JP2023546757A - ペプチド製剤および眼科におけるその使用 - Google Patents

ペプチド製剤および眼科におけるその使用 Download PDF

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Abstract

本開示は、ペプチド治療薬の局所的眼内送達に適した製剤を提供する。本開示はまた、眼損傷を処置するための組成物および方法を提供する。該組成物および製剤は、治療的に活性なアルファコネキシンペプチドを含み得る。

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年10月22日出願の米国仮特許出願63/104,086の優先権を主張し、その全内容は引用により本明細書に包含される。
電子的に提出されたテキストファイルの説明
本明細書とともに電子的に提出されたテキストファイルの内容は、その全体が引用により本明細書に包含される:配列表のコンピュータ可読形式コピー(ファイル名:FIRS_012_01WO_SeqList.txt、記録日:2021年10月22日、ファイルサイズ:34キロバイト)。
本発明の背景
角膜損傷や眼球損傷は、重症になれば視力喪失を引き起こし得る、眼疾患を導く可能性がある。角膜に対する傷害の可能性は無限にあるが、糖尿病などの疾患による二次的角膜損傷の発生とともに、戦闘兵士の熱傷や爆風損傷に対処するための多大な努力は、眼の多面的で複雑な創傷治癒プロセスに対処する生物学的治療が必要である例である。視力を維持するためには、角膜損傷の処置により、角膜の迅速な再上皮化を促進し、損傷の進行/持続を軽減し、そして影響を受けた角膜細胞型/組織層に応じて、他の影響を受けた組織層の再生も促進しなければならない。興味深いことに、角膜実質が貫通して損傷した場合、眼の処置は角膜実質細胞が線維芽細胞および筋線維芽細胞に形質転換するよう適切に治癒させる必要があるが、角膜の混濁化や瘢痕を引き起こす可能性のある筋線維芽細胞による過剰な作用を排除しなければならない。重要なのは、不均衡な炎症は有害な影響を与えるこたがあるため、炎症細胞浸潤にも計算された考慮が必要であるということである。免疫作用が抑制されると感染症につながることがあり、過剰な炎症は正常な創傷治癒や再生を妨害する。したがって、明確な細胞層および構造の均一性および細胞外マトリックスの組成が適切な角膜の生体力学と機能に不可欠である角膜の損傷には、組織損傷後に存在するいくつかの異なる細胞型に対して特異的な生物学的効果をもたらす生物学的治療が必要である。
角膜損傷に対する現在の標準治療(SOC)には、眼洗浄、潤滑剤、人工涙液、抗生物質、バンデージコンタクトレンズ、瞼板縫合、または結膜弁の構築などがある。これらの治療的アプローチには、二つの重大な限界がある。第一に、角膜の創傷治癒における基本的な生物学的および分子学的プロセスに対処していないことであり、ここでは、治療の失敗は重度の機能障害または視力喪失を伴う。第二に、戦闘状況における爆発物または発火装置によって引き起こされる角膜損傷や外傷から分かるように、医療施設が限られ、かつ眼の創傷が二次的に処置されることから、これらのSOC処置は適時に実施できず、あるいはその可能性が低い。
加えて、眼の敏感な組織の安全かつ有効な処置を提供するのに必要な特性を有する局所的治療製剤に対するニーズ(必要性)は明確である。特に、眼用ペプチド含有製剤の開発には独特の課題が存在し;溶液中のペプチドの化学的および物理的安定性が低いため、製剤の選択肢が制限される。眼内送達に使用される療法は、安全かつ有効な医薬成分の眼表面への送達を確保するために、製剤の不均質性、安定性、粘度およびpHを管理する国際調和評議会(International Council on Harmonization, ICH)および米国薬局方(United States Pharmacopeia, USP)のガイドラインを満たさなければならない。さらに、タンパク質、抗体および低分子ペプチドなどの高分子は、従来の点眼薬ビヒクルで眼に局所的に送達された場合、バイオアベイラビリティは低くなる。
したがって、角膜混濁や視力喪失を引き起こす調節不全の生物学的プロセスを緩和しながら、創傷治癒を促進する点眼薬の生物学的治療に対する大きなニーズが存在する。本開示は、このニーズおよび他の必要性に対処するものである。
一態様において、本開示は、一つまたはそれ以上のペプチドを含む、眼への局所的投与に適した製剤を提供する。例えば、提供される製剤は、点眼薬製剤である。一態様において、本開示は、角膜損傷の処置に使用するための製剤を提供する。
実施態様において、本開示は、約1.0kDa~約10.0kDaの分子量を有する活性ペプチドおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含む、局所的眼内送達に適した製剤を提供する。実施態様において、HPMCは製剤中に、約0.01%(w/w)~約2.0%(w/w)の濃度、または約0.1%(w/w)~約0.19%(w/w)の濃度で存在する。実施態様において、HPMCは製剤中に、約0.1%または約0.2%または約0.3%または約0.5%または約1.0%(w/w)の濃度で存在する。実施態様において、製剤は、塩化ナトリウム(NaCl)をさらに含む。実施態様において、NaClは、約0.5%~約2.0%、または約0.7%~約1.5%の濃度で存在する。実施態様において、NaClは、約0.25%~約0.9%の濃度で存在する。実施態様において、NaClは、約0.9%(w/w)の濃度で存在する。
実施態様において、製剤は、張性調節剤(tonicity modifier)をさらに含む。例えば、実施態様において、製剤は、デキストロース、グリセリン、マンニトール、塩化カリウム、または塩化マグネシウムをさらに含む。
実施態様において、活性ペプチドは組成物中に、約0.005%(w/w)~約5%(w/w)、または約0.035%(w/w)~約3.5%(w/w)の濃度で存在する。実施態様において、活性ペプチドは組成物中に、約0.035%(w/w)~約3.0%(w/w)の濃度で存在する。実施態様において、活性ペプチドは組成物中に、約0.05%(w/w)~約2.5%(w/w)の濃度で存在する。実施態様において、活性ペプチドは組成物中に、約0.1%(w/w)~約2.0%(w/w)の濃度で存在する。実施態様において、活性ペプチドは組成物中に、約0.5%(w/w)~約1.5%(w/w)の濃度で存在する。実施態様において、製剤は、約18mPaS~約28mPaSの粘度を有する。実施態様において、製剤は、約18mPaS、約19mPaS、約20mPaS、約21mPaS、約22mPaS、約23mPaS、約24mPaS、約25mPaS、約26mPaS、約27mPaS、または約28mPaSの粘度を有する。実施態様において、製剤は、約5~約8、または約5~約7、または約5、約6、約7、または約8のpHを有する。実施態様において、製剤は、約6.5のpHを有する。実施態様において、製剤は、約6.5~約7.5のpHを有する。実施態様において、製剤は、約6.5~約7.0のpHを有する。実施態様において、製剤は、約200~約350mOsm/kg、例えば、約280~約350mOsm/kg、例えば、約288mOsm/kgの重量オスモル濃度を有する。実施態様において、製剤は、約0.5g/mL~約2.0g/mLの密度を有する。実施態様において、製剤は、約0.5g/mL、約0.6g/mL、約0.7g/mL、約0.8g/mL、約0.9g/mL、約1.0g/mL、約1.1g/mL、約1.2g/mL、約1.3g/mL、約1.4g/mL、約1.5g/mL、約1.6g/mL、約1.7g/mL、約1.8g/mL、約1.9g/mL、または約2.0g/mLの密度を有する。例えば、実施態様において、製剤は、約0.99g/mLの密度を有する。
実施態様において、本明細書で提供される製剤中の活性物質は、アルファコネキシンペプチド、またはその活性断片である。例えば、実施態様において、ポリペプチドは、アルファコネキシンのカルボキシ最末端の4~30個の連続したアミノ酸を含む。実施態様において、ポリペプチドは、アルファコネキシンのカルボキシ最末端の4~30個の連続したアミノ酸からなる。実施態様において、アルファコネキシンは、コネキシン37、コネキシン40、コネキシン43、またはコネキシン45である。実施態様において、ポリペプチドは、配列番号:1、配列番号:2、配列番号:3、配列番号:4、および配列番号:5からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。実施態様において、ポリペプチドは、配列番号:2のアミノ配列を含む。実施態様において、ポリペプチドは、細胞内在化配列をさらに含む。実施態様において、細胞内在化配列は、アンテナペディア、TAT、HIV-Tat、ペネトラチン、Antp-3A(Antp変異体)、ブフォリンII(Buforin II)、トランスポータン、MAP(モデル両親媒性ペプチド)、K-FGF、Ku70、プリオン、pVEC、Pep-1、SynB 1、Pep-7、HN-1、BGSC(ビス-グアニジニウム-スペルミジン-コレステロール)およびBGTC(ビス-グアニジニウム-トレン-コレステロール)からなる群から選択されるタンパク質のアミノ酸配列を含む。実施態様において、細胞内在化配列は、アンテナペディアであり、その配列は、配列番号:7のアミノ酸配列を含む。実施態様において、ポリペプチドは、配列番号:8、配列番号:9、配列番号:10、配列番号:11および配列番号:12からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。特定の実施態様において、ポリペプチドは、配列番号:9のアミノ酸配列を含む。
実施態様において、本明細書で提供される製剤は、局所的眼内投与に適したものである。実施態様において、前記投与は、点眼薬投与を介するものである。
実施態様において、本開示は、処置または予防を必要とする対象において眼損傷を処置または予防する方法であって、本明細書で提供される製剤を局所的に投与することを含む方法を提供する。実施態様において、本開示は、対象において眼損傷後の角膜再上皮化を促進するための製剤および方法であって、本明細書で提供される製剤を該対象の眼に局所的に投与することを含む方法を提供する。実施態様において、製剤は、眼損傷を引き起こした事象の直後に眼に投与される。実施態様において、ポリペプチドは対象に、眼損傷を引き起こした事象の約1時間以内、約2時間以内、約5時間以内、または約12時間以内に投与される。実施態様において、ポリペプチドは対象に、眼損傷を引き起こした事象後の少なくとも約2時間後に投与される。実施態様において、ポリペプチドは対象の眼に、眼治癒が観察されるまで、1日2回、または約8時間ごとに、または約12時間ごとに投与される。実施態様において、眼損傷は、角膜損傷である。実施態様において、眼損傷は、網膜損傷である。実施態様において、眼損傷は、熱傷、破裂または裂傷により引き起こされるものである。実施態様において、眼損傷は、化学的または熱的熱傷損傷である。実施態様において、眼損傷は、マスタードガスなどの発泡剤と眼とを接触させることによって引き起こされるものである。実施態様において、眼損傷は、慢性疾患により引き起こされるものである。実施態様において、慢性疾患は、糖尿病または糖尿病性角膜症である。実施態様において、慢性疾患は、網膜疾患である。実施態様において、対象は、ドライアイ疾患を有するものである。実施態様において、対象は、ドライアイ疾患により引き起こされ得るような永続的角膜上皮性欠損を有するものである。実施態様において、損傷は、眼科手術、化学的もしくは熱的熱傷損傷、または角膜裂傷の損傷に続発するものである。
実施態様において、本開示は、処置または予防を必要とする対象において眼損傷の処置または予防に使用するための製剤、および/または対象において眼損傷後の角膜再上皮化の促進に使用するための製剤を提供する。
図1は、化学的損傷後2日間aCT1(200μMまたは5mM)またはビヒクル対照を毎日2回点眼投与した、角膜化学的熱傷後10、24、36、48、72、96、または120時間で1%フルオレセインを用いた角膜染色を示す。
図2Aは、図1の定量化蛍光染色を示す棒グラフである(処理群あたりn=6;*p<0.05、**p<0.01 ***p<0.001; SEM)。
図2Bは、aCT1ペプチド(200μMまたは5mM)またはビヒクル対照を点眼投与した、投与前および角膜化学的熱傷後1日目、2日目、3日目のウサギ眼における角膜中央部厚さ(μm)を示す。
図3は、両側中心経上皮性治療的レーザー角膜切除術(PTK)手術およびaCT1ペプチド(150μM)またはビヒクル対照による処理後のウサギの目の1%フルオレセイン染色を示す。
図4A~4Bは、aCT1ペプチドによる処理が、ナイトロジェンマスタード(NM)への角膜曝露後に生じる角膜肥厚を減少させることを示す。図4Aは角膜の厚さを示し、図4Bは示された群におけるその定量化を提供する。処理群あたりn=3。
図5A~5Dは、aCT1ペプチドによる処置が、ナイトロジェンマスタード(NM)に曝露された角膜における炎症応答を減少させることを示す。図5AはH&E染色を示し、図5BはaCT1処理群において炎症性細胞浸潤が有意に減少したことを示す。図5Cは炎症促進性酵素COX2染色を示し、図5Dは角膜組織におけるCOX2の定量化を提供するものである。(各処置群あたりn=3;一元配置分散分析、**p<0.01;***p<0.001;SD)。
図6A~6Dは、NMに暴露された角膜をaCT1処理することにより、角膜線維芽細胞および角膜実質細胞を保護し得ることを示す。図6AはH&E染色を提供するものであり、図6Bは示された群の処理した角膜の角膜線維芽細胞数を示す。図6Cは、角膜実質の分解をもたらすマトリックスメタロプロテアーゼ-9(MMP-9)のIHC染色を示す。図5Dは、角膜実質におけるMMP-9陽性の定量化を提供するものである。各処置群あたりn=3。
図7A~7Dは、aCT1ペプチドによる処置が、NMに暴露された角膜における角膜血管新生を減少させることを示す。図7AはH&E染色による各群の角膜の血管を示すものであり、図7Bは各群における血管数の定量化を提供するものである。血管内皮細胞増殖因子(VEGF)は、血管新生を刺激するシグナル伝達タンパク質である。図7CはVEGFの染色を示すものであり、図7DはVEGF陽性スコアの定量化を提供するものである。処理群あたりn=3。
詳細な説明
本明細書では、眼へのペプチド組成物の局所的送達のための製剤、および角膜損傷などの眼の障害および状態を処置または予防するための方法が提供される。
眼内送達に使用される治療薬は、安全性だけでなく、眼の関連組織への医薬活性成分の有効な送達を確保するために、製剤の不均質性、安定性、粘度およびpHを管理するICHおよびUSPガイドラインを満たすべきである。眼に使用するためのペプチド含有製剤の開発には、ペプチドの溶液中、特に眼への局所的投与に十分な安定性および粘度を与えるタイプの溶液中での化学的および物理的安定性が低いことなど、独自の課題がある。眼障害の処置に十分なバイオアベイラビリティを示すペプチド含有製剤の開発に失敗していることは、FDAの承認を取得した、ペプチドを基礎とする眼治療薬がないことの説明となる可能性がある。FDAに承認されたペプチド含有眼用製剤はほとんどない。承認されたものの場合、これらのペプチド含有製剤の投与経路は、より安全で侵襲性の低い局所投与経路ではなく、硝子体内注射である(Mandal et al. 2018)。
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)などの粘弾性ポリマーは、点眼送達に適した製剤中のペプチドと組み合わせて使用されていない。点眼薬がペプチド送達を確保するのに必要な、眼表面との十分な接触時間を達成するには、適切な粘度、表面張力、およびその他の物理的性質を備えた製剤が必要である。低分子ペプチドは、HPMC、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)およびPF-127など、点眼薬の粘度を調整するために用いられる従来の賦形剤中では溶解度が低いことが予想される。ペプチドの凝集は、これらの成分との組み合わせで、製剤を眼内送達に適さなくする沈殿物を形成する。したがって、当技術分野における従来の教示は、HPMCのような粘弾性ポリマーを低分子ペプチドの医薬活性成分と組み合わせて利用する製剤から離れているものである。代わりに、低分子ペプチド治療薬の送達のための現在の製剤は、非還元糖、アミノ酸および界面活性剤とペプチドまたは他の高分子とを混和することで眼内送達に適した製剤を達成するものである(Giannos et al.2018, Kamerzell et al.2011)。
本発明者らは予想外に、粘弾性ポリマーと低分子ペプチド活性成分との組み合わせにより、ペプチドの溶解度を維持し、かつ眼表面へのペプチドの局所的送達に適した動粘度を有する製剤が得られることを発見した。本製剤は、驚くべきことに、点眼送達のための製剤中でペプチドの安定な溶液状態を実現するものである。ペプチドの溶液中での安定性は、本発明を従来のペプチド送達システムと区別する重要な性能特性である。ペプチドは溶解度が低いため、従来の点眼送達システムでは沈殿することが知られている。また、粘度の高い溶液はフィルター滅菌ができないことが知られており、従来の高分子の眼内送達のための製剤は、無菌フィルターを通過することで滅菌できる低粘度の溶液を得るために、粘弾性ポリマーを含まない水性賦形剤を用いてきた。したがって、HPMCと治療用ペプチドを混和して、眼への局所投与に適した製剤を達成した例はない。
しかしながら、本発明者らは、驚くべきことに、aCT1ペプチドとHPMCを含む、眼への局所的送達に適し、かつ眼障害の処置に有効な、安定な製剤を達成した。この製剤は、HPMCの代わりにCMC、HEC、またはプルロニックゲル(PF-127)を含む製剤に比べて、予測できないほど優れていた。意外にも、粘弾性ポリマーHPMCとペプチドとを使用することで、眼表面へのペプチド送達に必要な接触時間を確保できるのに十分な粘度を有しながら、0.22μMのPVDFまたはPES膜フィルターを介して溶液を通過することで滅菌できる製剤が得られた。眼のような敏感な組織に治療用ペプチドを送達するためには、製剤の無菌性が必要である。製剤を0.22μMのPVDFまたはPES膜フィルターを通過させることにより、敏感な眼組織への薬物送達に適した無菌性製剤をもたらす。
実施態様において、製剤は、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カリウム(KCl)、ヨウ化ナトリウム(NaI)、塩化マグネシウム(MgCl2)、フッ化カリウム(KF)、塩化カルシウム(CaCl2)、テトラフルオロホウ酸ナトリウム(NaBF4)および/または臭化ナトリウム(NaBr)をさらに含む。実施態様において、製剤はNaClを含む。実施態様において、NaClは、意外にも、NaClを含まない製剤と比較して、より高い安定性を提供する。実施態様において、NaClは、約0.5%~約2.0%、または約0.7%~約1.5%の濃度で存在する。実施態様において、NaClは、約0.25%~約0.9%の濃度で存在する。実施態様において、NaClは、約0.9%(w/w)の濃度で存在する。
実施態様において、本明細書で提供される製剤は、温度範囲において経時的安定性を示す。例えば、製剤はペプチド安定性を少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも8ヶ月、少なくとも12ヶ月、少なくとも18ヶ月、少なくとも2年、少なくとも3年、または少なくとも6年提供する。実施態様において、製剤は、約-20℃、約5℃、約25℃、およびその間の任意の温度でペプチドの安定性を提供する。特定の実施態様において、製剤は、約-20℃でペプチド安定性を、少なくとも6ヶ月、少なくとも8ヶ月、少なくとも12ヶ月、少なくとも18ヶ月、少なくとも2年、少なくとも3年、少なくとも4年、少なくとも5年、または少なくとも6年提供する。実施態様において、本明細書で提供される製剤は、少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、または少なくとも約95%が少なくとも約1ヶ月にわたって安定を維持するペプチド(例えば、アルファコネキシンペプチド)を含む。実施態様において、本明細書で提供される製剤は、少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、または少なくとも約95%が少なくとも約3ヶ月をわたって安定を維持するペプチド(例えば、アルファコネキシンペプチド)を含む。実施態様において、本明細書で提供される製剤は、少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、または少なくとも約95%が少なくとも約1年、少なくとも約2年、少なくとも約3年、少なくとも約4年、少なくとも約5年、または少なくとも約6年にわたって安定を維持するペプチド(例えば、アルファコネキシンペプチド)を含む。このような安定性は、本明細書で提供される製剤が利用される場合、約-20℃、約5℃、約25℃、およびそれらの間の任意の温度で達成される。
実施態様において、本明細書で提供される製剤は、一定範囲の保存温度で経時的に不純物なし、または無視できる不純物もしくは許容レベルの不純物を示す。例えば、製剤は、不純物なし、または無視できる不純物もしくは許容レベルの不純物を、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年、少なくとも4年、少なくとも5年、または少なくとも6年を示す。実施態様において、製剤は、約-20°、約5℃、約25℃、およびその間のいずれかの温度で、不純物なし、または無視できる不純物もしくは許容レベルの不純物を示す。実施態様において、製剤中の無視できるレベルの不純物は、0.1%未満であり得る。実施態様において、製剤中の許容レベルの不純物は、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、約1%未満、約0.5%未満であり得る。
実施態様において、本明細書で提供される製剤は、容易に濾過できる(例えば、0.2μmのPESフィルターを介して濾過できる)。実施態様において、本明細書で提供される製剤は、ペプチドの眼投与のために以前に使用された製剤と比較して、より濾過できる。実施態様において、HPLC、ペプチド(例えば、アルファコネキシンペプチド)、NaClを含み、追加のビヒクル、緩衝液、または賦形剤を必要としない本明細書で提供される製剤は、製剤の性質(例えば、粘度、重量オスモル濃度、密度、pH、濾過性)、ならびに眼内送達に適した純度および安定性プロフィールを有する。
実施態様において、本開示は、非刺激性で安定であり、眼への局所的使用に適切な特性を有する治療用ペプチド(例えば、aCT1ペプチド)を含む点眼薬担体を提供する。したがって、実施態様において、本開示は、眼損傷または眼疾患の処置のためのアルファコネキシンポリペプチドを含む治療用点眼薬組成物を提供する。実施態様において、点眼薬製剤は、HPMCをさらに含む。実施態様において、製剤は、貯蔵中にアルファコネキシンポリペプチドを安定化させる緩衝液および/または賦形剤をさらに含む。実施態様において、アルファコネキシンポリペプチドは、アルファコネキシンのカルボキシル末端アミノ酸配列を含む。本発明のアルファコネキシンポリペプチドは、アルファコネキシンタンパク質またはその保存的なバリアントのカルボキシ最末端の4~30個の連続したアミノ酸を含む(comprise)か、それからなるか、または含む(include)ことができる。実施態様において、前記少なくとも一つのアルファコネキシンポリペプチドは、そのアミノ末端で細胞内在化トランスポーターに結合される。
実施態様において、本開示は、眼適応症(ophthalmic indication)における治療的適用のための、aCT1を含む安定な点眼薬担体の製剤、およびその製造方法を提供する。実施態様において、眼適応症は、創傷治癒、炎症調節および免疫調節、組織再生、生体力学的復元、または角膜もしくは他の眼組織のいずれかの部分に影響を及ぼす他の生理学的状態の処置を含む。本明細書で提供される製剤は、軍または民間の化学的損傷または角膜裂傷を含む急性および慢性の損傷および創傷、手術に関連する状態、ならびにいずれかの一次眼障害または医学的注意を示して必要とする二次眼状態を引き起こす他の状態の急性および慢性の徴候の処置に投与され得る。製剤は、損傷、創傷、および適切な眼機能に影響を与える状態に適用したときに、治療的で有効量のaCT1ペプチドを提供する能力を可能にする物理化学的、生化学的、およびレオロジー的性質を有する。
実施態様において、滅菌水に添加される任意の形態の一つまたはそれ以上の緩衝剤は、生理学的に関連するpHを維持するため、またはpHモジュレーターの添加が生理学的に関連するpHをもたらすpHを維持するために使用され得る。いくつかの実施態様において、ホウ酸ナトリウム、クエン酸、硝酸ナトリウム、ヒスチジン、塩酸または水酸化ナトリウムなどの一つまたはそれ以上のpHモジュレーターは、pH5~8の所望の治療範囲内で調整するように添加され得る。好ましくは、緩衝剤は、非刺激性、非汚染性、および非免疫原性である。実施態様において、好ましい緩衝剤は、ヒスチジンである。実施態様において、ヒスチジンは、約20mM~約80mMの濃度で存在する。実施態様において、ヒスチジンは、約40mMの濃度で存在する。
実施態様において、製剤は、張性調節剤(tonicity modifier)をさらに含む。例えば、実施態様において、製剤は、デキストロース、グリセリン、マンニトール、塩化カリウム、または塩化マグネシウムをさらに含む。実施態様において、製剤は、メチオニンなどの抗酸化剤をさらに含む。
実施態様において、本明細書で提供される製剤は、緩衝剤を含まない。実施態様において、追加の賦形剤は、製剤が賦形剤を含まないように、製剤から除外される。実施態様では、製剤は、活性物質ペプチド、HPMCを含み、追加の賦形剤を追加しない。実施態様において、本明細書で提供される製剤は、追加の糖、アミノ酸、および/または界面活性剤を含まない。実施態様において、製剤は、活性物質(例えば、コネキシンペプチド)、HPMC、NaCl、および水を含む、本質的にそれからなる、またはそれらからなる。実施態様において、HPMCは製剤中に、約0.2%w/w~約1.0%w/wの濃度で存在する。実施態様において、HPMCは製剤中に、約0.5%w/wの濃度で存在する。実施態様において、HPMCは製剤中に、約1.0%w/wの濃度で存在する。
実施態様において、単離されたポリペプチドを安定化させるように、HPMCのような一つまたはそれ以上のポリマーが製剤中に含まれる。好ましくは、製剤は、非刺激性、非汚染性、および非免疫原性である安定化剤を含む。安定化剤の添加により、医薬品を様々な温度条件(例えば、約5℃、約10℃、約15℃、約20℃、約25℃、約30℃、約35℃、または約40℃)下および相対湿度(例えば、約0%の相対湿度、約10%の相対湿度、約20%の相対湿度、約30%の相対湿度、約40%の相対湿度、約50%の相対湿度、約60%の相対湿度、約70%の相対湿度、約80%の相対湿度、約90%の相対湿度、または約100%の相対湿度)の範囲下で長期(すなわち、3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、12ヶ月、18ヶ月、または24ヶ月)貯蔵することが可能になる。実施態様において、本発明は、指定された様々な温度および相対湿度下で指定された長期貯蔵をさらに維持する防腐剤も含み得る。
例示的な製剤を、以下の表1に示す。
Figure 2023546757000002
実施態様において、本明細書で提供される製剤は、それを必要とする対象に少なくとも一つのaCTポリペプチドを含む眼用局所的製剤を治療的に投与するための単回用量または複数回用量を含むプラスチック点眼器またはガラスバイアルに含まれ得る。実施態様において、製剤は、ガラス容器に含まれてもよく、他の材料(例えば、プラスチック)で作られた容器と比較して、ガラス容器においてより安定であり得る。実施態様において、製剤は、プラスチック容器、例えば、プラスチック点眼器に含まれてもよい。実施態様において、眼用局所的製剤は、HPMCを含む。実施態様において、本明細書で提供される製剤は、投与に適切な設計された点眼瓶またはバイアル中の無菌ですぐに使用できる点眼薬製剤である。
実施態様において、本開示は、角膜損傷および眼球損傷を処置および予防するための方法を提供する。実施態様において、該方法は、アルファコネキシンポリペプチドを含む本明細書で提供される製剤を眼に局所的に投与することを含む。実施態様において、損傷または外傷は、角膜への損傷が生じた閉眼部損傷(closed globe ocular injury)または創傷である。角膜の損傷または創傷の原因は、これに限定されず、爆風傷害、化学的熱傷または熱的熱傷、および障害または疾患の一次および二次症状のいずれかとして、急性または慢性の損傷を引き起こす他の傷害または状態を含み得る。実施態様において、角膜損傷の原因は、ビラン剤(vesicant)、または発泡剤、例えば、ナイトロジェンマスタードまたは硫黄マスタード(例えば、マスタードガス)などへの曝露である。実施態様において、障害または疾患は、糖尿病である。実施態様において、障害または疾患は、糖尿病性角膜症である。実施態様において、慢性疾患は、網膜疾患である。実施態様において、本開示は、網膜疾患を処置および予防する方法を提供する。例えば、実施態様において、網膜疾患は、黄斑変性症(例えば、加齢黄斑変性症(AMD)、血管新生加齢黄斑変性症(nAMD))、網膜色素変性症(RP)、網膜剥離、糖尿病性網膜症、黄斑浮腫、糖尿病性黄斑浮腫(DME)および網膜静脈閉塞(RVO)後に生じる黄斑浮腫から選択される。実施態様において、疾患または障害は、眼疾患または障害(例えば、網膜障害)の処置が硝子体手術および/または一つまたはそれ以上の硝子体内注射を含む場合に対象に生じる角膜欠損を含む。
実施態様において、本明細書で提供される方法は、角膜瘢痕または過剰で調節不全な炎症もしくは免疫応答につながるいずれかの疾患または障害の処置および/または予防を含む。実施態様において、対象は、角膜損傷後(例えば、約2週間以内)、標準治療支持療法(standard of care supportive treatment)でも迅速な再上皮化および閉鎖(closure)の失敗に起因する永続的角膜上皮性欠損(PEDまたはPCED)を有するヒト対象である。PEDは、感染症および視力喪失を含む重大な合併症をもたらすことができる。実施態様において、PEDは、ドライアイ疾患により引き起こされる。したがって、実施態様では、本明細書で提供される製剤および方法は、PEDに罹患している、または角膜損傷に罹っている対象を、角膜損傷後の再上皮化率を増強することによって処置する。実施態様において、提供される製剤の投与により、再上皮化率を約10%、約25%、約50%、約75%、約100%、またはそれ以上増強する。実施態様において、提供される製剤の投与は、標準治療または無処置が対象の眼に適用される対照における再上皮化率と比較して、再上皮化率を増強する。再上皮化率は、角膜治癒が損傷後約2日以内、約3日以内、約4日以内、約5日以内、約6日以内、約7日以内、約8日以内、約9日以内、約10日以内、約11日以内、約12日以内、約13日以内、または約14日以内に生じるように増強され得る。本明細書で提供される製剤および方法は、排他的処置のみに限定されず、他の標準治療(複数可)と組み合わせて使用することができる。
本明細書で提供される製剤および方法に有用なポリペプチドは、創傷治癒性質、抗炎症性質、角膜間質の保護または再生に関する性質、および/または抗血管新生性質などの性質を有するいずれかのポリペプチドであってもよい。実施態様において、ポリペプチドは、約1.0kDa~約10.0kDaの分子量を有するいずれかの適当なポリペプチドであり得る。実施態様において、ポリペプチドは、約1.0kDa、約2.0kDa、約3.0kDa、約4.0kDa、約5.0kDa、約6.0kDa、約7.0kDa、約8.0kDa、約9.0kDa、または約10.0kDaの分子量を有するいずれかの適当なポリペプチドであり得る。
実施態様において、ポリペプチドは、アルファコネキシンのカルボキシ最末端のアミノ酸を含み、完全長アルファコネキシンタンパク質を含まない、いずれかのポリペプチドであり得る。したがって、実施態様において、提供されるポリペプチドは、アルファコネキシンの細胞質N末端ドメインを含まない。実施態様において、提供されるポリペプチドは、アルファコネキシンの二つの細胞外ドメインを含まない。実施態様において、提供されるポリペプチドは、アルファコネキシンの四つの膜貫通ドメインを含まない。実施態様において、提供されるポリペプチドは、アルファコネキシンの細胞質ループドメインを含まない。実施態様において、提供されるポリペプチドは、アルファコネキシンの細胞質カルボキシル末端ドメインの配列のうち、第4膜貫通ドメインの近位の部分を含まない。アルファコネキシンには、カルボキシル最末端のアミノ酸から17~30のアミノ酸の位置にプロリンまたはグリシン残基が一貫して保存されている。例えば、ヒトCx43の場合、アミノ酸363でのプロリン残基はカルボキシル最末端のイソロイシンから19のアミノ酸後方に位置する。別の例において、ニワトリCx43の場合、アミノ酸362でのプロリン残基は、カルボキシル最末端のイソロイシンから18のアミノ酸後方に位置する。別の例において、ヒトCx45の場合、アミノ酸377でのグリシン残基は、カルボキシル最末端のイソロイシンから19のアミノ酸後方に位置する。ラットCx33の別の例において、アミノ酸258でのプロリン残基は、カルボキシル最末端のメチオニンから28のアミノ酸後方に位置する。したがって、実施態様において、提供されるポリペプチドは、アルファコネキシンの前記の保存されたプロリン残基またはグリシン残基の近位のアミノ酸を含まない。したがって、提供されるポリペプチドは、アルファコネキシンのC最末端の4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30個のアミノ酸など、アルファコネキシンのc最末端の4~30個のアミノ酸を含む。例示的なアルファコネキシンポリペプチドは、米国特許7,786,074;7,888,319;8,357,668;8,809,257;8,916,515;8,859,733;8,846,605;9,161,984;9,394,351;9,408,381;9,844,214;9,855,313;10,398,140;および10,398,757、および/または国際出願PCT/US2018/000035(これらの各々の全内容は、引用により本明細書に包含される)に開示されている。
コネキシンは、細胞間コミュニケーションを担うギャップ結合チャネルのサブユニットタンパク質である(Goodenough and Paul, 2003)。ヌクレオチド配列の保存パターンに基づいて、コネキシンタンパク質をコードする遺伝子は、アルファコネキシン遺伝子およびベータコネキシン遺伝子と称される二つのファミリーに分けられる。アルファコネキシンのカルボキシ最末端のアミノ酸配列は、複数の特有の保存された特徴を持つ。この構成の保存は、aCTペプチドが特有の3D構造を形成し、複数のパートナータンパク質と相互作用し、脂質および膜との相互作用を媒介し、DNAを含む核酸と相互作用し、膜チャネルを通過および/またはブロックし、タンパク質切断、タンパク質架橋、ADP-リボシル化、グリコシル化およびリン酸化のためののコンセンサスモチーフを提供する能力と一致する。したがって、提供されるポリペプチドは、通常、アルファコネキシンのカルボキシ末端への前記タンパク質の結合を媒介するタンパク質のドメインと相互作用する。例えば、腎芽腫過剰発現タンパク質(NOV)は、Cx43 c-末端ドメインと相互作用する(Fu et al., J Biol. Chem. 2004 279(35):36943-50)。このタンパク質および他のタンパク質は、アルファコネキシンのカルボキシ末端と相互作用し、さらに高分子複合体を形成する他のタンパク質と相互作用すると考えられている。したがって、提供されるポリペプチドは、例えば、Cx43ギャップ結合チャネルの凝集の制御に関与するような分子機械の動作を阻害することができる。
本明細書で提供されるポリペプチドは、アルファコネキシンまたはその保存的バリアントのカルボキシ末端アミノ酸配列を含む。実施態様において、ポリペプチドは、アミノ酸配列RPRPDDLEI(配列番号:2)を含むか、またはそれからなる。実施態様において、ポリペプチドは、本明細書に記載されるように、aCT1である。用語「aCT1」は、本明細書において、「αCT1」、「aCT」、「aCT-1」、「ACT」および「ACT-1」と互換的に使用される。aCT1は、膜貫通ギャップ結合タンパク質Cx43(17-25aa;RPRPDDLEI;配列番号:2)のC末端PDZ結合ドメインへのアンテナペディア細胞内在化ドメイン(1-16aa;RQPKIWFPNRRKPWKK;配列番号:7)の結合に基づくコンパクトな2-ドメイン設計を有する、3597.33Daの分子量を有する25aaペプチドである。したがって、全aCT1配列はRQPKIWFPNRRKPWKK RPRPDDLEI(配列番号:9)である。aCT1および関連ペプチドは、Cx43とそのC末端結合パートナー(密着結合タンパク質(zonula occludens-1, ZO-1)を含む)との間の分子相互作用を調節することによって、ギャップ結合のサイズと安定性を増大させる。これはCx43のセリン368(S368)アミノ酸のリン酸化につながり、細胞表面のCx43がヘミチャネルからギャップ結合型細胞間チャネルへと移行することを支持する。S368のリン酸化により、aCT1が分解された後も長期間にわたってCx43のC末端へのZO-1の結合が妨げられ、治療上の寿命が可能になる。また、aCT1はZO-1を細胞膜で安定化させ、損傷に応じた接合部の分解を妨げ、上皮細胞のバリア機能を保つ。その結果、ギャップ結合(細胞間伝達)や密着結合(細胞間結合(junction))が安定化し、これは、細胞間伝達の増強、炎症応答の弱め、および繊維症を進行させる細胞の浸潤や増殖の減少など、さまざまな有益な効果につながる。まとめると、aCT1によって促進される分子および細胞事象は、組織の完全性を維持し、損傷の拡大を減少し、病理学上の炎症を弱め、治癒と組織再生を促進する。
実施態様において、本明細書で提供される組成物および方法は、角膜損傷の進行を予防すること、処置すること、および/または緩和することに関する。実施態様において、本明細書で提供される組成物および方法は、角膜損傷の進行を予防すること、処置すること、および/または緩和することに関する。実施態様において、本明細で提供される製剤は、角膜損傷の進行の予防、処置、および/または緩和に使用するためのものである。実施態様において、本明細書では、角膜損傷を予防または処置するための医薬の製造におけるaCT1の使用が提供される。
提供されるポリペプチドのaCT配列は、いずれかのアルファコネキシンに由来するものであってもよい。このように、提供されるポリペプチドのアルファコネキシン成分は、ヒト、マウス、ウシ、単孔類、有袋類、霊長類、齧歯類、クジラ類、哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類、脊索動物門、原索動物または他のアルファコネキシンに由来するものであってもよい。このように、提供されるポリペプチドは、マウスコネキシン47、ヒトコネキシン47、ヒトコネキシン46.6、ウシコネキシン46.6、マウスコネキシン30.2、ラットコネキシン30.2、ヒトコネキシン31.9、イヌコネキシン31.9、ヒツジコネキシン44、ウシコネキシン44、ラットコネキシン33、マウスコネキシン33、ヒトコネキシン36、マウスコネキシン36、ラットコネキシン36、イヌコネキシン36、ニワトリコネキシン36、ゼブラフィッシュコネキシン36、モロネ属(morone)コネキシン35、モロネ(morone)コネキシン35、イモリコネキシン35、テトラオドン属(Tetraodon)コネキシン36、ヒトコネキシン37、チンパンジーコネキシン37、イヌコネキシン37、キヌゲネズミ属(Cricetulus)コネキシン37、マウスコネキシン37、ゴールデンハムスター属(Mesocricetus)コネキシン37、ラットコネキシン37、マウスコネキシン39、ラットコネキシン39、ヒトコネキシン40.1、ツメガエル(Xenopus)コネキシン38、ゼブラフィッシュコネキシン39.9、ヒトコネキシン40、チンパンジーコネキシン40、イヌコネキシン40、ウシコネキシン40、マウスコネキシン40、ラットコネキシン40、キヌゲネズミ属(Cricetulus)コネキシン40、ニワトリコネキシン40、ヒトコネキシン43、オナガザル(Cercopithecus)コネキシン43、旧世界産アナウサギ類(Oryctolagus)コネキシン43、ジリス属(Spermophilus)コネキシン43、キヌゲネズミ属(Cricetulus)コネキシン43、ヒトキヌゲネズミ属(Phodopus)コネキシン43、ラットコネキシン43、Susコネキシン43、ゴールデンハムスター属(Mesocricetus)コネキシン43、マウスコネキシン43、テンジクネズミ属(Cavia)コネキシン43、ウシコネキシン43、ハリネズミ属(Erinaceus)コネキシン43、ニワトリコネキシン43、ツメガエル(Xenopus)コネキシン43、旧世界産アナウサギ類(Oryctolagus)コネキシン43、カプリナス属(Cyprinus)コネキシン43、ゼブラフィッシュコネキシン43、ダニオ・アエキピンナツス(Danio aequipinnatus)コネキシン43、ゼブラフィッシュコネキシン43.4、ゼブラフィッシュコネキシン44.2、ゼブラフィッシュコネキシン44.1、ヒトコネキシン45、チンパンジーコネキシン45、イヌコネキシン45、マウスコネキシン45、ウシコネキシン45、ラットコネキシン45、ニワトリコネキシン45、テトラオドン(Tetraodon)コネキシン45、ニワトリコネキシン45、ヒトコネキシン46、チンパンジーコネキシン46、マウスコネキシン46、イヌコネキシン46、ラットコネキシン46、ゴールデンハムスター属(Mesocricetus)コネキシン46、キヌゲネズミ属(Cricetulus)コネキシン46、ニワトリコネキシン56、ゼブラフィッシュコネキシン39.9、ウシコネキシン49、ヒトコネキシン50、チンパンジーコネキシン50、ラットコネキシン50、マウスコネキシン50、イヌコネキシン50、ヒツジコネキシン49、ゴールデンハムスター属(Mesocricetus)コネキシン 50、キヌゲネズミ属(Cricetulus)コネキシン50、ニワトリコネキシン50、ヒトコネキシン59、またはたのアルファコネキシンからなる群から選択されるコネキシンのACTを含み得る。
アルファコネキシンのカルボキシ最末端の20~30個のアミノ酸配列は、特有の保存された構成を特徴とする。この特有の保存された構成には、II型PDZ結合モチーフ(φ-x-φ;ここで、x=いずらかのアミノ酸、φ=疎水性アミノ酸)、およびこのモチーフの近位にある、プロリン(P)および/またはグリシン(G)ヒンジ残基;高頻度のホスホ-セリン(S)および/またはホスホ-スレオニン(T)残基;および高頻度の正電荷を持つアルギニン(R)、リジン(K)および負電荷を持つアスパラギン酸(D)またはグルタミン酸(E)アミノ酸が含まれる。多くのアルファコネキシンでは、P残基とG残基が、カルボキシ末端のII型PDZ結合モチーフの近位にあるクラスター化モチーフに生じる。ほとんどのアルファコネキシンのSおよびTリンアミノ酸も、通常、クラスター化されたリピート様モチーフで構成されている。この構成は特にCx43において顕著であり、カルボキシル最末端の20個のアミノ酸の90%が後半の7個のアミノ酸で構成されている。配列の高い保存性のさらなる例として、Cx43のACTペプチド構成はヒトから魚類まで高度に保存されていることが挙げられる。
したがって、一態様において、提供されるポリペプチドは、1)II型PDZ結合モチーフ、2)プロリン(P)および/またはグリシン(G)ヒンジ残基;3)ホスホ-セリン(S)および/またはホスホ-スレオニン(T)残基のクラスター;および4)高頻度の正電荷を持つアルギニン(R)およびリジン(K)および負荷電を持つアスパラギン酸(D)および/またはグルタミン酸(E)アミノ酸)からなる群から選択されるアミノ酸モチーフの一つ、二つ、三つまたはすべてを含む。別の態様において、提供されるポリペプチドは、カルボキシ末端のII型PDZ結合モチーフ、PDZ結合モチーフの近位にあるプロリン(P)および/またはグリシン(G)ヒンジ残基、およびヒンジ残基の近位にある正電荷を持つ残基(K、R、D、E)を含む。
PDZドメインは当初、シナプス後密度タンパク質PSD95/SAP90、ショウジョウバエの腫瘍抑制因子dlg-A、および密着結合タンパク質ZO-1内の保存配列要素として同定されていた。当初はGLGFまたはDHRモチーフと称されていたが、現在はこれら最初の3つのPDZ含有タンパク質(PSD95/DLG/ZO-1)を表す頭字語で知られている。これらの80~90のアミノ酸配列は、現在、75をはるかに超えるタンパク質において同定されており、単一のタンパク質内で複数のコピーで発現することを特徴とする。したがって、一態様において、提供されるポリペプチドは、PDZドメインを含むタンパク質へのアルファコネキシンの結合を阻害することができる。PDZドメインは、本明細書において「PDZモチーフ」と称されるPDZ結合モチーフによって満たされ得る、構造的によく定義された相互作用「ポケット」を有する、特定のタイプのタンパク質-相互作用モジュールである。PDZモチーフは、通常、細胞内の極端なカルボキシル末端に位置するコンセンサス配列であるが、常にあるわけではない。PDZモチーフは、I型(S/T-x-φ)、II型(φ-x-φ)、III型(Ψ-x-φ)およびIV型(D-x-V)の4種類に分類されており、ここで、xはいずれかのアミノ酸であり、φは疎水性残基(V、I、L、A、G、W、C、M、F)であり、Ψは塩基性親水性残基(H、R、K)である(Songyang, Z., et al. 1997. Science 275, 73-77)。したがって、一態様において、提供されるポリペプチドは、II型PDZ結合モチーフを含む。
本明細書において特定のタンパク質が言及される場合、バリアント、誘導体および断片が考えられる。タンパク質のバリアントおよび誘導体は、当業者によく理解されており、そしてアミノ酸配列の修飾を含み得る。例えば、アミノ酸配列の修飾は、典型的には、三つのクラス:置換型、挿入型または欠失型バリアントの1つまたはそれ以上に分類される。挿入は、アミノ末端および/またはカルボキシル末端の融合、および単一または複数のアミノ酸残基の配列内挿入(intrasequence insertion)が含まれる。挿入は通常、アミノまたはカルボキシル末端融合よりも小さい挿入であり、例えば、1~4残基のオーダーに対する挿入である。欠失は、タンパク質配列から一つまたはそれ以上のアミノ酸残基が除去されることを特徴とする。これらのバリアントは、通常、タンパク質をコードするDNAのヌクレオチドの部位特異的突然変異誘発により、バリアントをコードするDNAを作製し、そのDNAを組換え細胞培養で発現させることにより調製される。既知の配列を有するDNAの所定の部位に置換変異を生じさせる技術はよく知られており、例えば、M13プライマー突然変異誘発およびPCR突然変異誘発が挙げられる。アミノ酸置換は通常単一残基であるが、一度に多くの異なる位置で生じ得;挿入は通常約1~10個のアミノ酸残基のオーダーに対するものである。置換、欠失、挿入またはそれらのいずれかの組み合わせは組み合わされて最終的なコンストラクトに到達することができる。置換型バリアントとは、少なくとも一つの残基が除去され、その位置に異なる残基が挿入されテイルものである。
例えば、一つのアミノ酸残基を生物学的および/または化学的に類似する別のアミノ酸残基で置き換えることは、当業者には保存的置換として知られている。例えば、保存的置換は、一つの疎水性残基を別のものに置き換えること、または一つの極性残基を別のものに置き換えることである。本明細書で提供されるポリペプチド内には、明示的に開示された各配列の保存的置換されたバリエーションが含まれる。
典型的には、保存的置換は、得られるポリペプチドの生物学的活性にほとんど影響を及ぼさない。特定の例において、保存的置換は、ペプチドの生物学的機能に実質的に影響を与えないペプチド中のアミノ酸置換である。ペプチドは、一つまたはそれ以上のアミノ酸置換、例えば2~10個の保存的置換、2~5個の保存的置換、4~9個の保存的置換、例えば2個、5個または10個の保存的置換を含み得る。
ポリペプチドは、例えば、部位特異的突然変異誘発またはPCRなどの標準的な手順を用いて、そのポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を操作することによって一つまたはそれ以上の保存的置換を含むように製造することができる。あるいは、ポリペプチドは、標準的なペプチド合成法を用いることによって、一つまたはそれ以上の保存的置換を含むように製造することができる。アラニンスキャンは、タンパク質中のどのアミノ酸残基がアミノ酸置換を許容できるかを特定するのに使用することができる。一例において、アラニン、または他の保存的アミノ酸(以下に列挙するものなど)が一つまたはそれ以上の天然アミノ酸に置換されている場合、タンパク質の生物学的活性は、25%超、例えば20%超、例えば10%超低下しない。
開示された組成物に組み込むことができる多数のアミノ酸およびペプチドアナログが存在することが理解される。例えば、多数のDアミノ酸が存在する。天然に存在するペプチドの反対側の立体異性体も、ペプチドアナログの立体異性体も開示されている。これらのアミノ酸は、tRNA分子に、選択したアミノ酸をチャージングし、例えばアンバーコドンを利用してアナログアミノ酸を部位特異的な方法でペプチド鎖に挿入する遺伝子コンストラクトを操作することによって、容易にポリペプチド鎖に組み込むことができる(Thorson et al., Methods in Molec. Biol. 77:43-73 (1991), Zoller, Current Opinion in Biotechnology, 3:348-354 (1992); Ibba, Biotechnology & Genetic Engineering Reviews 13:197-216 (1995), Cahill et al., TIBS, 14(10):400-403 (1989); Benner, TIB Tech, 12:158-163 (1994); Ibba and Hennecke, Bio/technology, 12:678-682 (1994)(これらは全て、少なくともアミノ酸アナログに関連する資料については、引用により本明細書に包含される))。
D-アミノ酸は、ペプチダーゼなどによって認識されないので、より安定なペプチドを生成するのに使用することができる。コンセンサス配列の一つまたはそれ以上のアミノ酸を同じタイプのD-アミノ酸(例えば、L-リジンの代わりにD-リジン)で系統的に置換することは、より安定なペプチドを生成するのに使用することができる。システイン残基は、二つまたはそれ以上のペプチドを一緒にして環状化または結合させるのに使用することができる。これは、ペプチドを特定の構造に制約するのに有効である(Rizo and Gierasch Ann. Rev. Biochem. 61:387 (1992)(引用により本明細書に包含される))。
このように、提供されるポリペプチドは、アルファコネキシン(ACT)のc-末端の保存的バリアントを含むことができる。本明細書に開示されている遺伝子およびタンパク質のいずれかのバリアント、修飾、または誘導体を定義する一つの方法は、特定の既知の配列に対する配列同一性(本明細書では相同性とも称される)の観点からバリアント、修飾、および誘導体を定義することによるものであることが理解される。具体的には、本明細書には、所定または既知の配列に対して少なくとも65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%の配列同一性を有する、核酸およびポリペプチドのバリアントが開示されている。当業者であれば、二つのタンパク質または核酸の配列同一性を決定する方法を容易に理解できる。例えば、配列同一性は、配列同一性が最も高いレベルになるように二つの配列を整列させた後に計算することができる。配列同一性を計算する別の方法は、公開されたアルゴリズムによって行うことができる。
このように、提供されるポリペプチドは、アルファコネキシン(ACT)のc末端に対して少なくとも65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%の配列同一性のアミノ酸配列を含み得る。したがって、一態様において、提供されるポリペプチドは、配列番号:1、配列番号:2、または本明細書に提供されるいずれかの配列に対して少なくとも65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%の配列同一性のアミノ酸配列を含む。
実施態様において、ポリペプチドは、細胞内在化トランスポーターまたは配列を含む。細胞内在化配列は、当分野で知られているまたは新たに発見された内在化配列、またはその保存的なバリアントであってもよい。細胞内在化トランスポーターおよび配列の非限定的例として、アンテナペディア配列、TAT、HIV-Tat、ペネトラチン、Antp-3A(Antp変異体)、ブフォリンII(Buforin II)、トランスポータン、MAP(モデル両親媒性ペプチド)、K-FGF、Ku70、プリオン、pVEC、Pep-1、SynB1、Pep-7、HN-1、BGSC(ビス-グアニジニウム-スペルミジン-コレステロール、およびBGTC(ビス-グアニジニウム-トレン-コレステロール)がある。例示的な細胞内在化トランスポーターは、表2Aに提供される。
Figure 2023546757000003
現在知られている、または後に同定される他のいずれかの内在化配列も、本発明のペプチドと組み合わせることができる。
提供されるポリペプチドは、本明細書で提供される細胞内在化配列のいずれかと組み合わせた、いずれかのaCT配列(例えば、本明細書に開示されるaCTペプチドのいずれか)を含み得る。前記組み合わせの例は、表2Bに提供される。したがって、提供されるポリペプチドは、アミノ酸配列の配列番号:7を含むアンテナペディア配列を含み得る。したがって、提供されるポリペプチドは、アミノ酸の配列番号:8、配列番号:9、配列番号:10、配列番号:11、または配列番号:12を含むことができる。
Figure 2023546757000004
また、本明細書に提供されるポリペプチドをコードする単離された核酸も提供される。開示される核酸は、例えば、ヌクレオチド、ヌクレオチドアナログ、またはヌクレオチド置換体からなる。これらの分子および他の分子の非限定的な例は、本明細書で議論されている。例えば、ベクターが細胞内で発現される場合、発現されたmRNAは、典型的には、A、C、GおよびUからなることが理解される。したがって、アミノ酸配列配列番号:1、配列番号NO:2、配列番号:3、配列番号:4、配列番号:5、配列番号:7、配列番号:8、配列番号:9、配列番号:10、配列番号:11または配列番号:12を含むポリペプチドをコードする単離された核酸が提供される。
実施態様において、本明細書では、薬学的に許容できる担体中に、一つまたはそれ以上の本明細書で提供されるポリペプチド、核酸、またはベクターを含む組成物が提供される。例えば、薬学的に許容される担体中に配列番号:2または配列番号宇:9を含む組成物が提供される。実施態様において、組成物は、微小担体にカプセル化された本明細書で提供されるポリペプチドを一つまたはそれ以上含む。例えば、実施態様において、組成物は、本明細書で提供されるポリペプチドを一つまたはそれ以上含み、ここで、ポリペプチドは、ナノ粒子またはエキソソーム中にある。
実施態様において、本明細書で提供される組成物は、ナノ粒子またはエキソソームを含む薬物担持微小担体製剤を含む。実施態様において、ナノ粒子のサイズは、約100nm~約1000nm、または約100nm~約500nm、または約200nm~約250nm、または約100nm~約200nmである。
実施態様において、製剤は、約0.01%w/w~約3.5%w/w、または約0.05%w/w~約3.0%w/w、または約0.07%w/w~約2.0%w/w、または約0.1%w/w~約1.0%w/w、または約0.1%w/w~約0.5%w/w、または約0.2%w/w~約0.8%w/w、または約0.03%w/w~約0.07%w/w、または約0.05%w/wのポリペプチドを含む。実施態様において、製剤は、約0.035%w/wのポリペプチドまたは約0.07%w/wのポリペプチドまたは約0.1%w/wのポリペプチド、または約1.0%w/wのペプチド、または約3.5%w/wのポリペプチドを含む。
実施態様において、製剤は、約0.00035mg/mL~約35mg/mL、または約0.001mg/mL~約20mg/mL、または約0.01mg/mL~約3.5mg/mL、または約0.1mg/mL~約1.0mg/mL、または約0.2mg/mL~約0.8mg/mL、または約0.3mg/mL~約0.7mg/mLのポリペプチドを含む。実施態様において、製剤は、約0.1mg/mL、約0.2mg/mL、約0.3mg/mL、約0.35mg/mL、約0.4mg/mL、約0.5mg/mL、約0.6mg/mL、約0.7mg/mL、約0.8mg/mL、約0.9mg/mL、または約1.0mg/mLのポリペプチドを含む。実施態様において、製剤は、約0.35mg/mLまたは約0.7mg/mLのポリペプチドを含む。実施態様において、製剤は、約1mg/mLまたは約10mg/mLまたは約20mg/mLのポリペプチドを含む。
実施態様において、組成物は、約1μM~約100,000μM、または約10μM~約50,000μM、または約100μM~約10,000μM、または約10μM~約9,000μM、または約50μM~約5,000μM、または約100μM~約2,000μM、または約200μM~約2,000μM、または約200μM~約1,000μM、または約50μM~約1,500μMのポリペプチド、または約100μM~約1,000μMのポリペプチド、または約500~約1,500μMのポリペプチドを含む製剤で対象に投与される。実施態様において、組成物は、約1μM、約5μM、約50μM、約100μM、約150μM、約200μM、約300μM、約400μM、約500μM、約600μM、約700μM、約800μM、約900μM、約1,000μM、約1,500μM、約2,000μM、約3,000μM、約4,000μM、約5,000μM、約6,000μM、約7,000μM、約8,000μM、約9,000μM、約10,000μM、約20,000μM、約25,000μM、約50,000μM、約75,000μM、約100,000μM、またはそれ以上のポリペプチドを含む製剤で対象に投与される。
実施態様において、製剤は、眼損傷を引き起こした事象の直後に眼に投与される。実施態様において、製剤は対象に、眼損傷を引き起こした事象から約1時間以内、約2時間以内、約3時間以内、約4時間以内、約5時間以内、約6時間以内、約8時間以内、約12時間以内、約18時間以内、または約24時間以内に投与される。実施態様において、製剤は対象に、眼損傷を引き起こした事象後の少なくとも約2時間後に投与される。実施態様において、製剤は、毎日、例えば、1日1回、または1日2回、および/または約8時間ごとに、または約12時間ごとに、対象の眼に投与される。実施態様において、製剤は、眼治癒が観察されるまで投与される。実施態様において、製剤は、少なくとも約2日間、少なくとも約3日間、少なくとも約4日間、少なくとも約5日間、少なくとも約6日間、少なくとも約7日間、またはそれ以上の期間投与される。実施態様において、製剤は、慢性的に投与される。本明細書で使用される場合、用語「慢性的に投与される」とは、製剤が制限のない投与レジメンで投与されること、すなわち、処置が開始され、不定の期間および/または症状が解決するまでなど、継続することが意図されていることを意味する。実施態様において、慢性疾患の状態については、製剤は、慢性疾患の状態の検出時に眼に投与され、慢性的に投与される。実施態様において、製剤は、ドライアイ疾患(DED)などの慢性状態に起因する角膜損傷を有する対象に慢性的に投与される。
本明細書で使用される場合、「対象」は、脊椎動物、より具体的には哺乳動物(例えば、ヒト、ウマ、ブタ、ウサギ、イヌ、ヒツジ、ヤギ、非ヒト霊長類、ウシ、ネコ、モルモットまたは齧歯類)、魚、鳥類または爬虫類または両生類を含む。実施態様において、対象は、ヒトの対象である。この用語は、特定の年齢または性別を示すものではない。このように、成人および新生児の対象ならびに胎児を、男性または女性に関わらずに網羅することが意図されている。実施態様において、患者は、疾患または障害に罹患している対象を意味する。実施態様において、患者集団とは、疾患または障害を有する、あるいは特定の疾患または障害を発症する危険性のある、特定の定義された対象を意味する。
本明細書で使用する場合、「阻害する(inhibit)」、「阻害する(inhibiting)」、および「阻害」は、活性、応答、状態、疾患、または他の生物学的パラメーターを低下させることを意味する。これは、活性、応答、状態、または疾患の完全な喪失を含み得るが、これらに限定されない。したがって、低下は、天然レベルまたは対照レベルと比較して、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、またはその間のいずれかの量の低下であり得る。
本明細書において、範囲および値は、「約」一つの特定の値から、および/または「約」別の特定の値までとして表現される場合がある。このような範囲が表現される場合、文脈が特にそうでないことを示さない限り、一つの特定の値から、および/または他の特定の値までの範囲も具体的に企図され、開示されていると見なされる。また、明示的に開示された範囲に含まれる個々の値および値の部分範囲のすべても、文脈から特に指示がない限り、具体的に企図されて開示されていると見なされるべきである。前述のことは、特定の場合において、これらの実施態様の一部または全部が明示的に開示されているか否かにかかわらず適用される。本明細書で使用する場合、用語「約」などとは、値が文脈で使用される場合、一般に、記載された値のプラスまたはマイナス10%を意味する。例えば、約0.5は0.45および0.55を含み、約10は9から11を含み、約1000は900から1100を含む。
「処置する」「処置」とは、疾患または状態の影響を減少させる方法を意味する。処置はまた、症状だけでなく、疾患または状態自体の根本的な原因を軽減する方法を意味することもある。処置は、天然レベルからのいずれかの減少、および/または疾患の臨床的徴候のいずれかの改善、および/または生存または機能のいずれかの増強であり得、疾患、状態、または疾患もしくは状態の症状の完全な除去であり得るが、これらに限定されない。例えば、角膜損傷を処置するための開示される方法は、損傷の一つまたはそれ以上の症状の減少がある場合、または同じ対象もしくは対照対象における天然レベルと比較した時に対象の状態の改善がある場合に、処置であると見なされる。したがって、減少または改善は、天然レベルまたは対照レベルと比較して、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、またはその間のいずれかの量の減少であり得る。「予防する」または「防止」などとは、角膜傷害の発症を予防する方法、またはその発症率もしくは重症度を低下させる方法を意味する。
本明細書で引用した出版物、特許および特許出願は、その全体が特に引用により包含される。記載された本発明は、その特定の実施態様を引用して説明されているが、本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく、様々な変更がなされ、同等物が代替され得ることが当業者によって理解されるはずである。さらに、特定の状況、材料、物質組成、プロセス、プロセス工程または工程を、記載されている発明の目的精神および範囲に採用するために、多くの変更がなされ得る。すべてのそのような変更は、本明細書に添付された特許請求の範囲の範囲内にあることを意図するものである。
本開示は、以下の実施例を引用することによってさらに説明される。しかしながら、これらの実施例は、上述した実施態様と同様に、例示的なものであり、本開示の範囲を何らかの形で制限するものとして解釈されるものではないことを留意すべきである。
実施例1 緩衝製剤(buffered formulation)をテストする比較試験
クエン酸緩衝液および、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)またはヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)のいずれかを含む製剤について、濾過可能性、ペプチド安定性および機械的粘度試験を行った。安定性および不純物の分析は、最終的なaCT1点眼薬製剤の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて、有効な分析法で行った。また、様々な緩衝と賦形剤の組み合わせを含む製剤について、ペプチドの濾過可能性およびペプチドの安定性を比較を行った。
まず、クエン酸緩衝液を含むHECおよびHPMC溶液を調製し、濾過可能性について試験した。試験したHEC溶液は、pH6.0の10mMクエン酸緩衝液中に0.2%w/w、0.15%w/w、または0.125%w/wのHECを含み、試験したHPMC溶液は、pH6.0の10mM クエン酸緩衝液中に0.5%w/wのHPMCを含む。どちらの溶液も0.07%のACTペプチド(3.6kDaのペプチド)を含んでいた。
溶液は、0.2μmのPESフィルターで濾過性をテストした。試験の結果では、HPMC溶液は0.5%(w/w)の濃度で0.2μmのPES膜25mmシリンジフィルターを通して濾過することが容易であることが示された。一方、最も濃度の高いHEC溶液(0.2%(w/w))は、低せん断ミキサー(磁気攪拌棒)を用いて調製した場合、PESシリンジフィルターを通す濾過が困難であり、また真空ポンプ付きユニットを用いて0.2μmのPESフィルターを通す濾過も困難であった。高せん断ホモジナイザーで調製した場合、高濃度HEC溶液は濾過しやすかった。低濃度HEC溶液は、どちらも0.2μmのPESフィルターを通す濾過ができた。
TA AR1000レオメータを用いて機械的粘度試験を行った。0.01~1,000Paのせん断応力における粘度を、試料ギャップ500μMを用いて、25℃で平衡化時間の2分間測定した。0.5%w/wのHPMC溶液の粘度は57.3mPaSであり、0.15%w/vのHEC溶液の粘度は3.7mPaSであった。
0.07%aCT1ペプチド、10mMクエン酸、0.9%NaCl、および0.2%HECまたは0.2%HPMC(pH6.0)を含む類似の製剤について、ペプチドの安定性を評価した。不純物は、0ヶ月と3ヶ月の時点で検出された。
要約すると、製剤は無菌濾過できるが、粘度は眼表面上に保持するのに適切な範囲内にあるとは考えられなかった。ヒトの眼保持には、10.2mPaSの最小せん断粘度が必要である(Zaki et al., 1986)。米国薬局方(United States Pharmacopeia, USP)のガイドラインでは、点眼薬製剤の最適な粘度範囲は18~28mPaSであると示されている。さらに、不純物は0ヶ月と3ヶ月の安定時点で検出された。したがって、これらの製剤は眼内送達には適切ではなかった。まとめると、これらの試験では、クエン酸緩衝液を含めると、驚くべきことに好ましくない特性を有する製剤が生成されることが示された。
クエン酸緩衝液を含む製剤を、リン酸緩衝液を含む製剤と比較した。表3において以下に示す溶液を調製した。pH4、5、または6の100mMクエン酸緩衝液および6、7、または8の100mMリン酸緩衝液を調製した。個々の緩衝液を用いて、0.5%w/VのHPMC溶液を調製した。HPMC溶液は、0.2μMのPESフィルターを用いて濾過した。3.5mg/mLのaCT1ペプチドを濾過したHPMC溶液に添加し、均一で透明な溶液が得られるまで攪拌板上で混合した。次に、この溶液をクリンプシール付きの10mL透明バイアルに濾過した。
Figure 2023546757000005
クエン酸緩衝液の低いpH(4および5)の溶液を濾過するのは非常に困難であった。pH6.0の100mMクエン酸緩衝液およびpH6.0の100mMリン酸緩衝液中の0.5%w/vHPMC溶液の濾過は、pH6.0の10mMクエン酸緩衝液中の0.5%HPMC溶液(これは濾過可能性試験で使用)と比較して、やや困難であった。すべての溶液の中で、FID5780(pH7.0の100mMリン酸緩衝液中の0.5%HPMC)は濾過が容易であった。各製剤(上記表3に示すように、製剤IDまたはFID)の濾過のしやすさ:FID 5780>5781>5779>5778。aCT1ペプチドは、すべての溶液で速やかに溶解した。
しかしながら、2週間および4週間の安定性時点では、各製剤に不純物が検出された(表4)。したがって、クエン酸緩衝液のようにリン酸緩衝液を含めても、好ましいペプチドの安定性を有する製剤は得られなかった。
Figure 2023546757000006
pH安定性試験における低アッセイT0試験の検討、およびHPMCを含む製剤と含まない製剤のフィルター適合性を評価するために、表5に示す以下の製剤を作成した。
Figure 2023546757000007
各溶液は、0.2μMのPESフィルターまたは0.2μMのPVDFフィルターを用いて濾過した。結果は、以下の表6に提供する。
Figure 2023546757000008
クエン酸緩衝液を含む製剤は、pH4または5で濾過することが非常に困難であった。pH6のクエン酸緩衝液およびリン酸緩衝液を含む製剤は、濾過するのが非常に困難であった。したがって、予想する量(%ラベルクレーム;表6)に対する濾過後の製剤中にあると判定されたペプチドの量は、一般に適当な範囲内(一般に97%~115%の範囲が適切と考えられる)であったが、製剤はPESまたはPVDFフィルターを用いて適切に濾過することができなかった。
粘度増強剤としてのグリセリンの有無にかかわらず、クエン酸緩衝液対リン酸緩衝液の製剤の3ヶ月安定性試験のデータを、以下の表7~10に提供する。これらの製剤のいくつかにおいてaCT1ペプチドの安定性は良好であったが、5℃および25℃で保存した製剤について試験した不純物プロファイル(表9~10)は、許容範囲外だった。
Figure 2023546757000009

Figure 2023546757000010

Figure 2023546757000011

Figure 2023546757000012
まとめると、驚くべきことに、HPMC(およびHEC、CMC、グリセリンを含まない
)を含み、いかなる緩衝液も含まない製剤のみが、局所的眼内投与に有利な性質を示すことが、この研究によって示唆された。
実施例2. 添加剤を含むか含まないHPMC製剤をテストする比較試験
添加剤であるマンニトール、エデト酸二ナトリウム、二亜硫酸ナトリウムおよびビタミンETPGSを、表11に提供する製剤において個別に試験した。これらは、眼科用としてFDAに認可された賦形剤である。
Figure 2023546757000013

Figure 2023546757000014

Figure 2023546757000015
不純物の結果は、ガラス容器試料のプレップ間に一貫性がなく、これらの試験した製剤で不純物の存在を示した。試験した添加剤はいずれも、製剤中のペプチドの安定性を改善するものではなかった。したがって、これらの添加物をすべて除いた製剤を選択して、以下の実施例4~6に記載するインビボ試験を含むさらなる試験に使用した。
実施例3. 点眼投与のための、ペプチドを含む製剤のインビボ比較試験
以下の表14に示す賦形剤を用いて、aCT1ペプチドを100μM~10,000μMの範囲の濃度で含む製剤を調製し、溶解度および眼への有効な送達の可能性をテストした。具体的には、NaCl、ポリマーヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、Pluronic(登録商標)F-127(PF-127)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)およびカルボキシメチルセルロース(CMC)を含む製剤を比較した。テストした製剤は、添加剤または緩衝液を含まないものとした。
Figure 2023546757000016
製剤をダッチベルテッドウサギの眼に局所的に投与した。aCT1ペプチドは全ての濃度で生理食塩水に可溶であったが、製剤は角膜への薬物の送達を得るのに十分な時間の間、眼表面と接触したままではなかった。粘度調整剤であるカルボキシメチルセルロース(CMC)を用量製剤に添加すると、凝集が発生した。対照的に、粘弾性ポリマーであるヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を製剤に添加しても、aCT1ペプチドの凝集または沈殿は引き起こされなかった。
実施例4 1日2回投与の耐容性と分布の研究
HPMC製剤中のaCT1ペプチドを1日2回、連続7日間眼内投与した場合の安全性、耐容性、生体内分布を調べる試験をおこなった。
目標濃度(以下の表15の用量濃度を参照)を達成するために、適切な量の試験品をビヒクル(1%HPMC)中で混合することによって用量製剤を調製した。製剤は、1%w/w HPMCおよび0.9%w/w NaClを含み、緩衝液、防腐剤、他のビヒクル、および他の賦形剤を含まないものとした。製剤のpHは濾過後に記録し、製剤の濃度に応じて5.9~7.6の間であった。その日の各用量は、各眼に0.1mLの投与量で8時間間隔で投与した。
Figure 2023546757000017
aCT1の1日2回、連続7日間の局所的眼内投与では、耐容性が良好で、ケージサイドまたは臨床観察、体重、臨床病理、臓器重量または剖検において有害な所見はなかった。眼検査では、対照群を含む全群で、眼瞼および結膜の刺激、角膜のスティッピング、眼瞼の剥離が一部の動物で示されたが、これらの所見はaCT1での処理によるものではなく、ビヒクルの粘性に起因するものであることが示された。また、aCT1に曝露された眼組織には、顕微鏡的所見は見られなかった。
aCT1の組織分布は、0.1μmol/眼/一回投与量(dose)を投与したウサギにおいて決定した。aCT1の全血濃度は低いが、3匹の雄ウサギ全てにおいて、1日目の0.25hrで3.26±5.28 ng/mlと測定可能であった。1日目の他の血液試料全ておよび7日目の血液試料全ては定量下限値(LLOQ)未満であった。眼組織におけるaCT1の最高濃度は、雄雌の両方ともに口眼瞼結膜で観察された。サンプリングしたすべての動物で、1日目と7日目の投与後、この組織で定量可能な濃度のaCT1を有していた。最も平均濃度が高かったのは1日目の0.25hrで、939±228ng/g(男性)、2730±697ng/g(女性)であった。角膜および眼房水の平均濃度は次に高く、181±50.0ng/g(角膜、1日目、0.25hr、女性)、115±76.3ng/g(眼房水、1日目、0.25hr、男性)であった。硝子体液には、1日目と7日目の一回用量の投与(dose administration)後の各時点で、少なくとも1匹の動物で定量可能なレベルのaCT1が含まれていた。aCT1は、1日目の0.25hrですべてのウサギの網膜組織で測定可能であり、その濃度は1.91ng/g(雌 040)~24.2ng/g(雌 24.2ng/g)であった。
すべての組織におけるaCT1の濃度は、時間と共に減少する傾向があった。雄と雌のウサギで観察されたaCT1分布に一貫した差はなかった。一回用量の投与前に採取された全ての血液試料および組織試料は、aCT1の定量下限値未満であった。1日目の眼への投与から0.25hr後の血液中の試験の低レベルが示すように、aCT1への全身への曝露は軽微であった。また、雄1匹は7日目の4hrで定量可能なレベルのaCT1を有していた。aCT1は、すべての眼組織について、Tmaxが1日目の0.25hrであることから、眼組織へ急速に吸収された。
結論として、aCT1の最も高い濃度は、一回投与量製剤(dose formulation)と直接接触する組織である口眼瞼結膜で観察された。角膜および眼房水もまた、aCT1への高い曝露を有していた。この溶液は、網膜を含む眼の最も内側の組織にもACTを送達することができたが、本明細書で記載されているような眼へのペプチド送達に関連する課題を考えると、これは驚くべき結果である。
眼の組織および血液をaCT1に曝露したにもかかわらず、aCT1による処理に起因すると考えられる副作用はなく、aCT1に曝露された眼の病理組織学的所見は異常所見を示さなかった。したがって、本試験において最大耐容量(MTD)は特定されなかった。有害事象が観察されなかったレベル(NOAEL)は、1日2回、7日間投与した場合、1.0μmol/眼であると推定される。
以上のことから、HPMCをaCT1ペプチドの眼内送達システムに使用し、網膜を含む目的の組織においてaCT1の治療レベルを安全に達成できることが示された。
実施例5. 角膜損傷およびHPMC中のaCT1ペプチドによる処理後の角膜の再生および再上皮化
角膜再上皮化を効果的に促進するFDA認可の治療薬は存在しない。aCT1ペプチドが眼損傷後の角膜治癒を誘導および/または促進できるかどうかを決定するための試験を行った。
ある研究では、1%HPMC中の200μMおよび5mMのaCT1製剤が、ウサギの眼におけるヘプタノール誘発角膜びらん(化学的熱傷損傷)後の角膜再生を促進する能力について試験した。製剤は1%w/w HPMCおよび0.9%w/w NaClを含み、緩衝液、防腐剤、他のビヒクルおよび他の賦形剤を含まないものにした。aCT1点眼薬は、損傷直後に投与し、次に、2日間1日2回投与した。aCT1は、フルオロセイン染色(図1および2A)および角膜中央部厚さ(図2B)によって測定したように化学的熱傷損傷後の角膜治癒を促進した。
別の試験では、ウサギに麻酔をかけ、角膜(両側)に中央直径6.0mm×深さ150μmの損傷(経上皮性PTK損傷)をた。損傷の直後に、角膜をフルオレセインで染色し、画像化して損傷のサイズをモニタリングした。眼を150μM aCT1 0.5%HPMCまたはビヒクル対照で処理した。結果を図3に示す。aCT1ペプチドで処理した眼は角膜治癒の促進を示した。機能喪失、眼罹病率および視力喪失を予防するためには、タイムリーな上皮の再表面化が重要であることを考えると、aCT1処理した眼と対照眼の初期(3日以内)の差は臨床的に非常に重要である。
実施例6. aCT1ペプチドによる硫黄マスタード誘発眼傷害の処理
硫黄マスタード(SM)および窒素マスタード(NM)は、眼、皮膚および呼吸器系に影響を及ぼす強力な発疱性化学兵器(vesicating chemical warfare agent)である。発泡剤の中でもSMは最も広く戦争に使用され、傷病や戦場での死傷者を出している。眼は、ビラン剤(vesicant)の曝露に対して最も敏感な組織であり、曝露後2~6hrで症状が現れ、数週間後に治癒する。眼への曝露は、乾燥、結膜瘢痕、視力低下、永続的角膜欠損、炎症および血管新生といった遅延性損傷症状と関連しており、これは進行性視覚劣化につながる。現在、SMやNMを含む眼ビラン剤への眼曝露に対する承認された治療法はない。
従って、このような発疱兵器剤の処置におけるaCT1点眼薬の治療可能性を評価するための試験を行った。ニュージーランド白ウサギ(処理群につきn=3)を、生理食塩水(NM)中の25μLの1%ナイトロジェンマスタードに曝露した。角膜を、ビヒクル対照(0.5%HPMC)、0.5%HPMC中の200μM aCT1、または0.5%HPMC中の5mM aCT1で処理した。製剤は、0.5%w/wのHPMCおよび0.9%w/wのNaClを含み、緩衝液、防腐剤、他のビヒクル、および他の賦形剤を含まないものとした。処理は、曝露後2時間で適用し、その後12時間ごとに7日間適用した。健康な(未損傷の)角膜も未処理またはビヒクルのみで処理した。動物は曝露後7日目に安楽死させた。角膜を採取し、組織学(H&E染色)または免疫組織化学のために処理した。
試験の結果は、図4~7に提供する。ACT処理は、NM曝露後の角膜浮腫を制限する。図4Aおよび4Bは、aCT1ペプチドが、未処理およびビヒクル処理したNM曝露角膜と比較して角膜浮腫の損傷を制限したことを示す。aCT1処理はまた、NM曝露後の角膜における炎症促進性応答を減少させた(図5A~5D)。炎症促進性応答および炎症細胞の動員は、組織損傷を悪化させて、角膜の混濁と瘢痕化につながることがある。H&E染色は、aCT1が、未処理およびビヒクル処理したNM曝露角膜と比較して、NM曝露角膜の角膜実質における炎症性細胞の浸潤を有意に減少させることを示した(図5Aおよび図5B)。炎症促進性酵素COX-2の発現もaCT1処理群で減少し(図5Cおよび図5D)、これは炎症性細胞浸潤の減少を部分的に媒介するかもしれない。
角膜線維芽細胞(角膜実質とも称する)によるコラーゲン合成は、間質の維持および再生に不可欠であり、角膜実質におけるマトリックスメタロペプチダーゼ-9(MMP-9)の発現および活性の増強は、その分解につながる。aCT1処理は、aCT1処理角膜における角膜線維芽細胞/角膜実質細胞の保護(図6Aおよび図6B)ならびにaCT1処理角膜における間質でのMMP-9発現の減少(図6Cおよび図6D)から明らかなように、NM曝露後の角膜実質の劣化を予防し再生を促進した。
発泡剤への眼曝露は、角膜血管新生を誘発し、その結果、角膜の混濁や機能不全をもたらす。この試験は、aCT1が角膜血管新生を予防することを示した。図7Aおよび図7Bは、aCT1処理により、角膜実質における新生血管の形成が制限されたことを示す。処理群における新生血管の欠如は、血管内皮細胞増殖因子(VEGF、血管新生を刺激するシグナル伝達因子)発現の減少パターンに対応していた(図7Cおよび7D)。
まとめると、この試験の結果では、aCT1製剤の投与により、硫黄マスタード誘発眼損傷からの保護、そのような損傷後の角膜実質の再生の加速において驚くほど強力であることが示された。aCT1ペプチドは、角膜の治癒に必要ないくつかの細胞型や細胞活性に対してポジティブな効果を有するため、角膜損傷の有効な処置や予防ができるユニークな存在である。
実施例7.治療的使用として最適なaCT1製剤の評価
aCT1ペプチド、塩化ナトリウムおよびHPMC(4000mPaS;表16)からなる新規aCT1点眼薬製剤の特性を評価するための試験を行った。驚くべきことに、防腐剤、賦形剤、または緩衝液を含まないこの製剤により、眼への局所的送達に推奨される範囲内の粘度を有し、保存中のペプチドの安定性が証明された製剤を提供した。さらに、この製剤の回収試験では、無菌濾過の可能性および、点眼薬の仕様を確認するための有効なHPLC試験方法との製剤の適合性が証明された(表17および18)。アッセイを行って、この製剤の無菌濾過およびペプチド濃度を決定するための分析方法との適合性を評価した。分析方法との適合性は、製品が仕様内にあることを保持するために必要である。この最適な製剤をガラスまたはプラスチックで保管した後、無菌濾過すると、aCT1ペプチドが完全に回収されることが証明された(表17)。0.7%w/wまたは1.8%w/wのaCT1ペプチドを含む製剤の-20℃、5℃および25℃での0ヶ月、1ヶ月および3ヶ月の保存におけるペプチドの安定性を表19に示す。
したがって、本明細書では、試験した他の様々なビヒクルに対して、および防腐剤、賦形剤または緩衝液を含む製剤と比較して、優れた特性を含む、眼へのペプチドの送達のための優れた製剤性質を有する安定な点眼薬製剤(実施例1~3を参照)が提供される。本明細書で提供される製剤は、aCT1ペプチドのようなペプチド治療薬を、治療的使用のために眼に最適に送達するのに使用してもよい。
Figure 2023546757000018

Figure 2023546757000019

Figure 2023546757000020

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実施例8. 賦形剤の効果
様々な製剤成分の効果を評価した。結果は、表20および21に提供する。NaClは、特に50mMを超える濃度で、ソルビトールと比較してより良い安定化を提供した。さらに、より高い安定性は、より高いペプチド濃度で観察された。
Figure 2023546757000022

Figure 2023546757000023
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Claims (38)

  1. 約1.0kDa~約10.0kDaの分子量を有する活性ペプチドおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含む、局所的眼内送達に適した製剤。
  2. HPMCが、製剤中に約0.01%(w/w)~約2.0%(w/w)の濃度で存在する、請求項1に記載の製剤。
  3. HPMCが、製剤中に約0.05%(w/w)~約0.5%(w/w)の濃度で存在する、請求項2に記載の製剤。
  4. 塩化ナトリウム(NaCl)をさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の製剤。
  5. NaClが、約0.7%~約1.5%(w/w)の濃度で存在する、請求項4に記載の製剤。
  6. 活性ペプチドが、組成物中に約0.05%(w/w)~約0.1%(w/w)の濃度で存在する、請求項1~5のいずれか一項に記載の製剤。
  7. 約18~約28mPaSの粘度を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の製剤。
  8. 活性ペプチドが、アルファコネキシンペプチドである、請求項1~7のいずれか一項に記載の製剤。
  9. アルファコネキシンペプチドが、アルファコネキシンのカルボキシ最末端の4~30個の連続したアミノ酸を含む、請求項8に記載の製剤。
  10. アルファコネキシンペプチドが、アルファコネキシンのカルボキシ最末端の4~30個の連続したアミノ酸からなる、請求項9に記載の製剤。
  11. ペプチドが、配列番号:1、配列番号:2、配列番号:3、配列番号:4および配列番号:5からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項9に記載の製剤。
  12. ペプチドが、配列番号:2のアミノ配列を含む、請求項11に記載の製剤。
  13. ペプチドが、細胞内在化配列を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の製剤。
  14. 細胞内在化配列が、アンテナペディア、TAT、HIV-Tat、ペネトラチン、Antp-3A(Antp変異体)、ブフォリンII、トランスポータン、MAP(モデル両親媒性ペプチド)、K-FGF、Ku70、プリオン、pVEC、Pep-1、SynB 1、Pep-7、HN-1、BGSC(ビス-グアニジニウム-スペルミジン-コレステロール)およびBGTC(ビス-グアニジニウム-トレン-コレステロール)からなる群から選択されるタンパク質のアミノ酸配列を含む、請求項13に記載の製剤。
  15. 細胞内在化配列が、アンテナペディアであり、その配列が、配列番号:7のアミノ酸配列を含む、請求項14に記載の製剤。
  16. ペプチドが、配列番号:8、配列番号:9、配列番号:10、配列番号:11および配列番号:12からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項15に記載の製剤。
  17. ペプチドが、配列番号:9のアミノ酸配列を含む、請求項16に記載の製剤。
  18. 点眼薬を介する投与に適した、請求項1~17のいずれか一項に記載の製剤。
  19. 処置または予防を必要とする対象において眼損傷を処置または予防する方法であって、請求項8~18のいずれか一項に記載の製剤を該対象に局所的に投与することを含む方法。
  20. 眼損傷を引き起こした事象の直後に、製剤を投与する、請求項19に記載の方法。
  21. 眼損傷を引き起こした事象の少なくとも約2時間後に、ポリペプチドを対象に投与する、請求項19に記載の方法。
  22. 眼損傷が、角膜損傷である、請求項19~21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 眼損傷が、熱傷または破裂により引き起こされるものである、請求項19~21のいずれか一項に記載の方法。
  24. 眼損傷が、化学的または熱的熱傷損傷である、請求項19~21のいずれか一項に記載の方法。
  25. 眼損傷が、慢性疾患により引き起こされるものである、請求項19~21のいずれか一項に記載の方法。
  26. 慢性疾患が、糖尿病である、請求項25に記載の方法。
  27. 慢性疾患が、糖尿病性角膜症である、請求項26に記載の方法。
  28. 慢性疾患が、網膜疾患である、請求項25に記載の方法。
  29. 損傷が、眼科手術に続発するものである、請求項19~21のいずれか一項に記載の方法。
  30. 対象が、永続的角膜上皮性欠損に罹患している、請求項18~20のいずれか一項に記載の方法。
  31. 永続的角膜上皮性欠損が、ドライアイ疾患から起こるものである、請求項30に記載の方法。
  32. 眼損傷が、網膜損傷である、請求項19~21のいずれか一項に記載の方法。
  33. 対象において眼損傷後の角膜再上皮化を促進する方法であって、請求項7~17のいずれか一項に記載の製剤を該対象に局所的に投与することを含む方法。
  34. 眼損傷が、手術、化学的損傷、角膜裂傷の損傷または慢性疾患に起因するものである、請求項33に記載の方法。
  35. 対象が、永続的角膜上皮性欠損に罹患している、請求項33に記載の方法。
  36. 処置または予防を必要とする対象において眼損傷の処置または予防に使用するための、請求項8~18のいずれか一項に記載の製剤。
  37. 対象において眼損傷後の角膜再上皮化の促進に使用するための、請求項8~18のいずれか一項に記載の製剤。
  38. 対象が、永続的角膜上皮性欠損に罹患している、請求項36または37に記載の製剤。
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