傾斜していることを意味する。付加的に磁場の反転のみを実現することも可能であり、このことは排除されていないが、いずれの場合にも、これに加えて、ここで説明している意味での方向変化も実現しなければならない。
本発明による構成では、コイルの少なくとも一部への通電に基づき、少なくとも2つの異なる動作方向において磁場を形成することが可能となる。動作方向ごとに、磁場は2つの配向状態、すなわち、第1の配向と、これと反対の、つまり第1の配向に対して180°回転された第2の配向と、を有することができる。それぞれ異なる動作方向は、それぞれ異なる形式で、例えばコイルのそれぞれ異なる部分への通電を行うことにより形成でき、この場合、各部分は共通のコイルを有していないが、他の実施例では各部分が別の所定の部分に対して共通のコイルを有していてもよい。なお、同じコイルに対して、例えばそれぞれ異なる方向および/またはそれぞれ異なる強度で通電を行うことも可能である。
磁気誘導式流量測定装置の別の有利な構成は、制御評価装置が、磁場を形成するために、少なくとも第1の動作方向および第2の動作方向において、それぞれ複数のコイルへの通電を行うことを特徴としている。
磁気誘導式流量測定装置の好ましい構成では、制御評価装置は、コイルへの通電の変化を可能な限り跳躍的に実現し、これにより、例えばそれぞれ異なる動作モード間の移行を任意の順序で迅速に実現することができる。このような跳躍的なもしくは矩形状の電流特性を実現するためには、時間ごとに比較的大きな電圧で動作させなければならない。なぜなら、コイルにおける電流の変化にとっては有効電流電圧面積が既知でありかつ決定的であるからである。代替的な構成では、制御評価装置は、コイルへの通電の変化を正弦波状に実現するように制御を行い、有利には特に、連続的に正弦波の電流特性が実現される。本明細書における特色として、特に連続的な正弦波状の電流特性においては電圧ピークが発生せず、そのため関与するコイルの通電状態がもちろん時間的に設定されるので、実現可能な動作モードもその構成において制限されることが挙げられる。
有利には、制御評価装置は、実現された磁気回路の全体、特に磁場装置および磁場ガイド装置が線形領域において動作し、特に磁気飽和の領域が回避されるように、コイルへの通電を行う。こうした前提条件のもとでは、測定システムが全体として線形に動作していると見なすことができ、これにより、例えば物理的作用の線形の重ね合わせを容易に基礎とすることができる。
磁気誘導式流量測定装置の別の有利な構成は、測定電極が、測定電極の少なくとも1つの第1の対が第1の測定区間方向を有する第1の測定区間を形成するように、測定管の中央から見て半径方向で2つのコイルの間に配置されることを特徴としている。ここで、第1の測定区間方向と磁場の第1の動作方向とは相互に傾斜し、好適には相互に45°超で傾斜し、きわめて好適には相互に90°で傾斜する。さらに、上述した有利な構成は、測定電極の少なくとも1つの第2の対が第2の測定区間方向を有する第2の測定区間を形成し、同様に第2の測定区間方向と磁場の第2の動作方向とが相互に傾斜し、好適には相互に45°超で傾斜し、きわめて好適には相互に90°傾斜することを特徴としている。測定区間方向が磁場の動作方向に対して大きく傾斜するほど、測定区間方向における電荷の分離がより有効となり、ひいては、誘導される電気的な測定電圧が測定技術によってより良好に検出可能となる。
全ての実施例に共通しているのは、検出されたそれぞれ異なる測定電圧が制御評価装置により利用され、これらから測定管を通る体積流量が算定されることである。磁場の動作方向の多様性とそれぞれ異なって配向された測定電圧の多様性とにより、流れプロフィルから明確に独立した流量情報を取得することができる。
磁気誘導式流量測定装置の別の有利な構成は、制御評価装置が、測定シーケンスにおいて改善された流量測定値を算定するために、第1の動作モードを少なくとも1回実行して、当該第1の動作モードにおいて、測定電極の第1の対により、第1の測定電圧および/または第1の流量測定値を算定し、第2の動作モードを少なくとも1回実行して、当該第2の動作モードにおいて、測定電極の第2の対により、第2の測定電圧および/または第2の流量測定値を算定し、第1の測定電圧および第2の測定電圧からかつ/または第1の流量測定値および第2の流量測定値から、改善された流量測定値を算定することを特徴としている。特に好ましくは、改善された流量測定値は、制御評価装置により、第1の測定電圧および第2の測定電圧からの平均値形成によって、かつ/または第1の流量測定値および第2の流量測定値からの平均値形成によって、形成される。
磁気誘導式流量測定装置の別の有利な構成は、制御評価装置が、測定シーケンスにおいて第1の動作モードを少なくとも2回実行し、これにより、磁場が当該磁場の第1の動作方向の一方の配向と他方の配向(つまりこれは反対の配向である)とにおいて形成され、当該磁場の第1の動作方向の各配向において、測定電極の第1の対により、対応するサブ測定電圧/サブ流量測定値が記録され、サブ測定電圧/サブ流量測定値から第1の流量測定値が計算され、さらに制御評価装置が、測定シーケンスにおいて第2の動作モードを少なくとも2回実行し、これにより、磁場が当該磁場の第2の動作方向の一方の配向と他方の配向(つまりこれは反対の配向である)とにおいて形成され、当該磁場の第2の動作方向の各配向において、測定電極の第2の対により、対応するサブ測定電圧/サブ流量測定値が記録され、サブ測定電圧/サブ流量測定値から第2の流量測定値が計算されることを特徴としている。この場合、これは、測定電極における、磁場の配向に伴って変化しない電気化学的ポテンシャルを消去するための措置である。
磁気誘導式流量測定装置の別の有利な構成は、制御評価装置が、少なくとも時間ごとに、測定シーケンスを、まず磁場が第1の動作方向もしくは第2の動作方向の2つの配向において順次に形成され、次いで第2の動作方向もしくは第1の動作方向の2つの配向において順次に形成されるように実行し、特に動作方向の配向が複数回交互に順次に駆動制御されることを特徴としている。
磁気誘導式流量測定装置の別の有利な構成は、制御評価装置が、少なくとも時間ごとに、測定シーケンスを、磁場の少なくとも2つの動作方向の各配向が順次に駆動制御されて測定管の軸線方向で見てステップ式に回転する磁場を生じさせるように実行することを特徴としている。コイル装置の具体的な構成に応じて、当該動作方式の利点は、動作方向の切り替えの際に、先行して通電されていたコイルの励起を簡単に減衰させることができる一方、他のコイルを非通電状態から通電状態へ移行させなければならないが、定常通電状態を達成するための期間が先行して通電されていたコイルに逆向きに通電を行わなければならない場合よりも迅速に達成される、ということにあってよい。
磁気誘導式流量測定装置の好ましい構成は、制御評価装置が、少なくとも1つの中間動作モードにおいて、形成される磁場が測定管の領域において中間動作方向に配向されるようにコイルの少なくとも一部への通電を行い、ここで、中間動作方向は、第1の動作方向および第2の動作方向ならびに場合により別の動作方向とは異なって配向されており、特に中間動作方向における磁場の形成に際しては、動作方向における磁場を形成するための通電の場合よりも少数のコイルへの通電が行われることを特徴としている。中間動作方向を形成する措置は、可能な限り平均化された、流れプロフィルに依存しない体積流量情報を導出できるようにするために、測定管内の媒体を複数の動作方向において磁気的に励起する、という着想を考慮したものである。
磁気誘導式流量測定装置の別の有利な構成は、制御評価装置が、少なくとも1つの中間動作モードにおいて、形成される磁場が測定管の領域において中間動作方向に配向されるようにコイルの少なくとも一部へのそれぞれ異なる大きさの電流の通電を行い、ここで、中間動作方向は、第1の動作方向および第2の動作方向ならびに場合により別の動作方向とは異なって配向されていることを特徴としている。当該措置は、磁気誘導式流量測定装置の構造的な特色として、(例えば磁極シューの、その他の点では一般的な構造上の構成により)測定管の内部空間への磁場の構造的な流入箇所を設定せずに、コイルがその長手軸線(=コイルにより形成される磁場の方向)を測定管の周方向に有するように配置され、磁場ガイド装置から測定管の内部空間への磁場の入射位置がコイルの通電状態によって決定されることを利用している。このようにコイルへの通電に関してそれぞれ異なる大きさの電流を選択することによってはじめて、測定管における磁場の方向を調整しかつ測定することが可能となる。
好ましい変化形態では、中間動作方向における磁場の形成に際しては、動作方向における磁場を形成するための通電の場合よりも少数のコイルへの通電が行われる。
磁気誘導式流量測定装置の別の有利な構成は、制御評価装置が、測定シーケンスにおいて改善された流量測定値を算定するために、少なくとも第1の動作モードおよび少なくとも第2の動作モードから測定電圧/流量測定値を算定することに加え、測定電極の対により、中間動作モードにおいて少なくとも1つの中間測定電圧/中間流量測定値を算定し、第1の測定電圧/第1の流量測定値、第2の測定電圧/第2の流量測定値および中間測定電圧/中間流量測定値から、改善された流量測定値を算定することを特徴としている。流量測定値の使用と同様に、測定電極の対により記録された(中間)測定電圧の使用も識別可能である。
特に、改善された流量測定値は、第1の測定電圧/第1の流量測定値、第2の測定電圧/第2の流量測定値および中間測定電圧/中間流量測定値から、平均値形成によって形成される。
磁気誘導式流量測定装置の別の有利な構成は、厳密に3つの測定電極が設けられることを特徴としている。3つの測定電極は、測定管の中央から見て相互に90°~150°の角度で配置される。この場合、必須ではないが好ましくは、電極は相互に120°の角度で対称に配置される。さらに、厳密に3つのコイルが相互に90°~150°の角度で配置される。この場合、同様に必須ではないが好ましくは、3つのコイルは、相互に120°の角度で対称に配置され、かつ測定電極に対して40°~80°の角度で、特に60°の角度で配置される。3つの動作方向で磁場を形成するために、制御評価装置により、各動作方向につきコイルのうちそれぞれ2つずつのコイルへの通電が行われる。
磁気誘導式流量測定装置の別の有利な構成は、厳密に3つの測定電極が設けられ、当該3つの測定電極が測定管の中央から見て相互に90°~150°の角度で配置されることを特徴とする。特に好ましくは、厳密に3つの測定電極が相互に120°の角度で対称に配置される。さらに、6つのコイルが設けられる。測定管の中央から見て、6つのコイルのうちのそれぞれ2つのコイルが1つずつの測定電極を間に有し、かつ2つの測定電極がそれぞれ2つずつのコイルを間に有する。好ましくは、6つのコイルのうちのそれぞれ3つのコイルがそれぞれ相互に120°の角度で配置され、1つの測定電極に隣接して配置されているコイルの双方が、それぞれ測定電極に対して同じ角度で配置される。
磁気誘導式流量測定装置の別の有利な構成は、1つの動作方向で磁場を形成するために、制御評価装置により、少なくとも4つのコイルへの通電が行われ、好適には動作方向の軸線に対して対称に位置するコイルへの通電が行われることを特徴としている。
磁気誘導式流量測定装置の別の有利な構成は、3つの測定電極により3つの測定区間が実現されており、制御評価装置が、3つの動作モードにおいて、それぞれ異なる動作方向を有する3つの磁場を形成して、測定シーケンスにおいて3つの動作モードの全てを行い、3つの測定区間から3つの測定電圧/3つの流量測定値を取得し、3つの測定電圧/3つの流量測定値から、改善された流量測定値を取得することを特徴としている。
磁気誘導式流量測定装置の別の有利な構成は、厳密に4つの測定電極が、測定管の中央から見て、相互に70°~110°の角度で、特に相互に90°の角度で対称に配置されるように設けられ、厳密に4つのコイルが、相互に70°~110°の角度で、特に相互に90°の角度で対称に配置され、かつ測定電極に対して35°~55°の角度で、特に45°の角度で配置され、特に2つの動作方向で磁場を形成するために、制御評価装置により、各動作方向につきそれぞれ4つのコイルの全てへの通電が行われることを特徴としている。
磁気誘導式流量測定装置の別の有利な構成は、厳密に4つの測定電極が、測定管の中央から見て、相互に70°~110°の角度で配置され、特に相互に90°の角度で対称に配置されるように設けられ、8つのコイルが、特に、測定管の中央から見て、当該8つのコイルのうちそれぞれ2つのコイルが1つずつの測定電極を間に有し、かつ2つの測定電極がそれぞれ2つずつのコイルを間に有するように設けられ、好ましくは8つのコイルのうちそれぞれ4つのコイルがそれぞれ相互に90°の角度で配置され、1つの測定電極に隣接して配置されているコイルの双方が、それぞれ測定電極に対して同じ角度で配置されることを特徴としている。
磁気誘導式流量測定装置の別の有利な構成は、1つの動作方向で磁場を形成するために、制御評価装置により、少なくとも4つのコイル、好適には動作方向の軸線に対して対称に位置するコイルへの通電が行われることを特徴としている。
磁気誘導式流量測定装置の別の有利な構成は、1つの動作方向で磁場を形成するために、制御評価装置により、厳密に4つのコイル、特に動作方向の軸線に対して対称に位置しかつ動作方向の軸線から最も遠く離れた4つのコイルへの通電が行われることを特徴としている。
既に上述したように、制御評価装置は、媒体の体積流量を、例えば種々の動作モードにおける種々の測定から検出された測定電圧/体積流量の平均値形成によって計算する。より一般的に、好ましい発展形態によれば、制御評価装置は、媒体の体積流量を、検出された測定電圧/計算された体積流量のうちの複数の測定電圧/体積流量の線形結合から計算し、特に測定電圧/体積流量は重み付け係数によって重み付けされるように設けられる。このために、変化するが既知の体積流量を有する較正測定を実行することができる。線形関係および/または重み付け係数の最適な選択を決定するために、重み付け係数および関係を最適化法によって決定することができる。
磁気誘導式流量測定装置の別の好ましい発展形態によれば、制御評価装置は、媒体の体積流量を、非線形関数を用いて、種々の動作モードから検出された測定電圧/計算された体積流量のうちの複数の測定電圧/体積流量において計算する。
磁気誘導式流量測定装置の好ましい発展形態では、非線形関数は、入力パラメータとしての検出された測定電圧/計算された体積流量の個数に対応する少なくとも複数個の入力ニューロンを有する入力層と、出力パラメータとしての媒体の体積流量を少なくとも出力する少なくとも1つの出力ニューロンを有する出力層と、少なくとも2つのニューロンを有する少なくとも1つの中間層と、を有する、人工ニューラルネットワークによって形成され、特に、人工ニューラルネットワークは較正データを用いてトレーニングされる。較正データは現実の較正測定に由来するものであってよいが、存在する限り、対応する数値シミュレーションに由来するものであってもよい。
詳細には、本発明による磁気誘導式流量測定装置を構成し発展させるための多数の手段が存在する。これらの手段については、請求項1に従属する各請求項ならびに図面に関連した好ましい構成の説明を参照されたい。
測定管とコイルを有する磁場装置と磁場ガイド装置と測定電極と制御評価装置とを備えた磁気誘導式流量測定装置を概略的に示す図である。 磁場装置の領域とコイルおよび測定電極の識別可能な位置との断面において、磁気誘導式流量測定装置を概略的に示す図である。 磁気誘導式流量測定装置のコイルへの通電のための動作モードの一実施例および測定シーケンスを概略的に示す図である。 磁気誘導式流量測定装置のコイルへの通電のための動作モードの別の実施例および別の測定シーケンスを概略的に示す図である。 磁気誘導式流量測定装置のコイルへの通電のための動作モードの別の実施例および別の測定シーケンスを概略的に示す図である。 磁気誘導式流量測定装置のコイルへの通電のための中間動作モードを使用する一実施例を概略的に示す図である。 3つのコイルおよび6つのコイルを有する磁場装置を備えた磁気誘導式流量測定装置を動作させる実施例を概略的に示す図である。 4つのコイルおよび8つのコイルを有する磁場装置を備えた磁気誘導式流量測定装置を動作させる実施例を概略的に示す図である。
図には、本明細書において考察される磁気誘導式流量測定装置1の様々な態様が概略的に示されており、その幾つかは磁気誘導式流量測定装置1の構造的な態様であり、別の幾つかは動作の態様である。
図1には、導電性媒体をガイドする測定管2と、媒体の流れ方向に対して垂直に少なくとも部分的に測定管2を貫通する磁場Bを形成する複数のコイル4および測定管2の外部で磁場Bを領域ごとにガイドする磁場ガイド装置5を有する磁場装置3と、媒体内に誘導される少なくとも1つの測定電圧Uを取り出すための測定電極6と、コイル4のうちの少なくとも1つへの通電を行うことで磁場Bを形成して測定電圧Uを評価する制御評価装置7と、を備えた、磁気誘導式流量測定装置1が示されている。磁気誘導式流量測定装置1は測定管2の端部にフランジ8を有しており、このフランジ8によって、流量決定を行うべき流体技術的な処理の配管系統内に測定管2を組み込むことができる。
従来技術では、図1に(さらに別の図にも)示されている構成とは異なる磁気誘導式流量測定装置(ここには図示せず)が使用されている。従来技術で使用されている磁場装置は、多くの場合に、測定管の周面に向かい合って位置し、その軸線が半径方向で測定管の中心点を向くように配置された2つのコイルから成る。この場合も同様に、これらのコイルへの通電が行われる。多くの場合に、半径方向に配向されたコイルにより形成される磁場が測定管の内部空間へ流入しかつ再び流出する箇所を構造的に設定する磁極シューが実現されている。大抵の場合、流れる媒体内に誘導される測定電圧を記録する2つの測定電極が実現されており、この測定電圧は、測定管の断面にわたって平均化された測定管内の媒体の流速に実質的に比例している。
これに対して、本明細書に示している磁気誘導式流量測定装置1は、磁場ガイド装置5が測定管2の周囲を周方向で閉じるように延在しており、コイル4が磁場ガイド装置5の周面にわたって分散配置されており、磁場ガイド装置5がコイル4の領域においてコイルコアとして作用し、これによりコイル4がそのコイル長手軸線も同様に測定管2の周方向に有するように配置されることを特徴としている。ここでは、少なくとも3つのコイル4と少なくとも3つの測定電極6とが設けられており、この場合、測定電極6のそれぞれが測定管2の中央から見て半径方向で2つのコイル4の間に配置されている。
図示の磁気誘導式流量測定装置1は、コイル4がそのコイル長手軸線を測定管2の周方向に有するように配置されるため、コイル4の位置が測定管2内への磁場Bの流入領域を構造的に厳密に定義しないという特性を有する。磁場ガイド装置5の周全体にわたってコイル4が配置されていることにより、コイル4に所期の通りに通電を行うことで、コイル4によって形成される磁場Bが測定管2内へ流入する位置および測定管2から流出する位置を決定することができるので、制御評価装置7によるコイル4への所期の通電によって磁場Bをその方向において基本的に可変とすることができる。このことは、磁場Bの流入箇所および流出箇所が、磁場ガイド装置5の周面における点状の箇所ではなく、ある程度の拡がりを有する領域となるという理解に基づいている。こうした理解によれば、当該領域を、コイル4への通電により変化させ調整することができる。これにより、いずれの場合にも、コイル4自体の位置が測定管2への磁場Bの決定的な流入箇所とならず、また測定管2からの磁場Bの決定的な流出箇所ともならないことが明らかとなる。一般事項の説明部分において既に述べたように、磁場Bの方向変化とは、磁場Bの単純な極性反転ではなく、反平行性を超えた磁場Bの方向変化を意味する。また、測定管の周方向に延在する磁場ガイド装置5の周面にコイル4を上述したように配置することにより、測定管2へ向かう方向での付加的なスペースが必要なくなるので(図1参照)、省スペースの構造が可能となる。
少なくとも3つのコイル4により、上述した磁場Bの(単純な方向の反転だけでなく)方向変化が実現可能となることが保証されている。少なくとも3つの測定電極6により、同様に、測定管2の断面を通して2つ以上の測定区間を実現できることも保証される。つまり、上述した構造の規定は、基本的に、測定管2の断面にわたる媒体の可変の励起と測定管2の断面にわたる測定区間の可変の幾何学的実現とを可能にし、これにより、種々の幾何学的な周辺条件において収集された測定管2の断面にわたる多数の流量情報を検出することができ、流量測定におけるこれらの計算により、可変の流れプロフィルからの明確な独立性を達成することができる。
図1による実施例では、磁場ガイド装置5は、実質的に円形状に成形された、円弧状に湾曲したリングを形成している。当該幾何学形状は比較的簡単に実現可能であり、その基本方式により、形状から生じる局所依存性、特にコイルへの通電により影響を被りうる磁場Bの測定管2内への流入箇所および測定管2からの流出箇所に関連しない局所依存性を有していない。
図2には、磁気誘導式流量測定装置1の別の構成が概略的に示されており、ここでは、磁場装置3および磁場ガイド装置5の領域とこの領域上に形成されたコイル4とを通る断面に即して、コイル4および測定電極6の配置に関する関係をより良好に識別することができる。また、図2に即して基本的に識別されるように、(相応にコイル4への可変の通電を前提とする)構造的な構成によって、空間的に変化するカバレッジを有する媒体の励起を、基本的に方向可変に調整可能な磁場Bによって実現することができ、また測定区間についても方向可変の実現によって実現することができる。
図2による実施例では、磁場ガイド装置5は、多角形のリング、ここでは八角形のリングを形成している。多角形のリングは、交互に長い脚部と短い脚部とを有し、長い脚部上にコイル4が配置されている。
図2による実施例では、コイル4a,4bに対して、当該コイル4a,4bにより磁場ガイド装置5に関して一方の配向方向の磁場Bが形成されるように通電が行われ、コイル4c,4dに対して、当該コイル4c,4dにより磁場ガイド装置5に関して逆向きの通流方向の磁場Bが形成されるように通電が行われる。全磁場Bは、コイル4a,4c間で自由空間へ、また測定管2内へ流入し、測定管2を貫通して、コイル4b,4d間で再び磁場ガイド装置5内へ流入する。ここでは、符号Bは、算術的な式符号として理解されるべきではない。
測定管2の壁には、全部で4つの測定電極6a,6a’,6b,6b’が設けられている。測定電極6間でそれぞれ測定電圧Uが記録可能である。図示の実施例では、測定電極6aと測定電極6a’との間で測定電圧Uaが記録されている。見取りやすくするために、図2では、他の動作モードにおいて図示の動作方式とは部分的に異なってコイル4への通電が行われることは示されていない。図示されていないこうした動作モードでは、コイル4b,4cの通電方向が反転され、これにより、コイル4b,4cによって形成される磁場の方向も、磁場ガイド装置5に関して反転される。これにより、明瞭に見て取れるように、生じる磁場Bがコイル4c,4d間で自由空間内および測定管2内へ流入し、測定管2を貫通して、コイル4a,4b間で再び磁場ガイド装置5内へ流入することになる。もちろん、自由空間磁場が縁部領域で直接にコイル4から流出し、縁部領域で直接にコイル4内へ流入することも生じうる。なおこの場合、これは、上述したように、磁場Bの相当の割合を占める漂遊磁場である。磁場Bの方向は、さらに別の方式で、例えばコイル4内の通電強度を変化させることにより変化させることができる。測定電圧Uが記録される測定電極6間の各測定区間の配向は可変ではなく、ここでの配向は、測定電極6の固定の組み込み位置によって固定に設定されている。全ての実施例において、測定電極6は、測定管2の中央から見て半径方向で2つのコイル4の間に配置されている。さらに、測定電極6への良好なアクセス(取り付けおよび電気的接触の形成)が可能となるという利点のほか、このことは、構造的に、測定電極6によって実現可能な測定経路が形成可能な磁場Bの延在方向に対して傾斜し、ひいてはいずれの場合にも部分的に電位変化(誘導電圧)の延在方向に延在する、という利点ももたらす。
図3~図6には種々の動作モードが示されており、これらの動作モードは主として特定の磁場方向を形成するためにコイル4への通電をどのように行うかということに関連している。各動作モードは、図7および図8に概略的に示されている磁気誘導式流量測定装置1にも有意に適用可能である。この場合、図3~図6の図示は、4つのコイル4a,4b,4c,4dおよび4つの測定電極6a,6a’,6b,6b’を備えた、図2に示されている磁気誘導式流量測定装置1に関連している。
図示されている全ての磁気誘導式流量測定装置1に共通に、制御評価装置7は、少なくとも1つの第1の動作モードM1では、形成される磁場Bが測定管2の領域において第1の動作方向に配向されるようにコイル4の少なくとも一部への通電を行い、少なくとも1つの第2の動作モードM2では、形成される磁場Bが測定管2の領域において第1の動作方向とは異なる第2の動作方向に配向されるようにコイル4の少なくとも一部への通電を行う。この場合も同様に、方向は数学的に捉えられており、すなわち、第1の配向およびこれに対して反平行な配向である2つの配向を有する直線により定義されることに留意されたい。つまり、配向の反転は、方向変化ではない。
図3~図6に示されている実施例では、いずれの場合にも、2つの動作モードM1,M2が存在し、これらの動作モードM1,M2では、図2による磁気誘導式流量測定装置1の構造的な構成に関連して、2つの異なる動作モードM1,M2において相互に垂直な磁場方向で磁場Bが形成される。それぞれ通電状態グラフ9も示されており、これらの通電状態グラフ9は、時間に関して電流Iが関与する4つのコイル4a,4b,4c,4dへ通電されることを表している。通電状態グラフ9により、それぞれ磁場Bから生じる磁場方向が示されており、このことは、コイル4a,4b,4c,4dを有する磁場装置3の図示に関連して容易に理解可能である。通電状態グラフ9には、動作モードM1,M2がそれぞれ図示されている。
測定管2、コイル4および磁場ガイド装置5を備えた磁場装置3の図示では、それぞれ、各動作モードM1,M2において誘導される測定電圧Uの測定に関与する測定電極6a,6a’または測定電極6b,6b’も示されている。
図3~図6に部分的に示されている磁気誘導式流量測定装置1についても、同様に共通に、測定電極6の第1の対6a,6a’が第1の測定区間方向を有する第1の測定区間を形成し、ここで、第1の測定区間方向と磁場Bの第1の動作方向とが相互に傾斜し、ここでは相互に90°を成し、さらに測定電極6の第2の対6b,6b’が第2の測定区間方向を有する第2の測定区間を形成し、ここで、第2の測定区間方向と磁場Bの第2の動作方向ともが相互に傾斜し、ここでは同様に相互に90°を成すように、測定電極6が測定管2の中央から見て半径方向で2つのコイル4の間に配置されている。
動作モードM1の事例では測定電極6a,6a’が測定電圧Uを記録し、動作モードM2では測定電極6b,6b’が測定電圧Uを記録する。どちらの事例とも、測定電圧Uは磁場Bの方向に対して垂直である。これにより、最大の誘導効果が得られる。
図3~図6の磁気誘導式流量測定装置1についても同様に共通に、制御評価装置7が、測定シーケンスMSにおいて改善された流量測定値Vpを算定するために、第1の動作モードM1を少なくとも1回行い、第1の動作モードM1において、測定電極6の第1の対により、第1の測定電圧U1および/または第1の流量測定値Vp1を算定し、さらに第2の動作モードM2を少なくとも1回行い、第2の動作モードM2において、測定電極6の第2の対により、第2の測定電圧U2および/または第2の流量測定値Vp2を算定し、第1の測定電圧U1および第2の測定電圧U2からかつ/または第1の流量測定値Vp1および第2の流量測定値Vp2から、特に平均値形成により、改善された流量測定値Vpを算定する。つまり、一般的に、
Vp=f(U1,U2)、または
Vp=f(Vp1(U1),Vp2(U2))
が成り立つ。
ここで、fは特に、論じている平均値形成である。図3~図5に示されているように、測定シーケンスMSにおいて各動作モードM1,M2での複数の測定電圧も検出される。これは、当該実施例では、制御評価装置7が測定シーケンスMSにおいて第1の動作モードM1を少なくとも2回(図3~図5では4回)実行し、これにより磁場Bが当該磁場Bの第1の動作方向の一方の配向と磁場Bの第1の動作方向の他方の配向とにおいて形成され、測定電極6の第1の対により、磁場Bの第1の動作方向の各配向で対応するサブ測定電圧Us1.1,Us1.2/サブ流量測定値Vps1.1,Vps1.2が記録され、サブ測定電圧Us1.1,Us1.2/サブ流量測定値Vps1,Vps2から、第1の流量測定値Vp1が計算され、さらに制御評価装置7が測定シーケンスMSにおいて第2の動作モードM2を少なくとも2回実行し、これにより磁場Bが当該磁場Bの第2の動作方向の一方の配向と磁場Bの第2の動作方向の他方の配向とにおいて形成され、測定電極6の第2の対により、磁場Bの第2の動作方向の各配向で対応するサブ測定電圧Us2.1,Us2.2/サブ流量測定値Vps2.1,Vps2.2が記録され、サブ測定電圧Us2.1,Us2.2/サブ流量測定値Vps2.1,Vps2.2から第2の流量測定値Vp2が計算されることに相当する。つまり、
U1=g(Us1.1,Us1.2),U2=g(Us2.1,Us2.2)
Vp1=h(Vp1.1,Vp1.2),Vp2=h(Vp2.1,Vp2.2)
が成り立つ。
第1の方向およびこれに対して反平行な方向もしくは第2の方向およびこれに対して反平行な方向における複数の測定電圧Uiの使用は、当該方法によれば、磁場方向に依存しない電気化学的な障害電圧が算定可能となるという意味においてのみ有意である。
図3による磁気誘導式流量測定装置1では、まず磁場Bが第1の動作方向の2つの配向で、すなわち動作モードM1で(代替的には第2の動作方向すなわち動作モードM2で)順次に形成され、次いで第2の動作方向の2つの配向で、すなわち動作モードM2で(代替的には第1の動作方向すなわち動作モードM1で)順次に形成され、ここで、動作方向M1,M2の配向は交互に順次に複数回、当該実施例ではそれぞれ2回ずつ連続して駆動制御されるように、制御評価装置7が測定シーケンスMSを少なくとも時間ごとに実行することが実現されている。
図4による磁気誘導式流量測定装置1では、磁場Bの少なくとも2つの動作方向(ひいては動作モードMi)の配向が測定管2の軸線方向で見てステップ式に回転する磁場Bを生じさせるべく順次に駆動制御されるように、制御評価装置7が測定シーケンスMSを少なくとも時間ごとに実行することが実現されている。当該実施例のより興味深い態様では、さらに、コイル4への通電がここでは2つの代替的な実現形態で示される。一方では、制御評価装置7が、コイル4への通電の変化を可能な限り跳躍的にもしくは矩形状に実現することが示されている。しかし、他方で一連の動作モードMiが実現される場合には、制御評価装置7がコイル4への通電の変化を連続的に正弦波状に実現することも可能であり、このことが同じ通電状態グラフ9に示されている。
図5には、コイル4a,4cおよびコイル4b,4dに印加される電流Iを含む通電状態グラフ9だけでなく、測定電極の対6a,6a’および6b,6b’における測定電圧Uの時間特性も示されている。電圧特性では、線形に上昇する電気化学的な電極電圧が誘導電圧に重畳していることが見て取れ、ここでは、図示の期間における流速ひいては体積流量が不変であることが基礎となっている。このような電極電圧は、既知の措置を用いて、計算により(例えば、サブ測定電圧またはサブ流量測定値の検出および計算によって)消去することができる。さらに、コイル4への通電の急峻な変化が検出された測定電圧Uiの双方に作用していることも見て取れる。したがって、測定値は、こうした過渡障害が減衰してはじめて記録されるべきである。
図6による磁気誘導式流量測定装置1は、制御評価装置7が少なくとも中間動作モードMintでコイル4の一部への通電を行い、これにより形成される磁場Bが測定管2の領域において中間動作方向に配向され、ここで、中間動作方向は、第1の動作モードM1における第1の動作方向および第2の動作モードM2における第2の動作方向ならびに場合により別の動作方向とは異なって配向されるという特色を有している。この場合、中間動作方向における磁場Bの形成に際しては、中間動作モードMintにおいて、動作モードM1,M2の各動作方向における磁場Bを形成するための通電の場合よりも少数のコイル4への通電が行われる。
ここに明示されていない磁気誘導式流量測定装置1では、制御評価装置7が少なくとも1つの中間動作モードMintにおいてコイル4の少なくとも一部へのそれぞれ異なる大きさの電流の通電を行い、これにより、形成される磁場Bが測定管2の領域において中間動作方向に配向され、ここで、中間動作方向は、第1の動作モードM1における第1の動作方向および第2の動作モードM2における第2の動作方向ならびに場合により別の動作方向とは異なる動作方向であり、中間動作方向における磁場Bの形成に際しては、特に各動作方向における磁場Bを形成するための通電の場合よりも少数のコイル4への通電が行われることが実現されている。
中間動作モードMintの実現は、制御評価装置7が、測定シーケンスMSにおいて改善された流量測定値Vpを算定するために、少なくとも第1の動作モードM1および少なくとも第2の動作モードM2から測定電圧Ui/流量測定値Vpiを測定電極6の対により算定することのほか、中間動作モードMintにおいて、少なくとも1つの中間測定電圧Uint/中間流量測定値Vpintを算定し、第1の測定電圧U1/第1の流量測定値Vp1および第2の測定電圧U2/第2の流量測定値Vp2および中間測定電圧Uint/中間流量測定値Vpintから、特に平均値形成により、改善された流量測定値Vpを算定する場合に、有意である。したがって、
Vp=i(U1,U2,Uint)
Vp=i(Vp1,Vp2,Vpint)
が成り立つ。
図7には、厳密に3つの測定電極6a,6b,6cを備えた2つの磁気誘導式流量測定装置1が示されており、ここで、3つの測定電極6a,6b,6cは、測定管2の中央から見て相互に約120°の角度で配置されている。左方の実施例では、厳密に3つのコイル4a,4b,4cが同様に相互に約120°の角度で配置されており、かつ測定電極6a,6b,6cに対して約60°の角度で配置されている。3つの動作方向において磁場Bを形成するために、制御評価装置7により、各動作方向につきコイル4のうちそれぞれ2つへの通電が行われ、とりわけこの通電は、磁場ガイド装置5に関して逆向きの磁場Bが形成されるように行われる。可能な磁場方向が、実現される測定区間の方向と並んで、図7の左方に示されている。つまり、測定管2の断面を介して、幾何学的に異なって分散された複数の流れ情報が得られ、これにより、流量測定値Vpを計算する際に、それぞれ異なる測定区間にわたって得られた全ての流量情報(測定電圧またはサブ流量測定値)に依存して、真の流れプロフィルから実質的に独立した流量測定値Vpが計算される。
図7の右方に図示されている磁気誘導式流量測定装置1も同様に厳密に3つの測定電極6a,6b,6cを有しており、ここで、3つの測定電極6a,6b,6cは測定管2の中央から見て相互に約120°の角度で配置されている。ただし、6つのコイル4a,4a’,4b,4b’,4c,4c’が設けられており、6つのコイル4a,4a’,4b,4b’,4c,4c’のそれぞれ2つのコイル4a,4a’;4b,4b’;4c,4c’が、測定管2の中央から見て、1つずつの測定電極6a,6b,6cを間に有し、2つの測定電極6a,6b;6b,6c;6c,6aが、それぞれ2つずつのコイル4a’,4b;4b’,4c;4c’,4aを間に有している。6つのコイル4a,4a’,4b,4b’,4c,4c’のそれぞれ3つのコイル4a,4b,4c;4a’,4b’,4c’はそれぞれ相互に約120°の角度で配置されており、それぞれ1つの測定電極6a,6b,6cに隣接して配置された2つのコイル4a,4a’;4b,4b’;4c,4c’は、測定電極6a,6b,6cに対して同じ角度で配置されている。図7の右方には、見取りやすくするために1つの通電状況のみが示されている。一般に、磁場Bを形成するために、制御評価装置7は、動作方向における4つのコイル4a,4a’,4b,4b’,4c,4c’、ここでは動作方向の軸線に対して対称に配置されたコイル4a,4a’,4b,4b’,4c,4c’への通電を行う。この実施例では、コイル4a,4a’および4b,4b’への通電が行われる。測定電圧Uは、測定区間を介して、測定電極6a,6b間で記録される。別の2つの動作モードでは、有意には、常に4つのコイルへの通電が行われ、磁場Bの動作方向に対して垂直な測定区間に位置するサブ測定電圧が記録される。一般に、3つの測定電極6a,6b,6cにより3つの測定区間が実現され、この場合、制御評価装置7は、3つの動作モードにおいてそれぞれ異なる動作方向を有する3つの磁場Bを形成し、測定シーケンスMSにおいて3つの動作モードの全てを実行し、3つの測定区間から3つの測定電圧Ui/3つの流量測定値Vpiを取得し、3つの測定電圧Ui/3つの流量測定値Vpiから、改善された流量測定値Vpを取得する。
図8には、厳密に4つの測定電極6a,6b,6c,6dを有する磁気誘導式流量測定装置1が示されている。
図8の左方には、基本的に既に図2から知られる構成が示されている。4つの測定電極6a,6b,6c,6dは、測定管2の中央から見て相互に約90°の角度で配置されている。4つのコイル4a,4b,4c,4dは相互に約90°の角度で配置されている。さらに、4つのコイル4a,4b,4c,4dはそれぞれ、測定電極6a,6b,6c,6dに対して45°の角度で配置されている。2つの動作方向において磁場Bを形成するために、各動作方向につき、それぞれ4つのコイル4a,4b,4c,4dの全てへの通電が制御評価装置7により行われる。図示されているのは、垂直方向の磁場Bが形成される事例である。
図8の右方には、厳密に4つの測定電極6a,6b,6c,6dを有する磁気誘導式流量測定装置の一構成が示されており、4つの測定電極6a,6b,6c,6dは測定管2の中央から見てそれぞれ90°の角度で相互に配置されている。ここでは8つのコイル4a,4a’,4b,4b’,4c,4c’,4d,4d’が設けられており、8つのコイル4a,4a’,4b,4b’,4c,4c’,4d,4d’のうちのそれぞれ2つのコイル4a,4a’;4b,4b’;4c,4c’;4d,4d’が、測定管2の中央から見て、1つずつの測定電極6a;6b;6c;6dを間に有しており、2つの測定電極6a,6b;6b,6c;6c,6d;6d,6aがそれぞれ2つずつのコイル4a’,4b;4b’,4c;4c’,4d;4d’,4aを間に有している。8つのコイル4a,4a’,4b,4b’,4c,4c’,4d,4d’のうちそれぞれ4つのコイル4a,4b,4c,4d;4a’,4b’,4c’,4d’は、それぞれ相互に90°の角度で配置されており、1つの測定電極6a,6b,6c,6dに隣接して配置された2つのコイル4a,4a’;4b,4b’;4c,4c’;4d,4d’は、それぞれ測定電極6a,6b,6c,6dに対して同じ角度で配置されている。当該構成は、きわめて高い対称性を示す。
図8の右方に示されている磁気誘導式流量測定装置1は、動作方向における磁場Bを形成するために、制御評価装置7により、少なくとも4つのコイル4、すなわち動作方向の軸線に対して対称に位置するコイル4への通電が行われることを特徴としている。当該実施例では、コイル4a,4a’,4c,4c’への通電により形成される磁場Bの垂直な動作方向が示されている。
図8の右方の磁気誘導式流量測定装置1を設計する際には、動作方向における磁場Bを形成するために、制御評価装置7により、動作方向の軸線に対して対称に位置しかつ動作方向の軸線から最も遠くに離れた厳密に4つのコイル4への通電を行うことが考慮される。このようにすれば、測定管2の断面の大部分を貫通する幅広の磁場Bを形成することができる。
1 磁気誘導式流量測定装置
2 測定管
3 磁場装置
4 コイル
5 磁場ガイド装置
6 測定電極
7 制御評価装置
8 フランジ
9 通電状態グラフ
B 磁場
U 測定電圧
M1,M2 動作モード
Us サブ測定電圧
Usi i番目のサブ測定電圧
Uint 中間測定電圧
Vp 流量測定値
Vpi i番目の流量測定値
Vps サブ流量測定値
Vpsi i番目のサブ流量測定値
Vpint 中間流量測定値
MS 測定シーケンス

Claims (25)

  1. 磁気誘導式流量測定装置(1)であって、前記磁気誘導式流量測定装置(1)は、
    導電性媒体をガイドする測定管(2)と、
    媒体の流れ方向に対して垂直に少なくとも部分的に前記測定管(2)を貫通する磁場(B)を形成する複数のコイル(4)および前記測定管(2)の外部で磁場(B)を領域ごとにガイドする磁場ガイド装置(5)を有する磁場装置(3)と、
    媒体内に誘導される少なくとも1つの測定電圧(U)を取り出すための測定電極(6)と、
    前記コイル(4)のうちの少なくとも1つへの通電を行うことで磁場(B)を形成して流量測定値(Vp)に対する測定電圧(U)を評価する制御評価装置(7)と、
    を備え、
    前記磁場ガイド装置(5)は、前記測定管(2)の周囲を周方向で閉じるように延在しており、
    前記コイル(4)は、前記磁場ガイド装置(5)の周面にわたって分散配置されており、前記磁場ガイド装置(5)は、前記コイル(4)の領域内でコイルコアとして作用し、これにより、前記コイル(4)は、そのコイル長手軸線を同様に前記測定管(2)の周方向に有するように配置されており、
    少なくとも3つのコイル(4a,4b,4c)および少なくとも3つの測定電極(6a,6b,6c)が設けられており、前記測定電極(6a,6b,6c)のそれぞれは、前記測定管(2)の中央から見て半径方向で2つのコイル(4a,4b,4c)の間に配置されている、
    磁気誘導式流量測定装置(1)。
  2. 前記磁場ガイド装置(5)は、円弧状に湾曲したリングを形成しており、特に、前記リングは、少なくとも領域ごとに円形状または楕円形状に成形されている、または
    前記磁場ガイド装置(5)は、多角形状のリングを形成しており、特に、前記リングは、六角形もしくは八角形の多角形状を形成しており、好適には交互に長い脚部と短い脚部とを有しており、好適には前記コイル(4)は、前記長い脚部上に配置されている、
    請求項1記載の磁気誘導式流量測定装置(1)。
  3. 前記制御評価装置(7)は、少なくとも1つの第1の動作モード(M1)では、前記測定管(2)の領域において形成される磁場(B)が第1の動作方向に配向されるように、前記コイル(4)の少なくとも一部への通電を行い、少なくとも1つの第2の動作モード(M2)では、前記測定管(2)の領域において形成される磁場(B)が前記第1の動作方向(M1)とは異なる第2の動作方向(M2)に配向されるように、前記コイル(4)の少なくとも一部への通電を行う、
    請求項1または2記載の磁気誘導式流量測定装置(1)。
  4. 前記制御評価装置(7)は、磁場(B)を形成するために、少なくとも前記第1の動作方向および前記第2の動作方向において、それぞれ前記複数のコイル(4)への通電を行う、
    請求項3記載の磁気誘導式流量測定装置(1)。
  5. 前記制御評価装置(7)は、前記コイル(4)への通電の変化を可能な限り跳躍的に実現するか、または、前記コイル(4)への通電の変化を正弦波状に実現し、特に連続的に正弦波状の電流特性を実現する、
    請求項3または4記載の磁気誘導式流量測定装置(1)。
  6. 前記制御評価装置(7)は、実現された磁気回路の全体、特に前記磁場装置(3)および前記磁場ガイド装置(5)が線形領域において動作し、特に磁気飽和の領域が回避されるように、前記コイルへの通電を行う、
    請求項3から5までのいずれか1項記載の磁気誘導式流量測定装置(1)。
  7. 前記測定電極(6)は、
    前記測定電極(6)の少なくとも1つの第1の対(6a,6a’)が第1の測定区間方向を有する第1の測定区間を形成し、前記第1の測定区間方向と磁場(B)の前記第1の動作方向とが相互に傾斜し、好適には相互に45°超で傾斜し、きわめて好適には相互に90°で傾斜し、
    前記測定電極(6)の少なくとも1つの第2の対(6b,6b’)が第2の測定区間方向を有する第2の測定区間を形成し、前記第2の測定区間方向と磁場(B)の前記第2の動作方向とが相互に傾斜し、好適には相互に45°超で傾斜し、きわめて好適には相互に90°で傾斜する
    ように、前記測定管(2)の中央から見て半径方向で2つのコイル(4)の間に配置されている、
    請求項3から6までのいずれか1項記載の磁気誘導式流量測定装置(1)。
  8. 前記制御評価装置(7)は、測定シーケンス(MS)において改善された流量測定値(Vp)を算定するために、
    前記第1の動作モード(M1)を少なくとも1回実行して、前記第1の動作モード(M1)において、前記測定電極(6)の前記第1の対により、第1の測定電圧(U1)および/または第1の流量測定値(Vp1)を算定し、
    前記第2の動作モード(M2)を少なくとも1回実行して、前記第2の動作モード(M2)において、前記測定電極(6)の前記第2の対により、第2の測定電圧(U2)および/または第2の流量測定値(Vp2)を算定し、
    前記第1の測定電圧(U1)および前記第2の測定電圧(U2)からかつ/または前記第1の流量測定値(Vp1)および前記第2の流量測定値(Vp2)から、特に平均値形成によって、改善された流量測定値(Vp)を算定する、
    請求項7記載の磁気誘導式流量測定装置(1)。
  9. 前記制御評価装置(7)は、前記測定シーケンス(MS)において前記第1の動作モード(M1)を少なくとも2回実行し、これにより、磁場(B)が前記磁場(B)の前記第1の動作方向の一方の配向と他方の配向とにおいて形成され、前記磁場(B)の前記第1の動作方向の各配向において、前記測定電極(6)の前記第1の対により、対応するサブ測定電圧(Us1.1,Us1.2)/サブ流量測定値(Vps1.1,Vps1.2)が記録され、前記サブ測定電圧(Us1.1,Us1.2)/前記サブ流量測定値(Vps1.1,Vps1.2)から前記第1の流量測定値(Vp1)が計算され、
    前記制御評価装置(7)は、前記測定シーケンス(MS)において前記第2の動作モード(M2)を少なくとも2回実行し、これにより、磁場(B)が前記磁場(B)の前記第2の動作方向の一方の配向と他方の配向とにおいて形成され、前記磁場(B)の前記第2の動作方向の各配向において、前記測定電極(6)の前記第2の対により、対応するサブ測定電圧(Us2.1,Us2.2)/サブ流量測定値(Vps2.1,Vps2.2)が記録され、前記サブ測定電圧(Us2.1,Us2.2)/前記サブ流量測定値(Vps2.1,Vps2.2)から前記第2の流量測定値(Vp2)が計算される、
    請求項8記載の磁気誘導式流量測定装置(1)。
  10. 前記制御評価装置(7)は、少なくとも時間ごとに、前記測定シーケンス(MS)を、
    まず磁場(B)が前記第1の動作方向もしくは前記第2の動作方向の2つの配向において順次に形成され、
    次いで前記第2の動作方向もしくは前記第1の動作方向の2つの配向において順次に形成され、特に前記動作方向の配向が複数回交互に順次に駆動制御される、
    ように実行する、
    請求項9記載の磁気誘導式流量測定装置(1)。
  11. 前記制御評価装置(7)は、少なくとも時間ごとに、前記測定シーケンス(MS)を、磁場(B)の少なくとも2つの動作方向の各配向が順次に駆動制御されて前記測定管(2)の軸線方向で見てステップ式に回転する磁場(B)を生じさせるように実行する、
    請求項9または10記載の磁気誘導式流量測定装置(1)。
  12. 前記制御評価装置(7)は、少なくとも1つの中間動作モード(Mint)において、形成される磁場(B)が前記測定管(2)の領域において中間動作方向に配向されるように前記コイル(4)の少なくとも一部への通電を行い、前記中間動作方向は、前記第1の動作モード(M1)における前記第1の動作方向および前記第2の動作モード(M2)における前記第2の動作方向ならびに場合により別の動作方向とは異なって配向されており、
    特に、前記中間動作方向における磁場(B)の形成に際しては、前記動作方向における磁場(B)を形成するための通電の場合よりも少数のコイル(4)への通電が行われる、
    請求項3から11までのいずれか1項記載の磁気誘導式流量測定装置(1)。
  13. 前記制御評価装置(7)は、少なくとも1つの中間動作モード(Mint)において、形成される磁場(B)が前記測定管(2)の領域において中間動作方向に配向されるように前記コイル(4)の少なくとも一部へのそれぞれ異なる大きさの電流の通電を行い、前記中間動作方向は、前記第1の動作モード(M1)における前記第1の動作方向および前記第2の動作モード(M2)における前記第2の動作方向ならびに場合により別の動作方向とは異なって配向されており、
    特に、前記中間動作方向における磁場(B)の形成に際しては、前記動作方向における磁場(B)を形成するための通電の場合よりも少数のコイル(4)への通電が行われる、
    請求項3から12までのいずれか1項記載の磁気誘導式流量測定装置(1)。
  14. 前記制御評価装置(7)は、測定シーケンス(MS)において改善された流量測定値(Vp)を算定するために、
    少なくとも前記第1の動作モード(M1)および少なくとも前記第2の動作モード(M2)から測定電圧(Ui)/流量測定値(Vpi)を算定することに加え、前記測定電極(6)の対により、前記中間動作モード(Mint)において少なくとも1つの中間測定電圧(Uint)/中間流量測定値(Vpint)を算定し、
    前記第1の測定電圧(U1)/前記第1の流量測定値(Vp1)、前記第2の測定電圧(U2)/前記第2の流量測定値(Vp2)および前記中間測定電圧(Uint)/前記中間流量測定値(Vpint)から、特に平均値形成によって、改善された流量測定値(Vp)を算定する、
    請求項8を引用する場合の請求項12または13記載の磁気誘導式流量測定装置(1)。
  15. 厳密に3つの測定電極(6a,6b,6c)は、前記測定管(2)の中央から見て相互に90°~150°の角度で、特に相互に120°の角度で対称に配置されるように設けられており、
    厳密に3つのコイル(4a,4b,4c)は、相互に90°~150°の角度で、特に相互に120°の角度で対称に、かつ前記測定電極(6a,6b,6c)に対して40°~80°の角度で、特に60°の角度で配置されており、
    3つの動作方向で磁場(B)を形成するために、前記制御評価装置(7)により、各動作方向につき前記コイル(4)のうちそれぞれ2つずつのコイル(4)への通電が行われる、
    請求項1から14までのいずれか1項記載の磁気誘導式流量測定装置(1)。
  16. 厳密に3つの測定電極(6a,6b,6c)は、前記測定管(2)の中央から見て相互に90°~150°の角度で、特に相互に120°の角度で対称に配置されるように設けられており、
    6つのコイル(4a,4a’,4b,4b’,4c,4c’)は、前記測定管(2)の中央から見て、前記6つのコイル(4a,4a’,4b,4b’,4c,4c’)のうちそれぞれ2つのコイル(4a,4a’;4b,4b’;4c,4c’)が1つずつの測定電極(6a,6b,6c)を間に有し、かつ2つの測定電極(6a,6b;6b,6c;6c,6a)がそれぞれ2つずつのコイル(4a’,4b;4b’,4c;4c’,4a)を間に有するように設けられており、
    好ましくは、前記6つのコイル(4a,4a’,4b,4b’,4c,4c’)のうちのそれぞれ3つのコイル(4a,4b,4c;4a’,4b’,4c’)は、それぞれ相互に120°の角度で配置されており、1つの測定電極(6a,6b,6c)に隣接して配置されているコイルの双方(4a,4a’;4b,4b’;4c,4c’)は、それぞれ前記測定電極(6a,6b,6c)に対して同じ角度で配置されている、
    請求項1から14までのいずれか1項記載の磁気誘導式流量測定装置(1)。
  17. 1つの動作方向で磁場(B)を形成するために、前記制御評価装置(7)により、少なくとも4つのコイル(4a,4a’,4b,4b’,4c,4c’)への通電が行われ、好適には前記動作方向の軸線に対して対称に位置するコイル(4a,4a’,4b,4b’,4c,4c’)への通電が行われる、
    請求項16記載の磁気誘導式流量測定装置(1)。
  18. 前記3つの測定電極(6a,6b,6c)によって3つの測定区間が実現されており、
    前記制御評価装置(7)は、3つの動作モードにおいて、それぞれ異なる動作方向を有する3つの磁場を形成して、測定シーケンス(MS)において3つの動作モードの全てを行い、前記3つの測定区間から3つの測定電圧(Ui)/3つの流量測定値(Vpi)を取得し、前記3つの測定電圧(Ui)/前記3つの流量測定値(Vpi)から、改善された流量測定値(Vp)を取得する、
    請求項15から17までのいずれか1項記載の磁気誘導式流量測定装置(1)。
  19. 厳密に4つの測定電極(6a,6b,6c,6d)は、前記測定管(2)の中央から見て相互に70°~110°の角度で、特に相互に90°の角度で対称に配置されるように設けられており、
    厳密に4つのコイル(4a,4b,4c,4d)は、相互に70°~110°の角度で、特に相互に90°の角度で対称に、かつ前記測定電極(6a,6b,6c,6d)に対して35°~55°の角度で、特に45°の角度で配置されており、
    特に2つの動作方向で磁場(B)を形成するために、前記制御評価装置(7)により、各動作方向につきそれぞれ前記4つのコイル(4a,4b,4c,4d)の全てへの通電が行われる、
    請求項1から14までのいずれか1項記載の磁気誘導式流量測定装置(1)。
  20. 厳密に4つの測定電極(6a,6b,6c,6d)は、前記測定管(2)の中央から見て相互に70°~110°の角度で、特に相互に90°の角度で対称に配置されるように設けられており、
    8つのコイル(4a,4a’,4b,4b’,4c,4c’,4d,4d’)は、特に、前記測定管(2)の中央から見て、前記8つのコイル(4a,4a’,4b,4b’,4c,4c’,4d,4d’)のうちそれぞれ2つのコイル(4a,4a’;4b,4b’;4c,4c’;4d,4d’)が1つずつの測定電極(6a;6b;6c;6d)を間に有し、かつ2つの測定電極(6a,6b;6b,6c;6c,6d;6d,6a)がそれぞれ2つずつのコイル(4a’,4b;4b’,4c;4c’,4d;4d’,4a)を間に有するように設けられており、
    好ましくは、前記8つのコイル(4a,4a’,4b,4b’,4c,4c’,4d,4d’)のうちのそれぞれ4つのコイル(4a,4b,4c,4d;4a’,4b’,4c’,4d’)は、それぞれ相互に90°の角度で配置されており、1つの測定電極(6a,6b,6c,6d)に隣接して配置されているコイルの双方(4a,4a’;4b,4b’;4c,4c’;4d,4d’)は、それぞれ前記測定電極(6a,6b,6c,6d)に対して同じ角度で配置されている、
    請求項1から14までのいずれか1項記載の磁気誘導式流量測定装置(1)。
  21. 1つの動作方向で磁場(B)を形成するために、前記制御評価装置(7)により、少なくとも4つのコイル(4)、好適には前記動作方向の軸線に対して対称に位置するコイル(4)への通電が行われる、
    請求項20記載の磁気誘導式流量測定装置(1)。
  22. 1つの動作方向で磁場(B)を形成するために、前記制御評価装置(7)により、厳密に4つのコイル(4)、特に前記動作方向の軸線に対して対称に位置しかつ前記動作方向の軸線から最も遠く離れた4つのコイル(4)への通電が行われる、
    請求項21記載の磁気誘導式流量測定装置(1)。
  23. 前記制御評価装置(7)は、媒体の体積流量を、検出された測定電圧(Ui)のうちの複数の測定電圧(Ui)の線形結合から計算し、特に前記測定電圧(Ui)は、重み付け係数によって重み付けされる、
    請求項1から22までのいずれか1項記載の磁気誘導式流量測定装置(1)。
  24. 前記制御評価装置(7)は、媒体の体積流量(Vp)を、非線形関数を用いて、検出された測定電圧(Ui)のうちの複数の測定電圧(Ui)において計算する、
    請求項1から22までのいずれか1項記載の磁気誘導式流量測定装置(1)。
  25. 前記非線形関数は、入力パラメータとしての検出された測定電圧(Ui)の個数に対応する少なくとも複数個の入力ニューロンを有する入力層と、出力パラメータとしての媒体の体積流量(Vp)を少なくとも出力する少なくとも1つの出力ニューロンを有する出力層と、少なくとも2つのニューロンを有する少なくとも1つの中間層と、を有する人工ニューラルネットワークによって形成され、
    特に、前記人工ニューラルネットワークは較正データを用いてトレーニングされる、
    請求項24記載の磁気誘導式流量測定装置(1)。
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