JP2023552302A - 乳児栄養に適する新規コレステロール高含有乳脂質組成物、生産の方法及び乳脂質組成物を含む栄養組成物 - Google Patents

乳児栄養に適する新規コレステロール高含有乳脂質組成物、生産の方法及び乳脂質組成物を含む栄養組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、乳製品ベースの乳清の膜ベース分画による乳児栄養に適するコレステロール高含有乳脂質組成物を生産する方法、コレステロール高含有乳脂質組成物そのもの、及び食品成分としてのそれらの使用に関する。【選択図】図1

Description

発明の分野
本発明は、乳清の膜ベース分画による乳児栄養に適するコレステロール高含有乳脂質組成物を生産する方法、コレステロール高含有乳脂質組成物そのもの、及び食品成分としてのそれらの使用に関する。
背景
乳脂質は、乳児の栄養に重要な役割を果たし、乳児にエネルギー、必須ビタミン、多価不飽和脂肪酸、及び生理活性成分を提供する。乳脂質はさらに、乳児の神経系と脳の発達に寄与する。母乳育児によって提供されるコレステロールは、乳児のステロール代謝を調節し、長期的な恩恵をもたらし得る。ヒトの乳脂質の約98~99%は、トリアシルグリセロールで構成されており、その特性は組み込まれる脂肪酸に依存する。長鎖多価不飽和脂肪酸のドコサヘキサエン酸(DHA)及びアラキドン酸(ARA)の役割に注目が集まっている。最近の研究は、DHAとARAを提供する母乳育児が、特に遺伝的に決定されたDHAとARAの合成のより低い活性を有する子供において、認知発達を改善し学齢期の喘息リスクを低下させることを示している。
乳児栄養のための脂質画分は、例えば、溶媒抽出又は超臨界流体抽出によって牛乳から誘導され得る。
WO 2006/041316 A1は、近臨界二酸化炭素又はジメチルエーテルを用いる抽出によって、低レベルの中性脂質、及び/又はより高レベルの極性脂質を有する乳製品を生産するためのプロセスを開示する。
JPH 0 530903 Aは、乳児用調製粉乳製品におけるコレステロール及びリン脂質の供給源としてのバターセラム生成物の使用を開示する。バターセラムは、バター又はクリームからバターオイルを生成する際の副産物である。バターセラムは、コレステロールを含有する脂肪球膜材料に富み、脂肪100gあたり0.5~10gのコレステロール含有量を示す。JPH 0 530903 Aはさらに、ヒト母乳中に見られるレベルに類似させるため乳児用調製粉乳製品のコレステロール及びリン脂質レベルを増加させるためにバターセラムを使用することを示唆する。トランス脂肪酸の含有量に関する詳細は提供されていない。
Boydら(「乳清リン脂質の分離と特性評価」;Journal of Dairy Science,82巻,12番,1999,p.2550-2557)は、乳清リン脂質を分離及び特徴付ける方法を開示する。リン脂質を、精密濾過によって分離し、MF残留物をその後、6kDa膜を用いて透析した。リン脂質を、溶媒抽出によりMF残留物からさらに抽出し、HPLCにより特徴付けた。
Sachdevaら(「膜処理を用いるバターミルクからのリン脂質の回収」;Kieler Wirtschaftliche Forschungsberichte,49巻,1番,1997,p.47-68)は、再構成された甘いバターミルク粉末のレンネットベース又はクエン酸ベースの沈殿により「バターミルク乳清」からリン脂質を分離する方法を開示する。分離は、限外濾過と精密濾過/透析濾過の組み合わせを伴った。
EP 2 452 567 A1は、乾燥重量で15~35パーセントの量でタンパク質、乾燥重量で45~60パーセントの量で脂肪、及び乾燥重量で20パーセント以上の量でミルク由来の複合脂質を含む粉末の生産を開示する。粉末は、等電沈殿を引き起こしてカゼイン沈殿物を除去するために、バターセラム又は再構成バターセラム粉末のpH値を4.0~5.0に調整すること、限外濾過又は精密濾過の手法により上清を濾過すること、および次いで得られた濃縮物を乾燥させることにより生産される。カゼインをその等電点で沈殿させる及び除去する過程の間に、塩化カルシウムを、沈殿を促進するために総量に対し0.01~0.1重量%添加し、それによりカゼイン沈殿物は、混合物が静止されたままであっても効率的に除去され得る。
Piotら(「チーズ乳清の接線流精密濾過」;Le Lait,64巻,1984,p.102-120)は、チーズ乳清からの清澄化及び細菌除去のためのいくつかの種類の精密濾過膜の試験を開示し、膜を通る乳清タンパク質の最大透過性を調査している。結果は、試験された全ての膜が、実験条件下での精密濾過液における乳清タンパク質の透過に関して多かれ少なかれ詰まったことを示した。0.4ミクロンのポリカーボネートマイクロフィルターにより80%超のタンパク質透過を達成できたが、値は、他の高分子膜又は鉱物膜では低かった。Piotらは、精密濾液中の微生物の10進数での減少は、チーズ乳清と比較した場合、5に等しくなり得ることを確立した。残念ながら、彼らは、上記の全てのパラメータを同時に満たしかつ限外濾過膜で得られるものと少なくとも同様の流動を示す、理想的な膜を見つけられなかった。
本発明者らは、栄養的に価値のある高コレステロール乳脂質組成物が、特別な順序の連続精密濾過により乳清ストリームを処理することにより調製できることを見出した。この新規乳脂質組成物は、乳児用調製粉乳の成分として都合よく使用できる。
本方法は、2つの変形、すなわち方法の変形A(方法Aと呼ばれる)及び方法の変形B(方法Bと呼ばれる)で実施できる。本方法は、1)、2)、及び3)並びに任意の工程4)を含む。工程2)、3)、及び4)は、方法AとBで異なり、発明者らはしたがって、所定の特徴が方法Aに関連することを示すために接尾辞として「-a」を使用し、所定の特徴が方法Bに関連することを示すために接尾辞「-b」を使用する。2つの方法の変形は、変形A)及びB)として図1に示されている。
本発明の態様は、総脂質に対して4~12%w/wの量で総コレステロールを含み、全固形物質に対して10~60%w/wの量で総脂質を含む乳脂質組成物を調製する方法の態様に関し、方法は、方法A又は方法Bである。
そのため、本発明の特定の態様は、総脂質に対して4~12%w/wの量で総コレステロールを含み、全固形物質に対して10~60%w/wの量で総脂質を含む乳脂質組成物を調製する方法、すなわち方法A、に関し、方法は、
1)哺乳動物の乳から乳清を提供する、かつ必要に応じて、
-0.8ミクロンより大きい粒子の除去、
-濃縮、
-希釈、及び
-3~8の範囲のpHを得るためのpH調整、
の1以上の工程に乳清を供する、それにより3~8の範囲のpHを有する液体供給物を提供する工程、
2-a)第1の精密濾過工程(1MF-a)に液体供給物を供する、それにより第1のMF残留物(1MFR-a)及び第1のMF透過液(1MFP-a)を提供する工程であって、1MF-aは好ましくは、少なくとも200nmの粒子モードサイズを有する1MFR-a及び/又は最大190nmの粒子モードサイズを有する1MFP-aを提供するように操作される、工程、
3-a)第2のMF残留物(2MFR-a)及び第2のMF透過液(2MFP-a)を提供するために第2のMF工程(2MF-a)に1MFP-a又はその濃縮物若しくは希釈液を供する工程であって、より大きな流体力学的直径の粒子は、2MF-aの間よりも1MF-aの間に透過液に移行され、2MF-aは好ましくは、少なくとも165nmの粒子モードサイズを有する2MFR-a及び/又は165nm未満の粒子モードサイズを有する2MFP-aを提供するように操作される、工程、
4-a)必要に応じて、2MFR-aを濃縮するかつ/又は乾燥させる工程、
を含み、かつ
好ましくは、1MF-a及び2MF-aの間に使用されるMF膜及び条件は、総タンパク質に対して最大40%の天然BLGの含有量を有する2MFR-aを提供し、
乳脂質組成物は、2MFR-aである、又は工程4-a)が使用される場合、工程4-a)から生じる濃縮物又は乾燥産物である。
本発明の別の特定の態様は、総脂質に対して4~12%w/wの量で総コレステロールを含み、全固形物質に対して10~60%w/wの量で総脂質を含む乳脂質組成物を調製する方法、すなわち方法Bに関し、方法は、
1)哺乳動物の乳から乳清を提供する、かつ必要に応じて、
-0.8ミクロンより大きい粒子の除去、
-濃縮、
-希釈、及び
-3~8の範囲のpHを得るためのpH調整、
の1以上の工程に乳清を供する、それにより3~8の範囲のpHを有する液体供給物を提供する工程、
2-b)第1の精密濾過工程(1MF-b)に液体供給物を供する、それにより第1のMF残留物(1MFR-b)及び第1のMF透過液(1MFP-b)を提供する工程であって、1MF-bは好ましくは、少なくとも150nmの粒子モードサイズを有する1MFR-b及び/又は200nm未満の粒子モードサイズを有する1MFP-bを提供するように操作される、工程、
3-b)第2のMF残留物(2MFR-b)及び第2のMF透過液(2MFP-b)を提供するために第2のMF工程(2MF-b)に1MFR-b又はその濃縮物若しくは希釈液を供する工程であって、より大きな流体力学的直径の粒子は、1MF-bの間よりも2MF-bの間に透過液に移行され、2MF-bは好ましくは、少なくとも200nmの粒子モードサイズを有する2MFR-b及び/又は最大300nmの粒子モードサイズを有する2MFP-bを提供するように操作される、工程、
4-b)必要に応じて、2MFR-bを濃縮するかつ/又は乾燥させる工程、
を含み、かつ
好ましくは、1MF-b及び2MF-bの間に使用されるMF膜及び条件は、総タンパク質に対して最大40%の天然BLGの含有量を有する2MFP-bを提供し、
乳脂質組成物は、2MFP-bである、又は工程4-b)が使用される場合、工程4-b)から生じる濃縮物又は乾燥産物である。
さらに本発明の態様は、好ましくは乳清に由来し、総脂質に対して4~12%w/wの量で総コレステロールを含み、かつ、
-全固形物質に対して10~60%w/wの量で総脂質、
-総脂質に対して少なくとも40%w/wの量でリン脂質、
-好ましくは、少なくとも2.0のコレステロールとトランス脂肪酸の重量比、
-全固形物質に対して30~80%w/wの量で総タンパク質、及び
-総タンパク質の最大で70%w/wを構成する総ALA、総BLGとCMPの合計
をさらに含む、乳脂質組成物に関する。
本発明のさらなる態様は、
-本明細書に記載の又は本明細書に記載の方法に従って得ることができる乳脂質組成物、及び
-1以上の追加の食品成分
を含む栄養組成物に関する。
本発明のさらなる態様は、栄養製品、好ましくは乳児用調製粉乳の生産における本明細書に記載の又は本明細書に記載の方法に従って得られる乳脂質組成物の使用に関し、並びに、栄養組成物の-コレステロール、
-リン脂質、
-スフィンゴミエリン、及び
-ガングリオシド、
の1以上の含有量を増やすために、又は
-好ましくは総コレステロール、総脂質若しくは総リン脂質に対して、トランス脂肪酸の含有量を減少させるために
乳脂質組成物を好ましくは使用する。
図1は、本発明の2つの方法の変形の概略図である。図1A)は方法Aを示す。図1B)は方法Bを示す。
発明の詳細な説明
本発明の文脈において、用語「乳脂質組成物」は、好ましくは乳を乳清に変換すること、および乳清の脂質の画分を収集することにより、乳から得られる組成物を指す。乳脂質組成物は、全固形物質に対して少なくとも10%w/wの量で総脂質を含有する。
本発明の文脈において、用語「脂質」は、その通常の意味を有し、例えば、トリアシルグリセリド(TAG)、リン脂質(PL)、及びスフィンゴ脂質を包含する。総脂質は、ローズゴットリーブ法に従って定量化される。
本発明の文脈において、用語「総コレステロール」は、遊離コレステロールとエステル結合コレステロールの合計を指し、実施例2に概説されるように測定される。
本発明の文脈において、用語「精密濾過」は、約0.02~10ミクロンの孔径を有する膜を用いる濾過を指す。
本発明の文脈において、用語「哺乳動物の乳」は、哺乳動物の乳腺から得た又は得られる乳を指す。哺乳動物の乳は好ましくは、哺乳動物を搾乳することによって得られるが、又は用語「哺乳動物の乳」は、培養細胞及び好ましくは培養乳腺細胞から得られる乳も包含する。
本発明の文脈において、用語「乳清」は、カゼインが、例えば酸性化及び/又はタンパク質分解(例えば、チーズの生成中にレンネット酵素を使用すること)により乳中で沈殿されるときに液相に残される液体を指す。カゼインのレンネットベースの沈殿から得られる乳清は一般的に、スイート乳清と呼ばれ、カゼインの酸性沈殿から得られる乳清は一般的に、酸性乳清、サワー乳清又はカゼイン乳清と呼ばれる。
本発明の文脈において、用語「粒子モードサイズ」は、頻度粒度分布のピークを 指し、実施例1に記載されるように測定される。
本発明の文脈において、用語「濃縮すること」又は「濃縮する」(動詞として使用される)は、少なくとも水の及び必要に応じてまた塩及び例えば二糖類又は遊離アミノ酸などの小分子の除去によって液体の固形分を増加させるプロセスを指す。名詞として使用される用語「濃縮物」は、液体を濃縮することによって得られる産物を指す。
本発明の文脈において、用語「希釈すること」又は「希釈する」(動詞として使用される)は、水性溶媒、好ましくは水の添加により液体の固形分を減少させるプロセスを指す。名詞として使用される用語「希釈」は、文脈に応じて、液体を希釈することによって得られる産物、又はプロセスの工程としての希釈を指す。
本発明の文脈において、用語「ベータ-ラクトグロブリン」又は「BLG」は、哺乳動物種由来のベータ-ラクトグロブリン(BLG)を指す。BLGは、ウシの乳清及びミルクセラム中の最も豊富なタンパク質であり、いくつかの遺伝的変異体で存在し、雌牛の乳における主なものはA及びBとラベル付けされている。BLGは、リポカリンタンパク質であり、多くの疎水性分子を結合でき、それらの輸送における役割を示唆する。BLGはまた、シデロフォアを介して鉄を結合できることが示されており、病原体に対抗することに関与する可能性がある。BLGの相同体は、ヒトの母乳にはない。
ウシBLGは、約18.3~18.4kDaの比較的小さなタンパク質であり、約162個のアミノ酸残基の分子量を有する。生理学的条件下で、それは、主に二量体であるが、約pH3未満でモノマーに解離し、NMRを用いて測定されるようにその天然状態を維持する。逆に、BLGはまた、様々な自然条件下で、四量体、八量体及び他の多量体凝集形態で生じる。
本発明の文脈において、用語「天然のベータ-ラクトグロブリン」は、非変性の折り畳まれた立体構造のベータ-ラクトグロブリン(BLG)を指し、それは、加熱処理に全く供されないか又は穏やかな加熱処理に供されただけの乳に存在する。天然ベータ-ラクトグロブリンの含有量は、実施例2に記載のように測定される。
本発明の文脈において、用語「乳児用調製粉乳」は、0~6ヶ月の乳児用の栄養的に完全な食品を指し、これらの食品は米国連邦規則集、タイトル21、チャプターI、サブチャプターB、パート107(乳児用調製粉乳)、サブパートD(栄養要件);2015年4月1日に施行された節107.100の栄養仕様に準拠する。
そのため、本発明の広範な態様は、総脂質に対して4~12%w/wの量で総コレステロールを含み、全固形物質に対して10~60%w/wの量で総脂質を含む乳脂質組成物を調製する方法に関し、この方法は、乳清から調製された液体供給物を少なくとも2回の連続精密濾過工程に供することを伴い、かつ方法A又は方法Bに従って実施される。
そのため、本発明の態様は、総脂質に対して4~12%w/wの量で総コレステロールを含み、全固形物質に対して10~60%w/wの量で総脂質を含む乳脂質組成物を調製する方法Aに関し、方法は、
1)哺乳動物の乳から乳清を提供する、および必要に応じて、
-0.8ミクロンより大きい粒子の除去、
-濃縮、
-希釈、及び
-3~8の範囲のpHを得るためのpH調整、
の1以上の工程に乳清を供する、それにより3~8の範囲のpHを有する液体供給物を提供する工程、
2-a)第1の精密濾過工程(1MF-a)に液体供給物を供する、それにより第1のMF残留物(1MFR-a)及び第1のMF透過液(1MFP-a)を提供する工程であって、1MF-aは好ましくは、少なくとも200nmの粒子モードサイズを有する1MFR-a及び/又は最大190nmの粒子モードサイズを有する1MFP-aを提供するように操作される、工程、
3-a)第2のMF残留物(2MFR-a)及び第2のMF透過液(2MFP-a)を提供するために第2のMF工程(2MF-a)に1MFP-a又はその濃縮物若しくは希釈液を供する工程であって、より大きな流体力学的直径の粒子は、2MF-aの間よりも1MF-aの間に透過液に移行され、2MF-aは好ましくは、少なくとも165nmの粒子モードサイズを有する2MFR-a及び/又は165nm未満の粒子モードサイズを有する2MFP-aを提供するように操作される、工程、
4-a)必要に応じて、2MFR-aを濃縮するかつ/又は乾燥させる工程、
を含み、かつ
好ましくは、1MF-a及び2MF-aの間に使用されるMF膜及び条件は、総タンパク質に対して最大40%の天然ベータ-ラクトグロブリン(BLG)の含有量を有する2MFR-aを提供し、
乳脂質組成物は、2MFR-aであるか、工程4-a)が使用される場合、工程4-a)から生じる濃縮物又は乾燥産物である。
2MF-aに使用されるMF膜は好ましくは、1MF-aに使用される膜よりも小さな有効孔径を有し、したがって1MF-aに使用される膜よりも小さな粒子を保持する。
本発明の別の態様は、総脂質に対して4~12%w/wの量で総コレステロールを含み、全固形物質に対して10~60%w/wの量で総脂質を含む乳脂質組成物を調製する方法Bに関し、方法は、
1)哺乳動物の乳から乳清を提供する、および必要に応じて、
-0.8ミクロンより大きい粒子の除去、
-濃縮、
-希釈、及び
-3~8の範囲のpHを得るためのpH調整、
の1以上の工程に乳清を供する、それにより3~8の範囲のpHを有する液体供給物を提供する工程、
2-b)第1の精密濾過工程(1MF-b)に液体供給物を供する、それにより第1のMF残留物(1MFR-b)及び第1のMF透過液(1MFP-b)を提供する工程であって、1MF-bは好ましくは、少なくとも150nmの粒子モードサイズを有する1MFR-b及び/又は200nm未満の粒子モードサイズを有する1MFP-bを提供するように操作される、工程、
3-b)第2のMF残留物(2MFR-b)及び第2のMF透過液(2MFP-b)を提供するために第2のMF工程(2MF-b)に1MFP-b又はその濃縮物若しくは希釈液を供する工程であって、より大きな流体力学的直径の粒子は、1MF-bの間よりも2MF-bの間に透過液に移行され、2MF-bは好ましくは、少なくとも200nmの粒子モードサイズを有する2MFR-b及び/又は最大300nmの粒子モードサイズを有する2MFP-bを提供するように操作される、工程、
4-b)必要に応じて、2MFR-bを濃縮するかつ/又は乾燥させる工程、
を含み、かつ
好ましくは、1MF-b及び2MF-b中に使用されるMF膜及び条件は、総タンパク質に対して最大40%の天然BLGの含有量を有する2MFP-bを提供し、
乳脂質組成物は、2MFP-bであるか、工程4-b)が使用される場合、工程4-b)から生じる濃縮物又は乾燥産物である。
工程1)は、方法A及びBに共通であり、哺乳動物の乳からの乳清を提供することを伴い、必要に応じて、
-0.8ミクロンより大きい粒子の除去、
-濃縮、
-希釈、及び
-3~8の範囲のpHを得るためのpH調整、
の1以上の工程に乳清を供すること、それにより3~8の範囲のpHを有する液体供給物を提供することを伴う。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、哺乳動物の乳は、最大で1%w/w、より好ましくは最大で0.5%w/w、さらにより好ましくは最大で0.10%w/w、最も好ましくは最大で0.08%w/wの総脂質含有量を有する。
好ましくは、哺乳動物の乳は、脱脂粉乳である。
哺乳動物の乳は好ましくは、30:70~84:16、より好ましくは50:50~84:16、最も好ましくは70:30~84:16の範囲でカゼインと乳清タンパク質の重量比を有する。
哺乳動物の乳は一般的に、以下の哺乳動物:ヒト、ウシ、ヤギ、ヒツジ、牝馬、ラクダ、ヤク、及びバッファローの1以上の乳を含むか、又はそれらからなる。
哺乳動物の乳は好ましくは、ウシの乳を含むか、又はそれからなる。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、哺乳動物の乳は、最大で30%、より好ましくは最大で20%、さらにより好ましくは最大で15%、最も好ましくは最大で10%の乳清タンパク質変性の程度を有する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、乳清の調製は、乳の酸性化、並びにその後のカゼインの沈殿及び沈殿されたカゼインの除去を伴う。
本発明の他の好ましい実施形態では、乳清の調製は、乳へのプロテアーゼ酵素、好ましくはレンネットの添加並びにその後のカゼインの沈殿及び沈殿されたカゼインの除去を伴う。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、乳清は、最大で30%、より好ましくは最大で20%、さらにより好ましくは最大で15%、最も好ましくは最大で10%のBLGタンパク質変性の程度を有する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、液体供給物は、乳清それ自体である。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、液体供給物の提供は、0.8ミクロンより大きい粒子の除去を伴う。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、液体供給物の提供は、例えばUF、NF、RO及び蒸発の1以上による乳清又は乳清に由来する生産物流の濃縮を伴う。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、液体供給物の提供は、3~8の範囲のpHを得るためのpH調整を伴う。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、液体供給物の提供は、
-0.8ミクロンより大きい粒子の除去、及び
-濃縮
に乳清又は乳清に由来する生産物流を供することを伴う。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、液体供給物は、最大で0.20、より好ましくは最大で0.10、さらにより好ましくは最大で0.06及び最も好ましくは最大で0.05のカゼインと乳清タンパク質の重量比を有する。
液体供給物の提供は、0.3ミクロン以下の流体力学的直径を有する粒子を除去する濾過を伴わないことが特に好ましい。
液体供給物の提供は、液体供給物をもたらす哺乳動物の乳又はその後の生産物流の均質化を伴わないことがさらに好ましい。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、液体供給物は、最大で30%、より好ましくは最大で20%、さらにより好ましくは最大で15%、及び最も好ましくは最大で10%のBLG変性の程度を有する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、液体供給物は、0.01~50%w/wの範囲で、より好ましくは0.05~30%w/w、さらにより好ましくは0.1~20%w/w、及び最も好ましくは0.5~15%w/wの範囲で全固形物質の含有量を有する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、液体供給物は、0.1~50%w/wの範囲で、より好ましくは0.5~30%w/w、さらにより好ましくは1~20%w/w、及び最も好ましくは4~15%w/wの範囲で全固形物質の含有量を有する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、液体供給物は、全固形物質に対して0.5~9%w/wの範囲で、より好ましくは全固形物質に対して1~8%w/w、さらにより好ましくは2~7%w/w、及び最も好ましくは2.5~6%w/wの範囲で総脂質の含有量を有する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、液体供給物は、全固形物質に対して12~90%w/wの範囲で、より好ましくは全固形物質に対して40~89%w/w、さらにより好ましくは50~88%w/w、及び最も好ましくは70~87%w/wの範囲で総タンパク質の含有量を有する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、液体供給物は、全固形物質に対して0~80%w/w、より好ましくは全固形物質に対して1~50%w/w、さらにより好ましくは2~40%w/w、及び最も好ましくは3~20%w/wの範囲でラクトースの含有量を有する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、液体供給物は、全固形物質に対して最大で20%w/w、より好ましくは全固形物質に対して最大で10%w/w、さらにより好ましくは最大で5%w/w、及び最も好ましくは最大で1%w/wのラクトースの含有量を有する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、液体供給物は、全固形物質に対して0.5~6%w/wの範囲で、より好ましくは1~5%w/w、さらにより好ましくは1.5~4.5%w/w、及び最も好ましくは2~4%w/wの範囲で全トリアシルグリセリド(TAG)の含有量を有する。
TAG含有量は、総脂質含有量からリン脂質含有量を差し引くことによって決定される。
本発明の他の好ましい実施形態では、液体供給物は、全固形物質に対して最大で6%w/w、より好ましくは全固形物質に対して最大で5%w/w、さらにより好ましくは最大で2%w/w、及び最も好ましくは最大で1%w/wの総TAGの含有量を有する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、液体供給物は、全固形物質に対して1~6%w/wの範囲で、より好ましくは全固形物質に対して1.2~5%w/wの範囲、さらにより好ましくは1.4~4%w/w、及び最も好ましくは1.5~3%w/wの範囲で全PLの含有量を有する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、液体供給物は、全固形物質に対して1~10%w/wの範囲で、より好ましくは全固形物質に対して1.5~8%w/wの範囲、さらにより好ましくは1.5~7%w/w、及び最も好ましくは2.0~6.5%w/wの範囲で灰価を有する。
本発明の他の好ましい実施形態では、液体供給物は、全固形物質に対して1~6%w/wの範囲で、より好ましくは全固形物質に対して1.5~5%w/wの範囲、さらにより好ましくは2~4%w/w、及び最も好ましくは2.0~3.0%w/wの範囲で灰価を有する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、液体供給物は、4~8の範囲の、より好ましくは5~7.5の範囲の、及び最も好ましくは6~7.5の範囲のpHを有する。
本明細書で言及されるpH値は、好ましくは20℃で測定されたpH値又は20℃に正規化されたpH値である。
工程2-a)は、第1の精密濾過工程(1MF-a)に液体供給物を供すること、それにより第1のMF残留物(1MFR-a)及び第1のMF透過液(1MFP-a)を提供することを伴い、1MF-aは好ましくは、少なくとも200nmの粒子モードサイズを有する1MFR-a及び/又は最大で190nmの粒子モードサイズを有する1MFP-aを提供するように操作される。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、1MF-aは、少なくとも200nm、より好ましくは少なくとも205nm、さらにより好ましくは少なくとも210nm、及び最も好ましくは少なくとも215nmの粒子モードサイズを有する1MFR-aを提供するように操作される。
本発明の他の好ましい実施形態では、1MF-aは、200~800nmの範囲の、より好ましくは205~500nmの範囲の、さらにより好ましくは210~300nmの範囲の、及び最も好ましくは215~280nmの範囲の粒子モードサイズを有する1MFR-aを提供するように操作される。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、1MF-aは、最大で190nm、より好ましくは最大で185nm、さらにより好ましくは最大で180nm、及び最も好ましくは最大で170nmの粒子モードサイズを有する1MFP-aを提供するように操作される。
本発明の他の好ましい実施形態では、1MF-aは、50~190nmの範囲の、より好ましくは80~185nmの範囲の、さらにより好ましくは100~180nmの範囲の、及び最も好ましくは120~175nmの範囲の粒子モードサイズを有する1MFP-aを提供するように操作される。
1MF-aは、適切な精密濾過膜、一般的に高分子膜型又はセラミック膜型を用いて行われる。精密濾過工程の実施及び操作は、当業者に周知である。
1MF-aは、単一のMF膜を用いて、又は例えば連続して配置されたいくつかのMF膜を用いることによって行われ得る。1MF-aは好ましくは、適切な希釈液、好ましくは水、RO透過液、脱塩水、又はそれらの組み合わせを用いる透析濾過を伴う。
用語「1MFR-a」及び「1MFP-a」は、1MF-aから得られる最終残留物及び組み合わされた透過液を指す。
1MF-aは、広範囲の体積濃縮係数(VCF)内で操作され得る。本発明のいくつかの実施形態では、1MF-aの体積濃縮係数(VCF)は、0.3~5の範囲にある。好ましくは、1MF-aのVCFは、0.5~4の範囲にある。さらにより好ましくは、1MF-aのVCFは、0.5~3の範囲にある。
VCFは、供給量を残留物量で割ることによって計算される。
本発明のいくつかの実施形態では、1MF-aの間の液体供給物の温度は、1~66℃の範囲に、好ましくは45~66℃の範囲に、さらにより好ましくは55~66℃の範囲に、及び最も好ましくは45~55℃の範囲にある。
本発明の他の好ましい実施形態では、1MF-aの間の液体供給物の温度は、1~20℃の範囲、さらにより好ましくは、4~15℃の範囲、例えば5~10℃などである。
1MF-aに使用される膜貫通圧(TMP)は通常、0.1~5バール、好ましくは0.2~2バールの範囲に、さらに好ましくは0.3~1、例えば0.3~0.8バールなどの範囲にある。
1MF-aに使用される膜(複数可)は好ましくは、0.1~0.7ミクロン、より好ましくは0.2~0.6ミクロン、さらにより好ましくは0.3~0.5ミクロン、及び最も好ましくは0.4~0.5ミクロンの範囲の公称孔径を有する。
1MF-aに有用な膜の非限定的な例は、例えばセラミックTAMI 0.45μmの膜である。
1MF-aは、液体供給物の体積に対して少なくとも100%vol/vol、より好ましくは少なくとも200%vol/vol、さらにより好ましくは少なくとも300%vol/vol、及び最も好ましくは少なくとも400%vol/volの量で希釈液を好ましくは使用して、透析濾過により実施されることが好ましい。
希釈液は好ましくは、水、RO透過液、脱塩水、又はそれらの組み合わせから選択される。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、1MF-aは、
-液体供給物の総脂質の50~95%w/w、より好ましくは55~90%w/w、さらにより好ましくは60~85%w/w、及び最も好ましくは65~80%w/wが、1MFP-aにおいて回収されている、
-液体供給物の全PLの少なくとも60%、より好ましくは少なくとも65%w/w、さらにより好ましくは少なくとも70%w/w、及び最も好ましくは少なくとも75%w/wが1MFP-aにおいて回収されている、
かつ/又は
-液体供給物の天然BLGの少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%w/w、さらにより好ましくは少なくとも97%w/w、及び最も好ましくは少なくとも98%w/wが1MFP-aにおいて回収されている、
の1以上によって特徴付けられる1MFP-aを得るために行われる。
本明細書で言及される回収率は、精密濾過工程に供された液体中の成分の総量に対する透過液又は残留物中で回収された所与の成分(例えば総脂質)の重量百分率を指す。例えば、液体が100kgの量で総脂質を含有し、そのうち90kgが液体の精密濾過後に残留物に回収されたならば、総脂質の90%w/wが、残留物に回収された。
方法の工程が、ある特性を「得るために行われる」と言われる場合、それは、当業者に周知かつ利用可能なプロセスパラメータを用いてその特性を得るために操作されることを意味する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、1MF-aは、液体供給物の総コレステロールの少なくとも40%w/w、より好ましくは少なくとも60%w/w、さらにより好ましくは少なくとも70%w/w、及び最も好ましくは少なくとも75%w/wを回収している1MFP-aを得るために行われる。46b.1MF-aが、液体供給物の全TAGの最大で85%、より好ましくは最大で70%w/w、さらにより好ましくは最大で60%w/w、及び最も好ましくは最大で55%w/wを回収している1MFP-aを得るために行われる、先行請求項のいずれかに記載の方法。
工程3-a)は、第2のMF残留物(2MFR-a)及び第2のMF透過液(2MFP-a)を提供するために第2のMF工程(2MF-a)に1MFP-a又はその濃縮物若しくは希釈液を供することを伴い、より大きな流体力学的直径の粒子は、2MF-a中よりも1MF-aの間に透過液に移行され、2MF-aは好ましくは、少なくとも165nmの粒子モードサイズを有する2MFR-a及び/又は165nm未満の粒子モードサイズを有する2MFP-aを提供するように操作される。
2MF-aは、適切な精密濾過膜、一般的に高分子膜型又はセラミック膜型を用いて行われる。精密濾過工程の実施及び操作は、当業者に周知である。
2MF-aは、単一のMF膜を用いて、又は例えば連続して配置されるいくつかのMF膜を用いることによって行われ得る。2MF-aは好ましくは、適切な希釈液、好ましくは水、RO透過液、脱塩水、又はそれらの組み合わせを用いる透析濾過を伴う。
用語「2MFR-a」及び「2MFP-a」は、2MF-aから得られる最終残留物及び組み合わされた透過液を指す。
2MF-aは、広範囲の体積濃度係数内で操作され得る。本発明のいくつかの実施形態では、2MF-aのVCFは、0.3~5の範囲にある。好ましくは、2MF-aのVCFは、0.5~4の範囲にある。さらにより好ましくは、2MF-aのVCFは、0.5~3の範囲にある。
本発明のいくつかの実施形態では、2MF-aの間の1MFP-a及びその後の残留物(複数可)の温度は、1~66℃の範囲、好ましくは45~66℃の範囲、さらにより好ましくは55~66℃の範囲、及び最も好ましくは45~55℃の範囲にある。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、2MF-aの間の1MFP-a及びその後の残留物(複数可)の温度は、1~20℃の範囲にあり、さらにより好ましくは4~15℃、例えば5~10℃などの範囲にある。
2MF-aに使用される膜貫通圧(TMP)は通常、0.1~5バール、好ましくは0.2~2バールの範囲、さらにより好ましくは0.3~1、例えば0.3~0.8バールなどの範囲にある。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、2MF-aは、少なくとも165nm、より好ましくは少なくとも170nm、さらにより好ましくは少なくとも175nm、及び最も好ましくは少なくとも180nmの粒子モードサイズを有する2MFR-aを提供するように操作される。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、2MF-aは、165~300nmの範囲の、より好ましくは170~260nmの範囲の、さらにより好ましくは175~230nmの範囲の、及び最も好ましくは175~210nmの範囲の粒子モードサイズを有する2MFR-aを提供するように操作される。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、2MF-aは、165nm未満、より好ましくは最大で160nm、さらにより好ましくは最大で155nm、及び最も好ましくは最大で150nmの粒子モードサイズを有する2MFP-aを提供するように操作される。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、2MF-aは、50~164nmの範囲の、より好ましくは80~160nmの範囲の、さらにより好ましくは100~155nmの範囲の、及び最も好ましくは120~155nmの範囲の粒子モードサイズを有する2MFP-aを提供するように操作される。
2MF-aに使用される膜(複数可)は好ましくは、0.02~0.4ミクロン、より好ましくは0.05~0.3ミクロン、さらにより好ましくは0.05~0.25ミクロン、及び最も好ましくは0.1~0.2ミクロンの範囲の公称孔径を有する。
2MF-aに有用な膜の非限定的な例は、例えばセラミックTAMI 0.2μm膜である。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、第2の精密濾過工程は、好ましくは1MFP-aの体積に対して少なくとも50%vol/vol、より好ましくは少なくとも100%vol/vol、さらにより好ましくは少なくとも200%vol/vol、及び最も好ましくは少なくとも300%vol/volの量の希釈液を使用して、透析濾過により実施される。
希釈液は好ましくは、水、RO透過液、脱塩水、又はそれらの組み合わせから選択される。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、2MF-aは、
-1MFP-aの総脂質の30~99%w/w、より好ましくは40~98%w/w、さらにより好ましくは45~97%w/w、及び最も好ましくは50~95%w/wが、2MFR-aにおいて回収されている、
-1MFP-aの全PLの30~99%w/w、より好ましくは40~98%w/w、さらにより好ましくは45~97%w/w、及び最も好ましくは50~95%w/wが、2MFR-aにおいて回収されている、かつ/又は
-1MFP-aの天然BLGの0~20%、より好ましくは0.5~15%w/w、さらにより好ましくは1~10%w/w、及び最も好ましくは2~5%w/wが、2MFR-aにおいて回収されている、
の1以上によって特徴付けられる2MFR-aを得るために行われる。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、2MF-aは、1MFP-aの総コレステロールの少なくとも0%、より好ましくは少なくとも80%w/w、さらにより好ましくは少なくとも90%w/w、及び最も好ましくは少なくとも95%w/wを回収している2MFR-aを得るために行われる。好ましくは、2MFP-aは、1MFP-aの総コレステロールの少なくとも99%を回収している2MFRaを得るために行われる。
工程4-a)は、任意である、しかし使用されるならば、それは、2MFRaを濃縮すること及び/又は乾燥することを伴う。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、本方法は、工程4-a)の乾燥することを含む。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、工程4-a)は、
-2MFR-aを濃縮すること
-2MFR-aを乾燥すること、又は
-2MFR-aを濃縮することおよびその後に乾燥すること
を伴う。
乾燥は好ましくは、粉末形態の乳脂質組成物を提供する。任意の有用な粉末変換プロセス、例えば、噴霧乾燥又は凍結乾燥が、使用され得る。噴霧乾燥が特に好ましい。実施に関する適切な方法及び詳細は、例えば、Westergaard,粉乳技術-蒸発及び噴霧乾燥(Milk Powder Technology-evaporation and spray drying),第5版,2010,Gea Niro,Copenhagenで見出され得る。
乳脂質組成物は、液体で、濃縮されて、又は粉末の形態でのいずれかで、容器詰めされることがさらに好ましい。容器詰めは、例えば、無菌(aseptic)又は無菌(sterile)条件下で行われてよく、例えば、無菌容器中に栄養製品を充填すること及び密封することを伴ってよい。
乳脂質組成物は、2MFR-aそのものであるか、工程4-a)が使用される場合、工程4-aから生じる濃縮物又は乾燥産物である。
好ましくは、1MF-a及び2MF-aの間に使用されるMF膜及び条件は、総タンパク質に対して最大で40%の天然BLGの含有量を有する2MFR-aを提供する。
工程2-b)は、第1の精密濾過工程(1MF-b)に液体供給物を供すること、それにより第1のMF残留物(1MFR-b)及び第1のMF透過液(1MFP-b)を提供することを伴い、1MF-bは好ましくは、少なくとも150nmの粒子モードサイズを有する1MFR-b及び/又は200nm未満の粒子モードサイズを有する1MFP-bを提供するように操作される。
1MF-bは、適切な精密濾過膜、一般的に高分子膜型又はセラミック膜型を用いて行われる。精密濾過工程の実施及び操作は、当業者に周知である。
1MF-bは、単一のMF膜を用いて、又は例えば連続して配置される、いくつかのMF膜を用いることによって行われ得る。1MF-bは好ましくは、適切な希釈液、好ましくは水、RO透過液、脱塩水、又はそれらの組み合わせを用いる透析濾過を伴う。
用語「1MFR-b」及び「1MFP-b」は、1MF-bから得られる最終残留物及び組み合わされた透過液を指す。
1MF-bは、広範囲の体積濃縮係数(VCF)内で操作され得る。本発明のいくつかの実施形態では、1MF-bの体積濃縮係数(VCF)は、0.3~5の範囲にある。好ましくは、1MF-bのVCFは、0.5~4の範囲にある。さらにより好ましくは、1MF-bのVCFは、0.5~3の範囲にある。
VCFは、供給量を残留物量で割ることによって計算される。
本発明のいくつかの実施形態では、1MF-bの間の液体供給物及びその後の残留物(複数可)の温度は、1~66℃の範囲に、好ましくは45~66℃の範囲に、さらにより好ましくは55~66℃の範囲に、及び最も好ましくは45~55℃の範囲にある。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、1MF-bの間の液体供給物及びその後の残留物(複数可)の温度は、1~20℃の範囲に、さらに好ましくは4~15℃、例えば、5~10℃などの範囲にある。
1MF-abに使用される膜貫通圧(TMP)は通常、0.1~5バールの範囲に、好ましくは0.2~2バール、さらにより好ましくは0.3~1、例えば0.3~0.8バールなどの範囲にある。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、1MF-bは、少なくとも150nm、より好ましくは少なくとも180nm、さらにより好ましくは少なくとも200nm、及び最も好ましくは少なくとも220nmの粒子モードサイズを有する1MFR-bを提供するように操作される。
本発明の他の好ましい実施形態では、1MF-bは、150~800nmの範囲の、より好ましくは180~700nmの範囲の、さらにより好ましくは200~600nmの範囲の、及び最も好ましくは220~500nmの範囲の粒子モードサイズを有する1MFR-bを提供するように操作される。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、1MF-bは、200nm未満、より好ましくは180nm未満、さらにより好ましくは150nm未満、及び最も好ましくは130nm未満の粒子モードサイズを有する1MFP-bを提供するように操作される。
本発明の他の好ましい実施形態では、1MF-bは、50~200nmの範囲の、より好ましくは70~190nmの範囲の、さらにより好ましくは90~170nmの範囲の、及び最も好ましくは100~150nmの範囲の粒子モードサイズを有する1MFP-bを提供するように操作される。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、1MF-bに使用される膜(複数可)は、0.02~0.4ミクロン、より好ましくは0.05~0.3ミクロン、さらにより好ましくは0.05~0.25ミクロン、及び最も好ましくは0.1~0.2ミクロンの範囲の公称孔径を有する。
1MF-bに有用な膜の非限定的な例は、例えばセラミックTAMI 0.2μm膜である。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、1MF-bは、液体供給物の体積に対して少なくとも100%vol/vol、より好ましくは少なくとも200%vol/vol、さらにより好ましくは少なくとも300%vol/vol、及び最も好ましくは少なくとも400%vol/volの量で希釈液を好ましくは使用して、透析濾過により実施される。
希釈液は好ましくは、水、RO透過液、脱塩水、又はそれらの組み合わせから選択される。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、1MF-bは、
-液体供給物の総脂質の50~95%w/w、より好ましくは55~90%w/w、さらにより好ましくは60~85%w/w、及び最も好ましくは65~80%w/wが、1MFR-bで回収されている、
-液体供給物のPLの50~95%w/w、より好ましくは55~90%w/w、さらにより好ましくは60~85%w/w、及び最も好ましくは65~80%w/wが、1MFR-bで回収されている、
かつ/又は
-液体供給物の天然BLGの0~20%、より好ましくは0.5~15%w/w、さらにより好ましくは1~10%w/w、及び最も好ましくは2~5%w/wが、1MFR-bで回収されている、
の1以上によって特徴付けられる1MFR-bを得るために行われる。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、1MF-bは、液体供給物の総コレステロールの少なくとも50%、より好ましくは少なくとも70%w/w、さらにより好ましくは少なくとも90%w/w、及び最も好ましくは少なくとも95%w/wを回収している1MFR-bを得るために行われる。
さらにより高レベルの回収が好ましい場合があり、かつ本発明の他の好ましい実施形態では、1MF-bは、液体供給物の総コレステロールの少なくとも97%、より好ましくは少なくとも99%w/w、及び最も好ましくは100%w/wを回収している1MFR-bを得るために行われる。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、1MF-bは、液体供給物の総TAGの少なくとも50%、より好ましくは少なくとも70%w/w、さらにより好ましくは少なくとも90%w/w、及び最も好ましくは少なくとも95%w/wを回収している1MFR-bを得るために行われる。さらにより高レベルの回収が好ましい場合があり、かつ本発明の他の好ましい実施形態では、1MF-bは、液体供給物の総TAGの少なくとも97%、より好ましくは少なくとも99%w/w、及び最も好ましくは100%w/wを回収している1MFR-bを得るために1MFR-bが行われる。
工程3-b)は、第2のMF残留物(2MFR-b)及び第2のMF透過液(2MFP-b)を提供するために第2のMF工程(2MF-b)に1MF-b又はその濃縮物若しくは希釈液を供することを伴い、より大きな流体力学的直径の粒子は、1MF-bの間よりも2MF-bの間に透過液に移行される。2MF-bは好ましくは、少なくとも200nmの粒子モードサイズを有する2MFR-b及び/又は最大で300nmの粒子モードサイズを有する2MFP-bを提供するように操作される。
2MF-bは、適切な精密濾過膜、一般的に高分子膜型又はセラミック膜型を用いて行われる。精密濾過工程の実施及び操作は、当業者に周知である。
2MF-bは、単一のMF膜を用いて、又は例えば連続して配置されるいくつかのMF膜を用いることによって行われ得る。2MF-bは好ましくは、適切な希釈液、好ましくは水、RO透過液、脱塩水、又はそれらの組み合わせを用いる透析濾過を伴う。
用語「2MFR-b」及び「2MFP-b」は、2MF-bから得られる最終残留物及び組み合わされた透過液を指す。
2MF-bは、広範囲の体積濃度係数内で操作され得る。本発明のいくつかの実施形態では、2MF-bのVCFは、0.3~5の範囲にある。好ましくは、2MF-bのVCFは、0.5~4の範囲にある。さらにより好ましくは、2MF-bのVCFは、0.5~3の範囲にある。
本発明のいくつかの実施形態では、2MF-b中の液体供給物の温度は、1~66℃の範囲、好ましくは45~66℃の範囲、さらにより好ましくは55~66℃の範囲、及び最も好ましくは45~55℃の範囲にある。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、2MF-b中の液体供給物の温度は、1~20℃の範囲にあり、さらにより好ましくは、4~15℃、例えば5~10℃などの範囲にある。
2MF-bに使用される膜貫通圧(TMP)は通常、0.1~5バールの範囲、好ましくは0.2~2バール、さらにより好ましくは0.3~1、例えば0.3~0.8バールなどの範囲にある。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、2MF-bは、少なくとも200nm、より好ましくは少なくとも205nm、さらにより好ましくは少なくとも210nm、及び最も好ましくは少なくとも215nmの粒子モードサイズを有する2MFR-bを提供するように操作される。
本発明の他の好ましい実施形態では、2MF-bは、200~800nmの範囲の、より好ましくは205~700nmの範囲の、さらにより好ましくは210~600nmの範囲の、及び最も好ましくは215~500nmの範囲の粒子モードサイズを有する2MFR-bを提供するように操作される。
本発明の他の好ましい実施形態では、2MF-bは、最大で300nm、より好ましくは最大で260nm、さらにより好ましくは最大で230nm、及び最も好ましくは最大で210nmの粒子モードサイズを有する2MFP-bを提供するように操作される。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、2MF-bは、165~300nmの範囲の、より好ましくは170~260nmの範囲の、さらにより好ましくは175~230nmの範囲の、及び最も好ましくは175~210nmの範囲の粒子モードサイズを有する2MFP-bを提供するように操作される。
2MF-bに使用される膜(複数可)は好ましくは、0.1~0.7ミクロン、より好ましくは0.2~0.6ミクロン、さらにより好ましくは0.3~0.5ミクロン、及び最も好ましくは0.4~0.5ミクロンの範囲の公称孔径を有する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、2MF-bは、1MR-bの体積に対して少なくとも50%vol/vol、より好ましくは少なくとも100%vol/vol、さらにより好ましくは少なくとも200%vol/vol、及び最も好ましくは少なくとも300%vol/volの量で希釈液を好ましくは使用して、透析濾過により実施される。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、2MF-bは、
-1MFR-bの総脂質の45~85%w/w、より好ましくは50~85%w/w、さらにより好ましくは55~85%w/w、及び最も好ましくは60~85%w/wが、2MFP-bで回収されている、
-1MFR-bの総PLの50~90%w/w、より好ましくは55~90%w/w、さらにより好ましくは60~90%w/w、及び最も好ましくは70~90%w/wが、2MFP-bで回収されている、かつ/又は
-1MFR-bの天然BLGの80~99%、より好ましくは85~99%w/w、さらにより好ましくは90~99%w/w、及び最も好ましくは95~99%w/wが、2MFP-bで回収されている、
の1以上によって特徴付けられる2MFP-aを得るために行われる。
工程4-b)は、任意である、しかし使用されるならば、それは、2MFR-bを濃縮すること及び/又は乾燥することを伴う。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、本方法は、工程4-b)の乾燥することを含む。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、工程4-a)は、
-2MFR-bを濃縮すること
-2MFR-bを乾燥すること、又は
-2MFR-bを濃縮することおよびその後に乾燥すること
を伴う。
乾燥は好ましくは、粉末形態で乳脂質組成物を提供する。任意の有用な粉末変換プロセス、例えば噴霧乾燥又は凍結乾燥が、使用され得る。噴霧乾燥が特に好ましい。実施に関する適切な方法及び詳細は、例えば、Westergaard,粉乳技術-蒸発及び噴霧乾燥(Milk Powder Technology-evaporation and spray drying),第5版,2010,Gea Niro,Copenhagenで見出され得る。
乳脂質組成物は、液体で、濃縮されて、又は粉末の形態のいずれかで、容器詰めされることがさらに好ましい。容器詰めは、例えば、無菌(aseptic)又は無菌(sterile)条件下で行われてよく、例えば、栄養製品を無菌容器中に充填すること及び密封することを伴ってよい。
乳脂質組成物は、2MFR-bそのものである、又は工程4-b)が使用される場合、工程4-bから生じる濃縮物又は乾燥産物である。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、乳脂質組成物は、粉末の形態である。
本発明の他の好ましい実施形態では、乳脂質組成物は、液体の形態である。
乳脂質組成物の熱損傷を避けるために、本方法の間の温度をできるだけ低く保つことが一般に好ましい。本方法の間の液体流の温度は一般的に、0~70℃の範囲で、好ましくは2~40℃の範囲で、さらにより好ましくは4~15℃の範囲で、及び最も好ましくは5~10℃の範囲で保たれる。
本方法の間の液体供給物及び液体流のpHは、好ましくは3~8の範囲、より好ましくは4~7.5、さらにより好ましくは4.5~7.0、及び最も好ましくは5.0~7.0の範囲にある。
本方法は、工程3の前又は最中に、例えば超臨界又は近臨界流体抽出などの、溶媒抽出又は流体抽出を伴わないことが特に好ましい。
本方法は、例えば超臨界又は近臨界流体抽出などの、溶媒抽出又は流体抽出を全く伴わないことがさらにより好ましい。
本発明の精密濾過工程は好ましくは、タンジェンシャルフロー濾過として実施される。
本発明の方法及び方法の変形は、バッチ法、セミバッチ法又は連続法として実施され得る。
本発明者らは、本方法が、非水性溶媒/流体抽出に基づく方法よりもより天然の配置でコレステロール及び他の脂質種を提供し、かつ同時にコレステロールに富むが有利なコレステロール:トランス脂肪酸比を有する脂質生成物を提供するという兆候を見た。
さらに本発明の態様は、好ましくは乳清に由来し、総脂質に対して4~12%w/wの量で総コレステロールを含み、
-全固形物質に対して10~60%w/wの量で総脂質、
-総脂質に対して少なくとも40%w/wの量でリン脂質、
-好ましくは、少なくとも2.0のコレステロールとトランス脂肪酸の重量比
-全固形物質に対して30~80%w/wの量で総タンパク質、
をさらに含み、かつ
-総ALA、総BLGとCMPの合計が、総タンパク質の最大で70%w/wを構成する、
乳脂質組成物に関する。
上記のように、乳脂質組成物は、好ましくは乳清に由来し、及び最も好ましくは、溶媒抽出又は流体抽出の使用なしに乳清に由来する。溶媒抽出は、抽出剤として例えばエタノール又はクロロホルムを用いる溶媒抽出を意味し、流体抽出は、例えば近臨界及び超臨界流体抽出を意味する。乳脂質組成物は、いかなる抽出工程もなしに乳清に由来することが特に好ましい。
乳児の母乳育児は、後年の血中コレステロールの低下と関連付けられており(参考文献4)、乳児期のより高いコレステロール値とLDLコレステロール値は、後年の脂質代謝の最適な認知発達とプログラミングに必要であると主張されている(参考文献6)。母乳コレステロール値は、9.7~20.0mg/100mLの範囲である(参考文献1及び2)一方で、牛胎児用調製粉乳のコレステロールレベルは、1.5~5.1mg/100mLの範囲である(参考文献3)。したがって、母乳レベルを達成するために乳児用調製粉乳中のコレステロール値を上げることが望ましい。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、乳脂質組成物は、総脂質に対して4.5~11%w/w、より好ましくは5.0~10%w/w、及び最も好ましくは5.5~8%w/wの量で総コレステロールを含む。
本発明の他の好ましい実施形態では、乳脂質組成物は、総脂質に対して5~12%w/w、より好ましくは6~12%w/w、及び最も好ましくは8~12%w/wの量で総コレステロールを含む。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、乳脂質組成物は、全固形物質に対して10~60%w/w、より好ましくは14~50%w/w、及び最も好ましくは20~40%w/wの量で総脂質を含む。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、乳脂質組成物は、総脂質に対して少なくとも40%w/wの量で、より好ましくは少なくとも44%w/w、及び最も好ましくは総脂質に対して少なくとも46%w/wの量でリン脂質を含む。
本発明の他の好ましい実施形態では、乳脂質組成物は、総脂質に対して40~70%w/wの量で、より好ましくは総脂質に対して42~60%w/w、及び最も好ましくは総脂質に対して44~55%w/wの量でリン脂質を含む。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、乳脂質組成物は、総脂質に対して最大で65%w/wの量で、より好ましくは最大で60%w/w、さらにより好ましくは総脂質に対して最大で56%w/w、及び最も好ましくは総脂質に対して最大で54%w/wの量でトリアシルグリセロール(TAG)を含む。
本発明の他の好ましい実施形態では、乳脂質組成物は、総脂質に対して30~65%w/wの量で、より好ましくは総脂質に対して40~60%w/w、及び最も好ましくは総脂質に対して45~56%w/wの量でTAGを含む。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、乳脂質組成物は、少なくとも2.0、より好ましくは少なくとも2.4、さらにより好ましくは少なくとも2.6、及び最も好ましくは少なくとも2.7の総コレステロールとトランス脂肪酸の重量比を有する。
本発明の他の好ましい実施形態では、乳脂質組成物は、2.0~20、より好ましくは2.4~15、さらにより好ましくは2.6~10、及び最も好ましくは2.7~6の範囲の総コレステロールとトランス脂肪酸の重量比を有する。
乳児用調製粉乳中のトランス脂肪酸の含有量は、総脂肪酸の最大で3%に制限される(EU規則EC127/2016)。乳児のトランス脂肪酸の消費は、トランス脂肪酸の消費時の冠状動脈性心臓病及び2型糖尿病のリスクの増加に関連する有害な健康リスクのため制限される。クリームなどのコレステロール源は、乳児用調製粉乳に関するEU規制に違反することなく、ヒトコレステロール値を到達させることはできない。新規乳脂質組成物の使用は、トランス脂肪酸含有量の付随的な増加を伴わずに乳児用調製粉乳中のコレステロールの好ましい増加(トランス脂肪酸に対する総コレステロールの高い重量比)を可能にする。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、乳脂質組成物は、全固形物質に対して少なくとも1.7%w/w、より好ましくは全固形物質に対して少なくとも2.0%w/w、さらにより好ましくは少なくとも2.4%w/w、及び最も好ましくは少なくとも2.8%w/wの量でスフィンゴミエリンを含む。
本発明の他の好ましい実施形態では、乳脂質組成物は、全固形物質に対して少なくとも2.0%w/w、より好ましくは少なくとも2.5%w/w、さらにより好ましくは少なくとも2.7%w/w、及び最も好ましくは全固形物質に対して少なくとも3.0%w/wの量でスフィンゴミエリンを含む。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、乳脂質組成物は、全固形物質に対して1.7~6%w/w、より好ましくは全固形物質に対して2.0~5.5%w/w、さらにより好ましくは2.4~5%w/w、及び最も好ましくは2.8~4%w/wの量でスフィンゴミエリンを含む。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、乳脂質組成物は、少なくとも180mg/100g固形物質、より好ましくは少なくとも200mg/100g固形物質、さらにより好ましくは少なくとも240mg/100g固形物質、及び最も好ましくは少なくとも270mg/100g固形物質の量でガングリオシドGD3を含む。
本発明の他の好ましい実施形態では、乳脂質組成物は、180mg~600mg/100g固形物質、より好ましくは200~500mg/100g固形物質、さらにより好ましくは240~450mg/100g固形物質、及び最も好ましくは270~400mg/100g固形物質の量でガングリオシドGD3を含む。
より高レベルのGD3が好まれる場合があり、本発明のいくつかの好ましい実施形態では、乳脂質組成物は、300~1000mg/100g固形物質の量で、より好ましくは400~900mg/100g固形物質、さらにより好ましくは450~800mg/100g固形物質、及び最も好ましくは500~700mg/100g固形物質の量でガングリオシドGD3を含む。
乳脂質組成物はしばしば、GD3に加えてガングリオシドGM3を含有するが、通常は、顕著により低い含有量で含む。乳脂質組成物のGM3含有量は、GD3含有量の最大で10%、一般的にGD3含有量の最大でおよそ5%である場合が多い。
GD3とGM3のバランスは、複合糖脂質から末端シアリル基を切断しそれによりGD3をGM3に変換できるシアリダーゼ酵素と、乳脂質組成物又はそこからそれが調製される供給物を接触させることによりシフトされ得る。
そのため、本発明のいくつかの好ましい実施形態では、乳脂質組成物は、少なくとも180mg/100g固形物質、より好ましくは少なくとも200mg/100g固形物質、さらにより好ましくは少なくとも240mg/100g固形物質、及び最も好ましくは少なくとも270mg/100g固形物質の量でガングリオシドGD3及びGM3を含む。
GD3とGM3の組み合わされた量は、GM3とGD3の量の合計を指す。
本発明の他の好ましい実施形態では、乳脂質組成物は、180~600mg/100g固形物質、より好ましくは200~500mg/100g固形物質、さらにより好ましくは240~450mg/100g固形物質、及び最も好ましくは270~400mg/100g固形物質の組み合わされた量でガングリオシドGD3とGM3を含む。
より高レベルのGD3及びGM3が好まれる場合があり、本発明のいくつかの好ましい実施形態では、乳脂質組成物は、300~1000mg/100g固形物質、より好ましくは400~900mg/100g固形物質、さらにより好ましくは450~800mg/100g固形物質、及び最も好ましくは500~700mg/100g固形物質の量でガングリオシドGD3及びGM3を含む。
ガングリオシド含有量、リン脂質種、総コレステロール、及びタンパク質種の定量化は、実施例2に従って行われる。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、乳脂質組成物は、全固形物質に対して40~75%w/w、より好ましくは全固形物質に対して50~75%w/w、及び最も好ましくは50~70%w/wの量で総タンパク質を含む。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、乳脂質組成物は、全固形物質に対して30~70%w/w、より好ましくは35~65%w/w、及び最も好ましくは全固形物質に対して40~60%w/wの量で総タンパク質を含む。
本発明の他の好ましい実施形態では、乳脂質組成物は、全固形物質に対して40~80%w/w、より好ましくは全固形物質に対して50~80%w/w、及び最も好ましくは60~80%w/wの量で総タンパク質を含む。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、乳脂質組成物の総ALA、総BLGとCMPの合計は、総タンパク質の最大で60%w/w、より好ましくは総タンパク質の最大で60%w/w、さらにより好ましくは最大で55%w/w、及び最も好ましくは最大で50%w/wを構成する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、乳脂質組成物は、総タンパク質の最大で3.0%w/w、より好ましくは最大で2%w/w、さらにより好ましくは最大で1%w/w、及び最も好ましくは最大で0.1%w/wのCMPの含有量を有する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、乳脂質組成物の全固形物質に対する炭水化物の含有量は、最大で10%w/w、より好ましくは最大で5%w/w、さらにより好ましくは最大で2%w/w、及び最も好ましくは最大で0.5%w/wである。
乳脂質組成物は好ましくは、溶媒抽出、流体抽出、又は超臨界若しくは準臨界流体抽出を伴わない方法によって調製される。
本発明の乳脂質組成物は好ましくは、本明細書に記載の方法によって、好ましくは方法Aによって得られる。あるいは、しかしまた好ましくは、本発明の乳脂質組成は、本明細書に記載の方法Bによって得られる。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、乳脂質組成物は、5~40g/100g、より好ましくは7~30g/100g、さらにより好ましくは9~20g/100g、及び最も好ましくは11~15g/100gの量で全固形物質を含む。このような乳脂質組成の非固形物質部は好ましくは、水である。
本発明の他の好ましい実施形態では、乳脂質組成物は、90~99g/100g、より好ましくは91~98g/100g、さらにより好ましくは92~97g/100g、及び最も好ましくは93~96g/100gの量で全固形物質を含む。このような乳脂質組成物は、好ましくは粉末生成物、好ましくは乳児栄養の成分としての使用に適する、好ましくは乳児用調製粉乳に適する粉末である。
本乳脂質組成物は好ましくは、乳又は乳清中に見出されない脂質を含まない。本乳脂質組成物はさらに好ましくは、乳又は乳清中に見出されないタンパク質を含まない。
さらに本発明の態様は、
-本明細書に記載の又は本明細書に記載の方法で得られる乳脂質組成物、及び
-1以上の追加の食品成分
を含む栄養組成物に関する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、栄養組成物は、乳清から誘導できない少なくとも1つの成分を含む。
1以上の追加の食品成分は一般的に、植物油、炭水化物ベースの親水コロイド、牛乳には見出されない多価不飽和脂肪酸の供給源、高甘味度甘味料、デンプン源、及び牛乳には見出されない炭水化物の1以上を含む。
他の種類の栄養組成物は明らかに実現可能であるが、栄養組成物は乳児用調製粉乳、それ以降の調製粉乳、又は成長用調製粉乳であることが好ましい。
本発明の栄養組成物は、望ましくないトランス脂肪酸の共投与なしに栄養を必要とする者に高品質のコレステロールを提供するために特に有用である。
栄養組成物はさらに、小児、ティーンエイジャー、又は成人に使用され得る。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、栄養組成物は、少なくとも50mg/100g全固形物質、より好ましくは少なくとも80mg/100g全固形物質、さらにより好ましくは少なくとも100mg/100g全固形物質、及び最も好ましくは少なくとも150mg/100g全固形物質の量で総コレステロールを含む。
本発明の他の好ましい実施形態では、栄養組成物は、50~1000mg/100g全固形物質、より好ましくは80~800mg/100g全固形物質、さらにより好ましくは100~600mg/100g全固形物質、及び最も好ましくは150~500mg/100g全固形物質の量で総コレステロールを含む。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、栄養組成物は、少なくとも50mg/L、より好ましくは少なくとも80mg/L、さらにより好ましくは少なくとも100mg/L、及び最も好ましくは少なくとも150mg/Lの量で総コレステロールを含む。
本発明の他の好ましい実施形態では、栄養組成物は、50~1000mg/L、より好ましくは80~800mg/L、さらにより好ましくは100~600mg/L、及び最も好ましくは150~500mg/Lの量で総コレステロールを含む。
本発明のさらに好ましい実施形態では、栄養組成物は、80~300mg/100g全固形物質、より好ましくは100~200mg/100g全固形物質、さらにより好ましくは120~200mg/100g全固形物質、及び最も好ましくは130~180mg/100g全固形物質の量で総コレステロールを含む。
本発明のさらに好ましい実施形態では、栄養組成物は、80~300mg/L、より好ましくは100~200mg/L、さらにより好ましくは120~200mg/L、及び最も好ましくは130~180mg/Lの量で総コレステロールを含む。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、乳脂質組成物は、栄養組成物の総コレステロールの少なくとも20%w/w、より好ましくは少なくとも40%w/w、さらにより好ましくは少なくとも60%w/w、及び最も好ましくは少なくとも80%w/wに寄与する。
本発明の他の好ましい実施形態では、乳脂質組成物は、栄養組成物の総コレステロールの20~100%w/w、より好ましくは40~98%w/w、さらにより好ましくは60~95%w/w、及び最も好ましい70~90%w/wに寄与する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、栄養組成物は、少なくとも2mg/100g全固形物質、より好ましくは少なくとも5mg/100g全固形物質、さらにより好ましくは少なくとも10mg/100g全固形物質、及び最も好ましくは少なくとも20mg/100g全固形物質の量でガングリオシドGD3を含む。
本発明の他の好ましい実施形態では、栄養組成物は、2~100mg/100g全固形物質、より好ましくは5~80mg/100g全固形物質、さらにより好ましくは10~50mg/100g全固形物質、及び最も好ましくは12~30mg/100g全固形物質の量でガングリオシドGD3を含む。
本発明のさらに好ましい実施形態では、栄養組成物は、2~50mg/100g全固形物質、より好ましくは4~30mg/100g全固形物質、さらにより好ましくは6~25mg/100g全固形物質、及び最も好ましくは8~18mg/100g全固形物質の量でガングリオシドGD3を含む。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、乳脂質組成物は、栄養組成物のガングリオシドGD3の少なくとも20%w/w、より好ましくは少なくとも40%w/w、さらにより好ましくは少なくとも60%w/w、及び最も好ましくは少なくとも80%w/wに寄与する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、乳脂質組成物は、栄養組成物のガングリオシドGD3の20~100%w/w、より好ましくは40~98%w/w、さらにより好ましくは60~95%w/w、及び最も好ましい70~90%w/wに寄与する。
栄養組成物はしばしば、GD3に加えてガングリオシドGM3を含むが、通常は著しくより低い含有量で含む。栄養組成物のGM3含有量はしばしば、GD3含有量の最大で10%であり、一般的にGD3含有量のおよそ最大で5%である。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、栄養組成物は、少なくとも2mg/100g全固形物質、より好ましくは少なくとも5mg/100g全固形物質、さらにより好ましくは少なくとも10mg/100g全固形物質、及び最も好ましくは少なくとも20mg/100g全固形物質の組み合わされた量でガングリオシドGM3及びGD3を含む。
本発明の他の好ましい実施形態では、栄養組成物は、2~100mg/100g全固形物質、より好ましくは5~80mg/100g全固形物質、より好ましくは10~50mg/100g全固形物質、及び最も好ましくは12~30mg/100g全固形物質の組み合わされた量でガングリオシドGM3及びGD3を含む。
本発明のさらに好ましい実施形態では、栄養組成物は、2~50mg/100g全固形物質、より好ましくは4~30mg/100g全固形物質、さらにより好ましくは6~25mg/100g全固形物質、及び最も好ましくは8~18mg/100g全固形物質の組み合わされた量でガングリオシドGM3及びGD3を含む。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、乳脂質組成物は、栄養組成物のガングリオシドGM3とGD3の組み合わされた量の少なくとも20%w/w、より好ましくは少なくとも40%w/w、さらにより好ましくは少なくとも60%w/w、及び最も好ましくは少なくとも80%w/wに寄与する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、乳脂質組成物は、栄養組成物のガングリオシドGM3及びGD3の組み合わされた量の20~100%w/w、より好ましくは40~98%w/w、さらにより好ましくは60~95%w/w、及び最も好ましくは70~90%w/wに寄与する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、栄養組成物は、少なくとも25mg/100g全固形物質、より好ましくは少なくとも50mg/100g全固形物質、さらにより好ましくは少なくとも100mg/100g全固形物質、及び最も好ましくは少なくとも140mg/100g全固形物質の量でスフィンゴミエリンを含む。
本発明の他の好ましい実施形態では、栄養組成物は、25~500mg/100g全固形物質、より好ましくは50~400mg/100g全固形物質、さらにより好ましくは100~300mg/100g全固形物質、及び最も好ましくは140~250mg/100g全固形物質の量でスフィンゴミエリンを含む。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、乳脂質組成物は、栄養組成物のスフィンゴミエリンの少なくとも20%w/w、より好ましくは少なくとも40%w/w、さらにより好ましくは少なくとも60%w/w、及び最も好ましくは少なくとも80%w/wに寄与する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、栄養組成物は、少なくとも50mg/100g全固形物質、より好ましくは少なくとも100mg/100g全固形物質、さらにより好ましくは少なくとも300mg/100g全固形物質、及び最も好ましくは少なくとも500mg/100g全固形物質の量でPLを含む。
本発明の他の好ましい実施形態では、栄養組成物は、50~2000mg/100g全固形物質、より好ましくは200~2000mg/100g全固形物質、さらにより好ましくは400~2000mg/100g全固形物質、及び最も好ましくは600~2000mg/100g全固形物質の量でPLを含む。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、乳脂質組成物は、栄養組成物のPLの少なくとも20%w/w、より好ましくは少なくとも40%w/w、さらにより好ましくは少なくとも60%w/w、及び最も好ましくは少なくとも80%w/wに寄与する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、栄養組成物は、少なくとも2.0、より好ましくは少なくとも2.2、より好ましくは少なくとも2.4、さらにより好ましくは少なくとも2.6、及び最も好ましくは少なくとも2.7の総コレステロールとトランス脂肪酸の重量比を有する。
本発明の他の好ましい実施形態では、栄養組成物は、2.0~20、より好ましくは2.4~15、さらにより好ましくは2.6~10、及び最も好ましくは2.7~6の範囲の総コレステロールとトランス脂肪酸の重量比を有する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、栄養組成物は、5~40g/100g、より好ましくは7~30g/100g、さらにより好ましくは9~20g/100g、及び最も好ましくは11~15g/100gの量で全固形物質を含む。このような栄養組成物の非固形部分は好ましくは、水である。栄養組成物は、例えば乳児栄養用の、例えば無菌のすぐに飲める製品であり得る。
本発明の他の好ましい実施形態では、栄養組成物は、90~99g/100g、より好ましくは91~98g/100g、さらにより好ましくは92~97g/100g、及び最も好ましくは93~96g/100gの量で全固形物質を含む。このような栄養組成物は、好ましくは粉末生成物であり、好ましくは例えば、乳児用調製粉乳などの乳児栄養用の粉末である。
総カロリーに対して低いタンパク質含有量を有する栄養組成物はしばしば、乳児栄養との関連で好まれる。本発明のいくつかの好ましい実施形態では、栄養組成物は、最大で2.5g/100kcal、より好ましくは最大で2.0g/100kcal、さらにより好ましくは最大で1.8g/100kcal、及び最も好ましくは最大で1.6g/100kcalの量で総タンパク質を含む。
本発明の他の好ましい実施形態では、栄養組成物は、1.0~2.5g/100kcal、より好ましくは1.1~2.0g/100kcal、さらにより好ましくは1.2~1.8g/100kcal、及び最も好ましくは1.3~1.6g/100kcalの量で総タンパク質を含む。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、栄養組成物は、少なくとも0.1g/100g全固形物質、より好ましくは少なくとも0.5g/100g全固形物質、さらにより好ましくは少なくとも2g/100g全固形物質、及び最も好ましくは少なくとも3g/100g全固形物質の量で本明細書に記載の又は本方法により得られる乳脂質組成物を含む。
本発明の他の好ましい実施形態では、栄養組成物は、0.1~20g/100g全固形物質、より好ましくは0.5~15g/100g全固形物質、さらにより好ましくは2~10g/100g全固形物質、及び最も好ましくは3~8g/100g全固形物質の量で本明細書に記載の又は本方法に従い得られる乳脂質組成物を含む。
栄養組成物はさらに、WO 2017/220697に記載の濃度及び/又は比率でWO 2017/220697に記載の成分の1以上を含有してよい。栄養組成物を調製するために使用される1以上の追加の食品成分はしたがって、WO 2017/220697に記載の1以上の成分であってよく、かつWO 2017/220697に記載の濃度及び/又は比率で使用されてよい。
栄養組成物は好ましくは、粉末又は液体として提供される。
液体として提供される場合、栄養組成物は、適切な容器で提供されるすぐに飲める飲料であることが好ましく、好ましくは栄養組成物は、無菌である。無菌性は好ましくは、加熱殺菌により得られる。
栄養組成物は一般的に、3~8、好ましくは4~8、より好ましくは5~7.5の範囲の、及び最も好ましくは6~7.5の範囲のpHを有する。
栄養組成物が酸性栄養組成物である場合、それは好ましくは、3~5、より好ましくは3.5~4.9、さらにより好ましくは3.6~4.8の範囲の、及び最も好ましくは3.7~4.7の範囲のpHを有する。
栄養組成物が粉末又は固形産物である場合、pHは、90gの脱灰水中に均一に分散された10gの栄養組成物からなる混合物のpHとして測定される。
1~10歳の子供にとって栄養的に完全である栄養組成物が、好ましく、それらは好ましくは、「特別な医療目的のためのダイエット食品に関する1999年3月25日の委員会指令1999/21/EC(COMMISSION DIRECTIVE 1999/21/EC of 25 March 1999 on dietary foods for special medical purposes)」に記載の組成的特徴を有する。
11歳以上の人のための栄養的に完全である栄養組成物もまた、好ましく、それらは好ましくは、「特別な医療用食品のための特定の組成及び情報要件に関する欧州議会及び理事会の規則(EU)No609/2013を補足する2015年9月25日の委員会委任規則(EU)2016/128」に記載の組成的特徴を有する。
栄養組成物は一般的に、組成物の形態に応じて0.5~100%w/wの固形分を有する。
固形の栄養組成物は、好ましくは粉末の形態で、好ましくは80~100w/w、より好ましくは90~99%w/w、さらにより好ましくは92~98%w/w、及び最も好ましくは93~97%w/wの固形分を有する。
液体の栄養組成物は、好ましくはすぐに飲める飲料の形態で、好ましくは0.5~50w/w、より好ましくは1~45%w/w、さらにより好ましくは2~40%w/w、及び最も好ましくは3~35%w/wの固形分を有する。
固形物質から構成されていない栄養組成物の部分は好ましくは、水を含む。固形物質から構成されない栄養組成物の部分は好ましくは、少なくとも80%w/w、より好ましくは少なくとも90%w/w、さらにより好ましくは95%w/w、及び最も好ましくは少なくとも99%w/wの量で水を含む。
好ましくは、栄養組成物は、350~700kcal/100g全固形物質、より好ましくは400~600kcal/100g全固形物質、さらにより好ましくは少なくとも425~575kcal/100g全固形物質、及び最も好ましくは450~550kcal/100g全固形物質のカロリー含有量を有する。これらの実施形態は、例えば、1以上のタンパク質源が相当量の炭水化物及び脂質を伴う乳児用調製粉乳又は臨床栄養にとって好ましい。
栄養組成物は一般的に、炭水化物を含む。本発明の栄養組成物中の総炭水化物含有量は、栄養組成物の使用目的に依存する。
栄養組成物の炭水化物は好ましくは、炭水化物の1以上の供給源によって提供される。
有用な炭水化物源は、スクロース、マルトース、デキストロース、ガラクトース、マルトデキストリン、コーンシロップ固形物質、スクロマルト、グルコースポリマー、コーンシロップ、加工デンプン、難消化性デンプン、米由来の炭水化物、イソマルツロース、白糖、グルコース、フルクトース、ラクトース、高フルクトースコムシロップ(com syrup)、蜂蜜、糖アルコール、フルクトオリゴサッカライド、大豆繊維、コーン繊維、グアーガム、こんにゃく粉、ポリデキストロース、ファイバーゾル、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され得る。本発明のいくつかの実施形態では、栄養組成物は、フルクタンのような難消化性糖を含み、フルクタンは、イヌリン又はフラクトオリゴ糖を含む。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、栄養組成物は、栄養組成物の全エネルギー含有量の0~95%、より好ましくは栄養組成物の全エネルギー含有量の10~85%の範囲で、さらにより好ましくは栄養組成物の全エネルギー含有量の20~75%の範囲で、及び最も好ましくは栄養組成物の全エネルギー含有量の30~60%の範囲で炭水化物を含む。
しかし、例えば臨床栄養及び/又は栄養的に完全な製品に関して、栄養組成物は、全エネルギー含有量の25~60%、より好ましくは30~55E%、及び最も好ましくは35~50E%の範囲の炭水化物の総含有量を有することが好ましい場合が多い。
栄養製品中の栄養素のエネルギー寄与の決定は、当業者にはよく知られており、全エネルギー含有量に対する栄養素の各グループのエネルギー寄与を計算することを伴う。例えば、炭水化物は、4.0kcal/g炭水化物で寄与することが知られており、タンパク質は4.0kcal/gタンパク質で寄与することが知られており、脂肪は9.0kcal/g脂肪で寄与することが知られている。全エネルギー量は、ボンベ熱量計で問題の組成を燃焼させることによって決定される。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、栄養組成物は、スポーツ栄養として特に有用であり、例えば、全エネルギー含有量(E%)の最大で75%、より好ましくは最大で40E%、さらにより好ましくは最大で10E%、及び最も好ましくは最大で5E%の炭水化物の総含有量を含む。
さらにより低い炭水化物含有量がしばしば好まれ、そのため本発明のいくつかの好ましい実施形態では、好ましくは栄養組成物の全エネルギー含有量の0~30%の範囲、より好ましくは栄養組成物の全エネルギー含有量の0~20%の範囲、さらにより好ましくは栄養組成物の全エネルギー含有量の0~10%の範囲にある。
本発明の他の好ましい実施形態では、栄養組成物は、栄養的に不完全な栄養補助食品として特に有用であり、全エネルギー含有量(E%)の70~95%、より好ましくは80~90E%の範囲の炭水化物の総含有量を含む。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、栄養組成物は、全エネルギー含有量の25~60%、より好ましくは30~55E%、及び最も好ましくは35~50E%の範囲の炭水化物の総含有量を含む。このような栄養組成物は、栄養的に完全な栄養組成物に特に有用である。
本発明のいくつかの実施形態では、栄養組成物は、ビタミン、香料、ミネラル、甘味料、抗酸化剤、食用酸、脂質、炭水化物、プレバイオティクス、プロバイオティクス、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの追加成分をさらに含む。
追加成分は、栄養組成物の栄養素寄与及び味と風味の特性を調整するために使用できる。
本発明の一実施形態では、栄養組成物は、少なくとも1種の高甘味度甘味料(HIS)を含む。少なくとも1種のHISは好ましくは、アスパルテーム、シクラメート、スクラロース、アセスルファム塩、ネオテーム、サッカリン、ステビア抽出物、例えば、レバウジオシドAなどのステビオール配糖体、又はそれらの組み合わせからなる群から選択される。
本発明のいくつかの実施形態では、甘味料は、1種以上の高甘味度甘味料を含むか、又はそれからなることが特に好ましい。
HISは、天然甘味料と人工甘味料の両方で見出され、スクロースの少なくとも10倍の甘味強度を一般的に有する。
使用される場合、栄養組成物中のHISの総含有量は一般的に、0.001~2%w/wの範囲にある。好ましくは、HISの総含有量は、0.005~1%w/wの範囲にある。最も好ましくは、HISの総含有量は、0.01~0.5%w/wの範囲にある。
甘味料の選択は、生成される栄養組成物に依存し得、例えば高甘味度甘味料(例えば、アスパルテーム、アセスルファム-K又はスクラロース)が、甘味料からのエネルギー寄与が望まれない栄養組成物において使用されてよく、一方で天然プロファイルを有する栄養組成物には、天然甘味料(例えば、ステビオール配糖体、ソルビトール又はスクロース)が使用され得る。
甘味料は、1種以上のポリオール甘味料(複数可)を含むか、又はそれからなることがさらに好ましい場合がある。有用なポリオール甘味料の非限定的な例は、マルチトール、マンニトール、ラクチトール、ソルビトール、イノシトール、キシリトール、トレイトール、ガラクチトール又はそれらの組み合わせである。使用される場合、栄養組成物のポリオール甘味料の総含有量は一般的に、1~20%w/wの範囲にある。より好ましくは、栄養組成物のポリオール甘味料の総含有量は、2~15%w/wの範囲にある。さらにより好ましくは、ポリオール甘味料の総含有量は、4~10%w/wの範囲にあり得る。
低炭水化物酸塩又は炭水化物を含まない生産物に特に適する、本発明のいくつかの好ましい実施形態では、栄養組成物は、
-最大で1%w/w、より好ましくは最大で0.5%w/w、及び最も好ましくは最大で0.1%w/wの炭水化物の総含有量、並びに
-0.001~2%w/wの範囲、より好ましくは0.005~1%w/wの範囲、及び最も好ましくは0.01~0.5%w/wの範囲のHISの総含有量、
を含む。
本発明のいくつかの実施形態では、栄養組成物は、脂質をさらに含む。本発明の栄養組成物中の総脂質含有量は、栄養組成物の使用目的に依存する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、栄養組成物は、栄養組成物の全エネルギー含有量の0~50%、又は好ましくは栄養組成物の全エネルギー含有量の0~40%の範囲、又は好ましくは栄養組成物の全エネルギー含有量の0~30%の範囲、又は好ましくは栄養組成物の全エネルギー含有量の0~20%の範囲、又は好ましくは栄養組成物の全エネルギー含有量の0~10%の範囲、又は好ましくは栄養組成物の全エネルギー含有量の0~5%の範囲の脂質含有量を有する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、栄養組成物は、最大で10E%、より好ましくは最大で5E%、及び最も好ましくは最大で1E%の脂質の総含有量を含む。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、栄養組成物は、栄養的に不完全な栄養補助食品として特に有用であり、例えば、栄養組成物の全エネルギー含有量の最大で10%、好ましくは最大で1E%の脂質の総含有量を含む。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、栄養組成物は、例えば、スポーツ栄養組成物の形態で、
-栄養組成物の全エネルギー含有量(E%)の10~99%、より好ましくは20~98E%、さらにより好ましくは50~97E%、及び最も好ましくは80~96E%のタンパク質の総含有量、
-栄養組成物の全エネルギー含有量(E%)の最大で75%、より好ましくは最大で40E%、さらにより好ましくは最大で10E%、及び最も好ましくは最大で5E%の炭水化物の総含有量、並びに、
-1~10E%、より好ましくは2~10E%、さらにより好ましくは3~10E%、及び最も好ましくは4~10E%の脂質の総含有量、
を有する。
-栄養組成物が、少なくとも10mg/100g全固形物質、より好ましくは少なくとも50mg/100g全固形物質、さらにより好ましくは少なくとも80mg/100g全固形物質、さらにより好ましくは少なくとも100mg/100g全固形物質、及び最も好ましくは少なくとも150mg/100g全固形物質の量で総コレステロールを含み、
-本発明の乳脂質組成物が、栄養組成物の総コレステロールの少なくとも20%w/w、より好ましくは少なくとも40%w/w、さらにより好ましくは少なくとも60%w/w、及び最も好ましくは少なくとも80%w/wに寄与し、かつ
-栄養組成物が、少なくとも2.0、より好ましくは少なくとも2.2、より好ましくは少なくとも2.4、さらにより好ましくは少なくとも2.6、及び最も好ましくは少なくとも2.7の総コレステロールとトランス脂肪酸の重量比を有する
ことが、特に好ましい。
さらにより好ましくは:
-栄養組成物が、10~1000mg/100g全固形物質、より好ましくは50~1000mg/100g全固形物質、さらにより好ましくは80~800mg/100g全固形物質、さらにより好ましくは100~600mg/100g全固形物質、及び最も好ましくは150~500mg/100g全固形物質の量で総コレステロールを含み、かつ
-本発明の乳脂質組成物が、栄養組成物の総コレステロールの少なくとも20%w/w、より好ましくは少なくとも40%w/w、さらにより好ましくは少なくとも60%w/w、及び最も好ましくは少なくとも80%w/wに寄与し、かつ
-栄養組成物が、少なくとも2.0、より好ましくは少なくとも2.2、より好ましくは少なくとも2.4、さらにより好ましくは少なくとも2.6、及び最も好ましくは少なくとも2.7の総コレステロールとトランス脂肪酸の重量比を有する。
本発明の他の好ましい実施形態では、栄養組成物は、例えば栄養的に完全な栄養組成物の形態で、
-栄養組成物(E%)の全エネルギー含有量の10~45%、より好ましくは12~40E%、及び最も好ましくは最大15~35E%の範囲のタンパク質の総含有量、
-栄養組成物の全エネルギー含有量の25~60%の範囲、より好ましくは30~55E%、及び最も好ましくは35~50E%の範囲の炭水化物の総含有量、並びに
-全エネルギー含有量の20~50%の範囲、より好ましくは25~45E%の範囲、及び最も好ましくは30~40E%の範囲の脂質の総含有量、
を含む。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、栄養組成物は、例えばスポーツ栄養組成物の形態で、
-栄養組成物の全エネルギー含有量(E%)の最大で75%、より好ましくは最大で40E%、さらにより好ましくは最大で10E%、さらにより好ましくは最大で5E%、及び最も好ましくは最大で1E%の炭水化物の総含有量、並びに
-1~10E%、より好ましくは2~10E%、さらにより好ましくは3~10E%、及び最も好ましくは4~10E%の脂質の総含有量、
を含む。
本発明の他の好ましい実施形態では、栄養組成物は、栄養的に完全な栄養組成物の形態で、
-全エネルギー含有量の25~60%、より好ましくは30~55E%、及び最も好ましくは35~50E%の範囲の炭水化物の総含有量、並びに
-全エネルギー含有量の20~50%の範囲、より好ましくは25~45E%、及び最も好ましくは30~40E%の脂質の総含有量、
を含む。
本発明のより狭い態様では、栄養組成物は、飲料、好ましくは加熱処理された飲料、より好ましくは加熱殺菌された飲料である。
加熱処理された飲料は好ましくは、3.0~8.5のpHを有する。加熱処理された飲料は好ましくは、pHが中性に近い飲料又は酸性飲料のいずれかである。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、加熱処理された飲料は好ましくは、5.5~8.5、より好ましくは6.0~8.0、さらにより好ましくは6.3~7.5、及び最も好ましくは6.5~7.5のpHを有する。
酸性飲料の場合、加熱処理された飲料は好ましくは、3.0~5.5未満、より好ましくは3.2~5.0、さらにより好ましくは3.4~4.7、及び最も好ましくは3.5~4.5の範囲のpHを有する。
加熱処理された飲料は無菌であること、かつ好ましくはそれは加熱殺菌されていることが特に好ましい。
加熱処理された飲料は好ましくは、容器詰めされた加熱処理された飲料であり、好ましくは、例えばボトルなどの密閉容器に容器詰めされている。このような容器詰めされた加熱処理された飲料は、消費者に非常に好まれ、かつ周囲温度での長い貯蔵寿命を一般的に有し、消費者が望む場所に輸送され摂取され得る。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、加熱処理された飲料は、少なくとも6ヶ月、より好ましくは少なくとも1年、さらにより好ましくは少なくとも2年の周囲温度での貯蔵寿命を有する。
加熱処理された飲料は好ましくは、飲料の重量に対して0.5~25%w/w、より好ましくは飲料の重量に対して1~20%w/w、さらにより好ましくは飲料の重量に対して2~15%w/w、及び最も好ましくは飲料の重量に対して3~10%w/wの範囲のタンパク質の総量を含む。
あるいは、また好ましくは、加熱処理された飲料は、加熱処理された飲料の重量に対して4~15%w/w、より好ましくは加熱処理された飲料の重量に対して5~14%w/w、さらにより好ましくは液体混合物の重量に対して6~13%w/w、及び最も好ましくは加熱処理された飲料の重量に対して8~12%w/wの範囲のタンパク質の総量を含んでよい。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、加熱処理された飲料は好ましくは、全固形物質に対して少なくとも15%w/w、より好ましくは全固形物質に対して少なくとも20%w/w、及び最も好ましくは少なくとも25%w/w、及び最も好ましくは少なくとも30%w/wの量で総タンパク質を含む。これらの範囲の下限は、タンパク質に加えてかなりの量で脂肪と炭水化物を含む場合が多い臨床栄養の飲料に特に好ましい。
総タンパク質は、例えば飲料がスポーツタンパク質飲料として意図される場合、全固形物質のさらにより大きな割合に寄与し得る。そのため、本発明のいくつかの好ましい実施形態では、加熱処理された飲料は、全固形物質に対して少なくとも80%w/w、より好ましくは少なくとも全固形物質に対して90%w/w、さらにより好ましくは少なくとも92%w/w、及び最も好ましくは少なくとも94%w/wの量で総タンパク質を含む。
加熱処理された飲料は好ましくは、0.5~50%w/w、より好ましくは1~35%w/w、さらにより好ましくは2~20%w/w、及び最も好ましくは3~10%w/wの固形分を有する。
固形物質で構成されない加熱処理された飲料の部分は好ましくは、水を含む。固形物質で構成されない加熱処理された飲料の部分は好ましくは、少なくとも80%w/w、より好ましくは少なくとも90%w/w、さらにより好ましくは95%w/w、及びより好ましくは少なくとも99%w/wの量で水を含む。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、加熱処理された飲料は、最大で100kcal/100g、より好ましくは最大で80kcal/100g、さらにより好ましくは最大で70kcal/100g、及び最も好ましくは最大で60kcal/100gのカロリー含有量を有する。好ましくは、加熱処理された飲料は、2~100kcal/100g、より好ましくは4~80kcal/100g、さらにより好ましくは8~70kcal/100g、及び最も好ましくは12~60kcal/100gのカロリー含有量を有し得る。これらの実施形態は、例えば、タンパク質源が主なエネルギー源であるスポーツ用途に好ましい。
本発明の他の好ましい実施形態では、加熱処理された飲料は、100kcal/100g超、より好ましくは少なくとも120kcal/100g、さらにより好ましくは少なくとも140kcal/100g、及び最も好ましくは少なくとも150kcal/100gのカロリー含有量を有する。好ましくは、加熱処理された飲料は、101~300kcal/100g、より好ましくは120~280kcal/100g、さらにより好ましくは140~270kcal/100g、及び最も好ましくは150~260kcal/100gのカロリー含有量を有し得る。これらの実施形態は、例えば、タンパク質源が相当量の炭水化物及び脂肪を伴う臨床栄養にとって好ましい。
本発明の加熱処理された飲料は、例えば炭水化物及び/又は脂質などの、タンパク質以外の他の主要栄養素を含み得る。
本発明のいくつかの実施形態では、加熱処理された飲料は、炭水化物をさらに含む。本発明の加熱処理された飲料中の総炭水化物含有量は、加熱処理された飲料の使用目的に依存する。
容器詰めされた加熱処理された飲料の炭水化物は好ましくは、炭水化物の1以上の供給源によって提供される。
有用な炭水化物源は、スクロース、マルトース、デキストロース、ガラクトース、マルトデキストリン、コーンシロップ固形物質、スクロマルト、グルコースポリマー、コーンシロップ、加工デンプン、難消化性デンプン、米由来の炭水化物、イソマルツロース、白糖、グルコース、フルクトース、ラクトース、高フルクトースコムシロップ、蜂蜜、糖アルコール、フルクトオリゴサッカライド、大豆繊維、コーン繊維、グアーガム、こんにゃく粉、ポリデキストロース、ファイバーゾル、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され得る。本発明のいくつかの実施形態では、容器詰めされた加熱処理された飲料は、フルクタンのような難消化性糖を含み、フルクタンは、イヌリン又はフラクトオリゴ糖を含む。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、加熱処理された飲料は、飲料の全エネルギー含有量の0~95%、より好ましくは飲料の全エネルギー含有量の10~85%の範囲、さらにより好ましくは飲料の全エネルギー含有量の20~75%の範囲、及び最も好ましくは飲料の全エネルギー含有量の30~60%の範囲の炭水化物を含む。
さらに低い炭水化物含有量がしばしば好ましく、そのため本発明のいくつかの好ましい実施形態では、飲料の全エネルギー含有量の0~30%の範囲、より好ましくは飲料の全エネルギー含有量の0~20%の範囲に、さらにより好ましくは飲料の全エネルギー含有量の0~10%の範囲にある。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、飲料は、スポーツ飲料として特に有用であり、例えば、飲料の全エネルギー含有量(E%)の最大で75%、より好ましくは最大で40E%、さらにより好ましくは最大で10E%、及び最も好ましくは最大で5E%の炭水化物の総含有量を含む。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、容器詰めされた加熱処理された飲料は、栄養的に不完全な栄養補助食品として特に有用であり、例えば、飲料の全エネルギー含有量(E%)の70~95%、好ましくは80~90E%の範囲で炭水化物の総量を含む。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、加熱処理された飲料は、飲料の全エネルギー含有量の25~60%、より好ましくは30~55E%、及び最も好ましくは35~50E%の範囲で炭水化物の総量を含む。このような飲料は、栄養的に完全な飲料に特に有用である。
本発明のいくつかの実施形態では、加熱処理された飲料は、ビタミン、香料、ミネラル、甘味料、抗酸化剤、食用酸、脂質、炭水化物、プレバイオティクス、プロバイオティクス、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの追加成分をさらに含む。
追加の成分は、飲料の栄養素寄与及び味と風味の特性を調整するために使用できる。
本発明の一実施形態では、飲料は、少なくとも1種の高甘味度甘味料(HIS)を含む。少なくとも1種のHISは好ましくは、アスパルテーム、シクラメート、スクラロース、アセスルファム塩、ネオテーム、サッカリン、ステビア抽出物、例えば、レバウジオシドAなどのステビオール配糖体、又はそれらの組み合わせからなる群から選択される。
本発明のいくつかの実施形態では、甘味料は、1種以上の高甘味度甘味料を含むか、又はそれからなることが特に好ましい。
HISは、天然甘味料と人工甘味料の両方で見出され、スクロースの少なくとも10倍の甘味強度を一般的に有する。
使用される場合、飲料中のHISの総含有量は一般的に、0.001~2%w/wの範囲にある。好ましくは、HISの総含有量は、0.005~1%w/wの範囲にある。最も好ましくは、HISの総含有量は、0.01~0.5%w/wの範囲にある。
甘味料の選択は、生産される飲料に依存し得、例えば高甘味度甘味料(例えば、アスパルテーム、アセスルファム-K又はスクラロース)が、甘味料からのエネルギー寄与が望まれない飲料において使用され得、一方で天然プロファイルを有する飲料には、天然甘味料(例えば、ステビオール配糖体、ソルビトール又はスクロース)が使用され得る。
甘味料は、1種以上のポリオール甘味料(複数可)を含むか、又はそれからなることがさらに好ましい場合がある。有用なポリオール甘味料の非限定的な例は、マルチトール、マンニトール、ラクチトール、ソルビトール、イノシトール、キシリトール、トレイトール、ガラクチトール又はそれらの組み合わせである。使用される場合、飲料のポリオール甘味料の総含有量は一般的に、1~20%w/wの範囲にある。より好ましくは、飲料のポリオール甘味料の総含有量は、2~15%w/wの範囲にある。さらにより好ましくは、ポリオール甘味料の総含有量は、4~10%w/wの範囲にあり得る。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、加熱処理された飲料は、
-最大1%w/w、より好ましくは最大で0.5%w/w、及び最も好ましくは最大で0.1%w/wの炭水化物の総含有量、並びに
-0.001~2%w/wの範囲、より好ましくは0.005~1%w/wの範囲、及び最も好ましくは0.01~0.5%w/wの範囲のHISの総含有量、
を含む。
本発明のいくつかの実施形態では、加熱処理された飲料は、脂質をさらに含む。本発明の加熱処理された飲料中の総脂質含有量は、加熱処理された飲料の使用目的に依存する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、飲料は、最大で10E%、より好ましくは最大で5E%、及び最も好ましくは最大で1E%の脂質の総含有量を含む。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、加熱処理された飲料は、栄養的に不完全な栄養補助食品として特に有用であり、例えば、飲料の全エネルギー含有量の最大で10%、好ましくは最大で1E%の脂質の総含有量を含む。
しかし、例えば臨床栄養及び/又は栄養的に完全な製品に関して、加熱処理された飲料は、全エネルギー含有量の20~50%、より好ましくは25~45E%、及び最も好ましくは30~40E%の範囲の脂質の総含有量を有することがしばしば好ましい。
しかし、例えば臨床栄養及び/又は栄養的に完全な製品に関して、加熱処理された飲料は、全エネルギー含有量の25~60%、より好ましくは30~55E%、及び最も好ましくは35~50E%の範囲の炭水化物の総含有量を有することがしばしば好ましい。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、加熱処理された飲料は、20℃及びせん断速度300s-1において最大で200cP、より好ましくは20℃及びせん断速度300s-1において最大で100cP、さらにより好ましくは20℃及びせん断速度300s-1において最大で50cP、及び最も好ましくは20℃及びせん断速度300s-1において最大で20cPの粘性を有する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、飲料は、例えばスポーツ飲料の形態で、
-飲料の重量に対して0.5~25%w/w、より好ましくは飲料の重量に対して1~20%w/w、さらにより好ましくは飲料の重量に対して2~15%w/w、及び最も好ましくは飲料の重量に対して3~10%w/wの範囲のタンパク質の総量、
-飲料の全エネルギー含有量(E%)の最大で75%、より好ましくは最大で40E%、さらにより好ましくは最大で10E%、及び最も好ましくは最大で5E%の炭水化物の総含有量、並びに
-1~10E%、より好ましくは2~10E%、さらにより好ましくは3~10E%、及び最も好ましくは4~10E%の脂質の総含有量、
を含む。
本発明の他の好ましい実施形態では、容器詰めされた加熱処理された飲料は、例えば栄養的に完全な飲料の形態で、
-飲料の重量に対して0.5~25%w/w、より好ましくは飲料の重量に対して1~20%w/w、さらにより好ましくは飲料の重量に対して2~15%w/w、及び最も好ましくは飲料の重量に対して3~10%w/wの範囲のタンパク質の総量、
-飲料の全エネルギー含有量の25~60%の範囲、より好ましくは30~55E%、及び最も好ましくは35~50E%の炭水化物の総含有量、並びに
-全エネルギー含有量の20~50%の範囲、より好ましくは25~45E%の範囲、及び最も好ましくは30~40E%の範囲の脂質の総含有量、
を含む。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、加熱処理された飲料は、6.2~7.5、最も好ましくは6.8~7.5の範囲のpHを有し、かつ
-飲料の重量に対して0.5~25%w/wの範囲、より好ましくは飲料の重量に対して1~20%w/w、さらにより好ましくは飲料の重量に対して2~15%w/w、及び最も好ましくは飲料の重量に対して3~10%w/wのタンパク質の総量
を含み、
乳脂質組成物由来のタンパク質は、加熱処理された飲料の総タンパク質の少なくとも50%w/w、より好ましくは加熱処理飲料の総タンパク質の少なくとも70%w/w、さらにより好ましくは少なくとも90%w/w、及び最も好ましくは100%w/wを提供する。
本発明の他の好ましい実施形態では、加熱処理された飲料は、6.2~7.5、最も好ましくは6.8~7.5の範囲のpHを有し、かつ
-飲料の重量に対して4~15%w/w、より好ましくは飲料の重量に対して5~14%w/w、さらにより好ましくは飲料の重量に対して6~13%w/w、及び最も好ましくは飲料の重量に対して8~12%w/wの範囲のタンパク質の総量、
を含み、
乳脂質組成物由来のタンパク質は、加熱処理された飲料の総タンパク質の少なくとも50%w/w、より好ましくは少なくとも70%w/w、さらにより好ましくは少なくとも90%w/w、及び最も好ましくは加熱処理された飲料の総タンパク質の100%w/wを提供する。
加熱処理された飲料の炭水化物及び脂肪の含有量は、変化し、用途に依存し得る。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、加熱処理された飲料は、例えばスポーツ飲料の形態で、
-飲料の全エネルギー含有量(E%)の最大で75%、より好ましくは最大で40E%、さらにより好ましくは最大で10E%、さらにより好ましくは最大で5E%、及び最も好ましくは最大で1E%の炭水化物の総含有量、並びに
-1~10E%、より好ましくは2~10E%、さらにより好ましくは3~10E%、及び最も好ましくは4~10E%脂質の総含有量、
を含む。
本発明の他の好ましい実施形態では、容器詰めされた加熱処理された飲料は、例えば栄養的に完全な飲料の形態で、
-飲料の全エネルギー含有量の25~60%、より好ましくは30~55E%、及び最も好ましくは35~50E%の範囲の炭水化物の総含有量、並びに
-全エネルギー含有量の20~50%の範囲、より好ましくは25~45E%の範囲、及び最も好ましくは30~40E%の範囲の脂質の総含有量、
を含む。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、栄養組成物は、
-本発明による、又は本発明の方法に従って得られる乳脂質組成物であって、栄養組成物の総コレステロールの少なくとも20%w/wに寄与する、乳脂質組成物、及び
-1以上の追加の食品成分、
を含み、
少なくとも10mg/100g全固形物質、より好ましくは少なくとも50mg/100g全固形物質、より好ましくは少なくとも80mg/100g全固形物質、さらにより好ましくは少なくとも100mg/100g全固形物質、及び最も好ましくは少なくとも150mg/100g全固形物質の量で総コレステロールを含み、かつ
少なくとも2.0の総コレステロールとトランス脂肪酸の重量比を有する。
好ましくは、栄養組成物は、乳清に由来しない少なくとも1つの成分をさらに含む。
栄養組成物は好ましくは、10~1000mg/100g全固形物質、より好ましくは50~800mg/100g全固形物質、より好ましくは80~800mg/100g全固形物質、さらにより好ましくは100~600mg/100g全固形物質、及び最も好ましくは150~500mg/100g全固形物質の量で総コレステロールを含む。
あるいは、しかしまた好ましくは、栄養組成物は、100~600mg/100g合計の量で総コレステロールを含み得る。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、栄養組成物は、好ましくは粉末又はすぐに飲める飲料の形態の乳児用調製粉乳であり、かつ
-1.2~1.8g/100kcal、及び最も好ましくは1.3~1.6g/100kcalの量で総タンパク質、
-120~200mg/100g全固形物質、及び最も好ましくは130~180mg/100g全固形物質の量で総コレステロール、
-10~50mg/100g全固形物質、及び最も好ましくは12~30mg/100g全固形物質の量でガングリオシドGD3、
-100~300mg/100g全固形物質、及び最も好ましくは140~250mg/100g全固形物質の量でスフィンゴミエリン、並びに
-400~2000mg/100g全固形物質、及び最も好ましくは600~2000mg/100g全固形物質の量でPL、
を含み、
少なくとも2.0、より好ましくは少なくとも2.2、より好ましくは少なくとも2.4、さらにより好ましくは少なくとも2.6、及び最も好ましくは少なくとも2.7の総コレステロールとトランス脂肪酸の重量比を有する。
本発明の他の好ましい実施形態では、栄養組成物は、乳児用調製粉乳であり、かつ
-1.2~1.8g/100kcal、及び最も好ましくは1.3~1.6g/100kcalの量で総タンパク質、
-120~200mg/100g全固形物質、及び最も好ましくは130~180mg/100g全固形物質の量で総コレステロール、
-10~50mg/100g全固形物質、及び最も好ましくは12~30mg/100g全固形物質の量でガングリオシドGD3、
-100~300mg/100g全固形物質、及び最も好ましくは140~250mg/100g全固形物質の量でスフィンゴミエリン、並びに
-400~2000mg/100g全固形物質、及び最も好ましくは600~2000mg/100g全固形物質の量でPL、
を含み、
乳脂質組成物が、栄養組成物の総コレステロールの少なくとも20%w/w、より好ましくは少なくとも40%w/w、さらにより好ましくは少なくとも60%w/w、及び最も好ましくは少なくとも80%w/wに寄与する。
本発明のさらに好ましい実施形態では、栄養組成物は、乳児用調製粉乳であり、かつ
-1.2~1.8g/100kcal、及び最も好ましくは1.3~1.6g/100kcalの量で総タンパク質、
-120~200mg/100g全固形物質、及び最も好ましくは130~180mg/100g全固形物質の量で総コレステロール、
-10~50mg/100g全固形物質、及び最も好ましくは12~30mg/100g全固形物質の量でガングリオシドGD3、
-100~300mg/100g全固形物質、及び最も好ましくは140~250mg/100g全固形物質の量でスフィンゴミエリン、並びに
-400~2000mg/100g全固形物質、及び最も好ましくは600~2000mg/100g全固形物質の量でPL、
を含み、
少なくとも2.0、より好ましくは少なくとも2.2、より好ましくは少なくとも2.4、さらにより好ましくは少なくとも2.6、及び最も好ましくは少なくとも2.7の総コレステロールとトランス脂肪酸の重量比を有し、かつ
乳脂質組成物が、栄養組成物の総コレステロールの少なくとも20%w/w、より好ましくは少なくとも40%w/w、さらにより好ましくは少なくとも60%w/w、及び最も好ましくは少なくとも80%w/wに寄与する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、栄養組成物は、好ましくは粉末又はすぐに飲める飲料の形態の、乳児用調製粉乳であり、かつ
-1.2~1.8g/100kcal、及び最も好ましくは1.3~1.6g/100kcalの量で総タンパク質、
-50~200mg/100g全固形物質、及び最も好ましくは80~180mg/100g全固形物質の量で総コレステロール、
-10~50mg/100g全固形物質、及び最も好ましくは12~30mg/100g全固形物質の量でガングリオシドGD3、
-100~300mg/100g全固形物質、及び最も好ましくは140~250mg/100g全固形物質の量でスフィンゴミエリン、並びに
-400~2000mg/100g全固形物質、及び最も好ましくは600~2000mg/100g全固形物質の量でPL、
を含み、
少なくとも2.0、より好ましくは少なくとも2.2、より好ましくは少なくとも2.4、さらにより好ましくは少なくとも2.6、及び最も好ましくは少なくとも2.7の総コレステロールとトランス脂肪酸の重量比を有する。
本発明の他の好ましい実施形態では、栄養組成物は、乳児用調製粉乳であり、かつ
-1.2~1.8g/100kcal、及び最も好ましくは1.3~1.6g/100kcalの量で総タンパク質、
-50~200mg/100g全固形物質、及び最も好ましくは80~180mg/100g全固形物質の量で総コレステロール、
-10~50mg/100g全固形物質、及び最も好ましくは12~30mg/100g全固形物質の量でガングリオシドGD3、
-100~300mg/100g全固形物質、及び最も好ましくは140~250mg/100g全固形物質の量でスフィンゴミエリン、並びに
-400~2000mg/100g全固形物質、及び最も好ましくは600~2000mg/100g全固形物質の量でPL、
を含み、
乳脂質組成物が、栄養組成物の総コレステロールの少なくとも20%w/w、より好ましくは少なくとも40%w/w、さらにより好ましくは少なくとも60%w/w、及び最も好ましくは少なくとも80%w/wに寄与する。
本発明のさらに好ましい実施形態では、栄養組成物は、乳児用調製粉乳であり、かつ
-1.2~1.8g/100kcal、及び最も好ましくは1.3~1.6g/100kcalの量で総タンパク質、
-50~200mg/100g全固形物質、及び最も好ましくは80~180mg/100g全固形物質の量で総コレステロール、
-10~50mg/100g全固形物質、及び最も好ましくは12~30mg/100g全固形物質の量でガングリオシドGD3、
-100~300mg/100g全固形物質、及び最も好ましくは140~250mg/100g全固形物質の量でスフィンゴミエリン、並びに
-400~2000mg/100g全固形物質、及び最も好ましくは600~2000mg/100g全固形物質の量でPL、
を含み、
少なくとも2.0、より好ましくは少なくとも2.2、より好ましくは少なくとも2.4、さらにより好ましくは少なくとも2.6、及び最も好ましくは少なくとも2.7の総コレステロールとトランス脂肪酸の重量比を有し、
乳脂質組成物が、栄養組成物の総コレステロールの少なくとも20%w/w、より好ましくは少なくとも40%w/w、さらにより好ましくは少なくとも60%w/w、及び最も好ましくは少なくとも80%w/wに寄与する。
さらに本発明の態様は、栄養組成物、好ましくは、
i)本明細書に記載の又は本方法によって得られる乳脂質組成物を提供する工程、
ii)1以上の追加の食品成分と乳脂質組成物を組み合わせる工程、及び、
必要であれば、その組み合わせにさらに処理する工程、
を含む本明細書に記載の栄養組成物を生産するプロセスに関する。
本発明のさらなる態様は、栄養製品、好ましくは乳児用調製粉乳の生産における本明細書で定義される又は本方法によって得られる乳脂質組成物の使用、及び好ましくは
栄養組成物の -コレステロール
-リン脂質
-スフィンゴミエリン、及び
-ガングリオシド、
の1以上の含有量を増加させるための、又は
-好ましくは総コレステロール、総脂質若しくは総リン脂質に対して、トランス脂肪酸の含有量を減少させるための、
乳脂質組成物の使用に関する。
使用の栄養組成物は好ましくは、本明細書に記載の栄養組成物である。
本発明のいくつかの好ましい番号付き実施形態を、以下に提示する。
番号付き実施形態1.総脂質に対して4~12%w/wの量で総コレステロールを含み、全固形物質に対して10~60%w/wの量で総脂質を含む乳脂質組成物を調製する方法であって、
1)哺乳動物の乳から乳清を提供する、かつ必要に応じて、
-0.8ミクロンより大きい粒子の除去、
-濃縮、
-希釈、及び
-3~8の範囲のpHを得るためのpH調整
の1以上の工程に乳清を供する、それにより3~8の範囲のpHを有する液体供給物を提供する工程、
2-a)液体供給物を第1の精密濾過工程(1MF-a)に供する、それにより第1のMF残留物(1MFR-a)及び第1のMF透過液(1MFP-a)を提供する工程であって、1MF-aが好ましくは、少なくとも200nmの粒子モードサイズを有する1MFR-a及び/又は最大190nmの粒子モードサイズを有する1MFP-aを提供するように操作される、工程、
3-a)第2のMF残留物(2MFR-a)及び第2のMF透過液(2MFP-a)を提供するために第2のMF工程(2MF-a)に1MFP-a又はその濃縮物若しくは希釈液を供する工程であって、より大きな流体力学的直径の粒子が、2MF-aの間よりも1MF-aの間に透過液に移行され、2MF-aが好ましくは、少なくとも165nmの粒子モードサイズを有する2MFR-a及び/又は165nm未満の粒子モードサイズを有する2MFP-aを提供するように操作される、工程、
4-a)必要に応じて、2MFR-aを濃縮するかつ/又は乾燥させる工程、
を含み、
好ましくは、1MF-a及び2MF-aの間に使用されるMF膜及び条件が、総タンパク質に対して最大で40%の天然BLGの含有量を有する2MFR-aを提供し、
乳脂質組成物が、2MFR-aであるか、工程4-a)が使用される場合、工程4-a)から生じる濃縮物又は乾燥産物である、方法。
番号付き実施形態2.総脂質に対して4~12%w/wの量で総コレステロールを含み、全固形物質に対して10~60%w/wの量で総脂質を含む乳脂質組成物を調製する方法であって、
1)哺乳動物の乳から乳清を提供する、必要に応じて
-0.8ミクロンより大きい粒子の除去、
-濃縮、
-希釈、及び
-3~8の範囲のpHを得るためのpH調整
の1以上の工程に乳清を供する、それにより3~8の範囲のpHを有する液体供給物を提供する工程、
2-b)液体供給物を第1の精密濾過工程(1MF-b)に供する、それにより第1のMF残留物(1MFR-b)及び第1のMF透過液(1MFP-b)を提供する工程であって、1MF-bが好ましくは、少なくとも150nmの粒子モードサイズを有する1MFR-b及び/又は200nm未満の粒子モードサイズを有する1MFP-bを提供するように操作される、工程、
3-b)第2のMF残留物(2MFR-b)及び第2のMF透過液(2MFP-b)を提供するために第2のMF工程(2MF-b)に1MFR-b又はその濃縮物若しくは希釈液を供する工程であって、より大きな流体力学的直径の粒子が、1MF-bの間よりも2MF-bの間に透過液に移行され、2MF-bが好ましくは、少なくとも200nmの粒子モードサイズを有する2MFR-b及び/又は最大で300nmの粒子モードサイズを有する2MFP-bを提供するように操作される、工程、
4-b)必要に応じて、2MFR-bを濃縮するかつ/又は乾燥させる工程、
を含み、
好ましくは、1MF-b及び2MF-bの間に使用されるMF膜及び条件が、総タンパク質に対して最大40%の天然BLGの含有量を有する2MFP-bを提供し、
乳脂質組成物が、2MFP-bであるか、工程4-b)が使用される場合、工程4-b)から生じる濃縮物又は乾燥産物である、方法。
番号付き実施形態3.哺乳動物の乳が、最大で1%w/w、より好ましくは最大で0.5%w/w、さらにより好ましくは最大で0.10%w/w、及び最も好ましくは最大で0.08%w/wの総脂質含有量を有する、番号付き実施形態1又は2に記載の方法。
番号付き実施形態4.哺乳動物の乳が、脱脂粉乳である、番号付き実施形態1~3のいずれかに記載の方法。
番号付き実施形態5.哺乳動物の乳が、以下の哺乳動物:ヒト、ウシ、ヤギ、ヒツジ、牝馬、ラクダ、ヤク、及びバッファローの1以上からの乳を含むか、又はそれからなる、番号付き実施形態1~4のいずれかに記載の方法。
番号付き実施形態6.哺乳動物の乳が、ウシ乳を含むか、又はそれからなる、番号付き実施形態1~5のいずれかに記載の方法。
番号付き実施形態7.哺乳動物の乳が、最大で30%、より好ましくは最大で20%、さらにより好ましくは最大で15%、及び最も好ましくは最大で10%の乳清タンパク質変性の程度を有する、番号付き実施形態1~6のいずれかに記載の方法。
番号付き実施形態8.乳清の調製が、乳の酸性化及びその後のカゼインの沈殿及び沈殿されたカゼインの除去を伴う、番号付き実施形態1~7のいずれかに記載の方法。
番号付き実施形態9.乳清の調製が、乳へのプロテアーゼ酵素、好ましくはレンネット、の添加、並びにその後のカゼインの沈殿及び沈殿されたカゼインの除去を伴う、番号付き実施形態1~8のいずれかに記載の方法。
番号付き実施形態10.乳清が、最大で30%、より好ましくは最大で20%、さらにより好ましくは最大で15%、及び最も好ましくは最大で10%のBLGタンパク質変性の程度を有する、番号付き実施形態1~9のいずれかに記載の方法。
番号付き実施形態11.液体供給物が、乳清そのものである、番号付き実施形態1~10いずれかに記載の方法。
番号付き実施形態12.液体供給物の提供が、0.8ミクロンより大きい粒子の除去を伴う、番号付き実施形態1~11のいずれかに記載の方法。
番号付き実施形態13.液体供給物の提供が、例えばUF、NF、RO及び蒸発の1以上による、乳清又は乳清に由来する生産物流の濃縮を伴う、番号付き実施形態1~12のいずれかに記載の方法。
番号付き実施形態14.液体供給物の提供が、3~8の範囲のpHを得るためのpH調整を伴う、番号付き実施形態1~13いずれかに記載の方法。
番号付き実施形態15.液体供給物の供給が、
-0.8ミクロンより大きい粒子の除去、及び
-濃縮
に乳清又は乳清に由来する生産物流を供することを伴う、番号付き実施形態1~14のいずれかに記載の方法。
番号付き実施形態16.液体供給物が、最大で0.20、より好ましくは最大で0.10、さらにより好ましくは最大で0.06、及び最も好ましくは最大で0.05のカゼインと乳清タンパク質の重量比を有する、番号付き実施形態1~15のいずれかに記載の方法。
番号付き実施形態17.液体供給物が、最大で30%、より好ましくは最大で20%、さらにより好ましくは最大で15%、及び最も好ましくは最大で10%のBLG変性の程度を有する、番号付き実施形態1~16いずれかに記載の方法。
番号付き実施形態18.液体供給物が、0.01~50%w/wの範囲の、より好ましくは0.05~30%w/wの範囲の、さらにより好ましくは0.1~20%w/w、及び最も好ましくは0.5~15%w/wの範囲の全固形物質の含有量を有する、番号付き実施形態1~17のいずれかに記載の方法。
番号付き実施形態19.液体供給物が、0.1~50%w/wの範囲、より好ましくは0.5~30%w/wの範囲の、さらにより好ましくは1~20%w/wの、及び最も好ましくは4~15%w/wの範囲の全固形物質の含有量を有する、番号付き実施形態1~18のいずれかに記載の方法。
番号付き実施形態20.液体供給物が、全固形物質に対して0.5~9%w/wの範囲の、より好ましくは全固形物質に対して1~8%w/wの範囲の、さらにより好ましくは2~7%w/w、及び最も好ましくは2.5~6%w/wの範囲の総脂質の含有量を有する、番号付き実施形態1~19のいずれかに記載の方法。
番号付き実施形態21.液体供給物が、全固形物質に対して12~90%w/wの範囲の、より好ましくは全固形物質に対して40~89%w/wの範囲の、さらにより好ましくは50~88%w/w、及び最も好ましくは70~87%w/wの範囲の総タンパク質の含有量を有する、番号付き実施形態1~20のいずれかに記載の方法。
番号付き実施形態22.液体供給物が、全固形物質に対して0~80%w/w、より好ましくは全固形物質に対して1~50%w/wの範囲の、さらにより好ましくは2~40%w/w、及び最も好ましくは3~20%w/wの範囲のラクトース含有量を有する、番号付き実施形態1~21のいずれかに記載の方法。
番号付き実施形態23.液体供給物が、全固形物質に対して最大で20%w/w、より好ましくは全固形物質に対して最大で10%w/w、さらにより好ましくは最大で5%w/w、及び最も好ましくは最大で1%w/wのラクトース含有量を有する、番号付き実施形態1~22のいずれかに記載の方法。
番号付き実施形態24.液体供給物が、全固形物質に対して0.5~6%w/wの範囲の、より好ましくは全固形物質に対して1~5%w/wの範囲、さらにより好ましくは1.5~4.5%w/w、及び最も好ましくは2~4%w/wの範囲の総TAGの含有量を有する、番号付き実施形態1~23のいずれかに記載の方法。
番号付き実施形態25.液体供給物が、全固形物質に対して最大で6%w/w、より好ましくは全固形物質に対して最大で5%w/w、さらにより好ましくは最大で2%w/w、及び最も好ましくは最大で1%w/wの総TAGの含有量を有する、番号付き実施形態1~24のいずれかに記載の方法。
番号付き実施形態26.液体供給物が、全固形物質に対して1~6%w/wの範囲の、より好ましくは全固形物質に対して1.2~5%w/wの範囲、さらにより好ましくは1.4~4%w/w、及び最も好ましくは1.5~3%w/wの範囲の総PLの含有量を有する、番号付き実施形態1~25のいずれかに記載の方法。
番号付き実施形態27.液体供給物が、全固形物質に対して1~10%w/wの範囲の、より好ましくは全固形物質に対して1.5~8%w/wの範囲、さらにより好ましくは1.5~7%w/w、及び最も好ましくは2.0~6.5%w/wの範囲の灰価を有する、番号付き実施形態1~26のいずれかに記載の方法。
番号付き実施形態28.液体供給物が、全固形物質に対して1~6%w/wの範囲の、より好ましくは全固形物質に対して1.5~5%w/w、さらにより好ましくは2~4%w/w、及び最も好ましくは2.0~3.0%w/wの範囲の灰価を有する、番号付き実施形態1~27のいずれかに記載の方法。
番号付き実施形態29.液体供給物が、4~8の範囲の、より好ましくは5~7.5の範囲の、及び最も好ましくは6~7.5の範囲のpHを有する、番号付き実施形態1~28のいずれかに記載の方法。
番号付き実施形態30.1MF-aが、少なくとも200nm、より好ましくは少なくとも205nm、さらにより好ましくは少なくとも210nm、及び最も好ましくは少なくとも215nmの粒子モードサイズを有する1MFR-aを提供するように操作される、番号付き実施形態1~29のいずれかに記載の方法。
番号付き実施形態31.1MF-aが、200~800nmの範囲の、より好ましくは205~500nmの範囲の、さらにより好ましくは210~300nmの範囲の、及び最も好ましくは215~280nmの範囲の粒子モードサイズを有する1MFR-aを提供するように操作される、番号付き実施形態1~30のいずれかに記載の方法。
番号付き実施形態32.1MF-aが、最大で190nm、より好ましくは最大で185nm、さらにより好ましくは最大で180nm、及び最も好ましくは最大で170nmの粒子モードサイズを有する1MFP-aを提供するように操作される、番号付き実施形態1~31のいずれかに記載の方法。
番号付き実施形態33.1MF-aが、50~190nmの範囲の、より好ましくは80~185nmの範囲の、さらにより好ましくは100~180nmの範囲の、及び最も好ましくは120~175nmの範囲の粒子モードサイズを有する1MFP-aを提供するように操作される、番号付き実施形態1~32のいずれかに記載の方法。
番号付き実施形態34.1MF-aに使用される膜(複数可)が、0.1~0.7ミクロン、より好ましくは0.2~0.6ミクロン、さらにより好ましくは0.3~0.5ミクロン、及び最も好ましくは0.4~0.5ミクロンの範囲の公称孔径を有する、番号付き実施形態1~33のいずれかに記載の方法。
番号付き実施形態35.1MF-aが、好ましくは液体供給物の体積に対して少なくとも100%vol/vol、より好ましくは少なくとも200%vol/vol、さらにより好ましくは少なくとも300%vol/vol、及び最も好ましくは少なくとも400%vol/volの量の希釈液を使用して、透析濾過により実施される、番号付き実施形態1~34のいずれかに記載の方法。
番号付き実施形態36.1MF-aが、
-液体供給物の総脂質の50~95%w/w、より好ましくは55~90%w/w、さらにより好ましくは60~85%w/w、及び最も好ましくは65~80%w/wが、1MFP-aにおいて回収されている、
-液体供給物の全PLの少なくとも60%、より好ましくは少なくとも65%w/w、さらにより好ましくは少なくとも70%w/w、及び最も好ましくは少なくとも75%w/wが、1MFP-aにおいて回収されている、
かつ/又は
-液体供給物の天然BLGの少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%w/w、さらにより好ましくは少なくとも97%w/w、及び最も好ましくは少なくとも98%w/wが、1MFP-aにおいて回収されている、
の1以上によって特徴付けられる1MFP-aを得るために行われる、番号付き実施形態1~35のいずれかに記載の方法。
番号付き実施形態37.1MF-aが、液体供給物の総コレステロールの少なくとも40%、より好ましくは少なくとも60%w/w、さらにより好ましくは少なくとも70%w/w、及び最も好ましくは少なくとも75%w/wを回収している1MFP-aを得るために行われる、番号付き実施形態1~36のいずれかに記載の方法。
番号付き実施形態38.1MF-aが、液体供給物の総TAGの最大で85%、より好ましくは最大で70%w/w、さらにより好ましくは最大で60%w/w、及び最も好ましくは最大で55%w/wを回収している1MFP-aを得るために行われる、番号付き実施形態1~37のいずれかに記載の方法。
番号付き実施形態39.2MF-aが、少なくとも165nm、より好ましくは少なくとも170nm、さらにより好ましくは少なくとも175nm、及び最も好ましくは少なくとも180nmの粒子モードサイズを有する2MFR-aを提供するように操作される、番号付き実施形態1~38のいずれかに記載の方法。
番号付き実施形態40.2MF-aが、165~300nmの範囲の、より好ましくは170~260nmの範囲の、さらにより好ましくは175~230nmの範囲の、及び最も好ましくは175~210nmの範囲の粒子モードサイズを有する2MFR-aを提供するように操作される、番号付き実施形態1~39のいずれかに記載の方法。
番号付き実施形態41.2MF-aが、165nm未満、より好ましくは最大で160nm、さらにより好ましくは最大で155nm、及び最も好ましくは最大で150nmの粒子モードサイズを有する2MFP-aを提供するように操作される、番号付き実施形態1~40のいずれかに記載の方法。
番号付き実施形態42.2MF-aが、50~164nmの範囲の、より好ましくは80~160nmの範囲の、さらにより好ましくは100~155nmの範囲の、及び最も好ましくは120~155nmの範囲の粒子モードサイズを有する2MFP-aを提供するように操作される、番号付き実施形態1~41のいずれかに記載の方法。
番号付き実施形態43.2MF-aに使用される膜(複数可)が、0.02~0.4ミクロン、より好ましくは0.05~0.3ミクロン、さらにより好ましくは0.05~0.25ミクロン、及び最も好ましくは0.1~0.2ミクロンの範囲の公称孔径を有する、番号付き実施形態1~42のいずれかに記載の方法。
番号付き実施形態44.第2の精密濾過工程が、好ましくは1MFP-aの体積に対して少なくとも50%vol/vol、より好ましくは少なくとも100%vol/vol、さらにより好ましくは少なくとも200%vol/vol、及び最も好ましくは少なくとも300%vol/volの量の希釈液を使用して、透析濾過で実施される、番号付き実施形態1~43のいずれかに記載の方法。
番号付き実施形態45.2MF-aが、
-1MFP-aの総脂質の30~99%w/w、より好ましくは40~98%w/w、さらにより好ましくは45~97%w/w、及び最も好ましくは50~95%w/wが、2MFR-aにおいて回収されている、
-1MFP-aの全PLの30~99%w/w、より好ましくは40~98%w/w、さらにより好ましくは45~97%w/w、及び最も好ましくは50~95%w/wが、2MFR-aにおいて回収されている、かつ/又は
-1MFP-aの天然BLGの0~20%、より好ましくは0.5~15%w/w、さらにより好ましくは1~10%w/w、及び最も好ましくは2~5%w/wが、2MFR-aにおいて回収されている、
の1以上によって特徴付けられる2MFR-aを得るために行われる、番号付き実施形態1~44のいずれかに記載の方法。
番号付き実施形態46.2MF-aが、1MFP-aの総コレステロールの少なくとも60%、より好ましくは少なくとも80%w/w、さらにより好ましくは少なくとも90%w/w、及び最も好ましくは少なくとも95%w/wを回収している2MFR-aを得るために行われる、番号付き実施形態1~45いずれかに記載の方法。
番号付き実施形態47.工程4-a)を含む番号付き実施形態1~46のいずれかに記載の方法。
番号付き実施形態48.工程4-a)を含み、工程4-a)が、
-2MFR-aを濃縮すること、
-2MFR-aを乾燥すること、又は
-2MFR-aを濃縮することおよびその後の乾燥すること
を伴う、番号付き実施形態1~47のいずれかに記載の方法。
番号付き実施形態49.1MF-bが、少なくとも150nm、より好ましくは少なくとも180nm、さらにより好ましくは少なくとも200nm、及び最も好ましくは少なくとも220nmの粒子モードサイズを有する1MFR-bを提供するように操作される、番号付き実施形態1~48のいずれかに記載の方法。
番号付き実施形態50.1MF-bが、150~800nmの範囲の、より好ましくは180~700nmの範囲の、さらにより好ましくは200~600nmの範囲の、及び最も好ましくは220~500nmの範囲の粒子モードサイズを有する1MFR-bを提供するように操作される、番号付き実施形態1~49のいずれかに記載の方法。
番号付き実施形態51.1MF-bが、200nm未満、より好ましくは180nm未満、さらにより好ましくは150nm未満、及び最も好ましくは130nm未満の粒子モードサイズを有する1MFP-bを提供するように操作される、番号付き実施形態1~50のいずれかに記載の方法。
番号付き実施形態52.1MF-bが、50~200nmの範囲の、より好ましくは70~190nmの範囲の、さらにより好ましくは90~170nmの範囲の、及び最も好ましくは100~150nmの範囲の粒子モードサイズを有する1MFP-bを提供するように操作される、番号付き実施形態1~51のいずれかに記載の方法。
番号付き実施形態53.1MF-bに使用される膜(複数可)が、0.02~0.4ミクロン、より好ましくは0.05~0.3ミクロン、さらにより好ましくは0.05~0.25ミクロン、及び最も好ましくは0.1~0.2ミクロンの範囲の公称孔径を有する、番号付き実施形態1~52のいずれかに記載の方法。
番号付き実施形態54.1MF-bが、好ましくは液体供給物の体積に対して少なくとも100%vol/vol、より好ましくは少なくとも200%vol/vol、さらにより好ましくは少なくとも300%vol/vol、及び最も好ましくは少なくとも400%vol/volの量の希釈液を使用して、透析濾過により実施される、番号付き実施形態1~53のいずれかに記載の方法。
番号付き実施形態55.1MF-bが、
-液体供給物の総脂質の50~95%w/w、より好ましくは55~90%w/w、さらにより好ましくは60~85%w/w、及び最も好ましくは65~80%w/wが、1MFR-bで回収されている、
-液体供給物のPLの50~95%w/w、より好ましくは55~90%w/w、さらにより好ましくは60~85%w/w、及び最も好ましくは65~80%w/wが、1MFR-bで回収されている、
かつ/又は
-液体供給物の天然BLGの0~20%、より好ましくは0.5~15%w/w、さらにより好ましくは1~10%w/w、及び最も好ましくは2~5%w/wが、1MFR-bで回収されている、
の1以上によって特徴付けられる1MFR-bを得るために行われる、番号付き実施形態1~54のいずれかに記載の方法。
番号付き実施形態56.1MF-bが、液体供給物の総コレステロールの少なくとも50%、より好ましくは少なくとも70%w/w、さらにより好ましくは少なくとも90%w/w、及び最も好ましくは少なくとも95%w/wを回収している1MFR-bを得るために行われる、番号付き実施形態1~55のいずれかに記載の方法。
番号付き実施形態57.1MF-bが、液体供給物の総TAGの少なくとも50%、より好ましくは少なくとも70%w/w、さらにより好ましくは少なくとも90%w/w、及び最も好ましくは少なくとも95%w/wを回収している1MFR-bを得るために行われる、番号付き実施形態1~56のいずれかに記載の方法。
番号付き実施形態58.2MF-bが、少なくとも200nm、より好ましくは少なくとも205nm、さらにより好ましくは少なくとも210nm、及び最も好ましくは少なくとも215nmの粒子モードサイズを有する2MFR-bを提供するように操作される、番号付き実施形態1~57のいずれかに記載の方法。
番号付き実施形態59.2MF-bが、200~800nmの範囲の、より好ましくは205~700nmの範囲の、さらにより好ましくは210~600nmの範囲の、及び最も好ましくは215~500nmの範囲の粒子モードサイズを有する2MFR-bを提供するように操作される、番号付き実施形態1~58のいずれかに記載の方法。
番号付き実施形態60.2MF-bが、最大で300nm、より好ましくは最大で260nm、さらにより好ましくは最大で230nm、及び最も好ましくは最大で210nmの粒子モードサイズを有する2MFP-bを提供するように操作される、番号付き実施形態1~59のいずれかに記載の方法。
番号付き実施形態61.2MF-bが、165~300nmの範囲の、より好ましくは170~260nmの範囲の、さらにより好ましくは175~230nmの範囲の、及び最も好ましくは175~210nmの範囲の粒子モードサイズを有する2MFP-bを提供するように操作される、番号付き実施形態1~60のいずれかに記載の方法。
番号付き実施形態62.2MF-bに使用される膜(複数可)が、0.1~0.7ミクロン、より好ましくは0.2~0.6ミクロン、さらにより好ましくは0.3~0.5ミクロン、及び最も好ましくは0.4~0.5ミクロンの範囲の公称孔径を有する、番号付き実施形態1~61のいずれかに記載の方法。
番号付き実施形態63.2MF-bが、好ましくは1MFP-bの体積に対して少なくとも50%vol/vol、より好ましくは少なくとも100%vol/vol、さらにより好ましくは少なくとも200%vol/vol、及び最も好ましくは少なくとも300%vol/volの量の希釈液を使用して、透析濾過により実施される、番号付き実施形態1~62のいずれかに記載の方法。
番号付き実施形態64.2MF-bが、
-1MFR-bの総脂質の45~85%w/w、より好ましくは50~85%w/w、さらにより好ましくは55~85%w/w、及び最も好ましくは60~85%w/wが、2MFP-bで回収されている、
-1MFR-bの総PLの50~90%w/w、より好ましくは55~90%w/w、さらにより好ましくは60~90%w/w、及び最も好ましくは70~90%w/wが、2MFP-bで回収されている、かつ/又は
-1MFR-bの天然BLGの80~99%、より好ましくは85~99%w/w、さらにより好ましくは90~99%w/w、及び最も好ましくは95~99%w/wが、2MFP-bで回収されている、
の1以上によって特徴付けられる2MFP-aを得るために行われる、番号付き実施形態1~63のいずれかに記載の方法。
番号付き実施形態65.工程4-b)を含む番号付き実施形態1~64のいずれかに記載の方法。
番号付き実施形態66.工程4-b)を含み、工程4-b)が、
-2MFR-bを濃縮すること、
-2MFR-bを乾燥すること、又は
-2MFR-bを濃縮することおよびその後の乾燥すること、
を伴う、番号付き実施形態1~65のいずれかに記載の方法。
番号付き実施形態67.乳脂質組成物が、粉末の形態である、番号付き実施形態1~66いずれかに記載の方法。
番号付き実施形態68.乳脂質組成物が、液体の形態である、番号付き実施形態1~67のいずれかに記載の方法。
番号付き実施形態69.好ましくは乳清に由来し、総脂質に対して4~12%w/wの量で総コレステロールを含み、かつ、
-全固形物質に対して10~60%w/wの量で総脂質、
-総脂質に対して少なくとも40%w/wの量でリン脂質、
-好ましくは、少なくとも2.0の総コレステロールとトランス脂肪酸の重量比、
-全固形物質に対して30~80%w/wの量で総タンパク質、及び
をさらに含有し、かつ
-総ALA、総BLGとCMPの合計が、総タンパク質の最大で70%w/wを構成する、乳脂質組成物。
番号付き実施形態70.総脂質に対して4.5~11%w/w、より好ましくは5.0~10%w/w、及び最も好ましくは5.5~8%w/wの量で総コレステロールを含む、番号付き実施形態69に記載の乳脂質組成物。
番号付き実施形態71.総脂質に対して5~12%w/w、より好ましくは6~12%w/w、及び最も好ましくは8~12%w/wの量で総コレステロールを含む、番号付き実施形態69に記載の乳脂質組成物。
番号付き実施形態72.全固形物質に対して10~60%w/w、より好ましくは14~50%w/w、及び最も好ましくは20~40%w/wの量で総脂質を含む、番号付き実施形態69~71のいずれかに記載の乳脂質組成物。
番号付き実施形態73.総脂質に対して少なくとも40%w/w、より好ましくは少なくとも44%w/wの量で、及び最も好ましくは総脂質に対して少なくとも46%w/wの量でリン脂質を含む、番号付き実施形態69~72のいずれかに記載の乳脂質組成物。
番号付き実施形態74.総脂質に対して40~70%w/wの量で、より好ましくは総脂質に対して42~60%w/wの量で、及び最も好ましくは総脂質に対して44~55%w/wの量でリン脂質を含む、番号付き実施形態69~73のいずれかに記載の乳脂質組成物。
番号付き実施形態75.総脂質に対して最大65%w/w、より好ましくは総脂質に対して最大60%w/w、さらにより好ましくは総脂質に対して最大56%w/wの量で、及び最も好ましくは総脂質に対して最大54%w/wの量でトリアシルグリセロール(TAG)を含む、番号付き実施形態69~74のいずれかに記載の乳脂質組成物。
番号付き実施形態76.総脂質に対して30~65%w/w、より好ましくは総脂質に対して40~60%w/wの量で、及び最も好ましくは総脂質に対して45~56%w/wの量でTAGを含む、番号付き実施形態69~75のいずれかに記載の乳脂質組成物。
番号付き実施形態77.少なくとも2.0、より好ましくは少なくとも2.4、さらにより好ましくは少なくとも2.6、及び最も好ましくは少なくとも2.7の総コレステロールとトランス脂肪酸の重量比を有する、番号付き実施形態69~76のいずれかに記載の乳脂質組成物。
番号付き実施形態78.全固形物質に対して少なくとも1.7%w/w、より好ましくは少なくとも2.0%w/w、さらにより好ましくは少なくとも2.4%w/wの量で、及び最も好ましくは全固形物質に対して少なくとも2.8%w/wの量でスフィンゴミエリンを含む、番号付き実施形態69~77のいずれかに記載の乳脂質組成物。
番号付き実施形態79.全固形物質に対して少なくとも2.0%w/w、より好ましくは少なくとも2.5%w/w、さらにより好ましくは少なくとも2.7%w/wの量で、及び最も好ましくは全固形物質に対して少なくとも3.0%w/wの量でスフィンゴミエリンを含む、番号付き実施形態69~78のいずれかに記載の乳脂質組成物。
番号付き実施形態80.全固形物質に対して1.7~6%w/w、より好ましくは2.0~5.5%w/w、さらにより好ましくは2.4~5%w/wの量で、及び最も好ましくは全固形物質に対して2.8~4%w/wの範囲の量でスフィンゴミエリンを含む、番号付き実施形態69~79のいずれかに記載の乳脂質組成物。
番号付き実施形態81.少なくとも180mg/100g固形物質、より好ましくは少なくとも200mg/100g固形物質、さらにより好ましくは少なくとも240mg/100g固形物質の量で、及び最も好ましくは少なくとも270mg/100g固形物質の量でガングリオシドGD3を含む、番号付き実施形態69~80のいずれかに記載の乳脂質組成物。
番号付き実施形態82.180~600mg/100g固形物質の量で含み、より好ましくは200~500mg/100g固形物質、さらにより好ましくは240~450mg/100g固形物質の量で、及び最も好ましくは270~400mg/100g固形物質の量でガングリオシドGD3を含む、番号付き実施形態69~81のいずれかに記載の乳脂質組成物。
番号付き実施形態83.全固形物質に対して40~75%w/w、より好ましくは50~75%w/w、及び最も好ましくは全固形物質に対して50~70%w/wの量で総タンパク質を含む、番号付き実施形態69~82のいずれかに記載の乳脂質組成物。
番号付き実施形態84.全固形物質に対して30~70%w/w、より好ましくは35~65%w/w、及び最も好ましくは全固形物質に対して40~60%w/wの量で総タンパク質を含む、番号付き実施形態69~83のいずれかに記載の乳脂質組成物。
番号付き実施形態85.全固形物質に対して40~80%w/w、より好ましくは50~80%w/w、及び最も好ましくは全固形物質に対して60~80%w/wの量で総タンパク質を含む、番号付き実施形態69~84のいずれかに記載の乳脂質組成物。
番号付き実施形態86.総ALA、総BLGとCMPの合計が、総タンパク質の最大で60%w/w、より好ましくは総タンパク質の最大で60%w/w、さらにより好ましくは最大で55%w/w及び最も好ましくは最大で50%w/wを構成する、番号付き実施形態69~85のいずれかに記載の乳脂質組成物。
番号付き実施形態87.CMPの含有量が、総タンパク質の最大で3.0%w/w、より好ましくは最大で2%w/w、さらにより好ましくは最大で1%w/w、及び最も好ましくは最大で0.1%w/wである、番号付き実施形態69~86のいずれかに記載の乳脂質組成物。
番号付き実施形態88.全固形物質に対する炭水化物の含有量が、最大で10%w/w、より好ましくは最大で5%w/w、さらにより好ましくは最大で2%w/w、及び最も好ましくは最大で0.5%w/wである、番号付き実施形態69~87のいずれかに記載の乳脂質組成物。
番号付き実施形態89.番号付き実施形態1~68の1以上に記載の方法により得られる、番号付き実施形態69~88のいずれかに記載の乳脂質組成物。
番号付き実施形態90.
-番号付き実施形態69~89のいずれかに記載の又は番号付き実施形態1~68の1以上に従って得られる乳脂質組成物、及び
-1以上の追加の食品成分、
を含む栄養組成物。
番号付き実施形態91.乳清に由来しない少なくとも1つの成分を含む、番号付き実施形態90に記載の栄養組成物。
番号付き実施形態92.栄養組成物が、乳児用調製粉乳、それ以降の調製粉乳、成長用調製粉乳である、番号付き実施形態90又は91のいずれかに記載の栄養組成物。
番号付き実施形態93.少なくとも50mg/100g全固形物質、より好ましくは少なくとも80mg/100g全固形物質、さらにより好ましくは少なくとも100mg/100g全固形物質、及び最も好ましくは少なくとも150mg/100g全固形物質の量で総コレステロールを含む、番号付き実施形態90~92のいずれかに記載の栄養組成物。
番号付き実施形態94.50~1000mg/100g全固形物質、より好ましくは80~800mg/100g全固形物質、さらにより好ましくは100~600mg/100g全固形物質、及び最も好ましくは150~500mg/100g全固形物質の量で総コレステロールを含む、番号付き実施形態90~93のいずれかに記載の栄養組成物。
番号付き実施形態95.少なくとも50mg/L、より好ましくは少なくとも80mg/L、さらにより好ましくは少なくとも100mg/L、及び最も好ましくは少なくとも150mg/Lの量で総コレステロールを含む、番号付き実施形態90~94のいずれかに記載の栄養組成物。
番号付き実施形態96.50~1000mg/L、より好ましくは80~800mg/L、さらにより好ましくは100~600mg/L、及び最も好ましくは150~500mg/Lの量で総コレステロールを含む、番号付き実施形態90~95のいずれかに記載の栄養組成物。
番号付き実施形態97.80~300mg/100g全固形物質、より好ましくは100~200mg/100g全固形物質、さらにより好ましくは120~200mg/100g全固形物質、及び最も好ましくは130~180mg/100g全固形物質の量で総コレステロールを含む、番号付き実施形態90~96のいずれかに記載の栄養組成物。
番号付き実施形態98.80~300mg/L、より好ましくは100~200mg/L、さらにより好ましくは120~200mg/L、及び最も好ましくは130~180mg/Lの量で総コレステロールを含む、番号付き実施形態90~97のいずれかに記載の栄養組成物。
番号付き実施形態99.乳脂質組成物が、栄養組成物の総コレステロールの少なくとも20%w/w、より好ましくは少なくとも40%w/w、さらにより好ましくは少なくとも60%w/w、及び最も好ましくは少なくとも80%w/wに寄与する、番号付き実施形態90~98のいずれかに記載の栄養組成物。
番号付き実施形態100.少なくとも2mg/100g全固形物質、より好ましくは少なくとも5mg/100g全固形物質、さらにより好ましくは少なくとも10mg/100g全固形物質、及び最も好ましくは少なくとも20mg/100g全固形物質の量でガングリオシドGD3を含む、番号付き実施形態90~99いずれかに記載の栄養組成物。
番号付き実施形態101.2~100mg/100g全固形物質、より好ましくは5~80mg/100g全固形物質、さらにより好ましくは10~50mg/100g全固形物質、及び最も好ましくは12~30mg/100g全固形物質の量でガングリオシドGD3を含む、番号付き実施形態90~100のいずれかに記載の栄養組成物。
番号付き実施形態102.2~50mg/100g全固形物質、より好ましくは4~30mg/100g全固形物質、さらにより好ましくは6~25mg/100g全固形物質、及び最も好ましくは8~18mg/100g全固形物質の量でガングリオシドGD3を含む、番号付き実施形態90~101のいずれかに記載の栄養組成物。
番号付き実施形態103.乳脂質組成物が、栄養組成物のガングリオシドGD3の少なくとも20%w/w、より好ましくは少なくとも40%w/w、さらにより好ましくは少なくとも60%w/w、及び最も好ましくは少なくとも80%w/wに寄与する、番号付き実施形態90~102のいずれかに記載の栄養組成物。
番号付き実施形態104.少なくとも25mg/100g全固形物質、より好ましくは少なくとも50mg/100g全固形物質、さらにより好ましくは少なくとも100mg/100g全固形物質、及び最も好ましくは少なくとも140mg/100g全固形物質の量でスフィンゴミエリンを含む、番号付き実施形態90~103のいずれかに記載の栄養組成物。
番号付き実施形態105.25~500mg/100g全固形物質、より好ましくは50~400mg/100g全固形物質、さらにより好ましくは100~300mg/100g全固形物質、及び最も好ましくは140~250mg/100g全固形物質の量でスフィンゴミエリンを含む、番号付き実施形態90~104のいずれかに記載の栄養組成物。
番号付き実施形態106.乳脂質組成物が、栄養組成物のスフィンゴミエリンの少なくとも20%w/w、より好ましくは少なくとも40%w/w、さらにより好ましくは少なくとも60%w/w、及び最も好ましくは少なくとも80%w/wに寄与する、番号付き実施形態90~105のいずれかに記載の栄養組成物。
番号付き実施形態107.少なくとも50mg/100g全固形物質、より好ましくは少なくとも100mg/100g全固形物質、さらにより好ましくは少なくとも300mg/100g全固形物質、及び最も好ましくは少なくとも500mg/100g全固形物質の量でPLを含む、番号付き実施形態90~106のいずれかに記載の栄養組成物。
番号付き実施形態108.50~2000mg/100g全固形物質、より好ましくは200~2000mg/100g全固形物質、さらにより好ましくは400~2000mg/100g全固形物質、及び最も好ましくは600~2000mg/100g全固形物質の量でPLを含む、番号付き実施形態90~107のいずれかに記載の栄養組成物。
番号付き実施形態109.乳脂質組成物が、栄養組成物のPLの少なくとも20%w/w、より好ましくは少なくとも40%w/w、さらにより好ましくは少なくとも60%w/w、及び最も好ましくは少なくとも80%w/wに寄与する、番号付き実施形態90~108のいずれかに記載の栄養組成物。
番号付き実施形態110.少なくとも100mg/100g全固形物質、より好ましくは少なくとも200mg/100g全固形物質、さらにより好ましくは少なくとも400mg/100g全固形物質、及び最も好ましくは少なくとも600mg/100g全固形物質の量でシアル酸を含む、番号付き実施形態90~109のいずれかに記載の栄養組成物。
番号付き実施形態111.100~2000mg/100g全固形物質、より好ましくは200~1800mg/100g全固形物質、さらにより好ましくは400~1500mg/100g全固形物質、及び最も好ましくは600~1300mg/100g全固形物質の量でシアル酸を含む、番号付き実施形態90~110のいずれかに記載の栄養組成物。
番号付き実施形態112.少なくとも2.0、より好ましくは少なくとも2.4、さらにより好ましくは少なくとも2.6、及び最も好ましくは少なくとも2.7の総コレステロールとトランス脂肪酸の重量比を有する、番号付き実施形態90~111のいずれかに記載の栄養組成物。
番号付き実施形態113.5~40g/100g、より好ましくは7~30g/100g、さらにより好ましくは9~20g/100g、及び最も好ましくは11~15g/100gの量で全固形物質を含む、番号付き実施形態90~112のいずれかに記載の栄養組成物。
番号付き実施形態114.90~99g/100g、より好ましくは91~98g/100g、さらにより好ましくは92~97g/100g、及び最も好ましくは93~96g/100gの量で全固形物質を含む、番号付き実施形態90~113のいずれかに記載の栄養組成物。
番号付き実施形態115.少なくとも0.1g/100g全固形物質、より好ましくは少なくとも0.5g/100g全固形物質、さらにより好ましくは少なくとも2g/100g全固形物質、及び最も好ましくは少なくとも3g/100g全固形物質の量で、番号付き実施形態69~89のいずれかに記載の又は番号付き実施形態1~68の1以上に従って得られる乳脂質組成物を含む、番号付き実施形態90~114のいずれかに記載の栄養組成物。
番号付き実施形態116.0.1~20g/100g全固形物質、より好ましくは0.5~15g/100g全固形物質、さらにより好ましくは2~10g/100g全固形物質、及び最も好ましくは3~8g/100g全固形物質の量で、番号付き実施形態69~89のいずれかに記載の又は番号付き実施形態1~68の1以上に従って得られる乳脂質組成物を含む、番号付き実施形態90~115のいずれかに記載の栄養組成物。
番号付き実施形態117.
i)番号付き実施形態69~89のいずれかに記載の又は番号付き実施形態1~68の1以上に従って得られる乳脂質組成物を提供する工程、
ii)乳脂質組成物を1以上の追加の食品成分と組み合わせるおよび、必要に応じて、その組み合わせをさらに処理する工程、
を含む栄養組成物を生産する方法。
番号付き実施形態118.栄養製品、好ましくは乳児用調製粉乳の生産における、番号付き実施形態69~89のいずれかに記載の又は番号付き実施形態1~68の1以上に従って得られる乳脂質組成物の使用、及び好ましくは
栄養組成物の -コレステロール、
-リン脂質
-スフィンゴミエリン、及び
-ガングリオシド
の1以上の含有量を増加させるための、又は
-好ましくは総コレステロール、総脂質若しくは総リン脂質に対して、トランス脂肪酸の含有量を減少させるための、
乳脂質組成物の使用。
特定の実施形態を参照して本発明を上で説明してきた。しかし、上記以外の他の実施形態も本発明の範囲内で同様に可能である。本発明の様々な実施形態及び態様の異なる特徴並びに工程を、別段の記載がない限り、本明細書に記載されるもの以外の方法で組み合わせてもよい。
実施例
実施例1:乳脂質組成物の調製
この実施例は、本発明の方法を用いる新規乳脂質組成物の生産を説明する。
材料と方法:
脱脂粉乳を、限外濾過と蒸発の組み合わせにより、4.5%のタンパク質と0.08~0.11%の脂肪に濃縮した。酸性乳清を、「乳製品加工ハンドブック(Dairy Processing Handbook)」、Tetra Pak、第20章、3~5ページに記載されるように、HClを使用する脱脂粉乳のミネラル酸性化によって生産した。ミネラル、NPN(非タンパク質窒素)及びラクトースの大部分を、TS(全固形物質)の72%タンパク質へと限外濾過により薄い乳清から除去した。限外濾過後の酸性乳清の組成は、表1に見出される。
表1:限外濾過後の酸性乳清の組成
Figure 2023552302000002
さらなる処理の前に、酸性乳清を、23.3%TSから9%TSの濃度に希釈し、その後2/3NaOH(Brand)及び1/3KOH(Brand)でpH6.5にpH調整した。精密濾過を、供給圧力2バール、透過圧力2.25バールにてTAMI 0.45μm ISOFLUX(商標)23チャンネルメンブレンを使用して行った。400%透析濾過(開始供給量に基づいて計算)を、透析濾過媒体として逆浸透濾過水(最大0.05mS/cmの導電率を得るために逆浸透によって濾過された水、)を使用して行った。精密濾過中の供給物及び残留物の温度は、約10℃であった。透析濾過を行った後、残留物の最終濃縮工程を行って、残留物中のTS濃縮を増加させた。精密濾過からの透過液の組成は、表2に見出される。
表2:0.45μm精密濾過からの透過液の組成
Figure 2023552302000003
最初の精密濾過からの透過液を回収し、TAMI 0.20μm ISOFLUX(商標)23チャネルメンブレンを使用して行う2回目の精密濾過の供給物として使用した。2回目の精密濾過を、300%の透析濾過を行ったことのみを除き、最初の精密濾過と同じ実施設定で行った。またここでも、最終濃縮工程を、残留物中のTS濃度を増加させるために透析濾過後に含めた。0.20μm精密濾過からの残留物の組成は、表3に見出される。
表3:0.20μm精密濾過からの残留物の組成
Figure 2023552302000004
最終残留物を、凍結乾燥により乾燥させた。
結果:
生産された粉末(乳脂質組成物)は、表4に記載の組成を有した。
表4:乳脂質組成物の組成
Figure 2023552302000005
粉末は、白~黄の色を有し、均一性が高く、異臭や風味はなかった。
様々なプロセスストリームの粒子モードサイズを、実験中に測定し、それらは以下であることが判明した。
Figure 2023552302000006
「粒子モードサイズ」を、Jeppesenら、J Extracell Vesicles.2014 Nov 6;3:25011.doi:10.3402/jev.v3.25011によるナノ粒子追跡分析(NTA)によって測定した。より具体的には、試料を、リン酸緩衝生理食塩水(PBS、Sigma)で適切な濃度に希釈して、NTAにより最適な特性評価を得た。異なる試料の3つの個別のビデオを、60秒間記録し、そこからサイズと濃度を、カメラレベル11と検出しきい値2の同じ設定を使用して測定した。いずれの試料にも濾過又は遠心分離を適用しなかった。
結論:
新規乳脂質組成物が、溶媒抽出を適用しなかったにもかかわらず驚くほど高いリン脂質濃度を有して、出発原料として脱脂粉乳から生産された。
それどころか、本方法は、穏やかな膜分画に基づき、したがって同等の先行技術の方法よりも天然形態で本発明の乳脂質組成物を提供した。
本発明者らは、さらに高いリン脂質濃度が、
-2回目の精密濾過工程中にさらに多くの天然タンパク質を除去すること、
-脱脂粉乳のスキミング中にさらに多くの脂肪を除去すること、かつ/又は
-脱脂粉乳及びその後の酸性乳清の生産中のタンパク質の熱変性レベルを低下させる
こと
によって達成できるという徴候を見た。
実施例2:乳脂質組成の特性評価
この実施例は、タンパク質組成及び脂質組成に関する乳脂質組成の詳細な特徴付けを説明する。
材料と方法:
実施例1に従って生産した新規乳脂質組成物を、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)、逆相HPLC(RP-HPLC)、リン脂質のクラス分布及び定量化、コレステロール定量化及びガングリオシド定量化によって特徴付けた。
SEC分析のために、試料を、1mg/mLのタンパク質の濃度へと、95mMのβ-メルカプトエタノールの添加により移動相(6Mの塩酸グアニジニウムpH7.5)中で可溶化し、0.22μmシリンジフィルターで濾過した。50μLの試料を、HPLCポンプコントローラーモジュールII(Waters)、オートサンプラー717(Waters)及びWaters2487 Dualλ吸光度検出器を搭載したマニュアルシール洗浄(manual seal wash)(Waters)を有するHPLCポンプ515で、2本のTSK-GEL G3000SWXL(7.8×300mm,P/N:08541)カラムに周囲温度でロードした。試料を、6Mの塩酸グアニジニウムpH7.5の移動相で、流速0.5mL/分で分離した。
タンパク質を、280nmで検出し、タンパク質濃度を、アルファ-ラクトアルブミン(ALA)(Sigma-Aldrich,L6010、純度85%超)とベータ-ラクトグロブリン(BLG)(Sigma-Aldrich,L0130、純度90%超)の両方の外部検量線に基づき計算した。外部検量線と試料の濃度を、それらが直線範囲内にありかつ定量限界を超えるように選択する。
RP-HPLC分析では、試料を、2mg/mLのタンパク質の濃度へとMQ水中で可溶化し、0.22μmシリンジフィルターで濾過した。25μLの試料を、Waters2487 Dualλ吸光度検出器を搭載したWaters Alliance e2695分離モジュールにて40℃で逆相C4カラム(Jupiter(登録商標)5μm C4 300Å 250mm×4.6mm,Phenomenex)にロードした。試料を、1mL/分の流速で、かつ表5で示される溶出の勾配で分離した。
表5:RP-HPLC溶出勾配
Figure 2023552302000007
タンパク質を、214nmで検出し、タンパク質濃度を、アルファ-ラクトアルブミン(ALA)(Sigma-Aldrich,L6010、純度85%超)、ベータ-ラクトグロブリン(BLG)(Sigma-Aldrich,L0130、純度90%超)とカゼイノマクロペプチド(CMP)(内部生成標準物質、D430254)の両方の外部検量線に基づいき計算した。外部検量線と試料の濃度を、それらが直線範囲内にありかつ定量限界を超えるように選択する。
リン脂質分布を、SAA-MET002-04に従って定量的31P-NMR分光法で分析した。
コレステロールの定量(遊離コレステロールとコレステロールエステルの両方を含む総コレステロール)を、鹸化の後、ブチルメチルエーテルによるコレステロール抽出、およびその後GC-FID(RTU45)により決定されるシリル化を行うことにより行った。
ガングリオシドの定量を、Bertram Fong,Carmen Norris,Paul McJarrow,(2011)、乳製品中のGD3ガングリオシドの液体クロマトグラフィー-高分解能静電イオントラップ質量分光分析(Liquid chromatography -high resolution electrostatic ion-trap mass spectrometric analysis of GD3 ganglioside in dairy products),International Dairy Journal 21(2011)42-47に従って行った。
総トランス脂肪酸の定量を、アルカリ(RG)又は酸(SBR)処理後に、ジエチルエーテルと石油エーテルの混合物による脂肪抽出により行った。脂肪酸の鹸化を、水酸化ナトリウム/メタノール溶液中での加熱の後、メタノール中の三フッ化ホウ素によるメチル化により行った。メチルエステルをヘプタンにより抽出し、GC-FID(DHF81)により測定した。
結果:
ALAとBLGの総濃度(SECにより測定)、天然ALA、BLGとCMPの濃度(RP-HPLCにより測定)、リン脂質濃度、コレステロール濃度、ガングリオシドGD濃度及び総トランス脂肪酸濃度は、表6に見出される。
表6 新規乳脂質組成物の選択された成分の含有量。さらなる詳細は表4で提供される。
Figure 2023552302000008
総ALA濃度と天然ALA濃度の差は、凝集したALAの量を与え、同様に総BLG濃度と天然BLG濃度の差は、凝集したBLGの量を与える。試料中の凝集したALAとBLGの量は、それぞれ試料の0.7%と試料の3.4%で驚くほど低かった。
結論:
実施例2に従って生産された新規乳脂質組成物は、リン脂質、コレステロール及びガングリオシドGDの驚くほど高い含有量を有した。さらに、凝集乳清タンパク質(特にALA及びBLG)とトランス脂肪酸の含有量は、驚くほど低かった。
実施例3:新規乳脂質組成物を含有するヒト化乳児用調製粉乳
この実施例は、
-新規乳脂質組成物を含有する乳児用調製粉乳の生産、
-従来技術の乳脂質組成と比較した利点
を説明する。
乳脂質組成物は、コレステロール、ガングリオシド及びリン脂質(スフィンゴミエリンを含む)のその高い含有量、一方でトランス脂肪酸の低いレベル、乳清タンパク質の低下されたレベル(例えば、CGMPの不在による)のため、コレステロール、ガングリオシド、及びスフィンゴミエリンの豊富な供給源として使用できる。これは、乳脂質組成物成分中で提供されるトランス脂肪酸及び乳清タンパク質を同時に上昇させることなく、ヒト化レベルのコレステロール、ガングリオシド及びスフィンゴミエリンを有する乳児用調製粉乳の処方を可能にする。全ての処方は、特に明記されない限り、乳児用調製粉乳の組成要件に関するEU規則に準拠する。
材料と方法:
3種の粉末状の乳児用調製粉乳(IF)を、表7に記載の成分を混合することにより調製する。乳児用調製粉乳1)(IF1)は、基準IFであり、主なリン脂質/コレステロール源としてLacprodan(登録商標)MFGM-10を含有する。(IF1)の全乾燥物の4.7%は、Lac-prodan(登録商標)MFGM-10に由来する。IF2及びIF3は、本発明による栄養組成物であり、主なリン脂質/コレステロール源として実施例1で調製される新規乳脂質組成物(NML)を含有する。IF2は、IF1で使用したLacprodan(登録商標)MFGM-10と同じ用量で新規乳脂質成分を含有する。IF3は、IF1でのLacprodan(登録商標)MFGM-10と同じ総リン脂質寄与を提供する量で新規乳脂質組成物を含有する。
粉末状の乳児用調製粉乳の選択された栄養源の含有量を、表8に示す。表7の粉末に基づくすぐに飲める乳児用調製粉乳の選択された栄養素の含有量を、表9に示す。
表7 市販成分Lacprodan(登録商標)MFGM-10を含む乳児用調製粉乳(IF1)と比較した新規乳脂質組成物(NML)を含む乳児用調製粉乳(IF2及びIF3)
Figure 2023552302000009
表8 表7の粉末乳児用調製粉乳の栄養素含有量
Figure 2023552302000010
表9 表7の粉末調製粉乳に基づく乳児のすぐに飲める乳児用調製粉乳の(1000mLの液体IFあたりの)栄養素含有量;129gの粉末を水に溶解して、1000mLの液量に達した。異なる変形を示す:1)Lacprodan(登録商標)MFGM-10を使用して処方したIF中のレベル(総DMの4.7%がLacprodan(登録商標)MFGM-10に由来する)、2)使用量がLacprodan(登録商標)MFGM-10に示されるのと同じDM含有量である、新規乳脂質成分の処方でのIF中のレベル、3)使用量がLacprodan(登録商標)MFGM-10からのリン脂質寄与のものに正規化される、新規乳脂質成分の処方でのIF中のレベル。WPC80もリン脂質含有量に寄与し、かつA)及びC)では異なる用量であるため、2種類のIFにおけるリン脂質含有量は、同一ではない。
Figure 2023552302000011
結果と考察:
ヒトの乳のコレステロールレベルは、9.7~20.0mg/100mLの範囲にあり(参考文献1及び2)、一方で牛の乳児用調製粉乳コレステロールレベルは、1.5~5.1mg/100mLの範囲にある(参考文献3)。これらのうち、ウシの乳脂肪球膜(MFGM)を添加していない乳児用調製粉乳は、1.5~2.6の範囲にある(参考文献3)。新規乳脂質組成物の添加は、最大で8.8mg/100mLのコレステロール上昇を可能にする。このレベルは、例えば、Lacprodan(登録商標)MFGM-10などのコレステロールに富む市販成分の同じ乾燥物を使用する処方により到達できるレベルを超える(表9参照)。
動物性コレステロールの添加は、クリーム又は無水乳脂肪(AMF)などの他の乳成分源によっても提供され得る(表10参照)。
表10 新規乳脂質組成物を含む異なる乳成分中の総コレステロール及びトランス脂肪酸の含有量
Figure 2023552302000012
表11 最終調製粉乳における各成分からのトランス脂肪寄与を含む、ヒトの乳のコレステロールレベル(9mg/100mL)に達するのに必要とされる異なる乳脂質組成の用量。クリームとAMFに必要とされる用量は、乳児用調製粉乳の要件に関するEU規則に違反する。
Figure 2023552302000013
しかし、これらの供給源からのコレステロールの添加は同時に、トランス脂肪酸の含有量を増加させ、それはヒト乳脂肪中よりもウシ乳脂肪中でより高い。乳児用調製粉乳中のトランス脂肪酸の含有量は、総脂肪酸の最大で3%に制限される(EU規制EC 127/2016)。乳児のトランス脂肪酸の消費は、トランス脂肪酸の消費時の冠状動脈性心臓病及び2型糖尿病のリスクの増加に関連する有害な健康リスクのため制限される。新規乳脂質組成物の使用はしたがって、トランス脂肪酸含有量の同時増加を伴わずに、乳児用調製粉乳中のコレステロールの増加を可能にする。
処方をまた、モデル乳児用調製粉乳中で9mg/100mLのコレステロールレベルに達するように行った(表11及び表12参照)。この濃度は、ヒトの乳の範囲内である。
表12 ヒトの乳のコレステロールレベルに達するための代表的な処方及びモデル乳児用調製粉乳中の栄養素含有量。SMP(7mg/100g粉末)からのコレステロール寄与が、計算に含まれている。処方のソフトウェアの法的制限により、AMFで処方することはできなかった。太字の値は、EU規制に違反している。
Figure 2023552302000014
ヒト化コレステロールレベルは、Lacprodan(登録商標)MFGM-10及び新規乳脂質処方により到達することが可能である。しかし、必要とされるLacprodan(登録商標)MFGM-10の用量は、乳児用調製粉乳の最大法定制限に達するモデル乳児用調製粉乳中の高タンパク質含有量(2.5g/100kcal)をもたらす。したがって、そのような補充はタンパク質含有量を最大法定制限(2.5gタンパク質/100kcal)を超過させるため、改善された乳児の発達のために追加の機能性タンパク質をMFGM-10ベースのIF変形に補充することはできない。しかし、NML変形にはまだ、追加の機能性タンパク質の余地がある。
ヒトの乳のコレステロールレベルを達成するためにクリーム粉末を使用することは、トランス脂肪酸の含有量に関する乳児用調製粉乳のEU規則に違反する。また、必要とされるクリーム用量は、IF中の法定総脂肪含有量と供給源を構成する。これは問題であり、理由は、必須脂肪酸、特にリノール酸(C18:2及びC18:3)のEU規則含有量は、それらが主に植物油に由来するため、動物性脂肪のみで到達することはほぼ不可能であるからである。
ヒトの乳のレベルに達するために、コレステロール源として、99%の脂肪からなるAMFを適用することは、IF(最大で31gの脂肪/100gのIF粉末)中の脂肪とエネルギー含有量に関するEU規則を超える。したがって、乳児用調製粉乳中のヒト化コレステロールレベルを達成するために、クリーム又はAMFを合法的に適用することは不可能である。
乳児の母乳育児は、後年の血中コレステロールの低下と関連し(参考文献4)、乳児期のより高いコレステロールレベルとLDL-コレステロールレベルは、後年の最適な認知発達と脂質代謝のプログラミングに必要であると主張されている(参考文献6)。まとめると、トランス脂肪酸レベルの同時上昇を伴わずに、乳児用調製粉乳中のコレステロールを増加させることが望ましい。
ヒトの乳のガングリオシドGD3は、初乳中の20.3mg/L~12ヶ月のヒトの乳中の2.8mg/Lの範囲にあり(参考文献10)、一方でウシ乳児用調製粉乳ガングリオシドレベルは、0.27~6.0mg/Lの範囲であり、GD3が主なガングリオシドである(参考文献9)。乳児用調製粉乳中への新規乳脂質組成物の添加は、最大で17.8mg/LにGD3レベルを上昇させることができ(表9参照)、これは、ヒトの乳に見られる高レベルと類似する。
乳児の母乳育児は、乳児用調製粉乳で育てられた乳児と比較して改善された認知発達と関連付けられる。この違いは、ウシの乳児用調製粉乳中ではあまり豊富でないヒトの母乳中で提供される食事由来のガングリオシドのレベルにより部分的に説明されている(参考文献8)。ガングリオシドは、特に脳がまだ成長している出生後初期に、認知機能に良い影響を与えると考えられる。乳児用調製粉乳中の新規乳脂質組成物の含有は、最大で17.8mg/Lのガングリオシドの上昇を可能にする。
食事由来のスフィンゴミエリンは、乳児の発達中の脳の髄鞘形成及び認知発達にとって非常に重要なリン脂質種である。スフィンゴミエリン(SM)は、最も豊富なリン脂質種の1つであり、ヒト母乳中で8.2~16.5mg/100mLの範囲のレベルを有する(参考文献7)。ウシ乳児用調製粉乳では、最も豊富なリン脂質種は、ホスファチジルエタノールアミン(PE)であり、SMがそれに続く。SMのレベルは、コレステロール含有成分(MFGM)を添加しない乳児用調製粉乳中で6.01~9.9mg/100mLの範囲であり、MFGMを添加した場合12.5~13.7mg/100mLである(参考文献7)。新規乳組成物の添加は、既知のコレステロール含有成分と同じDM含有量を使用する場合、最大で20.9mg/100mLのSM濃縮を可能にする。
結論:
まとめると、本発明は、乳清タンパク質及びトランス脂肪酸の添加を同時に増加させることなくコレステロール、ガングリオシド、及びスフィンゴミエリンのレベルを増加させる、乳脂質組成物を含む乳児及び/又は幼児用の栄養組成物に関する。乳児及び/又は幼児用の栄養溶液における乳脂質組成物の使用は、認知発達の改善及び代謝プログラミングに関係する成分に関して乳児用調製粉乳をヒト用にし、そのためヒト母乳の組成物により近い乳児用調製粉乳の組成及び利点をもたらすための工程を代表する。
実施例4:クリーム粉末による植物油の部分的置換の影響
例えばクリーム粉末などの乳脂肪による植物油の部分的置換により植物油ベースのIFを改質する影響を調べるために、IFの4つの粉末処方物(IF4~7)を、調査した。
4つのIFは、表13に記載の成分を混合することによって調製できる。IF4及びIF5は、実施例1及びWPC80で調製される新規乳脂質組成物(NML)を含有し、IF5は、IF4の植物油の一部を部分的に置き換えたクリーム粉末をさらに含有する。IF6及びIF7は、NMLが追加のWPC80で置き換えられていること以外はIF4及びIF5に似ている。
粉末化乳児用調製粉乳の選択された栄養成分の含有量も、表13に示す(成分の栄養組成物の計算に基づく)。
表13 クリーム粉末由来の脂肪による植物油の部分的置換による乳児用調製粉乳の増加するコレステロール含有量の影響、及び本発明による乳脂質組成物により80%乳清タンパク質(WPC80)を含有する標準乳清タンパク質濃縮物を部分的に置き換える影響を示す、4つのモデルの乳児用調製粉乳の処方及び栄養素含有量。IF6及びIF7は、WPC80を含有するが、実施例1から得られる新規乳脂質組成物(NML)を含まず、一方でIF4及びIF5は、NMLとWPC80の両方を含有する。N.D.=未決定。
Figure 2023552302000015
本発明者らはさらに、JPH 0 530903 Aのバターセラム生産物(JPH 0 530903 Aの表1の試料B)をIF4中でNMLの代わりに用いた場合、わずか約0.5の総コレステロールとトランス脂肪酸の重量比が得られたであろうと推定した。
結論:
この実施例は、クリーム粉末による植物油の部分的置換でも乳児用調製粉乳中の増加されたコレステロール含有量をもたらす一方で、トランス脂肪酸の含有量もまた、本質的に増加することを示す。なぜならトランス脂肪酸は、クリーム及び、クリーム又はクリームの相転からのサイドストリーム由来の他の脂質画分の一部を形成するからである。これは、例えば、バターセラム由来の生成物であるLacprodan(登録商標)PL-20がわずか0.44のコレステロール:トランス脂肪酸比を有するとを示される、実施例3の表10に例示される。
参考文献
Figure 2023552302000016

Claims (18)

  1. 総脂質に対し4~12%w/wの量で総コレステロールを含みかつ全固形物質に対し10~60%w/wの量で総脂質を含む乳脂質組成物を調製する方法であって、
    1)哺乳動物の乳から乳清を提供する、および必要に応じて、
    -0.8ミクロンより大きい粒子の除去、
    -濃縮、
    -希釈、及び
    -3~8の範囲のpHを得るためのpH調整、
    の1以上の工程に前記乳清を供する、それにより3~8の範囲のpHを有する液体供給物を提供する工程、
    2-a)第1の精密濾過工程(1MF-a)に前記液体供給物を供するそれにより第1のMF残留物(1MFR-a)及び第1のMF透過液(1MFP-a)を提供する工程であって、1MF-aが好ましくは、少なくとも200nmの粒子モードサイズを有する1MFR-a及び/又は最大で190nmの粒子モードサイズを有する1MFP-aを提供するように操作される、工程、
    3-a)第2のMF残留物(2MFR-a)及び第2のMF透過液(2MFP-a)を提供するために第2のMF工程(2MF-a)に前記1MFP-a又はその濃縮物若しくは希釈液を供する工程であって、より大きな流体力学的直径の粒子が、2MF-aの間よりも1MF-aの間に前記透過液に移行され、かつ2MF-aが好ましくは、少なくとも165nmの粒子モードサイズを有する2MFR-a及び/又は165nm未満の粒子モードサイズを有する2MFP-aを提供するように操作される、工程、
    4-a)必要に応じて、前記2MFR-aを濃縮するかつ/又は乾燥させる工程、
    を含み、かつ
    好ましくは、1MF-a及び2MF-aの間に使用される前記MF膜及び条件が、総タンパク質に対し最大で40%の天然BLGの含有量を有する2MFR-aを提供し、
    かつ前記乳脂質組成物が、前記2MFR-aである又は、工程4-a)が使用されるならば、工程4-a)から生じる濃縮物又は乾燥された生産物である、方法。
  2. 総脂質に対し4~12%w/wの量で総コレステロールを含みかつ全固形物質に対し10~60%w/wの量で総脂質を含む乳脂質組成物を調製する方法であって、
    1)哺乳動物の乳から乳清を提供する、および必要に応じて、
    -0.8ミクロンより大きい粒子の除去、
    -濃縮、
    -希釈、及び
    -3~8の範囲のpHを得るためのpH調整、
    の1以上の工程に前記乳清を供する、それにより3~8の範囲のpHを有する液体供給物を提供する工程、
    2-b)第1の精密濾過工程(1MF-b)に前記液体供給物を供するそれにより第1のMF残留物(1MFR-b)及び第1のMF透過液(1MFP-b)を提供する工程であって、1MF-bが好ましくは、少なくとも150nmの粒子モードサイズを有する1MFR-b及び/又は200nm未満の粒子モードサイズを有する1MFP-bを提供するように操作される、工程、
    3-b)第2のMF残留物(2MFR-b)及び第2のMF透過液(2MFP-b)を提供するために第2のMF工程(2MF-b)に前記1MFR-b又はその濃縮物若しくは希釈液を供する工程であって、かつより大きな流体力学的直径の粒子が、1MF-bの間よりも2MF-bの間に前記透過液に移行され、かつ2MF-bが好ましくは、少なくとも200nmの粒子モードサイズを有する2MFR-b及び/又は最大で300nmの粒子モードサイズを有する2MFP-bを提供するように操作される、工程、
    4-b)必要に応じて、前記2MFR-bを濃縮するかつ/又は乾燥させる工程、
    を含み、かつ
    好ましくは、1MF-b及び2MF-bの間に使用される前記MF膜及び条件が、総タンパク質に対し最大40%の天然BLGの含有量を有する2MFP-bを提供し、
    かつ前記乳脂質組成物が、2MFP-bである又は、工程4-b)が使用されるならば、工程4-b)から生じる濃縮物又は乾燥された生産物である、方法。
  3. 前記哺乳動物の乳が、最大で1%w/w、より好ましくは最大で0.5%w/w、さらにより好ましくは最大で0.10%w/wかつ最も好ましくは最大で0.08%w/wの総脂質含有量を有する、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 1MF-aが、少なくとも200nm、より好ましくは少なくとも205nm、さらにより好ましくは少なくとも210nm、及び最も好ましくは少なくとも215nmの粒子モードサイズを有する1MFR-aを提供するように操作され、かつ/又は
    1MF-aが、最大で190nm、より好ましくは最大で185nm、さらにより好ましくは最大で180nm、及び最も好ましくは最大で170nmの粒子モードサイズを有する1MFP-aを提供するように操作される、
    請求項1~3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記1MF-aが、好ましくは前記液体供給物の体積に対し少なくとも100%vol/vol、より好ましくは少なくとも200%vol/vol、さらにより好ましくは少なくとも300%vol/vol、及び最も好ましくは少なくとも400%vol/volの量で希釈液を使用して、透析濾過により実施される、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
  6. 1MF-aが、
    -前記液体供給物の総脂質の50~95%w/w、より好ましくは55~90%w/w、さらにより好ましくは60~85%w/w、及び最も好ましくは65~80%w/wが、前記1MFP-aにおいて回収されている、
    -前記液体供給物の全PLの少なくとも60%、より好ましくは少なくとも65%w/w、さらにより好ましくは少なくとも70%w/w、及び最も好ましくは少なくとも75%w/wが、前記1MFP-aにおいて回収されている、
    かつ/又は
    -前記液体供給物の天然BLGの少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%w/w、さらにより好ましくは少なくとも97%w/w、及び最も好ましくは少なくとも98%w/wが、前記1MFP-aにおいて回収されている
    の1以上により特徴付けられる1MFP-aを得るために行われる、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
  7. -2MF-aが、少なくとも165nm、より好ましくは少なくとも170nm、さらにより好ましくは少なくとも175nm、及び最も好ましくは少なくとも180nmの粒子モードサイズを有する2MFR-aを提供するように操作され、
    かつ/又は
    -2MF-aが、165nm未満、より好ましくは最大で160nm、さらにより好ましくは最大で155nm、及び最も好ましくは最大で150nmの粒子モードサイズを有する2MFP-aを提供するように操作される、
    請求項1~6のいずれかに記載の方法。
  8. 2MF-aが、
    -前記1MFP-aの総脂質の30~99%w/w、より好ましくは40~98%w/w、さらにより好ましくは45~97%w/w、及び最も好ましくは50~95%w/wが、前記2MFR-aにおいて回収されている、
    -前記1MFP-aの全PLの30~99%w/w、より好ましくは40~98%w/w、さらにより好ましくは45~97%w/w、及び最も好ましくは50~95%w/wが、前記2MFR-aにおいて回収されている、かつ/又は
    -前記1MFP-aの天然BLGの0~20%、より好ましくは0.5~15%w/w、さらにより好ましくは1~10%w/w、及び最も好ましくは2~5%w/wが、2MFR-aにおいて回収されている、
    の1以上により特徴付けられる2MFR-aを得るために行われる、請求項1~7のいずれかに記載の方法。
  9. 工程4-a)を含み、かつ工程4-a)が、
    -前記2MFR-aを濃縮すること
    -前記2MFR-aを乾燥すること、又は
    -前記2MFR-aを濃縮することおよびその後に乾燥すること
    を伴う、請求項1~8のいずれかに記載の方法。
  10. 好ましくは乳清に由来し、総脂質に対し4~12%w/wの量で総コレステロールを含み、かつ
    -全固形物質に対し10~60%w/wの量で総脂質、
    -総脂質に対し少なくとも40%w/wの量でリン脂質、
    -少なくとも2.0の総コレステロールとトランス脂肪酸の重量比、
    -全固形物質に対し30~80%w/wの量で総タンパク質、
    をさらに含有し、かつ
    -総ALA、総BLGとCMPの合計が、総タンパク質の最大で70%w/wを構成する、
    乳脂質組成物。
  11. 少なくとも2.2、より好ましくは少なくとも2.4、さらにより好ましくは少なくとも2.6、及び最も好ましくは少なくとも2.7の総コレステロールとトランス脂肪酸の重量比を有する、請求項10に記載の乳脂質組成物。
  12. -請求項10若しくは11に記載の又は請求項1~9の1以上に従い得られる乳脂質組成物であって、前記栄養組成物の総コレステロールの少なくとも20%w/wに寄与する乳脂質組成物、及び
    -1以上の追加の食品成分、
    を含む栄養組成物であって、
    少なくとも10mg/100g全固形物質、より好ましくは少なくとも50mg/100g全固形物質、より好ましくは少なくとも80mg/100g全固形物質、さらにより好ましくは少なくとも100mg/100g全固形物質、及び最も好ましくは少なくとも150mg/100g全固形物質の量で総コレステロールを含み、かつ
    少なくとも2.0の総コレステロールとトランス脂肪酸の重量比を有する、
    栄養組成物。
  13. 乳清に由来しない少なくとも1種の成分を含む、請求項12に記載の栄養組成物。
  14. 10~1000mg/100g全固形物質、より好ましくは50~800mg/100g全固形物質、より好ましくは80~800mg/100g全固形物質、さらにより好ましくは100~600mg/100g全固形物質、及び最も好ましくは150~500mg/100g全固形物質の量で総コレステロールを含む、請求項12又は13に記載の栄養組成物。
  15. 乳児用調製粉乳、それ以降の調製粉乳、成長用調製粉乳である、請求項12~14のいずれかに記載の栄養組成物。
  16. 前記乳脂質組成物が、前記栄養組成物の総コレステロールの少なくとも40%w/w、より好ましくは少なくとも60%w/w、及び最も好ましくは少なくとも80%w/wに寄与する、請求項12~15のいずれかに記載の栄養組成物。
  17. 少なくとも2.2、より好ましくは少なくとも2.4、さらにより好ましくは少なくとも2.6、及び最も好ましくは少なくとも2.7の総コレステロールとトランス脂肪酸の重量比を有する、請求項12~16のいずれかに記載の栄養組成物。
  18. 栄養製品、好ましくは乳児用調製粉乳の生産における請求項10~11のいずれかに記載の又は請求項1~9の1以上に従って得られる乳脂質組成物の使用、並びに好ましくは、
    前記栄養組成物の -コレステロール
    -リン脂質
    -スフィンゴミエリン、及び
    -ガングリオシド、
    の1以上の含有量を増加させる、又は
    -好ましくは総コレステロール、総脂質若しくは総リン脂質に対し、トランス脂肪酸の含有量を減少させる、
    ための乳脂質組成物の使用。
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