JP2023546787A - 変形可能層及び圧電層を含むmemsアプリケーション用の複合構造体、並びに関連付けられた製造方法 - Google Patents

変形可能層及び圧電層を含むmemsアプリケーション用の複合構造体、並びに関連付けられた製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、複合構造体(100)であって、少なくとも1つのキャビティ(31)を含むレシーバ基板(3)であり、少なくとも1つのキャビティ(31)が、前記基板内に画定され、固体材料を含まない又は犠牲固体材料で充填されている、レシーバ基板(3)と、レシーバ基板(3)上に配置された単結晶半導体層(1)であり、構造体の全範囲にわたって自由表面を有し、0.1ミクロン~100ミクロンに含まれる厚さを有する、単結晶半導体層(1)と、単結晶半導体層(1)にしっかりと固定された、単結晶半導体層(1)とレシーバ基板(3)との間に配置された圧電層(2)と、を含む、複合構造体(100)に関する。本発明は、キャビティ(31)の上方の可動膜(50)に基づいた、複合構造体(100)から形成されるデバイスにも関する。最後に、本発明は、前述の複合構造体を製造するための方法に関する。【選択図】 図1a

Description

本発明は、マイクロエレクトロニクス及びマイクロシステムの分野に関する。本発明は、詳細には、圧電層と、少なくとも1つのキャビティの上方で変形することができる弾性特性を有する単結晶半導体層とを含む複合構造体に関する。本発明は、複合構造体を製造する方法にも関する。
微小電気機械システム(MEMS)及びアクチュエータの分野では、基板及び構成要素は、変形可能層上に配置された薄い圧電層を含むことが一般的であり、変形可能層は、キャビティの上方の可動膜の形態で、移動又は変形することを可能にする弾性特性を有する。膜という用語は、本明細書では広い意味で用いられ、密封膜若しくは開孔膜、梁(beam)、又は湾曲及び/若しくは変形することができる任意の他の形態の膜を包含することに留意されたい。変形可能層は、膜に機械的強度を提供し、一方、圧電層は、膜の変形を誘発又は検出する。この概念は、音響波フィルタの分野にも及ぶ。
薄膜圧電体、特にPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)は、多くの場合、攻撃的な外部環境に敏感であり、したがって、長時間外部環境にさらされると劣化しやすい。これは、例えば、マイクロフォン、ラウドスピーカ、若しくは圧電マイクロマシン超音波トランスデューサ(pMUT)などのセンサ又はアクチュエータの場合であってもよい。したがって、性能に影響を及ぼすことなく圧電層を外部環境から隔離するために、製造プロセスにおいて、圧電層上に保護膜を堆積させる追加のステップを提供することが必要である。
さらに、PZTからなる圧電層の例を再度考えてみると、堆積させるのが容易なこの材料は、良好な品質レベルを達成すべき場合、約700℃の温度での再結晶化ステップを必要とする。特定の用途では、圧電層を堆積させなければならない変形可能層を含む基板は、例えば、基板がガラス若しくはプラスチックのキャリアを含む場合、又は基板がトランジスタなどの構成要素を含む場合でさえ、そのような温度に適合しないことが判明することがある。
本発明は、従来技術の解決策に対する代替の解決策に関し、前述の欠点の全て又は一部を改善することを目的とする。本発明は、特に、圧電層と、少なくとも1つのキャビティの上方で変形することができる弾性特性を有する単結晶半導体層とを含む複合構造体に関する。本発明は、複合構造体を製造する方法にも関する。
本発明は、
少なくとも1つのキャビティを含むレシーバ基板であって、少なくとも1つのキャビティが、前記基板内に画定され、固体材料を含まない又は犠牲固体材料で充填されている、レシーバ基板と、
レシーバ基板上に配置された単結晶半導体層であって、構造体の全範囲にわたって自由表面を有し、0.1ミクロン~100ミクロンに含まれる厚さを有する、単結晶半導体層と、
単結晶半導体層にしっかりと固定された、単結晶半導体層とレシーバ基板との間に配置された圧電層と、
を含む、複合構造体に関する。
本発明による複合構造体では、単結晶半導体層の少なくとも1つのセグメントは、キャビティが固体材料を含まない場合に、又は犠牲固体材料が除去された後に、キャビティの上方に可動膜を形成することが意図されており、圧電層は、前記膜の変形を誘発又は検出することが意図されている。
本発明の他の有利で非限定的な特徴によると、これらの特徴は、単独で、又は任意の技術的に実現可能な組合せで実施することができる。
・前記圧電層は、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、ニオブ酸カリウム-ナトリウム(KxNa1-xNbO3又はKNN)、チタン酸バリウム(BaTiO3)、石英、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、ニオブ酸鉛-マグネシウムとチタン酸鉛との化合物(PMN-PT)、酸化亜鉛(ZnO)、窒化アルミニウム(AlN)、及び窒化アルミニウム-スカンジウム(AlScN)から選択される材料を含み、
・圧電層は、10ミクロン未満、好ましくは5ミクロン未満の厚さを有し、
・単結晶半導体層は、シリコン又は炭化シリコンからなり、
・圧電層は、レシーバ基板の少なくとも1つのキャビティにもっぱら面するように配置され、
・圧電層は、レシーバ基板の少なくとも1つのキャビティに面するように配置され、少なくとも1つのキャビティ以外でレシーバ基板にしっかりと固定されている。
本発明は、キャビティの上方の可動膜に基づくデバイスにも関し、前記デバイスは、前述の複合構造体から形成され、圧電層と接触する少なくとも2つの電極を備えており、
キャビティが固体材料を含まず、
単結晶半導体層の少なくとも1つのセグメントがキャビティの上方に可動膜を形成する。
最後に、本発明は、複合構造体を製造するための方法に関し、本方法は、以下のステップ、すなわち、
a)単結晶半導体層を含むドナー基板を用意するステップであって、単結晶半導体層がドナー基板の前面と前記ドナー基板内の埋め込み脆弱面との間に範囲が定められ、0.1ミクロン~100ミクロンに含まれる厚さを有する、ステップと、
b)少なくとも1つのキャビティを含むレシーバ基板を用意するステップであって、少なくとも1つのキャビティが、前記基板内に画定され、前記レシーバ基板の前面上に開口し、キャビティが固体材料を含まない又は犠牲固体材料で充填されている、ステップと、
c)圧電層がドナー基板の前面及び/又はレシーバ基板の前面に配置されるように圧電層を形成するステップと、
d)ドナー基板とレシーバ基板をこれらのそれぞれの前面を介して接合するステップと、
e)埋め込み脆弱面に沿って、ドナー基板の残りの部分から単結晶半導体層を劈開して、単結晶半導体層、圧電層、及びレシーバ基板を含む複合構造体を形成するステップと、
を含む。
本発明の他の有利で非限定的な特徴によると、これらの特徴は、単独で、又は任意の技術的に実現可能な組合せで実施することができる。
・埋め込み脆弱面は、軽い核種をドナー基板に注入することによって形成され、前記埋め込み脆弱面に沿った劈開は、熱処理を介して及び/又は機械的応力の印加を介して得られ、
・埋め込み脆弱面は、0.7J/m未満の結合エネルギーを有する界面によって形成され、
・製造方法は、ステップc)の前及び/又は後に金属電極を形成して、前記電極が圧電層と接触するようにするステップを含み、
・ステップc)は、接合するステップであるステップd)の終了時に圧電層が少なくとも1つのキャビティにもっぱら面したままとなるように、圧電層がドナー基板の前面に形成されるときに、前記圧電層の局所エッチングを含む。
本発明の他の特徴及び利点は、添付の図面を参照して与えられる本発明の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
本発明による複合構造体を示す図である。 本発明による複合構造体を示す図である。 本発明による複合構造体を示す図である。 本キャビティの上方の可動膜に基づくデバイスを示す図であり、前記デバイスは、本発明による複合構造体から形成されている。 本発明による複合構造体の製造方法のステップを示す図である。 本発明による複合構造体の製造方法のステップを示す図である。 本発明による複合構造体の製造方法のステップを示す図である。 本発明による複合構造体の製造方法のステップを示す図である。 本発明による複合構造体の製造方法のステップを示す図である。 本発明による複合構造体の製造方法のステップを示す図である。 本発明による製造方法の実施態様の第1の変形例によるドナー基板を示す図である。 本発明による製造方法の実施態様の第1の変形例によるドナー基板を示す図である。 本発明による製造方法の実施態様の第2の変形例によるドナー基板を示す図である。 本発明による製造方法の実施態様の第2の変形例によるドナー基板を示す図である。 本発明による複合構造体の製造方法のステップを示す図である。 図では、同じタイプの要素に対して同じ参照符号が使用されることがある。図は、概略的な表現であり、読みやすさのために縮尺通りではない。特に、z軸に沿った層の厚さは、x軸及びy軸に沿った横方向の寸法に対して縮尺通りではなく、互いに対する層の相対的な厚さは、必ずしも図において考慮されていない。
本発明による複合構造体100は、固体材料を含まない又は犠牲固体材料で充填された少なくとも1つのキャビティ31を含むレシーバ基板3を含む(図1a及び図1b)。レシーバ基板3は、有利には、100mmよりも大きい、例えば150mm、200mm、又は300mmの直径を有するウエハの形態をとる。その厚さは、典型的には200~900ミクロンに含まれる。レシーバ基板は、その機能が本質的に機械的である場合は、好ましくは、低コスト材料(シリコン、ガラス、プラスチック)で構成され、又はより複雑な集積デバイスが複合構造体100上に形成されることが意図されている場合は、機能化された基板(例えば、トランジスタなどの構成要素を含む)から形成される。
複合構造体100は、圧電層2上に配置された単結晶半導体層1も含む。この層1は、非常に制御された方法でキャビティの上方で変形することを可能にする機械的特性を有する。層1の単結晶特性は、例えば、機械的特性が堆積条件(結晶粒のサイズ及び形状、粒界の性質、応力など)に大きく依存する多結晶材料の場合とは対照的に、その特性の安定性及び再現性を保証する。したがって、単結晶材料の場合、層1の機械的特性は、弾性率(ヤング率)又はポアソン比などのいくつかの基本的なパラメータを知るだけで、直接的な方法で制御、シミュレート、及び予測することができる。この半導体層1は、説明の残りの部分では、等価的に、単結晶層1又は弾性層1と呼ばれる。
限定されることなく、この半導体層は、シリコン又は炭化シリコンから形成されるのが好ましい。この半導体層は、有利には、0.1ミクロン~100ミクロンに含まれる厚さを有する。
複合構造体100は、単結晶半導体層1にしっかりと固定された、単結晶半導体層1とレシーバ基板3との間に配置された圧電層2も含む。
図1aに示す第1の変形例によると、圧電層2は、その側面の一方を介して単結晶半導体層1と接触(直接接触、又は間接接触、すなわち別の層を介して接触)し、その他方の側面を介してレシーバ基板3と(直接又は間接)接触する。レシーバ基板3が半導電性又は導電性である場合、基板3と圧電層2との間に中間絶縁層43を設けることができる(図1b)。レシーバ基板3が絶縁性である場合、この絶縁層43は、電気的な理由では必要ではないが、層間の接着性及び/又は圧電層2の構造品質を改善するために有用である可能性がある。
図1cに示す第2の変形例によると、圧電層2は、その側面の一方を介して単結晶半導体層1と局所的に接触(直接接触、又は間接接触、すなわち別の層を介して接触)し、その他方の側面は、レシーバ基板3の(少なくとも1つの)キャビティ31に面するように配置される。
上述した変形例のいずれにおいても、弾性層1と圧電層2との間に中間絶縁層41を設けることができる(図1b)。
中間絶縁層41、43は、典型的には、酸化シリコン(SiO2)又は窒化シリコン(SiN)で構成されている。
圧電層2は、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、ニオブ酸カリウム-ナトリウム(KNa1-xNbO又はKNN)、チタン酸バリウム(BaTiO3)、石英、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、求められる特性に応じた様々な割合(例えば70/30又は90/10))のニオブ酸鉛-マグネシウムとチタン酸鉛の化合物(PMN-PT)、酸化亜鉛(ZnO)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化アルミニウム-スカンジウム(AlScN)などから選択される材料を含むことができる。圧電層2の厚さは、典型的には、0.5ミクロン~10ミクロン、好ましくは1ミクロン~5ミクロンで変化し得る。
複合構造体100では、圧電層2は、弾性層1によって保護されている。したがって、場合によっては、圧電層2を外部環境から保護するための、及び/又は圧電層2を閉じ込めるための追加の保護層を省くことが可能である(鉛ベースの圧電体は、特定の用途に適合するように埋め込まれなければならない)。或いは、保護層が設けられるが、この保護層は、標準的な従来技術の層に対して簡略化することができる。さらに別の選択肢によると、標準的な保護層を保持することが望ましい場合があるが、その有効性が、本発明によって既に提供された保護のために高まる。
複合構造体1は、単結晶層1の少なくとも1つのセグメントを含み、レシーバ基板3内に生成されたキャビティ31の上に張り出す膜50を提供する。前置きで述べたように、圧電層2は、キャビティ31の上方の前記膜50の変形を誘発又は検出するために設けられている。
したがって、キャビティ31の上方の可動膜50に基づくデバイス150は、上述の複合構造体100(図2)から形成することができる。デバイス150は、圧電層2と接触する少なくとも2つの電極21、22を備え、これらの電極は、膜50の変形に関連付けられた電気信号を送信及び/又は収集することが意図されている。電極21、22は、特に、白金、アルミニウム、チタン又はモリブデンから形成されてもよい。図2の例では、電極21、22は、弾性層1に面する圧電層2の側に配置されている。或いは、これらの電極は、(レシーバ基板3に面する)他方の側に、又は圧電層2の両側にそれぞれ配置されてもよい。これらの電極が圧電層2の同じ側に配置される場合、電極21、22は、有利には、互いに噛み合った櫛(interdigitated combs)の形態をとる。全ての場合において、電極21、22を単結晶層1及び/又はレシーバ基板3から絶縁するために、1つ(又は2つ以上)の絶縁層(複数可)41、43が中間位置に設けられる。
デバイス150では、(少なくとも1つの)キャビティ31は、膜50の変形を可能にするように、固体材料を含まない。したがって、1つの求められている用途では、キャビティ31は、開閉可能であってもよく、その閉鎖は、不浸透性シールに達することができる。閉鎖の場合、制御された雰囲気を前記キャビティ31内に閉じ込めることができる。制御された雰囲気は、比較的高い真空(例えば、10-2mbar~大気圧)、及び/又は特定のガス混合物(例えば、中性雰囲気、窒素若しくはアルゴン、又は周囲空気)に対応することができる。
開放キャビティの場合、キャビティは、多くの方法で開くことができる。キャビティは、レシーバ基板3を通して、裏面から開くことができる。キャビティは、レシーバ基板3内に生成された横方向チャネルを介して開くことも可能である。キャビティは、膜50を貫通して形成された1つ又は複数の貫通口を介して開くこともできる。埋め込まれた可撓性ビームは、一般に開放キャビティタイプの複合構造体に関連付けられた設計の一例である。
弾性層1の少なくとも1つのセグメントは、キャビティ31の上方に可動膜50を形成する。さらに、機能素子51は、圧電層2の電極及び/又は膜と全体的に相互作用するように、弾性層1の上又は中に生成されてもよい。任意選択で、機能素子51は、トランジスタ、ダイオード、又は他の超小型電子部品を含むことができる。
圧電層2は、弾性層1の下に埋め込まれているため、前記層1を貫通して、存在する場合には中間絶縁層41を貫通して延在する導電性ビア52を形成することが望ましい場合があり、これにより、電極21、22に複合構造体100の前面から電気的に接続することが可能になる。或いは、電気的接続は、レシーバ基板3及び中間絶縁層43(存在する場合)の全て又は一部を貫通する導電性ビアによって、複合構造体の裏面から達成されてもよい。
本発明は、前述の複合構造体100を製造するための方法にも関する。本方法は、最初に、前面10a及び裏面10bを有するドナー基板10を用意することを含む。ドナー基板10は、有利には、100mmよりも大きい、例えば150mm、200mm、又は300mmの直径を有するウエハの形態をとる。その厚さは、典型的には200~900ミクロンに含まれる。
ドナー基板10は、単結晶半導体層1を含み、その前面10aと、前記ドナー基板10内に形成された埋め込み脆弱面11との間に範囲が定められている(図3a)。
第1の実施形態によると、埋め込み脆弱面11は、薄い単結晶層を転写するのに特に適したSmart Cut(商標)法の原理に従って、軽い核種をドナー基板10に注入することによって形成される(図4a)。ドナー基板10は、単結晶層1に対して目標とされる弾性特性を有するブランク単結晶基板であってもよい。ドナー基板は、例えば、単結晶シリコンウエハの問題でもあってもよい。或いは、ドナー基板は、その前面10aに、弾性層1を画定することができるドナー層12を有してもよい(図4b)。ドナー層12は、ドナー基板10に強度を提供することができる任意のキャリア13上に配置されてもよいが、当然ながら、キャリアは、本方法の残りのステップに適合しなければならない。これは、例えば、より低品質の単結晶シリコンからなるキャリアウエハ13上にエピタキシーによって生成されたシリコンで作られたドナー層12の問題であってもよい。
この第1の実施形態は、厚さが2ミクロン未満の単結晶層に特に適している。
第2の実施形態によると、埋め込み脆弱面11は、典型的には0.7J/m未満の低い結合エネルギーを有する界面によって形成され、その後のプロセスにおいて、前記界面での劈開を可能にする。ドナー基板10は、この場合、分離可能な基板であり、その2つの例が図5a及び図5bに示されている。ドナー基板は、分離可能な接合界面11を介してキャリア13に接合された表面層12から形成されている。このような界面11は、例えば、分子接着による直接接合の前に、表面層12の表面及び/又はキャリア13の表面を粗面化することによって得ることができる。接合された表面が、典型的には0.5nm~1nmRMS(20ミクロン×20ミクロンの走査でAFMによって測定される)の粗さを有するという事実は、界面11の結合エネルギーを減少させ、界面11にその分離可能な特性を提供する。
図5aの第1の例では、分離可能なドナー基板10の表面層12は、単結晶層1である。
図5bの第2の例では、表面層12は、一方では、結晶層1を形成する層12aを含み、他方では、有利には酸化シリコンからなる第1の接合層12bを含む。したがって、この第1の接合層12bの接合される表面は、粗面化されるように処理されて、将来の結晶層1がこの処理を受ける必要がないようにする。任意選択で、第2の接合層13bがキャリア13のベース13a上に配置されてもよい。この第2の接合層は、有利には、第1の接合層12bと同じ性質のものであり、表面層12が第2の接合層から劈開された後のベース13aの再利用を容易にする。記載された両方の例において、単結晶層1の全て又は一部を形成することが意図されている表面層12は、単結晶初期基板から得られ、分離可能な界面11によってキャリア13に接合され、次いで、機械的に、化学機械的に、及び/又は化学的に、数ミクロン~数十ミクロンの厚さに薄化されてもよい。表面層12の厚さがより薄い場合には、例えば、Smart Cut(商標)法を実施して、前記表面層12を、分離可能な界面11を介して初期基板からキャリア13に転写することができる。
第3の実施形態によると、埋め込み脆弱面11は、多孔質層、例えば多孔質シリコンからなる多孔質層によって、又はその後に前記層に沿って劈開することができる任意の他の脆弱化層、膜、若しくは界面によって形成することができる。
これらの実施形態のいずれにおいても、単結晶半導体層1の特徴は、この層に、用途に対して目標とされる弾性特性を付与するように選択される。結晶層1の厚さは、0.1ミクロン~100ミクロンであってもよい。その材料は、例えば、シリコン、炭化シリコンなどから選択される。
次いで、製造方法は、前面3a及び裏面3bを有するレシーバ基板3を用意することを含む(図3b)。レシーバ基板3は、有利には、100mmよりも大きい、例えば150mm、200mm、又は300mmの直径を有するウエハの形態をとる。その厚さは、典型的には200~900ミクロンに含まれる。レシーバ基板は、好ましくは、その機能が本質的に機械的である場合は、低コストの材料(シリコン、ガラス、プラスチック)から形成され、又は集積デバイスが形成されることが意図されている場合は、機能化された基板(例えば、トランジスタなどの構成要素を含む)から形成される。
全ての場合において、レシーバ基板3は、その前面3a上に開口する少なくとも1つのキャビティ31を含む。以下では1つ又は複数のキャビティ31について言及するが、レシーバ基板3は、有利には、その前面3aの全体にわたって分布する複数のキャビティ31を含む。キャビティ31は、前面3aの(x,y)平面において、数十ミクロン~数百ミクロンの寸法を有し、前面3aに垂直なz軸に沿って、約数十分の1ミクロン~数十ミクロンの高さ(又は深さ)を有することができる。
キャビティ31は、空であってもよく、すなわち固体材料を含まなくてもよく、又は複合構造体100を製造するための方法において、又は前記複合構造体100上の構成要素の製造中に、後で除去される犠牲固体材料で充填されていてもよい。
製造方法の後続のステップを容易にするために、この段階で、充填されたキャビティ31を有することがより有利である場合があることに留意されたい。キャビティ31内に配置された犠牲材料は、酸化シリコン、窒化シリコン、アモルファスシリコン、又は多結晶シリコンなどであってもよい。犠牲材料は、レシーバ基板3の性質に応じて選択される。具体的には、この材料は、複合構造体100が形成された後に除去されることが意図されており、したがって、レシーバ基板3並びに(キャビティの上方に配置される)弾性層1及び圧電層2に対して良好な選択性で化学的にエッチング可能でなければならない。
次いで、製造方法は、圧電層2を形成するステップc)を含む。この層2は、ドナー基板10の単結晶層1上及び/又はレシーバ基板3上に、直接、又は中間絶縁層41、43を介して形成される。
図3cの例では、圧電層2は、レシーバ基板3上に配置されている。或いは、圧電層は、ドナー基板10上に配置されてもよい。後者の場合、ステップc)は、層2の(x,y)平面にパターン(「パターニング」)を生成するように、圧電層2の局所エッチングを含むことができる。これにより、次のステップであるステップd)の終了時に、レシーバ基板3の1つ又は複数のキャビティに面するように配置されることが意図された圧電層2の1つ又は複数のスラブを画定することが可能になる。したがって、パターニングされた圧電層2は、弾性層1と前記レシーバ基板3との間に配置されていても、レシーバ基板3と接触しない。製造プロセスの最後に、図1cに示すような複合構造体100を得ることができる。
圧電層2は、物理的気相堆積(PVD)、パルスレーザ堆積(PLD)、ゾル-ゲル法又はエピタキシャル法などの堆積技術を使用して、堆積によって形成することができ、特に、PZT、AlN、KNN、BaTiO3、PMN-PT、ZnO、AlScNなどの堆積材料を挙げることができる。圧電層2は、代替として、ソース基板から宛先基板(ドナー基板10及び/又はレシーバ基板3)に層を転写することによって形成されてもよい。ソース基板は、特にLiNbO3、LiTaO3などで作られることがある。圧電層2は、使用される技術及び選択される材料に応じて、単結晶又は多結晶であってもよい。
圧電層2の性質に依存して、その形成は比較的高い温度を必要とする場合がある。レシーバ基板3が機能化された基板(構成要素を含むもの)に基づく場合、圧電層2は、有利には、ドナー基板10上に生成される。レシーバ基板3が圧電層2を形成する温度に適合する場合、圧電層2は、ドナー基板10及びレシーバ基板3のいずれか又は両方の上に生成することができる。
ドナー基板10は、もちろん、圧電層2が前記基板10上に形成されるときに圧電層2を形成するのに必要な温度に適合するように、前述の実施態様の中から選択される。この選択も、ドナー基板10とレシーバ基板3とが接合される前に圧電層2及び/又は弾性層1に対して実施することが望ましい任意の技術的操作を考慮して行われる。
例として、それ自体知られているように、PZTは、ゾル-ゲル法を使用して室温で堆積させることができ、典型的な厚さは数ミクロンである。良質のPZTからなる圧電層2を得るためには、約700℃の温度で結晶化アニールを行う必要がある。したがって、圧電層2がドナー基板10上に形成される場合、上述の第2の実施形態による、700℃以上の温度に適合する分離可能な基板が選択されることが好ましい。ここで、適合性とは、分離可能な基板が、前述の温度を印加した後でさえ、その分離可能な特性を保持することを意味する。
別の例によると、多結晶AlN層は、従来のカソードスパッタリング技術を使用して250℃~500℃で堆積させることができる。結晶化アニールは不要である。上述した3つの実施形態のドナー基板10は、機能化されている場合であっても、ほとんどのレシーバ基板3と同様に、このような堆積に適合する。
本発明による製造方法は、有利には、圧電層2の堆積の前及び/又は後に、圧電層2と接触する金属電極21、22を形成するステップを含む。電極21、22は、圧電層2の片側に形成され、有利には、互いに噛み合った櫛の形態をとるか、又は層2の両側に2つの金属膜などの形態で形成される。電極21、22を形成するために使用される材料は、特に、白金、アルミニウム、チタン、さらにはモリブデンであってもよい。
電極21、22は、結晶層1と直接接触してはならず、したがって、中間絶縁層41を設けることが必要である(図3c)。電極21、22はまた、レシーバ基板3が半導電性又は導電性である場合、レシーバ基板3と直接接触してはならないことに留意されたい。この場合、中間絶縁層43が圧電層2とレシーバ基板3との間に設けられる。
圧電層2の形成に続いて、製造方法は、ドナー基板10とレシーバ基板3をこれらのそれぞれの前面10a、3aを介して接合するステップを含む(図3d)。様々な接合技術が考えられる。特に、絶縁性又は金属性の接合された表面との、分子接着による直接接合、又は熱圧着による接合、さらにはポリマー接合を実施することが可能である。したがって、接合界面6は、本方法のこの段階で接合構造を形成する2つの基板10、3の間に画定される。
図3c及び図3dに示す第1の選択肢によると、圧電層2は、接合される前に、その自由面上に2つの交互嵌合電極21、22及び絶縁層41を含む。絶縁層41は、電極21、22をドナー基板10から電気的に絶縁し、接合形成を容易にする。
第2の選択肢によると、圧電層2は、(図6に示すように)前記層2の両側に配置された金属膜によって形成された第1の電極21及び第2の電極22を含む。したがって、圧電層2の片側に電極22が存在することを利用した金属接合を有利に実施することができる。次いで、ドナー基板10は、電極22と接触させる金属接合層61を含むことができる。接合層61と単結晶層1との間には、中間絶縁層41が設けられていてもよい。
第1及び第2の選択肢は、レシーバ基板3上に堆積させた圧電層2に関して示されているが、これらの選択肢は、前記層をドナー基板10上に堆積させる場合にも同様に適用されることに留意されたい。
本発明による製造方法は、最後に、埋め込み脆弱面11に沿って、単結晶層1をドナー基板10の残りの部分10’から劈開するステップを含む(図3e)。このようにして、圧電層2上に配置された単結晶半導体層1を含む複合構造体100が得られ、圧電層2自体はレシーバ基板3上に配置される。
劈開ステップは、ドナー基板10の選択された実施形態に応じて、様々な方法で行うことができる。
特に、第1の実施形態によると、埋め込み脆弱面に沿った劈開は、熱処理及び/又は機械的応力を加えることによって達成され、この熱処理及び/又は機械的応力により、注入された核種によって生成されるガス圧力下で、微小亀裂(microcrack)領域において分割が生じる。
第2の実施形態によると、埋め込み脆弱面11に沿った分割は、好ましくは、分離可能な界面に機械的応力を加えることによって達成される。
第3の実施形態では、機械的応力の印加も好ましい。
機械的応力は、接合された基板の縁部間に、面取りされた工具、例えばテフロンブレードを挿入することによって加えられてもよく、引張力が埋め込み脆弱面11に伝達され、そこで分割波又は剥離波が開始される。もちろん、接合される構造体の接合界面6にも引張力が加わる。したがって、劈開がこの界面6ではなく埋め込み脆弱面11で起こるようにこの界面6を十分に強化することが重要である。
劈開後の単結晶層1の自由表面に対応する複合構造体100の前面100aを仕上げるステップは、材料の粗さ、欠陥、又は性質に関して良好な品質レベルを回復するように行われることがある。この仕上げは、化学機械研磨、洗浄及び/又は化学エッチングによる平滑化を含むことができる。
得られた複合構造体100から、キャビティ31の上方の可動膜50に基づくデバイス150を製造することができる。この目的のために、単結晶層1と、圧電層2と、場合によっては電極21、22と、中間絶縁層41、43、61とを貫通して生成された開孔により、キャビティ31を充填する材料(キャビティ31が本方法のこの段階で実際に充填されている場合)を選択的にエッチングすることが可能になる。
圧電層2の電極に接続される、又は膜50と相互作用することが意図された機能素子51が、弾性層1の上又は中に生成されてもよい(図3f)。これらの機能素子51は、トランジスタ、ダイオード、又は他の超小型電子部品を含むことができる。複合構造体100は、ブランクの平坦な自由表面100aを有する単結晶層1をもたらすという点で有利であり、ブランクの平坦な自由表面100aは、堅牢であり、さらに、表面構成要素の潜在的な製造を容易にする。
弾性層1を貫通する導電性ビア52により、必要に応じて電極21,22を機能素子51に電気的に接続することができる。
実施例
第1の実施例によると、ドナー基板10は、分離可能な基板であり、埋め込み脆弱面11は、粗面化された、又は低温安定性を有する接合界面に対応する。ドナー基板10は、埋め込み酸化シリコン層12b、13b上に20ミクロンの単結晶シリコンからなる表面層12aを有する厚いSOIタイプのものであり、埋め込み酸化シリコン層12b、13bの中心には、分離可能な界面11が存在する(図5b)。酸化シリコン層12b、13bは、それ自体、シリコンからなるキャリア基板13a上に配置されている。
ドナー基板10の前面10aには、酸化シリコンからなる核形成層が形成され、満足のいくテクスチャ成長が促進され、したがって、その後に堆積させる層(金属電極21,22及び圧電層2)が良質であることが保証される。核形成層上に、白金からなる第1の電極21、22を形成することが意図された金属膜を堆積させる。この金属膜の酸化シリコンへの付着を改善するために、チタンからなる中間接着促進層を白金の下に予め堆積させる。次いで、PZTからなる圧電層2の従来のゾル-ゲル堆積を行って、厚さが数ミクロン、例えば1~5ミクロンの層を形成する。その後、圧電層2を備えたドナー基板10に約650℃~750℃の温度での結晶化アニールが施される。白金からなる第2の電極21、22をPZT層2の自由表面上に金属膜の形態で堆積させる。
レシーバ基板3は、ブランクのシリコン基板であり、その内部に、例えば、50ミクロンの横寸法及び5ミクロンの深さを有する正方形のキャビティ31がエッチングされている。キャビティ31は、固体材料を含まない。0.5ミクロンの酸化シリコン層をキャビティ31の底部及び側壁を含むレシーバ基板3上に堆積させる。
ドナー基板10とレシーバ基板3は、ドナー基板10の前面10aの電極の膜と、レシーバ基板3の前面3aに予め堆積させた金属層との間の熱圧着を介した金属接合によって、キャビティ31以外で接合されている。熱圧着条件は、特に、接合される金属の選択に依存する。レシーバ基板3の前面3aに堆積させる金属層として金が選択された場合は、例えば、300℃~500℃の温度が用いられる。
2つの接合された基板の縁部間にテフロンブレードを挿入することにより、分離可能な界面11に機械的応力が加えられ、分離可能な界面は接合された構造の最も弱い領域であるため、前記界面11に沿って劈開が生じ、一方では複合構造体100が形成され、他方ではドナー基板10の残りの部分10’が得られる。
このようにして、各キャビティ31に張り出した膜50が得られる。膜50は、単結晶シリコンからなる20ミクロンの弾性層1と、数ミクロンの厚さの電極21、22を有する圧電層2とを含む。
次いで、複合構造体10の複数のデバイスを電気的に絶縁し、機能素子を形成することを目的とする追加のステップが実施されることがある。
第2の実施例において、初期ドナー基板10及びレシーバ基板3は、第1の実施例におけるものと同様である。レシーバ基板3は、その前面3aに酸化シリコン層を含む。今回は、キャビティ31は、複合構造体100の製造後にエッチングされることが意図された犠牲材料である酸化シリコンで充填される。
次いで、PZTからなる圧電層2の従来のゾル-ゲル堆積を行って、レシーバ基板3上に数ミクロンの層を形成する。圧電層2を備えたレシーバ基板3に700℃での結晶化アニールが施される。次いで、PZT層2の自由表面上に、白金からなる交互嵌合電極21、22を形成する。
酸化シリコンからなる絶縁層41を電極21、22及び圧電層2上に堆積させ、次いで、ドナー基板10への付着を促進するように、平坦化する(例えば、化学機械研磨によって)。
ドナー基板10及びレシーバ基板3のそれぞれの前面は、分子接着を介した直接酸化物/シリコン接合によって接合される。接合界面6を強化するための熱処理は、600℃~700℃に含まれる温度で行われる。
2つの接合された基板の縁部間にテフロンブレードを挿入することにより、分離可能な界面11に機械的応力が加えられ、分離可能な界面は、接合された構造の最も弱い領域であるため、前記界面11に沿って劈開が生じ、一方では複合構造体100が形成され、他方ではドナー基板10の残りの部分10’が得られる。
キャビティ31を充填する犠牲材料は、この段階でエッチングされてもよく、又は単結晶層1上に構成要素若しくは他の機能素子51を製造した後に、後でエッチングされてもよい。これにより、各キャビティ31に張り出した膜50が得られる。膜50は、20ミクロンの単結晶シリコンの弾性層1と、数ミクロンの厚さの交互嵌合電極を有する圧電層2とを含む。
第3の実施例によると、ドナー基板10は、単結晶シリコンからなる基板であり、埋め込み脆弱面11は、210keVのエネルギー及び約7×1016/cmのドーズ量で水素イオンが注入された領域に対応する。このようにして、約1.5ミクロンの単結晶層1が、ドナー基板10の前面10aと注入領域11との間に範囲が定められる。
次いで、多結晶AlNからなる圧電層2をカソードスパッタリングすることによる従来の堆積を行って、予め絶縁層が設けられたドナー基板10の前面に厚さ0.5~1ミクロンの層を形成する。次いで、AlN層2の両側に、モリブデンからなる電極21、22を生成する。
レシーバ基板3は、ブランクのシリコン基板であり、その内部に、例えば、25ミクロンの横寸法及び0.3ミクロンの深さを有する正方形のキャビティ31がエッチングされている。キャビティ31は、複合構造体100の製造後にエッチングされることが意図された犠牲材料である酸化シリコンで充填されている。
酸化シリコンからなる絶縁層を電極21、22及び圧電層2上に堆積させ、次いで、平坦化して(例えば、化学機械研磨によって)、レシーバ基板3への付着を促進する。
ドナー基板10及びレシーバ基板3のそれぞれの前面は、分子接着を介した直接酸化物/シリコン接合によって接合される。接合界面6を強化するための熱処理は、350℃の温度で行われる。
埋め込み脆弱面11に沿った劈開は、約500℃の温度で、接合された構造に熱処理を施すことによって得られ、分割波が前記領域を通り抜けて伝播してしまうまで注入領域における圧力下で成長する微小亀裂の結果として生じる。この劈開により、一方では複合構造体100が形成され、他方ではドナー基板10の残りの部分10’が得られる。
化学機械研磨及び標準的な洗浄による仕上げのステップを複合構造体100に施して、単結晶シリコンからなる層1の自由表面に良好な品質レベル及び低い粗さを与える。
キャビティ31を充填する犠牲材料は、この段階でエッチングされてもよく、又は単結晶層1上に構成要素若しくは他の機能素子51を製造した後に、後でエッチングされてもよい。
各キャビティ31に張り出す膜50が得られる。膜50は、1.2ミクロンの単結晶シリコンの弾性層1と、厚さが1ミクロン未満の、電極を有するAlN圧電層2とを含む。
もちろん、本発明は、記載された実施形態及び実施例に限定されず、特許請求の範囲によって定義されるような本発明の範囲から逸脱することなく、変更がなされ得る。

Claims (12)

  1. 複合構造体(100)であって、
    少なくとも1つのキャビティ(31)を含むレシーバ基板(3)であり、前記少なくとも1つのキャビティ(31)が、前記基板内に画定され、固体材料を含まない又は犠牲固体材料で充填されている、レシーバ基板(3)と、
    前記レシーバ基板(3)上に配置された単結晶半導体層(1)であり、前記構造体の全範囲にわたって自由表面を有し、0.1ミクロン~100ミクロンに含まれる厚さを有する、単結晶半導体層(1)と、
    前記単結晶半導体層(1)にしっかりと固定された、前記単結晶半導体層(1)と前記レシーバ基板(3)との間に配置された圧電層(2)と、
    を含み、
    前記単結晶半導体層(1)の少なくとも1つのセグメントが、前記キャビティ(31)が固体材料を含まない場合に、又は前記犠牲固体材料が除去された後に、前記キャビティ(31)の上方に可動膜(50)を形成することが意図されており、
    前記圧電層(2)が前記膜(50)の変形を誘発又は検出することが意図されている、
    複合構造体(100)。
  2. 前記圧電層(2)が、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、ニオブ酸カリウム-ナトリウム(KNa1-xNbO又はKNN)、チタン酸バリウム(BaTiO3)、石英、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、ニオブ酸鉛-マグネシウムとチタン酸鉛の化合物(PMN-PT)、酸化亜鉛(ZnO)、窒化アルミニウム(AlN)、及び窒化アルミニウム-スカンジウム(AlScN)から選択される材料を含む、請求項1に記載の複合構造体(100)。
  3. 前記圧電層(2)が、10ミクロン未満、好ましくは5ミクロン未満の厚さを有する、請求項1又は2に記載の複合構造体(100)。
  4. 前記単結晶半導体層(1)がシリコン又は炭化シリコンからなる、請求項1~3のいずれか一項に記載の複合構造体(100)。
  5. 前記圧電層(2)が前記レシーバ基板(3)の前記少なくとも1つのキャビティ(31)にもっぱら面するように配置されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の複合構造体(100)。
  6. 前記圧電層(2)が前記レシーバ基板(3)の前記少なくとも1つのキャビティ(31)に面するように配置され、前記少なくとも1つのキャビティ(31)以外で前記レシーバ基板(3)にしっかりと固定されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の複合構造体(100)。
  7. キャビティ(31)の上方の可動膜(50)に基づくデバイス(150)であって、請求項1~6のいずれか一項に記載の複合構造体(100)から形成され、前記圧電層(2)と接触する少なくとも2つの電極(21、22)を備え、
    前記キャビティ(31)が固体材料を含まず、
    前記単結晶半導体層(1)の少なくとも1つのセグメントが前記キャビティ(31)の上方に前記可動膜(50)を形成する、
    デバイス(150)。
  8. a)単結晶半導体層(1)を含むドナー基板(10)を用意するステップであって、前記単結晶半導体層(1)が前記ドナー基板(10)の前面(10a)と前記ドナー基板(10)内の埋め込み脆弱面(11)との間に範囲が定められ、0.1ミクロン~100ミクロンに含まれる厚さを有する、ステップと、
    b)少なくとも1つのキャビティ(31)を含むレシーバ基板(3)を用意するステップであって、前記少なくとも1つのキャビティ(31)が、前記基板内に画定され、前記レシーバ基板(3)の前面(3a)上に開口し、前記キャビティ(31)が固体材料を含まない又は犠牲固体材料で充填されている、ステップと、
    c)圧電層(2)が前記ドナー基板(10)の前記前面(10a)及び/又は前記レシーバ基板(3)の前記前面(3a)に配置されるように前記圧電層(2)を形成するステップと、
    d)前記ドナー基板(10)及び前記レシーバ基板(3)を、それぞれの前面を介して接合するステップと、
    e)前記埋め込み脆弱面(11)に沿って、前記ドナー基板の前記残りの部分(11’)から前記単結晶半導体層(1)を劈開して、前記単結晶半導体層(1)、前記圧電層(2)、及び前記レシーバ基板(3)を含む前記複合構造体(100)を形成するステップと、
    を含む、
    請求項1~6のいずれか一項に記載の複合構造体(100)の製造方法。
  9. 前記埋め込み脆弱面(11)が、前記ドナー基板(10)に軽い核種を注入することによって形成され、前記埋め込み脆弱面(11)に沿った前記劈開が、熱処理及び/又は機械的応力を加えることによって得られる、請求項8に記載の製造方法。
  10. 前記埋め込み脆弱面(11)が0.7J/m未満の結合エネルギーを有する界面によって形成されている、請求項8に記載の製造方法。
  11. ステップc)の前及び/又は後に金属電極(21、22)を形成して、前記電極が前記圧電層(2)と接触するようにするステップを含む、請求項8~10のいずれか一項に記載の製造方法。
  12. ステップc)が、前記接合ステップ(ステップd)の終了時に前記圧電層(2)が前記少なくとも1つのキャビティ(31)にもっぱら面したままとなるように、前記圧電層(2)が前記ドナー基板(10)の前記前面(10a)に形成されるときに、前記圧電層(2)の局所エッチングを含む、請求項8~11のいずれか一項に記載の製造方法。
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