JP2023552084A - 膵臓オルガノイド培養及び移植のための脱細胞膵臓組織由来支持体及びその製造方法 - Google Patents

膵臓オルガノイド培養及び移植のための脱細胞膵臓組織由来支持体及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、脱細胞膵臓組織(Pancreas Extracellular Matrix; PEM)を利用した膵臓オルガノイド培養及び移植用支持体に関する。【選択図】図1

Description

本発明は、膵臓オルガノイド培養及び移植のための脱細胞膵臓組織由来支持体及びその製造方法に関する。
最近脚光を浴びているオルガノイドは、新薬スクリーニング、薬物毒性評価、疾患モデリング、細胞治療剤、組織工学など様々な臨床的適用が可能な組織類似体であり、全世界的に急激に成長している技術である。オルガノイドは、3次元構造体内に人体の特定の臓器及び組織を構成する様々な細胞からなっているだけでなく、それらの間の複合的な相互作用を具現できるため、単なる細胞株モデルや動物モデルのような既存に主に利用されていた薬物評価モデルと比べて遥かに正確な体外モデルプラットフォームとして適用可能である。
膵臓の他にも臓器別に様々なオルガノイドの種類が存在するが、これを研究する世界中の数多くの研究チームにおいて現在まで、オルガノイドを培養するために培養支持体として共通してマトリゲル(Matrigel)製品を利用している。しかし、マトリゲルはマウスの肉腫癌組織から抽出した成分であるため、製品の品質を均一に維持することが難しく、高価であり、動物由来の感染菌及びウイルス転移など安全性の面で問題があるので、オルガノイド培養システムとしてのマトリゲルは、解決しなければならない多くの問題点を有している。特に、癌組織由来の素材として特定組織オルガノイドを培養するために必要な最適の組織特異的微小環境を提供してくれない。マトリゲルを代替するための高分子ベースのハイドロゲルの開発研究が一部進行されてきたものの、未だにマトリゲルを代替できるようなレベルの素材は報告されていない。
膵臓オルガノイドは、膵臓組織から成体幹細胞を抽出して培養するか、ヒト人工多能性幹細胞又は胚性幹細胞のような多能性幹細胞を膵臓前駆細胞に分化させた後に培養する方法で製作する。マトリゲルでは生体内の複合的な膵臓組織特異的微小環境を具現できないため、膵臓オルガノイド分化効率及び機能において改善が必要な状況である。従って、より成熟で且つ機能的な膵臓オルガノイドを製作するための培養システムの開発が切実に求められている。
また、急性及び慢性膵炎、糖尿病、膵臓癌など多量の細胞損失及び膵臓機能低下が発生する難治性膵臓疾患を体外で具現し、その機転を明らかにする疾病モデリング研究及び薬物テストのための体外モデルプラットフォームが必要な状況である。
このように現在当面している膵臓オルガノイド培養及び関連応用技術における技術的問題を解決するために、本発明においては、膵臓組織から脱細胞過程を経て膵臓組織由来脱細胞支持体を製作し、これを膵臓オルガノイド培養に利用する新たなプラットフォームを提示する。開発された脱細胞膵臓組織由来ハイドロゲル支持体は、膵臓組織特異的な様々な細胞外基質及び成長因子が豊富に含有されており、マトリゲルを使用した場合と比べて膵臓オルガノイドの分化、成熟度、機能性を増進させた。
本発明は、ブタ膵臓組織を化学的処理することにより多量の脱細胞組織を得て、それを基にハイドロゲル支持体を製作して膵臓オルガノイド培養に適用するためのものである。
しかし、本発明が解決しようとする技術的課題は、上記したような課題に限定されるものではなく、言及されていない他の課題は、以下の記載から当業者にとって明確に理解できるはずである。
本発明の一態様は、膵臓組織由来細胞外基質(Pancreas Extracellular Matrix;PEM)を含む膵臓オルガノイド培養及び移植用支持体を提供する。
本発明の一具体例において、前記膵臓組織由来細胞外基質は、膵臓組織にTriton X-100及び水酸化アンモニウムを混合した溶液を処理して脱細胞されたものであっても良い。
本発明の一具体例において、前記支持体内の前記膵臓組織由来細胞外基質の濃度は、1mg/ml~10mg/mlであっても良い。
本発明の他の一態様は、1)分離された膵臓組織を破砕するステップと、2)前記破砕された膵臓組織にTriton X-100及び水酸化アンモニウムを処理して脱細胞し、脱細胞された膵臓組織由来細胞外基質(PEM)を製造するステップとを含む膵臓オルガノイド培養及び移植用支持体製造方法を提供する。
本発明の一具体例において、前記ステップ2)の後、3)前記脱細胞膵臓組織由来細胞外基質(PEM)を凍結乾燥して凍結乾燥膵臓組織由来細胞外基質を製造するステップをさらに含んでいても良い。
本発明の一具体例において、前記ステップ3)の後、4)前記凍結乾燥膵臓組織由来細胞外基質をハイドロゲル形態の膵臓オルガノイド培養及び移植用支持体に形成するステップをさらに含んでいても良い。
本発明の一具体例において、前記ステップ4)は、前記凍結乾燥膵臓組織由来細胞外基質をペプシン溶液に溶解させて溶液化した後、pHを調整してハイドロゲル化するものであっても良い。
本発明の他の一態様は、前記支持体又は前記製造方法により製造された支持体において膵臓オルガノイドを培養する方法を提供する。
本発明において開発された膵臓オルガノイド培養及び移植用支持体は、既存の代表的なオルガノイド培養用支持体であるマトリゲルが有する限界を克服した新たな膵臓オルガノイド培養支持体として開発され、膵臓オルガノイドベースの大規模新薬スクリーニングプラットフォームや組織再生のための細胞治療剤など様々な前臨床、臨床研究の要素技術に活用されて産業的、経済的な側面で高付加価値を創出し、医療新産業の発展を図れることが期待される。
本発明において開発された膵臓オルガノイド培養及び移植用支持体を利用すれば、既存の培養方式と比べて高度化された膵臓オルガノイドを製作することができるので、既存の薬物テストのための体外モデルを超える経済的でありながらも且つ正確なプラットフォームとして活用されることができる。これにより、高度化された膵臓オルガノイドベースの体外モデルプラットフォームは、新薬開発の成功率を大きく高め、コスト及び所要時間を大きく減らすことにより、医療産業の発展に大いに寄与することが期待される。
脱細胞膵臓組織由来人工マトリックス支持体は、様々な難治性膵臓疾患(急性及び慢性膵炎、糖尿病、膵臓癌など)を体外で具現し、その機転を明らかにする疾病モデリングの研究及び移植治療プラットフォームの構築など様々な分野で広範囲に利用可能になることが期待される。このような難治性膵臓疾患は、最近有病率が大きく増加しており、多くの研究が必要な状況であるので、研究用試薬としても収益創出が可能である。
膵臓オルガノイドは、全世界的に人口の10%以上の有病率を示している各種合併症を引き起こす糖尿病の研究に活用されることができ、癌の中でも最も生存率が低い膵臓癌の研究にも適用されることができるという点で非常に大きな価値がある。
本発明において開発された支持体は、組織幹細胞由来膵臓オルガノイドだけでなく、膵臓癌オルガノイド培養にも適用が可能であるので、難治性疾患及び癌患者にカスタマイズされた疾患モデルの構築に寄与し、精密医学プラットフォーム技術としても活用されることができ、最近急増している精密医学市場の規模を考慮すれば、莫大な付加価値の創出が可能になると期待される。
総合すると、上述したように、膵臓オルガノイドの応用のために必須に要求されるマトリゲルと比べて、本発明において開発された人工支持体は、培養システムとしてマトリゲル以上の機能性を有し、より安全で且つコスト面でも非常に有利な長所を有している。よって、このようなマトリゲルの代替効果だけでも莫大な経済的収益の創出が予測される。
膵臓オルガノイド培養のための脱細胞膵臓組織由来支持体(Pancreas Extracellular Matrix;PEM)の製作過程及び製作された脱細胞膵臓組織由来支持体を示すものである。 膵臓オルガノイド培養のための脱細胞膵臓組織由来支持体(PEM)の分析結果を示すものである。 脱細胞膵臓組織由来支持体(PEM)の濃度に応じた物性分析を示すものである。 脱細胞膵臓組織由来支持体(PEM)のタンパク体分析を示すものである。 脱細胞膵臓組織由来支持体(PEM)のタンパク体分析を示すものである。 脱細胞膵臓組織由来ハイドロゲル支持体のPEM濃度に応じたマウス膵臓オルガノイドの形成及び分化能の差の分析を示すものである。 脱細胞膵臓組織由来支持体(PEM)と既存の培養支持体(MAT)で形成された膵臓オルガノイドの成長比較を示すものである。 脱細胞膵臓組織由来ハイドロゲル支持体で培養された膵臓オルガノイドを分析した結果を示すものである。 脱細胞膵臓組織由来ハイドロゲル支持体(PEM)を利用した膵臓オルガノイド分化増進効果を検証したものである。 脱細胞膵臓組織由来ハイドロゲル支持体(PEM)を利用した膵臓オルガノイドの長期培養可能性を確認したものである。 脱細胞膵臓組織由来ハイドロゲル(PEM)の長期保管可能性を検証した結果である。 脱細胞膵臓組織由来ハイドロゲル(PEM)の長期保管可能性を検証した結果である。 脱細胞膵臓組織由来PEMハイドロゲル支持体を利用したヒト人工多能性幹細胞(Human-induced Pluripotent Stem Cell;hiPSC)由来膵臓オルガノイド培養を示すものである。 脱細胞膵臓組織由来PEMハイドロゲル支持体を利用して培養されたヒト人工多能性幹細胞(Human-induced Pluripotent Stem Cell;hiPSC)由来膵臓オルガノイドを分析した結果を示すものである。 脱細胞膵臓組織由来PEMハイドロゲル支持体を利用したヒト人工多能性幹細胞(Human-induced Pluripotent Stem Cell;hiPSC)由来膵臓オルガノイドの長期培養可能性を確認したものである。 ヒト人工多能性幹細胞由来膵臓オルガノイド培養のための脱細胞膵臓組織由来PEM支持体の組織特異的効果を確認した結果である。 脱細胞膵臓組織由来ハイドロゲル支持体を利用した膵臓癌オルガノイド培養結果を確認したものである。 脱細胞膵臓組織由来ハイドロゲル支持体の移植用素材としての使用可能性を確認した結果である。 脱細胞膵臓組織由来ハイドロゲル支持体を利用した膵臓オルガノイドの生体内への移植結果である。 脱細胞膵臓組織由来ハイドロゲル支持体を利用した膵臓オルガノイドの生体内への移植結果である。 脱細胞膵臓組織由来ハイドロゲル支持体を利用した膵臓オルガノイドの生体内への移植結果である。
以下では、添付した図面を参照しながら本発明を説明することとする。ところが、本発明は様々な異なる形態に具現されることができ、よって、ここで説明する実施例に限定されるものではない。ある部分がある構成要素を「含む」という場合、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
他に定義されない限り、分子生物学、微生物学、タンパク質精製、タンパク質工学、及びDNA序列分析及び当業者の能力範囲内において再組合DNA分野で良く使用される通常の技術によって行われても良い。上記技術は当業者に知られており、多くの標準化された教材及び参考文献に記述されている。
本明細書に他に定義されていなければ、使用された全ての技術及び科学用語は、当業界において通常の技術者が通常理解するところと同じ意味を有する。
本明細書に含まれる用語を含む様々な科学辞典が良く知られており、当業界において利用可能である。本明細書に説明されたことと類似又は等価の任意の方法及び物質が本願の実行又は試験に使用されており、いくつかの方法及び物質が説明されている。当業者が使用する脈絡により様々に使用され得るため、特定の方法学、プロトコル及び試薬に本発明が限定されるものではない。以下、本発明をさらに詳しく説明する。
本発明の一態様は、膵臓組織由来細胞外基質(Pancreas Extracellular Matrix;PEM)を含む膵臓オルガノイド培養及び移植用支持体を提供する。
前記「細胞外基質(extracellular matrix)」は、哺乳類及び多細胞生物(multicellular organisms)から発見された組織の脱細胞化を通じて製造された細胞成長用の自然支持体を意味する。前記細胞外基質は、透析又は架橋化によりさらに処理しても良い。
前記細胞外基質は、コラーゲン(collagens)、エラスチン(elastins)、ラミニン(laminins)、グリコサミノグリカン(glycosaminoglycans)、プロテオグリカン(proteoglycans)、抗菌剤(antimicrobials)、化学誘引物質(chemoattractants)、サイトカイン(cytokines)、及び成長因子に制限されない、構造型及び非構造型生体分子(biomolecules)の混合物であっても良い。
前記細胞外基質は、哺乳動物において様々な形態として約90%のコラーゲンを含んでいても良い。様々な生体組織から由来した細胞外基質は、各々の組織に必要な固有の役割のため全体の構造体及び組成が異なっていても良い。
前記「由来(derive)」、「由来した(derived)」は、有用な方法により言及した源泉から得られた成分を意味する。
本発明の一具体例において、前記膵臓組織由来細胞外基質は、膵臓組織にTriton X-100及び水酸化アンモニウムを混合した溶液を処理して脱細胞されたものであっても良い。
本発明の一具体例において、前記支持体内の前記膵臓組織由来細胞外基質の濃度は、1mg/ml~10mg/ml、具体的には2mg/ml~8mg/mlであっても良い。前記膵臓細胞外基質の濃度の例示として、2mg/ml~8mg/ml、2mg/ml~6mg/ml、2mg/ml~4mg/ml、4mg/ml~8mg/ml、4mg/ml~6mg/ml又は6mg/ml~8mg/mlであっても良く、一実施例において、2mg/ml、4mg/ml、6mg/ml又は8mg/mlであっても良い。上記範囲外の濃度で含まれる場合、本発明が目的とする効果が得られない。
前記支持体は、脱細胞化することで得られた膵臓組織由来細胞外基質を基に製造した3次元ハイドロゲルを含み、膵臓オルガノイドの培養に効果的に活用されることができる。
前記脱細胞化された膵臓組織は、実際の組織特異的細胞外基質成分を含んでいるので、当該組織の物理的、機械的、生化学的環境を提供することができ、膵臓組織細胞への分化及び組織特異的機能性を増進させるのに非常に効率的である。
前記「オルガノイド(organoid)」は、組織又は多能性幹細胞から由来した細胞を3D形態で培養し、人工臓器のような形態に製作した超小型生体器官を意味する。
前記オルガノイドは、幹細胞から発生し、生体内状態と類似した方式で自己組織化(又は自己パターン化)する臓器特異的細胞を含む3次元組織類似体であり、制限された要素(Ex.growth factor)パターニングによって特定の組織に発達し得る。
前記オルガノイドは、細胞の本来の生理学的特性を有し、細胞混合物(限定された細胞類型だけでなく残存幹細胞、近接生理学的ニッチ(physiological niche)を全て含む)の元の状態を模倣する解剖学的構造を有していても良い。前記オルガノイドは、3次元培養方法を通じて細胞と細胞の機能がより良く配列され、機能性を有する器官のような形態と組織特異的機能を有していても良い。
本発明の他の一態様は、1)分離された膵臓組織を破砕するステップと、2)前記破砕された膵臓組織にTriton X-100及び水酸化アンモニウムを処理して脱細胞し、脱細胞された膵臓組織由来細胞外基質(PEM)を製造するステップとを含む膵臓オルガノイド培養及び移植用支持体製造方法を提供する。
前記ステップ1)は、分離された膵臓組織を破砕するステップであって、前記膵臓組織は、公知の動物から分離されたものであっても良く、前記動物の具体的な例示として、ウシ、ブタ、サル、ヒトなどであっても良い。また、本発明においては、前記分離された膵臓組織を破砕してから脱細胞処理するため、脱税胞の効率が高い。分離された膵臓組織を破砕する方法は、公知の方法からなっていても良い。本発明は、前記膵臓組織を破砕して脱細胞工程を経たため、より効率的で且つ高いレベルの細胞除去が可能である。
前記ステップ2)は、前記破砕された膵臓組織にTriton X-100及び水酸化アンモニウムを処理して脱細胞し、脱細胞された膵臓組織由来細胞外基質(PEM)を製造するステップである。本発明は、既存の脱細胞方式とは異なり、Triton X-100及び水酸化アンモニウムのみを処理し、組織損傷を最小化することによって、膵臓組織内の様々なタンパク質がより多く保存されることができる。具体的な例示として、破砕された膵臓組織をTriton X-100及び水酸化アンモニウムと共に撹拌しながら脱細胞工程が行われても良い。
本発明の一具体例において、前記ステップ2)の後、3)前記脱細胞膵臓組織由来細胞外基質(PEM)を凍結乾燥して凍結乾燥膵臓組織由来細胞外基質を製造するステップをさらに含んでいても良い。
前記ステップ3)は、前記脱細胞膵臓組織由来細胞外基質(PEM)を凍結乾燥して凍結乾燥膵臓組織由来細胞外基質を製造するステップである。前記凍結乾燥膵臓組織由来細胞外基質は、滅菌のために、乾燥後に電子ビーム、ガンマ放射線、エチレンオキサイドガス又は超臨界二酸化炭素に露出させても良い。
本発明の一具体例において、前記ステップ3)の後、4)前記凍結乾燥膵臓組織由来細胞外基質をハイドロゲル形態の膵臓オルガノイド培養及び移植用支持体に形成するステップをさらに含んでいても良い。
前記ステップ4)は、前記凍結乾燥膵臓組織由来細胞外基質をハイドロゲル形態の膵臓オルガノイド培養及び移植用支持体に形成するステップである。前記ステップは、ゲル化(gelation)を通じて行われても良く、具体的には、前記凍結乾燥膵臓組織由来細胞外基質をペプシン溶液に溶解させて溶液化した後、pHを調整してハイドロゲル化するものであっても良い。前記脱細胞膵臓組織由来細胞外基質を架橋させて3次元ハイドロゲル形態の支持体を製作しても良く、ゲル化された支持体は、実験、スクリーニングだけでなくオルガノイド培養と係わる分野において様々に活用されることができる。
前記「ハイドロゲル」は、ゾル-ゲル相変異を通じて水を分散媒にする液体が固くなり流動性を失くし、多孔性構造をなす物質であって、3次元網目構造と未結晶構造を有する親水性高分子が水を含有して膨張することにより形成されても良い。
前記ゲル化は、凍結乾燥膵臓組織由来細胞外基質を酸性溶液においてペプシン又はトリプシンのようなタンパク質分解酵素で溶液化し、pHを調整、具体的に、10×PBSと1MのNaOHを利用して中性のpHと1×PBSバッファの電解質状態に合わせ、37℃の温度で30分間行われるものであっても良い。
本発明の他の一態様は、前記支持体又は前記製造方法によって製造された支持体で膵臓オルガノイドを培養する方法を提供する。
既存のマトリゲルベースの培養システムは、動物癌組織由来の抽出物であって、バッチ(BATCH)間の差が大きく、実際の膵臓の環境を疑似できておらず、膵臓オルガノイドに分化、発達される効率が不十分であるのに対し、前記支持体は、膵臓組織類似環境を造成することができるので、膵臓オルガノイド培養において適合である。
前記培養は、適合な条件で細胞を維持及び成長させる過程を意味し、適合な条件とは、例えば、細胞が維持される温度、栄養素可用性、大気中のCO含量及び細胞密度を意味しても良い。
互いに異なる類型の細胞を維持、増殖、拡大及び分化させるための適切な培養条件は当該技術分野において公知になっており、文書化されている。前記オルガノイドの形成に適合な条件は、細胞分化及び多細胞構造の形成を容易にするか、許容する条件であっても良い。
本発明においては、膵臓組織を脱細胞化することで、細胞成分は全て除去し、膵臓特異的細胞外基質成分は保存された脱細胞膵臓組織を製作し、それをベースとする3次元ハイドロゲルを膵臓オルガノイド培養に適用した。
本発明において開発された脱細胞膵臓組織由来支持体は、抗原として作用する細胞が全て除去され、純粋な細胞外基質成分のみにより構成されているため、移植時に組織の炎症反応及び免疫拒絶反応を引き起こすことなく生体適合性が非常に優れている。製作が容易で製造単価が安いので、マトリゲルと比べて経済性が高く、且つ安全な培養及び移植素材として適用されることができる。
実際にタンパク質体分析を通じて、脱細胞膵臓組織由来支持体は、膵臓組織特異的な様々な細胞外基質及び因子を含有していることが確認された。製作された脱細胞膵臓組織由来ハイドロゲル支持体の中で幹細胞由来膵臓オルガノイドが発生し、成長できることが確認され、脱細胞膵臓組織支持体の様々な濃度をテストすることで、膵臓オルガノイド培養に最適化されたハイドロゲル濃度条件を選別した。
開発された脱細胞膵臓組織由来支持体で培養された膵臓オルガノイドを対照群であるマトリゲルで培養されたオルガノイドと比較した際、分化能力が類似に維持されるか、向上していることが確認された。これにより、脱細胞膵臓組織由来支持体が膵臓オルガノイド培養のために既存のマトリゲルを代替可能であることが検証された。このような一連の結果から、本発明において開発された支持体で培養された膵臓オルガノイドの方が、既存のマトリックス(マトリゲル)で培養されたオルガノイドよりも膵臓組織の構成及び機能を実際と類似するように具現できることが確認された。
以下、本発明の理解を助けるために好ましい実施例を提示する。しかし、下記の実施例は本発明をより容易に理解するために提供されるだけであり、下記実施例によって本発明の内容が限定されるものではない。
膵臓オルガノイド培養のための脱細胞膵臓組織由来支持体(Pancreas Extracellular Matrix;PEM)の製作(図1)
膵臓オルガノイド培養のための培養支持体を製作するために、ブタ膵臓組織から脱細胞支持体(Pancreas Extracellular Matrix;PEM)を製作した。本脱細胞工程は、既存に報告された方式とは異なり、1%のTriton X-100と0.1%のammonium hydroxideを混合した溶液のみを使用して組織の損傷を最小化することによって、膵臓組織内の様々なタンパク質がより多く保存され得ることが確認された。また、膵臓組織を細かく切ってから脱細胞工程を経たため、より効率的で且つ完全な細胞除去が可能である長所がある。
具体的に、図1(A)は、膵臓オルガノイド培養のための脱細胞膵臓組織由来支持体の製作模式図を示すものである。
(B)ブタ膵臓組織を細かく切った後、Triton X-100溶液とammonium hydroxide溶液を利用した化学的処理を経て組織内の細胞成分を全て除去し、凍結乾燥してパウダー状で収得した。
(C)パウダー状の脱細胞膵臓組織マトリックス(Lyophilized PEM)10mgを4mg/mlのペプシン溶液(ペプシンパウダー(4mg)を0.02MのHCL(1ml)に溶かした溶液)で処理し、48時間240rpmの撹拌機で溶かして溶液化した。その後、10×PBSと1MのNaOHを利用して中性のpHに合わせ、37℃温度条件において30分間ゲル化(gelation)を誘導した。製作された3次元ハイドロゲルを膵臓オルガノイド培養支持体として利用した。
膵臓オルガノイド培養のための脱細胞膵臓組織由来支持体(PEM)の分析(図2)
(A)H&E染色を実施することで、製作した脱細胞膵臓組織支持体内において細胞成分は全て除去されたことが確認され、Masson’s Trichrome染色を実施することで、脱細胞過程を経た後もCollagen成分が良く保存されて維持されていることが確認された。さらに、Alcian blue染色を通じて、Glycosaminoglycanが脱細胞膵臓組織由来支持体に良く保存されていることが確認された。
(B)脱細胞後、膵臓組織内にFibronectin、LamininのようなECMタンパク質が良く維持されているか否かを確認するために、免疫染色を実施した。その結果、脱細胞膵臓組織マトリックスでFibronectin、LamininのようなECMタンパク質が良く保存されていることが確認された。
(C)走査電子顕微鏡(Scanning electron microscopy;SEM)分析を通じて、脱細胞膵臓組織由来ハイドロゲル支持体がナノファイバー束形態の多孔性の内部構造を有していることが確認され、よって、膵臓オルガノイドの培養に適した3次元微小環境を提供できることが確認された。
(D)脱細胞過程前後のDNA定量比較を通じて、脱細胞過程により細胞成分が殆ど除去されたことが定量的に確認された。また、代表的な細胞外基質成分の一つであるGlycosaminoglycan(GAG)に対する定量分析を通じて、脱細胞膵臓組織内にGAGが良く保存されて残っていることが確認された。脱細胞後にCollagenの量を定量した際も、脱細胞組織マトリックス内で良く維持されていることが確認された。
脱細胞膵臓組織由来支持体(PEM)の濃度に応じた物性の分析(図3)
PEM支持体の濃度別の物性の差を調べるために、4つの濃度条件(2、4、6、8mg/ml)でPEMハイドロゲルの形成を誘導した後、流動学分析を通じて機械的物性を測定した。全ての濃度条件においてstorage modulus(G’)値がloss modulus(G”)値よりも一貫して高いことを確認することにより、ハイドロゲル内の架橋を通じて安定的な高分子ネットワークが形成されることが確認された。PEM濃度が増加するほど物性も大きくなることが確認され、対照群のマトリゲル(MAT)グループに比べては全体的に物性が低いことが確認された。
脱細胞膵臓組織由来支持体(PEM)のタンパク体の分析(1)(図4)
(A)脱細胞膵臓組織由来支持体PEMの構成成分を把握するために、タンパク体分析(Proteomics)を実施することで、膵臓組織特異的な様々な細胞外基質(Collagens、glycoproteins、proteoglycansなど)及び成長因子タンパク質がPEMに含まれていることを確認した。その結果、PEMを構成するECM成分の中ではCollagensとProteoglycansが殆どであり、ECM regulatorsとGlycoproteinsの順に構成されていることが確認された。
(B)脱細胞膵臓組織由来支持体PEMを既存に常用化されている支持体のマトリゲルと比較した結果、マトリゲルはGlycoproteinsが殆どであるのに対し、PEMはCollagens、Proteoglycans、Glycoproteinsなどの様々な成分により構成されていることが確認された。
(C)マトリゲルとPEMとでタンパク質発現の差を検討するために、ヒートマップ(heatmap)とvolcano plotで比較した際、ヒートマップを通じた全体タンパク質の発現量の分布が2つの支持体の間で大きな差を示すことが確認され、volcano plotを通じて各々の支持体において有意により多く発現されるタンパク質を確認した際も、互いに異なる発現パターンを示すことが確認された。
これにより、脱細胞膵臓組織由来支持体PEMは、既存に常用化されているオルガノイド培養支持体であるマトリゲルと比べて異なる細胞外基質タンパク質成分により構成されており、生体内膵臓組織の微小環境をより良く具現できることが予測される。
脱細胞膵臓組織由来支持体(PEM)のタンパク体の分析(2)(図5)
(A)脱細胞膵臓組織由来PEM支持体に含まれているTop 10 ECM成分を確認した際、最も高い割合を占めるCOL6A1、COL6A2は、膵臓ランゲルハンス島の主な構成成分であると同時にランゲルハンス島細胞の生存に必須成分であり、Biglycan(BGN)、Lumican(LUM)、Asporin(ASPN)は、膵臓の発達と構造の形成に重要なECMタンパク質であることが確認された。これにより、製作された脱細胞膵臓組織由来細胞外基質(PEM)支持体が、膵臓の構造、機能などにおいて重要な役割を担当する実際の膵臓組織に存在する様々な細胞外基質タンパク質を含んでいることが確認された。
(B)脱細胞膵臓組織由来PEM支持体に含まれているTop 10 ECM成分の機能を調べるために遺伝子オントロジー(Gene Ontology)分析を行った際、このような成分が膵炎及び膵臓癌の代謝調節に重要なSulfur amino acid(SAA)含硫アミノ酸の代謝と膵臓幹細胞の自己再生に必須なGlutathione代謝に係わる機能を含み、膵臓の機能及び分化発達に重要な役割を担当することが確認された。
(C)脱細胞膵臓組織由来PEM成分全体に対する遺伝子オントロジー(Gene Ontology)分析を行った際も、Top 10 ECM成分の遺伝子オントロジーと類似するようにimmune system processやその他の膵臓の機能及び分化発達に係わるcarbohydrate metabolic process、NAD/NADH metabolic processなどの役割を主に担当することが確認された。
よって、脱細胞工程を経て製作されたPEMハイドロゲル支持体を利用すれば、効率的な膵臓オルガノイド培養が可能になると思料される。
脱細胞膵臓組織由来ハイドロゲル支持体のPEM濃度に応じたマウス膵臓オルガノイドの形成及び分化能差の分析(図6)
脱細胞膵臓組織由来PEMハイドロゲル支持体を濃度別に製作してマウス膵臓オルガノイド培養に適用し、各濃度条件において7日間培養されたオルガノイドの膵臓分化関連遺伝子発現を定量的なPCR(qPCR)法により比較分析した。常用化されている培養支持体であるマトリゲル(MAT)を対照群として利用した。
(A)膵臓オルガノイド培養のために脱細胞膵臓組織由来PEMハイドロゲルを様々なPEM濃度条件で適用した際、全ての濃度条件(2、4、6、8mg/ml)において対照群であるマトリゲル(MAT)と類似した形態の膵臓オルガノイドが上手く形成されることが確認された。
(B)培養7日目に脱細胞膵臓組織由来PEMハイドロゲル支持体の濃度に応じた膵臓オルガノイドの形成効率を比較した際、2mg/ml及び4mg/mlの条件において最も形成効率が高いことが確認された。
(C)PEM濃度条件別に遺伝子発現を比較した際、幹細胞性(stemness)と係わる遺伝子(Lgr5)は、PEMハイドロゲルで培養された膵臓オルガノイドにおいて類似しているか、少しずつ減少するが、膵臓分化関連マーカー(Krt19、Pdx1)は発現が増加する傾向を示した。PEM濃度条件のうち4mg/mlの濃度のPEMハイドロゲルの方が、マトリゲルと膵臓オルガノイドの形成効率において大きな差がなく、膵臓分化マーカーの発現はさらに増加することを考慮して、PEMハイドロゲルの濃度は4mg/mlのPEM条件に決定し、その後の膵臓オルガノイド培養に適用した。
脱細胞膵臓組織由来支持体(PEM)と既存の培養支持体(MAT)において形成された膵臓オルガノイドとの成長比較(図7)
オルガノイドの培養に最も広く利用されるマトリゲルと最適化された4mg/mlの濃度条件の脱細胞膵臓組織由来PEMハイドロゲル支持体で培養されるマウス膵管細胞由来膵臓オルガノイドの成長速度を比較した。各支持体で形成された膵臓オルガノイドが、膵管で形成が始まり、ますます大きくなりながら良く培養されることが確認された。PEMハイドロゲルで培養される膵臓オルガノイドが、マトリゲルで培養されるオルガノイドと類似した形態と成長速度を示しながら育つことが確認された。
脱細胞膵臓組織由来ハイドロゲル支持体で培養された膵臓オルガノイドの分析(図8)
オルガノイドの培養に最も広く利用されるマトリゲルと脱細胞膵臓組織由来PEMハイドロゲル(4mg/ml)支持体で培養された膵臓オルガノイドの免疫染色を行った。膵臓オルガノイドはマウスの膵臓組織から抽出した膵管細胞を利用して製作し、培養7日目に免疫染色を通じて比較した。
膵臓特異的マーカーに対する免疫染色を通じて対照群のマトリゲル(Matrigel)で培養された膵臓オルガノイドと比較した際、脱細胞膵臓組織由来PEMハイドロゲル支持体で培養された膵臓オルガノイドにおいてもマトリゲルグループと類似した水準に膵臓組織特異的マーカーが良く発現されることが確認された;KRT19(pancreatic duct marker)、SOX9(pancreatic duct progenitor marker)、PDX1(pancreatic endoderm marker)。
細胞増殖マーカーであるKi67(proliferative cell marker)の発現も、2つの支持体(PEM、マトリゲル)グループにおいて類似した水準で観察された。
脱細胞膵臓組織由来ハイドロゲル支持体(PEM)を利用した膵臓オルガノイド分化増進効果の検証(図9)
既存の培養支持体であるMatrigelを代替しつつ、膵臓特異的な微小環境を通じてオルガノイド分化を増進させることのできる組織特異的な機能性を確認するために、脱細胞膵臓組織由来細胞外基質(PEM)ハイドロゲルと他の臓器(肝)組織由来細胞外基質(LEM)ハイドロゲルで培養された膵臓オルガノイドの分化能を比較した。Matrigelグループは対照群として利用した。
(A)脱細胞膵臓組織由来支持体の分化増進効果を確認するために、PEMグループの他にLEMグループでも膵臓オルガノイドを培養した。全ての培養支持体において正常な形状にオルガノイドが上手く形成されることが確認された。
(B)qPCR分析を通じて幹細胞性(Stemness)又は膵臓分化(Differentiation)と係わるマーカーに対する遺伝子発現を定量比較した際、幹細胞性関連遺伝子発現は類似しているか、少し増加するのに対し、膵臓分化マーカー(Krt19、Pdx1)の発現は、膵臓組織特異的なPEMグループにおいて最も有意に増加したことが確認された。
脱細胞膵臓組織由来ハイドロゲル支持体(PEM)を利用した膵臓オルガノイドの長期培養可能性の確認(図10)
上記において確立した脱細胞膵臓組織由来PEMハイドロゲル支持体内において膵臓オルガノイドの長期培養を試み、膵臓特異的分化マーカーの発現を分析した。マトリゲル(MAT)グループは対照群として利用した。
(A)PEMハイドロゲル内において継代培養を持続しながら1ヶ月以上培養した際も(passage 5)、膵臓オルガノイドが上手く育ち、マトリゲルで培養された膵臓オルガノイドと形状及び大きさが類似した水準に培養されることが確認された。
(B)膵臓オルガノイド培養10日目(P1)と30日目(P5)に幹細胞マーカー及び膵臓分化マーカーの遺伝子発現を比較した際、マトリゲルで培養されたオルガノイドと比べて、脱細胞膵臓組織由来PEMハイドロゲル支持体で培養された膵臓オルガノイドにおいて、幹細胞性(Stemness)遺伝子発現は類似に維持され、膵臓分化マーカー発現は増加することが確認された。PEMハイドロゲルで30日間長期培養された膵臓オルガノイドにおける分化マーカーの発現がマトリゲルグループよりも高く維持されたことから、PEMハイドロゲルを利用した膵臓オルガノイドの長期培養可能性を確認することができた。
脱細胞膵臓組織由来ハイドロゲル(PEM)の長期保管可能性の検証(1)(図11)
脱細胞膵臓組織由来PEM溶液を-80℃の冷凍及び4℃の冷蔵条件で長期間保管した後、これを解凍して膵臓オルガノイド培養のために利用した。対照群としてはマトリゲルを利用し、培養7日目に光学顕微鏡イメージ及び形成効率を比較した。
(A)対照群のマトリゲルとオルガノイド培養直前に新たに製造したPEMハイドロゲル、-80℃の冷凍及び4℃の冷蔵条件で長期間保管したPEMハイドロゲルを利用して膵臓オルガノイドを培養した際、全てのマトリックスグループにおいてオルガノイドが上手く形成されることが確認された。
(B)培養7日目に膵臓オルガノイドの形成効率を比較した際、膵臓オルガノイド培養直前に新たに製作したPEMハイドロゲルと類似した水準で2ヶ月又は4ヶ月間冷凍及び冷蔵保管されたPEM溶液で製作したハイドロゲルにおいても、膵臓オルガノイドが上手く形成され、形成効率において大きな差はないことが確認された。
脱細胞膵臓組織由来ハイドロゲル(PEM)の長期保管可能性の検証(2)(図12)
脱細胞膵臓組織由来PEM溶液を-80℃の冷凍及び4℃の冷蔵条件で長期間保管した後、これを解凍して膵臓オルガノイド培養に利用した。対照群としてはマトリゲルを利用し、培養7日目に膵臓マーカーに対する遺伝子発現量を定量的なPCR分析を通じて比較した。
(A)マトリゲル(MAT)、培養直前に新たに製作したPEMハイドロゲル、2ヶ月又は4ヶ月間冷凍及び冷蔵保管されたPEM溶液で製作したハイドロゲルにおいて培養された膵臓オルガノイドの膵臓マーカー遺伝子発現量を比較した際、膵臓分化マーカー(Hnf1β、Pdx1、Krt19)の何れも、マトリゲルグループに比べてPEMハイドロゲルグループにおいて増加し、保管条件とは関係なく大きな差がないことが確認された。
(B)培養直前に新たに製作したPEMハイドロゲルと長期保管されたPEMハイドロゲルとの物性差を測定するために流動学分析を行った際、PEM溶液を冷蔵及び冷凍条件で長期保管してからハイドロゲルを製作しても物性には大きな変化なしに30~40Paの値を一定に維持することが確認された。これにより、脱細胞膵臓組織由来PEMハイドロゲルが長期間保管されても、変性なしに安定的に維持されて膵臓オルガノイド培養に使用可能であることが確認された。
脱細胞膵臓組織由来PEMハイドロゲル支持体を利用したヒト人工多能性幹細胞(Human-induced Pluripotent Stem Cell;hiPSC)由来膵臓オルガノイド培養(図13)
ヒト人工多能性幹細胞から膵臓オルガノイドを形成するために、内胚葉(Definitive Endoderm、DE)、膵臓内胚葉(Pancreatic Endoderm、PE)を経て膵臓前駆細胞(Pancreatic Progenitor、PP)に分化させた後、PEMハイドロゲル内に封入(encapsulation)して3D培養した。マトリゲル(MAT)グループは対照群として利用した。
(A)ヒト人工多能性幹細胞由来膵臓前駆細胞をPEM(4mg/ml)ハイドロゲルとMAT内で培養した際、2つのグループの何れも2日以内に3Dオルガノイドが形成されることが確認された。
(B)2つのグループにおいて10日間培養された膵臓オルガノイドの遺伝子発現を定量的なPCR(qPCR)法により比較した際、多能性(Pluripotency)マーカーであるOCT4の発現は、PEMグループにおいて少し減少し、膵臓分化関連マーカー(FOXA2、SOX9、KRT19、PDX1)の発現は、PEMグループにおいて有意に増加することが確認された;OCT4(Pluripotency marker)、FOXA2(Pancreatic β-cell differentiation marker)、SOX9(Pancreatic duct progenitor marker)、KRT19(Pancreatic duct marker)、PDX1(Pancreatic endoderm marker)。これは、PEMハイドロゲルを利用して膵臓オルガノイドを培養すれば、マトリゲルを利用した培養と比べてオルガノイドの膵臓分化及び成熟度を増進させることができるのを示す結果である。
脱細胞膵臓組織由来PEMハイドロゲル支持体を利用して培養されたヒト人工多能性幹細胞(Human-induced Pluripotent Stem Cell;hiPSC)由来膵臓オルガノイドの分析(図14)
マトリゲル(MAT)と脱細胞膵臓組織由来PEMハイドロゲル(4mg/ml)支持体で培養された膵臓オルガノイドの免疫染色を行った。膵臓オルガノイドはヒト人工多能性幹細胞から分化した膵臓前駆細胞から製作しており、オルガノイド形成後7日目に免疫染色を通じて比較した。
膵臓特異的マーカーに対する免疫染色を通じて対照群のマトリゲル(MAT)で培養された膵臓オルガノイドと比較した際、脱細胞膵臓組織由来PEMハイドロゲル支持体で培養された膵臓オルガノイドにおいてもマトリゲルグループと類似した水準に膵臓組織特異的マーカーが良く発現されることが確認された;KRT19(pancreatic duct marker)、SOX9(pancreatic duct progenitor marker)、PDX1(pancreatic endoderm marker)、NKX6.1(pancreatic β-cell differentiation marker)。
細胞増殖マーカーであるKi67(proliferative cell marker)発現も、2つの支持体(PEM、マトリゲル)グループにおいて類似した水準で観察された。
脱細胞膵臓組織由来PEMハイドロゲル支持体を利用したヒト人工多能性幹細胞(Human-induced Pluripotent Stem Cell;hiPSC)由来膵臓オルガノイドの長期培養可能性の確認(図15)
上記において確立した脱細胞膵臓組織由来PEMハイドロゲル支持体内において膵臓オルガノイドの長期培養を試み、膵臓特異的分化マーカーの発現を分析した。マトリゲル(MAT)グループは対照群として利用した。
(A)PEMハイドロゲル内において継代培養を持続しながら25日以上培養した際も、膵臓オルガノイドが上手く育ち、マトリゲルで培養された膵臓オルガノイドと形状及び大きさが類似した水準に培養されることが確認された。
(B)膵臓オルガノイドを25日以上長期培養した際も、マトリゲルベースのオルガノイドよりも脱細胞膵臓組織由来PEMハイドロゲル支持体で培養された膵臓オルガノイドにおいて膵臓分化マーカーの発現が増加することが確認され、長期間培養するほどPEMハイドロゲルでは膵臓オルガノイドの分化がさらに増進することが確認された。
ヒト人工多能性幹細胞由来膵臓オルガノイド培養のための脱細胞膵臓組織由来PEM支持体の組織特異的効果の確認(図16)
脱細胞膵臓組織由来PEMハイドロゲル支持体に含まれた膵臓特異的細胞外基質成分が膵臓オルガノイド培養において組織特異的効果を示すか否かを確認するために、他の臓器由来脱細胞支持体でも膵臓オルガノイドを培養し、比較する実験を行った。各組織由来脱細胞支持体で膵臓オルガノイドを5日間培養した後、遺伝子発現量を比較した。
(A)心臓、胃、腸、筋肉、膵臓由来脱細胞ハイドロゲルを利用して培養を試みた結果、心臓組織由来ハイドロゲルでは膵臓オルガノイドが発生できず、その他の組織由来脱細胞ハイドロゲルではオルガノイドが形成されたことが確認された。
(B)各臓器由来脱細胞支持体で5日間培養した後、膵臓オルガノイド分化関連遺伝子発現量を定量的なPCR分析を通じて比較した。膵管細胞分化と係わるSOX9、KRT19、膵臓内胚葉分化と係わるPDX1、膵臓前駆細胞発達と係わるNKX6.1マーカーを分析した際、脱細胞膵臓組織由来支持体で培養されたオルガノイドにおいて最も高い水準に発現されることが確認された。これにより、膵臓オルガノイド培養において膵臓組織由来脱細胞支持体が有する組織特異的な効果を確認することができた。
脱細胞膵臓組織由来ハイドロゲル支持体を利用した膵臓癌オルガノイド培養(図17)
脱細胞膵臓組織由来PEMハイドロゲル支持体を利用して膵臓癌オルガノイドの培養可能性を確認した。ヒト由来PANC-1膵臓癌細胞株をPEMハイドロゲルで3次元培養した際、癌オルガノイドが形成されることが確認された(培養5日目のオルガノイドイメージ及び免疫染色を分析)。
光学顕微鏡イメージ分析を通じて、マトリゲルとPEMハイドロゲル内において何れも膵臓癌オルガノイドが上手く形成されたことが確認され、免疫染色を通じて外分泌膵臓癌で過剰発現されるKRT13、KRT19タンパク質を全て検出することによって、膵臓癌オルガノイド内の細胞の増殖が活発に起こり、膵臓癌関連マーカーが良く発現されていることが確認された。
本実験を通じて、脱細胞膵臓組織由来PEMハイドロゲル支持体は、幹細胞由来の膵臓オルガノイドだけでなく膵臓癌オルガノイドの培養も可能であることが確認されたので、PEMハイドロゲルが膵臓癌の体外モデルを構築するための培養プラットフォームの要素技術として活用され得る可能性が確認された。
脱細胞膵臓組織由来ハイドロゲル支持体の移植用素材としての使用可能性の確認(図18)
脱細胞膵臓組織由来PEMハイドロゲル支持体の移植時における免疫反応の誘発有無を確認するために、マウスの皮下にPEMハイドロゲルを移植し、1週間免疫反応及び炎症反応の有無を確認した。
H&E染色を通じて正常組織と比較した際、PEMハイドロゲルが移植された部位と真皮(dermis)の全てにおいて炎症反応及び兔疫細胞の浸潤(infiltration)が起こらなかったことが確認され、移植時に浸透したmast cellを染色するToluidine blue染色によっても1週間の間に浸透したmast cellが染色されなかったことから、脱細胞膵臓組織由来PEMハイドロゲルが移植時に免疫反応を誘発せず、よって、オルガノイド移植用素材として使用可能であることが確認された。
脱細胞膵臓組織由来ハイドロゲル支持体を利用した膵臓オルガノイドの生体内移植(1)(図19)
脱細胞膵臓組織由来PEMハイドロゲル支持体を膵臓オルガノイド移植用素材として活用するための動物実験を行い、組織学分析を行った。膵臓オルガノイドをマウス急性膵炎モデルの損傷した膵臓組織内に効率よく伝達し生着させるために、4mg/mlのPEMハイドロゲルを利用して1000~1200個の膵臓オルガノイドを移植した。移植の際、注射し易いハイドロゲルの粘度を合わせ、オルガノイドを効率良く生着させるために、PEMハイドロゲル50μlにオルガノイドを共に混合して移植した。
(A)腹腔注射を通じて1時間毎に40μg/kgのceruleinを5回投入することで急性膵炎マウスモデルを製作し、H&E染色を通じて誘発程度を確認した。PBSを注入したグループに比べて、ceruleinの注入により膵炎を誘発した組織において細胞質の空胞化(vacuolization)、兔疫細胞の浸湿が起こりながら膵炎の特徴を表すことが確認された。
(B)マウス急性膵炎モデルに膵臓オルガノイドを脱細胞PEMハイドロゲル支持体を利用して移植し、生着及び組織再生有無を移植1週目と2週目にH&E染色を通じて観察した。膵臓組織表面に移植されたオルガノイドが良く生着されており、移植されたオルガノイドの成長によって1週目よりも2週目において移植された面積が大きくなり、既存の組織との統合がより良く行われたことが確認された。
脱細胞膵臓組織由来ハイドロゲル支持体を利用した膵臓オルガノイドの生体内移植(2)(図20)
マウス急性膵炎モデルにDiI蛍光試薬で標識された膵臓オルガノイドを脱細胞PEMハイドロゲル支持体を利用して移植し、生着有無を移植1週間後に蛍光発現を通じて観察した。損傷した膵臓組織部位に移植した膵臓オルガノイドは、1週間の間に良く生着されて存在することが確認された。また、膵管(pancreatic duct)細胞マーカーであるKRT19を同時に染色した際、膵管の特徴を有する膵臓オルガノイドが周辺の膵臓組織の膵管部と共にKRT19マーカーを良く発現していることが確認された。移植されていない組織ではDiI蛍光が観察されなかった。
このような結果から、PEMハイドロゲルが膵臓オルガノイドの培養だけでなく生体内移植用素材としても適用可能であることが分かる。
脱細胞膵臓組織由来ハイドロゲル支持体を利用した膵臓オルガノイドの生体内移植(3)(図21)
マウス急性膵炎モデルにDiI蛍光試薬で標識された膵臓オルガノイドを脱細胞PEMハイドロゲル支持体を利用して移植し、生着有無を移植2週間後に蛍光発現を通じて観察した。損傷した膵臓組織部位に移植した膵臓オルガノイドは、2週間の間に良く生着されて存在することが確認された。また、膵管(pancreatic duct)細胞マーカーであるKRT19を同時に染色した際、膵管の特徴を有する膵臓オルガノイドが周辺の膵臓組織の膵管部と共にKRT19マーカーを良く発現していることが確認された。移植されていない組織ではDiI蛍光が観察されなかった。
このような結果から、PEMハイドロゲルが膵臓オルガノイドの培養だけでなく生体内移植用素材としても適用可能であることが分かる。
上述した本発明の説明は例示のためのものであり、本発明の属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想や必須の特徴を変更せずに他の具体的な形態に容易に変形可能であるということを理解できるはずである。それゆえ、上記した実施例は全ての面において例示的なものであり、限定的なものではないと理解すべきである。
他に定義されない限り、分子生物学、微生物学、タンパク質精製、タンパク質工学、DNA序列分析及び当業者の能力範囲内において再組合DNA分野で良く使用される通常の技術によって行われても良い。上記技術は当業者に知られており、多くの標準化された教材及び参考文献に記述されている。
(B)膵臓オルガノイド培養10日目(P1)と30日目(P5)に幹細胞マーカー及び膵臓分化マーカーの遺伝子発現を比較した際、マトリゲルで培養されたオルガノイドと比べて、脱細胞膵臓組織由来PEMハイドロゲル支持体で培養された膵臓オルガノイドにおいて、幹細胞性(Stemness)と係わる遺伝子発現は類似に維持され、膵臓分化マーカー発現は増加することが確認された。PEMハイドロゲルで30日間長期培養された膵臓オルガノイドにおける分化マーカーの発現がマトリゲルグループよりも高く維持されたことから、PEMハイドロゲルを利用した膵臓オルガノイドの長期培養可能性を確認することができた。

Claims (8)

  1. 膵臓組織由来細胞外基質(Pancreas Extracellular Matrix;PEM)を含む、膵臓オルガノイド培養及び移植用支持体。
  2. 前記膵臓組織由来細胞外基質は、膵臓組織にTriton X-100及び水酸化アンモニウムを混合した溶液を処理して脱細胞されたものである、請求項1に記載の支持体。
  3. 前記支持体内の前記膵臓組織由来細胞外基質の濃度は、1mg/ml~10mg/mlである、請求項1に記載の支持体。
  4. 1)分離された膵臓組織を破砕するステップと、
    2)前記破砕された膵臓組織にTriton X-100及び水酸化アンモニウムを処理して脱細胞し、脱細胞された膵臓組織由来細胞外基質(PEM)を製造するステップと
    を含む、膵臓オルガノイド培養及び移植用支持体製造方法。
  5. 前記ステップ2)の後、3)前記脱細胞膵臓組織由来細胞外基質(PEM)を凍結乾燥して凍結乾燥膵臓組織由来細胞外基質を製造するステップをさらに含む、請求項4に記載の膵臓オルガノイド培養及び移植用支持体製造方法。
  6. 前記ステップ3)の後、4)前記凍結乾燥膵臓組織由来細胞外基質をハイドロゲル形態の膵臓オルガノイド培養及び移植用支持体に形成するステップをさらに含む、請求項5に記載の膵臓オルガノイド培養及び移植用支持体製造方法。
  7. 前記ステップ4)は、前記凍結乾燥膵臓組織由来細胞外基質をペプシン溶液に溶解させて溶液化した後、pHを調整してハイドロゲル化する、請求項6に記載の膵臓オルガノイド培養及び移植用支持体製造方法。
  8. 請求項1の支持体又は請求項4の製造方法により製造された支持体において膵臓オルガノイドを培養する方法。
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