JP2023550416A - Btk阻害剤を用いて全身性エリテマトーデスを治療する方法 - Google Patents

Btk阻害剤を用いて全身性エリテマトーデスを治療する方法 Download PDF

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Abstract

対象におけるループス腎炎、特に、活動性増殖性ループス腎炎を含む全身性エリテマトーデスを、(S)-7-(1-アクリロイルピペリジン-4-イル)-2-(4-フェノキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロピラゾロ-[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩で治療する方法が、本明細書において提供される。【選択図】なし

Description

対象におけるループス腎炎、特に、活動性増殖性ループス腎炎を含む全身性エリテマトーデスを治療する方法であって、それを必要としている対象に、(S)-7-(1-アクリロイルピペリジン-4-イル)-2-(4-フェノキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロピラゾロ-[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法が、本明細書に開示される。
全身性エリテマトーデス(SLE)は、再発及び寛解の疾患の経過を辿る、ほぼ全ての器官系を侵す原因不明の複雑な慢性自己免疫疾患である。SLEは、男性より女性においてはるかに多く、ある研究では最大で9倍多い頻度で発生し、妊娠可能な時期(15~45歳)に発生することが多い。SLEでは、免疫系が、身体の細胞及び組織を攻撃し、心臓、関節、皮膚、肺、血管、肝臓、腎臓、及び神経系を損傷し得る、炎症及び組織損傷をもたらす。
ループス腎炎は、SLEのよく見られる重篤な症状である。ループス腎炎は、糸球体における免疫複合体の蓄積、多くの場合、全ての腎臓区画における炎症反応によって特徴付けられるある種の糸球体腎炎である。時間と共に、炎症は、腎実質の慢性損傷及び腎機能の低下につながる。ループス腎炎の発生率及び有病率は、年齢、性別、人種、民族性、地理的地域、及び診断基準によって影響される。臨床的に明らかなループス腎炎は、SLEの患者の20%~60%に見られ、それは、ほとんどの場合、SLE診断の6か月以内に発生する。SLE患者の標準化死亡率比は、一般集団より2~5倍高く(Bernatsky S,Boivin J-F,Joseph L,et al.Mortality in systemic lupus erythematosus.Arthritis Rheum.2006;54(8):2550-7.)、それは、慢性腎疾患及び末期腎疾患(ESRD)を発症する患者においてさらに増加する(Mok CC,Kwok RCL,Yip PSF,et al.Effect of renal disease on the standardized mortality ratio and life expectancy of patients with systemic lupus erythematosus.Arthritis Rheum.2013;65(8):2154-60.)。
腎生検は、ループス腎炎を診断するための代表的な判断基準であり、ループス腎炎の治療は、病理学的分類によって導かれるべきである。国際腎臓学会/腎病理学会 ループス腎炎の分類によれば、ループス腎炎は、6つのクラスに分類される。クラスI及びIIループス腎炎を有する患者は、通常、ループスの腎外の臨床症状によって決定されるように治療される。クラスIIIループス腎炎(限局性ループス腎炎)及びクラスIVループス腎炎は、より悪い予後のため、コルチコステロイド及び免疫抑制剤で治療されるべきである。シクロホスファミド又はミコフェノール酸モフェチル(MMF)のいずれかと組み合わされるコルチコステロイドによる初期治療は、6か月間続く。初期治療が完了した後、クラスIII及びクラスIVループス腎炎を有する患者は、初期治療が完了したことを受け、クラスIII及びクラスIVループス腎炎を有する患者は、アザチオプリン又はミコフェノール酸モフェチル及び低用量の経口コルチコステロイド(≦10mg/日のプレドニゾン又は当量)による維持療法を受けることになる。完全寛解が達成された後、維持療法は、免疫抑制剤を徐々にやめる前に、少なくとも1年間続けられるべきである(KDIGO Clinical Practice Guideline for Glomerulonephritis.Kidney Int Suppl.2012;2(2):259-74.)。しかしながら、いくつかの臨床試験からのデータは、6か月の導入療法の後、患者の30%未満が、完全腎反応を達成したことを示唆した。
これまで、ボクロスポリンのみが、米国においてループス腎炎の治療のために承認され、ミコフェノール酸モフェチルが、中国において承認されているが、完全寛解率は依然として低い。そのため、高い安全性リスクを伴わずに、患者に大きな利益をもたらし得る新規な代替的な治療に対する大きな満たされていないニーズが依然としてある。
国際公開第2014/173289A号パンフレットには、一連のBTK阻害剤、特に、(S)-7-(1-アクリロイルピペリジン-4-イル)-2-(4-フェノキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド(以後、化合物1)が開示されている。化合物1は、B細胞受容体(BCR)及びBTKが重要な役割を果たすFcRシグナル伝達経路における異常を有する癌の治療に使用され得、BTKに対する強力な及び不可逆的な阻害活性を有することが実証されている。
化合物1は、好ましい薬理学的及び薬物動態(PK)プロファイルを有する、強力な、特異的な、及び不可逆的なBTK阻害剤である。化合物1は、キナーゼ阻害及び細胞ベースアッセイからの結果に基づいて、上皮成長因子受容体(EGFR)、ヤヌスキナーゼ3(JAK3)、ヒト上皮成長因子受容体-2(HER2)、TEC、誘導性T細胞キナーゼ(ITK)などを含むオフターゲットキナーゼに対する良好な選択性を有する。BTKに対する化合物1の良好な選択性は、上記のキナーゼの阻害に関連するより低い発生率及びより軽度のオフターゲット毒性をもたらし得る。
本開示は、(S)-7-(1-アクリロイルピペリジン-4-イル)-2-(4-フェノキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド(化合物1)又はその薬学的に許容される塩が、全身性エリテマトーデス(SLE)を有する対象における応答を示したことを記載する。
本開示はまた、(S)-7-(1-アクリロイルピペリジン-4-イル)-2-(4-フェノキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド(化合物1)又はその薬学的に許容される塩が、ループス腎炎を有する対象における応答を示したことを記載する。
本開示はまた、(S)-7-(1-アクリロイルピペリジン-4-イル)-2-(4-フェノキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド(化合物1)又はその薬学的に許容される塩が、活動性増殖性ループス腎炎を有する対象における応答を示したことを記載する。
本開示の発明者らは、化合物1が、特に、それが3及び10mg/kg BIDで経口投与される場合、NZBWF1/Jループスマウスモデルにおける有効性を示し、化合物1が、ミコフェノール酸モフェチル(MMF)と比較した際により強力な抗ループス効果を示したことを発見した。
本開示の発明者らはまた、化合物1が、慢性移植片対宿主病(SLE-cGVHD)マウスモデルのような全身性エリテマトーデスにおける有効性を実証したことを発見した。10及び20mg/kgの化合物1の1日2回の経口投与が、血清中の抗dsDNA IgGのレベルを阻害し、タンパク尿レベルを有意に低下させ、脾腫を改善した。
さらに、本開示の発明者らは、化合物1がまた、MRL/lprマウスループスモデルにおいて1日2回、1.5mg/kg~50mg/kgの範囲の用量依存的な有効性を示したことを発見した。
ヒトにおける40mg 1日2回(BID)の化合物1曝露は、MRL/lprマウスにおける15mg/kg 1日2回の曝露に近かった。さらに、BTK阻害剤の有効な用量は、PBMC中で>90%及び脾臓中で>70%の持続的なBTK占有率を達成するべきである。1日当たり80mg(40mg BID)から1日当たり320mg(160mg BID)の用量の化合物1が、前臨床データ、PK変動性、及び血液学的適応症における臨床用量に基づくPK-PDシミュレーションに従って推奨され、これは、B細胞悪性腫瘍を有する患者において有効であり、忍容性良好であることが示された。
化合物1は、現在の標準治療と比較して有意に、タンパク尿を減少させ、寛解率を増加させることによって、ループス腎炎を含む全身性エリテマトーデスを治療する際の有効な治療であり得る。化合物1は、慢性治療として、ループス腎炎患者を含む全身性エリテマトーデスにおいて忍容性良好であり得る。
図1A-a及び図1A-bは、化合物1が、タンパク尿を用量依存的に抑制したことを示した。陽性対照として、ミコフェノール酸モフェチル(MMF)を、100mg/kgで1日1回使用し;0.1及び0.3mg/kgの化合物1は、MMFより有効性が低かったが、1、3及び10mg/kgの化合物1は、MMFと比較して有意差を示さなかった。(比例オッズモデルによる、ビヒクルに対してp<0.05;**p<0.01、***p<0.001;MMF:ミコフェノール酸モフェチル)。 図1A-c及び図1A-dは、化合物1が、BUNレベルを有意に低下させ、腎臓の病理学的損傷を阻害したことを示した。3及び10mg/kg及びMMFの化合物1は、BUNレベルを著しく阻害した。化合物1は、腎臓の病理組織スコアを用量依存的に阻害した一方、MMFは、病理組織スコアを有意に阻害することができなかった(一元配置ANOVAによる、ビヒクルに対してp<0.05;BUN:血清尿素窒素)。 図1A-eは、化合物1が、脾腫を有意に改善したことを示した。3及び10mg/kgの化合物1は、脾臓重量を著しく阻害したが、MMFは、脾臓腫瘤(spleen mass)を有意に阻害することができなかった(一元配置ANOVAによる、ビヒクルに対してp<0.05;MMF:ミコフェノール酸モフェチル)。 図1A-fは、化合物1が、血清中のTNFαレベルを有意に低下させたことを示した。10mg/kgの化合物1は、TNFαの分泌を著しく阻害した。対照的に、MMFは、対照群と比較して統計的有意性を有さずに、より低いレベルのTNFαを示した。(一元配置ANOVAによって、ビヒクルに対してp<0.05;MMF:ミコフェノール酸モフェチル)。 図1A-gは、化合物1が、血清中のIL-10レベルを有意に低下させたことを示した。10mg/kgの化合物1は、IL-10の分泌を著しく阻害した。対照的に、MMFは、対照群と比較して統計的有意性を有さずに、より低いレベルのIL-10を示した。(一元配置ANOVAによって、ビヒクルに対してp<0.05;MMF:ミコフェノール酸モフェチル)。 図1B-aは、SLE-cGvHdマウスモデルにおける抗dsDNA IgGレベルに対する化合物1の効果を示した。治療の15日目に、血清中の抗dsDNA IgGのレベルを、ELISAによって検出した。データを、各群の平均抗DNA±標準誤差(SEM)として示した。統計分析を、一元配置ANOVA(続いて、ダネットの検定)を用いて行った。**ビヒクルに対してp<0.01。 図1B-bは、SLE-cGvHDマウスモデルにおけるタンパク尿レベル化合物1に対する化合物1の影響を示した。治療の22日目に、タンパク尿レベルを、URIT 1 vp片を用いた尿中アルブミンの決定によって評価した。データを、各群の平均スコア±標準誤差(SEM)として示した。統計分析を、一元配置ANOVA(続いて、ダネットの検定)を用いて行った。ビヒクルに対してp<0.05、**p<0.01、****p<0.0001。 図1B-cは、SLE-cGvHDマウスモデルにおける脾臓指数に対する化合物1の影響を示した。脾臓重量及び体重を試験の最後に測定した。脾臓指数(体重に対する脾臓重量の比率)を計算した。データを、各群の平均脾臓指数±標準誤差(SEM)として示した。統計分析を、一元配置ANOVA(続いて、ダネットの検定)を用いて行った。**ビヒクルに対してp<0.01、***p<0.001。 図1B-dは、SLE-cGvHDマウスモデルにおける体重に対する化合物1の影響を示した。体重を週2回測定した。データを、週2回測定した平均体重として示した。データを、各群の平均体重x±標準誤差(SEM)として示した。 図1C-aは、MRL/MpJ-Faslpr/J(MRL/lpr)マウスモデルにおける抗dsDNA IgGに対する化合物1の影響を示した。試験の最後に、血清中の抗dsDNA IgGのレベルを、ELISAによって検出した。データを、各群の平均抗dsDNA±標準誤差(SEM)として示した。統計分析を、一元配置ANOVA(続いて、ダネットの検定)を用いて行った。**ビヒクルに対してp<0.01。 図1C-bは、MRL/MpJ-Faslpr/J(MRL/lpr)マウスモデルにおけるタンパク尿レベルに対する化合物1の影響を示した。118日目に、タンパク尿レベルを、URTI 1 vp片を用いた尿中アルブミンの決定によって評価した。データを、各群の平均スコア±標準誤差(SEM)として示した。統計分析を、一元配置ANOVA(続いて、ダネットの検定)を用いて行った。****ビヒクルに対してp<0.0001。 図1C-cは、MRL/MpJ-Faslpr/J(MRL/lpr)マウスモデルにおける脾臓指数に対する化合物1の影響を示した。脾臓重量及び体重を試験の最後に測定した。脾臓指数(体重に対する脾臓重量の比率)を計算した。データを、各群の平均脾臓指数±標準誤差(SEM)として示した。統計分析を、一元配置ANOVA(続いて、ダネットの検定)を用いて行った。****ビヒクルに対してp<0.0001;##ビヒクルに対してp<0.01、####プレドニゾンに対してp<0.0001。 図1C-dは、MRL/MpJ-Faslpr/J(MRL/lpr)マウスモデルにおける体重に対する化合物1の影響を示した。体重を週2回測定した。データを、各群の平均体重±標準誤差(SEM)として示した。 図1C-eは、MRL/MpJ-Faslpr/J(MRL/lpr)マウスモデルにおけるBUNレベルに対する化合物1の影響を示した。血清尿素窒素(BUN)を試験の最後に測定した。データを、各群の平均BUN±標準誤差(SEM)として示した。統計分析を、一元配置ANOVA(続いて、ダネットの検定)を用いて行った。**ビヒクルに対してp<0.01。 図1C-fは、MRL/MpJ-Faslpr/J(MRL/lpr)マウスモデルにおける腎臓組織病理に対する化合物1の影響を示した。マウスを、試験の最後に二酸化炭素を用いて安楽死させた。腎臓を採取し、炎症細胞浸潤、糸球体症及び円柱(cast)の死亡スコアを、定量的に分析した。データを、各群の平均スコア±標準誤差(SEM)として示した。統計分析を、一元配置ANOVA(続いて、ダネットの検定)を用いて行った。**ビヒクルに対してp<0.01、***p<0.001、****p<0.0001。
定義
本明細書の他の箇所に特に定義されない限り、本明細書において使用される全ての他の技術用語及び科学用語は、当業者によって一般的に理解される意味を有する。
添付の特許請求の範囲を含め、本明細書において使用される際、「a」、「an」、及び「the」などの用語の単数形は、文脈上特に明記されない限り、それらの対応する複数の指示対象を含む。
「又は」という用語は、文脈上特に明記されない限り、「及び/又は」という用語を意味するために使用され、それと同義的に使用される。
本明細書における「投与」、「投与する」、「治療すること」、及び「治療」という用語は、動物、ヒト、実験対象、細胞、組織、器官、又は体液に適用される場合、外部からの医薬品、治療剤、診断薬、又は組成物の、動物、ヒト、対象、細胞、組織、器官、又は体液との接触を意味する。細胞の治療は、細胞との試薬の接触、並びに体液が細胞と接触する場合、体液との試薬の接触を包含する。「投与」及び「治療」という用語はまた、例えば、細胞の、試薬、診断、結合化合物による、又は別の細胞による、インビトロ及びエクスビボ治療を意味する。本明細書における「対象」という用語は、任意の生物、好ましくは、動物、より好ましくは、哺乳動物(例えば、ラット、マウス、イヌ、ネコ、ウサギ)、最も好ましくは、ヒトを含む。任意の疾患又は障害を治療することは、一態様において、疾患又は障害を改善すること(すなわち、疾患又はその臨床症状の少なくとも1つの発生を遅らせるか又は阻止するか又は減少させること)を指す。別の態様において、「治療する」、「治療すること」、又は「治療」は、患者によって認識されないことがあるものを含む少なくとも1つの物理的パラメータを軽減又は改善することを指す。さらに別の態様において、「治療する」、「治療すること」、又は「治療」は、身体的に、(例えば、認識可能な症状の安定化)、生理学的に、(例えば、物理的パラメータの安定化)、又はその両方で、疾患又は障害を調節することを指す。さらに別の態様において、「治療する」、「治療すること」、又は「治療」は、疾患若しくは障害の発症又は発生又は進行を防止するか又は遅らせることを指す。
本明細書において使用される際の「治療有効量」という用語は、疾患、又は疾患若しくは障害の臨床症状の少なくとも1つを治療するために対象に投与される場合、疾患、障害、又は症状のこのような治療を行うのに十分な、Bcl-2阻害剤の量を指す。「治療有効量」は、薬剤、疾患、障害、及び/又は疾患若しくは障害の症状、疾患、障害、及び/又は疾患若しくは障害の症状の重症度、治療される対象の年齢、及び/又は治療される対象の体重によって変化し得る。任意の所与の場合の適切な量は、当業者に明らかであり得るか、又は日常的な実験によって決定され得る。組合せ療法の場合、「治療有効量」は、疾患、障害又は病態の有効な治療のための組合せ物の総量を指す。本開示のある実施形態において、対象は、ヒトである。
本開示は、対象におけるループス腎炎を治療する方法であって、それを必要としている対象に、化合物1又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法を提供する。
治療方法
一態様において、本開示は、全身性エリテマトーデス(SLE)を治療する方法を提供する。SLEは、主に女性において発生し、典型的に、発熱、皮膚発疹、倦怠感、及び関節痛によって、並びに多くの場合、血液、腎臓、心臓、肺、及び脳の障害(溶血性貧血、腎炎、胸膜炎、心膜炎、認知機能障害、又は髄膜炎など)によって特徴付けられる、結合組織の慢性、炎症性、変異型(variable)自己免疫疾患を指す。主な罹患器官又は組織によって、SLEは、限定はされないが、ループス腎炎、神経精神ループス、ループス肺炎、ループス心筋炎及びループス肝炎を含む疾患にさらに分類され得る。
一態様において、本開示は、対象におけるループス腎炎を治療する方法を提供する。
ループス腎炎は、典型的に、タンパク尿及び血尿によって特徴付けられ、多くの場合、腎不全につながる、全身性エリテマトーデスに関連する糸球体腎炎を指す。ループス腎炎は、6つの病理組織学的クラスに分類される。表1を参照されたい。
特定の態様において、本方法は、それを必要としている対象に、化合物1又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む。
ループス腎炎は、6つの病理組織学的クラスに分類される。表1を参照されたい。
本開示のある実施形態において、ループス腎炎は、活動性増殖性ループス腎炎である。
活動性増殖性ループス腎炎は、国際腎臓学会/腎病理学会 ループス腎炎の分類(2003)によって分類されるクラスIII/IVループス腎炎(LN)を指す。
化合物1は、経口、非経口、肺内、及び鼻腔内、並びに、必要に応じて、局所治療、病巣内投与を含む任意の好適な手段によって投与され得る。投与は、任意の好適な経路によって行われ得る。限定はされないが、様々な時点にわたる単回又は複数回投与、ボーラス投与、及びパルス注入を含む様々な投与スケジュールが、本明細書において想定される。
化合物1は、良好な医療業務と一致する方法で製剤化され、投薬され、投与されるであろう。これに関して考慮すべき要因としては、治療される特定の障害、治療される特定の哺乳動物、個々の患者の臨床症状、障害の原因、薬剤の送達の部位、投与方法、投与のスケジュール、及び医師に公知の他の要因が挙げられる。
ある実施形態において、化合物1は、1日に10mg~640mg、好ましくは、1日に10mg~320mg、より好ましくは、1日に40~320mg、最も好ましくは、1日に80~320mgの用量で経口投与される。ある実施形態において、化合物1は、1日に40mg~160mg、好ましくは、1日に80mg~160mgの用量で経口投与される。
ある実施形態において、化合物1は、5mg~320mgを1日2回(BID)、好ましくは、5mg~160mg BID、より好ましくは、20mg~160mg BID、最も好ましくは、40mg~160mg BIDの用量で経口投与される。
ある実施形態において、化合物1は、10mg~640mgを1日1回(QD)、好ましくは、10mg~320mg QD、より好ましくは、40mg~320mg QD、最も好ましくは、40mg~160mg QDの用量で経口投与される。
本発明は、限定はされないが、本発明を例示する以下の実施例によってさらに例示される。
実施例1A NZBWF1/Jループスモデルにおける化合物1の有効性
方法
26週齢の90匹のNZBWF1雌マウスを、タンパク尿レベル、抗dsDNA IgGレベル及び体重に基づいて、群当たり10匹のマウスで7つの群にランダムに分けた。治療を、ランダム化の後に開始して、100mg/kgのミコフェノール酸モフェチル(MMF)1日1回(QD)並びにビヒクル(0.5%のMC)、0.1、0.3、1、3及び10mg/kgの化合物1 1日2回(BID)を、96日間にわたって投与した。治療を、10ml/kg体重の体積で強制経口投与(p.o.)によって投与した。
また、マウスを、試験期間にわたって毒性の臨床兆候について毎日監視した。各動物の体重を、週2回記録し、タンパク尿を毎週測定した。タンパク尿を、URIT 1 vp片を用いて評価し、以下のように採点付けられる0~4の尺度で採点した:0=微量、1≧30mg/dL、2≧100mg/dL、3≧300mg/dL、及び4≧500mg/dL。
治療の96日目に、二酸化炭素安楽死下で心臓穿刺によって、血液を迅速に採取した。300~500μLの血液を、凝固管に移し、上側血清試料を、10分間にわたって2,000gにおける遠心分離によって分離し、次に、後の使用のために-80℃で、冷蔵庫に貯蔵した。110μLの血清を、血清尿素窒素レベルの検出のために使用し、25μLの血清を、LuminexによるTNFα及びIL-10レベルの測定のために使用した。
腎臓を取り出し、10%の中性緩衝ホルマリン溶液で固定した。組織を、修正されたブロックから採取し、少しずつアルコールで脱水し、パラフィンに包埋し、スライドスライサーによって薄片にし(約3μmの厚さ)、ヘマトキシリン-エオシン(HE)で染色し、腎臓組織の病理学的変化について光学顕微鏡法によって調べた。切片を、炎症(0~4)、糸球体損傷(0~4)、及び硬化症(0~4)を含む、3つの系の合計として盲検法で採点した。
結果
化合物1のインビボ有効性を、NZBWF1/Jループスモデルにおいて調べた。ミコフェノール酸モフェチル(MMF)を、陽性対照として100mg/kgで1日1回使用した。0.1及び0.3mg/kgの化合物1による1日2回経口治療は、MMFより有効性が低かったが、1、3、及び10mg/kgの化合物1は、MMFと比較して有意差を示さなかった(図1A-a及び1A-b)。
3及び10mg/kgの化合物1及びMMFは、血清尿素窒素(BUN)レベル(図1A-c)を著しく阻害し、化合物1は、腎臓の病理組織スコアを用量依存的に阻害した一方、MMFは、病理組織スコアを有意に阻害することができなかった(図1A-d)。3及び10mg/kgの化合物1は、脾臓重量を著しく阻害したが、MMFは、脾臓腫瘤を有意に阻害することができなかった(図1A-e)。10mg/kgの化合物1は、TNFα及びIL-10の分泌を著しく阻害した(図1A-f及び1A-g)。対照的に、MMFは、より低いレベルのTNFα及びIL-10を示し、対照群と比較して統計的有意性はなかった(図1A-f及び1A-g)。全ての結果は、化合物1が、NZBWF1/Jループスマウスモデルにおいて強力な抗ループス効果を有することを示す。
実施例1B 慢性移植片対宿主病(SLE-cGVHD)モデルのような全身性エリテマトーデスにおける化合物1の有効性
方法
DBA/2マウスからの脾細胞を、-7日目及び0日目に54匹のB6D2F1マウスの静脈内に移植した。48匹の動物を、接種順序に従って、各群12匹の動物の4つの群にランダムに分けた。治療を、ランダム化後の翌日から開始して26日目の終了まで投与した。マウスに、ビヒクル(0.5%のメチルセルロース)、10又は20mg/kgの化合物1を1日2回経口投与した。治療を、10ml/kg体重の体積で強制経口投与(p.o.)によって投与した。
マウスを、試験の期間にわたって毒性の臨床兆候について毎日監視した。各動物の体重を、週2回記録した。治療の15日目に、血液を、イソフルラン/酸素麻酔下で眼窩静脈洞から採取し、血清試料を調製した。抗ds DNA IgG ELISAキット(Chondrex,Inc.、Cat.3031)を用いて、個々のマウスからの血清中の抗ds DNA IgGレベルを定量した。
治療の8日目、15日目及び22日目に、タンパク尿を、URIT 1 vp片(URIT,China)を用いた尿中アルブミンの決定によって評価し、以下のように採点付けられる0~4の尺度で採点した:0=微量、1≧30mg/dL、2≧100mg/dL、3≧300mg/dL、及び4≧500mg/dL。
治療の26日目に、血液試料を、化合物1治療群について0、0.5、1.5、4及び8時間の時点でイソフルラン/酸素麻酔下で後眼窩洞から採取した。血漿を、7分間にわたって5,600rpmにおける遠心分離によって収集した。バイオ分析を、3D BioOptima Co.,Ltd.(Suzhou,China)で行った。
治療群及びビヒクル群におけるタンパク尿レベル、脾臓指数及び抗ds DNA IgGレベルの平均値間の差を、一元配置ANOVA(続いて、ダネットの検定)を用いて有意性について分析した。P<0.05が、統計的に有意であると見なされた。
結果
化合物1のインビボ有効性を、慢性移植片対宿主病(SLE-cGVHD)マウスモデルのような全身性エリテマトーデスにおいて調べた。化合物1 10及び20mg/kgの1日2回の経口投与が、血清中の抗dsDNA IgGのレベルを阻害し、タンパク尿レベルを有意に低下させ、脾腫を改善した(図1B-a、1B-b及び1B-c)。全ての治療群が、試験全体を通して有意な体重を有していなかった(図1B-d)。定常状態における化合物1(AUC0-8h及びCmax)の薬物曝露は、用量依存的に増加した。全ての結果は、化合物1が、SLE-cGvHDマウスモデルにおいて疾患を改善したことを示す。
実施例1C MRL/lprループスモデルにおける化合物1の有効性
方法
Jackson laboratoriesから購入したMRL/MpJ-Faslpr/J(MRL/lpr)マウスを、タンパク尿レベル、抗dsDNA IgG及び体重に基づいて、群当たり11匹のマウスで6つの群にランダムに分けた。治療を、ランダム化後の翌日に開始して、5.0mg/kgのプレドニゾンを1日1回(QD)又はビヒクル(0.5%のMC、メチルセルロース)、1.5、5、15、及び50mg/kgの化合物1を1日2回(BID)、17週間にわたって投与した。治療を、10ml/kg体重の体積で強制経口投与(p.o.)によって投与した。
実験期間中、マウスの状態及び死亡率を、毎日記録した。各動物の体重を、週2回記録した。
タンパク尿を、URIT 1 vp片(URIT,China)を用いて毎週、尿中アルブミンの決定によって測定し、以下のように採点付けられる0~4の尺度で採点した:0=微量、1≧30mg/dLl、2≧100mg/dL、3≧300mg/dLl、及び4≧500mg/dL。
血液試料を、化合物1治療群について0、0.5、1.5、4及び8時間の時点でイソフルラン/酸素麻酔下で後眼窩洞から採取した。血漿を、7分間にわたって5,600rpmにおける遠心分離によって収集し、分析まで-80℃で凍結保存した。バイオ分析を、3D BioOptima Co.,Ltd.(Suzhou,China)で行った。
試験の最後に、血液を、イソフルラン/酸素麻酔下で眼窩静脈洞から採取した。血清試料を調製し、血清中のBUNレベルについて分析した。抗dsDNA IgG ELISAキット(Chondrex,Inc.、Cat.3031)を用いて、個々のマウスからの血清中の抗dsDNA IgGに対するIgGレベルを定量した。
マウスを、二酸化炭素を用いて安楽死させ、脾臓重量及び体重を試験の最後に測定した。脾臓指数(体重に対する脾臓重量の比率)を計算した。
腎臓を採取し、10%のNBF中で保存し、組織をトリミングし、脱水し、パラフィンに包埋し、薄片にし(約3μm)、HEで染色した。組織病理学的検査を行った。
治療群及びビヒクル群におけるタンパク尿レベル、脾臓指数、BUNレベル、腎臓病理組織スコア及び抗dsDNA IgGレベルの平均値間の差を、一元配置ANOVA(続いて、ダネットの検定)を用いて有意性について分析した。P<0.05が、統計的に有意であると見なされた。
結果
化合物1のインビボ有効性を、MRL/MpJ-Faslpr/J(MRL/lpr)モデルにおいて調べた。プレドニゾンを、陽性対照として5.0mg/kgで1日1回使用した。1.5、5、15及び50mg/kgの化合物1の1日2回の経口投与が、ループス腎炎からマウスを有意に保護し、ビヒクルと比較して血清中の抗dsDNA IgGレベルを阻害し(図1C-a)、タンパク尿及び血清尿素窒素(BUN)レベルを有意に低下させ(図1C-b及び1C-e)、脾腫(図1C-c)を用量依存的に抑制し、腎臓組織病理学的スコアを低下させた(図1C-f)。全ての治療群は、試験全体を通して体重に対する有意な影響を有さなかった(図1C-d)。定常状態における化合物1(AUC0-8h及びCmax)の薬物曝露は、用量と無関係に増加した。全ての結果は、化合物1が、MRL/MpJ-Faslpr/J(MRL/lpr)マウスモデルにおいて強力な抗ループス効果を有することを示す。
実施例2 活動性増殖性ループス腎炎を有する患者における化合物1の安全性及び有効性を評価するための、第2相、多施設、ランダム化、二重盲検、プラセボ対照試験
この試験の主要目的は、活動性増殖性ループス腎炎を有する参加者について完全腎反応によって測定した際の、標準治療に追加される化合物1の有効性を評価することである。
試験設計:
患者は、以下のアーム及び介入に従って治療群の1つにランダムに分けられる。
転帰尺度
主要転帰尺度:
1.完全腎反応を有する参加者の割合[期間:49週1日目]
副次的転帰尺度:
1.完全腎反応を達成する参加者の割合[期間:25週1日目]
2.部分腎反応を達成する参加者の割合[期間:25週1日目及び49週1日目]
3.全腎反応を達成する参加者の割合[期間:25週1日目及び49週1日目]
4.最初の完全腎反応までの時間:ランダム化の日から最初の完全腎反応の日までの時間[期間:73週1日目まで]
5.最初の部分腎反応までの時間:ランダム化の日から最初の部分腎反応の日までの時間[期間:73週1日目まで]
6.総全身性エリテマトーデス疾患活動性指数2000(SLEDAI-2K)スコアの変化[期間:25週1日目及び49週1日目]
SLEDAI-2Kスコアは、0~105の範囲である、9つの器官系における24の特徴の存在に基づく全身性エリテマトーデス(SLE)活動性指数であり、スコアが高いほど、過去30日間での参加者におけるより重度の特徴を示す。
8.血漿濃度時間曲線下面積(AUC)を含む、ループス腎炎を有する患者における化合物1の薬物動態[期間:1週1日目及び5週1日目]
適格性
主要な適格基準:
1.インフォームドコンセント用紙(ICF)に署名した日の時点で18~70歳(端点を含む)の女性又は男性
2.全身性ループス国際協力クリニック 2012基準に従うSLEの臨床診断。
3.腎生検によって確認される、クラスVを伴うか又は伴わない、ISN/RPSクラスIII/IVループス腎炎[タイプIII(A)、III(A+C)、IV(A)、及びIV(A+C)]。
4.スクリーニング時に陽性抗核抗体、陽性抗dsDNA自己抗体、及び/又は陽性抗スミス自己抗体。
5.スクリーニング時に>1.0gの24時間尿中タンパク排泄を有する。
主要な除外基準:
全身性エリテマトーデス及び他の疾患に関連する除外基準:
1.全身性エリテマトーデス以外の理由に起因する糸球体腎炎。
2.腎生検における>50%の糸球体における硬化症。
3.限定はされないが、関節リウマチ、筋炎、脈管炎、又は重複症候群を含む、有効性の評価を混乱させるおそれのある何らかの他の炎症性疾患。
4.限定はされないが、肺動脈高血圧症、重度の心筋炎、重度の中枢神経系ループス(神経精神SLE、発作、精神病、横断性脊髄炎、中枢神経系脈管炎及び視神経炎など)などを含む重度の腎外SLE。
化合物1は、現在の標準治療と比較して有意に、タンパク尿を低下させ、寛解率を増加させることによって、ループス腎炎を治療する際の有効な治療であろう。化合物1は、慢性治療としてループス腎炎患者において忍容性良好であろう。
上記の実施例及び特定の実施形態の説明は、特許請求の範囲によって規定されるように本発明を限定するものではなく、例示するものと解釈されるべきである。容易に理解されるように、上記に記載される特徴の多くの変形及び組合せが、特許請求の範囲に記載される本発明から逸脱せずに用いられ得る。全てのこのような変形は、本発明の範囲内に含まれることが意図される。引用される全ての参考文献は、全体が参照により本明細書に援用される。

Claims (12)

  1. 全身性エリテマトーデスを治療するための方法であって、治療有効量の(S)-7-(1-アクリロイルピペリジン-4-イル)-2-(4-フェノキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロピラゾロ-[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド(化合物1)又はその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む方法。
  2. ループス腎炎を治療するための方法であって、治療有効量の(S)-7-(1-アクリロイルピペリジン-4-イル)-2-(4-フェノキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロピラゾロ-[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド(化合物1)又はその薬学的に許容される塩
    を対象に投与することを含む方法。
  3. 前記ループス腎炎が、活動性増殖性ループス腎炎である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記対象が、全身性ループス国際協力クリニック 2012基準に従うSLEの臨床診断である以下のもの;
    a)腎生検によって確認される、クラスVと伴うか又は伴わない、ISN/RPSクラスIII/IVループス腎炎[タイプIII(A)、III(A+C)、IV(A)、及びIV(A+C)];
    b)スクリーニング時に陽性抗核抗体、陽性抗dsDNA自己抗体、及び/又は陽性抗スミス自己抗体;及び
    c)スクリーニング時に>1.0gの24時間尿中タンパク排泄を有すること
    からなる適格基準のうちの1つを満たす患者である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 化合物1が、PBMC中で>90%及び脾臓中で>70%の持続的なBTK占有率を達成する用量で投与される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  6. 化合物1が、1日当たり10mg~640mg、好ましくは、1日当たり10mg~320mg、より好ましくは、1日当たり40~320mg、最も好ましくは、1日当たり80~320mgの用量で投与される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  7. 化合物1が、1日当たり40mg~160mg、好ましくは、1日当たり80mg~160mgの用量で投与される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  8. 化合物1が、5mg~320mgを1日2回(BID)、好ましくは、5mg~160mg BID、より好ましくは、20mg~160mg BID、最も好ましくは、40mg~160mg BIDの用量で経口投与される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  9. 化合物1が、10mg~640mgを1日1回(QD)、好ましくは、10mg~320mg QD、より好ましくは、40mg~320mg QD、最も好ましくは、40mg~160mg QDの用量で経口投与される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記対象が、血清中の抗dsDNA IgGを含む自己抗体の陽性レベルを示す、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
  11. 全身性エリテマトーデスが、ループス腎炎、神経精神ループス、ループス肺炎、ループス心筋炎及びループス肝炎を含む、請求項1に記載の方法。
  12. ループス腎炎が、以下のループス腎炎:
    微小メサンギウムループス腎炎;
    メサンギウム増殖性ループス腎炎;
    限局性ループス腎炎;
    びまん性分節性(IV-S)又は全節性(IV-G)ループス腎炎;
    膜性ループス腎炎;又は
    進行した硬化性ループス腎炎
    のいずれか1つである、請求項2に記載の方法。
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