JP2023549428A - 伝熱板 - Google Patents

Abstract

伝熱板（２ａ、２ｄ）が提供される。伝熱板（２ａ、２ｄ）は、上側端部（８）と、中心部（２４）と、下側端部（１６）とを備える。上側端部（８）が、上側境界線（３０）に沿って中心部（２４）に隣接し、第１および第２のポートホール（１０、１２）と、上側分散パターンが設けられた上側分散領域（１４）とを備える。上側分散パターンが、細長い上側分散山部（５０ｕ）を備え、上側分散山部（５０ｕ）のそれぞれの頂部（５０ｕｔ）が、仮想上面（３８）内を延び、丸い第１の角部、丸い第２の角部、丸い第３の角部、および丸い第４の角部（６４、６６、６８、７０）を有する。上側分散山部（５０ｕ）は、上側境界線（３０）から第１のポートホール（１０）に向かって延びる複数の分離された仮想上側山線（５４ｕ）に沿って長手方向に延びる。伝熱板は、上側山線（５４ｕ）の頂部上側山線（５４ＴＲ）に沿って延びる、１よりも大きい第１の数の上側分散山部の各々について、頂部上側山線（５４ＴＲ）が、第２のポートホール（１２）の最も近くに配置され、頂部（５０ｕｔ）の第１の角部（６４）の曲率半径が、頂部（５０ｕｔ）の第２の角部（６６）の曲率半径よりも大きいことを特徴とする。第１および第２の角部（６４、６６）は、頂部上側山線（５４ＴＲ）の両側に配置され、第２の角部（６６）は、第１の角部（６４）よりも第２のポートホール（１２）の近くに配置され、第１および第３の角部は、頂部上側山線の同じ側に配置される。

Description

本発明は、伝熱板およびその設計に関する。

プレート熱交換器ＰＨＥは一般に、２枚の端板からなり、端板の間に、いくつかの伝熱板が積層またはパック状に整列して配置されている。ＰＨＥの伝熱板は、同じタイプまたはそれぞれに異なるタイプの伝熱板であってもよく、それぞれに異なるように積層されてもよい。いくつかのＰＨＥでは、伝熱板は、１枚の伝熱板の前側および裏側がそれぞれ、他の伝熱板の裏側および前側に面し、伝熱板が１枚ごとに残りの伝熱板に対して上下逆さまになるように積層される。一般に、このことは、伝熱板を互いに「回転させる」と言われる。他のＰＨＥでは、伝熱板は、１枚の伝熱板の前側および裏側がそれぞれ、他の伝熱板の前側および裏側に面し、伝熱板が１枚ごとに残りの伝熱板に対して上下逆さまになるように積層される。一般に、このことは、伝熱板を互いに「ひっくり返す」と言われる。

あるタイプの公知のＰＨＥ、いわゆるガスケット型ＰＨＦでは、ガスケットが伝熱板間に配置される。端板、したがって、伝熱板は、ある種の締め付け手段によって互いに向かって押し付けられ、それによって、ガスケットが伝熱板間を密封する。伝熱板間に互いに平行な流路が形成され、１つの通路が、各対の互いに隣接する伝熱板間を通過する。最初は異なる温度を有する２つの流体が、入口／出口を通してＰＨＥに／から送られ、１つの通路おきに一方の流体から他方の流体に熱を伝達し、流体は、ＰＨＥの入口／出口と連通する伝熱板の入口／出口ポートホールを通って通路に進入し／通路から流出する。

一般に、伝熱板は、２つの端部と中間伝熱部とを備える。端部は、入口および出口ポートホールと、山部および谷部の分散パターンによって押し付けられる分散領域とを備える。同様に、伝熱部は、山部および谷部の伝熱パターンによって押し付けられる伝熱領域を備える。伝熱板の分散および伝熱パターンの山部および谷部は、接触領域において、プレート熱交換器における隣接する伝熱板の分散および伝熱パターンの山部および谷部に接触するように配置される。伝熱板の分散領域の主な役割は、伝熱板の幅を横切って通路に進入する流体を、流体が伝熱領域に達する前に拡散し、流体を、伝熱領域を通過した後に収集して通路から出るように誘導することである。逆に、伝熱領域の主な役割は伝熱である。

分散領域および伝熱領域は、主な役割がそれぞれに異なるので、分散パターンは通常、伝熱パターンとは異なる。分散パターンは、一般により「オープンな」パターン設計に伴う比較的弱い流れ抵抗および低圧力降下をもたらすようなものであってもよい。一般に、分散パターンは、比較的少ないが大きい、細長い接触領域を形成し、比較的広い分散流が、互いに隣接する伝熱板間において分散領域全体にわたって進む。伝熱パターンは、一般に、より「密な」パターン設計に伴う比較的強い流れ抵抗および高い圧力降下をもたらすようなものであり、このパターン設計は、互いに隣接する伝熱板間により多いがより小さい点形状の接触領域を形成してもよい。

従来の分散パターンは、効果的な流体拡散および収集を行うように設計される場合でも、一般に、互いに隣接するプレートの入口および出口ポートホールまでの距離が異なり、長さまたは互いに隣接するプレート間の分散領域全体にわたる長手方向延長部が異なる分散流トンネルを形成する。分散流トンネルは、２枚の隣接するプレートの２つの対向する流路によって画定される。一般に、入口および出口ポートホールからの距離がより長く、分散流トンネルがより大きいことは、流体流がより小さく、比較的停滞流体流を有する領域の存在が増大することに関連がある。これらの停滞流領域は、付着物およびごみが蓄積しがちであり、これは特に、衛生面ならびに伝熱容量面において不利である。

ＥＰ２９５７８５１ ＥＰ２７２８２９２ ＥＰ１８９９６７１

本発明の目的は、従来技術の上述の問題を少なくとも部分的に解決する伝熱板を提供することである。本発明の基本的な概念は、伝熱板の分散領域に付着物およびごみが最も蓄積しやすい局所において、停滞流領域の存在を低減させ、それによって、付着物およびごみが蓄積するリスクを軽減するように分散領域の設計を調整することである。上記の目的を実現するための伝熱板は、本明細書では単に「プレート」とも呼ばれ、添付の特許請求の範囲において定義されており、以下で説明する。

本発明による伝熱板は、仮想中心延長面内を延び、伝熱板の長手方向中心軸に沿って連続的に配置された上側端部と、中心部と、下側端部とを備える。上側端部は、第１および第２のポートホールと、上側分散パターンが設けられた上側分散領域とを備える。下側端部は、第３および第４のポートホールと、下側分散パターンが設けられた下側分散領域とを備える。中心部は、上側分散パターンおよび下側分散パターンとは異なる伝熱パターンが設けられた伝熱領域を備える。上側端部は、上側境界線に沿って中心部に隣接し、下側端部は、下側境界線に沿って中心部に隣接している。上側分散パターンは、細長い上側分散山部と細長い上側分散谷部とを備える。上側分散山部のそれぞれの頂部は、仮想上面内を延び、丸い第１の角部と、丸い第２の角部と、丸い第３の角部と、丸い第４の角部とを有する。上側分散谷部のそれぞれの底部は、仮想下面内を延び、丸い第１の角部と、丸い第２の角部と、丸い第３の角部と、丸い第４の角部とを有する。上側分散山部は、上側境界線から第１のポートホールに向かって延びる複数の分離された仮想上側山線に沿って長手方向に延びる。上側分散谷部は、上側境界線から第２のポートホールに向かって延びる複数の分離された仮想上側谷線に沿って長手方向に延びる。伝熱板は、１よりも大きい第１の数の上側分散山部の各々について、頂部の第１の角部の曲率半径が、頂部の第２の角部の曲率半径よりも大きく、または本質的に大きく、上側分散山部は、上側山線の頂部上側山線に沿って延び、頂部上側山線は、第２のポートホールの最も近くに配置されることを特徴とする。第１および第２の角部は、頂部上側山線の両側に配置され、第２の角部は、第１の角部よりも第２のポートホールの近くに配置される。さらに、第１および第３の角部は、頂部上側山線の同じ側に配置される。

本明細書では、特に明記しないかぎり、伝熱板の山部および谷部は、伝熱板の前側から見たときの山部および谷部である。当然のことながら、プレートの前側から見たときに谷部であるものは、プレートの反対の裏側から見たときには谷部であり、プレートの前側から見たときに山部であるものは、プレートの裏側から見たときには山部であり、逆もまた同様である。

本文全体にわたって、たとえば、何かから「何か他のもの」に向かって延びる線に言及するときに、この線は、直線状に延びる必要はなく、「何か他のもの」に向かって斜めまたは曲線状に延びてもよい。

本明細書では、複数によって、２つ以上を意味する。

以下では、「接触領域」によって、プレートパック内に適切に配置されたときに隣接する伝熱板に接触するように配置された伝熱板の領域を意味する。接触領域は、伝熱板全体にわたって散在する多数の部分接触領域を備え、十分に大きくなければならず、さもないとプレートパックが脆弱になり、変形しやすくなる。

頂部上側山線に沿って延びる上側分散山部のいくつかまたはすべては、前記第１の数で形成されてもよい。

中心延長面は、上面と下面の間を延び、中心延長面、上面、および下面は平行であってもよい。

上面および下面は、伝熱板の限界面であっても限界面でなくてもよく、限界面は、伝熱板の中心が限界面を越えて延びることがない平面である。

伝熱板は一般に、金属板を押し付けることによって作られるので、伝熱板の山部および谷部に、鋭い縁部および角部または９０度の縁部および角部が形成されることはない。したがって、上側分散山部および上側分散谷部の頂部および底部の第１、第２、第３、および第４の角部は常に、ある程度丸くなっている。一般に、プレート熱交換器のプレートパックにおいて伝熱板と隣接する伝熱板との間に比較的大きい接触領域を実現するのを容易にするように第１、第２、第３、第４の角部の曲率半径をできるだけ小さくすることが好ましい。複数の上側分散山部の頂部の第１、第２、第３、および第４の角部の曲率半径を、頂部上側山線に沿った領域のように付着物およびごみが蓄積しがちな上側分散パターンの領域において局所的に一定でなくすることによって、伝熱板が汚染防止ならびに空間効率的で十分な接触領域に関して最適化される場合がある。

伝熱板の一実施形態によれば、前記第１の数の上側分散山部は、頂部上側山線に沿って延びる上側分散山部の大部分である。言い換えれば、この実施形態によれば、頂部上側山線に沿って延びる上側分散山部の大部分は、曲率半径が一定でない第１、第２、第３、および第４の角部を有し、それによって、付着物およびごみが蓄積する傾向が最小限に抑えられ、空間効率的で十分な接触領域が維持される場合がある。

伝熱板は、前記第１の数の上側分散山部の各々について、頂部の第３の角部の曲率半径が、頂部の第４の角部の曲率半径よりも大きいかまたは本質的に大きくなるように設計されてもよい。このことは、曲率半径が、前記第１の数の上側分散山部の各々の両端において一定でないことを意味する。それによって、伝熱板は、汚染防止ならびに空間効率的で十分な接触領域に関してさらに最適化される場合がある。

伝熱板は、前記第１の数の上側分散山部の各々について、頂部が、第１の角部と第３の角部との間において、第２のポートホールに対して２番目に近くに配置された上側山線に向かって隆起するか、またはこの上側山線から見たときに凸状になるようなものであってもよい。この実施形態によれば、前記第１の数の上側分散山部の頂部は、プレートの上方から見たときに、対称であるか否かにかかわらず、本質的に半円または楕円形の有してもよい。そのような実施形態は、停滞流領域の存在を最小限に抑えるのを可能にし、それによって、付着物およびごみが蓄積するリスクを最小限に抑える場合がある。

上記のことの代替として、伝熱板は、前記第１の数の上側分散山部の各々の頂部が、頂部上側山線に沿って連続的に配置された第１の端部、中間部、および第２の端部を備え、第１の端部が、第１および第２の角部を備え、第２の端部が、第３および第４の角部を備え、中間部が、本質的に一定の幅を有し、幅が、頂部上側山線に直交して測定されるようなものであってもよい。この実施形態によれば、前記第１の数の上側分散山部の頂部は、第１の角部と第３の角部との間に直線状の縁部を有してもよい。そのような実施形態は、空間効率的で十分な接触領域に関して伝熱板を最適化するのを可能にする。

伝熱板は、第２のポートホールと上側分散領域との間に配置された前上側対角ガスケット溝部をさらに備えてもよい。前上側対角ガスケット溝部の底部は、仮想前対角ガスケット平面内を延びてもよく、上側分散山部は、頂部上側山線に沿って延び、仮想前対角ガスケット平面から突出し、前上側対角ガスケット溝部に沿って延び、それによって、前上側対角ガスケット溝部の断続側壁を形成してもよい。この実施形態によれば、前上側対角ガスケット部は、第２の角部、第４の角部、および頂部上側山線に沿って延びる上側分散山部の頂部の、第２の角部と第４の角部の間を延びる縁部に隣接する。本発明に従って第１、第２、第３、および第４の角部の曲率半径を一定でなくすることによって、上側分散山部はまた、前上側対角ガスケット部に配置されたガスケット部について最適化された支持体を提供する場合がある。

仮想前対角ガスケット面は、仮想下面と一致してもよい。しかしながら、本発明の一実施形態によれば、前記仮想前対角ガスケット面は、仮想上面と仮想下面の間を、場合によっては、仮想上面および仮想下面に平行に延びる。そのような実施形態は、本発明に従って設計されたパック型のプレートを互いに対して「ひっくり返す」ならびに「回転させる」のを可能にする。

伝熱板は、仮想上側山線および仮想上側谷線が上側分散領域内に格子を形成するようなものであってもよい。格子の各メッシュを画定する上側分散谷部および上側分散山部は、伝熱板が、仮想上面と仮想下面との間を、場合によっては仮想上面および仮想下面に平行に延びる第１の仮想中間面内を延び得る領域を囲んでもよい。メッシュは開放されてもよく、または閉鎖されてもよい。したがって、上側分散パターンは、一般に伝熱板全体にわたる効果的な流れ分散に関連するいわゆるチョコレートパターンであってもよい。

伝熱板は、第１のポートホールに最も近くに配置された、上側谷線の頂部上側谷線に沿って延びる複数の上側分散谷部の各々の底部の、伝熱板の前記中心延長面に平行な第１の突起面における突起が、前記第１の数の上側分散山部のそれぞれの上側分散山部の頂部の、前記第１の突出面における突起の、伝熱板の長手方向中心軸に平行な鏡像であるようなものであってもよい。そのような実施形態は、本発明による伝熱板を備えるプレートパック内の互いに隣接するプレート間の当接に関する最適化を可能にする場合がある。

第１の突出面は仮想面である。

本発明による伝熱板の一実施形態によれば、第１および第３のポートホールは、伝熱板の長手方向中心軸の一方の同じ側に配置される。さらに、下側分散パターンは、細長い下側分散山部と細長い下側分散谷部とを備える。下側分散山部は、下側境界線から第３のポートホールおよび第４のポートホールのうちの一方に向かって延びる複数の分離された仮想下側山線に沿って長手方向に延びる。下側分散谷部は、下側境界線から第３のポートホールおよび第４のポートホールのうちの他方に向かって延びる複数の分離された仮想下側谷線に沿って長手方向に延びる。複数の下側分散山部および下側分散谷部の各々の頂部または底部の、伝熱板の前記中心延長面に平行な第２の突出面における突起は、前記第１の数の上側分散山部のそれぞれの上側分散山部の頂部の、前記第２の突出面における突起の、伝熱板の横中心軸に平行な鏡像である。そのような実施形態は、本発明による伝熱板を備えるプレートパック内の互いに隣接するプレート間の当接に関する最適化を可能にする場合がある。

前記複数の下側分散山部および下側分散谷部は、すべて下側分散山部またはすべて下側分散谷部のいずれかであってもよい。

第２の突出面は、仮想面であり、第１の突出面と一致してもよい。

上記の実施形態を参照すると、第３のポートホールおよび第４のポートホールのうちの前記一方は、第３のポートホールであってもよく、第３のポートホールおよび第４のポートホールのうちの前記他方は第４のポートホールであってもよい。それによって、仮想下側山線は、下側境界線から第３のポートホールに向かって延びてもよく、一方、仮想下側谷線は、下側境界線から第４のポートホールに向かって延びてもよい。さらに、第４のポートホールの最も近くに配置された、下側山線の底部下側山線に沿って延びる複数の下側分散山部の各々は、前記第１の数の上側分散山部のそれぞれの上側分散山部の、伝熱板の横中心軸に平行な鏡像であってもよい。そのような実施形態は、本発明による伝熱板を備えるプレートパック内の互いに隣接するプレート間の当接に関する最適化を可能にする場合があり、これらのプレートは、いわゆる並流型のプレートである。並流熱交換器は、１つのプレートタイプのみを備えてもよい。

代替的に、第３のポートホールおよび第４のポートホールのうちの前記一方は、第４のポートホールであってもよく、第３のポートホールおよび第４のポートホールのうちの前記他方は第３のポートホールであってもよい。それによって、仮想下側山線は、下側境界線から第４のポートホールに向かって延びてもよく、一方、仮想下側谷線は、下側境界線から第３のポートホールに向かって延びてもよい。さらに、第４のポートホールの最も近くに配置された、下側谷線の底部下側谷線に沿って延びる複数の下側分散谷部の各々の底部の、第２の突出面における突起は、前記第１の数の上側分散山部のそれぞれの上側分散山部の頂部の、第２の突出面における突起の、伝熱板の横中心軸に平行な鏡像であってもよい。そのような実施形態は、本発明による伝熱板を備えるプレートパック内の互いに隣接するプレート間の当接に関する最適化を可能にする場合があり、これらのプレートは、いわゆる斜流型のプレートである。斜流熱交換器は、２つ以上のプレートタイプを備えてもよい。

伝熱板は、第２のポートホールの最も近くに配置された複数の仮想上側山線が、複数の仮想上側山線の延長線の少なくとも一部に沿って湾曲し、それによって第２のポートホールから見たときに隆起するように設計されてもよい。このことは、伝熱板全体にわたる効果的な流れ分散に寄与する場合がある。

上側境界線および下側境界線は、非直線状であってもよく、すなわち、伝熱板の長手方向中心軸に非垂直に延びてもよい。それによって、上側境界線および下側境界線が伝熱板の曲げ線として働くことがある場合の伝熱板の曲げ強度は、その代わりに上側境界線および下側境界線を直線状にした場合と比較して高くなる場合がある。たとえば、上側境界線および下側境界線は、湾曲させるかまたはアーチ状にしてもよく、または伝熱領域から見たときに隆起するように凹状にしてもよい。そのような湾曲した上側境界線および下側境界線は、対応する直線状の上側境界線および下側境界線よりも長く、それによって、分散領域のより大きい「出口」およびより大きい「入口」が得られる。さらに、このことは、伝熱板全体にわたる効果的な流れ分散に寄与する場合がある。

本発明の伝熱板の上述の特徴のすべてではないにしても大部分の利点が、伝熱板を他の適切に構成された伝熱板、特に本発明による他の伝熱板とプレートパックにおいて組み合わされたときにもたらされることに留意されたい。

本発明のさらに他の目的、特徴、態様、および利点は、以下の詳細な説明ならびに図面から明らかになろう。

次に、本発明について、添付の概略図を参照してより詳細に説明する。

伝熱板の概略的な平面図である。 プレートパックの外側から見たときの、プレートパック内の互いに隣接する伝熱板の当接する外縁部を示す図である。 図１に示す伝熱板の上側分散領域の拡大図である。 図１に示す伝熱板の下側分散領域の拡大図である。 図１に示す伝熱板の上側分散領域および下側分散領域における概略断面図である。 図１に示す伝熱板の上側分散領域および下側分散領域における概略断面図である。 図１に示す伝熱板の上側分散領域および下側分散領域における概略断面図である。 図１に示す伝熱板の上側分散領域および下側分散領域における概略断面図である。 図１に示す伝熱板の上側分散領域の中心部に配置された上側分散山部および上側分散谷部の拡大図である。 図１に示す伝熱板の上側分散山領域における頂部上側山線に沿って延びる上側分散山部の拡大図である。 図１に示す伝熱板の上側分散領域における頂部上側谷線に沿って延びる上側分散谷部の拡大図である。

図２を除く、上記で参照された図のすべてが、伝熱板自体ではなく、本発明による伝熱板を押し付けるための手段を示すことに留意されたい。したがって、図は、常に１００％の精度で伝熱板を示すとは限らない。

図１は、導入として説明したガスケット付きプレート熱交換器の伝熱板２ａを示す。ガスケット付きＰＨＥは、完全には図示されていないが、伝熱板２ａのような伝熱板２のパック、すなわち、ガスケットによって分離された類似の伝熱板のパックを備える。ガスケットも類似しており、図示されていない。図２を参照すると、プレートパックにおいて、プレート２ａの前側４（図１に示されている）は、隣接するプレート２ｂに面しており、一方、プレート２ａの裏側６（図１では見えず、図２に示されている）は別の隣接するプレート２ｃに面している。

図１を参照すると、伝熱板２ａは、ステンレス鋼の本質的に矩形のシートである。伝熱板２ａは、上側端部８を備え、上側端部８は、第１のポートホール１０と、第２のポートホール１２と、上側分散領域１４とをさらに備える。プレート２ａは、下側端部１６をさらに備え、第３のポートホール１８と、第４のポートホール２０と、下側分散領域２２とをさらに備える。下側端部１６は、上側端部８の、伝熱板２ａの横中心軸Ｔに平行な鏡像である。プレート２ａは、中心部２４をさらに備え、中心部２４は、伝熱領域２６と、上側端部８および下側端部１６ならびに中心部２４の周りを延びる外縁部２８とをさらに備える。上側端部８は、上側境界線３０に沿って中心部２４に隣接し、一方、下側端部１６は、下側境界線３２に沿って中心部２４に隣接している。上側境界線および下側境界線３０および３２は、互いに向かって隆起するようにアーチ状である。図１から明らかなように、上側端部８、中心部２４、および下側端部１６は、プレート２ａの長手方向中心軸Ｌに沿って連続的に配置され、長手方向中心軸Ｌは、プレート２ａの横中心軸Ｔに垂直に延びている。同じく図１から明らかなように、第１のポートホール１０および第３のポートホール１８は、長手方向中心軸Ｌの一方の同じ側に配置され、一方、第２のポートホール１２および第４のポートホール２０は、長手方向中心軸Ｌの一方の他方の側に配置されている。また、伝熱板２ａは、前側４から見ると、前ガスケット溝３４を備え、裏側６から見ると裏ガスケット溝（図示せず）を備えている。前ガスケット溝３４は、第２のポートホール１２と上側分散領域１４との間に配置された前上側対角ガスケット溝部３４ａを備える。裏ガスケット溝は、第１のポートホール１０と上側分散領域１４との間に配置された裏上側対角ガスケット溝部（図示せず）を備える。前および裏ガスケット溝部は、部分的に互いに位置合わせされ、それぞれのガスケットを受けるように配置されている。

伝熱板２ａは、従来のように押圧手段において押し付けられ、所与の構造が与えられ、より詳細には、伝熱板のそれぞれに異なる部分内にはそれぞれに異なる波形パターンが与えられる。導入として説明したように、波形パターンは、それぞれのプレート部分の特定の機能について最適化される。したがって、上側分散領域１４には、いわゆるチョコレート型の上側分散パターンが設けられ、下側分散領域２２には、いわゆるチョコレート型の下側分散パターンが設けられ、伝熱領域２６には、伝熱パターンが設けられている。さらに、外縁部２８は、外縁部の剛性をより高くする波形３６を備え、したがって、伝熱板２ａは変形に対する耐性が高くなっている。さらに、波形３６は、ＰＨＥのプレートパック内の隣接する伝熱板の波形に当接するように配置されるという点で支持構造を形成している。プレートパックの伝熱板２ａと２枚の隣接する伝熱板２ｂおよび２ｃとの間の周辺接触を示す図２も参照するとわかるように、波形３６は、仮想上面３８と仮想下面４０との間ならびに仮想上面３８および仮想下面４０内を延びており、仮想上面３８と仮想下面４０は図１の図平面に平行である。仮想中心延長面４２は、上面３８と下面４０の中間を延びている。前上側対角ガスケット溝部３４ａの底部４３ａは、中心延長面４２と一致する仮想前対角ガスケット面４５内を延びている。裏上側対角ガスケット溝部の底部は、中心延長面４２と一致する仮想裏対角ガスケット面内を延びている。代替実施形態では、前および裏対角ガスケット面を異なるように位置させることができる。

図１および図２を参照すると、伝熱パターンは、いわゆるヘリングボーン型であり、長手方向中心軸Ｌに沿って交互に配置され、上面３８と下面４０との間において上面３８および下面４０内を延びるＶ字型伝熱山部４４および伝熱谷部４６を備える。伝熱山部４４および伝熱谷部４６は、中心延長面４２に対して対称である。したがって、伝熱領域２６内で、プレート２ａおよび上面３８によって密閉された体積は、プレート２ａおよび下面４０によって密閉される体積と同様である。代替実施形態では、この代わりに、伝熱山部４４および伝熱谷部４６が中心延長面４２に対して非対称とすることができ、それによって、プレート２ａおよび下面４０によって密閉される体積とは異なるプレート２ａおよび上面３８によって密閉される体積が提供される。

プレート２ａの各部の拡大図を示す図３ａおよび図３ｂを参照すると、上側分散領域１４および下側分散領域２２内の上側分散パターンおよび下側分散パターンの各々はそれぞれ、細長い上側分散山部５０ｕおよび下側分散山部５０ｌ、ならびにそれぞれ、細長い上側分散谷部５２ｕおよび下側分散谷部５２ｌを備える。上側分散山部５０ｕおよび下側分散山部５０ｌは、それぞれ複数の、すなわち２つ以上の上側分散山部５０ｕまたは下側分散山部５０ｌを含む群に分割される。各群の上側分散山部５０ｕおよび下側分散山部５０ｌは、それぞれ、いくつかの分離された仮想上側山線５４ｕおよび仮想下側山線５４ｌのうちの１つに沿って配置され、長手方向に延びており、図３ａおよび図３ｂに仮想上側山線５４ｕおよび仮想下側山線５４ｌのうちのいくつかのみが破線によって示されている。同様に、上側分散谷部５２ｕおよび下側分散谷部５２ｌは群に分割される。各群の上側分散谷部５２ｕおよび下側分散谷部５２ｌは、それぞれ、いくつかの分離された仮想上側谷線５６ｕおよび仮想下側谷線５６ｌのうちの１つに沿って配置され、長手方向に延びており、図３ａおよび図３ｂに仮想上側谷線５６ｕおよび仮想下側谷線５６ｌのうちのいくつかのみが破線によって示されている。図３ａに示すように、上側分散領域１４において、仮想上側山線５４ｕは、上側境界線３０から第１のポートホール１０に向かって延び、一方、仮想上側谷線５６ｕは、上側境界線３０から第２のポートホール１２に向かって延びている。同様に、図３ｂに示すように、下側分散領域２２において、仮想下側山線５４ｌは、下側境界線３２から第３のポートホール１８に向かって延び、一方、仮想下側谷線５６ｌは、下側境界線３２から第４のポートホール２０に向かって延びている。

図４ａ～図４ｄは、上側分散領域１４および下側分散領域２２の断面を概略的に示す。図３ａおよび図３ｂを参照すると、図４ａは、仮想上側谷線５６ｕのうちの２つの互いに隣接する仮想上側谷線５６ｕ間または仮想下側谷線５６ｌのうちの２つの互いに隣接する仮想下側谷線５６ｌ間のプレートの断面を示し、一方、図４ｂは、仮想上側山線５４ｕのうちの２つの互いに隣接する仮想上側山線５４ｕ間または仮想下側山線５４ｌのうちの２つの互いに隣接する仮想下側山線５４ｌ間のプレートの断面を示す。さらに、図４ｃは、仮想上側山線５４ｕまたは仮想下側山線５４ｌのうちの１つに沿ったプレートの断面を示し、一方、図４ｄは、仮想上側谷線５６ｕまたは仮想下側谷線５６ｌのうちの１つに沿ったプレートの断面を示す。

仮想上側山線５４ｕおよび仮想上側谷線５６ｕは互いに交差して上側分散領域１４内に仮想格子を形成する。同様に、仮想下側山線５４ｌおよび仮想下側谷線５６ｌは互いに交差して下側分散領域２２内に仮想格子を形成する。格子の各メッシュを画定する上側分散山部５０ｕおよび下側分散山部５０ｌならびに上側分散谷部５２ｕおよび下側分散谷部５２ｌはそれぞれの領域６２（図１）を密閉する。上側境界線３０および下側境界線３２に沿ったメッシュは開放しており、一方、メッシュの残りは閉鎖している。上側分散領域１４の一部を示す図４ａ～図４ｄおよび図５を参照すると、上側分散山部５０ｕおよび下側分散山部５０ｌのそれぞれの頂部５０ｕｔおよび５０ｌｔは、上面３８内を延び、丸い第１の角部６４、第２の角部６６、第３の角部６８、および第４の角部７０を有する。第１の角部６４および第２の角部６６は、上側分散山部５０ｕおよび下側分散山部５０ｌの頂部５０ｕｔおよび５０ｌｔのそれぞれの第１の端部６５に形成され、第３の角部６８および第４の角部７０は、上側分散山部５０ｕおよび下側分散山部５０ｌの頂部５０ｕｔおよび５０ｌｔのそれぞれの第２の端部６７に形成されている。第１の端部６５および第２の端部６７は、上側分散山部５０ｕおよび下側分散山部５０ｌの頂部５０ｕｔおよび５０ｌｔのそれぞれの中間部６９の両側に配置されている。同様に、上側分散谷部５２ｕおよび下側分散谷部５２ｌのそれぞれの底部５２ｕｂおよび５２ｌｂは、下面４０内を延び、丸い第１の角部７４、第２の角部７６、第３の角部７８、および第４の角部８０を有する。第１の角部７４および第２の角部７６は、上側分散谷部５２ｕおよび下側分散谷部５２ｌの底部５２ｕｂおよび５２ｌｂのそれぞれの第１の端部７５に形成され、第３の角部７８および第４の角部８０は、上側分散山部５２ｕおよび下側分散山部５２ｌの底部５２ｕｂおよび５２ｌｂのそれぞれの第２の端部７７に形成されている。第１の端部７５および第２の端部７７は、上側分散山部５２ｕおよび下側分散山部５２ｌの底部５２ｕｂおよび５２ｌｂのそれぞれの中間部７９の両側に配置されている。

領域６２内において、伝熱板２ａは第１の仮想中間面６３内を延びている。上側分散山部５０ｕまたは下側分散山部５０ｌまたは上側分散谷部５２ｕまたは下側分散谷部５２ｌのうちの２つの隣接する部分間において、すなわち、上側分散領域１４および下側分散領域２２内の仮想格子の交差点において、伝熱板２ａは第２の仮想中間面７３内を延びている。ここで、第１の仮想中間面６３および第２の仮想中間面７３は中心延長面４２と一致する。したがって、上側分散領域１４および下側分散領域２２内において、プレート２ａおよび上面３８によって密閉される体積は、プレート２ａおよび下面４０によって密閉される体積は同様である。第１の中間面６３および第２の中間面７３の代替実施形態では、この代わりに、第１の中間面６３および第２の中間面７３が中心延長面４２からずらされてもよく、それによって、プレート２ａおよび下面４０によって密閉される体積とは異なるプレート２ａおよび上面３８によって密閉される体積が提供される。

図３ａおよび図３ｂに示すように、分散山部および谷部の最大の群を有する仮想上側山線５４ｕおよび仮想下側山線５４ｌならびに仮想上側谷線５６ｕおよび仮想下側谷線５６ｌ、すなわち、より長い仮想上側山線および仮想下側山線ならびに仮想上側谷線および仮想下側谷線は、湾曲し、それによって上側境界線３０および下側境界線３２のそれぞれに向かって隆起している。分散山部および谷部の最小の群を有する仮想上側山線５４ｕおよび仮想下側山線５４ｌならびに仮想上側谷線５６ｕおよび仮想下側谷線５６ｌ、すなわち、より短い仮想上側山線および仮想下側山線ならびに仮想上側谷線および仮想下側谷線は、本質的に直線状である。

仮想上側山線５４ｕのうちの最長の仮想上側山線５４ｕは、第２のポートホール１２の最も近くに配置された仮想上側山線であり、以下では頂部上側山線５４ＴＲと呼ぶ。仮想上側谷線５６ｕのうちの最長の仮想上側谷線５６ｕは、第１のポートホール１０の最も近くに配置された仮想上側谷線であり、以下では頂部上側谷線５６ＴＶと呼ぶ。仮想下側山線５４ｌのうちの最長の仮想下側山線５４ｌは、第４のポートホール２０の最も近くに配置された仮想下側山線であり、以下では底部下側山線５４ＢＲと呼ぶ。仮想下側谷線５６ｌのうちの最長の仮想下側谷線５６ｌは、第３のポートホール１８の最も近くに配置された仮想下側谷線であり、以下では底部下側谷線５６ＢＶと呼ぶ。

上側分散山部５０ｕおよび下側分散山部５０ｌならびに上側分散谷部５２ｕおよび下側分散谷部５２ｌの大部分の頂部５０ｕｔおよび５０ｌｔならびに底部５２ｕｂおよび５２ｌｂは、図５に示すように、本質的に四角形である。しかしながら、このことは、頂部上側山線５４ＴＲに沿って延びる上側分散山部５０ｕの第１の数、ここではすべてに当てはまるわけではない。上側分散山部５０ｕは、仮想前対角ガスケット面４５から突出し、前上側対角ガスケット溝部３４ａに沿って延びて前上側対角ガスケット溝部３４ａの断続側壁７１（図３ａ）を形成する。その代わりに、図６に示すように、頂部上側山線５４ＴＲに沿って延びる上側分散山部５０ｕの各々の頂部５０ｕｔは、第１の角部６４の曲率半径ｒ１が第２の角部６６の曲率半径ｒ２よりも本質的に大きく、第３の角部６８の曲率半径ｒ３が第４の角部７０の曲率半径ｒ４よりも本質的に大きくなるように設計される。ここで、ｒ１とｒ３とは本質的に等しく、一方、ｒ２とｒ４とは本質的に等しい。このことは、本発明の他の実施形態には当てはまらない場合がある。さらに、第１の角部６４と第３の角部６８との間、および第２の角部６６と第４の角部７０との間において、上側分散山部５０ｕの各々の頂部５０ｕｔは直線状に延びている。それによって、頂部５０ｕｔの中間部６９には本質的に一定の幅ｗが与えられ、幅ｗは、頂部上側山線５４ＴＲに直交して測定される。

図３ａ～図３ｂ、図５、および図７を参照すると、頂部上側山線５６ＴＶに沿って延びる上側分散谷部５２ｕの複数の底部５２ｕｂ、ここではすべての底部５２ｕｂの第１の突出面Ｐ１（図２）における突起は、頂部上側山線５４ＴＲに沿って延びる上側分散山部５０ｕの頂部５０ｕｔの、第１の突出面Ｐ１における突起の、伝熱板２ａの長手方向中心軸Ｌに平行な鏡像である。さらに、また、頂部上側山線５６ＴＶに沿って延びる上側分散谷部５２ｕは、それぞれ曲率半径ｒ１およびｒ３の第１および第３の角部７４、７８ならびにそれぞれ曲率半径ｒ２およびｒ４の第２および第４の角部７６、８０を有する底部５２ｕｂを備え、ここで、ｒ１およびｒ３はｒ２およびｒ４よりも本質的に大きい。

ここで、第１の突出面Ｐ１は、伝熱板２ａの中心延長面４２と一致するが、本発明の代替実施形態では異なる場合がある。

上記のように、下側端部１６は、上側端部８の、伝熱板２ａの横中心軸Ｔに平行な鏡像である。したがって、また、底部下側山線５４ＢＲに沿って延びる下側分散山部５０ｌおよび底部下側谷線５６ＢＶに沿って延びる下側分散谷部５２ｌは、曲率半径ｒ１およびｒ３の第１の角部６４、７４および第３の角部６８、７８ならびに曲率半径ｒ２およびｒ４の第２の角部６６、７６および第４の角部７０、８０を有する頂部５０ｌｔおよび底部５２ｌｂを備え、ここで、ｒ１およびｒ３はｒ２およびｒ４よりも本質的に大きい。

前述のように、プレートパックでは、プレート２ａは、プレート２ｂとプレート２ｃの間に配置される。プレート２ｂおよび２ｃは、プレート２ａに対して「ひっくり返して」または「回転させて」のいずれかで配置されてもよい。

プレート２ｂおよび２ｃがプレート２ａに対して「ひっくり返して」配置される場合、プレート２ａの前側４および裏側６はそれぞれ、プレート２ｂの前側４およびプレート２ｃの裏側６に面する。このことは、プレート２ａの山部がプレート２ｂの山部に当接し、一方、プレート２ａの谷部がプレート２ｃの谷部に当接することを意味する。より詳細には、プレート２ａの伝熱山部４４および伝熱谷部４６は、点状接触領域において、それぞれ、プレート２ｂの伝熱山部４４およびプレート２ｃの伝熱谷部４６に当接する。さらに、プレート２ａの上側分散山部５０ｕおよび下側分散山部５０ｌは、細長い接触領域において、それぞれ、プレート２ｂの下側分散山部５０ｌおよび上側分散山部５０ｕに当接し、一方、プレート２ａの上側分散谷部５２ｕおよび下側分散谷部５２ｌは、細長い接触領域において、それぞれ、プレート２ｃの下側分散谷部５２ｌおよび上側分散谷部５２ｕに当接する。特に、プレート２ａの頂部上側山線５４ＴＲに沿った上側分散山部５０ｕおよび底部下側山線５４ＢＲに沿った下側分散山部５０ｌは、プレート２ｂのそれぞれ、底部下側山線５４ＢＲに沿った下側分散山部５０ｌおよび頂部上側山線５４ＴＲに沿った上側分散山部５０ｕに位置合わせされ、当接する。さらに、プレート２ａの頂部上側谷線５６ＴＶに沿った上側分散谷部５２ｕおよび底部下側谷線５６ＢＶに沿った下側分散谷部５２ｌは、プレート２ｃのそれぞれ、底部下側谷線５６ＢＶに沿った下側分散谷部５２ｌおよび頂部上側谷線５６ＴＶに沿った上側分散谷部５２ｕに位置合わせされ、当接する。

したがって、プレートの分散チャネルは、プレートの分散領域間に分散流トンネルを形成するように位置合わせされる。最も長い分散流チャネルは、プレートのポートホールに最も近く、より丸い分散山部および谷部によって画定され、それによって、最も長い分散流チャネルにおいて、停滞流領域が低減し、したがって、付着物およびごみの蓄積が低減する。

プレート２ｂおよび２ｃがプレート２ａに対して「回転して」配置された場合、プレート２ａの前側４および裏側６はそれぞれ、プレート２ｂの裏側６およびプレート２ｃの前側４に面する。このことは、プレート２ａの山部がプレート２ｂの谷部に当接し、一方、プレート２ａの谷部がプレート２ｃの山部に当接することを意味する。より詳細には、プレート２ａの伝熱山部４４および伝熱谷部４６は、点状接触領域において、それぞれ、プレート２ｂの伝熱谷部４６およびプレート２ｃの伝熱山部４４に当接する。さらに、さらに、プレート２ａの上側分散山部５０ｕおよび下側分散山部５０ｌは、細長い接触領域において、それぞれ、プレート２ｂの下側分散谷部５２ｌおよび上側分散谷部５２ｕに当接し、一方、プレート２ａの上側分散谷部５２ｕおよび下側分散谷部５２ｌは、細長い接触領域において、それぞれ、プレート２ｃの下側分散山部５０ｌおよび上側分散山部５０ｕに当接する。特に、プレート２ａの頂部上側山線５４ＴＲに沿った上側分散山部５０ｕおよび底部下側山線５４ＢＲに沿った下側分散山部５０ｌは、プレート２ｂのそれぞれ、底部下側谷線５６ＢＶに沿った下側分散谷部５２ｌおよび頂部上側谷線５６ＴＶに沿った上側分散谷部５２ｕに位置合わせされ、当接する。さらに、プレート２ａの頂部上側谷線５６ＴＶに沿った上側分散谷部５２ｕおよび底部下側谷線５６ＢＶに沿った下側分散谷部５２ｌは、プレート２ｃのそれぞれ、底部下側山線５４ＢＲに沿った下側分散山部５０ｌおよび頂部上側山線５４ＴＲに沿った上側分散谷部５０ｕに位置合わせされ、当接する。

図１および図３ａ～図３ｂに示す上述の伝熱板２ａは、並流型であり、このことは、第１の流体についての入口および出口ポートホールが伝熱板の長手方向中心軸Ｌの一方の側に配置され、一方、第２の流体についての入口および出口ポートホールが伝熱板の長手方向中心軸Ｌの別の側に配置されることを意味する。並流型のプレートのプレートパックでは、すべてのプレートが類似していてもよいが、そうする必要はない。本発明の代替実施形態によれば、伝熱板は、斜流型であり、このことは、第１の流体についての入口および出口ポートホールが伝熱板の長手方向中心軸Ｌの両側に配置され、第２の流体についての入口および出口ポートホールが伝熱板の長手方向中心軸Ｌの両側に配置されることを意味する。斜流型のプレートのプレートパックは一般に、少なくとも２つの異なるタイプのプレートを備える。

斜流型プレート上では、下側端部は一般に、上側端部の、プレートの横中心軸に平行な鏡像ではない。その代わり、上側分散パターンと下側分散パターンとは同様の設計を有してもよい。本発明の一実施形態による斜流型の伝熱板２ｄ（図２に概略的に示されている）は、下側分散領域２２に関する点を除いて上述のように設計される。より詳細には、下側分散領域２２において、仮想下側山線５４ｌは下側境界線３２から第４のポートホール２０に向かって延び、一方、仮想下側谷線５６ｌは下側境界線３２から第３のポートホール１８に向かって延びている。それによって、底部下側山線５４ＢＲは、第３のポートホール１８の最も近くに配置された仮想下側山線になり、一方、底部下側谷線５６ＢＶは、第４のポートホール２０の最も近くに配置された仮想下側谷線になる。

底部下側谷線５６ＢＶに沿って延びる下側分散谷部５２ｌの複数、ここではすべての底部５２ｌｂの第２の突出面Ｐ２（図２）における突起は、頂部上側山線５４ＴＲに沿って延びる上側分散山部５０ｕの頂部５０ｕｔの、第２の突出面Ｐ２における突起の、伝熱板２ｄの横中心軸Ｔに平行な鏡像である。さらに、また、底部下側谷線５６ＢＶに沿って延びる下側分散谷部５２ｌは、曲率半径ｒ１およびｒ３の第１の角部７４および第３の角部７８ならびに曲率半径ｒ２およびｒ４の第２の角部７６および第４の角部８０を有する底部５２ｕｂを備え、ここで、ｒ１およびｒ３はｒ２およびｒ４よりも本質的に大きい。

さらに、底部下側山線５４ＢＲに沿って延びる下側分散山部５０ｌの複数、ここではすべての頂部５０ｌｔの第２の突出面Ｐ２における突起は、頂部上側谷線５６ＴＶに沿って延びる上側分散谷部５２ｕの底部５２ｕｂの、第２の突出面Ｐ２における突起の、伝熱板２ｄの横中心軸Ｔに平行な鏡像である。さらに、また、底部下側山線５４ＢＲに沿って延びる下側分散山部５０ｌは、曲率半径ｒ１およびｒ３の第１の角部６４および第３の角部６８ならびに曲率半径ｒ２およびｒ４の第２の角部６６および第４の角部７０を有する頂部５０ｕｔを備え、ここで、ｒ１およびｒ３はｒ２およびｒ４よりも本質的に大きい。

ここで、第２の突出面Ｐ２は、伝熱板２ｄの中心延長面４２と一致するが、本発明の代替実施形態では異なる場合がある。

斜流型のプレートのプレートパックでは、プレート２ｄは、プレート２ｂとプレート２ｃの間に配置される。プレート２ｂおよび２ｃは、同じタイプであり、上側分散領域および下側分散領域内を除いてプレート２ｄと同様に設計される。詳細には、プレート２ｂおよび２ｃの上側分散領域および下側分散領域は、プレート２ｄの上側分散領域および下側分散領域のプレートの長手方向中心軸に平行な鏡像である。プレート２ｂおよび２ｃをプレート２ｄに対して「ひっくり返して」または「回転させて」のいずれかで配置して、それによって、上述の相互プレート当接を実現してもよい。

上述の伝熱板２ａ～２ｄ上では、頂部上側山線および底部下側山線ならびに頂部上側谷線および底部下側谷線に沿った分散山部および分散谷部は、一定の幅ｗを有する中間部を備える頂部および底部を有する。本発明の代替実施形態によれば、この代わりに、中間部は可変幅を有する。一例として、中間部は、それぞれの最も近いポートホールから離れることができ、それによって、分散山部および分散谷部の頂部および底部に半楕円または半円の本質的な形状が与えられる。

本発明の上述の実施形態は例としてのみ見なすべきである。当業者には、本発明の概念から逸脱せずに説明した実施形態をいくつかの方法で変更することができることが認識されよう。

たとえば、伝熱領域は、上記で説明した伝熱パターン以外の伝熱パターンを含んでもよい。さらに、上側分散パターンおよび下側分散パターンはチョコレート型である必要はなく、他の設計を有してもよい。

分散山部および谷部のいくつかまたはすべて、特に頂部および底部、上および下側山線および谷線に沿って配置された分散山部および谷部は、図示したように設計される必要はなく、他の設計を有してもよい。

より長い仮想上側山線および下側山線ならびに上側谷線および下側谷線を湾曲させる必要はない。その代わりに、すべての仮想上側山線および下側山線ならびに仮想上側谷線および下側谷線を直線状にすることができる。別の例として、またより短い、すなわち、すべての仮想上側山線および下側山線ならびに仮想上側谷線および下側谷線を湾曲させることができる。さらに、上側境界線および下側境界線は、湾曲する必要がなく、他の形態を有することができる。たとえば、上側境界線および下側境界線を直線状またはジグザグ状にすることができる。

伝熱板は、ＥＰ２９５７８５１、ＥＰ２７２８２９２、またはＥＰ１８９９６７１に記載されたような遷移バンドを伝熱領域と分散領域の間にさらに備えることができる。そのようなプレートは「回転可能」であってもよいが「ひっくり返すこと」はできなくてもよい。

本発明は、ガスケット付きプレート熱交換器に制限されず、溶接、半溶接、ろう付け、融着されたプレート熱交換器において使用することができる。

伝熱板は、矩形である必要はなく、直角角部の代わりに、円形であるか楕円形であるかにかかわらず丸い角部を有する、本質的に矩形などの他の形状を有してもよい。伝熱板は、ステンレス鋼で作る必要はなく、チタンまたはアルミニウムなどの他の材料製とすることができる。

本明細書では、前、裏、上側、下側、第１、第２などの属性が細部を区別するためのみに使用されており、細部間の何らかの種類の方向または相互順序を表すために使用されているのではないことに留意されたい。

さらに、本発明に関連しない細部の説明は省略されており、図が概略的なものに過ぎず、一定の縮尺では描かれていないことに留意されたい。図のいくつかが他の図よりも簡略化されていることにも留意されたい。したがって、いくつかの構成要素が、１つの図に示され、別の図では省略されている場合がある。

２ 伝熱板
２ａ、２ｂ、２ｃ、２ｄ 伝熱板、プレート
４ 前側
６ 裏側
８ 上側端部
１０ 第１のポートホール
１２ 第２のポートホール
１４ 上側分散領域
１６ 下側端部
１８ 第３のポートホール
２０ 第４のポートホール
２２ 下側分散領域
２４ 中心部
２６ 伝熱領域
２８ 外縁部
３０ 上側境界線
３２ 下側境界線
３４ 前ガスケット溝
３４ａ 前上側対角ガスケット溝部
３６ 波形
３８ 仮想上面
４０ 仮想下面
４２ 仮想中心延長面
４３ａ 底部
４４ 伝熱山部
４５ 仮想前対角ガスケット面
４６ 伝熱谷部
５０ｕ 上側分散山部
５０ｌ 下側分散山部
５０ｕｔ、５０ｌｔ 頂部
５２ｕ 上側分散谷部
５２ｌ 下側分散谷部
５２ｕｂ 底部
５２ｌｂ 底部
５４ｕ 仮想上側山線
５４ｌ 仮想下側山線
５４ＢＲ 底部下側山線
５４ＴＲ 頂部上側山線
５６ＢＶ 底部下側谷線
５６ＴＶ 頂部上側谷線
５６ｕ 仮想上側谷線
５６ｌ 仮想下側谷線
６２ 領域
６３ 第１の仮想中間面、第１の中間面
６４、７４ 第１の角部
６５、７５ 第１の端部
６６、７６ 第２の角部
６７、７７ 第２の端部
６８、７８ 第３の角部
６９ 中間部
７０、８０ 第４の角部
７１ 断続側壁
７３ 第２の仮想中間面、第２の中間面
７９ 中間部
Ｌ 長手方向中心軸
Ｐ１ 第１の突出面
Ｐ２ 第２の突出面
ｒ１、ｒ２、ｒ３、ｒ４ 曲率半径
Ｔ 横中心軸
ｗ 幅

Claims (14)

1. 仮想中心延長面（４２）内を延びる伝熱板（２ａ、２ｄ）であって、前記伝熱板（２ａ、２ｄ）の長手方向中心軸（Ｌ）に沿って連続的に配置された上側端部（８）と、中心部（２４）と、下側端部（１６）とを備え、前記上側端部（８）が、第１および第２のポートホール（１０、１２）と、上側分散パターンが設けられた上側分散領域（１４）とを備え、前記下側端部（１６）が、第３および第４のポートホール（１８、２０）と、下側分散パターンが設けられた下側分散領域（２２）とを備え、前記中心部（２４）が、前記上側分散パターンおよび前記下側分散パターンとは異なる伝熱パターンが設けられた伝熱領域（２６）を備え、前記上側端部（８）が、上側境界線（３０）に沿って前記中心部（２４）に隣接し、前記下側端部（１６）が、下側境界線（３２）に沿って前記中心部（２４）に隣接し、前記上側分散パターンが、細長い上側分散山部（５０ｕ）と細長い上側分散谷部（５２ｕ）とを備え、前記上側分散山部（５０ｕ）のそれぞれの頂部（５０ｕｔ）が、仮想上面（３８）内を延び、丸い第１の角部、丸い第２の角部、丸い第３の角部、および丸い第４の角部（６４、６６、６８、７０）を有し、前記上側分散谷部（５２ｕ）のそれぞれの底部（５２ｕｂ）が、仮想下面（４０）内を延び、丸い第１の角部、丸い第２の角部、丸い第３の角部、および丸い第４の角部（７４、７６、７８、８０）を有し、前記上側分散山部（５０ｕ）が、前記上側境界線（３０）から前記第１のポートホール（１０）に向かって延びる複数の分離された仮想上側山線（５４ｕ）に沿って長手方向に延び、前記上側分散谷部（５２ｕ）が、前記上側境界線（３０）から前記第２のポートホール（１２）に向かって延びる複数の分離された仮想上側谷線（５６ｕ）に沿って長手方向に延びる、伝熱板（２ａ、２ｄ）において、前記上側山線（５４ｕ）の頂部上側山線（５４ＴＲ）に沿って延びる、１よりも大きい第１の数の前記上側分散山部の各々について、前記頂部上側山線（５４ＴＲ）が、前記第２のポートホール（１２）の最も近くに配置され、前記頂部（５０ｕｔ）の前記第１の角部（６４）の曲率半径が、前記頂部（５０ｕｔ）の前記第２の角部（６６）の曲率半径よりも大きく、前記第１および第２の角部（６４、６６）が、前記頂部上側山線（５４ＴＲ）の両側に配置され、前記第２の角部（６６）が、前記第１の角部（６４）よりも前記第２のポートホール（１２）の近くに配置され、前記第１および第３の角部が、前記頂部上側山線の同じ側に配置されることを特徴とする、伝熱板（２ａ、２ｄ）。
2. 前記第１の数の前記上側分散山部（５０ｕ）が、前記頂部上側山線（５４ＴＲ）に沿って延びる前記上側分散山部（５０ｕ）の大部分である、請求項１に記載の伝熱板（２ａ、２ｄ）。
3. 前記第１の数の前記上側分散山部（５０ｕ）の各々について、前記頂部（５０ｕｔ）の前記第３の角部（６８）の曲率半径が前記頂部（５０ｕｔ）の前記第４の角部（７０）の曲率半径よりも大きい、請求項１または２に記載の伝熱板（２ａ、２ｄ）。
4. 前記第１の数の前記上側分散山部（５０ｕ）の各々について、前記頂部（５０ｕｔ）が、前記第１の角部（６４）と前記第３の角部（６８）の間において、前記第２のポートホール（１２）に対して２番目に近くに配置された前記上側山線（５４ｕ）に向かって隆起する、請求項１から３のいずれか一項に記載の伝熱板（２ａ、２ｄ）。
5. 前記第１の数の前記上側分散山部（５０ｕ）の各々の前記頂部（５０ｕｔ）が、前記頂部上側山線（５４ＴＲ）に沿って連続的に配置された第１の端部（６５）と、中間部（６９）と、第２の端部（６７）とを備え、前記第１の端部（６５）が、前記第１および第２の角部（６４、６６）を備え、前記第２の端部が、前記第３および第４の角部（６８、７０）を備え、前記中間部（６９）が、本質的に一定の幅（ｗ）を有し、前記幅（ｗ）が、前記頂部上側山線（５４ＴＲ）に直交して測定される、請求項１から４のいずれか一項に記載の伝熱板（２ａ、２ｄ）。
6. 前記第２のポートホール（１２）と前記上側分散領域（１４）との間に配置された前上側対角ガスケット溝部（３４ａ）をさらに備え、前記前上側対角ガスケット溝部（３４ａ）の底部（４３ａ）が、仮想前対角ガスケット面（４５）内を延び、前記上側分散山部（５０ｕ）が、前記頂部上側山線（５４ＴＲ）に沿って延び、前記仮想前対角ガスケット面（４５）から突出し、前記前上側対角ガスケット溝部（３４ａ）に沿って延び、それによって、前記前上側対角ガスケット溝部（３４ａ）の断続側壁（７１）を形成する、請求項１から５のいずれか一項に記載の伝熱板（２ａ、２ｄ）。
7. 前記仮想前対角ガスケット面（４５）が、前記仮想上面（３８）と前記仮想下面（４０）との間を延びる、請求項６に記載の伝熱板（２ａ、２ｄ）。
8. 前記仮想上側山線（５４ｕ）および前記仮想上側谷線（５６ｕ）が、前記上側分散領域（１４）内に格子を形成し、前記格子の各メッシュを画定する前記上側分散谷部（５２ｕ）および前記上側分散山部（５０ｕ）が、前記伝熱板（２ａ、２ｄ）が、前記仮想上面（３８）と前記仮想下面（４０）との間を延びる第１の仮想中間面（６３）内を延びる領域（６２）を囲む、請求項１から７のいずれか一項に記載の伝熱板（２ａ、２ｄ）。
9. 前記第１のポートホール（１０）の最も近くに配置された、前記上側谷線（５６ｕ）の頂部上側谷線（５６ＴＶ）に沿って延びる複数の前記上側分散谷部（５２ｕ）の各々の前記底部（５２ｕｂ）の、前記伝熱板（２ａ、２ｄ）の前記中心延長面（４２）に平行な第１の突出面（Ｐ１）における突起が、前記第１の数の前記上側分散山部（５０ｕ）のそれぞれの上側分散山部の前記頂部（５０ｕｔ）の、前記第１の突出面（Ｐ１）における突起の、前記伝熱板（２ａ、２ｄ）の前記長手方向中心軸（Ｌ）に平行な鏡像である、請求項１から８のいずれか一項に記載の伝熱板（２ａ、２ｄ）。
10. 前記第１のポートホールおよび前記第３のポートホール（１０、１８）が、前記伝熱板（２ａ、２ｄ）の前記長手方向中心軸（Ｌ）の一方の同じ側に配置され、前記下側分散パターンが、細長い下側分散山部（５０ｌ）および細長い下側分散谷部（５２ｌ）を備え、前記下側分散山部（５０ｌ）が、前記下側境界線（３２）から前記第３のポートホールおよび前記第４のポートホールのうちの一方（１８）に向かって延びる複数の分離された仮想下側山線（５４ｌ）に沿って長手方向に延び、前記下側分散谷部（５２ｌ）が、前記下側境界線（３２）から前記第３のポートホールおよび前記第４のポートホールのうちの他方（２０）に向かって延びる複数の分離された仮想下側谷線（５６ｌ）に沿って長手方向に延び、複数の前記下側分散山部（５０ｌ）および下側分散谷部（５２ｌ）の各々の頂部（５０ｌｔ）または底部（５２ｌｂ）の、前記伝熱板（２ａ、２ｄ）の前記中心延長面（４２）に平行な第２の突出面（Ｐ２）における突起が、前記第１の数の前記上側分散山部（５０ｕ）のそれぞれの上側分散山部の前記頂部（５０ｕｔ）の、前記第２の突出面（Ｐ２）における突起の、前記伝熱板（２ａ、２ｄ）の横中心軸（Ｔ）に平行な鏡像である、請求項１から９のいずれか一項に記載の伝熱板（２ａ、２ｄ）。
11. 前記第３のポートホール（１８）および前記第４のポートホール（２０）のうちの前記一方が、前記第３のポートホール（１８）であり、前記第３のポートホール（１８）および前記第４のポートホール（２０）のうちの前記他方が、前記第４のポートホール（２０）であり、前記第４のポートホール（２０）の最も近くに配置された、前記下側山線（５４ｌ）の底部下側山線（５４ＢＲ）に沿って延びる複数の前記下側分散山部（５０ｌ）の各々が、前記第１の数の前記上側分散山部（５０ｕ）のそれぞれの上側分散山部の、前記伝熱板（２ａ）の前記横中心軸（Ｔ）に平行な鏡像である、請求項１０に記載の伝熱板（２ａ）。
12. 前記第３のポートホール（１８）および前記第４のポートホール（２０）のうちの前記一方が、前記第４のポートホール（２０）であり、前記第３のポートホール（１８）および前記第４のポートホール（２０）のうちの前記他方が、前記第３のポートホール（１８）であり、前記第４のポートホール（２０）の最も近くに配置された、前記下側谷線（５６ｌ）の底部下側谷線（５６ＢＶ）に沿って延びる複数の前記下側分散谷部（５２ｌ）の各々の前記底部（５２ｌｂ）の、前記第２の突出面（Ｐ２）における突起が、前記第１の数の前記上側分散山部（５０ｕ）のそれぞれの上側分散山部の前記頂部（５０ｕｔ）の、前記第２の突出面（Ｐ２）における突起の、前記伝熱板（２ｄ）の前記横中心軸（Ｔ）に平行な鏡像である、請求項１０に記載の伝熱板（２ｄ）。
13. 前記第２のポートホール（１２）の最も近くに配置された複数の前記仮想上側山線（５４ｕ）が、前記仮想上側山線（５４ｕ）の延長部の少なくとも一部に沿って湾曲し、それによって前記第２のポートホール（１２）から見たときに隆起している、請求項１から１２のいずれか一項に記載の伝熱板（２ａ、２ｄ）。
14. 前記上側境界線および下側境界線（３０、３２）が湾曲し、それによって、前記伝熱領域（２６）から見たときに隆起している、請求項１から１３のいずれか一項に記載の伝熱板（２ａ、２ｄ）。

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