JP2023551667A - 抗-インフルエンザ抗体及びその組合せ - Google Patents

抗-インフルエンザ抗体及びその組合せ Download PDF

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Abstract

本開示は、一部、インフルエンザ感染症を防御及び治療するための、抗-インフルエンザ抗体(及びその抗原結合断片)並びにそれらの組合せに関する。ここで開示された組合せは、驚くべき相乗作用を提供し、且つインフルエンザA型ウイルス(IAV)感染症、インフルエンザB型ウイルス(IBV)感染症、又はその両方などの、インフルエンザ感染症を、強力に防御、阻害、又は中和することができる。

Description

配列表に関する陳述
本出願に関連した配列表は、紙コピーの代わりにテキストフォーマットで提供され、且つこれにより本明細書に引用により組み込まれている。配列表を含むテキストファイルのファイル名は、930585_415WO_SEQUENCE_LISTING.txt.である。このテキストファイルは、174KBであり、2021年11月16日に作製され、EFS-Webを介して電子的に提出されている。
背景
インフルエンザは、毎年大流行する世界中に蔓延する感染症であり、これは1年間に約300万から約500万の重症疾患症例、並びに約290,000から650,000例の呼吸器死を生じている(WHO、Influenza (Seasonal) Fact sheet、2018年11月6日)。その最も一般的症状は、突然の発熱、咳(通常乾性)、頭痛、筋肉痛及び関節痛、重度の不快感(気分がすぐれない感覚)、咽喉炎及び鼻水である。潜伏期間は、1日~4日の間を変動するが、通常ウイルス曝露のおよそ2日後に症状が始まる。インフルエンザの合併症は、肺炎、副鼻腔炎、及び喘息もしくは心不全などの既存の健康上の問題点の悪化、敗血症又は慢性基礎疾患の増悪を含むことがある。
インフルエンザは、マイナス鎖の1本鎖分節化されたRNAゲノムを含む、オルソミクソウイルス科の抗原性があり且つ遺伝子的に多様なウイルス群であるインフルエンザウイルスにより引き起こされる。4種のインフルエンザウイルス(A、B、C及びD型)のうち、3種(A、B及びC型)は、ヒトに影響を及ぼすことが知られている。インフルエンザウイルスは、存在する主要表面タンパク質の異なる亜型であるヘマグルチニン(HA)及びノイラミニダーゼ(NA)を基に、分類され得る。それらのヘマグルチニン(“HA”)タンパク質により規定された、少なくとも18種のインフルエンザA亜型が存在する。HAは、2つのグループに分類することができる。グループ1は、H1、H2、H5、H6、H8、H9、H11、H12、H13、H16及びH17亜型を含み、並びにグループ2は、H3、H4、H7、H10、H14及びH15亜型を含む。全ての亜型が鳥類には存在するが、主にH1、H2及びH3亜型が、ヒトにおいて疾患を引き起こす。H5、H7及びH9亜型は、ヒトにおいて散発性の重症感染症を引き起こし、且つ新たな大流行をもたらし得る。インフルエンザA型ウイルスは、抗原連続変異と称される現象である、新規バリアントの作出を断続進化させる。結果として、過去のウイルスに反応して産生された抗体は、新たに連続変異されたウイルスに対し余り防御的でないか又は全く防御的でない。結果、新規ワクチンが、出現が予想されるH1及びH3ウイルスに対し、毎年製造されなければならず、このプロセスは非常に経費がかかり、常に効率的ではない。同じことが、H5インフルエンザワクチンの製造にも当てはまる。
HAは、インフルエンザA型ウイルスの主要表面タンパク質であり、感染又はワクチン接種により誘導された中和抗体の第一の標的である。理論により結びつけられることを欲するものではないが、HAは、上気道の細胞又は赤血球など、膜上にシアル酸を伴う細胞へのウイルスの結合に寄与する。加えてHAは、pHが低下した後の、ウイルスエンベロープのエンドソーム膜との融合を媒介する。HAは、ホモ三量体の膜内因性糖タンパク質である。HA三量体は、3つの同一モノマーで構成され、各々は、2つのジスルフィド橋により連結されたHA1領域及びHA2領域を持つインタクトなHA0シングルポリペプチド鎖で作製される。各HA2領域は、アルファヘリックスコイルドコイル構造をとり、且つHAの「ステム」又は「スターク」領域を主に形成する一方で、HA1領域は、α/β構造の混合を含む小型の球状ドメイン(HAの「ヘッド」領域)である。球状のHAヘッド領域は、シアル酸受容体への結合を媒介する一方で、HAステムは、低pHによりエンドソーム内で始動される後続のウイルスと細胞膜の融合を媒介する。免疫優性HA球状ヘッドドメインは、一定の抗原連続変異を受ける独特な抗原部位による高い可塑性を有するのに対し、HAステム領域は、亜型間で比較的保存されている。現在のインフルエンザワクチンは、大半は、HAのステム領域よりもより迅速に進化する、免疫優性で可変性のHAヘッド領域に対する免疫応答を誘導する(Kirkpatrick E, Qiu X, Wilson PC, Bahl J, Krammer F. The influenza virus hemagglutinin head evolves faster than the stalk domain. Sci Rep. 2018 Jul 11;8(1):10432)。従って、特定のインフルエンザワクチンは通常、わずか数年間の防御をもたらし、且つインフルエンザワクチンの毎年の再開発が必要とされる。
少なくとも11種の異なるノイラミニダーゼ亜型(各々N1からN11(cdc.gov/flu/about/viruses/types.htm))が存在する。ノイラミニダーゼは、感染した宿主細胞から放出される前にビリオン上の、及び標的細胞表面糖タンパク質上の、シアル酸残基の加水分解を触媒することにより、ウイルスの移動性及び蔓延において機能する。ノイラミニダーゼを阻害するように設計された薬物(NAI)が開発されているが(例えば、オセルタミビル、ザナミビル、ペラミビル、ラニナミビル)、IAV亜型の自然獲得変異は、現在のNAIに対する感受性を低下している(Hussainら、Infection and Drug Resistance 10:121-134 (2017)。
インフルエンザウイルス感染症を治療又は防御するための新規モダリティが、必要とされている。
図1A-1Fは、抗-HA(ヘマグルチニン)モノクローナル抗体と組合せた抗-NA(ノイラミニダーゼ)モノクローナル抗体による、インフルエンザウイルスのインビトロ中和を示す。抗-NAモノクローナル抗体“FNI3”(VH:配列番号:72;VL:配列番号:78)及び“FNI9”(VH:配列番号:132;VL:配列番号:138)、並びに抗-HAモノクローナル抗体“FM08”(VH:配列番号:43;VL:配列番号:44;同じくKallewaard ら、Cell 166(3):596-608 (2016)参照、図1A)及び“FHF11”(VH:配列番号:2;VL:配列番号:8)を、2’-(4-メチルウンベリフェリル)-α-D-N-アセチルノイラミン酸(MUNANA)の切断を測定する、シアリダーゼ阻害についての蛍光-ベースのアッセイを使用し、評価した。FM08+FNI3(図1A)、FM08+FNI9(図1B)、FHF11+FNI9(図1C)によるH1N1 Cal/09シアリダーゼ活性の阻害;並びに、FM08とFNI3(図1D)、FM08とFNI9(図1E)、FHF11とFNI9(図1F)によるH3N2 HK/68シアリダーゼ活性の阻害が、示されている。ヒートマップは、μg/mlでの中和率(%)(上側パネル;抗体濃度は、x軸及びy軸上に示している)、並びに相乗/拮抗スコア(下側パネル、指定された濃度での、抗体組合せの増加もしくは減少した中和、対、単独抗体の組合せ作用を反映している(例えば、FM08+FNI9の作用、対、FM08単独の作用+FNI9単独の作用))を描いている。単独の抗体の作用は、図1A-1Fの各々において、上側グラフの一番左側行及び底列に示されている。 図1A-1Fは、抗-HA(ヘマグルチニン)モノクローナル抗体と組合せた抗-NA(ノイラミニダーゼ)モノクローナル抗体による、インフルエンザウイルスのインビトロ中和を示す。抗-NAモノクローナル抗体“FNI3”(VH:配列番号:72;VL:配列番号:78)及び“FNI9”(VH:配列番号:132;VL:配列番号:138)、並びに抗-HAモノクローナル抗体“FM08”(VH:配列番号:43;VL:配列番号:44;同じくKallewaard ら、Cell 166(3):596-608 (2016)参照、図1A)及び“FHF11”(VH:配列番号:2;VL:配列番号:8)を、2’-(4-メチルウンベリフェリル)-α-D-N-アセチルノイラミン酸(MUNANA)の切断を測定する、シアリダーゼ阻害についての蛍光-ベースのアッセイを使用し、評価した。FM08+FNI3(図1A)、FM08+FNI9(図1B)、FHF11+FNI9(図1C)によるH1N1 Cal/09シアリダーゼ活性の阻害;並びに、FM08とFNI3(図1D)、FM08とFNI9(図1E)、FHF11とFNI9(図1F)によるH3N2 HK/68シアリダーゼ活性の阻害が、示されている。ヒートマップは、μg/mlでの中和率(%)(上側パネル;抗体濃度は、x軸及びy軸上に示している)、並びに相乗/拮抗スコア(下側パネル、指定された濃度での、抗体組合せの増加もしくは減少した中和、対、単独抗体の組合せ作用を反映している(例えば、FM08+FNI9の作用、対、FM08単独の作用+FNI9単独の作用))を描いている。単独の抗体の作用は、図1A-1Fの各々において、上側グラフの一番左側行及び底列に示されている。 図1A-1Fは、抗-HA(ヘマグルチニン)モノクローナル抗体と組合せた抗-NA(ノイラミニダーゼ)モノクローナル抗体による、インフルエンザウイルスのインビトロ中和を示す。抗-NAモノクローナル抗体“FNI3”(VH:配列番号:72;VL:配列番号:78)及び“FNI9”(VH:配列番号:132;VL:配列番号:138)、並びに抗-HAモノクローナル抗体“FM08”(VH:配列番号:43;VL:配列番号:44;同じくKallewaard ら、Cell 166(3):596-608 (2016)参照、図1A)及び“FHF11”(VH:配列番号:2;VL:配列番号:8)を、2’-(4-メチルウンベリフェリル)-α-D-N-アセチルノイラミン酸(MUNANA)の切断を測定する、シアリダーゼ阻害についての蛍光-ベースのアッセイを使用し、評価した。FM08+FNI3(図1A)、FM08+FNI9(図1B)、FHF11+FNI9(図1C)によるH1N1 Cal/09シアリダーゼ活性の阻害;並びに、FM08とFNI3(図1D)、FM08とFNI9(図1E)、FHF11とFNI9(図1F)によるH3N2 HK/68シアリダーゼ活性の阻害が、示されている。ヒートマップは、μg/mlでの中和率(%)(上側パネル;抗体濃度は、x軸及びy軸上に示している)、並びに相乗/拮抗スコア(下側パネル、指定された濃度での、抗体組合せの増加もしくは減少した中和、対、単独抗体の組合せ作用を反映している(例えば、FM08+FNI9の作用、対、FM08単独の作用+FNI9単独の作用))を描いている。単独の抗体の作用は、図1A-1Fの各々において、上側グラフの一番左側行及び底列に示されている。 図1A-1Fは、抗-HA(ヘマグルチニン)モノクローナル抗体と組合せた抗-NA(ノイラミニダーゼ)モノクローナル抗体による、インフルエンザウイルスのインビトロ中和を示す。抗-NAモノクローナル抗体“FNI3”(VH:配列番号:72;VL:配列番号:78)及び“FNI9”(VH:配列番号:132;VL:配列番号:138)、並びに抗-HAモノクローナル抗体“FM08”(VH:配列番号:43;VL:配列番号:44;同じくKallewaard ら、Cell 166(3):596-608 (2016)参照、図1A)及び“FHF11”(VH:配列番号:2;VL:配列番号:8)を、2’-(4-メチルウンベリフェリル)-α-D-N-アセチルノイラミン酸(MUNANA)の切断を測定する、シアリダーゼ阻害についての蛍光-ベースのアッセイを使用し、評価した。FM08+FNI3(図1A)、FM08+FNI9(図1B)、FHF11+FNI9(図1C)によるH1N1 Cal/09シアリダーゼ活性の阻害;並びに、FM08とFNI3(図1D)、FM08とFNI9(図1E)、FHF11とFNI9(図1F)によるH3N2 HK/68シアリダーゼ活性の阻害が、示されている。ヒートマップは、μg/mlでの中和率(%)(上側パネル;抗体濃度は、x軸及びy軸上に示している)、並びに相乗/拮抗スコア(下側パネル、指定された濃度での、抗体組合せの増加もしくは減少した中和、対、単独抗体の組合せ作用を反映している(例えば、FM08+FNI9の作用、対、FM08単独の作用+FNI9単独の作用))を描いている。単独の抗体の作用は、図1A-1Fの各々において、上側グラフの一番左側行及び底列に示されている。 図1A-1Fは、抗-HA(ヘマグルチニン)モノクローナル抗体と組合せた抗-NA(ノイラミニダーゼ)モノクローナル抗体による、インフルエンザウイルスのインビトロ中和を示す。抗-NAモノクローナル抗体“FNI3”(VH:配列番号:72;VL:配列番号:78)及び“FNI9”(VH:配列番号:132;VL:配列番号:138)、並びに抗-HAモノクローナル抗体“FM08”(VH:配列番号:43;VL:配列番号:44;同じくKallewaard ら、Cell 166(3):596-608 (2016)参照、図1A)及び“FHF11”(VH:配列番号:2;VL:配列番号:8)を、2’-(4-メチルウンベリフェリル)-α-D-N-アセチルノイラミン酸(MUNANA)の切断を測定する、シアリダーゼ阻害についての蛍光-ベースのアッセイを使用し、評価した。FM08+FNI3(図1A)、FM08+FNI9(図1B)、FHF11+FNI9(図1C)によるH1N1 Cal/09シアリダーゼ活性の阻害;並びに、FM08とFNI3(図1D)、FM08とFNI9(図1E)、FHF11とFNI9(図1F)によるH3N2 HK/68シアリダーゼ活性の阻害が、示されている。ヒートマップは、μg/mlでの中和率(%)(上側パネル;抗体濃度は、x軸及びy軸上に示している)、並びに相乗/拮抗スコア(下側パネル、指定された濃度での、抗体組合せの増加もしくは減少した中和、対、単独抗体の組合せ作用を反映している(例えば、FM08+FNI9の作用、対、FM08単独の作用+FNI9単独の作用))を描いている。単独の抗体の作用は、図1A-1Fの各々において、上側グラフの一番左側行及び底列に示されている。 図1A-1Fは、抗-HA(ヘマグルチニン)モノクローナル抗体と組合せた抗-NA(ノイラミニダーゼ)モノクローナル抗体による、インフルエンザウイルスのインビトロ中和を示す。抗-NAモノクローナル抗体“FNI3”(VH:配列番号:72;VL:配列番号:78)及び“FNI9”(VH:配列番号:132;VL:配列番号:138)、並びに抗-HAモノクローナル抗体“FM08”(VH:配列番号:43;VL:配列番号:44;同じくKallewaard ら、Cell 166(3):596-608 (2016)参照、図1A)及び“FHF11”(VH:配列番号:2;VL:配列番号:8)を、2’-(4-メチルウンベリフェリル)-α-D-N-アセチルノイラミン酸(MUNANA)の切断を測定する、シアリダーゼ阻害についての蛍光-ベースのアッセイを使用し、評価した。FM08+FNI3(図1A)、FM08+FNI9(図1B)、FHF11+FNI9(図1C)によるH1N1 Cal/09シアリダーゼ活性の阻害;並びに、FM08とFNI3(図1D)、FM08とFNI9(図1E)、FHF11とFNI9(図1F)によるH3N2 HK/68シアリダーゼ活性の阻害が、示されている。ヒートマップは、μg/mlでの中和率(%)(上側パネル;抗体濃度は、x軸及びy軸上に示している)、並びに相乗/拮抗スコア(下側パネル、指定された濃度での、抗体組合せの増加もしくは減少した中和、対、単独抗体の組合せ作用を反映している(例えば、FM08+FNI9の作用、対、FM08単独の作用+FNI9単独の作用))を描いている。単独の抗体の作用は、図1A-1Fの各々において、上側グラフの一番左側行及び底列に示されている。
図2A-2Cは、抗-HAモノクローナル抗体と組合せた抗-NAモノクローナル抗体による、インフルエンザウイルスのインビトロ中和を示す。抗-NAモノクローナル抗体“FNI9”(VH:配列番号:132;VL:配列番号:138)、“FNI17”(VH:配列番号:192;VL:配列番号:198)、及び“FNI19”(VH:配列番号:204;VL:配列番号:210)、並びに抗-HAモノクローナル抗体“FM08”(VH:配列番号:43;VL:配列番号:44;同じくKallewaardら、Cell 166(3):596-608 (2016)参照、図1A)は、核タンパク質染色により評価した。FM08+FNI9(図2A)、FM08+FNI17(図2B)、及びFM08+FNI19(図2C)によるH3N2 A/Hong Kong/1/1968シアリダーゼ活性の阻害が、示されている。ヒートマップは、μg/mlでの中和率(%)(上側パネル;抗体濃度は、x軸及びy軸上に示している)、並びに相乗/拮抗スコア(下側パネル、指定された濃度での、抗体組合せの増加もしくは減少した中和、対、単独抗体の組合せ作用を反映している(例えば、FM08+FNI9の作用、対、FM08単独の作用+FNI9単独の作用))を描いている。相乗マトリクス及びスコアは、MacSynergyIIを用いて作製した。“1:1”は、抗-NAの抗-HAモノクローナル抗体に対する比を示している。単独の抗体の作用は、図2A-2Cの各々において、上側グラフの一番左側行及び底列に示されている。 図2A-2Cは、抗-HAモノクローナル抗体と組合せた抗-NAモノクローナル抗体による、インフルエンザウイルスのインビトロ中和を示す。抗-NAモノクローナル抗体“FNI9”(VH:配列番号:132;VL:配列番号:138)、“FNI17”(VH:配列番号:192;VL:配列番号:198)、及び“FNI19”(VH:配列番号:204;VL:配列番号:210)、並びに抗-HAモノクローナル抗体“FM08”(VH:配列番号:43;VL:配列番号:44;同じくKallewaardら、Cell 166(3):596-608 (2016)参照、図1A)は、核タンパク質染色により評価した。FM08+FNI9(図2A)、FM08+FNI17(図2B)、及びFM08+FNI19(図2C)によるH3N2 A/Hong Kong/1/1968シアリダーゼ活性の阻害が、示されている。ヒートマップは、μg/mlでの中和率(%)(上側パネル;抗体濃度は、x軸及びy軸上に示している)、並びに相乗/拮抗スコア(下側パネル、指定された濃度での、抗体組合せの増加もしくは減少した中和、対、単独抗体の組合せ作用を反映している(例えば、FM08+FNI9の作用、対、FM08単独の作用+FNI9単独の作用))を描いている。相乗マトリクス及びスコアは、MacSynergyIIを用いて作製した。“1:1”は、抗-NAの抗-HAモノクローナル抗体に対する比を示している。単独の抗体の作用は、図2A-2Cの各々において、上側グラフの一番左側行及び底列に示されている。 図2A-2Cは、抗-HAモノクローナル抗体と組合せた抗-NAモノクローナル抗体による、インフルエンザウイルスのインビトロ中和を示す。抗-NAモノクローナル抗体“FNI9”(VH:配列番号:132;VL:配列番号:138)、“FNI17”(VH:配列番号:192;VL:配列番号:198)、及び“FNI19”(VH:配列番号:204;VL:配列番号:210)、並びに抗-HAモノクローナル抗体“FM08”(VH:配列番号:43;VL:配列番号:44;同じくKallewaardら、Cell 166(3):596-608 (2016)参照、図1A)は、核タンパク質染色により評価した。FM08+FNI9(図2A)、FM08+FNI17(図2B)、及びFM08+FNI19(図2C)によるH3N2 A/Hong Kong/1/1968シアリダーゼ活性の阻害が、示されている。ヒートマップは、μg/mlでの中和率(%)(上側パネル;抗体濃度は、x軸及びy軸上に示している)、並びに相乗/拮抗スコア(下側パネル、指定された濃度での、抗体組合せの増加もしくは減少した中和、対、単独抗体の組合せ作用を反映している(例えば、FM08+FNI9の作用、対、FM08単独の作用+FNI9単独の作用))を描いている。相乗マトリクス及びスコアは、MacSynergyIIを用いて作製した。“1:1”は、抗-NAの抗-HAモノクローナル抗体に対する比を示している。単独の抗体の作用は、図2A-2Cの各々において、上側グラフの一番左側行及び底列に示されている。
図3A及び3Bは、抗-NA FNI3及びFNI9、操作された抗-HAモノクローナル抗体“FHF11_v9”(VH:配列番号:37;VL:配列番号:8)、及びそれらの組合せによる、FcγRIIIa(図3A;F158アレル)及びFcγRIIa(図3B;H131アレル)の活性化を示す。活性化は、H1N1 A/PR/8/34で予備-感染させたA549細胞と接触後、操作されたJurkat細胞において、NFAT-媒介したルシフェラーゼレポーターを使用し、測定した。比較用抗体“FM08_LS”(M428L/N434S変異を持つFM08)及び無関係の抗原に対する陰性対照抗体“K-”による活性化も、測定した。 図3A及び3Bは、抗-NA FNI3及びFNI9、操作された抗-HAモノクローナル抗体“FHF11_v9”(VH:配列番号:37;VL:配列番号:8)、及びそれらの組合せによる、FcγRIIIa(図3A;F158アレル)及びFcγRIIa(図3B;H131アレル)の活性化を示す。活性化は、H1N1 A/PR/8/34で予備-感染させたA549細胞と接触後、操作されたJurkat細胞において、NFAT-媒介したルシフェラーゼレポーターを使用し、測定した。比較用抗体“FM08_LS”(M428L/N434S変異を持つFM08)及び無関係の抗原に対する陰性対照抗体“K-”による活性化も、測定した。
図4A-4Bは、抗-NAモノクローナル抗体“1G01-LS”(1G01は、Stadlbauerらにより説明される(Science 366(6464):499-504 (2019);図1B参照;その中の抗体1G01のVH及びVLアミノ酸配列、並びにStadlbauerらの図1Bにおける1E01及び1G04のそれは、引用により本明細書中に組み込まれており、これらの実験において、M428L及びN434SのFc変異を生じる)、抗-HA FM08-LS、及び両方の組合せによる、FcγRIIIaの活性化を示す。活性化は、H1N1 A/PR/8/34(図4A;感染多重度(MOI)=6)及びH3N2 A/Aichi/2/68(図4B;MOI=18)で予備-感染させたA549細胞と接触後、操作されたJurkat細胞において、NFAT-媒介したルシフェラーゼレポーターを使用し、測定した。陰性対照抗体(FY1-LALA)による活性化も、測定した。 図4A-4Bは、抗-NAモノクローナル抗体“1G01-LS”(1G01は、Stadlbauerらにより説明される(Science 366(6464):499-504 (2019);図1B参照;その中の抗体1G01のVH及びVLアミノ酸配列、並びにStadlbauerらの図1Bにおける1E01及び1G04のそれは、引用により本明細書中に組み込まれており、これらの実験において、M428L及びN434SのFc変異を生じる)、抗-HA FM08-LS、及び両方の組合せによる、FcγRIIIaの活性化を示す。活性化は、H1N1 A/PR/8/34(図4A;感染多重度(MOI)=6)及びH3N2 A/Aichi/2/68(図4B;MOI=18)で予備-感染させたA549細胞と接触後、操作されたJurkat細胞において、NFAT-媒介したルシフェラーゼレポーターを使用し、測定した。陰性対照抗体(FY1-LALA)による活性化も、測定した。
図5A-5Bは、抗-NA 1G01-LS、抗-HA FM08-LS、及び両方の組合せによる、FcγRIIIaの活性化を示す。活性化は、H1N1 A/PR/8/34(図5A;MOI=6)及びH3N2 A/Aichi/2/68(図5B;MOI=6)で予備-感染させたA549細胞と接触後、操作されたJurkat細胞において、NFAT-媒介したルシフェラーゼレポーターを使用し、測定した。陰性対照抗体(FY1-LALA)による活性化も、測定した。 図5A-5Bは、抗-NA 1G01-LS、抗-HA FM08-LS、及び両方の組合せによる、FcγRIIIaの活性化を示す。活性化は、H1N1 A/PR/8/34(図5A;MOI=6)及びH3N2 A/Aichi/2/68(図5B;MOI=6)で予備-感染させたA549細胞と接触後、操作されたJurkat細胞において、NFAT-媒介したルシフェラーゼレポーターを使用し、測定した。陰性対照抗体(FY1-LALA)による活性化も、測定した。
図6A-6Bは、IAV A/Puerto Rico/8/34に感染したBALB/cマウスにおける、抗-NA抗体の抗-HA抗体と組合せの予防活性を評価する、インビボ試験のデザインを示す。1G01を、抗-NA抗体として使用し、及びFM08を、抗-HA抗体として使用した。図6Aは、本試験において使用した投与量及びウイルス株を示している。図6Bは、本試験のタイムライン及びエンドポイントを示している。 図6A-6Bは、IAV A/Puerto Rico/8/34に感染したBALB/cマウスにおける、抗-NA抗体の抗-HA抗体と組合せの予防活性を評価する、インビボ試験のデザインを示す。1G01を、抗-NA抗体として使用し、及びFM08を、抗-HA抗体として使用した。図6Aは、本試験において使用した投与量及びウイルス株を示している。図6Bは、本試験のタイムライン及びエンドポイントを示している。
図7A-7Lは、抗-NA 1G01、抗-HA FM08、又は1G01とFM08の組合せによる前処置後、H1N1 A/Puerto Rico/8/34に感染された、BALB/cマウスにおける、15日間にわたる体重測定を示している。A/Puerto Rico/8/34のLD90(90%致死量)による感染の1日前に、抗体1mg/kg、0.5mg/kg、0.25mg/kg、又は0.125mg/kgを投与した。ビヒクル対照を投与したマウスの体重も、測定した(各図の左側グラフ)。データは、以下のように示している:1mg/kg 1G01(図7A)。 図7A-7Lは、抗-NA 1G01、抗-HA FM08、又は1G01とFM08の組合せによる前処置後、H1N1 A/Puerto Rico/8/34に感染された、BALB/cマウスにおける、15日間にわたる体重測定を示している。A/Puerto Rico/8/34のLD90(90%致死量)による感染の1日前に、抗体1mg/kg、0.5mg/kg、0.25mg/kg、又は0.125mg/kgを投与した。ビヒクル対照を投与したマウスの体重も、測定した(各図の左側グラフ)。データは、以下のように示している:1mg/kg FM08(図7B)。 図7A-7Lは、抗-NA 1G01、抗-HA FM08、又は1G01とFM08の組合せによる前処置後、H1N1 A/Puerto Rico/8/34に感染された、BALB/cマウスにおける、15日間にわたる体重測定を示している。A/Puerto Rico/8/34のLD90(90%致死量)による感染の1日前に、抗体1mg/kg、0.5mg/kg、0.25mg/kg、又は0.125mg/kgを投与した。ビヒクル対照を投与したマウスの体重も、測定した(各図の左側グラフ)。データは、以下のように示している:1mg/kg 1G01+1mg/kg FM08(図7C)。 図7A-7Lは、抗-NA 1G01、抗-HA FM08、又は1G01とFM08の組合せによる前処置後、H1N1 A/Puerto Rico/8/34に感染された、BALB/cマウスにおける、15日間にわたる体重測定を示している。A/Puerto Rico/8/34のLD90(90%致死量)による感染の1日前に、抗体1mg/kg、0.5mg/kg、0.25mg/kg、又は0.125mg/kgを投与した。ビヒクル対照を投与したマウスの体重も、測定した(各図の左側グラフ)。データは、以下のように示している:0.5mg/kg 1G01(図7D)。 図7A-7Lは、抗-NA 1G01、抗-HA FM08、又は1G01とFM08の組合せによる前処置後、H1N1 A/Puerto Rico/8/34に感染された、BALB/cマウスにおける、15日間にわたる体重測定を示している。A/Puerto Rico/8/34のLD90(90%致死量)による感染の1日前に、抗体1mg/kg、0.5mg/kg、0.25mg/kg、又は0.125mg/kgを投与した。ビヒクル対照を投与したマウスの体重も、測定した(各図の左側グラフ)。データは、以下のように示している:0.5mg/kg FM08(図7E)。 図7A-7Lは、抗-NA 1G01、抗-HA FM08、又は1G01とFM08の組合せによる前処置後、H1N1 A/Puerto Rico/8/34に感染された、BALB/cマウスにおける、15日間にわたる体重測定を示している。A/Puerto Rico/8/34のLD90(90%致死量)による感染の1日前に、抗体1mg/kg、0.5mg/kg、0.25mg/kg、又は0.125mg/kgを投与した。ビヒクル対照を投与したマウスの体重も、測定した(各図の左側グラフ)。データは、以下のように示している:0.5mg/kg 1G01+0.5mg/kg FM08(図7F)。 図7A-7Lは、抗-NA 1G01、抗-HA FM08、又は1G01とFM08の組合せによる前処置後、H1N1 A/Puerto Rico/8/34に感染された、BALB/cマウスにおける、15日間にわたる体重測定を示している。A/Puerto Rico/8/34のLD90(90%致死量)による感染の1日前に、抗体1mg/kg、0.5mg/kg、0.25mg/kg、又は0.125mg/kgを投与した。ビヒクル対照を投与したマウスの体重も、測定した(各図の左側グラフ)。データは、以下のように示している:0.25mg/kg 1G01(図7G)。 図7A-7Lは、抗-NA 1G01、抗-HA FM08、又は1G01とFM08の組合せによる前処置後、H1N1 A/Puerto Rico/8/34に感染された、BALB/cマウスにおける、15日間にわたる体重測定を示している。A/Puerto Rico/8/34のLD90(90%致死量)による感染の1日前に、抗体1mg/kg、0.5mg/kg、0.25mg/kg、又は0.125mg/kgを投与した。ビヒクル対照を投与したマウスの体重も、測定した(各図の左側グラフ)。データは、以下のように示している:0.25mg/kg FM08(図7H)。 図7A-7Lは、抗-NA 1G01、抗-HA FM08、又は1G01とFM08の組合せによる前処置後、H1N1 A/Puerto Rico/8/34に感染された、BALB/cマウスにおける、15日間にわたる体重測定を示している。A/Puerto Rico/8/34のLD90(90%致死量)による感染の1日前に、抗体1mg/kg、0.5mg/kg、0.25mg/kg、又は0.125mg/kgを投与した。ビヒクル対照を投与したマウスの体重も、測定した(各図の左側グラフ)。データは、以下のように示している:0.25mg/kg 1G01+0.25mg/kg FM08(図7I)。 図7A-7Lは、抗-NA 1G01、抗-HA FM08、又は1G01とFM08の組合せによる前処置後、H1N1 A/Puerto Rico/8/34に感染された、BALB/cマウスにおける、15日間にわたる体重測定を示している。A/Puerto Rico/8/34のLD90(90%致死量)による感染の1日前に、抗体1mg/kg、0.5mg/kg、0.25mg/kg、又は0.125mg/kgを投与した。ビヒクル対照を投与したマウスの体重も、測定した(各図の左側グラフ)。データは、以下のように示している:0.125mg/kg 1G01(図7J)。 図7A-7Lは、抗-NA 1G01、抗-HA FM08、又は1G01とFM08の組合せによる前処置後、H1N1 A/Puerto Rico/8/34に感染された、BALB/cマウスにおける、15日間にわたる体重測定を示している。A/Puerto Rico/8/34のLD90(90%致死量)による感染の1日前に、抗体1mg/kg、0.5mg/kg、0.25mg/kg、又は0.125mg/kgを投与した。ビヒクル対照を投与したマウスの体重も、測定した(各図の左側グラフ)。データは、以下のように示している:0.125mg/kg FM08-rIgG(図7K)。 図7A-7Lは、抗-NA 1G01、抗-HA FM08、又は1G01とFM08の組合せによる前処置後、H1N1 A/Puerto Rico/8/34に感染された、BALB/cマウスにおける、15日間にわたる体重測定を示している。A/Puerto Rico/8/34のLD90(90%致死量)による感染の1日前に、抗体1mg/kg、0.5mg/kg、0.25mg/kg、又は0.125mg/kgを投与した。ビヒクル対照を投与したマウスの体重も、測定した(各図の左側グラフ)。データは、以下のように示している:0.125mg/kg 1G01+0.125mg/kg FM08(図7L)。
図8A-8Bは、1G01、FM08、又は1G01とFM08の組合せによる処置後、A/Puerto Rico/8/34で感染したBALB/cマウスにおける体重減少の曲線下面積分析からの、血清中のIgGと比較した負の曲線下面積ピークを示す。負の曲線下面積ピークは、mg/kgで、投与した各mAb量(図8A)、又は総抗体量(図8B)によりグラフ化している。 図8A-8Bは、1G01、FM08、又は1G01とFM08の組合せによる処置後、A/Puerto Rico/8/34で感染したBALB/cマウスにおける体重減少の曲線下面積分析からの、血清中のIgGと比較した負の曲線下面積ピークを示す。負の曲線下面積ピークは、mg/kgで、投与した各mAb量(図8A)、又は総抗体量(図8B)によりグラフ化している。
図9A-9Cは、1G01とFM08の組合せで処置した後、A/Puerto Rico/8/34で感染したBALB/cマウスにおける体重減少の曲線下面積分析のCompusynソフトウェア読み取りを示す。相乗作用、相加作用、及び拮抗作用の定量的定義に関する、(図9A)投与量-効果曲線、アイソボログラム(すなわち、等作用曲線、図9B)、及び(図9C)組合せ指数が、示されている。 図9A-9Cは、1G01とFM08の組合せで処置した後、A/Puerto Rico/8/34で感染したBALB/cマウスにおける体重減少の曲線下面積分析のCompusynソフトウェア読み取りを示す。相乗作用、相加作用、及び拮抗作用の定量的定義に関する、(図9A)投与量-効果曲線、アイソボログラム(すなわち、等作用曲線、図9B)、及び(図9C)組合せ指数が、示されている。 図9A-9Cは、1G01とFM08の組合せで処置した後、A/Puerto Rico/8/34で感染したBALB/cマウスにおける体重減少の曲線下面積分析のCompusynソフトウェア読み取りを示す。相乗作用、相加作用、及び拮抗作用の定量的定義に関する、(図9A)投与量-効果曲線、アイソボログラム(すなわち、等作用曲線、図9B)、及び(図9C)組合せ指数が、示されている。
図10A及び10Bは、抗体注射後24時間及びLD90(90%致死量)のA/Puerto Rico/8/34による感染直前の、BALB/cマウスの血清中の、ヒトIgGの定量を示す。BALB/cマウスは、1G01、FM08、又は1G01とFM08を、各抗体について1mg/kg、0.5mg/kg、0.25mg/kg、又は0.125mg/kgで、静脈内に注射した。図10Aは、μg/mlで報告された、抗体注射後24時間での血清中のヒトIgGを示している。図10Bは、A/Puerto Rico/8/34で感染したBALB/cマウスにおける体重減少の曲線下面積分析(図8A-8B)からの、血清中のIgGと比較したH1N1負の曲線下面積ピーク、及びEC50(半有効濃度)値を示している。 図10A及び10Bは、抗体注射後24時間及びLD90(90%致死量)のA/Puerto Rico/8/34による感染直前の、BALB/cマウスの血清中の、ヒトIgGの定量を示す。BALB/cマウスは、1G01、FM08、又は1G01とFM08を、各抗体について1mg/kg、0.5mg/kg、0.25mg/kg、又は0.125mg/kgで、静脈内に注射した。図10Aは、μg/mlで報告された、抗体注射後24時間での血清中のヒトIgGを示している。図10Bは、A/Puerto Rico/8/34で感染したBALB/cマウスにおける体重減少の曲線下面積分析(図8A-8B)からの、血清中のIgGと比較したH1N1負の曲線下面積ピーク、及びEC50(半有効濃度)値を示している。
図11は、1G01、FM08、又は1G01とFM08の組合せによる処置後、A/Puerto Rico/8/34で感染したBALB/cマウスにおける、15日間にわたる生存を示している。ビヒクル対照で前処置したマウスにおける生存も測定した。
図12A-12Bは、(図12A)0.25mg/kg 1G01、0.25mg/kg FM08、もしくは0.25mg/kg 1G01+0.25mg/kg FM08;又は、(図12B)0.25mg/kg 1G01、0.25mg/kg FM08、及び0.125mg/kg 1G01+0.125mg/kg FM08による処置後、A/Puerto Rico/8/34で感染したBALB/cマウスにおける、15日間にわたる生存を示している。ビヒクル対照で前処置したマウスにおける生存も測定した。 図12A-12Bは、(図12A)0.25mg/kg 1G01、0.25mg/kg FM08、もしくは0.25mg/kg 1G01+0.25mg/kg FM08;又は、(図12B)0.25mg/kg 1G01、0.25mg/kg FM08、及び0.125mg/kg 1G01+0.125mg/kg FM08による処置後、A/Puerto Rico/8/34で感染したBALB/cマウスにおける、15日間にわたる生存を示している。ビヒクル対照で前処置したマウスにおける生存も測定した。
図13は、抗-NA(FNI17)及び抗-HA(FM08)抗原-結合ドメインを含む、DVD(二重可変ドメイン)二重特異性抗体である“FNI17-L-FM08-DVDIg1-LS”のデザインを示す。
図14A-14Bは、FNI17-FM08-DVDIg1-LSによる、シアリダーゼ活性のインビトロ阻害を示す。比較用被験物質は、H1N1 Cal/09(図14A)及びH3N2 HK/68(図14B)に対する、FNI17 mAb単独、FNI17+FM08 mAb、又はFM08 mAb単独であった。算出したIC50値(nM)は、各図面のグラフの下側に示している。 図14A-14Bは、FNI17-FM08-DVDIg1-LSによる、シアリダーゼ活性のインビトロ阻害を示す。比較用被験物質は、H1N1 Cal/09(図14A)及びH3N2 HK/68(図14B)に対する、FNI17 mAb単独、FNI17+FM08 mAb、又はFM08 mAb単独であった。算出したIC50値(nM)は、各図面のグラフの下側に示している。
図15A-15Bは、FM08-FNI9-DVDIg1-LS、FNI9-FM08-DVDIg1-LS、FM08-FNI17-DVDIg1-LS、及びFNI17-FM08-DVDIg1-LSによるH5及びH7シュードタイプ化されたウイルスのインビトロ中和を示している。比較用抗体FM08のデータも示している。図15Aは、H5/VN1194 ppの中和を示す。図15Bは、H7/IT/99 ppの中和を示す。算出したIC50値(nM)は、各図面のグラフの下側に示している。 図15A-15Bは、FM08-FNI9-DVDIg1-LS、FNI9-FM08-DVDIg1-LS、FM08-FNI17-DVDIg1-LS、及びFNI17-FM08-DVDIg1-LSによるH5及びH7シュードタイプ化されたウイルスのインビトロ中和を示している。比較用抗体FM08のデータも示している。図15Aは、H5/VN1194 ppの中和を示す。図15Bは、H7/IT/99 ppの中和を示す。算出したIC50値(nM)は、各図面のグラフの下側に示している。
図16A-16Bは、FcγRIIIa(図16A;F158アレル)及びFcγRIIa(図16B;H131アレル)の抗体活性化を示す。活性化は、操作したJurkat細胞において、NFAT-媒介したルシフェラーゼレポーターを用いて測定した。FM08-FNI17-DVDIg1-LS及びFNI17-FM08-DVDIg1-LSを、比較用抗体FM08_LS、FHF12-LS、FHF11-v9-LS、及び陰性対照抗体(FY1-LALA)と共に試験した。 図16A-16Bは、FcγRIIIa(図16A;F158アレル)及びFcγRIIa(図16B;H131アレル)の抗体活性化を示す。活性化は、操作したJurkat細胞において、NFAT-媒介したルシフェラーゼレポーターを用いて測定した。FM08-FNI17-DVDIg1-LS及びFNI17-FM08-DVDIg1-LSを、比較用抗体FM08_LS、FHF12-LS、FHF11-v9-LS、及び陰性対照抗体(FY1-LALA)と共に試験した。
図17は、H1N1 PR8/8/34感染したBALB/cマウスにおいて、FNI17-FM08-DVDIg1_LS(“DVDフォーマット”)の予防活性を評価するための、インビボ試験の投与量及び処置群を示す。4種の処置群(p)(被験物質、“TA1-TA4”)であるFM08_LS(TA1、“mAb-08”)、FNI17_LS(TA2、“mAb-17”)、FM08_LS+FNI17_LS(TA3、“mAb-08+mAb-17”)、及びFNI17-FM08-DVDIg1-LS(TA4、“DVDフォーマット”)を評価した。
図18A-18Dは、FM08_LS(TA1、“mAb-08”)、FNI17_LS(TA2、“mAb-17”)、FM08_LS+FNI17_LS(TA3、“mAb-08+mAb-17”)、及びFNI17-FM08-DVD-LS(TA4、“DVDフォーマット”)による前処置後、インフルエンザウイルスで感染した、BALB/cマウスにおける15日間にわたる体重の測定値を示している。LD90(90%致死量)のH1N1 PR8/8/34による感染の1日前に、抗体1mg/kg(図18A)、0.5mg/kg(図18B)、0.25mg/kg(図18C)、又は0.125mg/kg(図18D)を投与した。FNI17-FM08-DVD-LS(TA4、“DVDフォーマット”)処置群のマウスは、TA1-TA3の用量の体重用量(mg/kg)に相当する同等数の分子を受け取った。 図18A-18Dは、FM08_LS(TA1、“mAb-08”)、FNI17_LS(TA2、“mAb-17”)、FM08_LS+FNI17_LS(TA3、“mAb-08+mAb-17”)、及びFNI17-FM08-DVD-LS(TA4、“DVDフォーマット”)による前処置後、インフルエンザウイルスで感染した、BALB/cマウスにおける15日間にわたる体重の測定値を示している。LD90(90%致死量)のH1N1 PR8/8/34による感染の1日前に、抗体1mg/kg(図18A)、0.5mg/kg(図18B)、0.25mg/kg(図18C)、又は0.125mg/kg(図18D)を投与した。FNI17-FM08-DVD-LS(TA4、“DVDフォーマット”)処置群のマウスは、TA1-TA3の用量の体重用量(mg/kg)に相当する同等数の分子を受け取った。 図18A-18Dは、FM08_LS(TA1、“mAb-08”)、FNI17_LS(TA2、“mAb-17”)、FM08_LS+FNI17_LS(TA3、“mAb-08+mAb-17”)、及びFNI17-FM08-DVD-LS(TA4、“DVDフォーマット”)による前処置後、インフルエンザウイルスで感染した、BALB/cマウスにおける15日間にわたる体重の測定値を示している。LD90(90%致死量)のH1N1 PR8/8/34による感染の1日前に、抗体1mg/kg(図18A)、0.5mg/kg(図18B)、0.25mg/kg(図18C)、又は0.125mg/kg(図18D)を投与した。FNI17-FM08-DVD-LS(TA4、“DVDフォーマット”)処置群のマウスは、TA1-TA3の用量の体重用量(mg/kg)に相当する同等数の分子を受け取った。 図18A-18Dは、FM08_LS(TA1、“mAb-08”)、FNI17_LS(TA2、“mAb-17”)、FM08_LS+FNI17_LS(TA3、“mAb-08+mAb-17”)、及びFNI17-FM08-DVD-LS(TA4、“DVDフォーマット”)による前処置後、インフルエンザウイルスで感染した、BALB/cマウスにおける15日間にわたる体重の測定値を示している。LD90(90%致死量)のH1N1 PR8/8/34による感染の1日前に、抗体1mg/kg(図18A)、0.5mg/kg(図18B)、0.25mg/kg(図18C)、又は0.125mg/kg(図18D)を投与した。FNI17-FM08-DVD-LS(TA4、“DVDフォーマット”)処置群のマウスは、TA1-TA3の用量の体重用量(mg/kg)に相当する同等数の分子を受け取った。 図18A-18Dは、FM08_LS(TA1、“mAb-08”)、FNI17_LS(TA2、“mAb-17”)、FM08_LS+FNI17_LS(TA3、“mAb-08+mAb-17”)、及びFNI17-FM08-DVD-LS(TA4、“DVDフォーマット”)による前処置後、インフルエンザウイルスで感染した、BALB/cマウスにおける15日間にわたる体重の測定値を示している。LD90(90%致死量)のH1N1 PR8/8/34による感染の1日前に、抗体1mg/kg(図18A)、0.5mg/kg(図18B)、0.25mg/kg(図18C)、又は0.125mg/kg(図18D)を投与した。FNI17-FM08-DVD-LS(TA4、“DVDフォーマット”)処置群のマウスは、TA1-TA3の用量の体重用量(mg/kg)に相当する同等数の分子を受け取った。 図18A-18Dは、FM08_LS(TA1、“mAb-08”)、FNI17_LS(TA2、“mAb-17”)、FM08_LS+FNI17_LS(TA3、“mAb-08+mAb-17”)、及びFNI17-FM08-DVD-LS(TA4、“DVDフォーマット”)による前処置後、インフルエンザウイルスで感染した、BALB/cマウスにおける15日間にわたる体重の測定値を示している。LD90(90%致死量)のH1N1 PR8/8/34による感染の1日前に、抗体1mg/kg(図18A)、0.5mg/kg(図18B)、0.25mg/kg(図18C)、又は0.125mg/kg(図18D)を投与した。FNI17-FM08-DVD-LS(TA4、“DVDフォーマット”)処置群のマウスは、TA1-TA3の用量の体重用量(mg/kg)に相当する同等数の分子を受け取った。 図18A-18Dは、FM08_LS(TA1、“mAb-08”)、FNI17_LS(TA2、“mAb-17”)、FM08_LS+FNI17_LS(TA3、“mAb-08+mAb-17”)、及びFNI17-FM08-DVD-LS(TA4、“DVDフォーマット”)による前処置後、インフルエンザウイルスで感染した、BALB/cマウスにおける15日間にわたる体重の測定値を示している。LD90(90%致死量)のH1N1 PR8/8/34による感染の1日前に、抗体1mg/kg(図18A)、0.5mg/kg(図18B)、0.25mg/kg(図18C)、又は0.125mg/kg(図18D)を投与した。FNI17-FM08-DVD-LS(TA4、“DVDフォーマット”)処置群のマウスは、TA1-TA3の用量の体重用量(mg/kg)に相当する同等数の分子を受け取った。 図18A-18Dは、FM08_LS(TA1、“mAb-08”)、FNI17_LS(TA2、“mAb-17”)、FM08_LS+FNI17_LS(TA3、“mAb-08+mAb-17”)、及びFNI17-FM08-DVD-LS(TA4、“DVDフォーマット”)による前処置後、インフルエンザウイルスで感染した、BALB/cマウスにおける15日間にわたる体重の測定値を示している。LD90(90%致死量)のH1N1 PR8/8/34による感染の1日前に、抗体1mg/kg(図18A)、0.5mg/kg(図18B)、0.25mg/kg(図18C)、又は0.125mg/kg(図18D)を投与した。FNI17-FM08-DVD-LS(TA4、“DVDフォーマット”)処置群のマウスは、TA1-TA3の用量の体重用量(mg/kg)に相当する同等数の分子を受け取った。
図19A-19Bは、H1N1 PR8/8/34で感染し、並びにFM08_LS又はFNI17_LS(図19A);又は、FM08_LS+FNI17_LSもしくはFNI17-FM08-DVD-LS(図19B)の異なる投与量で前処置した、BALB/cマウスにおける、15日間にわたる生存を示している。 図19A-19Bは、H1N1 PR8/8/34で感染し、並びにFM08_LS又はFNI17_LS(図19A);又は、FM08_LS+FNI17_LSもしくはFNI17-FM08-DVD-LS(図19B)の異なる投与量で前処置した、BALB/cマウスにおける、15日間にわたる生存を示している。
図20は、FNI17_LS、FM08_LS、FNI17_LS及びFM08_LS、又はFNI17/FM08_LS二重可変ドメイン抗体(DVD)による前処置後、IAVで感染したマウスにおける、感染後0日目から14日目までの体重減少を示している(負の曲線下面積ピーク値として報告)。ビヒクル対照で前処置したマウスにおける体重減少も測定した。
左側のグラフにおいて、1mg/kg投与量(5本のバーの最も左側)に関して、バーは左から右に順に、図面の凡例の上から下の方向に対応する(すなわち、ビヒクルは、1mg/kg象限(quadrant)の最も左側のバーであり;FNI17/FM08_LS DVDは、最も右側のバーである)。他の投与量で、バーは左から右に順に、FNI17から始まる、図面の凡例の上から下の方向に対応する(すなわち、FNI17は、0.5mg/kg象限の最も左側のバーであり;FNI17/FM08_LS DVDは、最も右側のバーである)。右側のより小さいグラフにおいて、バーは(左から右へ):ビヒクル;FNI17+FM08_LS;FNI17;FM08_LSである。
詳細な説明
本開示は、一部、インフルエンザ感染症を防御及び治療するための、抗-インフルエンザ抗体(及びその抗原-結合断片)、この抗-インフルエンザ抗体及びその抗原-結合断片をコードしているポリヌクレオチド、並びにそれらの組合せに関する。
ここで開示された組合せは、驚くべき相乗作用を提供し、且つインフルエンザA型ウイルス(IAV)感染症、インフルエンザB型ウイルス(IBV)感染症、又はその両方などの、インフルエンザ感染症を、強力に防御、阻害、又は中和することができる。ここで開示された組合せは、ヒト及び動物-循環するIAV株に対する改善された幅(breadth)及び効能を有することができ、モノクローナル抗体-抵抗性変異体(MARM)及び/又はウイルス単離体に対する改善された機能を提供することができ、エスケープ変異体のリスクを低減することができ、インフルエンザに対する内因性免疫応答を促進することができ、非特異的活性(例えば健常対象組織に対する)は低いかもしくは持たず、季節性IAV及び/又はIBVに対して効果があり、動物IAVに対して効果があり、並びに/又は好ましい薬物動態特性を持つ。
いくつかの局面において、抗-ヘマグルチニン(HA)抗体、又はその抗原-結合断片、及び抗-ノイラミニダーゼ(NA)抗体、又はその抗原-結合断片、もしくは抗-HA及び抗-NA抗体又はそれらの抗原-結合断片をコードしている1又は複数のポリヌクレオチドを含む、組合せ及び組成物、並びにインフルエンザ感染症を防御又は治療するため、及びインフルエンザ感染症を防御又は治療するための医薬品を調製するためのその使用が、本明細書に提供される。またインフルエンザ感染症を治療又は防御する方法も提供され、ここでこの方法は、有効量の抗-HA抗体(もしくはその抗原-結合断片)及び抗-NA抗体(もしくはその抗原-結合断片)を対象へ投与すること、或いは、抗-HA抗体(もしくはその抗原-結合断片)、又はこれをコードしている1又は複数のポリヌクレオチドを、抗-NA抗体(もしくはその抗原-結合断片)を受け取った、受け取る予定である、もしくは受け取っている対象へ投与すること、或いは抗-NA抗体(もしくはその抗原-結合断片)を、抗-HA抗体(もしくはその抗原-結合断片)、又はこれをコードしている1又は複数のポリヌクレオチドを受け取った、受け取る予定である、もしくは受け取っている対象へ投与することを含む。
抗-HA結合ドメイン及び抗-NA結合ドメインを含む、多重特異性抗体又はその抗原-結合断片、並びに関連する組成物及び使用も、提供される。
本開示をより詳細に示す前に、本明細書において使用されるある種の用語の定義を提供することは、それらを理解する助けとなるであろう。追加の定義は、本開示を通じて示されている。
本説明において、任意の濃度範囲、百分率の範囲、比の範囲、又は整数の範囲は、別に指定しない限りは、言及された範囲内の任意の整数の値、並びに適切な場合は、その分数(整数の1/10、及び1/100など)を含むと理解されるべきである。また、ポリマーのサブユニット、サイズ又は厚みなど任意の物理的特徴に関して、本明細書において言及された任意の数の範囲も、別に指定しない限りは、言及された範囲内の任意の整数を含むと理解されるべきである。本明細書において使用される用語「約」は、別に指定しない限りは、指定された範囲、値、又は構造の±20%を意味する。本明細書において使用される用語「ある(a及びan)」は、列挙された成分の「1又は複数」を指すことは理解されなければならない。選択肢の使用(例えば「又は」)は、選択肢のいずれか一方、両方、又はそれらの任意の組合せを意味すると理解されなければならない。本明細書において使用される用語「含む」、「有する」及び「含んでなる」は、同義的に使用され、これらの用語及びその変形は、非限定なものとして解釈されることが意図される。
「任意の」又は「任意に」は、引き続き説明される要素、成分、事象、又は状況が、起こっても起こらなくてもよいこと、並びにその説明は、要素、成分、事象、又は状況が起こる場合、及びこれらが起こらない場合を含むことを意味する。
加えて、本明細書記載の構成体及びサブユニットの様々な組合せに由来する、個々の構成体又は構成体の群は、各構成体又は構成体の群が個別に示されたのと同程度に、本出願により明らかにされることは理解されるべきである。従って特定の構成体又は特定のサブユニットの選択は、本開示の範囲内である。
用語「から本質的になる」は、「を含んでなる」とは同等ではなく、並びに請求項の特定された物質もしくは工程を、又は請求された対象物の基本的特徴に実質的に影響を及ぼさないものを指す。例えば、ドメイン、領域、モジュール、又はタンパク質のアミノ酸配列が、組合せにおいて、ドメイン、領域、モジュール、又はタンパク質の長さの最大でも20%(例えば、最大でも15%、10%、8%、6%、5%、4%、3%、2%又は1%)に寄与し、且つドメイン(複数可)、領域(複数可)、モジュール(複数可)、又はタンパク質(例えば、結合タンパク質の標的結合親和性)の活性に実質的に影響を及ぼさない(すなわち、50%より多く活性を低下しない、例えば40%、30%、25%、20%、15%、10%、5%、もしくは1%以下)ような、伸長、欠失、変異、又はそれらの組合せ(例えば、アミノ-末端又はカルボキシ-末端の又はドメイン間のアミノ酸)を含む場合、タンパク質ドメイン、領域、又はモジュール(例えば結合ドメイン)又はタンパク質は、特定のアミノ酸配列「から本質的になる」。
本明細書において使用される「アミノ酸」は、天然の及び合成のアミノ酸、並びに天然のアミノ酸と類似の様式で機能するアミノ酸アナログ及びアミノ酸模倣体を指す。天然のアミノ酸は、遺伝暗号によりコードされたもの、並びにその後修飾されるそれらのアミノ酸、例えば、ヒドロキシプロリン、γ-カルボキシグルタミン酸、及びO-ホスホセリンなどである。アミノ酸アナログは、天然のアミノ酸と同じ基本的化学構造、すなわち、水素に結合されるα-炭素、カルボキシル基、アミノ基、及びR基を有する化合物、例えばホモセリン、ノルロイシン、メチオニンスルホキシド、メチオニンメチルスルホニウムなどを指す。そのようなアナログは、修飾されたR基(例えば、ノルロイシン)、又は修飾されたペプチド骨格を有するが、天然のアミノ酸と同じ基本的化学構造は保持する。アミノ酸模倣体は、アミノ酸の一般的化学構造とは異なる構造を有するが、天然のアミノ酸と類似した様式で機能する化合物を指す。
本明細書において使用される「変異」は、参照又は野生型の核酸分子又はポリペプチド分子と比較した、各々、核酸分子又はポリペプチド分子の配列における変化を指す。変異は、ヌクレオチド(複数可)又はアミノ酸(複数可)の置換、挿入又は欠失を含む、配列におけるいくつかの異なる型の変化を生じることができる。
「保存的置換」は、特定のタンパク質の結合の特徴に著しく影響を及ぼさない又は変更しないアミノ酸置換を指す。一般に保存的置換とは、置換されたアミノ酸残基が、類似の側鎖を有するアミノ酸残基により置き換えられているものである。保存的置換は、以下の群の一つにおいて認められる置換を含む:グループ1:アラニン(Ala又はA)、グリシン(Gly又はG)、セリン(Ser又はS)、トレオニン(Thr又はT);グループ2:アスパラギン酸(Asp又はD)、グルタミン酸(Glu又はZ);グループ3:アスパラギン(Asn又はN)、グルタミン(Gln又はQ);グループ4:アルギニン(Arg又はR)、リジン(Lys又はK)、ヒスチジン(His又はH);グループ5:イソロイシン(Ile又はI)、ロイシン(Leu又はL)、メチオニン(Met又はM)、バリン(Val又はV);及び、グループ6:フェニルアラニン(Phe又はF)、チロシン(Tyr又はY)、トリプトファン(Trp又はW)。加えて又は代わりに、アミノ酸は、類似の機能、化学構造、もしくは組成(例えば、酸性、塩基性、脂肪族、芳香族、もしくはイオウ-含有)により、保存的置換群に群別され得る。例えば、脂肪族群は、置換を目的として、Gly、Ala、Val、Leu、及びIleを含んでよい。他の保存的置換群は、以下を含む:イオウ-含有:Met及びシステイン(Cys又はC);酸性:Asp、Glu、Asn、及びGln;小型脂肪族、非極性もしくはわずかに極性の残基:Ala、Ser、Thr、Pro、及びGly;極性、負帯電した残基及びそれらのアミド:Asp、Asn、Glu、及びGln;極性、正帯電した残基:His、Arg、及びLys;大型の脂肪族、非極性残基:Met、Leu、Ile、Val、及びCys;並びに、大型の芳香族残基:Phe、Tyr、及びTrp。追加の情報は、Creighton (1984) Proteins, W.H. Freeman and Companyに認めることができる。
本明細書において使用される「タンパク質」又は「ポリペプチド」は、アミノ酸残基のポリマーを指す。タンパク質は、天然のアミノ酸ポリマー、並びに1又は複数のアミノ酸残基が対応する天然のアミノ酸の人工的な化学模倣体であるアミノ酸ポリマー、及び非天然のアミノ酸ポリマーに適用する。本開示のタンパク質、ペプチド、及びポリペプチドのバリアントも、企図される。いくつかの実施態様において、バリアントのタンパク質、ペプチド、及びポリペプチドは、本明細書に記載されたように、規定された又は参照のアミノ酸配列のアミノ酸の配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は99.9%同一であるアミノ酸配列を含むか又はこれからなる。
「核酸分子」又は「ポリヌクレオチド」又は「ポリ核酸」は、天然のサブユニット(例えば、プリンもしくはピリミジン塩基)又は非天然のサブユニット(例えば、モルホリン環)で作製され得る、共有的に連結されたヌクレオチドを含む高分子化合物を指す。プリン塩基は、アデニン、グアニン、ヒポキサンチン、及びキサンチンを含み、並びにピリミジン塩基は、ウラシル、チミン、及びシトシンを含む。核酸分子は、ポリリボ核酸(RNA)を含み、これはmRNA、microRNA、siRNA、ウイルスゲノムRNA、及び合成RNAを含み、並びにポリデオキシリボ核酸(DNA、デオキシリボ核酸とも称される)を含み、これはcDNA、ゲノムDNA、及び合成DNAを含み、これらのいずれも、1本鎖又は2本鎖であってよい。1本鎖である場合、核酸分子は、コード鎖又は非コード鎖(アンチセンス鎖)であってよい。アミノ酸配列をコードしている核酸分子は、同じアミノ酸配列をコードしている全てのヌクレオチド配列を含む。ヌクレオチド配列の一部の型はまた、イントロン(複数可)が、同時転写又は転写後機構により除去される程度に、イントロン(複数可)も含んでよい。別の言い方をすると、異なるヌクレオチド配列は、遺伝暗号の冗長もしくは縮重、又はスプライシングの結果として同じアミノ酸配列をコードしてよい。
一部の実施態様において、このポリヌクレオチドは、修飾されたヌクレオシド、cap-1構造、cap-2構造、又はそれらの任意の組合せを含む。いくつかの実施態様において、ポリヌクレオチドは、プソイドウリジン、N6-メチルアデノシン、5-メチルシチジン、2-チオウリジン、又はそれらの任意の組合せを含む。一部の実施態様において、プソイドウリジンは、N1-メチルプソイドウリジンを含む。これらの特徴は、当該技術分野において公知であり、例えば、文献Zhangら、Front. Immunol., DOI=10.3389/fimmu.2019.00594 (2019);Eylerら、PNAS 116(46): 23068-23071; DOI: 10.1073/pnas.1821754116 (2019);Nance及びMeier、ACS Cent. Sci. 2021, 7, 5, 748-756; doi.org/10.1021/acscentsci.1c00197 (2021)、並びにvan Hoecke及びRoose、J. Translational Med 17:54 (2019); https://doi.org/10.1186/s12967-019-1804-8において考察され、これらの修飾されたヌクレオシド及びmRNAの特徴は、引用により本明細書中に組み込まれている。この開示の核酸分子のバリアントも、企図される。バリアント核酸分子は、本明細書記載の規定された又は参照のポリヌクレオチドの核酸分子と、或いは約65~68℃での0.015M塩化ナトリウム、0.0015Mクエン酸ナトリウム、又は約42℃での0.015M塩化ナトリウム、0.0015Mクエン酸ナトリウム、及び50%ホルムアミドなど、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、ポリヌクレオチドとハイブリダイズする核酸分子と、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、及び好ましくは95%、96%、97%、98%、99%、又は99.9%同一である。核酸分子バリアントは、標的分子に結合するなど、本明細書に記載された機能を有するそれらの結合ドメインをコードする能力を保持している。
「パーセント配列同一性」は、配列の比較により決定されたような、2又はそれよりも多い配列の間の関係を指す。配列同一性を決定する好ましい方法は、比較される配列間で最良のマッチをもたらすようにデザインされる。例えばこれらの配列は、最適な比較を目的として整列される(例えば最適な整列のために、ギャップが、第一及び第二のアミノ酸配列又は核酸配列の一方又は両方に導入され得る)。更に非-相同配列は、比較目的のために無視されてよい。本明細書において言及されるパーセント配列同一性は、別に指定されない限りは、参照配列長にわたり、計算される。配列同一性及び類似性を決定する方法は、公に利用可能なコンピュータプログラムにおいて認めることができる。配列整列及びパーセント同一性の計算は、BLASTプログラム(例えば、BLAST 2.0、BLASTP、BLASTN、又はBLASTX)を用いて、実行されてよい。BLASTプログラムにおいて使用される数学アルゴリズムは、Altschulら, Nucleic Acids Res. 25:3389-3402, 1997において認めることができる。この開示の文脈内で、配列解析ソフトウェアが解析に使用される場合、解析の結果は、言及されたプログラムの「デフォルト値」を基にしていることは理解されるであろう。「デフォルト値」とは、最初に初期化された時にそのソフトウェアに当初読み込まれている値又はパラメータの任意のセットを意味する。
用語「単離された」とは、物質が、その当初の環境(例えば、それが天然に存在する場合、自然環境)から除去されることを意味する。例えば、生きている動物に存在する天然の核酸又はポリペプチドは、単離されていないが、自然のシステムにおいて同時に存在する物質の一部又は全てから分離されている同じ核酸又はポリペプチドは、単離されている。そのような核酸は、ベクターの一部であるか、及び/又はそのような核酸もしくはポリペプチドは、組成物(例えば、細胞溶解液)の一部であることができ、並びにそのようなベクター又は組成物が、その核酸又はポリペプチドに関する自然環境の一部ではない場合も、やはり単離されている。「単離された」は、一部の実施態様において、人体の外部にある抗体、抗原-結合断片、ポリヌクレオチド、ベクター、宿主細胞、又は組成物も説明することができる。
用語「遺伝子」は、ポリペプチド鎖の作出に関与したDNA又はRNAのセグメントを意味し;ある文脈において、これは、コード領域(例えば、5’非翻訳領域(UTR)及び3’UTR)、並びに個々のコードセグメント(エクソン)間の介在配列(イントロン)に先行する及び後続する領域を含む。
「機能性バリアント」は、この開示の親又は参照化合物と、構造的に類似しているか又は実質的に構造的に類似しているが、組成がわずかに異なる(例えば、1つの塩基、原子又は官能基が、異なる、付加される又は除去される)、ポリペプチド又はポリヌクレオチドを指し、その結果このポリペプチド又はコードされたポリペプチドは、親ポリペプチドの活性レベルの少なくとも50%の効率、好ましくは少なくとも55%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.9%、又は100%で、親ポリペプチドの少なくとも1つの機能を実行することが可能である。別の言い方をすると、この開示のポリペプチド又はコードされたポリペプチドの機能性バリアントは、この機能性バリアントが、結合親和性の測定に関するアッセイ(例えば、会合定数(Ka)又は解離定数(KD)を測定する、Biacore(登録商標)又はテトラマー染色)など、選択されたアッセイにおいて、親又は参照ポリペプチドと比較して、性能の50%以下の減少を示す場合、「類似の結合」、「類似の親和性」又は「類似の活性」を有する。
本明細書において使用される「機能性部分」又は「機能性断片」は、親又は参照化合物のドメイン、部分又は断片のみを含む、ポリペプチド又はポリヌクレオチドを指し、並びにこのポリペプチド又はコードされたポリペプチドは、親又は参照化合物のドメイン、部分又は断片に関連した少なくとも50%の活性、好ましくは親ポリペプチドの活性レベルの少なくとも55%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.9%、又は100%を維持するか、又は生物学的恩恵(例えば、エフェクター機能)を提供する。この開示のポリペプチド又はコードされたポリペプチドの「機能性部分」又は「機能性断片」は、この機能性部分又は断片が、親又は参照ポリペプチドと比較して、選択されたアッセイにおける性能の50%以下の減少(親和性に関しては親又は参照と比較して、好ましくは20%もしくは10%以下、又は対数差以下)を示す場合、「類似の結合」又は「類似の活性」を有する。
本明細書において使用される用語「操作された」、「組換え」、又は「非天然の」は、少なくとも1つの遺伝子改変を含むか、又は外来性もしくは異種核酸分子の導入により修飾されている、生物、微生物、細胞、核酸分子、又はベクターを指し、ここでそのような改変又は修飾は、遺伝子操作(すなわち、人間の介入)により導入される。遺伝子改変は、例えば、機能性RNA、タンパク質、融合タンパク質もしくは酵素をコードしている発現可能な核酸分子を導入する修飾、又は他の核酸分子の付加、欠失、置換、又は細胞の遺伝物質の他の機能的破壊を含む。追加の修飾は、例えば、そこで修飾がポリヌクレオチド、遺伝子、又はオペロンの発現を変更している非コード制御領域を含む。
本明細書において使用される「異種」又は「非-内因性」又は「外因性」は、宿主細胞もしくは対象にとって未変性ではない任意の遺伝子、タンパク質、化合物、核酸分子、もしくは活性、又は改変されている宿主細胞もしくは対象にとって未変性である任意の遺伝子、タンパク質、化合物、核酸分子、もしくは活性を指す。異種、非-内因性、又は外因性は、その構造、活性、又は両方が、未変性の遺伝子、タンパク質、化合物、もしくは核酸分子と改変されたものの間で異なるように、変異されたもしくはそうでなければ改変された遺伝子、タンパク質、化合物、又は核酸分子を含む。いくつかの実施態様において、異種、非-内因性、又は外因性の遺伝子、タンパク質、又は核酸分子(例えば、受容体、リガンドなど)は、宿主細胞又は対象に対し内因性ではなくてよいが、そのような遺伝子、タンパク質、もしくは核酸分子をコードしている代わりの核酸は、複合、形質転換、トランスフェクション、電気穿孔などにより、宿主細胞へ追加されており、ここで追加された核酸分子は、宿主細胞ゲノムへ組み込まれ得るか、又は染色体外遺伝物質として(例えば、プラスミド又は他の自己複製ベクターとして)存在することができる。用語「相同性」又は「相同体」は、宿主細胞、種、又は株において認められるか又はそれから誘導された、遺伝子、タンパク質、化合物、核酸分子、又は活性を指す。例えば、異種又は外因性ポリヌクレオチド又はポリペプチドをコードしている遺伝子は、未変性のポリヌクレオチド又は遺伝子と相同であり、且つ相同ポリペプチド又は活性をコードしてよいが、このポリヌクレオチド又はポリペプチドは、変更された構造、配列、発現レベル、又はそれらの任意の組合せを有してよい。非-内因性ポリヌクレオチド又は遺伝子、並びにコードされたポリペプチド又は活性は、同じ種、異なる種、又はそれらの組合せに由来してよい。
いくつかの実施態様において、宿主細胞に対し未変性である核酸分子又はその部分は、それが改変又は変異される場合に、宿主細胞に対し異種であると考えられるか、或いは宿主細胞に対し未変性である核酸分子は、それが異種発現制御配列により変更されているか又は宿主細胞に対し未変性の核酸分子とは通常会合されない内因性発現制御配列により変更されている場合に、異種であると考えられ得る。加えて用語「異種」は、宿主細胞に対し異なる、変更された、又は内因性でない生物活性を指すことができる。本明細書に記載されたように、2種以上の異種核酸分子は、個々の核酸分子として、複数の個別に制御された遺伝子として、多シストロン性核酸分子として、融合タンパク質をコードしている単独の核酸分子として、又はそれらの任意の組合せとして、宿主細胞へ導入され得る。
本明細書において使用する用語「内因性」又は「未変性」は、宿主細胞又は対象に正常に存在するポリヌクレオチド、遺伝子、タンパク質、化合物、分子、又は活性を指す。
本明細書において使用される用語「発現」は、それによりポリペプチドが、遺伝子などの核酸分子のコード配列を基に生成されるプロセスを指す。このプロセスは、転写、転写後制御、転写後修飾、翻訳、翻訳後制御、翻訳後修飾、又はその任意の組合せを含んでよい。発現された核酸分子は、典型的には、発現制御配列(例えばプロモーター)へ機能的に連結される。
用語「機能的に連結される」とは、単独の核酸断片上の2種又はそれよりも多い核酸分子の会合を指し、その結果一方の機能は、他方により影響される。例えば、プロモーターは、コード配列の発現が影響を及ぼすことが可能である場合、コード配列に機能的に連結される(すなわち、コード配列は、プロモーターの転写制御下にある)。「連結されない」とは、会合された遺伝子エレメントが、別のものと密に会合されず、及び一方の機能が、他方に影響を及ぼさないことを意味する。
本明細書に説明される、2種以上の異種核酸分子は、個々の核酸分子として、複数の個別に制御された遺伝子として、多シストロン性核酸分子として、タンパク質(例えば抗体の重鎖)をコードしている単独の核酸分子として、又はそれらの任意の組合せとして、宿主細胞へ導入され得る。2種又はそれよりも多い異種核酸分子が、宿主細胞へ導入される場合、2種又はそれよりも多い異種核酸分子は、単独の核酸分子として(例えば単独のベクター上に)、又は個別のベクター上で導入され得るか、単独の部位又は複数の部位で宿主染色体へ組み込まれるか、又はその任意の組合せであり得ることが理解される。言及された異種核酸分子又はタンパク質の活性の数は、コードしている核酸分子又はタンパク質の活性の数を指し、宿主細胞へ導入された個々の核酸分子の数ではない。
用語「構築体」は、組換え核酸分子(又は、文脈が明確に指摘する場合は、本開示の融合タンパク質)を含む任意のポリヌクレオチドを指す。(ポリヌクレオチド)構築体は、ベクター(例えば、細菌ベクター、ウイルスベクター)内に存在してよいか、又はゲノムに組み込まれてよい。「ベクター」は、別の核酸分子を輸送することが可能である核酸分子である。ベクターは、例えば、染色体、非-染色体、半-合成もしくは合成の核酸分子を含み得るプラスミド、コスミド、ウイルス、RNAベクター又は線状もしくは環状DNAもしくはRNA分子であってよい。本開示のベクターはまた、トランスポゾンシステムも含む(例えば、スリーピングビューティ、例えば、Geurtsら、Mol. Ther. 8:108, 2003;Matesら、Nat. Genet. 41:753, 2009参照)。例証的ベクターは、自己複製が可能なもの(エピソームベクター)、ポリヌクレオチドの細胞ゲノムへの送達が可能なもの(例えばウイルスベクター)、又はそれらが連結された核酸分子の発現が可能なもの(発現ベクター)である。
本明細書において使用される「発現ベクター」又は「ベクター」は、好適な宿主において核酸分子の発現に作用することが可能である好適な制御配列に機能的に連結されている核酸分子を含むDNA構築体を指す。そのような制御配列は、転写に作用するプロモーター、そのような転写を制御する任意のオペレーター配列、好適なmRNAリボソーム結合部位をコードしている配列、並びに転写及び翻訳の終結を制御する配列を含む。ベクターは、プラスミド、ファージ粒子、ウイルス、又は単純に可能性のあるゲノム挿入断片であってよい。一旦好適な宿主へ形質転換されると、このベクターは、宿主ゲノムを複製及び独立して機能するか、或いは場合によっては、ゲノムそれ自身へ統合するか、又はベクター内に含まれたポリヌクレオチドを、ベクター配列を伴わないゲノムへ送達することができる。本明細書において、「プラスミド」、「発現プラスミド」、「ウイルス」、及び「ベクター」は、互換的に使用されることが多い。
核酸分子の細胞への挿入の文脈中の用語「導入される」は、「トランスフェクション」、「形質転換」又は「形質導入」を意味し、且つ核酸分子の真核細胞又は原核細胞への組み込みの言及を含み、ここで核酸分子は、細胞のゲノム(例えば染色体、プラスミド、プラスチド、又はミトコンドリアDNA)へ組み込まれるか、自律複製レプリコンへ変換されるか、又は一過性に発現されてよい(例えばトランスフェクションされたmRNA)。
いくつかの実施態様において、本開示のポリヌクレオチドは、ベクターのいくつかのエレメントに機能的に連結されてよい。例えば、それらがライゲーションされるコード配列の発現及びプロセッシングに作用するために必要とされるポリヌクレオチド配列は、機能的に連結されてよい。発現制御配列は、好適な転写開始配列、終結配列、プロモーター配列、及びエンハンサー配列;スプライシングシグナル及びポリアデニル化シグナルなどの、効率的RNAプロセッシングシグナル;細胞質mRNAを安定化する配列;翻訳効率を増強する配列(すなわち、コザックコンセンサス配列);タンパク質安定性を増強する配列;並びにタンパク質分泌を増強する可能性のある配列を含んでよい。発現制御配列は、それらが関心対象の遺伝子及び関心対象の遺伝子を制御するようトランスで又は少し離れて作用する発現制御配列と隣接する場合に、機能的に連結されてよい。
いくつかの実施態様において、ベクターは、プラスミドベクター又はウイルスベクター(例えば、レンチウイルスベクター又はγ-レトロウイルスベクター)を含む。ウイルスベクターは、レトロウイルス、アデノウイルス、パルボウイルス(例えばアデノ随伴ウイルス)、コロナウイルス、マイナス鎖RNAウイルス、例としてオルソミクソウイルス(例えばインフルエンザウイルス)、ラブドウイルス(例えば狂犬病及び水疱性口内炎ウイルス)、パラミクソウイルス(例えば麻疹及びセンダイ)など、プラス鎖RNAウイルス、例としてピコルナウイルス及びアルファウイルスなど、並びにアデノウイルス、ヘルペスウイルス(例えば単純ヘルペスウイルス1型及び2型、エプスタインバーウイルス、サイトメガロウイルス)、及びポックスウイルス(例えばワクシニア、鶏痘、及びカナリア痘)を含む二本鎖DNAウイルスを含む。他のウイルスは、例えば、ノーウォークウイルス、トガウイルス、フラビウイルス、レオウイルス、パポーバウイルス、ヘパドナウイルス、及び肝炎ウイルスを含む。レトロウイルスの例は、トリ白血病-肉腫、哺乳動物のC型、B型ウイルス、D型ウイルス、HTLV-BLV群、レンチウイルス、スプマウイルスを含む(Coffin, J. M.、「Retroviridae: The viruses and their replication」、Fundamental Virology, 第3版, B. N. Fieldsら編集、Lippincott-Raven Publishers, Philadelphia, 1996)。
「レトロウイルス」は、RNAゲノムを有するウイルスであり、これは、逆転写酵素を用いDNAへ逆転写され、次に逆転写されたDNAが、宿主細胞ゲノムへ組み込まれる。「ガンマレトロウイルス」は、レトロウイルス科の属を指す。ガンマレトロウイルスの例は、マウス幹細胞ウイルス、ネズミ白血病ウイルス、ネコ白血病ウイルス、ネコ肉腫ウイルス、及びトリ細網内皮症ウイルスを含む。
「レンチウイルスベクター」は、遺伝子送達のためのHIV-ベースのレンチウイルスベクターを含み、これは組込み又は非-組込みであることができ、比較的大きいパッケージング能を有し、並びに広範な異なる細胞型を形質導入することができる。レンチウイルスベクターは、通常、3種(パッケージング、エンベロープ、及びトランスファー)又はより多くのプラスミドの、産生細胞への一過性トランスフェクション後に作出される。HIVのように、レンチウイルスベクターは、ウイルス表面糖タンパク質の、細胞表面上の受容体との相互作用を介して、標的細胞へ進入する。進入時に、そのウイルスRNAは、逆転写を受けるが、これはウイルス逆転写酵素複合体により媒介される。逆転写産物は、二本鎖の線状ウイルスDNAであり、これは感染細胞のDNAへのウイルス組込みの基質である。
いくつかの実施態様において、ウイルスベクターは、ガンマレトロウイルス、例えば、モロニーマウス白血病ウイルス(MLV)-由来ベクターであることができる。他の実施態様において、このウイルスベクターは、より複雑なレトロウイルス-由来ベクター、例えばレンチウイルス-由来ベクターであることができる。HIV-1-由来ベクターは、このカテゴリーに属する。他の例は、HIV-2、FIV、ウマ伝染性貧血ウイルス、SIV、及びマエディビスナウイルス(ヒツジのレンチウイルス)に由来したレンチウイルスベクターを含む。レトロウイルス及びレンチウイルスのウイルスベクターを使用し、及び哺乳動物の宿主細胞を、導入遺伝子を含むウイルス粒子で形質導入するために、細胞をパッケージングする方法は、当該技術分野において公知であり、且つ例えば、米国特許第8,119,772号;Walchliら、PLoS One 6:327930, 2011;Zhaoら、J. Immunol. 174:4415, 2005;Engelsら、Hum. Gene Ther. 14:1155, 2003;Frechaら、Mol. Ther. 18:1748, 2010;及び、Verhoeyenら、Methods Mol. Biol. 506:97, 2009において、先に説明されている。レトロウイルス及びレンチウイルスのベクター構築体及び発現システムはまた、市販もされている。他のウイルスベクターもまた、ポリヌクレオチド送達に使用することができ、これは例えばアデノウイルス-ベースのベクター及びアデノ随伴ウイルス(AAV)-ベースのベクターを含むDNAウイルスベクター;アンプリコンベクター、複製-欠損HSV及び弱毒化HSVを含む、単純ヘルペスウイルス(HSV)由来のベクターを含む(Kriskyら、Gene Ther. 5:1517, 1998)。
本開示の組成物及び方法と共に使用することができる他のベクターは、バキュロウイルス及びα-ウイルス由来のもの(Jolly, D J. 1999. Emerging Viral Vectors. 209-40頁、Friedmann T.編集、The Development of Human Gene Therapy. New York: Cold Spring Harbor Lab)、又はプラスミドベクター(スリーピングビューティもしくは他のトランスポゾンベクターなど)を含む。
ウイルスベクターゲノムが、個別の転写物として宿主細胞において発現されるべき複数のポリヌクレオチドを含む場合、このウイルスベクターはまた、2つ(又はそれよりも多い)転写物の間に追加配列を含み、バイシストロン性又はマルチシストロン性の発現を可能にすることができる。ウイルスベクターにおいて使用されるそのような配列の例は、配列内リボソーム進入部位(IRES)、フューリン切断部位、ウイルス2Aペプチド、又はそれらの任意の組合せを含む。
対象への直接投与のためのDNA-ベースの抗体又は抗原-結合断片をコードしているプラスミドベクターを含む、プラスミドベクターは、本明細書において更に説明されている。
本明細書において使用される用語「宿主」は、関心対象のポリペプチド(例えば本開示の抗体)を生成するための、異種核酸分子による遺伝子修飾のために標的化された細胞又は微生物を指す。
宿主細胞は、ベクターを受け取り、又は核酸の組込み又はタンパク質を発現することができる、任意の個々の細胞又は細胞培養物を含んでよい。この用語はまた、遺伝的又は表現型的に同じ又は異なるかに係わらず、宿主細胞の子孫も包含している。好適な宿主細胞は、ベクターによって決まり、且つ哺乳動物細胞、動物細胞、ヒト細胞、サル細胞、昆虫細胞、酵母細胞、及び細菌細胞を含み得る。これらの細胞は、ウイルスベクター、リン酸カルシウム沈殿法による形質転換、DEAE-デキストラン、電気穿孔法、微量注入、又は他の方法を使用することにより、ベクター又は他の物質を組み込むように誘導され得る。例えば、Sambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual 第2版(Cold Spring Harbor Laboratory, 1989)を参照されたい。
インフルエンザ感染症の文脈において、「宿主」は、インフルエンザに感染した細胞又は対象を指す。
本明細書において使用される「抗原」又は「Ag」は、免疫応答を誘発する免疫原性分子を指す。この免疫応答は、抗体産生、特異的免疫学的コンピテントな細胞の活性化、補体活性化、抗体依存性細胞傷害、又はそれらの任意の組合せに関与し得る。抗原(免疫原性分子)は、例えば、ペプチド、糖ペプチド、ポリペプチド、糖ポリペプチド、ポリヌクレオチド、多糖、脂質などであってよい。抗原は、合成されるか、組換えにより生成されるか、又は生物学的試料に由来することができることは、容易に明らかである。1又は複数の抗原を含むことができる生物学的試料の例は、組織試料、糞便試料、細胞、体液、又はそれらの組合せを含む。抗原は、抗原を発現するように修飾された又は遺伝子操作された細胞により産生され得る。抗原はまた、ビリオン内に存在するように、インフルエンザNA抗原内に存在すること、又はインフルエンザにより感染された細胞の表面上に発現もしくは存在することもできる。
用語「エピトープ」又は「抗原エピトープ」は、免疫グロブリンなどの、コグネイト結合分子により認識されるかもしくは特異的に結合される、任意の分子、構造、アミノ酸配列、もしくはタンパク質の決定基、又は他の結合する分子、ドメイン、もしくはタンパク質を含む。エピトープの決定因子は一般に、アミノ酸又は糖側鎖などの分子の化学的に活性がある表面官能基(groupings)を含み、且つ特異的三次元構造の特徴、並びに特異的電荷の特徴を有することができる。抗原が、ペプチド又はタンパク質であるか又はこれを含む場合、エピトープは、連続したアミノ酸で構成され得るか(例えば線状エピトープ)、或いはタンパク質フォールディングにより隣接するようにされるタンパク質の異なる部位又は領域に由来したアミノ酸(例えば不連続又は立体配座エピトープ)、又はタンパク質フォールディングに関わりなく密に近接している不連続アミノ酸で構成され得る。
抗体、抗原-結合断片、組合せ、及び組成物
抗-HA抗体及び抗-NA抗体が、本明細書において開示され、且つここで開示された組合せ、組成物、使用、及び方法において役立つ。提供された実施態様は、インフルエンザA型ウイルス(IAV)ヘマグルチニン(HA)へ結合し、且つIAVによる感染を中和することが可能である、抗体、又はその抗原-結合断片、並びに/又は(i)IAV、ここでIAVは、グループ1 IAV、グループ2 IAV、又は両方を含むもの;並びに(ii)インフルエンザB型ウイルス(IBV):由来のノイラミニダーゼ(NA)に結合することが可能であり、且つ感染を中和し並びに/又はIAV及び/もしくはIBVによるシアリダーゼ活性を阻害することが可能である、抗体又はその抗原-結合断片を含む。
一部の実施態様において、組成物、組合せ、又は療法は、抗-NA抗体又は抗原-結合断片と抗-HA抗体又は抗原-結合断片を、比1:1、1:1.5、1:2、1:2.5、1:3、1:4、1:5、1:10、10:1、5:1、4:1、3:1、2.5:1、又は2:1で含む。
いくつかの実施態様において、本開示の抗体又は抗原-結合断片は、HA又はNAと会合するか、又は一体化しているが、試料中のいずれか他の分子又は成分とは特異的に会合又は一体化していない。
いくつかの実施態様において、本開示の抗体又は抗原-結合断片は、IAV HA又はNAに特異的に結合する。本明細書において使用される「特異的に結合する」とは、105-1(これはこの会合反応に関する結合速度[Kon]の解離速度[Koff]に対する比と等しい)と等しい又はより大きい親和性又はKa(すなわち、1/M単位での特定の結合相互作用の平衡会合定数)での、抗体又は抗原-結合断片の抗原へ会合又は一体化する一方で、試料中のいずれか他の分子又は成分とは特異的に会合も一体化もしないことを指す。或いは、親和性は、M単位での特定の結合相互作用の平衡解離定数(Kd)として定義されてよい(例えば、10-5M~10-13M)。抗体は、「高-親和性」抗体又は「低-親和性」抗体として分類されてよい。「高-親和性」抗体は、少なくとも107-1、少なくとも108-1、少なくとも109-1、少なくとも1010-1、少なくとも1011-1、少なくとも1012-1、又は少なくとも1013-1のKaを有するそれらの抗体を指す。「低-親和性」抗体は、最大107-1、最大106-1、最大105-1のKaを有するそれらの抗体を指す。或いは、親和性は、M単位での特定の結合相互作用の平衡解離定数(Kd)として定義されてよい(例えば、10-5M~10-13M)。
特定の標的に結合する本開示の抗体を同定するため、並びに結合ドメイン又は結合タンパク質の親和性を決定するために、様々なアッセイ、例えばウェスタンブロット、ELISA(例えば直接、間接、又はサンドイッチ)、分析用超遠心分離、分光法、バイオレイヤーインターフェロメトリー、及び表面プラズモン共鳴(Biacore(登録商標))分析などが、公知である(例えば、Scatchardら、Ann. N.Y. Acad. Sci. 51:660, 1949;Wilson, Science 295:2103, 2002;Wolffら、Cancer Res. 53:2560, 1993;及び、米国特許第5,283,173号、第5,468,614号、又は同等物を参照)。親和性又は見かけの親和性又は相対親和性を評価するアッセイも、公知である。
いくつかの例において、結合は、宿主細胞におけるインフルエンザHA及び/又はNA抗原の組換え発現により(例えばトランスフェクションによる)、及び宿主細胞(例えば固定された、又は固定され且つ透過性亢進された)の抗体による免疫染色により、及び(例えばZE5 Cell Analyzer(BioRad(登録商標))及びFlowJoソフトウェア(TreeStar))を使用するフローサイトメトリーによる結合の分析により、決定することができる。一部の実施態様において、正の結合は、インフルエンザHA及び/又はNA-発現している細胞、対、対照(例えばモック)細胞の抗体による示差染色により規定することができる。
一部の実施態様において、本開示の抗体又は抗原-結合断片は、バイオレイヤーインターフェロメトリーを用いるか、又は表面プラズモン共鳴により測定されるように、インフルエンザHA又はNAタンパク質に結合する。
ここで開示された抗体又は抗原-結合断片のいくつかの特徴は、IC50値又はEC50値を用い、説明されてよい。いくつかの実施態様において、IC50は、指定された生物学的又は生化学的機能、活性、又は反応の最大阻害の半分を生じる組成物(例えば抗体)の濃度である。いくつかの実施態様において、EC50は、アッセイにおける最大反応の半分を提供する組成物の濃度である。一部の実施態様において、例えばここで開示された抗体又は抗原-結合断片の、インフルエンザによる感染を中和する能力を説明するために、IC50及びEC50は、互換的に使用される。
抗体技術分野における業者により理解される用語は、本明細書において異なるように明らかに規定されない限りは、各々、当該技術分野において獲得された意味が与えられる。例えば、用語「抗体」は、ジスルフィド結合により内部結合された、少なくとも2本の重(H)鎖及び2本の軽(L)鎖を含むインタクトな抗体、並びにscFv、Fab、又はFab’2断片などの、インタクトな抗体により認識される抗原標的分子に結合する能力を有するか又は保持するインタクトな抗体の任意の抗原-結合部分又は断片を指す。従って本明細書の用語「抗体」は、最も広い意味で使用され、且つインタクトな抗体、並びに断片、抗原結合(Fab)断片、F(ab’)2断片、Fab’断片、Fv断片、組換えIgG(rIgG)断片を含む、その機能性(抗原-結合)抗体断片、単鎖可変領域(scFv)を含む単鎖抗体断片、及びシングルドメイン抗体(例えばsdAb、sdFv、ナノボディ)断片を含む、ポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体を含む。この用語は、遺伝子操作された及び/又はそうでなければ修飾された免疫グロブリンの形、例えばイントラボディ、ペプチドボディ、キメラ抗体、完全ヒト抗体、ヒト化抗体、及びヘテロコンジュゲート抗体、多重特異性抗体、例えばDVD-Ig(例えば米国特許第8,258,268号、そのフォーマットは、その全体が引用により本明細書中に組み込まれている)、二重特異性抗体、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ、タンデムジ-scFv、及びタンデムトリ-scFvなどを包含している。特に言及しない限りは、用語「抗体」は、その機能性抗体断片を包含すると理解されるべきである。この用語はまた、IgG及びそのサブ-クラス(IgG1、IgG2、IgG3、IgG4)、IgM、IgE、IgA、並びにIgDを含む任意のクラス又はサブ-クラスの抗体を含む、インタクトな又は完全長抗体も包含している。
用語「VL」又は「VL」及び「VH」又は「VH」は、各々、抗体軽鎖及び抗体重鎖由来の可変結合領域を指す。いくつかの実施態様において、VLは、カッパ(κ)クラス(同じく本願明細書において「VK」)である。いくつかの実施態様において、VLは、ラムダ(λ)クラスである。これらの可変結合領域は、「相補性決定領域」(CDR)及び「フレームワーク領域」(FR)として公知の個別の良く定義されたサブ-領域を含む。用語「相補性決定領域」及び「CDR」は、「超可変領域」又は「HVR」と同義であり、並びに抗体可変領域内のアミノ酸の配列を指し、これは一般に抗体の抗原特異性及び/又は結合親和性を一緒にもたらし、ここで連続するCDR(すなわち、CDR1とCDR2、CDR2とCDR3)は、フレームワーク領域により一次構造において他方から分離されている。各可変領域には3つのCDRが存在している(HCDR1、HCDR2、HCDR3;LCDR1、LCDR2、LCDR3;それぞれ、CDRH及びCDRLとも称される)。いくつかの実施態様において、抗体VHは、以下のような4つのFR及び3つのCDRを含み:FR1-HCDR1-FR2-HCDR2-FR3-HCDR3-FR4;並びに、抗体VLは、以下のような4つのFR及び3つのCDRを含む:FR1-LCDR1-FR2-LCDR2-FR3-LCDR3-FR4。概して、VH及びVLは一緒に、それらの各CDRを介して、抗原-結合部位を形成する。いくつかの実施態様において、1又は複数のCDRは、抗原と接触せず、及び/又は抗原結合に対しエネルギー的に寄与しない。
本明細書において使用されるCDRの「バリアント」とは、最大1~3個のアミノ酸の置換(例えば、保存的又は非-保存的置換)、欠失、又はそれらの組合せを有する、CDR配列の機能性バリアントを指す。
CDR及びフレームワーク領域の番号付けは、いずれか公知の方法又はスキーム又はシステム、例えば、Kabat、Chothia、EU、IMGT、Contact、North、Martin、及びAHo番号付けスキームなどに従うことができる(例えば、Kabatら、"Sequences of Proteins of Immunological Interest, US Dept. Health and Human Services, Public Health Service National Institutes of Health, 1991, 第5版;Chothia及びLesk、J. Mol. Biol. 196:901-917 (1987));Lefrancら、Dev. Comp. Immunol. 27:55, 2003;Honegger及びPluckthun、J. Mol. Bio. 309:657-670 (2001);Northら、J Mol Biol. (2011) 406:228-56;doi:10.1016/j.jmb.2010.10.030;Abhinandan及びMartin、Mol Immunol. (2008) 45:3832-9. 10.1016/j.molimm.2008.05.022参照)。これらの参考文献の抗体及びCDRの番号付けシステムは、引用により本明細書中に組み込まれている。等価の残基位置は、アノテーションされ得、且つ異なる分子について、「抗原受容体ナンバリング及び受容体分類」(ANARCI)ソフトウェアツールを用い比較される(2016, Bioinformatics 15:298-300)。従って1つの番号付けスキームに従い本明細書に提供される例証的可変ドメイン(VH又はVL)配列のCDRの同定は、異なる番号付けスキームを用い決定された同じ可変ドメインのCDRを含む抗体を排除するものではない。いくつかの実施態様において、本開示の抗体は、インフルエンザによる感染を中和することが可能である。本明細書において使用される「中和抗体」は、宿主において感染症を発症させる及び/又は持続させる病原体の能力を、中和する、すなわち、防御する、阻害する、減少する、妨げる、又は干渉することができるものである。用語「中和抗体」及び「中和する一つの抗体」又は「中和する複数の抗体」は、本明細書において互換的に使用される。ここで開示された実施態様のいずれかにおいて、抗体又は抗原-結合断片は、感染症のインビトロモデルにおける及び/又は感染症のインビボ動物モデルにおける及び/又はヒトにおけるインフルエンザ感染症を、防御するか及び/又は中和することができる。いくつかの実施態様において、抗体、又はその抗原-結合断片は、ヒト、ヒト化された、又はキメラである。
一部の実施態様において、CDRは、IMGT番号付けシステムに従う。
いくつかの実施態様において、(1)抗-HA抗体又は抗原-結合断片は、相補性決定領域(CDR)H1、CDRH2、及びCDRH3を含む重鎖可変ドメイン(VH)、並びにCDRL1、CDRL2、及びCDRL3を含む軽鎖可変ドメイン(VL)を含み;(1)(i)CDRH1は、配列番号:3、32、もしくは15のいずれか一つのアミノ酸配列、又は1、2、もしくは3個の酸置換を含むその機能性バリアントを含むか又はこれからなり、その1又は複数の置換は、任意に保存的置換であるか及び/又は生殖細胞系列-コードされたアミノ酸に対する置換であり;並びに/又は、(1)(ii)CDRH2は、配列番号:4、29、35、16、もしくは42のいずれか一つのアミノ酸配列、又は1、2もしくは3個のアミノ酸置換を含むその機能性バリアントを含むか又はこれからなり、その1又は複数の置換は、任意に保存的置換であるか、及び/又は生殖細胞系列-コードされたアミノ酸に対する置換であり;並びに/又は、(1)(iii)CDRH3は、配列番号:5もしくは17のいずれか一つのアミノ酸配列、又は1、2もしくは3個のアミノ酸置換を含むその機能性バリアントを含むか又はこれからなり、その1又は複数の置換は、任意に保存的置換であるか、及び/又は生殖細胞系列-コードされたアミノ酸に対する置換であり;並びに/又は、(1)(iv)CDRL1は、配列番号:9もしくは21のいずれか一つのアミノ酸配列、又は1、2もしくは3個のアミノ酸置換を含むその機能性バリアントを含むか又はこれからなり、その1又は複数の置換は、任意に保存的置換であるか、及び/又は生殖細胞系列-コードされたアミノ酸に対する置換であり;並びに/又は、(1)(v)CDRL2は、任意に配列番号:10もしくは22のいずれか一つのアミノ酸配列、又は1、2もしくは3個のアミノ酸置換を含むその機能性バリアントを含むか又はこれからなり、その1又は複数の置換は、任意に保存的置換であるか、及び/又は生殖細胞系列-コードされたアミノ酸に対する置換であり;並びに/又は、(1)(vi)CDRL3は、配列番号:11もしくは23のいずれか一つのアミノ酸配列、又は1、2もしくは3個のアミノ酸置換を含むその機能性バリアントを含むか又はこれからなり、その1又は複数の置換は、任意に保存的置換であるか、及び/又は生殖細胞系列-コードされたアミノ酸に対する置換であり;並びに/又は、(2)抗-NA抗体又は抗原-結合断片は、CDRH1、CDRH2、及びCDRH3を含むVH、並びにCDRL1、CDRL2、及びCDRL3を含むVLを含み、ここでCDRは、IMGT番号付けシステムに従い決定され、並びにここで:(2)(i)任意にCDRH1は、配列番号:49、61、73、85、97、109、121、133、145、157、169、181、193、もしくは205のいずれか一つに示されたアミノ酸配列、又は1、2、もしくは3個の酸置換を含むその機能性バリアントを含むか又はこれからなり、その1又は複数の置換は、任意に保存的置換であるか及び/又は生殖細胞系列-コードされたアミノ酸に対する置換であり;並びに/又は、(2)(ii)任意にCDRH2は、配列番号:50、62、74、86、98、110、122、134、146、158、170、182、194、もしくは206のいずれか一つに示されたアミノ酸配列、又は1、2、もしくは3個の酸置換を含むその機能性バリアントを含むか又はこれからなり、その1又は複数の置換は、任意に保存的置換であるか及び/又は生殖細胞系列-コードされたアミノ酸に対する置換であり;並びに/又は、(2)(iii)CDRH3は、配列番号:51、63、75、218、87、99、111、123、135、230、147、159、171、183、195、もしくは207のいずれか一つに示されたアミノ酸配列、又は1、2もしくは3個のアミノ酸置換を含むその機能性バリアントを含むか又はこれからなり、その1又は複数の置換は、任意に保存的置換であるか、及び/又は生殖細胞系列-コードされたアミノ酸に対する置換であり;並びに/又は、(2)(iv)任意に、CDRL1は、配列番号:55、67、79、91、103、115、127、139、151、163、175、187、199、もしくは211のいずれか一つに示されたアミノ酸配列、又は1、2もしくは3個のアミノ酸置換を含むその機能性バリアントを含むか又はこれからなり、その1又は複数の置換は、任意に保存的置換であるか、及び/又は生殖細胞系列-コードされたアミノ酸に対する置換であり;並びに/又は、(2)(v)任意に、CDRL2は、配列番号:56、68、80、92、104、116、128、140、152、164、176、188、200、もしくは212のいずれか一つに示されたアミノ酸配列、又は1、2もしくは3個のアミノ酸置換を含むその機能性バリアントを含むか又はこれからなり、その1又は複数の置換は、任意に保存的置換であるか、及び/又は生殖細胞系列-コードされたアミノ酸に対する置換であり;並びに/又は、(2)(vi)任意に、CDRL3は、配列番号:57、69、81、221、224、227、93、105、117、129、141、233、239、153、165、177、189、201、236、もしくは213のいずれか一つに示されたアミノ酸配列、又は1、2もしくは3個のアミノ酸置換を含むその機能性バリアントを含むか又はこれからなり、その1又は複数の置換は、任意に保存的置換であるか、及び/又は生殖細胞系列-コードされたアミノ酸に対する置換である。
更なる実施態様では、(1)抗-HA抗体又は抗原-結合断片は、配列番号:(1)(i)各々3-5及び9-11;(1)(ii)各々3、29、5及び9-11;(1)(iii)各々32、4、5及び9-11;(1)(iv)各々3、35、5及び9-11;(1)(v)各々32、35、5、及び9-11;(1)(vi)各々15-17及び21-23;もしくは、(1)(vii)各々15、42、17及び21-23:のCDRH1、CDRH2、CDRH3、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3アミノ酸配列を含み;並びに/又は、(2)抗-NA抗体又は抗原-結合断片は、配列番号:(2)(i)各々49-51及び55-57;(2)(ii)各々61-63及び67-69;(2)(iii)各々73-75及び79-81;(2)(iv)各々73、74、218、及び79-81;(2)(v)各々73-75、79、80、及び221;(2)(vi)各々73-75、79、80、及び224;(2)(vii)各々73-75、79、80、及び227;(2)(viii)各々73、74、218、79、80、及び221;(2)(ix)各々73、74、218、79、80、及び224;(2)(x)各々73、74、218、79、80、及び227;(2)(xi)各々85-87及び91-93;(2)(xii)各々97-99及び103-105;(2)(xiii)各々109-111及び115-117;(2)(xiv)各々121-123及び127-129;(2)(xv)各々133-135及び139-141;(2)(xvi)各々133、134、230及び139-141;(2)(xvii)各々133-135、139、141、及び233;(2)(xviii)各々133-135、139、141、及び236;(2)(xix)各々133-135、139、141、及び239;(2)(xx)各々133、134、184、139、141、及び233;(2)(xxi)各々133、134、184、139、141、及び236;(2)(xxii)各々133、134、184、139、141、及び239;(2)(xxiii)各々145-147及び151-153;(2)(xxiv)各々157-159及び163-165;(2)(xxv)各々169-171及び175-177;(2)(xxvi)各々181-183及び187-189;(2)(xxvii)各々193-195及び199-201;もしくは、(2)(xxviii)各々205-207及び211-213:のCDRH1、CDRH2、CDRH3、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3アミノ酸配列を含む。
一部の実施態様において、(1)抗-HA抗体又は抗原-結合断片は、配列番号:(1)(i)各々3-5及び9-11;(1)(ii)各々3、29、5及び9-11;(1)(iii)各々32、4、5及び9-11;(1)(iv)各々3、35、5及び9-11;(1)(v)各々32、35、5、及び9-11;(1)(vi)各々15-17及び21-23;もしくは、(1)(vii)各々5、42、17及び21-23:のCDRH1、CDRH2、CDRH3、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3アミノ酸配列を含み;並びに/又は、(2)抗-NA抗体又は抗原-結合断片は、配列番号:(2)(i)各々73-75及び79-81;(2)(ii)各々73、74、218、及び79-81;(2)(iii)各々73-75、79、80、及び221;(2)(iv)各々73-75、79、80、及び224;(2)(v)各々73-75、79、80、及び227;(2)(vi)各々73、74、218、79、80、及び221;(2)(vii)各々73、74、218、79、80、及び224;(2)(viii)各々73、74、218、79、80、及び227;(2)(ix)各々133-135及び139-141;(2)(x)各々133、134、230及び139-141;(2)(xi)各々133-135、139、141、及び233;(2)(xii)各々133-135、139、141、及び236;(2)(xiii)各々133-135、139、141、及び239;(2)(xiv)各々133、134、184、139、141、及び233;(2)(xv)各々133、134、184、139、141、及び236;もしくは、(2)(xvi)各々133、134、184、139、141、及び239:のCDRH1、CDRH2、CDRH3、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3アミノ酸配列を含む。
いくつかの実施態様において、Kabat、Chothia、EU、IMGT、Martin(Enhanced Chothia)、Contact、及びAHo番号付け法を含む、任意の公知のCDR番号付け法を使用し決定された、配列番号:2、14、26、171、38、50、62、74、86、183、98、110、122、134、146、及び158のいずれか一つに従うVH配列、並びに配列番号:26、36、46、56、66、76、86、96、8、20、32、44、56、68、80、92、104、116、128、140、152、174、177、180、186、189、192、及び164のいずれか一つに従うVL配列のCDRを含む抗体又は抗原-結合断片が、提供される。いくつかの実施態様において、CDRは、IMGT番号付け法に従う。いくつかの実施態様において、CDRは、例えば、Molecular Operating Environment (MOE)ソフトウェア(www.chemcomp.com)を使用し;ケミカルコンピューティンググループ(CCG)により開発された抗体番号付け法に従う。
一部の実施態様において、本抗-HA抗体又は抗原-結合断片は、配列番号:43に示されたVHアミノ配列のCDRH1、CDRH2、CDRH3、並びに配列番号:44に示されたVLアミノ酸配列のCDRL1、CDRL2、及びCDRL3を含む。更なる実施態様では、抗-HA抗体又は抗原-結合断片は、配列番号:43に示されたVH及び配列番号:44に示されたVLを含む。
一部の実施態様において、本抗-NA抗体又は抗原-結合断片は、Stadlebaeurら、Science 366(6464):466-504 (2019)の図1Bに示された抗体1G01のCDRH1、CDRH2、CDRH3、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3を含み、このアミノ酸配列は引用により本明細書中に組み込まれている。更なる実施態様では、抗-NA抗体又は抗原-結合断片は、Stadlebaeurら、Science 366(6464):466-504 (2019)の図1Bに示された抗体1G01のVH及びVLを含み、このアミノ酸配列は引用により本明細書中に組み込まれている。
いくつかの実施態様において、(1)抗-HA抗体又は抗原-結合断片は、(1)(i)配列番号:2、26、28、31、34、37、14、39、41、及び43のいずれか一つに示されたアミノ酸配列と、少なくとも80%(例えば、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれよりも多い)同一性を有するアミノ酸配列を含むか又はこれからなるVHであって、ここで配列番号:2、26、28、31、34、37、14、39、41、又は43の各々に関連する配列変動が、任意に1又は複数のフレームワーク領域内に構成されるか、及び/もしくは配列変動は、生殖細胞系列-コードされたアミノ酸に対する1又は複数の置換を含むもの;並びに/又は、(1)(ii)配列番号:8、20、又は44のいずれか一つのアミノ酸配列と、少なくとも80%(例えば、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれよりも多い)同一性を有するアミノ酸配列を含むか又はこれからなるVLであって、ここで配列番号:8、20、又は44の各々に関する配列変動が、任意に1又は複数のフレームワーク領域内に構成されるか、及び/もしくは配列変動が、生殖細胞系列-コードされたアミノ酸に対する1又は複数の置換を含むもの:を含み;並びに/又は、(2)抗-NA抗体又は抗原-結合断片は、(2)(i)配列番号:48、60、72、171、84、96、108、120、132、229、144、156、168、180、192、204、241、245、及び249のいずれか一つに示されたアミノ酸配列と、少なくとも80%(例えば、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれよりも多い)同一性を有するアミノ酸配列を含むか又はこれからなるVHであって、ここで配列番号:48、60、72、171、84、96、108、120、132、229、144、156、168、180、192、204、241、245、及び249の各々に関連する配列変動は、任意に1又は複数のフレームワーク領域内に構成されるか、及び/もしくは配列変動は、生殖細胞系列-コードされたアミノ酸に対する1又は複数の置換を含むもの;並びに/又は、(2)(ii)配列番号:54、66、78、90、102、114、126、138、150、162、174、186、198、220、223、226、232、235、238、210、243、247、及び251のいずれか一つのアミノ酸配列と、少なくとも80%(例えば、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれよりも多い)同一性を有するアミノ酸配列を含むか又はこれからなるVLであって、ここで配列番号:54、66、78、90、102、114、126、138、150、162、174、186、198、220、223、226、232、235、238、210、243、247、及び251の各々に関する配列変動が、任意に1又は複数のフレームワーク領域内に構成されるか、及び/もしくは配列変動が、生殖細胞系列-コードされたアミノ酸に対する1又は複数の置換を含むもの:を含む。
特定の実施態様において、VHは、VH6-1、DH3-3、及び/又はJH6によりコードされるか、又はこれらに由来している。
一部の実施態様において、(1)抗-HA抗体又は抗原-結合断片のVH及びVLは、配列番号:(1)(i)各々2及び8;(1)(ii)各々26及び8;(1)(iii)各々28及び8;(1)(iv)各々31及び8;(1)(v)各々34及び8;(1)(vi)各々37及び8;(1)(vii)各々14及び20;(1)(viii)各々39及び20;(1)(ix)各々41及び20;又は、(1)(x)各々43及び44:のアミノ酸配列を含むか又はこれからなり;並びに/又は、(2)抗-NA抗体又は抗原-結合断片のVH及びVLは、配列番号:(2)(i)各々48及び54;(2)(ii)各々60及び66;(2)(iii)各々72及び78又は220又は223;(2)(vi)各々72及び226;(2)(vii)各々217及び78;(2)(viii)各々217及び220;(2)(ix)各々217及び223;(2)(x)各々217及び226;(2)(xi)各々84及び90;(2)(xii)各々96及び102;(2)(xiii)各々108及び114;(2)(xiv)各々120及び126;(2)(xv)各々132及び138;(2)(xvi)各々132及び232;(2)(xvii)各々132及び235;(2)(xviii)各々132及び238;(2)(xix)各々229及び138;(2)(xx)各々229及び232;(2)(xxi)各々229及び235;(2)(xxii)各々229及び238;(2)(xxiii)各々144及び150;(2)(xxiv)各々156及び162;(2)(xxv)各々168及び174;(2)(xxvi)各々180及び186;(2)(xxvii)各々192及び198;(2)(xxviii)各々204及び210;(2)(xxix)各々241及び243;(2)(xxx)各々245及び247;又は、(2)(xxxi)各々249及び251:のアミノ酸配列を含むか又はこれからなる。
特定の実施態様において、(1)抗-HA抗体又は抗原-結合断片のVH及びVLは、配列番号:(1)(i)各々2及び8;(1)(ii)各々26及び8;(1)(iii)各々28及び8;(1)(iv)各々31及び8;(1)(v)各々34及び8;(1)(vi)各々37及び8;(1)(vii)各々14及び20;(1)(viii)各々39及び20;(1)(ix)各々41及び20;又は、(1)(x)各々43及び44:のアミノ酸配列を含むか又はこれからなり;並びに/又は、(2)抗-NA抗体又は抗原-結合断片のVH及びVLは、配列番号:(2)(i)各々72及び78又は220又は223;(2)(ii)各々72及び226;(2)(iii)各々217及び78;(2)(iv)各々217及び220;(2)(v)各々132及び138;(2)(vi)各々132及び232;(2)(vii)各々132及び235;(2)(viii)各々132及び238;(2)(ix)各々229及び138;(2)(x)各々229及び232;(2)(xi)各々229及び235;(2)(xii)各々229及び238;(2)(xiii)各々217及び223;(2)(xiv)各々217及び226;(2)(xv)各々241及び243;(2)(xvi)各々245及び247;又は、(2)(xvii)各々249及び251:のアミノ酸配列を含むか又はこれからなる。
いくつかの実施態様において、NAは、N1、N2、及び/又はN9である。
いくつかの実施態様において、本抗体又は抗原-結合断片は、(1)以下のアミノ酸(N1 NA番号付け)の1又は複数のいずれかを含む、NAエピトープ:R368、R293、E228、E344、S247、D198、D151、R118;並びに/又は、(2)以下のアミノ酸(N2 NA番号付け)の1又は複数のいずれかを含む、NAエピトープ:R371、R292、E227、E344、S247、D198、D151、R118:に結合することが可能である。この抗体及び抗原-結合断片はまた、N1又はN2アミノ酸番号付けの慣習に従わないインフルエンザノイラミニダーゼに結合してもよく;これらのエピトープのアミノ酸は、NAにおいて同等である(例えば、これらの整列、3-D構造、保存、又は組合せにより)が、異なる番号付けの位置の同じアミノ酸残基により、本明細書に指定したN1又はN2アミノ酸残基に対応してよいことは、理解されるであろう。従ってN1又はN2番号付けの言及は、列挙されたアミノ酸に対応するアミノ酸として理解されるであろう。
N1、対、N2位置の番号付け(H1N1_California.07.2009及びH3N2_NewYork.392.2004を使用)を示す例は、表2に提供されている。
いくつかの実施態様において、本抗体又は抗原-結合断片は、(1)アミノ酸R368、R293、E228、D151、及びR118(N1 NA番号付け)を含む、NAエピトープ;並びに/又は、(2)アミノ酸R371、R292、E227、D151、及びR118(N2 NA番号付け)を含む、NAエピトープ:へ結合することが可能である。
いくつかの実施態様において、本抗体又は抗原-結合断片は、NA活性部位(本明細書に記載されるように、NA活性部位は、触媒コアを形成し且つシアル酸と直接接触する機能性アミノ酸、並びに活性部位フレームワークを形成する構造的アミノ酸を含む)内に構成されるか又はこれを含むエピトープへ結合することが可能であり、ここで任意に、NA活性部位は、以下のアミノ酸(N2番号付け)を含む:R118、D151、R152、R224、E276、R292、R371、Y406、E119、R156、W178、S179、D/N198、I222、E227、H274、E277、D293、E425。いくつかの実施態様において、R118、D151、R152、R224、E276、R292、R371、及びY406は、触媒コアを形成し且つシアル酸と直接接触する。いくつかの実施態様において、E119、R156、W178、S179、D/N198、I222、E227、H274、E277、D293、及びE425は、活性部位フレームワークを形成する。
いくつかの実施態様において、本エピトープは、以下のNAアミノ酸(N2番号付け)の1又は複数のいずれかを含むか又は更に含む:E344、E227、S247、及びD198。
いくつかの実施態様において、本抗体又は抗原-結合断片は、S245Nアミノ酸変異及び/又はE221Dアミノ酸変異(N2番号付け)を含むNAに結合することが可能である。
いくつかの実施態様において、NAは、IBV NAを含む。いくつかの実施態様において、抗体又は抗原-結合断片は、以下のアミノ酸(IBV番号付け;例えば、FluB Victoria及びFluB Yamagataに関して)の1又は複数のいずれかを含む、IBV NAエピトープへ結合することが可能である:R116、D149、E226、R292、及びR374。一部の実施態様において、エピトープは、アミノ酸R116、D149、E226、R292、及びR374を含む。
いくつかの実施態様において、(i)グループ1 IAV NAは、H1N1及び/もしくはH5N1を含み;(ii)グループ2 IAV NAは、H3N2及び/もしくはH7N9を含み;並びに/又は、(iii)IBV NAは、以下の1又は複数を含む:B/Lee/10/1940 (Ancestral);B/Taiwan/2/1962 (Ancestral);B/Brisbane/33/2008 (Victoria);B/Brisbane/60/2008 (Victoria);B/Malaysia/2506/2004 (Victoria);B/New York/1056/2003 (Victoria);B/Florida/4/2006(Yamagata);及び、B/Jiangsu/10/2003 (Yamagata)。
いくつかの実施態様において、本抗-HA抗体又は抗原-結合断片は、以下のIAV亜型の1又は複数のいずれかへ結合することが可能である:H1、H2、H3、H4、H5、H8、H9、H10、H11、H12、H13、H14、H15、H17、及びH18。
いくつかの実施態様において、本抗-HA抗体又は抗原-結合断片は、以下による感染を中和することが可能である:(i)H1N1 IAV、ここで任意に、H1N1 IAVは、A/California/07/2009、A/PR/8/34、及びA/Solomon Islands/3/06の1又は複数のいずれかを含み;並びに、(ii)H3N2 IAV、ここで任意に、H3N2 IAVは、A/Aichi/2/68、A/Brisbane/10/07、及びA/Hong Kong/68の1又は複数のいずれかを含み、(i)グループ1 IAV、ここで任意に、グループ1 IAVは、H5 IAVを含むか又はこれであり、ここで更に任意に、H5 IAVは、H5/VN/11/94 ppを含むか又はこれであり;並びに、(ii)グループ2 IAV、ここで任意に、グループ2 IAVは、H7 IAVを含むか又はこれであり、ここで更に任意に、H7 IAVは、H7/IT/99 ppを含むか又はこれであり、ここで任意に、感染の中和は、IAVによりシュードタイプ化されたウイルスを用い、決定される。
いくつかの実施態様において、本HAは、(i)任意に、A/England/195/2009;A/Brisbane/59/2007;A/Solomon Islands/3/2006;A/New Caledonia/20/99;A/Texas/36/1991;A/Taiwan/01/1986;A/New Jersey/8/1976;A/Albany/12/1951;A/Fort Monmouth/1/1947;A/New York/1/1918;A/Puerto Rico/8/34;及び、A/California/07/2009の1又は複数のいずれかを含む、H1 HA;(ii)任意にA/Japan/305/1957を含む、H2 HA;(iii)任意にA/Vietnam/1194/2004を含む、H5 HA;並びに、(iv)任意にA/Hong Kong/1073/99を含む、H9 HA:を含む。
ここで開示された組合せ、組成物、方法、及び使用のいずれかにおいて、(i)グループ1 IAV NAは、N1、N4、N5、及び/もしくはN8を含むことができ;並びに/又は、(ii)グループ2 IAV NAは、N2、N3、N6、N7、及び/もしくはN9を含むことができる。いくつかの実施態様において、(i)N1は、A/California/07/2009、A/California/07/2009 I23R/H275Y、A/Swine/Jiangsu/J004/2018、A/Stockholm/18/2007、A/Brisbane/02/2018、A/Michigan/45/2015、A/Mississippi/3/2001、A/Netherlands/603/2009、及びA/New Jersey/8/1976の1又は複数のいずれか由来のN1であり;(ii)N4は、A/mallard duck/Netherlands/30/2011由来であり;(iii)N5は、A/aquatic bird/Korea/CN5/2009由来であり;(iv)N8は、A/harbor seal/New Hampshire/179629/2011由来であり;(v)N2は、A/Washington/01/2007、A/HongKong/68、A/South Australia/34/2019、A/Switzerland/8060/2017、A/Singapore/INFIMH-16-0019/2016、A/Switzerland/9715293/2013、A/Leningrad/134/17/57、A/Florida/4/2006、A/Netherlands/823/1992、A/Norway/466/2014、A/Switzerland/8060/2017、A/Texas/50/2012、及びA/Victoria/361/2011の1又は複数のいずれか由来のN2であり;(vi)N3は、A/Canada/rv504/2004由来であり;(v)N6は、A/swine/Ontario/01911/1/99由来であり;(vi)N7は、A/Netherlands/078/03由来であり;並びに/又は、(vii)N9は、A/Anhui/2013由来である。
ここで開示された組合せ、組成物、方法、及び使用のいずれかにおいて、IBV NAは、以下の1又は複数のいずれか由来のNAである:B/Lee/10/1940 (Ancestral);B/Brisbane/60/2008 (Victoria);B/Malaysia/2506/2004 (Victoria);B/Malaysia/3120318925/2013 (Yamagata);B/Wisconsin/1/2010 (Yamagata);B/Yamanashi/166/1998 (Yamagata);B/Brisbane/33/2008;B/Colorado/06/2017;B/Hubei-wujiang/158/2009;B/Massachusetts/02/2012;B/Netherlands/234/2011;B/Perth/211/2001;及び、B/Phuket/3073/2013。
ここで開示された組合せ、組成物、方法、及び使用のいずれかにおいて、NAは、N1、N2、及び/又はN9である。
用語「CL」は、「免疫グロブリン軽鎖定常領域」又は「軽鎖定常領域」、すなわち抗体軽鎖由来の定常領域を指す。用語「CH」は、「免疫グロブリン重鎖定常領域」又は「重鎖定常領域」を指し、これは更に、抗体アイソタイプに応じて、CH1、CH2、及びCH3(IgA、IgD、IgG)、又はCH1、CH2、CH3、及びCH4ドメイン(IgE、IgM)へ分けられる。抗体重鎖のFc領域は、本明細書において更に説明される。ここで開示された実施態様のいずれかにおいて、本開示の抗体又は抗原-結合断片は、CL、CH1、CH2、及びCH3の1又は複数のいずれかを含む。
ここで開示された実施態様のいずれかにおいて、本開示の抗体又は抗原-結合断片は、CL、CH1、CH2、及びCH3の1又は複数のいずれかを含んでよい。いくつかの実施態様において、CLは、配列番号:254のアミノ酸配列に対し、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施態様において、CH1-CH2-CH3は、配列番号:252、配列番号:253、配列番号:280、又は配列番号:281のアミノ酸配列に対し、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。例えば、哺乳動物細胞株における生成は、抗体重鎖の1又は複数のC-末端側リジンを除去することができることは理解されるであろう(例えば、Liuら、mAbs 6(5):1145-1154 (2014)参照)。従って本開示の抗体又は抗原-結合断片は、重鎖、CH1-CH3、CH3、又はFcポリペプチドを含むことができ、ここでC-末端側リジン残基は、存在又は非存在であり;別の言い方をすると、重鎖、CH1-CH3、又はFcポリペプチドのC-末端側残基がリジンではない実施態様、及びリジンがC-末端側残基である実施態様が、包含される。いくつかの実施態様において、組成物は、複数の本開示の抗体及び/又は抗原-結合断片を含有し、ここで1又は複数の抗体又は抗原-結合断片は、重鎖、CH1-CH3、又はFcポリペプチドのC-末端側終端にリジン残基を含まず、並びにここで1又は複数の抗体又は抗原-結合断片は、重鎖、CH1-CH3、又はFcポリペプチドのC-末端側終端にリジン残基を含む。
「Fab」(抗原に結合する断片)は、抗原に結合する抗体の一部であり、且つ鎖内ジスルフィド結合により軽鎖に連結された重鎖の可変領域及びCH1を含む。各Fab断片は、抗原結合に関して一価であり、すなわち、これは単独の抗原-結合部位を有する。抗体のペプシン処理は、二価の抗原-結合活性を有する2個のジスルフィド連結されたFab断片におおまかに対応し、且つ依然抗原と交差連結することが可能である、単独の大きいF(ab’)2断片を生じる。Fab及びF(ab’)2は両方共、「抗原-結合断片」の例である。Fab’断片は、抗体ヒンジ領域からの1又は複数のシステインを含む、CH1ドメインのカルボキシ末端側に、追加の数個の残基を有することにより、Fab断片とは異なる。Fab’-SHは、定常ドメインのシステイン残基(複数可)が遊離チオール基を生じるFab’に関する本明細書における名称である。F(ab’)2抗体断片は、それらの間にヒンジシステインを有するFab’断片の対として当初生成された。抗体断片のその他の化学カップリングも公知である。
Fab断片は、例えばペプチドリンカーにより連結され、本明細書において「scFab」とも称される、単鎖Fabを形成してよい。これらの実施態様において、未変性のFabにおいて存在する鎖間ジスルフィド結合は、存在しなくてよく、及びこのリンカーは、全部で又は一部で、単独のポリペプチド鎖内のFab断片の連結又は結合に役立つ。重鎖-由来のFab断片(例えばVH+CH1、又は「Fd」を含む、からなる、又はから本質的になる)及び軽鎖-由来のFab断片(例えばVL+CLを含む、からなる、又はから本質的になる)は、任意の配置で連結され、scFabを形成することができる。例えば、scFabは、N-末端側からC-末端側方向へ、(重鎖Fab断片-リンカー-軽鎖Fab断片)又は(軽鎖Fab断片-リンカー-重鎖Fab断片)に従い、配置されてよい。ペプチドリンカー及びscFabにおいて使用するための例証的リンカー配列は、本明細書において更に詳細に考察される。
「Fv」は、完全な抗原-認識及び抗原-結合部位を含む小型の抗体断片である。この断片は、一般に、密に非共有結合した、1本の重鎖及び1本の軽鎖の可変領域ドメインの二量体からなる。しかし単独の可変ドメイン(又は抗原に特異的な3種のCDRのみを含むFvの半分)でさえも、典型的には全結合部位よりもより低い親和性ではあるが、抗原を認識し且つ結合する能力を有する。
「単鎖Fv」はまた、「sFv」又は「scFv」とも略されるが、これは、単独のポリペプチド鎖に結合されたVH及びVL抗体ドメインを含む抗体断片である。一部の実施態様において、scFvポリペプチドは、scFvが、抗原結合に関する所望の構造を保持するか又は形成することを可能にする、VH及びVLドメインの間に配置され且つこれらを連結するポリペプチドリンカーを含む。そのようなペプチドリンカーは、当該技術分野において周知の標準技術を用いて、融合ポリペプチドへ組み込まれ得る。scFvの検証に関しては、PluckthunのThe Pharmacology of Moniclonal Antibodies、113巻、Rosenburg及びMoore編集、Springer-Verlag, New York, 269-315頁(1994); Borrebaeck 1995を参照のこと。いくつかの実施態様において、抗体又は抗原-結合断片は、VHドメイン、VLドメイン、及びVHドメインをVLドメインに連結するペプチドリンカーを含むscFvを含む。特定の実施態様において、scFvは、ペプチドリンカーによりVLドメインに連結されたVHドメインを含み、これはVH-リンカー-VL配向又はVL-リンカー-VH配向であることができる。本開示の任意のscFvは、VLドメインのC-末端側終端が、短いペプチド配列により、VHドメインのN-末端側終端に連結されるように、又はその逆であるように(すなわち、(N)VL(C)-リンカー-(N)VH(C)又は(N)VH(C)-リンカー-(N)VL(C))操作されることができる。或いは一部の実施態様において、リンカーは、VHドメイン、VLドメイン、又は両方のN-末端側の部分又は終端に連結されてよい。
ペプチドリンカー配列は、例えば、(1)可動性のある伸長された立体配座を採用するそれらの能力;(2)第一及び第二のポリペプチド上並びに/又は標的分子上の機能性エピトープと相互作用することができる二次構造を採用するそれらの不能又は能力の欠如;並びに/又は、(3)ポリペプチド及び/もしくは標的分子と反応し得る疎水性又は帯電した残基の欠如又は相対的不足:を基に、選択され得る。リンカーデザイン(例えば長さ)に関する他の考察は、その中でVH及びVLが機能性抗原-結合部位を形成することができる立体配座又は立体配座の範囲を含むことができる。いくつかの実施態様において、ペプチドリンカー配列は、例えば、Gly、Asn、及びSer残基を含む。他のほぼ中性のアミノ酸、例えばThr及びAlaも、リンカー配列に含まれてよい。リンカーとして有用に利用され得る他のアミノ酸配列は、Marateaら、Gene 40:39 46 (1985);Murphyら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 83:8258 8262 (1986);米国特許第4,935,233号、及び米国特許第4,751,180号に開示されているものを含む。他の例証的且つ非限定的リンカーの例は、例えば、Glu-Gly-Lys-Ser-Ser-Gly-Ser-Gly-Ser-Glu-Ser-Lys-Val-Asp(Chaudharyら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:1066-1070 (1990))、及びLys-Glu-Ser-Gly-Ser-Val-Ser-Ser-Glu-Gln-Leu-Ala-Gln-Phe-Arg-Ser-Leu-Asp(Birdら、Science 242:423-426 (1988))、及び単独の反復で存在するか又は1~5又はそれよりも多い回数繰り返される場合の五量体Gly-Gly-Gly-Gly-Serなどを含んでよい。任意の好適なリンカーが使用されてよく、概して、長さが約3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、15 23、24、25、26、27、28、29、30、40、50、60、70、80、90、100個のアミノ酸、又は長さが約200個未満のアミノ酸であることができ、且つ好ましくは可動性のある構造を含み(リンカーにより接続された2つの領域、ドメイン、モチーフ、断片、又はモジュール間での立体配座の移動のための可動性及び空間(room)を提供することができ)、並びに好ましくは生物学的に不活性であり、及び/又はヒトにおいて低い免疫原性リスクを有するであろう。
scFvは、本明細書に開示された、VH及びVL配列の任意の組合せ、並びにCDRH1、CDRH2、CDRH3、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3配列の任意の組合せを用いて、構築され得る。
一部の実施態様において、リンカー配列は、必要とされず:例えば、第一及び第二のポリペプチドが、機能性ドメインを分離し、且つ立体的干渉を防ぐために使用されることができるような非必須N-末端側アミノ酸領域を有する場合である。
抗体開発時に、生殖細胞系列の可変部(V)、連結部(J)、及び多様性(D)の遺伝子座中のDNAは再編成され、並びにコード配列中のヌクレオチドの挿入及び/又は欠失が起こり得る。体細胞変異は、生じる配列によりコードされてよく、且つ対応する既知の生殖細胞系列配列を参照し同定され得る。一部の状況において、抗体の所望の特性にとって重大ではない体細胞変異(例えば、インフルエンザNA抗原への結合)、又は抗体の望ましくない特性をもたらす体細胞変異(例えば抗体が投与された対象における免疫原性リスクの増大)、又は両方は、対応する生殖細胞系列-コードされたアミノ酸によるか、又は異なるアミノ酸により置き換えられてよく、その結果その抗体の望ましい特性が改善又は維持され、並びにその抗体の望ましくない特性は減少又は無効にされる。従って一部の実施態様において、本開示の抗体又は抗原-結合断片は、親抗体又は抗原-結合断片と比べ、可変領域に少なくとも1よりも多い生殖細胞系列-コードされたアミノ酸を含み、但しこの親抗体又は抗原結合断片は、1又は複数の体細胞変異を含むことを条件とする。
いくつかの実施態様において、本開示の抗体又は抗原-結合断片は、単特異性であるか(例えば単独のエピトープに結合する)、又は多重特異性である(例えば多数のエピトープ及び/又は標的分子に結合する)。一部の実施態様において、多重特異性抗体又は抗原-結合断片は、HA抗原に特異的な結合ドメイン及びNA抗原に特異的な結合ドメインを含む。例えば本明細書に開示された任意の抗-HA抗体由来のCDR及び/又はVH及びVLを含む結合ドメイン並びに本明細書に開示された任意の抗-NA抗体由来のCDR及び/又はVH及びVLを含む結合ドメインは、多重特異性抗体において使用することができる。抗体及び抗原結合断片は、様々なフォーマットで構築されてよい。例証的抗体フォーマットは、Spiessら、Mol. Immunol. 67(2):95 (2015)、並びにBrinkmann及びKontermann、mAbs 9(2):182-212 (2017)に開示され、これらのフォーマット及びその製造方法は、引用により本明細書中に組み込まれており、並びにこれは、例えば、二重特異性T細胞誘導体(BiTE)、DART、ノブ-イントゥ-ホール(KIH)アッセンブリ、scFv-CH3-KIHアッセンブリ、KIH共通軽鎖抗体、TandAb、トリプルボディ、TriBiミニボディ、Fab-scFv、scFv-CH-CL-scFv、F(ab’)2-scFv2、四価HCabs、イントラボディ、CrossMab、デュアルアクションFab(DAF)(1個の中に2又は1個の中に4)、DutaMab、DT-IgG、チャージペア、Fab-アーム交換、SEEDボディ、トリオマブ、LUZ-Yアッセンブリ、Fcab、κλ-ボディ、直交性Fab、DVD-Ig(例えば米国特許第8,258,268号、そのフォーマットは、全体が引用により本明細書中に組み込まれている)、IgG(H)-scFv、scFv-(H)IgG、IgG(L)-scFv、scFv-(L)IgG、IgG(L,H)-Fv、IgG(H)-V、V(H)-IgG、IgG(L)-V、V(L)-IgG、KIH IgG-scFab、2scFv-IgG、IgG-2scFv、scFv4-Ig、Zybody、及びDVI-IgG(1個の中に4)、並びにいわゆるFIT-Ig(例えば、PCT公報WO2015/103072、そのフォーマットは、その全体が引用により本明細書中に組み込まれている)、いわゆるWuxiBodyフォーマット(例えばPCT公報WO2019/057122、そのフォーマットは、それらの全体が引用により本明細書中に組み込まれている)、及びいわゆるイン-エルボー-インサートIgフォーマット(IEI-Ig;例えばPCT公報WO2019/024979及びWO2019/025391、それらのフォーマットは、それらの全体が引用により本明細書中に組み込まれている)を含む。
いくつかの実施態様において、本抗体又は抗原-結合断片は、2以上のVHドメイン、2以上のVLドメイン、又は両方(すなわち、2以上のVHドメイン及び2以上のVLドメイン)を含む。特定の実施態様において、抗原-結合断片は、フォーマット(N-末端側からC-末端側方向に)VH-リンカー-VL-リンカー-VH-リンカー-VLを含み、ここで2つのVH配列は、同じ又は異なることができ、並びに2つのVL配列は、同じ又は異なることができる。そのような連結されたscFvは、所定の標的に結合するように配置されたVH及びVLドメインの任意の組合せを含むことができ、並びに2以上のVH及び/もしくは2以上のVLを含むフォーマットにおいて、1、2又はそれよりも多い異なるエピトープ又は抗原が結合されてよい。複数の抗原-結合ドメインを組み込むフォーマットは、任意の組合せ又は配向でVH及び/又はVL配列を含んでよいことは理解されるであろう。例えば、この抗原-結合断片は、フォーマットVL-リンカー-VH-リンカー-VL-リンカー-VH、VH-リンカー-VL-リンカー-VL-リンカー-VH、又はVL-リンカー-VH-リンカー-VH-リンカー-VLを含むことができる。
構築された本開示の単特異性又は多重特異性の抗体又は抗原-結合断片は、VH及びVL配列の任意の組合せ、並びに/又は本明細書に開示されたCDRH1、CDRH2、CDRH3、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3配列の任意の組合せを含む。二重特異性又は多重特異性の抗体又は抗原-結合断片は、一部の実施態様において、1、2又はそれよりも多い本開示の抗原-結合ドメイン(例えばVH及びVL)を含んでよい。同じ又は異なるNAエピトープに結合する2以上の結合ドメインが、存在してよく、並びに本明細書に提供される二重特異性又は多重特異性の抗体又は抗原-結合断片は、一部の実施態様において、更にNA-特異性結合ドメインを含むことができるか、並びに/又は異なる抗原又は病原体に一緒に結合する結合ドメインを含むことができる。
ここで開示された実施態様のいずれかにおいて、抗体又は抗原-結合断片は、多重特異性;例えば、二重特異性、三重特異性などであることができる。
特定の実施態様において、二重特異性抗体は、DVD-Igフォーマットで提供される。更なる実施態様では、DVD-Igフォーマット二重特異性抗体は、HA抗原へ特異的に結合することが可能である結合ドメイン及びNA抗原へ特異的に結合することが可能である結合ドメインを含む。また更なる実施態様において、HA抗原へ特異的に結合することが可能である結合ドメインは、各々配列番号:43及び44に示された可変領域アミノ酸配列に、由来するCDRを含み、並びに/又はこれに従うVH及びVLを含む。いくつかの実施態様において、NA抗原に特異的に結合することが可能である結合ドメインは、各々配列番号:72及び78、又は各々配列番号:132及び138、又は各々配列番号:192及び198、又は各々配列番号:204及び210、又は各々配列番号:241及び243に示された可変領域アミノ酸配列に、由来するCDRを含み、並びに/又はこれに従うVH及びVLを含む。この抗-HA結合ドメイン及び抗-NA結合ドメインは、DVD-Ig二重特異性抗体において、任意の配向又は配置で存在することができ;例えば、抗-HA結合ドメインは、抗-NA結合ドメインのN-末端側に配置され得るか、又は抗-NA結合ドメインは、抗-HA結合ドメインのN-末端側に配置され得ることは理解されるであろう。
他の実施態様において、二重特異性抗体は、IEI-Igフォーマットで提供される。更なる実施態様では、IEI-Igフォーマット二重特異性抗体は、HA抗原に特異的に結合することが可能である結合ドメイン及びNA抗原に特異的に結合することが可能である結合ドメインを含む。また更なる実施態様において、HA抗原に特異的に結合することが可能である結合ドメインは、各々配列番号:43及び44に示された可変領域アミノ酸配列に、由来するCDR、並びに/又はこれに従うVH及びVLを含む。いくつかの実施態様において、NA抗原に特異的に結合することが可能である結合ドメインは、各々配列番号:72及び78、又は各々配列番号:132及び138、又は各々配列番号:192及び198、又は各々配列番号:204及び210、又は各々配列番号:241及び243に示された可変領域アミノ酸配列に、由来するCDRを含み、並びに/又はこれに従うVH及びVLを含む。この抗-HA結合ドメイン及び抗-NA結合ドメインは、IEI-Ig二重特異性抗体において、任意の配向又は配置で存在することができ;例えば、抗-HA結合ドメインは、抗-NA FabのVH-CH1(又はVL-CL1)エルボー領域に配置され得るか、又は抗-NA結合ドメインは、抗-HA FabのVH-CH1(又はVL-CL1)エルボー領域に配置され得ることは理解されるであろう。
いくつかの実施態様において、この抗体又は抗原-結合断片は、Fcポリペプチド、又はその断片を含む。「Fc」断片又はFcポリペプチドは、ジスルフィドにより一緒に保持される両方の抗体H鎖のカルボキシ-末端側部分(すなわち、IgGのCH2及びCH3ドメイン)を含む。Fcは、2つのFcポリペプチド(すなわち、2つのCH2-CH3ポリペプチド)で構成される二量体を含んでよい。抗体「エフェクター機能」は、抗体のFc領域(未変性配列Fc領域又はアミノ酸配列バリアントFc領域)に起因し、且つ抗体アイソタイプで変動するそれらの生物学的活性を指す。抗体エフェクター機能の例は、以下を含む:C1q結合及び補体依存型細胞傷害性;Fc受容体結合;抗体依存性細胞介在性細胞傷害(ADCC);ファゴサイトーシス;細胞表面受容体(例えばB細胞受容体)のダウンレギュレーション;及び、B細胞活性化。本明細書において考察するように、修飾(例えばアミノ酸置換)は、Fc-含有ポリペプチド(例えば本開示の抗体)の1又は複数の機能性を修飾(例えば改善、減少、又は除去)するために、Fcドメインに成されてよい。そのような機能は、例えば、Fc受容体(FcR)結合、抗体半減期調節(例えばFcRnへの結合により)、ADCC機能、プロテインA結合、プロテインG結合、及び補体結合を含む。Fc機能性を修飾(例えば改善、減少、又は除去)するアミノ酸修飾は、例えば、T250Q/M428L、M252Y/S254T/T256E、H433K/N434F、M428L/N434S、E233P/L234V/L235A/G236+A327G/A330S/P331S、E333A、S239D/A330L/I332E、P257I/Q311、K326W/E333S、S239D/I332E/G236A、N297Q、K322A、S228P、L235E+E318A/K320A/K322A、L234A/L235A(本願明細書において「LALA」とも称される)、及びL234A/L235A/P329G変異を含み、これらの変異は、InvivoGen社(2011)により刊行され、且つオンライン上invivogen.com/PDF/review/review-Engineered-Fc-Regions-invivogen.pdf?utm_source=review&utm_medium=pdf&utm_ campaign=review&utm_content=Engineered-Fc-Regionsで入手可能な、「Engineered Fc Regions」において要約され且つ注釈されており、これは引用により本明細書中に組み込まれている。
例えば補体カスケードを活性化するために、C1qタンパク質複合体は、免疫グロブリン分子(複数可)が抗原性標的へ結合される場合に、IgG1の少なくとも2つの分子又はIgMの1つの分子へ結合することができる(Ward, E. S., 及びGhetie, V.、Ther. Immunol. 2 (1995) 77-94)。Burton, D. R.は、アミノ酸残基318-337を含む重鎖領域は、補体結合反応に関与していることを説明している(Mol. Immunol. 22 (1985) 161-206)。Duncan, A. R.及びWinter, G.(Nature 332 (1988) 738-740)は、位置指定変異誘発を使用し、Glu318、Lys320及びLys322は、C1qへの結合部位を形成することを報告した。C1qの結合におけるGlu318、Lys320及びLys322残基の役割は、これらの残基を含む短い合成ペプチドの補体媒介した溶解を阻害する能力により、確認された。
例えばFcR結合は、(抗体の)Fc部分の、造血細胞を含む細胞上の特定された細胞表面受容体であるFc受容体(FcR)との相互作用により媒介され得る。Fc受容体は、免疫グロブリンスーパーファミリーに属し、且つ免疫複合体のファゴサイトーシスによる抗体-コートされた病原体の除去、並びに抗体依存性細胞介在性細胞傷害(ADCC;Van de Winkel, J. G.及びAnderson, C. L.、J. Leukoc. Biol. 49 (1991) 511-524)を介した、対応する抗体によりコートされた赤血球及び様々な他の細胞標的(例えば腫瘍細胞)の溶解の両方を媒介することが示されている。FcRは、それらの免疫グロブリンクラスの特異性により、規定され;IgG抗体に関するFc受容体はFcγR、IgEに関してFcεR、IgAに関してFcαRなどと称され、並びに新生児Fc受容体は、FcRnと称される。Fc受容体結合は、例えば、Ravetch, J. V.及びKinet, J. P.、Annu. Rev. Immunol. 9 (1991) 457-492;Capel, P. J.ら、Immunomethods 4 (1994) 25-34;de Haas, M.ら、J Lab. Clin. Med. 126 (1995) 330-341;及び、Gessner, J. E.ら、Ann. Hematol. 76 (1998) 231-248において説明されている。
未変性IgG抗体のFcドメインによる受容体(FcγR)の架橋は、ファゴサイトーシス、抗体依存性細胞傷害、及び炎症メディエーターの放出、並びに免疫複合体クリアランス及び抗体産生の調節を含む、多種多様なエフェクター機能を始動する。受容体の架橋を提供するFc部分(例えばFcγR)が、本明細書において企図されている。ヒトにおいて、FcγRの3クラスが、今日までに特徴付けられており、これは以下である:(i)単量体IgGに高い親和性で結合し、且つマクロファージ、単球、好中球及び好酸球上で発現される、FcγRI(CD64);(ii)複合体化されたIgGに中程度から低い親和性で結合し、且つ広範に、特に白血球上で発現され、抗体-媒介免疫において中心的役割を果たすと考えられる、FcγRII(CD32)であって、並びにこれは、免疫系において異なる機能を発揮するが、IgG-Fcへ同様の低親和性で結合する、FcγRIIA、FcγRIIB及びFcγRIICに分けることができ、これらの受容体のエクトドメインは高い相同性である、FcγRII(CD32);並びに、(iii)IgGへ中程度から低い親和性で結合し、2つの型:NK細胞、マクロファージ、好酸球、及び一部の単球及びT細胞で認められ、且つADCCを媒介すると考えられるFcγRIIIA;並びに、好中球上で高度に発現されるFcγRIIIBが認められる、FcγRIII(CD16)。
FcγRIIAは、死滅に関与した多くの細胞(例えばマクロファージ、単球、好中球)において認められ、且つ死滅プロセスを活性化することができるように見える。FcγRIIBは、阻害プロセスにおいて役割を果たすように見え、並びにB細胞、マクロファージ上に、及びマスト細胞及び好酸球上において認められる。重要なことに、全てのFcγRIIBの75%は、肝臓において認められることが示されている(Ganesan, L. P.ら、2012: 「FcγRIIb on liver sinusoidal endothelium clears small immune complexes」、Journal of Immunology 189: 4981-4988)。FcγRIIBは、LSECと称される肝臓類洞内皮細胞上、及び肝臓のクッパー細胞内で、豊富に発現され、並びにLSECは、小型免疫複合体クリアランスの主要部位である(Ganesan, L. P.ら、2012: 「FcγRIIb on liver sinusoidal endothelium clears small immune complexes」、Journal of Immunology 189: 4981-4988)。
一部の実施態様において、本明細書に開示された抗体及びその抗原-結合断片は、FcγRIIbへの結合のためのFcポリペプチド又はその断片、例えばIgG型抗体などの特にFc領域を含む。更に、Chu, S. Y.ら(2008: 「Inhibition of B cell receptor-mediated activation of primary human B cells by coengagement of CD19 and FcgammaRIIb with Fc-engineered antibodies」、Molecular Immunology 45, 3926-3933)により説明されたように、変異S267E及びL328Fを導入することにより、FcγRIIB結合を増強するために、Fc部分を操作することは可能である。これにより、免疫複合体のクリアランスは、増強され得る(Chu, S.ら、2014: 「Accelerated Clearance of IgE In Chimpanzees Is Mediated By Xmab7195, An Fc-Engineered Antibody With Enhanced Affinity For Inhibitory Receptor FcγRIIb」、Am J Respir Crit, American Thoracic Society International Conference Abstracts)。一部の実施態様において、本開示の抗体、又はその抗原結合断片は、特にChu, S. Y.ら(2008: 「Inhibition of B cell receptor-mediated activation of primary human B cells by coengagement of CD19 and FcgammaRIIb with Fc-engineered antibodies」、Molecular Immunology 45, 3926-3933)により説明されたように、変異S267E及びL328Fにより操作されたFc部分を含む。
B細胞に対し、FcγRIIBは、更なる免疫グロブリン産生、及び例えばIgEクラスへのアイソタイプスウィッチィングを抑制するように機能してよい。マクロファージに対し、FcγRIIBは、FcγRIIAを介して媒介されるようファゴサイトーシスを阻害すると考えられる。好酸球及びマスト細胞に対し、B型は、その個別の受容体へのIgE結合を介して、これらの細胞の活性化を抑制することを補助することができる。
FcγRI結合に関して、E233-G236、P238、D265、N297、A327及びP329の少なくとも1つの未変性IgGにおける修飾は、FcγRIへの結合を低下する。対応する位置のIgG1及びIgG4へ置換された、233-236位でのIgG2残基は、IgG1及びIgG4の、FcγRIへの結合を、103倍低下し、並びに抗体-増感された赤血球細胞に対するヒト単球反応を除去する(Armour, K. L.ら、Eur. J. Immunol. 29 (1999) 2613-2624)。
FcγRII結合に関して、例えばE233-G236、P238、D265、N297、A327、P329、D270、Q295、A327、R292及びK414の少なくとも1つのIgG変異について、FcγRIIAに関する低下した結合が認められる。
ヒトFcγRIIAの2つのアレル型は、IgG1 Fcへ比較的高い親和性で結合する「H131」バリアント、及びIgG1 Fcへ低親和性で結合する「R131」バリアントである。例えば、Bruhnsら、Blood 113:3716-3725 (2009)参照されたい。
FcγRIII結合に関して、例えば、E233-G236、P238、D265、N297、A327、P329、D270、Q295、A327、S239、E269、E293、Y296、V303、A327、K338及びD376の少なくとも1つの変異について、FcγRIIIAへの低下した結合が認められる。上述の変異部位の、Fc受容体に関する、ヒトIgG1上の結合部位のマッピング、並びにFcγRI及びFcγRIIAへの結合の測定方法は、Shields, R. L.ら、J. Biol. Chem. 276 (2001) 6591-6604に説明されている。
ヒトFcγRIIIAの2つのアレル型は、IgG1 Fcへ比較的低い親和性で結合する「F158」バリアント、及びIgG1 Fcへ比較的高い親和性で結合する「V158」バリアントである。例えば、Bruhnsら、Blood 113:3716-3725 (2009)参照されたい。
FcγRIIへの結合に関して、未変性IgG Fcの2つの領域、すなわち(i)IgG Fcの下側ヒンジ部位、特にアミノ酸残基L、L、G、G(234-237、EU番号付け)、並びに(ii)IgG FcのCH2ドメインの隣接領域、特に下側ヒンジ領域に隣接する上側CH2ドメインにおけるループ及びストランド、例えばP331の領域:が、FcγRIIとIgGの間の相互作用に関与しているように見える(Wines, B.D.ら、J. Immunol. 2000; 164: 5313 - 5318)。更にFcγRIは、IgG Fc上の同じ部位に結合するように見えるのに対し、FcRn及びプロテインAは、IgG Fc上の異なる部位に結合し、これはCH2-CH3境界面であるように見える(Wines, B.D.ら、J. Immunol. 2000; 164: 5313-5318)。
本開示のFcポリペプチド又はその断片の、ある(すなわち1又は複数)のFcγ受容体への結合親和性を増大する変異(例えば、この変異(複数可)を含まない、参照Fcポリペプチド又はその断片又はこれを含むものと比較して)も、企図される。例えば、Delillo及びRavetch、Cell 161(5):1035-1045 (2015)、並びにAhmedら、J. Struc. Biol. 194(1):78 (2016)を参照し、そのFc変異及び技術は、引用により本明細書中に組み込まれている。
本明細書に開示された実施態様のいずれかにおいて、抗体又は抗原-結合断片は、G236A;S239D;A330L;及び、I332Eから選択された変異;又はその任意の2以上を含む組合せ;例えば、S239D/I332E;S239D/A330L/I332E;G236A/S239D/I332E;G236A/A330L/I332E(本明細書において「GAALIE」とも称される);又は、G236A/S239D/A330L/I332Eを含む、Fcポリペプチド又はその断片を含むことができる。一部の実施態様において、Fcポリペプチド又はその断片は、S239Dを含まない。一部の実施態様において、Fcポリペプチド又はその断片は、239位にSを含む(EU番号付け)。
いくつかの実施態様において、このFcポリペプチド又はその断片は、FcRn結合に関与しているFcポリペプチド又はその断片の少なくとも一部を含むか又はこれからなってよい。いくつかの実施態様において、Fcポリペプチド又はその断片は、(例えばpH約6.0で)FcRnへの結合親和性を改善する(例えば結合を増強する)1又は複数のアミノ酸修飾を含み、並びに一部の実施態様において、これにより、Fcポリペプチド又はその断片を含む分子の、インビボ半減期を延長する(例えば、参照Fcポリペプチドもしくはその断片、又はそれ以外は同じであるが修飾(複数可)を含まない抗体と比べて)。いくつかの実施態様において、Fcポリペプチド又はその断片は、IgG Fcを含むか又はこれに由来し、並びに半減期を延長する変異は、M428L;N434S;N434H;N434A;N434S;M252Y;S254T;T256E;T250Q;P257I;Q311I;D376V;T307A;E380A(EU番号付け)の1又は複数のいずれかを含む。いくつかの実施態様において、半減期を延長する変異は、M428L/N434S(本明細書において「MLNS」、「LS」、「_LS)、及び「-LS」とも称される)を含む。いくつかの実施態様において、半減期を延長する変異は、M252Y/S254T/T256Eを含む。いくつかの実施態様において、半減期を延長する変異は、T250Q/M428Lを含む。いくつかの実施態様において、半減期を延長する変異は、P257I/Q311Iを含む。いくつかの実施態様において、半減期を延長する変異は、P257I/N434Hを含む。いくつかの実施態様において、半減期を延長する変異は、D376V/N434Hを含む。いくつかの実施態様において、半減期を延長する変異は、T307A/E380A/N434Aを含む。
一部の実施態様において、抗体又は抗原-結合断片は、置換変異M428L/N434Sを含むFc部分を含む。一部の実施態様において、抗体又は抗原-結合断片は、置換変異G236A/A330L/I332Eを含むFcポリペプチド又はその断片を含む。いくつかの実施態様において、抗体又は抗原-結合断片は、G236A変異、A330L変異、及びI332E変異(GAALIE)を含むが、S239D変異を含まない(例えば239位の未変性Sを含む)、(例えばIgG)Fc部分を含む。特定の実施態様において、抗体又は抗原-結合断片は、以下の置換変異を含み:M428L/N434S及びG236A/A330L/I332E、並びに任意にS239Dを含まない(例えば239にSを含む)、Fcポリペプチド又はその断片を含む。いくつかの実施態様において、抗体又は抗原-結合断片は、置換変異:M428L/N434S及びG236A/S239D/A330L/I332Eを含む、Fcポリペプチド又はその断片を含む。
いくつかの実施態様において、この抗体又は抗原-結合断片は、グリコシル化を変更する変異を含み、ここでグリコシル化を変更する変異は、N297A、N297Q、もしくはN297Gを含むか、並びに/又は抗体又は抗原-結合断片は、部分的もしくは完全に脱グリコシル化され、及び/又は部分的もしくは完全に脱フコシル化される。部分的もしくは完全に脱グリコシル化された又は部分的もしくは完全に脱フコシル化された抗体及び抗原-結合断片を産生する宿主細胞株及び方法は、公知である(例えば、PCT公報WO2016/181357;Suzukiら、Clin. Cancer Res. 13(6):1875-82 (2007);Huang ら、MAbs 6:1-12 (2018)参照)。
いくつかの実施態様において、この抗体又は抗原-結合断片は、一度も検出可能なレベルの抗体又は抗原-結合断片が認められない対象(すなわち、抗体又は抗原-結合断片は、投与後対象からクリアランスされている)においても、対象のインビボにおける連続した防御を誘起することが可能である。そのような防御は、本明細書において、ワクチン効果と称される。理論により結びつけられることを欲するものではないが、樹状細胞は、抗体及び抗原の複合体を内部移行し、その後抗原に対する内因性免疫応答を誘導もしくはこれに寄与することができると考えられる。いくつかの実施態様において、抗体又は抗原-結合断片は、例えば抗原に対するT細胞免疫を誘導し得る樹状細胞を活性化することが可能である1又は複数の修飾、例えば、G236A、A330L、及びI332Eを含むFc中の変異などを有する。
ここで開示された実施態様のいずれかにおいて、抗体又は抗原-結合断片は、CH2(又はその断片)、CH3(又はその断片)、又はCH2及びCH3を含む、Fcポリペプチド又はその断片を含み、ここでCH2、CH3、又は両方は、任意のアイソタイプであることができ、且つ各々、対応する野生型CH2又はCH3と比べて、アミノ酸置換又は他の修飾を含んでよい。いくつかの実施態様において、本開示のFcは、会合し二量体を形成する2つのCH2-CH3ポリペプチドを含む。
例えば、哺乳動物細胞株における生成は、抗体重鎖の1又は複数個のC-末端側リジンを除去することができることは、理解されるであろう(例えばLiuら、mAbs 6(5):1145-1154 (2014)参照)。従って本開示の抗体又は抗原-結合断片は、C-末端側リジン残基は存在又は非存在である、重鎖、CH1-CH3、CH3、又はFcポリペプチドを含むことができ;別の言い方をすると、重鎖、CH1-CH3、又はFcポリペプチドのC-末端側残基がリジンではない実施態様、及びリジンがC-末端側残基である実施態様が、包含される。
ここで開示された実施態様のいずれかにおいて、この抗体又は抗原-結合断片は、モノクローナルであることができる。本明細書において使用される用語「モノクローナル抗体」(mAb)は、実質的に均一な抗体集団から得られる抗体を指し、すなわちこの集団を構成する個々の抗体は、場合によっては少量で存在し得る天然の変異の可能性を除いて、同一である。モノクローナル抗体は、高度に特異的であり、単独の抗原部位に対して作られる。更に、異なるエピトープに対して作られた異なる抗体を含むポリクローナル抗体調製とは対照的に、各モノクローナル抗体は、抗原の単独のエピトープに対して作られる。モノクローナル抗体は、それらの特異性に加え、それらが他の抗体により夾雑されずに合成され得る点で、利点がある。用語「モノクローナル」は、いずれか特定の方法による抗体の産生を必要とするとは理解されない。例えば、本発明において有用なモノクローナル抗体は、Kohlerら、Nature 256:495 (1975)らにより最初に説明されたハイブリドーマ法により調製されてよいか、又は細菌細胞、真核動物もしくは植物の細胞における組換えDNA法を使用し作製されてよい(例えば米国特許第4,816,567号参照)。モノクローナル抗体はまた、ファージ抗体ライブラリーから、例えばClacksonら、Nature, 352:624-628 (1991)及びMarksら、J. Mol. Biol., 222:581-597 (1991)において説明された技術を用い、単離されてよい。モノクローナル抗体はまた、PCT公報WO2004/076677A2に開示された方法を用いて得ることができる。
本開示の抗体及び抗原-結合断片は、重鎖及び/又は軽鎖の一部が、特定の種由来の又は特定の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体における対応する配列と同一又は相同であるが、その鎖(複数可)の残りは、所望の生物活性を発揮する限りは、別の種由来の又は別の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体、並びにそのような抗体の断片における対応する配列と同一又は相同である、「キメラ抗体」を含む(米国特許第4,816,567号;第5,530,101号及び第7,498,415号;並びに、Morrisonら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 81:6851-6855 (1984)参照)。例えばキメラ抗体は、ヒト及び非-ヒト残基を含んでよい。更に、キメラ抗体は、レシピエント抗体中又はドナー抗体中に認められない残基を含んでよい。これらの修飾は、抗体性能を更に精緻化するために成される。更なる詳細に関しては、Jonesら、Nature 321:522-525 (1986);Riechmannら、Nature 332:323-329 (1988);及び、Presta、Curr. Op. Struct. Biol. 2:593-596 (1992)を参照されたい。キメラ抗体はまた、霊長類化及びヒト化された抗体も含む。
「ヒト化抗体」は、一般に、非-ヒトである給源由来のそれに導入された1又は複数のアミノ酸残基を有するヒト抗体であると考えられる。これらの非-ヒトアミノ酸残基は、典型的には可変ドメインから採用される。ヒト化は、ヒト抗体の対応する配列の非-ヒト可変との置換により、Winter及び同僚の方法(Jonesら、Nature, 321:522-525 (1986);Reichmannら、Nature, 332:323-327 (1988);Verhoeyenら、Science, 239:1534-1536 (1988))に従い、実施されてよい。従ってそのような「ヒト化」抗体は、キメラ抗体であり(米国特許第4,816,567号;第5,530,101号、及び第7,498,415号)、ここで実質的にインタクトに満たないヒト可変ドメインは、非-ヒト種由来の対応する配列により置換されている。一部の場合において、「ヒト化」抗体は、非-ヒト細胞又は動物により産生され、並びにヒト配列、例えばHCドメインを含むものである。
「ヒト抗体」は、ヒトにより産生される抗体中に存在する配列(すなわち、ヒト抗体-コードしている遺伝子によりコードされた配列)のみを含む抗体である。しかし本明細書において使用されるヒト抗体は、本明細書記載のそれらの修飾及びバリアント配列を含む、天然のヒト抗体においては認められない残基又は修飾(例えば、ヒトから単離されている抗体)を含んでよい。これらは典型的には、抗体性能の更なる精緻化又は増強のために作製される。ヒト抗体は、トランスジェニック動物により産生される。例えば、米国特許第5,770,429号;第6,596,541号及び第7,049,426号を参照されたい。
いくつかの実施態様において、本開示の抗体又は抗原-結合断片は、キメラ、ヒト化、又はヒトである。
一部の実施態様において、様々な薬物動態(「PK」)パラメータを使用し、本明細書に提供される抗体又は抗原-結合断片を説明又は特徴付ける。PKパラメータを評価することを目的とした抗体血清濃度の収集に関する詳細は、本明細書「実施例」に関連して説明される。用語「t1/2」又は「半減期」は、対象へ投与される医薬組成物中に含まれる抗体又は抗原-結合断片の排泄半減期を指す。用語「Clast」は一般に、最後の測定可能な血漿濃度を指す(すなわち、それ以降、その物質は血漿中に測定可能な濃度で存在しない)。
ここで開示された実施態様のいずれかにおいて、抗体又は抗原-結合断片は、配列番号:252に示されたCH1-CH3アミノ酸配列、及び/又は配列番号:253に示されたCH1-CH3アミノ酸配列、及び/又は配列番号:280に示されたCH1-CH3アミノ酸配列、及び/又は配列番号:251に示されたCH1-CH3アミノ酸配列を含むことができる。
ここで開示された実施態様のいずれかにおいて、抗体又は抗原-結合断片は、配列番号:254に示されたCLアミノ酸配列を含むことができる。
一部の実施態様において、抗体は、配列番号:255に示された重鎖アミノ酸配列を含む。いくつかの実施態様において、この抗体は更に、配列番号:257に示された軽鎖アミノ酸配列を含む。
一部の実施態様において、抗体は、配列番号:256に示された重鎖アミノ酸配列を含む。いくつかの実施態様において、この抗体は更に、配列番号:257に示された軽鎖アミノ酸配列を含む。
一部の実施態様において、抗体は、配列番号:270又は272に示された重鎖アミノ酸配列を含む。いくつかの実施態様において、この抗体は更に、配列番号:271又は273に示された軽鎖アミノ酸配列を含む。
いくつかの実施態様において、抗-NA抗体又は抗原-結合断片は、配列番号:255に示された重鎖アミノ酸配列及び配列番号:257に示された軽鎖アミノ酸配列を含み、並びに抗-HA抗体又は抗原-結合断片は、配列番号:270又は272に示された重鎖アミノ酸配列及び配列番号:271又は273に示された軽鎖アミノ酸配列を含む。
一部の実施態様において、抗-NA抗体又は抗原-結合断片は、配列番号:256に示された重鎖アミノ酸配列及び配列番号:257に示された軽鎖アミノ酸配列を含み、並びに抗-HA抗体又は抗原-結合断片は、配列番号:270又は272に示された重鎖アミノ酸配列及び配列番号:271又は273に示された軽鎖アミノ酸配列を含む。
ポリヌクレオチド、ベクター、及び宿主細胞
別の局面において、本開示は、ここで開示された抗体又はその抗原-結合断片、又はその一部分(例えば、CDR、VH、VL、重鎖、もしくは軽鎖)のいずれかをコードしている、単離されたポリヌクレオチドを提供する。いくつかの実施態様において、このポリヌクレオチドは、宿主細胞(例えばヒト細胞、又はCHO細胞)における発現のためにコドン-最適化される。一旦コード配列がわかるか又は同定されると、公知の技術及びツール、例えばGenScript(登録商標) OptimiumGene(商標)ツールなどを用い、コドン最適化が実行され得る。コドン-最適化配列は、部分的コドン-最適化配列(すなわち、1又は複数のコドンが、宿主細胞における発現のために最適化される)、及び完全コドン-最適化配列を含む。
本開示の抗体及び抗原-結合断片をコードしているポリヌクレオチドは、例えば、遺伝暗号の縮重、スプライシングなどのために、異なるヌクレオチド配列を有してよいが、依然同じ抗体又は抗原-結合断片をコードしていることも、理解されるであろう。
ここで開示された実施態様のいずれかにおいて、ポリヌクレオチドは、デオキシリボ核酸(DNA)又はリボ核酸(RNA)を含むことができる。一部の実施態様において、RNAは、メッセンジャーRNA(mRNA)を含む。
一部の実施態様において、このポリヌクレオチドは、修飾されたヌクレオシド、cap-1構造、cap-2構造、又はそれらの任意の組合せを含む。いくつかの実施態様において、このポリヌクレオチドは、プソイドウリジン、N6-メチルアデノシン、5-メチルシチジン、2-チオウリジン、又はそれらの任意の組合せを含む。一部の実施態様において、プソイドウリジンは、N1-メチルプソイドウリジンを含む。
ベクターも提供され、ここでベクターは、本明細書記載のポリヌクレオチド(例えば、IAV HA又はIAV NAへ並びに/又はIBV NAへ結合する抗体又は抗原-結合断片をコードしているポリヌクレオチド)を構成するか又は含む。ベクターは、本明細書において開示されたベクターの1又は複数のいずれかを含むことができる。特定の実施態様において、この抗体又は抗原-結合断片、又はその一部分をコードしているDNAプラスミド構築体を含む、ベクターが提供される(例えば、いわゆる「DMAb」;例えば、Muthumaniら、J Infect Dis. 214(3):369-378 (2016);Muthumaniら、Hum Vaccin Immunother 9:2253-2262 (2013));Flingaiら、Sci Rep. 5:12616 (2015);及び、Elliottら、NPJ Vaccines 18 (2017)参照、この抗体-コードしているDNA構築体及びその投与を含む関連する使用方法は、引用により本明細書中に組み込まれている)。いくつかの実施態様において、DNAプラスミド構築体は、抗体又は抗原-結合断片の重鎖及び軽鎖(又はVH及びVL)をコードしている単独のオープンリーディングフレームを含み、ここで重鎖をコードしている配列及び軽鎖をコードしている配列は、任意に、プロテアーゼ切断部位をコードしているポリヌクレオチド及び/又は自己切断ペプチドをコードしているポリヌクレオチドにより隔てられている。一部の実施態様において、抗体又は抗原-結合断片の置換成分は、単独のプラスミドに含まれたポリヌクレオチドによりコードされる。他の実施態様において、抗体又は抗原-結合断片の置換成分は、2以上のプラスミド中に含まれたポリヌクレオチドによりコードされる(例えば、第一のプラスミドは、重鎖、VH、又はVH+CH1をコードしているポリヌクレオチドを含み、及び第二のプラスミドは、コグネイト軽鎖、VL、又はVL+CLをコードしているポリヌクレオチドを含む)。いくつかの実施態様において、単独のプラスミドは、2以上の本開示の抗体又は抗原-結合断片由来の重鎖及び/又は軽鎖をコードしているポリヌクレオチドを含む。例証的発現ベクターは、Invitrogen社から入手可能なpVax1(登録商標)である。本開示のDNAプラスミドは、例えば、電気穿孔法(例えば、筋肉内電気穿孔法)によるか、又は好適な製剤(例えばヒアルロニダーゼ)により、対象へ送達されることができる。
一部の実施態様において、抗体重鎖、VH、又はFd(VH+CH1)をコードしている第一のポリヌクレオチド(例えばmRNA)を対象へ投与し、並びにコグネイト抗体軽鎖、VL、又はVL+CLをコードしている第二のポリヌクレオチド(例えばmRNA)を対象へ投与することを含む方法が、提供される。
一部の実施態様において、本開示に従う療法は、(1)抗-HA抗体又はその抗原-結合断片、及び(2)抗-NA抗体又はその抗原-結合断片をコードしている単独の核酸分子を、対象へ送達することを含む。
一部の実施態様において、本開示に従う療法は、抗-HA抗体又はその抗原-結合断片をコードしている第一のポリヌクレオチド、及び抗-HA抗体又はその抗原-結合断片をコードしている第二のポリヌクレオチドを、対象へ送達することを含む。
一部の実施態様において、本開示に従う療法は、(1)抗-HA抗体又はその抗原-結合断片のVH、VH+CH1、又は重鎖をコードしている第一のポリヌクレオチド、(2)抗-HA抗体又はその抗原-結合断片のコグネイトVL、VL+CL、又は軽鎖をコードしている第二のポリヌクレオチド、(3)抗-NA抗体又はその抗原-結合断片のVH、VH+CH1、又は重鎖をコードしている第三のポリヌクレオチド、並びに(4)抗-NA抗体又はその抗原-結合断片のコグネイトVL、VL+CL、又は軽鎖をコードしている第四のポリヌクレオチドを、対象へ送達することを含む。一部の実施態様において、抗体又はその抗原-結合断片の重鎖及び軽鎖をコードしているポリヌクレオチド(例えばmRNA)が、提供される。一部の実施態様において、抗体又はその抗原-結合断片の2本の重鎖及び2本の軽鎖をコードしているポリヌクレオチド(例えばmRNA)が、提供される。例えば、Li, JQ.、Zhang, ZR.、Zhang, HQ.ら、「Intranasal delivery of replicating mRNA encoding neutralizing angibody against SARS-CoV-2 infection in mice」、Sig Transduct Target Ther, 6, 369 (2021)、https://doi.org/10.1038/s41392-021-00783-1を参照し、その抗体-コードしているmRNA構築体、ベクター、及びそれに関連する技術は、引用により本明細書中に組み込まれている。一部の実施態様において、ポリヌクレオチドは、アルファウイルスレプリコン粒子(VRP)送達システムにより、対象へ送達される。一部の実施態様において、レプリコンは、2個のサブゲノムのプロモーターを含む修飾されたVEEVレプリコンを含む。一部の実施態様において、ポリヌクレオチド又はレプリコンは、抗体又はその抗原-結合断片の重鎖(又はVH、又はVH+1)及び軽鎖(又はVL、又はVL+CL)を同時に翻訳することができる。一部の実施態様において、そのようなポリヌクレオチド又はレプリコンを対象へ送達することを含む方法が、提供される。
更なる態様において、本開示はまた、本開示に従う抗体又は抗原-結合断片を発現するか;或いは、本開示に従うベクター又はポリヌクレオチドで構成されるか又は含む:宿主細胞を提供する。
そのような細胞の例は、例えば酵母細胞、動物細胞、昆虫細胞、植物細胞などの、真核細胞;並びに、大腸菌を含む、原核細胞を含むが、これらに限定されるものではない。一部の実施態様において、細胞は、ヒトB細胞などの、哺乳動物細胞である。いくつかのそのような実施態様において、細胞は、哺乳動物細胞株、例えばCHO細胞(例えばDHFR-CHO細胞(Urlaubら、PNAS 77:4216 (1980))、ヒト胎児腎細胞(例えばHEK293T細胞)、PER.C6細胞、Y0細胞、Sp2/0細胞、NS0細胞、ヒト肝細胞、例えばHepa RG細胞など、骨髄腫細胞又はハイブリドーマ細胞である。哺乳動物宿主細胞株の他の例は、マウスセルトリ細胞(例えばTM4細胞);SV40により形質転換されたサル腎CV1株(COS-7);ベビーハムスター腎細胞(BHK);アフリカミドリザル腎細胞(VERO-76);サル腎細胞(CV1);ヒト子宮頸癌細胞(HELA);ヒト肺細胞(W138);ヒト肝細胞(Hep G2);イヌ腎細胞(MDCK);バッファローラット肝細胞(BRL 3A);マウス乳癌(MMT 060562);TRI細胞;MRC5細胞;及び、FS4細胞を含む。抗体産生に適した哺乳動物宿主細胞株はまた、例えば、Yazaki及びWu、「Methods in Molecular Biology」、248巻(B. K. C. Lo編集、Humana Press, Totowa, N.J.), 255-268頁 (2003)に記載されたものも含む。
いくつかの実施態様において、宿主細胞は、大腸菌などの、原核細胞である。大腸菌などの原核細胞におけるペプチドの発現は、良く確立されている(例えば、Pluckthun, A.、Bio/Technology 9:545-551 (1991)参照)。例えば、抗体は、特にグリコシル化及びFcエフェクター機能が必要でない場合、細菌において産生される。細菌における抗体断片及びポリペプチドの発現については、例えば米国特許第5,648,237号;第5,789,199号;及び、第5,840,523号を参照されたい。
特定の実施態様において、この細胞は、本説明に従うベクターにより、発現ベクターにより、トランスフェクションされてよい。用語「トランスフェクション」は、DNA又はRNA(例えばmRNA)分子などの核酸分子の、真核細胞などの細胞への導入を指す。本説明の文脈において、用語「トランスフェクション」は、核酸分子の、哺乳動物細胞を含む真核細胞などの細胞への導入のための、熟練業者に公知の方法を包含している。そのような方法は、例えば、電気穿孔法、例えば陽イオン性脂質及び/もしくはリポソームを基にしたリポフェクション、リン酸カルシウム沈降法、ナノ粒子ベースのトランスフェクション、ウイルスベースのトランスフェクション、又はDEAE-デキストランもしくはポリエチレンイミンなどの陽イオン性ポリマーベースのトランスフェクションなどを包含している。いくつかの実施態様において、導入は、非-ウイルス的である。
更に本開示の宿主細胞は、例えば本開示に従う抗体又はその抗原-結合断片を発現するために、本開示に従うベクターにより、安定して又は一過性にトランスフェクションされてよい。そのような実施態様において、細胞は、本明細書記載のベクターにより、安定してトランスフェクションされ得る。或いは、細胞は、本明細書に開示された抗体又は抗原-結合断片をコードしている本開示に従うベクターにより、一過性にトランスフェクションされてよい。ここで開示された実施態様のいずれかにおいて、ポリヌクレオチドは、宿主細胞に対し異種であってよい。
従って本開示はまた、本開示の抗体又は抗原-結合断片を異種性に発現する組換え宿主細胞も提供する。例えば、この細胞は、抗体が完全に又は部分的に得られた種とは異なる種のもの(例えば、ヒト抗体又は操作されたヒト抗体を発現するCHO細胞)であってよい。一部の実施態様において、宿主細胞の細胞型は、事実上、抗体又は抗原-結合断片を発現しない。更に宿主細胞は、抗体又は抗原-結合断片の未変性の状態において(もしくは、それから抗体又は抗原結合断片が操作されるか又は誘導される親抗体の未変性の状態において)は存在しない、抗体又は抗原-結合断片上に、翻訳後修飾(PTM;例えばグリコシル化又はフコシル化)、又はその欠損をもたらすことができる。そのようなPTM、又はそれらの欠損は、機能差(例えば低下した免疫原性)を生じ得る。従って本明細書に開示されたように宿主細胞により産生される本開示の抗体又は抗原-結合断片は、その未変性の状態の抗体(又は親抗体)とは異なる、1又は複数の翻訳後修飾を含んでよい(例えば、宿主細胞により産生されたヒト抗体は、1又は複数の翻訳後修飾を含むことができるか、又はより少ない翻訳後修飾(複数可)を含むことができ、その結果これは、ヒトから単離されるか、及び/又は未変性のヒトB細胞もしくは血漿細胞により産生される場合の抗体とは異なる)。
本開示の結合タンパク質の発現に有用な昆虫細胞が、当該技術分野において公知であり、且つ例えば、スポドプテラ・フルギペルダSf9細胞、トリコプルシア・ニBTI-TN5B1-4細胞、及びスポドプテラ・フルギペルダSfSWT01“Mimic(商標)”細胞を含む。例えば、Palmbergerら、J. Biotechnol. 153(3-4):160-166 (2011)を参照されたい。昆虫細胞との連結、特にスポドプテラ・フルギペルダ細胞のトランスフェクションのために使用される数多くのバキュロウイルス株が、同定されている。
糸状菌又は酵母などの真核微生物も、タンパク質-コードしているベクターのクローニング又は発現に好適な宿主であり、並びに「ヒト化された」グリコシル化過程を有する真菌及び酵母株を含み、部分的又は完全なヒトグリコシル化パターンによる抗体の産生を生じる。Gerngross、Nat. Biotech. 22:1409-1414 (2004);Liら、Nat. Biotech. 24:210-215 (2006)を参照されたい。
植物細胞もまた、本開示の抗体又は抗原-結合断片を発現するための宿主として利用することができる。例えば、PLANTIBODIES(商標)技術(例えば、米国特許第5,959,177号;第6,040,498号;第6,420,548号;第7,125,978号;及び第6,417,429号に説明される)は、トランスジェニック植物を利用し、抗体を産生する。
いくつかの実施態様において、宿主細胞は、哺乳動物細胞を含む。特定の実施態様において、宿主細胞は、CHO細胞、HEK293細胞、PER.C6細胞、Y0細胞、Sp2/0細胞、NS0細胞、ヒト肝細胞、骨髄腫細胞、又はハイブリドーマ細胞を含む。
関連する局面において、本開示は、抗体、又は抗原-結合断片を産生する方法を提供し、ここでこれらの方法は、本開示の宿主細胞を、抗体、又は抗原-結合断片を産生する条件下及びそれに十分な時間、培養することを含む。組換えにより作製された抗体を単離及び精製するのに有用な方法は、例として、組換え抗体を培養培地中に分泌する好適な宿主細胞/ベクターシステムから上清を得ること、次に市販のフィルターを用い、培地を濃縮することを含んでよい。濃縮後、この濃縮物を、親和性マトリクス又はイオン交換樹脂などの、単独の好適な精製マトリクスに、又は一連の好適なマトリクスに適用してよい。1又は複数の逆相HPLC工程を利用し、組換えポリペプチドを更に精製してよい。これらの精製方法はまた、免疫原をその天然の環境から単離する場合に、利用され得る。本明細書記載の1又は複数の単離された/組換え抗体の大規模製造方法は、バッチ細胞培養を含み、これは、好適な培養条件を維持するように、モニタリング及び制御される。可溶性抗体の精製は、本明細書記載の方法及び当該技術分野において公知の方法、並びに国内及び外国の規制機関の法律及び指針に適合する方法に従い実行されてよい。
組成物
また、任意の組合せで、ここで開示された抗-HA抗体又は抗原-結合断片、及びここで開示された抗-NA抗体又は抗原-結合断片、又はそれらをコードしているポリヌクレオチド(例えば、抗体又は抗原-結合断片、又はこれらの成分)を含有する組成物も、本明細書に提供され、並びに更に医薬として許容し得る担体、賦形剤、又は希釈剤を含有することができる。そのような組成物、並びに担体、賦形剤、及び希釈剤は、本明細書において更に詳細に考察される。
いくつかの実施態様において、組成物は、抗-HA抗体又は抗原結合断片、抗-NA抗体又は抗原-結合断片、又は両方をコードしている、1又は複数のベクター又はポリヌクレオチドを含有する。一部の実施態様において、組成物は、第一のプラスミドを含む第一のベクター、及び第二のプラスミドを含む第二のベクターを含有し、ここで第一のプラスミドは、この抗体又はその抗原-結合断片の重鎖、VH、又はVH+CH1をコードしているポリヌクレオチドを含み、並びに第二のプラスミドは、コグネイト軽鎖、VL、又はVL+CLをコードしているポリヌクレオチドを含む。
いくつかの実施態様において、組成物は、好適な送達ビヒクル又は担体にカップリングされたポリヌクレオチド(例えばmRNA)を含有する。ヒト対象への投与のための例証的ビヒクル又は担体は、脂質又は脂質-由来の送達ビヒクル、例えばリポソーム、固形脂質ナノ粒子、油状懸濁液、サブミクロン脂質エマルション、脂質マイクロバブル、インバース脂質ミセル、コクレア(cochlear)リポソーム、脂質微小管、脂質マイクロシリンダー、又は脂質ナノ粒子(LNP)もしくはナノスケールプラットフォームを含む(例えば、Liら、Wilery Interdiscip Rev. Nanomed Nanobiotechnol. 11(2):e1530 (2019)参照)。好適なmRNAをデザインし且つmRNA-LNPを製剤化し且つこれを送達する原理、試薬、及び技術は、例えば、Pardiら(J Control Release 217345-351 (2015));Thessら(Mol Ther 23: 1456-1464 (2015));Thranら(EMBO Mol Med 9(10):1434-1448 (2017));Koseら(Sci. Immunol. 4 eaaw6647 (2019);及び、Sabnisら(Mol. Ther. 26:1509-1519 (2018))に説明されており、その技術は、キャッピング、コドン最適化、ヌクレオシド修飾、mRNAの精製、mRNAの安定した脂質ナノ粒子(例えば、イオン化可能な陽イオン性脂質/ホスファチジルコリン/コレステロール/PEG-脂質;イオン化可能な脂質:ジステアロイルPC:コレステロール:ポリエチレングリコール脂質)への組込みを含み、並びにこれらの皮下、筋肉内、皮内、静脈内、腹腔内、及び気管内投与は、引用により本明細書中に組み込まれている。
方法及び使用
またインフルエンザによる感染症を有する、有すると考えられる、又は有するリスクがある対象を治療するために、本開示の抗体又は抗原-結合断片、ポリヌクレオチド、組成物、又は組合せを使用する方法も、本明細書に提供される。「治療する」、「治療」又は「改善する」は、対象(例えば、ヒト、又は非-ヒト哺乳動物、例えば霊長類、ウマ、ネコ、イヌ、ヤギ、マウス、もしくはラット)の疾患、障害、又は状態の医学的管理を指す。概して、本開示の抗体又は組成物を含む好適な投与量又は治療レジメンは、治療的又は予防的恩恵を誘起するのに十分な量で投与される。治療的又は予防的/防御的恩恵は、臨床転帰の改善;疾患に関連した症状の軽減又は緩和;症状発生の減少;改善された生活の質;より長い無病状態;疾患の程度の退縮、病態の安定化;疾患進行の遅延又は停止;寛解;生存;延長された生存;又は、その任意の組合せを含む。いくつかの実施態様において、治療的又は予防的/防御的恩恵は、インフルエンザ感染症の治療のための入院の減少又は防止(すなわち、統計学的に有意な様式で)を含む。いくつかの実施態様において、治療的又は予防的/防御的恩恵は、インフルエンザ感染症の治療のための入院期間の短縮を含む(すなわち、統計学的に有意な様式で)。いくつかの実施態様において、治療的又は予防的/防御的恩恵は、挿管及び/又は人工呼吸器の使用などの、呼吸関連の介入の必要性の減少又は取り消しを含む。いくつかの実施態様において、治療的又は予防的/防御的恩恵は、後期段階の疾患病理学を逆行すること及び/又は死亡率を低下することを含む。
この開示の抗体、抗原-結合断片、ポリヌクレオチド、ベクター、宿主細胞、組合せ又は組成物の「治療的有効量」又は「有効量」は、統計学的に十分な様式での、臨床転帰の改善;疾患に関連した症状の軽減又は緩和;症状発生の減少;改善された生活の質;より長い無病状態;疾患の程度の退縮、病態の安定化;疾患進行の遅延;寛解;生存;延長された生存を含む、治療効果を生じるのに十分な組成物又は分子の量を指す。単独で投与される個別の活性成分に関して、治療的有効量は、その成分単独の作用を指す。
抗体組合せに関して、抗体組成物、ポリヌクレオチド組合せ、又はポリヌクレオチド組成物、治療的有効量は、連続、逐次、又は同時投与にかかわらず、治療効果を生じる活性成分の組合せ量を指す。
従っていくつかの実施態様において、対象においてインフルエンザ感染症を治療する方法が、提供され、ここでこれらの方法は、本明細書に開示された抗体、抗原-結合断片、ポリヌクレオチド、ベクター、宿主細胞、組合せ、又は組成物の有効量を、対象へ投与することを含む。
本開示により治療され得る対象は、概して、ヒト並びに獣医学的目的のための他の霊長類対象、例えばサル及び類人猿などである。マウス及びラットなどの他のモデル生物も、本開示に従い治療されてよい。前述の実施態様のいずれかにおいて、対象は、ヒト対象であってよい。これらの対象は、男性又は女性であることができ、且つ乳児期、若年期、青年期、成人期、及び高齢期の対象を含む、いずれか好適な年齢であってよい。
数多くの判定基準が、インフルエンザ感染症に関連した重度の症状又は死亡の高リスクをもたらすと考えられる。これらは、年齢、職業、全般的健康状態、既存の健康状態、地域、及び生活習慣を含むが、これらに限定されるものではない。一部の実施態様において、本開示に従い治療される対象は、1又は複数の危険因子を含む。
いくつかの実施態様において、本開示に従い治療されるヒト対象は、乳児、小児、若年成人、中年成人、又は高齢者である。いくつかの実施態様において、本開示に従い治療されるヒト対象は、1歳未満であるか、又は1~5歳であるか、又は5~125歳(その中又はその間の任意及び全ての年齢を含む、例えば、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、又は125歳)である。いくつかの実施態様において、本開示に従い治療されるヒト対象は、0~19歳、20~44歳、45~54歳、55~64歳、65~74歳、75~84歳、又は85歳以上である。中年、及び特に高齢のヒトは、特定のリスクがあり得る。特定の実施態様において、ヒト対象は、45~54歳、55~64歳、65~74歳、75~84歳、又は85歳以上である。一部の実施態様において、ヒト対象は、男性である。一部の実施態様において、ヒト対象は、女性である。
いくつかの実施態様において、本開示に従い治療される対象は、インフルエンザのワクチンを受け取り、且つこのワクチンは、例えば対象におけるワクチン後の感染又は症状により、臨床診断又は科学的もしくは規制の合意により、無効であることが決定されている。
インフルエンザウイルスによる感染の予防とは特に、対象が、インフルエンザウイルスによる感染と診断されていないか(診断が実行されないかもしくは診断結果が陰性かのいずれか)、及び/又は対象が、インフルエンザウイルス感染症の症状を示さないかもしくは経験しない場合の、予防的設定を指す。インフルエンザウイルスによる感染の予防は、例えば妊婦、小児(59月齢以下の小児など)、高齢者、慢性疾患のある個体(慢性の心臓、肺、腎臓、代謝性、神経発達、肝臓もしくは血液学的疾患など)並びに免疫抑制状態の個体(HIV/AIDS、化学療法もしくはステロイドを受け取っている、又は悪性腫瘍など)などの、感染した場合重度の疾患又は合併症のより大きいリスクのある対象において特に有用である。更に、インフルエンザウイルスによる感染症の予防はまた、インフルエンザウイルス感染症を獲得するリスクのより大きい対象において、例えば曝露の増大に起因した、例えば公共の場で作業もしくは滞在する対象、特に医療従事者において、特に有用である。
いくつかの実施態様において、治療は、曝露周辺(peri-exposure)又は曝露前の予防として投与される。いくつかの実施態様において、治療は、曝露後予防として投与される。
対照的に、治療的状況において、対象は典型的には、インフルエンザウイルスに感染し、インフルエンザウイルス感染症と診断され、及び/又はインフルエンザウイルス感染症の症状を示している。注目すべきは、用語インフルエンザウイルス感染症の「治療」及び「療法」/「治療的」は、インフルエンザウイルス感染症及び/又は関連する症状の(完全な)治癒、並びに弱毒化/軽減(例えば、感染症及び/又は症状の重症度、症状の数、感染及び/もしくは症状の期間、又はその任意の組合せの弱毒化/軽減)を指す。
その減少が本開示の療法の投与から生じるような、減少した症状の数及び/又は重症度の本明細書の言及は、開示された療法を受け取っていない参照対象との比較を説明することは、理解されるであろう。参照対象は、例えば、(i)より早い期間(例えば、先のインフルエンザA型ウイルスの季節)の同じ対象、(ii)年齢又は年齢群;性別;妊娠状態;慢性の医学的状態(慢性の心臓、肺、腎臓、代謝性、神経発達、肝臓もしくは血液学的疾患など)又はその欠損;並びに/又は、免疫抑制状態又はその欠損:が、同じ又は類似の対象;或いは、(iii)インフルエンザウイルスの季節の集団(例えば、同じもしくは類似の年齢もしくは年齢範囲及び/又は全般的健康状態を含む、地域、領域、又は国の)内の代表的対象:であることができる。予防は、例えば、完全なインフルエンザの季節の一部期間又は完全なインフルエンザの季節にわたり、診断されたインフルエンザ感染症の発症の不全及び/又はインフルエンザ感染症に関連した症状の欠乏により決定され得る。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される方法は、本開示に従いに従う療法を、インフルエンザ感染症の当座のリスクのある対象へ、投与することを含む。インフルエンザ感染症の当座のリスクは典型的には、インフルエンザ流行時に起こる。インフルエンザウイルスは、循環し、且つ疾患の季節性流行を引き起こすことが知られている(WHO、Influenza (Seasonal) Fact sheet、2018年11月6日)。温暖気候において、季節性流行は、主に冬季に起こるのに対し、熱帯地方において、インフルエンザは、一年を通して起こり得、より不規則な大発生を引き起こす。例えば、北半球において、インフルエンザ流行のリスクは、11月、12月、1月、2月及び3月に高いのに対し、南半球では、インフルエンザ流行のリスクは、5月、6月、7月、8月及び9月に高い。
一部の実施態様において、対象は、抗ウイルス薬を受け取った、受け取っている、又は受け取る予定である。一部の実施態様において、抗ウイルス薬は、ノイラミニダーゼ阻害薬、インフルエンザポリメラーゼ阻害薬、又は両方である。いくつかの実施態様において、抗ウイルス薬は、オセルタミビル、ラニナミビル、ペラミビル、ザナミビル、バロキサビル、又はそれらの任意の組合せである。
ここで開示された組成物の代表的投与経路は、経口、局所、経皮、吸入、非経口、舌下、口腔内、経直腸、経膣、及び鼻腔内を含むが、これらに限定されるものではない。本明細書において使用される用語「非経口」は、皮下注射、静脈内、筋肉内、胸骨内の注射又は注入技術を含む。いくつかの実施態様において、投与は、経口、静脈内、非経口、胃内、胸膜腔内、肺内、直腸内、皮内、腹腔内、腫瘍内、皮下、局所的、経皮、嚢内、髄腔内、鼻腔内、及び筋肉内から選択される経路により投与することを含む。特定の実施態様において、方法は、抗体、抗原-結合断片、ポリヌクレオチド、ベクター、宿主細胞、又は組成物を、対象へ経口投与することを含む。
本発明のいくつかの実施態様の組成物は、その中に含まれる活性成分が、この組成物の患者への投与時に生物学的に利用可能となるように、製剤化される。対象又は患者へ投与されるであろう組成物は、1又は複数の剤形の形をとり、ここで例えば、錠剤は、単独の用量単位であってよく、並びにエアロゾル形状の本明細書で説明された抗体もしくは抗原-結合もしくはポリヌクレオチドの容器は、複数の用量単位を保持してよい。そのような剤形を調製する実際の方法は、当業者に公知であるか、又は明らかになるであろう;例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy、第20版(Philadelphia College of Pharmacy and Science, 2000)を参照されたい。投与されるべき組成物は、任意の事象において、本明細書の技術に従う関心対象の疾患又は状態の治療のための、本開示の抗体又は抗原-結合断片、ポリヌクレオチド、ベクター、宿主細胞、又は組成物の有効量を含むであろう。
組成物は、固形又は液体の形状であってよい。一部の実施態様において、担体(複数可)は、粒子であり、その結果この組成物は、例えば、錠剤又は散剤の形状である。担体(複数可)は、液体であり、この組成物は、例えば、経口の油状物、注射可能な液体、又は例えば吸入投与に有用なエアロゾルである。経口投与が意図される場合、その医薬組成物は、好ましくは、固形又は液体の形状のいずれかであり、ここで半固形、半流動体、懸濁液及びゲルの形状は、固形又は液体のいずれかとして本明細書において考察される形状内に含まれる。
経口投与のための固形組成物として、本医薬組成物は、散剤、顆粒剤、圧縮錠、丸剤、カプセル剤、チューインガム、ウエハーなどに、製剤化されてよい。そのような固形組成物は、典型的には1又は複数の不活性希釈剤又は食用担体を含むであろう。加えて、以下の1又は複数が存在してよい:結合剤、例えばカルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、微結晶性セルロース、トラガカントガム又はゼラチンなど;賦形剤、例えばデンプン、乳糖又はデキストリンなど;崩壊剤、例えばアルギン酸、アルギン酸ナトリウム、プリモゲル、トウモロコシデンプン、及び同類のもの;滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム又はステロテックスなど;流動促進剤、例えば、コロイド状二酸化ケイ素など;甘味剤、例えば、ショ糖又はサッカリンなど;香味剤、例えば、ペパーミント、サリチル酸メチル、又はオレンジ香料など;並びに、着色剤。本組成物が、例えばゼラチンカプセルなどカプセル剤の形状である場合、先の種類の材料に加え、これは、ポリエチレングリコール又は油分などの液体担体を含んでよい。
本組成物は、例えば、エリキシル剤、シロップ剤、液剤、乳剤又は懸濁剤など、液体の形状であってよい。液体は、2つの例として、経口投与のため又は注射による送達のためであってよい。経口投与が意図される場合、好ましい組成物は、本化合物に加え、1又は複数の甘味剤、保存剤、色素/着色剤及び香味増強剤を含む。注射による投与が意図される組成物においては、1又は複数の界面活性剤、保存剤、湿潤剤、分散剤、懸濁化剤、緩衝液、安定化剤及び等張化剤が含まれてよい。
液体医薬組成物は、それらが溶液、懸濁液又は他の同様の形状であるかにかかわらず、以下のアジュバントを1又は複数含んでよい:滅菌希釈剤、例えば注射用水、食塩水、好ましくは生理食塩水、リンゲル液、等張塩化ナトリウムなど、不揮発油、例えば、溶媒もしくは懸濁媒体として利用される合成モノ又はジグリセリド、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール又は他の溶媒など;抗菌剤、例えばベンジルアルコール又はメチルパラベンなど;抗酸化剤、例えば、アスコルビン酸又は亜硫酸水素ナトリウムなど;キレート剤、例えば、エチレンジアミン四酢酸など;緩衝液、例えば、酢酸塩、クエン酸塩又はリン酸塩など;並びに張度を調節する薬剤、例えば塩化ナトリウム又はデキストロースなど。非経口調製品は、ガラス又はプラスチックで製造された、アンプル、使い捨て注射器又は反復容量バイアル中に封入されることができる。生理食塩水は、好ましいアジュバントである。注射可能な医薬組成物は、無菌であることが好ましい。
非経口又は経口投与のいずれかが意図された液体組成物は、好適な用量が得られるように、本明細書に開示されたような抗体又は抗原-結合断片の量を含まなければならない。典型的には、この量は、本組成物中抗体又は抗原-結合断片が少なくとも0.01%である。経口投与が意図される場合、この量は、組成物の0.1~約70重量%の間を変動してよい。いくつかの経口医薬組成物は、抗体又は抗原-結合断片を約4%~約75%含む。いくつかの実施態様において、本発明の医薬組成物及び調製品は、非経口用量単位が、希釈前の抗体又は抗原-結合断片を0.01~10重量%含むように調製される。
本組成物は、局所投与が意図され、この場合担体は好適には、溶液、乳剤、軟膏又はゲルの基剤を含む。この基剤は例えば、以下の1又は複数を含んでよい:ワセリン、ラノリン、ポリエチレングリコール、蜜蝋、鉱油、水及びアルコールなどの希釈剤、並びに乳化剤及び安定化剤。増粘剤は、局所投与のための組成物中に存在してよい。経皮投与が意図される場合、この組成物は、経皮貼付剤又はイオントフォレーシス装置を含んでよい。本医薬組成物は、例えば直腸で融解し、薬物を放出する、坐剤の形状での、直腸投与が意図されてよい。直腸投与のための組成物は、好適な無刺激賦形剤として、油性基剤を含んでよい。そのような基剤は、ラノリン、カカオバター及びポリエチレングリコールを含むが、これらに限定されるものではない。
組成物は、固形又は液体の用量単位の物理的形状を修飾する様々な材料を含んでよい。例えば本組成物は、活性成分の周りにコーティングシェルを形成する材料を含んでよい。コーティングシェルを形成する材料は、典型的には不活性であり、及び例えば、糖、シェラック、及び他の腸溶性コーティング剤から選択されてよい。或いは、これらの活性成分は、ゼラチンカプセル内に閉じ込められてよい。固形又は液体の形状の組成物は、本開示の抗体又は抗原-結合断片に結合する薬剤を含んでよく、これにより本化合物の送達を支援する。この能力で作用し得る好適な薬剤は、モノクローナルもしくはポリクローナル抗体、1又は複数のタンパク質又はリポソームを含む。本組成物は本質的に、エアロゾルとして投与され得る用量単位からなることができる。用語エアロゾルは、コロイド状の性質のものから、加圧された容器からなるシステムまでの範囲にわたる、様々なシステムを意味するように使用される。送達は、液化もしくは加圧された気体によるか、又は活性成分を分散する好適なポンプシステムによることができる。エアロゾルは、活性成分(複数可)を送達するために、単相、二相、又は三相のシステムで送達されてよい。エアロゾルの送達は、必要な容器、アクチベーター、バルブ、サブ容器などを含み、これらは一緒にキットを形成してよい。当業者は、過度の実験をすることなく、好ましいエアロゾルを決定することができる。
本開示の組成物はまた、本明細書に記載されたような、ポリヌクレオチドのための担体分子(例えば、脂質ナノ粒子、ナノスケールの送達プラットフォーム、及び同類のもの)を包含することが理解されるであろう。
本医薬組成物は、調剤分野において周知の方法により調製されてよい。例えば、注射により投与されることが意図された組成物は、本明細書記載の抗体、その抗原-結合断片、又は抗体複合体を含有する組成物、並びに任意に、1又は複数の塩、緩衝剤及び/又は安定化剤と、溶液を形成するために無菌の蒸留水とを組合せることにより調製され得る。界面活性剤は、均質な溶液又は懸濁液の形成を促進するために、添加されてよい。界面活性剤は、水性送達システム中の抗体又はその抗原-結合断片の溶解又は均質な懸濁を促進するための、本ペプチド組成物とは非共有的に相互作用する化合物である。
概して、好適な投与量及び治療レジメンは、治療的及び/又は予防的恩恵(本明細書に記載されたように、臨床転帰の改善(例えば、下痢又は関連した脱水、又は炎症の頻度、期間、又は重症度の軽減など)、又はより長い無病状態及び/又は全生存、又は症状重症度の軽減を含む)を提供するのに十分な量の組成物(複数可)を提供する。予防的使用に関して、投与量は、疾患もしくは障害に関連した疾患を防御するか、発症を遅延するか、或いはその重症度を軽減するのに十分でなければならない。本明細書記載の方法に従い投与される組成物の予防的恩恵は、前臨床試験(インビトロ及びインビボ動物試験を含む)及び臨床試験を実施し、並びにそこから得られたデータを、好適な統計学的、生物学的及び臨床的方法及び技術により、解析することにより決定され得、このことは全て当業者により容易に実践され得る。
組成物は、(例えばインフルエンザウイルス感染症を治療するのに)有効量で投与され、これは、利用される具体的化合物の活性;化合物の代謝状態及び作用の長さ;対象の年齢、体重、全般的健康状態、性別、及び食事;投与様式及び時間;排泄率;薬物組合せ;特定の障害又は状態の重症度;並びに、治療を受ける対象を含む、様々な要因に応じて変動するであろう。いくつかの実施態様において、本開示の製剤及び方法に従う療法の投与後(tollowing)、被験対象は、プラセボ-処置した対象又は他の好適な対照対象と比べ、治療される疾患又は障害に関連した1又は複数の症状の約10%~最大約99%の軽減を示すであろう。
一般に、抗体又は抗原結合断片の治療的有効量は、(70kg哺乳動物について)約0.001mg/kg(すなわち0.07mg)~約100mg/kg(すなわち7.0g)であり;好ましくは治療的有効量は、(70kg哺乳動物について)約0.01mg/kg(すなわち0.7mg)~約50mg/kg(すなわち3.5g)であり;より好ましくは治療的有効量は、(70kg哺乳動物について)約1mg/kg(すなわち70mg)~約25mg/kg(すなわち1.75g)である。本開示のポリヌクレオチド、ベクター、宿主細胞、及び関連する組成物に関して、治療的有効量は、抗体又は抗原-結合断片についてよりも大きく異なるであろう。
いくつかの実施態様において、方法は、抗-HA抗体又は抗原-結合断片、ポリヌクレオチド、ベクター、宿主細胞、もしくは組成物、並びに/又は抗-NA抗体又は抗原-結合断片、ポリヌクレオチド、ベクター、宿主細胞、もしくは組成物を、対象へ、2、3、4、5、6、7、8、9、10回またはそれ以上投与することを含む。
いくつかの実施態様において、方法は、抗-HA抗体又は抗原-結合断片もしくはポリヌクレオチドもしくはベクターもしくは宿主細胞もしくは組成物、並びに/又は抗-NA抗体又は抗原-結合断片もしくはポリヌクレオチドもしくはベクターもしくは宿主細胞もしくは組成物を、対象へ、複数回投与することを含み、ここで2回目又は逐次投与は、各々、初回又は前回の投与の、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約24、約48、約74、約96時間以上後に実行される。
いくつかの実施態様において、方法は、抗-HA抗体又は抗原-結合断片もしくはポリヌクレオチドもしくはベクターもしくは宿主細胞もしくは組成物、並びに/又は抗-NA抗体又は抗原-結合断片もしくはポリヌクレオチドもしくはベクターもしくは宿主細胞もしくは組成物を、少なくとも1回、対象がインフルエンザに感染する前に投与することを含む。
本開示の抗体、抗原-結合断片(例えば、抗-HA抗体又は抗原-結合断片及び抗-NA抗体又は抗原-結合断片を含む)、ポリヌクレオチド、ベクター、又は宿主細胞を含有する組合せ又は組成物はまた、1又は複数の他の治療薬、例えば、ノイラミニダーゼ阻害薬、例えば、オセルタミビル、ザナミビル、ペラミビル、又はラニナミビルなどの投与と、同時に、投与前に、又は投与後に、投与されてもよい。そのような組合せ療法は、本発明の化合物及び1又は複数の追加の活性薬剤を含む単独の医薬投薬製剤の投与、並びにそれ自身の個別の投薬製剤での本開示の抗体又は抗原-結合断片を含有する組成物及び各活性薬剤の投与を含んでよい。例えば、抗-HA抗体又は抗原-結合断片及び抗-NA抗体又は抗原-結合断片は、錠剤又はカプセル剤などの単独の経口投薬組成物で一緒に、又は個別の経口投薬製剤中で投与される各薬剤で、患者へ投与され得る。同様に、抗-HA抗体又は抗原-結合断片及び抗-NA抗体又は抗原-結合断片は、例えば食塩水又は他の生理的に許容し得る溶液中で、単独の非経口投薬組成物中、又は個別の非経口投薬製剤中で投与される各薬剤で、一緒に対象へ投与されることができる。個別の投薬製剤が使用される場合、抗体又は抗原-結合断片及び1又は複数の追加の活性薬剤を含有する組成物は、本質的に同時に、すなわち一斉に、又は個別にずらした時間で、すなわち逐次且つ任意の順番で投与されることができ;組合せ療法は、これらのレジメン全てを含むと理解される。
一部の実施態様において、抗-HA抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチドは、抗-NA抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチドと、同時に、又は1分以内、5分以内、15分以内、30分以内、1時間以内、6時間以内、12時間以内、24時間以内、36時間以内、2~5日以内、1-2週間以内、1ヶ月以内、2ヶ月以内、3ヶ月以内、4ヶ月以内、5ヶ月以内、又は6ヶ月以内に投与される。
一部の実施態様において、抗-NA抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチドは、抗-HA抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチドと、同時に、又は1分以内、5分以内、15分以内、30分以内、1時間以内、6時間以内、12時間以内、24時間以内、36時間以内、2~5日以内、1-2週間以内、1ヶ月以内、2ヶ月以内、3ヶ月以内、4ヶ月以内、5ヶ月以内、又は6ヶ月以内に投与される。
いくつかの実施態様において、抗-HA抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド及び抗-NA抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチドは、一緒に製剤化される。いくつかの実施態様において、抗-HA抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド及び抗-NA抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチドは、個別に製剤化される。
いくつかの実施態様において、抗-HA抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド及び抗-NA抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチドは、順番に投与される。一部の実施態様において、抗体(又は、1もしくは複数の核酸、宿主細胞、ベクター、又は組成物もしくは組合せ)は、1もしくは複数の抗炎症薬及び/又は1もしくは複数の抗ウイルス薬を先に受け取っている対象へ投与される。一部の実施態様において、抗ウイルス薬は、ノイラミダーゼ阻害薬(NAI)、例えば、オセルタミビル、ザナミビル、ペラミビル、又はラニナミビルなどである。一部の実施態様において、1もしくは複数の抗炎症薬及び/又は1もしくは複数の抗ウイルス薬は、抗体(又は1もしくは複数の核酸、宿主細胞、ベクター、又は組成物)を先に受け取っている対象へ投与される。一部の実施態様において、抗ウイルス薬は、ノイラミダーゼ阻害薬(NAI)、例えば、オセルタミビル、ザナミビル、ペラミビル、又はラニナミビルなどである。
関連した局面において、(例えば、インフルエンザ感染症の診断、予防、及び/又は治療における、インフルエンザ感染症の防御又は治療のための医薬品の製造における)ここで開示された抗体、抗原-結合断片、ベクター、宿主細胞、及び組成物の使用が、提供される。
本開示はまた、以下の非限定的実施態様も提供する。
実施態様1. (1)(a)インフルエンザA型ウイルス(IAV)ヘマグルチニン(HA)に結合し、且つIAVによる感染を中和することが可能である抗体又はその抗原-結合断片、或いは(b)この抗-HA抗体又はその抗原-結合断片をコードしているポリヌクレオチド;並びに、(2)(a)2(i)IAVが、グループ1 IAV、グループ2 IAV、もしくは両方を含む、IAV;及び、2(ii)インフルエンザB型ウイルス(IBV):由来のノイラミニダーゼ(NA)に結合することが可能であり、且つIAV及び/又はIBVによる感染を中和し及び/又はシアリダーゼ活性を阻害することが可能である、抗体、又はその抗原-結合断片;或いは、(b)この抗-NA抗体又はその抗原-結合断片をコードしているポリヌクレオチド:を含む、組合せ。
実施態様2. (1)(a)インフルエンザA型ウイルス(IAV)ヘマグルチニン(HA)に結合し、且つIAVによる感染を中和することが可能である抗体、又はその抗原-結合断片、或いは(b)この抗-HA抗体又はその抗原-結合断片をコードしているポリヌクレオチド;並びに、(2)(a)2(i)IAVが、グループ1 IAV、グループ2 IAV、もしくは両方を含む、IAV;及び、2(ii)インフルエンザB型ウイルス(IBV):由来のノイラミニダーゼ(NA)に結合することが可能であり、且つIAV及び/又はIBVによる感染を中和し及び/又はシアリダーゼ活性を阻害することが可能である、抗体、又はその抗原-結合断片;或いは、(b)この抗-NA抗体又はその抗原-結合断片をコードしているポリヌクレオチド:並びに、任意に、医薬として許容し得る担体、賦形剤、又は希釈剤:を含有する、組成物。
実施態様3. 対象におけるインフルエンザ(IAV、IBV、又は両方)感染症を治療又は防御する方法において使用するための、組合せ又は組成物であって、ここでこの方法が、対象へ、各々、この組成物又は組合せの有効量を投与することを含む、実施態様1の組合せ又は実施態様2の組成物。
実施態様4. 対象におけるインフルエンザ(IAV、IBV、又は両方)感染症を治療又は防御するための医薬品の製造において使用するための、実施態様1の組合せ又は実施態様2の組成物。
実施態様5. 対象におけるインフルエンザ感染症を治療又は防御する方法において使用するための、インフルエンザA型ウイルス(IAV)ヘマグルチニン(HA)に結合し、且つIAVによる感染を中和することが可能である抗体又はその抗原-結合断片、或いはこの抗-HA抗体又はその抗原-結合断片をコードしているポリヌクレオチドであって、ここで、この方法が、この抗-HA抗体又はその抗原-結合断片の有効量を、(1)(i)IAVが、グループ1 IAV、グループ2 IAV、もしくは両方を含む、IAV;及び、(ii)インフルエンザB型ウイルス(IBV):由来のノイラミニダーゼ(NA)に結合することが可能であり、且つIAV及び/又はIBVによる感染を中和し及び/又はシアリダーゼ活性を阻害することが可能である、抗体又はその抗原-結合断片の有効量;或いは、(2)この抗-NA抗体又はその抗原-結合断片をコードしているポリヌクレオチド:を受け取った、受け取っている、もしくは受け取る予定である対象へ投与することを含む、抗体又はその抗原-結合断片。
実施態様6. 対象におけるインフルエンザ(IAV、IBV、又は両方)感染症を治療又は防御する方法において使用するための、(i)IAVが、グループ1 IAV、グループ2 IAV、もしくは両方を含む、インフルエンザA型ウイルス(IAV);及び、(ii)インフルエンザB型ウイルス(IBV):由来のノイラミニダーゼ(NA)に結合することが可能であり、且つIAV及び/又はIBVによる感染を中和し及び/又はシアリダーゼ活性を阻害することが可能である、抗体又はその抗原-結合断片、或いはこの抗-NA抗体又はその抗原-結合断片をコードしているポリヌクレオチドであって、ここでこの方法が、この抗-NA抗体又はその抗原-結合断片の有効量を、(a)IAVヘマグルチニン(HA)に結合し、及びIAVによる感染を中和することが可能である抗体、又はその抗原-結合断片、或いは、(b)この抗-HA抗体又はその抗原-結合断片をコードしているポリヌクレオチド:の有効量を受け取った、受け取っている、もしくは受け取る予定である対象へ投与することを含む、抗体又はその抗原-結合断片。
実施態様7. 対象におけるインフルエンザ(IAV、IBV、又は両方)感染症を治療又は防御する方法であって、この方法が:(1)(a)インフルエンザA型ウイルス(IAV)ヘマグルチニン(HA)に結合し、且つIAVによる感染を中和することが可能である抗体、又はその抗原-結合断片、或いは(b)この抗-HA抗体又はその抗原-結合断片をコードしているポリヌクレオチド;並びに、(2)(a)2(i)IAVが、グループ1 IAV、グループ2 IAV、もしくは両方を含む、IAV;及び2(ii)インフルエンザB型ウイルス(IBV):由来のノイラミニダーゼ(NA)に結合することが可能であり、且つIAV及び/又はIBVによる感染を中和し及び/又はシアリダーゼ活性を阻害することが可能である、抗体、又はその抗原-結合断片;或いは、(b)この抗-NA抗体又はその抗原-結合断片をコードしているポリヌクレオチド:の有効量を、対象へ投与することを含む、方法。
実施態様8. 対象におけるインフルエンザ(IAV、IBV、又は両方)感染症を治療又は防御する方法であって、この方法が:(1)インフルエンザA型ウイルス(IAV)ヘマグルチニン(HA)に結合し、且つIAVによる感染を中和することが可能である抗体、又はその抗原-結合断片、或いは(2)この抗-HA抗体又はその抗原-結合断片をコードしているポリヌクレオチド;の有効量を対象へ投与することを含み、ここで、対象は、(a)(i)IAVが、グループ1 IAV、グループ2 IAV、もしくは両方を含む、IAV;及び(ii)インフルエンザB型ウイルス(IBV):由来のノイラミニダーゼ(NA)に結合することが可能であり、且つIAV及び/又はIBVによる感染を中和し及び/又はシアリダーゼ活性を阻害することが可能である、抗体、又はその抗原-結合断片;或いは、(b)この抗-NA抗体又はその抗原-結合断片をコードしているポリヌクレオチド:を受け取った、受け取っている、もしくは受け取る予定である、方法。
実施態様9. 対象におけるインフルエンザ感染症を治療又は防御する方法であって、この方法が:(1)(i)IAVが、グループ1 IAV、グループ2 IAV、もしくは両方を含む、インフルエンザA型ウイルス(IAV);及び(ii)インフルエンザB型ウイルス(IBV):由来のノイラミニダーゼ(NA)に結合することが可能であり、且つIAV及び/又はIBVによる感染を中和し及び/又はシアリダーゼ活性を阻害することが可能である、抗体、又はその抗原-結合断片;或いは、(2)この抗-NA抗体又はその抗原-結合断片をコードしているポリヌクレオチド:の有効量を対象へ投与することを含み、ここで、対象は、(a)IAVヘマグルチニン(HA)へ結合し、及びIAVによる感染を中和することが可能である、抗体、又はその抗原-結合断片、或いは(b)この抗-HA抗体又はその抗原-結合断片をコードしているポリヌクレオチド:を受け取った、受け取っている、もしくは受け取る予定である、方法。
実施態様10. (1)該抗-HA抗体又は抗原-結合断片が、(1)(i)配列番号:43、2、26、28、31、34、37、14、39、及び41のいずれか一つに示されたアミノ酸配列と、少なくとも80%(例えば、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれよりも多い)同一性を有するアミノ酸配列を含むか又はこれからなるVHであって、ここで配列番号:43、2、26、28、31、34、37、14、39、及び41の各々に関連する配列変動が、任意に、1又は複数のフレームワーク領域内に構成されるか、及び/もしくは配列変動は、生殖細胞系列-コードされたアミノ酸に対する1又は複数の置換を含むもの;並びに/又は、(1)(ii)配列番号:44、8、及び20のいずれか一つのアミノ酸配列と、少なくとも80%(例えば、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれよりも多い)同一性を有するアミノ酸配列を含むか又はこれからなるVLであって、ここで配列番号:44、8、及び20の各々に関する配列変動が、任意に、1又は複数のフレームワーク領域内に構成されるか、及び/もしくは配列変動が、生殖細胞系列-コードされたアミノ酸に対する1又は複数の置換を含むもの:を含み;並びに/又は、(2)該抗-NA抗体又は抗原-結合断片が、(2)(i)配列番号:241、48、60、72、171、84、96、108、120、132、229、144、156、168、180、192、204、245、249、258、及び261のいずれか一つに示されたアミノ酸配列と、少なくとも80%(例えば、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれよりも多い)同一性を有するアミノ酸配列を含むか又はこれからなるVHであって、ここで配列番号:241、48、60、72、171、84、96、108、120、132、229、144、156、168、180、192、204、245、249、258、261の各々に関連する配列変動は、任意に、1又は複数のフレームワーク領域内に構成されるか、及び/もしくは配列変動は、生殖細胞系列-コードされたアミノ酸に対する1又は複数の置換を含むもの;並びに/又は、(2)(ii)配列番号:243、54、66、78、90、102、114、126、138、150、162、174、186、198、220、223、226、232、235、238、210、247、251、259、及び263のいずれか一つのアミノ酸配列と、少なくとも80%(例えば、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれよりも多い)同一性を有するアミノ酸配列を含むか又はこれからなるVLであって、ここで配列番号:243、54、66、78、90、102、114、126、138、150、162、174、186、198、220、223、226、232、235、238、210、247、251、259、及び263の各々に関する配列変動が、任意に、1又は複数のフレームワーク領域内に構成されるか、及び/もしくは配列変動が、生殖細胞系列-コードされたアミノ酸に対する1又は複数の置換を含むもの:を含み;好ましくは、抗-HA抗体又は抗原-結合断片は、配列番号:43及び44の各々に示されたアミノ酸配列と少なくとも80%同一性を有するアミノ酸配列を含むか又はこれからなる、VH及びVLを含み、並びに抗-NA抗体又は抗原-結合断片は、配列番号:(4)(i)241及び243に示されたアミノ酸配列と少なくとも80%同一性を有するアミノ酸配列を含むか又はこれらからなるVH及びVLを含み;並びに/又は、(3)該抗-HA抗体又は抗原-結合断片は、配列番号:(3)(i)各々43及び44;(3)(ii)各々26及び8;(3)(iii)各々2及び8;(3)(iv)各々31及び8;(3)(v)各々34及び8;(3)(vi)各々37及び8;(3)(vii)各々14及び20;(3)(viii)各々39及び20;(3)(ix)各々41及び20;もしくは、(1)(x)各々28及び8:に示されたVH及びVLアミノ酸配列の各々HCDR及びLCDRを含む、VH及びVLを含み、ここで任意に、HCDR及びLCDRは、IMGT番号付けに従い;並びに/又は、(4)該抗-NA抗体又は抗原-結合断片は、配列番号:(4)(i)各々241及び243;(4)(ii)各々60及び66;(4)(iii)各々72及び78もしくは220もしくは223;(4)(vi)各々72及び226;(4)(vii)各々217及び78;(4)(viii)各々217及び220;(4)(ix)各々217及び223;(4)(x)各々217及び226;(4)(xi)各々84及び90;(4)(xii)各々96及び102;(4)(xiii)各々108及び114;(4)(xiv)各々120及び126;(4)(xv)各々132及び138;(4)(xvi)各々132及び232;(4)(xvii)各々132及び235;(4)(xviii)各々132及び238;(4)(xix)各々229及び138;(4)(xx)各々229及び232;(4)(xxi)各々229及び235;(4)(xxii)各々229及び238;(4)(xxiii)各々144及び150;(4)(xxiv)各々156及び162;(4)(xxv)各々168及び174;(4)(xxvi)各々180及び186;(4)(xxvii)各々192及び198;(4)(xxviii)各々204及び210;(4)(xxix)各々48及び54;(4)(xxx)各々245及び247;(4)(xxxi)各々249及び251;(4)(xxxii)各々258及び259;もしくは、(4)(xxxi)各々261及び263:に示されたVH及びVLアミノ酸配列の各々HCDR及びLCDRを含む、VH及びVLを含み、ここで任意に、HCDR及びLCDRは、IMGT番号付けに従い、ここで好ましくは、抗-HA抗体又は抗原-結合断片は、各々配列番号:43及び44に示されたVH及びVLアミノ酸配列の各々HCDR及びLCDRを含む、VH及びVLを含み、並びに抗-NA抗体又は抗原-結合断片は、配列番号:(4)(i)241及び243に示されたVH及びVLアミノ酸配列の各々HCDR及びLCDRを含む、VH及びVLを含む、実施態様1の組合せ、実施態様2の組成物、実施態様3及び4のいずれか一つの使用に関する組合せ又は組成物、実施態様5及び6のいずれか一つの使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、実施態様7-9のいずれか一つの方法。
実施態様11. (1)該抗-HA抗体又は抗原-結合断片のVH及びVLが、配列番号:(1)(i)各々43及び44;(1)(ii)各々26及び8;(1)(iii)各々2及び8;(1)(iv)各々31及び8;(1)(v)各々34及び8;(1)(vi)各々37及び8;(1)(vii)各々14及び20;(1)(viii)各々39及び20;(1)(ix)各々41及び20;又は、(1)(x)各々28及び8;に従うアミノ酸配列を含むか又はこれからなり;並びに/又は、(2)該抗-NA抗体又は抗原-結合断片のVH及びVLが、配列番号:(2)(i)各々241及び243;(2)(ii)各々60及び66;(2)(iii)各々72及び78もしくは220もしくは223;(2)(vi)各々72及び226;(2)(vii)各々217及び78;(2)(viii)各々217及び220;(2)(ix)各々217及び223;(2)(x)各々217及び226;(2)(xi)各々84及び90;(2)(xii)各々96及び102;(2)(xiii)各々108及び114;(2)(xiv)各々120及び126;(2)(xv)各々132及び138;(2)(xvi)各々132及び232;(2)(xvii)各々132及び235;(2)(xviii)各々132及び238;(2)(xix)各々229及び138;(2)(xx)各々229及び232;(2)(xxi)各々229及び235;(2)(xxii)各々229及び238;(2)(xxiii)各々144及び150;(2)(xxiv)各々156及び162;(2)(xxv)各々168及び174;(2)(xxvi)各々180及び186;(2)(xxvii)各々192及び198;(2)(xxviii)各々204及び210;(2)(xxix)各々48及び54;(2)(xxx)各々245及び247;(2)(xxxi)各々249及び251;(2)(xxxii)各々258及び259;又は、(2)(xxxiii)各々261及び263:に従うアミノ酸配列を含むか又はこれからなり、ここで好ましくは、抗-HA抗体又は抗原-結合断片のVH及びVLは、各々、配列番号:43及び44に従うアミノ酸配列を含むか又はこれからなり、抗-NA抗体又は抗原-結合断片のVH及びVLは、各々、配列番号:241及び243に従うアミノ酸配列を含むか又はこれからなる、実施態様1又は10の組合せ、実施態様2又は10の組成物、実施態様3、4及び10のいずれか一つの使用に関する組合せ又は組成物、実施態様5、6及び10のいずれか一つの使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは実施態様7-10のいずれか一つの方法。
実施態様12. (1)該抗-HA抗体又は抗原-結合断片のVH及びVLが、配列番号:(1)(i)各々43及び44;(1)(ii)各々26及び8;(1)(iii)各々28及び8;(1)(iv)各々31及び8;(1)(v)各々34及び8;(1)(vi)各々37及び8;(1)(vii)各々14及び20;(1)(viii)各々39及び20;(1)(ix)各々41及び20;又は、(1)(x)各々2及び8に従うアミノ酸配列を含むか又はこれからなり;並びに/又は、(2)該抗-NA抗体又は抗原-結合断片のVH及びVLが、配列番号:(2)(i)各々241及び243;(2)(ii)各々72及び226;(2)(iii)各々217及び78;(2)(iv)各々217及び220;(2)(v)各々132及び138;(2)(vi)各々132及び232;(2)(vii)各々132及び235;(2)(viii)各々132及び238;(2)(ix)各々229及び138;(2)(x)各々229及び232;(2)(xi)各々229及び235;(2)(xii)各々229及び238;(2)(xiii)各々217及び223;(2)(xiv)各々217及び226;(2)(xv)72及び78もしくは220もしくは223;(2)(xvi)各々245及び247;又は、(2)(xvii)各々249及び251に従うアミノ酸配列を含むか又はこれからなり;ここで好ましくは、抗-HA抗体又は抗原-結合断片のVH及びVLは、各々配列番号:43及び44に従うアミノ酸配列を含むか又はこれからなり、抗-NA抗体又は抗原-結合断片のVH及びVLは、各々配列番号:241及び243に従うアミノ酸配列を含むか又はこれからなる、実施態様1、10又は11の組合せ、実施態様2、10又は11の組成物、実施態様3、4、10及び11のいずれか一つの使用に関する組合せ又は組成物、実施態様5、6、10、及び11のいずれか一つの使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、実施態様7-11のいずれか一つの方法。
実施態様13. (1)該抗-HA抗体又は抗原-結合断片が、相補性決定領域(CDR)H1、CDRH2、及びCDRH3を含む重鎖可変ドメイン(VH)、並びにCDRL1、CDRL2、及びCDRL3を含む軽鎖可変ドメイン(VL)を含み、ここでCDRは任意に、IMGT番号付けシステムに従い、並びにここで:(1)(i)CDRH1は、配列番号:274、3、32、及び15のいずれか一つのアミノ酸配列、又は1、2、もしくは3個の酸(acid)置換を含むその機能性バリアントを含むか又はこれからなり、その1又は複数の置換は、任意に保存的置換であるか及び/又は生殖細胞系列-コードされたアミノ酸に対する置換であり;並びに/又は、(1)(ii) CDRH2は、配列番号:275、4、29、35、16、及び42のいずれか一つのアミノ酸配列、又は1、2もしくは3個のアミノ酸置換を含むその機能性バリアントを含むか又はこれからなり、その1又は複数の置換は、任意に保存的置換であるか、及び/又は生殖細胞系列-コードされたアミノ酸に対する置換であり;並びに/又は、(1)(iii)CDRH3は、配列番号:276、5及び17のいずれか一つのアミノ酸配列、又は1、2もしくは3個のアミノ酸置換を含むその機能性バリアントを含むか又はこれからなり、その1又は複数の置換は、任意に保存的置換であるか、及び/又は生殖細胞系列-コードされたアミノ酸に対する置換であり;並びに/又は、(1)(iv)CDRL1は、配列番号:277、9、及び21のいずれか一つのアミノ酸配列、又は1、2もしくは3個のアミノ酸置換を含むその機能性バリアントを含むか又はこれからなり、その1又は複数の置換は、任意に保存的置換であるか、及び/又は生殖細胞系列-コードされたアミノ酸に対する置換であり;並びに/又は、(1)(v)CDRL2は、配列番号:278、10、及び22のいずれか一つのアミノ酸配列、又は1、2もしくは3個のアミノ酸置換を含むその機能性バリアントを含むか又はこれからなり、その1又は複数の置換は、任意に保存的置換であるか、及び/又は生殖細胞系列-コードされたアミノ酸に対する置換であり;並びに/又は、(1)(vi)CDRL3は、配列番号:279、11、及び23のいずれか一つのアミノ酸配列、又は1、2もしくは3個のアミノ酸置換を含むその機能性バリアントを含むか又はこれからなり、その1又は複数の置換は、任意に保存的置換であるか、及び/又は生殖細胞系列-コードされたアミノ酸に対する置換であり;並びに/或いは、(2)該抗-NA抗体又は抗原-結合断片が、CDRH1、CDRH2、及びCDRH3を含むVH、並びにCDRL1、CDRL2、及びCDRL3を含むVLを含み、並びにここで:(2)(i)任意に、CDRH1は、配列番号:193、49、61、73、85、97、109、121、133、145、157、169、181、205、及び264のいずれか一つに示されたアミノ酸配列、又は1、2、もしくは3個の酸(acid)置換を含むその機能性バリアントを含むか又はこれからなり、その1又は複数の置換は、任意に保存的置換であるか及び/又は生殖細胞系列-コードされたアミノ酸に対する置換であり;(2)(ii)任意に、CDRH2は、配列番号:194、50、62、74、86、98、110、122、134、146、158、170、182、206、及び265のいずれか一つに示されたアミノ酸配列、又は1、2、もしくは3個のアミノ酸置換を含むその機能性バリアントを含むか又はこれからなり、その1又は複数の置換は、任意に保存的置換であるか及び/又は生殖細胞系列-コードされたアミノ酸に対する置換であり;(2)(iii)CDRH3は、配列番号:195、51、63、75、218、87、99、111、123、135、230、147、159、171、183、207、及び266のいずれか一つに示されたアミノ酸配列、又は1、2もしくは3個のアミノ酸置換を含むその機能性バリアントを含むか又はこれからなり、その1又は複数の置換は、任意に保存的置換であるか、及び/又は生殖細胞系列-コードされたアミノ酸に対する置換であり;(2)(iv)任意に、CDRL1は、配列番号:199、55、67、79、91、103、115、127、139、151、163、175、187、211、及び267のいずれか一つに示されたアミノ酸配列、又は1、2もしくは3個のアミノ酸置換を含むその機能性バリアントを含むか又はこれからなり、その1又は複数の置換は、任意に保存的置換であるか、及び/又は生殖細胞系列-コードされたアミノ酸に対する置換であり;(2)(v)任意に、CDRL2は、配列番号:200、56、68、80、92、104、116、128、140、152、164、176、188、212、及び268のいずれか一つに示されたアミノ酸配列、又は1、2もしくは3個のアミノ酸置換を含むその機能性バリアントを含むか又はこれからなり、その1又は複数の置換は、任意に保存的置換であるか、及び/又は生殖細胞系列-コードされたアミノ酸に対する置換であり;(2)(vi)任意に、CDRL3は、配列番号:201、57、69、81、221、224、227、93、105、117、129、141、233、239、153、165、177、189、236、213、及び269のいずれか一つに示されたアミノ酸配列、又は1、2もしくは3個のアミノ酸置換を含むその機能性バリアントを含むか又はこれからなり、その1又は複数の置換は、任意に保存的置換であるか、及び/又は生殖細胞系列-コードされたアミノ酸に対する置換である、実施態様1及び10-12のいずれか一つの組合せ、実施態様2及び10-12のいずれか一つの組成物、実施態様3、4、10、11、又は12の使用に関する組合せ又は組成物、実施態様5、6、10、11、又は12の使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、実施態様7-12のいずれか一つの方法。
実施態様14. (1)該抗-HA抗体又は抗原-結合断片が、配列番号:(1)(i)各々274-279;(1)(ii)各々3、29、5及び9-11;(1)(iii)各々32、4、5及び9-11;(1)(iv)各々3、35、5及び9-11;(1)(v)各々32、35、5、及び9-11;(1)(vi)各々15-17及び21-23;(1)(vii)各々15、42、17及び21-23;又は、(1)(viii)各々3-5及び9-11のCDRH1、CDRH2、CDRH3、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3アミノ酸配列を含み;並びに/或いは、(2)該抗-NA抗体又は抗原-結合断片が、配列番号:(2)(i)各々193-195及び199-201;(2)(ii)各々61-63及び67-69;(2)(iii)各々73-75及び79-81;(2)(iv)各々73、74、218、及び79-81;(2)(v)各々73-75、79、80、及び221;(2)(vi)各々73-75、79、80、及び224;(2)(vii)各々73-75、79、80、及び227;(2)(viii)各々73、74、218、79、80、及び221;(2)(ix)各々73、74、218、79、80、及び224;(2)(x)各々73、74、218、79、80、及び227;(2)(xi)各々85-87及び91-93;(2)(xii)各々97-99及び103-105;(2)(xiii)各々109-111及び115-117;(2)(xiv)各々121-123及び127-129;(2)(xv)各々133-135及び139-141;(2)(xvi)各々133、134、230及び139-141;(2)(xvii)各々133-135、139、141、及び233;(2)(xviii)各々133-135、139、141、及び236;(2)(xix)各々133-135、139、141、及び239;(2)(xx)各々133、134、184、139、141、及び233;(2)(xxi)各々133、134、230、139、141、及び236;(2)(xxii)各々133、134、230、139、141、及び239;(2)(xxiii)各々145-147及び151-153;(2)(xxiv)各々157-159及び163-165;(2)(xxv)各々169-171及び175-177;(2)(xxvi)各々181-183及び187-189;(2)(xxvii)各々49-51及び55-57;(2)(xxviii)各々205-207及び211-213;又は、(2)(xxix)各々264-266及び267-269のCDRH1、CDRH2、CDRH3、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3アミノ酸配列を含む、実施態様1及び10-13のいずれか一つの組合せ、実施態様2及び10-13のいずれか一つの組成物、実施態様3、4、10、11、12、又は13の使用に関する組合せ又は組成物、実施態様5、6、10、11、12、又は13の使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、実施態様7-13のいずれか一つの方法。
実施態様15. (1)該抗-HA抗体又は抗原-結合断片が、配列番号:(1)(i)各々274-279;(1)(ii)各々3、29、5及び9-11;(1)(iii)各々32、4、5及び9-11;(1)(iv)各々3、35、5及び9-11;(1)(v)各々32、35、5、及び9-11;(1)(vi)各々15-17及び21-23;(1)(vii)各々15、42、17及び21-23;又は、(1)(viii)各々3-5及び9-11のCDRH1、CDRH2、CDRH3、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3アミノ酸配列を含み;並びに/或いは、(2)該抗-NA抗体又は抗原-結合断片が、配列番号:(2)(i)各々193-195及び199-201;(2)(ii)各々73、74、218、及び79-81;(2)(iii)各々73-75、79、80、及び221;(2)(iv)各々73-75、79、80、及び224;(2)(v)各々73-75、79、80、及び227;(2)(vi)各々73、74、218、79、80、及び221;(2)(vii)各々73、74、218、79、80、及び224;(2)(viii)各々73、74、218、79、80、及び227;(2)(ix)各々133-135及び139-141;(2)(x)各々133、134、230及び139-141;(2)(xi)各々133-135、139、141、及び233;(2)(xii)各々133-135、139、141、及び236;(2)(xiii)各々133-135、139、141、及び239;(2)(xiv)各々133、134、184、139、141、及び233;(2)(xv)各々133、134、184、139、141、及び236;(2)(xvi)各々133、134、184、139、141、及び239;(2)(xvii)各々264-266及び267-296;又は、(2)(xviii)各々73-75及び79-81のCDRH1、CDRH2、CDRH3、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3アミノ酸配列を含む、実施態様13又は14の組合せ、実施態様13又は14の組成物、実施態様13又は14の使用に関する組合せ又は組成物、実施態様13又は14の使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、実施態様13又は14の方法。
実施態様16. (i)グループ1 IAV NAが、N1、N4、N5、及び/もしくはN8を含み;並びに/又は(ii)グループ2 IAV NAが、N2、N3、N6、N7、及び/もしくはN9を含む、実施態様1及び10-15のいずれか一つの組合せ、実施態様2及び10-15の一つの組成物、実施態様3、4、及び10-15のいずれか一つの使用に関する組合せ又は組成物、実施態様5、6、及び10-15のいずれか一つの使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、実施態様7-15のいずれか一つの方法。
実施態様17. (i)N1が、A/California/07/2009、A/California/07/2009 I23R/H275Y、A/Swine/Jiangsu/J004/2018、A/Stockholm/18/2007、A/Brisbane/02/2018、A/Michigan/45/2015、A/Mississippi/3/2001、A/Netherlands/603/2009、A/Netherlands/602/2009、A/Vietnam/1203/2004、A/G4/SW/Shangdong/1207/2016、A/G4/SW/Henan/SN13/2018、及びA/New Jersey/8/1976:の1又は複数のいずれか由来のN1であり;(ii)N4が、A/mallard duck/Netherlands/30/2011由来であり;(iii)N5が、A/aquatic bird/Korea/CN5/2009由来であり;(iv)N8が、A/harbor seal/New Hampshire/179629/2011由来であり;(v)N2が、A/Washington/01/2007、A/HongKong/68、A/South Australia/34/2019、A/Switzerland/8060/2017、A/Singapore/INFIMH-16-0019/2016、A/Switzerland/9715293/2013、A/Leningrad/134/17/57、A/Florida/4/2006、A/Netherlands/823/1992、A/Norway/466/2014、A/Switzerland/8060/2017、A/Texas/50/2012、A/Victoria/361/2011; A/HongKong/2671/2019、A/SW/Mexico/SG1444/2011、A/Tanzania/205/2010、A/Aichi/2/1968、A/Bilthoven/21793/1972、A/Netherlands/233/1982、A/Shanghai/11/1987、A/Nanchang/933/1995、A/Fukui/45/2004、and A/Brisbane/10/2007:の1又は複数のいずれか由来のN2であり;(vi)N3が、A/Canada/rv504/2004由来であり;(v)N6が、A/swine/Ontario/01911/1/99由来であり;(vi)N7が、A/Netherlands/078/03由来であり;並びに/又は、(vii)N9が、A/Anhui/2013及びA/Hong Kong/56/2015の1又は複数のいずれか由来のN9である、実施態様16の組合せ、実施態様16の組成物、実施態様16の使用に関する組合せ又は組成物、実施態様16の使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、実施態様16の方法。
実施態様18. 該IBV NAが、B/Lee/10/1940 (Ancestral);B/Brisbane/60/2008 (Victoria);B/Malaysia/2506/2004 (Victoria);B/Malaysia/3120318925/2013 (Yamagata);B/Wisconsin/1/2010 (Yamagata);B/Yamanashi/166/1998 (Yamagata);B/Brisbane/33/2008;B/Colorado/06/2017;B/Hubei-wujiang/158/2009;B/Massachusetts/02/2012;B/Netherlands/234/2011;B/Perth/211/2001;B/Texas/06/2011 (Yamagata);B/Perth/211/2011;B/HongKong/05/1972;B/Phuket/3073/2013;B/Harbin/7/1994 (Victoria);及び、B/Washington/02/2019 (Victoria):の1又は複数のいずれか由来のNAである、実施態様1及び10-17のいずれか一つの組合せ、実施態様2及び10-17のいずれか一つの組成物、実施態様3、4、及び10-17のいずれか一つの使用に関する組合せ又は組成物、実施態様5、6、及び10-17のいずれか一つの使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、実施態様7-17のいずれか一つの方法。
実施態様19. 該NAが、N1、N2、及び/又はN9である、実施態様1及び10-18のいずれか一つの組合せ、実施態様2及び10-18のいずれか一つの組成物、実施態様3、4、及び10-18のいずれか一つの使用に関する組合せ又は組成物、実施態様5、6、及び10-18のいずれか一つの使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、実施態様7-18のいずれか一つの方法。
実施態様20. 該抗-NA抗体又は抗原-結合断片が:(1)(i)以下のアミノ酸(N1 NA番号付け)の1又は複数のいずれかを含む、NAエピトープ:R368、R293、E228、E344、S247、D198、D151、R118;及び/もしくは、(ii)以下のアミノ酸(N2 NA番号付け)の1又は複数のいずれかを含む、NAエピトープ:R371、R292、E227、E344、S247、D198、D151、R118;並びに/又は、(2)(i)アミノ酸R368、R293、E228、D151、及びR118(N1 NA番号付け)を含むNAエピトープ;及び/もしくは、(ii)アミノ酸R371、R292、E227、D151、及びR118(N2 NA番号付け)を含むNAエピトープ;並びに/又は、(3)NA活性部位内に構成されるか又はこれを含むエピトープであって、ここで任意に、NA活性部位は、以下のアミノ酸(N2番号付け)を含むもの:R118、D151、R152、R224、E276、R292、R371、Y406、E119、R156、W178、S179、D/N198、I222、E227、H274、E277、D293、E425;並びに/又は、(4)(i)以下のアミノ酸の1又は複数のいずれか:R116、D149、E226、R292、及びR374;又は、(ii)アミノ酸R116、D149、E226、R292、及びR374を含む、IBV NAエピトープ:へ結合することが可能である、実施態様1及び10-19のいずれか一つの組合せ、実施態様2及び10-19のいずれか一つの組成物、実施態様3、4、及び10-19のいずれか一つの使用に関する組合せ又は組成物、実施態様5、6、及び10-19のいずれか一つの使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、実施態様7-19のいずれか一つの方法。
実施態様21. 該抗-NA抗体又は抗原結合断片が:(1)以下のNAアミノ酸(N2番号付け)の1又は複数のいずれかを更に含む、エピトープ;E344、E227、S247、及びD198;並びに/又は、(2)S245Nアミノ酸変異及び/もしくはE221Dアミノ酸変異を含むNA:に結合することが可能である、実施態様20の組合せ、実施態様20の組成物、実施態様20の使用に関する組合せ又は組成物、実施態様20の使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、実施態様20の方法。
実施態様22. 該抗-NA抗体又は抗原-結合断片が、S245Nアミノ酸変異及び/もしくはE221Dアミノ酸変異を含むNAへ結合することが可能である、実施態様1及び10-21のいずれか一つの組合せ、実施態様2及び10-21のいずれか一つの組成物、実施態様3、4、及び10-21のいずれか一つの使用に関する組合せ又は組成物、実施態様5、6、及び10-21のいずれか一つの使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、実施態様7-21のいずれか一つの方法。
実施態様23. (i)該グループ1 IAV NAが、H1N1及び/もしくはH5N1を含み;(ii)グループ2 IAV NAが、H3N2及び/もしくはH7N9を含み;並びに/又は、(iii)IBV NAが、B/Lee/10/1940 (Ancestral);B/HongKong/05/1972;B/Taiwan/2/1962 (Ancestral);B/Brisbane/33/2008 (Victoria);B/Brisbane/60/2008 (Victoria);B/Malaysia/2506/2004 (Victoria);B/New York/1056/2003 (Victoria);B/Florida/4/2006(Yamagata);B/Jiangsu/10/2003 (Yamagata);B/Texas/06/2011 (Yamagata);B/Perth/211/2011;B/Harbin/7/1994 (Victoria);B/Colorado/06/2017 (Victoria);B/Washington/02/2019 (Victoria);B/Perth/211/2001 (Yamagata);B/Hubei-wujiagang/158/2009 (Yamagata);B/Wisconsin/01/2010 (Yamagata);B/Massachusetts/02/2012 (Yamagata);及び、B/Phuket/3073/2013 (Yamagata):の1又は複数を含む、実施態様1及び10-22のいずれか一つの組合せ、実施態様2及び10-22のいずれか一つの組成物、実施態様3、4、及び10-22のいずれか一つの使用に関する組合せ又は組成物、実施態様5、6、及び10-22のいずれか一つの使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、実施態様7-22のいずれか一つの方法。
実施態様24. 該抗-HA抗体又は抗原-結合断片が、以下のIAV亜型:H1、H2、H3、H4、H5、H8、H9、H10、H11、H12、H13、H14、H15、H17、及びH18の1又は複数のいずれかへ結合することが可能である、実施態様1及び10-23のいずれか一つの組合せ、実施態様2及び10-23のいずれか一つの組成物、実施態様3、4、及び10-23のいずれか一つの使用に関する組合せ又は組成物、実施態様5、6、及び10-23のいずれか一つの使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、実施態様7-23のいずれか一つの方法。
実施態様25. 該抗-HA抗体又は抗原-結合断片が:(i)任意に、H1N1 IAVが、A/California/07/2009、A/PR/8/34、及びA/Solomon Islands/3/06の1又は複数のいずれかを含む、H1N1 IAV;並びに、(ii)任意に、H3N2 IAVが、A/Aichi/2/68、A/Brisbane/10/07、及びA/Hong Kong/68の1又は複数のいずれかを含む、H3N2 IAV;(i)任意に、グループ1 IAVが、H5 IAVを含むかもしくはこれであり、ここで更に任意に、H5 IAVが、H5/VN/11/94 ppを含むかもしくはこれである、グループ1 IAV;並びに、(ii)任意に、グループ2 IAVが、H7 IAVを含むかもしくはこれであり、ここで更に任意に、H7 IAVが、H7/IT/99 ppを含むかもしくはこれである、グループ2IAV:による感染を中和することが可能であり、ここで任意に、感染の中和は、IAVによりシュードタイプ化されたウイルスを用いて決定される、実施態様1及び10-24のいずれか一つの組合せ、実施態様2及び10-24のいずれか一つの組成物、実施態様3、4、及び10-24のいずれか一つの使用に関する組合せ又は組成物、実施態様5、6、及び10-24のいずれか一つの使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、実施態様7-24のいずれか一つの方法。
実施態様26. 前記抗-HA抗体又は抗原-結合断片が、(i)-(iv)の1又は複数:(i)任意に、A/England/195/2009;A/Brisbane/59/2007;A/Solomon Islands/3/2006;A/New Caledonia/20/99;A/Texas/36/1991;A/Taiwan/01/1986;A/New Jersey/8/1976;A/Albany/12/1951;A/Fort Monmouth/1/1947;A/New York/1/1918;A/Puerto Rico/8/34;及び、A/California/07/2009の1又は複数のいずれかを含む、H1 HA;(ii)任意に、A/Japan/305/1957を含む、H2 HA;(iii)任意に、A/Vietnam/1194/2004を含む、H5 HA;並びに、(iv)任意に、A/Hong Kong/1073/99を含む、H9 HA:へ結合することが可能である、実施態様1及び10-25のいずれか一つの組合せ、実施態様2及び10-25のいずれか一つの組成物、実施態様3、4、及び10-25のいずれか一つの使用に関する組合せ又は組成物、実施態様5、6、及び10-25のいずれか一つの使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、実施態様7-25のいずれか一つの方法。
実施態様27. 該抗-HA抗体又は抗原-結合断片、抗-NA抗体又は抗原-結合断片、もしくは両方が、ヒトFcγRIIIa(任意にF158アレル)を活性化することが可能である、実施態様1及び10-26のいずれか一つの組合せ、実施態様2及び10-26のいずれか一つの組成物、実施態様3、4、及び10-26のいずれか一つの使用に関する組合せ又は組成物、実施態様5、6、及び10-26のいずれか一つの使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、実施態様7-26のいずれか一つの方法。
実施態様28. 活性化が、(i)ヒトFcγRIIIa(任意にF158アレル);及び、(ii)ルシフェラーゼレポーターなどのレポーターをコードしている配列へ機能的に連結されたNFAT発現制御配列:を含む、宿主細胞(任意にJurkat細胞)を使用し、引き続き抗体又は抗原-結合断片を、IAV及び/もしくはIBVに感染した標的細胞(例えばA549細胞)とインキュベーション(例えば、23時間)し、決定される、実施態様27の組合せ、実施態様27の組成物、実施態様27の使用に関する組合せ又は組成物、実施態様27の使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、実施態様27の方法。
実施態様29. 活性化が、抗体又は抗原-結合断片の、H1N1及び/又はH3N2 IAVに感染された標的細胞とのインキュベーション(任意に約23時間)後に決定され、ここで任意に、H1N1 IAVが、A/PR8/34であり、及び更に任意に感染多重度(MOI)の6を含み、並びに/又はここでH3N2 IAVは、A/Aichi/68であり、及び更に任意にMOIの18を含む、実施態様27又は28の組合せ、実施態様27又は28の組成物、実施態様27又は28の使用に関する組合せ又は組成物、実施態様27又は28の使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、実施態様27又は28の方法。
実施態様30. 該IAV及び/又はIBVが、抗ウイルス薬-抵抗性であり、ここで任意に、この抗ウイルス薬が、オセルタミビルである、実施態様1及び10-29のいずれか一項記載の組合せ、実施態様2及び10-29のいずれか一項記載の組成物、実施態様3、4、及び10-29のいずれか一つの使用に関する組合せ又は組成物、実施態様5、6、及び10-29のいずれか一つの使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、実施態様7-29のいずれか一つの方法。
実施態様31. 該IAVが、アミノ酸変異(複数可):H275Y;E119D+H275Y;S247N+H275Y;I222V;及び/又は、N294Sを含むN1 NAを含み、ここで任意に、このIAVは、CA09又はA/Aichiを含む、実施態様1及び10-30のいずれか一つの組合せ、実施態様2及び10-30のいずれか一つの組成物、実施態様3、4、及び10-30のいずれか一つの使用に関する組合せ又は組成物、実施態様5、6、及び10-30のいずれか一つの使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、実施態様7-のいずれか一つの方法。
実施態様32. 該IAVが、アミノ酸変異(複数可)E119V、Q136K、及び/又はR292Kを含むN2 NAを含む、実施態様1及び10-31のいずれか一つの組合せ、実施態様2及び10-31のいずれか一つの組成物、実施態様3、4、及び10-31のいずれか一つの使用に関する組合せ又は組成物、実施態様5、6、及び10-32のいずれか一つの使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、実施態様7-31のいずれか一つの方法。
実施態様33. 該抗-HA抗体又は抗原-結合断片、抗-NA抗体又は抗原結合断片、もしくは両方が、該抗体又は抗原-結合断片の有効量の投与後、任意に(i)最大15日間、又は(ii)15日間より長く、IAV及び/又はIBVに感染した対象における体重減少を防止することが可能である、実施態様1及び10-32のいずれか一つの組合せ、実施態様2及び10-32のいずれか一つの組成物、実施態様3、4、及び10-32のいずれか一つの使用に関する組合せ又は組成物、実施態様5、6、及び10-32のいずれか一つの使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、実施態様7-32のいずれか一つの方法。
実施態様34. 該抗-HA抗体又は抗原-結合断片、抗-NA抗体又は抗原結合断片、もしくは両方が、IAV及び/又はIBV感染直前の対象の体重を参照し決定した、IAV感染症及び/又はIBV感染症を有する対象における25%、20%、15%、10%、もしくは5%より大きい体重減少を防止することが可能である、実施態様1及び10-33のいずれか一つの組合せ、実施態様2及び10-33のいずれか一つの組成物、実施態様3、4、及び10-33のいずれか一つの使用に関する組合せ又は組成物、実施態様5、6、及び10-33のいずれか一つの使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、実施態様7-33のいずれか一つの方法。
実施態様35. 該抗-HA抗体又は抗原-結合断片、抗-NA抗体又は抗原結合断片、もしくは両方が、IAV感染症及び/又はIBV感染症を有する対象の生存を延長することが可能である、実施態様1及び10-34のいずれか一つの組合せ、実施態様2及び10-34のいずれか一つの組成物、実施態様3、4、及び10-34のいずれか一つの使用に関する組合せ又は組成物、実施態様5、6、及び10-34のいずれか一つの使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、実施態様7-34のいずれか一つの方法。
実施態様36. 該抗-HA抗体又は抗原-結合断片、抗-NA抗体又は抗原結合断片、もしくは両方が、IgG、IgA、IgM、IgE、又はIgDアイソタイプである、実施態様1及び10-35のいずれか一つの組合せ、実施態様2及び10-35のいずれか一つの組成物、実施態様3、4、及び10-35のいずれか一つの使用に関する組合せ又は組成物、実施態様5、6、及び10-35のいずれか一つの使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、実施態様7-35のいずれか一つの方法。
実施態様37. 該抗-HA抗体又は抗原-結合断片、抗-NA抗体又は抗原結合断片、もしくは両方が、IgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4から選択されるIgGアイソタイプである、実施態様1及び10-36のいずれか一つの組合せ、実施態様2及び10-36のいずれか一つの組成物、実施態様3、4、及び10-36のいずれか一つの使用に関する組合せ又は組成物、実施態様5、6、及び10-36のいずれか一つの使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、実施態様7-36のいずれか一つの方法。
実施態様38. 該抗-HA抗体又は抗原-結合断片、抗-NA抗体又は抗原結合断片、もしくは両方が、ヒト抗体、モノクローナル抗体、精製された抗体、単鎖抗体、Fab、Fab’、F(ab’)2、又はFvを単数又は複数含む、実施態様1及び10-37のいずれか一つの組合せ、実施態様2及び10-37のいずれか一つの組成物、実施態様3、4、及び10-37のいずれか一つの使用に関する組合せ又は組成物、実施態様5、6、及び10-37のいずれか一つの使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、実施態様7-37のいずれか一つの方法。
実施態様39. 該抗-HA抗体又は抗原-結合断片、抗-NA抗体又は抗原結合断片、もしくは両方が、多重-特異性抗体又は抗原-結合断片であり、ここで任意に、多重-特異性抗体又は抗原-結合断片が、二重特異性抗体又は抗原-結合断片を含む、実施態様1及び10-38のいずれか一つの組合せ、実施態様2及び10-38のいずれか一つの組成物、実施態様3、4、及び10-38のいずれか一つの使用に関する組合せ又は組成物、実施態様5、6、及び10-38のいずれか一つの使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、実施態様7-38のいずれか一つの方法。
実施態様40. 該抗-HA抗体又は抗原-結合断片、抗-NA抗体又は抗原結合断片、もしくは両方が、Fcポリペプチド又はその断片を含む、実施態様1及び10-39のいずれか一つの組合せ、実施態様2及び10-39のいずれか一つの組成物、実施態様3、4、及び10-39のいずれか一つの使用に関する組合せ又は組成物、実施態様5、6、及び10-39のいずれか一つの使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、実施態様7-39のいずれか一つの方法。
実施態様41. 該Fcポリペプチド又はその断片が:(i)ヒトFcRnへの結合親和性(例えば、表面プラズモン共鳴(SPR)(例えば、Biacore、例えば、T200装置、製造業者のプロトコールを使用)を使用し測定される)を、この変異を含まない参照Fcポリペプチドと比べて、増大する変異;並びに/又は、(ii)ヒトFcγRへの結合親和性(例えば、表面プラズモン共鳴(SPR)(例えば、Biacore、例えば、T200装置、製造業者のプロトコールを使用)を使用し測定される)を、この変異を含まない参照Fcポリペプチドと比べて、増大する変異:を含む、実施態様40の組合せ、実施態様40の組成物、実施態様40の使用に関する組合せ又は組成物、実施態様40の使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、実施態様40の方法。
実施態様42. 該ヒトFcRnへの結合親和性を増大する変異が:M428L;N434S;N434H;N434A;N434S;M252Y;S254T;T256E;T250Q;P257I;Q311I;D376V;T307A;E380A;又はそれらの任意の組合せを含む、実施態様41の組合せ、実施態様41の組成物、実施態様41の使用に関する組合せ又は組成物、実施態様41の使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、実施態様41の方法。
実施態様43. 該ヒトFcRnへの結合親和性を増大する変異が:(i)M428L/N434S;(ii)M252Y/S254T/T256E;(iii)T250Q/M428L;(iv)P257I/Q311I;(v)P257I/N434H;(vi)D376V/N434H;(vii)T307A/E380A/N434A;又は、(viii)(i)-(vii)の任意の組合せ:を含む、実施態様41又は42の組合せ、実施態様41又は42の組成物、実施態様41又は42の使用に関する組合せ又は組成物、実施態様41又は42の使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、実施態様41又は42の方法。
実施態様44. 該ヒトFcRnへの結合親和性を増大する変異が、M428L/N434Sを含む、実施態様41-43のいずれか一つの組合せ、実施態様41-43のいずれか一つの組成物、実施態様41-43のいずれか一つの使用に関する組合せ又は組成物、実施態様41-43のいずれか一つの使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、実施態様41-43のいずれか一つの方法。
実施態様45. 該FcγRへの結合を増強する変異が、S239D;I332E;A330L;G236A;又はそれらの任意の組合せを含む、実施態様41-44のいずれか一つの組合せ、実施態様41-44のいずれか一つの組成物、実施態様41-44のいずれか一つの使用に関する組合せ又は組成物、実施態様41-44のいずれか一つの使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、実施態様41-44のいずれか一つの方法。
実施態様46. 該FcγRへの結合を増強する変異が:(i)S239D/I332E;(ii)S239D/A330L/I332E;(iii)G236A/S239D/I332E;又は、(iv)G236A/A330L/I332E、ここでFcポリペプチド又はその断片が、任意に239位にSerを含むもの:を含み、実施態様41-45のいずれか一つの組合せ、実施態様41-45のいずれか一つの組成物、実施態様41-45のいずれか一つの使用に関する組合せ又は組成物、実施態様41-45のいずれか一つの使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、実施態様41-45のいずれか一つの方法。
実施態様47. 該抗-HA抗体又は抗原-結合断片、抗-NA抗体又は抗原結合断片、もしくは両方が、グリコシル化を変更する変異を含み、ここでグリコシル化を変更する変異は、N297A、N297Q、もしくはN297Gを含み、及び/又はこれは脱グリコシル化されるか(aglycosylated)及び/又は脱フコシル化される(afucosylated)、実施態様1及び10-46のいずれか一つの組合せ、実施態様2及び10-46のいずれか一つの組成物、実施態様3、4、及び10-46のいずれか一つの使用に関する組合せ又は組成物、実施態様5、6、及び10-46のいずれか一つの使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、実施態様7-46のいずれか一つの方法。
実施態様48. 該治療及び/又は防御が、曝露後予防を含む、実施態様1及び10-47のいずれか一つの組合せ、実施態様2及び10-47のいずれか一つの組成物、実施態様3、4、及び10-47のいずれか一つの使用に関する組合せ又は組成物、実施態様5、6、及び10-47のいずれか一つの使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、実施態様7-47のいずれか一つの方法。
実施態様49. 対象は、抗ウイルス薬を受け取った、受け取っている、又は受け取る予定であり、ここで任意に、この抗ウイルス薬が、ノイラミニダーゼ阻害剤、インフルエンザポリメラーゼ阻害剤、又は両方を含む、実施態様1及び10-48のいずれか一つの組合せ、実施態様2及び10-48のいずれか一つの組成物、実施態様3、4、及び10-48のいずれか一つの使用に関する組合せ又は組成物、実施態様5、6、及び10-48のいずれか一つの使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、実施態様7-48のいずれか一つの方法。
実施態様50. 該抗体又は抗原-結合断片が:(i)配列番号:252に示されたアミノ酸配列を含むか又はこれからなるCH1-CH3;(ii)配列番号:253に示されたアミノ酸配列を含むか又はこれからなるCH1-CH3;(iii)配列番号:254に示されたアミノ酸配列を含むか又はこれからなるCL;又は、(iv)(i)-(iii)の任意の組合せ:を含む、実施態様1及び10-49のいずれか一つの組合せ、実施態様2及び10-49のいずれか一つの組成物、実施態様3、4、及び10-49のいずれか一つの使用に関する組合せ又は組成物、実施態様5、6、及び10-49のいずれか一つの使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、実施態様7-49のいずれか一つの方法。
実施態様51. 該抗-NA抗体又は抗原-結合断片が:(1)配列番号:255に示されたアミノ酸配列を含むか又はこれからなる重鎖;及び、(2)配列番号:257に示されたアミノ酸配列を含むか又はこれからなる軽鎖:を含み、並びに/又は、ここで該抗-HA抗体又は抗原-結合断片が:(1)配列番号:270もしくは272に示されたアミノ酸配列を含むか又はこれからなる重鎖;及び、(2)配列番号:271もしくは273に示されたアミノ酸配列を含むか又はこれからなる軽鎖:を含む、実施態様1及び10-50のいずれか一つの組合せ、実施態様2及び10-50のいずれか一つの組成物、実施態様3、4、及び10-50のいずれか一つの使用に関する組合せ又は組成物、実施態様5、6、及び10-50のいずれか一つの使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、実施態様7-50のいずれか一つの方法。
実施態様52. 該抗-NA抗体又は抗原-結合断片が:(1)配列番号:256に示されたアミノ酸配列を含むか又はこれからなる重鎖;及び、(2)配列番号:257に示されたアミノ酸配列を含むか又はこれからなる軽鎖:を含み、並びに/又は、ここで該抗-HA抗体又は抗原-結合断片が:(1)配列番号:270もしくは272に示されたアミノ酸配列を含むか又はこれからなる重鎖;及び、(2)配列番号:271もしくは273に示されたアミノ酸配列を含むか又はこれからなる軽鎖:を含む、実施態様1及び10-50のいずれか一つの組合せ、実施態様2及び10-51のいずれか一つの組成物、実施態様3、4、及び10-51のいずれか一つの使用に関する組合せ又は組成物、実施態様5、6、及び10-51のいずれか一つの使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、実施態様7-51のいずれか一つの方法。
実施態様53. 該抗-NA抗体又は抗原-結合断片が:(1)各々配列番号:255に示されたアミノ酸配列を含むか又はこれからなる2本の重鎖;及び、(2)各々配列番号:257に示されたアミノ酸配列を含むか又はこれからなる2本の軽鎖:を含み、並びに/又は、ここで該抗-HA抗体又は抗原-結合断片が:(1)各々配列番号:270もしくは272に示されたアミノ酸配列を含むか又はこれからなる2本の重鎖;及び、(2)各々配列番号:271もしくは273に示されたアミノ酸配列を含むか又はこれからなる2本の軽鎖:を含む、実施態様1及び10-51のいずれか一つの組合せ、実施態様2及び10-51のいずれか一つの組成物、実施態様3、4、及び10-51のいずれか一つの使用に関する組合せ又は組成物、実施態様5、6、及び10-51のいずれか一つの使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、実施態様7-51のいずれか一つの方法。
実施態様54. 該抗-NA抗体又は抗原-結合断片が:(1)各々配列番号:256に示されたアミノ酸配列を含むか又はこれからなる2本の重鎖;及び、(2)各々配列番号:257に示されたアミノ酸配列を含むか又はこれからなる2本の軽鎖:を含み、並びに/又は、ここで該抗-HA抗体又は抗原-結合断片が:(1)各々配列番号:270もしくは272に示されたアミノ酸配列を含むか又はこれからなる2本の重鎖;及び、(2)各々配列番号:271もしくは273に示されたアミノ酸配列を含むか又はこれからなる2本の軽鎖:を含む、実施態様1及び10-50のいずれか一つの組合せ、実施態様2及び10及び52のいずれか一つの組成物、実施態様3、4、及び10-50及び52のいずれか一つの使用に関する組合せ又は組成物、実施態様5、6、及び10-50及び52のいずれか一つの使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、実施態様7-50及び52のいずれか一つの方法。
実施態様55. 該抗ウイルス薬が、オセルタミビル、ザナミビル、ラニナミビル、ペラミビル、バロキサビル、又はそれらの任意の組合せを含む、実施態様50-54のいずれか一つの組合せ、実施態様50-54のいずれか一つの組成物、実施態様50-54のいずれか一つの使用に関する組合せ又は組成物、実施態様50-54のいずれか一つの使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、実施態様50-54のいずれか一つの方法。
実施態様56. (i)IAVが、グループ1 IAV、グループ2 IAV、もしくは両方を含み、ここで任意に、グループ1 IAV NAが、N1、N4、N5、及び/もしくはN8を含み;並びに/又はグループ2 IAV NAが、N2、N3、N6、N7、及び/もしくはN9を含み、ここで更に任意に、N1は、A/California/07/2009由来、A/California/07/2009 I23R/H275Y由来、A/Swine/Jiangsu/J004/2018由来、A/Stockholm/18/2007由来、A/Brisbane/02/2018由来、A/Michigan/45/2015由来、A/Mississippi/3/2001由来、A/Netherlands/603/2009由来、A/Netherlands/602/2009由来、A/Vietnam/1203/2004由来、A/G4/SW/Shangdong/1207/2016由来、A/G4/SW/Henan/SN13/2018由来、及び/又は、A/New Jersey/8/1976由来であり;N4が、A/mallard duck/Netherlands/30/2011由来であり;N5が、A/aquatic bird/Korea/CN5/2009由来であり;N8が、A/harbor seal/New Hampshire/179629/2011由来であり;N2が、A/Washington/01/2007由来、A/HongKong/68由来、A/HongKong/2671/2019由来、A/South Austrailia/34/2019由来、A/Switzerland/8060/2017由来、A/Singapore/INFIMH-16-0019/2016由来、A/Switzerland/9715293/2013由来、A/Leningrad/134/17/57由来、A/Florida/4/2006由来、A/Netherlands/823/1992由来、A/Norway/466/2014由来、A/Texas/50/2012由来、A/Victoria/361/2011由来、A/SW/Mexico/SG1444/2011由来、A/Aichi/2/1968由来、A/Bilthoven/21793/1972由来、A/Netherlands/233/1982由来、A/Shanghai/11/1987由来、A/Nanchang/933/1995由来、A/Fukui/45/2004由来、A/Brisbane/10/2007由来、A/Tanzania/205/2010由来であり;N3が、A/Canada/rv504/2004由来であり;N6が、A/swine/Ontario/01911/1/99由来であり;N7が、A/Netherlands/078/03由来であり;及び/又は、N9が、A/Anhui/2013由来、A/Hong Kong/56/2015由来であるか、並びに/又は、(ii)IBV NAが、B/Lee/10/1940 (Ancestral);B/Brisbane/60/2008 (Victoria);B/Malaysia/2506/2004 (Victoria);B/Malaysia/3120318925/2013 (Yamagata);B/Wisconsin/1/2010 (Yamagata);B/Yamanashi/166/1998 (Yamagata);B/Brisbane/33/2008 (Victoria);B/Colorado/06/2017 (Victoria);B/Hubei-wujiang/158/2009 (Yamagata);B/Massachusetts/02/2012 (Yamagata);B/Netherlands/234/2011;B/Perth/211/2001 (Yamagata);B/Phuket/3073/2013 (Yamagata);B/Texas/06/2011 (Yamagata); B/HongKong/05/1972; B/Harbin/7/1994 (Victoria);B/Washington/02/2019 (Victoria);B/Perth/211/2011;もしくはそれらの任意の組合せ由来である、実施態様1及び10-55のいずれか一つの組合せ、実施態様2及び10-55のいずれか一つの組成物、実施態様3、4、及び10-55のいずれかの使用に関する組合せ又は組成物、実施態様5、6、及び10-55のいずれか一つの使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、実施態様7-55のいずれか一つの方法。
実施態様57. (i)インフルエンザA型ウイルス(IAV)ヘマグルチニン(HA)に結合することが可能である抗原-結合ドメイン;及び、(ii)2(i)IAVが、グループ1 IAV、グループ2 IAV、もしくは両方を含む、IAV;並びに、2(ii)インフルエンザB型ウイルス(IBV):に由来する、ノイラミニダーゼ(NA)へ結合することが可能である抗原-結合ドメイン:を含む、多重特異性抗体又はその抗原結合断片。
実施態様58. 二重可変ドメイン免疫グロブリン(DVD-Ig)フォーマットを含む、実施態様57の多重特異性抗体又は抗原-結合断片。
実施態様59. インサート-イン-エルボー-Ig(IEI-Ig)フォーマットを含む、実施態様57又は58の多重特異性抗体又は抗原-結合断片。
実施態様60. (1)該抗-HA抗原-結合ドメインが、配列番号:(1)(i)各々274-279;(1)(ii)各々3、29、5及び9-11;(1)(iii)各々32、4、5及び9-11;(1)(iv)各々3、35、5及び9-11;(1)(v)各々32、35、5、及び9-11;(1)(vi)各々15-17及び21-23;(1)(vii)各々15、42、17及び21-23;(1)(vii)各々3-5及び9-11のCDRH1、CDRH2、CDRH3、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3アミノ酸配列、或いは各々配列番号:43及び44の可変ドメインアミノ酸配列に示されたようなものを含み;並びに/又は、(2)該抗-NA抗原-結合ドメインが、配列番号:(2)(i)各々193-195及び199-201;(2)(ii)各々61-63及び67-69;(2)(iii)各々73-75及び79-81;(2)(iv)各々73、74、218、及び79-81;(2)(v)各々73-75、79、80、及び221;(2)(vi)各々73-75、79、80、及び224;(2)(vii)各々73-75、79、80、及び227;(2)(viii)各々73、74、218、79、80、及び221;(2)(ix)各々73、74、218、79、80、及び224;(2)(x)各々73、74、218、79、80、及び227;(2)(xi)各々85-87及び91-93;(2)(xii)各々97-99及び103-105;(2)(xiii)各々109-111及び115-117;(2)(xiv)各々121-123及び127-129;(2)(xv)各々133-135及び139-141;(2)(xvi)各々133、134、230及び139-141;(2)(xvii)各々133-135、139、141、及び233;(2)(xviii)各々133-135、139、141、及び236;(2)(xix)各々133-135、139、141、及び239;(2)(xx)各々133、134、184、139、141、及び233;(2)(xxi)各々133、134、184、139、141、及び236;(2)(xxii)各々133、134、184、139、141、及び239;(2)(xxiii)各々145-147及び151-153;(2)(xxiv)各々157-159及び163-165;(2)(xxv)各々169-171及び175-177;(2)(xxvi)各々181-183及び187-189;(2)(xxvii)各々49-51及び55-57;(2)(xxviii)各々205-207及び211-213;又は、(2)(xxvix)各々264-266及び267-296の、CDRH1、CDRH2、CDRH3、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3アミノ酸配列を含む、実施態様57-59のいずれか一つの多重特異性抗体。
実施態様61. (1)該抗-HA抗原-結合ドメインが、(1)(i)配列番号:43、2、26、28、31、34、37、14、39、及び41のいずれか一つに示されたアミノ酸配列に対し、少なくとも80%(例えば、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれよりも大きい)同一性を有するアミノ酸配列を含むか又はこれらからなるVHであって、ここで各々配列番号:43、2、26、28、31、34、37、14、39、又は41に関連する配列変動は、任意に1又は複数のフレームワーク領域内に構成されるか、及び/又は配列変動は、生殖細胞系列-コードされたアミノ酸に対する1又は複数の置換を含むもの;並びに/又は、(1)(ii)配列番号:44、8、及び20又は44のいずれか一つのアミノ酸配列に対し、少なくとも80%(例えば、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またアそれよりも大きい)同一性を有するアミノ酸配列を含むか又はこれからなるVLであって、ここで配列番号:44、8、又は20に関する配列変動は、各々、任意に1又は複数のフレームワーク領域内に構成されるか、及び/又は配列変動は、生殖細胞系列-コードされたアミノ酸に対する1又は複数の置換を含むもの:を含み;並びに/又は、(2)該抗-NA抗原-結合ドメインが、(2)(i)配列番号: 241、48、60、72、171、84、96、108、120、132、229、144、156、168、180、192、204、245、249、258、及び261のいずれか一つに示されたアミノ酸配列に対し、少なくとも80%(例えば、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれよりも大きい)同一性を有するアミノ酸配列を含むか又はこれらからなるVHであって、ここで各々配列番号:241、48、60、72、171、84、96、108、120、132、229、144、156、168、180、192、204、245、及び249、258、及び261に関連する配列変動は、任意に1又は複数のフレームワーク領域内に構成されるか、及び/又は配列変動は、生殖細胞系列-コードされたアミノ酸に対する1又は複数の置換を含むもの;並びに/又は、(2)(ii)配列番号:243、54、66、78、90、102、114、126、138、150、162、174、186、198、220、223、226、232、235、238、210、247、251、259、及び263のいずれか一つのアミノ酸配列に対し、少なくとも80%(例えば、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれよりも大きい)同一性を有するアミノ酸配列を含むか又はこれからなるVLであって、ここで各々配列番号:243、54、66、78、90、102、114、126、138、150、162、174、186、198、220、223、226、232、235、238、210、247、251、259、及び263に関する配列変動は、任意に1又は複数のフレームワーク領域内に構成されるか、及び/又は配列変動は、生殖細胞系列-コードされたアミノ酸に対する1又は複数の置換を含むもの:を含む、実施態様57-60のいずれか一つの多重特異性抗体又は抗原-結合断片。
実施態様62. (1)該抗-HA抗原-結合ドメインのVH及びVLが、配列番号:(1)(i)各々2及び8;(1)(ii)各々43及び44;(1)(iii)各々28及び8;(1)(iv)各々31及び8;(1)(v)各々34及び8;(1)(vi)各々37及び8;(1)(vii)各々14及び20;(1)(viii)各々39及び20;(1)(ix)各々41及び20;又は(1)(x)各々26及び8に従うアミノ酸配列を含むか又はこれからなり;並びに/又は、(2)該抗-NA抗原-結合ドメインのVH及びVLが、配列番号:(2)(i)各々243及び243;(2)(ii)各々60及び66;(2)(iii)各々72及び78又は220又は223;(2)(vi)各々72及び226;(2)(vii)各々217及び78;(2)(viii)各々217及び220;(2)(ix)各々217及び223;(2)(x)各々217及び226;(2)(xi)各々84及び90;(2)(xii)各々96及び102;(2)(xiii)各々108及び114;(2)(xiv)各々120及び126;(2)(xv)各々132及び138;(2)(xvi)各々132及び232;(2)(xvii)各々132及び235;(2)(xviii)各々132及び238;(2)(xix)各々229及び138;(2)(xx)各々229及び232;(2)(xxi)各々229及び235;(2)(xxii)各々229及び238;(2)(xxiii)各々144及び150;(2)(xxiv)各々156及び162;(2)(xxv)各々168及び174;(2)(xxvi)各々180及び186;(2)(xxvii)各々192及び198;(2)(xxviii)各々204及び210;(2)(xxix)各々48及び54;(2)(xxx)各々245及び247;(2)(xxxi)各々249及び251;(2)(xxxii)各々258及び259;又は、(2)(xxxiii)各々261及び263に従うアミノ酸配列を含むか又はこれからなる、実施態様57-61のいずれか一つの多重特異性抗体又は抗原-結合断片。
実施態様63. (i)配列番号:252に示されたアミノ酸配列を含むか又はこれからなるCH1-CH3;(ii)配列番号:253に示されたアミノ酸配列を含むか又はこれからなるCH1-CH3;(iii)配列番号:254に示されたアミノ酸配列を含むか又はこれからなるCL;又は、(iv)(i)-(iii)の任意の組合せ:を含む、実施態様57-62のいずれか一つの多重特異性抗体又は抗原-結合断片。
実施態様64. (1)配列番号:255に示されたアミノ酸配列を含むか又はこれからなる重鎖;及び、(2)配列番号:257に示されたアミノ酸配列を含むか又はこれからなる軽鎖:を含む、実施態様57-63のいずれか一つの多重特異性抗体又は抗原-結合断片。
実施態様65. (1)配列番号:256に示されたアミノ酸配列を含むか又はこれからなる重鎖;及び、(2)配列番号:257に示されたアミノ酸配列を含むか又はこれからなる軽鎖:を含む、実施態様57-64のいずれか一つの多重特異性抗体又は抗原-結合断片。
実施態様66. 実施態様57-65のいずれか一つの多重特異性抗体又は抗原-結合断片をコードしている、単離されたポリヌクレオチド。
実施態様67. 実施態様66のポリヌクレオチドを含む、ベクター。
実施態様68. 実施態様66の単離されたポリヌクレオチド、及び/又は実施態様67のベクターを含み、並びに/又は実施態様57-65のいずれか一つの多重特異性抗体もしくは抗原-結合断片を発現する、組換え宿主細胞。
実施態様69. 実施態様57-65のいずれか一つの多重特異性抗体もしくは抗原-結合断片、実施態様66のポリヌクレオチド、実施態様67のベクター、及び/又は実施態様68の宿主細胞、並びに医薬として許容し得る担体、賦形剤、又は希釈剤を含有する、組成物。
実施態様70. 実施態様57-65のいずれか一つの多重特異性抗体もしくは抗原-結合断片、実施態様66のポリヌクレオチド、実施態様67のベクター、実施態様68の宿主細胞、及び/又は実施態様69の組成物の有効量を、対象へ投与することを含む、対象においてインフルエンザA型感染症、インフルエンザB型感染症、又は両方を防御又は治療する方法。
実施態様71. 対象において、インフルエンザA型感染症、インフルエンザB型感染症、又は両方を治療又は防御する方法において使用するための、実施態様57-65のいずれか一つの多重特異性抗体もしくは抗原-結合断片、実施態様66のポリヌクレオチド、実施態様67のベクター、実施態様68の宿主細胞、及び/又は実施態様69の組成物。
実施態様72. インフルエンザA型感染症及び/又はインフルエンザB型感染症の治療又は防御のための医薬品を製造する方法において使用するための、実施態様57-65のいずれか一つの多重特異性抗体もしくは抗原-結合断片、実施態様66のポリヌクレオチド、実施態様67のベクター、実施態様68の宿主細胞、及び/又は実施態様69の組成物。
実施態様73. 前記抗-HA抗体又は抗原-結合断片、抗-NA抗体又は抗原結合断片、又はその両方が、IAV及び/もしくはIBV感染の直前の対象の体重を参照して決定された、IAV感染症及び/又はIBV感染症を有する対象における、25%、20%、15%、10%、もしくは5%よりも多い体重減少を防止することが可能である、実施態様57-65のいずれか一つの多重特異性抗体もしくは抗原-結合断片、実施態様66のポリヌクレオチド、実施態様67のベクター、実施態様68の宿主細胞、実施態様69の組成物、実施態様70の方法、又は実施態様71及び72のいずれか一つの使用に関する抗体もしくは抗原-結合断片。
実施態様74. 前記抗-HA抗体又は抗原-結合断片、抗-NA抗体又は抗原結合断片、又はその両方が、IAV感染症及び/又はIBV感染症を有する対象の生存を延長することが可能である、実施態様57-65のいずれか一つの多重特異性抗体もしくは抗原-結合断片、実施態様66のポリヌクレオチド、実施態様67のベクター、実施態様68の宿主細胞、実施態様69の組成物、実施態様70の方法、又は実施態様71-73のいずれか一つの使用に関する抗体もしくは抗原-結合断片。
実施態様75. (1)配列番号:43に示されたVHアミノ酸配列及び配列番号:44に示されたVLアミノ酸配列を含む、抗-HA抗体又はその抗原-結合断片;並びに、(2)配列番号:241に示されたVHアミノ酸配列及び配列番号:243に示されたVLアミノ酸配列を含む、抗-NA抗体又はその抗原-結合断片:を、対象へ投与することを含む、対象におけるインフルエンザ感染症を治療又は防御する方法。
実施態様76. (1)配列番号:43に示されたVHアミノ酸配列及び配列番号:44に示されたVLアミノ酸配列を含む、抗-HA抗体又はその抗原-結合断片;並びに、(2)配列番号:241に示されたVHアミノ酸配列及び配列番号:243に示されたVLアミノ酸配列を含む、抗-NA抗体又はその抗原-結合断片:をコードしているポリヌクレオチドを、対象へ投与することを含む、対象におけるインフルエンザ感染症を治療又は防御する方法。
実施態様77. (1)配列番号:43に示されたVHアミノ酸配列及び配列番号:44に示されたVLアミノ酸配列を含む、抗-HA抗体又はその抗原-結合断片をコードしているポリヌクレオチド;並びに、(2)配列番号:241に示されたVHアミノ酸配列及び配列番号:243に示されたVLアミノ酸配列を含む、抗-NA抗体又はその抗原-結合断片をコードしているポリヌクレオチド:を、対象へ投与することを含む、対象におけるインフルエンザ感染症を治療又は防御する方法。
実施態様78. (1)各々配列番号:274-276に示されたCDRH1、CDRH2、及びCDRH3アミノ酸配列を含むVH、並びに各々配列番号:277-279に示されたCDRL1、CDRL2、及びCDRL3アミノ酸配列を含むVLを含む、抗-HA 抗体又はその抗原-結合断片;並びに、(2)各々配列番号:193-195に示されたCDRH1、CDRH2、及びCDRH3アミノ酸配列を含むVH、並びに各々配列番号:199-201に示されたCDRL1、CDRL2、及びCDRL3アミノ酸配列を含むVLを含む、抗-NA 抗体又はその抗原-結合断片:を、対象へ投与することを含む、対象におけるインフルエンザ感染症を治療又は防御する方法。
実施態様79. (1)各々配列番号:274-276に示されたCDRH1、CDRH2、及びCDRH3アミノ酸配列を含むVH、並びに各々配列番号:277-279に示されたCDRL1、CDRL2、及びCDRL3アミノ酸配列を含むVLを含む、抗-HA抗体又はその抗原-結合断片;並びに、(2)各々配列番号:193-195に示されたCDRH1、CDRH2、及びCDRH3アミノ酸配列を含むVH、並びに各々配列番号:199-201に示されたCDRL1、CDRL2、及びCDRL3アミノ酸配列を含むVLを含む、抗-NA抗体又はその抗原-結合断片:をコードしているポリヌクレオチドを、対象へ投与することを含む、対象におけるインフルエンザ感染症を治療又は防御する方法。
実施態様80. (1)各々配列番号:274-276に示されたCDRH1、CDRH2、及びCDRH3アミノ酸配列を含むVH、並びに各々配列番号:277-279に示されたCDRL1、CDRL2、及びCDRL3アミノ酸配列を含むVLを含む、抗-HA抗体又はその抗原-結合断片をコードしているポリヌクレオチド;並びに、(2)各々配列番号:193-195に示されたCDRH1、CDRH2、及びCDRH3アミノ酸配列を含むVH、並びに各々配列番号:199-201に示されたCDRL1、CDRL2、及びCDRL3アミノ酸配列を含むVLを含む抗-NA抗体又はその抗原-結合断片をコードしているポリヌクレオチド:を、対象へ投与することを含む、対象におけるインフルエンザ感染症を治療又は防御する方法。
実施態様81. (1)の抗体又は抗原-結合断片が、配列番号:270又は配列番号:272の重鎖アミノ酸配列及び配列番号:271の軽鎖(light)アミノ酸配列を含む、実施態様75-80のいずれか一つの方法。
実施態様82. (2)の抗体又は抗原-結合断片が、配列番号:255又は配列番号:256の重鎖アミノ酸配列及び配列番号:257の軽鎖アミノ酸配列を含む、実施態様75-81のいずれか一つの方法。
実施態様83. 前記ポリヌクレオチド、(1)のポリヌクレオチド、及び/又は(2)のポリヌクレオチドが、各々、mRNAを含む、実施態様76-82のいずれか一つの方法。
実施態様84. 前記ポリヌクレオチド、(1)のポリヌクレオチド、及び/又は(2)のポリヌクレオチドが、各々、修飾されたヌクレオシド、cap-1構造、cap-2構造、又はそれらの任意の組合せを含む、実施態様76-83のいずれか一つの方法。
実施態様85. 前記ポリヌクレオチド、(1)のポリヌクレオチド、及び/又は(2)のポリヌクレオチドが、各々、プソイドウリジン、N6-メチルアデノシン、5-メチルシチジン、2-チオウリジン、又はそれらの任意の組合せを含む、実施態様84の方法。
実施態様86. 前記プソイドウリジンが、N1-メチルプソイドウリジンを含む、実施態様85の方法。
実施態様87. (1)配列番号:43に示されたVHアミノ酸配列及び配列番号:44に示されたVLアミノ酸配列を含む、抗-HA抗体又はその抗原-結合断片;並びに
(2)配列番号:241に示されたVHアミノ酸配列及び配列番号:243に示されたVLアミノ酸配列を含む、抗-NA抗体又はその抗原-結合断片:をコードしているポリヌクレオチド。
実施態様88. (1)各々配列番号:274-276に示されたCDRH1、CDRH2、及びCDRH3アミノ酸配列を含むVH、並びに各々配列番号:277-279に示されたCDRL1、CDRL2、及びCDRL3アミノ酸配列を含むVLを含む、抗-HA抗体又はその抗原-結合断片;並びに、(2)各々配列番号:193-195に示されたCDRH1、CDRH2、及びCDRH3アミノ酸配列を含むVH、並びに各々配列番号:199-201に示されたCDRL1、CDRL2、及びCDRL3アミノ酸配列を含むVLを含む、抗-NA抗体又はその抗原-結合断片:をコードしているポリヌクレオチド。
実施態様89. (1)配列番号:43に示されたVHアミノ酸配列及び配列番号:44に示されたVLアミノ酸配列を含む、抗-HA抗体又はその抗原-結合断片をコードしているポリヌクレオチド;並びに、(2)配列番号:241に示されたVHアミノ酸配列及び配列番号:243に示されたVLアミノ酸配列を含む、抗-NA抗体又はその抗原-結合断片をコードしているポリヌクレオチド:を含有する組成物。
実施態様90. (1)各々配列番号:274-276に示されたCDRH1、CDRH2、及びCDRH3アミノ酸配列を含むVH、並びに各々配列番号:277-279に示されたCDRL1、CDRL2、及びCDRL3アミノ酸配列を含むVLを含む、抗-HA抗体又はその抗原-結合断片をコードしているポリヌクレオチド;並びに、(2)各々配列番号:193-195に示されたCDRH1、CDRH2、及びCDRH3アミノ酸配列を含むVH、並びに各々配列番号:199-201に示されたCDRL1、CDRL2、及びCDRL3アミノ酸配列を含むVLを含む、抗-NA抗体又はその抗原-結合断片をコードしているポリヌクレオチド:を含有する組成物。
実施態様91. (1)配列番号:43に示されたVHアミノ酸配列及び配列番号:44に示されたVLアミノ酸配列を含む、抗-HA抗体又はその抗原-結合断片をコードしているポリヌクレオチド;並びに、(2)配列番号:241に示されたVHアミノ酸配列及び配列番号:243に示されたVLアミノ酸配列を含む、抗-NA抗体又はその抗原-結合断片をコードしているポリヌクレオチド:の組合せ。
実施態様92. (1)各々配列番号:274-276に示されたCDRH1、CDRH2、及びCDRH3アミノ酸配列を含むVH、並びに各々配列番号:277-279に示されたCDRL1、CDRL2、及びCDRL3アミノ酸配列を含むVLを含む、抗-HA抗体又はその抗原-結合断片をコードしているポリヌクレオチド;並びに、(2)各々配列番号:193-195に示されたCDRH1、CDRH2、及びCDRH3アミノ酸配列を含むVH、並びに各々配列番号:199-201に示されたCDRL1、CDRL2、及びCDRL3アミノ酸配列を含むVLを含む、抗-NA抗体又はその抗原-結合断片をコードしているポリヌクレオチド:の組合せ。
実施態様93. (1)の抗体又は抗原-結合断片が、配列番号:270又は配列番号:272の重鎖アミノ酸配列、及び配列番号:271の軽鎖(light)アミノ酸配列を含む、実施態様87又は88のポリヌクレオチド、実施態様89又は90の組成物、或いは、実施態様91又は92の組合せ。
実施態様94. (2)の抗体又は抗原-結合断片が、配列番号:255又は配列番号:256の重鎖アミノ酸配列、及び配列番号:257の軽鎖アミノ酸配列を含む、実施態様87、88、又は93のポリヌクレオチド、実施態様89、90、又は93の組成物、或いは、実施態様91、92、又は93の組合せ。
実施態様95. 前記ポリヌクレオチド、(1)のポリヌクレオチド、及び/又は(2)のポリヌクレオチドが、各々、mRNAを含む、実施態様87、88、93、又は94のポリヌクレオチド、実施態様89、90、93、又は94の組成物、或いは、実施態様91-94のいずれか一つの組合せ。
実施態様96. 前記ポリヌクレオチド、(1)のポリヌクレオチド、及び/又は(2)のポリヌクレオチドが、各々、修飾されたヌクレオシド、cap-1構造、cap-2構造、又はそれらの任意の組合せを含む、実施態様87、88、93、94、又は95のポリヌクレオチド、実施態様89、90、93、94、又は95の組成物、或いは、実施態様91-94のいずれか一つの組合せ。
実施態様97. 前記ポリヌクレオチド、(1)のポリヌクレオチド、及び/又は(2)のポリヌクレオチドが、各々、プソイドウリジン、2-チオウリジン、N6-メチルアデノシン、5-メチルシチジン、又はそれらの任意の組合せを含む、実施態様96のポリヌクレオチド、組成物、又は組合せ。
実施態様98. 前記プソイドウリジンが、N1-メチルプソイドウリジンを含む、実施態様97のポリヌクレオチド、組成物、又は組合せ。
実施例
実施例1
抗-NA及び抗-HAモノクローナル抗体並びにこれらの組合せの機能試験
抗-ヘマグルチニン(HA)抗体及び抗-ノイラミニダーゼ(NA)抗体を、ドナーの扁桃試料及びPBMC試料から単離した。
HA抗体に関して、匿名ドナー由来の末梢血単核細胞(PBMC)を、H5(グループ1)及びH7(グループ2)インフルエンザシュードウイルスに対する、対応する血清による中和を基に選択した。ドナーは、ヘマグルチニン亜型H5及びH7抗原に対する反応性に関する扁桃ドナー試料(n=50)由来の血清のスクリーニング、並びにH5及びH7亜型シュードウイルスに対する反応性に関するPBMCドナー試料(n=124)由来の血清のスクリーニングにより、選択した。結合は、FACSにより評価した。5名のドナー由来のメモリーB細胞を、ディスカバリーワークフローへの投入のためにフローサイトメトリーにより選別した。単独の選別されたB細胞(n=6,700)を、50μlの培養液中で間葉系間質細胞(MSC)と共培養し、抗体分泌を刺激した。分泌された抗体を、結合アッセイ及びシュードウイルス中和アッセイを用いて評価した。グループIインフルエンザA型ウイルス(IAV)、グループII IAV、及びインフルエンザB型ウイルス由来のHAへの結合は、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)により評価し、幅(breadth)を決定した。ウイルスの侵入及び脱殻の阻止として測定される中和は、H5又はH7ルシフェラーゼ(Luc)-発現しているシュードウイルス粒子による標的細胞の感染後の、ルシフェラーゼ発現のモニタリングにより評価した。選択されたB細胞由来の抗体配列は、cDNAとしてクローニングし、且つ配列決定した。
クローン的に関連した抗-HA抗体「FHF11」及び「FHF12」を、更なる試験のために選択し、並びに1又は複数の可変ドメイン変異を持つこれらの配列バリアントを作出した(表1;配列番号:1-42参照)。FHF11及びFHF12の各々は、FACSにより動物貯蔵庫(reservoir)内を循環するいくつかのHAへ結合し、並びにELISAによりグループ1(H1、H2、H5、H9)及びグループ2(H3)HAへ結合した。これらの抗体はまた、FACSによりH1 A/Swine/Jiangsu/J004/2018へ結合し、且つ健常ヒト上皮2型(HEP-2)細胞に対する多反応性は示さなかった。FHF11は、H1N1及びH3N2の存在下で、FM08_LSと同程度に又はこれよりも大きい程度に、FcγRIIIa(F158)を活性化した。FHF11はまた、H1N1及びH3N2の存在下で、FM08_LSと同程度に又はこれよりも大きい程度に、FcγRIIa(H131)も活性化した。
様々な他の実験を、FHF11及びFHF12(親及びバリアント)抗体を特徴付けるために行った。例えば、FHF11v3、FHF11v6、及びFHF11v9を、ELISAにより、H3N2、H1N1、H2N2、H3N1、及びH9N2亜型のパネルに結合した。FHF11、FHF11v3、FHF11v6、FHF11v9、FY1、及びFM08は、BLIにより、HA-5へ1.0E-12未満のKd値で、並びにHA-7へ同様の又はより低い親和性で結合した。FHF11、FHF11v3、FHF11v6、及びFHF11v9は、H5 ppを中和し、IC50値はおよそ0.7~0.2ng/mLであった。抗体を、多くのH1N1及びH3N2ウイルスに対する中和に関して、並びにH1N1及びH3N2の存在下でのFcγRの活性化に関して、試験した。FHF11v9-LS、FHF12-LS、及びFM08-LSを、tg32マウスにおけるインビボ薬物動態について評価した。FHF11v9はまた、抗体で前処置し、且つその後H1N1 A/Puerto Rico/8/34又はH3N2 A/Hong Kong/68に感染させたBALB/cマウスにおいて予防効果及び薬物動態について調べ、並びにSCID tg32マウスにおいて薬物動態について調べた。
NA抗体に関して、匿名ドナー由来の末梢血単核細胞(PBMC)を、N1及びN4(G1);並びに、N2、N3及びN9(G2)インフルエンザシュードウイルスに対する、対応する血清による結合を基に選択した。ドナーは、ノイラミニダーゼ亜型N1及びN2抗原に対する反応性に関する扁桃ドナー試料(n=50)由来の血清のスクリーニング、並びにノイラミニダーゼ亜型N4、N3、及びN9に対する反応性に関するPBMC(末梢血単核細胞)ドナー試料(n=124)由来の血清のスクリーニングにより、選択した。スクリーニングのためのノイラミニダーゼ抗原は、哺乳動物細胞において発現させ、並びに結合は、FACSフローサイトメトリーにより評価した。
5名のドナー由来のメモリーB細胞を、ディスカバリーワークフローへの投入のためにフローサイトメトリーにより選別した。単独の選別されたB細胞(n=39,350)を、50μlの培養液中で間葉系間質細胞(MSC)と共培養し、抗体分泌を刺激した。分泌された抗体を、結合アッセイ及びNA阻害アッセイにより評価した。N1シアリダーゼ活性の阻害は、ELLA(酵素-結合レクチンアッセイ)という、NAによるシアル酸切断に関する基質として大型糖タンパク質基質であるフェチュインを利用する吸光度-ベースのアッセイ(Lambreら、J Immunol Methods. 1990)を用いて評価した。N1、N2、及びN9シアリダーゼ活性の阻害は、NA酵素による2’-(4-メチルウンベリフェリル)-α-D-N-アセチルノイラミン酸(MUNANA)の切断を測定する、蛍光-ベースのアッセイ(Potierら、Anal. Biochem. 1979)を用いて測定した。
グループ1 IAV N1 A/Vietnam/1203/2004、並びにグループ2 IAV N2 A/Tanzania/205/2010及びN9 A/Hong Kong/56/2015からのNAへの結合は、ELISAにより評価し、横幅を決定した。選択されたB細胞からの抗体配列は、cDNAとしてクローニングし、且つ配列決定した。
14種のクローン的に関連したモノクローナル抗体(「FNI」-接頭文字)が、ディスカバリーワークフローから生じた。これらの抗体、並びに未変異共通祖先(UCA)のVH及びVLを含む抗体は、幅のあるIAV NA及びIBV NAに対する結合を示した。抗体FNI3及びFNI9は、ELISA及びBLIにより、参照抗体1G01(Stadlbauerら、(Science 366(6464):499-504 (2019))に比べ、同等の又はより強くさえあるNA(N1、N2、N9)に対する結合を明らかにした。FNI3及びFNI9は、1G01に比べ、グループ1及びグループ2 IAV NAのパネルに対する同等の又はより強い結合を、並びにIBV NAのパネルに対するより強い結合を示した。FNI3及びFNI9は、245位(245Gly+)及び247位(247Gly+)にグリコシル化モチーフを含む、H3N2 IAV NA(Wanら、Nat Microbiology. 2019);A/South Australia/34/2019、A/Switzerland/8060/2017、A/Singapore/INFIMH-16-0019/2016、及びA/Switzerland/9715293/2013のシアリダーゼ活性を阻害した。FNI3及びFNI9は、N2 A/South Australia/34/2019、及びN1 A/Swine/Jiangsu/J004/2018へ結合し、且つ健常Hep2細胞に対する多反応性は示さなかった。FNI3及びFNI9は、IAV G1 NA、IAV G2 NA、及びIBV NAのパネルに対する、強力なNAI活性を明らかにした。他の実験は、FNI抗体によるH1N1、H3N2、B/MAL(Victoria系統)、B/JIA(Yamagata系統)の中和、並びにオセルタミビル-抵抗性変異を含むように操作されたH1N1及びH3N2に対するFNI3による阻害活性を明らかにし、これはオセルタミビル、FM08、及び1G01よりも大きい効能があった。
構造試験は、FNI3のCDRH3は、オセルタミビルが占拠するNA活性部位と相互作用することを示した。FNI3エピトープは、2000年から2020年の間に単離された、H3N2由来のN2 NA配列(n=60,597)において、及びH1N1由来のN1 NA配列(n=57,597)において保存されている。FNI3及びFNI9はまた、LD90でのH1N1 PR8又はH3N2 HK/68インフルエンザに対する予防のマウスモデルにおいても試験し;前処置したマウスは、一般に投与量-依存性の体重減少の欠如を示した。FNI3又はFNI9で試験したマウスは、H3N2 A/HongKong/8/1968による感染の15日間試験にわたり、ビヒクルと比べ、改善された生存及び体重減少を有した。tg32マウスにおいて、MLNSのFc変異を有するFNI3及びFNI9は、FM08_MLNS(8.072日;SD 1.567日)に対し、改善された半減期(各々、平均値12.034日(SD 1.781日)及び14.198日(SD 2.014日))を有した。1G01_MLNSは、算出された半減期12.636日(SD 2.23日)を有した。
抗体FNI17及びFNI19も調べた。これらの抗体は、FNI3及びFNI9へのNA結合と同等の幅を有し、且つ特定のNAに対し、これらの抗体と比べ、改善された結合を有した。FNI17及びFNI19は、H3N2及びH1N1 IAVのパネル、並びにIBVのパネルを強力に中和した。FNI3、FNI9、FNI17、及びFNI19は、FM08及びFHF11と比べ、核タンパク質染色により測定した、H1N1及びH3N2ウイルスパネルに対する改善された中和を明らかにした。FNI3、FNI9、FNI17、及びFNI19は、同じウイルスパネルを、オセルタミビルよりもより良い効能で中和し、且つH1N1 PR8に感染した(MOI=6)A549により、Jurkat細胞上で、FcγRIIIaを活性化し、並びにより少ない程度にFcγRIIaを活性化した。これらの抗体はまた、N1及びN2 IAV NA並びにIBV NAの存在下で、FcγRIIIaを活性化した一方で、FNI3及びFNI9は、N9 NAの存在下で、FcγRIIIaを活性化したが、FNI17及びFNI19は活性化しなかった。FNI3-LS、FNI9-LS、FNI17-LS、及びFNI19-LSは、SCID tg32マウスにおいて、投与後30日間にわたり、FM08-LSに比べ、改善された半減期を示した。FNI3-LS、FNI9-LS、FNI17-LS、及びFNI19-LSは、Hep-2細胞に対し、多反応性ではなかった。構造試験は、FNI3、FNI17、及びFNI19は、NAへの類似のドッキング配向を有することを示した。これらの抗体のCDRH3は、それらのアミノ酸配列が非常に類似している。FNI17及びFNI19の配列バリアントを作出した。FNI17v19及びFNI19v3は、それらの各親抗体と比べ、tg32マウスにおけるインビボ半減期(抗体5mg/kgを静脈内注射)の改善を有した(FNI17v19-LS=14.88±3.27日;FNI17-LS=8.86±0.57日;FNI19v3-LS=14.40±2.13日;FNI9-LS=11.57±0.63日)。FNI17v19及びFNI19v3は、H1N1、H3N2、B/Victoria系統、及びB/Yamagata系統インフルエンザウイルスのパネルのシアリダーゼ活性を阻害した。FNI17-LSは、FM08_LSと比べ、H1N1 A/Puerto Rico/8/34に感染したBALB/cマウスにおいて12日間にわたり、生存を改善した。FNI17v19及びFNI19v3を含むFNI抗体を使用する追加の特徴決定試験を、行った。
抗-HA FHF11(VH:配列番号:2;VL:配列番号:8)、及び抗-NA FNI3(VH:配列番号:72;VL:配列番号:78)、FNI9(VH:配列番号:132;VL:配列番号:138)、FNI17(VH:配列番号:192;VL:配列番号:198)、FNI17-v19(VH:配列番号:241;VL:配列番号:243)、FNI19(VH:配列番号:204;VL:配列番号:210)、及びFNI19-v3(VH:配列番号:245;VL:配列番号:247)は、様々なインフルエンザウイルス由来の抗原へ高親和性で結合し、及びこれらのウイルスに対する強固な中和活性を有する、前述の抗体の非限定的例である。
抗-NA+抗-HA抗体組合せのシアリダーゼ活性を阻害する能力を、インビトロアッセイにおいて評価した。抗-NA抗体FNI3及びFNI9、並びに抗-HAモノクローナル抗体FHF11及び「FM08」(VH:配列番号:43;VL:配列番号:44;同じく、Kallewaardら、Cell 166(3):596-608 (2016)参照)を、NA酵素による2’-(4-メチルウンベリフェリル)-α-D-N-アセチルノイラミン酸(MUNANA)の切断を測定する、シアリダーゼ阻害に関する蛍光-ベースのアッセイ(Potierら、Anal. Biochem. 1979)を用いて測定した。FM08+FNI3(図1A)、FM08+FNI9(図1B)、及びFHF11+FNI9(図1C)による、H1N1 Cal/09シアリダーゼ活性の阻害を、測定した。加えて、FM08+FNI3(図1D)、FM08+FNI9(図1E)、FHF11+FNI9(図1F)によるH3N2 HK/68シアリダーゼ活性の阻害も、試験した。試験した各抗体対の間のヒートマップを作製し、中和(%)をμg/mlで(図1A-1F、上側パネル)、及び相乗/拮抗スコア(図1A-1F、下側パネル)を、視覚化した。これらのデータは、抗-HA+抗-NA抗体組合せの相乗的中和作用を示している。
抗-NA+抗-HA抗体組合せのシアリダーゼ活性を阻害する能力をまた、核タンパク質染色を用いて評価した。抗-NA抗体FNI9(VH:配列番号:132;VL:配列番号:138)、FNI17(VH:配列番号:192;VL:配列番号:198)、及びFNI19(VH:配列番号:204;VL:配列番号:210)、並びに抗-HAモノクローナル抗体FM08を、試験した。FM08+FNI9(図2A)、FM08+FNI17(図2B)、及びFM08+FNI19(図2C)による、H3N2 A/Hong Kong/1/1968シアリダーゼ活性の阻害を、測定した。試験した各抗体対の間のヒートマップを作製し、中和(%)をμg/mlで(図2A-2C、上側パネル)、及び相乗/拮抗スコア(図2A-2C、下側パネル)を、視覚化した。相乗マトリクス及びスコアを、MacSynergyIIを用いて作製した。これらのデータは、抗-HA+抗-NA抗体組合せの相乗的中和作用を示している。抗-NA抗体、抗-HA抗体、及びそれらの組合せを、NFAT-駆動したルシフェラーゼレポーターアッセイを用い、FcγRIIIa(図3A;F158アレル)及びFcγRIIa(図3B;H131アレル)を活性化する能力について試験した。個別の抗-NA抗体(FNI3、FNI9)及び抗-HAバリアント抗体FHF11_v9(VH:配列番号:37;VL:配列番号:8)、及びそれらの組合せを、H1N1 A/PR/8/34で予備-感染させたA549細胞と接触させた後、操作されたJurkat細胞において、NFAT-媒介したルシフェラーゼレポーターを用いて、試験した。M428L及びN434S(EU番号付け)Fc変異を含む比較用FM08_LS、及び無関係の抗原に対する陰性対照抗体「K-」による活性化も、測定した。これらのデータは、抗-HA+抗-NA抗体組合せは、H1N1インフルエンザ感染症の状況においてFcγRの活性化を改善することができることを示している。
抗-NA 1G01-LS、抗-HA FM08-LS、及び両方の組合せによるFcγRIIIa-及びFcγRIIa-活性化も、ルシフェラーゼアッセイを使用し試験した。FcγRIIIa活性化は、H1N1 A/PR/8/34(図4A)又はH3N2 A/Aichi/2/68(図4B)により予備-感染させたA549細胞との接触後に、測定した。FcγRIIa活性化は、H1N1 A/PR/8/34(図5A)又はH3N2 A/Aichi/2/68(図5B)により予備-感染させたA549細胞との接触後に、測定した。陰性対照抗体(FY1-LALA)による活性化も、測定した。
実施例2
抗-NA/抗-HA抗体組合せの予防活性
抗-NA抗体(IG01)、抗-HA抗体(FM08)、及び両方の組合せの予防活性を、IAV感染症のマウスBALB/cモデルにおいて、評価した。簡単に述べると、7~8週齢のBALB/cマウスに、1G01、FM08、1G01+FM08、又はビヒクル対照を投与し(静脈内)、1日後にH1N1亜型A/Puerto Rico/8/34をLD90(致死量の90%)で、鼻腔内感染させた(図6A及び6B)。各抗体は、1.0、0.5、0.25、又は0.125mg/kgで、投与した(静脈内)。ベースライン血清を、感染の開始時に収集し、体重及び致死率の両方を、感染後2~14日間毎日評価した(図6B)。15日間の体重測定値を、図7A-7C(1.0mg/kg被験群)、図7D-7F(0.5mg/kg被験群)、図7G-7I(0.25mg/kg被験群)、及び図7J-7L(0.125mg/kg被験群)において示している。特に、各抗体の0.25mg/kgの組合せにより、改善が認められた。
1G01、FM08、又は1G01+FM08で処置後A/Puerto Rico/8/34により感染したBALB/cマウスにおける体重減少の曲線下面積の分析からの、血清中のIgGにより比較した負の曲線下面積ピークも、示している(図8A-8B)。負の曲線下面積ピークは、mg/kgで投与される各mAbの量(図8A)又は総抗体の量(図8B)により、グラフ化している。1G01+FM08で処置後A/Puerto Rico/8/34により感染した、BALB/cマウスにおける体重減少の曲線下面積の分析は、Compusynソフトウェア(combosyn.com)を用いて、解析した。
投与量-効果曲線(図9A)、並びに50%、75%及び90%阻害に関するアイソボログラム(すなわち、同等-効果曲線、図9B)も、示した。組合せ指標(図9C)もまた、相乗作用、付加作用、及び拮抗作用の量的規定について決定した。
血清ヒトIgGを、マウスにおいて、図6Bに示された時系列に従い、抗体注射後24-時間、及びA/Puerto Rico/8/34のLD90(90%致死量)による感染の直前に、測定した。図10Aは、μg/mlで報告された、抗体注射後24-時間での血清中のヒトIgGを、示している。図10Bは、血清中のIgGと比較したH1N1負の曲線下面積ピーク、及び体重減少の曲線下面積分析(図8A-8B)からのEC50(半有効濃度)値を示している。全死亡率も測定した(図11、図12A-12B)。抗体組合せの最低の投与量を受け取った動物(mAb別に0.125mg/kg;図11)であっても、ある単独抗体のより高い投与量と比べ、改善された生存を有した。
実施例3
追加試験
FHF11+FNI、FHF11+1G01、及びFM08+FNIを含む、抗-HA及び抗-NA FNI抗体組合せの中和を、追加のH1N1及びH3N2ウイルスに対し、並びに抗-HA又は抗-NAモノクローナル抗体-抵抗性変異体(MARM)インフルエンザに対し、インビトロにおいて試験した。インビトロ抵抗性選択アッセイを、行った。二重特異性抗-HA×抗-NA抗体を、DVD-Ig及びIEI-Igフォーマットにおいて作出した。Balb/cマウスを使用するインビボ試験を実行し、抗-HA単独の、抗-NA単独の、抗-HA×抗-NA組合せの(例えば、FHF11+FNI、FHF11+1G01、及びFM08+FNIの)、並びにH1N1 PR8及びH3N2 HK/68(LD90)に対する二重特異性抗体の予防活性を試験した。各被験物質について、4種の投与量を使用した。試験のエンドポイントは、感染後最大14日間の、体重減少及び生存であった。
実施例4
二重可変ドメイン(DVD)二重特異性抗体のデザイン及びインビトロ試験
抗-NA及び抗-HA抗体を含む、二重可変ドメイン(DVD)二重特異性フォーマット抗体を、デザインし且つ作出した。抗-NA(FNI17)及び抗-HA(FM08)抗原-結合ドメインを含む、代表的DVD二重特異性抗体であるFNI17-L-FM08-DVDIg1-LSを、図13に示している。
FNI17-FM08-DVDによるシアリダーゼ活性のインビトロ阻害を、評価した。比較例の被験群は、H1N1 Cal/09(図14A)及びH3N2 HK/68(図14B)に対する、FNI17 mAb単独、FNI17+FM08 mAb又はFM08 mAb単独を含んだ。IC50値(nM)を、各被験群について計算した。
FM08-FNI9-DVD、FNI9-FM08-DVD、FM08-FNI17-DVD、及びFNI17-FM08-DVDによる、H5及びH7シュードタイプ化されたウイルスのインビトロ中和も、評価した。比較例抗体FM08も、試験した。図15Aは、H5/VN1194 ppの中和を示している。図15Bは、H7/IT/99 pp.の中和を示している。計算したIC50値(nM)も、各図面のグラフの下側に示している。
FcγRIIIa(図16A;F158アレル)及びFcγRIIa(図16B;H131アレル)の抗体活性化も、FM08-FNI17-DVD及びFNI17-FM08-DVDについて試験した。活性化は、操作されたJurkat細胞におけるNFAT-媒介型ルシフェラーゼレポーターを用いて、測定した。比較例抗体FM08_LS、FHF12-LS、FHF11-v9-LS、及び陰性対照抗体(FY1-LALA)も、評価した。
実施例5
二重可変ドメイン(DVD)二重特異性抗体のインビボ試験
FNI17-FM08-DVDの予防活性を、IAV感染症のマウスBALB/cモデルにおいて、評価した。簡単に述べると、7~8週齢のBALB/cマウスに、FM08_LS(TA1、図17において「mAb-08」)、FNI17_LS(TA2、図17において「mAb-17」)、FM08_LS+FNI17_LS(TA3、図17において「mAb-08+mAb-17」)、及びFNI17-FM08-DVD-LS(TA4、図17において「DVDフォーマット」)を投与した(静脈内)。
H1N1亜型のLD90(90%致死量)での鼻腔内感染の1日前に、抗体を投与した。抗体は、0.125、0.25、0.5、又は1mg/kgで投与した(静脈内)。ベースライン血清を、感染の開始時に収集し、体重及び致死率の両方を、感染後2~14日間毎日評価した。体重は、H1N1のLD90(90%致死量)による感染の1日前の指定されたモノクローナル抗体の1mg/kg(図18A)、0.5mg/kg(図18B)、0.25mg/kg(図18C)、又は0.125mg/kg(図18D)での前処置後、15日間にわたり測定した。FNI17-FM08-DVD-LS処置群のマウスは、他の3処置群の用量の体重用量(mg/kg)に相当する同等数の分子を受け取った。全死亡率も、H1N1で感染し、且つFM08_LSもしくはFNI17_LS(図19A)、又はFM08_LS+FNI17_LSもしくはFNI17-FM08-DVD-LS(図19B)で前処置したBALB/cマウスにおいて、15日間にわたり測定した。体重変化のデータは、図20にまとめている。
先に説明した様々な実施態様は、更なる実施態様を提供するために、組合せることができる。2020年11月23日に出願された米国特許仮出願第63/117,454号、2020年12月15日に出願された米国特許仮出願第63/125,892号、2021年6月4日に出願された米国特許仮出願第63/197,254号及び2021年9月21日に出願された米国特許仮出願第63/261,464号を含む、本明細書において言及されるか及び/又は出願データシートに列挙された、米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願及び非-特許文献は全て、それらの全体が引用により本明細書中に組み込まれている。実施態様の局面は、また更なる実施態様を提供するために、様々な特許、出願及び文献の概念を利用するために必要ならば、改変され得る。
これら及び他の変更は、先の詳細な説明を考慮し、それらの実施態様に行うことができる。概して、以下の請求項において、使用される用語は、本明細書及び請求項に開示された特定の実施態様に請求項を限定するとは、解釈されてはならないが、そのような請求項が権利を与えられる同等物の完全な範囲と併せて可能である全ての実施態様を含むと解釈されるべきである。従って、これらの請求項は、本開示により限定されない。

Claims (98)

  1. (1)(a)インフルエンザA型ウイルス(IAV)ヘマグルチニン(HA)に結合し、且つIAVによる感染を中和することが可能である抗体、又はその抗原-結合断片、或いは(b)この抗-HA抗体又はその抗原-結合断片をコードしているポリヌクレオチド;並びに
    (2)(a)2(i)IAVが、グループ1 IAV、グループ2 IAV、もしくは両方を含む、IAV;及び、2(ii)インフルエンザB型ウイルス(IBV):由来のノイラミニダーゼ(NA)に結合することが可能であり、且つIAV及び/又はIBVによる感染を中和し及び/又はシアリダーゼ活性を阻害することが可能である、抗体、又はその抗原-結合断片;或いは、(b)この抗-NA抗体又はその抗原-結合断片をコードしているポリヌクレオチド:を含む、組合せ。
  2. (1)(a)インフルエンザA型ウイルス(IAV)ヘマグルチニン(HA)に結合し、且つIAVによる感染を中和することが可能である抗体、又はその抗原-結合断片、或いは(b)この抗-HA抗体又はその抗原-結合断片をコードしているポリヌクレオチド;並びに
    (2)(a)2(i)IAVが、グループ1 IAV、グループ2 IAV、もしくは両方を含む、IAV;及び、2(ii)インフルエンザB型ウイルス(IBV):由来のノイラミニダーゼ(NA)に結合することが可能であり、且つIAV及び/又はIBVによる感染を中和し及び/又はシアリダーゼ活性を阻害することが可能である、抗体、又はその抗原-結合断片;或いは、(b)この抗-NA抗体又はその抗原-結合断片をコードしているポリヌクレオチド:
    並びに、任意に、医薬として許容し得る担体、賦形剤、又は希釈剤:を含有する、組成物。
  3. 対象におけるインフルエンザ(IAV、IBV、又は両方)感染症を治療又は防御する方法において使用するための、組合せ又は組成物であって、ここでこの方法が、対象へ、各々、この組成物又は組合せの有効量を投与することを含む、請求項1記載の組合せ又は請求項2記載の組成物。
  4. 対象におけるインフルエンザ(IAV、IBV、又は両方)感染症を治療又は防御するための医薬品の製造において使用するための、請求項1記載の組合せ又は請求項2記載の組成物。
  5. 対象におけるインフルエンザ感染症を治療又は防御する方法において使用するための、
    インフルエンザA型ウイルス(IAV)ヘマグルチニン(HA)に結合し、且つIAVによる感染を中和することが可能である抗体、又はその抗原-結合断片、或いはこの抗-HA抗体又はその抗原-結合断片をコードしているポリヌクレオチドであって、
    ここで、この方法が、この抗-HA抗体又はその抗原-結合断片の有効量を、(1)(i)IAVが、グループ1 IAV、グループ2 IAV、もしくは両方を含む、IAV;及び、(ii)インフルエンザB型ウイルス(IBV):由来のノイラミニダーゼ(NA)に結合することが可能であり、且つIAV及び/又はIBVによる感染を中和し及び/又はシアリダーゼ活性を阻害することが可能である、抗体、又はその抗原-結合断片の有効量;或いは、(2)この抗-NA抗体又はその抗原-結合断片をコードしているポリヌクレオチド:を受け取った、受け取っている、もしくは受け取る予定である対象へ投与することを含む、抗体又はその抗原-結合断片。
  6. 対象におけるインフルエンザ(IAV、IBV、又は両方)感染症を治療又は防御する方法において使用するための、
    (i)IAVが、グループ1 IAV、グループ2 IAV、もしくは両方を含む、インフルエンザA型ウイルス(IAV);及び、(ii)インフルエンザB型ウイルス(IBV):由来のノイラミニダーゼ(NA)に結合することが可能であり、且つIAV及び/又はIBVによる感染を中和し及び/又はシアリダーゼ活性を阻害することが可能である、抗体、又はその抗原-結合断片、或いはこの抗-NA抗体又はその抗原-結合断片をコードしているポリヌクレオチドであって、
    ここでこの方法が、この抗-NA抗体又は抗原-結合断片の有効量を、(a)IAVヘマグルチニン(HA)に結合し、及びIAVによる感染を中和することが可能である抗体又はその抗原-結合断片;或いは、(b)この抗-HA抗体又はその抗原-結合断片をコードしているポリヌクレオチド:の有効量を受け取った、受け取っている、もしくは受け取る予定である対象へ投与することを含む、抗体又はその抗原-結合断片。
  7. 対象におけるインフルエンザ(IAV、IBV、又は両方)感染症を治療又は防御する方法であって、この方法が:
    (1)(a)インフルエンザA型ウイルス(IAV)ヘマグルチニン(HA)に結合し、且つIAVによる感染を中和することが可能である抗体、又はその抗原-結合断片、或いは(b)この抗-HA抗体又はその抗原-結合断片をコードしているポリヌクレオチド;並びに
    (2)(a)2(i)IAVが、グループ1 IAV、グループ2 IAV、もしくは両方を含む、IAV;並びに2(ii)インフルエンザB型ウイルス(IBV):由来のノイラミニダーゼ(NA)に結合することが可能であり、且つIAV及び/又はIBVによる感染を中和し及び/又はシアリダーゼ活性を阻害することが可能である、抗体、又はその抗原-結合断片、或いは、(b)この抗-NA抗体又はその抗原-結合断片をコードしているポリヌクレオチド:の有効量を、対象へ投与することを含む、方法。
  8. 対象におけるインフルエンザ(IAV、IBV、又は両方)感染症を治療又は防御する方法であって、この方法が、(1)インフルエンザA型ウイルス(IAV)ヘマグルチニン(HA)に結合し、且つIAVによる感染を中和することが可能である抗体、又はその抗原-結合断片、或いは(2)この抗-HA抗体又はその抗原-結合断片をコードしているポリヌクレオチド;の有効量を対象へ投与することを含み、
    ここで、対象は、(a)(i)IAVが、グループ1 IAV、グループ2 IAV、もしくは両方を含む、IAV;並びに(ii)インフルエンザB型ウイルス(IBV):由来のノイラミニダーゼ(NA)に結合することが可能であり、且つIAV及び/又はIBVによる感染を中和し及び/又はシアリダーゼ活性を阻害することが可能である、抗体、又はその抗原-結合断片、或いは、(b)この抗-NA抗体又はその抗原-結合断片をコードしているポリヌクレオチド:を受け取った、受け取っている、もしくは受け取る予定である、方法。
  9. 対象におけるインフルエンザ感染症を治療又は防御する方法であって、この方法が、(1)(i)IAVが、グループ1 IAV、グループ2 IAV、もしくは両方を含む、インフルエンザA型ウイルス(IAV);並びに(ii)インフルエンザB型ウイルス(IBV):由来のノイラミニダーゼ(NA)に結合することが可能であり、且つIAV及び/又はIBVによる感染を中和し及び/又はシアリダーゼ活性を阻害することが可能である、抗体、又はその抗原-結合断片、或いは、(2)この抗-NA抗体又はその抗原-結合断片をコードしているポリヌクレオチド:の有効量を対象へ投与することを含み
    ここで、対象は、(a)IAVヘマグルチニン(HA)へ結合し、及びIAVによる感染を中和することが可能である、抗体、又はその抗原-結合断片、或いは(b)この抗-HA抗体又はその抗原-結合断片をコードしているポリヌクレオチド:を受け取った、受け取っている、もしくは受け取る予定である、方法。
  10. (1)前記抗-HA抗体又は抗原-結合断片が、(1)(i)配列番号:43、2、26、28、31、34、37、14、39、及び41のいずれか一つに示されたアミノ酸配列と、少なくとも80%(例えば、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれよりも多い)同一性を有するアミノ酸配列を含むか又はこれからなるVHであって、ここで配列番号:43、2、26、28、31、34、37、14、39、及び41の各々に関連する配列変動が、任意に、1又は複数のフレームワーク領域内に構成されるか、及び/もしくは配列変動は、生殖細胞系列-コードされたアミノ酸に対する1又は複数の置換を含むもの;並びに/又は、(1)(ii)配列番号:44、8、及び20のいずれか一つのアミノ酸配列と、少なくとも80%(例えば、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれよりも多い)同一性を有するアミノ酸配列を含むか又はこれからなるVLであって、ここで配列番号:44、8、及び20の各々に関する配列変動が、任意に、1又は複数のフレームワーク領域内に構成されるか、及び/もしくは配列変動が、生殖細胞系列-コードされたアミノ酸に対する1又は複数の置換を含むもの:を含み;
    並びに/又は
    (2)該抗-NA抗体又は抗原-結合断片が、(1)(i)配列番号:241、48、60、72、171、84、96、108、120、132、229、144、156、168、180、192、204、245、249、258、及び261のいずれか一つに示されたアミノ酸配列と、少なくとも80%(例えば、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれよりも多い)同一性を有するアミノ酸配列を含むか又はこれからなるVHであって、ここで配列番号:241、48、60、72、171、84、96、108、120、132、229、144、156、168、180、192、204、245、249、258、261の各々に関連する配列変動は、任意に、1又は複数のフレームワーク領域内に構成されるか、及び/もしくは配列変動は、生殖細胞系列-コードされたアミノ酸に対する1又は複数の置換を含むもの;並びに/又は、(2)(ii)配列番号:243、54、66、78、90、102、114、126、138、150、162、174、186、198、220、223、226、232、235、238、210、247、251、259、及び263のいずれか一つのアミノ酸配列と、少なくとも80%(例えば、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれよりも多い)同一性を有するアミノ酸配列を含むか又はこれからなるVLであって、ここで配列番号:243、54、66、78、90、102、114、126、138、150、162、174、186、198、220、223、226、232、235、238、210、247、251、259、及び263の各々に関する配列変動が、任意に、1又は複数のフレームワーク領域内に構成されるか、及び/もしくは配列変動が、生殖細胞系列-コードされたアミノ酸に対する1又は複数の置換を含むもの:を含み;
    ここで好ましくは、抗-HA抗体又は抗原-結合断片は、配列番号:43及び44の各々に示されたアミノ酸配列と少なくとも80%同一性を有するアミノ酸配列を含むか又はこれからなる、VH及びVLを含み、並びに抗-NA抗体又は抗原-結合断片は、配列番号:(4)(i)241及び243に示されたアミノ酸配列と少なくとも80%同一性を有するアミノ酸配列を含むか又はこれらからなるVH及びVLを含み;
    並びに/又は
    (3)該抗-HA抗体又は抗原-結合断片は、配列番号:(3)(i)各々43及び44;(3)(ii)各々26及び8;(3)(iii)各々2及び8;(3)(iv)各々31及び8;(3)(v)各々34及び8;(3)(vi)各々37及び8;(3)(vii)各々14及び20;(3)(viii)各々39及び20;(3)(ix)各々41及び20;或いは、(1)(x)各々28及び8:に示されたVH及びVLアミノ酸配列の各々HCDR及びLCDRを含む、VH及びVLを含み、ここで任意に、HCDR及びLCDRは、IMGT番号付けに従い、
    並びに/又は
    (4)該抗-NA抗体又は抗原-結合断片は、配列番号:(4)(i)各々241及び243;(4)(ii)各々60及び66;(4)(iii)各々72及び78もしくは220もしくは223;(4)(vi)各々72及び226;(4)(vii)各々217及び78;(4)(viii)各々217及び220;(4)(ix)各々217及び223;(4)(x)各々217及び226;(4)(xi)各々84及び90;(4)(xii)各々96及び102;(4)(xiii)各々108及び114;(4)(xiv)各々120及び126;(4)(xv)各々132及び138;(4)(xvi)各々132及び232;(4)(xvii)各々132及び235;(4)(xviii)各々132及び238;(4)(xix)各々229及び138;(4)(xx)各々229及び232;(4)(xxi)各々229及び235;(4)(xxii)各々229及び238;(4)(xxiii)各々144及び150;(4)(xxiv)各々156及び162;(4)(xxv)各々168及び174;(4)(xxvi)各々180及び186;(4)(xxvii)各々192及び198;(4)(xxviii)各々204及び210;(4)(xxix)各々48及び54;(4)(xxx)各々245及び247;(4)(xxxi)各々249及び251;(4)(xxxii)各々258及び259;又は、(4)(xxxi)各々261及び263:に示されたVH及びVLアミノ酸配列の各々HCDR及びLCDRを含む、VH及びVLを含み、ここで任意に、HCDR及びLCDRは、IMGT番号付けに従い、
    ここで好ましくは、抗-HA抗体又は抗原-結合断片は、各々、配列番号:43及び44に示されたVH及びVLアミノ酸配列の各々HCDR及びLCDRを含むVH及びVLを含み、並びに抗-NA抗体又は抗原-結合断片は、配列番号:(4)(i)241及び243に示されたVH及びVLアミノ酸配列の各々HCDR及びLCDRを含むVH及びVLを含む、請求項1記載の組合せ、請求項2記載の組成物、請求項3及び4のいずれか一項記載の使用に関する組合せ又は組成物、請求項5及び6のいずれか一項記載の使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、請求項7~9のいずれか一項記載の方法。
  11. (1)前記抗-HA抗体又は抗原-結合断片のVH及びVLが、配列番号:(1)(i)各々43及び44;(1)(ii)各々26及び8;(1)(iii)各々2及び8;(1)(iv)各々31及び8;(1)(v)各々34及び8;(1)(vi)各々37及び8;(1)(vii)各々14及び20;(1)(viii)各々39及び20;(1)(ix)各々41及び20;又は、(1)(x)各々28及び8;に従うアミノ酸配列を含むか又はこれからなり;並びに/又は
    (2)該抗-NA抗体又は抗原-結合断片のVH及びVLが、配列番号:(2)(i)各々241及び243;(2)(ii)各々60及び66;(2)(iii)各々72及び78もしくは220もしくは223;(2)(vi)各々72及び226;(2)(vii)各々217及び78;(2)(viii)各々217及び220;(2)(ix)各々217及び223;(2)(x)各々217及び226;(2)(xi)各々84及び90;(2)(xii)各々96及び102;(2)(xiii)各々108及び114;(2)(xiv)各々120及び126;(2)(xv)各々132及び138;(2)(xvi)各々132及び232;(2)(xvii)各々132及び235;(2)(xviii)各々132及び238;(2)(xix)各々229及び138;(2)(xx)各々229及び232;(2)(xxi)各々229及び235;(2)(xxii)各々229及び238;(2)(xxiii)各々144及び150;(2)(xxiv)各々156及び162;(2)(xxv)各々168及び174;(2)(xxvi)各々180及び186;(2)(xxvii)各々192及び198;(2)(xxviii)各々204及び210;(2)(xxix)各々48及び54;(2)(xxx)各々245及び247;(2)(xxxi)各々249及び251;(2)(xxxii)各々258及び259;又は、(2)(xxxiii)各々261及び263:に従うアミノ酸配列を含むか又はこれからなり;
    ここで好ましくは、抗-HA抗体又は抗原-結合断片のVH及びVLは、各々、配列番号:43及び44に従うアミノ酸配列を含むか又はこれからなり、抗-NA抗体又は抗原-結合断片のVH及びVLは、各々、配列番号:241及び243に従うアミノ酸配列を含むか又はこれからなる、請求項1又は10記載の組合せ、請求項2又は10記載の組成物、請求項3、4及び10のいずれか一項記載の使用に関する組合せ又は組成物、請求項5、6及び10のいずれか一項記載の使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、請求項7~10のいずれか一項記載の方法。
  12. (1)前記抗-HA抗体又は抗原-結合断片のVH及びVLが、配列番号:(1)(i)各々43及び44;(1)(ii)各々26及び8;(1)(iii)各々28及び8;(1)(iv)各々31及び8;(1)(v)各々34及び8;(1)(vi)各々37及び8;(1)(vii)各々14及び20;(1)(viii)各々39及び20;(1)(ix)各々41及び20;又は、(1)(x)各々2及び8:に従うアミノ酸配列を含むか又はこれからなり;並びに/又は
    (2)該抗-NA抗体又は抗原-結合断片のVH及びVLが、配列番号:(2)(i)各々241及び243;(2)(ii)各々72及び226;(2)(iii)各々217及び78;(2)(iv)各々217及び220;(2)(v)各々132及び138;(2)(vi)各々132及び232;(2)(vii)各々132及び235;(2)(viii)各々132及び238;(2)(ix)各々229及び138;(2)(x)各々229及び232;(2)(xi)各々229及び235;(2)(xii)各々229及び238;(2)(xiii)各々217及び223;(2)(xiv)各々217及び226;(2)(xv)72及び78もしくは220もしくは223;(2)(xvi)各々245及び247;又は、(2)(xvii)各々249及び251:に従うアミノ酸配列を含むか又はこれからなり;
    ここで好ましくは、抗-HA抗体又は抗原-結合断片のVH及びVLは、各々、配列番号:43及び44に従うアミノ酸配列を含むか又はこれからなり、抗-NA抗体又は抗原-結合断片のVH及びVLは、各々、配列番号:241及び243に従うアミノ酸配列を含むか又はこれからなる、請求項1、10又は11記載の組合せ、請求項2、10又は11記載の組成物、請求項3、4、10及び11のいずれか一項記載の使用に関する組合せ又は組成物、請求項5、6、10及び11のいずれか一項記載の使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、請求項7~11のいずれか一項記載の方法。
  13. (1)前記抗-HA抗体又は抗原-結合断片が、相補性決定領域(CDR)H1、CDRH2、及びCDRH3を含む重鎖可変ドメイン(VH)、並びにCDRL1、CDRL2、及びCDRL3を含む軽鎖可変ドメイン(VL)を含み、ここでCDRは任意に、IMGT番号付けシステムに従い、並びにここで:(1)(i)CDRH1は、配列番号:274、3、32、及び15のいずれか一つのアミノ酸配列、又は1、2、もしくは3個の酸(acid)置換を含むその機能性バリアントを含むか又はこれからなり、その1又は複数の置換は、任意に保存的置換であるか及び/又は生殖細胞系列-コードされたアミノ酸に対する置換であり;並びに/又は、(1)(ii)CDRH2は、配列番号:275、4、29、35、16、及び42のいずれか一つのアミノ酸配列、又は1、2もしくは3個のアミノ酸置換を含むその機能性バリアントを含むか又はこれからなり、その1又は複数の置換は、任意に保存的置換であるか、及び/又は生殖細胞系列-コードされたアミノ酸に対する置換であり;並びに/又は、(1)(iii)CDRH3は、配列番号:276、5及び17のいずれか一つのアミノ酸配列、又は1、2もしくは3個のアミノ酸置換を含むその機能性バリアントを含むか又はこれからなり、その1又は複数の置換は、任意に保存的置換であるか、及び/又は生殖細胞系列-コードされたアミノ酸に対する置換であり;並びに/又は、(1)(iv)CDRL1は、配列番号:277、9、及び21のいずれか一つのアミノ酸配列、又は1、2もしくは3個のアミノ酸置換を含むその機能性バリアントを含むか又はこれからなり、その1又は複数の置換は、任意に保存的置換であるか、及び/又は生殖細胞系列-コードされたアミノ酸に対する置換であり;並びに/又は、(1)(v)CDRL2は、配列番号:278、10、及び22のいずれか一つのアミノ酸配列、又は1、2もしくは3個のアミノ酸置換を含むその機能性バリアントを含むか又はこれからなり、その1又は複数の置換は、任意に保存的置換であるか、及び/又は生殖細胞系列-コードされたアミノ酸に対する置換であり;並びに/又は、(1)(vi)CDRL3は、配列番号:279、11、及び23のいずれか一つのアミノ酸配列、又は1、2もしくは3個のアミノ酸置換を含むその機能性バリアントを含むか又はこれからなり、その1又は複数の置換は、任意に保存的置換であるか、及び/又は生殖細胞系列-コードされたアミノ酸に対する置換であり;
    並びに/又は、
    (2)該抗-NA抗体又は抗原-結合断片が、CDRH1、CDRH2、及びCDRH3を含むVH、並びにCDRL1、CDRL2、及びCDRL3を含むVLを含み、並びにここで:(2)(i)任意に、CDRH1は、配列番号:193、49、61、73、85、97、109、121、133、145、157、169、181、205、及び264のいずれか一つに示されたアミノ酸配列、又は1、2、もしくは3個の酸(acid)置換を含むその機能性バリアントを含むか又はこれからなり、その1又は複数の置換は、任意に保存的置換であるか及び/又は生殖細胞系列-コードされたアミノ酸に対する置換であり;(2)(ii)任意に、CDRH2は、配列番号:194、50、62、74、86、98、110、122、134、146、158、170、182、206、及び265のいずれか一つに示されたアミノ酸配列、又は1、2、もしくは3個のアミノ酸置換を含むその機能性バリアントを含むか又はこれからなり、その1又は複数の置換は、任意に保存的置換であるか及び/又は生殖細胞系列-コードされたアミノ酸に対する置換であり;(2)(iii)CDRH3は、配列番号:195、51、63、75、218、87、99、111、123、135、230、147、159、171、183、207、及び266のいずれか一つに示されたアミノ酸配列、又は1、2もしくは3個のアミノ酸置換を含むその機能性バリアントを含むか又はこれからなり、その1又は複数の置換は、任意に保存的置換であるか、及び/又は生殖細胞系列-コードされたアミノ酸に対する置換であり;(2)(iv)任意に、CDRL1は、配列番号:199、55、67、79、91、103、115、127、139、151、163、175、187、211、及び267のいずれか一つに示されたアミノ酸配列、又は1、2もしくは3個のアミノ酸置換を含むその機能性バリアントを含むか又はこれからなり、その1又は複数の置換は、任意に保存的置換であるか、及び/又は生殖細胞系列-コードされたアミノ酸に対する置換であり;(2)(v)任意に、CDRL2は、配列番号:200、56、68、80、92、104、116、128、140、152、164、176、188、212、及び268のいずれか一つに示されたアミノ酸配列、又は1、2もしくは3個のアミノ酸置換を含むその機能性バリアントを含むか又はこれからなり、その1又は複数の置換は、任意に保存的置換であるか、及び/又は生殖細胞系列-コードされたアミノ酸に対する置換であり;並びに/又は、(2)(vi)任意に、CDRL3は、配列番号:201、57、69、81、221、224、227、93、105、117、129、141、233、239、153、165、177、189、236、213、及び269のいずれか一つに示されたアミノ酸配列、又は1、2もしくは3個のアミノ酸置換を含むその機能性バリアントを含むか又はこれからなり、その1又は複数の置換は、任意に保存的置換であるか、及び/又は生殖細胞系列-コードされたアミノ酸に対する置換である、請求項1及び10-12のいずれか一項記載の組合せ、請求項2及び10-12のいずれか一項記載の組成物、請求項3、4、10、11、又は12の使用に関する組合せ又は組成物、請求項5、6、10、11、又は12の使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、請求項7-12のいずれか一項記載の方法。
  14. (1)前記抗-HA抗体又は抗原-結合断片が、配列番号:(1)(i)各々274-279;(1)(ii)各々3、29、5及び9-11;(1)(iii)各々32、4、5及び9-11;(1)(iv)各々3、35、5及び9-11;(1)(v)各々32、35、5、及び9-11;(1)(vi)各々15-17及び21-23;(1)(vii)各々15、42、17及び21-23;又は、(1)(viii)各々3-5及び9-11:のCDRH1、CDRH2、CDRH3、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3アミノ酸配列を含み;
    並びに/又は
    (2)該抗-NA抗体又は抗原-結合断片が、配列番号:(2)(i)各々193-195及び199-201;(2)(ii)各々61-63及び67-69;(2)(iii)各々73-75及び79-81;(2)(iv)各々73、74、218、及び79-81;(2)(v)各々73-75、79、80、及び221;(2)(vi)各々73-75、79、80、及び224;(2)(vii)各々73-75、79、80、及び227;(2)(viii)各々73、74、218、79、80、及び221;(2)(ix)各々73、74、218、79、80、及び224;(2)(x)各々73、74、218、79、80、及び227;(2)(xi)各々85-87及び91-93;(2)(xii)各々97-99及び103-105;(2)(xiii)各々109-111及び115-117;(2)(xiv)各々121-123及び127-129;(2)(xv)各々133-135及び139-141;(2)(xvi)各々133、134、230及び139-141;(2)(xvii)各々133-135、139、141、及び233;(2)(xviii)各々133-135、139、141、及び236;(2)(xix)各々133-135、139、141、及び239;(2)(xx)各々133、134、184、139、141、及び233;(2)(xxi)各々133、134、230、139、141、及び236;(2)(xxii)各々133、134、230、139、141、及び239;(2)(xxiii)各々145-147及び151-153;(2)(xxiv)各々157-159及び163-165;(2)(xxv)各々169-171及び175-177;(2)(xxvi)各々181-183及び187-189;(2)(xxvii)各々49-51及び55-57;(2)(xxviii)各々205-207及び211-213;又は、(2)(xxix)各々264-266及び267-269:のCDRH1、CDRH2、CDRH3、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3アミノ酸配列を含む、請求項1及び10-13のいずれか一項記載の組合せ、請求項2及び10-13のいずれか一項記載の組成物、請求項3、4、10、11、12又は13記載の使用に関する組合せ又は組成物、請求項5、6、10、11、12又は13記載の使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、請求項7-13のいずれか一項記載の方法。
  15. (1)前記抗-HA抗体又は抗原-結合断片が、配列番号:(1)(i)各々274-279;(1)(ii)各々3、29、5及び9-11;(1)(iii)各々32、4、5及び9-11;(1)(iv)各々3、35、5及び9-11;(1)(v)各々32、35、5、及び9-11;(1)(vi)各々15-17及び21-23;(1)(vii)各々15、42、17及び21-23;又は、(1)(viii)各々3-5及び9-11:のCDRH1、CDRH2、CDRH3、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3アミノ酸配列を含み;
    並びに/又は
    (2)該抗-NA抗体又は抗原-結合断片が、配列番号:(2)(i)各々193-195及び199-201;(2)(ii)各々73、74、218、及び79-81;(2)(iii)各々73-75、79、80、及び221;(2)(iv)各々73-75、79、80、及び224;(2)(v)各々73-75、79、80、及び227;(2)(vi)各々73、74、218、79、80、及び221;(2)(vii)各々73、74、218、79、80、及び224;(2)(viii)各々73、74、218、79、80、及び227;(2)(ix)各々133-135及び139-141;(2)(x)各々133、134、230及び139-141;(2)(xi)各々133-135、139、141、及び233;(2)(xii)各々133-135、139、141、及び236;(2)(xiii)各々133-135、139、141、及び239;(2)(xiv)各々133、134、184、139、141、及び233;(2)(xv)各々133、134、184、139、141、及び236;(2)(xvi)各々133、134、184、139、141、及び239;(2)(xvii)各々264-266及び267-296;又は、(2)(xviii)各々73-75及び79-81:のCDRH1、CDRH2、CDRH3、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3アミノ酸配列を含む、請求項13又は14記載の組合せ、請求項13又は14記載の組成物、請求項13又は14記載の使用に関する組合せ又は組成物、請求項13又は14記載の使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、請求項13又は14記載の方法。
  16. (i)グループ1 IAV NAが、N1、N4、N5、及び/もしくはN8を含み;並びに/又は(ii)グループ2 IAV NAが、N2、N3、N6、N7、及び/もしくはN9を含む、請求項1及び10-15のいずれか一項記載の組合せ、請求項2及び10-15のいずれか一項記載の組成物、請求項3、4、及び10-15のいずれか一項記載の使用に関する組合せ又は組成物、請求項5、6、及び10-15のいずれか一項記載の使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、請求項7-15のいずれか一項記載の方法。
  17. (i)前記N1が、A/California/07/2009、A/California/07/2009 I23R/H275Y、A/Swine/Jiangsu/J004/2018、A/Stockholm/18/2007、A/Brisbane/02/2018、A/Michigan/45/2015、A/Mississippi/3/2001、A/Netherlands/603/2009、A/Netherlands/602/2009、 A/Vietnam/1203/2004、A/G4/SW/Shangdong/1207/2016、A/G4/SW/Henan/SN13/2018、及びA/New Jersey/8/1976の1又は複数のいずれか由来のN1であり;
    (ii)N4が、A/mallard duck/Netherlands/30/2011由来であり;
    (iii)N5が、A/aquatic bird/Korea/CN5/2009由来であり;
    (iv)N8が、A/harbor seal/New Hampshire/179629/2011由来であり;
    (v)N2が、A/Washington/01/2007、A/HongKong/68、A/South Australia/34/2019、A/Switzerland/8060/2017、A/Singapore/INFIMH-16-0019/2016、A/Switzerland/9715293/2013、A/Leningrad/134/17/57、A/Florida/4/2006、A/Netherlands/823/1992、A/Norway/466/2014、A/Switzerland/8060/2017、A/Texas/50/2012、A/Victoria/361/2011; A/HongKong/2671/2019、A/SW/Mexico/SG1444/2011、A/Tanzania/205/2010、A/Aichi/2/1968、A/Bilthoven/21793/1972、A/Netherlands/233/1982、A/Shanghai/11/1987、A/Nanchang/933/1995、A/Fukui/45/2004、and A/Brisbane/10/2007の1又は複数のいずれか由来のN2であり;
    (vi)N3が、A/Canada/rv504/2004由来であり;
    (v)N6が、A/swine/Ontario/01911/1/99由来であり;
    (vi)N7が、A/Netherlands/078/03由来であり;並びに/又は
    (vii)N9が、A/Anhui/2013及びA/Hong Kong/56/2015の1又は複数のいずれか由来のN9である、請求項16記載の組合せ、請求項16記載の組成物、請求項16記載の使用に関する組合せ又は組成物、請求項16記載の使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、請求項16記載の方法。
  18. 前記IBV NAが、B/Lee/10/1940 (Ancestral);B/Brisbane/60/2008 (Victoria);B/Malaysia/2506/2004 (Victoria);B/Malaysia/3120318925/2013 (Yamagata);B/Wisconsin/1/2010 (Yamagata);B/Yamanashi/166/1998 (Yamagata);B/Brisbane/33/2008;B/Colorado/06/2017;B/Hubei-wujiang/158/2009;B/Massachusetts/02/2012;B/Netherlands/234/2011;B/Perth/211/2001;B/Texas/06/2011 (Yamagata);B/Perth/211/2011;B/HongKong/05/1972;B/Phuket/3073/2013;B/Harbin/7/1994 (Victoria);及び、B/Washington/02/2019 (Victoria)の1又は複数のいずれか由来のNAである、請求項1及び10-17のいずれか一項記載の組合せ、請求項2及び10-17のいずれか一項記載の組成物、請求項3、4、及び10-17のいずれか一項記載の使用に関する組合せ又は組成物、請求項5、6、及び10-17のいずれか一項記載の使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、請求項7-17のいずれか一項記載の方法。
  19. 前記NAが、N1、N2、及び/又はN9である、請求項1及び10-18のいずれか一項記載の組合せ、請求項2及び10-18のいずれか一項記載の組成物、請求項3、4、及び10-18のいずれか一項記載の使用に関する組合せ又は組成物、請求項5、6、及び10-18のいずれか一項記載の使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、請求項7-18のいずれか一項記載の方法。
  20. 前記抗-NA抗体又は抗原-結合断片が:
    (1)(i)以下のアミノ酸(N1 NA番号付け)の1又は複数のいずれかを含む、NAエピトープ:R368、R293、E228、E344、S247、D198、D151、R118;及び/もしくは、(ii)以下のアミノ酸(N2 NA番号付け)の1又は複数のいずれかを含む、NAエピトープ:R371、R292、E227、E344、S247、D198、D151、R118;
    並びに/又は
    (2)(i)アミノ酸R368、R293、E228、D151、及びR118(N1 NA番号付け)を含むNAエピトープ;及び/もしくは、(ii)アミノ酸R371、R292、E227、D151、及びR118(N2 NA番号付け)を含むNAエピトープ;
    並びに/又は
    (3)NA活性部位内に構成されるか又はこれを含むエピトープであって、ここで任意に、NA活性部位は、以下のアミノ酸(N2番号付け)を含むもの:R118、D151、R152、R224、E276、R292、R371、Y406、E119、R156、W178、S179、D/N198、I222、E227、H274、E277、D293、E425;
    並びに/又は
    (4)(i)以下のアミノ酸の1又は複数のいずれか:R116、D149、E226、R292、及びR374;又は、(ii)アミノ酸R116、D149、E226、R292、及びR374:を含む、IBV NAエピトープ:に結合することが可能である、請求項1及び10-19のいずれか一項記載の組合せ、請求項2及び10-19のいずれか一項記載の組成物、請求項3、4、及び10-19のいずれか一項記載の使用に関する組合せ又は組成物、請求項5、6、及び10-19のいずれか一項記載の使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、請求項7-19のいずれか一項記載の方法。
  21. 前記抗-NA抗体又は抗原結合断片が:
    (1)以下のNAアミノ酸(N2番号付け)の1又は複数のいずれかを更に含む、エピトープ;E344、E227、S247、及びD198;並びに/又は
    (2)S245Nアミノ酸変異及び/もしくはE221Dアミノ酸変異を含むNA:へ結合することが可能である、請求項20記載の組合せ、請求項20記載の組成物、請求項20記載の使用に関する組合せ又は組成物、請求項20記載の使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、請求項20記載の方法。
  22. 前記抗-NA抗体又は抗原-結合断片が、S245Nアミノ酸変異及び/もしくはE221Dアミノ酸変異を含むNAへ結合することが可能である、請求項1及び10-21のいずれか一項記載の組合せ、請求項2及び10-21のいずれか一項記載の組成物、請求項3、4、及び10-21のいずれか一項記載の使用に関する組合せ又は組成物、請求項5、6、及び10-21のいずれか一項記載の使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、請求項7-21のいずれか一項記載の方法。
  23. (i)前記グループ1 IAV NAが、H1N1及び/もしくはH5N1を含み;
    (ii)グループ2 IAV NAが、H3N2及び/もしくはH7N9を含み;並びに/又は
    (iii)IBV NAが、B/Lee/10/1940 (Ancestral);B/HongKong/05/1972;B/Taiwan/2/1962 (Ancestral);B/Brisbane/33/2008 (Victoria);B/Brisbane/60/2008 (Victoria);B/Malaysia/2506/2004 (Victoria);B/New York/1056/2003 (Victoria);B/Florida/4/2006(Yamagata);B/Jiangsu/10/2003 (Yamagata);B/Texas/06/2011 (Yamagata);B/Perth/211/2011;B/Harbin/7/1994 (Victoria);B/Colorado/06/2017 (Victoria);B/Washington/02/2019 (Victoria);B/Perth/211/2001 (Yamagata);B/Hubei-wujiagang/158/2009 (Yamagata);B/Wisconsin/01/2010 (Yamagata);B/Massachusetts/02/2012 (Yamagata);及びB/Phuket/3073/2013 (Yamagata):の1又は複数を含む、請求項1及び10-22のいずれか一項記載の組合せ、請求項2及び10-22のいずれか一項記載の組成物、請求項3、4、及び10-22のいずれか一項記載の使用に関する組合せ又は組成物、請求項5、6、及び10-22のいずれか一項記載の使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、請求項7-22のいずれか一項記載の方法。
  24. 前記抗-HA抗体又は抗原-結合断片が、以下のIAV亜型:H1、H2、H3、H4、H5、H8、H9、H10、H11、H12、H13、H14、H15、H17、及びH18の1又は複数のいずれかへ結合することが可能である、請求項1及び10-23のいずれか一項記載の組合せ、請求項2及び10-23のいずれか一項記載の組成物、請求項3、4、及び10-23のいずれか一項記載の使用に関する組合せ又は組成物、請求項5、6、及び10-23のいずれか一項記載の使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、請求項7-23のいずれか一項記載の方法。
  25. 前記抗-HA抗体又は抗原-結合断片が:
    (i)任意に、H1N1 IAVが、A/California/07/2009、A/PR/8/34、及びA/Solomon Islands/3/06の1又は複数のいずれかを含む、H1N1 IAV;並びに
    (ii)任意に、H3N2 IAVが、A/Aichi/2/68、A/Brisbane/10/07、及びA/Hong Kong/68の1又は複数のいずれかを含む、H3N2 IAV;
    (i)任意に、グループ1 IAVが、H5 IAVを含むかもしくはこれであり、ここで更に任意に、H5 IAVが、H5/VN/11/94 ppを含むかもしくはこれである、グループ1 IAV;並びに
    (ii)任意に、グループ2 IAVが、H7 IAVを含むかもしくはこれであり、ここで更に任意に、H7 IAVが、H7/IT/99 ppを含むかもしくはこれである、グループ2 IAV:により、感染を中和することが可能であり、
    ここで任意に、感染の中和は、IAVによりシュードタイプ化されたウイルスを用いて決定される、請求項1及び10-24のいずれか一項記載の組合せ、請求項2及び10-24のいずれか一項記載の組成物、請求項3、4、及び10-24のいずれか一項記載の使用に関する組合せ又は組成物、請求項5、6、及び10-24のいずれか一項記載の使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、請求項7-24のいずれか一項記載の方法。
  26. 前記抗-HA抗体又は抗原-結合断片が、(i)-(iv)の1又は複数:
    (i)任意に、A/England/195/2009;A/Brisbane/59/2007;A/Solomon Islands/3/2006;A/New Caledonia/20/99;A/Texas/36/1991;A/Taiwan/01/1986;A/New Jersey/8/1976;A/Albany/12/1951;A/Fort Monmouth/1/1947;A/New York/1/1918;A/Puerto Rico/8/34;及び、A/California/07/2009の1又は複数のいずれかを含む、H1 HA;
    (ii)任意に、A/Japan/305/1957を含む、H2 HA;
    (iii)任意に、A/Vietnam/1194/2004を含む、H5 HA;並びに
    (iv)任意に、A/Hong Kong/1073/99を含む、H9 HA:へ結合することが可能である、請求項1及び10-25のいずれか一項記載の組合せ、請求項2及び10-25のいずれか一項記載の組成物、請求項3、4、及び10-25のいずれか一項記載の使用に関する組合せ又は組成物、請求項5、6、及び10-25のいずれか一項記載の使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、請求項7-25のいずれか一項記載の方法。
  27. 前記抗-HA抗体又は抗原-結合断片、抗-NA抗体又は抗原-結合断片、もしくは両方が、ヒトFcγRIIIa(任意にF158アレル)を活性化することが可能である、請求項1及び10-26のいずれか一項記載の組合せ、請求項2及び10-26のいずれか一項記載の組成物、請求項3、4、及び10-26のいずれか一項記載の使用に関する組合せ又は組成物、請求項5、6、及び10-26のいずれか一項記載の使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、請求項7-26のいずれか一項記載の方法。
  28. 活性化が、(i)ヒトFcγRIIIa(任意にF158アレル);及び、(ii)ルシフェラーゼレポーターなどのレポーターをコードしている配列へ機能的に連結されたNFAT発現制御配列:を含む、宿主細胞(任意にJurkat細胞)を使用し、引き続き抗体又は抗原-結合断片を、IAV及び/もしくはIBVに感染した標的細胞(例えばA549細胞)とインキュベーション(例えば、23時間)し、決定される、請求項27記載の組合せ、請求項27記載の組成物、請求項27記載の使用に関する組合せ又は組成物、請求項27記載の使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、請求項27記載の方法。
  29. 活性化が、抗体又は抗原-結合断片の、H1N1及び/又はH3N2 IAVに感染した標的細胞とのインキュベーション(任意に約23時間)後に決定され、ここで任意に、H1N1 IAVが、A/PR8/34であり、及び更に任意に感染多重度(MOI)の6を含み、並びに/又はここでH3N2 IAVは、A/Aichi/68であり、及び更に任意にMOIの18を含む、請求項27又は28記載の組合せ、請求項27又は28記載の組成物、請求項27又は28記載の使用に関する組合せ又は組成物、請求項27又は28記載の使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、請求項27又は28記載の方法。
  30. 前記IAV及び/又はIBVが、抗ウイルス薬-抵抗性であり、ここで任意に、抗ウイルス薬が、オセルタミビルである、請求項1及び10-29のいずれか一項記載の組合せ、請求項2及び10-29のいずれか一項記載の組成物、請求項3、4、及び10-29のいずれか一項記載の使用に関する組合せ又は組成物、請求項5、6、及び10-29のいずれか一項記載の使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、請求項7-29のいずれか一項記載の方法。
  31. 前記IAVが、アミノ酸変異(複数可):H275Y;E119D+H275Y;S247N+H275Y;I222V;及び/又は、N294Sを含むN1 NAを含み、ここで任意に、このIAVは、CA09又はA/Aichiを含む、請求項1及び10-30のいずれか一項記載の組合せ、請求項2及び10-30のいずれか一項記載の組成物、請求項3、4、及び10-30のいずれか一項記載の使用に関する組合せ又は組成物、請求項5、6、及び10-30のいずれか一項記載の使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、請求項7-30のいずれか一項記載の方法。
  32. 前記IAVが、アミノ酸変異(複数可)E119V、Q136K、及び/又はR292Kを含むN2 NAを含む、請求項1及び10-31のいずれか一項記載の組合せ、請求項2及び10-31のいずれか一項記載の組成物、請求項3、4、及び10-31のいずれか一項記載の使用に関する組合せ又は組成物、請求項5、6、及び10-32のいずれか一項記載の使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、請求項7-31のいずれか一項記載の方法。
  33. 前記抗-HA抗体又は抗原-結合断片、抗-NA抗体又は抗原結合断片、もしくは両方が、該抗体又は抗原-結合断片の有効量の投与後、任意に(i)最大15日間、又は(ii)15日間より長く、IAV及び/又はIBVに感染した対象における体重減少を防止することが可能である、請求項1及び10-32のいずれか一項記載の組合せ、請求項2及び10-32のいずれか一項記載の組成物、請求項3、4、及び10-32のいずれか一項記載の使用に関する組合せ又は組成物、請求項5、6、及び10-32のいずれか一項記載の使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、請求項7-32のいずれか一項記載の方法。
  34. 前記抗-HA抗体又は抗原-結合断片、抗-NA抗体又は抗原結合断片、もしくは両方が、IAV及び/又はIBV感染直前の対象の体重を参照し決定した、IAV感染症及び/又はIBV感染症を有する対象における25%、20%、15%、10%、もしくは5%より大きい体重減少を防止することが可能である、請求項1及び10-33のいずれか一項記載の組合せ、請求項2及び10-33のいずれか一項記載の組成物、請求項3、4、及び10-33のいずれか一項記載の使用に関する組合せ又は組成物、請求項5、6、及び10-33のいずれか一項記載の使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、請求項7-33のいずれか一項記載の方法。
  35. 前記抗-HA抗体又は抗原-結合断片、抗-NA抗体又は抗原結合断片、もしくは両方が、IAV感染症及び/又はIBV感染症を有する対象の生存を延長することが可能である、請求項1及び10-34のいずれか一項記載の組合せ、請求項2及び10-34のいずれか一項記載の組成物、請求項3、4、及び10-34のいずれか一項記載の使用に関する組合せ又は組成物、請求項5、6、及び10-34のいずれか一項記載の使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、請求項7-34のいずれか一項記載の方法。
  36. 前記抗-HA抗体又は抗原-結合断片、抗-NA抗体又は抗原結合断片、もしくは両方が、IgG、IgA、IgM、IgE、又はIgDアイソタイプである、請求項1及び10-35のいずれか一項記載の組合せ、請求項2及び10-35のいずれか一項記載の組成物、請求項3、4、及び10-35のいずれか一項記載の使用に関する組合せ又は組成物、請求項5、6、及び10-35のいずれか一項記載の使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、請求項7-35のいずれか一項記載の方法。
  37. 前記抗-HA抗体又は抗原-結合断片、抗-NA抗体又は抗原結合断片、もしくは両方が、IgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4から選択されるIgGアイソタイプである、請求項1及び10-36のいずれか一項記載の組合せ、請求項2及び10-36のいずれか一項記載の組成物、請求項3、4、及び10-36のいずれか一項記載の使用に関する組合せ又は組成物、請求項5、6、及び10-36のいずれか一項記載の使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、請求項7-36のいずれか一項記載の方法。
  38. 前記抗-HA抗体又は抗原-結合断片、抗-NA抗体又は抗原結合断片、もしくは両方が、ヒト抗体、モノクローナル抗体、精製された抗体、単鎖抗体、Fab、Fab’、F(ab’)2、又はFvを単数又は複数含む、請求項1及び10-37のいずれか一項記載の組合せ、請求項2及び10-37のいずれか一項記載の組成物、請求項3、4、及び10-37のいずれか一項記載の使用に関する組合せ又は組成物、請求項5、6、及び10-37のいずれか一項記載の使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、請求項7-37のいずれか一項記載の方法。
  39. 前記抗-HA抗体又は抗原-結合断片、抗-NA抗体又は抗原結合断片、もしくは両方が、多重-特異性抗体又は抗原-結合断片であり、ここで任意に、多重-特異性抗体又は抗原-結合断片が、二重特異性抗体又は抗原-結合断片を含む、請求項1及び10-38のいずれか一項記載の組合せ、請求項2及び10-38のいずれか一項記載の組成物、請求項3、4、及び10-38のいずれか一項記載の使用に関する組合せ又は組成物、請求項5、6、及び10-38のいずれか一項記載の使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、請求項7-38のいずれか一項記載の方法。
  40. 前記抗-HA抗体又は抗原-結合断片、抗-NA抗体又は抗原結合断片、もしくは両方が、Fcポリペプチド又はその断片を含む、請求項1及び10-39のいずれか一項記載の組合せ、請求項2及び10-39のいずれか一項記載の組成物、請求項3、4、及び10-39のいずれか一項記載の使用に関する組合せ又は組成物、請求項5、6、及び10-39のいずれか一項記載の使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、請求項7-39のいずれか一項記載の方法。
  41. 前記Fcポリペプチド又はその断片が:
    (i)ヒトFcRnへの結合親和性(例えば、表面プラズモン共鳴(SPR)(例えば、Biacore、例えば、T200装置、製造業者のプロトコールを使用)を使用し測定される)を、この変異を含まない参照Fcポリペプチドと比べて、増大する変異;並びに/又は
    (ii)ヒトFcγRへの結合親和性(例えば、表面プラズモン共鳴(SPR)(例えば、Biacore、例えば、T200装置、製造業者のプロトコールを使用)を使用し測定される)を、この変異を含まない参照Fcポリペプチドと比べて、増大する変異:を含む、請求項40記載の組合せ、請求項40記載の組成物、請求項40記載の使用に関する組合せ又は組成物、請求項40記載の使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、請求項40記載の方法。
  42. 前述のヒトFcRnへの結合親和性を増大する変異が:M428L;N434S;N434H;N434A;N434S;M252Y;S254T;T256E;T250Q;P257I;Q311I;D376V;T307A;E380A;又はそれらの任意の組合せ:を含む、請求項41記載の組合せ、請求項41記載の組成物、請求項41記載の使用に関する組合せ又は組成物、請求項41記載の使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、請求項41記載の方法。
  43. 前述のヒトFcRnへの結合親和性を増大する変異が:
    (i)M428L/N434S;
    (ii)M252Y/S254T/T256E;
    (iii)T250Q/M428L;
    (iv)P257I/Q311I;
    (v)P257I/N434H;
    (vi)D376V/N434H;
    (vii)T307A/E380A/N434A;又は
    (viii)(i)-(vii)の任意の組合せ:を含む、請求項41又は42記載の組合せ、請求項41又は42記載の組成物、請求項41又は42記載の使用に関する組合せ又は組成物、請求項41又は42記載の使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、請求項41又は42記載の方法。
  44. 前述のヒトFcRnへの結合親和性を増大する変異が、M428L/N434Sを含む、請求項41-43のいずれか一項記載の組合せ、請求項41-43のいずれか一項記載の組成物、請求項41-43のいずれか一項記載の使用に関する組合せ又は組成物、請求項41-43のいずれか一項記載の使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、請求項41-43のいずれか一項記載の方法。
  45. 前述のFcγRへの結合を増強する変異が、S239D;I332E;A330L;G236A;又はそれらの任意の組合せ:を含む、請求項41-44のいずれか一項記載の組合せ、請求項41-44のいずれか一項記載の組成物、請求項41-44のいずれか一項記載の使用に関する組合せ又は組成物、請求項41-44のいずれか一項記載の使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、請求項41-44のいずれか一項記載の方法。
  46. 前述のFcγRへの結合を増強する変異が:
    (i)S239D/I332E;
    (ii)S239D/A330L/I332E;
    (iii)G236A/S239D/I332E;又は
    (iv)G236A/A330L/I332E、ここでFcポリペプチド又はその断片が、任意に239位にSerを含むもの:を含む、請求項41-45のいずれか一項記載の組合せ、請求項41-45のいずれか一項記載の組成物、請求項41-45のいずれか一項記載の使用に関する組合せ又は組成物、請求項41-45のいずれか一項記載の使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、請求項41-45のいずれか一項記載の方法。
  47. 前記抗-HA抗体又は抗原-結合断片、抗-NA抗体又は抗原結合断片、もしくは両方が、グリコシル化を変更する変異を含み、ここでグリコシル化を変更する変異は、N297A、N297Q、もしくはN297Gを含み、及び/又はこれは脱グリコシル化されるか及び/又は脱フコシル化される、請求項1及び10-46のいずれか一項記載の組合せ、請求項2及び10-46のいずれか一項記載の組成物、請求項3、4、及び10-46のいずれか一項記載の使用に関する組合せ又は組成物、請求項5、6、及び10-46のいずれか一項記載の使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、請求項7-46のいずれか一項記載の方法。
  48. 前記治療及び/又は防御が、曝露後予防を含む、請求項1及び10-47のいずれか一項記載の組合せ、請求項2及び10-47のいずれか一項記載の組成物、請求項3、4、及び10-47のいずれか一項記載の使用に関する組合せ又は組成物、請求項5、6、及び10-47のいずれか一項記載の使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、請求項7-47のいずれか一項記載の方法。
  49. 対象は、抗ウイルス薬を受け取った、受け取っている、又は受け取る予定であり、ここで任意に、抗ウイルス薬が、ノイラミニダーゼ阻害剤、インフルエンザポリメラーゼ阻害剤、又は両方を含む、請求項1及び10-48のいずれか一項記載の組合せ、請求項2及び10-48のいずれか一項記載の組成物、請求項3、4、及び10-48のいずれか一項記載の使用に関する組合せ又は組成物、請求項5、6、及び10-48のいずれか一項記載の使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、請求項7-48のいずれか一項記載の方法。
  50. 前記抗体又は抗原-結合断片が:
    (i)配列番号:252に示されたアミノ酸配列を含むか又はこれからなるCH1-CH3;
    (ii)配列番号:253に示されたアミノ酸配列を含むか又はこれからなるCH1-CH3;
    (iii)配列番号:254に示されたアミノ酸配列を含むか又はこれからなるCL;又は
    (iv)(i)-(iii)の任意の組合せ:を含む、請求項1及び10-49のいずれか一項記載の組合せ、請求項2及び10-49のいずれか一項記載の組成物、請求項3、4、及び10-49のいずれか一項記載の使用に関する組合せ又は組成物、請求項5、6、及び10-49のいずれか一項記載の使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、請求項7-49のいずれか一項記載の方法。
  51. 前記抗-NA抗体又は抗原-結合断片が:
    (1)配列番号:255に示されたアミノ酸配列を含むか又はこれからなる重鎖;及び
    (2)配列番号:257に示されたアミノ酸配列を含むか又はこれからなる軽鎖:を含み、並びに/又は
    ここで該抗-HA抗体又は抗原-結合断片が:
    (1)配列番号:270もしくは272に示されたアミノ酸配列を含むか又はこれからなる重鎖;及び
    (2)配列番号:271もしくは273に示されたアミノ酸配列を含むか又はこれからなる軽鎖:を含む、請求項1及び10-50のいずれか一項記載の組合せ、請求項2及び10-50のいずれか一項記載の組成物、請求項3、4、及び10-50のいずれか一項記載の使用に関する組合せ又は組成物、請求項5、6、及び10-50のいずれか一項記載の使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、請求項7-50のいずれか一項記載の方法。
  52. 前記抗-NA抗体又は抗原-結合断片が:
    (1)配列番号:256に示されたアミノ酸配列を含むか又はこれからなる重鎖;及び
    (2)配列番号:257に示されたアミノ酸配列を含むか又はこれからなる軽鎖:を含み、並びに/又は
    ここで該抗-HA抗体又は抗原-結合断片が:
    (1)配列番号:270もしくは272に示されたアミノ酸配列を含むか又はこれからなる重鎖;及び
    (2)配列番号:271もしくは273に示されたアミノ酸配列を含むか又はこれからなる軽鎖:を含む、請求項1及び10-50のいずれか一項記載の組合せ、請求項2及び10-51のいずれか一項記載の組成物、請求項3、4、及び10-51のいずれか一項記載の使用に関する組合せ又は組成物、請求項5、6、及び10-51のいずれか一項記載の使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、請求項7-51のいずれか一項記載の方法。
  53. 前記抗-NA抗体又は抗原-結合断片が:
    (1)各々配列番号:255に示されたアミノ酸配列を含むか又はこれからなる2本の重鎖;及び
    (2)各々配列番号:257に示されたアミノ酸配列を含むか又はこれからなる2本の軽鎖:を含み、並びに/又は
    ここで該抗-HA抗体又は抗原-結合断片が:
    (1)各々配列番号:270もしくは272に示されたアミノ酸配列を含むか又はこれからなる2本の重鎖;及び
    (2)各々配列番号:271もしくは273に示されたアミノ酸配列を含むか又はこれからなる2本の軽鎖:を含む、請求項1及び10-51のいずれか一項記載の組合せ、請求項2及び10-51のいずれか一項記載の組成物、請求項3、4、及び10-51のいずれか一項記載の使用に関する組合せ又は組成物、請求項5、6、及び10-51のいずれか一項記載の使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、請求項7-51のいずれか一項記載の方法。
  54. 前記抗-NA抗体又は抗原-結合断片が:
    (1)各々配列番号:256に示されたアミノ酸配列を含むか又はこれからなる2本の重鎖;及び
    (2)各々配列番号:257に示されたアミノ酸配列を含むか又はこれからなる2本の軽鎖:を含み、並びに/又は
    ここで該抗-HA抗体又は抗原-結合断片が:
    (1)各々配列番号:270もしくは272に示されたアミノ酸配列を含むか又はこれからなる2本の重鎖;及び
    (2)各々配列番号:271もしくは273に示されたアミノ酸配列を含むか又はこれからなる2本の軽鎖:を含む、請求項1及び10-50のいずれか一項記載の組合せ、請求項2及び10及び52のいずれか一項記載の組成物、請求項3、4、及び10-50及び52のいずれか一項記載の使用に関する組合せ又は組成物、請求項5、6、及び10-50及び52のいずれか一項記載の使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、請求項7-50及び52のいずれか一項記載の方法。
  55. 前記抗ウイルス薬が、オセルタミビル、ザナミビル、ラニナミビル(lanimivir)、ペラミビル、バロキサビル、又はそれらの任意の組合せを含む、請求項50-54のいずれか一項記載の組合せ、請求項50-54のいずれか一項記載の組成物、請求項50-54のいずれか一項記載の使用に関する組合せ又は組成物、請求項50-54のいずれか一項記載の使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、請求項50-54のいずれか一項記載の方法。
  56. (i)前記IAVが、グループ1 IAV、グループ2 IAV、もしくは両方を含み、ここで任意に、グループ1 IAV NAが、N1、N4、N5、及び/もしくはN8を含み;並びに/又はグループ2 IAV NAが、N2、N3、N6、N7、及び/もしくはN9を含み、ここで更に任意に、N1が、A/California/07/2009由来、A/California/07/2009 I23R/H275Y由来、A/Swine/Jiangsu/J004/2018由来、A/Stockholm/18/2007由来、A/Brisbane/02/2018由来、A/Michigan/45/2015由来、A/Mississippi/3/2001由来、A/Netherlands/603/2009由来、A/Netherlands/602/2009由来、A/Vietnam/1203/2004由来、A/G4/SW/Shangdong/1207/2016由来、A/G4/SW/Henan/SN13/2018由来、及び/又はA/New Jersey/8/1976由来であり;N4が、A/mallard duck/Netherlands/30/2011由来であり;N5が、A/aquatic bird/Korea/CN5/2009由来であり;N8が、A/harbor seal/New Hampshire/179629/2011由来であり;N2が、A/Washington/01/2007由来、A/HongKong/68由来、A/HongKong/2671/2019由来、A/South Austrailia/34/2019由来、A/Switzerland/8060/2017由来、A/Singapore/INFIMH-16-0019/2016由来、A/Switzerland/9715293/2013由来、A/Leningrad/134/17/57由来、A/Florida/4/2006由来、A/Netherlands/823/1992由来、A/Norway/466/2014由来、A/Texas/50/2012由来、A/Victoria/361/2011由来、A/SW/Mexico/SG1444/2011由来、A/Aichi/2/1968由来、A/Bilthoven/21793/1972由来、A/Netherlands/233/1982由来、A/Shanghai/11/1987由来、A/Nanchang/933/1995由来、A/Fukui/45/2004、A/Brisbane/10/2007由来、A/Tanzania/205/2010由来であり;N3が、A/Canada/rv504/2004由来であり;N6が、A/swine/Ontario/01911/1/99由来であり;N7が、A/Netherlands/078/03由来であり;及び/又は、N9が、A/Anhui/2013由来、A/Hong Kong/56/2015由来であるか、並びに/又は
    (ii)該IBV NAが:B/Lee/10/1940 (Ancestral);B/Brisbane/60/2008 (Victoria);B/Malaysia/2506/2004 (Victoria);B/Malaysia/3120318925/2013 (Yamagata);B/Wisconsin/1/2010 (Yamagata);B/Yamanashi/166/1998 (Yamagata);B/Brisbane/33/2008 (Victoria);B/Colorado/06/2017 (Victoria);B/Hubei-wujiang/158/2009 (Yamagata);B/Massachusetts/02/2012 (Yamagata);B/Netherlands/234/2011;B/Perth/211/2001 (Yamagata);B/Phuket/3073/2013 (Yamagata);B/Texas/06/2011 (Yamagata);B/HongKong/05/1972;B/Harbin/7/1994 (Victoria);B/Washington/02/2019 (Victoria);B/Perth/211/2011;もしくはそれらの任意の組合せ由来である、請求項1及び10-55のいずれか一項記載の組合せ、請求項2及び10-55のいずれか一項記載の組成物、請求項3、4、及び10-55のいずれか一項記載の使用に関する組合せ又は組成物、請求項5、6、及び10-55のいずれか一項記載の使用に関する抗体又は抗原-結合断片又はポリヌクレオチド、或いは、請求項7-55のいずれか一項記載の方法。
  57. (i)インフルエンザA型ウイルス(IAV)ヘマグルチニン(HA)へ結合することが可能である抗原-結合ドメイン;及び
    (ii)2(i)IAVが、グループ1 IAV、グループ2 IAV、もしくは両方を含む、IAV;並びに、2(ii)インフルエンザB型ウイルス(IBV):に由来する、ノイラミニダーゼ(NA)へ結合することが可能である抗原-結合ドメイン:を含む、多重特異性抗体又はその抗原結合断片。
  58. 二重可変ドメイン免疫グロブリン(DVD-Ig)フォーマットを含む、請求項57記載の多重特異性抗体又は抗原-結合断片。
  59. インサート-イン-エルボー-Ig(IEI-Ig)フォーマットを含む、請求項57又は58記載の多重特異性抗体又は抗原-結合断片。
  60. (1)前記抗-HA抗原-結合ドメインが、配列番号:(1)(i)各々274-279;(1)(ii)各々3、29、5及び9-11;(1)(iii)各々32、4、5及び9-11;(1)(iv)各々3、35、5及び9-11;(1)(v)各々32、35、5、及び9-11;(1)(vi)各々15-17及び21-23;(1)(vii)各々15、42、17及び21-23;(1)(vii)各々3-5及び9-11の、CDRH1、CDRH2、CDRH3、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3アミノ酸配列、或いは各々配列番号:43及び44の可変ドメインアミノ酸配列に示されたようなものを含み;
    並びに/又は
    (2)該抗-NA抗原-結合ドメインが、配列番号:(2)(i)各々193-195及び199-201;(2)(ii)各々61-63及び67-69;(2)(iii)各々73-75及び79-81;(2)(iv)各々73、74、218、及び79-81;(2)(v)各々73-75、79、80、及び221;(2)(vi)各々73-75、79、80、及び224;(2)(vii)各々73-75、79、80、及び227;(2)(viii)各々73、74、218、79、80、及び221;(2)(ix)各々73、74、218、79、80、及び224;(2)(x)各々73、74、218、79、80、及び227;(2)(xi)各々85-87及び91-93;(2)(xii)各々97-99及び103-105;(2)(xiii)各々109-111及び115-117;(2)(xiv)各々121-123及び127-129;(2)(xv)各々133-135及び139-141;(2)(xvi)各々133、134、230及び139-141;(2)(xvii)各々133-135、139、141、及び233;(2)(xviii)各々133-135、139、141、及び236;(2)(xix)各々133-135、139、141、及び239;(2)(xx)各々133、134、184、139、141、及び233;(2)(xxi)各々133、134、184、139、141、及び236;(2)(xxii)各々133、134、184、139、141、及び239;(2)(xxiii)各々145-147及び151-153;(2)(xxiv)各々157-159及び163-165;(2)(xxv)各々169-171及び175-177;(2)(xxvi)各々181-183及び187-189;(2)(xxvii)各々49-51及び55-57;(2)(xxviii)各々205-207及び211-213;又は、(2)(xxvix)各々264-266及び267-296の、CDRH1、CDRH2、CDRH3、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3アミノ酸配列を含む、請求項57-59のいずれか一項記載の多重特異性抗体。
  61. (1)前記抗-HA抗原-結合ドメインが、(1)(i)配列番号:43、2、26、28、31、34、37、14、39、及び41のいずれか一つに示されたアミノ酸配列に対し、少なくとも80%(例えば、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれよりも大きい)同一性を有するアミノ酸配列を含むか又はこれらからなるVHであって、ここで各々配列番号:43、2、26、28、31、34、37、14、39、又は41に関連する配列変動は、任意に1又は複数のフレームワーク領域内に構成されるか、及び/又は配列変動は、生殖細胞系列-コードされたアミノ酸に対する1又は複数の置換を含むもの;並びに/又は、(1)(ii)配列番号:44、8、及び20又は44のいずれか一つのアミノ酸配列に対し、少なくとも80%(例えば、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またアそれよりも大きい)同一性を有するアミノ酸配列を含むか又はこれからなるVLであって、ここで配列番号:44、8、又は20に関する配列変動は、各々、任意に1又は複数のフレームワーク領域内に構成されるか、及び/又は配列変動は、生殖細胞系列-コードされたアミノ酸に対する1又は複数の置換を含むもの:を含み;
    並びに/又は
    (2)該抗-NA抗原-結合ドメインが、(2)(i)配列番号:241、48、60、72、171、84、96、108、120、132、229、144、156、168、180、192、204、245、249、258、及び261に示されたアミノ酸配列に対し、少なくとも80%(例えば、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれよりも大きい)同一性を有するアミノ酸配列を含むか又はこれらからなるVHであって、ここで各々配列番号:241、48、60、72、171、84、96、108、120、132、229、144、156、168、180、192、204、245、及び249、258、及び261に関連する配列変動は、任意に1又は複数のフレームワーク領域内に構成されるか、及び/又は配列変動は、生殖細胞系列-コードされたアミノ酸に対する1又は複数の置換を含むもの;並びに/又は、(2)(ii)配列番号:243、54、66、78、90、102、114、126、138、150、162、174、186、198、220、223、226、232、235、238、210、247、251、259、及び263のいずれか一つのアミノ酸配列に対し、少なくとも80%(例えば、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれよりも大きい)同一性を有するアミノ酸配列を含むか又はこれからなるVLであって、ここで各々配列番号:243、54、66、78、90、102、114、126、138、150、162、174、186、198、220、223、226、232、235、238、210、247、251、259、及び263に関する配列変動は、任意に1又は複数のフレームワーク領域内に構成されるか、及び/又は配列変動は、生殖細胞系列-コードされたアミノ酸に対する1又は複数の置換を含むもの:を含む、請求項57-60のいずれか一項記載の多重特異性抗体又は抗原-結合断片。
  62. (1)前記抗-HA抗原-結合ドメインのVH及びVLが、配列番号:(1)(i)各々2及び8;(1)(ii)各々43及び44;(1)(iii)各々28及び8;(1)(iv)各々31及び8;(1)(v)各々34及び8;(1)(vi)各々37及び8;(1)(vii)各々14及び20;(1)(viii)各々39及び20;(1)(ix)各々41及び20;又は(1)(x)各々26及び8に従うアミノ酸配列を含むか又はこれからなり;並びに/又は
    (2)該抗-NA抗原-結合ドメインのVH及びVLが、配列番号:(2)(i)各々243及び243;(2)(ii)各々60及び66;(2)(iii)各々72及び78又は220又は223;(2)(vi)各々72及び226;(2)(vii)各々217及び78;(2)(viii)各々217及び220;(2)(ix)各々217及び223;(2)(x)各々217及び226;(2)(xi)各々84及び90;(2)(xii)各々96及び102;(2)(xiii)各々108及び114;(2)(xiv)各々120及び126;(2)(xv)各々132及び138;(2)(xvi)各々132及び232;(2)(xvii)各々132及び235;(2)(xviii)各々132及び238;(2)(xix)各々229及び138;(2)(xx)各々229及び232;(2)(xxi)各々229及び235;(2)(xxii)各々229及び238;(2)(xxiii)各々144及び150;(2)(xxiv)各々156及び162;(2)(xxv)各々168及び174;(2)(xxvi)各々180及び186;(2)(xxvii)各々192及び198;(2)(xxviii)各々204及び210;(2)(xxix)各々48及び54;(2)(xxx)各々245及び247;(2)(xxxi)各々249及び251;(2)(xxxii)各々258及び259;又は、(2)(xxxiii)各々261及び263に従うアミノ酸配列を含むか又はこれからなる、請求項57-61のいずれか一項記載の多重特異性抗体又は抗原-結合断片。
  63. (i)配列番号:252に示されたアミノ酸配列を含むか又はこれからなるCH1-CH3;
    (ii)配列番号:253に示されたアミノ酸配列を含むか又はこれからなるCH1-CH3;
    (iii)配列番号:254に示されたアミノ酸配列を含むか又はこれからなるCL;又は
    (iv)(i)-(iii)の任意の組合せ:を含む、請求項57-62のいずれか一項記載の多重特異性抗体又は抗原-結合断片。
  64. (1)配列番号:255に示されたアミノ酸配列を含むか又はこれからなる重鎖;及び
    (2)配列番号:257に示されたアミノ酸配列を含むか又はこれからなる軽鎖:を含む、請求項57-63のいずれか一項記載の多重特異性抗体又は抗原-結合断片。
  65. (1)配列番号:256に示されたアミノ酸配列を含むか又はこれからなる重鎖;及び
    (2)配列番号:257に示されたアミノ酸配列を含むか又はこれからなる軽鎖:を含む、請求項57-64のいずれか一項記載の多重特異性抗体又は抗原-結合断片。
  66. 請求項57-65のいずれか一項記載の多重特異性抗体又は抗原-結合断片をコードしている、単離されたポリヌクレオチド。
  67. 請求項66記載のポリヌクレオチドを含む、ベクター。
  68. 請求項66記載の単離されたポリヌクレオチド、及び/又は請求項67記載のベクターを含み、並びに/又は請求項57-65のいずれか一項記載の多重特異性抗体もしくは抗原-結合断片を発現する、組換え宿主細胞。
  69. 請求項57-65のいずれか一項記載の多重特異性抗体もしくは抗原-結合断片、請求項66記載のポリヌクレオチド、請求項67記載のベクター、及び/又は請求項68記載の宿主細胞、並びに医薬として許容し得る担体、賦形剤、又は希釈剤を含有する、組成物。
  70. 請求項57-65のいずれか一項記載の多重特異性抗体もしくは抗原-結合断片、請求項66記載のポリヌクレオチド、請求項67記載のベクター、請求項68記載の宿主細胞、及び/又は請求項69記載の組成物の有効量を、対象へ投与することを含む、対象においてインフルエンザA型感染症、インフルエンザB型感染症、又は両方を防御又は治療する方法。
  71. 対象において、インフルエンザA型感染症、インフルエンザB型感染症、又は両方を治療又は防御する方法において使用するための、請求項57-65のいずれか一項記載の多重特異性抗体もしくは抗原-結合断片、請求項66記載のポリヌクレオチド、請求項67記載のベクター、請求項68記載の宿主細胞、及び/又は請求項69記載の組成物。
  72. インフルエンザA型感染症及び/又はインフルエンザB型感染症の治療又は防御のための医薬品を製造する方法において使用するための、請求項57-65のいずれか一項記載の多重特異性抗体もしくは抗原-結合断片、請求項66記載のポリヌクレオチド、請求項67記載のベクター、請求項68記載の宿主細胞、及び/又は請求項69記載の組成物。
  73. 前記抗-HA抗体又は抗原-結合断片、抗-NA抗体又は抗原結合断片、又はその両方が、IAV及び/もしくはIBV感染の直前の対象の体重を参照して決定された、IAV感染症及び/又はIBV感染症を有する対象における、25%、20%、15%、10%、もしくは5%よりも多い体重減少を防止することが可能である、請求項57-65のいずれか一項記載の多重特異性抗体もしくは抗原-結合断片、請求項66記載のポリヌクレオチド、請求項67記載のベクター、請求項68記載の宿主細胞、請求項69記載の組成物、請求項70記載の方法、又は請求項71及び72のいずれか一項記載の使用に関する抗体もしくは抗原-結合断片。
  74. 前記抗-HA抗体又は抗原-結合断片、抗-NA抗体又は抗原結合断片、又はその両方が、IAV感染症及び/又はIBV感染症を有する対象の生存を延長することが可能である、請求項57-65のいずれか一項記載の多重特異性抗体もしくは抗原-結合断片、請求項66記載のポリヌクレオチド、請求項67記載のベクター、請求項68記載の宿主細胞、請求項69記載の組成物、請求項70記載の方法、又は請求項71-73のいずれか一項記載の使用に関する抗体もしくは抗原-結合断片。
  75. (1)配列番号:43に示されたVHアミノ酸配列及び配列番号:44に示されたVLアミノ酸配列を含む、抗-HA抗体又はその抗原-結合断片;並びに
    (2)配列番号:241に示されたVHアミノ酸配列及び配列番号:243に示されたVLアミノ酸配列を含む、抗-NA抗体又はその抗原-結合断片:を、対象へ投与することを含む、対象におけるインフルエンザ感染症を治療又は防御する方法。
  76. (1)配列番号:43に示されたVHアミノ酸配列及び配列番号:44に示されたVLアミノ酸配列を含む、抗-HA抗体又はその抗原-結合断片;並びに
    (2)配列番号:241に示されたVHアミノ酸配列及び配列番号:243に示されたVLアミノ酸配列を含む、抗-NA抗体又はその抗原-結合断片:をコードしているポリヌクレオチドを、対象へ投与することを含む、対象におけるインフルエンザ感染症を治療又は防御する方法。
  77. (1)配列番号:43に示されたVHアミノ酸配列及び配列番号:44に示されたVLアミノ酸配列を含む、抗-HA抗体又はその抗原-結合断片をコードしているポリヌクレオチド;並びに
    (2)配列番号:241に示されたVHアミノ酸配列及び配列番号:243に示されたVLアミノ酸配列を含む、抗-NA抗体又はその抗原-結合断片をコードしているポリヌクレオチド:を、対象へ投与することを含む、対象におけるインフルエンザ感染症を治療又は防御する方法。
  78. (1)各々配列番号:274-276に示されたCDRH1、CDRH2、及びCDRH3アミノ酸配列を含むVH、並びに各々配列番号:277-279に示されたCDRL1、CDRL2、及びCDRL3アミノ酸配列を含むVLを含む、抗-HA抗体又はその抗原-結合断片;並びに
    (2)各々配列番号:193-195に示されたCDRH1、CDRH2、及びCDRH3アミノ酸配列を含むVH、並びに各々配列番号:199-201に示されたCDRL1、CDRL2、及びCDRL3アミノ酸配列を含むVLを含む、抗-NA抗体又はその抗原-結合断片:を、対象へ投与することを含む、対象におけるインフルエンザ感染症を治療又は防御する方法。
  79. (1)各々配列番号:274-276に示されたCDRH1、CDRH2、及びCDRH3アミノ酸配列を含むVH、並びに各々配列番号:277-279に示されたCDRL1、CDRL2、及びCDRL3アミノ酸配列を含むVLを含む、抗-HA抗体又はその抗原-結合断片;並びに
    (2)各々配列番号:193-195に示されたCDRH1、CDRH2、及びCDRH3アミノ酸配列を含むVH、並びに各々配列番号:199-201に示されたCDRL1、CDRL2、及びCDRL3アミノ酸配列を含むVLを含む、抗-NA抗体又はその抗原-結合断片:をコードしているポリヌクレオチドを、対象へ投与することを含む、対象におけるインフルエンザ感染症を治療又は防御する方法。
  80. (1)各々配列番号:274-276に示されたCDRH1、CDRH2、及びCDRH3アミノ酸配列を含むVH、並びに各々配列番号:277-279に示されたCDRL1、CDRL2、及びCDRL3アミノ酸配列を含むVLを含む、抗-HA抗体又はその抗原-結合断片をコードしているポリヌクレオチド;
    並びに
    (2)各々配列番号:193-195に示されたCDRH1、CDRH2、及びCDRH3アミノ酸配列を含むVH、並びに各々配列番号:199-201に示されたCDRL1、CDRL2、及びCDRL3アミノ酸配列を含むVLを含む抗-NA抗体又はその抗原-結合断片をコードしているポリヌクレオチド:を、対象へ投与することを含む、対象におけるインフルエンザ感染症を治療又は防御する方法。
  81. 前述の(1)の抗体又は抗原-結合断片が、配列番号:270又は配列番号:272の重鎖アミノ酸配列及び配列番号:271の軽鎖(light)アミノ酸配列を含む、請求項75-80のいずれか一項記載の方法。
  82. 前述の(2)の抗体又は抗原-結合断片が、配列番号:255又は配列番号:256の重鎖アミノ酸配列及び配列番号:257の軽鎖アミノ酸配列を含む、請求項75-81のいずれか一項記載の方法。
  83. 前記ポリヌクレオチド、(1)のポリヌクレオチド、及び/又は(2)のポリヌクレオチドが、各々、mRNAを含む、請求項76-82のいずれか一項記載の方法。
  84. 前記ポリヌクレオチド、(1)のポリヌクレオチド、及び/又は(2)のポリヌクレオチドが、各々、修飾されたヌクレオシド、cap-1構造、cap-2構造、又はそれらの任意の組合せを含む、請求項76-83のいずれか一項記載の方法。
  85. 前記ポリヌクレオチド、(1)のポリヌクレオチド、及び/又は(2)のポリヌクレオチドが、各々、プソイドウリジン、N6-メチルアデノシン、5-メチルシチジン、2-チオウリジン、又はそれらの任意の組合せを含む、請求項84記載の方法。
  86. 前記プソイドウリジンが、N1-メチルプソイドウリジンを含む、請求項85記載の方法。
  87. (1)配列番号:43に示されたVHアミノ酸配列及び配列番号:44に示されたVLアミノ酸配列を含む、抗-HA抗体又はその抗原-結合断片;並びに
    (2)配列番号:241に示されたVHアミノ酸配列及び配列番号:243に示されたVLアミノ酸配列を含む、抗-NA抗体又はその抗原-結合断片:をコードしているポリヌクレオチド。
  88. (1)各々配列番号:274-276に示されたCDRH1、CDRH2、及びCDRH3アミノ酸配列を含むVH、並びに各々配列番号:277-279に示されたCDRL1、CDRL2、及びCDRL3アミノ酸配列を含むVLを含む、抗-HA抗体又はその抗原-結合断片;並びに
    (2)各々配列番号:193-195に示されたCDRH1、CDRH2、及びCDRH3アミノ酸配列を含むVH、並びに各々配列番号:199-201に示されたCDRL1、CDRL2、及びCDRL3アミノ酸配列を含むVLを含む、抗-NA抗体又はその抗原-結合断片:をコードしているポリヌクレオチド。
  89. (1)配列番号:43に示されたVHアミノ酸配列及び配列番号:44に示されたVLアミノ酸配列を含む、抗-HA抗体又はその抗原-結合断片をコードしているポリヌクレオチド;並びに
    (2)配列番号:241に示されたVHアミノ酸配列及び配列番号:243に示されたVLアミノ酸配列を含む、抗-NA抗体又はその抗原-結合断片をコードしているポリヌクレオチド:を含有する組成物。
  90. (1)各々配列番号:274-276に示されたCDRH1、CDRH2、及びCDRH3アミノ酸配列を含むVH、並びに各々配列番号:277-279に示されたCDRL1、CDRL2、及びCDRL3アミノ酸配列を含むVLを含む、抗-HA抗体又はその抗原-結合断片をコードしているポリヌクレオチド;並びに
    (2)各々配列番号:193-195に示されたCDRH1、CDRH2、及びCDRH3アミノ酸配列を含むVH、並びに各々配列番号:199-201に示されたCDRL1、CDRL2、及びCDRL3アミノ酸配列を含むVLを含む、抗-NA抗体又はその抗原-結合断片をコードしているポリヌクレオチド:を含有する組成物。
  91. (1)配列番号:43に示されたVHアミノ酸配列及び配列番号:44に示されたVLアミノ酸配列を含む、抗-HA抗体又はその抗原-結合断片をコードしているポリヌクレオチド;並びに
    (2)配列番号:241に示されたVHアミノ酸配列及び配列番号:243に示されたVLアミノ酸配列を含む、抗-NA抗体又はその抗原-結合断片をコードしているポリヌクレオチド:の組合せ。
  92. (1)各々配列番号:274-276に示されたCDRH1、CDRH2、及びCDRH3アミノ酸配列を含むVH、並びに各々配列番号:277-279に示されたCDRL1、CDRL2、及びCDRL3アミノ酸配列を含むVLを含む、抗-HA抗体又はその抗原-結合断片をコードしているポリヌクレオチド;並びに
    (2)各々配列番号:193-195に示されたCDRH1、CDRH2、及びCDRH3アミノ酸配列を含むVH、並びに各々配列番号:199-201に示されたCDRL1、CDRL2、及びCDRL3アミノ酸配列を含むVLを含む、抗-NA抗体又はその抗原-結合断片をコードしているポリヌクレオチド:の組合せ。
  93. 前述の(1)の抗体又は抗原-結合断片が、配列番号:270又は配列番号:272の重鎖アミノ酸配列、及び配列番号:271の軽鎖(light)アミノ酸配列を含む、請求項87又は88記載のポリヌクレオチド、請求項89又は90記載の組成物、或いは、請求項91又は92記載の組合せ。
  94. 前述の(2)の抗体又は抗原-結合断片が、配列番号:255又は配列番号:256の重鎖アミノ酸配列、及び配列番号:257の軽鎖アミノ酸配列を含む、請求項87、88又は93記載のポリヌクレオチド、請求項89、90又は93記載の組成物、或いは、請求項91、92又は93記載の組合せ。
  95. 前記ポリヌクレオチド、(1)のポリヌクレオチド、及び/又は(2)のポリヌクレオチドが、各々、mRNAを含む、請求項87、88、93、又は94記載のポリヌクレオチド、請求項89、90、93、又は94記載の組成物、或いは、請求項91-94のいずれか一項記載の組合せ。
  96. 前記ポリヌクレオチド、(1)のポリヌクレオチド、及び/又は(2)のポリヌクレオチドが、各々、修飾されたヌクレオシド、cap-1構造、cap-2構造、又はそれらの任意の組合せを含む、請求項87、88、93、94又は95記載のポリヌクレオチド、請求項89、90、93、94又は95記載の組成物、或いは、請求項91-94のいずれか一項記載の組合せ。
  97. 前記ポリヌクレオチド、(1)のポリヌクレオチド、及び/又は(2)のポリヌクレオチドが、各々、プソイドウリジン、2-チオウリジン、N6-メチルアデノシン、5-メチルシチジン、又はそれらの任意の組合せを含む、請求項96記載のポリヌクレオチド、組成物、又は組合せ。
  98. 前記プソイドウリジンが、N1-メチルプソイドウリジンを含む、請求項97記載のポリヌクレオチド、組成物、又は組合せ。
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