JP2024002672A - 半導体発光素子の製造方法 - Google Patents

半導体発光素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

Figure 2024002672000001
【課題】半導体発光素子の性能を向上させる。
【解決手段】半導体発光素子10の製造方法は、n型AlGaN系半導体材料から構成されるn型半導体層24上にAlGaN系半導体材料の活性層26を形成する工程と、活性層26上にp型半導体層28を形成する工程と、n型半導体層24の上面34が露出するように、p型半導体層28および活性層26の一部をドライエッチングにより除去する工程と、NガスとNHガスを含む雰囲気中において、n型半導体層24の上面34をプラズマ処理する工程と、プラズマ処理されたn型半導体層24の上面34にn側コンタクト電極30を形成する工程と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体発光素子の製造方法に関する。
半導体発光素子は、基板上に積層されるn型半導体層、活性層およびp型半導体層を有する。活性層およびp型半導体層の一部をドライエッチングにより除去することにより、n型半導体層の上面を露出させ、露出した上面にn側電極が形成される。n型半導体層の上面には、ドライエッチングによってダメージが生じる。n型半導体層の上面におけるダメージを修復するため、NHを加熱して熱分解させることによって生じる窒素原子が露出した上面に供給される(例えば、特許文献1参照)。
特開2018-85456号公報
半導体発光素子の性能をさらに向上させるためには、n型半導体層の上面とn側電極の間のコンタクト抵抗をさらに改善することが好ましい。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、半導体発光素子の性能を向上させる技術を提供することを目的とする。
本発明のある態様の半導体発光素子の製造方法は、n型AlGaN系半導体材料から構成されるn型半導体層上にAlGaN系半導体材料の活性層を形成する工程と、活性層上にp型半導体層を形成する工程と、n型半導体層の上面が露出するように、p型半導体層および活性層の一部をドライエッチングにより除去する工程と、NガスとNHガスを含む雰囲気中において、n型半導体層の上面をプラズマ処理する工程と、プラズマ処理されたn型半導体層の上面にn側コンタクト電極を形成する工程と、を備える。
本発明によれば、半導体発光素子の性能を向上できる。
実施の形態に係る半導体発光素子の構成を概略的に示す断面図である。 半導体発光素子の製造工程を概略的に示す図である。 半導体発光素子の製造工程を概略的に示す図である。 プラズマ処理の処理時間とコンタクト抵抗の関係を示すグラフである。 プラズマ処理の雰囲気中におけるNHガス体積比率とコンタクト抵抗の関係を示すグラフである。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。また、説明の理解を助けるため、各図面における各構成要素の寸法比は、必ずしも実際の発光素子の寸法比と一致しない。
本実施形態に係る半導体発光素子は、中心波長λが約360nm以下となる紫外光を発するように構成される。このような波長の紫外光を出力するため、バンドギャップが約3.4eV以上となる窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)系半導体材料が用いられる。本実施形態では、特に、中心波長λが約240nm~320nmの深紫外光を発するDUV-LED(Deep UltraViolet-Light Emitting Diode)チップについて示す。
本明細書において、「AlGaN系半導体材料」とは、少なくとも窒化アルミニウム(AlN)および窒化ガリウム(GaN)を含む半導体材料のことをいい、窒化インジウム(InN)などの他の材料を含有する半導体材料を含むものとする。したがって、本明細書にいう「AlGaN系半導体材料」は、例えば、In1-x-yAlGaN(0<x+y≦1、0<x<1、0<y<1)の組成で表すことができ、AlGaNまたはInAlGaNを含む。本明細書の「AlGaN系半導体材料」は、例えば、AlNおよびGaNのそれぞれのモル分率が1%以上であり、好ましくは5%以上、10%以上または20%以上である。
また、AlNを含まない材料を区別するために「GaN系半導体材料」ということがある。「GaN系半導体材料」には、GaNやInGaNが含まれる。同様に、GaNを含まない材料を区別するために「AlN系半導体材料」ということがある。「AlN系半導体材料」には、AlNやInAlNが含まれる。
図1は、実施の形態に係る半導体発光素子10の構成を概略的に示す断面図である。半導体発光素子10は、基板20と、ベース層22と、n型半導体層24と、活性層26と、p型半導体層28と、n側コンタクト電極30と、p側コンタクト電極32とを備える。
図1において、矢印Aで示される方向を「上下方向」または「厚み方向」ということがある。また、基板20から見て、基板20から離れる方向を上側、基板20に向かう方向を下側ということがある。
基板20は、半導体発光素子10が発する紫外光に対して透光性を有する材料から構成される。基板20は、例えば、サファイア(Al)から構成される。基板20は、AlNから構成されてもよいし、AlGaNから構成されてもよい。
ベース層22は、基板20の上に設けられる。ベース層22は、n型半導体層24を形成するための下地層(テンプレート層)である。ベース層22は、例えば、アンドープのAlN層であり、具体的には高温成長させたAlN(HT-AlN;High Temperature-AlN)層である。ベース層22は、AlN層上に形成されるアンドープのAlGaN層をさらに含んでもよい。基板20がAlN基板またはAlGaN基板である場合、ベース層22は、アンドープのAlGaN層のみから構成されてもよい。つまり、ベース層22は、アンドープのAlN層およびAlGaN層の少なくとも一方を含む。
n型半導体層24は、ベース層22の上に設けられる。n型半導体層24は、n型のAlGaN系半導体材料から構成され、例えば、n型の不純物としてSiがドープされる。n型半導体層24のAlNモル分率は、25%以上、好ましくは40%以上または50%以上である。n型半導体層24のAlNのモル分率は、80%以下、好ましくは70%以下である。n型半導体層24は、1μm以上3μm以下の厚さを有し、例えば、2μm程度の厚さを有する。
活性層26は、n型半導体層24の上に設けられる。活性層26は、AlGaN系半導体材料から構成され、n型半導体層24とp型半導体層28の間に挟まれてダブルへテロ構造を形成する。活性層26は、波長355nm以下の紫外光を出力するためにバンドギャップが3.4eV以上となるように構成され、例えば、波長320nm以下の深紫外光を出力できるようにAlN組成比が選択される。
活性層26は、例えば、単層または多層の量子井戸構造を有し、アンドープのAlGaN系半導体材料から構成される障壁層と、アンドープのAlGaN系半導体材料から構成される井戸層とを含む。活性層26は、例えば、n型半導体層24と接触する第1障壁層と、第1障壁層上に設けられる第1井戸層とを含む。第1井戸層とp型半導体層28の間に、障壁層および井戸層の一以上のペアが追加的に設けられてもよい。障壁層および井戸層のそれぞれは、1nm以上20nm以下の厚さを有し、例えば、2nm以上10nm以下の厚さを有する。
活性層26とp型半導体層28の間には、電子ブロック層がさらに設けられてもよい。電子ブロック層は、アンドープのAlGaN系半導体材料から構成される。電子ブロック層のAlNモル分率は、40%以上、好ましくは50%以上であり、80%以上であってもよい。電子ブロック層は、GaNを含有しないAlNから構成されてもよい。
p型半導体層28は、活性層26の上に形成される。p型半導体層28は、p型のAlGaN系半導体材料層またはp型のGaN系半導体材料層であり、例えば、p型の不純物としてマグネシウム(Mg)がドープされるAlGaN層またはGaN層である。p型半導体層28は、例えば、20nm以上2000nm以下の厚さを有する。
n側コンタクト電極30は、n型半導体層24の上面34に設けられる。n側コンタクト電極30は、例えば、Ti/Al/Ti/Auの積層構造を有する。n側コンタクト電極30は、Ti/Al/Ti/TiNの積層構造を有してもよい。
p側コンタクト電極32は、p型半導体層28の上に設けられる。p側コンタクト電極32は、例えば、Ni/Auの積層構造を有する。p側コンタクト電極32は、ITO(インジウム錫酸化物)などの導電性酸化物材料から構成されてもよい。p側コンタクト電極32は、深紫外光に対して高反射率を有するRh層を含んでもよい。p側コンタクト電極32は、例えば、Rh層のみで構成されてもよいし、Rh/Ti/Rh/TiNの積層構造を有してもよい。
つづいて、半導体発光素子10の製造方法について説明する。図2~図3は、半導体発光素子10の製造工程を概略的に示す。
まず、図2において、基板20の上にベース層22、n型半導体層24、活性層26、p型半導体層28を順に形成する。ベース層22、n型半導体層24、活性層26およびp型半導体層28は、有機金属化学気相成長(MOVPE;Metal Organic Vapor Phase Epitaxy)法や、分子線エピタキシ(MBE;Molecular Beam Epitaxy)法などの周知のエピタキシャル成長法を用いて形成できる。
次に、図3に示されるように、例えば公知のリソグラフィ技術を用いて、p型半導体層28の上にマスク40を形成する。つづいて、マスク40と重ならない箇所にあるp型半導体層28および活性層26をドライエッチングなどにより除去し、n型半導体層24の上面34を露出させる。
つづいて、ドライエッチングにより露出したn型半導体層24の上面34にプラズマ処理をする。プラズマ処理は、NガスとNHガスを含む雰囲気中において実行される。プラズマ処理によって窒素プラズマがn型半導体層24の上面34に作用し、ドライエッチングによる上面34へのダメージが修復される。
プラズマ処理の処理時間は2分未満であり、10秒以上90秒以下であることが好ましい。プラズマの処理時間が2分以上となると、n型半導体層24の上面34に窒素プラズマが過剰に供給され、n型半導体層24の上面34におけるn側コンタクト電極30のコンタクト抵抗の悪化につながる。プラズマ出力は、100W以下にすることが好ましい。
プラズマ処理の雰囲気中におけるNHガスの体積比率は、4.6%以上18.8%以下であることが好ましい。雰囲気中のNHガスの体積比率を4.6%以上18.8%以下とすることにより、雰囲気中にNHガスが含まれない場合に比べて、n側コンタクト電極30のコンタクト抵抗をさらに改善できる。雰囲気中にNHガスが過度に含まれる場合、n型半導体層24の上面34に窒素プラズマが過剰に供給され、コンタクト抵抗の悪化につながる。
プラズマ処理の雰囲気中には、実質的にNガスとNHガスのみが含まれることが好ましい。プラズマ処理の雰囲気中には、酸素、炭素、ハロゲン(F,Clなど)、不活性ガス(He,Arなど)が実質的に含まれないことが好ましい。
つづいて、例えば公知のリソグラフィ技術を用いて、n型半導体層24の上面34にn側コンタクト電極30を形成する。n側コンタクト電極30は、蒸着法やスパッタリング法によって形成できる。n側コンタクト電極30の形成後、n側コンタクト電極30をアニールする。n側コンタクト電極30は、例えば、RTA法を用いて、500℃以上650℃以下の温度にてアニールされる。n側コンタクト電極30のアニール処理により、n側コンタクト電極30のコンタクト抵抗が低下する。
次に、p型半導体層28の上にp側コンタクト電極32を形成する。p側コンタクト電極32は、蒸着法やスパッタリング法によって形成できる。p側コンタクト電極32の形成後、p側コンタクト電極32をアニールする。p側コンタクト電極32は、例えば、RTA法を用いて、400℃以上600℃以下の温度にてアニールされる。p側コンタクト電極32のアニール処理により、p側コンタクト電極32のコンタクト抵抗が低下する。
以上の工程により、図1に示す半導体発光素子10ができあがる。
つづいて、n型半導体層24の上面34へのプラズマ処理についてさらに説明する。図4は、プラズマ処理の処理時間とコンタクト抵抗の関係を示すグラフである。図4は、プラズマ処理をするチャンバ内の雰囲気圧力を75Paとし、Nガス流量を165sccm、NHガス流量を8sccmとし、プラズマ出力を90Wとした場合を示す。チャンバ内の雰囲気中におけるNHガスの体積比率は4.6%である。
図4において、プラズマ処理をしなかった場合のn側コンタクト電極30のコンタクト抵抗を1として、プラズマ処理時間に対するコンタクト抵抗の変化を調べた。図示されるように、処理時間が60秒となる場合にコンタクト抵抗が最小となった。一方、処理時間が2分以上となると、プラズマ処理をしない場合に比べてコンタクト抵抗が悪化した。
図4から、処理時間が10秒以上90秒以下となる範囲W1において、コンタクト抵抗を0.9以下に改善できる。また、処理時間が25秒以上80秒以下となる範囲W2において、0.7以下に改善できる。さらに、処理時間が40秒以上70秒以下となる範囲W3において、コンタクト抵抗を0.55以下に改善できる。
図5は、プラズマ処理の雰囲気中におけるNHガス体積比率とコンタクト抵抗の関係を示すグラフである。図5は、プラズマ処理の処理時間を60秒とし、チャンバ内の雰囲気圧力を75Paとし、Nガス流量を165sccmとし、プラズマ出力を90Wとした場合を示す。チャンバ内の雰囲気中におけるNHガスの体積比率は、NHガス流量を0sccm、8sccm、16sccm、40sccmに設定することより変化させた。
図5においても、プラズマ処理をしなかった場合のn側コンタクト電極30のコンタクト抵抗を1とした。図示されるように、NHガスの体積比率が8.8%となる場合にコンタクト抵抗が最小となった。NHガスの体積比率を調整することにより、NHガスが含まれない場合、つまり、Nガスのみを用いる場合に比べてコンタクト抵抗を改善できた。
図5から、NHガス体積比率が4.6%以上18.8%以下となる範囲W4において、コンタクト抵抗を0.4以下に改善できることが分かる。また、NHガス体積比率が6.1%以上15.3%以下となる範囲W5において、コンタクト抵抗を0.3以下に改善できることが分かる。さらに、NHガス体積比率が7.6%以上11.8%以下となる範囲W6において、コンタクト抵抗を0.2以下に改善できることが分かる。
本実施形態によれば、NガスとNHガスを含む雰囲気中において、n型半導体層24の上面34へのプラズマ処理をすることにより、比較的短い処理時間でn側コンタクト電極30のコンタクト抵抗を改善できる。これにより、半導体発光素子10の生産性への影響を抑制しつつ、n側コンタクト電極30のコンタクト抵抗を改善できる。
本実施形態によれば、プラズマ処理の処理時間を10秒以上90秒以下にすることにより、n側コンタクト電極30のコンタクト抵抗をさらに改善できる。また、プラズマ処理の雰囲気中に含まれるNHガスの体積比率を4.6%以上18.8%以下にすることにより、n側コンタクト電極30のコンタクト抵抗をさらに改善できる。
以上、本発明を実施形態にもとづいて説明した。本発明は上述の実施形態に限定されず、種々の設計変更が可能であり、様々な変形例が可能であること、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは、当業者に理解されるところである。
以下、本発明のいくつかの態様について説明する。
本発明の第1の態様は、n型AlGaN系半導体材料から構成されるn型半導体層上にAlGaN系半導体材料の活性層を形成する工程と、前記活性層上にp型半導体層を形成する工程と、前記n型半導体層の上面が露出するように、前記p型半導体層および前記活性層の一部をドライエッチングにより除去する工程と、NガスとNHガスを含む雰囲気中において、前記n型半導体層の前記上面をプラズマ処理する工程と、前記プラズマ処理された前記n型半導体層の前記上面にn側コンタクト電極を形成する工程と、を備える半導体発光素子の製造方法である。第1の態様によれば、NガスとNHガスを含む雰囲気中においてプラズマ処理をすることにより、比較的短い処理時間でn側コンタクト電極のコンタクト抵抗を改善できる。
本発明の第2の態様は、前記プラズマ処理する工程の処理時間は、10秒以上90秒以下である、第1の態様に記載の半導体発光素子の製造方法である。第2の態様によれば、プラズマ処理の処理時間を10秒以上90秒以下にすることにより、n側コンタクト電極のコンタクト抵抗をさらに改善できる。
本発明の第3の態様は、前記プラズマ処理する工程の前記雰囲気中におけるNHガスの体積比率は、4.6%以上18.8%以下である、第1または第2の態様に記載の半導体発光素子の製造方法である。第3の態様によれば、プラズマ処理の雰囲気中におけるNHガスの体積比率を4.6%以上18.8%以下にすることにより、n側コンタクト電極のコンタクト抵抗をさらに改善できる。
10…半導体発光素子、20…基板、22…ベース層、24…n型半導体層、26…活性層、28…p型半導体層、30…n側コンタクト電極、32…p側コンタクト電極、34…上面。

Claims (3)

  1. n型AlGaN系半導体材料から構成されるn型半導体層上にAlGaN系半導体材料の活性層を形成する工程と、
    前記活性層上にp型半導体層を形成する工程と、
    前記n型半導体層の上面が露出するように、前記p型半導体層および前記活性層の一部をドライエッチングにより除去する工程と、
    ガスとNHガスを含む雰囲気中において、前記n型半導体層の前記上面をプラズマ処理する工程と、
    前記プラズマ処理された前記n型半導体層の前記上面にn側コンタクト電極を形成する工程と、を備える半導体発光素子の製造方法。
  2. 前記プラズマ処理する工程の処理時間は、10秒以上90秒以下である、請求項1に記載の半導体発光素子の製造方法。
  3. 前記プラズマ処理する工程の前記雰囲気中におけるNHガスの体積比率は、4.6%以上18.8%以下である、請求項1または2に記載の半導体発光素子の製造方法。
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