JP2023548083A - セリアックスプルー病を治療するための組成物及び方法 - Google Patents

セリアックスプルー病を治療するための組成物及び方法 Download PDF

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Abstract

本開示は、グルテンタンパク質、例えばグリアジンを切断可能なポリペプチド、当該ポリペプチドをコードする核酸分子、当該ポリペプチドを含む医薬組成物、ならびに、セリアックスプルー病及び/または非セリアック・グルテン過敏症(NCGS)を治療するための、これらの使用に関する。【選択図】なし

Description

関連出願
本出願は、2020年10月30日に出願された、米国仮出願第63/108,163号の優先権の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
配列表の参照
本出願は、ASCIIフォーマットで電子的に提出され、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる配列表を含む。2021年10月15日に作成された上記ASCIIのコピーは、名前が7281_50WO2_Seqlisting_ST25.txtであり、サイズが31,599バイトである。
開示の分野
本開示は、グルテンペプチド、例えばグリアジンを切断可能な組成物、及び、セリアックスプルー病を含む、グルテン過敏症の治療におけるその使用に関する。
セリアックスプルーは、「グルテン」として知られている、小麦、大麦、及びライ麦製品で見出される食品タンパク質が、遺伝的に素因のある個体の小腸において免疫応答を誘発する、非常に流行している疾患である。結果的に生じる炎症は、小腸の絨毛の分解をもたらし得、栄養素の吸収を妨害する。症状は、小児期初期または後年に現れ得、重症度の範囲は幅広く、下痢、疲労、及び体重減少から、腹部膨満、貧血、及び神経学的症状までの範囲に及ぶ。食事からグルテンを完全に取り除くことを除いて、この、命を脅かす疾患に対する効果的な治療法は現在存在しない。セリアックスプルーは、大部分が過小診断されている状態であるものの、アメリカ及びヨーロッパにおけるその有症率は、人口の0.5~1.0%と推定されている。セリアックスプルーに加えて、人口のかなりの割合が、グルテンの摂取により引き起こされるが、セリアック病とはメカニズムが異なる、非セリアック・グルテン過敏症(NCGS)の病状を患うと考えられているが、症状はしばしば、セリアックスプルーの症状と区別不可能である。ヒト消化管の、過酷かつ非常に酸性の環境において、グルテン由来のペプチドを特異的かつ効率的に分解する、厳しい物理的及び化学的要件が原因で、好適な自然に存在する酵素を、セリアック病及びNCGSに対する経口治療薬として識別することは困難である。グルテンペプチドは、腸に入る際にすぐに免疫応答を開始するために、セリアック病用のあらゆる経口酵素治療薬が、消化区画内でこれらの免疫原性グルテン領域を破壊することにより、これらのグルテンペプチドが、炎症に因る腸損傷を引き起こさないようにすることが必須である。
本開示のある特定の態様は、配列番号1で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または約100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドに関する。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号1で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも85%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号1で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号1で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号1で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号1で示されるアミノ酸配列を含む。
いくつかの態様では、配列番号6のアミノ酸467に対応するアミノ酸残基はSerである。いくつかの態様では、配列番号6のアミノ酸267に対応するアミノ酸残基はGluである。いくつかの態様では、配列番号6のアミノ酸271に対応するアミノ酸残基はAspである。
いくつかの態様では、ポリペプチドはグリアジンを切断可能である。
本開示のある特定の態様は、配列番号8で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または約100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドに関する。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号8で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも85%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号8で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号8で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号8で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号8で示されるアミノ酸配列を含む。
いくつかの態様では、配列番号3のアミノ酸278に対応するアミノ酸残基はSerである。いくつかの態様では、配列番号3のアミノ酸78に対応するアミノ酸残基はGluである。いくつかの態様では、配列番号3のアミノ酸82に対応するアミノ酸残基はAspである。
いくつかの態様では、ポリペプチドはグリアジンを切断可能である。
本開示のある特定の態様は、配列番号1で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または約100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドに関し、ポリペプチドは、配列番号8で示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号1で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも85%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号1で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号1で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号1で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号1で示されるアミノ酸配列を含む。
いくつかの態様では、配列番号6のアミノ酸467に対応するアミノ酸残基はSerである。いくつかの態様では、配列番号6のアミノ酸267に対応するアミノ酸残基はGluである。いくつかの態様では、配列番号6のアミノ酸271に対応するアミノ酸残基はAspである。
いくつかの態様では、ポリペプチドはグリアジンを切断可能である。
いくつかの態様では、ポリペプチドはヒスチジンタグを含み、ヒスチジンタグは、ポリペプチドのC末端で融合する。いくつかの態様では、ヒスチジンタグは、配列番号17で示されるアミノ酸配列(GSTENLYFQSGALEHHHHHH)を含む。いくつかの態様では、ヒスチジンタグは、配列番号15で示されるアミノ酸配列(XPQ(L/Q)PXHHHHHH)[式中、Xは、1~25個のアミノ酸残基のリンカーである。]を含む、切断可能なヒスチジンタグを含むがこれに限定されない、切断可能なヒスチジンタグを含む。いくつかの態様では、切断可能なヒスチジンタグは、配列番号16で示されるアミノ酸配列(GSSGSSGSQPQLPYGSSGSSGSHHHHHH)を含む。
本開示のある特定の態様は、本明細書で開示するポリペプチドをコードする核酸分子に関する。
本開示のある特定の態様は、本明細書で開示する核酸分子を含む核酸発現ベクターに関する。
本開示のある特定の態様は、本明細書で開示する核酸分子または核酸発現ベクターを含む組換え宿主細胞に関する。
本開示のある特定の態様は、本明細書で開示するポリペプチド、本明細書で開示する核酸分子、本明細書で開示する核酸発現ベクター、本明細書で開示する組換え宿主細胞、またはこれらの任意の組み合わせ、及び薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物に関する。
本開示のある特定の態様は、セリアックスプルーまたは非セリアック・グルテン過敏症(NCGS)の治療方法であって、セリアックスプルーまたはNCGSを患う個体に、セリアックスプルーまたはNCGSを治療するのに効果的な量の、本明細書で開示するポリペプチド、本明細書で開示する核酸分子、本明細書で開示する核酸発現ベクター、本明細書で開示する組換え宿主細胞、または、本明細書で開示する医薬組成物を投与することを含む、上記方法に関する。いくつかの態様では、ポリペプチド、核酸分子、核酸発現ベクター、組換え宿主細胞、または医薬組成物は、経口投与される。
いくつかの態様では、本開示は、配列番号1で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または約100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドに関し、ポリペプチドのN末端における第1のアミノ酸は、Ser(S)である。いくつかの態様では、ポリペプチドは、グリアジナーゼ活性を有する。
いくつかの態様では、本開示は、配列番号1で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または約100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドに関し、ポリペプチドは、ポリペプチドのN末端にMet(M)を含まない。
いくつかの態様では、本開示は、配列番号23で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または約100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドに関し、配列番号23内のXaaは、Met(M)ではない。
いくつかの態様では、本開示は、配列番号1で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または約100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドに関し、ポリペプチドのN末端における第1のアミノ酸は、Ser(S)であり、ポリペプチドは、配列番号8で示されるアミノ酸配列を含む。
いくつかの態様では、N末端からC末端にかけての、ポリペプチドの最初の2つのN末端アミノ酸は、Ser-Asp(SD)である。いくつかの態様では、N末端からC末端にかけての、ポリペプチドの最初の3つのN末端アミノ酸は、Ser-Asp-Met(SDM)である。いくつかの態様では、N末端からC末端にかけての、ポリペプチドの最初の4つのN末端アミノ酸は、Ser-Asp-Met-Glu(SDME)である。
いくつかの態様では、本明細書で開示するポリペプチドは、配列番号1で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも85%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、本明細書で開示するポリペプチドは、配列番号1で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、本明細書で開示するポリペプチドは、配列番号1で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、本明細書で開示するポリペプチドは、配列番号1で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、本明細書で開示するポリペプチドは、配列番号1で示されるアミノ酸配列を含む。
本明細書で開示するポリペプチドのいくつかの態様では、配列番号1のアミノ酸467に対応するアミノ酸残基は、Serである。本明細書で開示するポリペプチドのいくつかの態様では、配列番号1のアミノ酸267に対応するアミノ酸残基は、Gluである。本明細書で開示するポリペプチドのいくつかの態様では、配列番号1のアミノ酸271に対応するアミノ酸残基は、Aspである。
本開示のいくつかの態様では、ポリペプチドは、グリアジンを切断可能である。いくつかの態様では、ポリペプチドは、Kuma011と比較して改善された酵素活性を有する。
いくつかの態様では、本明細書で開示するポリペプチドはヒスチジンタグをさらに含み、ヒスチジンタグは、C末端でポリペプチドに融合する。いくつかの態様では、ヒスチジンタグは、配列番号17で示されるアミノ酸配列(GSTENLYFQSGALEHHHHHH)を含む。いくつかの態様では、ヒスチジンタグは、配列番号15で示されるアミノ酸配列(XNPQ(L/Q)PXNHHHHHH)[式中、XNは、1~25個のアミノ酸残基のリンカーである。]を含む、切断可能なヒスチジンタグを含むがこれに限定されない、切断可能なヒスチジンタグを含む。いくつかの態様では、切断可能なヒスチジンタグは、配列番号16で示されるアミノ酸配列(GSSGSSGSQPQLPYGSSGSSGSHHHHHH)を含む。
いくつかの態様では、本開示は、本明細書に記載するポリペプチドをコードする核酸分子に関する。いくつかの態様では、本開示は、本明細書に記載する核酸分子を含む核酸発現ベクターに関する。
いくつかの態様では、本開示は、本明細書に記載する核酸分子または核酸発現ベクターを含む組換え宿主細胞に関する。いくつかの態様では、宿主細胞は原核性である。いくつかの態様では、宿主細胞は真核性である。
いくつかの態様では、本開示は、本明細書に記載するポリペプチド、核酸分子、核酸発現ベクター、もしくは組換え宿主細胞、またはこれらの任意の組み合わせと、薬学的に許容される担体と、を含む医薬組成物に関する。
いくつかの態様では、本開示は、対象における、セリアックスプルーまたは非セリアック・グルテン過敏症(NCGS)の治療方法であって、セリアックスプルーまたはNCGSを患う上記対象に、上記セリアックスプルーまたはNCGSを治療するのに効果的な量の、本明細書に記載するポリペプチド、核酸分子、核酸発現ベクター、組換え宿主細胞、または医薬組成物を投与することで、上記セリアックスプルーまたはNCGSを治療することを含む、上記方法に関する。
いくつかの態様では、本開示は、対象における、セリアックスプルーまたは非セリアック・グルテン過敏症(NCGS)に関連する炎症を低減する方法であって、セリアックスプルーまたはNCGSを患う上記対象に、上記セリアックスプルーまたはNCGSに関連する炎症を低減するのに効果的な量の、本明細書に記載するポリペプチド、核酸分子、核酸発現ベクター、組換え宿主細胞、または医薬組成物を投与することにより、上記炎症を低減することを含む、上記方法に関する。いくつかの態様では、ポリペプチド、核酸分子、核酸発現ベクター、組換え宿主細胞、または医薬組成物は、経口投与される。
いくつかの態様では、本開示は、食品中のグルテンを分解する方法であって、上記食品を、上記グルテンを分解するのに効果的な量の、本明細書に記載するポリペプチドまたは医薬組成物と接触させることにより、上記食品中の上記グルテンを分解することを含む、上記方法に関する。
いくつかの態様では、本開示は、食品中のグリアジンを分解する方法であって、上記食品を、上記グリアジンを分解するのに効果的な量の、本明細書に記載するポリペプチドまたは医薬組成物と接触させることにより、上記食品中の上記グリアジンを分解することを含む、上記方法に関する。
いくつかの態様では、方法は、食品中のグルテンまたはグリアジンの、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または約100%を分解する。いくつかの態様では、方法は、食品中のグルテンまたはグリアジンを、約1.5時間未満、約1時間未満、約45分未満、約40分未満、約30分未満、約25分未満、約20分未満、約15分未満、約10分未満、または約5分未満で分解する。いくつかの態様では、方法は、食品中のグルテンまたはグリアジンを、約6.5未満、約6.0未満、約5.5未満、約5.0未満、約4.5未満、約4.0未満、約3.5未満、約3.0未満、約2.5未満、約2.0未満、または約1.5未満のpH値の下で分解する。
本開示は、グリアジンペプチドを分解可能なグリアジナーゼを提供する。本開示のいくつかの態様は、配列番号1で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または約100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドに関し、ポリペプチドのN末端における第1のアミノ酸は、Ser(S)である。いくつかの態様では、ポリペプチドは、ポリペプチドのN末端にMet(M)を含まない。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号8で示されるアミノ酸配列を含む。
1.定義
本開示を一層容易に理解することができるようにするために、ある特定の用語をまず定義する。本明細書において別途定義されない限り、本開示に関連して使用される科学用語及び技術用語は、当業者によって一般的に理解される意味を有するものとする。用語の意味及び範囲は明確であろうが、何らかの潜在的な曖昧さが発生する場合は、本明細書で提供する定義を、あらゆる辞書または外的な定義に優先する。
さらに、パラメーターの値、または値の範囲が列挙される場合はいつでも、列挙される値の中間にある値及び範囲もまた、本開示の一部であると意図されることに留意されなければならない。
本明細書で使用する場合、文脈上明らかに別段に示されている場合を除き、「ある、1つの(a:不定冠詞)」、「ある、1つの(an:不定冠詞)」及び「この、その(the:定冠詞)」という単数形には、複数の言及物が含まれる。本明細書で使用する「及び」は、別に明示的に言及されている場合を除いて、「または」と同義で用いられる。「備える」、「有する」、「含む」、及び「含有する」という用語は、別様が述べられない限り、オープンエンドの用語(すなわち、「含むがそれに限定されない」ことを意味する)であると解釈されるものである。本明細書の値の範囲の列挙は、本明細書で別様が示されない限り、単に、列挙される、または範囲内に収まるそれぞれの別個の値を個々に指す速記方法としての役割を果たすことが意図され、それぞれの別個の値は、個々に列挙されるかのように、本明細書に組み込まれる。
「約」または「およそ」という用語は、所与の値または範囲の、通常10%以内、5%以内、またはより好ましくは、1%以内を意味する。
「アミノ酸」という用語は、20種類の一般的な、自然に存在するアミノ酸を指す。自然に存在するアミノ酸としては、アラニン(Ala;A)、アスパラギン(Asn;N)、アスパラギン酸(Asp;D)、アルギニン(Arg;R)、システイン(Cys;C)、グルタミン酸(Glu;E)、グルタミン(Gln;Q)、グリシン(Gly;G)、ヒスチジン(His;H)、イソロイシン(Ile;I)、ロイシン(Leu;L)、リジン(Lys;K)、メチオニン(Met;M)、フェニルアラニン(Phe;F)、プロリン(Pro;P)、セリン(Ser;S)、トレオニン(Thr;T)、トリプトファン(Trp;W)、チロシン(Tyr;Y)、及びバリン(Val;V)が挙げられる。
「セリアック病」及び「セリアックスプルー病」という用語は同じ意味で用いられ、小麦粉での主たるタンパク質であるグルテン内での免疫原性ペプチド、及び関連するタンパク質への炎症反応を特徴とする病状を指す。摂取の際、αグリアジンが部分的に、胃腸プロテアーゼにより分解され、「グリアジン」と本明細書では呼ばれるオリゴペプチドになる。グリアジンは、その異常に高いプロリン及びグルタミンの含有量に因り、胃の状態におけるさらなるタンパク質分解に耐性がある。
本明細書で使用する場合、「保存的なアミノ酸置換」は、あるアミノ酸残基が、類似した化学特性(例えば、電荷または疎水性)を有する側鎖(R基)を有する別のアミノ酸残基によって置換されるものである。一般に、保存的なアミノ酸置換は、タンパク質の機能特性を実質的に変化させない。2つ以上のアミノ酸配列が保存的置換によって互いに異なる場合、配列同一性パーセントまたは類似性の程度が、置換の保存的な性質によって補正されるように上方調整されてもよい。この調整を行う手段は、当業者に周知である。例えば、参照により本明細書に組み込まれるPearson(1994) Methods Mol.Biol.24:307-331を参照されたい。同様の化学的性質を備えた側鎖を有するアミノ酸の群の例としては、(1)脂肪族側鎖:グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、及びイソロイシン;(2)脂肪族-ヒドロキシル側鎖:セリン及びトレオニン;(3)アミド含有側鎖:アスパラギン及びグルタミン;(4)芳香族側鎖:フェニルアラニン、チロシン、及びトリプトファン;(5)塩基性側鎖:リジン、アルギニン、及びヒスチジン;(6)酸性側鎖:アスパラギン酸及びグルタミン酸、が挙げられ、(7)硫黄含有側鎖はシステイン及びメチオニンである。好ましい保存的アミノ酸置換の群は、バリン-ロイシン-イソロイシン、フェニルアラニン-チロシン、リシン-アルギニン、アラニン-バリン、グルタミン酸-アスパラギン酸、及びアスパラギン-グルタミンである。あるいは、保存的置換は、参照により本明細書に組み込まれている、Gonnet et al.(1992) Science 256:1443-1445に開示されている、PAM250 log-可能性マトリックスにおいて、正の値を有する任意の変化である。「中程度の保存的」置換とは、PAM250 log-可能性マトリックスにおける、負でない値を有する任意の変化である。
本明細書で使用する場合、「分解する」及び「分解」という用語は、標的、例えばポリペプチド、例えばグルテン、グリアジン、及び関連するタンパク質を破壊または分解し、さらに小さいオリゴペプチドにすることを意味する。ある特定の実施形態では、グリアジンの分解により、セリアック病と関連する免疫原性ペプチドの減少及び/または除去がもたらされる。
本明細書で使用する場合、「グリアジナーゼ」という用語は、効果的に1種類以上のグリアジンを分解できるポリペプチド(酵素)を指す。本明細書で使用する場合、「グリアジン」という用語は、グルテンのプロリン(P)及びグルタミン(Q)リッチなペプチド構成成分を指す。例示的なグリアジンは、PQLP(配列番号9)またはPQQP(配列番号10)モチーフ(PFPQPQLPY(配列番号11)及び/またはPFPQPQQPF(配列番号12)など)を含む。ある特定の態様では、グリアジナーゼは、酸性条件下、例えばpH4以下で、1種類以上のグリアジンを分解する。
本明細書で使用する場合、「変異」という用語は、ポリペプチド内の1個以上のアミノ酸の、または、ポリヌクレオチド内の1個以上のヌクレオチドの、挿入、欠失、または置換を指す。
本明細書で使用する場合、「バリアント」という用語は、参照ポリペプチドまたはポリヌクレオチドと比較して、1つ以上のアミノ酸またはヌクレオチドの挿入、置換、または欠失を含む、ポリペプチドまたはポリヌクレオチドを指す。ある特定の態様では、バリアントポリペプチドまたはポリヌクレオチドは、参照ポリペプチドまたはポリヌクレオチド配列に対して、少なくとも約75%のアミノ酸またはヌクレオチド配列同一性、例えば、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または約100%の配列同一性を有する。いくつかの態様では、参照ポリペプチドまたはポリヌクレオチドのバリアントは、参照ポリペプチドまたはポリヌクレオチドの、1つ以上の機能、活性、及び/または構造を維持する。例えば、本明細書で開示するグリアジナーゼのバリアントは、グルテン及び/またはグリアジンを効果的に分解する機能を維持する。別の例において、グリアジナーゼをコードするポリヌクレオチドバリアントは、機能的グリアジナーゼをコードする。
通常、配列解析ソフトウェアを使用して配列同一性を測定する。タンパク質分析ソフトウェアは、保存的なアミノ酸置換を含む種々の置換、欠失、及び他の修飾に割り当てられた類似性の尺度を使用して、類似する配列をマッチングさせる。例えば、GCGソフトウェアは、「Gap」及び「Bestfit」などのプログラムを含有し、これらは、デフォルトパラメーターを用いて使用して、異なる生物種に由来する相同ポリペプチドなどの密接に関連するポリペプチド間、または野生型タンパク質とそのムテインとの間の、配列相同性または配列同一性を決定することができる。例えば、GCG Version 6.1を参照のこと。ポリペプチド配列は、GCG Version 6.1内のプログラムである、デフォルトまたは推奨パラメーターを使用するFASTAを使用して、比較することもできる。FASTA(例えば、FASTA2及びFASTA3)は、問い合わせ配列と検索配列の間で最も重複している領域のアラインメント及び配列同一性(%)を提供する(上記Pearson (2000))。使用することで、本開示の配列を、異なる生命体由来の多数の配列を含有するデータベースと比較することができるアルゴリズムの、別の非限定例は、コンピュータプログラムBLAST、例えば、デフォルトパラメーターを用いるBLASTPまたはTBLASTNである。例えば、それぞれが本明細書中に全体が参照により組み込まれる、Altschul et al.(1990) J.Mol.Biol.215:403-410及びAltschul et al.(1997) Nucleic Acids Res.25:3389-402を参照されたい。
本明細書で使用する場合、「治療」または「治療すること」とは、有益な効果、例えば、疾患または障害の少なくとも1つの症状の改善を生み出す行為を指す。有益な効果は、ベースラインと比較した改善、即ち、方法に従った治療の開始前の測定または観察からの改善の形態をとることができる。有益な効果は、セリアックスプルーまたは非セリアック・グルテン過敏症(NCGS)を特徴とする、(過形成及び絨毛萎縮を含む)小腸の絨毛の分解をもたらし得る損傷、例えば炎症の、停止、低速化、遅延、または安定化の形態もまたとることができる。効果的な治療は、セリアックスプルーまたはNCGSの少なくとも1つの症状の緩和または予防を指し得る。このような効果的な治療は、例えば、下痢、腹部疼痛、栄養不良、貧血、骨粗鬆症、または任意の既知の症状などの、セリアックスプルーまたはNCGSの腸内及び/または腸外臨床症状を低減し得、症状の悪化を阻害し;以前に障害を有した患者におけるセリアックスプルーの再発を制限もしくは予防し;セリアックスプルーもしくはNCGSの症候を以前に有した患者における、症状の再発を制限もしくは予防し;及び/または、セリアックスプルーもしくはNCGSが発症するリスクのある、もしくは、セリアックスプルーもしくはNCGSの臨床的効果をまだ示していない対象における、セリアックスプルーもしくはNCGSの発症を制限する。
いくつかの態様では、治療は、小腸内の炎症を軽減する。炎症の効果的な軽減は、治療前の炎症と比較して、少なくとも約1%、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、または約100%の、炎症の軽減を含むことができる。炎症の軽減は、任意の手段により測定することができる。
グルテンに対する過敏症を経験する任意の個体を、本開示の方法に従い治療することができる。いくつかの態様では、個体はセリアックスプルーを患っている。いくつかの態様では、個体はNCGSを患っている。いくつかの態様では、個体はヒト対象である。いくつかの態様では、個体は、グルテン過敏症に関連する1つ以上の症状を経験している。いくつかの態様では、個体は無症状である。
本明細書で使用する場合、「効果的な量」とは、グルテン過敏症、例えば、セリアックスプルーまたはNCGSの1つ以上の症状の重症度または頻度の低下を誘発するのに十分なポリペプチドの量を指す。
本明細書で開示するポリペプチドは、上で開示したものなどの医薬組成物として製剤化することができ、従来の薬学的に許容される担体、アジュバント、及びビヒクルを含有する投薬単位製剤で、経口、非経口、吸入スプレー、または局所を含む、任意の好適な経路で投与することができる。
本開示の態様は全て、別様に文脈が明示的に指示しない限り、組み合わせて使用することができる。引用される全ての参考文献は、その全体が参照により組み込まれる。別途言及されない限り、本出願の中で利用されている技術を、Molecular Cloning:A Laboratory Manual(Sambrook,et al.,1989,Cold Spring Harbor Laboratory Press)、Gene Expression Technology(Methods in Enzymology,Vol.185,edited by D.Goeddel,1991. Academic Press,San Diego,CA)、Guide to Protein Purification in Methods in Enzymology(M.P.Deutshcer,ed.,(1990) Academic Press,Inc.)、PCR Protocols:A Guide to Methods and Applications(Innis,et al.1990. Academic Press,San Diego,CA)、Culture of Animal Cells:A Manual of Basic Technique,2nd Ed.(R.I.Freshney.1987. Liss,Inc.New York,NY)、Gene Transfer and Expression Protocols,pp.109-128,ed.E.J.Murray,The Humana Press Inc.,Clifton,N.J.)、及び、Ambion 1998 Catalog(Ambion,Austin,TX)などの、いくつかの周知の参考文献のいずれかに見出すことができる。
2.本開示の組成物
本開示は、グリアジンを効果的に分解するグリアジナーゼを提供する。本開示は、少なくとも部分的には、本明細書に記載する、Kuma011と比較して1つ以上の変異を含有する様々なポリペプチドが、Kuma011、ならびに、SC-PEP(Sphingomonasカプセル化ペプチダーゼ)及びエンドプロテアーゼEPB2などの、他の既知のグリアジナーゼと比較して、増加したグリアジン分解活性を含む、改善された性質を有するという発見に基づく。ある特定の実施形態では、本明細書で記載する様々なポリペプチドは、酸性条件下で、Kuma011及び他の既知のグリアジナーゼよりも、改善されたグリアジナーゼ活性を有する。
いくつかの態様では、本開示は、配列番号6で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも75%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供し、(a)残基467はSerであり、残基267はGluであり、残基271はAspであり、(b)ポリペプチドは、221、262E、268、269、270、319A、320、354E/Q/R/Y、358S/Q/T、368F/Q、399、402、406、424、449、461、463、105、171、172、173、174、及び456からなる群から選択される1つ以上の残基において、配列番号6と比較してアミノ酸置換を含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、221、262E、268、269、270、319A、320、354E/Q/R/Y、358S/Q/T、368F/Q、399、402、406、424、449、461、及び463からなる群から選択される1つ以上の残基において、配列番号6と比較してアミノ酸置換を含む。

Figure 2023548083000001
Figure 2023548083000002
本明細書で参照されるKuma010は、Kuma010配列のC末端で、ヒスチジンタグ配列GSTENLYFQSGALEHHHHHH(配列番号17)へのアミノ結合により連結されたKuma011を含む。
表1に示す配列内の、太字体の残基は、未処理ポリペプチドに存在する(即ち、処理中に切断された)N末端部分を表し、及び、太字体ではないフォントは、処理版のポリペプチドに存在する残基(即ち、成熟ペプチド配列)を表す。括弧内の数は残基番号を表し、2つの数字が「/」により分離される場合、左側の数字は未処理版における残基番号であり、右側の数は処理版における残基番号である。配列番号6は、未処理版のKuma011であり、配列番号3は、処理版のKuma011である。そのため、配列番号6で示されるアミノ酸配列(完全長Kuma011ポリペプチド)を含むポリペプチドは必然的に、配列番号3で示されるアミノ酸配列(成熟Kuma011ポリペプチド)もまた含む。配列番号1は、未処理版のKuma062-Mであり、配列番号8は、処理版のKuma062-Mである。そのため、配列番号1で示されるアミノ酸配列(完全長Kuma062-Mポリペプチド)を含むポリペプチドは必然的に、配列番号8で示されるアミノ酸配列(成熟Kuma062-Mポリペプチド)もまた含む。
いくつかの態様では、本開示のグリアジナーゼは、そのN末端にセリン(SerまたはS)を有する。いくつかの態様では、本開示のグリアジナーゼは、そのN末端にSDモチーフを有する。いくつかの態様では、本開示のグリアジナーゼは、そのN末端にSDMモチーフを有する。いくつかの態様では、本開示のグリアジナーゼは、そのN末端にSDME(配列番号21)を有する。このような態様では、最初のアミノ酸(そのN末端から位置1のポリペプチド)はSであり、2番目のアミノ酸(そのN末端から位置2のポリペプチド)はDであり、3番目のアミノ酸(そのN末端から位置3のポリペプチド)はMであり、4番目のアミノ酸(そのN末端から位置4のポリペプチド)はEである。いくつかの態様では、オリゴペプチドはそのN末端で、N末端のSに結合し、そのN末端でSに隣接するアミノ酸はメチオニン(M)ではない。
いくつかの態様では、ポリペプチド(例えば、グリアジナーゼ)は、配列番号1で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または約100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号1で示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号1で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも75%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号1で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号1で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも85%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号1で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号1で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号1で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも96%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号1で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも97%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号1で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号1で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸467に対応するアミノ酸残基において、Serを含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸267に対応するアミノ酸残基において、Gluを含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸271に対応するアミノ酸残基において、Aspを含む。
いくつかの態様では、ポリペプチド(例えば、グリアジナーゼ)は、配列番号8に示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または約100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号8で示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号8で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも75%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号8で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号8で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも85%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号8で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号8で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号8で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも96%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号8で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも97%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号8で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号8で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号3のアミノ酸278に対応するアミノ酸残基において、Serを含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号3のアミノ酸78に対応するアミノ酸残基において、Gluを含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号3のアミノ酸82に対応するアミノ酸残基において、Aspを含む。
いくつかの態様では、ポリペプチド(例えば、グリアジナーゼ)は、配列番号1で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または約100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ポリペプチドは、配列番号8で示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号1で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または約100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ポリペプチドは、配列番号8で示されるアミノ酸配列を含み、ポリペプチドは、配列番号3のアミノ酸278に対応するアミノ酸残基においてSerを、配列番号3のアミノ酸78に対応するアミノ酸残基においてGluを、及び、配列番号3のアミノ酸82に対応するアミノ酸残基においてAspを含む。
いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号1または6で示されるアミノ酸配列と比較して、N末端またはC末端に、1個以上のアミノ酸の欠失を含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号1または6で示されるアミノ酸配列と比較して、N末端に少なくとも1つのアミノ酸の欠失を含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号1または6で示されるアミノ酸配列と比較して、N末端に少なくとも2つのアミノ酸の欠失を含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号1または6で示されるアミノ酸配列と比較して、N末端に少なくとも3つのアミノ酸の欠失を含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号1または6で示されるアミノ酸配列と比較して、N末端に少なくとも4つのアミノ酸の欠失を含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号1または6で示されるアミノ酸配列と比較して、N末端に少なくとも5つのアミノ酸の欠失を含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号1または6で示されるアミノ酸配列と比較して、C末端に少なくとも1つのアミノ酸の欠失を含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号1または6で示されるアミノ酸配列と比較して、C末端に少なくとも2つのアミノ酸の欠失を含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号1または6で示されるアミノ酸配列と比較して、C末端に少なくとも3つのアミノ酸の欠失を含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号1または6で示されるアミノ酸配列と比較して、C末端に少なくとも4つのアミノ酸の欠失を含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号1または6で示されるアミノ酸配列と比較して、C末端に少なくとも5つのアミノ酸の欠失を含む。
いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号3または8で示されるアミノ酸配列と比較して、N末端またはC末端に、1個以上のアミノ酸の欠失を含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号3または8で示されるアミノ酸配列と比較して、N末端に少なくとも1つのアミノ酸の欠失を含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号3または8で示されるアミノ酸配列と比較して、N末端に少なくとも2つのアミノ酸の欠失を含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号3または8で示されるアミノ酸配列と比較して、N末端に少なくとも3つのアミノ酸の欠失を含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号3または8で示されるアミノ酸配列と比較して、N末端に少なくとも4つのアミノ酸の欠失を含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号3または8で示されるアミノ酸配列と比較して、N末端に少なくとも5つのアミノ酸の欠失を含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号3または8で示されるアミノ酸配列と比較して、C末端に少なくとも1つのアミノ酸の欠失を含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号3または8で示されるアミノ酸配列と比較して、C末端に少なくとも2つのアミノ酸の欠失を含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号3または8で示されるアミノ酸配列と比較して、C末端に少なくとも3つのアミノ酸の欠失を含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号3または8で示されるアミノ酸配列と比較して、C末端に少なくとも4つのアミノ酸の欠失を含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号3または8で示されるアミノ酸配列と比較して、C末端に少なくとも5つのアミノ酸の欠失を含む。
以下の実施例で開示されるように、本開示のいくつかの態様に従ったポリペプチドは、例えば、セリアックスプルーの治療で使用するための、改善されたポリペプチドである。ポリペプチドは、配列番号4(KUMAMAX(商標)、以下Kuma010と呼ばれる;本明細書中に、その全体が参照により組み込まれるWO2013/023151を参照されたい。)に対応する、処理された(即ち、成熟)ポリペプチド、または前処理(即ち、完全長)ポリペプチドのいずれかのバリアントである。セリアックスプルーを治療するためのポリペプチドは、大部分のセリアックスプルー患者において、免疫応答の大半を担うと考えられている、「グリアジン」として知られているグルテンのプロリン(P)及びグルタミン(Q)リッチな構成成分を分解可能である。本開示のポリペプチドは、セリアックスプルーの治療に有用であると開示されている、Kuma011及び他のポリペプチド(例えば、それぞれが参照により本明細書に組み込まれているWO2015/023728及びWO2016/200880を参照されたい。)と比較して、pH4で、PQLP(配列番号9)またはPQQP(配列番号10)モチーフ(グリアジンの代表的な基質である、PFPQPQLPY(配列番号11)及び/またはPFPQPQQPF(配列番号12)など)を有するペプチドの分解において、優れた活性を示し、及び/または、ポリペプチドの作製の改善を示す。したがって、本開示のポリペプチドは、セリアックスプルーを治療するための、著しく改善された治療薬を構成する。
いくつかの態様では、本明細書で開示するポリペプチドは、PFPQPQLPY(配列番号11)、PFPQPQQPF(配列番号12)、LQLQPFPQPQLPYPQPQLPYPQPQLPYPQPQPF(配列番号13)、及び/またはFLQPQQPFPQQPQQPYPQQPQQPFPQ(配列番号14)から選択されるアミノ酸配列を含むペプチドを、pH4で分解可能である。
本開示の第1態様のポリペプチドは、前処理版の、本開示のポリペプチド酵素を含む。
本開示の第1態様のポリペプチドは、処理版の、本開示のポリペプチド酵素を含み、pH4でPFPQPQLPY(配列番号11)ペプチド、及び/またはPFPQPQQPF(配列番号12)ペプチドを、ならびにLQLQPFPQPQLPYPQPQLPYPQPQLPYPQPQPF(配列番号13)及び/またはFLQPQQPFPQQPQQPYPQQPQQPFPQ(配列番号14)を分解もする。
本明細書で使用する場合、「少なくとも75%同一」、または、「少なくとも75%の配列同一性を有する」とは、参照配列と比較して、例えば、配列番号1~8から選択されるアミノ酸配列と比較して、ポリペプチドの、その完全長アミノ酸配列と(あらゆるアミノ酸置換、欠失、付加、または挿入を含む)の違いが25%以下であることを意味する。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号1(前処理)または配列番号8(処理済み)に従ったアミノ酸配列と、少なくとも76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるアミノ酸配列を含むか、これからなる。
本開示のポリペプチドのいずれの態様のポリペプチドも、(態様に応じて)列挙される残基の、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、または24個全てにおいて、配列番号1または配列番号8のアミノ酸置換を含むことができる。
本開示の第1態様のポリペプチドの一態様では、ポリペプチドは、221D/N/Q/H、262E、268S/T/A、269L/T、270A/T/V、319A、354E/Q/R/Y、358S/Q/T、368F/Q、399Q、402S/Q、406S、424K、449E/N/Q、461R、及び463A/L/M/Q/R/T/Vからなる群から選択される1つ以上の残基において、配列番号6の1つ以上のアミノ酸置換を含む。全体をとおして使用される場合、数は、配列番号6または配列番号3ポリペプチド配列における残基番号を示し、数の右側の、1文字でのアミノ酸の略称は、配列番号6または3における当該位置に存在するアミノ酸残基と比較して、取り得るアミノ酸置換を示す。
本開示の第1態様のポリペプチドの別の態様では、ポリペプチドは、残基399及び449において、配列番号6のアミノ酸置換を含む。一態様では、ポリペプチドは、アミノ酸置換399Q及び449Qを含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号6のナンバリングに基づき、位置399にQを、位置449にQを含む。
本開示の第1態様のポリペプチドのさらなる態様において、ポリペプチドは、358S及び463Tを含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号6のナンバリングに基づき、(i)位置358にSを、及び、(ii)位置463にTを、または、(i)~(ii)のいずれかの組み合わせを含む。
本開示の第1態様のポリペプチドの一態様では、ポリペプチドは、262E、269T、354Q、358S、399Q、449Q、及び463Tを含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号6のナンバリングに基づき、(i)位置262にEを、(ii)位置269にTを、(iii)位置354にQを、(iv)位置358にSを、(v)位置399にQを、(vi)位置449にQを、及び、(vii)位置463にTを、または、(i)~(vii)のいずれかの組み合わせを含む。これらのポリペプチドは、Kuma030及びそのバリアントとして示されるポリペプチドにより例示されるように、WO2016/200880に開示される実施例において包括的に特徴付けられている。本開示の第1態様のポリペプチドの別の態様では、ポリペプチドは319A、368F、399Q、449Q、及びI463Tを含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号6のナンバリングに基づき、(i)位置319にAを、(ii)位置368にFを、(iii)位置399にQを、(iv)位置449にQを、及び、(v)位置463にTを、または、(i)~(v)のいずれかの組み合わせを含む。これらのポリペプチドは、Kuma040及びそのバリアントとして示されるポリペプチドにより例示されるように、WO2016/200880に開示される実施例において包括的に特徴付けられている。本開示の第1態様のポリペプチドのさらなる態様において、ポリペプチドは、262E、269T、270V、354Q、358S、399Q、及びA449Qを含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号6のナンバリングに基づき、(i)位置262にEを、(ii)位置269にTを、(iii)位置270にVを、(vi)位置354にQを、(v)位置358にSを、(vi)位置399にQを、及び(vii)位置449にQを、または、(i)~(vii)のいずれかの組み合わせを含む。これらのポリペプチドは、Kuma050及びそのバリアントとして示されるポリペプチドにより例示されるように、WO2016/200880に開示される実施例において包括的に特徴付けられている。本開示の第1態様のポリペプチドの一態様では、ポリペプチドは、262E、269T、320M、354Q、358S、399Q、449Q、及び463Tを含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号6のナンバリングに基づき、(i)位置262にEを、(ii)位置269にTを、(iii)位置320にMを、(vi)位置354にQを、(v)位置358にSを、(vi)位置399にQを、及び(vii)位置449にQを、または、(i)~(vii)のいずれかの組み合わせを含む。これらのポリペプチドは、Kuma060及びそのバリアントとして示されるポリペプチドにより例示されるように、WO2016/200880に開示される実施例において包括的に特徴付けられている。本開示の第1態様のポリペプチドのまたさらなる態様において、ポリペプチドは、319A、320M、368F、399Q、449Q、及び463Tを含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号6のナンバリングに基づき、(i)位置319にAを、(ii)位置320にMを、(iii)位置368にFを、(v)位置399にQを、及び、(v)位置449にQを、または、(i)~(v)のいずれかの組み合わせを含む。これらのポリペプチドは、Kuma070及びそのバリアントとして示されるポリペプチドにより例示されるように、WO2016/200880に開示される実施例において包括的に特徴付けられている。本明細書で使用する場合、「Kuma020」、「Kuma030」、「Kuma040」、「Kuma050」、及び「Kuma070」という用語は、WO2016/200880に開示されているものと同じ表記を有する、同じポリペプチドを意味する。
本開示の第1態様のポリペプチドの別の態様では、ポリペプチドは、105、171、172、173、174、及び456からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸の位置において、配列番号6のアミノ酸置換を含む。一態様では、アミノ酸置換は105H;171R、A、もしくはS;172R、A、もしくはS;173RもしくはS、174S、及び/または456Vである。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号6のナンバリングに基づき、(i)位置105にHを、(ii)位置171にR、A、もしくはSを、(iii)位置172にR、A、もしくはSを、(iv)位置173にRもしくはSを、(v)位置174にSを、(vi)位置456にVを、または、(vii)(i)~(vi)のいずれかの組み合わせを含む。別の態様では、アミノ酸置換は、171R、172R、及び/または456Vである。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号6のナンバリングに基づき、(i)位置171にRを、(ii)位置172にRを、(iii)位置456にVを、または、(iv)(i)~(iii)のいずれかの組み合わせを含む。
本開示の第2態様のポリペプチドの一態様では、ポリペプチドは、32D/N/Q/H、73E、79S/T/A、80L/T、81A/T/V、130A、165E/Q/R/Y、169S/Q/T、179F/Q、210Q、213S/Q、217S、235K、260E/N/Q、272R、及び274A/L/M/Q/R/T/Vからなる群から選択される1つ以上の残基において、配列番号3の1つ以上のアミノ酸置換を含む。本開示の第2態様のポリペプチドの別の態様では、ポリペプチドは、残基210及び260において、配列番号3のアミノ酸置換を含む。本開示の第2態様のポリペプチドのさらなる態様において、ポリペプチドは、アミノ酸置換210Q及び260Qを含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、配列番号3のナンバリングに基づき、(i)位置210にQを、(ii)位置260にQを、または、(i)~(ii)のいずれかの組み合わせを含む。本開示の第2態様のポリペプチドの一態様では、ポリペプチドは、169S及び274Tを含む。(Kuma020属)。このような態様では、ポリペプチドは、配列番号3のナンバリングに基づいて、(i)位置169にSを、(ii)位置274にTを、または(iv)(i)~(ii)のいずれかの組み合わせを含む。本開示の第2態様のポリペプチドの別の態様では、ポリペプチドは、73E、80T、165Q、169S、210Q、260Q、及び274Tを含む。(Kuma030属)。このような態様では、ポリペプチドは、配列番号3のナンバリングに基づき、(i)位置73にEを、(ii)位置80にTを、(iii)位置165にQを、(iv)位置169にSを、(v)位置210にQを、(vi)位置260にQを、及び、(vii)位置274にTを、または、(i)~(vii)のいずれかの組み合わせを含む。本開示の第2態様のポリペプチドのさらなる態様において、ポリペプチドは、130A、179F、210Q、260Q、及び274Tを含む。(Kuma040属)。このような態様では、ポリペプチドは、配列番号3のナンバリングに基づき、(i)位置130にAを、(ii)位置179にFを、(iii)位置210にQを、(iv)位置260にQを、(v)位置274にTを、または、(i)~(v)のいずれかの組み合わせを含む。本開示の第2態様のポリペプチドのまたさらなる態様において、ポリペプチドは、73E、80T、81V、165Q、169S、210Q、及び260Qを含む。(Kuma050属)。このような態様では、ポリペプチドは、配列番号3のナンバリングに基づき、(i)位置73にEを、(ii)位置80にTを、(iii)位置81にVを、(iv)位置165にQを、(v)位置169にSを、(vi)位置210にQを、(vii)位置260にQを、または、(i)~(vii)のいずれかの組み合わせを含む。本開示の第2態様のポリペプチドの一態様では、ポリペプチドは、73E、80T、320M、165Q、169S、210Q、260Q、及び274Tを含む。(Kuma060属)。このような態様では、ポリペプチドは、配列番号3のナンバリングに基づき、(i)位置73にEを、(ii)位置80にTを、(iii)位置320にMを、(iv)位置165にQを、(v)位置169にSを、(vi)位置210にQを、(vii)位置260にQを、及び、(viii)位置274にTを、または、(i)~(vii)のいずれかの組み合わせを含む。本開示の第2態様のポリペプチドの別の態様では、ポリペプチドは、130A、131M、179F、210Q、260Q、及び274Tを含む。(Kuma070属)。このような態様では、ポリペプチドは、配列番号3のナンバリングに基づき、(i)位置130にAを、(ii)位置131にMを、(iii)位置179にFを、(iv)位置210にQを、(v)位置260にQを、(vi)位置274にTを、または、(i)~(vi)のいずれかの組み合わせを含む。本開示の第2態様のポリペプチドのまたさらなる態様において、ポリペプチドは、267からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸の位置において、配列番号3のアミノ酸置換を含む。一態様では、アミノ酸置換は267Vである。このような態様では、ポリペプチドは、配列番号3のナンバリングに基づき、位置267にVを含む。
本開示の任意の態様のポリペプチドのさらなる態様では、ポリペプチドは、ポリペプチドのC末端にヒスチジンタグをさらに含み、ポリペプチドの単離を容易にする。任意の好適なヒスチジンタグを使用することができる。一態様においてタグは、TEVプロテアーゼ切断部位(ENLYFQS)(配列番号18)に結合し、精製後に、TEVプロテアーゼによる効率的な除去を可能にする。例えば、タグは、アミノ酸配列GSTENLYFQSGALEHHHHHH(配列番号17)を含むことができる、または、これからなることができる。別の態様では、ヒスチジンタグは切断可能なヒスチジンタグであり、Hisタグの、一層容易な除去を可能にする。一態様では、切断可能なヒスチジンタグは、アミノ酸配列XPQ(L/Q)PXHHHHHH[式中、Xは1~25個のアミノ酸残基のリンカーである。](配列番号15)を含む。一非限定例では、切断可能なヒスチジンタグは、アミノ酸配列GSSGSSGSQPQLPYGSSGSSGSHHHHHH(配列番号16)を含む。
本開示のポリペプチドの任意の態様の一態様では、アミノ酸置換は、配列番号6または配列番号3と比較して、表2または3に記載される置換のうちの1つ以上を含んでよい。これらの位置における置換は、一般に十分許容される(即ち、一般に、活性における微小な影響をもたらす、または、全く影響しない)、及び、場合によっては、本開示のポリペプチドの活性を20%超増加させることが見出された。

Figure 2023548083000003
本開示のポリペプチドの任意の態様の別の実施形態では、アミノ酸置換は、配列番号6または配列番号3と比較して、表3に記載される置換のうちの1つ以上を含み得る。


Figure 2023548083000004
本開示のポリペプチドの任意の態様の別の実施形態では、本開示のポリペプチドの各残基におけるアミノ酸は、コンピューターによる変異導入分析により予測される、ポリペプチド酵素内の各位置における、可能性のある変異全てを列挙する、表4に記載するとおりであり得る。WO2016/200880に開示されている実施例に記載のとおり、変異は、活性における様々なアミノ酸置換の効果を試験する変性プライマーを用いて、活性部位(残基261~264、266~267、270、317~320、350~354、368、397、403~404、446、448、456、及び463~468)で見出された、各位置において試験した。活性と干渉しなかった変異を、表4に反映されているとおりに、本開示のポリペプチドに組み込むことができる。

Figure 2023548083000005
Figure 2023548083000006
Figure 2023548083000007
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Figure 2023548083000015
Figure 2023548083000016
Figure 2023548083000017
Figure 2023548083000018
Figure 2023548083000019
いくつかの態様では、本明細書で開示するポリペプチド配列は、ヒスチジンタグをさらに含む。いくつかの態様では、ヒスチジンタグは、ポリペプチドのC末端にてポリペプチドに融合する。任意の好適なヒスチジンタグを使用することができる。いくつかの態様では、ヒスチジンタグは、TEVプロテアーゼ切断部位(ENLYFQS)(配列番号18)に結合して、精製後にTEVプロテアーゼによる、ヒスチジンタグの効率的な除去を可能とする。例えば、タグは、アミノ酸配列GSTENLYFQSGALEHHHHHH(配列番号17)を含むことができる、または、これからなることができる。別の態様では、切断可能なヒスチジンタグが、アミノ酸配列XPQ(L/Q)PXHHHHHH[式中、Xは、1~25個のアミノ酸残基のリンカーである。](配列番号15)を含む、ポリペプチド配列のC末端において組み込まれる。一非限定例では、切断可能なヒスチジンタグは、アミノ酸配列GSSGSSGSQPQLPYGSSGSSGSHHHHHH(配列番号16)を含む。
表5に示すように、Kuma010/011アミノ酸配列に対応する点置換が、触媒活性に影響を及ぼし得る。表5は、様々なグリアジンペプチド配列の分解の触媒における、個々の変異の有効性を列挙する。WO2016/200880に開示されている例は、特定の個々の、及び組み合わせの変異体に関するさらなるデータを示す。

Figure 2023548083000020
Figure 2023548083000021
ある特定の態様では、本開示は、ポリペプチドの産生を改善する少なくとも1つの変異を含むポリペプチドを提供する。いくつかの態様では、産生を改善する変異は、以下の3つのカテゴリーのうちの1つの改善をもたらす:1.精製方法の変更;2.収率の増加、及び、3.酵素による自己プロセシングが精製中に生じる可能性を低下させることで、分析を簡素化すること。本明細書で開示するポリペプチドのタンパク質分解活性により除去可能なHisタグを付加することで、カテゴリー1となり、R105H変異体は、約2倍収率を改善するようであり、この変異をカテゴリー2とし、位置171~174における変異は、これらの変異体をカテゴリー3とする。
本出願全体で使用するとおり、「ポリペプチド」という用語は、自然に存在するか、合成由来であるかにかかわらず、サブユニットアミノ酸の配列を意味する、その最も広い意味で使用される。本開示のポリペプチドは、L-アミノ酸、D-アミノ酸(インビボで、L-アミノ酸特異的プロテアーゼに耐性を有する)、または、D及びL-アミノ酸の組み合わせを含んでよい。本明細書に記載するポリペプチドは、化学的に合成されてよい、または、組換えにより発現してよい。ポリペプチドは、例えば、PEG化、HES化、PAS化、またはグリコシル化により、他の化合物に結合して、インビボでの半減期の増加を促進し得る。そのような結合は、当業者により理解されるように、共有または非共有であることができる。いくつかの態様では、ポリペプチドは、精製または検出のために使用可能な任意のリンカー(FLAGまたはHisタグなど)を含むがこれらに限定されない、任意の他の好適なリンカーに結合する。
A.核酸
別の態様では、本開示は、本開示の任意の態様のポリペプチドをコードする単離核酸を提供する。Kuma062-Mをコードする例示的な核酸を以下に示す。
AGTGATATGGAAAAACCGTGGAAAGAAGGTGAAGAAGCCCGCGCAGTGCTGCAAGGTCATGCTCGTGCGCAGGCACCGCAAGCAGTCGATAAAGGCCCGGTGGCAGGTGACGAACGCATGGCTGTTACCGTGGTTCTGCGTCGCCAGCGTGCAGGTGAACTGGCGGCCCACGTGGAACGTCAAGCAGCTATTGCTCCGCATGCGCGCGAACACCTGAAACGTGAAGCGTTTGCGGCCAGTCATGGTGCGTCCCTGGATGACTTTGCCGAACTGCGTCGCTTCGCAGATGCTCACGGCCTGGCGCTGGACCGTGCAAACGTTGCAGCTGGCACCGCCGTTCTGTCTGGTCCGGACGATGCAATCAATCGCGCTTTTGGTGTGGAACTGCGTCATTTCGATCACCCGGACGGCTCATATCGTTCGTACCTGGGTGAAGTCACCGTGCCGGCCAGTATTGCACCGATGATCGAAGCGGTTCTGGGCCTGGATACGCGTCCGGTCGCCCGCCGTCGTTTTCGTATGCAGCGTCGCGCAGAAGGCGGTTTCGAAGCTCGTTCCCAAGCGGCGGCACCGACCGCATATACGCCGCTGGATGTTGCGCAGGCCTACCAATTTCCGGAAGGTCTGGACGGCCAGGGTCAATGCATTGCCATTATCGAACTGGGCGGTGGCTATGATGAAGCTTCACTGGCGCAGTACTTCGCGTCGCTGGGCGTGCCGGCACCGCAAGTCGTGAGTGTTTCCGTCGATGGTGCGAGCAACCAGCCGACCGGTGATCCGGAAGGTCCGGACGGTGAAGTGACCCTGGATATCGAAGTTGCAGGCGCTCTGGCGCCGGGTGCCAAATTTGCAGTGTATTTCGCGCCGGATACCACTGCCGGTTTTCTGGACGCGATTACCACGGCCATCCACGATCCGACGCTGAAACCGAGCGTTGTCTCAATTTCGTGGAGCATGCCGGAAGACAGCTGGACCTCTGCTGCGATCGCCGCAATGAACCGTGCGTTTCTGGATGCTGCGGCCCTGGGTGTGACCGTTCTGGCAGCTGCGGGCGACCAGGGTTCTACGAGCGGCGAACAGGACGGTCTGTATCATGTGCATTTCCCGGCCGCATCACCGTACGTTCTGGCGTGCGGTGGCACGCGCCTGGTCGCATCGGGTGGCCGTATTGCGCAGGAAACCGTCTGGAACCAGGGTCCGGACGGTGGTGCAACGGGTGGCGGTGTGAGCCGCATCTTCCCGCTGCCGGCATGGCAGGAACACGCTAACGTTCCGCCGTCTGCAAATCCGGGCGCGAGCAGCGGCCGTGGTGTCCCGGATCTGGCTGGTAATGCGGACCCGCAGACCGGTTATGAAGTGGTTATTGATGGCGAAGCAACCGTCACCGGCGGTACGAGCGCCGTGGCACCGCTGTTTGCTGCGCTGGTTGCGCGTATTAACCAGAAACTGGGCAAAGCAGTTGGTTATCTGAATCCGACCCTGTACCAACTGCCGGCAGATGTTTTCCATGACATCACGGAGGGTAACAATGATATTGCAAACCGTGCGCAGATTTATCAAGCAGGTCCGGGCTGGGACCCGTGTACCGGTCTGGGTTCACCGATTGGTGTGCGTCTGCTGCAAGCACTGTTGCCGAGTGCCTCCCAGCCGCAACCGTGA
配列番号22
単離された核酸配列は、RNAまたはDNAを含んでよい。本明細書で使用する場合、「単離された核酸」とは、ゲノム内、またはcDNA配列内で、周囲にあるその通常の核酸配列から除去されているものである。そのような、単離された核酸配列は、ポリA配列、修飾コザック配列、ならびに、エピトープタグ、エクスポートシグナル、ならびに分泌シグナル、核局在化シグナル、及び原形質膜局在化シグナルをコードする配列を含むがこれらに限定されない、コードされたタンパク質の発現及び/または精製を促進するのに有用な、さらなる配列を含んでよい。本明細書の教示に基づき、どの核酸配列が本開示のポリペプチドをコードするかは、当業者に明らかであろう。
さらなる態様では、本開示は、好適な調節配列に作動可能に連結している、本開示の任意の態様の単離された核酸を含む、核酸発現ベクターを提供する。「組換え発現ベクター」は、遺伝子産物の発現に影響を及ぼすことが可能な任意の調節配列に、核酸コード領域または遺伝子を作動可能に連結するベクターを含む。本開示の核酸配列に作動可能に連結された「調節配列」は、核酸分子の発現に影響を及ぼすことが可能な核酸配列である。核酸配列の発現を指示する機能を有しているのであれば、調節配列は、核酸配列に隣接している必要はない。故に、例えば、介在する、翻訳されていないがなおかつ転写された配列が、プロモーター配列と核酸配列との間に存在し得、そのプロモーター配列は、依然としてコード配列に「作動可能に連結された」と見なされ得る。そのような他の調節配列としては、ポリアデニル化シグナル、終結シグナル、及びリボソーム結合部位が挙げられるが、これらに限定されない。このような発現ベクターは、限定されるものではないが、プラスミド及びウイルスベースの発現ベクターを含む、当該技術分野において既知の任意の種類であることができる。哺乳類系において、開示された核酸配列の発現を駆動するために使用される調節配列は、構成的(CMV、SV40、RSV、アクチン、EFを含むがこれらに限定されない、様々なプロモーターのいずれかにより駆動される)であるか、または、誘発性(テトラサイクリン、エクジソン、ステロイド応答性を含むがこれらに限定されない、多数の誘導性プロモーターのいずれかにより駆動される)であってよい。原核細胞のトランスフェクションに使用するための発現ベクターの構築もまた、当該技術分野において周知であり、それ故、標準的な技術により実現することができる。例えば、Sambrook,Fritsch,and Maniatis,in: Molecular Cloning,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989、Gene Transfer and Expression Protocols,pp.109-128,ed.E.J.Murray,The Humana Press Inc.,Clifton,N.J.、及びthe Ambion 1998 Catalog(Ambion,Austin,TX)を参照されたい。発現ベクターは、エピソームとして、または、宿主染色体DNAへの組み込みによるいずれかで、宿主生物内で複製可能でなければならない。好ましい一態様では、発現ベクターはプラスミドを含む。しかし、本開示は、ウイルスベクターなどの、等価な機能を果たす他の発現ベクターを含むことを意図している。
B.宿主細胞
別の態様では、本開示は、本開示の核酸発現ベクターを含む組換え宿主細胞を提供する。組換えタンパク質を産生可能な任意の宿主細胞を、本明細書で開示する方法で使用することができる。宿主細胞は、原核性または真核性のいずれかであることができる。いくつかの態様では、宿主細胞は原核細胞である。好適な原核生物宿主細胞の非限定例としては、Escherichia coli、Bacillus subtilis、Caulobacter crescentus、Rodhobacter sphaeroides、Pseudoalteromonas haloplanktis、Shewanella sp. strain Ac10、Pseudomonas fluorescensi Pseudomonas putida、Pseudomonas aeruginosa、Halomonas elongata、Chromohalobacter salexigens、Streptomyces lividans、Streptomyces griseus、Nocardia lactamdurans、Mycobacterium smegmatis、Corynebacterium glutamicum、Corynebacterium ammoniagenes、Brevibacterium lactofermentum、Bacillus subtilis、Bacillus brevis、Bacillus megaterium、Bacillus licheniformis、Bacillus amyloliquefaciens、Lactococcus lactis、Lactobacillus plantarum、Lactobacillus casei、Lactobacillus reuteri、及びLactobacillus gasseriが挙げられる。いくつかの態様では、宿主細胞は真核細胞である。好適な真核性宿主細胞の非限定例としては、Saccharomyces cerevisiae及びAspergillus nidulansが挙げられる。細胞は、一過的に、または安定して、トランスフェクトまたは形質導入されることができる。原核及び真核細胞への、発現ベクターのこのようなトランスフェクション及び形質導入は、標準的な細菌の形質転換、リン酸カルシウムの共沈、電気穿孔法、または、リポソームが媒介する、DEAEデキストランが媒介する、ポリカチオンが媒介する、もしくはウイルスが媒介するトランスフェクションを含むがこれらに限定されない、当該技術分野において既知の任意の技術により実現することができる。例えば、Molecular Cloning:A Laboratory Manual(Sambrook,et al.,1989,Cold Spring Harbor Laboratory Press)、Culture of Animal Cells:A Manual of Basic Technique,2nd Ed.(R.I.Freshney.1987. Liss,Inc.New York,NY)を参照されたい。本開示に従ったポリペプチドの産生方法は、本開示のさらなる一部である。方法は、(a)ポリペプチドの発現を行う条件下で、本開示の本態様に従い宿主を培養するステップと、(b)任意選択的に、発現したポリペプチドを回収するステップと、を含む。発現したポリペプチドは、無細胞抽出物、細胞ペレットから回収することができるか、または培地から回収することができる。組換えにより発現したポリペプチドを精製する方法は、当業者に周知である。
C.医薬組成物
さらなる態様では、本開示は、本開示の任意の態様または態様のポリペプチド、核酸、核酸発現ベクター、及び/または組換え宿主細胞と、薬学的に許容される担体と、を含む医薬組成物を提供する。本開示の医薬組成物は、例えば、後述の本開示の方法で使用することができる。医薬組成物は、本開示のポリペプチド、核酸などに加えて、(a)凍結防止剤、(b)界面活性剤、(c)充填剤、(d)張度調節剤、(e)安定剤、(f)防腐剤、及び/または(g)緩衝液を含んでよい。
いくつかの態様では、医薬組成物中の緩衝液は、トリス緩衝液、ヒスチジン緩衝液、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液、または酢酸緩衝液である。医薬組成物は、凍結防止剤、例えば、スクロース、ソルビトール、またはトレハロースもまた含んでよい。ある特定の態様では、医薬組成物は、防腐剤、例えば、塩化ベンザルコニウム、ベンゼトニウム、クロルヘキシジン、フェノール、m-クレゾール、ベンジルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、クロロブタノール、o-クレゾール、p-クレゾール、クロロクレゾール、フェニル水銀硝酸塩、チメロサール、安息香酸、及びこれらの様々な混合物を含む。他の態様では、医薬組成物は、グリシンなどの充填剤を含む。さらに他の態様では、医薬組成物は、界面活性剤、例えば、ポリソルベート-20、ポリソルベート-40、ポリソルベート-60、ポリソルベート-65、ポリソルベート-80、ポリソルベート-85、ポロキサマー188、モノラウリル酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、トリラウリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、トリオレアステソルビタン(sorbitan trioleaste)、またはこれらの組み合わせを含む。医薬組成物は、張度調節剤、例えば、ヒトの血液に、製剤を実質的に等張、または等浸透圧にする化合物もまた含んでよい。例示的な張度調節剤としては、スクロース、ソルビトール、グリシン、メチオニン、マンニトール、デキストロース、イノシトール、塩化ナトリウム、アルギニン、及び塩酸アルギニンが挙げられる。他の態様では、医薬組成物はさらに、安定剤、例えば、対象となるタンパク質と組み合わせたときに、凍結乾燥または液体形態での、対象となるタンパク質の、化学的及び/または物理的不安定さを実質的に防止する、または低減する分子を含む。例示的な安定剤としては、スクロース、ソルビトール、グリシン、イノシトール、塩化ナトリウム、メチオニン、アルギニン、及び塩酸アルギニンが挙げられる。
本開示のポリペプチド、核酸などは、医薬組成物中において単なる活性剤であってよく、または、組成物は、使用目的に対して適切な、1種以上の他の活性剤をさらに含んでよい。
本明細書に記載する医薬組成物は一般に、本明細書に記載する化合物と、薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤と、の組み合わせを含む。そのような組成物は実質的に、薬学的に許容されない構成成分を実質的に含まない、即ち、本願の出願時に、米国の規制要求事項により許可されているものを下回る量の、薬学的に許容されない構成成分を含有する。本態様のいくつかの態様では、化合物が水に溶解する、または懸濁する場合、組成物は任意選択的に、追加の薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤をさらに含む。他の態様では、本明細書に記載する医薬組成物は、固体医薬組成物(例えば、錠剤、カプセルなど)である。
本明細書に記載する組成物は、米国監督官庁により記載されるように、栄養補助食品として提供することもまた可能である。
これらの組成物は、薬学技術分野において周知の方法で調製することができ、任意の好適な経路により投与することができる。好ましい態様では、医薬組成物及び製剤は、経口投与向けに設計される。従来の薬学的担体、水性、粉末、または油性基剤、増粘剤等は、必須であるか、または望ましい場合がある。
医薬組成物は、錠剤、丸薬、粉末、ロゼンジ、サッシェ、カシェ剤、エリキシル剤、懸濁液、エマルション、溶液、シロップ、エアロゾル(固体として、または液体媒質中)、例えば、最大10重量%の活性化合物を含有する軟膏、軟質及び硬質ゼラチンカプセル、無菌注射液、及び、無菌包装粉末を含むがこれらに限定されない任意の好適な形態で存在することができる。
3. 本開示の方法
別の態様では、本開示は、セリアックスプルーもしくはNCGSを患う個体に、上記セリアックスプルーもしくはNCGSを治療するのに効果的な量の、本開示のポリペプチドからなる群から選択される1種以上のポリペプチドを投与すること、または、これらのポリペプチドの1種以上を使用して、セリアックスプルーもしくはNCGSを患う個体による、摂取用食物を加工することを含む、セリアックスプルーまたは非セリアック・グルテン過敏症(NCGS)の治療方法を提供する。
ある特定の態様では、方法は、セリアックスプルーまたはNCGSを患う対象に、配列番号1で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または約100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを投与することを含む。ある特定の態様では、方法は、セリアックスプルーまたはNCGSを患う対象に、配列番号1で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを投与することを含む。ある特定の態様では、方法は、セリアックスプルーまたはNCGSを患う対象に、配列番号1で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを投与することを含む。ある特定の態様では、方法は、セリアックスプルーまたはNCGSを患う対象に、配列番号1で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも96%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを投与することを含む。ある特定の態様では、方法は、セリアックスプルーまたはNCGSを患う対象に、配列番号1で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも97%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを投与することを含む。ある特定の態様では、方法は、セリアックスプルーまたはNCGSを患う対象に、配列番号1で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを投与することを含む。ある特定の態様では、方法は、セリアックスプルーまたはNCGSを患う対象に、配列番号1で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを投与することを含む。ある特定の態様では、方法は、セリアックスプルーまたはNCGSを患う対象に、配列番号1で示されるアミノ酸配列を含むポリペプチドを投与することを含む。
ある特定の態様では、方法は、セリアックスプルーまたはNCGSを患う対象に、配列番号8で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または約100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを投与することを含む。ある特定の態様では、方法は、セリアックスプルーまたはNCGSを患う対象に、配列番号8で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを投与することを含む。ある特定の態様では、方法は、セリアックスプルーまたはNCGSを患う対象に、配列番号8で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを投与することを含む。ある特定の態様では、方法は、セリアックスプルーまたはNCGSを患う対象に、配列番号8で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも96%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを投与することを含む。ある特定の態様では、方法は、セリアックスプルーまたはNCGSを患う対象に、配列番号8で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも97%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを投与することを含む。ある特定の態様では、方法は、セリアックスプルーまたはNCGSを患う対象に、配列番号8で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを投与することを含む。ある特定の態様では、方法は、セリアックスプルーまたはNCGSを患う対象に、配列番号8で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを投与することを含む。ある特定の態様では、方法は、セリアックスプルーまたはNCGSを患う対象に、配列番号8で示されるアミノ酸配列を含むポリペプチドを投与することを含む。
ある特定の態様では、方法は、セリアックスプルーまたはNCGSを患う対象に、配列番号1で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または約100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを投与することを含み、ポリペプチドは、配列番号8で示されるアミノ酸配列を含み、ポリペプチドは、配列番号3のアミノ酸278に対応するアミノ酸残基においてSerを、配列番号3のアミノ酸78に対応するアミノ酸残基においてGluを、及び、配列番号3のアミノ酸82に対応するアミノ酸残基においてAspを含む。
ある特定の態様では、本開示は、食品中のグルテンを分解する方法であって、上記食品を、上記グルテンを分解するのに効果的な量の、本明細書で上記したポリペプチドと接触させることにより、上記食品中の上記グルテンを分解することを含む、上記方法を提供する。
ある特定の態様では、本開示は、食品中のグルテンを分解する方法であって、上記食品を、上記グルテンを分解するのに効果的な量の、本明細書で上記した医薬組成物と接触させることにより、上記食品中の上記グルテンを分解することを含む、上記方法を提供する。
ある特定の態様では、本開示は、食品中のグリアジンを分解する方法であって、上記食品を、上記グリアジンを分解するのに効果的な量の、本明細書で記載するポリペプチドまたは医薬組成物と接触させることにより、上記食品中の上記グルテンを分解することを含む、上記方法を提供する。いくつかの態様では、方法は、食品中のグルテンまたはグリアジンの、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または約100%を分解する。いくつかの態様では、本明細書で開示する方法は、食品中のグルテンまたはグリアジンを、約1.5時間未満、約1時間未満、約45分未満、約40分未満、約30分未満、約25分未満、約20分未満、約15分未満、約10分未満、または約5分未満で分解することができる。いくつかの態様では、本明細書で開示する方法は、食品中のグルテンまたはグリアジンを、約6.5未満、約6.0未満、約5.5未満、約5.0未満、約4.5未満、約4.0未満、約3.5未満、または約3.0未満のpH値の下で分解することができる。
本開示のポリペプチドは、大部分のセリアックスプルー患者において、免疫応答の大半を担うと考えられている、「グリアジン」として知られているグルテンのプロリン(P)及びグルタミン(Q)リッチな構成成分を分解可能であることを、本開示の発明者らは発見した。本開示のポリペプチドは、セリアックスプルーの治療に有用であると開示されている(WO2015/023728)、Kuma010/011及び他のポリペプチドと比較して、pH4で、PQLP(配列番号9)またはPQQP(配列番号10)モチーフ(グリアジンの代表的な基質である、PFPQPQLPY(配列番号11)及び/またはPFPQPQQPF(配列番号12)など)を有するペプチドの分解において、優れた活性を示す。したがって、本開示のポリペプチドは、セリアックスプルー及びNCGSを治療するための、著しく改善された治療薬を構成する。
ある特定の態様では、本明細書で開示するポリペプチドの医薬組成物及び/または製剤は、経口投与される。経口投与の経路の非限定例としては、錠剤、丸薬、ロゼンジ、エリキシル剤、懸濁液、エマルション、溶液、シロップ、またはこれらの任意の組み合わせの使用が挙げられる。ある特定の態様では、本明細書で開示するポリペプチドを含む医薬組成物は、対象が物質、例えば、1種以上のグルテンタンパク質を含む食物を消化する前に、対象に投与される。いくつかの態様では、本明細書で開示するポリペプチドを含む医薬組成物は、対象が物質、例えば、1種以上のグルテンタンパク質を含む食物を消化するのと同時に、対象に投与される。いくつかの態様では、本明細書で開示するポリペプチドを含む医薬組成物は、対象が物質、例えば、1種以上のグルテンタンパク質を含む食物を消化した後に、対象に投与される。
投薬レジメンは、最適な所望の応答(例えば、治療または予防応答)をもたらすように調整され得る。好適な用量範囲は、例えば、0.1ug/kg~100mg/kg体重の範囲であってよく、あるいは、0.5ug/kg~50mg/kg、1ug/kg~25mg/kg、または、5ug/kg~10mg/kg体重であってよい。ポリペプチドは、主治医により決定されるように、単回ボーラスで送達することができ、または、2回以上(例えば、2、3、4、5、またはそれ以上の回数で)投与されることができる。
本開示は、以下の実施例によってさらに説明されるが、これは限定と解釈されるべきではない。引用される引用元、例えば、本明細書で引用される参考文献、公報、データベース、データベースのエントリーは全て、引用中で明示的に記述されていない場合であっても、参照により本出願に組み込まれる。引用元の記述と本願が矛盾する場合、本願の記述が優先する。
章及び表の見出しは、限定を意図するものではない。
実施例1: Kuma062-Mによる、全粒粉パンにおけるグルテンの分解
本研究は、Kuma062-Mがグルテンを効果的に分解することができることを示す。
胃での消化の、実験室でのシミュレーションを、ヒトの胃での消化を表すように設計した。パン試料をまず、人工唾液内ですり潰して咀嚼をシミュレートした後、塩酸を加えて酸性化した。特に指示がない限り、胃での消化のpHは3.6~4.5であった。試料をブレンドして、狭いピペットの先端を通る材料を適切に提示する能力を確保した(なぜなら、ELISA法では、必要により非常に小さい体積を用いるからである)が、示される場合、試料はすり潰しただけであった。食事試料は、食事のアリコートを個別のチューブに画分して、消化プロセスを始める前には、400~800mLの最終総体積を有した。ペプシン及び/またはグリアジナーゼKuma062-Mを添加することで、消化を開始した。次に、試料を、示した時点において、体温(37℃)でインキュベートした。全粒粉パン/食事消化実験の大部分において、食物の、幽門弁を通っての十二指腸への放出が開始される前に、食物が胃の中で撹乳される平均のラグタイムが30~60分であるため、試料は、30分間で消化するようにさせた。存在する酵素を全て、不可逆的に失活する温度まで加熱することにより、消化期間の終了時に酵素活性を終了させた。
消化試料中のグルテンを、メーカーによりもたらされる指示に従い、R5 Ridascreen(商標)ELISAキット(R-Biopharm)、またはG12 Glutentox(登録商標)ELISAキット(Biomedal)により定量化した。これらのキットは、モノクローナル抗体の、R5(QQPFPを認識する)、またはG12(QPQLPYを認識する)(それぞれ、配列番号19及び配列番号20)のいずれかに基づく。これらのエピトープは、免疫優性断片を全て含む、グルテンの免疫原性断片の大部分に存在する。G12抗体は、αグリアジンの免疫原性領域を検出するが、R5抗体は、ωグリアジン及びγグリアジンの免疫原性領域を検出する。R5 ELISA法は、未加工食物におけるグルテン濃度を推定するのに効果的であることが示されているものの、R5抗体により認識されるグルテンの分画は、部分的には、グルテンをペプシンでインキュベートした後に減少することを、我々は見出した。ペプシンは、G12抗体により認識される分画である、33mer断片LQLQPFPQPQLPYPQPQLPYPQPQLPYPQPQPF8(配列番号13)に対してはさほど効果的でないことが示されている。R5抗体とは異なり、G12抗体による、グルテンエピトープの検出は、影響を受けていないか、またはさらに、ペプシンによる消化によりわずかに増加したことが頻繁に観察された。このことは、ペプシンによる処理によって、グルテンのQPQLPY(配列番号20)エピトープ含有領域が、G12抗体に対してより利用可能となることを示唆している。本実施例では、両方のELISAベースの方法を使用して、グリアジナーゼが、免疫原性グリアジンの全部の3つのファミリー:α、ω、及びγグリアジンの量を低下させる能力を評価した。以下で詳述する実験の1つにおいて、インハウスG12ベースのELISA法を使用した。このインハウスで開発した方法は、市販されているキットよりも安価であるものの、低濃度のグルテンの定量においては、信頼性が低い。したがって、本方法は、試料間の相対差を評価するためだけに使用した。
表6は、Kuma062-Mが、模擬胃内消化においてグルテンを効果的に分解することができることを示す。ペプシンは少量で、模擬胃内消化においてグルテンを分解することができる。
Figure 2023548083000022
実施例2: 異なるpHにおける、Kuma062-Mによる全粒粉パンでのグルテンの分解
本研究は、異なるpH値において、Kuma062-Mがグルテンを分解する能力を評価するためのものである。
模擬胃内消化用のプロトコルは、実施例1におけるものとほぼ同様である。パンのスラリーは、以下のpHレベル、すなわち3.9、4.5、5.0、5.5、及び5.9で生成した。pH5.9は、人工唾液ですり潰した後に、HClなしで、水のみをスラリーに添加した際のパンのpHであった。
表7は、Kuma062-Mが、様々なpH値でグルテンを効率的に分解することができることを示す。
Figure 2023548083000023
実施例3: Kuma062-Mによる、ファーストフードの食事におけるグルテンの分解
本研究は、他の食品タンパク質の存在下においてさえも、Kuma062Mが、グルテンに対して著しい活性を維持可能であるか否かを評価するためのものである。
模擬胃内消化用のプロトコルは、実施例1におけるものとほぼ同様である。バニラミルクシェークは、10グラムのタンパク質を含有する(およそ。McDonalds(登録商標)製の同様のサイズのミルクシェークとの比較)と推定されたが、ハンバーガーのパティは、7グラムのタンパク質を含有すると推定された。胃での消化の際の食事のpHは、4.0~4.5であった。対照食事におけるハンバーガーのパンの量を、ハンバーガー及びシェークの食事におけるパンと同じ量に調整した。ハンバーガー及びシェークの食事の、胃での消化の際の体積は500mLであった。対照食事も500mLに調整した。すり潰してブレンドした後の食事スラリーのアリコートを、より小さなチューブに画分し、グルテナーゼ酵素及びペプシンを、これらのアリコートに添加した。Kuma062-Mに対して、酵素濃度は700μg/mLまたは70μg/mLであった。食事を、30分間または5分間消化した。Aspergillus Niger由来のプロリルエンドプロテアーゼ(AN-PEP)、及びEPB2/SCPEPもまた、本研究に含めた。
表8及び9は、Kuma062-Mが、他の食品タンパク質の存在下でグルテンを効果的に分解できることを示す。表8は、G12 ELISAアッセイを用いた結果を示す。表9は、R5 ELISAアッセイを用いた結果を示す。


Figure 2023548083000024
Figure 2023548083000025
均等物
当業者は、ほんの日常的な実験を使用して、本開示の特定の態様に対する多くの均等物を認識するか、または確認することができるであろう。そのような均等物は、以下の特許請求の範囲によって包含されることが意図される。
態様
E1.配列番号1で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または約100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチド。
E2.配列番号1で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも85%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、E1に記載のポリペプチド。
E3.配列番号1で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、E1またはE2に記載のポリペプチド。
E4.配列番号1で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、E1~E3のいずれか1つに記載のポリペプチド。
E5.配列番号1で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、E1~E4のいずれか1つに記載のポリペプチド。
E6.配列番号1で示されるアミノ酸配列を含む、E1~5のいずれか1つに記載のポリペプチド。
E7.配列番号6のアミノ酸467に対応するアミノ酸残基がSerである、E1~E6のいずれか1つに記載のポリペプチド。
E8.配列番号6のアミノ酸267に対応するアミノ酸残基がGluである、E1~E7のいずれか1つに記載のポリペプチド。
E9.配列番号6のアミノ酸271に対応するアミノ酸残基がAspである、E1~E8のいずれか1つに記載のポリペプチド。
E10.グリアジンを切断可能な、E1~E9のいずれか1つに記載のポリペプチド。
E11.配列番号8で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または約100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチド。
E12.配列番号8で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも85%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、E11に記載のポリペプチド。
E13.配列番号1で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、E11またはE12に記載のポリペプチド。
E14.配列番号8で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、E11~E13のいずれか1つに記載のポリペプチド。
E15.配列番号8で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、E11~E14のいずれか1つに記載のポリペプチド。
E16.配列番号8で示されるアミノ酸配列を含む、E11~15のいずれか1つに記載のポリペプチド。
E17.配列番号3のアミノ酸278に対応するアミノ酸残基がSerである、E11~E16のいずれか1つに記載のポリペプチド。
E18.配列番号3のアミノ酸78に対応するアミノ酸残基がGluである、E11~E17のいずれか1つに記載のポリペプチド。
E19.配列番号3のアミノ酸82に対応するアミノ酸残基がAspである、E11~E18のいずれか1つに記載のポリペプチド。
E20.グリアジンを切断可能な、E11~E19のいずれか1つに記載のポリペプチド。
E21.配列番号1で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または約100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、前記ポリペプチドが、配列番号8で示されるアミノ酸配列を含む、前記ポリペプチド。
E22.配列番号1で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも85%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、E21に記載のポリペプチド。
E23.配列番号1で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、E21またはE22に記載のポリペプチド。
E24.配列番号1で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、E21~E23のいずれか1つに記載のポリペプチド。
E25.配列番号1で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、E21~E24のいずれか1つに記載のポリペプチド。
E26.配列番号1で示されるアミノ酸配列を含む、E21~E25のいずれか1つに記載のポリペプチド。
E27.配列番号6のアミノ酸467に対応するアミノ酸残基がSerである、E21~E26のいずれか1つに記載のポリペプチド。
E28.配列番号6のアミノ酸267に対応するアミノ酸残基がGluである、E21~E27のいずれか1つに記載のポリペプチド。
E29.配列番号6のアミノ酸271に対応するアミノ酸残基がAspである、E21~E28のいずれか1つに記載のポリペプチド。
E30.グリアジンを切断可能な、E21~E29のいずれか1つに記載のポリペプチド。
E31.ヒスチジンタグをさらに含み、上記ヒスチジンタグがポリペプチドのC末端で融合する、E1~E30のいずれか1つに記載のポリペプチド。
E32.
ヒスチジンタグが、配列番号17で示されるアミノ酸配列(GSTENLYFQSGALEHHHHHH)を含む、Eに記載のポリペプチド。
E33.ヒスチジンタグが、配列番号15で示されるアミノ酸配列(XPQ(L/Q)PXHHHHHH)[式中、Xは、1~25個のアミノ酸残基のリンカーである。]を含む、切断可能なヒスチジンタグを含むがこれに限定されない、切断可能なヒスチジンタグを含む、E32またはE33に記載のポリペプチド。
E34.切断可能なヒスチジンタグが、配列番号16で示されるアミノ酸配列(GSSGSSGSQPQLPYGSSGSSGSHHHHHH)を含む、E31~E33のいずれか1つに記載のポリペプチド。
E35.E1~E34のいずれか1つに記載のポリペプチドをコードする核酸分子。
E36.E35に記載の核酸分子を含む核酸発現ベクター。
E37.E35に記載の核酸分子、または、E36に記載の核酸発現ベクターを含む、組換え宿主細胞。
E38.E1~E34のいずれか1つに記載のポリペプチド、E35に記載の核酸分子、E36に記載の核酸発現ベクター、E37に記載の組換え宿主細胞、またはこれらの任意の組み合わせ、及び薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
E39.セリアックスプルーまたは非セリアック・グルテン過敏症(NCGS)の治療方法であって、セリアックスプルーまたはNCGSを患う個体に、前記セリアックスプルーまたはNCGSを治療するのに効果的な量の、E1~E34のいずれか1つに記載のポリペプチド、請求項35に記載の核酸分子、請求項36に記載の核酸発現ベクター、請求項37に記載の組換え宿主細胞、または、請求項38に記載の医薬組成物を投与することを含む、前記方法。
E40.前記ポリペプチド、前記核酸分子、前記核酸発現ベクター、前記組換え宿主細胞、または前記医薬組成物が、経口投与される、E39に記載の方法。

Claims (30)

  1. 配列番号1で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または約100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、前記ポリペプチドのN末端における第1のアミノ酸がSer(S)である、前記ポリペプチド。
  2. 配列番号1で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または約100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、前記ポリペプチドが、前記ポリペプチドのN末端にMet(M)を含まない、前記ポリペプチド。
  3. 配列番号23で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または約100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、配列番号23内のXaaが、Met(M)ではない、前記ポリペプチド。
  4. 配列番号1で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または約100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、前記ポリペプチドのN末端における第1のアミノ酸がSer(S)であり、前記ポリペプチドが、配列番号8で示されるアミノ酸配列を含む、前記ポリペプチド。
  5. N末端からC末端にかけての、前記ポリペプチドの最初の2つのN末端アミノ酸がSer-Asp(SD)である、請求項1~4のいずれか1項に記載のポリペプチド。
  6. 配列番号1で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも85%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載のポリペプチド。
  7. 配列番号1で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載のポリペプチド。
  8. 配列番号1で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載のポリペプチド。
  9. 配列番号1で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載のポリペプチド。
  10. 配列番号1で示されるアミノ酸配列を含む、請求項1~97のいずれか1項に記載のポリペプチド。
  11. 配列番号1のアミノ酸467に対応するアミノ酸残基がSerである、請求項1~10のいずれか1項に記載のポリペプチド。
  12. 配列番号1のアミノ酸267に対応するアミノ酸残基がGluである、請求項1~11のいずれか1項に記載のポリペプチド。
  13. 配列番号1のアミノ酸271に対応するアミノ酸残基がAspである、請求項1~10のいずれか1項に記載のポリペプチド。
  14. 前記ポリペプチドがグリアジンを切断可能である、請求項1~13のいずれか1項に記載のポリペプチド。
  15. ヒスチジンタグをさらに含み、前記ヒスチジンタグが前記ポリペプチドのC末端で融合する、請求項1~14のいずれか1項に記載のポリペプチド。
  16. 前記ヒスチジンタグが、配列番号17で示されるアミノ酸配列(GSTENLYFQSGALEHHHHHH)を含む、請求項15に記載のポリペプチド。
  17. 前記ヒスチジンタグが、配列番号15で示されるアミノ酸配列(XPQ(L/Q)PXHHHHHH)[式中、Xは、1~25個のアミノ酸残基のリンカーである。]を含む、切断可能なヒスチジンタグを含むがこれに限定されない、切断可能なヒスチジンタグを含む、請求項15または16に記載のポリペプチド。
  18. 前記切断可能なヒスチジンタグが、配列番号16で示されるアミノ酸配列(GSSGSSGSQPQLPYGSSGSSGSHHHHHH)を含む、請求項17に記載のポリペプチド。
  19. 請求項1~18のいずれか1項に記載のポリペプチドをコードする核酸分子。
  20. 請求項19に記載の核酸分子を含む核酸発現ベクター。
  21. 請求項19に記載の核酸分子、または、請求項20に記載の核酸発現ベクターを含む、組換え宿主細胞。
  22. 前記宿主細胞が原核性である、請求項21に記載の組換え宿主細胞。
  23. 前記宿主細胞が真核性である、請求項21に記載の組換え宿主細胞。
  24. 請求項1~18のいずれか1項に記載のポリペプチド、請求項19に記載の核酸分子、請求項20に記載の核酸発現ベクター、請求項21~23のいずれか1項に記載の組換え宿主細胞、またはこれらの任意の組み合わせ、及び薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
  25. 対象における、セリアックスプルーまたは非セリアック・グルテン過敏症(NCGS)の治療方法であって、セリアックスプルーまたはNCGSを患う前記対象に、前記セリアックスプルーまたはNCGSを治療するのに効果的な量の、請求項1~18のいずれか1項に記載のポリペプチド、請求項19に記載の核酸分子、請求項20に記載の核酸発現ベクター、請求項21~23のいずれか1項に記載の組換え宿主細胞、または、請求項24に記載の医薬組成物を投与することで、前記セリアックスプルーまたはNCGSを治療することを含む、前記方法。
  26. 対象における、セリアックスプルーまたは非セリアック・グルテン過敏症(NCGS)に関連する炎症を低減する方法であって、セリアックスプルーまたはNCGSを患う前記対象に、前記セリアックスプルーまたはNCGSに関連する炎症を低減するのに効果的な量の、請求項1~18のいずれか1項に記載のポリペプチド、請求項19に記載の核酸分子、請求項20に記載の核酸発現ベクター、請求項21~23のいずれか1項に記載の組換え宿主細胞、または、請求項24に記載の医薬組成物を投与することで、前記炎症を低減することを含む、前記方法。
  27. 前記ポリペプチド、前記核酸分子、前記核酸発現ベクター、前記組換え宿主細胞、または前記医薬組成物が、経口投与される、請求項26に記載の方法。
  28. 食品中のグルテンを分解する方法であって、前記食品を、前記グルテンを分解するのに効果的な量の、請求項1~18のいずれか1項に記載のポリペプチド、または、請求項24に記載の医薬組成物と接触させることにより、前記食品中の前記グルテンを分解することを含む、前記方法。
  29. 食品中のグリアジンを分解する方法であって、前記食品を、前記グリアジンを分解するのに効果的な量の、請求項1~18のいずれか1項に記載のポリペプチド、または、請求項24に記載の医薬組成物と接触させることにより、前記食品中の前記グリアジンを分解することを含む、前記方法。
  30. 前記方法が、前記食品中の前記グルテンまたはグリアジンの、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または約100%を分解する、請求項28または29に記載の方法。

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