JP2023548247A - 血管新生因子の阻害剤 - Google Patents

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Abstract

組換えヒトFc融合タンパク質が、第1のヒトVEGF受容体のIg様ドメイン、第2のヒトVEGF受容体の異なる別のIg様ドメイン、第3のヒトVEGF受容体の少なくともさらに別のIg様ドメイン、およびヒトIgG1のFc部分を含む。融合タンパク質は、異常な血管新生に病因を有する眼性の疾患、状態、または障害を処置するまたは制御するのに有用である。

Description

[0001]本発明は、血管新生因子の阻害剤に関する。具体的には、本発明は、血管内皮増殖因子のファミリーのメンバー(「VEGFファミリーメンバー」)の阻害剤に関する。より具体的には、本発明は、VEGFファミリーメンバーの活性の阻害剤、かかる阻害剤の使用および生成の方法に関する。
[0002]哺乳動物血管系の主たる細胞成分は内皮細胞、平滑筋細胞、および周皮細胞である。内皮細胞は、哺乳動物において全血管の内面の内張りを形成し、血液と組織の間に非血栓形成性の境界面を構成する。したがって、内皮細胞の増殖は新しい毛細管および血管の発達にとって重要な成分であり、次いでそのような発達は、哺乳動物組織の成長および/または再生にとって必須のプロセスである。
[0003]分泌されたポリペプチドのファミリーは、内皮細胞の増殖および血管新生を促進する上で極めて重要な役割を果たすことが示されてきた。VEGFの過剰発現によって引き起こされる非制御性血管新生の病理学的特性は、高まった血管透過性であり、このような透過性が、周囲組織への体液漏出および周囲組織の腫脹をもたらす。哺乳動物では、このファミリーは、高度に保存された受容体結合構造を有する5つの関連する増殖因子から構成される:血管内皮増殖因子A~D(「VEGF-A」、「VEGF-B」、「VEGF-C」、および「VEGF-D」)ならびに胎盤増殖因子(「PGF」)。本開示では、増殖因子のこのファミリーは、VEGFファミリーとも呼ばれる。これらの増殖因子は、血管内皮細胞の表面にのみ存在するコグネート受容体型チロシンキナーゼ:VEGF受容体-1(「VEGFR-1」、「flt-1」としても知られる)、VEGF受容体-2(「VEGFR-2」、ヒトでは「KDR」としておよびマウスでは「flk-1」として知られる)、VEGF受容体-3(「VEGFR-3」、「flt-4」としても知られる)、のファミリーをとおして作用し、その結果、血管の形成を刺激する。
[0004]VEGF-A(単にVEGFと呼ばれることもある)は、増殖因子のこのファミリーの最も重要なメンバーとして浮かび上がってきた。ヒトVEGF-Aは、複数のホモ二量体型(1単量体当たり121個、145個、165個、183個、189個、および206個のアミノ酸)として様々な組織で発現され、この場合、各型は、単一のRNA転写産物の選択的スプライシングの結果として生じる。
[0005]VEGFは、血管内皮細胞の増殖および血管新生を促進することから、血管内皮細胞への増殖促進活性が;例えば、潰瘍、血管損傷、および心筋梗塞の処置の上で有益に重要である場合、多数の状態の治療処置にとって有効である可能性がある。
[0006]しかし、対照的に、血管内皮増殖はある特定の状況下では望ましいものであるが、一方、血管内皮増殖および血管新生は、腫瘍の増殖と転移、関節リウマチ、乾癬、アテローム性動脈硬化症、糖尿病性網膜症、水晶体後線維形成症、血管新生緑内障、血管新生加齢黄斑変性症、血管腫、移植角膜組織および他の組織の免疫拒絶、ならびに慢性炎症を始めとする、様々な疾患および障害の望ましくない成分でもある。こういった障害のいずれかを患う個体では、VEGFの内皮増殖活性を妨げること、または少なくとも実質的に減少させることを望むものと思われる。
[0007]flt-1、KDR、およびflt-4のチロシンキナーゼ受容体のそれぞれは、リガンド結合に利用できる7つの細胞外免疫グロブリン様(「Ig様」)ドメインと、受容体が発現される細胞の表面に受容体を固着させる働きをする膜貫通ドメインと、細胞内触媒チロシンキナーゼドメインとを有する。Flt-1は、VEGF-A、VEGF-B、およびPlGFに結合する。KDRはVEGF-A、VEGF-C、およびVEGF-Dに結合する。Flt-4はVEGF-CおよびVEGF-Dに結合する。
[0008]血管内皮増殖および血管新生におけるVEGFファミリーの増殖因子の役割、ならびにこれらのプロセスが様々な多くの疾患および障害において果たす役割に鑑みて、病態が異常な血管新生に根付いている患者においてこれら増殖因子の生物学的活性の1つまたは複数を減少させるまたは阻害するための薬理学的手段を有することが望ましい。異常な血管新生に根付いている病態に関して改善された処置または制御のための薬理学的手段を有することも望ましい。
[0009]本明細書で使用される場合、「制御」という用語には、減少、軽減、改善、または予防も含まれる。
[0010]全体的に、本発明は、融合もしくはキメラのポリペプチドまたはタンパク質、それを生成する方法およびそれを含む組成物、ならびに病態が異常な血管新生に病因を有する、対象の少なくとも1つの病態を処置するまたは制御するための方法を提供する。
[0011]一態様では、本発明は、1つまたは複数のVEGFファミリーメンバーに実質的に結合し;それによって、VEGF受容体へのそれらの結合を減少させるまたは阻害することができる融合ポリペプチドまたはキメラポリペプチドを提供する。
[0012]別の態様では、本発明の融合ポリペプチドまたはキメラポリペプチドは、第1のVEGF受容体のIg様ドメイン、第2のVEGF受容体のIg様ドメイン、および第3のVEGF受容体の少なくとも1つのIg様ドメインを含む。
[0013]さらに別の態様では、本発明の融合ポリペプチドまたはキメラポリペプチドは、(a)ヒトVEGFR-1(またはflt-1)のIg様ドメイン2、または実質的にIg様ドメイン2;(b)ヒトVEGFR-2(またはKDR)のIg様ドメイン3、または実質的にIg様ドメイン3;ならびに(c)ヒトVEGFR-3(またはflt-4)のIg様ドメイン1および2、または実質的にIg様ドメイン1および2を含む。
[0014]さらに別の態様では、本発明の融合ポリペプチドまたはキメラポリペプチドは、(a)ヒトVEGFR-1のIg様ドメイン2、または実質的にIg様ドメイン2;(b)ヒトVEGFR-2のIg様ドメイン3、または実質的にIg様ドメイン3;ならびに(c)ヒトVEGFR-3のIg様ドメイン1、2、および3、または実質的にIg様ドメイン1、2、および3を含む。
[0015]さらに別の態様では、ヒトVEGFR-3は、配列番号13に列挙されたアミノ酸配列を有する野生型ヒトVEGFR-3である;本発明のいずれかの融合タンパク質に含まれるヒトVEGFR-3のIg様ドメイン1は、配列番号14に列挙されたアミノ酸配列を有する。本発明の融合タンパク質は、ヒトVEGFR-3のIg様ドメイン1、または実質的にIg様ドメイン1を含み;ここで、配列番号14の80位~82位のアミノ酸配列は、NDT、NDS、NXT、またはNXSであり;Xは任意のアミノ酸である。一実施形態では、Xは天然に存在するアミノ酸である。
[0016]さらに別の態様では、本発明の融合ポリペプチドまたはキメラポリペプチドは、(a)ヒトVEGFR-1のIg様ドメイン2、または実質的にIg様ドメイン2;(b)ヒトVEGFR-2のIg様ドメイン3、または実質的にIg様ドメイン3;ならびに(c)ヒトVEGFR-3のIg様ドメイン1および2、または実質的にIg様ドメイン1および2を含み;ここで、ヒトVEGFR-3のアミノ酸配列は配列番号13に列挙されており;ここで、104位~106位のアミノ酸配列は、NDT、NDS、NXT、またはNXSであり;ここで、Xは任意のアミノ酸である。一実施形態では、Xは天然に存在するアミノ酸である。
[0017]さらに別の態様では、本発明の融合ポリペプチドまたはキメラポリペプチドは、(a)ヒトVEGFR-1(またはflt-1)のIg様ドメイン2、または実質的にIg様ドメイン2;(b)ヒトVEGFR-2(またはKDR)のIg様ドメイン3、または実質的にIg様ドメイン3;ならびに(c)ヒトVEGFR-3(またはflt-4)のIg様ドメイン1および2、または実質的にIg様ドメイン1および2を含み;多量体形成成分に連結される。
[0018]一実施形態では、前記多量体形成成分は、ヒトIgG1のFcドメインの一部を含む。
[0019]別の実施形態では、前記多量体形成成分は、IgG1のアミノ末端にての最後の2つの重鎖ドメイン;換言すれば、ヒトIgG1のFc CH2ドメインおよびCH3ドメインを実質的に含む。
[0020]さらに別の態様では、本発明は、前記融合ポリペプチドまたはキメラポリペプチドをコードする単離された核酸分子を提供する。
[0021]さらに別の態様では、本発明は、発現制御配列に作動可能に連結された前記核酸分子を含む発現ベクターを含めて、前記核酸分子を含むベクターを提供する。
[0022]さらに別の態様では、本発明は、適切な宿主細胞中に発現ベクターを含む、前記融合ポリペプチドまたはキメラポリペプチドの生成用の宿主-ベクター系を提供する。
[0023]別の態様では、本発明は、融合ポリペプチドまたはキメラポリペプチドを生成する方法であって、(a)融合ポリペプチドまたはキメラポリペプチドの産生を可能にする条件下で、宿主-ベクター系の細胞を増殖させるステップと;(b)そのように産生された融合ポリペプチドまたはキメラポリペプチドを回収するステップとを含む方法を提供する。
[0024]さらに別の態様では、本発明は、異常な血管新生に病因を有する、少なくとも1つの疾患、状態、または障害を、対象において、処置するまたは制御するための方法を提供する。
[0025]さらに別の態様では、本発明は、異常な血管新生に病因を有する、少なくとも1つの眼性の疾患、状態、または障害を、対象において、処置するまたは制御するための方法を提供する。
[0026]本発明の他の特性および利点は、以下の発明を実施する形態および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
[0027]本発明の融合ポリペプチドを模式的に示す図であり、VEGFR-1のIg様ドメイン2、VEGFR-2のIg様ドメイン3、VEGFR-3のIg様ドメイン1および2、ならびにFcドメインを含む。 [0028]HEK293細胞におけるEB-101の一過性発現のSDS-PAGEおよびSEC-HPLCの結果を示す図である。 [0029]CHO細胞におけるEB-101の一過性発現のSDS-PAGEおよびSEC-HPLCの結果を示す図である。 [0030]SPR Biacoreを使用した、ヒト組換えヒトVEGF-A165に対する結合親和性について、EB-101とアフリベルセプトとの比較を示す図である。 [0031]SPR Biacoreを使用した、ヒトVEGF-B167189に対する結合親和性について、EB-101とアフリベルセプトとの比較を示す図である。 [0032]SPR Biacoreを使用した、ヒトVEGF-Cに対する結合親和性について、EB-101とアフリベルセプトとの比較を示す図である。 [0033]SPR Biacoreを使用した、ヒトVEGF-Dに対する結合親和性について、EB-101とアフリベルセプトとの比較を示す図である。 [0034]SPR Biacoreを使用した、ヒトPlGFに対する結合親和性について、EB-101とアフリベルセプトとの比較を示す図である。 [0035]VEGFR-2-NFAT-REルシフェラーゼレポーター細胞におけるVEGF-A165媒介性VEGFR-2シグナル伝達の阻害に及ぼす効果について、EB-101とアフリベルセプトおよびベバシズマブとの比較を示す図である。 [0036]VEGFR-2-NFAT-REルシフェラーゼレポーター細胞におけるVEGF-C媒介性VEGFR-2シグナル伝達の阻害に及ぼす効果について、EB-101とアフリベルセプトとの比較を示す図である。 [0037]VEGFR-2-NFAT-REルシフェラーゼレポーター細胞におけるVEGF-C媒介性VEGFR-2シグナル伝達に及ぼすそれらの阻害効果に関する、EB-101と、アフリベルセプトおよび7つの細胞外ドメイン含有の組換えヒトVEGFR-3(rhVEGFR-3-7ECD)との比較を示す図である。 [0038]VEGF-A165およびVEGF-Cにより刺激されたVEGFR-2-NFAT-REルシフェラーゼレポーター細胞におけるVEGFR-2シグナル伝達の阻害に及ぼす効果について、アフリベルセプトおよび7つの細胞外ドメイン含有の組換えヒトVEGFR-3(rhVEGFR-3)とともに、EB-101の定量的分析を示す図である。 [0039]ヒトリンパ管内皮細胞(HLEC)のVEGF-A165媒介性増殖に及ぼす効果について、EB-101とアフリベルセプトおよびベバシズマブとの比較を示す図である。 [0040]VEGF-C媒介性HLEC増殖に及ぼす効果について、EB-101と、アフリベルセプトおよび7つの細胞外ドメイン含有の組換えヒトVEGFR3(rhVEGFR3 ECD)との比較を示す図である。 [0041]VEGF-A165プラスVEGF-C媒介性HLEC増殖に関する、EB-101、アフリベルセプト、および7つの細胞外ドメイン含有の組換えヒトVEGFR3(rhVEGFR3 ECD)の定量的分析を示す図である。 [0042]本発明の融合ポリペプチドを模式的に示す図であり、VEGFR-1のIg様ドメイン2、VEGFR-2のIg様ドメイン3、VEGFR-3のIg様ドメイン1、2および3、ならびにFcドメインを含む。 [0043]VEGFR-2-NFAT-REルシフェラーゼレポーター細胞におけるVEGF-A媒介性VEGFR-2シグナル伝達に及ぼす効果について、EB-101BIbとアフリベルセプト、EB-101、EB-101BIaとの比較を示す図である。 [0044]組換えヒトVEGF-Cおよび-Dにより刺激されたVEGFR-2-NFAT-REルシフェラーゼレポーター細胞におけるVEGFR-2シグナル伝達に及ぼす効果について、EB-101BIbとアフリベルセプト、EB-101およびEB-101BIaとの比較を示す図である。 [0045]VEGFR-2-NFAT-REルシフェラーゼレポーター細胞におけるVEGF-A、-C、および-D媒介性VEGFR-2シグナル伝達に及ぼす阻害効果について、EB-101BIbと、アフリベルセプト、EB-101、および組換えヒトVEGFR-3とアフリベルセプトの組合せとの比較を示す図である。 [0046]ヒトリンパ管内皮細胞(HLEC)のVEGF-A165媒介性増殖に及ぼす効果について、EB-101BIbと、アフリベルセプトおよびEB-101BIaとの比較を示す図である。 [0047]VEGF-CおよびVEGF-Dの媒介性HLEC増殖に及ぼす効果について、EB-101BIbと、アフリベルセプト、EB-101BIa、および7つの細胞外ドメイン含有の組換えヒトVEGFR-3との比較を示す図である。 [0048]VEGF-A、-Cおよび-D媒介性ヒトリンパ内皮細胞(HLEC)の増殖に及ぼす効果について、EB-101BIbと、アフリベルセプト、7つの細胞外ドメイン(7つのECD)含有の組換えヒトVEGFR-3、およびVEGFR-3とアフリベルセプトの組合せとの比較を示す図である。
[0049]本開示では、「融合ポリペプチド」、「融合タンパク質」、「キメラポリペプチド」、および「キメラタンパク質」という用語は互換的に使用される。
[0050]本発明は、VEGFファミリーのうちの少なくとも1つのメンバー(「VEGFファミリーメンバー」)に結合し;それによって、内皮細胞上のVEGF受容体への結合に当たり前記VEGFファミリーメンバーを実質的に利用不可能とすることができる結合構築物を提供する。結果として、本発明の結合構築物は、血管新生を促進する上で前記VEGFファミリーメンバーの生物学的活性を実質的に阻害し;それによって、異常な血管新生に病因を有する病態を制御する。
[0051]本発明の結合構築物は、融合もしくはキメラのポリペプチドまたはタンパク質を含むかまたはそれらからなり、共有結合性の形態またはその他の形態の付着によって互いに会合する1つまたは複数の結合ユニットを含む。本発明の結合構築物は、VEGFファミリーメンバーまたはそれの一部に結合することができ、高親和性でこれに結合する。結合ユニットは好ましくは、少なくとも1つのペプチドまたはポリペプチドを含む。結合ユニットは好ましくは単一のポリペプチドを含むが、一方、単一のポリペプチドが特定の増殖因子に結合するのに十分でない場合、結合ユニットは複数のポリペプチドを含むことができる。2つ以上の結合ユニットまたはポリペプチドセグメントが所与の結合構築物にある場合、当該結合ユニットは直接またはリンカーをとおして互いに結合され得る。結合構築物は、異種ペプチドまたは他の化学部分をさらに含むことができる。かかる付加は、安定性、溶解性、毒性、血清半減期、免疫原性、検出性、または他の特質などの結合構築物の特質を改変することができる。
[0052]「高親和性」という用語は、哺乳動物、例えば、臨床検査用動物、飼い慣らされた家畜動物もしくは愛玩動物、またはヒトにおけるin vivoでの、VEGFファミリーメンバーに対する結合構築物の相対的な親和性に関連する生理学的文脈において使用される。本発明において標的とされたVEGFメンバーは、典型的にはサブナノモルの解離定数(K)の観点から測定される、in vivoでそれらの受容体に対する特徴的な親和性を有する。本発明の目的のために、本発明の結合構築物は、天然増殖因子受容体対のKの、約1倍以下、または約5倍以下、または約10倍以下、または約50倍以下、または約100倍以下、または約500倍以下、または約1000倍以下のKで、その標的VEGFファミリーメンバーに結合することができる。
[0053]一態様では、本発明の融合もしくはキメラのポリペプチドまたはタンパク質は、互いに作動可能に連結された、第1のポリペプチド結合ユニット、第2のポリペプチド結合ユニット、および第3のポリペプチド結合ユニットを含む。ポリペプチド結合ユニットは、「結合ユニット」と略されて本明細書で言及される場合がある。全体として、第1、第2、および第3の結合ユニットは、直接または介在リンカーをとおして、任意の順序で互いに連結され得る。
[0054]別の態様では、標的化されたVEGFファミリーメンバーは、融合ポリペプチドまたはキメラポリペプチドの1つまたは複数の結合ユニットに結合することができる。
[0055]さらに別の態様では、結合ユニットは、VEGF受容体のIg様ドメインを実質的に含む。
[0056]別の態様では、本発明の融合ポリペプチドまたはキメラポリペプチドは、第1のVEGF受容体のIg様ドメインを含む第1の結合ユニット;第2のVEGF受容体のIg様ドメインを含む第2の結合ユニット;および第3のVEGF受容体の少なくとも1つのIg様ドメインを含む第3の結合ユニットを含む。
[0057]別の態様では、本発明の融合ポリペプチドまたはキメラポリペプチドは、第1のVEGF受容体のIg様ドメイン、第2のVEGF受容体のIg様ドメイン、および第3のVEGF受容体の少なくとも1つのIg様ドメインを含み;ここで、前記第3のVEGF受容体は、配列番号13に列挙されたアミノ酸配列を有するヒトVEGFR-3(またはflt-4)を含むが、ただし、配列番号13の105位および106位のアミノ酸は置換可能であり、それにより、配列番号13の104位~106位のアミノ酸配列がNDT、NDS、NXT、またはNXSであり、ここでXはA、R、N、C、E、Q、G、H、I、L、K、M、F、P、S、T、W、Y、およびVからなる群から選択されるアミノ酸であることを条件とする。
[0058]さらに別の態様では、本発明の融合ポリペプチドは、(a)ヒトVEGFR-1のIg様ドメイン2と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVEGF受容体のIg様ドメイン;(b)ヒトVEGFR-2のIg様ドメイン3と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む第2のVEGF受容体のIg様ドメイン;ならびに(c)ヒトVEGFR-3のIg様ドメイン1および2と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む第3のVEGF受容体の少なくとも1つのIg様ドメインを含み、ここで、ヒトVEGFR-3は配列番号13に列挙されたアミノ酸配列を有するが、ただし、配列番号13の105位および106位のアミノ酸は置換可能であり、それにより、配列番号13の104位~106位のアミノ酸配列がNDT、NDS、NXT、またはNXSであり、ここでXはA、R、N、C、E、Q、G、H、I、L、K、M、F、P、S、T、W、Y、およびVからなる群から選択されるアミノ酸であることを条件とする。
[0059]さらに別の態様では、本発明の融合ポリペプチドは、(a)ヒトVEGFR-1のIg様ドメイン2と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む第1のVEGF受容体のIg様ドメイン;(b)ヒトVEGFR-2のIg様ドメイン3と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む第2のVEGF受容体のIg様ドメイン;ならびに(c)ヒトVEGFR-3のIg様ドメイン1および2と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む第3のVEGF受容体の少なくとも1つのIg様ドメインを含み、ここで、ヒトVEGFR-3は配列番号13に列挙されたアミノ酸配列を有するが、ただし、配列番号13の105位および106位のアミノ酸は置換可能であり、それにより、配列番号13の104位~106位のアミノ酸配列がNDT、NDS、NXT、またはNXSであり、ここでXはA、R、N、C、E、Q、G、H、I、L、K、M、F、P、S、T、W、Y、およびVからなる群から選択されるアミノ酸であることを条件とする。
[0060]さらに別の態様では、本発明の融合ポリペプチドまたはキメラポリペプチドは、(a)ヒトVEGFR-1(もしくはflt-1)のIg様ドメイン2、もしくは実質的にIg様ドメイン2;(b)ヒトVEGFR-2(もしくはKDR)のIg様ドメイン3、もしくは実質的にIg様ドメイン3;ならびに(c)ヒトVEGFR-3(もしくはflt-4)のIg様ドメイン1および2、もしくは実質的にIg様ドメイン1および2;またはヒトVEGFR-3のIg様ドメイン1、2、および3、もしくは実質的にIg様ドメイン1、2、および3を含む。
[0061]さらに別の態様では、本発明の融合ポリペプチドまたはキメラポリペプチドは、(a)ヒトVEGFR-1のIg様ドメイン2、もしくは実質的にIg様ドメイン2;(b)ヒトVEGFR-2のIg様ドメイン3、もしくは実質的にIg様ドメイン3;ならびに(c)ヒトVEGFR-3のIg様ドメイン1および2、もしくは実質的にIg様ドメイン1および2;またはヒトVEGFR-3のIg様ドメイン1、2、および3、もしくは実質的にIg様ドメイン1、2、および3を含み;ここで、ヒトVEGFR-3は配列番号13に列挙されたアミノ酸配列を有するが、ただし、配列番号13の105位および106位のアミノ酸は置換可能であり、それにより、配列番号13の104位~106位のアミノ酸配列がNDT、NDS、NXT、またはNXSであり、ここでXはA、R、N、C、E、Q、G、H、I、L、K、M、F、P、S、T、W、Y、およびVからなる群から選択されるアミノ酸であることを条件とする。
[0062]さらに別の態様では、本発明の融合ポリペプチドまたはキメラポリペプチドは、(a)ヒトVEGFR-1のIg様ドメイン2、もしくは実質的にIg様ドメイン2;(b)ヒトVEGFR-2のIg様ドメイン3、もしくは実質的にIg様ドメイン3;ならびに(c)ヒトVEGFR-3のIg様ドメイン1および2、もしくは実質的にIg様ドメイン1および2;またはヒトVEGFR-3のIg様ドメイン1、2、および3、もしくは実質的にIg様ドメイン1、2、および3を含み;ここで、ヒトVEGFR-3は配列番号13に列挙されたアミノ酸配列を有するが、ただし、配列番号13の104位~106位のアミノ酸配列は非置換でありNDTのままであることを条件とする。
[0063]さらに別の態様では、本発明の融合ポリペプチドまたはキメラポリペプチドは、(a)ヒトVEGFR-1のIg様ドメイン2、もしくは実質的にIg様ドメイン2;(b)ヒトVEGFR-2のIg様ドメイン3、もしくは実質的にIg様ドメイン3;ならびに(c)ヒトVEGFR-3のIg様ドメイン1および2、もしくは実質的にIg様ドメイン1および2;またはヒトVEGFR-3のIg様ドメイン1、2、および3、もしくは実質的にIg様ドメイン1、2、および3を含み;ここで、ヒトVEGFR-3のIg様ドメイン1は、配列番号14に列挙されたアミノ酸配列を有しており;ここで、配列番号14の81位および82位のアミノ酸は置換可能であり、それにより、配列番号14の80位~82位のアミノ酸配列がNDT、NDS、NXT、またはNXSであり、ここでXはA、R、N、C、E、Q、G、H、I、L、K、M、F、P、S、T、W、Y、およびVからなる群から選択されるアミノ酸である。
[0064]さらに別の態様では、本発明の融合ポリペプチドまたはキメラポリペプチドは、(a)ヒトVEGFR-1のIg様ドメイン2、もしくは実質的にIg様ドメイン2;(b)ヒトVEGFR-2のIg様ドメイン3、もしくは実質的にIg様ドメイン3;ならびに(c)ヒトVEGFR-3のIg様ドメイン1および2、もしくは実質的にIg様ドメイン1および2;またはヒトVEGFR-3のIg様ドメイン1および2、もしくは実質的にIg様ドメイン1および2を含み;ここで、ヒトVEGFR-3のIg様ドメイン1は、配列番号14に列挙されたアミノ酸配列を有しており;ここで、配列番号14の81位および82位のアミノ酸は置換可能であり、それにより、配列番号14の80位~82位のアミノ酸配列がNDT、NDS、NXT、またはNXSであり、ここでXはA、R、N、C、E、Q、G、H、I、L、K、M、F、P、S、T、W、Y、およびVからなる群から選択されるアミノ酸である。
[0065]さらに別の態様では、本発明の融合ポリペプチドまたはキメラポリペプチドは、(a)ヒトVEGFR-1のIg様ドメイン2、もしくは実質的にIg様ドメイン2;(b)ヒトVEGFR-2のIg様ドメイン3、もしくは実質的にIg様ドメイン3;ならびに(c)ヒトVEGFR-3のIg様ドメイン1および2、もしくは実質的にIg様ドメイン1および2;またはヒトVEGFR-3のIg様ドメイン1および2、もしくは実質的にIg様ドメイン1および2を含み;ここで、ヒトVEGFR-3のIg様ドメイン1は、配列番号14に列挙されたアミノ酸配列を有しており;ここで、配列番号14の80位~82位のアミノ酸配列は非置換でありNDTのままである。
[0066]さらに別の態様では、本発明の融合ポリペプチドまたはキメラポリペプチドは、(a)ヒトVEGFR-1のIg様ドメイン2、もしくは実質的にIg様ドメイン2;(b)ヒトVEGFR-2のIg様ドメイン3、もしくは実質的にIg様ドメイン3;ならびに(c)ヒトVEGFR-3のIg様ドメイン1および2、もしくは実質的にIg様ドメイン1および2;またはヒトVEGFR-3のIg様ドメイン1、2、および3、もしくは実質的にIg様ドメイン1、2、および3を含み;ここで、融合ポリペプチドまたはキメラポリペプチドに含められたヒトVEGFR-3のIg様ドメイン1は、配列番号14に列挙されたアミノ酸配列を有する。
[0067]さらに別の態様では、本発明の融合ポリペプチドまたはキメラポリペプチドは、(a)ヒトVEGFR-1のIg様ドメイン2、もしくは実質的にIg様ドメイン2;(b)ヒトVEGFR-2のIg様ドメイン3、もしくは実質的にIg様ドメイン3;ならびに(c)ヒトVEGFR-3のIg様ドメイン1および2、もしくは実質的にIg様ドメイン1および2;またはヒトVEGFR-3のIg様ドメイン1、2、および3、もしくは実質的にIg様ドメイン1、2、および3を含み;ここで、融合ポリペプチドまたはキメラポリペプチドに含められたヒトVEGFR-3のIg様ドメイン1は、配列番号14に列挙されたアミノ酸配列を有し、位のアミノ酸配列は非置換でありNDTのままである。
[0068]さらに別の態様では、本発明の融合ポリペプチドまたはキメラポリペプチドは、(a)ヒトVEGFR-1のIg様ドメイン2、もしくは実質的にIg様ドメイン2;(b)ヒトVEGFR-2のIg様ドメイン3、もしくは実質的にIg様ドメイン3;ならびに(c)ヒトVEGFR-3のIg様ドメイン1および2、もしくは実質的にIg様ドメイン1および2を含み;多量体形成成分に連結されており;ここで、ヒトVEGFR-3は配列番号13に列挙されたアミノ酸配列を有するが、ただし、配列番号13の105位および106位のアミノ酸は置換可能であり、それにより、配列番号13の104位~106位のアミノ酸配列がNDT、NDS、NXT、またはNXSであり、ここでXはA、R、N、C、E、Q、G、H、I、L、K、M、F、P、S、T、W、Y、およびVからなる群から選択されるアミノ酸であることを条件とする。
[0069]一実施形態では、前記多量体形成成分は、ヒトIgG1のFcドメインの一部を実質的に含む。
[0070]別の実施形態では、前記多量体形成成分は、ヒトIgG1の重鎖のFcドメインの一部を実質的に含む。一実施形態では、ヒトIgG1の重鎖のFcドメインのかかる部分は、IgG1重鎖のカルボキシ末端にての最後の2つのドメインを含む。
[0071]一部の実施形態では、2つ以上の結合ユニットが一緒に行動して単一のリガンド分子に結合する(この場合、リガンドは単量体を含んでも二量体を含んでもよい)。一部の他の実施形態では、結合ユニットは独立して行動する、すなわち、各結合ユニットは別々のリガンド分子に結合する。
[0072]一態様では、融合タンパク質またはキメラタンパク質は、(b)ヒトVEGFR-2のIg様ドメイン3または実質的にIg様ドメイン3に作動可能に連結された、(a)ヒトVEGFR-1のIg様ドメイン2または実質的にIg様ドメイン2を含み、その(b)は、(c)(1)ヒトVEGFR-3のIg様ドメイン1および2、もしくは実質的にIg様ドメイン1および2、または(c)(2)ヒトVEGFR-3のIg様ドメイン1、2、および3、もしくは実質的にIg様ドメイン1、2、および3に作動可能に連結され、その(c)(1)または(c)(2)は、IgG1のFcドメインの一部に作動可能に連結されている。
[0073]一実施形態では、ポリペプチドリンカーが、最後の結合ユニットとIgG1のFcドメインの前記部分との間に挿入される。
[0074]一態様では、融合タンパク質またはキメラタンパク質は、(b)ヒトVEGFR-2のIg様ドメイン3または実質的にIg様ドメイン3に作動可能に連結された、(a)ヒトVEGFR-1のIg様ドメイン2または実質的にIg様ドメイン2を含み、その(b)は、(c)(1)ヒトVEGFR-3のIg様ドメイン1および2、もしくは実質的にIg様ドメイン1および2、または(c)(2)ヒトVEGFR-3のIg様ドメイン1、2、および3、もしくは実質的にIg様ドメイン1、2、および3に作動可能に連結され、その(c)(1)または(c)(2)は、IgG1のFcドメインの一部に作動可能に連結されており;ここで、ヒトVEGFR-1のIg様ドメイン2(「VEGFR-1-D2」)は、配列番号2に列挙されたアミノ酸配列を有し;ヒトVEGFR-2のIg様ドメイン3(「VEGFR-2-D3」)は、配列番号4に列挙されたアミノ酸配列を有し;ヒトVEGFR-3のIg様ドメイン1および2(「VEGFR-3-D1D2」)は、配列番号6に列挙されたアミノ酸配列を有し;ヒトVEGFR-3のIg様ドメイン1,2、および3(「VEGFR-3-D1D2D3」)は、配列番号15に列挙されたアミノ酸配列を有し;IgG1のFcドメインの部分(「IgG1Fc」)は、配列番号8に列挙されたアミノ酸配列を有する。
[0075]別の態様では、本発明の融合もしくはキメラのポリペプチドまたはタンパク質は、VEGFR-3-D1D2のカルボキシ末端とIgG1Fcのアミノ末端との間に挿入されるポリペプチドリンカーをさらに含み;ここで、前記リンカーは、配列番号10に列挙されたアミノ酸配列を有する。
[0076]さらに別の態様では、本発明の融合もしくはキメラのポリペプチドまたはタンパク質は、VEGFR-1-D2のアミノ末端に先行するポリペプチドリーダー配列をさらに含むことができる。
[0077]さらに別の態様では、本発明の融合もしくはキメラのポリペプチドまたはタンパク質は、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号15、配列番号8、および配列番号10のそれぞれと少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含み;ここで、配列番号6および配列番号15の81位および82位のアミノ酸は置換可能であり、それにより、配列番号6および配列番号15の80位~82位のアミノ酸配列がNDT、NDS、NXT、またはNXSであり、ここでXはA、R、N、C、E、Q、G、H、I、L、K、M、F、P、S、T、W、Y、およびVからなる群から選択されるアミノ酸である。
[0078]さらに別の態様では、本発明の融合もしくはキメラのポリペプチドまたはタンパク質は、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号15、配列番号8、および配列番号10と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含み;ここで、配列番号6および配列番号15の81位および82位のアミノ酸は置換可能であり、それにより、配列番号6および配列番号15の80位~82位のアミノ酸配列がNDT、NDS、NXT、またはNXSであり、ここでXはA、R、N、C、E、Q、G、H、I、L、K、M、F、P、S、T、W、Y、およびVからなる群から選択されるアミノ酸である。
[0079]さらに別の態様では、本発明の融合もしくはキメラのポリペプチドまたはタンパク質は、配列番号12または配列番号16に列挙されたアミノ酸配列を含む。配列番号12および配列番号16を有する融合タンパク質が試験用に調製されたが、それぞれ「EB-101」および「EB-101BIb」と本明細書では呼ばれる。
[0080]さらに別の態様では、本発明の融合もしくはキメラのポリペプチドまたはタンパク質は、配列番号12または配列番号16と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含み;ここで、配列番号12または配列番号16の286位および287位のアミノ酸は置換可能であり、それにより、配列番号12または配列番号16の285位~287位のアミノ酸配列がNDT、NDS、NXT、またはNXSであり、ここでXはA、R、N、C、E、Q、G、H、I、L、K、M、F、P、S、T、W、Y、およびVからなる群から選択されるアミノ酸である。
[0081]さらに別の態様では、本発明の融合もしくはキメラのポリペプチドまたはタンパク質は、配列番号12または配列番号16と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含み;ここで、配列番号12または配列番号16の285位~287位のアミノ酸は非置換である。
[0082]さらに別の態様では、本発明の融合もしくはキメラのポリペプチドまたはタンパク質は、配列番号12または配列番号16と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含み;ここで、配列番号12または配列番号16の286位および287位のアミノ酸は置換可能であり、それにより、配列番号12または配列番号16の285位~287位のアミノ酸配列がNDT、NDS、NXT、またはNXSであり、ここでXはA、R、N、C、E、Q、G、H、I、L、K、M、F、P、S、T、W、Y、およびVからなる群から選択されるアミノ酸である。
[0083]さらに別の態様では、本発明の融合もしくはキメラのポリペプチドまたはタンパク質は、配列番号12または配列番号16と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含み;ここで、配列番号12または配列番号16の285位~287位のアミノ酸は非置換である。
[0084]さらに別の態様では、1つまたは複数のアミノ酸置換が上記のアミノ酸配列のいずれでも行われ得る。好ましくは、かかる置換は保存的置換であり、この場合、以下の群のうちの1つのあるアミノ酸が同じ群の別のアミノ酸で置換される:(1)A、S、T;(2)D、E;(3)N、Q;(4)R、K;(5)I、L、M、V;および(6)F、Y、W;このような置換は、融合ポリペプチドの結合活性を実質的に保存するように選択される。一実施形態では、保存的置換を有する本発明の融合ポリペプチドは、かかる置換前のK値の約120%未満のK値を有する。好ましくは、K値は、かかる置換前のK値の約110%未満である。より好ましくは、K値はかかる置換前のK値の約105%未満である。
[0085]ほとんどの保存された置換は、融合ポリペプチドのIg様の1つまたは複数のドメインの特徴に過激な変化を生み出すとは予想されない。しかし、置換の正確な効果をあらかじめ予測することが困難な場合、当業者であれば、当該効果がルーチンのスクリーニングアッセイによって評価されることを理解するであろう。例えば、Ig様ドメインバリアントは、通常には、インタクトの融合ポリペプチドをコードする核酸の部位特異的突然変異誘発、組換え細胞培養におけるバリアント核酸の発現、細胞培養物からのバリアント融合ポリペプチドの精製、およびバリアント融合ポリペプチドがVEGFリガンドに特異的に結合する能力を検出することによって、作製される。Ig様の1つまたは複数ドメインにおける特定の1つまたは複数の置換が、VEGFファミリーメンバーに結合しかつその活性を阻害する融合ポリペプチドの能力に影響を及ぼすかどうかを判定するのに用いられ得る例示的な結合アッセイは、Parkら、J.Biol.Chem.269:25646~25654頁(1994)による論文に記載されている。
[0086]融合タンパク質のVEGFR-1-D2結合ユニットは、遊離のVEGF-A、VEGF-B、およびPGFに高親和性で結合することができる(Davis-Smythら、EMBO J.、15(18):4919頁(1996))。融合タンパク質のVEGFR-2-D3結合ユニットは、遊離のVEGF-A、VEGF-C、およびVEGF-Dに高親和性で結合することができる(Stuttfeldら、61(9):915頁(2009))。融合タンパク質のVEGFR-3-D1D2またはVEGFR-3-D1D2D3(VEGFR-3のIg様ドメイン1、2、および3)の結合ユニットは、遊離のVEGF-CおよびVEGF-Dに高親和性で結合することができる。したがって、本発明の融合タンパク質は、疾患部位の内皮細胞上でこれらのVEGFファミリーメンバーの血管形成活性を実質的に阻害することができる。
[0087]さらに別の態様では、本発明は、前記融合ポリペプチドまたはキメラポリペプチドをコードする単離された核酸分子を提供する。
[0088]さらに別の態様では、本発明は、前記融合ポリペプチドまたはキメラポリペプチドをコードする単離された核酸分子を提供し;ここで、前記単離された核酸分子は、(a)ヒトVEGFR-1(またはflt-1)のIg様ドメイン2、または実質的にIg様ドメイン2をコードする核酸配列;(b)ヒトVEGFR-2(またはKDR)のIg様ドメイン3、または実質的にIg様ドメイン3をコードする核酸配列;ならびに、(c)ヒトVEGFR-3(またはflt-4)のIg様ドメイン1および2、または実質的にIg様ドメイン1および2をコードする核酸配列を含む。
[0089]さらに別の態様では、本発明は、前記融合ポリペプチドまたはキメラポリペプチドをコードする単離された核酸分子を提供し;ここで、前記単離された核酸分子は、(a)ヒトVEGFR-1(もしくはflt-1)のIg様ドメイン2、もしくは実質的にIg様ドメイン2をコードする核酸配列;(b)ヒトVEGFR-2(もしくはKDR)のIg様ドメイン3、もしくは実質的にIg様ドメイン3をコードする核酸配列;(c)(1)ヒトVEGFR-3(もしくはflt-4)のIg様ドメイン1および2、もしくは実質的にIg様ドメイン1および2をコードする核酸配列、または(c)(2)ヒトVEGFR-3(もしくはflt-4)のIg様ドメイン1、2、および3、もしくは実質的にIg様ドメイン1、2、および3をコードする核酸配列;ならびに(d)IgG1のFcドメインの一部をコードする核酸配列を含む。
[0090]さらに別の態様では、本発明は、前記融合ポリペプチドまたはキメラポリペプチドをコードする単離された核酸分子を提供し;ここで、前記単離された核酸分子は、(a)ヒトVEGFR-1(またはflt-1)のIg様ドメイン2、または実質的にIg様ドメイン2をコードするおよび配列番号1に列挙された配列を有する、核酸配列;(b)ヒトVEGFR-2(またはKDR)のIg様ドメイン3、または実質的にIg様ドメイン3をコードするおよび配列番号3に列挙された配列を有する、核酸配列;(c)ヒトVEGFR-3(またはflt-4)のIg様ドメイン1および2、または実質的にIg様ドメイン1および2をコードするおよび配列番号5に列挙された配列を有する、核酸配列、ならびに(d)IgG1のFcドメインの一部をコードするおよび配列番号7に列挙された配列を有する、核酸配列を含む。
[0091]さらに別の態様では、本発明は、前記融合ポリペプチドまたはキメラポリペプチドをコードする単離された核酸分子を提供し;ここで、前記単離された核酸分子は、(a)配列番号2に列挙されたアミノ酸配列をコードする核酸配列;(b)配列番号4に列挙されたアミノ酸配列をコードする核酸配列;(c)配列番号6または配列番号15に列挙されたアミノ酸配列をコードする核酸配列;ならびに(d)配列番号8に列挙されたIgG1のFcドメインの一部のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む。
[0092]さらに別の態様では、前記単離された核酸分子は、ポリペプチドリンカーをコードする連結核酸配列をさらに含み;ここで、前記連結核酸は、配列番号9に列挙された配列を有し、配列番号5と配列番号7との間に挿入される。
[0093]さらに別の態様では、前記単離された核酸は、ポリペプチドリーダー配列をコードするリーディング核酸配列をさらに含むことができる。前記リーディング核酸配列は、前記単離された核酸中に存在する場合、配列番号1に先行する。
[0094]さらに別の態様では、本発明は、前記融合ポリペプチドまたはキメラポリペプチドをコードする単離された核酸分子を提供し;ここで、前記単離された核酸分子は、配列番号11に列挙された核酸配列を含む。
[0095]さらに別の態様では、本発明は、融合もしくはキメラのポリペプチドまたはタンパク質をコードする単離された核酸分子を提供し;ここで、前記融合もしくはキメラのポリペプチドまたはタンパク質は、配列番号12または配列番号16を有する。
[0096]別の態様では、本発明は、前記融合ポリペプチドまたはキメラポリペプチドをコードする単離された核酸分子を提供し;ここで、前記単離された核酸分子は、遺伝暗号の縮重の結果として、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、および配列番号11からなる群から選択される核酸配列とは1つまたは複数のコドンの点で異なる核酸配列を含む。かかる様々な核酸配列は本発明の範囲内である。
[0097]さらに別の態様では、本発明は、発現制御配列に作動可能に連結された前記核酸分子のいずれかを含む発現ベクターを含めて、前記核酸分子のいずれかを含むベクターを提供する。ベクターの実施形態は、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、および配列番号11からなる群から選択される核酸配列を含む。特に、本発明のベクターは、配列番号1、配列番号3、配列番号5、および配列番号11からなる群から選択される核酸配列を含む。
[0098]さらに別の態様では、本発明は、適切な宿主細胞中に発現ベクターを含む、前記融合ポリペプチドまたはキメラポリペプチドの生成用の宿主-ベクター系を提供する。
[0099]一態様では、本発明は、本明細書に開示の融合ポリペプチドをコードする核酸分子の構築を提供し、この核酸は、適当な宿主細胞に導入される場合に融合ポリペプチドを発現することができるベクターに挿入される。適当な宿主細胞には、それらに限定されないが、細菌細胞、酵母細胞、昆虫細胞、および哺乳動物細胞が含まれる。DNA断片のベクターへの挿入のための当業者であれば知られる任意の方法を使用して、転写/翻訳制御シグナルの制御下でキメラポリペプチド分子をコードする発現ベクターを構築することができる。これらの方法には、in vitroの組換えDNA技法および合成技法、ならびにin vivo組換え(遺伝子組換え)が含まれ得る(Sambrookら、Molecular Cloning,A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory;Current Protocols in Molecular Biology、Ausubelら編、Greene Publ.Assoc.,Wiley-Interscience、NYを参照されたい)。
[00100]本発明の融合ポリペプチドをコードする核酸分子の発現は、融合ポリペプチドが当該核酸分子で形質転換された宿主において発現されるように、第2の核酸配列(プロモーター)によって調節され得る。例えば、本明細書に記載の融合ポリペプチドの発現は、当技術分野で知られる任意のプロモーター/エンハンサーエレメントによって制御され得る。
[00101]一般に、宿主細胞に適合する種に由来するレプリコンおよび制御配列を含有するプラスミドベクターが、そのような宿主との関係で使用される。ベクターはたいてい、複製部位ならびに形質転換細胞中で表現型選択を提供することができる識別配列(marking sequence)を有する。例えば大腸菌(E.coli)は、通常にはpBR322を、大腸菌種に由来するプラスミドを使用して形質転換される(例えばBolivarら、Gene、2:95頁(1977)を参照されたい)。pBR322プラスミドは、アンピシリンおよびテトラサイクリンの耐性遺伝子を含有し、したがって形質転換細胞を特定するための容易な手段をもたらす。pBR322プラスミドまたはその他の微生物プラスミドもしくはファージはまた、タンパク質の発現向けに微生物体によって使用され得るプロモーターを含有する必要がある、または、含有するように改変され得る必要がある。
[00102]組換えDNA構築で最もよく使用されるそういったプロモーターには、β-ラクタマーゼ(ペニシリナーゼ)およびラクトースプロモーター系ならびにトリプトファン(trp)プロモーター系(Goeddelら、Nucleic Acids Res.、8:4057頁(1980))が含まれる。それらが最もよく使用されるが、他の微生物プロモーターが発見されかつ利用されてきた。例えば、tacプロモーターは、trpオペロンとlacオペロン由来のプロモーターの組合せから生成される合成的に生成されたDNAプロモーターである(de Boerら、PNAS、(1983-01-80(1):21~25頁(1983))。これは、大腸菌におけるタンパク質生成によく使用される(Amannら、Gene、25:167頁(1983))。これらのプロモーターのいずれもが、本発明の融合ポリペプチドの生成方法との関係で使用され得る。
[00103]原核生物に加えて、酵母培養物などの真核微生物もまた使用され得る。サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)または普通のパン酵母が真核微生物の中でも最も普通に使用されるが、いくつかの他の株が普通に利用可能である。サッカロマイセスでの発現の場合、例えばプラスミドYRp7(Stinchcombら、Nature、282:39頁(1979))が普通には使用される。他のプラスミドが米国特許第4,615,974号;Struhlら、PNAS、76(3):1035頁(1979)に開示されている。プラスミドYRp7は、トリプトファン無しで増殖する能力を欠く酵母の突然変異型株、例えばATCC No.44,076またはRH218(Jones、Genetics、85:23頁(1977))に対する選択マーカーを提供するtrp1遺伝子を含有する。酵母宿主細胞ゲノムの特徴としてのtrp1損傷の存在は、次いで、トリプトファンの非存在下での増殖によって形質転換を検出するための効果的な環境を提供する。
[00104]酵母ベクター中で適切なプロモーター配列には、3-ホスホグリセリン酸キナーゼ用(Hitzemanら、J. Biol. Chem.、255:2073頁(1980))、または他の糖分解酵素用、例えば、グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ用、ヘキソキナーゼ用、ピルビン酸デカルボキシラーゼ用、およびグルコキナーゼ用(Romanosら、Yeast、8:423頁(1992);Weinhandlら、Microb.Cell factories、13:5頁(2014))のプロモーターが含まれる。適切な発現プラスミドを構築する場合、これらの遺伝子に付随する終止配列はまた、発現されるのが望ましい配列の発現ベクター3’中にライゲートされて、mRNAのポリアデニル化および終止をもたらす。増殖条件により制御される転写に関するさらなる利点を有する他のプロモーターは、アルコールデヒドロゲナーゼ2の、ならびにマルトースおよびガラクトース利用を担う酵素のプロモーター領域である(Romanosら、Weinhandlら、上掲)。酵母適合性プロモーター、複製起点および終止の各配列を含有する任意のプラスミドベクターが適切である。
[00105]微生物に加えて、多細胞生物体に由来する細胞の培養もまた宿主として使用され得る。原則として、任意のかかる細胞培養が、脊椎動物培養由来にしろ無脊椎動物培養由来にしろ、実現可能である。しかし、脊椎動物細胞に大きな関心が注がれており、培養(組織培養)での脊椎動物細胞の増殖が、近年では慣用の手順となってきた(Tissue Culture、Academic Press、Kruse and Patterson、編者(1973))。かかる有用な宿主細胞株の例は、VERO細胞およびHeLa細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株およびW138、BHK、COS-7,293、およびMDCKの各細胞株である。かかる細胞用の発現ベクターはたいてい、必要な任意のリボソーム結合部位、RNAスプライス部位、ポリアデニル化部位および転写ターミネーター配列とともに、(必要であれば)複製起点、発現される遺伝子の前に位置するプロモーターを含む。
[00106]哺乳動物細胞での使用の場合、発現ベクター上の制御機能はウイルス材料により提供されることが多い。例えば、よく使用されるプロモーターは、ポリオーマ、アデノウイルス2に由来し、最も頻繁にはシミアンウイルス40(SV40)に由来する。SV40ウイルスの初期および後期のプロモーターは、SV40ウイルスの複製起点も含有する断片として上記ウイルスから両プロモーターが容易に得られるので(Fiersら、Nature、273:113頁(1978))、特に有用である。上記ウイルスの複製起点に位置するHindIII部位からBglI部位へ向けて伸長する概250bp配列が含まれているのであれば、より小さいまたはより大きいSV40断片も使用され得る。さらに、かかる制御配列が宿主細胞系と適合性であれば、所望の遺伝子配列に正常に付随するプロモーターまたは制御配列を利用することが、可能でもありそして多くの場合で望ましい。
[00107]したがって、本発明によれば、本明細書に記載の融合ポリペプチドをコードする核酸を含む、細菌、酵母細胞、昆虫細胞、または哺乳動物細胞の各宿主で複製されることが可能な発現ベクターを使用して、宿主へのトランスフェクションを行い、それによって、融合ポリペプチドを生成するようにかかる核酸の発現を方向付けるが、次いでこのペプチドは生物学的に活性な形態で回収され得る。本明細書で使用される場合、生物学的に活性な形態には、少なくとも1つのVEGFファミリーメンバーに結合することができる形態が含まれる。
[00108]一部の実施形態では、宿主細胞は、大腸菌、COS細胞、またはチャイニーズハムスター卵巣(「CHO」)細胞とすることができる。一部の他の実施形態では、宿主細胞はHEK293細胞とすることができる。
ベクター構築
[00109]所望のコーディング配列および制御配列を含有する適切なベクターの構築は、標準ライゲーション技法を用いる。単離されたプラスミドまたはDNA断片は、必要なプラスミドを形成するのに望ましい形態で切断、調整、およびライゲートされる。用いられる方法は、DNA源または意図される宿主に左右されない。切断は、適切な緩衝剤中の制限酵素(または複数の制限酵素)で処理することによって実行される。
[00110]VEGFR-1、VEGFR-2、またはVEGR-3の1つまたは複数のIg様ドメインを実質的にコードする核酸配列は、米国特許第6,897,294号に開示の方法に従って生成され得る。
[00111]VEGFR-1のIg様ドメイン2、VEGFR-2のIg様ドメイン3、ならびにVEGR-3のIg様ドメイン1および2を実質的にコードする核酸配列が所望の順序でタンデムにライゲートされる。次いで、この構築物は、IgG1の所望のFc部分をコードする核酸配列のN末端にライゲートされる。次いで、核酸配列全体が、遺伝子のリーディングフレームにプロモーターを含有し、提案された宿主細胞と適合するベクターに、配置される。米国特許第4,456,748号;同第5,460,811号;同第5,888,808号;および同第6,333,147号に記載のものなどの、いくつかのプラスミドが、本発明の融合ポリペプチドの生成に使用され得る。
[00112]一実施形態では、本発明の融合ポリペプチドは、米国特許第7,070,959号に記載の方法に従って生成される。融合ポリペプチド(「VEGFR-1-D2-VEGFR-2-D3-VEGFR-3-D1D2-Fc」または「VEGFR-1-D2-VEGFR-2-D3-VEGFR-3-D1D2D3-Fc」)の核酸配列全体が、CMVプロモーターを有する発現ベクターpEE14.1(Lonza Biologics)に挿入される。CHO K1細胞が、pEE14.1/VEGFR-1-D2-VEGFR-2-D3-VEGFR-3-D1D2-Fc DNA構築物またはpEE14.1/VEGFR-1-D2-VEGFR-2-D3-VEGFR-3-D1D2D3-Fc DNA構築物をトランスフェクトされ、次いで増殖される。米国特許第7,070,959号に記載のように、CHO細胞またはHEK293細胞から得られた融合ポリペプチドは精製され、結合アッセイによって特徴付けられる。
[00113]一実施形態では、本発明の融合ポリペプチドは、K≦10-9MでVEGFファミリーメンバーに結合することができる。別の実施形態では、本発明の融合ポリペプチドは、K≦5×10-10MでVEGFファミリーメンバーに結合することができる。さらに別の実施形態では、本発明の融合ポリペプチドは、K≦10-10MでVEGFファミリーメンバーに結合することができる。
[00114]一態様では、本発明は、異常な血管新生に病因を有する疾患、状態、または障害を処置するまたは制御するための化合物、組成物、および方法を提供する。
[00115]別の態様では、本発明は、異常な血管新生に病因を有する、少なくとも1つの眼性の疾患、状態、または障害を、対象において、処置するまたは制御するための方法を提供する。方法は、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号15、配列番号12、および配列番号16からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む融合ポリペプチドを含む組成物を、かかる処置または制御を必要とする対象に投与するステップを含む。
[00116]さらに別の態様では、方法は、配列番号12または配列番号16に列挙されたアミノ酸配列であって、ただし、配列番号12または配列番号16の286位および287位のアミノ酸は置換可能であり、それにより、配列番号12または配列番号16の285位~287位のアミノ酸配列がNDT、NDS、NXT、またはNXSであり、ここでXはA、R、N、C、E、Q、G、H、I、L、K、M、F、P、S、T、W、Y、およびVからなる群から選択されるアミノ酸であることを条件とする、アミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む融合ポリペプチドを含む組成物を、対象に投与するステップを含む。
[00117]さらに別の態様では、方法は、配列番号12または配列番号16に列挙されたアミノ酸配列であって、ただし、配列番号12または配列番号16の285位~287位のアミノ酸配列は非置換でありNDTのままである、アミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む融合ポリペプチドを含む組成物を、対象に投与するステップを含む。
[00118]さらに別の態様では、方法は、配列番号12または配列番号16に列挙されたアミノ酸配列であって、ただし、配列番号12または配列番号16の286位および287位のアミノ酸は置換可能であり、それにより、配列番号12または配列番号16の285位~287位のアミノ酸配列がNDT、NDS、NXT、またはNXSであり、ここでXはA、R、N、C、E、Q、G、H、I、L、K、M、F、P、S、T、W、Y、およびVからなる群から選択されるアミノ酸であることを条件とする、アミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む融合ポリペプチドを含む組成物を、対象に投与するステップを含む。
[00119]さらに別の態様では、方法は、配列番号12または配列番号16に列挙されたアミノ酸配列であって、ただし、配列番号12または配列番号16の285位~287位のアミノ酸配列は非置換でありNDTのままであることを条件とする、アミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む融合ポリペプチドを含む組成物を、対象に投与するステップを含む。
[00120]さらに別の態様では、前記眼性の疾患、状態、または障害は、脈絡膜血管新生(近視性脈絡膜血管新生を含めて)、ポリープ状脈絡膜血管症、網膜血管新生、血管漏出、網膜浮腫、糖尿病性黄斑浮腫、網膜静脈閉塞症および非感染性後部ブドウ膜炎からなる群から選択される状態によって引き起こされる黄斑浮腫、糖尿病性網膜症、角膜血管新生、角膜炎症、近視性血管新生、血管新生緑内障、ならびに血管新生加齢黄斑変性症(網膜血管新生に起因する滲出型加齢黄斑変性症)からなる群から選択される
[00121]別の態様では、本発明は、異常な血管新生に病因を有する、少なくとも1つの眼性の疾患、状態、または障害を、対象において、処置するまたは制御するための医薬の調製または製造のための融合ポリペプチドの使用を提供し;ここで、融合ポリペプチドは、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号15、配列番号12、および配列番号16からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
[00122]さらに別の態様では、本発明は、異常な血管新生に病因を有する、少なくとも1つの眼性の疾患、状態、または障害を、対象において、処置するまたは制御するための医薬の調製または製造のための融合ポリペプチドの使用を提供し;ここで、融合ポリペプチドは、配列番号12または配列番号16に列挙されたアミノ酸配列であって、ただし、配列番号12または配列番号16の286位および287位のアミノ酸は置換可能であり、それにより、配列番号12または配列番号16の285位~287位のアミノ酸配列がNDT、NDS、NXT、またはNXSであり、ここでXはA、R、N、C、E、Q、G、H、I、L、K、M、F、P、S、T、W、Y、およびVからなる群から選択されるアミノ酸であることを条件とする、アミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む。
[00123]さらに別の態様では、前記使用のための融合ポリペプチドは、配列番号12または配列番号16に列挙されたアミノ酸配列であって、ただし、配列番号12または配列番号16の285位~287位のアミノ酸配列は非置換でありNDTのままである、アミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む。
[00124]さらに別の態様では、本発明は、異常な血管新生に病因を有する、少なくとも1つの眼性の疾患、状態、または障害を、対象において、処置するまたは制御するための医薬の調製または製造のための融合ポリペプチドの使用を提供し;ここで、融合ポリペプチドは、配列番号12または配列番号16に列挙されたアミノ酸配列であって、ただし、配列番号12または配列番号16の286位および287位のアミノ酸は置換可能であり、それにより、配列番号12または配列番号16の285位~287位のアミノ酸配列がNDT、NDS、NXT、またはNXSであり、ここでXはA、R、N、C、E、Q、G、H、I、L、K、M、F、P、S、T、W、Y、およびVからなる群から選択されるアミノ酸であることを条件とする、アミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。
[00125]さらに別の態様では、前記使用のための融合ポリペプチドは、配列番号12または配列番号16に列挙されたアミノ酸配列であって、ただし、配列番号12または配列番号16の285位~287位のアミノ酸配列は非置換でありNDTのままである、アミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。
[00126]さらに別の態様では、前記眼性の疾患、状態、または障害は、本明細書に開示の疾患、状態、または障害からなる群から選択される。
[00127]一実施形態では、対象は、約25~4000マイクログラムの用量の融合ポリペプチドを投与される。別の実施形態では、対象は、約50~4000、約100~4000、約500~4000、約1000~4000、約2000~4000、約50~3000、約50~2000、約50~1000、または約50~500マイクログラムの用量の融合ポリペプチドを投与される。
[00128]さらに別の態様では、融合ポリペプチドを含む組成物は、点眼薬または眼注射(例えば、硝子体内、房内、眼窩周囲、テノン嚢下、網膜下、または脈絡膜上の各注射)の形態である。かかる組成物は眼科用組成物を含む。本発明の融合ポリペプチドはまた、疾患組織内にまたはその近傍に移植することができる医療デバイスに組み込まれることがある。
[00129]一実施形態では、前部疾患、状態、または障害;例えば、角膜血管新生、角膜炎症、または血管新生緑内障を処置するまたは制御する場合、融合ポリペプチドを含む組成物は、点眼薬または眼房内もしくは結膜下の注射の形態とすることができる。別の実施形態では、後眼部疾患、状態、または障害;例えば、脈絡膜血管新生(近視性脈絡膜血管新生を含めて)、血管新生加齢黄斑変性、血管漏出、網膜浮腫、または糖尿病性網膜症を処置するまたは制御する場合、融合ポリペプチドを含む組成物は、硝子体内注射の形態とすることができる。
[00130]さらに別の態様では、点眼薬は、疾患、状態、または障害が実質的に処置または制御されるまで、1日当たり少なくとも1回、1週間当たり少なくとも1回、または1か月当たり少なくとも1回、対象に投与される。
[00131]さらに別の態様では、組成物は、少なくとも1か月、少なくとも2か月、少なくとも3か月、または少なくとも6か月の期間、対象に投与される。
[00132]さらに別の態様では、硝子体内注射または患部組織内へのもしくはその近傍への注射は、特定の患者に対して医師によって推奨されるレジメンに従って対象に投与される。例えば、注射は、疾患、状態、または障害が実質的に処置または制御されるまで、1か月当たり少なくとも1回、2か月毎に少なくとも1回、3か月毎に少なくとも1回、または6か月毎に少なくとも1回投与され得る。一実施形態では、処置は、医師によって決定され得るとおりに、最初にはより頻繁に、次いで、一定期間後には少ない頻度で投与され得る。
[00133]かかる眼科用組成物中の本発明の融合ポリペプチドの濃度は、約0.1から約200mg/mlまで(または、代替的に、約0.25から約200mg/mlまで、または約0.25から約160mg/mlまで、または約0.5から約100mg/mlまで、または約0.25から約50mg/mlまで、または約0.5から約200mg/mlまで、または約0.5から約160mg/mlまで、または約0.5から約100mg/mlまで、または約0.5から約50mg/mlまで、または約1から約200mg/mlまで、または1から約160mg/mlまで、または約0.5から約100mg/mlまで、または約1から約50mg/mlまで)の範囲とすることができる。
[00134]さらに別の態様では、本発明の組成物を調製するための方法は、(a)本発明の融合ポリペプチドのある量と(b)生理学的に許容される担体とを組み合わせるステップを含む。
[00135]一実施形態では、かかる生理学的に許容される担体は、滅菌生理食塩水または生理学的に許容される緩衝剤とすることができる。別の実施形態では、かかる担体は、薬学的に許容される油などの疎水性媒体を含む。さらに別の実施形態では、担体などは疎水性材料と水のエマルジョンを含む。さらに別の実施形態では、本発明の融合ポリペプチドは、長い循環時間をもたらすために、高分子量物質と会合していても連結されていてもよい。
[00136]生理学的に許容される緩衝剤には、それらに限定されないが、リン酸緩衝剤またはTris-HCl緩衝剤(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンおよびHClを含む)が含まれる。例えば、7.4のpHを有するトリス-HCl緩衝剤は、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン3g/lおよびHCl 0.76g/lを含む。さらに別の態様では、緩衝剤は、10×リン酸緩衝生理食塩水(「PBS」)または5×PBS溶液である。
[00137]その他の緩衝剤も一部の状況では、例えば、25℃で7.5のpKおよび約6.8~8.2の範囲のpHを有するHEPES(N-{2-ヒドロキシエチル}ピペラジン-N’-{2-エタンスルホン酸});25℃で7.1のpKおよび約6.4~7.8の範囲のpHを有するBES(N,N-ビス{2-ヒドロキシエチル}2-アミノエタンスルホン酸);25℃で7.2のpKおよび約6.5~7.9の範囲のpHを有するMOPS(3-{N-モルホリノ}プロパンスルホン酸);25℃で7.4のpKおよび約6.8~8.2の範囲のpHを有するTES(N-トリス{ヒドロキシメチル}-メチル-2-アミノエタンスルホン酸);25℃で7.6のpKおよび約6.9~8.3の範囲のpHを有するMOBS(4-{N-モルホリノ}ブタンスルホン酸);25℃で7.52のpKおよび約7~8.2の範囲のpHを有するDIPSO(3-(N,N-ビス{2-ヒドロキシエチル}アミノ)-2-ヒドロキシプロパン));25℃で7.61のpKおよび約7~8.2の範囲のpHを有するTAPSO(2-ヒドロキシ-3{トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ}-1-プロパンスルホン酸));25℃で8.4のpKおよび約7.7~9.1の範囲のpHを有するTAPS({(2-ヒドロキシ-1,1-ビス(ヒドロキシメチル)エチル)アミノ}-1-プロパンスルホン酸);25℃で8.9のpKおよび約8.2~9.6の範囲のpHを有するTABS(N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-4-アミノブタンスルホン酸);25℃で9.0のpKおよび約8.3~9.7の範囲のpHを有するAMPSO(N-(1,1-ジメチル-2-ヒドロキシエチル)-3-アミノ-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸);25℃で9.5のpKおよび約8.6~10.0の範囲のpHを有するCHES(2-シクロヘキシルアミノ)エタンスルホン酸);25℃で9.6のpKおよび約8.9~10.3の範囲のpHを有するCAPSO(3-(シクロヘキシルアミノ)-2-ヒドロキシ-1-プロパンスルホン酸);または、25℃で10.4のpKおよび約9.7~11.1の範囲のpHを有するCAPS(3-(シクロヘキシルアミノ)-1-プロパンスルホン酸)をベースとした各緩衝剤も、適切であるまたは望ましいと見出され得る。
[00138]ある特定の実施形態では、本発明の組成物は、約4から約6.8までなどの、または代替的に約5から約6.8までなどの、酸性pHを有する緩衝剤中で製剤化される。かかる実施形態では、組成物の緩衝キャパシティは望ましくは、患者に投与された後、組成物が急速に生理学的pHになることを可能にする。
[00139]緩衝剤に加えて、本発明の組成物は、界面活性剤、安定剤、防腐剤、共溶媒、湿潤剤、皮膚軟化薬、キレート剤、張性調整剤、および抗酸化剤からなる群から選択される材料を含むことができる。
[00140]一態様では、本発明の組成物で使用され得るこれらの材料のいずれもが、眼科的に許容される材料である。
[00141]用いられ得る水溶性防腐剤には、重亜硫酸ナトリウム、重硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、塩化ベンザルコニウム、クロロブタノール、チメロサール、エチルアルコール、メチルパラベン、ポリビニルアルコール、ベンジルアルコール、およびフェニルエチルアルコールが含まれる。これらの薬剤は、約0.001重量%から約5重量%まで(好ましくは、約0.01重量%~約2重量%)の個々の量で存在し得る。用いられ得る適切な水溶性緩衝剤は、所望の投与経路向けに米国食品医薬品局(「USFDA」)によって承認されているとおり、炭酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウムなどである。
[00142]界面活性剤の非限定的な例としては、それらに限定されないが、非イオン性界面活性剤、例えばポリソルベート(例えばポリソルベート20、ポリソルベート80)、4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール/ポリ(オキシエチレン)ポリマー(例えばチロキサポール(商標)で販売されているポリマー)、ポリ(オキシエチレン)-ポリ(オキシプロピレン)ブロックコポリマー、脂肪酸のグリコール酸エステルなど、およびそれらの混合物が挙げられる。
[00143]一態様では、組成物のpHは、約4から約11までの範囲である。代替的に、組成物のpHは、約6から約8まで、または約6.5から約8までの範囲である。
[00144]別の態様では、組成物は約7のpHを有する。代替的に、組成物は約7から約7.5までの範囲のpHを有する。
[00145]さらに別の態様では、組成物は約7.4のpHを有する。
[00146]さらに別の態様では、組成物はまた、対象への組成物の投与を容易にするようにまたは対象における生物学的利用能を促進するように設計された粘度調整化合物を含むことができる。さらに別の態様では、粘度調整化合物は、眼の環境に投与された後に組成物が容易には分散しないように、選択され得る。かかる化合物は、組成物の粘度を増強することができ、かかる化合物には、それらに限定されないが:グリセロール、プロピレングリコール、エチレングリコールなどのモノマーポリオール;ポリエチレングリコールなどのポリマーポリオール;ヒドロキシプロピルメチルセルロース(「HPMC」)、カルボキシメチルセルロース(「CMC」)ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース(「HPC」)などのセルロースファミリーの種々のポリマー;ヒアルロン酸およびその塩、コンドロイチン硫酸およびその塩、デキストラン例えばデキストラン70などの、多糖類;ゼラチンなどの水溶性タンパク質;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポビドンなどのビニルポリマー;カルボマー934P、カルボマー941、カルボマー940、またはカルボマー974Pなどのカルボマー;およびアクリル酸ポリマー、が含まれ得る。一般に、所望の粘度は、約1から約400センチポアズ(「cps」)またはmPa.sまでの範囲とすることができる。
[00147]キレート剤の非限定的な例には、エチレンジアミン四酢酸(「EDTA」)、ジエチレントリアミンペンタキス(メチルホスホン酸)、エチドロン酸、エチドロン酸の四ナトリウム塩(「HAP」としても知られる)が挙げられる。
[00148]緩衝剤自体、点眼液を特定のイオン濃度およびpHに大まかに維持する「張性調整剤」および「pH調整剤」であるが、溶液の最終張性を調整するために、さらなる「張性調整剤」が添加され得る。かかる張性調節剤は当業者によく知られており、これには、それらに限定されないが、マンニトール、ソルビトール、デキストロース、スクロース、尿素、プロピレングリコール、およびグリセリンが含まれる。また、1価カチオンのハロゲン化物塩(例えばNaClまたはKCl)を含めて、種々の塩も利用され得る。典型的には、本発明の製剤の張性は、約200から400mOsm/kgまでの範囲である。代替的に、本発明の製剤の張性は、約220から400mOsm/kgまで、または約220から350mOsm/kgまで、または約220から300mOsm/kgまで、または約250から350mOsm/kgまでの範囲である。
[00149]抗酸化剤の非限定的な例としては、アスコルビン酸(ビタミンC)ならびにその塩およびエステル;トコフェロール(例えばα-トコフェロール)およびトコトリエノール(ビタミンE)ならびにそれらの塩およびエステル(例えばビタミンE TGPS(コハク酸D-α-トコフェリルポリエチレングリコール1000));グルタチオン;リポ酸;尿酸;ブチル化ヒドロキシアニソール(「BHA」);ブチル化ヒドロキシトルエン(「BHT」);三級ブチルヒドロキノン(「TBHQ」);ならびにポリフェノール系抗酸化剤(例えば没食子酸、桂皮酸、フラボノイド、ならびにそれらの塩、エステル、および誘導体)が挙げられる。
[00150]安定剤の非限定的な例としては、スクロース、マンニトール、ソルビトール、およびトレハロースが挙げられる。
[00151]以下の実施例における種々の成分または混合物の割合は、適当な状況で調整され得ることを理解されたい。
[00152]別の態様では、本発明の融合ポリペプチドおよび適当な量の1つまたは複数の所望の賦形剤が、眼の一部、例えば前眼部もしくは後眼部、または硝子体液への局所投与用または注射用の製剤に組み込まれる。注射用製剤は、約1週間よりも長い(または約1、2、3、4、5、または6か月よりも長い)期間などの、有効成分の持続放出をもたらす担体を望ましくは含むことができる。
[00153]さらに別の態様では、本発明の融合ポリペプチドおよび所望の賦形剤を含む組成物が凍結乾燥され、対象への投与の実質的に直前に生理学的に許容される液体担体で再構成される。
[00154]一実施形態では、本発明の化合物または組成物は、25~35ゲージなどの極細ゲージの針で注射され得る。典型的には、本発明の融合ポリペプチド約25~4000μgを含む約25μlから約100μlまでの量の組成物が患者に投与される。一実施形態では、融合ポリペプチドは、配列番号12または配列番号16に列挙されたアミノ酸配列であって、ただし、配列番号12または配列番号16の286位および287位のアミノ酸は置換可能であり、それにより、配列番号12または配列番号16の285位~287位のアミノ酸配列がNDT、NDS、NXT、またはNXSであり、ここでXはA、R、N、C、E、Q、G、H、I、L、K、M、F、P、S、T、W、Y、およびVからなる群から選択されるアミノ酸であることを条件とする、アミノ酸配列と実質的に同じであるアミノ酸配列を有する。別の実施形態では、融合ポリペプチドは配列番号12または配列番号16に列挙されたとおりのアミノ酸配列を有する。かかる融合ポリペプチドの濃度は上に開示の範囲から選択される。
[00155]さらに別の態様では、本発明の融合ポリペプチドは、生分解性材料を含む眼科用デバイスに組み込まれ、そしてデバイスは、対象の後眼部組織に移植されて、血管新生疾患、状態、または障害の長期の(例えば、約1週間よりも長く、または約1、2、3、4、5、もしくは6か月よりも長く)処置または制御をもたらす。かかるデバイスは、熟練した医師によって対象の眼組織または眼周囲組織に移植され得る。有効成分の持続放出向けの眼科インプラントシステムまたはデバイスの非限定的な例は、米国特許第5,378,475号;同第5,773,019号;同第5,902,598号;同第6,001,386号;同第6,051,576号;および同第6,726,918号に開示されている。
[00156]さらに別の態様では、眼の血管新生疾患、状態、または障害を処置するまたは制御するための方法は、本発明の融合ポリペプチドを含む組成物を、それを必要とする対象に投与するステップを含む。
[00157]さらに別の態様では、眼の血管新生疾患、状態、または障害を処置するまたは制御するための方法は、配列番号12または配列番号16に列挙されたとおりのアミノ酸配列を有する融合ポリペプチドを含む組成物を、それを必要とする対象に投与するステップを含む。
[00158]さらに別の態様では、眼の後眼部における異常な血管新生に病因を有する眼の血管新生疾患、状態、または障害を処置するまたは制御するための方法は、配列番号12または配列番号16に列挙されたとおりのアミノ酸配列を有する融合ポリペプチドを含む組成物を、それを必要とする対象に硝子体内で注射するステップを含む。
[00159]別の実施形態では、かかる疾患、状態、または障害は、脈絡膜血管新生、ポリープ状脈絡膜血管症、近視性血管新生、未熟児網膜症を始めとする網膜血管新生、血管漏出、糖尿病性黄斑浮腫および網膜静脈閉塞症や非感染性後部ブドウ膜炎などの他の網膜状態によって引き起こされる黄斑浮腫を始めとする網膜浮腫、増殖性糖尿病網膜症を始めとする糖尿病性網膜症、角膜血管新生、ならびに血管新生緑内障、からなる群から選択される。
[00160]さらに別の態様では、本発明の組成物は、週に1回、月に1回、年に1回、年に2回、年に4回、または、前眼部炎症性の疾患、状態、または障害を処置するまたは制御するのに適当であると判定される適切な頻度で投与される。
[00161]さらに別の態様では、本発明の融合ポリペプチドまたは融合タンパク質はまた、がん、乾癬、関節リウマチ、およびアテローム性動脈硬化症などの、異常な血管新生によって促進されるかまたは異常な血管新生に病因を有する他の非眼性の疾患または状態の処置または制御のためにも使用され得る。かかる処置または制御は、例えば、全身投与によって実施されてもよい。
[00162]さらに別の態様では、本発明は、がん、乾癬、関節リウマチ、およびアテローム性動脈硬化症などの、異常な血管新生によって促進されるかまたは異常な血管新生に病因を有する非眼性の疾患または状態を処置するまたは制御するための医薬の調製または製造のための融合ポリペプチドまたは融合タンパク質の使用を提供する。
[00163]本発明による処置に適合するがんには、それらに限定されないが、癌、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫、および白血病またはリンパ性悪性腫瘍が含まれる。かかるがんのより具体的な例としては、扁平上皮細胞がん、肺がん(小細胞肺がん、非小細胞肺がん、肺の腺癌、および肺の扁平上皮癌を含めて)、腹膜のがん、肝細胞がん、胃がんもしくは胃のがん(消化器がんを含めて)、膵がん、膠芽腫、子宮頸がん、卵巣がん、肝臓がん、膀胱がん、肝細胞癌、乳がん、結腸がん、結腸直腸がん、子宮内膜癌または子宮癌、唾液腺癌、腎臓がんまたは腎がん、肝臓がん、前立腺がん、外陰部のがん、甲状腺がん、肝癌および様々なタイプの頭頸部がん、ならびに、B細胞リンパ腫(低悪性度/濾胞性非ホジキンリンパ腫(NHL)、小リンパ球性(SL)NHL、中悪性度/濾胞性NHL、中悪性度びまん性NHL、高悪性度免疫芽細胞性NHL、高悪性度リンパ芽球NHL、高悪性度非小開裂細胞NHL、巨大病変NHL、マントル細胞リンパ腫、AIDS関連リンパ腫、およびヴァルデンストレームマクログロブリン血症を含めて)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、急性リンパ性白血病(ALL)、ヘアリー細胞白血病、慢性骨髄芽球性白血病、および移植後リンパ増殖性疾患(PTLD)、ならびに母斑症に伴う異常な血管増殖、浮腫(例えば、脳腫瘍に伴う浮腫)、およびメーグス症候群が、挙げられる。一部の実施形態では、がんは、乳がん、直腸結腸がん、結腸がん、非小細胞肺がん、非ホジキンリンパ腫(NHL)、腎細胞がん、前立腺がん、肝臓がん、膵がん、軟部組織肉腫、カポジ肉腫、カルチノイド癌、頭頸部がん、悪性黒色腫、卵巣がん、中皮腫および多発性骨髄腫からなる群から選択される。別の実施形態では、がんは結腸直腸がんである。本発明の処置に適合するがん性状態には転移性がんが含まれる。本発明の方法は血管化した腫瘍の処置に特に適する。
実施例1
組成物1
[00164]本発明の組成物を、10~100mg/mLの融合タンパク質EB-101、10mMヒスチジンHCl緩衝剤、10(重量)%α、α-トレハロース、および0.01(重量)%ポリソルベート20を組み合わせることによって調製する。一部の実施形態では、組成物はまた、抗酸化剤、キレート剤、および防腐剤、ならびにそれらの組合せからなる群から選択される材料を含む場合がある。組成物は、約5~6の範囲のpHを有し、硝子体内を含めて眼内投与に適する。
実施例2
組成物2
[00165]本発明の組成物を、10~100mg/mLの融合タンパク質EB-101、10mMリン酸緩衝剤、40mM NaCl、5(重量)%スクロース、および0.03(重量)%ポリソルベート20を組み合わせることによって調製する。組成物は、約5.5~6.5の範囲のpHを有し、硝子体内を含めて眼内投与に適する。
実施例3
HEK293細胞におけるEB-101の一過性発現
[00166]配列番号12により指示されるようなEB-101のアミノ酸配列をコードする遺伝子を合成し、タンパク質を発現するためのベクターを構築した。発現ベクターを使用して、合成培養培地を用いて一過性に293細胞へのトランスフェクションを行った。生成されたタンパク質を、ProteinAアフィニティーカラム、限外ろ過によって精製し、次いで0.2μmの無菌ろ過に供して高純度のバルクを得た。HEK293細胞でのEB-101の発現は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC-HPLC)により分析した場合、MWおよそ200KDa(SDS-PAGEにて非還元型)および純度96%のタンパク質を産生していた。図2を参照されたい。
実施例4
CHO細胞におけるEB-101の一過性発現。
[00167]配列番号12により指示されるようなEB-101のアミノ酸配列をコードする遺伝子を合成し、タンパク質を発現するためのベクターを構築した。発現ベクターを使用して、合成培養培地を用いて一過性にCHO細胞へのトランスフェクションを行った。生成されたタンパク質を、ProteinAアフィニティーカラム、限外ろ過によって精製し、次いで0.2μmの無菌ろ過に供して高純度のバルクを得た。CHO細胞でのEB-101の発現は、SEC-HPLCにより分析した場合、MWおよそ200KDa(SDS-PAGEにて非還元型)および純度100%のタンパク質を産生していた。図3を参照されたい。
[00168]
実施例5
SPR Biacoreを使用した、ヒト組換えヒトVEGF-A165、VEGF-B167/189、VEGF-C、VEGF-D、およびPlGFに対する結合親和性について、EB-101とアフリベルセプトとの比較。図4~8を参照されたい。
[00169]CM5センサーチップ表面上への抗ヒトIgG(Fc)抗体の固定化によりSPR Biacoreアッセイを実施し、SPR Biacoreアッセイによりリガンド固定化のレベルを決定した。CM5センサーチップ上にカップリングする抗Fc抗体の量は、約7,000~14,000レスポンス単位(「RU」)であった。次いで、EB-101またはアフリベルセプトをサンプルチャネルに注入し、その結果約400RUの捕捉レベルに達した。最終的に、流している緩衝剤で希釈された様々な濃度の被検物質(本アッセイではVEGF-A)を、親和性およびキネティクスの測定のために注入した。1:1結合モデルを使用して、結合親和性および/またはキネティクスを測定した。EB-101へのVEGF-A165結合の反応速度定数は以下のとおりであった:平衡解離定数K=7.51×10-12M(7.51pM)、結合速度定数K=5.06×10-1-1、解離速度定数K=3.64×10-4-1。アフリベルセプトへのVEGF-A165結合の反応速度定数は以下のとおりであった:平衡解離定数K=3.36×10-11M(33.6pM)、結合速度定数K=1.36×10-1-1、解離速度定数K=4.58×10-4-1
[00170]EB-101へのVEGF-B167189結合の反応速度定数は以下のとおりであった:平衡解離定数K=1.38×10-10M(138pM)、結合速度定数K=2.20×10-1-1、解離速度定数K=3.03×10-4-1。アフリベルセプトへのVEGF-B167189結合の反応速度定数は以下のとおりであった:平衡解離定数K=1.73×10-11M(17.3pM)、結合速度定数K=3.27×10-1-1、解離速度定数K=5.67×10-5-1
[00171]EB-101へのVEGF-C結合の反応速度定数は以下のとおりであった:平衡解離定数K=4.64×10-10M(0.464nM)、結合速度定数K=3.11×10-1-1、解離速度定数K=1.44×10-3-1。VEGF-Cとアフリベルセプトの結合は検出され得ない。
[00172]VEGF-DとEB-101またはアフリベルセプトとの結合は検出され得ない。
[00173]EB-101へのPlGF結合の反応速度定数は以下のとおりであった:平衡解離定数K=2.09×10-10M(209pM)、結合速度定数K=1.68×10-1-1、解離速度定数K=3.15×10-3-1。アフリベルセプトへのPlGF結合の反応速度定数は以下のとおりであった:平衡解離定数K=4.84×10-10M(484pM)、結合速度定数K=1.26×10-1-1、解離速度定数K=6.10×10-4-1
Figure 2023548247000001
[00174]したがって、これらのVEGFファミリーメンバーへのEB-101の結合は、アフリベルセプトと比較してより良好である。
実施例6
VEGFR-2-NFAT-REルシフェラーゼレポーター細胞におけるVEGF-A165媒介性VEGFR-2シグナル伝達の阻害に及ぼす効果について、EB-101とアフリベルセプトおよびベバシズマブとの比較。
[00175]組換えヒトVEGF-A165を試験化合物の連続希釈液と混合し、室温で30分間インキュベートし、4×10個のVEGFR-2(KDR)-NFAT-REルシフェラーゼレポーター細胞/ウエル含有のウエルに次いで添加し、これに続いて、37℃で6時間インキュベートした。Bright-Lite 50μlの添加の後、プレートリーダーによりルシフェラーゼシグナルを検出した。VEGF-A165媒介性VEGFR-2シグナル伝達の阻害に及ぼすEB-101の効果は、アフリベルセプトまたはベバシズマブによって阻害された効果に匹敵した。図9を参照されたい。
実施例7
VEGFR2-NFAT-REルシフェラーゼレポーター細胞における、VEGF-C媒介性VEGFR2シグナル伝達の阻害に及ぼす効果について、EB-101とアフリベルセプトとの比較。
[00176]組換えヒトVEGF-Cを試験化合物の連続希釈液と混合し、室温で30分間インキュベートし、4×10個のVEGFR-2(KDR)-NFAT-REルシフェラーゼレポーター細胞/ウエル含有のウエルに次いで添加し、これに続いて、37℃で6時間インキュベートした。Bright-Lite 50μlの添加の後、プレートリーダーによりルシフェラーゼシグナルを検出した。アフリベルセプトではなく、EB-101が、VEGF-C媒介性VEGFR-2シグナル伝達の濃度依存性の阻害を有した。図10を参照されたい。
実施例8
VEGFR-2-NFAT-REルシフェラーゼレポーター細胞におけるVEGF-C媒介性VEGFR-2シグナル伝達に及ぼすそれらの阻害効果に関する、EB-101と、アフリベルセプトおよび7つの細胞外ドメイン含有の組換えヒトVEGFR-3(rhVEGFR-3-7ECD)との比較。
[00177]組換えヒトVEGF-Cを試験化合物の連続希釈液と混合し、室温で30分間インキュベートし、4×10個のVEGFR-2(KDR)-NFAT-REルシフェラーゼレポーター細胞/ウエル含有のウエルに次いで添加し、これに続いて、37℃で6時間インキュベートした。Bright-Lite 50μlの添加の後、プレートリーダーによりルシフェラーゼシグナルを検出した。アフリベルセプトではなく、EB-101およびrhVEGFR-3が、VEGF-C媒介性VEGFR-2シグナル伝達の用量依存性の阻害を有した。図11を参照されたい。
実施例9
VEGF-A165およびVEGF-Cにより刺激されたVEGFR-2-NFAT-REルシフェラーゼレポーター細胞におけるVEGFR-2シグナル伝達の阻害に及ぼす効果について、アフリベルセプトおよび7つの細胞外ドメイン含有の組換えヒトVEGFR-3(rhVEGFR-3)とともに、EB-101の定量的分析。
[00178]試験化合物を、60ng/mlのVEGF-A165および25ng/mlのVEGF-Cを含有するカクテルと混合し、室温で30分間インキュベートし、次いで結果として生成する溶液を4×10個のVEGFR-2-NFAT-REルシフェラーゼレポーター細胞/ウエルを含有するウエルに添加し、これに続いて、37℃で6時間インキュベートした。Bright-Lite 50μlの添加の後、プレートリーダーによりルシフェラーゼシグナルを検出した。EB-101、およびrhVEGFR-3とアフリベルセプトの組合せは、VEGF-A165プラスVEGF-C媒介性VEGFR-2シグナル伝達を効果的に阻害したが、一方、アフリベルセプトまたはrhVEGFR3いずれか単独では、VEGF-A165およびVEGF-C媒介性VEGFR-2シグナル伝達の阻害に対して限定された効果のみを示した。図12を参照されたい。
実施例10
ヒトリンパ内皮細胞(HLEC)のVEGF-A165媒介性増殖に及ぼす効果について、EB-101とアフリベルセプトおよびベバシズマブとの比較。
[00179]初代HLECを96ウエルプレートに2500個の細胞/ウエルの密度で播種し、37℃で一晩培養した。翌日、組換えヒトVEGF-A165を、試験化合物の連続希釈液と混合し、室温で30分間インキュベートし、次いで、結果として生成する溶液を各ウエルに添加し、これに続いて、37℃で72時間インキュベートした。各ウエルに10%AlamarBlue色素を添加し、5時間インキュベートし、これに続いて、プレートリーダーを使用した蛍光読取りによって、細胞増殖を評価した。VEGF-A165媒介性HLEC増殖の阻害に及ぼすEB-101の効果は、アフリベルセプトおよびベバシズマブによって阻害された効果に匹敵した。図13を参照されたい。
[00180]
実施例11
VEGF-C媒介性HLEC増殖に及ぼす効果について、EB-101と、アフリベルセプトおよび7つの細胞外ドメイン含有の組換えヒトVEGFR-3(rhVEGFR-3ECD)との比較。
[00181]初代HLECを96ウエルプレートに2500個の細胞/ウエルの密度で播種し、インキュベーターで37℃で一晩培養した。翌日、組換えヒトVEGF-Cを、試験化合物の連続希釈液と混合し、室温で30分間インキュベートし、次いで、結果として生成する溶液を各ウエルに添加し、これに続いて、37℃で72時間インキュベートした。各ウエルに10%AlamarBlue色素を添加し、5時間インキュベートし、これに続いて、プレートリーダーを使用した蛍光読取りによって、細胞増殖を評価した。アフリベルセプトではなく、EB-101およびrhVEGFR-3が、VEGF-C媒介性HLEC増殖の濃度依存性の阻害を示した。図14を参照されたい。
実施例12
VEGF-A165およびVEGF-C媒介性ヒトリンパ管内皮細胞(HLEC)増殖に関する、EB-101、アフリベルセプト、および7つの細胞外ドメイン含有の組換えヒトVEGFR-3(rhVEGFR-3 ECD)の定量的分析。
[00182]初代HLECを96ウエルプレートに2500個の細胞/ウエルの密度で播種し、インキュベーターで37℃で一晩培養した。翌日、60ng/mlのVEGF-A165および25ng/mlのVEGF-Cを含有するカクテルを試験化合物と混合し、室温で30分間インキュベートし、次いで、結果として生成する溶液を各ウエルに添加し、これに続いて、37℃で72時間インキュベートした。10%AlamarBlue色素を添加し、5時間インキュベートし、これに続いて、プレートリーダーを使用した蛍光読取りによって、細胞増殖を評価した。EB-101、およびrhVEGFR-3とアフリベルセプトの組合せは、VEGF-A165およびVEGF-C媒介性VEGFR2シグナル伝達を効果的に阻害したが、一方、アフリベルセプトまたはrhVEGFR3いずれか単独は、VEGF-A165およびVEGF-C媒介性HLEC増殖において限定された阻害のみを有した。図15を参照されたい。
実施例13
EB-101BIbの分子設計および発現。
[00183]EB-101BIbは、VEGFR-1の結合ドメイン2、VEGFR-2のドメイン3、およびVEGFR-3のドメイン1~3を含む組換えヒトFc融合タンパク質である。配列番号16により指示されるようなEB-101BIbのアミノ酸配列をコードする遺伝子を合成し、タンパク質を発現するためのベクターを構築した。発現ベクターを使用して、合成培養培地を用いて一過性にCHO細胞へのトランスフェクションを行った。生成されたタンパク質を、ProteinAアフィニティーカラム、限外ろ過によって精製し、次いで0.2μmの無菌ろ過に供して高純度のバルクを得た。CHO細胞でのEB-101BIbの発現は、SEC-HPLCにより分析した場合、MWおよそ200KDa(SDS-PAGEにて非還元型)および純度88%のタンパク質を産生していた。図16を参照されたい。
実施例14
VEGFR2-NFAT-REルシフェラーゼレポーター細胞における、VEGF-A媒介性VEGFR2シグナル伝達に及ぼす効果について、EB-101BIbとアフリベルセプト、EB-101、EB-101BIaとの比較。
[00184]組換えヒトVEGF-A165を試験化合物の連続希釈液と混合し、室温で30分間インキュベートし、4×10個のVEGFR2(KDR)-NFAT-REルシフェラーゼレポーター細胞/ウエル含有のウエルに次いで添加し、これに続いて、37℃で6時間インキュベートした。Bright-Lite 50μlの添加の後、プレートリーダーによりルシフェラーゼシグナルを検出した。VEGF-A165媒介性VEGFR-2シグナル伝達の阻害に及ぼすEB-101BIbの効果は、アフリベルセプト、EB-101およびEB-101BIaによって阻害された効果に匹敵した。後2種の分子は、VEGFR-1の結合ドメイン2、VEGFR-2のドメイン3、およびVEGFR-3のドメイン1~2を含有し、しかし、VEGFR-3のドメイン3を含有せず、それぞれHEK293(EB-101)細胞およびCHO(EB-101BIa)細胞において発現された。図17を参照されたい。
実施例15
VEGFR-2-NFAT-REルシフェラーゼレポーター細胞におけるVEGF-Cおよび-D媒介性のVEGFR-2シグナル伝達に及ぼす効果について、EB-101BIbと、アフリベルセプト、EB-101およびEB-101BIaとの比較。
[00185]組換えヒトVEGF-Cおよび-Dを試験化合物の連続希釈液と混合し、室温で30分間インキュベートし、4×10個のVEGFR-2(KDR)-NFAT-REルシフェラーゼレポーター細胞/ウエル含有のウエルに次いで添加し、これに続いて、37℃で6時間インキュベートした。Bright-Lite 50μlの添加の後、プレートリーダーによりルシフェラーゼシグナルを検出した。EB-101BIbが、VEGF-Cおよび-D媒介性のVEGFR-2シグナル伝達の濃度依存性の阻害を示したが、一方、EB-101およびEB-101BIaは、VEGF-Cおよび-D媒介性のVEGFR-2シグナル伝達の限定された阻害を示した。アフリベルセプトは、VEGF-Cおよび-D媒介性のVEGFR-2シグナル伝達に及ぼす効果をまったく示さなかった。EB-101およびEB-101BIaは、VEGFR-1の結合ドメイン2、VEGFR-2のドメイン3、およびVEGFR-3のドメイン1~2を含有し、しかし、VEGFR-3のドメイン3を含有せず、それぞれHEK293(EB-101)細胞およびCHO(EB-101BIa)細胞において発現された。図18を参照されたい。
実施例16
VEGFR-2-NFAT-REルシフェラーゼレポーター細胞におけるVEGF-A、-C、および-D媒介性VEGFR-2シグナル伝達に及ぼす効果について、EB-101BIbと、アフリベルセプト、EB-101、および組換えヒトVEGFR-3とアフリベルセプトの組合せとの比較。
[00186]試験化合物を、60ng/mlのVEGF-A165および25ng/mlのVEGF-Cおよび150ng/mlのVEGF-Dを含有するカクテルと混合し、室温で30分間インキュベートし、次いで結果として生成する溶液を4×10個のVEGFR-2-NFAT-REルシフェラーゼレポーター細胞/ウエルを含有するウエルに添加し、これに続いて、37℃で6時間インキュベートした。Bright-Lite 50μlの添加の後、プレートリーダーによりルシフェラーゼシグナルを検出した。アフリベルセプトはVEGFR-2シグナル伝達の阻害をほとんど示さなかったが、一方、EB-101BIbは、VEGF-A165、-Cおよび-Dからなるカクテルにより刺激されたVEGFR-2-NFAT-REルシフェラーゼレポーター細胞においてVEGFR-2シグナル伝達の濃度依存性の阻害を示した(図19A)。EB-101BIbは、VEGF-A165、VEGF-CおよびVEGF-D媒介性VEGFR-2シグナル伝達を完全に阻害した。EB-101は限定的な阻害効果を示したが、一方、アフリベルセプトは、EB-101BIbおよびEB-101と比較して、VEGF-A、-C、および-D媒介性VEGFR-2シグナル伝達に関して最小の阻害を有した。EB-101BIbがもたらした完全な阻害は、組換えヒトVEGFR-3とEB-101の組合せによって再現された(図19B)。EB-101は、VEGFR-1の結合ドメイン2、VEGFR-2のドメイン3、およびVEGFR-3のドメイン1~2を含有し、しかし、VEGFR-3のドメイン3を含有しない。EB-101BIbは、VEGFR-1の結合ドメイン2、VEGFR-2のドメイン3、およびVEGFR-3のドメイン1~3を含有する。図19を参照されたい。
実施例17
ヒトリンパ管内皮細胞(HLEC)のVEGF-A165媒介性増殖に及ぼす効果について、EB-101BIbと、アフリベルセプトおよびEB-101BIaとの比較。
[00187]初代HLECを96ウエルプレートに2500個の細胞/ウエルの密度で播種し、37℃で一晩培養した。翌日、組換えヒトVEGF-A165を、試験化合物の連続希釈液と混合し、室温で30分間インキュベートし、次いで、結果として生成する溶液を各ウエルに添加し、これに続いて、37℃で72時間インキュベートした。各ウエルに10%AlamarBlue色素を添加し、5時間インキュベートし、これに続いて、プレートリーダーを使用した蛍光読取りによって、細胞増殖を評価した。VEGF-A165媒介性HLEC増殖の阻害に及ぼすEB-101BIbの効果は、アフリベルセプトおよびEB-101BIaによって阻害された効果に匹敵した。図20を参照されたい。
実施例18
VEGF-CおよびVEGF-D媒介性HLEC増殖に及ぼす効果について、EB-101BIbと、アフリベルセプト、EB-101BIaおよび7つの細胞外ドメイン含有の組換えヒトVEGFR-3との比較。
[00188]初代HLECを96ウエルプレートに2500個の細胞/ウエルの密度で播種し、インキュベーターで37℃で一晩培養した。翌日、組換えヒトVEGF-C(25ng/ml)およびVEGF-D(150ng/ml)を試験化合物の連続希釈液と混合し、室温で30分間インキュベートし、次いで、結果として生成する溶液を各ウエルに添加し、これに続いて、37℃で72時間インキュベートした。各ウエルに10%AlamarBlue色素を添加し、5時間インキュベートし、これに続いて、プレートリーダーを使用した蛍光読取りによって、細胞増殖を評価した。EB-101BIbおよびrhVEGFR-3は、EB-101BIa処理群と比較して、VEGF-CおよびVEGF-D媒介性HLEC増殖の阻害に対してより強力な効果を示した。図21を参照されたい。
実施例19
VEGF-A、-Cおよび-D媒介性ヒトリンパ内皮細胞(HLEC)の増殖に及ぼす効果について、EB-101BIbと、アフリベルセプト、7つの細胞外ドメイン(7つのECD)含有の組換えヒトVEGFR-3、およびVEGFR-3とアフリベルセプトの組合せとの比較。
[00189]初代HLECを96ウエルプレートに2500個の細胞/ウエルの密度で播種し、インキュベーターで37℃で一晩培養した。翌日、組換えヒトVEGF-A165、VEGF-CおよびVEGF-Dを含有するカクテルを等量の試験化合物の連続希釈液と混合し、室温で30分間インキュベートした(VEGF-A165、-Cおよび-Dの各最終濃度:それぞれ60、25および150ng/ml)。結果として生成する溶液を各群で9つのウエルに添加し、次いで、37℃で72時間インキュベートした。各ウエルに10%AlamarBlue色素を添加し、5時間インキュベートし、これに続いて、プレートリーダーを使用した蛍光読取りによって、細胞増殖を評価した。アフリベルセプトまたはVEGFR-3いずれか単独は限定的な阻害を示したが、一方、EB-101BIb、またはVEGFR-3とアフリベルセプトの組合せは、VEGF-A165、-Cおよび-Dにより刺激されたHLEC増殖を完全に阻害した。図22を参照されたい。
核酸およびアミノ酸の配列表
[00190]
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[00191]
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配列表
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[00206]以上、本発明の特定の実施形態について説明してきたが、添付の特許請求の範囲において定義の本発明の精神および範囲から逸脱することなく、多くの均等物、改変、置換、および変形をそれらに行うことができることを、当業者であれば理解するであろう。

Claims (28)

  1. 第1のVEGF受容体のIg様ドメイン、第2のVEGF受容体のIg様ドメイン、および第3のVEGF受容体の少なくとも1つのIg様ドメインを含む組換えヒトFc融合タンパク質であって、
    前記第3のVEGF受容体は、配列番号13に列挙されたアミノ酸配列を有するヒトVEGFR-3(flt-4)を含むが、ただし、配列番号13の105位および106位のアミノ酸は置換可能であり、それにより、配列番号13の104位~106位のアミノ酸配列がNDT、NDS、NXT、またはNXSであり、ここでXはA、R、N、C、E、Q、G、H、I、L、K、M、F、P、S、T、W、Y、およびVからなる群から選択されるアミノ酸である、
    前記組換えヒトFc融合タンパク質。
  2. 前記第1のVEGF受容体のIg様ドメインは、ヒトVEGFR-1(flt-1)のIg様ドメイン2と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含み;
    前記第2のVEGF受容体のIg様ドメインは、ヒトVEGFR-2(KDR)のIg様ドメイン3と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含み;
    前記第3のVEGF受容体の少なくとも1つのIg様ドメインは、ヒトVEGFR-3のIg様ドメイン1および2と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、
    請求項1に記載の融合タンパク質。
  3. 前記第1のVEGF受容体のIg様ドメインは、ヒトVEGFR-1(flt-1)のIg様ドメイン2と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含み;
    前記第2のVEGF受容体のIg様ドメインは、ヒトVEGFR-2(KDR)のIg様ドメイン3と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含み;
    前記第3のVEGF受容体の少なくとも1つのIg様ドメインは、ヒトVEGFR-3のIg様ドメイン1および2と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、
    請求項1に記載の融合タンパク質。
  4. 前記第3のVEGF受容体の少なくとも1つのIg様ドメインは、ヒトVEGFR-3のIg様ドメイン1、2、および3と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、
    請求項3に記載の融合タンパク質。
  5. (d)前記Ig様ドメインに連結された多量体形成成分をさらに含む、請求項3に記載の融合タンパク質。
  6. 前記多量体形成成分は、ヒトIgG1のFcドメインの一部を含む、請求項5に記載の融合タンパク質。
  7. 前記ヒトVEGFR-1のIg様ドメイン2は、配列番号2に列挙されたアミノ酸配列を含み;
    前記ヒトVEGFR-2のIg様ドメイン3は、配列番号4に列挙されたアミノ酸配列を含み;
    前記ヒトVEGFR-3のIg様ドメイン1および2は、配列番号6に列挙されたアミノ酸配列を含み;
    ヒトIgG1のFcドメインの一部は、配列番号8に列挙されたアミノ酸配列を含む、
    請求項3に記載の融合タンパク質。
  8. 配列番号12に列挙されたアミノ酸配列であって、ただし、配列番号12の286位および287位のアミノ酸は置換可能であり、それにより、配列番号12の285~287位のアミノ酸配列がNDT、NDS、NXT、またはNXSであり、ここでXはA、R、N、C、E、Q、G、H、I、L、K、M、F、P、S、T、W、Y、およびVからなる群から選択されるアミノ酸であるアミノ酸配列と、少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、組換えヒトFc融合タンパク質。
  9. 配列番号12に列挙されたアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項8に記載の融合タンパク質。
  10. 配列番号12に列挙されたとおりのアミノ酸配列を含む、請求項8に記載の融合タンパク質。
  11. 前記融合ポリペプチドは、解離定数K≦10-9MでVEGFファミリーメンバーに結合する、請求項10に記載の融合タンパク質。
  12. 前記融合ポリペプチドは、解離定数K≦10-10MでVEGFファミリーメンバーに結合する、請求項10に記載の融合タンパク質。
  13. 請求項1~12のいずれか一項に記載の融合ポリペプチドをコードする、単離された核酸分子。
  14. 実質的に配列番号11に列挙されたとおりの配列を有する、請求項13に記載の単離された核酸分子。
  15. 請求項13または14に記載の核酸分子を含むベクター。
  16. 発現制御配列に作動可能に連結された前記核酸分子を含む、請求項15に記載のベクター。
  17. 宿主細胞中に請求項16に記載の発現ベクターを含む宿主-ベクター系。
  18. 実質的に精製された融合ポリペプチドを生成する方法であって、
    (a)融合ポリペプチドの産生を可能にする条件下で、請求項17に記載の宿主-ベクター系の細胞を増殖させるステップと;
    (b)融合ポリペプチドまたはキメラポリペプチドを回収して、回収された融合ポリペプチドを生成するステップと;
    (c)前記回収された融合ポリペプチドを精製して、実質的に精製された融合ポリペプチドを生成するステップと
    を含む、前記方法。
  19. 異常な血管新生に病因を有する、少なくとも1つの疾患、状態、または障害の処置または制御を必要とする対象において、少なくとも1つの疾患、状態、または障害を処置するまたは制御するための方法であって、
    配列番号12または配列番号16に列挙されたアミノ酸配列であって、ただし、配列番号12または配列番号16の286位および287位のアミノ酸は置換可能であり、それにより、配列番号12または配列番号16の285位~287位のアミノ酸配列がNDT、NDS、NXT、またはNXSであり、ここでXはA、R、N、C、E、Q、G、H、I、L、K、M、F、P、S、T、W、Y、およびVからなる群から選択されるアミノ酸であるアミノ酸配列と、少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む融合タンパク質の組成物のある量を、前記対象に投与するステップを含む、前記方法。
  20. 前記融合タンパク質は、配列番号12または配列番号16に列挙されたアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項19に記載の方法。
  21. 前記融合タンパク質は、配列番号12または配列番号16に列挙されたとおりのアミノ酸配列を有する、請求項19に記載の方法。
  22. 前記疾患、状態、または障害は、脈絡膜血管新生、ポリープ状脈絡膜血管症、近視性血管新生、網膜血管新生、未熟児網膜症、血管漏出、網膜浮腫、糖尿病性黄斑浮腫、網膜静脈閉塞症または非感染性後部ブドウ膜炎によって引き起こされる黄斑浮腫、糖尿病性網膜症、増殖性糖尿病性網膜症、角膜血管新生、および血管新生緑内障からなる群から選択される、請求項21に記載の方法。
  23. 対象は、約25~4000マイクログラムの用量の融合ポリペプチドを投与される、請求項22に記載の方法。
  24. 組成物は、点眼薬、硝子体内注射、網膜下注射、または脈絡膜上注射として対象に投与される、請求項23に記載の方法。
  25. 組成物は、眼内投与される場合、少なくとも1か月の期間対象に投与される、請求項23に記載の方法。
  26. 組成物は、眼内投与される場合、1か月当たり少なくとも1回の頻度で対象に投与される、請求項23に記載の方法。
  27. 前記疾患、状態、または障害は、異常な血管新生に病因を有する、非眼性の疾患、状態、または障害である、請求項21に記載の方法。
  28. 前記疾患、状態、または障害は、がん、乾癬、関節リウマチ、およびアテローム性動脈硬化症からなる群から選択される、請求項27に記載の方法。
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