JP2024001578A - 乾燥装置、乾燥制御方法及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】液剤塗布後の爪等を適切な時間で乾燥させることができる。【解決手段】乾燥装置100が、液剤を塗布した対象物が配置される乾燥空間SPを有し、乾燥空間SP内において液剤から気化した気化成分の空気中の濃度値を検出する検出手段(ガスセンサ5)と、乾燥空間SP内において乾燥動作を行う乾燥手段である乾燥機構3(ヒータ31,ファン32)と、ガスセンサ5によって検出された濃度値に基づいて、乾燥機構3(ヒータ31,ファン32)の乾燥動作を制御する動作制御手段としての制御部11と、を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、乾燥装置、乾燥制御方法及びプログラムに関するものである。
従来、人の爪等にネイルプリントを施す印刷装置(ネイルプリント装置)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
例えば指の爪にマニキュアを施す場合、マニキュア液を塗布したのち、これを乾燥させる工程が必要となる。印刷装置を用いてネイルプリントを施す場合でも、印刷後にインク等の液剤を乾燥させる必要がある。
特表2003-534083号公報
しかしながら、インク等の液剤を印刷(塗布)した後、十分に乾燥させなければ、印刷されたデザインが滲んだり崩れたりしてしまう。他方で必要以上に乾燥時間を長くすると、ネイルプリントに要する時間が長くなり、ユーザの負担が大きくなってしまう。
適切な乾燥時間は液剤ごとに異なり、ユーザが自分で乾燥時間を設定することは難しい。また実際に十分に乾燥したか否かを目視で確認することは困難であり、十分な乾燥時間が確保されないことにより、ネイルプリントの仕上がり品質が低下する場合もある。
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、液剤塗布後の爪等を適切な時間で乾燥させることのできる乾燥装置、乾燥制御方法及びプログラムを提供することを目的とするものである。
前記課題を解決するために、本発明の乾燥装置の一態様は、
液剤を塗布した対象物が配置される乾燥空間を有し、
前記乾燥空間内において前記液剤から気化した気化成分の空気中の濃度値を検出する検出手段と、
前記乾燥空間内において乾燥動作を行う乾燥手段と、
前記検出手段によって検出された濃度値に基づいて、前記乾燥手段の乾燥動作を制御する動作制御手段と、
を備えることを特徴とする。
本発明によれば、液剤塗布後の爪等を適切な時間で乾燥させることができるとの効果を奏する。
第1の実施形態に係る乾燥装置の外観構成を示す要部斜視図である。 第1の実施形態に係る乾燥装置に指(手)をセットした状態を模式的に示す要部側面図である。 実施形態に係る乾燥装置の制御構成例を示した要部ブロック図である。 実施形態に係る乾燥制御処理を示すフローチャートである。 液剤を塗布した爪を乾燥装置内に入れて液剤から気化したガスの濃度値をガスセンサで計測した結果をプロットした計測例を示す図である。 図5に示す濃度値データを0-100に規格化した例を示す図である。 液剤を塗布した直後を重量100とした場合における時間経過ごとの重量比の変化の計測結果を示す図である。 第2の実施形態に係る乾燥装置の外観構成を示す要部斜視図である。 第2の実施形態に係る乾燥装置に指(手)をセットした状態を模式的に示す要部側面図である。 本実施形態に係る乾燥装置に指(手)をセットした状態を模式的に示す要部斜視図である。 一変形例における乾燥装置に指(手)をセットした状態を模式的に示す要部側面図である。 乾燥装置を一体的に含む印刷装置の一例の外観構成を示す要部斜視図である。 一変形例における乾燥装置に指(手)をセットした状態を模式的に示す要部側面図である。
図面を参照しつつ、本発明に係る乾燥装置、乾燥制御方法及びプログラムの実施形態について説明する。
なお、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
例えば以下の実施形態では、乾燥装置が手の指の爪の表面に塗布(印刷)されたインクを乾燥させる乾燥装置である場合を例に説明するが、本発明における乾燥装置の乾燥対象は手の指の爪に限るものではなく、例えば足の指の爪を乾燥対象としてもよい。また、ネイルチップや各種アクセサリの表面等、爪以外のものを乾燥対象としてもよい。
〈第1の実施形態〉
まず図1から図7を参照しつつ、本発明に係る乾燥装置、乾燥制御方法及びプログラムの第1の実施形態について説明する。
[乾燥装置の構成]
図1は、本実施形態に係る乾燥装置の外観構成を示す要部斜視図である。
図1に示すように、本実施形態の乾燥装置100は、ほぼ箱形に形成された筐体2を有している。なお、以下の実施形態において、乾燥装置100における上下及び前後、左右は図1に示した向きをいう。また乾燥装置100におけるX方向、Y方向は、図1に示した方向をいうものとする。なお、乾燥装置100の形状等は図示例に限定されない。
筐体2の前面側(図1においてY方向の手前側)には、装置の幅方向のほぼ全面に亘って開口部21が形成されている。開口部21は、対象物である爪Tに対応する指Uを含む手を装置内に挿入する挿入口であり、手を出し入れ可能な程度の幅及び高さを有している。なお、開口部21の大きさ等は図示例に限定されない。例えば両手が同時に挿入できるような幅を有していてもよいし、指Uを1本ずつ受け入れ可能な程度の大きさ(幅)の開口部であってもよい。
本実施形態では、開口部21から挿入された指U(指Uを含む手)は、筐体2の底面24上に配置される。底面24上には、装置内に挿入された指U(爪Tに対応する指U)を配置すべき位置の目安を示す配置指標Mが設けられていることが好ましい。配置指標Mは、底面24上に片手の5つ分の爪Tに対応して配置される。
配置指標Mの具体的な態様は特に限定されない。図1では、爪Tを配置すべき位置に配置指標Mとして凸部を設けている。配置指標Mとしての凸部は指の腹部分で触れたときに認識できる程度のものでよく、その大きさや高さ(凸具合)等は特に限定されない。
なお、本実施形態の乾燥装置100は、右手又は左手を片方ずつ入れる構成となっている。このため、左右いずれの手が挿入された場合にも、凡そ適切な位置に指Uを配置することができるように、配置指標Mはほぼ左右対称に配置されていることが好ましい。
配置指標Mの形状や配置、底面24上に設ける手法等は特に限定されない。外部からは装置内を視認することが難しいため、配置指標Mは触れるだけで位置を認識できるようなものが好ましく、例えば印刷によって配置指標Mを設ける場合には、凹凸が分かるような厚みのある印刷とする。また配置指標Mはシールの貼付等によって設けてもよい。なお、指U(指Uを含む手)は、筐体2の底面24上に直接配置される場合に限定されず、底面24上に指U(指Uを含む手)を載置する載置台を設けてもよい。この場合、配置指標Mは載置台の表面に設けられる。
筐体2の上面(天板)には操作部22が設置されている。
操作部22は、ユーザが各種入力を行うものである。
操作部22は、例えば、乾燥装置100の電源をON/OFFする電源スイッチ釦、動作を停止させる停止スイッチ釦、乾燥動作の開始を指示する乾燥開始釦等、各種の入力を行うための操作釦で構成されている。
操作部22が操作されると操作に応じた操作信号が制御部11に出力され、制御部11が操作信号に従った制御を行い、乾燥装置100の各部を動作させる。
また筐体2の上面には、表示部23が配置されている。
表示部23は、例えば液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイその他のフラットディスプレイ、その他のディスプレイ(フラットディスプレイ)を含んでいる。表示部23は、後述の制御部11から入力される表示信号に基づいて、ディスプレイに各種画像や情報を表示させる。
表示部23のディスプレイは、タッチパネルと一体的に構成されていてもよく、この場合にはタッチパネルが、ユーザによるタッチ操作を受け付け、各種入力を行う操作部22としても機能する。
また本実施形態の表示部23は、後述する制御部11において乾燥の対象物である爪Tに塗布された液剤(コート剤やインク等)の乾燥が完了したと判断された場合に、乾燥完了等をユーザ等に報知する報知手段として機能する。
例えば乾燥完了と判断された場合に、乾燥が完了した旨や、次の工程に進むようにユーザに促すメッセージ等を表示した案内画面等が表示部23に表示される。
なお、乾燥完了を報知する報知手段として機能するのは表示部23に限定されない。例えば筐体2の上面等に報知手段として機能するランプを設けてもよい。この場合、例えば点灯させるランプの色や点灯状況(点滅か連続点灯か)等によって乾燥中か乾燥完了か等をユーザに報知してもよい(例えば乾燥中は赤色の点滅、乾燥が完了すると緑色の連続点灯等)。また、乾燥装置100がスピーカ等の音声出力部を有する場合には、乾燥完了を知らせるメッセージ等を音声出力させてもよい。また、乾燥が完了するとブザー等により報知してもよい。
本実施形態において、筐体2の内部は液剤(コート剤やインク等)が塗布された乾燥の対象物(本実施形態では爪T)を乾燥させる乾燥空間SPとなっている。乾燥空間SP内の上方には乾燥機構3が設けられている。
本実施形態における乾燥機構3は、発熱して乾燥空間SP内を加熱するヒータ31を含んでいる。
ヒータ31は、例えば、セラミックヒーターであり、ヒータ31の電源がONとなったときに発熱し、周囲の空気を加熱する。なお、ヒータ31は、乾燥装置100に組み込むことのできる小型のものであればどのような構成のものでも適用可能であり、その構成はここに例示したものに限定されない。例えばニクロム線等の電熱線をコイル状にした電熱ヒータ等でもよい。
図2は、本実施形態に係る乾燥装置に指(手)をセットした状態を模式的に示す要部側面図である。
図2に示すように、乾燥機構3は、ユーザが乾燥空間SP内の所定の位置(すなわち、底面24上であって指Uが配置指標Mの上にほぼ配置されるような位置)に指U(手)をセットした場合に、指U(指Uの爪Tの表面)の上方に位置する。
また乾燥機構3における装置奥側(図1における装置後方側)には、ガスセンサ5が設けられている。
ガスセンサ5は、乾燥空間SP内において液剤(液剤の溶剤成分)から気化した気化成分(ガス成分)の空気中の濃度値を検出する検出手段である。本実施形態において、ガスセンサ5による検出結果は、動作制御手段としての後述する制御部11に出力される。
液剤の乾燥が進むと気化した液剤(液剤の溶剤成分)の分だけ重量が軽くなる。しかし液剤(液剤の溶剤成分)自体の重量を計測することは困難であるため、本実施形態ではガスセンサ5を用いて液剤(液剤の溶剤成分)の気化量(揮発量)を空気中の濃度値として計測する。
ガスセンサ5が設けられる位置は図示例に限定されない。ガスセンサ5はできるだけ乾燥の対象物(爪T等)に近いところに配置した方が正確な検出結果を得ることができる。このため、例えば片手5本の指Uの爪Tを一度に装置内に挿入して乾燥動作を行う場合に、ガスセンサ5を各指Uの爪Tの上方にそれぞれ設けてもよい。各爪Tに対応してガスセンサ5を設けることで、より高い精度での検出が期待できる。なお1箇所で全ての指Uの爪Tに対応させる場合には、例えば乾燥空間SPの幅方向に中央付近に位置する中指の爪Tの上方等にガスセンサ5を配置することが好ましい。
また後述するように、本実施形態でガスセンサ5により検出される気化成分(ガス成分)は気化した際に空気よりも軽く、気化した際、気化成分(ガス成分)が空気中で上昇する。このためガスセンサ5も爪Tよりも上方に配置される方が低い位置に設置するよりも高い検出精度が期待できる。また本実施形態のように指Uを底面24上に配置する場合、ガスセンサ5を低い位置に配置すると指Uを底面24上に配置する際に、指先等が誤ってガスセンサ5に触れてしまい、検出精度が低下するおそれがある。この意味でもガスセンサ5は乾燥空間SP内に配置された爪Tの上方位置に配置されることが好ましい。
なお、ガスセンサ5が気化成分(ガス成分)の空気中の濃度値を検出する方式等は特に限定されず、各種方式のものを適用することができる。
ガスセンサ5が検出する気化成分は、爪Tの表面に塗布された液剤(コート剤やインク等)から気化した気化成分(ガス成分)であり、常温で気化する揮発成分、ヒータ31等により加熱されることで気化する蒸発成分を広く含む。
ネイルプリントを行う場合、例えば白色等の液剤(ベースコート剤)を爪Tに塗布して下地となるベース層を形成し、ベース層の上にプレプリントコート剤を塗布して印刷装置により塗布(印刷)されるインクを定着させるインク受容層を形成し、インク受容層の上に印刷装置により色インクを塗布(印刷)してデザインを形成し、形成されたデザインの上からトップコート剤を塗布してコーティング層を形成する、といった工程が必要であり、乾燥装置100は、これらの各工程で塗布される液剤を乾燥させるものである。
ベースコート剤は例えば酢酸ブチル、ニトロセルロース、アクリル酸アルキルコポリマー、酸化チタン等を含んでおり、プレプリントコート剤は水、(VP/VA)コポリマー、アクリレーツコポリマーアンモニウム、酢酸ブチル等を含んでおり、トップコート剤は酢酸ブチル、ニトロセルロース、アクリル酸アルキルコポリマー等を含んでいる。
このように液剤(ネイルの施術の用いられる各種コート剤)には、溶剤成分としてエステルに分類される酢酸エチル、酢酸ブチル等が配合されている。このため、本実施形態のガスセンサ5としては、これらの液剤に共有する成分(例えば酢酸ブチル等のエステル系の溶剤成分)が気化した場合にその気化成分(ガス成分)の空気中の濃度を検出可能なセンサが用いられる。なお、複数の気化成分(ガス成分)に対応する必要がある場合には、それぞれの気化成分(ガス成分)を検出可能な複数種類のセンサをガスセンサ5として設けてもよい。
図3に示すように、乾燥装置100は、操作部22、表示部23,乾燥機構3(ヒータ31)、ガスセンサ5等を備えるほか、通信部25、制御装置10等を備えている。
通信部25は、外部装置との間で通信する通信手段である。なお、本実施形態において「外部装置」とは、図示しない印刷装置や各種の端末装置等である。通信部25は通信相手である外部装置の通信部に対応する方式での通信が可能に構成されており、例えば無線LAN、Bluetooth(登録商標)やWi-Fi等の近距離無線通信規格に基づく無線通信、有線接続による通信、インターネット等のネットワーク回線を使った通信等が可能となっている。通信部25において受信した各種信号等は制御部11に送られる。なお、乾燥装置100は、外部装置と通信を行わないものであってもよく、この場合には通信部25を備えない構成とすることができる。
乾燥装置100に搭載される制御装置10は、図示しないCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサにより構成される制御部11(図3参照)と、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等(いずれも図示せず)で構成される記憶部12(図3参照)とを備えるコンピュータである。
制御装置10は、例えば筐体2の上面(天板)の内側(下面側)等に配置された図示しない基板等に搭載されている。
記憶部12は、乾燥装置100を動作させるための各種プログラムやデータ等を記憶している。
具体的には、記憶部12には、乾燥制御処理を行うための乾燥制御プログラム等の各種プログラムが格納されており、制御部11がこれらのプログラムを例えばRAMの作業領域に展開して、プログラムが制御部11において実行されることによって、乾燥装置100の各部が統括制御されるようになっている。
また、記憶部12は、ガスセンサ5によって検出された気化成分の濃度値(センサ値)に基づいて制御部11が爪Tに塗布された液剤の乾燥状態を判断するために必要な各種データ等が記憶される。
制御部11は、機能的に見た場合、例えば表示部23の表示動作を制御する表示制御手段等として機能する。また通信部25を有する場合には通信制御手段として通信部25による通信を制御して外部装置との間で通信を行わせる。さらに、本実施形態では、制御部11は乾燥手段である乾燥機構3の乾燥動作を制御する動作制御手段として機能する。
表示制御手段、通信制御手段、動作制御手段等としての機能は、制御部11と記憶部12に記憶されたプログラムとの協働によって実現される。
表示制御手段としての制御部11は、表示部23に表示指示信号を出力し、表示指示信号に従って表示部23に各種の表示をするように表示動作を制御する。特に本実施形態では、後述するようにガスセンサ5から出力される濃度値の時系列的変化に基づき「所定の濃度値下降プロファイル」が検出されたときに、動作制御手段としての制御部11によって、爪T等の対象物に塗布された液剤の乾燥が完了したと判断される。表示制御手段としての制御部11は、乾燥完了が判断されたときに、表示部23の表示動作を制御して、乾燥が完了した旨や次の塗布工程に進むようにユーザに促す表示画面を表示部23に表示させ、表示部23を、乾燥完了をユーザに報知する報知手段として機能させる。
動作制御手段としての制御部11は、検出手段であるガスセンサ5によって検出された濃度値(センサ値)に基づいて、乾燥手段である乾燥機構3(乾燥機構の3のヒータ31)の乾燥動作を制御する。
具体的には、動作制御手段としての制御部11は、検出手段であるガスセンサ5によって検出された気化成分の濃度値の時系列的変化を蓄積してプロファイルを取得し、濃度値の変化が「所定の濃度値下降プロファイル」として検出された場合に乾燥手段である乾燥機構3(乾燥機構の3のヒータ31)の乾燥動作を停止させる。
また、動作制御手段としての制御部11は、濃度値の変化が後述する「所定の濃度値上昇プロファイル」として検出された場合に乾燥手段である乾燥機構3(乾燥機構の3のヒータ31)の乾燥動作を開始させてもよい。
このようにすることで、乾燥機構3(乾燥機構の3のヒータ31)の乾燥動作の完了だけでなく、開始のタイミングもガスセンサ5によって検出された濃度値(センサ値)の変化に基づいて判断、制御することができ、別途スイッチ等を設けることなく、乾燥機構3のON/OFFを切り替えることができる。
なお、乾燥機構3の乾燥動作は、ガスセンサ5によって検出された濃度値(センサ値)の変化に基づいて開始される場合に限定されない。例えば乾燥空間SP内の底面24上に指Uの接触を検知する接触センサ(図示せず)を設けて、接触センサにより指Uの接触が検知されると動作制御手段としての制御部11が乾燥機構3をONとしてもよい。また底面24上等にユーザが指Uで操作するスイッチボタン(図示せず)等を設けて、ボタン操作が行われると制御部11が乾燥機構3をONとしてもよい。
[乾燥装置の動作及び乾燥制御方法]
続いて、本実施形態における乾燥装置の動作及び乾燥制御方法について、図4から図7を参照しつつ説明する。
図4は、本実施形態に係る乾燥制御処理を示すフローチャートである。
図4に示すように、乾燥装置100の電源がON(ステップS1)となると、ガスセンサ5による乾燥空間SP内のセンシングが開始される(ステップS2)。すなわち、乾燥空間SP内において液剤から気化した気化成分(ガス成分)の空気中の濃度値をガスセンサ5が検出する。ガスセンサ5によりセンシングの結果は随時制御部11に送られるようになっており、動作制御手段としての制御部11では、ガスセンサ5によって検出された気化成分の濃度値の時系列的変化を蓄積してプロファイルを取得する。
そして、制御部11は、ガスセンサ5による検出結果(すなわち、空気中におけるガス(気化成分、ガス成分)の濃度値)から「所定の濃度値上昇プロファイル」が検出されたか否かを判断する(ステップS3)。
図5は、液剤を塗布した爪を乾燥装置内に入れて液剤から気化したガス(気化成分、ガス成分)をガスセンサで計測した結果をプロットした計測例を示す図である。図5では、縦軸にセンサ値をとり、横軸に時間をとって、センサ値の経時的な変化を示している。
「所定の濃度値上昇プロファイル」は、図5における「A時点」「B時点」のようにガスセンサ5の検出した濃度値(センサ値)が最小である状態から急激に濃度値が上がる傾きの傾向であり、図5では「B時点」から「C時点」にかけての急こう配を示す状態を示している。
ガスセンサ5の検出した濃度値(センサ値)が図5における「A時点」「B時点」の値を示している間は、ガスセンサ5による検出結果から「所定の濃度値上昇プロファイル」が検出されない状態(ステップS3;NO)である。この場合には、乾燥空間SP内に爪T(爪Tに対応する指U)が配置されていない場合と考えられ、制御部11はステップS3の判断処理を繰り返す。
他方、ガスセンサ5による検出結果から「所定の濃度値上昇プロファイル」が検出された場合(ステップS3;YES)、すなわち、図5では「B時点」から「C時点」にかけて濃度値が急激に上がっていく傾向が見られた場合には、動作制御手段としての制御部11が、乾燥空間SP内に爪T(爪Tに対応する指U)が配置されたものと判断して(ステップS4)、乾燥機構3による乾燥動作を開始させる。具体的には乾燥機構3のヒータ31をONとして乾燥空間SP内を加熱する(ステップS5)。
ヒータ31による加熱動作が行われている間もガスセンサ5は乾燥空間SPの気化成分(ガス成分)の空気中濃度についてセンシングを続け、その結果が制御部11に送られて、検出結果(濃度値、センサ値)が制御部11においてモニタリングされ、蓄積される(ステップS6)。すなわち、制御部11はガスセンサ5によって検出された気化成分の空気中の濃度値の時系列的変化を蓄積してプロファイルを取得する。
そして、動作制御手段としての制御部11は、ガスセンサ5によって検出された濃度値に基づいて、乾燥機構3の乾燥動作を制御し、乾燥が完了したと判断すると乾燥機構3による乾燥動作を停止させる。
制御部11による乾燥完了の判断は、具体的には以下のように行われる。
すなわち、乾燥空間SP内(乾燥空間SP内であってガスセンサ5の近傍)に爪T(爪Tに対応する指U)が配置されると、当該時点(図5における「B時点」)から、液剤(コート剤等)を塗布された爪Tから急速にガス成分(気化成分)が発生し、ガスセンサ5の検出する濃度値(センサ値)が急激に上昇する。
制御部11は、ガスセンサ5によって濃度のピーク値が検出されたか否かを判断し(ステップS7)、検出されるまで(ステップS7;NO)判断処理を繰り返す。ピーク値が検出されたか否かは、例えば制御部11において連続してモニタリングしているガスセンサ5の濃度値が、前の時点で検出された値を下回ったかどうかで判断することができる。ガスセンサ5により検出される濃度値(センサ値)が、前の時点で検出された値を下回った場合には、当該下回った値の直前の値を濃度のピーク値とする(なおこのピーク値を「第1の値」とする)。図5に示す例では、「C時点」で検出された値が濃度のピーク値(「第1の値」)となる。
ガスセンサ5によりピーク値(「第1の値」)が検出されると(ステップS7;YES)、制御部11はさらに、ピーク(ピーク値)を検出後、ガスセンサ5の濃度値(センサ値)が「所定の閾値」を下回ったか否かを判断する(ステップS8)。ここで「所定の閾値」は、例えばガスセンサ5で検出された最小値(ガスセンサ5が読み出した最小のセンサ値、乾燥動作の開始ポイントとされた時点での濃度値、図5では「B時点」で読み取られたセンサ値)とガスセンサ5で検出された最大の濃度値(すなわちピーク値(「第1の値」)、図5では「C時点」で読み取られたセンサ値)との差分(図5において差分d)に基づいて導出される。
図6は、図5に示すデータ(ガスセンサによって取得された濃度値)を0-100に規格化した例を示す図である。
本実施形態では、ガスセンサ5によって検出された最小の濃度値を「0」とし、最大の濃度値を「100」としたときに、最大のセンサ値から約20%ほど低い値(差分dのうちの80%の値)を「所定の閾値」とし、図5、図6では例えば「D時点」において「所定の閾値」を下回ったと判断される例を示す。
本実施形態では、ガスセンサ5によって検出された濃度値(センサ値)がピーク(ピーク値(「第1の値」))を超えたのちに検出された、「第1の値」(ピーク値)よりも低い所定の値(センサ値)を「第2の値」とし、この「第2の値」が「所定の閾値」を下回った濃度値(センサ値)であると判断される。すなわち図5、図6では「D時点」で読み取られた濃度値(センサ値)が「第2の値」となる。
動作制御手段としての制御部11は、ガスセンサ5により検出される濃度値(センサ値)が「所定の閾値」を下回った値である「第2の値」となるまで(ステップS8;NO)判断処理を繰り返す。
そしてガスセンサ5により検出された濃度値(センサ値)が「所定の閾値」を下回った値(「第2の値」)となると(ステップS8;YES)、制御部11は、当該時点(図5では「D時点」)から「所定時間」が経過したか否かをさらに判断し(ステップS9)、「所定時間」が経過するまで(ステップS9;NO)判断処理を繰り返す。
他方、「所定時間」が経過すると(ステップS9;YES)、制御部11は爪Tの上に塗布された液剤の乾燥が完了したと判断する(ステップS10)。
なお、ガスセンサ5によって検出された濃度値がピークを超えたのちピーク値である「第1の値」より低い「第2の値」が検出された時点(すなわち「所定の閾値」を下回った値(「第2の値」)が検出された、図5に示す「D時点」)後のタイミングであれば乾燥完了と判断してもよい場合もあるが、確実に乾燥状態を確保するために、「第1の値」及び「第1の値」より低い「第2の値」が検出された後、「第2の値」を超えない状態が所定時間(図5において「所定時間α」)継続したときを乾燥完了のタイミングとすることが好ましい。
なお例えば図6では、最大のセンサ値(「第1の値」)から約20%ほど低い値が、「D時点」より前にも検出されているが、この時点では「第2の値」が一旦検出された後、再び「第2の値」を超えている。このため、この時点での濃度値の低下は検出結果の揺らぎとして「所定時間α」のスタート時点とはみなさないものとする。
この場合「所定時間α」をどの程度とするかは適宜設定される。
この点、液剤(コート剤等)を塗布した乾燥の対象物(爪等)は、液剤の乾燥が進むにつれて重量が変化(減少)していくことが実験により確認されている。
図7は、液剤を塗布した直後を重量100とした場合における時間経過ごとの重量比の変化の計測結果を示す図である。なお、図7に示すグラフは、ベースコート層を形成するコート剤を液剤として対象物(ここでは実験用のネイルチップ)に塗布し、室内25℃の条件下で乾燥装置100による乾燥動作を行って、経過時間ごとに重量変化を計測した結果を示すものである。実際の溶剤成分の検出では、室温・湿度・人の体温・爪の面積・コート剤の塗布量等が影響し、溶剤成分の重量の絶対値は判断することが困難である。このため、図7に示す例では、時間経過とともに溶剤成分が気化(揮発)したことによりネイルチップの重量が軽くなっていくことを乾燥開始前の重量との重量比の変化でみている。
実験の結果、図7に示す重量比の変化は、図5、図6に示すガスセンサ5の濃度値(センサ値)の経時的(時系列的)変化と相関することが確かめられた。
すなわち、液剤を塗布した乾燥の対象物(爪等)を乾燥空間SP内に配置した直後(図5、図6では「B時点」の直後、図7では実験開始時点(0秒)の直後)からしばらくの間は、急激に液剤(液剤の溶剤成分)が気化(揮発)していくため、乾燥の対象物(爪等)を乾燥空間SP内に配置したときの重量を100としたとき、重量比が急速に下がっていく。そしてこのとき、急速に気化が進むことでガスセンサ5の濃度値(センサ値)が急上昇する(図5、図6における「B時点」から「C時点」にかけての急上昇)。
そして、気化のピーク(図5、図6における「C時点」)を迎えて、しばらくした時点(図5、図6における「D時点」辺り)で重量比を測った結果では、重量比の下がり方も緩やかとなっている(図7における90秒経過時点辺りの重量比変化参照)。
なお、図5、図6における「D時点」辺りに相当する図7の90秒経過時点辺りでは、重量比が60%程度であり、このときの乾燥状態を確認すると乾燥が不十分な状態であることが確かめられた。そして、この時点から2分近く(図7の例では110秒)が経過すると、重量比が40%まで下がり、このときの乾燥状態を確認すると、次の工程に移行しても問題ない程度に乾燥していることが確認された。また、これ以上時間が経過しても重量比の下がり方が僅かであり、乾燥動作を継続する必要に乏しいことも分かる。
これらの結果から、「第1の値」及び「第2の値」が検出された時点(すなわち、図5、図6における「D時点」)の後、「第2の値」を超えない状態が継続している「所定時間α」が、110秒程度(2分近く)となると、十分な乾燥状態を得られるということができる。このような濃度値の時系列的変化(すなわち、「第1の値」及び「第2の値」が検出された時点の後、「第2の値」を超えない状態の「所定時間α」の継続)が検出された場合を、「所定の濃度値下降プロファイル」が検出された場合とする。
なお、液剤を確実に乾燥させることのできる乾燥時間は液剤の種類や乾燥機構3の構成等によっても変わり得ることから、制御部11は「所定時間α」をどの程度とするかを、適宜調整してもよい。この場合には、例えば液剤の種類と「所定時間α」として望ましい時間とを対応付けるルックアップテーブル(LUT)等を記憶部12等に記憶させておき、ガスセンサ5により検出される濃度(センサ値)に基づいて特定された「D時点」からの経過時間である「所定時間α」を制御部11がLUT等を参照して決定してもよい。
本実施形態では、制御部11が液剤の乾燥が完了したと判断すると、動作制御手段として乾燥機構3(ヒータ31)をOFFする(ステップS11)。そして乾燥が完了した旨を報知手段としての表示部23等に表示させて、ユーザに乾燥が完了したことを報知する(ステップS12)。
このような構成とすれば、爪Tに塗布された液剤の乾燥状態をガスセンサ5のセンサ値から予想することができ、比較的簡易な構成で、適切な乾燥時間での乾燥動作を実現することができる。
以上のように、本実施形態によれば、液剤(コート剤やインク等)を塗布した対象物である爪Tが配置される乾燥空間SP内において、乾燥手段である乾燥機構3(本実施形態ではヒータ31)によりコート剤等を塗布した爪Tの乾燥動作を行う場合に、乾燥空間SP内においてコート剤等から気化した気化成分の空気中の濃度値を検出手段であるガスセンサ5によって検出し、ガスセンサ5によって検出された濃度値(センサ値)に基づいて、乾燥機構3の乾燥動作を制御することができる。
具体的には、動作制御手段としての制御部11がガスセンサ5によって検出された気化成分の濃度値の時系列的変化を蓄積してプロファイルを取得し、濃度値の変化が「所定の濃度値下降プロファイル」として検出された場合に、爪Tに塗布された液剤の乾燥が完了したと判断して乾燥手段である乾燥機構3の乾燥動作を停止させる。
爪Tに塗布された液剤(コート剤等)はその種類や塗付量等の色々な条件で乾燥に必要な時間が大きく異なる。また同じ液剤(コート剤等)でも施術する場所の室温・湿度・人の体温・爪Tの面積等の条件によって乾燥に必要な時間が変わってくる。
乾燥が不十分なまま次の工程に進んでしまうと、次の工程で塗布した液剤が流れたり滲んだりすることで、最終的なネイルデザインの仕上がり品質が低下してしまう。
他方で必要以上に長い乾燥時間を設定すると、ユーザにとって負担となる。
この点、本実施形態ではコート剤等の液剤の乾燥具合(乾燥状態)を、ガスセンサ5を用いた比較的簡易な構成で把握することができ、過不足のない乾燥時間で液剤の乾燥を行うことができる。
これにより、高品位のネイルプリントを実現できるとともに、乾燥時間を不必要に長くせずに済み、ユーザの負担を軽減することができる。
また本実施形態では、ガスセンサ5により検出される濃度値(センサ値)の経時的変化に基づいて把握される適切な乾燥時間が経過すると、動作制御手段である制御部11が乾燥機構3の乾燥動作を停止させるため、装置の止め忘れ等を防止することもできる。
また本実施形態では、ガスセンサ5により検出される開始ポイントの濃度値からピーク値である「第1の値」まで上昇する「所定の濃度値上昇プロファイル」が検出された後であって、「第1の値」より所定のレベル低い「第2の値」がガスセンサ5により検出され、「第2の値」を超えない状態が所定時間継続した状態を示す「所定の濃度値下降プロファイル」が検出された際に乾燥機構3の乾燥動作を停止させるタイミングを判断される。
このように「第2の値」が検出されてから所定時間経過した時点を乾燥完了時点とするため、爪T等の塗布された液剤を、確実に乾燥状態とすることができる。
また本実施形態では、動作制御手段である制御部11が、乾燥空間SPにおいてガスセンサ5が検出した気化成分の空気中の濃度値の変化が「所定の濃度値上昇プロファイル」として検出された場合に乾燥機構3による乾燥動作を開始させる。
このため、ユーザがコート剤等の液剤を爪Tに塗布した指Uを乾燥空間SP内に入れるだけで自動的に乾燥動作を開始させることができ、コート剤等の液剤を爪Tに塗布した状態でユーザがスタートボタンを操作する等の手間が必要ない。
また適切な乾燥時間が経過して液剤の乾燥が完了すると、乾燥が完了した旨のメッセージ等を表示部23等に表示させ、ユーザに報知する。
このため爪T等の塗布された液剤の乾燥が終わったこと(すなわち次の工程に進むことができること)をユーザが確実に認識することができる。
〈第2の実施形態〉
次に図8から図10を参照しつつ、乾燥装置、乾燥制御方法及びプログラムの第2の実施形態について説明する。なお、第2の実施形態は、乾燥装置の乾燥手段の構成が第1の実施形態と異なるため、特に第1の実施形態と異なる点について説明する。
[乾燥装置の構成]
図8は、本実施形態の乾燥装置の外観構成を示す要部斜視図である。図9は、図8に示す乾燥装置の乾燥空間内に指(手)をセットした状態を模式的に示す要部側面図であり、図10は、図8に示す乾燥装置の乾燥空間内に指(手)をセットした状態を模式的に示す要部斜視図である。
図8から図10に示すように、本実施形態の乾燥装置200は、第1の実施形態と同様に筐体2の内部が、液剤(コート剤等)が塗布された対象物である爪Tを乾燥させる乾燥空間SPとなっている。乾燥空間SP内の上方には乾燥機構3が設けられている。
本実施形態において乾燥機構3は、例えば図示しないモータを含み、モータの駆動によって回転駆動するプロペラ(翼)を有するファン32(軸流ファン)を含んでいる。
ファン32を動作させるモータは後述する動作制御手段である制御部11によって制御され、例えばモータに印加する電圧の値(以下これを「印加電圧値」ともいう。)が高くなると、モータの回転数が上がり、これによってファン32からの風量や風速が大きくなる。なお、ファン32は上から下方向に向う風を発生させるようになっている。
乾燥機構3における装置奥側(図8において装置後方側)には、第1の実施形態と同様のセンサ(ガスセンサ5)が設けられている。ガスセンサ5の構成等は第1の実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
なお、本実施形態のように乾燥機構3が上から下方向に向う風を発生させるようなファン32を備える場合、ガスセンサ5は乾燥機構3の下方に配置されてもよい(例えば図11に示すように、後述の載置台6における装置奥側等)。
前述のように、乾燥機構3のファン32が上から下方向に向う風を発生させるものである場合、気化成分(ガス成分)も空気の流れに沿って下方へと流れる。このため、載置台6の装置奥側等、空気の流れの出口方向である乾燥機構3の下方に配置した方が精度よく気化成分(ガス成分)の検出を行うことができ、センサ値のばらつきも小さいことが期待できる。
しかし装置の構成等によっては乾燥機構3の下方では逆に対流が起こって風向きが一定でない場所も生じる。このような場所ではセンサ値が上下に揺れて正確な値を得ることができない場合も考えられる。また、ガスセンサ5が乾燥機構3の下方にある場合、指Uを乾燥空間SP内に出し入れした際に指Uがセンサに触れるおそれもあり、高精度の検出ができなくなるおそれもある。
このため、本実施形態では第1の実施形態と同様に乾燥機構3の奥側にガスセンサ5を配置する場合を例示している。
乾燥空間SP内であって乾燥機構3の下方には、乾燥の対象物である爪Tを含む指Uを載置する載置台6が設けられている。
載置台6は例えば樹脂等で形成されている。載置台6は乾燥機構3(ファン32)からの風を効率よく逃がすことができるように、例えば図8から図10に示すように載置台6の上面や側面に通風用のスリット62等が設けられていることが好ましい。なお、載置台6の形状・構成等は図示例に限定されない。
また、載置台6の上面61等には、第1の実施形態と同様に載置台6に載置される指の位置を示す配置指標Mが設けられている。配置指標Mの構成等は特に限定されず、例えばシールの貼付等によって設けてもよい。
なお、その他の構成は、第1の実施形態と同様であることから、同一部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
[乾燥装置の動作及び乾燥制御方法]
続いて、本実施形態における乾燥装置の動作及び乾燥制御方法について説明する。
まず、第1の実施形態と同様に、乾燥装置200の電源がONとなると、ガスセンサ5による乾燥空間SP内のセンシングが開始され、乾燥空間SP内において液剤から気化した気化成分(ガス成分)の空気中の濃度値がガスセンサ5により検出される。
なお、乾燥機構3がファン32を備えるものである場合、乾燥装置200の電源がONとなると、まず乾燥機構3のファン32を動作させ、乾燥空間SP内に滞留している気体を排出させてから、ガスセンサ5によるセンシングを開始するようにしてもよい。これにより対流空気による検出誤差等が生じるのを防ぐことができる。
そして、第1の実施形態と同様に、「所定の濃度値上昇プロファイル」が動作制御手段である制御部11によって検出されると、乾燥装置200内に指が配置されたと判断され、乾燥機構3がONとなる。
なお、乾燥装置3がファン32を備える場合、ファン32が動作している間は空気の流れが生じるため、ガスセンサ5によるセンシングが精度よく行われない可能性がある。
このため、本実施形態では乾燥機構3がONとなるとしばらくの間ガスセンサ5によるセンシングを中断する。この間制御部11は、ファン32が乾燥動作を開始してからの経過時間をカウントし、所定の時間(例えば1分等)が経過すると一旦ファン32を停止させてガスセンサ5によるセンシングを行う。制御部11はガスセンサ5により検出された濃度値(センサ値)をモニタリングし、当該濃度値の時系列的変化を蓄積し、プロファイルを取得する。その後再びファン32を所定の時間動作させ、再びファン32を止めてガスセンサ5によるセンシングを行う。
制御部11は、このようにファン32とガスセンサ5とを交互に間欠的に動作させ、ガスセンサ5により検出された濃度値(センサ値)の時系列的変化に基づいてプロファイルを取得していき、「所定の濃度値上昇プロファイル」が検出されると、乾燥完了と判断して、乾燥機構3(乾燥機構3のファン32)をOFFとし、乾燥が完了した旨を表示部23等に表示させてユーザに報知する。
なお、乾燥装置3がファン32を備える場合でも、ファン32による乾燥動作とガスセンサ5によるセンシング(気化成分(ガス成分)の検出動作)とを同時に行ってもよい。
なお、その他の点については、第1の実施形態と同様であることから、その説明を省略する。
以上のように、本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得られる他、以下の効果を得ることができる。
すなわち、本実施形態では、乾燥機構3としてヒータ31の代わりにファン32を用いるため、乾燥装置200内が熱くなりすぎて、ユーザが手の甲等にやけどを負う危険等を回避することができる。
また、ファン32を用いた構成の場合にも、ガスセンサ5により検出される気化成分の空気中の濃度値(センサ値)を制御部11がモニタリングすることで、爪T等に塗布されたコート剤等の液剤の乾燥状態を容易に予想・把握することができる。これにより乾燥動作を過不足の少ない適切な乾燥時間で行うことができる。
なお、以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形が可能であることは言うまでもない。
例えば、上記各実施形態では、乾燥装置が単体で構成されている場合を例示したが、乾燥装置は単体のものに限定されない。例えば図12に示すように印刷装置400の内部に乾燥装置が組み込まれていてもよい。
この場合には、例えば筐体4の上面に操作部41や表示部42が設けられ、筐体4の前面側には開口部43が設けられる。
また筐体4の内部は、仕切り板44によって上下方向に2つの空間に分けられ、仕切り板44の上側には印刷時に指Uを配置する指置台50や、指置台50に配置された指Uの爪Tに印刷を行う図示しない印刷機構等が設けられる。
そして、筐体4の内部であって仕切り板44の下側は、乾燥機構3が配置された乾燥空間SP等を備える乾燥装置30となっている。なお、この場合の乾燥機構3は、第1の実施形態で説明したようなヒータ31を備えるものであってもよいし、第2の実施例で説明したようなファン31を備えるものであってもよい。
また図12では乾燥機構3の下方に手を載せる載置台6がある場合を図示しているが、載置台6がなく手を筐体4の底面上に直接載せるようになっていてもよい。
さらに図示例では、乾燥空間SP内に一度に両手を挿入できるようになっているが、第1の実施形態等で例示したような、乾燥空間SP内に片手ずつ挿入して乾燥動作を行うものや指1本ずつを挿入して乾燥を行うものでもよい。
なお、図示例のように乾燥空間SP内に両手を挿入できる場合であって、載置台6の上面等に配置指標Mを設ける場合には、左手側には左手の各指に応じた位置、右手側には右手の各指に応じた位置にそれぞれ配置指標Mを配置する。
なお、図12に示すように、乾燥装置30が印刷装置400内に一体的に組み込まれている場合、報知手段等として機能する表示部は印刷装置400の各種表示を行う表示部42が兼用してよい。
また、印刷装置400側の図示しない制御部が、乾燥装置30の乾燥機構3の各種動作制御を行う動作制御手段としても機能してよい。
また、乾燥機構3はヒータ31かファン32のいずれかを備えるものに限定されない。例えば図13に示すように、乾燥機構3がヒータ31及びファン32の両方を備えてもよい。
液剤(コート剤)の種類によっては、加熱するよりも風を当てる方が効果的に乾燥を促進させることができるものもある。このため液剤の種類に応じて適宜ヒータ31とファン32とを使い分けて乾燥動作を行ってもよい。これにより爪T等に塗布された液剤の乾燥を効率的に行うことができる。
また、始めにヒータ31により加熱を行って、その後ファン32を動作させ、加熱された空気を乾燥空間SP全体に行き渡らせる等、一連の乾燥動作の中でヒータ31とファン32とを順番に用いて液剤を乾燥させてもよい。
以上本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
液剤を塗布した対象物が配置される乾燥空間を有し、
前記乾燥空間内において前記液剤から気化した気化成分の空気中の濃度値を検出する検出手段と、
前記乾燥空間内において乾燥動作を行う乾燥手段と、
前記検出手段によって検出された濃度値に基づいて、前記乾燥手段の乾燥動作を制御する動作制御手段と、
を備える、
ことを特徴とする乾燥装置。
<請求項2>
前記動作制御手段は、前記検出手段によって検出された濃度値の時系列的変化を蓄積してプロファイルを取得し、前記濃度値の変化が所定の濃度値下降プロファイルとして検出された場合に前記乾燥手段の乾燥動作を停止させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の乾燥装置。
<請求項3>
前記所定の濃度値下降プロファイルは、前記検出手段により検出される開始ポイントの濃度値からピーク値である第1の値まで上昇する所定の濃度値上昇プロファイルが検出された後、前記第1の値より所定のレベル低い第2の値が前記検出手段により検出され、前記第2の値を超えない状態が所定時間継続した状態を示すものである、
ことを特徴とする請求項2に記載の乾燥装置。
<請求項4>
前記動作制御手段は、前記濃度値の変化が前記所定の濃度値上昇プロファイルとして検出された場合に前記乾燥手段の乾燥動作を開始させる、
ことを特徴とする請求項3に記載の乾燥装置。
<請求項5>
前記所定の濃度値下降プロファイルが検出されたときに、前記対象物に塗布された液剤の乾燥完了を報知する報知手段を備えている、
ことを特徴とする請求項2に記載の乾燥装置。
<請求項6>
対象物は、爪であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の乾燥装置。
<請求項7>
液剤を塗布した対象物が配置される乾燥空間内において、乾燥手段により液剤を塗布した対象物の乾燥動作を行う場合に、
乾燥空間内において前記液剤から気化した気化成分の空気中の濃度値を検出手段によって検出し、
前記検出手段によって検出された濃度値に基づいて、前記乾燥手段の乾燥動作を制御する、
ことを特徴とする乾燥制御方法。
<請求項8>
コンピュータに、
液剤を塗布した対象物が配置される乾燥空間内において前記液剤から気化した気化成分の空気中の濃度値を検出する検出手段により検出された濃度値に基づき、
前記乾燥空間内において乾燥動作を行う乾燥手段の乾燥動作を制御する動作制御を実現させる、ことを特徴とするプログラム。
100 乾燥装置
2 筐体
22 操作部
23 表示部
3 乾燥機構
31 ヒータ
32 ファン
5 ガスセンサ
6 載置台
11 制御部
12 記憶部
M 配置指標
T 爪
U 指

Claims (8)

  1. 液剤を塗布した対象物が配置される乾燥空間を有し、
    前記乾燥空間内において前記液剤から気化した気化成分の空気中の濃度値を検出する検出手段と、
    前記乾燥空間内において乾燥動作を行う乾燥手段と、
    前記検出手段によって検出された濃度値に基づいて、前記乾燥手段の乾燥動作を制御する動作制御手段と、
    を備える、
    ことを特徴とする乾燥装置。
  2. 前記動作制御手段は、前記検出手段によって検出された濃度値の時系列的変化を蓄積してプロファイルを取得し、前記濃度値の変化が所定の濃度値下降プロファイルとして検出された場合に前記乾燥手段の乾燥動作を停止させる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の乾燥装置。
  3. 前記所定の濃度値下降プロファイルは、前記検出手段により検出される開始ポイントの濃度値からピーク値である第1の値まで上昇する所定の濃度値上昇プロファイルが検出された後、前記第1の値より所定のレベル低い第2の値が前記検出手段により検出され、前記第2の値を超えない状態が所定時間継続した状態を示すものである、
    ことを特徴とする請求項2に記載の乾燥装置。
  4. 前記動作制御手段は、前記濃度値の変化が前記所定の濃度値上昇プロファイルとして検出された場合に前記乾燥手段の乾燥動作を開始させる、
    ことを特徴とする請求項3に記載の乾燥装置。
  5. 前記所定の濃度値下降プロファイルが検出されたときに、前記対象物に塗布された液剤の乾燥完了を報知する報知手段を備えている、
    ことを特徴とする請求項2に記載の乾燥装置。
  6. 対象物は、爪であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の乾燥装置。
  7. 液剤を塗布した対象物が配置される乾燥空間内において、乾燥手段により液剤を塗布した対象物の乾燥動作を行う場合に、
    乾燥空間内において前記液剤から気化した気化成分の空気中の濃度値を検出手段によって検出し、
    前記検出手段によって検出された濃度値に基づいて、前記乾燥手段の乾燥動作を制御する、
    ことを特徴とする乾燥制御方法。
  8. コンピュータに、
    液剤を塗布した対象物が配置される乾燥空間内において前記液剤から気化した気化成分の空気中の濃度値を検出する検出手段により検出された濃度値に基づき、
    前記乾燥空間内において乾燥動作を行う乾燥手段の乾燥動作を制御する動作制御を実現させる、ことを特徴とするプログラム。
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