JP2023545328A - 弁閉鎖不全治療装置 - Google Patents

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Abstract

弁膜逆流を治療するための装置で、半径方向の拡張段階及び反転段階を経て、直線的な構成から王冠状の構成に移行するように設計された拡張可能なアンカーを含む。拡張可能なアンカーは、弁尖に接合面を提供するための経弁スペーサに取り付けられている。

Description

[関連出願]
本出願は、2020年10月9日に出願された米国仮特許出願第63/089,587号の優先権の利益を主張し、その内容は、参照によりその全体が本書に組み込まれる。
[発明の分野及び背景]
本発明は、弁閉鎖不全を治療するための装置及び当該装置を心臓に送り込むためのカテーテルシステムに関する。本発明の実施形態は、心房内に位置決め可能な非外傷性アンカーに取り付けられた経弁スペーサ(トランス弁スペーサ)を含む装置に関する。
弁閉鎖不全は、心臓の弁が完全に閉じず、弁膜の逆流や漏れを引き起こす心疾患である。
解剖学的には、弁は、心臓骨格として知られる心臓の密性結合組織の一部であり、心臓及び大血管を通る血流を調節する役割を担っている。障害や機能不全による弁閉鎖不全は、心臓の機能を低下させ、体内の血流を減少させ得る。損傷した弁の治療には、薬物療法単独、外科的な弁の修復(弁形成術)、置換(人工心臓弁の挿入)などがある。
房室弁閉鎖不全は、収縮時に心室から押し出されるよりも、血液が漏れたり、心室から心房に流れたり(逆流)し得る。
僧帽弁閉鎖不全症(僧帽弁逆流)は一般的な弁閉鎖不全であり、通常、心臓切開手術又は低侵襲(経皮)医療処置による僧帽弁置換術又は僧帽弁修復術によって治療される。僧帽弁修復のための経皮的処置には、経皮的僧帽弁置換術、強化僧帽弁接合、端から端までの経皮的僧帽弁修復(ひだ形成術)、経皮的腱索修復、経皮的僧帽弁輪形成術、左心室再形成などがある。
経皮的僧帽弁置換術/修復術は、患者への外傷が少なく、心臓切開手術の適応とならない患者集団(年齢や併存疾患に起因して)にも使用できるが、移植片(インプラント)の運搬や位置決め、長時間にわたる心臓内での安定性や機能性に課題が残されている。
したがって、弁閉鎖不全を改善するための装置と、現在使用されているアプローチの制限をなくしたそれを提供するためのシステムが必要であり、それがあれば非常に有利である。
本発明の一態様によれば、弁膜逆流を治療する装置であって、送達チューブ内に閉じ込められたときの直線的な構成から、前記チューブから解放されたときの王冠状の構成に移行するように設計された複数のストラットを含む拡張可能なアンカーであって、前記移行は、前記ストラットの端部が前記王冠状の構成の中心線から離れる方向にカールする半径方向の拡張段階と、前記ストラットの端部が前記王冠状の構成の中心線に向かってカールする反転段階とを含む、拡張可能なアンカーと;前記拡張可能なアンカーに取り付けられ、弁尖に接合面を提供するように構成された経弁スペーサと;を備える装置が提供される。
本発明の実施形態によれば、前記経弁スペーサは、膨張可能なバルーンに包まれた可撓性カラム含む。
本発明の実施形態によれば、前記可撓性カラムは、ポリマーシースで積層されている。
本発明の実施形態によれば、前記バルーンは、前記ポリマーシースに接合されている。
本発明の実施形態によれば、前記可撓性カラムは、カットアウトを有するチューブである。
本発明の実施形態によれば、前記複数のストラットは、前記可撓性カラムの近位端部分の周りに取り付けられている。
本発明の実施形態によれば、前記ポリマーシースは、チューブバルブによって覆われた開口部を含む。
本発明の実施形態によれば、前記バルーンは、前記チューブバルブを通して流体で充填可能である。
本発明の実施形態によれば、前記バルーンは、前記可撓性カラムがガイドワイヤの上に取り付けられたときに、前記流体で充填可能である。
本発明の実施形態によれば、前記可撓性カラムの遠位端は、前記ガイドワイヤの周りを密封するためのシールを含む。
本発明の実施形態によれば、前記可撓性カラムは、前記チューブバルブに作動機構を案内するためのタブを含む。
本発明の実施形態によれば、前記拡張可能なアンカーは、7つのストラットを含む。
本発明の実施形態によれば、前記拡張可能なアンカーが拡張されたときに、前記7つのストラットのそれぞれが、各ストラットの長さに沿って分岐して再合流する。
本発明の実施形態によれば、前記7つのストラットの隣接するストラットは、分岐と再接合との間の領域で相互接続されている。
本発明の実施形態によれば、前記ストラットの前記端部は、スプーン状の形状である。
本発明の実施形態によれば、前記ストラットの前記端部は小穴を含む。
本発明の実施形態によれば、前記拡張可能なアンカーと前記経弁スペーサとの間に介在する前記可撓性カラムの部分が、螺旋状のカットアウトを含む。
本発明の実施形態によれば、前記経弁スペーサは、前記拡張可能なアンカーに取り外し可能に取り付けられている。
本発明の実施形態によれば、前記膨張可能なバルーンの少なくとも一端は内側に反転している。
本発明の実施形態によれば、前記膨張可能なバルーンは、血液の浸透ポテンシャルよりも大きい浸透ポテンシャルを有する溶液を含む。
本発明の実施形態によれば、前記拡張可能なアンカーは、近位端に把持可能要素を含む。
本発明の実施形態によれば、前記把持可能要素はボール状の要素である。
本発明の別の態様によれば、弁膜逆流を治療する方法であって:(a)装置を心臓に送達するステップを備え、前記装置は:(i)送達チューブ内に閉じ込められたときの直線的な構成から、前記チューブから解放されたときの王冠状の構成に移行するように設計された複数のストラットを含む拡張可能なアンカーであって、前記移行は、前記ストラットの端部が前記王冠状の構成の中心から離れる方向にカールする半径方向の拡張段階と、前記ストラットの端部が前記王冠状の構成の中心に向かってカールする反転段階とを含む、拡張可能なアンカーと;(ii)前記拡張可能なアンカーに取り付けられていると共に、弁尖に接合面を提供するように設計された、膨張可能なバルーンに包まれた可撓性カラム含む、経弁スペーサと;を含み、(b)経弁スペーサが弁内に配置されるように、前記拡張可能なアンカーを心房内で解放するステップと;(c)前記膨張可能なバルーンを少なくとも部分的に膨張させるステップと;を備える、方法が提供される。
本発明の実施形態によれば、(c)は、血液の浸透ポテンシャルよりも大きい浸透ポテンシャルを有する溶液を用いてもたらされる。
本発明の実施形態によれば、ステップ(c)がステップ(b)の前に行われる。
本発明の別の態様によれば、弁膜逆流を治療する装置を送達する、同軸カテーテルアセンブリを備えるカテーテルシステムであって、前記同軸カテーテルアセンブリは:(a)前記装置を把持するための遠位の把持器を含む第1のカテーテルと;(b)前記第1のカテーテルに沿って移動可能であり、前記把持器をその中にロックするための遠位ロックカップを有する、第2のカテーテルと;(c)前記第2のカテーテルに沿って移動可能な第3のカテーテルと;を含む、システムが提供される。
本発明の実施形態によれば、前記把持器は、前記装置に対して密封するためのOリングを含む。
本発明の実施形態によれば、前記カテーテルアセンブリは、取り付けられたときに流体を前記装置に供給するための少なくとも1つの流体導管を含む。
本発明の実施形態によれば、前記同軸カテーテルアセンブリの遠位端から出て移動可能な細長い要素をさらに備え、前記細長い要素は、前記少なくとも1つの流体導管からそこへの流体送達を可能にするために前記装置の弁を開くためのものである。
他に明示した場合を除き、本明細書で使用するすべての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野における通常の技術者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載されたものと類似又は同等の方法及び材料を、本発明の実施又は試験に使用することができるが、好適な方法及び材料を以下に記載する。矛盾がある場合は、定義を含み、本明細書が優先される。さらに、材料、方法、及び実施例は、一例に過ぎず、限定することを意図したものではない。
本発明を、添付の図面を参照しながら、例示のためにのみ説明する。特にここでの図面の詳細に関し、示された特定事項は、本発明の好ましい実施形態の理解を助ける詳解の例示及び目的のためのみであって、本発明の原理及び概念的側面の最も有用で容易に理解できる説明であると考えられるものを提供するという原因において提示されていることを強調する。この点で、本発明の構造的な詳細を、本発明の基本的な理解に必要なもの以上に詳細に示すことは試みられておらず、図面と共に説明することにより、本発明のいくつかの形態が実際にどのように具現化され得るかが当業者に明らかになる。
本装置のアンカー部分の一実施形態を示す図である。 アンカー部分及び取り付けられたスペーサ部分を含む本装置の一実施形態を示す図である。 (A)~(D)は、拘束しているカテーテルチューブから押し出されたときのアンカー部分の拡張を示す図である。 スペーサ部分の内部構成要素を示す本装置の一実施形態を示す図である。 バルーンの遠位端が反転した状態を示すスペーサ部分のバルーンを示す図である。 バルーン充填弁へのアクセスを管理するスペーサ部分の中央カラムの曲がったタブを示す図である。 本装置を心臓に送達するためのカテーテルシステムの一実施形態を示す図である。 本装置を心臓に送達するためのカテーテルシステムの一実施形態を示す図である。 本発明の装置の近位端から離脱した、図7A~図7Bのカテーテルシステムの遠位端を示す図である。 本発明の装置の近位端に係合した、図7A~図7Bのカテーテルシステムの遠位端を示す図である。 (A)は心臓の収縮期段階において心臓に配置された本装置を示す図、(B)は心臓の拡張期段階において、心臓に配置された本装置を示す図である。
本発明は、弁閉鎖不全を矯正するために使用することができる装置に関するものである。具体的には、本発明は、非外傷性心房アンカーに取り付けられた経弁スペーサを含む装置を、送り込み、位置決めし、及び固定することによって、弁閉鎖不全を経皮的に治療するために使用することができる。
本発明の原理及び動作は、図面及び添付の説明を参照することで、よりよく理解することができるかもしれない。
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その適用において、以下の説明に記載された内容又は実施例によって例示された内容に限定されないことが理解される。本発明は、他の実施形態、又は様々な方法で実施又は実行することが可能である。また、本明細書で採用された言い回しや用語は、説明のためのものであり、限定的なものと見なすべきではないことを理解されたい。
不完全な弁接合に起因する弁閉鎖不全を矯正するための移植(インプラント)及び手法(アプローチ)は、先行技術に記載されている。このような装置は、閉じたときに本来の弁尖に対して密封するために弁開口内に配置されるスペーサに取り付けられた心房又は心室アンカーを含む。このような移植片は、一般に、閉じた弁尖に対して密封するのに有効であるが、しばしば、心臓組織に外傷を与えるような方法で送り込まれ又は固定される。
本発明者らは、本発明を実用化する一方で、先行技術の装置のこれらの限界に対処しつつ、機能及び長期的な安定性において多数の追加的な利点を提供する、移植片及び送達システムを考案した。
本発明は、以下のことを特徴とする。
(i) 心房の内壁に固定するために半径方向外側に力を加える拡張可能な心房アンカーで、心房組織に対して非外傷性であり、多数の心臓サイクルにわたって安定である
(ii) 拡張可能な心房アンカーの潜在的な外傷性末端を心房内壁から離して維持する拡張機構
(iii) 送り込む前又は送り込んだ後及び処置中の任意の時点で、患者のニーズに応じて個別にサイズ(直径)を設定できる弁接合スペーサ
(iv) 送り込んだ後の患者のニーズに応じて自己サイズ(直径)を設定できる弁接合スペーサ
(v) 拡張可能な心房アンカーが拡張する間を通して移植片をしっかりと把持し、拡張可能な心房アンカーが心房内で最適な方向に自己位置決めできるようにする送達システム
(vi) 解剖学的な自己位置決めが可能な無外傷の拡張型アンカー
(vii) 完全な回収可能性を維持しつつ、解剖学的なインサイチュ(その場で)の有効性を評価することができる拡張型アンカー
(viii) 移植片の位置決め、充填、排出、及び回収が可能な送達システム。
したがって、本発明の一態様によれば、弁閉鎖不全を治療するための装置(移植片)が提供される。ここで用いられる「弁閉鎖不全」という語句は、弁膜の漏出及び逆流に至る任意の弁尖機能不全に関する。弁閉鎖不全は、例えば、先天性心疾患、感染症、弁膜狭窄、弁輪の拡大又は伸張、脊索裂傷、拡張型心筋症又は弁脱によって引き起こされ得る。
本発明の装置は、直線的な構成(つぶれた状態)から王冠状の構成(拡張された状態)に移行するように設計された拡張可能なアンカーを含む。このような移行は、アンカーの端部が(装置の)中心線から離れる方向にカールする(巻かれる)半径方向の拡張段階と、アンカーの端部が中心線に向かってカールする反転段階と、を含む。アンカーのつぶれた状態と拡張状態との間のこのような移行は、心房内で拡張されたとき、アンカーの(自由な)端部が、拡張のどの段階においても心房の内壁に接触しないことを確実にする。
本発明の装置は、アンカーの遠位端(送達側とは反対側)に取り付けられた経弁スペーサをさらに含む。そのスペーサは、固形スペーサ、発泡スペーサ、又は弁尖に接合面を提供できる(例えば、閉鎖時に弁尖に対して密閉する)他の任意のスペーサであり得る。膨張可能なバルーンに包まれた可撓性カラムを含むスペーサの実施形態は、以下においてさらに説明される。
装置の制御された送達を可能にし、心房内で拡張されたときにアンカーに対する制御を維持するために、本装置は、近位端に、ボール状の把持可能要素をさらに含む。このような要素は、送達カテーテルの遠位端に配置された把持器及びロックスリーブ機構を介して把持可能である。
ボール状の把持可能要素は、複数の機能を備えている。
(i) 向きに関係なく装置を搭載することができる
(ii) ロックカップ及びOリングを結合したとき、ボールは、送達システムと移植片の間に、最大2バール(0.2MPa)の流体密閉性を形成する
(iii) この流体密閉性は、移植片の回転位置及び最大7.5度の側方傾斜角度にかかわらず、維持される。
これらの機能により、アンカーは、送達システムに軸方向に取り付けられたまま、かつ、流体密閉性を維持しながら、自由に回転することができる。これは、移植片がDSの屈曲部を通過する必要があり、その結果移植片が回転するため、送達時に特に重要である。また、アンカーを人体(生体構造)内で回転させ、展開時に最もエネルギーのかからない位置に移動させることができる。
本発明の装置の送達は、いくつかの特有な特徴を有する専用のカテーテルシステム(送達システム)を使用して行われる。
そのカテーテルシステムは、それぞれ別々に長手方向に移動可能な3つの同軸カテーテルを含む。中間カテーテル及び外側カテーテル(本明細書ではそれぞれ第2のカテーテル及び第3のカテーテルとも呼ばれる)の遠位端は、アンカー(及び装置)を把持及び解放するための把持器(中間カテーテル)及びロックスリーブ(外側カテーテル)機構を含む。中間カテーテルの遠位端は、装置の把持可能要素に配置された流体ポートに対して密封するためのシールも含んでいる。このようなシールにより、カテーテルシステムから作動する専用のバルーンバルブを介して、スペーサのバルーンコンポーネントを充填し及び空にすることができる。
次に図面を参照すると、図1~6は、本明細書において装置10と呼ばれる本装置の一実施形態を示している。
図1は、拡張状態にある装置10のアンカー12部分を示す図である。アンカー12は、中央カラム16に連結されているストラット(支柱)14を含む。図1に示す実施形態では、各ストラットの対(7対(ペア)を示す)の隣接するストラット14’及び14”は、中央カラム16から離れる平行経路を辿り、18で枝分かれ(分岐)して20で合流(再合流)する。各支柱ストラットの対は、ピンホール24を含むスプーン状部分22で終わる。ピンホール24は、制御されたストラット展開のための接続点として利用し得る。王冠先端のスプーン状部分22は、移植片が覆われたときに王冠先端の前縁がカテーテルの内腔と接触するのを防ぐように特別に構成されている。王冠先端の増加した表面積(王冠アーム自体と比較して)は、展開中又は展開後に先端が組織に何らかの損傷を与える可能性を低減することになる。
ストラット14は、ニチノール又はステンレス鋼から、例えば、チューブ又はシートをレーザー切断することによって製造される。ストラット14は、幅が0.2~0.6mm、厚さが0.2~0.5mmである。アンカー12は、拡張時に外径(OD)が50~80mm(例えば、70.9mm)、高さが15~30mm(例えば、20.7mm)、つぶれたときにODが2~4mm(例えば、3.2mm)、長さが70~100mm(例えば、93.9mm)となる。
図2は、アンカー12及び取り付けられたバルーン40を示す図である。バルーン40及びカラム16は、本明細書において、スペーサ35と総称される。
ストラット14は、つぶれた構成(送達カテーテル内で直線化された)から完全に拡張された構成に移行するときに、ストラット14の端部(例えば、スプーン状部分22)が心房の内面に接触しないように、予め形成されている。
図3(A)~図3(D)は、拡張中のストラット及びその端部の動きを示しており、スペーサ35及びバルーン40もまたこれらの図に示されている。アンカー12が最初に送達カテーテルから出たとき、ストラット14の端部15は半径方向外側に(装置10の長手方向中心線から離れる方向に)移動する。この時点で、部分的に拡張したアンカー12の直径は10~20mmであり、これは中等度から重度の弁閉鎖不全の患者の心房空間の直径よりはるかに小さい。図3(B)は、端部15が外側に向けられた最大径(直径30~40mm)を示しており、この段階でもアンカーの直径は心房の直径より小さいままである。さらなる拡張(図3(C)~図3(D))では、端部15が半径方向内側(装置10の中心線方向)にカールして、端部15が心房の内壁に接触する危険性なしに、アンカーを最終直径60~80mmに拡張する。図3(C)~図3(D)に示す拡張段階では、端部15は、カテーテル先端から出るストラットの曲率半径に対応する曲線経路を辿る。
中央カラム16は、装置10の長さをカバーし、それに取り付けられたバルーン40(図2)に傾斜可能な(角度を左右に、例えば振り子のように)柔軟性を与えるために(その近位部分17で)横方向の柔軟性を有するように構成されている。これにより、スペーサ35(中央カラム16及びバルーン40)は、非対称の弁膜閉鎖に適応し、中心線から外れたアンカー12の配置に適応することができる。中央カラム16は、近位部分17に側壁カットアウト(切り出し)27(螺旋状、二重螺旋状、又は蝶ネクタイ状)を有するポリマー又はニチノールチューブであり得る。中央カラム16は、心室と心房との間の周期的な圧力差により、そのライフサイクルを通じて周期的な軸方向の負荷を受け、カットアウトは、送達中の中央カラムの柔軟性を可能にするが、軸方向の負荷を受けたときに座屈を防止する十分な軸方向の剛性を維持する。図4は、中央カラム16の近位部分17における螺旋状の側壁カットアウトパターンを示している。中央カラム16は、長さが50~70mm(例えば、69.5mm)、直径がOD2~4mm×ID1~3mm(WT=0.44mm)であり得る。中央カラム16の長さを通っている内腔23(図4及び図6)は、直径が1~2mmであり得る。
中央カラム16又はその遠位部分19(バルーン40によって囲まれた部分、図2及び図4)は、バルーン40が接合されたポリマー(例えば、Carbothane 55D)シース21(図4及び図6)で覆われている。中央カラム16の遠位部分32は、ガイドワイヤの周りを封止するためのプラグ34を含むことができる。
チューブ31は、バルーン40の弁39へのアクセスを容易にするための内側に角度をつけたタブ37を含む(図4及び図6)。弁39は、バルーン40の容積への開口部を含む中央カラム16の部分に覆われたシリコーンチューブであり得る。弁39は、弁作動機構33(例えば、専用の細長い要素41、図6)を内腔23(例えば、送達カテーテルから)を通してタブ37(図6)の下に導くことによって、開くことができる(中央カラム16の開口部から押し出される)。弁39が開かれると、バルーン40は、遠位端がプラグ34で塞がれた状態で、内腔23を通って充填され得る。プラグ34は、内腔23を通ってそこを通るガイドワイヤの有無にかかわらず密閉する。
中央カラム16の近位端26は、装置10をカテーテルシステム(以下でさらに説明する)に固定するための把持可能要素28を含む。
把持可能要素28(図4に最もよく見られる)は、要素28を受ける(カップに入れる)ように構成された少なくとも2つの半球状半体を含む作動可能な把持器内で把持可能であるように設計されている。要素28は、平坦な近位端30を有する概ねボール状である。
把持可能要素28は、近位端30に開口を含み、したがって、装置10がカテーテルシステムに固定されたときにスペーサ35のバルーン40を充填するための流体ポートとしても機能する。
バルーン40は、(図2及び図4に示すように)端部を外側に向けた状態でシース21に接合することができ、あるいは、バルーン40の遠位端44を内側に反転させてシース21に接合することもできる(図5)。このような構成により、潜在的に外傷性のある移植片の端部が組織に面することがないようにすることができる。
バルーン40は、当技術分野で周知の手法を用いて、セミコンプライアントポリマーから製造される。バルーン40は、平行長42.0±1.5mm、直径15mm(完全に膨張した場合)であり得る。バルーン40の圧力範囲は、通常の動作内で0気圧(atm)~0.25気圧とすることができる。
バルーン40の壁は、非透過性又は半透過性(例えば、水のような流体に対して透過性であるが細胞に対しては透過性でない)であり得る。透過性のバルーン壁は、後述するように、浸透圧充填のために使用され得る。
バルーン40は、把持可能要素28における流体ポートを介して流体(例えば、生理食塩水又は浸透溶液)で充填され得る。把持可能要素28におけるポートを介した(39におけるチューブ弁を介した)充填は、上記で説明され、また、装置10の送達のために使用されるカテーテルシステムに関して以下でさらに説明される。
バルーン40は、装置10の送達に続いて(すなわち、アンカー12の拡張に続いて)、最終的な体積及び圧力まで充填され得る。アンカーシステムの無外傷性により、装置を完全に展開することができ、治療の有効性を直ちに評価することができる。装置が逆流を満足に減少させない場合、バルーンを収縮させ、装置全体をシース内に回収して患者から取り外すことができる。
弁葉接合におけるバルーン40の有効性は、装置を埋め込む前にテストすることができる。これは、単に同様のサイズの「市販の」バルーンを使用し、弁を横切るガイドワイヤに沿って所定の位置に前進させることによって達成することができる。そして、臨床医は装置を使用する前にスペーサ治療の有効性を評価することができる。これにより、スペーサを用いた弁修復に最適な反応を示さない患者を治療するリスクを低減できる可能性がある。
上述されているように、バルーン40は、浸透圧充填を可能にするために半透過性であり得る。バルーン40は、血液の浸透ポテンシャルよりも大きい浸透ポテンシャル(例えば、300~500ミリオスモル/Lのオスモル濃度)を有する浸透溶液(例えば、生理食塩水対照液)で部分的に膨らませることができる。
血液の浸透ポテンシャルは固定されている。したがって、バルーン40を充填するために使用される溶液の浸透ポテンシャルは、バルーン内の最終的な圧力を正確に決定することになる。浸透メカニズムにより、バルーンの圧力が一定であることを確実にする。また、浸透メカニズムが違いを解消し、平衡に達するので、手術中にバルーンが充填される圧力は正確である必要はない。
治療介入までの数ヶ月から数年の間、患者の心臓血管系は、悪化した弁機能を補う。治療介入が実施されると、弁機能は回復するが、心臓血管系はこの変化に慣れていない。そのため、弁の修復及び/又は置換を受ける患者は、しばしば圧力過負荷による症状に悩まされる。これに対する潜在的な治療法として、手術中にバルーンを充満不全にすることが考えられる。この方法では、バルーンは急性的に弁機能を部分的に改善するだけであると思われる。これにより、バルーンの浸透圧作用が、弁機能をさらに改善するであろう内圧/直径を徐々に上昇させるので、その後の数週間から数ヶ月にわたって心臓血管系がモデルチェンジされると思われる。
上述したように、本発明の装置10は、心臓弁の不完全な弁葉接合を修正するために構成されている。装置10は、カテーテルシステムを用いて装置10を送達することにより、房室弁の接合(二尖弁又は三尖弁)を矯正するために使用され得る。例としては、三尖弁を治療することが挙げられる。この手法の場合、装置は、頸静脈から上大静脈を経由するか、あるいは代替的に大腿静脈から、下大静脈に至る、経カテーテルアプローチで送達されるであろう。僧帽弁の場合は、左心房と僧帽弁にアクセスするために、経中隔穿刺によるアプローチが好ましいであろう。
図7A~図9は、本明細書においてシステム100と称されるカテーテルシステムの一実施形態を示す。
カテーテルシステムは、外側カテーテル102、中間カテーテル104、内側カテーテル106の3本の同軸カテーテルを含む。
カテーテル106は、送達システムのポリマーチューブの弾性特性及びポリマーチューブの長さを補償するための伸長補償機構を含む。弾性は割合で決まるので、この弾性特性は、カテーテル106の遠位端における絶対長さの大きな変化になり得る。結果として生じる長さの変化に起因して、システムの一部をばねで負荷することによって補償され得る遠位端における構成要素間の相対運動を引き起こす可能性がある。
補償機構は、ロックカップ110及び把持器112の2つの部品を含み、これらは一緒に作用して装置10の把持可能要素28を把持する。カテーテル106は、移植片の展開及び回収中に大きな引張荷重を受けることがあるので、圧縮ばね(ハンドル内)を用いて、ロックカップ110が把持器112に対してその位置を維持することができるようにされる。このようにして、ロックカップ110及び把持器112は、カテーテル106の遠位端の閉位置にロックされたままとなり、装置10の把持可能要素28は、ロックカップ110内にしっかりと取り付けられたままとなる。把持器112内に配置されたOリング114は、把持可能要素28の前面116に対して密封(シール)を維持する。
カテーテルシステム100は、以下のように装置10を送達するために使用される。送達に先立ち、システム100は、システム100の構成要素及び付属品を並べ、各々及びシステム全体をテストすることにより、卓上無菌区域に準備される。装置10は包装から取り出され、把持可能要素28を介してカテーテルシステムに装填され、操作可能な内側カテーテル104に引き込まれる。その後、覆われた移植片10を有する操作可能な内側カテーテル104を外側カテーテル102に装填することができる。
例示的な経中隔アプローチでは、頸静脈アクセスが作成され、18Fイントロデューサが頸静脈アクセスを通して配置される。大腿静脈アクセスが作成され、6Fイントロデューサがそこを通して配置される。標準的な手順で経食道エコー(TEE)又は経胸部エコー(TTE)プローブが設置され、三尖弁の機能を評価する。透視下で、適合した1.5mlのバルーンカテーテルを18Fイントロデューサから挿入し、三尖弁、右心室を経て、肺動脈に入り、右心房に進める。0.035”(0.035インチ)のガイドワイヤをバルーンカテーテルから肺動脈に挿入し、ワイヤを固定しながらバルーンカテーテルを回収する。6Fイントロデューサから対照剤を注入し、心室の輪郭と三尖弁の高さを特定する。透視下で、直径15mmの市販のバルーンカテーテルをワイヤに通し、バルーンが三尖弁の上に位置するようにする。バルーンを膨らませ、心エコーで弁内の逆流フローを評価する。逆流が十分に減少していることが確認されれば、バルーンを回収して処置を続行し、そうでなければバルーンを回収して処置を中止する。
ガイドワイヤの近位端は、装置10及びカテーテルシステム100を通して挿入される。ガイドワイヤを人体(生体構造)に対して静止させたまま、システム100をほぼ心房の中央の高さまで前進させる。操作可能なカテーテル102及び104を使用して、患者の人体(生体構造)に対してシステムを正しく方向付けることができる。一旦、十分に位置決めされると、アンカー12の先端は、制御された方法で、心エコーで弁機能を連続的に評価しながら、蛍光透視ガイド下で右心房内に展開される。アンカー12が展開されると、6Fカテーテルからの対照剤注入による心エコー及び/又は透視下で、弁葉の動きと装置10の位置とが評価される。三尖弁が典型的な動きを示す場合、処置は継続され、そうでない場合は、アンカー12の先端は引っ込められ、再配置されて、展開が繰り返される。
(10~50%)20%食塩水/滅菌水対照剤媒体溶液を満たした20~50mlシリンジをバルーン40の膨張バルブ/ポートに取り付け、遠位プラグを密閉したままとするくらいまでガイドワイヤを格納させ、その後、透視下でバルーン40を充填する。バルーン40がその充填量に近づくと、閉鎖している弁尖による周期的なくぼみがはっきりと見えるはずであり、弁葉がもはやバルーンにくぼみを生じさせず、バルーンがその公称直径に達するまで、バルーンをさらに膨張させる。その後、カテーテル106が完全に伸長されて、インサイチュ(原位置)での移植片の最大移動を可能にするように、カテーテル102、104を後退させる。その後、心エコー図を用いて、バルーン40の位置と逆流を減少させる効果を検証する。
バルーン40が逆流を減らすのに効率的でない場合、装置10は回収され、システム100及び取り付けられた装置10は取り外される。装置10の位置が満足のいくものでない場合、バルーン40は真空を介して収縮され、装置10は再配置され得る。
装置10の位置及び機能が満足できるものであれば、バルブ作動機構をロック解除及び後退させてスペーサバルーンを封止しながら、バルーン40の直径及び形状を透視下で監視する。その後、装置10をカテーテルシステム100から解放することができ、その後、ガイドワイヤ及びカテーテルシステム100が取り外される。
アンカー12が心房に配置され、バルーン40が膨張すると、装置10のスペーサ35は、収縮期(図10(A))には部分的に閉じた弁尖に対して封止し、弁尖が完全に開いた拡張期(図10(B))には弁を通る血流を可能にする。
本明細書で使用する「約」という用語は、±10%をいう。
本発明の追加の目的、利点、及び新規な特徴は、限定することを意図しない以下の実施例を検討することにより、当業者に明らかになるであろう。
次に、上記の説明と共に本発明を非限定的に説明する、以下の実施例に言及する。
動物実験
本装置及び送達システムの臨床的安全性と性能を評価するため、健康な豚のモデルを用いて、慢性的な環境下での動物実験を行った。本装置は6匹の動物に移植され、90日間の追跡期間が設けられた。
本動物実験の目的は、装置の安全性及びサイズを評価することであった。
移植片の送達及び設置は、上述したステップを使用して、それぞれの動物で行われた。病理組織学的な結果及び長期の臨床結果を用いて、本システムの安全性を実証した。
6匹の動物を、処置後、1週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月に、血管造影画像で監視した。最後の監視の後、動物は犠牲になった。処置された動物の徹底的な評価により、臨床的に重要な装置関連効果は認められなかった。移植片は無傷で、位置も良好であった。
[組織学的解析結果]
動物犠牲後、心臓を摘出し、組織学的分析に回し、構造障害、組織成長、血栓症などの安全性パラメータを評価した。
解析の結果、心臓組織の構造的な障害は皆無であった。弁尖は、心室壁と共に無傷だった。乳頭筋や脊索への干渉はなかった。王冠アームには平滑筋組織の成長が認められ、血栓の形成は見られなかった。
明瞭化のために別々の実施形態の文脈で説明されている本発明の特定の特徴も、単一の実施形態において組み合わせて提供されてもよいことが理解される。逆に、簡潔にするために単一の実施形態の文脈で説明されている本発明の様々な特徴も、別々に、又は任意の適切なサブコンビネーションで提供されてもよい。
本発明をその特定の実施形態と併せて説明したが、多くの代替案、修正及び変形が当業者にとってすぐに分かることは明らかである。したがって、添付の特許請求の範囲の精神及び広範な範囲に入る、そのような代替案、修正及び変形をすべて包含することが意図されている。本明細書で言及されるすべての刊行物、特許及び特許出願は、個々の刊行物、特許又は特許出願が参照により本明細書に組み込まれることが具体的かつ個別に示されるのと同じ程度に、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。さらに、本願における任意の文献の引用又は特定は、当該文献が本発明の先行技術として利用可能であることを認めるものと解釈してはならない。
さらに、本出願の優先権書類は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。

Claims (29)

  1. 弁膜逆流を治療する装置であって:
    (a) 送達チューブ内に閉じ込められたときの直線的な構成から、前記送達チューブから解放されたときの王冠状の構成に移行するように設計された複数のストラットを含む拡張可能なアンカーであって、前記移行は、前記ストラットの端部が前記王冠状の構成の中心線から離れる方向にカールする半径方向の拡張段階と、前記ストラットの端部が前記王冠状の構成の中心線に向かってカールする反転段階とを含む、拡張可能なアンカーと;
    (b) 前記拡張可能なアンカーに取り付けられ、弁尖に接合面を提供するように構成された経弁スペーサと;を備える、
    装置。
  2. 前記経弁スペーサは、膨張可能なバルーンに包まれた可撓性カラム含む、
    請求項1に記載の装置。
  3. 前記可撓性カラムは、ポリマーシースで積層されている、
    請求項1に記載の装置。
  4. 前記バルーンは、前記ポリマーシースに接合されている、
    請求項3に記載の装置。
  5. 前記可撓性カラムは、カットアウトを有するチューブである、
    請求項1に記載の装置。
  6. 前記複数のストラットは、前記可撓性カラムの近位端部分の周りに取り付けられている、
    請求項1に記載の装置。
  7. 前記ポリマーシースは、チューブバルブによって覆われた開口部を含む、
    請求項3に記載の装置。
  8. 前記バルーンは、前記チューブバルブを通して流体で充填可能である、
    請求項7に記載の装置。
  9. 前記バルーンは、前記可撓性カラムがガイドワイヤの上に取り付けられたときに、前記流体で充填可能である、
    請求項8に記載の装置。
  10. 前記可撓性カラムの遠位端は、前記ガイドワイヤの周りを密封するためのシールを含む、
    請求項9に記載の装置。
  11. 前記可撓性カラムは、前記チューブバルブに作動機構を案内するためのタブを含む、
    請求項7に記載の装置。
  12. 前記拡張可能なアンカーは、7つのストラットを含む、
    請求項1に記載の装置。
  13. 前記拡張可能なアンカーが拡張されたときに、前記7つのストラットのそれぞれが、各ストラットの長さに沿って分岐して再合流する、
    請求項12に記載の装置。
  14. 前記7つのストラットの隣接するストラットは、分岐と再接合との間の領域で相互接続されている、
    請求項13に記載の装置。
  15. 前記ストラットの前記端部は、スプーン状の形状である、
    請求項1に記載の装置。
  16. 前記ストラットの前記端部は小穴を含む、
    請求項15に記載の装置。
  17. 前記拡張可能なアンカーと前記経弁スペーサとの間に介在する前記可撓性カラムの部分が、螺旋状のカットアウトを含む、
    請求項1に記載の装置。
  18. 前記経弁スペーサは、前記拡張可能なアンカーに取り外し可能に取り付けられている、
    請求項1に記載の装置。
  19. 前記膨張可能なバルーンの少なくとも一端は内側に反転している、
    請求項1に記載の装置。
  20. 前記膨張可能なバルーンは、血液の浸透ポテンシャルよりも大きい浸透ポテンシャルを有する溶液を含む、
    請求項1に記載の装置。
  21. 前記拡張可能なアンカーは、近位端に把持可能要素を含む、
    請求項1に記載の装置。
  22. 前記把持可能要素はボール状の要素である、
    請求項21に記載の装置。
  23. 弁膜逆流を治療する方法であって:
    (a) 装置を心臓に送達するステップを備え、前記装置は:
    (i) 送達チューブ内に閉じ込められたときの直線的な構成から、前記送達チューブから解放されたときの王冠状の構成に移行するように設計された複数のストラットを含む拡張可能なアンカーであって、前記移行は、前記ストラットの端部が前記王冠状の構成の中心から離れる方向にカールする半径方向の拡張段階と、前記ストラットの端部が前記王冠状の構成の中心に向かってカールする反転段階とを含む、拡張可能なアンカーと;
    (ii) 前記拡張可能なアンカーに取り付けられていると共に、弁尖に接合面を提供するように設計された、膨張可能なバルーンに包まれた可撓性カラム含む、経弁スペーサと;を含み、
    (b) 経弁スペーサが弁内に配置されるように、前記拡張可能なアンカーを心房内で解放するステップと;
    (c) 前記膨張可能なバルーンを少なくとも部分的に膨張させるステップと;を備える、
    方法。
  24. (c)は、血液の浸透ポテンシャルよりも大きい浸透ポテンシャルを有する溶液を用いてもたらされる、
    請求項23に記載の方法。
  25. ステップ(c)がステップ(b)の前に行われる、
    請求項23に記載の方法。
  26. 弁膜逆流を治療する装置を送達する、同軸カテーテルアセンブリを備えるカテーテルシステムであって、前記同軸カテーテルアセンブリは:
    (a) 前記装置を把持するための遠位の把持器を含む第1のカテーテルと;
    (b) 前記第1のカテーテルに沿って移動可能であり、前記把持器をその中にロックするための遠位ロックカップを有する、第2のカテーテルと;
    (c) 前記第2のカテーテルに沿って移動可能な第3のカテーテルと;を含む、
    システム。
  27. 前記把持器は、前記装置に対して密封するためのOリングを含む、
    請求項26に記載のシステム。
  28. 前記カテーテルアセンブリは、取り付けられたときに流体を前記装置に供給するための少なくとも1つの流体導管を含む、
    請求項26に記載のシステム。
  29. 前記同軸カテーテルアセンブリの遠位端から出て移動可能な細長い要素をさらに備え、前記細長い要素は、前記少なくとも1つの流体導管からそこへの流体送達を可能にするために前記装置の弁を開くためのものである、
    請求項28に記載のシステム。
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