JP2023547204A - 義肢膝継手 - Google Patents

Abstract

本発明は、継手下部と、継手上部と、少なくとも１つの切替バルブを有する液圧システムとを備える義肢膝継手に関し、－液圧システムが、伸展チャンバと屈曲チャンバと少なくとも１つのピストンを有し、ピストンの運動によって伸展チャンバ及び／又は屈曲チャンバの容積が変化可能であり、－切替バルブが、バルブハウジングと、その中で移動可能に取り付けられた切替要素を有し、切替要素がバルブハウジング内で第１の位置と第２の位置に移ることができ、かつバルブハウジングの内部空間を第１のチャンバと第２のチャンバに分割し、－切替要素が、切替バルブに配置された少なくとも１つの付勢要素によって付勢され、－義肢膝継手が、付勢とは逆向きの反力を切替要素に加える少なくとも１つのばね要素を有し、バルブハウジング及び／又は切替要素内で、第１のチャンバと第２のチャンバとの間に少なくとも１つの流体接続が配置される。【選択図】図１

Description

本発明は、継手下部と、継手上部と、少なくとも１つの切替バルブを有する液圧システムとを備える義肢膝継手に関し、
－液圧システムが、伸展チャンバと屈曲チャンバと少なくとも１つのピストンを有し、ピストンの運動によって伸展チャンバ及び／又は屈曲チャンバの容積が変化可能であり、
－切替バルブが、バルブハウジングと、その中で移動可能に取り付けられた切替要素を有し、切替要素がバルブハウジング内で第１の位置と第２の位置に移ることができ、かつバルブハウジングの内部空間を第１のチャンバと第２のチャンバに分割し、
－切替要素が、切替バルブに配置された少なくとも１つの付勢要素によって付勢され、
－義肢膝継手が、付勢とは逆向きの反力を切替要素に加える少なくとも１つのばね要素を有する。

このような義肢膝継手は、ＤＥ１０２０１８１１１４４１Ａ１から知られている。

義肢膝継手は、先行技術から以前より知られている。これらは義足の重要な部品であり、人間の膝の機能を可能な限り本物そっくりに模倣すべきである。その場合、人間の膝は、ある状況では運動を可能にし、別の状況では運動を阻止することができる。これは、必要な安定性を可能な限り常に提供するために重要である。人間の膝の多面性は、人工膝とって難題である。異なった速度及び異なった減衰の運動を行うことができるようにするために、人工膝は液圧システムを装備していることが多い。通常、液圧システムが組み付けられた義肢膝は、流体技術的に互いに接続している少なくとも２つの液圧チャンバ、いわゆる伸展チャンバと屈曲チャンバを有する。そのために少なくとも１つの接続ラインが存在する。両方のチャンバにピストンが配置され、ピストンはチャンバ内で動くことができ、それによりそれぞれのチャンバの容積を変化させることができる。ピストンを単一のピストンとして形成することができる。この場合、２つのチャンバは、好ましくは回転ピストンとして形成されたピストンの向かい合う２つの側に配置される。それによって、一方のチャンバの容積が増加すると、もう一方のチャンバの容積が減少するということが達成される。当然のことながら、２つのピストンをそれぞれ１つのシリンダに配置し、それぞれのシリンダにそれぞれ１つのチャンバを画定することもできる。

継手上部は、継手下部に対して旋回軸を中心に旋回可能に取り付けられている。

屈曲とは、膝を折り曲げること、すなわち屈曲方向と呼ばれる第１の方向への継手下部に対する継手上部の運動を意味する。この運動の場合、作動液、例えば作動油が屈曲チャンバから伸展チャンバに流れる。伸展と呼ばれる逆の運動は、義肢膝継手が伸びることである。その場合、作動液は伸展チャンバから屈曲チャンバに流れる。この場合、伸展チャンバは、伸展時に圧力が増加するチャンバであり、屈曲チャンバは、屈曲時に圧力が増加するチャンバである。

作動液が一方のチャンバから他方のチャンバに到達する速度は、継手の運動、すなわち継手下部に対する継手上部の運動の速度を決定する。この速度は、とりわけ接続ラインの流れ断面に依存する。ＤＥ６９３１２７７１Ｔ１から、大腿義肢の液圧システムを制御するために使用できる装置が知られている。

歩行周期の様々に異なる相で様々に異なる速度であることが有利であり、それにより義肢膝継手に切替バルブが組み込まれている。これによって、例えば、異なった流れ断面と異なった流れ抵抗を有する２つの異なった接続ライン間を切り替えることができる。切替バルブは、切替要素が入ったバルブハウジングを有する。切替要素は、例えば、移動可能なピストン又はスライドとして形成されている。切替要素は、第１の位置又は第２の位置に移動することによって、液圧システム内の流れ断面又は流速を変化させる、ならびに／あるいは液圧ライン又は流体接続を開閉できる部品である。バルブハウジングは義肢膝継手の部品であり、バルブハウジング内で切替要素が第１の位置及び第２の位置に移動することができる。これを別個の部品として形成することができる。これに代えて、義肢膝継手の別の部品、例えば継手下部又は継手上部がバルブハウジングをなすこともできる。このために、例えばそれぞれの部品に空洞又は孔が存在し、その中で切替要素が動く。

この切替要素は、バルブハウジングに対して第１の位置と第２の位置に移ることができる。バルブが第１の位置にあるとき、これは、例えば第１の接続ラインを開く第１の状態にある。好ましい一実施形態では、この接続ラインは高い流れ抵抗を有し、それにより義肢膝継手の運動が大きく減衰される。それによって、継手下部に対する継手上部の運動は、ただゆっくりと、荷重を担いながら可能であり、これは、例えば歩行時の立脚相で、着座時に、ならびに階段又は斜面下り時には有利である。

これに対して、切替要素がバルブハウジングに対して第２の位置に移される場合、切替バルブは、作動液の別の通路が開いた第２の状態にある。これは、例えば第２の接続ラインであり得る。バルブがこの状態にあるとき、膝継手の運動の減衰は小さいほうが好ましく、これは、例えば、
第２の接続ラインが第１の接続ラインよりも低い流れ抵抗を有することにより達成することができる。例えば、歩行の遊脚相では膝が荷重を担わず、この場合、高い減衰は非生理学的であろうから、この相では第２の状態が有利である。

属性的に対応する義肢膝継手の切替要素は、バルブハウジングの内部空間を第１のチャンバと第２のチャンバに分割する。切替要素は、バルブハウジング内に完全に入っていることが好ましく、それぞれの液圧流体によって完全に取り囲まれることがさらに好ましい。

切替要素を第１の位置から第２の位置に動かし、このようにして切替バルブを切り替えることができるようにするために、殊に、切替要素に力をかけることが可能な作動機構が存在する。切替要素は、例えばばね、特につる巻きばねの形態の少なくとも１つの付勢要素によって付勢されている。付勢は、殊に、より高い減衰を引き起こす切替要素の第１の位置の方向に向けられる。

バルブハウジングに対する切替要素の第１の位置は、多くのパラメータに依存し得る。場合によっては、この第１の位置は、いくつかのパラメータしか挙げないが、とりわけ付勢の大きさ、液圧システムにおける液圧、システムを通る、特に作動液がとり得る一方のチャンバから他方のチャンバへの可能な流路、義肢、特に義肢膝の一般的な寸法設定、義肢膝のタイプに依存する。しかしながら、バルブハウジングに対する切替要素の第１の位置の正確な決定は、これによって第１の位置から第２の位置に到達するために切替要素が移動しなければならない必要な移動距離が決まるため、非常に重要である。したがって、これは、切替バルブが応答する迅速さと、例えば歩行周期において、切替要素が第１の位置にある第１の状態から第２の状態に切替バルブが切り替えられるタイミングとをさらに決定する。しかし残念ながら、付勢要素は、バルブ内、したがって、大抵の場合、液圧システム内、そして多くの場合、作動液内にあり、アクセスが困難であるか、又は全くできない。その他のパラメータは、多くの場合、膝継手を組み付けて初めて得られ、事前に決定することはできないか、又は非常に困難である。したがって、バルブハウジングに対する切替要素の第１の位置の調整は、ほとんど不可能であるか、又は多大な労力のもとで可能である。

義肢膝継手、ばね要素をさらに有し、ばね要素は同様に切替要素に力、すなわち反力を加えるように設定されている。これは、例えばばね要素が切替要素と機械的に接触することによって直接、あるいはばね要素が中間部品に力を伝達し、そこからその力が切替要素に直接又は間接的に伝達されることによって間接的に行うことができる。ばね要素に対して、反力を増幅させるさらなる力が外部から加えられない場合、付勢が反力より大きくなり、切替要素は第１の位置にある。この位置では、液圧システム、特に切替バルブを通る作動液の流れに対抗する流れ抵は、切替要素が第２の位置にあるときより大きい。このようにして、バルブの標準設定は、継手下部に対する継手上部の旋回に対抗する高い抵抗を提供する。

反力を増幅させる外力がばね要素に加えられた場合、この外力が付勢に打ち勝ち、切替要素を第１の位置から第２の位置に移動させることができる。後の時点で外力が弱まるか完全に消失すると、反力も減少し、それにより反力は再び付勢より小さくなる。その場合、付勢が切替要素を再び第１の位置に移動させる。これは、付勢と反力との合力が大きくなるほど迅速に行われる。

したがって、本発明は、膝継手を制御するのに適した第１の位置に容易に達することができるように義肢膝継手を改良するという課題にもとづいている。

独国特許出願公開第１０２０１８１１１４４１号明細書 独国特許出願公表第６９３１２７７１Ｔ１号明細書

本発明は、請求項１において、バルブハウジング及び／又は切替要素内で第１のチャンバと第２のチャンバとの間に少なくとも１つの流体接続が配置されることを特徴とすることで、義肢膝継手の課題を解決する。その場合、例えば、付勢要素の付勢に抗するばね要素に外部から力が加えられると、ばね要素は、殊に締め付けられ、特に好ましくは圧縮され、それにより位置エネルギーを蓄積する。それによって、ばね要素が切替要素に力を加える。これは、例えばばね要素の一端が切替要素に当接することにより直接、あるいはばね要素がその力をまず義肢膝継手の１つ又は複数の他の部品に伝達し、これらが力を切替要素に直接又は間接的に伝えることにより間接的に行うことができる。

切替要素がこの力を回避すべき場合、切替要素を付勢要素の付勢に逆らって移動させなければならない。それによって、バルブハウジング内の２つのチャンバのうちの１つが縮小され、もう１つのチャンバが拡大される。すなわち、作動液の少なくとも一部は縮小するチャンバから出て行かなければならない。同時に、作動液は、拡大するチャンバに流れ込まなければならない。このために、第１のチャンバと第２のチャンバとの間に少なくとも１つの流体接続が存在し、これは本発明によればバルブハウジング内にある。その場合、少なくとも１つの流体接続の断面は、縮小するチャンバから少なくとも１つの流体接続を通って拡大するチャンバに流れる液圧流体の量を決定する。バイパスと呼ぶこともできる流体接続がバルブハウジング内に配置されることによって、通常、義肢膝継手にぎりぎりの寸法の設置スペースを追加する必要がなくなる。いくつか、例えば少なくとも３つの流体接続が存在することが好ましい。これらの流体接続は同一に形成することができる。これらは、例えば同じ長さ及び／又は同じ断面、例えば円形又は多角形、ならびに／あるいは同じ断面積、好ましくは１ｍｍ^２未満、特に好ましくは０．５ｍｍ^２未満、特に好ましくは０．３８５ｍｍ^２を有する。これらが同じ流れ抵抗を生成することが好ましい。このために同一の長さ、同一の断面、又は同一の断面積は必要ではないが、有利である。流体接続を様々に形成することもでき、例えば同一の流れ抵抗を生成しないことも可能である。

バルブが切り替えられるべき場合、そのために切替要素に力を加え、切替要素を第１の位置から第２の位置に、又はその逆に移さなければならない。本発明によれば、切替要素によって、バルブハウジングの内部空間が液圧流体で満たされた２つのチャンバに分割されることにより、バルブハウジング内の切替要素の運動が減衰される。したがって切替要素を動かすために、流体を一方のチャンバから他方のチャンバに導く必要がある。これは、バルブの切替状態、すなわち切替要素の位置とは無関係であり、流体接続によってのみ可能であり、それによりこの接続の断面は、外部から作用する力の衝撃（Ｋｒａｆｔｓｔｏｓｓ）に対して切替要素がどれだけ迅速に反応できるのかを決定する。

この反応を減衰させることによって、通常、バルブの切替状態の転換をもたらすべきでない短い力の衝撃が、このときにバルブハウジング内の２つのチャンバ間で十分な量の流体を移送してバルブを切り替えるのに十分長く続かないということが可能である。

好ましい一実施形態では、複数の流体接続は、切替要素の異なった位置で有効になるように形成されている。このために、切替要素と接触するバルブハウジングの内壁に、殊に複数の凹部、例えば溝、筋目、又は刻み目が設けられる。これらの凹部は、殊に異なった長さである。これは、一方で、そのような凹部が第１の位置から第２の位置に動く切替要素によって閉じられるという結果をもたらすことができる。他方で、動く切替要素によってこのような流体接続を開くこともできる。

バルブハウジングの内壁の凹部が第１のチャンバと第２のチャンバとの間に流体接続を形成できるようにするために、凹部の一端は、第１のチャンバを画定する内壁の領域に、他端は、第２のチャンバを画定する内壁の領域に位置しなければならない。切替要素が第１の位置から第２の位置に、又はその逆に移動すると、一方のチャンバが拡大し、他方のチャンバが縮小する。それによって、第１のチャンバと第２のチャンバを画定する内壁の割合も変化する。

殊に、少なくとも１つの流体接続は切替要素通って延びる。少なくとも１つの流体接続は、切替要素の移動方向に対して垂直な切替要素の面に設けられた孔であることが特に好ましい。殊に、複数の同一に、又は様々に形成された流体接続が存在する。代替的又は補足的に、凹部が切替バルブの外面に設けられることが好ましい。

これに代えて、又は加えて、少なくとも１つの流体接続がバルブハウジングを通って延びる。このような流体接続が、バルブハウジングの内部空間を画定するバルブハウジングの壁に凹部、溝、又はチャネルとして設けられることが特に好ましい。この実施形態でも、流体接続の断面は、ばね要素によって加えられる力により縮小するチャンバから拡大するチャンバに押し込まれる流体の量を決定する。

これに代えて、又は加えて、少なくとも１つの流体接続はバルブハウジングと切替要素との間に延びる。

存在する流体接続の形態及び／又は数に関係なく、利用可能なすべての流体接続の断面全体が小さいほど、少なくとも１つの流体接続の流れ抵抗による切替要素の運動に対抗する抵抗が大きくなる。

切替要素が第１の位置にある場合、液圧システムは、継手上部に対する継手下部の運動に対して大きな抵抗を与える。この状態で、運動は大きく減衰される。切替バルブが第２の状態にあるとき、切替要素は第２の位置にあり、継手上部に対する継手下部の運動がわずかに減衰される。このために、義肢膝継手は、付勢とは逆向きの反力を切替要素に加える少なくとも１つのばね要素を有する。

少なくとも１つの流体接続、好ましくはすべての流体接続の断面が変化可能でない、及び／又はそれぞれの流体接続、好ましくはすべての流体接続が閉鎖可能でないことが好ましい。

少なくとも１つのばね要素は、少なくとも所定期間の間、少なくとも１つのばね要素に力を加えることにより、切替要素が第１の位置から第２の位置に移ることができるように配置されていることが好ましい。所定期間よりも短い期間の間、ばね要素に力を加えることにより、切替要素が第１の位置から第２の位置に移れないことが特に好ましい。この形態によって、所定期間よりも短い短期間の力の衝撃は、切替要素が第１の位置から第２の位置に移ることをもたらさないことが達成される。このような力の衝撃は、例えば、義肢膝継手の装着者がつまずいたり、物体にぶつかったりした場合に発生し得る。これは通常、遊脚相、すなわち義肢膝継手によって装着者の体に接続されている足が接地していない場合に起きる。少なくとも１つのばね要素が力の衝撃によって圧縮され、このようにしてエネルギーが蓄積される。力の衝撃は、例えば、少なくとも１つのばね要素が配置されたカートリッジのばねピンに加えられる。このようにして蓄えられたエネルギーは、力が加えられなくなると直ちに放出され、ばねピンが元の位置に戻る。この場合、少なくとも１つのばね要素に機械的エネルギーが蓄積される時間は、切替要素を第２の位置に達するのに十分な程度移動させるためには短すぎる。これは切替要素が動かされないという意味ではないことを言及しておきたい。運動は必ず行うことができるが、それは第２の位置への到達につながらない。

殊に、切替要素を第１の位置から第２の位置に移すために、少なくとも１つのばね要素に力を加えなければならない。切替要素を動かす他の可能性が存在しないことが好ましい。

特に、ばねスリーブなどの部品が、例えばばねハウスカバーやばねハウジングなどの別の部品に衝突した場合に生じ得る騒音を低減するために、このようにして互いに接触し得るそれぞれ２つの部品間に、殊にプラスチック、特に熱可塑性プラスチックから製造されたそれぞれ少なくとも１つのブッシュが配置される。例えば、多くの場合ＰＯＭと略されるポリオキシメチレンのグループが適している。

義肢膝継手は、本明細書に記載される方法の１つに従い製造可能であるか、又はそれに従って製造されることが特に好ましい。特に、少なくとも１つのばね要素によって加えられる反力が調整されることが好ましい。

添付の図を用いて、以下に本発明の実施例を詳しく説明する。

本発明の一実施例による義肢膝継手の模式的断面図である。 図１からの部分拡大図である。 切替バルブの切替要素の図である。 義肢膝継手のばねカートリッジの図である。 切替要素がある位置にある、図１による断面の部分拡大図である。 切替要素が別の位置にある、図１による断面の部分拡大図である。 切替要素が別の位置にある、図１による断面の部分拡大図である。 流体接続の配置を示す模式図である。 流体接続の別の配置を示す模式図である。 流体接続別の配置を示す模式図である。 別のばねカートリッジの模式図である。

図１は、継手下部２と、継手上部４と、切替バルブ６がある液圧システムとを有する義肢膝継手の模式的断面図を示す。液圧システムは、流体技術的に互いに接続する屈曲チャンバ８と伸展チャンバ１０を含む。膝が伸展する、すなわち伸びると、液圧流体が伸展チャンバ１０から屈曲チャンバ８に流れる。これに対して、膝が屈曲する、すなわち曲がると、液圧流体は屈曲チャンバ８から伸展チャンバ１０に流れる。両方のチャンバ８、１０は、図示される実施例では旋回ピストンとして形成されたピストン１２によって互いに分離されている。ピストン１２が動くと、２つのチャンバ８、１０のうちの一方が拡大し、２つのチャンバ１０、８うちの他方が縮小する。

液圧流体は、伸展チャンバ１０から屈曲チャンバ８への、及び／又はその逆の途中で、切替バルブ６も通る。切替バルブ６は、第１の位置と第２の位置に移ることができる切替要素１４を有する。

図２は、図１の部分拡大図であり、切替バルブ６がより詳細に示されている。図示される実施例では、切替要素１４は完全に液圧流体中にあり、バルブハウジング１６内で移動可能に取り付けられている。このために、ばね要素２０を圧縮する外側部品１８に力及び／又はトルクが加えられる。ばね要素は、後から詳しく言及するばねカートリッジに入っている。このばねカートリッジは、予め圧縮されたばね要素２０によって加えられる力により動かされるばねピン２２を有する。ばねピン２２は、偏向軸２６を中心に旋回可能に配置された偏向レバー２４にこの力を伝える。偏向レバー２４のアーム２８がバルブピン３０に当接し、これがアーム２８によって押し上げられ、それにより切替要素１４が動かされる。それによって、切替要素１４が第１の位置から第２の位置に移動される。

切替要素１４は、付勢要素３２により付勢される。図示される実施例では、付勢要素３２は圧縮ばねとして形成され、切替要素１４を下方に押す。すなわち、付勢要素３２の付勢は、とりわけばねピン２２によって加えられる力に抗する。２つの力のうちのどちらのほうが大きいかに応じて、切替要素１４は第１又は第２の位置に動く。

図３は、切替要素１４の断面図を示す。組み付けられた状態で、その下面３４にバルブピン３０が当接する。図示される実施例では、切替要素１４は、向かい側の端に凹部３６を有し、組み付けられた状態で、この凹部において付勢要素３２が当接する。切替要素１４の上にある容積を切替要素１４の下にある容積と流体技術的に接続する流体接続３８が切替要素１４を通って延びる。切替要素１４がバルブハウジング１６内で移動されるべき場合、液圧流体はこの流体接続３８を通る。

図４は、ばね要素２０が入ったばねカートリッジを示す。図示される実施例では、このばね要素２０も圧縮ばねとして形成されている。これは、ばねハウジング４０に対して移動可能なばねスリーブ４２が入ったばねハウジング４０に入っている。ばねスリーブ４２にはばねピン２２が設けられている。ばねスリーブ４２は、ばねハウジング４０に対して移動可能に配置され、ばねハウジングは、ばねハウスカバー４６を有し、このばねハウスカバーの開口を通ってばねピン２２が突出する。

図５は、ばねピン２２が左に動かされたばねカートリッジの図を示す。ばねピン２２は基本状態にあり、ばね２０は圧縮されていない。それによって、偏向レバー２４が偏向軸２６を中心に旋回し、それによりアーム２８がバルブピン３０、そしてそれに伴い切替要素１４を上方に移動させる。それによって、切替要素１４が開口４４を開き、それにより２つのチャンバ８、１０の間の液圧流体に対抗する流れ抵抗が低減される。

図６において、ばね要素２０は弛緩し、力を加えないか又はわずかしか加えない。付勢要素３２によって加えられる力のほうが大きいので、切替要素１４は下方に押される。これによって、開口４４が閉じられ、液圧流体がこの開口４４を通ることが阻止される。

図７は、図５及び図６の配置を示し、ばね要素２０が圧縮されている。これは、例えば、外側からばね要素２０及び／又はばねハウジング４０作用する力によって行われる。ばねハウジング４０は、図６の図と比較して左に移動し、それによりばねピン２２は、ばねハウジングからそれほど突出しなくなっている。その場合、図７の図示でのばねピン２２は、図６の図と比較して、義肢膝継手の他の部品に対して移動されなかったことに留意されたい。特に、偏向レバー２４も旋回されなかったため、切替要素１４も動かされなかった。したがって、ばね要素２０に影響を及ぼす力は、非常に短い期間だけ作用する。力が短時間しか作用せず、その直後に再び急激に低下するか、又は消失すると、切替要素１４が移動されることなく、ばね要素２０が再び弛緩する。したがって、短い力の衝撃が受け止められ、バルブが開くことはない。

図８から図１０は、流体接続３８を配置する様々な可能性を示す。それぞれ、切替要素１４が中で移動可能に設けられたバルブハウジング１６が示される。図８において、バルブハウジング１６と切替要素１４との間に環状の流体接続３８がある。図９は、バルブハウジング１６を通って延びる流体接続３８を示し、図１０は、切替要素１４を通って延びる流体接続を示す。

図１１は、ばねハウスカバー４６と、ばねピン２２が配置されたばねスリーブ４２とを備えたばねカートリッジの別の実施形態を示す。ばね２０は模式的に示されるにすぎない。殊にプラスチック、例えば熱可塑性プラスチックからなるか、又は製造されたブッシュ４８が４６のばねハウスとばねスリーブ４２との間に配置される。ばねスリーブ４２の下端とばねハウジング４０との間にもそのようなブッシュ４８がある。２つのブッシュ４８は、特に騒音を低減するために用いられる。

２ 継手下部
４ 継手上部
６ 切替バルブ
８ 屈曲チャンバ
１０ 伸展チャンバ
１２ ピストン
１４ 切替要素
１６ バルブハウジング
１８ 外側部品
２０ ばね要素
２２ ばねピン
２４ 偏向レバー
２６ 偏向軸
２８ アーム
３０ バルブピン
３２ 付勢要素
３４ 下面
３６ 凹部
３８ 流体接続
４０ ばねハウジング
４２ ばねスリーブ
４４ 開口
４６ ばねハウスカバー
４８ ブッシュ

Claims (7)

1. 継手下部と、継手上部と、少なくとも１つの切替バルブを有する液圧システムとを備える義肢膝継手であって、
   －前記液圧システムが、伸展チャンバと屈曲チャンバと少なくとも１つのピストンを有し、前記ピストンの運動によって前記伸展チャンバ及び／又は前記屈曲チャンバの容積が変化可能であり、
   －前記切替バルブが、バルブハウジングと、その中で移動可能に取り付けられた切替要素を有し、前記切替要素が前記バルブハウジング内で第１の位置と第２の位置に移ることができ、かつ前記バルブハウジングの内部空間を第１のチャンバと第２のチャンバに分割し、
   －前記切替要素が、前記切替バルブに配置された少なくとも１つの付勢要素によって付勢され、
   －前記義肢膝継手が、付勢とは逆向きの反力を前記切替要素に加える少なくとも１つのばね要素を有する、義肢膝継手において、
   前記バルブハウジング及び／又は前記切替要素内で、前記第１のチャンバと前記第２のチャンバとの間に少なくとも１つの流体接続が配置されることを特徴とする、義肢膝継手。
2. 少なくとも１つの流体接続が前記切替要素を通って延びることを特徴とする、請求項１に記載の義肢膝継手。
3. 少なくとも１つの流体接続が前記バルブハウジングを通って延びることを特徴とする、請求項１又は請求項２に記載の義肢膝継手。
4. 前記少なくとも１つの流体接続が前記バルブハウジングと前記切替要素との間に延びることを特徴とする、請求項１－３のいずれか１項に記載の義肢膝継手。
5. 前記少なくとも１つの流体接続の断面は可変でなく、及び／又は前記流体接続は閉鎖可能でないことを特徴とする、請求項１－４のいずれか１項に記載の義肢膝継手。
6. 前記少なくとも１つのばね要素は、少なくとも所定期間の間、前記ばね要素に力が加えられることにより、前記切替要素が前記第１の位置から前記第２の位置へ移ることができるように配置されていることを特徴とする、請求項１－５のいずれか１項に記載の義肢膝継手。
7. 前記所定期間より短い間、前記ばね要素に力が加えられることにより、前記切替要素は前記第１の位置から前記第２の位置へ移ることができないことを特徴とする、請求項１－６のいずれか１項に記載の義肢膝継手。

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